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特表2025-508268酵母中の組換えトランスフォーミング増殖因子ベータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-21
(54)【発明の名称】酵母中の組換えトランスフォーミング増殖因子ベータ
(51)【国際特許分類】
   C12N 1/19 20060101AFI20250313BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20250313BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20250313BHJP
   C12P 21/02 20060101ALI20250313BHJP
   C07K 14/495 20060101ALI20250313BHJP
   C12N 1/00 20060101ALI20250313BHJP
【FI】
C12N1/19 ZNA
C12N15/12
C12N15/63 Z
C12P21/02 H
C07K14/495
C12N1/00 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024575653
(86)(22)【出願日】2023-03-10
(85)【翻訳文提出日】2024-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2023056197
(87)【国際公開番号】W WO2023170280
(87)【国際公開日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】2203414.4
(32)【優先日】2022-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524341018
【氏名又は名称】マルタス・バイオテクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ・マックフォード・テイラー
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・パン
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ヒュン・(ブランドン)・マ
【テーマコード(参考)】
4B064
4B065
4H045
【Fターム(参考)】
4B064AG13
4B064CA06
4B064CA19
4B064CC24
4B064DA20
4B065AA77
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA60
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA22
4H045EA60
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、メチル栄養酵母、例えばピキア・パストリス(P.パストリス)中でのトランスフォーミング増殖因子ベータ(TGFβ)の発現及び分泌、そのゲノムがTGFβを含む酵母細胞、並びに、増殖培地中での使用を含む、その使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
そのゲノムがトランスフォーミング増殖因子ベータ(TGFβ)をコードする配列を含む、メチル栄養酵母細胞。
【請求項2】
ピキア・パストリス細胞である、請求項1に記載の酵母細胞。
【請求項3】
TGFβが、TGFβ1、TGFβ2又はTGFβ3である、請求項1又は請求項2に記載の酵母細胞。
【請求項4】
TGFβが、TGFβ3、任意選択でヒトTGFβ3である、請求項1~3のいずれか一項に記載の酵母細胞。
【請求項5】
配列が、配列番号13、配列番号12又は配列番号4の核酸配列を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の酵母細胞。
【請求項6】
配列が配列番号13の核酸配列を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の酵母細胞。
【請求項7】
配列が配列番号12の核酸配列を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の酵母細胞。
【請求項8】
配列が配列番号4の核酸配列を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の酵母細胞。
【請求項9】
プラスミドを使用して形質転換されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の酵母細胞。
【請求項10】
プラスミドが、プロモーター、コーディング配列、及びターミネーターを含む、請求項9に記載の酵母細胞。
【請求項11】
プラスミドがシグナルペプチドを追加的に含む、請求項10に記載の酵母細胞。
【請求項12】
プロモーターがアルコールオキシダーゼI(AOX1)プロモーターである、請求項10又は請求項11に記載の酵母細胞。
【請求項13】
プロモーターが配列番号5の核酸配列を含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の酵母細胞。
【請求項14】
シグナルペプチドがアルファ接合因子シグナルペプチドである、請求項11~13のいずれか一項に記載の酵母細胞。
【請求項15】
シグナルペプチドが配列番号6の核酸配列を含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の酵母細胞。
【請求項16】
ターミネーターがアルコールオキシダーゼI(AOX1)ターミネーターである、請求項10~15のいずれか一項に記載の酵母細胞。
【請求項17】
ターミネーターが配列番号7の核酸配列を含む、請求項10~16のいずれか一項に記載の酵母細胞。
【請求項18】
プラスミドが配列番号4~7の核酸配列を含む、請求項10~17のいずれか一項に記載の酵母細胞。
【請求項19】
プラスミドが配列番号9の核酸配列を含む、請求項10~18のいずれか一項に記載の酵母細胞。
【請求項20】
プラスミドが配列番号12及び5~7の核酸配列を含む、請求項10~17のいずれか一項に記載の酵母細胞。
【請求項21】
プラスミドが配列番号16の核酸配列を含む、請求項10~17及び20のいずれか一項に記載の酵母細胞。
【請求項22】
プラスミドが配列番号13及び5~7の核酸配列を含む、請求項10~17のいずれか一項に記載の酵母細胞。
【請求項23】
プラスミドが配列番号17の核酸配列を含む、請求項10~17及び22のいずれか一項に記載の酵母細胞。
【請求項24】
TGFβを発現する能力を有するメチル栄養酵母細胞。
【請求項25】
TGFβ1、TGFβ2又はTGFβ3を発現する能力を有する、請求項24に記載の酵母細胞。
【請求項26】
ピキア・パストリス細胞である、請求項24又は請求項25に記載の酵母細胞。
【請求項27】
請求項1~26のいずれか一項に記載の酵母細胞から得られた又は得ることができる、配列番号3のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
【請求項28】
TGFβポリペプチドを製造する方法であって、TGFβをコードするプラスミドを用いてメチル栄養酵母細胞を形質転換する工程を含む、方法。
【請求項29】
TGFβポリペプチドを製造する方法であって、前記ポリペプチドの発現を可能とする条件下で請求項1~26のいずれか一項に記載の酵母細胞を培養する工程、及び任意選択で、発現されたポリペプチドを回収する工程を含む、方法。
【請求項30】
i)酵母、任意選択でメチル栄養酵母、更に任意選択でピキア・パストリス中での発現のためにTGFβポリペプチドをコードする核酸を最適化する工程、ii) TGFβの発現について10個より多くのクローン、任意選択で少なくとも20個のクローンをスクリーニングする工程、及び/又はiii) HiBiTペプチドタグ又はhisタグを用いて発現を検出する工程を更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
TGFβポリペプチドがTGFβ3ポリペプチドである、請求項28~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
動物細胞を増殖させる方法であって、請求項27に記載のポリペプチドを含有する増殖培地中で動物細胞を培養する工程を含む、方法。
【請求項33】
動物細胞増殖培地における請求項27に記載のポリペプチドの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メチル栄養酵母、例えばピキア・パストリス(Pichia pastoris)(P.パストリス)中でのトランスフォーミング増殖因子ベータ(TGFβ)の発現及び分泌、そのゲノムがTGFβを含む酵母細胞、並びに、増殖培地中での使用を含む、その使用に関する。
【背景技術】
【0002】
増殖因子は、細胞増殖及び発生の調節、創傷治癒並びに細胞分化を含む多数の必須の役割を果たす天然に存在する細胞シグナル伝達分子である。
【0003】
細胞培養において使用される増殖培地は増殖因子の組合せを通常含む。従って、効率的に且つ費用効果の高い方式において増殖培地における使用のために好適な増殖因子を製造できることは重要である。現在、TGFβを製造するそのような方法は存在しない。TGFβを製造するために使用される方法は労働集約的であり、それは従って高価な材料である。精製されたTGFβの製造の効率的な方法に対する必要性が存在する。
【0004】
培養肉の成長分野において、細胞培養はプロセスの基礎的な態様である。培養肉の製造における制限工程の1つは、増殖培地の高いコストである。気候及び他の環境上の懸念は、培養肉に対する需要、及び従ってまた、動物血清ベース培地を置き換えるための改善された増殖培地に対する必要性を駆動し続けている。
【0005】
トランスフォーミング増殖因子ベータ(TGFβ)は細胞調節タンパク質のファミリーであり、このファミリーのメンバーは多様な細胞プロセスに関与する。TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3はこのファミリーのメンバーである。TGFβは、特定のTGFβ受容体(TGFβR)、例えばTGFβR1及びTGFβR2に結合する。TGFβは、細胞増殖、分化、アポトーシス、及び代謝を含む、様々な機能を調節することができる鍵となるシグナル伝達タンパク質である。TGFβは増殖培地中で一般的に使用され、効率的な方式においてTGFβポリペプチドを製造する改善された方法に対する継続する必要性が存在する。
【0006】
本発明は、そのゲノムがTGFβを含む酵母細胞を提供することによりこの必要性を満たす。我々の知る限り、これは、メチル栄養酵母、例えばP.パストリス中でのTGFβの初めての成功裏の且つ効率的な発現である。
【0007】
細胞の翻訳後修飾機構を理由として、P.パストリスを含む、メチル栄養酵母中でTGFβを発現させることは特に有益である。例えば、TGFβ3は、5つのジスルフィド架橋を含有し、これらのジスルフィド架橋の形成で正確にフォールディングする。TGFβ3は3つのN結合型グリコシル化部位を有し、有利なことにP.パストリスはヒトパターンと類似したグリコシル化パターンを与え、誘導される免疫応答のリスクを最小化するために十分に異なりながら、TGFβ3の類似したフォールディング及び活性を確実にする。
【0008】
追加的に、P.パストリスを含む、メチル栄養酵母は、他のタイプの酵母、例えばサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)よりも容易に組換え製造されたタンパク質を分泌し、従って、組換えタンパク質を製造するためのプラットフォームとしてはるかにより良好に適する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Obstら、「A Modular Toolkit for Generating Pichia pastoris Secretion Libraries」、ACS Synth. Biol.、2017年
【非特許文献2】Leeら、「A Highly Characterized Yeast Toolkit for Modular, Multipart Assembly」、ACS Synth. Biol.、2015年
【非特許文献3】Taylorら、「Start-Stop Assembly: a functionally scarless DNA assembly system optimized for metabolic engineering」、Nucleic Acids Res.、2019年
【非特許文献4】Lin-Cereghino, Jら、「Condensed protocol for competent cell preparation and transformation of the methylotrophic yeast Pichia pastoris」、Biotechniques、2005年
【非特許文献5】http://genomes.urv.es/OPTIMIZER/
【非特許文献6】Aw, R及びPolizzi, K、「Liquid PTVA: a faster and cheaper alternative for generating multi-copy clones in Pichia pastoris」
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本明細書において提供されるのは、そのゲノムがトランスフォーミング増殖因子ベータをコードする配列を含む、メチル栄養酵母細胞、任意選択でピキア・パストリス細胞である。
【0011】
一部の実施形態において、酵母細胞ゲノムは、TGFβ1、TGFβ2又はTGFβ3をコードする配列を含む。
【0012】
一部の実施形態において、酵母細胞ゲノムは、TGFβ3をコードする配列を含む。
【0013】
一部の実施形態において、酵母細胞は、プラスミドを使用して形質転換されており、プラスミドは、配列番号7、配列番号14又は配列番号15の核酸配列を含む。
【0014】
一部の実施形態において、酵母細胞は、プラスミドを使用して形質転換されており、プラスミドは配列番号7の核酸配列を含む。
【0015】
一部の実施形態において、酵母細胞は、プラスミドを使用して形質転換されており、プラスミドは配列番号14の核酸配列を含む。
【0016】
一部の実施形態において、酵母細胞は、プラスミドを使用して形質転換されており、プラスミドは配列番号15の核酸配列を含む。
【0017】
本明細書において提供されるのはまた、本発明の酵母細胞から得られた又は得ることができる、配列番号3のアミノ酸配列を含むポリペプチドである。
【0018】
本明細書において提供されるのはまた、TGFβポリペプチドを製造する方法であって、TGFβを発現するように酵母細胞を形質転換する工程を含む、方法である。
【0019】
本明細書において提供されるのはまた、動物細胞を増殖させる方法であって、本発明のTGFβポリペプチドを含有する増殖培地中で動物細胞を培養する工程を含む、方法である。
【0020】
本明細書において提供されるのはまた、動物細胞増殖培地中での本発明に従って製造されたポリペプチドの使用である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1A及び図1Bは、環状化された形態(A)及び線状化された形態(B)の両方において、P.パストリスを形質転換するために使用されたプラスミド(pGT86)の例を示す。
図2図2は、ドットブロットでの発現結果を示す。
図3図3は、ウエスタンブロットでの発現分析結果を示す。
図4A図4A~4Dは、環状化された形態(A、C)及び線状化された形態(B、D)の両方において、P.パストリスを形質転換するために使用された他のプラスミド(pBM64及びpBM65)の例を示す。
図4B図4A~4Dは、環状化された形態(A、C)及び線状化された形態(B、D)の両方において、P.パストリスを形質転換するために使用された他のプラスミド(pBM64及びpBM65)の例を示す。
図4C図4A~4Dは、環状化された形態(A、C)及び線状化された形態(B、D)の両方において、P.パストリスを形質転換するために使用された他のプラスミド(pBM64及びpBM65)の例を示す。
図4D図4A~4Dは、環状化された形態(A、C)及び線状化された形態(B、D)の両方において、P.パストリスを形質転換するために使用された他のプラスミド(pBM64及びpBM65)の例を示す。
図5図5は、プラスミドpBM64についてのドットプロットでの発現結果を示す。
図6図6は、プラスミドpBM65についてのドットプロットでの発現結果を示す。
図7図7は、液体PVTA後のプラスミドpBM65についてのドットプロットでの発現結果を示す。
図8図8は、液体PVTA後のプラスミドpBM65についてのウエスタンブロットの結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、そのゲノムがTGFβを含み、TGFβを発現する能力を有する、新規の酵母細胞を提供する。本発明はまた、形質転換により前記酵母細胞を得る方法及びこれらの酵母細胞により製造されたポリペプチドを提供する。
【0023】
本発明の新規の酵母細胞は、メチル栄養酵母細胞、例えばP.パストリス細胞を含む。メチル栄養酵母は、炭素及びエネルギーの唯一の供給源としてメタノールを使用することができる。全てのメチル栄養酵母は、共通のメタノール利用経路を有する。メタノールは最初にペルオキシソーム中のAOXにより酸化されてホルムアルデヒド及び過酸化水素(H2O2)が形成され、これらの両方は細胞に対して毒性であり、ペルオキシソーム中に位置する酵素により分解される。メチル栄養酵母細胞は、非メチル栄養酵母細胞、例えばサッカロミセス(Saccharomyces)細胞と比較して本発明において驚くべき程に高いレベルのタンパク質発現を達成する。
【0024】
一実施形態において、本発明は、本発明の酵母細胞において特に有効なTGFβコーディング配列を提供する。特に、そのようなコーディング配列は、TGFβの驚くべき程に高いレベルの発現を生成する。
【0025】
他に定義されなければ、本明細書において使用される全ての科学技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般的に理解されるものと同じ意味を一般に有する。一般に、本明細書において使用される学術用語並びに細胞培養、分子遺伝学、有機化学、核酸化学及びハイブリダイゼーションにおける実験室手順は、当技術分野において周知の及び一般的に用いられるものである。標準的な技術が核酸及びペプチド合成のために使用される。技術及び手順は、当技術分野における従来の方法に従って一般に行われる。本明細書において使用される学術用語、及び以下に記載される合成生物学の実験室手順は、当技術分野において周知の及び一般的に用いられるものである。
【0026】
本発明の細胞
一部の実施形態において、本発明は、そのゲノムがトランスフォーミング増殖因子ベータ(TGFβ)を含む、メチル栄養酵母細胞を提供する。
【0027】
本発明の酵母細胞は、組換え酵母細胞であり、細胞中に天然に存在しない少なくとも1つの核酸配列を含有する。
【0028】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、ピキア(Pichia)、カンジダ(Candida)、ハンセヌラ(Hansenula)、オガタエア(Ogataea)、トルロプシス(Torulopsis)又はコマガタエラ(Komagataella)細胞である。
【0029】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、ピキア・パストリス、カンジダ・ボイジニ(Candida boidinii)、オガタエア・メタノリカ(Ogataea methanolica)、オガタエア・ポリモルファ(Ogataea polymorpha)、オガタエア・サーモメタノリカ(Ogataea thermomethanolica)又はメイエロジマ・グイリエルモンジ(Meyerozyma guilliermondii)細胞である。
【0030】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞はピキア・パストリス細胞である。
【0031】
ピキア・パストリスは、コマガタエラ・ファフィ(Komagataella phaffii)、K.ファフィ(K. phaffii)、コマガタエラ・ファフィ(ピキア・パストリス)、ピキア・パストリス(コマガタエラ・ファフィ)、コマガタエラ・クルツマニ(Komagataella kurtzmanii)(K.クルツマニ(K. kurtzmanii))及び他のそのようなバリエーションとしても公知である。これらの用語は、同じ種を指すことが意図され、本明細書において交換可能に使用される。
【0032】
ピキア・パストリスはメチル栄養酵母の例である。
【0033】
用語「TGFβ1」、「TGFb1」、「TGFベータ1」、「TGFβ-1」、「TGFb-1」、「TGFベータ-1」、「トランスフォーミング増殖因子ベータ1」及び「トランスフォーミング増殖因子ベータ-1」、並びに類似した用語は全て、同じ増殖因子を指し、交換可能に使用されうる。
【0034】
用語「TGFβ2」、「TGFb2」、「TGFベータ2」、「TGFβ-2」、「TGFb-2」、「TGFベータ-2」、「トランスフォーミング増殖因子ベータ2」及び「トランスフォーミング増殖因子ベータ-2」、並びに類似した用語は全て、同じ増殖因子を指し、交換可能に使用されうる。
【0035】
用語「TGFβ3」、「TGFb3」、「TGFベータ3」、「TGFβ-3」、「TGFb-3」、「TGFベータ-3」、「トランスフォーミング増殖因子ベータ3」及び「トランスフォーミング増殖因子ベータ-3」、並びに類似した用語は全て、同じ増殖因子を指し、交換可能に使用されうる。
【0036】
ヒトTGFβ1は、配列番号1のアミノ酸配列を含み、下記に示される:
【0037】
【化1】
【0038】
ヒトTGFβ2は、配列番号2のアミノ酸配列を含み、下記に示される:
【0039】
【化2】
【0040】
ヒトTGFβ3は、配列番号3のアミノ酸配列を含み、下記に示される:
【0041】
【化3】
【0042】
TGFβ3は、多数の機能、例えば細胞増殖、分化、創傷治癒、アポトーシス、及び代謝を有する。
【0043】
TGFβ3は、トランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合して、該受容体を刺激する。この生物活性は、TGFβ3タンパク質の有効な機能のために要求される。
【0044】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、配列番号4、配列番号12又は配列番号13の核酸配列を含む。
【0045】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号4、配列番号12又は配列番号13に対して少なくとも80%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号4、配列番号12又は配列番号13に対して少なくとも85%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号4、配列番号12又は配列番号13に対して少なくとも90%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号4、配列番号12又は配列番号13に対して少なくとも95%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号4、配列番号12又は配列番号13に対して少なくとも99%の類似性を有する配列を含む。
【0046】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、配列番号4の核酸配列を含む。
【0047】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号4に対して少なくとも80%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号4に対して少なくとも85%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号4に対して少なくとも90%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号4に対して少なくとも95%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号4に対して少なくとも99%の類似性を有する配列を含む。
【0048】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、配列番号12の核酸配列を含む。
【0049】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号12に対して少なくとも80%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号12に対して少なくとも85%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号12に対して少なくとも90%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号12に対して少なくとも95%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号12に対して少なくとも99%の類似性を有する配列を含む。
【0050】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、配列番号13の核酸配列を含む。
【0051】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号13に対して少なくとも80%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号13に対して少なくとも85%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号13に対して少なくとも90%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号13に対して少なくとも95%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβ3をコードする配列番号13に対して少なくとも99%の類似性を有する配列を含む。
【0052】
2つの配列の間の類似性パーセント(又は「類似性パーセンテージ」)は、ペア中のマッチの数に100を掛け、ギャップを含む、アライメントされた領域の長さで割ることにより算出されうる。同一性スコアリングは、完璧なマッチのみをカウントする。配列の末端におけるギャップは含まれず、内部ギャップは長さに含まれる。BLAST(NCBI)は、アライメントを生成するために使用されうる。
【0053】
一部の実施形態において、配列番号4は、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合するTGFβ3をコードする。
【0054】
一部の実施形態において、配列番号4は、TGFβR1、TGFβR2及び/又はTGFβR3に結合するTGFβ3をコードする。
【0055】
一部の実施形態において、配列番号12は、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合するTGFβ3をコードする。
【0056】
一部の実施形態において、配列番号12は、TGFβR1、TGFβR2及び/又はTGFβR3に結合するTGFβ3をコードする。
【0057】
一部の実施形態において、配列番号13は、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合するTGFβ3をコードする。
【0058】
一部の実施形態において、配列番号13は、TGFβR1、TGFβR2及び/又はTGFβR3に結合するTGFβ3をコードする。
【0059】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する配列番号1のアミノ酸配列、又はその断片、アナログ若しくは誘導体を含むポリペプチドを発現する。
【0060】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する配列番号2のアミノ酸配列、又はその断片、アナログ若しくは誘導体を含むポリペプチドを発現する。
【0061】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する配列番号3のアミノ酸配列、又はその断片、アナログ若しくは誘導体を含むポリペプチドを発現する。
【0062】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、配列番号1に対して少なくとも80%の類似性の配列を含むポリペプチドを発現し、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号1に対して少なくとも85%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号1に対して少なくとも90%の類似性を有する配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号1に対して少なくとも95%の類似性を有する配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。
【0063】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、配列番号2に対して少なくとも80%の類似性の配列を含むポリペプチドを発現し、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号2に対して少なくとも85%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号2に対して少なくとも90%の類似性を有する配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号2に対して少なくとも95%の類似性を有する配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。
【0064】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、配列番号3に対して少なくとも80%の類似性の配列を含むポリペプチドを発現し、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも85%の類似性を有する配列を含む。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも90%の類似性を有する配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の類似性を有する配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。
【0065】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、TGFβR1、TGFβR2及び/又はTGFβR3に結合するポリペプチドを発現する。
【0066】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞により含まれるTGFβ3はヒトTGFβ3である。
【0067】
一部の実施形態において、TGFβ3はウシTGFβ3である。一部の実施形態において、TGFβ3はブタTGFβ3である。一部の実施形態において、TGFβ3はトリTGFβ3である。
【0068】
一部の実施形態において、TGFβ3は、配列番号4、配列番号12又は配列番号13の核酸配列を含む。
【0069】
一部の実施形態において、TGFβ3は、配列番号4の核酸配列を含む。
【0070】
一部の実施形態において、TGFβ3は、配列番号12の核酸配列を含む。
【0071】
一部の実施形態において、TGFβ3は、配列番号13の核酸配列を含む。
【0072】
一部の実施形態において、TGFβ3をコードする配列は、配列番号4、配列番号12又は配列番号13の核酸配列を含む。
【0073】
一部の実施形態において、TGFβ3をコードする配列は、配列番号4の核酸配列を含む。
【0074】
一部の実施形態において、TGFβ3をコードする配列は、配列番号12の核酸配列を含む。
【0075】
一部の実施形態において、TGFβ3をコードする配列は、配列番号13の核酸配列を含む。
【0076】
一部の実施形態において、酵母細胞は、TGFβ1、TGFβ2又はTGFβ3をコードする配列を含むプラスミドを用いて形質転換されている。
【0077】
一部の実施形態において、プラスミドはプロモーターを含む。
【0078】
一部の実施形態において、プラスミドはコーディング配列を含む。
【0079】
一部の実施形態において、プラスミドはターミネーターを含む。
【0080】
一部の実施形態において、プラスミドは、プロモーター、コーディング配列及びターミネーターを含む。
【0081】
一部の実施形態において、プラスミドはシグナルペプチドを含む。
【0082】
一部の実施形態において、プラスミドは、プロモーター、シグナルペプチド、コーディング配列及びターミネーターを含む。
【0083】
一部の実施形態において、プロモーターはアルコールオキシダーゼI(AOX1)プロモーターである。一部の実施形態において、プロモーターは、配列番号5の核酸配列を含む。
【0084】
一部の実施形態において、シグナルペプチドはアルファ接合因子シグナルペプチドである。一部の実施形態において、シグナルペプチドは、配列番号6の核酸配列を含む。
【0085】
一部の実施形態において、コーディング配列は、TGFβ3、任意選択でヒトTGFβ3を含む。一部の実施形態において、コーディング配列は、配列番号4、配列番号12又は配列番号13の核酸配列を含む。
【0086】
一部の実施形態において、コーディング配列は、TGFβ3、任意選択でヒトTGFβ3を含む。一部の実施形態において、コーディング配列は、配列番号4の核酸配列を含む。
【0087】
一部の実施形態において、コーディング配列は、TGFβ3、任意選択でヒトTGFβ3を含む。一部の実施形態において、コーディング配列は、配列番号12の核酸配列を含む。
【0088】
一部の実施形態において、コーディング配列は、TGFβ3、任意選択でヒトTGFβ3を含む。一部の実施形態において、コーディング配列は、配列番号13の核酸配列を含む。
【0089】
一部の実施形態において、ターミネーターはアルコールオキシダーゼI(AOX1)ターミネーターである。一部の実施形態において、ターミネーターは、配列番号7の核酸配列を含む。
【0090】
一部の実施形態において、プラスミドは、配列番号4~7の核酸配列を含む。
【0091】
一部の実施形態において、プラスミドは、配列番号12及び5~7の核酸配列を含む。
【0092】
一部の実施形態において、プラスミドは、配列番号13及び5~7の核酸配列を含む。
【0093】
一部の実施形態において、プラスミドは少なくとも1つのタグを含む。
【0094】
一部の実施形態において、タグは、HiBiTタグに融合したHisタグを含む。一部の実施形態において、タグは、配列番号8の核酸配列を含む。
【0095】
一部の実施形態において、タグは、TEV切断部位に融合したHisタグを含む。一部の実施形態において、タグは、配列番号18の核酸配列を含む。
【0096】
一部の実施形態において、プラスミドは、配列番号4~8の核酸配列を含む。
【0097】
一部の実施形態において、プラスミドは、配列番号12、5~7及び18の核酸配列を含む。
【0098】
一部の実施形態において、プラスミドは、配列番号13、5~7及び18の核酸配列を含む。
【0099】
一部の実施形態において、プラスミドは、配列番号9、配列番号16又は配列番号17の核酸配列を含む。
【0100】
一部の実施形態において、プラスミドは、配列番号9の核酸配列を含む。
【0101】
一部の実施形態において、プラスミドは、配列番号16の核酸配列を含む。
【0102】
一部の実施形態において、プラスミドは、配列番号17の核酸配列を含む。
【0103】
一部の実施形態において、プラスミドは、図1Aに示されるプラスミドである。
【0104】
一部の実施形態において、プラスミドは、図1Bに示されるプラスミドである。
【0105】
一部の実施形態において、プラスミドは、図4Aに示されるプラスミドである。
【0106】
一部の実施形態において、プラスミドは、図4Bに示されるプラスミドである。
【0107】
一部の実施形態において、プラスミドは、図4Cに示されるプラスミドである。
【0108】
一部の実施形態において、プラスミドは、図4Dに示されるプラスミドである。
【0109】
本明細書に記載されるプラスミドは環状であってもよい。
【0110】
本明細書に記載されるプラスミドは線状化されていてもよい。
【0111】
本発明の酵母細胞から得られた又は得ることができるポリペプチド
一部の実施形態において、本発明は、本明細書に開示される酵母細胞から得られた又は得ることができるポリペプチドを提供する。
【0112】
一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号1、配列番号2又は配列番号3のアミノ酸配列を含む。
【0113】
一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号1に対して少なくとも80%の類似性の配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号1に対して少なくとも85%の類似性を有する配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号1に対して少なくとも90%の類似性を有する配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号1に対して少なくとも95%の類似性を有する配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。
【0114】
一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号2に対して少なくとも80%の類似性の配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号2に対して少なくとも85%の類似性を有する配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号2に対して少なくとも90%の類似性を有する配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号2に対して少なくとも95%の類似性を有する配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。
【0115】
一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも80%の類似性の配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも85%の類似性を有する配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも90%の類似性を有する配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。一部の実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号3に対して少なくとも95%の類似性を有する配列を含み、ポリペプチドは、少なくとも1つのトランスフォーミング増殖因子ベータ受容体(TGFβR)に結合する。
【0116】
2つの配列の間の類似性パーセント(又は「類似性パーセンテージ」)は、ペア中のマッチの数に100を掛け、ギャップを含む、アライメントされた領域の長さで割ることにより算出されうる。同一性スコアリングは、完璧なマッチのみをカウントし、互いに対するアミノ酸の類似性の程度を考慮しない。配列の末端におけるギャップは含まれず、内部ギャップは長さに含まれる。
【0117】
本発明は更に、本明細書に開示される酵母細胞から得られた又は得ることができるポリペプチドの断片、アナログ及び誘導体に関し、「断片」、「誘導体」及び「アナログ」は、配列番号1、配列番号2又は配列番号3に記載されているポリペプチドと本質的に同じ生物学的機能又は活性を保持する。
【0118】
本発明の方法
一部の実施形態において、TGFβポリペプチドを製造する方法が提供され、方法は、前記ポリペプチドの発現を可能とする条件下で本発明の酵母細胞を培養する工程、及び任意選択で、発現されたポリペプチドを回収する工程を含む。
【0119】
一部の実施形態において、TGFβポリペプチドを製造する方法は、i)酵母中での発現のためにTGFβポリペプチドをコードする核酸を最適化する工程、ii) TGFβの発現について10個より多くのクローンをスクリーニングする工程及び/又はiii)タグを用いて発現を検出する工程を更に含む。
【0120】
一部の実施形態において、TGFβポリペプチドを製造する方法は、i)酵母中での発現のためにTGFβポリペプチドをコードする核酸を最適化する工程、ii) TGFβの発現について10個より多くのクローンをスクリーニングする工程及び/又はiii) HiBiTペプチドタグを用いて発現を検出する工程を更に含む。
【0121】
一部の実施形態において、TGFβポリペプチドを製造する方法は、i)酵母中での発現のためにTGFβポリペプチドをコードする核酸を最適化する工程、ii) TGFβの発現について10個より多くのクローンをスクリーニングする工程及び/又はiii) Hisタグを用いて発現を検出する工程を更に含む。
【0122】
一部の実施形態において、本発明は、TGFβ3ポリペプチドを製造する方法であって、エレクトロポレーションにより配列番号4~7の核酸配列を含む線状化されたプラスミドを用いてメチル栄養酵母を形質転換する工程及び発現について10個より多くのクローンをスクリーニングする工程を含む、方法を提供する。
【0123】
一部の実施形態において、本発明は、TGFβ3ポリペプチドを製造する方法であって、エレクトロポレーションにより配列番号12及び5~7の核酸配列を含む線状化されたプラスミドを用いてメチル栄養酵母を形質転換する工程並びに発現について10個より多くのクローンをスクリーニングする工程を含む、方法を提供する。
【0124】
一部の実施形態において、本発明は、TGFβ3ポリペプチドを製造する方法であって、エレクトロポレーションにより配列番号13及び5~7の核酸配列を含む線状化されたプラスミドを用いてメチル栄養酵母を形質転換する工程並びに発現について10個より多くのクローンをスクリーニングする工程を含む、方法を提供する。
【0125】
一部の実施形態において、本発明は、TGFβ3ポリペプチドを製造する方法であって、エレクトロポレーションにより配列番号4~7の核酸配列を含む線状化されたプラスミドを用いてピキア・パストリスを形質転換する工程及び発現について10個より多くのクローンをスクリーニングする工程を含む、方法を提供する。
【0126】
一部の実施形態において、本発明は、TGFβ3ポリペプチドを製造する方法であって、エレクトロポレーションにより配列番号12及び5~7の核酸配列を含む線状化されたプラスミドを用いてピキア・パストリスを形質転換する工程並びに発現について10個より多くのクローンをスクリーニングする工程を含む、方法を提供する。
【0127】
一部の実施形態において、本発明は、TGFβ3ポリペプチドを製造する方法であって、エレクトロポレーションにより配列番号13及び5~7の核酸配列を含む線状化されたプラスミドを用いてピキア・パストリスを形質転換する工程並びに発現について10個より多くのクローンをスクリーニングする工程を含む、方法を提供する。
【0128】
一部の実施形態において、20を上回るクローン又は30を上回るクローンが発現についてスクリーニングされる。好ましい実施形態において、40を上回るクローンがスクリーニングされる。
【0129】
一部の実施形態において、本発明は、タグの検出により発現についてクローンをスクリーニングする工程を含む。
【0130】
一部の実施形態において、本発明は、HiBiTタグの検出により発現についてクローンをスクリーニングする工程を含む。
【0131】
一部の実施形態において、本発明は、Hisタグの検出により発現についてクローンをスクリーニングする工程を含む。
【0132】
一部の実施形態において、本発明の方法は、バッフル付き振盪フラスコ中で本発明の酵母細胞を増殖させる工程を含む。
【0133】
一部の実施形態において、本発明の方法は、撹拌されたバイオリアクター中で本発明の酵母細胞を培養する工程を含む。
【0134】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、撹拌されたバイオリアクター中の発酵培地中で培養される。
【0135】
一部の実施形態において、本発明の酵母細胞は、撹拌されたバイオリアクター中の発酵培地中で、定義された時間にわたり、定義されたpH、及び/又は定義された温度で培養される。
【0136】
一部の実施形態において、定義された時間は、6~144時間、好ましくは24~96時間である。
【0137】
一部の実施形態において、定義されたpHは、2.0~10.0、好ましくは4.0~8.0である。
【0138】
一部の実施形態において、定義された温度は、4~37℃、好ましくは8~30℃である。
【0139】
一部の実施形態において、TGFβは、発現され、酵母細胞から発酵培地中へと分泌される。一部の実施形態において、TGFβは、酵母細胞の細胞内に貯蔵されない。そのため、本発明はまた、酵母細胞を使用するTGFβの分泌発現に関する。
【0140】
一部の実施形態において、培養期間後に、TGFβ含有上清は、遠心分離により酵母細胞から分離される。
【0141】
一部の実施形態において、培養期間後に、TGFβ含有上清は、遠心分離により酵母細胞から分離され、濾過ベースの精製に供される。
【0142】
一部の実施形態において、濾過ベースの精製は、望ましくない分子を除去する。
【0143】
一部の実施形態において、濾過されたTGFβ含有試料は、任意選択で長期間の安定な貯蔵のために、フリーズドライされる。
【0144】
本発明は、野生型TGFβと同じ、又は類似した、下流の効果を達成する、TGFβ1、TGFβ2及びTGFβ3の機能的なバリアント、並びに同じ生物学的経路中のタンパク質の発現に関しうることが理解される。
【0145】
例えば、本発明はまた、TGFβファミリー受容体の任意の活性化因子の発現に関しうる。本発明はまた、TGFβ3受容体の活性化因子の発現に関しうる。本発明はまた、TGF-ベータ-3-TGFR複合体の形成に関する(EMBL-EBI ComplexAc: CPX-2544)。本発明はまた、TGFβシグナル伝達経路の活性化因子に関する。本発明はまた、トランスフォーミング増殖因子ベータ受容体シグナル伝達経路の活性化因子に関する(EMBL-EBI GO: 0007179)。
【0146】
本発明に従って製造されたポリペプチドの使用
一部の実施形態において、本発明は、増殖培地中での本明細書に記載されるポリペプチドの使用を提供する。一部の実施形態において、増殖培地は動物増殖培地である。増殖培地は無血清であってもよい。
【0147】
増殖培地は、細胞の生存、増殖及び/又は貯蔵のために使用される培地である。一部の実施形態において、本発明の増殖培地は、線維芽細胞、筋芽細胞、脂肪細胞、間葉幹細胞又は人工多能性幹細胞(iPSC)の培養のために使用される。
【0148】
本発明の増殖培地は、1つ若しくは複数の追加の増殖因子、血清若しくは血清代替物、1つ若しくは複数のホルモン、1つ若しくは複数の抗生物質、1つ若しくは複数の微量元素及び/又は1つ若しくは複数の抗酸化剤を追加的に含むことができる。
【0149】
一部の実施形態において、本発明は、細胞を増殖させる方法であって、本明細書に記載されるポリペプチドを含有する増殖培地中で細胞を培養する工程を含む、方法を提供する。一部の実施形態において、細胞は動物細胞である。一部の実施形態において、増殖培地は動物用増殖培地である。
【0150】
本明細書に記載される特有の実施形態は、本発明の限定ではなく実例として示されていることが理解される。本発明の主要な特色は、様々な実施形態において本発明の範囲から離れることなく用いられうる。当業者は、本明細書に記載される特定の手順に対する多数の均等物を認識するか、又は常法に過ぎない研究を使用して確認することができる。そのような均等物は、本発明の範囲内にあると考えられ、請求項によりカバーされる。本明細書において言及される全ての刊行物は、本発明が関係する技術分野の当業者の技術水準を指し示す。
【0151】
全ての刊行物は、各々の個々の刊行物が参照により組み込まれることを特に及び個々に指し示されたのと同じ程度まで参照により本明細書に組み込まれる。
【0152】
請求項及び/又は本明細書中の用語「含む」と組み合わせて使用される場合の語「a」又は「an」の使用は、「1つ」を意味しうるが、「1つ又は複数」、「少なくとも1つ」及び「1つ又は1つより多く」の意味とも合致する。請求項中での用語「又は」の使用は、選択肢のみを指すことが明示的に指し示されるか又は選択肢が相互に排他的である場合を除いて「及び/又は」を意味するために使用され、但し、本開示は、選択肢のみ及び「及び/又は」を指す定義をサポートする。
【0153】
本出願の全体を通じて、用語「約」は、値が、後続する特色についての本来的な誤差の変動を含むことを指し示すために使用される。
【0154】
本明細書及び請求項において使用される場合、語「含む」(comprising)(並びに含むの任意の形態、例えば「含む」(comprise)及び「含む」(comprises))、「有する」(having)(並びに有するの任意の形態、例えば「有する」(have)及び「有する」(has)、「含む」(including)(並びに含むの任意の形態、例えば「含む」(includes)及び「含む」(include))、又は「含有する」(containing))(並びに含有するの任意の形態、例えば「含有する」(contains)及び「含有する」(contain))は、包含的又はオープンエンドであり、追加の、記載されていない要素又は方法工程を除外しない。
【0155】
用語「又はその組合せ」は、本明細書において使用される場合、該用語に先行する列記された項目の全ての順列及び組合せを指す。例えば、「A、B、C、又はその組合せ」は、A、B、C、AB、AC、BC、又はABC、及び、順序が特有の文脈において重要である場合にはまた、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、又はCABのうちの少なくとも1つを含むことが意図される。この例を続けて、1つ又は複数の項目又は用語の繰り返しを含有する組合せ、例えばBB、AAA、MB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、及びCABABB等が明示的に含まれる。当業者は、そうでないことが文脈から明らかである場合を除いて、任意の組合せ中の項目又は用語の数は典型的には限定されないことを理解する。
【0156】
本開示の任意の部分は、そうでないことが文脈から明らかである場合を除いて、本開示の任意の他の部分と組み合わせて読まれてもよい。
【0157】
本出願において開示及びクレームされる細胞、ポリペプチド、核酸及び方法の全ては、本開示に照らして過度の実験なしに製造及び実行されうる。本発明が好ましい実施形態の観点において記載されたが、バリエーションが、本明細書に記載される細胞、ポリペプチド、核酸及び/又は方法に対して並びに方法の工程又は工程の配列において本発明の概念、精神及び範囲から離れることなく適用されうることは当業者に明らかである。当業者に明らかな全てのそのような類似した代替及び改変は、添付の請求項により定義される本発明の精神、範囲及び概念内にあるとみなされる。
【0158】
本発明は、以下の番号付けされた条項において更に記載されうる。
1.そのゲノムがトランスフォーミング増殖因子ベータ3(TGFβ3)をコードする配列を含む、酵母細胞。
2.TGFβ3がヒトTGFβ3である、請求項1に記載の酵母細胞。
3.TGFβ3が配列番号4の核酸配列を含む、請求項1又は請求項2に記載の酵母細胞。
4.ピキア・パストリス細胞である、請求項1~3のいずれか一項に記載の酵母細胞。
5.プラスミドを使用して形質転換されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の酵母細胞。
6.プラスミドが、プロモーター、コーディング配列、及びターミネーターを含む、請求項5に記載の酵母細胞。
7.プラスミドがシグナルペプチドを追加的に含む、請求項6に記載の酵母細胞。
8.プロモーターがアルコールオキシダーゼI(AOX1)プロモーターである、請求項6又は請求項7に記載の酵母細胞。
9.プロモーターが配列番号5の核酸配列を含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の酵母細胞。
10.シグナルペプチドがアルファ接合因子シグナルペプチドである、請求項7~9のいずれか一項に記載の酵母細胞。
11.シグナルペプチドが配列番号6の核酸配列を含む、請求項7~10のいずれか一項に記載の酵母細胞。
12.ターミネーターがアルコールオキシダーゼI(AOX1)ターミネーターである、請求項6~11のいずれか一項に記載の酵母細胞。
13.ターミネーターが配列番号7の核酸配列を含む、請求項6~12のいずれか一項に記載の酵母細胞。
14.プラスミドが配列番号4~7の核酸配列を含む、請求項6~13のいずれか一項に記載の酵母細胞。
15.プラスミドが配列番号9の核酸配列を含む、請求項6~14のいずれか一項に記載の酵母細胞。
16.TGFβ3を発現する能力を有する酵母細胞。
17.ピキア・パストリス細胞である、請求項16に記載の酵母細胞。
18.請求項1~17のいずれか一項に記載の酵母細胞から得られた又は得ることができる、配列番号3のアミノ酸配列を含むポリペプチド。
19.TGFβ3ポリペプチドを製造する方法であって、TGFβ3をコードするプラスミドを用いて酵母細胞を形質転換する工程を含む、方法。
20.TGFβ3ポリペプチドを製造する方法であって、前記ポリペプチドの発現を可能とする条件下で請求項1~17のいずれか一項に記載の酵母細胞を培養する工程、及び任意選択で、発現されたポリペプチドを回収する工程を含む、方法。
21. i)酵母、任意選択でピキア・パストリス中での発現のためにTGFβ3ポリペプチドをコードする核酸を最適化する工程、ii) TGFβ3の発現について10個より多くのクローン、任意選択で少なくとも20個のクローンをスクリーニングする工程、及び/又はiii) HiBiTペプチドタグを用いて発現を検出する工程を更に含む、請求項20に記載の方法。
22.動物細胞を増殖させる方法であって、請求項18に記載のポリペプチドを含有する増殖培地中で動物細胞を培養する工程を含む、方法。
23.動物細胞増殖培地における請求項18に記載のポリペプチドの使用。
【0159】
本発明は、以下の非限定的な例示においてより詳細に記載される。
【実施例
【0160】
以下の実施例は本発明の実証において有用である。
【0161】
(実施例1)
プラスミドのアセンブリー
大腸菌(Escherichia coli)株DH5αを、記載される全てのDNAアセンブリー及び全ての他のクローニングのために使用した。大腸菌DH5α細胞を、225rpmでの振盪と共に、37℃のLB培地(トリプトン10g/l、酵母抽出物5g/l及びNaCl 5g/l)中で、又は37℃のLB寒天プレート(15g/lの細菌学的寒天を含有する)上で常法通りに増殖させた。LBに適宜カナマイシン(50μg/ml)又はクロラムフェニコール(25μg/ml)を補充した。化学コンピテント大腸菌DH5α細胞を形質転換のために常法通りに使用した。
【0162】
この研究において使用された以前にアセンブルされたプラスミドは、Obstら、「A Modular Toolkit for Generating Pichia pastoris Secretion Libraries」、ACS Synth. Biol.、2017年及びLeeら、「A Highly Characterized Yeast Toolkit for Modular, Multipart Assembly」、ACS Synth. Biol.、2015年において記載される通りである。
【0163】
プラスミドpGT86を5つの個々の部分:Paox1(pPTK001)、α-MF(pPTK005)、TGFβ3 CDS(pGT2)、6×His-tag-HiBiT(pMMp014)及びTaox1(pMMp010)から骨格pMMc002中へとアセンブルした。Taylorら、「Start-Stop Assembly: a functionally scarless DNA assembly system optimized for metabolic engineering」、Nucleic Acids Res.、2019年に記載されるようにGolden Gate反応を行った。10μlのpGT86 Golden Gateアセンブリー反応液を用いて化学コンピテント大腸菌細胞の形質転換を行った。形質転換体コロニーのプラスミドを精製し、配列を検証した。
【0164】
TGFβ3 CDS(pGT2)、6×His-tag-HiBiT(pMMp014)及びTaox1(pMMp010)をレベル0貯蔵プラスミドpYTK001中に貯蔵した。
【0165】
ヒトトランスフォーミング増殖因子ベータアイソフォーム3(TGFβ3)のコーディング配列(配列番号4)を、TWIST Biosciencesソフトウェアを使用して(通常のプラクティスのように、その由来となる宿主のために最適化するのではなく)ピキア・パストリスのためにコドン最適化し、TWIST Biosciencesにより合成した。Leeら、「A Highly Characterized Yeast Toolkit for Modular, Multipart Assembly」、ACS Sythn Biol.、2015年により記載される条件を使用してGolden Gate反応液中で合成DNAをpYTK001と直接的に混合した。結果的な反応混合物を用いて大腸菌を形質転換した。形質転換体コロニーのプラスミド(pGT2)を精製し、配列を検証した。
【0166】
Taylorらに記載されるように、オリゴヌクレオチドの相補的なペア、oBM37及びoBM38(配列は下記に示す)をアニールさせることによりタグを生成した。Leeらにより記載される条件を使用してGolden Gate反応液中で結果的な二本鎖DNAをpYTK001と混合した。結果的な反応混合物を用いて大腸菌を形質転換した。形質転換体コロニーのプラスミド(pMMp014)を精製し、配列を検証した。
【0167】
TWIST Biosciencesを使用してターミネーターTaox1のDNA配列を合成した。Leeらにより記載される条件を使用してGolden Gate反応液中で合成DNAをpYTK001と直接的に混合した。結果的な反応混合物を用いて大腸菌を形質転換した。形質転換体コロニーのプラスミド(pMMp010)を精製し、配列を検証した。
【0168】
oBM37(配列番号10)
【0169】
【化4】
【0170】
oBM38(配列番号11)
【0171】
【化5】
【0172】
Leeらにより記載される反応条件を使用してGolden Gateアセンブリーを介してpYTK002、pYTK047、pYTK072、pYTK080及びpYTK084を使用してpMMc002をアセンブルした。結果的な反応混合物を用いて大腸菌を形質転換した。形質転換体コロニーのプラスミド(pMMc002)を精製し、配列を検証した。
【0173】
結果的なプラスミドを図1A及び図1Bに示す。
【0174】
(実施例2)
ピキア・パストリスの形質転換
ピキア・パストリス株CBS7435をトランスフォーミング増殖因子ベータアイソフォーム3(TGFβ3)の発現のために使用した。P.パストリス細胞を、225rpmでの振盪と共に、30℃のYPD培地(1%酵母抽出物、2%ペプトン、2%デキストロース)中で、又は30℃のYPD寒天プレート(15g/lの細菌学的寒天を含有する)上で常法通りに増殖させた。YPDに適宜ゼオシン(100μg/ml)を補充した。
【0175】
製造者の指示書の通りにPmeI(NEB社)を使用して1000μgのpGT86を線状化した。QIAquick Gel Extraction kit(Qiagen社)を使用してゲル精製により、線状化されたpGT86をクリーンアップした。Lin-Cereghino, Jら、「Condensed protocol for competent cell preparation and transformation of the methylotrophic yeast Pichia pastoris」、Biotechniques、2005年に記載されるようにエレクトロポレーションのための凝縮プロトコールを使用して100μgの線状化されたpGT86を用いてP.パストリス細胞を形質転換した。
【0176】
(実施例3)
TGFβ3の発現
P.パストリスタンパク質発現を緩衝化デキストロース/メタノール複合培地(BMDY/BMMY; 1%酵母抽出物、2%ペプトン、100mMリン酸カリウム(pH6.0)、1.34%酵母窒素塩基、4×10-5%ビオチン、2%デキストロース又は0.5%メタノール)中で実行した。
【0177】
P.パストリス中でのタンパク質発現のハイスループットスクリーニングのために、300μlの培地を含有する無菌通気性密閉フィルム(Breathe Easier、Sigma Aldrich社)で密閉された深底96ウェルプレートを使用した。より大きいスケールの発現のために、100mlの培地を含有する500mlバッフル付き振盪フラスコを使用した。P.パストリスの単離された形質転換体クローンを使用して、ゼオシンを補充したYPDへの接種を行い、30℃、225rpmで24時間増殖させた。培養物を、ゼオシンを補充したBMDY中に1:100で希釈し、30℃、225rpmで24時間増殖させた。インキュベーション後に、細胞を4000rpmで5分間ペレット化し、上清を除去し、新鮮なBMMY培地を加えてタンパク質発現を誘導した。培養物を30℃、225rpmで48時間インキュベートし、24時間時に培養物にメタノール(100%)を最終濃度0.5%v/vまで補充した。インキュベーション後に、培養物を4000rpmで5分間ペレット化し、上清をタンパク質発現アッセイのために収集した。
【0178】
トリクロロ酢酸(100%)を上清に10%の最終濃度まで加えた。上清を-20℃で15分間インキュベートした後に、タンパク質沈殿物を10,000g、4℃で15分間ペレット化した。ペレットをアセトン(100%)で2回洗浄し、次に空気乾燥させた。洗浄されたペレットをTris-HCl(50mM、pH8)中の1/10の上清体積中に再懸濁した。
【0179】
100μlの上清をDot Blotter装置(Wolflabs社)の個々のウェルにロードした。真空を適用してタンパク質をニトロセルロース膜(Amersham社)上に転写させた。マウス抗HiBiT一次抗体(CS2006A01)の1:1000希釈液、続いてホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)共役抗マウス二次抗体(W4021)の1:2500希釈液を使用してTGFβ3を検出した。ECL Western Blotting Substrate(Promega W1001)を使用してドットを観察した。
【0180】
還元性SDS試料緩衝液(50mM DTTを補充した4×Laemmliタンパク質試料緩衝液)中で10分間煮沸することにより20μlの試料(上清又は濃縮された上清)を変性させた。予備染色されたタンパク質ラダー(10~250kDa、PageRuler、Thermo Scientific社)を使用して分子量を概算した。12% Surepageプレキャストゲル(GenScript社)を使用してドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)によりタンパク質を分解した。ウェット/タンクブロッティングシステム(Bio Rad社;100V、1時間、4℃)を使用してタンパク質をニトロセルロース膜(Amersham社)に固定した。マウス抗HiBiT一次抗体(Promega CS2006A01)の1:1000希釈液、続いてホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)共役抗マウス二次抗体(Promega W4021)の1:2500希釈液を使用してTGFβ3を検出した。ECL Western Blotting Substrate(Promega W1001)を使用してドットを観察した。
【0181】
この実験プロトコールにおいて、通常のプラクティス(Invitrogen Pichia Expression Kitのマニュアルにより推奨されるように6~10個のクローンが検証される)とは異なり、我々は50より多くの形質転換体クローンをスクリーニングした。スクリーニングされたクローンの6.25%のみがTGFβ3を発現したのでこれは意義深いものであった。
【0182】
結果を図2及び図3に示す。
【0183】
図2及び図3に見られるように、アッセイされた両方のコロニー(c3及びc25)について、TGFβ3の発現が見られ、ピキア・パストリスにおける成功裏の組込み及び発現が達成されたことを示している。
【0184】
クローンの3.4%はTGFβ3を発現する。
【0185】
TGFβ3コロニーc3はウエスタンブロット上で最も強いバンドを与えたので(図3)、TGFβ3コロニーc3について濃度を評価した。定量的なドットブロットを可能にするために較正曲線を使用してTGFβ3濃度を確立した。既知のタンパク質濃度に対してドット強度をプロットすることにより較正曲線を生成した。ImageJを使用してドット強度を測定した。(ImageJを使用して)TGFβ3 c3ドットの強度を測定し、濃度を確立するために較正曲線に対してy=mx+cを使用して比較した。
【0186】
TGFβ3の濃度は8.49mg/Lであった。
【0187】
(実施例4)
プラスミドのアセンブリー2
大腸菌株DH5αを、記載される全てのDNAアセンブリー及び全ての他のクローニングのために使用した。大腸菌DH5α細胞を、225rpmでの振盪と共に、37℃のLB培地(トリプトン10g/l、酵母抽出物5g/l及びNaCl 5g/l)中で、又は37℃のLB寒天プレート(15g/lの細菌学的寒天を含有する)上で常法通りに増殖させた。LBに適宜カナマイシン(50μg/ml)又はクロラムフェニコール(25μg/ml)を補充した。LBに適宜カナマイシン(50μg/ml)又はクロラムフェニコール(25μg/ml)を補充した。化学コンピテント大腸菌DH5α細胞を形質転換のために常法通りに使用した。
【0188】
この研究において使用された以前にアセンブルされたプラスミドは、Obstら、「A Modular Toolkit for Generating Pichia pastoris Secretion Libraries」、ACS Synth. Biol.、2017年及びLeeら、「A Highly Characterized Yeast Toolkit for Modular, Multipart Assembly」、ACS Synth. Biol.、2015年において記載される通りである。
【0189】
プラスミドpBM64(配列番号16)を5つの個々の部分:Paox1(pPTK001)、α-MF(pPTK005)、TGFβ3 CDS2(pGT102)、TEV_His_Tag_Linker及びTaox1(pMMp010)から骨格pMMc002中へとアセンブルした。Taylorら、「Start-Stop Assembly: a functionally scarless DNA assembly system optimized for metabolic engineering」、Nucleic Acids Res.、2019年に記載されるようにGolden Gate反応を行った。10μlのpBM64 Golden Gateアセンブリー反応液を用いて化学コンピテント大腸菌細胞の形質転換を行った。形質転換体コロニーのプラスミドを精製し、配列を検証した。
【0190】
プラスミドpBM65(配列番号17)を5つの個々の部分:Paox1(pPTK001)、α-MF(pPTK005)、TGFβ3 CDS3(pGT103)、TEV_His_Tag_Linker及びTaox1(pMMp010)から骨格pMMc002中へとアセンブルした。Taylorら、「Start-Stop Assembly: a functionally scarless DNA assembly system optimized for metabolic engineering」、Nucleic Acids Res.、2019年に記載されるようにGolden Gate反応を行った。10μlのpPM65 Golden Gateアセンブリー反応液を用いて化学コンピテント大腸菌細胞の形質転換を行った。形質転換体コロニーのプラスミドを精製し、配列を検証した。
【0191】
TGFβ3 CDS2(pGT102)をレベル0貯蔵プラスミドpYTK001中に貯蔵した。
【0192】
TGFβ3 CDS3(pGT103)をレベル0貯蔵プラスミドpYTK001中に貯蔵した。
【0193】
ヒトトランスフォーミング増殖因子ベータアイソフォーム3(TGFβ3)をコードするコーディング配列(CDS2及びCDS3)を、(通常のプラクティスのように、その由来となる宿主のために最適化するのではなく)ピキア・パストリス中での発現のためにコドン最適化した。GeneARTソフトウェア(Thermo Fisher Scientific社)を使用してTGFβ3 CDS2(配列番号12)をコドン最適化した。OPTIMIZER one AA - 1つのコドン方法論(http://genomes.urv.es/OPTIMIZER/)を使用してTGFβ3 CDS3(配列番号13)をコドン最適化した。DNA合成をTWIST Biosciencesにより実行した。Leeら、「A Highly Characterized Yeast Toolkit for Modular, Multipart Assembly」、ACS Sythn Biol.、2015年により記載される条件を使用してGolden Gate反応液中で合成DNAをpYTK001と直接的に混合した。結果的な反応混合物を用いて大腸菌を形質転換した。形質転換体コロニーのプラスミドを精製し、配列を検証した。
【0194】
Taylorら、2019年に記載されるように、オリゴヌクレオチドの相補的なペアをアニールさせることによりタグを生成した。TEV_His_Tag_Linker(配列番号18)がoGT44及びoGT45(配列は下記に示す)のアニーリングの結果としてもたらされた。結果的な二本鎖DNAタグを直接的にGolden Gate反応において使用した。
【0195】
oGT44(配列番号14)
ATCCGAAAACCTTTATTTTCAAGGTCATCATCACCACCATCATTAA
【0196】
oGT45(配列番号15)
GCCATTAATGATGGTGGTGATGATGACCTTGAAAATAAAGGTTTTC
【0197】
実施例1において上記されるようにTaox1を合成し、実施例1において記載されるようにpMMc002をアセンブルした。
【0198】
結果的なプラスミド(pBM64及びpBM65)を図4A~4Dに示す。
【0199】
(実施例5)
ピキア・パストリスの形質転換2
ピキア・パストリス株CBS7435をトランスフォーミング増殖因子ベータアイソフォーム3(TGFβ3)の発現のために使用した。P.パストリス細胞を、225rpmでの振盪と共に、30℃のYPD培地(1%酵母抽出物、2%ペプトン、2%デキストロース)中で、又は30℃のYPD寒天プレート(15g/lの細菌学的寒天を含有する)上で常法通りに増殖させた。YPDに適宜ゼオシン(100μg/ml)を補充した。
【0200】
製造者の指示書の通りにPmeI(NEB社)を使用して1000μgの各々のプラスミド(pBM64及びpBM65)を線状化した。QIAquick Gel Extraction kit(Qiagen社)を使用してゲル精製により、線状化されたプラスミドをクリーンアップした。Lin-Cereghino, Jら、「Condensed protocol for competent cell preparation and transformation of the methylotrophic yeast Pichia pastoris」、Biotechniques、2005年に記載されるようにエレクトロポレーションのための凝縮プロトコールを使用して100μgの線状化されたプラスミドを用いてP.パストリス細胞を形質転換した。
【0201】
(実施例6)
TGFβ3の発現2
各々のプラスミドを使用したP.パストリスタンパク質発現を緩衝化デキストロース/メタノール複合培地(BMDY/BMMY; 1%酵母抽出物、2%ペプトン、100mMリン酸カリウム(pH6.0)、1.34%酵母窒素塩基、4×10-5%ビオチン、2%デキストロース又は0.5%メタノール)中で実行した。
【0202】
P.パストリス中でのタンパク質発現のハイスループットスクリーニングのために、300μlの培地を含有する無菌通気性密閉フィルム(Breathe Easier、Sigma Aldrich社)で密閉された深底96ウェルプレートを使用した。より大きいスケールの発現のために、100mlの培地を含有する500mlバッフル付き振盪フラスコを使用した。P.パストリスの単離された形質転換体クローンを使用して、ゼオシンを補充したYPDへの接種を行い、30℃、225rpmで24時間増殖させた。培養物を、ゼオシンを補充したBMDY中に1:100で希釈し、30℃、225rpmで24時間増殖させた。インキュベーション後に、細胞を4000rpmで5分間ペレット化し、上清を除去し、新鮮なBMMY培地を加えてタンパク質発現を誘導した。培養物を30℃、225rpmで48時間インキュベートし、24時間時に培養物にメタノール(100%)を最終濃度0.5%v/vまで補充した。インキュベーション後に、培養物を4000rpmで5分間ペレット化し、上清をタンパク質発現アッセイのために収集した。
【0203】
トリクロロ酢酸(100%)を上清に10%の最終濃度まで加えた。上清を-20℃で15分間インキュベートした後に、タンパク質沈殿物を10,000g、4℃で15分間ペレット化した。ペレットをアセトン(100%)で2回洗浄し、次に空気乾燥させた。洗浄されたペレットをTris-HCl(50mM、pH8)中の1/10の上清体積中に再懸濁した。
【0204】
100μlの上清をDot Blotter装置(Wolflabs社)の個々のウェルにロードした。真空を適用してタンパク質をニトロセルロース膜(Amersham社)上に転写させた。マウス抗HiBiT一次抗体(CS2006A01)の1:1000希釈液、続いてホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)共役抗マウス二次抗体(W4021)の1:2500希釈液を使用してTGFβ3を検出した。ECL Western Blotting Substrate(Promega W1001)を使用してドットを観察した。
【0205】
還元性SDS試料緩衝液(50mM DTTを補充した4×Laemmliタンパク質試料緩衝液)中で10分間煮沸することにより20μlの試料(上清又は濃縮された上清)を変性させた。予備染色されたタンパク質ラダー(10~250kDa、PageRuler、Thermo Scientific社)を使用して分子量を概算した。12% Surepageプレキャストゲル(GenScript社)を使用してドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)によりタンパク質を分解した。ウェット/タンクブロッティングシステム(Bio Rad社;100V、1時間、4℃)を使用してタンパク質をニトロセルロース膜(Amersham社)に固定した。マウス抗HiBiT一次抗体(Promega CS2006A01)の1:1000希釈液、続いてホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)共役抗マウス二次抗体(Promega W4021)の1:2500希釈液を使用してTGFβ3を検出した。ECL Western Blotting Substrate(Promega W1001)を使用してドットを観察した。
【0206】
この実験プロトコールにおいて、通常のプラクティス(Invitrogen Pichia Expression Kitのマニュアルにより推奨されるように6~10個のクローンが検証される)とは異なり、我々は50より多くの形質転換体クローンをスクリーニングした。スクリーニングされたクローンの6.25%のみがTGFβ3を発現したのでこれは意義深いものであった。
【0207】
結果を図5及び図6に示す。
【0208】
図5及び図6に見られるように、TGFβ3の発現が見られ、ピキア・パストリスにおける成功裏の組込み及び発現が達成されたことを示している。
【0209】
pBM64(図5)について、クローンの25.9%はTGFβ3を発現する。pBM65(図6)について、クローンの37.8%はTGFβ3を発現する。
【0210】
(実施例7)
液体PTVA
TGFβ3タンパク質濃度を更に増加させるために、液体形質転換後ベクター増幅(post-transformational vector amplification; PTVA)を使用した。液体PTVAは、典型的には抗生物質濃度を介して、ピキア株に増加性の選択圧力を適用して、関心対象の遺伝子の他に抗生物質マーカーを含有する挿入された外来DNAのより多くのコピーを生成する。より高い濃度で生存するクローンは、増加した抗生物質濃度に順応するために抗生物質マーカーの複数のコピー、及び従って、増加したタンパク質濃度に繋がる関心対象の遺伝子の複数のコピーを典型的には有する。
【0211】
ピキア株BM65c56(BM102)(図6)を液体PTVAのための親クローンとして選択し、液体PTVAは、Aw, R及びPolizzi, K、「Liquid PTVA: a faster and cheaper alternative for generating multi-copy clones in Pichia pastoris」に記載されるように行った。
【0212】
結果を図7に示す。
【0213】
クローンc5は非常に強いドット強度を与えた(図7)ので(実施例6において上記されるように)クローンc5(図7)の発現を100mlにスケールアップし、ウエスタンブロットを使用してタンパク質を可視化し(図8)、製造者の指示書に従ってHis Tag ELISA Detection Kit(GenScript社)を使用して定量化した。
【0214】
TGFβ3の濃度は17mg/Lであった。
【0215】
配列
【0216】
【表1A】
【0217】
【表1B】
【0218】
【表1C】
【0219】
【表1D】
【0220】
【表1E】
【0221】
【表1F】
【0222】
【表1G】
【0223】
【表1H】
【0224】
【表1I】
【0225】
【表1J】
【0226】
【表1K】
【0227】
【表1L】
【0228】
【表1M】
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7
図8
【配列表】
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【国際調査報告】