(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-06-05
(54)【発明の名称】移動可能な吸着モジュールによるガス処理のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/047 20060101AFI20250529BHJP
B01D 53/62 20060101ALI20250529BHJP
B01D 53/50 20060101ALI20250529BHJP
B01D 53/56 20060101ALI20250529BHJP
B01D 53/82 20060101ALI20250529BHJP
【FI】
B01D53/047 ZAB
B01D53/62
B01D53/50 100
B01D53/56 100
B01D53/62 100
B01D53/82
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024568445
(86)(22)【出願日】2022-05-25
(85)【翻訳文提出日】2024-12-04
(86)【国際出願番号】 US2022030967
(87)【国際公開番号】W WO2023229592
(87)【国際公開日】2023-11-30
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クルカルニ、パラグ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】サマック、マジェド
【テーマコード(参考)】
4D002
4D012
【Fターム(参考)】
4D002AA02
4D002AA08
4D002AA09
4D002AA12
4D002AC10
4D002BA04
4D002CA07
4D002EA08
4D002GA02
4D002GA03
4D002GB01
4D002GB02
4D002GB03
4D002GB04
4D002GB20
4D012CA03
4D012CA15
4D012CA16
4D012CA20
4D012CB08
4D012CD02
4D012CD07
4D012CE01
4D012CE02
4D012CF02
4D012CF03
4D012CF04
4D012CF05
4D012CF08
4D012CF10
4D012CK08
(57)【要約】
【課題】吸着モジュールを有するガス処理システムを提供する。
【解決手段】システムは、吸着モジュールを有するガス処理システムを含み、吸着モジュールは、吸着剤を有する1つ以上の吸着剤カートリッジを含む。ガス処理システムは、第1の流路内の第1の位置と第2の流路内の第2の位置との間の線形移動経路に沿って吸着モジュールを移動させるように構成された線形位置決めアセンブリをさらに含む。ガス処理システムは、吸着モジュールが第1の位置に配置されているときに、第1の流路内の第1の流体流から望ましくないガスを吸着剤に吸着するように構成され、吸着モジュールが第2の位置に配置されているときに、吸着剤から望ましくないガスを脱着するように構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス処理システムを含むシステムであって、ガス処理システムは、
吸着剤を有する1つまたは複数の吸着剤カートリッジを含む吸着モジュールと、
吸着モジュールを、第1の流路における第1の位置と、第2の流路における第2の位置との間の線形経路に沿って移動させるように構成された線形位置決めアセンブリと、を含み、
吸着モジュールが第1の位置に配置されたときに、第1の流路における第1の流体流から吸着剤に望ましくないガスを吸着するようにガス処理システムは構成され、
吸着モジュールが第2の位置に配置されたときに、吸着剤から望ましくないガスを脱着するようにガス処理システムは構成される、システム。
【請求項2】
ガス処理システムに結合された第1の流路を有する燃焼システムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
燃焼システムがガスタービンシステムを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
望ましくないガスが二酸化炭素(CO
2)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
第1の流路が燃料流路または排気流路を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
第2の流路が蒸気流路を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
好ましくないガスを吸着剤から分離するのに役立つ圧力差を生じさせるように構成された1つ以上の真空ポンプを有する真空システムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
第1流路と第2流路との間に配置された中間壁を備え、中間壁は、開口について配置されたシールを含み、開口は、第1の位置と第2の位置との間で吸着モジュールの移動を可能にするように構成され、シールは、吸着モジュールに対してシールするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
第1の流路を有する第1のダクトと、第2の流路を有する第2のダクトとを含み、第1および第2のダクトが互いに沿って延びる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
第1のダクトが、第1のダクトの側壁のアクセス開口の上に配置されたアクセスパネルを含み、吸着モジュールがアクセス開口からアクセス可能である、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
吸着モジュールが複数の吸着剤カートリッジを含み、複数の吸着剤カートリッジの各々が吸着モジュールのフレームワークから取り外し可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
線形位置決めアセンブリは、第1のレール内に配置された第1のスライドを有する第1のレールアセンブリを含み、第1のレールは、第1および第2の流路の間に延び、第1のスライドは、吸着モジュールに結合される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
線形位置決めアセンブリが、第2のレール内に配置された第2のスライドを有する第2のレールアセンブリを含み、第2のレールが第1および第2の流路の間に延び、第2のスライドが吸着モジュールに結合される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
第1のスライドが第1の車輪を含み、第2のスライドが第2の車輪を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
線形位置決めアセンブリは、駆動装置と吸着モジュールとに結合された駆動ラインを含み、駆動装置は、吸着モジュールを第1の位置と第2の位置との間で移動させるために駆動ラインを移動させるように構成される、請求項1記載のシステム。
【請求項16】
駆動装置および1つまたは複数のセンサに結合されたコントローラを備え、コントローラは、1つまたは複数のセンサからのフィードバックが、吸着が第1の流路において吸着閾値を満たすこと、または脱着が第2の流路において脱着閾値を満たすことを示す場合に、吸着モジュールを第1の位置と第2の位置との間で移動させるように駆動装置を制御するように構成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
ガス処理システムは、複数の吸着モジュールと、それぞれの複数の線形位置決めアセンブリとを含み、複数の吸着モジュールは、前記吸着モジュールを含み、複数の線形位置決めアセンブリは、前記線形位置決めアセンブリを含む、請求項1記載のシステム。
【請求項18】
システムであって、
第1の流路を有する第1のダクトと、
第2の流路を有する第2のダクトと、
複数の吸着モジュールであって、複数の吸着モジュールの各吸着モジュールが、吸着剤を有する1つまたは複数の吸着剤カートリッジを備える、複数の吸着モジュールと、
複数の線形位置決めアセンブリと、
を含み、
複数の線形位置決めアセンブリの各線形位置決めアセンブリは、該複数の吸着モジュールのうちの1つを該第1のダクトと該第2のダクトとの間で独立して移動させるように構成されている、複数の線形位置決めアセンブリ。
【請求項19】
複数の吸着モジュールの各々が、第1のダクトに配置されたときに望ましくないガスを吸着剤に吸着するように構成され、複数の吸着モジュールの各々が、第2のダクトに配置されたときに望ましくないガスを吸着剤から脱着するように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
方法であって、
線形位置決めアセンブリを介して、ガス処理システムの吸着モジュールを、第1の流路内の第1の位置と第2の流路内の第2の位置との間の線形移動経路に沿って移動させるステップであって、吸着モジュールが、吸着剤を有する1つまたは複数の吸着剤カートリッジを備える、前記ステップと、
吸着モジュールが第1の流路の第1の位置に配置されているときに、望ましくないガスを吸着モジュールの吸着剤に吸着させるステップと、
吸着モジュールが第2の流路の第2の位置に配置されているときに、吸着モジュールの吸着剤から望ましくないガスを脱着するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本出願は一般に、ガス燃料や排ガスなどのガスを処理するシステムおよび方法に関する。
【技術分野】
【0002】
発電所などの産業プラントは、燃料ガス(例えば、天然ガスまたは合成ガス)および/または燃焼システムの排ガスなどの様々なガスを消費または生成する可能性がある。燃焼システムには、ガスタービンエンジン、往復ピストンシリンダー式エンジン、炉、ボイラ、または他の産業機器が含まれる場合がある。これらのガスは、酸性ガスおよび/または排気ガスなどの1つまたは複数の望ましくないガスを含むことがある。例えば、望ましくないガスには、硫化水素(H2S)、二酸化炭素(CO2)などの炭素酸化物、二酸化窒素(NO2)などの窒素酸化物、および/または二酸化硫黄(SO2)などの硫黄酸化物が含まれることがある。したがって、燃焼システムの上流の燃料ガスから望ましくないガスを除去すること、および/または燃焼システムによって排出される排気ガスから望ましくないガスを除去することなどによって、ガス流から望ましくないガスを除去するために特定のガスを処理することが望ましい場合がある。ガス処理システムは、望ましくないガスを溶媒に吸収するように構成された溶媒ベースの吸収システムを含むことができ、その溶媒は、その後、望ましくないガスを除去するために溶媒再生システムを通って流れる。しかしながら、溶媒ベースの吸収システムは、一般に、ガス流を運ぶダクト(例えば、燃料供給ダクトまたは排気ダクト)の外部に様々な装置を含み、したがって、溶媒ベースの吸収システムのコスト、複雑さ、および設置面積を増大させ得る。従って、溶媒ベースの吸収システムに依存することなく連続的に運転できるガス処理システムに対する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0376426号明細書
【発明の概要】
【0004】
当初特許請求された主題の範囲に相応する特定の実施形態を以下に要約する。これらの実施形態は、特許請求される実施形態の範囲を限定することを意図しておらず、むしろ、これらの実施形態は、主題の可能な形態の簡単な要約を提供することのみを意図している。実際、現在特許請求される実施形態は、以下に記載される実施形態に類似するかまたは異なる可能性のある様々な形態を包含し得る。
【0005】
特定の実施形態において、システムは、吸着モジュールを有するガス処理システムを含み、吸着モジュールは、吸着剤を有する1つ以上の吸着剤カートリッジを含む。ガス処理システムは、第1の流路内の第1の位置と第2の流路内の第2の位置との間の線形移動経路に沿って吸着モジュールを移動させるように構成された線形位置決めアセンブリ(linear positioning assembly)をさらに含む。ガス処理システムは、吸着モジュールが第1の位置に配置されているときに、第1の流路内の第1の流体流から望ましくないガスを吸着剤に吸着するように構成される。ガス処理システムは、吸着モジュールが第2の位置に配置されているときに、吸着剤から望ましくないガスを脱着するように構成されている。
【0006】
特定の実施形態において、システムは、第1の流路を有する第1のダクトと、第2の流路を有する第2のダクトと、複数の吸着モジュールとを含み、複数の吸着モジュールの各吸着モジュールは、吸着剤を有する1つ以上の吸着剤カートリッジを含む。本システムは、複数の線形位置決めアセンブリをさらに含み、複数の線形位置決めアセンブリの各線形位置決めアセンブリは、複数の吸着モジュールのうちの1つを第1のダクトと第2のダクトとの間で独立して移動させるように構成されている。
【0007】
特定の実施形態において、方法は、線形位置決めアセンブリを介して、第1の流路内の第1の位置と第2の流路内の第2の位置との間の線形移動経路(a linear path of travel)に沿ってガス処理システムの吸着モジュールを移動させることを含み、吸着モジュールは、吸着剤を有する1つ以上の吸着剤カートリッジを含む。本方法はさらに、吸着モジュールが第1の流路内の第1の位置に配置されているときに、望ましくないガスを吸着モジュールの吸着剤に吸着させることを含む。本方法はさらに、吸着モジュールが第2の流路における第2の位置に配置されているときに、吸着モジュールの吸着剤から望ましくないガスを脱着することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
現在開示されている技術のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の詳細な説明を添付の図面を参照しながら読むと、よりよく理解されるであろう。
【
図1】望ましくないガスを除去するように構成された1つ以上の吸着モジュールを有するガス処理システムを有するガスタービンシステムの一実施形態の概略図である。
【
図2】
図1のガス処理システムの一実施形態の概略図であり、複数の移動可能な吸着アセンブリを有する吸着システムをさらに示しており、各吸着アセンブリは、線形位置決めアセンブリを介して第1のダクトと第2のダクトとの間を線形的に移動する吸着モジュールを有する。
【
図3】
図1および
図2のガス処理システムに加熱および/または冷却を提供するように構成された熱交換器を有する温度制御システムの一実施形態の概略図である。
【
図4】
図1および
図2のガス処理システムにおいて直接熱伝達のための流体を噴射するように構成された複数のノズルを有する流体分配マニホールドを有する直接熱交換システムの一実施形態の概略図である。
【
図5】
図1および
図2の吸着モジュールの一実施形態の透視図であり、吸着モジュールの枠内に配置された吸着剤カートリッジをさらに示している。
【
図6】
図1および
図2の吸着モジュールの実施形態の透視図であり、吸着モジュールのフレームワークのそれぞれのカートリッジ開口に配置された複数の吸着剤カートリッジをさらに示しており、複数の吸着剤カートリッジの各々は、整備および交換のために独立して取り外し可能である。
【
図7】
図2の可動吸着アセンブリの実施形態の部分概略図であり、それぞれのレールアセンブリのレール内に配置されたスライドを有する線形位置決めアセンブリの詳細をさらに示す。
【
図8】吸着モジュールに結合されたレールアセンブリの一実施形態の部分断面図であり、それぞれのレールに配置されたスライドの1つの詳細をさらに示している。
【
図9】
図2の可動吸着アセンブリの実施形態の概略図であり、第1のダクトと第2のダクトとの間の中間壁の開口に配置されたシールの詳細をさらに示している。
【
図10】
図9の線10-10に沿ってとられた可動吸着アセンブリの実施形態の部分断面図であり、吸着モジュールに対して配置されたブラシシールの繊維を有するシールの詳細をさらに示している。
【
図11】
図2の可動吸着アセンブリの実施形態の概略図であり、吸着モジュールの挿入および取外しを可能にするために第1のダクトのアクセス開口の上に配置されたアクセスパネルの詳細をさらに示す。
【
図12】
図2のガス処理システムの実施形態の部分透視図であり、アクセス開口を介して第1のダクトから部分的に取り外された吸着モジュールの詳細をさらに示している。
【
図14】第1のダクトと第2のダクトとの間を移動してそれぞれ吸着と脱着とを行う吸着モジュールを有する移動可能な吸着アセンブリを介してガスを処理するプロセスの一実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
現在開示されているシステムの1つ以上の具体的な実施形態を以下に説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実装のすべての特徴が明細書に記載されない場合がある。このような実際の実装の開発では、あらゆるエンジニアリングまたは設計プロジェクトと同様に、システム関連およびビジネス関連の制約への準拠など、開発者の特定の目標を達成するために、実装ごとに異なる多数の実装固有の決定を行わなければならないことが理解されるべきである。さらに、このような開発努力は複雑で時間がかかるかもしれないが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する通常の技術者にとっては、設計、製造、および製造の日常的な事業であることが理解されるべきである。
【0010】
現在開示されている様々な実施形態の要素を紹介する場合、冠詞「a」、「an」、「the」、および「said」は、要素が1つ以上あることを意味することを意図している。「comprising」、「including」、および「having」という用語は、包括的であることを意図しており、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。
【0011】
開示される実施形態は、望ましくないガスの吸着を実行する第1のダクトと望ましくないガスの脱着を実行する第2のダクトとの間を往復移動するように構成された複数の吸着モジュールを用いてガス処理を可能にするガス処理システム及び方法を含む。第1および第2のダクトは、吸着モジュールが第1および第2のダクトの間および内部を直接移動できるように、互いに隣接し、かつ互いに沿って配置されてもよい。吸着モジュールは、レールアセンブリに沿ってダクト間を線形的に移動するように構成されてもよく、レールアセンブリは、第1および第2のダクトの長手方向軸に対して交差方向(例えば、垂直方向)に配向されてもよい。吸着モジュールは、1つ以上の取り外し可能な吸着剤カートリッジを含むことができ、これらは、互いに独立して取り外して交換することができる。吸着モジュールはまた、点検、整備、交換、または他の保守手順を実行するために、第1のダクトおよび/または第2のダクトのアクセスパネルを介してアクセス可能であってもよい。吸着モジュールはまた、1つまたは複数の吸着モジュールが第1のダクトにおいて望ましくないガスを吸着している間に、1つまたは複数の吸着モジュールが第2のダクトにおいて望ましくないガスを脱着するように、第1のダクトと第2のダクトとの間を千鳥状に往復移動させることができる。ガス処理システムの様々な態様と実施形態について、以下にさらに詳細に説明する。
【0012】
図1は、コントロールシステム14に結合されたガスタービンエンジン12を有するガスタービンシステム10の一実施形態のブロック図である。以下でさらに詳細に説明するように、ガスタービンシステム10は、ガスタービンシステム10内の1つまたは複数のガスを処理するためのガス処理システム16を含むことができる。ガス処理システム16の様々な特徴は、以下でさらに詳細に説明され、様々な特徴は、互いに任意の適切な組み合わせで使用されてもよい。しかしながら、ガス処理システム16に進む前に、ガス処理システム16を使用するための1つの可能なコンテキストとして、ガスタービンシステム10について説明する。
【0013】
ガスタービンエンジン12は、吸気セクション18、圧縮機セクション20、燃焼器セクション22、タービンセクション24、負荷26、および排気セクション28を含む。吸気セクション18は、1つ以上のサイレンサバッフルを有するダクト、流体噴射システム(例えば、着氷防止用の加熱流体噴射)、エアフィルタ、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。圧縮機セクション20は、ベルマウス32を有する上流入口ダクト30を含むことができ、入口ダクト30は、内側ハブ34と外壁36との間の空気吸入経路を含む。吸入口ダクト30は、静翼(stationary vanes:静止ベーン)38および入口ガイドベーン(IGV:inlet guide vanes)40も含む。入口ガイドベーン40はまた、コントロールシステム14に通信可能に結合され、制御される1つ以上のアクチュエータ42に結合されることもある。
【0014】
圧縮機セクション20は、1つ以上の圧縮機段44を含み、各圧縮機段(compressor stages:圧縮機ステージ)44は、圧縮機ケーシング50内の圧縮機シャフト48に結合された複数の圧縮機ブレード46と、圧縮機ケーシング50に結合された複数の圧縮機ベーン52とを含む。圧縮機ブレード46及び圧縮機ベーン52は、各圧縮機段44内で圧縮機シャフト48の中心軸を中心として円周方向に配置される。圧縮機段44は、1以上30以下の圧縮機段を含むことができる。さらに、圧縮機段44は、圧縮機セクション20を通る空気の流れの方向において、圧縮機ブレード46のセットと圧縮機ベーン52のセットとの間で代替する。運転中、圧縮機段44は、燃焼器セクション22に送られる前に吸気流を徐々に圧縮する。
【0015】
燃焼器セクション22は、それぞれ1つ以上の燃料ノズル56を有する1つ以上の燃焼器54を含む。特定の実施形態では、燃焼器セクション22は、ガスタービンエンジン12の中心軸の周りに延びる単一の環状燃焼器54を有することができる。しかしながら、幾つかの実施形態では、燃焼器セクション22は、ガスタービンエンジン12の中心軸を中心として円周方向に間隔を置いて配置された2、3、4、5、6、又はそれ以上の燃焼器54を含むことができる。燃料ノズル56は、圧縮機セクション20から圧縮空気58を受け取り、1つまたは複数の燃料供給システム62から燃料60を受け取り、燃料と空気を混合し、混合物に点火して高温の燃焼ガス64を生成し、各燃焼器54から出てタービンセクション24に入る。
【0016】
タービンセクション24は、1つまたは複数のタービン段66を含み、各タービン段66は、タービンケーシング72の内部のタービンシャフト70に対して周方向に配置され、タービンシャフト70に結合された複数のタービンブレード68と、タービンシャフト70に対して周方向に配置された複数のタービンベーン74とを含む。タービン段66は、1段から10段以上のタービン段を含むことができる。さらに、タービン段66は、タービンセクション24を通る高温燃焼ガスの流れの方向において、タービンブレード68のセットとタービンベーン74のセットとの間で交互に配置される。運転中、高温燃焼ガス64は徐々に膨張し、タービン段66のタービンブレード68の回転を駆動する。
【0017】
負荷26は、発電機、機械、または他の駆動負荷を含むことができる。負荷26は、
図1に示されるように、ガスタービンエンジン12の高温端に配置されてもよく、または負荷26は、ガスタービンエンジン12の低温端(例えば、圧縮機セクション20に隣接する)に配置されてもよい。排気セクション28は、排気ダクト、排気処理装置、サイレンサ、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。幾つかの実施形態では、排気セクション28は、熱交換器及び/又は冷却システムを通る排気流を含み、及び/又は導くことができる。例えば、熱交換器は、排気ガスから水に熱を伝達し、それによって蒸気タービン29を駆動するための蒸気を生成するように構成された熱回収蒸気発生器(HRSG:heat recovery steam generator)27を含むことができる。更なる例として、冷却システムは、排気ガスを直接冷却するために、排気ガスに流体(例えば、水などの液体)を直接噴霧するように構成された直接接触冷却器などの1つ以上の冷却器31を含むことができる。特定の実施形態では、ガスタービンシステム10は、ガスタービンエンジン12、HRSG27、およびHRSG27によって生成された蒸気によって駆動される1つまたは複数の蒸気タービン29を有する複合サイクル発電所を含むことができる。蒸気タービン29は、ガスタービンエンジン12と同様に、発電機または他の負荷を駆動するように構成することができる。
【0018】
コントロールシステム14は、それぞれがプロセッサ78と、メモリ80と、メモリ80に記憶されプロセッサ78によって実行可能な命令82と、ガス処理システム16と通信するように構成された通信回路84とを有する1つ以上のコントローラ76を含むことができる。コントロールシステム14はまた、ガスタービンシステム10全体に分散配置された、要素番号86で示されるような様々なセンサ(S)にも結合されている。例えば、センサ86は、吸気セクション18、圧縮機セクション20、燃料供給システム62、燃焼器セクション22の燃焼器54、タービンセクション24、負荷26、排気セクション28、及びガス処理システム16に結合され、それらの状態を監視することができる。コントロールシステム14は、吸気流量、燃料供給システム62から燃焼器54への燃料供給、排気セクション28の排気処理装置の動作、ガス処理システム16の動作(例えば、吸着および脱着の代替期間を容易にするための吸着モジュール100の移動)、またはそれらの任意の組み合わせなど、ガスタービンエンジン12の様々な動作パラメータの調整を容易にするために、センサ86からのフィードバックを受け取るように構成される。例えば、コントロールシステム14は、第1のダクト内の第1の流路における第1の位置と第2のダクト内の第2の流路における第2の位置との間の線形経路に沿って吸着モジュール100を移動させるように構成されてもよく、吸着モジュール100は、第1のダクト内の第1の位置に配置されている間に望ましくないガスを吸着し、第2のダクト内の第2の位置に配置されている間に望ましくないガスを脱着するように構成される。このようにして、吸着モジュール100は、交互に吸着及び脱着することができ、ガス処理システム16は、少なくとも1つ以上の吸着モジュール100が脱着のために第2のダクトに配置されている間に、少なくとも1つ以上の吸着モジュール100を吸着のために第1のダクトに維持するように、異なる吸着モジュール100の動きをずらす(stagger the movements)ことができる。
【0019】
以下でさらに詳細に説明するように、ガス処理システム16は、吸着モジュール100内の吸着剤において、流入ガスから1つ以上の望ましくないガス(例えば、酸性ガスおよび/または排気ガス)を除去および/または捕捉するように構成される。望ましくないガスは、燃料供給及び/又は排気ガス中に含まれる望ましくない可能性のあるあらゆるガスを対象とすることを意図している。例えば、望ましくないガスには、燃料供給及び排気ガス中に存在する酸性ガスが含まれる。さらに例を挙げると、排気ガス中の望ましくないガスには、二酸化炭素(CO2)や一酸化炭素(CO)などの炭素酸化物(COX)、窒素酸化物(NOX)、二酸化硫黄(SO2)などの硫黄酸化物(SOX)、またはそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、一般的に規制の対象となる排気ガスが含まれる。開示された実施形態は、排気ガスからのCO2のガス吸着に特に適している。しかし、以下の議論は、望ましくないガスに言及する場合、これらの各例を網羅することを意図している。
【0020】
ガス処理システム16は、流体供給システム17から流体15(例えば、パージガス、蒸気など)を受け取るように構成されてもよく、この流体供給システム17は、吸着モジュール100から望ましくないガスを脱着するために蒸気または別の適切な流体(例えば、液体、ガスまたは蒸気)を生成する1つまたは複数の構成要素または装置を含んでもよい。例えば、流体供給システム17は、吸着モジュール100から望ましくないガスを脱着するための流体15として蒸気96を生成又は出力するHRSG27及び/又は蒸気タービン29を含むことができる。さらなる例によって、流体供給システム17は、熱源(例えば、ボイラ95における燃焼)から蒸気96を生成するように構成されたボイラ95(例えば、独立型または外部ボイラ)を含むことができ、蒸気96は、吸着モジュール100から望ましくないガスを脱着するための流体15として使用することができる。さらなる例によって、流体供給システム17は、吸着モジュール100から望ましくないガスを脱着するための流体15として使用するために、蒸気96または別の流体(例えば、パージガス、液体、または蒸気)を生成するように構成された1つまたは複数の他の流体供給装置または機器を含むことができる。特定の実施形態において、真空システムは、吸着モジュール100からの望ましくないガスの脱着を促進するために、独立して、および/または流体供給システム17と組み合わせて使用され得る。真空システムは、吸着モジュール100の圧力を低下させる(例えば、吸着剤の周囲の圧力を低下させる)ように構成された1つ以上の真空ポンプを含むことができ、それによって、吸着モジュール100からの望ましくないガス(すなわち、吸着剤中の吸着ガス)の分離、及び/又はガス処理システム16からの望ましくないガスの引き抜きを助ける圧力差を生じさせる。したがって、真空システムは、吸着モジュール100から望ましくないガスを吸引または引き抜く(suction or pull)ように構成される。真空システムは、それぞれの吸着モジュール100及び/又は吸着モジュール100の下流に配置することができる。
【0021】
運転中、流入ガス(例えば、タービンセクション24からの排気ガス94、燃料供給システム62からの燃料、煙道ガスなど)は、ガス処理システム16内の第1の流路を通って流れ、吸着モジュール100の1つ以上が流入ガスから望ましくないガスを吸着し、流体15(例えば、蒸気)は、ガス処理システム16内の第2の流路を通って流れ、吸着モジュール100の1つ以上から望ましくないガスを脱着する。ガスは、望ましくないガスが希薄(lean:リーン)である(または実質的に含まない)処理ガス97(例えば、処理排ガス、処理燃料、処理排ガスなど)としてガス処理システム16を出て、流体15は、望ましくないガスが豊富な流体98としてガス処理システム16を出る。処理されたガス97は、その後、追加の装置を通って流れることができる。例えば、処理されたガス97が処理された排気ガスまたは処理された煙道ガスである場合、処理されたガス97は、環境に排出される前に排気筒を通って流れることができる。処理されたガス97が処理された燃料ガスである場合、処理されたガス97は、その後、ガスタービンエンジン12の燃焼器セクション22に流入することができる。
【0022】
ガス処理システム16は、吸着モジュール100の下流に、真空システム、流体分離システム、またはそれらの任意の組み合わせなどの下流装置99を含むことができる。真空システムは、上述した装置を含んでもよい。流体分離システムは、フラッシュタンク、吸収器、または流体15を脱離ガス(例えば、望ましくないガス)から分離するための他の機器を含んでもよい。ガス処理システム16は、下流装置99を使用して、流体15(例えば、蒸気)から望ましくないガス(例えば、CO2)を分離および捕捉することができ、捕捉されたガスは他の用途に使用することができる。従って、ガス処理システム16は、炭素捕捉吸着システムとして説明することができる。
【0023】
動作時、ガスタービンシステム10は、矢印88で示すように、空気を吸気セクション18から吸気ダクト30に受け入れ、吸気ガイドベーン40は、圧縮機セクション20への空気流を調整するために吸気ガイドベーン40の角度位置を調整するようにアクチュエータ42によって制御され、圧縮機セクション20は、燃焼器セクション22に供給される空気流を圧縮するように構成される。例えば、圧縮機セクション20の各段44は、複数のブレード46で空気流を圧縮する。圧縮された空気流58は、次に各燃焼器54に入り、燃料ノズル56が圧縮された空気流を燃料供給システム62からの燃料60と混合する。燃料と空気の混合物は、各燃焼器54で燃焼して高温の燃焼ガス64を生成し、この燃焼ガス64がタービンセクション24に流入して各段66のタービンブレード68の回転を駆動する。タービンブレード68の回転は、タービンシャフト70の回転を駆動し、このタービンシャフト70は、負荷26に結合されたシャフト90および圧縮機シャフト48に結合されたシャフト92を介して、負荷26および圧縮機セクション20の回転を駆動する。タービンセクション24はその後、排気ガス94を排気セクション28に排出し、最終的に処理して環境に排出する。
【0024】
図示の実施形態では、ガスタービンシステム10は、1つ以上の燃料供給システム62及び排気セクション28に結合されたガス処理システム16を有する。しかしながら、ガス処理システム16はまた、1つ以上の往復ピストン円筒エンジン、炉、ボイラ、化学反応器、合成ガスを生成するように構成された1つ以上のガス化炉を有するガス化システム、または他の産業機器に結合されてもよい。これらのガス処理システム16の各々は、以下にさらに詳細に説明される特徴を有し、開示される実施形態は、前述の全ての用途において互いに様々な組み合わせで使用されることが意図される。
【0025】
図2は、
図1のガス処理システム16の実施形態の概略図であり、ダクト102と104との間を線形的に往復移動する吸着モジュール100の詳細をさらに示している。図示されているように、ガス処理システム16は、吸着モジュール100をダクト102と104との間で移動させるように構成された複数の可動吸着アセンブリ108を有する吸着システム106を含む。例えば、吸着システム106は、吸着モジュール100のうちの1つ以上が望ましくないガスの吸着のためにダクト102内に配置される一方、吸着モジュール100のうちの1つ以上が望ましくないガスの脱着のためにダクト104内に配置されるように、吸着モジュール100をダクト102及び104内で千鳥配置(staggered arrangement:ずらした配置)で移動させるように構成されてもよい。吸着モジュール100は、ダクト102および104の長手軸に対して交差方向(例えば、垂直方向)に移動するように構成され、同時に、互いに平行に(例えば、線形方向に平行な移動経路に沿って)移動するように構成されてもよい。吸着モジュール100の様々な態様について、以下にさらに詳細に説明する。
【0026】
吸着モジュール100は、ガス処理システム16の通常運転中、全体がダクト102及び/又は104内に配置されてもよい。ダクト102は、入口112と出口114との間でダクト102を通って長手方向に延びる流路110を有し、ダクト102の側壁116が流路110を中心として延びる。例えば、側壁116は、ダクト102の矩形形状を規定する矩形の側壁を含むことができる。同様に、ダクト104は、入口120から出口122までダクト104を通って長さ方向に延びる流路118を有し、ダクト104の側壁124が流路118を囲むように延びている。例えば、側壁124は、ダクト104の矩形形状を規定する矩形の側壁124を規定することができる。ダクト102及び104は、ダクト102及び104がダクト102の流路110とダクト104の流路118との間に直接配置された中間壁126を有するように、互いに直接隣接して(例えば、互いに接触して)配置されてもよい。特定の実施形態では、中間壁126は、ダクト102と104との間の単一の共有壁であってもよい。しかし、いくつかの実施形態では、中間壁126は、ダクト102および104の側壁116および124を含んでいてもよい。図示された実施形態では線形(リニア状)のダクト102および104が描かれているが、ダクト102および104は、1つまたは複数のターン、カーブ、角度部分、またはそれらの任意の組み合わせを有してもよい。さらに、ダクト102および104は、互いに同じサイズまたは異なるサイズであってもよく、ダクト102および104は、同じ形状または異なる形状を有してもよい。また、ダクト102は、吸着ダクト(例えば、望ましくないガスを吸着モジュール100の吸着剤に吸着させる)として説明されることがあり、一方、ダクト104は、脱着ダクト104(例えば、望ましくないガスを吸着モジュール100の吸着剤から脱着させる)として説明されることがある。ダクト102および104は、気体、液体、または多相流体流(gases, liquids, or multi-phase fluid flows)などの様々な流体流を流すように構成することができる。
【0027】
図示の実施形態では、ダクト102は、燃料、排気ガス、または望ましくないガスを有する別の未処理ガスを含むことができる流体流128を受け入れて通過させるように構成されている。例えば、望ましくないガスは、二酸化炭素(CO2)や一酸化炭素(CO)などの炭素酸化物(COX)、窒素酸化物(NOX)、二酸化硫黄(SO2)などの硫黄酸化物(SOX)、硫化水素(H2S)、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。ダクト104は、蒸気、窒素などの不活性ガス、空気、または他の流体流を含むことができる流体流130を受け入れて通過させるように構成されている。以下でさらに詳細に説明するように、各可動吸着アセンブリ108は、それぞれの吸着モジュール100をダクト102内の流路110と流路118とダクト104との間で移動させて、流体流128から望ましくないガスを交互に吸着し、ダクト104内の流体流130によって加えられる熱に応答して望ましくないガスを脱着するように構成される。
【0028】
各可動吸着アセンブリ108は、吸着モジュール100が線形位置決めアセンブリ132に可動に結合されており、この線形位置決めアセンブリ132は、ダクト102からダクト104への吸着モジュール100の移動、およびその逆の移動を可能にする間に延びている。線形位置決めアセンブリ132は、ダクト102および104ならびに吸着モジュール100に結合された複数のレールアセンブリ134を含むことができる。さらに、線形位置決めアセンブリ132は、駆動ライン138に結合された駆動部136を含み、駆動ライン138はそれぞれの吸着モジュール100に結合されている。
【0029】
以下でさらに詳細に説明するように、各レールアセンブリ134は、レール140と、ダクト102および104の間でレール140に沿って移動するように構成された1つまたは複数のスライド142との嵌合セットを含むことができる。例えば、スライド142は、車輪、低摩擦材料のブロック、嵌合レール(wheels, blocks of low friction material, mating rails)、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。特定の実施形態では、レール140は、ダクト102及び104に結合され、側壁116及び124間の距離の全部又は実質的に全部を延び、一方、スライド142は、吸着モジュール100の各々に結合される。図示の実施形態では、線形位置決めアセンブリ132は、各吸着モジュール100の対向する側に配置されたレールアセンブリ134を有する。しかしながら、レールアセンブリ134は、それぞれの吸着モジュール100に沿って、片側のみ、反対側、四隅、または任意の位置の組み合わせに配置されてもよい。
【0030】
駆動ライン138は、駆動部136と吸着モジュール100との間に延びており、駆動ライン138は、剛性の棒またはロッド、可撓性のケーブル、チェーン、ロープ、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。駆動部136は、電気モータ、流体駆動ピストンシリンダアセンブリ、燃焼エンジン、歯車アセンブリ、手動車輪またはアクチュエータアセンブリ(an electric motor, a fluid driven piston cylinder assembly, a combustion engine, a gear assembly, a manual wheel or actuator assembly)、またはそれらの任意の組合せを含んでもよい。駆動ライン138は、ダクト102とダクト104との間の線形位置決めアセンブリ132のレールアセンブリ134によって画定される線形移動経路に沿って吸着モジュール100の線形運動を引き起こすように、線形移動、回転、またはそれらの任意の組合せを行うように構成されてもよい。駆動ライン138はまた、側壁124の開口144を通るなどして側壁124を通って延在してもよく、駆動ライン138はさらに、側壁124においてブッシングまたはシール146によって支持されてもよい。例えば、ブッシング又はシール146は、ダクト104から周囲環境への流体流130の漏れを遮断するために駆動ライン138についてシールするように構成された環状構造であってもよい。幾つかの実施形態では、駆動部136は、側壁134に沿って、及び/又はダクト104の内部に密閉された筐体内に配置されてもよい。
【0031】
各線形位置決めアセンブリ132において、吸着モジュール100は、中間壁126の開口148を介してダクト102と104との間を移動するように構成されている。例えば、開口148は、吸着モジュール100の外周152に輪郭を有するか、または類似した大きさおよび形状を有することができる。さらに、開口148は、シール150によって取り囲まれるかまたは縁取られることがある。例えば、以下にさらに詳細に説明するように、シール150は、吸着モジュール100がダクト102とダクト104との間を移動する際に、吸着モジュール100の外周152に常に接触するブラシシールを含むことができる。したがって、シール150と外周152との間の界面は、ダクト102内の流体流128とダクト104内の流体流130との間の漏れを遮断する。
図2に示されるように、線形位置決めアセンブリ132のうちの3つは、吸着モジュール100がダクト102内に配置され、吸着モジュール100が流体流128から望ましくないガスを積極的に吸着するようになっている。しかしながら、吸着モジュール100のうちの3つは、ダクト104内にも配置されており、ダクト102内でさらに使用する前に、吸着モジュール100の再生のために望ましくないガスを吸着モジュール100から脱着することができるようになっている。以下でさらに詳細に説明するように、ガス処理システム16は、吸着モジュール100の1つ以上がダクト102内で望ましくないガスを吸着している間に、吸着モジュール100の1つ以上がダクト104内で脱着によって再生されるように、ダクト102とダクト104との間で吸着モジュール100の位置を交互に変えるように構成される。
【0032】
コントローラ76は、ダクト102内の吸着速度およびダクト104内の脱着速度などの様々なパラメータに応じて、吸着モジュール100の移動および位置決めを制御するように構成される。
図2に示されるように、ダクト102において、吸着モジュール100によって処理された流体流128は、望ましくないガスの吸着をもたらし、流体流128が処理されて、ダクト102の出口114を通って排出される処理流体流154を生成する。例えば、処理された流体流154は、CO
2、H
2S、SO
2、NO
2、またはそれらの任意の組み合わせなどの望ましくないガスを全く含まないか、または実質的に含まない。ダクト104において、流体流130は、吸着モジュール100からの望ましくないガスの脱着を促進するために熱を供給する。例えば、流体流130は、ダクト104内の吸着モジュール100の各々を通ってその周囲を流れるように構成された蒸気を含むことができ、それによって、吸着モジュール100を加熱し、望ましくないガスを吸着モジュール100から脱着させて、その後の捕捉、冷却、および圧縮に役立てる。したがって、ダクト104は、冷却された蒸気などの冷却された流体流156を排出する。特定の実施形態では、望ましくないガスは、吸着モジュール100からダクト104に脱離し、ダクト104は、その後の捕獲、冷却、圧縮のために、冷却された流体流156とともに脱離したガスを運ぶ。代替的に、あるいは追加的に、脱離ガスは、個々の吸着モジュール100で分離され、捕捉されてもよい。
【0033】
ガス処理システム16はまた、冷却器158および加熱器160などの1つまたは複数の温度制御システムを含んでもよい。例えば、ダクト102に流入する流体流128は、排気ガスのような加熱された流体流であってもよく、したがって、1つ以上の冷却器158が、可動吸着アセンブリ108の上流のダクト102に配置されてもよい。冷却器158は、吸着モジュール100を通って及び/又は吸着モジュール100の周りを流れる前に、流体流128を冷却するように構成される。特定の実施形態において、流体流れ128が十分に冷たいか、または閾値温度以下である場合、ダクト102は、冷却器158を排除してもよく、および/またはコントローラ76は、冷却器158を作動させなくてもよい。同様に、ダクト104において、流体流130は、ダクト104において再生される吸着モジュール100を通過する前に流体流130の温度を上昇させるのを助けるために、1つ以上の加熱器160によって加熱されてもよい。例えば、各加熱器160は、電気抵抗ヒータ、熱交換器、又は吸着モジュール100からの望ましくないガスの脱離を誘導するのに役立つように温度を十分に高く上げるように構成された他の形態の加熱器であってもよい。特定の実施形態では、流体流130が十分に高温であるか、または閾値温度を上回っている場合、ダクト104は、加熱器160を排除してもよく、および/またはコントローラ76は、加熱器160を作動させなくてもよい。
【0034】
ガス処理システム16はまた、可動吸着アセンブリ108の各々における吸着モジュール100の点検、修理、サービス、交換、または他の方法による修正を助けるための保守機能を含むことができる。したがって、可動吸着アセンブリ108の各々は、線形位置決めアセンブリ132およびそれぞれの吸着モジュール100と整列されたアクセス開口164にわたって側壁116に取り外し可能に結合されたアクセスパネル162を含むことができる。したがって、以下でさらに詳細に説明するように、アクセスパネル162は、アクセス開口164を通して吸着モジュール100の目視検査および/または取り外しを可能にするために取り外すことができる。アクセスパネル162は、ヒンジ付きドア、ボルト止めドア、金属パネル、視認を容易にするためのガラスまたは他の透明パネル、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0035】
さらに図示されるように、コントロールシステム14は、線形位置決めアセンブリ132の各駆動部146、1つ以上の冷却器158、1つ以上の加熱器160、およびダクト102および104の各々全体に配置された複数のセンサ86に結合されたコントローラ76を有する。
図1を参照して上述したように、センサの各々は、Sで示され、したがって、図示された実施形態では、センサは全て番号付けされていない。しかしながら、センサ86の各々は、ダクト102及び104の各々における吸着モジュール100、冷却器158、及び加熱器160などの図示された構成要素の各々の上流及び/又は下流に配置されてもよい。センサ86は、温度センサ、流量センサ、圧力センサ、流体組成センサ、又はそれらの任意の組合せを含んでもよい。例えば、センサ86は、ダクト102内に配置された吸着モジュール100からの望ましくないガスの吸着速度を監視し、ダクト104内に配置された吸着モジュール100からの望ましくないガスの脱着速度を監視するように構成されたガス組成センサを含むことができる。
【0036】
望ましくないガスの吸着または脱着の速度は、ダクト102とダクト104との間の吸着モジュール100の移動のコントローラ76による制御を容易にするのに役立つ場合がある。例えば、吸着速度が閾値吸着速度を下回るレベルまで徐々に低下する場合、コントローラ76は、吸着モジュール100が流体流130を介して吸着モジュール100から望ましくないガスを脱着することによって再生を受けることができるように、吸着モジュール100をダクト102からダクト104に移動させるように駆動部136を動作させるように構成され得る。同様に、ダクト104内の脱離速度が閾値脱離速度を下回るレベルまで徐々に低下した場合、コントローラ76は、吸着モジュール100がダクト102内の流体流128から望ましくないガスを吸着するように機能することができるように、吸着モジュール100をダクト104からダクト102に移動させるように駆動部136を動作させるように構成され得る。従って、センサ86からのセンサフィードバックは、他の吸着モジュール100がダクト104内で再生されている間に、ダクト102内で望ましくないガスを効率的に吸着する1つ以上の吸着モジュール100が常に存在するように、吸着モジュール100をダクト102と104との間で往復させるようにコントローラ76による制御を容易にすることができる。
【0037】
コントローラ76はまた、冷却器158および加熱器160の制御を介して、ダクト102および104の各々内の温度を制御するように構成されてもよい。例えば、コントローラ76は、ダクト102内の温度を閾値温度以下に維持するように制御するように構成されてもよく、一方、コントローラ76は、ダクト104内の温度を閾値温度以上に維持するように加熱器160を制御するように構成されてもよい。吸着モジュール100、可動吸着アセンブリ108、冷却器158、および加熱器160のさらなる詳細については、
図3~14を参照して後述する。
【0038】
図3は、
図2の冷却器158および/または加熱器160に温度制御を提供するように構成された温度制御システム170の実施形態の概略図である。例えば、温度制御システム170は、熱交換器172と、熱交換器174と、熱交換器172および174の間に延び、熱交換器172および174を通って延びる流体回路176とを含み得る。例えば、流体回路176は、熱交換器172内の複数のコイルまたは巻管(coils or winding tubes)178と、熱交換器174内の複数のコイルまたは巻管180とを含むことができる。
【0039】
図示の実施形態では、温度制御システム170は、熱交換器172を通過する相対的に低い温度の流体流182と、熱交換器174を通過する相対的に高い温度の流体流184との間で熱を伝達するように構成され得る。流体回路176は、熱交換器172および174内のコイルまたは管178および180を通して作動流体を循環させ、相対的に低い温度の流体流182と相対的に高い温度の流体流184との間で熱を伝達できるようにする。例えば、低温流体流182は、コイルまたはチューブ178内の作動流体から熱を移動させるように構成され、一方、高温流体流184は、コイルまたはチューブ180内の作動流体に熱を移動させるように構成される。従って、熱交換器172は、コイルまたはチューブ178を通過する加熱された作動流体が低温の流体流182の温度上昇を引き起こすため、加熱器とも表現される。熱交換器174は、コイルまたはチューブ180内の比較的低温の作動流体が、高温の流体流184の温度を冷却または低下させるように構成されているため、冷却器として説明することができる。
【0040】
特定の実施形態では、温度制御システム170は、様々な方法でガス処理システム16内に配置され得る。例えば、温度制御システム170全体がダクト102及び104内に配置されるように、熱交換器172が加熱器160に対応する一方、熱交換器174が冷却器158に対応してもよい。代替的に、又は追加的に、熱交換器172は、加熱器160としてダクト104内に配置され、一方、熱交換器174は、全く異なる高温の流体流184の経路においてガス処理システム16の外部に配置されてもよい。同様に、熱交換器174は、ダクト102内に配置され、冷却器158として機能し、一方、熱交換器172は、ガス処理システム16とは別の低温流体流182内で、ガス処理16の完全に外側に配置されてもよい。しかしながら、前述の様々な構成が、単独で、または互いに組み合わせて、ならびに他のタイプの冷却器158および加熱器160との組み合わせで使用され得る。
【0041】
図4は、システム190の構成に応じて加熱または冷却を提供するように構成された直接熱交換システム190の実施形態の概略図である。例えば、図示された直接熱交換システム190は、流体供給部192と、流体分配マニホールド194と、流体供給部192と分配マニホールド194との間に延在する導管196とを含む。流体導管196はまた、流体ポンプ198および流体制御弁200などの1つまたは複数の流量制御機能を含むことができる。流体ポンプ198は、流体供給部192からの流体流を圧送するように構成されており、一方、流体制御弁200は、流体供給部192からの流体流の流量を調整するために、開弁位置と閉弁位置との間で動かすことができる。集合的に、流体ポンプ198および流体制御弁200は、流体供給192から流体分配マニホールド194への流体流を制御するように構成される。流体分配マニホールド194はまた、流体供給部192から流体の噴霧(spray:スプレー)204を出力するように構成された複数の流体ノズル202を含むことができる。例えば、流体供給部192は、気体処理システム16の流体流128または流体流130に直接加熱または冷却を提供するために、所望の温度の液体または気体を含むことができる。したがって、直接熱交換システム190は、相対的に低い温度の流体を流体流128に注入することによって冷却器158として構成されてもよく、または直接熱交換システム190は、相対的に高い温度の流体流を流体流130に注入することによって加熱器160として構成されてもよい。流体供給192は、水、窒素のような不活性ガス、空気、または他の適切なガスもしくは液体を含むことができる。
【0042】
図5は、
図1および
図2の吸着モジュール100の一実施形態の透視図である。図示されているように、吸着モジュール100は、フレームワーク212内に配置された吸着剤カートリッジ210を含む。フレームワーク212は、側壁214、216、218、及び220を含み、これらは集合的にフレームワーク212の矩形パネル構造を画定し得る。例えば、側壁214及び216は互いに平行な平坦な矩形パネルであってもよく、側壁218及び220は互いに平行で側壁214及び216に対して垂直な平坦な矩形パネルであってもよい。側壁214および216または側壁218および220はまた、
図2を参照して上述したように、レールアセンブリ134のスライド142に結合することができる。
【0043】
吸着剤カートリッジ210は、スクリーン224に囲まれて収容された吸着剤212を含むことができる。吸着剤212は、等しい又は異なるサイズ及び形状の複数の吸着剤粒子、ビーズ、ボール、ストリップ、又は離散要素(a plurality of sorbent particles, beads, balls, strips, or discrete elements of equal or different sizes and shapes)を含むことができる。スクリーン224は、流路110および118に沿った流体の流れを可能にしながら、吸着剤212を保持するために十分に小さい開口を有する金網を有することができる。特定の実施形態において、スクリーン224は、吸着剤カートリッジ210の対向する上流側および下流側226および228に沿って、側面(lateral sides)230、232、234、および236の周囲に、またはそれらの任意の組み合わせに沿って延びる。したがって、スクリーン224は、スクリーン224によって適所に保持された吸着剤222を通る流体流れ128または流体流れ130の比較的自由な流れを可能にする。いくつかの実施形態において、スクリーン224は、上流側及び下流側226及び228に沿ってのみ配置されてもよく、一方、固体の側壁は、吸着剤カートリッジ210の側面230、232、234及び236に沿って配置されてもよい。
【0044】
さらに、特定の実施形態では、吸着剤カートリッジ210は、ガス処理システム16の動作中に必要に応じて交換または整備するために、フレームワーク212から取り外し可能であってもよい。例えば、吸着剤カートリッジ210は、フレームワーク212の上流側226及び/又は下流側228から取り外し可能であってもよい。
図5の実施形態は、1つの吸着剤カートリッジ210を示しているが、吸着モジュール100の実施形態は、任意の数及び構成の吸着剤カートリッジ210を含んでもよく、これらの吸着剤カートリッジ210は、フレームワーク212内に取り外し可能に配置されてもよい。
【0045】
図6は、枠組み212内に配置された複数の吸着剤カートリッジ210を有する吸着モジュール100の実施形態の透視図である。吸着剤カートリッジ210の特徴は、
図5を参照して上述したのと実質的に同じである。しかしながら、
図6の実施形態は、行(rows)240、242、及び244、並びに列(columns)246及び248に配置された複数の小さい吸着剤カートリッジ210を有する。列248は上流側226に沿って配置され、列248は下流側228に沿って配置される。図示された吸着剤カートリッジ210は、互いに実質的に同じサイズおよび構成であってよい。しかしながら、いくつかの実施形態では、吸着モジュール100は、異なる寸法、異なる吸着剤222、スクリーン224の異なるスクリーン配置、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る、複数の異なる寸法および構成の吸着剤カートリッジ210を有してもよい。図示されるように、吸着モジュール100は、3つの行240、242、および244を有するが、吸着モジュール100は、任意の数の行(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の行)を有してもよい。同様に、図示された吸着モジュール100は、2つの列246および248を有するが、吸着モジュール100は、任意の数の列(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の列)を有してもよい。
【0046】
図示された実施形態では、フレームワーク212は、吸着剤カートリッジ210の各々がフレームワーク212のカートリッジ開口250のうちの1つを通して挿入および除去され得るように、側壁214に配置された複数のカートリッジ開口250を含む。従って、吸着モジュール100は、吸着剤カートリッジ210の各々について、互いに独立して、点検、整備、交換、および他の保守動作を容易にするために、カートリッジ開口250を含む。さらに、
図5および
図6の吸着モジュール100のような吸着モジュール100全体は、
図2を参照して上述したように、ダクト102のアクセス開口164を通して挿入および除去されるように構成されてもよい。
【0047】
図7は、
図2に図示した可動吸着アセンブリ108の一実施形態の部分概略図である。図示の実施形態では、可動吸着アセンブリ108は、吸着モジュール100が、吸着モジュール100の対向する側面260および262に配置されたレールアセンブリ134を介して線形位置決めアセンブリ132に沿って摺動可能に配置されている。例えば、吸着モジュール100の各側面260および262は、1つまたは複数のスライド142を有していてもよく、これらのスライド142は、矢印264で示すように、対応するレール140に沿って線形方向にスライドまたは移動するように構成されている(例えば、線形移動経路)。対向側面260および262は、
図5および
図6を参照して上述した対向側面のいずれかに対応し得る。例えば、対向側面260および262は、フレームワーク212の上流側面226および下流側面228、側壁214および216、または側壁218および220に対応し得る。いくつかの実施形態では、吸着モジュール100の対向する側面260および262の各々は、対向する側面260および262の角部または縁部に沿って配置されたレールアセンブリ134、側面260および262に沿った1つまたは複数の中間位置、またはそれらの組み合わせなど、複数のレールアセンブリ134を有することができる。図示されたレールアセンブリ134は、各側面260および262の各レール140に配置された3つのスライド142を有する。しかしながら、レールアセンブリ134の特定の実施形態は、各レール140に配置された2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のスライド142を含むことができる。
【0048】
スライド142は、回転可能な車輪、低摩擦材料のブロック、またはそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、低摩擦材料のブロックは、低摩擦金属または金属コーティング、低摩擦プラスチックまたはプラスチックコーティング、低摩擦セラミックまたはセラミックコーティング、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティング(low friction metals or metal coatings, low fiction plastics or plastic coatings, low friction ceramics or ceramic coatings, nylon, polytetrafluoroethylene (PTFE), diamond-like carbon (DLC) coatings)、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。スライド142はまた、吸着モジュール100を線形方向264に移動させる際にスライド142がレール140から外れないように、レール140の各々内に部分的または全体的に捕捉され得る。さらに、上述したように、レール140は、一般に、ダクト102および104の各々を横切って全距離にわたって延びており、そのため、レールアセンブリ134は、吸着モジュール100のダクト102または104の一方への全体的な移動を可能にする。レールアセンブリ134の追加の詳細については、以下でさらに詳細に説明する。
【0049】
図8は、
図2および
図7のレールアセンブリ134の実施形態の部分断面図であり、レール140とスライド142との間の係合の詳細をさらに示している。図示されているように、レール140は、側壁276を介して一緒に結合された上部壁272および下部壁274を有するC字形断面270を含むことができる。例えば、上部壁272は、半径方向内向きのリップ280を有する平板278を含むことができ、下部壁274は、半径方向内向きのリップ284を有する平板282を有することができる。例えば、平板278および282は互いに実質的に平行であってもよく、一方、半径方向内側リップ280および284は、内部チャネル286について互いに内側に突出していてもよい。側壁276はまた、平板278および282に結合された平板288を含むことができる。C字形断面270は、スライド142が上部壁272および下部壁274の平板278および282の間で内部チャネル286に沿って移動できるように、
図7に示されるように線形方向264に線形的に延びる。さらに、半径方向内向きのリップ280および284は、スライド142がレール140のC字形断面270から不注意に移動するのを阻止するように構成されている。
【0050】
上述したように、スライド142は、剛性の低摩擦摺動材、回転可能な車輪、またはそれらの組合せとして構成することができる。図示の実施形態では、スライド142は、シャフト292に回転可能に結合された車輪290を有し、この車輪290は、順に、マウント292を介して吸着モジュール100のフレームワーク212に結合される。車輪290はまた、シャフト292の周りに配置された軸受296を含むことができ、それによって、シャフト292の周りでの車輪290の回転を容易にするのに役立つ。マウント294は、フレームワーク212に固定的または取り外し可能に結合するように構成されてもよい。例えば、マウント294は、1つ以上の溶接接合部298を介してフレームワーク212に溶接されてもよい。いくつかの実施形態では、車輪290は、低摩擦金属、プラスチック、セラミック、または他の適切な材料など、レール140に沿って摺動しやすくするための低摩擦材料のブロックを表すことができる。
【0051】
図9は、
図2の可動吸着アセンブリ108の実施形態の概略図であり、第1のダクト102と第2のダクト104との間の中間壁126の開口148について配置されたシール150の詳細をさらに示している。開口148およびシール150は、
図2を参照して上述したように、ダクト102とダクト104との間の吸着モジュール100の移動を容易にする。図示されているように、開口142は、吸着モジュール100の矩形形状に輪郭を合わせた矩形形状の開口である。シール150は、開口148の周囲に配置されている。
【0052】
特定の実施形態では、シール150は、開口148について配置されたシール枠または境界(seal frame or border)310と、シール枠または境界310に沿って配置された可撓性シール材312とを含むことができる。例えば、シール枠または境界310は、開口148の矩形形状に輪郭付けされた、または一致させられた矩形形状を有することができ、可撓性シール材312は、流体流128および流体流130の温度に応じて、可撓性金属、プラスチック、ゴム、または他の材料を含むことができる。例えば、特定の実施形態では、可撓性シール材312は、ブラシシール316の複数の繊維314を含んでよい。従って、ブラシシール316は、吸着モジュール100がダクト102とダクト104との間の開口148を通って移動する際に動的シールを容易にするために、可撓性シール材312で作られた複数の間隔の詰まった繊維314を含むことができる。
【0053】
吸着モジュール100の位置にかかわらず、シール150は、吸着モジュール100のフレームワーク212に沿ってシールを維持するように構成され、ダクト102および104間の流体流128および130の漏れを遮断するのに役立つ。いくつかの実施形態では、シール150は、繊維314を有するブラシシール316、金属シール、プラスチックシール、ゴムシール、布シール、またはそれらの任意の組み合わせなどの複数の異なるタイプのシールを含んでもよい。シール150は、可撓性シール材312の単一の連続ストリップ、可撓性シール材312の離散片(例えば、ブラシシール316の繊維314)、可撓性シール材312の重なり合うフラップ、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0054】
図10は、
図9の線10-10に沿ってとられた可動吸着アセンブリ108の部分断面図であり、中間壁126の開口148内のシール150に対してシールされた吸着モジュール100をさらに図示している。図示されているように、シール150は、ブラシシール316の繊維314が吸着モジュール100のフレームワーク212に対して配置され、接触している。繊維314は、端壁(edge wall)320および対向側壁322を含むシール枠または境界310に結合され、それによって支持される。端壁320は、開口148の内側端(inner edge)324に沿って延びるように構成され、側壁322は、中間壁126の対向する側面(opposite side surfaces)326に沿って延びるように構成される。集合的に、端壁320および対向側壁322は、開口148において中間壁126に対して自己保持されるように構成されたC字形構造328を画定する。しかしながら、特定の実施形態では、シール枠または境界310のC字形構造328は、固定ジョイント、取り外し可能な締結具、またはそれらの組合せを介して中間壁126にさらに結合されてもよい。例えば、固定継ぎ手は、溶接継ぎ手、ろう付け継ぎ手、または一体的に形成された構造を含むことができる。取り外し可能な締結具には、ねじボルト、クランプ、バネまたはフック、アリ継手(threaded bolts, clamps, springs or hooks, dovetail joints)、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0055】
ここでも、図示されたシール150は、ブラシシール316の繊維314がシール枠または境界310に結合されている。図示されているように、繊維314は端壁320に直接結合されている。吸着モジュール100がダクト102とダクト104との間を線形位置決めアセンブリ132に沿って移動すると、ブラシシール316の繊維314は、中間壁126と吸着モジュール100との間のシールを提供するように構成される。他の実施形態では、繊維314は、可撓性フラップ、可撓性ガスケット、またはそれらの任意の組合せなどの他の密封機能で置換または補完することができる。これらの可撓性フラップまたはガスケットは、可撓性金属、プラスチック、または他の材料で作られてもよい。
【0056】
図11は、
図2の可動吸着アセンブリ108の実施形態の概略図であり、吸着モジュール100の挿入および取り外しを可能にするためにダクト102の側壁116のアクセス開口164の上に配置されたアクセスパネル162の詳細をさらに示している。図示の実施形態では、アクセスパネル162は、アクセス開口164の上に配置された矩形形状のパネルであり、これも矩形形状のアクセス開口であってもよい。アクセスパネル162は、複数の締結具340を介してダクト102の側壁116に取り外し可能に結合される。例えば、締結具340は、ねじ付きボルト、ねじ付きナット、ねじ付きシャフト、クリップ、クランプ、回転可能なラッチ、ヒンジ(threaded bolts, threaded nuts, threaded shafts, clips, clamps, rotatable latches, hinges)、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。締結具340の詳細については、以下でさらに詳しく説明する。締結具340は、アクセスパネル162の境界またはフランジ342に配置され、境界またはフランジ342は、アクセス開口164の外側の側壁116の一部と延びるか、または重なる。締結具340は、アクセスパネル162のアクセス開口164からの取り外しまたは移動を可能にするために、緩められ、取り外され、または調整され得、それにより、
図2に示されるように、ダクト102の内部に対する吸着モジュール100の検査、挿入、または取り外しのためのアクセスを可能にする。
【0057】
図12は、
図2のガス処理システム16の実施形態の部分透視図であり、吸着モジュール100が部分的に取り外され、アクセス開口164を介してダクト102の側壁116から突出している詳細をさらに示している。図示されているように、アクセスパネル162がアクセス開口164から取り外され、それによってアクセス開口164が露出し、吸着モジュール100の取り外しが可能になる。締結具340は、側壁116に結合された複数のねじ付きシャフト350を含むことができ、一方、アクセスパネル162は、ねじ付きシャフト350を受容するための複数のシャフト開口352を含む。締結具340はまた、アクセスパネル162の外側でねじ付きシャフト350と結合するように構成された複数のねじ付きナット354を含むことができ、それによってアクセスパネル162を側壁116に取り外し可能に固定する。図示の実施形態では、アクセスパネル162およびねじ付きナット354はダクト102から取り外され、それにより、ダクト102からの吸着モジュール100のアクセスおよび取り外しが可能になる。
【0058】
線形位置決めアセンブリ132は、吸着モジュール100を矢印356で示すようにダクト102から線形的にスライドさせることを可能にし、一方、吸着モジュール100のフレームワーク212に設けられたカートリッジ開口250は、矢印358で示すように吸着剤カートリッジ210の各々を挿入および除去することを可能にする。例えば、吸着モジュール100の各々は、
図2に示されるように、それぞれのアクセスパネル162およびアクセス開口164を介して独立してアクセスすることができ、一方、残りの吸着モジュール100は、ダクト102またはダクト104のいずれかにおいて作動し続けることができる。吸着モジュール100のうちの1つが、
図12に例示されるように、検査、取り外し、取り付け、または交換されている間、吸着剤カートリッジ210のうちの1つまたは複数もまた、カートリッジ開口250を介して独立してアクセスおよび移動され得る。例えば、個々の吸着剤カートリッジ210の各々は、カートリッジ開口250から線形的に移動され得、検査され、交換され、そしてそれぞれのカートリッジ開口250に再び取り付けられ得る。
図12にさらに示されるように、レールアセンブリ134の各々は、吸着モジュール100をダクト102から引き出すときに側壁116から外側に延びるように構成されたレール延長部360を含むことができる。吸着モジュール100をダクト102に戻す際に、レール延長部360は、ダクト102の内部にスライドして戻ることができる。
【0059】
図13は、
図12に図示されるように、アクセス開口164においてダクト102の側壁116に結合されたアクセスパネル162の実施形態の部分断面図である。図示された実施形態では、ねじ付きシャフト350が側壁116から外側に突出しており、アクセスパネル162がシャフト開口352を介してねじ付きシャフト350の周りに配置されており、ねじ付きナット354がねじ付きシャフト350にねじ込まれてアクセスパネル162を側壁116に圧縮可能に固定している。図示された実施形態では、アクセスパネル162は、アクセスパネル162と側壁116との間に配置された平坦なシールまたはガスケット370を介して側壁116に対してシールされ得る。さらに、ねじ付きナット354は、ねじ付きナット354とアクセスパネル162との間の中間ワッシャ372(例えば、ロックワッシャ)を用いてねじ付きシャフト350に固定されてもよい。例えば、ワッシャ372は、円錐形状のワッシャもしくはベルビルワッシャ、ウェーブワッシャ、スプリットワッシャもしくはスプリングロックワッシャ、歯付きロックワッシャ(a conical shaped washer or Belleville washer, a wave washer, a split or spring lock washer, a toothed lock washer)、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0060】
図14は、
図1のガス処理システム10などのシステムにおいてガスを処理するためのプロセス380の実施形態のフローチャートである。ガス処理は、燃料ガス処理、排気ガス処理、または上記で詳細に説明したような1つ以上の望ましくないガスを除去するための他のガス処理に対応することができる。例えば、望ましくないガスは、CO
2、H
2S、SO
2、NO
2、またはそれらの任意の組合せを含むことができる。図示された実施形態では、工程380は、ブロック382によって示されるように、処理された第1の流体流154を生成するために、第1のダクト102内の第1の流体流128から吸着モジュール100にガスを吸着することを含み得る。吸着は、上記で詳細に議論されたように、吸着モジュール100の1つ以上の吸着剤カートリッジ210への吸着を含み得る。次いで、工程380は、ブロック384によって示されるように、吸着モジュール100によるガスの吸着に関する1つ以上のパラメータを監視し続けることができる。例えば、工程380は、温度、圧力、流量、望ましくないガスのガス組成、吸着の変化率、またはそれらの任意の組合せを監視するなど、ガス処理システム16全体に配置された様々なセンサ86を監視してもよい。次いで、工程380は、ブロック386によって示されるように、パラメータを1つ以上の閾値と比較するように進むことができる。例えば、工程380は、吸着率を閾値吸着率と比較することを含み得る。閾値吸着率は、吸着剤カートリッジ210の吸着剤222に吸着された望ましくないガスを除去するために吸着モジュール100を再生する必要があることを示す場合がある。
【0061】
次いで、プロセス380は、ブロック388によって示されるように、パラメータが閾値を満たしたときに、吸着モジュール100を第1のダクト102から第2のダクト104に移動させるように進むことができる。したがって、可動吸着アセンブリ108は、吸着モジュール100を線形位置決めアセンブリ132のレールアセンブリ134に沿って移動させることなどにより、第1のダクト102と第2のダクト104との間の移動を容易にする。特に、工程380は、吸着モジュール100を、ダクト102および104の長手方向軸に垂直な方向など、レールアセンブリ134によって規定される線形移動経路に沿って移動させる。
【0062】
次いで、プロセス380は、ブロック390によって示されるように、吸着モジュール100を再生するために、第2のダクト104内の第2の流体流130を介して吸着モジュール100からガスを脱着するように進むことができる。上述したように、第2のダクト104における再生は、吸着剤222の温度を上昇させ、吸着剤カートリッジ210から流体流130への望ましくないガスの脱着を助けるために、吸着モジュール100を通って、及び又は吸着モジュール100の周りに、蒸気などの加熱流体を流すことを含み得る。次いで、プロセス380は、ブロック392によって示されるように、吸着モジュール100から脱着されたガスを捕捉し、冷却し、圧縮するように進行してもよい。吸着モジュール100から脱着された望ましくないガスは、それぞれの吸着モジュール100で直接、吸着モジュール100から下流の後続工程で、または別の技術によって捕捉されてもよい。冷却はまた、ダクト104内での脱離ガスの分離を可能にするために蒸気の流れを凝縮させることなどにより、流体流130と脱離ガスとの分離を促進してもよい。さらに、捕捉されたガスは、貯蔵所またはパイプラインに送られる前に、1つ以上の熱交換器、圧縮機、または他の処理システムを通過することができる。
【0063】
プロセス380はまた、ブロック394によって示されるように、吸着モジュール100からのガスの脱着に関連する1つ以上のパラメータを監視してもよい。例えば、プロセス380は、温度、流量、ガス組成、または吸着モジュール100からのガスの脱着速度を監視してもよい。次いで、プロセス380は、ブロック396によって示されるように、1つ以上のパラメータを対応する閾値と比較してもよい。ブロック396における比較は、ブロック398によって示されるように、パラメータが閾値を満たす場合に、脱離速度が十分に低いこと(a sufficiently low rate of desorption)が、吸着モジュール100を第2のダクト104から第1のダクト102に移動させるためにプロセス380をトリガし得るように、脱離速度を閾値と比較することを含み得る。その後、プロセス380は、ブロック400によって示されるようなプロセスを繰り返してもよい。従って、プロセス380は、吸着モジュール100をダクト102とダクト104との間で繰り返し循環又は往復移動させてもよく、それにより、ダクト102内の吸着モジュール100への望ましくないガスの吸着及びダクト104内の吸着モジュール100からの望ましくないガスの脱着を可能にする。
【0064】
開示された実施形態の技術的効果は、第1および第2のダクトの流路間を線形的に移動する吸着モジュールを備えたガス処理システムを含み、吸着モジュールは、第1のダクトにおいて望ましくないガスを吸着し、第2のダクトにおいて望ましくないガスを脱着する。第1および第2のダクトは、互いに直接隣接して配置されてもよく、中間壁を共有してもよい。吸着モジュールは、線形位置決めシステムの1つ以上のレールアセンブリ単独で線形的に移動するように構成されてもよい。また、第1のダクトを吸着ダクトと記載し、第2のダクトを脱着ダクトと記載することもできる。複数の吸着モジュールがダクトに設置されている場合、コントローラは、1つ以上の吸着モジュールが第1のダクトで望ましくないガスを吸着する一方で、1つ以上の吸着モジュールが第2のダクトで望ましくないガスを脱着するように、吸着モジュールの移動および位置決めを制御することができる。
【0065】
上記で詳述した主題は、以下に示すように、1つ以上の条項によって定義することができる。
[実施形態1]
システムは、吸着モジュールを有するガス処理システムを含み、前記吸着モジュールは、吸着剤を有する1つ以上の吸着剤カートリッジを含む(the adsorption module includes one or more sorbent cartridges having a sorbent material)。前記ガス処理システムは、第1の流路内の第1の位置と第2の流路内の第2の位置との間の線形移動経路に沿って前記吸着モジュールを移動させるように構成された線形位置決めアセンブリをさらに含む(The gas treatment system further includes a linear positioning assembly configured to move the adsorption module along a linear path of travel between a first position in a first flow path and a second position in a second flow path.)。前記ガス処理システムは、前記吸着モジュールが前記第1の位置に配置されているときに、前記第1の流路内の第1の流体流から望ましくないガスを吸着剤に吸着するように構成される(The gas treatment system is configured to adsorb an undesirable gas from a first fluid flow in the first flow path into the sorbent material when the adsorption module is disposed in the first position.)。前記ガス処理システムは、前記吸着モジュールが前記第2の位置に配置されているときに、前記吸着剤から前記望ましくないガスを脱着するように構成されている(The gas treatment system is configured to desorb the undesirable gas from the sorbent material when the adsorption module is disposed in the second position)。
[実施形態2]
前記ガス処理システムに結合された前記第1の流路を有する燃焼システム(a combustion system having the first flow path coupled to the gas treatment system)を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態3]
前記燃焼システムがガスタービンシステムを含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態4]
前記望ましくないガスが二酸化炭素(CO2)を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態5]
前記第1の流路が、燃料流路または排気流路を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態6]
前記第2の流路が蒸気流路を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態7]
前記望ましくないガスを前記吸着剤から分離するのに役立つ圧力差を生じさせるように構成された1つ以上の真空ポンプを有する真空システム(a vacuum system having one or more vacuum pumps configured to create a pressure differential to help separate the undesirable gas from the sorbent material)を含む、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態8]
前記第1の流路と前記第2の流路との間に配置された中間壁(an intermediate wall disposed between the first and second flow paths)を含み、前記中間壁が、開口の周りに配置されたシールを含み(the intermediate wall includes a seal disposed about an opening)、前記開口が、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記吸着モジュールの移動を可能にするように構成され(the opening is configured to enable movement of the adsorption module between the first and second positions)、前記シールが、前記吸着モジュールに対してシールするように構成される(the seal is configured to seal against the adsorption module)、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態9]
前記第1の流路を有する第1のダクト(a first duct having the first flow path)と、前記第2の流路を有する第2のダクト(a second duct having the second flow path)とを含み、前記第1および第2のダクトが互いに沿って延びる(the first and second ducts extend along one another)、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態10]
前記第1のダクトは、前記第1のダクトの側壁に設けられたアクセス開口の上に配置されたアクセスパネルを含み(the first duct includes an access panel disposed over an access opening in a sidewall of the first duct)、前記吸着モジュールは、前記アクセス開口からアクセス可能である(the adsorption module is accessible through the access opening)、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態11]
前記吸着モジュールが複数の吸着剤カートリッジを含み(the adsorption module includes a plurality of the sorbent cartridges)、前記複数の吸着剤カートリッジの各々が前記吸着モジュールのフレームワークから取り外し可能である(each of the plurality of sorbent cartridges is removable from a framework of the adsorption module)、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態12]
前記線形位置決めアセンブリは、第1のレール内に配置された第1のスライドを有する第1のレールアセンブリを含み(the linear positioning assembly includes a first rail assembly having a first slide disposed in a first rail)、前記第1のレールは、前記第1および第2の流路の間に延び(the first rail extends between the first and second flow paths)、前記第1のスライドは、前記吸着モジュールに結合される(the first slide is coupled to the adsorption module)、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態13]
前記線形位置決めアセンブリは、第2のレール内に配置された第2のスライドを有する第2のレールアセンブリを含み(the linear positioning assembly includes a second rail assembly having a second slide disposed in a second rail)、前記第2のレールは、前記第1および第2の流路の間に延び(the second rail extends between the first and second flow paths)、前記第2のスライドは、前記吸着モジュールに結合される(the second slide is coupled to the adsorption module)、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態14]
前記第1のスライドが第1の車輪を含み(the first slide includes a first wheel)、前記第2のスライドが第2の車輪を含む(the second slide includes a second wheel)、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態15]
前記線形位置決めアセンブリは、駆動装置と前記吸着モジュールとに結合された駆動ラインを含み(the linear positioning assembly includes a drive line coupled to a drive and the adsorption module)、前記駆動装置は、前記吸着モジュールを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させるために前記駆動ラインを移動させるように構成される(the drive is configured to move the drive line to move the adsorption module between the first and second positions)、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態16]
前記駆動装置および1つまたは複数のセンサに結合されたコントローラを含み(a controller coupled to the drive and one or more sensors)、前記コントローラは、前記1つまたは複数のセンサからのフィードバックが、吸着が前記第1の流路において吸着閾値を満たすこと、または脱着が前記第2の流路において脱着閾値を満たすことを示す場合に、前記駆動装置を制御して前記吸着モジュールを前記第1の位置と前記第2の位置との間で移動させるように構成される(the controller is configured to control the drive to move the adsorption module between the first and second positions when feedback from the one or more sensors indicates that adsorption meets an adsorption threshold in the first flow path or desorption meets a desorption threshold in the second flow path)、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態17]
前記ガス処理システムが、複数の吸着モジュールと、それぞれの複数の線形位置決めアセンブリとを含み(the gas treatment system comprises a plurality of adsorption modules and a respective plurality of linear positioning assemblies)、前記複数の吸着モジュールが、前記吸着モジュールを含み(the plurality of adsorption modules includes the adsorption module)、前記複数の線形位置決めアセンブリが、前記線形位置決めアセンブリを含む(the plurality of linear positioning assemblies includes the linear positioning assembly)、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態18]
システムは、第1の流路を有する第1のダクトと、第2の流路を有する第2のダクトと、複数の吸着モジュールとを含む。前記複数の吸着モジュールの各吸着モジュールは、吸着剤を有する1つ以上の吸着剤カートリッジを含む(each adsorption module of the plurality of adsorption modules includes one or more sorbent cartridges having a sorbent material)。前記システムは、複数の線形位置決めアセンブリをさらに含み(The system further includes a plurality of linear positioning assemblies)、前記複数の線形位置決めアセンブリの各線形位置決めアセンブリは、前記複数の吸着モジュールのうちの1つを前記第1のダクトと前記第2のダクトとの間で独立して移動させるように構成されている(each linear positioning assembly of the plurality of linear positioning assemblies is configured to independently move one of the plurality of adsorption modules between the first and second ducts)。
[実施形態19]
前記複数の吸着モジュールの各々は、前記第1のダクトに配置されたときに望ましくないガスを前記吸着剤に吸着するように構成され(each of the plurality of adsorption modules is configured to adsorb an undesirable gas into the sorbent material when disposed in the first duct)、前記複数の吸着モジュールの各々は、前記第2のダクトに配置されたときに望ましくないガスを前記吸着剤から脱着するように構成される(each of the plurality of adsorption modules is configured to desorb the undesirable gas from the sorbent material when disposed in the second duct)、先行する実施形態のいずれかに記載のシステム。
[実施形態20]
方法は、線形位置決めアセンブリを介して、第1の流路内の第1の位置と第2の流路内の第2の位置との間の線形移動経路に沿ってガス処理システムの吸着モジュールを移動させるステップ(moving, via a linear positioning assembly, an adsorption module of a gas treatment system along a linear path of travel between a first position in a first flow path and a second position in a second flow path)を含み、前記吸着モジュールは、吸着剤を有する1つ以上の吸着剤カートリッジを含む(the adsorption module includes one or more sorbent cartridges having a sorbent material)。本方法はさらに、前記吸着モジュールが前記第1の流路内の前記第1の位置に配置されているときに、望ましくないガスを前記吸着モジュールの前記吸着剤に吸着させるステップ(adsorbing an undesirable gas into the sorbent material of the adsorption module when the adsorption module is disposed in the first position in the first flow path)を含む。本方法はさらに、前記吸着モジュールが前記第2の流路における前記第2の位置に配置されているときに、前記吸着モジュールの前記吸着剤から前記望ましくないガスを脱着するステップ(desorbing the undesirable gas from the sorbent material of the adsorption module when the adsorption module is disposed in the second position in the second flow path)を含む。
【0066】
本明細書は、最良の態様を含む本実施形態を説明するために例を用いており、また、当業者であれば誰でも、任意の装置またはシステムを製造および使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含む、本開示された実施形態を実施できるようにするために例を用いている。現在開示されている実施形態の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に思いつく他の例を含み得る。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言と実質的に異ならない同等の構造要素を含む場合、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0067】
10:ガスタービンシステム 12:ガスタービンエンジン 14:コントロールシステム 15:流体 16:ガス処理システム 17:流体供給システム 18:吸気セクション 20:圧縮機セクション 22:燃焼器セクション 24:タービンセクション 26:負荷 27:熱回収蒸気発生器/HRSG 28:排気セクション 29:蒸気タービン 30:上流入口ダクト 31、158:冷却器 32:ベルマウス 34:内側ハブ 36:外壁 38:静翼 40:入口ガイドベーン 42:アクチュエータ 44:圧縮機段 46:圧縮機ブレード 48:圧縮機シャフト 50:圧縮機ケーシング 52:圧縮機ベーン 54:燃焼器 56:燃料ノズル 58:圧縮空気 60:燃料 62:燃料供給システム 64:高温燃焼ガス 66:タービン段 68:タービンブレード 70:タービンシャフト 72:タービンケーシング 74:タービンベーン 76:コントローラ 78:プロセッサ 80:メモリ 82:命令 84:通信回路 86:センサ 88:矢印 90、92:シャフト 94:排気ガス 95:ボイラ 96:蒸気 97:処理ガス 98:流体 99:下流装置 100:吸着モジュール 102:第1のダクト 104:第2のダクト 106:吸着システム 108:可動吸着アセンブリ 110、118:流路 112、120:入口 114、122:出口 116、124:側壁 126:中間壁 128、130:流体の流れ 132:線形位置決めアセンブリ 134:レールアセンブリ 136:駆動部 138:駆動ライン 140:レール 142:スライド 144、148:開口 146、150:ブッシング/シール 152:外周 154:処理された流体流 156:冷却された流体流 160:加熱器 162:アクセスパネル 164:アクセス開口 170:温度制御システム 172、174:熱交換器 176 流体回路 178、180:コイル/巻管 182:低温の流体流 184:高温の流体流
190:直接熱交換システム 192:流体供給部 194:流体分配マニホールド 196:流体導管 198:流体ポンプ 200:流体制御バルブ 202:流体ノズル 204:噴霧 210:吸着剤カートリッジ 212:フレームワーク 214、216、218、220、276:側壁 224:スクリーン 226:上流側 228:下流側 230、232、234、236:側面 222:吸着剤 240、242、244:行 246、248:列 250:カートリッジ開口 260、262:側面 264:線形方向/矢印 270:C字形断面 272:上部壁 274:下部壁 278、282、288:平板 280、284:半径方向内側リップ 286:内部チャネル 290:車輪 292:シャフト 296:軸受 294:マウント 298:溶接接合部 310:シール枠/境界 312:可撓性シール材 314:繊維 316:ブラシシール 320:端壁 322:対向側壁 324:内側端 326:対向する側面 328:C字形構造 340:締結具 342:フランジ 350:ねじ付きシャフト 352:シャフト開口 354:ねじ付きナット 356、358:矢印 360:レール延長部 370:ガスケット 372;中間ワッシャ
【国際調査報告】