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2025-508280光信号の伝送を制御するように構成された遮断システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-24
(54)【発明の名称】光信号の伝送を制御するように構成された遮断システム
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/291 20130101AFI20250314BHJP
   H01S 5/50 20060101ALI20250314BHJP
   H01S 5/024 20060101ALI20250314BHJP
【FI】
H04B10/291
H01S5/50 630
H01S5/024
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024547447
(86)(22)【出願日】2023-03-07
(85)【翻訳文提出日】2024-09-27
(86)【国際出願番号】 EP2023055675
(87)【国際公開番号】W WO2023170027
(87)【国際公開日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】2202160
(32)【優先日】2022-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524263813
【氏名又は名称】レエール リキッド ソシエテ アノニム プール レチュード エ レクスプロアタシオン デ プロセデ ジョルジュ クロード
(71)【出願人】
【識別番号】524263824
【氏名又は名称】エコル ナショナル ダンジェニーウールズ ドゥ ブレスト(ウエヌイベ)
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガーデライン、アルノー
(72)【発明者】
【氏名】フランコ、マエバ
(72)【発明者】
【氏名】シャライハ、アマル
(72)【発明者】
【氏名】モレル、パスカル
【テーマコード(参考)】
5F173
5K102
【Fターム(参考)】
5F173SA32
5F173SC03
5F173SC10
5F173SE02
5F173SG30
5K102PH15
(57)【要約】
光信号の伝送を制御するように構成された遮断システム10であって、システムが固体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)を備え、固体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)が、
・入力光信号(SOE、SOE1、SOE2)と、
・半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)を制御するように構成された制御信号(SC、SC1、SC2)と
を受信するように構成され、
遮断システムが、半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)を10K以上、好ましくは40K以上の温度に冷却し、光変調器を90K以下、好ましくは80K以下の温度に冷却するように構成された冷却デバイス(12、12-1、12-2)をさらに備えることを特徴とする、遮断システム10。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号の伝送を制御するように構成された遮断システム(10)であって、前記システムが半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)を含み、前記半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)が、
・入力光信号(SOE、SOE1、SOE2)と、
・前記半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)を制御するように構成された制御信号(SC、SC1、SC2)と
を受信するように構成され、
前記遮断システムが、前記半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)を10K以上、好ましくは40K以上の温度に冷却し、光変調器を90K以下、好ましくは80K以下の温度に冷却するように構成された冷却デバイス(12、12-1、12-2)をさらに備えることを特徴とする、
遮断システム(10)。
【請求項2】
前記制御信号(SC、SC1、SC2)が電気信号であることを特徴とする、請求項1に記載の遮断システム。
【請求項3】
前記制御信号(SC、SC1、SC2)が電気信号であることを特徴とする、請求項1に記載の遮断システム。
【請求項4】
前記半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)が、対向する方向で前記入力光信号(SOE、SOE1、SOE2)および前記制御光信号(SC、SC1、SC2)を受信するように構成された双方向構成要素であることを特徴とする、請求項3に記載の遮断システム。
【請求項5】
前記冷却デバイス(12、12-1、12-2)が直接であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の遮断システム。
【請求項6】
前記冷却デバイス(12、12-1、12-2)が間接であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の遮断システム。
【請求項7】
前記冷却デバイス(12、12-1、12-2)が、温度調節器(14、14-1、14-2)を含み、前記温度調節器が、500mK以下、好ましくは200mK以下、かつ-500mK以上、好ましくは-200mK以上のマージンを伴って前記半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)を目標温度(T1、T2)において維持するように構成されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の遮断システム。
【請求項8】
前記半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)が、集積フォトニック回路(22)の一部を形成することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の遮断システム。
【請求項9】
前記遮断システム(10)が複数の半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)を含み、前記複数の半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)が、各々、
-それぞれの入力光信号(SOE、SOE1、SOE2)と、
-前記半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)を制御するように構成されたそれぞれの制御信号(SC、SC1、SC2)と
を受信するように構成されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の遮断システム。
【請求項10】
少なくとも2つの半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)が異なる温度にあることを特徴とする、請求項9に記載の遮断システム。
【請求項11】
前記制御信号(SC、SC1、SC2)が、前記半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)の各々についての共有制御信号であることを特徴とする、請求項9または10に記載の遮断システム。
【請求項12】
同じ冷却デバイス(12、12-1、12-2)が、少なくとも2つの半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)を冷却するように構成されることを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載の遮断システム。
【請求項13】
前記制御光信号(SC、SC1、SC2)と前記入力光信号(SOE、SOE1、SO2)とが異なる偏光を有することを特徴とする、請求項3から12のいずれか一項に記載の遮断システム。
【請求項14】
前記入力光信号(SOE、SOE1、SO2)の波長が、前記制御光信号(SC、SC1、SC2)の波長と、少なくとも0.05nm、好ましくは少なくとも0.1nm、好ましくは少なくとも0.5nm、好ましくは少なくとも1nm、好ましくは少なくとも1.5nm、さらにより好ましくは少なくとも5nm異なることを特徴とする、請求項3から13のいずれか一項に記載の遮断システム。
【請求項15】
前記光制御信号(SC、SC1、SC2)の電力が、-30dBm以上、好ましくは-10dBm以上、かつ+10dBm以下、好ましくは+5dBm以下であることを特徴とする、請求項3から14のいずれか一項に記載の遮断システム。
【請求項16】
前記入力光信号(SOE、SOE1、SO2)の電力が、前記制御光信号(SC、SC1、SC2)の前記電力よりも少なくとも5dB小さいことを特徴とする、請求項3から15のいずれか一項に記載の遮断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力光信号の伝送を制御するように構成された遮断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
入力信号の伝送を遮断するために異なるシステムを使用することが知られている。
【0003】
欧州特許出願公開第2242191号明細書は、受動光ネットワークに適用される中継装置、信号処理装置および光伝送システムについて説明する。米国特許第10,097,281号明細書は、極低温冷却を伴う光電子データリンクシステムについて説明する。米国特許出願公開第2014/139909号明細書は、光増幅デバイスについて説明する。
【0004】
微小電気機械システム(MEM)、熱光学システム、電気光学システムおよび音響光学システムは、比較的長いデータパケットを送信するのに有用なシステムである。しかしながら、これらのシステムは、それらの固有の制限により、送信状態と送信停止状態との間の切替え速度が比較的低いという欠点を有する。したがって、これらの遮断システムは、比較的短いデータパケットを含む入力信号に適していない。
【0005】
固体光増幅器などの光電子増幅器の文脈では、遮断は制御信号によって制御される。制御信号の電力が低すぎるとき、増幅器は、もはや給電されず、もはや入力信号を受信することができない。制御信号の電力が半導体光増幅器に給電するのに十分であるとき、半導体光増幅器は、入力信号を受信し、それを増幅することができる。
【0006】
入力信号の伝送を遮断するための全光学システムがある。全光学遮断システムの場合、制御信号が光信号によって形成される。制御光信号は光ポンプ信号であり、光ポンプ信号は、半導体光増幅器に給電し、ポンプ光信号の電力に応じて増幅器のオンまたはオフ状態を制御するために使用される。
【0007】
光制御信号の使用は、入力信号データパケットの長さと比較して非常に短い時間の間、送信を可能にする状態と、半導体光増幅器への入力信号の伝送を遮断する状態とを切り替えることを可能にする。したがって、これらの遮断システムは、比較的短いおよび/または比較的長いデータパケットを含む入力信号に適合される。
【0008】
しかしながら、室温では、半導体光増幅器などの全光学遮断システムの使用は、半導体光増幅器によって必要とされる制御信号の電力により、ほとんど不可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2242191号明細書
【特許文献2】米国特許第10,097,281号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2014/139909号明細書
【発明の概要】
【0010】
したがって、制御信号のために低電力を必要としながら、データパケットの長さ、より具体的には比較的短いデータパケットに適合された入力光信号の伝送を制御することができる必要がある。
【0011】
本発明の目的は、これらのニーズを満たすシステムを提供することである。
【0012】
この目的で、本発明は、光信号の伝送を制御するように構成された遮断システムであって、本システムが半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)を備え、半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)が、
・入力光信号(SOE、SOE1、SOE2)と、
・半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)を制御するように構成された制御信号(SC、SC1、SC2)と
を受信するように構成され、
本遮断システムが、半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)を10K以上、好ましくは40K以上の温度に冷却し、光変調器を90K以下、好ましくは80K以下の温度に冷却するように構成された冷却デバイス(12、12-1、12-2)をさらに備えることを特徴とする、遮断システムに関する。
【0013】
有利には、光増幅器を極低温に冷却することは、制御信号からのかなりの電力を必要とせずに、半導体光増幅器への入力光信号の伝送と伝送停止との間の切替えを可能にする。そのような温度では、半導体光増幅器は電力供給される必要がない。切替えエネルギーは低いため、制御信号によって、例えば光信号の形態で伝送され得る。
【0014】
有利には、本発明による遮断システムが、10K以上、好ましくは40K以上、かつ90K以下、好ましくは80K以下の温度に曝されることは、半導体光増幅器が30dBよりも大きい減衰率を有することを可能にする。室温における同じ増幅器の減衰率は、20dB程度である。
【0015】
減衰率は、オン状態の半導体光増幅器の出力における光信号の電力とオフ状態の増幅器の出力における光信号の電力との間の、dB単位の電力の変動に対応する。オン状態は、制御信号が、半導体光増幅器に給電するのに十分なエネルギーを半導体光増幅器に供給するときに発生する。逆に、オフ状態は、制御信号が、半導体光増幅器に給電するのに十分なエネルギーを供給しないときに発生する。ブロック状態では、ノイズの存在により、電力が非ゼロであることに留意されたい。
【0016】
有利には、遮断システムはまた、個別にまたは任意の技術的に可能な組合せで考慮される、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含み得る:
-制御信号は電気信号である、ならびに/または
-制御信号は光信号である、ならびに/または
-半導体光増幅器は、対向する方向で入力光信号および制御光信号を受信するように構成された双方向構成要素である、ならびに/または
-冷却デバイスは直接である、ならびに/または
-冷却デバイスは間接である、ならびに/または
-冷却デバイスは能動である、ならびに/または
-冷却デバイスは受動である、ならびに/または
-冷却デバイスは温度調節器を備え、温度調節器が、+500mK以下、好ましくは+200mK以下、かつ-500mK以上、好ましくは-200mK以上のマージンを伴って半導体光増幅器を目標温度において維持するように構成される、ならびに/または
-半導体光増幅器は、フォトニック集積回路の一部を形成する、ならびに/または
-遮断システムは複数の半導体光増幅器を含み、複数の半導体光増幅器が、各々、
・それぞれの入力光信号と、
・半導体光増幅器を制御するように構成されたそれぞれの制御信号と
を受信するように構成される、ならびに/または
-少なくとも2つの半導体光増幅器は異なる温度にある、ならびに/または
-同じ冷却デバイスは、少なくとも2つの半導体光増幅器を冷却するように構成される、ならびに/または
-冷却デバイスは、少なくとも2つの半導体光増幅器の温度を調節するためのデバイスを含む、ならびに/または
-制御信号は、光半導体増幅器の各々についての共有制御信号である、ならびに/または
-制御光信号と入力光信号とは異なる偏光を有する、ならびに/または
-入力光信号の波長は、制御光信号の波長と、少なくとも0.05nm、好ましくは少なくとも0.1nm、好ましくは少なくとも0.5nm、好ましくは少なくとも1nm、好ましくは少なくとも1.5nm、さらにより好ましくは少なくとも5nm異なる、ならびに/または
-光制御信号の電力は、-30dBm以上、好ましくは-10dBm以上、かつ+10dBm以下、好ましくは+5dBm以下である、ならびに/または
-入力光信号の電力は、制御光信号の電力よりも少なくとも5dB小さい、ならびに/または
-冷却デバイスは、
・増幅器が配置された20ワット/メートルケルビン以上の熱伝導率を有する材料で作られたバーと、
・バーの第1の位置に設けられたコールドスポットと、
・バーの第2の位置に設けられた温度センサを備える温度制御デバイスと
を備える。
【0017】
本発明は、以下の図面とともに、暗示としてのみ与えられ、本発明を限定することを意図しない、以下の説明に照らしてより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1の実施形態による、本発明による遮断システムの概略図である。
図2】第2の実施形態による、本発明による遮断システムの概略図である。
図3a】第3の実施形態による、本発明による遮断システムの概略図である。
図3b】第4の実施形態による、本発明による遮断システムの概略図である。
図4】第5の実施形態による、本発明による遮断システムの概略図である。
図5】第6の実施形態による、本発明による遮断システムの概略図である。
図6】第7の実施形態による、本発明による遮断システムの概略図である。
図7】第8の実施形態による、本発明による遮断システムの概略図である。
図8】第9の実施形態による、本発明による遮断システムの概略図である。
図9】第10の実施形態による、本発明による遮断システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、入力光信号SOEの伝送を制御するように構成された遮断システム10であって、システムが半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)を含み、半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)が、
・入力光信号(SOE、SOE1、SOE2)と、
・半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)を制御するように構成された制御信号(SC、SC1、SC2)と
を受信するように構成され、遮断システムが、半導体光増幅器(AMP、AMP1、AMP2)を10K以上、好ましくは40K以上の温度に冷却し、光変調器を90K以下、好ましくは80K以下の温度に冷却するように構成された冷却デバイス(12、12-1、12-2)をさらに備えることを特徴とする、遮断システム10を示す。
【0020】
制御信号SCは、固体光増幅器AMPによる入力光信号SOEの伝送および増幅を調整する信号である。
【0021】
制御信号SCは、電気または光であり得る。
【0022】
有利には、制御信号SCが光であるとき、制御信号は遠隔であり得る。
【0023】
有利には、本発明による遮断システムは全光学であるため、電磁妨害に敏感ではない。
【0024】
有利には、制御信号SCは、半導体光増幅器AMPに電力供給を提供するために使用され得る。
【0025】
驚くべきことに、AMP半導体光増幅器が、10K以上、好ましくは40K以上、かつ90K以下、好ましくは80K以下の極低温に曝されたときに非ゼロ利得を提供し、数ミリアンペア程度の低電力供給が提供されたことに留意されたい。この温度において、半導体光増幅器AMPはエネルギー効率が良いため、その場合、光信号の形態で、制御信号SCを介して半導体光増幅器AMPに切替えエネルギーを供給することが可能である。
【0026】
このようにして、光SC制御信号を提供するために使用されるレーザのビームは、半導体光増幅器AMPに給電するためにも使用され得る。
【0027】
本発明による全光学遮断システムでは、入力光信号SOEは、制御信号SCの電力とは異なる電力を有する。好ましくは、半導体光増幅器AMPが制御信号SCを入力光信号SOEと区別するように、入力光信号SOEの電力は制御信号の電力よりも小さい。
【0028】
半導体増幅器AMPの制御信号は、入力光信号SOEおよび制御信号SCのうち、最も高い電力を有する信号である。
【0029】
入力光信号SOEと制御信号SCとの間で最も高い電力を有する信号は、その初期機能でない場合でも、制御信号の役割を担う。
【0030】
したがって、好ましくは、入力光信号SOEの電力は、制御信号SCの電力よりも少なくとも5dB低く、好ましくは少なくとも10dB低い。
【0031】
一実施形態では、制御信号の電力は、-30dBm以上、好ましくは-10dBm以上、かつ+10dBm以下、好ましくは+5dBm以下である。dBmは、電力を1ミリワット(mW)の基準値に対するデシベル(dB)で表す単位である。
【0032】
制御信号SCは、入力光信号SOEの偏光とは異なる偏光を有し得る。例えば、制御信号SCは、電気横モード、それぞれ磁気横モードにあり、入力光信号SOEは、磁気横モード、それぞれ電気横モードにある。
【0033】
AMP固体光増幅器は、双方向光電子構成要素である。入力光信号SOEおよび光制御信号SCは、半導体光増幅器AMPの端子のうちの1つにおいて単一の光ファイバを使用して一緒に提供され得る。
【0034】
図2に示されている一実施形態では、光入力信号SOEおよび光制御信号SCは、増幅器の両側の端子を介して、対向する方向に、半導体光増幅器AMPに供給される。入力光信号SOEおよび制御信号SCは、反対方向であると考えられる。
【0035】
図2の理解を容易にするために、制御信号SCおよび出力光信号SOSは、これらの信号の伝播方向を定義するために別々に示されている。しかしながら、制御信号SCおよび光出力信号SOSは、同じ光ファイバ上の逆伝播信号である。
【0036】
別の実施形態では、制御信号SCと入力光信号SOEとが異なる極性を有するかまたは半導体光増幅器AMPの2つの対向する端子に伝送されるかどうかにかかわらず、制御信号SCの波長と入力光信号SOEの波長とは異なり得る。例えば、制御信号SCの波長と入力光信号SOEの波長とは、少なくとも0.05nm、好ましくは少なくとも0.1nm、好ましくは0.5nm、好ましくは少なくとも1nm、好ましくは少なくとも1.5nm、さらにより好ましくは少なくとも5nm異なる。
【0037】
一実施形態では、遮断システム10は、N個の半導体光増幅器を含み得、N個の半導体光増幅器が、各々、
-それぞれの入力光信号SOE1、SOE2、...SOENと、
-半導体光増幅器AMP1、AMP2、...、AMPNを制御するように構成されたそれぞれの制御信号SC1、SC2、...、SCNと
を受信するように構成される。
【0038】
N個の半導体光増幅器AMP1、AMP2、...、AMPNのうちの少なくとも1つが、冷却デバイス12によって冷却されるように構成される。
【0039】
冷却デバイスは、N個の半導体光増幅器AMP1、AMP2、...、AMPNの各々について同じであり得る。
【0040】
冷却デバイスは、N個の半導体光増幅器AMP1、AMP2、...、AMPNのうちの少なくとも2つについて同じであり得る。
【0041】
N個の半導体光増幅器AMP1、AMP2、...、AMPNの各々は、(図3aに示されている)それぞれの冷却デバイス12-1、12-2によって冷却され得る。
【0042】
好ましくは、遮断システム10の半導体光増幅器AMP1、AMP2の各々が、冷却デバイスによって、10K以上、好ましくは40K以上、かつ90K以下、好ましくは80K以下の極冷温に冷却される。
【0043】
説明の残りについては、理解を容易にするために、2つの半導体光増幅器AMP1、AMP2のみを参照する。しかしながら、2つの半導体光増幅器AMP1、AMP2を伴う実施形態の説明は、N個の半導体光増幅器AMP1、AMP2、...、AMPNにも適用され得る。
【0044】
図3aは、2つの半導体光増幅器AMP1、AMP2を含む遮断デバイス10を示す。2つの半導体光増幅器AMP1、AMP2の各々について、入力光信号SOE1、SOE2および制御信号SC1、SC2は、それぞれ、単一の光ファイバを使用して半導体光増幅器の端子に一緒に供給される。
【0045】
2つの半導体光増幅器AMP1、AMP2の各々は、それぞれの出力光信号SOS1、SOS2を提供するように、それぞれの入力光信号SOE1、SOE2および制御信号SC1、SC2を受信する。
【0046】
図3bは、図3aとほぼ同一であり、本発明による遮断システム10を示し、第1の半導体光増幅器AMP1は、第1の方向に第1の制御信号SC1を受信し、第2の半導体光増幅器AMP2は、第1の方向とは反対の第2の方向に第2の制御信号SC2を受信する。
【0047】
図2の場合と同じように、制御信号SC2および出力光信号SOS2は、これらの信号の伝播方向を定義するために別々に示されている。しかしながら、制御信号SC2および出力光信号SOS2は、同じ光ファイバにおける逆伝播信号である。
【0048】
一実施形態では、第1の半導体光増幅器AMP1は、第1の方向に第1の入力光信号SOE1を受信し、第2の半導体光増幅器AMP2は、第1の方向とは反対の第2の方向に第2の入力光信号SOE2を受信する。2つの半導体光増幅器AMP1、AMP2の各々は、双方向構成要素である。
【0049】
2つの半導体光増幅器AMP1、AMP2は、同じ冷却デバイス12またはそれぞれの冷却デバイスによって冷却される。
【0050】
有利には、冷却デバイス12は、2つの半導体光増幅器AMP1、AMP2について同じ冷却デバイスを使用して共有され得る。
【0051】
2つの半導体光増幅器AMP1、AMP2は、同じ波長範囲にわたって入力光信号SOE1、SOE2を増幅するように同じ温度において維持され得る。これは、例えば、同じ波長範囲に属するが異なる動作点を有する2つの信号を同時に増幅することを可能にする。
【0052】
あるいは、2つの半導体光増幅器AMP1、AMP2は、異なる波長範囲にわたって入力光信号SOE1、SOE2を増幅するように異なる温度において維持され得る。例えば、2つの半導体光増幅器AMP1、AMP2は、例えば5K以上、および例えば10K以上の差を有する温度において維持される。このようにして、入力信号SOE1、SOE2は、異なる帯域幅で増幅され得る。
【0053】
図4に示されている一実施形態では、2つの半導体光増幅器AMP1、AMP2について同じ制御信号SCがプールされる。
【0054】
有利には、このようにして、データ伝送の送信と遮断との間の切替えが、半導体光増幅器AMP1、AMP2において同時に保証され得る。
【0055】
制御信号SCが共有される、図4に示されている実施形態の場合と同じように、入力信号は共有され得る。単一の入力信号SOEは、2つに分割され、2つの固体光増幅器AMP1、AMP2に供給され得る。
【0056】
一実施形態では、入力光信号SOEおよび制御信号SCは、それぞれ、少なくとも2つの増幅器について共有される。
【0057】
有利には、同じ増幅信号が、別個の位置において同時に提供され得る。
【0058】
一実施形態では、入力光信号は、各半導体光増幅器がそれぞれの制御信号を受信する間に共有され得る。
【0059】
有利には、このようにして、それは、入力光信号を増幅するための少なくとも1つの半導体光増幅器を選択するために、同じ入力光信号SOEについて、選択され得る。
【0060】
一実施形態では、共有入力光信号は、2つの異なる帯域幅にわたって入力光信号SOEを増幅するために、2つの異なる温度において維持された2つの半導体光増幅器AMP1、AMP2に供給される。
【0061】
一実施形態では、少なくとも1つの半導体光増幅器AMP、AMP1、AMP2は個別構成要素である。
【0062】
あるいは、図5に示されているように、単一の固体光増幅器AMPまたは複数の固体光増幅器AMP1、AMP2が、集積回路22の一部を形成し得る。集積回路22は、例えばフォトニック集積回路である。
【0063】
遮断システム10の冷却デバイス12は、好ましくは極低温冷却デバイスである。
【0064】
冷却デバイス12は、間接であり得る。冷却デバイスは、冷却手段がAMP半導体光増幅器に直接作用しないが、例えば半導体光増幅器AMPが配置される熱伝導性要素に作用する場合、間接であると考えられる。冷却手段によって冷却された熱伝導性要素は、次に、熱伝導によって半導体光増幅器AMPを冷却する。
【0065】
間接冷却デバイス12は、例えば、冷却手段によってその端部の一方において冷却される熱伝導性バーによって形成され得る。バーは、少なくとも1つの半導体光増幅器AMPを受け入れるように構成される。
【0066】
有利には、間接冷却デバイスは、いくつかのAMP、AMP1およびAMP2半導体光増幅器について冷却手段が共有されることを可能にする。バーは、例えば異なる位置に配置された熱伝導性バー上の少なくとも2つのAMP、AMP1、AMP2半導体光増幅器を受け入れ得る。
【0067】
あるいは、冷却デバイス12は、直接であり得る。直接冷却デバイス12は、半導体光増幅器AMPにおいて直接熱変動を与えるように構成されたデバイスである。温度制御は、半導体光増幅器AMPにおいて直接行われる。
【0068】
直接冷却デバイスは、1つまたは複数の半導体光増幅器AMP、AMP1、AMP2を局所的に冷却するための専用冷却手段によって形成され得る。
【0069】
有利には、半導体光増幅器AMP、AMP1、AMP2が配置される導電性熱構造に頼る必要はない。
【0070】
有利には、直接冷却デバイス12の使用は、少なくとも1つの半導体光増幅器AMP、AMP1、AMP2に供給される温度のより良好な制御を可能にする。
【0071】
また、直接冷却デバイス12の一部として、半導体光増幅器AMPの変動を補償することは、より容易かつ迅速である。半導体光増幅器AMPがある所望の温度に導電性要素が達するのを待つ必要はない。
【0072】
冷却デバイス12は、受動冷却デバイスであり得る。
【0073】
例えば、受動冷却デバイスは、半導体光増幅器AMPと接触するラジエータであり得る。放射によって熱エネルギーを抽出するためのデバイスなど、ラジエータは、半導体光増幅器AMPの外部に放射する。受動冷却デバイス12はまた、液体窒素を含む冷却回路によって形成され得る。
【0074】
受動冷却デバイスは、エネルギー入力がない。有利には、半導体光増幅器AMP、AMP1、AMP2を極低温において維持するためのエネルギー消費が低減される。
【0075】
冷却デバイス12は、能動であり得る。能動冷却デバイスは、半導体光増幅器AMPの冷却を保証するためにエネルギー入力を必要とする。エネルギー入力が必要であるにもかかわらず、光半導体増幅器AMPの温度制御は、その電力供給を調節することによって冷却デバイスを制御することにより、より迅速かつより信頼性が高いものにされる。
【0076】
半導体光増幅器AMP1、AMP2のうちの少なくとも1つ、またはその各々の正確な温度制御を保証するために、冷却デバイス12、12-1、12-2は、(図7に示されている)温度コントローラ14、14-1、14-2を含み得る。
【0077】
好ましくは、温度コントローラ14、14-1、14-2は、+500mK以下、好ましくは+200mK以下、かつ-500mK以上、好ましくは-200mK以上のマージンを伴って半導体光増幅器AMP、AMP1、AMP2を目標温度において維持するように構成される。
【0078】
有利には、半導体光増幅器AMP、AMP1、AMP2の温度の精密な制御は、半導体光増幅器が信号を増幅する波長範囲の精密な制御を可能にする。
【0079】
また、温度調節器14、14-1、14-2は、制御信号によって半導体光増幅器AMP、AMP1、AMP2に供給される熱を補償することを可能にする。制御信号SCの電力が大きいほど、この信号によって伝達される熱は大きくなる。したがって、半導体光増幅器AMP、AMP1、AMP2の温度が正確に制御されることを保証するために、SC制御信号の熱的影響を考慮することが重要である。
【0080】
温度コントローラ14は、図6に示されているように、複数の半導体光増幅器AMP、AMP1、AMP2のうちの1つの温度を制御するために使用され得る。
【0081】
図7は、2つの半導体光増幅器AMP1、AMP2の各々が、それぞれの冷却デバイス12-1、12-2および温度調節器14-1、14-2を含む、本発明による遮断システムを示す。
【0082】
冷却デバイスおよびそれぞれの温度調節器を使用する、そのようなシステムは、2つの半導体光増幅器AMP1、AMP2の各々の温度のより良好な制御を可能にする。
【0083】
図8は、冷却デバイス14の一例を示す。冷却デバイスは、
-N個の増幅器が配置される、高い熱伝導率を有する材料で作られたバー16(図8の場合、2つの増幅器AMP1およびAMP2が示されている)と、
-バー16の第1の位置E1に設けられたコールドスポット18と、
-バーの第2の位置E2に配置された温度センサ20を備える温度調節デバイス14と
を含み得る。
【0084】
好ましくは、バー16は、20ワット/メートルケルビン以上の熱伝導率を有する。バー30の異なる位置における温度は異なる。
【0085】
一実施形態では、バー16は銅で作られる。
【0086】
バーは、高い熱伝導率を有する材料で作ることができ、コールドスポット18の存在は、コールドソース18が配置された第1の場所E1とバー16の一端E2との間に温度勾配を生じることを可能にする。
【0087】
そのような温度勾配では、半導体光増幅器AMP1、AMP2の位置決めは、所望の目標温度T1、T2にあることが重要である。
【0088】
ロッド16上に配置された半導体光増幅器AMP1、AMP2の温度は、ロッド16上のそれらの位置によって調整される。
【0089】
コールドスポット18は、第1の位置E1に対応する、このバー16上の特定の位置においてバー16を冷却するように構成された冷却手段に対応する。
【0090】
このようにして、コールドスポット18に最も近く配置された増幅器は、コールドスポット18から最も遠い増幅器よりも冷たい温度を有する。
【0091】
好ましくは、使用される冷却手段は、極低温冷却器である。
【0092】
コールドスポット18は、好ましくは、バー16の第1の端部と第2の端部との間の温度勾配を最大にするために、バー16の一端において位置決めされる。
【0093】
バー16の第2の位置E2における温度センサ20の位置決めは、この第2の位置E2におけるバー16の温度を決定することを可能にする。バーは導電性材料で作られているため、温度センサ34の測定値から、少なくともほぼ、バー16の各ポイントにおける、より具体的にはAMP1、AMP2半導体光増幅器が位置する位置における温度が決定され得る。
【0094】
有利には、ロッド16の前記第2の位置E2における温度測定値から、冷却デバイス12は、半導体光増幅器AMP1、AMP2の温度が所望の目標温度に対応するかどうかを決定することができる。
【0095】
少なくとも1つの半導体光増幅器AMP1、AMP2の温度が所望の目標温度T1、T2と異なる場合、冷却デバイス12は、バー16のコールドスポット18の温度を調節するように調節デバイス14を制御する。
【0096】
図9に示されている別の実施形態では、冷却デバイスは、AMP1、AMP2半導体光増幅器の温度T1、T2を独立して制御する。半導体光増幅器AMP1、AMP2のうちの1つが所望の目標温度にない場合、温度調節器14は、この増幅器AMP1、AMP2の温度を独立して調節する。
【0097】
半導体光増幅器AMP1、AMP2の各々は、それぞれの追加の熱的源S1、S2に関連付けられている。追加の熱源S1、S2の各々は、半導体光増幅器AMP1、AMP2のうちの1つの温度を個別に調節するように構成される。
【0098】
一実施形態では、N個の追加の熱的源は、ペルチェモジュールおよび/または抵抗器である。
【0099】
有利には、ペルチェモジュールは、半導体光増幅器AMP1、AMP2の温度を局所的に上昇または低下させることによって、それらの温度を調節することを可能にする。
【0100】
有利には、抵抗器は、半導体光増幅器AMP1、AMP2の温度を局所的に上昇させることによって、それらの温度を調節することを可能にする。
【0101】
図9に示されている実施形態は、図8に示されている構成と同様であるが、温度コントローラ14は異なる。温度コントローラ14は、ロッド16のコールドポイント18の温度をもはや調節せず、追加の熱源S1、S2の温度を直接調節する。
【0102】
図9に示されている実施形態は、バー16およびコールドスポット18がなく、半導体増幅器S1、S2に冷熱を供給する熱源S1およびS2がない場合がある。
【0103】
本発明は、一般的な発明概念を限定することなく、図に示されている実施形態を用いて上記で説明された。
【0104】
多くの他の修正および変形が、本出願に示された異なる実施形態についての反映後に、当業者にそれら自体を示唆する。
【0105】
これらの実施形態は、例として与えられており、以下で特許請求の範囲によって排他的に決定される本発明の範囲を限定するものではない。
【0106】
特許請求の範囲において、「備える、含む(comprising)」という語は、他の要素またはステップを排除しない。異なる特徴が、相互に従属する請求項として列挙されているという単なる事実は、これらの特徴の組合せが有利に使用され得ないことを示すものではない。最後に、特許請求の範囲において使用されるいかなる参照も、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるものではない。
図1
図2
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】