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特表2025-520027導波路、光コンバイナ及びアイウェアディスプレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-01
(54)【発明の名称】導波路、光コンバイナ及びアイウェアディスプレイ
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20250624BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20250624BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20250624BHJP
   G02B 5/08 20060101ALI20250624BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/18
G02B5/30
G02B5/08 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024567556
(86)(22)【出願日】2023-05-09
(85)【翻訳文提出日】2024-11-13
(86)【国際出願番号】 US2023021503
(87)【国際公開番号】W WO2023224837
(87)【国際公開日】2023-11-23
(31)【優先権主張番号】63/342,779
(32)【優先日】2022-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アデマ,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ポットニス,シュレヤス
【テーマコード(参考)】
2H042
2H149
2H199
2H249
【Fターム(参考)】
2H042DB07
2H149AA01
2H149BB28
2H149FC09
2H199CA04
2H199CA12
2H199CA29
2H199CA30
2H199CA34
2H199CA42
2H199CA45
2H199CA47
2H199CA48
2H199CA50
2H199CA53
2H199CA64
2H199CA67
2H199CA68
2H199CA92
2H199CA94
2H199CA96
2H249AA25
(57)【要約】
導波路は、射出瞳拡大器を含む第1の基板と、出力カプラを含む別個の第2の基板とを含む。第1の基板及び第2の基板は、互いに重なり合い、パーティション要素によって分けられている。1つまたは複数のファセットは、出力カプラが光を出力結合できるように、射出瞳拡大後に、第1の基板から第2の基板へ光を向ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出瞳拡大器を含む第1の基板と、
前記第1の基板と重なり合う第2の基板とを備え、前記第2の基板は出力カプラを含む、導波路。
【請求項2】
前記第1の基板から前記第2の基板へ光を向ける1つまたは複数のファセットをさらに含む、請求項1に記載の導波路。
【請求項3】
前記1つまたは複数のファセットは、ミラーコーティングを含む反射ファセットを含む、請求項2に記載の導波路。
【請求項4】
前記1つまたは複数のファセットは、回折格子またはホログラフィック格子を含む、請求項2に記載の導波路。
【請求項5】
前記第1の基板と前記第2の基板との間にパーティション要素をさらに含む、請求項1に記載の導波路。
【請求項6】
前記パーティション要素は、前記第1の基板及び前記第2の基板よりも低い屈折率を有する、請求項5に記載の導波路。
【請求項7】
前記パーティション要素は、空隙を含む、請求項5に記載の導波路。
【請求項8】
前記パーティション要素は、固体材料を含む、請求項5に記載の導波路。
【請求項9】
前記パーティション要素は、偏光ビームスプリッタを含む、請求項5に記載の導波路。
【請求項10】
前記射出瞳拡大器は、光を第1の方向に拡大し、前記出力カプラは、前記第1の方向とは異なる第2の方向に前記導波路から光を出力結合する、請求項1に記載の導波路。
【請求項11】
前記第1の方向は、前記第2の方向と直交する、請求項10に記載の導波路。
【請求項12】
前記出力カプラが前記導波路から光を出力結合する方向から見たとき、前記第1の基板は前記第2の基板と重なり合う、請求項1に記載の導波路。
【請求項13】
第1のレンズ層及び第2のレンズ層と、
前記第1のレンズ層と前記第2のレンズ層との間に配置された導波路とを備え、
前記導波路は、
射出瞳拡大器を含む第1の基板と、
前記第1の基板と重なり合う第2の基板とを含み、前記第2の基板は出力カプラを含む、光コンバイナ。
【請求項14】
前記導波路は、前記第1の基板から前記第2の基板へ光を向ける1つまたは複数のファセットを含む、請求項13に記載の光コンバイナ。
【請求項15】
前記導波路は、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置されたパーティション要素を含む、請求項13に記載の導波路。
【請求項16】
前記パーティション要素は、前記第1の基板及び前記第2の基板よりも低い屈折率を有する、請求項15に記載の光コンバイナ。
【請求項17】
前記パーティション要素は、偏光ビームスプリッタを含む、請求項13に記載の光コンバイナ。
【請求項18】
光コンバイナを含む1つまたは複数のレンズを備え、
前記光コンバイナは導波路を含み、前記導波路は、
射出瞳拡大器を含む第1の基板と、
前記第1の基板と重なり合う第2の基板とを含み、前記第2の基板は出力カプラを含む、アイウェアディスプレイ。
【請求項19】
前記光コンバイナは、第1のレンズ層及び第2のレンズ層をさらに含み、前記導波路は、前記第1のレンズ層と前記第2のレンズ層との間に配置されている、請求項18に記載のアイウェアディスプレイ。
【請求項20】
前記導波路は、
前記第1の基板から前記第2の基板へ光を向ける1つまたは複数のファセットと、
前記第1の基板と前記第2の基板との間のパーティション要素とを含む、請求項18に記載のアイウェアディスプレイ。
【請求項21】
前記パーティション要素は、前記第1の基板及び前記第2の基板よりも低い屈折率を有する、請求項18に記載のアイウェアディスプレイ。
【請求項22】
前記1つまたは複数のレンズを保持するフレームをさらに含む、請求項18に記載のアイウェアディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
拡張現実(AR)または複合現実(MR)アイウェアディスプレイでは、画像源からの光は、一般に導波路またはライトガイドと呼ばれるライトガイド基板内で、基板の表面に形成することができる、または基板内に配置することができる、入力光結合(すなわち、入力カプラ)によって結合される。光ビームが導波路内で結合されると、光ビームは、通常、複数回の全反射(TIR)によって、基板を通して「ガイド」され、次に、出力光結合(すなわち、「出力カプラ」)によって導波路の外に向けられる。場合によっては、射出瞳拡大器として知られている別の光学コンポーネントが、入力カプラと出力カプラとの間の光路に配置されて、光ビームを少なくとも1次元で拡大する。出力カプラによって導波路から投影された光ビームは、導波路からアイレリーフ距離で重なり合い、射出瞳を形成し、その中の画像源が生成した仮想画像をアイウェアディスプレイのユーザは視認することができる。
【発明の概要】
【0002】
第1の実施形態では、導波路は、射出瞳拡大器を含む第1の基板を含む。導波路はまた、第1の基板に重なり合う第2の基板を含み、第2の基板は出力カプラを含む。
【0003】
第1の実施形態のいくつかの態様では、導波路は、第1の基板から第2の基板へ光を向ける1つまたは複数のファセットを含む。第1の実施形態のいくつかの態様では、1つまたは複数のファセットは、ミラーコーティングを含む反射ファセットを含む。第1の実施形態のいくつかの態様では、1つまたは複数のファセットは、回折格子またはホログラフィック格子を含む。第1の実施形態のいくつかの態様では、導波路は、第1の基板と第2の基板との間にパーティション要素を含む。第1の実施形態のいくつかの態様では、パーティション要素は、第1の基板及び第2の基板よりも低い屈折率を有する。第1の実施形態のいくつかの態様では、パーティション要素は、空隙を含む。第1の実施形態のいくつかの態様では、パーティション要素は、固体材料を含む。第1の実施形態のいくつかの態様では、パーティション要素は、偏光ビームスプリッタを含む。第1の実施形態のいくつかの態様では、射出瞳拡大器は、光を第1の方向に拡大し、出力カプラは、第1の方向とは異なる第2の方向に導波路から光を出力結合する。第1の実施形態のいくつかの態様では、第1の方向は、第2の方向と直交する。第1の実施形態のいくつかの態様では、第1の基板は、出力カプラが導波路から光を出力結合する方向から見るとき、第2の基板と重なる。
【0004】
第2の実施形態では、光コンバイナは、第1のレンズ層と第2のレンズ層とを含み、第1のレンズ層と第2のレンズ層との間に導波路が配置される。導波路は、射出瞳拡大器を含む第1の基板を含む。導波路はまた、第1の基板に重なり合う第2の基板を含み、第2の基板は出力カプラを含む。
【0005】
第2の実施形態のいくつかの態様では、導波路は、第1の基板から第2の基板へ光を向ける1つまたは複数のファセットを含む。第2の実施形態のいくつかの態様では、導波路は、第1の基板と第2の基板との間に配置されたパーティション要素を含む。第2の実施形態のいくつかの態様では、パーティション要素は、第1の基板及び第2の基板よりも低い屈折率を有する。第2の実施形態のいくつかの態様では、パーティション要素は、偏光ビームスプリッタを含む。
【0006】
第3の実施形態では、アイウェアディスプレイは、光コンバイナを含む1つまたは複数のレンズを含む。光コンバイナは、導波路を含む。導波路は、射出瞳拡大器を含む第1の基板を含む。導波路はまた、第1の基板に重なり合う第2の基板を含み、第2の基板は出力カプラを含む。
【0007】
第3の実施形態のいくつかの態様では、光コンバイナは、第1のレンズ層及び第2のレンズ層を含み、導波路は、第1のレンズ層と第2のレンズ層との間に配置される。第3の実施形態のいくつかの態様では、導波路は、第1の基板から第2の基板へ光を向ける1つまたは複数のファセットと、第1の基板と第2の基板との間のパーティション要素とを含む。第3の実施形態のいくつかの態様では、パーティション要素は、第1の基板及び第2の基板よりも低い屈折率を有する。第3の実施形態のいくつかの態様では、アイウェアディスプレイは、1つまたは複数のレンズを保持するフレームを含む。
【0008】
添付図面を参照することによって、本開示は、より良く理解され、その多数の特徴及び利点が当業者に明らかになり得る。異なる図面における同じ参照記号の使用は、類似または同一の項目を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】いくつかの実施形態による、例示的なアイウェアディスプレイを示す。
図2】いくつかの実施形態による、図1のアイウェアディスプレイなどのアイウェアディスプレイによってユーザの目に画像を表すディスプレイ光を投影する投影システムの例示的な図を示す。
図3】本開示で特定されるように、限られた視野(FOV)エリアを備えるアイウェアディスプレイの一部の例を示す。
図4】本開示で特定されるように、従来の技法によるFOVエリアの拡大の問題を示す。
図5】本開示で特定されるように、従来の技法によるFOVエリアの拡大の問題を示す。
図6】いくつかの実施形態による、異なる基板に射出瞳拡大器(EPE)及び出力カプラを備える導波路の拡大図を示す。
図7】いくつかの実施形態による、EPEを備える第1の基板と出力カプラを備える第2の基板との間に配置された異なるパーティション要素を備える導波路の例を示す。
図8】いくつかの実施形態による、EPEを備える第1の基板と出力カプラを備える第2の基板との間に配置された異なるパーティション要素を備える導波路の例を示す。
図9】いくつかの実施形態による、EPEを備える第1の基板と出力カプラを備える第2の基板との間に配置された異なるパーティション要素を備える導波路の例を示す。
図10】いくつかの実施形態による、2つのレンズ層の間に、図7図9に示すような導波路を備える光コンバイナの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
眼鏡フレームのフォームファクタを備えるAR/MRアイウェアディスプレイのレンズは、一般的に、アイウェアディスプレイの画像源によって生成された画像を投影するために比較的小さい視野(FOV)エリアを有する。例えば、このタイプの従来のアイウェアディスプレイでは、FOVエリアは通常、水平方向及び垂直方向に約10°×10°のスケールである。場合によっては、ユーザが、アイウェアディスプレイのレンズのより広いエリアにわたって画像を認識することができるように、FOVエリアのサイズを大きくすることが有利になり得る。FOVエリアを拡大することは、一般に、導波路内の出力カプラのサイズ及び対応する射出瞳拡大器(EPE)のサイズを大きくすることを含む。しかし、従来の導波路では利用可能な空間が限られているため、従来の技法を使用して導波路内のEPEと出力カプラの両方のサイズを大きくすることは、2つのコンポーネント間の干渉が大きくなるため、実用的ではない。例えば、導波路基板内のEPEのサイズを拡大すると、出力カプラを拡大するために導波路基板で利用可能な空間が減少する。図1図10では、導波路の別個の基板にEPE及び出力カプラを実装することによって、アイウェアディスプレイのFOVエリアを大きくする技法を提示する。したがって、EPE及び出力カプラのそれぞれが互いに干渉することなく拡大することができる。
【0011】
例えば、いくつかの実施形態では、導波路は、第1の基板に入力カプラとEPEを含み、第2の基板に出力カプラを含む。いくつかの実施形態では、第1の基板と第2の基板は、重なり合う層のスタックに含まれる。導波路はまた、第1の基板と第2の基板との間に配置されたパーティション要素または層と、第1の基板から第2の基板へパーティション要素を通って、またはその周りを通って光を向けるための反射ファセットのセットとを含む。パーティション要素は、第1の基板のEPE内を伝播する光が、第2の基板の出力カプラで伝播する光と干渉しないことを保証し、逆もまた同様である。反射ファセットのセットは、光がEPEを通過した後に、光が出力カプラも通過できるように、第1の基板から第2の基板へ光を向けるように配置される。いくつかの実施形態では、パーティション要素は、第1の基板及び第2の基板の材料の屈折率よりも低い屈折率を有する材料を含む。EPEと出力カプラを異なる重なり合う基板上に配置することにより、EPE及び出力カプラの両方を、互いに干渉することなく導波路内で拡大することができる。したがって、アイウェアディスプレイのFOVエリアのサイズを大きくすることができ、それにより、ユーザは、アイウェアディスプレイのより広い表示領域にわたって生成された画像を見ることができる。
【0012】
図1図10では、以下でより詳細に説明されるように、アイウェアディスプレイのFOVエリアを大きくすることにより、仮想画像表示エリアを大きくするためのデバイス及び技法を示す。開示したデバイス及び技法は、例示的なディスプレイシステムに関して説明されているが、本開示は、この特定のディスプレイシステムにおける実施に限定されるものではなく、本明細書に提供されたガイドラインを使用して、様々なディスプレイシステムのうちのいずれかにおいて実施され得ることを理解されたい。
【0013】
図1は、様々な実施形態による、例示的なアイウェアディスプレイ100を示す。アイウェアディスプレイ100(ウェアラブルヘッドアップディスプレイ(WHUD)、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、ニアアイディスプレイなどとも呼ばれる)は、アーム104を含む支持構造102を有し、アーム104は、ユーザの目に向かって画像を投影するように構成されたマイクロディスプレイ投影システムを収容しており、これによって、ユーザは、レンズ要素108、110のうちの一方または両方においてディスプレイの視野(FOV)エリア106に表示されるものとして投影された画像を認識する。示された実施形態では、アイウェアディスプレイ100の支持構造102は、ユーザの頭部に装着されるように構成され、眼鏡フレームの一般的な形状及び外観(すなわち、フォームファクタ)を有する。支持構造102は、画像源(ライトエンジン、光学エンジン、プロジェクタなどとも呼ばれる)、導波路(例えば、図2に示される)などの、ユーザの目に向かってこのような画像の投影を容易にするための様々なコンポーネントを収容する、または含む。いくつかの実施形態では、支持構造102は、1つまたは複数の前面カメラ、後面カメラ、その他の光センサ、モーションセンサ、加速度計などの、様々なセンサをさらに含む。支持構造102は、Bluetooth(商標)インタフェース、WiFiインタフェースなどの、1つまたは複数の無線周波数(RF)インタフェースまたは他の無線インタフェースをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、支持構造102は、例えば、アイトラッキング機能など、アイウェアディスプレイ100の機能を実行するための処理回路または制御回路をさらに含む。さらに、いくつかの実施形態では、支持構造102は、アイウェアディスプレイ100の電気部品に電力を供給するための1つまたは複数の電池または他のポータブル電源を含む。いくつかの実施形態では、アイウェアディスプレイ100のこれらのコンポーネントのうちのいくつかまたはすべては、支持構造102のつる領域112におけるアーム104内または支持構造102の鼻ブリッジ114内など、支持構造102の内部体積内に完全にまたは部分的に収容される。例示的なフォームファクタが示されているが、他の実施形態では、アイウェアディスプレイ100は図1に示されている眼鏡フレームとは異なる形状及び外観を有し得ることに留意されたい。
【0014】
レンズ要素108、110の一方または両方は、ARまたはMRディスプレイを提供するためにアイウェアディスプレイ100によって使用され、ARまたはMRディスプレイにおいて、レンダリングされたグラフィックコンテンツが、レンズ要素108、110を通してユーザによって認識された現実世界の光景上に重ね合わされる、または現実世界の光景と連動して提供され得る。いくつかの実施形態では、レンズ要素108、110の一方または両方は、第1のレンズ層と第2のレンズ層とを含み、これらの層の間に導波路が配置される。いくつかの実施形態では、レンズ要素108、110の一方または両方は、アイウェアディスプレイ100の外側からの環境光(周辺光とも呼ばれる)と、アイウェアディスプレイ100の画像源から放射された光とを組み合わせる光コンバイナとして機能する。例えば、認識可能な画像または一連の画像を形成するために使用される光は、対応するレンズ要素において少なくとも部分的に形成された導波路、1つまたは複数のスキャンミラー、1つまたは複数の光リレー、及び/または1つまたは複数のプリズムなど、一連の光学素子を介して、アイウェアディスプレイ100の画像源によって、ユーザの目に投影されてよい。いくつかの実施形態では、複数の画像源が支持構造102に含まれる。場合によっては、複数の画像源は、つる領域112、鼻ブリッジ、または2つの領域の組み合わせ(例えば、つる領域112の1つの画像源と、鼻ブリッジ領域のもう1つの画像源)に配置される。いくつかの実施形態では、導波路は、入力カプラとEPEを含む第1の基板と出力カプラを含む第2の基板を備える層状スタックを含む。いくつかの実施形態では、2つの基板のそれぞれを伝搬する光に対してTIR条件が確実に維持されるように、パーティション要素が2つの基板の間に配置される。さらに、光がEPEを通過した後、第1の基板から第2の基板へ(例えば、反射によって)光を向けるように、ファセットのセットが、両方の基板のうちの一端にまたはその近くに含まれ、これにより、出力カプラに光を向けることができる。したがって、レンズ要素108、110のうちの一方または両方は、導波路の入力カプラによって受け取られたディスプレイ光を、導波路のEPEを通して出力カプラへ送る導波路の少なくとも一部を含み、出力カプラは、アイウェアディスプレイ100のユーザの目に向かってディスプレイ光を出力する。ディスプレイ光は、ユーザがディスプレイ光をFOVエリア106内の画像として認識するように、変調され、ユーザの目に投影される。加えて、レンズ要素108、110の各々は、ユーザがレンズ要素を通して見ることができるように十分に透明であるため、ユーザの現実世界環境の視野を提供し、これにより画像が現実世界環境の少なくとも一部の上に重ね合わされて見える。
【0015】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の画像源の各々は、マトリクスベースのプロジェクタ、スキャニングレーザプロジェクタ、またはレーザもしくは1つまたは複数のLEDなどの変調光源と、1つまたは複数のダイナミックスキャナもしくはデジタル光プロセッサなどのダイナミックリフレクタメカニズムとの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態では、画像源は、例えば、複数のレーザダイオード(例えば、赤色レーザダイオード、緑色レーザダイオード、及び/または青色レーザダイオード)と、少なくとも1つのスキャンミラー(例えば、微小電気機械システム(MEMS)式または圧電式である2つの一次元スキャンミラー)とを含む。画像源は、コントローラと、コントローラによって実行されると、コントローラに画像源の動作を制御させる、プロセッサ実行可能命令と他のデータを記憶する非一時的なプロセッサ可読記憶媒体またはメモリとに通信可能に結合される。いくつかの実施形態では、コントローラは、画像源のスキャンエリアサイズとスキャンエリア位置を制御し、アイウェアディスプレイ100に表示されるコンテンツを生成するプロセッサ(図示せず)に通信可能に結合される。画像源は、アイウェアディスプレイ100の可変エリアである、指定されたFOVエリア106にわたって光をスキャンする。スキャンエリアサイズは、FOVエリア106のサイズに対応し、スキャンエリア位置は、FOVエリア106がユーザに可視であるレンズ要素108、110のうちの一方の領域に対応する。一般に、広い角度範囲にわたる光の出力結合に対応するために、ディスプレイが広いFOVエリアを有することが望ましい。本明細書では、ディスプレイを見ることができる異なるユーザの目の位置の範囲は、アイウェアディスプレイ100のアイボックスと呼ばれる。
【0016】
本明細書に記載の技法及び装置は、アイウェアディスプレイ100によって課されるフォームファクタの制限内で、導波路のFOVエリア106を大きくする。いくつかの実施形態では、レンズ要素108、110の一方または各々に組み込まれる導波路は、2つの別個の基板層を含む層のスタックから作られる。入力カプラとEPEは、2つの基板層のうちの第1の層内またはその上に埋め込まれ、出力カプラは、2つの基板層のうちの第2の層内またはその上に埋め込まれる。EPEと出力カプラを異なる基材層上に配置することによって、潜在的に他方を拡張するために空間を減らすことなく、EPEと出力カプラの各々を拡張することができる。このようにして、FOVエリア106を全体的に大きくすることができる。これにより、アイウェアディスプレイ100が生成した画像をユーザに表示することができるエリアが大きくなる。
【0017】
図2は、図1に示されるアイウェアディスプレイ100などのアイウェアディスプレイの導波路210を介してユーザの目222上に画像を表すディスプレイ光を投影する投影システム200の図を示す。投影システム200は、画像源202と、光学スキャナ220と、導波路210とを含む。図2には、明確にするために、1つの画像源202と対応する光学スキャナ220が示されているが、いくつかの実施形態では、複数の画像源202と光学スキャナ220が投影システム200に含まれる。
【0018】
いくつかの実施形態では、画像源202は、レーザ光(例えば、赤色、青色、及び緑色のレーザ光などの可視レーザ光、及び/または赤外レーザ光などの非可視レーザ光)を生成し出力するように構成された1つまたは複数のレーザ光源を含む。いくつかの実施形態では、画像源202は、コントローラまたはドライバ(図示せず)に結合されており、コントローラまたはドライバは、ユーザの目222の網膜へ出力されたときに画像として認識されるようにディスプレイ光218を変調するために、(例えば、そこに結合されたコンピュータプロセッサからコントローラまたはドライバが受信した命令に従って)画像源202の光源からのディスプレイ光の放出のタイミングを制御する。
【0019】
いくつかの実施形態では、光学スキャナ220は、第1のスキャンミラー204と、第2のスキャンミラー206と、光リレー208を含む。場合によっては、スキャンミラー204と206のうちの一方または両方はMEMSミラーである。例えば、スキャンミラー204とスキャンミラー206は、レーザ投影システム200の能動的動作中に振動するようにそれぞれの作動電圧によって駆動されるMEMSミラーであり、導波路210の入力カプラ212に向けてスキャンミラー204とスキャンミラー206にディスプレイ光218をスキャンさせる。
【0020】
投影システム200の導波路210は、入力カプラ212と、EPE214と、出力カプラ216を含む。本明細書で使用される「導波路」という用語は、全反射(TIR)を使用して、またはTIR、特殊フィルタ、及び/または反射面の組み合わせによって、EPEを通る入力カプラからの光と、対応する出力カプラへの光を伝送するコンバイナを意味することが理解されよう。ディスプレイ用途では、例えば、光はコリメートされた画像を表しており、導波路はコリメートされた画像を目に伝送し、複製する。一般に、「入力カプラ」、「射出瞳拡大器(または略して「EPE」)」、及び「出力カプラ」という用語は、回折格子、傾斜格子、ブレーズド格子、ホログラム、ホログラフィック光学素子(例えば、1つまたは複数のホログラムを使用する光学素子)、体積回折格子、体積ホログラム、表面レリーフ回折格子、及び/または表面レリーフホログラムを含むが、これらに限定されない、あらゆるタイプの光学格子構造を指すことが理解されよう。いくつかの実施形態では、所与の入力カプラ、EPE、または出力カプラは、光を入力カプラ、EPE、または出力カプラに透過させ、その透過中に、設計された光学機能(複数可)を光に適用する透過型回析格子として構成される。いくつかの実施形態では、所与の入力カプラ、EPE、または出力カプラは、光を入力カプラ、EPE、または出力カプラに反射させ、その反射中に、設計された光学機能(複数可)を光に適用する反射型回析格子である。本実施例では、入力カプラ212で受け取られたディスプレイ光218は、光を一次元に(例えば、図2に示されるように紙面内または紙面外の方向に)拡大し、導波路210内のTIRによってその光を出力カプラ216へ向けるEPE214に中継される。次に、ディスプレイ光は、光224(明確にするため1本のビームにラベルが付けられている)として出力カプラ216を介してユーザの目222へ出力される。
【0021】
いくつかの実施形態では、EPE214は、入力カプラ212から光を受け取り、投影システム200を収容するアイウェアディスプレイ(アイウェアディスプレイ100に対応するものなど)のアイボックスで光を一次元に拡大する。いくつかの実施形態では、EPE214は、このようにして光を拡大する一次元回折格子を含む。光を一次元に拡大した後、EPE214は、光を出力カプラ216に送る。EPE214から光を受け取った後、出力カプラ216は、光を2次元に拡大し、光224をユーザの目222へ出力結合する。したがって、いくつかの実施形態では、出力カプラ216のサイズは、ユーザが画像源202によって生成された画像を認識できるエリアに対応する。換言すれば、出力カプラ216のサイズは、投影システム200を備えたアイウェアディスプレイのFOVエリア(図1に示されるFOVエリア106など)のサイズに対応する。
【0022】
図2は、説明を明確にするために、導波路210の光学コンポーネント、すなわち、入力カプラ212、EPE214、及び出力カプラ216を、右から左の順に示し、導波路内の光の伝搬経路を示している。いくつかの実施形態では、入力カプラ212、EPE214、及び出力カプラ216の構成は、図2に示されるものとは異なる。例えば、いくつかの実施形態では、導波路210は、層状スタックの第1の基板上に入力カプラ212とEPE214を備え、層状スタックの第2の基板上に出力カプラ216を備える層状スタックからなる。いくつかの実施形態では、導波路210はまた、第1の基板と第2の基板との間にパーティション要素(図2には示されていない)と、第1の基板から第2の基板へ光を向ける反射ファセット(図2には示されていない)を含む。
【0023】
図3は、いくつかの実施形態によって特定されるように、限られたFOV306を備える眼鏡フレームのフォームファクタを有するアイウェアディスプレイ300の一部の例を示す。例えば、従来の導波路を組み込むために利用可能な空間がレンズ308では限られているため、FOV306は、水平方向及び垂直方向で約10°×10°の範囲内である。図3に示すように、導波路のコンポーネントは、入力カプラ312、EPE314、及び出力カプラ316を含む。図3において、入力カプラ312は、アイウェアディスプレイ300の支持構造のつる領域に配置される。EPE314は、つる領域に部分的に、かつレンズ308に部分的に配置されているが、出力カプラ316は、レンズ308の全体的に配置されており、FOVエリア306に対応している。したがって、FOVエリア306を大きくすることは、出力カプラ316のサイズを大きくすることを含み、これには、EPE314のサイズを拡大させることも必要である。しかし、レンズ308では利用可能な空間が限られているため、従来の技法に従ってEPE314と出力カプラ316のサイズを大きくすることは、図4及び図5に示される問題により、一般的に不可能である。
【0024】
図4及び図5は、従来の技法による、FOVエリアを拡大するときの問題を示す。図4は、入力カプラ412が支持構造のつる領域に配置される例を示す。図5は、入力カプラ512が支持構造の鼻ブリッジ領域に配置される例を示す。いずれの場合も、より大きな出力カプラ(それぞれ図4の出力カプラ416及び図5の出力カプラ516)とより大きなEPE(それぞれ図4のEPE414及び図5のEPE514)が、各レンズ408、508の各々においてより広いFOVエリアを提供するために必要とされる。しかし、出力カプラとEPEのサイズが大きくなると、ぞれぞれ、図4及び図5に示すように、導波路基板内の2つの間での干渉420と520がかなり大きくなる。これらの干渉420と520は、EPEの機能(すなわち、第1の次元でディスプレイ光を拡大する)と出力カプラの機能(すなわち、第1の次元とは異なる第2の次元でディスプレイ光を拡大し、ユーザに光を出力結合する)との間に衝突をもたらす。この衝突は、EPEまたは出力カプラのいずれかまたは両方を調整しても、ユーザに届けられる画像の品質を損なうことなく解決できない。したがって、導波路のFOVエリアを広くするための従来の技法は、このタイプの眼鏡ディスプレイにおけるレンズ及び/または眼鏡フレームのフォームファクタによって大幅に制限される。
【0025】
図6は、様々な実施形態による、導波路600の拡大図を示す。導波路600は、第1の基板602と第2の基板604を含むコンポーネントまたは層のスタックを含む。いくつかの実施形態では、導波路600はまた、パーティション要素622も含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1の基板602と第2の基板604は、同じ材料から作られる。例えば、いくつかの実施形態では、第1の基板602と第2の基板604の各々は、AR/MRアイウェアディスプレイの機能を有効にする光学特性を備える透明または半透明の材料(例えば、プラスチック、ポリマー、ガラスなど)から作られる。他の実施形態では、第1の基板602と第2の基板604は、異なる導波路材料から作られる。第1の基板602は、入力カプラ612とEPE614(前の図に記載された入力カプラまたはEPEなど)を含み、第2の基板604は、出力カプラ616(前の図に記載された出力カプラなど)を含む。図示のように、第1の基板602と第2の基板604は互いに重なり合う。例えば、第1の基板602と第2の基板604は、図6に示されるz方向に互いに重なり合う導波路600を構成するコンポーネントのスタックに含まれる。いくつかの実施形態では、第1の基板と第2の基板に関する「重なり合う」という用語は、図6に示すように、第1の基板の少なくとも50%が、少なくとも1つの軸(例えば、z方向)に沿って、第2の基板604と一致すること(またその逆)を意味する。すなわち、ユーザ側(すなわち、ユーザの目222の視点)から見たとき、第2の基板604の少なくとも50%が第1の基板602と重なり合う、または世界側(すなわち、ユーザの目222とは反対側の導波路)から見たとき、第1の基板602の少なくとも50%が第2の基板604と重なり合う。いくつかの実施形態では、EPE614と出力カプラ616に関する「重なり合う」という用語は、これらの光学コンポーネント(すなわち、EPEと出力カプラ)の各々が、別個であるが隣接する平面で、それぞれの光学機能を実行すること(例えば、EPEにおける、光ビームを一次元に沿って拡大すること)を意味する。例えば、図6に示される導波路600を参照すると、EPE614は、第1の基板602に対応する平面において光ビームを拡大しており、出力カプラ616は、第2の基板604に対応する別個であるが隣接する平面において光ビームを拡大している。いくつかの実施形態では、導波路600の製造を容易にするために、第1の基板602と第2の基板604は、互いに全体に、または大部分が一致している。すなわち、第1の基板と第2の基板は、互いに完全に、またはほぼ完全に、例えば、90%以上が重なり合う。いくつかの実施形態では、第1の基板602と第2の基板604の寸法は基本的に同じであり、両方の基板は、例えば、ユーザによって観察されたときに、端が見えないように、互いに完全に重なり合う。
【0027】
いくつかの実施形態では、導波路600は、第1の基板602と第2の基板604との間にパーティション要素622を含む。いくつかの実施形態では、パーティション要素は、空隙(または他のガス入りの隙間)、低屈折率材料(すなわち、第1の基板602と第2の基板604の材料(複数可)の屈折率と比較して低い屈折率を有する材料)、または偏光ビームスプリッタ(PBS)である。いずれの場合も、パーティション要素622は、EPE614を伝播する光と、出力カプラ616を伝播する光とが、互いに干渉しないようにバリアの役割を果たす。例えば、EPE614の光は、第1の基板602側からパーティション要素622に入射するときにTIRによってEPE614内を伝播し、出力カプラ616の光は、第2の基板604側からパーティション要素622に入射するときにTIRによって出力カプラ616内を伝播する。したがって、いくつかの実施形態では、第1の基板602とパーティション要素622との間の境界面、及び第2の基板604とパーティション要素622との間の境界面は、それぞれ、第1の基板602の光及び第2の基板604の光に対してTIR条件を可能にする。
【0028】
いくつかの実施形態では、導波路600はまた、ファセット632、634のセットも含む。例えば、第1のファセット632は第1の基板602に配置され、第2のファセット634は第2の基板604に配置される。ファセット632、634のセットは、光を第1の基板602から第2の基板604へ向ける。例えば、光がEPE616を通過し、第1の次元/方向に(例えば、図6のy次元に沿って)拡大された後、ファセット632は、光を第1の基板602からパーティション要素622を通って、またはその周りを通ってファセット634へ向ける。いくつかの実施形態では、パーティション要素622は、光が第1のファセット632から第2のファセット634へ通過することができる1つまたは複数の穴または開口部670を含む。いくつかの実施形態では、ファセット632は、そこに入射する光が、第1の基板602のTIR条件を破り、第1の基板602を出て、ファセット634に入射するように配置される。ファセット634は、その上に入射する光を第2の基板604内でTIRによって出力カプラ616へ向け、第2の次元/方向(例えば、図6のx次元に沿って)に拡大し、ユーザの目222に出力結合されるようにする。いくつかの実施形態では、ファセット632、634のセットは、ミラーまたは金属層などの任意のタイプの反射面である。いくつかの実施形態では、ファセット632、634のセットは、ミラーコーティングでコーティングされたファセット、またはブラッグミラーコーティングでコーティングされたファセットを含む。他の実施形態では、ファセット632、634のセットは、回折格子またはホログラフィック格子である。
【0029】
このようにEPE614と出力カプラ616を異なる基板上に分離することにより、導波路600は、互いに干渉することなく、EPE614と出力カプラ616を拡張することができる。これにより、FOVエリアが拡大されることによって、導波路600を備えたアイウェアディスプレイは、より広いディスプレイエリアにわたって(例えば、画像源202などの画像源から)生成された画像を提供することができる。
【0030】
いくつかの実施形態では、光は、以下の経路に従って導波路600を通して送られる。最初に、光は、入力カプラ612で入力結合され、入力結合された光642としてTIRによって第1の基板602内でEPE614へ向けられる。EPE614は、ディスプレイ光をEPE光644(明確にするため1本の矢印にラベルが付けられている)として、第1の次元に(例えば、図6のy方向に沿って)拡大する。この光は、EPE614内を、一方のパーティション要素622と、他方の第1の基板602の外面(図6の手前側)を介してTIRにより伝播する。第1のファセット632に到達すると、光は、基板間光646(明確にするため1本の破線矢印にラベルが付けられている)として、第1の基板602から外へ向けられる。基板間光646は、パーティション要素622を通過するか、またはパーティション要素622の周りに向けられ、第2の基板604の第2のファセット634に入射する。第2のファセット634は、そこに入射した光を、第2の基板光648(明確にするため1本の矢印にラベルが付けられている)として、第2の基板外面(ユーザの目222に面している、図6の向こう側)とパーティション要素622を介してTIRにより第2の基板内に向ける。第2の基板光648は、出力カプラ616へ向けられ、出力カプラ616は、光を別の次元/方向に拡大し、出力結合された光650として光をユーザの目222に向かって出力結合する。
【0031】
図7図9は、様々な実施形態による、2つの基板間に配置された異なるタイプのパーティション要素を備える、導波路600などの導波路の異なる実施形態を示す。図7図9の導波路内及び導波路から外への光伝播経路は、破線で示される。図7図9に示すように、各図の第1の基板(例えば、図7の第1の基板702、図8の第1の基板802、及び図9の第1の基板902)は、各図の第2の基板(例えば、図7の第2の基板704、図8の第2の基板804、及び図9の第2の基板904)と重なり合う。このようにして、対応する各EPE及び出力カプラは、他方のサイズを制限することなく拡大することができる。例えば、図7を参照すると、EPE714のエリアは、z方向において異なる平面上にあるため、x次元及びy次元に沿った出力カプラ716の拡大を干渉することなく、x次元及びy次元に沿って拡大することができる。したがって、レンズ要素に導波路700を備えたアイウェアディスプレイのFOVエリアを拡大することができる。これは、図8及び図9に示される導波路構成にも同様に適用される。
【0032】
図7を参照すると、導波路700は、入力カプラ712とEPE714を備えた第1の基板702を含む。図7に示すように、EPE714は、光を図の内/外に、すなわち、y方向に沿って拡大する。導波路700はまた、出力カプラ716を備えた第2の基板704を含む。導波路700は、第1の基板702から第2の基板704へ光を向けるためのファセット732、734のセットをさらに含む。導波路700に示されるパーティション要素は、第1の基板702と第2の基板704との間の空隙722(または他のガス入りの隙間)である。したがって、光は、第1の基板702の外面742及び第1の基板702と空隙722との間の境界面744のTIRによって、第1の基板702内を伝播する。同様に、光は、第2の基板704の外面746及び第2の基板704と空隙722との間の境界面748のTIRによって、第2の基板704内を伝播する。第2の基板704内を伝播する光は、出力カプラ716によって第2の基板704から放出される。
【0033】
図8を参照すると、導波路800は、入力カプラ812とEPE814を備えた第1の基板802を含む。図8に示すように、EPE814は、光を図の内/外に、すなわち、y方向に沿って拡大する。導波路800はまた、出力カプラ816を備えた第2の基板804を含む。導波路800は、第1の基板802から第2の基板804へ光を向けるためのファセット832、834のセットをさらに含む。導波路800に示されるパーティション要素は、第1の基板802と第2の基板804との間の低屈折率材料822である。低屈折率材料822は、第1の基板802及び第2の基板804の各々の材料よりも低い屈折率を有する。したがって、光は、第1の基板802の外面842及び第1の基板802と低屈折率材料822との間の境界面844のTIRによって、第1の基板802内を伝播する。同様に、光は、第2の基板804の外面846及び第2の基板704と低屈折率材料822との間の境界面848のTIRによって、第2の基板804内を伝播する。第2の基板804内を伝播する光は、出力カプラ816によって第2の基板804から放出される。
【0034】
図9を参照すると、導波路900は、入力カプラ912とEPE914を備えた第1の基板902を含む。図9に示すように、EPEは、光を図の内/外に、すなわち、y方向に沿って拡大する。導波路はまた、出力カプラ916を備えた第2の基板904を含む。導波路900は、第1の基板902から第2の基板904へ光を向けるためのファセット932、934のセットをさらに含む。導波路800に示されるパーティション要素は、第1の基板902と第2の基板904との間の偏光ビームスプリッタ(PBS)層922である。PBS層922の材料のタイプは、導波路を通って伝播する光の偏光のタイプを反映するように選択される。例えば、いくつかの実施形態では、導波路900内に入力結合される画像源から放射されたディスプレイ光は、p偏光である。したがって、PBS層922は、p偏光状態である光を反射するように構成される。別の実施形態では、導波路900内に入力結合される画像源から放射されたディスプレイ光は、s偏光であってよい。この場合、PBS層922は、s偏光状態である光を反射するように構成される。いずれの場合も、光は、第1の基板902内を、第1の基板902の外面942と第1の基板902の反対側のPBS層922で反射しながらTIRにより伝播する。同様に、光は、第2の基板904内を、第2の基板904の外面946と第2の基板904の反対側のPBS層922で反射しながらTIRにより伝播する。第2の基板904内を伝播する光は、出力カプラ916によって第2の基板904から放出される。
【0035】
図10は、様々な実施形態による、光コンバイナ1000を示す。例えば、光コンバイナ1000は、図1のレンズ要素108、110の一方または両方に対応し得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、光コンバイナ1000が、世界側1030からの環境光(周辺光とも呼ばれる)と、画像源(図2の画像源202など)から放射された光とを組み合わせることで、ユーザの目222が、現実世界環境にオーバーレイされた画像源からの画像を認識する。したがって、光コンバイナ1000は、第1のレンズ層1010と第2のレンズ層1020とを含み、これらの間に導波路1015が配置される。いくつかの実施形態では、第1のレンズ層1010と第2のレンズ層1020は、環境からの周辺光がユーザの目222に到達することができるように、透明または半透明である。いくつかの実施形態では、導波路1015は、図6図9にそれぞれ示される導波路600、導波路700、導波路800、または導波路900のうちのいずれか1つに対応する。したがって、光コンバイナ1000の導波路1015は、拡大された出力カプラを含み、それにより、光コンバイナ1000は、ユーザの目222によって観察される、より広いエリアにわたって画像を表示することができる。
【0037】
一般的な説明において上記で説明された動作または要素のすべてが必要とされるわけではなく、特定の動作またはデバイスの一部は必要とされない場合があり、説明されたものに加えて、1つまたは複数のさらなる動作が実行されても、または要素が含まれてもよいことに留意されたい。さらに、動作が列挙された順序は、必ずしもそれらが実行される順序ではない。また、概念は、特定の実施形態を参照して説明されている。しかし、当業者は、下記の特許請求の範囲に示されるように本開示の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができることを理解する。したがって、明細書及び図面は、制限的な意味ではなく例示的な意味で見なされるべきであり、すべてのこのような修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0038】
利益、他の利点、及び問題に対する解決手段は、特定の実施形態に関して上記で説明されている。しかし、利益、利点、問題に対する解決手段、及びあらゆる利益、利点、または解決手段を生じさせ得る、またはより顕著なものにし得る、あらゆる特徴(複数可)は、任意のまたはすべての請求項の決定的な、必要な、または必須の特徴として解釈されないものとする。さらに、開示された主題が、本明細書における教示の利益を有する当業者に明らかな、異なるが同等の形式で修正及び実施され得るため、上記に開示された特定の実施形態は、例示的でしかない。下記の特許請求の範囲に記述されているもの以外は、本明細書に示された構成または設計の詳細に対する限定を意図されていない。したがって、上記で開示された特定の実施形態は、変更または修正されてよく、すべてのこのような変形は、開示された主題の範囲内であると考えられることは明白である。したがって、本明細書において求められる保護は、下記の特許請求の範囲内に示されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2025-01-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出瞳拡大器を含む第1の基板と、
前記第1の基板と重なり合う第2の基板とを備え、前記第2の基板は出力カプラを含む、導波路。
【請求項2】
前記第1の基板から前記第2の基板へ光を向ける1つまたは複数のファセットをさらに含む、請求項1に記載の導波路。
【請求項3】
前記1つまたは複数のファセットは、ミラーコーティングを含む反射ファセットを含む、請求項2に記載の導波路。
【請求項4】
前記1つまたは複数のファセットは、回折格子またはホログラフィック格子を含む、請求項2に記載の導波路。
【請求項5】
前記第1の基板と前記第2の基板との間にパーティション要素をさらに含む、請求項1に記載の導波路。
【請求項6】
前記パーティション要素は、前記第1の基板及び前記第2の基板よりも低い屈折率を有する、請求項5に記載の導波路。
【請求項7】
前記パーティション要素は、空隙を含む、請求項5に記載の導波路。
【請求項8】
前記パーティション要素は、固体材料を含む、請求項5に記載の導波路。
【請求項9】
前記パーティション要素は、偏光ビームスプリッタを含む、請求項5に記載の導波路。
【請求項10】
前記射出瞳拡大器は、光を第1の方向に拡大し、前記出力カプラは、前記第1の方向とは異なる第2の方向に前記導波路から光を出力結合する、請求項1に記載の導波路。
【請求項11】
前記第1の方向は、前記第2の方向と直交する、請求項10に記載の導波路。
【請求項12】
前記出力カプラが前記導波路から光を出力結合する方向から見たとき、前記第1の基板は前記第2の基板と重なり合う、請求項1に記載の導波路。
【請求項13】
第1のレンズ層及び第2のレンズ層と、
前記第1のレンズ層と前記第2のレンズ層との間に配置された導波路とを備え、
前記導波路は、
射出瞳拡大器を含む第1の基板と、
前記第1の基板と重なり合う第2の基板とを含み、前記第2の基板は出力カプラを含む、光コンバイナ。
【請求項14】
前記導波路は、前記第1の基板から前記第2の基板へ光を向ける1つまたは複数のファセットを含む、請求項13に記載の光コンバイナ。
【請求項15】
前記導波路は、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置されたパーティション要素を含む、請求項13に記載の導波路。
【請求項16】
前記パーティション要素は、前記第1の基板及び前記第2の基板よりも低い屈折率を有する、請求項15に記載の光コンバイナ。
【請求項17】
前記パーティション要素は、偏光ビームスプリッタを含む、請求項15に記載の光コンバイナ。
【請求項18】
光コンバイナを含む1つまたは複数のレンズを備え、
前記光コンバイナは導波路を含み、前記導波路は、
射出瞳拡大器を含む第1の基板と、
前記第1の基板と重なり合う第2の基板とを含み、前記第2の基板は出力カプラを含む、アイウェアディスプレイ。
【請求項19】
前記光コンバイナは、第1のレンズ層及び第2のレンズ層をさらに含み、前記導波路は、前記第1のレンズ層と前記第2のレンズ層との間に配置されている、請求項18に記載のアイウェアディスプレイ。
【請求項20】
前記導波路は、
前記第1の基板から前記第2の基板へ光を向ける1つまたは複数のファセットと、
前記第1の基板と前記第2の基板との間のパーティション要素とを含む、請求項18に記載のアイウェアディスプレイ。
【請求項21】
前記パーティション要素は、前記第1の基板及び前記第2の基板よりも低い屈折率を有する、請求項20に記載のアイウェアディスプレイ。
【請求項22】
前記1つまたは複数のレンズを保持するフレームをさらに含む、請求項18に記載のアイウェアディスプレイ。
【国際調査報告】