(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-18
(54)【発明の名称】テレマティクスデバイスおよび機器データ報告方法
(51)【国際特許分類】
H02J 9/06 20060101AFI20250311BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20250311BHJP
【FI】
H02J9/06 110
H02J7/00 P
H02J7/00 302C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024548395
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2024-09-12
(86)【国際出願番号】 US2022045275
(87)【国際公開番号】W WO2023158463
(87)【国際公開日】2023-08-24
(32)【優先日】2022-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512301190
【氏名又は名称】テレックス サウスダコタ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】ショーラーマン・ライアン
【テーマコード(参考)】
5G015
5G503
【Fターム(参考)】
5G015FA04
5G015GB05
5G015JA34
5G015JA56
5G015KA12
5G503AA04
5G503AA07
5G503BA02
5G503BB01
5G503BB05
5G503DA04
5G503DA18
5G503FA06
(57)【要約】
データを報告するテレマティクスデバイスは、コントローラと、デバイスバッテリと、バッテリを備えた機器に関連するデータを含むテレマティクス信号を送信するためのトランシーバとを含む。前記機器が非アクティブ状態の間、(i)機器バッテリ電圧が第1の機器バッテリ閾値より大きい場合、トランシーバは機器バッテリに給電されて第1の間隔で信号を送信し、(ii)機器バッテリの電圧が第1の閾値以下で第2の閾値より大きく、かつ、デバイスバッテリの電圧がデバイスバッテリ閾値より大きい場合、トランシーバはデバイスバッテリに給電されて第2の間隔で信号を送信し、(iii)機器バッテリの電圧が、第1の閾値以下で第2の閾値より大きく、かつ、デバイスバッテリ電圧がデバイスバッテリ閾値以下の場合、トランシーバは機器バッテリから給電されて第3の間隔で信号を送信し、デバイスバッテリは機器バッテリから再充電される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器に関連するデータを報告するテレマティクスデバイスであって、
前記機器に関連するデータを含む無線テレマティクス信号を送信するトランシーバであって、前記機器は、バッテリに関連する第1の機器バッテリ閾値と第2の機器バッテリ閾値とを有するバッテリを備え、前記第1の機器バッテリ閾値が前記第2の機器バッテリ閾値より大きい、トランシーバと、
デバイスバッテリに関連するデバイスバッテリ閾値を有するデバイスバッテリと、
コントローラとを備え、
前記機器が非アクティブ状態の間、前記コントローラは、
機器バッテリの電圧レベルが前記第1の機器バッテリ閾値より大きい場合、前記トランシーバを制御して、第1の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記機器バッテリから給電され、
前記機器バッテリの前記電圧レベルが、前記第1の機器バッテリ閾値以下で前記第2の機器バッテリ閾値より大きく、かつ、前記デバイスバッテリの電圧レベルが前記デバイスバッテリ閾値より大きい場合、前記トランシーバを制御して、前記第1の間隔より頻度の低い第2の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記デバイスバッテリから給電され、
前記機器バッテリの前記電圧レベルが、前記第1の機器バッテリ閾値以下で前記第2の機器バッテリ閾値より大きく、かつ、前記デバイスバッテリの前記電圧レベルが前記デバイスバッテリ閾値以下の場合、前記トランシーバを制御して、前記第1の間隔より頻度の低い第3の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記機器バッテリから給電され、前記デバイスバッテリを前記機器バッテリから再充電させるよう構成される、テレマティクスデバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のテレマティクスデバイスにおいて、
前記第3の間隔が前記第2の間隔と等しい、テレマティクスデバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のテレマティクスデバイスにおいて、
さらに前記コントローラが、前記機器バッテリの前記電圧レベルが前記第2の機器バッテリ閾値以下であり、前記デバイスバッテリの前記電圧レベルが前記デバイスバッテリ閾値以下である場合、ハイバネーションモードに移行するよう構成される、テレマティクスデバイス。
【請求項4】
請求項1に記載のテレマティクスデバイスにおいて、
さらに前記コントローラが、前記機器バッテリの前記電圧レベルが前記第2の機器バッテリ閾値以下であり、前記デバイスバッテリの前記電圧レベルが前記デバイスバッテリ閾値より大きい場合、前記トランシーバを制御して、前記第2の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記デバイスバッテリから給電されるよう構成される、テレマティクスデバイス。
【請求項5】
請求項1に記載のテレマティクスデバイスにおいて、
内燃機関に給電されるマシンを備えた機器の場合は、第1の機器バッテリ電圧閾値を11.1ボルトとし、第2の機器バッテリ電圧閾値を10ボルトとし、また、バッテリに給電されるマシンを備えた機器の場合は、前記第1の機器バッテリ電圧閾値を22.2ボルトとし、前記第2の機器バッテリ電圧閾値を20ボルトとする、テレマティクスデバイス。
【請求項6】
請求項1に記載のテレマティクスデバイスにおいて、
前記第1の間隔が1時間に1回であり、前記第2の間隔が12時間に1回である、テレマティクスデバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のテレマティクスデバイスにおいて、
さらに、(i)前記機器バッテリの前記電圧レベルが前記第1の機器バッテリ閾値以下の場合、(ii)前記デバイスバッテリが前記機器バッテリから再充電される場合、および、(iii)前記コントローラがハイバネーションモードに移行する場合に、前記コントローラが前記トランシーバを制御して、無線警告信号を送信するよう構成される、テレマティクスデバイス。
【請求項8】
非アクティブ状態の機器に関連するデータを、テレマティクスデバイスを介して報告する方法であって、
前記テレマティクスデバイスは、
(i)前記機器に関連するデータを含む無線テレマティクス信号を送信するトランシーバであって、前記機器は、バッテリに関連する第1の機器バッテリ閾値と第2の機器バッテリ閾値とを有するバッテリを備え、前記第1の機器バッテリ閾値が前記第2の機器バッテリ閾値より大きい、トランシーバと、
(ii)デバイスバッテリに関連するデバイスバッテリ閾値を有するデバイスバッテリと、
(iii)コントローラとを備え、
前記方法は、
機器バッテリの電圧レベルが第1の機器バッテリ閾値より大きい場合、第1の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記機器バッテリから給電され、
前記機器バッテリの前記電圧レベルが、前記第1の機器バッテリ閾値以下で前記第2の機器バッテリ閾値より大きく、かつ、前記デバイスバッテリの電圧レベルが前記デバイスバッテリ閾値より大きい場合、前記第1の間隔より頻度の低い第2の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記デバイスバッテリから給電され、
前記機器バッテリの前記電圧レベルが、前記第1の機器バッテリ閾値以下で前記第2の機器バッテリ閾値より大きく、かつ、前記デバイスバッテリの前記電圧レベルが前記デバイスバッテリ閾値以下の場合、前記第1の間隔よりも頻度の低い第3の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記機器バッテリから給電され、前記デバイスバッテリを前記機器バッテリから再充電させることを含む、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
前記第3の間隔が前記第2の間隔と等しい、方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法において、
前記機器バッテリの前記電圧レベルが前記第2の機器バッテリ閾値以下であり、前記デバイスバッテリの前記電圧レベルが前記デバイスバッテリ閾値より大きい場合、前記第2の間隔で機器テレマティクス信号を送信することをさらに含み、前記トランシーバは前記デバイスバッテリから給電される、方法。
【請求項11】
請求項8に記載の方法において、
内燃機関に給電されるマシンを備えた機器の場合は、第1の機器バッテリ電圧閾値を11.1ボルトとし、第2の機器バッテリ電圧閾値を10ボルトとし、また、バッテリに給電されるマシンを備えた機器の場合は、前記第1の機器バッテリ電圧閾値を22.2ボルトとし、前記第2の機器バッテリ電圧閾値を20ボルトとする、方法。
【請求項12】
請求項8に記載の方法において、
前記第1の間隔が1時間に1回であり、前記第2の間隔が12時間に1回である、方法。
【請求項13】
請求項8に記載の方法において、
(i)前記機器バッテリの前記電圧レベルが前記第1の機器バッテリ閾値以下の場合、(ii)前記デバイスバッテリが前記機器バッテリから再充電される場合、および、(iii)前記コントローラがハイバネーションモードに移行する場合に、無線警告信号を送信することをさらに含む、方法。
【請求項14】
非アクティブ状態の機器に関連するデータを、テレマティクスデバイスを介して報告するためのコンピュータ実行可能命令を記憶した、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体であって、
前記テレマティクスデバイスは、(i)前記機器に関連するデータを含む無線テレマティクス信号を送信するトランシーバであって、前記機器は、バッテリに関連する第1の機器バッテリ閾値と第2の機器バッテリ閾値とを有するバッテリを備え、前記第1の機器バッテリ閾値は前記第2の機器バッテリ閾値より大きい、トランシーバと、
(ii)デバイスバッテリに関連するデバイスバッテリ閾値を有するデバイスバッテリと、
(iii)コントローラとを備え、
命令が前記コントローラによって実行されると、前記テレマティクスデバイスは、
機器バッテリの電圧レベルが第1の機器バッテリ閾値より大きい場合、第1の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記機器バッテリから給電され、
前記機器バッテリの前記電圧レベルが、前記第1の機器バッテリ閾値以下で前記第2の機器バッテリ閾値より大きく、かつ、前記デバイスバッテリの電圧レベルが前記デバイスバッテリ閾値より大きい場合、前記第1の間隔よりも頻度の低い第2の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記デバイスバッテリから給電され、
前記機器バッテリの前記電圧レベルが、前記第1の機器バッテリ閾値以下で前記第2の機器バッテリ閾値より大きく、かつ、前記デバイスバッテリの前記電圧レベルが前記デバイスバッテリ閾値以下の場合、前記第1の間隔よりも頻度の低い第3の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記機器バッテリから給電され、前記デバイスバッテリを前記機器バッテリから再充電させる、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体において、
前記第3の間隔が、前記第2の間隔と等しい、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体。
【請求項16】
請求項14に記載のコンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体において、
さらに、前記命令が前記コントローラによって実行されると、前記機器バッテリの前記電圧レベルが前記第2の機器バッテリ閾値以下であり、前記デバイスバッテリの前記電圧レベルが前記デバイスバッテリ閾値以下である場合、前記テレマティクスデバイスをハイバネーションモードに移行させる、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体。
【請求項17】
請求項14に記載のコンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体において、
さらに、前記命令が前記コントローラによって実行されると、前記テレマティクスデバイスは、前記機器バッテリの前記電圧レベルが前記第2の機器バッテリ閾値以下であり、前記デバイスバッテリの前記電圧レベルが前記デバイスバッテリ閾値より大きい場合、前記第2の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記デバイスバッテリから給電される、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体。
【請求項18】
請求項14に記載のコンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体において、
内燃機関に給電されるマシンを備えた機器の場合は、第1の機器バッテリ電圧閾値を11.1ボルトとし、第2の機器バッテリ電圧閾値を10ボルトとし、また、バッテリに給電されるマシンを備えた機器の場合は、前記第1の機器バッテリ電圧閾値を22.2ボルトとし、前記第2の機器バッテリ電圧閾値を20ボルトとする、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体。
【請求項19】
請求項14に記載のコンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体において、
前記第1の間隔が1時間に1回であり、前記第2の間隔が12時間に1回である、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体。
【請求項20】
請求項14に記載のコンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体において、
さらに、前記命令が前記コントローラによって実行されると、前記テレマティクスデバイスは、
(i)前記機器バッテリの前記電圧レベルが前記第1の機器バッテリ閾値以下の場合、(ii)前記デバイスバッテリが前記機器バッテリから再充電される場合、および、(iii)前記コントローラがハイバネーションモードに移行する場合に、無線警告信号を送信する、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願についての相互参照]
本出願は、2022年2月15日に出願された米国出願第17/651,160号についての優先権を主張する。米国出願第17/651,160号は、開示全文が本明細書に参照として含まれる。
【0002】
本発明は、テレマティクスデバイス、および、機器に関連するデータを報告するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
テレマティクス技術は、センサー、コントローラ、電気通信機器/システムを利用して、車両、シザーリフト、ブームリフト、フォークリフト、その他のマシン等、各種機器に関連する情報を感知、報告、監視する。特に、バッテリモニタ、燃料センサ、全地球測位システム(GPS)、その他のセンサ等、機器に接続されたセンサを用いて、バッテリや燃料のレベル、位置、運転時間、故障、その他のパラメータ等、各種の機器パラメータを感知することができる。このような情報は、テレマティクスデバイスに提供することができ、テレマティクスデバイスには、典型的には、電子制御ユニット(ECU)、またはコントローラ、および無線通信装置が含まれる。コントローラは、機器センサによって示される異なる機器パラメータを監視し、電気通信デバイスを介して、このようなパラメータを遠隔の装置や場所に電気通信システムを通じて報告することができる。テレマティクスデバイスがこのような方法で監視、報告する機器情報は、現場での機器のトラブルシューティング、予防保全、位置追跡など、様々な目的で役に立つ。例えば、テレマティクスシステムとしては、Terex社が提供するGenie Lift Connect Programがある。
【0004】
コントローラと通信デバイスとを含むテレマティクスデバイスの構成要件は、テレマティクスデバイスが搭載された機器や、テレマティクスデバイスが組み込まれた機器に接続されたバッテリから給電される。また、テレマティクスデバイスは、コントローラや電気通信デバイスにも給電できるデバイスバッテリを備えてもよい。すなわち、機器が運転中および/または使用中のとき(機器のアクティブ状態またはアクティブ動作モードとも記載される)、テレマティクスデバイスは機器のバッテリから給電されてもよい。あるいは、機器が停止され、その制御の電源がオフのとき(機器の非アクティブ状態または非アクティブ動作モードとも記載される)、テレマティクスデバイスは、機器バッテリまたはテレマティクスデバイスバッテリから給電できる。
【0005】
テレマティクスデバイスは、アクティブ機器状態の間、機器バッテリから給電されるとき、15分間隔で無線テレマティクス信号を送信できるが、その間隔はこれより長くても短くてもよい。しかし、非アクティブ機器状態の間、機器バッテリまたはデバイスバッテリから給電されていたとしても、このような間隔で無線テレマティクス信号を送信すると、バッテリ容量が急速に消耗する。その結果、テレマティクスが機器に関連するデータの報告に利用できる持続時間が短くなるため、非アクティブ機器状態の間に、テレマティクスの健全性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0006】
したがって、改良後のテレマティクスデバイスと、機器に関連するデータを報告する方法に求められるのは、機器バッテリの健全性とテレマティクスの健全性とを維持するためのバランスの良いアプローチであって、機器のメンテナンスの優先順位付けというビジネスニーズを支えるようなデータ報告の持続時間を可能にするアプローチを定義する、テレマティクスデバイスと方法である。このように改良されたテレマティクスデバイスと方法は、機器のバッテリ電圧が臨界レベルに低下した後も、テレマティクスデータ報告の持続時間が維持されるので、既存のテレマティクスデバイスに関連する上述の問題や課題を対処、軽減、緩和、解決、排除するために役立つであろう。
【発明の概要】
【0007】
本書で説明する非限定的で例示的な実施形態では、機器に関連するデータを報告するためのテレマティクスデバイスが提供される。前記テレマティクスデバイスは、前記機器に関連するデータを含む無線テレマティクス信号を送信するトランシーバであって、前記機器は、バッテリに関連する第1の機器バッテリ閾値と第2の機器バッテリ閾値とを有するバッテリを備え、前記第1の機器バッテリ閾値が前記第2の機器バッテリ閾値より大きい、トランシーバを備える。前記テレマティクスデバイスは、さらに、デバイスバッテリに関連するデバイスバッテリ閾値を有するデバイスバッテリと、コントローラとを備える。前記装置が非アクティブ状態の間、前記コントローラは、(i)機器バッテリの電圧レベルが前記第1の機器バッテリ閾値より大きい場合、前記トランシーバを制御して、第1の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記機器バッテリから給電され、(ii)前記機器バッテリの前記電圧レベルが、前記第1の機器バッテリ閾値以下で前記第2の機器バッテリ閾値より大きく、かつ、前記デバイスバッテリの電圧レベルが前記デバイスバッテリ閾値より大きい場合、前記トランシーバを制御して、前記第1の間隔より頻度の低い第2の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記デバイスバッテリから給電され、(iii)前記機器バッテリの前記電圧レベルが、前記第1の機器バッテリ閾値以下で前記第2の機器バッテリ閾値より大きく、かつ、前記デバイスバッテリの前記電圧レベルが前記デバイスバッテリ閾値以下の場合、前記トランシーバを制御して、前記第1の間隔より頻度の低い第3の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記機器バッテリから給電され、前記デバイスバッテリを前記機器バッテリから再充電させる。
【0008】
本明細書に記載の別の非限定的で例示的な実施形態によると、非アクティブ状態の機器に関連するデータを、テレマティクスデバイスを介して報告する方法であって、前記テレマティクスデバイスは、(i)前記機器に関連するデータを含む無線テレマティクス信号を送信するトランシーバであって、前記機器は、バッテリに関連する第1の機器バッテリ閾値と第2の機器バッテリ閾値とを有するバッテリを備え、前記第1の機器バッテリ閾値が前記第2の機器バッテリ閾値より大きい、トランシーバと、(ii)デバイスバッテリに関連するデバイスバッテリ閾値を有するデバイスバッテリと、(iii)コントローラとを備える、方法が提供される。この方法は、機器バッテリの電圧レベルが第1の機器バッテリ閾値より大きい場合、第1の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記機器バッテリから給電されることを含む。この方法はさらに、前記機器バッテリの前記電圧レベルが、前記第1の機器バッテリ閾値以下で前記第2の機器バッテリ閾値より大きく、かつ、前記デバイスバッテリの電圧レベルが前記デバイスバッテリ閾値より大きい場合、前記第1の間隔より頻度の低い第2の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記デバイスバッテリから給電されることを含む。この方法はさらに、前記機器バッテリの前記電圧レベルが、前記第1の機器バッテリ閾値以下で前記第2の機器バッテリ閾値より大きく、かつ、前記デバイスバッテリの前記電圧レベルが前記デバイスバッテリ閾値以下の場合、前記第1の間隔よりも頻度の低い第3の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記機器バッテリから給電され、前記デバイスバッテリを前記機器バッテリから再充電させることを含む。
【0009】
本明細書に記載の他の非限定的で例示的な実施形態によると、非アクティブ状態の機器に関連するデータを、テレマティクスデバイスを介して報告するためのコンピュータ実行可能命令を記憶し、前記テレマティクスデバイスは、(i)前記機器に関連するデータを含む無線テレマティクス信号を送信するトランシーバであって、前記機器は、バッテリに関連する第1の機器バッテリ閾値と第2の機器バッテリ閾値とを有するバッテリを備え、前記第1の機器バッテリ閾値は前記第2の機器バッテリ閾値より大きい、トランシーバと、(ii)デバイスバッテリに関連するデバイスバッテリ閾値を有するデバイスバッテリと、(iii)コントローラとを備える、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体が提供される。命令が前記コントローラによって実行されると、前記テレマティクスデバイスは、機器バッテリの電圧レベルが第1の機器バッテリ閾値より大きい場合、第1の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記機器バッテリから給電される。前記命令が前記コントローラによって実行されると、前記テレマティクスデバイスは、前記機器バッテリの前記電圧レベルが、前記第1の機器バッテリ閾値以下で前記第2の機器バッテリ閾値より大きく、かつ、前記デバイスバッテリの電圧レベルが前記デバイスバッテリ閾値より大きい場合、前記第1の間隔よりも頻度の低い第2の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記デバイスバッテリから給電される。前記命令が前記コントローラによって実行されると、前記テレマティクスデバイスは、前記機器バッテリの前記電圧レベルが、前記第1の機器バッテリ閾値以下で前記第2の機器バッテリ閾値より大きく、かつ、前記デバイスバッテリの前記電圧レベルが前記デバイスバッテリ閾値以下の場合、前記第1の間隔よりも頻度の低い第3の間隔で機器テレマティクス信号を送信し、前記トランシーバは前記機器バッテリから給電され、前記デバイスバッテリは前記機器バッテリから再充電される。
【0010】
機器に関連するデータを報告するテレマティクスデバイスおよびその方法の、上記および他の非限定的な例示的実施形態の詳細な説明が、添付図面と共に以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、機器に関連するデータを報告するテレマティクスデバイスを備えた機器の非限定的で例示的な実施形態の簡略ブロック図である。
【0012】
【
図2】
図2は、本開示の非限定的で例示的な一実施形態における、機器に関連するデータを報告するためのテレマティクスデバイスの非限定的で例示的な実施形態の簡略化されたブロック図である。
【0013】
【
図3】
図3は、非限定的で例示的なテレマティクスデバイスが提供する、非限定的で例示的な定期的なメッセージ報告レートに応じた、非限定的な例示的デバイスバッテリの推定寿命を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
要求に応じて、本明細書に非限定的な実施形態の詳細について開示する。開示された実施形態は単に例示であり、様々な代替形態を取り得ることを理解されたい。図面は必ずしも縮尺通りではなく、特定の要素の詳細を示すために、特徴を誇張したり縮小する場合がある。したがって、本明細書に開示された特定の構造的および機能的な詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されたい。
【0015】
図を参照しながら、機器に関連するデータを報告するテレマティクスデバイスおよびその方法の非限定的で例示的な実施形態を、さらに詳細に説明する。図の簡便および容易理解のため、本明細書では、図面全体を通して、同一の構成要件および特徴には同一の符号番号が使用されることがある。
【0016】
これに関して、
図1は、機器10に関連するデータを報告するテレマティクスデバイス12を備えた機器10の非限定的で例示的な実施形態の簡略化されたブロック図である。
図2は、本発明の非限定的で例示的な一実施形態における、機器10に関連するデータを報告するテレマティクスデバイス12の非限定的で例示的な実施形態の簡略化されたブロック図である。
【0017】
前述したように、テレマティクスデバイス12は、センサ14a、14b、14cを利用して、バッテリ16を有する機器10に関連する情報を感知、報告、監視する。すなわち、機器10は、車両、シザーリフト、ブームリフト、フォークリフト、その他の機器、マシンまたはデバイスを含んでもよい。機器10は、内燃機関(ICE)(図示せず)によって駆動および/または給電することができ、この内燃機関は、機器バッテリ16を用いて起動されてもよい。このような実施形態では、機器10は、機器バッテリ16を再充電するためのオルタネータ(図示せず)も含むことができ、このような実施形態では、12ボルトのバッテリまたは他の適した電圧の他の適切なバッテリを備えてもよい。オルタネータおよび/または機器バッテリ16は、電動モータ、ライト、電子ディスプレイ、電子制御および/または制御システム、その他の電気もしくは電子部品またはシステムなどの、機器10内もしくは機器10上の電気もしくは電子部品またはシステム(図示せず)に給電できる。
【0018】
あるいは、機器10は、機器バッテリ16を含む1つまたは複数のバッテリにより駆動および/または給電できる(例えば、機器10には電気自動車(EV)も含まれうる)。機器バッテリ16を含む、このような1つまたは複数のバッテリは、電気モータ、ライト、電子ディスプレイ、電子制御および/または制御システム、その他の電気もしくは電子部品またはシステムなど、機器10内または機器10上の電気もしくは電子部品またはシステム(図示せず)に給電することができる。このような実施形態では、機器10は、オンボードインターフェースを含み、および/または、外部充電機器、ステーションもしくはシステムと連携し、定期的に機器バッテリを再充電するよう構成されるが、このようなバッテリには機器バッテリ16も含まれ、また、このような実施形態では、24ボルトのバッテリまたは他の適した電圧の他の適切なバッテリも含まれる。
【0019】
機器10に接続されるセンサ14a、14b、14cは、テレマティクスデバイス12にデータおよび/または情報を提供でき、テレマティクスデバイス12は、電子制御ユニット(ECU)またはコントローラ18、トランシーバ20'およびアンテナ20''を含む無線電気通信デバイス20、ならびにデバイスバッテリ22を備えても良い。すなわち、センサ14a、14b、14cは、バッテリモニタセンサ14a、全地球測位システム(GPS)14b、燃料センサ14c、または、機器バッテリレベルまたは燃料レベル、位置、稼働時間、故障、もしくは他の機器パラメータを含む、機器10に関連する異なるパラメータを感知する、他の種類のセンサを含んでもよい。テレマティクスデバイス12のコントローラ18は、機器センサ14a、14b、14cが示す、機器10の異なるパラメータを監視し、電気通信デバイス20を介して、電気通信システム(図示せず)を通じて無線機器テレマティクス信号24を送信し、そのようなパラメータを遠隔のデバイスまたは場所(図示せず)に報告することができる。なお、電気通信デバイス20は、セルラーデバイス、WiFiデバイス、または無線通信が可能な他の種類のデバイスでもよい。さらに、トランシーバ20'は、無線信号を受信することもでき、この無線信号は、例えば、テレマティクスデバイス12の設定をプログラムまたは調整する目的や、受信した無線コマンド信号への応答として、テレマティクスデバイス12が位置等の特定の機器パラメータをオンデマンドで報告する目的など、様々な目的でコントローラ18が利用する無線信号である。前述したように、テレマティクスデバイス12がこのような方法で監視および報告した、機器10に関連する情報は、現場での機器10のトラブルシューティング、機器10の予防保守、機器10の位置の追跡など、様々な目的で役に立つ。
【0020】
コントローラ18や電気通信デバイス20など、テレマティクスデバイス12の構成要件は、テレマティクスデバイス12が搭載された、またはテレマティクスデバイス12が組み込まれた機器10に接続された、バッテリ16から給電されてもよい。また、テレマティクスデバイス12のデバイスバッテリ22は、コントローラ18および電気通信装置12を含む、テレマティクスデバイス12に給電してもよい。すなわち、機器10が動作中および/または使用中のとき(機器10のアクティブ状態またはアクティブ動作モードとも記載される)、テレマティクスデバイス12は機器バッテリ16から給電されてもよい。あるいは、機器10が停止され、その制御の電源がオフのとき(機器10の非アクティブ状態または非アクティブ動作モードとも記載される)、テレマティクスデバイス12は、機器バッテリ16またはテレマティクスデバイスバッテリ22から給電されてもよい。
【0021】
機器10は、アクティブ状態の間、機器バッテリ16から給電され、テレマティクスデバイス12は、15分間隔で無線テレマティクス信号を送信することができるが、その間隔はこれより長くても短くてもよい。しかし、機器10が非アクティブ状態の間は、機器10が機器バッテリ16またはデバイスバッテリ22のいずれから給電されていたとしても、このような間隔で無線テレマティクス信号24を送信すると、バッテリ容量が急速に消耗する。その結果、テレマティクスが報告に利用できる持続時間が短くなるため、テレマティクスの健全性に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0022】
したがって、改良後のテレマティクスデバイス12と、機器10に関連するデータを報告する方法に求められるのは、機器バッテリの健全性とテレマティクスの健全性とを維持するためのバランスの良いアプローチであって、機器のメンテナンスの優先順位付けというビジネスニーズを支えるようなデータ報告の持続時間を可能にするアプローチを定義する、テレマティクスデバイス12と方法である。このように改良されたテレマティクスデバイス12と方法は、機器のバッテリ電圧が臨界レベルに低下した後も、テレマティクスデータ報告の持続時間が維持されるので、既存のテレマティクスデバイスに関連する上述の問題や課題を対処、軽減、緩和、解決、排除するために役立つであろう。
【0023】
すなわち、テレマティクスデバイス12は、非アクティブ機器状態の間、機器バッテリ16またはデバイスバッテリ22の寿命を延ばし、それによってテレマティクス報告の持続時間を延ばすために、1時間に1回など、アクティブ機器状態のときよりも長い間隔で、無線テレマティクス信号を送信するよう構成できる。同様に、このような非アクティブ機器状態の間、テレマティクスデバイス12は、まず最初に機器バッテリ16から給電を受け、機器バッテリ16の電圧レベルが、選択された閾値に達したときに、内部バッテリ電力に切り替えることができる。選択された閾値は、機器バッテリ16の容量を臨界レベル以上に維持することによって、機器バッテリ16全体の健全性が保たれるよう設計することができる。しかし、報告の間隔を延ばすことにより、テレマティクスデバイスバッテリ22の寿命に限度があるため、このような切り替えを行うと、機器バッテリの健全性を判断するための情報が不十分になり、テレマティクスの健全性を低く解釈される可能性がある。
【0024】
あるいは、テレマティクスの健全性は、機器バッテリ16の選択された閾値電圧(この閾値電圧に達した時、テレマティクスデバイス12は内部デバイスバッテリ22からの給電に切り替える)を下げることにより、改善される可能性がある。すなわち、このような閾値電圧の引き下げは、テレマティクスデバイス12に給電し続けるために最低限必要な電圧のみに基づいて選択できる。しかし、このようなアプローチは、テレマティクスデバイス12が機器バッテリ16を消費する可能性があることを意味し、適切に監視しなければ、機器バッテリの健全性が脅かされる可能性がある。
【0025】
代わりに、上述した閾値の中間の閾値を選択することもできるが、中間の閾値を選択すると、テレマティクスデバイスの種類ごとに違った動作を行い、別々の基準に沿った監視が必要になる等、混合フリートソリューションの共通性を欠く結果となる可能性がある。さらに、このような中間の閾値を用いたときに利用できる報告の持続時間が、テレマティクスの健全性にとって十分かどうかは、検討中の閾値について、個々のテレマティクスデバイスやバッテリをテストする必要があるだろう。
【0026】
なお、機器バッテリの健全性は、バッテリ電圧の情報またはデータの形式の、またはそれらを含むテレマティクス信号によって報告することもできる。バッテリの電圧は、バッテリの健全性や寿命を損なうほど低いレベルにしてはならない。テレマティクスの健全性は、テレマティクスデバイス12が機器バッテリ電圧の報告のための持続時間を維持できる能力として特徴付けられ、その報告によって機器10のメンテナンスの優先順位付けができる。本発明において、テレマティクス報告の持続時間は、テレマティクスデバイス12が電圧閾値に到達するまで機器バッテリ16から給電し、内部バッテリ22に切り替えてデータ報告を行い、内部バッテリ22がその最小限度に到達するまでの時間によって定められる。すなわち、このような機器電圧閾値は、テレマティクスデバイス12が報告を続けるために内部バッテリ22に切り替える際、テレマティクスデバイス12のファームウェアで定められる。
【0027】
図3は、非限定的で例示的なテレマティクスデバイスが提供する、非限定的で例示的な定期的なメッセージ報告レートに応じた、非限定的で例示的なデバイスバッテリ22の推定寿命を示す表である。
図2と併せて
図3を参照すると、例示的なテレマティクスデバイス(TD)12は、無線テレマティクス信号24の送信により定期的に報告されるテレマティクスメッセージの速度または間隔に応じて、推定寿命の異なる内部デバイスバッテリ22を備えてもよい。より具体的には、例示的なTD12の例示的な内部バッテリ22は、1時間おきに無線テレマティクス信号24を送信する場合、1.8日の推定バッテリ寿命を有する。TD12が無線テレマティクス信号24を2時間おき、4時間おき、8時間おきに送信した場合、この推定寿命はそれぞれ2.2日、2.5日、2.7日に延長される。送信間隔が12時間、18時間、20時間の場合、内部バッテリ22の推定寿命は2.8日まで延長される。最後に、送信間隔が24時間、48時間、72時間の場合、内部バッテリ22の推定寿命は2.9日まで延長される。
【0028】
図1~3を参照すると、12ボルトのバッテリ16を有する機器10に搭載または組み込まれた、例示的なテレマティクスデバイス12は、内部バッテリ22が切断される際、または内部バッテリ22への切り替えや移行が行われる際に、機器バッテリ16の例示的な電圧閾値である11.1ボルトが選択または設定されるよう構成されてもよい。そのため、
図3に示すように、メッセージ報告の間隔が1時間おきの場合、テレマティクスデバイス12は2日未満(すなわち1.8日)で報告を停止する。このような結果であれば、マシンのバッテリの健全性の判断にとって十分な情報が得られていないという理由で、テレマティクスの健全性を低く解釈される可能性がある。
【0029】
このように、テレマティクスデバイス12が機器バッテリ16から内部バッテリ22に切り替える際の、機器交流電圧閾値を選択または設定でき、例えば、7ボルトまで下げると、例示的なテレマティクスデバイス12は、より長い時間機器バッテリ16から給電を続け、データ報告を行う。このアプローチおよび選択された電圧閾値は、例示的なテレマティクスデバイス12を給電し続けるための最低電圧要件のみに基づくことができる。このような構成によると、例示的なテレマティクスデバイス12は、適切な監視が行われない場合、機器バッテリ16の健全性を脅かすほどの電力を、機器バッテリ16から給電される可能性がある。
【0030】
このように、テレマティクスデバイス12が機器バッテリ16から内部バッテリ22に切り替える際、上述の例示的な機器バッテリ電圧閾値(例えば、11.1ボルトと7ボルトの間)の中間の機器バッテリ電圧閾値を選択または設定でき、例えば、10ボルトとすることができる。このような構成により、例示的なテレマティクスデバイス12は、他のテレマティクスデバイスとは異なる動作をするため、異なった基準に沿った監視が必要になり、混合フリートソリューションの共通性を欠く結果となる可能性がある。このような中間閾値を用いたときに利用できる報告の持続時間が、テレマティクスの健全性の目的にとって十分かどうかは、この中間閾値または他の中間閾値について、個々のテレマティクスデバイスとバッテリをテストする必要があるだろう。
【0031】
本発明の改良されたテレマティクスデバイス12は、テレマティクス報告の健全性と機器バッテリの健全性とのバランスを維持し、報告および/または他の要件を満たすためにデータ報告の持続時間を延長するよう構成されてもよい。すなわち、非アクティブ状態、つまり、機器10の電源が落とされ、テレマティクスデバイス12がスリープモードに移行し、決められた間隔でスリープ解除し、データ報告を行っている状態において、テレマティクスデバイス12が機器バッテリ16からの給電を停止し、内部バッテリ22からの給電に切り替える際に、テレマティクスデバイス12のファームウェアが機器バッテリ閾値を11.1ボルトに設定するよう、テレマティクスデバイス12を構成してもよい。テレマティクスデバイス12は、この機器バッテリの閾値に達したときにアラート通知を送信するよう構成されてもよい。
【0032】
テレマティクスデバイス12は、機器バッテリ電圧が11.1ボルトより大きいとき、機器バッテリ16から給電し、1時間おきのスリープ解除の間隔で機器バッテリ電圧を報告するよう構成できるが、別の間隔を採用することもできる。なお、機器のバッテリ電圧に加えて、テレマティクスデバイスは、位置等の機器10に関連する他の追加情報またはパラメータを報告することもできる。すなわち、テレマティクスデバイス12のコントローラ18の制御により、テレマティクスデバイス12のトランシーバ20'がそのような間隔で送信する無線テレマティクス信号24には、機器バッテリ電圧の情報またはデータだけでなく、機器10に関連するその他の追加情報またはデータも含まれうる。また、ここで述べるテレマティクスデバイスの構成または設定には、テレマティクスデバイス12のコントローラ18が、ここで述べる動作および/または機能を実行するよう、および/または、トランシーバ20'を制御して実行させるよう、テレマティクスデバイス12のコントローラ18を構成または設定することも含まれる。
【0033】
テレマティクスデバイス12は、内部バッテリ22からの給電に切り替えるとき、スリープ解除報告の間隔が12時間おきになるよう構成できるが、別の間隔を採用することもできる。すなわち、このような報告の間隔はデバイスバッテリの容量によって異なり、デバイスバッテリ22の容量が許せば、より短い間隔にすることもできる。このような方法(つまり、12時間おきのスリープ解除報告の間隔)では、
図3に示すように、機器10のテレマティクスの健全性を2.8日まで延長することができる。
【0034】
さらに、テレマティクスデバイス12は、内部バッテリ22の電圧レベルが、内部バッテリ22の充電が必要な閾値、またはテレマティクスデバイス12がハイバネーションあるいはハイバネートモードに移行するトリガーとなる閾値に達したときに、給電元を機器バッテリ16に戻し、内部バッテリ22を再充電する間、および/またはフル充電までの間、機器バッテリ16から給電するよう構成できる。すなわち、テレマティクスデバイス12は、デバイスバッテリ22がフル充電されるまで、デバイスバッテリ22によるトランシーバ20'への給電を控えるよう構成されてもよいし、デバイスバッテリ22の電圧レベルが適切な値に達したときに、デバイスバッテリ22からトランシーバ20'への給電を再開するよう構成されてもよい。この場合のアラート(つまり、テレマティクスデバイス12の内部バッテリ22の電圧レベルが、内部バッテリ22の充電が必要な閾値、またはテレマティクスデバイス12がハイバネーションあるいはハイバネートモードに移行するトリガーとなる閾値に達したとき)は、テレマティクス信号24の送信を通じて、テレマティクスデバイス12によって報告されてもよい。さらに、スリープ解除報告の間隔を12時間おきに維持してもよいが、別の間隔を採用することもできる。このような方法により、
図3に示すように、機器10のテレマティクスの健全性は、さらに2.8日延長することができる。
【0035】
テレマティクスデバイス12は、このような操作を、機器バッテリ16の電圧レベルが10ボルトに低下するまで繰り返すことができ、その時点でテレマティクスデバイス12はハイバネートモードに移行してもよい。この場合の警告は、テレマティクス信号24の送信を通じて、テレマティクスデバイス12によって報告されてもよい。なお、テレマティクスデバイス12は、その後、機器10がアクティブ状態に移行したときにハイバネートモードを終了してもよい。
【0036】
このように、本発明のテレマティクスデバイスおよび方法は、テレマティクスデバイスのスリープ解除報告を、最低でも6日弱(例えば、2.8+2.8=5.6日)まで延長できる(
図3参照)。しかし、機器バッテリ16が10ボルトに低下するまでに掛かる時間次第では、データ報告を6日以上に延長することも理論上は可能かもしれないが、実験により測定した方が良い。
【0037】
なお、本発明のテレマティクスの方法は、このようなテレマティクスデバイスの内部バッテリの寿命と報告方法とを個別に評価し、デバイスの特性に合わせて方法を調整した上で、他のテレマティクスデバイスにも適用することができる。さらに、本明細書中では、内燃機関によって駆動される機器10の場合のように、12ボルトの機器バッテリ16に伴い、機器バッテリ閾値である11.1ボルトおよび10ボルトが記載されているが、12ボルトの機器バッテリ16または他の公称電圧を有する機器バッテリと接続して、他の電圧閾値を代替的に選択または利用してもよい。すなわち、上述のとおり、DCバッテリに給電される機器10の場合のように、24ボルトの機器バッテリ16を備えてもよいが、この場合、本明細書の記載にしたがって、機器バッテリの閾値として22.2ボルトと20ボルトとを選択または利用できる。
【0038】
さらに
図1~3を参照しながら、機器10に関連するデータを報告するテレマティクスデバイス12について説明する。テレマティクスデバイス12は、無線テレマティクス信号24を送信するよう構成されたトランシーバ20'を備えてもよく、この無線テレマティクス信号24には、機器10に関連する情報またはデータが含まれる。すなわち、機器10には、バッテリ16に関連する第1の機器バッテリ閾値および第2の機器バッテリ閾値を有するバッテリ16が含まれ、第1の機器バッテリ閾値は第2の機器バッテリ閾値よりも大きい。なお、トランシーバ20'は、無線信号を受信するよう構成することもでき、この無線信号は、例えば、テレマティクスデバイス12の設定をプログラムまたは調整する目的や、受信した無線コマンド信号への応答として、テレマティクスデバイス12が位置等の特定の機器パラメータをオンデマンドで報告する目的など、様々な目的でコントローラ18が利用する無線信号である。
【0039】
テレマティクスデバイス12は、さらに、デバイスバッテリ22に関連するデバイスバッテリ閾値を有するデバイスバッテリ22と、トランシーバ20'やバッテリ22との電気通信に供されるコントローラ18とを含んでもよい。すなわち、デバイスバッテリ22は、トランシーバ20'との電気通信に供されてもよい。
【0040】
前述したように、機器10が非アクティブ状態の間、機器バッテリ16の電圧レベルが第1の機器バッテリ閾値より大きい場合、コントローラ18は、トランシーバ20'を制御して、第1の間隔で機器テレマティクス信号24を送信し、トランシーバ20'は機器バッテリ16から給電されるよう構成されてもよい。なお、第1の間隔でテレマティクス信号24を送信することは、閾値より大きいデバイスバッテリ22の電圧レベル次第でもある。装置10が非アクティブ状態の間、コントローラ18は、機器バッテリ16の電圧レベルが第1の機器バッテリ閾値以下で第2の機器バッテリ閾値より大きく、かつ、デバイスバッテリ22の電圧レベルがデバイスバッテリ閾値より大きい場合、トランシーバ20'を制御して、第1の間隔より頻度の低い第2の間隔で機器テレマティクス信号24を送信し、トランシーバ20'はデバイスバッテリ22から給電されるよう構成されてもよい。機器10が非アクティブ状態の間、コントローラ18は、機器バッテリ16の電圧レベルが、第1の機器バッテリ閾値以下で第2の機器バッテリ閾値より大きく、かつ、デバイスバッテリ22の電圧レベルがデバイスバッテリ閾値以下の場合、トランシーバ20'を制御して、第1の間隔より頻度の低い第3の間隔で機器テレマティクス信号24を送信し、トランシーバ20'は機器バッテリ16から給電され、デバイスバッテリ22を機器バッテリ16から再充電させるよう構成されてもよい。
【0041】
すなわち、第1の間隔を1時間に1回、第2の間隔を12時間に1回とすることができるが、第2の間隔が第1の間隔より頻度が低い場合には、他の第1の間隔および第2の間隔を選択または用いることができる。同様に、第3の間隔は第2の間隔と同じでもよいし、第1の間隔より頻度の低い別の間隔でもよい。
【0042】
テレマティクスデバイス12のコントローラ18は、さらに、機器バッテリ16の電圧レベルが第2の機器バッテリ閾値以下であり、デバイスバッテリ22の電圧レベルがデバイスバッテリ閾値以下である場合、ハイバネーションモードに移行するよう構成されてもよい。さらに、コントローラ18は、機器バッテリ16の電圧レベルが第2の機器バッテリ閾値以下であり、デバイスバッテリ22の電圧レベルがデバイスバッテリ閾値より大きい場合、トランシーバ20'を制御して、第2の間隔(または交流間隔)で機器テレマティクス信号を送信し、トランシーバ20'はデバイスバッテリ22から給電されるよう構成されてもよい。
【0043】
さらに、内燃機関から給電されるマシンを備えた機器10の場合は、第1の機器バッテリ電圧閾値を11.1ボルトとし、第2の機器バッテリ電圧閾値を10ボルトとしてもよい。バッテリに給電されるマシンを備えた機器10の場合は、第1の機器バッテリ電圧閾値を22.2ボルトとし、第2の機器バッテリ電圧閾値を20ボルトとしてもよい。
【0044】
さらに、コントローラ18は、機器バッテリ16の電圧レベルが第1の機器バッテリ閾値以下の場合、および/または、デバイスバッテリ22が機器バッテリから再充電される場合、および/または、コントローラ18がハイバネーションモードに移行する場合に、トランシーバ20'を制御して、無線警告信号を送信するよう構成されてもよい。
【0045】
さらにコントローラ18は、機器バッテリ16の電圧レベルを第1の機器バッテリ閾値と比較し、機器バッテリ16の電圧レベルが第1の機器バッテリ閾値以下である場合、機器バッテリ16の電圧レベルを第2の機器バッテリ閾値と比較するよう構成されてもよい。また、コントローラ18は、機器バッテリ16の電圧レベルが第1の機器バッテリ閾値以下で第2の機器バッテリ閾値より大きい場合、デバイスバッテリ22の電圧レベルをデバイスバッテリ閾値と比較するよう構成されてもよい。さらにコントローラ18は、機器バッテリ16の電圧レベルが第2の機器バッテリ閾値以下の場合、デバイスバッテリ22の電圧レベルをデバイスバッテリ閾値と比較するよう構成されてもよい。すなわち、コントローラ18は、機器バッテリ16、デバイスバッテリ22、または、機器バッテリ16もしくはデバイスバッテリ22に接続されたセンサからの、機器バッテリ16またはデバイスバッテリ22の電圧レベルを示す、または表す信号を受信してもよい。
【0046】
なお、テレマティクスデバイス12、コントローラ18、トランシーバ20'およびアンテナ20''を含む電気通信デバイス20、ならびにデバイスバッテリ22、および/または本明細書に記載されるその他のユニット、制御ユニット、コントローラ、コンソール、アルゴリズム、デバイス、フィーチャ、システム、機能、モジュール、配置などは、1つまたは複数のより適切にプログラムされたプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU)を含む1つまたは複数のマイクロプロセッサ)および関連するメモリおよび/または記憶装置のうちの1つまたは複数を含み、および/またはこれらのうちの1つまたは複数において、またはこれらのうちの1つまたは複数によって実行され、これらのプロセッサ、メモリおよび記憶装置には、それらの動作を制御するための、および/または本明細書に記載された様々な機能および/または動作(それらの相互作用や協調も含む)によって表される特定のアルゴリズムを実行するための、データ、ファームウェア、オペレーティングシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア、および/または他の適切なコンピュータ実行可能プログラム、コードまたは命令が含まれてもよい。このようなプロセッサは、他の回路および/またはハードウェアと同様に、1つまたは複数で1つのASIC(特定用途向け集積回路)に含まれてもよいし、個別にパッケージ化されたり、SoC(System-on-a-Chip)に組み立てられてもよい。同様に、複数のプロセッサ、様々な回路、および/またはハードウェアが、複数の別個の構成要件および/または場所に分散配置されてもよい。
【0047】
すなわち、テレマティクスデバイス12、コントローラ18、トランシーバ20'およびアンテナ20''を含む電気通信デバイス20、ならびにデバイスバッテリ22を含む本明細書に記載の構成要件は、本明細書に記載の様々な工程、機能、および/または動作を行い、テレマティクスデバイスを介して、非アクティブ状態の機器に関連するデータを報告する方法を提供することを可能にし、容易にし、または本明細書に記載されるように構成されてもよい。同様に、本明細書に記載されたメモリおよび/または記憶装置ならびに実行可能なプログラム、コード、または命令は、本明細書に記載の様々な工程、機能、および/または動作を行い、テレマティクスデバイスを介して、非アクティブ状態の機器に関連するデータを報告するためのコンピュータ実行可能命令を記憶した、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を提供することや、本明細書に記載される様々な工程、機能、および/または操作によって表される特定のアルゴリズムを実行することを可能にし、容易にし、または本明細書に記載されるように構成されてもよい。
【0048】
以上から明らかなように、機器に関連するデータを報告するためのテレマティクスデバイスおよびその方法の様々な非限定的な実施形態についての説明を行った。本発明のテレマティクスデバイスと方法は、機器バッテリの健全性とテレマティクスの健全性とを維持するためのバランスの良いアプローチであって、機器のメンテナンスの優先順位付けというビジネスニーズを支えるようなデータ報告の持続時間を可能にするアプローチを定義する。本発明のテレマティクスデバイスおよび方法は、機器バッテリ電圧が臨界レベルまで低下した後に維持されるテレマティクスデータ報告の持続時間を改善し、それによって既存のテレマティクスデバイスに関連する上述の問題や課題に対処、軽減、緩和、解決、または排除するのに役立つ。
【0049】
本明細書では様々な実施形態を図示し説明してきたが、それらは例示的なものに過ぎず、これらの実施形態が可能なものすべてを図示し説明することを意図するものではない。代わりに、本明細書で使用される文言は、限定ではなく説明であり、以下の特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱することなく、これらの実施形態に様々な変更が加えられる可能性があることを理解されたい。
【国際調査報告】