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2025-512445SCAP活性を調節するための組成物及び方法
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  • -SCAP活性を調節するための組成物及び方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-04-17
(54)【発明の名称】SCAP活性を調節するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20250410BHJP
   A61K 31/713 20060101ALI20250410BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20250410BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20250410BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20250410BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20250410BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20250410BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20250410BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20250410BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20250410BHJP
   A61K 31/7125 20060101ALI20250410BHJP
【FI】
C12N15/113 Z ZNA
A61K31/713
A61P43/00 111
A61P9/04
A61P9/10
A61P1/16
A61P35/00
A61P3/10
A61P3/06
A61P3/04
A61K31/7125
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024560613
(86)(22)【出願日】2023-04-14
(85)【翻訳文提出日】2024-10-11
(86)【国際出願番号】 US2023018657
(87)【国際公開番号】W WO2023201043
(87)【国際公開日】2023-10-19
(31)【優先権主張番号】63/363,091
(32)【優先日】2022-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521359667
【氏名又は名称】ディセルナ ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】DICERNA PHARMACEUTICALS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン ボブ デール
(72)【発明者】
【氏名】ドゥデク ヘンリク ティー
(72)【発明者】
【氏名】チョン ソンムン
(72)【発明者】
【氏名】スピーゲルマン ニコル アレクシス
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA36
4C086ZA45
4C086ZA70
4C086ZA75
4C086ZB26
4C086ZC33
4C086ZC35
(57)【要約】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を調節(例えば、阻害、制限、又は低減)するオリゴヌクレオチド及びそれを含む組成物。オリゴヌクレオチドを作製及び使用する方法、特に、SCAP活性に関連する疾患、障害、及び/又は状態、例えば、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、(NASH)、脂質異常症、アテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)、及び/又はその他のSCAP関連の状態、疾患、及び/又は障害を治療することに関連する使用方法もまた開示される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を調節するためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、センス鎖とアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖とアンチセンス鎖とが、二重鎖を形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号777~783のいずれか1つのSCAPのmRNA標的配列に相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項2】
前記センス鎖が、15~50個のヌクレオチドの長さである、請求項1に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項3】
前記センス鎖が、18~36個のヌクレオチドの長さである、請求項1又は2に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項4】
前記アンチセンス鎖が、15~30個のヌクレオチドの長さである、請求項1~3のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項5】
前記アンチセンス鎖が、22個のヌクレオチドの長さであり、前記アンチセンス鎖と前記センス鎖が、少なくとも19個のヌクレオチドの長さ、任意選択で少なくとも20個のヌクレオチドの長さの二重鎖領域を形成する、請求項1~4のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項6】
前記相補性の領域が、少なくとも19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で少なくとも20個のヌクレオチドの長さである、請求項1~5のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項7】
前記センス鎖の3’末端が、S1-L-S2として示されるステムループを含み、S1がS2と相補的であり、Lが、S1とS2との間に3~5個のヌクレオチドの長さのループを形成する、請求項1~6のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項8】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を調節するためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが15~50個のヌクレオチドの長さのセンス鎖とアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖とアンチセンス鎖とが、二重鎖を形成し、前記アンチセンス鎖が配列番号777~783のいずれか、1つのSCAPのmRNA標的配列に相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項9】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を調節するためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、15~50個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と15~30個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が、二重鎖領域を形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号777~783のいずれか1つのSCAPのmRNA標的配列に相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項10】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を調節するためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、15~50個のヌクレオチドの長さのセンス鎖とアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖とアンチセンス鎖とが、二重鎖を形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号777~783のいずれか1つのSCAPのmRNA標的配列に相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項11】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を調節するためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、18~36個のヌクレオチドの長さのセンス鎖とアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖とアンチセンス鎖とが、二重鎖を形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号777~783のいずれか1つのSCAPのmRNA標的配列に相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項12】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を調節するためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、18~36個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と22個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖とアンチセンス鎖とが、二重鎖を形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号777~783のいずれか1つのSCAPのmRNA標的配列に相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項13】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を調節するためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、18~36個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と22個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が、二重鎖領域を形成し、前記センス鎖の3’末端が、S1-L-S2として示されるステムループを含み、S1が、S2と相補的であり、Lが、S1とS2との間に3~5個のヌクレオチドの長さのループを形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号777~783のいずれか1つのSCAPのmRNA標的配列に相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項14】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を調節するためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、36個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と22個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が、二重鎖領域を形成し、前記センス鎖の3’末端が、S1-L-S2として示されるステムループを含み、S1が、S2と相補的であり、Lが、S1とS2との間に3~5個のヌクレオチドの長さのループを形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号777~783のいずれか1つのSCAPのmRNA標的配列に相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項15】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を調節するためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、36個のヌクレオチドの長さのセンス鎖と22個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が、少なくとも19個の連続するヌクレオチドの長さ、任意選択で20個のヌクレオチドの長さの二重鎖領域を形成し、前記センス鎖の3’末端が、S1-L-S2として示されるステムループを含み、S1が、S2と相補的であり、Lが、S1とS2との間に3~5個のヌクレオチドの長さのループを形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号777~783のいずれか1つのSCAPのmRNA標的配列に相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、19個の連続するヌクレオチドの長さであり、任意選択で20個のヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項16】
Lが、トリループ又はテトラループである、請求項7及び13~15のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項17】
Lが、テトラループである、請求項16に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項18】
前記テトラループが5’-GAAA-3’の配列を含む、請求項17に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項19】
S1とS2が、1~10個のヌクレオチドの長さであり、同じ長さを有する、請求項13~18のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項20】
S1とS2が、1個のヌクレオチド、2個のヌクレオチド、3個のヌクレオチド、4個のヌクレオチド、5個のヌクレオチド、6個のヌクレオチド、7個のヌクレオチド、8個のヌクレオチド、9個のヌクレオチド、又は10個のヌクレオチドの長さである、請求項19に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項21】
S1とS2が、6個のヌクレオチドの長さである、請求項20に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項22】
前記ステムループが、配列5’-GCAGCCGAAAGGCUGC-3’(配列番号784)を含む、請求項13~21のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項23】
前記アンチセンス鎖が、1個以上のヌクレオチドの長さの3’突出配列を含む、請求項1~22のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項24】
前記3’突出配列が、長さ2個のヌクレオチドの長さであり、任意選択で前記3’突出配列がGGである、請求項23に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項25】
少なくとも1個の修飾ヌクレオチドを含む、先行請求項のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項26】
前記オリゴヌクレオチドの前記ステムループの前記ループ内の前記ヌクレオチドを除くすべてのヌクレオチドが、修飾されている、請求項13~25のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項27】
前記修飾ヌクレオチドが、2’修飾を含む、請求項25又は26に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項28】
前記2’修飾が、2’-アミノエチル、2’-フルオロ、2’-O-メチル、2’-O-メトキシエチル、及び2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-d-アラビノ核酸からなる群から選択される修飾である、請求項27に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項29】
前記RNAiオリゴヌクレオチドを構成するすべてのヌクレオチドが修飾され、任意選択で、前記修飾が、2’-フルオロ及び2’-O-メチルからなる群から選択される2’-修飾である、請求項25~28のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項30】
前記センス鎖の位置8、9、10、又は11の1つ以上のヌクレオチドが、2’-フルオロで修飾されている、請求項29に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項31】
前記アンチセンス鎖の位置2、3、4、5、7、10、又は14の1つ以上のヌクレオチドが、2’-フルオロで修飾されている、請求項29又は30に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項32】
前記センス鎖の位置1、2、3、4、5、6、7、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、31、32、33、34、35、又は36の1つ以上のヌクレオチドが、2’-O-メチルで修飾されている、請求項29~31のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項33】
前記アンチセンス鎖の位置1、6、8、9、11、12、13、15、16、17、18、19、20、21、又は22の1つ以上のヌクレオチドが2’-O-メチルで修飾されている、請求項29~32のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項34】
少なくとも1個の修飾ヌクレオチド間結合を含む、先行請求項のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項35】
前記少なくとも1つの修飾ヌクレオチド間結合が、ホスホロチオエート結合である、請求項34に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項36】
前記センス鎖の位置1及び2のヌクレオチドのヌクレオチド間結合が、ホスホロチオエート結合で修飾されている、請求項35に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項37】
前記アンチセンス鎖の位置1と2、2と3、3と4、20と21、又は21と22における1つ以上のヌクレオチドのヌクレオチド間結合が、ホスホロチオエート結合で修飾されている、請求項35又は36に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項38】
前記RNAiオリゴヌクレオチドが、図1に示されるような修飾パターンを有する、請求項1~24のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項39】
前記アンチセンス鎖の5’ヌクレオチドの糖の4’炭素が、リン酸類似体を含む、先行請求項のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項40】
前記リン酸類似体が、オキシメチルホスホネート、ビニルホスホネート、又はマロニルホスホネートであり、任意選択で、前記リン酸類似体が、5’-メトキシホスホネート-4’-オキシを含む4’-リン酸類似体である、請求項39に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項41】
前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオチドが、1つ以上の標的化リガンドにコンジュゲートされる、先行請求項のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項42】
それぞれの標的化リガンドが、炭水化物、アミノ糖、コレステロール、ポリペプチド、又は脂質を含む、請求項41に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項43】
それぞれの標的化リガンドが、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)部分を含む、請求項42に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項44】
前記GalNAc部分が、一価GalNAc部分、二価GalNAc部分、三価GalNAc部分、又は四価GalNAc部分である、請求項43に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項45】
前記ステムループのLの4個までのヌクレオチドが、それぞれ一価GalNAc部分にコンジュゲートしている、請求項16~40のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項46】
前記センス鎖が、配列番号9~392の奇数のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む、先行請求項のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項47】
前記アンチセンス鎖が、配列番号9~392の偶数のいずれか1つのヌクレオチド配列を含む、先行請求項のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド
【請求項48】
前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が、以下からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、先行請求項のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド:
(a)それぞれ配列番号139と140;
(b)それぞれ配列番号147と148;
(c)それぞれ配列番号221と222;
(d)それぞれ配列番号273と274;
(e)それぞれ配列番号321と322;
(f)それぞれ配列番号333と334;
(g)それぞれ配列番号361と362。
【請求項49】
前記センス鎖が、配列番号139を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号140を含む、請求項48に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項50】
前記センス鎖が、配列番号147を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号148を含む、請求項48に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項51】
前記センス鎖が、配列番号221を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号222を含む、請求項48に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項52】
前記センス鎖が、配列番号273を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号274を含む、請求項48に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項53】
前記センス鎖が、配列番号321を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号322を含む、請求項48に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項54】
前記センス鎖が配列番号333を含み、前記アンチセンス鎖が配列番号334である、請求項48に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項55】
前記センス鎖が、配列番号361を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号362を含む、請求項48に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項56】
前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が、以下からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、請求項48に記載のRNAiオリゴヌクレオチド:
(a’)それぞれ配列番号523と524;
(b’)それぞれ配列番号531と532;
(c’)それぞれ配列番号605と606;
(d’)それぞれ配列番号657と658;
(e’)それぞれ配列番号705と706;
(f’)それぞれ配列番号717と718;
(g’)それぞれ配列番号745と746。
【請求項57】
前記センス鎖が、配列番号523であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号524である、請求項56に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項58】
前記センス鎖が、配列番号531であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号532である、請求項56に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項59】
前記センス鎖が、配列番号605であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号606である、請求項56に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項60】
前記センス鎖が、配列番号657であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号658である、請求項56に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項61】
前記センス鎖が、配列番号705であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号706である、請求項56に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項62】
前記センス鎖が、配列番号717であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号718である、請求項56に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項63】
前記センス鎖が、配列番号745であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号746である、請求項56に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項64】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を調節するためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、センス鎖とアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖とアンチセンス鎖とが、二重鎖を形成し、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖とを構成するすべてのヌクレオチドが、修飾されており、前記アンチセンス鎖が、配列番号777~783のいずれか1つのSCAPのmRNA標的配列に相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項65】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を調節するためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、センス鎖とアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が、二重鎖領域を形成し、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖を構成するすべてのヌクレオチドが、修飾されており、前記アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’炭素リン酸類似体を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号777~783のいずれか1つのSCAPのmRNA標的配列に相補性の領域を含み、前記相補性の領域は、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項66】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を調節するためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、センス鎖とアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が、二重鎖領域を形成し、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖を構成するすべてのヌクレオチドが、修飾されており、前記アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’炭素リン酸類似体を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号777~783のいずれか1つのSCAPのmRNA標的配列に相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、少なくとも19個の連続するヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項67】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を調節するためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドが、センス鎖とアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が、二重鎖領域を形成し、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖を構成するすべてのヌクレオチドが、修飾され、前記アンチセンス鎖と前記センス鎖が1つ以上の2’-フルオロ及び2’-O-メチルで修飾されたヌクレオチドならびに少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含み、前記アンチセンス鎖の5’ヌクレオチドの糖の4’炭素が、リン酸類似体を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号777~783のいずれか1つのSCAPのmRNA標的配列に相補性の領域を含み、前記相補性の領域が、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項68】
前記センス鎖が、配列番号139、147、221、273、321、333、及び361のいずれか1つを含むか;又は前記センス鎖が、配列番号523、531、605、657、705、717、及び745のいずれか1つを含む、請求項64~67のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項69】
前記アンチセンス鎖が、配列番号140、148、222、274、322、334、及び362のいずれか1つを含むか;又は前記アンチセンス鎖が、配列番号524、532、606、658、706、718、及び746のいずれか1つを含む、請求項64~68のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項70】
前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が、以下からなる群から選択される、請求項64~67のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド:
(a)それぞれ配列番号139と140;
(b)それぞれ配列番号147と148;
(c)それぞれ配列番号221と222;
(d)それぞれ配列番号273と274;
(e)それぞれ配列番号321と322;
(f)それぞれ配列番号333と334;
(g)それぞれ配列番号361と362;又は
(a’)それぞれ配列番号523と524;
(b’)それぞれ配列番号531と532;
(c’)それぞれ配列番号605と606;
(d’)それぞれ配列番号657と658;
(e’)それぞれ配列番号705と706;
(f’)それぞれ配列番号717と718;
(g’)それぞれ配列番号745と746。
【請求項71】
前記センス鎖が、配列番号139を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号140を含む、請求項70に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項72】
前記センス鎖が、配列番号147を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号148を含む、請求項70に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項73】
前記センス鎖が、配列番号221を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号222を含む、請求項70に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項74】
前記センス鎖が、配列番号273を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号274を含む、請求項70に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項75】
前記センス鎖が、配列番号321を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号322を含む、請求項70に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項76】
前記センス鎖が、配列番号333を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号334を含む、請求項70に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項77】
前記センス鎖が、配列番号361を含み、前記アンチセンス鎖が、配列番号362を含む、請求項70に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項78】
前記オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオチドが、1つ以上の標的化リガンドにコンジュゲートされる、請求項71~77のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項79】
それぞれの標的化リガンドが、炭水化物、アミノ糖、コレステロール、ポリペプチド、又は脂質である、請求項78に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項80】
それぞれの標的化リガンドが、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)部分を含む、請求項79に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項81】
前記GalNAc部分が、一価GalNAc部分、二価GalNAc部分、三価GalNAc部分、又は四価GalNAc部分である、請求項80に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項82】
前記センス鎖中の5’-GCAGCCGAAAGGCUGC-3’(配列番号784)の配列が、ステムループ構造を形成し、前記ループ中の5’-GAAA-3’の配列中の前記AAAヌクレオチドが、それぞれ一価GalNAc部分にコンジュゲートしている、請求項81に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項83】
前記センス鎖が、配列番号523であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号524である、請求項70に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項84】
前記センス鎖が、配列番号531であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号532である、請求項70に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項85】
前記センス鎖が、配列番号605であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号606である、請求項70に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項86】
前記センス鎖が、配列番号657であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号658である、請求項70に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項87】
前記センス鎖が、配列番号705であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号706である、請求項70に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項88】
前記センス鎖が、配列番号717であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号718である、請求項70に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項89】
前記センス鎖が、配列番号745であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号746である、請求項70に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項90】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を調節するためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドは、センス鎖とアンチセンス鎖とを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖は、二重鎖領域を形成し、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖は、以下からなる群から選択される配列からなる、前記RNAiオリゴヌクレオチド:
(a’)それぞれ配列番号523と524;
(b’)それぞれ配列番号531と532;
(c’)それぞれ配列番号605と606;
(d’)それぞれ配列番号657と658;
(e’)それぞれ配列番号705と706;
(f’)それぞれ配列番号717と718、
(g’)それぞれ配列番号745と746。
【請求項91】
前記センス鎖中の5’-GCAGCCGAAAGGCUGC-3’(配列番号784)の配列が、ステムループ構造を形成し、前記ループ中の5’-GAAA-3’の配列中の前記AAAヌクレオチドが、それぞれ一価GalNAc部分にコンジュゲートしている、請求項90に記載のRNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項92】
医薬組成物であって、
請求項1~91のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩と、
薬学的に許容される担体、送達剤又は賦形剤と、
を含む、前記医薬組成物。
【請求項93】
個体にオリゴヌクレオチドを送達する方法であって、
請求項92に記載の医薬組成物を前記個体に投与するステップを含む、前記方法。
【請求項94】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性に関連する疾患、障害、又は状態を有する個体を治療する方法であって、
請求項1~91のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド、又は請求項92に記載の医薬組成物の治療有効量を前記個体に投与し、それによって前記個体を治療するステップを含む、前記方法。
【請求項95】
細胞、細胞の集団、又は個体におけるステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を低減する方法であって、
前記細胞又は前記細胞の集団を、請求項1~91のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド又は請求項92に記載の医薬組成物と接触させるステップ;又は
請求項1~91のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド又は請求項92に記載の医薬組成物を前記個体に投与するステップを含む、前記方法。
【請求項96】
SCAP活性を低減することが、SCAPのmRNAの量もしくはレベル、SCAPタンパク質の量もしくはレベル、SCAP活性、又はそれらの組み合わせを低減することを含む、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記個体が、SCAP活性に関連する疾患、障害、又は状態を有する、請求項94又は95に記載の方法。
【請求項98】
前記SCAP活性に関連する疾患、障害、又は状態が、急性冠動脈疾患(ACD)、アテローム性動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)、アルコール性肝炎(AH)、アルコール性肝疾患(ALD)、心血管代謝疾患、胆管癌(CCA)、肝硬変、冠状動脈性心疾患(CHD)、糖尿病、肝線維症、肝炎、肝細胞癌(HCC)、高脂血症、高トリグリセリド血症、高非HDLコレステロール、インスリン抵抗性、肝脂肪変性症、メタボリックシンドローム(MetS)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肥満、又は原発性硬化性胆管炎(PSC)である、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記RNAiオリゴヌクレオチド又は医薬組成物が、第2の組成物又は治療剤と組み合わせて投与される、請求項94~98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性に関連する疾患、障害、又は状態を有する個体を治療する方法であって、
センス鎖とアンチセンス鎖を含むRNAiオリゴヌクレオチドを前記個体に投与するステップを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が、二重鎖領域を形成し、前記アンチセンス鎖が、配列番号777~783のいずれか1つのSCAPのmRNA標的配列に相補性の領域を含み、前記相補性の領域は、少なくとも15個の連続するヌクレオチドの長さである、前記方法。
【請求項101】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性に関連する疾患、障害、又は状態を有する個体を治療する方法であって、
表3又は表4に示される行から選択されるセンス鎖とアンチセンス鎖を含む治療有効量のRNAiオリゴヌクレオチド又はその医薬組成物を前記個体に投与するステップを含む、前記方法。
【請求項102】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性に関連する疾患、障害、又は状態を有する個体を治療する方法であって、
センス鎖とアンチセンス鎖を含むRNAiオリゴヌクレオチドの治療有効量を前記個体に投与するステップを含み、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖が、以下からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含む、前記方法:
(a)それぞれ配列番号139と140;
(b)それぞれ配列番号147と148;
(c)それぞれ配列番号221と222;
(d)それぞれ配列番号273と274;
(e)それぞれ配列番号321と322;
(f)それぞれ配列番号333と334;
(g)それぞれ配列番号361と362;又は
(a’)それぞれ配列番号523と524;
(b’)それぞれ配列番号531と532;
(c’)それぞれ配列番号605と606;
(d’)それぞれ配列番号657と658;
(e’)それぞれ配列番号705と706;
(f’)それぞれ配列番号717と718;
(g’)それぞれ配列番号745と746。
【請求項103】
前記センス鎖が、配列番号523であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号524である、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記センス鎖が、配列番号531であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号532である、請求項102に記載の方法。
【請求項105】
前記センス鎖が、配列番号605であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号606である、請求項102に記載の方法。
【請求項106】
前記センス鎖が、配列番号657であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号658である、請求項102に記載の方法。
【請求項107】
前記センス鎖が、配列番号705であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号706である、請求項102に記載の方法。
【請求項108】
前記センス鎖が、配列番号717であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号718である、請求項105に記載の方法。
【請求項109】
前記センス鎖が、配列番号745であり、前記アンチセンス鎖が、配列番号746である、請求項75に記載の方法。
【請求項110】
前記SCAP活性に関連する疾患、障害、又は状態が、急性冠動脈疾患(ACD)、アテローム性動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)、アルコール性肝炎(AH)、アルコール性肝疾患(ALD)、心血管代謝疾患、胆管癌(CCA)、肝硬変、冠状動脈性心疾患(CHD)、糖尿病、肝線維症、肝炎、肝細胞癌(HCC)、高脂血症、高トリグリセリド血症、高非HDLコレステロール、インスリン抵抗性、肝脂肪変性症、メタボリックシンドローム(MetS)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肥満、又は原発性硬化性胆管炎(PSC)からなる群から選択される、請求項100~109のいずれか1項に記載の方法。
【請求項111】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性に関連する疾患、障害、又は状態の治療、任意選択で、急性冠動脈疾患(ACD)、アテローム性動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)、アルコール性肝炎(AH)、アルコール性肝疾患(ALD)、心血管代謝疾患、胆管癌(CCA)、肝硬変、冠状動脈性心疾患(CHD)、糖尿病、肝線維症、肝炎、肝細胞癌(HCC)、高脂血症、高トリグリセリド血症、高非HDLコレステロール、インスリン抵抗性、肝脂肪変性症、メタボリックシンドローム(MetS)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肥満、又は原発性硬化性胆管炎(PSC)の治療のための医薬の製造における、請求項1~91のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド、又は請求項92に記載の医薬組成物の使用。
【請求項112】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性に関連する疾患、障害、又は状態の治療、任意選択で、急性冠動脈疾患(ACD)、アテローム性動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)、アルコール性肝炎(AH)、アルコール性肝疾患(ALD)、心血管代謝疾患、胆管癌(CCA)、肝硬変、冠状動脈性心疾患(CHD)、糖尿病、肝線維症、肝炎、肝細胞癌(HCC)、高脂血症、高トリグリセリド血症、高非HDLコレステロール、インスリン抵抗性、肝脂肪変性症、メタボリックシンドローム(MetS)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肥満、又は原発性硬化性胆管炎(PSC)の治療における使用のための、又はその使用に適用可能である、請求項1~91のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチド、又は請求項92に記載の医薬組成物。
【請求項113】
請求項1~91のいずれか1項に記載のRNAiオリゴヌクレオチドと、任意選択の薬学的に許容される担体と、ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性に関連する疾患、障害、又は状態を有する個体への投与のための使用説明書を含む添付文書と、を含むキット。
【請求項114】
前記ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性に関連する疾患、障害、又は状態の治療が、急性冠動脈疾患(ACD)、アテローム性動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)、アルコール性肝炎(AH)、アルコール性肝疾患(ALD)、心血管代謝疾患、胆管癌(CCA)、肝硬変、冠状動脈性心疾患(CHD)、糖尿病、肝線維症、肝炎、肝細胞癌(HCC)、高脂血症、高トリグリセリド血症、高非HDLコレステロール、インスリン抵抗性、肝脂肪変性症、メタボリックシンドローム(MetS)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、肥満、又は原発性硬化性胆管炎(PSC)である、請求項111に記載の使用、請求項112に記載の使用のための、もしくはその使用に適用可能である、RNAiオリゴヌクレオチドもしくは医薬組成物、又は請求項113に記載のキット。
【請求項115】
ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を調節するためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、前記オリゴヌクレオチドは任選択で修飾されているセンス鎖とアンチセンス鎖とを有し、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖は二重鎖領域を形成し、前記センス鎖と前記アンチセンス鎖は、以下からなる群から選択される対であり:
(a)それぞれ配列番号139と140;
(b)それぞれ配列番号147と148;
(c)それぞれ配列番号221と222;
(d)それぞれ配列番号273と274;
(e)それぞれ配列番号321と322;
(f)それぞれ配列番号333と334;
(g)それぞれ配列番号361と362、
前記センス鎖中の5’-GCAGCCGAAAGGCUGC-3’(配列番号784)の配列が、ステムループ構造を形成し、前記ループ中の5’-GAAA-3’の配列中の前記AAAヌクレオチドが、それぞれ一価GalNAc部分にコンジュゲートしている、前記RNAiオリゴヌクレオチド。
【請求項116】
前記センス鎖及び前記アンチセンス鎖が、任意選択で修飾されており、以下からなる群から選択される対である請求項115に記載のRNAiオリゴヌクレオチド:
(a’)それぞれ配列番号523と524;
(b’)それぞれ配列番号531と532;
(c’)それぞれ配列番号605と606;
(d’)それぞれ配列番号657と658;
(e’)それぞれ配列番号705と706;
(f’)それぞれ配列番号717と718;
(g’)それぞれ配列番号745と746。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年4月15日に出願された米国仮出願第63/363,091号の、米国特許法第119条(e)に基づく優先権の権益を主張し、その出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して生物学及び医学に関し、より具体的には、ステロール調節エレメント結合タンパク質(SREBP)切断活性化タンパク質(SCAP)活性を調節する(例えば、阻害又は低減する)ためのオリゴヌクレオチド及びそれを含む組成物、ならびにSCAPに関連する状態、疾患、及び/又は障害を治療するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
SCAPは、SCAPによってコードされるコレステロール結合小胞体(ER)膜タンパク質であり、SREBP転写因子に結合して、ERからゴルジ体に輸送してプロセシングする。ゴルジ体でプロセシングされると、SREBP転写因子は核に移動し、そこで脂質恒常性に関与する遺伝子の調節に関与する。SREBP1a、SREBP1c、及びSREBP2は、SCAP遺伝子によってコードされるSREBP切断活性化タンパク質(SCAP)によって調節される。SREBP1cは、肝臓において最も豊富なSREBPであり、その調節が脂質恒常性を維持するために重要である。具体的には、SREBPは、脂質生合成に関与する遺伝子を調節すること、ならびに脂質クリアランスに関与する遺伝子(例えば、低密度リポタンパク質受容体(LDLR)及びプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン型(PCSK9))を調節することによって、脂質恒常性に影響を与える。SCAPは、NLRファミリーピリンドメイン含有3(NLRP3)インフラマソーム活性化にも関与している。
【0004】
ヒトSCAPは、全身へと偏在的に発現しているが、タンパク質発現が最も高いのは、骨髄、脳、内分泌組織、胃腸管、肝臓、リンパ組織、筋組織、膵臓、生殖器官、及び気道である。SCAPが脂質恒常性に関与する遺伝子の転写の調節において果たす役割により、SCAPは、さまざまな段階でNASHの進行を減弱する有望な治療標的となっている。
【0005】
SCAPに対するいくつかの治療薬が存在するにもかかわらず、肝疾患、特にNAFLD及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)を治療するためのSCAP活性を阻害又は低減するための追加の治療薬が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
この必要性に対処するために、本開示では、SCAP活性に関連する疾患、障害、及び/又は状態を治療するための組成物及びその治療方法が記載される。本開示は、部分的に、例えば肝臓におけるSCAP活性を選択的に調節するための(例えば、阻害及び/又は低減する)ための二本鎖(ds)オリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチド)を発見及び開発することに基づく。したがって、SCAP内の標的配列が特定され、これらの標的配列に結合してSCAPのmRNA発現を阻害するRNAiオリゴヌクレオチドが生成される。本明細書に示されるように、一部のオリゴヌクレオチドは、少なくともヒト及び非ヒト霊長類(NHP)のSCAP活性を阻害し(すなわち、二重共通)、その他のオリゴヌクレオチドは、肝臓におけるマウス、ヒト、及びNHPのSCAP活性を阻害する(すなわち、三重共通)。理論に拘束されるものではないが、本明細書のRNAiオリゴヌクレオチドは、SCAP活性に関連する疾患、障害、及び/又は状態(例えば、NAFLD、NASH、脂質異常症などの肝疾患、及び/又はアテローム動脈硬化性心血管疾患(ASCVD))を治療するために有用である。
【0007】
したがって、本開示では、センス鎖(パッセンジャー鎖としても知られる)及び/又はアンチセンス鎖(ガイド鎖としても知られる)を含むSCAP活性を低減又は阻害するためのRNAiオリゴヌクレオチドであって、センス鎖が表3に記載の構造を有し、アンチセンス鎖が表3に記載の配列を有するRNAiオリゴヌクレオチドが記載される。
【0008】
いくつかの実施形態では、センス鎖は、表3に記載の配列(例えば、配列番号9~392の奇数のいずれか1つ)、特に配列番号、139、147、221、273、321、333、及び361のいずれか1つを有する。
【0009】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、表3に記載の配列(例えば、配列番号9~392の偶数のいずれか1つ)、特に配列番号140、148、222、274、322、334、及び362のいずれか1つを有する。
【0010】
代替的に、本開示は、センス鎖及び/又はアンチセンス鎖を含み、センス鎖が表4に記載された配列を有し、アンチセンス鎖が表4に記載された配列を有する、SCAP活性を低減させるか又は阻害するためのRNAiオリゴヌクレオチドを記載する。
【0011】
いくつかの実施形態では、センス鎖は、表4に記載の配列(例えば、配列番号393~776の奇数のいずれか1つ)、特に配列番号、523、531、605、657、705、717、及び745のいずれか1つを有する。
【0012】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、表4に記載の配列(例えば、配列番号393~776の偶数のいずれか1つ)、特に配列番号524、532、606、658、706、718、及び746のいずれか1つを有する。
【0013】
代替的に、センス鎖及びアンチセンス鎖を含み、センス鎖及びアンチセンス鎖が二重鎖領域を形成し、アンチセンス鎖が配列番号777~783のいずれか1つのSCAPのmRNA標的配列と相補性の領域を有する、SCAP活性を低減又は阻害するためのRNAiオリゴヌクレオチドが記載されている。
【0014】
上記のいずれの実施形態でも、センス鎖は、約15個のヌクレオチド~約50個のヌクレオチドの長さ(又はヌクレオチド長)である。いくつかの実施形態では、センス鎖は約20個のヌクレオチド~約40個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖は、36個のヌクレオチドの長さである。
【0015】
上記のいずれの実施形態でも、アンチセンス鎖は約15個のヌクレオチド~約30個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は約20個のヌクレオチド~約25個のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、22個のヌクレオチドの長さである。
【0016】
上記のいずれの実施形態でも、二重鎖領域は約19個のヌクレオチド~約21個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、二重鎖領域は、20個のヌクレオチドの長さである。
【0017】
上記のいずれの実施形態でも、相補性の領域は、少なくとも15個の連続したヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、相補性の領域は、少なくとも19個の連続したヌクレオチドの長さ~少なくとも21個の連続したヌクレオチドの長さである。他の実施形態では、相補性の領域は、19個の連続したヌクレオチドの長さ又は21個の連続したヌクレオチドの長さである。
【0018】
上記のいずれの実施形態でも、RNAiオリゴヌクレオチドは、センス鎖上に、S1-L-S2として示される3’末端ステムループを含み、第1のステム部分(S1)は第2のステム部分(S2)と相補的であり、LはS1とS2との間の約3個~約5個のヌクレオチドの長さのループである。
【0019】
上記のいずれの実施形態でも、アンチセンス鎖、センス鎖、又はその両方が突出配列を有する。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、1個以上のヌクレオチドの長さの3’突出を含む。他の実施形態では、3’突出配列は、例えばGGのように2個のヌクレオチドの長さである。
【0020】
オリゴヌクレオチドはまた、SCAP活性を低減又は阻害するためのアンチセンス鎖とセンス鎖とを含むものとして記載され、アンチセンス鎖は、約21個のヌクレオチド~約27個のヌクレオチドの長さであり得、SCAPのmRNAと相補性の領域を有し、センス鎖は、S1-L-S2として示されるステムループをその3’末端に含み、S1はS2と相補的であり、LはS1とS2との間に約3~約5個のヌクレオチドの長さのループを形成し、アンチセンス鎖とセンス鎖とは少なくとも約19個のヌクレオチドの長さの二重鎖構造を形成するが共有結合によって連結されていない。
【0021】
いくつかの実施形態では、ループLは、トリループ(triL)又はテトラループ(tetraL)である。いくつかの実施形態では、Lは、4個のヌクレオチドの長さのtetraLである。特定の実施形態では、Lは、5’-GAAA-3’の配列を有するtetraLである。
【0022】
いくつかの実施形態では、S1とS2は1~10個のヌクレオチドの長さであり、同じ長さを有する。他の実施形態では、S1とS2は、1個のヌクレオチド、2個のヌクレオチド、3個のヌクレオチド、4個のヌクレオチド、5個のヌクレオチド、6個のヌクレオチド、7個のヌクレオチド、8個のヌクレオチド、9個のヌクレオチド、又は10個のヌクレオチドの長さである。他の実施形態では、S1とS2は、6個のヌクレオチドの長さである。特定の実施形態では、ステムループは、配列5’-GCAGCCGAAAGGCUGC-3’(配列番号784)を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、センス鎖は25個のヌクレオチドの長さであり、アンチセンス鎖は27個のヌクレオチドの長さである。他の実施形態では、センス鎖は36個のヌクレオチドの長さであり、アンチセンス鎖は22個のヌクレオチドの長さである。
【0024】
上記の実施形態では、二重鎖領域はアンチセンス鎖上の3’突出配列を含む。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖上の3’突出配列は、2個のヌクレオチドの長さである。
【0025】
上記のいずれの実施形態でも、オリゴヌクレオチド中の少なくとも1つのヌクレオチドは修飾ヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、ステムループ(すなわち、S1-L-S2)内のヌクレオチドを除いて、オリゴヌクレオチド内のすべてのヌクレオチドが修飾されている。他の実施形態では、ループL内のヌクレオチドを除いて、オリゴヌクレオチド内のすべてのヌクレオチドが修飾されている。
【0026】
いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドとしては、例えば、2’-アミノエチル(EA)、2’-フルオロ(2’-F)、2’-O-メチル(2’-OMe)、2’-O-メトキシエチル(2’-MOE)、及び2’-デオキシ-2’-フルオロ-β-アラビノ核酸(2’-FANA)などの2’-修飾が挙げられる。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチド中のすべてのヌクレオチドには、例えば、2’-F又は2’-OMeなどの2’-修飾が含まれる。いくつかの実施形態では、センス鎖のヌクレオチドの約18%~約23%、又は18%、19%、20%、21%、22%、もしくは23%が、2’-F修飾を含む。他の実施形態では、センス鎖のヌクレオチドの約38%~約43%、又は38%、39%、40%、41%、42%、もしくは43%が、2’-F修飾を含む。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖のヌクレオチドの約25%~約35%、又は25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、もしくは35%が、2’-F修飾を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドのヌクレオチドの約25%~約35%、又は25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、もしくは35%が、2’-F修飾を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドのヌクレオチドの約35%~約45%、又は35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、もしくは45%が、2’-F修飾を含む。
【0027】
上記のいずれの実施形態でも、オリゴヌクレオチド中の少なくとも1つのヌクレオチドには、修飾ヌクレオチド間結合が含まれる。いくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート(PS)結合である。
【0028】
上記のいずれの実施形態でも、アンチセンス鎖の5’-ヌクレオチドの糖の4’-炭素には、例えばオキシメチルホスホネート、ビニルホスホネート、又はマロニルホスホネートなどのリン酸類似体(又はホスフェート類似体(phosphate analog))が含まれる。代替的に、又は任意選択で、リン酸類似体は、5’-メトキシホスホネート-4’-オキシを含む4’-リン酸類似体である。
【0029】
上記のいずれの実施形態でも、オリゴヌクレオチドの少なくとも1つのヌクレオチドは、例えばアミノ糖、炭水化物、コレステロール、脂質、又はポリペプチドなどの1つ以上の標的リガンドにコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)部分である。他の実施形態では、GalNAc部分は、一価GalNAc部分、二価GalNAc部分、三価GalNAc部分、又は四価GalNAc部分である。
【0030】
いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、ステムループのLの1つ以上のヌクレオチドにコンジュゲートされる。特定の実施形態では、ステムループのヌクレオチドの最大4個のヌクレオチドが、一価のGalNac部分にそれぞれコンジュゲートされる。
【0031】
特定の実施形態では、センス鎖の位置8、9、10、又は11にある1つ以上のヌクレオチドが2’-Fで修飾されている。他の実施形態では、センス鎖の位置1~7、12~27、及び31~36のそれぞれのヌクレオチドの糖部分は、2’-OMeで修飾されている。特定の実施形態では、センス鎖の位置8~11のヌクレオチドは2’-Fで修飾され、位置1~7、12~27、及び31~36は2’-OMeで修飾されている。
【0032】
他の特定の実施形態では、アンチセンス鎖の位置2~5、7、10、及び14の1つ以上のヌクレオチドが2’-Fで修飾され、位置1、6、8~9、11~13、及び15~22の1つ以上のヌクレオチドが2’-OMeで修飾されている。他の実施形態では、アンチセンス鎖には、位置2~5、7、10、及び14に2’-F修飾ヌクレオチドが含まれ、位置1、6、8~9、11~13、及び15~22に2’-OMe修飾ヌクレオチドが含まれる。
【0033】
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、図1に示されるような修飾パターンを有する。
【0034】
上記のいずれの実施形態でも、オリゴヌクレオチドはRNAiオリゴヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドは、表3に示されるヌクレオチド配列、特に配列番号139、147、221、273、321、333、及び361のいずれか1つを有するセンス鎖を含む。特定の実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドは、表4に示されるヌクレオチド配列、特に配列番号523、531、605、657、705、717、及び745のいずれか1つを有するセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドは、表3に示されるヌクレオチド配列、特に配列番号140、148、222、274、322、334、及び362のいずれか1つを有するアンチセンス鎖を含む。特定の実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドは、表4に示されるヌクレオチド配列、特に配列番号524、532、606、658、706、718、及び746のいずれか1つを有するアンチセンス鎖を含む。
【0035】
特定の実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドは、配列番号139、147、221、273、321、333、及び361のいずれか1つのヌクレオチド配列を有するセンス鎖と、配列番号140、148、222、274、322、334、及び362のいずれか1つのヌクレオチド配列を有するアンチセンス鎖とを含む。
【0036】
他の特定の実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドのセンス鎖とアンチセンス鎖は、それぞれ以下から選択される:
(a)配列番号139と140、
(b)配列番号147と148、
(c)配列番号221と222、
(d)配列番号273と274、
(e)配列番号321と322、
(f)配列番号333と334、
(g)配列番号361と362。
【0037】
特定の実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドは、それぞれ、配列番号147及び333のいずれか1つのヌクレオチド配列を有するセンス鎖と、配列番号148及び334のいずれか1つのヌクレオチド配列を有するアンチセンス鎖と、を含む。
【0038】
特定の実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドは、それぞれ、配列番号523、531、605、657、705、717、及び745のいずれか1つのヌクレオチド配列を有するセンス鎖と、配列番号524、532、606、658、706、718、及び746のいずれか1つのヌクレオチド配列を有するアンチセンス鎖と、を含む。
【0039】
他の特定の実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドのセンス鎖とアンチセンス鎖は、それぞれ以下から選択される:
(a’)配列番号523と524、
(b’)配列番号531と532、
(c’)配列番号605と606、
(d’)配列番号657と658、
(e’)配列番号705と706、
(f’)配列番号717と718、
(g’)配列番号745と746、
【0040】
特定の実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドは、それぞれ、配列番号531及び717のいずれか1つのヌクレオチド配列を有するセンス鎖と、配列番号532及び718のいずれか1つのヌクレオチド配列を有するアンチセンス鎖と、を含む。
【0041】
また、センス鎖とアンチセンス鎖を含む、SCAP活性を阻害又は低減するためのRNAiオリゴヌクレオチドも記載され、センス鎖とアンチセンス鎖は二重鎖領域を形成し、センス鎖とアンチセンス鎖のすべてのヌクレオチドは塩基、糖、及び/又はヌクレオチド間結合の修飾を含み、アンチセンス鎖は配列番号777~783のいずれか1つのSCAPのmRNA標的配列に対して相補性の領域を含み、相補性の領域は少なくとも約15個の連続するヌクレオチドの長さである。
【0042】
他の態様では、本明細書の少なくとも1つのオリゴヌクレオチド、又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体、送達剤、又は賦形剤と、を含む医薬組成物が記載される。いくつかの実施形態では、医薬組成物には、例えば脂質低下剤、抗糖尿病剤、又は抗肥満剤などの追加の治療剤が含まれる。
【0043】
他の態様では、細胞、細胞の集団、組織、器官、又は個体におけるSCAP活性を低減するための方法であって、該方法は、本明細書のオリゴヌクレオチド又は本明細書の医薬組成物を細胞、細胞の集団、組織、器官、又は個体に投与/接触させるステップを少なくとも含む、方法が記載される。いくつかの実施形態では、SCAP活性を低減することは、細胞、細胞の集団、組織、器官、又は個体におけるSCAPのmRNAの量もしくはレベル、SCAPタンパク質の量もしくはレベル、SCAP活性、又はそれらの組み合わせを低減することが含まれる。いくつかの実施形態では、細胞、細胞の集団、組織、器官、又は個体は、SCAP活性に関連する疾患、障害、又は状態を有する。特定の実施形態では、SCAP活性に関連する疾患、障害、又は状態は、NAFLD、NASH、脂質異常症、及び/又はASCVDである。
【0044】
他の態様では、SCAP活性に関連する疾患、障害、又は状態を有するか又は有すると疑われる個体を治療するための方法が記載されている。この方法には、本明細書のオリゴヌクレオチド又は本明細書の医薬組成物の有効量を、それを必要とする個体に投与するステップが少なくとも含まれる。いくつかの実施形態では、SCAP活性に関連する疾患、障害、又は状態は、NAFLD、NASH、脂質異常症、及び/又はASCVDである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド又は医薬組成物は、皮下(SQ)投与により、毎日、毎週、毎月、四半期ごと、毎年、特に毎月又は四半期ごとに投与される。
【0045】
いくつかの実施形態では、個体は、アルコール肝炎(AH)、アルコール肝疾患(ALD)、胆管癌(CCA)、肝硬変、肝線維症、肝炎症、肝細胞癌(HCC)、脂肪肝、NAFLD、NASH、原発性硬化性胆道炎(PSC)、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、糖尿病、及び/又は肥満、及び/又はASCVDを有する。
【0046】
上記のいずれの実施形態でも、方法は、遺伝子型情報、SCAPのmRNA、SCAP3タンパク質レベル、SCAP活性、個体の体重及び/又は血糖値及び/又はコレステロール及び/又はTGを測定又は取得し、次いで、取得した値を1つ以上のベースライン値又は以前に取得した値と比較して、接触させること又は投与することの有効性を評価するなどの追加のステップを含むことができる。
【0047】
上記のいずれの実施形態でも、方法は、RNAiオリゴヌクレオチド又は医薬組成物を、第2の組成物又は第2の治療剤と同時に、別々に、又は逐次的に投与することを含む。いくつかの実施形態では、第2の組成物又は第2の治療剤は、SCAP抗体又はその断片、脂質低下剤、抗糖尿病剤、又は抗肥満剤である。いくつかの実施形態では、第2の組成物又は第2の治療剤は、RNAiオリゴヌクレオチドと同じ頻度(すなわち、1日おき、週2回、又は毎週)で投与される。他の実施形態では、第2の組成物又は第2の治療剤は、RNAiオリゴヌクレオチドとは異なる頻度で投与される。同様に、他の実施形態では、第2の組成物又は第2の治療剤は、RNAiオリゴヌクレオチドと同じ経路(例えば、SQ)で投与される。さらに他の実施形態では、第2の組成物又は第2の治療剤は、RNAiオリゴヌクレオチドとは異なる経路で投与される。
【0048】
他の態様では、任意選択で第2の組成物又は第2の治療剤と同時に、別々に、又は逐次的に(すなわち、組み合わせて)投与される、本明細書のRNAiオリゴヌクレオチドの、SCAP活性に関連する疾患、障害又は状態を治療するための使用が記載される。
【0049】
他の態様では、本明細書のRNAiオリゴヌクレオチドの、SCAP活性に関連する疾患、障害又は状態を治療するための医薬の製造における使用が記載され、該医薬には、任意選択で第2の組成物又は第2の治療剤がさらに含まれる。
【0050】
他の態様では、本明細書の少なくとも1つのオリゴヌクレオチドと、任意選択の薬学的に許容される担体と、SCAP活性に関連する疾患、障害、又は状態を有する個体にそれを投与するための使用説明書を含む添付文書とを含むキットが記載されている。
【0051】
本明細書のオリゴヌクレオチド及び組成物の利点は、抑制されたSCAP活性が、NAFLD、NASH、脂質異常症、及び/又はASCVDの全範囲に対して有益な効果を発揮することである。
【0052】
上記以外の利点、効果、特徴、目的等については、以下の詳細な説明を考慮すればより明らかとなるであろう。そのような詳細な説明とは、以下の図面(複数可)を指す。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】一般的なGalNAcコンジュゲートSCAPオリゴヌクレオチド(修飾パターンM1)の構造と化学修飾パターンを示す概略図を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0054】
概要
NAFLD及びNASHは、肝TGの蓄積(脂肪症)に始まり、肝炎症及び線維症、肝硬変、さらには肝癌へと進行する慢性肝障害であるため、重大な公衆衛生上の負荷である。SCAPは、NAFLD及びNASHに関連することが示されている転写調節因子である。ここで、RNAiを介したSCAPのmRNAの標的サイレンシングは、肝臓内の新規の脂肪生成及びTG蓄積を調節する際の活性SREBPのプロセシング及び下流の転写変化を防止することができる。
【0055】
RNAiは、細胞に外来性RNAを導入して、標的されたタンパク質をコードするmRNAを特異的に分解し、結果として標的遺伝子の発現を減少させるプロセスである。
【0056】
ヒトにおいて、SCAPは1279アミノ酸長であり、予測分子量は140kDである。SCAPの例示的な核酸配列は、NCBI参照配列NM_012235(アイソフォーム1)及びNM_001320044(アイソフォーム2)(ヒト);NM_001001144及びNM_001103162(マウス);NM_001100966(ラット);及びXM_001100342(霊長類)に見出すことができる。SCAPの他の例示的な核酸配列としては、NCBI参照配列番号XM_017005918(ヒトバリアントX1)、XM_011533501(ヒトバリアントX2)、XM_005264967(ヒトバリアントX3)、XM_005264968(ヒトバリアントX4)、XM_011533502(ヒトバリアントX5)、XM_005264971(ヒトバリアントX6)、XM_017005921(ヒトバリアントX7)、XM_006512083(マウスバリアントX1)、XM_006512084(マウスバリアントX2)、XM_006512085(マウスバリアントX3)、XM_006243922(ラットバリアントX1)、XM_017595596(ラットバリアントX2)、XM_006243923(ラットバリアントX3)、XM_006243924(ラットバリアントX5)、XM_006243925(ラットバリアントX5)、XM_017595597(ラットバリアントX6)、XM_005546961(霊長類バリアントX1)、XM_015445807(霊長類バリアントX2)、XM_005546962(霊長類バリアントX3)、XM_005546963(霊長類バリアントX4)、及びXM_015445808(霊長類バリアントX5)が挙げられる。しかしながら、当業者であれば、SCAPのmRNA配列の追加の例は、例えばGenBank及びUniProtなどの公開データベースを使用して容易に入手できることを理解している。
【0057】
略語及び定義
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示の所属する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書のRNAiオリゴヌクレオチド、RNAiオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物、及びそのようなRNAiオリゴヌクレオチドを作製及び使用する方法の実施又は試験の際に、本明細書に記載の方法及び材料に類似した又は同等の、任意の方法及び材料を使用することは可能であるが、好ましい方法及び材料は本明細書に記載される。
【0058】
さらに、不定冠詞「a」又は「an」を伴う要素への言及は、文脈上明白に要素が1つ又は1つのみしか存在しないことを要求する場合を除いて、1つを超える要素が存在する可能性を排除しない。したがって、不定冠詞「a」又は「an」は、通常、「少なくとも1つ」を意味する。
【0059】
さらに、用語「including(~を含むこと)」、ならびに、「include(~を含む)」、「includes(~を含む)」、及び「included(含まれる)」などの他の形態の使用は、限定的なものではない。
【0060】
本明細書で使用されるある定義は、以下のとおりに定義される:
【0061】
本明細書で使用される場合、「約」は、例えば、規定された濃度、長さ、分子量、pH、配列類似性、時間枠、温度、容量などの値又は複数の値の統計的に意味のある範囲内を意味する。このような値又は範囲は、典型的に、所定の値又は範囲の20%以内、より典型的には10%以内、さらに一般的には5%以内の桁内である。「約」に包含される許容される変動は、研究中の特定のシステムに依存し、当業者であれば容易に理解できる。
【0062】
本明細書で使用される場合、「投与する」、「投与すること」、「投与」などは、薬理学的に有用な様式で(例えば、個体の疾患、障害、又は状態を治療するために)個体に物質(例えば、本明細書のオリゴヌクレオチド又は本明細書の組成物)を提供することを指す。
【0063】
本明細書で使用される場合、「アンチセンス鎖」とは、標的配列の領域に相補的である本明細書のオリゴヌクレオチドを意味する。同様に、本明細書で使用される場合、「センス鎖」は、アンチセンス鎖の領域に相補的である本明細書のオリゴヌクレオチドを意味する。
【0064】
本明細書で使用される場合、「アシアロ糖タンパク質受容体」又は「ASGPR」とは、48kDaのメジャーサブユニット(ASGPR-1)及び40kDaのマイナーサブユニット(ASGPR-2)によって形成される二部分C型レクチンを意味する。ASGPRは、主として肝細胞の類洞表面で発現する、末端ガラクトース又はGalNAc残基を含む循環糖タンパク質(アシアロ糖タンパク質)の結合、内在化、及びその後の排出に主要な役割を有する。
【0065】
本明細書で使用される場合、「減弱する」、「減弱する」、「減弱」などは、低減するか又は効果的に停止させることを指す。非限定的な例として、本明細書の治療の1つ以上は、AH、ALD、CCA、肝硬変、肝線維症、肝炎、HCC、脂肪肝、NAFLD、NASH、及びPSC、ならびに例えば、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、ASCVD、糖尿病、及び/又は肥満などの個体における関連する疾患、障害、及び状態の発症又は進行を軽減させるか又は効果的に停止させることができる。この減弱は、例えば、AH、ALD、CCA、肝硬変、肝線維症、肝炎、HCC、脂肪肝、NAFLD、NASH、及びPSC、ならびに例えば、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、ASCVD、糖尿病、及び/又は肥満などの個体における関連する疾患、障害、及び状態の1つ以上の態様(例えば、症状、組織特性、及び細胞、炎症、又は免疫学的活性など)の減少;AH、ALD、CCA、肝硬変、肝線維症、肝炎、HCC、脂肪肝、NAFLD、NASH、及びPSC、ならびに例えば、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、ASCVD、糖尿病、及び/又は肥満などの個体における関連する疾患、障害、及び状態の検出可能な進行(悪化)がないこと;AH、ALD、CCA、肝硬変、肝線維症、肝炎、HCC、脂肪肝、NAFLD、NASH、及びPSC、ならびに例えば、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、ASCVD、糖尿病、及び/又は肥満などの個体における関連する疾患、障害、及び状態が、本来であれば予想される場合に、検出されないことによって例示され得る。
【0066】
本明細書で使用される場合、「相補的」は、(例えば、2つの対向する核酸上の又は単一の核酸鎖の対向する領域上の)2個のヌクレオチドが互いに塩基対を形成することを可能にする2個のヌクレオチド間の構造的関係を意味する。例えば、対向する核酸のピリミジンヌクレオチドに相補的である1つの核酸のプリンヌクレオチドは、互いに水素結合を形成することにより一緒に塩基対形成し得る。相補的なポリヌクレオチド鎖は、ワトソン・クリック型、又は、安定した二重鎖の形成を可能にする他の任意の形で塩基対を形成することができる。同様に、2本の核酸は、本明細書に記載されるように、互いに相補的であることで相補性の領域を形成する複数のヌクレオチドの領域を有することができる。
【0067】
本明細書で使用される場合、「接触」、「接触させること」などは、細胞への取り込み又は吸収を促進又は実行することにより、例えば細胞内にRNAiオリゴヌクレオチドなどのオリゴヌクレオチドを直接的又は間接的に導入又は送達することを意味する。
【0068】
本明細書で使用される場合、「デオキシリボヌクレオチド」は、リボヌクレオチドと比較する場合、そのペントース糖の2’位のヒドロキシルの代わりに水素を有するヌクレオチドを意味する。修飾デオキシリボヌクレオチドは、核酸塩基、糖、又はリン酸基(又はホスフェート基)内又はそれらの修飾又は置換を含む、2’位以外の原子の1つ以上の修飾又は置換を有する。
【0069】
本明細書で使用される場合、「二本鎖オリゴヌクレオチド」又は「dsオリゴヌクレオチド」とは、実質的に二本鎖形態であるオリゴヌクレオチドを意味する。dsオリゴヌクレオチドの二重鎖領域(複数可)の相補的塩基対形成は、共有結合的に分離した核酸鎖のヌクレオチドの逆平行配列間で形成され得る。同様に、dsオリゴヌクレオチドの二重鎖領域(複数可)の相補的塩基対形成は、共有結合した核酸鎖のヌクレオチドの逆平行配列間で形成され得る。さらに、dsオリゴヌクレオチドの二重鎖領域(複数可)の相補的塩基対形成は、(例えば、ヘアピンを介して)フォールディングし、一緒に塩基対を形成するヌクレオチドの相補的な逆平行配列を提供する単一の核酸鎖から形成され得る。dsオリゴヌクレオチドは、互いに完全に二本鎖である2つの共有結合的に分離した核酸鎖を含み得る。しかしながら、dsオリゴヌクレオチドは、部分的に二重鎖である(例えば、一方又は両方の末端に突出を有する)2つの共有結合的に分離した核酸鎖を含み得る。dsオリゴヌクレオチドは、部分的に相補的であるヌクレオチドの逆平行配列を含み得、したがって、内部ミスマッチ又は末端ミスマッチを含み得る1つ以上のミスマッチを有し得る。
【0070】
本明細書で使用される場合、核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)に関して「二重鎖」は、ヌクレオチドの2つの逆平行配列の相補的塩基対形成により形成される構造を意味する。
【0071】
本明細書で使用される場合、「賦形剤」は、例えば、所望の稠度又は安定化効果を与えるか又はこれらに寄与するために本明細書の組成物中に含めることができる非治療剤を意味する。
【0072】
本明細書で使用される場合、「肝細胞」又は「複数の肝細胞」とは、肝臓の実質組織の細胞を意味する。これらの細胞は肝臓の質量の約70%~85%を構成し、血清アルブミン、フィブリノーゲン(FBN)、及び凝固因子のプロトロンビングループ(因子3及び4を除く)を製造する。肝細胞系列細胞のマーカーとしては、トランスサイレチン(Ttr)、グルタミン合成酵素(GluI)、肝細胞核因子1a(Hnf1a)、及び肝細胞核因子4a(Hnf4a)が挙げられるが、これらに限定されない。成熟肝細胞のマーカーとしては、シトクロムP450(Cyp3a11)、フマリルアセト酢酸ヒドロラーゼ(Fah)、グルコース6-リン酸(G6p)、アルブミン(Alb)、及びOC2-2F8が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、Huch et al.(2013)Nature 494:247-250を参照されたい。
【0073】
本明細書で使用される場合、「肝毒性剤」とは、それ自体が肝臓に対して毒性であるか、又は処理されて肝臓に対して毒性である代謝産物を形成することができる化合物、ウイルス、又は他の物質を意味する。肝毒性物質としては、四塩化炭素(CCl4)、アセトアミノフェン(パラセタモール)、塩化ビニル、ヒ素、クロロホルム、及び非ステロイド性抗炎症薬(アスピリン及びフェニルブタゾンなど)が挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0074】
本明細書で使用される場合、「個体」とは、ネコ、イヌ、マウス、ラット、及び霊長類、特にヒトを含むあらゆる哺乳類を意味する。「対象」又は「患者」は、「個体」と交換可能に用いられ得る。
【0075】
本明細書で使用される場合、「不安定なリンカー」とは、(例えば、酸性pHによって)切断され得るリンカーを意味する。同様に、「かなり安定なリンカー」とは、切断できないリンカーを意味する。
【0076】
本明細書で使用される場合、「肝臓の炎症」又は「肝炎」は、肝毒性物質への曝露によって引き起こされる可能性があるような、特に損傷もしくは感染のために、肝臓の腫脹、機能不全及び/又は疼痛をもたらす、身体的状態を意味する。症状としては、黄疸、疲労、衰弱、悪心、嘔吐、食欲減退、体重減少などが挙げられ得る。肝臓の炎症は、治療せずに放置すると、線維症、肝硬変、肝不全、又は肝癌に進行する可能性がある。
【0077】
本明細書で使用される場合、「肝線維症」、「肝線維症」、又は「肝臓の線維症」は、炎症や肝細胞死に起因する、コラーゲン(I、III、及びIV)、FBN、ウンドゥリン、エラスチン、ラミニン、ヒアルロナン、おい及びプロテオグリカンを含み得る細胞外マトリックスタンパク質の肝臓における過剰な蓄積を指す。肝線維症は、治療せずに放置すると、肝硬変、肝不全、又は肝癌に進行する可能性がある。
【0078】
本明細書で使用される場合、「ループ」とは、互いに十分に相補的な核酸の2つの逆平行領域によって挟まれている核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)の非対形成領域であって、適切なハイブリダイゼーション条件下(例えば、リン酸(又はホスフェート)緩衝溶液中、細胞内)で、非対形成領域を挟んだ2つの逆平行領域がハイブリダイズして二重鎖(「ステム」と呼ばれる)を形成する、核酸の非対形成領域を意味する。
【0079】
本明細書で使用される場合、「修飾されたヌクレオチド間結合」とは、ホスホジエステル結合を有する参照ヌクレオチド間結合と比較して1つ以上の化学修飾を有するヌクレオチド間結合を意味する。修飾ヌクレオチドは、天然に存在しない結合であってよい。典型的には、修飾ヌクレオチド間結合は、修飾ヌクレオチド間結合が存在する核酸に1つ以上の望ましい特性を付与する。例えば、修飾ヌクレオチドは、熱安定性、分解に対する耐性、ヌクレアーゼ耐性、可溶性、バイオアベイラビリティ、生物活性、免疫原性の低下などを改善することができる。
【0080】
本明細書で使用される場合、「修飾ヌクレオチド」は、アデニンリボヌクレオチド、グアニンリボヌクレオチド、シトシンリボヌクレオチド、ウラシルリボヌクレオチド、アデニンデオキシリボヌクレオチド、グアニンデオキシリボヌクレオチド、シトシンデオキシリボヌクレオチド、及びチミジンデオキシリボヌクレオチドから選択される対応する参照ヌクレオチドと比較する場合、1つ以上の化学修飾を有するヌクレオチドを指す。修飾ヌクレオチドは、天然に存在しないヌクレオチドであってよい。修飾ヌクレオチドは、例えば、その糖、核酸塩基、及び/又はリン酸基に1つ以上の化学修飾を有し得る。追加的に又は代替的に、修飾ヌクレオチドは、対応する参照ヌクレオチドにコンジュゲートされた1つ以上の化学部分を有し得る。典型的には、修飾ヌクレオチドは、修飾ヌクレオチドが存在する核酸に1つ以上の望ましい特性を付与する。例えば、修飾ヌクレオチドは、熱安定性、分解に対する耐性、ヌクレアーゼ耐性、可溶性、バイオアベイラビリティ、生物活性、免疫原性の低下などを改善することができる。
【0081】
本明細書で使用される場合、「ニックテトラループ構造」とは、センス鎖がアンチセンス鎖と相補的な領域を有し、一般にセンス鎖である鎖の少なくとも1つが、少なくとも1つの鎖内に形成された隣接するステム領域を安定化するように構成されたテトラループを有する、別個のセンス及びアンチセンス鎖によって特徴付けられるRNAiオリゴヌクレオチドの構造を意味する。
【0082】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオシド」とは、核酸塩基-糖の組み合わせを意味し、ここで、核酸塩基部分は、通常、複素環式塩基である。そのようなヘテロ環の塩基の2つの最も共通のクラスは、プリンとピリミジンである。糖は、通常、リボース又はデオキシリボース(例えば、2’-デオキシリボース)などのペントース糖である。
【0083】
本明細書で使用される場合、「ヌクレオチド」とは、ヌクレオシド(例えば、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、又はウラシルなどの核酸塩基、及び例えば、リボース又は2’-デオキシリボースなどのペントース糖)、ならびにリン酸基を有し、デオキシリボ核酸(DNA)及びリボ核酸(RNA)などの核酸ポリマーのモノマー単位として機能し得る有機分子を意味する。
【0084】
本明細書で使用される場合、「オリゴヌクレオチド」とは、(例えば、100個未満のオリゴヌクレオチドの長さの)短い核酸分子を意味する。オリゴヌクレオチドは、一本鎖(ss)又はdsであってよい。オリゴヌクレオチドは二重鎖領域を有していても有していなくてもよい。一連の非限定的な例として、オリゴヌクレオチドは、低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、ショートヘアピンRNA(shRNA)、ダイサー基質干渉RNA(DsiRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)、短いsiRNA、又はss siRNAであり得るが、これらに限定されない。典型的には、dsオリゴヌクレオチドは、RNAiオリゴヌクレオチドである。
【0085】
本明細書で使用される場合、「突出」とは、1つの鎖又は領域が、その1つの鎖又は領域が二重鎖を形成する相補鎖の末端を超えて伸長していることから生じる末端の非塩基対形成ヌクレオチド(複数可)を意味する。突出には、dsオリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端で二重鎖領域から伸長している1つ以上の非対形成ヌクレオチドが含まれてもよい。突出は、dsオリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖又はセンス鎖上の3’又は5’の突出であってよい。
【0086】
本明細書で使用される場合、「リン酸類似体」とは、リン酸基の静電特性及び/又は立体特性を模倣する化学部分を意味する。いくつかの実施形態では、リン酸類似体は、しばしば酵素的除去を受けやすい5’-リン酸の代わりにオリゴヌクレオチドの5’末端ヌクレオチドに配置される。5’リン酸類似体はホスファターゼ耐性結合を含んでもよい。好適なリン酸類似体としては、5’-メチレンホスホナート(5’-MP)、及び5’-(E)-ビニルホスホナート(5’-VP)などの5’-ホスホナートが挙げられる。オリゴヌクレオチドは、5’末端ヌクレオチドにおいて、糖の4’位の炭素にリン酸類似体(4’-リン酸類似体と呼ぶ)を有し得る。4’-リン酸類似体の例として、オキシメチル基の酸素原子が糖部分(例えば、その4-’炭素)に結合したオキシメチルホスホネート又はその類似体がある。例えば、国際特許出願公開第WO2018/045317号を参照されたい。オリゴヌクレオチドの5’末端に対する他の修飾が開発されている(例えば、国際特許出願第WO2011/133871号;米国特許第8,927,513号;及びPrakash et al.(2015)Nucleic Acids Res.43:2993-3011を参照されたい)。
【0087】
本明細書で使用される場合、又は「SCAP関連状態」、「SCAP関連疾患」、もしくは「SCAP関連障害」とは、増加したSCAP活性を有する、及び/又は、例えばSCAP多型が存在するような疾患、障害、又は状態を意味する。例示的なSCAP関連の状態、疾患、又は障害としては、AH、ALD、CCA、肝硬変、肝線維症、肝炎、HCC、脂肪肝、NAFLD、NASH、及びPSC、ならびに例えば、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、ASCVD、糖尿病、及び/又は肥満などの個体における関連する疾患、障害、及び状態が挙げられるが、これらに限定されない。
【0088】
本明細書で使用される場合、「低減した発現」又は「低減した活性」とは、適切な参照(例えば、参照の細胞、細胞の集団、試料、又は個体)と比較したときの、細胞、細胞の集団、試料、又は対象における、遺伝子(例えば、SCAP)に関して、RNA転写産物(例えば、SCAPのmRNA)又は遺伝子によってコードされるタンパク質(例えば、SCAPタンパク質)の量又はレベルの減少、及び/又は細胞内の遺伝子又はタンパク質の活性の量もしくはレベルの減少を意味する。例えば、本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、SCAPのmRNAを含むヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列を有するアンチセンス鎖を有するオリゴヌクレオチド)と細胞を接触させる行為は、dsオリゴヌクレオチドで処理されていない細胞と比較する場合、(例えば、RNAi経路によるSCAPのmRNAの分解による)mRNA、タンパク質、及び/又は活性の量又はレベルの減少をもたらし得る。同様に、本明細書で使用される場合、「発現を低減すること」又は「活性を低減すること」とは、遺伝子(例えば、SCAP)の低減した発現をもたらす行為を意味する。具体的には、本明細書で使用される場合、「SCAP発現の低減」又は「SCAP活性の低減」は、例えば、適切な参照(例えば、参照の細胞、細胞の集団、組織、又は個体)と比較したときの細胞、細胞の集団、試料、又は対象における、例えば、SCAPのmRNA、及び/又はSCAPタンパク質、及び/又はSCAP活性などのSCAP活性の量又はレベルの減少を意味する。
【0089】
本明細書で使用される場合、「相補性の領域」とは、ヌクレオチドの逆平行配列と十分に相補的であることにより、(例えば、リン酸緩衝液中、細胞内などの適切なハイブリダイゼーション条件下で2つのヌクレオチドの配列間のハイブリダイゼーションを可能にするような、核酸のヌクレオチド(例えば、dsオリゴヌクレオチド)の配列を意味する。本明細書のオリゴヌクレオチドは、mRNA標的配列に相補的な領域を有する標的化配列を含む。
【0090】
本明細書で使用される場合、「リボヌクレオチド」とは、そのペントース糖として、2’位にヒドロキシル基を有するリボースを有するヌクレオチドを意味する。修飾リボヌクレオチドは、核酸塩基、糖、又はリン酸基の修飾又は置換を含む、2’位以外の原子の1つ以上の修飾置換を有するリボヌクレオチドである。
【0091】
本明細書で使用される場合、「iRNA」、「iRNA剤」、「RNAi」、「RNAi剤」、及び「RNA干渉剤」とは、例えば、RNAを含み、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)経路を介してRNA転写産物の標的化された切断を媒介してRNA干渉を介するmRNAの配列特異的分解を導くRNAiオリゴヌクレオチドなどの剤を意味する。剤は、このようにして細胞内の遺伝子発現を調節、阻害、又は低減する。
【0092】
本明細書で使用される場合、「RNAiオリゴヌクレオチド」とは、(a)センス鎖とアンチセンス鎖を有するdsオリゴヌクレオチドであって、アンチセンス鎖又はアンチセンス鎖の一部がアルゴノート2(Ago2)エンドヌクレアーゼによって標的mRNAの切断に使用されるdsオリゴヌクレオチド、又は(b)一本鎖アンチセンス鎖を有するssオリゴヌクレオチドであって、そのアンチセンス鎖(又はそのアンチセンス鎖の一部)が、Ago2エンドヌクレアーゼによって標的mRNAの切断に使用されるssオリゴヌクレオチドのいずれかを指す。
【0093】
本明細書で使用される場合、「鎖」は、ヌクレオチド間結合(例えば、ホスホジエステル結合、ホスホロチオエート結合)を介して互いに連結されたヌクレオチドの単一の連続した配列を指す。鎖は2つの自由端(例えば、5’端と3’端)を有する。
【0094】
本明細書で使用される場合、「合成」とは、人工的に合成された(例えば、機械、例えば、固相核酸合成装置などを使用して)か、又は核酸又は他の分子を通常生成する天然の供給源(例えば、細胞又は生物)に由来していない核酸又は他の分子を指す。
【0095】
本明細書で使用される場合、「標的化リガンド」とは、目的の組織又は細胞の同族分子(例えば、受容体)に選択的に結合し、目的の組織又は細胞に別の物質を標的化するために、別の物質にコンジュゲート可能な分子(例えば、アミノ糖、炭水化物、コレステロール、脂質、又はポリペプチド)を意味する。例えば、オリゴヌクレオチドを目的の特定の組織又は細胞に標的化する目的で、標的化リガンドを本明細書のオリゴヌクレオチドにコンジュゲートすることができる。標的化リガンドは細胞表面受容体に選択的に結合することができる。したがって、標的化リガンドは、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートされると、細胞の表面に発現する受容体への選択的結合及びオリゴヌクレオチド、標的化リガンド、及び受容体を含む複合体の細胞によるエンドソーム内在化を介して、特定の細胞へのオリゴヌクレオチドの送達を促進する。さらに、標的化リガンドは、オリゴヌクレオチドが細胞内の標的化リガンドから放出されるように、細胞内部移行後又は細胞内在化中に切断されるリンカーを介してオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされ得る。
【0096】
本明細書で使用される場合、「テトラループ」又は「teraL」とは、ヌクレオチドの隣接配列のハイブリダイゼーションによって形成される隣接二重鎖の安定性を増加させるループを意味する。安定性の増加は、ランダムに選択されたヌクレオチドの配列からなる同等の長さのループのセットからの平均として予想される隣接したステム二重鎖のTmよりも高い、隣接したステム二重鎖の融解温度(Tm)の上昇として検出可能である。例えば、tetraLは、少なくとも2塩基対の長さの二重鎖を含むヘアピンに、10mMのNaHPO4中で、少なくとも50℃、少なくとも55℃、少なくとも56℃、少なくとも58℃、少なくとも60℃、少なくとも65℃、又は少なくとも75℃のTmをもたらし得る。tetraLはまた、スタッキング相互作用によって、隣接したステム二重鎖のbpを安定化させることができる。さらに、テトラループ内のヌクレオチド間の相互作用としては、非ワトソン-クリック塩基対形成、スタッキング相互作用、水素結合、及び接触相互作用が挙げられるが、これらに限定されない(Cheong et al.(1990)Nature 346:680-82;Heus & Pardi(1991)Science 253:191-94)。ここで、tetraLは約3個~約6個のヌクレオチドを含むか、又は有することができ、典型的には約4個~約5個のヌクレオチドである。したがって、tetraLは、3、4、5、又は6個のヌクレオチド、特に4個のヌクレオチドを有し得、これらは修飾されてもされなくてもよい(例えば、標的化部分にコンジュゲートされてもされなくてもよい)。tetraLでは任意のヌクレオチドを使用することができ、Cornish-Bowden(1985)Nucleic Acids Res.13:3021-30に記載されるようにそのようなヌクレオチドの標準的なIUPAC-IUB記号を使用することができる。例えば、「N」という文字は、任意の塩基がその位置にあり得ることを意味するために使用することができ、「R」という文字は、A(アデニン)又はG(グアニン)がその位置にあり得ることを示すために使用することができ、「B」は、C(シトシン)、G(グアニン)、又はT(チミン)がその位置にあり得ることを示すために使用できる。tetraLの例としては、UNCGファミリーのテトラループ(例えば、UUCG)、GNRAファミリーのテトラループ(例えば、GAAA)、及びCUUGテトラループ(Woese et al.(1990)Proc.Natl.Acad.Sci. USA 87:8467-71;Antao et al.(1991)Nucleic Acids Res.19:5901-05)が挙げられる。DNAテトラループの例としては、d(GNNA)ファミリーのテトラループ(例えば、d(GTTA))、d(GNRA)ファミリーのテトラループ、d(GNAB)ファミリーのテトラループ、d(CNNG)ファミリーのテトラループ、及びd(TNCG)ファミリーのテトラループ(例えば、d(TTCG))が挙げられる。例えば、Nakano et al.(2002)Biochem.41:4281-92;及びShinji et al.(2000)Nippon Kagakkai Koen Yokoshu 78:731を参照されたい。ここで、tetraLは、ニックを有するtetraL構造内に含まれ得る。
【0097】
本明細書で使用される場合、「治療する」又は「治療すること」とは、例えば、既存の疾患、障害、もしくは状態に関して
個体の健康及び/又は幸福度を改善する目的で、又は疾患、障害、もしくは状態の発生の可能性を予防もしくは減少させるために個体に治療剤(例えば、本明細書のオリゴヌクレオチド)を投与することによって、ケアを必要とする個体にケアを提供する行為を意味する。治療することはまた、個体が経験する疾患、障害、又は状態の少なくとも1つの徴候、症状、又は一因となる因子の頻度又は重症度を低減することも含み得る。
【0098】
組成物
SCAP活性のオリゴヌクレオチド阻害剤
I. SCAP標的配列:本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖)は、SCAPのmRNA内の標的配列に対して標的化される。例えば、オリゴヌクレオチド、又はその部分、断片、もしくは鎖は、SCAPのmRNA内の標的配列に結合するか又はアニーリングし、それによりSCAP活性を阻害する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、インビボでSCAP活性を阻害するためのSCAP標的配列に標的化される。いくつかの実施形態では、SCAP標的配列に標的化されたオリゴヌクレオチドによるSCAP活性の阻害の量又は程度は、オリゴヌクレオチドの効力と相関する。いくつかの実施形態では、SCAP標的配列に標的化されたオリゴヌクレオチドによるSCAP活性の阻害の量又は程度は、オリゴヌクレオチドで処置された、SCAP活性に関連する疾患、障害、又は状態を有するか又は有することが疑われる個体における治療効果の量又は程度と相関する。
【0099】
複数の異なる種(例えば、ヒト、マウス、及び/又はサル、例えば実施例2を参照されたい)のmRNAを含むSCAPのmRNAのヌクレオチド配列を調査及び分析することにより、ならびにインビトロ及びインビボの試験(例えば、実施例3及び4を参照されたい)の結果により、SCAPのmRNAの特定のヌクレオチド配列は他のヌクレオチド配列よりもオリゴヌクレオチドベースのSCAP活性の阻害に適応しやすく、したがって、本明細書のオリゴヌクレオチドの標的配列として有用であることが本明細書で示される。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドのセンス鎖(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチド、例えば表3における)は、SCAP標的配列を含む。いくつかの例では、本明細書におけるRNAiオリゴヌクレオチドのセンス鎖の部分又は領域(例えば、表3における)は、SCAP標的配列を含む。いくつかの実施形態では、SCAP標的配列は、配列番号777~783のいずれか1つ又は配列番号785~1168の奇数のいずれか1つの配列(特に、配列番号915、923、997、1049、1097、1109、及び1137のいずれか1つ)を含むか、又はそれからなる。
【0100】
II.SCAPのmRNA標的化配列:いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖)は、細胞内のSCAPのmRNAを標的とし、SCAP活性を阻害するための、SCAPのmRNAに対する相補性の領域(例えば、SCAPのmRNAの標的配列内)を有する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、相補的(ワトソン-クリック)塩基対合によってSCAPのmRNA標的配列に結合又はアニーリングする相補性の領域を有するSCAP標的化配列(例えば、dsオリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖)を含む。相補性の領域は、SCAPのmRNAの発現を阻害するためにオリゴヌクレオチド(又はその鎖)のSCAPのmRNAへの結合又はアニーリングを可能にする適切な長さ及び塩基含有物のものである。いくつかの実施形態では、標的化配列又は相補性の領域は、少なくとも約12個、少なくとも約13個、少なくとも約14個、少なくとも約15個、少なくとも約16個、少なくとも約17個、少なくとも約18個、少なくとも約19個、少なくとも約20個、少なくとも約21個、少なくとも約22個、少なくとも約23個、少なくとも約24個、少なくとも約25個、少なくとも約26個、少なくとも約27個、少なくとも約28個、少なくとも約29個、又は少なくとも約30個のヌクレオチドの長さである。代替的に、標的化配列又は相補性の領域は、約12~30個(例えば、12~30個、12~22個、15~25個、17~21個、18~27個、19~27個、又は15~30個)のヌクレオチドの長さである。代替的に、標的化配列又は相補性の領域は、は、約12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、又は30個のヌクレオチドの長さである。特定の実施形態では、標的化配列又は相補性の領域は、18個のヌクレオチドの長さである。特定の実施形態では、標的化配列又は相補性の領域は、19個のヌクレオチドの長さである。特定の実施形態では、標的化配列又は相補性の領域は、20個のヌクレオチドの長さである。特定の実施形態では、標的化配列又は相補性の領域は、21個のヌクレオチドの長さである。特定の実施形態では、標的化配列又は相補性の領域は、22個のヌクレオチドの長さである。特定の実施形態では、標的化配列又は相補性の領域は、23個のヌクレオチドの長さである。特定の実施形態では、標的化配列又は相補性の領域は、24個のヌクレオチドの長さである。
【0101】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、SCAPのmRNA標的化配列に完全に相補的である標的化配列又は相補性の領域(例えば、dsオリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖)を含む。いくつかの実施形態では、標的化配列又は相補性の領域は、SCAPのmRNA標的化配列に部分的に相補的である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号777~783のいずれか1つの配列に完全に相補的である標的化配列又は相補性の領域を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号777~783のいずれか1つの配列に部分的に相補的である標的化配列又は相補性の領域を含む。
【0102】
代替的にいくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、SCAPのmRNAを含むヌクレオチドの連続配列に相補的である標的化配列又は相補性の領域を含み、ヌクレオチドの連続配列は、約12~約30個のヌクレオチドの長さ(例えば、12~30個、12~28個、12~26個、12~24個、12~20個、12~18個、12~16個、14~22個、16~20個、18~20個、又は18~19個のヌクレオチドの長さ)である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、SCAPのmRNAを含むヌクレオチドの連続配列に相補的である標的化配列又は相補性の領域を含み、ヌクレオチドの連続配列は、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、又は20個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、SCAPのmRNAを含むヌクレオチドの連続配列に相補的である標的化配列又は相補性の領域を含み、ヌクレオチドの連続配列は、19個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、SCAPのmRNAを含むヌクレオチドの連続配列に相補的である標的化配列又は相補性の領域を含み、ヌクレオチドの連続配列は、20個のヌクレオチドの長さである。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号777~783のいずれか1つのヌクレオチドの連続配列に相補的である標的化配列又は相補性の領域を含み、任意選択で、ヌクレオチドの連続配列は、19個のヌクレオチドの長さである。
【0103】
本明細書のオリゴヌクレオチドの標的化配列又は相補性の領域に関して、配列番号777~783のいずれか1つに記載される配列の連続的なヌクレオチドに相補的であり、アンチセンス鎖の全長にわたる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの相補性の領域は、配列番号777~783のいずれか1つに記載される配列の連続的なヌクレオチドに相補的であり、アンチセンス鎖の全長の一部にわたる。いくつかのさらなる実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号777~783のいずれか1つに記載される配列のヌクレオチド1~20、1~19、1~18などにわたるヌクレオチドの連続ストレッチと少なくとも部分的に(例えば、完全に)相補的である相補性の領域を(例えば、dsオリゴヌクレオチドのアンチセンス鎖上に)含む。
【0104】
代替的に、オリゴヌクレオチドは、対応するSCAPのmRNA標的配列と1つ以上の塩基対(bp)ミスマッチを有する標的化配列又は相補性の領域を含む。いくつかの実施形態では、標的化配列又は相補性の領域は、対応するSCAP標的配列と、最大約1、最大約2、最大約3、最大約4、最大約5などのミスマッチであるが、但し、適切なハイブリダイゼーション条件下でSCAPのmRNAに結合又はアニーリングする標的化配列又は相補性の領域の能力、及び/又はSCAP活性を低減するか又は阻害するオリゴヌクレオチドの能力は維持されるという条件である。言い換えれば、標的化配列又は相補性の領域は、対応するSCAP標的配列との1つ以下、2つ以下、3つ以下、4つ以下、又は5つ以下のミスマッチであるが、但し、適切なハイブリダイゼーション条件下でSCAPのmRNAに結合又はアニーリングする標的化配列又は相補性の領域の能力、及び/又はSCAP活性を低減するか又は阻害するオリゴヌクレオチドの能力は維持されるという条件である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、対応する標的配列と1つのミスマッチを有する標的配列又は相補性の領域を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、対応する標的配列と2つのミスマッチを有する標的配列又は相補性の領域を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、対応する標的配列と3つのミスマッチを有する標的配列又は相補性の領域を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、対応する標的配列と4つのミスマッチを有する標的配列又は相補性の領域を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、対応する標的配列と5つのミスマッチを有する標的配列又は相補性の領域を含む。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、対応する標的配列との1つを超えるミスマッチ(例えば、2、3、4、5つ又はそれ以上のミスマッチ)の標的配列又は相補性の領域を含み、少なくとも2つ(例えば、すべて)のミスマッチは連続して配置されるか(例えば、連続して2、3、4、5もしくはそれ以上のミスマッチ)、又はミスマッチは標的化配列又は相補性の領域全体の任意の位置に散在する。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、対応する標的配列との1つを超えるミスマッチ(例えば、2、3、4、5つ又はそれ以上のミスマッチ)の標的配列又は相補性の領域を含み、少なくとも2つ(例えば、すべて)のミスマッチは連続して配置されるか(例えば、連続して2、3、4、5もしくはそれ以上のミスマッチ)、又は少なくとも1つ以上のミスマッチしていないbpがミスマッチの間に位置する、又はそれらの組み合わせである。
【0105】
III.オリゴヌクレオチドの種類:RNAiオリゴヌクレオチド、ASO、miRNAなどを含むがこれらに限定されない、さまざまなオリゴヌクレオチドの種類及び/又は構造がSCAPのmRNAを標的化するのに有用である。本明細書又は他の箇所で説明されているオリゴヌクレオチドの種類はいずれも、SCAP活性を阻害する目的で本明細書に標的化配列を組み込むためのフレームワークとして使用することが意図されている。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、ダイサー関与の上流又は下流のRNAi経路と関与することによって、SCAP活性を阻害する。例えば、それぞれの鎖が19~25個のヌクレオチドのサイズを有し、少なくとも1つの1~5個のヌクレオチドの3’末端突出を有するRNAiオリゴヌクレオチドが開発されている(例えば、米国特許第8,372,968号を参照されたい)。ダイサーによってプロセシングされて活性RNAi産物を生ずるより長いオリゴヌクレオチドも開発されている(例えば、米国特許第8,883,996を参照されたい)。さらなる研究により、一方の鎖が熱力学的に安定したtetraLを有する構造を含む、少なくとも一方の鎖の少なくとも一方の末端が二重鎖の標的化領域を超えて伸長している伸長dsオリゴヌクレオチドが作製されている(例えば、米国特許第8,513,207号及び同第8,927,705号、並びに国際特許出願公開第WO2010/033225号を参照されたい)。そのような構造は、ss伸長部(分子の片側又は両側の)及びds伸長部を含む。
【0106】
本明細書のオリゴヌクレオチドは、ダイサーの関与(例えば、ダイサー切断)の下流でRNAi経路に関与する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、センス鎖の3’末端に突出(例えば、1、2、又は3個のヌクレオチドの長さ)を有する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド(例えば、siRNA)は、標的mRNA(例えば、SCAPのmRNA)に対してアンチセンスである21個のヌクレオチドのアンチセンス鎖と、相補的なセンス鎖とを含み、両方の鎖はアニールして19bpの二重鎖と一方又は両方の3’末端に2個のヌクレオチドの突出を形成する。23個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖及び21個のヌクレオチドの長さのセンス鎖を有し、分子の右側(センス鎖の3’末端/アンチセンス鎖の5’末端)に平滑端及び分子の左側(センス鎖の5’末端/アンチセンス鎖の3’末端)に2個のヌクレオチドの3’アンチセンス鎖突出が存在するオリゴヌクレオチドを含む、より長いオリゴヌクレオチドの設計もまた企図されている。このような分子には、21bpの二重鎖領域がある。例えば、米国特許第9,012,138号;同第9,012,621号、及び同第9,193,753号を参照されたい。
【0107】
本明細書のオリゴヌクレオチドは、両方ともが約17~約26個(例えば、17~26個、20~25個、又は21~23個)のヌクレオチドの長さの範囲にあるセンス鎖とアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、両方ともが約19~約22個のヌクレオチドの長さの範囲にあるセンス鎖とアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖は等しい長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、センス鎖とアンチセンス鎖を含み、センス鎖もしくはアンチセンス鎖のいずれか、又はセンス鎖とアンチセンス鎖の両方に3’突出が存在する。いくつかの実施形態では、両方ともが約21~約23個のヌクレオチドの長さの範囲にあるセンス鎖とアンチセンス鎖を有するオリゴヌクレオチドについて、センス鎖、アンチセンス鎖、又はセンス鎖とアンチセンス鎖の両方の3’突出は、1個又は2個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、22個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖及び20個のヌクレオチドの長さのセンス鎖を有し、分子の右側(センス鎖の3’末端/アンチセンス鎖の5’末端)に平滑端及び分子の左側(センス鎖の5’末端/アンチセンス鎖の3’末端)に2個のヌクレオチドの3’アンチセンス鎖突出が存在する。このような分子には、20bpの二重鎖領域がある。
【0108】
本明細書での使用のための他のオリゴヌクレオチド設計としては、16-merのsiRNA(例えば、“Nucleic Acids in Chemistry & Biology,”,Blackburn(ed.),Royal Society of Chemistry,2006を参照されたい)、shRNA(例えば、19bp又はそれより短いステムを有するもの;例えば、Moore et al.(2010)Methods Mol.Biol.629:141-58を参照されたい)、平滑siRNA(例えば、19bpの長さのもの;例えば、Kraynack & Baker(2006)RNA 12:163-76を参照されたい)、非対称siRNA(aiRNA;例えば、Sun et al.(2008)Nat.Biotechnol.26:1379-82を参照されたい)、非対称短い二重鎖siRNA(例えば、Chang et al.(2009)Mol.Ther.17:725-32)、フォークsiRNA(例えば、Hohjoh(2004)FEBS Lett.557:193-98を参照されたい)、ss siRNA(例えば、Elsner(2012)Nat.Biotechnol.30:1063を参照されたい)、ダンベル型環状siRNA(例えば、Abe et al.(2007)J.Am.Chem.Soc.129:15108-09を参照されたい)、及び低分子内部セグメント化干渉RNA(sisiRNA;例えば、Bramsen et al.(2007)Nucleic Acids Res.35:5886-97を参照されたい)が挙げられる。SCAP活性を低減又は阻害するために本明細書で使用できるオリゴヌクレオチド構造のさらなる非限定的な例は、miRNA、shRNA、及び短いsiRNAである(例えば、Hamilton et al.(2002)EMBO J.21:4671-79を参照されたい;米国特許第7,659,389号も参照されたい)。
【0109】
代替的に、本明細書のオリゴヌクレオチドはssである。そのような構造としては、ss RNAi分子が挙げられるが、これらに限定されない。最近の取り組みにより、ss RNAi分子の活性が実証されている(例えば、Matsui et al.(2016)Mol.Ther.24:946-55を参照されたい)。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはASOである。ASOは、5’から3’の方向に書くか又は描いた場合に特定の核酸の標的化セグメントの逆方向の相補体を含み、細胞内でその標的RNAのRNaseHによって媒介される切断を誘導するように、又は(例えば、ミクスマーとして)細胞内の標的mRNAの翻訳を阻害するように適切な修飾が行われた(例えば、ギャップマーとして)核酸塩基配列を有するssオリゴヌクレオチドである。本明細書で使用するためのASOは、例えば、米国特許第9,567,587号(例えば、核酸塩基の長さ、糖部分(ピリミジン、プリン)、及び核酸塩基の複素環部分の改変を含む)に示されるものを含む、当該技術分野では周知の任意の適切な方法で修飾される。さらに、ASOは特定の標的遺伝子の発現を低減するために何十年も使用されてきた(例えば、Bennett et al.(2017)Annu.Rev.Pharmacol.57:81-105を参照されたい)。
【0110】
IV. ds RNAiオリゴヌクレオチド:SCAPのmRNAを標的とし、SCAP活性を阻害する(例えば、RNAi経路を介して)ためのdsオリゴヌクレオチドは、センス鎖とアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖とセンス鎖とは別個の鎖であり、共有結合していない。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖とセンス鎖とは共有結合している。
【0111】
いくつかの実施形態では、センス鎖は、第1の領域(R1)及び第2の領域(R2)を含み、R2は、第1のサブ領域(S1)、triL又はL、及び第2のサブ領域(S2)を含み、triL又はLはS1とS2の間に位置し、S1とS2は第2の二重鎖(D2)を形成する。D2はさまざまな長さを有する。いくつかの実施形態では、D2は約1~約6bpの長さである。他の実施形態では、D2は、2~6、3~6、4~6、5~6、1~5、2~5、3~5、又は4~5bpの長さである。他の実施形態では、D2は、1、2、3、4、5、又は6bpの長さである。特定の実施形態では、D2は6bpの長さである。
【0112】
いくつかの実施形態では、センス鎖のR1及びアンチセンス鎖は、第1の二重鎖(D1)を形成する。いくつかの実施形態では、D1は、少なくとも15個(例えば、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、又は少なくとも21個)のヌクレオチドの長さである。他の実施形態では、D1は、約12~約30個のヌクレオチドの長さ(例えば、12~30個、12~27個、15~22個、18~22個、18~25個、18~27個、18~30個、又は21~30個のヌクレオチドの長さ)である。他の実施形態では、D1は、少なくとも12個のヌクレオチドの長さ(例えば、少なくとも12個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、又は少なくとも30個のヌクレオチドの長さ)である。他の実施形態では、D1は、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、又は30個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、D1は、20個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、D1は、センス鎖及び/又はアンチセンス鎖の全長にはわたらない。他の実施形態では、D1はセンス鎖又はアンチセンス鎖のいずれか、あるいはその両方の全長にわたる。いくつかの実施形態では、D1は、センス鎖とアンチセンス鎖の両方の全長にわたる。
【0113】
特定の実施形態では、本開示は、表3に記載される配列(例えば、配列番号9~392の奇数のいずれか1つ)、特に配列番号139、147、221、273、321、333、及び361を含むか又は代替的にそれからなるセンス鎖を含む、SCAP活性を低減又は阻害するためのRNAiオリゴヌクレオチドを記載する。
【0114】
特定の実施形態では、本開示は、表3に記載される配列(例えば、配列番号9~392の偶数のいずれか1つ)、特に配列番号140、148、222、274、322、334、及び362を含むか又は代替的にそれからなるアンチセンス鎖を含む、SCAP活性を低減又は阻害するためのRNAiオリゴヌクレオチドを記載する。
【0115】
特定の他の実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドは、配列番号139、147、221、273、321、333、及び361のいずれか1つのヌクレオチド配列を含むか又は代替的にそれからなるセンス鎖と、配列番号140、148、222、274、322、334、及び362のいずれか1つのヌクレオチド配列を含むか又は代替的にそれからなるアンチセンス鎖とを含む。
【0116】
特定の実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドのセンス鎖とアンチセンス鎖は、それぞれ以下から選択される:
(a)配列番号139と140、
(b)配列番号147と148、
(c)配列番号221と222、
(d)配列番号273と274、
(e)配列番号321と322、
(f)配列番号333と334、
(g)配列番号361と362。
【0117】
特定の実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドは、配列番号147又は333のヌクレオチド配列を含むか又は代替的にそれからなるセンス鎖と、配列番号148又は334のいずれか1つのヌクレオチド配列を含むか又は代替的にそれからなるアンチセンス鎖とを含む。代替的に、センス鎖は配列番号147であり、アンチセンス鎖は配列番号148である。代替的に、センス鎖は配列番号333であり、アンチセンス鎖は配列番号334である。
【0118】
いくつかの実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドは、表4に示されるヌクレオチド配列(例えば、配列番号393~776の奇数のいずれか1つ)、特に配列番号523、531、605、657、705、717、及び745を含むか又は代替的にそれからなるセンス鎖を含む。
【0119】
特定の実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドは、表4に示されるヌクレオチド配列(例えば、配列番号393~776の偶数のいずれか1つ)、特に配列番号524、532、606、658、706、718、及び746を含むか又は代替的にそれからなるアンチセンス鎖を含む。
【0120】
特定の他の実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドは、配列番号523、531、605、657、705、717、及び745のいずれか1つのヌクレオチド配列を含むか又は代替的にそれからなるセンス鎖と、配列番号524、532、606、658、706、718、及び746のいずれか1つのヌクレオチド配列を含むか又は代替的にそれからなるアンチセンス鎖とを含む。
【0121】
特定の実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドのセンス鎖とアンチセンス鎖は、それぞれ以下から選択される:
(a’)配列番号523と524、
(b’)配列番号531と532、
(c’)配列番号605と606、
(d’)配列番号657と658、
(e’)配列番号705と706、
(f’)配列番号717と718、
(g’)配列番号745と746。
【0122】
特定のさらなる実施形態では、RNAiオリゴヌクレオチドは、配列番号531又は717のヌクレオチド配列を含むか又は代替的にそれからなるセンス鎖と、配列番号532又は718を含むか又は代替的にそれからなるアンチセンス鎖とを含む。代替的に、センス鎖は配列番号531であり、アンチセンス鎖は配列番号532である。代替的に、センス鎖は配列番号717であり、アンチセンス鎖は配列番号718である。
【0123】
当業者は、いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチド)又は他の核酸の構造を説明する際に配列表に示された配列を参照している点を理解するであろう。そのような実施形態では、実際のオリゴヌクレオチド又は他の核酸は、特定された配列と本質的に同じ又は同様の相補的特性を保持しながら、特定された配列と比較して1つ以上の代替的ヌクレオチド(例えば、DNAヌクレオチドのRNA対応物又はRNAヌクレオチドのDNA対応物)及び/又は1つ以上の修飾ヌクレオチド及び/又は1つ以上の修飾ヌクレオチド間結合及び/又は1つ以上の他の修飾を有する。
【0124】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチド)は、25個のヌクレオチドのセンス鎖と、ダイサー酵素が作用すると、成熟RISCに組み込まれるアンチセンス鎖を生じる27個のヌクレオチドのアンチセンス鎖とを含む。他の実施形態では、dsオリゴヌクレオチドのセンス鎖は、25個のヌクレオチドよりも長い(例えば、26個、27個、28個、29個、又は30個のヌクレオチド)。他の実施形態では、dsオリゴヌクレオチドのセンス鎖は、27個のヌクレオチドよりも長い(例えば、28個、29個、30個、31個、32個、33個、34個、35個、36個、37個、38個、39個、又は40個のヌクレオチド)。
【0125】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、他方の5’末端と比較して熱力学的に不安定である1つの5’末端を有する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは非対称であり、センス鎖の3’末端に平滑末端を、アンチセンス鎖の3’末端に3’突出を含む。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖上の3’突出は、約1~約8個のヌクレオチドの長さ(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個又は8個のヌクレオチドの長さ)である。典型的には、RNAiのためのdsオリゴヌクレオチドは、アンチセンス(ガイド)鎖の3’末端に2個のヌクレオチドの突出を有する。しかしながら、他の突出も可能である。いくつかの実施形態では、突出は、約1~約6個のヌクレオチド、任意選択で1~5個、1~4個、1~3個、1~2個、2~6個、2~5個、2~4個、2~3個、3~6個、3~5個、3~4個、4~6個、4~5個、5~6個ヌクレオチドの、又は1個、2個、3個、4個、5個、もしくは6個のヌクレオチドの長さを有する3’突出である。しなしながら、他の実施形態では、突出は、約1~約6個のヌクレオチド、任意選択で1~5個、1~4個、1~3個、1~2個、2~6個、2~5個、2~4個、2~3個、3~6個、3~5個、3~4個、4~6個、4~5個、5~6個ヌクレオチドの、又は1個、2個、3個、4個、5個、もしくは6個のヌクレオチドの長さを含む5’突出である。
【0126】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の3’末端の2個の末端ヌクレオチドが修飾されている。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖の3’末端の2個の末端ヌクレオチドは、標的mRNA(例えば、SCAPのmRNA)と相補的である。他の実施形態では、アンチセンス鎖の3’末端の2個の末端ヌクレオチドは、標的mRNAと相補的ではない。いくつかの実施形態では、本明細書のヌクレオチドのアンチセンス鎖の3’末端の2個の末端ヌクレオチドは対形成していない。いくつかの実施形態では、ニックの入ったtetraL構造内のオリゴヌクレオチドのそれぞれの3’末端の2つの末端ヌクレオチドはGGである。典型的には、dsオリゴヌクレオチドのそれぞれの3’末端の2個の末端GGヌクレオチドの一方又は両方は、標的mRNAと相補的ではない。
【0127】
いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個、5個)のミスマッチ(複数可)がある。センス鎖とアンチセンス鎖との間に1個を超えるミスマッチが存在する場合、それらは連続して(例えば、2個、3個、又はそれ以上が連続して)配置してもよく、又は相補性の領域全体にわたって散在してもよい。いくつかの実施形態では、センス鎖の3’末端が1個以上のミスマッチを含む。特定の実施形態では、2個のミスマッチがセンス鎖の3’末端に組み込まれる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドのセンス鎖の3’末端におけるセグメントの塩基ミスマッチ又は不安定化は、dsオリゴヌクレオチドの効力を改善又は増加させる。
【0128】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチド)を含むセンス鎖とアンチセンス鎖との間に、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個、5個)のミスマッチ(複数可)がある。センス鎖とアンチセンス鎖との間に1個を超えるミスマッチが存在する場合、それらは連続して(例えば、2個、3個、又はそれ以上が連続して)配置してもよく、又は相補性の領域全体にわたって散在してもよい。いくつかの実施形態では、センス鎖の3’末端が1個以上のミスマッチを含む。いくつかの実施形態では、2個のミスマッチがセンス鎖の3’末端に組み込まれる。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドのセンス鎖の3’末端におけるセグメントの塩基ミスマッチ又は不安定化は、オリゴヌクレオチドの効力を改善又は増加させる。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドのセンス鎖とアンチセンス鎖は、表3から、任意選択で、
(a)配列番号139と140、
(b)配列番号147と148、
(c)配列番号221と222、
(d)配列番号273と274、
(e)配列番号321と322、
(f)配列番号333と334、
(g)配列番号361と362
からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含み、ここでセンス鎖とアンチセンス鎖との間に、1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個、5個)のミスマッチ(複数可)がある。
【0129】
A. センス鎖:本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチド)には、表3又は表4のセンス鎖に示された配列を含むセンス鎖配列が含まれる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドには、配列番号139、147、221、273、321、333、及び361のいずれか1つに記載される配列の少なくとも約12個(例えば、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、又は少なくとも23個)の連続ヌクレオチドを有するセンス鎖、又は配列番号140、148、222、274、322、334、及び362のいずれか1つのヌクレオチド配列を有するセンス鎖が含まれる。
【0130】
さらに、オリゴヌクレオチドは、約50個までのヌクレオチドの長さ(例えば、50個まで、40個まで、36個まで、30個まで、27個まで、25個まで、21個まで、19個まで、17個まで、又は12個までのヌクレオチドの長さ)のセンス鎖を含み得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも12個のヌクレオチドの長さ(例えば、少なくとも12個、少なくとも15個、少なくとも19個、少なくとも21個、少なくとも25個、少なくとも27個、少なくとも30個、少なくとも36個、又は少なくとも38個のヌクレオチドの長さ)のセンス鎖を有することができる。代替的に、オリゴヌクレオチドは、約12~約40個(例えば、12~40個、12~36個、12~32個、12~28個、15~40個、15~36個、15~32個、15~28個、17~21個、17~25個、19~27個、19~30個、20~40個、22~40個、25~40個、又は32~40個)のヌクレオチドの長さの範囲のセンス鎖を有することができる。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、31個、32個、33個、34個、35個、36個、37個、38個、39個、又は40個のヌクレオチドの長さのセンス鎖を有することができる。
【0131】
いくつかの実施形態では、センス鎖は、3’末端にステムループ構造を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は、5’末端にステムループ構造を含む。いくつかの実施形態では、ステム-ループは、イントラストランド塩基対合によって形成される。さらなる実施形態では、ステムは、約2bp、約3bp、約4bp、約5bp、約6bp、約7bp、約8bp、約9bp、約10bp、約11bp、約12bp、約13bp、又は約14bpの長さの二重鎖である。いくつかの実施形態では、ステム-ループのステムは、2個のヌクレオチドの長さの二重鎖を含む。いくつかの実施形態では、ステム-ループのステムは、3個のヌクレオチドの長さの二重鎖を含む。いくつかの実施形態では、ステム-ループのステムは、4個のヌクレオチドの長さの二重鎖を含む。いくつかの実施形態では、ステム-ループのステムは、5個のヌクレオチドの長さの二重鎖を含む。いくつかの実施形態では、ステム-ループのステムは、6個のヌクレオチドの長さの二重鎖を含む。いくつかの実施形態では、ステム-ループのステムは、7個のヌクレオチドの長さの二重鎖を含む。いくつかの実施形態では、ステム-ループのステムは、8個のヌクレオチドの長さの二重鎖を含む。いくつかの実施形態では、ステム-ループのステムは、9個のヌクレオチドの長さの二重鎖を含む。いくつかの実施形態では、ステム-ループのステムは、10個のヌクレオチドの長さの二重鎖を含む。いくつかの実施形態では、ステム-ループのステムは、11個のヌクレオチドの長さの二重鎖を含む。いくつかの実施形態では、ステム-ループのステムは、12個のヌクレオチドの長さの二重鎖を含む。いくつかの実施形態では、ステム-ループのステムは、13個のヌクレオチドの長さの二重鎖を含む。いくつかの実施形態では、ステム-ループのステムは、14個のヌクレオチドの長さの二重鎖を含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、ステムループは、オリゴヌクレオチドに分解(例えば、酵素分解)からの保護をもたらし、標的細胞、組織、もしくは器官(例えば、肝臓)に標的化及び/又は送達すること、又はそのいずれもを促進又は向上する。例えば、ステムループのループは、標的mRNA(例えば、SCAPのmRNA)への標的化、標的遺伝子発現(例えば、SCAP活性)の阻害、及び/又は標的細胞、組織、もしくは器官(例えば、肝臓)への送達、又はそのいずれもを促進、向上、又は増加させる1つ以上の修飾を有するヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態では、ステムループ自体又はステムループへの修飾(複数可)は、オリゴヌクレオチドの固有の遺伝子発現阻害活性に実質的に影響を及ぼさないが、安定性(例えば、分解に対する保護を提供する)、及び/又はオリゴヌクレオチドの標的細胞、組織、又は器官(例えば、肝臓)への送達を促進、改善、又は増加させる。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、(例えば、その3’末端に)S1-L-S2として示されるステムループを含み、S1がS2と相補的であり、LがS1とS2との間に約10個までのヌクレオチドの長さ(例えば、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、又は10個のヌクレオチドの長さ)のssループを形成する、センス鎖を含む。一部の実施形態では、Lは、3個のヌクレオチドの長さである(本明細書では「トリループ」又は「triL」と称される)。一部の実施形態では、Lは、4個のヌクレオチドの長さである(本明細書では「テトラループ」又は「tetraL」と称される)。いくつかの実施形態では、Lは、5個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、Lは、6個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、Lは、7個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、Lは、8個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、Lは、9個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、Lは、10個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、Lは、4個のヌクレオチドの長さである。図1は、そのようなオリゴヌクレオチドの非限定的な例を描写する。いくつかの実施形態では、上述の構造S1-L-S2を有するステムループのLは、tetraL(例えば、ニックを有するtetraL構造内の)である。いくつかの実施形態では、tetraLは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、修飾ヌクレオチド、送達リガンド、及びそれらの組み合わせを含む。特定の実施形態では、tetraLは配列5’-GAAA-3’を含む。他の特定の実施形態では、ステムループは、配列5’-GCAGCCGAAAGGCUGC-3’(配列番号784)を含む。
【0133】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号785~1168の奇数のいずれか1つ、特に配列番号915、923、997、1049、1097、1109、及び1137のいずれか1つのヌクレオチドの連続した配列に相補的である、標的化配列又は相補的領域を含み、オリゴヌクレオチドは、(例えば、その3’末端に)S1-L-S2として示されるステム-ループを含むセンス鎖を含み、式中、S1はS2に相補的であり、LはS1とS2との間に、最大約10個までのヌクレオチドの長さ(例えば、3、4、5、6、7、8、9、又は10個のヌクレオチドの長さ)の一本鎖ループを形成する。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号785~1168の奇数のいずれか1つ、特に配列番号915、923、997、1049、1097、1109、及び1137のいずれか1つのヌクレオチドの連続配列に相補的である標的化配列又は相補性の領域を含み、オリゴヌクレオチドは、(例えば、その3’末端に)S1-L-S2として示されるステム-ループを含むセンス鎖を含み、式中、S1はS2に相補的であり、LはS1とS2との間に、4個のヌクレオチドの長さの一本鎖ループを形成する。
【0134】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の構造S1-L-S2を有するステム-ループのLは、triLである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号785~1168の奇数のいずれか1つ、特に配列番号915、923、997、1049、1097、1109、及び1137のいずれか1つのヌクレオチドの連続した配列に相補的である、標的化配列又は相補的領域、ならびにtriLを含む。いくつかの実施形態では、triLは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、修飾ヌクレオチド、リガンド(例えば、送達リガンド)、及びそれらの組み合わせを含む。
【0135】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の構造S1-L-S2を有するステム-ループのLは、tetraLである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号785~1168の奇数のいずれか1つ、特に配列番号915、923、997、1049、1097、1109、及び1137のいずれか1つのヌクレオチドの連続した配列に相補的である、標的化配列又は相補的領域、ならびにtetraLを含む。いくつかの実施形態では、tetraLは、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、修飾ヌクレオチド、リガンド(例えば、送達リガンド)、及びそれらの組み合わせを含む。
【0136】
B. アンチセンス鎖:本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチド)は、表3(未修飾)又は表4(修飾)のアンチセンス鎖に記載の配列を含むアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、配列番号139、147、221、273、321、333、及び361のいずれか1つに記載される配列の少なくとも12個(例えば、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、又は少なくとも23個)の連続したヌクレオチドを有するアンチセンス鎖、又は配列番号140、148、222、274、322、334、及び362のいずれか1つのヌクレオチド配列を有するアンチセンス鎖を含む。
【0137】
さらに、オリゴヌクレオチドは、約50個までのヌクレオチドの長さ(例えば、50個まで、40個まで、35個まで、30個まで、27個まで、25個まで、21個まで、19個まで、17個まで、又は12個までのヌクレオチドの長さ)のアンチセンス鎖を含み得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも12個のヌクレオチドの長さ(例えば、少なくとも12個、少なくとも15個、少なくとも19個、少なくとも21個、少なくとも22個、少なくとも25個、少なくとも27個、少なくとも30個、少なくとも35個、又は少なくとも38個のヌクレオチドの長さ)のアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、約12~約40個(例えば、12~40個、12~36個、12~32個、12~28個、15~40個、15~36個、15~32個、15~28個、17~22個、17~25個、19~27個、19~30個、20~40個、22~40個、25~40個、又は32~40個)のヌクレオチドの長さの範囲のアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、15~30個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオリゴヌクレオチドのいずれか1つのアンチセンス鎖は、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、30個、31個、32個、33個、34個、35個、36個、37個、38個、39個、又は40個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、22個のヌクレオチドの長さのアンチセンス鎖を含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、表3に記載される配列(例えば、配列番号9~392の奇数のいずれか1つ)を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、表3に記載される配列(例えば、配列番号9~392の偶数のいずれか1つ)の少なくとも12個(例えば、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、又は少なくとも23個)の連続したヌクレオチドを含むアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、SCAPを標的化するための本明細書に開示されるオリゴヌクレオチドは、表3に記載される配列(例えば、配列番号9~392の偶数のいずれか1つ)、特に配列番号140、148、222、274、322、334、及び362のいずれか1つを含むか又はそれからなるアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、表4に記載される配列(例えば、配列番号393~776の偶数のいずれか1つ)の少なくとも12個(例えば、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、又は少なくとも23個)の連続したヌクレオチドを含むアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、SCAPを標的化するための本明細書に開示されるオリゴヌクレオチドは、配列番号524、532、606、658、706、718、及び746のいずれか1つに記載される配列を含むか又はそれからなるアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、配列番号524、532、606、658、706、718、及び746のいずれか1つに記載される配列の少なくとも12個(例えば、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、少なくとも21個、少なくとも22個、又は少なくとも23個)の連続したヌクレオチドを含むアンチセンス鎖を含む。
【0139】
C. 二重鎖の長さ:本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチド)は、センス鎖とアンチセンス鎖との間で形成される二重鎖を含み、二重鎖は少なくとも約12個(例えば、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも16個、少なくとも17個、少なくとも18個、少なくとも19個、少なくとも20個、又は少なくとも21個)のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、約12個~約30個のヌクレオチドの長さ(例えば、12~30個、12~27個、12~22個、15~25個、18~30個、18~22個、18~25個、18~27個、18~30個、19~30個又は21~30個のヌクレオチドの長さ)の範囲である。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、29個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、又は30個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、12個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、13個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、14個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、15個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、16個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、17個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、18個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、19個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、20個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、21個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、22個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、23個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、24個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、25個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、26個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、27個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、28個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、29個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、30個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、センス鎖及び/又はアンチセンス鎖の全長にはわたらない。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間に形成される二重鎖は、センス鎖又はアンチセンス鎖のいずれかの全長にわたる。いくつかの実施形態では、センス鎖とアンチセンス鎖との間の二重鎖は、センス鎖とアンチセンス鎖の両方の全長にわたる。
【0140】
D. オリゴヌクレオチド末端:本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチド)は、センス鎖とアンチセンス鎖を含み、いずれか又は両方の鎖の末端は平滑端を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、アンチセンス鎖の3’末端に突出を有する非対称の二重鎖領域を形成する別個の鎖である、センス鎖とアンチセンス鎖を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、センス鎖とアンチセンス鎖を含み、いずれか又は両方の鎖の末端は、1つ以上のヌクレオチドを含む突出を含む。いくつかの実施形態では、突出を含む1つ以上のヌクレオチドは、対形成していないヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、センス鎖とアンチセンス鎖を含み、センス鎖の3’末端とアンチセンス鎖の5’末端は、平滑末端を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、センス鎖とアンチセンス鎖を含み、センス鎖の5’末端とアンチセンス鎖の3’末端は、平滑末端を含む。
【0141】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、センス鎖とアンチセンス鎖を含み、いずれか又は両方の鎖の3’末端は、1つ以上のヌクレオチドを含む3’突出を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、センス鎖とアンチセンス鎖を含み、センス鎖は1つ以上のヌクレオチドを含む3’突出を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、センス鎖とアンチセンス鎖を含み、アンチセンス鎖は1つ以上のヌクレオチドを含む3’突出を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、センス鎖とアンチセンス鎖を含み、センス鎖とアンチセンス鎖の両方は1つ以上のヌクレオチドを含む3’突出を含む。
【0142】
いくつかの実施形態では、3’突出は、約1個~約20個のヌクレオチドの長さ(例えば、約1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、又は20個のヌクレオチドの長さ)である。いくつかの実施形態では個、3’突出は、約1~19個、1~18個、1~17個、1~16個、1~15個、1~14個、1~13個、1~12個、1~11個、1~10個、1~9個、1~8個、1~7個、1~6個、1~5個、1~4個、1~3個、又は1~2個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、1個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、2個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、3個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、4個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、5個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、6個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、7個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、8個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、9個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、10個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、11個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、12個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、13個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、14個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、15個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、16個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、17個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、18個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、19個のヌクレオチドの長さである。いくつかの実施形態では、3’突出は、20個のヌクレオチドの長さである。
【0143】
特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、センス鎖とアンチセンス鎖を含み、アンチセンス鎖は3’突出を含む。
【0144】
V. オリゴヌクレオチド修飾:本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチド)は、少なくとも1つの修飾を含む。オリゴヌクレオチドは、特異性、安定性、送達、バイオアベイラビリティ、ヌクレアーゼ分解に対する耐性、免疫原性、塩基対合特性、RNA分布及び細胞取り込み、ならびに治療又は研究用途に関連する他の特性を改善又は制御するためにさまざまな方法で修飾することができる
【0145】
いくつかの実施形態では、修飾は修飾糖である。いくつかの実施形態では、修飾は、5’末端リン酸基である。いくつかの実施形態では、修飾は、修飾ヌクレオチド間結合である。いくつかの実施形態では、修飾は修飾塩基である。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、本明細書に記載される修飾のうちのいずれか1つ又はそれらの任意の組み合わせを含む。例えば、いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾糖、5’末端リン酸基、少なくとも1つの修飾ヌクレオチド間結合、及び少なくとも1つの修飾塩基を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドのセンス鎖とアンチセンス鎖は、表3から、任意選択で、
(a)配列番号139と140、
(b)配列番号147と148、
(c)配列番号221と222、
(d)配列番号273と274、
(e)配列番号321と322、
(f)配列番号333と334、
(g)配列番号361と362
からなる群から選択されるヌクレオチド配列を含み、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つの修飾糖、5’末端リン酸基、少なくとも1つの修飾ヌクレオチド間結合、及び少なくとも1つの修飾塩基を含む。
【0146】
他の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、下記に従う修飾パターンを有するセンス鎖とアンチセンス鎖:
センス鎖:5’-mX-S-mX-mX-mX-mX-mX-mX-fX-fX-fX-fX-mX-mX-mX-mX-mX-mX-mX-mX-mX-mX-mX-mX-mX-mX-mX-mX-[ademX-GalNAc]-[ademX-GalNAc]-[ademX-GalNAc]-mX-mX-mX-mX-mX-mX-3’、以下にハイブリダイズする:
【0147】
アンチセンス鎖:5’-[MePhosphonate-4O-mX]-S-fX-S-fX-S-fX-fX-mX-fX-mX-mX-fX-mX-mX-mX-fX-mX-mX-mX-mX-mX-mX-S-mX-S-mX-3’、(式中、mX=2’-OMe-修飾ヌクレオチド、fX=2’-F-修飾ヌクレオチド、-S-=ホスホロチオエート結合、-=ホスホジエステル結合、[MePhosphonate-4O-mX]=4’-O-モノメチルホスホネート-2’-O-メチル修飾ヌクレオチド、及びademX-GalNAc=ヌクレオチドに結合したGalNAc)を含み、センス鎖と前記アンチセンス鎖は、表3から、任意選択で、
(a)配列番号139と140、
(b)配列番号147と148、
(c)配列番号221と222、
(d)配列番号273と274、
(e)配列番号321と322、
(f)配列番号333と334、
(g)配列番号361と362から選択されるヌクレオチド配列を含む。
【0148】
A. 糖修飾:修飾糖(本明細書では糖類似体とも呼ばれる)は、例えば、1つ以上の修飾が糖の2’、3’、4’、及び/又は5’位の炭素に生じるような、修飾デオキシリボース又はリボース部分を含む。修飾糖としてはまた、ロックド核酸(「LNA」、例えば、Koshkin et al.(1998)Tetrahedron 54:3607-30)を参照されたい)、アンロックド核酸(「UNA」、例えば、Snead et al.(2013)Mol.Ther-Nuc. Acids 2:e103を参照されたい)、及び架橋化核酸(「BNA」;例えば、Imanishi & Obika(2002)Chem.Commun.16:1653-59を参照されたい)も挙げられる。
【0149】
いくつかの実施形態では、糖中のヌクレオチド修飾は、例えば、2’-O-プロパルギル、2’-O-プロピルアミン、2’-アミノ、2’-エチル、2’-F、2’-アミノエチル(EA)、2’-OMe、2’-MOE、2’-O-[2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル](2’-O-NMA)、又は2’-FANAなどの2’-修飾である。特定の実施形態では、修飾は、2’-F、2’-OMe、又は2’-MOEである。いくつかの実施形態では、糖中の修飾は糖環の修飾を含み、糖環の1つ以上の炭素の修飾を含み得る。例えば、糖中の修飾は、糖の1’-炭素もしくは4’-炭素に結合している糖の2’-酸素、又はエチレンもしくはメチレン架橋を介して1’-炭素もしくは4’-炭素に結合している2’-酸素である。いくつかの実施形態では、修飾は、2’炭素と3’炭素との結合を欠く非環式糖である。他の実施形態では、修飾は、例えば糖の4’位などのチオール基である。
【0150】
本明細書のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1個(例えば、少なくとも1個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、少なくとも40個、少なくとも45個、少なくとも50個、少なくとも55個、少なくとも60個、又はそれ以上)の修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、センス鎖は、少なくとも1個(例えば、少なくとも1個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個、少なくとも30個、少なくとも35個、又はそれ以上)の修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、少なくとも1個(例えば、少なくとも1個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも15個、少なくとも20個、又はそれ以上)の修飾ヌクレオチドを含む。
【0151】
特定の実施形態では、tetraLを除くセンス鎖のすべてのヌクレオチドが修飾されている。同様に、アンチセンス鎖のすべてのヌクレオチドが修飾されている。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドのすべてのヌクレオチド(すなわち、センス鎖とアンチセンス鎖の対になったヌクレオチド)が修飾されている。上記のように、またいくつかの実施形態では、修飾ヌクレオチドは、2’-修飾(例えば、2’-F、2’-OMe、2’-MOE、及び/又は2’-FANA)である。特定の実施形態では、修飾ヌクレオチドは、例えば、2’-F又は2’-OMeなどの2’-修飾である。
【0152】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、センス鎖を含み、センス鎖のヌクレオチドの約10~15%、10%、11%、12%、13%、14%、又は15%が2’-F修飾を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、センス鎖を含み、センス鎖のヌクレオチドの約18~23%(例えば、18%、19%、20%、21%、22%、又は23%)が2’-F修飾を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、センス鎖を含み、センス鎖のヌクレオチドの約38~43%(例えば、38%、39%、40%、41%、42%、又は43%)が2’-F修飾を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖のヌクレオチドの約11%が2’-F修飾を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖のヌクレオチドの約22%が2’-F修飾を含む。いくつかの実施形態では、センス鎖のヌクレオチドの約40%が2’-F修飾を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、アンチセンス鎖を含み、アンチセンス鎖のヌクレオチドの約25%~約35%(例えば、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、又は35%)は、2’-F修飾を含む。いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖のヌクレオチドの約32%が2’-F修飾を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、そのヌクレオチドの約15%~約25%(例えば、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、又は25%)が、2’-F修飾を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、そのヌクレオチドの35%~45%(例えば、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、又は45%)が、2’-F修飾を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド中のヌクレオチドの約19%が、2’-F修飾を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド中のヌクレオチドの約29%が、2’-F修飾を含む。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチド中のヌクレオチドの約40%が、2’-F修飾を含む。
【0153】
さらに、本明細書のオリゴヌクレオチドは、異なる修飾パターンを有してもよい。いくつかの実施形態では、修飾オリゴヌクレオチドは、表4(及び図1)に記載の修飾パターンを有するセンス鎖配列と、表4に記載される修飾パターンを有するアンチセンス鎖とを含む。いくつかの実施形態では、センス鎖の8、9、10、又は11位のうちの1つ以上が2’-Fで修飾されている。他の実施形態では、センス鎖の位置1~7、12~27、及び31~36のそれぞれのヌクレオチドの糖部分は、2’-OMeで修飾されている。特定の実施形態では、センス鎖の位置8~11は2’-Fで修飾され、位置1~7、12~27、及び31~36は2’-OMeで修飾されている。
【0154】
さらに特定の実施形態では、センス鎖には、位置8~11に2’-F修飾ヌクレオチド、位置1~7、12~27、及び31~36に2’-OMe修飾ヌクレオチド、位置28、29、及び30にGalNAcコンジュゲートヌクレオチド、及び位置1と2の間にホスホロチオエート結合が含まれる。
【0155】
いくつかの実施形態では、アンチセンス鎖は、2’-Fで修飾された、位置2~5、7、10、及び14の1つ以上のヌクレオチドと、2’-OMeで修飾された、位置1、6、8~9、11~13、及び15~22の1個以上のヌクレオチドを含む。特定の実施形態は、位置2~5、7、10、及び14に2’-F修飾ヌクレオチドが含まれ、位置1、6、8~9、11~13、及び15~22に2’-OMe修飾ヌクレオチドが含まれるアンチセンス鎖を有するオリゴヌクレオチドを開示する。
【0156】
特定の実施形態では、アンチセンス鎖には、位置2~5、7、10、及び14に2’-F修飾ヌクレオチド、位置1、6、8~9、11~13、及び15~22に2’-OMe、及び位置1と2、位置2と3、位置3と4、位置20と21、及び位置21と22の間にホスホロチオエート結合が含まれる。
【0157】
B.5’末端リン酸:5’末端リン酸基は、本明細書のオリゴヌクレオチドとAgo2との相互作用を強化するために使用することができる。しかしながら、5’末端リン酸基を有するオリゴヌクレオチドは、ホスファターゼ又は他の酵素による分解を受けやすくなり得、インビボでのバイオアベイラビリティを制限する可能性がある。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、dsオリゴヌクレオチド)は、このような分解に耐性のある5’リン酸の類似体を含む。このようなリン酸塩類似体の例としては、オキシメチルホスホネート、ビニルホスホネート、マロニルホスホネート、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチドの鎖の3’末端は、天然の5’リン酸基の静電特性及び立体特性を模倣する化学的部分(「リン酸模倣体」)に結合している。
【0158】
代替的に又は追加的に、オリゴヌクレオチドは、糖の4’位の炭素にリン酸類似体(4’-リン酸類似体と呼ぶ)を有する。例えば、国際特許出願公開第WO2018/045317号を参照されたい。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、5’末端ヌクレオチドに4’-リン酸類似体を含む。いくつかの実施形態では、リン酸類似体は、オキシメチル基の酸素原子が糖部分(例えば、その4’炭素)に結合したオキシメチルホスホネート又はその類似体である。他の実施形態では、4’-ホスファート類似体は、チオメチル基の硫黄原子又はアミノメチル基の窒素原子は、糖部分の4’炭素に結合したチオメチルホスホナートもしくはアミノメチルホスホナート又はそれらの類似体である。特定の実施形態では、4’-ホスファート類似体は、式-O-CH2-PO(OH)2又はO-CH2-PO(OR)2(式中、Rは独立して、H、CH3、アルキル基、CH2CH2CN、CH2OCOC(CH33、CH2OCH2CH2Si(CH33、又は保護基から選択される)で表される4’-オキシメチルホスホナートである。特定の実施形態では、アルキル基は、CH2CH3である。他の特定の実施形態では、Rは独立して、H、CH3、又はCH2CH3から選択される。
【0159】
C.修飾ヌクレオチド間結合:上記の改変に加えて、本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、dsオリゴヌクレオチド)は修飾ヌクレオチド間結合を含む。いくつかの実施形態では、リン酸の修飾又は置換は、少なくとも1個(例えば、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、又は少なくとも5個)の修飾ヌクレオチド間結合を含むオリゴヌクレオチドを生じ得る。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチ(例えば、dsオリゴヌクレオチド)は、約1~約10個(例えば、1~10個、2~8個、4~6個、3~10個、5~10個、1~5個、1~3個、又は1~2個)の修飾ヌクレオチド間結合を含む。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、又は10個の修飾ヌクレオチド間結合を含む。
【0160】
修飾ヌクレオチド間結合の例としては、ホスホロジチオエート結合、ホスホロチオエート結合、ホスホトリエステル結合、チオノアルキルホスホネート結合、チオアルキルホスホトリエステル結合、ホスホロアミダイト結合、ホスホネート結合、及び/又はボラノホスファート結合が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオリゴヌクレオチドのいずれか1つの少なくとも1つの修飾ヌクレオチド間結合は、ホスホロチオエート結合である。
【0161】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドには、センス鎖の1位と2位、アンチセンス鎖の1位と2位、アンチセンス鎖の2位と3位、アンチセンス鎖の3位と4位、アンチセンス鎖の20位と21位、及び/又はアンチセンス鎖の21位と22位のうちの1つ以上の間にホスホロチオエート結合が含まれる。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドには、センス鎖の1位と2位、アンチセンス鎖の1位と2位、アンチセンス鎖の2位と3位、アンチセンス鎖の3位と4位、アンチセンス鎖の20位と21位、及び/又はアンチセンス鎖の21位と22位のそれぞれの間にホスホロチオエート結合が含まれる。
【0162】
特定の実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドには以下が含まれる:
位置8~11に2’-F修飾ヌクレオチド、位置1~7、12~27、及び31~36に2’-OMe修飾ヌクレオチド、位置28、29、及び30にGalNAcコンジュゲートヌクレオチド、及び位置1と2の間にホスホロチオエート結合を有するセンス鎖;
位置2~5、7、10、及び14に2’-F修飾ヌクレオチド、位置1、6、8~9、11~13、及び15~22に2’-OMe、位置1と2、位置2と3、位置3と4、位置20と21、及び位置21と22の間にホスホロチオエート結合を有するアンチセンス鎖、位置1に4’-リン酸類似体を含む5’-末端ヌクレオチド(任意選択で5’末端ヌクレオチドは、4-O-モノメチルホスホネート-2’-O-メチルウリジン[MePhosphonate-4O-mU]を含む)を有するアンチセンス鎖;ここで、アンチセンス鎖の位置1~20は、センス鎖の位置1~20と二重鎖領域を形成し、センス鎖の位置21~36はステムループを形成し、位置27~30はステムループのループを形成し、任意選択で、位置27~30はtetraLを含み、アンチセンス鎖の位置21及び22は突出を含み、センス鎖とアンチセンス鎖は、表3から、任意選択で以下からなる群から選択される:
(a)配列番号139と140、
(b)配列番号147と148、
(c)配列番号221と222、
(d)配列番号273と274、
(e)配列番号321と322、
(f)配列番号333と334、
(g)配列番号361と362。
【0163】
特定の他の実施形態では、修飾されたセンス鎖とアンチセンス鎖は、表4から、任意選択で、
(a’)配列番号523と524、
(b’)配列番号531と532、
(c’)配列番号605と606、
(d’)配列番号657と658、
(e’)配列番号705と706、
(f’)配列番号717と718、
(g’)配列番号745と746からなる群から選択される。
【0164】
D.塩基の修飾:上記の修飾に加えて、本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、dsオリゴヌクレオチド)は、1つ以上の修飾核酸塩基も含む。いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基(本明細書では塩基類似体とも呼ばれる)は、ヌクレオチド糖部分の1’位に連結されている。いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は、窒素塩基である。他の実施形態では、修飾核酸塩基は、窒素原子を含まない。例えば、米国特許出願公開第2008/0274462号を参照されたい。他の特定の実施形態では、修飾核酸塩基は、ユニバーサル塩基である。しかしながら、特定の実施形態では、修飾ヌクレオチドは、核酸塩基を含まない(脱塩基)。
【0165】
ユニバーサル塩基に関して、それらは二重鎖中に存在する場合に二重鎖の構造を実質的に変えることなく1つを超える種類の塩基の反対側に配置される、修飾ヌクレオチドのヌクレオチド糖部分の1’位、又はヌクレオチド糖部分置換の同等の位置に配置された複素環部分を含む。さらに、標的核酸と完全に相補的である参ss核酸(例えば、オリゴヌクレオチド)と比較して、ユニバーサル塩基を有するss核酸は、相補的な核酸と形成される二重鎖よりも低いTmを有する標的核酸と二重鎖を形成する。しかしながら、ユニバーサル塩基が塩基に置き換えられて1個のミスマッチを生じている参照ss核酸と比較して、ユニバーサル塩基を有するss核酸は、ミスマッチ塩基を有する核酸と形成される二重鎖よりも高いTmを有する標的核酸と二重鎖を形成する。
【0166】
ユニバーサル結合ヌクレオチドの例としては、イノシン、1-β-D-リボフラノシル-5-ニトロインドール、及び/又は1-β-D-リボフラノシル-3-ニトロピロールが挙げられるが、これらに限定されない(例えば、米国特許出願公開第2007/0254362号;Van Aerschot et al.(1995)Nucleic Acids Res.23:4363-70;Loakes et al.(1995)Nucleic Acids Res.23:2361-66;及びLoakes & Brown(1994)Nucleic Acids Res.22:4039-403を参照されたい)。
【0167】
E.可逆的修飾:本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチド)を標的細胞に到達する前にインビボ環境から保護するために特定の修飾を行うことができるが、標的細胞の細胞質に到達した後でオリゴヌクレオチドの効力又は活性を低下させるように修飾を行うこともできる。したがって、オリゴヌクレオチドが細胞外で望ましい特性を保持し、細胞の細胞質環境に入ると除去されるように可逆的修飾を行うことができる。可逆的な修飾は、例えば、細胞内酵素の作用によって、又は細胞内の化学的条件によって(例えば、細胞内グルタチオンによる還元によって)除去することができる。
【0168】
いくつかの実施形態では、可逆的修飾ヌクレオチドは、グルタチオン感受性部分を含む。典型的に、オリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド間二リン酸結合によって生じる負電荷をマスクし、細胞取り込み及びヌクレアーゼ耐性を改善するために、環状ジスルフィド部分によって化学的に修飾されている。米国特許出願公開第2011/0294869号、国際特許出願公開第WO2014/088920号、及び同第WO2015/188197号、ならびにMeade et al.(2014)Nat.Biotechnol.32:1256-63を参照されたい。ヌクレオチド間二リン酸結合のこの可逆的修飾は、サイトゾルの還元的環境(例えば、グルタチオン)によって細胞内で切断されるように設計されている。初期の例としては、中和ホスホトリエステル修飾があり、細胞内で切断可能であることが報告されている(例えば、Dellinger et al.(2003)J.Am.Chem.Soc.125:940-50を参照されたい)。
【0169】
いくつかの可逆的修飾は、オリゴヌクレオチドがヌクレアーゼ及び他の過酷な環境条件(例えば、pH)に曝露されるインビボ投与(例えば、血液及び/又は細胞のリソソーム/エンドソーム区画を通過する輸送)においてオリゴヌクレオチドを保護する。細胞外空間と比較してグルタチオンのレベルが高い細胞のサイトゾルに放出されると、修飾が逆転し、切断されたオリゴヌクレオチドが得られる。可逆的なグルタチオン感受性部分を使用すると、不可逆的な化学修飾を使用して利用可能な選択肢と比較して、オリゴヌクレオチドに立体的に大きな化学基を導入することが可能である。これは、これらのより大きな化学基がサイトゾルで除去されるためであり、したがって、細胞のサイトゾル内のオリゴヌクレオチドの生物活性を妨げてはいけない。その結果、これらのより大きな化学基を操作して、ヌクレアーゼ耐性、親油性、電荷、熱安定性、特異性、低下した免疫原性など、オリゴヌクレオチドにさまざまな利点を与えることができる。いくつかの実施形態では、グルタチオン感受性部分の構造を操作して、その放出の動態を改変することができる。
【0170】
いくつかの実施形態では、グルタチオン感受性部分は、ヌクレオチドの糖に結合している。特定の実施形態では、グルタチオン感受性部分は、修飾ヌクレオチドの糖の2’-炭素に結合している。追加的に又は代替的に、グルタチオン感受性部分は、特に修飾ヌクレオチドがオリゴヌクレオチドの5’末端ヌクレオチドである場合、糖の5’炭素に結合される。追加的に又は代替的に、グルタチオン感受性部分は、特に修飾ヌクレオチドがオリゴヌクレオチドの3’末端ヌクレオチドである場合、糖の3’炭素に結合される。いくつかの実施形態では、グルタチオン感受性部分は、スルホニル基を含む(例えば、国際特許出願公開第WO2018/039364号を参照されたい)。
【0171】
VI.標的化リガンド:本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチド)を1つ以上の細胞又は1つ以上の器官に標的化することが望ましい。そのような戦略は、他の器官における望ましくない影響を回避する、又はオリゴヌクレオチドから恩恵を受けない細胞、組織、又は器官へのオリゴヌクレオチドの必要以上の損失を回避するのに役立ち得る。したがって、オリゴヌクレオチドは、組織、細胞、又は器官の標的化及び/又はそれらへの送達を促進する(例えば、肝臓へのオリゴヌクレオチドの送達を促進する)ように修飾される。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、肝臓の肝細胞へのオリゴヌクレオチドの送達を促進するように修飾される。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、1つ以上の標的化リガンド(複数可)にコンジュゲートされた少なくとも1個のヌクレオチド(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、又はそれ以上のヌクレオチド)を含む。
【0172】
標的化リガンドは、炭水化物、アミノ糖、コレステロール、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質もしくはタンパク質の一部(例えば、抗体又は抗体断片)、又は脂質を含むがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、アプタマーである。例えば、標的化リガンドは、腫瘍血管系又は神経膠腫細胞を標的化するために使用されるArg-Gly-Asp(RGD)ペプチド、腫瘍血管系又は腫瘍間質を標的化するためのCys-Arg-Glu-Lys-Ala(CREKA)ペプチド、中枢神経系(CNS)血管系上で発現するトランスフェリン受容体を標的化するためのトランスフェリン、ラクトフェリン、もしくはアプタマー、又は神経膠腫細胞上の上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)を標的化するための抗EGFR抗体であってよい。特定の実施形態では、標的化リガンドは、1つ以上のGalNAc部分である。
【0173】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、又は6個)のヌクレオチドが、それぞれ別個の標的化リガンドにコンジュゲートされ得る。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの2~4個のヌクレオチドが、それぞれ別個の標的化リガンドにコンジュゲートされる。他の実施形態では、標的化リガンドは、センス鎖又はアンチセンス鎖のいずれかの末端の2~4個のヌクレオチドにコンジュゲートされ得る(例えば、標的化リガンドはセンス鎖又はアンチセンス鎖の5’末端又は3’末端の2~4個のヌクレオチドの突出又は伸長部分にコンジュゲートされる)ため、標的化リガンドが歯ブラシの毛の部分に似ており、オリゴヌクレオチドが歯ブラシに似た格好となっている。例えば、オリゴヌクレオチドは、センス鎖の5’末端又は3’末端のいずれかにステム-ループを含み、ステム-ループのLの1個、2個、3個、又は4個のヌクレオチドを標的化リガンドに個別にコンジュゲートさせることができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドはセンス鎖の3’末端にステム-ループを含み、ステム-ループのLにはtriL又はtetraLが含まれ、triL又はtetraLの3個又は4個のヌクレオチドはそれぞれ標的化リガンドに個別にコンジュゲートされる。
【0174】
GalNAcは、主として肝細胞の類洞表面で発現するASGPRに対する高親和性リガンドであり、末端ガラクトース又はGalNAc残基を含む循環糖タンパク質(アシアロ糖タンパク質)の結合、内在化、及びその後の排出に主要な役割を有する。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドにGalNAc部分をコンジュゲート(間接的又は直接的に)させて、細胞で発現するASGPRにオリゴヌクレオチドを標的化するのに使用することができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは少なくとも1つ以上のGalNAc部分にコンジュゲートされており、GalNAc部分はオリゴヌクレオチドをヒト肝臓細胞(例えば、ヒト肝細胞)上に発現するASGPRに標的化する。
【0175】
オリゴヌクレオチドは、一価のGalNAcに直接的又は間接的にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、1つを超える一価GalNAcに直接的又は間接的にコンジュゲートされる(すなわち、2個、3個、又は4個の一価GalNAc部分にコンジュゲートされ、典型的には3個又は4個の一価GalNAc部分にコンジュゲートされる)。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、1つ以上の二価GalNAc、三価GalNAc、又は四価GalNAcの部分にコンジュゲートされる。
【0176】
いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドの1個以上(例えば、1個、2個、3個、4個、5個、又は6個)のヌクレオチドが、それぞれGalNAc部分にコンジュゲートされ得る。いくつかの実施形態では、Lの2~4個のヌクレオチドが、それぞれ別個のGalNAcにコンジュゲートされる。他の実施形態では、triLの1~3個のヌクレオチドがそれぞれ別個のGalNAcにコンジュゲートされる。いくつかの実施形態では、標的化リガンドは、センス鎖又はアンチセンス鎖のいずれかの末端の2~4個のヌクレオチドにコンジュゲートされる(例えば、リガンドはセンス鎖又はアンチセンス鎖の5’末端又は3’末端の2~4個のヌクレオチドの突出又は伸長部分にコンジュゲートされる)ため、GalNAc部分が歯ブラシの毛の部分に似ており、オリゴヌクレオチドが歯ブラシに似た格好となっている。いくつかの実施形態では、GalNAc部分は、センス鎖のヌクレオチドにコンジュゲートされる。例えば、4個のGalNAc部分はセンス鎖のL内のヌクレオチドにコンジュゲートされ、それぞれのGalNAc部分は1個のヌクレオチドにコンジュゲートされる。特定の実施形態では、3個のGalNAc部分はセンス鎖のL内のヌクレオチドにコンジュゲートされ、それぞれのGalNAc部分は1個のヌクレオチドにコンジュゲートされる。
【0177】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、以下に図示されるように、本明細書に記載の任意のリンカーを介してtriL又はtetraLの任意の1つ以上のヌクレオチドに結合させたGalNAcを含む(X=ヘテロ原子):
【化1】
【0178】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、下記に示されるような2’-アミノジエトキシメタノール-グアニン-GalNAc又は[ademG-GalNAc]と呼ばれる、グアニンヌクレオチドに結合された一価のGalNAcを含む:
【化2】
【0179】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、下記に示されるような2’-アミノジエトキシメタノール-アデニン-GalNAc又は[ademA-GalNAc]と呼ばれる、アデニンヌクレオチドに結合された一価のGalNAcを含む:
【化3】
【0180】
そのようなコンジュゲーションの例を、5’~3’方向にヌクレオチド配列GAAAを有するtetraLについて下記に示す(L=リンカー、X=ヘテロ原子)。ステム結合点が示されている。このようなtetraLは、例えば、表3及び4に列挙され、図1に示されているセンス鎖の位置27~30に存在する。化学式では、
【化4】
はオリゴヌクレオチド鎖への結合点を表すために使用される:
【化5】
【0181】
適切な方法又は化学的手法(例えば、クリックケミストリー)を用いて標的化リガンドをヌクレオチドに連結する。標的化リガンドをヌクレオチドにコンジュゲートする1つの方法は、クリックリンカーを使用することである。いくつかの実施形態では、アセタールベースのリンカーを用いて標的化リガンドを本明細書のオリゴヌクレオチドのいずれか1つのヌクレオチドにコンジュゲートする。アセタールベースのリンカーは、例えば、国際特許出願公開第WO2016/100401号に開示されている。いくつかの実施形態では、リンカーは、不安定なリンカーである。しかしながら、他の実施形態では、リンカーは安定している。GalNAc部分がアセタールリンカーを使用してteraLのヌクレオチドに結合されている、5’~3’方向にヌクレオチドGAAAを有するループの例を下記に示す。このようなループは、例えば、表3又は4に列挙されたセンス鎖のいずれか1つの位置27~30に存在する。化学式において、
【化6】
はオリゴヌクレオチド鎖への結合点である:
【化7-1】
【化7-2】
【0182】
いくつかの実施形態では、二重鎖伸長部分(例えば、3、4、5、又は6bpまでの長さ)が、標的化リガンド(例えば、GalNAc部分)とオリゴヌクレオチドとの間に配置される。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、それへとコンジュゲートされたGalNAcを有しない。
【0183】
製剤及び医薬組成物
本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、dsオリゴヌクレオチド)、又はその薬学的に許容される塩(例えば、トリフルオロ酢酸塩、酢酸塩、又は塩酸塩)は、製剤又は医薬組成物に組み込まれる。オリゴヌクレオチドの使用を促進するために、さまざまな製剤が開発されている。例えば、オリゴヌクレオチドは、分解を最小限に抑え、送達及び/又は取り込みを促進し、又は製剤中のオリゴヌクレオチドに別の有益な特性を与える製剤を使用して個体又は細胞環境に送達することができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、リン酸緩衝生理食塩水などの緩衝液、リポソーム、ミセル構造、及びカプシド中に製剤化される。
【0184】
インビボでの適合性及び有効性を向上させるために、オリゴヌクレオチドは、多数の無機酸及び有機の酸/塩基のいずれかと反応して、薬学的に許容される酸/塩基付加塩を形成することができる。薬学的に許容される塩及びそれらを調製するための一般的な方法は、当該技術分野で周知である(例えば、Stahl et al.,“Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection and Use,” 2nd Revised Edition(Wiley-VCH,2011)を参照されたい)。本明細書で使用する薬学的に許容される塩としては、ナトリウム、トリフルオロ酢酸塩、塩酸塩及び酢酸塩が挙げられる。
【0185】
カチオン性脂質を含む本明細書のオリゴヌクレオチドの製剤を使用して、細胞内へのオリゴヌクレオチドのトランスフェクションを促進する。例えば、リポフェクチン、カチオン性グリセロール誘導体、及びポリカチオン性分子(例えば、ポリリジン)などのカチオン性脂質を使用することができる。適切な脂質としては、オリゴフェクタミン(ThermoFisher Technologies)、リポフェクタミン(Life Technologies)、NC388(Ribozyme Pharmaceuticals, Inc.,Boulder,Colo.)、又はFuGene6(Roche)が挙げられ、これらはいずれも製造者の使用説明書に従って使用することができる。
【0186】
したがって、いくつかの実施形態では、本明細書の製剤は、リポソーム、脂質、複合脂質、マイクロスフェア、マイクロ粒子、ナノスフェア、又はナノ粒子(脂質ナノ粒子など)を含むか、又は投与を必要とする個体の細胞、組織、器官、もしくは身体に投与するための他の形で製剤化することができる(例えば、Remington,“The Science and Practice of Pharmacy”(L.V.Allen Jr.,ed.,22nd Edition,Pharmaceutical Press,2013を参照されたい)。
【0187】
いくつかの実施形態では、本明細書の製剤は、賦形剤をさらに含み、賦形剤は、活性成分の改善された安定性、改善された吸収性、改善された溶解性、及び/又は治療増強効果を組成物に付与することができる。いくつかの実施形態では、賦形剤は、緩衝剤(例えば、クエン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、トリス塩基、又は水酸化ナトリウム)、又はビヒクル(例えば、緩衝液、ペトロラタム、ジメチルスルホキシド、又は鉱油)である。いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、貯蔵寿命を延ばすために凍結乾燥された後、使用(例えば、個体への投与)前に溶液とされる。したがって、1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物中の賦形剤は、凍結乾燥保護剤(例えば、マンニトール、ラクトース、ポリエチレングリコール、もしくはポリビニルピロリドン)、又は崩壊温度調節剤(例えば、デキストラン、フィコール(商標)、もしくはゼラチン)である。
【0188】
医薬組成物は、その意図された投与経路に適合するように製剤化される。投与経路としては、非経口(例えば、静脈内、筋肉内、腹腔内、皮内、及び皮下)、経口(例えば、吸入)、経皮(例えば、局所)、経粘膜、ならびに直腸投与が挙げられるが、これらに限定されない。
【0189】
注射用途に適した医薬組成物には、滅菌水溶液(水溶性の場合)、又は分散液、及び滅菌注射溶液又は分散液の即時調製用の滅菌粉末が含まれる。静脈内投与の場合、適切な担体としては、生理食塩水、静菌水、Cremophor EL(商標)(BASF)又はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)が挙げられるが、これらに限定されない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、ならびにそれらの適当な混合物を含む溶媒又は分散媒であり得る。多くの場合、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールなどの多価アルコール、及び塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物に含むことが好ましい。滅菌されている注射用溶液は、必要な量の本明細書のオリゴヌクレオチドを選択された溶媒に、必要に応じて上記に列挙した成分のうちの1つ又は組み合わせと共に混合し、その後濾過滅菌することによって調製される。
【0190】
さらに、医薬組成物は、少なくとも約0.1%以上の治療剤(例えば、1つ以上の本明細書のオリゴヌクレオチド)を含むが、治療剤のパーセンテージは、組成物全体の重量又は体積の約1%~約80%以上であってもよい。溶解度、バイオアベイラビリティー、生物学的半減期、投与経路、製品の貯蔵寿命、及び他の薬理学的考慮事項などの因子は、そのような医薬製剤の調製の分野における当業者によって想到されるものであり、したがって、さまざまな投与量及び治療レジメンが望ましい場合がある。
【0191】
いくつかの例は、本明細書に記載のオリゴヌクレオチドの少なくとも1つを肝臓に標的とした送達を対象としているが、他の組織を標的とすることも企図されている。
【0192】
キット
本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチド)は、本明細書のオリゴヌクレオチドの1つ以上と使用説明書とを含むキットに組み込むことができる。いくつかの実施形態では、キットは、1つ以上のオリゴヌクレオチドと、キット及び/又はその任意の構成要素の使用説明書を含む添付文書とを含む。他の実施形態では、キットは、適切な容器、1つ以上のオリゴヌクレオチド、1つ以上の対照、及び当該技術分野で知られているさまざまな緩衝液、試薬、酵素、及びその他の標準成分を含む。
【0193】
いくつかの実施形態では、容器は、少なくとも1つのバイアル、ウェル、試験管、フラスコ、ボトル、注射器、又はその他の容器手段であり、その中に1つ以上のオリゴヌクレオチドが入れられ、いくつかの実施形態では、適切に分注される。追加の構構成要素が提供される他の実施形態では、キットは、この構成要素が配置される追加の容器を含む。キットには、1つ以上のオリゴヌクレオチドとその他の試薬を、商業的に販売できるように密閉された状態で収容する手段も含まれている。このような容器としては、所望のバイアルが保持される射出成形又はブロー成形のプラスチック容器が挙げられる。コンテナ及び/又はキットには、使用及び/又は警告のための使用説明書付きのラベルが含まれる。
【0194】
いくつかの実施形態では、キットは、本明細書の1つ以上のオリゴヌクレオチド及び薬学的に許容される担体、又は1つ以上のオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物と、それを必要とする個体におけるSCAP活性に関連する疾患、障害、又は状態を治療するか、又はその進行を遅らせるための使用説明書とを含む。
【0195】
方法
作製方法
本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチド)は、例えば従来の核酸固相合成法など、当業者に既知の方法及び/又は技術を使用して作製される。オリゴヌクレオチドのポリヌクレオチドは、標準的なヌクレオチド又はヌクレオシド前駆体(例えば、ホスホラミダイト)を使用して、適切な核酸合成装置で組み立てられる。DNA/RNA合成装置を含む自動核酸合成装置は、例えば、Applied Biosystems(Foster City,CA)、BioAutomation(Irving,TX)、及びGE Healthcare Life Sciences(Pittsburgh,PA)などから市販されている。
【0196】
当業者には理解されるように、オリゴヌクレオチドを合成する他の方法及び/又は技術を使用してもよい。さらに、さまざまな合成ステップが交互の順番又は順序で実行され、目的の化合物が得られる。オリゴヌクレオチドの合成に有用な他の合成化学変換、保護基(例えば、塩基に存在するヒドロキシル、アミノなど)、及び保護基方法論(保護及び脱保護)は、当該技術分野で公知であり、例えば、Larock,“Comprehensive Organic Transformations,” VCH Publishers(1989);Greene & Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,2nd Ed.,John Wiley & Sons(1991);Fieser & Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,John Wiley & Sons(1994);及びPaquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley & Sons(1995)に記載されている。
【0197】
使用方法
I. 細胞、組織、器官、及び生物におけるSCAP活性の低減方法:
本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチド)は、細胞、組織、器官、又は個体におけるSCAPのmRNA、SCAPタンパク質、及び/又はSCAP活性を低減するために使用される。本方法は、本明細書に記載されたステップを含み、これらは記載された順序で実行されてもよいが、必ずしもそうである必要はない。しかしながら、他の順序も考えられる。さらに、個別又は複数のステップを並行して、及び/又は時間が重なって、及び/又は個別に、又は複数回繰り返されるステップで実施できる。さらに、本方法は追加の未指定のステップを含む。
【0198】
本方法は、SCAP発現を低減するために、有効量の本明細書のオリゴヌクレオチドのいずれかを細胞、細胞の集団、組織、器官、又は個体に接触させること、又は送達することを含む。いくつかの実施形態では、SCAP活性の低減は、細胞におけるSCAPのmRNA、SCAPタンパク質、及び/又はSCAP活性の量又はレベルの低減を測定することによって判定される。
【0199】
適切な細胞型について、細胞型は、mRNAを発現するあらゆる細胞(例えば、肝細胞、マクロファージ、単球由来細胞、前立腺癌細胞、脳、内分泌組織、骨髄、リンパ節、肺、胆嚢、肝臓、十二指腸、小腸、膵臓、腎臓、胃腸管、膀胱、脂肪及び軟部組織、ならびに皮膚の細胞)である。いくつかの実施形態では、細胞は、個体から得られる初代細胞である。いくつかの実施形態では、初代細胞は、限られた数の継代を行っており、それにより、細胞は天然の表現型特性を実質的に維持している。いくつかの実施形態では、該細胞は、エクスビボ、インビボ、又はインビトロである(すなわち、本明細書の1つ以上のオリゴヌクレオチドは、培養中の細胞又は細胞が存在する生物に送達することができる)。
【0200】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドを含む溶液を注入すること、オリゴヌクレオチドでコーティングした粒子による衝突すること、オリゴヌクレオチドを含む溶液に細胞もしくは細胞の集団を曝露すること、又はオリゴヌクレオチドの存在下での細胞膜をエレクトロポレーションすることを含むが、これらに限定されない当該技術分野で公知の核酸送達方法を使用して細胞又は細胞の集団に送達される。例えば、脂質媒介担体輸送、化学媒介輸送、及びリン酸カルシウムなどのカチオン性リポソームトランスフェクションなどの、オリゴヌクレオチドを細胞に送達するための他の当該技術分野で知られている方法が使用される。
【0201】
SCAP活性の低減は、SCAP遺伝子発現に関連する細胞もしくは細胞の集団の1つ以上の分子、特性、もしくは特性を評価するアッセイもしくは技術によって(例えば、SCAP発現バイオマーカーを使用して)、又は細胞もしくは細胞の集団におけるSCAP活性を直接的に示す分子(例えば、SCAPのmRNA、SCAPタンパク質、及び/又はSCAP活性)を評価するアッセイもしくは技術によって判定される。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドがSCAP活性を低減する程度は、オリゴヌクレオチドと接触させた細胞又は細胞の集団におけるSCAP活性を対照の細胞又は細胞の集団(例えば、オリゴヌクレオチドと接触させていないか、又は対照オリゴヌクレオチドと接触させた細胞又は細胞の集団)と比較することによって評価される。いくつかの実施形態では、対照細胞又は細胞の集団におけるSCAP活性の対照の量又はレベルは、アッセイ又は技術が実施されるすべての場合において対照の量又はレベルを測定する必要がないように、予め決定される。所定のレベル又は値は、中央値や平均値などの単一のカットオフ値を含むがこれに限定されないさまざまな形式をとる。
【0202】
本明細書のオリゴヌクレオチドを細胞又は細胞の集団に接触又は送達すると、SCAP活性が低減する。いくつかの実施形態では、SCAP活性の低減は、オリゴヌクレオチドと接触させていない、又は対照オリゴヌクレオチドと接触させた細胞又は細胞の集団におけるSCAP活性の対照の量又はレベルと比較するものである。いくつかの実施形態では、SCAP活性の低減は、SCAP活性の対照の量又はレベルと比較して、約1%以下、約5%以下、約10%以下、約15%以下、約20%以下、約25%以下、約30%以下、約35%以下、約40%以下、約45%以下、約50%以下、約55%以下、約60%以下、約70%以下、約80%以下、又は約90%以下である。いくつかの実施形態では、SCAP活性の対照の量又はレベルは、本明細書のオリゴヌクレオチドと接触させていない細胞又は細胞の集団中のSCAPのmRNA、SCAPタンパク質、及び/又はSCAP活性の量又はレベルである。いくつかの実施形態では、本明細書の方法による細胞又は細胞の集団へのオリゴヌクレオチドの送達の効果は、任意の有限期間又は一定時間(例えば、分、時間、日、週、及び/又は月)後に評価される。例えば、SCAP活性は、細胞又は細胞の集団において、少なくとも約4時間、約8時間、約12時間、約18時間、又は約24時間にわたって決定される。代替的に、SCAP活性は、細胞又は細胞の集団にオリゴヌクレオチドを接触させるか又は送達した後、少なくとも約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約21日間、約28日間、約35日間、約42日間、約49日間、約56日間、約63日間、約70日間、約77日間、又は約84日間、又はそれ以上で、細胞又は細胞の集団において決定される。いくつかの実施形態では、SCAP活性は、細胞又は細胞の集団にオリゴヌクレオチドを接触させるか又は送達した後、少なくとも約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、又は約6ヶ月、又はそれ以上で細胞又は細胞の集団において決定される。
【0203】
いくつかの実施形態では、本明細書のオリゴヌクレオチドは、細胞内で1つ以上のオリゴヌクレオチド又は鎖(例えば、センス鎖及びアンチセンス鎖)を発現するように操作された導入遺伝子の形態で送達される。例えば、オリゴヌクレオチドは、本明細書の任意のオリゴヌクレオチドを発現するように設計された導入遺伝子を使用して送達される。導入遺伝子は、ウイルスベクター(例えば、アデノウイルス、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス、アデノ随伴ウイルス、もしくは単純ヘルペスウイルス)、又は非ウイルスベクター(例えば、プラスミドもしくは合成mRNA)を使用して送達され得る。いくつかの実施形態では、導入遺伝子を個体に直接注射する。
【0204】
II.治療方法
SCAP活性に関連する疾患、障害、又は症状を有する、有すると疑われる、又は発症するリスクがある個体を治療する方法は、本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチド)の少なくとも1つ以上を個体に投与することを含む。さらに、個体におけるSCAP活性に関連する疾患、障害、又は症状の発症又は進行を治療するか軽減する方法は、本明細書のオリゴヌクレオチドの1つ以上を使用することを含む。さらに、SCAP活性に関連する疾患、障害、又は状態を有する個体において1つ以上の治療効果を達成する方法は、本明細書のオリゴヌクレオチドの1つ以上を提供することを含む。いくつかの実施形態では、治療有効量の本明細書のオリゴヌクレオチドのいずれか1つ以上を投与することによって個体を治療することができる。いくつかの実施形態では、治療は、SCAP活性を低減することを含む。いくつかの実施形態では、個体は治療的に処置される。いくつかの実施形態では、個体は予防的に処置される。これらすべての実施形態では、目的のオリゴヌクレオチドは表3又は4から選択される。
【0205】
いくつかの実施形態では、1つ以上のオリゴヌクレオチド、又はそれを含む医薬組成物を、SCAP活性に関連する疾患、障害、又は状態を有する個体に投与し、個体におけるSCAP活性を低減し、それによって個体を治療する。いくつかの実施形態では、個体におけるSCAPのmRNAの量又はレベルが低減する。他の実施形態では、個体におけるSCAPタンパク質の量又はレベルが低減する。さらに他の実施形態では、個体におけるSCAP活性の量又はレベルが低減する。さらに他の実施形態では、個体、特に肝臓における肝臓のTG(例えば、肝臓中の1つ以上のTG(複数可)又は総TG)及び/又はコレステロールの量又はレベルが低減する。さらに他の実施形態では、肝臓の炎症の量又はレベルを軽減することができる。さらに他の実施形態では、肝線維症のレベルが低減される。さらに他の実施形態では、血漿アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、血漿アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、血漿サイトケラチン18(CK-18)、又は血漿N末端III型コラーゲンプロペプチド(Pro-C3)の量又はレベルが低減する。上記開示された実施形態のいずれにおいても、オリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドは、配列番号532、531、605、657、705、717、及び745のいずれか1つのヌクレオチド配列を有するセンス鎖と、配列番号524、532、606、658、706、718、及び746のいずれか1つのヌクレオチド配列を有するアンチセンス鎖とを含む。
【0206】
いくつかの実施形態では、個体におけるSCAP活性は、1つ以上のオリゴヌクレオチド又はその医薬組成物を投与する前のSCAP活性と比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は99%を超えて低減する。他の実施形態では、個体におけるSCAP活性は、1つ以上のオリゴヌクレオチドもしくは医薬組成物を受けていないか、又は対照のオリゴヌクレオチド、医薬組成物もしくは治療を受けた個体(例えば、参照又は対照の個体)におけるSCAP活性と比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は99%を超えて低減する。
【0207】
特定の実施形態では、個体におけるSCAPのmRNAの量又はレベルは、1つ以上のオリゴヌクレオチド又はその医薬組成物を投与する前のSCAPのmRNAの量又はレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は99%を超えて低減する。いくつかの実施形態では、個体におけるSCAPのmRNAの量又はレベルは、1つ以上のオリゴヌクレオチドもしくは医薬組成物を受けていないか、又は対照のオリゴヌクレオチド、医薬組成物、もしくは治療を受けた個体(例えば、参照又は対照の個体)におけるSCAPのmRNAの量又はレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は99%を超えて低減する。
【0208】
特定の実施形態では、個体におけるSCAPタンパク質の量又はレベルは、1つ以上のオリゴヌクレオチド又はその医薬組成物を投与する前のSCAPタンパク質の量又はレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は99%を超えて低減する。他の実施形態では、個体におけるSCAPタンパク質の量又はレベルは、1つ以上のオリゴヌクレオチドもしくは医薬組成物を受けていないか、又は対照のオリゴヌクレオチド、医薬組成物、もしくは治療を受けた個体(例えば、参照又は対照の個体)におけるSCAPタンパク質の量又はレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は99%を超えて低減する。
【0209】
特定の実施形態では、個体におけるSCAP活性の量又はレベルは、1つ以上のオリゴヌクレオチド又はその医薬組成物を投与する前のSCAP活性の量又はレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は99%を超えて低減する。いくつかの実施形態では、個体におけるSCAP活性の量又はレベルは、1つ以上のオリゴヌクレオチドもしくは医薬組成物を受けていないか、又は対照のオリゴヌクレオチド、医薬組成物、もしくは治療を受けた個体(例えば、参照又は対照の個体)におけるSCAP活性の量又はレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は99%を超えて低減する。
【0210】
特定の実施形態では、個体におけるTG、特に肝臓のTGの量又はレベルは、1つ以上のオリゴヌクレオチド又はその医薬組成物を投与する前のTGの量又はレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は99%を超えて低減し得る。いくつかの実施形態では、個体におけるTGの量又はレベルは、1つ以上のオリゴヌクレオチドもしくは医薬組成物を受けていないか、又は対照のオリゴヌクレオチド、医薬組成物、もしくは治療を受けた個体(例えば、参照又は対照の個体)におけるTGの量又はレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は99%を超えて低減する。
【0211】
特定の実施形態では、個体におけるコレステロール、特に肝臓のコレステロールの量又はレベルは、1つ以上のオリゴヌクレオチド又はその医薬組成物を投与する前のコレステロールの量又はレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は99%を超えて低減し得る。いくつかの実施形態では、個体におけるコレステロールの量又はレベルは、1つ以上のオリゴヌクレオチドもしくは医薬組成物を受けていないか、又は対照のオリゴヌクレオチド、医薬組成物、もしくは治療を受けた個体(例えば、参照又は対照の個体)におけるコレステロールの量又はレベルと比較した場合、少なくとも約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、又は99%を超えて低減する。
【0212】
ここで、SCAP活性、SCAPのmRNA、SCAPタンパク質、SCAP活性、肝臓のTG、肝臓のコレステロール、又はそれらの任意の組み合わせの量又はレベルが、個体から取得又は分離された、細胞(例えば、肝細胞)、細胞の集団又は群(例えば、オルガノイド)、組織(例えば、肝臓組織)、試料(例えば、肝生検試料)、器官(例えば、肝臓)、血液又はその画分(例えば、血漿)、又は任意のその他の生物学的材料において低減する。いくつかの実施形態では、SCAP活性、SCAPのmRNA、SCAPタンパク質、SCAP活性、TG、コレステロール、又はそれらの任意の組み合わせの量又はレベルが、個体から採取又は単離された、1種以上の細胞(例えば、肝細胞及び1種以上の他の種類の細胞)、1種以上の細胞の群、1種以上の組織(例えば、肝臓組織及び1種以上の他の種類の組織)、1種以上の試料(例えば、肝生検試料及び1種以上の他の種類の生検試料)、1種以上の器官(例えば、肝臓及び1種以上の他の器官)、1種以上の血液画分(例えば、血漿及び1種以上の他の血液画分)において低減する。
【0213】
SCAPに関連する疾患、障害、又は状態の例としては、AH、ALD、CCA、肝硬変、肝線維症、肝炎、HCC、脂肪肝、NAFLD、NASH、及びPSC、ならびに例えば、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、ASCVD、糖尿病、及び/又は肥満、又はそれらの組み合わせなどの個体における関連する疾患、障害、及び状態が挙げられるが、これらに限定されない。
【0214】
本明細書のオリゴヌクレオチドの高い特異性のために、本明細書のオリゴヌクレオチドは、細胞、組織、又は器官(例えば、肝臓)の標的遺伝子のmRNAを特異的に標的とする。疾患の予防において、標的遺伝子は、疾患の開始又は維持に必要とされるもの、又は疾患に罹患するリスクが高いことに関連すると同定されたものである。疾患の治療においては、1つ以上の本明細書のオリゴヌクレオチドが、疾患を呈しているか、疾患の媒介に関与している細胞、組織、又は器官と接触させられる。例えば、SCAP活性に関連する疾患、障害、又は状態に関連する野生型(すなわち、天然型)又は変異型遺伝子の全部又は一部と実質的に相補的なオリゴヌクレオチドを、肝細胞やその他の肝臓細胞などの目的の細胞又は組織型と接触させるか、又はそれらに導入する。
【0215】
いくつかの実施形態では、標的遺伝子は、ヒトなどの任意の哺乳動物由来である。本明細書の方法に従って、任意の遺伝子をサイレンシングすることができる。本明細書の方法は、典型的には、治療有効量、すなわち、望ましい治療結果を生じることができる量の1つ以上の本明細書のオリゴヌクレオチドを個体に投与することを含む。治療上許容される量とは、疾患又は障害又は症状を治療的に処置する量である。任意の1人の個体に対する適切な投与量は、個体のサイズ、体表面積、年齢、投与される組成物、組成物中の活性成分(複数可)、投与の時間及び経路、全体的な健康状態、及び同時に投与されている他の治療剤を含む特定の因子に応じて決められる。
【0216】
本方法では、個体は、本明細書中のオリゴヌクレオチド又は組成物のいずれか1つを、経腸的に(例えば、経口、胃栄養チューブによって、十二指腸栄養チューブによって、胃瘻造設を介して、もしくは直腸に)、非経口的に(例えば、皮下注射、静脈内注射もしくは注入、動脈内注射もしくは注入、骨内注射、筋肉内注射、脳内注射、脳室内注射、もしくは髄腔内注射)、局所(例えば、経皮、吸入、点眼薬、もしくは粘膜を介して)、又は標的器官(例えば、個体の肝臓)への直接注射によって投与される。典型的には、オリゴヌクレオチド又は組成物は、静脈内又は皮下に投与される。
【0217】
非限定的の一組の例として、本明細書のオリゴヌクレオチド又は組成物は、典型的には、四半期ごと(3か月ごとに1回)、隔月ごと(2か月ごとに1回)、毎月又は毎週投与される。例えば、オリゴヌクレオチド又は組成物は、毎週、又は2週間もしくは3週間の間隔で投与される。特定の実施形態では、オリゴヌクレオチド又は組成物は毎日投与される。いくつかの実施形態では、個体にオリゴヌクレオチド又は組成物の1回以上の負荷用量が投与され、その後オリゴヌクレオチド又は組成物の1回以上の維持用量が投与される。
【0218】
いくつかの実施形態では、個体は、ヒト、NHP、又は他の哺乳動物である。他の実施形態では、個体は、イヌ又はネコなどの飼育動物、ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、又はニワトリなどの家畜、及びマウス、ラット、モルモット、又はハムスターなどの動物である。
【0219】
III.医療用途:本明細書のオリゴヌクレオチド(例えば、RNAiオリゴヌクレオチドなどのdsオリゴヌクレオチド)は、SCAP活性を低減することで利益を得られる個体(例えば、SCAP活性に関連する疾患、障害、又は状態を有するヒト)を治療するために使用でき、またそのような使用に適応させることができる。いくつかの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、SCAP活性に関連する疾患、障害、又は状態を有する個体を治療に使用するために、又はそのような使用に適応するために提供される。また、オリゴヌクレオチドは、SCAP活性に関連する疾患、障害、又は状態を治療するための医薬又は医薬組成物の製造に使用するために、又はそのような使用に適応可能に提供される。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、SCAPのmRNAを標的とし、SCAP活性を低減する(例えば、RNAi経路を介して)ために提供されるか、又はそのような使用に適応可能である。他の実施形態では、オリゴヌクレオチドは、SCAPのmRNAを標的とし、SCAPのmRNA、SCAPタンパク質、及び/又はSCAP活性の量又はレベルを低減する(すなわち、SCAP活性を低減する)ために用いられるか、又は用いられるように適応可能である。
【0220】
いくつかの実施形態では、本方法は、SCAPのmRNA、SCAPタンパク質、SCAP活性、又はそれらの組み合わせなどであるが、これらに限定されない、SCAP活性に関連する疾患、障害、又は状態のマーカー(例えば、バイオマーカー)を有する個体、又はそれらの素因を持つ個体に基づいて、治療のために個体を選択することを含む。同様に、以下に詳述するように、本方法は、例えば、SCAP活性のマーカー(例えば、SCAPタンパク質又は他のバイオマーカー)のベースライン値を測定又は取得し、次いで、得られた値を1つ以上の他のベースライン値又は個体に1つ以上のオリゴヌクレオチドを投与した後に得られた値と比較して、治療の有効性を評価するなどの追加のステップも含む。
【実施例
【0221】
以下の非限定的な実施例は例示を目的として含まれており、限定するものではない。
【0222】
オリゴヌクレオチドの合成
実施例1:ds RNAiオリゴヌクレオチドの調製
オリゴヌクレオチドの合成及び精製:実施例のds RNAiオリゴヌクレオチドは、本明細書の方法を使用して化学的に合成される。一般に、dsRNAiオリゴヌクレオチドは、19~23merのsiRNAについて記載された固相オリゴヌクレオチド合成法を用いて合成される(例えば、Scaringe et al.(1990)Nucleic Acids Res.18:5433-41及びUsman et al.(1987)J.Am.Chem.Soc.109:7845-45を参照されたい;米国特許第5,804,683号;同第5,831,071号;同第5,998,203号;同第6,008,400号;同第6,111,086号;同第6,117,657号;同第6,353,098号;同第6,362,323号;同第6,437,117号;及び同第6,469,158号も参照されたい)。
【0223】
標準方法(Integrated DNA Technologies)に従って、個々のRNA鎖を合成してHPLC精製した。例えば、固相ホスホラミダイト化学反応を使用してRNAオリゴヌクレオチドを合成し、脱保護し、標準技法(Damha & Olgivie(1993)Methods Mol.Biol.20:81-114;Wincott et al.(1995)Nucleic Acids Res.23:2677-84)を使用してNAP-5カラム(Amersham Pharmacia Biotech;Piscataway,NJ)上で脱塩した。15分間の段階的線形勾配を使用したAmersham Source 15Qカラム(1.0cm×25cm、Amersham Pharmacia Biotech)上でイオン交換高速液体クロマトグラフィ(IE-HPLC)を使用して、オリゴマーを精製した。勾配は、90:10緩衝液A:Bから52:48緩衝液A:Bへと変動し、緩衝液Aは、pH8.5の100mMのTrisであり、緩衝液Bは、pH8.5の100mMのTris、1MのNaClである。試料を260nmでモニターし、全長オリゴヌクレオチド種に対応するピークを収集し、プールし、NAP-5カラム上で脱塩し、凍結乾燥した。
【0224】
Beckman PACE 5000(Beckman Coulter,Inc.)上のキャピラリ電気泳動(CE)によって、それぞれのオリゴマーの純度を判定した。CEキャピラリは、100μm内径を有し、ssDNA 100R Gel(Beckman-Coulter)を含む。典型的には、約0.6nmoleのオリゴヌクレオチドが、キャピラリに注入され、444V/cmの電場で流され、260nmにおけるUV吸光度によって検出された。変性Tris-ホウ酸塩-7M-尿素ランニング緩衝液をBeckman-Coulterから購入した。以下で説明される実験で使用するためにCEによって評価されるときに少なくとも90%純粋であるオリゴリボヌクレオチドが得られた。製造者の推奨プロトコールに従って、Voyager DE(商標)Biospectometry Workstation(Applied Biosystems)上でのマトリクス支援レーザ脱離イオン化飛行時間型(MALDI-TOF)質量分析法によって、化合物の同一性が検証された。しばしば想定される分子量の0.2%以内で、すべてのオリゴマーの相対分子量が得られた。
【0225】
二重鎖の調製:100mMの酢酸カリウム、30mMのHEPES(pH7.5)を有する二重鎖緩衝液中で(例えば、100μM濃度で)、ssRNAオリゴマーを再懸濁させた。相補的なセンス鎖とアンチセンス鎖を等モル量で混合して、例えば、50μMの二重鎖の最終溶液を得る。試料をRNA緩衝液(IDT)中で5分間100℃まで加熱し、使用前に室温まで冷却する。dsRNAオリゴヌクレオチドは-20℃で保存される。ssRNAオリゴマーは、凍結乾燥で、又はヌクレアーゼを含まない水中で、-80℃で保存される。
【0226】
インビトロ機能
実施例2:インビトロでのRNAiオリゴヌクレオチドによるSCAP発現の調整-DsiRNAベースの化合物
SCAP標的配列の同定:SCAP発現のRNAiオリゴヌクレオチド阻害剤を同定するために、コンピュータベースのアルゴリズムを使用して、RNAi経路によるSCAP発現阻害をアッセイするのに適したSCAP標的配列を計算的に生成する。このアルゴリズムは、ヒトSCAPのmRNAの適切なSCAP標的配列(例えば、配列番号1)に相補的なRNAiオリゴヌクレオチドアンチセンス鎖配列を提供する。アルゴリズムによって同定されたアンチセンス鎖配列のいくつかは、マウス及びNHPのSCAPのmRNA(例えば、それぞれ、配列番号3及び7)の対応するSCAP標的配列と相補的でもある。これにより、192個のdsRNAiオリゴヌクレオチド(DsiRNAオリゴヌクレオチドとしてフォーマット)が生成され、それぞれがアルゴリズムによって同定されたSCAP標的配列に相補性の領域を持つ固有のアンチセンス鎖を有する。
【0227】
インビトロ細胞ベースのアッセイ:192個のDsiRNAのそれぞれがSCAP発現を阻害する能力は、インビトロ細胞ベースのアッセイによって判定される。さらに、本明細書で示されているように、DsiRNAのセンス鎖及びアンチセンス鎖のヌクレオチド配列は、修飾ヌクレオチド及びホスホロチオエート結合の明確なパターンを有する。簡潔に述べると、SCAPを安定的に発現するHuh7細胞に、マルチウェル細胞培養プレートの別々のウェルでそれぞれのDsiRNA(1.0nM)をトランスフェクトする。細胞はトランスフェクション後24時間維持され、次いで、TAQMAN(登録商標)ベースのqPCRアッセイを使用して、トランスフェクトされた細胞から残留するSCAPのmRNAのレベルが決定される。HEXプローブ(例えば、Hs HPRT-517-591及びHs SFRS9-569-712)によって測定されるmRNAレベルを決定するために、3’アッセイと5’アッセイの2つのqPCRアッセイが使用される。
【0228】
192個のDsiRNAを用いるHuh7細胞ベースのアッセイの結果を表1に示す。ここで、192個のDsiRNAは、ヒト、マウス、及びNHPのSCAPのmRNAに相補的である(「三重共通」)か、又はヒト及びNHPのSCAPのmRNAに相補的である(「二重共通」)アンチセンス鎖を有する。陰性対照と比較して細胞内に残るSCAPのmRNAが30%以下となるDsiRNAのトランスフェクションは、候補となるSCAP発現阻害剤(本明細書では「ヒット」と呼ぶ)とみなされる。
【0229】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【0230】
さらに、3Dスフェロイドなどの初代ヒト肝細胞に、マルチウェル細胞培養プレートの別個のウェル内でそれぞれのDsiRNA(100nM)をトランスフェクトする。細胞はトランスフェクション後7日間維持され、次いで、TAQMAN(登録商標)ベースのqPCRアッセイを使用して、トランスフェクトされた細胞から残留するSCAPのmRNAのレベルが決定される。HEXプローブ(例えば、Hs HPRT-517-591及びHs SFRS9-569-712)によって測定されるmRNAレベルを決定するために、3’アッセイと5’アッセイの2つのqPCRアッセイが使用される。
【0231】
DsiRNAを用いるヒト肝細胞3Dスフェロイドベースのアッセイの結果を表2に示す。上述のように、陰性対照と比較して細胞内に残るSCAPのmRNAが30%以下となるDsiRNAのトランスフェクションは、候補となるSCAP発現阻害剤(本明細書では「ヒット」と呼ぶ)とみなされる。
【0232】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【0233】
これらの結果は、ヒトSCAPのmRNAを標的とするように設計されたDsiRNAが細胞内のSCAP活性を阻害できること(DsiRNAをトランスフェクトした細胞内のSCAPのmRNAの量が低減したことで判断)、及びDsiRNAヒットを含むヌクレオチド配列がSCAP活性を阻害するRNAiオリゴヌクレオチドの生成に有用であることを示している。さらに、これらの結果は、複数のSCAPの標的配列が、SCAP活性のRNAiを介した阻害に適していることを示している。
【0234】
実施例3:インビトロでのRNAiオリゴヌクレオチドによるSCAP発現の阻害-GalXC(商標)ベースの化合物
【0235】
実施例2でスクリーニングされたDsiRNAは、GalXC(商標)ベースの化合物としてインビトロでの評価のために選択される。簡潔に述べると、DsiRNAのヌクレオチド配列を使用して、36merのセンス鎖と22merのアンチセンス鎖を有する、ニックの入ったテトラループGalNAcコンジュゲート構造(本明細書では「GalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチド」と呼ぶ)を含む53個の対応するds RNAiオリゴヌクレオチドを生成する。さらに、GalXC(商標)SCAPオリゴヌクレオチドのセンス鎖及びアンチセンス鎖のヌクレオチド配列は、修飾ヌクレオチド及びホスホロチオエート結合の明確なパターンを有する(GalXC(商標)SCAPオリゴヌクレオチドの一般的な構造及び化学修飾パターンの概略図については、例えば、図1を参照されたい)。テトラループの3つのアデノシンヌクレオチドはそれぞれGalNAc部分(CAS番号:14131-60-3)にコンジュゲートされている。
【0236】
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【表3-5】
【表3-6】
【表3-7】
【表3-8】
【表3-9】
【表3-10】
【表3-11】
【表3-12】
【表3-13】
【0237】
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【表4-5】
【表4-6】
【表4-7】
【表4-8】
【表4-9】
【表4-10】
【表4-11】
【表4-12】
【表4-13】
【表4-14】
【表4-15】
【表4-16】
【表4-17】
【表4-18】
【表4-19】
【表4-20】
【表4-21】
【表4-22】
【表4-23】
【表4-24】
【表4-25】
【表4-26】
【表4-27】
【表4-28】
【表4-29】
【表4-30】
【表4-31】
【表4-32】
【表4-33】
【表4-34】
【表4-35】
【表4-36】
【表4-37】
【表4-38】
【表4-39】
【表4-40】
【表4-41】
【0238】
実施例2に記載されるヒト幹細胞3Dスフェロイド-ベースのアッセイは、表4のGalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチドを用いて繰り返し、その結果を表5に示す。
【0239】
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【表5-4】
【表5-5】
【0240】
インビボ機能
実施例4:インビボでのRNAiオリゴヌクレオチドによるSCAP発現の調節-GalXC(商標)ベースの化合物
マウス研究:マウス研究:表3(未修飾)及び表4(修飾された)に列挙されているGalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチドを、ハイドロダイナミックインジェクション(HDI)マウスモデルで評価する。これらのHDI研究では、マウスは肝細胞でヒトSCAPのmRNAを一過性に発現するように設計される。GalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチド対照(GalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチド番号42;配列番号475及び476を参照されたい)をベンチマーク対照として使用した。簡潔に述べると、6~8週齢のメスのCD-1マウスを、2mg/kgの用量でGalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチドでSQにより処置する。3日(72時間)後、ユビキタスサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター配列の制御下で全長ヒト遺伝子をコードするDNAプラスミドをマウスにHDIする。プラスミド導入の1日後に肝臓試料を採取する。これらのマウスに由来する全RNAを、同量のPBSのみで処理したマウスと比較して、SCAPのmRNAのqRT-PCR分析にかける。値は、プラスミドに含まれるNeoR遺伝子を使用して、トランスフェクション効率について正規化される。
【0241】
表6~8に示すように、試験したGalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチドの多くは、PBSで処置したマウスと比較してオリゴヌクレオチドで処置したマウスの肝臓試料中のSCAPのmRNAの量が減少したことから判断されるように、SCAP活性を阻害した。GalXC (商標)-SCAPオリゴヌクレオチド対照で処置したマウスの肝臓試料中のSCAOのmRNAの残存の平均%を、PBSで処置したマウスと比較する。表6~8は、試験したGalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチドの多くは、GalXC (商標)-SCAPオリゴヌクレオチド対照よりも大きな度合いでSCAP活性を阻害することを示す。
【0242】
【表6】
【0243】
【表7】
【0244】
【表8】
【0245】
以下の表は、インビボHDIの結果が、実施例3のHuh7細胞及び3Dヒトスフェロイドのインビトロデータと一致することを示す。
【0246】
上述の結果に基づいて、7個のGalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチドをHDIマウスモデルにおける用量応答研究のために選択し、その結果を表9に示す。
【0247】
【表9】
【0248】
GalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチドは、ヒトSCAPのmRNA発現の用量依存的低減を示す。GalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチドは、外来的に発現するヒトSCAPのmRNAに対して、0.4~0.8mg/kgのED50を有する。
【0249】
霊長類(NHP)研究:上述のマウスの結果に基づいて、NHP(例えば、アカゲザル;Macaca mulatta)における単回投与(2又は6mg/kg)、84日間の研究でのSCAP活性を阻害するそれらの能力の評価のために6個のGalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチドを選択した。ここでは、NHPは、平均体重(約5.4kg)が対照群と実験群間で同等になるようにグループ分けする。それぞれのコホートには6頭の個体(オス3頭、メス3頭)が含まれる。GalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチドは、研究0日目にSQ投与される。血液試料は、投与前の2つの時点(すなわち、-21日目と0日目)、次いで投与後毎週採取され、肝酵素パネルと脂質プロファイルの検査が行われる。超音波ガイド下コア針肝生検は、研究日-21、28、56、83日に採取される。それぞれの時点で、肝生検試料に由来する全RNAを個別にqRT-PCR分析し、同等量のPBSで処理したサルと比較して、オリゴヌクレオチドで処理したサルのSCAPのmRNAを測定した。データを正規化するために、2つの参照遺伝子、PPIB及び18S rRNAの幾何平均に対して測定を行う。表10に示すように、NHPをGalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチドで処理すると、肝臓でのSCAP活性が阻害される。これは、PBSで処置したNHPと比較して、オリゴヌクレオチドで処置したNHPの肝臓試料中のSCAPのmRNAの量が減少したことで判定される。評価されたすべての時点で、GalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチドは、ベンチマークPBS及び時間を一致させた対照よりも大幅にSCAP活性を阻害する。
【0250】
【表10】
【0251】
【表11】
【0252】
【表12】
【0253】
SCAPのmRNAの約70%の低減は、GalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチド番号70及び163の単回の6mg/kgの投与後に達成され、SCAPのmRNAの約60%の低減は、GalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチド番号107、157、及び177の単回の6mg/kgの投与後に達成され、SCAPのmRNAの約50%の低減は、GalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチド番号66の単回の6mg/kgの投与後に達成される。さらに、用量応答は、GalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチド番号107の2mg/kg及び6mg/kgの投与後に観察され、ここで、ED50は、約2mg/kgである。同様に、肝臓のSCAPのmRNA発現の持続的減低減は、GalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチドの単回6.0mg/kg投与の56日後に観察される。SCAPのmRNAの約50%の低減は、GalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチド番号70及び163の単回投与の84日後に観察される。
【0254】
まとめると、これらの結果は、ヒト及びNHPのSCAPのmRNAを標的とするように設計されたGalXC(商標)-SCAPオリゴヌクレオチドが、(処置された動物におけるSCAPのmRNAの量の低減によって決定されるとき)インビボでSCAP活性を阻害することを示している。
【0255】
配列
次の核酸及び/又はアミノ酸の配列は、本開示で言及されており、参照のために以下に提供される。
【0256】
配列番号1-野生型ヒトSCAP(4254bp;NCBI参照配列番号NM_012235.4)
gggcacccggcggccaggagagagagggagggcgccacgcaccggactgcgggccgagagcgcgcacgccgcgctccgcccctgctgccgcccccgtcgccgccgccgccgccgccgcagcttgggaggtgctgccaccacaggtacctgcacatgttgttctttgtcagtgctgtcaagtgtgtgccagggtgatccatggtcactttccgggatggcagcaaggtgacttcggctgaggatgaccctgactgaaaggctgcgtgagaagatatctcgggccttctacaaccatgggctcctctgtgcatcctatcccatccccatcatcctcttcacagggttctgcatcttagcctgctgctacccactgctgaaactccccttgccaggaacaggacctgtggaattcaccacccctgtgaaggattactcgcccccacctgtggactctgaccgcaaacaaggagagcctactgagcagcctgagtggtatgtgggtgccccggtggcttatgtccagcagatatttgtgaagtcctcagtgtttccctggcacaagaacctcctggcagtagatgtatttcgttcacctttgtcccgggcattccaactggtggaggagatccggaaccacgtgctgagagacagctctgggatcaggagcttggaggagttgtgtctgcaagtgaccgacctgctgccaggccttaggaagctcaggaacctactccctgagcatggatgcctgctgctgtcccctgggaacttctggcagaatgactgggaacgcttccatgctgatcctgacatcattgggaccatccaccagcacgagcctaaaaccctgcagacttcagccacactcaaagacttgttatttggtgttcctgggaagtacagcggggtgagcctctacaccaggaagaggatggtctcctacaccatcaccctggtcttccagcactaccatgccaagttcctgggcagcctgcgtgcccgcctgatgcttctgcaccccagccccaactgcagccttcgggcggagagcctggtccacgtgcacttcaaggaggagattggtgtcgctgagctcatcccccttgtgaccacctacatcatcttgtttgcctacatctacttctccacgcggaagatcgacatggtcaagtccaagtgggggctggccctggctgccgtggtcacagtgctcagctcgctgctcatgtctgtgggactctgcacactcttcggcctgacgcccaccctcaatggcggcgagattttcccctaccttgtggtggttattgggttagagaatgtgttggtgctcaccaagtctgtggtctcaaccccggtagacctggaggtgaagctgcggatcgcccaaggcctaagcagcgagagctggtccatcatgaagaacatggccacggagctgggcatcatcctcatcggctacttcaccctagtgcccgccatccaggagttctgtctctttgctgtcgtggggctggtgtctgacttcttccttcagatgctgtttttcaccactgtcctgtccattgacattcgccggatggagctagcagacctgaacaagcgactgccccctgaggcctgcctgccctcagccaagccagtgggacagccaacgcgctacgagcggcagctggctgtgaggccgtccacaccccacaccatcacgttgcagccgtcttccttccgaaacctgcggctccccaagaggctgcgtgttgtctacttcctggcccgcacccgcctggcacagcgcctcatcatggctggcaccgttgtctggattggcatcctggtatacacagacccagcagggctgcgcaactacctcgctgcccaggtgacggaacagagcccattgggtgagggagccctggctcccatgcccgtgcctagtggcatgctgccccccagccacccggaccctgccttctccatcttcccacctgatgcccctaagctacctgagaaccagacgtcgccaggcgagtcacctgagcgtggaggtccagcagaggttgtccatgacagcccagtcccagaggtaacctgggggcctgaggatgaggaactttggaggaaattgtccttccgccactggccgacgctcttcagctattacaacatcacactggccaagaggtacatcagcctgctgcccgtcatcccagtcacgctccgcctgaacccgagggaggctctggagggccggcaccctcaggacggccgcagtgcctggcccccaccggggcccatacctgctgggcactgggaagcaggacccaagggcccaggtggggtgcaggcccatggagacgtcacgctgtacaaggtggcggcgctgggcctggccaccggcatcgtcttggtgctgctgctgctctgcctctaccgcgtgctatgcccgcgcaactacgggcagctgggtggtgggcccgggcggcggaggcgcggggagctgccctgcgacgactacggctatgcgccacccgagacggagatcgtgccgcttgtgctgcgcggccacctcatggacatcgagtgcctggccagcgacggcatgctgctggtgagctgctgcctggcaggccacgtctgcgtgtgggacgcgcagaccggggattgcctaacgcgcattccgcgcccaggcaggcagcgccgggacagtggcgtgggcagcgggcttgaggctcaggagagctgggaacgactttcagatggtgggaaggctggtccagaggagcctggggacagccctcccctgagacaccgcccccggggccctccgccgccttccctcttcggggaccagcctgacctcacctgcttaattgacaccaacttttcagcgcagcctcggtcctcacagcccactcagcccgagccccggcaccgggcggtctgtggccgctctcgggactccccaggctatgacttcagctgcctggtgcagcgggtgtaccaggaggaggggctggcggccgtctgcacaccagccctgcgcccaccctcgcctgggccggtgctgtcccaggcccctgaggacgagggtggctcccccgagaaaggctccccttccctcgcctgggcccccagtgccgagggttccatctggagcttggagctgcagggcaacctcatcgtggtggggcggagcagcggccggctggaggtgtgggacgccattgaaggggtgctgtgctgcagcagcgaggaggtctcctcaggcattaccgctctggtgttcttggacaaaaggattgtggctgcacggctcaacggttcccttgatttcttctccttggagacccacactgccctcagccccctgcagtttagagggaccccagggcggggcagttcccctgcctctccagtgtacagcagcagcgacacagtggcctgtcacctgacccacacagtgccctgtgcacaccaaaaacccatcacagccctgaaagccgctgctgggcgcttggtgactgggagccaagaccacacactgagagtgttccgtctggaggactcgtgctgcctcttcacccttcagggccactcaggggccatcacgaccgtgtacattgaccagaccatggtgctggccagtggaggacaagatggggccatctgcctgtgggatgtactgactggcagccgggtcagccatgtgtttgctcaccgtggggatgtcacctcccttacctgtaccacctcctgtgtcatcagcagtggcctggatgacctcatcagcatctgggaccgcagcacaggcatcaagttctactccattcagcaggacctgggctgtggtgcaagcttgggtgtcatctcagacaacctgctggtgactggcggccagggctgtgtctccttttgggacctaaactacggggacctgttacagacagtctacctggggaagaacagtgaggcccagcctgcccgccagatcctggtgctggacaacgctgccattgtctgcaactttggcagtgagctcagcctggtgtatgtgccctctgtgctggagaagctggactgagcgcagggcctccttgcccaggcaggaggctggggtgctgtgtgggggccaatgcactgaacctggacttgggggaaagagccgagtatcttccagccgctgcctcctgactgtaataatattaaacttttttaaaaaaccatatcatcatctgtcaggcactttgggagcta
【0257】
配列番号2-野生型ヒトSCAP(1279aa;NCBI参照配列番号NP_036367.2)
MTLTERLREKISRAFYNHGLLCASYPIPIILFTGFCILACCYPLLKLPLPGTGPVEFTTPVKDYSPPPVDSDRKQGEPTEQPEWYVGAPVAYVQQIFVKSSVFPWHKNLLAVDVFRSPLSRAFQLVEEIRNHVLRDSSGIRSLEELCLQVTDLLPGLRKLRNLLPEHGCLLLSPGNFWQNDWERFHADPDIIGTIHQHEPKTLQTSATLKDLLFGVPGKYSGVSLYTRKRMVSYTITLVFQHYHAKFLGSLRARLMLLHPSPNCSLRAESLVHVHFKEEIGVAELIPLVTTYIILFAYIYFSTRKIDMVKSKWGLALAAVVTVLSSLLMSVGLCTLFGLTPTLNGGEIFPYLVVVIGLENVLVLTKSVVSTPVDLEVKLRIAQGLSSESWSIMKNMATELGIILIGYFTLVPAIQEFCLFAVVGLVSDFFLQMLFFTTVLSIDIRRMELADLNKRLPPEACLPSAKPVGQPTRYERQLAVRPSTPHTITLQPSSFRNLRLPKRLRVVYFLARTRLAQRLIMAGTVVWIGILVYTDPAGLRNYLAAQVTEQSPLGEGALAPMPVPSGMLPPSHPDPAFSIFPPDAPKLPENQTSPGESPERGGPAEVVHDSPVPEVTWGPEDEELWRKLSFRHWPTLFSYYNITLAKRYISLLPVIPVTLRLNPREALEGRHPQDGRSAWPPPGPIPAGHWEAGPKGPGGVQAHGDVTLYKVAALGLATGIVLVLLLLCLYRVLCPRNYGQLGGGPGRRRRGELPCDDYGYAPPETEIVPLVLRGHLMDIECLASDGMLLVSCCLAGHVCVWDAQTGDCLTRIPRPGRQRRDSGVGSGLEAQESWERLSDGGKAGPEEPGDSPPLRHRPRGPPPPSLFGDQPDLTCLIDTNFSAQPRSSQPTQPEPRHRAVCGRSRDSPGYDFSCLVQRVYQEEGLAAVCTPALRPPSPGPVLSQAPEDEGGSPEKGSPSLAWAPSAEGSIWSLELQGNLIVVGRSSGRLEVWDAIEGVLCCSSEEVSSGITALVFLDKRIVAARLNGSLDFFSLETHTALSPLQFRGTPGRGSSPASPVYSSSDTVACHLTHTVPCAHQKPITALKAAAGRLVTGSQDHTLRVFRLEDSCCLFTLQGHSGAITTVYIDQTMVLASGGQDGAICLWDVLTGSRVSHVFAHRGDVTSLTCTTSCVISSGLDDLISIWDRSTGIKFYSIQQDLGCGASLGVISDNLLVTGGQGCVSFWDLNYGDLLQTVYLGKNSEAQPARQILVLDNAAIVCNFGSELSLVYVPSVLEKLD
【0258】
配列番号3-野生型マウスSCAP(4226bp;NCBI参照配列番号NM_001001144.3)
gttgagaggtgaaggggcggggagctgcgcgggcgccgggcggccgggagggagagggcgggctccaaacaccggaccgcgggccaggagcgcgcaggccgttctccgccgctcggtcgccgccgcccgggagctgcctcgctgccacaggtgcctgcagatgatgtctgctgtaagtgatatccagcatcttccgggctgatccatggtcactttccgggatggcaacaaggtgacttagccgaggatgaccctgactgaaaggcttcgtgagaagatatctcaggccttctacaaccatgggctgctctgcgcatcctatccaattcccatcatcctcttcacaggactctgcatcttagcctgctgctacccgctgctgaagctccccttgcctggaacgggacctgtggaattctccacgcctgtgaagggttactcgcccccgcctgcggactctgaccacaaacaaggagagcccagcgagcagccagagtggtatgtgggtgcccccgtggcgtacatccaacagatatttgtgaagtcatcggtgtctccctggcacagaaatcttctggcagtcgatgtgttccggtcacctctgtcccgagcattccaactggtggaagagatccggaaccatgtgctgagagacagctcagggaccaagagcctggaggaggtttgcctgcaggtgacagacctgctgccaggcctcaggaaactccggagcctacttcccgaacatggctgcctgctgctgtcccctgggaacttctggcagaatgattgggagagattccatgccgaccctgacatcattgggaccatccatcaacatgagcccaaaactctacagacatcagccacactcaaagacttgctgtttggtgttcctgggaagtacagtggggtgagcctctacacaaggaaaaggatggtctcctacaccatcaccctggtcttccagcgctaccatgccaagtttctgagcagcctacgtgcccggctcatgctgctgcaccccagccccaactgcagcctccgagcagagaacctggtccacgtccacttcaaagaggagattggcattgctgagctcatcccgctcgtgaccacctacatcatcctgtttgcctacatctacttctccacacgcaagatcgacatggtcaagtccaagtggggcctcgccctggcagccgtggtcacagtacttagctcactgctcatgtctgtggggctctgcaccctcttcggcctgacgcccacactcaatggcggtgagatcttcccatacctggtggtcgttattgggctagagaacgtgttggtgctcaccaagtcagtggtatcaactccagtggacctcgaggtgaagcttcggattgcacaaggcttgagtagtgagagctggtccatcatgaagaacgcggcgaccgagctgggcatcatcctcattggctacttcaccctcgtgcctgctatccaggagttctgcctctttgctgttgtgggcctggtgtctgacttcttcctccagatgctgttcttcaccactgtcctgtcgatcgacattcgccggatggagctagcagacctaaacaagcggctgccccctgaatcctgcctgccctcagccaagcccgtggggaggccagcacgatatgagagacagcaggctgtacggccatccacgccacacaccatcacattgcaaccatcttccttccgaaacctgcggcttcccaaaaggctgcgtgtcatctacttcctggcccgcactcgcctggcccagcgcctcatcatggctggtaccgttgtctggattggcatcctggtatacaccgacccggcagggctgcgcacctaccttgctgcccaggtgacagagcagagcccactgggtgagggttccctgggccccatgcctgtgcctagcggagtgctgcctgccagccacccggaccctgcattctccatcttcccacctgatgctcctaaactgccagagaaccagaccttgccaggtgagctgcctgagcatgctggtccagcagagggtgtccatgacagccgagccccagaggtaacttgggggcctgaggatgaggagctgtggaggaaattgtccttccgccactggcccacactcttcaactactacaacatcacactggccaaaaggtacatcagcctgctgcctgtcatccctgtcacactacacctgaatccacgggaggctctggaggggcgacaccctcaggatggtcgcagtgcctgggccccacaagagcctttgcccgctggcctctgggagtccggacctaagggaccaggtggaacacagacccatggcgacattaccttgtacaaggtggccgcgcttggcctagcagcgggcatcgtcctggtgctgctgctgctctgcctctaccgggtgctctgcccgcgtaattatgggcagccgggtggtggccccggcaggcggaggcgcggggagctgccctgcgatgactacggctacgcaccgcccgagacggagatagtgccgctggtgctgcgaggtcacctcatggacatcgagtgtctggctagcgatgggatgctactagtgagctgctgcctggcaggccaagtctgcgtgtgggacgctcagacaggggactgcctcacacggatcccacgcccagggccacgccgggatagctgcggaggtggagcttttgagactcaggagaactgggaaaggctgtcagatggaggcaaggctagcccggaagaacctggagacagccctccgctgcgacgacgcccccgagggcctccaccgccttccctctttggggaccagcccgacctcacctgcttaatcgacaccaacttctcggtgcagctgcccccagagcccactcagcccgagcctcggcaccgggtgggctgtggccgctctagagactcgggttatgacttcagccgcctggtgcagcgtgtgtaccaggaggaaggcctggctgctatgcgcatgccggccctgcgcccaccctcccctggacctcccttgccccaggcctctcaagaagaggggactgcacctgagaagggctcccctcccctggcctggacccccagcacagccggttccatctggagcttagagctgcaaggcaatctcatcgtggttgggcggagcagcggccggctggaggtgtgggacgccattgagggggtgctctgctgcagcaatgaggagatctcctcaggcatcacagcccttgtcttcttggacaggaggattgtagctgctcggcttaatggttcccttgatttcttttctttggagacccacacttccctcagccccctgcagttcagagggaccccagggcgaggcagttctccttcctcatctgtgtacagcagcagcaacacagtgacctgtcatcggacccacacagtgccctgtgcacaccagaagcccatcacagccctgagagctgctgccgggcgcctagtgacagggagccaagaccatactctaagagtcttccgactggatgactcgtgttgcctctttaccctgaagggccactcaggggcaatcacagctgtgtacattgatcagaccatggtactggccagtggaggacaagatggagccatctgcctgtgggatgtactaacaggcagccgggtcagccaaacatttgctcaccgtggagatgttacctccctcacctgtaccgcttcctgtgtcattagtagtggcctggatgacttcatcagtatctgggaccgcagcacaggcatcaagctgtactccattcagcaggacctgggctgtggtgcaagcttgggtgtcatctcagataaccttctggtgaccggcggccagggctgtgtctccttttgggacctaaactatggggacctgttacagacagtctacttgggcaagaacagtgaagcccagcctgcccggcagattttggtgttggacaatgctgccattgtctgcaactttggcagtgagctcagcctagtgtatgtgccctctgtgctggagaaactggactgaaggcaggtcaagtacgctattccctttcccccatcccaaggtggggcacaggggatagcaactctttggacctagactagaggcaatagctgactctgaactgttgtctcctgactgtaataataaacttttttaaaaaaccacattt
【0259】
配列番号4-野生型マウスSCAP(1276aa;NCBI参照配列番号NP_001001144.2)
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【0260】
配列番号5-野生型ラットSCAP(4281bp;NCBI参照配列番号NM_001100966.2)
gaaggggcggggagctgcgcgggcgccgggcggccgggagggagagggcgggctcgaaacaccggatcgcgggccaggagcgcgcaggccgctctccgccgctccgtcgccgccgcccgggagctgcctcgccgccacaggcacctctcccgtggttggaggaaacgaggcattctagaaggggatagcaggtacctgcagatgatgtgcattgtcattggtatccagcatcttccaggctgatccatggtcactttccgggatggcaacaaggtgacttagctgaggatgaccctgactgaaaggcttcgtgagaagatatctcaggcgttctacaaccatgggctgctctgcgcatcctaccccattcccatcatcctcttcacaggactctgcatcctagcctgctgctacccgctgctgaagcttcccttgcctggaacgggacccgtggaattctccacgcctgtgaagggttactcgcccccgcctgcggactctgaccacaaacaaggagagcccagtgagcagccagagtggtatgtgggtgcccccgtggcatacatccagcagatattcgtgaagtcatcagtgtctccctggcacagaaaccttctggcagtagatgtgttccggtcacctctgtcccgagcattccaactggtggaagagatccggaaccatgtgctgagagacagctcagggaccaagagcctggaggaagtttgcctgcaggtgacagacctgctgccaggcctcaggaaactccggagcctacttcccgaacatggctgcctgctgctgtcacctgggaacttctggcagaatgactgggaaagattccatgctgaccctgacatcattggaaccatccatcagcatgagcctaaaaccctacagacatcagccacactcaaagacttgctgttcggtgttcctgggaagtacagtggggtcagcctctacacgaggaagaggatggtctcatacaccatcaccctggtcttccagcgctaccatgccaagtttctgagcagcctccgtgcccggctcatgcttctgcaccccagccccaactgcagcctccgagcagagaacctggtgcatgtgcacttcaaagaggagattggcattgccgagctcatccccctcgtgaccacctacatcatcctgtttgcctacatctacttctccacacgcaagatcgacatggtcaagtccaagtggggcctcgccctggcagccgtggtcacagtgcttagctcgctgctcatgtctgtggggctctgcactctcttcggcctgacgcccacactcaatggcggcgagattttcccatatctggtggtggttattgggctagagaatgtgttggtgctcaccaagtcagtggtatcaactccagtggaccttgaggtgaagcttcgaattgcacaaggcttaagcagtgagagctggtccatcatgaagaacgtagcaactgaactgggcatcatcctcattggctacttcacccttgtgcctgccatccaagagttctgcctctttgctgtggtgggcctggtgtctgacttcttcctccagatgctgttcttcaccaccgtgctgtccatcgacattcgccggatggagctagcagacctgaacaagcggctgccccctgagtcctgcctgccctcagccaagcctgtggggaggccagcccgatatgagagacagctagctgtacggccgtccacaccacacaccatcacattgcaaccatcttccttccgaaacctgcggcttcccaaaaggctgcgtgtcatctacttcctggcccgcactcgcctggcacagcgcctcatcatggctggtacagttgtctggattggcatcctggtatatacagacccggcagggctgcgcacctacctcgctgcccaggtgacagaacagagcccactgggtgagggttccctggggcccatgcctgtgcctagtggagtgctgcctgccagccacccggaccctgccttctccatcttcccacctgatgctcctaaactgccagagaaccagacgttgccaggtgagctgcctgagcatgccgttccagcagagggcgtccaggacagccgagccccagaggtgacttgggggcccgaggatgaggagctgtggaggaaattgtccttccgccactggcccacactcttcaactactataatatcacactggccaaaaggtacatcagcctgctgcctgtcatccctgtcacactacacctgaatccacgggaggctctggaggggcgacaccctcaggatggccgcactgcctgggccccaccagagcctttgcctgctggcctgtgggagaccggacctaaggggccaggtggaacacagacccatggcgacattaccttgtacaaggtggctgcacttggcctggcagcgggcattgtcctagtgctgctgctgctctgcctctaccgggtgctctgcccgcgaaactacgggcagccgggtggtggtgcgggcaggcggaggcgcggagagctgccttgcgatgactatggctacgcaccgcctgagacggagatagtgccgctggtgctgcgagggcacctcatggacatcgagtgtctggctagcgatgggatgctcctggtgagctgctgcctggctggccaagtctgcgtgtgggatgcacagaccggggactgcctcactcgcatcccgcgccctgggccacgccgggacagctgcggaggcggagcttttgaagctcaggagaactgggaaagactgtctgatgggggcaaagctagcccggaagagcctggcgacagccctccgctgcgacgccgccctcgagggcctccaccgccttccctctttggggaccagccagacctcacctgcttaatcgacaccaacttctcagtgcagctgcccccagagcccactcagcccgagcctcggcaccgggcgggctgtggccgctctagagactctggttacgacttcagccgtctggtgcagcgtgtgtaccaagaggaaggcctggctgctgtgcacatgtcggccctgcgcccaccctccccgggacctcccctgccccaggcctctcaagaagaggggactgctcccgagaagggctccccccctctggcctgggcccccagcacagccggttccatctggagcttagagttgcaaggcagtctcatcgtggttgggcgaagcagcggccggctggaggtgtgggatgccattgagggcgtgctctgctgcagcaatgaggagatctcctcaggcatcacagcccttgtcttcttagacaggaggattgtagctgctcggctcaacggttccctcgatttcttttccttggagacccacacttccctcagccccctgcagttcagagggaccccagggagaggcagttctccttcctcgcctgtgtacagcagcagcaacactgtggcctgtcacctgacccacacagtcccctgtgcacaccagaaacccatcacagccctgagagcagcagcggggcgcctggtgacagggagccaagaccatactctgagagtcttccgactggaggattcgtgttgcctctttaccctgcagggccactcgggggcaatcacaactgtgtacattgatcagaccatggtattggccagtggaggacaagatggagccatctgcctgtgggatgtactaacaggcagccgggtcagccatacatttgctcaccgtggagatgtcacctccctcacctgtaccacttcctgtgttatcagtagtggcctggatgacttcatcaacatctgggaccgaagcacaggcatcaagctgtactccattcagcaggacctgggctgtggtgcaagcttgggtgtcatctctgataaccttctggtgaccggcggccagggatgtgtctccttttgggacctaaactatggggacctgttacagacagtctacttgggaaagaacagtgaagcccagcctgcccggcagattttggtgctggacaatgctgccattgtctgcaactttggcagtgagctcagcctagtgtatgtgccctctgtgctggagaaactggactgaaggcaggtcaactgcactatgcctttcccccatcccaaggtggggcactggggattgcaactctttggacctagactggaggcaataggtaggcatctttgcagctgactcagaactgttgtctcctgactgtaataataaacttttttttaaaaaaccaca
【0261】
配列番号6-野生型ラットSCAP(1276aa;NCBI参照配列番号NP_001094436.1)
MTLTERLREKISQAFYNHGLLCASYPIPIILFTGLCILACCYPLLKLPLPGTGPVEFSTPVKGYSPPPADSDHKQGEPSEQPEWYVGAPVAYIQQIFVKSSVSPWHRNLLAVDVFRSPLSRAFQLVEEIRNHVLRDSSGTKSLEEVCLQVTDLLPGLRKLRSLLPEHGCLLLSPGNFWQNDWERFHADPDIIGTIHQHEPKTLQTSATLKDLLFGVPGKYSGVSLYTRKRMVSYTITLVFQRYHAKFLSSLRARLMLLHPSPNCSLRAENLVHVHFKEEIGIAELIPLVTTYIILFAYIYFSTRKIDMVKSKWGLALAAVVTVLSSLLMSVGLCTLFGLTPTLNGGEIFPYLVVVIGLENVLVLTKSVVSTPVDLEVKLRIAQGLSSESWSIMKNVATELGIILIGYFTLVPAIQEFCLFAVVGLVSDFFLQMLFFTTVLSIDIRRMELADLNKRLPPESCLPSAKPVGRPARYERQLAVRPSTPHTITLQPSSFRNLRLPKRLRVIYFLARTRLAQRLIMAGTVVWIGILVYTDPAGLRTYLAAQVTEQSPLGEGSLGPMPVPSGVLPASHPDPAFSIFPPDAPKLPENQTLPGELPEHAVPAEGVQDSRAPEVTWGPEDEELWRKLSFRHWPTLFNYYNITLAKRYISLLPVIPVTLHLNPREALEGRHPQDGRTAWAPPEPLPAGLWETGPKGPGGTQTHGDITLYKVAALGLAAGIVLVLLLLCLYRVLCPRNYGQPGGGAGRRRRGELPCDDYGYAPPETEIVPLVLRGHLMDIECLASDGMLLVSCCLAGQVCVWDAQTGDCLTRIPRPGPRRDSCGGGAFEAQENWERLSDGGKASPEEPGDSPPLRRRPRGPPPPSLFGDQPDLTCLIDTNFSVQLPPEPTQPEPRHRAGCGRSRDSGYDFSRLVQRVYQEEGLAAVHMSALRPPSPGPPLPQASQEEGTAPEKGSPPLAWAPSTAGSIWSLELQGSLIVVGRSSGRLEVWDAIEGVLCCSNEEISSGITALVFLDRRIVAARLNGSLDFFSLETHTSLSPLQFRGTPGRGSSPSSPVYSSSNTVACHLTHTVPCAHQKPITALRAAAGRLVTGSQDHTLRVFRLEDSCCLFTLQGHSGAITTVYIDQTMVLASGGQDGAICLWDVLTGSRVSHTFAHRGDVTSLTCTTSCVISSGLDDFINIWDRSTGIKLYSIQQDLGCGASLGVISDNLLVTGGQGCVSFWDLNYGDLLQTVYLGKNSEAQPARQILVLDNAAIVCNFGSELSLVYVPSVLEKLD
【0262】
配列番号7-野生型非ヒト霊長類SCAP(4135bp;NCBI参照配列番号XM_001100342)
agggagagagagagagagtgtgtgtgtgtgtgagtgtgtgtgtgtattttggaattgatgtcactagaacttacatacaggcattctgaaaccattccccagccacataactatcgcctccctccagcagccctagtgtgcagagccaagtactctttgttaactggcttttctcccttctgaccaggtacctgcacatgttgttctttgtcagtgccgtcaagtgtgtgccagggtgatccatggtcactttccgggatggcagcaaggtgacttcggctgaggatgaccctgactgaaaggctgcgtgagaagatatctcgggccttctacaaccatgggctcctctgtgcatcgtatcccatccccatcatcctcttcacggggttctgcatcttagcctgctgctacccactgctgaaactccccttgccaggaacaggacctgtggaattcaccacccctgtaaaggattactcgcccccgcctgtggactctgaccgcaaacaaggagagcctacggagcagcctgagtggtatgtgggtgccccggtggcttacgtccagcagatatttgtgaaatcctcagtgtttccctggcacaagaacctcctggcagtagatgtatttcgttcacctttgtcccgggcattccaactggtggaggagatccggaaccacgtgctgagagacagctctgggaccaggagcttggaggagttgtgtctgcaagtgaccgacctgctgccaggcctcaggaagctcagggacctactccctgagcatggatgcctgctgctgtcccctgggaatttctggcagaatgaccgggaacgcttccatgctgatcctgacatcattgggaccatccaccagcacgagcctaaaaccctgcagacttcagccacactcaaagacttgttgtttggtgttcccgggaagtacagcggggtgagcctctacaccaggaagaggatggtctcctacaccatcaccctggtcttccagcgctaccatgccaagttcctgggcagcctgcgtgcccgcctgatgcttctgcaccccagccccaactgcagccttcgggcggagagcctggtccacgtgcacttcaaggaggagattggtgtcgctgagctcatcccccttgtgaccacctacatcatcttgtttgcctacatctacttctccacgcggaagatcgacatggtcaagtccaagtgggggctggccctggccgccgtggtcacagtgctcagctcgctgctcatgtctgtgggactctgcacactcttcggcctgacgcccaccctcaatggcggcgagattttcccctaccttgtggtggttattgggttagagaatgtgttggtgctcaccaagtccgtggtctcaaccccggtagacctggaggtgaagctgcggatcgcccaaggcctaagcagcgagagctggtccatcatgaagaacatggccacggagctgggcatcatcctcattggctacttcaccctagtgcctgccatccaggagttctgtctctttgctgtcgtggggctggtgtctgacttcttccttcagatgctgtttttcaccactgtcctgtccattgacattcgccggatggagctagcggacctgaacaagcggctgccccctgaggcctgcctaccctcagccaagccagtggggcagccaacgcgctacgagcggcagctggctgtgcggccgtccacaccccacaccatcacgttgcagccgtcttccttccgaaacctgcggctccccaagaggctgcgtgttgtctacttcctggcccgcacccgcctggcacagcgtctcatcatggctggcaccgttgtctggattggcatcctggtatacacagacccagcagggctgcgcacctacctcgctgcccaggtgacggaacagagcccgctgggtgagggagccctggctcccatgcccgtgcctagtggcatgctgcccgccagccacccggaccctgccttctccatcttcccacctgatgcccctaagctacctgagaaccagacatcgccaggcgagccacctgagcatggaggtccagcagaggttgtccatgacagcccagtcccagaggtaacctgggggcctgaggatgaggaactttggaggaaattgtccttccgccactggccgacgctcttcagctattacaacatcacgctggccaagaggtacatcagcctgctgcctgtcatcccagtcacactccgcctgaacccgagggaggccctggagggccggcaccctcaggatggccgcagtgcctggcccccaccggggcccatacctgctgggcactgggaagcgggacccaagggcccaggtggggtgcaggcccatggagacgtcacactgtacaaggtggcgnnnnnnnnnnnnnnnnttgtgccgctggtcctgcgcggccacctcatggatatcgagtgcctggccagcgacggcatgctgctggtgagctgttgcctggcaggccacgtctgtgtgtgggacgcacagaccggggattgcctcacgcgtatcccgcgcccagggcagcgccgggacagtggcgtgggcagcgggcttgaggctcaggagagctgggaacgactttcagatggtgggaaggctggcccagaggagcctggggacagccctcccctgagacaccgcccccgggaccctccaccgccttccctcttcggggaccagcctgacctcacctgcttaattgacaccaacttttcggcgcagccacagccctcacagcccactcagcctgagccccggcaccgggcggtctgtggccgcgctcgggactccctaggctatgacttcagccgcctggtgcagcgcgtgtaccaggaggaggggctggcggccgtctgcacaccagccctgcgcccaccctcgcctgggccggtgctgccccaggcccctgaggacgagggtggctcccctgagaaaggctccccttcccttgcctgggcccccagtgcggagggttccatctggagcttggagctgcagggccacctcatcgtggtggggcggagcagcggccggctggaggtgtgggacgccattgaaggggtgctgtgctgcagcagcgaggaggtctcctcaggcattaccgctctggtcttcttggacaaaaggattgtggctgcgcggctcaacggttcccttgatttcttctccttggagacccacactgccctcagccccctgcagtttagagggaccccggggcagggcagttcccctgcctctccagtgtacggcagcagtgacacagtggcctgtcgcctgacccacacagtgccctgtgcacaccaaaaacccatcacagccctgaaagccgctgccgggcgcttggtgactgggagtcaagaccacacgctgagagtattccgtctggaggactcgtgctgcctcttcacccttcagggccactcgggggccatcacgactgtgtacattgaccagaccatggtgctggccagtggaggacaagatggggccatctgcctgtgggatgtactgactggcagccgggtcagccacatgtttgctcaccgtggggatgtcacctccctcacctgtaccacctcctgtgtcatcagcagtggcctggatgacctcatcagcatctgggaccgcagcacaggcatcaagttctactccattcagcaggatctgggctgtggtgcaagcttgggtgtcatctcagacaacctgctggtgaccggcggccaaggctgtgtctccttttgggacctaaactacggggacctgttacagacagtctacctggggaagaacagtgaggcccagcctgcccgccagatcctggtgctggacaacgctgccattgtctgcaactttggcagtgagctcagcctggtgtatgtgccctccgtgctggagaagctggactgagcatggggcctccctgcccaggcaggggtctggggtgctgtgtgggggccaatgcactgaacctggacttgggggaaagagccgagtatcttccagccgctgcctcctgactgtaatattaaacttttttaaaaaaccacatctgtcaggcactttggga
【0263】
配列番号8-野生型非ヒト霊長類SCAP(1229aa;NCBI参照配列番号XP_001100342.2)
MTLTERLREKISRAFYNHGLLCASYPIPIILFTGFCILACCYPLLKLPLPGTGPVEFTTPVKDYSPPPVDSDRKQGEPTEQPEWYVGAPVAYVQQIFVKSSVFPWHKNLLAVDVFRSPLSRAFQLVEEIRNHVLRDSSGTRSLEELCLQVTDLLPGLRKLRDLLPEHGCLLLSPGNFWQNDRERFHADPDIIGTIHQHEPKTLQTSATLKDLLFGVPGKYSGVSLYTRKRMVSYTITLVFQRYHAKFLGSLRARLMLLHPSPNCSLRAESLVHVHFKEEIGVAELIPLVTTYIILFAYIYFSTRKIDMVKSKWGLALAAVVTVLSSLLMSVGLCTLFGLTPTLNGGEIFPYLVVVIGLENVLVLTKSVVSTPVDLEVKLRIAQGLSSESWSIMKNMATELGIILIGYFTLVPAIQEFCLFAVVGLVSDFFLQMLFFTTVLSIDIRRMELADLNKRLPPEACLPSAKPVGQPTRYERQLAVRPSTPHTITLQPSSFRNLRLPKRLRVVYFLARTRLAQRLIMAGTVVWIGILVYTDPAGLRTYLAAQVTEQSPLGEGALAPMPVPSGMLPASHPDPAFSIFPPDAPKLPENQTSPGEPPEHGGPAEVVHDSPVPEVTWGPEDEELWRKLSFRHWPTLFSYYNITLAKRYISLLPVIPVTLRLNPREALEGRHPQDGRSAWPPPGPIPAGHWEAGPKGPGGVQAHGDVTLYKVAXXXXXXVPLVLRGHLMDIECLASDGMLLVSCCLAGHVCVWDAQTGDCLTRIPRPGQRRDSGVGSGLEAQESWERLSDGGKAGPEEPGDSPPLRHRPRDPPPPSLFGDQPDLTCLIDTNFSAQPQPSQPTQPEPRHRAVCGRARDSLGYDFSRLVQRVYQEEGLAAVCTPALRPPSPGPVLPQAPEDEGGSPEKGSPSLAWAPSAEGSIWSLELQGHLIVVGRSSGRLEVWDAIEGVLCCSSEEVSSGITALVFLDKRIVAARLNGSLDFFSLETHTALSPLQFRGTPGQGSSPASPVYGSSDTVACRLTHTVPCAHQKPITALKAAAGRLVTGSQDHTLRVFRLEDSCCLFTLQGHSGAITTVYIDQTMVLASGGQDGAICLWDVLTGSRVSHMFAHRGDVTSLTCTTSCVISSGLDDLISIWDRSTGIKFYSIQQDLGCGASLGVISDNLLVTGGQGCVSFWDLNYGDLLQTVYLGKNSEAQPARQILVLDNAAIVCNFGSELSLVYVPSVLEKLD
【0264】
【表13-1】
【表13-2】
【表13-3】
【表13-4】
【表13-5】
【表13-6】
【表13-7】
【表13-8】
【表13-9】
【表13-10】
【表13-11】
【表13-12】
【表13-13】
【0265】
【表14-1】
【表14-2】
【表14-3】
【表14-4】
【表14-5】
【表14-6】
【表14-7】
【表14-8】
【表14-9】
【表14-10】
【表14-11】
【表14-12】
【表14-13】
【表14-14】
【表14-15】
【表14-16】
【表14-17】
【表14-18】
【表14-19】
【表14-20】
【表14-21】
【表14-22】
【表14-23】
【表14-24】
【表14-25】
【表14-26】
【表14-27】
【表14-28】
【表14-29】
【表14-30】
【表14-31】
【表14-32】
【表14-33】
【表14-34】
【表14-35】
【表14-36】
【0266】
配列番号777-標的配列1
ACATCATCTTGTTTGCCTA
【0267】
配列番号778-標的配列2
TCTTGTTTGCCTACATCTA
【0268】
配列番号779-標的配列3
CTTCAGATGCTGTTTTTCA
【0269】
配列番号780-標的配列4
CGCTCTTCAGCTATTACAA
【0270】
配列番号781-標的配列5
CTTAATTGACACCAACTTT
【0271】
配列番号782-標的配列6
TCAACGGTTCCCTTGATTT
【0272】
配列番号783-標的配列7
CATCAAGTTCTACTCCATT
【0273】
配列番号784-人工配列
GCAGCCGAAAGGCUGC
【0274】
【表15-1】
【表15-2】
【表15-3】
【表15-4】
【表15-5】
【表15-6】
【表15-7】
【表15-8】
【表15-9】
図1
【配列表】
2025512445000001.xml
【国際調査報告】