IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アーの特許一覧

<>
  • 特表-飲料を生成するためのカプセル 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-05-02
(54)【発明の名称】飲料を生成するためのカプセル
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/804 20060101AFI20250424BHJP
   B65D 65/46 20060101ALI20250424BHJP
【FI】
B65D85/804 100
B65D65/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024561890
(86)(22)【出願日】2023-05-03
(85)【翻訳文提出日】2024-10-18
(86)【国際出願番号】 EP2023061655
(87)【国際公開番号】W WO2023213870
(87)【国際公開日】2023-11-09
(31)【優先権主張番号】22171846.3
(32)【優先日】2022-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ブール, ヴィオレット キャサリン マルグリット
(72)【発明者】
【氏名】ドーガン, ニハン
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー, オードリー ヴィルジニー
【テーマコード(参考)】
3E086
【Fターム(参考)】
3E086AA21
3E086AD06
3E086BA15
3E086BB90
3E086CA11
3E086DA08
(57)【要約】
本発明は飲料調製マシンで使用するためのカプセルに関し、カプセルは、可溶性かつ/又は抽出可能な飲料原材料を収容し、チャンバ(21)を画定しているカプセル本体(2)と、上部開口部を閉鎖しカプセル内へ液体を注入するために穿孔されるように構成された上部膜(3)と、上部膜と下部膜との間に原材料チャンバを境界画定するようにチャンバ内部に設けられている下部膜(4)と、チャンバ内部に設けられ、液体の注入中に原材料チャンバ内の液体圧力上昇の影響下で下部膜との相対的な係合によってチャンバを開口するように構成されている開口デバイス(5)とを備え、開口デバイスは生分解性材料で作られており、生分解性材料は、ポリヒドロキシアルカノエートからなる群から選択される少なくとも1つのポリマーと少なくとも1つ以上の核形成剤と少なくとも1つ以上の無機充填剤とを含むポリマー組成物である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製マシンで使用するためのカプセル(1)であって、可溶性かつ/又は抽出可能な飲料原材料を収容しており、
チャンバ(21)を画定しているカプセル本体(2)と、
上部開口部を閉鎖し、前記カプセル内へ液体を注入するために穿刺されるように構成された上部膜(3)と、
下部膜(4)であって、前記上部膜(3)と前記下部膜との間に原材料チャンバを境界画定するように前記チャンバ(21)の内部に設けられている、下部膜(4)と、
前記チャンバの内部に設けられた開口デバイス(5)であって、前記液体の注入中に前記原材料チャンバ内の液体圧力上昇の影響下で、前記開口デバイスと前記下部膜(4)との相対的な係合によって前記チャンバを開口するように構成されている、開口デバイス(5)と、
を備え、
前記開口デバイス(5)が生分解性材料で作られた成形部品であり、前記生分解性材料がポリマー組成物であり、前記ポリマー組成物が、
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)からなる群から選択される少なくとも1つのポリマーと、
少なくとも1つ以上の核形成剤と、
少なくとも1つ以上の無機充填剤と、
を含む、
カプセル。
【請求項2】
前記ポリマー組成物が、式(I):
-O-CHR-(CH-CO-
の繰り返し単位を含有する少なくとも1つのポリヒドロキシアルカノエートを含み、
式中、
Riは、-H、C-C12アルキル、C-C16シクロアルキル、CC12アルケニルから選択され、任意選択で、ハロゲン(F、Cl、Br)、-CN、-OH、-COOH、-OR、-COOR(R=C-Cアルキル、ベンジル)から選択される少なくとも1つの基で置換され、
nは、0又は1~6の整数であり、好ましくは1又は2である、
請求項1に記載のカプセル。
【請求項3】
前記ポリマー組成物が、少なくとも1つのポリヒドロキシアルカノエートを含み、Riは、メチル又はエチルであり、nは、1又は2である、請求項2に記載のカプセル。
【請求項4】
前記ポリヒドロキシアルカノエートが、ヒドロキシアルカノエートと共重合することができるコモノマーから誘導される少なくとも1つの繰り返し単位と組み合わせて式(I)の繰り返し単位を含有する共重合体又は三元重合体である、請求項2又は3に記載のカプセル。
【請求項5】
前記ポリマー組成物が、
ポリ(エチレングリコール)(PEG)、
アセチル-トリ-n-ブチルシトレート(ATBC)、
イソソルビドジエステル(ISE)、
ソルビトール、
グリセロール、
アセチル化モノグリセリド、
エポキシ化大豆油(ESBO)、
クエン酸トリエチル(TEC)
トリ(エチレングリコール)ビス(2-エチルヘキサノエート)(TEG-EH)
クエン酸トリブチル(TBC)
1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、
1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、
ビス(ステアリルウレイド)ヘキサン、
1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、
及びそれらの混合物
からなる群から選択される少なくとも1つの可塑剤を含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項6】
前記ポリマー組成物が、窒化ホウ素、タルク、ヒドロキシアパタイト、ステアリン酸亜鉛、ナノ結晶セルロース、モンモリロナイトナノクレイ、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ、シアヌル酸、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミン、脂肪酸金属塩、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、尿素誘導体、ソルビトール系化合物、安息香酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの核形成剤を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項7】
前記ポリマー組成物が、少なくとも0.1重量%、好ましくは最大で5重量%の量の核形成剤を含む、請求項6に記載のカプセル。
【請求項8】
前記ポリマー組成物が、タルク、ウォラストナイト、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、ナノクレイからなる群から選択される少なくとも1つの無機充填剤を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項9】
前記ポリマー組成物が、少なくとも5重量%、好ましくは最大で40重量%の量の無機充填剤を含む、請求項8に記載のカプセル。
【請求項10】
前記ポリマー組成物が、
ペンタエリトロールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、
オクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、
1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル)]-o-クレゾール、
2,2t-ジヒドロキシ-4,4t-ジメトキシ-ベンゾフェノン、
エチレンビス(オキシエチレン)ビス-(3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート、
オクタデシル-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェイル)プロピオネート、
2t,3-ビス[[3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド、
蜜蝋、
カルナバ蝋、
カンデリラ蝋、
スマック蝋(木蝋)、
ベリー蝋、
パラフィン蝋、
シリコーン及びその誘導体、
水酸化マグネシウム、
ステアリン酸カルシウム、
及びそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの機能性添加剤を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項11】
前記ポリマー組成物が、
ジクミルペルオキシド(DCP)、
tert.ブチルペルオキシベンゾエート(TBPB)、
ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、
多官能性スチレン-co-メタクリル酸グリシジルオリゴマー(Joncryl(登録商標))、
トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)、
過酸化ベンゾイル(BPO)、
メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)
からなる群から選択される少なくとも1つの粘度調整剤及び/又は相溶化剤を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項12】
前記開口デバイス(5)が、プレート(51)を備え、前記プレートが、前記プレートの上面(511)から隆起している開口要素(52)を備え、前記開口要素(52)が、前記液体の注入中に前記原材料チャンバ内の液体圧力上昇の影響下で前記下部膜(4)を穿孔する、裂く、穿刺するように設計されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項13】
前記開口要素(52)が、鋭く尖った先端を有する、請求項12に記載のカプセル。
【請求項14】
前記開口デバイス(5)の前記プレート(51)が、前記プレートの前記上面(511)から前記プレートの下面(512)まで延びている飲料排出穴(53)を備え、前記穴が隆起した前記開口要素(52)間に配置されている、請求項12又は13に記載のカプセル。
【請求項15】
前記下部膜(4)が積層多層材料であり、前記積層多層材料が、連続的に、
硫酸紙層と
接着剤層と、
生分解性繊維である繊維を含む不織材料層と、
を含み、
前記硫酸紙支持体が、前記開口デバイス(5)に面している、
請求項1~14のいずれか一項に記載のカプセル。
【請求項16】
前記カプセル本体(2)が下部壁を備え、前記下部壁が前記開口デバイス(5)と一体に作られている、請求項1~15のいずれか一項に記載のカプセル。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、飲料調製マシンにおいて使用するためのカプセルに関する。
【0002】
[背景技術]
1杯分の飲料カプセルが、当該技術分野において知られている。これらのカプセルは、コーヒー又は茶のような飲料を所望する時に注出するための飲料調製マシンで一般に使用される。
【0003】
このために、通常、飲料原材料を封入したカプセル本体を有する飲料カプセルが、飲料調製マシンのカプセル受容器に挿入される。カプセル受容器が閉鎖され、飲料調製が開始される。カプセル受容器内で、カプセルの上部膜が針で穿孔されて、流体、一般的には水がカプセル内に注入され、カプセル内部の飲料原材料と相互作用して所望の飲料が生成される。流体がカプセルを充填し、それによりカプセル内部の圧力が上昇する。十分な量の流体がカプセルを充填すると、カプセル内の自己開口機構が作動し、飲料成分の抽出が完了した時点でカプセルの下部膜を開口して、調製された飲料を放出する。このタイプの容器の動作原理の例は、欧州特許第1472156号に記載されている。
【0004】
従来技術では、このタイプの飲料容器は、通常、プラスチックで作られている。容器が1回限りの使用のために設計されていることを考慮すると、使用された材料の再利用及びリサイクルは困難な場合があるため、それらの廃棄を管理する必要がある。したがって、これらの材料を、セルロース又はバイオプラスチックなどの代替物に置き換えて、使用後の容器の廃棄及び/又はリサイクルに伴う問題の克服を可能にする試みが行われている。しかしながら、これらの代替材料が通常のプラスチック材料と同じ材料特性及び利点を有していないことを考慮する必要がある。
【0005】
特に、欧州特許第1472156号に記載され、図1に概略的に示されるものなどのカプセルを考慮すると、そのようなタイプのカプセル1は、
カプセル内へ液体を注入するために穿孔されるように構成された上部膜3によって閉鎖された上部開口部23を有するチャンバ21を画定しているカプセル本体2と、
下部膜4であって、上部膜3と下部膜4との間に原材料チャンバを境界画定するようにチャンバの内部に設けられている、下部膜4と、
カプセル本体の内部に、かつ下部膜の下方に設けられた開口デバイス5であって、液体の注入中にチャンバ内の液体圧力上昇の影響下で開口デバイスと下部膜との相対的に係合することによって原材料チャンバを開口するように構成されている、開口デバイス5と、
を備える。
【0006】
このような構造を有するカプセルの開口デバイス5がバイオプラスチックから作られる場合、いくつかの欠点が観察されることがある。
【0007】
1つの欠点は、温度及び圧力の上昇下で、バイオプラスチックで作られた物体の特性が変化し得ることである。上述のカプセルの場合、特性のこの変化はバイオプラスチックで作られた開口デバイスにとって重大な問題であり、その理由は、熱水がチャンバ内に導入されて、圧力が上昇して下部膜が開口デバイスに押し付けられるまでに、この開口デバイスが変形して、破損するおそれ、及び/又は下部膜が裂けて圧力が低下した後に元の形状に回復しないおそれがあることである。結果として、焙煎して挽いたコーヒー粒子又は溶解していない可溶性粉末などの飲料原材料が原材料チャンバから飲用カップに送出される可能性、又は飲料の一部が正確に調製されない可能性がある。この飲料調製は、消費者に許容されるものではない。
【0008】
別の欠点は、飲料調製中にカプセル内で上昇する圧力に対する抵抗を提供するために、開口デバイスがある程度の厚さを有することである。その結果、この厚い材料片がバイオプラスチックで作られている場合、家庭堆肥化可能な物体としての分解は比較的長期になる。
【0009】
本発明の目的は、上記の既存の問題に対処することである。
【0010】
[発明の概要]
本発明の第1の態様では、飲料調製マシンで使用するためのカプセルが提供され、当該カプセルは、可溶性かつ/又は抽出可能な飲料原材料を収容しており、
チャンバを画定しているカプセル本体と、
上部開口部を閉鎖し、カプセル内へ液体を注入するために穿刺されるように構成された上部膜と、
下部膜であって、上部膜と下部膜との間に原材料チャンバを境界画定するようにチャンバの内部に設けられている、下部膜と、
チャンバの内部に設けられた開口デバイスであって、液体の注入中に原材料チャンバ内の液体圧力上昇の影響下で、開口デバイスと下部膜との相対的な係合によってチャンバを開口するように構成されている、開口デバイスと、
を備え、
当該開口デバイスは生分解性材料で作られた成形部品であり、当該生分解性材料はポリマー組成物であり、当該ポリマー組成物は、
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)からなる群から選択される少なくとも1つのポリマーと、
少なくとも1つ以上の核形成剤と、
少なくとも1つ以上の無機充填剤と、
を含む。
【0011】
このカプセルは、飲料原材料のためのチャンバを画定しているカプセル本体と、このチャンバを閉鎖している上部膜と、チャンバ内部に設けられた下部膜と、この下部膜を開口するように構成された開口デバイスと、を備える。
【0012】
カプセル本体は通常、
チャンバを画定しており、上部開口部の間で軸線方向に延びている側壁と、
上部開口部から径方向外向きに突出している周縁フランジであって、開口部に関してチャンバとは反対側にある上面と、反対側にある下面とを備える、周縁フランジと、を備える。
【0013】
通常、カプセル本体の下部は、出口を備え、出口を通して飲料を注出することができる。
【0014】
一般に、上部膜は、本体のフランジの上面に取り付けられている。
【0015】
カプセルは、飲料原材料を含み、これは可溶性又は抽出可能な飲料原材料であり得る。原材料は、上部膜と下部膜との間に保持される。
【0016】
開口デバイスは、本体の内部であるが原材料チャンバの外部に配置されている。したがって、開口デバイスは、下部膜の下に配置されている。
【0017】
通常、開口デバイスはプレートを備え、このプレートは、プレートの上面から、したがって下部膜の方向に隆起する開口要素を備える。これらの開口要素は、液体の注入中に原材料チャンバ内の液体圧力上昇の影響下で下部膜を穿孔、引き裂き、穿刺するように設計されている。
【0018】
これらの隆起した開口要素は、下部膜に向かって上向きにされた円錐又は角錐(任意選択で、先端が切り取られている)形状のスパイクであってもよく、開口デバイスに面する下部膜に対して突出部及び凹部を形成し得る。
【0019】
好ましくは、開口要素は鋭く尖った先端を有する。
【0020】
好ましくは、開口デバイスのプレートは、プレートの上面からプレートの下面まで延びている飲料排出穴を備え、これらの穴は隆起した開口要素間に配置されている。
【0021】
最新技術では、この開口デバイスは、ポリプロピレンなどのプラスチックの成形部品である。
【0022】
本実施形態では、開口デバイスは、生分解性材料の成形部品である。この生分解性材料は、
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)からなる群から選択される少なくとも1つのポリマーと、
少なくとも1つ以上の核形成剤と、
少なくとも1つ以上の無機充填剤と、
を含むポリマー組成物である。
【0023】
開口デバイスは、このポリマー組成物からモールド成形することによって製造されている。
【0024】
通常、開口デバイスは、このポリマー組成物から一体的に作られている。
【0025】
一般に、ポリマー組成物は、式(I):
-O-CHR-(CH-CO-
の繰り返し単位を含有する少なくとも1つのポリヒドロキシアルカノエートを含み、
式中、
Riは、-H、C-C12アルキル、C-C16シクロアルキル、C-C12アルケニルから選択され、任意選択で、ハロゲン(F、Cl、Br)、-CN、-OH、-COOH、-OR、-COOR(R=C-Cアルキル、ベンジル)から選択される少なくとも1つの基で置換されてもよく、
nは、0又は1~6の整数であり、好ましくは1又は2である。
【0026】
好ましくは、ポリマー組成物は、少なくとも1つのポリヒドロキシアルカノエートを含み、Riは、メチル又はエチルであり、nは、1又は2である。
【0027】
式(I)の好ましい繰り返し単位は、
3-ヒドロキシブチレート、
3-ヒドロキシバレレート、
3-ヒドロキシヘキサノエート、
3-ヒドロキシオクタノエート、
3-ヒドロキシドデカノエート、
3-ヒドロキシ-10-ウンデセノエート、
4-ヒドロキシバレレート、
又はこれらの混合物
から誘導されるものであり得る。
【0028】
特に好ましいポリヒドロキシアルカノエートは、
ポリ-3-ヒドロキシブチレート(PHB)、
ポリ-3-ヒドロキシバレレート(PHV)、
ポリ-3-ヒドロキシヘキサノエート(PHH)、
ポリ-3-ヒドロキシオクタノエート(PHO)、
ポリ-3-ポリヒドロキシドデカノエート(PHDd)、
ポリ-3-ヒドロキシ-10-ウンデセノエート(PHU)、
及び、それらの共重合体である、
ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート)(PHBV)、
ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシエクサノエート)(PHBH)、
ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-4-ヒドロキシブチレート)、
ポリ(3-ヒドロキシオクタノエート-co-3-ヒドロキシウンデセン-10-エノエート)(PHOU)、
ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート-co-4-ヒドロキシバレレート)(PHBW)、
又はそれらの混合物
から誘導されるものであり得る。
【0029】
一実施形態では、ポリヒドロキシアルカノエートは、ヒドロキシアルカノエートと共重合することができるコモノマーから誘導される少なくとも1つの繰り返し単位と組み合わせて式(I)の繰り返し単位を含有する共重合体又は三元重合体であり得る。
【0030】
これらのコモノマーは、ラクトン及び/又はラクタムであり得る。
【0031】
この実施形態では、通常、式(I)の繰り返し単位は、繰り返し単位の総モルに対して少なくとも10%のモルに等しい量が存在する。
【0032】
好ましくは、ポリヒドロキシアルカノエートは、10~10g/molの範囲であり得る重量平均分子量(M)を有する。
【0033】
一般に、ポリマー組成物は、
ポリ(エチレングリコール)(PEG)、
アセチル-トリ-n-ブチルシトレート(ATBC)、
イソソルビドジエステル(ISE)、
ソルビトール、
グリセロール、
アセチル化モノグリセリド、
エポキシ化大豆油(ESBO)、
クエン酸トリエチル(TEC)、
トリ(エチレングリコール)ビス(2-エチルヘキサノエート)(TEG-EH)、
クエン酸トリブチル(TBC)、
1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、
1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール
ビス(ステアリルウレイド)ヘキサン、
1,3,2,4-ジ(p-メチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、
及び、それらの混合物
からなる群から選択される少なくとも1つの可塑剤を含む。
【0034】
ポリマー組成物は、窒化ホウ素、タルク、ヒドロキシアパタイト、ステアリン酸亜鉛、ナノ結晶セルロース、モンモリロナイトナノクレイ、単層カーボンナノチューブ、ウォラストナイト、多層カーボンナノチューブ、シアヌル酸、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸アミン、脂肪酸金属塩、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、尿素誘導体、ソルビトール系化合物、安息香酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択することができる少なくとも1つの核形成剤を含む。
【0035】
好ましくは、ポリマー組成物は、少なくとも0.1重量%、好ましくは最大5重量%の量の少なくとも1つの核形成剤を含む。
【0036】
ポリマー組成物は、タルク、ウォラストナイト、マイカ、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、ナノクレイからなる群から選択することができる少なくとも1つの無機充填剤を含む。
【0037】
好ましくは、ポリマー組成物は、少なくとも1重量%、好ましくは最大で50重量%の量の少なくとも1つの無機充填剤を含む。
【0038】
好ましくは、ポリマー組成物は、無機充填剤としてウォラストナイト、タルク又はナノクレイを含み、更により好ましくは5~40重量%の含有量で含む。
【0039】
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)からなる群から選択されるポリマーを含む開口デバイスのポリマー組成物内に無機充填剤が存在することにより、これらの無機充填剤のないポリマー組成物と比較して、この開口部の分解が加速されることが観察された。
【0040】
ポリマー組成物は、
ペンタエリトロールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、
オクタデシル3-(3,5-ジ-tert-ブチル4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、
1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル)]-o-クレゾール、
2,2t-ジヒドロキシ-4,4t-ジメトキシ-ベンゾフェノン、
エチレンビス(オキシエチレン)ビス-(3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート、
オクタデシル-[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェイルプロピオネート、
2t,3-ビス[[3-[3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル]プロピオニル]]プロピオノヒドラジド、
蜜蝋、
カルナバ蝋、
カンデリラ蝋、
スマック蝋(木蝋)、
ベリー蝋、
パラフィン蝋、
シリコーン及びその誘導体、
水酸化マグネシウム、
ステアリン酸カルシウム、
並びに、それらの混合物
からなる群から選択される少なくとも1つの機能性添加剤を含むことができる。
【0041】
これらの機能性添加剤は、加工性、材料間の相溶性を改善し、かつ/又は生分解を促進するために使用することができる。
【0042】
ポリマー組成物は、
ジクミルペルオキシド(DCP)、
tert.ブチルペルオキシベンゾエート(TBPB)、
ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、
多官能性スチレン-co-メタクリル酸グリシジルオリゴマー(Joncryl(登録商標))、
トリグリシジルイソシアヌレート(TGIC)、
過酸化ベンゾイル(BPO)、
メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)
からなる群から選択される少なくとも1つの粘度調整剤及び/又は相溶化剤を含むことができる。
【0043】
好ましくは、ポリマー組成物は、亜麻、トウモロコシ、もみ殻、ヘンプ、竹、サイザル麻、ケナフ麻及びそれらの混合物からなる群から選択される繊維などの繊維を含むことができる。
【0044】
開口デバイスのポリマー組成物に繊維を組み込むことの利点は、これらの繊維のない純粋なPHA系組成物と比較して、開口部品の分解が加速されることである。これは、厚い材料部品である場合があり、その結果、カプセルの他の部分よりも分解されるのに多くの時間を必要とする開口デバイスにとって特に有用である。
【0045】
好ましくは、ポリマー組成物は、そのような繊維を5~40重量%の含有量で含む。
【0046】
通常、開口デバイスは、プレートを備え、当該プレートは、プレートの上面から隆起している開口要素を備え、当該開口要素は、液体の注入中に原材料チャンバ内の液体圧力上昇の影響下で下部膜を穿孔する、裂く、穿刺するように設計されている。
【0047】
好ましくは、特に、下部膜がある程度の弾性を有する材料で作られている場合には、開口要素は、鋭く尖った先端を有しており、これは、下部膜が生分解性材料で作られている場合に当てはまる。
【0048】
それは、下部膜が、連続的に、
硫酸紙層と、
接着剤層と、
生分解性繊維である繊維を含む不織材料層と、
を含む積層多層材料である場合であり得る。このような下部膜の場合、通常、硫酸紙支持体は、カプセル内部の開口デバイスに面している。
【0049】
一実施形態では、開口デバイスのプレートが、プレートの上面からプレートの下面まで延びている飲料排出穴を備え、これらの穴は隆起した開口要素間に配置されることが好ましい。これは、下部膜が上述のような積層多層材料である場合に特に好ましい。
【0050】
好ましくは、カプセル本体は、紙系、デンプン、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、及び/又はポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、ポリグリコール酸(PGA)、又はそれらの混合物などの生分解性又は堆肥化可能な材料で作られる。
【0051】
好ましくは、上部膜は、紙系、デンプン、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、及び/又はポリブチレンアジペートテレプタレート(PBAT)、ポリグリコール酸(PGA)、又はそれらの混合物などの生分解性又は堆肥化可能な材料で作られる。
【0052】
カプセルは、原材料のための下位サブチャンバ及び液体のための上位供給チャンバを画定するようにチャンバの内部断面を通って延びている供給壁を備え得る。この供給壁は、液体を原材料上に均一に供給するための小さな穴を備える。
【0053】
そのような供給器は、セロファン及びデンプン、又は、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、及び/若しくはポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、ポリグリコール酸(PGA)、又はそれらの混合物で作られた堆肥化可能なフィルムであり得る。
【0054】
通常、カプセルは、カプセル本体と開口デバイスとを別々に製造し、更なる工程でそれらを組み立てることによって製造される。
【0055】
特定の実施形態では、カプセル本体は、開口デバイスと一体に作られた下部壁を備え得る。
【0056】
したがって、この実施形態では、開口デバイスは、カプセル本体と一体的にモールド成形される。カプセル本体は、開口デバイスと同じ生分解性ポリマー組成物からモールド成形される。
【0057】
本出願において、材料の生分解性及び堆肥化可能性を決定するための技術的要件及び手順は、EU 13432又はUS ASTM D6400などの国際規格に従って決定される。例えば、試験の1つは、「(工業的に)堆肥化可能」であるとみなされる材料について、対象とする材料の少なくとも90%が、制御された条件下で6ヶ月以内に生物学的に分解されることを必要とする。同様の試験スキームが、家庭での堆肥化可能性の認証についても存在する。
【0058】
したがって、使用後にカプセルシステム全体をコンポストパイル内に廃棄することが可能であるため、材料が完全に生分解されると、養分が土壌に供給され得る。
【0059】
本発明の上記の諸態様は、任意の好適な組み合わせで組み合わせることができる。更には、本明細書における様々な特徴を、上記の諸態様のうちの1つ以上と組み合わせることにより、具体的に図示及び説明されたもの以外の組み合わせを提供することができる。本発明の更なる目的及び有利な特徴は、「特許請求の範囲」、「発明を実施するための形態」、及び添付図面から明らかとなるであろう。
【0060】
[図面の簡単な説明]
本発明の特定の実施形態が、以下の図面を参照して、例として更にここで記載される。
図1]本発明によるカプセルの概略断面図である。
図2]様々なポリマー材料の歪みを示すグラフである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】本発明によるカプセルの概略断面図である。
【0062】
[発明を実施するための形態]
図1は、本発明によるカプセル1を概略的に示す。
【0063】
カプセル1は、下部から上部に向かって軸線方向に延びている1つ以上の側壁21を有するカプセル本体2を備える。側壁は、上部開口部23に向かって延びている。上部開口部23において、本体は、側壁から径方向外向きに延びている周縁フランジ24を備える。
【0064】
一般に、図2の斜視図に示すように、本体カプセルのいずれの横断面も下部から頂部まで円形であり、フランジも円形である。
【0065】
側壁は、可溶性のかつ/又は抽出可能な飲料原材料を収容するためのチャンバ22を境界画定している。
【0066】
この可溶性飲料原材料は、水溶性粉末原材料であり、インスタントコーヒー粉末、乳粉末、クリーム粉末、インスタント茶粉末、ココア粉末、スープ粉末、果実粉末又は当該粉末の混合物からなるリストの中から選択することができる。粉末は、凝集化又は熱成(sintered)されたものであってもよい。
【0067】
パッケージに包装されたこの飲料原材料は、焙煎し挽いたコーヒー又は茶葉のように抽出するか、浸出させることができる原材料であってもよい。その実施形態では、水が飲料原材料を抽出する。
【0068】
カプセルは、周縁フランジの上面の少なくとも一部に固定、封止、又は取り付けられており、したがって上部開口部23を覆って閉鎖している、上部膜3を備える。
【0069】
この上部膜は、カプセル内へ液体を注入するために穿刺されるように構成されている。好ましくは、上部膜は、飲料調製マシンの注入ニードルによって穿孔可能であり、注入針は、チャンバの内部又は中に加圧下で抽出液を注入するように構成されている。好ましくは、穿刺操作は、国際公開第2006/082064号又は国際公開第2008/107281号に記載されているような水注入ニードルによって単一の位置で行われる。
【0070】
用語「上部膜」は、カプセル1の反対側に位置する膜として理解されるべきである「下部膜」(以下で説明される)とは対照的に、マシンの注入ニードルによって穿孔される膜として理解されるべきである。
【0071】
カプセルは、チャンバ22の下部を閉鎖している下部膜4を備える。したがって、可溶性のかつ/又は抽出可能な飲料原材料は、上部膜と下部膜との間に封入される。上部膜及び下部膜は、飲料を調製するために飲料原材料を保持するように構成されたチャンバである原材料チャンバ22の内部空間を境界画定している。
【0072】
一実施形態では、供給壁6は、チャンバの内部断面を通って延びていてもよく、原材料のための下位サブチャンバ及び液体のための上位供給チャンバを画定している。この供給壁は、液体を原材料上に均一に供給するための小さな穴を備える。
【0073】
カプセルは、当該液体の注入中にチャンバ内の液体圧力上昇の影響下で下部膜4と相対的に係合することによってチャンバを開口するように構成された開口デバイス5を備える。開口デバイス5は、任意選択で先端が切り取られている円錐又は角錐形状のスパイクなどの下部膜4に向かって上向きにされた開口要素52を表面上に備える剛性プレート51を備えることができ、この開口要素は開口デバイスに面する下部膜4に対して突起部及び凹部を形成し得る。開口デバイス5は、一般に「ピラミッドプレート」と呼ばれることがある。
【0074】
原材料チャンバ22内で生成された飲料を飲料出口25に送出するために、穴53をプレート51に設けることができる。
【0075】
チャンバ4内部に液体が注入されると、圧力が上昇し、下部膜が穿孔されるまで、開口手段5に対して下部膜4を変形させ、カプセル1内部で調製された飲料をチャンバ21から開口デバイス5の下へ送出する。「係合する」という表現は、例えば、開口デバイス又は第2の膜、あるいはその両方が、開口をもたらすように互いに対して移動され得ることを意味し得る。
【0076】
通常、カプセル本体は、開口デバイス5の下に下部飲料出口25を備える。カプセル本体の下部は、好ましくは、当該開口手段を保持するように開口手段の下に延びており、飲料をこの飲料出口25に収集して、カプセル1の外部に、例えば、カップの中に飲料を注出する。
【0077】
上部膜3は、チャンバ21に注入された抽出液が、変形した下部膜4の穿孔を開口デバイス5によって達成するのに必要な圧力まで内圧を増加させるように、フランジ24に固定されている。したがって、上部膜3は、少なくともチャンバの内部の規定された圧力が達成されるまで剥離しないようにフランジに固定されている。この規定された圧力は、少なくとも2バール、好ましくは少なくとも3バール又は少なくとも6バールであり得る。したがって、この固定により、カプセル1はフランジと上部膜との間の界面を介する漏れを飲料調製中に生じさせない。
【0078】
最新技術では、このタイプのカプセルはポリプロピレンなどのプラスチックで作られている。そのような材料は、90℃より高い温度の熱水の導入、及び、下部膜4が穿孔されるまで上昇する原材料チャンバ22内部の圧力の上昇に適合された特性を有する。飲料調製中、ポリプロピレンで作られた開口デバイス5は、最も高い圧力によって加えられる力の下で変形し、わずかに曲がるが、飲料調製の終わりに圧力が低下すると、元の形状に戻る。その結果、下部膜を開口して飲料を濾過する機能が保証される。
【0079】
この開口デバイス5がバイオプラスチックで作られている場合、開口デバイスは、飲料原材料チャンバ内部の熱水によって加えられる温度及び圧力負荷の影響下で開口デバイス自体を変形させることが観察されている。飲料は、以下の理由で良好に調製されない。
焙煎して挽いたコーヒーを抽出するため、又は可溶性原材料を水と混合するために必要な高圧が、飲料調製の全体を通して維持されない。あるいは、この変形が飲料の流れを遮断し、カプセルが破裂するような、又は開口デバイスが破損するような高い圧力を作り出すことが起こり得る。結果として得られる飲料は、期待される品質を有しない。
コーヒーの塊又は溶解しなかった可溶性原材料のような一部の飲料原材料が、濾過されずに飲用カップの内部に流れる。変形したピラミッドの一部の破損した破片が、カップに放出されることもあり得る。
【0080】
これらの欠点は、開口デバイス材料の生分解性材料として、
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)からなる群から選択される少なくとも1つのポリマー、
少なくとも1つ以上の核形成剤、及び
少なくとも1つ以上の無機充填剤、
を含むポリマー組成物を選択することによって回避することができる。
【0081】
特に、そのようなポリマー組成物で製造されたプレートに1.4MPaの負荷をかけて、飲料マシンの水ポンプによって生成され、飲料カプセル内部に導入される加圧水によって加えられる圧力を反映した。この負荷を1.5秒間かけ、次いで解除した。以下のことが観察された。
これらのプレートは、負荷の下で時間とともに変形した。
負荷を取り除くと、これらのプレートは元の寸法に戻るか、又はわずかに変形しただけであった。
【0082】
これらのポリマー組成物から作られた開口デバイス5を使用して、図1に示すような飲料カプセルを製造した。飲料原材料は、焙煎して挽いたコーヒーであった。ネスカフェ ドルチェグストの商標で市販されている飲料マシンを用いて様々なカプセルからコーヒーを調製し、そこから適切にコーヒーが調製された。
【0083】
本発明は、上記で例示された実施形態を参照して説明されているが、特許請求される本発明は、決してこれらの例示された実施形態によって限定されるものではないことが理解されるであろう。
【0084】
「特許請求の範囲」で定義されるような本発明の範囲を逸脱することなく、変形及び修正が実施可能である。更に、既知の均等物が特定の特徴に対して存在する場合、かかる均等物は、本明細書で具体的に言及されているかのように組み込まれる。
【0085】
本明細書で使用するとき、用語「備える」、「備えている」、及び同様の語は、排他的又は網羅的な意味で解釈されるべきではない。換言すれば、これらは、「~を含むが、それらに限定されない」ことを意味するものとする。
【0086】
[符号の説明]
1 カプセル
2 カプセル本体
20 チャンバ
21 側壁
22 原材料チャンバ
23 上部開口部
24 フランジ
25 下部出口
3 上部膜
4 下部膜
5 開口デバイス
51 剛性プレート
52 開口要素
53 穴
6 供給壁
図1
【国際調査報告】