(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-11
(54)【発明の名称】アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアおよびその製造方法、電極シートならびにスーパーキャパシタ
(51)【国際特許分類】
H01G 11/86 20130101AFI20250304BHJP
C01B 32/05 20170101ALI20250304BHJP
H01G 11/24 20130101ALI20250304BHJP
H01G 11/42 20130101ALI20250304BHJP
H01G 11/44 20130101ALI20250304BHJP
H01G 11/20 20130101ALI20250304BHJP
【FI】
H01G11/86
C01B32/05
H01G11/24
H01G11/42
H01G11/44
H01G11/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547468
(86)(22)【出願日】2023-02-10
(85)【翻訳文提出日】2024-08-08
(86)【国際出願番号】 CN2023075414
(87)【国際公開番号】W WO2023155735
(87)【国際公開日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】202210138748.2
(32)【優先日】2022-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524298907
【氏名又は名称】中国神華煤製油化工有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】524298918
【氏名又は名称】中国神華煤製油化工有限公司上海研究院
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】鄭倫
(72)【発明者】
【氏名】辛凡文
(72)【発明者】
【氏名】向檸
(72)【発明者】
【氏名】高山松
(72)【発明者】
【氏名】楊葛霊
(72)【発明者】
【氏名】舒歌平
(72)【発明者】
【氏名】王洪学
(72)【発明者】
【氏名】程時富
【テーマコード(参考)】
4G146
5E078
【Fターム(参考)】
4G146AA01
4G146AB10
4G146AC02A
4G146AC02B
4G146AC04A
4G146AC04B
4G146AC09A
4G146AC09B
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4G146AD23
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4G146BC33B
4G146BC38B
4G146CB09
5E078AA01
5E078AA05
5E078BA13
5E078BA21
5E078BA44
5E078BA53
5E078BA62
5E078BA70
5E078BB02
5E078BB05
5E078BB06
5E078BB14
5E078BB21
5E078CA06
5E078DA07
(57)【要約】
本発明は、電気化学エネルギー貯蔵材料調製の技術分野に関するものであり、アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェア及びその調製方法、電極シート、並びにスーパーキャパシタを開示する。前記アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアの調製方法は、以下の工程を含む:(1)低灰分アスファルトを溶媒と混合して混合アスファルト溶液を得る;(2)前記混合アスファルト溶液を不活性雰囲気下での噴霧熱分解に供して、中空炭素のミクロスフェアを得る;(3)前記中空炭素のミクロスフェアを活性剤と混合し、活性化して、活性炭素を得る;(4)前記活性炭素を、不純物を除去するための酸洗浄および水洗浄、ならびに、乾燥に供して中空活性炭素のミクロスフェアを得る。かかる方法は、工程が簡単で、調製コストが低く、連続生産に適しているなどの特徴を有する。本明細書に開示された方法によって調製されたアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアは、高い比表面積、安定した性能、環境親和性及びはっきりとした中空構造を有し、かかるミクロスフェアから調製されたスーパーキャパシタは、高い比容量及び高いサイクル容量保持率を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアを調製する方法であって、以下の工程を含む方法:
(1)低灰分アスファルトを溶媒と混合して、混合アスファルト溶液を得る;
(2)前記混合アスファルト溶液を不活性雰囲気下での噴霧熱分解に供して、中空炭素のミクロスフェアを得る;
(3)前記中空炭素のミクロスフェアを活性剤と混合し、活性化して、活性炭素を得る;
(4)前記活性炭素を、不純物を除去するための酸洗浄および水洗浄、ならびに、乾燥に供して中空活性炭素のミクロスフェアを得る。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記工程(1)において、前記混合は、90℃~300℃の温度、0.5時間~2時間の加熱時間を含む条件下で実施され;
好ましくは、前記低灰分アスファルトは、石炭液化アスファルト、石油アスファルト、石炭アスファルト、石炭コークスアスファルト、合成アスファルトおよび天然アスファルトのうちの少なくとも1つから選択され;
好ましくは、前記低灰分アスファルトは、1重量%以下の灰分含有量、100質量ppm未満の金属含有量、および250℃未満の軟化点を有し;
好ましくは、前記溶媒は、コークス化洗浄油、キノリン、ピリジン、トルエン、キシレン、二硫化炭素、テトラヒドロフラン、四塩化炭素、石炭液化軽油および石油中間留分のうちの少なくとも1つから選択され;
好ましくは、前記低灰分アスファルトと前記溶剤との質量比は、1:1~5であり、好ましくは1:1~2である、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記工程(2)において、前記噴霧熱分解は、0.5mm~2mmのノズル孔径、0.1MPa~2.5MPaのノズル供給圧力、550℃~800℃の噴霧熱分解温度、および、550℃~700℃の放出温度を含む条件下で実施される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記中空炭素ミクロスフェアと前記活性剤との質量比が1:0.5~4であり、好ましくは1:1~3であり;
好ましくは、前記活性剤は、カリウムを含む酸化物、カリウム塩、KOH、アルカリ土類金属塩およびアルカリ土類金属酸化物、H
3PO
4およびZnCl
2のうちの少なくとも1つから選択され、
好ましくは、KOH、K
2CO
3、KHCO
3、KClおよびKMnO
4のうちの少なくとも1つから選択される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記工程(3)において、前記活性化は、600℃~900℃、好ましくは700℃~800℃の活性化温度;0.5時間~2.5時間の活性化時間;1℃/分~10℃/分の昇温速度;を含む条件下で実施され;
前記活性化は、不活性雰囲気下、好ましくは窒素またはアルゴン下で実施される、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記工程(4)において、前記酸は、塩酸、硝酸および硫酸の少なくとも1つから選択され、好ましくは塩酸であり;
好ましくは、前記酸の濃度は0.5mol/L~3mol/Lであり;
好ましくは、前記乾燥は、80℃~120℃の温度、6時間~12時間の時間を含む条件下で実施される、方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法により調製された、アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェア。
【請求項8】
請求項7に記載のアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアであって、
前記アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアが、5μm~40μmの粒子径、1600m
2/g~2450m
2/gの比表面積、1.8m
3/g~3.2m
3/gの細孔容量を有する、アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェア。
【請求項9】
請求項7または8に記載のアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアを含む、電極シート。
【請求項10】
請求項9に記載の電極シートを含む、スーパーキャパシタ。
【請求項11】
前記スーパーキャパシタは、170F/g~270F/gの比容量を有する、請求項10に記載のスーパーキャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、電気化学エネルギー貯蔵材料調製の技術分野に関し、さらに、特に、アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアおよびその製造方法、電極シートならびにスーパーキャパシタの技術分野に関する。
【0002】
〔背景技術〕
化石エネルギーの継続的な消費により、深刻なエネルギー危機が引き起こされたのみならず、一連の環境問題がもたらされている。そのため、例えば、太陽エネルギー、および風力エネルギーといった、新しい再生可能なエネルギー源の開発が人々の研究の焦点となっており、その重要な構成要素であるエネルギー貯蔵装置もまた、相当の進歩を遂げている。多くのエネルギー貯蔵要素の中でも、スーパーキャパシタは、その短い充電時間、長い耐用年数、良好な温度特性、省エネルギーおよび環境保護といった特色により、今日のエネルギー貯蔵産業において独特の地位を占めている。
【0003】
通常、スーパーキャパシタは、電極材料、隔膜、電解質、および外殻から構成される。前記電極材料は前記キャパシタの中核の部品として、その性能に重要な役割を果たす。炭素材料は、優れた延性、高い化学的安定性、および豊富な表面官能基のために、電極材料として広く用いられている。数ある炭素材料の中でも、中空炭素のミクロスフェアは優れた導電性と非常に高い比表面積とを有するのみならず、その独特な中空構造により、電解質イオンの貯蔵空間として機能することが可能であり、そのために、電解質イオンと微小孔との間の伝達距離を効果的に短縮し、より高い可逆比容量を示す。
【0004】
現在、一般的に用いられる中空炭素のミクロスフェアの調製方法には、主として、テンプレート法、懸濁重合法、水熱法、噴霧乾燥法、および高温熱分解法が含まれ、噴霧法は、高速、高効率、大量生産、等の利点により、工業的生産のために最も有望な技術手法とされている。
【0005】
CN101541674Aは、比表面積が大きく、かつ、微細な細孔径のメソポーラス炭素のミクロスフェアを調製する方法を開示しており、当該方法は、以下の工程:炭素前駆体、テンプレート剤及び溶媒を予め混合すること、噴霧乾燥により炭素のミクロスフェアの前駆体の複合体を形成すること、その後、高温で炭化すること、および、最後にテンプレートを除去して活性炭のミクロスフェアを形成すること、を含む。かかる方法の原理は単純であるが、球の形成と炭化の分布とがプロセスの複雑さを増大させ、さらに、後にテンプレート剤を除去する必要があり、特に、例えばある金属酸化物またはSiO2等のテンプレート剤について、除去技術が環境およびコストの負担を増大させ得る。加えて、製造される活性炭の比表面積は低く(700m2/g~1300m2/g)、スーパーキャパシタの電極材料としての要件を満たすことができない。
【0006】
CN109250716Aは、アスファルトベースの中空活性炭素を調製する方法を開示しており、当該方法は、以下の工程:低軟化点(30℃~60℃)のアスファルトと、高軟化点(150℃~360℃)のアスファルトとを均一に混合すること、噴霧造粒機に添加すること、100℃~220℃の好適な温度で乾燥すること、その後、非溶融での炭化および活性化操作により、直径0.1mm~2.0mm、比表面積1300m2/g~1600m2/gのアスファルトベースの中空活性炭素を調製すること、を含む。かかる方法はまた、長い非溶融処理時間、複雑な技術的工程等の問題を有しており、さらに、アスファルト自体の粘度が高く、低軟化点のアスファルトを添加したとしても、系全体の流動性にはいまだ課題があり、軟化点の低いアスファルトを噴霧中に完全に揮発させ、十分な細孔を形成することは困難である。
【0007】
CN106744783Aは、グラファイト化中空炭素のミクロスフェアを調製する方法を開示しており、当該方法は、以下の工程:アスファルトと添加剤とを原料として使用すること、および、混合、炭化、酸洗浄および他の技術により、グラファイト化中空炭素のミクロスフェアを調製すること、を含み、得られる炭素のミクロスフェアの比表面積は100m2/g~1500m2/gであり、平均粒子径は0.1μm~2μmである。かかる方法の製造技術は複雑ではないものの、この方法は、依然としてハードテンプレートにより中空炭素球構造を調製する範囲に属しており、その過程において、例えばFe、Mg、Ca、およびZnの金属塩等の金属塩の形態の添加剤に関係するため、テンプレートの回収および処理の問題が依然として存在し、かつ、金属不純物イオンが残留する傾向がある。これらは、炭素材料の用途に制限を与えるものであり、特に電気化学分野において、金属不純物イオンは材料の内部抵抗に大きく影響し、そして、当該材料の電気化学的性能に直接影響する。
【0008】
要約すると、中空活性炭素のミクロスフェアは、幅広い応用の将来性を有するものの、依然として、例えば、複雑な製造技術を有すること、テンプレート剤を導入する必要があること、環境汚染を引き起こしやすいこと、および、調製された活性炭素が低い比表面積を有するため、スーパーキャパシタの電極材料としての要件を満たすことができないこと、などのいくつかの問題が存在する。
【0009】
〔発明の概要〕
本発明の目的は、例えば、複雑な中空活性炭素のミクロスフェアの製造技術を有すること、テンプレート剤を導入する必要があること、環境汚染を引き起こしやすいこと、調製された活性炭素が低い比表面積を有するため、スーパーキャパシタの電極材料としての要件を満たすことができないこと、といった、従来技術の問題を克服し、かつ、アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアおよびその製造方法、電極シートならびにスーパーキャパシタを提供し、さらに当該方法は、製造工程が単純である、製造コストが低い連続生産に適している、といった特徴を有する。本明細書に開示された方法により調製されたアスファルトベースの中空活性炭のミクロスフェアは、高い比表面積、安定した性能、環境親和性、およびはっきりとした中空構造を有する。スーパーキャパシタに適用した場合、得られるキャパシタは高い比容量と高いサイクル容量保持率とを有する。
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明は、第一の態様において、アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアを調製する方法を提供し、かかる方法は、以下の工程を含む:
(1)低灰分アスファルトを溶媒と混合して混合アスファルト溶液を得る;
(2)前記混合アスファルト溶液を不活性雰囲気下での噴霧熱分解に供して、中空炭素のミクロスフェアを得る;
(3)前記中空炭素のミクロスフェアを活性剤と混合し、活性化して、活性炭素を得る;
(4)前記活性炭素を、不純物を除去するために酸洗浄および水洗浄、ならびに、乾燥に供して中空活性炭素のミクロスフェアを得る。
【0011】
本発明は、第2の態様において、上記の方法によって調製された、アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアを提供する。かかるアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアは、5μm~40μmの粒子径、1600m2/g~2450m2/gの比表面積、1.8m3/g~3.2m3/gの細孔容量を有する。
【0012】
本発明は、第3の態様において、電極シートを提供し、かかる電極シートは、上記第2の態様におけるアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアを含む。
【0013】
本発明は、第4の態様において、スーパーキャパシタを提供し、かかる、スーパーキャパシタは、上記第3の態様における電極シートを含む。
【0014】
上記の技術的解決手段により、本発明は以下の有益な効果を得ることができる。
【0015】
(1)本発明では、溶媒とアスファルトとの物性差が、良好な真球度と制御可能な粒子径とを有する中空炭素のミクロスフェアを調製するために利用され、スーパーキャパシタに適用した場合、中空構造が電解液の一時的な貯蔵空間を提供することができ、電解液イオンと活性部位との間の伝達距離を効果的に短縮し、その結果、より高い可逆比容量を示す。
【0016】
(2)先行技術では、中空炭素のミクロスフェアは一般にハード(ソフト)テンプレート法で作製され、その過程でテンプレート剤として二酸化ケイ素、金属酸化物、ケイ酸塩等を添加する必要があり、テンプレートの加工およびリサイクルに一定の課題がある。本発明では、アスファルトを直接原料とするセルフテンプレート法が用いられ、アスファルト溶質と有機溶媒との物性差を利用して中空構造体を直接調製されることにより、テンプレートの導入および除去の工程が省略され、製造コストおよび技術の複雑さが大幅に低減されるとともに、テンプレート法におけるテンプレートの除去に起因する環境汚染の問題が解決される。
【0017】
(3)アスファルトは、粘度が過度に大きく、長時間の高温加熱によりパイプラインを閉塞するコーキングを発生させ易いため、原料輸送の持続性に大きな問題があった。本発明では溶剤とアスファルトとを共供給する態様を採用することにより、中空構造を得ることができる一方で、他方でアスファルトの流動性を向上させることができ、また、混合溶液の軟化温度を低下させることもできるため、輸送パイプラインの閉塞を防止することができ、長期間の工業運転に有益である。
【0018】
(4)本発明では、アスファルトを一工程で直接炭化およびペレット化することができるため、例えば、乳化法および低温噴霧法等の従来技術における、長時間の予備酸化および炭化に起因するエネルギー消費および球体付着の問題を解決し、生産効率を大幅に向上させることができる。
【0019】
[0018]
〔図面の簡単な説明〕
図1は、実施例1の工程(2)で得られた中空炭素のミクロスフェアのSEMグラフである。
【0020】
図2は、実施例1で調製したアスファルトベースの中空炭素のミクロスフェアの粒度分布図である。
【0021】
〔詳細な説明〕
本明細書で開示される範囲の端点および任意の値は、正確な範囲または値に限定されるものではなく、これらの範囲または値は、これらの範囲または値に近い値から構成されると理解されるべきである。数値範囲については、範囲の端点値、範囲の端点値および個々の点値、ならびに個々の点値を互いに組み合わせて、1つまたは複数の新しい数値範囲を得ることができ、これらの数値範囲は、本明細書に具体的に開示されているとみなされるべきである。
【0022】
本発明は、アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアを調製する方法を提供し、当該方法は、以下の工程を含む:
(1)低灰分アスファルトを溶媒と混合して混合アスファルト溶液を得る;
(2)前記混合アスファルト溶液を不活性雰囲気下での噴霧熱分解に供して、中空炭素のミクロスフェアを得る;
(3)前記中空炭素のミクロスフェアを活性剤と混合し、活性化して、活性炭素を得る;
(4)前記活性炭素を、不純物を除去するための酸洗浄および水洗浄、ならびに、乾燥に供して中空活性炭素のミクロスフェアを得る。
【0023】
本発明においては、アスファルトと溶媒との物性差と、噴霧熱分解プロセスの特徴との複合作用により、中空構造を有する炭素のミクロスフェアが調製される。
【0024】
本発明の発明者らは、研究の結果、混合アスファルト溶液が高温環境下で微粒子化される際に、有機溶媒の蒸発が、球状液滴の表面における溶媒の移動速度がアスファルトの拡散速度よりも速くなる状況を生じさせ、それにより、液滴表面におけるアスファルトの濃度が上昇し、さらなる固化および炭化が起こることにより、良好な真球度と制御可能な粒子径とを有する中空炭素のミクロスフェアが得られることを見出した。
【0025】
本発明により提供されるアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアの調製方法は、簡単な工程段階、低い調製コスト、連続生産に適していること等の特徴を有する。
【0026】
本発明において、工程(1)における混合の条件は、低灰分アスファルトの溶解を促進できる条件であれば特に限定されない。好ましくは、前記混合は、90℃~300℃の温度、0.5時間~2時間の加熱時間を含む条件下で実施されることが好ましい。
【0027】
本発明のいくつかの実施形態において、好ましくは、前記低灰分アスファルトは、石炭液化アスファルト、石油アスファルト、石炭アスファルト、石炭コークスアスファルト、合成アスファルトおよび天然アスファルトのうちの少なくとも1つから選択される。好ましくは、前記低灰分アスファルトは、1重量%以下の灰分含有量、100質量ppm未満の金属含有量、250℃未満の軟化点を有する。
【0028】
本発明において、前記溶剤は、前記低灰分アスファルトを溶解できるものであれば特に限定されない。好ましくは、前記溶剤は、コークス化洗浄油、キノリン、ピリジン、トルエン、キシレン、二硫化炭素、テトラヒドロフラン、四塩化炭素、石炭液化軽油および石油中間留分のうちの少なくとも1つから選択される。
【0029】
本発明のいくつかの実施形態において、好ましくは、前記低灰分アスファルトと前記溶媒との質量比は、1:1~5であり、好ましくは1:1~2である。上記の条件が満たされる場合、調製されたアスファルト系中空活性炭微小球は、高い比表面積、安定した性能及びはっきりとした中空構造を有することができ;スーパーキャパシタに適用された場合、当該キャパシタの比容量及びサイクル容量保持率を著しく増加させることができる。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態において、前記工程(2)において、前記噴霧熱分解は、0.5mm~2mmのノズル孔径、0.1MPa~2.5MPaのノズル供給圧力、550℃~800℃の噴霧熱分解温度、550℃~700℃の放出温度、および、5~15秒の原料液保持時間を含む条件下で実施される。
【0031】
前記混合アスファルト溶液中のアスファルトの割合が多いほど、噴霧熱分解温度が低いほど、ノズルの孔径が大きいほど、さらに、噴霧圧力が大きいほど、調製される中空炭素のミクロスフェアの粒子径が大きくなり、球壁が薄くなることが留意されるべきである。異なる溶媒の選択は、混合アスファルト溶液の粘度に大きな影響を与え、同時に粒子径にも一定の影響を与える。具体的には、異なる実用的な適用場面に応じて対応する調整を行うことができる。
【0032】
本発明において、前記工程(3)における前記混合のプロセスは、前記中空炭素のミクロスフェアと前記活性剤とを均一に混合することを確保できるプロセスであれば特に限定されない。好ましくは、前記混合のプロセスは、粉砕機により前記中空炭素のミクロスフェアと活性剤とを粉砕して均一に混合する工程を含み、ここで、前記粉砕機の回転速度は、5000r/min~25000r/minである。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態において、好ましくは、前記中空炭素のミクロスフェアと前記活性剤との質量比は、1:0.5~4であり、好ましくは1:1~3である。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態において、好ましくは、前記活性剤は、カリウムを含む酸化物、カリウム塩、KOH、アルカリ土類金属塩およびアルカリ土類金属酸化物、H3PO4およびZnCl2のうちの少なくとも1つから選択され、好ましくは、KOH、K2CO3、KHCO3、KClおよびKMnO4のうちの少なくとも1つから選択される。
【0035】
本発明のいくつかの実施態様において、好ましくは、前記活性化は、600℃~900℃、好ましくは700℃~800℃の活性化温度;0.5時間~2.5時間の活性化時間;1℃/分~10℃/分の加熱速度;を含む条件下で実施され;前記活性化は、不活性雰囲気下、好ましくは窒素またはアルゴン下で実施される。
【0036】
発明のいくつかの実施形態において、前記活性化は直接加熱または段階的加熱によって実施することができる。好ましくは、段階加熱が採用される。段階加熱とは、具体的には、室温から500℃まで加熱し、これを0.5時間~1時間保持した後に、600℃~900℃、好ましくは700℃~800℃の活性化温度まで加熱することを意味する。ここで、加熱速度は1℃/分~10℃/分である。
【0037】
本発明の発明者らは、研究の結果、段階的加熱保存法によって、前記活性剤中の余分な結晶水を予め除去することができ、その結果、活性化効果がより明らかになるため、活性剤の添加量を低減するとの目的が達成されるとともに、調製されたアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアがより安定した性能を有することを見出した。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態において、前記工程(4)において、前記酸は、塩酸、硝酸および硫酸の少なくとも1つから選択され、好ましくは塩酸である。前記酸は、0.5mol/L~3mol/L、好ましくは1mol/Lの濃度を有する。
【0039】
本発明において、前記工程(4)における前記乾燥の条件は特に限定されず、好ましくは、80℃~120℃の温度、6時間~12時間の乾燥時間を含む条件下で実施される。
【0040】
本発明は、第2の態様において、上記の方法によって調製されたアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアを提供する。かかるアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアは、5μm~40μmの粒子径、1600m2/g~2450m2/gの比表面積、1.8m3/g~3.2m3/gの細孔容量を有する。本明細書に開示された方法によって調製された中空活性炭素のミクロスフェアは、高い比表面積、安定した性能、環境親和性、およびはっきりとした中空構造を有する。
【0041】
本発明は、第3の態様において、上記第2の態様におけるスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアを含む電極シートを提供する。
【0042】
本発明は、第4の態様において、上記第3の態様における電極シートを備えるスーパーキャパシタを提供する。本発明により提供されるスーパーキャパシタは、高い比容量および高いサイクル容量保持率を有する。
【0043】
以下、実施例を参照して本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例に係る原料は、特に断らない限り、すべて市販のものである。
【0044】
作製した試料の細孔構造を得るために、Micromeritics ASAP2020型の比表面積および気孔率分析装置を使用して、以下の手順により吸脱着試験を行った:まず、試料を12時間脱気した後、脱気温度を300℃に制御し、プログラム制御により低温吸脱着試験が行われた。材料の比表面積はBET(Brunauer-Emmett-Teller)モデルにより計算され、材料の細孔容量は密度汎関数理論(DFT)により計算される。
【0045】
試料の形態は、HITACHI FlexSEM1000 II型の走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた走査によって、特徴付けられる。
【0046】
調製された試料の粒度分布は、Malvern MS2000型の粒度分布測定装置で測定される。
【0047】
〔実施例1〕
アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアの調製:
(1)低灰分アスファルト1kgと洗浄油1.5kgとをそれぞれ攪拌釜に加え、質量比1:1.5の混合アスファルト溶液を調製した。この混合アスファルト溶液を180℃(これを「混合温度」と称する)に加熱し、一定温度で0.5時間混合した。混合速度は100r/minであり;加熱速度は5℃/minであり;使用したアスファルトは、中国神華煤化工有限公司の直接石炭液化残渣の抽出分離工程で得られたもの(すなわち「石炭液化アスファルト」)であり、灰分は0.1重量%未満、かつ、軟化点は170℃であり;使用した洗浄油は、密度1.056g/cm3の従来のコークス用洗浄油であった。
【0048】
(2)上記の180℃の混合アスファルト溶液を、窒素雰囲気中、750℃の噴霧塔に直径1mmのノズルから0.1MPaの圧力(これを「ノズル供給圧力」と称する)で噴霧することで、高温熱分解反応に供し、中空炭素のミクロスフェアを形成させた後、高温バグ集塵機で固形生成物を回収し、室温まで自然冷却し、余剰のオイルガスを排出した。ノズルと攪拌釜との間の配管は180℃に保持し、窒素温度(または噴霧熱分解温度)は750℃とし、圧力は0.08MPaとし、吐出温度は550℃とし、原料液保持時間は7秒とした。
【0049】
(3)上記の中空炭素のミクロスフェア5gとKOH(活性剤)10gとを高速万能粉砕機で粉砕して均一に混合し、800℃の窒素で保護された管状炉に入れて一定温度で2時間焼成し、室温まで自然冷却することで、活性炭素のミクロスフェアを得た。粉砕機の回転数は24000r/min、粉砕時間は10秒であり、管状炉は、以下の段階で加熱された:室温から500℃まで10℃/分の昇温速度で昇温し、500℃の温度を1時間保持し、500℃から800℃まで5℃/分の昇温速度で昇温し、800℃の温度(これを「活性温度」と称する)で2時間(これを「活性時間」と称する)保持した。
【0050】
(4)上記の活性炭素のミクロスフェアをビーカーに入れ、濃度1mol/Lの塩酸水溶液200mLを滴下し、十分に撹拌して15分間反応させた後、濾過した。かかる操作を2回繰り返した;次いで、酸洗浄により得られたフィルター残渣に十分な脱イオン水を加え、15分間十分に撹拌した後、濾過した。濾液のpH値が≒7となるまで、かかる操作を3回から5回繰り返し、フィルター残渣を得た。さらに、フィルター残渣を送風乾燥炉で80℃、12時間乾燥することで、アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアを得た。
【0051】
工程(2)で得られた中空炭素のミクロスフェアのSEM検査を行った。
図1は、かかる中空炭素のミクロスフェアのSEM画像である。
図1から、上記の中空炭素のミクロスフェアがはっきりとした中空構造を有していることがわかる。
【0052】
調製したアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアの細孔構造を検査し、検査結果を表1に示した。
【0053】
調製されたアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアの粒子径を検査した。
図2は、かかる調製されたアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアの粒度分布図である。
図2から、上記のアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアの粒子径が、10μm~20μmであることが分かる。
【0054】
電極シートの調製:
上記で調製したアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェア、アセチレンブラック及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)(15重量%)を、質量比が8:1:1となるようエタノール中で均一に混合した。混合物をローラーで均一な厚さの薄板状に巻き取り、この薄板をオーブンに入れて80℃で12時間乾燥させた。乾燥した薄板をシートカッターで円形シートに切断し、この円形シートをプレス機で発泡ニッケル上に押圧することで、電極シートを得た。
【0055】
スーパーキャパシタの組み立ておよび電気化学的性能試験:
3電極試験:上記の電極シートを3ポート電解セルに入れ、6M KOH溶液を電解液として使用し、白金電極を対極として使用し、Hg/HgO電極を参照電極として使用し、Metrohm社のNova Autolab電気化学ワークステーションにより、電圧範囲0~1V、電流密度1A/g、試験温度25℃で充放電試験を行った。かかる電気化学試験の結果を表1に示した。
【0056】
2電極試験:上記の電極シートを電池ケース-電極シート-隔膜(ポリプロピレン)-6M KOH-電極シート-電池ケースの形態でボタン電池に組み立てた後、当該ボタン電池のレートとロングサイクル性能とを武漢陸電池試験システムで、電圧範囲0~1V、電流密度1A/g、ロングサイクル充放電回数10000回、試験温度25℃で試験した。かかる電気化学試験の結果を表1に示した。
【0057】
〔実施例2~12および比較例1~3〕
表1に示すパラメーターを調整したこと以外は、実施例1と同様の方法により、アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアを調製した。
【0058】
調製されたアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアの細孔構造と粒子径とを検査し、検査結果を表1に示した。
【0059】
実施例1の方法で電極シートを作製し、実施例1に従ってスーパーキャパシタの組立および電気化学的性能試験を行った。試験結果を表1に示した。
【0060】
【0061】
【0062】
表1の結果より、本明細書に開示された方法で調製されたアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアの粒子径は5μm~40μmであり、比表面積は1600m2/g~2450m2/gであり、細孔容量は1.8m3/g~3.2m3/gであったことが分かる。実施例1~12のアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアの比表面積および細孔容積は、比較例1~3のそれよりも明らかに高かった。本発明により調製されたアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアをスーパーキャパシタに使用した場合、当該スーパーキャパシタの比容量は比較例のそれよりも明らかに高かった。
【0063】
結論として、本発明の技術的解決手段により調製されたアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアは、比表面積が大きく、粒子径が均一で、性能が安定している。さらにかかる調製方法は、工程が簡単で、調製コストが低く、連続生産に適していることなどの特徴を有する。調製されたアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアをスーパーキャパシタに使用すると、当該スーパーキャパシタは高い比容量と高いサイクル容量保持率とを有する。
【0064】
上述されたものは本発明の好ましい実施形態であるが、本発明を限定することを意図するものではない。本発明の技術的概念の範囲内において、本発明の技術的解決策に対して、他の任意の適切な方法で様々な技術的特徴の組み合わせからなる多くの単純な変更を加えることができる。これらの単純な修正および組み合わせも、本発明により開示された内容とみなされ、本発明の保護範囲に属するものとする。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】
図1は、実施例1の工程(2)で得られた中空炭素のミクロスフェアのSEMグラフである。
【
図2】
図2は、実施例1で調製したアスファルトベースの中空炭素のミクロスフェアの粒度分布図である。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアを調製する方法であって、以下の工程を含む方法:
(1)低灰分アスファルトを溶媒と混合して、混合アスファルト溶液を得る;
(2)前記混合アスファルト溶液を不活性雰囲気下での噴霧熱分解に供して、中空炭素のミクロスフェアを得る;
(3)前記中空炭素のミクロスフェアを活性剤と混合し、活性化して、活性炭素を得る;
(4)前記活性炭素を、不純物を除去するための酸洗浄および水洗浄、ならびに、乾燥に供して中空活性炭素のミクロスフェアを得る。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記工程(1)において、前記混合は、90℃~300℃の温度、0.5時間~2時間の加熱時間を含む条件下で実施され;
好ましくは、前記低灰分アスファルトは、石炭液化アスファルト、石油アスファルト、石炭アスファルト、石炭コークスアスファルト、合成アスファルトおよび天然アスファルトのうちの少なくとも1つから選択され;
好ましくは、前記低灰分アスファルトは、1重量%以下の灰分含有量、100質量ppm未満の金属含有量、および250℃未満の軟化点を有し;
好ましくは、前記溶媒は、コークス化洗浄油、キノリン、ピリジン、トルエン、キシレン、二硫化炭素、テトラヒドロフラン、四塩化炭素、石炭液化軽油および石油中間留分のうちの少なくとも1つから選択され;
好ましくは、前記低灰分アスファルトと前記溶剤との質量比は、1:1~5であり、好ましくは1:1~2である、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記工程(2)において、前記噴霧熱分解は、0.5mm~2mmのノズル孔径、0.1MPa~2.5MPaのノズル供給圧力、550℃~800℃の噴霧熱分解温度、および、550℃~700℃の放出温度を含む条件下で実施される、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記中空炭素ミクロスフェアと前記活性剤との質量比が1:0.5~4であり、好ましくは1:1~3であり;
好ましくは、前記活性剤は、カリウムを含む酸化物、カリウム塩、KOH、アルカリ土類金属塩およびアルカリ土類金属酸化物、H
3PO
4およびZnCl
2のうちの少なくとも1つから選択され、
好ましくは、KOH、K
2CO
3、KHCO
3、KClおよびKMnO
4のうちの少なくとも1つから選択される、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記工程(3)において、前記活性化は、600℃~900℃、好ましくは700℃~800℃の活性化温度;0.5時間~2.5時間の活性化時間;1℃/分~10℃/分の昇温速度;を含む条件下で実施され;
前記活性化は、不活性雰囲気下、好ましくは窒素またはアルゴン下で実施される、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記工程(4)において、前記酸は、塩酸、硝酸および硫酸の少なくとも1つから選択され、好ましくは塩酸であり;
好ましくは、前記酸の濃度は0.5mol/L~3mol/Lであり;
好ましくは、前記乾燥は、80℃~120℃の温度、6時間~12時間の時間を含む条件下で実施される、方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の方法により調製された、アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェア。
【請求項8】
請求項7に記載のアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアであって、
前記アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアが、5μm~40μmの粒子径、1600m
2/g~2450m
2/gの比表面積、1.8m
3/g~3.2m
3/gの細孔容量を有する、アスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェア。
【請求項9】
請求項
7に記載のアスファルトベースの中空活性炭素のミクロスフェアを含む、電極シート。
【請求項10】
請求項9に記載の電極シートを含む、スーパーキャパシタ。
【請求項11】
前記スーパーキャパシタは、170F/g~270F/gの比容量を有する、請求項10に記載のスーパーキャパシタ。
【国際調査報告】