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特表2025-520092付加製造のためのグレースケール領域印刷
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-01
(54)【発明の名称】付加製造のためのグレースケール領域印刷
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/34 20140101AFI20250624BHJP
   B23K 26/21 20140101ALI20250624BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20250624BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20250624BHJP
   B29C 64/153 20170101ALI20250624BHJP
   B29C 64/268 20170101ALI20250624BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20250624BHJP
   B22F 10/36 20210101ALI20250624BHJP
   B22F 10/38 20210101ALI20250624BHJP
   B22F 10/34 20210101ALI20250624BHJP
   B22F 12/44 20210101ALI20250624BHJP
【FI】
B23K26/34
B23K26/21 Z
B33Y10/00
B33Y30/00
B29C64/153
B29C64/268
B22F10/28
B22F10/36
B22F10/38
B22F10/34
B22F12/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024569791
(86)(22)【出願日】2023-05-25
(85)【翻訳文提出日】2025-01-22
(86)【国際出願番号】 US2023067516
(87)【国際公開番号】W WO2023230586
(87)【国際公開日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】17/827,393
(32)【優先日】2022-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517405068
【氏名又は名称】シューラット テクノロジーズ,インク.
【氏名又は名称原語表記】SEURAT TECHNOLOGIES INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】フェレーリ ニコラス シー.
(72)【発明者】
【氏名】クック エイプリル エル.
(72)【発明者】
【氏名】ダンムゥ ニン
(72)【発明者】
【氏名】シェン イユ
(72)【発明者】
【氏名】メロ ブランドン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】リード フランシス エル.
(72)【発明者】
【氏名】バイラミアン アンドリュー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】カムサド コロッシュ
(72)【発明者】
【氏名】デムス ジェイムズ エー.
【テーマコード(参考)】
4E168
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
4E168BA35
4E168BA81
4E168CB04
4E168DA02
4E168DA03
4E168DA13
4E168DA23
4E168DA24
4E168DA25
4E168DA26
4E168DA28
4E168DA43
4E168EA15
4F213AC04
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL03
4F213WL14
4F213WL43
4F213WL76
4F213WL85
4K018CA44
4K018EA51
4K018EA60
(57)【要約】
付加製造システムは、1つ以上の光源と1つ以上の光弁を含む。当該光弁には2次元グレースケールパターンが書き込まれ得、当該2次元グレースケールパターンは、1つ以上のパターニングされたビームを得るために光弁が1つ以上の光源からのビームに付加する。1つ以上のパターニングされたビームは、粉末のレイヤ上の複数の領域のうちの各領域に方向付けられる。粉末のレイヤに入射するパターニングされたビームの各ピクセル位置で望まれる材料特性を達成するために、2次元グレースケールパターンが選択される。光弁は、振幅、位相、又はコヒーレンスのうちの1つ以上を変調し得る。材料特性は、ヤング係数、気孔率、粒子サイズ、及び結晶微細構造のうちの1つ以上を含み得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
印刷平面上に粉末のレイヤを蓄積することと、
光弁に2次元グレースケールパターンを書き込むこと、
前記2次元グレースケールパターンに対応する2次元流束パターンを持つパターニングされたビームを得るために、光源から最初の光ビームを前記光弁上に放射すること、及び
溶解した部分を得るために、前記パターニングされたビームを粉末の前記レイヤの領域上に方向付けすることであって、前記溶解した部分は前記2次元グレースケールパターンに対応して2次元に変化する材料特性を持つ、前記方向付けすること、を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記2次元グレースケールパターンは少なくとも3個の強度レベルを持つ、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記2次元グレースケールパターンは、少なくとも128個のレベルの範囲から選択される少なくとも3個の強度レベルを持つ、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記パターニングされたビームを得るために、前記光弁は前記最初の光ビームの振幅を変調する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記パターニングされたビームを得るために、前記光弁は前記最初の光ビームの位相を変調する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記パターニングされたビームを得るために、前記光弁は前記最初の光ビームのコヒーレンスを変調する、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記光源は第1の光源であり、前記光弁は第1の光弁であり、前記2次元グレースケールパターンは第1の2次元グレースケールパターンであり、前記パターニングされたビームは第1のパターニングされたビームであり、前記方法は、
第2の光弁に第2の2次元グレースケールパターンを書き込み、
低流束のパターニングされたビームを得るために前記第2の光弁上に低流束のビームを放射することであって、前記低流束のビームは粉末の前記レイヤを溶解するには不十分であり、且つ、前記第1のパターニングされたビームよりも低い流束を持つ、前記放射すること、及び、
前記第1のパターニングされたビームを前記領域上に方向付けするのと同時に前記領域上に前記低流束のパターニングされたビームを方向付けすること、を含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記第1のパターニングされたビームは1つ以上の第1のパルスを含み、前記低流束のビームは1つ以上の第2のパルスを含み、前記1つ以上の第2のパルスは前記1つ以上の第1のパルスよりも長い、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記材料特性はヤング係数を含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記材料特性は気孔率を含む、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記材料特性は粒子サイズを含む、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記材料特性は結晶微細構造を含む、方法。
【請求項13】
システムであって、
ビルドプレーン上に粉末のレイヤを堆積するように構成された粉末伝達システムと、
光弁と、
一連の2次元グレースケールパターンを前記光弁に書き込むように構成されたパターニングユニットと、
前記一連の2次元グレースケールパターンのうちの各2次元グレースケールパターンに対応するパターニングされたビームを前記光弁が出力するように、前記光弁上に最初の光ビームを放射するように構成された光源と、
前記一連の2次元グレースケールパターンに従って粉末の前記レイヤの部分を選択的に溶解するために、前記パターニングされたビームを前記ビルドプレーンの複数の領域に方向付けるように構成されたビーム方向付け器と、及び、
前記光源、前記パターニングユニット、及び前記ビーム方向付け器に接続され、且つ、前記部分内で2次元的に変化する材料特性を達成するために前記一連の2次元グレースケールパターンを生成するように構成されたコントローラと、を含む、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、
前記コントローラは更に、前記複数の領域のうちの各領域にパルスのパターンを適用するために、前記一連の2次元グレースケールパターンを生成するように構成された、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、前記一連の2次元グレースケールパターンは、ピクセル位置のアレイを定義し、ピクセル位置の前記アレイのピクセル位置毎にパルスの前記パターンを独立的に制御するように前記コントローラが構成されている、システム。
【請求項16】
請求項13に記載のシステムであって、
前記光源は第1の光源であり、前記光弁は第1の光弁であり、前記最初の光ビームは第1の最初の光ビームであり、前記パターニングされたビームは第1のパターニングされたビームであり、前記一連の2次元グレースケールパターンは一連の第1の2次元グレースケールパターンであり、
前記システムは更に
第2の光弁と、
前記第2の光弁上に第2の最初の光ビームを放射するように構成された第2の光源であって、前記第2の光源は前記第1の光源よりも低く粉末の前記レイヤを溶解するには不十分な流束を持つ、前記第2の光源と、
を含み、
前記パターニングユニットは、一連の第2の2次元グレースケールパターンのうちの各第2の2次元グレースケールパターンに対応する第2のパターニングされたビームを前記第2の光弁が出力するように、一連の第2の2次元グレースケールパターンを前記第2の光弁に書き込むように構成され、且つ、
前記一連の第1の2次元グレースケールパターンと前記一連の第1の2次元グレースケールパターンとは、ピクセル位置のアレイを定義し、前記コントローラは、ピクセル位置の前記アレイのピクセル位置毎に、前記第1のパターニングされたビームにおいて第1のパルスの第1のパターンを独立的に制御し、且つ、ピクセル位置の前記アレイのピクセル位置毎に、前記第2のパターニングされたビームにおいて第2のパルスの第2のパターンを独立的に制御するようにプログラムされている、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、
前記第1の光源は高流束レーザであり、前記第2の光源はダイオードレーザである、システム。
【請求項18】
請求項13に記載のシステムであって、前記コントローラは、少なくとも128個のレベルの範囲から選択される少なくとも3個の強度レベルを含む前記一連の2次元グレースケールパターンのうちの少なくとも1個のパターンを行うように構成されている、システム。
【請求項19】
請求項13に記載のシステムであって、
前記光弁は、
前記パターニングされたビームを得るために、前記最初の光ビームの振幅、
前記パターニングされたビームを得るために、前記最初の光ビームの位相、又は
前記パターニングされたビームを得るために、前記最初の光ビームのコヒーレンス、
のうちの1つを変調するように構成されている、システム。
【請求項20】
請求項13に記載のシステムであって、
前記材料特性は、ヤング係数、気孔率、粒子サイズ、及び結晶微細構造のうちの1つ以上を含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのクロスリファレンス]
本出願は、2020年11月6日出願の米国特許出願番号17/091,915の一部継続出願であり、当該米国特許出願番号17/091,915は2016年10月28日出願の米国特許出願番号15/337,507の一部継続出願であり、当該米国特許出願番号15/337,507は、以下の仮出願の利益を主張する。
【0002】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,758、
【0003】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,765、
【0004】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,770、
【0005】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,776、
【0006】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,783、
【0007】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,791、
【0008】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,799、
【0009】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,966、
【0010】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,968、
【0011】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,969、
【0012】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,980、
【0013】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,989、
【0014】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,780、
【0015】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,787、
【0016】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,795、
【0017】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,821、
【0018】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,829、
【0019】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,833、
【0020】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,835、
【0021】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,839、
【0022】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,841、
【0023】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,847、及び
【0024】
2015年10月30日出願の米国特許出願番号62/248,848。
【0025】
本出願は、2018年5月11日出願の米国特許出願番号15/977,476の一部継続出願であり、当該米国特許出願番号15/977,476は2017年5月11日出願の米国仮特許出願番号62/504,853の利益を主張する。
【0026】
本出願は、2021年10月20日出願の米国特許出願番号17/506,349の一部継続出願であり、当該米国特許出願番号17/506,349は2020年10月23日出願の米国仮特許出願番号63/105,066の利益を主張する。
【0027】
本出願は、2021年10月28日出願の米国特許出願番号17/513,005の一部継続出願であり、当該米国特許出願番号17/513,005は2020年10月29日出願の米国仮特許出願番号63/107,077の利益を主張する。
【0028】
本出願は、2021年10月28日出願の米国特許出願番号17/513,402の一部継続出願であり、当該米国特許出願番号17/513,402は2020年10月29日出願の米国仮特許出願番号63/107,303の利益を主張する。
【0029】
本出願は、2021年10月28日出願の米国特許出願番号17/513,230の一部継続出願であり、当該米国特許出願番号17/513,230は2020年10月29日出願の米国仮特許出願番号63/107,310の利益を主張する。
【0030】
本出願は、2022年2月11日出願の米国特許出願番号17/670,149の一部継続出願であり、当該米国特許出願番号17/670,149は2021年2月12日出願の米国仮特許出願番号63/148,788の利益を主張する。前述の書類の全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0031】
[技術分野]
本開示は、一般に付加製造のための光学系に関し、より具体的には、レーザで粉末を溶融することを含む付加製造に関する。
【背景技術】
【0032】
現在のエネルギ蓄積印刷床溶融付加製造(Energy Deposited Printed Bed Fusion Additive Manufacturing (ED-PBF-AM))は、3次元の部品を形成/印刷するために粉末(金属、セラミック、ガラス又はガラス質の材料)を溶解するためにエネルギの単一の点を使用する。これにより、部品の迅速な製造及び従来の機械加工技術では製造できない部品の製造が可能となる。この技術で製造した部品は、試作品作成に使用され得、また、製品部品のための十分な強度と正確性を有し得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本開示の非限定的で非包括的な実施形態が以下の図面を参照しながら記述され、同様の参照符号は、別段の記述がない限り様々な図面を通して同様の部分を指す。
図1A】付加製造システムを図示する。
図1B】付加製造システム上に形成されている構造体の上面図である。
図2】付加製造方法を図示する。
図3A】レーザを含む付加製造システムを図示する図である。
図3B図3Aに示した光パターニングユニットの詳細な説明である。
図3C】複数の画像中継器を用いて光を指向して再パターニングするための「スイッチヤード」を備えた付加製造システムの一実施形態である。
図3D】パターニングされた2次元エネルギの再利用を可能とするスイッチヤードシステムを図示する。
図3E】ミラー画像ピクセル再マッピングを図示する。
図3F】ピクセル再マッピングのための一連の画像変換画像中継を図示する。
図4A】本開示の実施形態に従う付加製造工程におけるレーザ光の再生利用のためのエネルギパターニング二分木システムのレイアウトの図である。
図4B】1つの入力から複数の出力へのパターン再生利用を図示する図である。
図4C】複数の入力から1つの出力へのパターン再生利用を図示する図である。
図4D】少なくともいくつかのエネルギ方向付けユニットにとってスイッチングが利用可能な、2つの光弁パターニングステップとビームの再指向を可能にするスイッチヤード概念の実施の概略的な例である。
図4E】全てのエネルギ方向付けユニットにとってスイッチングが利用可能な、2つの光弁パターニングステップとビームの再指向を可能にするスイッチヤード概念の実施の概略的な例である。
図5A】印刷バーを持つソリッドステートシステムを使用する複数のタイルの領域印刷を図示する図である。
図5B】粉末床と同延のサイズを持つマトリックスを持つソリッドステートシステムを使用する複数のタイルの領域印刷を図示する図である。
図5C】個々の方向付けユニットを持ち粉末床と同延のサイズを持つマトリックスを持つソリッドステートシステムを使用する複数のタイルの領域印刷を図示する図である。
図6A】2次元グレースケールパターンを使用した印刷対象部品のヤング係数制御の制御を図示する図である。
図6B】2次元グレースケールパターンを使用した、巨視的に整列された結晶の制御を図示する図である。
図6C】材料の特徴を制御するために2次元グレースケールパターンを使用する印刷の時間的な構造化を図示する図である。
図6D】材料の特徴の制御でのグレースケール印刷の時間的な構造化の例を図示する図である。
図7】本発明の実施形態に従う、支持部と共に製造されている部品の概略的な図示である。
図8】印刷対象のピクセルと非印刷対象のピクセルを図示する概略的な図である。
図9】ピクセルのヴォリュームを図示する概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下の記述において、当該記述の一部を形成する添付図面であって、開示が実施され得る具体的な例示的実施形態を図示する方法で示されている添付図面が参照される。これらの実施形態は、本明細書で開示される概念を当業者が実施するのに十分に詳細に記述され、本開示の範囲から離れることなく、様々な開示された実施形態への変更がなされてもよく、その他の実施形態が利用されてもよいことは理解されるべきである。したがって、以下の詳細な記述は限定的な意味でとらえるべきではない。
【0035】
本開示は、印刷されるべきパターンのために不要となる光の廃棄に起因して付加製造システムで捨てられる光を減らすために適した光学システムを提案する。提案される光学システムは、例えば光にマスキングが適用されるレーザベースの付加製造技術に利用可能であるが、これに限定されない。有利には、本開示の種々の実施形態で、捨てられるエネルギが、均質化された形でか、パターニングされた光として、再生利用され、高スループットレートを維持するために使用され得る。更に、捨てられるエネルギは、難易度がより高い材料の印刷のために強度を上げるために再生利用及び再利用され得る。
【0036】
廃棄された光の再生利用及び再利用により、システムの強度は廃棄された光の割合に比例して上昇され得る。これにより、全てのエネルギが、高い印刷速度を維持するのに利用され得る。更に、光の再生利用はビルドプラットフォームに渡って単一のバーがスイープする「バー」印刷を潜在的に可能にする。これに代わって、パターンの再生利用は、ビルドプラットフォームの全領域を印刷するために移動を必要としない、ビルドプラットフォームと同延のソリッドステートマトリックスの作成を可能とし得る。
【0037】
一実施形態では1つ以上のビームエネルギを放射するために位置付けられる1つ以上のレーザビーム又は電子ビームを含む1つ以上のエネルギ源を有する付加製造システムが開示される。ビーム整形光学系は、エネルギ源から1つ以上のビームエネルギを受け取り、単一ビームを形成し得る。エネルギパターニングユニットは、該単一ビームを受け取るか生成し、2次元パターンをビームへ転写し、該パターンにない未使用のエネルギを廃棄し得る。画像中継器は、2次元のパターニングされたビームを受け取り、高さが固定か可動のビルドプラットフォーム(例えば、粉末床)上の望まれる位置に、2次元画像として当該ビームを集束する。ある実施形態では、エネルギパターニングユニットからの任意の廃棄されたエネルギの一部又は全が再利用される。
【0038】
種々の例では、レーザアレイからの複数のビームは、ビームホモジナイザーを用いて結合される。この結合されたビームは、透過又は反射の何れかのピクセルアドレス可能光弁を含むエネルギパターニングユニットに指向され得る。一実施形態では、ピクセルアドレス可能光弁は、偏光素子を有する液晶モジュールと、2次元入力パターンを供給する光投射ユニットとの両方を含む。画像中継器により集束した2次元画像は、3次元構造体を構築するために粉末床上の複数の位置に順次指向され得る。
【0039】
付加製造システムは、パターンの各ピクセル位置に対応する材料特性を制御するためにグレースケールパターンを使い得る。材料特性は、ヤング係数、気孔率、粒子サイズ、及び微晶質の構造を含み得る。グレースケールパターンは、振幅、位相、コヒーレンスのうちの1つ以上を変調する光弁によって、ビームに付加され得る。
【0040】
図1に見られるように、付加製造システム100は、連続的又は断続的な1つ以上のビームエネルギをビーム整形光学系114に指向し得るエネルギ源112を備えたエネルギパターニングシステム110を有する。整形後、必要であれば、一般的にはいくらかのエネルギが廃棄エネルギ処理ユニット118に指向される一方で、エネルギパターニングユニット116によりビームがパターニングされる。パターニングされたエネルギは、典型的には床146の近くに集束した2次元画像122として、物品処理ユニット140に向けて画像中継器120により中継される。床146(任意的な壁148を持つ)は、材料ディスペンサ142により定量供給された材料144を含むチャンバを形成し得る。画像中継器120により指向された、パターニングされたエネルギは、溶解し得、溶融し得、焼結し得、融合し得、結晶構造体を変化させ得、応力パターンを与え得、又はその他の方法で、望まれる特性を有する構造体を形成するために、定量供給された材料144を化学的又は物理的に変更し得る。
【0041】
エネルギ源112は、光子(光)、電子、イオン、又は、指向され、整形され、パターニングされ得るその他の適切なビームエネルギ若しくは流束を生成する。複数のエネルギ源は組み合わせて使用され得る。エネルギ源112は、レーザ、白色光、集光した太陽光、その他の光源、電子ビーム、又はイオンビームを含み得る。可能なレーザの種類としては、ガスレーザ、化学レーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ、ソリッドステートレーザ(例えば、ファイバ)、半導体(例えば、ダイオード)レーザ、自由電子レーザ、ガスダイナミックレーザ、“ニッケル様”サマリウムレーザ、ラマンレーザ、又は核励起レーザが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
ガスレーザは、ヘリウム-ネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、セキノンイオンレーザ、窒素レーザ、二酸化炭素レーザ、一酸化炭素レーザ、又はエキシマーレーザ等のレーザを含み得る。
【0043】
化学レーザは、フッ化水素レーザ、フッ化重水素レーザ、COIL(化学酵素ヨウ素レーザ)、又はAgil(全気相ヨウ素レーザ)等のレーザを含み得る。
【0044】
金属蒸気レーザは、ヘリウム-カドミウム(HeCd)金属蒸気レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)金属蒸気レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)金属蒸気レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)金属蒸気レーザ、ストロンチウム蒸気レーザ、ネオン-銅(NeCu)金属蒸気レーザ、銅蒸気レーザ、金蒸気レーザ、マンガン(Mn/MnCl)蒸気レーザ等のレーザを含み得る。
【0045】
ソリッドステートレーザは、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、ネオジムYLF(Nd:YLF)ソリッドステートレーザ、ネオジムドープドオルトバナジン酸イットリウム(Nd:YVO)レーザ、ネオジムドープドイットリウムカルシウムオキソボレートNd:YCaO(BO若しくは単純にNd:YCOB、ネオジガラス(Nd:ガラス)レーザ、チタンサファイア(Ti:サファイア)レーザ、ツリウムYAG(Tm:YAG)レーザ、イットリウムYAG(Yb:YAG)レーザ、イットリウム:2O(ガラス若しくはセラミック)レーザ、イットリウムドープドガラスレーザ(ロッド、プレート/チップ、及びファイバ)、ホルミウムYAG(Ho:YAG)レーザ、クロムZnSe(Cr:ZnSe)レーザ、セリウムドープドリチウムストロンチウム(若しくはカルシウム)アルミニウムフッ化物(Ce:LiSAF、Ce:LiCAF)、プロメチウム147ドープドリン酸塩ガラス(147Pm+3:ガラス)ソリッドステートレーザ、クロムドープドクリソベリル(アレキサンドライト)レーザ、エルビウムドープドエルビウム-イットリウム共ドープドガラスレーザ、三価ウランドープドカルシウムフッ化物(U:CaF)ソリッドステートレーザ、二価サマリウムドープドカルシウムフッ化物(Sm:CaF)レーザ、又はF中心レーザ等のレーザを含み得る。
【0046】
半導体レーザは、GaN、InGaN、AlGaInP、AlGaAs、InGaAsP、GaInP、InGaAs、InGaAsO、GaInAsSb、鉛塩、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)、量子カスケードレーザ、ハイブリッドシリコンレーザ、又はそれらの組み合わせ等のレーザ媒質類を含み得る。
【0047】
例えば、一実施形態では、単一のNd:YAGq-スイッチレーザは、複数の半導体レーザと共に用いられ得る。別の実施形態では、電子ビームは、紫外線半導体レーザアレイと共に用いられ得る。更に他の実施形態では、レーザの2次元アレイが用いられ得る。エネルギ源の選択的な起動及び停止によってビームエネルギの事前パターニングがなされ得る。
【0048】
ビーム整形ユニット114は、エネルギ源112から受け取った1つ以上のビームエネルギを結合し、集束し、分岐し、反射し、屈折し、均質にし、強度を調整し、周波数を調整し、又はその他の方法で整形し、エネルギパターニングユニット116へ指向するための幅広い様々な結像光学系を含み得る。一実施形態では、異なる光波長を夫々有する複数の光ビームは、波長選択ミラー(例えば、2色性)又は回折素子を用いて結合され得る。その他の実施形態では、複数のビームは、多面ミラー、マイクロレンズ、及び屈折若しくは回折光学素子を用いて均質化又は結合され得る。
【0049】
エネルギパターニングユニット116は、静的又は動的なエネルギパターニング素子を含み得る。例えば、光子、電子、又はイオンビームは、固定又は可動の素子でのマスクにより遮られ得る。画像パターニングの自由度及び容易さを大きくするために、ピクセルアドレス可能マスキング、画像生成、又は透過が用いられ得る。幾つかの実施形態では、エネルギパターニングユニットは、アドレス可能光弁の単体、又はパターニングを供給するためのその他のパターニング機構との組み合わせを含む。光弁は、透過し得、反射し得、又は透過要素及び反射素子の組み合わせを用い得る。パターンは、電気的又は光学的アドレッシングを用いて動的に変更され得る。一実施形態では、透過的光学的アドレス光弁は、光投射源により画定されたパターンを形成する光学的にアドレスされたピクセルと共に、該弁を通過する光の偏光を回転するように作用する。別の実施形態では、反射的光学的アドレス光弁は、読み出しビームの偏光を変更するための書き込みビームを含む。更に別の実施形態では、電子パターニングデバイスは、電気的刺激源又は光子刺激源からのアドレスパターンを受け取り、電子のパターニングされた放出を生成する。
【0050】
廃棄エネルギ処理ユニット118は、パターニングされずエネルギパターン画像中継器120を通過したエネルギを消散し、再指向し、利用するために用いられる。一実施形態では、廃棄エネルギ処理ユニット118は、エネルギパターニングユニット116から熱を除去する受動的又は能動的冷却素子を含み得る。他の実施形態では、廃棄エネルギ処理ユニットは、エネルギパターンの画定に用いられない任意のビームエネルギを吸収して熱に変換するための「ビームダンプ」を含み得る。更に他の実施形態では、廃棄されたビームエネルギは、ビーム整形光学系114を用いて再生利用され得る。或いは、又は加えて、廃棄されたビームエネルギは、加熱又は更なるパターニングのために物品処理ユニット140に指向され得る。幾つかの実施形態では、廃棄されたビームエネルギは、付加的なエネルギパターニングシステム又は物品処理ユニット指向され得る。上述の技術の任意のものは、パターニングされずエネルギパターン画像中継器120を通過したエネルギを消散し、再指向し、又は利用するために、廃棄エネルギ処理ユニット118で、組み合わせて使用され得る。
【0051】
画像中継器120は、エネルギパターニングユニット116からパターニングされた画像(典型的には2次元)を受け取り、物品処理ユニット140に導く。ビーム整形光学系114と同様の方法で、画像中継器120は、パターニングされた画像を結合し、集束し、分岐し、反射し、屈折し、強度を調整し、周波数を調整し、又はその他の方法で整形し、指向するための光学系を含み得る。
【0052】
物品処理ユニット140は、壁付きチャンバ148及び床144と、材料を分配するための材料ディスペンサ142とを含み得る。材料ディスペンサ142は、材料を分配し得、除去し得、混合し得、材料の種類若しくは粒子(particle)のサイズにグラデーション若しくは変化を提供し得、又はレイヤの厚さを調整し得る。材料は、金属、セラミック、ガラス、ポリマー粉末、固体から液体への及び再度個体へ熱的に誘導されることが可能な溶解可能なその他の材料、又はこれらの組み合わせを含み得る。材料は、溶解可能な材料と溶解不可能な材料との複合材料を更に含み得、該複合材料において、溶解不可能な材料のみを残すか、又は蒸発/破壊/燃焼若しくはその他の破壊的な工程をそれに受けさせるかの何れかがなされつつ、何れか又は両方の構成要素は、溶解可能な構成要素を溶解するために選択的に画像中継システムの対象にされ得る。例えば、材料のスラリー、噴霧、塗料膜、ワイヤ、片、又はシートが用いられ得る。不要な材料は、使い捨て又は再生利用のために、送風機、減圧(vacuum)システムの使用、床146の掃きとり、振動、震動、傾斜化、又は反転によって除去され得る。
【0053】
材料処理構成要素に加えて、物品処理ユニット140は、3次元構造体を保持及び支持するための構成要素と、チャンバを加熱又は冷却するため機構と、補助的若しくは支持的な光学系と、及び、材料又は環境条件を監視又は調整するためのセンサ及び制御機構と、を含み得る。物品処理ユニットは、(特に反応性が高い金属との)火災又は爆発の危険性を軽減すると共に不要な化学的相互作用を減らすために真空又はガス雰囲気を、全体として又は部分的に、可能とし得る。
【0054】
制御プロセッサ150は、付加製造システム100の任意の構成要素を制御するために接続され得る。制御プロセッサ150は、動作を連係させるために、様々なセンサ、アクチュエータ、加熱又は冷却システム、モニタ、及びコントローラに接続され得る。制御又は監視に用いられる情報を提供するために、撮像装置、光強度モニタ、熱センサ、圧力センサ、若しくはガスセンサを含む広範囲のセンサが用いられ得る。制御プロセッサは、単一の中央コントローラであり得、又はそれに代わって、1つ以上の独立制御システムを含み得る。制御プロセッサ150は、製造指示書を入力できるインタフェースを持つ。センサの広範囲の使用により、品質、製造処理能力、及びエネルギ効率を向上できる様々なフィードバック制御機構が可能となる。
【0055】
図1Bは、材料144を支持する床146を図示する図である。連続的に適用された2次元のパターニングされた一連のビームエネルギ画像(点線の輪郭124の四角形)を用いて、構造体149は付加的に製造される。当然のことながら、非四角形の境界線を有する画像パターンが用いられ得、重複又は相互浸透する画像が用いられ得、2つ以上のエネルギパターニングシステムによって画像が提供され得る。他の実施形態では、指向された電子若しくはイオンビームで、又は印刷若しくは選択的噴霧システムとで画像は形成され得る。
【0056】
図2は、開示の光学的機械的構成要素により可能とされる付加製造工程の一実施形態を図示するフローチャートである。ステップ202において、床、チャンバ、又はその他の適切な支持において材料が位置決めされる。材料は、溶解し得、溶融し得、焼結し得、結晶構造を変化するよう誘導され得る粉末であり得、望まれる特性を有する構造体を形成するために影響を与え、又は化学的若しくは物理的に変更される応力パターンを有し得る。
【0057】
ステップ204において、パターニングされていないエネルギは、ソリッドステートレーザ若しくは半導体レーザ、又は電子をワイヤの下へ流す電力供給装置を含むがそれらに限定されない1つ以上のエネルギ放射体によって放射される。ステップ206において、パターニングされていないエネルギは、整形されて変更される(例えば、強度が変調され、又は集束される)。ステップ208において、このパターニングされていないエネルギは、ステップ210(これは、排熱への変換、又はパターニングされた若しくはパターニングされていないエネルギとしての再生利用を含み得る)で処理されているパターンの一部を形成しないエネルギと共に、パターニングされる。ステップ212において、2次元画像を現在形成するパターニングされたエネルギは、材料に向けて中継される。ステップ214において、画像は材料に適用され、3次元構造体の一部を構築する。これらのステップは、材料の最上レイヤの全ての必要な領域に該画像(又は異なる後続の画像)が適用されるまで繰り返され得る(ループ218)。材料の最上レイヤへのエネルギの適用が終了すると、3次元構造体の構築を継続するために新たなレイヤが適用され得る(ループ216)。残った余分な材料が除去又は再生利用し得る場合、これらの工程のループは、3次元構造体が完成するまで継続される。
【0058】
図3Aは、エネルギパターニングシステム310の一部として複数の半導体レーザを用いる付加製造システム300の一実施形態である。制御プロセッサ350は、様々なセンサ、アクチュエータ、加熱又は冷却システム、モニタ、複数のレーザ312と光パターニングユニット316と画像中継器320との動作を連係するためのコントローラ、及びシステム300の任意の他の構成要素に接続され得る。これらの接続は、システム300の構成要素を囲む点線の輪郭351によって概して示されている。理解されるように、接続は、有線又は無線であり得、連続的又は断続的であり得、フィードバック機能を含み得る(例えば、感知された温度に応じて温度の加熱は調整され得る)。複数のレーザ312は、例えば、20mmの高さで90mmの幅である1000nmの波長の光のビーム301を放射し得る。ビーム301は、ビーム303を作り出すために結像光学系370によりサイズが変更される。一例では、ビーム303は、6mmの高さで6mmの幅であり、ビーム3は混合したビーム305を作り出すために光を混合する光均一化装置372に入射する。ビーム305は、該光をビーム307に再整形する結像アセンブリ374にその後入射し、温冷ミラー376にその後入射する。ミラー376は、第1の波長の光の透過を許すが第2の波長を反射し得る。例えば、1000nmの光を通過させ得るが450nmは反射し得る。例えば1080pのピクセル分解能で450nmの低出力光を投射する能力がある光プロジェクタ378はビーム309を放射し、当該ビームは温冷ミラー376にその後入射する。ビーム309は、パターンの各ピクセルが独立して制御可能な2次元パターン(例えば、画像)であり得る。各ピクセルの強度は、2次元パターンがグレースケールパターンであるように、可能な値の範囲に独立的に設定され得る。本明細書で使用されるとき、「グレースケール」とは、ゼロ強度、最大強度、及びゼロと最大の間の1つ以上の強度を含む少なくとも3個のレベルを意味するとして理解されるべきである。例えば、レベルの数は、少なくとも8、少なくとも16、少なくとも32、少なくとも64、少なくとも128、あるいは、Nを1より大きいとして2^N以上の任意の値であり得る。本明細書で使用されるグレースケールパターン又は画像は、いくつかあるレベルの各々を含む必要はなく、むしろ、互いに同一ではない少なくとも3個のレベルを含む必要があり、各レベルは、利用可能なレベルの範囲から選択され得る。ビーム307及び309は、ビーム311に重ね合わされ、両者は、例えば、20mmの幅、20mmの高さの画像で光学的アドレス光弁380上に結像される。均一化装置372及びプロジェクタ378から形成された画像は、光弁380上で再作成され重ね合わされる。
【0059】
光学的アドレス光弁380は、(例では当該光の波長は400から500nmの幅があり得る)光によって刺激され、偏光子382上へ入射する伝送されたビーム313に偏光回転パターンを刻み込む。偏光子382は、該2つの偏光状態を分割し、p-偏光をビーム317中に伝送し、廃棄エネルギを処理するビームダンプ318へその後送出されるビーム315中にs―偏光を反射する。当然のことながら、他の実施形態では、偏光は、ビーム317中に形成されるs-偏光と、ビーム315中へ反射されるp-偏光とに入れ替えられ得るだろう。ビーム317は、パターニングされた光をサイズ変更する光学系384を含む最終的な結像アセンブリ320に入る。このビームは、可動ミラー386からビーム319へ反射し、物品処理ユニット340中の材料床344に適用される集束画像に終結する。複数のレイヤに広がるように画像の被写界深度は選択され、エラー又はオフセットの少数のレイヤの範囲に最適集点が供給される。
【0060】
光学的アドレス光弁380は、グレースケールのパターニングされたビームであり得るパターニングされたビーム309に応じてレーザ312によって出力されるビーム307の他の特性に影響する種々の光学装置として、実施され得る。パターニングされたビーム309に使用される周波数は以下の例で使用される種々の光学装置にパターンを付加するのに必要な周波数に対応する。
【0061】
第一の代替例では、偏光子382は省略され、光弁380が17/506,349に記載の光弁として実施される。そのような実施形態では、光弁380は、透明な導電性酸化レイヤ間に光伝導体レイヤと電気光学レイヤとを含み得る。パターニングされたビーム309は、2次元グレースケールパターンを定める2次元グレースケールパターン又は2次元画像を作り出すスキャンドビームとして、光伝導体レイヤを照らす。どちらの場合でも、2次元パターン内での各位置での強度及び/又は波長は、2次元グレースケールパターンを光伝導体レイヤに付加するために独立して制御可能である。光伝導体レイヤに付加される2次元グレースケールパターンのために、対応する2次元グレースケールパターンは、光弁380に入射するビーム307に付加され、その結果、出力されるビーム313は対応するグレースケールパターンを持つ光弁380から出る。その後、出力されたビーム313は、偏光子382を先に通過せずに、最後の結像光学系320に入力される。
【0062】
第2の代替例では、光弁380はパターニングされた相変化をビーム307に付加し、偏光子382は17/513,005に記載のような位相依存の透過性を持つパターンセパレータとして実施される。光弁380は相変化材料(例えば水晶、非結晶、液晶、ガラス、セラミック、ポリマー、量子ドット、人工誘電体、プラズモン又は金属材料)を含み得る。他の例では、ピクセルストレインの(pixel strained)相変化光弁が使用される。相変化光弁は、グレースケールパターンであり得る2次元にパターニングされた書き込みビームによって書き込まれる。相変化光弁を通過する際、ビーム307は、ローカル化された相変化の2次元パターンを経て、2次元位相パターンが付加されたビーム313を得る。ビーム313はその後、相依存の透過性を持つパターンセパレータを通過し、その結果、2次元グレースケールパターンに対応する2次元振幅パターンを持つビーム317が生じる。
【0063】
第3の代替例では、偏光子382は、省略され、光弁380は、2次元グレースケールパターンを含みパターニングされたビーム309によって照らされる、17/513,402に記載のような、量子ドット共鳴ベースの光弁(QDRLV)又は量子ドット共鳴によって制御される回折光弁である。ビーム307は光弁380に入射し、光弁380を出るビーム313は、2次元グレースケールパターンに対応する2次元振幅パターンを持つ。ビーム313はその後、最後の結像光学系320に入射し得る。
【0064】
第4の代替例では、偏光子382は省略され、光弁380は17/670,149に記載のようなホログラフィックな光弁である。ホログラフィックな光弁380は、ビーム309での2次元グレースケール書き込みパターンによって照らされる光伝導体レイヤを含み得る。ビーム309は第1の周波数を持ち、対応する2次元パターニングされたフィールドを付加するための光伝導体レイヤをして、複数の透明な導電性酸化(TCO)レイヤに付加させる。TCOレイヤを通過する際、当該TCOレイヤは、対応する2次元の位相パターンをビーム307に付加する。ラムダマジックミラー(LMM)は、第1の周波数とは異なる第2の周波数にて、2次元のグレースケール書き込みパターンによって照らされる。LMMは、光弁380から出力されるビーム313は位相パターニング及び振幅パターニングされた高流束のビームであるように、TCOレイヤによって出力される位相パターニングされたビームにグレースケール振幅パターンを付加する。ビーム313はその後、最後の結像光学系320に入射し得る。
【0065】
第5の代替例では、光弁は、17/513,402に記載のようなLMMである。ビーム307が入射するとき、コヒーレンスが局所的にLMMに渡って変化し、ビーム307の一部がコヒーレンスの変化に従って方向付られ、この結果2次元のグレースケール書き込みパターンに対応する2次元の振幅パターンを持つビーム313が生じるように、LMMはプロジェクタ378からの2次元のグレースケール書き込みパターンによって照らされる。
【0066】
第6の例では、光弁380が17/091,915及び17/513,230に記載のような高速電子ビームアドレス反射光弁(EBA-RLV)に取って代わられる。ビーム307はEBA-RLVに入射する。プロジェクタ378及び偏光子382は、発せられ(emitted)かつ電子ビームスキャナにとって代わられ得る。電子ビームは、EBA-RLVに渡ってスキャンされ、それに2次元グレースケールパターンが付加される。電子ビームの電圧はEBA-RLVに渡ってスキャンされるときに、EBA-RLVに2次元グレースケールパターンを付加するように、変調され得る。ビーム307はEBA-RLVに入射し、2次元グレースケールパターンに対応する2次元の振幅パターンを持つ反射部分はビーム313として使用される。ビーム313はその後、最後の結像光学系320に入射し得る。
【0067】
床390は、材料ディスペンサ342により定量供給された材料344を含むチャンバ壁388内で上げ下げ(垂直に牽引)され得る。ある実施形態では、床390は、固定されたままであり得、最終的な結像アセンブリ320の光学系は、垂直に上げ下げされ得る。材料の分配は、ホッパー394に保持された粉末を一様に散布し得るスイープ機構392によって供給され、必要に応じて材料の新たなレイヤを供給し得る。例えば6mmの高さで6mmの幅の画像が、床の様々な位置で可動ミラー386によって順次指向される。
【0068】
この付加製造システム300において粉末のセラミック又は金属材料を用いる場合、部品が構築されるにつれて、該粉末は、基板(及び後続のレイヤ)の最上部の上の、約1から3粒子の厚さの薄いレイヤ中に広がり得る。パターニングされたビーム319によって粉末が溶解し、焼結し、又は溶融すると、該粉末は下のレイヤに結合し、固体の構造体を作り出す。パターニングされたビーム319は、40Hzのパルス型で動作し得、粉末の選択されたパターニング領域が溶解するまで、10msから0.5ms(様々な例では間隔の範囲は3msから0.1msである)の間隔で後続の6mm×6mmの画像位置に移動する。床390は、1つのレイヤに対応する厚さだけそれ自体がその後下がり、スイープ機構392は、粉末材料の新たなレイヤを散布する。この工程は、2次元レイヤが望まれる3次元構造体を構築するまで繰り返される。幾つかの実施形態では、物品処理ユニット340は、制御された雰囲気を有し得る。これは、(反応性が高い金属が用いられた場合に)酸化若しくは化学反応、又は火災若しくは爆発の危険なしに、不活性ガス又は真空環境中で反応性の高い材料が製造され得るようにする。
【0069】
図3Bは、図3Aの光パターニングユニット316の動作をより詳細に図示する。図3Bに見られるように、代表的入力パターン333(ここでは数字「9」として見られる)は、ミラー376に向かってビーム309として投射された8×12ピクセルの光のアレイで画定される。白色のピクセルは点灯されておらず、灰色の各ピクセルは明るいピクセルを表す。実施時には、各ピクセルは、光なし(light-free)、部分的光強度、最大光強度を含む様々な光のレベルを有し得る。ビーム307を形成するパターニングされていない光331は、温冷ミラー376を通じて指向され通過し、そこでは、光331はパターニングされたビーム309と結合する。パターニングされたビーム309は、ケーブルX5を介してコンピュータX3によって制御される光プロジェクタ378によって生成される。温冷ミラー376による反射後、パターニングされた光ビーム311がビーム311中のビーム307とビーム309との重ね合わせから形成され、両者は、光学的アドレス光弁380上に画像化される。パターニングされていない光331の偏光状態を回転する光学的アドレス光弁380は、数字「9」のパターン中の偏光された光307/311の偏光状態をビーム313中へ選択的に回転させないために、パターニングされた光ビーム309/311及びコンピュータX3からケーブルX4によって到来する電気信号によって刺激される。ビーム313中のパターン333を代表する回転していない光は、ビーム317及びパターン335をもたらす偏光子ミラー382をその後通過し得る。第2の回転状態で偏光された光は、光のない数字「9」から構成される負のピクセルパターン337を運ぶビーム315中に偏光子ミラー382によって廃棄される。
【0070】
光弁のその他の種類が記述した光弁に置換され得、又は記述した光弁と組み合わせて用いられ得る。反射光弁、又は回折若しくは屈折に基づく光弁も用いられ得る。幾つかの実施形態では、非光学的アドレス光弁が用いられ得る。これらは、電気的にアドレス可能なピクセル素子、可動ミラー若しくはマイクロミラーシステム、圧電若しくはマイクロ作動光学システム、固定若しくは可動マスク、又は遮蔽版、又は、高い明暗度のパターニングを提供し得るその他の従来のシステムを含み得るが、それらに限定されない。電子ビームパターニングのために、これらの弁は、アドレス位置に基づいて電子を選択的に放射してもよく、その結果、該弁を離れる電子のビーム上にパターンを染み込ませてもよい。
【0071】
図3Cは、エネルギスイッチングユニットX0の詳細及び動作を図示する。図3Cに見られるように、S偏光状態にある代表的な入力パターン376(ここでは8×12ピクセル配列での数字「9」として見られる)を運ぶ光311のビームが単一のピクセル液晶(LC)セル380に入射する。望まれる場合にビーム311の偏光状態を回転するLCセル380は、その後に全体のビームを偏光子382を通過させて画像情報335を運ぶビーム317にする、ビーム313でのp偏光状態に偏光311の偏光状態を選択的に回転するために、ケーブルX4を介して電気的に刺激されるコンピュータX3である。これに代わって、LCセル380は、ビーム311の偏光状態を回転しないように、ケーブルX4を介してコンピュータX3によって指示される場合があり、これによってビーム313のS偏光の偏光状態を保ち、画像情報337を運ぶビーム315への反射を引き起こす。偏光子382は、画像情報X2を運ぶソースビームX1からの光を受け取るためにも使われ得る。ビームX1のルートはその偏光状態に基づいて完全に受動的であり、X1がS偏光状態であればビーム317に反射し、p偏光状態であればビーム315へと進む(あるいはその逆)。
【0072】
上述のLCセルの代替としてあるいはそれとの組み合わせで、他のタイプのエネルギ切り替え装置が使用され得る。反射LCセル又はエネルギ切り替え装置は、可動ミラーといった機械的な動きに基づき、又は、選択的屈折も利用され得、圧電若しくはマイクロ作動光学システム、固定若しくは可動マスク、又は遮蔽版、又は、高強度のエネルギ切り替えを提供可能な任意の他の従来のシステムも使用され得る。電子ビームに関しては、これらの切り替え機構は、ビームを種々のチャネル又はルートに指向する大きな電磁場アレイから成り得る。
【0073】
図3Dは、パターニングされた2次元エネルギの再利用が可能なスイッチヤードシステムを含む付加製造システムの一実施形態である。図1Aに関して論じた実施形態と同様に、付加製造システム220は、ビーム整形光学系114に1つ以上の連続的又は断続的なビームエネルギを指向するエネルギ源112を備えたエネルギパターニングシステムを有する。整形後、該ビームは、一般的には、幾らかのエネルギが廃棄エネルギ処理ユニット222に指向されると共に、エネルギパターニングユニット230によって2次元にパターニングされる。パターニングされたエネルギは、典型的には可動又は固定の高さの床近くに集束される2次元画像として、1つ以上の物品処理ユニット234A、234B、234C、又は234Dに向けて複数の画像中継器232の1つによって中継される。(任意的な壁と共に)床は、材料ディスペンサにより定量供給された材料を含むチャンバを形成し得る。画像中継器232により指向された、パターニングされたエネルギは、溶解し得、溶融し得、焼結し得、融合し得、結晶構造体に変化させ得、応力パターンを与え得、又はその他の方法で、望まれる特性を有する構造体を形成するために、定量供給された材料144を化学的又は物理的に変更し得る。
【0074】
この実施形態では、廃棄エネルギ処理ユニットは、パターニングされた廃棄エネルギの再利用を可能にするための複数の構成要素を有する。中継器228A、228B、及び228Cは、発電機224、加熱/冷却熱管理システム225、又はエネルギダンプ226へエネルギを夫々中継し得る。任意的に、中継器228Cは、更なる工程のために、パターニングされたエネルギを画像中継器232に指向し得る。他の実施形態では、パターニングされたエネルギは、エネルギ源112によって供給されるビームエネルギ中への挿入のために、中継器228Cによって中継器228B及び228Aに指向され得る。画像中継器232を用いて、パターニングされた画像の再利用も可能である。画像は、1つ以上の物品処理ユニット234AからDへの分配のために再指向され、反転され、反射され、副パターニングされ、又は変換され得る。有利には、パターニングされた光の再利用は、付加製造工程のエネルギ効率を向上し得、幾つかのケースでは、床に指向されるエネルギ強度を向上し得、又は製造時間を削減し得る。
【0075】
図3Dは、再利用のための廃棄ビームエネルギの簡易な幾何学的変換を図示する図235である。入力パターン236は、ミラー画像ピクセルパターン238を供給可能な画像中継器237に指向される。理解されるように、幾何学的変換、又は個々のピクセル及びピクセル群のパターン再配置を含むより複雑な画像変換が可能である。ビームダンプで捨てられる代わりに、この再配置されたパターンは、製造処理能力又はビーム強度を向上させるために物品処理ユニットに指向され得る。
【0076】
図3Eは、再利用のための廃棄ビームエネルギの複数の変換を図示する図235である。入力パターン236は、ピクセルパターン238を供給可能な一連の画像中継器237B―Eに指向される。
【0077】
光再生利用及び再利用を支持する別の実施形態では、1つ以上の光源からの多重で複数の光のビームが供給される。複数の光のビームは、光の第1のビームを供給するために再整形され混合されてもよい。空間的な偏光パターンは、光の第2のビームを供給するために光の第1のビームに適用されてもよい。光の第2のビームの偏光状態は、光の第3のビームを反射するために分割されてもよく、光の第4のビームに再整形されてもよい。光の第4のビームは、光の複数のビームの1つとして導入され、光の第5のビーをもたらしてもてもよい。実際、これ又はこれと同様のシステムは、付加製造システムに関連するエネルギコストを削減し得る。偏光変更モードで動作する空間的偏光弁又は光弁により廃棄された不要な光を収集し、ビーム結合し、均質化し、再導入することによって、伝送された光パワー全体は、光弁によって適用されたパターンに影響を受けない可能性があり得る。これは、光弁を介して望まれるパターン中に通過する光の効果的再分配を有利にもたらし、パターニングされる領域の量に比例して光強度を増加させる。
【0078】
複数のレーザからのビームを単一のビームに結合することは、ビーム強度を増加させる1つの方法である。一実施形態では、異なる光波長を夫々有する複数の光ビームは、波長選択ミラー又は回折素子の何れかを用いて結合され得る。幾つかの実施形態では、波長に依存する屈折の影響に敏感ではない反射光学素子が、多波長ビームを導くために用いられ得る。
【0079】
パターニングされた光は、可動ミラー、プリズム、回折光学素子、又は実質的な物理的移動を必要としないソリッドステート光学システムを用いて指向され得る。一実施形態では、粉末床の最上面の位置上の入射光の強度及びピクセルサイズと関連する倍率及び像距離は、付加製造3次元印刷ジョブに対して決定され得る。複数のレンズアセンブリの内の1つは、光学レンズの第1のセットと光学レンズの第2のセットとの両方のレンズアセンブリで、また、該レンズアセンブリから交換可能な光学レンズの第2のセットで、該倍率を有する入射光を提供するように構成され得る。補償(compensating)ガントリー上に搭載された1つ以上のミラーのセットと、ビルドプラットフォームガントリー上に搭載された最終ミラーとの回転は、先行ミラーから粉末床の最上面の位置上へ入射光を指向するために用いられ得る。補償ガントリー及びビルドプラットフォームガントリーの並進動作は、先行ミラーから粉末床の最上面の位置までの入射光の距離が像距離に実質的に等しくできるようにもし得る。実際、これは、システムの高い可用性を確保しつながら、様々な粉末材料に対する構築領域の位置に渡る光学ビームの放出サイズ及び強度の素早い変更を可能にする。
【0080】
各々が粉末床を保持するためのビルドプラットフォームを有する複数のビルドチャンバは、任意的に1つ以上の入射ビームエネルギを受け取ってビルドチャンバ中に指向するように配置された複数の光学機械的アセンブリと共に用いられ得る。複数のチャンバは、1つ以上のビルドチャンバ内部の1つ以上の印刷ジョブの同時印刷を可能にする。可動のチャンバ側壁は、ビルドチャンバからの印刷物の除去を容易にし得、粉末材料の素早い交換を可能にし得る。チャンバは、調整可能な工程温度制御をも備え得る。
【0081】
1つ以上のビルドチャンバは、上述の通り、光学系が垂直に移動可能でありつつ、固定の高さで維持されるビルドチャンバを有し得る。レンズアセンブリの最終光学系と粉末床の最上面との間の距離は、固定の高さでビルドプラットフォームを保ちつつ、粉末レイヤの厚さに等しい距離で、最終光学系を上方に牽引することによって原則的に一定になるように管理され得る。有利には、ビルドプラットフォームを垂直に移動することに比べて、ビルドプラットフォームの絶え間なく変化し続ける質量の正確なミクロン規模の移動は必要ないので、大きく重い対象物をより容易に製造し得る。典型的には、0.1から0.2立方メートルを超える(すなわち、100から200リッター又は500から1000kgよりも重い)容積を有する金属粉末を対象としたビルドチャンバは、固定の高さでビルドプラットフォームを保つことの利益を最も受けるだろう。
【0082】
任意的に、粉末床のレイヤの一部は、ビルドプラットフォーム上の粉末床のレイヤの別の部分を含むために、粉末床のレイヤの溶融部分から外へ1つ以上の一時的な壁を形成するように選択的に溶解又は溶融され得る。熱管理を改善できるように、1つ以上の第1の壁の中に流体通路が形成され得る。
【0083】
改善された粉末処理は、改善された付加製造システムの別の態様であり得る。粉末床を支持するビルドプラットフォームは、ホッパーにおいてビルドプラットフォームから粉末床を実質的に分離するために、傾斜、反転、及び震動可能であり得る。粉末床を形成する粉末材料は、その後の印刷ジョブでの再利用のためにホッパーの中に収集されてもよい。粉末収集工程は、自動化されてもよく、粉末の撤去及び除去を支援するために、減圧又はガス噴射システムも用いられ得る。
【0084】
開示の付加製造システムの幾つかの実施形態は、利用可能なチャンバよりも長い部品を容易に処理するように構成され得る。連続的な(長い)部品は、第1の区域から第2の区域へ縦方向に順次前進し得る。第1の区域において、粒状材料の選ばれた粒子は、融合し得る。第2の区域において、粒状材料の非融合粒子は除去され得る。連続部品の最後の部分が第1の区域内で形成され、第1の区域及び第2の区域内で第1の部分が占めた横及び横断方向に同じ位置に第1の部分が維持されながら、連続部品の第1の部分は、第2の区域から第3の区域へ前進し得る。実際、付加製造及び清浄化(例えば、非融合の粒状材料の分離及び/又は再生若しくは再利用)は、粒状材料及び/又は部品の除去のために停止する必要なく、部品コンベヤー上の異なる位置又は区域で並行して(すなわち、同時に)実施されてもよい。
【0085】
任意的に、付加製造能力は、エンクロージャの内部とエンクロージャの外部との間の気体の交換を制限するエンクロージャの使用によって向上し得る。気密室は、複数の付加製造チャンバを有し、それらの支持する粉末床溶融含む内部と、外部との接点を提供する。ガス管理システムは、限界酸素濃度以下で内部の気体酸素を維持し、こうすることで、システム内で使用することのできる粉末及び処理の種類の自由度が増大される。
【0086】
エンクロージャ内に含まれる3次元プリンタであって、2000キログラム以上の重さを有する部品を作り出し得る3次元プリンタを有することによって性能が向上され得る。ガス管理システムは、大気中濃度を下回る濃度でエンクロージャ内の気体酸素を維持してもよい。幾つかの実施形態では、気密室は、エンクロージャ内のガス環境とエンクロージャ外のガス環境とのバッファの役割を果たすので、車両は、気密室を介して、エンクロージャの内側からエンクロージャ及び気密室の外部の位置へ部品を運んでもよい。
【0087】
任意的に、試料を収集することは、粉末床溶融付加製造システムにおいてリアルタイムで粉末試料を収集することであり得る。粉末試料の工程内での収集及び特性評価のために、摂取システムが用いられる。該収集は、定期的に行われてもよく、特性評価の結果は、粉末床溶融工程の調整をもたらす。摂取システムは、プリンタのパラメータの変更又は認定された粉末材料の適正使用の検証等、1つ以上の監査、処理調整、又は動作に付随的に用いられ得る。
【0088】
クレーン、リフティングガントリー、ロボットアーム、又は人では移動させることが困難か不可能な部品の操作が可能な同様の物等の操作デバイスの使用によって提供され得る付加製造工程の更に別の改良が記述される。操作デバイスは、部品を再位置決め又は操作できるように、部品上の様々な恒久的又は一時的な付加製造操作点をつかみ得る。
【0089】
本開示によれば、廃棄され、不要で及び/又は未使用の光を再生利用することが可能な光学システムが提供される。不要な光を再生利用及び再利用することは、ビルドプラットフォームに提供されるレーザ放射光の強度を上昇させ得る。更に、不要な光を再生利用及び再利用することは、システムに関連するエネルギコストを低減し得る。偏光変更モードで動作する空間的偏光弁又は光弁により廃棄された不要な光を収集し、ビーム結合し、均質化し、再導入することによって、伝送された光パワー全体は、光弁によって適用されたパターンに影響を受けない可能性があり得る。これは、光弁を介して望まれるパターン中に通過する光の効果的な再分配を有利にもたらし、パターニングされる領域の量に比例して光強度を増加させる。これは、粉末床溶融技術(例えば図1Aから3Bで本明細書に記載のようなもの)を使用する進歩した付加製造方法に関して、及び、特に、レーザ付加製造を用いる用途を持つ。これは、強度の上昇によって滞在時間の短縮と印刷速度の上昇とが可能となり、効率を維持しつつ材料変換速度を上昇させるからである。
【0090】
光弁又は光変調器によって、光の空間パターンは光のビームに刻み込まれることが可能である。光強度が光学システムの関心事または性能指数に関わるものである場合、システムパワーの維持は優先事項である。液晶ベースの装置は、偏光ビーム中の「ピクセル」を選択的に回転させてその後に当該偏光ビームを偏光子を通過させて回転されたピクセルと回転されていないピクセルとを分離することで、偏光ビームにパターニングすることが可能である。廃棄された偏光状態を放出する代わりに、光子が、光弁に向かって、最初の入力ビームと組み合わされかつ均質化され得る。光路は、1)光源と光弁との間の光伝送フラクション(本明細書ではfで示される)と、2)例えば周回部に該当する光弁と光との間の光伝送フラクション(本明細書ではfで示される)、及び望まれる伝送状態のためにパターニングされる光弁のフラクション(本明細書ではfで示される)との3個の区分に分離され得る。最終的な光パワーは以下の数式1のように表現され得る。
数式1
【数1】
【0091】
従って、数式1によれば、伝送フラクションf及びfが1という完全な値にまで増加されるにつれて、パターニングされるビームのフラクションに関わらず最終的なパワーは最初のパワーと等しくなる。最終的な強度は、パターニングされる領域の量に比例する最初の強度に対して相対的に上昇する。上昇されたこの強度は滞在時間における補償を要するが、これは自明のことである。
【0092】
この概念の1つの例示的な実施は、材料の粉末のレイヤを溶解させるのにレーザを使用する付加製造の分野におけるものである。ビームの再生利用なしでは、パターニングされる領域の曲線因子が低減するにつれて材料印刷速度も低下し、これによってプリンタの全体の大量生産速度が低下する。光の再生利用に起因する滞在時間における補償は、より高い強度のために滞在時間が非線形により短くなるといったものである。より短い滞在時間は、いっそう高い印刷速度および全体の大量変換速度をもたらす傾向がある。低い曲線因子印刷領域に関しての材料印刷の速度を上昇させるこの能力のおかげで、付加製造の機械は、粉末の高レベルを、エンジニアリングされた形状変換速度(engineered shape conversion rates)にまで維持することが可能であり、これによってより高い性能の製品に繋がる。
【0093】
この概念の更なる例示的な実施は、ビルドプラットフォームに渡ってスイープし、スイープしながら粉末物質から2次元(2D)の個体のレイヤを作成するためにオン及びオフに変調される光のバーの使用におけるものである。この例に関連して再生利用される光の使用は新規である。ビルドプラットフォームの全体をスイープするバーを使用するには、それが100%の曲線因子で常に印刷できることが必要である。しかし、典型的には、ビルドプラットフォームの10から33%しか使用されてきていない。この低い曲線因子は、レーザパワーの資本設備がシステムに対して平均で3から10倍過剰であることを意味する。しかし、光が再生利用されると、バーのスイープ速度が曲線因子に比例する要求滞在時間に釣り合うように調整され、印刷速度は、最適な曲線因子効率に近くなるように上昇されることが可能である。そのような場合、資本設備は十全に利用され得る。スイープする光のバーで印刷する能力のおかげで、単一方向の印刷が可能になり、光をあちこちに動かすのに必要なガントリーシステムを単純化できる。そのような能力のおかげで、粉末スイープ機構の一体化も容易になる。
【0094】
印刷バーの概念の更なる例示的な実施は、バーに続いて、前のレイヤが印刷されるのにつれて粉末の次のレイヤを配置する粉末分配システムを含む。有利には、これによってシステムの稼働停止時間が最小化され得る。
【0095】
光再生利用の別の例示的な実施は1つ以上の他の印刷チャンバと光を共有することである。この例のおかげで、利用可能なレーザ光が、壁のコンセントから電気が使えるのとちょうど同じように、実質的に、要求すれば与えられる(on-demand)リソースのように見えることになる。
【0096】
図2とその記載で前記したように、光の再生利用は、均質化されパターンのない光ビームの再利用に限定される必要はない。パターニングされた画像の再利用も可能であり、廃棄された光パターンは、1つ以上の物品加工ユニットへの分配のために、反転され、反射され、副パターニングされ、あるいは他の場合には変換され得る。光を再生利用する一つの実施形態は、2個の画像を1つの入力401と(2-1)個のパターニングレベル402a-dから生成することが出来るエネルギパターニング二分木システム400を図示する図4Aに示される。各段階で、「正の」光パターン及び「負の」若しくは廃棄された光パターン対応物が作り出されて追加のパターニングユニットに指向され得、あるいはパターニングされた出力408として指向され得る。各光パターンは、パターンを修正し、選択されたパターン領域での強度を低減し、あるいは光の特徴を変えることのできる多段式のトランスフォーメーション404を介して更に修正されることが可能である。
【0097】
図4Bは、光パターニングと方向付け機構412を組み合わせた使用による、1つの入力411から複数の出力414へのパターン再生利用を図示する図410である。この実施例では、4つの出力経路が提供される。すなわち、パターニングされた光を持たない第1の可能な出力経路、低減された光強度を持ち反射されたこと以外は入力パターン411と同一のパターンを持つ第2の出力経路、光ピクセル再指向によって作り出された新しいパターンを持つ第3の出力経路、及び十分に小さくなり強度が増したパターンを持つ第4の出力経路、である。理解されるように、これらのパターンは単なる一例であり、適切な調整により、より小さい、より大きい、異なる形状の、またはより低い/より高い光強度パターンを有する多種多様な出力パターンを形成することができる。幾つかの実施形態では、入力画像全体の光反射や反転などによって出力パターンを変更することができ、他の実施形態では、ピクセルブロックレベル又は個々のピクセルレベルの調整が可能である。
【0098】
図4Cは、光パターニングと方向付け機構422を組み合わせた使用による、複数の入力421から出力424へのパターンの再生利用を図示する図420である。この例では、光入力パターン2、3、4を回転または反転させて入力パターン1と一致させ、組み合わせることで、パターニングされた4つの入力を高輝度出力424に組み合わせている。図4Bと同様に、これらのパターンは単に一例であり、画像全体、ピクセルブロック、又は個々のピクセルレベルでパターンや光強度の変更が可能であることを理解されたい。
【0099】
図4Dは、付加製造のためのスイッチヤード概念の実施の概略的な例であり、各画像はエネルギ方向付けユニットの半分にのみアクセス可能な、2つの光弁パターニングステップとビーム再指向の詳細を示す。この例では、1つの画像がビーム方向付けユニット471、462、472、466にのみアクセス可能であり、第2の画像はビーム方向付けユニット470、473、455、474にアクセス可能である。運用時に、パターニングされた紫外画像433(ここでは、8×12ピクセル形式の数字「9」の表現)によってビーム434を介してプロジェクタからアドレスされる(例えば、図3Bの光パターニングユニット316と同様の)エネルギパターニングユニット432に、S偏光状態の非パターニング赤外ビーム430が入射する。エネルギパターニングユニットにUV光が入射する場合はいつでも、画像情報433を含むビーム431の偏光状態は維持される。偏光素子を用いた430の中のへの入射に際して、エネルギパターニングユニット432は、当該ビームを分割し、p偏光状態にある画像446をエネルギスイッチングユニット447に向かうビーム435に沿って指向する(例えば 図3CのX0で記されるように)。s偏光状態にある画像437はその後、画像情報439を含むUVビーム440によってアドレスされる第2のエネルギパターニングユニット438に向かうビーム436に沿って送出される。エネルギパターニングユニット438は、エネルギスイッチングユニット449に向かうビーム441に沿ってp偏光状態にある画像442を送出する。エネルギパターニングユニット438からのs偏光状態にある画像444はビームダンプ445に向かうビーム443に沿って送出され、ビームダンプ445で画像444は廃棄されるかあるいは利用される。
【0100】
446として図示される第1の画像は、エネルギスイッチングユニット447に入射し、エネルギスイッチングユニット447は、画像情報446を含みp偏光状態にあるビーム435を受け取って、この例ではビームを変えずに、依然として画像情報446を含みp偏光状態を維持しその後にエネルギスイッチングユニット458に入射するビーム457に通過させる。エネルギスイッチングユニット458は、画像情報446を含むビーム457を受け取り、この例では、s偏光状態に変換し依然として画像情報446を含みその後エネルギスイッチングユニット464に入射すビーム463に通過させる。エネルギスイッチングユニット464は、画像情報446を含むビーム463を受け取り、この例では、s偏光状態を維持し依然として画像情報446を含みその後エネルギ方向付けユニット466に入射するビーム465に通過させる。機械的(回転式の)ガルバノメータ又は他のソリッドステート装置又は回転式の装置であり得るエネルギ方向付けユニット466はその後、ビーム465を、その可動域内の印刷床上の望まれるタイル位置に向かって指向する。
【0101】
442として図示される第2の画像はエネルギスイッチングユニット449に入射し、エネルギスイッチングユニット449は、画像情報442を含みp偏光状態にあるビーム441を受け取って、この例ではビームを変えずに、依然として画像情報442を含みp偏光状態を維持し、その後にエネルギスイッチングユニット451に入射するビーム450に通過させる。エネルギスイッチングユニット451は、画像情報442を含むビーム450を受け取り、この例では、p偏光状態を維持し依然として画像情報442を含み、その後エネルギスイッチングユニット468に入射するビーム467に通過させる。エネルギスイッチングユニット468は、画像情報442を含むビーム467を受け取り、この例では、p偏光状態を維持し、依然として画像情報442を含みその後エネルギ方向付けユニット470に入射するビーム469に通過させる。機械的(回転式の)ガルバノメータ又は他のソリッドステート装置又は回転式の装置であり得るエネルギ方向付けユニット470はその後、ビーム469を、その可動域内の印刷床上の望まれるタイル位置に向かって指向する。この例では、少なくとも図3D及び図5Aから図Cに関する開示で説明されたような画像中継器がビーム435/441とエネルギ方向付けユニットとの間で生じる。レンズ、ミラー及び他のプリ光学系、ポスト光学系、中間光学系がこの図4Dには描かれていないが、必要に応じて利用され得る。
【0102】
図4Eは、スイッチヤード概念の実施の概略的な例であり、エネルギ方向付けユニットの全体にアクセスするためにスイッチングが説明される、光弁パターニングの2つのステップとビーム再指向の詳細を示す。この例では、1つの画像が、ビーム方向付けユニット471、462、472、466、470、473、455、及び474にアクセス可能である。s偏光状態にある非パターニング赤外線ビーム430は、パターニングされた紫外線画像433(ここでは、8×12ピクセル形式の数字「9」の表現)によってビーム434を介してプロジェクタからアドレスされるエネルギパターニングユニット432(図3Bにて316で記載されるような)に入射する。エネルギパターニングユニットにUV光が入射する場合はいつでも、画像情報430を含むビーム431の偏光状態は維持される。430の中のへの入射に際して、エネルギパターニングユニット432は、当該ビームを分割し、p偏光状態にある画像446をエネルギスイッチングユニット447に向かうビーム435に沿って指向する(例えば図3CのX0で記されるように)。s偏光状態にある画像437はその後、画像情報439を含むUVビーム440によってアドレスされる第2のエネルギパターニングユニット438に向かうビーム436に沿って送出される。エネルギパターニングユニット438は、エネルギスイッチングユニット449に向かうビーム441に沿ってp偏光状態にある画像442を送出する。エネルギパターニングユニット438からのs偏光状態にある画像444はビームダンプ445に向かうビーム443に沿って送出され、ビームダンプ445で画像444は廃棄されるかあるいは利用される。
【0103】
第1の画像446はエネルギスイッチングユニット447に入射し、エネルギスイッチングユニット447は、画像情報446を含みp偏光状態にあるビーム435を受け取って、この例では偏光状態をs偏光状態に修正し、これによって、依然として画像情報446を含みその後にエネルギスイッチングユニット449に入射するビーム448へのスイッチングを生じさせる。エネルギスイッチングユニット449は、画像情報446を含むビーム448を受け取り、この例では、ビームを変えずに、s偏光状態を維持して依然として画像情報446を含みその後にエネルギスイッチングユニット451に入射する(この工程は図3Cの、ビームX1と偏光子382とのビーム317への相互作用によって詳述される)ビーム450に通過させる。エネルギスイッチングユニット451は画像情報446を含むビーム450を受け取り、この例では、当該ビームを、s偏光状態を維持して依然として画像情報446を含みその後にエネルギスイッチングユニット453に入射するビーム452に通過させる。エネルギスイッチングユニット453は、画像情報446を含むビーム452を受け取り、この例では、当該ビームを、p偏光状態へ維持して依然として画像情報446を含みその後にエネルギ方向付けユニット455に入射するビーム454に通過させる。機械的(回転式の)ガルバノメータ又は他のソリッドステート装置又は回転式の装置であり得るエネルギ方向付けユニット455はその後、ビーム454を、その可動域内の印刷床上の望まれるタイル位置に向かって指向する。
【0104】
442として図示される第2の画像はエネルギスイッチングユニット449に入射する。エネルギスイッチングユニット449は、画像情報442を含みp偏光状態にあるビーム441を受け取って、この例では偏光状態をs偏光状態に修正し、これによって、依然として画像情報442を含みその後にエネルギスイッチングユニット447に入射するビーム456へのスイッチングを生じさせる。エネルギスイッチングユニット447は、画像情報442を含むビーム456を受け取り、この例では、ビームを変えずに、s偏光状態を維持して依然として画像情報442を含みその後にエネルギスイッチングユニット458に入射する(この工程は図3Cの、ビームX1と偏光子382とのビーム317への相互作用によって詳述される)ビーム457に通過させる。エネルギスイッチングユニット458は画像情報442を含むビーム457を受け取り、この例では、当該ビームを、p偏光状態に修正し、依然として画像情報442を含みその後にエネルギスイッチングユニット460に入射するビーム459に通過させる。エネルギスイッチングユニット460は画像情報442を含むビーム459を受け取り、この例では、当該ビームをS偏光状態に修正し、依然として画像情報446を含みその後にエネルギ方向付けユニット462に入射するビーム461に通過させる。機械的(回転式の)ガルバノメータ又は他のソリッドステート装置又は回転式の装置であり得るエネルギ方向付けユニット462はその後、ビーム461を、その可動域内の印刷床上の望まれるタイル位置に向かって指向する。この例では、少なくとも図3D及び図5A図Cに関する開示で説明されたような画像中継器がビーム435/441とエネルギ方向付けユニットとの間で生じる。レンズ、ミラー及び他のプリ光学系、ポスト光学系、中間光学系がこの図4Eには描かれていないが、必要に応じて利用され得る。
【0105】
図5Aは印刷バー概念を使用する複数のタイルの領域印刷を図示する図500である。印刷バー506はガルバノメータミラーセット又は必ずしも可動ミラーを必要としないソリッドステートシステムを含み得る。複数の入力パターン503は複数の画像中継器504によって、画像パイプと光学系のソリッドステートアレイを一体的に持つ印刷バー506に再指向される。印刷バー506は、図示するように単一の軸に沿って粉末床510に渡って、選択的に1つ以上のタイル512を照射しながら、移動され得る。より大きな粉末床を用いる他の実施形態では、印刷バーは粉末床510を扱うためにX軸及びY軸の両方に沿って移動され得る。ある実施形態では、印刷バーに連携する光学系が単一のタイルサイズを可能とするために固定され得、他の実施形態では、タイルサイズの拡大又は縮小のため、あるいは印刷バーのz軸上の移動を補償するために可動光学系が利用され得る。他の実施形態では、図4Aで説明されたようなエネルギパターニング二分木システムを非限定的に含む、パターニングされた画像が、再生利用される光パターンを使って作り出され得る。ある実施形態では、複数のタイルが所与の時間周期のうちに同時に印刷され得る。これに代わって、もし利用可能なパターニングされたエネルギ、熱の問題、あるいは他の印刷バーの構成の問題のために完全な利用ができない場合は、タイルのサブセットが異なる時に印刷され得る。
【0106】
図5Bは、複数のビーム方向付けユニットを含むオーバーヘッド固定アレイを使用する複数のタイルの領域印刷を図示する図501である。508の画定ユニットセルとしてのビーム方向付けユニットは可動ミラー(ガルバノメータ)又は代替のソリッドステートビーム方向付けシステムを含み得る。複数の入力パターン503が複数の画像中継器504によって、光学系のアレイを一体的に含むマトリックス508に再指向される。マトリックス508は、粉末と同延となるようにサイズが決められ、粉末床510に渡って移動される必要がない。これによって、印刷バーの移動に関連するエラーが実質的に減少し、システムの組み立てと運転が単純化される。ある実施形態では、マトリックスに連携する光学系が単一のタイルサイズを可能とするために固定され得、他の実施形態では、タイルサイズの拡大又は縮小のため、あるいはマトリックス508のz軸上の移動を補償するために可動光学系が利用され得る。図5Aで説明された実施形態のように、図4A、4D、又は4Eで説明されたようなエネルギパターニング二分木システムを非限定的に含む、パターニングされた画像が、再生利用される光パターンを使って作り出され得る。ある実施形態では、複数のタイルが所与の時間周期のうちに同時に印刷され得る。これに代わって、もし利用可能なパターニングされたエネルギ、熱の問題、あるいは他のマトリックスの構成の問題のために完全な利用ができない場合は、タイルのサブセットが異なる時に印刷され得る。
【0107】
図5Cは、代替の階層システムを使用する複数のタイルの領域印刷を図示する図502である。複数の入力パターン503が複数の画像中継器504によって、個々のビーム方向付けユニット510に再指向され、ビーム方向付けユニット510は、今度はパターニングされた画像を、複数の光学系とビーム方向付けユニットを一体的に含むマトリックス508に指向する。マトリックス508は、粉末と同延となりようにサイズが決められ、粉末床510に渡って移動される必要がない。図5Aに関連して説明された実施形態と同様に、図4Aで説明されたようなエネルギパターニング二分木システムを非限定的に含む、パターニングされた画像が、再生利用される光パターンを使って作り出され得る。ある実施形態では、複数のタイルが所与の時間周期のうちに同時に印刷され得る。これに代わって、もし利用可能なパターニングされたエネルギ、熱の問題、あるいは他のマトリックスの構成の問題のために完全な利用ができない場合は、タイルのサブセットが異なる時に印刷され得る。
【0108】
図6Aから6Dを参照して、上述の方法において、高流束のビームエネルギ(例えばビーム307)は2次元パターンでパターニングされた画像であり、その後このパターニングされた画像は粉末床へ転写され、粉末床で当該パターンは粉末床上の溶解された金属のプールに、当該2次元パターンへの空間的な正相関をもって、転写される。上述の通り、2次元パターンはグレースケールパターンであり得る。図6Aから6Cに関連して以下に記載される方法は、粉末のどの領域を溶解させるのかについて単純に選択する場合よりも望ましい材料の特徴を達成するために、2次元グレースケールパターンを使用する。特に、空間的な温度勾配と熱流量の局所的な制御が、2次元グレースケールパターンの選択によってなされ得る。図6Aから6Cに関連する下記の方法は、2値の強度レベル(例えば0%と100%の強度)を使用して、2次元パターンの各ピクセルに関しての負荷サイクル(オン周期とオフ周期の期間)を調整しながら、実施されることもあり得る。
【0109】
図6Aは、付加製造(AM)を実施するためのグレースケール領域印刷のための方法600aを図示する。第1の例602では、AMでの領域印刷を実施するために振幅ベースの方法が使用され得る。第2の例では、AMでの領域印刷を実施するために位相ベースの方法604が使用され得る。2次元グレースケールパターンを使用する振幅ベースの方法及び位相ベースの方法の例は、図3Aに関して上記してある。
【0110】
振幅ベースの方法と位相ベースの方法との両方で、(例えばレーザ光といった)パターニングされていない高流束の光(HFL)ビーム606が生成される。HFLビーム606は単一のビームを形成するべく混合され組み合わされる複数の異なる光源からの光を含み得る。HFLビーム606は、パターニングデバイス608内に通過し、パターニングデバイス608は、当該HFLのいくつかの光学的性質を修正し、粉末床で印刷すべき望ましい2次元グレースケール画像をこの性質に押印(impress)する。幾つかの実施では、パターニングデバイス608は、望ましくない廃棄物(ビーム)から望まれるパターンを分離し、当該望まれるパターンを床に送る別の光学素子を含み得、他方で当該望ましくないパターンは再生利用のためにスイッチヤードシステムに進むかビームダンプに進む。
【0111】
パターニングデバイス608は、1つ以上の光学的アドレス可能光弁(OALVs)を含み得る。例えば、パターニングデバイス608は、図3Aに関連して上述された光弁380を実施するために上述された任意の方法に従って各々が実施される1つ以上のOALVsを含み得る。OALVsは、光弁の画像(「タイル」)を粉末床で金属粉末のレイヤに印刷するために使用され得る。OALVでのHFLビーム606の流束はOALVのレーザ誘起損傷閾値(LiDT)によって限定される。別の実施形態では、パターニングデバイス608は図3Bに関連して上述されたように電子ビームによってパターニングされる。
【0112】
第1の例では、パターニングデバイス608は、HFLビーム606によって照らされる第1のOALV610及び1つ以上のダイオードレーザ(DLs)からのダイオードレーザ(DL)ビーム614によって照らされる第2のOALV612を含む。DLビーム614とHFLビーム606は異なる波長をもち得、例えば、DLビームは、HFLビーム606よりも長い波長を持ち得る。HFLビーム606はDLビーム614のパルス長と比べてかなり短いパルス期間も持ち得、これは、HFLビーム606の高いピーク流束OALV610を損傷し得るからである。パターニングされたHFLビーム606及びパターニングされたDLビーム616bを得るために、OALVs610、612は、各々、HFLビーム606及びDLビームにパターンを与える。パターニングされたビーム616a及び616bは、印刷平面618に指向される。ビーム606及び614に付加されるパターンは、同じ又は異なるものであり得る。
【0113】
印刷平面618で、パターニングされたDLビーム616aは融点の僅か下にまで金属粉末の温度を上昇させ、パターニングされたHFLビーム616bのより短いパルスによって、粉末の領域(「タイル」)は、OALV610弁によってHFLビーム606に与えられたパターニングで溶解する。印刷されるタイルの最大サイズは、レーザ損傷なしでOALVが持ちこたえられるレーザ流束に依存する。パターニングされたビーム616a及び616bで光が重複すると粉末の溶解の閾値を超えて流束が上昇する。
【0114】
パターニングされたビーム616a及び616bは1つ以上のガルボ/ターニングミラー620によって印刷平面618に指向され得、1つ以上のガルボ/ターニングミラー620は、パターニングされたビーム616a及び616bを、印刷平面618の様々な領域に指向し、様々な領域でビーム616a及び616bは粉末を溶解し、パターニングされたビーム616a及び616bのパターンに対応する印刷パターン622を生成する。ビーム616a及び616bは、1つ以上のガルボ/ターニングミラー620に入射する前に1つ以上の光学的構成要素を通過し得る。液晶といった、他のビーム方向付けの態様も使用され得る。
【0115】
第2の例624では、印刷平面618でのタイルサイズに渡るある度合いのコヒーレンスを持つ複数のビームを使用して、位相ベースのグレースケール生成が行われる。コヒーレンスは、幾つかの実施形態では印刷平面618でのコヒーレンスのある度合いをHFLビームが持つように、2次元パターンを生成するために使用され得る。これに対して、DLビームは、粉末を温めるが溶解せず、また、印刷平面618ではパターニングされていない場合があり、コヒーレンスがない場合がある。
【0116】
位相ベースのグレースケールにおいて、高流束ビーム606はパターニングユニット608に入り、パターニングユニット608は、異なる光路を進む幾つかのビームレット626に後に分離されるパターニングされたビーム616aを生成する。フェーズパターニングが、分離の前に高流束ビーム606に付加され得、あるいは別々のOALVか同一のOALVの様々な領域によって各ビームレット626に個別に付加され得る。幾つかの実施形態では、より高いコヒーレンスと向上した変調が、分離の前に高流束ビーム616にパターニングが付加される場合、得られる。ビームレット626は、印刷平面618で最終的に結合するように、光学系を使用して配置され得る。光学系は、各ビームレット616のための光路を含み得、また、各光路の位相遅延を調整して印刷床で向上したダイナミックレンジが得られるようにするために補償光学系を含み得る。ビームレット626は、その後、印刷平面618で結合及び重複628する前にガルボ/フォールディングミラー620から反射し得る。ビームレット626間の干渉は、ビルド平面で2次元印刷パターン622溶解する2次元強度パターンを作り出す。
【0117】
パターニングユニット608は、米国出願シリアル番号17/670,149に記載のグレースケールパターンを付加するための位相干渉デバイスとして実施され得る。
【0118】
図6Bは、グレースケール印刷を使用した印刷部分のヤング係数の制御の例600bを図示する。これらの例では、印刷平面618は、例としてのレイヤ630を、レイヤ630から分離して示されるヴォリューム632を含むプリントの下に含む。このヴォリューム632は、現在の印刷レイヤ630a及び1つ以上の以前の印刷レイヤ630b及び630cからなる。ヴォリューム632は、その格子構造を作りまた格子構造内で粒子特徴を修正するためにグレースケール印刷を使用して印刷される構造体材料を含む。
【0119】
本明細書に記載の印刷領域方法を使用することで、各印刷タイルは数百万ピクセルからなることがある。ここでの「ピクセル」は、2次元画像の要素に向かい合って入射するHFLビームの特定の2次元パターンと関連する溶解プールの制御される個々の領域を指すために使用される。各ピクセルが受け取る流束の強度は、上述のうちの任意の方法を使用してグレースケールのダイナミックレンジに渡って制御され得る。例えば、隣接するピクセルは異なるグレースケール値を持ち得る。ピクセルが異なればグレースケール値も異なる例においては、溶解プールには異なる複数の流束レベルがある。これにより、温度勾配は、より高い流束(伝達されるエネルギが多くなれば温度は高くなる)のピクセルからより低い流束(その逆)のピクセルへのものとなる。
【0120】
HFLビームのHFLパルス及びDLビームの加熱パルスにとっての適時のグローバルスイッチによって、熱流量は高流束から低流束への方向において安定することが出来る。HFLパルスが終わった後で形成が始まる粒子構造は、この同じ方向にあり、従って粒子構造は、高流束から低流束への熱流量に従う。例えば、金属構造がその温度に向かって加熱される温度と冷却時間との両方によって粒子構造は影響を受け得る。種々の例で、粒子サイズは、温度上昇と共に上昇する。他の例では、粒子構造は、冷却時間が長くなるにつれて、増える。従って、粒子構造は、溶解プールがその温度に加熱される温度及び/又は冷却周期によって影響を受け得る。溶解プールの各ピクセルに付加される温度プロフィールは、粒子そのものの微細構造にも影響を持つ。例えば、各粒子内の結晶のタイプ(単数又は複数の)や、各粒子内の種々の結晶のタイプの混合といったものである。例えば、鋼の場合、結晶は、マルテンサイトデンドライト及びオーステナイトの形態で成長する。従って、温度プロフィールは各粒子内のマルテンサイトとオーステナイトとの形成を制御し得る。
【0121】
各ピクセルのレベルで制御される温度プロフィールに関する、粒子サイズと粒子の微細構造との間の関係は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる以下の参照文献に記載の方法を使用して得られ得る。
Ryan R,Dehoff,“Electron Beam Melting Technology Improvements,” Oak Ridge National Laboratory (2019年1月)
Jorge Mireles et al.,”Closed Loop Automatic Feedback Control in Electron Beam Melting,” Int. J. Adv. Manuf. Technol. 78:1193-1199 (2015年)
Timothy Horn,”material Development for Electron Beam Melting,” Center for Additive Manufacturing and Logistics,NC State University (2015年)
T. Mahale et al.,”Advances in Electron Beam Melting of Aluminum Alloys,” 2007 International Solid Freeform Fabrication Symposium
Tomas Kellner,“This Electron Gun Builds Jet Engines,” General Electric,(2014年8月18日)
Sciaky Inc.,“Sciaky to Deliver Industry-Leading Electron Beam additive manufacturing system to EWI,Sciaky Inc. (2016年7月20日)
【0122】
剛性といった材料特性は、この粒子成長及び結果としての微細構造への直接的な相関を持つ。剛性は、粒子が成長できる方向を制御し、及び/又は、ヤング係数に影響し得る各粒子の壁での溶質元素といった各粒子の局所的な化学的性質を制御するために熱勾配を制御することによって制御され得る。例えば、剛性は、粒子のサイズの上昇と共に上昇し得る。従って、剛性は、平均よりも大きい粒子サイズを持つ領域の平均よりも高く、平均よりも低い粒子サイズを持つ領域ではより低い。従って、上記の付加製造プロセスを使用して作り出されるある物体の剛性は、各ピクセルが受け取る流束とこれにより各ピクセルが加熱される温度とに依存してピクセル毎に制御され得る。
【0123】
他の例では、粒子サイズと共に、冷却される材料の格子構造が、熱勾配に基づいて制御され得る。例えば、隣接する又は近くのピクセルの熱勾配を制御し、及び/又はピクセルの冷却を行うことで、エピタキシャル成長のレベルを制御し材料の全体の構造に影響を与えることが可能である。
【0124】
レイヤ間の粒子構造は、冷却の度合いに追随ようにコラム状の粒子成長(columnar grain growth)を伴って底部から上に向かって冷却が生じるようにビームの時間的な流束制御と共に行われるグレースケール印刷によって制御され得る。この方向への粒子成長は、特徴な次元と結び付けられ得る。例えば、音響共振が、3個の次元の全てで音響共振が生じ得るレイヤ630の平面において、生じ得る。レイヤからレイヤの方向での音響共振は、印刷レイヤ630の平面での音響共振と異なる場合が、印刷レイヤ630の平面でのより良い制御のために、ある。
【0125】
ある例では、依然として焼結点を超えている1つ以上の低温ピクセルは、第1の剛性を持つことになり、融点を超えている中程度に加熱された1つ以上のピクセルは第2の剛性を持つことになり、最も高い温度を持つ1つ以上のピクセルは第3の剛性を持つことになる。熱勾配(上述の流束の違いによる)を呈するタイル内の領域に関しては、係数はレベル間で異なることになる。係数が「レベル」を持つとして記載されていが、これは、別々の変化を必ずしも指しているのではなく、変動は連続的であることに留意されたい。
【0126】
粒子構造と格子構造との両方は、冷却され完成した部品の熱特性と音響特性とに影響し得、熱特性と音響特性との両方は、少なくとも部分的に、作り出される構造体とこれら構造体が音場と共鳴するか否かとに依存して、独立的に調整され得る。印刷平面618に対する正常方向636におけるヴォリューム632の図634に示されるように、ヴォリューム632は、格子の1つ以上のタイプを含み得、例えば、互いに対して直交する第1の周期性638及び第2の周期性640の格子の2つ以上のタイプが見て取れ得る。印刷平面618の互いに直交する2つの次元(例えば次元「X」及び「Y」)における各格子特徴の幅は、特定の音響周波数にて共振し得る。
【0127】
音響特性は、グレースケールに従って形成され得、例えば、「X」に沿い「Y」に交わるグレースケールは、望まれる格子間隔638、640に対応する周期性を持ち得る。格子開口での間隔も、同じ又は異なる周波数にて共鳴し得る。ある実施形態では、音響共鳴は、図634に示されるようにタイル内及びタイル間のヤング係数の変動の巨視的な結果である。方向642に沿う平面に平行に見た場合、印刷ヴォリューム632は、図644に示される第2の周期性(例えば、X又はY方向)及び第3の周期性646(例えば、Z方向)を持つ2つ以上の格子タイプのようにレイヤ間に生じる粒子成長の方向を示すことがあり得る。
【0128】
別の実施形態では、ヤング係数と望まれる経路の大規模な横断面領域との制御によって、熱制御を調整するための特定の方法で熱が伝導され得る。あるレイヤから他のレイヤへの又は任意の横方向ヴォリュームから横方向ヴォリューム内の部品の密度を上昇させることにより、熱経路は部品内で確立され得、これによりユーザは完成部品での冷却を強化するための熱回路を設計し組み立てることが可能となる。例えば、印刷レイヤ630の通常の(例えば上から下への)図を参照して、第1のレイヤ630bは第1の密度であり得、第2のレイヤ630cは第2の密度であり得る。例えば、第1のレイヤ630bは、より低い密度であり得、第2のレイヤ630cは、より高いレイヤであり得、その逆もあり得る。図1Bに図示される例では、密度の上昇はレイヤからレイヤへの密度の上昇として描かれている一方で、他の例示的実施では、密度の上昇は平面内であり得、又は任意の望まれるヴォリューム形状においてつながってい得る。本明細書に記載されるグレースケール印刷技術により、熱経路がタイル内、平面内、又はこれらのヴォリュームを生成するためのレイヤに渡って、作り出され得る。密度は、X、Y、又はZ方向に沿って材料内で、又は、これらの方向に対して直交せずすなわちカーブする経路において、ヒートパイプが形成され得るように、気孔率を調整するためにさらに制御され得る。
【0129】
図6Cは、グレースケール印刷を使用して巨視的に整列された結晶(crystallography)の例600cを図示する。ビルドプレーン618は、図6Cに詳細に図示されるヴォリューム642を含む印刷対象ヴォリューム640を持つ。ヴォリューム642は、ビルドプレーン618に平行な平面での1つ以上のタイル位置又は1つのタイル位置の部分を表し得る。各タイルは数百万の画像ピクセルを含み得る。各画像ピクセルは、上に列記される任意の態様のOALVによって付加される流束値の範囲内の独立の流束値を持つ。
【0130】
現在印刷されているヴォリューム640の最上面は、前に印刷されたレイヤの上にある。これらのレイヤの大半は、同様の配向の結晶構造体644から成り、他の部分は、多結晶構造体といった、異なる結晶構造体646、648を呈する。構造体644、646、648は、ヴォリューム640の複数のレイヤに渡って存在し得、また、各レイヤで同じ形状を持ち得、又は、レイヤ間で異なる形状を持ち得、カーブした外形か他の形状の外形を持ち、ビルドプレーン618に対して直交しない境界線を持つ構造体644、646,648を形成し得る。
【0131】
結晶構造体644、646,648は、当該構造体644、646,648を形成するタイルに渡って、グレースケール印刷を使用して、レイヤ毎に形成され得る。印刷画像での各グレースケールレベルは、粉末/そのピクセルのために溶解プールにあたる様々な流束を表し、また、その溶解プールが達する様々な温度を表す。タイルに渡って画像内に異なるグレースケールレベルがあると、より高い流束溶解プールからより低い流束溶解プールへの温度勾配(より高い温度勾配からより低い温度勾配を表す)があり得る。HFL流束が弱まると、これらの溶解プールは、熱勾配と材料の多結晶の形成に結び付くHFLの時間的パルス機能に従って結晶化し始める。短い又は長い粒子構造が、これらの要因(HFLビームの特性、勾配、および結晶配向)に依存するこれらの勾配に沿って形成される。種々の材料特性が、結晶配向と粒子タイプ(短いか長いかおよび配向)との両方から派生し、粒子タイプは、降伏力、可塑性、クリープ、疲労、延伸、熱伝導及び音響伝導、音響反応及び音響共鳴、ガラスの反応(自己修復または亀裂伝播停止の能力)、及び、破壊強度を含む。
【0132】
複数のレイヤに渡って存在する構造体644、646、648に加えて、ヴォリューム640内に1つ以上のレイヤ652を、1つ以上のレイヤ652の上か下にレイヤ650とは異なる結晶構造を使って、作り得る。このことは、ヴォリュームの応力を逃がすこと、計画的な層間剥離、ヴォリュームの亀裂伝播停止、又は一層シャープなエッジ又は微細フレーキング時のフェース(face)の同様の制御を確実なものとする上で有用であり得る。加えて、これらの固有の特徴/欠点は、望ましい熱経路又は他の制御されるフォノニックな特徴をヴォリューム640内に一体化させるのに使用され得る。
【0133】
これらの特徴/欠点は、局所的な若しくは大域的な音響共鳴又は熱イオン共鳴をよりよい運用性能のために強化、制御、又は消失させ得、また、新たな機械的能力を生じさせ得るフォノニック共鳴体であり得る。変化し異なる周波数と時間-空間帯域幅積のフォノンを作り出し、操作し、制御し、増やし、消失させるためにこれらの技術を使い得る、「フォノニック結晶」を使用する知識の大きな集合が存在し、既存の用途および新たな用途が付加製造部品へ一体化されることを可能にする。例えば、ヴォリューム内で散乱された(設計によって)種々のフォノニック共鳴体で適切な部品が作られた場合、完成部品の外側表面の特定の点にかけられる外部刺激は、一連の音響共鳴を引き起こし得る。刺激の位置と性質とを種々のものとすることによって、他の望ましい振る舞いにつながる他の共鳴が誘発され得る。
【0134】
図6Dは、材料の特徴の制御でのグレースケール印刷の時間的な構造化の例600dを図示する。ビルドプレーン618は、印刷されている印刷対象ヴォリューム660を持ち、当該印刷対象ヴォリューム660の現在の印刷レイヤ662が印刷中のものとして図示されている。現在のレイヤ662は、タイル666のマトリックスから形成される形状664として詳細に図示されており、タイル666の各々は印刷対象ピクセルのアレイを含む。タイル666の各々のタイル668は、個々のピクセル670のアレイとして図示されている。流束の大きさ(グレースケール値)及び期間は各タイル668の各ピクセル670毎に制御され得る。流束の大きさ及び期間は、各ピクセル670に対応する各レイヤ内で、現在のレイヤ662として印刷されるときに、各ピクセル位置で特性を制御するために選択され得る。図示のピクセルの数は、例であり、より多くの又はより少ないピクセルが、使用される光学部品の解像度に依存して、使用され得る。
【0135】
図6Dに示されるように、タイル668は、異なる材特性を持つピクセル670の領域(灰色と白のセクションによって図示される)を含み得る。ピクセルマトリックス672は、タイル668の部分の各ピクセル670毎の例示的タイミング674を示す。各ピクセル670毎に、そのピクセルがどの領域を占めるかによってn=0、1、2又は3(又は他の任意の数)とする値tを持つタイミング674が示される。時間の変数tは、各ピクセル670毎のパルス期間、パルス間のインターバル、及びパルスのパターン、の内の一部又は全部を定義し得る。パルス期間、パルス間のインターバル、及びパルスのパターンの内の一部又は全部は、HFLビームとDLビームとの一方又は両方について定義され得る。
【0136】
例えば、図6Dは、水平軸が時間であり、垂直軸が流束の強度又は振幅である、ピクセル670のパルスパターンのタイミングダイアグラム674を示す。より高い(より高い強度)棒はHFLビームの流束に対応し得、より低い(より低い強度)棒は、DLビームに対応し得る。第1のパターン676で、DLビームは、第1のパルス期間を持つ単一のパルスを持ち、HFLビームは、HFLビームの第1の期間中にその全てが生じる第2の期間を持つ複数の第2のパルスを持つ。第2のパルスは、流束ゼロの周期によって分離され得る。第2のパルスは、同等の期間又は非同等の期間であり得、第2のパルス間の流束ゼロの周期は同等の期間又は非同等の期間であり得る。図示のように、第1のパルスは、最初の第2のパルスの前に始まり得、また、パターン676の最後の第2のパルスの後で続き得る。最初の第2のパルスの前の第1のパルスの期間と、最後の第2のパルスの後の第1のパルスの期間とは、同等又は非同等であり得る。
【0137】
一つの例では、パターン676はtに対応するベースラインパターンを表す。t、t、t、又は他のタイミング値に対応するパターンは、種々の方法で構成され得る。第1の例では、t、t、tに各々対応するパターンはパターン676の繰り返しの回数に対応する。例えば、パターン678は、各々がHFLビームの第2のパルス又はパターン676の例を表し得るパルス680、682、684を含む。何れの場合でも、パルス680、682、684は、DLビームの最初の単一のパルスの期間内に生じ得る。一つの例では、パルス680は、tに対応し、パルス682はtに対応し、パルス684はtに対応する。
【0138】
第2の例では、パターン676に先行及び/又は続くゼロHFLビーム強度の期間は各パターンt、t、t毎に異なる。第3の例では、t、t、tに対応するパターンはベースラインパターン676の第2のパルスと異なる強度及び/又は期間を持つ第2のパルスを含む。パルス期間、パルス強度、パルス間のゼロ強度の期間、第2のパルスの前後のゼロ強度の期間の変数は、設計スペース(design space)を定義し、当該設計スペースから、所与のピクセルに関して望まれる材料特性を達成するためにパターンが定義され得る。特に、ゼロHFL強度の期間は、パターン676の実行の間又はその後の冷却を可能とし得る。第1のパルスは、強度において一定なものとして示されているが、本明細書で記載される、グレースケールでパターニングされたビームを作成する技術を使用して達成されるパターン676に渡って経時的に変化する強度を持ち得る。
【0139】
図示される例では、マトリックス672のタイミングシーケンスt、t、t、tを使うと、タイル668内のピクセルの種々の領域686a-686dが生じ、それらの領域の各々は、現在の印刷レイヤ662において対応するピクセル位置にて種々の材料特徴を生じさせる。例えば、第1の領域686aは流束パターンtを受け取り、領域686bは流束パターンtを受け取り、領域686cは流束パターンtを受け取り、領域686dは流束パターンtを受け取った。領域686a、686dでは、材料特徴は、冷却速度の制御のために比較的少ない変更がされる第2のパルスのグレースケール強度レベルに対応し得る。対照的に、領域686b、686cは、第2のパルス及び冷却が発生するゼロHFLビーム流束の周期によって決定される冷却速度による修正を提供する異なるパターンのために、異なる材料特性を持ち得る。
【0140】
第1のパルスの期間、第2のパルス、及びパルス間のゼロ強度の周期は、HFLビームとDLビームとをパターニングするために使用されているOALVsのスイッチング周期によって決定される最小の期間を持ち得る。同様に、パルスの期間が変えられる増分は、使用されているOALVsのスイッチング周期の関数であり得る。例えば、OALVは、10msから50msのスイッチング周期を持ち得る。
【0141】
図7は本明細書に記載のグレースケール付加製造の例示的用途を図示する。部品700は、突起部702の近位端706が部品700の残りの部分へ取り付けられる箇所よりも印刷平面618に近い遠位端704を持つ突起702を含み得る。印刷平面618により近いレイヤが印刷平面618からより遠いレイヤよりも先に印刷されることになるので、遠位端704は、近位端706よりも先に印刷される。従って、遠位端704の次のレイヤが印刷されているときに遠位端704を適正な場所に維持するために、支持部708は印刷されて印刷平面618と遠位端704との間に存在し得る。支持部708は、部品700の一部ではなく、従って除去されるべきである。幾つかの実施形態では、支持部708が部品700とは異なる材料特性を持つようにグレースケール印刷が使用される。例えば、支持部708は、部品700をなす材料よりも、より脆弱に、より柔らかく及び/又はより多孔に作られ得る。
【0142】
図8は、本明細書に記載のグレースケール付加製造の他の例示的用途を図示する。図8は、印刷平面618に平行か又は印刷平面618に直交する平面内の部品のピクセルの一部を図示する。空欄のピクセルは、印刷に際して投射されるタイル内に位置する粉末の領域が溶解されずに残るように、非印刷対象ピクセルを表す。「A」とマークされたピクセルは、非印刷対象ピクセルと印刷対象ピクセルとの間の境界における印刷対象部品のエッジに対応する。「B」とマークされたピクセルは、非印刷対象ピクセルと境界をなす部品の内部と対応する。非印刷対象ピクセルは溶解されないので、Aピクセルから出る熱流の速度は、Bピクセルとは異なる。これを補償するために、タイルの各ピクセル位置にて掛けられる流束の強度及び/又は期間は、グレースケールパターンを使用することで、調整され得る。例えば、HFLビームから、AピクセルがBピクセルと比べてより高い強度の流束及び/又はより長い期間の流束を受け取り得る。これに加えて、非印刷対象ピクセルは、Aピクセルからの熱流の速度を低減させるために依然としてDLビームによって照らされ得る。図示のピクセルは、印刷平面618に平行か印刷平面618に直交する平面内のピクセルを表し得る。
【0143】
図9を参照すると、より一般的な場合において、各ピクセル900は、ピクセル900と全ての周囲のピクセルとを含む3×3×3のアレイ902での中心ピクセルとして理解され得る。テストと、モデリング、又はこれら2つの組み合わせが、ピクセル902の3×3×3のアレイの配列の広いレンジのために実施され得る。特に、モデリング及び/又はテストが、ピクセル毎の印刷対象及び非印刷対象ピクセルの異なる配列、種々の材料特性の異なる値(ヤング係数、気孔率、硬度、強度、粒子サイズ、微晶質の構造、その他)、及び、それに従ってピクセル902の3×3×3のアレイに渡って材料特性が異なる種々の勾配に関して実施され得る。モデリング及び/又はテストは、上述の配列のうちの任意のものを達成するために、ピクセル902の3×3×3のアレイの各レイヤに適用され得る2次元グレースケールパターン及び/又はタイミングパターンを決定するために実施され得る。中心ピクセル900以外の全てのピクセルが他のピクセルと隣接することになるのだから、ピクセル900と取り囲むピクセルの特性が配列によって定義されるなら、モデリングとテストによって、ピクセル900のグレースケール強度値及び/又はタイミングパターンは決定され得る。例えば5×5×5、7×7×7又は、N、M、Pが3より大きい整数であり同一又は非同一であるN×M×Pといった、他のアレイサイズがモデリング及び/又はテストされ得る。
【0144】
以降では、任意の部品と、その部品の各ピクセルについての望まれる特性について、ピクセル毎のグレースケール流束値及び/又はタイミングパターンが、望まれる材料特性(印刷対象/非印刷対象、ヤング係数、気孔率、硬度、強度、粒子サイズ、微晶質の構造、等)と、隣接するピクセルの望まれる材料特性とに基づいて選択され得る。特に、合致するアレイ902が特定され得、グレースケール流束値及び/又はタイミングパターンが、合致するアレイ902の中心ピクセル900のグレースケール流束及び/又はタイミングパターンに基づいて部品のピクセル毎に選択され得る。
【0145】
ある状況下では、厳密に合致するアレイは存在しない場合がある。これに対処するため、部品の輪郭及び/又は勾配に適合するようにマトリックス902を回転させるといった種々の技術が使用され得る。幾つかの実施形態では、曲線あてはめ、機械学習、又はその他の技術が、マトリックス902の材料特性を中心ピクセル900のグレースケール流束値及び/又はタイミングパターンに関連付けるために使用され得る。機械学習が使用される場合、ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、ディープニューラルネットワーク(DNN)又は他のタイプの機械学習モデルが、3次元アレイのピクセル毎、且つ、望まれる出力としての3次元アレイの中心ピクセル900(又は他のピクセル位置)のグレースケール流束値及び/又はタイミングパターンに関して、1つ以上の材料特性(印刷対象/非印刷対象、ヤング係数、気孔率、硬度、強度、粒子サイズ、等)のマトリックス902を各々が含むデータエントリでトレーニングされ得る。各トレーニングデータエントリは、推定値を得るために機械学習モデルを使用して処理され得る。推定値は、トレーニングデータエントリの望まれる出力と比較され得る。機械学習モデルのパラメータは、推定値と望まれる出力との間の差に対応する損失関数に従って調整され得る。機械学習モデルは、その後、3次元アレイの1つ以上のピクセル(例えば、中心ピクセル)のためのグレースケール流束値及び/又はタイミングパターンを得るために、望まれる特性の3次元アレイを入力することによって利用され得る。
【0146】
前述した説明及び関連する図面で提示した技術の利益を有する当業者であれば、発明の多くの変更及び他の実施形態が思い浮かぶであろう。それ故、本発明は開示された特定の実施形態に制限されないこと、及び、変更及び実施形態は添付の請求項の範囲内に含まれることを意図することが理解される。本明細書で特に開示されない要素/ステップを除外して、この発明の他の実施形態が実施されてもよいことも理解される。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2025-02-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
印刷平面上に粉末のレイヤを蓄積することと、
光弁に2次元グレースケールパターンを書き込むこと、
前記2次元グレースケールパターンに対応する2次元流束パターンを持つパターニングされたビームを得るために、光源から最初の光ビームを前記光弁上に放射すること、及び
溶解した部分を得るために、前記パターニングされたビームを粉末の前記レイヤの領域上に方向付けすることであって、前記溶解した部分は前記2次元グレースケールパターンに対応して2次元に変化する材料特性を持つ、方向付けすること、を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記2次元グレースケールパターンは少なくとも3個の強度レベルを持つ、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記2次元グレースケールパターンは、少なくとも128個のレベルの範囲から選択される少なくとも3個の強度レベルを持つ、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、
前記パターニングされたビームを得るために、前記光弁は前記最初の光ビームの振幅を変調する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記パターニングされたビームを得るために、前記光弁は前記最初の光ビームの位相を変調する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、
前記パターニングされたビームを得るために、前記光弁は前記最初の光ビームのコヒーレンスを変調する、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記光源は第1の光源であり、前記光弁は第1の光弁であり、前記2次元グレースケールパターンは第1の2次元グレースケールパターンであり、前記パターニングされたビームは第1のパターニングされたビームであり、前記方法は、
第2の光弁に第2の2次元グレースケールパターンを書き込み、
低流束のパターニングされたビームを得るために前記第2の光弁上に低流束のビームを放射することであって、前記低流束のビームは粉末の前記レイヤを溶解するには不十分であり、且つ、前記第1のパターニングされたビームよりも低い流束を持つ、放射すること、及び、
前記第1のパターニングされたビームを前記領域上に方向付けするのと同時に前記領域上に前記低流束のパターニングされたビームを方向付けすること、を含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記第1のパターニングされたビームは1つ以上の第1のパルスを含み、前記低流束のビームは1つ以上の第2のパルスを含み、前記1つ以上の第2のパルスは前記1つ以上の第1のパルスよりも長い、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記材料特性はヤング係数を含む、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、
前記材料特性は気孔率を含む、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記材料特性は粒子サイズを含む、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記材料特性は結晶微細構造を含む、方法。
【請求項13】
システムであって、
ビルドプレーン上に粉末のレイヤを堆積するように構成された粉末伝達システムと、
光弁と、
一連の2次元グレースケールパターンを前記光弁に書き込むように構成されたパターニングユニットと、
前記一連の2次元グレースケールパターンのうちの各2次元グレースケールパターンに対応するパターニングされたビームを前記光弁が出力するように、前記光弁上に最初の光ビームを放射するように構成された光源と、
前記一連の2次元グレースケールパターンに従って粉末の前記レイヤの部分を選択的に溶解するために、前記パターニングされたビームを前記ビルドプレーンの複数の領域に方向付けるように構成されたビーム方向付け器と、及び、
前記光源、前記パターニングユニット、及び前記ビーム方向付け器に接続され、且つ、前記部分内で2次元的に変化する材料特性を達成するために前記一連の2次元グレースケールパターンを生成するように構成されたコントローラと、を含む、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、
前記コントローラは更に、前記複数の領域のうちの各領域にパルスのパターンを適用するために、前記一連の2次元グレースケールパターンを生成するように構成された、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、前記一連の2次元グレースケールパターンは、ピクセル位置のアレイを定義し、ピクセル位置の前記アレイのピクセル位置毎にパルスの前記パターンを独立的に制御するように前記コントローラが構成されている、システム。
【請求項16】
請求項13に記載のシステムであって、
前記光源は第1の光源であり、前記光弁は第1の光弁であり、前記最初の光ビームは第1の最初の光ビームであり、前記パターニングされたビームは第1のパターニングされたビームであり、前記一連の2次元グレースケールパターンは一連の第1の2次元グレースケールパターンであり、
前記システムは更に
第2の光弁と、
前記第2の光弁上に第2の最初の光ビームを放射するように構成された第2の光源であって、前記第2の光源は前記第1の光源よりも低く粉末の前記レイヤを溶解するには不十分な流束を持つ、第2の光源と、
を含み、
前記パターニングユニットは、一連の第2の2次元グレースケールパターンのうちの各第2の2次元グレースケールパターンに対応する第2のパターニングされたビームを前記第2の光弁が出力するように、一連の第2の2次元グレースケールパターンを前記第2の光弁に書き込むように構成され、且つ、
前記一連の第1の2次元グレースケールパターンと前記一連の第の2次元グレースケールパターンとは、ピクセル位置のアレイを定義し、前記コントローラは、ピクセル位置の前記アレイのピクセル位置毎に、前記第1のパターニングされたビームにおいて第1のパルスの第1のパターンを独立的に制御し、且つ、ピクセル位置の前記アレイのピクセル位置毎に、前記第2のパターニングされたビームにおいて第2のパルスの第2のパターンを独立的に制御するようにプログラムされている、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、
前記第1の光源は高流束レーザであり、前記第2の光源はダイオードレーザである、システム。
【請求項18】
請求項13に記載のシステムであって、前記コントローラは、少なくとも128個のレベルの範囲から選択される少なくとも3個の強度レベルを含む前記一連の2次元グレースケールパターンのうちの少なくとも1個のパターンを書き込むように構成されている、システム。
【請求項19】
請求項13に記載のシステムであって、
前記光弁は、
前記パターニングされたビームを得るために、前記最初の光ビームの振幅、
前記パターニングされたビームを得るために、前記最初の光ビームの位相、又は
前記パターニングされたビームを得るために、前記最初の光ビームのコヒーレンス、
のうちの1つを変調するように構成されている、システム。
【請求項20】
請求項13に記載のシステムであって、
前記材料特性は、ヤング係数、気孔率、粒子サイズ、及び結晶微細構造のうちの1つ以上を含む、システム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
物品処理ユニット140は、壁付きチャンバ148及び床146と、材料を分配するための材料ディスペンサ142とを含み得る。材料ディスペンサ142は、材料を分配し得、除去し得、混合し得、材料の種類若しくは粒子(particle)のサイズにグラデーション若しくは変化を提供し得、又はレイヤの厚さを調整し得る。材料は、金属、セラミック、ガラス、ポリマー粉末、固体から液体への及び再度個体へ熱的に誘導されることが可能な溶解可能なその他の材料、又はこれらの組み合わせを含み得る。材料は、溶解可能な材料と溶解不可能な材料との複合材料を更に含み得、該複合材料において、溶解不可能な材料のみを残すか、又は蒸発/破壊/燃焼若しくはその他の破壊的な工程をそれに受けさせるかの何れかがなされつつ、何れか又は両方の構成要素は、溶解可能な構成要素を溶解するために選択的に画像中継システムの対象にされ得る。例えば、材料のスラリー、噴霧、塗料膜、ワイヤ、片、又はシートが用いられ得る。不要な材料は、使い捨て又は再生利用のために、送風機、減圧(vacuum)システムの使用、床146の掃きとり、振動、震動、傾斜化、又は反転によって除去され得る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0075
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0075】
図3は、再利用のための廃棄ビームエネルギの簡易な幾何学的変換を図示する図235である。入力パターン236は、ミラー画像ピクセルパターン238を供給可能な画像中継器237に指向される。理解されるように、幾何学的変換、又は個々のピクセル及びピクセル群のパターン再配置を含むより複雑な画像変換が可能である。ビームダンプで捨てられる代わりに、この再配置されたパターンは、製造処理能力又はビーム強度を向上させるために物品処理ユニットに指向され得る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0076】
図3は、再利用のための廃棄ビームエネルギの複数の変換を図示する図235である。入力パターン236は、ピクセルパターン239を供給可能な一連の画像中継器237B―Eに指向される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6A
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6A
【国際調査報告】