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特表2025-506525音響センサを有するシステム及び気象データのリアルタイム検出のための方法
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  • 特表-音響センサを有するシステム及び気象データのリアルタイム検出のための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-11
(54)【発明の名称】音響センサを有するシステム及び気象データのリアルタイム検出のための方法
(51)【国際特許分類】
   G01W 1/14 20060101AFI20250304BHJP
【FI】
G01W1/14 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024548500
(86)(22)【出願日】2023-02-09
(85)【翻訳文提出日】2024-10-10
(86)【国際出願番号】 EP2023053155
(87)【国際公開番号】W WO2023156281
(87)【国際公開日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】102022201680.7
(32)【優先日】2022-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500341779
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
(74)【代理人】
【識別番号】100134119
【弁理士】
【氏名又は名称】奥町 哲行
(72)【発明者】
【氏名】ホック・ケビン
(72)【発明者】
【氏名】スラデチェク・クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ザイデネック・マリオ
(57)【要約】
システムが提供される。本システムは、1つ以上の音声変換器を含み、1つ以上の音声変換器は、音圧情報を識別するように構成された少なくとも1つの音声センサ(110)を含む。更に、本システムは、少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された音圧情報に応じて、気象情報を判定するように構成された処理ユニット(120)を含む。1つ以上の音声変換器は、移動ユニットに設置されるように構成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音圧情報を識別するように構成された少なくとも1つの音声センサ(110)を含む、1つ以上の音声変換器と、
前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報に応じて、気象情報を判定するように構成された処理ユニット(120)と
を含み、
前記1つ以上の音声変換器は、移動ユニットに設置されるように構成される、
システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、少なくとも不可聴音周波数範囲及び可聴音周波数範囲の音圧情報を識別するように構成され、及び/又は
前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、少なくとも可聴音範囲及び超音波周波数範囲の音圧情報を識別するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、前記不可聴音周波数範囲及び前記可聴音周波数範囲及び前記超音波周波数範囲の音圧情報を識別するように構成される、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、0≦f≦x(100kHz≦x≦1MHz)の周波数範囲fにおける音圧情報を識別するように構成される、
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記処理ユニット(120)は、前記気象情報を判定するために、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報に応じて、降水情報及び/又は風情報及び/又は温度情報を判定するように構成される、
請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記気象情報を判定するための前記処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報に応じて、前記降水情報を判定するように構成され、
前記処理ユニット(120)は、前記降水情報を判定するために、以下の降水情報:
-降水タイプ、
-降水の液滴サイズ及び/又は粒径、
-降水の組成、
-降水の運動エネルギー、
-降水の起点方向
のうちの少なくとも1つを判定するように構成される、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記処理ユニット(120)は、前記降水情報を判定するために、少なくとも前記降水の運動エネルギー及び/又は少なくとも降水の雨滴サイズを判定するように構成され、
前記処理ユニット(120)は、前記降水の運動エネルギーに応じて、及び/又は前記降水の雨滴サイズに応じて、雲の高さの概算値及び/又は空気の凝縮核及び/又は粒子汚染に関する情報を判定するように構成される、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記気象情報を判定するための前記処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報に応じて前記風情報を判定するように構成され、
前記処理ユニット(120)は、前記風情報を判定するために、以下の風情報:
-風の水平及び/又は垂直速度、
-風に関する1つ以上の方向ベクトル、
-風のタイプ
のうちの少なくとも1つを判定するように構成される、
請求項5から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記気象情報を判定するための前記処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報に応じて、前記温度情報を判定するように構成され、
前記処理ユニット(120)は、前記温度情報を判定するために、音響仮想温度を判定するように構成される、
請求項5から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、1つ以上のノイズ抑制音声信号を取得するために、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報にノイズを低減するための方法を施すように構成されたノイズ抑制モジュール(215)を含み、
前記ノイズ抑制モジュール(215)は、前記1つ以上のノイズ抑制信号を前記処理ユニット(120)に転送するように構成され、
前記処理ユニット(120)は、前記1つ以上のノイズ抑制信号に応じて、前記気象情報を判定するように構成される、
請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記ノイズ抑制モジュール(215)は、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報の信号表現を含む少なくとも1つの受信音声信号に、前記1つ以上のノイズ抑制信号を判定するために、1つ以上のノイズ抑制フィルタを適用するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記処理ユニット(120)は、機械学習によって又は深層学習によって訓練された機械訓練モジュールによって前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報に応じて、前記気象情報を判定するように構成される、
請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上の音声変換器は、音波を発生するための少なくとも1つの音波発生器(305)を含む、
請求項1から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの音波発生器(305)は、音圧情報を識別するように更に構成され、及び/又は
前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、音波を発生するように更に構成される、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記システム内の前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、前記少なくとも1つの音波発生器(305)によって発生された前記音波に応じて、音圧情報を識別するように配置され、
前記処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音波発生器(305)によって発生され、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別される前記音波に依存する前記音圧情報に応じて、前記気象情報を判定するように構成される、
請求項13又は14に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、二次元又は三次元アレイを形成する複数の音声センサであり、
前記処理ユニット(120)は、前記複数の音声センサによって識別された前記音圧情報に応じて、かつ前記複数の音声センサの前記二次元又は三次元アレイに応じて、方向依存情報を判定するように構成され、
前記処理ユニット(120)は、前記方向情報に応じて前記気象情報を判定するように構成される、
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音波発生器(305)と前記少なくとも1つの音声センサ(110)との間の距離に応じて、前記気象情報を判定するように構成される、
請求項15又は16に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの音波発生器(305)によって発生された前記音波は、照射超音波及び/又は照射不可聴音波及び/又は照射可聴音波であり、
前記処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音波発生器(305)によって発生された前記超音波及び/又は前記不可聴音波及び/又は前記可聴音波に依存する前記音圧情報に応じて、風速及び/又は風の方向ベクトル及び/又は音響仮想温度及び/又は雨滴サイズ及び/又は降水量を判定するように構成される、
請求項15から16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
前記処理ユニット(120)は、前記風速を判定するために、及び/又は前記風の前記方向ベクトルを判定するために、及び/又は前記音響仮想温度を判定するために、及び/又は前記雨滴サイズを判定するために、及び/又は前記降水量を判定するために、以下の降水情報:
-降水タイプ、
-降水の液滴サイズ及び/又は粒径、
-降水の組成、
-降水の運動エネルギー、
-降水の起点方向、のうちの少なくとも1つを判定するように構成される、
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報によって空気流の空気音響特徴を判定し、前記空気音響特徴に応じて前記気象情報を判定するように構成される、
請求項1から19のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項21】
前記システムは、選択的に案内される空気流が引き起こされるハウジングを含む、
請求項1から20のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項22】
前記1つ以上の音声変換器は、振動音響音波を識別するための少なくとも1つの振動音響音声受信機を含み、
前記処理ユニット(120)は、前記振動音響音波に応じて前記気象情報を判定するように構成される、
請求項1から21のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項23】
前記ノイズ抑制モジュール(215)は、前記少なくとも1つの振動音響音声受信機によって識別された前記振動音響音波に応じて、前記ノイズ抑制を実行するように構成される、
請求項10又は11に更に従属する、請求項22の記載のシステム。
【請求項24】
前記処理ユニット(120)は、前記振動音響音波に応じて、降水に関する情報を判定するように構成される、
請求項22又は23に記載のシステム。
【請求項25】
前記処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報に応じて、1つ以上の音響事象を認識するように構成される、
請求項1から24のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報を分類するように構成される、
請求項1から25のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項27】
前記処理ユニット(120)は、機械学習又は深層学習によって訓練された機械訓練ユニットによって前記1つ以上の音響事象を認識するように構成される、
請求項25又は26に記載のシステム。
【請求項28】
前記システムは、前記少なくとも1つの音声センサ(110)から前記音圧情報を受信し、前記音圧情報を受信インターフェース(418)に転送するように構成された送信インターフェース(412)を含み、
前記システムは、前記音圧情報を前記送信インターフェース(412)から受信して、前記音圧情報を前記処理ユニット(120)に転送するように構成された前記受信インターフェース(418)を含む、
請求項1から27のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項29】
前記音圧情報の前記送信インターフェース(412)から前記受信インターフェース(418)への送信は、無線で行われる、
請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記音圧情報の前記送信インターフェース(412)から前記受信インターフェース(418)への送信は、有線で行われる、
請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記システムは、前記移動ユニットを含み、
前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、前記移動ユニットに搭載される、
請求項1から30のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項32】
前記システムは、前記移動ユニットを含む2つ以上の移動ユニットを含み、
前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、前記2つ以上の移動ユニットの異なる移動ユニットに搭載された少なくとも2つの音声センサである、
請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記移動ユニットは、航空機である、
請求項1から32のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項34】
前記移動ユニットは、移動ロボットユニットである、
請求項1から33のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項35】
前記移動ユニットは、飛行ドローンである、
請求項1から34のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項36】
少なくとも1つの音声センサ(110)を用いることによって音圧情報を識別することと、
処理ユニット(120)によって、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報に応じて、気象情報を判定することと
を含み、
前記少なくとも1つの音声センサ(110)を含む1つ以上の音声変換器は、移動ユニットに設置されるように構成される、
方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、例えば、ロボットシステムへの統合又は無人若しくは有人航空機への統合のための音響センサを有するシステム及び気象データのリアルタイム検出のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
気象予報は、複雑なシミュレーションモデルに基づいており、正確な測定データに依存している。気候変化を背景として、過酷な気象条件及び極端な気象の形態でのそれらの局所的影響の評価は特に重要である。しかしながら、気象観測所の固定された分布のために、空間的及び時間的に高分解能の局所的気象情報が不足している。更に、一部の気象データは、経時的な平均として評価され、リアルタイムでは利用できない。現在、経済的で、資源効率的な、インフラストラクチャに依存しない気象情報の測定を可能にする概念はない。センサの包括的な分配は、エネルギー消費、メンテナンス、及び維持費に関して経済的に実現可能ではない。
【0003】
気候変化は、極端な気象事象、自然災害、及び人為的環境災害の頻度、よってそれらの潜在的なリスクを増大させている。この徴候は、局所的な深刻な気象事象であり、その強度はインフラストラクチャの破壊及び生命に対する危険につながる。人口及び重要なインフラストラクチャを保護するために可能な限り早期に目標の対策を開始するために、局所的かつ高分解能の気象リアルタイムデータが重要な関連性を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
世界標準と比較して、ドイツは既に降水レーダと降水測定デバイスの非常に高密度のセンサネットワーク、いわゆる雨量計を運用しているが、局所的な気象事象の正確な検出は依然として大きな課題である。この理由は、これらの気象現象の高い時空間的変動性である。雨量計による従来の測定では、風、雪、又は蒸発などの測定誤差がある。降水レーダは十分な空間及び時間分解能を達成するが、液滴サイズ分布は通常未知であるため、レーダ反射率を使用して降水を判定することははるかに困難である。更に、そのようなレーダシステムは、レーダビームのシャドーイング効果又は後方散乱によって妨害される。BNBFが資金提供する「HoWa-innovativ」プロジェクト[1]、[3]などの初期の研究プロジェクトは、時空間分解能の低さに対処するために実施されている。ここでは、無線中継アンテナと中継塔との間の信号減衰に基づいて降雨強度に関する結論を引き出すことができた。しかしながら、この方法はまた、使用される無線ネットワーク(CML)にも依存し、これは現在、人口密度におおよそならう。その結果、人口密度の低い地域では、降水監視の空間分解能が低下する。ここでの問題は、地方でのセキュリティレベルの低下に加えて、人口密集地域での影響の原因となり得る一般的な気象状況である。更に、データ処理は非常に複雑であり、特別な無線ネットワーク([2]、[3]、[4]を参照)を必要とすることが実証されている。
【0005】
ハイドロフォンは、1メートルを超える深さの大きな水域の降水量を測定するために既に使用されている。単純なスペクトル解析に基づいて、水面への雨滴の影響によって引き起こされる水音響信号が評価され、次いで雨滴サイズの概算が試みられる([5]を参照)。別の手法では、雨滴に起因するノイズを静的閾値を超えるための固定トリガとして評価した([7]を参照)。両方のアプローチは、特徴的な特徴について知的な結論を引き出すことができないという共通点を有する。更に、両方の方法は位置特異的であり、したがって柔軟に使用することはできない。
【0006】
降水に加えて、大気境界層における局所的な風、いわゆるペプロスフィアは、過酷な天候事象の発生における重要な要因である。気象データが存在しない場合、ドローンを使用する測定方法が当技術分野で評価されている(ドローン=無人航空機)。したがって、差圧センサは、一定の前方飛行で、限られた角度範囲内で風が入射する航空機のようなドローンにのみ適している。一方、従来の機械式風速計は、二次元測定に限定され、そのかさばる設計のために使用することができない。熱線風速計は、これらの欠点を有さない。しかしながら、それらの風速計は非常に脆弱であり、損傷を受けやすい。これらのタイプのセンサは、ロボットシステム又は(無人)航空機での汎用には適していない。
【0007】
従来技術は、超音波風速計がマルチコプタに取り付けられる構成を記載している([6]、[8]を参照)。しかしながら、そのような構成は非常に複雑であり、限られた範囲でしか使用することができない。更に、このタイプの超音波センサは、支配的な気象状況の完全に自動化された適応的な評価を可能にしない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載のシステム、請求項36に記載の方法、及び請求項37に記載のコンピュータプログラムが提供される。
【0009】
システムが提供される。本システムは、1つ以上の音声変換器を含み、1つ以上の音声変換器は、(例えば、音圧を識別する、及び/又は音圧勾配を識別するために)音圧情報を識別(又は判定又は検出)するように構成された少なくとも1つの音声センサ(例えば、音圧センサ及び/又は音圧勾配センサ)を含む。更に、本システムは、少なくとも1つの音声センサによって識別された音圧情報に応じて、気象情報を判定(又は識別又は検出)するように構成された処理ユニットを含む。1つ以上の音声変換器は、移動ユニットに設置されるように構成される。更に、方法が提供される。本方法は、
-少なくとも1つの音声センサを用いることによって、音圧情報を識別することと、
-処理ユニットによって、少なくとも1つの音声センサによって識別された音圧情報に応じて、気象情報を判定することと、を含む。
【0010】
少なくとも1つの音声センサを含む1つ以上の音声変換器は、移動ユニットに設置されるように構成される。
【0011】
更に、上述の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムが提供される。
【0012】
一実施形態では、新規なセンサシステムは、音響分析に応じて、局所的な気象事象又は厳しい気象事象の時空間的な高解像度モニタリングを実行する。
【0013】
気象状況はその気象要素の音によって口語的に説明されることが多いが、音響センサは気象現象の測定において役割を果たさない。気象データは、典型的には、全国に固定された分布する気象観測所で測定される。気象状況が大規模事象であっても、局所的影響は位置依存的要因によって強く特徴付けられる。高解像度の局所データが不足している。
【0014】
より信頼性の高い気象予報のためには、降水及び風の現在の特性を知ることが特に重要である。調整された信号処理及びAIと組み合わせた音響センサは、音響挙動に基づいて、複数の優勢な気象要素の強度を予測する可能性を有する。音響センサの小型化の可能性のために、いくつかの実施形態は、高解像度気象測定システムとしてロボットシステム又は(無人)航空機と組み合わせてそのようなインテリジェントセンサシステムを使用することに基づいている。そのような測定システムは、位置とインフラストラクチャの両方から独立することができ、複雑な相関をリアルタイムで検出することができ、これは完全に新しい用途の可能性を開く。
【0015】
以下、本発明の好ましい実施形態は、添付の図面を参照して記載される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態によるシステムを示す。
図2】ノイズ抑制モジュールを含む、一実施形態によるシステムを示す。
図3】1つ以上の音声変換器が少なくとも1つの音波発生器を含む、一実施形態によるシステムを示す。
図4】送信インターフェース及び受信インターフェースを更に備える、一実施形態によるシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、一実施形態によるシステムを示す。
【0018】
本システムは、1つ以上の音声変換器を含み、1つ以上の音声変換器は、音圧情報を識別するように構成された少なくとも1つの音声センサ110を含む。
【0019】
更に、本システムは、少なくとも1つの音声センサ110によって識別された音圧情報に応じて、気象情報を判定するように構成された処理ユニット120を含む。
【0020】
1つ以上の音声変換器は、移動ユニットに設置されるように構成される。
【0021】
例えば、音声センサは、音圧センサ及び/又は音圧勾配センサであってもよい。
【0022】
音圧情報の識別は、例えば、音圧の識別及び/又は音圧勾配(音圧の勾配)の識別であってもよい。
【0023】
例えば、移動ユニットは、可動ユニットであってもよい。
【0024】
例えば、移動ユニットは、航空機などの車両であってもよい。
【0025】
例えば、移動又は可動ユニットは、(飛行)ドローン、電動航空機、又はヘリコプターなどの電動ユニットであってもよいが、車両であってもよい。例えば、移動ユニットは、熱気球又はグライダなどの非電動車両であってもよい。
【0026】
しかしながら、移動ユニットはまた、少なくとも1つ以上の音声センサが固定されたウェアラブルモジュール又はスーツケースなどのウェアラブルユニットであってもよい。
【0027】
一実施形態によれば、例えば、少なくとも1つの音声センサ110は、少なくとも不可聴音波周波数範囲及び可聴音周波数範囲の音圧情報を識別するように構成されてもよく、及び/又は少なくとも1つの音声センサ110は、少なくとも可聴音周波数範囲及び超音波周波数範囲の音圧情報を識別するように構成されてもよい。
【0028】
一実施形態では、例えば、少なくとも1つの音声センサ110は、不可聴音周波数範囲及び可聴音周波数範囲及び超音波周波数範囲の音圧情報を識別するように構成されてもよい。
【0029】
一実施形態によれば、例えば、少なくとも1つの音声センサ110は、0≦f≦xである周波数範囲f内の音圧情報を識別するように構成されてもよく、100kHz≦x≦1MHzである。
【0030】
一実施形態では、例えば、処理ユニット120は、気象情報を判定するために、少なくとも1つの音声センサ110によって識別された音圧情報に応じて、降水情報及び/又は風情報及び/又は温度情報を判定するように構成されてもよい。
【0031】
一実施形態によれば、例えば、処理ユニット120は、気象情報を判定するために、少なくとも1つの音声センサ110によって識別された音圧情報に応じて、降水情報を判定するように構成されてもよい。この場合、例えば、処理ユニット120は、降水情報を判定するために、以下の降水情報:
-降水タイプ、
-降水の液滴サイズ及び/又は粒径、
-降水の組成、
-降水の運動エネルギー、
-降水の起点方向、のうちの少なくとも1つを判定するように構成されてもよい。
【0032】
一実施形態では、例えば、処理ユニットは、降水情報を判定するために、少なくとも降水の運動エネルギー及び/又は少なくとも降水の雨滴サイズを判定するように構成されてもよい。この場合、例えば、処理ユニット120は、降水の運動エネルギーに応じて、及び/又は降水の雨滴サイズに応じて、雲の高さの概算値及び/又は凝縮核及び/又は空気の粒子汚染に関する情報を判定するように構成され得る。
【0033】
一実施形態によれば、例えば、気象情報を判定するための処理ユニット120は、例えば、少なくとも1つの音声センサ110によって識別された音圧情報に応じて、風情報を判定するように構成されてもよい。この場合、例えば、処理ユニット120は、風情報を判定するために、以下の風情報:
-風の水平及び/又は垂直速度、
-風に関する1つ以上の方向ベクトル、
-風のタイプ、のうちの少なくとも1つを判定するように構成されてもよい。
【0034】
一実施形態では、例えば、気象情報を判定するための処理ユニット120は、例えば、少なくとも1つの音声センサ110によって識別された音圧情報に応じて、温度情報を判定するように構成されてもよい。この場合、例えば、処理ユニット120は、温度情報を判定するために、音響仮想温度を判定するように構成されてもよい。
【0035】
図2は、例えば、1つ以上のノイズ抑制音声信号を取得するために、少なくとも1つの音声センサ110によって識別された音圧情報にノイズを低減するための方法を施すように構成されたノイズ抑制モジュール215を更に含む、一実施形態によるシステムを示す。この場合、例えば、ノイズ抑制モジュール215は、ノイズ抑制信号を処理ユニット120に転送するように構成され得る。したがって、例えば、処理ユニット120は、1つ以上のノイズ抑制信号に応じて、気象情報を判定するように構成されてもよい。
【0036】
一実施形態では、例えば、ノイズ抑制モジュール215は、少なくとも1つの音声センサ110によって識別された音圧情報の信号表現を含む少なくとも1つの受信音声信号に、1つ以上のノイズ抑制信号を判定するために、1つ以上のノイズ抑制フィルタを適用するように構成されてもよい。
【0037】
一実施形態によれば、例えば、処理ユニット120は、機械学習又は深層学習によって訓練された機械訓練モジュールによって少なくとも1つの音声センサ110によって識別された音圧情報に応じて、気象情報を判定するように構成されてもよい。
【0038】
図3は、1つ以上の音声変換器が音波を発生するための少なくとも1つの音波発生器305を含む一実施形態によるシステムを示す。
【0039】
特別な実施形態では、図3のシステムは、図2のノイズ抑制モジュール215を更に含んでもよい。別の実施形態では、図3のシステムは、図2のノイズ抑制モジュール215を含まないように構成されてもよい。
【0040】
一実施形態によれば、例えば、少なくとも1つの音波発生器305は、音圧情報を識別するように構成されてもよく、及び/又は少なくとも1つの音声センサ110は、例えば、音波を発生するように構成されてもよい。
【0041】
一実施形態では、例えば、システム内の少なくとも1つの音声センサ110は、少なくとも1つの音波発生器305によって発生された音波に応じて、音圧情報を受信するように配置されてもよい。この場合、例えば、処理ユニット120は、少なくとも1つの音波発生器305によって発生され、少なくとも1つの音声センサ110によって識別された音波に依存する音圧情報に応じて、気象情報を判定するように構成されてもよい。
【0042】
一実施形態によれば、少なくとも1つの音声センサ110は、二次元又は三次元アレイを形成する複数の音声センサであってもよい。この場合、例えば、処理ユニット120は、複数の音声センサによって識別された音圧情報に応じて、かつ複数の音声センサの二次元又は三次元アレイに応じて、方向依存情報を判定するように構成されてもよい。この場合、例えば、処理ユニット120は、方向情報に応じて、気象情報を判定するように構成されてもよい。
【0043】
一実施形態では、例えば、処理ユニット120は、少なくとも1つの音波発生器305と少なくとも1つの音声センサ110との間の距離に応じて、気象情報を判定するように構成されてもよい。
【0044】
一実施形態によれば、少なくとも1つの音波発生器305によって発生された音波は、例えば、照射超音波及び/又は照射不可聴音波及び/又は照射可聴音波であってもよい。この場合、処理ユニット120は、少なくとも1つの音波発生器305によって発生された超音波及び/又は不可聴音波及び/又は可聴音波に依存する音圧情報に応じて、風速及び/又は風の方向ベクトル及び/又は音響仮想温度及び/又は雨滴サイズ及び/又は降水量を判定するように構成されてもよい。
【0045】
一実施形態によれば、例えば、処理ユニット120は、風速を判定するために、及び/又は風の方向ベクトルを判定するために、及び/又は音響仮想温度を判定するために、及び/又は雨滴サイズを判定するために、及び/又は降水量を判定するために、以下の降水情報:
-降水タイプ、
-降水の液滴サイズ及び/又は粒径、
-降水の組成、
-降水の運動エネルギー、
-降水の起点方向、のうちの少なくとも1つを判定するように構成されてもよい。
【0046】
一実施形態では、例えば、少なくとも1つの処理ユニット120は、少なくとも1つの音声センサ110によって識別された音圧情報によって空気流の空気音響特徴を判定し、空気音響特徴に応じて気象情報を判定するように構成されてもよい。
【0047】
一実施形態によれば、例えば、システムは、選択的に案内される空気流が引き起こされるハウジングを含んでもよい。
【0048】
一実施形態では、1つ以上の音声変換器は、振動音響音波を識別するための少なくとも1つの振動音響音声受信機を含んでもよい。この場合、処理ユニット120は、振動音響音波に応じて、気象情報を判定するように構成されてもよい。
【0049】
一実施形態によれば、例えば、図2のノイズ抑制モジュール215は、少なくとも1つの振動音響音声受信機によって識別された振動音響音波に応じて、ノイズ抑制を実行するように構成されてもよい。
【0050】
例えば、処理ユニット120は、振動音響音波に応じて降水に関する情報を判定するように構成されてもよい。
【0051】
一実施形態によれば、例えば、処理ユニット120は、少なくとも1つの音声センサ110によって識別された音圧情報に応じて、1つ以上の音響事象を認識するように構成されてもよい。いくつかの音響事象は、例えば、特殊なタイプの音の発生であってもよい。例えば、特殊音が認識されてもよい。特殊音は、人間の声、動物の音、火の音など、任意のタイプの音であってもよい。
【0052】
一実施形態では、例えば、処理ユニット120は、少なくとも1つの音声センサ110によって識別された音圧情報を分類するように構成されてもよい。
【0053】
一実施形態によれば、例えば、処理ユニット120は、機械学習によって又は深層学習によって訓練された機械訓練ユニットによって、1つ以上の音響事象を認識するように構成されてもよい。
【0054】
図4は、送信インターフェース412及び受信インターフェース418を更に含む、一実施形態によるシステムを示す。例えば、送信インターフェース412は、少なくとも1つの音声センサ110から音圧情報を取得し、音圧情報を受信インターフェース418に転送するように構成されてもよい。例えば、受信インターフェース418は、送信インターフェース412から音圧情報を受信して、音圧情報を処理ユニット120に転送するように構成されてもよい。
【0055】
特別な実施形態では、例えば、図4のシステムは、図2のノイズ抑制モジュール215を更に含んでもよい。別の実施形態では、図4のシステムは、図2のノイズ抑制モジュール215を含まないように構成されてもよい。
【0056】
一実施形態によれば、送信インターフェース412から受信インターフェース418への音圧情報の送信は、例えば、無線方式で行われてもよい。
【0057】
一実施形態によれば、送信インターフェース412から受信インターフェース418への音圧情報の送信は、例えば、有線で行われてもよい。
【0058】
一実施形態によれば、例えば、システムは移動ユニットを含んでもよい。この場合、少なくとも1つの音声センサ112は、例えば移動ユニットに搭載され得る。
【0059】
一実施形態では、例えば、システムは、当該移動ユニットを含む2つ以上の移動ユニットを含んでもよい。この場合、少なくとも1つの音声センサ110は、例えば、2つ以上の移動ユニットの異なる移動ユニットに搭載され得る、少なくとも2つの音声センサであってもよい。
【0060】
一実施形態によれば、移動ユニットは、例えば、航空機であってもよい。
【0061】
一実施形態では、移動ユニットは、例えば、移動ロボットユニットであってもよい。
【0062】
一実施形態によれば、移動ユニットは、例えば、飛行ドローンであってもよい。
【0063】
本発明の具体的な実施形態を以下に記載する。
【0064】
一実施形態では、風速及び/又は風向は、固定された、又は航空機に支持された、又はロボットに支持された音響センサシステムを用いて判定される。
【0065】
一実施形態によれば、追加的又は代替的に、雨滴の降水量及びサイズの概算値並びに更なるパラメータが導出される。
【0066】
一実施形態では、並行して及び/又は独立して、局所環境が音響異常に関して監視される。
【0067】
いくつかの実施形態によれば、音響事象認識が提供される。
【0068】
実施形態では、優勢な気象事象及び/又はその影響は、例えば、人口及び緊急事態管理に送信されてもよい。
【0069】
これらの目的を実現するために、実施形態は、超音波及び/又は可聴周波数範囲(可聴音)及び/又は不可聴音を識別することができる新規なセンサシステムを提供する。この場合、センサシステムは、固定された観測ステーション又は移動ロボットに支持された若しくは(無人)航空機に支持されたプラットフォームでの使用から生じる困難な条件に直面するように構成することができる。
【0070】
実施形態では、音響センサは使用に適したセンサ設計を有することができるため、既存の風速計タイプの場合のように、高感度の機械的構成要素は必要とされない。音響センサは、複数のセンサの使用を排除することができ、したがって、よりコンパクトでメンテナンスを削減した構造を可能にすることができる。
【0071】
一実施形態では、AIベースの信号処理(AI:人工知能)と組み合わせた測定システムは、1つ以上の信号から気象情報の複雑な相互作用を認識することができる。したがって、一実施形態では、例えば、局所的な気象状況を詳細に分析し、周囲に対するその直接的な影響を監視し得る。例えば、河川又は差し迫った地すべりの含水量は、地面の吸水によって認識され得る。
【0072】
いくつかの実施形態によれば、例えば、ロボット又は航空機プラットフォームの使用が提供されてもよい。これにより、ローカルネットワークインフラストラクチャとは完全に独立したシステムの柔軟で迅速な使用が可能になる。
【0073】
一実施形態では、いくつかのキャリアプラットフォームが同時に使用され得る。このようにして、例えば、測定ネットワークは、各視野において動的に調整可能な時空間分解能で動作され得る。
【0074】
述べられたマルチモードの進歩に基づいて、市民保護及び災害制御における使用に大きな利点がある。特に、示された進歩は、一般的なシステムの実用上の欠点を克服し得る。
【0075】
実施形態では、以下のパラメータのうちの1つ以上が、新規な音響センサシステムによって詳細に判定され得る。
【0076】
降水パラメータ:
-降水のタイプ/降水タイプ(例えば、雨、雪、みぞれ、及び雹)、
-降水の滴又は粒径(複数可)、
-降水、例えば、スリーブの組成、
-降水の運動エネルギー。一実施形態では、雲の高さの概算値及び/又は凝縮核若しくは空気の粒子汚染に関する結論が、
-降水の起点方向
風パラメータ:
-水平及び/又は垂直風速、
-風に関する方向ベクトル(複数可)、
-風のタイプ/風タイプ(例えば、突風、乱流など)、
温度パラメータ(例えば、音響仮想温度とも呼ばれる仮想音響温度)に応じて判定される。
【0077】
続いて、センサシステムの2つの特別な実施形態が説明され、それらは単独で、又は複合センサシステムに統合されて考えることができる。そのような組み合わせは、例えば、詳細かつ追加の気象パラメータ及び相関をリアルタイムで検出することを可能にする。
【0078】
最初に、2つの具体的な実施形態間の類似点について説明する。
【0079】
例えば、両方の実施形態では、音響センサは、可聴音にわたる赤外音から超音波までの可能な限り大きな周波数範囲を検出することができる電気音響音声変換器を備えてもよい。例えば、検出範囲は、0Hz≦f≦xの範囲をカバーすることができ、xは、100kHz≦x≦1MHzの値を含み得る。例えば、検出範囲は、0Hz≦f≦500kHzをカバーしてもよい。
【0080】
実施形態では、例えば、本発明のセンサシステムは、両方の実施形態では、更なる信号処理のための音響信号を準備するためにノイズを低減するための適応可能な方法を実施し得る。これにより、本発明のセンサシステムは、それぞれの使用分野に特に適合させ得る。一方では、例えば、キャリアシステムの現在アクティブなアクチュエータシステムに関するロボット/空気コントローラの情報を検出することができ、そこから音響フィルタを導出し、これを適用することができる。一方、音響センサ自体の気象測定データを評価してフィルタを生成したり、フィルタを適合させたりしてもよい。音声変換器の特別な配置により、例えば、選択的に案内される空気流を引き起こすことができ、空気音響特性を評価することによってノイズフィルタを導出することができる。例えば、新しいセンサシステムの特定の音声変換器構成要素の遮蔽を使用して、外乱を低減し得る。
【0081】
気象要素の相互作用及びセンサシステムの取り付けによって、振動音響プロセスが生成され得る。これは、ロボット又は飛行システムによる振動音響効果にも当てはまる。結果として生じる振動音響事象を利用することにより、ノイズを低減するための音響フィルタを導出し、音声受信機の音響信号に適用し得る。
【0082】
第1の実施形態は、音響測定経路を有する音響センサシステムに関する。
【0083】
例えば、第1の実施形態は、音声受信機と音源との組み合わせ、又はこれらの音声変換器の二次元若しくは三次元アレイから構成されてもよい。このようにして、音声受信機の動的適応指向特性は、デジタル信号処理によって達成され得る。特別な実施形態では、電気音響アクチュエータの形態の音源は、音声受信機としても機能され得、その逆も可である。したがって、電気音響音声変換器は、状況に応じてアクチュエータ又はセンサとして動的に駆動又は使用され得る。
【0084】
一実施形態では、風は、例えば、指定された距離にある超音波送信機及び対向する超音波受信機からなる1つ以上の超音波測定経路にわたって測定される。これらの測定経路は、例えば、二次元又は三次元の空間配向で対応する超音波アレイを形成する。パルス状信号、スイープ、個々の正弦波トーン、及び/又は信号(擬似)ランダムシーケンスなどの信号を測定経路に沿って出力することによって、風速並びに風の方向ベクトルが導出される。更に、仮想音響温度が導出されてもよい。例えば、測定データを検証するために、多次元配向の使用が、並行して使用され得る。
【0085】
一実施形態によれば、例えば、風は、指定された距離の不可聴音送信機及び反対側の不可聴音受信機からなる1つ以上の不可聴音測定経路にわたって測定される。これらの測定経路は、例えば、二次元又は三次元の空間配向で対応する不可聴音アレイを形成する。パルス状信号、スイープ、個々の正弦波トーン、及び/又は信号(擬似)ランダムシーケンスなどの信号を測定経路に沿って出力することによって、風速並びに風の方向ベクトルが導出される。更に、仮想音響温度が導出されてもよい。例えば、測定データを検証するために、多次元配向の使用が、並行して使用され得る。
【0086】
一実施形態では、風は、指定された距離にある可聴音送信機及び反対側の可聴音受信機からなる1つ以上の可聴音測定経路にわたって測定される。これらの測定経路は、例えば、二次元又は三次元の空間配向で対応する不可聴音アレイを形成する。パルス状信号、スイープ、個々の正弦波トーン、及び/又は信号(擬似)ランダムシーケンスなどの信号を測定経路に沿って出力することによって、風速並びに風の方向ベクトルが導出される。更に、仮想音響温度が導出されてもよい。例えば、測定データを検証するために、多次元配向の使用が、並行して使用され得る。
【0087】
更なる実施形態によれば、上記の3つの変形例(超音波、不可聴音、可聴音)のうちの2つ又は3つの組み合わせが提供される。
【0088】
降水を検出するために、風の測定と同じ超音波変換器及び/又は不可聴音変換器及び/又は可聴音変換器が使用され得る。放射された超音波信号及び/又は不可聴音信号及び/又は可聴音声信号の周波数は、変化させ得る。雨滴サイズと超音波及び/又は不可聴音波及び/又は可聴音波のそれぞれの波長との相互作用により、散乱及び減衰効果が生じる。これにより、雨滴サイズ及び降水量を概算し得る。周波数の変動を使用して、液滴サイズ分布をより正確に検出し得る。
【0089】
第2の実施形態は、専用の測定経路のない音響センサシステムに関する。
【0090】
本実施形態は、例えば、単一の音声送受信機又は二次元若しくは三次元アレイから構成されてもよい。このようにして、音声送受信機の動的適応指向特性は、デジタル信号処理によって達成され得る。更に、例えば、実施形態は、ロボットシステム又は航空機の振動を検出するために振動音響音声受信機を備えてもよい。
【0091】
風を測定するために、例えば、不可聴音、可聴音、及び超音波のための音声受信機が使用され得る。風と特別なハウジング及び/又は音声受信機の配置による空気流の相互作用により、選択的に案内される空気流が引き起こされ得る、及び/又は空気流の空気音響特性が検出又は導出され得る。カスケード信号処理により、風速及び風向、並びに乱気流などの優勢な風に関する情報を、このようにして検出及び分析し得る。
【0092】
新規なセンサシステムの用途では、降水は、センサハウジング及び場合によっては近くのキャリアシステムの構成要素にも衝突する。音響センサ構成要素の信号分析を使用して、タイプ及び組成などの降水に関する情報を判定し得る。
【0093】
気象パラメータの測定に加えて、両方の実施形態のすべての音声受信機の音響データは、音響自動認識又は音響事象の検出に使用されてもよい。この目的のために、センサシステムは、例えば、機械学習及び/又は深層学習のアルゴリズムを備え得る。このようにして、気象事象に関する更なる情報を取得するとともに、監視される少なくとも1つの信号クラスの発生を認識することが可能である。考えられる適用事例は、人間の声、動物の騒音、又はガス漏れの検出に加えて、気象事象の(直接的な)影響に関する周囲の監視であり得る。したがって、例えば、河川の流路及び/又はダム及び/又は地形が、地すべりの兆候に関して監視され得る。
【0094】
実施形態では、処理されたセンサデータは、有線及び/又は無線インターフェースによって提供されてもよい。例えば、接続がない場合、一実施形態によれば、データは、後の送信のためにバッファに格納/格納され得る。更に、このデータは、ロボットシステム又は無人航空機の自律的な反応の開始点であってもよい。
【0095】
セキュリティタスクを有する当局及び組織、並びに計測研究施設及び重要なインフラストラクチャのオペレータに使用する可能性がある。対応するセンサシステムが気象予報にとって重要であるため、垂直移動解決策の提供者に関して更なる適用可能性がある。本発明の音響センサシステムはまた、危険物質センサシステムと組み合わせてなど、センサを組み合わせて使用することもできる。
【0096】
いくつかの態様がデバイスの文脈で説明されているが、当該態様は対応する方法の説明も表すことが理解され、その結果、デバイスのブロック又は構造上の構成要素はまた、対応する方法工程又は方法工程の特徴として理解されるべきである。同様に、方法工程の文脈で又は方法工程として説明されている態様はまた、対応するデバイスの対応するブロック又は詳細又は特徴の説明を表す。方法工程の一部又はすべては、マイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータ、又は電子回路などのハードウェアデバイスを使用しながら実行されてもよい。いくつかの実施形態では、最も重要な方法工程の一部又はいくつかは、そのようなデバイスによって実行され得る。
【0097】
具体的な実装要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェア又はソフトウェアで実装され得る。実装は、デジタル記憶媒体、例えば、フロッピーディスク、DVD、ブルーレイディスク、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM若しくはフラッシュメモリ、ハードディスク、又はそれぞれの方法が実行されるようにプログラマブルコンピュータシステムと協働するか、又は協働することができる電子的に読み取り可能な制御信号が記憶された任意の他の磁気若しくは光学メモリを使用して行われてもよい。これが、デジタル記憶媒体がコンピュータ可読であり得る理由である。
【0098】
したがって、本発明によるいくつかの実施形態は、本明細書に記載の方法のいずれかが実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協働することができる電子的に読み取り可能な制御信号を含むデータキャリアを含む。
【0099】
一般に、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品としてされ得、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに方法のいずれかを実行するのに有効である。
【0100】
プログラムコードは、例えば、機械可読キャリアに格納することもできる。
【0101】
他の実施形態は、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するためのコンピュータプログラムを含み、当該コンピュータプログラムは、機械可読キャリアに格納される。言い換えれば、本発明の方法の一実施形態は、したがって、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0102】
したがって、本発明の方法の更なる実施形態は、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するためのコンピュータプログラムが記録されるデータキャリア(又はデジタル記憶媒体若しくはコンピュータ可読媒体)である。データキャリア、デジタル記憶媒体、又は記録媒体は、典型的には、有形又は不揮発性である。
【0103】
したがって、本発明の方法の更なる実施形態は、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリーム又は一連の信号である。データストリーム又は一連の信号は、例えば、データ通信リンクを介して、例えば、インターネットを介して転送されるように構成され得る。
【0104】
更なる実施形態は、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するように構成又は適合された処理手段、例えば、コンピュータ又はプログラマブル論理デバイスを含む。
【0105】
更なる実施形態は、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するためのコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータを含む。
【0106】
本発明による更なる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの少なくとも1つを実行するためのコンピュータプログラムを受信機に送信するように構成されたデバイス又はシステムを含む。送信は、例えば、電子的又は光学的であってもよい。受信機は、例えば、コンピュータ、モバイルデバイス、メモリデバイス、又は同様のデバイスであってもよい。デバイス又はシステムは、例えば、コンピュータプログラムを受信機に送信するためのファイルサーバを含んでもよい。
【0107】
いくつかの実施形態では、プログラマブル論理デバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ、FPGA)を使用して、本明細書に記載の方法の機能の一部又はすべてを実行し得る。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載の方法のいずれかを実行するためにマイクロプロセッサと協働し得る。一般に、本方法は、いくつかの実施形態では、任意のハードウェアデバイスによって実行される。当該ハードウェア装置は、コンピュータプロセッサ(CPU)などの任意の普遍的に適用可能なハードウェアであってもよく、ASICなどの方法に固有のハードウェアであってもよい。
【0108】
上述の実施形態は、本発明の原理の例示を表すにすぎない。他の当業者は、本明細書に記載される配置及び詳細の修正及び変形を認識するであろうと理解される。このため、本発明は、実施形態の記載及び説明に基づいて本明細書で提示されている具体的な詳細ではなく、単に以下の請求項の保護範囲によって限定されるべきであると意図される。
【0109】
用語
風速計は、局所的な風速を測定するための測定デバイスである。風速計は、異なる設計(機械式風速計)、熱線風速計などを含んでもよい。
【0110】
CML商用マイクロ波リンク(CML)は、主に187~27GHzの周波数で動作する無線塔間の商用指向性無線経路を記述する。この無線ネットワークのこの密度分布は、人口密度にほぼ従う。
【0111】
ペプロスフィアとも呼ばれる大気境界層は、地球の表面に直接隣接する地球の大気の最下層を表す。
【0112】
参考文献
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[9] RO 123153 B1.
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[14] KR 101961633 B1.
[15] CN 111916089 A.
[16] CA 1104245 A.

図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2024-10-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音圧情報を識別するように構成された少なくとも1つの音声センサ(110)を含む、1つ以上の音声変換器と、
前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報に応じて、気象情報を判定するように構成された処理ユニット(120)と
を含み、
前記1つ以上の音声変換器は、移動ユニットに設置されるように構成される、
システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、少なくとも不可聴音周波数範囲及び可聴音周波数範囲の音圧情報を識別するように構成され、及び/又は
前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、少なくとも可聴音範囲及び超音波周波数範囲の音圧情報を識別するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、前記不可聴音周波数範囲及び前記可聴音周波数範囲及び前記超音波周波数範囲の音圧情報を識別するように構成される、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、0≦f≦x(100kHz≦x≦1MHz)の周波数範囲fにおける音圧情報を識別するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記処理ユニット(120)は、前記気象情報を判定するために、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報に応じて、降水情報及び/又は風情報及び/又は温度情報を判定するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記気象情報を判定するための前記処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報に応じて、前記降水情報を判定するように構成され、
前記処理ユニット(120)は、前記降水情報を判定するために、以下の降水情報:
-降水タイプ、
-降水の液滴サイズ及び/又は粒径、
-降水の組成、
-降水の運動エネルギー、
-降水の起点方向
のうちの少なくとも1つを判定するように構成される、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記処理ユニット(120)は、前記降水情報を判定するために、少なくとも前記降水の運動エネルギー及び/又は少なくとも降水の雨滴サイズを判定するように構成され、
前記処理ユニット(120)は、前記降水の運動エネルギーに応じて、及び/又は前記降水の雨滴サイズに応じて、雲の高さの概算値及び/又は空気の凝縮核及び/又は粒子汚染に関する情報を判定するように構成される、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記気象情報を判定するための前記処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報に応じて前記風情報を判定するように構成され、
前記処理ユニット(120)は、前記風情報を判定するために、以下の風情報:
-風の水平及び/又は垂直速度、
-風に関する1つ以上の方向ベクトル、
-風のタイプ
のうちの少なくとも1つを判定するように構成される、
請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記気象情報を判定するための前記処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報に応じて、前記温度情報を判定するように構成され、
前記処理ユニット(120)は、前記温度情報を判定するために、音響仮想温度を判定するように構成される、
請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、1つ以上のノイズ抑制音声信号を取得するために、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報にノイズを低減するための方法を施すように構成されたノイズ抑制モジュール(215)を含み、
前記ノイズ抑制モジュール(215)は、前記1つ以上のノイズ抑制信号を前記処理ユニット(120)に転送するように構成され、
前記処理ユニット(120)は、前記1つ以上のノイズ抑制信号に応じて、前記気象情報を判定するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記ノイズ抑制モジュール(215)は、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報の信号表現を含む少なくとも1つの受信音声信号に、前記1つ以上のノイズ抑制信号を判定するために、1つ以上のノイズ抑制フィルタを適用するように構成される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記処理ユニット(120)は、機械学習によって又は深層学習によって訓練された機械訓練モジュールによって前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報に応じて、前記気象情報を判定するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記1つ以上の音声変換器は、音波を発生するための少なくとも1つの音波発生器(305)を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの音波発生器(305)は、音圧情報を識別するように更に構成され、及び/又は
前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、音波を発生するように更に構成される、
請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記システム内の前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、前記少なくとも1つの音波発生器(305)によって発生された前記音波に応じて、音圧情報を識別するように配置され、
前記処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音波発生器(305)によって発生され、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別される前記音波に依存する前記音圧情報に応じて、前記気象情報を判定するように構成される、
請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、二次元又は三次元アレイを形成する複数の音声センサであり、
前記処理ユニット(120)は、前記複数の音声センサによって識別された前記音圧情報に応じて、かつ前記複数の音声センサの前記二次元又は三次元アレイに応じて、方向依存情報を判定するように構成され、
前記処理ユニット(120)は、前記方向情報に応じて前記気象情報を判定するように構成される、
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音波発生器(305)と前記少なくとも1つの音声センサ(110)との間の距離に応じて、前記気象情報を判定するように構成される、
請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記少なくとも1つの音波発生器(305)によって発生された前記音波は、照射超音波及び/又は照射不可聴音波及び/又は照射可聴音波であり、
前記処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音波発生器(305)によって発生された前記超音波及び/又は前記不可聴音波及び/又は前記可聴音波に依存する前記音圧情報に応じて、風速及び/又は風の方向ベクトル及び/又は音響仮想温度及び/又は雨滴サイズ及び/又は降水量を判定するように構成される、
請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記処理ユニット(120)は、前記風速を判定するために、及び/又は前記風の前記方向ベクトルを判定するために、及び/又は前記音響仮想温度を判定するために、及び/又は前記雨滴サイズを判定するために、及び/又は前記降水量を判定するために、以下の降水情報:
-降水タイプ、
-降水の液滴サイズ及び/又は粒径、
-降水の組成、
-降水の運動エネルギー、
-降水の起点方向、のうちの少なくとも1つを判定するように構成される、
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報によって空気流の空気音響特徴を判定し、前記空気音響特徴に応じて前記気象情報を判定するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記システムは、選択的に案内される空気流が引き起こされるハウジングを含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記1つ以上の音声変換器は、振動音響音波を識別するための少なくとも1つの振動音響音声受信機を含み、
前記処理ユニット(120)は、前記振動音響音波に応じて前記気象情報を判定するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項23】
前記ノイズ抑制モジュール(215)は、前記少なくとも1つの振動音響音声受信機によって識別された前記振動音響音波に応じて、前記ノイズ抑制を実行するように構成される、
請求項10に更に従属する、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記処理ユニット(120)は、前記振動音響音波に応じて、降水に関する情報を判定するように構成される、
請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報に応じて、1つ以上の音響事象を認識するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記処理ユニット(120)は、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報を分類するように構成される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記処理ユニット(120)は、機械学習又は深層学習によって訓練された機械訓練ユニットによって前記1つ以上の音響事象を認識するように構成される、
請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記システムは、前記少なくとも1つの音声センサ(110)から前記音圧情報を受信し、前記音圧情報を受信インターフェース(418)に転送するように構成された送信インターフェース(412)を含み、
前記システムは、前記音圧情報を前記送信インターフェース(412)から受信して、前記音圧情報を前記処理ユニット(120)に転送するように構成された前記受信インターフェース(418)を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記音圧情報の前記送信インターフェース(412)から前記受信インターフェース(418)への送信は、無線で行われる、
請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記音圧情報の前記送信インターフェース(412)から前記受信インターフェース(418)への送信は、有線で行われる、
請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
前記システムは、前記移動ユニットを含み、
前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、前記移動ユニットに搭載される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項32】
前記システムは、前記移動ユニットを含む2つ以上の移動ユニットを含み、
前記少なくとも1つの音声センサ(110)は、前記2つ以上の移動ユニットの異なる移動ユニットに搭載された少なくとも2つの音声センサである、
請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記移動ユニットは、航空機である、
請求項1に記載のシステム。
【請求項34】
前記移動ユニットは、移動ロボットユニットである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項35】
前記移動ユニットは、飛行ドローンである、
請求項1に記載のシステム。
【請求項36】
少なくとも1つの音声センサ(110)を用いることによって音圧情報を識別することと、
処理ユニット(120)によって、前記少なくとも1つの音声センサ(110)によって識別された前記音圧情報に応じて、気象情報を判定することと
を含み、
前記少なくとも1つの音声センサ(110)を含む1つ以上の音声変換器は、移動ユニットに設置されるように構成される、
方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法を実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラム。
【国際調査報告】