(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-04-11
(54)【発明の名称】ヘアコンディショナー配合物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/73 20060101AFI20250404BHJP
A61Q 5/12 20060101ALI20250404BHJP
【FI】
A61K8/73
A61Q5/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024554752
(86)(22)【出願日】2023-03-20
(85)【翻訳文提出日】2024-09-13
(86)【国際出願番号】 US2023015625
(87)【国際公開番号】W WO2023183226
(87)【国際公開日】2023-09-28
(32)【優先日】2022-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(71)【出願人】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】弁理士法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティワンチャロン、ニサラポーン
(72)【発明者】
【氏名】リール、リンジー エム.
(72)【発明者】
【氏名】ライナー、ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】バッカー、スコット
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC072
4C083AC402
4C083AC472
4C083AC532
4C083AC852
4C083AD211
4C083AD212
4C083AD282
4C083CC33
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE28
(57)【要約】
ビヒクルと、コンディショニングポリマーと、を含む、ヘアコンディショナー配合物が提供され、コンディショニングポリマーは、モルホリン基と四級アンモニウム基とで官能化されたデキストランベースポリマーを含む、カチオン性デキストランポリマーであり、デキストランベースポリマーは、10,000~3,000,000ダルトンの重量平均分子量を有し、モルホリン基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(II)のモルホリン基であり、
【化1】
四級アンモニウム基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(III)の四級アンモニウム基であり、
【化2】
式中、
【化3】
が、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素であり、A及びXは、二価連結基であり、式中、R
2は線状又は分岐状C
1~4アルキル基であり、式中、R
3は、線状又は分岐状C
8~20アルキル基である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアコンディショナー配合物であって、
皮膚科学的に許容されるビヒクルと、
コンディショニングポリマーと、を含み、前記コンディショニングポリマーが、モルホリン基と四級アンモニウム基とで官能化されたデキストランベースポリマーを含む、カチオン性デキストランポリマーであり、前記デキストランベースポリマーは、10,000~3,000,000ダルトンの重量平均分子量を有し、前記モルホリン基は、前記デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(II)のモルホリン基であり、
【化1】
前記四級アンモニウム基は、前記デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(III)の四級アンモニウム基であり、
【化2】
式中、
【化3】
は、前記デキストランベースポリマー上のペンダント酸素であり、Aは、二価連結基であり、Xは、二価連結基であり、各R
2は、独立して、線状又は分岐状C
1~4アルキル基から選択され、各R
3は、独立して、線状又は分岐状C
8~20アルキル基から選択される、ヘアコンディショナー配合物。
【請求項2】
前記ヘアコンディショナー配合物が、リーブオンコンディショナー、及びリンスオフコンディショナーからなる群から選択される、請求項1に記載のヘアコンディショナー配合物。
【請求項3】
前記コンディショニングポリマーが、灰分及び揮発性物質について補正された、0.5~2.5重量%のケルダール窒素含有量、TKNを有する、請求項2に記載のヘアコンディショナー配合物。
【請求項4】
前記ヘアコンディショナー配合物が、前記ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.01重量%未満のオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)の組み合わせを含有する、請求項3に記載のヘアコンディショナー配合物。
【請求項5】
前記ヘアコンディショナー配合物が、前記ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.01重量%未満の皮膚科学的に許容される油を含有する、請求項4に記載のヘアコンディショナー配合物。
【請求項6】
式(II)の前記モルホリン基が、式(IIa)のモルホリン基であり、
【化4】
式(III)の前記四級アンモニウム基が、式(IIIa)の四級アンモニウム基であり、
【化5】
式中、各R
4が、独立して、水素及び線状又は分岐状C
1~4アルキル基からなる群から選択される、請求項5に記載のヘアコンディショナー配合物。
【請求項7】
式中、R
2が、メチル基であり、R
3が、線状又は分岐状C
12アルキル基であり、R
4が、水素である、請求項6に記載のヘアコンディショナー配合物。
【請求項8】
前記カチオン性デキストランポリマー上の式(II)の前記モルホリン基の置換度DS
(II)が、0.01~0.2であり、前記カチオン性デキストランポリマー上の式(III)の前記第四級アンモニウム基の置換度DS
(III)が、0より大きく2以下である、請求項7に記載のヘアコンディショナー配合物。
【請求項9】
抗菌剤/防腐剤、レオロジー調節剤、石鹸、着色剤、pH調整剤、抗酸化剤、保湿剤、ワックス、発泡剤、乳化剤、着色剤、香料、キレート剤、防腐剤、漂白剤、潤滑剤、感覚調節剤、日焼け止め添加剤、ビタミン、タンパク質/アミノ酸、植物抽出物、天然成分、生物活性剤、劣化防止添加剤、顔料、酸、浸透剤、帯電防止剤、縮れ防止剤、抗ふけ剤、毛髪ウェービング/矯正剤、毛髪スタイリング剤、吸収剤、硬質粒子、軟質粒子、コンディショニング剤、滑り剤、乳白剤、真珠光沢剤、及び塩からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分を更に含む、請求項8に記載のヘアコンディショナー配合物。
【請求項10】
毛髪をコンディショニングする方法であって、
請求項1に記載のヘアコンディショナー配合物を選択することと、
前記ヘアコンディショナー配合物を毛髪に適用することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアコンディショナー配合物に関する。特に、本発明は、皮膚科学的に許容されるビヒクルと、コンディショニングポリマーと、を含有するヘアコンディショナー配合物に関し、コンディショニングポリマーは、モルホリン基と四級アンモニウム基とで官能化されたデキストランベースポリマーであり、デキストランベースポリマーは、10,000~3,000,000ダルトンの重量平均分子量を有し、モルホリン基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(II)のモルホリン基であり、
【0002】
【化1】
四級アンモニウム基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(III)の四級アンモニウム基であり、
【0003】
【0004】
【化3】
は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素であり、Aは、二価連結基であり、Xは、二価連結基であり、各R
2は、独立して、線状又は分岐状C
1~4アルキル基から選択され、各R
3は、独立して、線状又は分岐状C
8~20アルキル基から選択される。
【0005】
従来のヘアコンディショナーは、毛髪を処理するために消費者に人気がある。シリコーン系コンディショニング剤は、ヘアコンディショナー配合物に最も一般的に使用されるコンディショニング剤である。しかしながら、特にD4及びD5コンディショナーに関する、環境中におけるある特定のシリコーン系コンディショニング剤、又はそのようなシリコーン系コンディショニング剤に組み込まれる微量化合物の残留性及び潜在的毒性に関して、一部の消費者の間で関心が高まっている。したがって、ヘアコンディショナー配合物に使用するためのシリコーンフリーの代替コンディショニング剤の開発に対する関心が高まっている。
【0006】
米国特許第5,879,670号において、Melbyらは、ケラチン含有基質の処理のためのコンディショニング剤として使用するための非シリコン含有両性電解質ポリマーを開示している。特に、Melbyらは、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、メタ(アクリル酸)又は2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、及び任意選択で、C1~22アルキル(メタ)アクリレートを含有する新規コンディショニングポリマー、並びにケラチン含有基材(好ましくは、哺乳動物の毛髪、より好ましくは、ヒトの毛髪)の処理のための化粧品として許容される媒体におけるそれらの使用を開示している。
【0007】
それにもかかわらず、コンディショニング利益を提供する新規のヘアコンディショニング剤に対する継続的な必要性が存在する。また、従来のヘアコンディショニング剤と比較して高い自然由来指数(ISO16128)を有する新しいヘアコンディショニング剤が引き続き必要とされている。
【0008】
本発明は、皮膚科学的に許容されるビヒクルと、コンディショニングポリマーと、を含む、ヘアコンディショナー配合物を提供し、コンディショニングポリマーは、モルホリン基と四級アンモニウム基とで官能化されたデキストランベースポリマーを含む、カチオン性デキストランポリマーであり、デキストランベースポリマーは、10,000~3,000,000ダルトンの重量平均分子量を有し、モルホリン基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(II)のモルホリン基であり、四級アンモニウム基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(III)の四級アンモニウム基であり、
【0009】
【0010】
【化5】
は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素であり、Aは、二価連結基であり、Xは、二価連結基であり、各R
2は、独立して、線状又は分岐状C
1~4アルキル基(好ましくは、線状又は分岐状C
1~3アルキル基、より好ましくは、C
1~2アルキル基、最も好ましくは、メチル基)から選択され、各R
3は、独立して、線状又は分岐状C
8~20アルキル基から選択される。
【0011】
本発明は、皮膚科学的に許容されるビヒクルと、コンディショニングポリマーと、を含む、ヘアコンディショナー配合物を提供し、コンディショニングポリマーは、モルホリン基と四級アンモニウム基とで官能化されたデキストランベースポリマーを含む、カチオン性デキストランポリマーであり、デキストランベースポリマーは、10,000~3,000,000ダルトンの重量平均分子量を有し、モルホリン基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(II)のモルホリン基であり、四級アンモニウム基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(III)の四級アンモニウム基であり;式中、
【0012】
【化6】
は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素であり、Aは、二価連結基であり、Xは、二価連結基であり、各R
2は、独立して、線状又は分岐状C
1~4アルキル基(好ましくは、線状又は分岐状C
1~3アルキル基、より好ましくは、C
1~2アルキル基、最も好ましくは、メチル基)から選択され、各R
3は、独立して、線状又は分岐状C
8~20アルキル基から選択され;ヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.01重量%未満のオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)を含有する。
【0013】
本発明は、毛髪をコンディショニングする方法であって、本発明のヘアコンディショナー配合物を選択することと、ヘアコンディショナー配合物を毛髪に適用することと、を含む、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明者らは、驚くべきことに、モルホリン基と四級アンモニウム基とで官能化されたデキストランベースポリマーを含むカチオン性デキストランポリマーであって、デキストランベースポリマーは、10,000~3,000,000ダルトンの重量平均分子量を有し、モルホリン基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(II)のモルホリン基であり、
【0015】
【化7】
四級アンモニウム基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(III)の四級アンモニウム基であり、
【0016】
【0017】
【化9】
は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素であり、Aは、二価連結基であり、Xは、二価連結基であり、各R
2は、独立して、線状又は分岐状C
1~4アルキル基から選択され、各R
3は、独立して、線状又は分岐状C
8~20アルキル基から選択され、従来のヘアコンディショニング剤と比較して、改善された自然由来指数(ISO16128)も提供しながら、損傷した毛髪の疎水性を効果的に回復させ、処理された毛髪を梳くのに必要な力を減少させるコンディショニングポリマーとして作用することを見出した。
【0018】
別段示されない限り、比、百分率、部などは、重量によるものである。
【0019】
本明細書で使用される場合、別段示されない限り、「分子量」又はMWという語句は、ゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)及びポリエチレングリコール標準などの従来の標準を用いて従来の手法で測定される重量平均分子量を指す。GPCの技法は、Modern Size Exclusion Chromatography,W.W.Yau,J.J.Kirkland,D.D.Bly;Wiley-Interscience,1979に、及びA Guide to Materials Characterization and Chemical Analysis,J.P.Sibilia;VCH,1988,p.81-84に詳述されている。分子量は、本明細書においてダルトンの単位で、又は同等にg/molで報告される。
【0020】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される「皮膚科学的に許容される」という用語は、皮膚への局所的適用に典型的に使用される成分を指し、スキンケア組成物中に典型的に見られる量で存在する場合に毒性である材料は、本発明の一部として企図されないことを強調することを意図する。
【0021】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される「損傷したヒトの毛髪」という用語は、化学的に損傷したヒトの毛髪(例えば、染色、脱色、パーマなどの化学的処理から損傷したヒトの毛髪)、熱損傷したヒトの毛髪(例えば、アイロン、強制乾燥、スタイリングによる熱への曝露から損傷したヒトの毛髪)、及び物理的に損傷したヒトの毛髪(例えば、摩擦、引っ張り、カールなどの物理的酷使から損傷したヒトの毛髪)のうちの少なくとも1つを指す。
【0022】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、リンスオフコンディショナー配合物及びリーブオンコンディショナー配合物からなる群から選択される。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、リンスオフコンディショナー配合物である。
【0023】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、皮膚科学的に許容されるビヒクル(好ましくは、ヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、25~99.9重量%(好ましくは、48~99.85重量%、より好ましくは、79重量%~99.8重量%、最も好ましくは、84.5~99.75重量%)の皮膚科学的に許容されるビヒクルを含む)と、コンディショニングポリマー(ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、好ましくは0.05~5重量%(好ましくは、0.1~2重量%、より好ましくは、0.15重量%~1重量%、最も好ましくは、0.2~0.5重量%)のコンディショニングポリマー)と、を含み、コンディショニングポリマーは、モルホリン基と四級アンモニウム基とで官能化されたデキストランベースポリマーを含む、カチオン性デキストランポリマーであり、デキストランベースポリマーは、10,000~3,000,000ダルトンの重量平均分子量を有し、モルホリン基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(II)のモルホリン基であり、
【0024】
【化10】
四級アンモニウム基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(III)の四級アンモニウム基であり、
【0025】
【0026】
【化12】
は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素であり、Aは、二価連結基であり(好ましくは、Aは、二価アルキル基から選択され、これは、任意選択で、ヒドロキシ基、アルコキシ基、及び/又はエーテル基で置換されていてもよく、より好ましくは、式中、Aは、-(CH
2)
y基及び-CH
2CH(OR
4)CH
2-基からなる群から選択され、ここでyは、2~5(好ましくは、2~4)であり、より好ましくは、2~3であり、最も好ましくは、2)、R
4は、水素及び線状又は分岐状C
1~4アルキル基からなる群から選択され、さらにより好ましくは、Aは、-CH
2CH
2-基及び-CH
2CH(OH)CH
2-基からなる群から選択され、最も好ましくは、Aは、-CH
2CH
2-基である)、Xは、二価連結基であり(好ましくは、Xは、二価アルキル基から選択され、これは、任意選択で、ヒドロキシ基、アルコキシ基、及び/又はエーテル基で置換されていてもよく、より好ましくは、Xは、-CH
2CH(OR
4)CH
2-基であり(式中、R
4は、水素及び線状又は分岐状C
1~4アルキル基からなる群から選択される)、最も好ましくは、Xは、-CH
2CH(OH)CH
2-基であり)、各R
2は、独立して、線状又は分岐状C
1~4アルキル基(好ましくは、線状又は分岐状C
1~3アルキル基、より好ましくは、C
1~2アルキル基、最も好ましくは、メチル基)から選択され、各R
3は、独立して、線状又は分岐状C
8~20アルキル基(好ましくは、線状又は分岐状C
10~16アルキル基、より好ましくは、線状又は分岐状C
10~-14アルキル基、なおより好ましくは、線状又は分岐状C
12アルキル基、最も好ましくは、線状C
12アルキル基)から選択される。
【0027】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、液体配合物である。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、水性液体配合物である。
【0028】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、25~99.9重量%(好ましくは、48~99.85重量%、より好ましくは、79重量%~99.8重量%、最も好ましくは、84.5~99.75重量%)の皮膚科学的に許容されるビヒクルを含む。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、25~99.9重量%(好ましくは、48~99.85重量%、より好ましくは、79重量%~99.8重量%、最も好ましくは、84.5~99.75重量%)の皮膚科学的に許容されるビヒクルを含み、皮膚科学的に許容されるビヒクルは、水を含む。なおより好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、25~99.9重量%(好ましくは、48~99.85重量%、より好ましくは、79重量%~99.8重量%、最も好ましくは、84.5~99.75重量%)の皮膚科学的に許容されるビヒクルを含み、皮膚科学的に許容されるビヒクルは、水及び水性C1~4アルコール混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、25~99.9重量%(好ましくは、48~99.85重量%、より好ましくは、79重量%~99.8重量%、最も好ましくは、84.5~99.75重量%)の皮膚科学的に許容されるビヒクルを含み、皮膚科学的に許容されるビヒクルは、水である。
【0029】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物で使用される水は、蒸留水及び脱イオン水のうちの少なくとも一方である。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物で使用される水は、蒸留され、脱イオン化されている。
【0030】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.05~5重量%(好ましくは、0.1~2重量%、より好ましくは、0.15重量%~1重量%、最も好ましくは、0.2~0.5重量%)のコンディショニングポリマーを含み、コンディショニングポリマーは、モルホリン基と四級アンモニウム基とで官能化されたデキストランベースポリマーを含む、カチオン性デキストランポリマーであり、デキストランベースポリマーは、10,000~3,000,000ダルトンの重量平均分子量を有し、モルホリン基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(II)のモルホリン基であり、四級アンモニウム基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(III)の四級アンモニウム基である。
【0031】
好ましくは、デキストランベースポリマーは、10,000~3,000,000ダルトン(好ましくは、50,000~2,500,000ダルトン、より好ましくは、100,000~2,000,000ダルトン、更により好ましくは、125,000~1,000,000ダルトン、最も好ましくは、140,000~500,000ダルトン)の重量平均分子量を有する。より好ましくは、デキストランベースポリマーは、10,000~3,000,000ダルトン(好ましくは、50,000~2,500,000ダルトン、より好ましくは、100,000~2,000,000ダルトン、更により好ましくは、125,000~1,000,000ダルトン、最も好ましくは、140,000~500,000ダルトン)の重量平均分子量を有し、デキストランベースポリマーは、複数のグルコース構造単位を含む分岐鎖デキストランポリマーであり、グルコース構造単位の90モル%~98モル%(好ましくは、92.5モル%~97.5モル%、より好ましくは、93モル%~97モル%、最も好ましくは、94モル%~96モル%)は、α-1,6結合によって接続され、グルコース構造単位の2モル%~10モル%(好ましくは、2.5モル%~7.5モル%、より好ましくは、3モル%~7モル%、最も好ましくは、4~6モル%)は、α-1,2結合、α-1,3結合及び/及びα-1,4結合によって接続される。最も好ましくは、デキストランベースポリマーは、10,000~3,000,000ダルトン(好ましくは、50,000~2,500,000ダルトン、より好ましくは、100,000~2,000,000ダルトン、更により好ましくは、125,000~1,000,000ダルトン、最も好ましくは、140,000~500,000ダルトン)の重量平均分子量を有し、デキストランベースポリマーは、複数のグルコース構造単位を含む分岐鎖デキストランポリマーであり、グルコース構造単位の90モル%~98モル%(好ましくは、92.5モル%~97.5モル%、より好ましくは、93モル%~97モル%、最も好ましくは、94モル%~96モル%)は、α-D-1,6結合によって接続され、グルコース構造単位の2モル%~10モル%(好ましくは、2.5モル%~7.5モル%、より好ましくは、3モル%~7モル%、最も好ましくは、4~6モル%)は、式Iに従って、α-1,3結合によって接続され、
【0032】
【化13】
式中、R
1は、水素、C
1~4アルキル基、及びヒドロキシC
1~4アルキル基から選択され、デキストランポリマー骨格からの平均分岐は、1~3個の無水グルコース単位である。
【0033】
好ましくは、デキストランベースポリマーは、デキストランベースポリマーの重量に基づいて、0.01重量%未満のアルテルナンを含有する。より好ましくは、デキストランベースポリマーは、デキストランベースポリマーの重量に基づいて、0.001重量%未満のアルテルナンを含有する。最も好ましくは、デキストランベースポリマーは、検出可能限界未満のアルテルナンを含有する。
【0034】
好ましくは、0.1モル%未満(好ましくは、0.01モル%未満、より好ましくは、0.001モル%未満、最も好ましくは、検出限界未満)のデキストランベースポリマー中のグルコース構造単位は、β-1,4結合によって接続されている。
【0035】
好ましくは、0.1モル%未満(好ましくは、0.01モル%未満、より好ましくは、0.001モル%未満、最も好ましくは、検出限界未満)のデキストランベースポリマー中のグルコース構造単位は、β-1,3結合によって接続されている。
【0036】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.05~5重量%(好ましくは、0.1~2重量%、より好ましくは、0.15重量%~1重量%、最も好ましくは、0.2~0.5重量%)のコンディショニングポリマーを含み、コンディショニングポリマーは、モルホリン基と四級アンモニウム基とで官能化されたデキストランベースポリマーを含む、カチオン性デキストランポリマーであり、モルホリン基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(II)のモルホリン基であり、四級アンモニウム基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(III)の四級アンモニウム基であり、
【0037】
【0038】
【化15】
は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素であり、Aは、二価連結基であり(好ましくは、Aは、二価アルキル基から選択され、これは、任意選択で、ヒドロキシ基、アルコキシ基、及び/又はエーテル基で置換されていてもよく、より好ましくは、式中、Aは、-(CH
2)
y基及び-CH
2CH(OR
4)CH
2-基からなる群から選択され、ここでyは、2~5(好ましくは、2~4)であり、より好ましくは、2~3であり、最も好ましくは、2であり)、R
4は、水素及び線状又は分岐状C
1~4アルキル基からなる群から選択され、さらにより好ましくは、Aは、-CH
2CH
2-基及び-CH
2CH(OH)CH
2-基からなる群から選択され;最も好ましくは、Aは、-CH
2CH
2-基である)、Xは、二価連結基であり(好ましくは、Xは、二価アルキル基から選択され、これは、任意選択で、ヒドロキシ基、アルコキシ基、及び/又はエーテル基で置換されていてもよく、より好ましくは、Xは、-CH
2CH(OR
4)CH
2-基であり(式中、R
4は、水素及び線状又は分岐状C
1~4アルキル基からなる群から選択される)、最も好ましくは、Xは、-CH
2CH(OH)CH
2-基であり)、各R
2は、独立して、線状又は分岐状C
1~4アルキル基(好ましくは、線状又は分岐状C
1~3アルキル基、より好ましくは、C
1~2アルキル基、最も好ましくは、メチル基)からなる群から選択され、各R
3は、独立して、線状又は分岐状C
8~20アルキル基(好ましくは、線状又は分岐状C
10~16アルキル基、より好ましくは、線状又は分岐状C
10~14アルキル基、なおより好ましくは、線状又は分岐状C
12アルキル基、最も好ましくは、線状C
12アルキル基)(好ましくは、カチオン性デキストランポリマー上の式(II)のモルホリン基の置換度DS
(II)は、0.01~0.2(好ましくは、0.02~0.175、より好ましくは、0.03~0.16、最も好ましくは、0.04~0.14)から選択され、カチオン性デキストランポリマー上の式(III)の第四級アンモニウム基の置換度DS
(III)は、0より大きく2以下(好ましくは、0.1~2、より好ましくは、0.2~1.75、更により好ましくは0.25~1.5、最も好ましくは、0.3~1.2)である)。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアケア配合物の重量に基づいて、0.05~5重量%(好ましくは、0.1~2重量%、より好ましくは、0.15重量%~1重量%、最も好ましくは、0.2~0.5重量%)のコンディショニングポリマーを含み、コンディショニングポリマーは、モルホリン基と四級アンモニウム基とで官能化されたデキストランベースポリマーを含む、カチオン性デキストランポリマーであり、モルホリン基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(IIa)のモルホリン基であり、
【0039】
【化16】
(ii)デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(IIIa)の四級アンモニウム基、
【0040】
【0041】
【化18】
は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素であり、R
4は、水素及び線状又は分岐状C
1~4アルキル基(好ましくは、R
4は、水素である)からなる群から選択され、各R
2は、独立して、線状又は分岐状C
1~4アルキル基(好ましくは、C
1~3アルキル基、より好ましくは、C
1~2アルキル基、最も好ましくは、メチル基)から選択され、各R
3は、独立して、線状又は分岐状C
8~20アルキル基(好ましくは、線状又は分岐状C
10~16アルキル基、より好ましくは、線状又は分岐状C
10~14アルキル基、なおより好ましくは、線状又は分岐状C
12アルキル基、最も好ましくは、線状C
1~12アルキル基)から選択され、カチオン性デキストランポリマー上の式(II)のモルホリン基の置換度DS
II(II)は、0.01~0.2(好ましくは、0.02~0.175、より好ましくは、0.03~0.16、最も好ましくは、0.04~0.14)であり、カチオン性デキストランポリマー上の式(III)の第四級アンモニウム基の置換度DS
(III)は、0より大きく2以下(好ましくは、0.1~2、より好ましくは、0.2~1.75、更により好ましくは0.25~1.5、最も好ましくは、0.3~1.2)である。最も好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.05~5重量%(好ましくは、0.1~2重量%、より好ましくは、0.15重量%~1重量%、最も好ましくは、0.2~0.5重量%)のコンディショニングポリマーを含み、コンディショニングポリマーは、モルホリン基と四級アンモニウム基とで官能化されたデキストランベースポリマーを含む、カチオン性デキストランポリマーであり、モルホリン基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(IIa)のモルホリン基であり、四級アンモニウム基は、デキストランベースポリマー上のペンダント酸素に結合した式(IIIa)の四級アンモニウム基であり、式中、各R
2は、メチル基であり、各R
3は、独立して、線状又は分岐状C
8~20アルキル基(好ましくは、線状又は分岐状C
10~16アルキル基、より好ましくは、線状又は分岐状C
10~14アルキル基、なおより好ましくは、線状又は分岐状C
12アルキル基、最も好ましくは、線状C
1~12アルキル基)から選択され、各R
4は、水素であり、カチオン性デキストランポリマー上の式(II)のモルホリン基の置換度DS
II(II)は、0.01~0.2(好ましくは、0.02~0.175、より好ましくは、0.03~0.16、最も好ましくは、0.04~0.14)であり、カチオン性デキストランポリマー上の式(III)の第四級アンモニウム基の置換度DS
(III)は、0より大きく2以下(好ましくは、0.1~2、より好ましくは、0.2~1.75、更により好ましくは0.25~1.5、最も好ましくは、0.3~1.2)である。
【0042】
好ましくは、堆積助剤ポリマーは、ASTM法D-2364に記載されているように測定された揮発性物質及び灰分について補正された、Buchi KjelMaster K-375自動アナライザーを使用して測定された0.5~2.5重量%(好ましくは、0.55~2.2重量%、より好ましくは、0.6重量%~2重量%、最も好ましくは、0.65~1.75重量%)のケルダール窒素含有量TKNを有する。
【0043】
好ましくは、コンディショニングポリマーは、0.001meq/グラム未満(好ましくは、0.0001meq/グラム未満、より好ましくは、0.00001meq/グラム未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)のアルデヒド官能基を含む。
【0044】
好ましくは、コンディショニングポリマーは、0.1%未満(好ましくは、0.01%未満、より好ましくは、0.001%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)の、コンディショニングポリマーにおける個々のグルコース単位間の結合を含み、これはβ-1,4結合である。
【0045】
好ましくは、コンディショニングポリマーは、0.1%未満(好ましくは、0.01%未満、より好ましくは、0.001%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)の、コンディショニングポリマーにおける個々のグルコース単位間の結合を含み、これはβ-1,3結合である。
【0046】
好ましくは、コンディショニングポリマーは、0.001meq/グラム未満(好ましくは、0.0001meq/グラム未満、より好ましくは、0.00001meq/グラム未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)のシリコーン含有官能基を含む。
【0047】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、任意選択で、抗菌剤/防腐剤(例えば、安息香酸、ソルビン酸、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン、エチルヘキシルグリセリン)、レオロジー調整剤(例えば、テトラステアリン酸PEG-150ペンタエリトリチル)、着色剤、pH調整剤、酸化防止剤(例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン)、保湿剤(例えば、グリセリン、ソルビトール、モノグリセリド、レシチン、糖脂質、脂肪アルコール、脂肪酸、多糖類、ソルビタンエステル、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、及びポリソルベート80)、ジオール(例えば、プロピレングリコール)、ジオール類縁体、トリオール、トリオール類縁体、カチオン性ポリマー性ポリオール)、ワックス、発泡剤、乳化剤、着色剤、香料、キレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム)、防腐剤(例えば、安息香酸、ソルビン酸、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン)、漂白剤、潤滑剤、感覚調節剤、日焼け止め添加剤、ビタミン、タンパク質/アミノ酸、植物抽出物、天然成分、生物活性剤、劣化防止添加剤、顔料、酸、浸透剤、帯電防止剤、縮れ防止剤、抗ふけ剤、毛髪ウェービング/矯正剤、毛髪スタイリング剤、吸収剤、コンディショニング剤(例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、PQ-10、PQ-7)、滑り剤、乳白剤、真珠光沢剤、及び塩からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分を更に含む。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、任意選択で、抗菌剤/防腐剤(例えば、安息香酸、ソルビン酸、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリノン、エチルヘキシルグリセリン)、レオロジー調整剤(例えば、テトラステアリン酸PEG-150ペンタエリトリチル)、及びキレート剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム)からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分を更に含む。最も好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、任意選択で、フェノキシエタノールとメチルイソチアゾリノンとの混合物、フェノキシエタノールとエチルヘキシルグリセリンとの混合物、PEG-150ペンタエリトリチルテトラステアレート、及びエチレンジアミン四酢酸四ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分を更に含む。
【0048】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、増粘剤を更に含む。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、増粘剤を更に含み、増粘剤は、好ましくは、ヘアコンディショナー配合物の他の特性を実質的に変更することなく、ヘアコンディショナー配合物の粘度を増加させるように選択される。好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、増粘剤を更に含み、増粘剤は、好ましくは、ヘアコンディショナー配合物の他の特性を実質的に変更することなく、ヘアコンディショナー配合物の粘度を増加させるように選択され、増粘剤は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0~5.0重量%(好ましくは、0.1~5.0重量%、より好ましくは、0.2~2.5重量%、最も好ましくは、0.5~2.0重量%)を占める。
【0049】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、抗菌剤/防腐剤を更に含む。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、抗菌剤/防腐剤を更に含み、抗菌剤/防腐剤は、フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリン、安息香酸、ベンジルアルコール、安息香酸ナトリウム、DMDMヒダントイン、2-エチルヘキシルグリセリルエーテル、イソチアゾリノン(例えば、メチルクロロイソチアゾリノン、メチルイソチアゾリノン)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、抗菌剤/防腐剤を更に含み、抗菌剤/防腐剤は、(a)フェノキシエタノール及びエチルヘキシルグリセリン、並びに(b)フェノキシエタノール及びイソチアゾリノンからなる群から選択される混合物である(より好ましくは、抗菌剤/防腐剤は、(a)フェノキシエタノール及びエチルヘキシルグリセリン、並びに(b)フェノキシエタノール及びメチルイソチアゾリノンからなる群から選択される混合物であり、最も好ましくは、抗菌剤/防腐剤は、フェノキシエタノールとエチルヘキシルグリセリンとの混合物である)。
【0050】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、任意選択で、pH調整剤を更に含む。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、pH調整剤を更に含み、ヘアコンディショナー配合物は、4~9(好ましくは、4.25~8、より好ましくは、4.5~7、最も好ましくは、4.75~6)のpHを有する。
【0051】
好ましくは、pH調整剤は、クエン酸、乳酸、塩酸、アミノエチルプロパンジオール、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アミノ-2-メチル-1-プロパノールのうちの少なくとも1つからなる群から選択される。より好ましくは、pH調整剤は、クエン酸、乳酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アミノ-2-メチル-1-プロパノールのうちの少なくとも1つからなる群から選択される。なおより好ましくは、pH調整剤は、クエン酸を含有する。最も好ましくは、pH調整剤は、クエン酸である。
【0052】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.01重量%未満(好ましくは、0.001重量%未満、より好ましくは、0.0001重量%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)の皮膚科学的に許容される非シリコーン油を含有する。より好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.01重量%未満(好ましくは、0.001重量%未満、より好ましくは、0.0001重量%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)の皮膚科学的に許容される非シリコーン油を含有し、皮膚科学的に許容される非シリコーン油は、炭化水素油(例えば、鉱油、ワセリン、ポリイソブテン、水素化ポリイソブテン、水素化ポリデセン、ポリイソヘキサデカン、天然油(例えば、カプリル酸及びカプリン酸のトリグリセリド、ヒマワリ油、大豆油、ココナッツ油、アルガン油、オリーブ油、アーモンド油)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0053】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.01重量%未満(好ましくは、0.001重量%未満、より好ましくは、0.0001重量%未満、最も好ましくは、検出限界未満)のオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)の組み合わせを含有する。
【0054】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.01重量%未満(好ましくは、0.001重量%未満、より好ましくは、0.0001重量%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)のコンディショニングシリコーン(例えば、ポリジメチルシロキサン、ジメチコン)を含有する。
【0055】
好ましくは、本発明のヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.1重量%未満(好ましくは、0.001重量%未満、より好ましくは、0.0001重量%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)のシリコン(silicon、Si)含有分子を含有する。
【0056】
好ましくは、ヘアコンディショナー配合物は、リーブオンヘアコンディショナー又はリンスオフヘアケアコンディショナーからなる群から選択され、ヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.1重量%未満(好ましくは、0.001重量%未満、より好ましくは、0.0001重量%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)のヘアケア洗浄界面活性剤を含有する。より好ましくは、ヘアコンディショナー配合物は、リーブオンコンディショナー又はリンスオフコンディショナーからなる群から選択され、ヘアコンディショナー配合物は、ヘアコンディショナー配合物の重量に基づいて、0.1重量%未満(好ましくは、0.001重量%未満、より好ましくは、0.0001重量%未満、最も好ましくは、検出可能限界未満)のヘアケア洗浄界面活性剤を含有する。ヘア洗浄界面活性剤は、アルキルポリグルコシド(例えば、ラウリルグルコシド、ココ-グルコシド、デシルグルコシド)、グリシネート(例えば、ココイルグリシン酸ナトリウム)、ベタイン(例えば、セチルベタインなどのアルキルベタイン、及びコカミドプロピルベタインなどのアミドベタイン)、タウレート(例えば、メチルココイルタウリン酸ナトリウム)、グルタメート(例えば、ココイルグルタミン酸ナトリウム)、サルコシネート(例えば、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム)、イセチオネート(例えば、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム)、スルホアセテート(例えば、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム)、アラニネート(例えば、ココイルアラニン酸ナトリウム)、アンホアセテート(例えば、ココアンホ酢酸ナトリウム)、サルフェート(例えば、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES))、スルホネート(例えば、C14~16オレフィンスルホン酸ナトリウム)、スクシネート(例えば、ラウリルスルホコハク酸二ナトリウム)、脂肪アルカノールアミド(例えば、コカミドモノエタノールアミン、コカミドジエタノールアミン、ソヤミドジエタノールアミン、ラウラミドジエタノールアミン、オレアミドモノイソプロパノールアミン、ステアロアミドモノエタノールアミン、ミリスタミドモノエタノールアミン、ラウラミドモノエタノールアミン、カプラミドジエタノールアミン、リシノレアミドジエタノールアミン、ミリスタミドジエタノールアミン、ステアルアミドジエタノールアミン、オレイルアミドジエタノールアミン、タローアミドジエタノールアミン、ラウラミドモノイソプロパノールアミン、タローアミドモノエタノールアミン、イソステアロアミドジエタノールアミン、イソステアロアミドジエタノールアミン、イソステアロアミドモノエタノールアミン)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0057】
好ましくは、本発明の毛髪をコンディショニングする方法は、本発明のヘアコンディショナー配合物を選択することと、ヘアコンディショナー配合物を毛髪(好ましくは、哺乳動物の毛髪、より好ましくは、ヒトの毛髪、最も好ましくは、損傷したヒトの毛髪)に適用することと、を含む。より好ましくは、本発明の毛髪をコンディショニングする方法は、本発明のヘアコンディショナー配合物を選択することと、毛髪(好ましくは、哺乳動物の毛髪、より好ましくは、ヒトの毛髪、最も好ましくは、損傷したヒトの毛髪)を水で濡らすことと、選択されたヘアコンディショナー配合物を濡れた毛髪に適用することと、を含む。最も好ましくは、本発明の毛髪をコンディショニングする方法は、本発明のヘアコンディショナー配合物を選択することと、毛髪(好ましくは、哺乳動物の毛髪、より好ましくは、ヒトの毛髪、最も好ましくは、損傷したヒトの毛髪)を濡らすことと、選択されたヘアコンディショナー配合物を濡れた毛髪に適用することと、次いで、毛髪を水ですすぐことと、を含む。
【0058】
ここで、本発明のいくつかの実施形態を、以下の実施例で詳細に説明する。
【0059】
合成S1:カチオン性コンディショニングポリマーの合成
1オンスのバイアルにデキストランポリマー(2g;Sigma-Aldrich製品D4876)及び脱イオン水(7.4g)を入れた。撹拌棒をバイアルに加え、バイアルに蓋をした。次いで、バイアルを撹拌プレート上に置き、70℃まで加熱した。デキストランが完全に溶解した後、50%水酸化ナトリウム水溶液(0.5g)をバイアル内容物に添加した。バイアル内容物を70℃で10分間継続して撹拌した後、バイアル内容物に3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル-ラウリル-ジメチルアンモニウム塩化物の40%水溶液(0.5g;QUAB(登録商標)342(SKW QUAB Chemicalsから入手可能)を添加した。次いで、バイアル内容物を30分間撹拌した後、バイアル内容物に2-クロロエチルモルホリン塩酸塩(0.9g)を添加した。その後、バイアル内容物を70℃で180分間撹拌した。次いで、バイアル内容物を室温まで冷却した。バイアル内容物が室温に達したとき、氷酢酸(0.4g)をバイアルの内容物に添加した。その後、バイアル内容物を10分間撹拌した。次いで、ポリマー生成物をメタノール中での非溶媒沈殿によって単離し、構造分析のために1H NMRによって特性評価して、表2に報告されるモルホリノ部分の置換度DS(II)及びジメチルドデシルアンモニウム部分のDS(III)を決定した。生成物コンディショニングポリマー中の総ケルダール窒素、TKNも表2に報告する。
【0060】
合成S2~S3:カチオン性デキストランポリマーの合成
合成S2~S3において、コンディショニングポリマーを、実質的に合成S1に記載されるように調製したが、表1に示されるように試薬供給を変化させた。NMRによって測定された生成物コンディショニングポリマー中のモルホリノ部分の置換度DS(II)及びQUAB(登録商標)342部分のDS(III)を表2に報告する。生成物コンディショニングポリマー中の総ケルダール窒素、TKNも表2に報告する。
【0061】
【0062】
【0063】
比較例CF1~CF4及び実施例F1~F2:ヘアコンディショナー配合物
表3に記載の配合を有するヘアコンディショナー配合物を、比較例CF1~CF4及び実施例F1~F2の各々において調製した。
【0064】
【0065】
ヘアコンディショニング性能
比較例CF1~CF4及び実施例F1のリンスオフコンディショナー配合物で処理した毛髪の湿潤時及び乾燥時の櫛通りの容易さを評価するための試験を以下のように実施した。漂白した白人毛髪(International Hair Importersからの8時間漂白した毛髪)を、コンディショナーを試験するために使用した。各髪房は、2グラムの重さであった。各髪房を、40℃の水道水の流水で30秒間すすいだ。ピペットを使用し、9パーセントのラウリル硫酸ナトリウムを含有する0.4グラムの溶液を適用し、各髪房全体にわたって30秒間泡立てた。その後、髪房を、流水で1分間すすいだ。髪房に、手の人差し指と中指との間を通過させることにより、過剰な水を各髪房から除去した。次いで、0.4gの配合物/毛髪1gの比較例CF1~CF4及び実施例F1~F2のリンスオフコンディショナー配合物を用い、この配合物を濡れた/湿った毛髪に1分間マッサージすることによって、髪房を処理した。髪房を流水下で30秒間すすぎ、室温で一晩乾燥させた。
【0066】
また、湿潤時の櫛通りの容易さ、及び乾燥時の櫛通りの容易さによりコンディショニング性能を測定するために、BlueHill 2ソフトウェアを実行するINSTRON Model 3342 Single Column Tensionも使用した。試験では、毛髪を櫛で梳くのに必要な力を測定するために具備されるINSTRONひずみゲージを用いた。コンディショニング性能は、INSTRONひずみゲージにより、毛髪を櫛で梳くのに必要とされる力を低減するためのリンスオフコンディショナー配合物の能力に基づくものとした。力は、平均櫛通り負荷(ACL)として報告した。ACLの数値が低くなるほど、試験したリンスオフコンディショナー配合物により付与されるコンディショニング効果が高い。
【0067】
INSTRONの湿潤時櫛通り法に従って、毛髪を最初に、蒸留水に浸すことにより濡らし、次に髪房を3回櫛でとくことにより毛髪のもつれをほぐした。次に、髪房を3回蒸留水に浸すことにより再びもつれさせた。髪房に、2回手の人差し指と中指の間を通過させることにより、過剰な水を髪房から除去した。髪房をハンガー上に配置し、INSTRON櫛でといた。3つの髪房の平均湿潤櫛通り力を、各リンスオフコンディショナー配合物について測定した。平均湿潤時櫛通りの結果を表4に記載する。
【0068】
INSTRONの乾燥時櫛通り法に従って、髪房を3回櫛でとくことにより乾燥した毛髪のもつれをほぐした。次に、髪房を時計回りに3回旋回、反時計回りに3回旋回させることにより再びもつれさせた。髪房をハンガー上に配置し、INSTRON櫛でといた。3つの髪房の平均乾燥櫛通り力を、各リンスオフコンディショナー配合物について測定した。平均乾燥時櫛通りの結果を表4に記載する。
【0069】
【0070】
毛髪の疎水性
比較例CF1~CF4及び実施例F1~F2の各々に従って調製されたヘアコンディショナー配合物を、2つの別個の3gの毛髪試料(8時間ブリーチされた白人毛髪、International Hair Importers,Inc.)で試験した。毛髪試料を、最初に水で30秒間すすいだ。次いで、ラウリル硫酸ナトリウムの9%(重量/重量)水溶液を、毛髪試料に30秒間マッサージした。次いで、毛髪試料を60秒間水ですすいだ。次いで、毛髪試料を毛髪1gあたり0.4gの量のリンスオフヘアコンディショナーで処理し、毛髪に30秒間マッサージした。次いで、毛髪試料を、水で30秒間すすぎ、疎水性試験の前に乾燥させた。
【0071】
毛髪の疎水性を測定するために、髪房をまっすぐに櫛でとき、次いで両端をホルダーでしっかりと保持した。10個の30μLの水滴を、各房の根元から先端までの異なる位置に置き、表5に報告されるように、各ヘアコンディショナー配合物について、1~5の回復疎水性スコアを適用した。スコア1は、水滴が適用後1分未満で毛髪中に消散することが観察されたことを意味する。スコア2は、水滴が、適用後、毛髪中に消散する前に、少なくとも1分間であるが2分未満にわたって毛髪上に留まることが観察されたことを意味する。スコア3は、水滴が、適用後、毛髪中に消散する前に、少なくとも2分間であるが5分未満にわたって毛髪上に留まることが観察されたことを意味する。スコア4は、水滴が、適用後、毛髪中に消散する前に、少なくとも5分間であるが10分未満にわたって毛髪上に留まることが観察されたことを意味する。スコア5は、水滴が、適用後、毛髪中に消散する前に、少なくとも10分間毛髪上に留まることが観察されたことを意味する。
【0072】
【国際調査報告】