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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-13
(54)【発明の名称】密封構造及び真空炉
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/10 20060101AFI20250306BHJP
【FI】
F16J15/10 U
F16J15/10 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024554943
(86)(22)【出願日】2023-03-15
(85)【翻訳文提出日】2024-11-07
(86)【国際出願番号】 CN2023081578
(87)【国際公開番号】W WO2023174323
(87)【国際公開日】2023-09-21
(31)【優先権主張番号】202220578211.3
(32)【優先日】2022-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523374747
【氏名又は名称】眉山博雅新材料股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MEISHAN BOYA ADVANCED MATERIALS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】王 宇
(72)【発明者】
【氏名】官 ▲偉▼明
(72)【発明者】
【氏名】梁 振▲興▼
【テーマコード(参考)】
3J040
【Fターム(参考)】
3J040BA03
3J040EA16
3J040FA05
3J040HA22
3J040HA30
(57)【要約】
本明細書の実施例は、密封構造及び真空炉を提供し、該密封構造は、バッフル板であって、前記バッフル板の第1側面及び第2側面を貫通する第1貫通孔が形成される、バッフル板と、密封対象部材が貫通するための内孔が形成され、前記バッフル板に接続された第1構造部材であって、前記内孔の少なくとも一部は、前記第1貫通孔に位置し、かつ前記内孔の少なくとも一部は、前記第1側面及び前記第2側面の両方に対して平行ではない、第1構造部材と、前記バッフル板と前記第1構造部材との間の隙間を密封し、かつ前記密封対象部材と前記第1構造部材との間の隙間を密封する密封アセンブリと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッフル板であって、前記バッフル板の第1側面及び第2側面を貫通する第1貫通孔が形成される、バッフル板と、
密封対象部材が貫通するための内孔が形成された第1構造部材であって、前記第1構造部材は、前記バッフル板に接続されており、前記内孔の少なくとも一部は、前記第1貫通孔内に位置し、かつ前記内孔の少なくとも一部は、前記第1側面及び前記第2側面の両方に対して平行ではない、第1構造部材と、
前記バッフル板と前記第1構造部材との間の隙間を密封し、かつ前記密封対象部材と前記第1構造部材との間の隙間を密封するための密封アセンブリと、
を含む、密封構造。
【請求項2】
前記第1構造部材は、前記第1貫通孔を介して前記バッフル板を貫通し、
前記密封アセンブリは、前記密封対象部材と前記第1構造部材との間の隙間を密封するための第1密封部材を含み、
前記第1密封部材は、前記内孔の内壁と前記密封対象部材との間に設けられる、請求項1に記載の密封構造。
【請求項3】
前記密封アセンブリは、前記第1貫通孔の一端に位置する第2密封部材を含み、
前記第2密封部材は、前記バッフル板の第1側面又は第2側面に当接して、前記バッフル板と前記第1構造部材との間の隙間を密封する、請求項2に記載の密封構造。
【請求項4】
前記密封アセンブリは、前記バッフル板と前記第1構造部材との間の隙間を密封するための第3密封部材をさらに含み、
前記第2密封部材と前記第3密封部材とは、それぞれ前記第1貫通孔の両端に位置し、かつそれぞれ前記バッフル板の第1側面と第2側面とに当接する、請求項3に記載の密封構造。
【請求項5】
前記密封アセンブリは、前記バッフル板と前記第1構造部材との間の隙間を密封するための第4密封部材を含み、前記第4密封部材の少なくとも一部は、前記第1貫通孔の内壁と前記第1構造部材の外壁との間に設けられる、請求項2に記載の密封構造。
【請求項6】
前記第1構造部材の前記第1貫通孔における位置を制限する第1位置制限構造をさらに含む、請求項4に記載の密封構造。
【請求項7】
前記第1位置制限構造は、第1ナット及び第1雄ねじを含み、前記第1雄ねじは、前記第1構造部材に設けられ、前記第1ナットは、前記バッフル板の第2側面が位置する側において、前記第1構造部材の前記第1雄ねじに螺合する、請求項6に記載の密封構造。
【請求項8】
前記第1構造部材に外嵌され、かつ前記第1ナットと前記第3密封部材との間に位置する第2構造部材をさらに含み、
前記第2構造部材は、第1主リング部及び第1保持リング部を含み、前記第1主リング部は、前記第1構造部材に外嵌され、前記第1保持リング部は、軸線方向において前記第1主リング部の一端に位置し、
前記第3密封部材及び前記第1保持リング部は、いずれも前記バッフル板と前記第1主リング部との間に位置し、かつ前記第3密封部材は、前記第1保持リング部の内側リングに位置する、請求項7に記載の密封構造。
【請求項9】
前記第1構造部材は、第1主リング部及び第1保持リング部を含み、前記内孔は、前記第1主リング部に形成され、前記第1主リング部は、前記第1貫通孔を介して前記バッフル板を貫通し、前記第1保持リング部は、前記バッフル板の前記第1側面が位置する側に位置し、かつ前記第1保持リング部は、前記第1主リング部の外側を取り囲み、前記第1保持リング部の外径は、前記第1貫通孔の直径より大きい、請求項2に記載の密封構造。
【請求項10】
前記第1構造部材は、第2保持リング部をさらに含み、前記第2保持リング部は、前記バッフル板の前記第1側面が位置する側に位置し、前記第2保持リング部は、前記第1保持リング部の前記バッフル板に向かう側に設けられ、かつ前記第2保持リング部の外径は、前記第1主リング部の外径より大きい、請求項9に記載の密封構造。
【請求項11】
前記第1主リング部の外径と前記第1主リング部の内径との比は、1.1~2である、請求項9に記載の密封構造。
【請求項12】
前記第1貫通孔の直径と第1主リング部の内径との比は、1.2~2.5である、請求項9に記載の密封構造。
【請求項13】
第1密封部材を前記内孔に位置制限するよう構成された第2位置制限構造をさらに含む、請求項2に記載の密封構造。
【請求項14】
前記第2位置制限構造は、第2ナット及び第1雌ねじを含み、前記第1雌ねじは、前記内孔内に位置し、前記第2ナットは、前記バッフル板の第2側面が位置する側において、前記内孔の前記第1雌ねじに接続される、請求項13に記載の密封構造。
【請求項15】
前記第2位置制限構造は、前記内孔に設けられた位置制限ボスを含み、前記第1密封部材は、前記位置制限ボスと前記第2ナットとの間に設けられる、請求項14に記載の密封構造。
【請求項16】
前記第1密封部材と前記第2ナットとの間に第1ガスケットが設けられる、請求項14に記載の密封構造。
【請求項17】
前記密封アセンブリは、少なくとも2つの前記第1密封部材を含み、少なくとも2つの隣接する前記第1密封部材の間に第2ガスケットが設けられる、請求項2に記載の密封構造。
【請求項18】
前記第1構造部材は、前記バッフル板の第2側面が位置する側から前記第1貫通孔に貫入され、前記第1貫通孔の前記第1側面に近接する一端に位置制限ストッパーが設けられ、
前記密封対象部材は、前記第1貫通孔及び前記内孔を貫通し、
前記密封アセンブリは、第5密封部材を含み、前記第5密封部材は、前記第1貫通孔内に設けられ、前記密封対象部材に外嵌され、かつ前記位置制限ストッパーと前記第1構造部材との間に位置する、請求項1に記載の密封構造。
【請求項19】
前記第1構造部材の外壁に第2雄ねじが設けられ、前記第1貫通孔の内壁に、前記第2雄ねじに適合する第2雌ねじが設けられる、請求項18に記載の密封構造。
【請求項20】
前記第1構造部材は、導電材料から形成され、前記第1構造部材の外表面と前記第1貫通孔の内壁面との間に絶縁層が設けられる、請求項1に記載の密封構造。
【請求項21】
前記第1構造部材は、絶縁材料から形成され、及び/又は、前記密封アセンブリは、絶縁材料から形成される、請求項1に記載の密封構造。
【請求項22】
請求項1~21のいずれか一項に記載の密封構造と、炉体と、を含む真空炉であって、前記炉体の側壁に開口部が設けられ、前記密封構造が前記バッフル板を介して前記開口部に設けられる、真空炉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[相互参照]
本願は、2022年3月15日に提出された出願番号が202220578211.3号である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本明細書は、密封プロセスの分野に関し、具体的には、密封構造と、該密封構造を応用する真空炉とに関する。
【背景技術】
【0003】
工業生産において、密封構造によって部品を密封する必要があるシーンが多い。例えば、真空炉のコイルは、炉床内に位置し、コイルヘッドは、外へ順に炉床壁、炉体を貫通してから電源に接続される。コイルは、短絡を避けるために炉体から絶縁する必要があり、かつ真空炉内部の真空効果を保持するために、コイルが炉体を貫通する箇所に対して密封措置を講じる必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、どのように密封構造の密封効果を向上させるかは、本分野で解決すべき技術的課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書の第1態様に係る密封構造は、バッフル板であって、前記バッフル板の第1側面及び第2側面を貫通する第1貫通孔が形成される、バッフル板と、密封対象部材が貫通するための内孔が形成された第1構造部材であって、前記第1構造部材は、前記バッフル板に接続されており、前記内孔の少なくとも一部は、前記第1貫通孔内に位置し、かつ前記内孔の少なくとも一部は、前記第1側面及び前記第2側面の両方に対して平行ではない、第1構造部材と、前記バッフル板と前記第1構造部材との間の隙間を密封し、かつ前記密封対象部材と前記第1構造部材との間の隙間を密封するための密封アセンブリと、を含む。
【0006】
いくつかの実施例では、前記第1構造部材は、前記第1貫通孔を介して前記バッフル板を貫通し、前記密封アセンブリは、前記密封対象部材と前記第1構造部材との間の隙間を密封するための第1密封部材を含み、前記第1密封部材は、前記内孔の内壁と前記密封対象部材との間に設けられる。
【0007】
いくつかの実施例では、前記密封アセンブリは、前記第1貫通孔の一端に位置する第2密封部材を含み、前記第2密封部材は、前記バッフル板の第1側面又は第2側面に当接して、前記バッフル板と前記第1構造部材との間の隙間を密封する。
【0008】
いくつかの実施例では、前記密封アセンブリは、前記バッフル板と前記第1構造部材との間の隙間を密封するための第3密封部材をさらに含み、前記第2密封部材と前記第3密封部材とは、それぞれ前記第1貫通孔の両端に位置し、かつそれぞれ前記バッフル板の第1側面と第2側面とに当接する。
【0009】
いくつかの実施例では、前記密封アセンブリは、前記バッフル板と前記第1構造部材との間の隙間を密封するための第4密封部材を含み、前記第4密封部材の少なくとも一部は、前記第1貫通孔の内壁と前記第1構造部材の外壁との間に設けられる。
【0010】
いくつかの実施例では、前記密封構造は、前記第1構造部材の前記第1貫通孔における位置を制限する第1位置制限構造をさらに含む。
【0011】
いくつかの実施例では、前記第1位置制限構造は、第1ナット及び第1雄ねじを含み、前記第1雄ねじは、前記第1構造部材に設けられ、前記第1ナットは、前記バッフル板の第2側面が位置する側において、前記第1構造部材の前記第1雄ねじに螺合する。
【0012】
いくつかの実施例では、前記密封構造は、前記第1構造部材に外嵌され、かつ前記第1ナットと前記第3密封部材との間に位置する第2構造部材をさらに含み、前記第2構造部材は、第1主リング部及び第1保持リング部を含み、前記第1主リング部は、前記第1構造部材に外嵌され、前記第1保持リング部は、軸線方向において前記第1主リング部の一端に位置し、前記第3密封部材及び前記第1保持リング部は、いずれも前記バッフル板と前記第1主リング部との間に位置し、かつ前記第3密封部材は、前記第1保持リング部の内側リングに位置する。
【0013】
いくつかの実施例では、前記第1構造部材は、第1主リング部及び第1保持リング部を含み、前記内孔は、前記第1主リング部に形成され、前記第1主リング部は、前記第1貫通孔を介して前記バッフル板を貫通し、前記第1保持リング部は、前記バッフル板の前記第1側面が位置する側に位置し、かつ前記第1保持リング部は、前記第1主リング部の外側を取り囲み、前記第1保持リング部の外径は、前記第1貫通孔の直径より大きい。
【0014】
いくつかの実施例では、前記第1構造部材は、第2保持リング部をさらに含み、前記第2保持リング部は、前記バッフル板の前記第1側面が位置する側に位置し、前記第2保持リング部は、前記第1保持リング部の前記バッフル板に向かう側に設けられ、かつ前記第2保持リング部の外径は、前記第1主リング部の外径より大きい。
【0015】
いくつかの実施例では、前記第1主リング部の外径と前記第1主リング部の内径との比は、1.1~2である。
【0016】
いくつかの実施例では、前記第1貫通孔の直径と第1主リング部の内径との比は、1.2~2.5である。
【0017】
いくつかの実施例では、前記密封構造は、第1密封部材を前記内孔に位置制限するよう構成された第2位置制限構造をさらに含む。
【0018】
いくつかの実施例では、前記第2位置制限構造は、第2ナット及び第1雌ねじを含み、前記第1雌ねじは、前記内孔内に位置し、前記第2ナットは、前記バッフル板の第2側面が位置する側において、前記内孔の前記第1雌ねじに接続される。
【0019】
いくつかの実施例では、前記第2位置制限構造は、前記内孔に設けられた位置制限ボスを含み、前記第1密封部材は、前記位置制限ボスと前記第2ナットとの間に設けられる。
【0020】
いくつかの実施例では、前記第1密封部材と前記第2ナットとの間に第1ガスケットが設けられる。
【0021】
いくつかの実施例では、前記密封アセンブリは、少なくとも2つの前記第1密封部材を含み、少なくとも2つの隣接する前記第1密封部材の間に第2ガスケットが設けられる。
【0022】
いくつかの実施例では、前記第1構造部材は、前記バッフル板の第2側面が位置する側から前記第1貫通孔に貫入され、前記第1貫通孔の前記第1側面に近接する一端に位置制限ストッパーが設けられ、前記密封対象部材は、前記第1貫通孔及び前記内孔を貫通し、前記密封アセンブリは、第5密封部材を含み、前記第5密封部材は、前記第1貫通孔内に設けられ、前記密封対象部材に外嵌され、かつ前記位置制限ストッパーと前記第1構造部材との間に位置する。
【0023】
いくつかの実施例では、前記第1構造部材の外壁に第2雄ねじが設けられ、前記第1貫通孔の内壁に、前記第2雄ねじに適合する第2雌ねじが設けられる。
【0024】
いくつかの実施例では、前記第1構造部材は、導電材料から形成され、前記第1構造部材の外表面と前記第1貫通孔の内壁面との間に絶縁層が設けられる。
【0025】
いくつかの実施例では、前記第1構造部材は、絶縁材料から形成され、及び/又は、前記密封アセンブリは、絶縁材料から形成される。
【0026】
本明細書の第2態様に係る真空炉は、密封構造と、炉体と、を含み、前記炉体の側壁に開口部が設けられ、前記密封構造が前記バッフル板を介して前記開口部に設けられる。
【0027】
いくつかの実施例では、前記バッフル板は、第1側面が前記炉体内に位置し、第2側面が前記炉体外に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本明細書は、例示的な実施例によってさらに説明され、これらの例示的な実施例は、添付の図面によって詳細に説明される。これらの実施例は、限定するものではなく、これらの実施例では、同じ番号は、同じ構造を表す。
【0029】
図1】本明細書のいくつかの実施例に係る密封構造の概略構成図である。
図2】本明細書のいくつかの実施例に係る密封構造の概略構成図である。
図3】本明細書のいくつかの実施例に係る密封アセンブリの取付概略図である。
図4】本明細書のいくつかの実施例に係る密封アセンブリの別の取付概略図である。
図5】本明細書のいくつかの実施例に係る密封アセンブリのさらなる取付概略図である。
図6】本明細書のいくつかの実施例に係る密封アセンブリのさらなる別の取付概略図である。
図7】本明細書のいくつかの実施例に係る第4密封部材の概略構成図である。
図8】本明細書の別の実施例に係る第4密封部材の概略構成図である。
図9】本明細書のいくつかの実施例に係る第1構造部材の概略構成図である。
図10A】本明細書の別の実施例に係る密封構造の概略構成図である。
図10B】本明細書の別の実施例に係る第2構造部材の概略構成図である。
図11】本明細書のさらなる別の実施例に係る密封構造の概略構成図である。
図12】本明細書のいくつかの実施例に係る第2位置制限構造の取付概略図である。
図13】本明細書のいくつかの実施例に係る第2ナットの概略構成図である。
図14】本明細書のさらなる別の実施例に係る密封構造の概略構成図である。
図15】本明細書のいくつかの実施例に係る真空炉の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下に実施例の説明に使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、本明細書のいくつかの例又は実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的労働をすることなく、さらに、これらの図面により本明細書を他の類似状況に適用することができる。言語環境において明らか又は別に説明する限り、図中の同じ番号は同じ構造又は操作を代表する。
【0031】
本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」は、異なるレベルの異なるコンポーネント、素子、部品、部分又は組立を区別するための方法であることを理解されたい。しかしながら、他の用語が同じ目的を達成できる場合には、他の表現によって用語を置き換えてもよい。
【0032】
本明細書と特許請求書に示されるように、コンテキストに明らかに示される例外な状況に限り、「1」、「1つ」、「1種」及び/又は「該」などの単語は、単数を特に指すことではなく、複数を意味することができる。一般的には、用語「含む」と「含み」は、既に明らかに識別されたステップと要素を含むことだけを意味するが、これらのステップと要素は排他性の羅列を構成することができず、方法又はデバイスも他のステップと要素を含む可能性がある。
【0033】
真空炉は、真空環境を提供し、真空環境で加熱することができる設備である。真空炉は、密封された炉床を有してもよく、炉床は、金属カバー又は石英ガラスカバーなどによって密封されてもよい。炉床は、管路を介して真空装置に接続されて、炉床内の真空環境を実現することができる。炉床内に加熱装置が設けられてもよく、加熱装置は、コイルを含んでもよい。コイルに通電すると、炉床内の加熱を実現することができる。真空炉は、結晶成長、真空焼入れ、真空ろう付け、真空焼鈍、真空磁気付加、真空焼戻し、真空焼結、真空拡散溶接、真空浸炭などに適用されてもよい。
【0034】
真空炉において、一部の部品は、炉床内から炉床外に貫通する必要がある。該部品は、例えば、信号伝送用のケーブル又は加熱用のコイルなどである。以下、コイルが炉床内から炉床外に貫通する場合を例として説明する。真空炉における、炉床を加熱するコイルは、加熱を実現するために通電する必要があり、コイルは、真空炉の炉壁から炉外に出る必要があり、炉外に位置する電源に接続される。炉壁に貫通孔が形成されてもよく、コイル外管(例えば銅管)は、該貫通孔を貫通して、炉床内から炉床外に出ることができる。コイルは、コイル外管に貫入され、コイル外管は、コイルを保護する役割を果たすことができる。コイル外管は、接続部材(例えば、ナット)によって炉壁に固定されてもよい。上記構造は、貫通孔(例えば、貫通孔の内壁とコイル外管との間、及びコイル外管とコイルとの間)に隙間が存在して、真空炉の真空度に影響を与える可能性がある。
【0035】
本明細書の実施例に係る密封構造の第1構造部材の内孔には、密封対象部材が貫通可能である。密封アセンブリを設けることで、バッフル板と第1構造部材との間の隙間及び密封対象部材と第1構造部材との間の隙間がいずれも密封されることにより、バッフル板の貫通孔における密封性が向上する。該密封構造は、真空炉に適用されて、真空炉の真空度を保証してもよい。該密封構造は、電気炉、転炉などの高温炉体に適用されて、電気炉、転炉などの設備の保温性能を保証してもよい。
【0036】
図1及び図2は、いずれも本明細書のいくつかの実施例に係る密封構造の概略構成図であり、以下、図2を参照して密封構造を詳細に説明する。図1及び図2に示すように、密封構造1000は、バッフル板100、第1構造部材200及び密封アセンブリ400を含んでもよい。バッフル板100に第1貫通孔110が形成され、第1貫通孔110は、バッフル板100の第1側面101及び第2側面102を貫通する。即ち、第1貫通孔110は、バッフル板100の第1側面101が位置する側と第2側面102が位置する側とを連通してもよい。第1構造部材200には、密封対象部材300が貫通するための内孔201が形成される。第1構造部材200は、バッフル板100に接続される。内孔201の少なくとも一部は、第1貫通孔110内に位置する。即ち、第1構造部材200の少なくとも一部は、第1貫通孔110内に位置し、第1構造部材200がバッフル板100に接続される場合、内孔201の少なくとも一部は、第1側面101及び第2側面102の両方に対して平行ではない。密封アセンブリ400は、バッフル板100と第1構造部材200との間の隙間、及び密封対象部材300と第1構造部材200との間の隙間を密封する。
【0037】
バッフル板100は、第1構造部材200に取付基礎を提供してもよく、密封構造1000が真空炉、電気炉、転炉などの炉体に用いられる場合、バッフル板は、炉体の内部環境と外部環境とを仕切ることができる。バッフル板100上の第1貫通孔110は、密封構造1000の他の部品が通過するためのものであってもよい。バッフル板100の第1側面101及び第2側面102は、バッフル板100の両側面を表す。いくつかの実施例では、密封アセンブリ400が真空炉に用いられる場合、真空炉の炉体の内部に向かうバッフル板100の側面は、第1側面101であってもよく、炉体の外部に向かうバッフル板100の側面は、第2側面102であってもよい。いくつかの実施例では、バッフル板100は、密封しやすいように、平面板状構造であってもよい。別の実施例では、バッフル板100は、例えば円弧板状構造、波形板状構造などの他の板状構造であってもよい。いくつかの実施例では、第1側面101と第2側面102とは、基本的に平行であってもよい。別の実施例では、第1側面101と第2側面102との間は、0°より大きい夾角を有してもよい。例えば、第1側面101と第2側面102との間は、5°、10°などの夾角を有してもよい。いくつかの実施例では、貫通孔110の軸線は、第1側面101又は第2側面102に垂直であってもよい。
【0038】
第1構造部材200の少なくとも一部は、バッフル板100の第1貫通孔110内に位置し、バッフル板100により支持されてもよい(例えば、第1貫通孔110の側壁により支持される)。第1構造部材200は、第1貫通孔110を貫通してもよく、第1貫通孔110を貫通せずに進入するだけでもよい。第1構造部材200の内孔201は、密封対象部材300を貫通するためのものであってもよい。内孔201の少なくとも一部が第1側面101及び第2側面102の両方に対して平行ではないことは、内孔201の少なくとも一部が第1側面101及び第2側面102のいずれとも0°より大きい夾角を有すると理解できる。これにより、密封対象部材300が内孔201を介してバッフル板100の第1側面101が位置する側からバッフル板100の第2側面102が位置する側まで貫通することを保証することができる。いくつかの実施例では、内孔201の軸線は、直線である。内孔201は、図2におけるB方向に沿って延びてもよく、図2におけるB方向と一定の夾角、例えば、5°、10°などの夾角を有してもよい。別の実施例では、内孔201の軸線は、折れ線又は曲線であってもよい。いくつかの実施例では、内孔201の軸線(又は内孔201の軸線の少なくとも一部)は、第1貫通孔110の軸線と(基本的に)平行であってもよく、(基本的に)重なってもよい。本明細書では、「基本」は、1つの特徴(例えば、基本的な重なり)と該特徴(例えば、完全な重なり)との偏差が1つの閾値より小さいことを説明する。該閾値は、絶対数(例えば、距離差分値が1cm、5mmである)、又は相対値(例えば、該閾値は、第1貫通孔110の孔径の10%、5%である)であってもよい。
【0039】
密封対象部材300は、真空炉、電気炉、転炉などの炉体のコイル、ケーブルなどを含んでもよい。密封対象部材300は、外管を含んでもよく、コイル、ケーブルなどは、外管に貫入してもよく、外管は、コイル、ケーブルを保護する役割を果たすことができる。
【0040】
バッフル板100と第1構造部材200との間の隙間は、第1貫通孔110に形成され、バッフル板100と第1構造部材200との間の隙間を密封するために、密封アセンブリ400は、第1貫通孔110内、第1貫通孔110の任意の一端又は第1貫通孔110の両端に位置してもよい。密封対象部材300と第1構造部材200との間の隙間は、内孔201に形成され、密封対象部材300と第1構造部材200との間の隙間を密封するために、密封アセンブリ400は、内孔201内、内孔201の任意の一端又は内孔201の両端に位置してもよい。密封アセンブリ400の具体的な構造及び含まれる部品などについては、以下の関連説明を参照する。なお、図2において、第1構造部材200、密封アセンブリ400の形状、構造、設置位置は、例示的なものに過ぎず、異なる実施例では、第1構造部材200、密封アセンブリ400の形状、構造、設置位置は、変化してもよい。
【0041】
いくつかの実施例では、第1構造部材200は、第1貫通孔110を介してバッフル板100を貫通する。このとき、第1貫通孔110を貫通する第1構造部材200の部分の長さは、第1貫通孔110の長さより長い。密封アセンブリ400は、第1密封部材401を含んでもよい。第1密封部材401は、密封対象部材300と第1構造部材200との間の隙間を密封する。第1密封部材401は、内孔201の内壁と密封対象部材300との間に設けられる。いくつかの実施例では、第1密封部材401は、密封対象部材300の外側に外嵌された密封リングであってもよい。いくつかの実施例では、密封リング(第1密封部材401)は、内孔201の内壁と密封対象部材300との間に取り付けられた後、圧縮された状態にあることにより、第1密封部材401の密封効果を向上させることができる。別の実施例では、第1密封部材401は、シーラント(例えば、凝固後に固体状態となるシーラント)であってもよく、シーラント(第1密封部材401)は、内孔201において第1密封部材401と密封対象部材300との間の隙間を封止してもよい。
【0042】
いくつかの実施例では、第1密封部材401が密封リングである場合、第1密封部材401の横断面の外輪郭は、円形、楕円形、三角形、矩形、多角形又は不規則な形状などであってもよい。
【0043】
図3は、本明細書のいくつかの実施例に係る密封アセンブリの取付概略図であり、図4は、本明細書のいくつかの実施例に係る密封アセンブリの別の取付概略図である。いくつかの実施例では、図3及び図4に示すように、密封アセンブリ400は、バッフル板100に当接する第2密封部材402を含む。第2密封部材402は、第1貫通孔110の一端に位置することにより、バッフル板100と第1構造部材200との間の隙間を密封する。
【0044】
いくつかの実施例では、図3に示すように、第2密封部材402は、バッフル板100の第1側面101に当接してもよい。いくつかの実施例では、図4に示すように、第2密封部材402は、バッフル板100の第2側面102に当接してもよい。いくつかの実施例では、第2密封部材402は、第1構造部材200に外嵌された密封リングを含んでもよい。別の実施例では、第2密封部材402は、シーラント(例えば、凝固後に固体状態となるシーラント)を含んでもよく、シーラントは、第1貫通孔110においてバッフル板100と第1構造部材200との間の隙間を封止することができる。
【0045】
いくつかの実施例では、第2密封部材402が密封リングである場合、第2密封部材402の横断面の外輪郭は、円形、楕円形、三角形、矩形、多角形又は不規則な形状などであってもよい。
【0046】
バッフル板100に当接する第2密封部材402を設けることにより、第2密封部材402は、バッフル板100と第1構造部材200との間の隙間を効果的に密封することができ、かつ第2密封部材402が第1貫通孔110の端部に設けられてバッフル板100に当接することにより密封を実現するため、第2密封部材402は、配置が基本的に第1貫通孔110のサイズにより制限されず、第2密封部材402の形状及びサイズに対する制限が小さく、かつ取り付けやすい。
【0047】
図5は、本明細書のいくつかの実施例に係る密封アセンブリのさらなる取付概略図である。図5に示すように、密封アセンブリ400は、バッフル板100に当接する第3密封部材403をさらに含む。第3密封部材403は、バッフル板100と第1構造部材200との間の隙間を密封する。第2密封部材402と第3密封部材403は、それぞれ第1貫通孔110の両端に位置してもよい。第2密封部材402と第3密封部材403は、それぞれバッフル板100の第1側面101と第2側面102に当接してもよい。第3密封部材403の構造、形状は、第2密封部材402と類似してもよく、具体的には、第2密封部材402の関連説明を参照してもよい。
【0048】
第2密封部材402及び第3密封部材403を設け、第1貫通孔110の両端に密封を行うことにより、バッフル板100と第1構造部材200との間の隙間をよりよく密封することができ、かつ第2密封部材402及び第3密封部材403の配置は、基本的に第1貫通孔110のサイズにより制限されず、第2密封部材402及び第3密封部材403の形状、サイズに対する制限が小さい。
【0049】
図6は、本明細書のいくつかの実施例に係る密封アセンブリのさらなる別の取付概略図である。図6に示すように、密封アセンブリ400は、第4密封部材404を含んでもよい。第4密封部材404は、バッフル板100と第1構造部材200との間の隙間を密封してもよい。第4密封部材404の少なくとも一部は、バッフル板100の第1貫通孔110の内壁と第1構造部材200の外壁との間に設けられる。即ち、第4密封部材404の少なくとも一部は、バッフル板100の第1貫通孔110内に設けられる。
【0050】
いくつかの実施例では、第4密封部材404は、密封リングであってもよい。密封リング(第4密封部材404)は、バッフル板100の第1貫通孔110内に位置し、第1構造部材200の外側に外嵌されてもよい。別の実施例では、第4密封部材404は、バッフル板100の第1貫通孔110内に充填され、かつバッフル板100の第1貫通孔110の内壁と第1構造部材200の外壁との間に位置するシーラント(例えば、凝固後に固体状態となるシーラント)であってもよく、シーラント(第4密封部材404)は、第1貫通孔110内に第1構造部材200とバッフル板100との間の隙間を封止してもよい。
【0051】
第4密封部材404は、密封リングである場合、複数の異なる形状であってもよい。第4密封部材404の形状は、第1密封部材401の形状と類似してもよい。図6に示す実施例では、第4密封部材404は、規則的な円環構造であってもよく、かつ完全にバッフル板100の第1貫通孔110内に位置する。
【0052】
図7は、本明細書のいくつかの実施例に係る第4密封部材の概略構成図である。いくつかの実施例では、図7に示すように、第4密封部材404が密封リングである場合、第4密封部材404は、内側リングが円柱形であり、外側リングが円錐形である。外側リングを円錐形に設計し、外側リングの直径が小さい一端から第4密封部材404を第1貫通孔110に入れることにより、第4密封部材404を第1貫通孔110に容易に入れることができる。いくつかの実施例では、円錐形の外側リングの一端の外径は、第1貫通孔110の直径よりわずかに小さくてもよく、円錐形の外側リングの他端の外径は、第1貫通孔110の直径に基本的に等しくてもよく、第4密封部材404の外側リングの直径が大きい一端は、バッフル板100の第1貫通孔110の内壁に締まり嵌めされてもよく、これにより、第4密封部材404の密封効果を向上させることができる。いくつかの実施例では、円錐形の外側リングの一端の外径は、第1貫通孔110の直径よりわずかに小さくてもよく、円錐形の外側リングの他端の外径は、第1貫通孔110の直径より大きくてもよい。このような配置により、第4密封部材404は、一部がバッフル板100の第1貫通孔110内に位置し、他の一部がバッフル板100の第1貫通孔110の外側に位置してもよい。このような配置により、密封効果を保証するとともに、第4密封部材404が図6におけるA方向に沿って移動することを防止することができる。
【0053】
図8は、本明細書の別の実施例に係る第4密封部材の概略構成図である。いくつかの実施例では、図8に示すように、第4密封部材404の一端には、径方向に沿って外へ延びる位置制限リング4041が設けられ、位置制限リング4041の外径は、バッフル板100の第1貫通孔110の内径より大きく、第4密封部材404を取り付ける場合、位置制限リング4041は、バッフル板100の第1貫通孔110を通過できないため、位置制限の役割を果たすことができる。即ち、図8に示す第4密封部材404は、密封効果を保証するとともに、第4密封部材404が図6におけるA方向に沿って移動することを防止することができる。
【0054】
いくつかの実施例では、第4密封部材404が密封リングである場合、密封リングの軸方向に沿った第4密封部材404の長さは、第1貫通孔110の軸線に沿ったバッフル板100の第1貫通孔110の長さより長くても、短くても、等しくてもよい。密封リングの軸方向に沿った第4密封部材404の長さが第1貫通孔110の軸方向に沿った第1貫通孔110の長さより長い場合、第4密封部材404の両端が第1貫通孔110の両端を超えることができることにより、第4密封部材404が完全にバッフル板100と第1構造部材200との間の隙間を覆うことができ、第4密封部材404の密封強度の向上に有利である。
【0055】
いくつかの実施例では、図3図5に示すように、密封構造1000は、第1位置制限構造800をさらに含む。第1位置制限構造800は、第1貫通孔110における第1構造部材200の位置を制限することができる(例えば、第1構造部材200とバッフル板100との相対位置を制限することにより、第1貫通孔110における第1構造部材200の位置を制限する)。理解できるように、第1位置制限構造800は、一方向のみで第1構造部材200を位置制限してもよく、即ち、第1構造部材200のバッフル板100に対する一方向のみでの移動を制限してもよい。例えば、図3図5における第1位置制限構造800は、第1構造部材200が図3図5におけるA方向に向かって移動することを防止することができる。いくつかの実施例では、第1位置制限構造800は、他の構造とともに、第1貫通孔110における第1構造部材200の位置を固定することにより、バッフル板100と第1構造部材200とを接続し、第1構造部材200とバッフル板100との相対位置の固定を実現することができる。例えば、第1位置制限構造800は、後述する第1構造部材200の第2保持リング部203と係合して(第2保持リング部203は、第1構造部材200が図3図5におけるB方向に向かって移動することを防止することができる)、第1貫通孔110における第1構造部材200の位置を固定することにより、第1構造部材200とバッフル板100との相対位置の固定を実現することができる。
【0056】
いくつかの実施例では、第1位置制限構造800は、バッフル板100の第2側面102が位置する側に位置する止めブロックを含んでもよい。いくつかの実施例では、図3に示すように、止めブロックは、バッフル板100に当接して、第1構造部材200が図3図5におけるA方向に向かって移動することを防止することができる。
【0057】
いくつかの実施例では、図4に示すように、第2密封部材402及び止めブロックは、いずれもバッフル板100の第2側面102が位置する側に位置し、第2密封部材402は、バッフル板100の第2側面102に当接してもよく、止めブロックは、第2密封部材402に当接してもよい。このような設置により、第1位置制限構造800は、第1構造部材200がA方向に向かって移動することを防止するだけでなく、第2密封部材402に圧力を加えて、第2密封部材402をバッフル板100に押し付けることにより、第2密封部材402によりよい密封効果を奏することができる。
【0058】
いくつかの実施例では、図5に示すように、第2密封部材402と第3密封部材403は、それぞれバッフル板100の両側に位置し、かつそれぞれバッフル板100の第1側面101と第2側面102に当接する。止めブロックは、バッフル板100の第2側面102が位置する側に位置し、第3密封部材403に当接してもよい。このような設置により、第1位置制限構造800は、第1構造部材200がA方向に向かって移動することを防止するだけでなく、第3密封部材403に圧力を加えて、第3密封部材403をバッフル板100に押し付けることにより、第3密封部材403によりよい密封効果を奏することができる。
【0059】
いくつかの実施例では、第1位置制限構造800(上述した止めブロック)と第1構造部材200は、係止、螺合などの複数の接続可能な方式で位置制限を実現することができる。
【0060】
いくつかの実施例では、第1位置制限構造800は、螺合方式により位置制限を実現する。図9は、本明細書のいくつかの実施例に係る第1構造部材の概略構成図である。図3図5及び図9に示すように、いくつかの実施例では、第1位置制限構造800は、第1ナット801及び第1雄ねじ206を含む。即ち、上記止めブロックは、第1ナット801であってもよい。第1雄ねじ206は、第1構造部材200に設けられる。第1構造部材200が第1貫通孔110に入れられた後、第1雄ねじの少なくとも一部は、バッフル板100の第2側面102が位置する側に位置してもよい。第1ナット801は、バッフル板100の第2側面102が位置する側において、第1構造部材200の第1雄ねじ206に螺合する。第1ナット801を回転させることにより、第1雄ねじ206上に往復移動するように第1ナット801を制御することにより、第1ナット801がバッフル板100に接近するか又はバッフル板100から離間する。バッフル板100に近接する方向に向かって移動するように第1ナット801を制御することにより、第1ナット801がバッフル板100(図3に示す実施例)、第2密封部材402(図4に示す実施例)又は第3密封部材403(図5に示す実施例)に当接する場合、第1ナット801がバッフル板100、第2密封部材402又は第3密封部材403に圧力を加えることができる。第1ナット801が第2密封部材402(図4に示す実施例)又は第3密封部材403(図5に示す実施例)に当接する場合、バッフル板100に近接する方向に向かって移動するように第1ナット801を制御することにより、第2密封部材402又は第3密封部材403を対応的に押し付け、密封効果を保証することができる。
【0061】
図10Aは、本明細書の別の実施例に係る密封構造の概略構成図であり、図10Bは、本明細書の別の実施例に係る第2構造部材の概略構成図であり、以下、図10A及び図10Bを参照して第2構造部材600を詳細に説明する。図10Aに示すように、第2構造部材600は、第1構造部材200に外嵌され、かつ第1ナット801と第3密封部材403との間に位置する。第2構造部材600は、第1構造部材200に外嵌され、かつ第1ナット801と第3密封部材403との間に位置し、第3密封部材403に接触して第3密封部材403を位置制限する。いくつかの実施例では、図10Bに示すように、第2構造部材600に第2貫通孔603が設けられてもよい。図10Aに示すように、第1構造部材200は、第2構造部材600の第2貫通孔603内に貫入されてもよい。
【0062】
いくつかの実施例では、第2構造部材600は、第1構造部材200に外嵌された第1主リング部601を含んでもよい。第1主リング部601の内側リングには、第2構造部材600における第1構造部材200が貫通するための第2貫通孔603が形成されてもよい。第1主リング部601のバッフル板100から離れる側は、第1ナット801に当接し、第1ナット801が移動する時に第2構造部材600を駆動して同期に移動させることができる。
【0063】
いくつかの実施例では、第2構造部材600は、第1保持リング部602をさらに含んでもよい。第1保持リング部602は、軸線方向において第1主リング部601の一端に設けられる。第1主リング部601が第1構造部材200に外嵌される場合、第1保持リング部602は、第1主リング部601のバッフル板に近接する側に位置する。第1主リング部601が第1構造部材200に外嵌される場合、第3密封部材403及び第1保持リング部602は、いずれもバッフル板100と第1主リング部601との間に位置する。第3密封部材403は、第1保持リング部602の内側リングに位置する。
【0064】
第2構造部材600の上記構造設計により、第1主リング部601は、バッフル板100の第1貫通孔110の軸方向において第3密封部材403を位置制限することができる。第1保持リング部602は、バッフル板100の第1貫通孔110の径方向において第3密封部材403を位置制限する。第2構造部材600に第1主リング部601及び第1保持リング部602を設けることにより、第1貫通孔110の軸方向及び径方向において第3密封部材403を位置制限して、第3密封部材403を第1主リング部601とバッフル板100との間に緊密に当接させて、第2構造部材600とバッフル板100との間の接触隙間をうまく密封することができる。また、第2構造部材600は、第1ナット801と第3密封部材403との直接的な接触を回避することにより、第3密封部材403の摩耗を効果的に低減し、第3密封部材403の耐用年数を延ばすことができる。
【0065】
いくつかの実施例では、第2構造部材600は、第2貫通孔603を有する仕切り板であってもよく、第1構造部材200が仕切り板の第2貫通孔603内に貫入されることにより、仕切り板が第1構造部材200の外側に外嵌されてもよい。いくつかの実施例では、仕切り板のバッフル板100に向かう側には、底部が弧状をなす凹溝が設けられてもよく、第3密封部材403は、仕切り板の凹溝内に設けられてもよく、仕切り板の凹溝は、第3密封部材403に対する位置制限を実現することができる。
【0066】
理解できるように、第2密封部材402がバッフル板の第2側面102が位置する側に設けられる場合(即ち、図4に示す実施例)、第2構造部材600も上記説明に従って類似して設けられてもよい。
【0067】
以下、図3~5及び図9を参照して第1構造部材200の構造を詳細に説明する。図9に示すように、第1構造部材200は、第2主リング部202を含む。第2主リング部202は、バッフル板100の第1貫通孔110を介してバッフル板を貫通してもよい。即ち、第2主リング部202の外径は、第1貫通孔110の直径より小さく、第2主リング部202は、バッフル板100の第1側面101が位置する側から第2側面102が位置する側まで貫通してもよい。内孔201は、第2主リング部202内に形成される。
【0068】
いくつかの実施例では、第1構造部材200は、第2保持リング部203をさらに含んでもよい。第1構造部材200がバッフル板100の第1貫通孔110内に取り付けられる場合、第2保持リング部203は、バッフル板100の第1側面101が位置する側に位置し、第2主リング部202を取り囲んでもよい。即ち、第2保持リング部203は、第2主リング部202の外周面に設けられてもよく、第2保持リング部203の外径は、第1貫通孔110の直径より大きく、第2主リング部202がバッフル板100の第1貫通孔110を貫通する場合、第2保持リング部203は、第1貫通孔110を貫通することができない。第2保持リング部203は、第1構造部材200を位置制限する役割を果たすことができる。第2保持リング部203は、第1構造部材200が図3~5に示すB方向に向かって移動することを防止することができる。
【0069】
いくつかの実施例では、図3図5に示すように、第2密封部材402がバッフル板100の第1側面101が位置する側に位置する場合、第2密封部材402は、第2主リング部202に外嵌されるとともに、第2保持リング部203に当接してもよく、第2保持リング部203は、第2主リング部202の軸方向(第1貫通孔110の軸方向でもある)において第2密封部材402を位置制限する役割を果たし、第2密封部材402が第2主リング部202から外れることを防止することができる。
【0070】
いくつかの実施例では、図3~5及び図9に示すように、第1構造部材200は、第3止めリング部204をさらに含んでもよい。第3止めリング部204は、バッフル板100の第1側面101が位置する側に位置し、かつ第2保持リング部203のバッフル板100に向かう側に設けられ、第3止めリング部204の内径は、第2主リング部202の外径より大きく、第3止めリング部204と第2主リング部202との間に環状溝が形成される。いくつかの実施例では、第3止めリング部204の外径は、第2保持リング部203の外径に等しくてもよい。
【0071】
いくつかの実施例では、図3図5に示すように、第2密封部材402は、第2主リング部202に外嵌されるとともに、第3止めリング部204の内側リングに位置してもよい。即ち、第2密封部材402は、第3止めリング部204と第2主リング部202との間に形成された環状溝内に位置してもよい。第3止めリング部204は、第2主リング部202の径方向(第1貫通孔110の径方向でもある)に沿って第2密封部材402を位置制限する。
【0072】
別の実施例では、第2保持リング部203のバッフル板100に向かう側には、底部が弧状をなす凹溝が設けられてもよく、第2密封部材402は、第2保持リング部203の凹溝内に設けられてもよく、第2保持リング部203の凹溝は、第2密封部材402に対する位置制限を実現することができる。さらなる別の実施例では、第2主リング部202に他の位置制限機構を設けることにより、第1構造部材200が図3図6に示すB方向に向かって移動することを防止するという目的を達成することができる。例えば、第2主リング部202に位置制限ブロックを設けてもよく、位置制限ブロックは、第1貫通孔110に入ることができないため、位置制限の役割を果たす。
【0073】
いくつかの実施例では、第2主リング部202の外径は、15mm~750mmであってもよい。いくつかの実施例では、第2主リング部202の内径は、10mm~500mmであってもよい。第2主リング部202の内径は、即ち内孔201の直径である。いくつかの実施例では、第2主リング部202の外径と第2主リング部202の内径との比は、1.1~2であってもよい。上記第2主リング部202のサイズ設定により、第1構造部材200の構造をより合理的でコンパクトにすることができる。
【0074】
いくつかの実施例では、第1貫通孔110の直径は、17mm~800mmであってもよい。いくつかの実施例では、第1貫通孔110の直径と第2主リング部202の内径との比は、1.2~2.5である。上記内容と、第1貫通孔110及び第2主リング部202のサイズ設計により、密封構造の各部品をよりよく組み合わせることにより、密封構造がよりよい密封効果を達成することができる。
【0075】
図11は、本明細書のさらなる別の実施例に係る密封構造の概略構成図である。いくつかの実施例では、図11に示すように、密封構造は、第2位置制限構造500をさらに含む。第2位置制限構造500は、第1密封部材401を内孔201内に位置制限することにより、第1密封部材401の安定性を向上させ、第1密封部材401の外れを防止することができる。いくつかの実施例では、第2位置制限構造500は、第1密封部材401の密封効果を向上させるように、第1密封部材401に圧力を加えてもよい。
【0076】
図12は、本明細書のいくつかの実施例に係る第2位置制限構造の取付概略図であり、図13は、本明細書のいくつかの実施例に係る第2ナットの概略構成図である。以下、図12及び図13を参照して第2位置制限構造を詳細に説明する。図12及び図13に示すように、第2位置制限構造500は、第2ナット501及び第1雌ねじ205を含む。第2ナット501には、第1雌ねじ205に螺合可能な第3雄ねじ504が設けられる。第1雌ねじ205は、第1構造部材200の内孔201に設けられる。第2ナット501は、バッフル板100の第2側面102が位置する側において、内孔201の第1雌ねじ205に接続される。いくつかの実施例では、第1構造部材200が第1貫通孔110内に取り付けられた後、第1雌ねじ205の少なくとも一部は、バッフル板100の第2側面102が位置する側に位置してもよい。
【0077】
第2ナット501は、第1密封部材401に当接し、ねじ込まれた後、第1密封部材401の可動空間を制限することができる。さらに、第2ナット501は、第1密封部材401を押圧して、第1密封部材401の密封効果を向上させることができる。
【0078】
いくつかの実施例では、第2ナット501に位置制限凸リング502が設けられ、位置制限凸リング502の外径が内孔201の直径より大きくてもよいことにより、第2ナット501が内孔201に入る長さを制限する。いくつかの実施例では、位置制限凸リング502の外径は、バッフル板100の第1貫通孔110の直径より大きくてもよい。
【0079】
いくつかの実施例では、第2ナット501には、自身の軸線に沿って延びる第3貫通孔505が設けられてもよく、該第3貫通孔505は、密封対象部材300が貫通するためのものであってもよい。第3貫通孔505を設けることにより、密封対象部材300は、第2ナット501によって制限されることなく、バッフル板100の第2側面102が位置する側にスムーズに貫通することができる。
【0080】
いくつかの実施例では、図9及び図11に示すように、第2位置制限構造500は、位置制限ボス207をさらに含む。位置制限ボス207は、内孔201におけるバッフル板100の第1側面101が位置する側に近接する一端に設けられる。第1密封部材401は、位置制限ボス207と第2ナット501との間に設けられる。第1密封部材401は、位置制限ボス207に当接してもよく、位置制限ボス207は、第1密封部材401が内孔201の軸方向に沿ってバッフル板の第1側面101に向かって移動することを制限することができる。第2ナット501が第1密封部材401に当接した後、第1密封部材401を位置制限ボス207に押し付けることができ、これにより、第1密封部材401の安定性及び密封効果の向上に有利である。
【0081】
第2位置制限構造500は、複数の構造によって第1密封部材401の外れを防止する効果を奏することができる。いくつかの実施例では、第2位置制限構造500は、第1位置制限プラグをさらに含んでもよく、第1位置制限プラグは、第1密封部材401の外れを防止する効果を奏するように、バッフル板100の第2側面102が位置する側から内孔201に直接押し込まれてもよい。第1位置制限プラグは、内孔201に係止されてもよく、摩擦力によって内孔201の内壁に相対的に固定されてもよい。第1位置制限プラグは、第1密封部材401がバッフル板100の第2側面102が位置する側から外れることを防止することができる。
【0082】
別の実施例では、第2位置制限構造501は、第2位置制限プラグ又は第3ナットをさらに含んでもよく、第2位置制限プラグ及び第3ナットは、バッフル板100の第1側面101が位置する側から内孔201内に配置されてもよく、かつ第1密封部材401がバッフル板100の第1側面101が位置する側から外れることを防止することができる。第2位置制限プラグを設ける方式は、第1位置制限プラグを設ける方式と類似してもよく、第3ナットを設ける方式は、第2ナット501を設ける方式と類似してもよい。
【0083】
いくつかの実施例では、第1密封部材401の数は、少なくとも2つであってもよい。少なくとも2つの第1密封部材401を設けることにより、第1構造部材200と密封対象部材300との間の隙間をよりうまく密封することができる。
【0084】
いくつかの実施例では、第1密封部材401と第2ナット501との間に第1ガスケット4011が設けられてもよい。いくつかの実施例では、第1ガスケット4011は、リング状であってもよい。第1ガスケット4011の材料としては、銅、ステンレス鋼などが含まれるが、これらに限定されない。第1ガスケット4011は、摩耗された後、交換されてもよい。第2ナット501をねじ込む場合、第2ナット501は、第1ガスケット4011に当接し、位置制限ボス207に向かって移動させるように第1ガスケット4011及び第1密封部材401を駆動することにより、第1密封部材401を位置制限ボス207と第2ナット501との間に押し付けることができる。
【0085】
第2ナット501と第1密封部材401との間に第1ガスケット4011を設けることにより、第1密封部材401を第2ナット501による摩耗から効果的に保護することで、第1密封部材401の耐用年数を延ばすことができる。
【0086】
いくつかの実施例では、第1密封部材401の数が複数である場合、少なくとも2つの第1密封部材401の間に第2ガスケット4012が設けられてもよい。第2ガスケット4012の材料としては、銅、ステンレス鋼などが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施例では、一部の隣接する2つの第1密封部材401の間に第2ガスケット4012が設けられてもよく、他の一部の隣接する2つの第1密封部材401の間に第2ガスケット4012が設けられなくてもよい。
【0087】
隣接する2つの第1密封部材401の間に第2ガスケット4012を設けることにより、第1密封部材401同士が直接接触することを回避し、複数の第1密封部材401を有する場合、第1密封部材401同士の摩耗を効果的に低減することにより、第1密封部材401の耐用年数を延ばすことができる。
【0088】
図14は、本明細書のさらなる別の実施例に係る密封構造の概略構成図である。以下、図14を参照して第1構造部材200を詳細に説明する。図14に示すように、第1構造部材200は、バッフル板100の第2側面102が位置する側から第1貫通孔110に貫入される。第1構造部材200は、第1貫通孔110を貫通しない。密封対象部材300は、貫通孔及び内孔201を貫通する。密封アセンブリは、第5密封部材405を含む。
【0089】
第1貫通孔110の第1側面101が位置する側に近接する一端に位置制限ストッパー103が設けられる。第5密封部材405は、密封対象部材300に外嵌され、かつ位置制限ストッパー103と第1構造部材200との間に位置する。いくつかの実施例では、位置制限ストッパー103は、第5密封部材405が第1側面101が位置する側において第1貫通孔110から外れることを防止することができる。位置制限ストッパー103と第1構造部材200との共同作用により、第5密封部材405を位置制限することができる。いくつかの実施例では、第1構造部材200は、第5密封部材405の密封効果を保証するように、第5密封部材405に圧力を加えてもよい。第5密封部材405は、第1構造部材200と密封対象部材300との間の隙間を密封するだけでなく、バッフル板100と第1構造部材200との間の隙間を密封してもよく、密封構造1000の構造が簡略化される。
【0090】
第1構造部材200は、バッフル板100の第1貫通孔110内に接続される。第1構造部材200は、係止、螺合などの取り外し可能な接続方式により第1貫通孔110との接続を実現することができる。
【0091】
いくつかの実施例では、第1構造部材200の外壁に第2雄ねじ209が設けられ、第1貫通孔110の内壁に第2雄ねじ209と螺合する第2雌ねじ111が設けられる。第1構造部材200と第1貫通孔110とは、ねじによって接続されてもよく、第1構造部材200は、ねじ込まれるときに第5密封部材405に圧力を加え、かつねじ込み距離を制御することによって圧力の大きさを容易に制御することができる。
【0092】
いくつかの実施例では、第5密封部材405の数は、少なくとも2つであってもよい。少なくとも2つの第5密封部材405を設けることにより、第1構造部材200と密封対象部材300との間の隙間及び第1構造部材200と密封対象部材300との間の隙間をうまく密封することができる。
【0093】
いくつかの実施例では、第5密封部材405と第1構造部材200との間に第3ガスケット4051が設けられてもよい。第3ガスケット4051は、第1構造部材200による第5密封部材405の摩耗を防止する役割を果たすことにより、第5密封部材405の耐用年数を延ばすことができる。第3ガスケット4051の材料としては、銅、ステンレス鋼などが含まれるが、これらに限定されない。
【0094】
いくつかの実施例では、第5密封部材405の数は、複数であってもよい。少なくとも2つの隣接する第5密封部材405の間に第4ガスケット4052が設けられてもよい。第4ガスケット4052の材料としては、銅、ステンレス鋼などが含まれるが、これらに限定されない。
【0095】
隣接する2つの第5密封部材405の間に第4ガスケット4052を設けることにより、第5密封部材405同士が直接接触することを回避し、複数の第5密封部材405を有する場合、第5密封部材405同士の摩耗を効果的に低減することにより、第5密封部材405の耐用年数を延ばすことができる。
【0096】
いくつかの実施例では、第1構造部材200は、導電材料から形成されてもよい。いくつかの実施例では、図3図5に示すように、第1構造部材200と第1貫通孔110の内壁面との間に絶縁層700が設けられ、絶縁層700により、バッフル板100と第1構造部材200とを絶縁して、密封構造の安全性能を向上させる。いくつかの実施例では、第1構造部材の材料は、透磁率が低い(例えば、比透磁率が2より小さい)、銅、ステンレス、アルミニウムなどの金属導電材料であってもよい。絶縁層700は、絶縁材料で製造される。絶縁材料として、電気絶縁性能を有するゴム系弾性材料、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴムなどを用いてもよい。
【0097】
いくつかの実施例では、第1構造部材200は、絶縁材料から形成されてもよい。第1構造部材200の具体的な材料は、絶縁層700の材料と類似してもよい。第1構造部材200の材料として絶縁材料を用いることにより、第1構造部材200とバッフル板100との間に絶縁部品(例えば絶縁層700)を設ける必要がなく、このように、密封構造の部品数を簡略化することができ、密封効果の向上に有利である。
【0098】
いくつかの実施例では、密封アセンブリ400は、絶縁材料から形成されてもよい。密封アセンブリ400の具体的な材料は、絶縁層700の材料と類似してもよい。いくつかの実施例では、第2密封部材402は、絶縁材料から形成されてもよい。いくつかの実施例では、絶縁層700と第2密封部材402は、一体型構造であってもよい。いくつかの実施例では、第2密封部材402及び第3密封部材403の材料は、いずれも絶縁材料であってもよい。いくつかの実施例では、絶縁層700、第2密封部材402及び第3密封部材403は、一体型構造であってもよい。いくつかの実施例では、第1密封部材401の材料は、絶縁材料である。前述の実施例によって実現できる技術的効果は、絶縁材料で製造された絶縁層700、第1密封部材401、第2密封部材402、第3密封部材403を用いることにより、バッフル板100と第1構造部材200、第2構造部材600及び密封対象部材300との間の絶縁を実現できることを含むが、それらに限定されない。
【0099】
いくつかの実施例では、第1構造部材200、第1ナット801及び/又は第2ナット501に工具孔が形成されてもよい。工具孔は、その中に補助具(例えば、ラッチ)を挿入してから、該工具孔を形成した部品に対して取付動作(例えば、ねじ込み、前押し、後引きなどの動作)を行うのに便利である。
【0100】
いくつかの実施例では、第1構造部材200に第1工具孔208が形成されてもよい。いくつかの実施例では、図9に示すように、第1工具孔208は、第3止めリング部204に形成されてもよい。
【0101】
いくつかの実施例では、図12及び図13に示すように、第2ナット501に第2工具孔503が形成されてもよい。
【0102】
いくつかの実施例では、第1ナット801に第3工具孔が形成されてもよく、第3工具孔については、図示されず、第1工具孔208及び第2工具孔503を参照してもよい。いくつかの実施例では、第1ナット801の外形は、六角形又は他の形状であってもよい。
【0103】
前述の実施例により実現できる技術的効果は、各部品に工具孔を形成することにより、非常に便利で迅速に取付及び/又は取り外しを実現できることを含むが、それらに限定されない。
【0104】
本明細書の実施例における密封構造によってもたらされ得る有益な効果は、(1)本明細書における密封アセンブリにより、バッフル板と第1構造部材との間の隙間及び密封対象部材と第1構造部材との間の隙間を密封することにより、よりよい密封効果を奏することができること、(2)密封構造により、バッフル板の両側から同時に密封して密封効果を高めることができること、(3)密封構造における各構造の間の接続が簡単で、便利であり、密封アセンブリを迅速に取り付けて交換し、柔軟に調整し、メンテナンス、修理の難しさ及びコストを低減することができること、(4)密封アセンブリ及び構造部材において絶縁材料を用いることにより安全性能を向上させることができること、を含むが、これらに限定されない。なお、異なる実施例による有益な効果は、異なり、異なる実施例では、以上の任意の1種又は複数種の組み合わせであってもよく、他の任意の可能な効果であってもよい。
【0105】
図15は、本明細書のいくつかの実施例に係る真空炉の概略構成図である。以下、図15を参照して真空炉を詳細に説明する。図15に示すように、真空炉2000は、密封構造1000を含み、真空炉は、炉体2100を含む。炉体2100は、真空環境を提供する炉体である。いくつかの実施例では、バッフル板100は、炉体2100の側壁の一部であってもよく、即ち、炉体2100の側壁と一体型構造であってもよい。別の実施例では、まず、炉体2100の側壁に1つの開口部を設けてから、開口部にバッフル板100を取り付けてもよい。即ち、バッフル板100と炉体の側壁とは、別体構造である。
【0106】
いくつかの実施例では、バッフル板100の第1側面101は、炉体2100内に位置し、バッフル板100の第2側面102は、炉体2100外に位置する。このように設けることにより、真空炉の外部から取付、取り外し、点検、交換などの作業を容易に行うことができる。例えば、第1ナット801及び/又は第2ナット501を取り付ける過程において、第1ナット801及び第2ナット501がいずれもバッフル板100の第2側面102が位置する側に設けられるため、炉体の外側から第1ナット801及び/又は第2ナット501を容易に取り付けることができる。
【0107】
いくつかの実施例では、炉体2100上の開口部は、複数であってもよい。例えば、炉体2100上の開口部は、2つであってもよく、2つの開口部は、それぞれコイル、ケーブルの貫入及び貫通に用いられる。各開口部にいずれも上記密封構造1000が設けられてもよい。
【0108】
以上、基本概念について説明したが、明らかに、当業者にとって、上記詳細な開示は、例示的なものに過ぎず、本明細書を限定するものではない。本明細書に明示的に説明していないが、当業者であれば、本明細書に対して様々な補正、改良及び修正を行う可能性がある。このような補正、改良及び修正は、本明細書において提案されているので、このような補正、改良及び修正は、依然として本明細書の例示的な実施例の精神及び範囲に属する。
【0109】
また、本明細書では、特定の用語を用いて本明細書の実施例を説明する。「1つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「いくつかの実施例」は、本明細書の少なくとも1つの実施例に関連する特徴、構造、又は素性を意味する。したがって、なお、本明細書では、異なる位置で2回以上言及される「一実施例」又は「1つの実施例」又は「代替実施例」は、必ずしも同一の実施例を指すものではない。さらに、本明細書の1つ以上の実施例におけるいくつかの特徴、構造、又は素性を適切に組み合わせてもよい。
【0110】
同様に、なお、本明細書に開示された表現を簡略化し、1つ以上の発明の実施例の理解を助けるために、本明細書の実施例の前述の説明において、様々な特徴は、1つの実施例、図面、又はその説明に組み合わされる場合がある。しかしながら、この開示方法は、本明細書の対象に必要な特徴が特許請求の範囲に記載の特徴より多いことを意味するものではない。実際、実施例の特徴は、上記に開示された単一の実施例の全ての特徴より少ない。
【0111】
最後に、なお、本明細書に記載の実施例は、本明細書の実施例を説明するための原則に過ぎない。その他の変形も本明細書の範囲に含まれ得る。したがって、限定ではなく例として、本明細書の実施例の代替構成は、本明細書の教示と一致すると見なすことができる。したがって、本明細書の実施例は、本明細書で明示的に紹介され説明された実施例に限定されない。
【符号の説明】
【0112】
1000 密封構造
100 バッフル板
101 第1側面
102 第2側面
103 位置制限ストッパー
110 第1貫通孔
111 第2雌ねじ
200 第1構造部材
201 内孔
202 第2主リング部
203 第2保持リング部
204 第3止めリング部
205 第1雌ねじ
206 第1雄ねじ
207 位置制限ボス
208 第1工具孔
209 第2雄ねじ
300 密封対象部材
400 密封アセンブリ
401 第1密封部材
4011 第1ガスケット
4012 第2ガスケット
402 第2密封部材
403 第3密封部材
404 第4密封部材
4041 位置制限リング
405 第5密封部材
4051 第3ガスケット
4052 第4ガスケット
500 第2位置制限構造
501 第2ナット
502 位置制限凸リング
503 第2工具孔
504 第3雄ねじ
505 第3貫通孔
600 第2構造部材
601 第1主リング部
602 第1保持リング部
603 第2貫通孔
700 絶縁層
800 第1位置制限構造
801 第1ナット
2000 真空炉
2100 炉体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-11-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッフル板であって、前記バッフル板の第1側面及び第2側面を貫通する第1貫通孔が形成される、バッフル板と、
密封対象部材が貫通するための内孔が形成された第1構造部材であって、前記第1構造部材は、前記バッフル板に接続されており、前記内孔の少なくとも一部は、前記第1貫通孔内に位置し、かつ前記内孔の少なくとも一部は、前記第1側面及び前記第2側面の両方に対して平行ではない、第1構造部材と、
前記バッフル板と前記第1構造部材との間の隙間を密封し、かつ前記密封対象部材と前記第1構造部材との間の隙間を密封するための密封アセンブリと、
を含む、密封構造。
【請求項2】
前記第1構造部材は、前記第1貫通孔を介して前記バッフル板を貫通し、
前記密封アセンブリは、前記密封対象部材と前記第1構造部材との間の隙間を密封するための第1密封部材を含み、
前記第1密封部材は、前記内孔の内壁と前記密封対象部材との間に設けられる、請求項1に記載の密封構造。
【請求項3】
前記密封アセンブリは、前記第1貫通孔の一端に位置する第2密封部材を含み、
前記第2密封部材は、前記バッフル板の第1側面又は第2側面に当接して、前記バッフル板と前記第1構造部材との間の隙間を密封する、請求項2に記載の密封構造。
【請求項4】
前記密封アセンブリは、前記バッフル板と前記第1構造部材との間の隙間を密封するための第3密封部材をさらに含み、
前記第2密封部材と前記第3密封部材とは、それぞれ前記第1貫通孔の両端に位置し、かつそれぞれ前記バッフル板の第1側面と第2側面とに当接する、請求項3に記載の密封構造。
【請求項5】
前記密封アセンブリは、前記バッフル板と前記第1構造部材との間の隙間を密封するための第4密封部材を含み、前記第4密封部材の少なくとも一部は、前記第1貫通孔の内壁と前記第1構造部材の外壁との間に設けられる、請求項2に記載の密封構造。
【請求項6】
前記第1構造部材の前記第1貫通孔における位置を制限する第1位置制限構造をさらに含む、請求項4に記載の密封構造。
【請求項7】
前記第1構造部材は、第1主リング部及び第1保持リング部を含み、前記内孔は、前記第1主リング部に形成され、前記第1主リング部は、前記第1貫通孔を介して前記バッフル板を貫通し、前記第1保持リング部は、前記バッフル板の前記第1側面が位置する側に位置し、かつ前記第1保持リング部は、前記第1主リング部の外側を取り囲み、前記第1保持リング部の外径は、前記第1貫通孔の直径より大きい、請求項2に記載の密封構造。
【請求項8】
前記第1構造部材は、第2保持リング部をさらに含み、前記第2保持リング部は、前記バッフル板の前記第1側面が位置する側に位置し、前記第2保持リング部は、前記第1保持リング部の前記バッフル板に向かう側に設けられ、かつ前記第2保持リング部の外径は、前記第1主リング部の外径より大きい、請求項に記載の密封構造。
【請求項9】
前記第1主リング部の外径と前記第1主リング部の内径との比は、1.1~2であり、かつ/または
前記第1貫通孔の直径と第1主リング部の内径との比は、1.2~2.5である、請求項9に記載の密封構造。
【請求項10】
第1密封部材を前記内孔に位置制限するよう構成された第2位置制限構造をさらに含む、請求項2に記載の密封構造。
【請求項11】
前記密封アセンブリは、少なくとも2つの前記第1密封部材を含み、少なくとも2つの隣接する前記第1密封部材の間に第2ガスケットが設けられる、請求項2に記載の密封構造。
【請求項12】
前記第1構造部材は、前記バッフル板の第2側面が位置する側から前記第1貫通孔に貫入され、前記第1貫通孔の前記第1側面に近接する一端に位置制限ストッパーが設けられ、
前記密封対象部材は、前記第1貫通孔及び前記内孔を貫通し、
前記密封アセンブリは、第5密封部材を含み、前記第5密封部材は、前記第1貫通孔内に設けられ、前記密封対象部材に外嵌され、かつ前記位置制限ストッパーと前記第1構造部材との間に位置する、請求項1に記載の密封構造。
【請求項13】
前記第1構造部材は、導電材料から形成され、前記第1構造部材の外表面と前記第1貫通孔の内壁面との間に絶縁層が設けられる、請求項1に記載の密封構造。
【請求項14】
前記第1構造部材は、絶縁材料から形成され、及び/又は、前記密封アセンブリは、絶縁材料から形成される、請求項1に記載の密封構造。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の密封構造と、炉体と、を含む真空炉であって、前記炉体の側壁に開口部が設けられ、前記密封構造が前記バッフル板を介して前記開口部に設けられる、真空炉。
【国際調査報告】