(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-11
(54)【発明の名称】ECS回路、ECS方法、およびメモリ
(51)【国際特許分類】
G06F 11/10 20060101AFI20250304BHJP
G11C 11/406 20060101ALI20250304BHJP
【FI】
G06F11/10 608
G11C11/406 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024572510
(86)(22)【出願日】2022-10-24
(85)【翻訳文提出日】2024-08-27
(86)【国際出願番号】 CN2022127048
(87)【国際公開番号】W WO2024073907
(87)【国際公開日】2024-04-11
(31)【優先権主張番号】202211222144.2
(32)【優先日】2022-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524320378
【氏名又は名称】シーエックスエムティー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ファン ゼーチュン
(72)【発明者】
【氏名】スン カイ
【テーマコード(参考)】
5M024
【Fターム(参考)】
5M024AA21
5M024BB22
5M024EE02
5M024EE05
5M024EE12
5M024JJ03
5M024JJ59
5M024MM09
5M024PP01
(57)【要約】
本発明の実施例は、ECS回路、ECS方法、およびメモリを提供し、当該ECS回路は、ECS制御モジュールと、コマンド生成モジュールと、アドレスカウントモジュールと、エラー追跡記録モジュールとを備え、ここで、ECS制御モジュールは、モード制御信号を受信し、モード制御信号に基づいてECSコマンド信号を生成するように構成され、コマンド生成モジュールは、ECSコマンド信号に基づいて内部コマンド信号を生成するように構成され、内部コマンド信号は、対応するECS動作を実行するために使用され、アドレスカウントモジュールは、内部コマンド信号に基づいてアドレスカウントを実行し、ターゲットアドレスのカウントが完了したときにカウント終了信号を生成するように構成され、エラー追跡記録モジュールは、エラー信号を受信し、カウント終了信号およびエラー信号に基づいてエラー追跡信号を生成するように構成され、エラー追跡信号は、ECS動作のエラー情報を記録するために使用される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラー検出とスクラブ(ECS)回路であって、ECS制御モジュールと、コマンド生成モジュールと、アドレスカウントモジュールと、エラー追跡記録モジュールとを備え、
前記ECS制御モジュールは、モード制御信号を受信し、前記モード制御信号に基づいてECSコマンド信号を生成するように構成され、
前記コマンド生成モジュールは、前記ECSコマンド信号に基づいて内部コマンド信号を生成するように構成され、前記内部コマンド信号は、対応するECS動作を実行するために使用され、
前記アドレスカウントモジュールは、前記内部コマンド信号に基づいてアドレスカウントを行い、ターゲットアドレスのカウントが完了したときにカウント終了信号を生成するように構成され、
前記エラー追跡記録モジュールは、エラー信号を受信し、前記カウント終了信号および前記エラー信号に基づいてエラー追跡信号を生成するように構成され、前記エラー追跡信号は、前記ECS動作のエラー情報を記録するために使用される、エラー検出とスクラブ(ECS)回路。
【請求項2】
前記モード制御信号は、多用途コマンド(MPC)信号またはリフレッシュコマンド信号を含み、
前記ECS制御モジュールはさらに、前記ECS動作が手動ECS動作モードである場合、前記MPC信号に基づいて前記ECSコマンド信号を生成するように構成され、または、
前記ECS制御モジュールはさらに、前記ECS動作が自動ECS動作モードである場合、前記リフレッシュコマンド信号に基づいて前記ECSコマンド信号を生成するように構成される、
請求項1に記載のECS回路。
【請求項3】
前記ECS制御モジュールは、第1タイミングモジュールおよびコマンド制御モジュールを含み、
前記第1タイミングモジュールは、ECS識別信号を生成するように構成され、
前記コマンド制御モジュールは、前記ECS識別信号を受信し、前記ECS識別信号が有効状態にある場合、リフレッシュコマンド信号を取得し、前記リフレッシュコマンド信号に基づいて前記ECSコマンド信号を生成するように構成される、
請求項2に記載のECS回路。
【請求項4】
前記第1タイミングモジュールは、第1クロック信号を受信し、前記第1クロック信号に基づいてカウントを行い、前記ECS識別信号を生成し、前記ECS識別信号を前記コマンド制御モジュールに送信するように構成され、カウント値が所定条件を満たす場合、前記ECS識別信号は有効状態になる、
請求項3に記載のECS回路。
【請求項5】
前記第1タイミングモジュールはさらに、前記ECS識別信号が有効状態にある場合、前記カウントを停止するように構成され、
前記コマンド制御モジュールはさらに、前記リフレッシュコマンド信号に基づいて前記ECSコマンド信号を生成した後、リセット信号を生成し、前記リセット信号を前記第1タイミングモジュールに送信して、前記第1タイミングモジュールがカウントを再開し、前記ECS識別信号を無効状態にするように制御するように構成される、
請求項4に記載のECS回路。
【請求項6】
前記コマンド制御モジュールはさらに、前記ECS識別信号が無効状態にある場合、受信したリフレッシュコマンド信号を内部リフレッシュ信号として出力して、リフレッシュ動作を実行するように構成される、
請求項5に記載のECS回路。
【請求項7】
前記コマンド生成モジュールは、内部コマンド生成モジュールおよび第2タイミングモジュールを含み、
前記内部コマンド生成モジュールは、前記ECSコマンド信号を受信した後、所定のタイミング条件に従って、活性化信号、読み取りコマンド信号、書き込みコマンド信号、およびプリチャージ信号を順次生成するように構成され、
前記第2タイミングモジュールは、前記活性化信号と前記読み取りコマンド信号との間の時間間隔が第1タイミング条件を満たすように制御し、前記読み取りコマンド信号と前記書き込みコマンド信号との間の時間間隔が第2タイミング条件を満たすように制御し、前記書き込みコマンド信号と前記プリチャージ信号との間の時間間隔が第3タイミング条件を満たすように制御するように構成され、
前記所定のタイミング条件は、前記第1タイミング条件、前記第2タイミング条件、および前記第3タイミング条件からなる、
請求項1に記載のECS回路。
【請求項8】
前記ECS回路はさらに、バンク制御モジュールおよびバンクアレイを備え、前記バンクアレイは、少なくとも1つのバンクグループを含み、前記バンクグループは、少なくとも1つのバンクを含み、前記バンクは、少なくとも1つの行および少なくとも1つの列を含み、
前記バンク制御モジュールは、前記内部コマンド信号を受信し、前記内部コマンド信号に基づいて、前記バンクアレイに対してECS動作を実行するように構成され、
前記バンク制御モジュールはさらに、前記ECS動作の実行中にエラー情報が検出された場合、前記エラー信号を生成し、前記エラー信号を前記エラー追跡記録モジュールに送信するように構成される、
請求項7に記載のECS回路。
【請求項9】
前記アドレスカウントモジュールは、列カウントモジュールと、行カウントモジュールと、アレイカウントモジュールとを含み、
前記列カウントモジュールは、前記プリチャージ信号を受信し、前記プリチャージ信号に基づいて、ターゲット行に対して列カウントを行い、前記ターゲット行の列カウントが完了すると、列出力信号および列終了信号を生成するように構成され、
前記行カウントモジュールは、前記プリチャージ信号および前記列出力信号を受信し、前記プリチャージ信号および前記列出力信号に基づいて、ターゲットバンクに対して行カウントを行い、前記ターゲットバンクの行カウントが完了すると、行出力信号および行終了信号を生成するように構成され、
前記アレイカウントモジュールは、前記プリチャージ信号および前記行出力信号を受信し、前記プリチャージ信号および前記行出力信号に基づいて、ターゲットバンクグループに対してバンクカウントを行い、前記ターゲットバンクグループのバンクカウントが完了すると、バンク出力信号およびバンク終了信号を生成し、前記プリチャージ信号および前記バンク出力信号に基づいて、前記バンクアレイに対してバンクグループカウントを行い、前記バンクアレイのバンクグループカウントが完了すると、バンクグループ終了信号およびECS終了信号を生成するように構成される、
請求項8に記載のECS回路。
【請求項10】
前記アレイカウントモジュールは、バンクカウントモジュールおよびバンクグループカウントモジュールを含み、
前記バンクカウントモジュールは、前記プリチャージ信号および前記行出力信号を受信し、前記プリチャージ信号および前記行出力信号に基づいて、ターゲットバンクグループに対してバンクカウントを行い、前記ターゲットバンクグループのバンクカウントが完了すると、前記バンク出力信号および前記バンク終了信号を生成するように構成され、
前記バンクグループカウントモジュールは、前記プリチャージ信号および前記バンク出力信号を受信し、前記プリチャージ信号および前記バンク出力信号に基づいて、前記バンクアレイに対してバンクグループカウントを行い、前記バンクアレイのバンクグループカウントが完了すると、前記バンクグループ終了信号および前記ECS終了信号を生成するように構成される、
請求項9に記載のECS回路。
【請求項11】
前記列カウントモジュールはさらに、前記列出力信号および前記列終了信号を生成した後、前記バンクアレイの各行の列カウントが完了するまで、次のターゲット行の列カウントを続行するように構成され、
前記行カウントモジュールはさらに、前記行出力信号および前記行終了信号を生成した後、前記バンクアレイの各バンクの行カウントが完了するまで、次のターゲットバンクの行カウントを続行するように構成され、
前記アレイカウントモジュールはさらに、前記バンク出力信号および前記バンク終了信号を生成した後、前記バンクアレイの各バンクグループのバンクカウントが完了するまで、次のターゲットバンクグループのバンクカウントを続行するように構成される、
請求項9に記載のECS回路。
【請求項12】
前記エラー追跡記録モジュールは、第1エラー追跡記録モジュールを含み、
前記第1エラー追跡記録モジュールは、カウントモード信号を受信し、前記カウントモード信号が第1値である場合、前記第1エラー追跡記録モジュールのカウントモードがコードワードカウントモードであると決定し、または、前記カウントモード信号が第2値である場合、前記第1エラー追跡記録モジュールのカウントモードが行カウントモードであると決定するように構成される、
請求項10に記載のECS回路。
【請求項13】
前記第1エラー追跡記録モジュールは、前記カウントモードが前記コードワードカウントモードである場合、前記エラー信号を受信し、前記エラー信号に基づいてコードワードカウントを行い、前記ECS終了信号を受信すると、第1カウント値を決定し、前記第1カウント値を第1閾値と比較し、前記第1カウント値が前記第1閾値以上である場合、前記第1カウント値を保存するように構成され、
前記第1カウント値は、前記バンクアレイにおいてエラー情報が存在するコードワードの数を表すために使用される、
請求項12に記載のECS回路。
【請求項14】
前記第1エラー追跡記録モジュールは、前記カウントモードが前記行カウントモードである場合、前記エラー信号および前記列終了信号を受信し、前記エラー信号および前記列終了信号に基づいてエラー行カウントを行い、前記ECS終了信号を受信すると、第2カウント値を決定し、前記第2カウント値を第2閾値と比較し、前記第2カウント値が前記第2閾値より大きい場合、前記第2カウント値を保存するように構成され、
前記第2カウント値は、前記バンクアレイにおいて少なくとも1つのエラー情報が存在する行の数を表すために使用される、
請求項12に記載のECS回路。
【請求項15】
前記エラー追跡記録モジュールはさらに、第2エラー追跡記録モジュールを含み、
前記第2エラー追跡記録モジュールは、前記エラー信号を受信し、前記エラー信号および前記列終了信号に基づいて、ターゲット行のエラー情報をカウントし、前記ターゲット行の第3カウント値を決定した後、前記第3カウント値を第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値と比較し、前記第3カウント値が前記ターゲットカウント値より大きい場合、前記第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値をスクラブし、前記第3カウント値をターゲットカウント値として前記第1レジスタモジュールに保存し、前記ECS終了信号を受信するまで、前記エラー信号および前記列終了信号に基づいて次のターゲット行のエラーカウントを実行し続け、前記ECS終了信号を受信した場合、前記第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値を決定するように構成され、前記第3カウント値は、前記ターゲット行においてエラー情報が存在するコードワードの数を表すために使用される、
請求項10に記載のECS回路。
【請求項16】
前記第2エラー追跡記録モジュールはさらに、前記ターゲットカウント値を第1レジスタモジュールに保存するとき、前記ターゲットカウント値に対応するアドレス情報を第2レジスタモジュールに保存するように構成され、前記アドレス情報は、前記ターゲットカウント値に対応する行アドレス情報と、バンクアドレス情報と、バンクグループアドレス情報とを含む、
請求項15に記載のECS回路。
【請求項17】
前記第2エラー追跡記録モジュールはさらに、前記ECS終了信号を受信した後、前記第1レジスタモジュール内の現在記憶されているターゲットカウント値を第3閾値と比較し、前記ターゲットカウント値が前記第3閾値以上である場合、前記第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値と、前記第2レジスタモジュールに記憶されたアドレス情報を保持し、前記ターゲットカウント値が前記第3閾値より小さい場合、前記第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値と、前記第2レジスタモジュールに記憶されているアドレス情報をスクラブするように構成される、
請求項16に記載のECS回路。
【請求項18】
請求項1ないし17のいずれか一項に記載のECS回路に適用される、エラー検出とスクラブ(ECS)方法であって、
前記ECS制御モジュールによって、モード制御信号を受信し、前記モード制御信号に基づいてECSコマンド信号を生成することと、
前記コマンド生成モジュールによって、前記ECSコマンド信号を受信し、前記ECSコマンド信号に基づいて内部コマンド信号を生成することであって、前記内部コマンド信号は、対応するECS動作を実行するために使用される、ことと、
前記アドレスカウントモジュールによって、前記内部コマンド信号を受信し、前記内部コマンド信号に基づいてアドレスカウントを行い、ターゲットアドレスのカウントが完了したときにカウント終了信号を生成することと、
前記エラー追跡記録モジュールによって、前記カウント終了信号およびエラー信号を受信し、前記カウント終了信号および前記エラー信号に基づいてエラー追跡信号を生成することであって、前記エラー追跡信号は、前記ECS動作のエラー情報を記録するために使用される、ことと、を含む、エラー検出とスクラブ(ECS)方法。
【請求項19】
請求項1ないし17のいずれか一項に記載のECS回路を備える、メモリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2022年10月08日に中国特許局に提出された、出願番号が202211222144.2であり、発明の名称が「ECS回路、ECS方法、およびメモリ」である、中国特許出願に基づいて提出されるものであり、当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容が参照によって本願に援用される。
【0002】
本発明は、半導体技術分野に関し、特に、ECS回路、ECS方法、およびメモリに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体技術の持続的な開発に伴い、コンピュータなどの機器を製造および使用する際、データ伝送速度に対する人々の要求がますます高まっている。より高速なデータ伝送速度を得るために、一連のデータをダブルデータレート(DDR:Double Data Rate)で伝送できるメモリなどのデバイスが登場した。
【0004】
しかし、メモリの伝送速度がますます速くなり、メモリセルの縮小やロウハンマ(Row hammer)などの原因により、メモリにエラーが発生する可能性があり、この場合、メモリに対してエラー検出を行い、検出されたエラーを適時に訂正する必要がある。ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:Dynamic Random Access Memory)を例にとると、少なくとも24時間ごとに、DRAMに対して一回の完全なエラー検出とスクラブ(ECS:Error Check and Scrub)を行う必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施例は、ECS回路、ECS方法、およびメモリを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様において、本発明の実施例は、ECS制御モジュールと、コマンド生成モジュールと、アドレスカウントモジュールと、エラー追跡記録モジュールとを備える、ECS回路を提供し、ここで、
前記ECS制御モジュールは、モード制御信号を受信し、前記モード制御信号に基づいてECSコマンド信号を生成するように構成され、
前記コマンド生成モジュールは、前記ECSコマンド信号に基づいて内部コマンド信号を生成するように構成され、前記内部コマンド信号は、対応するECS動作を実行するために使用され、
前記アドレスカウントモジュールは、前記内部コマンド信号に基づいてアドレスカウントを行い、ターゲットアドレスのカウントが完了したときにカウント終了信号を生成するように構成され、
前記エラー追跡記録モジュールは、エラー信号を受信し、前記カウント終了信号および前記エラー信号に基づいてエラー追跡信号を生成するように構成され、前記エラー追跡信号は、前記ECS動作のエラー情報を記録するために使用される。
【0007】
いくつかの実施例では、前記モード制御信号は、多用途コマンド(MPC)信号またはリフレッシュコマンド信号を含み、ここで、
前記ECS制御モジュールはさらに、前記ECS動作が手動ECS動作モードである場合、前記MPC信号に基づいて前記ECSコマンド信号を生成するように構成され、または、
前記ECS制御モジュールはさらに、前記ECS動作が自動ECS動作モードである場合、前記リフレッシュコマンド信号に基づいて前記ECSコマンド信号を生成するように構成される。
【0008】
いくつかの実施例では、前記ECS制御モジュールは、第1タイミングモジュールおよびコマンド制御モジュールを含み、ここで、
前記第1タイミングモジュールは、ECS識別信号を生成するように構成され、
前記コマンド制御モジュールは、前記ECS識別信号を受信し、前記ECS識別信号が有効状態にある場合、リフレッシュコマンド信号を取得し、前記リフレッシュコマンド信号に基づいて前記ECSコマンド信号を生成するように構成される。
【0009】
いくつかの実施例では、前記第1タイミングモジュールは、第1クロック信号を受信し、前記第1クロック信号に基づいてカウントを行い、前記ECS識別信号を生成し、前記ECS識別信号を前記コマンド制御モジュールに送信するように構成され、ここで、カウント値が所定条件を満たす場合、前記ECS識別信号は有効状態になる。
【0010】
いくつかの実施例では、前記第1タイミングモジュールはさらに、前記ECS識別信号が有効状態にある場合、前記カウントを停止するように構成され、
前記コマンド制御モジュールはさらに、前記リフレッシュコマンド信号に基づいて前記ECSコマンド信号を生成した後、リセット信号を生成し、前記リセット信号を前記第1タイミングモジュールに送信して、前記第1タイミングモジュールがカウントを再開し、前記ECS識別信号を無効状態にするように制御するように構成される。
【0011】
いくつかの実施例では、前記コマンド制御モジュールはさらに、前記ECS識別信号が無効状態にある場合、受信したリフレッシュコマンド信号を内部リフレッシュ信号として出力して、リフレッシュ動作を実行するように構成される。
【0012】
いくつかの実施例では、前記コマンド生成モジュールは、内部コマンド生成モジュールおよび第2タイミングモジュールを含み、ここで、
前記内部コマンド生成モジュールは、前記ECSコマンド信号を受信した後、所定のタイミング条件に従って、活性化信号、読み取りコマンド信号、書き込みコマンド信号、およびプリチャージ信号を順次生成するように構成され、
前記第2タイミングモジュールは、前記活性化信号と前記読み取りコマンド信号との間の時間間隔が第1タイミング条件を満たすように制御し、前記読み取りコマンド信号と前記書き込みコマンド信号との間の時間間隔が第2タイミング条件を満たすように制御し、前記書き込みコマンド信号と前記プリチャージ信号との間の時間間隔が第3タイミング条件を満たすように制御するように構成され、
ここで、前記所定のタイミング条件は、前記第1タイミング条件、前記第2タイミング条件、および前記第3タイミング条件からなる。
【0013】
いくつかの実施例では、前記ECS回路はさらに、バンク制御モジュールおよびバンクアレイを備え、前記バンクアレイは、少なくとも1つのバンクグループを含み、前記バンクグループは、少なくとも1つのバンクを含み、前記バンクは、少なくとも1つの行および少なくとも1つの列を含み、ここで、
前記バンク制御モジュールは、前記内部コマンド信号を受信し、前記内部コマンド信号に基づいて、前記バンクアレイに対してECS動作を実行するように構成され、
前記バンク制御モジュールはさらに、前記ECS動作の実行中にエラー情報が検出された場合、前記エラー信号を生成し、前記エラー信号を前記エラー追跡記録モジュールに送信するように構成される。
【0014】
いくつかの実施例では、前記アドレスカウントモジュールは、列カウントモジュールと、行カウントモジュールと、アレイカウントモジュールとを含み、ここで、
前記列カウントモジュールは、前記プリチャージ信号を受信し、前記プリチャージ信号に基づいて、ターゲット行に対して列カウントを行い、前記ターゲット行の列カウントが完了すると、列出力信号および列終了信号を生成するように構成され、
前記行カウントモジュールは、前記プリチャージ信号および前記列出力信号を受信し、前記プリチャージ信号および前記列出力信号に基づいて、ターゲットバンクに対して行カウントを行い、前記ターゲットバンクの行カウントが完了すると、行出力信号および行終了信号を生成するように構成され、
前記アレイカウントモジュールは、前記プリチャージ信号および前記行出力信号を受信し、前記プリチャージ信号および前記行出力信号に基づいて、ターゲットバンクグループに対してバンクカウントを行い、前記ターゲットバンクグループのバンクカウントが完了すると、バンク出力信号およびバンク終了信号を生成し、前記プリチャージ信号および前記バンク出力信号に基づいて、前記バンクアレイに対してバンクグループカウントを行い、前記バンクアレイのバンクグループカウントが完了すると、バンクグループ終了信号およびECS終了信号を生成するように構成される。
【0015】
いくつかの実施例では、前記アレイカウントモジュールは、バンクカウントモジュールおよびバンクグループカウントモジュールを含み、ここで、
前記バンクカウントモジュールは、前記プリチャージ信号および前記行出力信号を受信し、前記プリチャージ信号および前記行出力信号に基づいて、ターゲットバンクグループに対してバンクカウントを行い、前記ターゲットバンクグループのバンクカウントが完了すると、前記バンク出力信号および前記バンク終了信号を生成するように構成され、
前記バンクグループカウントモジュールは、前記プリチャージ信号および前記バンク出力信号を受信し、前記プリチャージ信号および前記バンク出力信号に基づいて、前記バンクアレイに対してバンクグループカウントを行い、前記バンクアレイのバンクグループカウントが完了すると、前記バンクグループ終了信号および前記ECS終了信号を生成するように構成される。
【0016】
いくつかの実施例では、前記列カウントモジュールはさらに、前記列出力信号および前記列終了信号を生成した後、前記バンクアレイの各行の列カウントが完了するまで、次のターゲット行の列カウントを続行するように構成され、
前記行カウントモジュールはさらに、前記行出力信号および前記行終了信号を生成した後、前記バンクアレイの各バンクの行カウントが完了するまで、次のターゲットバンクの行カウントを続行するように構成され、
前記アレイカウントモジュールはさらに、前記バンク出力信号および前記バンク終了信号を生成した後、前記バンクアレイの各バンクグループのバンクカウントが完了するまで、次のターゲットバンクグループのバンクカウントを続行するように構成される。
【0017】
いくつかの実施例では、前記エラー追跡記録モジュールは、第1エラー追跡記録モジュールを含み、ここで、
前記第1エラー追跡記録モジュールは、カウントモード信号を受信し、前記カウントモード信号が第1値である場合、前記第1エラー追跡記録モジュールのカウントモードがコードワードカウントモードであると決定し、または、前記カウントモード信号が第2値である場合、前記第1エラー追跡記録モジュールのカウントモードが行カウントモードであると決定するように構成される。
【0018】
いくつかの実施例では、前記第1エラー追跡記録モジュールは、前記カウントモードが前記コードワードカウントモードである場合、前記エラー信号を受信し、前記エラー信号に基づいてコードワードカウントを行い、前記ECS終了信号を受信すると、第1カウント値を決定し、前記第1カウント値を第1閾値と比較し、前記第1カウント値が前記第1閾値以上である場合、前記第1カウント値を保存するように構成され、ここで、前記第1カウント値は、前記バンクアレイにおいてエラー情報が存在するコードワードの数を表すために使用される。
【0019】
いくつかの実施例では、前記第1エラー追跡記録モジュールは、前記カウントモードが前記行カウントモードである場合、前記エラー信号および前記列終了信号を受信し、前記エラー信号および前記列終了信号に基づいてエラー行カウントを行い、前記ECS終了信号を受信すると、第2カウント値を決定し、前記第2カウント値を第2閾値と比較し、前記第2カウント値が前記第2閾値より大きい場合、前記第2カウント値を保存するように構成され、ここで、前記第2カウント値は、前記バンクアレイにおいて少なくとも1つのエラー情報が存在する行の数を表すために使用される。
【0020】
いくつかの実施例では、前記エラー追跡記録モジュールはさらに、第2エラー追跡記録モジュールを含み、ここで、
前記第2エラー追跡記録モジュールは、前記エラー信号を受信し、前記エラー信号および前記列終了信号に基づいて、ターゲット行のエラー情報をカウントし、前記ターゲット行の第3カウント値を決定した後、前記第3カウント値を第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値と比較し、前記第3カウント値が前記ターゲットカウント値より大きい場合、前記第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値をスクラブし、前記第3カウント値をターゲットカウント値として前記第1レジスタモジュールに保存し、前記ECS終了信号を受信するまで、前記エラー信号および前記列終了信号に基づいて次のターゲット行のエラーカウントを実行し続け、前記ECS終了信号を受信した場合、前記第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値を決定するように構成され、ここで、前記第3カウント値は、前記ターゲット行においてエラー情報が存在するコードワードの数を表すために使用される。
【0021】
いくつかの実施例では、前記第2エラー追跡記録モジュールはさらに、前記ターゲットカウント値を第1レジスタモジュールに保存するとき、前記ターゲットカウント値に対応するアドレス情報を第2レジスタモジュールに保存するように構成され、ここで、前記アドレス情報は、前記ターゲットカウント値に対応する行アドレス情報と、バンクアドレス情報と、バンクグループアドレス情報とを含む。
【0022】
いくつかの実施例では、前記第2エラー追跡記録モジュールはさらに、前記ECS終了信号を受信した後、前記第1レジスタモジュール内の現在記憶されているターゲットカウント値を第3閾値と比較し、前記ターゲットカウント値が前記第3閾値以上である場合、前記第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値と、前記第2レジスタモジュールに記憶されているアドレス情報を保持し、前記ターゲットカウント値が前記第3閾値より小さい場合、前記第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値と、前記第2レジスタモジュールに記憶されているアドレス情報をスクラブするように構成される。
【0023】
第2態様において、本発明の実施例は、第1態様に記載のECS回路に適用される、ECS方法を提供し、当該方法は、
前記ECS制御モジュールによって、モード制御信号を受信し、前記モード制御信号に基づいてECSコマンド信号を生成することと、
前記コマンド生成モジュールによって、前記ECSコマンド信号を受信し、前記ECSコマンド信号に基づいて内部コマンド信号を生成することであって、前記内部コマンド信号は、対応するECS動作を実行するために使用される、ことと、
前記アドレスカウントモジュールによって、前記内部コマンド信号を受信し、前記内部コマンド信号に基づいてアドレスカウントを行い、ターゲットアドレスのカウントが完了したときにカウント終了信号を生成することと、
前記エラー追跡記録モジュールによって、前記カウント終了信号およびエラー信号を受信し、前記カウント終了信号および前記エラー信号に基づいてエラー追跡信号を生成することであって、前記エラー追跡信号は、前記ECS動作のエラー情報を記録するために使用される、ことと、を含む。
【0024】
第3態様において、本発明の実施例は、第1態様に記載のECS回路を備える、メモリを提供する。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施例は、ECS回路、ECS方法、およびメモリを提供し、当該ECS回路は、ECS制御モジュールと、コマンド生成モジュールと、アドレスカウントモジュールと、エラー追跡記録モジュールとを備え、ここで、ECS制御モジュールは、モード制御信号を受信し、モード制御信号に基づいてECSコマンド信号を生成するように構成され、コマンド生成モジュールは、ECSコマンド信号に基づいて内部コマンド信号を生成するように構成され、内部コマンド信号は、対応するECS動作を実行するために使用され、アドレスカウントモジュールは、内部コマンド信号に基づいてアドレスカウントを実行し、ターゲットアドレスのカウントが完了したときにカウント終了信号を生成するように構成され、前記エラー追跡記録モジュールは、エラー信号を受信し、カウント終了信号およびエラー信号に基づいてエラー追跡信号を生成するように構成され、エラー追跡信号は、ECS動作のエラー情報を記録するために使用される。このように、本発明の実施例は、モード制御信号に基づいてECSコマンド信号を生成して、ECS動作を実行し、これにより、メモリに対して完全なエラー検出とスクラブを実行することができ、さらに、ECS動作の実行が完了した後、エラー信号およびカウント終了信号に基づいてエラー追跡信号を生成して、ECS動作のエラー情報を記録することができ、これにより、メモリにおいてエラー情報が存在する位置を迅速に特定し、修復することができ、最終的にメモリの性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施例によるECS回路の構成の例示的な構造図である。
【
図2】本発明の実施例による、ECS動作モードの選択の概略図である。
【
図3】本発明の実施例によるECS制御モジュールの構成の例示的な構造図である。
【
図4】本発明の実施例によるコマンド生成モジュールの構成の例示的な構造図である。
【
図5】本発明の実施例によるECS回路の部分構造の概略図である。
【
図6】本発明の実施例によるバンクアレイの構成の例示的な構造図である。
【
図7】本発明の実施例によるアドレスカウントモジュールの構成の例示的な構造図である。
【
図8】本発明の実施例による別のアドレスカウントモジュールの構成の例示的な構造図である。
【
図9】本発明の実施例によるECS回路の具体的な構造の概略図である。
【
図10】本発明の実施例によるECS方法の例示的なフローチャートである。
【
図11】本発明の実施例によるメモリの構成の例示的な構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決策を明確かつ完全に説明する。理解できるように、本明細書で説明される具体的な実施例は、関連する発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。さらに留意されたいこととして、説明の便宜上、図面には、本出願に関連する部分のみが示されている。
【0028】
特に定義しない限り、本発明で使用されるすべての技術的用語および科学的用語は、当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で使用される用語は、本発明の実施例を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するためのものではない。
【0029】
以下の説明において、「いくつかの実施例」という用語は、すべての可能な実施例のサブセットを指し、理解できることとして、「いくつかの実施例」という用語は、すべての可能な実施例の同じサブセットまたは異なるサブセットであり得、これらは、矛盾しない範囲で相互に結合することができる。
【0030】
本発明の実施例で言及される「第1/第2/第3」という用語は、類似した対象を区別するためのものに過ぎず、対象の特定の順序を表すわけではなく、理解可能なこととして、「第1/第2/第3」は、場合によっては、特定の順序または先後順位を互換することができ、それによって、本明細書に記載される本発明の実施例は、図示または説明される順序以外の順序で実施することができる。
【0031】
本発明の実施例をさらに詳細に説明する前に、まず、本発明の実施例で言及される名詞および用語について説明し、本発明の実施例で言及される名詞および用語は、以下の解釈のとおりである。
【0032】
ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:Dynamic Random Access Memory)
ダブルデータレート(DDR:Double Data Rate)
第5世代DDR規格(DDR5 SPEC:DDR5 Specification)
多用途コマンド(MPC:Multi-Purpose Command)
エラー検出とスクラブ(ECS:Error Check and Scrub)
モードレジスタ(MR:Mode Register)
オートリフレッシュ(REFab:Auto_Refresh)
セルフリフレッシュ(Self_REFまたはSRE:Self_Refresh)
エラー検出訂正(ECC:Error Check and Correct)
DDR5 DRAMを例にとると、ECSモードでは、DRAM内部で、検出されたエラーコードワードを読み取って修正し、その修正されたデータをバンクアレイに書き戻しながら、エラーカウントを記録することが可能であり、これは、少なくとも24時間ごとにDRAMに対して一回の完全なエラー検出とスクラブを行うことが要求されている。ECSの動作モードは、自動動作モードと手動動作モードを含み、モードレジスタ信号MR14 OP[7]によって選択できる。自動ECS動作を実行する場合、リフレッシュコマンド信号とセルフリフレッシュコマンド信号を使用してECSコマンド信号を得ることができ、手動ECS動作を実行する場合には、MPC信号が必要であり、MR15は、セルフリフレッシュ中に手動ECS動作を実行するか否かを决定することもできる。
【0033】
エラー検出とスクラブ、および検出されたエラー情報を記録する機能を実現するために、本発明の実施例は、ECS制御モジュールと、コマンド生成モジュールと、アドレスカウントモジュールと、エラー追跡記録モジュールとを備える、ECS回路を提供し、ここで、ECS制御モジュールは、モード制御信号を受信し、モード制御信号に基づいてECSコマンド信号を生成するように構成され、コマンド生成モジュールは、ECSコマンド信号に基づいて内部コマンド信号を生成するように構成され、内部コマンド信号は、対応するECS動作を実行するために使用され、アドレスカウントモジュールは、内部コマンド信号に基づいてアドレスカウントを実行し、ターゲットアドレスのカウントが完了したときにカウント終了信号を生成するように構成され、エラー追跡記録モジュールは、エラー信号を受信し、カウント終了信号およびエラー信号に基づいてエラー追跡信号を生成するように構成され、エラー追跡信号は、ECS動作のエラー情報を記録するために使用される。このように、本発明の実施例は、モード制御信号に基づいてECSコマンド信号を生成して、ECS動作を実行し、これにより、メモリに対して完全なエラー検出とスクラブを実行することができ、さらに、ECS動作の実行が完了した後、エラー信号およびカウント終了信号に基づいてエラー追跡信号を生成して、ECS動作のエラー情報を記録することができ、これにより、メモリにおいてエラー情報が存在する位置を迅速に特定し、修復することができ、最終的にメモリの性能を向上させることができる。
【0034】
以下では、図面を参照して本発明の各実施例について詳細に説明する。
【0035】
本発明の1つの実施例において、
図1は、本発明の実施例によるECS回路10の構成の例示的な構造図を示す。
図1に示すように、当該ECS回路10は、ECS制御モジュール11と、コマンド生成モジュール12と、アドレスカウントモジュール13と、エラー追跡記録モジュール14とを備えることができ、ここで、
ECS制御モジュール11は、モード制御信号を受信し、モード制御信号に基づいてECSコマンド信号を生成するように構成され、
コマンド生成モジュール12は、ECSコマンド信号に基づいて内部コマンド信号を生成するように構成され、内部コマンド信号は、対応するECS動作を実行するために使用され、
アドレスカウントモジュール13は、内部コマンド信号に基づいてアドレスカウントを行い、ターゲットアドレスのカウントが完了したときにカウント終了信号を生成するように構成され、
エラー追跡記録モジュール14は、エラー信号を受信し、カウント終了信号およびエラー信号に基づいてエラー追跡信号を生成するように構成され、エラー追跡信号は、ECS動作のエラー情報を記録するために使用される。
【0036】
なお、本発明の実施例は、集積回路設計におけるECS回路の全体的なフレームワーク設計に関し、特に、DRAM DDR5チップにおいて、少なくとも24時間ごとにDRAMに対して一回の完全なエラー検出とスクラブを行う必要がある場合を対象としている。当該ECS回路の全体的なフレームワークは、エラー情報を検出しながら、内部読み書きのエラー検出と修復を実行するための、ECSコマンド信号といくつかの内部コマンド信号、およびエラー追跡信号を生成するために使用される。DRAM DDR5チップにおけるECS機能を実行するための関連回路に適用されることができるが、この範囲に限定されず、他のメモリチップ、および内部コマンド生成、タイミング制御およびカウント回路などにもこの設計を採用することができる。
【0037】
なお、DRAMに適用してECS動作を実行することを例にとると、本発明の実施例によるECS回路は、バンクアレイのエラー検出とスクラブを実現することができる。簡単に言えば、本発明の実施例が実現しようとしている機能は、手動ECS動作モードと自動ECS動作モードにおいて、多用途コマンド信号(MPCで表すことができる)またはリフレッシュコマンド信号を利用してECSコマンド信号を生成し、内部でECS動作を実行するために必要な内部コマンド信号を生成して、DRAMに対して完全なエラー検出とスクラブを行い、他のモジュールを利用して、検出されたエラー情報を追跡および記録することを実現することである。ここで、リフレッシュコマンド信号は、リフレッシュ信号(REFabで表すことができる)と、セルフリフレッシュ信号(Self-REFで表すことができる)とを含み得る。このように、本発明の実施例では、ECSコマンド信号は、MPC信号またはリフレッシュコマンド信号に基づいて生成されてもよいし、または他の適切な信号に基づいて生成されてもよく、ここでは特に限定しない。
【0038】
図1に示すように、ECS制御モジュール11は、ECSコマンド信号を生成するためのモジュールであり、1つのECSコマンド信号が生成されるたびに、DRAMは、それに対応して一回のECS動作を実行する。ここで、一回のECS動作は、バンクアレイ内の1つのメモリビットに対して実行され、ECS動作は、検出されたメモリビットにコードワードエラーが存在するか否かを判断し、コードワードエラーが検出された場合に訂正するために使用される。
【0039】
ECSコマンド信号を生成する方式について、いくつかの実施例では、ECS制御モジュールはさらに、ECSモード選択信号を受信し、ECSモード選択信号が第1値である場合、ECS動作モードが手動ECS動作モードであると決定し、または、ECSモード選択信号が第2値である場合、ECS動作が自動ECS動作モードであると決定するように構成される。
【0040】
いくつかの実施例では、ECS制御モジュール11はさらに、ECS動作が手動ECS動作モードである場合、MPC信号に基づいてECSコマンド信号を生成するように構成され、または、
ECS制御モジュール11はさらに、ECS動作が手動ECS動作モードである場合、第1モードレジスタ信号を受信し、第1モードレジスタ信号およびリフレッシュコマンド信号に基づいてECSコマンド信号を生成するように構成され、または、
ECS制御モジュール11はさらに、ECS動作が自動ECS動作モードである場合、リフレッシュコマンド信号に基づいてECSコマンド信号を生成するように構成される。
【0041】
なお、
図2は、本発明の実施例によるECS動作モードの選択の概略図を示す。
図2に示すように、ECS動作モードは、手動ECS動作モードと自動ECS動作モードとを含み、ECSモード選択信号に基づいて選択することができ、ここで、ECSモード選択信号は、モードレジスタ信号MR14 OP[7]であり得、MR14 OP[7]が1に等しい場合、DRAMは、手動ECS動作モードを実行し、MR14 OP[7]が0に等しい場合、自動ECS動作モードを実行する。本発明の実施例では、1は高レベルの論理1を表し、0は、低レベルの論理0を表す。
【0042】
手動ECS動作モードにおいて、ECS制御モジュールは、特定のMPC信号を受信した場合、MPC信号に基づいてECSコマンド信号を生成して、ECS動作を実行し、ここで、特定のMPC信号は、MPC信号の値が00001100であることを指すことができる。
【0043】
さらに、手動ECS動作モードにおいて、リフレッシュコマンド信号および第1モードレジスタ信号に基づいて、ECS動作を実行するか否かを决定し、この場合、リフレッシュコマンド信号は、セルフリフレッシュ信号(Self-REF)を指し、第1モードレジスタ信号は、モードレジスタ信号MR15 OP[3]を指すことができる。理解できることとして、Self-REF信号を受信した場合、DRAMは、セルフリフレッシュ動作を実行する必要があり、MR15 OP[3]は、セルフリフレッシュ動作を実行する前にECS動作を実行する必要があるか否かを決定することができ、MR15 OP[3]が1に等しい場合、セルフリフレッシュに進むとき、一回のECS動作を実行する必要があり、つまり、ECS制御モジュールは、特定ビットの値が1である第1モードレジスタ信号およびSelf-REF信号に基づいてECSコマンド信号を生成して、ECS動作を実行する。MR15 OP[3]が0に等しい場合には、セルフリフレッシュするときにECS動作を実行せず、つまり、ECS制御モジュールは、ECSコマンド信号を生成せず、DRAMは、セルフリフレッシュ動作を実行する。
【0044】
自動ECS動作モードにおいて、リフレッシュコマンド信号は、セルフリフレッシュ信号(Self-REF)と、リフレッシュ信号(REFab)とを含み、REFab信号を受信した場合、REFab信号に基づいてECSコマンド信号を生成して、ECS動作を実行することができ、または、セルフリフレッシュに進むとき、Self-REF信号に基づいてECSコマンド信号を生成して、ECS動作を実行することもでき、ここで、エラー検出とスクラブの実行間隔の平均時間は、tECSintで表すことができる。
【0045】
つまり、異なるECS動作モードにおいて、異なるコマンド信号に基づいてECSコマンド信号を生成してECS動作を実行することができ、ここで、自動ECS動作モードでは、リフレッシュ信号(REFab)に基づいて自動ECS動作を実行するか、セルフリフレッシュ信号(Self_REF)に基づいて自動ECS動作を実行することができ、手動ECS動作モードでは、特定のMPC信号に基づいてECS動作を実行するか、第1モードレジスタ信号と組み合わせて、セルフリフレッシュするときにECS動作を実行するか否かを决定することができる。このようにして、ECS制御モジュールは、MPC信号および/またはリフレッシュコマンド信号に基づいてECSコマンド信号を生成して、ECS動作を実行することができ、ECS動作を生成するために必要なプロセスを簡略化することができ、さらに、モードレジスタ信号と組み合わせて、異なるECS動作モードを選択し、ECS動作を実行する必要があるか否かを决定することができ、ECS動作の実行の柔軟性を高める。
【0046】
さらに、ECS制御モジュールの構成について、
図3は、本発明の実施例によるECS制御モジュール11の構成の例示的な構造図を示す。
図3に示すように、いくつかの実施例では、ECS制御モジュール11は、第1タイミングモジュール111と、コマンド制御モジュール112とを含み、ここで、
第1タイミングモジュール111は、ECS識別信号を生成するように構成され、
コマンド制御モジュール112は、ECS識別信号を受信し、ECS識別信号が有効状態にある場合、リフレッシュコマンド信号を取得し、リフレッシュコマンド信号に基づいてECSコマンド信号を生成するように構成される。
【0047】
なお、
図3に示すように、ECS制御モジュール11は、主に、第1タイミングモジュール111と、コマンド制御モジュール112とを含む。ここで、コマンド制御モジュール112は、モードレジスタ信号MR14 OP[7]を介して、どのECS動作モードを実行するかを選択し、MR14 OP[7]=0である場合、自動ECS動作モード、即ち、DDR5のデフォルトモードを実行し、MR14 OP[7]=1である場合、手動ECS動作モードを実行し、MPC信号の値は、OP[7:0]=00001100である必要がある。
【0048】
なお、DRAMは、少なくとも24時間以内にバンクアレイ全体に対して一回の完全なエラー検出とスクラブを行うことを要求しているため、自動ECS動作モードでは、24時間以内にすべてのバンクアレイのエラー検出とスクラブを完了するように、第1タイミングモジュールによってECSの間隔時間を計画する必要がある。
【0049】
つまり、自動ECS動作モードでは、第1タイミングモジュール111は、ECS識別信号(
図3ではECS_Flagで表される)を生成してコマンド制御モジュール112に送信することができ、当該ECS_Flag信号は、特定の予め設定された時間間隔ごとに有効状態になる。コマンド制御モジュール112は、ECS_Flag信号を受信し、ECS_Flag信号が有効状態にある場合、リフレッシュコマンド信号を取得し、取得したリフレッシュコマンド信号に基づいてECSコマンド信号(
図3ではECS_CMDで表される)を生成する。ここでのリフレッシュコマンド信号は、リフレッシュ信号(REFab)とセルフリフレッシュ信号(Self-REF)のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0050】
第1タイミングモジュールがタイミングを計画する方式について、いくつかの実施例では、第1タイミングモジュールは、第1クロック信号を受信し、第1クロック信号に基づいてカウントを行い、ECS識別信号を生成し、ECS識別信号をコマンド制御モジュールに送信するように構成され、ここで、カウント値が所定条件を満たす場合、ECS識別信号は有効状態になる。
【0051】
なお、第1タイミングモジュールがタイミング計画を行う際、第1クロック信号をカウントし、カウント値が所定条件を満たす場合、ECS_Flagは有効状態になり、このとき、コマンド制御モジュール112は、リフレッシュコマンド信号を取得し、ECS動作の実行を指示するためのECSコマンド信号を生成する。注意すべきこととして、ここで取得するリフレッシュコマンド信号は、カウント値が所定条件を満たした後に現れるリフレッシュコマンド信号であるため、カウント値が所定条件を満たす時点と比較して、ここで取得されるリフレッシュコマンド信号は、具体的には、次に現れるリフレッシュコマンド信号を指し、次のリフレッシュコマンド信号と略称できる。このように、カウント値が所定条件を満たすか否かに基づいて、ECS動作の間隔時間を計画することで、24時間以内に一回の完全なエラー検出とスクラブを行うことを確保できる。
【0052】
ここで、第1クロック信号は、発振器によって生成される、固定周波数を有するクロック信号であってもよい。例示的に、第1クロック信号の周期が4.4マイクロ秒(μs:microseconds)である場合、16GBのメモリ構成の場合、24時間以内にDRAMに対して一回の完全なエラー検出とスクラブを完了するためには、ECS動作の時間間隔を644μsに設定する必要があり、すると、一回のカウントが完了するには、カウント値が約644/4.4=146になる必要があり、このとき、カウント値が所定条件を満たすことになる。即ち、カウント値が146に達すると、有効状態にあるECS識別信号を生成することができる。
【0053】
いくつかの実施例では、第1タイミングモジュールはさらに、ECS識別信号が有効状態にある場合、カウントを停止するように構成され、
コマンド制御モジュールはさらに、リフレッシュコマンド信号に基づいてECSコマンド信号を生成した後、リセット信号を生成し、リセット信号を第1タイミングモジュールに送信して、第1タイミングモジュールがカウントを再開し、ECS識別信号を無効状態にするように制御するように構成される。
【0054】
なお、本発明の実施例では、ECS_Flag信号は、有効状態にあってもよいし、無効状態にあってもよい。ここで、第1タイミングモジュール111は、ECSコマンド信号を生成するために、一定の時間間隔ごとに有効状態のECS_Flag信号を生成し、コマンド制御モジュール112は、ECSコマンド信号を生成した後、1つのリセット信号(
図3ではResetで表される)を生成して第1タイミングモジュール111に送信し、これにより、ECS_Flag信号は無効状態になり、第1タイミングモジュール111はカウントを再開する。
【0055】
いくつかの実施例では、コマンド制御モジュールはさらに、ECS識別信号が無効状態にある場合、受信したリフレッシュコマンド信号を内部リフレッシュ信号として出力して、リフレッシュ動作を実行するように構成される。
【0056】
具体的には、ECS識別信号のレベル値は、第1値と第2値を含み得る。ここで、第1値は、高レベルを示す論理1であってもよく、第2値は、低レベルを示す論理0であってもよく、または、第1値は、低レベルを示す論理0であってもよく、第2値は、高レベルを示す論理1であってもよく、これに対して特に限定しない。
【0057】
例示的に、ECS識別信号のレベル値が論理1であると、ECS識別信号が有効状態にあると決定することができ、そうでない場合、ECS識別信号のレベル値が論理0であると、ECS識別信号が無効状態にあると決定することができる。
【0058】
なお、本発明の実施例では、ECS識別信号が有効状態にある場合、次のタイミングで受信されるリフレッシュコマンド信号を取り出し、当該リフレッシュコマンド信号に基づいてECSコマンド信号を生成し、同時に、対応する取り出されたリフレッシュコマンド信号は消滅し、ECS動作が実行される。ECS識別信号が無効状態にある場合、リフレッシュコマンド信号は、取り出されずに、内部リフレッシュ信号として直接出力され、リフレッシュ動作が実行される。
図3では、内部リフレッシュ信号は、REF_NEWで表される。
【0059】
つまり、第1タイミングモジュールは、固定時間間隔ごとに1つの有効なECSのフラグ信号ECS_Flagを生成し、タイミングのカウントを停止する。当該ECS_Flag信号は、コマンド制御モジュールに伝送され、その後、コマンド制御モジュールは、次のREFab信号またはSelf_REF信号を取り出してECSコマンド信号を生成し、その同時に、対応する取り出されたリフレッシュコマンドは消滅し、そして、リセット信号を生成して第1タイミングモジュールに送信することにより、ECS_Flag信号リセットを無効値にリセットされ、第1タイミングモジュールのカウントを再開させる。ECS_Flag信号が無効値である期間は、リフレッシュコマンドは取り出されることなく、REF_NEW信号が直接取得されるため、実行中のリフレッシュ動作に影響を与えない。
【0060】
このように、コマンド制御モジュール112はリフレッシュコマンド信号を「取り出す」ため、すなわち、ECSコマンド信号を生成する際に対応するリフレッシュコマンド信号が消滅するため、ECS動作の実行中にリフレッシュ動作は実行されない。このようにして、ECSの実行中のメモリの消費電力を削減することができ、ECS動作の実行中にリフレッシュ動作を同時に実行することによるメモリ故障も防止することができる。
【0061】
さらに、
図1に示すように、ECS制御モジュール11は、ECSコマンド信号を生成した後、ECSコマンド信号をコマンド生成モジュール12に送信し、コマンド生成モジュール12は、ECSコマンド信号に基づいて内部コマンド信号を生成し、ここで、内部コマンド信号は、ECS動作を実行するために必要なコマンド信号である。
【0062】
コマンド生成モジュール12について、
図4を参照すると、本発明の実施例によるコマンド生成モジュール12の構成の例示的な構造図が示されている。
図4に示すように、いくつかの実施例では、コマンド生成モジュール12は、内部コマンド生成モジュール122と、第2タイミングモジュール121とを含み、ここで、
内部コマンド生成モジュール122は、ECSコマンド信号を受信した後、所定のタイミング条件に従って、活性化信号、読み取りコマンド信号、書き込みコマンド信号、およびプリチャージ信号を順次生成するように構成され、
第2タイミングモジュール121は、活性化信号と読み取りコマンド信号との間の時間間隔が第1タイミング条件を満たすように制御し、読み取りコマンド信号と書き込みコマンド信号との間の時間間隔が第2タイミング条件を満たすように制御し、書き込みコマンド信号とプリチャージ信号との間の時間間隔が第3タイミング条件を満たすように制御するように構成され、
ここで、所定のタイミング条件は、第1タイミング条件、第2タイミング条件、および第3タイミング条件からなる。
【0063】
なお、内部コマンド信号は、活性化信号(Active、
図4ではACTで表される)と、読み取りコマンド信号(Read、
図4ではRDで表される)と、書き込みコマンド信号(Write、
図4ではWRで表される)と、プリチャージ信号(Precharge、
図4ではPREで表される)と、を含み得る。具体的には、内部コマンド生成モジュール122は、ECSコマンド信号(
図4ではECS_CMDで表される)を受信した後、所定のタイミング条件に従って、ACT信号、RD信号、WR信号、およびPRE信号を順次生成し、ここで、各内部コマンド信号間のタイミングは、第2タイミングモジュール121によって制御される。
【0064】
なお、ACT信号とRD信号との間の時間間隔はtRCDで表され、RD信号とWR信号との間の時間間隔はWLで表され、WR信号とPRE信号との間の時間間隔はtWRで表される。例示的に、内部コマンド生成モジュールは、ECSコマンド信号を受信した後、まず、ACT信号を生成し、第2タイミングモジュール121の制御下で、ACT信号をtRCDだけ遅延させた後にRD信号を取得し、次に、第2タイミングモジュール121の制御下で、RD信号をWLだけ遅延させた後にWR信号を取得し、続いて、第2タイミングモジュール121の制御下で、WR信号をtWRだけ遅延させた後にPRE信号を取得する。
【0065】
なお、コマンド生成モジュール12の主な機能は次の通りである。ECS制御モジュール11は、自動ECS動作モードと手動ECS動作モードにおいて、MPC信号、REFab信号、およびSelf_REF信号をそれぞれ制御して、ECSコマンド信号を生成してコマンド生成モジュール12に送信する。各ECS動作の実行に必要な最小時間をtECScとして記録する。この時間内で、ECSは、カウントポインタ(カウントポインタは、アドレスカウントモジュールのクロック信号を指す)によって制御される特定のバンクグループの特定のバンク内の特定の行の特定の列(すなわち、バンクアレイ内の1つの具体的なメモリビット)に対して内部読み書きとエラー検出修正を行う必要があるため、内部ACTコマンド信号、RDコマンド信号、WRコマンド信号、およびPREコマンド信号を自己生成し、且つコマンド信号間のタイミングがtRCD、WL、tWRを満たす必要があり、これにより、一回のECS動作をtECSc内で完了させ、つまり、ECS動作の実行がタイムアウトしないようにするために、tRCD、WL、tWRの合計がtECScより小さい(または等しい)必要がある。ここで、コマンド信号間のタイミングの制御は、具体的には、遅延ライン(Delay Line)によって実現されることができる。
【0066】
さらに、ECS動作は、バンク制御モジュールによってバンクアレイを制御することにより実現できる。
図5は、本発明の実施例によるECS回路の部分構造の概略図を示す。
図5に示すように、いくつかの実施例では、ECS回路10はさらに、バンク制御モジュール15と、バンクアレイ16とを備え、バンクアレイ16は、少なくとも1つのバンクグループを含み、バンクグループは、少なくとも1つのバンクを含み、バンクは、少なくとも1つの行と、少なくとも1つの列とを含み、ここで、
バンク制御モジュール15は、内部コマンド信号を受信し、内部コマンド信号に基づいて、バンクアレイに対してECS動作を実行するように構成され、
バンク制御モジュール15はさらに、ECS動作の実行中にエラー情報が検出された場合、エラー信号を生成し、エラー信号をエラー追跡記録モジュール14に送信するように構成される。
【0067】
なお、
図5において、ECS制御モジュール11とコマンド生成モジュール12の説明は、前述の内容を参照することができ、ここでは繰り返して説明しない。バンクアレイ16について、
図6を参照すると、本発明の実施例によるバンクアレイ16の構成の例示的な構造図が示されている。
図6に示す例では、バンクアレイ16(Array、DRAM Arrayとも呼ばれる)は、BG0、BG1、BG2、およびBG3の4つのバンクグループ(BG:Bank Growp)を含み、各バンクグループは、BA0、BA1、BA2、およびBA3の4つのバンク(BA:Bank)を含み、BG1のBA3を例にとると、バンクBA3は、ROW0、ROW1、ROW2、ROW3、ROW4、およびROW5の6行(Row)を含み、バンクBA3は、Col0、Col1、Col2、Col3、およびCol4の5列(Col:Column)を含む。
図6では、1つの円が1つのメモリビットを表しており、例えば、BA3において、ROW0とCol0によって、メモリビットBit00の位置を特定することができる。各ECS動作は、バンクアレイ16内の1つのメモリビットに対して行われるものである。
【0068】
なお、コマンド生成モジュール12は、内部コマンド信号を生成して、バンク制御モジュール15(DRAM制御モジュール、DRAM Controlとも呼ばれる)に送信し、バンク制御モジュール15は、内部コマンド信号に基づいて、バンクアレイ16内のメモリビットに対してECS動作を実行する。
【0069】
なお、ECS動作は、活性化動作と、読み取り動作と、エラー較正動作と、書き込み動作と、プリチャージ動作とを含み得る。バンク制御モジュール15は、まず、ACT信号を受信して、対応するアドレスのワードラインを活性化し、その後、RD信号を受信して、メモリビットからコードワードを読み取り、ここで、ECS回路はさらに、エラー訂正回路を含み得、エラー訂正回路は、エラー検出訂正(ECC:Error Check and Correct)アルゴリズムを実行し、読み取られたコードワードは、エラー訂正回路に送信されてチェックされる。ここで、コードワードは、データとパリティを含み得、エラー訂正符号を利用して、データからパリティを生成することができる。エラー較正動作を実行するとき、エラー較正回路は、コードワードのエラーを検出し、コードワードのエラーを較正して、較正されたコードワードを生成することができる。WR信号を受信すると、書き込み動作を実行し、較正されたコードワードをメモリビットに書き込む。また、コードワードのエラーが検出されなかった場合、書き込み動作を実行する必要はなく、最後に、PRE信号を受信すると、プリチャージを行う。
【0070】
なお、ECS動作の実行中に、エラー情報が存在するコードワードが検出された場合、エラー信号を生成して、エラー追跡記録モジュールに送信することにより、エラー追跡記録モジュールがエラー情報を記録および追跡することができ、エラー情報は、バンクアレイから読み取られたデータからエラー検出訂正(ECC)アルゴリズムを用いて検出されたエラーであるため、エラー信号は、ECCエラー信号とも呼ばれ、
図5では、ECC_Errorで表される。
【0071】
このように、本発明の実施例によれば、ECSコマンド信号に基づいて内部コマンド信号を生成し、内部コマンド信号に基づいてECS動作を実行し、これにより、バンクアレイのエラー検出とスクラブを実現することができる。
【0072】
なお、ここでのバンクアレイ16は、DRAM内の1つのメモリダイ(Die)であってもよく、各Dieに対して、同じ方式でECS動作を実行することで、DRAMに対する完全なエラー検出とスクラブを実現する。
【0073】
バンク制御モジュールが内部コマンド信号に基づいてバンクアレイに対してECS動作を実行する一方で、アドレスカウントモジュールはさらに、内部コマンド信号に基づいてアドレスカウントを行い、カウント終了信号を生成する。ここで、アドレスカウントモジュールは、PRE信号に基づいてカウントを行い、PRE信号は、アドレスカウントモジュールのクロック信号として使用される。アドレスカウントモジュールは、バンクアレイの列、行、バンク、およびバンクグループをそれぞれカウントし、カウントが完了すると、カウント終了信号を生成してエラー追跡記録モジュールに送信することができる。ここで、カウント終了信号は、一行の各メモリビットのカウント完了を示す列終了信号と、1つのバンクの各行のカウント完了を示す行終了信号と、1つのバンクグループの各バンクのカウント完了を示すバンク終了信号と、バンクアレイの各バンクグループのカウント完了を示すバンクグループ終了信号と、バンクアレイ全体のすべてのメモリビットのカウント完了を示すECS終了信号と、を含む。さらに、アドレス計算モジュールは、列アドレス情報、バンク情報、バンクグループ情報などのアドレス情報をエラー追跡記録モジュールに送信することにより、エラー追跡記録モジュールが、必要なアドレス情報を保存できるようにする。
【0074】
アドレスカウントモジュールについて、
図7を参照すると、本発明の実施例によるアドレスカウントモジュール13の構成の例示的な構造図が示されている。
図7に示すように、いくつかの実施例では、アドレスカウントモジュール13は、列カウントモジュール131と、行カウントモジュール132と、アレイカウントモジュール133とを含み、ここで、
列カウントモジュール131は、プリチャージ信号を受信し、プリチャージ信号に基づいて、ターゲット行に対して列カウントを行い、ターゲット行の列カウントが完了すると、列出力信号および列終了信号を生成するように構成され、
行カウントモジュール132は、プリチャージ信号および列出力信号を受信し、プリチャージ信号および列出力信号に基づいて、ターゲットバンクに対して行カウントを行い、ターゲットバンクの行カウントが完了すると、行出力信号および行終了信号を生成するように構成され、
アレイカウントモジュール133は、プリチャージ信号および行出力信号を受信し、プリチャージ信号および行出力信号に基づいて、ターゲットバンクグループに対してバンクカウントを行い、ターゲットバンクグループのバンクカウントが完了すると、バンク出力信号およびバンク終了信号を生成し、プリチャージ信号およびバンク出力信号に基づいて、バンクアレイに対してバンクグループカウントを行い、バンクアレイのバンクグループカウントが完了すると、バンクグループ終了信号およびECS終了信号を生成するように構成される。
【0075】
なお、
図7では、PREは、プリチャージ信号を表し、Col_Wrapは、列出力信号を表し、COL_ENDは、列終了信号を表し、Row_Wrapは、行出力信号を表し、ROWは、行アドレス情報を表し、BAは、バンクアドレス情報を表し、BGは、バンクグループアドレス情報を表し、バンクアドレス情報とバンクグループアドレス情報は、
図7においてまとめてBG/BAとして表記され、ECS_ENDは、ECS終了信号を表し、これらのアドレス情報は、エラー追跡記録モジュール14に送信される必要があり、さらに、行終了信号(ROW_ENDとも呼ばれる)は、1つのバンクの行のカウントが完了したことを示し、バンク終了信号(BA_ENDとも呼ばれる)は、1つのバンクグループのバンクのカウントが完了したことを示し、バンクグループ終了信号(BG_ENDとも呼ばれる)は、バンクアレイのすべてのバンクグループのカウントが完了したことを示す。
【0076】
なお、依然として
図6に示すバンクアレイ16を例として、
図7を参照してアドレスカウントモジュール13の動作プロセスについて説明する。バンクアレイ16の各BAの構成がすべてBG1のBA3と同じであると仮定する。各BGでは、各メモリビットはBitxyとして表記され、ここで、xは、BAにおいてメモリビットが位置する行を示し、yは、BGにおいてメモリビットが位置する列を示し、例えば、Bit32は、BAにおけるROW3とCol2によって決められたメモリビットを示し、現在ECS動作が実行されているメモリビットは、ターゲットメモリビットとして表記され、ターゲットメモリビットが属する行、バンク、バンクグループはそれぞれ、ターゲット行、ターゲットバンク、およびターゲットバンクグループとして表記される。例えば、BG1のBA2のBit11に対してECS動作を実行している場合、ターゲット行は、BG1のBA2のROW1であり、ターゲットバンクは、BG1のBA2であり、ターゲットバンクグループは、BG1である。ここで、各カウントモジュールはいずれも、PRE信号をクロックとして使用する。
【0077】
列カウントモジュール131は、バンクアレイ16内の各行に含まれるメモリビットを順次にカウントすることができる。このように、バンクアレイ16に対する一回の完全なECSプロセスにおいて、まず、BG0のBA0の第1行ROW0内の各メモリビットに対してECS動作を順次に実行し、Bit00に対してECS動作を実行するとき、対応するPRE信号は、列カウントモジュール131のクロック端(
図7では、各カウントモジュールのクロック端をCNT_CLKで表している)に送信され、PRE信号を受信するたびに、ROW0の列カウント値は1ずつ増加する。列カウント値は、ターゲット行においてECS動作が完了したメモリビットの数を示すことを理解することができる。ROW0に5つのメモリビットが含まれるため、ROW0の列カウント値が5になると、ROW0の列カウントが完了したことを示す。このとき、列カウントモジュール131は、1つのCol_Wrap信号と1つのCOL_END信号を生成し、ここで、Col_Wrap信号は、行カウントモジュール132に送信され、COL_END信号は、エラー追跡記録モジュールに送信される。ROW0の列カウントが完了した後、列カウントモジュール131は、カウント値をゼロにリセットし、その後、ROW1の列カウントを実行し続け、バンクアレイ16の各行の列カウントが完了するまで、このプロセスに従ってバンクアレイ16の各行を順次カウントする。つまり、列カウントモジュール131はさらに、列出力信号および列終了信号を生成した後、バンクアレイの各行の列カウントが完了するまで、次のターゲット行の列カウントを続行するように構成される。
【0078】
行カウントモジュール132は、PRE信号とCol_Wrap信号に基づいてカウントを行う。依然としてBG0のBA0を例にとり、具体的には、列カウントモジュール131は、ROW0のカウントを完了した後、1つのCol_Wrap信号を生成して行カウントモジュール132に送信し、行カウントモジュール132によってカウントされるターゲットバンクの行カウント値は1だけ増加する。行カウント値は、ターゲットバンクにおいてECS動作が完了した行の数を示すことを理解することができる。列カウントモジュール131は、ROW1のカウントを完了した後、同様に、1つのCol_Wrap信号を送信して行カウントモジュール132に送信し、ターゲットバンクの行カウント値はさらに1だけ増加し、以下同様であり、BA0に6つの行が含まれるため、ターゲットバンクの行カウント値が6になると、BA0の行カウントが完了したことを示す。この場合、行カウントモジュール132は、Row_Wrap信号と行アドレス情報(ROW)を生成し、ここで、Row_Wrap信号は、バンクカウントモジュール1331に送信され、行アドレス情報は、エラー追跡記録モジュール14に送信される。また、カウントプロセスにおいて、行カウントモジュール132は、ターゲットバンクの行カウントを終了した後、行終了信号(ROW_END)を生成して、当該ターゲットバンクの行カウントが完了したことを示す。BA0の行カウントを完了した後、行カウントモジュール132は、カウント値をゼロにリセットし、その後、BA1の行カウントを実行し続け、バンクアレイ16の各BAのカウントを完了するまで、このプロセスに従ってバンクアレイ16の各BAを順次カウントする。つまり、行カウントモジュール132はさらに、行出力信号および前記行終了信号を生成した後、バンクアレイの各バンクの行カウントが完了するまで、次のターゲットバンクの行カウントを続行するように構成される。
【0079】
アレイカウントモジュール133は、バンクのカウントを行うだけでなく、バンクグループのカウントも行う。アレイカウントモジュール133については、
図8を参照すると、本発明の実施例による別のアドレスカウントモジュール13の構成の例示的な構造図が示されている。
図8に示すように、いくつかの実施例では、アレイカウントモジュールは、バンクカウントモジュール1331と、バンクグループカウントモジュール1332と、を含み、ここで、
バンクカウントモジュール1331は、プリチャージ信号および行出力信号を受信し、プリチャージ信号および行出力信号に基づいて、ターゲットバンクグループに対してバンクカウントを行い、ターゲットバンクグループのバンクカウントが完了すると、バンク出力信号およびバンク終了信号を生成するように構成され、
バンクグループカウントモジュール1332は、プリチャージ信号およびバンク出力信号を受信し、プリチャージ信号およびバンク出力信号に基づいて、バンクアレイに対してバンクグループカウントを行い、バンクアレイのバンクグループカウントが完了すると、バンクグループ終了信号およびECS終了信号を生成するように構成される。
【0080】
なお、バンクカウントモジュール1331は、PRE信号およびRow_Wrap信号に基づいてカウントを行う。依然としてBG0を例として、行カウントモジュール132は、BA0のカウントを完了した後、1つのRow_Wrap信号を生成してバンクカウントモジュール1331に送信し、バンクカウントモジュール1331によってカウントされるターゲットバンクグループのバンクカウント値は1だけ増加する。理解できるように、バンクカウント値は、ターゲットバンクグループにおいてECS動作が完了したバンクの数を示し、行カウントモジュール132は、BA1のカウントを完了した後、同様に、1つのRow_Wrap信号を生成してバンクカウントモジュール1331に送信し、ターゲットバンクグループのバンクカウント値はさらに1だけ増加し、以下同様であり、BG0に4つのBAが含まれるため、ターゲットバンクグループのバンクカウント値が4になると、BG0のバンクのカウントが完了したことを示す。この場合、バンクカウントモジュール1331は、BA_Wrap信号およびバンクアドレス情報(BA)を生成し、ここで、BA_Wrap信号は、バンクグループカウントモジュール1332に送信され、バンクアドレス情報は、エラー追跡記録モジュール14に送信される。また、カウントプロセスにおいて、バンクカウントモジュール1331は、ターゲットバンクグループのバンクのカウントを終了した後、バンク終了信号(BA_END)を生成して、当該ターゲットバンクグループのバンクのカウントが完了したことを示す。BG0のバンクのカウントが完了した後、バンクカウントモジュール1331は、カウント値をゼロにリセットし、その後、BG1の行カウントを実行し続け、バンクアレイ16の各BGのカウントを完了するまで、このプロセスに従ってバンクアレイ16の各BGを順次カウントする。つまり、アレイカウントモジュール133におけるバンクカウントモジュール1331はさらに、バンク出力信号およびバンク終了信号を生成した後、バンクアレイの各バンクグループのバンクカウントが完了するまで、次のターゲットバンクグループのバンクカウントを続行するように構成される。
【0081】
バンクグループカウントモジュール1332は、PRE信号およびBA_Wrap信号に基づいてカウントを行う。バンクカウントモジュール1331は、BG0のカウントを完了した後、1つのBA_Wrap信号を生成してバンクグループカウントモジュール1332に送信し、バンクグループのカウント値は1だけ増加する。理解できるように、バンクグループのカウント値は、バンクアレイ16においてECS動作が完了したバンクグループの数を示し、バンクカウントモジュール1331は、BG1のカウントを完了した後、同様に、1つのBA_Wrap信号を生成してバンクグループカウントモジュール1332に送信し、バンクグループのカウント値はさらに1だけ増加し、以下同様であり、バンクアレイ16に4つのBGが含まれるため、バンクグループのカウント値が4になると、当該バンクアレイ16のバンクグループのカウントが完了したこと、即ち、バンクアレイ16内のすべてのメモリビットのECS動作が完了したことを示す。この場合、バンクグループカウントモジュール1332は、バンクグループアドレス情報(BG)およびECS_END信号を生成し、ここで、バンクグループアドレス情報およびECS_END信号は両方ともエラー追跡記録モジュール14に送信される。また、カウントプロセスにおいて、バンクグループカウントモジュール1332は、バンクアレイ内のバンクグループのカウントを終了した後、さらに、バンクグループ終了信号(BG_END)を生成して、当該バンクアレイ内のバンクグループのカウントが完了したことを示す。バンクグループのカウントを完了した後、バンクグループカウントモジュール1332は、カウント値をゼロにリセットし、バンクアレイ16に対して次のECS動作を実行するまで、上記のプロセスに従ってカウントを行う。
【0082】
理解できることとして、バンクカウントモジュール1331は、バンクグループに対してバンクカウントを行うように構成され、バンクグループカウントモジュール1332は、バンクアレイ内のバンクグループに対してカウントを行うように構成され、バンクカウントモジュール1331とバンクグループカウントモジュール1332は、関連する機能を実現するために、アレイカウントモジュール133という1つのモジュールに統合されることができる。
【0083】
なお、本発明の実施例では、生成される各出力信号とカウント信号(またはECSコマンド信号など)は、高レベルのパルスであってもよい。つまり、特定の条件が満たされる場合、これらの信号は、有效な状態となり、これにより、対応するモジュールが、これらの信号に基づいて、他の信号を生成したり、カウント、読み取り、書き込みなどの動作を実行したりすることができる。
【0084】
つまり、アドレスカウントモジュール(アドレスカウンタとも呼ばれる)の主な機能は、次の通りである。DRAMに対して完全なエラー検出とスクラブを行うためには、すべてのバンクグループのすべてのバンクの行と列にアクセスする必要がある。ECS動作ごとに、アドレスカウントモジュールは、各内部PREコマンド信号の後に列アドレスのカウント(即ち、ターゲット行の列カウント)を増加させ、ターゲット行の列アドレスのカウントが完了した後、行アドレスのカウント(即ち、ターゲットバンクの行カウント)か増加し始め、1つのバンクの各行のコードワードがすべてアクセスされるまで続き、次に、バンクのカウント(即ち、ターゲットバンクグループのバンクカウント)が増加し始め、前のバンクのコードワードへのアクセスプロセスを繰り返し、1つのバンクグループのすべてのバンクのカウントが完了すると、バンクグループのカウント(バンクグループカウント)が増加し始め、DRAMのすべてのバンクがアクセスされるまで続き、これにより、一回の完全なエラー検出とスクラブ動作が完了する。
【0085】
このように、ECS動作を実行するときのPREコマンド信号をアドレスカウントモジュールのクロックとして使用して、行、バンク、およびバンクグループに対してそれぞれカウントを行うことで、追加のクロックは必要なく、行、バンク、およびバンクグループのECS動作が完了したか否かを正確に判断できる。
【0086】
このように、本発明の実施例では、コマンド生成モジュールによって生成された内部コマンド信号PREをアドレスカウントモジュールのクロック信号として使用し、ECS動作が実行されるたびに、列カウントモジュール(列アドレスカウンタ、COL_CNTとも呼ばれる)のカウントが増加し始め、1行の列アドレスのカウントが完了すると、行カウントモジュール(行アドレスカウンタ、ROW_CNTとも呼ばれる)の入力としてCol_Wrap信号を出力し、行カウントモジュールのカウントが増加し始め、1つのバンクの行アドレスカウントのカウントが完了すると、アレイカウントモジュール(BG/BAカウンタ、BA/BG_CNTとも呼ばれる)の入力としてRow_Wrapを出力し、BG/BAのカウントが完了してECS_END信号が出力されると、一回の完全なエラー検出とスクラブが完了したことを示す。COL_END信号が出力されると、1つの行カウントが完了したことを示し、エラーカウンタの行モードに適用される。
【0087】
アドレスカウントモジュールは、カウント終了信号とアドレス情報をエラー追跡記録モジュールに送信し、エラー追跡記録モジュールは、カウント終了信号、アドレス情報、およびエラー信号に基づいてエラー追跡信号を生成して、ECS動作のエラー情報を記録する。ここで、カウント終了信号は主に、列終了信号とECS終了信号とを含み、アドレス情報は主に、行アドレス情報と、バンクアドレス情報と、バンクグループアドレス情報とを含む。
【0088】
エラー追跡記録モジュールについて、
図5を基に、
図9を参照すると、本発明の実施例によるECS回路10の具体的な構造の概略図が示されている。
図9に示すように、エラー追跡記録モジュール14は、第1エラー追跡記録モジュール141と第2エラー追跡記録モジュール142からなる。
【0089】
第1エラー追跡記録モジュール141について、いくつかの実施例では、第1エラー追跡記録モジュール141は、カウントモード信号を受信し、カウントモード信号が第1値である場合、第1エラー追跡記録モジュール141のカウントモードがコードワードカウントモードであると決定し、または、カウントモード信号が第2値である場合、第1エラー追跡記録モジュール141のカウントモードが行カウントモードであると決定するように構成される。
【0090】
なお、第1エラー追跡記録モジュール141(EC:ERROR_COUNTとも呼ばれる)は、コードワードカウントモードと行カウントモードの2つの動作モードがあり、これらの2つの動作モードは、カウントモード信号に基づいて切り替えることができ、ここで、カウントモード信号は、MR14 OP[5](
図9では、MR14 OP[5]はMRSで表される)であってもよい。カウントモード信号の値が第1値である場合、バンクアレイのコードワードエラー数をカウントするために、コードワードカウントモードが実行され、カウントモード信号の値が第2値である場合、バンクアレイにおいて少なくとも1つのコードワードエラーが存在する行の数をカウントするための、行カウントモードが実行される。
【0091】
ここで、第1値は、高レベルを示す論理1であってもよく、第2値は、低レベルを示す論理0であってもよく、または、第1値は、低レベルを示す論理0であってもよく、第2値は、高レベルを示す論理1であってもよく、これに対して特に限定しない。
【0092】
このように、カウントモード信号によって第1エラー追跡記録モジュールの動作方式が決定されるため、バンクアレイにおいてエラー情報が存在するコードワードをカウントできるだけでなく、バンクアレイにおいて少なくとも1つのエラー情報が存在する行のカウントも可能になり、これにより、エラー情報の記録の柔軟性が向上し、実際の応用では、必要に応じて設定することができる。
【0093】
さらに、カウントモードがコードワードカウントモードである場合、
図9に示すように、いくつかの実施例では、第1エラー追跡記録モジュール141は、エラー信号を受信し、エラー信号に基づいてコードワードカウントを行い、ECS終了信号を受信すると、第1カウント値を決定し、第1カウント値を第1閾値と比較し、第1カウント値が前記第1閾値以上である場合、第1カウント値を保存するように構成され、ここで、第1カウント値は、前記バンクアレイにおいてエラー情報が存在するコードワードの数を表すために使用される。
【0094】
なお、本発明の実施例では、エラー情報は主に、コードワードのエラー情報を指し、よって、エラー情報はコードワードエラーとも呼ばれる。コードワードカウントモードにおいて、第1エラー追跡記録モジュールは、バンクアレイにおいてエラー情報が存在するコードワードをカウントする必要がある。ここで、バンク制御モジュールがバンクアレイ内の1つのコードワードエラーを検出した度に、エラー信号(
図9ではECC_Errorで表される)が生成される。ここで、コードワードエラーを検出した場合、ECC_Errorは、1つの高レベルのパルスであり得、これにより、第1エラー追跡記録モジュールは、ECC_Errorに従ってバンクアレイにおいてエラー情報が存在するコードワードをカウントすることができ、ECS終了信号(
図9ではECS_ENDで表される)を受信すると、バンクアレイの一回の完全なECS動作が完了したことを示し、この場合、第1エラー追跡記録モジュールはカウントを停止し、第1カウント値を得る。理解できるように、第1カウント値は、バンクアレイにおいてエラー情報が存在するコードワードの数を示す。
【0095】
図9に示すように、第1カウント値が保存される位置は、モードレジスタ20(MR20)であってもよい。さらに、コードワードカウントモードにおいて、DRAMは、第1閾値より小さいコードワードエラー数を無視することができ、つまり、第1カウント値が第1閾値より小さい場合、第1カウント値をMR20に保存せず、第1カウント値が第1閾値以上である場合にのみ、第1カウント値を保存する。
【0096】
本発明の実施例では、第1閾値は、エラーカウント閾値およびバンクアレイの記憶密度によって決定されることができ、ここで、モードレジスタ信号MR15 OP[2:0](
図9では、MRSはさらにMR15 OP[2:0]を表す)に基づいてエラーカウント閾値(ETC:Error Threshold Count)を設定することができ、例えば、DDR5において、OP[2:0]が000Bである場合、ETCは4であり、OP[2:0]が001Bである場合、ETCは16であり、OP[2:0]が010Bである場合、ETCは64であり、OP[2:0]が011Bである場合、ETCは256であり、OP[2:0]が100Bである場合、ETCは1024であり、OP[2:0]が101Bである場合、ETCは4096である。ここで、ETCのデフォルト設定は、1メモリユニットあたり256個であり、ここで、1メモリユニットは1Gbを表すことができる。
【0097】
バンクアレイの記憶密度が16Gbであり、ETCが4であると仮定すると、1Gbあたりのコードワードエラー数が4未満であれば無視され、バンクアレイ全体で見ると、コードワードエラー数が4×16=64未満であれば無視される。つまり、この例では、第1閾値は64であり、第1カウント値が64以上である場合、第1カウント値は、MR20にロードされて保存され、そうでない場合、保存されない。そして、第1カウント値はリセットされ、次の完全なECS動作が実行されるときにカウントが再開される。
【0098】
このように、コードワードカウントモードでは、第1エラー追跡記録モジュールは、バンクアレイにおいてエラー情報が存在するコードワードをカウントして、第1カウント値を得、第1閾値に基づいて第1カウント値をモードレジスタに保存することができ、エラー情報の数が多すぎる場合にのみ、後続での使用のために第1カウント値を保存することにより、消費電力と記憶スペースを節約することができる。
【0099】
さらに、カウントモードが行カウントモードである場合、
図9に示すように、いくつかの実施例では、第1エラー追跡記録モジュールは、エラー信号および列終了信号を受信し、エラー信号および列終了信号に基づいてエラー行カウントを行い、ECS終了信号を受信すると、第2カウント値を決定し、第2カウント値を第2閾値と比較し、第2カウント値が第2閾値より大きい場合、第2カウント値を保存するように構成され、ここで、第2カウント値は、バンクアレイにおいて少なくとも1つのエラー情報が存在する行の数を表すために使用される。
【0100】
なお、行カウントモードにおいて、第1エラー追跡記録モジュールは、バンクアレイにおいて少なくとも1つのエラー情報が存在する行をカウントする必要があり、つまり、第2カウント値は、少なくとも1つのコードワードエラーが存在する行の数を表す。
【0101】
1つの具体的な実現形態では、少なくとも1つのエラー情報が存在する行をカウントするために、第1エラー追跡記録モジュールは、ECC_Errorおよび列終了信号(Col_END)を受信する必要がある。例示的に、エラー情報を表すECC_Errorを受信した場合、第1エラー追跡記録モジュール141は、ECC_Errorに基づいてカウントを行い、行エラーカウント値を得、Col_ENDを受信すると、現在の行のすべてのメモリビットの一回の完全なECS動作が完了したことを示し、このとき、現在の行の行エラーカウント値が0より大きい場合、現在の行に少なくとも1つのコードワードエラーが存在することを示し、第2カウント値は1だけ増加し、そうでない場合、第2カウント値は増加せず、行エラーカウント値をゼロにリセットし、ECC_Errorに基づいてカウントを再開し、次のCol_ENDを受信したときに、再び行エラーカウント値に基づいて、第2カウント値を1だけ増加する必要があるか否かを判断し、バンクアレイの一回の完全なECS動作が完了したことを示すECS_ENDを受信するまでこのステップを繰り返し、ECS_ENDを受信した場合、第1エラー追跡記録モジュールはカウントを停止し、第2カウント値を得る。
【0102】
他の実現形態では、ECC_Errorは、コードワードエラーが存在する行が検出されたときに生成されるパルス信号であってもよく、この場合、第1エラー追跡記録モジュールは、ECC_Errorを直接カウントし、コードワードエラーが存在する行の数を表す第2カウント値を得る。または、第1エラー追跡モジュールは、選択モジュールに接続され、選択モジュールは、カウントモード信号に基づいてコードワードカウントモードまたは行カウントモードを選択し、コードワードカウントモードにおいて、選択モジュールは、ECC_Errorに基づいて第1パルス信号を生成し、第1エラー追跡モジュールは、第1パルス信号をカウントして、第1カウント値を得、行カウントモードにおいて、選択モジュールは、ECC_Errorに基づいて第2パルス信号を生成し、第1エラー追跡モジュールは、第2パルス信号をカウントして、第2カウント値を得る。
【0103】
第2カウント値を保存するとき、保存する位置は、モードレジスタ20(
図9ではMR20で表される)であってもよい。さらに、行カウントモードにおいて、DRAMは、第2閾値より小さい行エラー数を無視することができ、つまり、第2カウント値が第2閾値より小さい場合、第2カウント値をMR20に保存せず、第2カウント値が第2閾値以上である場合にのみ、第2カウント値を保存する。
【0104】
本発明の実施例では、第2閾値が4であると仮定し、第2カウント値が4以上である場合、第2カウント値は、MR20にロードされて保存され、そうでない場合は保存されない。そして、第2カウント値はリセットされ、次の完全なECS動作が実行されるときにカウントが再開される。また、第2閾値は、上記のETCであってもよく、第2閾値の決定方式は、第1閾値の決定方式と同じであってもよい。
【0105】
このように、行カウントモードでは、第1エラー追跡記録モジュールは、バンクアレイにおいてエラー情報が存在する行をカウントして、第2カウント値を得、第2閾値に基づいて第2カウント値をモードレジスタに保存することができ、エラー情報が存在する行の数が多すぎる場合にのみ、後続での使用のために第2カウント値を保存することにより、消費電力と記憶スペースを節約することができる。
【0106】
第2エラー追跡記録モジュール142について、
図9に示すように、いくつかの実施例では、第2エラー追跡記録モジュール142は、エラー信号を受信し、エラー信号および列終了信号に基づいて、ターゲット行のエラー情報をカウントし、ターゲット行の第3カウント値を決定した後、第3カウント値を第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値と比較し、第3カウント値がターゲットカウント値より大きい場合、第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値をスクラブし、第3カウント値をターゲットカウント値として前記第1レジスタモジュールに保存し、ECS終了信号を受信するまで、エラー信号および列終了信号に基づいて、次のターゲット行のエラーカウントを実行し続け、ECS終了信号を受信した場合、第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値を決定するように構成され、ここで、第3カウント値は、ターゲット行においてエラー情報が存在するコードワードの数を表すために使用される。
【0107】
なお、第2エラー追跡記録モジュール142(行あたりエラーカウンタ、EPRC(ERROR PER ROW CNT)とも呼ばれる)は、バンクアレイ内の各行のコードワードエラーをカウントし、コードワードエラー数が最も大きい行のコードワードエラー数とその行のアドレス情報を保存することができる。ここで、第2エラー追跡記録モジュール142は、ECC_ErrorおよびCol_ENDに基づいて各行のエラー情報をカウントすることができる。例えば、バンクアレイの第i行に対してエラー情報のカウントを行い、バンクアレイに合計N行が含まれており、Nが0より大きい整数であると仮定すると、iは0より大きくN以下の整数であり、Col_END信号を受信すると、第i行のすべてのメモリビットのECS動作が完了したことを示し、この場合、第i行に対するエラー情報のカウントを終了することができ、得られたカウント値を第3カウント値とし、第3カウント値は、第i行のエラー情報の数(即ち、エラーコードワード数)を表すことを理解することができる。
【0108】
なお、第1行のエラーカウントから開始して、第1行に少なくとも1つのエラー情報が存在する場合、即ち、第1行の第3カウント値が0より大きい場合、第1行に対応する第3カウント値をターゲットカウント値として第1レジスタモジュールに保存し、ここで、第1レジスタモジュールは、モードレジスタ19(
図9ではMR[19]で表される)であり得る。その後、第2行のエラーカウントを実行し続け、得られた第3カウント値を、レジスタに保存されているターゲットカウント値と比較し、第2行に対応する第3カウント値がターゲットカウント値より大きい場合、第1レジスタモジュールに保存されているターゲットカウント値をスクラブし、第2行に対応する第3カウント値を新しいターゲットカウント値として第1レジスタモジュールに保存し、次の行に対してもこのように順次実行し、より大きな第3カウント値が現れるたびに、第1レジスタモジュールにおけるターゲットカウント値が置き替えられるため、第1レジスタモジュール保存されたターゲットカウント値は常に、これまでにカウントされた行のうちエラー情報の数が最も多い行に対応する第3カウント値となる。このようにして、ECS終了信号を受信したとき、第1レジスタモジュールに保存されたターゲットカウント値は、エラー情報の数が最も多い行の第3カウント値となる。
【0109】
理解できることとして、第1行から第i-1行までにエラー情報が出現せず、第i行で初めてエラー情報が出現した場合、第i行には、比較対象となるターゲットカウント値がないため、第i行に対応する第3カウント値は、ターゲットカウント値として第1レジスタモジュールに直接保存される。または、第2エラー追跡記録モジュールは、エラー信号を受信し、エラー信号および列終了信号に基づいて第1行のエラー情報をカウントし、第1行の第3カウント値を決定した後、第1行の第3カウント値をターゲットカウント値として第1レジスタモジュールに保存し、第1行カウントが終了した後、上記の方式に従ってターゲット行に対してカウントを行うように構成され、この場合、ターゲット行は、第1行以外の他の行を指す。この場合、第1行の第3カウント値が0であっても第1レジスタモジュールに保存でき、第2行の場合、その対応する第3カウント値を0と比較して、最終的なターゲットカウント値を決定する。
【0110】
なお、第3カウント値をターゲットカウント値として第1レジスタモジュールに保存するたびに、第2エラー追跡記録モジュールはさらに、ターゲットカウント値を第1レジスタモジュールに保存するとき、ターゲットカウント値に対応するアドレス情報を第2レジスタモジュールに保存するように構成され、ここで、アドレス情報は、ターゲットカウント値に対応する行アドレス情報と、バンクアドレス情報と、バンクグループアドレス情報とを含む。
【0111】
ここで、第2レジスタモジュールは、モードレジスタ16と、モードレジスタ17と、モードレジスタ18とを含み得、
図9ではMR[16:18]で表される。理解できるように、第1レジスタモジュールにおけるターゲットカウント値がより大きな第3カウント値に置き替えられるたびに、第2レジスタモジュールにおけるアドレス情報も対応するアドレス情報に置き替えられる。このようにして、ECS終了信号を受信したときに、第2レジスタモジュールには、エラー情報の数が最も多い行の行アドレス情報、バンクアドレス情報、およびバンクグループアドレス情報が保存される。
【0112】
さらに、いくつかの実施例では、第2エラー追跡記録モジュールはさらに、ECS終了信号を受信した後、第1レジスタモジュール内の現在記憶されているターゲットカウント値を第3閾値と比較し、ターゲットカウント値が第3閾値以上である場合、第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値と、第2レジスタモジュールに記憶されているアドレス情報を保持し、ターゲットカウント値が第3閾値より小さい場合、第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値と、第2レジスタモジュールに記憶されているアドレス情報をスクラブするように構成される。
【0113】
なお、本発明の実施例では、さらに、最終的なターゲットカウント値が第3閾値より大きい場合にのみ、当該ターゲットカウント値とその対応するアドレス情報を保存することができる。ここで、第3閾値は、行エラーカウント閾値(RETC:Row Error threshold Count)とも呼ばれ、DDRでは、RETCの値を4に固定してもよい。例えば、RETCの値が4に等しい場合、最終的なターゲットカウント値が4より大きい場合、第1レジスタモジュールにおけるターゲットカウント値を保持し、第2レジスタモジュールにおけるアドレス情報を保持し、そうでない場合、現在のターゲットカウント値のアドレス情報をスクラブする。
【0114】
例示的に、
図6において、最終的なターゲットカウント値のアドレス情報はBG1-BA2-ROW1であり、当該ターゲット行が、バンクアレイ内のバンクグループBG1のバンクBA2の第2行ROW1であることを示す。ここで、行アドレス情報、バンクアドレス情報、およびバンクグループアドレス情報は、アドレスカウントモジュールがカウントを行う過程でエラー追跡記録モジュールに送信されたものであり、これにより、エラー追跡記録モジュールは、ターゲットカウント値に対応するアドレス情報を正確に保存することができる。
【0115】
このようにして、第2エラー追跡記録モジュールは、第3閾値に基づいて、エラー情報の数が最も大きい行の情報をモードレジスタに保存することができ、エラー情報の数が多すぎる場合にのみ、後続での使用のためのエラー行の情報を保存することにより、消費電力と記憶スペースを節約することができる。
【0116】
なお、
図9では、ターゲットカウント値はREC[5:0]で表され、MR19に保存され、ターゲットカウント値に対応するアドレス情報は、MAX_ADDで表され、行アドレス情報と、バンクアドレス情報と、バンクグループアドレス情報とを含み、それぞれMR[16:18]に保存される。ここで、行カウントモジュール、アレイカウントモジュールによって出力されるROW、BG/BAは、エラーカウントが最も大きい行アドレスの具体的な情報を記録してレジスタに保存するために使用される。つまり、本発明の実施例では、エラー追跡信号は主に、第1エラー追跡記録モジュールに保存された第1カウント値または第2カウント値、および第2エラー追跡記録モジュールに保存された最終的なターゲットカウント値とその対応するアドレス情報を指し、これらのエラー追跡信号は、バンクアレイ内のエラー数などの情報を記録することができる。また、第1カウント値、第2カウント値、およびターゲットカウント値を保存する際には、ワンホットエンコーディング(one-hot encoding)を用いて、第1カウント値、第2カウント値、およびターゲットカウント値を符号化して保存することができる。
【0117】
簡単に言うと、エラー追跡記録モジュールは、第1エラー追跡記録モジュール(EC)と第2エラー追跡記録モジュール(EPRC)の2つのエラーカウンタを含む。ECモジュールには2つのモードがあり、MR14 OP[5]に応じて切り替える必要があり、OP[5]=0である場合、行カウントモードになり、行カウントモードにおいて、ECC_ErrorおよびCOL_ENDは、少なくとも1つのエラーがある行をカウントするために使用される。OP[5]=1である場合、コードワードカウントモードになり、コードワードカウントモードにおいて、ECC_Error信号を用いて、コードワードのエラー数をカウントする。すべてのECSが一度完了すると、ECの結果は、ETCに基づいてMR20にロードされ、ECは、その値がモードレジスタに転送された後にリセットされる。
【0118】
EPRCモジュールは、ECC_Error、BG/BA、およびROWを使用して、エラー情報の数が最も大きい行を記録し、さらに、エラー情報の数が最も大きい行のアドレス情報MAX_ADDを記録する。すべてのECSが一度完了すると、当該アドレス情報はMR[16:18]にロードされ、当該行のエラーカウントは、RETCに応じてMR19にロードされる。ここで、ECとEPRCによって記録されるデータは、レジスタに直接ロードされるのではなく、一回の完全なECS動作が完了した後に、ETCおよびRETCに基づいて対応するレジスタにロードされる。
【0119】
なお、本発明の実施例に係る、カウント機能を実行するモジュールは、同期カウンタによって実現することも、非同期カウンタによって実現することもでき、ここでは特に限定しない。
【0120】
本発明の実施例は、ECS回路を提供し、モード制御信号に基づいてECSコマンド信号を生成して、ECS動作を実行し、これにより、メモリに対して完全なエラー検出とスクラブを実行することができ、さらに、ECS動作の実行が完了した後、エラー信号およびカウント終了信号に基づいてエラー追跡信号を生成して、ECS動作のエラー情報を記録することができ、これにより、メモリにおいてエラー情報が存在する位置を迅速に特定し、修復することができ、最終的にメモリの性能を向上させることができる。
【0121】
本発明の別の実施例では、
図10を参照すると、本発明の実施例によるECS方法の例示的なフローチャートが示されている。
図10に示されたように、当該方法は、以下のステップを含み得る。
【0122】
ステップS1001において、ECS制御モジュールによって、モード制御信号を受信し、モード制御信号に基づいてECSコマンド信号を生成する。
【0123】
ステップS1002において、コマンド生成モジュールによって、ECSコマンド信号を受信し、ECSコマンド信号に基づいて内部コマンド信号を生成し、内部コマンド信号は、対応するECS動作を実行するために使用される。
【0124】
ステップS1003において、アドレスカウントモジュールによって、内部コマンド信号を受信し、内部コマンド信号に基づいてアドレスカウントを行い、ターゲットアドレスのカウントが完了したときにカウント終了信号を生成する。
【0125】
ステップS1004において、エラー追跡記録モジュールによって、カウント終了信号およびエラー信号を受信し、カウント終了信号およびエラー信号に基づいてエラー追跡信号を生成し、エラー追跡信号は、ECS動作のエラー情報を記録するために使用される。
【0126】
いくつかの実施例では、モード制御信号は、多用途コマンド(MPC)信号またはリフレッシュコマンド信号を含み、モード制御信号に基づいて、ECSコマンド信号を生成することは、
ECS動作が手動ECS動作モードである場合、MPC信号に基づいてECSコマンド信号を生成すること、または、
ECS動作が自動ECS動作モードである場合、リフレッシュコマンド信号に基づいてECSコマンド信号を生成することを含み得る。
【0127】
なお、異なるECS動作モードにおいて、異なるコマンド信号に基づいてECS動作を生成することができ、ここで、自動ECS動作モードにおいて、リフレッシュ信号(REFab)に基づいて自動ECS動作を実行するか、セルフリフレッシュ信号(Self_REF)に基づいて自動ECS動作を実行することができ、手動ECS動作モードでは、特定のMPC信号に基づいてECS動作を実行するか、第1モードレジスタ信号と組み合わせて、セルフリフレッシュするときにECS動作を実行するか否かを决定することができる。
【0128】
いくつかの実施例では、モード制御信号に基づいて、ECSコマンド信号を生成することは、
第1タイミングモジュールによって、ECS識別信号を生成することと、
コマンド制御モジュールによって、ECS識別信号を受信し、ECS識別信号が有効状態にある場合、リフレッシュコマンド信号を取得し、リフレッシュコマンド信号に基づいてECSコマンド信号を生成することと、を含み得る。
【0129】
いくつかの実施例では、第1タイミングモジュールによって、ECS識別信号を生成することは、
第1タイミングモジュールによって、第1クロック信号を受信し、第1クロック信号に基づいてカウントを行い、ECS識別信号を生成し、ECS識別信号をコマンド制御モジュールに送信することを含み得、ここで、カウント値が所定条件を満たす場合、ECS識別信号は有効状態になる。
【0130】
いくつかの実施例では、当該方法は、
ECS識別信号が有効状態にある場合、第1タイミングモジュールがカウントを停止することと、
リフレッシュコマンド信号に基づいてECSコマンド信号を生成した後、コマンド制御モジュールがリセット信号を生成し、リセット信号を第1タイミングモジュールに送信して、第1タイミングモジュールがカウントを再開し、ECS識別信号を無効状態にするように制御することと、をさらに含み得る。
【0131】
いくつかの実施例では、当該方法は、
ECS識別信号が無効状態にある場合、コマンド制御モジュールによって、受信したリフレッシュコマンド信号を内部リフレッシュ信号として出力して、リフレッシュ動作を実行することをさらに含み得る。
【0132】
いくつかの実施例では、ECSコマンド信号に基づいて内部コマンド信号を生成することは、
内部コマンド生成モジュールによって、ECSコマンド信号を受信し、前記ECSコマンド信号を受信した後、所定のタイミング条件に従って、活性化信号、読み取りコマンド信号、書き込みコマンド信号、およびプリチャージ信号を順次生成すること、および第2タイミングモジュールによって、活性化信号と読み取りコマンド信号との間の時間間隔が第1タイミング条件を満たすように制御し、読み取りコマンド信号と書き込みコマンド信号との間の時間間隔が第2タイミング条件を満たすように制御し、書き込みコマンド信号とプリチャージ信号との間の時間間隔が第3タイミング条件を満たすように制御すること、を含み得、
ここで、所定のタイミング条件は、第1タイミング条件、第2タイミング条件、および第3タイミング条件からなる。
【0133】
いくつかの実施例では、当該方法は、
バンク制御モジュールによって、内部コマンド信号を受信し、内部コマンド信号に基づいてバンクアレイに対してECS動作を実行すること、および、ECS動作の実行中にエラー情報が検出された場合、エラー信号を生成し、エラー信号をエラー追跡記録モジュールに送信すること、をさらに含み得る。
【0134】
いくつかの実施例では、内部コマンド信号に基づいてアドレスカウントを行い、ターゲットアドレスのカウントが完了したときにカウント終了信号を生成することは、
列カウントモジュールによって、プリチャージ信号を受信し、プリチャージ信号に基づいて、ターゲット行に対して列カウントを行い、ターゲット行の列カウントが完了すると、列出力信号および列終了信号を生成することと、
行カウントモジュールによって、プリチャージ信号および列出力信号を受信し、プリチャージ信号および列出力信号に基づいて、ターゲットバンクに対して行カウントを行い、ターゲットバンクの行カウントが完了すると、行出力信号および行終了信号を生成することと、
アレイカウントモジュールによって、プリチャージ信号および行出力信号を受信し、プリチャージ信号および行出力信号に基づいて、ターゲットバンクグループに対してバンクカウントを行い、ターゲットバンクグループのバンクカウントが完了すると、バンク出力信号およびバンク終了信号を生成することと、プリチャージ信号およびバンク出力信号に基づいて、バンクアレイに対してバンクグループカウントを行い、バンクアレイのバンクグループカウントが完了すると、バンクグループ終了信号およびECS終了信号を生成することと、を含み得る。
【0135】
いくつかの実施例では、アレイカウントモジュールによって、プリチャージ信号および行出力信号を受信し、プリチャージ信号および行出力信号に基づいて、ターゲットバンクグループに対してバンクカウントを行い、ターゲットバンクグループのバンクカウントが完了すると、バンク出力信号およびバンク終了信号を生成し、プリチャージ信号およびバンク出力信号に基づいて、バンクアレイに対してバンクグループカウントを行い、バンクアレイのバンクグループカウントが完了すると、バンクグループ終了信号およびECS終了信号を生成することは、
バンクカウントモジュールによって、プリチャージ信号および行出力信号を受信し、プリチャージ信号および行出力信号に基づいて、ターゲットバンクグループに対してバンクカウントを行い、ターゲットバンクグループのバンクカウントが完了すると、バンク出力信号およびバンク終了信号を生成することと、
バンクグループカウントモジュールによって、プリチャージ信号およびバンク出力信号を受信し、プリチャージ信号およびバンク出力信号に基づいて、バンクアレイに対してバンクグループカウントを行い、バンクアレイのバンクグループカウントが完了すると、バンクグループ終了信号およびECS終了信号を生成することと、を含み得る。
【0136】
いくつかの実施例では、当該方法は、
列出力信号および列終了信号を生成した後、列カウントモジュールが、バンクアレイの各行の列カウントが完了するまで、次のターゲット行の列カウントを続行することと、
行出力信号および行終了信号を生成した後、行カウントモジュールが、バンクアレイの各バンクの行カウントが完了するまで、次のターゲットバンクの行カウントを続行することと、
バンク出力信号およびバンク終了信号を生成した後、バンクカウントモジュールが、バンクアレイの各バンクグループのバンクカウントが完了するまで、次のターゲットバンクグループのバンクカウントを続行することと、をさらに含み得る。
【0137】
いくつかの実施例では、当該方法は、
第1エラー追跡記録モジュールによって、カウントモード信号を受信すること、およびカウントモード信号が第1値である場合、第1エラー追跡記録モジュールのカウントモードがコードワードカウントモードであると決定し、または、カウントモード信号が第2値である場合、第1エラー追跡記録モジュールのカウントモードが行カウントモードであると決定すること、をさらに含み得る。
【0138】
いくつかの実施例では、コードワードカウントモードにおいて、カウント終了信号およびエラー信号に基づいてエラー追跡信号を生成することは、
第1エラー追跡記録モジュールによって、エラー信号を受信し、エラー信号に基づいてコードワードカウントを行い、ECS終了信号を受信すると、第1カウント値を決定し、第1カウント値を第1閾値と比較し、第1カウント値が前記第1閾値以上である場合、第1カウント値を保存することを含み得、ここで、第1カウント値は、バンクアレイにおいてエラー情報が存在するコードワードの数を表すために使用される。
【0139】
いくつかの実施例では、行カウントモードにおいて、カウント終了信号およびエラー信号に基づいてエラー追跡信号を生成することは、
第1エラー追跡記録モジュールによって、エラー信号および列終了信号を受信し、エラー信号および列終了信号に基づいてエラー行カウントを行い、ECS終了信号を受信すると、第2カウント値を決定し、第2カウント値を第2閾値と比較し、第2カウント値が第2閾値より大きい場合、第2カウント値を保存することを含み得、ここで、第2カウント値は、バンクアレイにおいて少なくとも1つのエラー情報が存在する行の数を表すために使用される。
【0140】
いくつかの実施例では、カウント終了信号およびエラー信号に基づいてエラー追跡信号を生成することは、
第2エラー追跡記録モジュールによって、エラー信号を受信し、エラー信号および列終了信号に基づいて、ターゲット行のエラー情報をカウントし、ターゲット行の第3カウント値を決定した後、第3カウント値を、第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値と比較し、第3カウント値がターゲットカウント値より大きい場合、第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値をスクラブし、第3カウント値をターゲットカウント値として前記第1レジスタモジュールに保存することと、ECS終了信号を受信するまで、エラー信号および列終了信号に基づいて、次のターゲット行のエラーカウントを実行し続け、ECS終了信号を受信した場合、第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値を決定することと、を含み得、ここで、第3カウント値は、ターゲット行においてエラー情報が存在するコードワードの数を表すために使用される。
【0141】
いくつかの実施例では、当該方法は、
ターゲットカウント値を第1レジスタモジュールに保存するとき、ターゲットカウント値に対応するアドレス情報を第2レジスタモジュールに保存することをさらに含み得、ここで、アドレス情報は、ターゲットカウント値に対応する行の行アドレス情報と、バンクアドレス情報と、バンクグループアドレス情報とを含む。
【0142】
いくつかの実施例では、当該方法は、
ECS終了信号を受信した後、第1レジスタモジュール内の現在記憶されているターゲットカウント値を第3閾値と比較し、ターゲットカウント値が第3閾値以上である場合、第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値と、第2レジスタモジュールに記憶されたアドレス情報を保持し、ターゲットカウント値が第3閾値より小さい場合、第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値と、第2レジスタモジュールに記憶されているアドレス情報をスクラブすることをさらに含み得る。
【0143】
なお、本発明の実施例によるECS方法は、上記の実施例によるECS回路に適用され、本発明の実施例で開示されていない詳細については、上記の実施例の説明を参照して理解できる。
【0144】
本発明の実施例によるECS方法によれば、モード制御信号に基づいてECSコマンド信号を生成して、ECS動作を実行し、これにより、メモリに対して完全なエラー検出とスクラブを実行することができ、さらに、ECS動作の実行が完了した後、エラー信号およびカウント終了信号に基づいてエラー追跡信号を生成して、ECS動作のエラー情報を記録することができ、これにより、メモリにおいてエラー情報が存在する位置を迅速に特定し、修復することができ、最終的にメモリの性能を向上させることができる。
【0145】
本発明の別の実施例では、
図11を参照すると、本発明の実施例によるメモリ20の構成の例示的な構造図が示されている。
図11に示すように、当該メモリ20は、上記の任意の実施例で説明したECS回路10を備えることができる。
【0146】
いくつかの実施例では、当該メモリ20は、DRAMを含み得る。
【0147】
なお、本発明の実施例は、DDR5の新しい動作モードであるエラー検出とスクラブモードの全体的なフレームワークの設計に関するものであり、手動ECS動作モードと自動ECS動作モードにおいて、MPC、REFab、SREFを介してECSコマンド信号を生成し、それによって内部自己生成コマンドで対応するアドレスのエラー検出とスクラブ動作を実現する。また、ECS動作で発見されたエラーをECとEPRCに記録し、ECSコマンドが終了するたびに、アドレスカウントモジュールのカウントが増加する。コマンド生成モジュール間のタイミング制御と、ECS設計におけるタイミング制御モジュールにより、1回のECS動作がtECSc内で完了できること、および少なくとも24時間以内でDRAMに対して一回の完全なエラー検出とスクラブを行うことを確保する必要がある。
【0148】
本発明の実施例では、DRAMの場合、DDR、DDR2、DDR3、DDR4、DDR5、DDR6などのメモリ規格を満たすことができるだけでなく、LPDDR、LPDDR2、LPDDR3、LPDDR4、LPDDR5、LPDDR6などのメモリ規格を満たすこともでき、ここでは特に限定しない。
【0149】
本発明の実施例では、当該メモリ20の場合、上記の実施例に記載のECS回路10を備えるため、メモリに対するECS動作を実現することができ、これにより、メモリの性能を向上させることができる。
【0150】
上記は、本発明の例示的な実施例に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではない。
【0151】
なお、本発明において、用語「備える」、「含む」またはその任意の他の変形形態は、排他的でない包括を意図しており、これにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品または装置が、単にこれらの要素を含むだけでなく、明示的に列挙されていないその他の要素や、そのプロセス、方法、物品または装置の固有の要素も含むことを意味する。別段の限定がない限り、「…を含む」という表現で限定された要素は、その要素を含むプロセス、方法、部品または装置において、他の同様の要素が存在することを排除しない。
【0152】
上記の本発明の実施例の番号は、実施例の優劣を表すものではなく、説明の便宜を図るためのものである。
【0153】
本発明で提供されるいくつかの方法の実施例に開示された方法は、矛盾がない限り、任意に組み合わせることで新しい方法実施例を得ることができる。
【0154】
本発明で提供されるいくつかの製品の実施例に開示された特徴は、矛盾がない限り、任意に組み合わせることで新しい製品実施例を得ることができる。
【0155】
本発明で提供されるいくつかの方法または回路の実施例に開示された特徴は、矛盾がない限り、任意に組み合わせることで新しい方法実施例または回路実施例を得ることができる。
【0156】
上記の内容は、本発明の特定の実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲はこれに限定されない。本発明で開示された技術的範囲内で、当業者が容易に想到し得る変更または置換は、すべて本発明の保護範囲内に含まれるべきである。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の保護範囲に従うものとする。
【産業上の利用可能性】
【0157】
本発明の実施例は、モード制御信号に基づいてECSコマンド信号を生成して、ECS動作を実行し、これにより、メモリに対して完全なエラー検出とスクラブを実行することができ、さらに、ECS動作の実行が完了した後、エラー信号およびカウント終了信号に基づいてエラー追跡信号を生成して、ECS動作のエラー情報を記録することができ、これにより、メモリにおいてエラー情報が存在する位置を迅速に特定し、修復することができ、最終的にメモリの性能を向上させることができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラー検出とスクラブ(ECS)回路であって、ECS制御モジュールと、コマンド生成モジュールと、アドレスカウントモジュールと、エラー追跡記録モジュールとを備え、
前記ECS制御モジュールは、モード制御信号を受信し、前記モード制御信号に基づいてECSコマンド信号を生成するように構成され、
前記コマンド生成モジュールは、前記ECSコマンド信号に基づいて内部コマンド信号を生成するように構成され、前記内部コマンド信号は、対応するECS動作を実行するために使用され、
前記アドレスカウントモジュールは、前記内部コマンド信号に基づいてアドレスカウントを行い、ターゲットアドレスのカウントが完了したときにカウント終了信号を生成するように構成され、
前記エラー追跡記録モジュールは、エラー信号を受信し、前記カウント終了信号および前記エラー信号に基づいてエラー追跡信号を生成するように構成され、前記エラー追跡信号は、前記ECS動作のエラー情報を記録するために使用される、エラー検出とスクラブ(ECS)回路。
【請求項2】
前記モード制御信号は、多用途コマンド(MPC)信号またはリフレッシュコマンド信号を含み、
前記ECS制御モジュールはさらに、前記ECS動作が手動ECS動作モードである場合、前記MPC信号に基づいて前記ECSコマンド信号を生成するように構成され、または、
前記ECS制御モジュールはさらに、前記ECS動作が自動ECS動作モードである場合、前記リフレッシュコマンド信号に基づいて前記ECSコマンド信号を生成するように構成される、
請求項1に記載のECS回路。
【請求項3】
前記ECS制御モジュールは、第1タイミングモジュールおよびコマンド制御モジュールを含み、
前記第1タイミングモジュールは、ECS識別信号を生成するように構成され、
前記コマンド制御モジュールは、前記ECS識別信号を受信し、前記ECS識別信号が有効状態にある場合、リフレッシュコマンド信号を取得し、前記リフレッシュコマンド信号に基づいて前記ECSコマンド信号を生成するように構成される、
請求項2に記載のECS回路。
【請求項4】
前記第1タイミングモジュールは、第1クロック信号を受信し、前記第1クロック信号に基づいてカウントを行い、前記ECS識別信号を生成し、前記ECS識別信号を前記コマンド制御モジュールに送信するように構成され、カウント値が所定条件を満たす場合、前記ECS識別信号は有効状態にな
り、
前記第1タイミングモジュールはさらに、前記ECS識別信号が有効状態にある場合、前記カウントを停止するように構成され、
前記コマンド制御モジュールはさらに、前記リフレッシュコマンド信号に基づいて前記ECSコマンド信号を生成した後、リセット信号を生成し、前記リセット信号を前記第1タイミングモジュールに送信して、前記第1タイミングモジュールがカウントを再開し、前記ECS識別信号を無効状態にするように制御するように構成され、
前記コマンド制御モジュールはさらに、前記ECS識別信号が無効状態にある場合、受信したリフレッシュコマンド信号を内部リフレッシュ信号として出力して、リフレッシュ動作を実行するように構成される、
請求項3に記載のECS回路。
【請求項5】
前記コマンド生成モジュールは、内部コマンド生成モジュールおよび第2タイミングモジュールを含み、
前記内部コマンド生成モジュールは、前記ECSコマンド信号を受信した後、所定のタイミング条件に従って、活性化信号、読み取りコマンド信号、書き込みコマンド信号、およびプリチャージ信号を順次生成するように構成され、
前記第2タイミングモジュールは、前記活性化信号と前記読み取りコマンド信号との間の時間間隔が第1タイミング条件を満たすように制御し、前記読み取りコマンド信号と前記書き込みコマンド信号との間の時間間隔が第2タイミング条件を満たすように制御し、前記書き込みコマンド信号と前記プリチャージ信号との間の時間間隔が第3タイミング条件を満たすように制御するように構成され、
前記所定のタイミング条件は、前記第1タイミング条件、前記第2タイミング条件、および前記第3タイミング条件からなる、
請求項1に記載のECS回路。
【請求項6】
前記ECS回路はさらに、バンク制御モジュールおよびバンクアレイを備え、前記バンクアレイは、少なくとも1つのバンクグループを含み、前記バンクグループは、少なくとも1つのバンクを含み、前記バンクは、少なくとも1つの行および少なくとも1つの列を含み、
前記バンク制御モジュールは、前記内部コマンド信号を受信し、前記内部コマンド信号に基づいて、前記バンクアレイに対してECS動作を実行するように構成され、
前記バンク制御モジュールはさらに、前記ECS動作の実行中にエラー情報が検出された場合、前記エラー信号を生成し、前記エラー信号を前記エラー追跡記録モジュールに送信するように構成される、
請求項
5に記載のECS回路。
【請求項7】
前記アドレスカウントモジュールは、列カウントモジュールと、行カウントモジュールと、アレイカウントモジュールとを含み、
前記列カウントモジュールは、前記プリチャージ信号を受信し、前記プリチャージ信号に基づいて、ターゲット行に対して列カウントを行い、前記ターゲット行の列カウントが完了すると、列出力信号および列終了信号を生成するように構成され、
前記行カウントモジュールは、前記プリチャージ信号および前記列出力信号を受信し、前記プリチャージ信号および前記列出力信号に基づいて、ターゲットバンクに対して行カウントを行い、前記ターゲットバンクの行カウントが完了すると、行出力信号および行終了信号を生成するように構成され、
前記アレイカウントモジュールは、前記プリチャージ信号および前記行出力信号を受信し、前記プリチャージ信号および前記行出力信号に基づいて、ターゲットバンクグループに対してバンクカウントを行い、前記ターゲットバンクグループのバンクカウントが完了すると、バンク出力信号およびバンク終了信号を生成し、前記プリチャージ信号および前記バンク出力信号に基づいて、前記バンクアレイに対してバンクグループカウントを行い、前記バンクアレイのバンクグループカウントが完了すると、バンクグループ終了信号およびECS終了信号を生成するように構成される、
請求項
6に記載のECS回路。
【請求項8】
前記アレイカウントモジュールは、バンクカウントモジュールおよびバンクグループカウントモジュールを含み、
前記バンクカウントモジュールは、前記プリチャージ信号および前記行出力信号を受信し、前記プリチャージ信号および前記行出力信号に基づいて、ターゲットバンクグループに対してバンクカウントを行い、前記ターゲットバンクグループのバンクカウントが完了すると、前記バンク出力信号および前記バンク終了信号を生成するように構成され、
前記バンクグループカウントモジュールは、前記プリチャージ信号および前記バンク出力信号を受信し、前記プリチャージ信号および前記バンク出力信号に基づいて、前記バンクアレイに対してバンクグループカウントを行い、前記バンクアレイのバンクグループカウントが完了すると、前記バンクグループ終了信号および前記ECS終了信号を生成するように構成される、
請求項
7に記載のECS回路。
【請求項9】
前記列カウントモジュールはさらに、前記列出力信号および前記列終了信号を生成した後、前記バンクアレイの各行の列カウントが完了するまで、次のターゲット行の列カウントを続行するように構成され、
前記行カウントモジュールはさらに、前記行出力信号および前記行終了信号を生成した後、前記バンクアレイの各バンクの行カウントが完了するまで、次のターゲットバンクの行カウントを続行するように構成され、
前記アレイカウントモジュールはさらに、前記バンク出力信号および前記バンク終了信号を生成した後、前記バンクアレイの各バンクグループのバンクカウントが完了するまで、次のターゲットバンクグループのバンクカウントを続行するように構成される、
請求項
7に記載のECS回路。
【請求項10】
前記エラー追跡記録モジュールは、第1エラー追跡記録モジュールを含み、
前記第1エラー追跡記録モジュールは、カウントモード信号を受信し、前記カウントモード信号が第1値である場合、前記第1エラー追跡記録モジュールのカウントモードがコードワードカウントモードであると決定し、または、前記カウントモード信号が第2値である場合、前記第1エラー追跡記録モジュールのカウントモードが行カウントモードであると決定するように構成される、
請求項
8に記載のECS回路。
【請求項11】
前記第1エラー追跡記録モジュールは、前記カウントモードが前記コードワードカウントモードである場合、前記エラー信号を受信し、前記エラー信号に基づいてコードワードカウントを行い、前記ECS終了信号を受信すると、第1カウント値を決定し、前記第1カウント値を第1閾値と比較し、前記第1カウント値が前記第1閾値以上である場合、前記第1カウント値を保存するように構成され、
前記第1カウント値は、前記バンクアレイにおいてエラー情報が存在するコードワードの数を表すために使用される、
請求項
10に記載のECS回路。
【請求項12】
前記第1エラー追跡記録モジュールは、前記カウントモードが前記行カウントモードである場合、前記エラー信号および前記列終了信号を受信し、前記エラー信号および前記列終了信号に基づいてエラー行カウントを行い、前記ECS終了信号を受信すると、第2カウント値を決定し、前記第2カウント値を第2閾値と比較し、前記第2カウント値が前記第2閾値より大きい場合、前記第2カウント値を保存するように構成され、
前記第2カウント値は、前記バンクアレイにおいて少なくとも1つのエラー情報が存在する行の数を表すために使用される、
請求項
10に記載のECS回路。
【請求項13】
前記エラー追跡記録モジュールはさらに、第2エラー追跡記録モジュールを含み、
前記第2エラー追跡記録モジュールは、前記エラー信号を受信し、前記エラー信号および前記列終了信号に基づいて、ターゲット行のエラー情報をカウントし、前記ターゲット行の第3カウント値を決定した後、前記第3カウント値を第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値と比較し、前記第3カウント値が前記ターゲットカウント値より大きい場合、前記第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値をスクラブし、前記第3カウント値をターゲットカウント値として前記第1レジスタモジュールに保存し、前記ECS終了信号を受信するまで、前記エラー信号および前記列終了信号に基づいて次のターゲット行のエラーカウントを実行し続け、前記ECS終了信号を受信した場合、前記第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値を決定するように構成され、前記第3カウント値は、前記ターゲット行においてエラー情報が存在するコードワードの数を表すために使用される、
請求項
8に記載のECS回路。
【請求項14】
前記第2エラー追跡記録モジュールはさらに、前記ターゲットカウント値を第1レジスタモジュールに保存するとき、前記ターゲットカウント値に対応するアドレス情報を第2レジスタモジュールに保存するように構成され、前記アドレス情報は、前記ターゲットカウント値に対応する行アドレス情報と、バンクアドレス情報と、バンクグループアドレス情報とを含
み、
前記第2エラー追跡記録モジュールはさらに、前記ECS終了信号を受信した後、前記第1レジスタモジュール内の現在記憶されているターゲットカウント値を第3閾値と比較し、前記ターゲットカウント値が前記第3閾値以上である場合、前記第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値と、前記第2レジスタモジュールに記憶されたアドレス情報を保持し、前記ターゲットカウント値が前記第3閾値より小さい場合、前記第1レジスタモジュールに記憶されているターゲットカウント値と、前記第2レジスタモジュールに記憶されているアドレス情報をスクラブするように構成される、
請求項
13に記載のECS回路。
【請求項15】
請求項1ないし
14のいずれか一項に記載のECS回路に適用される、エラー検出とスクラブ(ECS)方法であって、
前記ECS制御モジュールによって、モード制御信号を受信し、前記モード制御信号に基づいてECSコマンド信号を生成することと、
前記コマンド生成モジュールによって、前記ECSコマンド信号を受信し、前記ECSコマンド信号に基づいて内部コマンド信号を生成することであって、前記内部コマンド信号は、対応するECS動作を実行するために使用される、ことと、
前記アドレスカウントモジュールによって、前記内部コマンド信号を受信し、前記内部コマンド信号に基づいてアドレスカウントを行い、ターゲットアドレスのカウントが完了したときにカウント終了信号を生成することと、
前記エラー追跡記録モジュールによって、前記カウント終了信号およびエラー信号を受信し、前記カウント終了信号および前記エラー信号に基づいてエラー追跡信号を生成することであって、前記エラー追跡信号は、前記ECS動作のエラー情報を記録するために使用される、ことと、を含む、エラー検出とスクラブ(ECS)方法。
【請求項16】
請求項1ないし
14のいずれか一項に記載のECS回路を備える、メモリ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM:Dynamic Random Access Memory)
ダブルデータレート(DDR:Double Data Rate)
第5世代DDR規格(DDR5 SPEC:DDR5 Specification)
多用途コマンド(MPC:Multi-Purpose Command)
エラー検出とスクラブ(ECS:Error Check and Scrub)
モードレジスタ(MR:Mode Register)
オートリフレッシュ(REFab:Auto_Refresh)
セルフリフレッシュ(Self_REFまたはSREF:Self_Refresh)
エラー検出訂正(ECC:Error Check and Correct)
DDR5 DRAMを例にとると、ECSモードでは、DRAM内部で、検出されたエラーコードワードを読み取って修正し、その修正されたデータをバンクアレイに書き戻しながら、エラーカウントを記録することが可能であり、これは、少なくとも24時間ごとにDRAMに対して一回の完全なエラー検出とスクラブを行うことが要求されている。ECSの動作モードは、自動動作モードと手動動作モードを含み、モードレジスタ信号MR14 OP[7]によって選択できる。自動ECS動作を実行する場合、リフレッシュコマンド信号とセルフリフレッシュコマンド信号を使用してECSコマンド信号を得ることができ、手動ECS動作を実行する場合には、MPC信号が必要であり、MR15は、セルフリフレッシュ中に手動ECS動作を実行するか否かを决定することもできる。
【国際調査報告】