(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-13
(54)【発明の名称】電極組立体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20250306BHJP
H01M 10/0583 20100101ALI20250306BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/0583
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024553441
(86)(22)【出願日】2023-12-04
(85)【翻訳文提出日】2024-09-06
(86)【国際出願番号】 KR2023019748
(87)【国際公開番号】W WO2024123003
(87)【国際公開日】2024-06-13
(31)【優先権主張番号】10-2022-0169261
(32)【優先日】2022-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ソ イェオン
(72)【発明者】
【氏名】バエ、ウォン シク
(72)【発明者】
【氏名】リー、ビェオン キュ
【テーマコード(参考)】
5H028
5H029
【Fターム(参考)】
5H028AA05
5H028BB00
5H028BB04
5H028BB05
5H028CC01
5H028CC08
5H028CC15
5H028CC26
5H028HH00
5H028HH05
5H028HH08
5H029AJ14
5H029BJ15
5H029CJ02
5H029CJ03
5H029CJ05
5H029CJ28
5H029DJ04
5H029HJ00
5H029HJ04
5H029HJ14
5H029HJ15
(57)【要約】
本発明は、第1単位電極組立体~第n単位電極組立体(nは3以上の自然数)を含む電極組立体であって、前記単位電極組立体はジグザグに折り畳まれた分離膜の間に正極と負極が交互に配置されたものであり、前記正極と前記負極はそれぞれ隣接する分離膜と接着されたものであり、第i+1単位電極組立体(iは1~n-1の自然数)は、第i単位電極組立体上に積層された電極組立体とその製造方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1単位電極組立体~第n単位電極組立体(nは3以上の自然数)を含む電極組立体であって、
前記単位電極組立体はジグザグに折り畳まれた分離膜の間に正極と負極が交互に配置されたものであり、
前記正極と前記負極はそれぞれ隣接する分離膜と接着されたものであり、
第i+1単位電極組立体(iは1~n-1の自然数)は、第i単位電極組立体上に積層されたものである、電極組立体。
【請求項2】
前記第1単位電極組立体~前記第n-1単位電極組立体は正極と負極をm個ずつ含み(mは1~20の自然数)、
前記第n単位電極組立体は正極m個と負極m+1個を含むものである、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記mは5~10の自然数である、請求項2に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記電極組立体は、
前記第1単位電極組立体~前記第n単位電極組立体を包む最外郭の分離膜をさらに含むものである、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記電極組立体は、
長辺の長さが短辺の長さの1.8~5.5倍である、請求項1から4のいずれか一項に記載の電極組立体。
【請求項6】
(S10)分離膜をジグザグに折り畳みながら、間と間に正極と負極を交互に配置して積層体を形成する段階;
(S20)前記積層体に熱と圧力を印加して前記正極と前記分離膜、及び前記負極と前記分離膜とを接着して単位電極組立体を製造する段階;及び
(S30)前記単位電極組立体を複数個積層する段階を含む、電極組立体の製造方法。
【請求項7】
前記電極組立体は、
第1単位電極組立体~第n単位電極組立体(nは3以上の自然数)を含み、
前記第1単位電極組立体~第n-1単位電極組立体は、前記正極と前記負極を同一の個数で含み、
前記第n単位電極組立体は、前記負極を前記正極よりも1個多く含むものである、請求項6に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項8】
(S40)前記積層された複数個の単位電極組立体を分離膜で包む段階をさらに含む、請求項7に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項9】
前記(S20)段階は、
前記積層体に45~80℃の温度で1~4MPaの圧力を1~30秒間印加することである、請求項6に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項10】
前記積層体の厚さは2~9.5mmである、請求項6から9のいずれか一項に記載の電極組立体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジグザグ型分離膜を含む電極組立体及びそれを製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学素子は、電気化学反応を利用して化学的エネルギーを電気的エネルギーに転換するものであって、近年ではエネルギー密度と電圧が高くサイクル寿命が長く、様々な分野で使用可能なリチウム二次電池が広く使われている。近年では、電気自動車やエネルギー貯蔵装置に対する需要が伸びるにつれ、容量とエネルギー密度を最大化するための素材と構造の開発が行われている。
【0003】
二次電池は、正極、負極、正極と負極との間に配置される分離膜を含む電極組立体を含むことができ、前記電極組立体を電解液と共にケースに収納して製造することができる。二次電池は、電極組立体が収納されるケースの形状に応じて、パウチ型、円筒型、角型、コイン型などに区分することができ、電極組立体の製造方法や形状に応じて、ゼリーロール型、スタック型などに区分することができる。
【0004】
近年では、長いシート状の分離膜をジグザグ状に折り曲げながら、隣接する折り曲げの間に正極と負極を交互に配置するジグザグスタッキング方式の電極組立体が開発されている。例えば、ジグザグ型電極組立体は、円筒に巻き取られた長いシート状の分離膜が供給されるとき、電極組立体が積層されるテーブルをチルティングまたはスイングしたり、分離膜を移送させる供給ロールを往復運動させて分離膜をジグザグに折り畳みながら、間と間に各電極を配置する方法で製造することができる。ジグザグスタッキングは、他の類型に比べて工程が単純なので生産性に優れるという利点がある。
【0005】
ジグザグ型電極組立体は、分離膜の間に電極を配置した後、電極組立体に熱と圧力を加えて分離膜に対する電極の位置を固定する一次熱圧着(heat press)段階と、前記熱圧着された電極組立体に熱と圧力をさらに加えて、分離膜と電極とを完全に接着させる二次熱圧着段階を通じて製造することができる。しかし、多数の電極が挿入された電極組立体を熱圧着する場合、熱と圧力が電極組立体の中心部まで均一に伝達されず、位置による接着力の差を生じさせた。電極組立体の位置による接着力の差は、電極と分離膜の脱離だけでなく、電気化学素子の低い剛性(stiffness)につながり、安全性の問題を引き起こした。これを解決するために熱と圧力を高めると、電極組立体の外郭に位置する分離膜は、過度な圧縮によって通気度が低下し、電気抵抗が高くなるという問題が発生した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、中心部まで均一に電極と分離膜との接着が具現されたジグザグ型電極組立体とそれを製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面は、第1単位電極組立体~第n単位電極組立体(nは3以上の自然数)を含む電極組立体であって、前記単位電極組立体はジグザグに折り畳まれた分離膜の間に正極と負極が交互に配置されたものであり、前記正極と前記負極はそれぞれ隣接する分離膜と接着されたものであり、第i+1単位電極組立体(iは1~n-1の自然数)は、第i単位電極組立体上に積層されたものを提供する。
【0008】
前記第1単位電極組立体~前記第n-1単位電極組立体は正極と負極をm個ずつ含み(mは1~20の自然数)、前記第n単位電極組立体は正極m個と負極m+1個を含むことができる。
【0009】
前記mは5~10の自然数であり得る。
【0010】
前記電極組立体は、前記第1単位電極組立体~前記第n単位電極組立体を包む最外郭の分離膜をさらに含むことができる。
【0011】
前記電極組立体は、長辺の長さが短辺の長さの1.8~5.5倍であり得る。
【0012】
本発明の他の一側面は、前記電極組立体の製造方法として、(S10)分離膜をジグザグに折り畳みながら、間と間に正極と負極を交互に配置して積層体を形成する段階、(S20)前記積層体に熱と圧力を印加して前記正極と前記分離膜、及び前記負極と前記分離膜とを接着して単位電極組立体を製造する段階、及び(S30)前記単位電極組立体を複数個積層する段階を含む方法を提供する。
【0013】
前記電極組立体は、第1単位電極組立体~第n単位電極組立体(nは3以上の自然数)を含み、前記第1単位電極組立体~第n-1単位電極組立体は、前記正極と前記負極を同一の個数で含み、前記第n単位電極組立体は、前記負極を前記正極よりも1個多く含むことができる。
【0014】
前記製造方法は、(S40)前記積層された複数個の単位電極組立体を分離膜で包む段階をさらに含むことができる。
【0015】
前記(S20)段階は、前記積層体に45~80℃の温度で1~4MPaの圧力を1~30秒間印加することであり得る。
【0016】
前記積層体の厚さは2~9.5mmであり得る。
【0017】
本発明の別の一側面は、前記電極組立体を含む電気化学素子を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明のジグザグ型電極組立体は、生産性に優れるという利点を保ちながら、上部、中心部及び下部にわたって電極と分離膜との接着が均一に具現された構造を提供して、前記電極組立体を含む電気化学素子の安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一具体例に従って単位電極組立体を製造する過程を示す概念図である。
【0020】
【
図2】本発明の一具体例に従って電極組立体を製造する過程を示す概念図である。
【0021】
【
図3】(a)は本発明の一具体例に係る電極組立体の正面図であり、(b)は前記電極組立体の斜視図である。
【0022】
【
図4】本発明の一具体例に係る電極組立体の剛性実験の過程を示す概念図であり、(a)は実験準備の過程、(b)は電極組立体が反った長さ(M)を測定する過程を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の各構成をより詳細に説明するが、これは一つの例示に過ぎず、本発明の権利範囲が下記の内容によって制限されない。
【0024】
本明細書で使用される「含む」という用語は、本発明に有用な材料、組成物、装置、及び方法を列挙する際に使用され、その列挙された例に制限されるものではない。
【0025】
本明細書で使用される「約」、「実質的に」は、固有の製造及び物質の許容誤差を勘案して、その数値や程度の範疇またはそれに近い意味で使用され、本発明の理解を助けるために提供された、正確な数値や絶対的な数値が言及された開示内容を侵害者が不当に利用するのを防ぐために使用される。
【0026】
以下、添付の図面を参照して本発明の一具体例を詳細に説明する。図面は、本発明の一具体例の内容を説明または強調するために誇張したり省略したり、概略的に図示したりすることがある。
【0027】
本発明の一具体例は、第1単位電極組立体~第n単位電極組立体(nは3以上の自然数)を含む電極組立体であって、前記単位電極組立体はジグザグに折り畳まれた分離膜の間に正極と負極が交互に配置されたものであり、前記正極と前記負極はそれぞれ隣接する分離膜と接着されたものであり、第i+1単位電極組立体(iは1~n-1の自然数)は、第i単位電極組立体上に積層されたものを提供する。
【0028】
前記単位電極組立体は、ジグザグに折り畳まれた分離膜の間に正極と負極を交互に配置した積層体を熱圧着して製造されたものであり得る。
【0029】
前記分離膜は、ポリオレフィン基材や不織布などの多孔性基材の少なくとも一面に無機物とバインダーを含む多孔性コーティング層が形成された機能性分離膜を意味することができるが、これに限定されない。分離膜は、多孔性基材なしで無機物とバインダーで形成されたフリースタンディング分離膜を包括して指すことができる。
【0030】
前記多孔性高分子基材は、正極及び負極を電気的に絶縁して短絡を防止しながら、リチウムイオンは通過できる気孔を提供するものである。前記多孔性高分子基材は、有機溶媒である電気化学素子の電解液に対して耐性を有することができる。例えば、前記多孔性高分子基材は、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブテンなどのポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアラミド、ポリシクロオレフィン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン、及びこれらの共重合体または混合物などの高分子樹脂を含むことができるが、これに限定されない。
【0031】
前記多孔性高分子基材の厚さは1~100μmであり得る。具体的には、前記多孔性高分子基材の厚さは、10μm以上95μm以下、15μm以上90μm以下、20μm以上85μm以下、25μm以上80μm以下、30μm以上75μm以下、35μm以上70μm以下、40μm以上65μm以下、45μm以上60μm以下、50μm以上65μm以下、または55μm以上60μm以下であり得る。好ましくは1~30μmであり得、より好ましくは15~30μmであり得る。上述した範囲で前記多孔性高分子基材の厚さを調節することにより、前記電気化学素子の体積を最小限に抑えることができ、正極と負極を電気的に絶縁することができる。
【0032】
前記多孔性高分子基材は、平均直径が0.01~10μmである気孔を含むことができる。具体的には、前記高分子基材に含まれる気孔のサイズは、10nm以上95nm以下、10nm以上90nm以下、15nm以上85nm以下、20nm以上80nm以下、25nm以上75nm以下、30nm以上70nm以下、35nm以上65nm以下、40nm以上60nm以下、または45nm以上55nm以下であり得る。好ましくは、前記高分子基材に含まれる気孔のサイズは、10nm以上60nm以下であり得る。上述した範囲で前記多孔性高分子基材に含まれる気孔のサイズを調節して、リチウムイオンの透過度を調節することができる。
【0033】
前記多孔性高分子基材の少なくとも一面には、スラリーが塗布及び乾燥されて後述する多孔性コーティング層を形成することができる。前記スラリーは、高分子バインダー、無機物粒子、分散媒などを含むことができる。前記多孔性コーティング層は、前記多孔性高分子基材の機械的物性と絶縁性を向上させるための無機物粒子、及び電極と分離膜との間の接着力を向上させるための高分子バインダーを含むことができる。前記高分子バインダーは、電極と分離膜との間の接着力を提供すると同時に、隣接する無機物粒子を結合させ、前記結合を維持することができる。無機物粒子は、隣接する無機物粒子と結合して、無機物粒子間の空隙であるインタースティシャル・ボリュームを提供することができ、リチウムイオンが前記インタースティシャル・ボリュームを通して移動することができる。
【0034】
前記多孔性コーティング層の厚さは2~20μmであり得る。具体的には、前記多孔性コーティング層の厚さは、2μm以上19μm以下、3μm以上18μm以下、4μm以上17μm以下、5μm以上16μm以下、6μm以上15μm以下、7μm以上14μm以下、8μm以上13μm以下、9μm以上12μm以下、または10μm以上11μm以下であり得る。上述した範囲で前記多孔性コーティング層の厚さを調節することにより、電気化学素子用分離膜の厚さを調節すると同時に軽量化を具現化して、高温で前記多孔性高分子基材の収縮を防止することができる。前記多孔性コーティング層が多孔性高分子基材の両面に形成された分離膜の厚さは、6~36μmであり得る。
【0035】
前記高分子バインダーを含む分離膜は、電極と共に熱圧着されて電極組立体を形成して電極と分離膜との間の接着力を示すことができる。電極と分離膜との間の接着力は、電解液のない状態(ドライ(Dry)状態)で40~100gf/20mmであり、電解液に含浸した状態(ウェット(Wet)状態)で10~40gf/20mmであり得る。具体的には、ドライ(Dry)状態の接着力は、45gf/20mm以上95gf/20mm以下、50gf/20mm以上90gf/20mm以下、55gf/20mm以上85gf/20mm以下、60gf/20mm以上80gf/20mm以下、または65gf/20mm以上75gf/20mm以下であり得る。具体的には、ウェット(Wet)状態の接着力は、15gf/20mm以上35gf/20mm以下、または20gf/20mm以上30gf/20mm以下であり得る。それぞれの接着力が上述した範囲を満たすと、分離膜表面でリチウムデンドライトを析出させることなく分離膜への電解質含浸を均一に行うことができる。
【0036】
前記高分子バインダーは、アクリル系バインダー、フッ素系バインダーなど、当業界で公知されているものを用いることができる。前記無機物粒子は多孔性コーティング層の厚さを均一に形成し、適用される電気化学素子の作動電圧範囲内で酸化還元反応が起こらないものであり得る。例えば、前記無機物粒子は、リチウムイオン伝達能力、圧電性(piezoelectricity)及び難燃性の中での一つ以上の特性を有し得るものであって、当業界で公知されているものを用いることができる。
【0037】
前記正極と負極は、電気化学素子に化学的変化を引き起こすことなく導電性を有する材料の少なくとも一面に電極活物質が塗布されて乾燥されたものを意味することができる。前記材料及び前記電極活物質は、電気化学素子に使用できるものであれば、その種類が限定されない。前記正極と負極の厚さはそれぞれ12.5~15.5μmであり得る。具体的には、各電極の厚さは、13μm以上15μm以下、または13.5μm以上14.5μm以下であり得る。好ましくは、各電極の厚さは、14μm以上15μm以下であり得る。上述した範囲で電極の厚さを調節することにより、電気化学素子の所望の容量を確保すると同時に、分離膜の変形を防止することができる。
【0038】
前記分離膜は、あらかじめ定められた間隔でジグザグに折り畳まれたものであり、前記間隔は正極と負極が互いに接触することを防止できるものであれば制限されないが、一定の間隔であることが好ましい。電極は、両面が分離膜によって包まれた状態で積層され、前記熱圧着によって隣接する分離膜と接着され得る。例えば、前記分離膜と前記電極は、互いに同一であるかまたは異なる種類のバインダーを含んで熱圧着によって接着され得る。前記正極と前記負極がそれぞれ隣接する分離膜と接着されるということは、単一電極組立体内で電極と分離膜が接着されたことを意味する。
【0039】
前記第i+1単位電極組立体(iは1~n-1の自然数)は、第i単位電極組立体上に積層され得る。単位電極組立体の積層は接着を通じて行われるわけではない。例えば、第n単位電極組立体を第n-1単位電極組立体上に積層するが、ただし、分離膜や電極が互いに整列するように配置することができる。前記電極組立体はn個の単位電極組立体を含んで、分離膜を挟んで正極と負極が交互に積層された構造を有することができる。
【0040】
前記第1単位電極組立体~前記第n-1単位電極組立体は正極と負極をm個ずつ含むことができ(mは1~20の自然数)、前記第n単位電極組立体は正極m個と負極m+1個を含むことができる。好ましくは、前記mは5~20の自然数であり得、最も好ましくは前記mは5~10の自然数であり得る。
【0041】
図1は、mが5である場合を例示して前記n単位電極組立体の製造過程を示す概念図である。前記第n単位電極組立体は、ジグザグに折り畳まれた分離膜(300)の間に負極(100)と正極(200)を交互に挿入し熱圧着して製造することができる。前記第n単位電極組立体は、正極(200)5個、負極(100)6個を含むことができ、分離膜(300)は、正極(100)及び負極(200)を包んで電極を外部に露出しないものであり得る。
【0042】
図2は、nが3である場合を例示して電極組立体の製造過程を示す概念図である。第1単位電極組立体(10)上に第2単位電極組立体(20)を積層することができ、前記第2単位電極組立体(20)上に第3単位電極組立体(30)を積層することができる。
【0043】
図2を参照すると、電極組立体は、積層された電極の中で最上段と最下段に位置する電極が負極であり得る。例えば、前記第1単位電極組立体~前記第n-1単位電極組立体は、最下段の分離膜上に負極から積層されて、最上段に正極が配置されたものであり得る。前記負極は分離膜によって包まれたものであり、前記正極は一面が外部に露出したものであり得る。第2単位電極組立体を第1単位電極組立体上に積層しながら、第2単位電極組立体の最下段の分離膜を挟んで第2単位電極組立体の負極と第1単位電極組立体の最上段の正極が積層され得る。
【0044】
図3の(a)は完成した電極組立体の正面図であり、(b)は斜視図である。
図3の(a)を参照すると、前記電極組立体は、前記第1単位電極組立体~前記第n単位電極組立体を包む最外郭の分離膜をさらに含むことができる。前記最外郭の分離膜は、単位電極組立体に含まれるものとは別に準備されたものであり得るが、これに限定されない。例えば、図示していないが、前記最外郭の分離膜は、第1単位電極組立体または第n単位電極組立体に含まれる分離膜の一端が延長されたものであり得る。最外郭の分離膜は、単位電極組立体を包み、単位電極組立体の離脱を防止することができる。例えば、最外郭の分離膜は、単位電極組立体を包んだ後、最外郭の分離膜または単位電極組立体に含まれる分離膜のうちのいずれか一つ以上と接合されて単位電極組立体を固定することができる。
【0045】
図3の(b)を参照すると、前記電極組立体は、長辺と短辺の長さが互いに異なるものであり得る。電極の積層面を基準として、長辺の長さが短辺の長さの1.8~5.5倍であり得る。
【0046】
前記電極組立体は電気化学素子に適用することができる。前記電気化学素子は、前記電極組立体をポーチやケースに挿入し、電解液を注液した後、前記ポーチやケースを密封して製造することができる。
【0047】
前記電解液は、リチウム塩含有の非水系電解液であり得る。前記電解液は電解液とリチウム塩とからなり、前記電解液としては非水系有機溶媒、有機固体電解質、無機固体電解質などを用いることができる。
【0048】
前記電極組立体を挿入するためのケースやポーチの形状は制限されない。例えば、前記電気化学素子は、円筒型、角型、コイン型、パウチ型のリチウム二次電池であり得る。前記リチウム二次電池は、単位セルとしてパックまたはモジュール化されて、コンピュータ、携帯電話、パワーツール(power tool)などの小型デバイスと、電池的モータによって動力を受けて動くパワーツール(power tool);電気自動車(Electric Vehicle、EV)、ハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehicle、HEV)、プラグ-インハイブリッド電気自動車(Plug-in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)などを含む電気車;電気自転車(E-bike)、電気スクーター(E-scooter)を含む電気二輪車;電気ゴルフカート(electric golf cart);電力貯蔵用システムなどの中大型デバイスに使用することができる。
【0049】
本発明の他の一具体例は、前記電極組立体の製造方法として、(S10)分離膜をジグザグに折り畳みながら、間と間に正極と負極を交互に配置して積層体を形成する段階、(S20)前記積層体に熱と圧力を印加して前記正極と前記分離膜、及び前記負極と前記分離膜とを接着して単位電極組立体を製造する段階、及び(S30)前記単位電極組立体を複数個積層する段階を含む方法を提供する。前記電極組立体の製造方法に関する説明の中で、前述した電極組立体の説明と同一の内容は、先の具体例の記載で代える。
【0050】
前記(S10)段階は、分離膜をジグザグに折り畳みながら形成された折り曲げの間に正極と負極を交互に配置して積層体を形成する段階である。前記分離膜は、長手方向(またはMD方向;機械方向(Machine Direction))の長さが幅方向(またはTD方向;横方向(Transverse Direction))の長さよりも長いものであり得る。前記分離膜は、前記MD方向に沿ってあらかじめ定められた間隔を空けてジグザグに折り畳まれ得る。
【0051】
前記分離膜、前記正極及び前記負極はそれぞれ長方形の形状であり得るが、これに限定されるものではない。例えば、前記分離膜、前記正極及び前記負極は、それぞれMD方向がTD方向の長さよりも長い長方形の形状であり得る。前記正極と前記負極は、前記分離膜のMD方向に沿って複数個配置され得、前記分離膜のMD方向と前記正極及び前記負極のTD方向とが互いに平行になるように配置され得る。好ましくは、前記正極と前記負極は、それぞれのTD方向の中心線が一致するように整列され得る。
【0052】
前記(S20)段階は、前記(S10)段階で形成した積層体を熱圧着する段階である。前記積層体の厚さは2~9.5mmであり得る。具体的には、前記積層体の厚さは、2.5mm以上9mm以下、3mm以上8.5mm以下、3.5mm以上8mm以下、4mm以上7.5mm以下、4.5mm以上7mm以下、または5mm以上6.5mm以下であり得る。上述した範囲で前記積層体の厚さを調節することにより、熱圧着によって積層体を構成する全ての電極と分離膜との均一な接着を具現することができる。前記積層体に熱と圧力を印加して前記正極と前記分離膜とを接着し、前記負極と前記分離膜とを接着して一つの単位電極組立体を製造することができる。前記熱圧着は、プレス装置を用いて積層体の最上段と最下段を圧縮することであり得、一つ以上の積層体に45~80℃の温度で1~4MPaの圧力を1~30秒間印加することであり得る。具体的には、前記熱圧着は、一つ以上の積層体に45℃以上75℃以下、50℃以上70℃以下、または55℃以上65℃以下の温度と、1.5MPa以上3.5MPa以下、または2MPa以上3MPa以下の圧力を印加することであり得る。好ましくは、前記熱圧着は、45~60℃の温度で2~3MPaの圧力を1~30秒間印加することであり得る。上述した範囲で熱圧着の温度及び圧力条件を調節することにより、積層体の損傷を引き起こすことなく積層体を構成する分離膜と電極との均一な接着を具現することができる。前記プレス装置は、積層体の中に含まれる分離膜と電極の整列を維持しつつ、積層体の一面または両面に熱と圧力を同時にまたは異時に加えて分離膜と電極とを接着させることができるものであれば、その種類は限定されない。
【0053】
前記温度、圧力及び時間の範囲において、正極と負極の数、m個またはm+1個(mは1~20の自然数)を含む積層体から製造された単位電極組立体は、15gf/20mm未満の接着力の差を示すことができる。前記接着力とは、単位電極組立体の製造後、電解液のない乾燥した条件での接着力(ドライ(Dry)接着力)と、単位電極組立体の製造後、電解液に含浸した条件で電極と分離膜との間の接着力(ウェット(Wet)接着力)を包括して意味し、電極と分離膜をあらかじめ定められた速度で剥離して測定した値であり得る。接着力の差が15gf/20mmを超えると、前記単位電極組立体を含む電気化学素子の剛性が大きく低下して、電気化学素子の安全性を確保することができない。
【0054】
好ましくは、前記温度、圧力及び時間の範囲において、正極と負極の数、m個またはm+1個(mは1~20の自然数)を含む積層体から製造された単位電極組立体は、15%未満のドライ(Dry)接着力の差及び5%未満のウェット(Wet)接着力の差を示すことができる。前記ドライ(Dry)接着力の差は、単位電極組立体の製造後、電解液のない乾燥した条件で電極と分離膜との間の接着力の最大値と最小値との差を前記最大値に対する百分率で表したものである。前記ウェット(Wet)接着力の差は、単位電極組立体の製造後、電解液に含浸した条件で電極と分離膜との間の接着力の最大値と最小値との差を前記最大値に対する百分率で表したものである。例えば、前記接着力は、単位電極組立体の厚さ方向を基準として最外郭(最上段または最下段)で最大値を示し、中心部で最小値を表すことができる。熱と圧力が単位電極組立体の中心部まで均一に伝達されて、前記接着力の差が少なくなるほど好ましい。電極と分離膜との接着が頑丈でないと、ドライ(Dry)接着力の差が15%未満となっても、電解液の注液によってウェット(Wet)接着力の差が5%以上となる可能性がある。
【0055】
本具体例に係る製造方法は、前記(S20)段階で一つ以上の単位電極組立体を一つのプレス装置で同時に熱圧着することにより、1次及び2次の熱圧着を伴う従来のジグザグ型電極組立体の製造方法に比べて、熱圧着の回数を低減してより優れた生産性を達成することができる。例えば、n個の積層体を一つのプレス装置に載せた後、1回の熱圧着のみで第1単位電極組立体~第n単位電極組立体を製造することができ、製造された単位電極組立体を単純に積層して電極組立体を準備することができる。
【0056】
本具体例に係る製造方法は、前記(S20)段階で一つ以上の単位電極組立体を一つのプレス装置で同時に熱圧着することにより、1次及び2次の熱圧着を伴う従来のジグザグ型電極組立体の製造方法に比べて、熱圧着条件を緩和してより優れた生産効率を達成することができる。例えば、前記積層体は既存に比べて含む電極の数が少ないため、従来の方法よりも低い温度及び圧力条件でも中心部まで均一に接着された単位電極組立体を製造することができる。相対的に低い温度及び圧力は、単位電極組立体の最外郭に位置する分離膜の損傷を防ぐことができる。
【0057】
前記(S30)段階は、前記(S20)段階で製造した単位電極組立体を積層して電極組立体を形成する段階である。第i+1単位電極組立体(iは1~n-1の自然数)を第i単位電極組立体上に整列して積み重ねる方式で、n個の単位電極組立体を積層して電極組立体を形成することができる。電極組立体は、ジグザグ型分離膜の間にm個の正極とm+1個の負極が交互に配置された構造を有することができる。前記電極組立体は、追加の熱圧着を経ることなく電気化学素子のポーチやケースに挿入することができる。
【0058】
前記製造方法は、(S40)前記積層された複数個の単位電極組立体を分離膜で包む段階をさらに含むことができる。前記分離膜は、前述した最外郭の分離膜であって、単位電極組立体に含まれる分離膜の一端が延長されたものであり得、別途に準備されたものであり得る。
【0059】
以下では、具体的な実施例及び実験例を通じて本発明をさらに詳細に説明する。下記の実施例及び実験例は本発明を例示するためのものであって、本発明が下記の実施例及び実験例によって限定されるものではない。
【0060】
実施例1
無機物とバインダーを含むスラリーがコーティングされた厚さ15μmの分離膜を準備し、90mm×315mmサイズ、厚さ15μmの正極及び95.5mm×320mmサイズ、厚さ15μmの負極をそれぞれ30個、31個ずつ準備した。前記分離膜を98.5mmの間隔でジグザグに折り畳みながら、負極6個と正極6個を交互に配置して積層体4個を準備し、負極7個と正極6個を交互に配置して積層体1個を準備した。
【0061】
前記積層体5個をプレス装置に載置し、60℃、3MPaの圧力で20秒間1回熱圧着して単位電極組立体5個を同時に製造した。最上段と最下段の電極が負極となるように単位電極組立体を積層して電極組立体を準備した。
【0062】
実施例2
分離膜をジグザグに折り畳みながら、負極10個と正極10個を交互に配置して積層体2個を準備し、負極11個と正極10個を交互に配置して積層体1個を準備したこと以外は、実施例1と同様の方法で電極組立体を準備した。
【0063】
比較例1
実施例1で用いたものと同じ種類及び個数の分離膜、正極及び負極を用いたが、ただし、分離膜をジグザグに折り畳みながら、負極31個と正極30個を交互に配置して積層体1個を準備した。
【0064】
前記積層体をプレス装置に載置し、60℃、2.5MPaの圧力で20秒間一次熱圧着して正極と分離膜、及び分離膜と負極をそれぞれ部分的に接着させ、前記分離膜に対する電極の位置を固定 した。次いで、前記積層体を60℃で3MPaの圧力で20秒間二次熱圧着して分離膜と電極を完全に接着して電極組立体を準備した。
【0065】
比較例2
実施例1で用いたものと同じ種類及び個数の分離膜、正極及び負極を用いたが、ただし、分離膜をジグザグに折り畳みながら、負極31個と正極30個を交互に配置して積層体1個を準備した。
【0066】
前記積層体をプレス装置に載置し、実施例1と同じ条件で1回熱圧着して単位電極組立体を製造した。
【0067】
比較例3
実施例1と同じ方法で積層体5個を準備した。
【0068】
前記積層体5個をプレス装置に載置し、60℃、2MPaの圧力で1分間一次熱圧着し、70℃で3MPaの圧力で30秒間二次熱圧着して単位電極組立体5個を同時に製造した。最上段と最下段の電極が負極となるように単位電極組立体を積層して電極組立体を準備した。
【0069】
比較例4
実施例2と同じ方法で積層体3個を準備した。
【0070】
前記積層体3個をプレス装置に載置し、60℃、2MPaの圧力で1分間一次熱圧着し、70℃で3MPaの圧力で30秒間二次熱圧着して単位電極組立体3個を同時に製造した。最上段と最下段の電極が負極となるように単位電極組立体を積層して電極組立体を準備した。
【0071】
比較例5
実施例1で用いたものと同じ種類及び個数の分離膜、正極及び負極を用いたが、ただし、分離膜をジグザグに折り畳みながら、負極15個と正極15個を交互に配置して積層体1個を準備し、負極16個と正極15個を交互に配置して積層体1個を準備した。
【0072】
前記積層体2個をプレス装置に載置し、60℃、2MPaの圧力で1分間一次熱圧着し、70℃で3MPaの圧力で30秒間二次熱圧着して単位電極組立体2個を同時に製造した。最上段と最下段の電極が負極となるように単位電極組立体を積層して電極組立体を準備した。
【0073】
比較例6
比較例5と同じ方法で積層体2個を準備した。
【0074】
前記積層体2個をプレス装置に載置し、実施例1と同一の条件で1回熱圧着して単位電極組立体2個を同時に製造した。最上段と最下段の電極が負極となるように単位電極組立体を積層して電極組立体を準備した。
【0075】
実験例
電極組立体の製造条件
実施例及び比較例で製造した電極組立体の製造過程と、電極組立体の製造に要する時間を下記表1にまとめた。
【0076】
単位電極組立体を形成せずに積層体を1個準備して電極組立体を形成した場合、単位電極組立体の数(n)は0で表した。記載していないが、単位電極組立体当たりに含まれる負極の数は正極の数(m)よりも1個多く(m+1)、熱圧着方式は熱圧着の回数に応じて一次及び二次に区分した。電極組立体の製造に要する時間(Tact time、s)は、分離膜の間に電極を挿入し、熱圧着と積層によって電極組立体完成品1個を生産するのに要する全時間を示したものである。
【0077】
電極-分離膜のドライ(Dry)接着力分布の確認
実施例及び比較例で製造した電極組立体の中央をカットした後、電極と分離膜との間の接着力を確認した。
図3の(b)を参照すると、電極組立体をAA'線に沿って切って二等分した。カットした電極組立体の分離膜または電極を1層ずつ(layer by layer)90°、200mm/minの速度で剥離しながら、正極から分離膜を剥離する際の接着力を測定して下記表1にまとめた。
【0078】
電極組立体の最上段から正極10個ずつ3グループに分けて、上部(上)、中心部(中)、下部(下)と称し、平均接着力を記載した。
【0079】
電極-分離膜のウェット(Wet)接着力分布の確認
前記のようにカットした電極組立体をポーチに入れ、電解液(EC/EMC 3/7)を注液して密封した後、電池製造のPP工程(Pre-heat and Pre-pressure)を模擬して、70℃、5kgf/cm2の温度及び圧力を5分間印加した。ポーチを剥がして電極組立体を回収した後、カットした電極組立体の分離膜または電極を1層ずつ90°、200mm/minの速度で剥離しながら、正極から分離膜を剥離する際の接着力を測定して下記表1にまとめた。
【0080】
電極組立体の最上段から正極10個ずつ3グループに分けて、上部(上)、中心部(中)、下部(下)と称し、平均接着力を記載した。
【0081】
電極組立体の剛性(stiffness)の確認
図4は、電極組立体の剛性を確認する実験過程を示す概念図である。
図4の(a)のようにテーブル(2)の上に電極組立体(1)をD(10cm)だけ載せて置き、D部分は押して電極組立体1がテーブル(2)から落ちないようにした。
図4の(b)のように電極組立体の一端が垂直方向に曲がる長さ(M)を測定した。曲がる長さ(M)が2cmを超えるとバッド(bad)、0.5~2cmであるとグッド(good)、0.5cm未満であるとベリーグッド(very good)とし下記表1にまとめた。
【0082】
【0083】
前記表1を参照すると、実施例に係る電極組立体は、多数の積層体の同時1回の熱圧着による単位電極組立体の一括製造を通じて電極組立体の製造時間が大幅に短縮され、ドライ(Dry)接着力の差5.5~12.7%、ウェット(Wet)接着力の差2.9~4%となり、電極組立体の厚さ方向に均一な接着がなされたことが確認された。これによって製造された電極組立体の剛性も優れていることが示された。
【0084】
一方、比較例1及び2では、正極30個を含む積層体を使用することにより、熱圧着の回数に関係なく電極組立体の中心部で十分なドライ(Dry)接着力及びウェット(Wet)接着力を確保することができず、剛性も劣位であることが示された。
【0085】
比較例3~5では、単位電極組立体の製造後、2回熱圧着を行いながら実施例に比べて電極組立体の製造時間が長くかかり、比較例4はドライ(Dry)接着力の差4%と優れていたが、ウェット(Wet)接着力の差12.5%となり、ウェット(Wet)接着力を十分に確保するほど均一な接着がなされていないことを確認した。
【符号の説明】
【0086】
1:電極組立体 2:テーブル
10:第1単位電極組立体 20:第2単位電極組立体
30:第3単位電極組立体 100:負極
200:正極 300:分離膜
【手続補正書】
【提出日】2024-09-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
前記高分子バインダーを含む分離膜は、電極と共に熱圧着されて電極組立体を形成して電極と分離膜との間の接着力を示すことができる。電極と分離膜との間の接着力は、電解液のない状態(ドライ(Dry)状態)で40~100gf/20mm(0.3923~0.9807N/20mm)であり、電解液に含浸した状態(ウェット(Wet)状態)で10~40gf/20mm(0.0981~0.3923N/20mm)であり得る。具体的には、ドライ(Dry)状態の接着力は、45gf/20mm(0.4413N/20mm)以上95gf/20mm(0.9316N/20mm)以下、50gf/20mm(0.4903N/20mm)以上90gf/20mm(0.8826N/20mm)以下、55gf/20mm(0.5394N/20mm)以上85gf/20mm(0.8336N/20mm)以下、60gf/20mm(0.5884N/20mm)以上80gf/20mm(0.7845N/20mm)以下、または65gf/20mm(0.6374N/20mm)以上75gf/20mm(0.7355N/20mm)以下であり得る。具体的には、ウェット(Wet)状態の接着力は、15gf/20mm(0.1471N/20mm)以上35gf/20mm(0.3432N/20mm)以下、または20gf/20mm(0.1961N/20mm)以上30gf/20mm(0.2942N/20mm)以下であり得る。それぞれの接着力が上述した範囲を満たすと、分離膜表面でリチウムデンドライトを析出させることなく分離膜への電解質含浸を均一に行うことができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
前記温度、圧力及び時間の範囲において、正極と負極の数、m個またはm+1個(mは1~20の自然数)を含む積層体から製造された単位電極組立体は、15gf/20mm(0.1471N/20mm)未満の接着力の差を示すことができる。前記接着力とは、単位電極組立体の製造後、電解液のない乾燥した条件での接着力(ドライ(Dry)接着力)と、単位電極組立体の製造後、電解液に含浸した条件で電極と分離膜との間の接着力(ウェット(Wet)接着力)を包括して意味し、電極と分離膜をあらかじめ定められた速度で剥離して測定した値であり得る。接着力の差が15gf/20mm(0.1471N/20mm)を超えると、前記単位電極組立体を含む電気化学素子の剛性が大きく低下して、電気化学素子の安全性を確保することができない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0079
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0079】
電極-分離膜のウェット(Wet)接着力分布の確認
前記のようにカットした電極組立体をポーチに入れ、電解液(EC/EMC 3/7)を注液して密封した後、電池製造のPP工程(Pre-heat and Pre-pressure)を模擬して、70℃、5kgf/cm2
(0.049N/cm
2
)の温度及び圧力を5分間印加した。ポーチを剥がして電極組立体を回収した後、カットした電極組立体の分離膜または電極を1層ずつ90°、200mm/minの速度で剥離しながら、正極から分離膜を剥離する際の接着力を測定して下記表1にまとめた。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0082
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0082】
【国際調査報告】