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特表2025-507560N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド及びその中間体の調製
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-21
(54)【発明の名称】N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド及びその中間体の調製
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20250313BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20250313BHJP
【FI】
C07D401/04
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024548364
(86)(22)【出願日】2023-02-17
(85)【翻訳文提出日】2024-09-06
(86)【国際出願番号】 US2023013268
(87)【国際公開番号】W WO2023158771
(87)【国際公開日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】63/311,276
(32)【優先日】2022-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100216105
【弁理士】
【氏名又は名称】守安 智
(72)【発明者】
【氏名】イヴァン・セルゲーエヴィッチ・バルディチェフ
(72)【発明者】
【氏名】アーマド・エル-アワ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ホフマン
(72)【発明者】
【氏名】ジェシカ・エル・クリンケンベルグ
(72)【発明者】
【氏名】カレ・ソンダガード
(72)【発明者】
【氏名】クリスティーナ・エス・スタウファー
(72)【発明者】
【氏名】ジャック・ケー・ヴィンター
(72)【発明者】
【氏名】ティ・ワゲール
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン・カイム
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・ロエシュ
【テーマコード(参考)】
4H039
【Fターム(参考)】
4H039CA71
4H039CD20
(57)【要約】
殺虫剤N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミドを調製する方法が開示される。その中間体であるN-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミドを調製する方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物092の調製方法であって、
(1)以下の反応スキーム
【化1】
に従って、化合物061と、塩素化試薬と、溶媒系とを含む反応混合物を形成すること、及び前記反応混合物を反応させて化合物930を含む反応生成物混合物を形成することを含むステップ1;並びに
(2)以下の反応スキーム
【化2】
に従って、化合物930と、化合物070と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成すること、及び前記反応混合物を反応させて化合物092を含む反応生成物混合物を形成することを含むステップ2、
を含む方法。
【請求項2】
ステップ1について、
(1)(a)前記溶媒系が、非極性溶媒、極性非プロトン性溶媒、又はそれらの組み合わせを含む、(b)前記溶媒系がトルエンとジメチルホルムアミドを含む、(c)前記溶媒系がトルエンとピリジンを含む、又は(d)前記溶媒系がトルエンを含む;
(2)前記塩素化試薬が、塩化チオニル、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、シアヌル酸クロリド、ジホスゲン、トリホスゲン、及びホスゲンから選択される;並びに/又は
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップ1の反応混合物が触媒をさらに含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記触媒がジメチルホルムアミド又はピリジンから選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ステップ2について、
(1)(a)前記溶媒系が、非極性溶媒、極性非プロトン溶媒、若しくはそれらの組み合わせを含む、(b)前記溶媒系が、トルエン、キシレン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ピリジン、スルホラン、若しくはそれらの組み合わせを含む、(c)前記溶媒系が極性溶媒を含む、又は(d)前記溶媒系がアセトニトリルを含む、(e)前記溶媒系がアセトニトリルとN-メチル-2-ピロリドンを含む、(f)前記溶媒系が非極性溶媒を含む、(g)前記溶媒系がトルエンを含む、又は(h)前記溶媒系がトルエンとN-メチル-2-ピロリドンを含む;
(2)(a)前記塩基が無機塩基若しくは有機塩基である、(b)前記塩基がトリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、3-メチルピリジン、ジメチルアニリン、N-メチルイミダゾール、N-メチルモルホリン、DABCO、及びDBUから選択される有機塩基である、(c)前記有機塩基がトリエチルアミンである、(d)前記有機塩基がN,N-ジイソプロピルエチルアミンである、又は(e)前記塩基が炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムから選択される無機塩基である;
請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
化合物092の調製方法であって、
(1)以下の反応スキーム
【化3】
に従って、化合物061と、活性化剤と、塩基と、化合物070と、溶媒系とを含む反応混合物溶液を形成すること、及び前記反応混合物を反応させて化合物092を含む反応生成物混合物を形成すること、を含む方法。
【請求項7】
(a)前記活性化剤が、アシルクロリド、無水物、クロロギ酸アルキル、スルホニルクロリド、アシルイミダゾール、及びトリアジンクロリドから選択される、又は(b)前記活性化剤がp-トルエンスルホニルクロリドである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
(a)前記塩基が有機塩基である、(b)前記塩基が第三級アミン塩基である、(c)前記塩基がトリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリンから選択される、(d)前記塩基がピリジン、2,6-ルチジン、3-ピコリン、イミダゾール、若しくはN-メチルイミダゾールから選択される、又は(e)前記塩基がN-メチルイミダゾールである、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
化合物092の調製方法であって、以下の反応スキーム
【化4】
に従って、化合物038と、化合物070と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成すること、及び前記反応混合物を反応させて化合物092を含む反応生成物混合物を形成すること、を含む方法。
【請求項10】
(a)前記塩基が有機金属塩基である、(b)前記塩基が有機リチウム塩基、有機マグネシウム塩基、若しくは有機アルミニウム塩基から選択される、(c)前記塩基が塩化メチルマグネシウム、臭化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、塩化イソプロピルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウムから選択される、又は(d)前記塩基が塩化イソプロピルマグネシウムである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
化合物092の調製方法であって、以下の反応スキーム
【化5】
に従って、化合物093a又は93bと、化合物070と、触媒と、配位子と、COと、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成すること、及び前記反応混合物を反応させて化合物092を含む反応生成物混合物を形成すること、を含む方法。
【請求項12】
(1)(a)前記触媒が遷移金属触媒である、(b)前記触媒がパラジウム触媒、ニッケル触媒、若しくは白金触媒から選択される、(c)前記触媒がパラジウム触媒である、(d)前記触媒がパラジウム炭素触媒である、又は(e)前記触媒が酢酸パラジウム(II)である;
(2)(a)前記配位子がジホスフィン配位子である、(b)前記配位子が1,3-ビス(ジシクロヘキシルホスホニウム)プロパンビス(テトラフルオロボレート)、1,3-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィニウム)ビス(テトラフルオロボレート)、及び1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンから選択される、(c)前記配位子が1,3-ビス(ジシクロヘキシルホスホニウム)プロパンビス(テトラフルオロボレート)である、又は(d)前記配位子が1,3-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパンである;
(3)(a)前記塩基が少なくとも1種の無機塩基を含む、(b)前記塩基が炭酸塩又はリン酸塩である、(c)前記塩基が炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、若しくはそれらの組み合わせから選択される、又は(d)前記塩基がリン酸三カリウムである;
(4)(a)前記反応雰囲気が、COとNとの混合物を含むか、若しくはCOとNとの混合物を主に含む、(b)前記反応雰囲気が、COを含むか、若しくはCOを主に含む、(c)前記反応温度が少なくとも100℃である;
(5)前記溶媒系が、(a)極性非プロトン性溶媒を含む、(b)ジグリム、ジオキサン、アセトニトリル、DMF、DMAc、スルホラン、若しくはジメチルスルホキシドから選択される、又は(c)ジメチルスルホキシドである;
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
図1に従うX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、形態Aと呼ばれるN-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミドの多形。
【請求項14】
図2に従うX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、形態Bと呼ばれるN-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミドの多形。
【請求項15】
化合物092の塩の調製方法であって、以下の反応スキーム
【化6】
に従って、化合物092と、溶媒系と、酸とを含む反応混合物を形成すること、及び前記反応混合物を反応させて化合物092の塩を含む反応生成物混合物を形成すること、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年2月17日に出願された米国仮特許出願第63/311,276号明細書の利益を主張する。
【0002】
本開示の分野は、概して、N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミド及びその中間体を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
国際公開第2015/038503号パンフレットは、有用な殺虫性のインダゾール化合物及びその調製方法を開示している。CAS登録番号1689545-27-4に対応するN-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミドは、開示されているインダゾール化合物の1つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミド及び関連する中間体化合物の調製のための改良された方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、化合物775を調製する方法に関する。この方法は、以下のスキーム
【化1】
に従い、化合物223と、CHClと、アルカリ金属ヨウ化物と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物775を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0006】
本開示の別の態様は、第1のスキーム、第2のスキーム又は第3のスキームに従って化合物200を調製する方法に関する。
【0007】
化合物200を調製するためのそのような第1のスキームは、ステップ1~ステップ3を含む。
【0008】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化2】
に従い、化合物775と、HClと、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物069を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0009】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化3】
に従い、化合物069と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物079を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0010】
ステップ3は、以下の反応スキーム
【化4】
に従い、化合物079と、酸化剤と、任意選択的に塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物200を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0011】
化合物200を調製するためのそのような第2のスキームは、ステップ1~2を含む。
【0012】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化5】
(式中、Rは、COOCH、COOCHCH、COOH及びCNから選択され、各Xは、独立して、Cl、Br及びIから選択される)
に従い、化合物900と、CHXと、塩基と、溶媒系と、相間移動触媒とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物905を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0013】
RがCOOCH、COOCHCH又はCNである場合、方法は、以下の反応スキーム
【化6】
に従い、化合物905と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成し、且つこの反応混合物を反応させて、化合物906を含む反応生成物混合物を形成するステップ1bをさらに含む。
【0014】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化7】
に従い、化合物906と、還元剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物200を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0015】
RがCOOHである場合、方法は、以下の反応スキーム
【化8】
に従い、化合物905と、還元剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成し、且つこの反応混合物を反応させて、化合物200を含む反応生成物混合物を形成するステップ2’を含む。
【0016】
化合物200を調製するためのそのような第3のスキームは、ステップ1及び2を含む。
【0017】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化9】
に従い、酢酸と、化合物100と、塩基と、光触媒と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、少なくとも1つの光源から放射される光に曝露することによって反応混合物を反応させて、化合物110を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0018】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化10】
に従い、化合物110と、溶媒系と、塩基とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物200を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0019】
本開示の別の態様は、化合物070を調製する方法に関し、この方法は、第1のスキーム及び第2のスキームを含む。
【0020】
第1のスキームは、2つのステップを含む。
【0021】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化11】
に従うサブステップ(a)、それに続くサブステップ(b)を含み、サブステップ(a)は、化合物200と、塩素化試薬と、任意選択的に触媒と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて酸塩化物中間体を含む反応生成物混合物を形成することとを含み、サブステップ(b)は、サブステップ(a)からの反応生成物混合物をアンモニア源と混ぜ合わせることによって反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物144を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0022】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化12】
に従うサブステップ(a)、それに続くサブステップ(b)を含み、サブステップ(a)は、化合物144と、塩基と、酸化剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、N-ハロカルボキサミド中間体を含む反応生成物混合物を形成することとを含み、サブステップ(b)は、N-ハロカルボキサミド中間体を含む反応生成物混合物を加熱して、化合物070を含む反応生成物混合物を形成することを含む。
【0023】
第2のスキームは、3つのステップを含む。
【0024】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化13】
(式中、Rは、CONH2であり、
各Xは、Cl、Br及びIから独立して選択される)
に従い、化合物900と、CHXと、塩基と、溶媒系と、相間移動触媒とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物905を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0025】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化14】
に従い、化合物905と、還元剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物144を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0026】
ステップ3は、以下の反応スキーム
【化15】
に従い、化合物144と、塩基と、酸化剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、N-ハロカルボキサミド中間体を含む反応生成物混合物を形成し、続いてN-ハロカルボキサミド中間体を含む反応生成物混合物を加熱して、化合物070を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0027】
一態様では、化合物905aは、化合物070の調製に有用であり、且つ以下の構造:
【化16】
を有する中間体化合物である。
【0028】
本開示の別の態様は、化合物070を調製する方法に関し、この方法は、第1、第2及び第3のスキームを含む。
【0029】
第1のスキームは、以下のスキーム
【化17】
に従い、化合物403と、酸と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、この反応混合物を反応させて、化合物070を含む反応生成物混合物を形成することとを含むステップ1を含む。
【0030】
第2のスキームは、2つのステップを含む。
【0031】
ステップ1は、以下のスキーム
【化18】
に従い、化合物994と、活性化剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物403を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0032】
ステップ2は、以下のスキーム
【化19】
に従い、化合物403と、酸と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物070を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0033】
第3のスキームは、3つのステップを含む。
【0034】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化20】
に従い、化合物079と、ヒドロキシルアミン源と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物994を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0035】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化21】
に従い、化合物994と、活性化剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物403を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0036】
ステップ3は、以下の反応スキーム
【化22】
に従い、化合物403と、酸と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物070を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0037】
本開示の別の態様は、化合物070を調製する方法に関する。この方法は、以下のスキーム
【化23】
に従い、アセトニトリルと、ハロゲン化エチルマグネシウムと、チタン試薬と、溶媒とを含む反応混合物を形成すること、反応混合物を反応させることと、反応混合物に酸を添加することと、さらに反応混合物を反応させて、化合物070を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0038】
本開示の別の態様は、化合物093aを調製する方法に関する。この方法は、ステップ1~4を含む。
【0039】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化24】
に従い、化合物339と、Br源と、任意選択的に光感受性又は熱感受性ラジカル開始剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を光化学条件下で反応させて、化合物181aを含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0040】
ステップ2は、(i)ステップ2(a)及び2(b)の組み合わせ、又は(ii)ステップ2によって化合物378を形成することを含む。
【0041】
ステップ2(a)は、以下の反応スキーム
【化25】
に従い、化合物181aと、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物050を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0042】
ステップ2(b)は、以下の反応スキーム
【化26】
に従い、化合物050と、酸化剤と、相間移動触媒と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物378を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0043】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化27】
に従い、化合物181aと、酸化剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物378を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0044】
ステップ3は、以下の反応スキーム
【化28】
に従い、化合物378と、3-アミノピリジンと、酸触媒と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物003aを含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0045】
ステップ4は、以下の反応スキーム
【化29】
に従い、化合物003aと、ホスフィン又はホスファイトと、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物093aを含む反応生成物混合物を形成することとを含み、ホスフィンは、トリ(C1~4)アルキルホスフィン及びトリアリールホスフィンから選択され、及びホスファイトは、トリ(C1~4)アルキルホスファイト及びトリアリールホスファイトから選択される。
【0046】
本開示の別の態様は、化合物093aを調製する方法に関し、この方法は、ステップ1~7を含む。
【0047】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化30】
に従い、化合物150と、酸と、3-アミノピリジンと、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物086を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0048】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化31】
に従い、化合物086と、還元剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物084を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0049】
ステップ3は、以下の反応スキーム
【化32】
に従い、化合物084と、アミン部位をニトロソアミン部位に変換するための試薬と、酸と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物085を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0050】
ステップ4は、以下の反応スキーム
【化33】
に従い、(a)化合物085と、還元剤と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させ、その後、(a)酸性化を行って、化合物048を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0051】
ステップ5は、以下の反応スキーム
【化34】
に従い、化合物048と、無水酢酸と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物083を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0052】
ステップ6は、以下の反応スキーム
【化35】
に従い、化合物083と、配位子と、遷移金属触媒と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物082を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0053】
ステップ7は、以下の反応スキーム
【化36】
に従い、化合物082と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物093aを含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0054】
本開示の別の態様は、化合物093aを調製する方法に関し、この方法は、ステップ1~3を含む。
【0055】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化37】
に従い、化合物150と、アセトヒドラジンと、溶媒系と、有機酸とを含む反応混合物溶液を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物197を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0056】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化38】
に従い、化合物197と、還元剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物040を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0057】
ステップ3は、以下の反応スキーム
【化39】
に従い、化合物040と、3-ブロモピリジンと、配位子と、遷移金属触媒と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物093aを含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0058】
本開示の別の態様は、第1又は第2のスキームに従って化合物093a又は093bを調製する方法に関する。
【0059】
本開示の別の態様は、第1又は第2のスキームに従う化合物093a又は093bへの代替手順に関する。
【0060】
化合物093a又は093bを調製するための第1のスキームは、ステップ1~2を含む。
【0061】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化40】
に従い、化合物181a又は181bと、化合物520と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、それぞれ化合物182a又は182bを含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0062】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化41】
に従い、化合物182a又は182bと、還元剤と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、それぞれ化合物093a又は093bを含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0063】
化合物093a又は093bを調製するための第2のそのようなスキームは、ステップ1~3を含む。
【0064】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化42】
に従い、化合物114a又は114bと、酸化剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、それぞれ化合物115a又は115bを含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0065】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化43】
に従い、化合物115a又は115bと、臭素源又は塩素源と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を光化学条件下で反応させて、化合物116a、116b、116c又は116dを含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0066】
ステップ3は、以下の反応スキーム
【化44】
に従い、化合物116a、116b、116c又は116dと、化合物520と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、それぞれ化合物093a又は93bを含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0067】
本開示の別の態様は、化合物182a又は182bを調製するための代替方法に関する。この方法は、以下の反応スキーム
【化45】
に従い、化合物003a又は003bと、還元剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、それぞれ化合物182a又は182bを含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0068】
本開示の別の態様は、化合物061を調製する方法に関する。この方法は、以下の反応スキーム
【化46】
に従い、化合物093a又は093bと、COと、触媒と、配位子と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物061を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0069】
本開示の別の態様は、第1、第2又は第3のスキームに従って化合物038を調製する方法に関する。
【0070】
化合物038を調製するための第1のそのようなスキームは、ステップ1~3を含む。
【0071】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化47】
に従い、化合物400と、酸化剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物500を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0072】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化48】
に従い、化合物500と、臭素源又は塩素源と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を光化学条件下で反応させて、化合物510a又は510bを含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0073】
ステップ3は、以下の反応スキーム
【化49】
に従い、化合物510a又は510bと、化合物520と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物038を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0074】
化合物038を調製するための第2のそのようなスキームは、ステップ1~3を含む。
【0075】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化50】
に従い、化合物400と、臭素源又は塩素源と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、光源に曝露することによって反応混合物を反応させて、化合物410を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0076】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化51】
に従い、化合物410と、化合物420と、酸と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物430を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0077】
ステップ3は、以下の反応スキーム
【化52】
に従い、化合物430と、強酸と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物038を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0078】
化合物038を調製するための第3のそのようなスキームは、以下の反応スキーム
【化53】
に従い、化合物093a又は093bと、触媒と、配位子と、COと、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物038を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0079】
本開示の別の態様は、化合物061を調製する方法に関し、この方法は、以下の反応スキーム
【化54】
に従い、化合物038と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物061を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0080】
本開示の別の態様は、化合物038を調製する方法に関し、この方法は、以下の反応スキーム
【化55】
に従い、化合物061と、酸と、任意選択的に添加剤と、メタノールを含む溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物038を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0081】
一態様では、化合物093aの調製に有用な中間体化合物は、以下の構造:
【化56】
を有する。
【0082】
一態様では、化合物093aの調製に有用な中間体化合物は、以下の構造:
【化57】
を有する。
【0083】
一態様では、化合物093aの調製に有用な中間体化合物は、以下の構造
【化58】
を有する。
【0084】
一態様では、化合物093aの調製に有用な中間体化合物は、以下の構造:
【化59】
及び塩酸塩を有する。
【0085】
一態様では、化合物093aの調製に有用な中間体化合物は、以下の構造:
【化60】
を有する。
【0086】
一態様では、化合物093aの調製に有用な中間体化合物は、以下の構造:
【化61】
を有する。
【0087】
一態様では、化合物093aの調製に有用な中間体化合物は、以下の構造
【化62】
を有する。
【0088】
一態様では、化合物は、化合物520a:
【化63】
の構造を有する。
【0089】
一態様では、化合物は、化合物182a又は182b
【化64】
の構造を有する。
【0090】
一態様では、化合物は、化合物115b:
【化65】
の構造を有する。
【0091】
一態様では、化合物は、化合物116a~d:
【化66】
の構造を有する。
【0092】
一態様では、化合物は、化合物500:
【化67】
の構造を有する。
【0093】
一態様では、化合物は、化合物510a又は510b:
【化68】
の構造を有する。
【0094】
本開示の別の態様は、化合物092を調製する方法に関し、この方法は、ステップ1及び2を含む。
【0095】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化69】
に従い、化合物061と、塩素化試薬と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物930を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0096】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化70】
に従い、化合物930と、化合物070と、有機塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物092を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0097】
本開示の別の態様は、化合物092を調製する方法に関し、この方法は、以下の反応スキーム
【化71】
に従い、化合物93a又は93bと、化合物070と、触媒と、配位子と、COと、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物092を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0098】
本開示の別の態様は、化合物092を調製する方法に関し、この方法は、以下の反応スキーム
【化72】
に従い、化合物061と、化合物070と、活性化剤と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物092を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0099】
本開示の別の態様は、化合物092を調製する方法に関し、この方法は、以下の反応スキーム
【化73】
に従い、化合物038と、化合物070と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物092を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0100】
本開示の別の態様は、化合物092の塩を調製する方法に関し、この方法は、以下の反応スキーム
【化74】
に従い、化合物092と、溶媒系と、酸とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物092の塩を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0101】
本開示の別の態様は、図1に従うX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、形態Aと呼ばれるN-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミドの多形に関する。
【0102】
本開示の別の態様は、図2に従うX線粉末回折パターンによって特徴付けられる、形態Bと呼ばれるN-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミドの多形に関する。
【図面の簡単な説明】
【0103】
図1】本開示の実施例に従って調製されたN-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミドの形態AのXRPDパターンを示す。
図2】本開示の実施例に従って調製されたN-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミドの形態BのXRPDパターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0104】
本開示は、概して、本明細書では化合物092と呼ばれ、以下の構造:
【化75】
を有するN-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミド及びその中間体の改良された調製方法に関する。
【0105】
本明細書で使用される「無機塩基」という用語には、通常、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン及びアルミニウムの塩が含まれる。非限定的な例としては、リン酸一水素二カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸三カリウム、リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸一水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム及びリン酸三アンモニウムなどのリン酸塩;酢酸カリウム、酢酸ナトリウム及び酢酸アンモニウムなどの酢酸塩;ギ酸カリウム及びギ酸ナトリウムなどのギ酸塩;炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム及び炭酸水素ナトリウムなどの炭酸塩;水酸化アンモニウム;並びに水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物が挙げられる。無機塩基は、単独で使用され得るか、又はそれらの2種以上の組み合わせで使用され得る。
【0106】
本明細書で使用される「有機塩基」という用語には、通常、第一級、第二級及び第三級のアミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環状アミン並びに塩基性イオン交換樹脂が含まれ、例えばピリジン、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミン、2-ジエチルアミノエタノール、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン及びポリアミン樹脂が含まれる。有機塩基は、単独で使用され得るか、又はそれらの1種以上の組み合わせで使用され得る。
【0107】
本明細書で使用される「有機金属塩基」という用語には、通常、有機リチウム、有機マグネシウム、有機アルミニウム又は有機亜鉛化合物が含まれる。非限定的な例としては、メチルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、tert-ブチルリチウムなどの有機リチウム;塩化メチルマグネシウム、臭化メチルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、塩化イソプロピルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウムなどの有機マグネシウム;トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどの有機アルミニウム;水素化ジイソブチルアルミニウム;ジメチル亜鉛又はジエチル亜鉛などの有機亜鉛が挙げられる。有機金属塩基は、単独で使用され得るか、又は前述した塩基のいずれかとの組み合わせで使用され得る。
【0108】
本明細書で使用される「無機酸」という用語は、無機成分を含む酸を指す。無機酸の例としては、限定するものではないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸及びホウ酸などの鉱酸が挙げられる。無機酸は、単独で使用され得るか、又はそれらの2種以上の組み合わせで使用され得る。
【0109】
本明細書で使用される「有機酸」という用語は、酸として作用する有機化合物を指す。有機酸の例としては、限定するものではないが、カルボン酸が挙げられる。有機酸の例としては、限定するものではないが、ギ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ブタン二酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸が挙げられる。有機酸は、単独で使用され得るか、又はそれらの2種以上の組み合わせで使用され得る。
【0110】
本明細書で使用される「非極性溶媒」という用語は、いずれの原子にも有意な部分電荷がない溶媒又は極性結合が部分電荷の影響を打ち消すように配置されている溶媒を指す。非極性溶媒の非限定的な例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、1,4-ジオキサン、ジクロロメタン(「DCM」)、メチルtert-ブチルエーテル(「MTBE」)、クロロホルム、四塩化炭素、ジエチルエーテル及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0111】
本明細書で使用される「非プロトン性溶媒」という用語は、水素を供与しない溶媒を指す。本明細書で使用される「極性非プロトン性溶媒」は、高い誘電率及び高い双極子運動を有し、酸性水素を有しない溶媒を指す。極性非プロトン性溶媒の非限定的な例としては、テトラヒドロフラン(「THF」)、メチルテトラヒドロフラン(「Me-THF」)、酢酸エチル(「EA」)、アセトン、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、ジメチルアセトアミド(「DMAc」)、アセトニトリル(「ACN」)、シクロペンチルメチルエーテル(「CPME」)、石油エーテル、N-メチル-2-ピロリドン(「NMP」)、トリフルオロトルエン、クロロベンゼン、アニソール及びジメチルスルホキシド(「DMSO」)が挙げられる。いくつかの態様では、非プロトン性溶媒は、低分子量エステルである。非プロトン性低分子量エステル溶媒の非限定的な例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸i-プロピル、酢酸i-ブチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、モノエチルエーテルアセテート及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0112】
本明細書で使用される「極性プロトン性溶媒」という用語は、酸素原子又は窒素原子に結合した不安定な水素を有する溶媒を指す。極性プロトン性溶媒の非限定的な例としては、ギ酸、n-ブタノール、i-プロパノール、n-プロパノール、エタノール、メタノール、酢酸、水及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0113】
本明細書で使用される「溶媒」という用語は、非極性溶媒、非プロトン性溶媒、極性プロトン性溶媒及びそれらの組み合わせを指す。
【0114】
本明細書で使用される「溶媒系」という用語は、溶媒又は溶媒の混合物を指す。溶媒系は、示された溶媒又は溶媒の組み合わせを含むか又はそれらを主に含むことができる。溶媒系は、1つ以上の先行する方法ステップからの残留溶媒をさらに含み得る。
【0115】
本明細書で使用される「還元剤」という用語は、直接又はヒドリド(「H-」)を介して電子を供与する化合物を指す。還元剤の非限定的な例としては、ナトリウム、カリウム、亜鉛、鉄、マグネシウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、p-トルエンスルホン酸、水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、次亜硫酸ナトリウム、テトラヒドロホウ酸ナトリウム、テトラヒドロホウ酸カリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、トリクロロシラン、トリフェニルホスファイト、トリエチルシラン、トリメチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジボラン、ジエトキシメチルシラン、水素化ジイソブチルアルミニウム、ジイソプロピルアミノボラン、水素化リチウムアルミニウム及び水素化トリエチルホウ素リチウムが挙げられる。
【0116】
本明細書で使用される「酸化剤」という用語は、電子を受け取る化合物を指す。酸化剤の非限定的な例としては、次亜塩素酸塩、塩素酸塩及び過塩素酸塩;Hなどの過酸化物;O;O;NO;F、Cl、Br及びIなどのハロゲン;HNO;KNO;HSO;H;及びHSOが挙げられる。
【0117】
本明細書で使用される「ハロゲン」、「ハロ」及び「ハライド」という用語は、互換的に使用され、F、Cl、Br及びIのいずれかを指す。
【0118】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、飽和の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基を指す。アルキル基は、適切には、1~6つの炭素原子(C1~6)、1~4つの炭素原子(C1~4)又は1~3つの炭素原子(C1~3)である。アルキル基の非限定的な例としては、メチル(Me、-CH)、エチル(Et、-CHCH)、1-プロピル(n-Pr、-CHCHCH)、2-プロピル(i-Pr、-CH(CH)、1-ブチル(n-Bu、-(CHCH)及び1,1-ジメチルエチル(t-ブチル、(CHC-)が挙げられる。
【0119】
本明細書で使用される「光源」という用語は、太陽光又はキセノンランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯、ダイオード若しくは水銀ランプなどの光源によって提供される可視光を指す。必要な波長以外の波長をカットするフィルターは、本開示の範囲内である。
【0120】
本明細書で使用される「光触媒」という用語は、所定のバンドギャップよりも高いエネルギーを有する光の照射によって光触媒活性を示す物質を指す。いくつかの態様では、光触媒は、可視光光触媒であり得、その非限定的な例としては、4CzIP、CZS1、CzS2、2Cz-DPS、2TCz-DPSN、fac-Ir(ppy)、[Ir(ppy)2(dtbbpy)]PF、[Ir(dF(CF)ppy)(bpy)]PF、[Ir(dF(CF)ppy)(dtbbpy)]PF、[Ir(dF(Me)ppy)(bpy)]PF、[Ir(F(Me)ppy)(bpy)]PF、[Ru(bpy)](PF、[Acr-Mes]ClO、エオシンY及びローズベンガルが挙げられる。いくつかの態様では、光触媒は、金属酸化物半導体、例えば、限定するものではないが、酸化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化鉄、酸化ビスマス、バナジン酸ビスマス及びチタン酸ストロンチウムなどの1つ又は組み合わせであり得る。
【0121】
本明細書で使用される「光化学条件」という用語は、反応を促進するために光源又は近可視電磁放射を使用することを指す。
【0122】
本明細書で開示される化合物の塩は、本開示の範囲内である。塩には、酸付加塩と塩基付加塩との両方が含まれる。「酸付加塩」は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸などの無機酸並びに脂肪族、シクロ脂肪族、芳香族、芳香脂肪族、複素環式、カルボン酸及びスルホン酸の分類の有機酸から選択される有機酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、アントラニル酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、エンボン酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸及びサリチル酸と共に形成される塩を指す。「塩基付加塩」は、有機塩基又は無機塩基と共に形成される塩を指す。
【0123】
本明細書で使用される「主に」という用語は、母集団の%、w/w%、w/v%又はv/v%を基準として50%超、少なくとも75%、少なくとも90%又は少なくとも95%であること意味する。
【0124】
本明細書で使用される「化学処理助剤」という用語は、反応混合物に直接添加されるか又は混合物中に存在し、処理を補助するために使用され、その機能が生成物中に残らない化学物質を意味する。
【0125】
本明細書で使用される「遷移金属触媒」という用語は、周期表のIII族~XI族の少なくとも1つの元素を含む触媒活性を示す物質を指す。非限定的な例としては、鉄触媒、ニッケル触媒、パラジウム触媒、白金触媒又は銅触媒が挙げられる。Xがハロゲンを表す鉄触媒の非限定的な例としては、Fe、FeX、FeX、Fe(acac)、Fe(NO又はFe(OTf)が挙げられる。ニッケル触媒の非限定的な例としては、ラネーNi、Ni/C、Ni/SiNi、NiX、NiX・nHO、NiX(DME)、NiX(ジグリム)、(bpy)NiX2、Ni(OTf)、Ni(acac)、Ni(COD)、Ni(CO)、(dppe)NiX、(dppp)NiX、(dppb)NiX、(dppf)NiX、(dcype)NiX、(dcypp)NiX、(dcypb)NiX、(binap)NiX、(bpy)NiX又はそれらの溶媒和物が挙げられる。Xがハロゲンを表すパラジウム触媒の非限定的な例としては、Pd、Pd/C、Pd/Si、Pd/BaSO、Pd(dba)、Pd(dba)、Pd(PPh、PdX、Pd(OAc)、Pd(OBz)、[Pd(アリル)X]、Pd(MeCN)、(COD)PdX、(2-メチルアリル)パラジウム塩化物二量体、Pd(OTf)、(PPhPdX、(PCy)PdX、(PtBuPd、Pd[(o-tol)P]、トランス-ジ(μ-アセタト)ビス[o-(ジ-o-トリル-ホスフィノ)ベンジル]ジパラジウム(II)、Pd(amphos)X、(dppe)PdX、(dppp)PdX、(dppb)PdX、(dppf)PdX、(dppf)PdX・DCM、(dcype)PdX、(dcypp)PdX、(dcypb)PdX、(binap)PdX、(キサントホス)PdX、(dpephos)PdX又はそれらの溶媒和物が挙げられる。Xがハロゲンを表す銅触媒の非限定的な例としては、CuX、CuX、CuCN、Cu(OTf)、CuO、CuO、CuBr・DMS又はそれらの溶媒和物が挙げられる。いくつかの態様では、遷移金属触媒は、任意選択的に予め形成されてから反応に入れられ得るか又はインサイチューで生成され得る、活性触媒種の前駆体として機能し得る。いくつかの態様では、遷移金属触媒は、任意選択的に配位子と共に使用される。いくつかのそのような態様では、配位子は、任意選択的に、反応に添加される前に遷移金属と予め錯体を形成し得るか、又は配位子と遷移金属触媒とがインサイチューで錯体形成し得る。いくつかの態様では、遷移金属触媒は、単独で使用され得るか、又は前述した遷移金属触媒のいずれかと組み合わせて使用され得る。
【0126】
本明細書で使用される「ジホスフィン配位子」という用語は、骨格によって連結された2つのホスフィノ基を含む物質を指す。ジホスフィン配位子は、二座形式で遷移金属触媒にキレート化することができる。非限定的な例としては、1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、O-イソプロピリデン-2,3-ジヒドロキシ-1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、2,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン、ビス[(2-ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル、4,4’-ビ-1,3-ベンゾジオキソール-5,5’-ジイルビス(ジフェニルホスファン)、5,5’-ビス[ジ(3,5-ジ-tert-ブチル-4-メトキシフェニル)ホスフィノ]-4,4’-ビ-1,3-ベンゾジオキソール、(R,R)-(-)-2,3-ビス(tert-ブチルメチルホスフィノ)キノキサリン、(S,S)-(-)-2,3-ビス(tert-ブチルメチルホスフィノ)キノキサリン、(R)-1-[(Sp)-2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセニル]エチルジ-t-ブチルホスフィン、(+)-1,2-ビス[(2R,5R)-2,5-ジエチルホスホラノ]エタン1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1,2-ビス(2,5-ジメチルホスホラノ)ベンゼン、1,2-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン、1,2-ビス(ジシクロペンチルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジシクロペンチルホスフィノ)プロパン又は1,4-ビス(ジシクロペンチルホスフィノ)ブタン、1,3-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)プロパン、1,1-ビス(ジメチルホスフィノ)メタン、1,2-ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジメチルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジメチルホスフィノ)ブタン、1,2-ビス(ジエチルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジエチルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジエチルホスフィノ)ブタン、1,2-ビス(ジアミルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジアミルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジアミルホスフィノ)ブタンが挙げられる。いくつかの態様では、ジホスフィン配位子はビスホスホニウム塩として使用され、その後、これは、インサイチューで遊離塩基のジホスフィンに変換される。いくつかのそのような態様では、ジホスホニウム塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、テトラフルオロホウ酸塩又はそれらのいくつかの組み合わせである。いくつかの態様では、ジホスフィン配位子は、任意選択的に、遷移金属触媒とは別に添加され得るか、又は遷移金属触媒と予め錯形成されて添加され得る。いくつかの態様では、ジホスフィンは、任意選択的に、インサイチューでモノホスフィンオキシドに酸化され得、これは、活性触媒種の配位子として機能する。いくつかの態様では、ジホスフィン配位子は、単独で使用され得るか、又は前述したジホスフィン配位子のいずれかと組み合わせて使用され得る。
【0127】
本開示のいくつかの態様は、以下のスキーム
【化76】
を含む、化合物775を調製する方法に関する。
【0128】
この方法は、化合物223(3-アセチルジヒドロフラン-2(3H)-オン)と、CHClと、アルカリ金属ヨウ化物と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物775(3-アセチル-3-メチルジヒドロフラン-2(3H)-オン)を含む反応生成混合物を形成することとを含む。
【0129】
いくつかの態様では、CHClは、化合物223に対して化学量論過剰で存在する。
【0130】
いくつかの態様では、アルカリ金属ヨウ化物は、NaI、KI及びLiIから選択される。いくつかのそのような態様では、アルカリ金属ヨウ化物は、KIである。アルカリ金属は、触媒量で存在する。
【0131】
いくつかの態様では、塩基は、無機塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、無機弱塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、炭酸塩である。いくつかのそのような態様では、塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウムから選択される。いくつかの態様では、塩基は、化合物223に対して化学量論過剰で存在し得る。
【0132】
いくつかの態様では、溶媒系は、非プロトン性溶媒を含むか又は非プロトン性溶媒を主に含む。いくつかのそのような態様では、適切な溶媒は、アセトン、メチルt-ブチルエーテル、アセトニトリル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン及び酢酸イソプロピルの中から選択することができる。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、アセトニトリルを含むか、又は溶媒系は、アセトンを含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、アセトンを含むか又はアセトンを主に含む。
【0133】
いくつかの態様では、反応は、還流下で行われる。反応は、H NMR(CDCl)、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)又は超高速液体クロマトグラフィー(「UPLC」)など、当技術分野で公知の方法によって完了を追跡することができる。
【0134】
化合物775を調製するためのこの方法により、化合物775についての良好な選択性及び収率が得られる。化合物775を調製するためのこの方法により、MeI、有機塩基、例えばナトリウムアミレート又はナトリウムメトキシド及び金属ナトリウムなど、当技術分野で公知の特定の高価で危険な試薬が排除される。
【0135】
本開示のいくつかの態様は、第1のスキーム、第2のスキーム又は第3のスキームに従って化合物200(1-メチルシクロプロパン-1-カルボン酸)を調製する方法に関する。
【0136】
シクロプロパン化のための様々な方法が先行技術で公知である。Ebner,et al.,“Cyclopropanation Strategies in Recent Total Synthesis”,Chem.Rev.2017,117,18,11651-11679;de Meijere,et al.,“Small Ring Compounds in Organic Synthesis VI”,Topics in Current Chemistry,January 2000,DOI:10.1007/3-540-48255-5;及びRappaport,Ed.,“The Chemistry of the Cyclopropyl Group”,Vol 1,Patai’s Chemistry of Functional Groups,1987を参照されたい。これらの参考文献は、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
【0137】
化合物200を調製するための第1のスキームは、3つのステップを含む。
【0138】
化合物200を調製するための第1のスキームのステップ1は、以下の反応スキーム:
【化77】
に従い、化合物775(3-アセチル-3-メチルジヒドロフラン-2(3H)-オン)と、HClと、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物069(5-クロロ-3-メチルペンタン-2-オン)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0139】
いくつかの態様では、HClは、濃HClである。いくつかの態様では、HClは、塩化水素ガスである。いくつかの態様では、溶媒系は、非プロトン性溶媒、水又はそれらの組み合わせを含むか又はそれらを主に含む。いくつかの態様では、非プロトン性溶媒は、DCMである。いくつかの態様では、溶媒系は、70w/w%未満の水を含む。いくつかの態様では、濃HClは、適切には、約30w/w%~約38w/w%のHCl濃度を有する。
【0140】
化合物200を調製するための第1のスキームのステップ2は、以下の反応スキーム
【化78】
に従い、化合物069と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物079(メチル-(1-メチルシクロプロピル)-ケトン)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0141】
いくつかの態様では、塩基は、無機強塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、アルカリ金属水酸化物である。いくつかのそのような態様では、塩基は、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択される。
【0142】
いくつかの態様では、溶媒系は、極性プロトン性溶媒、水又はそれらの組み合わせを含むか又はそれらを主に含む。
【0143】
化合物200を調製するための第1のスキームのステップ3は、以下の反応スキーム
【化79】
に従い、化合物079と、酸化剤と、任意選択的に塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物200を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0144】
いくつかの態様では、酸化剤は、次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウム、臭素又は塩素から選択される。そのようないくつかの態様では、酸化剤は、次亜塩素酸ナトリウムである。いくつかの態様では、次亜塩素酸ナトリウムの濃度は、市販の溶液で得られる濃度である。
【0145】
いくつかの態様では、任意選択的に塩基が存在する。いくつかの態様では、塩基は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムから選択される。
【0146】
いくつかの態様では、溶媒系は、水を含むか又は水を主に含む。
【0147】
いくつかの態様では、化合物775、069、079及び200のいずれかは、任意選択的に反応生成物混合物から単離される。いくつかの態様では、化合物223から化合物775、化合物775から化合物069、化合物069から化合物079及び化合物079から化合物200までの逐次的な反応のいずれか2つ又は全てが単離又は精製なしに次のステップに進められる。
【0148】
化合物200を調製するための第2のスキームは、2つのステップを含む。
【0149】
化合物200を調製するための第2のスキームのステップ1は、以下の反応スキーム
【化80】
に従い、化合物900と、CHXと、塩基と、溶媒系と、相間移動触媒(PTC)とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物905を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0150】
Rは、COCH、COCHCH、COOH及びCNから選択される。いくつかのそのような態様では、Rは、COCH又はCOCHCHであり得る。各Xは、Cl、Br及びIから独立して選択される。いくつかのそのような態様では、各Xは、Clである。
【0151】
RがCOCH、COCHCH又はCNである場合、この方法は、以下の反応スキーム
【化81】
に従い、化合物905と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成し、且つこの反応混合物を反応させて、化合物906を含む反応生成物混合物を形成するステップ1bをさらに含む。
【0152】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化82】
に従い、化合物906と、還元剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物200を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0153】
RがCOOHである場合、この方法は、ステップ2’を含み、ステップ2’は、以下の反応スキーム
【化83】
に従い、化合物905と、還元剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物200を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0154】
いくつかのステップ1の態様では、塩基は、無機強塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、アルカリ金属水酸化物である。いくつかのそのような態様では、塩基は、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択される。いくつかの態様では、塩基は、化合物900に対してモル過剰で存在する。
【0155】
いくつかのステップ1の態様では、CHX試薬は、クロロホルム、ブロモホルム又はヨードホルムである。一態様では、CHX試薬は、クロロホルムである。いくつかの態様では、クロロホルムは、化合物900に対してモル過剰で存在する。
【0156】
相間移動触媒(「PTC」)は、当技術分野で公知である。いくつかのステップ1の態様では、PTCは、ハロゲン化アンモニウム塩、クラウンエーテル及びPEGから選択される。適切なPTCの非限定的な例としては、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド、トリエチルベンジルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムブロミド及びエチルトリメチルアンモニウムヨージドが挙げられる。一態様では、PTCは、トリメチルベンジルアンモニウムクロリドである。PTCは、通常、触媒量で存在する。
【0157】
いくつかのステップ1の態様では、適切な溶媒には、プロトン性溶媒、非プロトン性溶媒及びそれらの組み合わせが含まれる。溶媒の非限定的な例としては、水、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン、ジクロロメタン及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0158】
反応温度は、商業的に許容される時間内に望まれる純度及び収率を達成するように適切に選択することができる。反応の完了は、本明細書の他の箇所に記載されている工程内試験によって適切に測定することができる。
【0159】
RがCOOCH、COOCHCH又はニトリルである場合、この方法は、以下の反応スキーム
【化84】
に従い、化合物905と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成し、且つこの反応混合物を反応させて、化合物906を含む反応生成物混合物を形成するステップ1bをさらに含む。
【0160】
ステップ1bのいくつかの態様では、塩基は、無機強塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、アルカリ金属水酸化物である。いくつかのそのような態様では、塩基は、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択される。
【0161】
ステップ1bのいくつかの態様では、溶媒系は、適切には、極性プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、メタノール又はエタノールなどのC1~4アルコールを含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、メタノールを含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、水を含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、水とC1~4アルコールとの混合物を含む。
【0162】
いくつかの態様では、反応生成物の混合物は、任意選択的に後処理され得る。例えば、水を添加し、HClなどの強酸で3未満、例えば約1~2のpHに調整することができる。得られた混合物を非極性溶媒(例えば、トルエン)などの溶媒で抽出することで、化合物906を抽出することができる。その後、抽出混合物を任意選択的に留去する(例えば、真空下)ことで、化合物906を単離することができる。
【0163】
化合物200を調製するための第2のスキームのステップ2は、以下の反応スキーム
【化85】
に従い、化合物906と、還元剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物200を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0164】
いくつかのステップ2の態様では、化合物906から化合物200への変換は、化合物906と、Hと、金属触媒と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成し、且つこの反応混合物を反応させて、化合物200を含む反応生成物混合物を形成することを含む、脱ハロゲン水素化条件で行われる。反応温度及び圧力は、商業的に許容される収率、純度及びスループットを達成するように適切に選択することができる。
【0165】
いくつかの態様では、適切な溶媒は、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロパノール、t-ブタノール、イソブタノール、sec-ブタノール、1-ヘキサノール、2-エチル-1-ヘキサノール、2-オクタノール、ベンジルアルコール、n-オクタン、シクロヘキサン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、水、モノグリム、ジグリム、エチレングリコール、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルスルホキシド、トリエチルアミン、ピリジン及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの態様では、溶媒系は、極性プロトン性溶媒を含む。いくつかの態様では、極性プロトン性溶媒は、C1~4アルコールを含む。一態様では、溶媒は、t-ブタノールである。
【0166】
いくつかの態様では、反応混合物は、塩基を含む。適切な塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド、トリエチルアミン、ピリジン、エチレンジアミン及びそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかのそのような態様では、塩基は、アルカリ金属水酸化物である。いくつかのそのような態様では、塩基は、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択される。いくつかの態様では、塩基は、アルカリ金属アルコキシドである。いくつかの態様では、塩基は、ナトリウムtert-ブトキシド及びカリウムtert-ブトキシドから選択される。いくつかの態様では、塩基は、カリウムtert-ブトキシドである。いくつかの態様では、塩基は、化合物906に対してモル過剰である。
【0167】
いくつかの態様では、金属触媒は、Pt、Pd、Rh又はRu触媒である。いくつかの態様では、金属触媒は、Pd/C、Rh/AlCO、Pd/CaCO、Pd/Pb/CaCO又はPt/Alである。一態様では、金属触媒は、Pd/Cである。
【0168】
反応生成物混合物は、任意選択的に後処理され得る。例えば、限定するものではないが、反応生成物混合物を濾過し、濾液を留去することで溶媒を除去することができる。得られた混合物を水で希釈し、強酸(例えば、HCl)で3未満、例えば約1~約2のpHまで酸性化することができる。得られた混合物を溶媒(例えば、DCM)で抽出することで、化合物200を抽出することができる。いくつかの態様では、化合物200は、化合物200を得るために溶媒の留去によって単離することができる。
【0169】
いくつかのステップ2’の態様では、化合物905から化合物200への変換は、還元金属条件で行われ、化合物905と、還元金属と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物200を含む反応生成混合物を形成することとを含む。
【0170】
いくつかの態様では、溶媒系は、極性非プロトン性溶媒、極性プロトン性溶媒又はそれらの組み合わせを含む。いくつかのそのような態様では、適切な溶媒は、tert-ブタノール、酢酸、水、イソプロパノール、THF、エチレングリコール、テトラメチルエチレンジアミン、N,N-ジメチルアニリン、DMF、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、トリエチルアミン、水酸化アンモニウム及びそれらの組み合わせの中から選択される。いくつかの態様では、溶媒系は、適切には、極性非プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含み得る。いくつかの態様では、溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)である。いくつかの態様では、溶媒系は、極性非プロトン性溶媒(例えば、THF)及び極性プロトン性溶媒(C1~4アルコール(例えば、メタノール又はエタノール)など)、水及びそれらの組み合わせを含むか又はそれらを主に含む。
【0171】
いくつかの態様では、還元金属は、Na、K、Ca、Mg又は亜鉛である。いくつかのそのような態様では、還元剤は、Na及びZnから選択される。いくつかのそのような態様では、還元剤は、金属ナトリウムである。いくつかの態様では、還元剤は、化合物905に対してモル過剰である。
【0172】
いくつかの態様では、還元金属が亜鉛である場合、溶媒は、酢酸である。いくつかの態様では、還元金属が亜鉛である場合、塩基が任意選択的に存在し得る。いくつかの態様では、塩基は、無機塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、アルカリ金属水酸化物である。いくつかのそのような態様では、塩基は、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択される。いくつかの態様では、塩基は、溶媒としても使用され得、例えばトリエチルアミンである。いくつかの態様では、塩基は、ステップ1からの化合物905に対してモル過剰である。
【0173】
いくつかの態様では、還元剤は、反応の過程で分割して添加され得る。いくつかの態様では、還元剤は、反応の過程で連続的又は半連続的に添加され得る。
【0174】
化合物200は、溶媒除去など、当技術分野で公知の方法によって単離することができる。いくつかの態様では、反応生成物混合物は、任意選択的に後処理され得る。例えば、化合物200を含む溶液を酸性化し、溶媒で抽出し、当技術分野で公知の方法によって単離することができる。
【0175】
いくつかの態様では、化合物905、化合物906及び200のいずれかは、任意選択的に反応生成物混合物から単離される。いくつかの態様では、化合物900から化合物905、化合物905から化合物906及び化合物906から化合物200までの逐次的な反応のいずれか2つ又は全てが単離又は精製なしに次のステップに進められる。
【0176】
化合物200を調製するための第3のスキームは、2つのステップを含む。
【0177】
化合物200を調製するための第3のスキームのステップ1は、以下の反応スキーム
【化86】
に従い、酢酸と、化合物100(4-クロロ-2-メチル酪酸メチル)と、塩基と、光触媒と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、少なくとも1つの光源から放射される光に曝露することによって反応混合物を反応させて、化合物110(1-メチルシクロプロパン-1-カルボン酸メチル)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0178】
溶媒系は、適切には、極性又は非極性溶媒を含むか又はそれらを主に含むことができる。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、極性非プロトン性溶媒を含むか、又は溶媒系は、ジメチルホルムアミド(DMF)を含む。いくつかの態様では、極性溶媒は、DMFを含むか又はDMFを主に含む。
【0179】
いくつかの態様では、塩基は、無機塩基である。いくつかの態様では、塩基は、炭酸塩である。いくつかの態様では、塩基は、CsCOである。いくつかの態様では、塩基は、有機塩基である。
【0180】
いくつかの態様では、光触媒は、可視光光触媒である。本開示の範囲内の光触媒の非限定的な例としては、4CzIP、CZS1、CzS2、2Cz-DPS、2TCz-DPSN、fac-Ir(ppy)、[Ir(ppy)2(dtbbpy)]PF、[Ir(dF(CF)ppy)(bpy)]PF、[Ir(dF(CF)ppy)(dtbbpy)]PF、[Ir(dF(Me)ppy)(bpy)]PF、[Ir(F(Me)ppy)(bpy)]PF、[Ru(bpy)](PF、[Acr-Mes]ClO、エオシンY及びローズベンガルが挙げられる。いくつかの態様では、光触媒は、4CzIP又はIr(ppy)(dtbbpy)PFである。
【0181】
いくつかの態様では、光源は、青色発光ダイオードである。
【0182】
化合物200を調製するための第3のスキームのステップ2は、以下の反応スキーム
【化87】
に従い、化合物110と、溶媒系と、塩基とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物200を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0183】
いくつかの態様では、塩基は、無機塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、アルカリ金属水酸化物である。いくつかのそのような態様では、塩基は、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択される。
【0184】
いくつかの態様では、溶媒系は、適切には、極性溶媒を含むか又は極性溶媒を主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、メタノール又はエタノールなどのC1~4アルコールを含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、水を含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、水とC1~4アルコールとの混合物を含む。
【0185】
反応生成物混合物は、任意選択的に後処理され得る。例えば、水を添加し、HClなどの強酸で3未満、例えば約1~約2にpHを調整することができる。得られた混合物を非極性溶媒(例えば、トルエン)などの溶媒で抽出することで、化合物200を抽出することができる。その後、抽出混合物を任意選択的に留去する(例えば、真空下)ことで、化合物200を得ることができる。
【0186】
いくつかの態様では、化合物110及び200は、反応生成物混合物から任意選択的に単離される。いくつかの態様では、化合物100から化合物110及び化合物110から化合物200までの逐次的な反応は、単離なしに次のステップに進められる。
【0187】
本開示のいくつかの態様は、化合物070を調製する方法に関し、この方法は、2つのステップを含む。
【0188】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化88】
に従うサブステップ(a)、それに続くサブステップ(b)を含み、サブステップ(a)は、化合物200(1-メチルシクロプロパンカルボン酸)と、塩素化試薬と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて酸塩化物中間体を含む反応生成物混合物を形成することとを含み、サブステップ(b)は、サブステップ(a)からの反応生成物混合物をアンモニア源と混ぜ合わせることによって反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物144(1-メチルシクロプロパンカルボキサミド)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0189】
いくつかのサブステップ(a)の態様では、溶媒系は、非プロトン性溶媒を含むか又は非プロトン性溶媒を主に含む。いくつかの態様では、溶媒系は、ジクロロメタン(DCM)、トルエン、アセトニトリル又はそれらの組み合わせを含むか又はそれらを主に含む。
【0190】
いくつかの態様では、サブステップ(a)の反応混合物は、DMF、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、トリエチルアミン、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N-メチルホルムアニリド、N-ホルミルピリジン又はピリジンから選択される触媒をさらに含み得る。
【0191】
いくつかの態様では、塩素化試薬は、塩化チオニル、トリホスゲン又はホスゲンから選択することができる。いくつかのそのような態様では、塩素化試薬は、塩化チオニルである。塩素化試薬は、好ましくは、化合物200に対して化学量論過剰である。
【0192】
いくつかの態様では、サブステップ1bの溶媒系は、ステップ1aの溶媒系を主に含む。いくつかの態様では、サブステップ1bの溶媒系は、ステップ1aからの溶媒系と極性プロトン性溶媒との組み合わせを主に含む。いくつかの態様では、サブステップ1bの溶媒系は、極性プロトン性溶媒を主に含む。そのような態様のいずれでも、極性プロトン性溶媒は、適切には、水、C1~4アルコール又はそれらの組み合わせ、例えば水、メタノール、エタノール又はそれらの組み合わせであり得る。
【0193】
いくつかのサブステップ1(b)の態様では、アンモニア源は、アンモニア、水酸化アンモニウム及びメタノール、エタノール、DCM又はトルエンなど、当技術分野で公知の適切な有機溶媒に溶解したアンモニアから選択される。いくつかのそのような態様では、アンモニア源は、アンモニア及び水酸化アンモニウムから選択される。いくつかの態様では、アンモニアは、化合物200に対してモル過剰である。
【0194】
いくつかのサブステップ(b)の態様では、化合物144の酸溶液がアンモニア源に添加される。いくつかの態様では、アンモニア源は、反応混合物に添加され得る。
【0195】
化合物144は、任意選択的に、溶媒除去又は濾過など、当技術分野で公知の方法によって反応混合物から単離することができる。
【0196】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化89】
に従うサブステップ(a)、それに続くサブステップ(b)を含み、サブステップ(a)は、化合物144と、塩基と、酸化剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、N-ハロカルボキサミド中間体を含む反応生成物混合物を形成することとを含み、サブステップ(b)は、N-ハロカルボキサミド中間体を含む反応生成物混合物を加熱して、化合物070(1-メチルシクロプロピルアミン)を含む反応生成物混合物を形成することを含む。
【0197】
いくつかの態様では、酸化剤は、Cl、NaOCl、Br及びNaOBrから選択される。いくつかの特定の態様では、酸化剤は、NaOClである。いくつかの別の特定の態様では、酸化剤は、Brである。
【0198】
いくつかの態様では、塩基は、無機塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、アルカリ金属水酸化物である。いくつかのそのような態様では、塩基は、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムから選択される。いくつかの態様では、塩基は、化合物144に対してモル過剰で存在する。
【0199】
いくつかの態様では、溶媒系は、極性プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、水を含むか又は水を主に含む。いくつかのそのような態様では、化合物144は、溶媒系でスラリー化される。
【0200】
いくつかの態様では、過剰な酸化剤をクエンチするために、反応生成物混合物にクエンチ試薬が添加され得る。いくつかの態様では、クエンチ試薬は、Naである。
【0201】
本開示のいくつかの態様では、特定のアクリレート由来のシクロプロピル化合物についてのいくつかの反応ステップの順序の代表的な例は、以下に示す通りに順序付けることができる。
【化90】
【0202】
そのような態様では、上記スキームにおける反応の一般的な条件は、以降で記載されるものを除いて既に記載されている。
【0203】
化合物110を形成するための化合物351の反応は、以下の反応スキーム
【化91】
に従って進行させることができる。
【0204】
化合物110を形成するための化合物351の反応は、アルカンの脱ハロゲン化についての文献で公知の条件に従って進行させることができる。
【0205】
化合物200を形成するための化合物110の反応は、以下の反応スキーム
【化92】
に従って進行させることができる。
【0206】
化合物144を形成するための化合物110の反応は、以下の反応スキーム
【化93】
に従って進行させることができる。
【0207】
化合物144を形成するための化合物110の反応は、有機エステルのアミドへのアンモノリシスについての文献で公知の条件に従って進行させることができる。
【0208】
化合物145を形成するための化合物351の反応は、以下の反応スキーム
【化94】
に従って進行させることができる。
【0209】
化合物145を形成するための化合物351の反応は、エステルからアミドへのアンモノリシスについての文献で公知の条件に従って進行させることができる。
【0210】
化合物145を形成するための化合物350の反応は、以下の反応スキーム
【化95】
に従って進行させることができる。
【0211】
化合物145を形成するための化合物350の反応は、カルボキシル基からアミドへのアンモノリシスについての文献で公知の条件に従って進行させることができる。
【0212】
化合物146を形成するための化合物145の反応は、以下の反応スキーム
【化96】
に従って進行させることができる。
【0213】
化合物144を形成するための化合物145の反応は、以下の反応スキーム
【化97】
に従って進行させることができる。
【0214】
化合物070を形成するための化合物146の反応は、以下の反応スキーム
【化98】
に従って進行させることができる。
【0215】
本開示のいくつかの態様は、化合物070を調製する方法に関し、この方法は、3つのステップを含む。
【0216】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化99】
に従い、化合物079と、ヒドロキシルアミン源と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物994(1-(1-メチルシクロプロピル)エタン-1-オンオキシム)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0217】
いくつかの態様では、アミン源は、ヒドロキシルアミン及びヒドロキシルアミン塩から選択される。一態様では、ヒドロキシルアミン塩は、HCl塩である。
【0218】
いくつかの態様では、塩基は、無機塩基又は有機塩基から選択される。いくつかのそのような態様では、塩基は、酢酸ナトリウム又は酢酸カリウムである。
【0219】
いくつかの態様では、溶媒系は、極性プロトン性溶媒を含むか又は極性プロトン性溶媒を主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、C1~4アルコールを含むか又はそれらを主に含む。一態様では、溶媒系は、メタノール又はエタノールを含むか又はそれらを主に含む。
【0220】
いくつかの態様では、反応生成物混合物は、(E,Z)-1-(1-メチルシクロプロピル)エタン-1-オンオキシムを含む。いくつかの態様では、反応生成物混合物は、(E)-1-(1-メチルシクロプロピル)エタン-1-オンオキシムを含む。いくつかの態様では、反応生成物混合物は、(Z)-1-(1-メチルシクロプロピル)エタン-1-オンオキシムを含む。
【0221】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化100】
に従い、化合物994と、活性化剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物403(N-(1-メチルシクロプロピル)アセトアミド)を含む反応生成混合物を形成することとを含む。
【0222】
いくつかの態様では、活性化剤は、塩化トシル、シアヌル酸塩化水素、塩化チオニル、スルファミン酸、五塩化リン、五酸化リン、トリエチルアミン、無機塩基、無機酸、有機酸、ヨウ化トリメチルシリル、遷移金属触媒(塩化亜鉛など)、チアミン塩酸塩、アルキルピリジニウム塩、クロラール及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの態様では、活性化剤は、塩化トシル、シアヌル酸塩化水素、塩化チオニル及びスルファミン酸から選択される。いくつかのそのような態様では、活性化剤は、塩化トシルである。
【0223】
いくつかの態様では、溶媒系は、極性溶媒又は非極性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、アセトニトリルを含むか又はアセトニトリルを主に含む。
【0224】
ステップ3は、以下の反応スキーム
【化101】
に従い、化合物403と、酸と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物070を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0225】
いくつかの態様では、酸は、無機酸又は有機酸から選択される。いくつかのそのような態様では、酸は、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸及びTsOHから選択される。いくつかのそのような態様では、酸は、鉱酸である。一態様では、酸は、HSOである。
【0226】
いくつかの態様では、溶媒系は、極性プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、水を含むか又は水を主に含む。
【0227】
いくつかの態様では、化合物994、403及び070のいずれかは、反応生成物混合物から任意選択的に単離される。いくつかの態様では、化合物079から化合物070までの逐次的な反応の2つ又は全てが単離又は精製なしに次のステップに進められる。
【0228】
本開示のいくつかの態様では、化合物070は、以下の反応スキーム
【化102】
に従ってアセトニトリルから調製することができる。
【0229】
いくつかの態様では、ハロゲン化エチルマグネシウム試薬は、臭化エチルマグネシウム及び塩化エチルマグネシウムから適切に選択することができる。
【0230】
いくつかの態様では、溶媒は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、メチルtert-ブチルエーテル、tert-アミルメチルエーテル及びシクロペンチルメチルエーテルから適切に選択することができる。
【0231】
いくつかの態様では、チタン試薬は、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)プロポキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)ブトキシド、チタン(IV)tert-ブトキシド、チタン(IV)2-エチルヘキシルオキシド及びメチルチタン(IV)トリイソプロポキシドから選択される。
【0232】
いくつかの態様では、酸は、ルイス酸又はブレンステッド酸である。いくつかの態様では、ルイス酸は、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート、三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン錯体、三フッ化ホウ素ジブチルエーテレート、三フッ化ホウ素tert-ブチルメチルエーテレート、三塩化ホウ素、塩化チタン(IV)、三塩化アルミニウム、三塩化セリウム(III)七水和物、塩化亜鉛、臭化ニッケル(II)三水和物から選択される。いくつかの態様では、ブレンステッド酸は、硫酸、リン酸及び酢酸から選択される。
【0233】
この化学反応を使用してシクロプロパンアミンを形成する際の課題は、反応塊中に大量の金属塩が存在することであり、これは、反応の後処理及び生成物の単離ステップで大きい困難を引き起こす。例えば、極性のシクロプロパンアミン生成物は、水溶性であり、無機塩を除去するために使用される典型的な抽出による後処理では、大量の生成物が水層に失われることになる。もう1つの課題は、反応の後処理中に形成される不溶性の二酸化チタンであり、これは、反応容器の壁を覆い、除去するために激しい反応器洗浄プロトコルを要する(Org.ProcessRes.Dev.2021,25,2351;Org.ProcessRes.Dev.2020,24,1735-1742;Org.ProcessRes.Dev.2012,16,836)。
【0234】
いくつかの態様では、生成物を分離し易くするために、反応後に化学処理助剤が添加される。いくつかの態様では、化学処理助剤は、酒石酸塩、例えば酒石酸カリウムナトリウム、乳酸塩、グリコール酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、トリエタノールアミン及びクエン酸塩から選択される。いくつかの態様では、塩は、塩基で処理する際に対応する酸から生成される。いくつかの態様では、処理助剤は凝集剤である。いくつかの態様では、凝集剤は、硫酸アルミニウム、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸塩及びケイ酸塩/カオリン粘土又はそれらの水和物から選択される。
【0235】
本開示のいくつかの態様は、化合物093a(4-クロロ-2-(ピリジン-3-イル)-2H-インダゾール)を調製する方法に関し、この方法は、4つのステップを含む。
【0236】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化103】
に従い、化合物339(1-クロロ-2-メチル-3-ニトロベンゼン)と、Br源と、任意選択的に光感受性ラジカル開始剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成し、この反応混合物を光化学条件下で反応させて、化合物181aを含む反応生成物混合物を形成することにより、化合物181a(2-(ブロモメチル)-1-クロロ-3-ニトロベンゼン)を形成することを含む。
【0237】
いくつかの態様では、Br源は、N-ブロモスクシンイミド、Br又はHBrとHとの組み合わせから選択される。いくつかの態様では、Br源は、N-ブロモスクシンイミドである。
【0238】
いくつかの態様では、溶媒系は、少なくとも1つの極性非プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、ジクロロメタン(DCM)又はDCMと水との組み合わせを含むか又はそれらを主に含む。
【0239】
いくつかの態様では、反応は、光源によって促進される。いくつかの態様では、光化学条件は、可視光源を使用して反応を促進することに関係する。いくつかのそのような態様では、可視光は、約400Wの光源によって提供される。
【0240】
いくつかの態様では、光感受性又は熱活性化ラジカル開始剤が使用される。いくつかのそのような態様では、ラジカル開始剤は、アゾビスイソブチロニトリルである。
【0241】
ステップ2は、(i)ステップ2(a)及び2(b)の組み合わせ、又は(ii)ステップ2によって化合物378を形成することを含む。
【0242】
(i).ステップ2(a)は、以下の反応スキーム
【化104】
に従い、化合物181aと、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物050((2-クロロ-6-ニトロフェニル)メタノール)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0243】
いくつかの態様では、塩基は、弱塩基である。いくつかの態様では、塩基は、無機塩基である。いくつかの態様では、塩基は、炭酸塩又は炭酸水素塩である。いくつかのそのような態様では、塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム及び炭酸マグネシウムから選択される。
【0244】
いくつかの態様では、溶媒系は、少なくとも1つの極性溶媒系を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、水を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、アセトニトリルを含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、アセトニトリル及び水を含む。
【0245】
ステップ2(b)は、以下の反応スキーム
【化105】
に従い、化合物050と、酸化剤と、PTCと、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物378(2-クロロ-6-ニトロベンズアルデヒド)を含む反応生成混合物を形成することとを含む。
【0246】
いくつかの態様では、酸化剤は、NaOClである。
【0247】
いくつかの態様では、相間移動触媒(PTC)は、第四級アンモニウム塩である。いくつかの態様では、PTCは、テトラブチルアンモニウムブロミドである。
【0248】
いくつかの態様では、溶媒系は、非極性溶媒を含むか又は非極性溶媒を主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、トルエンを含むか又はトルエンを主に含む。
【0249】
(ii)ステップ2は、以下の反応スキーム
【化106】
に従い、化合物181a((2-(ブロモメチル)-1-クロロ-3-ニトロベンゼン)と、酸化剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物378を含む反応生成混合物を形成することとを含む。
【0250】
いくつかの態様では、酸化剤は、N-オキシド試薬である。いくつかのそのような態様では、試薬は、トリメチルアミン-N-オキシド又はN-メチルモルホリンN-オキシドである。
【0251】
いくつかの態様では、溶媒系は、少なくとも1つの極性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、DMSO又はDMFを含むか又はそれらを主に含む。
【0252】
ステップ3は、以下の反応スキーム
【化107】
に従い、化合物378と、3-アミノピリジンと、酸触媒と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物003a(1-(2-クロロ-6-ニトロフェニル)-N-(ピリジン-3-イル)メタンイミン)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0253】
いくつかの態様では、溶媒系は、非極性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、トルエンを含むか又はトルエンを主に含む。
【0254】
いくつかの態様では、酸は、有機酸である。いくつかのそのような態様では、酸は、p-トルエンスルホン酸である。
【0255】
いくつかの態様では、反応は、水の共沸蒸留を伴う還流下で行われる。
【0256】
ステップ4は、以下の反応スキーム
【化108】
に従い、化合物003aと、ホスフィン又はホスファイトと、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物093aを含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0257】
いくつかの態様では、溶媒系は、極性プロトン性溶媒又は非極性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、C1~4アルコールを含むか又はそれらを主に含む。1つのそのような態様では、溶媒系は、イソプロピルアルコールを含むか又はイソプロピルアルコールを主に含む。いくつかの態様では、溶媒系は、トルエンを含むか又はトルエンを主に含む。
【0258】
いくつかの態様では、ホスフィン又はホスファイトは、トリメチルホスファイト、トリエチルホスファイト、トリイソプロピルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン又はトリフェニルホスフィンである。
【0259】
いくつかの態様では、反応は、還流下で行われる。
【0260】
いくつかの態様では、化合物181a、050、378、003a及び093aのいずれかは、反応生成物混合物から任意選択的に単離される。いくつかの態様では、化合物339から化合物093aまでの任意の2つの逐次的な反応又は逐次的な反応の全てがテレスコピックポットスキームで行われる。
【0261】
本開示のいくつかの態様は、化合物093aを調製する方法に関し、この方法は、7つのステップを含む。
【0262】
ステップ1は、以下の反応スキーム
【化109】
に従い、化合物150(2,6-ジクロロベンズアルデヒド)と、酸と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物086(1-(2,6-ジクロロフェニル)-N-(ピリジン-3-イル)メタンイミン)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0263】
いくつかの態様では、酸は、p-トルエンスルホン酸である。
【0264】
いくつかの態様では、溶媒系は、少なくとも1つの非極性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、トルエンを含むか又はトルエンを主に含む。ステップ2は、以下の反応スキーム
【化110】
に従い、化合物086と、還元剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物084(N-(2,6-ジクロロベンジル)ピリジン-3-アミン)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0265】
いくつかの態様では、還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム及びシアノ水素化ホウ素ナトリウムから選択される。
【0266】
いくつかの態様では、溶媒系は、極性プロトン性溶媒を含むか若しくはそれを主に含むか、又は溶媒系は、C1~4アルコールを含むか若しくはそれを主に含むか、又は溶媒系は、メタノールを含むか若しくはメタノールを主に含む。
【0267】
ステップ3は、以下の反応スキーム
【化111】
に従い、化合物084と、アミン部位をニトロソアミン部位に変換するための試薬と、酸と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物085(N-(2,6-ジクロロベンジル)-N-(ピリジン-3-イル)ニトロソアミド)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0268】
いくつかの態様では、アミンをニトロソアミンに変換するための試薬は、亜硝酸塩である。いくつかのそのような態様では、アミンをニトロソアミンに変換するための試薬は、亜硝酸ナトリウムである。
【0269】
いくつかの態様では、酸は、有機酸である。いくつかのそのような態様では、酸は、p-トルエンスルホン酸である。
【0270】
いくつかの態様では、溶媒系は、少なくとも1つの極性非プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、DCMを含むか又はDCMを主に含む。
【0271】
ステップ4は、以下の反応スキーム
【化112】
に従い、(a)化合物085と、還元剤と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成し、反応混合物を反応させることと、(b)酸性化して化合物048(1-[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]-1-(3-ピリジル)ヒドラジン塩)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0272】
いくつかの態様では、還元剤は、二酸化チオ尿素である。
【0273】
いくつかの態様では、塩基は、無機塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、アルカリ金属水酸化物である。いくつかのそのような態様では、塩基は、NaOH又はKOHである。
【0274】
いくつかの態様では、溶媒系は、少なくとも1つの極性プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、水を含むか又は水を主に含む。
【0275】
いくつかの態様では、酸は、無機酸である。いくつかの態様では、酸は、HClである。いくつかの態様では、酸は、イソプロパノール中のHClであり、化合物048は、(3-(1-(2,6-ジクロロベンジル)ヒドラジンイル)ピリジン・HCl)である。
【0276】
ステップ5は、以下の反応スキーム
【化113】
に従い、化合物048と、無水酢酸と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物083(N’-(2,6-ジクロロベンジル)-N’-(ピリジン-3-イル)アセトヒドラジド)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0277】
いくつかの態様では、塩基は、有機塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、トリエチルアミンである。
【0278】
いくつかの態様では、溶媒系は、少なくとも1つの極性非プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、ジクロロメタンを含むか又はジクロロメタンを主に含む。
【0279】
ステップ6は、以下の反応スキーム
【化114】
に従い、化合物083と、配位子と、遷移金属触媒と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物082(1-[4-クロロ-2-(3-ピリジル)-3H-インダゾール-1-イル]エタノン)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0280】
いくつかの態様では、配位子は、エチレンジアミン又はトランス-ジメチルシクロヘキシル-1,2-ジアミンである。
【0281】
いくつかの態様では、遷移金属触媒は、第VIII族、第IX族、第X族又は第XI族の金属から選択される。いくつかの態様では、遷移金属触媒は、Pd触媒及びCu触媒から選択される。いくつかの態様では、遷移金属触媒は、CuIである。
【0282】
いくつかの態様では、塩基は、無機塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、KPOである。
【0283】
いくつかの態様では、溶媒系は、少なくとも1つの非極性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。一態様では、溶媒系は、ジオキサンを主に含む。別の態様では、溶媒系は、トルエンを主に含む。
【0284】
ステップ7は、以下の反応スキーム
【化115】
に従い、化合物082と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物093aを含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0285】
いくつかの態様では、塩基は、無機塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、無機弱塩基である。いくつかの態様では、塩基は、炭酸塩である。いくつかの態様では、塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウムから選択される。
【0286】
いくつかの態様では、溶媒系は、極性プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、C1~4アルコールを含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、メタノールを含むか又はメタノールを主に含む。
【0287】
いくつかの態様では、反応ステップ6及び7は、単一の容器内で逐次的に行われる。
【0288】
本開示のいくつかの態様は、化合物093aを調製する方法に関し、この方法は、3つのステップを含む。
【0289】
第1のステップでは、化合物150(2,6-ジクロロベンズアルデヒド)と、アセトヒドラジンと、溶媒系と、有機酸とを含む反応混合物溶液が形成され、以下の反応スキーム
【化116】
に従ってこの反応混合物が反応することで、化合物197(N-[(2,6-ジクロロフェニル)メチレンアミノ]アセトアミド)を含む反応生成物混合物が形成される。
【0290】
いくつかの態様では、有機酸は、p-トルエンスルホン酸である。いくつかの態様では、溶媒系は、少なくとも1つの非極性溶媒を含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、トルエンを含む。
【0291】
いくつかの態様では、縮合プロセスを促進するために、反応は、水の共沸蒸留を伴う還流下で行われる。
【0292】
第2のステップでは、化合物197と、還元剤と、溶媒系とを含む反応混合物が形成され、以下の反応スキーム
【化117】
に従ってこの反応混合物が反応することで、化合物040(N’-[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]アセトヒドラジド)を含む反応生成物混合物が形成される。
【0293】
いくつかの態様では、還元剤は、マグネシウム又は水素化ホウ素である。いくつかのそのような態様では、還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム及びマグネシウムから選択される。
【0294】
いくつかの態様では、溶媒系は、少なくとも1種のアルコール、少なくとも1種のカルボン酸又はそれらの組み合わせを含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、メタノール、エタノール、酢酸又はそれらの組み合わせを含む。
【0295】
第3のステップでは、化合物040と、3-ブロモピリジンと、配位子と、遷移金属触媒と、溶媒系とを含む反応混合物が形成され、以下の反応スキーム
【化118】
に従ってこの反応混合物が反応することで、化合物093aを含む反応生成物混合物が形成される。
【0296】
いくつかの態様では、配位子は、ジアミン配位子である。いくつかのそのような態様では、配位子は、トランス-N,N’-ジメチルシクロヘキシルジアミン及びN,N’-ジメチルエチレンジアミンから選択される。
【0297】
いくつかの態様では、遷移金属触媒は、銅触媒である。いくつかのそのような態様では、遷移金属触媒は、CuIである。
【0298】
いくつかの態様では、溶媒系は、非極性溶媒を含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、トルエンを含む。
【0299】
本開示のいくつかの態様は、化合物093a又は093b(4-クロロ-2-(3-ピリジル)インダゾール又は4-ブロモ-2-(3-ピリジル)インダゾール)を調製する方法に関し、この方法は、2つのステップを含む。
【0300】
第1のステップでは、化合物181a又は181b(2-(クロロメチル)-1-クロロ-3-ニトロベンゼン又は2-(ブロモメチル)-1-クロロ-3-ニトロベンゼン)と、化合物520(3-アミノピリジニウム塩)と、溶媒系とを含む反応混合物溶液が形成され、以下の反応スキーム
【化119】
に従ってこの反応混合物が反応することで、化合物182a又は182b(N-[(2-クロロ-6-ニトロフェニル)メチル]ピリジン-3-アミン又はN-[(2-ブロモ-6-ニトロフェニル)メチル]ピリジン-3-アミン)を含む反応生成物混合物が形成される。
【0301】
いくつかの態様では、化合物520は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、メタンスルホン酸塩又はp-トルエンスルホン酸塩である。いくつかのそのような態様では、化合物520は、任意選択的にインサイチューで調製され得るか、又は使用前に調製及び単離され得る。
【0302】
いくつかの態様では、溶媒系は、極性非プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、アセトニトリル、ベンゾニトリル、スルホラン又はそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様では、溶媒系は、非極性溶媒と極性プロトン性溶媒との混合物を含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、トルエン及び水又はキシレン及び水である。任意選択的に、相間移動触媒(PTC)も含まれ得る。いくつかのそのようなステップ3の態様では、PTCは、第四級アンモニウム塩である。いくつかのそのような態様では、PTCは、テトラブチルアンモニウムブロミドである。いくつかのそのような態様では、PTCは、触媒量で使用される。
【0303】
いくつかの態様では、182a又は182bである生成物は、アニリニウムブロミド塩、二臭化物塩又はHBrと、メタンスルホン酸又はp-トルエンスルホン酸との塩混合物として単離される。182a又は182bが反応後に塩基で処理される場合、これは、遊離塩基として単離される。
【0304】
第2のステップでは、182a又は182bと、還元剤と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物溶液が形成され、以下の反応スキーム
【化120】
に従ってこの反応混合物が反応することで、化合物093a又は093bを含む反応生成物混合物が形成される。
【0305】
いくつかの態様では、還元剤(reductant)は、還元剤(reducing agent)である。いくつかの態様では、還元剤は、亜鉛、鉄又は四塩化チタンから選択される。
【0306】
いくつかの態様では、塩基は、無機塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、水酸化物塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化セシウムから選択される。四塩化チタンが還元剤である場合、塩基は、トリエチルアミンである。
【0307】
いくつかの態様では、溶媒系は、非極性又は極性溶媒と極性プロトン性溶媒との混合物からなる。いくつかの態様では、溶媒系は、水及び1,4-ジオキサン、水及びイソプロパノール、水及びテトラヒドロフラン、水及びトルエン、水及びキシレン、水及びN-メチルピロリドン、水及びスルホラン又は水及びジメチルアセトアミドから選択される。いくつかの態様では、溶媒系は、極性プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、水である。
【0308】
いくつかの態様では、化合物182a、182b、093a又は093bのいずれかは、反応生成物混合物から任意選択的に単離される。いくつかの態様では、化合物181a若しくは181bから093a若しくは093bまでの任意の2つの逐次的な反応又は化合物181a若しくは181bから093a若しくは093bまでの逐次的な反応の全てがテレスコピックポットスキームで行われる。
【0309】
本開示のいくつかの態様は、化合物182a又は182b(N-[(2-クロロ-6-ニトロフェニル)メチル]ピリジン-3-アミン又はN-[(2-ブロモ-6-ニトロフェニル)メチル]ピリジン-3-アミン)の調製のための代替方法に関する。この方法は、以下の反応スキーム
【化121】
に従い、化合物003a又は003b(1-(2-クロロ-6-ニトロフェニル)-N-(3-ピリジル)メタンイミン又は1-(2-ブロモ-6-ニトロフェニル)-N-(3-ピリジル)メタンイミン)と、還元剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物182a又は182bを含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0310】
いくつかの態様では、還元剤は、マグネシウムである。いくつかのそのような態様では、還元剤は、水素化ホウ素である。いくつかのそのような態様では、還元剤は、水素化ホウ素ナトリウム又はシアノ水素化ホウ素ナトリウムから選択される。
【0311】
いくつかの態様では、溶媒系は、少なくとも1つのC1~4アルコール、カルボン酸又はそれらの組み合わせを含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、メタノール、エタノール、酢酸又はそれらの組み合わせを含む。
【0312】
本開示のいくつかの態様は、3つのステップを含むスキームに従って化合物093a又は093b(4-クロロ-2-(3-ピリジル)インダゾール又は4-ブロモ-2-(3-ピリジル)インダゾール)を調製する方法に関する。
【0313】
化合物093a又は093bを調製するためのステップ1は、以下の反応スキーム
【化122】
に従い、化合物114a又は114b(3-クロロ-2-メチルアニリン又は3-ブロモ-2-メチルアニリン)と、酸化剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物115a又は115b(3-クロロ-2-メチルニトロソベンゼン又は3-ブロモ-2-メチル-3-ニトロソベンゼン)を含む反応生成混合物を形成することとを含む。
【0314】
いくつかのステップ1の態様では、酸化剤は、過硫酸水素カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過酸化水素、過酢酸又は3-クロロ過安息香酸である。
【0315】
いくつかのステップ1の態様では、溶媒系は、少なくとも1つの極性非プロトン性溶媒及び少なくとも1つの極性プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、ジクロロメタン及び水又はジクロロエタン及び水を含むか又はそれらを主に含む。
【0316】
いくつかのステップ1の態様では、化合物115a又は115bは、反応生成物混合物から任意選択的に単離され得る。
【0317】
化合物093a又は093bを調製するためのステップ2は、以下の反応スキーム
【化123】
に従い、化合物115a又は115bと、臭素源又は塩素源と、任意選択的にラジカル開始剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を光化学条件下で反応させて、化合物116a~d(1-クロロ-2-(クロロメチル)-3-ニトロソベンゼン、1-クロロ-2-(ブロモメチル)-3-ニトロソベンゼン、1-ブロモ-2-(クロロメチル)-3-ニトロソベンゼン又は1-ブロモ-2-(ブロモメチル)-3-ニトロソベンゼン)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0318】
いくつかのステップ2の態様では、Br源は、N-ブロモスクシンイミド、Br又はHBr及び過酸化水素である。いくつかのステップ2の態様では、Cl源は、N-クロロスクシンイミド、トリクロロイソシアヌル酸、Cl又はHCl及び過酸化水素である。
【0319】
いくつかのステップ2の態様では、光化学条件は、光源を使用した反応の促進に関係する。いくつかのそのようなステップ2の態様では、光化学条件は、可視光を使用して反応を促進する。
【0320】
いくつかのステップ2の態様では、光感受性又は熱活性化ラジカル開始剤が使用される。いくつかのそのような態様では、ラジカル開始剤は、アゾビスイソブチロニトリルである。
【0321】
いくつかのステップ2の態様では、溶媒系は、少なくとも1つの極性非プロトン性溶媒及び少なくとも1つの極性プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、ジクロロメタン及び水又はジクロロエタン及び水を含むか又はそれらを主に含む。
【0322】
いくつかのステップ2の態様では、化合物116a~dは、反応生成物混合物から任意選択的に単離され得る。
【0323】
化合物093a又は093bを調製するための第1のスキームのステップ3は、以下の反応スキーム
【化124】
に従い、化合物116a~dと、化合物520(3-アミノピリジニウム塩)と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物093a093bを含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0324】
いくつかのステップ3の態様では、化合物520は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、ギ酸塩、メタンスルホン酸塩又はパラトルエンスルホン酸塩である。いくつかのそのようなステップ3の態様では、化合物520は、任意選択的にインサイチューで調製され得るか、又は使用前に調製及び単離され得る。
【0325】
いくつかのステップ3の態様では、溶媒系は、極性非プロトン性溶媒を含むか又は極性非プロトン性溶媒を主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、ジクロロメタン、ジクロロエタン又はアセトニトリルを含むか又はそれらを主に含む。いくつかのステップ3の態様では、溶媒系は、少なくとも1つの非プロトン性溶媒及び少なくとも1つの極性プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、ジクロロメタン及び水、ジクロロエタン及び水、アセトニトリル及び水、トルエン及び水又はそれらの組み合わせを含むか又はそれらを主に含む。
【0326】
いくつかのステップ3の態様では、相間移動触媒が使用される。いくつかのそのようなステップ3の態様では、相間移動触媒は、第四級アンモニウム塩である。いくつかのそのようなステップ3の態様では、相間移動触媒は、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド又はテトラブチルアンモニウムヨージドである。
【0327】
いくつかのステップ3の態様では、化合物093a又は093bは、反応生成物混合物から任意選択的に単離され得る。
【0328】
いくつかの態様では、化合物115a若しくは115b、116a~d又は093a若しくは093bのいずれかは、反応生成物混合物から任意選択的に単離される。いくつかの態様では、化合物114a若しくは114bから093a若しくは093bまでの任意の2つの逐次的な反応又は化合物114a若しくは114bから093a若しくは093bまでの逐次的な反応の全てがテレスコピックポットスキームで行われる。
【0329】
本開示のいくつかの態様は、化合物061(2-(ピリジン-3-イル)-2H-インダゾール-4-カルボン酸)を調製するための第1の方法に関する。この方法は、以下の反応スキーム
【化125】
に従い、化合物093a又は93b(4-クロロ-2-(3-ピリジル)インダゾール又は4-ブロモ-2-(3-ピリジル)インダゾール)と、COと、触媒と、配位子と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物061を含む反応生成混合物を形成することとを含む。
【0330】
いくつかの態様では、触媒は、遷移金属触媒から選択される。いくつかの態様では、触媒はパラジウム触媒、ニッケル触媒、白金触媒及び銅触媒から選択される。いくつかの態様では、触媒は、パラジウム触媒から選択される。いくつかのそのような態様では、触媒は、パラジウム炭素又は酢酸パラジウムから選択される。
【0331】
いくつかの態様では、配位子は、ジホスフィン配位子である。いくつかのそのような態様では、配位子は、1,3-ビス(ジシクロヘキシルホスフィウム)プロパンビス(テトラフルオロボレート)、1,3-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン又は1,3-ビス(ジフェニルホスホニウム)ビス(テトラフルオロボレート)である。1つのそのような態様では、配位子は、1,3-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパンビス(テトラフルオロボレート)である。
【0332】
いくつかの態様では、塩基は、無機塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、炭酸塩である。いくつかのそのような態様では、塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウムから選択される。いくつかのそのような態様では、塩基は、炭酸カリウムである。
【0333】
いくつかの態様では、反応雰囲気は、COとNとの混合物を含むか又はそれらを主に含む。いくつかの態様では、反応雰囲気は、COを含むか又はCOを主に含む。いくつかの態様では、反応温度は、少なくとも100℃である。
【0334】
いくつかの態様では、溶媒系は、極性非プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかの態様では、溶媒系は、ジメチルスルホキシドを含むか又はジメチルスルホキシドを主に含む。いくつかの態様では、溶媒系は、水をさらに含む。1つのそのような態様では、溶媒系は、ジメチルスルホキシドと水を含む。
【0335】
本開示のいくつかの態様は、化合物061(2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸)を調製するための第2の方法に関する。この方法は、以下の反応スキーム
【化126】
に従い、化合物038(2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸メチル)と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物061を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0336】
いくつかの態様では、塩基は、アルカリ金属水酸化物である。いくつかのそのような態様では、塩基は、水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムである。いくつかのそのような態様では、塩基は、水酸化ナトリウムである。
【0337】
いくつかの態様では、溶媒系は、水及び極性有機溶媒を含むか又はそれらを主に含む。一態様では、溶媒系は、水と、アセトン、アセトニトリル、イソプロパノール、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの溶媒とを含むか又はそれらを主に含む。
【0338】
本開示のいくつかの態様は、第1、第2又は第3のスキームに従って化合物038(2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸メチル)を調製する方法に関する。
【0339】
化合物038を調製するための第1のスキームは、3つのステップを含む。
【0340】
化合物038を調製するための第1のスキームのステップ1は、以下の反応スキーム
【化127】
に従い、化合物400(3-アミノ-2-メチル安息香酸メチル)と、酸化剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物500(2-メチル-3-ニトロソ安息香酸メチル)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0341】
いくつかのステップ1の態様では、酸化剤は、過硫酸水素カリウム、過ホウ酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過酸化水素、過酢酸又は3-クロロ過安息香酸である。
【0342】
いくつかのステップ1の態様では、溶媒系は、少なくとも1つの極性非プロトン性溶媒及び少なくとも1つの極性プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、ジクロロメタン及び水又はジクロロエタン及び水を含むか又はそれらを主に含む。
【0343】
いくつかのステップ1の態様では、化合物500は、反応生成物混合物から任意選択的に単離され得る。
【0344】
化合物038を調製するための第1のスキームのステップ2は、以下の反応スキーム
【化128】
に従い、化合物500と、臭素源又は塩素源と、任意選択的にラジカル開始剤と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を光化学条件下で反応させて、化合物510a又は510b(2-(ブロモメチル)-3-ニトロソ安息香酸メチル又は2-(クロロメチル)-3-ニトロソ安息香酸メチル)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0345】
いくつかのステップ2の態様では、Br源は、N-ブロモスクシンイミド、Br又はHBr及び過酸化水素である。いくつかのステップ2の態様では、Cl源は、N-クロロコハク酸イミド、トリクロロイソシアヌル酸、Cl又はHCl及び過酸化水素である。
【0346】
いくつかのステップ2の態様では、光化学条件は、光源による反応の促進に関係する。
【0347】
いくつかのステップ2の態様では、光感受性又は熱活性化ラジカル開始剤を任意選択的に使用することができる。いくつかのそのような態様では、ラジカル開始剤は、アゾビスイソブチロニトリルである。
【0348】
いくつかのステップ2の態様では、溶媒系は、少なくとも1つの極性非プロトン性溶媒及び少なくとも1つの極性プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、ジクロロメタン及び水又はジクロロエタン及び水を含むか又はそれらを主に含む。
【0349】
いくつかのステップ2の態様では、化合物510a又は510bは、反応生成物混合物から任意選択的に単離され得る。
【0350】
化合物038を調製するための第1のスキームのステップ3は、以下の反応スキーム
【化129】
に従い、化合物510a又は510bと、化合物520(3-アミノピリジニウム塩)と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物038を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0351】
いくつかのステップ3の態様では、化合物520は、塩酸塩又は臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、メタンスルホン酸塩又はp-トルエンスルホン酸塩である。いくつかの態様では、化合物520は、塩酸塩である。いくつかのそのようなステップ3の態様では、化合物520は、任意選択的にインサイチューで調製され得るか、又は使用前に調製及び単離され得る。
【0352】
いくつかのステップ3の態様では、溶媒系は、極性非プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、ジクロロメタン、ジクロロエタン又はアセトニトリルを含むか又はそれらを主に含む。いくつかのステップ3の態様では、溶媒系は、少なくとも1つの非プロトン性溶媒及び少なくとも1つの極性プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、ジクロロメタン及び水、ジクロロエタン及び水、アセトニトリル及び水又はトルエン及び水を含むか又はそれらを主に含む。
【0353】
いくつかのステップ3の態様では、相間移動触媒が使用される。いくつかのそのようなステップ3の態様では、相間移動触媒は、第四級アンモニウム塩である。いくつかのそのような態様では、相間移動触媒は、テトラブチルアンモニウムクロリド又はテトラブチルアンモニウムブロミドである。
【0354】
いくつかのステップ3の態様では、化合物038は、反応生成物混合物から任意選択的に単離され得る。
【0355】
いくつかの態様では、化合物500、510a若しくは510b又は038のいずれかは、反応生成物混合物から任意選択的に単離される。いくつかの態様では、化合物400から038までの任意の2つの逐次的な反応又は化合物400から038までの逐次的な反応の全てがテレスコピックポットスキームで行われる。
【0356】
化合物038を調製するための第2のスキームは、3つのステップを含む。
【0357】
化合物038を調製するための第2のスキームのステップ1は、以下の反応スキーム
【化130】
に従い、化合物400(「Protec」は、アミン保護基を表す)と、臭素源又は塩素源と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を光源に曝露することによって反応混合物を反応させて、化合物410(3-アミノ-2-(ブロモメチル)安息香酸メチル又は3-アミノ-2-(クロロメチル)安息香酸メチル)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0358】
いくつかのステップ1の態様では、Br源は、Br及び過酸化水素である。いくつかのステップ1の態様では、Cl源は、Clである。いくつかのステップ1の態様では、Cl源は、Cl及び過酸化水素である。
【0359】
いくつかの態様では、保護されたアミンは、構造-NHC(O)CHのアセトアミドである。
【0360】
いくつかのステップ1の態様では、溶媒系は、少なくとも1つの極性非プロトン性溶媒及び少なくとも1つの極性プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、ジクロロメタン及び水を含むか又はそれらを主に含む。
【0361】
いくつかのステップ1の態様では、化合物410は、反応生成物混合物から任意選択的に単離され得る。
【0362】
ステップ2で化合物430が形成される前に、化合物400から保護基が除去される。保護されたアミンがアセトアミドである場合、第二級アミンのジアシル化による脱保護は、水、極性プロトン性溶媒又は極性非プロトン性溶媒中で410を無機弱塩基又は有機塩基と反応させることによって適切に行うことができる。
【0363】
化合物038を調製するための第2のスキームのステップ2は、以下の反応スキーム
【化131】
に従い、化合物410と、化合物420と、酸と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物430((E)-2-ブロモ-6-(ピリジン-3-イルジアゼニル)ベンジルアセテート又は(E)-2-クロロ-6-(ピリジン-3-イルジアゼニル)ベンジルアセテート)を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0364】
いくつかのステップ2の態様では、酸は、有機酸である。いくつかのそのような態様では、酸は、酢酸である。
【0365】
いくつかのステップ2の態様では、溶媒系は、酢酸を含むか又は酢酸を主に含む。
【0366】
いくつかのステップ2の態様では、化合物430は、反応生成物混合物から任意選択的に単離され得る。
【0367】
化合物038を調製するための第2のスキームのステップ3は、以下の反応スキーム
【化132】
に従い、化合物430と、強酸と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物038を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0368】
いくつかのステップ3の態様では、強酸は、無機酸である。いくつかのそのような態様では、酸は、鉱酸である。いくつかのそのような態様では、酸は、HClである。
【0369】
いくつかのステップ3の態様では、溶媒系は、少なくとも1つの極性プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸又はそれらの組み合わせを含むか又はそれらを主に含む。
【0370】
いくつかのステップ3の態様では、化合物038は、反応生成物混合物から任意選択的に単離され得る。
【0371】
038(2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸メチル)を調製するための第3のスキームは、1つのステップを含む。この方法は、以下の反応スキーム
【化133】
に従い、化合物093a又は093b(4-クロロ-2-(3-ピリジル)インダゾール又は4-ブロモ-2-(3-ピリジル)インダゾール)と、触媒と、配位子と、COと、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物038を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0372】
いくつかの態様では、触媒は、遷移金属触媒である。いくつかのそのような態様では、触媒は、パラジウム触媒、ニッケル触媒又は銅触媒から選択される。いくつかのそのような態様では、触媒は、パラジウム炭素又は酢酸パラジウム(II)である。
【0373】
いくつかの態様では、配位子は、ジホスフィン配位子である。いくつかのそのような態様では、配位子は、1,3-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン、1,3-ビス(ジシクロヘキシルホスホニウム)プロパンビス(テトラフルオロボレート)、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン又は4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテンから選択される。
【0374】
いくつかの態様では、塩基は、1種以上の無機弱塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、炭酸塩又はリン酸塩である。いくつかのそのような態様では、塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸三ナトリウム及びリン酸三カリウム又はそれらの組み合わせから選択される。いくつかの態様では、塩基は、有機塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、トリエチルアミンである。
【0375】
いくつかの態様では、溶媒系は、非極性溶媒及びメタノールを含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、キシレン及びメタノール、o-キシレン及びメタノール又はトルエン及びメタノールを含むか又はそれらを主に含む。いくつかの態様では、溶媒系は、極性非プロトン性溶媒及びメタノールを含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、DMSO及びメタノール、DMF及びメタノール、NMP及びメタノールを含む。
【0376】
いくつかの態様では、反応雰囲気は、COとNとの混合物から構成される。いくつかの態様では、反応雰囲気は、COから主に構成される。いくつかの態様では、反応温度は、少なくとも100℃である。
【0377】
いくつかの態様では、生成した化合物038は、塩基性又は酸性条件での加水分解を使用して、化合物061(2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸)にインサイチューで変換することができる。いくつかのそのような態様では、加水分解は、アルカリ金属水酸化物塩基を使用して行われる。いくつかのそのような態様では、加水分解は、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを使用して行われる。
【0378】
本開示の別の態様は、化合物038(2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸メチル)を調製するための代替方法に関する。この方法は、以下の反応スキーム
【化134】
に従い、化合物061(2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸)と、酸と、任意選択的に添加剤と、メタノールを含む溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物038を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0379】
いくつかの態様では、酸は、無機酸である。いくつかのそのような態様では、酸は、硫酸又は塩酸から選択される。いくつかの態様では、酸は、有機酸である。いくつかのそのような態様では、酸は、p-トルエンスルホン酸である。
【0380】
いくつかの態様では、添加剤は、モレキュラーシーブなどの脱水剤である。
【0381】
いくつかの態様では、溶媒系は、非極性溶媒及びメタノールを含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、メタノール、トルエン、ヘキサン又はそれらの組み合わせを含むか又はそれらを主に含む。
【0382】
本開示のいくつかの態様は、2段階方法によって化合物092((N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド)を調製する方法に関する。
【0383】
化合物092(N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボキサミド)を調製するためのステップ1は、以下の反応スキーム
【化135】
に従い、化合物061(2-(ピリジン-3-イル)-2H-インダゾール-4-カルボン酸)と、塩素化試薬と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物930(2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボニルクロリド)のHCl塩を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0384】
いくつかのステップ1の態様では、溶媒系は、非極性溶媒、極性非プロトン性溶媒又はそれらの組み合わせを含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、トルエン及びN,N-ジメチルホルムアミドを含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、トルエンを含むか又はトルエンを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、アセトニトリル及びN,N-ジメチルホルムアミドを含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、アセトニトリルを含むか又はアセトニトリルを主に含む。
【0385】
いくつかのステップ1の態様では、反応混合物は、任意選択的に触媒をさらに含む。適切な触媒は、N,N-ジメチルホルムアミド、4-ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、N-メチル-2-ピロリドン、N-メチルホルムアニリド、N-ホルミルピリジン及びピリジンの中から選択することができる。いくつかのそのような態様では、触媒は、N,N-ジメチルホルムアミドである。いくつかのそのような態様では、触媒は、ピリジンである。
【0386】
いくつかの態様では、塩素化試薬は、塩化チオニル、塩化オキサリル、オキシ塩化リン、シアヌル酸クロリド、ジホスゲン、トリホスゲン及びホスゲンから選択することができる。塩素化試薬は、好ましくは、化合物930と比較して化学量論過剰である。
【0387】
いくつかのステップ1の態様では、化合物930は、反応生成物混合物から任意選択的に単離され得る。
【0388】
ステップ2は、以下の反応スキーム
【化136】
に従い、化合物930と、化合物070(1-メチルシクロプロパンアミン)と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物092を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0389】
いくつかのステップ2の態様では、溶媒系は、非極性溶媒、極性非プロトン性溶媒又はそれらの組み合わせかを含むか又はそれらを主に含む。いくつかのステップ2の態様では、溶媒系は、トルエン、キシレン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、アセトニトリル、ジメチルアセトアミド、酢酸イソプロピル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ピリジン及びスルホランの中から選択することができる。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、極性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、1つ以上の極性溶媒を含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、アセトニトリルを含むか又はアセトニトリを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、アセトニトリル及びN-メチル-2-ピロリドンを含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、非極性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、トルエンを含むか又はトルエンを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、トルエン及びN-メチル-2-ピロリドンを含む。
【0390】
いくつかのステップ2の態様では、塩基は、無機塩基又は有機塩基である。いくつかの態様では、有機塩基は、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、3-メチルピリジン、ジメチルアニリン、N-メチルイミダゾール、N-メチルモルホリン、DABCO及びDBUの中から選択することができる。いくつかのステップ2の態様では、有機塩基は、トリエチルアミンである。いくつかのステップ2の態様では、有機塩基は、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである。いくつかの態様では、無機塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムの中から選択することができる。
【0391】
本開示のいくつかの態様は、化合物092(N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボキサミド)を調製するための代替方法に関する。この方法は、以下の反応スキーム
【化137】
に従い、化合物093a又は093b(4-クロロ-2-(3-ピリジル)インダゾール又は4-ブロモ-2-(3-ピリジル)インダゾール)と、化合物070(1-メチルシクロプロパンアミン)と、触媒と、配位子と、COと、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物092を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0392】
アミノカルボニル化反応は、この分野における数十年の研究の後でも依然として困難なままである。特に、アリールクロリドなどの非反応性求電子剤を使用して良好な収率及び選択性を達成するには、高負荷のパラジウム(多くの場合に少なくとも2モル%)などのより強制的な条件の使用を要することが多く、これにより方法が不経済的になる可能性がある。さらに、tert-ブチルアミンなどの分岐した第一級アミンも、厳しい立体構造のため問題となることが多く、場合により46%ほどまで低い収率になる。反応性の活性化されたエステルタイプの種を形成し、その後、アシル転移により目的のアミドに変換することを利用する戦略が報告されているが、効果的な直接アミノカルボニル化の化学が依然として強く望まれている(Org.Chem.Front.,2022,9,2491;Org.ProcessRes.Dev.2008,12,4,566;Angew.Chem.Int.Ed.2007,46,8460;ACS Catal.2018,8,6,5350)
【0393】
いくつかの態様では、触媒は、遷移金属触媒である。いくつかの態様では、触媒は、パラジウム触媒、ニッケル触媒又は白金触媒から選択される。いくつかのそのような態様では、パラジウム触媒は、パラジウム炭素又は酢酸パラジウム(II)から選択される。
【0394】
いくつかの態様では、配位子は、ジホスフィン配位子である。いくつかのそのような態様では、配位子は、1,3-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン及び1,3-ビス(ジシクロヘキシルホスホニウム)プロパンビス(テトラフルオロボレート)から選択される。
【0395】
いくつかの態様では、塩基は、少なくとも1種の無機弱塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、炭酸塩又はリン酸塩である。いくつかのそのような態様では、塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸水素二カリウム及びリン酸三カリウム又はそれらの組み合わせから選択される。いくつかの態様では、塩基は、水酸化アルミニウムである。いくつかの態様では、塩基は、酢酸塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、酢酸カリウムである。いくつかの態様では、塩基は、アルコキシド塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、リチウムt-ブトキシド、ナトリウムt-ブトキシド、カリウムt-ブトキシド又はそれらの組み合わせである。いくつかの態様では、塩基は、有機塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、アミン塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、DBU、DABCO及びN,N-ジイソプロピルエチルアミンの中から選択される。
【0396】
いくつかの態様では、溶媒系は、極性非プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかの態様では、溶媒系は、ジグリム、ジオキサン、アセトニトリル、DMF、DMAc、スルホラン、DMSO又はそれらのいくつかの組み合わせから選択される。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、ジメチルスルホキシドを含むか又はジメチルスルホキシドを主に含む。
【0397】
いくつかの態様では、反応雰囲気は、COとNとの混合物を含むか又はそれらを主に含む。いくつかの態様では、反応雰囲気は、COを含むか又はCOを主に含む。いくつかの態様では、反応温度は、少なくとも100℃である。
【0398】
本開示のいくつかの態様は、化合物092(N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボキサミド)の調製のための代替方法に関する。この方法は、以下の反応スキーム
【化138】
に従い、化合物061(2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸)と、化合物070(1-メチルシクロプロパンアミン)と、活性化剤と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物092を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0399】
いくつかの態様では、活性化剤は、アシルクロリド、無水物、クロロギ酸アルキル、スルホニルクロリド、アシルイミダゾール又はトリアジンクロリドである。いくつかのそのような態様では、アシルクロリドは、アセチルクロリド、ピバル酸クロリド、ベンゾイルクロリド又はホスゲンから選択される。いくつかのそのような態様では、無水物は、無水酢酸、無水ピバル酸又はジ-tert-ブチルジカーボネートから選択される。いくつかのそのような態様では、クロロギ酸アルキルは、クロロギ酸メチル、クロロギ酸エチル又はクロロギ酸イソブチリルから選択される。いくつかのそのような態様では、スルホニルクロリドは、ベンゼンスルホニルクロリド、p-トルエンスルホニルクロリド又はメタンスルホニルクロリドから選択される。いくつかのそのような態様では、アシルイミダゾールは、1,1’-カルボニルジイミダゾールから選択される。いくつかのそのような態様では、トリアジンクロリドは、シアヌル酸クロリド又は2-クロロ-4,6-ジメトシル-1,3,5-トリアジンから選択される。
【0400】
いくつかの態様では、塩基は、有機塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリン、N-メチルピペリジン、ジアゾビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エン、トリブチルアミン又はN,N-ジメチルベンジルアミンなどの第三級アミン塩基である。いくつかの態様では、塩基は、ピリジン、2,6-ルチジン、3-ピコリン、イミダゾール又はN-メチルイミダゾールなどの複素環式アミン塩基である。
【0401】
いくつかの態様では、溶媒系は、少なくとも1つの非極性溶媒又は極性非プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、アセトニトリル、N-メチルピロリジン、トルエン又はそれらの組み合わせを含むか又はそれらを主に含む。いくつかの態様では、溶媒系は、アセトニトリルをから主に構成される。
【0402】
本開示のいくつかの態様は、化合物092(N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボキサミド)の調製のための代替方法に関する。この方法は、以下の反応スキーム
【化139】
に従い、化合物038(2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸メチル)と、化合物070(1-メチルシクロプロパンアミン)と、塩基と、溶媒系とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物092を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0403】
いくつかの態様では、塩基は、有機金属塩基である。いくつかの態様では、塩基は、有機マグネシウム塩基又は有機アルミニウム塩基から選択される。いくつかのそのような態様では、塩基は、限定するものではないが、塩化イソプロピルマグネシウム、臭化イソプロピルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、塩化メチルマグネシウム又は臭化メチルマグネシウムなどの有機マグネシウム塩基である。いくつかの態様では、塩基は、有機アルミニウム塩基である。いくつかのそのような態様では、有機アルミニウム塩基は、トリアルキルアルミニウム塩基である。いくつかのそのような態様では、塩基は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム又はトリイソブチルアルミニウムから選択される。いくつかの態様では、塩基は、水素化リチウムアルミニウムである。
【0404】
いくつかの態様では、溶媒系は、非極性溶媒又は極性非プロトン性溶媒を含むか又はそれらを主に含む。いくつかのそのような態様では、溶媒系は、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチル-tert-ブチルエーテル又はシクロペンチルメチルエーテルを含むか又はそれらを主に含む。
【0405】
本開示のいくつかの態様は、化合物092の塩を調製する方法に関し、この方法は、以下の反応スキーム
【化140】
に従い、化合物092と、溶媒系と、酸とを含む反応混合物を形成することと、反応混合物を反応させて、化合物092の塩を含む反応生成物混合物を形成することとを含む。
【0406】
いくつかの態様では、溶媒系は、非極性溶媒、極性溶媒又はそれらの組み合わせを含むか又はそれらを主に含む。
【0407】
いくつかの態様では、酸は、無機酸又は有機酸である。いくつかの態様では、無機酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸及び硝酸の中から選択することができる。いくつかの態様では、有機酸は、酢酸、グルクロン酸、シュウ酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸及びトリフルオロ酢酸の中から選択することができる。
【0408】
いくつかの態様では、化合物092は、単離することができる。いくつかの態様では、化合物092は、化合物092の溶液に化合物092の種結晶を添加し、その後、一定時間にわたって水を入れ、冷却することにより、有機溶媒中のその溶液から結晶化することができる。結晶形態の化合物092は、その後、当技術分野で公知の方法(濾過又は遠心分離など)によって単離することができ、任意選択的に水で洗浄することができる。単離された結晶形態の化合物092は、その後、任意選択的に乾燥され得る。そのような態様では、ステップ2は、以下の順序のステップをさらに含み得る:(i)溶媒系を結晶化に適した有機溶媒系に交換し、有機溶媒系中で化合物092の溶液を形成すること、(ii)これに水及び任意選択的な化合物092の種結晶を添加してスラリーを形成すること、(iii)スラリーを冷却すること、及び(iv)結晶形態の化合物092を単離すること。
【0409】
いくつかの態様では、有機溶媒は、極性溶媒である。いくつかの態様では、極性溶媒は、水、ケトン、ニトリル、アミド、C1~4アルコール及びそれらの組み合わせから選択される。いくつかの態様では、極性溶媒は、水、N-メチルピロリドン、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルエチルケトン、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール及びそれらの組み合わせから選択される。
【0410】
いくつかの態様では、中に化合物092を含む溶液は、濃厚溶液であるが、溶媒の昇温時の飽和点以未満である。いくつかの適切な温度の非限定的な例としては、約75℃~約95℃又は約85℃~約95℃が挙げられる。しかしながら、当業者であれば、溶媒の沸点に応じてより高い温度範囲又はより低い温度範囲が適する場合があることを認識するであろう。いくつかの態様では、化合物092の種結晶を約1%~約5%添加し、その後、一定時間にわたって水を添加することで結晶形態の化合物092のスラリーが形成される。いくつかの態様では、水添加ステップは、有機溶媒中の化合物092の溶液とほぼ同じ温度で行うことができる。水対有機溶媒の体積比は、適切には、約0.5:1、約0.75:1、約1:1、約1.25:1、約1.5:1、約2:1、約2:5:1又は約3:1及びそれらから構成される任意の範囲、例えば約0.5:1~約3:1又は約1:1~約1.5:1である。水の添加は、適切には、約1時間~約10時間、例えば約1時間、約2時間、約3時間、約4時間又は約5時間にわたって行うことができる。化合物092のスラリーは、その後、化合物092の結晶化が完了するまで、一定時間にわたって冷却することができる。冷却時間は、適切には、約1時間~約24時間又は約2時間~約12時間、例えば約3時間、約5時間又は約8時間である。最終温度は、適切には、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃又は約25℃である。結晶形態の化合物092は、その後、単離され、水で洗浄され、乾燥される。いくつかのそのような態様では、極性溶媒は、C1~4アルコール又はエタノールであり、結晶形態の化合物092は、主に形態Aである。いくつかの態様では、極性溶媒は、ACNであり、結晶形態の化合物092は、主に形態Bである。
【0411】
いくつかの態様では、結晶形態の化合物092の形態Aは、図1に概ね従うX線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
【0412】
いくつかの態様では、結晶形態の化合物092の形態Bは、図2に概ね従うX線粉末回折パターンによって特徴付けられる。
【実施例
【0413】
実施例1
以下:
【化141】
の通りに化合物223をクロロメタンでメチル化することで化合物775を生成した。
【0414】
25Lのオートクレーブに、KCO粉末(325メッシュ、1.55kg、1.2当量)、ヨウ化カリウム(155.4g、0.1当量)及びアセトン(7.2L、6V)を25~30℃で入れ、続いてα-アセチルブチロラクトン(化合物223)(1.2kg、1当量)を添加した。オートクレーブ容器を閉じ、圧力が約25psiに到達するまで塩化メチル(2当量)をオートクレーブに充填した。反応混合物を加熱し、HPLCで追跡しながら化合物223が2A%未満になるまで温度を40~45℃に維持した。反応が完了した後、反応生成物混合物を室温まで冷却し、濾過し、アセトンで洗浄した。粗製化合物775を含む濾液を40~45℃で真空濃縮することで、褐色の液体(1.3kg)を得た。単離した粗製物質のHPLC:化合物223(不検出)、化合物775(94.13A%)、O-メチル化副生成物(1.01A%)。化合物775の収率は、91.2%(93.2重量%)であった。
【0415】
実施例2
KIの添加なしでのクロロメタンによる化合物223のメチル化:オートクレーブにKCO(1.4当量)及びアセトン(6V)を入れ、次いでα-アセチルブチロラクトン(化合物223、2g)を添加した。塩化メチル(-30℃で凝縮、3当量)をオートクレーブに入れ、オートクレーブを閉じた。反応塊を55~60℃に加熱し、18時間維持した。反応の進行は、HPLCで追跡した。反応が完了した後、反応塊を室温まで冷却し、濾過し、アセトンで洗浄した。化合物775を含む濾液を40~45℃で真空濃縮した。MTBEを粗生成物に添加し、撹拌し、その後、塊を濾過してMTBEで洗浄した。濾液を40℃で真空濃縮し、粗製化合物775を淡褐色の液体として得た。単離した粗製物質のHPLC:化合物223(28.32A%)、化合物775(38.31A%)、O-メチル化副生成物(23.9A%)。
【0416】
実施例3
化合物775を生成するためのジメチル硫酸による化合物223のメチル化:化合物223(1当量)、溶媒、ジメチル硫酸(1.2当量)、塩基(1.4当量)及びPTCを多口丸底フラスコに入れ、25~30°(反応6及び7)又は50~55°(反応1~5及び8~12)で1時間撹拌した。反応の完了は、HPLCで追跡した。結果は、表1に報告されており、「ND」は、検出されなかったことを表し、「NR」は、報告されなかったことを表す。
【0417】
【表1】
【0418】
実施例4
化合物069の調製:丸底フラスコに濃HCl(37%、3V)を入れ、55~60℃に加熱した。化合物775(1.3kg、92.1重量%)を、高温のHCl中にゆっくりと添加した。それに伴ってCOガスが発生した。反応をこの温度で1時間維持し、その後、室温まで冷却した。DCMを反応塊に添加し、撹拌した。2つの層を分離し、DCMを40℃において真空下で除去することで、粗製の069(1.14kg、収率91.2%、GCで92.2重量%)を得た。
【0419】
実施例5
化合物079の調製:丸底フラスコにKOH粉末(1.05当量)及び水(2V)を室温で入れ、溶液を50~55℃に加熱した。加熱された反応塊に化合物069(1.14kg、92.2重量%)を1時間かけて添加し、化合物069がGCで2A%未満になるまでこの同じ温度に保持した。反応が完了した後、反応塊を15~20℃まで冷却し、25%のHSO水溶液でpHを約pH=2に調整した。2つの層を分離し、粗製オイル(751g、収率87.2%、GCによる分析値89重量%)を45~90℃で真空(10~20mbar)蒸留することで、化合物079(591g、3段階での収率60.4%、GCで94重量%)を単離した。
【0420】
実施例6
化合物200の調製:多口丸底フラスコに9.6%のNaOCl(3.5当量)を入れ、溶液を10~15℃まで冷却した。冷却した溶液に化合物079(500g)をゆっくりと入れた。HPLCで化合物079が2A%未満になるまで反応を室温で保持した。反応塊を10~15℃まで冷却し、亜硫酸水素ナトリウム水溶液(約0.5当量)でクエンチした。CHClと水層を分離し、水層をMTBE(5V)で1回洗浄した。その後、水層を10~15℃まで冷却し、温度を25℃未満に維持しながら濃HSO(約630mL)でpH=2まで酸性化した。水層をDCM(2×5V)で抽出し、合わせたDCM層を蒸留により5Vまで減らした。化合物200のDCM溶液を次のステップに進めた。
【0421】
化合物144の調製:多口丸底フラスコに、5VのDCM及びDMF中の化合物200の溶液(0.03当量)を入れた。塩化チオニル(1.05当量)をゆっくりと添加した。添加が完了した後、化合物200がHPLCで2.0A%未満になるまで反応を室温で保持した。別の多口丸底フラスコに、NH水溶液(水中30%、2.5当量)を入れ、0~5℃まで冷却した。冷却したアンモニア溶液に酸塩化物溶液をゆっくりと添加し、反応を1時間保持した。水(2V)を反応塊に添加し、DCMを40℃で留去した。反応塊を10~15℃まで冷却し、濾過し、フィルターケーキを水(1V)で洗浄した。固体を40~45℃で乾燥することで、化合物144(420g、3段階での収率82%、HPLCで98.6重量%)を得た。
【0422】
実施例7
1-メチルシクロプロパンアミン(化合物070)の調製
化合物070の調製:50%NaOH水溶液(4.0当量)及び水(5V)を丸底フラスコに入れ、0~5℃まで冷却した。化合物144(400g)を入れ、温度を10℃未満に保ちながらこのスラリーにNaOCl(10.1%、1.5当量)をゆっくりと添加した。反応塊を0~5℃で2時間保持した。次いで、反応塊を20~25℃にし、2時間保持し、40~45℃に加熱して2時間保持した。化合物070を反応塊から蒸留し、水と共に回収した(290g、GCで79.5重量%、収率80.4%)。化合物070をさらに1フィートの充填カラムで分別蒸留することで、GCで95.6重量%の純度の化合物070を得た(収率70.6%)。
【0423】
実施例8
2,2-ジクロロ-1-メチルシクロプロパンカルボン酸の調製:500mLの4口丸底フラスコの中で、クロロホルム(81mL、1mol)と、メタクリル酸メチル(26.7mL、0.25mol)と、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(2.85g、0.012mol)との混合物に、15~20℃でKOH(56.1g、1mol)を少しずつ添加した。出発物質が完全に消費されたことが確認されるまで、反応を15~20℃で維持した。
【0424】
反応が完了した後、メタノール(22mL、0.52mol)及びKOH(21.04g、0.38mol)を添加し、混合物を65℃で6~7時間加熱した。その後、水(300mL)を添加し、反応塊を濃HClでpH=1~2まで酸性化した。水層をトルエン(250mL)で抽出し、層を分離し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を真空下で除去することで、2,2-ジクロロ-1-メチル-シクロプロパンカルボン酸を褐色の結晶固体(41g)として収率88%(GCで85重量%)で得た。
【0425】
実施例9
メタクリル酸エチルを用いて実施例8を繰り返した。2,2-ジクロロ-1-メチルシクロプロピルカルボン酸の収率は、90%であった。
【0426】
実施例10
乾燥したオートクレーブ反応器内で、t-ブタノール(100mL、1.04mol)と、2,2-ジクロロ-1-メチルシクロプロパンカルボン酸(5g、0.029mol)と、KOH(11.76g、0.17mol)と、5%Pd/C(1.04g、0.0002mol)との混合物を、水素(45bar)中で130℃において撹拌した。反応を12~14時間保持した。反応塊をセライト床で濾過し、t-ブタノールで洗浄した。濾液を蒸留してt-ブタノールの大部分を除去した。その後、濾液に水(50mL)を添加し、濃HClでpH=1~2まで酸性化し、続いてジクロロメタンで抽出することで、1-メチルシクロプロピルカルボン酸(2.1g)を含む濃い褐色の液体を収率42.5%(HPLCで59.3重量%)で得た。
【0427】
実施例11
2,2-ジブロモ-1-メチルシクロプロパンカルボン酸を用いて実施例10を繰り返した。1-メチルシクロプロピルカルボン酸の48%の収率が得られた。
【0428】
実施例12
窒素雰囲気でTHF(120mL、1.44mol)を3Lの4口丸底フラスコに入れ、続いて2,2-ジクロロ-1-メチルシクロプロパンカルボン酸(20g、0.12mol)を入れた。15%のメタノール水溶液(790mL)とナトリウム(109.88g、4.72mol)を約4~5時間かけて少しずつ同時に添加し、その後、さらに6~7時間保持した。有機溶媒の大部分を除去し、残りの残渣を水で希釈し、濃HClでpH=1~2まで酸性化した。反応塊をジクロロメタンで抽出し、溶媒を真空下で除去することで、1-メチルシクロプロピルカルボン酸を褐色の液体として得た(11.4g、収率93%、92.9A%GC)。
【0429】
実施例13
2,2-ジクロロ-1-メチルシクロプロパンカルボン酸(25g、0.14mol)、亜鉛末(384.6g、5.91mol)及びKOHペレット(33.2g、0.59mol)を300mLのt-ブタノール中で46~48時間一緒に還流した。反応塊を30℃まで冷却し、真空濾過し、ケーキをt-ブタノールで洗浄した。合わせた濾液を、溶媒の大部分が除去されるまで真空蒸留した。その後、残渣に水を入れ、続いて濃HClでpH=1~2まで酸性化した。水層をジクロロメタンで抽出し、溶媒を留去することで、1-メチルシクロプロピルカルボン酸を淡黄色の液体(13.9g、収率92.8%、HPLCで98.7重量%)として得た。
【0430】
実施例14
2Lの4口丸底フラスコ内で、窒素雰囲気で1-メチルシクロプロパンカルボン酸(48g、0.48mol)及びジメチルホルムアミド(1.12mL、0.01mol)をジクロロメタン(460mL、8.48mol)に添加した。反応塊を0~5℃まで冷却し、反応塊の温度を5℃未満に維持しながら塩化チオニル(40mL、0.55mol)をゆっくりと添加した。添加が完了した後、温度を23~25℃に上げ、出発物質の消費が確認されるまで保持した。別の2Lの4口丸底フラスコにアンモニアメタノール溶液(268mL、1.44mol)を添加し、0~5℃まで冷却した。温度を5~10℃に保ちながら、酸塩化物溶液をアンモニアメタノール溶液にゆっくりと添加した。添加が完了した後、温度を20~25℃に上げて1時間保持した。反応が完了した後、溶媒の大部分を留去した。残渣にジクロロメタン(800mL、7.0mol)を添加し、溶液を濾過し、溶媒を真空下で留去することで、1-メチルシクロプロパンカルボキサミド(44.3g)を白色固体として得た(収率88%、HPLCで95重量%)。
【0431】
実施例15
1-(1-メチルシクロプロピル)エタノンオキシムの調製:反応フラスコに、化合物079(20g、94.3重量%)、EtOH(100mL、5V)及びNHOH・HCl(19.7g、1.45当量)を22℃で撹拌しながら入れた。NaOAc(24.6g、1.55当量)を一度に添加した。反応塊を室温で撹拌し、HPLCで追跡した。変換が完了した時に、反応塊を飽和NaHCO水溶液(400mL、20V)でゆっくりとクエンチした。反応塊をEtOAc(3×10V)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、減圧濃縮した。1-(1-メチルシクロプロピル)エタノンオキシムを白色固体として得た(21.1g、95.3重量%、収率92%)。
【0432】
実施例16
N-(1-メチルシクロプロピル)アセトアミドの調製:1-(1-メチルシクロプロピル)エタノンオキシム(20.0g)、TsCl(1.6g、0.05当量)及びMeCN(120mL、6V)を反応フラスコに入れ、撹拌した。反応塊を80℃に加熱し、反応の進行をHPLCで追跡した。完全に変換された後、反応塊を周囲温度まで冷却し、活性炭(1.5g、7.5%wt/wt)を入れ、3時間撹拌した。セライト床を通してスラリーを濾過し、MeCN(100mL、5V)で洗浄した。濾液を減圧濃縮することで、粗製化合物N-(1-メチルシクロプロピル)アセトアミドを橙色固体として得た(21.1g、80.2重量%、収率)89%。
【0433】
実施例17
1-メチルシクロプロパンアミン(070)の調製:化合物N-(1-メチルシクロプロピル)アセトアミド(6g)及び水(42mL、7V)を撹拌しながら反応フラスコに入れた。反応を80℃に加熱した。加熱された溶液に濃硫酸(5.38mL)を215μLずつ15分間隔で6時間かけて添加した。反応を80℃に保ち、GCで追跡した。変換が完了した後(約42時間)、反応塊を0~5℃まで冷却した。温度を15℃未満に維持しながら、pHを50%NaOH水溶液(約15g)でpH=10~11に調整した。反応塊を1-メチルシクロプロパンアミン(1.86g、収率60%)について分析した。
【0434】
実施例18
1-メチルシクロプロパンアミン(070)の調製:アセトニトリル(2kg)、テトラヒドロフラン(14.1kg)及びチタン(IV)イソプロポキシド(16.2kg)を25~30℃でジャケット付き反応器に入れ、撹拌した。反応塊を5~10℃まで冷却し、内部温度を20℃未満に維持しながら塩化エチルマグネシウム(49kg、テトラヒドロフラン中2M)を添加した。添加が完了した後、反応を放置して25~30℃まで温め、2時間撹拌した。アセトニトリルの変換は、GCで追跡した。反応が完了した後、反応塊を5~10℃まで冷却し、内部温度を20℃未満に維持しながら三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(14.1kg)を入れた。添加が完了した後、反応塊を放置して25~30℃まで温め、1時間撹拌した。次いで、反応を5~10℃まで冷却し、内部温度を20℃未満に維持しながら酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(8.4kgを32kgの水に溶解)の溶液を反応塊に添加した。添加が完了した後、反応塊を放置して25~30℃まで温め、1時間撹拌し、その後、濾過して固体を除去した。濾液を回収し、別に保管した。フィルターケーキを反応器に再び戻し入れ、テトラヒドロフラン/水溶液(10kg/12kg)で再度スラリー化した。30分間撹拌した後、スラリーを濾過した。濾液を回収して別に保管し、フィルターケーキをもう一度再びスラリー化した。濾過後、フィルターケーキをテトラヒドロフラン/水溶液で2回洗浄した(4.4kg/5kg)。合わせた濾液をジャケット付き反応器に入れ、有機溶媒を留去した。蒸留が完了した後、反応塊を5~10℃まで冷却し、反応塊のpHを水酸化ナトリウム水溶液(18kgの水に5.6kg)でpH約12に調整した。反応塊を一定時間撹拌した後、化合物070を水と共に蒸留により単離した(7kg、30.1重量%、収率60.9%)。
【0435】
実施例19
1-メチルシクロプロパンアミン(070)の調製:アセトニトリル(15kg)、テトラヒドロフラン(105.6kg)及びチタン(IV)イソプロポキシド(119.4kg)を25~30℃のジャケット付き反応器に入れ、撹拌した。反応塊を5~10℃まで冷却し、内部温度を20℃未満に維持しながら塩化エチルマグネシウム(383.6kg、テトラヒドロフラン中2M)を添加した。添加が完了した後、反応を放置して25~30℃まで温め、2時間撹拌した。アセトニトリルの変換は、GCで追跡した。反応が完了した後、反応塊を5~10℃まで冷却し、内部温度を20℃未満に維持しながら三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(103.7kg)を入れた。添加が完了した後、反応塊を放置して25~30℃まで温め、1時間撹拌した。次いで、反応を5~10℃まで冷却し、内部温度を20℃未満に維持しながら酒石酸ナトリウムカリウム四水和物(63gを240kgの水に溶解)の溶液を反応塊に添加した。添加が完了した後、反応塊を放置して25~30℃まで温め、1時間撹拌し、その後、有機溶媒を蒸留により除去した。蒸留の途中で、300kgの水を反応塊に添加した。蒸留が完了した後、反応塊を5~10℃まで冷却し、50%水酸化ナトリウム水溶液(138.6kg)で反応塊のpHを約12に調整した。反応塊を一定時間撹拌した後、化合物070を水と共に蒸留により単離した(フラクション1-40.6kg、34.6重量%;フラクション2-88.6kg、1.3重量%;収率58.7%)。
【0436】
実施例20A
2-クロロ-6-ニトロベンズアルデヒド(化合物378)の調製
反応器に、2-(ブロモメチル)-1-クロロ-3-ニトロベンゼン(化合物181a)(HPLCで92.6A%)のジクロロメタン溶液を入れ、溶液を1Vまで濃縮した。DMF(1.0V)を反応器に添加し、溶液を1Vまで濃縮した。DMF(2.0V)を反応器に添加した。トリメチルアミン-N-オキシド(2.2当量、水中50重量%)を反応器に添加し、混合物を50℃に加熱した。HPLCが化合物378への反応の完了を示すまで、反応塊を50℃に保持した。反応塊は、HPLC分析で83.7A%の化合物378であった。
【0437】
実施例20B
4-クロロ-2-(3-ピリジル)インダゾール(化合物093a)の調製
窒素を流しながら2-クロロ-6-ニトロトルエン(化合物339)(200.0g)を反応器に入れ、撹拌しながら5Vのジクロロメタン(DCM)に溶解させた。水(1V)、N-ブロモスクシンイミド(1.25当量)及びアゾビスイソブチロニトリル(0.05当量)を添加し、400WのHgランプのスイッチを入れ、40~45℃の反応温度で光化学的臭素化を開始した。化合物339が1面積%未満になるまで、反応を定期的にサンプリングしてHPLCによるIPC分析を行った。反応を室温まで冷却し、10%の亜硫酸ナトリウム水溶液4Vでクエンチした。水層を分離し、DCM層を追加の4Vの水で洗浄した。水層を分離し、最初の水層と合わせて2VのDCMで抽出した。全ての有機層を合わせ、4Vの5%亜硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を再度分離し、4Vの飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を分離し、1Vまで蒸留した。アセトニトリル(2V)を添加し、合わせた溶媒を室温で1VのACNまで蒸留した。この溶液を次のステップに進めた。
【0438】
ステップ1からの2-(ブロモメチル)-1-クロロ-3-ニトロベンゼン(化合物181a)の溶液(約270gの化合物181a)を反応器に入れ、アセトニトリル(970mL)を添加した。炭酸ナトリウム(181g)及び水(1269mL)を窒素下で反応器に添加し、反応塊を室温で10分間撹拌した。次いで、反応を80~85℃に14~16時間加熱するか、又は化合物181aがHPLCによる分析で1面積%以下になるまで加熱した。反応混合物を50℃まで冷却し、アセトニトリルの含有量がガスクロマトグラフィーによる分析で5面積%未満になるまでアセトニトリルを蒸留した。反応塊を25~30℃まで冷却し、500mLのトルエンを添加した。混合物をこの温度で20分間撹拌した後、層を分離させた。トルエン層を取っておき、水層を反応器に戻し、別の250mLのトルエンで抽出した。両方のトルエン層を合わせ、212mLの水で洗浄した。(2-クロロ-6-ニトロフェニル)メタノール(化合物050)を含むトルエン溶液を次のステップに進めた。
【0439】
化合物050のトルエン溶液を25~30℃で反応器に入れ、反応器を窒素で不活性化した。テトラブチルアンモニウムブロミド(TBAB、1.04g)と炭酸水素ナトリウム(108.7g)を窒素下で添加し、続いて反応温度を30℃未満に保ちながらNaOCl溶液(1121.6g)を2時間かけてゆっくりと添加した。溶液のpHは、9~10であった。10を超える場合、pHが目標範囲になるまで6NのHClで調整した。反応塊を25~30℃で2時間撹拌するか、又は化合物050がHPLCによる分析で1面積%以下になるまで加熱した。撹拌を中止し、層を分離させた。10.55gのNaを212mLの水に溶解することにより、チオ硫酸ナトリウムの5%水溶液を調製した。この溶液を反応塊に添加し、室温でさらに25~30分間撹拌すると、その時点で層が分離した。トルエン層を水(2×212mL)で洗浄し、2-クロロ-6-ニトロベンズアルデヒド(化合物378)を含むトルエン溶液を次のステップに進めた。
【0440】
窒素下で、化合物378を含むトルエン層を、3-アミノピリジン(98.8g)及びp-トルエンスルホン酸(0.095g)と共に反応器に入れた。反応塊を105~110℃に加熱した。温度の上昇に伴い、スラリーは、暗色の均一な溶液になった。反応をこの温度で12~16時間撹拌し、化合物378がHPLCによる分析で2面積%未満になるまで水を共沸蒸留した。反応混合物を室温まで冷却し、1-(2-クロロ-6-ニトロフェニル)-N-(ピリジン-3-イル)メタンイミン(化合物003a)のトルエン溶液を次のステップに進めた。
【0441】
窒素下、25~30℃でトリエチルホスファイト(670.9g)を化合物003aのトルエン溶液に添加した。反応混合物を105~110℃で20~25時間加熱するか、又は化合物003aがHPLCによる分析で2面積%以下になるまで加熱した。この時点で温度を45~50℃に下げ、GCによる分析で5面積%未満になるまでトルエンを50mbarで真空蒸留した。反応塊を25~30℃まで冷却し、92.7mLのイソプロパノールを添加した。スラリーを30分間撹拌した後、1110mLの水を添加した。その後、反応塊を10~15℃まで冷却し、2時間撹拌した。得られた固体を濾過により単離し、277.5mLの水で洗浄した。次いで、固体を92.7mLのイソプロパノール及び370mLの水でスラリー化し、濾過し、370mLの水で洗浄した。KFTによる分析で含水率が1%未満になるまで、固体を50℃で真空乾燥した。ステップ1~5のアッセイ補正収率は、45~47%であった。これは、98.0~100重量%の4-クロロ-2-(3-ピリジル)インダゾール(化合物093a)に相当する。
【0442】
窒素パージしながら化合物093a(56kg)、DMSO(4V)及び水(1V)を反応器に入れた。次いで、窒素パージしながらPd/C(50重量%水、0.0015当量)、1,3-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパンビス(テトラフルオロボレート)(0.0030当量)及び炭酸カリウム(1.5当量)を添加した。反応塊を窒素で脱気し、圧力を解放し、反応器を130~135psiの一酸化炭素で加圧し、100~110℃で26時間加熱するか、又は093a(4-クロロ-2-(3-ピリジル)インダゾール)がHPLC面積パーセント分析で3%以下になるまで加熱した。反応塊を室温まで冷却し、5Vの水で希釈し、続いて25~30分間撹拌した。その後、1Vの10%NaOH水溶液を添加し、さらに15分間撹拌した後、セライト床を通して濾過した。水性反応塊をトルエンで抽出し(2×2.25V)、分離した水層を3NのHClでpHが3~4になるまで酸性化した。得られたスラリーを室温で1時間撹拌し、その時点で化合物061(2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸)の結晶を濾過により単離し、水で洗浄し、一定重量まで乾燥した(54.4kg、93.5%)。
【0443】
実施例21
化合物093b(4-ブロモ-2-(3-ピリジル)インダゾール)を使用して上の手順を繰り返した。UHPLCによる分析から、反応混合物について以下の面積パーセントが示された:化合物061(2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸)(93.5%)、化合物093b(0.3%)。
【0444】
実施例22
4-クロロ-2-(3-ピリジル)インダゾール(化合物093a)の調製
カラムとコンデンサー(又はDean-Starkトラップ)とを備えた適切な大きさの反応器内で、2,6-ジクロロベンズアルデヒド(化合物150)(450g)及びp-トルエンスルホン酸(0.0005当量)を5Vのトルエンに溶解させた。反応が完了するまで(約16時間)、水を連続的に蒸留しながら、溶液を105~110℃に加熱した。トルエンを蒸留し、得られた粗製固体を0.5Vのイソプロパノールと2Vのヘキサンの中に懸濁した。スラリーを室温で1時間撹拌し、固体を濾過により単離し、45℃以下で真空乾燥した。1-(2,6-ジクロロフェニル)-N-(ピリジン-3-イル)メタンイミン(化合物086)の収量は、560g(86.7%)であった。
【0445】
化合物086(100g)を2Lの丸底フラスコ中で室温において10Vのメタノールに溶解させた。溶液を0~5℃まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(0.8当量)を1時間かけて4回に分けて添加した。反応は、2時間で完了した。その後、反応を20Vの水でクエンチし、撹拌し、1時間かけて室温に戻した。得られたスラリーを濾過し、固体を3Vの水で洗浄し、50℃で真空乾燥することで、88.0g(87%)のN-(2,6-ジクロロベンジル)ピリジン-3-アミン(化合物084)を得た。
【0446】
反応器内で室温において化合物084(300g)を6VのDCMに溶解させた。溶液を撹拌しながら0℃まで冷却し、次いで、温度を0℃に維持しながらNaNO(1.2当量)及びp-トルエンスルホン酸(1.2当量)をそれぞれ4回に分けて添加した。その後、反応塊を放置して室温まで温め、6時間撹拌した。次いで、反応を、セライト床を通して濾過し、DCM溶液を蒸留乾固することで、褐色固体である化合物085(300g、90%)を得た。
【0447】
ガラス製反応フラスコ内で、化合物085(35.0g)を13.5Vのメタノールに溶解させた。二酸化チオ尿素(3.5当量)を添加しながら溶液を室温で撹拌した。反応塊を5分間撹拌した後、-10℃まで冷却した。水酸化ナトリウム(3当量の1Nの水溶液)を添加し、反応塊を50℃に温め、5時間撹拌した。その後、反応を25~30℃まで冷却し、15Vの酢酸エチルで希釈した。有機層を分離し、ブラインで洗浄した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥し、その後、濾過し、酢酸エチルを蒸留することで、化合物3-(1-(2,6-ジクロロベンジル)ヒドラジニル)ピリジン(化合物048)の遊離塩基の粗製サンプル30gを得た。
【0448】
粗製化合物048の遊離塩基(18.0g)を4Vの酢酸エチルに溶解させた。溶液を15~20℃まで冷却し、この温度を維持しながら5当量のイソプロパノール中のHClをゆっくりと添加した。HClを添加すると固体が形成された。反応塊を1時間撹拌し、固体を濾過により単離し、2Vの酢酸エチルで洗浄した。これを50℃で真空乾燥することで、14gの048(68%)を得た。UHPLC分析によれば、サンプルは、約95.7面積パーセントの化合物048のHCl塩であり、3.0A%のアミン副生成物が混入していた。
【0449】
カラム及びメソッド情報:Acquity BEH C18(2.1mm×50mm、1.7um)、移動相A:0.05%ギ酸水溶液、B:0.05%ギ酸アセトニトリル溶液。時間(分)/%B:0/10;0.4/10;4/100;6/100;6.1/10;7/10。カラム温度35℃。流量0.5mL/分。
【0450】
化合物048のHCl塩(15.0g)を10Vのジクロロメタンに懸濁し、得られたスラリーを5~10℃まで冷却した。トリエチルアミン(5当量)を添加し、溶液を15分間撹拌した後、無水酢酸(3当量)を添加した。反応を室温まで温め、8時間撹拌した。溶媒を2Vまで蒸留し、塊を25~30℃に冷却し、この温度で保ちながら5Vの水を30分かけて添加した。得られたスラリーを濾過し、固体を3Vの水で洗浄した後、50℃で真空乾燥した。12.2gのN’-(2,6-ジクロロベンジル)-N’-(ピリジン-3-イル)アセトヒドラジド(化合物083)が収率80.2%で単離された。
【0451】
化合物083(5.0g)を反応器に入れ、6Vのトルエンに溶解させた。KPO(2.5当量)を添加し、スラリーを室温で10分間撹拌した。次いで、トランス-N,N-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(0.5当量)及びヨウ化銅(0.1当量)を添加し、反応塊を95~100℃に加熱した。反応をこの温度で20時間撹拌し、その後、トルエンを蒸留した。5Vのメタノールを添加し、反応温度を60~65℃まで上昇させた。反応をこの温度で2時間撹拌した。メタノールを1Vまで蒸留し、次いで6Vの水を添加して固体を析出させた。固体を濾過し、2Vの水で洗浄することで、化合物093aを2.7g(71.6%)得た。
【0452】
実施例23
4-クロロ-2-(3-ピリジル)インダゾール(化合物093a)の調製
カラムとディーンスタークトラップとを備えた反応フラスコに、2,6-ジクロロベンズアルデヒド(100g)及びアセトヒドラジド(1.05当量)を入れ、トルエン(10V)に溶解させた。p-TSA(0.0005当量)を溶液に添加し、水を共沸蒸留しながら、反応を90~95℃に8時間加熱した。反応塊を40~45℃まで冷却し、トルエンを真空蒸留により約1Vまで除去した。ヘプタン(3V)を添加して固体を析出させ、スラリーを25~30℃で1時間撹拌した。固体のN-[(E)-(2,6-ジクロロフェニル)メチレンアミノ]アセトアミド(化合物197)を濾過し、1Vのヘプタンで洗浄し、87.5%の収率で単離した。HPLC分析による純度は、99.36面積%であった。
【0453】
化合物197(5g)を反応フラスコに入れ、メタノール(10V)に溶解させた。シアノ水素化ホウ素ナトリウム(2当量)及び酢酸(3V)を添加し、反応を室温で10時間撹拌した。反応が完了した後、水(20V)及びトルエン(10V)を添加した。有機層を分離し、水層をトルエン(10V)で洗浄した。有機層を合わせ、トルエンを真空下で約1Vまで除去した。ヘキサン(3V)を添加して固体のN’-[(2,6-ジクロロフェニル)メチル]アセトヒドラジド(化合物040)を析出させ、これを濾過し、ヘキサン(1V)で洗浄した。収量:2.5g(50%)、HPLC分析による純度98.07面積%。中性での抽出を行う代わりに飽和NaCOで反応塊をpH8~9まで塩基性にすることにより、最大70%の物質を単離することができる。
【0454】
化合物040)(0.5g)、3-ブロモピリジン(1.0当量)、トランス-N,N’-ジメチルシクロヘキシルジアミン(0.5当量)又はN,N’-ジメチルエチレンジアミン(0.5当量)、ヨウ化銅(0.3当量)及びトルエンを窒素下で反応フラスコに入れた。反応混合物を105~110℃に24時間加熱した。この時点の工程内検査では、1-[4-クロロ-2-(3-ピリジル)-3H-インダゾール-1-イル]エタノン(化合物082)が約60面積%、化合物093aが約10%であることが示された。
【0455】
実施例24
化合物4-クロロ-2-(3-ピリジル)インダゾール(化合物093a)の調製
3-アミノピリジン(20.0g、0.213mol)を30mLのアセトニトリルに溶解させた。メタンスルホン酸(21.4g、0.223mol)を5分かけて滴下した。反応を2時間撹拌した。その時点で濃厚なベージュ色のスラリーが形成された。固体を濾過により単離し、アセトニトリル(2×5mL)で洗浄し、室温で真空乾燥することで、3-アミノピリジンのメタンスルホン酸塩(化合物520a)39.24gを得た。窒素下で、化合物520a(11.4g、0.060mol)をスルホラン(115mL)に懸濁させた。スラリーを60℃に加熱した。2-(ブロモメチル)-1-クロロ-3-ニトロベンゼン(化合物181a)(10.0g、0.040mol)を添加し、溶液を110℃に到達するまで加熱した。反応をこの温度で合計約20時間撹拌した。波長220nmにおけるHPLC面積パーセント分析から、以下の反応物と生成物の分布が示された:21.5%の化合物520a、14.6%の2-(ブロモメチル)-1-クロロ-3-ニトロベンゼン(化合物182a)、47.2%の目的生成物であるN-[(2-クロロ-6-ニトロフェニル)メチル]ピリジン-3-アミンのプロトン化塩、11.1%の2-クロロ-6-ニトロフェニル)メタノール(化合物050)及び3.7%の化合物181a。
【0456】
磁気撹拌子を備えた20mLのシンチレーションバイアルの中に、化合物182a(0.1g、0.38mmol)及び亜鉛末(0.100g、1.52mmol)を秤量した。テトラヒドロフラン(2mL)を添加し、灰色の懸濁液を室温で撹拌した。撹拌を開始すると直ちに、2mLのNaOH水溶液(0.152g、3.80mmol)を滴下し、反応を室温で4時間撹拌した。有機層をサンプリングしてHPLCで分析したところ、29%のN-[(2-クロロ-6-アミノフェニル)メチル]ピリジン-3-アミンと共に化合物093aが71面積%で形成されたことが示された。
【0457】
実施例25
化合物182の合成のための3-アミノピリジン塩(化合物520)のスクリーニング
化合物181a(1.0当量)、適切な3-アミノピリジン・HA塩(化合物520)(1.5当量)及び溶媒を丸底フラスコに入れた。次いで、反応塊を記載されている温度まで加熱し、HPLC分析で変換を追跡した。結果は、表2に報告されており、「ND」は、検出されなかったことを表し、「NR」は、報告されなかったことを表す。
【0458】
【表2】
【0459】
実施例26
N-[(2-クロロ-6-ニトロフェニル)メチル]ピリジン-3-アミン(化合物182a)の調製
1-(2-クロロ-6-ニトロフェニル)-N-(ピリジン-3-イル)メタンイミン(化合物003a)(1g、3.82mmol)を10mLのメタノールに溶解させた。水素化ホウ素ナトリウム(0.145g、3.82mmol)を、泡立ちが止まるまで固体として少しずつ添加した。その後、溶液を65℃まで20分間加熱還流し、室温まで冷却した。水(10mL)を添加して橙色の固体を析出させ、これを真空濾過により回収し、水(10mL)で洗浄し、室温で真空乾燥することで、化合物182aを0.99g(99%)得た。
【0460】
実施例27
4-クロロ-2-(3-ピリジル)インダゾール(化合物093a)の調製
窒素下でフラスコに3-クロロ-2-メチルアニリン(化合物114a)(1.0当量)とジクロロエタン(20V)を入れた。過硫酸水素カリウム(4.0当量)の水溶液(80V)を一度に入れ、HPLCが3-クロロ-2-メチルニトロソベンゼン(化合物115a)への反応の完了を示すまで反応を25℃に保持した。層を分離し、化合物116のジクロロエタン溶液(HPLCで91.6A%)を次のステップに進めた。
【0461】
容器内の化合物115aのジクロロエタン溶液に水(40V)と臭素(1.7当量)を入れ、密閉した。容器を70℃に加熱し、4Wの白色LEDランプを使用して照射した。HPLCで3-クロロ-2-(ブロモメチル)-ニトロソベンゼン(化合物116b)への反応の完了が示されるまで反応を70℃に保持した。層を分離し、化合物116bのジクロロエタン溶液(HPLCで72.2A%)を次に進めた。
【0462】
化合物116bのジクロロエタン溶液に水(10V)及び3-アミノピリジニウムクロリド(化合物520b)(2.5当量)を入れた。次いで、反応を70℃に加熱し、一晩保持した。さらに水(10V)及び化合物520b(0.5当量)を添加し、その後、HPLCで4-クロロ-2-(3-ピリジル)インダゾール(化合物093a)への反応の完了が示されるまで反応を70℃で保持した。層を分離した。化合物093aのジクロロエタン溶液は、HPLCで32.0A%を示した。
【0463】
実施例28
2-(ピリジン-3-イル)-2H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(化合物038)の調製
化合物400(3-アミノ-2-メチル安息香酸メチル)から出発して実施例27からの手順を繰り返して化合物038を調製することで、化合物038のジクロロエタン溶液(HPLCで20.0A%)を得た。
【0464】
実施例29
N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボキサミド(化合物092)の調製
100mLのHEL Hastelloy圧力反応器に、化合物093a(4-クロロ-2-(3-ピリジル)インダゾール)(4.98g、21.6mmol)、1,3-ビス(シクロヘキシルホスフィノ)プロパンテトラフルオロボレート(0.1336g、0.44mmol)、炭酸カリウム(7.64g、55.9mmol)及びPd/C(含水)(0.1278g、0.25mol%)を室温で入れた。次いで、反応器を3barまで加圧してから解放することを3回行うことにより窒素でパージした。続いて、DMSO(50mL)、化合物070(1-メチルシクロプロパンアミン)(7.8mL、86.4mmol)及びペンタン(48mL)を注入した。反応器を60℃に加熱し、ペンタン/水共沸混合物をパージするためにベントラインを開いた。反応器系を閉じ、窒素で3回再度パージした後、一酸化炭素でパージした。次いで、反応器を一酸化炭素で約100~120psiまで加圧し、200rpmで撹拌しながら110℃まで加熱した。これらの条件で20時間撹拌を継続した後、反応器を室温まで冷却し、IPCサンプリングのために窒素でパージした。UHPLCによる分析では、以下の面積%が示された:化合物061(2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸)(4.04RRT、7.8%)、化合物092(4.99RRT、85.6%)、化合物093a(9.00RRT、0.56%)。RRT=相対保持時間。
【0465】
実施例30
上記の手順を、Pd/C(0.15mol%)を使用して化合物093b(4-ブロモ-2-(3-ピリジル)インダゾール)を用いて繰り返した。UHPLCによる分析から、反応混合物の以下の面積%が示された:化合物061(2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸)(4.04RRT、8.3%)、化合物092(4.99RRT、87.9%)。RRT=相対保持時間。
【0466】
実施例31
N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボキサミド(化合物092)の調製
室温で600mLのParr圧力反応器に、化合物093a(4-クロロ-2-(3-ピリジル)インダゾール)(41.35g、180.0mmol)、1,3-ビス(シクロヘキシルホスフィノ)プロパンテトラフルオロボレート(0.661g、1.08mmol)、リン酸三カリウム(43.96g、207.05mmol)及びPd/C(乾燥)(0.575g、0.30mol%)を入れた。次いで、反応器を3barまで加圧してから解放することを3回行うことにより窒素でパージした。続いて、DMSO(300mL)と化合物070(13.44g、189.04mmol)を注入した。その後、反応器を一酸化炭素で75psiまで加圧し、200rpmで撹拌しながら110℃まで加熱した。これらの条件で8時間撹拌を継続し、その後、反応器を室温まで冷却し、IPCサンプリングのために窒素でパージした。UHPLCによる分析では、次の面積パーセントが示された:化合物061(2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸)(4.04RRT、5.4%)、化合物092(4.99RRT、91.8%)、化合物093a(9.00RRT、0.30%)。RRT=相対保持時間。触媒残留物の濾過及び貧溶媒としての水を用いたDMSOからの再結晶化の後の、典型的な反応収率は、約78%である。
【0467】
実施例32
パートA.
化合物093a(4.6g、1.0当量)、10重量%のPd/C、1,3-ビス(シクロヘキシルホスフィノ)プロパンテトラフルオロボレート(Pd:配位子2:1)、塩基、化合物070(4当量)及びDMSO(10~11V)を反応器に入れ、これを窒素でパージした後、CO(100psi)で加圧した。次いで、反応塊を110℃に加熱し、20時間撹拌した。その後、反応塊を、HPLC面積%分析を使用して分析した。結果は、表3に報告されている。
【0468】
【表3】
【0469】
パートB.
化合物093a(4.6g、1.0当量)、10重量%のPd/C(0.41mol%)、1,3-ビス(シクロヘキシルホスフィノ)プロパンテトラフルオロボレート(Pd:配位子2:1)、KPO:KHPO(3:1、2当量)、化合物070(4当量)及び溶媒(10V)を反応器に入れ、これを窒素でパージした後、CO(100psi)で加圧した。次いで、反応塊を110℃に加熱し、20時間撹拌した。その後、反応塊を、HPLC面積%分析を使用して分析した。結果は、表4に報告されている。
【0470】
【表4】
【0471】
実施例33:化合物092を形成するためのアミノカルボニル化反応における化合物093の消費速度に対するCO分圧の影響
化合物093(5.74g、1.0当量)、Pd(0.3mol%)(10重量%のPd炭素として添加)、1,3-ビス(シクロヘキシルホスフィノ)プロパンテトラフルオロボレート(配位子:Pd 2:1)、KPO塩基(1.2当量)、化合物070(1.5当量)及びDMSO(7.3V)を反応器に入れ、これを窒素でパージし、COでパージし、次いでCOで目標圧力まで加圧した。その後、反応塊を110℃に加熱し、20時間撹拌した。COガスの取り込みを測定し、各反応の速度と変換率を時間の関数として決定した。5.1時間後の各反応のCO消費量と反応変換率を表5に示す。20時間後の最終反応塊は、HPLC面積%分析を使用して分析した。その結果は、表6に報告されている。このデータは、COの圧力又は反応速度に関わらず、反応の選択性が完全な変換時にほぼ同じであることを示している。
【0472】
【表5】
【0473】
【表6】
【0474】
実施例34
2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸メチル(化合物038)の調製
100mLのHEL Hastelloy圧力反応器に、化合物093a(4-クロロ-2-(3-ピリジル)インダゾール)(4.00g、0.015mol)、1,3-ビス(シクロヘキシルホスフィノ)プロパンテトラフルオロボレート(0.106g、0.17ミリmol)、リン酸ナトリウム(4.28g、0.026mol)及び酢酸パラジウム(0.0195g、0.087ミリmol)を室温で入れた。次いで、反応器を3barまで加圧してから解放することを3回行うことにより窒素でパージした。続いてキシレン(36.4mL)及びメタノール(8.5mL)を注入した。反応系を閉じ、再度窒素で3回パージした後、一酸化炭素でパージした。次いで、反応器を一酸化炭素で約60psiまで加圧し、800rpmで撹拌しながら140℃まで加熱した。ゲージ圧は、約75psiであった。これらの条件で20時間撹拌を継続した後、反応器を室温まで冷却し、IPCサンプリングのために窒素でパージした。UHPLCによる分析では、以下の面積%が示された:化合物061(2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸)(4.04RRT、5.6%)、化合物038(7.06RRT、91.3%)、化合物093a(4-クロロ-2-(3-ピリジル)インダゾール)(9.00RRT、0.3%)。RRT=相対保持時間。
【0475】
実施例35
2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸メチル(化合物038)の調製及び2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸(化合物061)へのインサイチュー変換
窒素下の乾燥反応器に4-ブロモ-2-(3-ピリジル)-インダゾール(化合物93b)(25.59kg、1.0当量)、o-キシレン(6V)、メタノール(1.5V)及びトリエチルアミン(1.01V)を入れ、次いで反応塊を窒素で脱気した。その後、酢酸パラジウム(2.0mol%)及び4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン(4mol%)を添加し、反応を窒素でさらに脱気した。次いで、反応器をCO(60~70psi)で加圧し、HPLC分析による化合物038への反応が完了するまで75℃に加熱した。HPLCによる分析から以下のA%が示された:化合物93(0.22A%)、化合物38(95.55A%)及び化合物061(0.64A%)。その後、反応塊を大気圧に戻し、窒素でパージした。NaOH水溶液(3N、9V)を添加し、次いで化合物061への反応の完了がHPLC分析によって確認されるまで反応塊を80℃に加熱した。HPLCによる分析から以下のA%が示された:化合物061(95.04A%)。活性炭(2.95kg)を反応塊に入れ、反応を、セライト床(14.79kg)を通して濾過し、セライト床を水(5.0V)で洗浄した。有機層と水層を分離し、水層を酢酸エチル(5V)とトルエン(10V)との混合物で洗浄した。濃塩酸を使用して水層をpH3まで酸性化し、その後、追加の水(5V)を添加した。その後、水層を濾過し、固体を乾燥させて化合物61(14.0kg)を得た。有機層及びセライト床からさらに化合物061を回収することで、合計20.5kgの化合物061を得た。
【0476】
実施例36
2-(ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸メチル(化合物038)の調製
窒素下で2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸(化合物061)(7g)とメタノール(14.3V)をフラスコに入れた。硫酸(3.0当量)を2分かけて滴下した。次いで、反応を60℃に加熱し、HPLCから活性化の完了が示されるまでその温度に保持した。その後、反応を0℃まで冷却した。次いで、炭酸水素ナトリウム水溶液(194mL、5重量%)を20分かけて滴下した。その後、スラリーを濾過し、フィルターケーキを濾液で洗浄した。固体を90℃で真空乾燥することで、粗製化合物038を黄褐色固体として得た(10g、95.6A%)。
【0477】
実施例37
N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミド(化合物092)の調製
2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸(5.0g)(化合物061)、塩化トシル(1.2当量)及びアセトニトリル(15V)を、窒素下で撹拌しながらジャケット付き反応器に入れた。反応塊を80℃に加熱した。次いで、N-メチルイミダゾール(2.0当量)を5分かけてゆっくりと反応塊に添加した。HPLCから活性化の完了が示されるまで反応を80℃に保持した。次いで、1-メチルシクロプロパンアミン(化合物070)(1.2当量)を5分かけてゆっくりと反応塊に添加した。HPLCから化合物092への反応の完了が示されるまで、反応を80℃に保持した。その後、10分かけて水(10V)をゆっくりと添加し、反応塊を80℃に戻るまで加熱した。その後、スラリーを濾過し、濾液で洗浄し、水(2×10V)で洗浄した。固体を60℃で真空乾燥することで、化合物092をオフホワイトの固体として得た(4.52g、95.1重量%、収率70.3%)。
【0478】
実施例38
N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミド(化合物092)の調製
2-(ピリジン-3-イル)-2H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(化合物038)(200mg)、THF(10V)及び1-メチルシクロプロパンアミン(化合物070)(2.5当量)を、窒素下で撹拌しながら乾燥フラスコに入れた。反応塊を0℃まで冷却した。次いで、反応温度を10℃未満に保ちながら、塩化イソプロピルマグネシウム(2.0当量)を5分かけてゆっくりと添加した。その後、反応を0℃で4時間保持した。次に、水(5V)を5分かけてゆっくりと添加し、その後、追加の水(15V)を添加し、反応塊を23℃で10分間撹拌した。スラリーを濾過し、水(3×15V)で洗浄した。固体を80℃で真空乾燥することで、化合物092を淡黄色固体として得た(200mg、98A%、収率86.6%)
【0479】
実施例39
N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミド(化合物092)の調製
パートA.2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸(25g)(化合物061)、トルエン(5V)及び触媒(0.05当量)を窒素下で撹拌しながらジャケット付き反応器に入れた。塩化チオニル(1.25当量)を反応塊に滴下した。添加が完了した後、反応塊を85~90℃に加熱し、HPLCで反応が完了するまで保持した。トルエン(2V)を85~90℃で真空(約300torr)蒸留した。反応塊を40℃まで冷却し、新たなトルエン(3V)を反応塊に入れた。場合により、1Vのトルエンの代わりにN-メチル-2-ピロリドン(1V)を入れた。
【0480】
パートB.1-メチルシクロプロパンアミン(1.2当量)(化合物070)のトルエン(2V)溶液を、パートAからの反応塊に滴下し、20分間撹拌した。次いで、塩基を反応塊に滴下し、続いて反応塊を60~65℃に加熱した。反応が完了したことがHPLC分析により示されるまで、反応をこの温度で保持した。N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミド(化合物092)の収率は、HPLC重量%分析により決定した。これは、表7に示されている。
【0481】
【表7】
【0482】
実施例40
N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミド(化合物092)の形態Aの調製
パートA.2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸(100g)(化合物061)、トルエン(5V)及びN,N-ジメチルホルムアミド(0.05当量)を、窒素下で撹拌しながらジャケット付き反応器に入れた。塩化チオニル(2当量)を反応塊に滴下した。添加が完了した後、反応塊を70~75℃に加熱し、HPLCで反応が完了するまで保持した。反応塊を40~50℃まで冷却し、トルエンを1Vが残るまで真空蒸留した。追加のトルエン(2V)を入れ、1Vまで蒸留することで、残存する塩化チオニルを除去した。ヘプタン(2V)を入れ、1Vが残るまで蒸留した。反応塊を室温まで冷却し、追加のヘプタン(5V)を入れた。スラリーをNブランケット下で濾過し、酸塩化物である反応生成物(化合物930)のウェットケーキを次のステップで直接使用した。
【0483】
パートB.パートAからの酸塩化物、アセトニトリル(14V)及びN-メチルピロリドン(1V)を、窒素下で撹拌しながらジャケット付き反応器に入れた。次いで、1-メチルシクロプロパンアミン(1.2当量)(化合物070)を反応塊にゆっくりと添加した。最後に、温度を40℃未満に維持しながら、トリエチルアミン(2.1当量)を反応塊にゆっくりと入れた。反応塊を60~65℃に加熱し、HPLCで化合物092への反応の完了が示されるまで保持した。アセトニトリルを真空下で50℃未満において約3Vまで留去した。反応塊を室温まで冷却し、N-メチルピロリドン(2V)を入れた。反応塊を95~100℃に加熱し、10分間保持し、90℃まで冷却して15分間保持し、その後、3重量%のN-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミド(化合物092)の種結晶を入れた。水(2.5V)を90℃で3時間かけて入れた。スラリーを5時間かけて20℃まで冷却し、20分間撹拌し、濾過し、水(4.5V)で洗浄した。固体を60℃で乾燥することで、N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミド(化合物092)をオフホワイトの固体として得た(106.5g、97.4重量%、収率84.9%)。この固体は、多形形態Aと同定された。
【0484】
実施例41
N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミド(化合物092)の形態Bの調製
パートA.2-(3-ピリジル)インダゾール-4-カルボン酸(15g)(化合物061)、トルエン(15V)及びN,N-ジメチルホルムアミド(0.1V)を窒素下で撹拌しながら250mLの多口丸底フラスコに入れた。塩化チオニル(2当量)を反応塊にゆっくりと入れた。添加が完了した後、反応塊を70~75℃に加熱し、HPLCで反応が完了するまで保持した。反応塊を40~50℃まで冷却し、トルエンを真空蒸留した。新たにトルエン(3V)を入れ、再度蒸留した。3回目の新たなトルエン(3V)を入れた後、留去した。反応塊を40~45℃まで冷却し、N-メチルピロリドン(1V)を入れた。反応塊を蒸留して残りのトルエンの大部分を除去した。次に、反応塊を25~30℃まで冷却し、アセトニトリル(14V)を入れ、続いて1-メチルシクロプロパンアミン(1.2当量)(化合物070)を反応塊にゆっくりと添加した。最後に、トリエチルアミン(2当量)を反応塊にゆっくりと添加した。反応塊を60~65℃に加熱し、HPLCで化合物092への反応の完了が示されるまで保持した。アセトニトリルを、50℃未満で約3Vまで真空蒸留した。反応塊を25~30℃まで冷却した。1%のNaOH水溶液(10V)を反応塊に添加し、1時間撹拌した。反応塊を濾過して固体を回収し、水(5V)で洗浄した。固体を45~50℃で真空乾燥することで、N-(1-メチルシクロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール4-カルボキサミド(化合物092)をオフホワイトの固体として得た(14.5g、98.8重量%、収率78.3%)。この固体は、多形形態Bであると同定された。
【0485】
実施例42
単結晶X線回折による結晶形態の化合物092の形態Aの調製及び分析
化合物092の固体(109.1mg)を、約72℃で撹拌しながらEtOH(4mL)と合わせ、得られたスラリーを約72~73℃で撹拌した状態で放置した。約1日後、サンプル中の固体の大部分を陽圧濾過により単離した。濾過後に元のバイアルに若干の固体が残り、これらから単結晶を選別して分析した。およそ0.55×0.04×0.03mmの寸法を有する無色の針を、ランダムな向きでポリマーループに取り付けた。予備検査及びデータ収集は、銅陽極マイクロフォーカス密閉型X線管(CuKαλ=1.54184Å)とDectris Pilatus3 R200Kハイブリッドピクセルアレイ検出器とを備えたRigaku SuperNova回折計で行った。形態Aは、化合物092の無水/非溶媒和形態である。化合物092の形態Aの結晶データ及びデータ収集パラメータは、表8に示されている。
【0486】
【表8】
【0487】
【表9】
【0488】
実施例43
結晶形態の化合物092の形態Bの調製及び単結晶X線回折による分析
約72~73℃で撹拌しながら化合物092の固体(102.6mg)をACN(4mL)と混合し、得られたスラリーを約72~73℃で撹拌したままの状態にした。1日後、サンプル内の固体を陽圧濾過により分離し、温かい濾液を実験台の上に直接置いて室温まで冷却した。室温で6日間放置した後、透明な液体と、細い針状の球晶からなる白い固体とが観察された。針を選別して分析した。およそ0.31×0.03×0.02mmの寸法を有する無色の針を、ランダムな向きでポリマーループに取り付けた。予備検査及びデータ収集は、銅陽極マイクロフォーカス密閉型X線管(CuKαλ=1.54184Å)とDectris Pilatus3 R200Kハイブリッドピクセルアレイ検出器とを備えたRigaku Super Nova回折計で行った。形態Bは、化合物092の無水/非溶媒和形態である。化合物092の形態Bの結晶データ及びデータ収集パラメータは、表9に示されている。
【0489】
【表10】
【0490】
【表11】
【0491】
実施例44
化合物092の多形形態同定のための粉末X線回折によるキャラクタリゼーション
粉末X線回折を使用して、化合物092の様々なサンプルの結晶相を同定した。X線回折パターンは、Optixの長精細焦点光源を使用して生成されたCu放射線の入射ビームを使用して、PANalytical X’Pert PRO MPD又はPANalytical Empyrean回折計で収集した。試験片を通して検出器にCuKαX線を焦点合わせするために、楕円形のグレーデッド多層ミラーを使用した。分析の前に、シリコン試験片(NIST SRM640e)を分析して、Si111ピークの観測された位置がNIST認証位置と一致していることを確認した。サンプルの試験片を厚さ3μmのフィルムで挟み、透過ジオメトリで分析した。空気によって生じるバックグラウンドを最小限に抑えるために、ビームストップ、短い散乱防止延長部及び散乱防止ナイフエッジを使用した。軸方向の発散によるブロードニングを最小限に抑えるために、入射ビームと回折ビームにソーラースリットを使用した。回折パターンは、試験片から240mmの位置に配置された走査型位置検出器(X’Celerator)とData Collectorソフトウェアv.5.5とを使用して収集した。
【0492】
回折極大は、ソフトウェアによって生成されたX線回折図から特定した。化合物092の多形Aの2θ回折極大の特徴的なサブセットを表1に示す。化合物092の多形Bの2θ回折極大の特徴的なサブセットを表2に示す。化合物092の多形Aと多形BのX線回折パターンは、互いに明確に異なるため、未知の多形形態のサンプルの多形形態は、その特徴的な2θX線極大を、それぞれ表1及び表2に示されている特徴的な2θ極大と比較することによって容易に決定することができる。
【0493】
化合物092の形態AのX線粉末回折(XRPD)ダイアグラムを図1に示す。化合物092の形態BのXRPDダイアグラムを図2に示す。
【0494】
【表12】
【0495】
【表13】
【0496】
実施例45
化合物092の安定な多形形態のスクリーニング
様々な条件で安定な形態を同定するためにスラリー実験を行った。これらの実験では、過剰の未溶解固体(形態A+少量の形態Bから開始)を含む様々な溶媒の飽和溶液を長時間撹拌した。室温(RT)及び2~8℃のスラリーは、典型的には、約2週間撹拌した一方、72~73℃のスラリーは、分解の可能性を最小限に抑えるためにより短い期間(1日)撹拌した。ほぼ全てのスラリーで形態B成分が形態Aに変換された。これは、2℃~73℃では形態Aが形態Bよりも安定であることを示唆している。結果は、表12に示されており、時間及び温度は、およその値である。
【0497】
【表14】
【0498】
実施例46
化合物092の形態Aと形態Bの相互変換調査
無水/非溶媒和の形態Aと形態Bの相対的な熱力学的安定性を、相互変換(競合)スラリーにより2~8℃、室温(RT)及び71~72℃で調べた。これらのスラリーでは、所定の溶媒系を指定の温度において化合物092(形態A+少量の形態B)で予め飽和状態にし、液相の一部を濾過して、形態Aと形態Bがほぼ同量含まれる固体混合物にした。2~8℃及びRTの相互変換スラリーは、22日間撹拌した一方、71~72℃のスラリーは、より短い期間(2~4日間)撹拌した。ほぼ全ての競合スラリーが形態Aへの変換を示し、2℃~72℃で形態Aが熱力学的に安定した形態であることが示された。結果は、下の表13に報告されている。この中で、各スラリーの液相は、受け取ったままの状態の形態A+少量の形態Bを使用して予め飽和させたものであり、溶媒比は、v/vであり、水分活性値は、RTでUNIFAC計算機を使用して計算したものであり、時間及び温度は、およその値である。
【0499】
【表15】
【0500】
本明細書では、最良の態様を含む本発明を開示し、且つあらゆるデバイス又はシステムの製造及び使用並びにあらゆる組み込まれた方法の実行を含む本発明の実施を当業者によって実行可能にするためにも実施例が使用されている。本発明の特許性のある範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例が含まれ得る。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合又は特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない均等な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0501】
「1つの(a)」又は「1つの(an)」存在という用語は、その存在の1つ以上を指すことに留意されたい。例えば、「溶媒系」は、1つ以上の溶媒系を表すと理解される。そのため、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「1つ以上」及び「少なくとも1つ」という用語は、本明細書では互換的に使用することができる。
【0502】
使用される数値(限定するものではないが、温度、濃度など)に関して正確性を確保する努力が払われているものの、若干の実験誤差及び偏差が考慮される場合がある。
【0503】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」及び「含んでいる」という語は、文脈上他の意味である必要がある場合を除き、排他的でない意味で使用される。本明細書に記載の実施形態及び態様には、「~を主に含む」、「~からなる」及び/又は「~から本質的になる」実施形態及び態様が含まれることが理解される。
【0504】
本明細書で使用される「主に」という語は、例えば、限定するものではないが、母集団%、w/w%、w/v%、v/v%及び面積%などの関連する基準で50%超、少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも99%であることを意味する。
【0505】
値の範囲が提示されている場合、文脈上明らかに別段の指示がない限り、その範囲の上限と下限との間及び記載されている範囲内の任意の他の明記された値又は間にある値のそれぞれの間にある値は、下限の単位の10分の1まで本明細書に包含されると理解される。これらの小さい範囲内に独立して含まれ得るこれらの小さい範囲の上限値及び下限値も、記載されている範囲内の明示的に除外される境界値に従うことを条件として本明細書に包含される。記載されている範囲が境界値の一方又は両方を含む場合、境界値を含むそれらの一方又は両方を除外する範囲も本明細書に含まれる。
【0506】
前述した説明で提示された教示の利益を有する、これらの本発明が属する技術分野の当業者は、本明細書に記載された本発明の多くの変更形態並びに他の実施形態及び態様を想到するであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態及び態様に限定されず、変更形態並びに他の実施形態及び態様は、特許請求の範囲の範囲内にあることが意図されることを理解されたい。本明細書で特定の用語が使用される場合があるが、それらは、包括的且つ説明的な意味でのみ使用され、限定を目的とするものではない。
図1
図2
【国際調査報告】