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特表2025-513397特異的結合メンバー-蛍光コンジュゲートを用いた試料インデックス化を使用する高度に多重化された試料のハイスループットフローサイトメトリー分析
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  • 特表-特異的結合メンバー-蛍光コンジュゲートを用いた試料インデックス化を使用する高度に多重化された試料のハイスループットフローサイトメトリー分析 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-04-24
(54)【発明の名称】特異的結合メンバー-蛍光コンジュゲートを用いた試料インデックス化を使用する高度に多重化された試料のハイスループットフローサイトメトリー分析
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/536 20060101AFI20250417BHJP
   G01N 33/543 20060101ALI20250417BHJP
   C07K 1/13 20060101ALI20250417BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20250417BHJP
【FI】
G01N33/536 D
G01N33/543 597
G01N33/543 575
C07K1/13
C07K16/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024561945
(86)(22)【出願日】2023-04-12
(85)【翻訳文提出日】2024-12-13
(86)【国際出願番号】 US2023018336
(87)【国際公開番号】W WO2023205018
(87)【国際公開日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】63/332,085
(32)【優先日】2022-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】マーティン,ジョディ
(72)【発明者】
【氏名】ライト,アダム トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ヘ,ピン
【テーマコード(参考)】
4H045
【Fターム(参考)】
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA70
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA50
(57)【要約】
例えば、多重化フローサイトメトリーワークフローで使用するための、複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料を生成する方法が提供される。本方法の態様は、複数の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料を提供することと、複数の粒子のうちの異なる粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料を固有の蛍光バーコードで標識することとを含み、所与の蛍光バーコードは、粒子マーカーに特異的に結合する1つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーを含む。また、本発明の方法を実施するための組成物も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料を生成する方法であって、
複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料を生成するために、
複数の粒子試料を提供することと、
前記複数の粒子試料のうちの異なる粒子試料を、所与の蛍光バーコードが、粒子マーカーに特異的に結合する1つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、固有の蛍光バーコードで標識することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記複数の粒子試料が、複数の細胞試料又は複数のビーズ試料を含む、先行請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記粒子試料が、マルチウェルプレートのウェルに提供される、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
各固有の蛍光バーコードが、複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、最大発光及び輝度のうちの1つ以上によって互いに異なる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、共通の光源、好ましくはレーザーによって励起可能である、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記粒子マーカーが、非表現型マーカーである、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記特異的結合メンバーが、抗体又はその結合断片である、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
複数の区別可能に蛍光標識されたバーコード化試料をプールして、プールされた試料を生成することを更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記プールされた試料をフローサイトメトリーでアッセイすることを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、同じ蛍光バーコードを有する細胞を、同じ粒子試料に由来するものとして割り当てることを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、前記複数の粒子試料のうちの2つ以上を差次的に処理することを更に含む、先行請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
各々固有の蛍光バーコードで標識された複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料であって、
所与の蛍光バーコードが、粒子マーカーに特異的に結合する1つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
【請求項14】
蛍光バーコード化された細胞試料又は蛍光バーコード化されたビーズ試料を含む、請求項13に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
【請求項15】
粒子マーカーに特異的に結合する複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
生体流体中の分析物の特性評価は、患者の健康全般及びウエルネスの生体研究、医学的診断、及び評価の重要な部分になっている。ヒト血液又は血液由来生成物などの生体流体中の分析物を検出することは、様々な疾患状態を有する患者の治療プロトコルを決定する上で、役割を果たし得る結果を提供することができる。
【0002】
フローサイトメトリーは、血液試料の細胞、又は別のタイプの生体試料又は化学試料内の対象の粒子など、生体材料を特徴付け、しばしば選別するために使用される技術である。フローサイトメータは、血液試料などの流体試料を受容するための試料リザーバ、及びシース流体を含有するシースリザーバを典型的には含む。フローサイトメータは、シース流体をフローセルに方向付けながら、流体試料中の粒子(細胞を含む)をセルストリームとしてフローセルに移送する。フローストリームの成分の特性評価を行うために、光がフローストリームに照射される。
【0003】
形態又は蛍光標識の存在などのフローストリーム中の材料の変動は、観察される光の変動を引き起こし得、これらの変動により、特性評価及び分離が可能になる。フローストリーム中の成分の特性評価を行うために、光は、フローストリームに衝突し、収集されなくてはならない。フローサイトメータにおける光源は様々であり得、1つ以上の広域スペクトルランプ、発光ダイオード、並びに単一波長レーザーが含まれ得る。光源は、フローストリームと整列し、照射された粒子からの光学応答が、収集され、定量化される。
【0004】
ハイスループットフローサイトメータのワークフローでは、試薬消費を最小化し、しかも取得されたデータの堅牢性を最大化しながら、多数の異なる試料を処理することが望まれている。蛍光細胞バーコード化(FCB)(Krutzik and Nolan,“Fluorescent cell barcoding in flow cytometry allows high-throughput drug screening and signaling profiling,”Nat.Methods(2006)3(5):361-368)は、この要求を満たすように設計された技術である。FCBでは、異なる細胞試料は、固有の蛍光シグネチャでコードされ、その後、試料は、後続の同時抗体染色及びデータ収集のために組み合わされるか、又はプールされる。FCBでは、固有の蛍光シグネチャを有する異なる細胞試料をコードするために、蛍光色素を誘導体化して、例えば、タンパク質に存在するアミン官能基(例えば、リジン側鎖及びタンパク質のN末端)に反応性であるように、適切な細胞標的と(例えば、N-ヒドロキシスクシンイミドと)反応性にする。細胞試料を、異なる濃度の反応性蛍光色素で染色し、固有の色素強度分布を有する試料を生成する。得られた蛍光コードされた試料は、バーコード化の検出チャネルにおけるそれらの蛍光強度に基づいて区別可能である。FCBは、試料間の変動を排除する。この変動は、染色体積、抗体濃度などを含むいくつかの異なるソースから生じ得る。更に、多くの異なる試料が後続のフローサイトメトリー分析のためにプールされるので、データ取得時間が最小化される。
【0005】
FCBは、上述のように、フローサイトメトリーワークフローにおいていくつかの利点を提供するが、欠点がないわけではない。FCBは、一般に、2色又は3色のみを含み、細胞膜又は細胞内で色素の共有結合を化学的に生成するために、色素に関連付けられた複雑な反応性化学物質に依存する。材料は非常に不安定であるため、製造、保管、出荷が困難である。このユーティリティは、細胞試料の標識における一貫性の欠如による複雑さを伴う。蛍光バーコードに基づく20を超える集団の分解能は困難である。
【発明の概要】
【0006】
本明細書に記載の本発明は、蛍光細胞バーコード化の製造性、安定性、有用性、及び多重性を改善し、十分に特徴付けられた特異的結合メンバー(例えば、抗体、フルオロフォアコンジュゲート)を使用することによって改善する。本発明の実施形態は、蛍光バーコード化(試料インデックス化)、続いてプールされた試料データ取得を介した超ハイスループットフローサイトメトリーへの経路を提供する。蛍光バーコード化は、様々な遍在性細胞表面エピトープを標的とする、フルオロフォアコンジュゲート特異的結合メンバー(例えば、抗体)で達成される。細胞表面特徴の遍在的な性質は、全ての細胞に共通、種特異的であってもよく、又は目的の細胞の特定の亜集団を標的としてもよい。特定の研究における全ての試料に、そのシグネチャにおける各色に固有の蛍光シグネチャ及び/又は輝度が割り当てられると、試料をプールし、マルチパラメータフローサイトメトリーで単一の試料として同時に実行することができる。本明細書に記載の実施形態では、数十又は数百の試料をプールし、アッセイし、多重化された試料データを、プールされていない試料からデータを個々に取得するのにかかる時間のほんのわずかな時間で取得することができるようになる。追加的に、試料内の各細胞は、一意の試料バーコードでインデックス付けされているため、フローサイトメータ内の試料から試料への汚染に関する懸念が緩和される。個々の試料データは、所与の試料に関連付けられた全ての細胞から読み取られた特定の蛍光バーコードに基づいて、バイオインフォマティクス的に特定され、収集後の分析中に、単一のデータファイルから分離され得る。本発明の実施形態によって提供されるように、アッセイ及び分析の前に数百の試料を単一のプールに組み合わせる能力は、アッセイ及び分析スループットの大幅な改善に加えて、いくつかの追加の利点を有する。シングルチューブアッセイ処理及び染色により、チューブ間の変動を排除することができる。単一の大規模な多重化試料をロードする能力は、機械式オートローダーと比較して、ウォークアウェイ(walk-away)試料データ収集の自動化を容易にする。全ての研究データ収集のために単一の試料をロードすることにより、いくつかのチューブ又はウェルにわたるデータ収集中のヒューマンエラーが最小化される。
【0007】
上記の議論は、細胞バーコード化に焦点を当てているが、本発明は、それに限定されない。代わりに、本発明を使用して、ビーズベースのアッセイ試料の多重化を可能にする、他のタイプの粒子(例えば、ビーズ)をバーコード化してもよい。
【0008】
複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子、例えば、例えば、多重化フローサイトメトリーワークフローで使用するための細胞試料を生成する方法が提供される。本方法の態様は、複数の粒子(例えば、細胞試料)を提供することと、複数の粒子のうちの異なる粒子(例えば、細胞)試料を固有の蛍光バーコードで標識することとを含み、所与の蛍光バーコードは、ユニバーサル表面(例えば、細胞表面)マーカーに特異的に結合する1つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーを含む。また、本発明の方法を実施するための組成物も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、添付の図面と併せて読み取るときに、以下の詳細な説明から最良に理解され得る。
【0010】
図1】本発明の実施形態による、ワークフローの概略図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
定義
別途定義されない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、本開示が属する当業者に一般に理解される意味と同じ意味を有する。例えば、Singleton et al.,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology 2nd ed.,J.Wiley&Sons(New York,NY 1994)、Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press(Cold Spring Harbor,NY 1989)を参照されたい。本開示の目的のために、以下の用語が以下に定義される。
【0012】
本明細書で使用される場合、抗体は、全長(例えば、天然に存在する、若しくは正常な免疫グロブリン遺伝子断片の組換えプロセスによって形成される)免疫グロブリン分子(例えば、IgG抗体)又は(抗体断片のような)免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な(すなわち、特異的に結合する)部分であり得る。いくつかの実施形態では、抗体は、機能的抗体断片である。例えば、抗体断片は、F(ab’)2、Fab’、Fab、Fv、sFvなどの、抗体の一部分であり得る。抗体断片は、全長抗体によって認識される抗原と同じ抗原に結合することができる。抗体断片は、重鎖及び軽鎖の可変領域からなる「Fv」断片などの抗体の可変領域からなる単離された断片、並びに軽鎖及び重鎖の可変領域がペプチドリンカーによって接続された組換え単鎖ポリペプチド分子(「scFvタンパク質」)を含み得る。例示的な抗体としては、がん細胞に対する抗体、ウイルスに対する抗体、細胞表面受容体(例えば、CD8、CD34、及びCD45)に結合する抗体、並びに治療用抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
本明細書で使用される場合、「関連する」又は「に関連する」という用語は、2つ以上の種がある時点で共存しているとして特定可能であることを意味し得る。関連は、2つ以上の種が類似の容器内にあること又は類似の容器内にあったことを意味し得る。関連は、情報学的な関連であり得る。例えば、2つ以上の種に関するデジタル情報を記憶することができ、種のうちの1つ以上がある時点で共存していたことを決定するために使用することができる。関連は、物理的な関連であり得る。いくつかの実施形態では、2つ以上の関連する種は、互いに、又は共通の固体若しくは半固体表面に「繋がれている」、「結合している」、又は「固定化されている」。関連は、ビーズなどの固体又は半固体支持体に標識を結合させるための共有結合又は非共有結合の手段を指し得る。関連は、標的と標識との間の共有結合であってもよい。関連は、2つの分子(例えば、標的分子及び標識)間のハイブリダイゼーションを含み得る。
【0014】
本明細書で使用される場合、「相補的」という用語は、2つのヌクレオチド間の正確な対合の能力を指し得る。例えば、核酸の所与の位置にあるヌクレオチドが別の核酸のヌクレオチドと水素結合することができる場合、2つの核酸は、その位置で互いに相補的であると見なされる。2つの一本鎖核酸分子間の相補性は、ヌクレオチドのうちのいくつかのみが結合する「部分的」であり得るか、又は一本鎖分子間に完全な相補性が存在するときに完全であり得る。第1のヌクレオチド配列が第2のヌクレオチド配列に相補的である場合、第1のヌクレオチド配列は、第2のヌクレオチド配列に「相補的」であると言うことができる。第1のヌクレオチド配列が、第2の配列の逆である(すなわち、ヌクレオチドの順序が逆である)配列に相補的である場合、第1のヌクレオチド配列は、第2の配列の「逆相補体」であると言うことができる。本明細書で使用される場合、「相補体」、「相補的」、及び「逆相補体」という用語は、互換的に使用され得る。本開示から、ある分子が別の分子にハイブリダイズすることができる場合、それはハイブリダイズしている分子の相補体であり得ることが理解される。
【0015】
本明細書で使用される場合、「試料」という用語は、標的を含む組成物を指し得る。開示される方法、デバイス、及びシステムによる分析に好適な試料には、細胞、組織、臓器、又は生物が含まれる。細胞試料は、単一細胞の水性組成物などの複数の異なる細胞を含む組成物など、複数の細胞(細胞の数は様々であり得る)で構成される組成物である。
【0016】
本明細書で使用される場合、「サンプリングデバイス」又は「デバイス」という用語は、試料の一部を採取し、かつ/又はその部分を基材上に配置し得るデバイスを指し得る。試料デバイスは、例えば、蛍光活性化細胞選別(FACS)機械、細胞選別機、生検針、生検デバイス、組織切片作製デバイス、マイクロ流体デバイス、ブレードグリッド、及び/又はミクロトームを指し得る。
【0017】
本明細書で使用される場合、「固体支持体」という用語は、核酸が結合され得る別個の固体又は半固体表面を指し得る。固体支持体は、核酸が(例えば、共有結合又は非共有結合で)固定化され得る、プラスチック、セラミック、金属、又は高分子材料(例えば、ヒドロゲル)からなる任意のタイプの固体、多孔質、又は中空の球、ボール、ベアリング、シリンダ、又は他の同様の構成を包含し得る。固体支持体は、球形(例えば、マイクロスフィア)であり得るか、又は非球形若しくは不規則な形状(立方体、直方体、錐体、円筒形、円錐形、長円形、又は円盤形など)を有する別個の粒子を含み得る。ビーズの形状は、非球形であってもよい。アレイ内に離間した複数の固体支持体は、基材を含まない場合がある。固体支持体は、「ビーズ」という用語と互換的に使用され得る。ビーズ試料は、複数の異なるビーズで構成される組成物であり、そのビーズは、サイズ及び/又は蛍光シグネチャに基づいて(例えば、最大発光及び/又は輝度によって提供されるように)各々区別可能であり得、異なるビーズは、異なる分析物(例えば、タンパク質)に特異的に結合し得、ビーズの数は、様々であり得る。
【0018】
例えば、多重化フローサイトメトリーワークフローで使用するための複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子(例えば、細胞試料)を生成する方法が提供される。本方法の態様は、複数の粒子(例えば、細胞試料)を提供することと、複数の粒子のうちの異なる粒子(例えば、細胞)試料を固有の蛍光バーコードで標識することとを含み、所与の蛍光バーコードは、ユニバーサル表面(例えば、細胞表面)マーカーに特異的に結合する1つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーを含む。また、本発明の方法を実施するための組成物も提供される。
【0019】
本発明をより詳細に説明する前に、本発明は、説明される特定の実施形態に限定されず、したがって、当然のことながら、変動し得ることを理解されたい。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになるため、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、限定することが意図されるものではないことも理解されるべきである。
【0020】
値の範囲が提供される場合、文脈が別段明示しない限り、各介在値は、その範囲の上限及び下限と、その記載された範囲内の任意の他の記載値又は介在値との間に、下限の単位の10分の1まで本発明内に包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、独立して、より小さな範囲に含まれ得、また、記述の範囲内の任意の特定の除外された制限に従うことを条件として、本発明内に包含される。記載された範囲が限定の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる限定のいずれか又は両方を除外する範囲も、同様に本発明に含まれる。
【0021】
ある特定の範囲は、「約」という用語が数値に先行して本明細書で提示される。「約」という用語は、この用語が先行する正確な数、及びこの用語が先行する数に近い数又はほぼその数である数についての逐語的支持を提供するために本明細書で使用される。ある数が、具体的に列挙された数に近いか又はほぼその数であるかを決定する際に、列挙されていない数に近いか又はほぼその数は、提示される文脈において、具体的に列挙された数の実質的な同等性を提供する数であり得る。
【0022】
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似又は同等の任意の方法及び材料も、本発明の実施又は試験で使用することができるが、代表的な例示的な方法及び材料がここで説明される。
【0023】
本明細書で引用される全ての刊行物及び特許は、各個々の刊行物又は特許が、参照により組み込まれると具体的かつ個々に示されるかのように参照により本明細書に組み込まれ、方法及び/又は材料を刊行物が引用されるものに関して開示及び説明するために参照により本明細書に組み込まれる。いずれもの刊行物の引用は、出願日前のその開示についてのものであり、本発明が、従来発明のためそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきでない。更に、提供される刊行物の日付は、実際の公開日とは異なり得、これらは独立して確認する必要があり得る。
【0024】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別途文脈が明確に指示されない限り、複数の言及を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、あらゆる任意選択的な要素を排除するように設計され得ることに更に留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の要素の列挙に関連して「専ら」、「唯一の」などのような排他的な用語の使用又は「否定的な」制限の使用のための先行基準としての役割を果たすことを意図している。
【0025】
本開示を読むと当業者には明らかであるように、本明細書に説明及び例解される別個の実施形態の各々は、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の様々な実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、又はこれらと組み合わされ得る別個の構成要素及び特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙された事象の順序、又は論理的に可能な任意の他の順序で実行され得る。
【0026】
システム及び方法は、機能的な説明を伴う文法的流動性のために記載されている、又は記載されるが、特許請求の範囲は、米国特許法第112条下で明示的に策定されない限り、「手段」又は「ステップ」制限の構築によって必ずしも制限されるものと解釈されるべきではなく、同等物の法制定基礎原則の下で特許請求の範囲によって提供される定義の意味及び同等物の完全な範囲を付与されるべきであり、特許請求の範囲が米国特許法第112条下で明示的に策定される場合、米国特許法第112条下で完全な法定同等物が付与されるべきであることを明示的に理解されたい。
【0027】
方法
上記で要約したように、複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子(例えば、細胞又はビーズ)試料を生成する方法が提供される。「蛍光バーコード化試料」とは、例えば、粒子(例えば、細胞、ビーズなど)、複数の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)で構成される試料を意味し、試料の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)は、同じ蛍光バーコードと関連付けられる。試料の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)は、同じ蛍光バーコードに関連付けられているため、それらは、共通の蛍光バーコードを含み、このバーコードは、フローサイトメトリー分析中に検出され得、どの粒子(例えば、細胞、ビーズなど)から所与の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)をサンプリングするか、細胞が由来するかを決定するために使用される。所与の蛍光バーコード化試料の蛍光バーコードを使用して、例えば、以下により詳細に説明するように、試料の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)に関連付けられた蛍光バーコードの1つ以上のフルオロフォアから取得された1つ以上の蛍光発光シグナルで構成される蛍光シグネチャ(すなわち、蛍光識別子)を取得することができる。本発明の実施形態の方法によって生成された複数の異なる蛍光バーコード試料は、それに関連付けられた区別可能な蛍光バーコードを有し、したがって、例えば、フローサイトメトリープロトコルによってアッセイした場合、異なる蛍光シグネチャを提供する。
【0028】
上記で示したように、本発明の蛍光バーコードは、粒子表面マーカー(例えば、ユニバーサルな細胞マーカー、ビーズの表面に存在するマーカーなど)に特異的に結合する、1つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーを含む。所与の蛍光バーコードが、2つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーを含む場合、2つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーは、集合的に蛍光バーコードを構成する。したがって、本発明の実施形態では、所与の蛍光バーコードは、単一の蛍光標識された特異的結合メンバー、又は2つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバー、例えば、3~10個などの2~20個の蛍光標識された特異的結合メンバーで構成されてもよく、これらは集合的に蛍光バーコードを構成する。任意の所与の2つの区別可能な蛍光バーコードは、それによって提供されるフルオロフォアの種類及び/又はシグナルの輝度に基づいて、互いに区別可能であり得る(及び区別可能な蛍光シグネチャを生じ得る)。したがって、異なるバーコードから取得された任意の2つの区別可能な蛍光シグネチャは、集合的に蛍光シグネチャを構成する蛍光シグネチャの蛍光シグナル及び/又はその強度に基づいて区別可能であり得る。例えば、2つの区別可能な蛍光バーコードは、それらが異なるタイプのフルオロフォアの組み合わせで構成されている(例えば、一方が、フルオロフォアa、b、及びcを含み、他方が、フルオロフォアb、c、及びdを含む)ため、互いに区別可能であり得る。2つの区別可能な蛍光バーコードは、また、それらが異なる量のフルオロフォアで構成されている(例えば、一方が、様々な特異的結合メンバー上に第1の量で存在するフルオロフォアa、b、及びcで構成され、他方が、例えば、シグナルの輝度の差によって検出することができる値で第1の量と異なる第2の量で存在するフルオロフォアで構成されている)ため、互いに区別可能であり得る。任意の所望の数の固有の蛍光バーコードを提供するために、フルオロフォアのタイプ及び量の組み合わせが使用され得る。上記で要約したように、本発明の実施形態の方法は、複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料を提供する。例えば、所与の実施形態で生成された区別可能に蛍光バーコード化された粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料の数は、様々であり得るが、いくつかの事例では、数は、5~5000個(例えば、5~500個、50~400個の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料を含む)の範囲であり、いくつかの事例では、粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料の数は、6、12、24、48、96、又は384個の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料などの従来のマルチウェルプレートのウェルの数に対応する。
【0029】
本方法の実施形態の実施において、蛍光バーコード化される複数の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料が提供される。上記に概説したように、例えば、粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料の数は、様々であり得るが、いくつかの事例では、数は、5~5000個(例えば、5~500個、50~400個の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料を含む)の範囲であり、いくつかの事例では、粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料の数は、6、12、24、48、96、又は384個の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料などの従来のマルチウェルプレートのウェルの数に対応する。所与の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料中の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)数は、様々であり得、いくつかの事例では、粒子(例えば、細胞、ビーズなど)の数は、50~50,000,000個(例えば、100~1,000,000個、及び500~100,000個を含む)の範囲である。
【0030】
上記で要約したように、所与の粒子試料中の粒子は、様々であり得、粒子の例としては、細胞、ビーズなどが挙げられる。所与の細胞試料中に存在する細胞は、原核細胞及び真核細胞を含む任意のタイプの細胞であり得る。好適な原核細胞には、E.coliなどの細菌、様々なBacillus種、及び好熱性細菌などの好極限性細菌が含まれるが、これらに限定されない。好適な真核細胞には、Aspergillus、Trichoderma、及びNeurosporaの種を含む、酵母及び糸状菌などの真菌、トウモロコシ、ソルガム、タバコ、キャノーラ、大豆、綿、トマト、ジャガイモ、アルファルファ、ヒマワリなどの植物細胞、並びに魚、鳥、及び哺乳類が含まれるが、これらに限定されない。好適な魚類細胞には、サケ、マス、チュラピア、マグロ、コイ、ヒラメ、オヒョウ、メカジキ、タラ、及びゼブラフィッシュの種由来のものが含まれるが、これらに限定されない。好適な鳥類細胞には、ニワトリ、アヒル、ウズラ、キジ、及びシチメンチョウ、並びに他の野鶏又は狩猟鳥のものが含まれるが、これらに限定されない。好適な哺乳類細胞には、ウマ、ウシ、バッファロー、シカ、ヒツジ、ウサギ、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、ハムスター、モルモット)、ヤギ、ブタ、霊長類、海洋哺乳類(イルカ及びクジラを含む)、並びに細胞株(例えば、任意の組織又は幹細胞タイプのヒト細胞株)、並びに幹細胞(多能性及び非多能性を含む)、並びに非ヒト接合体が含まれるが、これらに限定されない。
【0031】
好適な細胞には、非疾患状態であっても、多種多様な疾患状態に関与する細胞型も含まれる。したがって、好適な真核細胞のタイプには、全てのタイプの腫瘍細胞(例えば、黒色腫、骨髄性白血病、肺がん、乳房、卵巣、結腸、腎臓、前立腺、膵臓、及び精巣)、心筋細胞、樹状細胞、内皮細胞、上皮細胞、リンパ球(T細胞及びB細胞)、肥満細胞、好酸球、血管内膜細胞、マクロファージ、ナチュラルキラー細胞、赤血球、肝細胞、白血球(単核白血球を含む)、幹細胞(例えば、造血、神経、皮膚、肺、腎臓、肝臓、及び筋細胞の幹細胞(分化及び脱分化因子のスクリーニングに使用するためのもの))、破骨細胞、軟骨細胞、及び他の結合組織細胞、ケラチノサイト、メラノサイト、肝臓細胞、腎臓細胞、及び脂肪細胞が含まれるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、細胞は、初代腫瘍細胞などの初代疾患状態細胞である。好適な細胞は、また、Jurkat T細胞、NIH3T3細胞、CHO、COSなどを含むが、これらに限定されない、既知の研究用細胞を含む。ATCC細胞株カタログを参照されたい(参照により明示的に本明細書に組み込まれる)。
【0032】
ある特定の実施形態では、本発明で使用される細胞は、対象から採取される。本明細書で使用される場合、「対象」は、ヒト、及び他の動物並びに他の生物(例えば、実験動物)の両方を指す。したがって、本方法は、ヒト用途及び獣医学的用途の両方に適用可能である。ある特定の実施形態では、対象は、哺乳動物であり、疾患又は病理学的状態を有する(又は有することが疑われる)ヒト患者である実施形態を含む。
【0033】
ある特定の実施形態では、分析される細胞は、例えば、以下により詳細に説明するように、蛍光バーコード化の前に濃縮される。例えば、目的の細胞がヒト対象に由来する白血球である場合、対象からの全血を密度勾配遠心分離に供して、末梢血単核細胞(PBMC、又は白血球)が濃縮され得る。蛍光活性化細胞選別(FACS)、磁気活性化細胞選別(MACS)、密度勾配遠心分離などを含む、当該技術分野で既知の任意の便利な方法を使用して細胞が濃縮され得る。混合集団からある特定の細胞を濃縮するために用いられるパラメータには、物理的パラメータ(例えば、サイズ、形状、密度など)、インビトロ増殖特性(例えば、細胞培養における特定の栄養素に応答する)、及び分子発現(例えば、細胞表面タンパク質又は炭水化物の発現、レポーター分子(例えば、緑色蛍光タンパク質)など)が含まれるが、これらに限定されない。
【0034】
ある特定の実施形態では、細胞は、アッセイの過程で生存率を保持する生細胞である。「生存率を保持する」とは、約20%生存率から約100%生存率までを含む、アッセイの終了時にある特定の割合(%)の細胞が生存していることを意味する。ある特定の他の実施形態では、本発明の方法は、細胞がアッセイの過程で生存不能になるような様式で行われ、例えば、細胞は、固定されるか、透過処理されるか、又はそうでなければ緩衝液中若しくは細胞が生存できない条件下で維持され得る。そのようなパラメータは、一般に、行われるアッセイの性質、並びに用いられる試薬によって決定される。
【0035】
いくつかの事例では、細胞は、例えば、刺激で処理され得る。細胞が処理され得る刺激は、様々であり得、培養条件、温度変化(例えば、熱さ又は寒さ)への曝露、電磁放射線(例えば、光)への曝露、活性剤への曝露、機械的変化への曝露などの範囲であり得る。必要に応じて、複数の細胞試料のうちの異なる細胞試料は、同じ又は異なる刺激で処理され得る。したがって、いくつかの事例では、本方法は、例えば、2つ以上の異なる試料が異なる活性剤、又は異なる濃度の同じ活性剤などと接触する場合、複数の細胞試料のうちの2つ以上を差次的に処理することを含む。
【0036】
本発明の実施形態で用いられる粒子試料は、ビーズ試料であり得る。ビーズ試料は、1つ以上の区別可能なビーズを含み得、1つ以上の区別可能なビーズの各々は、異なる分析物(例えば、タンパク質、核酸、小分子など)に特異的に結合する。所与のビーズ試料中の区別可能なビーズの数は、様々であり得、いくつかの事例では、その数は、1~250(例えば、1~100、例えば、1~50、例えば、1~30)の範囲である。いくつかの実施形態では、ビーズ試料は、生体試料(例えば、血漿試料などの血液ベースの試料)と、目的の分析物に特異的に結合する1つ以上のビーズとの組み合わせによって調製される試料である。いくつかの事例では、ビーズは、サイトメトリービーズアレイ(CBA)のビーズ(例えば、BD Biosciencesによって商品化されている)、Luminex xMAP(ThermoFisher)のビーズなどの多重化ビーズアレイアッセイのビーズであり得る。多重化ビーズアレイアッセイは、本発明の実施形態に従ってバーコード化及び処理され得る、そこで使用可能なビーズシステムである(Elshal&McCoy,“Multiplex Bead Array Assays:Performance Evaluation and Comparison of Sensitivity to ELISA,”Methods.2006 Apr;38(4):317-323 PMID:16481199、及びZhang et al.,“Cytometry Multiplex Bead Antibody Array,”Methods Mol Biol.2021;2237:83-92;PMID 33237410で更に概説されているものを含む)。
【0037】
複数の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料は、個々の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)組成物容器に存在し得る。粒子(例えば、細胞、ビーズなど)の組成物容器は、水性粒子(例えば、細胞、ビーズなど)組成物を保持するように構成されてもよく、任意の便利な体積を有してもよく、体積は、いくつかの事例では、10μl~5mlの範囲(例えば、10μl~1ml)であり得る。粒子(例えば、細胞、ビーズなど)を保持するために使用され得る目的の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)容器、組成物は、様々であり得、チューブ、バイアル、ウェル(例えば、マルチウェルプレート)などを含み、いくつかの事例では、粒子(例えば、細胞、ビーズなど)組成物は、標準的な実験室マルチウェルプレート(例えば、96ウェルプレート又は384ウェルプレート)のウェルに存在する。
【0038】
複数の試料は、任意の便利なプロトコルを使用して提供され得る。いくつかの事例では、最初の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料は、複数の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料に分割され得る。更に他の事例では、複数の粒子の全てのメンバーを含む、複数の試料のうちの試料の1つ以上は、異なるソースから取得され得る。更に他の実施形態では、粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料のサブセットは、同じ最初のソースから調製され得る。
【0039】
複数の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料の提供に続いて、複数の粒子のうちの粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料が蛍光バーコード化される。複数の粒子のうちの蛍光バーコード粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料に、本方法の実施形態は、バーコード化される複数の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料の各々を、固有の蛍光バーコードで標識することを含む。固有に蛍光バーコード化された試料は、複数の試料のうちの任意の他の試料の任意の他の蛍光バーコードとは異なる蛍光バーコードを有する複数の試料のうちの試料である。したがって、複数の試料のうちの1つの標識された粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料の所与の蛍光バーコードは、複数の試料のうちの任意の他の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料の蛍光バーコードと区別可能である。
【0040】
上記で要約したように、所与の蛍光バーコードは、粒子マーカー(例えば、ユニバーサル細胞マーカー、ビーズ上の表面マーカーなど)に特異的に結合する1つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーを含む。いくつかの事例では、所与の蛍光バーコードは、マーカー(例えば、ユニバーサル細胞マーカー、ビーズの表面のマーカー)に特異的に結合する単一の蛍光標識された特異的結合メンバーを含む。更に他の事例では、所与の蛍光バーコードは、各々異なるマーカー(例えば、異なるユニバーサル細胞マーカー、ビーズの表面の異なるマーカー)に結合する、複数の区別可能な蛍光標識された特異的結合メンバーを含む。そのような事例では、所与のバーコードを構成する異なる区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの数は、様々であり得、いくつかの事例では、2~20個の範囲の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバー(例えば、3~10個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバー)である。
【0041】
所与の蛍光バーコードが2つ以上の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーで構成される場合、区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーは、例えば、異なる特異的結合メンバー上の異なるタイプのフルオロフォアによって提供されるように、最大発光によって互いに異なる。したがって、標識された特異的結合メンバーのうちの任意の2つは、例えば、異なるフルオロフォアによって提供されるように、最大発光によって互いに異なり得る。そのような例では、複数の2つ以上の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、集合的に試料の蛍光バーコードを構成する。
【0042】
本発明の蛍光バーコードを構成する区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーは、特異的結合メンバー及び蛍光標識を含む。本発明の実施形態で用いられる蛍光バーコードを構成する蛍光標識された特異的結合メンバーの特異的結合メンバー構成要素は、様々であり得る。「特異的結合」という用語は、塩橋及び水橋などの相互作用を含む、共有結合、静電結合、疎水結合、及びイオン結合及び/又は水素結合相互作用による、2つの分子間の直接会合を指す。特異的結合メンバーは、互いに結合特異性を有する一対の分子のメンバーを指す。特異的結合対のメンバーは、天然に由来するか、又は完全に若しくは部分的に合成的に生成され得る。一対の分子の一方のメンバーは、その表面に領域又は窪みを有し、一対の分子の他方のメンバーの特定の空間的及び極性構成に特異的に結合し、したがって、相補的である。したがって、一対のメンバーは、互いに特異的に結合する特性を有する。特異的結合メンバーの対の例は、抗原-抗体、ビオチン-アビジン、ホルモン-ホルモン受容体、受容体-リガンド、酵素-基質である。結合対の特異的結合メンバーは、互いに結合するための高い親和性及び結合特異性を示す。典型的には、一対の特異的結合メンバー間の親和性は、10-6M以下、例えば、10-7M以下(10-8M以下を含む)、例えば、10-9M以下、10-10M以下、10-11M以下、10-12M以下、10-13M以下、10-14M以下(10-15M以下を含む)のK(解離定数)によって特徴付けられる。「親和性」は、結合の強さを指し、結合親和性の増加は、より低いKDと相関する。一実施形態では、親和性は、例えば、Biacore systemsによって使用される表面プラズモン共鳴(SPR)によって決定される。ある分子の別の分子に対する親和性は、相互作用の結合速度、例えば、25℃での結合速度を測定することによって決定される。「親和性」とは、結合の強度を指し、結合親和性の増加は、より低いKDと相関する。一実施形態では、親和性は、例えば、Biacore systemsによって使用される表面プラズモン共鳴(SPR)によって決定される。ある分子の別の分子に対する親和性は、例えば、25℃での相互作用の結合速度を測定することによって決定される。特異的結合メンバーは、様々であり得る。特異的結合メンバーの例としては、ポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質、ペプチドなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの事例では、特異的結合メンバーは、タンパク質性である。本明細書で使用される場合、「タンパク質性」という用語は、アミノ酸残基から構成される部分を指す。タンパク質性部分は、ポリペプチドであり得る。ある特定の場合では、タンパク質特異的結合メンバーは、抗体である。ある特定の実施形態では、タンパク質性特異的結合メンバーは、抗体断片、例えば、ポリマー色素に特異的に結合する抗体の結合断片である。本明細書で使用される場合、「抗体」及び「抗体分子」という用語は、互換的に使用され、認識された免疫グロブリン遺伝子の全て又は一部によって実質的にコードされる1つ以上のポリペプチドからなるタンパク質を指す。認識される免疫グロブリン遺伝子は、例えば、ヒトでは、カッパ(k)、ラムダ(l)、及び重鎖遺伝子座(これらは一緒に無数の可変領域遺伝子を含む)、並びに定常領域遺伝子ミュー(u)、デルタ(d)、ガンマ(g)、シグマ(e)、及びアルファ(a)(それぞれ、IgM、IgD、IgG、IgE、及びIgAアイソタイプをコードする)を含む。免疫グロブリン軽鎖又は重鎖可変領域は、「相補性決定領域」又は「CDR」とも呼ばれる3つの超可変領域によって中断されたフレームワーク領域(FR)からなる。フレームワーク領域及びCDRの範囲は、正確に定義されている(“Sequences of Proteins of Immunological Interest,”E.Kabat et al.,U.S.Department of Health and Human Services,(1991)を参照されたい)。本明細書で説明する全ての抗体アミノ酸配列の番号付けは、Kabatシステムに準拠する。異なる軽鎖又は重鎖のフレームワーク領域の配列は、種内で比較的保存されている。構成要素である軽鎖及び重鎖の組み合わされたフレームワーク領域である、抗体のフレームワーク領域は、CDRを位置決定し、アラインメントするために役立つ。CDRは、主に、抗原のエピトープへの結合に寄与する。「抗体」という用語は、完全長抗体を含むことを意味し、以下で更に定義されるように、任意の生物由来の天然抗体、操作された抗体、又は実験、治療、若しくは他の目的のために組換え的に生成された抗体を指し得る。目的の抗体断片には、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fv、scFv、又は抗体の他の抗原結合部分配列、全抗体の修飾によって産生されるか、又は組換えDNA技術を使用して新規に合成されたもののいずれかが含まれるが、これらに限定されない。抗体は、モノクローナル又はポリクローナルであってもよく、細胞に対して他の特異的な活性(例えば、アンタゴニスト、アゴニスト、中和、阻害、又は刺激抗体)を有してもよい。抗体は、抗原結合又は他の抗体機能に実質的に影響を及ぼさない追加の保存的アミノ酸置換を有し得ることが理解される。ある特定の実施形態では、特異的結合メンバーは、Fab断片、F(ab’)断片、scFv、ダイアボディ、又はトリアボディである。ある特定の実施形態では、特異的結合メンバーは、抗体である。いくつかの場合では、特異的結合メンバーは、マウス抗体又はその結合断片である。ある特定の事例では、特異的結合メンバーは、組換え抗体又はその結合断片である。
【0043】
蛍光バーコードを構成する特異的結合メンバーは、粒子マーカー、粒子(例えば、細胞又はビーズなど)の表面上のタンパク質など、任意の便利な結合メンバー対に特異的に結合し得る。粒子試料が細胞試料である場合、いくつかの事例では、蛍光バーコードを構成する特異的結合メンバーは、ユニバーサル細胞マーカーに特異的に結合する。いくつかの例では、ユニバーサルマーカーは、細胞表面マーカーである。目的の細胞表面マーカーには、遍在性細胞表面マーカー、すなわち、本発明による、所与のワークフローで処理される所与の細胞試料の全ての細胞上にあると少なくとも予測される細胞表面マーカーを含むが、これらに限定されない。特異的結合メンバー/オリゴヌクレオチドサブバーコードが特異的に結合し得る遍在性細胞表面マーカーの例には、CD44、CD45、CD47、β-2ミクログロブリンなどが含まれるが、これらに限定されない。所与のバーコードが、2つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーで構成される場合、2つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーの各々は、必要に応じて、異なるユニバーサルマーカーに特異的に結合し得る。したがって、所与の蛍光バーコードが4つの区別可能に標識された特異的結合メンバーで構成されている場合、区別可能に標識された特異的結合メンバーは、4つの異なるユニバーサルマーカーに結合し得、例えば、1つはCD44に結合し得、1つはCD45に結合し得、1つはCD47に結合し得、1つはβ-2ミクログロブリンに結合し得る。
【0044】
粒子試料がビーズ試料である場合、いくつかの事例では、蛍光バーコードを構成する特異的結合メンバーは、ビーズの表面に存在するマーカーに特異的に結合する。いくつかの事例では、所与のビーズの表面に存在する1つ又は複数のマーカーは、ビーズの分析物特異的結合メンバーとは異なるマーカーであり、そのようなマーカーの例としては、ビーズの特異的結合メンバー(例えば、抗体)とは異なり、その標的分析物に特異的に結合することができる特異的結合メンバーの所望の機能を妨げない、タンパク質又はその断片が挙げられる。いくつかの事例では、マーカーは、例えば、上記のように、CD44、CD45、CD47、β-2ミクログロブリンなどの遍在性細胞表面マーカーであり得る。所与のバーコードが、2つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーで構成される場合、2つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーの各々は、必要に応じて、異なるビーズマーカーに特異的に結合し得る。したがって、所与の蛍光バーコードが4つの区別可能に標識された特異的結合メンバーで構成されている場合、区別可能に標識された特異的結合メンバーは、4つの異なるビーズマーカーに結合し得、例えば、1つはCD44に結合し得、1つはCD45に結合し得、1つはCD47に結合し得、1つはβ-2マイクログロブリンに結合し得る。
【0045】
特異的結合メンバー構成要素に加えて、蛍光バーコードを構成する蛍光標識された特異的結合メンバーは、蛍光標識を含む。所与の蛍光標識は、必要に応じて、1つ以上のフルオロフォアを含み得る。したがって、所与の特異的結合メンバーは、単一のタイプのフルオロフォアを含む蛍光標識で標識され得る。あるいは、所与の特異的結合メンバーは、例えば、タンデム色素に見出されるように、例えば、第1のフルオロフォアが第2のフルオロフォアへのドナーとして機能する、2つ以上の異なるタイプのフルオロフォアを含む蛍光標識で標識され得る。フルオロフォアの例としては、アクリジン並びアクリジン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、アクリジンレッド、及びアクリジンイソチオシアネートなどの誘導体;5-(2’-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS);4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニル)フェニル]ナフタルイミド-3,5-ジスルホネート(ルシファーイエローVS);N-(4-アミノ-1-ナフチル)マレイミド;アントラニルアミド;ブリリアントイエロー;クマリン並びにクマリン、7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクルアリン(trifluoromethylcouluarin)(クマラン151)などの誘導体;シアニン並びにシアノシン、Cy3、Cy5、Cy5.5、及びCy7などの誘導体;4’,6-ジアミニド-2-フェニルインドール(DAPI);5’,5”-ジブロモピロガロール-スルホンフタレイン(ブロモピロガロールレッド);7-ジエチルアミノ-3-(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン;ジエチルアミノクマリン;ジエチレントリアミン五酢酸;4,4’-ジイソチオシアナトジヒドロ-スチルベン-2,2’-ジスルホン酸;4,4’-ジイソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;5-[ジメチルアミノ]ナフタレン-1-スルホニルクロリド(DNS、ダンシルクロリド)、4-(4’-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL);4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4’-イソチオシアネート(DABITC);エオシン並びにエオシン及びエオシンイソチオシアネートなどの誘導体;エリスロシン並びにエリスロシンB及びエリスロシンイソチオシアネートなどの誘導体;エチジウム;フルオレセイン並びに5-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’7’ージメトキシー4’5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオセインイソシアネート(FITC)、フルオレセインクロロトリアジニル、ナフトフルオレセイン、及びQFITC(XRITC)などの誘導体;フルオレスカミン;IR144;IR1446;Lissamine(商標);Lissamineローダミン、ルシファーイエロー;マラカイトグリーンイソチオシアネート;4-メチルウンベリフェロン;オルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラローズアニリン;ナイルレッド;オレゴングリーン;フェノールレッド;B-フィコエリトリン;o-フタルジアルデヒド;ピレン並びにピレン、ピレンブチレート、及びスクシンイミジル1-ピレンブチレートなどの誘導体;リアクティブレッド4(Cibacron(商標)ブリリアントレッド3B-A);ローダミン並びに6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボキシローダミン(R6G)、4,7-ジクロロローダミンリサミン、ローダミンBスルホニルクロリド、ローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミンのスルホニルクロリド誘導体101(テキサスレッド)、N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)、テトラメチルローダミン、及びテトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)などの誘導体;リボフラビン;ロゾール酸及びテルビウムキレート誘導体;キサンテン;Alexa-Fluor色素(例えば、Alexa Fluor 350、Alexa Fluor 430、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 633、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 660、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 700、Alexa Fluor 750)、パシフィックブルー、パシフィックオレンジ、カスケードブルー、カスケードイエロー;量子ドット色素(Quantum Dot Corporation);Dylight 800、Dylight 680、Dylight 649、Dylight 633、Dylight 549、Dylight 488、Dylight 405を含むPierce(Rockford,IL)からのDylight色素、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。当業者に既知の他のフルオロフォア又はそれらの組み合わせ、例えば、Molecular Probes(Eugene,Oreg.)及びExciton(Dayton,Ohio)から入手可能なものも使用され得る。
【0046】
いくつかの事例では、特異的結合メンバーは、1つ以上のポリマー色素(例えば、蛍光ポリマー色素)で標識される。主題の方法及びシステムに有用である蛍光ポリマー色素は、様々である。本方法のいくつかの事例では、ポリマー色素は、共役ポリマーを含む。共役ポリマー(CP)は、交互の不飽和結合(例えば、二重結合及び/又は三重結合)及び飽和結合(例えば、単結合)の骨格を含む非局在化電子構造を特徴とし、π電子は、一方の結合から他方の結合に移動することができる。したがって、共役骨格は、ポリマーの反復単位間の結合角を制限して、ポリマー色素に伸長した線形構造を付与し得る。例えば、タンパク質及び核酸は、高分子でもあるが、いくつかの場合では、伸長したロッド構造を形成せず、むしろ高次の三次元形状に折り畳まれる。これに加えて、CPは「剛性ロッド」ポリマー骨格を形成し得、ポリマー骨格鎖に沿ったモノマー反復単位間のねじれ(例えば、トーション)角度が制限される。いくつかの事例では、ポリマー色素は、剛性ロッド構造を有するCPを含む。ポリマー色素の構造的特徴は、分子の蛍光特性に影響を及ぼし得る。
【0047】
任意の好都合なポリマー色素が、主題のデバイス及び方法において利用され得る。いくつかの事例では、ポリマー色素は、フルオロフォアの蛍光出力を増幅するために光を集めることができる構造を有する多発色団である。いくつかの事例では、ポリマー色素は、光を集め、それを効率的により長い波長の発光に変換することができる。いくつかの場合では、ポリマー色素は、近くの発光種(例えば、「シグナル伝達発色団」)に効率的にエネルギーを伝達することができる集光性多発色団系を有する。エネルギー伝達のための機構は、例えば、共鳴エネルギー移動(例えば、Forster(又は蛍光)共鳴エネルギー移動、フレット)、量子電荷交換(Dexterエネルギー移動)などを含む。いくつかの事例では、これらのエネルギー伝達機構は、比較的短距離であり、すなわち、シグナル伝達発色団への集光性多発色団系の近接は、効率的なエネルギー伝達を提供する。効率的なエネルギー伝達のための条件下では、シグナル伝達発色団からの発光の増幅は、集光性多発色団系の個々の発色団の数が多いときに生じる。すなわち、シグナル伝達発色団からの発光は、シグナル伝達発色団がポンプ光によって直接励起されるときよりも、入射光(「励起光」)が、集光性多発色団系によって吸収される波長にあるときに、シグナル伝達発色団からの発光はより強い。
【0048】
多発色団は、共役ポリマーであり得る。共役ポリマー(CP)は、非局在化電子構造を特徴とし、化学的及び生物学的標的のための高応答性光学レポーターとして使用され得る。有効な共役長は、ポリマー鎖の長さよりも大幅に短いため、骨格は、近接して多数の共役セグメントを含む。したがって、共役ポリマーは、集光に効率的であり、Forsterエネルギー移動を介した光増幅を可能にする。
【0049】
対象となるポリマー色素には、米国特許第7,270,956号、同第7,629,448号、同第8,158,444号、同第8,227,187号、同第8,455,613号、同第8,575,303号、同第8,802,450号、同第8,969,509号、同第9,139,869号、同第9,371,559号、同第9,547,008号、同第10,094,838号、同第10,302,648号、同第10,458,989号、同第10,641,775号、及び同第10,962,546号(これらの開示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)、並びにGaylord et al.,J.Am.Chem.Soc.,2001,123(26),pp 6417-6418、Feng et al.,Chem.Soc.Rev.,2010,39,2411-2419;及びTraina et al.,J.Am.Chem.Soc.,2011,133(32),pp12600-12607に記載されている(これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。用いられ得る特定のポリマー色素には、BD Horizon Brilliant(商標)色素、例えば、BD Horizon Brilliant(商標)紫色色素(例えば、BV421、BV510、BV605、BV650、BV711、BV786)、BD Horizon Brilliant(商標)紫外線色素(例えば、BUV395、BUV496、BUV737、BUV805)、及びBD Horizon Brilliant(商標)青色色素(例えば、BB515)(BD Biosciences,San Jose,CA)が含まれるが、これらに限定されない。上記のものを含むがそれらに限定されない当業者に既知の任意の蛍光色素又はまだ発見されていない蛍光色素を、主題の方法に用いることができる。
【0050】
いくつかの事例では、所与のバーコードを構成する複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々は、共通のレーザーなどの共通の光源によって励起可能である。そのような事例では、所与のバーコードを構成する複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々は、共通の最大励起を有し得るが、最大発光に関して互いに異なる。
【0051】
上記に概説したように、任意の所与の2つの区別可能な蛍光バーコードは、それによって提供されるバーコード及び/又はシグナル輝度を構成するフルオロフォアのタイプに基づいて、互いに区別可能であり得る(かつ区別可能な蛍光シグネチャを生じ得る)。したがって、異なるバーコードから取得された任意の2つの区別可能な蛍光シグネチャは、集合的に蛍光シグネチャを構成する蛍光シグネチャの蛍光シグナル及び/又はその強度に基づいて区別可能であり得る。例えば、2つの区別可能な蛍光バーコードは、それらが異なるタイプのフルオロフォアの組み合わせで構成されている(例えば、一方が、フルオロフォアa、b、及びcを含み、他方が、フルオロフォアb、c、及びdを含む)ため、互いに区別可能であり得る。2つの区別可能な蛍光バーコードは、また、それらが異なる量のフルオロフォアで構成されている(例えば、一方が、様々な特異的結合メンバー上に第1の量で存在するフルオロフォアa、b、及びcで構成され、他方が、例えば、シグナルの輝度の差によって検出することができる値で第1の量と異なる第2の量で存在するフルオロフォアで構成されている)ため、互いに区別可能であり得る。異なる輝度は、特異的結合メンバーに関連付けられた異なる量のフルオロフォアを有することによって容易に提供され得る。任意の所望の数の固有の蛍光バーコードを提供するために、フルオロフォアのタイプ及び量の組み合わせが使用され得る。上記で要約したように、本発明の実施形態の方法は、複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料を提供する。
【0052】
蛍光バーコードは、任意の便利なプロトコルを使用して、粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料が蛍光バーコードで標識されるように、所与の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料に関連付けられ得る。例えば、粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料を、その組成物のバーコードを集合的に構成する異なる蛍光標識された特異的結合メンバーを含むバーコード標識組成物と接触させてもよい。他の事例では、粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料を、その試料のバーコードを構成する異なる蛍光標識された特異的結合メンバーと連続的に接触させてもよい。例えば、複数の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料を標識するために、それらの意図された蛍光バーコード中に所与の特異的標識された特異的結合メンバーを含む全ての試料を、最初にその標識された特異的結合メンバーと接触させてもよい。次いで、それらの意図された蛍光バーコードにおける第2の所与の特異的標識された特異的結合メンバーを含む全ての試料を、標識された特異的結合メンバーと接触させてもよく、第2の標識された特異的結合メンバーと接触した1つ以上の試料は、それらの試料の蛍光バーコードに依存して、第1の標識された特異的結合メンバーと接触させた試料であってもよい。例えば、第1及び第2の結合メンバーの両方を含む蛍光バーコードを有するそれらの試料では、それらの試料は、第1及び第2の標識された特異的結合メンバーの両方と接触される。接触は、蛍光標識された特異的結合メンバーのそれらの対応ユニバーサルマーカーへの特異的結合を提供する任意の好適な条件下で達成され得る。標識された特異的結合メンバーを、例えば、手動又は自動の液体分注などによって、標識された特異的結合メンバーを粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料の容器に導入することによって、細胞試料の粒子(例えば、細胞、ビーズなど)と接触させてもよい。いくつかの事例では、自動液体分注システムを用いて、異なる組み合わせの異なる蛍光標識された結合メンバーを異なる粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料に分注して、区別可能に蛍光バーコード化された試料を提供することができる。
【0053】
複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料の生成後、得られた複数の試料は、必要に応じて、後続の処理のためにプールされ得る。したがって、異なる蛍光バーコード化試料は、単一の組成物に組み合わされ得る。単一の組成物は、例えば、各容器の内容物(例えば、ウェルプレートのウェル)を好適な体積の単一の容器(例えば、チューブ又はバイアル)に移すことによってなど、任意の便利なプロトコルを使用して、異なる蛍光バーコード化された粒子(例えば、細胞、ビーズなど)試料から調製され得る。次いで、得られたプールされた組成物は、必要に応じて、更に処理され得る。
【0054】
本発明のある特定の実施形態では、例えば、粒子試料が細胞試料である場合、本方法は、細胞の1つ以上の表現型の特徴の検出を含み得、表現型の特徴は、蛍光バーコードとは別である。検出可能な表現型の特徴には、分析物の存在、例えば、細胞表面又は内部マーカー、物理的特徴(例えば、サイズ、形状、粒度など)、細胞数(又は頻度)などが含まれるが、これらに限定されない。実質的に任意の目的の検出可能な特徴が、目的の検出可能な表現型の特徴としてアッセイされ得る。ある特定の実施形態では、本発明の方法は、定性的又は定量的にのいずれかでアッセイされる細胞に会合する(例えば、細胞内で、細胞上で、又は細胞に結合する)分析物(例えば、マーカー)の存在を検出するように向けられる。
【0055】
これらの実施形態のある特定の実施形態では、本方法は、組み合わされた又はプールされた細胞試料を、検出可能な分析物特異的結合剤と接触させることを含む。「分析物特異的結合剤」及びその文法的等価物は、任意の他のものよりも細胞における特異的分析物(又は分析物の特異的アイソフォーム)と会合することができる任意の分子(例えば、核酸、有機小分子、及びタンパク質、核酸結合色素(例えば、臭化エチジウム)を意味する。目的の分析物は、主題の方法で分析される細胞と会合するか、又は細胞内に存在する任意の分子を含む。したがって、目的の分析物には、タンパク質、炭水化物、細胞小器官、核酸、感染性粒子(例えば、ウイルス、細菌、寄生虫)、代謝産物などが含まれるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、分析物特異的結合剤は、タンパク質である。これらの実施形態のある特定の実施形態では、分析物特異的結合剤は、例えば、上記のように、抗体又はその結合断片である。したがって、本発明の方法及び組成物を使用して、抗原的に検出可能であり、試料中に存在する活性化可能な要素の他のアイソフォームから抗原的に区別可能な試料における任意の特定の要素アイソフォームを検出することができる。
【0056】
ある特定の実施形態では、本発明による方法では、複数の検出可能な分析物特異的結合剤が用いられる。「複数の分析物特異的結合剤」とは、少なくとも2つ以上(3つ以上、4つ以上、5つ以上などを含む)の分析物特異的結合剤が使用されることを意味する。ある特定の実施形態では、異なる分析物特異的結合剤の各々は、明確に検出可能な標識(例えば、補正の有無にかかわらず、フローサイトメータ上の別個のチャネルで検出され得る発光波長を有するフルオロフォア)で標識される(再度、直接的又は間接的のいずれか)。複数の分析物特異的結合剤は、細胞内若しくは細胞上の同じ分析物(例えば、同じタンパク質上の異なるエピトープに結合する2つの抗体)、細胞内若しくは細胞上の異なる分析物、又は任意の組み合わせ(例えば、同じ分析物に結合する2つの薬剤及び別個の分析物に結合する3番目の薬剤)に結合し得る。分析物特異的結合剤の数の上限は、アッセイのパラメータ及び用いられる検出システムの検出能力に大きく依存する。
【0057】
組み合わせ又はプール及び任意の所望の後続の処理の後、例えば、表現型マーカーに対する標識試薬と接触することによって(例えば、上述のように)、本方法は、アッセイ組成物をフローサイトメトリーでアッセイすることを含み得る。「フローサイトメトリーでアッセイ」とは、組成物(例えば、上記のようなアッセイ組成物)に対してフローサイトメトリーアッセイを行うことを意味する。フローサイトメトリーアッセイは、試料(例えば、アッセイ組成物を含む試料)をフローサイトメータシステムで特徴付けることを含み得る。フローサイトメトリーアッセイは、アッセイ組成物をフローサイトメータに導入することを含み得る。フローサイトメータは、典型的には、流体試料(例えば、アッセイ組成物を含む試料)を受容するための試料リザーバ、及びシース液を含有するシースリザーバを含む。フローサイトメータは、シース液をフローセルに導きながら、流体試料中の粒子(例えば、アッセイ組成物からの細胞を含む)をセルストリームとしてフローセルに移送する。フローストリームの成分の特性評価を行うために、光がフローストリームに照射される。形態又は蛍光標識の存在などのフローストリーム中の材料の変動は、観察される光の変動を引き起こし得、これらの変動により、特性評価及び分離が可能になる。例えば、流体懸濁液中の分子、被分析物結合ビーズ、又は個々の細胞などの粒子に検出領域を通過させ、そこで、粒子は、典型的には1つ以上のレーザーからの励起光に曝露され、粒子の光散乱及び蛍光特性が測定される。粒子又はその成分は、典型的には、検出を容易にするために蛍光染料で標識される。多数の異なる粒子又は成分は、スペクトル的に区別される蛍光染料を使用して、異なる粒子又は成分を標識することによって、同時に検出され得る。いくつかの実施態様では、測定されるべき散乱パラメータの各々に対して1つ、及び検出されるべき区別される色素の各々に対して1つ以上の、多数の検出器が分析器に含まれる。例えば、いくつかの実施形態は、1色素当たり2つ以上のセンサ又は検出器が使用されるスペクトル構成を含む。取得されたデータには、光散乱検出器及び蛍光放射の各々に対して測定された信号が含まれる。ある特定の実施形態では、フローサイトメトリーアッセイは、試料中の標識された二次抗体の存在を示すシグナルを検出し得る。シグナルが検出される場合、試料は、コロナウイルス抗原の抗原決定基に対する抗体(複数可)を含み得る。
【0058】
上記で要約したように、(例えば、フローサイトメータのフローストリーム中の)試料は、光源からの光で照射される。いくつかの実施形態では、光源は、500nm以上を含め、100nm以上など、150nm以上など、200nm以上など、250nm以上など、300nm以上など、350nm以上など、400nm以上など、例えば、50nm以上に及ぶ広い範囲の波長を有する光を放出する広帯域光源である。例えば、ある好適な広帯域光源は、200nm~1500nmの波長を有する光を放出する。好適な広帯域光源の別の実施例は、400nm~1000nmの波長を有する光を放出する光源を含む。方法が広帯域光源で照射することを含む場合、関心対象の広帯域光源プロトコルとしては、以下に限定されないが、他の広帯域光源の中でも、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定化ファイバ結合広帯域光源、連続スペクトルを有する広帯域LED、超高輝度発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED統合白色光源、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。
【0059】
他の実施形態では、方法は、例えば、特定の波長の光(すなわち、単色光)を放出する光源を含め、40nm以下など、30nm以下など、25nm以下など、20nm以下など、15nm以下など、10nm以下など、5nm以下など、2nm以下など、50nm以下の範囲のような狭い範囲の波長における光を放出する光源など、特定の波長又は狭い範囲の波長を放出する狭帯域光源で照射することを含む。方法が狭帯域光源で照射することを含む場合、関心対象の狭帯域光源としては、以下に限定されないが、レーザー、狭波長LED、レーザーダイオード、又は1つ以上の光学バンドパスフィルタ、回折格子、モノクロメータ、又はそれらの任意の組み合わせに結合された広帯域光源が挙げられ得る。
【0060】
ある特定の実施形態では、方法は、1つ以上のレーザーで試料を照射することを含む。上記で説明したように、レーザーのタイプ及び数は、試料並びに収集される所望の光によって異なり得、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンレーザー、キセノンレーザー、窒素レーザー、COレーザー、COレーザー、アルゴン-フッ素(ArF)エキシマレーザー、クリプトン-フッ素(KrF)エキシマレーザー、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザー、キセノン-フッ素(XeF)エキシマレーザー、又はそれらの組み合わせなどのガスレーザーであり得る。他の事例では、本方法は、スチルベンレーザー、クマリンレーザー、又はローダミンレーザーなどの色素レーザーでフローストリームを照射することを含む。更に他の事例では、方法は、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザー、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザー、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザー、ヘリウム-銀(HeAg)レーザー、ストロンチウムレーザー、ネオン-銅(NeCu)レーザー、銅レーザー、又は金レーザー、及びそれらの組み合わせなどの金属-蒸気レーザーでフローストリームを照射することを含む。更に他の事例では、方法は、ルビーレーザー、Nd:YAGレーザー、NdCrYAGレーザー、Er:YAGレーザー、Nd:YLFレーザー、Nd:YVOレーザー、Nd:YCaO(BOレーザー、Nd:YCOBレーザー、チタンサファイアレーザー、スリムYAGレーザー、イッテルビウムYAGレーザー、Ybレーザー、又はセリウムドープレーザー、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザーでフローストリームを照射することを含む。
【0061】
試料は、10個以上の光源を含め、2つ以上の光源など、3つ以上の光源など、4つ以上の光源など、5つ以上の光源など、上記で言及される光源のうちの1つ以上で照射され得る。光源は、任意のタイプの光源の組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のガスレーザー、1つ以上の色素レーザー、及び1つ以上の固体レーザーを有するアレイなど、レーザーのアレイでフローストリーム中の試料を照射することを含む。望まれる場合、少なくとも1つのレーザーが、蛍光バーコードの励起に使用され、他のレーザーが、細胞に関連付けられた他のフルオロフォアのために使用される。
【0062】
特定の事例では、フローストリームは、複数の周波数シフトされた光ビームで照射され、フローストリーム中の細胞が、高周波タグ付き発光(FIRE)を使用して蛍光撮像によって撮像されて、Diebold他、Nature Photonics Vol.7(10);806-810(2013)に記載されたもの、並びに米国特許第9,423,353号、同第9,784,661号、及び同第10,006,852号、並びに米国特許公開公報第2017/0133857号及び同第2017/0350803号に記載されたものなどの周波数符号化画像を生成し、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0063】
本方法の態様は、蛍光検出器で蛍光を収集することを含む。蛍光検出器は、いくつかの事例では、蛍光分子、例えば、フローセル内の粒子と関連付けられた標識された特異的結合メンバー(対象のマーカーに特異的に結合する標識された抗体など)からの蛍光放出を検出するように構成され得る。特定の実施形態では、方法は、試料からの蛍光を1つ以上の蛍光検出器、例えば2つ以上、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上、例えば6つ以上、例えば7つ以上、例えば8つ以上、例えば9つ以上、例えば10個以上、例えば15個以上、例えば25個以上の蛍光検出器で検出することを含む。実施形態では、蛍光検出器の各々は、蛍光データ信号を生成するように構成される。試料からの蛍光は、200nm~1200nmの波長範囲のうちの1つ以上にわたって、各蛍光検出器によって独立して検出され得る。いくつかの事例では、方法は、200nm~1200nmなど、300nm~1100nmなど、400nm~1000nmなど、500nm~900nmなど、及び600nm~800nmを含む、波長の範囲にわたって試料からの蛍光を検出することを含む。他の事例では、方法は、1つ以上の特定の波長で各蛍光検出器を用いて蛍光を検出することを含む。例えば、蛍光は、本光検出システム内の異なる蛍光検出器の数に応じて、450nm、518nm、519nm、561nm、578nm、605nm、607nm、625nm、650nm、660nm、667nm、670nm、668nm、695nm、710nm、723nm、780nm、785nm、647nm、617nm、及びそれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上において検出されてもよい。特定の実施形態では、方法は、試料中に存在する特定のフルオロフォアの蛍光ピーク波長に対応する光の波長を検出することを含む。実施形態では、蛍光フローサイトメータデータは、1つ以上の蛍光検出器(例えば、1つ以上の検出チャネル)、例えば2つ以上、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上、例えば6つ以上、及び8つ以上を含む蛍光検出器(例えば、8つ以上の検出チャネル)から受信される。
【0064】
試料からの光は、例えば、5つ以上の異なる波長で、例えば、10個以上の異なる波長で、例えば、25個以上の異なる波長で、例えば、50個以上の異なる波長で、例えば、100個以上の異なる波長で、例えば、200個以上の異なる波長で、例えば、300個以上の異なる波長で、及び収集された光を400個以上の異なる波長で測定することを含む、これらの中の1つ以上の波長で測定され得る。
【0065】
特定の実施形態では、方法は、試料中のフルオロフォア-生体分子試薬対の各フルオロフォアからの光をスペクトル分解することを含む。いくつかの実施形態では、各異なるフルオロフォア間の重複が決定され、重複する蛍光に対する各フルオロフォアの寄与が計算される。いくつかの実施形態では、各フルオロフォアからの光をスペクトル分解することは、光検出システムによって検出された試料中の重複蛍光を有する複数のフルオロフォアの各々の蛍光スペクトルのスペクトル分離マトリックスを計算することを含む。特定の事例では、各フルオロフォアからの光をスペクトル分解し、各フルオロフォアのスペクトル分離マトリックスを計算することを使用して、例えば、試料中の標的細胞の存在量を分解するなど、各フルオロフォアの存在量を推定することができる。
【0066】
特定の実施形態では、方法は、例えば、2019年12月23日に出願された国際特許出願第PCT/US2019/068395号、2020年2月7日に出願された米国仮特許出願第62/971,840号、及び2020年4月16日に出願された米国仮特許出願第63/010,890号に記載されたような複数の光検出器によって検出された光をスペクトル分解することを含み、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。例えば、光検出器の第2のセットの複数の光検出器によって検出された光をスペクトル分解することは、以下の、1)重み付き最小二乗アルゴリズム、2)シャーマン-モリソン反復逆アップデータ、3)マトリックスが下三角(L)マトリックスと上三角(U)マトリックスとの積に分解される場合など、LUマトリックス分解、4)修正コレスキー分解、5)QR因数分解によるもの、及び6)特異値分解による重み付き最小二乗アルゴリズムの計算、のうちの1つ以上を使用してスペクトル非混合マトリックスを解くことによって、スペクトル分解するための命令を含み得る。
【0067】
ある特定の実施形態では、方法は、例えば、米国特許出願第17/237,504号(その開示は、参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているような複数の光検出器によって検出される光のスピルオーバー拡散を特性付けることを更に含む。
【0068】
特定の事例では、標的粒子と会合した(例えば、化学的に会合した(すなわち、共有結合的に、イオン的に)又は物理的に会合した)フルオロフォアの存在量は、粒子と会合した各フルオロフォアからのスペクトル分解光から計算される。例えば、一例では、標的粒子と関連付けられた各フルオロフォアの相対的存在量は、各フルオロフォアからのスペクトル分解光から計算される。別の例では、標的粒子と会合した各フルオロフォアの絶対的存在量は、各フルオロフォアからのスペクトル分解光から計算される。特定の実施形態では、粒子は、粒子と会合していると判定された各フルオロフォアの相対存在量に基づいて同定又は分類され得る。これらの実施形態では、粒子は、粒子と会合した各フルオロフォアの相対的又は絶対的存在量を、既知の同一性の粒子を有する対照試料と比較することによって、又は会合したフルオロフォアの計算された相対的又は絶対的存在量を有する粒子(例えば、細胞)の集団の分光学的又は他のアッセイ分析を行うことによってなど、任意の好適なプロトコルによって同定又は分類され得る。
【0069】
特定の実施形態では、方法は、粒子と関連付けられたフルオロフォアの推定存在量に基づいて識別される、試料の粒子(例えば、細胞)のうちの1つ以上を選別することを含む。「選別」という用語は、本明細書では、その従来の意味で、試料の成分(例えば、細胞を含む液滴、生体高分子などの非細胞粒子を含む液滴)を分離し、いくつかの事例では、分離された成分を1つ以上の試料収集容器に送達することを指すために使用される。例えば、方法は、例えば3つ以上の成分、例えば4つ以上の成分、例えば5つ以上の成分、例えば10個以上の成分、例えば15個以上の成分、及び試料の25個以上の成分を含む、試料の2つ以上の成分を選別することを含み得る。
【0070】
粒子に関連付けられたフルオロフォアの存在量に基づいて識別された粒子を選別する際、方法は、コンピュータなどを用いたデータ取得、分析、及び記録を含み、複数のデータチャネルが、粒子に関連付けられた複数のフルオロフォア-生体分子試薬対の重複スペクトルを取得する際に使用される各検出器からのデータを記録する。これらの実施形態では、分析は、粒子と関連付けられる重複スペクトルを有するフルオロフォア-生体分子試薬対の複数のフルオロフォアからの光をスペクトル分解すること(例えば、スペクトル分離マトリックスを計算することによって)と、粒子と関連付けられる各フルオロフォアの推定存在量に基づいて粒子を識別することとを含む。この分析は、粒子分類に基づいて、デジタル化されたパラメータのセットを生成するように構成される、選別システムに伝達されてもよい。いくつかの実施形態では、試料の構成要素を選別するための方法は、米国特許第3,960,449号、同第4,347,935号、同第4,667,830号、同第5,245,318号、同第5,464,581号、同第5,483,469号、同第5,602,039号、同第5,643,796号、同第5,700,692号、同第6,372,506号、及び同第6,809,804号などに記載された粒子(例えば、生体試料中の細胞)を選別することを含み、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、方法は、米国特許第9,551,643号及び同第10,324,019号、米国特許公開第2017/0299493号、並びに国際特許公開第WO/2017/040151号に記載されたものなどの粒子選別モジュールを用いて試料の構成要素を選別することを含み、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、試料の細胞は、2019年12月23日に出願された米国特許出願第16/725,756号に記載されたものなどの、複数の選別判定ユニットを有する選別判定モジュールを使用して選別され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0071】
フローサイトメトリーアッセイ手順は、当該技術分野で周知である。例えば、Ormerod(ed.),Flow Cytometry:A Practical Approach,Oxford Univ.Press(1997)、Jaroszeski et al.(eds.),Flow Cytometry Protocols,Methods in Molecular Biology No.91,Humana Press(1997);Practical Flow Cytometry,3rd ed.,Wiley-Liss(1995)、Virgo,et al.(2012)Ann Clin Biochem.Jan;49(pt 1):17-28、Linden,et.al.,Semin Throm Hemost.2004 Oct;30(5):502-11、Alison,et al.J Pathol,2010 Dec、222(4):335-344、及びHerbig,et al.(2007)Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.24(3):203-255を参照されたい(これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。ある特定の態様では、組成物をフローサイトメトリーでアッセイすることは、実質的に製造業者の説明書に従って使用されるBD Biosciences FACSCanto(商標)フローサイトメータなどの、複数のフルオロフォアの同時励起及び検出が可能なフローサイトメータを使用することを伴う。本開示の方法は、Holden et al.(2005)Nature Methods 2:773及びValet,et al.2004 Cytometry 59:167-171に記載されるような画像サイトメトリーを伴い得る(これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。
【0072】
上記で説明したように、本方法は、選別を含み得るサイトメトリー分析を含む。試料において特定された目的の細胞は、選別され、その後、任意の便利な分析技術によって分析され得る。後続の目的の分析技術には、配列決定、CellSearchによるアッセイ(Food and Drug Administration(2004)Final rule.Fed Regist 69:26036-26038に記載のもの)、CTC Chipによるアッセイ(Nagrath,et al.(2007)Nature 450:1235-1239に記載のもの)、MagSweeperによるアッセイ(Talasaz,et al.(2009).Proc Natl Acad Sci U S A 106:3970-3975に記載のもの)、ナノ構造基材によるアッセイ(Wang S,et al.(2011)Angew Chem Int Ed Engl 50:3084-3088に記載のもの)が含まれるが、これらに限定されない(これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる)。望まれる場合、選別プロトコルは、生細胞及び死細胞を区別することを含み得、そのような細胞を特定するための任意の便利な染色プロトコルが、本方法に組み込まれ得る。
【0073】
本発明のバーコード化試料から取得されたデータの分析は、デコンボリューションを含み得る。「デコンボリューション」とは、手動で又は自動システムで行われるかにかかわらず、各細胞の検出された蛍光バーコードを使用して、それがどの元の試料に由来していたかを決定するプロセスを意味する。出発試料の各々についての各蛍光バーコードの種類及び量が既知であるため、各細胞の検出された蛍光バーコードシグネチャ(すなわち、そのバーコードシグネチャ)を使用して、その起源の試料を確実に特定することができる。多重化されたデータのデコンボリューションは、当該技術分野で既知のコンピュータベースの分析ソフトウェア(例えば、BD Biosciencesから入手可能なFlowJoソフトウェアパッケージ)を使用することを含む、任意の便利な方法を使用して行うことができる。デコンボリューションは、手動で(例えば、データを表示し、手動で細胞を分類する)、自動的に(例えば、バーコード化されたデータをデコンボリューションするように特別に構成されたデータ分析ソフトウェアを用いることによって)、又はそれらの組み合わせで行うことができる。ある特定の実施形態では、コンピュータプログラムは、データ操作及び/又は解釈を容易にするために、元の出発試料に対応するデコンボリューションされたバーコード化試料の各々について個々のデータファイルを作成するために用いられ得る。
【0074】
本発明のバーコード化され多重化された試料から取得されたデータの分析は、(例えば、上記でより詳細に説明したように)目的の検出可能な特徴について細胞を分析することを伴う。検出可能な特徴の分析は、デコンボリューション前、中、又は後を含む、データ分析段階の任意の便利なステップで行われ得る。実際、取得されたデータを自由に分析及び再分析することができるため、デコンボリューションの順序及び検出可能な特徴の分析に関する制限は意図されていない。
【0075】
キット
本発明の態様は、本発明の方法の様々な実施形態の実施に有用であるキット及び組成物を更に含む。本発明のキットは、例えば、上記のように、ユニバーサル細胞表面マーカーに特異的に結合する、複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含んでもよい。異なる区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーは、必要に応じて、別個に、又は事前に組み合わされた標識組成物として存在してもよい。キットは、本方法の実施形態の実施に有用である1つ以上の追加の構成要素を更に含み得る。例えば、キットは、例えば、上記のように、多重化ビーズアレイアッセイのビーズを含んでもよく、そのようなビーズは、例えば、上記のように、目的の分析物に対する特異的結合メンバー及び1つ以上の表面マーカーを含んでもよい。キットは、また、様々なワークフロー、例えば、マルチウェルプレート、液体容器(例えば、チューブ)などを用いる構成要素を含み得る。更に、キットは、フローサイトメトリーワークフロー、例えば、標識試薬、緩衝液、色素などで用いられる1つ以上の試薬を含み得る。キットの構成要素は別個の容器に存在してもよく、又は複数の構成要素が単一の容器に存在してもよい。
【0076】
上記の構成要素に加えて、主題のキットは、(ある特定の実施形態では)主題の方法を実施するための説明書を更に含み得る。これらの説明書は、様々な形態で主題のキット内に存在し得、そのうちの1つ以上が、キット内に存在し得る。これらの説明書が存在し得る1つの形態は、好適な媒体又は基材(例えば、情報が印刷される1枚又は複数枚の紙)上、キットのパッケージ中、添付文書中などの印刷情報としてである。これらの説明書の更に別の形態は、情報が記録されたコンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、ポータブルフラッシュドライブなどである。存在し得る、これらの説明書の更に別の形態は、隔たったサイトで情報にアクセスするために、インターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。
【0077】
以下は、例示として提示されるものであって、限定として提示されるものではない。
【0078】
実験例
本発明によるワークフローの実施形態を、図1に示す。示されるように、マルチウェルプレートの異なるウェル中の細胞試料は、異なるユニバーサル細胞表面マーカーに特異的に結合する蛍光標識された抗体の異なる組み合わせを用いてバーコード化される。異なるフルオロフォアは、全て紫色励起可能である。
【0079】
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示は、また、以下の付記によっても定義される。
1.複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料を生成する方法であって、
複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料を生成するために、
複数の細胞試料を提供することと、
複数の細胞試料のうちの異なる細胞試料を、固有の蛍光バーコードであって、所与の蛍光バーコードが、ユニバーサル細胞マーカーに特異的に結合する1つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、固有の蛍光バーコードで標識することと
を含む、方法。
2.複数の細胞試料が、5~500個の細胞試料を含む、付記1に記載の方法。
3.複数の細胞試料が、50~400個の細胞試料を含む、付記2に記載の方法。
4.複数の細胞試料が、96個の細胞試料を含む、付記3に記載の方法。
5.複数の細胞試料が、384個の細胞試料を含む、付記3に記載の方法。
【0080】
6.細胞試料が、マルチウェルプレートのウェルに提供される、付記1~5のいずれか一つに記載の方法。
7.各固有の蛍光バーコードが、複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記1~6のいずれか一つに記載の方法。
8.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、2~20個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記7に記載の方法。
9.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、3~10個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記8に記載の方法。
10.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、最大発光及び輝度のうちの1つ以上によって互いに異なる、付記7~9のいずれか一つに記載の方法。
【0081】
11.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、共通の光源によって励起可能である、付記7~10のいずれか一つに記載の方法。
12.共通の光源が、レーザーである、付記11に記載の方法。
13.ユニバーサル細胞マーカーが、非表現型マーカーである、付記1~12のいずれか一つに記載の方法。
14.ユニバーサル細胞マーカーが、CD44、CD45、CD47、及びβ-2ミクログロブリンからなる群から選択される、付記13に記載の方法。
15.特異的結合メンバーが、抗体又はその結合断片である、付記1~14のいずれか一つに記載の方法。
【0082】
16.各細胞試料が、50~50,000,000個の細胞を含む、付記1~15のいずれか一つに記載の方法。
17.複数の区別可能に蛍光標識されたバーコード化試料をプールして、プールされた試料を生成することを更に含む、付記1~16のいずれか一つに記載の方法。
18.プールされた試料をフローサイトメトリーでアッセイすることを更に含む、付記16に記載の方法。
19.同じ蛍光バーコードを有する細胞を、同じ細胞試料に由来するものとして割り当てることを更に含む、付記18に記載の方法。
20.複数の細胞試料のうちの2つ以上を差次的に処理することを更に含む、付記1~19のいずれか一つに記載の方法。
【0083】
21.各々固有の蛍光バーコードで標識された複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料であって、
所与の蛍光バーコードが、ユニバーサル細胞マーカーに特異的に結合する1つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料。
22.複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料が、5~500個の区別可能に蛍光バーコード化された試料細胞試料を含む、付記21に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料。
23.複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料が、50~400個の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料を含む、付記22に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料。
24.複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料が、96個の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料を含む、付記23に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料。
25.複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料が、384個の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料を含む、付記23に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料。
【0084】
26.細胞試料が、マルチウェルプレートのウェルに提供される、付記21~25のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料。
27.各固有の蛍光バーコードが、複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記21~26のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料。
28.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、2~20個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記27に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料。
29.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、5~10個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記28に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料。
30.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、最大発光及び輝度のうちの1つ以上によって互いに異なる、付記27~29のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料。
【0085】
31.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、共通の光源によって励起可能である、付記27~30のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料。
32.共通の光源が、レーザーである、付記31に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料。
33.ユニバーサル細胞マーカーが、非表現型マーカーである、付記21~32のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料。
34.ユニバーサル細胞マーカーが、CD44、CD45、CD47、及びβ-2ミクログロブリンからなる群から選択される、付記33に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料。
35.特異的結合メンバーが、抗体又はその結合断片である、付記21~34のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料。
36.各細胞試料が、50~50,000,000個の細胞を含む、付記21~35のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料。
【0086】
37.付記21~36のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された細胞試料を含む、プールされた試料。
38.付記37に記載のプールされた試料を含む、フローサイトメータ。
【0087】
39.ユニバーサル細胞表面マーカーに特異的に結合する複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、キット。
40.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、2~20個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記39に記載のキット。
41.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、3~10個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記40に記載のキット。
42.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、最大発光及び輝度のうちの1つ以上によって互いに異なる、付記39~41のいずれか一つに記載のキット。
43.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、共通の光源によって励起可能である、付記39~42のいずれか一つに記載のキット。
【0088】
44.共通の光源が、レーザーである、付記43に記載のキット。
45.ユニバーサル細胞マーカーが、非表現型マーカーである、付記39~44のいずれか一つに記載のキット。
46.ユニバーサル細胞マーカーが、CD44、CD45、CD47、及びβ-2ミクログロブリンからなる群から選択される、付記45に記載のキット。
47.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、異なるユニバーサル細胞表面マーカーに特異的に結合する区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記39~46のいずれか一つに記載のキット。
48.特異的結合メンバーが、抗体又はその結合断片である、付記39~47のいずれか一つに記載のキット。
【0089】
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示は、また、以下の付記によっても定義される。
1.複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料を生成する方法であって、
複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料を生成するために、
複数の粒子試料を提供することと、
複数の粒子試料のうちの異なる粒子試料を、固有の蛍光バーコードであって、所与の蛍光バーコードが、粒子マーカーに特異的に結合する1つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、固有の蛍光バーコードで標識することと
を含む、方法。
2.複数の粒子試料が、5~500個の粒子試料を含む、付記1に記載の方法。
3.複数の粒子試料が、50~400個の粒子試料を含む、付記2に記載の方法。
4.複数の粒子試料が、96個の粒子試料を含む、付記3に記載の方法。
5.複数の粒子試料が、384個の粒子試料を含む、付記3に記載の方法。
【0090】
6.粒子試料が、マルチウェルプレートのウェルに提供される、付記1~5のいずれか一つに記載の方法。
7.各固有の蛍光バーコードが、複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記1~6のいずれか一つに記載の方法。
8.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、2~20個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記7に記載の方法。
9.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、3~10個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記8に記載の方法。
10.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、最大発光及び輝度のうちの1つ以上によって互いに異なる、付記7~9のいずれか一つに記載の方法。
【0091】
11.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、共通の光源によって励起可能である、付記7~10のいずれか一つに記載の方法。
12.共通の光源が、レーザーである、付記11に記載の方法。
13.粒子マーカーが、非表現型マーカーである、付記1~12のいずれか一つに記載の方法。
14.粒子マーカーが、CD44、CD45、CD47、及びβ-2ミクログロブリンからなる群から選択される、付記13に記載の方法。
15.特異的結合メンバーが、抗体又はその結合断片である、付記1~14のいずれか一つに記載の方法。
【0092】
16.各粒子試料が、50~50,000,000個の粒子を含む、付記1~15のいずれか一つに記載の方法。
17.複数の区別可能に蛍光標識されたバーコード化試料をプールして、プールされた試料を生成することを更に含む、付記1~16のいずれか一つに記載の方法。
18.プールされた試料をフローサイトメトリーでアッセイすることを更に含む、付記16に記載の方法。
19.同じ蛍光バーコードを有する粒子を、同じ粒子試料に由来するものとして割り当てることを更に含む、付記18に記載の方法。
20.複数の粒子試料のうちの2つ以上を差次的に処理することを更に含む、付記1~19のいずれか一つに記載の方法。
【0093】
21.各々固有の蛍光バーコードで標識された複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料であって、
所与の蛍光バーコードが、粒子マーカーに特異的に結合する1つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
22.複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料が、5~500個の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料を含む、付記21に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
23.複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料が、50~400個の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料を含む、付記22に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
24.複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料が、96個の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料を含む、付記23に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
25.複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料が、384個の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料を含む、付記23に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
【0094】
26.粒子試料が、マルチウェルプレートのウェルに提供される、付記21~25のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
27.各固有の蛍光バーコードが、複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記21~26のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
28.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、2~20個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記27に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
29.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、5~10個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記28に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
30.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、最大発光及び輝度のうちの1つ以上によって互いに異なる、付記27~29のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
【0095】
31.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、共通の光源によって励起可能である、付記27~30のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
32.共通の光源が、レーザーである、付記31に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
33.粒子マーカーが、非表現型マーカーである、付記21~32のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
34.粒子マーカーが、CD44、CD45、CD47、及びβ-2ミクログロブリンからなる群から選択される、付記33に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
35.特異的結合メンバーが、抗体又はその結合断片である、付記21~34のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
36.各粒子試料が、50~50,000,000個の細胞を含む、付記21~35のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
【0096】
37.付記21~36のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料を含む、プールされた試料。
38.付記37に記載のプールされた試料を含む、フローサイトメータ。
【0097】
39.粒子マーカーに特異的に結合する複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、キット。
40.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、2~20個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記39に記載のキット。
41.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、3~10個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記40に記載のキット。
42.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、最大発光及び輝度のうちの1つ以上によって互いに異なる、付記39~41のいずれか一つに記載のキット。
43.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、共通の光源によって励起可能である、付記39~42のいずれか一つに記載のキット。
【0098】
44.共通の光源が、レーザーである、付記43に記載のキット。
45.粒子マーカーが、非表現型マーカーである、付記39~44のいずれか一つに記載のキット。
46.粒子マーカーが、CD44、CD45、CD47、及びβ-2ミクログロブリンからなる群から選択される、付記45に記載のキット。
47.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、異なる粒子マーカーに特異的に結合する区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記39~46のいずれか一つに記載のキット。
48.特異的結合メンバーが、抗体又はその結合断片である、付記39~47のいずれか一つに記載のキット。
49.多重化ビーズアレイアッセイのビーズを更に含む、付記39~47のいずれか一つに記載のキット。
【0099】
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示は、また、以下の付記によっても定義される。
1.複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料を生成する方法であって、
複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料を生成するために、
複数のビーズ試料を提供することと、
複数のビーズ試料のうちの異なるビーズ試料を、固有の蛍光バーコードであって、所与の蛍光バーコードが、ビーズマーカーに特異的に結合する1つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、固有の蛍光バーコードで標識することと
を含む、方法。
2.複数のビーズ試料が、5~500個のビーズ試料を含む、付記1に記載の方法。
3.複数のビーズ試料が、50~400個のビーズ試料を含む、付記2に記載の方法。
4.複数のビーズ試料が、96個のビーズ試料を含む、付記3に記載の方法。
5.複数のビーズ試料が、384個のビーズ試料を含む、付記3に記載の方法。
【0100】
6.ビーズ試料が、マルチウェルプレートのウェルに提供される、付記1~5のいずれか一つに記載の方法。
7.各固有の蛍光バーコードが、複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記1~6のいずれか一つに記載の方法。
8.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、2~20個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記7に記載の方法。
9.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、3~10個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記8に記載の方法。
10.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、最大発光及び輝度のうちの1つ以上によって互いに異なる、付記7~9のいずれか一つに記載の方法。
【0101】
11.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、共通の光源によって励起可能である、付記7~10のいずれか一つに記載の方法。
12.共通の光源が、レーザーである、付記11に記載の方法。
13.ビーズマーカーが、非表現型マーカーである、付記1~12のいずれか一つに記載の方法。
14.ビーズマーカーが、CD44、CD45、CD47、及びβ-2ミクログロブリンからなる群から選択される、付記13に記載の方法。
15.特異的結合メンバーが、抗体又はその結合断片である、付記1~14のいずれか一つに記載の方法。
【0102】
16.各ビーズ試料が、50~50,000,000個のビーズを含む、付記1~15のいずれか一つに記載の方法。
17.複数の区別可能に蛍光標識されたバーコード化試料をプールして、プールされた試料を生成することを更に含む、付記1~16のいずれか一つに記載の方法。
18.プールされた試料をフローサイトメトリーでアッセイすることを更に含む、付記16に記載の方法。
19.同じ蛍光バーコードを有するビーズを、同じビーズ試料に由来するものとして割り当てることを更に含む、付記18に記載の方法。
20.複数のビーズ試料のうちの2つ以上を差次的に処理することを更に含む、付記1~19のいずれか一つに記載の方法。
【0103】
21.各々固有の蛍光バーコードで標識された複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料であって、
所与の蛍光バーコードが、ビーズマーカーに特異的に結合する1つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料。
22.複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料が、5~500個の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料を含む、付記21に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料。
23.複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料が、50~400個の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料を含む、付記22に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料。
24.複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料が、96個の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料を含む、付記23に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料。
25.複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料が、384個の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料を含む、付記23に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料。
【0104】
26.ビーズ試料が、マルチウェルプレートのウェルに提供される、付記21~25のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料。
27.各固有の蛍光バーコードが、複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記21~26のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料。
28.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、2~20個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記27に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料。
29.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、5~10個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記28に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料。
30.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、最大発光及び輝度のうちの1つ以上によって互いに異なる、付記27~29のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料。
【0105】
31.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、共通の光源によって励起可能である、付記27~30のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料。
32.共通の光源が、レーザーである、付記31に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料。
33.ビーズマーカーが、非表現型マーカーである、付記21~32のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料。
34.ビーズマーカーが、CD44、CD45、CD47、及びβ-2ミクログロブリンからなる群から選択される、付記33に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料。
35.特異的結合メンバーが、抗体又はその結合断片である、付記21~34のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料。
36.各ビーズ試料が、50~50,000,000個のビーズを含む、付記21~35のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料。
【0106】
37.付記21~36のいずれか一つに記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化されたビーズ試料を含む、プールされた試料。
38.付記37に記載のプールされた試料を含む、フローサイトメータ。
【0107】
39.粒子マーカーに特異的に結合する複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、キット。
40.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、2~20個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記39に記載のキット。
41.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、3~10個の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記40に記載のキット。
42.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、最大発光及び輝度のうちの1つ以上によって互いに異なる、付記39~41のいずれか一つに記載のキット。
43.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、共通の光源によって励起可能である、付記39~42のいずれか一つに記載のキット。
【0108】
44.共通の光源が、レーザーである、付記43に記載のキット。
45.ビーズマーカーが、非表現型マーカーである、付記39~44のいずれか一つに記載のキット。
46.ビーズマーカーが、CD44、CD45、CD47、及びβ-2ミクログロブリンからなる群から選択される、付記45に記載のキット。
47.複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーが、異なるビーズマーカーに特異的に結合する区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、付記39~46のいずれか一つに記載のキット。
48.特異的結合メンバーが、抗体又はその結合断片である、付記39~47のいずれか一つに記載のキット。
49.多重化ビーズアレイアッセイのビーズを更に含む、付記39~47のいずれか一つに記載のキット。
【0109】
上記の発明は、明確な理解のために例例示及び実施例によって多少詳しく説明されてきたが、当業者であれば、本発明の教示に照らして、添付の特許請求の範囲の趣旨又は範囲から逸脱することなく、それらの発明に対して何らかの変更及び修正を行い得ることは、容易に明らかである。
【0110】
したがって、上記は単に本発明の原理を例示するものにすぎない。当業者は、本明細書に明示的に説明又は図示されていないが、本発明の原理を具現化し、その趣旨及び範囲内に含まれる様々な配置を考案することができることが理解される。更に、本明細書に記載される全ての例及び条件付き言語は、主に、読者が、本発明の原理及び発明者が当該技術分野を促進するために寄与する概念を理解するのを助けることを意図し、かかる具体的に記載される例及び条件に限定されないと解釈されるべきである。更に、本発明の原理、態様、及び実施形態、並びにその具体的な例を記載する本明細書における全ての記述は、その構造的及び機能的等価物の両方を包含することを意図する。追加的に、かかる等価物は、構造にかかわらず、現在既知である等価物及び将来開発される等価物、すなわち、構造に関係なく同じ機能を実行するように開発された任意の要素の両方を含むことが意図される。更に、本明細書に開示されるものは、かかる開示が特許請求の範囲に明示的に記載されるか否かにかかわらず、公衆に捧げられることを意図するものではない。
【0111】
したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され、説明された例示的な実施形態に限定されることを意図されていない。むしろ、本発明の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。特許請求の範囲において、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は、請求項の限定について、正確な語句「のための手段」又は正確な語句「のためのステップ」がその請求項のそのような限定の始まりに記載されている場合にのみ、発動すると明示的に定義されており、そのような正確な語句が、請求項の限定において使用されない場合は、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は発動しない。
【0112】
関連出願の相互参照
米国特許法第119条(e)に従って、本出願は、2022年4月18日に出願された米国仮特許出願第63/332,085号の出願日に対する優先権を主張し、その出願の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-12-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料を生成する方法であって、
複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料を生成するために、
複数の粒子試料を提供することと、
前記複数の粒子試料のうちの異なる粒子試料を、所与の蛍光バーコードが、粒子マーカーに特異的に結合する1つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、固有の蛍光バーコードで標識することと
を含む、方法。
【請求項2】
前記複数の粒子試料が、複数の細胞試料又は複数のビーズ試料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記粒子試料が、マルチウェルプレートのウェルに提供される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
各固有の蛍光バーコードが、複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、最大発光及び輝度のうちの1つ以上によって互いに異なる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーの各々が、共通の光源、好ましくはレーザーによって励起可能である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記粒子マーカーが、非表現型マーカーである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記特異的結合メンバーが、抗体又はその結合断片である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
複数の区別可能に蛍光標識されたバーコード化試料をプールして、プールされた試料を生成することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記プールされた試料をフローサイトメトリーでアッセイすることを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、同じ蛍光バーコードを有する細胞を、同じ粒子試料に由来するものとして割り当てることを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、前記複数の粒子試料のうちの2つ以上を差次的に処理することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項13】
各々固有の蛍光バーコードで標識された複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料であって、
所与の蛍光バーコードが、粒子マーカーに特異的に結合する1つ以上の蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
【請求項14】
蛍光バーコード化された細胞試料又は蛍光バーコード化されたビーズ試料を含む、請求項13に記載の複数の区別可能に蛍光バーコード化された粒子試料。
【請求項15】
粒子マーカーに特異的に結合する複数の区別可能に蛍光標識された特異的結合メンバーを含む、キット。
【国際調査報告】