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特表2025-513197専用蒸気タービンを備えた炭素捕捉システムを有する複合火力発電所
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  • 特表-専用蒸気タービンを備えた炭素捕捉システムを有する複合火力発電所 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-04-24
(54)【発明の名称】専用蒸気タービンを備えた炭素捕捉システムを有する複合火力発電所
(51)【国際特許分類】
   F01K 23/10 20060101AFI20250417BHJP
   F02C 6/18 20060101ALI20250417BHJP
   F22B 1/18 20060101ALI20250417BHJP
【FI】
F01K23/10 X
F01K23/10 U
F02C6/18 A
F22B1/18 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024557734
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2024-11-12
(86)【国際出願番号】 US2022023819
(87)【国際公開番号】W WO2023195985
(87)【国際公開日】2023-10-12
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ラウブ ウォーフィールド
【テーマコード(参考)】
3G081
【Fターム(参考)】
3G081BA03
3G081BA04
3G081BA11
3G081BC07
(57)【要約】
【課題】専用蒸気タービンを備えた炭素捕捉システムを有する複合火力発電所を提供する。
【解決手段】複合サイクル発電プラント(CCPP)が提供される。CCPPは、ガスタービン、熱回収蒸気発生器(HRSG)、蒸気利用システム、および蒸気タービンシステムを含む。蒸気タービンシステムは、高圧蒸気タービン、中圧蒸気タービン、および低圧蒸気タービンのうちの少なくとも1つを含む。蒸気タービンシステムはさらに、HRSGに流体的に結合された入口と蒸気利用システムに流体的に結合された出口を有する非凝縮蒸気タービンを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合サイクル発電所(CCPP)であって、
ガスタービンと、
熱回収蒸気発生器(HRSG)と、
蒸気利用システムと、
蒸気タービンシステムと、を含み、
前記蒸気タービンシステムは、
高圧蒸気タービン、中圧蒸気タービン、および低圧蒸気タービンの少なくとも1つと、
前記HRSGに流体的に結合された入口と、前記蒸気利用システムに流体的に結合された出口とを有する非凝縮蒸気タービンとを含む、CCPP。
【請求項2】
前記HRSGが、再加熱器接続ラインを介して前記仕上げ再加熱器に流体的に結合された一次再加熱器をさらに含む、請求項1に記載のCCPP。
【請求項3】
前記非凝縮蒸気タービンの前記入口が、前記仕上げ再加熱器の出口ラインを少なくとも部分的に介して前記仕上げ再加熱器に流体連通する、請求項2に記載のCCPP。
【請求項4】
第1の供給ラインが、前記仕上げ再加熱器の前記出口ラインから前記非凝縮蒸気タービンの入口まで延びている、請求項3に記載のCCPP。
【請求項5】
中間圧供給ラインが、前記仕上げ再加熱器の前記出口ラインから前記中間圧蒸気タービンまで延びている、請求項3に記載のCCPP。
【請求項6】
前記HRSGは、主供給ラインに延びる第1の出口ラインを有する過熱器を備える、請求項4に記載のCCPP。
【請求項7】
前記高圧蒸気タービンが、前記主供給ラインに延びる第2の出口ラインを備える、請求項6に記載のCCPP。
【請求項8】
前記バイパスラインが、前記主中間圧供給ラインから前記再加熱器接続ラインまで延びる、請求項7に記載のCCPP。
【請求項9】
前記蒸気利用システムが、低圧過熱器に流体的に結合される、請求項1に記載のCCPP。
【請求項10】
前記蒸気利用システムが、炭素捕捉システムである、請求項1に記載のCCPP。
【請求項11】
複合サイクル発電所(CCPP)であって、
ガスタービンと、
熱回収蒸気発生器(HRSG)と、
蒸気利用システムと、
蒸気タービンシステムとを含み、前記蒸気タービンシステムは、
1つ以上のシャフトと、
前記1つ以上のシャフト上に配置された高圧蒸気タービン、中間圧蒸気タービン、および低圧蒸気タービンと、
前記1つ以上のシャフト上に配置され、前記HRSGに流体的に結合された入口と、前記蒸気利用システムに流体的に結合された出口を有する非凝縮蒸気タービンと、を含む、CCPP。
【請求項12】
前記HRSGが、再加熱器接続ラインを介して仕上げ再加熱器に流体的に結合された一次再加熱器をさらに含む、請求項11に記載のCCPP。
【請求項13】
前記非凝縮蒸気タービンの前記入口が、前記仕上げ再加熱器の出口ラインを少なくとも部分的に介して前記仕上げ再加熱器に流体連通している、請求項12に記載のCCPP。
【請求項14】
前記第1の供給ラインが、前記仕上げ再加熱器の前記出口ラインから前記非凝縮蒸気タービンの前記入口まで延びている、請求項13に記載のCCPP。
【請求項15】
前記中間圧供給ラインが、前記仕上げ再加熱器の前記出口ラインから前記中間圧蒸気タービンまで延びる、請求項13に記載のCCPP。
【請求項16】
前記HRSGは、主供給ラインに延びる第1の出口ラインを有する過熱器を備える、請求項14に記載のCCPP。
【請求項17】
前記高圧蒸気タービンが、前記主供給ラインに延びる第2の出口ラインを備える、請求項16に記載のCCPP。
【請求項18】
バイパスラインが、前記主中間圧供給ラインから前記再加熱器接続ラインまで延びる、請求項17に記載のCCPP。
【請求項19】
前記蒸気利用システムが、低圧過熱器に流体的に結合されている、請求項11に記載のCCPP。
【請求項20】
前記蒸気利用システムが炭素捕捉システムである、請求項11に記載のCCPP。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に複合サイクル発電所(CCPP:combined cycle power plant)システムに関する。特に、本開示は、専用の非凝縮蒸気タービン(dedicated non-condensing steam turbine)を有するCCPPシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
複合サイクル発電所(CCPP)などのガスタービン発電所は、一般に、圧縮機セクション、燃焼器セクション、タービンセクション、タービンの下流に配置される熱回収蒸気発生器(HRSG:heat recovery steam generator)、およびHRSGと流体連通している少なくとも1つの蒸気タービンを有するガスタービンを含む。運転中、空気は吸入システムを経由して圧縮機に入り、燃焼器を少なくとも部分的に取り囲む圧縮機吐出口またはディフューザケーシングに向かって送られながら徐々に圧縮される。圧縮された空気の少なくとも一部は燃料と混合され、燃焼器内に設けられた燃焼室内で燃焼され、高温・高圧の燃焼ガスが発生する。
【0003】
燃焼ガスは、燃焼器からタービンを通る高温のガス経路を通り、ローターシャフトに連結された固定ベーンと回転可能なタービンブレードを交互に通過する際に徐々に膨張する。運動エネルギーは燃焼ガスからタービンブレードに伝達され、ローターシャフトを回転させる。ローターシャフトの回転エネルギーは、発電機を介して電気エネルギーに変換される。燃焼ガスは排気ガスとしてタービンを出て、排気ガスはHRSGに入る。排ガスからの熱エネルギーは、HRSGの1つ以上の熱交換器を流れる水に伝達され、過熱蒸気(superheated steam)を生成する。過熱蒸気は次に蒸気タービンに送られ、さらなる発電に使用され、発電所全体の効率を高める。
【0004】
ターボ機械燃焼システムは通常、炭化水素燃料を燃焼させ、窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO)などの大気汚染排出ガスを発生させる。排出を削減するため、ターボ機械から大気へ排出される前にCOやその他の大気汚染ガスを捕捉する炭素捕捉システム(CCS:carbon capture systems)が利用されている。炭素捕捉システムには、溶媒を再生するためのリボイラ(reboilers)が含まれることが多いが、これには信頼性が高く、予測可能な蒸気の流れが必要である。
【0005】
従って、炭素捕捉システムに一定流量の蒸気(constant flow of steam)を供給できる改良型複合火力発電所が望まれており、当技術分野で高く評価されるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0056219号明細書
【発明の概要】
【0007】
本開示に従った複合サイクル発電プラントの態様および利点は、以下の説明において部分的に記載されるか、または説明から明らかであるか、または技術の実践を通じて学ぶことができる。
【0008】
一実施形態によれば、複合サイクル発電所(CCPP)が提供される。CCPPは、ガスタービン、熱回収蒸気発生器(HRSG:heat recovery steam generator)、炭素捕捉システム、および蒸気タービンシステムを含む。蒸気タービンシステムは、高圧蒸気タービン、中圧蒸気タービン、および低圧蒸気タービンのうちの少なくとも1つを含む。蒸気タービンシステムはさらに、HRSGに流体的に結合された入口と炭素捕捉システムに流体的に結合された出口を有する非凝縮蒸気タービン(non-condensing steam turbine:非復水蒸気タービン)を含む。
【0009】
別の実施形態によれば、複合サイクル発電所(CCPP)が提供される。CCPPは、ガスタービン、熱回収蒸気発生器(HRSG)、炭素捕捉システム、シャフト、および蒸気タービンシステムを含む。蒸気タービンシステムは、シャフト上に配置された高圧蒸気タービン、中間圧蒸気タービン、および低圧蒸気タービンを含む。蒸気タービンシステムは、シャフト上に配置され、HRSGに流体的に結合された入口と炭素捕捉システムに流体的に結合された出口を有する非凝縮蒸気タービンをさらに含む。
【0010】
本発明の複合サイクル発電プラントのこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下の説明および添付の特許請求の範囲を参照することにより、よりよく理解されるであろう。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本技術の実施形態を示すものであり、本明細書とともに本技術の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本システムおよび方法を製造し使用する最良の態様を含む、当業者に向けられた本複合サイクル発電所の完全かつ有効な開示は、添付の図を参照する本明細書に記載されている。
【0012】
図1】本開示の実施形態による複合サイクル発電所(CCPP)の概略図である。
図2】本開示の実施形態による複合サイクル発電所(CCPP)の概略図である。
図3】本開示の実施形態による複合サイクル発電所(CCPP)の概略図である。
図4】本開示の実施形態による複合サイクル発電所(CCPP)の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の複合サイクル発電プラントの実施形態について詳細に説明するが、その1つ以上の例が図面に示されている。各例は、技術を限定するのではなく、説明のために提供される。実際、当業者には、特許請求される技術の範囲または精神から逸脱することなく、本技術に修正および変形を加えることができることが明らかであろう。例えば、ある実施形態の一部として図示または説明された特徴は、別の実施形態と共に使用することにより、さらに別の実施形態を得ることができる。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物の範囲内に入るような修正および変形をカバーすることが意図される。
【0014】
本明細書において「例示的:exemplary」という語は、「例、実例、または説明として役立つ:serving as an example, instance, or illustration」という意味で使用される。本明細書において「例示的」として説明される任意の実施態様は、必ずしも、他の実施態様よりも好ましい又は有利であると解釈されるものではない。さらに、特に特定されない限り、本明細書に記載されるすべての実施形態は、例示的であると考えられるべきである。
【0015】
詳細な説明では、図面中の特徴を参照するために数字および文字を使用している。図面および明細書中の同様または類似の表記は、本発明の同様または類似の部分を指すために使用されている。本明細書において、「第1」、「第2」、および「第3」という用語は、1つの構成要素を別の構成要素から区別するために互換的に使用することができ、個々の構成要素の位置または重要性を意味することを意図していない。
【0016】
「流体:fluid」とは、気体であっても液体であってもよい。「流体連通:fluid communication」とは、流体が指定された領域間を連通させることができることを意味する。
【0017】
本明細書において、「上流」(または「前方」)および「下流」(または「後方」)という用語は、流体経路における流体の流れに関する相対的な方向を指す。例えば、「上流」は流体が流れる方向を指し、「下流」は流体が流れる方向を指す。ただし、本明細書で使用する「上流」および「下流」という用語は、電気の流れを指す場合もある。「半径方向」という用語は、特定の部品の軸中心線に対して実質的に垂直な相対方向を指し、「軸方向」という用語は、特定の部品の軸中心線に対して実質的に平行および/または同軸に整列した相対方向を指し、「周方向」という用語は、特定の部品の軸中心線の周りに延びる相対方向を指す。
【0018】
「約:about」、「およそ:approximately」、「一般的に:generally」、「実質的に:substantially」などの近似値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似的な表現は、値を測定するための計器の精度、または構成要素および/またはシステムを構築もしくは製造するための方法もしくは機械の精度に対応する場合がある。少なくともいくつかの例では、近似言語は、値を測定するための計器の精度、または構成要素および/もしくはシステムを構築もしくは製造するための方法もしくは機械の精度に対応することがある。例えば、個々の値、値の範囲、および/または値の範囲を定義する端点のいずれかにおいて、1、2、4、5、10、15、または20パーセントのマージン内にあることを指す場合がある。角度または方向の文脈で使用される場合、このような用語には、記載された角度または方向より10度大きいまたは小さい範囲が含まれる。例えば、「概ね垂直」は、時計回りまたは反時計回りなど、どの方向においても垂直から10度以内の方向を含む。
【0019】
「結合された:coupled」、「固定された:fixed」、「に取り付けられた:attached to」などの用語は、本明細書で特に規定しない限り、直接的な結合、固定、または取り付け、ならびに1つ以上の中間構成要素または特徴を介した間接的な結合、固定、または取り付けの両方を指す。本明細書で使用される場合、用語「含む:comprises」、「含んでいる:comprising」、「含有する:includes」、「含有している:including」、「有する:has」、「有している:having」またはその他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図している。例えば、特徴のリストから構成されるプロセス、方法、成形品、又は装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されるものではなく、明示的に列挙されていない、又はそのようなプロセス、方法、成形品、又は装置に固有の他の特徴を含み得る。さらに、明示的に反対の記載がない限り、「又は」は「包括的な又は」を意味し、「排他的な又は」を意味しない。例えば、条件Aまたは条件Bは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aは真であり(または存在し)、Bは偽である(または存在しない)、Aは偽であり(または存在しない)、Bは真である(または存在する)、およびAとBの両方が真である(または存在する)。
【0020】
本明細書および特許請求の範囲全体を通じて、範囲の限定は組み合わされ、交換され、そのような範囲は、文脈または文言がそうでないことを示さない限り、特定され、そこに含まれるすべてのサブ範囲を含む。例えば、本明細書で開示されるすべての範囲は終点を含み、終点は互いに独立して組み合わせ可能である。
【0021】
本明細書で使用される「ライン」は、パイプ、ホース、その他の適切な流体導管を指す場合がある。
【0022】
図1図4はそれぞれ、本開示の実施形態に係る複合サイクル発電システム又は複合サイクル発電所(CCPP)10の一実施形態の概略フロー図である。CCPP10は、第1の負荷14を駆動するためのガスタービン12を含むことができる。第1の負荷14は、例えば、電力を生成するための発電機であってもよい。ガスタービン12は、タービンセクション16、燃焼器または燃焼室18、および圧縮機セクション20を含むことができる。タービンセクション16と圧縮機セクションとは、1つ以上のシャフト21によって連結されている場合がある。
【0023】
ガスタービン12の運転中、空気などの作動流体は圧縮機セクション20に流入し、そこで空気が徐々に圧縮され、燃焼器18に圧縮空気が供給される。圧縮空気は燃料と混合され、各燃焼器内で燃焼して燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは、燃焼器18から高温ガス経路を通ってタービンセクション16に流れ込み、エネルギー(運動エネルギーおよび/または熱エネルギー)が燃焼ガスから回転ブレードに伝達され、1つ以上のシャフト21を回転させる。この機械的回転エネルギーは、圧縮機セクション20の動力および/または発電に使用される。タービンセクション16を出た加熱された排気ガス34は、ガスタービン12から排気され、熱回収蒸気発生器(HRSG)32に入り、そこで加熱された排気ガス34とHRSGの様々な構成要素との間で熱伝達が行われる。排気ガス34はHRSGを出て炭素捕捉システム102に入り、排気筒(exhaust stack)105を経由して大気に排出される。いくつかの実施形態では、炭素捕捉システム102は排気筒105の後方に配置される。他の実施形態では、炭素捕捉システム102はHRSG内に配置されることもある。炭素捕捉システム102は、図1図4のそれぞれにおいて2箇所に表示されているが、これは図を簡単にするために行ったものであり、102と表示された各ボックスは同じシステム(すなわち、炭素捕捉システム)を表していることを理解されたい。
【0024】
本明細書で使用される場合、「蒸気利用システム:steam utilization system」は、熱回収ユニット(リボイラ、腹水器、冷却器、またはヒータなど)または動力ユニット(タービンまたはポンプなど)などのエネルギー移動を目的として蒸気を利用する任意のシステムであってもよいが、これらに限定されない。例示的な実施形態では、蒸気利用システムは、炭素捕捉システム102であってもよい。
【0025】
炭素捕捉システム102は、排気ガス34が大気に排気される前に、排気ガス34から汚染物質(COなど)を除去するように構成することができる。例えば、炭素捕捉システム102は、炭素に親和性のある特殊な化学剤(液体溶媒や固体吸着剤など)を使用することができる。COと薬剤が結合すると、COと薬剤は処理され、COは分離され、純粋なCOとして圧縮タンクに運ばれる。このCOは、その後、地下深くの地層に輸送されるか、工業プロセスで再利用される。
【0026】
様々な実施形態において、炭素捕捉システム102は、1つ以上の熱交換器(例えば、リボイラ、凝縮器(復水器)、冷却器、または加熱器などの熱回収ユニット)、触媒システム(例えば、酸化触媒システム)、微粒子および/または水除去システム(例えば、ガス脱水ユニット、慣性分離器、合体フィルタ、水不透過性フィルタ、および他のフィルタ)、化学注入システム、溶剤ベースの処理システム(例えば、吸収器、フラッシュタンクなど)、ガス分離システム、ガス精製システム、および/または溶剤ベースの処理システム、排気ガス圧縮機、これらの任意の組み合わせ。炭素捕捉システム102のこれらのサブシステムは、温度、圧力、流量、水分含有量(例えば、水分除去量)、微粒子含有量(例えば、微粒子除去量)、およびガス組成(例えば、CO、Nなどの濃度)の制御を可能にする。様々な実施形態において、炭素捕捉システム102(及び/又は炭素捕捉システム102の1つ以上のサブコンポーネント)は、一貫した(例えば、変動又は変化しない)温度及び圧力の蒸気の入力を必要とする場合がある。
【0027】
CCPP10は、第2の負荷24を駆動するための蒸気タービンシステム22も含むことができる。第2の負荷24は、電力を発生させるための発電機であってもよい。しかしながら、第1及び第2の負荷14,24はいずれも、ガスタービン12及び蒸気タービンシステム22によって駆動可能な他の種類の負荷であってもよい。さらに、ガスタービン12および蒸気タービンシステム22は、図示の実施形態に示すように、別々の負荷14、24を駆動することができるが、ガスタービン12および蒸気タービンシステム22は、単一のシャフトを介して単一の負荷を駆動するためにタンデムで利用することもできる。図示の実施形態では、蒸気タービンシステム22は、1つの低圧(LP)蒸気タービン26、1つの中間圧(IP)蒸気タービン28、および1つの高圧(HP)蒸気タービン30を含むことができる。低圧(LP)蒸気タービン26、中間圧(IP)蒸気タービン28、高圧蒸気タービン30、および負荷24はそれぞれ、1つ以上のシャフト23(いくつかの実施形態では共通シャフトなど)上に配置され得る。他の実施形態では、低圧(LP)蒸気タービン26、中間圧(IP)蒸気タービン28、及び高圧蒸気タービン30は、別個のシャフト(互いに結合されていてもよい)上に配置されていてもよい。幾つかの実施形態では、低圧蒸気タービン26及び中間圧蒸気タービン28は、1つ以上のシャフトのうちの共通のシャフト上に配置されてLP/IP蒸気タービンを形成していてもよく、一方、HP蒸気タービン30は、別個のシャフト上に配置されていてもよく、又はシステムに含まれていなくてもよい。
【0028】
例示的な実施形態では、蒸気タービンシステム22は、非凝縮蒸気タービン100を含むことができる。図示のように、非凝縮蒸気タービン100は、1つ以上のシャフト23(全ての蒸気タービンに共通のシャフトであってもよいし、別個のシャフトであってもよい)上に配置されてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、非凝縮蒸気タービン100は、低圧(LP)蒸気タービン26、中間圧(IP)蒸気タービン28、高圧(HP)蒸気タービン30とは独立した、別個に回転するシャフト上に配置することができる。他の実施形態では、非凝縮蒸気タービン100は、低圧(LP)蒸気タービン26、中間圧(IP)蒸気タービン28、高圧蒸気タービン30のうちの1つ以上と共通のシャフト上に配置され得る。非凝縮蒸気タービン100は、HRSG32に流体的に結合された入口104と、炭素捕捉システム102に流体的に結合された出口106とを有することができる。非凝縮蒸気タービン100は、動力を供給される蒸気を凝縮しない場合がある(例えば、入口104で蒸気を受け取り、出口106で蒸気を排出する)。非凝縮蒸気タービン100は、有利なことに、負荷24に取り付けられたシャフト23の回転を補助し、それによって電力を発生させる一方で、炭素捕捉システム102に供給され得る蒸気を出口106で設定出力することができる。例えば、出口106からの蒸気は、一定の温度および圧力で炭素捕捉システム102に供給される可能性があり、これは、炭素捕捉システム102の1つ以上のボイラ、熱交換器、または他の構成要素を作動させる場合に有利である。
【0029】
CCPP10は、複数の段を有するHRSG32を含むこともできる。図示された実施形態におけるHRSG32の構成要素は、HRSG32の簡略化された描写であり、限定することを意図していない。むしろ、図示されたHRSG32は、このようなHRSGシステムの一般的な動作を伝えるために示されている。ガスタービン12からの加熱された排気ガス34はHRSG32に輸送され、蒸気タービンシステム22の動力に使用される蒸気を加熱するために使用される。蒸気タービンシステム22の低圧蒸気タービン26からの排気は、復水器36に導くことができる。復水器36からの復水は、復水ポンプ38によりHRSG32の低圧セクションに導かれる。
【0030】
凝縮水はその後、低圧エコノマイザ40(LPECON:low pressure economizer)を流れ、凝縮水を加熱するために使用することができる。低圧エコノマイザ40から、凝縮水(例えば、水)は低圧蒸発器42(LPEVAP:low pressure evaporator)に導かれるか、または給水ポンプ45の助けを借りて中間圧エコノマイザ44(IPECON)に導かれる。給水ポンプ45から、凝縮水は、中間圧エコノマイザ(IPECON)44またはHPエコノマイザ49のいずれかに、例えば2つの別個のパイプ、管、または流体導管を介して流入することができる。例えば、第1の給水ライン126が給水ポンプ45からHPエコノマイザ49に延び、第2の給水ライン128が給水ポンプ45からIPECON44に延びることがある。中間圧エコノマイザ44から、凝縮水を中間圧蒸発器46(IPEVAP)に導くことができる。さらに、HPエコノマイザ49から凝縮水は高圧エコノマイザ48(HPECON)に流入することがある。いくつかの実施形態では、HPECON48は第1の高圧エコノマイザと呼ばれることがあり、エコノマイザ49は第2の高圧エコノマイザと呼ばれることがある。
【0031】
多くの実施形態において、CCPP10は、HRSG32内に配置された低圧過熱器(low pressure superheater)130をさらに含むことができる。低圧過熱器130は、そこを通過する蒸気とHRSG32を通過する排気ガス34との間で熱を伝達する熱交換器であってもよい。低圧過熱器130は、LPEVAP42から蒸気を受け取る(その後、当該蒸気を過熱する)。低圧過熱器130からの蒸気は、中間圧蒸気タービン28の排気からの蒸気と共に、混合して低圧蒸気タービン26に供給されることがある。例えば、接続ライン132が、中間圧蒸気タービン28の出口を低圧蒸気タービン26の入口に流体連通させることができる。出口ライン134は、低圧過熱器130から接続ライン132に延び、それによって低圧過熱器130を接続ライン132に流体連通させる。図1~4はそれぞれ、クロスオーバーパイプによって接続された別個のIPタービンケーシング及びLPタービンケーシングを有する蒸気タービンシステム22を描いているが、蒸気タービンシステムは、本開示の範囲及び/又は精神から逸脱することなく、単一のIP/LPタービンケーシング(LP蒸気用の段間入口を備える)を組み合わせることができることを理解すべきであることに留意されたい。
【0032】
同様に、CCPP10は、HRSG32内に配置された中間圧過熱器70をさらに含むことができる。中間圧過熱器70は、そこを通過する蒸気とHRSG32を通過する排気ガス34との間で熱を伝達する熱交換器であってもよい。中間圧過熱器70は、IPEVAP46から蒸気を受け取ることができる(その後、当該蒸気を過熱する)。いくつかの実施形態では、図1および図4に示すように、中間圧過熱器70は、HRSG32を通る加熱された排ガス34の流れに関して、低圧過熱器130の上流(例えば、直ぐ上流または直接上流)にHRSG32内に配置されることがある。中間圧過熱器70からの蒸気は、高圧蒸気タービン30の排気からの蒸気と共に、一緒に混合され、非凝縮蒸気タービン100、一次再熱器(primary reheater)58、及び/又は仕上げ再熱器(finishing reheater)60のうちの1つ以上に供給され得る。例えば、出口ライン118は、中間圧過熱器70から高圧蒸気タービン30の高圧出口ライン124との接合部まで延びることができる。接合部では、中間圧過熱器70からの蒸気と高圧蒸気タービン30からの蒸気が混合し、主供給ライン(main supply line)120に入ることがある。次いで、主供給ライン120は、少なくとも2方向に分岐し、混合蒸気を一次再熱器58、第2の供給ライン116、及び/又はバイパスライン122のうちの1つ以上に供給することができる。例えば、図1及び図4に示す実施形態では、主供給ライン120は、3方向に分岐して、一次再加熱器58、第2の供給ライン116、及びバイパスライン122に蒸気を供給することができる。あるいは、図2および図3に示すように、主供給ライン120を2方向に分岐させて、一次再加熱器58および第2の供給ライン116に蒸気を供給することもできる。
【0033】
本明細書で説明する各エコノマイザ(例えば、LPECON40、IPECON44、HPECON49、HPECON48)は、加熱された排気ガス34で、給水又は復水を加熱するように構成された装置であってもよい。このように、LPECON40、IPECON44、HPECON49、及びHPECON48は、蒸気タービンシステム22に使用される水とガスタービン12からの加熱された排気ガス34との間で熱を移動させる熱交換器であってもよい。
【0034】
最後に、高圧エコノマイザ48からの凝縮水は、高圧蒸発器50(HPEVAP)に導くことができる。高圧蒸発器50を出た蒸気は、一次高圧過熱器(primary high pressure superheater)52および仕上げ高圧過熱器54に導かれる場合があり、ここで蒸気は過熱され、最終的に蒸気タービンシステム22の高圧蒸気タービン30に送られる。過熱器52、54はそれぞれ、HRSG32を通って移動するガスタービン12からの加熱された排気ガス34から、蒸気タービンシステム22に使用される蒸気に熱を伝達する熱交換器とすることができる。
【0035】
一次高圧過熱器52と仕上げ高圧過熱器54の間に、段間アテンペレータ(inter-stage attemperator:ステージ間過熱低減器)56を配置することができる。段間アテンペレータ56により、仕上高圧過熱器54からの蒸気の排出温度をより強固に制御することができる。具体的には、段間アテンペレータ56は、仕上高圧過熱器54を出る蒸気の排出温度が所定値を超えるたびに、仕上高圧過熱器54の上流の過熱蒸気に冷却給水スプレーを噴射することによって、仕上高圧過熱器54を出る蒸気の温度を制御するように構成されることがある。
【0036】
さらに、蒸気タービンシステム22の高圧蒸気タービン30からの排気は、中間圧過熱器70を出る中間圧蒸気と混合され、蒸気タービンシステム22の中間圧蒸気タービン28及び/又は非凝縮蒸気タービン100に導かれる前に再加熱され得る一次再加熱器58及び仕上げ再加熱器60に一緒に導かれ得る。一次再加熱器58は、再加熱器接続ライン108(図1及び図4)を介して仕上げ再加熱器60に流体的に結合され得る。再熱器接続ライン108は、一次再熱器58と仕上げ再熱器60との間に延在し、流体的に結合することができる。
【0037】
CCPP10のような複合サイクルシステムでは、ガスタービン12からの高温の排気がHRSG32を通って流れ、高圧高温の蒸気だけでなく、1つ以上のより低い圧力と温度の蒸気を生成するために使用されることがある。HRSG32によって生成された蒸気は、発電のために蒸気タービンシステム22に通すことができる。さらに、生成された蒸気は、蒸気を使用する他のプロセスに供給することもできる。
【0038】
ガスタービン12の発電サイクルは、しばしば「トッピングサイクル:topping cycle」と呼ばれ、HRSG32および蒸気タービンシステム22の発電サイクルは、しばしば「ボトミングサイクル:bottoming cycle」と呼ばれる。図1図4に示されるように、これら2つのサイクルを組み合わせることにより、複合サイクル発電所10は、より高い複合プラント効率を導くことができる。特に、トッピングサイクルからの排気熱を回収し、ボトミングサイクルで使用する蒸気を生成するために使用することができる。
【0039】
CCPP10は、HRSG32を使用することにより、加熱された排気ガス34から熱を再利用することが有利である。図1に示されるように、ガスタービン12およびHRSG32の構成要素は、個別の機能ユニットに分離することができる。言い換えれば、ガスタービン12は、加熱された排気ガス34を生成し、加熱された排気ガス34をHRSG32に向かわせ、HRSG32は、過熱蒸気を生成することによって加熱された排気ガス34から熱を回収することを主に担当する。過熱蒸気は、蒸気タービンシステム22によって動力源として使用される。加熱された排気ガス34は、CCPP10の特定の設計に基づいて異なる一連のダクトを通してHRSG32に移送される場合がある。
【0040】
例示的な実施形態では、非凝縮蒸気タービン100の入口104は、仕上げ再加熱器60の出口ライン110を介して、少なくとも部分的に仕上げ再加熱器60に流体連通することができる。例えば、多くの実施形態において、仕上げ再加熱器60からの蒸気は、少なくとも部分的に出口ライン110を介して非凝縮蒸気タービン100及び中間圧蒸気タービン28の両方に供給されることがある。特に、第1の供給ライン112が出口ライン110から非凝縮蒸気タービン100に延び(仕上げ再加熱器60からの蒸気を非凝縮蒸気タービン100に供給する)、中間圧供給ライン114が出口ライン110から中間圧蒸気タービン28に延びる(仕上げ再加熱器60からの蒸気を中間圧蒸気タービン28に供給する)ことがある。例えば、第1の供給ライン112と中間圧供給ライン114は、出口ライン110から異なる場所に分岐することができる。特に、第1の供給ライン112は、仕上げ再加熱器60の出口ライン110から蒸気タービンシステム22の非凝縮蒸気タービン100の入口104まで延びることができる。中間圧供給ライン114は、出口ライン110から蒸気タービンシステム22の中間圧蒸気タービン28まで延びることができる。このようにして、仕上げ再加熱器60は、非凝縮蒸気タービン100と中間圧蒸気タービン28の両方に蒸気を供給することができる。
【0041】
多くの実施形態において、第2の供給ライン116は、HRSG32の主供給ライン120から第1の供給ライン112まで延びることがある。例えば、中間圧過熱器70は、一次再熱器58及び非凝縮蒸気タービン100と流体連通する出口ライン118を含むことができる。一次再熱器供給ライン(primary reheater supply line)120は、出口ライン118から一次再熱器58まで延びることができる。同様に、第2の供給ライン116は、主供給ライン120から第1の供給ライン112まで延びることができる。このようにして、非凝縮蒸気タービン100の入口104は、主供給ライン(main supply line)120(中間圧過熱器70からの蒸気及び高圧蒸気タービン30の出口からの蒸気の副混合物(sub-mixture)を含む)からの流体(例えば、蒸気)及び仕上げ再加熱器60の出口からの蒸気の混合物を受け取ることができる。これにより、有利なことに、炭素捕捉システム102に供給するために使用される非凝縮蒸気タービン100の入口104および出口106における蒸気温度を管理することができ、これにより、出口106と炭素捕捉システム102との間のアテンプター(attemperator:過熱低減器)の必要性を大幅に低減または排除することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、図1および図4に示すように、バイパスライン122は、一次再加熱器と仕上げ再加熱器60との間(または仕上げ再加熱器60の入口)で接続ライン108に流体的に接続することができる。例えば、バイパスライン122は、主供給ライン120と再加熱器接続ライン108との間に延在することができる。このようにして、主供給ライン120は、例えば、一次再熱器58、非凝縮蒸気タービン100に供給する第2の供給ライン116、及び再熱蒸気温度制御バイパスライン(reheat steam temperature control bypass line)122(図1及び図4)の3方向に(分岐点で)分岐することができる。蒸気タービンシステム22の高圧蒸気タービン30からの排気は、分岐点上流の主供給ライン120に供給することができる。例えば、高圧出口ライン124は、高圧蒸気タービン30の出口と中間圧過熱器70の出口ライン118との間に延在し、流体的に接続することができる。
【0043】
様々な実施形態では、図2および図3に示すように、一次再加熱器58および仕上げ再加熱器60は、再加熱器からの排出蒸気温度を制御するための段間アテンペレータ62とも関連付けられることがある。具体的には、段間アテンペレータ62は、仕上げ再加熱器60を出る蒸気の排出温度が所定値を超えるたびに、仕上げ再加熱器60の上流の過熱蒸気に冷却給水スプレーを噴射することによって、仕上げ再加熱器60を出る蒸気の温度を制御するように構成され得る。例えば、段間アテンペレータ62は、再加熱器接続ライン上(例えば、一次再加熱器58と仕上げ再加熱器60との間)に流体連通して配置され得る。段間アテンペレータ62は、給水ポンプ45に流体連通していてもよい。特に、段間アテンペレータ62は、給水ポンプ45から出る水または凝縮水の一部を受け取ることができる。例えば、図示のように、段間アテンペレータ62は、第2の給水ライン128(図2および図3においてAとラベル付けされたボックスによって図示されている)からの水または凝縮水の流れを受け取ることができる。再熱蒸気温度制御に使用される水(すなわち、ボックスAから段間アテンペレータ62が受け取る水)は、中間圧ドラムへのIPECON排出を含むがこれに限定されない、中間圧給水回路上のどこからでも来ることができることを理解されたい。
【0044】
図1図4はそれぞれ、多数のバルブ150を示しており、これらのバルブ150には個別の番号は付されていないが、図1図4では共通の符号が付されている。各バルブ150は、開位置と閉位置との間で選択的に作動させることができる。開位置では、バルブ150が取り付けられているラインを通って移動する流体は制限されない可能性がある。対照的に、閉位置では、バルブ150が取り付けられているラインを通って移動する流体は制限される可能性がある。バルブの各々はまた、バルブ150が取り付けられているラインを通って移動する流体の流量を制御することを可能にし得る部分的に閉じた(または部分的に開いた)位置に選択的に作動され得る。
【0045】
様々な実施形態において、炭素捕捉システム102は、低圧過熱器130(図3及び図4においてボックスBによって図示されている)に流体的に結合され得る。例えば、低圧過熱器130を出る蒸気の一部を炭素捕捉システム102に送ることができる(例えば、出口ライン134から)。ボックスBは、出口ライン134からCCS102まで延びるラインを表していることを理解されたい。低圧過熱器130を出る蒸気温度は、負荷範囲にわたって比較的平坦(例えば、不変または一貫)である。例えば、低圧過熱器130を出る蒸気の温度は、負荷範囲にわたって±30%以内、または負荷範囲にわたって±20%以内、または負荷範囲にわたって±10%以内、または負荷範囲にわたって±5%以内)である可能性がある。これは、低圧過熱器130からの蒸気を炭素捕捉システム102のニーズに専用化し、非凝縮蒸気タービン100から必要とされる蒸気流量を低減するのに有利である。
【0046】
本明細書では、実施例を用いて、最良の態様を含む本発明を開示するとともに、任意の装置またはシステムの製造および使用、ならびに組み込まれた方法の実行を含め、当業者であれば誰でも本発明を実施できるようにする。本発明の特許可能な範囲は特許請求の範囲によって定義され、当業者に思いつく他の実施例を含むことができる。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を含む場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0047】
本発明のさらなる側面は、以下の条項の主題によって提供される。
[実施形態1]
ガスタービンと、熱回収蒸気発生器(HRSG)と、蒸気利用システムと、蒸気タービンシステムとを含む、複合サイクル発電所(CCPP)であって、前記蒸気タービンシステムは、高圧蒸気タービン、中圧蒸気タービン、低圧蒸気タービンの少なくとも1つと、前記HRSGに流体的に結合された入口と前記蒸気利用システムに流体的に結合された出口とを有する非凝縮蒸気タービンとを含む、複合サイクル発電所(CCPP)(A combined cycle power plant (CCPP) comprising: a gas turbine; a heat recovery steam generator (HRSG); a steam utilization system; and a steam turbine system comprising: at least one of a high pressure steam turbine, an intermediate pressure steam turbine, and a low pressure steam turbine; and a non-condensing steam turbine having an inlet fluidly coupled to the HRSG and an outlet fluidly coupled to the steam utilization system)。
[実施形態2]
前記HRSGが、再加熱器接続ラインを介して仕上げ再加熱器に流体的に結合された一次再加熱器をさらに含む(the HRSG further comprises a primary reheater fluidly coupled to a finishing reheater via a reheater connection line)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
[実施形態3]
前記非凝縮蒸気タービンの前記入口が、前記仕上げ再加熱器の出口ラインを少なくとも部分的に介して、前記仕上げ再加熱器に流体的に結合されている(the inlet of the non-condensing steam turbine is fluidly coupled to the finishing reheater at least partially via an outlet line of the finishing reheater)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
[実施形態4]
第1の供給ラインが、前記仕上げ再加熱器の前記出口ラインから前記非凝縮蒸気タービンの前記入口まで延びる(a first supply line extends from the outlet line of the finishing reheater to the inlet of the non-condensing steam turbine)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
[実施形態5]
中間圧供給ラインが、前記仕上げ再加熱器の前記出口ラインから前記中間圧蒸気タービンまで延びる(an intermediate pressure supply line extends from the outlet line of the finishing reheater to the intermediate pressure steam turbine)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
[実施形態6]
前記HRSGが、主供給ラインに延びる第1の出口ラインを有する過熱器を備える(the HRSG includes a superheater having a first outlet line that extends to a main supply line)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
[実施形態7]
前記高圧蒸気タービンが、前記主供給ラインに延びる第2の出口ラインを備える(the high pressure steam turbine includes a second outlet line that extends to the main supply line)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
[実施形態8]
バイパスラインが、前記主中間圧供給ラインから前記再加熱器接続ラインまで延びる(a bypass line extends from the main intermediate pressure supply line to the reheater connection line)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
[実施形態9]
前記蒸気利用システムが、低圧過熱器に流体的に結合される(the steam utilization system is fluidly coupled to a low pressure superheater)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
[実施形態10]
前記蒸気利用システムが炭素捕捉システムである(the steam utilization system is a carbon capture system)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
[実施形態11]
ガスタービンと、熱回収蒸気発生器(HRSG)と、蒸気利用システムと、蒸気タービンシステムとを含む複合サイクル発電所(CCPP)であって、前記蒸気タービンシステムは、1つ以上のシャフトと、前記1つ以上のシャフト上に配置された高圧蒸気タービンと、中間圧蒸気タービンと、低圧蒸気タービンと、を含み、前記CCPPは、前記1つ以上のシャフト上に配置され、前記HRSGに流体的に結合された入口と、前記蒸気利用システムに流体的に結合された出口を有する非凝縮蒸気タービンを含む、複合サイクル発電所(CCPP)(A combined cycle power plant (CCPP) comprising: a gas turbine; a heat recovery steam generator (HRSG); a steam utilization system; and a steam turbine system comprising: one or more shafts; a high pressure steam turbine, an intermediate pressure steam turbine, and a low pressure steam turbine disposed on the one or more shafts; and a non-condensing steam turbine disposed on the one or more shafts and having an inlet fluidly coupled to the HRSG and an outlet fluidly coupled to the steam utilization system)。
[実施形態12]
前記HRSGが、再加熱器接続ラインを介して仕上げ再加熱器に流体的に結合された一次再加熱器をさらに含む(the HRSG further comprises a primary reheater fluidly coupled to a finishing reheater via a reheater connection line)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
[実施形態13]
前記非凝縮蒸気タービンの前記入口が、前記仕上げ再加熱器の出口ラインを少なくとも部分的に介して、前記仕上げ再加熱器に流体的に結合される(the inlet of the non-condensing steam turbine is fluidly coupled to the finishing reheater at least partially via an outlet line of the finishing reheater)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
[実施形態14]
第1の供給ラインが、前記仕上げ再加熱器の前記出口ラインから前記非凝縮蒸気タービンの前記入口まで延びる(a first supply line extends from the outlet line of the finishing reheater to the inlet of the non-condensing steam turbine)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
[実施形態15]
中間圧供給ラインが、前記仕上げ再加熱器の前記出口ラインから前記中間圧蒸気タービンまで延びる(an intermediate pressure supply line extends from the outlet line of the finishing reheater to the intermediate pressure steam turbine)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
[実施形態16]
前記HRSGが、主供給ラインに延びる第1の出口ラインを有する過熱器を備える(the HRSG includes a superheater having a first outlet line that extends to a main supply line)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
[実施形態17]
前記高圧蒸気タービンが、前記主供給ラインに延びる第2の出口ラインを備える(the high pressure steam turbine includes a second outlet line that extends to the main supply line)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
[実施形態18]
バイパスラインが、前記主中間圧供給ラインから前記再加熱器接続ラインまで延びる(a bypass line extends from the main intermediate pressure supply line to the reheater connection line)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
[実施形態19]
前記蒸気利用システムが、低圧過熱器に流体的に結合される(the steam utilization system is fluidly coupled to a low pressure superheater)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
[実施形態20]
前記蒸気利用システムが炭素捕捉システムである(the steam utilization system is a carbon capture system)、先行する実施形態のいずれかに記載のCCPP。
【符号の説明】
【0048】
10:複合サイクル発電所/CCPP 12:ガスタービン 14:第1の負荷 16:タービンセクション 18:燃焼器/燃焼室 20:圧縮機セクション 21、23:シャフト 22:蒸気タービンシステム 24:第2の負荷 26:低圧(LP)蒸気タービン 28:中圧(IP)蒸気タービン 30:高圧(HP)蒸気タービン 32:熱回収蒸気発生器/HRSG 34:排気ガス 36:復水器/コンデンサ 38:復水ポンプ 40:低圧エコノマイザ/LPECON 42:低圧蒸発器/LPEVAP 44:中間圧エコノマイザ/IPECON 45:給水ポンプ 46:中間圧蒸発器/IPEVAP 48、49:高圧エコノマイザ/HPECON 50:高圧蒸発器/HPEVAP 52、54:高圧過熱器 56:段間アテンペレータ 58:一次再熱器 60:仕上げ再熱器 70:中間圧過熱器 100:非凝縮蒸気タービン 102:炭素捕捉システム/CCS 104:入口 105:排気筒 106:出口 108:再加熱器接続ライン 110:出口ライン 112:第1の供給ライン 114:中間圧供給ライン 116:第2の供給ライン 118:出口ライン 120:一次再熱器供給ライン/主供給ライン 122:バイパスライン 124:高圧出口ライン 126:第1の給水ライン 128:第2の給水ライン 130:低圧過熱器 132:接続ライン 150:バルブ
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2025-04-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合サイクル発電所(CCPP)であって、
ガスタービンと、
熱回収蒸気発生器(HRSG)と、
蒸気利用システムと、
蒸気タービンシステムと、を含み、
前記蒸気タービンシステムは、
高圧蒸気タービン、中圧蒸気タービン、および低圧蒸気タービンの少なくとも1つと、
前記HRSGに流体的に結合された入口と、前記蒸気利用システムに流体的に結合された出口とを有する非凝縮蒸気タービンとを含む、CCPP。
【請求項2】
前記HRSGが、再加熱器接続ラインを介して前記仕上げ再加熱器に流体的に結合された一次再加熱器をさらに含む、請求項1に記載のCCPP。
【請求項3】
前記非凝縮蒸気タービンの前記入口が、前記仕上げ再加熱器の出口ラインを少なくとも部分的に介して前記仕上げ再加熱器に流体連通する、請求項2に記載のCCPP。
【請求項4】
第1の供給ラインが、前記仕上げ再加熱器の前記出口ラインから前記非凝縮蒸気タービンの入口まで延びている、請求項3に記載のCCPP。
【請求項5】
中間圧供給ラインが、前記仕上げ再加熱器の前記出口ラインから前記中間圧蒸気タービンまで延びている、請求項3に記載のCCPP。
【請求項6】
前記HRSGは、主供給ラインに延びる第1の出口ラインを有する過熱器を備える、請求項4に記載のCCPP。
【請求項7】
前記高圧蒸気タービンが、前記主供給ラインに延びる第2の出口ラインを備える、請求項6に記載のCCPP。
【請求項8】
前記バイパスラインが、前記主中間圧供給ラインから前記再加熱器接続ラインまで延びる、請求項7に記載のCCPP。
【請求項9】
前記蒸気利用システムが、低圧過熱器に流体的に結合される、請求項1に記載のCCPP。
【請求項10】
前記蒸気利用システムが、炭素捕捉システムである、請求項1に記載のCCPP。
【請求項11】
複合サイクル発電所(CCPP)であって、
ガスタービンと、
熱回収蒸気発生器(HRSG)と、
蒸気利用システムと、
蒸気タービンシステムとを含み、前記蒸気タービンシステムは、
1つ以上のシャフトと、
前記1つ以上のシャフト上に配置された高圧蒸気タービン、中間圧蒸気タービン、および低圧蒸気タービンと、
前記1つ以上のシャフト上に配置され、前記HRSGに流体的に結合された入口と、前記蒸気利用システムに流体的に結合された出口を有する非凝縮蒸気タービンと、を含む、CCPP。
【請求項12】
前記HRSGが、再加熱器接続ラインを介して仕上げ再加熱器に流体的に結合された一次再加熱器をさらに含む、請求項11に記載のCCPP。
【請求項13】
前記非凝縮蒸気タービンの前記入口が、前記仕上げ再加熱器の出口ラインを少なくとも部分的に介して前記仕上げ再加熱器に流体連通している、請求項12に記載のCCPP。
【請求項14】
前記第1の供給ラインが、前記仕上げ再加熱器の前記出口ラインから前記非凝縮蒸気タービンの前記入口まで延びている、請求項13に記載のCCPP。
【請求項15】
前記中間圧供給ラインが、前記仕上げ再加熱器の前記出口ラインから前記中間圧蒸気タービンまで延びる、請求項13に記載のCCPP。
【国際調査報告】