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特表2025-511101面発光レーザ、面発光レーザの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-04-15
(54)【発明の名称】面発光レーザ、面発光レーザの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/183 20060101AFI20250408BHJP
   H01S 5/343 20060101ALN20250408BHJP
【FI】
H01S5/183
H01S5/343 610
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024557874
(86)(22)【出願日】2022-03-31
(85)【翻訳文提出日】2024-09-27
(86)【国際出願番号】 JP2022016925
(87)【国際公開番号】W WO2023188405
(87)【国際公開日】2023-10-05
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390039929
【氏名又は名称】三桜工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スリニワス ガンドロシュラ
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AC04
5F173AC13
5F173AC14
5F173AC26
5F173AF03
5F173AH22
5F173AP47
5F173AP87
5F173AQ02
5F173AR81
5F173AR92
5F173AR93
5F173AR94
(57)【要約】
【解決手段】垂直共振器型面発光レーザは、第1軸方向に交互に配置された第1誘電体層および第2誘電体層を含む第1分布ブラッグ反射器(DBR)と、p型III族窒化物領域、III族窒化物領域、および前記p型III族窒化物領域と前記III族窒化物領域との間のIII族窒化物活性領域を含む半導体部であって、前記p型III族窒化物領域、前記III族窒化物活性領域、および前記III族窒化物領域は前記第1軸方向に配置され、前記III族窒化物領域はn型III族窒化物領域を含む、半導体部と、を含み、前記半導体部は、周期的一次元パターンを有するモノリシック回折格子を含み、前記モノリシック回折格子、前記III族窒化物活性領域、および前記分布ブラッグ反射器は、前記第1軸方向に配置されて光キャビティを形成し、前記周期的一次元パターンは、前記第1軸方向に交差する第2軸方向に延在する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)であって:
第1軸方向に交互に配置された第1誘電体層および第2誘電体層を含む第1分布ブラッグ反射器(DBR)と;
p型III族窒化物領域、III族窒化物領域、および前記p型III族窒化物領域と前記III族窒化物領域との間のIII族窒化物活性領域、を含む半導体部であって、前記p型III族窒化物領域、前記III族窒化物活性領域、および前記III族窒化物領域は、前記第1軸方向に配置され、前記III族窒化物領域はn型III族窒化物領域を含む、半導体部と;
を含み、
前記半導体部は、周期的一次元パターンを有するモノリシック回折格子を含み、前記モノリシック回折格子、前記III族窒化物活性領域、および前記分布ブラッグ反射器は、前記第1軸方向に配置されて光キャビティを形成し、前記周期的一次元パターンは、前記第1軸方向に交差する第2軸方向に延在する、
垂直共振器型面発光レーザ。
【請求項2】
前記半導体部の上に配置された誘電体層をさらに備え、前記誘電体層は、前記モノリシック回折格子の上に延在して、前記周期的一次元パターンを覆う、
請求項1に記載の垂直共振器型面発光レーザ。
【請求項3】
第2分布ブラッグ反射器(DBR)をさらに備え、
前記誘電体層は、前記第2DBRと前記半導体部との間に配置され、
前記第2DBRは、前記第1軸方向に交互に配列された第3誘電体層および第4誘電体層を含み、
前記第2DBRおよび前記周期的一次元パターンは結合されて一緒になって、1つの反射鏡を構成する、
請求項2に記載の垂直共振器型面発光レーザ。
【請求項4】
前記半導体部の上に配置される導電層であって、前記導電層の一部は、前記第1DBRと前記半導体部との間に配置される、導電層と、
前記DBRの外において前記導電層の上に配置される第1電極であって、前記第1電極は、前記導電層と接触して配置される、第1電極と、
をさらに備える、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光レーザ。
【請求項5】
第2電極をさらに備え、
前記III族窒化物領域は、第1面、および前記第1面と反対側にある第2面を有し、
前記モノリシック回折格子は、前記第1面に形成され、前記第2電極は、前記第2面に配置される、
請求項4に記載の垂直共振器型面発光レーザ。
【請求項6】
第2電極をさらに備え、
前記III族窒化物領域は、第1面、および前記第1面と反対側にある第2面を有し、
前記モノリシック回折格子は、前記第1面に形成され、前記第2電極は、第1面に配置される、
請求項4に記載の垂直共振器型面発光レーザ。
【請求項7】
前記光キャビティの全キャビティ長が1マイクロメートルより大きい、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光レーザ。
【請求項8】
前記モノリシック回折格子と前記DBRとの間の距離が30マイクロメートル以下である、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の垂直共振器型面発光レーザ。
【請求項9】
垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を製造するための方法であって:
基板の面の上に、パターン形成されたエピタキシャルラテラルオーバーグロース(ELO)マスクを形成することであって、前記基板は、III族窒化物基板、シリコン基板、サファイア基板、GaN-オン-サファイアテンプレート、またはGaN-オン-シリコンテンプレートのうちの1つを含み、パターン形成された前記ELOマスクは、回折格子パターンと前記基板の前記面への開口とを含む、エピタキシャルラテラルオーバーグロース(ELO)マスクを形成することと;
パターン形成された前記ELOマスクを用いて前記基板の上にIII族窒化物を成長して、前記回折格子パターンを覆うIII族窒化物領域を形成することであって、前記回折格子パターンは前記III族窒化物領域に転写される、III族窒化物領域を形成することと;
n型III族窒化物領域、III族窒化物活性領域、およびp型III族窒化物領域を含む半導体積層を成長することと;
前記半導体積層を成長した後に、導電層を成長することと;
前記導電層の上に第1分布ブラッグ反射器(DBR)を形成して、生産物を製造することであって、前記DBRは、交互に配置された第1誘電体層および第2誘電体層を含む、生産物を製造することと;
前記生産物から前記基板を除去して、パターン形成された前記ELOマスクを露出することと;
を備え、
前記回折格子パターンは、前記基板の前記面に沿って延びる周期的一次元パターンを含む、
方法。
【請求項10】
前記第1DBRを形成した後であって前記基板を除去する前に、前記導電層のところに第1金属電極を形成することをさらに備える、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記半導体積層を成長する前に、研磨またはエッチングの少なくとも1つによって前記III族窒化物領域を平坦化することをさらに含む、
請求項9または請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記導電層を成長させる前に、エッチングにより前記半導体積層からメサを生成して、前記半導体積層のエッチングされた面を形成することであって、前記メサは、前記III族窒化物活性領域を含む、前記半導体積層のエッチングされた面を形成することと;
前記半導体積層のエッチングされた前記面に第2電極を形成することと;
さらに備える、
請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記基板を除去した後に、パターン形成された前記ELOマスクの一部を除去して、前記III族窒化物領域を露出することと;
前記III族窒化物領域の露出面に第2金属電極を形成することと;
さらに備える、
請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記基板を除去した後に、パターン形成された前記ELOマスクを除去することをさらに備える、
請求項9から請求項12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
パターン形成された前記ELOマスクは、前記基板の前記面に交互に配置された第3誘電体層および第4誘電体層を含む第2分布ブラッグ反射器をさらに含む、
請求項9から請求項13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面発光レーザ、及び面発光レーザの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
面発光レーザは、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)として知られている。VCSELは、n側半導体領域とp側半導体領域との間に配置された半導体活性領域と、高反射ミラーとして作用する2つの分布ブラッグ反射器、DBRとを備える。半導体活性領域は、光キャビティを形成するために2つのDBRの間に配置される。n側とp側の領域は、それぞれのキャリア、すなわち電子と正孔を活性領域に注入し、これらのキャリアは、活性領域で再結合して光を発生する。このようにして発生された光は、DBRによって何度か反射されて光キャビティ内を移動し、それによってレーザ発振になる。VCSELは、DBRのうちの1つに、より反射率の少ないミラーを提供し、このミラーは、レーザビームを放射するように使用される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Appl. Phys. Lett. 92, 141102 (2008)
【非特許文献2】Apply. Phys. Express, 12, 036504 (2019)
【非特許文献3】Appl. Phys. Lett. 105, 031111 (2014)
【非特許文献4】J. Vac. Sci. Technol. B 33, 050603 (2015)
【非特許文献5】Appl. Phys. Express 12, 044004 (2019)
【非特許文献6】Sci. Rep. 8, 10350 (2018)
【非特許文献7】Semicond. Sci. Technol. 26, 014017 (2010)
【非特許文献8】IEEE Signal Process. Mag. 37, 50-61 (2020)
【非特許文献9】IEICE Trans. Electron. E92-C, 194 (2009)
【非特許文献10】Phys. Stat. Soli, 215, 1700513 (2018)
【非特許文献11】Appl. Phys. Lett. 75, 1515 (1999)
【非特許文献12】Soc. Inf. Disp. Int. Symp. Dig. Tech. 44, 832 (2013)
【非特許文献13】AIP Adv.3, 072107 (2013)
【非特許文献14】Optics Letters, 41, 2608-2611 (2016)
【非特許文献15】Phys. Status Solidi A. 215, 1700513 (2018)
【非特許文献16】Opt. Express, 27,24717 (2019)
【非特許文献17】Appl. Phys. Express, 13, 041003 (2020)
【非特許文献18】Appl. Phys. Express,14,031002 (2021)
【非特許文献19】Applied Phys. Lett.119, 142103 (2021)
【非特許文献20】Crystals, 11 (12) 1563, (2021)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
VCSELにおける反射鏡、つまり分布ブラッグ反射器の製作は、数十年の間において科学界、特にIII族窒化物材料系においてかなりの挑戦となっていた。III族窒化物VCSELには、トップミラーおよびボトムミラーが設けられている。III族窒化物デバイス層は、基板上に堆積されて、n側領域、活性領域、およびp側領域の半導体積層を形成し、次いで、トップミラーは、いわゆるp側ミラーとして、半導体積層上に形成されることができ、またデバイス層上に配置された異なる誘電体材料の交互層を含む。ボトムミラーは、キャビティを形成するように配置されなければならず、トップミラーとボトムミラーは互いに近接して配置されて光キャビティの形成を可能にし、これは基板を除去することに至る。別のアプローチは、基板を除去することなくボトムミラーを形成するものであって、非特許文献1(NPL1)のエピタキシャルDBR、または非特許文献2(NPL2)のナノ多孔質DBRを使用するものである。ボトムミラーを形成するさらに別のアプローチは、非特許文献3(NPL3)の誘電体DBRまたは非特許文献4(NPL4)の高屈折率コントラスト格子を使用するものであり、これらは、デバイス層までの全ての基板を研磨すること、またはレーザリフトオフによって基板を分離すること、によって形成される。しかしながら、これらのアプローチは、ボトムミラーの製作が依然としてボトルネック課題であることを示しており、各アプローチは、利点よりもいくつかの技術的困難を有する。
【0005】
例えば、エピタキシャルDBRの形成は、複雑であり、時間を消費する半導体堆積を必要とし、劣化した結晶品質を生じやすい。誘電体DBRの形成は、複雑な化学的機械研磨(CMP)を用いる基板除去を必要とする。除去プロセスにおいてCMPを使用することは、再び、挑戦的であり、面倒であり、制御困難であり、また高価なIII族窒化物基板を浪費する。
【0006】
あるいは、非特許文献5および非特許文献6(NPL5およびNPL6)における曲面ミラーアプローチは、基板のかなりの部分を使用し、n側DBRミラーを考案するために半導体基板の研磨およびエッチングを伴う。曲面DBRミラーは、基板の裏側に形成されるので、このVCSEL構造は、いくつかの不都合をもたらす基板の除去を必要としない。曲面ミラーを用いると、長い光共振器を持つVCSELが提供される。
【0007】
具体的には、基板に関しては、最初に厚さを薄くして、キャビティ内の吸収損失を低減し、また基板を薄くすることは、制御するのが難しいプロセスであり得、また、ウエハを損傷するかもしれず、なぜなら、基板は、初期厚300~400マイクロメートルからターゲット厚10~30マイクロメートルまで薄くされて、VCSELにキャビティを設けなければならないからである。
【0008】
さらに別のアプローチは、反射ミラーとしてモノリシック高屈折率コントラスト格子を持つIII窒化物系VCSELを提供することである。可視波長において使用される格子の製造は、半導体材料の複雑性およびエッチングを伴う。長い動作時間では、デバイスの性能が低下されて、デバイスの寿命を短くすることがある。
【0009】
また、高屈折率コントラスト格子を作製するための既存の方法は、電子ビーム(e-ビーム)リソグラフィーおよびエッチングを使用し、デバイス層を損傷する可能性がある。これに従って、このプロセスは、活性領域および引き続くデバイス層への損傷を回避するために、追加の保護層を必要とする。
【0010】
これらの欠点を全て考慮して、III族窒化物系VCSELの構造およびIII族窒化物系VCSELを製造する方法を提供することが目的である。別の目的は、モノリシックな高屈折率コントラスト格子、およびエピタキシャルラテラルオーバーグロース(ELO:epitaxial lateral overgrowth)を用いてモノリシックに高屈折率コントラスト格子を作製する方法を提供することである。ELOプロセスおよびELO構造は、半導体デバイス層が高い結晶品質を有することを可能にし、またデバイス層が格子の形成においてエッチング環境に直接にさらされることを妨げることができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一態様は、VCSELであって、VCSELは、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)であって:第1軸方向に交互に配置された第1誘電体層および第2誘電体層を含む第1分布ブラッグ反射器(DBR)と;p型III族窒化物領域、III族窒化物領域、および前記p型III族窒化物領域と前記III族窒化物領域との間のIII族窒化物活性領域、を含む半導体部であって、前記p型III族窒化物領域、前記III族窒化物活性領域、および前記III族窒化物領域は、前記第1軸方向に配置され、前記III族窒化物領域はn型III族窒化物領域を含む、半導体部と;を含み、前記半導体部は、周期的一次元パターンを有するモノリシック回折格子を含み、前記モノリシック回折格子、前記III族窒化物活性領域、および前記分布ブラッグ反射器は、前記第1軸方向に配置されて光キャビティを形成し、前記周期的一次元パターンは、前記第1軸方向に交差する第2軸方向に延在する。
【0012】
本開示の別の態様は、VCSELを製造するための方法であって、この方法は、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を製造するための方法であって:基板の面の上に、パターン形成されたエピタキシャルラテラルオーバーグロース(ELO)マスクを形成することであって、前記基板は、III族窒化物基板、シリコン基板、サファイア基板、GaN-オン-サファイアテンプレート、またはGaN-オン-シリコンテンプレートのうちの1つを含み、パターン形成された前記ELOマスクは、回折格子パターンと前記基板の前記面への開口とを含む、エピタキシャルラテラルオーバーグロース(ELO)マスクを形成することと;パターン形成された前記ELOマスクを用いて前記基板の上にIII族窒化物を成長して、前記回折格子パターンを覆うIII族窒化物領域を形成することであって、前記回折格子パターンは前記III族窒化物領域に転写される、III族窒化物領域を形成することと;n型III族窒化物領域、III族窒化物活性領域、およびp型III族窒化物領域を含む半導体積層を成長することと;前記半導体積層を成長した後に、導電層を成長することと;前記導電層の上に第1分布ブラッグ反射器(DBR)を形成して、生産物を製造することであって、前記DBRは、交互に配置された第1誘電体層および第2誘電体層を含む、生産物を製造することと;前記生産物から前記基板を除去して、パターン形成された前記ELOマスクを露出することと;を備え、前記回折格子パターンは、前記基板の前記面に沿って延びる周期的一次元パターンを含む。
【発明の効果】
【0013】
上記の態様は、III族窒化物系VCSELの構造およびIII族窒化物系VCSELを製造する方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施形態に従う垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を示す模式図である。
図2図2は、本実施形態に従うVCSELの製造方法の主要な工程を示すフローチャートである。
図3A図3Aは、本実施形態に従うモノリシック格子を製造するためのステップを示す図面である。
図3B図3Bは、本実施形態に従うモノリシック格子を製造するためのステップを示す図面である。
図3C図3Cは、本実施形態に従うモノリシック格子を製造するためのステップを示す。
図3D図3Dは、本実施形態に従うモノリシック格子を製造するためのステップを示す図面である。
図4図4は、2回のパターン形成によって形成されるパターン形成されたELOマスクを示す平面図である。
図5A図5Aは、本実施形態に従うVCSELを製造するための主要な工程を示す図面である。
図5B図5Bは、本実施形態に従うVCSELを製造するための主要な工程を示す図面である。
図5C図5Cは、本実施形態に従うVCSELを製造するための主要な工程を示す図面である。
図6A図6Aは、本実施形態に従うVCSELを製造するための主要な工程を示す図面である。
図6B図6Bは、本実施形態に従うVCSELを製造するための主要な工程を示す図面である。
図6C図6Cは、本実施形態に従うVCSELを製造するための主要な工程を示す図面である。
図7A図7Aは、本実施形態に従うVCSELを製造するための主要な工程を示す図面である。
図7B図7Bは、本実施形態に従うVCSELを製造するための主要な工程を示す図面である。
図7C図7Cは、本実施形態に従うVCSELを製造するための主要な工程を示す図面である。
図8A図8Aは、本実施形態に従うVCSELを製造するための主要な工程を示す図面である。
図8B図8Bは、本実施形態に従うVCSELを製造するための主要な工程を示す図面である。
図8C図8Cは、本実施形態に従うVCSELを製造するための主要な工程を示す図面である。
図9A図9Aは、本実施形態に従うVCSELを製造するための主要な工程を示す図面である。
図9B図9Bは、本実施形態に従うVCSELを製造するための主要な工程を示す図面である。
図10A図10Aは、本実施形態に従うVCSELを製造するための主要な工程を示す図面である。
図10B図10Bは、本実施形態に従うVCSELを製造するための主要な工程を示す図面である。
図10C図10Cは、本実施形態に従うVCSELを製造するための主要な工程を示す図面である。
図11A図11Aは、本実施の形態に従うVCSELを示す平面図である。
図11B図11Bは、図11Aに示されたI-I線に沿ってとられる断面図である。
図12A図12Aは、本実施の形態に従うVCSELを示す平面図である。
図12B図12Bは、図12Aに示されたII-II線に沿ってとられる断面図である。
図13A図13Aは、本実施の形態に従うVCSELを示す平面図である。
図13B図13Bは、図13Aに示されたIII-III線に沿ってとられた断面図である。
図14A図14Aは、本実施の形態に従うVCSELを示す平面図である。
図14B図14Bは、図14Aに示されたIV-IV線に沿ってとられた断面図である。
図15A図15Aは、本実施の形態に従うVCSELを示す平面図である。
図15B図15Bは、図15Aに示されたV-V線に沿ってとられた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の教示は、実施例として示された添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を考慮することによって容易に理解することができる。添付図面を参照すると、本開示による、垂直共振器型面発光レーザ、垂直共振器型面発光レーザを製造する方法、並びにモノリシック高屈折率コントラスト格子、およびエピタキシャルラテラルオーバーグロースをモノリシックに使用して高屈折率コントラスト格子を製造する方法を示す概略図が、以下に説明される。理解を容易にするために、可能であれば、図面に共通する同一の要素を指定するために、同一の参照番号が使用される。
【0016】
図1は、本実施形態に係る垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を示す概略図である。VCSEL11は、分布ブラッグ反射器(DBR)13と、モノリシック回折格子17を含む半導体部15とを備える。DBR13は、第1軸方向Ax1に交互に配列された第1誘電体層19および第2誘電体層21を含み、第1誘電体層19の材料は、第2誘電体層21の材料とは異なる。半導体部15は、半導体部15を成長させるために使用された基板を除外する。VCSEL11は、モノリシック回折格子17の一部または全部を覆うことができる誘電体層18をさらに備えることができ、誘電体層18は、モノリシック回折格子17の表面構造に沿って延在することができ、なぜなら、それは、成長プロセスで使用されるパターン形成されたELOマスクに由来するからである。
【0017】
半導体部15は、p型III族窒化物領域23と、n型III族窒化物領域を含むIII族窒化物領域25と、III族窒化物領域25のp型III族窒化物領域23とn型III族窒化物領域との間にあるIII族窒化物活性領域27とを含む。p型III族窒化物領域23、III族窒化物活性領域27、およびIII族窒化物領域25のn型III族窒化物領域は、第1軸方向Ax1に配列される。モノリシック回折格子17は、周期的な一次元パターン17aを有する。モノリシック回折格子17、半導体部15、およびDBR13は、第1軸方向Ax1に配列されて、光キャビティ29を形成する。モノリシック回折格子17は、III族窒化物領域25の面に沿って配置され、周期的な一次元パターン17aは、第1軸方向Ax1に交差する第2軸方向Ax2に延在する。
【0018】
VCSEL11は、さらに、アノード電極31および導電層35を含む。導電層35は、内側部分35a、および内側部分35aを囲む外側部分35bを有しており、p型III族窒化物領域23上に配置される。内側部分35aは、III族窒化物活性領域27からの光に対して透明であり、半導体部15とDBR13との間に配置され得る。外側部分35bは、DBR13に覆われておらず、これによってアノード電極31が外側部分35bに接触できる。導電層35は、アノード電極31をp型III族窒化物領域23に接続する。導電層35は、p型GaNといったIII族窒化物半導体、またはインジウム錫酸化物(ITO)といった導電性無機材料、またはその両方を含んでもよい。一例では、DBR13は、導電層35に接触して配置されてもよい。必要に応じて、半導体部15は、p型III族窒化物領域23と導電層35との間に配置されることができ、導電層35は、n型導電性を有するトンネル接合をさらに含んでもよい。
【0019】
VCSEL11は、カソード電極33を備えている。カソード電極33は、III族窒化物領域25のn型III族窒化物領域に電気的に接続される。図1に示されるように、カソード電極33(33aおよび33b)は、III族窒化物領域25のn型III族窒化物領域のおもて面または裏面のいずれか、または両方に接触して配置されることができる。
【0020】
具体的には、カソード電極33(33aおよび33b)は、III族窒化物領域25のn型III族窒化物領域のおもて面または裏面のいずれかに接触して配置されてもよい。
【0021】
半導体部15にメサ37を設けるVCSEL11において、メサ37は、p型III族窒化物領域23、III族窒化物活性領域27およびIII族窒化物領域25のn型III族窒化物領域の一部を含む。メサ37は、III族窒化物領域25のn型III族窒化物領域の残りの部分の上に位置し、メサ37の底部では、メサ37は、III族窒化物領域25のn型III族窒化物前面25aによって取り囲まれる。カソード電極33aは、III族窒化物領域25のn型III族窒化物前面25aに配置されてもよい。
【0022】
誘電体層18で覆わずにIII族窒化物領域25のn型III族窒化物背面25bの一部を露出させる周囲部分を有するモノリシック回折格子17を提供するVCSEL11では、カソード電極33bは、n型III族窒化物背面25b上に配置されてもよく、n型III族窒化物背面25bは、モノリシック回折格子17および誘電体層18の外側に位置する。
【0023】
誘電体層18は、パターン形成されていない部分18bおよびパターン形成された部分18cを含むことができる。パターン形成された部分18cは、n型III族窒化物領域25の裏面25bを覆うことができ、その結果、パターン形成された部分18cには、周期的な一次元パターン17aに対応する周期的な一次元パターン18aが設けられる。パターン形成されていない部分18bは、別の誘電体DBR積層体18dに置き換えられることができ、その結果、モノリシック回折格子17は、周期的な一次元パターン17aだけでなく、別の誘電体DBR積層体18dも含み、周期的な一次元パターン17aは、第2軸方向Ax2に延びており、別の誘電体DBR積層体18dは、第1軸方向Ax1に交互に配置された2種類の誘電体層を含む。
【0024】
キャビティ29は、全キャビティ長LCAVを有し、全キャビティ長LCAVは、本VCSEL11におけるモノリシック回折格子17とDBR13との間の間隔として定義され得るものであって、1マイクロメートルより大きい。全キャビティ長LCAVは30マイクロメートル以下であって、なぜなら、VCSEL11は、半導体部15を成長させるために使用された基板のいかなる部分も含まないからである。
【0025】
半導体部15は、導電性のアパーチャ部39aと、導電性のアパーチャ部39aを囲む小さい導電性の部分39bとを有する。開口導電部分39aは、アノード電極31からカソード電極33への電気経路をVCSEL11に提供する。電子および正孔といったキャリアは、電気経路を通って流れ、またIII族窒化物活性領域27において再結合されて光を発生し、光は、DBR13またはモノリシック回折格子17のうちの1つから放出される。
【0026】
図2は、VCSELを製造する方法の主要なステップを示すフローチャートである。図2を参照して、本実施形態に係る例示的な製造プロセスについて概略記述が与えられる。まず、S101で基板を準備する。S102においては、エピタキシャルラテラルオーバーグロース(ELO)マスクが、基板上に形成され、また周期的な一次元パターン18aのためにパターン形成された表面が提供されて、ELOマスクからパターン形成されたELOマスクを生成する。S103においては、III族窒化物が、基板およびパターン形成されたELOマスク上に堆積される。パターン形成されたELOマスク上のこの堆積は、このようにして堆積されたIII族窒化物に、パターン形成されたELOマスクのパターン形成された表面を転写することができる。S104においては、このように堆積されたIII族窒化物は、平坦な表面を得るために研磨され、またVCSELのキャビティの長さを調整する。平坦化された表面には、S105において、III族窒化物半導体積層板が成長され、次にフロントエンド加工が行われて、アパーチャ構造、DBR、電極を形成し、それにより生産物を作製する。S106においては、生産物は、支持具に接合され、次いで、基板が、例えば極低温処理またはレーザリフトオフのいずれかによって生産物から分離されて、支持具に接合されたデバイス積層体を得る。このようにして分離された基板は、再生可能である。S107においては、バックエンド処理がデバイス積層体に適用され、次いでS108において、デバイス積層体は、半導体装置チップに分離される。
【0027】
詳細な説明が、以下に、本実施の形態に係るVCSELについて為される。以下の説明では、III族窒化物は、例えば有機金属化学的気相成長(MOCVD)によって堆積されることができる。
【0028】
図3A図3B図3Cおよび図3Dは、モノリシック回折格子17を作製するためのステップを示す。図3Aおよび図3Bを参照すると、基板101が準備され、基板10は、III族窒化物基板、GaN-オン-サファイア基板、GaN-オン-Si基板、シリコン基板、サファイア基板、または他の異種基板のうちの1つを含むことができる。III族窒化物基板は、窒化ガリウム(GaN)といった窒化ガリウム系の材料を含んでもよい。エピタキシャルラテラルオーバーグロース(ELO)を実施する前に、ELOマスク103が、フォトリソグラフィおよびエッチングによって基板101の面上に形成される。ELOマスク103は、酸化シリコンといった無機誘電体材料を含む。具体的には、無機誘電体材料の層が、基板101上に堆積され、次に、ELOだけでなくモノリシック回折格子17のために、2回、パターン形成される。
【0029】
具体的には、図3Aから図3Cのように、レジストといったフォトリソグラフィマスク105が、まず、無機誘電体層103上に形成され、無機誘電体層103がレジストマスク105を用いてエッチングされて、ELOパターンを有するELOマスク107が形成され、ELOパターンは、基板101への開口107aを含む。フォトリソグラフィマスク105を除去した後に、レジストといった別のフォトリソグラフィマスク109がELOマスク107上に形成され、次いで誘電体層110がマスク109の上に堆積される。ELOマスク107に一次元パターンを提供するために、誘電体層110は、マスク109の頂部を露出させるようにマスクなしでエッチングされ、その後に、レジストマスク109を除去することは、パターン形成されたELOマスク111を生成し、パターン形成されたELOマスク111は、モノリシック回折格子17のためのパターン18aを有する。
【0030】
本実施形態では、第1パターン形成は、ELOパターンを形成することであり、第2パターン形成は、モノリシック回折格子17のためのパターン18aを形成することである。必要に応じて、第2パターン形成は、第1パターン形成の前に、最初に実施されてもよい。
【0031】
図4は、2回のパターン形成によって形成されるパターン形成されたELOマスクを示す平面図である。図4を参照すると、パターン形成されたELOマスク111は複数のパターン形成された領域111aを有し、これらの領域は互いに分離されている。パターン形成された領域111aの各々は、VCSEL11のモノリシック回折格子17のために、開口107aとは別に準備される。
【0032】
図3Cに示されるように、III族窒化物は、パターン形成されたELOマスク111を用いてMOCVDによって基板101上に成長または堆積されて、厚いIII族窒化物領域113を形成する。III窒化物領域113の少なくとも一部は、シリコンといったn型ドーパントでドーピングされることができる。本実施例では、III族窒化物領域113は、回折格子17を完全に覆うことができる。III族窒化物領域113には、窒化物領域25の厚さよりも大きい厚さが設けられることができる。III窒化物のELO領域は、10/cm以下、10/cm以下または10/cm以下の欠陥密度を含むことができる。
【0033】
図3Dに示されるように、その後の半導体堆積の前に、III族窒化物領域113が、所望の長さの光キャビティ29が得られるように、処理されることができる。例えば、III族窒化物領域113は、研磨またはエッチングされて、平坦化されたIII族窒化物領域115を形成し得て、III族窒化物領域115の研磨またはエッチングされた表面は平坦化されて、その後のエピタキシャル成長の準備ができる。
【0034】
図5A図5B、および図5Cは、VCSEL11を製造するためのステップを示す。III族窒化物領域113の平坦化の後に、図5Aに示されるように、半導体積層117が成長されて、半導体積層117は、III族窒化物領域25、III族窒化物活性領域27、およびp型III族窒化物領域23を含む。窒化物領域25は、GaN系またはAlN系の材料を含むことができ、これにはn型ドーパントがドープされ、これによりIII族窒化物活性領域27への電子の供給が可能となり、またp型III族窒化物領域23は、GaN系またはAlN系の材料を含むことができ、これにはp型ドーパントがドープされ、これによりIII族窒化物活性領域27への正孔の供給が可能となる。III族窒化物活性領域27は、GaN、InGaN、AlNまたはAlGaNといったGaN系またはAlN系の材料を含むことができる。III族窒化物活性領域27には、単一量子井戸(SQW)または多重量子井戸(MQW)といった単一層または量子井戸構造が設けられてもよい。必要に応じて、埋め込みトンネル接合が、p型III族窒化物領域23を堆積した後に成長されることができる。
【0035】
図5Bに示されるように、半導体積層117および研磨されたIII族窒化物領域115から半導体開口領域を生産するために、レジストといったマスク119が半導体積層117上に形成される。半導体部15のためのアパーチャ構造117aは、水素原子、n型ドーパント原子、および/またはp型ドーパント原子といったイオンをマスク119を用いて半導体積層117に注入することにより、半導体積層115から生成される。アパーチャ構造117aは、半導体アパーチャ領域121と、半導体アパーチャ領域121を囲む分離領域123とを備える。
【0036】
VCSELを製造するための例示的な方法の前半部は、上記のように記載されている。次に、本実施形態に係る代表的な方法の後半部について記述が与えられる。
【0037】
マスク119を除去した後に、図5Cに示すように、導電層125は、アパーチャ構造117a上に堆積され、アパーチャ構造117aが、半導体アパーチャ領域121および分離領域123を覆う。導電層125は、高濃度にドープされたIII族窒化物半導体層、例えばGaNまたはAlGaN、および/または無機層、例えばインジウム錫酸化物(ITO)を含むことができ、III族窒化物活性領域27からの光に対して透明である。
【0038】
図6A図6B、および図6Cは、VCSEL11を製造するための工程を示す。図6Aに示されるように、分布ブラッグ反射器(DBR)積層体127は、導電層125上に形成され、具体的には、第1誘電体層127aと第2の誘電体層127bとが交互に堆積されて、これらの誘電体層の配列を形成する。
【0039】
図6Bに示すように、レジストのようなマスク129がDBR積層体127上に形成される。DBR積層材127は、導電層125の一部を露出するようにマスク129でエッチングされ、それによってパターンDBR積層材131、つまりDBR131を形成する。DBR131は、パターン形成されたELOマスク111(17)と関連付けられるモノリシック回折格子17に位置決めされ、それによってVCSEL 11に光キャビティ29の実質的な部分を提供する。
【0040】
図6Cに示すように、アノード金属電極のような第1電極133がDBR127の上に形成されて、生産物135を提供する。第1電極133は、導電層125の露出面に接触して配置される。
【0041】
図7A図7B、および図7Cは、VCSEL11を製造するためのステップを示す。図7Aに示すように、生産物135は、第1電極133で支持具STに接合される。
【0042】
基板101は、低温処理またはレーザリフトオフのいずれかによって生産物135から取り除かれて、モノリシック回折格子17に関連付けられパターン形成されたELOマスク111を露出させ、それによってVCSEL積層体137を製造する。VCSEL積層体137には第1電極133が設けられており、第1電極133は、その前面側に位置する。
【0043】
図7Bに示されるように、陰極金属電極などの第2電極をVCSEL積層体137上に形成するために、パターン形成されたELOマスク111は、レジストなどのマスク139で処理されて、その中にフォトリソグラフィおよびエッチングによって開口111bを形成する。
【0044】
図7Cに示されるように、マスク139を除去した後に、第2電極141がVCSEL積層体137の裏側に形成されてVCSELを作製し、このVCSELには、VCSEL11のそれぞれの反対側に第1電極133および第2電極141が設けられる。第2電極141は、III族窒化物領域115の裏側に接触して配置される。
【0045】
上記のプロセスは、VCSEL11のタイプの製造を完成させる。
【0046】
記述が、本実施の形態に係るVCSELの例について以下に為される。図8A図8B、および図8Cは、VCSEL11を製造するためのステップを示す。
【0047】
図5Aに示すように半導体積層117を形成した後に、図8Aおよび図8Bに示されるように、半導体メサ143およびアパーチャ構造117aが、半導体積層117から作製されて、n型III族窒化物領域115を露出させる。本実施例では、図8Aに示されるように、半導体メサ143は、まずフォトリソグラフィおよびエッチングによってレジストなどのマスク145を用いて形成され、次いで、図5Bに示されるように、アパーチャ構造117aが形成される。図8Bを参照すると、アパーチャ構造117aは、半導体アパーチャ領域121と、半導体アパーチャ領域121を囲む分離領域123とを備える。必要に応じて、アパーチャ構造117aが最初に形成され、次いで半導体メサ143が形成され得る。
【0048】
図8Cに示されるように、導電層125は、アパーチャ構造117a上に成長され、導電層125は、半導体アパーチャ領域121および分離領域123を覆い、n型III族窒化物領域115上には成長されない。導電層125は、III族窒化物活性領域27からの光に対して透明である。また、導電層125は、GaNまたはAlGaNといった高濃度にドープされたIII族窒化物半導体層、および/またはインジウム錫酸化物(ITO)といった無機層を含んでもよい。III族窒化物半導体の導電層125は、例えば、無機マスクまたは誘電体マスク147による選択成長によって、半導体メサ143上に形成され得る。
【0049】
図9Aおよび図9Bは、VCSEL11を製造するためのステップを示す。図9Aに示されるように、DBR積層体127は、導電層125上に形成される。DBR積層材127の一部は、導電層125の一部を露出するようにエッチングすることによって除去され、それによって、パターン形成されたDBR積層材131、すなわちDBR131を形成する。DBR131は、パターン形成されたELOマスク111(17)と関連付けられるモノリシック回折格子17に位置決めされ、それによってVCSEL11に光キャビティ29の実質的な部分を提供する。
【0050】
図9Bに示されるように、アノード金属電極といった第1電極133およびカソード金属電極といった第2電極141が、それぞれ、露出された導電層125および露出されたn型III窒化物領域115上に形成され、それによって、生産物149を製造する。第1電極133および第2電極141は、共に、半導体領域(125および115)の表側に位置する。具体的には、第1電極133は、導電性領域125に接触してメサ143上の導電層125に配置され、第2電極141は、n型III族窒化物領域115に接触して配置される。
【0051】
図10A図10B、および図10Cは、VCSEL11を製造するための工程を示す。生産物149は、図6Cに示されるのと同じ方法で支持具に結合され、支持具は、図9Bから図10Cでは簡単のために省略されている。
【0052】
図10Aに示されるように、基板101が生産物149から除去されて、モノリシック回折格子17と関連付けられたパターン形成されたELOマスク111を露出して、それによってVCSEL積層体151を作製する。VCSEL積層体151は、第1電極133および第2電極141が設けられており、第1電極133および第2電極141は、その同じ側に位置する。
【0053】
図10Bに示されるように、第1電極および第2電極をその同じ側に有するVCSELにおいて、パターン形成されたELOマスク111は、III族窒化物領域115の裏面に残される。上記のプロセスは、あるタイプのVCSEL11の製造を完成させる。
【0054】
必要に応じて、図10Cに示されるように、パターン形成されたELOマスク111の誘電性材料は除去されることができ、周期的な一次元パターン17aを露出させてもよく、周期的な一次元パターン17aは、パターン形成されたELOマスク111からIII族窒化物領域115に転写される。したがって、モノリシック回折格子17は、III族窒化物領域115の裏面に形成される。
【0055】
上記のプロセスは、VCSEL11のタイプの製造を完成させる。
【0056】
記述が、図11から図15を用いて、本実施形態に係る複数のVCSELを参照して以下に説明される。DBRミラー13は、p電極とn電極との間のパッシベーション/分離層としても機能することができる。
【0057】
図11Aは、本実施の形態に係るVCSEL11aを示す平面図であり、図11Bは、図11Aに示されるI-I線に沿ってとられた断面図である。
【0058】
プロセスの例には、次のステップが含まれる。
1.GaN基板、GaN-オン-サファイアテンプレート、またはGaN-オン-Siテンプレートのようなホスト基板上にELO誘電体マスク層を堆積すること
2.ELOマスクに回折格子をパターン形成すること
3.成長アシスト部分、つまり、開口をELOマスク層に形成して、ホスト基板101の表面を露出して、それによって、パターン形成されたELOマスク111を形成すること
4.エピタキシャルラテラルオーバーグロース手順によってマスク上にGaN層を成長して、このようにラテラル(横)方向に層がパターン形成されたELOマスクの格子パターンを少なくとも覆うことを可能し、これによってエピタキシャルラテラルオーバーグロース(ELO)窒化物層を形成すること
5.研磨またはエッチングによって、オーバーグロースされた窒化物層を平坦化して、光キャビティの長さを制御すること
6.以下の成長を再開することによって半導体積層を形成すること:クラッド層およびnコンタクト層のためのn-GaN層(例えば、約1000nm厚);活性領域(例えば、InGaN/GaN量子井戸);AlGaN電子ブロック層(例えば、約30nm);p-GaN層(例えば、約200nm厚);および、p-GaN層(例えば、約10nm厚)
7.イオン注入を実施して、半導体積層の電気的、光学的な開口を画定すること
8.p-コンタクトのための透明導電層を形成すること
9.誘電体DBRミラー積層体を堆積すること
10.接触金属電極を堆積すると共に支持具(図には示されていない)にフリップチップボンディングすること
11.非特許文献16(NPL16)から非特許文献20(NPL20)に記載された低温処理またはテンプレート基板が使用される場合のレーザリフトオフのいずれかを用いて基板を除去すること、それによって、コストを大幅に低減し、ここで、基板を除去することは、同じ基板を繰り返し使用することが可能にすること
12.最後に、n側に金属接触電極を堆積すること
13.パターン形成されたELOマスク111を除去すること
【0059】
モノリシック回折格子17は、n-GaNまたは意図せずドープされた(UID)-GaNなどのIII窒化物領域25の表面上に設けられ、これは、エピタキシャルラテラルオーバーグロース技術によって、パターン形成されたELOマスク111の上に成長される。このようにして成長されたIII族窒化物は、GaN回折格子を含み、これが、パターン形成されたELOマスク111から転写される。III族窒化物領域23およびIII族窒化物領域27は、研磨によってIII族窒化物領域25を形成した後に、MOCVDによって成長させることができ、これは、キャビティの長さを調整することおよび/またはIII族窒化物領域を平坦化することのために使用されることができる。III族窒化物領域23およびIII族窒化物領域27は、再開されたデバイス層であって、また非ドープ活性領域およびp型層を含み、これらの各々は、In、Ga、および/またはAl、並びにNの合金を含む。
【0060】
図12Aは、本実施形態に係るVCSEL11bを示す平面図であり、図12Bは、図12Bに示されたII-II線に沿って取られた断面図である。
【0061】
プロセスの例には、次のステップが含まれる。
1.GaN基板、GaN-オン-サファイアテンプレート、またはGaN-オン-Siテンプレートのようなホスト基板(101)上に周期的に配列される誘電体層のDBRミラー積層体(18d)を形成すること
2.DBRミラー積層体(18d)上に別個の誘電体層(18c)を堆積すること
3.別個の誘電体層(18c)に、モノリシック格子パターンのための格子パターンを形成すること
4.成長アシスト部分、つまり開口を、別個の誘電体層(17c)およびDBRミラー積層体(18d)に形成して、ホスト基板101の表面を露出させ、それによってパターン形成されたELOマスク111を形成すること
5.エピタキシャルラテラルオーバーグロース手順によってマスク上にGaN層を成長して、このようにラテラル(横)方向に成長された層が回折格子パターンを少なくとも覆うことを可能にし、それによってELO窒化物層を形成すること
6.研磨またはエッチングによってELO窒化物層(113)を平坦化して、キャビティの長さを制御すること
7.以下の層の成長を再開することによって半導体積層を形成すること:クラッド層およびnコンタクト層のためのn-GaN層(例えば、約1000nm厚)、活性領域(例えば、InGaN/GaN量子井戸)、AlGaN電子ブロック層(例えば、約30nm)、p-GaN層(例えば、約200nm厚)、およびp-GaN層(例えば、約10nm厚)を成長すること
8.電気的、光学的な開口を画定するためにイオン注入を行うこと
9.pコンタクトのための透明導電層(35)を堆積すること
10.誘電体DBRミラー積層体(13)を堆積すること
11.接触金属電極(31)を堆積すると共に支持具に(図には示されていない)フリップチップボンディングすること
12.非特許文献16(NPL16)から非特許文献20(NPL20)の低温処理、またはテンプレート基板が使用される場合にはレーザリフトオフのいずれかによって、それによって大幅にコストを削減すること、ここで基板を除去することによって同じ基板を繰り返し使用することが可能になること
13.最後に、n側に金属接触電極(33b)を堆積すること
【0062】
モノリシック回折格子17は、n-GaNまたはUID-GaNなどのIII窒化物領域25の表面上に設けられ、これは、エピタキシャルラテラルオーバーグロース技術によって、パターン形成されたELOマスク11にわたって成長される。このようにして成長したIII族窒化物は、GaN回折格子を含み、この回折格子は、パターン形成されたELOマスク111から転写され、またパターン形成されたELOマスク111には、追加のDBRミラー(18d)が設けられる。追加のDBRミラー(18d)は、その上のGaN回折格子(17a)に隣接して配置されて回折格子(17a)に結合され、これにより単一のミラーを構成する。III族窒化物領域23およびIII族窒化物領域27は、III族窒化物領域25を研磨によって形成した後に、MOCVDによって成長されることができ、研磨は、キャビティの長さを調節すること、および/またはIII族窒化物領域を平坦化することができる。III族窒化物領域23およびIII族窒化物領域27は、再開されたデバイス層であって、それぞれ、非ドープ活性領域およびp型層を含み、これらの層の各々は、In、Gaおよび/またはAlと、Nとの合金を含む。
【0063】
周期的一次元パターン17aおよび追加のDBRミラー(18d)は、複雑性無しに反射率を高めるように結合され、追加のDBRミラー(18d)は、周期的一次元パターン17a、および周期的一次元パターン18aを含む誘電体層に接して配置される。
【0064】
図13Aは、本実施形態に係るVCSEL11cを示す平面図であり、図13Bは、図13Aに示されるIII-III線に沿って取られた断面図である。
【0065】
プロセスの例には、次のステップが含まれる。
1.GaN基板、GaN-オン-サファイアテンプレート、またはGaN-オン-Siテンプレートといったホスト基板上にELO誘電体マスク層を形成すること
2.ELOマスク層上の回折格子をパターン形成すること
3.ELOマスク層に成長アシスト部分、つまり開口を形成してホスト基板101の表面を露出させ、それによって、パターン形成されたELOマスク111を形成すること
4.エピタキシャルラテラルオーバーグロース手順によってELOマスク上にGaN層を成長して、このようにしてラテラル(横方向)成長された層が少なくとも格子パターンを覆うことを可能にし、これによって、ELO窒化物層を形成すること
5.研磨またはエッチングによってELO窒化物層を平坦化して、光キャビティの長さを制御すること
6.以下の成長を再開することによって半導体積層を形成すること:クラッド層およびnコンタクト層のためのn-GaN層(例えば、約1000nm厚);活性領域(例えば、InGaN/GaN量子井戸);AlGaN電子ブロック層(例えば、約30nm);p-GaN層(例えば、約200nm厚);およびp-GaN層(例えば、約10nm厚)
7.半導体積層からメサを生成して、半導体積層にn-GaN接触領域を形成すること
8.電気的、光学的な開口を画定するためにイオン注入を行うこと
9.pコンタクトのための透明導電層(35)を堆積すること
10.誘電体DBRミラー(13)を堆積すること(これは、p側パッドとn側パッドとの間の分離として使用することができる)
11.接触金属電極(31および33a)を堆積すると共に支持具(図には示されていない)へフリップチップボンディングすること
12.非特許文献16(NPL16)から非特許文献20(NPL20)における低温処理、またはテンプレート基板を使用する場合にはレーザリフトオフのいずれかによって基板を除去すること。
基板101を除去することは、同じ基板を繰り返し使用することが可能となり、それによってコストを大幅に削減することができること。
13.パターン形成されたELOマスク111を除去して、III族窒化物領域25を露出させること、その裏面には、モノリシック回折格子17の周期的な一次元パターン17aが設けられていること。
【0066】
誘電体DBRミラー13は、導電層35上に位置し、導電層35は、メサ37の頂部に設けられると共に、アノード電極31からカソード電極33aまで延在してメサ37の上面および側面を覆う。別の誘電体材料膜45は、誘電体DBRミラー13上に位置していてもよく、アノード電極31からその上のカソード電極33aまで延びていてもよい。誘電体DBRミラー13、もしあれば、他の誘電体材料膜45は、パッシベーション膜として役立つ。メサ37は、アノード電極31およびカソード電極33aがVCSEL11cの同じ側に位置することを可能にし、VCSEL11cは、フリップチップボンディング方式で搭載されることができる。
【0067】
モノリシック回折格子17は、n-GaNまたはUID-GaNなどのIII窒化物領域25の表面上に設けられ、III窒化物領域25は、エピタキシャルラテラルオーバーグロース技術によって、パターン形成されたELOマスク111の上に成長される。このように成長されたIII族窒化物は、GaN回折格子を含み、GaN回折格子は、パターン形成されたELOマスク111から転写される。III族窒化物領域23およびIII族窒化物領域27は、研磨またはエッチングによってIII族窒化物領域25を形成した後に、MOCVDによって成長させることができ、研磨またはエッチングは、キャビティの長さを調整すること、および/またはIII族窒化物領域を平坦化することのために使用されることができる。III族窒化物領域23およびIII族窒化物領域27は、再開されたデバイス層であって、それぞれ、アンドープ活性層およびp型層を含み、これらの各々は、In、Ga、および/またはAlとNとの合金を含む。
【0068】
図14Aは、本実施の形態に係るVCSEL11dを示す平面図であり、図14Bは、図14Aに示されたIV-IV線に沿った取られた断面図である。
【0069】
プロセスの例には、次のステップが含まれる。
1.GaN基板、GaN-オン-サファイアテンプレート、またはGaN-オン-Siテンプレートのようなホスト基板101上に周期的に配列される誘電体層のDBRミラー積層体(18d)を形成すること
2.DBRミラー積層体(18d)上に別個の誘電体層(18c)を堆積すること
3.別個の誘電体層(18c)にモノリシック回折格子パターンを形成すること
4.成長アシスト部分、つまり別個の誘電体層(18c)およびDBRミラー積層体(18d)に、開口を形成してホスト基板101の表面を露出させ、それによってパターン形成されたELOマスク111を形成すること
5.エピタキシャルラテラルオーバーグロース手順によってマスク上にGaN層を成長して、このようにラテラル(横)方向に成長された回折格子パターンを少なくとも覆うこと、それによってELO窒化物層を形成すること
6.研磨またはエッチングによってELO窒化物層(113)を平坦化して、キャビティ長を制御すること
7.以下の層の成長を再開することによって半導体積層を形成すること:クラッド層およびnコンタクト層のためのn-GaN層(例えば、約1000nm厚)、活性領域(例えば、InGaN/GaN量子井戸)、AlGaN電子ブロック層(例えば、約30nm)、p-GaN層(例えば、約200nm厚)、およびp-GaN層(例えば、約10nm厚)
8.半導体積層からメサを作製して、半導体積層にコンタクトn-GaN領域を形成すること
9.電気的、光学的な開口を画定するためにイオン注入を行うこと
10.pコンタクトのための透明導電層(35)を堆積すること
11.誘電体DBRミラー(13)を堆積すること(これは、p側パッドとn側パッドとの間の絶縁として使用できる)
12.接触金属電極(31および33a)を堆積すること、および支持具(図には示されていない)へフリップチップボンディングすること
13.非特許文献16(NPL16)から非特許文献20(NPL20)の低温処理、またはテンプレート基板を使用する場合にはレーザリフトオフによって基板101を除去すること。基板を除去することは、同じ基板を繰り返し使用することが可能となり、それによってコストを大幅に削減できること。
【0070】
誘電体DBRミラー13は、導電層35上に位置し、導電層35は、メサ37の頂部に設けられるものであって、またアノード電極31からカソード電極33aまで延在してメサ37の上面および側面を覆う。別の誘電体材料膜45は、誘電体DBRミラー13上に位置していてもよく、アノード電極31からカソード電極33aまで延在していてもよい。誘電体DBRミラー13と、もしあれば、他の誘電体材料膜45は、パッシベーション膜として役立つ。メサ37は、アノード電極31およびカソード電極33aがVCSEL11dの同じ側に配置することを可能にして、VCSEL11dは、フリップチップボンディング方式で搭載されることができる。
【0071】
モノリシック回折格子17は、n-GaNまたはUID-GaNといったIII窒化物領域25の表面上に設けられ、エピタキシャルラテラルオーバーグロース技術によって、パターン形成されたELOマスク111にわたって成長される。このように成長されたIII族窒化物は、GaN回折格子を含み、この回折格子は、パターン形成されたELOマスク111から転写され、パターン形成されたELOマスク111には、追加のDBRミラー(18d)が設けられる。追加のDBRミラー(18d)は、その上のGaN回折格子(17a)に隣接して配置されて回折格子(17a)と結合され、これにより単一のミラーを構成する。周期的一次元パターン17aおよび追加のDBRミラー(18d)は、結合されて複雑性無しに反射率を高めることができ、追加のDBRミラー(18d)は、周期的な一次元パターン17aと、この周期的一次元パターン18aを含む誘電体層とに接して配置される。III族窒化物領域23およびIII族窒化物領域27は、研磨またはエッチングによってIII族窒化物領域25を形成した後にMOCVDによって成長させることができ、研磨またはエッチングは、キャビティの長さを調節すること、および/またはIII族窒化物領域を平坦化することができる。III族窒化物領域23およびIII族窒化物領域27は、再開されたデバイス層であって、またそれぞれ非ドープ活性領域およびp型層を含み、これらの層の各々は、In、Gaおよび/またはAlとNとの合金を含む。
【0072】
図15Aは、本実施形態に係るVCSEL11eの平面図であり、図15Bは、図15Aに示されるV-V線に沿って取られた断面図である。
【0073】
プロセスの例には、次のステップが含まれる。
1.GaN基板、GaN-on-Sapphireテンプレート、またはGaN-on-Siテンプレートといったホスト基板上にELOマスクを形成すること
2.ELOマスク上に回折格子をパターン形成すること
3.ホスト基板へ成長アシスト部を形成すること
4.エピタキシャルラテラルオーバーグロース手順によってマスク上にGaN層を成長して、このようにラテラル成長された層が格子パターンを少なくとも覆って、それによってELO窒化物層を形成すること
5.研磨またはエッチングによってELO窒化物層を平坦化して光キャビティの長さを制御すること
6.以下の層のための成長を再開することによって半導体積層を形成すること:クラッド層およびnコンタクト層のためのn-GaN層(例えば、約1000nm厚);活性領域(例えば、InGaN/GaNまたはInGaN/InGaN量子井戸);AlGaN電子ブロック層(例えば、約30nm);p-GaN層(例えば、約200nm厚)、並びにp-GaN層(例えば、約10nm厚)およびn-GaN層(例えば、約10nm)を含む埋め込みトンネル接合(51)
7.半導体積層からメサを生成して接触n-GaN領域を形成すること
8.電気的、光学的な開口を画定するためにイオン注入を行うこと
9.pコンタクトのための透明導電層(35)を堆積すること
10.誘電体DBRミラー(13)およびパッシベーション膜45を堆積すること
11.接触金属電極(31)を堆積して、支持具(図には示されていない)にフリップチップボンディングすること
12.非特許文献16(NPL16)から非特許文献20(NPL20)において低温処理、またはテンプレート基板を使用する場合にはレーザリフトオフのいずれかによって基板(101)を取り除くこと。基板を除去することは、同じ基板を繰り返し使用することを可能にし、それによってコストを大幅に削減できること。
【0074】
VCSEL11eは、p型III族窒化物領域23とDBR13との間に配置される埋め込みトンネル接合51をさらに含む。埋め込みトンネル接合51は、p++-GaNといった高ドープp型III族窒化物と、n++-GaNといった高ドープn型III族窒化物とを含む。ある実施例では、p++-GaN層は、p型III窒化物領域23上に堆積されると共に、次にn++-GaN層がp++-GaN層上に堆積されて、トンネル接合を形成する。n++-GaN層は、n型導電層35に接して配置されている。トンネル接合では、III族窒化物の導電型が他の導電型に変わる。逆バイアス電圧がトンネル接合に印加されて、キャリアがトンネルによって接合を通過する。
【0075】
本実施例におけるトンネル接合51は、前者の例示のVCSEL11aからVCSEL11dのうちの何れか1つに適用されることができる。トンネル接合を含めることは、VCSELの性能を向上させ、またITO吸収を緩和する。
【0076】
誘電体DBRミラー13は、導電層35上に位置し、導電層35は、メサ37の上部に配置される。誘電体材料膜45または誘電体DBRミラー13は、アノード電極31からカソード電極33aまで延在してメサ37の上面および側面を覆い、またパッシベーション膜として役立つ。メサ37は、アノード電極31およびカソード電極33aがVCSEL11eの同じ側に位置されることを可能にし、VCSEL11eが、フリップチップボンディング方式で搭載されることができる。
【0077】
モノリシック回折格子17は、n-GaNまたはUID-GaNといったIII窒化物領域25の表面上に配置され、III窒化物領域25は、パターン形成されたELOマスク111の上にエピタキシャルラテラルオーバーグロース技術によって成長される。このように成長されたIII族窒化物は、GaN回折格子を含み、回折格子は、パターン形成されたELOマスク111から転写される。III族窒化物領域23および27並びに埋め込みトンネル接合51(トンネル接合部)は、研磨またはエッチングによってIII族窒化物領域25を形成した後、MOCVDによって成長されてもよく、研磨またはエッチングは、キャビティの長さを調整し、および/またはIII族窒化物領域を平坦化できる。III族窒化物領域23および27は、再開されたデバイス層であって、それぞれ、アンドープ活性層およびp型層を含み、これらの各々は、In、Ga、および/またはAlと、Nとの合金を含む。
【0078】
本実施形態に係るVCSELに関連するいくつかの技術用語の技術的説明について説明する。
【0079】
ホスト基板とELOマスク
【0080】
一実施形態では、GaN系層113は、SiOから成るパターン形成されたELOマスク111を用いて、ホスト基板101上にELOによって成長され、GaN系層113は、SiO上において合体しない。パターン形成されたELOマスク111は、ストライプ状の開口部107aから構成されることができ、またパターン形成されたELOマスク111のSiOストライプは、開口部107a間の間隔を画定して、高品質のIII窒化物半導体層の成長を可能にすると共に、隣接する半導体層間の合体の回避によりエピタキシャル成長中に基板101の湾曲または曲がりを回避する。これは、VCSELに、転位および積層欠陥といった欠陥密度の減少を提供できる。さらに、これらの技術は、ELOのGaN系層の育成を可能にする限り、サファイア、SiC、LiAlO、Siといったヘテロ基板を用いて使用されることができる。
【0081】
ELOマスク上のパターン形成格子
【0082】
回折格子は、パターン形成されたELOマスクで形成することができる。例えば、ナノインプリンティングは、Eビームリソグラフィまたはホログラフィーといった他の技術と比較して商業的に許容可能な技術である。
【0083】
回折格子は、まず感光性材料をELOマスク上に堆積すること、次に所望の回折格子パターンを感光性材料に適用することによって形成されることができる。あるいは、ナノインプリント、Eビームまたはホログラフィーもまた、所望の格子パターンを印刷する(プリントする)ために使用されることができる。その後、所望の格子パターンがフォトレジスト材料に転写される。例えば、高さ(H)、周期(P)、幅(W)といった格子パターンパラメータは、図3Dに示すように、因子H/PおよびW/Pを用いて定義されることができる。n-GaN格子反射率のマップの横電気(TE)モードマップは、約375nmの周期Pで、H/Pが約0.27であると共にW/Pが約0.35であるとき、入射光波長405nmにおいて99%を越えることができる。フォトレジストに格子パターンを転写した後に、誘電体材料、例えばSiOが堆積されて、フォトレジストを完全に埋め込む。反応性イオンエッチングといったエッチングが実行されて、下に横たわるフォトレジストを露出させる。次いで、フォトレジストの化学リフトオフが、ELOマスク上に格子パターンを残し、それによって、パターン形成されたELOマスクを形成する。
【0084】
DBRミラー構造を含むELOマスクの上部に格子を形成すること
【0085】
回折格子は、まずELOマスク(この場合、ELOマスクとして使用されるDBRミラー)上に感光性材料を堆積すること、および、次に所望の回折格子パターンを感光性材料に適用することによって形成されることができる。あるいは、ナノインプリント、電子ビームまたはホログラフィーが使用されて所望の格子パターンをプリントすることもできる。その後、所望の格子パターンがフォトレジスト材料に転写される。例えば、高さ(H)、周期(P)、幅(W)等の格子パターンパラメータは、因子H/PおよびW/Pで定義されることができる。
【0086】
一旦、格子パターンがフォトレジスト上に転写されると、誘電体物質、例えば、SiOはパターンにわたって堆積されてそれを完全に埋め込み、またエッチング、例えば反応性イオンエッチングが行われてその下に横たわるフォトレジストを露出させる。次いで、フォトレジストの化学リフトオフは、DBR構造物の頂部に位置するSiO層中に格子パターンを残す。
【0087】
III族窒化物層の成長
【0088】
次に、III窒化物領域113が、MOCVDによって成長される。III族窒化物領域には、図3Cに示すように、このように成長されたIII族窒化物の底部に回折格子の形状が設けられる。III族窒化物領域113は、所望の厚さに研磨またはエッチングされて、平坦化されたIII族窒化物領域115を形成する。研磨またはエッチングによってIII族窒化物層113の厚さを調整した後に、その上にIII族窒化物積層体117が成長される。
【0089】
トリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチルアルミニウム(TMAl)がIII元素源として使用され、アンモニア(NH)が原料ガスとして用いられて、窒素を供給する。水素(H)および/または窒素(N)が、キャリアガスとして使用される。シラン(SiH)とビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム(CpMg)が、それぞれ、n型およびp型のドーパントとして使用される。
【0090】
圧力は、通常、50~760Torrに設定されることができる。III窒化物系の半導体層は、一般に、700~1250℃の温度範囲で成長される。
【0091】
例示的な成長パラメータは、以下のものを含む:TMGは12sccmであり得る;NHは8slmであり得る;キャリアガスは3slmであり得る;SiHは1.0sccmであり得る;および、V/III比は約7700であり得る。
【0092】
一実施形態では、成長圧力は50~760Torrの範囲にあり、成長圧力は、好ましくは100~300Torrの範囲にあって島状のIII族窒化物系半導体領域の大きな幅を得ることができ;成長温度は、900~1200℃の範囲にあることができ;V/III比は、50~30000の範囲にあることができ、さらに好ましくは3000~10000の範囲にあることができ;TMGは、2~20sccmの範囲にあることができ;NHは3~10slmの範囲にあることができ;また、キャリアガスは、水素ガスのみであり得、または水素ガスおよび窒素ガスの両方であることができる。約2~8時間の成長の後、ELOのGaN系層は、約8~50マイクロメートルの厚さと約20~150マイクロメートルの幅とを有した。また、このように成長されたELOのGaN系層は、ELOマスクに沿って横方向の両方に延在して、エピタキシャルラテラルオーバーグロースのより少ない欠陥結晶領域(Wings)を提供する。
【0093】
イオン注入
【0094】
イオン注入が、アパーチャの外側のGaN系の層に損傷を与えることによってGaNベースの層に電気的、光学的なアパーチャを形成するために使用されて、損傷を受けたGaN系の材料は、もはや導電性ではない。この方法は表面を平面に保ち、開口領域と損傷領域との間に非常にわずかな屈折率の導波を提供することができる。しかしながら、損傷領域は、キャビティ内の光損失を増大する潜在的な能力を有し、アパーチャ領域の非注入の材料よりも高い吸収値を有する傾向がある。例えばアルミニウム(Al)、ホウ素(B)といった重イオンは、イオン注入の手順のために使用されることができる。
【0095】
透光性導体
【0096】
ITOは、一般的に使用される透明な電流広がり層として使用されることができる。VCSELにITOを含めることは、追加の吸収を引き起こす可能性があり、しかしながら、追加の吸収は、ITO層の周りの電磁波の強度を低くすることによって減少させられることができる。別のアプローチ、トンネル接合のようなものも、電流を広げると共に光吸収を低くするために使用されることができる。
【0097】
トンネル接合
【0098】
トンネル接合は、ITOの使用への代替物となる。トンネル接合は、n形半導体を通してデバイスのp側への正孔を注入することを可能にする。これは、逆バイアス下で、高ドープn型領域と高ドープp型領域との間の接合を用いることによって達成されて、電子がp型領域の価電子帯からn型領域の伝導帯へトンネルすることを可能にする。
【0099】
誘電体ブラッグ反射鏡(DBR)
【0100】
従来、VCSELは、エピタキシャルDBRを利用しており、これは、二層AlN/GaN若しくは二層AlInN/GaNの何れか、または誘電体DBRミラー、からなる。DBR設計を選択する際の主な考慮事項は、製作の容易さを含み、DBRミラーは、交互の誘電体層を含み、交互の誘電体層は、VCSELの共振キャビティ上部に反射ミラーを形成するように一緒に結合される。例えば、SiO/Taの誘電体層の組合せは、誘電体DBRミラーとして使用されることができる。
【0101】
モノリシックエピタキシャルGaN格子
【0102】
VCSELの重要な部分は反射器である。典型的には、誘電体DBRは、ミラーとして使用される。しかしながら、電気的注入または熱管理の問題に関しては、VCSELの共振キャビティのためのミラーの少なくとも一方の側は、より良い代替物と置き換えられるべきである。本VCSELでは、モノリシック回折格子が使用されて、DBRミラーの一つの良い代替として、GaNのエピタキシャルラテラルオーバーグロウン(epitaxial lateral overgrown)のウイング上に形成される。
【0103】
モノリシックエピタキシャルGaN回折格子は、GaNの表面に配置されたGaN凹部またはGaN突起といった周期構造を有し、ここで、配置の高さ(H)、幅(W)および周期(P)は、VCSELの波長と同程度である。光がグレーティングに垂直に当たるとき、格子の波長および周期に応じて様々な方向に回折する。W/PやH/Pのような格子周期およびフィリング因子を適切に選ぶことにより、すべての光エネルギーが、戻されるように反射されることができる。
【0104】
格子を実証するためのいくつかの代替案があるが、本開示は、デバイス上にサブ波長格子を実証するための独特の方法を提供し、このようにして、デバイス層が製造プロセス中に任意のエッチング環境にさらされることを防止する。
【0105】
メタルパッド
【0106】
金属、例えば金(Au)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)が金属パッドの材料として用いられる。金属層は、スパッタリング、蒸発、またはめっきによって形成されることができる。
【0107】
本開示は、III族窒化物VCSELのためのモノリシック格子を実証する改良された製造方法に関する。具体的には、本開示は、可視波長または紫外波長で動作するVCSELの反射ミラーの1つとしてモノリシックGaN格子を有するVCSELを備える。開示の新規なおよび発明的な特徴は、エピタキシャルラテラルオーバーグロースを介した回折格子の集積である。このアプローチは、製造プロセス中のデバイス層の物理的エッチングへの露出を回避できる。物理的エッチングでは、半導体デバイス層は、アルミニウムまたはホウ素などの重イオンの衝撃にさらされて、所望の格子形状を形成する。このようなプロセスは、結局、イオンの衝撃により層抵抗を増加させ、また電流漏洩の経路を導入し得る。加えて、そのような実用的事項は、デバイスの活性領域または隣接するエピタキシャル層を損傷する可能性がある。本開示において詳述されたプロセスは、複雑な手順を排除することにより、デバイス性能の大幅な改善および製造コストの低減を提供することが期待される。本開示は、VCSELの波長で動作する回折格子の製造を単純化する。本開示は、データ通信、LiDAR、生化学・環境センシング、科学計測、ホログラフィックデータ保存、拡張/仮想(AR/VR)表示および照明用の可視光を発するレーザのための非特許文献7(NPL7)から非特許文献15(NPL15)における興味ある用途である。劈開ファセットまたはエッチングされたファセット(端面)は、レーザ動作のために必要ではないので、本開示は、シリコンフォトニクスといった他の光電子構成要素とのハイブリッド集積化において有用となる。
【0108】
モノリシックエピタキシャル格子の使用は、以下の利点を有する。
【0109】
過剰な回折損失無しに十分に長いキャビティが使用され、VCSELキャビティを画定する2つの反射ミラーを持ち、ここで、この開示は、格子配置のためにn-GaNを使用することを提案し、活性領域の近傍、つまりp側の格子パターンを設計することは、複雑であり、またデバイス層を損傷する可能性がある
【0110】
十分に長いキャビティおよび/または窒化物層へのコンタクト配置によるより良好な熱管理
【0111】
回折格子は、デバイスのp-GaN側に普通に置かれて、損傷を犠牲にして容易な製造を促進にし、ここで、n側の格子の形成は基板の除去を必要とし、これは、複雑であり、長々しい、III族窒化物の結晶面の全てに利用できない。
【0112】
基板からデバイス層を除去した後にn側格子が通常に形成され、ここで、本開示では、回折格子はデバイス層を形成する前に形成される。
【0113】
本開示では、回折格子は、ホスト基板上または基板上に配置された材料上のいずれかに形成されるように設計され、これ従って、レーザリフトオフ中のデバイス層の損傷を妨げる。
【0114】
誘電体DBRは、頂部平坦面にわたって形成されて、その反射率を改善することができる。
【0115】
GaN/サファイアまたはGaN/Siといったテンプレート基板は、異種基板と呼ばれるものであって、回折格子を実証するように使用されることができる。
【0116】
テンプレート基板が使用される場合に、レーザリフトオフが採用される。従来のシナリオでは、テンプレート基板の使用は、デバイス層を損傷し得る、しかし、ELO方法を使用する本開示は、ELOマスクがデバイス層の保護層として作用し得るので、損傷をより低くし得る。
【0117】
本開示では、n側の回折格子は、ELOマスクの設計の助けで実現される。さらには、基板の除去は、非特許文献16(NPL16)から非特許文献20(NPL20)におけるGaN基板の結晶方位のほとんどすべてについて証明されている。異種基板へのレーザリフトオフの適用は、容易に利用可能である。高品質で大サイズのGaN基板は非常に高価であり、現在のELO技術を用いれば、VCSELの製造における異種基板の使用のロック(鍵)を解除できる。
【0118】
可視波長で動作する回折格子の設計は、面倒で複雑かつ精巧である。電子ビームリソグラフィおよびホログラフィーは、一般に、ナノインプリンティングよりも好ましい。ナノインプリントでは、デバイス層に過剰な力を加えてパターンをインプリントすると、デバイス層の損傷または破壊を引き起こす可能性がある。本開示では、しかしながら、回折格子パターンを形成するためのナノインプリントは、厚いホスト基板上またはELOマスク上のいずれかで実行され、したがって、任意の既存の技術を使用して回折格子を焼き付けることができる。
【0119】
グレーティングの形成
【0120】
n側の格子表面は、複数の方法で形成することができ、方法は、これに限定されないが、ELOマスクを持つホスト基板上の格子パターンの形成を含む。ホスト基板は、GaN基板、GaN/サファイアテンプレートまたはGaN/Siテンプレートを含むことができる。回折格子の取得手順が以下に詳述される。
【0121】
ホスト基板上に例えば約100nmの誘電体薄膜を配置すること
フォトレジスト(PR)材料またはナノインプリントアシスト材料を誘電体薄膜上に被覆(コート)すること
回折格子パターンをその材料へ転写すること
パターンを誘電体材料で埋め込むこと
エッチングによるナノインプリントアシスト材料またはPR材料を露光すること
PR材料またはナノインプリントアシスト材料を除去することによってELOマスク上に所望の格子パターンを残すこと
【0122】
回折格子パターンを持つELOマスクを得るための手順が図面を参照して提示される。
【0123】
半導体のラテラル(横方向)成長を補助するために、ELOマスクの下に横たわるIII族窒化物材料が、例えばストライプまたは他の任意の形状の開口のいずれかで露出される。
【0124】
この手順は、ホスト基板、好ましくはGaN基板を提供することから始まる。GaN基板は、低い転位密度(1cm-2当たり10~10の欠陥)を有する。代替案は、GaN-オン-シリコンおよびGaN-オン-サファイアといったテンプレート基板を使用してもよい。ホスト基板、例えばGaN基板、GaN-オン-サファイア、またはGaN-オン-シリコンのテンプレートは、ELOシード層として使用される。これらのテンプレート基板を使用することは、III族窒化物デバイスの歩留まりを向上させることができ、したがって、生産コストを低減することができる。非特許文献15(NPL15)から非特許文献20(NPL20)は、ELO法を用いて、端面発光レーザ、マイクロLEDおよびVCSELなどの光学デバイスのための欠陥の少ないエピタキシャル層を形成することを提案する。
【0125】
上記実施形態の第1態様は、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)であって:第1軸方向に交互に配置された第1誘電体層および第2誘電体層を含む第1分布ブラッグ反射器(DBR)と、p型III族窒化物領域、III族窒化物領域、および前記p型III族窒化物領域と前記III族窒化物領域との間のIII族窒化物活性領域、を含む半導体部であって、前記p型III族窒化物領域、前記III族窒化物活性領域、および前記III族窒化物領域は、前記第1軸方向に配置され、前記III族窒化物領域はn型III族窒化物領域を含む、半導体部と、を含み、前記半導体部は、周期的一次元パターンを有するモノリシック回折格子を含み、前記モノリシック回折格子、前記III族窒化物活性領域、および前記分布ブラッグ反射器は、前記第1軸方向に配置されて光キャビティを形成し、前記周期的一次元パターンは、前記第1軸方向に交差する第2軸方向に延在する。
【0126】
本実施形態の第2態様では、第1態様に従うVCSELは、前記半導体部の上に配置された誘電体層をさらに備え、前記誘電体層は、前記モノリシック回折格子の上に延在して、前記周期的一次元パターンを覆うことができる。
【0127】
本実施形態の第3態様では、第2態様に従うVCSELは、第2分布ブラッグ反射器(DBR)をさらに備え、前記誘電体層は、前記第2DBRと前記半導体部との間に配置され、前記第2DBRは、前記第1軸方向に交互に配列された第3誘電体層および第4誘電体層を含み、前記第2DBRおよび前記周期的一次元パターンは結合されて一緒になって、1つの反射鏡を構成することができる。
【0128】
本実施形態の第4態様では、第1態様から第3態様のいずれかに従うVCSELは、前記半導体部の上に配置される導電層であって、前記導電層の一部は、前記第1DBRと前記半導体部との間に配置される、導電層と、前記DBRの外において前記導電層の上に配置される第1電極であって、前記第1電極は、前記導電層と接触して配置される、第1電極と、をさらに備えることができる。
【0129】
本実施形態の第5態様では、第4態様に従うVCSELは、第2電極をさらに備え、前記III族窒化物領域は、第1面、および前記第1面と反対側にある第2面を有し、前記モノリシック回折格子は、前記第1面に形成され、前記第2電極は、前記第2面に配置されることができる。
【0130】
本実施形態の第6態様では、第4態様に従うVCSELは、第2電極をさらに備え、前記III族窒化物領域は、第1面、および前記第1面と反対側にある第2面を有し、前記モノリシック回折格子は、前記第1面に形成され、前記第2電極は、第1面に配置されることができる。
【0131】
本実施形態の第7態様では、第1態様から第6態様のいずれかに従うVCSELでは、前記光キャビティの全キャビティ長が1マイクロメートルより大きいことができる。
【0132】
本実施形態の第8態様では、第1態様から第7態様のいずれかに従うVCSELでは、前記モノリシック回折格子と前記DBRとの間の距離が30マイクロメートル以下であることができる。
【0133】
本実施形態の第9態様は、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)を製造するための方法であって:基板の面の上に、パターン形成されたエピタキシャルラテラルオーバーグロース(ELO)マスクを形成することであって、前記基板は、III族窒化物基板、シリコン基板、サファイア基板、GaN-オン-サファイアテンプレート、またはGaN-オン-シリコンテンプレートのうちの1つを含み、パターン形成された前記ELOマスクは、回折格子パターンと前記基板の前記面への開口とを含む、エピタキシャルラテラルオーバーグロース(ELO)マスクを形成することと;パターン形成された前記ELOマスクを用いて前記基板の上にIII族窒化物を成長して、前記回折格子パターンを覆うIII族窒化物領域を形成することであって、前記回折格子パターンは前記III族窒化物領域に転写される、III族窒化物領域を形成することと;n型III族窒化物領域、III族窒化物活性領域、およびp型III族窒化物領域を含む半導体積層を成長することと;前記半導体積層を成長した後に、導電層を成長することと;前記導電層の上に第1分布ブラッグ反射器(DBR)を形成して、生産物を製造することであって、前記DBRは、交互に配置された第1誘電体層および第2誘電体層を含む、生産物を製造することと、前記生産物から前記基板を除去して、パターン形成された前記ELOマスクを露出することと、を備え、前記回折格子パターンは、前記基板の前記面に沿って延びる周期的一次元パターンを含む。
【0134】
本実施形態の第10態様では、第9態様に従う方法は、前記第1DBRを形成した後であって前記基板を除去する前に、前記導電層のところに第1金属電極を形成することをさらに備えることができる。
【0135】
本実施形態の第11態様では、第9態様または第10態様に従う方法は、前記半導体積層を成長する前に、研磨またはエッチングの少なくとも1つによって前記III族窒化物領域を平坦化することをさらに含むことができる。
【0136】
本実施形態の第12態様では、第9態様から第11態様のいずれかに従う方法は、前記導電層を成長させる前に、エッチングにより前記半導体積層からメサを生成して、前記半導体積層のエッチングされた面を形成することであって、前記メサは、前記III族窒化物活性領域を含む、前記半導体積層のエッチングされた面を形成することと;前記半導体積層のエッチングされた前記面に第2電極を形成することと、さらに備えることができる。
【0137】
本実施形態の第13態様では、第9態様から第11態様のいずれかに従う方法は、前記基板を除去した後に、パターン形成された前記ELOマスクの一部を除去して、前記III族窒化物領域を露出することと;前記III族窒化物領域の露出面に第2金属電極を形成することと;さらに備えることができる。
【0138】
本実施形態の第14態様では、第9態様から第12態様のいずれかに従う方法は、前記基板を除去した後に、パターン形成された前記ELOマスクを除去することをさらに備えることができる。
【0139】
本実施形態の第15態様では、第9態様から第13態様のいずれかに従う方法は、パターン形成された前記ELOマスクは、前記基板の前記面に交互に配置された第3誘電体層および第4誘電体層を含む第2分布ブラッグ反射器をさらに含むことができる。
【0140】
本発明の原理を好ましい実施形態で説明し図示したが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく、配置および詳細に変更可能であることが当業者には理解されよう。したがって、我々は、以下のクレームの精神および範囲内にあるすべての修正および変形を主張する。
【符号の説明】
【0141】
11,11a、11b、11c、11d、11e VCSEL
13 分布ブラッグ反射器(DBR)
15 半導体部
17 モノリシック回折格子
17a、18 周期的な一次元パターン
17b 非パターン部
17c パターン部
23 p型III族窒化物領域
25 n型III族窒化物領域
27 III 窒化物活性領域
29 光キャビティ
31 アノード電極
33, 33a、33b カソード電極
35 導電層
37 メサ
CAV 全キャビティ長
Ax1、Ax2 軸方向
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
【国際調査報告】