(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-03-26
(54)【発明の名称】オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症の治療方法
(51)【国際特許分類】
C12N 7/01 20060101AFI20250318BHJP
C12N 15/09 20060101ALI20250318BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20250318BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20250318BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20250318BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20250318BHJP
C12N 15/864 20060101ALN20250318BHJP
【FI】
C12N7/01 ZNA
C12N15/09 100
A61K35/76
A61P43/00 121
A61P3/00
A61K9/10
C12N15/864 100Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024543138
(86)(22)【出願日】2022-11-01
(85)【翻訳文提出日】2024-07-19
(86)【国際出願番号】 US2022079020
(87)【国際公開番号】W WO2023140971
(87)【国際公開日】2023-07-27
(32)【優先日】2022-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】502409813
【氏名又は名称】ザ・トラステイーズ・オブ・ザ・ユニバーシテイ・オブ・ペンシルベニア
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,リリー
(72)【発明者】
【氏名】ウイルソン,ジェームス・エム
(72)【発明者】
【氏名】トレティアコバ,アンナ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C087
【Fターム(参考)】
4B065AA90Y
4B065AA95X
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA27
4B065CA44
4C076AA22
4C076BB13
4C076CC21
4C087AA01
4C087AA02
4C087AA03
4C087BC83
4C087MA02
4C087MA23
4C087MA66
4C087NA14
4C087ZC21
4C087ZC54
4C087ZC75
(57)【要約】
オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症を治療するためのデュアルベクターシステムが提供される。システムは、((a)遺伝子編集AAVであって、第1のAAV rh79カプシドと、5’ITR、メガヌクレアーゼをコードする配列であって、PCSK9遺伝子を含む標的細胞におけるメガヌクレアーゼの発現を指示する調節配列の制御下でPCSK9を標的化する、配列、及び3’ITRを含む、第1のベクターゲノムと、を含む、遺伝子編集AAV、並びに(b)ドナーAAVベクターであって、第2のAAVカプシドと、5’ITR、5’相同組換え(HDR)アーム、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)をコードする導入遺伝子及び標的細胞における導入遺伝子の発現を指示する調節配列、3’HDRアーム、及び3’ITRを含む、第2のAAV rh79ベクターゲノムと、を含む、ドナーAAVベクター、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症を治療するためのデュアルベクターシステムであって、前記システムが、
(a)遺伝子編集AAVであって、第1のAAV rh79カプシドと、5’ITR、配列番号3の配列を有するメガヌクレアーゼをコードする配列であって、PCSK9遺伝子を含む標的細胞における前記メガヌクレアーゼの発現を指示する調節配列の制御下でPCSK9を標的化する、配列、及び3’ITRを含む、第1のベクターゲノムと、を含む、遺伝子編集AAV、並びに
(b)ドナーAAVベクターであって、第2のAAV rh79カプシドと、5’ITR、5’相同組換え(HDR)アーム、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)をコードする配列番号4の配列又は配列番号4と少なくとも90%同一の配列を含む導入遺伝子及び前記標的細胞における前記導入遺伝子の発現を指示する調節配列、3’HDRアーム、及び3’ITRを含む、第2のベクターゲノムと、を含む、ドナーAAVベクター、を含む、システム。
【請求項2】
前記メガヌクレアーゼをコードする前記配列が、配列番号2のヌクレオチド(nt)1089~2183、又は配列番号2のヌクレオチド(nt)1089~2183と少なくとも90%同一の配列を含む、請求項1に記載のデュアルベクターシステム。
【請求項3】
OTCをコードする前記導入遺伝子が、配列番号4を含む、請求項1又は2に記載のデュアルベクターシステム。
【請求項4】
前記第1及び第2のAAVカプシドが、配列番号16のAAVrh79カプシドである、請求項1~3のいずれか一項に記載のデュアルベクターシステム。
【請求項5】
(a)の遺伝子編集AAVベクターと(b)のドナーAAVベクターとの比が、1:3である、請求項1~3のいずれか一項に記載のデュアルベクターシステム。
【請求項6】
前記ヌクレアーゼが、TBGプロモーターの制御下にある、請求項1~5のいずれか一項に記載のデュアルベクターシステム。
【請求項7】
前記導入遺伝子が、TBGプロモーターの制御下にある、請求項1~6のいずれか一項に記載のデュアルベクターシステム。
【請求項8】
i)前記第1のベクターゲノムが、配列番号2のnt211~2964、又は配列番号2のnt211~2964と少なくとも90%の同一性を共有する配列を含み、
ii)前記第2のベクターゲノムが、配列番号6のnt178~3281、又は配列番号6のnt178~3281と少なくとも90%の同一性を共有する配列を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のデュアルベクターシステム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のデュアルベクターシステムを同時投与することによって、ヒトにおけるOTC欠損症を治療する方法。
【請求項10】
対象におけるOTC欠損症を治療する方法であって、OTCを有する前記対象に、
(a)遺伝子編集AAVであって、第1のAAV rh79カプシドと、5’ITR、配列番号3の配列を有するメガヌクレアーゼをコードする配列であって、PCSK9遺伝子を含む標的細胞における前記メガヌクレアーゼの発現を指示する調節配列の制御下でPCSK9を標的化する、配列、及び3’ITRを含む、第1のベクターゲノムと、を含む、遺伝子編集AAV、並びに
(b)ドナーAAVベクターであって、第2のAAV rh79カプシドと、5’ITR、5’相同組換え(HDR)アーム、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)をコードする配列番号4の配列又は配列番号4と少なくとも90%同一の配列を含む導入遺伝子及び前記標的細胞における前記導入遺伝子の発現を指示する調節配列、3’HDRアーム、及び3’ITRを含む、第2のベクターゲノムと、を含む、ドナーAAVベクター、を同時投与することを含む、方法。
【請求項11】
i)前記第1のベクターゲノムが、配列番号2のnt211~2964、又は配列番号2のnt211~2964と少なくとも90%の同一性を共有する配列を含み、
ii)前記第2のベクターゲノムが、配列番号6のnt178~3281、又は配列番号6のnt178~3281と少なくとも90%の同一性を共有する配列を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
(a)の前記遺伝子編集AAVベクター及び(b)の前記ドナーベクターが、IVを介して本質的に同時に送達される、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
(a)の前記遺伝子編集AAVベクターが、約1×10
13GC/kgの用量で注射用のビヒクル中に懸濁される、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
(b)の前記AAVドナーベクターが、約3×10
13GC/kgの濃度で注射用のビヒクル中に懸濁される、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記対象が、生後1日~4ヵ月である、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記対象が、雄である、請求項9~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
OTC欠損症の治療を必要とする対象における、OTC欠損症の治療のための、請求項1~8のいずれか一項に記載のデュアルベクターシステムの使用。
【請求項18】
OTC欠損症の治療を必要とする対象における、OTC欠損症の治療のための医薬品の調製における、請求項1~8のいずれか一項に記載のデュアルベクターシステムの使用。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症(OTCD)は、高い死亡率に関連するX連鎖性尿素サイクル障害である。アデノ随伴ウイルス(AAV)新生児遺伝子療法は、遅発性OTC欠損症に対する有望な治療法であるが、組み込まれていないゲノムが肝細胞の増殖中に失われるため、短期的な治療効果しか得られないであろう。
【0002】
メガヌクレアーゼは、染色体における二本鎖切断(DSB)を生成し、DNA修復をもたらす。ドナーDNAの存在下では、相同組換え修復(HDR)が起こり、染色体の遺伝情報が、ドナー遺伝子からの新しい情報で置き換えられる。
【0003】
セーフハーバー部位(SHS)は、遺伝子又は他の遺伝エレメントを安全に挿入及び発現させることができるゲノム遺伝子座である。これらのSHSは、効果的なヒト疾患遺伝子療法、遺伝子構造、機能及び調節を調査するため、並びに細胞を標識及び追跡するために重要である。
【0004】
ゲノムのセーフハーバーにおける導入遺伝子カセットのヌクレアーゼ媒介性部位特異的組み込みは、OTC欠損症を有する患者に長期的な治療効果を提供するであろう。
【0005】
必要とされるのは、OTCの治療のための改善された組成物及び方法である。
【発明の概要】
【0006】
本明細書では、天然PCSK9遺伝子のノックダウン又はアブレーション、並びにPCSK9遺伝子座における外因性OTC導入遺伝子の挿入及び/又は発現を可能にする、それを必要とする対象におけるOTCの治療のための組成物、方法、システム、及びキットが提供される。
【0007】
一態様では、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症を治療するためのデュアルベクターシステムが提供される。システムは、(a)遺伝子編集AAVであって、第1のAAVカプシドと、5’ITR、メガヌクレアーゼをコードする配列であって、PCSK9遺伝子を含む標的細胞におけるメガヌクレアーゼの発現を指示する調節配列の制御下でPCSK9を標的化する、配列、及び3’ITRを含む、第1のベクターゲノムと、を含む、遺伝子編集AAV、並びに(b)ドナーAAVベクターであって、第2のAAVカプシドと、5’ITR、5’相同組換え(HDR)アーム、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)をコードする導入遺伝子及び標的細胞における導入遺伝子の発現を指示する調節配列、3’HDRアーム、及び3’ITRを含む、第2のベクターゲノムと、を含む、ドナーAAVベクター、を含む。特定の実施形態では、メガヌクレアーゼは、配列番号3の配列を有するARCUSメガヌクレアーゼである。特定の実施形態では、メガヌクレアーゼをコードする配列は、配列番号2のヌクレオチド(nt)1089~2183、又は配列番号2のヌクレオチド(nt)1089~2183と少なくとも90%同一の配列を含む。特定の実施形態では、OTCをコードする導入遺伝子は、配列番号5、又は配列番号5と少なくとも90%同一の配列を含む。特定の実施形態では、第1及び第2のAAVカプシドは、配列番号16のAAVrh79カプシドである。
【0008】
別の態様では、OTC欠損症の治療を必要とする対象において、それを行う方法が提供される。本方法は、OTCを有する対象に、(a)遺伝子編集AAVであって、第1のAAVカプシドと、5’ITR、メガヌクレアーゼをコードする配列であって、PCSK9遺伝子を含む標的細胞におけるメガヌクレアーゼの発現を指示する調節配列の制御下でP
CSK9を標的化する、配列、及び3’ITRを含む、第1のベクターゲノムと、を含む、遺伝子編集AAV、並びに(b)ドナーAAVベクターであって、第2のAAVカプシドと、5’ITR、5’相同組換え(HDR)アーム、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)をコードする導入遺伝子及び標的細胞における導入遺伝子の発現を指示する調節配列、3’HDRアーム、及び3’ITRを含む、第2のベクターゲノムと、を含む、ドナーAAVベクター、を同時投与することを含む。特定の実施形態では、i)第1のベクターゲノムは、配列番号2のnt211~2964、又は配列番号2のnt211~2964と少なくとも90%の同一性を共有する配列を含み、ii)第2のベクターゲノムは、配列番号6のnt178~3281、又は配列番号6のnt178~3281と少なくとも90%の同一性を共有する配列を含む。
【0009】
本発明の他の態様及び利点は、以下の本発明の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】ARCUS2によるPCSK9遺伝子座におけるhOTCミニ遺伝子ノックインを含む研究のタイムラインを示す。
【
図1B】群(G)1~7の研究設計を示す。動物21-111、21-122、及び21-113は、投与前にAAV結合抗体(BAb)が陽性であった。
【
図2】ARCUS2媒介性遺伝子修正のためのデュアルAAVベクターシステムの概略図を示しており、AAVドナーベクターは、
図1A~1Bに示される研究で使用されたhOTCドナー鋳型配列を含む。示されるように、異なるHDRアームが使用される。
【
図3】
図1A~2に記載された実験の実験結果を示す図表である。詳細は、
図4A~4Kに提供される。
【
図4A】
図1A~2に記載の実験の結果を示す。各群の0日目に対する割合(%)として示される、PCSK9レベルを示す。
【
図4B】
図1A~2に記載の実験の結果を示す。各群のU/Lとして示される、ALTレベルを示す。示された時点で肝臓生検を行い、hOTC及びARCUSを検出するための特異的プローブを使用してデュアルインサイチュハイブリダイゼーション(ISH)を行った。
【
図4C】
図1A~2に記載の実験の結果を示す。ISHによって定量化され、形質導入された肝細胞の割合としてプロットされた、OTC導入遺伝子の形質導入効率を示す。
【
図4D】
図1A~2に記載の実験の結果を示す。IFによって定量化された、OTC導入遺伝子の形質導入効率を示す。
【
図4E】
図1A~2に記載の実験の結果を示す。NHPの体重を示す。
【
図4F】
図1A~2に記載の実験の結果を示す。定量的PCR分析による肝臓におけるベクターのGCを示す。
【
図4G】
図1A~2に記載の実験の結果を示す。肝臓生検試料から単離された総RNAに対する定量的PCR、続いて、逆転写によって測定され、GAPDHレベルによって正規化された相対発現レベルとして表された、マカクザルの肝臓におけるhOTC及びヌクレアーゼの発現を示す。
【
図4H】
図1A~2に記載の実験の結果を示す。示された時点でアンプリコン-seqによって行われたrhPCSK9標的遺伝子座のインデル分析を示す。
【
図4I】
図1A~2に記載の実験の結果を示す。示された組織におけるオンターゲットインデルを示す。インデルを有する唯一の非肝臓組織は膵臓であった。
【
図4J】
図1A~2に記載の実験の結果を示す。4×10
13GC/kgで治療された新生児及び乳児NHPのLFT(IU/mL)と、AAV.Arcusのみで治療された成体との比較を示す。
【
図4K】
図1A~2に記載の実験の結果を示す。一部の群2及び群3の動物における1年目の剖検でのOTC酵素活性染色を示す。略称:GAPDH:グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ、GC:ゲノムコピー、hOTC:ヒトオルニチントランスカルバミラーゼ、OT:オフターゲット、PCR:ポリメラーゼ連鎖反応、rhPCSK9:プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(アカゲザル遺伝子)、RNA:リボ核酸。
【
図5A】PCSK9-hE7-KIマウスモデルの概略図を示す。ヒトpcsk9エクソン7に置き換えられたマウスpcsk9エクソン7の概略図を示す(hE7は、ARCUS標的化配列を含む)。
【
図5B】PCSK9-hE7-KIマウスモデルの概略図を示す。PCSK9-hE7-KIマウスモデルを、OTC spf
ash、KI-spf
ashモデルなどの他の疾患マウスモデルと交配する概略図を示す。PCSK9-hE7-KIノックインマウスモデルは、マウスPcsk9遺伝子のエクソン7を含む領域を、エクソン7を含有するヒトPCSK9遺伝子の領域に置き換えることによって最初に生成された。次いで、PCSK9-hE7-KIマウスを、Otc遺伝子のエクソン4の末端のスプライスドナー部位でのGからAへの点変異に起因するOTC発現の20倍の減少を示すsparse fur ash(spf
ash)マウスと交配した。この交配からのマウスを、PCSK9-hE7-KI.spf
ashマウスと名付け、本明細書に記載のように利用した。略語:bp:塩基対、E6:エクソン6、E7:エクソン7、E8:エクソン8、HDR:相同組換え(homology-dependent recombination)、PCSK9:プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(遺伝子、ヒト)、Pcsk9:プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(遺伝子、マウス)。
【
図5C】マウスPcsk9遺伝子座(配列番号17)においてスワップされたヒトエクソン7領域及び隣接するイントロン配列の一部の配列を示す。
【
図6】pcsk9-hE7ノックインアレルのヒトPCSK9配列、マウスPCSK9(mPCSK9)及びアカゲザルPCSK9(rhPCSK9)を表す、265bp配列の配列整列を示す。
【
図7】ARCUS2媒介性遺伝子修正のためのデュアルAAVベクターシステムのためのドナー構築物の概略図を示す。AAVドナーベクターは、hOTCドナー鋳型配列を含む。ノックインマウスモデル(
図5)、NHP、及びヒトの標的領域との、構築物におけるHDRアームの相同性を示す。
【
図8A】PCSK9-hE7-KI.spf-ash仔(部分的OTC欠損モデル)において行われた、ARCUS2によるPCSK9遺伝子座におけるhOTCミニ遺伝子のノックインを含む研究のタイムラインを示す。
【
図8B】
図8Aの研究のための各群が投与されるベクター及び投薬量を示す。
【
図9A】
図7に示されるベクターで治療されたか、又は治療されず(KI WT)、高タンパク質(HP)食を10日間与えられた、
図8A~8Bに示されるマウスの研究の結果を示す。生存確率を示す。
【
図9B】
図7に示されるベクターで治療されたか、又は治療されず(KI WT)、高タンパク質(HP)食を10日間与えられた、
図8A~8Bに示されるマウスの研究の結果を示す。HP食の導入前の体重の割合としての体重を示す。
【
図9C】
図7に示されるベクターで治療されたか、又は治療されず(KI WT)、高タンパク質(HP)食を10日間与えられた、
図8A~8Bに示されるマウスの研究の結果を示す。HP食の10日目の血漿中NH
3レベルを示す。
【
図9D】
図7に示されるベクターで治療されたか、又は治療されず(KI WT)、高タンパク質(HP)食を10日間与えられた、
図8A~8Bに示されるマウスの研究の結果を示す。48日目のmPCSK9タンパク質レベルを示す。
【
図9E】
図7に示されるベクターで治療されたか、又は治療されず(KI WT)、高タンパク質(HP)食を10日間与えられた、
図8A~8Bに示されるマウスの研究の結果を示す。59日目のアンプリコン-seqによって測定されたインデル(%)を示す。
【
図9F】
図7に示されるベクターで治療されたか、又は治療されず(KI WT)、高タンパク質(HP)食を10日間与えられた、
図8A~8Bに示されるマウスの研究の結果を示す。59日目に測定された二倍体細胞当たりのAAVゲノムコピー(GC)としてプロットされた、肝臓生検試料におけるベクターの形質導入レベルを示す。
【
図10】OTC欠損症の治療のための2ベクターアプローチの概略図である。両方のベクターは、クレードEカプシド、AAVrh79、及び肝臓特異的TBGプロモーターを使用する。第1のベクターは、ヌクレアーゼ、ARCUSであり、第2のベクターは、PCSK9エクソン7の500bpの相同性のアームに隣接するhOTCドナー遺伝子カセットである。
【
図11】
図10に記載の2ベクターアプローチのドナー構築物のプラスミドマップである。ITRからITRまでのプラスミドの配列は、配列番号6に示されている。
【
図12】
図10に記載の2ベクターアプローチのヌクレアーゼ構築物のプラスミドマップである。ITRからITRまでのプラスミドの配列は、配列番号2に示されている。
【
図13】本明細書で提供されるドナー構築物で使用される例示的なHDR配列を示す表である。
【
図14A】
図4A~4Kに記載される実験のためのオフターゲット編集のアンプリコン-seq検証の結果を示す。オフターゲット部位のリストを、染色体上の位置及びオフターゲットコンセンサス配列との最良の一致とともに提供する。
【
図14B】
図4A~4Kに記載される実験のためのオフターゲット編集のアンプリコン-seq検証の結果を示す。OT1-OT10のインデル割合を示すグラフである。OT1、OT4、及びOT5での編集は、非ヌクレアーゼ対照よりも、ARCUS+ドナー動物において顕著に高かった。
【
図15A】実施例7に記載されるように、PCSK9-hE7-KI.spf-ash仔において行われた、ARCUS2によるPCSK9遺伝子座におけるhOTCミニ遺伝子のノックインを含むMED研究のタイムラインを示す。
【
図16】実施例9で論じられるように、NHPで実施された1年間の毒性研究の部分的な研究設計を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書では、肝臓代謝障害を含む特定の遺伝性障害を有する患者に安定した長期的な治療効果を提供する、組成物、キット、及び方法が提供される。組成物、キット、及び方法は、標的細胞のPCSK9遺伝子座を標的化するヌクレアーゼを利用し、ドナーベクターは、PCSK9遺伝子座への組み込み及びそれからの発現のための外因性産物を含む鋳型を提供し、挿入された核酸配列は、PCSK9をコードせず、内因性PCSK9の発現が破壊され、発現レベルが低下する。
【0012】
一実施形態では、本明細書に記載の被験試料は、2つのベクターからなり、両方とも、クレードEカプシド、AAVrh79、及び肝臓特異的TBGプロモーターを使用する。第1のベクターは、ヌクレアーゼ、ARCUSであり、第2のベクターは、PCSK9エクソン7の500bpの相同性のアームに隣接するhOTCドナー遺伝子カセットである。
【0013】
Pcsk9-hE7-KI.spf-ashマウスにおいて、被験試料は、高タンパク質食チャレンジ後に、mPCSK9レベルが減少し、体重減少及び生存の両方が改善した。hOTCは、良好に形質導入され、未治療マウス及びGFP対照治療マウスと比較して、良好なインデル(%)を達成した。
【0014】
新生児の非ヒト霊長類では、被験試料は、84日目の肝臓生検で評価された18.6%及び11.9%のhOTC形質導入をもたらし、両方とも、患者に実質的に利益をもたら
す閾値(OTC発現細胞の約5%)よりも高い。
【0015】
被験試料関連の知見は観察されず、ALT及びPCSK9レベルは(0日目に対する割合として)、ベクター投与後、少なくとも3ヵ月間は低く、安定したままであった。
【0016】
特定の実施形態では、被験試料は、2つの非複製組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)rh79ベクター:AAVrh79.TBG.M2PCSK9.WPRE.bGH(ヌクレアーゼベクター)及びAAVrh79.hHDR.TBG.hOTCco.bGH(ドナーベクター)からなり、これらは、投与直前に、ゲノムコピー(GC)によって決定される比率で混合される。非臨床研究によれば、比率は、ヌクレアーゼベクターとドナーベクターとの1:3の比であり得る。被験試料は、特定の実施形態では、静脈内(IV)注入として単回用量として投与され、投与される用量は、GC/kg対象の体重に基づく。
【0017】
PCSK9
プロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9(PCSK9)は、肝臓及び肝外の両方の低密度リポタンパク質(LDL)受容体(LDLR;606945)レベルを低下させ、血漿LDLコレステロールを増加させるセリンプロテアーゼである。PCSK9は、血漿コレステロールホメオスタシスの調節に重要である。PCSK9は、低密度脂質受容体ファミリーメンバーの低密度リポタンパク質受容体(LDLR)、超低密度リポタンパク質受容体(VLDLR)、アポリポタンパク質E受容体(LRP1/APOER)、及びアポリポタンパク質受容体2(LRP8/APOER2)に結合し、細胞内酸性区画におけるそれらの分解を促進する。
【0018】
PCSK9遺伝子は、コレステロール関連疾患の治療のために標的化されているが、本明細書では、PSCK9遺伝子座が、他の非PCSK9導入遺伝子の挿入のための遺伝子標的化のためのセーフハーバーであることが実証される。したがって、本明細書に提供される組成物、キット、及び方法は、PCSK9遺伝子座を標的化するヌクレアーゼを利用し、ドナー鋳型を使用して、治療用導入遺伝子を標的PCSK9遺伝子座に挿入する。
【0019】
本明細書に提供される組成物、キット、及び方法は、遺伝子編集ベクターと、ドナーベクター(宿主細胞で発現させるための治療用OTC導入遺伝子を提供する)と、を含む。
【0020】
遺伝子編集成分
本明細書に提供される組成物、キット、及び方法は、遺伝子編集構成要素を含み、これは、ヌクレアーゼ(又はしたがって、コード配列)と、ヌクレアーゼに、染色体1上の天然PCSK9遺伝子座を特異的に標的化するように指示する配列と、を含む。本明細書で使用される場合、「標的PCSK9遺伝子座」又は「PCSK9遺伝子座」は、PCSK9コード配列のエクソン7にある。
図6は、SaCas9及びPCSK9を標的化するメガヌクレアーゼ(ARCUSと称される)を使用して本明細書に例示される、ヒト(h)、アカゲザル(rh)、及びマウス(m)のPCSK9エクソン7スプライス部位の整列を提供する。
【0021】
本明細書では、組成物、特に、ヌクレアーゼが記載され、これは、導入遺伝子(例えば、PCSK9に特異的なヌクレアーゼ)の挿入のための遺伝子を標的化するのに有用である。特定の実施形態では、ヌクレアーゼは、PCSK9を標的化するメガヌクレアーゼである。メガヌクレアーゼは、大きな認識部位(12~40塩基対の二本鎖DNA配列)、例えば、I-SceIを特徴とするエンドデオキシリボヌクレアーゼである。ヌクレアーゼと組み合わせると、DNAを特定の位置で切断することができる。制限酵素は、遺伝子編集における使用のために、又はインサイチュのゲノム編集のために、細胞内に導入され得る。特定の実施形態では、ヌクレアーゼは、22塩基対の認識配列(配列番号1-CA
AAACGTCGTGAGACAGTTTG)を認識し、切断する、ホーミングエンドヌクレアーゼのI-CreIファミリーのメンバーである。例えば、WO2009/059195を参照されたい。一実施形態では、ヌクレアーゼは、配列番号2(nt1089~2183)に示される配列、又はそれと少なくとも95%、98%、若しくは99%の同一性を共有する配列によってコードされる。一実施形態では、ヌクレアーゼタンパク質配列は、配列番号3に示される配列である。かかるヌクレアーゼは、本明細書ではARCUSヌクレアーゼと称されることがある。「ホーミングエンドヌクレアーゼ」という用語は、「メガヌクレアーゼ」という用語と同義である。その全体が本明細書に援用される、特定のPCSK9メガヌクレアーゼを記載する、WO2018/195449を参照されたい。
【0022】
特定の実施形態では、ヌクレアーゼコード配列の組成物、キット、及び方法は、遺伝子編集ベクターに含まれる。遺伝子編集ベクターは、ヌクレアーゼをコードする核酸配列と、PCSK9遺伝子を含む標的細胞におけるヌクレアーゼの発現を指示する調節配列と、を含む、発現カセットを含む。本明細書で使用される「ベクター」は、核酸配列を含む生物学的又は化学的部分であり、当該核酸配列の複製又は発現のために適切な宿主細胞に導入され得る。ヌクレアーゼコード配列を含むベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターである。
【0023】
本明細書で使用される場合、「発現カセット」とは、生物学的に有用な核酸配列と、核酸配列(例えば、タンパク質、酵素、又は他の有用な遺伝子産物、mRNAなどをコードする遺伝子cDNA)及びその遺伝子産物の転写、翻訳、並びに/若しくは発現を指示又は調節する、それと作動可能に連結された制御性配列と、を含む、核酸分子を指す。本明細書で使用される場合、「作動可能に連結された」配列には、核酸配列に隣接する調節配列と、配列を制御するためにトランスで又は離れて作用する調節配列との両方が含まれる。かかる調節配列は、典型的には、例えば、プロモーター、エンハンサー、イントロン、コザック配列、ポリアデニル化配列、及びTATAシグナルのうちの1つ以上を含む。発現カセットは、他の要素の中で、遺伝子配列の上流(5’~)の制御性配列、例えば、プロモーター、エンハンサー、イントロンなどのうちの1つ以上、及びエンハンサー、又は遺伝子配列の下流(3’~)の制御性配列、例えば、ポリアデニル化部位を含む3’非翻訳領域のうちの1つ以上を含有し得る。他の実施形態では、「導入遺伝子」という用語は、標的細胞に挿入される外因性供給源からの1つ以上のDNA配列を指す。典型的に、ウイルスベクターを産生するためのかかる発現カセットは、ウイルスゲノムのパッケージングシグナルに隣接する本明細書に記載される遺伝子産物のコード配列、及び本明細書に記載のものなどの他の発現制御配列を含む。
【0024】
ヌクレアーゼのコード配列に加えて、遺伝子編集ベクターには、宿主細胞においてヌクレアーゼの発現を指示する調節配列が含まれる。調節エレメントには、プロモーター、例えば、肝臓特異的プロモーターであるチロキシン結合グロブリン(TBG)プロモーターが含まれる。特定の実施形態では、TBGプロモーターは、配列番号2のヌクレオチド211~907の配列を有し、これには、エンハンサー配列が含まれる。
【0025】
プロモーターに加えて、遺伝子編集カセット、発現カセット、及び/又はベクターは、1つ以上の適切な「調節エレメント」又は「調節配列」を含有することができ、これには、エンハンサー、転写因子、転写終結因子、スプライシングシグナル及びポリアデニル化シグナル(ポリA)などの効率的なRNAプロセシングシグナル、細胞質mRNAを安定させる配列(例えば、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHP)転写後調節エレメント(WPRE))、翻訳効率を向上させる配列(すなわち、コザックコンセンサス配列)、タンパク質の安定性を向上させる配列、並びに必要に応じて、コードされた産物の分泌を向上させる配列が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ベクターは、ウ
シ成長ホルモン(bGH)ポリA、例えば、配列番号2のヌクレオチド2750~2964に示されるものなどを含む。好適なエンハンサーとしては、α1-マイクログロブリン/ビクニンエンハンサーが挙げられる。好適なWPREには、配列番号2のヌクレオチド2202~2743に示されるものが含まれる。これらの制御配列又は調節配列は、ヌクレアーゼコード配列及び導入遺伝子コード配列に作動可能に連結される。特定の実施形態では、配列番号2のヌクレオチド939~1071に示されるようなSV40イントロンが含まれる。
【0026】
特定の実施形態では、ヌクレアーゼベクターゲノムは、以下の成分を含む。逆位末端配列(Inverted Terminal Repeat、ITR): ITRは、ベクターゲノムの全ての構成要素に隣接するAAV2(145塩基対[bp]、GenBank:NC_001401)に由来する同一の逆相補配列である。ITRは、AAV及びアデノウイルスヘルパー機能がトランスで提供される場合、ベクターDNA複製の起点及びベクターゲノムのパッケージングシグナルの両方として機能する。したがって、ITR配列は、ベクターゲノム複製及びパッケージングに必要な唯一のシス配列を表す。ヒトチロキシン結合グロブリン(TBG)プロモーター:この調節要素は、肝臓における組織特異的な導入遺伝子の発現を付与する(410bp、GenBank:L13470.1)。コード配列:導入遺伝子は、操作されたメガヌクレアーゼである(ARCUS;1095bp、365アミノ酸)。これは、Chlamydomonas reinhardtiiから単離されたホーミングエンドヌクレアーゼI-CreIのバリアントに由来し、高効率かつ高特異性でPCSK9遺伝子を認識及び編集する。WPRE(ウッドチャック肝炎ウイルス転写後調節要素):ウッドチャック肝炎ウイルス(WHV)に由来するシス作用性RNA要素(GenBank:MT612432.1)が、ポリAシグナルの上流のコード配列の3’非翻訳領域に挿入されている。WPREは、ヘパドナウイルス由来の配列であり、十分なレベルの導入遺伝子産物の発現を達成し、製造中にウイルス力価を改善するために、ウイルス遺伝子ベクターにおけるシス作用性調節モジュールとして以前から使用されている。WPREは、転写産物の終結を改善し、3’末端転写産物のプロセシングを増強することによって、導入遺伝子産物の発現を増加させ、それによって、ポリアデニル化転写産物の量及びポリAテールのサイズを増加させ、翻訳に利用可能なより多くの導入遺伝子mRNAをもたらすと考えられている。ベクターに含まれるWPREは、ウッドチャック肝炎ウイルスXタンパク質(WHX)タンパク質オープンリーディングフレーム(ORF)の推定プロモーター領域に5つの点変異、それとともにWHXタンパク質ORFの開始コドンにおける追加の点変異(ATGがTTGに変異)を含む変異バージョンである。この変異型WPRE(mut6と称される)は、WPRE mut6-GFP融合構築物を含むレンチウイルスで形質導入された様々なヒト細胞株の高感度フローサイトメトリー分析に基づいて、切断型WHXタンパク質の発現を排除するのに十分であると考えられる(Zanta-Boussif et al.,2009)。
【0027】
ウシ成長ホルモンポリA(bGHポリA):bGHポリAシグナル(208bp、GenBank:MT267334)は、シスでの導入遺伝子mRNAの効率的なポリアデニル化を促進する。この要素は、転写終結、新生転写物の3’での特異的切断事象、及び長いポリアデニルテールの付加のためのシグナルとして機能する。
【0028】
特定の実施形態では、遺伝子編集ベクターは、1つ以上の核局在化シグナル(NLS)を更に含む。例えば、Lu et al.Types of nuclear localization signals and mechanisms of protein import into the nucleus,Cell Commun Signal(May 2021)19:60を参照されたい。一実施形態では、ベクターは、配列番号2のnt1095~1115に示されるNLSを含む。
【0029】
ドナーベクター
組成物、キット、及び方法は、OTC治療用導入遺伝子のコード配列を提供するドナーベクターを含む。ドナーベクターは、導入遺伝子をコードする核酸配列と、標的細胞における導入遺伝子の発現を指示する調節配列と、を含む、発現カセットを含む。
【0030】
OTC欠損症を有する患者に長期の治療効果を提供する、ゲノムのPCSK9セーフハーバーにおけるOTC導入遺伝子カセットのヌクレアーゼ媒介性部位特異的組み込みのための組成物、キット、及び方法。本明細書ではhOTCco2と称され、配列番号4に示される、OTCの操作されたコード配列が提供される。配列番号4の配列、又は配列番号4と、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは少なくとも99.9%の同一性を共有する配列を有する核酸が提供される。一実施形態では、核酸は、配列番号5に示される天然OTCコード配列と、80%未満、79%未満、78%未満、77%未満、76%未満、75%未満、74%未満、73%未満、72%未満、71%未満、又は70%未満の同一性を共有する。
【0031】
いくつかの実施形態では、導入遺伝子カセットは、TBGプロモーター、導入遺伝子コード配列、及びポリA配列を含む。
【0032】
プロモーターに加えて、導入遺伝子カセット、発現カセット、及び/又は(編集若しくはドナー)ベクターは、エンハンサー、転写因子、転写終結因子、スプライシング及びポリアデニル化シグナル(ポリA)などの効率的なRNAプロセシングシグナル、細胞質mRNA、例えば、ウッドチャック肝炎ウイルス(WHP)転写後調節エレメント(WPRE)を安定させる配列、翻訳効率を向上させる配列(すなわち、コザックコンセンサス配列)、タンパク質安定性を向上させる配列、並びに必要に応じて、コードされた産物の分泌を向上させる配列を含むが、これらに限定されない、1つ以上の適切な「調節エレメント」又は「調節配列」を含み得る。好適なポリA配列の例には、例えば、SV40、ウシ成長ホルモン(bGH)、及びTKポリAが含まれる。好適なエンハンサーの例としては、例えば、とりわけαフェトタンパク質エンハンサー、TTR最小プロモーター/エンハンサー、LSP(TH結合グロブリンプロモーター/α1-マイクログロブリン/ビクニンエンハンサー)が挙げられる。これらの制御配列又は調節配列は、ヌクレアーゼコード配列又は導入遺伝子コード配列に作動可能に連結される。
【0033】
特定の実施形態では、ドナーベクターゲノムは、以下を含む。逆位末端配列(Inverted Terminal Repeat、ITR):ITRは、ベクターゲノムの全ての構成要素に隣接するAAV2(145bp、GenBank:NC_001401)に由来する同一の逆相補配列である。ITRは、AAV及びアデノウイルスヘルパー機能がトランスで提供される場合、ベクターDNA複製の起点及びベクターゲノムのパッケージングシグナルの両方として機能する。したがって、ITR配列は、ベクターゲノム複製及びパッケージングに必要な唯一のシス配列を表す。5’及び3’相同性アーム:相同性依存性組換えアーム(hHDRとも称される)は、内因性ヒトPCSK9遺伝子座のエクソン7の切断部位に隣接する配列からなる。相同性アームは、PCSK9遺伝子のエクソン7におけるARCUSメガヌクレアーゼ切断部位の500bp上流の配列(5’相同性アーム)及び500bp下流の配列(3’相同性アーム)を含む。ヒトチロキシン結合グロブリン(TBG)プロモーター:この調節要素は、肝臓における組織特異的な導入遺伝子の発現を付与する(434bp、GenBank:L13470.1)。コード配列:導入遺伝子は、ヒトオルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)遺伝子のコドン最適化バージョンである(1068bp、356アミノ酸)。ウシ成長ホルモンポリA(BGHポリA):bGHポリAシグナル(215bp、GenBank:MT267334)は、シスでの導入遺伝子mRNAの効率的なポリアデニル化を促進する。この要素は、転写
終結、新生転写物の3’での特異的切断事象、及び長いポリアデニルテールの付加のためのシグナルとして機能する。
【0034】
導入遺伝子カセットに加えて、ドナーベクターはまた、導入遺伝子カセットの5’及び3’側に相同組換え(HDR)アームを含み、内因性ゲノムへの導入遺伝子の相同組換えを促進する。相同性アームは、標的PCSK9遺伝子座に向けられ、様々な長さのものであり得る。別の実施形態では、HDRアームは、約500bpである。HDRアームは、理想的には、100%の相補性である必要はないが、標的PCSK9遺伝子座と高レベルの相補性を共有する。いくつかの実施形態では、各HDRアームには、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個、又はそれ以上のミスマッチが許される。PCSK9エクソン7を標的化するための好適なHDRアーム配列は、
図14、及び配列番号7~12に示される。一実施形態では、HDRアーム配列は、配列番号13及び14に示されるものである。
【0035】
AAVウイルスベクター
遺伝子編集ベクター及びドナーベクターは、組換えAAVとして提供される。「組換えAAV」又は「rAAV」は、2つの要素、AAVカプシド、及びAAVカプシド内にパッケージングされた少なくとも非AAVコード配列を含むベクターゲノムを含むDNAse耐性ウイルス粒子である。特に明記しない限り、この用語は「rAAVベクター」又は「AAVベクター」という語句と互換的に使用され得る。rAAVは、任意の機能的AAV rep遺伝子又は機能的AAV cap遺伝子を欠き、後代を生成することができないため、「複製欠損ウイルス」又は「ウイルスベクター」である。特定の実施形態では、唯一のAAV配列は、AAV逆位末端反復配列(ITR)であり、ITR間に位置する遺伝子及び調節配列がAAVカプシド内にパッケージングされることを可能にするために、典型的にはベクターゲノムの5’及び3’最末端に位置する。
【0036】
アデノ随伴ウイルス(AAV)ウイルスベクターは、AAVタンパク質カプシドを有するAAV DNase耐性粒子であり、その中に、標的細胞に送達するための核酸配列がパッケージングされている。AAVカプシドは、60個のカプシド(cap)タンパク質サブユニット、VP1、VP2、及びVP3で構成され、選択されるAAVに応じて、およそ1:1:10~1:1:20の比で二十面体対称に配置される。
【0037】
発現カセットは、ウイルスカプシドへのパッケージングのためにベクターゲノムに位置する。例えば、AAVベクターゲノムの場合、発現カセットの成分は、AAV逆位末端反復配列によって5’最末端及び3’最末端に隣接する。例えば、5’AAV ITR、発現カセット、3’AAV ITR。
【0038】
ドナーベクター及びヌクレアーゼベクターの両方についてのAAVカプシドの供給源は、2019年9月6日に公開されたWO2019/169004(参照により本明細書に援用される)に記載されているように、AAVrh79である。一実施形態では、AAVrh79カプシドは、AAVrh79 vp1タンパク質、AAVrh79 vp2タンパク質、及びAAVrh79 vp3タンパク質の異種集団を含む。一実施形態では、AAVrh79カプシドは、配列番号16の1~738の予測されたアミノ酸配列をコードする核酸配列から発現することにより産生される。任意選択的に、vp1固有領域(約aa1~137)又はvp2固有領域(約aa1~203)を除く核酸配列からのvp3タンパク質、配列番号15から産生されるvp1タンパク質、又は配列番号16の1~738の予測されたアミノ酸配列をコードする配列番号15と少なくとも70%同一の核酸配列から産生されるvp1タンパク質を共発現する配列。他の実施形態では、配列番号16の少なくとも約アミノ酸138~738の予測されたアミノ酸配列をコードする核酸配列からの発現により産生されるAAVrh79 vp2タンパク質、配列番号15の少なく
ともヌクレオチド412~2214を含む配列から産生されるvp2タンパク質、若しくは配列番号16の少なくともアミノ酸約138~738の予測されたアミノ酸配列をコードする、配列番号15の少なくともヌクレオチド412~2214と少なくとも70%同一の核酸配列から産生されるvp2タンパク質、配列番号16の少なくともアミノ酸約204~738の予測されたアミノ酸配列をコードする核酸配列からの発現により産生されるAAVrh79 vp3タンパク質、配列番号15の少なくともヌクレオチド610~2214を含む配列から産生されるvp3タンパク質、若しくは配列番号16の少なくとも約アミノ酸204~738の予測されたアミノ酸配列をコードする、配列番号15の少なくともヌクレオチド610~2214と少なくとも70%同一の核酸配列から産生されるvp3タンパク質。
【0039】
特定の実施形態では、AAVrh79カプシドは、配列番号16のアミノ酸配列をコードする核酸配列の産物であるvp1タンパク質の異種集団、配列番号16の少なくとも約アミノ酸138~738でのアミノ酸配列をコードする核酸配列の産物であるvp2タンパク質の異種集団、及び配列番号16の少なくともアミノ酸204~738をコードする核酸配列の産物であるvp3タンパク質の異種集団を含む。
【0040】
AAVrh79 vp1、vp2、及びvp3タンパク質は、配列番号16におけるアスパラギン-グリシン対中の少なくとも2つの高度脱アミド化アスパラギン(N)を含むアミノ酸修飾を有する亜集団を含み、任意選択的に、他の脱アミド化アミノ酸を含む亜集団を更に含み、脱アミド化は、アミノ酸変化をもたらす。配列番号16の数と比較して、N-G対N57、N263、N385、及び/又はN514で高いレベルの脱アミド化が観察される。脱アミド化は、以下の表及び実施例に示されるように、他の残基において観察されている。特定の実施形態では、AAVrh79は、他の残基が、例えば、典型的には10%未満で脱アミド化され得、かつ/又はメチル化(例えば、~R487)(典型的には、所与の残基で5%未満、より典型的には1%未満)、異性化(例えば、D97で)(典型的には、所与の残基で5%未満、より典型的には1%未満、リン酸化(例えば、存在する場合、約10~約60%、又は約10~約30%、又は約20~約60%の範囲)(例えば、S149、~S153、~S474、~T570、~S665のうちの1つ以上で)、若しくは酸化(例えば、W248、W307、W307、M405、M437、M473、W480、W480、W505、M526、M544、M561、W621、M637、及び/又はW697のうちの1つ以上で)を含む他の修飾を有し得る。任意選択的に、Wは、キヌレニンに酸化され得る。
【表1】
【0041】
特定の実施形態では、AAVrh79カプシドは、トリプシン酵素を用いた質量分析を使用して決定される、上記の表で特定された位置の1つ以上で、以下に示す範囲で修飾される。特定の実施形態では、以下の位置、又はNに続くグリシンのうちの1つ以上は、本明細書に記載されるように修飾される。残基番号は、本明細書に提供されるAAVrh79配列に基づく。配列番号16を参照されたい。
【0042】
特定の実施形態では、AAVrh79 vp1カプシドタンパク質をコードする核酸配列は、配列番号15に提供される。他の実施形態では、配列番号15と70%~99.9
%同一の核酸配列を選択して、AAVrh79カプシドタンパク質を発現し得る。特定の他の実施形態では、核酸配列は、配列番号15と少なくとも約75%同一、少なくとも80%同一、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%同一、又は少なくとも99%、又は99.9%同一である。しかしながら、配列番号16のアミノ酸配列をコードする他の核酸配列は、rAAVカプシドの産生に使用するために選択され得る。特定の実施形態では、核酸配列は、配列番号15の核酸配列、又は配列番号16をコードする配列番号15と少なくとも70%~99%同一、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%同一の配列を有する。特定の実施形態では、核酸配列は、配列番号15の核酸配列、又は配列番号15の約nt412~約nt2214と少なくとも70%~99%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%同一の配列を有し、配列番号16のvp2カプシドタンパク質(約aa138~738)をコードする。特定の実施形態では、核酸配列は、配列番号15の約nt610~約nt2214の核酸配列、又は配列番号15のntと、少なくとも70%~99%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、少なくとも99%同一の配列を有し、配列番号16のvp3カプシドタンパク質(約a
a204~738)をコードする。
【0043】
特定の実施形態では、rAAV79ベクターは、ベクターゲノムを含有するAAVrh79カプシドを有し、ベクターゲノムが、AAV逆位末端反復配列を含む核酸分子と、産物の発現を指示する配列に作動可能に連結された産物をコードする非AAV核酸配列と、を含む。特定の実施形態では、AAVrh79カプシドは、配列番号16の1~738の予測されたアミノ酸配列をコードする核酸配列からの発現によって産生されるvp1タンパク質、配列番号15から産生されるvp1タンパク質、又は配列番号16の1~738の予測されたアミノ酸配列をコードする配列番号15と少なくとも70%~100%同一の核酸配列から産生されるvp1タンパク質、から選択されるAAVrh79 vp1タンパク質、AAVrh79 vp2タンパク質、及びAAVrh79 vp3タンパク質の異種集団と、配列番号16の少なくとも約アミノ酸138~738の予測されたアミノ酸配列をコードする核酸配列からの発現によって産生されるvp2タンパク質、配列番号15の少なくともヌクレオチド412~2214を含む配列から産生されるvp2タンパク質、又は配列番号16の少なくとも約アミノ酸138~738の予測されたアミノ酸配列をコードする配列番号15の少なくともヌクレオチド412~2214と少なくとも70%~100%同一の核酸配列から産生されるvp2タンパク質、から選択されるAAVrh79 vp2タンパク質の異質集団と、配列番号16の少なくとも約アミノ酸204~738の予測されたアミノ酸配列をコードする核酸配列からの発現によって産生されるvp3タンパク質、配列番号15の少なくともヌクレオチド610~2214を含む配列から産生されるvp3タンパク質、又は配列番号16の少なくとも約アミノ酸204~738の予測されたアミノ酸配列をコードする配列番号15の少なくともヌクレオチド610~2214と少なくとも70%同一の核酸配列から産生されるvp3タンパク質、から選択されるAAVrh79 vp3タンパク質の異質集団と、を含むことを特徴とする。特定の実施形態では、rAAVrh79カプシドは、配列番号16のアミノ酸配列をコードする核酸配列の産物であるAAVrh79 vp1タンパク質、AAVrh79 vp2タンパク質、及びAAVrh79 vp3タンパク質の異種集団と、配列番号16の少なくとも約アミノ酸138~738のアミノ酸配列をコードする核酸配列の産物であるvp2タンパク質の異種集団と、配列番号16の少なくともアミノ酸204~738をコードする核酸配列の産物であるvp3タンパク質の異種集団と、を特徴とする。特定の実施形態では、AAVrh79カプシドは、AAVrh79 vp1タンパク質、vp2タンパク質、及びvp3タンパク質を特徴とし、これらは、それぞれ、アミノ酸1~738(vp1)、138~738(vp2)、及び204~738(vp3)に対する異種集団を含み、AAVrh79 vp1、AAVrh79 vp2、及びAAVrh79 vp3タンパク質の異種集団が、配列番号16に対する少なくとも2つの位置のアスパラギン-グリシン対において少なくとも50%~100%の2つの高度に脱アミド化されたアスパラギン(N)を含むアミノ酸修飾を有する部分集団を含み、任意選択的に、他の脱アミド化アミノ酸を含む部分集団を更に含み、脱アミド化が、アミノ酸変化をもたらす。特定の実施形態では、高度に脱アミド化された位置は、配列番号16に基づいて、かつ質量分析法を使用して測定した場合、N57、N263、N385、及びN514である。特定の実施形態では、AAVrh79カプシドタンパク質は、各々、配列番号16に基づいて、かつ質量分析を使用して測定した場合、N57位で60%~約100%、N263位で60%~約100%、N385位で60%~約100%、及びN514位で60%~約100%で個々に脱アミド化されている。脱アミド化又は他の翻訳後修飾を測定するための他の好適な技術を選択することもできる。
【0044】
特定の実施形態では、rAAV79カプシドは、質量分析を使用して決定した場合、配列番号16のN57位で約80%~85%の脱アミド化、配列番号16のN263位で約82%~約88%の脱アミド化、配列番号3のN385位で約90%~約96%の脱アミド化、及び/又は配列番号16のN514位で約85%~約90%の脱アミド化を有する
AAVrh79 VP1タンパク質を含み、任意選択的に、他の位置で更なる翻訳後修飾を有する。任意選択的に、N94位、N254位、N305位、N410位、N479位、Q601位、N653位に脱アミド化が存在し、一般に、AAVrh79のVP1、VP2、及びVP3タンパク質の集団の10%未満、5%未満、3%未満、又は2%未満で、これらの位置に脱アミド化が見出される。任意選択的に、リン酸化は、配列番号16の残基に基づいて、S149位で観察され、特定の実施形態では、カプシドタンパク質の0%以下が、この位置でリン酸化を有する。特定の実施形態では、酸化は、W248、W307、M437、M473、M480、W505、M637、及び/又はW697位で観察され、特定の実施形態では、カプシドタンパク質の10%未満が、これらの位置のいずれか1つで酸化されている。翻訳後修飾は、質量分析又は別の好適な技術を使用して決定され得る。
【0045】
本発明はまた、変異体AAVrh79をコードする核酸配列を包含し、1つ以上の残基は、本明細書で特定される脱アミド化又は他の修飾を低減させるために改変されている。かかる核酸配列は、変異体rAAVrh79カプシドの産生において使用することができる。
【0046】
本明細書で使用される場合、「ベクターゲノム」とは、ウイルス粒子を形成するrAAVカプシドの内部にパッケージングされる核酸配列を指す。かかる核酸配列は、AAV逆位末端反復配列(ITR)を含む。本明細書の実施例では、ベクターゲノムは、少なくとも、5’から3’へ、AAV 5’ITR、その発現を指示する調節配列に作動可能に連結された導入遺伝子又はコード配列(複数可)を含む発現カセット、及びAAV 3’ITRを含む。ITRは、ベクター生成の際にゲノムの複製及びパッケージングに関与する遺伝エレメントであり、rAAVを生成するために必要とされる唯一のウイルスシスエレメントである。好ましい実施形態では、利便性のために使用され得る、AAV2由来のITR配列、又はその欠失バージョン(ΔITR)。特定の実施形態では、ITRは、配列番号2のヌクレオチド1~130及び3052~3181、並びに配列番号6のヌクレオチド1~130及び3345~3474に示されるものである。
【0047】
D配列及び末端分離部位(trs)が欠失している、5’ITRの短縮バージョン(ΔITRと呼ばれる)が記載されている。ある特定の実施形態では、ベクターゲノムは、130塩基対の短縮されたAAV2 ITRを含み、ここで、外部「a」要素は欠失している。短縮されたITRは、内部A要素を鋳型として使用して、ベクターDNAの増幅中に145塩基対の野生型長に戻される。他の実施形態では、全長AAV 5’及び3’ITRが使用される。他の実施形態では、全長ITR又は操作されたITRが選択され得る。AAV2からのITR、カプシドとは異なる供給源AAV、又は全長ITR以外が選択され得る。ITRは、産生中のrep機能又はトランス相補性AAVを提供するAAVと同じAAV供給源由来である。
【0048】
AAVウイルスベクター(例えば、組換え(r)AAV)の産生における使用のために、発現カセットは、パッケージング宿主細胞に送達される任意の好適なベクター、例えば、プラスミド上に担持され得る。本発明に有用なプラスミドは、特に、インビトロで原核細胞、昆虫細胞、哺乳動物細胞に複製及びパッケージングするのに好適であるように操作され得る。好適なトランスフェクション技術及びパッケージ宿主細胞は、既知であり、かつ/又は当業者によって容易に設計することができる。
【0049】
ベクターとしての使用に好適なAAVを生成及び単離するための方法は、当該技術分野において既知である。一般に、例えば、Grieger&Samulski,2005,“Adeno-associated virus as a gene therapy vector:Vector development,production a
nd clinical applications,”Adv.Biochem.Engin/Biotechnol.99:119-145、Buning et al.,2008,“Recent developments in adeno-associated virus vector technology,”J.Gene Med.10:717-733、及び以下に引用される参考文献を参照されたい(これらの各々は、その全体が参照により本明細書に援用される)。導入遺伝子をビリオンにパッケージする場合、ITRは、発現カセットを含む核酸分子と同じ構築物中でシスで必要とされる唯一のAAV成分である。cap及びrep遺伝子は、トランスで供給され得る。
【0050】
「AAV中間体」又は「AAVベクター中間体」という用語は、それにパッケージングされた所望のゲノム配列を欠失している組み立てられたrAAVカプシドを指す。これらは、「空の」カプシドと称され得る。そのようなカプシドは、発現カセットの検出可能なゲノム配列をまったく含まないか、又は遺伝子産物の発現を達成するには不十分な部分的にパッケージングされたゲノム配列のみを含み得る。これらの空のカプシドは、宿主細胞に目的の遺伝子を導入するために非機能的である。
【0051】
本明細書に記載の組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)は、既知の技術を使用して生成され得る。例えば、WO2003/042397、WO2005/033321、WO2006/110689、US7588772B2を参照されたい。かかる方法は、AAVカプシドタンパク質をコードする核酸配列、機能的rep遺伝子、少なくとも、AAV逆方向末端反復(ITR)及び導入遺伝子から構成される発現カセット、並びに発現カセットをAAVカプシドタンパク質にパッケージングするのを許可するのに十分なヘルパー機能を含む宿主細胞を培養することを含む。カプシドを生成する方法、そのためのコード配列、及びrAAVウイルスベクターを産生するための方法が記載されている。例えば、Gao,et al,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.100(10),6081-6086(2003)及びUS 2013/0045186A1を参照されたい。
【0052】
一実施形態では、組換えAAVを産生するために有用な産生細胞培養物が提供される。かかる細胞培養物は、宿主細胞中でAAVカプシドタンパク質を発現する核酸、AAVカプシドへのパッケージングに好適な核酸分子、例えば、AAV ITR及び宿主細胞中の産物の発現を指示する配列と作動可能に連結される遺伝子産物をコードする非AAV核酸配列を含有するベクターゲノム、並びに組換えAAVカプシドへの核酸分子のパッケージングを可能にするのに十分なAAV rep機能及びアデノウイルスヘルパー機能を含有する。一実施形態では、細胞培養物は、哺乳動物細胞(例えば、とりわけ、ヒト胎児腎臓293細胞)又は昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス)からなる。
【0053】
任意選択的に、rep機能は、カプシドを提供するAAV以外のAAVによって提供される。例えば、repは、これらに限定されないが、AAV1 repタンパク質、AAV2 repタンパク質、AAV3 repタンパク質、AAV4 repタンパク質、AAV5 repタンパク質、AAV6 repタンパク質、AAV7 repタンパク質、AAV8 repタンパク質、又はrep 78、rep 68、rep 52、rep 40、rep68/78、及びrep40/52、又はそれらの断片、又は別の供給源であり得る。任意選択的に、rep及びcap配列は、細胞培養物中の同じ遺伝子要素上にある。rep配列とcap遺伝子との間にスペーサーが存在し得る。これらのAAV又は変異体AAVカプシド配列のいずれかは、宿主細胞中でそれらの発現を指示する外因性調節制御配列の制御下にあり得る。
【0054】
一実施形態では、細胞は、好適な細胞培養(例えば、HEK293)細胞において製造される。本明細書に記載される遺伝子療法ベクターを製造するための方法には、遺伝子療
法ベクターの産生に使用されるプラスミドDNAの生成、ベクターの生成、及びベクターの精製などの、当該技術分野で周知の方法が含まれる。いくつかの実施形態では、遺伝子療法ベクターは、AAVベクターであり、生成されたプラスミドは、AAVゲノム及び目的の遺伝子をコードするAAVシス-プラスミド、AAV rep及びcap遺伝子を含有するAAVトランス-プラスミド、並びにアデノウイルスヘルパープラスミドである。ベクター生成プロセスは、細胞培養の開始、細胞の継代、細胞の播種、プラスミドDNAによる細胞のトランスフェクション、トランスフェクション後の無血清培地への培地交換、並びにベクター含有細胞及び培養培地の回収などの方法ステップを含み得る。採取されたベクター含有細胞及び培養培地は、本明細書では粗細胞採取物と称される。更に別の系では、遺伝子療法ベクターは、バキュロウイルスベースベクターによる感染によって昆虫細胞に導入される。これらの産生システムに関するレビューについては、概して、例えば、Zhang et al.,2009,“Adenovirus-adeno-associated virus hybrid for large-scale recombinant adeno-associated virus production,”Human Gene Therapy 20:922-929を参照されたい(各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。これら及び他のAAV産生系を作製及び使用する方法はまた、以下の米国特許に記載されており、これらの各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される:5,139,941、5,741,683、6,057,152、6,204,059、6,268,213、6,491,907、6,660,514、6,951,753、7,094,604、7,172,893、7,201,898、7,229,823、及び7,439,065。
【0055】
粗細胞回収物は、その後、ベクター回収物の濃縮、ベクター回収物のダイアフィルトレーション、ベクター回収物の微小流動化、ベクター回収物のヌクレアーゼ消化、微小流動化された中間体の濾過、クロマトグラフィによる粗精製、超遠心分離による粗精製、タンジェンシャルフロー濾過による緩衝液交換、並びに/又はバルクベクターを調製するための製剤化及び濾過などの、方法ステップに供され得る。
【0056】
高塩濃度での2ステップのアフィニティクロマトグラフィ精製、続いてアニオン交換樹脂クロマトグラフィを使用して、ベクター薬物産物を精製し、空のカプシドを除去する。これらの方法は、国際特許公開第2017/160360号に更に詳細に記載され、参照により本明細書に援用される。AAV8についての国際特許公開第2017/100676号、及びrh10についての国際特許公開第2017/100704号、及びAAV1についての国際特許公開第2017/100674号の精製方法は、全て参照により本明細書に援用される。
【0057】
空の粒子及び充填粒子の含有量を算出するために、選択された試料(例えば、本明細書の例では、イオジキサノール勾配で精製された調製物、GCの数=粒子の数)についてのVP3バンド体積が、ロードされたGC粒子に対してプロットされる。得られた線形方程式(y=mx+c)を使用して、被験試料のピークのバンド体積中の粒子の数を算出する。次いで、ロードした20μL当たりの粒子の数(pt)に50を掛けて、粒子(pt)/mLを得る。Pt/mLをGC/mLで割り、粒子とゲノムコピーとの比(pt/GC)を得る。Pt/mL~GC/mLは、空のpt/mLを与える。空のpt/mLをpt/mLで割り、100を掛け算することによって、空の粒子の割合を得る。
【0058】
一般に、空のカプシド及びパッケージングされたゲノムを含むAAVベクター粒子をアッセイするための方法は、当該分野において既知である。例えば、Grimm et al., Gene Therapy(1999)6:1322-1330、Sommer
et al.,Molec.Ther.(2003)7:122-128を参照されたい。変性されたカプシドについて試験するために、本方法は、3つのカプシドタンパク質
を分離することができる任意のゲル、例えば、緩衝液中に3~8%のTris-アセテートを含有する勾配ゲルからなる、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動に治療されたAAVストックを供し、次いで試料材料が分離されるまでゲルを泳動し、ナイロン又はニトロセルロース膜、好ましくは、ナイロンにゲルをブロットすることを含む。抗-AAVカプシド抗体は、次いで、変性したカプシドタンパク質、好ましくは、抗-AAVカプシドモノクローナル抗体、最も好ましくは、B1抗-AAV-2モノクローナル抗体に結合する主要な抗体として使用される(Wobus et al.,J.Virol.(2000)74:9281-9293)。次いで、一次抗体に結合し、一次抗体、より好ましくは、抗体に共有結合した検出分子を含有する抗-IgG抗体、最も好ましくは、西洋ワサビペルオキシダーゼに共有結合したヒツジ抗-マウスIgG抗体との結合を検出するための手段を含む、二次抗体が使用される。一次抗体と二次抗体との間の結合を半定量的に決定するために、結合を検出するための方法、好ましくは、放射性アイソトープ放射、電磁放射、又は比色変化を検出することができる検出方法、最も好ましくは、化学発光検出キットが使用される。例えば、SDS-PAGEでは、カラムフラクションからの試料を取って、還元剤(例えば、DTT)を含有するSDS-PAGE充填緩衝液中で加熱することができ、カプシドタンパク質は、プレキャスト勾配ポリアクリルアミドゲル(例えば、Novex)中で分解された。SilverXpress(Invitrogen、CA)を製造元の指示に従って使用して、銀染色を実施してもよく、又は他の好適な染色方法、すなわち、SYPROルビー若しくはクーマシー染色を実施してもよい。一実施形態では、カラムフラクション中のAAVベクターゲノム(vg)の濃度は、定量的リアルタイムPCR(Q-PCR)によって測定することができる。試料は希釈され、DNase
I(又は別の好適なヌクレアーゼ)で消化されて、外因性DNAが除去される。ヌクレアーゼの不活性化後、試料は、更に希釈され、プライマー及びプライマー間のDNA配列に特異的なTaqMan(商標)蛍光発生プローブを用いて増幅される。規定レベルの蛍光(閾値サイクル、Ct)に到達するのに必要とされるサイクル数は、Applied Biosystems Prism 7700配列検出システム上で各試料について測定される。AAVベクター中に含有されるものと同一の配列を含有するプラスミドDNAを用いて、Q-PCR反応における標準曲線を生成する。試料から得られたサイクル閾値(Ct)の値を使用して、プラスミド標準曲線のCt値に対してそれを正規化することによって、ベクターゲノム力価を決定する。デジタルPCRに基づくエンドポイントアッセイも使用可能である。
【0059】
一態様では、広域スペクトル血清プロテアーゼ、例えば、プロテイナーゼK(例えば、Qiagenから商業的に入手可能なもの)を利用する最適化されたq-PCR方法が使用される。より具体的には、最適化されたqPCRゲノム力価アッセイは、DNase I消化の後に、試料がプロテイナーゼK緩衝液で希釈され、プロテイナーゼKで治療され、続いて熱不活性化されることを除き、標準的なアッセイと同様である。好適には、試料は、試料サイズと等しい量のプロテイナーゼK緩衝液で希釈される。プロテアーゼK緩衝液は、2倍以上に濃縮され得る。典型的に、プロテアーゼK処理は、約0.2mg/mLであるが、0.1mg/mL~約1mg/mLで変動し得る。処理ステップは、概して、約55℃で約15分間実施されるが、より低い温度で(例えば、約37℃~約50℃)より長い時間にわたって(例えば、約20分間~約30分間)、又はより高い温度で(例えば、最高約60℃)、より短い時間にわたって(例えば、約5~10分間)実施されてもよい。同様に、熱不活性化は、概して、約95℃で約15分間であるが、温度を下げてもよく(例えば、約70~約90℃)、時間を延ばしてもよい(例えば、約20分~約30分)。次いで、試料は希釈され(例えば、1000倍)、標準アッセイで記載されるように、TaqMan分析に供される。
【0060】
加えて又は代替的に、ドロップレットデジタルPCR(ddPCR)を使用してもよい。例えば、ddPCRによる一本鎖及び自己相補性AAVベクターゲノム力価を決定する
ための方法が記載されている。例えば、M.Lock et al,Hu Gene Therapy Methods,Hum Gene Ther Methods.2014 Apr;25(2):115-25.doi:10.1089/hgtb.2013.131.Epub 2014 Feb 14を参照されたい。ddPCR法は、カプシド化ベクターゲノムの濃度を直接測定する。試料をDNaseIで処理して、試料中に存在する任意の非カプシド化DNAを消化し、続いて、プロテイナーゼKで処理してカプシドを破壊する。次いで、試料を、アッセイ範囲に適合するように希釈する。試料を、ddPCR Supermixと混合し、PCSK9遺伝子に特異的なメガヌクレアーゼ(ARCUS)を標的化する配列特異的プライマーをこの同じ領域にハイブリダイズする蛍光標識プローブと組み合わせて使用して、検出を達成する。20マイクロリットルのddPCR反応混合物を、Bio-Rad液滴生成器で処理し、ddPCR反応混合物を≧10,000の液滴に分割する。液滴生成後、ddPCR反応混合物をPCR増幅し、増幅したddPCR反応混合物をBio-Rad Droplet Readerを使用して読み取る。
【0061】
感染ユニット(IU)アッセイを使用して、RC32細胞(rep2を発現するHeLa細胞)におけるrAAVベクターの生産的取り込み及び複製を測定することができる。以前公開されたものと同様の96-ウェルエンドポイント形式を用いた。簡潔に言うと、RC32細胞は、rAAVの各希釈において12レプリケートで、rAAV BDSの段階希釈液及びAd5の均一希釈液によって同時感染される。感染の72時間後、細胞を溶解し、qPCRを実施して、インプットに対するrAAVベクター増幅を検出する。エンドポイント希釈50%の組織培養感染用量(TCID50)の計算(Spearman-Karber)は、感染力価を測定するために行われ、IU/mLとして表される。「感染性」値は、細胞と接触する各粒子、受容体結合、内部移行、核への輸送、及びゲノム複製に依存するので、それらは、アッセイ幾何学、並びに使用される細胞株における適切な受容体の存在、及び結合後経路によって影響を受ける。受容体及び結合後経路は、不死化細胞株において通常は維持されず、故に、感染性アッセイ力価は、存在する「感染性」粒子の数の絶対的尺度ではない。しかしながら、カプシドに封入されたGC対「感染ユニット」の比(GC/IU比として記載される)は、ロットからロットへの産物一貫性の尺度として使用されることができる。
【0062】
簡潔に言うと、パッケージングされたゲノム配列を有するrAAV粒子をゲノム欠損AAV中間体から分離するための方法は、組換えAAVウイルス粒子及びAAVカプシド中間体を含む懸濁液を高性能液体クロマトグラフィに供することを含み、AAVウイルス粒子及びAAV中間体は、高pHで平衡化された強力アニオン交換樹脂に結合され、約260及び約280で紫外吸光度のために溶出液をモニタリングしながら、塩勾配に供される。pHは、選択されたAAVに応じて調節され得る。例えば、参照により本明細書に援用されるWO2017/160360(AAV9)、WO2017/100704(AAVrh10)、WO2017/100676(例えば、AAV8)、及びWO2017/100674(AAV1)]を参照されたい。この方法では、AAV完全カプシドは、A260/A280の比が変曲点に到達すると溶出される画分から回収される。一実施例では、アフィニティクロマトグラフィステップのために、ダイアフィルトレーションされた産物を、AAV2血清型を効率的に捕らえるCapture Select(商標)Poros-AAV2/9アフィニティ樹脂(Life Technologies)に適用してもよい。これらのイオン性条件下では、残留細胞DNA及びタンパク質のかなりの割合は、カラムの中を流れ、一方で、AAV粒子は、効率的に捕捉される。
【0063】
デュアルベクターシステム
別の態様では、遺伝性障害を治療するためのデュアルベクターシステムが提供される。システムは、(a)遺伝子編集成分であって、PCSK9を標的化するメガヌクレアーゼ
をコードする核酸配列、及びPCSK9遺伝子を含む標的細胞におけるヌクレアーゼの発現を指示する調節配列を含む、遺伝子編集成分と、(b)ドナーベクターであって、PCSK9遺伝子座からの発現のためのOTCをコードする核酸配列を含み、本システムが、ヌクレアーゼに、天然PCSK9遺伝子座を特異的に標的化するように指示する配列を更に含む。デュアルベクターの成分は、本明細書に記載されるものと同じである。
【0064】
一実施形態では、遺伝子編集ベクターの発現カセットは、配列番号2のヌクレオチド211~2964の配列、又は配列番号2のヌクレオチド211~2964の配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは少なくとも99.9%の同一性を共有する配列を含む。
【0065】
一実施形態では、ドナーベクターの発現カセットは、配列番号6のヌクレオチド178~3281の配列、又は配列番号6のヌクレオチド178~3281の配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、若しくは少なくとも99.9%の同一性を共有する配列を含む。
【0066】
システムは、遺伝子編集ベクターと鋳型ベクターとの比が約1対約1である場合に有効であり得るが、ドナー鋳型ベクターが遺伝子編集ベクターよりも過剰に存在することが望ましい。一実施形態では、編集ベクター(a)とドナーベクター(b)との比は、約1:3~約1:100、又は約1:10である。特定の実施形態では、編集ベクター(a)とドナーベクター(b)との比は、約1:3である。特定の実施形態では、編集ベクター(a)とドナーベクター(b)との比は、約1:2である。特定の実施形態では、編集ベクター(a)とドナーベクター(b)との比は、約1:2.5である。特定の実施形態では、編集ベクター(a)とドナーベクター(b)との比は、約1:3.5である。特定の実施形態では、編集ベクター(a)とドナーベクター(b)との比は、約1:4である。特定の実施形態では、編集ベクター(a)とドナーベクター(b)との比は、約1:4.5である。特定の実施形態では、編集ベクター(a)とドナーベクター(b)との比は、約1:5である。
【0067】
一実施形態では、デュアルベクターシステムは、遺伝子編集AAVであって、AAVカプシドと、5’ITR、メガヌクレアーゼをコードする配列であって、PCSK9遺伝子を含む標的細胞におけるメガヌクレアーゼの発現を指示する調節配列の制御下でPCSK9を標的化する、配列、及び3’ITRを含む、第1のベクターゲノムと、を含む、遺伝子編集AAV、並びにドナーAAVベクターであって、AAVカプシドと、5’ITR、5’相同組換え(HDR)アーム、OTC導入遺伝子及び標的細胞における導入遺伝子の発現を指示する調節配列、3’HDRアーム、及び3’ITRを含む、第2のベクターゲノムと、を含む、ドナーAAVベクター、を含む。
【0068】
薬学的組成物
別の態様では、薬学的組成物が提供され、これは、rAAV遺伝子編集ベクターを含む第1のrAAVストックであって、rAAV遺伝子編集ベクターが、PCSK9を標的化するメガヌクレアーゼをコードする核酸配列(例えば、配列番号3のタンパク質配列)及びPCSK9遺伝子を含む標的細胞におけるヌクレアーゼの発現を指示する調節配列を含む、発現カセットを含む、第1のrAAVストックと、rAAVドナーベクターを含む、第2のrAAVストックであって、rAAVドナーベクターが、OTC導入遺伝子をコードする核酸配列(例えば、配列番号4のコード配列)及び標的細胞における導入遺伝子の発現を指示する調節配列を含む、導入遺伝子カセットを含む、第2のrAAVストックと、を含む。薬学的組成物は、任意選択的な担体、賦形剤、及び/又は防腐剤を含有する。
いくつかの実施形態では、ドナーベクターは、導入遺伝子カセットの5’及び3’側に相同組換え(HDR)アームを更に含む。一実施形態では、ドナーベクター、遺伝子編集ベクター、又はその両方のAAVカプシドは、AAVrh79カプシドである。
【0069】
本明細書で使用される場合、「担体」は、ありとあらゆる溶媒、分散媒体、ビヒクル、コーティング、希釈剤、抗菌剤及び抗真菌剤、等張剤及び吸収遅延剤、緩衝液、担体溶液、懸濁液、コロイドなどを含む。薬学的な活性物質のためのかかる媒体及び薬剤の使用は、当該技術分野において周知である。補充的な活性成分を組成物中に組み込むこともできる。「薬学的に許容される」という語句は、宿主に投与されると、アレルギー又は同様の有害反応を生じない分子実体及び組成物を指す。本発明の組成物を好適な宿主細胞に導入するために、リポソーム、ナノカプセル、微粒子、マイクロスフェア、脂質粒子、小胞などの送達ビヒクルが使用され得る。具体的には、rAAVベクター送達ベクターゲノムは、脂質粒子、リポソーム、小胞、ナノスフィア、又はナノ粒子などのいずれかに封入された送達のために製剤化され得る。
【0070】
一実施形態では、組成物は、対象への送達に適した最終製剤を含み、例えば、生理的に適合するpH及び塩濃度に緩衝される水性液体懸濁液である。任意選択的に、1つ以上の界面活性剤が製剤中に存在する。別の実施形態では、組成物は、対象への投与のために希釈される濃縮物として輸送され得る。他の実施形態では、組成物は、凍結乾燥され、投与時に再構築されてもよい。
【0071】
製剤を作製するための当該技術分野で周知の方法及び薬剤は、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」,Mack Publishing Company,Easton,Pa.に記載されている。製剤は、例えば、賦形剤、担体、安定剤、若しくは希釈剤、例えば、滅菌水、生理食塩水、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、植物由来の油、若しくは水素化ナフタレン、保存剤(オクタデシルジメチルベンジル、塩化アンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェノール、ブチル若しくはベンジルアルコール、メチル若しくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノール、3-ペンタノール、及びm-クレゾール)、低分子量ポリペプチド、タンパク質、例えば、血清アルブミン、ゼラチン、若しくは免疫グロブリン、親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、アミノ酸、例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、及びリジン、単糖類、二糖類、並びにグルコース、マンノース、及びデキストリンを含む他の炭水化物、EDTAなどのキレート剤、スクロース、マンニトール、トレハロース、若しくはソルビトールなどの糖類、ナトリウムなどの塩形成対イオン、金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体)、並びに/又はTWEEN(商標)、PLURONICS(商標)、若しくはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤を含有してもよい。
【0072】
活性成分はまた、例えば、コアセルベーション技術によって、又は界面重合によって調製された、マイクロカプセル、例えば、それぞれ、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子、及びナノカプセル)、又はマクロエマルジョンにおける、ヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン-マイクロカプセル及びポリ-(メチルメタシレート)マイクロカプセルに封入されてもよい。かかる技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に開示されている。
【0073】
好適な界面活性剤、又は界面活性剤の組み合わせは、非毒性である非イオン性界面活性剤の中から選択されてもよい。一実施形態では、例えば、中性pHを有し、8400の平
均分子量を有する、ポロキサマー188としても知られている、Pluronic(登録商標)F68[BASF]などの、一級ヒドロキシル基末端の二機能的ブロックコポリマー界面活性剤が選択される。他の界面活性剤及び他のポロキサマー、すなわち、ポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))の2つの親水性鎖に隣接するポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))の中心疎水性鎖からなる非イオン性トリブロックコポリマー、SOLUTOL HS 15(マクロゴール-15ヒドロキシステアレート)、LABRASOL(ポリオキシカプリル酸グリセリド)、ポリオキシ10オレイルエーテル、TWEEN(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル)、エタノール、及びポリエチレングリコールが選択され得る。一実施形態では、製剤は、ポロキサマーを含有する。これらのコポリマーは、一般に、文字「P」(ポロキサマーについて)に続いて、3桁数字を用いて命名され、初めの2桁数字×100は、ポリオキシプロピレンコアのおおよその分子質量を示し、最後の数字×10は、ポリオキシエチレン含有量割合を示す。一実施形態では、ポロキサマー188が選択される。界面活性剤は、懸濁液の最大約0.0005%~約0.001%の量で存在してもよい。
【0074】
ベクターは、細胞をトランスフェクトするのに十分な量で投与され、十分なレベルの遺伝子導入及び発現を提供して、過度の悪影響なしに、又は医学的に許容される生理学的効果を伴う治療効果を提供し、これは当業者によって決定され得る。従来及び薬学的に許容される投与経路には、所望の臓器(例えば、肝臓(任意で肝動脈を介して)、肺、心臓、眼、腎臓)、経口、吸入、鼻腔内、髄腔内、気管内、動脈内、眼内、静脈内、筋肉内、皮下、皮膚内、及び他の親の投与経路への直接送達が含まれるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、投与経路は、IVである。投与経路は、所望される場合、組み合わされてもよい。
【0075】
ウイルスベクターの投与量は、主に、治療される状態、患者の年齢、体重、及び健康状態などの因子に依存し、したがって、患者間で異なり得る。例えば、ウイルスベクターの治療有効なヒト投薬量は、概して、約25~約1000マイクロリットル~約100mLの約1×109~1×1016ゲノムウイルスベクターの濃度を含む溶液の範囲である。投与量は、任意の副作用に対する治療効果のバランスを取るように調整され、かかる投与量は、組換えベクターが利用される治療用途に応じて変化し得る。導入遺伝子産物の発現のレベルをモニタリングして、ウイルスベクター、好ましくは、ミニ遺伝子を含有するAAVベクターをもたらす投与量の頻度を決定することができる。任意選択的に、治療目的で記載されているものと同様の投与レジメンは、本発明の組成物を使用した免疫化に利用され得る。
【0076】
複製欠陥ウイルス組成物は、ヒト患者にとって、範囲内の全ての整数又は分数を含む、(体重70kgの平均対象を治療する)約1.0×109GC~約1.0×1016GCの範囲、好ましくは1.0×1012GC~1.0×1014GCの範囲にある量の複製欠陥ウイルスを含有する投与量単位で製剤化することができる。一実施形態では、組成物は、範囲内の全ての整数又は小数を含む、用量当たり少なくとも1×109、2×109、3×109、4×109、5×109、6×109、7×109、8×109、又は9×109GCを含むように製剤化される。別の実施形態では、組成物は、範囲内の全ての整数又は小数を含む、用量当たり少なくとも1×1010、2×1010、3×1010、4×1010、5×1010、6×1010、7×1010、8×1010、又は9×1010GCを含むように製剤化される。別の実施形態では、組成物は、範囲内の全ての整数又は小数を含む、用量当たり少なくとも1×1011、2×1011、3×1011、4×1011、5×1011、6×1011、7×1011、8×1011、又は9×1011GCを含むように製剤化される。別の実施形態では、組成物は、範囲内の全ての整数又は小数を含む、用量当たり少なくとも1×1012、2×1012、3×1012、4×1012、5×1012、6×1012、7×1012、8×1012、又は9×
1012GCを含むように製剤化される。別の実施形態では、組成物は、範囲内の全ての整数又は小数を含む、用量当たり少なくとも1×1013、2×1013、3×1013、4×1013、5×1013、6×1013、7×1013、8×1013、又は9×1013GCを含むように製剤化される。別の実施形態では、組成物は、範囲内の全ての整数又は小数を含む、用量当たり少なくとも1×1014、2×1014、3×1014、4×1014、5×1014、6×1014、7×1014、8×1014、又は9×1014GCを含むように製剤化される。別の実施形態では、組成物は、範囲内の全ての整数又は小数を含む、用量当たり少なくとも1×1015、2×1015、3×1015、4×1015、5×1015、6×1015、7×1015、8×1015、又は9×1015GCを含むように製剤化される。一実施形態では、ヒトへの適用のために、用量は、範囲内の全ての整数又は少数を含む、用量当たり1×1010~約1×1012GCの範囲であり得る。
【0077】
これらの上述の用量は、治療される領域のサイズ、使用されるウイルス力価、投与経路、及び方法の所望の効果に応じて、約25~約1000マイクロリットルの範囲、又はそれより大きな体積、又はその範囲内の全ての数を含む様々な体積の担体、賦形剤、若しくは緩衝液製剤で投与され得る。
【0078】
任意の好適な投与経路が選択され得る。したがって、薬学的組成物は、任意の適切な投与経路のために、例えば、液体溶液又は懸濁液の形態で(例えば、静脈内投与、経口投与などのために)製剤化され得る。代替的に、薬学的組成物は、固体形態(例えば、例えば、経口投与のための、錠剤又はカプセルの形態)であってもよい。いくつかの実施形態では、薬学的組成物は、粉末、点滴、エアロゾルなどの形態であり得る。
【0079】
一態様では、本明細書に記載の少なくとも1つの遺伝子編集ベクター及び少なくとも1つのドナーベクターを製剤緩衝液中に含むパルボウイルスベクターを少なくとも含む、薬学的組成物が本明細書に提供される。特定の実施形態では、薬学的組成物は、異なるベクター集団の組み合わせを含む。一実施形態では、本明細書に記載の単一のrAAV集団を製剤緩衝液中に含む、薬学的組成物が提供される。本明細書に提供される方法は、2つの別個のベクター含有懸濁液の同時投与を提供する。
【0080】
方法
本明細書で提供される組成物は、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症の治療に有用である。本明細書に記載されるデュアルベクターシステムを同時投与することによって、ヒトにおける障害を治療する方法が本明細書に提供される。特定の実施形態では、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症の治療のための、非複製組換えアデノ随伴ウイルス血清型rh79ベクター:AAVrh79.TBG.M2PCSK9.WPRE.bGH及びAAVrh79.hHDR.TBG.hOTCco.bGHを含む組成物が、本明細書に提供される。
【0081】
一実施形態では、対象におけるOTC欠損症を治療する方法が提供される。本方法は、OTC欠損症を有する対象に、PCSK9を標的化するヌクレアーゼをコードする配列及びPCSK9遺伝子を含む標的細胞におけるヌクレアーゼの発現を指示する調節配列を含む、遺伝子編集AAVベクターと、導入遺伝子及び標的細胞におけるOTC導入遺伝子の発現を指示する調節配列を含む、ドナーAAVベクターと、を同時投与することを含む。一実施形態では、対象は、新生児である。
【0082】
特定の実施形態では、遺伝子編集AAVベクター及びドナーベクターは、本質的に、同じ経路を介して同時に送達される。他の実施形態では、遺伝子編集ベクターが、最初に投与される。他の実施形態では、ドナーベクターが、最初に投与される。
【0083】
一実施形態では、rAAVの投与量は、(体重70kgの平均的な対象を治療するために)用量当たり、約1×109GC~約1×1015ゲノムコピー(GC)であり、好ましくは、ヒト患者にとって、1.0×1012GC~2.0×1015GCである。別の実施形態では、用量は、対象の約1×1014GC/kg体重未満である。特定の実施形態では、患者に投与される用量は、少なくとも約1.0×109GC/kg、約1.5×109GC/kg、約2.0×109のGC/g、約2.5×109GC/kg、約3.0×109GC/kg、約3.5×109GC/kg、約4.0×109GC/kg、約4.5×109GC/kg、約5.0×109GC/kg、約5.5×109GC/kg、約6.0×109GC/kg、約6.5×109GC/kg、約7.0×109GC/kg、約7.5×109GC/kg、約8.0×109GC/kg、約8.5×109GC/kg、約9.0×109GC/kg、約9.5×109GC/kg、約1.0×1010GC/kg、約1.5×1010GC/kg、約2.0×1010GC/kg、約2.5×1010GC/kg、約3.0×1010GC/kg、約3.5×1010GC/kg、約4.0×1010GC/kg、約4.5×1010GC/kg、約5.0×1010GC/kg、約5.5×1010GC/kg、約6.0×1010GC/kg、約6.5×1010GC/kg、約7.0×1010GC/kg、約7.5×1010GC/kg、約8.0×1010GC/kg、約8.5×1010GC/kg、約9.0×1010GC/kg、約9.5×1010GC/kg、約1.0×1011GC/kg、約1.5×1011GC/kg、約2.0×1011GC/kg、約2.5×1011GC/kg、約3.0×1011GC/kg、約3.5×1011GC/kg、約4.0×1011GC/kg、約4.5×1011GC/kg、約5.0×1011GC/kg、約5.5×1011GC/kg、約6.0×1011GC/kg、約6.5×1011GC/kg、約7.0×1011GC/kg、約7.5×1011GC/kg、約8.0×1011GC/kg、約8.5×1011GC/kg、約9.0×1011GC/kg、約9.5×1011GC/kg、約1.0×1012GC/kg、約1.5×1012GC/kg、約2.0×1012GC/kg、約2.5×1012GC/kg、約3.0×1012GC/kg、約3.5×1012GC/kg、約4.0×1012GC/kg、約4.5×1012GC/kg、約5.0×1012GC/kg、約5.5×1012GC/kg、約6.0×1012GC/kg、約6.5×1012GC/kg、約7.0×1012GC/kg、約7.5×1012GC/kg、約8.0×1012GC/kg、約8.5×1012GC/kg、約9.0×1012GC/kg、約9.5×1012GC/kg、約1.0×1013GC/kg、約1.5×1013GC/kg、約2.0×1013GC/kg、約2.5×1013GC/kg、約3.0×1013GC/kg、約3.5×1013GC/kg、約4.0×1013GC/kg、約4.5×1013GC/kg、約5.0×1013GC/kg、約5.5×1013GC/kg、約6.0×1013GC/kg、約6.5×1013GC/kg、約7.0×1013GC/kg、約7.5×1013GC/kg、約8.0×1013GC/kg、約8.5×1013GC/kg、約9.0×1013GC/kg、約9.5×1013GC/kg、又は約1.0×1014GC/kg体重若しくは対象である。
【0084】
ベクターは、細胞をトランスフェクトするのに十分な量で投与され、十分なレベルの遺伝子導入及び発現を提供して、過度の悪影響なしに、又は医学的に許容される生理学的効果を伴う治療効果を提供し、これは当業者によって決定され得る。特定の実施形態では、IV投与が使用される。
【0085】
本明細書に記載のシステムは、患者の状態を改善するのに十分な量の機能的酵素又はタンパク質が生成される場合、治療上有用であり得る。特定の実施形態では、健康な患者のレベルの5%と低い遺伝子発現レベルは、患者に十分な治療効果を提供するであろう。他の実施形態では、遺伝子発現レベルは、ヒト(又は他の獣医学的対象)で観察される正常
範囲(レベル)の少なくとも約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%である。例えば、「機能性酵素」とは、疾患に関連しない野生型酵素又はその天然のバリアント若しくは多形の生物学的活性レベルの少なくとも約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれとほぼ同じ、又は100%以上を提供する野生型酵素(例えば、OTCase)をコードする遺伝子を意味する。同様に、検出可能な量の酵素を有していない患者は、酵素機能を100%未満の活性レベルまで送達することによって救済され得、任意選択的に、その後、更なる治療を受けることができる。遺伝子機能がドナー鋳型によって送達される特定の実施形態では、患者は、「正常な」健康な対象で見出されるよりも高いレベルを発現し得る。本明細書に記載されるように、本明細書に記載の療法は、他の治療(すなわち、対象の(患者の)診断のための標準治療)と併せて使用され得る。
【0086】
一実施形態では、本方法は、免疫抑制性併用療法を対象に投与することを更に含む。そのような免疫抑制性併用療法は、例えば、AAVカプシドに対する望ましくないほど高い中和抗体レベルが検出された場合、rAAV又は開示される組成物の送達前に開始されてもよい。ある特定の実施形態では、予防措置として、rAAVの送達の前に、併用療法を開始してもよい。ある特定の実施形態では、免疫抑制性併用療法は、rAAVの送達後、例えば、治療後に望ましくない免疫応答が観察された場合に開始される。
【0087】
かかる併用療法のための免疫抑制剤としては、限定されないが、グルココルチコイド、ステロイド、抗代謝剤、T細胞阻害剤、マクロライド(例えば、ラパマイシン又はラパログ)、及び細胞分裂阻害剤(アルキル化剤、抗代謝剤、細胞傷害性抗生物質、抗体、又はイムノフィリンに対して活性な薬剤を含む)が挙げられる。免疫抑制剤には、プレドニゾロン、ナイトロジェンマスタード、ニトロソウレア、白金化合物、メトトレキサート、アザチオプリン、メルカプトプリン、フルオロウラシル、ダクチノマイシン、アントラサイクリン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ミトラマイシン、IL-2受容体(CD25)特異的抗体又はCD3特異的抗体、抗IL-2抗体、シクロスポリン、タクロリムス、シロリムス、IFN-β、IFN-γ、オピオイド、又はTNF-α(腫瘍壊死因子-α)結合剤を含み得る。ある特定の実施形態では、免疫抑制療法は、rAAV投与の0日、1日、2日、7日以上前、又はrAAV投与の0日、1日、2日、3日、7日以上後に開始され得る。かかる療法は、同じ日に単一の薬物(例えば、プレドニゾロン)又は2つ以上の薬物(例えば、プレドニゾロン、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)及び/又はシロリムス(すなわち、ラパマイシン))の同時投与を伴い得る。これらの薬物のうち
の1つ以上が、遺伝子療法の投与後に、同じ用量又は調整された用量で継続され得る。かかる療法は、必要に応じて、約1週間(7日間)、2週間、3週間、約60日間、又はそれ以上であり得る。特定の実施形態では、タクロリムスを含まないレジメンが選択される。
【0088】
別の実施形態では、本方法は、標準的なOTC療法との同時治療を含む。OTC欠損症の治療は、主に、高アンモニア血症を回避するために、又は高アンモニア血症エピソード中に血液から過剰なアンモニアを除去するために、血中アンモニアレベルの食事管理に焦点を当てている(NORD、2021)。OTC欠損症を有する個体は、血中アンモニアレベルを制御するために、タンパク質摂取を制限する食事制限に従う。食事制限は、高アンモニア血症エピソードを引き起こす可能性のある過剰なタンパク質摂取を避けながら、適切な成長を確保するために十分なタンパク質を摂取する必要がある乳幼児において、慎重にバランスを取らなければならない(Berry and Steiner,2001)。したがって、乳幼児は、必須アミノ酸が補充された高カロリー、低タンパク質の食事が与えられる。高アンモニア血症エピソードでは、全てのタンパク質が患者の食事から24時間除去され得る(NORD、2021)。
【0089】
血流からの窒素の除去を刺激するように設計されたいくつかの薬がある。フェニル酪酸ナトリウム(Buphenyl)は、OTC欠損症を有する患者の慢性高アンモニア血症の治療のために、米国食品医薬品局(FDA)によって承認されている。Buphenylは、代謝されると、フェニルアセテートに変換される。これが、グルタミンとコンジュゲートして、フェニルアセチルグルタミンを形成し、それが、腎臓によって排泄され、窒素排泄の代替経路を提供する。グリセロールフェニル酪酸(Ravicti)は、尿素サイクル障害を有する患者における慢性高アンモニア血症の治療についてFDA承認されている。Buphenylと同様に、Ravictiはフェニルアセテートに変換され、窒素を排泄するための同じ機構に従う(Lichter-Konecki et al.,1993、Gordon,2003、Magellan,2021)。最後に、Ammonul(フェニル酢酸ナトリウム及び安息香酸ナトリウム)は、尿素サイクル障害を有する患者の急性高アンモニア血症の治療のための補助療法としてFDAによって承認されている。Ammonulのフェニル酢酸ナトリウム成分は、Buphenyl及びRavictiによって生成されたフェニル酢酸塩代謝産物と同じ窒素排泄機構に従う。Ammonulの安息香酸ナトリウム成分は、グリシンとコンジュゲートして、馬尿酸を形成し、馬尿酸が、腎臓によって排泄され、このプロセスを介して窒素が除去される。安息香酸ナトリウムは、OTC欠損症の長期維持のための経口調製物としても与えられ、副作用が少ないと考えられたため、多くの場合、Buphenyl及びRavictiよりも好ましい(Lichter-Konecki et al.,1993)。
【0090】
OTC欠損症を有する多くの人々は、タンパク質合成が正常な速度で進行することを確実にするために必要とされるアルギニン又はシトルリンで治療される。シトルリンは、尿素サイクルにアスパラギン酸を組み込むため、多くの場合、慢性治療用に、アルギニンよりも選択され、これは、この経路に1つの追加の窒素分子を寄与することを意味する(Lichter-Konecki et al.,1993、Magellan,2021)。
【0091】
嘔吐及び嗜眠に進行する高アンモニア血症エピソードでは、入院が必要とされ得、個体は、アルギニン及びAmmonulを含むIV注入で治療され得る。これらの治療が成功しない場合、血中アンモニアレベルを急速に低下させるために、血液濾過又は血液透析が必要とされ得る(Lichter-Konecki et al.,1993)。
【0092】
肝移植は、重度の新生児発症OTC欠損症を有する患者における高アンモニア血症の発
症及び神経発生の悪化を予防するための最も効果的な戦略である。軽度の又は適切に管理されているOTC欠損症の患者では、ストレス因子は、任意の年齢で生命を脅かす高アンモニア血症エピソードを引き起こす可能性がある。そのようなエピソードの恐怖は、食事制限及び重大な副作用を伴う可能性がある窒素スカベンジャーによる慢性治療のために、これらの患者が直面する生活の質の低下に加えて、それらの状態が十分に管理されている場合であっても、多くの患者が肝臓移植を求める動機となる(Lichter-Konecki et al.,1993)。
【0093】
一態様では、本明細書に記載されるTBGプロモーターの制御下で、ヒトPCSK9遺伝子内の部位を認識するメガヌクレアーゼを含むヌクレアーゼ発現カセットを使用して、オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症を有する患者を治療するための方法が提供される。本方法は、本明細書に記載されるように、配列番号4のOTC導入遺伝子又はそれと少なくとも90%の同一性を共有する配列を保有する発現カセットの投与を更に含む。
【0094】
インビトロでOTCの発現及び活性レベルを測定するための様々なアッセイが存在する。例えば、X Ye,et al,1996 Prolonged metabolic
correction in adult ornithine transcarbamylase-deficient mice with adenoviral vectors.J Biol Chem 271:3639-3646)又はインビボを参照されたい。例えば、OTC酵素活性は、[1,2,3,4,5-13C5]シトルリン(98%13C)に正規化されたシトルリンの形成を検出するために、液体クロマトグラフィ質量分析安定同位体希釈法を使用して測定することができる。本方法は、N-アセチルグルタミン酸シンターゼ活性の検出のために以前に開発されたアッセイから適合される[Morizono H,et al,Mammalian N-acetylglutamate synthase.Mol Genet Metab.2004;81(Suppl 1):S4-11.]。新鮮な凍結肝臓の破片を秤量し、10mMのHEPES、0.5%のTritonX-100、2.0mMのEDTA、及び0.5mMのDTTを含有する緩衝液中で短時間均質化する。均質化緩衝液の体積を調整して、50mg/mlの組織を得る。50mMのTris-酢酸、4mMのオルニチン、5mMのカルバミルリン酸塩(pH8.3)中の250μgの肝臓組織を使用して、酵素活性を測定する。酵素活性は、50mMのTris-酢酸(pH8.3)に溶解させた新鮮に調製した50mMのカルバミルリン酸を添加することで開始し、25℃で5分間進行させ、等量の30%のTCA中の5mMの13C5-シトルリンを添加することによってクエンチする。デブリを5分間の微量遠心分離によって分離し、上清を質量分析のためにバイアルに移す。10μLの試料を、93%溶媒A(1Lの水中の1mlのトリフルオロ酢酸):7%溶媒B(1Lの水/アセトニトリル(1:9)中の1mlのトリフルオロ酢酸)の移動相を用いたアイソクラティック条件下、Agilent1100シリーズLC-MSに注入する。シトルリン[176.1質量:電荷比(m/z)]及び13C5シトルリン(181.1m/z)に対応するピークを定量化し、それらの比を、各アッセイで実行されたシトルリンの標準曲線について得られた比と比較する。試料は、全肝臓組織又はBio-Radタンパク質アッセイキット(Bio-Rad,Hercules,CA)を使用して決定されたタンパク質濃度のいずれかに対して正規化される。肝臓生検を必要としない他のアッセイも使用され得る。そのようなアッセイの1つは、血漿アミノ酸アッセイであり、ここでは、グルタミンとシトルリンとの比が評価され、グルタミンが高く(>800マイクロリットル/リットル)、シトルリンが低い(例えば、一桁)場合、尿素サイクルの欠損が疑われる。血漿中アンモニアレベルを測定してもよく、1リットル当たり約100マイクロモルの濃度は、OTCDを示す。血液ガスは、患者が過呼吸している場合に評価することができ、呼吸性アルカローシスは、OTCDで頻繁に起こる。尿中のオロチン酸、例えば、約20マイクロモル/ミリモルクレアチンを超えるオロチン酸は、アロプリノー
ルチャレンジ試験後の尿中オロチン酸の上昇と同様に、OTCDを示す。OTCDの診断基準は、Tuchman et al,2008,Urea Cycle Disorders Consortium(UCDC)of the Rare Disease Clinical Research Network(RDCRN).Tuchman
M,et al.,Consortium of the Rare Diseases Clinical Research Network.Cross-sectional multicenter study of patients with urea cycle disorders in the United States.Mol Genet Metab.2008;94:397-402(参照により本明細書に援用される)に記載されている。また、OTCDの現在の標準治療の議論を提供する、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK154378/も参照されたい。
【0095】
特定の実施形態では、本明細書に記載されるヌクレアーゼ発現カセット、ウイルスベクター(例えば、rAAV)、又は薬学的組成物中のそれらのいずれかは、患者における遺伝子編集のために投与可能である。特定の実施形態では、方法は、非胚性遺伝子編集に有用である。特定の実施形態では、患者は、乳児(例えば、出生~約4ヵ月)である。特定の実施形態では、患者は、幼児以上、例えば、12ヵ月以上である。
【0096】
本明細書で使用される場合、「a」、「an」、又は「the」は、1つ又は2つ以上を意味することができる。例えば、「a」細胞は、単一の細胞又は複数の細胞を意味することができる。
【0097】
本明細書で使用される場合、「特異性」という用語は、認識配列と称される塩基対の特定の配列でのみ、又は特定のセットの認識配列でのみ、二本鎖DNA分子を認識及び切断するヌクレアーゼの能力を意味する。認識配列のセットは、特定の保存位置又は配列モチーフを共有するが、1つ以上の位置で変性であり得る。高度に特異的なヌクレアーゼは、1つのみ又は非常に少ない認識配列を切断することができる。特異性は、当該技術分野で既知の任意の方法によって決定することができる。
【0098】
本明細書に記載の(遺伝子編集及びドナー)発現カセットは、標的細胞への送達のために、任意の好適な遺伝要素(例えば、ベクター)に操作され得る。本明細書で使用される「ベクター」は、核酸配列を含む生物学的又は化学的部分であり、当該核酸配列の複製又は発現のために適切な宿主細胞に導入され得る。
【0099】
「プラスミド」又は「プラスミドベクター」は、一般に、本明細書では、ベクター名の前及び/又は後に小文字のpで示される。本発明に従って使用することができるプラスミド、他のクローニング及び発現ベクター、それらの特性、並びにそれらの構築/操作方法は、当業者には容易に明らかである。
【0100】
本明細書で使用される場合、「作動可能に連結された」という用語は、目的の遺伝子に連続している発現制御配列、及びトランスで又は離れて作用して目的の遺伝子を制御する発現制御配列の両方を指す。
【0101】
核酸配列又はタンパク質を説明するために使用される「外因性」という用語は、核酸又はタンパク質が、染色体又は宿主細胞に存在する位置では、天然に発生しないことを意味する。外因性核酸配列はまた、同じ発現カセット又は宿主細胞に由来し、それらに挿入されるが、非天然状態(例えば、異なるコピー数、又は異なる調節要素の制御下)で存在する配列を指す。
【0102】
タンパク質又は核酸を参照して使用される場合、「異種性」という用語は、タンパク質又は核酸が、天然では互いに同じ関係で見出されない、2つ以上の配列又は部分配列を含むことを示す。例えば、新規の機能的核酸を作製するために配置された関連のない遺伝子からの2つ以上の配列を有する核酸は、典型的に、組換えにより産生される。例えば、一実施形態では、核酸は、異なる遺伝子由来のコード配列の発現を指向するように配置された、ある遺伝子由来のプロモーターを有する。
【0103】
本明細書で使用される場合、「宿主細胞」という用語は、ベクター(例えば、組換えAAV)が産生プラスミドから産生されるパッケージング細胞株を指し得る。代替的に、「宿主細胞」という用語は、導入遺伝子の発現が望まれる任意の標的細胞を指し得る。したがって、「宿主細胞」は、任意の手段、例えば、エレクトロポレーション、リン酸カルシウム沈殿、マイクロインジェクション、形質転換、ウイルス感染、トランスフェクション、リポソーム送達、膜融合技術、高速DNAコーティングペレット、ウイルス感染、及びプロトプラスト融合によって細胞に導入された外因性又は異種核酸配列を含有する原核細胞又は真核細胞を指す。本明細書の特定の実施形態では、「宿主細胞」という用語は、本明細書に記載される組成物のインビトロ評価のための様々な哺乳動物種の細胞の培養物を指す。本明細書の他の実施形態では、「宿主細胞」という用語は、ウイルスベクター又は組換えウイルスを生成及びパッケージングするために使用される細胞を指す。更に他の実施形態では、「宿主細胞」という用語は、本明細書に記載される疾患又は状態についてインビボで治療される対象の標的細胞を指すことが意図される。特定の実施形態では、「宿主細胞」という用語は、肝臓細胞又は肝細胞である。
【0104】
「対象」は、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ラット、モルモット、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ブタ)又は非ヒト霊長類(例えば、サル、チンパンジー、ヒヒ、若しくはゴリラ)である。患者は、ヒトを指す。獣医学的対象は、非ヒト哺乳動物を指す。特定の実施形態では、対象は、PCSK9遺伝子に欠損を有しない。
【0105】
特定の実施形態では、対象は、OTC欠損症を有するか、又は発症する危険性がある。特定の実施形態では、対象は、OTCD変異の文書化された遺伝的な確認を有する。特定の実施形態では、対象は、高アンモニア血症危機(HAC)を有するか、又は以前に有していた。特定の実施形態では、対象は、現在、例えば、少なくとも1つの窒素スカベンジャー療法及び/又はタンパク質制限食で、OTC欠損症の治療を受けている。
【0106】
特定の実施形態では、対象は、雄である。特定の実施形態では、対象を、生後数時間以内、例えば、生後少なくとも12時間、24時間、36時間、又は48時間以内に治療することが望ましい。他の実施形態では、対象を、生後数日以内、例えば、生後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14日以内に治療することが望ましい。他の実施形態では、対象を、生後数週間以内、例えば、生後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、又は16週間以内に治療することが望ましい。他の実施形態では、対象を、生後数ヵ月以内、例えば、生後1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24ヵ月以内治療することが望ましい。特定の実施形態では、対象は、24時間~4ヵ月齢で治療される。いくつかの実施形態では、対象は、24時間~4ヵ月齢で、現在又は過去の高アンモニア血症危機(HAC)を伴うか又は伴わない新生児発症OTC欠損症と一致するOTCD変異の文書化された遺伝的な確認を有し、現在、少なくとも1つの窒素スカベンジャー療法及びタンパク質制限食で治療されている、雄乳児である。提案された研究集団には、満たされていない必要性が高く、罹患率及び死亡率の低下、並びに生存率の増加による再発性高アンモニア血症事象の頻度及び重症度の安定化又は改善が観察できる一方で、52週間のプロトコル時間枠内で肝臓移植の必要性を遅らせる可能性がある対象が含まれる。
【0107】
「複製欠損ウイルス」又は「ウイルスベクター」は、合成又は人工ウイルス粒子を指し、ここで、目的の遺伝子を含有する発現カセットは、ウイルスカプシド又はエンベロープ中にパッケージングされ、同様にウイルスカプシド又はエンベロープ内にパッケージングされた任意のウイルスゲノム配列は、複製欠損である、すなわち、それらは、後代ビリオンを生成することができないが、標的細胞に感染する能力を保持する。一実施形態では、ウイルスベクターのゲノムは、複製に必要な酵素をコードする遺伝子を含まない(ゲノムは、人工ゲノムの増幅及びパッケージングに必要なシグナルに隣接する目的の遺伝子のみを含有する、「ガットレス」となるように操作することができる)が、これらの遺伝子は、産生中に供給され得る。したがって、それは、後代ビリオンによる複製及び感染が、複製に必要とされるウイルス酵素の存在下以外で生じることができないために、遺伝子療法における使用のために安全であると考えられる。
【0108】
核酸配列の文脈で「配列同一性」、「配列同一性パーセント」、又は「同一パーセント」という用語は、最大限対応するように整列させたときに同じである2つの配列中の残基を指す。配列同一性の比較の長さは、ゲノムの全長、遺伝子コード配列の全長、又は、少なくとも約500~5000個のヌクレオチドの断片にわたってもよく、これが望ましい。しかしながら、例えば、少なくとも約9ヌクレオチド、通常は少なくとも約20~24ヌクレオチド、少なくとも約28~32ヌクレオチド、少なくとも約36ヌクレオチド以上の、より小さい断片間の同一性も所望され得る。同様に、「パーセント配列同一性」は、タンパク質の全長わたるアミノ酸配列又はその断片について容易に決定することができる。好適には、断片は、少なくとも約8アミノ酸長であり、最大で約700アミノ酸長であり得る。好適な断片の例は、本明細書に記載されている。
【0109】
「実質的相同性」又は「実質的類似性」という用語は、アミノ酸又はその断片に言及する場合、適切なアミノ酸の挿入又は欠失を伴って別のアミノ酸(又はその相補鎖)と最適に整列した場合、整列した配列の少なくとも約95~99%においてアミノ酸配列の同一性がある。好ましくは、相同性は、全長配列、若しくはそのタンパク質、例えば、capタンパク質、repタンパク質、又は少なくとも8アミノ酸長であるそれらの断片、若しくはより好ましくは、少なくとも15アミノ酸長にわたる。好適な断片の例は、本明細書に記載されている。
【0110】
「高度に保存された」という用語は、少なくとも80%の同一性、好ましくは、少なくとも90%の同一性、より好ましくは97%超の同一性を意味する。同一性は、当業者によって知られているアルゴリズム及びコンピュータプログラムに頼ることによって、当業者によって容易に決定される。
【0111】
一般に、2つの異なるアデノ随伴ウイルス間の「同一性」、「相同性」、又は「類似性」に言及する場合、「同一性」、「相同性」、又は「類似性」は、「整列された」配列を参照して決定される。「整列された」配列又は「整列」とは、複数の核酸配列又はタンパク質(アミノ酸)配列を指し、参照配列と比較して、多くの場合、欠損又は追加塩基又はアミノ酸についての補正を含む。例では、公開されたAAV9配列を参照点として使用してAAV整列を行う。整列は、公的又は商業的に利用可能な様々な多重配列整列プログラムのいずれかを使用して行われる。かかるプログラムの例としては、インターネット上のウェブサーバを通してアクセス可能な「Clustal Omega」、「Clustal W」、「CAP Sequence Assembly」、「MAP」、及び「MEME」が挙げられる。かかるプログラムの他のソースは、当業者に既知である。代替的に、Vector NTIユーティリティもまた使用される。また、当該技術分野で既知のいくつかのアルゴリズムが存在し、上に記載のプログラムに含まれるものを含め、ヌクレオチド配列同一性を測定するために使用することができる。別の例として、ポリヌクレオ
チド配列は、GCGバージョン6.1のプログラムであるFasta(商標)を用いて比較することができる。Fasta(商標)は、照会配列(query sequence)及び検索配列(search sequence)の間の最良の重複領域の整列及びパーセント配列同一性を提供する。例えば、核酸配列間のパーセント配列同一性は、GCGバージョン6.1(参照により本明細書に援用される)に提供されるように、Fasta(商標)をそのデフォルトパラメータ(ワードサイズ6及びスコアリングマトリックスのためのNOPAM因子)とともに使用して決定することができる。「Clustal Omega」、「Clustal X」、「MAP」、「PIMA」、「MSA」、「BLOCKMAKER」、「MEME」、及び「Match-Box」プログラムなどの多重配列整列プログラムもまた、アミノ酸配列に対して利用可能である。一般に、これらのプログラムのいずれかがデフォルト設定で使用されるが、必要に応じて、当業者は、これらの設定を変更することができる。代替的に、当業者は、別のアルゴリズム又はコンピュータプログラムを利用することができ、参照のアルゴリズム及びプログラムによって提供されるように、少なくとも同一性のレベル又は整列が提供される。例えば、J.D.Thomson et al,Nucl.Acids.Res.,“A comprehensive comparison of multiple sequence alignments”,27(13):2682-2690(1999)を参照されたい。
【0112】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、参照整数から±10%の変動及びその間の値を指す。例えば、「約」40塩基対は、±4を含む(すなわち、36~44、これには整数36、37、38、39、40、41、42、43、44が含まれる)。他の値について、特に、割合(例えば、90%同一性、約10%分散、又は約36%ミスマッチ)に言及される場合、「約」という用語は、整数及び分数の両方を含む範囲内の全ての値を含む。
【0113】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して使用される場合、「含む(comprising)」、「含有する(containing)」、「含む(including)」という用語、及びその多様体は、他の成分、要素、整数、ステップなどを含む。逆に、「構成する(consisting)」という用語及びその変形は、他の成分、要素、整数、ステップなどを除外する。
【0114】
本明細書で別途定義されない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、当業者によって、及び本明細書で使用される多数の用語に対して当業者に一般的な手引きを提供する、公開された文献を参照することによって、一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【実施例】
【0115】
本発明者らは、乳幼児期に致死的な高アンモニア血症のエピソードを引き起こし得る、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症(OTCD)の治療のためのゲノム編集アプローチを説明する。ゲノム編集の目標は、治療効果が持続し、変異にかかわらず全てのOTCD患者で達成されることである。本発明者らは、生存している新生児を2つのAAVベクターで治療することによって、これを達成する:1つ目は、ヌクレアーゼを送達してセーフハーバー部位に二本鎖切断を生じさせることであり、2つ目は、この部位にノックインするためのOTCミニ遺伝子を送達することである。本発明者らの仮定は、新生児肝臓の肝細胞を分割することは、OTC遺伝子の効率的なノックインを促し、希釈によって組み込まれていない入力ベクターゲノムを排除することである。本発明者らは、ARCUSのAAV送達後のPCSK9の安全で、効率的で、安定した減少を示した成体マカクにおける本発明者らの以前の研究に基づいて、セーフハーバー部位としてのPCSK9遺伝子及びそれを標的化するARCUSと呼ばれるメガヌクレアーゼを使用することを決定した。OTCDのためのゲノム編集の本発明者らの最初の研究は、内因性PCSK9遺伝子の
エクソン7の生殖系修飾を介して、PCSK9 ARCUSヌクレアーゼに感受性になったOTC欠損マウスで行われた。2つのベクターを新生児マウスに注射すると、ヒトOTCミニ遺伝子の効率的なノックインが得られ、高タンパク質食でチャレンジした場合の致死性高アンモニア血症に対する保護がもたらされた。臨床研究の準備として、本発明者らは、新生児及び乳幼児マカクにおいて、重要な安全性及び有効性パラメータを評価した。合計24匹の動物をAAVベクターで治療し、3ヵ月目及び12ヵ月目の肝臓生検の検査を含む分析を行った。これらの研究では、本発明者らは、編集効率及び毒性に対する以下のパラメータの影響を評価した:導入遺伝子(ヒト第IX因子及びヒトOTC)、ARCUSを駆動するプロモーター、クレードEカプシド、導入遺伝子に隣接するドナーの長さ、及び投薬時のマカクの年齢。本発明者らは、AAVベクターの注射が、非常に安全であり、いずれのARCUS治療動物においても、トランスアミナーゼの上昇又は肝臓の組織病理の証拠がないことを見出した。霊長類モデルにおける有効性の重要な尺度は、ヒトOTC mRNA及びタンパク質をそれぞれ発現する細胞を検出するためのインサイチュハイブリダイゼーション及び免疫染色によって測定される、形質導入効率である。最も高く、最も一貫性のある結果は、第1のベクターにおいてTBGプロモーターを有するARCUSを駆動する新規のクレードEカプシドを使用し、ドナーベクター上に500bpの隣接する相同性アームを使用するベクターを用いて得られた。この組み合わせにより、10.0±6.4%(N=6)の形質導入が達成された。これは、患者に実質的な利益をもたらし得ると考えられる閾値(OTC発現細胞の約5%である)よりも高い。予備データは、3ヵ月齢までのマカクに注射した場合、編集レベルが1年にわたって安定し、効率的な標的化挿入が達成され得ることを示唆する。PCSK9標的遺伝子座の分子解析は、ベクターゲノムのノックインの大部分が、相同組換え修復(HDR)ではなく、非相同末端結合(NHEJ)を介していたことを示唆した。要約すると、OTCDの新生児形態の実質的に満たされていない必要性は、この報告書に記載されているようなゲノム編集などの実験的療法の検討を正当化する。
【0116】
実施例1-材料及び方法
AAVベクターは、以前に確立された手順及び製造業者の指示に従って構築した。AAVhu37又はAAVrh79カプシドを、示されている場合、本明細書に記載される実験に使用した。
【0117】
全ての動物手順は、Institutional Animal Care and Use Committee of the University of Pennsylvaniaによって承認されたプロトコルに従って実施した。
【0118】
実施例2-新生児NHPにおけるARCUS2媒介性hOTC遺伝子標的化
新生児(1~16日齢)又は乳幼児(3~4ヵ月齢)のアカゲザルを、非GLP準拠POC薬理研究に使用した。ARCUSメガヌクレアーゼは、ヒト及びアカゲザルのPCSK9遺伝子に存在する22bpの配列を標的化する。したがって、アカゲザルを使用して、オンターゲット編集(薬理学)及び安全性/毒性学を評価することができる。更に、新生児及び乳幼児のアカゲザルは、ヒトの乳幼児と同様の解剖学的及び生理学的特徴を有し、意図された臨床ROA(IV)の使用を可能にするであろう。解剖学的構造及びROAの類似性は、代表的なベクター分布及び形質導入プロファイルをもたらすことが予想され、これにより、オンターゲット及びオフターゲット編集、並びに新生児マウスでは不可能な臨床病理学を含む、被験試料の薬理学及び毒性のより正確な評価が可能になる。
【0119】
図1Aは、本明細書に提供される研究のタイムラインを示す。
図1Bは、投薬群に関する情報を提供し、一方で、ベクターの概略図を、
図2に示す。新生児NHP(1~16日)に、ARCUS2ヌクレアーゼベクターと、様々な長さのHDRアーム(500bpアーム又は短いHDRアーム)を有するドナーベクターとを投与した。
図3は、実験からの
データを示す要約表である。全ての14匹の新生児マカクは、ベクターの注入に十分に耐容性であり(すなわち、明らかな臨床後遺症がない)、時間の経過とともに体重が増加した(
図4E)。肝臓酵素レベルは、14日目の一部の動物におけるALTレベルの一過性及び軽度の上昇を除いて、正常範囲内であった(
図4B)。新生児及び乳児のNHPにおける肝臓の炎症は、AAV.Arcusのみを投与した成体のNHPと比較して、実質的に減少した(
図4J)。膵臓は、任意のインデルが特定された唯一の非肝臓組織であった(
図4I)。
【0120】
投薬前に新生児から採取された0日目の血漿試料の分析は、3匹の動物(21-111、21-113、21-122)がAAVrh79に対する高レベル(400以上)の結合抗体を有することを示した(
図3)。これらの既存の抗AAVrh79抗体は、AAV遺伝子導入を遮断するであろう。
【0121】
ドナーのみの対照動物を含む全ての新生児動物において、PCSK9レベルを経時的に追跡した。0日目のPCSK9レベルは、新生児間で異なっていた(
図4A)。9匹の動物は、1匹のドナーのみの対照動物を含むベクター投与後のPCSK9レベルの低下の傾向を示し、一方で一方で、残りの5匹の動物は、投与後のPCSK9レベルの持続的又は一過性の上昇を示した
図4A)。
【0122】
84日目及び1年目に、肝臓生検を行った。肝臓におけるhOTCの形質導入効率を、導入遺伝子mRNAを検出するためのhOTC特異的プローブ及びARCUS特異的プローブを用いるデュアルISH、並びにヒトOTCタンパク質を検出するためのOTC免疫蛍光、続いて、スキャンされたスライド上での定量によって評価した(
図4C-ISH、
図4D~4F)。投薬時に既存の抗AAVrh79結合抗体を有する3匹の動物(21-111、21-113、及び21-122)は、両方の方法で、OTC陽性肝細胞を示さなかった。ドナーのみの2匹の対照動物は、継続して低レベルのhOTC形質導入(2%以下)を示した。最高の形質導入効率(ISHによって27.8%及び23.6%)は、AAVrh79.TBG.PI.ARCUS.WPRE.bGH及びAAVrh79.rhHDR.TBG.hOTCco.bGHドナーベクター(GTP-506)を同時投与された2匹の動物において検出された。陽性のhOTC発現肝細胞も、クラスター中に存在していることが見出された。これらのレベルは、患者に実質的な利益をもたらす閾値(OTC発現細胞の約5%である)を上回っている。データは、ドナーベクターにおける強力なTBGプロモーター及び長い相同性アームからのARCUSの駆動が、最大の編集をもたらしたことを実証する。加えて、NB研究におけるF9ドナーベクターにおいて、同じARCUSベクター及び同じ相同性アームで、同様に高いレベルの編集が観察された。マウスOTCD薬理研究は、この研究において、長い相同性アームベクターのマウス相関を含む、異なる相同性アームを含有するドナーとの一貫した高い編集を実証した。GTP-506によるNB NHPの編集のレベルは、強力な治療効果を示すのに十分である。
【0123】
各動物からの84日目の肝臓生検試料の分子解析を行い、二倍体ゲノム当たりの導入遺伝子コピー数、mRNA発現レベル、オンターゲット編集、及びオフターゲット編集を測定した(
図4H)。トランスダクション効率分析と一致して、群6の2匹の動物(21-157及び21-175)は、最も高いhOTCベクターのGC(
図4F)、hOTC mRNA(
図4G)、及びオンターゲットインデル(%)(
図4H)を有した。動物におけるARCUSベクターのGCは、hOTCベクターのGCよりも2倍~7倍低かったが、ARCUS mRNAレベルは、hOTC mRNAレベルよりも23倍及び765倍低かった(
図4F及び4G)。
【0124】
ITR-seqによって評価されたオフターゲット(OT)活性は、この研究の84日目の肝臓生検試料において、2~40の潜在的なオフターゲットを特定した。いくつかの
オフターゲット部位は、ヒト第IX因子(hfIX)ドナーベクターを投与された動物を含む、複数の動物において検出された。オフターゲット編集を、潜在的なオフターゲット部位のアンプリコン-seqによって更に特徴付けた。
図14Aは、オフターゲット部位のリストを、染色体上の位置及びオフターゲットコンセンサス配列との最良の一致とともに提供する。
図14Bは、OT1-OT10のインデル割合を示すグラフである。OT1、OT4、及びOT5での編集は、非ヌクレアーゼ対照よりも、ARCUS+ドナー動物において顕著に高かった。オフターゲット編集は、成体NHPよりも新生児/乳児で低かった。
【0125】
新生児/乳児霊長類の成長中の肝臓は、ドナー遺伝子の部位特異的挿入に対して非常に受容性である。OTCのレベルは、一貫して5%の治療閾値を超えており、その効果は非常に持続的であるように見える。更に、新生児/乳児霊長類は、全身性AAVの毒性に耐性である。NHPとOTCDのマウスモデルを比較した場合、投与と部位特異的組み込みの相関性が優れていた。
【0126】
まとめると、本発明者らは、ARCUSベクター及びhOTCcoドナーベクターの組み合わせを同定し、これは、新生児マカクに同時投与した場合、投与後3ヵ月で肝臓において12~18.6%の形質導入効率を達成することができ、両方とも、実質的に有益な患者の閾値(すなわち、約5%のOTC発現肝細胞)よりも高い。この研究における動物は、長期的な効率及び安全性評価のために追跡されている。投与後1年目に2回目の肝臓生検を行い、hOTC形質導入の安定性、肝臓における組織病理学、及び肝臓におけるオンターゲティング及びオフターゲティングを評価する。
【0127】
実施例3-PCSK9-hE7-KIマウスモデル
ヒト及びマカクのPCSK9遺伝子におけるARCUS標的化配列は、マウスPcsk9遺伝子では保存されないため、マウスのゲノム遺伝子座におけるゲノム編集にARCUSを使用することはできない。したがって、本発明者らは、エクソン7を含むマウスPcsk9遺伝子の領域を、エクソン7を含むヒトPCSK9遺伝子の領域に置き換えるノックインマウスモデル(PCSK9-hE7-KIマウスと名付けられた)を生成するようにThe Jackson Laboratoryに依頼した(
図5A~5C)。このモデルは、インビボゲノム編集及び遺伝子標的化効率の評価に使用することができる。次いで、PCSK9-hE7-KIマウスを、sparse fur ash(spf
ash)マウスと交配した。spf
ashマウスは、Otc遺伝子のエクソン4の末端のスプライスドナー部位でGからAへの点変異を有し、これは、Otc mRNAの異常なスプライシングをもたらし、OTC mRNA及びタンパク質発現の両方で20倍の減少をもたらす(Hodges and Rosenberg,1989)。罹患した動物は、5~10%の残存OTC活性を有し、固形食(chow diet)で生存することができるが、高タンパク質食の場合は致死的であり得る高アンモニア(hyperammonia)を発症する(Yang et al.,2016)。
【0128】
PCSK9-hE7-KI.spfashマウスモデルは、ヒトOTCのインビボ遺伝子標的化の有効性の評価、及び標的化効率と有効性との相関の実証に使用することができる。しかしながら、新生児マウスのサイズが小さいため、血液臨床病理及び遺伝子標的化の臨床的有効性の評価は、マウスが離乳した後、十分な体重に達してから、最終手順としてのみ行うことができる。
【0129】
図6は、PCSK9-hE7ノックインアレルのヒトPCSK9配列、マウスPCSK9(mPCSK9)及びアカゲザルPCSK9(rhPCSK9)を表す、265bp配列の配列整列を示す。この265bp領域には、ヒト配列とアカゲザル配列との間に6つのミスマッチがある。げっ歯類及び霊長類の配列は、様々なLINE及びLTRの挿入の
ために、この枠を超えて分岐する。ヒトとマウスとの間には、エクソン7における2つのアミノ酸の違いが存在する。hE7-KIマウスは、測定されたELISAによって正常レベルのmPCSK9を発現している。
【0130】
実施例4-Pcsk9-hE7-KI.spf
ash仔におけるPcsk9遺伝子座に対するインビボOTC遺伝子標的化
この非GLP準拠薬理研究は、新生児PCSK9-hE7-KI.spf
ashマウスにおけるヒトOTC遺伝子のARCUSメガヌクレアーゼ媒介性ノックインが、意図された臨床ROA(IV)を介したARCUSヌクレアーゼ発現ベクター及びヒトOTCドナーベクターの単回の同時投与後、OTC欠損症(肝臓)の治療のための標的組織における治療用ヒトOTCの発現を達成できるかどうかを評価する。実験設計の概略図を、
図8Aに示す。
【0131】
0日目に、新生児(PND1~2)雄PCSK9-hE7-KI.spf
ashマウスに、1.0×10
13GC/kgの用量のARCUSメガヌクレアーゼを発現するAAVrh79ベクター(AAVrh79.TBG.PI.ARCUS.WPRE.bGH)を、3.0×10
13GC/kgの用量の3つの異なるAAVrh79 hOTCcoドナーベクターのうちの1つと組み合わせて、IV同時投与した(
図8B)。この研究で評価したARCUSメガヌクレアーゼ発現ベクター(AAVrh79.TBG.PI.ARCUS.WPRE.bGH)は、リード臨床候補と同一であり、一方で、各hOTCcoドナーベクターは、HDRアームを除いて、リード臨床候補と同一であった。具体的には、臨床的候補は、ヒトHDR配列の長いバージョン(AAVrh79.hHDR.TBG.hOTCco.bGH)を含むが、本研究で評価したhOTCcoドナーベクターには、マウス-ヒトハイブリッドHDR配列(AAVrh79.mhHDR.TBG.hOTCco.bGH)、ヒトHDR配列のより短いバージョン(AAVrh79.shHDR.TBG.hOTCco.bGH)、又はHDR配列なし(AAVrh79.TBG.hOTCco.bGH)が含まれる。
図7は、HDRアームと、ヒト配列、ノックインマウス配列、及びNHP配列との相同性の比較を示す。陰性対照として、追加の年齢適合PCSK9-hE7-KI.spf
ashマウスに、メガヌクレアーゼを発現しないAAVrh79ベクター(AAVrh79.TBG.PI.EGFP.WPRE.bGH)を、AAVrh79.mhHDR.TBG.hOTCco.bGHと組み合わせて投与した。
【0132】
インライフ評価には、毎日行われる生存率モニタリング、体重測定、高タンパク質食チャレンジ後の血漿中PCSK9、及び血漿中NH3、及び尿中オロチン酸のレベルの評価、並びに3分の2の部分肝切除後のヒトOTC形質導入の安定性を評価するための120日目の部分肝切除が含まれる。49日目及び170日目に、各コホートからのサブグループを、10日間の高タンパク質食でチャレンジし、チャレンジの終了時に剖検を行う。剖検では、肝臓を採取して、ヒトOTC mRNAの発現(インサイチュハイブリダイゼーション)、OTCタンパク質の発現(免疫染色)、並びに染色及び/又は酵素活性アッセイによって評価されるOTC酵素活性の評価を含む、ヒトOTC遺伝子のノックインを評価する。肝臓のDNAを単離して、オンターゲット編集(アンプリコン-seq、Oxfordナノポアロングリード配列決定)を評価し、ベクターゲノムコピーを評価する。
【0133】
mhHDRアームを有するベクターを投与されたマウスは、野生型マウスと同等の生存率を示し、shHDR治療マウスは、10日間の高タンパク質食チャレンジ後に80%の生存率を達成する(
図9A)。全ての治療マウスは、KI-spf-ash未治療マウスよりも体重を良好に維持した(
図9B)。mHDR治療マウスの血漿中アンモニアレベルは、未治療マウスと比較して、顕著に低下した(
図9C)。
【0134】
mPCSK9レベルを48日目に測定し、全ての治療マウスが、減少を示した(
図9D
)。インデル割合は、HDRタイプ間でかなり一貫していた(
図9E)。hOTCレベルは、shHDR及びmhHDRで治療したマウスで増加した(
図9F)。
【0135】
実施例5-Pcsk9-hE7-KI.spfash仔における有効性の評価及び最小有効用量の決定
この計画されたGLP準拠薬理研究は、新生児PCSK9-hE7-KI.spfashマウスモデルにおけるIV投与AAVの有効性を評価し、MEDを決定することを目的とする。ARCUSメガヌクレアーゼを発現するAAVrh79ベクター(AAVrh79.TBG.PI.ARCUS.WPRE.bGH)は、計画されたGLP準拠毒性研究のために製造される毒性学的ベクターロットになる。ヒトHDR配列の長いバージョン(AAVrh79.hHDR.TBG.hOTCco.bGH)を含む被験試料を利用する代わりに、この研究は、マウス-ヒトハイブリッドHDR配列(AAVrh79.mhHDR.TBG.hOTCco.bGH)を含むhOTCcoドナーベクターを利用することになる。このベクターは、臨床候補の毒性学的ベクターロットと同等の方法で製造されるであろう。
【0136】
本発明者らは、この研究のために、ドナーベクター内のマウス-ヒトハイブリッドHDR配列(AAVrh79.mhHDR.TBG.hOTCco.bGH)(ドナー配列がPCSK9-hE7-KI.spfashマウスにおける配列と直接相同である)を使用することを選択して、このアプローチの薬理学を効果的に研究することを可能にした。
【0137】
この研究では、N=60匹の新生児(PND1~2)新生児PCSK9-hE7-KI.spf
ashマウス、及び対照としてのN=15匹の年齢適合雄PCSK9-hE7-KI.WT(野生型)を評価する。この研究には、1つの剖検時点(90日)が含まれることになる(
図15Aの研究設計を参照されたい)。有効性評価のために、マウスは、81日目から90日目までの10日間コースの高タンパク質食によってチャレンジされる。生存率、身体状態、及びバイオマーカーの変化を評価することになる。マウスに、3つの用量レベル(1.0×10
12GC/kgヌクレアーゼベクター及び3.0×10
12GC/kgドナーベクター、3.3×10
12GC/kgヌクレアーゼベクター及び1.0×10
13GC/kgドナーベクター、又は1.0×10
13GC/kgヌクレアーゼベクター及び3.0×10
13GC/kg、1用量当たりN=20)のうちの1つの被験試料又はビヒクル(リン酸緩衝生理食塩水[PBS]、N=20)が投与される。投薬量を
図15Bに示す。
【0138】
インライフ評価には、毎日の生存チェック、生存のモニタリング、体重測定、高タンパク質食チャレンジ後の血清中PCSK9レベル、血漿中NH3、及び尿中オロチン酸レベルの評価が含まれる。剖検は、90日目に行われる。剖検では、CBC/鑑別及び血清臨床化学分析のために、血液を採取する。組織病理学的評価のために、組織リストが収集される。肝臓を採取して、ヒトOTC mRNAの発現(インサイチュハイブリダイゼーション)、OTCタンパク質の発現(免疫染色)、並びに染色及び/又は酵素活性アッセイによって評価されるOTC酵素活性の評価を含む、ヒトOTC遺伝子のノックインを評価する。また、肝臓のDNAを単離して、オンターゲット編集(アンプリコン-seq)を評価し、ベクターゲノムコピーを評価する。
【0139】
MEDは、ビヒクル治療新生児PCSK9-hE7-KI.spfash分対照マウスと比較して、AAV治療新生児PCSK9-hE7-KI.spfashの高タンパク質食後の生存率、高タンパク質食チャレンジの終了時の血漿中NH3レベル、ヒトOTC mRNA及びタンパク質の発現、OTCの酵素活性、並びにオンターゲット編集の分析に基づいて、決定される。
【0140】
実施例8-Pcsk9-hE7-KI.spfash仔における毒性研究
新生児(PND1~2)PCSK9-hE7-KI.spfashマウスにおいて、IV同時投与後の被験試料の安全性、耐容性、薬理学、及び薬物動態を調べるために、6ヵ月間のGLP準拠安全性研究を実施する。中間解析は、オンターゲット編集、オフターゲット編集、導入遺伝子の発現、及び組織病理学的分析を含み、この解析を、60日目及び180日目(これらの時点は、投与後にヌクレアーゼ依存性遺伝子挿入が安定した定常レベルに到達するのに十分な時間を与える)に実施する。新生児PCSK9-hE7-KI.spfashマウスに、3つの用量レベル(1.0×1012GC/kgヌクレアーゼベクター及び3.0×1012GC/kgドナーベクター、3.3×1012GC/kgヌクレアーゼベクター及び1.0×1013GC/kgドナーベクター、又は1.0×1013GC/kgヌクレアーゼベクター及び3.0×1013GC/kg、1用量当たりN=20)のうちの1つの被験試料又はビヒクル(リン酸緩衝生理食塩水[PBS]、N=20)を投与する。被験試料又はビヒクルの投与後、インライフ評価には、苦痛の兆候及び異常行動を毎日モニタリングするための臨床観察、体重測定、並びに血液の臨床血清化学(具体的には、ALT、AST、及び総ビリルビン)が含まれる。
【0141】
被験試料投与の60日後、コホート1、3、5、及び7を安楽死させ、脳、脊髄、心臓、肝臓、脾臓、腎臓、肺、生殖器、副腎、及びリンパ節を含むが、これらに限定されない組織の包括的なリストに対して、組織病理学的分析を行う。必要に応じて、臓器の重量を測定する。
【0142】
肝臓試料は、アンプリコン-seq及びAMP-seqによるオンターゲット編集、ITR-seq及びアンプリコン-seqによるオフターゲット編集、ベクターの生体内分布、及び導入遺伝子の発現のために採取及び分析される。肝臓試料において、生体内分布は、PCRによって評価され、メガヌクレアーゼのRNA発現は、RT-PCRによって分析される。高度に灌流された臓器は、メガヌクレアーゼRNAについて分析され、メガヌクレアーゼRNAの検出可能な発現を有する組織は、オンターゲット編集についてアンプリコン-seqによって評価される。検出可能なオンターゲット編集を有する組織は、オフターゲット編集について更に評価される。
【0143】
ベクターの生体内分布については、デュアルベクターの導入遺伝子(ARCUS及びhOTCco)に特異的なqPCR検出が開発されるであろう。アッセイの効率、直線性、精度、再現性、及び検出限界は、標的配列の代用としてのAAVシスプラスミドを使用して評価される。アッセイの定量下限(LLOQ)は、試験組織又は排泄物に対するアッセイが開始される前に決定される。認定計画は、導入遺伝子特異的アッセイを以前に実施した認定研究に橋渡しするために実装される。試験したマトリックスには、意図された標的、生体内分布のための肝臓が含まれる。マトリックス効果は、生体内分布研究の過程で試験された全ての試料からのスパイクされた標的対照の回収、並びに以前に実施された認定研究から差し引かれたデータに基づいて更に評価される。
【0144】
実施例9-乳児(6~9週齢)NHPにおける毒性研究
乳児(6~9週齢)アカゲザルにおいて、IV同時投与後の被験試料の安全性、耐容性、薬理学、及び薬物動態を調べるために、1年間のGLP準拠安全性研究を実施する。中間解析は、オンターゲット編集、オフターゲット編集、導入遺伝子の発現、及び組織病理学的分析を含み、この解析を、90日目(これらの時点は、投与後にヌクレアーゼ依存性遺伝子挿入が安定した定常レベルに到達するのに十分な時間を与える)に実施する。幼児アカゲザルは、1.0×10
13GC/kgヌクレアーゼベクター及び3.0×10
13GC/kg(N=4)又はビヒクル(リン酸緩衝生理食塩水[PBS]/界面活性剤(N=2)を受ける。被験試料又はビヒクルの投与後、インライフ評価には、苦痛の兆候及び異常行動を毎日モニタリングするための臨床観察、体重測定、並びに血液の臨床血清化学
(具体的には、ALT、AST、及び総ビリルビン)が含まれる。研究設計を
図16に示す。
【0145】
被験試料投与の90日後、ビヒクル対照群及び群3における1匹の動物を安楽死させ、脳、脊髄、心臓、肝臓、脾臓、腎臓、肺、生殖器、副腎、及びリンパ節を含むが、これらに限定されない組織の包括的なリストに対して、組織病理学的分析を行う。必要に応じて、臓器の重量を測定する。90日目に、残りの動物は、肝臓生検を受ける。
【0146】
肝臓試料は、アンプリコン-seq及びAMP-seqによるオンターゲット編集、ITR-seq及びアンプリコン-seqによるオフターゲット編集、ベクターの生体内分布、及び導入遺伝子の発現のために採取及び分析される。肝臓試料において、生体内分布は、PCRによって評価され、メガヌクレアーゼのRNA発現は、RT-PCRによって分析される。高度に灌流された臓器は、メガヌクレアーゼRNAについて分析され、メガヌクレアーゼRNAの検出可能な発現を有する組織は、オンターゲット編集についてアンプリコン-seqによって評価される。検出可能なオンターゲット編集を有する組織は、オフターゲット編集について更に評価される。
【0147】
ベクターの生体内分布については、デュアルベクターの導入遺伝子(ARCUS及びhOTCco)に特異的なqPCR検出が開発されるであろう。アッセイの効率、直線性、精度、再現性、及び検出限界は、標的配列の代用としてのAAVシスプラスミドを使用して評価される。アッセイの定量下限(LLOQ)は、試験組織又は排泄物に対するアッセイが開始される前に決定される。認定計画は、導入遺伝子特異的アッセイを以前に実施した認定研究に橋渡しするために実装される。試験したマトリックスには、意図された標的、生体内分布のための肝臓が含まれる。マトリックス効果は、生体内分布研究の過程で試験された全ての試料からのスパイクされた標的対照の回収、並びに以前に実施された認定研究から差し引かれたデータに基づいて更に評価される。
【0148】
本明細書に引用される全ての文献は、参照により本明細書に援用され、本明細書に添えて提出される配列表の配列及びテキストも、参照により援用される。2022年1月21日に出願された米国仮特許出願第63/301,917号、2022年4月15日に出願された同第63/331,384号、2022年5月17日に出願された同第63/364,861号、2022年8月1日に出願された同第63/370,049号、2022年10月11日に出願された同第63/379,067号は、各々、それらの全体が参照により援用される。本発明は、特定の実施形態を参照して記載されているが、本発明の趣旨から逸脱することなく修正を行うことができることが理解されよう。そのような修正は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されている。
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【配列表】
【国際調査報告】