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  • -3次元顔スキャンデータの生成方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-24
(54)【発明の名称】3次元顔スキャンデータの生成方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 19/04 20060101AFI20250314BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20250314BHJP
   G06T 17/20 20060101ALI20250314BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20250314BHJP
   A61B 5/107 20060101ALI20250314BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20250314BHJP
【FI】
A61C19/04 Z
G06T7/00 612
G06T7/00 660A
G06T17/20
A61B10/00 E
A61B5/107 110
A61B5/00 G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543114
(86)(22)【出願日】2023-03-21
(85)【翻訳文提出日】2024-07-18
(86)【国際出願番号】 KR2023003695
(87)【国際公開番号】W WO2023182755
(87)【国際公開日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0035664
(32)【優先日】2022-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524271184
【氏名又は名称】レイ カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】RAY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】12F, 221 Pangyoyeok-ro Bundang-gu, Seongnam-si Gyeonggi-do 13494, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【弁理士】
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 香子
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】リー、サン チュル
(72)【発明者】
【氏名】シン、スン ホン
【テーマコード(参考)】
4C038
4C052
4C117
5L096
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB03
4C038VC05
4C038VC20
4C052AA06
4C052NN02
4C052NN03
4C052NN04
4C052NN15
4C117XB01
4C117XD04
4C117XE43
4C117XG13
4C117XK04
4C117XK09
5L096AA09
5L096BA06
5L096CA05
5L096EA14
(57)【要約】
【課題】本発明は、3次元顔スキャンデータの生成方法に関するものである。
【解決手段】本発明に係る3次元顔スキャンデータの生成方法は、患者の顔を撮影した顔イメージを獲得するステップと、前記顔イメージから顔3Dデータを生成するステップと、前記患者の歯部位を撮影した歯部位イメージを獲得するステップと、前記歯部位イメージから歯部位3Dデータを生成するステップと、前記顔イメージ又は前記顔3Dデータに対する歯領域コンターを抽出するステップと、前記歯部位3Dデータから前記歯領域コンターに対応する歯領域コンター3Dデータを分離させて獲得するステップと、前記顔3Dデータに前記歯領域コンター3Dデータを整列させて挿入するステップと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の顔を撮影した顔イメージを獲得するステップと、
前記顔イメージから顔3Dデータを生成するステップと、
前記患者の歯部位を撮影した歯部位イメージを獲得するステップと、
前記歯部位イメージから歯部位3Dデータを生成するステップと、
前記顔イメージ又は前記顔3Dデータに対する歯領域コンターを抽出するステップと、
前記歯部位3Dデータから前記歯領域コンターに対応する歯領域コンター3Dデータを分離させて獲得するステップと、
前記顔3Dデータに前記歯領域コンター3Dデータを整列させて挿入するステップと、を含むことを特徴とする、3次元顔スキャンデータの生成方法。
【請求項2】
前記患者の歯部位を撮影した歯部位イメージを獲得する前記ステップは、
複数の方向から歯部位を撮影して、複数個の歯部位部分イメージを獲得するステップを含み、
前記歯部位イメージから歯部位3Dデータを生成する前記ステップは、
前記複数個の歯部位部分イメージから複数個の歯部位部分3Dデータを生成するステップと、
前記複数個の歯部位部分3Dデータを整列させ、歯部位の全体に対する歯部位3Dデータを生成するステップと、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の3次元顔スキャンデータの生成方法。
【請求項3】
前記顔3Dデータに前記歯領域コンター3Dデータを整列させて挿入する前記ステップは、
前記顔3Dデータから前記歯領域コンター部分のデータを除去するステップと、
前記顔3Dデータの前記歯領域コンター部分に前記歯領域コンター3Dデータを整列させて挿入するステップと、を含むことを特徴とする、請求項2に記載の3次元顔スキャンデータの生成方法。
【請求項4】
顔の既定の部位に対する補助部位3Dデータを生成するステップと、
前記顔3Dデータに前記補助部位3Dデータを整列させて挿入するステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項3に記載の3次元顔スキャンデータの生成方法。
【請求項5】
前記顔イメージ、前記顔3Dデータ、前記歯部位イメージ及び前記歯部位3Dデータは、構造化光パターンを前記患者の顔又は歯部位に投射した状態で獲得されることを特徴とする、請求項1に記載の3次元顔スキャンデータの生成方法。
【請求項6】
前記顔イメージ又は前記顔3Dデータに対する歯領域コンターを抽出する前記ステップは、
前記顔イメージ又は前記顔3Dデータから顔ランドマークを認識するステップと、
前記顔ランドマークに基づいて、前記顔イメージ又は前記顔3Dデータに対する歯領域コンターを抽出するステップと、をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の3次元顔スキャンデータの生成方法。
【請求項7】
コンピュータにより請求項1乃至6のいずれか一項に記載の3次元顔スキャンデータの生成方法を実行させるために、保存媒体に保存されたコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に人の3次元顔スキャンデータを生成する技術に関する。
【0002】
特に、本発明は、構造化光(structured light)パターンが投射された顔及び歯部位を各々撮影して、顔及び歯部位に対する3Dデータを個別的に獲得し、顔ランドマーク(face landmarks)により歯領域コンター(contour)を抽出した後、歯部位3Dデータから分離させて獲得した歯領域コンター3Dデータを顔3Dデータに整列させて挿入する3次元顔スキャンデータの生成技術に関する。
【背景技術】
【0003】
従来では、審美歯科治療などのために、患者の顔を立体的にスキャンして、3次元顔スキャンデータを得る必要があった。例えば、歯列矯正を行う際に、歯列を矯正する過程に応じて、顔の表情の様子がどのように変化していくかを予めシミュレーションするためには、患者の顔に対する次元顔スキャンデータが必要である。
【0004】
このために、Bellus3Dのように、患者の顔の全体を一度に立体的に撮影できる専用装備が使用された。こうした専用装備は、高価であるとともに、顔の全体を一度に撮影することにより歯部位に対する3Dデータを精密に獲得し難いので、歯科分野で使用するのに不適切である。
【0005】
一方、Face Hunterのように、患者の顔をスキャンする装備を試みることもできるが、こうした装備も顔を一度のスキャンにより撮影するので、歯部位のデータを精密に獲得し難いという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国公開特許10-2020-0014645号(2020.02.11)「口腔内スキャニングを用いた歯科インプラント用義歯の製造方法」
【特許文献2】大韓民国公開特許10-2022-0023914(2022.03.03)「歯科用スキャンボディ」
【特許文献3】大韓民国登録特許10-1176770号(2012.08.17)「歯科用3次元スキャナー及びこれを用いたスキャニング方法」
【特許文献4】大韓民国登録特許10-2334519号(2021.11.30)「歯科用3次元スキャンデータの簡素化したフェースランドマーク自動検出方法」
【特許文献5】大韓民国登録特許10-1744079号(2017.05.31)「歯科手術のシミュレーションのための顔モデル生成方法」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、一般的に人の3次元顔スキャンデータを生成する技術を提供することにある。
【0008】
特に、本発明の目的は、構造化光パターンが投射された顔及び歯部位を各々撮影して、顔及び歯部位に対する3Dデータを個別的に獲得し、顔ランドマークにより歯領域コンターを抽出した後、歯部位3Dデータから分離させて獲得した歯領域コンター3Dデータを顔3Dデータに整列させて挿入する3次元顔スキャンデータの生成技術を提供することにある。
【0009】
一方、本発明の解決課題は、これらの事項に制限されず、本明細書の記載から他の解決課題を理解するべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明に係る3次元顔スキャンデータの生成方法は、患者の顔を撮影した顔イメージを獲得するステップと、前記顔イメージから顔3Dデータを生成するステップと、前記患者の歯部位を撮影した歯部位イメージを獲得するステップと、前記歯部位イメージから歯部位3Dデータを生成するステップと、前記顔イメージ又は前記顔3Dデータに対する歯領域コンターを抽出するステップと、前記歯部位3Dデータから前記歯領域コンターに対応する歯領域コンター3Dデータを分離させて獲得するステップと、前記顔3Dデータに前記歯領域コンター3Dデータを整列させて挿入するステップとを含む。
【0011】
前述した3次元顔スキャンデータの生成方法において、前記患者の歯部位を撮影した歯部位イメージを獲得する前記ステップは、複数の方向から歯部位を撮影して複数個の歯部位部分イメージを獲得するステップを含み、前記歯部位イメージから歯部位3Dデータを生成する前記ステップは、前記複数個の歯部位部分イメージから複数個の歯部位部分3Dデータを生成するステップと、前記複数個の歯部位部分3Dデータを整列させて歯部位の全体に対する歯部位3Dデータを生成するステップとを含む。
【0012】
前述した3次元顔スキャンデータの生成方法において、前記顔3Dデータに前記歯領域コンター3Dデータを整列させて挿入する前記ステップは、前記顔3Dデータから前記歯領域コンター部分のデータを除去するステップと、前記顔3Dデータの前記歯領域コンター部分に前記歯領域コンター3Dデータを整列させて挿入するステップとを含む。
【0013】
前述した3次元顔スキャンデータの生成方法において、前記方法は、顔の既定の部位に対する補助部位3Dデータを生成するステップと、前記顔3Dデータに前記補助部位3Dデータを整列させて挿入するステップとをさらに含む。
【0014】
前述した3次元顔スキャンデータの生成方法において、前記顔イメージ、前記顔3Dデータ、前記歯部位イメージ及び前記歯部位3Dデータは、構造化光パターンを前記患者の顔又は歯部位に投射した状態で獲得される。
【0015】
前述した3次元顔スキャンデータの生成方法において、前記顔イメージ又は前記顔3Dデータに対する歯領域コンターを抽出する前記ステップは、前記顔イメージ又は前記顔3Dデータから顔ランドマークを認識するステップと、前記顔ランドマークに基づいて、前記顔イメージ又は前記顔3Dデータに対する歯領域コンターを抽出するステップとをさらに含む。
【0016】
一方、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに上述のような3次元顔スキャンデータの生成方法を実行させるために、非一時的なコンピュータ読み取り可能な保存媒体に保存されたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、比較的低価の装備を介して、高解像度の歯データが含まれた3次元顔スキャンデータを生成できるので、多様な分野(例:審美歯科治療)に効率よく補助できるというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る3次元顔スキャンシステムを示す図である。
図2】本発明に係る3次元顔スキャンデータの生成方法を示すフローチャートである。
図3】本発明に係る顔及び歯部位に構造化光パターンをプロジェクションし、カメラで撮影したイメージの一例を示す図である。
図4】本発明に係る顔及び歯部位の3Dデータを概念的に示す図である。
図5】本発明に係る顔及び歯部位の3Dデータを整列させる概念を示す図である。
図6】本発明に係る顔イメージから顔ランドマーク及び歯領域コンターを抽出する概念を示す図である。
図7】本発明に係る歯部位3Dデータから歯領域コンター3Dデータを分離させて獲得する概念を示す図である。
図8】本発明に係る顔3Dデータから歯領域コンター部分を除去し、歯領域コンター3Dデータを整列させて挿入する概念を示す図である。
図9】本発明に係る3次元顔スキャンシステムの他の実施例を示す図である。
図10】本発明に係る3次元顔スキャンデータの生成方法の他の実施例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る3次元顔スキャンシステム(3D Face Scan System)を示す図である。
【0021】
図1を参照すれば、3次元顔スキャンシステムは、構造化光プロジェクター101、顔撮影カメラ102、歯撮影カメラ103、104及びデータ処理装置200からなる。こうした構成要素等は、個別装置として具現化してもよく、全部又は一部を一体として具現化してもよい。
【0022】
まず、構造化光プロジェクター101は、構造化光(structured light)パターンを生成して、図3に示すように、患者の顔(A)に構造化光パターンを投射(プロジェクション)するための装置である。ただし、構造化光の代りに、ステレオカメラを利用したり、飛行時間(Time of Flight)を利用したりするなど、他の方式を利用することもできる。
【0023】
顔撮影カメラ102は、患者の顔(A)を撮影して、図3の(a)のような顔イメージを獲得するための装置である。このとき、患者の顔(A)の撮影は、 患者の顔(A)に構造化光パターンが投射されている状態で遂行される。また、 患者の顔(A)の撮影は、患者の顔の前面、左右側面、下側、上側の少なくとも一つの位置で遂行され得るが、これに限定されるものではない。
【0024】
歯撮影カメラ103、104は、患者の顔(A)の歯部位を撮影して、図3の(b)、(c)のような歯部位イメージを獲得するための装置である。このとき、患者の顔(A)に構造化光パターンが投射されている状態で患者の顔の歯部位を撮影できる。
【0025】
本発明では、顔を撮影するための顔撮影カメラ102と、歯部位を集中的に撮影するための歯撮影カメラ103、104とを分離させて構成する。このとき、歯撮影カメラ103、104は、一つのみを備えてもよいが、多様な方向から患者の歯部位を撮影して複数個の歯部位イメージを獲得できるように、複数個を備えることが望ましい。図1には2個の歯撮影カメラ103、104が備えられた実施例を示す。この場合には、複数のカメラ103、104の全てから見える部分、及び、一部のカメラ(103又は104)のみから見える部分が存在し、これらを整合させて合成することで、3次元データの正確度を高めることができる。
【0026】
データ処理装置200は、顔撮影カメラ102が獲得した顔イメージ、歯撮影カメラ103、104が獲得した歯部位イメージを提供され、図2又は図10に示すデータ処理プロセスを介して、3次元顔スキャンデータを生成する装置である。
【0027】
図2は、本発明に係る3次元顔スキャンデータの生成方法を示すフローチャートである。
【0028】
ステップS110、S120:まず、構造化光プロジェクター101により、患者の顔(A)に既定の構造化光(structured light)パターンが投射されている状態で、顔撮影カメラ102を用いて図3の(a)のような患者の顔を撮影した顔イメージを獲得する。
【0029】
その後、構造化光パターンが形成されている顔イメージから図4の(a)のような顔3Dデータを生成する。構造化光パターンにより顔の立体的な様子を把握できるので、3Dデータを生成できる。構造化光パターンが投射された物体のイメージから3Dデータを獲得する技術は、公知の技術であるので、これに関する具体的な説明は省略する。
【0030】
ステップS130、S140:また、構造化光プロジェクター101により、患者の顔(A)に既定の構造化光パターンが投射されている状態で、歯撮影カメラ103、104を用いて図3の(b)、(c)のような患者の歯部位を撮影した歯部位イメージを獲得する。このとき、顔イメージのための構造化光パターン及び歯部位イメージのための構造化光パターンは、同一又は異なることができる。
【0031】
以後、構造化光パターンが形成されている歯部位イメージから図4の(b)、(c)のような歯部位3Dデータを生成する。歯領域のイメージを比較してみれば、図3の(a)の顔イメージに含まれた歯領域に比べて、図3の(b)、(c)の歯部位イメージがより高解像度である。これによる当然の結果として、図4の(a)の顔3Dデータに含まれた歯領域の3Dデータに比べて、図4の(b)、(c)の歯部位3Dデータがより精密である。
【0032】
図1に示すように、歯撮影カメラ103、104が複数個備えられ、S130において複数の方向から歯部位を撮影して、複数個の歯部位イメージを獲得するように構成されることが望ましい。このとき、S140は、構造化光パターンが形成された図3の(b)、(c)のような複数個の歯部位イメージから、図4の(b)、(c)のような複数個の歯部位部分3Dデータを生成し、これらの複数個の歯部位部分3Dデータを整列させ、患者の歯部位の全体に対する歯部位3Dデータを生成するように構成できる。
【0033】
複数の歯撮影カメラ103、104から共通的に見える部分と、個別の歯撮影カメラ(103又は104)のみから見える部分とが存在するので、これらを整列させて合成することで、患者の歯部位に対して正確かつ精密な高解像度の3Dデータが得られる。
【0034】
図5は、本発明に係る顔及び歯部位の3Dデータを整列させる概念を示す図である。図5の(a)は、図4の(b)、(c)の歯部位部分3Dデータの2個を整列させて歯部位3Dデータを生成した例を示すものであり、図5の(b)は、そのような歯部位3Dデータを顔3Dデータに整列させた例を示すものである。
【0035】
ステップS150、S160:続いて、顔に対して顔ランドマーク(face landmarks)を認識し、このような顔ランドマークに基づいて、顔に対して歯領域コンター(teeth zone contour)を抽出する。こうした過程は、図3の(a)のような顔イメージに対して遂行してもよく、図4の(a)のような顔3Dデータから遂行してもよい。
【0036】
図6は、図3の(a)のような顔イメージから顔ランドマーク及び歯領域コンターを抽出する概念を示す図である。顔ランドマークの概念及び顔イメージから顔ランドマークを抽出する技術は、公知の技術であるので、これに関する具体的な説明は省略する。例えば、グーグル検索(Google search)において、キーワードを「face landmark detection」として入力すれば、公知の多様な技術が得られる。そして、歯領域コンターは、顔において歯領域の境界線に該当するものであって、図6では唇境界線を歯領域コンターとした。
【0037】
一方、歯領域コンターを抽出するために、顔ランドマークを用いることは一例に過ぎず、その他に人工知能に基づいたオブジェクト認識アルゴリズムを用いる等、他の方式を用いることもできるが、これに限定されるものではない。
【0038】
ステップS170:S140において生成した歯部位3Dデータ(例:図5の(a)の歯部位3Dデータ)から、S160において抽出した歯領域コンターに対応する歯領域コンター3Dデータを分離させて獲得する。図7は、本発明に係る歯部位3Dデータから歯領域コンターに沿って歯領域コンター3Dデータを分離させて獲得する概念を示す図である。
【0039】
ステップS180:続いて、S120において獲得した顔3Dデータに、S170において分離させて獲得した歯領域コンター3Dデータを整列させて挿入し、3次元顔スキャンデータを獲得する。図8は、本発明に係る顔3Dデータに歯領域コンター3Dデータを整列させて挿入する概念を示す図である。図8の(b)に示すように、患者の顔の全般的な領域を取り扱う顔3Dデータに比べて、歯領域コンターに関する歯領域コンター3Dデータが相対的により高解像度の3Dデータである。
【0040】
このとき、顔3Dデータにすぐに歯領域コンター3Dデータをオーグメンテーション(augmentation)することもできるが、図8の(a)のように顔3Dデータから歯領域コンター部分のデータを除去した後、図8の(b)のように顔3Dデータの歯領域コンター部分に歯領域コンター3Dデータを整列させて挿入する方式により具現化できる。
【0041】
図9は、本発明に係る3次元顔スキャンシステムの他の実施例を示す図、図10は、本発明に係る3次元顔スキャンデータの生成方法の他の実施例を示すフローチャートである。
【0042】
図1と比較すれば、図9に示す本発明の第2の実施例では、補助3Dカメラ105がさらに備えられる。顔撮影カメラ102が顔の前面を撮影するために用いられる場合、補助3Dカメラ105は、顔の前面を除いた他の部位、例えば、顔の側面や顎部位などに関する3Dデータを獲得するための構成である。このとき、補助3Dカメラ105の撮影対象は、管理者(例:医者)の操作により設定可能であるように構成されることが望ましい。
【0043】
これにより、図2と比較すれば、図10に示す本発明の第2の実施例では、ステップS250において、補助3Dカメラ105により患者の顔の既定の一つ又は複数の部位(例:顔の側面、顎部位)に対する補助部位3Dデータを生成し、ステップS280において、顔3Dデータに歯領域コンター3Dデータ及び補助部位3Dデータを整列させて挿入する過程を遂行する点において差異がある。
【0044】
一方、本発明は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、一例として不揮発性記録媒体にコンピュータ読み取り可能なコードの形態で具現化され得る。こうした不揮発性記録媒体としては、多様な形態のストレージ装置が存在するが、例えば、ハードディスク、SSD、CDROM、NAS、磁気テープ、ウェブディスク、クラウドディスクなどが挙げられ、ネットワークを介して連結された多数のストレージ装置にコードが分散保存されて実行される形態も具現化され得る。また、本発明は、ハードウェアと結合されて特定の手順を実行させるために、媒体に保存されたコンピュータプログラムの形態で具現化され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】