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特表2025-520062コンピュータビジョンを使用して厚さおよび/または直径を決定するためのシステムならびに方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-01
(54)【発明の名称】コンピュータビジョンを使用して厚さおよび/または直径を決定するためのシステムならびに方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/02 20060101AFI20250624BHJP
【FI】
G01B11/02 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024569250
(86)(22)【出願日】2023-05-08
(85)【翻訳文提出日】2024-11-22
(86)【国際出願番号】 US2023021301
(87)【国際公開番号】W WO2023229831
(87)【国際公開日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】17/827,418
(32)【優先日】2022-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
2.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロンガンバッハ、デイヴィッド マイケル
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA22
2F065BB27
2F065CC10
2F065DD03
2F065FF01
2F065FF05
2F065JJ03
2F065JJ05
2F065JJ26
2F065MM06
2F065QQ03
2F065QQ24
(57)【要約】
部品の寸法を決定するためのシステムおよび方法が、開示されている。本方法は、複数のマーカー(111、113、115)を有したノギス(100)に関して、一つまたは複数の画像、一つまたは複数のビデオ、またはこれらの組合せ、を受領することを含む。一つまたは複数の画像、一つまたは複数のビデオ、またはこれらの組合せは、モバイルデバイス(301)の一つまたは複数の画像センサ(305)によって取得される。複数のマーカー(111、113、115)は、第一測定アーム(101)と第二測定アーム(103)とノギス(100)の旋回点とのそれぞれ上にそれぞれ対応したマーカーを含む。一つまたは複数のプロセッサを介して、複数のマーカー(111、113、115)を有したノギス(100)に関する、一つまたは複数の画像、一つまたは複数のビデオ、またはこれらの組合せ、を処理することにより、複数のマーカーの位置が決定される。一つまたは複数のプロセッサを介して、複数のマーカー(111、113、115)の位置を処理することにより、第一測定アーム(101)の第一先端(107)と第二測定アーム(103)の第二先端(109)との間の距離が決定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械(200)の部品の寸法を決定するためのシステムであって、
ノギス(100)であり、
第一先端(107)を有した第一測定アーム(101)と、
旋回点を介して前記第一アーム(101)に対して接続された第二測定アーム(103)であり、第二先端(109)を有している、第二測定アーム(103)と、
複数のマーカー(111、113、115)であり、前記第一測定アーム(101)と前記第二測定アーム(103)と前記旋回点とのそれぞれ上にそれぞれ対応したマーカーを含む、複数のマーカー(111、113、115)と、を含むノギス(100)と、
モバイルデバイス(301)であり、
画像もしくはビデオを取得するように構成された一つまたは複数のセンサ(305)と、
命令を格納した少なくとも一つのメモリと、
前記一つまたは複数のセンサ(305)に対して、および前記少なくとも一つのメモリに対して、動作可能に接続された一つまたは複数のプロセッサであり、前記命令を実行することにより、
前記一つまたは複数のセンサ(305)を介して、前記複数のマーカー(111、113、115)を有した前記ノギス(100)に関して、一つまたは複数の画像を、一つまたは複数のビデオを、またはこれらの組合せを、取得することと、
前記複数のマーカー(111、113、115)を有した前記ノギス(100)に関する、前記一つまたは複数の画像、前記一つまたは複数のビデオ、またはこれらの組合せ、を処理することにより、前記複数のマーカー(111、113、115)の位置を決定することと、
前記複数のマーカー(111、113、115)の前記位置を処理することにより、前記第一測定アーム(101)の前記第一先端(107)と前記第二測定アーム(103)の前記第二先端(109)との間の距離を決定することと、を含む動作を実行するように構成された一つまたは複数のプロセッサと、を含むモバイルデバイス(301)と、を含む、システム。
【請求項2】
前記第一先端(107)と前記第二先端(109)との間の前記距離を決定することは、
前記複数のマーカー(111、113、115)の前記位置どうしの間における事前規定された距離と、前記第一測定アーム(101)と前記第二測定アーム(103)とが前記旋回点のところで形成する角度(607)と、前記事前規定された距離の間に形成される一つまたは複数の円弧(609、611)と、に基づいて決定することを、さらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第一測定アーム(101)と前記第二測定アーム(103)とは、前記旋回点まわりに回転することにより、前記角度(607)および前記複数の円弧(609、611)を形成する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記動作は、
前記一つまたは複数のプロセッサを介して、前記第一先端(107)と前記第二先端(109)との間の前記距離を、一つまたは複数の基準測定値と比較することを、さらに含み、ここで、前記一つまたは複数の基準測定値は、前記部品に関連した、過去の測定データ、過去のメンテナンスデータ、過去の使用データ、またはこれらの組合せ、を含む、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記動作は、
前記第一先端(107)と前記第二先端(109)との間の前記距離が、事前決定された、安全閾値、最小厚さ閾値、最小摩耗割合閾値、またはこれらの組合せ、を満たすかどうかを決定することと、
この決定に応答して、
前記第一先端(107)と前記第二先端(109)との間の前記距離が、事前決定された、前記安全閾値、前記最小厚さ閾値、前記最小摩耗割合閾値、またはこれらの組合せ、を満たしていることに応答して、前記モバイルデバイス(301)のユーザインターフェース(701)内に、前記部品が動作可能な状態であることを示す第一通知を、生成すること、あるいは、
前記第一先端(107)と前記第二先端(109)との間の前記距離が、事前決定された、前記安全閾値、前記最小厚さ閾値、前記最小摩耗割合閾値、またはこれらの組合せ、を満たしていないことに応答して、前記モバイルデバイス(301)の前記ユーザインターフェース(613)内に、前記部品が動作可能な状態ではないことを示す第二通知を生成すること、を選択的に行うことと、をさらに含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記動作は、リアルタイムで、または、ほぼリアルタイムで実行される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ノギス(100)に関して、前記一つまたは複数の画像、前記一つまたは複数のビデオ、またはこれらの組合せ、を取得することは、
前記一つまたは複数のプロセッサを介して、前記モバイルデバイス(301)のユーザインターフェース(501)内に、前記ノギス(100)に関する提示を生成することを、さらに含み、前記提示は、前記モバイルデバイス(301)を位置合わせするための、向きセンサ、傾斜センサ、傾斜計データ、またはこれらの組合せ、に少なくとも部分的に基づく一つまたは複数の通知を含む、請求項1~6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記第一先端(107)は、前記部品の第一面に対して接触するように構成されており、前記第二先端(109)は、前記部品の第二面に対して接触するように構成されており、前記第一面と前記第二面とは、前記部品の反対側に位置した面上に位置している、請求項1~7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記動作は、
前記部品の使用データを、リアルタイムで、または、ほぼリアルタイムで追跡することと、
前記使用データを、前記第一先端(107)と前記第二先端(109)との間の前記距離と比較することにより、前記部品の推定使用寿命を決定することと、
前記使用データが、前記部品の前記推定使用寿命の閾値割合を超えるものと決定した場合には、前記モバイルデバイス(301)のユーザインターフェース(613)内に、通知を生成することと、をさらに含む、請求項1~8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
前記第一先端(107)と前記第二先端(109)との間の前記距離は、前記部品の厚さを示すものである、請求項1~9のいずれかに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、厚さを決定するためのシステムおよび方法に関し、より詳細には、コンピュータビジョンを使用してノギス測定値を決定するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの活動では、厚さまたは直径などの寸法を正確に測定することが必要とされており、また、その恩恵を受けている。例えば、機械のメンテナンスには、例えばノギスなどを使用した厚さの測定に基づいて、機械部品の摩耗量を評価することが含まれることがある。建設現場で使用される移動式作業機械では、非常に過酷な条件に曝され得ることから、足回りなどのいくつかの部品が、例えば引っ掻き傷または擦り傷などの、極度な摩耗を受けることがある。摩耗した部品を故障するまで動作させると、多くの場合、故障した部品に依存している他の部品が、故障してしまうこととなる。部品が一つでも故障すると、機械全体の運用コストが増大してしまうため、定期的なメンテナンスが重要となる。
【0003】
典型的には、ノギスは、二つの測定アームを含み、これらの測定アームが、測定対象部品の物理的構造における、反対側に位置した両面に対して、接触することとなる。従来、ユーザは、二つの測定アームの先端どうしの間において距離を測定し、その測定値を手動で記録しており、これにより、例えば、測定値をシステム内へと入力することで、部品の摩耗度合いを決定していた。このプロセスは、一般的には、時間がかかるものであって、非効率的であるとともに、エラーが発生しやすいものであり、特に、ユーザが厳しいスケジュールで実行している場合には、部品に関する必要な測定値を取得するのに充分な時間が取れないことがある。例えば、ノギスと測定デバイスと記録器具との間を行き来することが、困難であるとともに、時間がかかることがある。
【0004】
レーザーセンサとスマートフォンのカメラとを使用して対象物のサイズを測定するための方法が、Hyoungらに対する、2018年5月29日付けで公開された韓国特許出願公開第KR20180056534A号明細書(以下、「’534号公報」)に開示されている。’534号公報に記載された方法は、状況によっては有用であり得るけれども、レーザーセンサおよび/またはカメラでは、複雑な仕様の部品や、困難な場所に配置された物品を、測定することが困難な場合がある。このようなセンサベースの測定には、高い精度が求められるけれども、レーザーセンサおよび/またはカメラは、複雑な設計の部品を正確に測定することには適していない場合があるとともに、不便な場所に設置されているため、センサに対する位置ズレが生じる。さらに、’534号公報に記載された方法では、複雑な設計の部品を正確に測定するためにユーザがノギスと測定デバイスと記録器具との間を行き来しなければならないという、時間がかかり非効率的でありエラーを起こしやすいという問題点を解決し得ないものであるとともに、不便な場所に設置されている。
【0005】
開示する方法およびシステムは、上記の問題点の一つもしくは複数を、および/または当該技術分野における他の問題点を、解決し得る。しかしながら、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定されるものであり、任意の特定の問題点を解決する能力によって規定されるものではない。
【発明の概要】
【0006】
一態様では、機械の部品の寸法を決定するためのシステムに関する例示的な一実施形態は、ノギスを含んでもよく、ノギスは、第一先端を有した第一測定アームと、旋回点を介して第一アームに対して接続された第二測定アームであり、第二先端を有している第二測定アームと、を有している。複数のマーカーは、第一測定アームと第二測定アームと旋回点とのそれぞれ上にそれぞれ対応したマーカーを含む。一つまたは複数のセンサを含むモバイルデバイスは、画像またはビデオを取得するように構成されてもよく、少なくとも一つのメモリは、命令を格納してもよく、一つまたは複数のプロセッサは、一つまたは複数のセンサに対して、および少なくとも一つのメモリに対して、動作可能に接続されたものであって、命令を実行することにより、一つまたは複数のセンサを介して、複数のマーカーを有したノギスに関して、一つまたは複数の画像を、一つまたは複数のビデオを、またはこれらの組合せを、取得することと、複数のマーカーを有したノギスに関する、一つまたは複数の画像、一つまたは複数のビデオ、またはこれらの組合せ、を処理することにより、複数のマーカーの位置を決定することと、複数のマーカーの位置を処理することにより、第一測定アームの第一先端と第二測定アームの第二先端との間の距離を決定することと、を含む動作を実行するように構成されている。
【0007】
別の態様では、機械の部品の寸法を決定するためのコンピュータ実装方法に関する例示的な一実施形態は、第一測定アーム上と第二測定アーム上と旋回点上とに複数のマーカーを有したノギスを、測定対象部品に対して適用することと、モバイルデバイスの一つまたは複数のセンサを介して、複数のマーカーを有したノギスに関して、一つまたは複数の画像を、一つまたは複数のビデオを、またはこれらの組合せを、取得することと、モバイルデバイスの一つまたは複数のプロセッサを介して、複数のマーカーを有したノギスに関する、一つまたは複数の画像、一つまたは複数のビデオ、またはこれらの組合せ、を処理することにより、複数のマーカーの位置を決定することと、モバイルデバイスの一つまたは複数のプロセッサを介して、複数のマーカーの位置を処理することにより、第一測定アームの第一先端と第二測定アームの第二先端との間の距離を決定することと、を含んでもよい。
【0008】
更なる態様では、部品の寸法を決定するための方法に関する例示的な一実施形態は、複数のマーカーを有したノギスに関して、一つまたは複数の画像、一つまたは複数のビデオ、またはこれらの組合せ、を受領することであり、ここで、一つまたは複数の画像、一つまたは複数のビデオ、またはこれらの組合せは、モバイルデバイスの一つまたは複数の画像センサによって取得され、複数のマーカーは、ノギスの第一測定アームと第二測定アームと旋回点とのそれぞれ上にそれぞれ対応したマーカーを含むことと、一つまたは複数のプロセッサを介して、複数のマーカーを有したノギスに関する、一つまたは複数の画像、一つまたは複数のビデオ、またはこれらの組合せ、を処理することにより、複数のマーカーの位置を決定することと、一つまたは複数のプロセッサを介して、複数のマーカーの位置を処理することにより、第一測定アームの第一先端と第二測定アームの第二先端との間の距離を決定することと、を含んでもよい。
【0009】
本開示のその他の特徴および態様は、以下の説明および添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付図面は、本明細書内へと組み込まれて本明細書の一部を構成するものであって、一つまたは複数の実施形態を例示するものであり、本明細書と一緒に、実施形態を説明するものである。添付図面は、必ずしも縮尺通りに描かれているわけではない。さらに、添付図面におけるあらゆる数値または寸法は、例示を目的としたものに過ぎず、実際の値もしくは実際の寸法を、または、好ましい値もしくは好ましい寸法を、示す場合もあれば示さない場合もある。場合によっては、基本的な特徴に関する説明および理解を補助するよう、一部のまたはすべての選択された特徴が、図示されていないことがある。図面の一部では、例示的な構成要素が、またはその寸法が、測定されるように図示されている。しかしながら、図示していない他の構成要素やその寸法も、また、測定され得ることは、理解されよう。任意の適切な構成要素やその寸法が、本明細書の技法に基づいて測定されてもよい。
【0011】
図1図1は、本開示の態様によるノギスに関する概略図である。
図2A-2B】図2Aは、本開示の態様による、図1のノギス100を使用することによりユーザが部品機械200の厚さを測定するシナリオを、図示している。図2Bは、本開示の態様による、ノギス100を使用した部品の測定に関する拡大図である。
図3図3は、本開示の態様による、部品の摩耗を推定するためのシステムに関する図である。
図4図4は、本開示の態様による、分析プラットフォーム309の構成要素に関する図である。
図5図5は、本開示の態様による、ユーザデバイスが、例えば画像センサを介してリアルタイムで、または、ほぼリアルタイムで、測定デバイスのビデオまたは画像を取得して、測定値を計算することを図示した図である。
図6図6は、本開示の態様による、測定デバイスの先端どうしの間の距離を計算するための例示的なモデルに関する図である。
図7図7は、ユーザインターフェース図であって、この場合、本開示の態様により、ユーザに対して、測定情報に基づいた機械部品の動作可能性が通知される。
図8図8は、本開示の態様による、ノギス100の測定アームにおける先端どうしの間の距離を決定するためのプロセスに関するフローチャートである。
図9図9は、本明細書で提示する技法を実行し得る一般的コンピュータシステムの実装を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明はどちらも、単に例示的および説明的なものにすぎず、特許請求する特徴を限定しない。本明細書で使用される「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、またはそれらの他の変形は、非排他的な包含を網羅することを意図し、それによって要素のリストを含む工程、方法、物品、または装置は、単にそれらの要素のみを含むのではなく、そのような工程、方法、物品、または装置に明示的に列挙されていないか、または内在していない他の要素を含んでもよい。本開示では、別のことが記載されない限り、相対的な用語は、例えば、「約」、「実質的に」、および「およそ」などの用語は、記載した値に対する±10%という可能な変動を示すために使用されている。
【0013】
図1は、本開示の態様によるノギス100に関する概略図である。ノギス100は、一対の湾曲したアーム101、103を含み得るけれども、アーム101、103が、所望に応じて任意の他の形状を含み得ることは、理解されよう。アーム101、103は、ジョイントによって、第一端部の近傍で、接続されてもよい。図1に図示した実施形態では、ジョイントは、締結部材105である。しかしながら、他のタイプのジョイントも、また、想定され、例えば、一体型のバネ部分、クリップ、各アーム101、103に対して個別的に接続された支持部材、または、アーム101、103を回転させ得る旋回点を規定する任意の他の適切なタイプのジョイントも、また、想定される。締結部材105は、アーム101、103内における各穴を通過し得るとともに、旋回点を規定してもよい。アーム101、103は、自由端とされた第二端部を有してもよい。アーム101、103の第二自由端部は、それぞれ尖鋭先端107、109を含んでもよい。一実例では、尖鋭先端107、109は、部品の外面上における反対側に位置した点に対して接触するように構成されてもよく、この場合、尖鋭先端107、109どうしの間の距離は、直径などの、部品の外側寸法を示してもよい。別の実例では、尖鋭先端107、109は、反対側に位置した側面上における面に対して接触してもよく、この場合、尖鋭先端107、109どうしの間の距離は、部品の厚さを示してもよい。ノギス100は、任意の適切な機械における任意の適切な構成部品に関して、内径、外径、厚さ、または任意の他の適切な寸法、を測定するために、使用されてもよい。ノギスに関する任意の他の変形例が使用され得ること、そして実際、ノギスに関する任意の他の既知の特徴が、機械部品の直径または厚さを計算するために使用され得ることは、理解されよう。
【0014】
ノギス100は、複数のマーカーを含んでもよく、例えば、アーム101の面上におけるマーカー111と、アーム103の面上におけるマーカー113と、締結部材105の面上におけるマーカー115と、を含んでもよい。図1の実施形態は、三つのマーカー111、113、115を含んでいるけれども、任意の適切な数のマーカーが使用されてもよい。以下でさらに詳細に説明するように、コンピュータビジョンを使用してノギス100の測定値を決定するに際しては、少なくとも三つのマーカーが、有益であり得る。これらのマーカーは、ノギス100の事前に決定された位置のところに、形成または配置され得るけれども、各マーカーが、ノギス100の任意の他の位置上に形成され得ることは、理解されよう。以下でさらに詳細に説明するように、各アーム101、103上における、またジョイント/締結部材105のところにおける、各マーカーの位置が、コンピュータビジョンを使用してノギス100の測定値を決定することを、さらに容易としてもよい。図1では、マーカーは、球形形状を有するように示されているけれども、これらのマーカーは、所望に応じて、任意の他の形状で形成されてもよい。マーカーは、ゴムから、プラスチックから、または、当該技術分野で知られている任意の他の材料から、形成されてもよい。いくつかの実施形態では、マーカーは、ノギスに対して、少なくとも部分的に一体部材であってもよく、例えば、マーカーは、ノギス100上において、エッチングされてもよい、彫刻されてもよい、および/または、エンボス加工されてもよい。別の実施形態では、マーカーは、UE301の画像センサによって認識されるのに適しているような、ステッカー、ロゴ、ラベル、インク、または任意の他の表面マーキング、を含んでもよい。
【0015】
一実例では、これらのマーカーは、複数の色を含んでもよい。いくつかの実施形態では、複数の色は、互いに高いコントラストを有した色を含んでもよく、例えば、黒および白を、あるいは同種のものを、含んでもよい。一実例では、マーカーは、QRコード、データマトリクスコード、PDF417バーコード、アステカコード、任意の他の二次元バーコード、例えば、各マーカーに対して同じコード、または一つまたは複数のマーカーに対して異なるコード、を含んでもよい。例えば、マーカー111、113は、同じであってもよく、マーカー115は、それらとは相違してもよい。以下でさらに詳細に説明するように、複数の高コントラスト色を有したマーカーは、コンピュータビジョンを使用してノギス100の測定値を決定することを、さらに容易としてもよい。
【0016】
図2Aは、本開示の態様による、ノギス100を使用することによりユーザが機械部品の厚さを測定するシナリオを、図示している。この例では、トラックタイプの機械200の足回り201が、部品の摩耗に関して測定されているけれども、任意の他の機械における任意の部品に関して、任意の適切な寸法が測定され得ることは、理解されよう。これらのトラックタイプの機械200は、足回り201を極度に摩耗させ得るような過酷な条件に曝される可能性がある。足回り201における予期せぬ部品故障は、様々な問題点を引き起こす可能性があり、例えば、メンテナンスオペレータがすぐに対応し得ずに、修理が終わるまで機械が動作不能となってしまったり、停止した機械が、必要なメンテナンスを実行するに際して容易にはアクセスし得ない場所に位置していたり、停止した機械が、他の作業機械の通路を塞いでしまったり、等の問題点を引き起こす可能性がある。したがって、足回り201の部品は、定期的なメンテナンスを必要とする。上述したように、メンテナンスは、ノギス100によって足回り201の部品に関する摩耗量を評価することを含んでもよい。例えば、ユーザ203は、ノギス100を使用することにより、足回り201の部品に関して、厚さを測定してもよい。アーム101、103の相対位置は、足回り201の部品の面上における反対側に位置した点に対して先端107、109が接触するまで、調整されてもよい。先端107、109間の距離は、部品の厚さを示してもよい。図2Bは、足回り201の部品を測定するに際しての、図2Aのノギス100の使用に関する拡大図205を図示している。この例では、トラックタイプの機械の足回りが測定されているけれども、ノギス100が、任意の他の機械における任意の部品に関して、内径、外径、および厚さを測定するために使用され得ることは、理解されよう。
【0017】
図3を参照すると、本開示の態様による、様々な量を決定するためのシステム300に関する、例えば、部品の厚さ、機械200の部品摩耗、または同種のものを決定するためのシステム300に関する、概略図が示されている。システム300は、ユーザ機器(UE)301a~301n(UE301と総称される)と、分析プラットフォーム309と、ノギス100と、を含む。UE301は、アプリケーション303a~303n(アプリケーション303と総称される)およびセンサ305a~305n(センサ305と総称される)を含む、あるいは、それらに対して関連付けられている。一実例では、分析プラットフォーム309は、通信ネットワーク307を介して、例えば無線通信ネットワークを介して、機械200、UE301、および/またはデータベース311に対して、接続性を有している。いくつかの実施形態では、機械200は、ネットワーク307に対して接続されなくてもよい。
【0018】
UE301は、限定するものではないが、任意のタイプの、モバイル端末、無線端末、または携帯端末、を含んでもよい。UE301の例は、限定するものではないが、携帯電話、スマートフォン、無線通信デバイス、ウェブカメラ、ラップトップ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ユニット、デバイス、マルチメディアコンピュータ、マルチメディアタブレット、インターネットノード、コミュニケータ、パーソナルコミュニケーションシステム(PCS)デバイス、パーソナルナビゲーションデバイス、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、デジタルカメラ/カムコーダ、インフォテインメントシステム、または、これらのデバイスの付属品や周辺機器を含めた任意の組合せ、あるいは、これらの任意の組合せ、を含んでもよい。加えて、UE301は、限定するものではないが、タッチスクリーン機能、キーパッドデータ入力、音声ベースの入力機構、および同種のもの、を含めて、情報を受領して生成するための様々な入力手段を容易としてもよい。UE301に関する任意の既知の実装および将来の実装も、また、適用可能とされてもよい。
【0019】
アプリケーション(単数または複数)303は、様々なアプリケーションを含んでもよく、例えば、限定するものではないが、カメラ/撮像アプリケーション、コンテンツプロビジョニングアプリケーション、ネットワークアプリケーション、マルチメディアアプリケーション、ロケーションベースアプリケーション、メディアプレーヤアプリケーション、および同種のもの、などを含んでもよい。一実例では、UE301におけるアプリケーション303の一つは、分析プラットフォーム309に関するクライアントとして機能し得るとともに、通信ネットワーク307を介して、例えばアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介して、分析プラットフォーム309と相互作用することにより、分析プラットフォーム309の一つまたは複数の機能を実行してもよい。
【0020】
センサ305は、画像データを取得するように構成された、例えばカメラなどの、画像センサを含む。例として、センサ305は、任意の他のタイプのセンサを、さらに含んでもよい。一実例では、センサ305は、例えば、UE301の向きを決定するための、高度センサと加速度センサとによって補強された向きセンサ、UE301の傾斜度合いもしくは降下度合いを検出するための、傾斜センサおよび傾斜計、深度センサ、オーディオデータを収集するためのオーディオレコーダ、異なる短距離通信(例えば、Bluetooth、Wi-Fi、Li-Fi、近距離無線通信(NFC)、等)に関する無線信号もしくは受信機を検出するためのネットワーク検出センサ、位置データを収集するための全地球測位センサ、光センサ、ならびに同種のもの、をさらに含んでもよい。センサ305に関する任意の既知の実装および将来の実装も、また、適用可能とされてもよい。
【0021】
システム300の通信ネットワーク307は、一つまたは複数のネットワークを含んでもよく、例えば、データネットワーク、有線ネットワークもしくは無線ネットワーク、電話ネットワーク、またはこれらの組合せ、などを含んでもよい。データネットワークが、任意のローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、パブリックデータネットワーク(例えば、インターネット)、短距離無線ネットワーク、または、例えば商用所有の専有パケット交換ネットワークなどの、例えば専有ケーブルや光ファイバネットワークや同種のものなどの、任意の他の適切なパケット交換ネットワーク、あるいは、これらの任意の組合せ、とされ得ることが、想定されている。加えて、無線ネットワークは、例えば、セルラーネットワークとされてもよく、5G(第5世代)、4G、3G、2G、ロングタームエボリューション(LTE)、グローバルエボリューション向け拡張データレート(EDGE)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、モバイル通信向けグローバルシステム(GSM)、インターネットプロトコルマルチメディアサブシステム(IMS)、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)等を含めた様々な技術、また、例えば、マイクロ波アクセス向けワールドワイドインターオペラビリティ(WiMAX)、コード分割多重アクセス(CDMA)、広帯域コード分割多重アクセス(WCDMA)、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)、無線LAN(WLAN)、Bluetooth(登録商標)、インターネットプロトコル(IP)データキャスティング、衛星、モバイルアドホックネットワーク(MANET)、および同種のものなどの、任意の他の適切な無線媒体、あるいは、これらの任意の組合せ、が採用されてもよい。
【0022】
一実例では、分析プラットフォーム309は、複数の相互接続された構成要素を有したプラットフォームであってもよい。分析プラットフォーム309は、一つまたは複数の、サーバ、インテリジェントネットワーキングデバイス、コンピューティングデバイス、構成要素、および、機械内の部品摩耗を推定するための対応ソフトウェア、を含んでもよい。加えて、分析プラットフォーム309が、システム300に対する別個の存在であってもよいことに、あるいは、UE301の一部であってもよいことに、留意されたい。分析プラットフォーム309は、機械内の部品摩耗を推定するための、あらゆる既知の、また現在開発中の、方法、技法、またはプロセスを採用してもよい。
【0023】
一実例では、分析プラットフォーム309は、通信ネットワーク307を介して、機械200の制御システム313に対して通信してもよい。制御システム313は、機械200の様々な構成要素の動作を監視するための、サーバ、エンジンコントローラ、およびセンサ、を含んでもよい。特に、制御システム313は、機械200の動作条件を感知するように構成され得るとともに、感知した動作条件に応答して、一つまたは複数の、推定、計算、モデル化、および同種のものを実行することで、機械200を制御するように構成されてもよい。制御システム313は、機械200の様々な構成要素の動作状況に関連した情報を、リアルタイムで、分析プラットフォーム309に対して送信してもよい。
【0024】
一実例では、データベース311は、関係型、階層型、オブジェクト指向型、および/または同種のものなどの、任意のタイプのデータベースとされてもよく、この場合、データは、データテーブルまたはルックアップテーブルを含めて、任意の適切な態様で編成される。一実例では、データベース311は、複数のタイプの情報を格納して管理してもよく、これにより、コンテンツの提供プロセスおよび共有プロセスを支援するための手段を提供することができる。データベース311は、様々な統計的手法に基づいて様々な入力パラメータと出力パラメータとの関係を規定した事前規定マッピングを有した機械学習ベースの訓練データベースを含んでもよい。一実例では、訓練データベースは、部品のビデオまたは画像に関連した入力パラメータと、部品の推定寿命と、完全摩耗値までの推定時間と、様々な部品に関する、例えば厚さ値や摩耗値や直径情報等の、測定値と、の間のマッピングを学習するための、機械学習アルゴリズムを含んでもよい。一実例では、訓練データベースは、機械学習手法に基づいて、定期的に更新および/または補足される。
【0025】
図4は、例示的な一実施形態による、分析プラットフォーム309の各構成要素に関する図である。本明細書で使用した際には、「構成要素」または「モジュール」などの用語は、一般に、例えば関連した機能を実装するためにプロセッサもしくは同種のものが使用し得るような、ハードウェアおよび/またはソフトウェアを包含する。例として、分析プラットフォーム309は、例えば機械内の部品の厚さや部品摩耗等などの様々な量を決定するための、一つまたは複数の構成要素を含む。これらの構成要素の各機能が、一つまたは複数の構成要素内で組み合わせられ得ること、あるいは、同等の機能を有した他の構成要素によって実行され得ることが、想定されている。一実例では、分析プラットフォーム309は、データ収集モジュール401、計算モジュール403、データ処理モジュール405、ユーザインターフェースモジュール407、あるいは、これらの任意の組合せ、を含む。
【0026】
一実例では、データ収集モジュール401は、例えばほぼリアルタイムでもしくはリアルタイムで、UE301の、例えば画像センサやカメラ等といったような、センサ305から、ノギス100に関するビデオまたは一つまたは複数の画像を、収集してもよい。別の実例では、データ収集モジュール401は、例えばリアルタイムで、または、ほぼリアルタイムで、様々なデータ収集技法を使用して、関連したデータを、例えば、機械固有の情報、機械の様々な部品の測定情報、動作範囲、機械の様々な部品のメンテナンスデータ、安全閾値レベル、等を、収集してもよい。例えば、データ収集モジュール401は、ウェブクローリング構成要素を使用することで、様々なデータベースまたは他の情報源に対してアクセスすることにより、機械の様々な部品に関連した関連データを収集してもよい。別の実例では、データ収集モジュール401は、機械の様々な部品に関する関連データを自動的に検索して送信するような、例えば拡張メタ言語(XML)内のデータマイニングアプリケーションなどの、様々なソフトウェアアプリケーションを含んでもよい。一実例では、データ収集モジュール401は、データを解析して、他のモジュールやプラットフォームによって容易に処理され得る共通形式へと整理してもよい。
【0027】
一実例では、計算モジュール403は、リアルタイムで、または、ほぼリアルタイムで、データ収集モジュール401から、ノギス100に関するビデオまたは複数の画像を受領し得るとともに、ノギス100に関するビデオまたは複数の画像に関してコンピュータビジョン処理を実行することにより、マーカーの位置を特定してもよい。別の実例では、計算モジュール403は、以前に取得された画像データまたはビデオデータを受領してもよい。計算モジュール403は、ノギスに関する所定の情報に基づいて、および受領したデータに基づいて、ノギスの先端どうしの間の距離を計算してもよい。例えば、計算モジュール403は、少なくとも部分的に、ノギス上の複数のマーカーどうしの間における事前決定された距離に基づいて、ノギスの測定アームどうしが形成している角度に基づいて、事前決定された距離の間に形成された複数の円弧に基づいて、またはこれらの組合せに基づいて、距離を決定してもよい。別の実例では、計算モジュール403は、機械が動作している時の部品の使用データを、部品のメンテナンスデータを、ノギスの先端どうしの間において計算された距離を、またはこれらの組合せを、リアルタイムで追跡することによって、部品の摩耗寿命を計算してもよい。別の実例では、計算モジュール403は、ノギスの先端どうしの間において計算された距離と、部品の計算された摩耗寿命と、を比較することによって、部品の摩耗割合を計算してもよい。更なる実例では、計算モジュール403は、最小厚さ閾値、安全閾値、最小摩耗割合閾値、またはこれらの組合せを決定することにより、部品の動作可能性を示してもよい。
【0028】
データ処理モジュール405は、データ収集モジュール401によって収集されたデータを処理してもよい。一実例では、データ処理モジュール405は、計算モジュール403から、機械200の部品に関しての、ノギスに基づく測定値を受領し得るとともに、ノギスに基づく測定値を、データベース311に格納された基準測定値と比較することにより、部品の寸法変化を、例えば部品の磨耗率を、決定してもよい。基準測定値は、限定するものではないが、一つまたは複数の部品に関する元々の測定値情報、一つまたは複数の部品に関する過去の測定値情報、一つまたは複数の部品に関する最低限必要な測定値、またはこれらの組合せ、を含んでもよい。別の実例では、データ処理モジュール405は、機械200の測定部品の使用量を処理することにより、使用量が部品の推定寿命の閾値割合を超えているかどうかを決定してもよい。別の実例では、データ処理モジュール405は、機械200の測定部品のメンテナンスデータを処理することにより、測定部品の状態が、安全閾値以下であるかを、所定の動作閾値以下であるかを、または同種の閾値以下であるかを、決定してもよい。
【0029】
一実例では、ユーザインターフェースモジュール407は、UE301内でのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の表示を可能としてもよい。ユーザインターフェースモジュール407は、UE301上のアプリケーションに対応した様々なAPIsまたは他の関数呼出を採用してもよく、これにより、ユーザインターフェース部材を生成するための、アイコン、メニュー、ボタン、データ入力フィールド、等の、グラフィック要素の表示を可能とする。一実例では、ユーザインターフェースモジュール407は、ユーザが、UE301もしくは任意の他のタイプのデータデバイスの情報に対して、アクセスしたり、構成したり、変更したり、格納したり、および/またはダウンロードしたり、することを可能とするように構成されたような、データアクセスインターフェースを含んでもよい。例えば、ユーザは、データベース311に格納された一つまたは複数の部品構成に関連した、動作パラメータを、動作範囲を、または安全閾値レベルを、変更してもよい。別の実例では、ユーザインターフェースモジュール407は、ユーザに対するガイダンス情報のインターフェースに、少なくとも部分的に、一つまたは複数の注釈、テキストメッセージ、オーディオメッセージ、ビデオメッセージ、またはこれらの組合せ、を含めてもよい。例えば、ユーザインターフェースモジュール407は、UE301のインターフェース内にオーディオ/ビジュアルを提示することにより、例えばエンジンの測定部品の厚さが動作基準もしくは動作閾値を満たさない場合などに、例えば、測定された厚さ、測定に関連したメタデータ、および/または、処理モジュール405によって決定された他のデータ、を描写してもよい。
【0030】
分析プラットフォーム309に関して上述したモジュールおよび構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはこれらの組合せで、実装されてもよい。図3では別個の存在として図示しているけれども、分析プラットフォーム309が、それぞれ対応したUE301によって直接的に操作されるように実装され得ることが、想定されている。よって、分析プラットフォーム309は、UE301のオペレーティングシステムによって直接的に信号入力を生成してもよい。別の実施形態では、モジュール401~407の一つまたは複数は、それぞれ対応したUEsによる操作のために、分析プラットフォーム309として、またはこれらの組合せとして、実装されてもよい。本明細書で提示した様々な実行は、あらゆる構成およびモデルを想定している。
【0031】
図5は、本開示の態様による、測定値を計算するための測定デバイスに関するビデオまたは画像を、例えば図1のノギス100に関するビデオまたは画像を、取得するためのユーザデバイスを図示した図である。図5に示すように、ユーザ203は、機械200の部品の測定するために使用されたノギス100に向けて、UE301のカメラを保持する。分析プラットフォーム309は、UE301のユーザインターフェース501内にオーディオ/ビデオ通知を生成することにより、ユーザ203を、ノギス100に関するビデオまたは複数の画像を取得するためのプロセスにわたって、ガイドしてもよい。このような通知は、様々なセンサベースの測定値に基づくものであってもよく、例えば、UE301の向きを決定するために高度センサによって補強された向きセンサの測定値、UE301の傾斜度合いもしくは降下度合いを検出するための、傾斜センサおよび傾斜計の測定値、等に基づくものであってもよい。分析プラットフォーム309は、センサ305を介して、ノギス100上の各マーカーの位置を検出し得るとともに、それらマーカーどうしの間における既知の距離を取得してもよい。分析プラットフォーム309は、また、センサ305を介して、ノギス100の測定アームどうしが形成する角度を、および/または、ノギス100の測定値を例えば先端107、109間の距離を、検出してもよい。
【0032】
図6は、本開示の態様による、ノギス100の先端どうしの間の距離を計算するための例示的なGUIに関する図である。一実例では、計算モジュール403は、UE301のセンサ305によって取得されたビデオおよび/または画像を処理して分析するために、一つまたは複数の、コンピュータビジョンアルゴリズム、機械学習アルゴリズム、および/またはディープラーニングアルゴリズムを実装してもよい。計算モジュール403は、一つまたは複数のオブジェクトを識別するために例えばノギス100上における各マーカーを識別するために、取得されたビデオおよび/または画像を処理することによって、オブジェクト識別を実行してもよい。その処理は、例えば、取得されたビデオおよび/または画像内における各オブジェクトに対応したピクセルを認識するために、コンピュータビジョンアルゴリズムまたは同等物を使用することを含んでもよい。計算モジュール403は、視覚コンテンツを解析するとともに、識別されたオブジェクトを、事前規定されたカテゴリへと例えば各マーカーに関する事前決定された位置へと、分類することにより、オブジェクト分類を実行してもよい。計算モジュール403は、また、例えばリアルタイムで、または、ほぼリアルタイムで、ビデオをおよび/または画像シーケンスを処理することにより、それらの移動を、例えばノギス100の移動を、追跡してもよい。分析プラットフォーム309は、何ら限定することなく、様々な式に従った計算を実行してもよい。ユーザインターフェース601に示すように、分析プラットフォーム309は、マーカー111、113、115から、既知の距離603、605を取得してもよい。分析プラットフォーム309は、また、旋回点において測定アーム101、103が形成する角度607を、取得してもよい。その後、分析プラットフォーム309は、取得した距離と角度とに少なくとも部分的に基づいて、円弧609、611に関する距離を計算してもよい。例えば、既知の距離603および605を使用することにより、例えば、コンピュータビジョンを介して決定されたマーカーの位置もしくは相対位置と併せて使用することにより、ノギス100の三次元構成を、および/またはマーカーどうしの互いに対する三次元位置を、決定してもよい。このような三次元位置を使用することにより、ノギス100に関する他の特徴が、例えば、アーム101、103の角度、先端107、109間の距離、マーカー111、113間の円弧、または同種のものが、決定されてもよい。図6は、円弧609、611を示しているけれども、距離603、605の間に、所望に応じて複数の円弧が形成され得ることは、理解されよう。円弧609、611の測定を利用することにより、先端107、109間の距離が計算されてもよい。様々な実施形態では、任意の適切な計算が、任意の適切な式が、または、任意の適切な三次元モデリングもしくは三次元位置決めが、使用されてもよい。
【0033】
一実例では、分析プラットフォーム309は、先端107、109間の距離を、データベース311内に格納された基準測定値と比較してもよく、これにより、例えば、部品の磨耗率を決定してもよい。別の実例では、分析プラットフォーム309は、部品の摩耗割合を、動作基準、安全閾値レベル、最小厚さ閾値、部品の推定寿命の閾値割合、または、これらの組合せ、と比較してもよい。分析プラットフォーム309は、その比較に少なくとも部分的に基づいて、部品が安全でないことを決定してもよい。機械200の測定部品が安全でなくて交換する必要があることを、ユーザに対して警告するために、UE301内に、例えばユーザインターフェース613内に、ユーザインターフェースモジュール407を介して、聴覚/通知が生成されてもよい。一実例では、その通知は、測定に関連した情報を記述したデータを含んでもよく、例えば部品の摩耗状態、例えば厚さの減少情報、摩耗割合、全推定寿命に対する割合としての部品の使用量、残りの動作寿命の推定値、部品を使用から取り外すべきかどうか、等を記述したデータを含んでもよい。
【0034】
一実例では、分析プラットフォーム309は、その比較に少なくとも部分的に基づいて、部品の使用が承認されることを決定してもよい。例えば、部品に関する測定値は、基準測定値、閾値要件、またはこれらの組合せ、を満たしている。図7に示すように、機械200の測定部品が使用に際して安全であることを、ユーザに対して通知するために、ユーザインターフェースモジュール407を介して、UE301内に、例えばユーザインターフェース701内に、聴覚/映像通知が生成されてもよい。その通知は、部品のメンテナンス状況、現在の使用量、推定寿命の残存率、等を記述したデータを含んでもよい。
【0035】
様々な実施形態では、本明細書で開示する方法もしくは技法における一つまたは複数の部分は、例えば、図8に示すプロセッサおよびメモリを含んだチップセット内で、実装されてもよい。図8は、本明細書で提示する技法を実行し得る一般的なコンピュータシステムに関する一実装を図示している。コンピュータシステム800は、本明細書で開示する方法、システム、もしくはコンピュータベースの機能、のいずれか一つまたは複数を、コンピュータシステム800に実行させるように実行可能とされた、一組の命令を含んでもよい。コンピュータシステム800は、スタンドアロン型デバイスとして動作してもよい、あるいは、例えばネットワークを使用して、他のコンピュータシステムに対してまたは周辺デバイスに対して、接続されてもよい。
【0036】
ネットワーク展開では、コンピュータシステム800は、サーバの能力で、または、サーバクライアントユーザネットワーク環境におけるクライアントユーザコンピュータとして、または、ピアツーピア(すなわち、分散)ネットワーク環境におけるピアコンピュータシステムとして、動作してもよい。コンピュータシステム800は、また、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、モバイルデバイス、パームトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、通信デバイス、無線電話、固定電話、制御システム、カメラ、スキャナ、ファクシミリ機械、個人用信用性デバイス、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、または、その機械が実行すべき行為を指定する一組の命令(逐次的であるもしくはその他)を実行し得る任意の他の機械、などの様々なデバイスとして、実装したり組み込んだりすることができる。特定の実装では、コンピュータシステム800は、音声、ビデオ、またはデータ通信を提供する電子デバイスを使用して、実装することができる。さらに、コンピュータシステム800は、単一のシステムとして図示されているけれども、「システム」という用語は、また、一つまたは複数のコンピュータ機能を実行するために、一組のもしくは複数組の命令を、個々にもしくは共同で実行するためのシステムまたはサブシステムの任意の集合体を含むものとして、解釈される。
【0037】
図8に図示したように、コンピュータシステム800は、プロセッサ802を含んでもよく、例えば、中央処理装置(CPU)を、グラフィック処理装置(GPU)を、またはこれらの両方を、含んでもよい。プロセッサ802は、様々なシステムで、構成要素とされ得る。例えば、プロセッサ802は、標準的なパーソナルコンピュータの、またはワークステーションの、一部であってもよい。プロセッサ802は、一つまたは複数の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、サーバ、ネットワーク、デジタル回路、アナログ回路、これらの組合せ、あるいは、データを分析して処理するための、現在知られているまたは後に開発される他のデバイス、であってもよい。プロセッサ802は、手動で生成された(すなわち、プログラムされた)コードなどのソフトウェアプログラムを、実装してもよい。
【0038】
コンピュータシステム800は、バス808を介して通信可能なメモリ804を含んでもよい。メモリ804は、メインメモリ、スタティックメモリ、またはダイナミックメモリ、であってもよい。メモリ804は、限定するものではないが、ランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、プログラム可能な読み出し専用メモリ、電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ、電気的に消去可能な読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ、磁気テープもしくは磁気ディスク、光学媒体、および同種のもの、を含めた、様々なタイプの揮発性や不揮発性のストレージ媒体などの、コンピュータ可読ストレージ媒体を含んでもよい。一実装では、メモリ804は、プロセッサ802用の、キャッシュまたはランダムアクセスメモリを、含む。代替可能な実装では、メモリ804は、プロセッサのキャッシュメモリ、システムメモリ、または他のメモリ、などのように、プロセッサ802とは別個とされる。メモリ804は、データを格納するための、外部ストレージデバイスまたは外部データベースであってもよい。例は、ハードドライブ、コンパクトディスク(「CD」)、デジタルビデオディスク(「DVD」)、メモリカード、メモリスティック、フロッピーディスク、ユニバーサルシリアルバス(「USB」)メモリデバイス、または、データを格納するように動作する任意の他のデバイス、を含む。メモリ804は、プロセッサ802によって実行可能な命令を格納するように動作可能である。図面に図示したような、また本明細書で説明するような、機能、行為、またはタスクは、メモリ804に格納された命令を実行するプロセッサ802によって、実行されてもよい。機能、行為、またはタスクは、命令セット、ストレージ媒体、プロセッサ、または処理ストラテジー、に関する特定のタイプとは無関係であるとともに、単独でもしくは組み合わせて動作するような、ソフトウェア、ハードウェア、集積回路、ファームウェア、マイクロコード、および同種のもの、によって実行されてもよい。同様に、処理ストラテジーは、マルチプロセッシング、マルチタスク、並列処理、および同種のもの、を含んでもよい。
【0039】
図示のように、コンピュータシステム800は、ディスプレイ810をさらに含んでもよく、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、フラットパネルディスプレイ、ソリッドステートディスプレイ、陰極線管(CRT)、プロジェクタ、プリンタ、あるいは、決定された情報を出力するための、現在知られているようなまたは後に開発されるような、ディスプレイデバイス、などをさらに含んでもよい。ディスプレイ810は、ユーザがプロセッサ802の機能を見るためのインターフェースとして、具体的には、メモリ804内にまたはドライブユニット806内に格納されたソフトウェアに対するインターフェースとして、機能してもよい。
【0040】
追加的にまたは代替的に、コンピュータシステム800は、ユーザがコンピュータシステム800のいずれかの構成要素に対して相互作用することを可能とするように構成された入出力デバイス812を含んでもよい。入出力デバイス812は、ナンバーパッド、キーボード、マウスなどのカーソル制御デバイス、ジョイスティック、タッチスクリーンディスプレイ、リモートコントロール、または、コンピュータシステム800に対して相互作用するように動作可能とされた任意の他のデバイス、であってもよい。
【0041】
コンピュータシステム800は、また、あるいは代替的には、ディスクドライブまたは光学ドライブとして実装されたドライブユニット806を含んでもよい。ドライブユニット806は、内部に一つまたは複数の命令セット824が組み込まれ得るような、例えば内部にソフトウェアが組み込まれ得るような、コンピュータ可読媒体822を含んでもよい。さらに、命令824は、本明細書で説明するような方法または論理の一つあるいは複数を、具現してもよい。命令824は、コンピュータシステム800による実行時には、完全にもしくは部分的に、メモリ804の内部に、および/またはプロセッサ802の内部に、存在してもよい。メモリ804およびプロセッサ802は、また、上述したように、コンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0042】
いくつかのシステムでは、コンピュータ可読媒体822は、ネットワーク870に対して接続されたデバイスが、ネットワーク870を介して、音声、ビデオ、オーディオ、画像、または任意の他のデータを、通信し得るよう、伝搬信号に応答する命令824を含む、あるいは、そのような命令824を受領して実行する。さらに、命令824は、通信ポートすなわち通信インターフェース820を介して、および/またはバス808を使用して、ネットワーク870上において、送受信されてもよい。通信ポートすなわち通信インターフェース820は、プロセッサ802の一部であってもよい、あるいは、別個の構成要素であってもよい。通信ポートすなわち通信インターフェース820は、ソフトウェア内で作成されてもよい、あるいは、ハードウェア内で物理的に接続されてもよい。通信ポートすなわち通信インターフェース820は、ネットワーク870に対して、外部媒体に対して、ディスプレイ810に対して、または、コンピュータシステム800内の任意の他の構成要素に対して、あるいは、これらの組合せに対して、接続するように構成されてもよい。ネットワーク870に対する接続は、有線イーサネット接続などの物理的接続であってもよい、あるいは、後述するように無線的に確立されてもよい。同様に、コンピュータシステム800の他の構成要素に対する追加的な接続は、物理的な接続であってもよい、あるいは、無線的に確立されてもよい。ネットワーク870は、代替的には、バス808に対して直接的に接続されてもよい。
【0043】
コンピュータ可読媒体822は、単一の媒体であるように示されているけれども、「コンピュータ可読媒体」という用語は、単一の媒体または複数の媒体を含んでもよく、例えば、集中型のもしくは分散型のデータベース、および/または、一つまたは複数の命令セットを格納するような関連キャッシュおよびサーバ、などを含んでもよい。「コンピュータ可読媒体」という用語は、また、プロセッサによる実行のための命令セットを格納したり符号化したりもしくは担持したりすることが可能であるような、あるいは、コンピュータシステムに本明細書で開示する方法もしくは操作のいずれか一つまたは複数を実行させるような、任意の媒体を含んでもよい。コンピュータ可読媒体822は、非一過性のものとされ得るとともに、有形のものであってもよい。
【0044】
コンピュータ可読媒体822は、ソリッドステートメモリを含んでもよく、例えば、一つまたは複数の不揮発性読み取り専用メモリを収容したメモリカードまたは他のパッケージなどを含んでもよい。コンピュータ可読媒体822は、ランダムアクセスメモリまたは他の揮発性再書き込み可能メモリであってもよい。追加的にまたは代替的に、コンピュータ読取可能媒体822は、伝送媒体を介して通信される信号などの搬送波信号を捕捉するためのディスクもしくはテープもしくは他のストレージデバイスなどの、磁気光学媒体または光学媒体を含んでもよい。電子メールまたは他の自己完結型の情報アーカイブまたはアーカイブセットに対するデジタルファイル取付は、有形ストレージ媒体をなす配布媒体とみなされてもよい。したがって、本開示は、内部にデータもしくは命令が格納され得るような、コンピュータ可読媒体すなわち配布媒体、および他の等価物および後継媒体のいずれか一つあるいは複数を含むと考えられる。
【0045】
代替的な実装では、特定用途向け集積回路、プログラマブルロジックアレイ、および他のハードウェアデバイス、などの専用ハードウェア実装が構築されることにより、本明細書で説明する方法の一つまたは複数が実装されてもよい。様々な実装における装置およびシステムを含み得るアプリケーションは、広義には、様々な電子システムおよびコンピュータシステムを含むことができる。本明細書で説明する一つまたは複数の実装は、モジュールどうしの間にわたってまたモジュールを通して通信可能とされた関連した制御信号とデータ信号とを備えるような、二つ以上の特定の相互接続されたハードウェアモジュールまたはハードウェアデバイスを使用して、あるいは特定用途向け集積回路の一部として、機能を実装してもよい。したがって、本システムは、ソフトウェア、ファームウェア、およびハードウェア、の実装を包含する。
【0046】
コンピュータシステム800は、ネットワーク870に対して接続されてもよい。ネットワーク870は、有線ネットワークもしくは無線ネットワークを含めた、一つまたは複数のネットワークを規定してもよい。無線ネットワークは、携帯電話ネットワーク、802.11、802.16、802.20、またはWiMAXネットワーク、とされてもよい。さらに、そのようなネットワークは、インターネットなどのパブリックネットワーク、イントラネットなどのプライベートネットワーク、またはこれらの組合せを含み得るとともに、限定するものではないがTCP/IPベースのネットワーキングプロトコルを含むような、現在利用可能なまたは後に開発される様々なネットワーキングプロトコルを利用してもよい。ネットワーク870は、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、キャンパスエリアネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポートを介したものなどの直接接続、または、データ通信を可能とし得る任意の他のネットワーク、を含んでもよい。ネットワーク870は、あるコンピューティングデバイスを別のコンピューティングデバイスに対して結合するように構成されることで、デバイスどうしの間のデータ通信を可能としてもよい。ネットワーク870は、一般に、あるデバイスから別のデバイスへと情報を通信するために、あらゆる形式の機械可読媒体を採用することが可能とされてもよい。ネットワーク870は、コンピューティングデバイスどうしの間にわたって情報を移動させ得る通信方法を含んでもよい。ネットワーク870は、複数のサブネットワークへと分割されてもよい。サブネットワークは、それに対して接続された他のすべての構成要素に対するアクセスを可能としてもよい、あるいは、サブネットワークは、構成要素どうしの間におけるアクセスを制限してもよい。ネットワーク870は、パブリックネットワーク接続またはプライベートネットワーク接続と見なされ得るとともに、例えば、仮想プライベートネットワークを、パブリックインターネット上で採用される暗号化機構もしくは他のセキュリティ機構を、または同種のものを、含んでもよい。
【0047】
説明する方法における各ステップが、一実施形態では、ストレージ内に格納された命令(コンピュータ可読コード)を実行する処理(すなわち、コンピュータ)システムにおける適切なプロセッサ(または、複数のプロセッサ)によって実行され得ることは、理解されよう。また、本開示が、何らの特定の実装またはプログラミング技法に限定されるものではないこと、また、本開示が、本明細書で説明する機能を実装するための任意の適切な技法を使用して実装され得ることは、理解されよう。本開示は、何らの特定のプログラミング言語またはオペレーティングシステムに限定されるものではない。
【0048】
本発明の例示的な実施形態に関する上記の説明では、本発明の様々な特徴が、開示を簡略化する目的で、また、様々な発明的態様の一つまたは複数の理解を補助する目的で、単一の実施形態、図面、またはその説明において、まとめられていることがあることは、理解されよう。しかしながら、この開示方法は、特許請求される発明が、各請求項内に明示的に記載されている以上の特徴を必要とするという意図を反映しているものとして、解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映しているように、発明的態様は、単一の上記で開示した実施形態におけるすべての特徴よりも少ない。よって、詳細な説明に続く特許請求の範囲は、ここに明示的にこの詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、本発明の個別の実施形態としてそれ自体で成立する。
【産業上の利用可能性】
【0049】
部品の厚さおよび/または摩耗を測定するための開示した方法は、様々な形態の摩耗および/または損傷を受ける任意の適切な機械関して、使用されてもよい。ユーザは、マーカー付きのノギスを使用することにより、機械部品の厚さおよび/または直径を測定してもよい。分析プラットフォーム309は、リアルタイムで、または、ほぼリアルタイムで、ノギスに関するビデオまたは一つまたは複数の画像を、コンピュータビジョン技法を介して処理することにより、マーカーとそれらの位置とを識別し得るとともに、ノギスの測定アームにおける先端どうしの間の距離を計算してもよい。測定に関連した部品の、厚さ、直径、および/または特性を決定するための、本開示による方法は、建設、鉱業、農業、等を含めた産業で稼働している機械に関して、特に適用可能性が見出され得る。機械に関する非限定的な例は、商用機械を含んでもよく、例えば、トラック、クレーン、土木車両、採掘車両、ホイールローダー、バックホー、モーターグレーダー、トラックタイプのトラクター、油圧ショベル、トラックタイプのローダー、資材搬送機器、農業機械、および、他のタイプの移動可能機械、などを含んでもよい。
【0050】
図9は、本開示の態様による、ノギスの測定アームにおける先端どうしの間の距離を決定するためのプロセスに関するフローチャートである。様々な実施形態では、分析プラットフォーム309は、および/またはモジュール401~407のいずれかは、プロセス900の一つまたは複数の部分を実行し得るとともに、例えば、図8に示すようなプロセッサとメモリとを含むチップセット内で、実装されてもよい。よって、分析プラットフォーム309は、および/またはモジュール401~407のいずれかは、プロセス900の様々な部分を達成するための手段を、および、システム300の他の構成要素と組み合わせて本明細書で説明する他のプロセスの実施形態を達成するための手段を、提供してもよい。プロセス900は、複数のステップからなるシーケンスとして図示して説明されているけれども、プロセス900の様々な実施形態が、任意の順序でまたは任意の組合せで実施され得るとともに、図示したすべてのステップを含む必要がないことが、想定されている。
【0051】
ステップ901では、分析プラットフォーム309は、一つまたは複数のセンサを介して、複数のマーカーを有したノギスに関する複数の画像を取得してもよい。例えば、ノギス100の先端107、109は、機械200の部品における反対側に位置した両面上の面に対して接触してもよい。UE301の、例えばカメラなどの、視覚センサは、ノギス100に関するビデオまたは複数の画像を、取得してもよい。UE301は、例えばリアルタイムで、または、ほぼリアルタイムで、取得されたビデオまたは複数の画像を、通信ネットワーク307を介して、分析プラットフォーム309に対して送信してもよい。いくつかの実施形態では、分析プラットフォーム309は、UE301上に少なくとも部分的に実装されてもよい。いくつかの実施形態では、分析プラットフォーム309は、例えばネットワーク870または同種のものによって、UE301に対して通信してもよい。
【0052】
ステップ903では、分析プラットフォーム309は、一つまたは複数のプロセッサを介して、複数のマーカーを有したノギスに関する一つまたは複数の画像を処理することにより、複数のマーカーの位置を決定してもよい。例えば、解析プラットフォーム309は、様々なコンピュータビジョンアルゴリズム、機械学習アルゴリズム、および/またはディープラーニングアルゴリズムを実装することにより、ノギス100に関して受領した複数の画像を処理して解析することで、画像の、可視特徴に対応したピクセルを、例えばノギス100のマーカーの位置に対応したピクセルを、認識してもよい。
【0053】
ステップ905では、分析プラットフォーム309は、一つまたは複数のプロセッサを介して、複数のマーカーの位置を処理することにより、第一測定アームの第一先端と第二測定アームの第二先端との間の距離を決定してもよい。解析プラットフォーム309は、一つまたは複数のプロセッサを介して、マーカーどうしの間の既知の距離、測定アームどうしが形成する角度、既知の距離の間に位置した複数の円弧、またはこれらの組合せ(例えば、図3図7において詳細に説明するように)に少なくとも部分的に基づいて、先端107、109間の距離を計算するための様々な式を、実装してもよい。
【0054】
一実例では、分析プラットフォーム309は、第一先端と第二先端との間の距離を基準測定値と比較することにより、部品の動作特性を、例えば部品の摩耗割合を、決定してもよい。分析プラットフォーム309は、先端107、109間の計算された距離を、事前決定された、動作基準、安全閾値、最小厚さ閾値、最小摩耗割合閾値、またはこれらの組合せ、と比較してもよい。例えば、分析プラットフォーム309は、第一先端と第二先端との間の距離が、事前決定された動作基準を満たしていると決定された時には、摩耗割合が低いことを決定してもよい。分析プラットフォーム309は、また、第一先端と第二先端との間の距離が、事前決定された動作基準を下回っているものと決定された時には、摩耗割合が大きいことを決定してもよい。
【0055】
一実例では、分析プラットフォーム309は、決定された測定値に少なくとも部分的に基づいて、および/または部品に関して決定された動作特性に少なくとも部分的に基づいて、デバイスのユーザインターフェース内に、通知を生成してもよい。一実例では、分析プラットフォーム309は、例えばリアルタイムで、または、ほぼリアルタイムで、UE301のユーザインターフェース内に通知を生成することにより、ユーザに対して、部品を交換するように警告してもよい。別の実例では、分析プラットフォーム309は、UE301のユーザインターフェース内に通知を生成することにより、ユーザに対して、部品が使用に際して安全であることを通知してもよい。通知は、測定情報、測定情報に関連したメタデータ、摩耗割合、部品の全推定寿命に対する使用量の割合、等を含んでもよい(図6および図7において詳細に説明したように)。
【0056】
このように、システム300は、部品に関する正確な摩耗割合推定値を提供することにより、部品が修理/交換されない場合の、または部品の修理/交換が早すぎた場合の、生産性損失の防止を支援してもよい。本開示の一つまたは複数の実施形態は、安全性要件および/またはメンテナンス要件を決定することによって、部品の効率的な使用を促進し得るものであり、これにより、部品に依存した機械の他の部品に対する潜在的な損傷の防止を支援するものである。これにより、ユーザ体験が改良され得るとともに、例えば検査コストや修理メンテナンスコスト等のコストが、削減され得る。
【0057】
本開示の範囲から逸脱することなく、本開示に対して、様々な修正および変形を行うことができることは、当業者には明らかであろう。システムのその他の実施形態は、本明細書および本明細書に開示されるシステムの実践を考慮することで、当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は、例としてのみ考慮されることが意図され、開示の真の範囲は、以下の特許請求の範囲およびそれらの等価物によって示される。
図1
図2A-2B】
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2025-04-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械(200)の部品の寸法を決定するためのシステムであって、
ノギス(100)であり、
第一先端(107)を有した第一測定アーム(101)と、
旋回点を介して前記第一測定アーム(101)に対して接続された第二測定アーム(103)であり、第二先端(109)を有している、第二測定アーム(103)と、
複数のマーカー(111、113、115)であり、前記第一測定アーム(101)と前記第二測定アーム(103)と前記旋回点とのそれぞれ上にそれぞれ対応したマーカーを含む、複数のマーカー(111、113、115)と、を含むノギス(100)と、
モバイルデバイス(301)であり、
画像もしくはビデオを取得するように構成された一つまたは複数のセンサ(305)と、
命令を格納した少なくとも一つのメモリと、
前記一つまたは複数のセンサ(305)に対して、および前記少なくとも一つのメモリに対して、動作可能に接続された一つまたは複数のプロセッサであり、前記命令を実行することにより、
前記一つまたは複数のセンサ(305)を介して、前記複数のマーカー(111、113、115)を有した前記ノギス(100)に関して、一つまたは複数の画像を、一つまたは複数のビデオを、またはこれらの組合せを、取得することと、
前記複数のマーカー(111、113、115)を有した前記ノギス(100)に関する、前記一つまたは複数の画像、前記一つまたは複数のビデオ、またはこれらの組合せ、を処理することにより、前記複数のマーカー(111、113、115)の位置を決定することと、
前記複数のマーカー(111、113、115)の前記位置を処理することにより、前記第一測定アーム(101)の前記第一先端(107)と前記第二測定アーム(103)の前記第二先端(109)との間の距離を決定することと、を含む動作を実行するように構成された一つまたは複数のプロセッサと、を含むモバイルデバイス(301)と、を含む、システム。
【請求項2】
前記第一先端(107)と前記第二先端(109)との間の前記距離を決定することは、
前記複数のマーカー(111、113、115)の前記位置どうしの間における事前規定された距離と、前記第一測定アーム(101)と前記第二測定アーム(103)とが前記旋回点のところで形成する角度(607)と、前記事前規定された距離の間に形成される一つまたは複数の円弧(609、611)と、に基づいて決定することを、さらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第一測定アーム(101)と前記第二測定アーム(103)とは、前記旋回点まわりに回転することにより、前記角度(607)および前記複数の円弧(609、611)を形成する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記動作は、
前記一つまたは複数のプロセッサを介して、前記第一先端(107)と前記第二先端(109)との間の前記距離を、一つまたは複数の基準測定値と比較することを、さらに含み、ここで、前記一つまたは複数の基準測定値は、前記部品に関連した、過去の測定データ、過去のメンテナンスデータ、過去の使用データ、またはこれらの組合せ、を含む、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
前記動作は、
前記第一先端(107)と前記第二先端(109)との間の前記距離が、事前決定された、安全閾値、最小厚さ閾値、最小摩耗割合閾値、またはこれらの組合せ、を満たすかどうかを決定することと、
この決定に応答して、
前記第一先端(107)と前記第二先端(109)との間の前記距離が、事前決定された、前記安全閾値、前記最小厚さ閾値、前記最小摩耗割合閾値、またはこれらの組合せ、を満たしていることに応答して、前記モバイルデバイス(301)のユーザインターフェース(701)内に、前記部品が動作可能な状態であることを示す第一通知を、生成すること、あるいは、
前記第一先端(107)と前記第二先端(109)との間の前記距離が、事前決定された、前記安全閾値、前記最小厚さ閾値、前記最小摩耗割合閾値、またはこれらの組合せ、を満たしていないことに応答して、前記モバイルデバイス(301)の前記ユーザインターフェース(613)内に、前記部品が動作可能な状態ではないことを示す第二通知を生成すること、を選択的に行うことと、をさらに含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記動作は、リアルタイムで、または、ほぼリアルタイムで実行される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ノギス(100)に関して、前記一つまたは複数の画像、前記一つまたは複数のビデオ、またはこれらの組合せ、を取得することは、
前記一つまたは複数のプロセッサを介して、前記モバイルデバイス(301)のユーザインターフェース(501)内に、前記ノギス(100)に関する提示を生成することを、さらに含み、前記提示は、前記モバイルデバイス(301)を位置合わせするための、向きセンサ、傾斜センサ、傾斜計データ、またはこれらの組合せ、に少なくとも部分的に基づく一つまたは複数の通知を含む、請求項1~のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記第一先端(107)は、前記部品の第一面に対して接触するように構成されており、前記第二先端(109)は、前記部品の第二面に対して接触するように構成されており、前記第一面と前記第二面とは、前記部品の反対側に位置した面上に位置している、請求項1~のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記動作は、
前記部品の使用データを、リアルタイムで、または、ほぼリアルタイムで追跡することと、
前記使用データを、前記第一先端(107)と前記第二先端(109)との間の前記距離と比較することにより、前記部品の推定使用寿命を決定することと、
前記使用データが、前記部品の前記推定使用寿命の閾値割合を超えるものと決定した場合には、前記モバイルデバイス(301)のユーザインターフェース(613)内に、通知を生成することと、をさらに含む、請求項1~のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
前記第一先端(107)と前記第二先端(109)との間の前記距離は、前記部品の厚さを示すものである、請求項1~のいずれかに記載のシステム。
【国際調査報告】