(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-01
(54)【発明の名称】病原体サンプル収集デバイス
(51)【国際特許分類】
G01N 1/28 20060101AFI20250624BHJP
G01N 1/22 20060101ALI20250624BHJP
G01N 33/48 20060101ALI20250624BHJP
G01N 33/497 20060101ALI20250624BHJP
C12Q 1/6806 20180101ALI20250624BHJP
【FI】
G01N1/28 J
G01N1/22 S
G01N33/48 S
G01N33/497 A
C12Q1/6806 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024569332
(86)(22)【出願日】2023-05-09
(85)【翻訳文提出日】2024-11-22
(86)【国際出願番号】 IB2023054795
(87)【国際公開番号】W WO2023227985
(87)【国際公開日】2023-11-30
(32)【優先日】2022-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(72)【発明者】
【氏名】シャーマン, オードリー エー.
(72)【発明者】
【氏名】ステパノーヴァ, ナリーナ ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】シッター, ブレット ジェー.
【テーマコード(参考)】
2G045
2G052
4B063
【Fターム(参考)】
2G045CB22
2G045HA06
2G045JA07
2G052AA34
2G052AA36
2G052AD22
2G052AD46
2G052BA21
2G052DA02
2G052DA08
2G052GA29
2G052HB04
2G052JA04
2G052JA08
4B063QA01
4B063QQ03
4B063QQ42
4B063QQ52
4B063QR62
4B063QS10
4B063QS25
4B063QS39
(57)【要約】
病原体サンプル収集デバイスは、容器容積を画定し、開口部を有する液体容器と、容器容積内にあり、液体表面を画定する、ある体積の液体溶離剤と、を含む。気流導管は、呼気入口端から遠位端まで延びている。気流導管は、開口部を通って延びている。気流導管の遠位端は、ある体積の液体溶離剤内又は液体表面の上方に配置され、開口部は、空気出口を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器容積を画定し、開口部を有する液体容器であって、前記容器容積が20mL未満である、液体容器と、
前記容器容積内にあり、液体表面を画定する、ある体積の液体溶離剤と、
呼気入口端から遠位端まで延びている気流導管であって、前記開口部を通って延びている気流導管と、を備え、
前記気流導管の前記遠位端が、前記ある体積の液体溶離剤内又は前記液体表面の上方に配置され、前記開口部が、空気出口を備える、
病原体サンプル収集デバイス。
【請求項2】
容器容積を画定し、開口部を有する液体容器と、
前記容器容積内にあり、液体表面を画定する、ある体積の液体溶離剤と、
呼気入口端から遠位端まで延びている気流導管であって、前記気流導管の前記遠位端から出る一方向の流れのみを可能にするように構成され、前記開口部を通って延びている、気流導管と、を備え、
前記気流導管の前記遠位端が、前記ある体積の液体溶離剤内又は前記液体表面の上方に配置され、前記開口部が、空気出口を備える、
病原体サンプル収集デバイス。
【請求項3】
前記気流導管が、前記気流導管の前記遠位端から出る一方向の流れのみを可能にするように構成されている、請求項1に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項4】
前記容器容積が、15mL未満、又は5mL~10mLの範囲である、請求項1~3のいずれか一項に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項5】
前記液体溶離剤の体積が、5mL未満、又は1mL~5mLの範囲である、請求項1~4のいずれか一項に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項6】
前記気流導管が、前記ある体積の液体溶離剤内に配置される、請求項1~5のいずれか一項に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項7】
前記気流導管の前記遠位端が、前記液体表面の上方にある、請求項1~6のいずれか一項に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項8】
前記気流導管が、前記呼気入口端において第1の開口径を有し、前記遠位端において第2の開口径を有し、前記第2の開口径が、前記第1の開口径よりも小さい、請求項1~7のいずれか一項に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項9】
前記気流導管が、一方向流弁を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項10】
前記開口部と嵌合するように構成された蓋を更に備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項11】
前記気流導管が、前記蓋を通って延びている、請求項10に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項12】
前記蓋が、空気出口を備える、請求項10又は11に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項13】
前記蓋が、スナップ嵌めで前記開口部と係合する、請求項10~12のいずれか一項に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項14】
前記蓋が、前記液体容器の前記開口部において相補的な結合機構と嵌合するための結合機構を備える、請求項10~13のいずれか一項に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項15】
前記結合機構が、ねじ山付き結合機構を備え、前記相補的な結合機構が、ねじ山付き結合機構である、請求項14に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項16】
前記結合機構が、角度付き結合表面を備える、請求項14に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項17】
前記結合機構が、円錐台形部分と、前記円錐台形部分から延びている複数のリブと、を備える、請求項14に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項18】
前記複数のリブが、半径方向リブを含む、請求項17に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項19】
前記複数のリブが、第1の端に隣り合う第1の直径を有する第1のリブと、前記第1の直径よりも大きい第2の直径を有する第2のリブと、を備える、請求項17に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項20】
前記液体溶離剤が、生理食塩水である、請求項1~19のいずれか一項に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項21】
前記液体溶離剤が、界面活性剤を含む生理食塩水である、請求項1~20のいずれか一項に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項22】
前記液体表面と前記液体容器の前記開口部との間に配置された空気多孔質層を更に備え、前記空気多孔質層が、実質的に前記液体容器の内径全体に沿って延びている、請求項1~21のいずれか一項に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項23】
前記空気多孔質層が、前記液体溶離剤を吸収しない、請求項21に記載の病原体サンプル収集デバイス。
【請求項24】
サンプル収集デバイスを使用して病原体サンプルを取得する方法であって、前記サンプル収集デバイスが、
容器容積を画定し、開口部を有する液体容器と、前記容器容積内にあり、液体表面を画定する、ある体積の液体溶離剤と、呼気入口端から遠位端まで延びている気流導管であって、前記気流導管の前記遠位端が、前記ある体積の液体溶離剤内又は前記液体表面の上方に配置される、気流導管と、を備え、
前記方法が、
前記気流導管の前記遠位端から出る呼気気流の噴流を形成するために、前記呼気入口端に吸い込むステップであって、前記呼気気流の噴流は、前記ある体積の液体溶離剤に接触して、前記ある体積の液体溶離剤内の前記呼気気流の噴流からサンプルを捕捉し、液体サンプルを形成する、吸い込むステップを含む、
方法。
【請求項25】
前記気流導管が、前記気流導管の前記遠位端から出る一方向の流れのみを可能にするように構成されている、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記呼気気流の噴流が、前記液体表面に当たる、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記呼気気流の噴流が、前記液体表面の下方の前記ある体積の液体溶離剤に入る、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記吸い込むステップの後に、前記気流導管を前記開口部から取り外すステップを更に含む、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
密封されたサンプルを形成するために前記開口部を密封するステップを更に含む、請求項24~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記開口部にスポイトキャップを取り付けるステップと、前記スポイトキャップから前記サンプルを分注するステップと、を更に含む、請求項24~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記容器容積が、15mL未満、又は5mL~10mLの範囲である、請求項24~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記液体溶離剤の体積が、5mL未満、又は1mL~5mLの範囲である、請求項24~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
病原体について前記液体サンプルを試験するステップを更に含む、請求項24~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
ウイルスについて前記液体サンプルを試験するステップを更に含む、請求項24~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
呼吸から病原体サンプルを収集するためのキットであって、
請求項1~23のいずれか一項に記載の病原体サンプル収集デバイスと、
病原体サンプルを収集するための説明書と、
を備える、キット。
【請求項36】
前記開口部を密封して密封サンプルを形成するように構成された密封キャップを更に備える、請求項35に記載のキット。
【請求項37】
前記開口部と嵌合し、前記病原体サンプルを分注するように構成されたスポイトキャップを更に備える、請求項35又は36に記載のキット。
【請求項38】
前記説明書が、前記病原体サンプルから病原体を収集するための説明を含む、請求項35~37のいずれか一項に記載のキット。
【請求項39】
病原体試験デバイスと、病原体サンプルを試験するための説明書と、を更に備える、請求項35又は38に記載のキット。
【請求項40】
前記説明書が、前記病原体サンプル中のウイルスについて試験することを含む、請求項30に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、病原体サンプル収集デバイスに関する。本開示は、バイオエアロゾル収集デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
気道、咽喉、又は鼻咽頭におけるウイルス又は他の病原体の存在について試験するために使用される診断試験には、典型的に、サンプルを取得するために、鼻腔の後部、鼻腔の中鼻甲介領域、前鼻孔、又は咽喉内へのスワブの挿入を伴う。次いで、スワブを容器内に挿入し、分析するために、又は処理のために実験室に送る。他の診断試験には、唾液サンプルを収集し、次いでそれを容器内に配置することを伴う。現在利用可能な家庭用ウイルス試験(例えば、COVID-19試験)には、鼻スワブ及び試験キット(例えば、Ellume(商標)試験、Abbot(商標)BinaxNOW(商標)試験、及びLucira(商標)オールインワン試験キット)を伴う。鼻スワブサンプル又は唾液を利用する試験は、種々の診断試験と干渉する可能性がある汚染物質と競合する。結果として、これらのサンプルタイプは、RT-PCR分子試験を使用する際に、精製ステップを必要とする。
【発明の概要】
【0003】
収集されたサンプル中の標的ウイルス、標的病原体又は他の標的検体の存在について試験するためのサンプルを取得するために一般の人が使用できる、安価で簡単に使用でき、信頼性の高い、病原体サンプル収集システムが必要とされている。サンプル収集システムは、呼気気流からサンプル収集液体上にサンプルを直接収集するためのサンプル収集デバイスを含んでもよく、サンプル収集デバイスは、サンプルを分析するために、又は試験用の設備にサンプルを移送するために使用されてもよい。
【0004】
使用が容易な病原体サンプル収集デバイスを提供することが望ましい。このデバイスは、有利には、自己収容型であり得、かつ、任意選択的には無菌であり得る。自己収容型(かつ、任意選択には無菌)のデバイスでは、使用時及び/又は試験中に汚染され得るスワブ及び他の試験収集デバイスとは異なり、汚染及び背景ノイズが低減されるため、病原体試験の精度及び信頼性が改善し得る。
【0005】
その後にすすがれる乾燥フィルタ媒体を必要とせずに、空気感染する病原体又は生物学的サンプルを直接捕捉し、試験用のサンプルを収集することが望ましい。この湿潤媒体サンプルは、直接的なサンプル収集後、直接試験されてもよく、又は密封され、任意選択的に、汚染なしで安全に試験するために移送されてもよい。
【0006】
病原体サンプル収集デバイスは、呼気中に見出されるエアロゾルからの病原体又は生物学的サンプルを、例えば、後続の試験のために直接試験又は密封され得る湿潤媒体又は液体媒体中に直接捕捉することを可能にする。バイオエアロゾルが溶出流体に直接衝突することを可能にすることによって、収集されたサンプルを後にすすぎ落とさなければならない乾燥濾過デバイス又は乾燥スワブで生物学的サンプルを捕捉する必要なく、サンプルを捕捉することができる。次いで、収集されたサンプルは、病原体について試験されてもよい。病原菌とは、ウイルス、バクテリア、原生動物、プリオン、ウイロイド、又は真菌などの感染性微生物又は感染因子を指す。例示的な一実施形態では、病原体はウイルスである。
【0007】
一実施形態によれば、病原体サンプル収集デバイスは、容器容積を画定し、開口部を有する液体容器と、容器容積内にあり、液体表面を画定する、ある体積の液体溶離剤と、を含む。気流導管は、呼気入口端から遠位端まで延びている。気流導管は、開口部を通って延びている。気流導管の遠位端は、その体積の液体溶離剤内又は液体表面の上方に配置され、開口部は空気出口を備える。
【0008】
別の実施形態によれば、病原体サンプル収集デバイスは、容器容積を画定し、開口部を有する液体容器と、容器容積内にあり、液体表面を画定する、ある体積の液体溶離剤と、を含む。気流導管は、呼気入口端から遠位端まで延びている。気流導管は、気流導管の遠位端から出る一方向の流れのみを可能にするように構成されている。気流導管は、開口部を通って延びている。気流導管の遠位端は、その体積の液体溶離剤内又は液体表面の上方に配置され、開口部は空気出口を備える。
【0009】
別の実施形態によれば、病原体サンプル収集デバイスは、容器容積を画定し、開口部を有する液体容器を含む。容器容積は、20mL未満である。容器容積内の液体溶離剤の体積は、液体表面を画定する。気流導管は、呼気入口端から遠位端まで延びている。気流導管は、開口部を通って延びている。気流導管の遠位端は、その体積の液体溶離剤内又は液体表面の上方に配置され、開口部は空気出口を備える。
【0010】
病原体サンプル収集デバイスは、ユーザが気流導管に吸い込むことにより、ある体積の液体溶離剤と接触する呼気気流の噴流を形成して、その体積の液体溶離剤内の呼気気流の噴流からサンプルを捕捉するように構成される。気流導管の遠位端は、その体積の液体溶離剤内に配置されてもよい。気流導管の遠位端は、ある体積の液体溶離剤内又は液体表面の上方に配置されてもよい。容器容積は、約15ミリリットル(mL)未満、又は約1~約15mLの範囲であってもよい。液体溶離剤の体積は、5mL未満、又は1mL~5mLの範囲であってもよい。
【0011】
別の実施形態によれば、サンプル収集デバイスを使用して病原体サンプルを取得する方法。サンプル収集デバイスは、容器容積を画定し、開口部を有する液体容器と、容器容積内にあり、液体表面を画定する、ある体積の液体溶離剤と、呼気入口端から遠位端まで延びている気流導管と、を含む。気流導管の遠位端は、その体積の液体溶離剤内又は液体表面の上方に配置される。この方法は、気流導管の遠位端から出る呼気気流の噴流を形成するために、呼気入口端に吸い込むステップを含む。呼気気流の噴流は、その体積の液体溶離剤に接触して、その体積の液体溶離剤内の呼気気流の噴流からサンプルを捕捉し、液体サンプルを形成する。
【0012】
一実施形態によれば、呼吸からサンプルを収集するためのキットは、サンプル収集デバイスと、呼吸サンプルを収集するための説明書と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一実施形態による、病原体サンプル収集デバイスの概略側面図である。
【
図2】病原体サンプルを収集する病原体サンプル収集デバイスの概略側面図である。
【
図3】気流導管が液体容器から取り外されている、病原体サンプル収集デバイスの概略側面図である。
【
図4A】液体容器の開口部がバイアルキャップで密封されている、病原体サンプル収集デバイスの概略側面図である。
【
図4B】液体容器の開口部がスポイトキャップで閉鎖されている、病原体サンプル収集デバイスの概略側面図である。
【
図5】気流導管の周りに配置された空気多孔質層を含む気流導管の実施形態の概略側面図である。
【
図6】半径方向リブを有する角度付き結合表面を含む気流導管の実施形態の概略側面図である。
【0014】
定義
本明細書で使用される全ての科学用語及び技術用語は、別途明記しない限り、当該技術分野で一般に使用される意味を有する。本明細書で与えられる定義は、本明細書で頻繁に用いる特定の用語の理解を容易にするためのものであり、本開示の範囲の限定を意図するものではない。
【0015】
別段の指示のない限り、用語「ポリマー」及び「ポリマー材料」には、有機ホモポリマー、コポリマー(例えば、ブロックコポリマー、グラフトコポリマー、ランダムコポリマー及び交互コポリマーなど)、ターポリマーなど、並びにこれらのブレンド及び修飾体が含まれるが、これらに限定されるものではない。更に、別段の特定の限定がない限り、用語「ポリマー」は、材料の全ての可能な幾何学的配置を包含するものとする。これらの配置としては、アイソタクチック対称、シンジオタクチック対称、及びアタクチック対称が挙げられるがこれらに限定されない。
【0016】
「下流」及び「上流」という用語は、デバイスを通る呼気気流の方向に基づく相対位置を指す。例えば、デバイスの最も上流の要素は呼気入口端であり、デバイスの最も下流の要素は出口部分である。
【0017】
本明細書に記載される全ての見出しは読者の利便性のためのものであって、特に断りのない限り、見出しの後に続く文面の意味を限定するために使用されるものではない。
【0018】
用語「すなわち(i.e.)」は、ここでは、ラテン語の句id estの略語として使用され、「すなわち(that is)」を意味し、「例えば(e.g.)」は、ラテン語の句exempli gratiaの略語として使用され、「例えば(for example)」を意味する。
【0019】
本明細書で使用される全ての科学用語及び技術用語は、別途明記しない限り、当該技術分野で一般に使用される意味を有する。本明細書で与えられる定義は、本明細書で頻繁に用いる特定の用語の理解を容易にするためのものであり、本開示の範囲の限定を意図するものではない。
【0020】
「約(about)」という用語は、本明細書では、当業者によって予想される測定値の通常の変動を含むために数値と共に使用され、「約(approximately)」と同じ意味を有し、記載された値の±5%などの典型的な誤差のマージンをカバーすると理解することができる。更に、別段の指示がない限り、本明細書及び「特許請求の範囲」で使用される、量を表現する全ての数、及び方向/配向(例えば、垂直、水平、平行、直角など)を表す全ての用語は、全ての場合において、用語「おおよそ」によって修飾されていると理解されるものとする。
【0021】
「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」などの用語は、単数の実体のみを指すことを意図するものではなく、具体例を例示するために用いることができる一般的な種類を含む。
【0022】
「a」、「an」、及び「the」という用語は、「少なくとも1つ」という用語と互換的に用いられる。列挙に後続する「~のうちの少なくとも1つ」及び「~のうちの少なくとも1つを含む」という語句は、列挙内の項目のうちのいずれか1つ、及び列挙内の2つ以上の項目の任意の組み合わせを指す。
【0023】
本明細書で使用されるとき、「又は」という用語は、内容がそうでない旨を特に明示しない限り、概して「及び/又は」を含む通常の意味で使用される。「及び/又は」という用語は、列挙された要素のうちの1つ若しくは全て、又は列挙された要素のうちのいずれか2つ以上の組み合わせを意味する。
【0024】
端点による数値範囲の列挙は、その範囲内に包含される全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含み、あるいは10以下は、10、9.4、7.6、5、4.3、2.9、1.62、0.3などを含む)。値の範囲が特定の値「まで」又は「少なくとも」特定の値である場合、その値は、その範囲内に含まれる。
【0025】
本明細書で使用される場合、「有する(have)」、「有する(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」などは、オープンエンドの意味で用いられ、通常、「含むが、これらに限定されない」という意味である。「から本質的になる(consisting essentially of)」、「からなる(consisting of)」などは、「含む(comprising)」などに包含されることが理解されるであろう。本明細書で使用される場合、「から本質的になる」は、組成物、生成物、方法などに関する場合、その組成物、生成物、方法などの構成要素が、列挙されている構成要素と、その組成物、生成物、方法などの基本的特性及び新規の特性(単数又は複数)に対して実質的に影響を及ぼさない任意の他の構成要素とに限定されることを意味する。
【0026】
本明細書で使用される「実質的」という用語は、「有意に」と同じ意味を有し、後に続く用語を少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約98%だけ修飾すると理解することができる。本明細書で使用される「実質的に~ではない」という用語は、「有意に~ではない」と同じ意味を有し、「実質的」の逆の意味を有すると理解することができ、すなわち、後に続く用語を10%以下、5%以下、又は2%以下だけ修飾すると理解することができる。
【0027】
「好ましい」及び「好ましくは」という単語は、ある特定の状況においてある特定の利益を供し得る実施形態を指す。しかしながら、他の実施形態もまた、同じ又は他の状況下で好ましい場合がある。更には、1つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用ではないことを示唆するものではなく、特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を排除することを意図するものではない。
【0028】
本明細書において言及される、「前」、「後」、「頂部」、「底部」、「左」、「右」、「上側」、「下側」、並びに他の方向及び向きなどの方向はいずれも、本明細書では、図に関する明確性のために記載されるものであり、実際のデバイス若しくはシステム、又はデバイス若しくはシステムの使用を限定するものではない。本明細書に記載されるようなデバイス又はシステムは、いくつかの方向及び向きで使用することができる。
【0029】
本明細書において言及される、「頂部」、「底部」、「左」、「右」、「上側」、「下側」、並びに他の方向及び向きなどの方向はいずれも、本明細書では、図に関する明確性のために記載されるものであり、実際のデバイス若しくはシステム、又はデバイス若しくはシステムの使用を限定するものではない。本明細書に記載されるようなデバイス又はシステムは、いくつかの方向及び向きで使用することができる。
【0030】
「病原菌」という用語は、ウイルス、バクテリア、原生動物、プリオン、ウイロイド、又は真菌などの感染性微生物又は感染因子を指す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本開示は、病原体サンプル収集デバイスに関する。本開示は、バイオエアロゾルサンプル収集デバイスに関する。
【0032】
本明細書に記載される病原体サンプル収集デバイスは、乾燥フィルタ媒体を必要とせずに、湿潤媒体又は液体溶離剤を用いて、空気感染する病原体又は生物学的サンプルを直接捕捉する。この湿潤媒体サンプルは、直接的なサンプル収集後、直接試験されてもよく、又は密封され、任意選択的に、汚染なしで安全に試験するために移送されてもよい。直接試験することができる湿潤媒体又は溶離剤を用いて空気感染する病原体又は生物学的サンプルを直接捕捉することは、汚染の可能性及び誤差を低減又は排除し、サンプル及び試験の信頼性を改善する。
【0033】
本明細書に記載される病原体サンプル収集デバイスは、消費者の気道又は呼気から病原体又は生物学的サンプルを捕捉するために現在使用されている任意の乾燥媒体の必要性を排除する。
【0034】
病原体サンプル収集デバイスは、容器容積を画定し、開口部を有する液体容器と、容器容積内にあり、液体表面を画定する、ある体積の液体溶離剤と、呼気入口端から遠位端まで延びている気流導管と、を含む。気流導管の遠位端は、その体積の液体溶離剤内又は液体表面の上方に配置される。
【0035】
病原体サンプル収集デバイスは、容器容積を画定し、開口部を有する液体容器と、容器容積内にあり、液体表面を画定する、ある体積の液体溶離剤と、呼気入口端から遠位端まで延びている気流導管と、を含む。気流導管は、遠位端から出る一方向の流れのみを可能にするように構成されてもよい。気流導管の遠位端は、その体積の液体溶離剤内又は液体表面の上方に配置される。
【0036】
病原体サンプル収集デバイスは、容器容積を画定し、開口部を有する液体容器を含む。容器容積は、20mL未満であってもよい。容器容積内の液体溶離剤の体積は、液体表面を画定する。気流導管は、呼気入口端から遠位端まで延びている。気流導管は、開口部を通って延びている。気流導管の遠位端は、その体積の液体溶離剤内又は液体表面の上方に配置され、開口部は空気出口を備える。気流導管の遠位端は、液体表面と同一平面上にあってもよい。
【0037】
気流導管は、必要に応じて消費者の口又は鼻と嵌合するように構成され得る呼気入口端を有する。気流導管の遠位端は、その体積の液体溶離剤の液体表面又は液体レベルに隣り合ってもよい。気流導管の遠位端は、液体表面から離れていてもよい。気流導管の遠位端は、少なくとも1mL、又は1mL~10mLの範囲、又は1mL~5mLの範囲、又は1mL~3mLの範囲の距離だけ液体表面から離れていてもよい。
【0038】
気流導管の遠位端は、その体積の液体溶離剤の液体表面又は液体レベル内に配置されてもよい。気流導管の遠位端は、その体積の液体溶離剤の液体表面又は液体レベルの上方にあってもよい。出願人は、その体積の液体溶離剤の表面に衝突する呼気の噴流が、消費者の呼気から病原体又は生物学的サンプルを捕捉することを見出した。
【0039】
気流導管は、呼気入口端において第1の開口径を有し、遠位端において第2の開口径を有してもよく、第2の開口径は、第1の開口径よりも小さい。この構成は、呼気入口端への気流速度と比較して、気流導管の遠位端から流出する呼気の速度を上昇させ得る。気流導管の遠位端から流出する呼気のこの速度上昇は、その体積の液体溶離剤の液体表面上又は内に衝突し得る呼気気流の噴流を形成し得る。
【0040】
気流導管は、液体容器の開口部と嵌合するための蓋又は結合機構を含んでもよい。結合機構及び液体容器の開口部は、液体容器の開口部との結合機構の確実な取り付けを提供するために、相補的な結合機構を有してもよい。気流導管は、蓋又は結合機構と一体的に形成されてもよい。気流導管は、蓋又は結合機構に固定されてもよい。
【0041】
蓋又は結合機構は、スナップ嵌め機構を用いて開口部と係合するように構成されてもよい。蓋又は結合機構は、ねじ山付き結合機構又はねじ嵌め機構を用いて開口部と係合するように構成されてもよい。開口部と蓋又は結合機構の両方は、相補的なねじ山付き結合機構又はねじ嵌め機構を有してもよい。
【0042】
この蓋又は結合機構は、気流導管が液体容器に嵌合すると、空気が液体容器から逃げることを可能にする空気出口を含んでもよい。「蓋」及び「結合機構」という用語は、本明細書では互換的に使用される。
【0043】
結合機構は、液体容器の開口部と嵌合する円錐台形状などの角度付き表面を有してもよい。結合機構は、液体容器の開口部と係合する1つ以上の半径方向リブを有してもよい。半径方向リブは、結合端に隣り合う第1の直径を有する第1のリブと、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する第2のリブと、を備えてもよい。
【0044】
気流導管は、遠位端から出る一方向の流れのみを可能にするように構成されてもよい。この機構は、気流導管の呼気入口端に向かう液体溶離剤の逆流を軽減又は防止する。気流導管は、一方向流弁又は逆止弁を含むことができる。一方向流弁は、ボール型逆止弁、スイング型逆止弁、インライン逆止弁、傾斜ディスク逆止弁、リフト型逆止弁などを含んでもよい。
【0045】
気流導管の呼気入口端は、呼気ピースを形成してもよく、又はマウスピース若しくはノーズピースなどの呼気ピースに結合してもよい。呼気ピースは、口又は鼻のいずれかを通る呼気に適応するように構成されてもよい。鼻呼気ピースは、消費者の鼻を包囲し、鼻呼気が収集され、病原体サンプル収集デバイスの気流導管を通って伝達されることを可能にするように構成されてもよい。
【0046】
気流導管結合機構は、任意の好適な機構を用いて液体容器の開口部と嵌合又は結合してもよい。例えば、結合機構と開口部とは、バヨネット結合、締まり嵌め、スナップ嵌め、又はねじ結合によって結合されてもよい。一実施形態では、結合機構と開口部とは、バヨネット結合によって結合される。バヨネット結合するように構成された場合、結合機構は1つ以上の突出部を含んでもよく、開口部は、1つ以上の突出部を受容して案内するように構築された1つ以上の対応する溝を含んでもよい。代替的には、1つ以上の突出部が開口部上にあってもよく、1つ以上の溝が結合機構上にあってもよい。
【0047】
気流導管及び液体容器は、任意の好適な材料で形成されてもよい。ハウジングは、プラスチック、金属、ガラスなど、又はそれらの組み合わせのような剛性材料で形成されてもよい。
【0048】
液体容器は、少量の液体を収容することができる。液体容器は、医療用収集バイアルに典型的な容積を有してもよい。液体容器は、50mL未満、又は40mL未満、又は30mL未満、又は20mL未満、又は15mL未満、又は1mL~50mLの範囲、又は2mL~20mLの範囲、又は5mL~10mLの範囲の容積を有してもよい。
【0049】
液体溶離剤の体積は、25mL未満、又は15mL未満、又は10mL未満、又は5mL未満、又は1mL~25mLの範囲、又は1mL~10mLの範囲、又は1mL~5mLの範囲であってもよい。病原体サンプルの収集は、サンプルが少量に濃縮されるので、少量の液体溶離剤においてより効果的であり得る。
【0050】
サンプル収集システムは、キットとして提供されてもよい。キットは、上述のようなサンプル収集デバイスと、収集されたサンプルを密封するか、又はサンプルを試験デバイス内に方向付けるように構成される、1つ以上の開口部アダプタとを含んでもよい。例えば、サンプルが収集され、気流導管が液体容器から取り外されると、消費者は、シール蓋を液体容器の開口部に結合して、後続の試験のために収集されたサンプルを保存することができる。代替的に又は追加的に、サンプルが収集され、気流導管が液体容器から取り外されると、消費者は、スポイト蓋を液体容器の開口部に結合して、収集されたサンプルを試験デバイス上に滴下して分注してもよい。
【0051】
液体溶離剤は、水性液体であってもよい。液体溶離剤は、緩衝溶液であってもよい。液体溶離剤は、水性緩衝溶液であってもよい。液体溶離剤は、生理食塩水であってもよい。液体溶離剤は、界面活性剤を含んでもよい。液体溶離剤(例えば、緩衝液又は生理食塩水)は、0.1重量%以上又は0.5重量%以上、かつ1重量%まで又は2重量%までの界面活性剤を含んでもよい。
【0052】
図1は、一実施形態による、病原体サンプル収集デバイス100の概略側面図である。
図2は、病原体サンプルを収集している病原体サンプル収集デバイス100の側面概略図である。
図3は、気流導管120が液体容器102から取り外されている、病原体サンプル収集デバイス100の概略側面図である。
【0053】
病原体サンプル収集デバイスは、容器容積を画定し、開口部105を有する液体容器102を含む。容器容積は、20mL未満であってもよい。ある体積の液体溶離剤110が、容器容積内に保持され、液体表面112を画定する。気流導管120は、呼気入口端122から遠位端124まで延びている。気流導管120は、遠位端124から出る一方向の流れのみを可能にするように構成されてもよい。気流導管の遠位端124は、その体積の液体溶離剤110内又は液体表面112の上方に配置される。
【0054】
気流導管120は、遠位端124から出る一方向の流れのみを可能にするように構成されている。この機構は、気流導管120の呼気入口端122に向かう液体溶離剤110の逆流を軽減又は防止する。気流導管120は、一方向流弁130又は逆止弁130を含んでもよい。一方向流弁130は、ボール型逆止弁、スイング型逆止弁、インライン逆止弁、傾斜ディスク逆止弁、リフト型逆止弁などを含んでもよい。
【0055】
気流導管120の遠位端124は、その体積の液体溶離剤110内に配置されてもよく、気流導管120の遠位端124全体がその体積の液体溶離剤110内に浸漬される。これらの実施形態では、呼気気流140は、呼気入口端122に入り、気流導管120を通って遠位端124に流れる。遠位端124を出るこの呼気気流は、その体積の液体溶離剤110に浸透する呼気気流の噴流145を形成する。したがって、病原体又は生物学的サンプルは、液体溶離剤110によって捕捉される。呼気気流は、液体溶離剤110から移動して液体容器102から出て、結合機構125を通る任意選択の空気出口を介して呼気出口気流149を形成する。
【0056】
気流導管120の遠位端124は、液体溶離剤110の液体表面112と同一平面上にあってもよく、気流導管120の遠位端124は、液体溶離剤110の液体表面112の下方にない。これらの実施形態では、呼気気流140は、呼気入口端122に入り、気流導管120を通って遠位端124に流れる。遠位端124を出るこの呼気気流は、表面に衝突して、液体溶離剤110の液体表面112に浸透し得る呼気気流の噴流145を形成する。したがって、病原体又は生物学的サンプルは、液体溶離剤110によって捕捉される。呼気気流は、液体溶離剤110から移動して液体容器102から出て、結合機構125を通る任意選択の空気出口を介して呼気出口気流149を形成する。
【0057】
気流導管120の遠位端124は、液体溶離剤110の液体表面112の上方にあってもよく、その結果、遠位端124は、液体溶離剤110の液体表面112から離間している。これらの実施形態では、呼気気流140は、呼気入口端122に入り、気流導管120を通って遠位端124に流れる。遠位端124を出るこの呼気気流は、表面に衝突して、液体溶離剤110の液体表面112に浸透し得る呼気気流の噴流145を形成する。したがって、病原体又は生物学的サンプルは、液体溶離剤110によって捕捉される。呼気気流は、液体溶離剤110から移動して液体容器102から出て、結合機構125を通る任意選択の空気出口を介して呼気出口気流149を形成する。
【0058】
病原体サンプルがその体積の液体溶離剤110内に直接収集されると、気流導管120は液体容器102から取り外され、次いで試験され、又は密封され、続いて試験される。
【0059】
図4Aは、液体容器102の開口部105がバイアルキャップ又はシールキャップ150で密封されている、病原体サンプル収集デバイス100の概略側面図である。
図4Bは、液体容器102の開口部105がスポイトキャップ160で閉鎖されている、病原体サンプル収集デバイス100の概略側面図である。
【0060】
シールキャップ150又はスポイトキャップ160は、任意の有用な機構を介して開口部105に結合されてもよい。例えば、シールキャップ150又はスポイトキャップ160は、バヨネット結合、締まり嵌め、スナップ嵌め、又はねじ結合によって開口部105に結合されてもよい。
【0061】
図5は、気流導管120の周りに配置された任意選択の空気多孔質層170を含む気流導管120の実施形態の概略側面図である。存在する場合、空気多孔質層170は、病原体サンプル収集中に気泡又は液体飛散が液体容器102から出るのを防止するための液体バリアとして機能し得る。空気多孔質層170は、液体溶離剤110を吸収しなくてもよい。空気多孔質層170は、液体容器102の液体表面112と開口部105との間に配置されてもよい。空気多孔質層170は、実質的に液体容器102の内径全体に沿って延びていてもよい。
【0062】
図6は、鼻機構128と、リブ129を有する角度付き結合表面125とを含む気流導管120の実施形態の概略側面図である。結合機構125は、円錐台形部分と、円錐台形部分から延びている複数のリブ129と、を画定し得る。複数のリブ129は、半径方向リブ129を含んでもよい。半径方向リブ129は、
図6に示すように、結合端に隣り合う第1の直径を有する第1のリブと、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する第2のリブと、を画定してもよい。
【0063】
図示した実施形態では、結合機構125は、円錐台形部分と、円錐台形部分から外向きに延びている1つ以上のリング又はリブ129とを含む。円錐台形部分は、図示するように、一端に向かって先細になっていてもよい。リブ129は、液体容器102の開口部105の内表面と少なくとも部分的に係合する。一実施形態によれば、リブ129は、変形可能であってもよい。すなわち、結合機構125が液体容器102の開口部105に挿入されると、リブ129は変形してそれらの降伏点を超え、液体容器102の開口部105への締まり嵌めを提供する。円錐台形部分125はまた、嵌め合いの補助となる可撓性を更に提供する、薄い壁によって形成されてもよい。
【0064】
複数のリブ129は、異なるサイズ又は直径を有してもよい。リブ129のサイズは、一端に隣り合う最小直径で始まり、他端に隣り合う最大直径で終わるように、徐々に拡大してもよい。すなわち、複数のリブ29は、少なくとも、一端に隣り合う第1の直径を有する第1のリブと、一端から更に離れた、第1の直径よりも大きい第2の直径を有する第2のリブと、を含んでもよい。複数のリブ129は、直径が徐々に拡大する、複数の追加のリブを更に含んでもよい。異なるサイズのリブ129及び先細になっている円錐台形部分125によって、異なる内径の液体容器102の開口部105に、結合機構125のねじ山又は外径の特定の寸法に関係なく接続できるようになる。
【0065】
図示した実施形態では、リブ129は、円錐台形部分125の周りに円周方向に延びる半径方向リブである。ただし、いくつかの実施形態では、リブ129は、液体容器102の内側との機械的締まり嵌めを容易にする異なる形状を有する。例えば、リブ129は、円錐台形部分125の周りに部分的にのみ延びてもよく、又は円錐台形部分125に沿って軸方向に延びているフィンを形成してもよく、又はくさびを形成してもよい。
【0066】
病原体サンプル収集デバイス100は、消費者が鼻又は口のいずれかを通じて気流導管120の呼気入口端122の中に吐き出し、この呼気気流145又は気流導管120の遠位端124から出る呼気気流145の噴流を衝突させることによって、消費者によって利用されてもよい。呼気気流の噴流145は、その体積の液体溶離剤110と接触して、その体積の液体溶離剤110内の呼気気流145の噴流からサンプルを捕捉する。
【0067】
次いで、消費者は、収集されたサンプルを試験してもよい、又は後続の試験のために収集されたサンプルを密封してもよい。
【0068】
サンプル収集デバイスは、機械可読光学ラベルを更に備えてもよい。そのようなラベルは、例えば、バーコード及びQR(クイックレスポンス)コードを含んでもよい。機械可読光学ラベルは、デバイスを識別するように構成されてもよい。機械可読光学ラベルを読み取ることのできる電子リーダを使用して、結果を読み取って記録してもよい。電子リーダは、例えば、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、又は、バーコードリーダ若しくはQRコードリーダであってもよい。電子リーダを更に使用して、例えば医療従事者又はデータベースに結果を送信してもよい。
【0069】
別の構成では、キットは、サンプル収集デバイスと、サンプルを収集するための説明書と、を含み得る。説明書は、サンプル収集デバイスの中に呼気し、次いで、液体サンプルを試験するための、又は後続の試験のために液体サンプルを密封するための説明を含んでもよい。説明書は、電子リーダを使用して光学ラベルを読み取るための説明を更に含んでもよい。
【0070】
説明書は、病原体サンプルから病原体を収集するための説明を含んでもよい。キットは、病原体試験デバイスと、病原体サンプルを試験するための説明書と、を含んでもよい。病原体試験デバイスは、液体アッセイデバイスであってもよい。液体アッセイデバイスは、例えば、垂直流アッセイデバイス又は水平流アッセイデバイスであってもよい。一実施形態では、説明書は、病原体サンプル中のウイルスについて試験するステップを含む。
【0071】
本明細書で言及した全ての参考文献及び刊行物は、これらが本開示に直接矛盾し得る場合を除き、これらの全体が参照により本開示に明示的に組み込まれる。特定の実施形態が本明細書において図示及び説明されているが、図示及び記載されている特定の実施形態は、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な代替的実装態様及び/又は等価の実装態様によって置き換えられ得ることが、当業者には理解されよう。本開示は、本明細書に記載される例示的な実施形態及び実施例によって不当に制限されるものではないこと、並びにそのような実施例及び実施形態は、本明細書に記載される特許請求の範囲によってのみ制限されることが意図される本開示の範囲内の単なる例示として示されることを理解されたい。
【国際調査報告】