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特表2025-520537アルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末、および酸化亜鉛を単一バッチプロセスで製造する方法
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  • 特表-アルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末、および酸化亜鉛を単一バッチプロセスで製造する方法 図1
  • 特表-アルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末、および酸化亜鉛を単一バッチプロセスで製造する方法 図2A
  • 特表-アルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末、および酸化亜鉛を単一バッチプロセスで製造する方法 図2B
  • 特表-アルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末、および酸化亜鉛を単一バッチプロセスで製造する方法 図3A
  • 特表-アルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末、および酸化亜鉛を単一バッチプロセスで製造する方法 図3B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-03
(54)【発明の名称】アルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末、および酸化亜鉛を単一バッチプロセスで製造する方法
(51)【国際特許分類】
   C22B 7/04 20060101AFI20250626BHJP
   C22B 19/30 20060101ALI20250626BHJP
   C22B 21/00 20060101ALI20250626BHJP
【FI】
C22B7/04 Z
C22B19/30
C22B21/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024573924
(86)(22)【出願日】2023-06-12
(85)【翻訳文提出日】2025-02-12
(86)【国際出願番号】 IN2023050552
(87)【国際公開番号】W WO2023242861
(87)【国際公開日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】202221034669
(32)【優先日】2022-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524461431
【氏名又は名称】ビーエヌ インダストリーズ
【氏名又は名称原語表記】BN INDUSTRIES
【住所又は居所原語表記】75/80 BHARAT INDUSTRIAL ESTATE, BHIMPORE, DAMAN AND DIU 396210 (IN).
(74)【代理人】
【識別番号】100135194
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 智雄
(72)【発明者】
【氏名】シンガル,アシュウィニ ブラフマナンド
【テーマコード(参考)】
4K001
【Fターム(参考)】
4K001AA02
4K001AA30
4K001BA13
4K001DA05
4K001DA06
(57)【要約】
アルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末、および酸化亜鉛を単一バッチプロセスで製造する方法を提供する。本発明は、アルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末、および酸化亜鉛を単一バッチプロセスで製造する方法に関する。この方法は、ガルバリウムドロスを誘導炉に供給して、ガルバリウムドロスを溶融するステップを含む。この方法は、溶融ガルバリウムドロスから酸化亜鉛粉末、脱酸素アルミニウム、およびアルミニウム粉末を抽出するステップを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガルバリウムドロスからアルミニウムおよび亜鉛を単一バッチプロセスで回収する方法であって、
ガルバリウムドロスを誘導炉に供給してガルバリウムドロスを溶融し、ガルバリウムドロスを副生成物として受け取るステップと、
前記溶融ガルバリウムドロスをシリコンカーバイドるつぼ炉に移して前記溶融ガルバリウムドロスを所定温度まで加熱するステップであって、前記溶融ガルバリウムドロスを加熱すると、前記溶融ガルバリウムドロスの上から亜鉛蒸気が蒸発する、前記ステップと、
前記亜鉛蒸気を酸化室に収集して酸化亜鉛粉末を生成するステップと、
前記溶融金属の品質試験の結果に基づいて、溶融金属残渣に純アルミニウムを添加するステップであって、前記溶融金属残渣は、前記溶融ガルバリウムドロスから亜鉛蒸気を蒸発させた後の残留分である、前記ステップと、
鋳造機で前記溶融金属を鋳造し、前記アルミニウム脱酸素剤または前記アルミニウム粉末を生成するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
受け取った前記ガルバリウムドロスは、トップグレードのガルバリウムドロス、ボトムグレードのガルバリウムドロス、および規定サイズのガルバリウムドロスのいずれかに分類され、前記トップグレードのガルバリウムドロスおよび前記ボトムグレードのガルバリウムドロスは、受け取ったガルバリウムドロスの鉄含有量に基づいて分類される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トップグレードのガルバリウムドロスは溶解のために誘導炉に直接供給され、前記ボトムグレードのガルバリウムドロスの場合、前記ボトムグレードのガルバリウムドロスは、各ピースの寸法が21インチ以下の小片に切断され、前記ボトムグレードのガルバリウムドロスのこのような小片は、処理のためにシリコンカーバイドるつぼ炉に直接移される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
受け取った前記ガルバリウムドロスを溶融する前記ステップは、
前記溶融ガルバリウムドロスに、カバーフラックスと氷晶石ナトリウムの混合物のフラックス添加剤を添加し、前記溶融ガルバリウムドロスの上部をフラックスで覆って酸化レベルを最小限に抑えるステップと、
前記溶融ガルバリウムドロスの上部からスラグを除去するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
溶融ガルバリウムドロスをシリコンカーバイドるつぼ炉に移すステップは、
前記誘導炉を90度傾けるステップであって、前記溶融ガルバリウムドロスは樋を通って流れ、取鍋に充填される、前記ステップと、
前記溶融ガルバリウムドロスを前記取鍋から前記シリコンカーバイドるつぼ炉に移すステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記溶融ガルバリウムドロスを1300℃~1400℃の所定温度範囲まで加熱して、前記溶融ガルバリウムドロスの金属を沸騰させる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記酸化室内の亜鉛蒸気を収集する前記ステップは、
前記亜鉛蒸気の酸化により生成された酸化亜鉛を、400フィートの長さのパイプを介して搬送し、冷却して微細な白色固体酸化亜鉛粉末を形成するステップと、
パルスジェットエアバッグハウスで前記酸化亜鉛粉末を収集するステップと、
事前に定義された基準に基づいて前記酸化亜鉛粉末の品質を決定するステップと、
前記酸化亜鉛粉末をブレンダーに通して酸化亜鉛粉末の嵩密度を高めるステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記残留溶融金属に純アルミニウムを添加する前記ステップは、
前記残留溶融金属にフラックス添加剤を添加するステップと、
前記残留溶融金属の上部からスラグを除去するステップと、
前記スラグフリー残留溶融金属サンプルの品質試験を実施することにより、前記スラグフリー残留溶融金属サンプルの化学組成を評価するステップと、
前記残留溶融金属の化学組成の評価に基づいて前記残留溶融金属に純アルミニウムを添加し、前記残留溶融金属の所望の組成を達成するステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記残留溶融金属を所望の形状の鋳型に鋳造して、所望の形状のアルミニウム脱酸素剤を得る、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記溶融金属からアルミニウム粉末を製造する前記ステップは、
前記溶融アルミニウムを保持炉に移すステップと、
高圧空気の噴射により前記溶融アルミニウムを微粒化して微細なアルミニウムショットを形成するステップと、
保持炉に取り付けられた収集室に微細なアルミニウムショットを収集するステップと、
微細なアルミニウムショットを様々な大きさにふるい分けるステップと、を含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、鋼の亜鉛メッキ処理中に形成されるガルバリウムドロスの処理分野に関する。特に、本発明は、ガルバリウムドロスからアルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末、および酸化亜鉛を単一バッチプロセスで製造する方法に関するが、これに限定されるわけではない。
【背景技術】
【0002】
ガルバリウムドロスは、鋼鉄を亜鉛メッキするステップで生じる副生成物である。鋼鉄製品は、鋼鉄の耐食性を向上させるために亜鉛メッキされる。亜鉛メッキは鋼鉄にコーティングを施すために広く使用されており、亜鉛メッキのプロセスは溶融亜鉛とアルミニウムの浴に鋼鉄製品を浸漬することによって行われる。亜鉛メッキのプロセスでは、大量の亜鉛とアルミニウムがガルバリウムドロスの形で失われるため、定期的に新しい亜鉛とアルミニウムが追加される。ガルバリウムドロスは、遊離亜鉛とZn-Fe-Al金属間化合物の組み合わせであり、浸漬された鋼製品からの亜鉛、アルミニウム、溶解鉄間の複数の反応によって形成される。ガルバリウムドロスは、亜鉛とアルミニウムを高濃度に含んでいるため、貴重な副生成物である。しかし、ガルバリウムドロスから亜鉛とアルミニウムを抽出する技術と取り組みが不足しているため、亜鉛とアルミニウムの資源は無駄になることがよくある。また、ガルバリウムドロスの長期保管は長期的な環境問題を引き起こす。
【0003】
従来、異なる抽出プロセスでガルバリウムドロスから亜鉛およびアルミニウムを回収するための複数の技術が研究されており、そのような技術には、蒸留、電解精錬、浸出、超重力技術などが含まれるが、これらに限定されない。しかしながら、このような従来の技術では、ガルバリウムドロスなどの原料から、亜鉛、アルミニウム、シリコン、鉄などをそれぞれ抽出するために、抽出の種類ごとに別々の独立したプロセスを使用している。したがって、製造業者はアルミニウム脱酸素剤/粉末と酸化亜鉛を生成しているが、2つの異なるバッチで2つの異なる原材料から2つの独立したプロセスで製造している。これらは、アルミニウム含有原料からアルミニウム完成品を生成し、同様に亜鉛含有原料から亜鉛完成品を生産しており、相互に何ら関係がない。このような従来の技術では、アルミニウム粉末、酸化亜鉛などを抽出するためのインフラストラクチャに膨大な時間とコストがかかる。したがって、1つの原材料、つまりガルバリウムドロスからアルミニウム脱酸素剤/粉末と酸化亜鉛を単一バッチプロセスで製造するプロセスが必要である。
【0004】
本開示は、上記の1つまたは複数の制限、および従来技術に関連するその他の制限を克服することを目的としている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、ガルバリウムドロスからアルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末、および酸化亜鉛を単一バッチプロセスで製造する方法を提供する。この方法は、ガルバリウムドロスを誘導炉に供給してガルバリウムドロスを溶融するステップであって、ガルバリウムドロスは副生成物として受け取られる、ステップを含む。受け取ったガルバリウムドロスは、トップグレードのガルバリウムドロス、ボトムグレードのガルバリウムドロス、および規定サイズのガルバリウムドロスのいずれかに分類され、トップグレードのガルバリウムドロスとボトムグレードのガルバリウムドロスは、受け取ったガルバリウムドロスの鉄含有量に基づいて分類される。この方法は、溶融ガルバリウムドロスをシリコンカーバイドるつぼ炉に移して溶融ガルバリウムドロスを所定の温度まで加熱するステップであって、溶融ガルバリウムドロスを加熱すると、溶融ガルバリウムドロスの上部から亜鉛蒸気が蒸発する、ステップをさらに含む。この方法は、亜鉛蒸気を酸化室に収集して酸化亜鉛粉末を生成し、溶融金属の品質試験の決定に基づいて残留溶融金属に純アルミニウムを添加するステップであって、残留溶融金属は、溶融ガルバリウムドロスから亜鉛蒸気を蒸発させた後の残留内容物である、ステップを含む。この方法は、鋳造機で溶融金属を鋳造してアルミニウム脱酸素剤またはアルミニウム粉末を生成するステップをさらに含む。
【0006】
上記の概要は例示のみを目的としており、いかなる形であれ制限するものではない。上で説明した例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、図面および以下の詳細な説明を参照することにより、さらなる態様、実施形態、および特徴が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の新規な特徴および特性は、添付の請求項に記載されている。しかしながら、本開示自体、ならびにその好ましい使用モード、さらなる目的および利点は、図面と併せて読むと、例示的な実施形態の以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解される。ここで、図面を参照して、一例としてのみ1つまたは複数の実施形態を説明するが、図では、同じ参照番号は同じ要素を表し、次のようになる。
図1】本開示の実施形態に係る、ガルバリウムドロスからアルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末、および酸化亜鉛を単一バッチプロセスで製造する方法を示すフローチャートである。
図2A】本開示の実施形態に係る、受け取ったガルバリウムドロスを処理するステップを示すフローチャートである。
図2B】本開示の実施形態に係る、受け取ったガルバリウムドロスから酸化亜鉛粉末を製造するステップを示すフローチャートである。
図3A】本開示の実施形態に係る、亜鉛蒸気の抽出後に残留溶融金属を処理するステップを示すフローチャートである。
図3B】本開示の実施形態に係る、残留溶融金属からアルミニウム粉末を製造するステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本書では、「例示的」という語は、「例、事例、または説明として役立つ」という意味で使用されている。本明細書で「例示的」として説明される本発明の主題のいかなる実施形態または実装も、必ずしも他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるものではない。
【0009】
本発明は、様々な変更や代替形態が可能であるが、その具体的な実施形態は、図面に例として示されており、以下で詳細に説明する。ただし、開示を開示された形式に限定することを意図するものではなく、逆に、開示の精神および範囲内に含まれるすべての修正、同等物、および代替物を開示がカバーすることを意図していることを理解する必要がある。
【0010】
「含む(comprise)」、「含む(comprising)」などの用語、またはこれらの変形は、非排他的包含をカバーすることを意図しており、コンポーネントまたはステップのリストを含むセットアップ、デバイス、またはプロセスには、それらのコンポーネントまたはステップのみが含まれるのではなく、そのようなセットアップ、デバイス、またはプロセスに明示的にリストされていない、または固有ではない他のコンポーネントまたはステップが含まれる場合がある。言い換えれば、「を含む」に続くシステムまたは装置内の1つまたは複数の要素は、さらなる制約がなければ、システムまたは装置内の他の要素または追加の要素の存在を排除するものではない。
【0011】
本開示の実施形態は、ガルバリウムドロスからアルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末、および酸化亜鉛を単一バッチプロセスで製造する方法を提供する。この方法は、ガルバリウムドロスを誘導炉に供給してガルバリウムドロスを溶融するステップであって、ガルバリウムドロスは副生成物として受け取られるステップを含む。受け取ったガルバリウムドロスは、誘導炉に供給される前に、トップグレードのガルバリウムドロス、ボトムグレードのガルバリウムドロス、および規定サイズのガルバリウムドロスのいずれかに分類され、トップグレードのガルバリウムドロスとボトムグレードのガルバリウムドロスは、受け取ったガルバリウムドロスの鉄含有量に基づいて分類される。この方法は、溶融ガルバリウムドロスをシリコンカーバイドるつぼ炉に移して溶融ガルバリウムドロスを所定の温度まで加熱するステップであって、溶融ガルバリウムドロスを加熱すると、溶融ガルバリウムドロスの上部から亜鉛蒸気が蒸発する、ステップをさらに含む。この方法は、亜鉛蒸気を酸化室に収集して酸化亜鉛粉末を生成し、溶融金属の品質試験の決定に基づいて残留溶融金属に純アルミニウムを添加するステップであって、残留溶融金属は、溶融ガルバリウムドロスから亜鉛蒸気を蒸発させた後の残留内容物である、ステップを含む。この方法は、鋳造機で溶融金属を鋳造してアルミニウム脱酸素剤またはアルミニウム粉末を製造するステップをさらに含む。
【0012】
以下の段落では、図1および3Bを参照して本開示について説明する。図では、図1は、本開示の例示的な方法であり、アルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末および酸化亜鉛を単一バッチプロセスで製造するための方法(100)のさまざまなステップを示している。この方法(100)により、製造業者は、金属製品の亜鉛メッキステップの廃棄物副生成物であるガルバリウムドロスから、アルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末、および酸化亜鉛を単一バッチプロセスで製造することができる。したがって、この方法(100)では、ガルバリウムドロスからアルミニウム脱酸素剤/粉末および酸化亜鉛を製造するために、2つの独立したプロセス、2つの異なるバッチ、および2つの異なる原材料を使用する必要がなくなる。一実施形態では、本開示による方法(100)は、単一バッチプロセスでガルバリウムドロスを二次アルミニウムおよび亜鉛に独立して分岐させるのに役立つ。したがって、この方法(100)により、製造業者はガルバリウムドロスを最も効率的な技術でリサイクルできるようになる。さらに、この方法(100)では、二次アルミニウムと酸化亜鉛の両方を生成するのに1セットの機械のみが必要である。したがって、本発明は、従来の二次アルミニウムおよび亜鉛の製造方法と比較して、コスト、時間、燃料、エネルギー、敷地面積および手作業を節約する。
【0013】
しかしながら、当業者であれば、この方法(100)を実施するために必要な機械セットのサイズおよび構成は、異なるタイプの設置環境の要件に応じて変更可能であることを理解できる。いかなるそのような変更/修正も、本開示の範囲内にあるものと解釈されるものとする。
【0014】
図1に示すように、方法(100)は、アルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末および酸化亜鉛を単一バッチプロセスで製造するために実行される1つまたは複数のブロックを含む。方法(100)が記述されている順序は、制限として解釈されることを意図したものではなく、記述されている方法ブロックを任意の数だけ任意の順序で組み合わせて方法を実装することができる。さらに、本明細書で説明した主題の精神および範囲から逸脱することなく、個々のブロックを方法から削除し得る。
【0015】
ブロック(102)では、ガルバリウムドロスを誘導炉に供給して溶解する。一実施形態では、ガルバリウムドロスは副生成物として受け取られ、ガルバリウムドロスは大きなブロックの形で利用可能であり、各ブロックの重量は、ドロスの発生源、すなわち、そのようなドロスを生成する工場でのドロスの取り扱い方法に応じて、50kgから1,500kgの範囲である。ガルバリウムドロスを受け取ると、ガルバリウムドロスは、トップグレードのガルバリウムドロス、ボトムグレードのガルバリウムドロス、および規定サイズのガルバリウムドロスのいずれかに分類される。トップグレードのガルバリウムドロスとボトムグレードのガルバリウムドロスは、受け取ったガルバリウムドロスの鉄含有量に基づいて分類される。一例では、トップグレードのガルバリウムドロスは、表1に記載された割合でアルミニウム、亜鉛、鉄、シリコン、および銅の化学組成を含み得る。
【0016】
【表1】
【0017】
別の例では、ボトムグレードのガルバリウムドロスは、表2に記載された割合でアルミニウム、亜鉛、鉄、シリコン、および銅の化学組成を含むことができる。
【0018】
【表2】
【0019】
さらに、ガルバリウムドロスを誘導炉に供給して溶解する。一実施形態では、トップグレードのガルバリウムドロスの場合、ガルバリウムドロスは溶解のために誘導炉に直接供給される。ボトムグレードのガルバリウムドロスの場合、ガルバリウムドロスは、各ピースの寸法が21インチ以下の小片に切断され、ボトムグレードのガルバリウムドロスのこのような小片は、処理のためにシリコンカーバイドるつぼ炉に直接移される。トップグレードのガルバリウムドロスは天井クレーンを使用して誘導炉に供給され、このとき、トップグレードのガルバリュムを誘導炉に安全に移すために適切な容量のクレーンが使用される。トップグレードのガルバリウムドロスのブロックに取り付けられた鉄フックのセットは、金属槽内に鉄が蓄積するのを防ぐために、できるだけ早く取り外される。
【0020】
誘導炉は、ガルバリウムドロスを誘導加熱して熱を加える電気炉である。誘導炉の容量は1キログラム未満から100トンまでの範囲で、鉄鋼、銅、アルミニウム、貴金属を溶融するために使用される。誘導炉は、他のほとんどの金属溶解方法と比較して、クリーンでエネルギー効率が高く、適切に制御された溶解プロセスを提供する。誘導炉は誘導加熱の原理で動作し、導電性材料を非接触で加熱する。したがって、誘導炉では、燃料やその他の外部熱源を燃やす必要がない。
【0021】
したがって、受け取ったガルバリウムドロスは誘導炉内で溶解される。さらに、受け取ったガルバリウムドロスを溶融するプロセスは、図2Aに示すようなステップで実行される。
【0022】
ブロック(202)では、溶融ガルバリウムドロスにフラックス添加剤を添加する。一実施形態では、カバーフラックス(誘導炉バッチ重量の1.5%)とナトリウム氷晶石(誘導バッチ重量の0.5%)の混合物のフラックス添加剤が、浴、すなわち溶融ガルバリウムドロスに添加される。その結果、溶融ガルバリウムドロスの上面はフラックスで覆われ、金属の酸化を最小限に抑える。
【0023】
ブロック((204)では、溶融ガルバリウムドロスからスラグを除去する。一実施形態では、スラグはガルバリウムドロスが溶融したときに発生し、冷却すると固化するケイ酸塩と酸化物の複合溶液である。溶融ガルバリウムドロスからスラグを除去することで、不純物の除去を助け、誘導炉の耐火ライニングを過度の摩耗から保護する。
【0024】
溶融ガルバリウムドロスの上部からスラグを除去した後、スラグのない溶融ガルバリウムドロスは、図1に示すようにさらに処理される。
【0025】
ブロック(104)では、スラグのない溶融ガルバリウムドロスがシリコンカーバイドるつぼ炉に移される。一実施形態では、スラグのない溶融ガルバリウムドロスは、溶融ガルバリウムドロスを高温で処理するためにシリコンカーバイドるつぼ炉に移送される。シリコンカーバイドるつぼ炉は、高精度の高温均一性を実現し、非鉄金属を効率的に間接加熱するように設計されている。シリコンカーバイドは、他のセラミックに比べて比較的高い電気伝導性を持つセラミック材料である。
【0026】
スラグのない溶融ガルバリウムドロスをシリコンカーバイドるつぼ炉に移すプロセスでは、誘導炉を90度傾け、溶融ガルバリウムドロスは樋を通って流れ、取鍋に充填される。さらに、溶融ガルバリウムドロスは取鍋からシリコンカーバイドるつぼ炉に移される。底部ガルバリウムドロスの場合、固体底部ガルバリウムドロスをシリコンカーバイドるつぼ炉に直接供給して溶解する。
【0027】
したがって、上部のガルバリウムドロスは最初に溶解のために誘導炉に追加され、その後、ガルバリウムドロスの溶融金属はシリコンカーバイドるつぼ炉に移される。誘導炉は、シリコンカーバイドるつぼ炉に比べてサイズが大きい炉である。したがって、誘導炉は、より大きなサイズのガルバリウムドロス片を収容することができ、サイズを小さく切断することなく、より大きなサイズのガルバリウムドロス片を溶解することができる。また、誘導炉を使用すると、シリコンカーバイドるつぼ炉に比べて燃料コストが低くなり、シリコンカーバイドるつぼ炉の時間も節約されるため、亜鉛と二次アルミニウムの生産量が増加する。ただし、誘導炉が他の作業中の材料で占有されているかメンテナンス中の場合や、誘導炉が移すことのできる量よりも多くの量のガルバリウムドロスが複数のシリコンカーバイドるつぼ炉で必要な場合など、必要に応じて上部のガルバリウムドロスをシリコンカーバイドるつぼ炉で直接溶融することもできる。
【0028】
ブロック(106)では、溶融ガルバリウムドロスが所定の温度まで加熱され、亜鉛蒸気が蒸発する。一実施形態では、溶融ガルバリウムドロスは、シリコンカーバイドるつぼ炉内でさらに加熱される。溶融ガルバリウムドロスは、溶融ガルバリウムドロスの金属を沸騰させるために、1300°C~1400°Cの所定の温度範囲まで加熱される。溶融ガルバリウムドロスを加熱すると、溶融ガルバリウムドロスの上から亜鉛蒸気が蒸発する。亜鉛は沸点が907℃であるため、気体に変換され、一方、ガルバリウムドロスの他の金属、すなわちアルミニウム(Al)、シリコン(Si)、鉄(Fe)、銅(Cu)の沸点は、それぞれ2470℃、2355℃、2862℃、2560℃である。亜鉛の沸点はガルバリウムドロスに含まれる他の金属元素(Al、Si、Fe、Cu)よりも低いため、亜鉛のみが蒸発して亜鉛蒸気を形成し、他の金属はるつぼ内で溶融状態で残る。
【0029】
ブロック(108)では、亜鉛蒸気を酸化室に収集して、酸化亜鉛粉末を生成する。一実施形態では、亜鉛蒸気は酸化室内に収集され、そこで亜鉛蒸気は空気中の酸素と反応して酸化亜鉛蒸気を生成する。さらに、酸化亜鉛蒸気を収集するプロセスは、図2Bに示すようなステップで実行される。
【0030】
ブロック(212)では、酸化亜鉛蒸気が長いパイプを介して輸送され、冷却される。一実施形態では、酸化亜鉛蒸気は400フィートの長さのパイプを介して輸送され、冷却されて微細な白色固体粉末、すなわち酸化亜鉛粉末を形成する。
【0031】
ブロック(214)では、酸化亜鉛粉末をパルスジェットエアバッグハウスに収集する。一実施形態では、固体粉末状の酸化亜鉛がパルスジェットエアバッグハウスから排出される。パルスジェットエアバッグハウスまたはパルスジェット集塵機は、自己洗浄式乾式濾過システムである。パルスジェット集塵機クリーニングシステムは、圧縮空気の噴射により内部フィルターメディアの表面から粒子状物質やほこりを除去する。パルスジェット式の集塵機は、操作が簡単で、エネルギー使用量が少なく、メンテナンスの必要性が最小限であるため使用される。
【0032】
ブロック(216)では、酸化亜鉛粉末をブレンダーに通す。一実施形態では、酸化亜鉛粉末のパルスジェット濾過が完了すると、酸化亜鉛粉末はブレンダーに通され、酸化亜鉛粉末の嵩密度が上昇する。
【0033】
ブロック(218)では、酸化亜鉛粉末の品質を決定する。一実施形態では、標準的な品質ステップに従って、研究室の各品質保証チームによって、同じ加熱状態で酸化亜鉛の品質が定期的に複数回チェックされる。品質を決定した後、酸化亜鉛を計量し、25kgのHDPE袋に詰める。
【0034】
一例として、ガルバリウムドロスから製造された酸化亜鉛は、表3に示す範囲の純度を有すると評価される。
【0035】
【表3】
【0036】
したがって、酸化亜鉛ホワイトシールグレードは、セラミック、ゴム、塗料の製造に応用される完成品として生成される。
【0037】
溶融ガルバリウムドロスの上部からの亜鉛の蒸発が完了すると、残りの溶融金属は図1に示すようにさらに処理される。
【0038】
ブロック(110)では、溶融金属の品質に基づいて、残留溶融金属に純アルミニウムが追加される。一実施形態では、残留溶融金属に純アルミニウムを添加するプロセスは、図3Aに示すようなステップで実行される。
【0039】
ブロック(302)では、残留溶融金属にフラックス添加剤を添加する。一実施形態では、亜鉛の蒸発が完了すると、フラックス添加剤であるピンク色のカバーフラックスが残留溶融金属に加えられ、混合物が撹拌される。残留溶融金属は、溶融ガルバリウムドロスから亜鉛蒸気を蒸発させた後の残留物であり、残留物には、他の元素であるSi、Fe、Cuが少量含まれる二次アルミニウムが含まれている。
【0040】
通常、二次アルミニウムは、アルミニウム旋削材、アルミニウムシート、アルミニウム細片、アルミニウムラジエーター、鋳造アルミニウム、押し出し成形品、塗装サイディング、アルミニウムドロスなど、あらゆる種類のアルミニウム製品やプロファイルから得られるリサイクルされたアルミニウムスクラップから作られている。一般的に、二次アルミニウムは、鉄、マグネシウム、シリコンなどの合金元素に対する許容度が高い。
【0041】
ブロック(304)では、残留溶融金属からスラグを除去する。一実施形態では、残留溶融金属からスラグが手作業または電動工具を使用して除去される。
【0042】
ブロック(306)では、スラグのない残留溶融金属の化学組成を評価する。一実施形態では、残留溶融金属のサンプルは、光学発光分光光度計(OES)などのラボ品質機器を使用して品質保証チームによって化学組成が評価される。
【0043】
OESは、完成品や原材料の化学組成を即座に知るために使用される。OESは、幅広い金属の元素組成を決定するために使用される、信頼性が高く広く使用されている分析機器である。OESを使用してテストされるサンプルの種類には、一次および二次金属生産における溶融物のサンプル、金属加工産業におけるチューブ、ボルト、ロッド、ワイヤ、プレートなどが含まれる。OESは、幅広い濃度範囲をカバーする固体金属サンプル中の水素からウランまでの幅広い元素を分析でき、非常に高い精度、高精度、低い検出限界を実現する。
【0044】
品質テストは、残留溶融金属の化学組成が顧客の要件と一致しているかどうかを判断するのに役立つ。
【0045】
ブロック(308)では、評価に基づいて残留溶融金属に純アルミニウムを添加する。一実施形態では、顧客の要件との不一致が判明すると、残留溶融金属の所望の組成を達成するために、純アルミニウムがシリコンカーバイドるつぼ炉に添加される。残留溶融金属のサンプルを再度採取し、OESで評価して、溶融金属の化学組成が顧客の要件に準拠していることを確認する。受け取った品質が期待どおりでない場合は、純度99.5%のアルミニウムインゴットまたはアルミニウムスクラップを残りの溶融金属に加え、混合物を撹拌して均質化する。純アルミニウムを添加すると、残留溶融金属のサンプルが再度採取され、OESを使用して化学組成がチェックされる。
【0046】
したがって、残留溶融金属に純アルミニウムを添加することで、二次アルミニウムの品質が向上する。
【0047】
品質テストが完了し、目的の二次アルミニウムの品質が決定すると、残った溶融金属は図1に示すようにさらに処理される。
【0048】
ブロック(112)では、残留溶融金属を鋳造または霧化することによってアルミニウム脱酸素剤/アルミニウム粉末を生成する。
【0049】
一実施形態では、二次アルミニウムの品質が最終決定されると、残留溶融金属が所望の形状の鋳型に鋳造され、所望の形状のアルミニウム脱酸素剤が得られる。ショットのような形状を作る場合、溶融金属は自家製チャカリのようなショット鋳造機に移され、そこで溶融金属はトレイの穴を通過し、冷却時に固まってショットまたは顆粒と呼ばれる液滴を形成する。アルミニウムのインゴット、立方体、または半球の場合、溶融金属は顧客の要件に応じてそれぞれの形状とサイズを持つカスタマイズされた金型に注がれる。さらに、アルミニウム脱酸素剤は、顧客の要求に応じて、50kgのHDPE織り袋または1MTのジャンボHDPE袋に梱包される。
【0050】
一例として、ガルバリュムドロス(鉄含有量が低い)から生成されたアルミニウム脱酸素剤は、表4に示す割合の化学組成を持つと評価される。
【0051】
【表4】
【0052】
一例として、底部ガルバリュムドロス(鉄含有量が高い)から生成されたアルミニウム脱酸素剤は、表5に示す割合の化学組成を持つと評価される。
【0053】
【表5】
【0054】
ガルバリウムドロスから製造されるアルミニウム脱酸素剤は、溶融鋼の脱酸素に使用され、鋼の品質を向上させる脱酸素剤である。溶融鋼には溶解酸素が含まれており、溶解段階で除去することが重要である。そうしないと、固体鋼に多孔性が生じ、鋼の引張強度が低下する。
【0055】
別の実施形態では、残留溶融金属を処理してアルミニウム粉末を生成する。残留溶融金属からアルミニウム粉末を製造するプロセスは、図3Bに示すようなステップで実行される。
【0056】
ブロック(312)では、残留溶融金属を保持炉に移す。一実施形態では、保持炉は溶融金属をさらに処理するために使用される。保持炉は、鋳造の準備として溶融金属を保持するための加熱されたリザーバである。
【0057】
ブロック(314)では、溶融アルミニウムを霧化して微細なアルミニウムショットを形成する。一実施形態では、保持炉内で高圧空気のジェットを使用して溶融金属を微細溶融粒子またはショットに霧化し、これを周囲冷却すると固体粉末、すなわちアルミニウム粉末が形成される。
【0058】
ブロック(316)では、微細なアルミニウムショットが収集室に収集される。一実施形態では、微細なアルミニウムショットは保持炉に取り付けられた収集室内に収集される。一実施形態では、微細アルミニウムショットは保持炉に取り付けられた収集室内に収集される。室からの熱風は3HPファンによって吸い込まれる。
【0059】
ブロック(318)では、微細アルミニウムショットをさまざまなサイズにふるい分ける。一実施形態では、微細アルミニウムショットの形態のアルミニウム粉末が様々なサイズにふるい分けられ、25KgのHDPEバッグに詰められる。より微細なアルミニウム粉末は、ファンと収集室の間にあるサイクロンで収集される。微細アルミニウムショットはさまざまな用途に使用される。
【0060】
一例では、ガルバリウムドロスから製造されたアルミニウム粉末は、表6に示す割合の化学組成を持つと評価される。
【0061】
【表6】
【0062】
噴霧法によって生成されたアルミニウム粉末は、フェロマンガン、フェロクロムなどのフェロ合金の製造など、さまざまな用途に使用される。フェロアロイの製造中、テルミット反応を起こすためにアルミニウム粉末が添加され、テルミット反応は、フェロアロイの生成に必要な極度の熱を生成する発熱反応である。アルミニウム粉末は、爆竹業界でも同じ目的で使用され得る。前述の用途では、アルミニウム粉末のサイズは-10メッシュから+100メッシュの範囲で変化する。
【0063】
さらに、メッシュサイズが-200メッシュのより細かいアルミニウム粉末は、燻蒸剤であるリン化アルミニウム(ALPHOS)の製造に使用される。AACブロック(エアレーションオートコンクレーブブロック)の生成には、メッシュサイズ-300メッシュのアルミニウム粉末が使用される。
【0064】
実験では、各プロセスサイクルに関連する情報が記録される。例示的な図では、シリコンカーバイドるつぼ炉の各プロセスサイクル、つまりバッチはヒートと呼ばれ、ヒート番号が割り当てられる。各ヒートの重量は、溶融状態(上部ガルバリュムドロスの場合)または固体状態(下部ガルバリュムドロスの場合)で入力として800kgである。各ヒートの製造ステップは、充填、酸化、サンプリング、鋳造の4段階から構成される。充填段階では、供給物は、温度が上昇して1400℃で沸騰し、充填プロセスには、誘導炉から溶融金属をシリコンカーバイドるつぼ炉に供給する場合は1時間、固体ドロスを直接溶融する場合は4時間かかる。さらに、酸化プロセスには約6時間かかり、亜鉛蒸気が酸素と反応して酸化亜鉛が形成される。さらに、サンプリングプロセスには約0.5時間、鋳造プロセスには約1.5時間かかる。したがって、加熱あたりの合計時間は約12時間であるが、溶融金属をシリコンカーバイドるつぼ炉に直接移すと、この時間は約9時間に短縮され得る。また、アルミニウムを粉末にする場合、溶融金属を直ちに保持炉に移すため、プロセスサイクルの鋳造時間1時間が節約され、合計加熱時間が約8時間に短縮される。
【0065】
別の例では、トップガルバリュムドロス100kgの入力に対して、出力として受け取られた完成品、つまりアルミニウムと亜鉛が98kgであることが観察される。ボトムガルバリュムドロスを入力として使用する場合、95kgの完成品が得られる。したがって、トップガルバリュムドロスの収率は98%、下部ガルバリウムドロスの収率は95%である。
【0066】
さらに別の例では、溶融ガルバリウムドロス上に形成されるスラグには、金属と非金属の両方の成分が含まれている。スラグは鋼鉄製のコンテナに入れられ、クレーンとレールを組み合わせて小屋に運ばれる。スラグは振動機械でさらに処理され、スラグの内部熱を分散させて金属成分を凝集させ、金属成分を液体に変換し、この液体は振動機械から鋳型に注がれ、インゴットを形成する。残りの材料は数時間冷却され、さらにボールミルに通され、次に粉砕機に通されて、残っている金属成分と非金属成分がさらに分離される。スラグから回収された金属分は誘導炉で再溶解され、シリコンカーバイドるつぼ炉に移され、酸化によって亜鉛が除去され、残りのアルミニウムが鋳造される。
本開示の利点:
【0067】
本発明は、製造業者が、金属製品の亜鉛メッキ処理の廃棄物副生成物であるガルバリウムドロスから、アルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末、および酸化亜鉛を、単一バッチプロセス理で製造することを可能にする方法(100)を提供する。したがって、この方法(100)では、アルミニウム脱酸素剤/粉末および酸化亜鉛を製造するために、2つの独立したプロセス、2つの異なるバッチ、および2つの異なる原材料を使用する必要がなくなる。
【0068】
また、この方法(100)は、ガルバリウムドロスを単一バッチプロセスで二次アルミニウムと亜鉛に独立して分割するのに役立つ。したがって、この方法(100)は、ガルバリウムドロスの新たな用途を形成する。この方法(100)により、製造業者はガルバリウムドロスを最も効率的かつ環境に優しい方法でリサイクルすることも可能になる。また、ガルバリウムドロスを使用すると、アルミニウム脱酸素剤、アルミニウム粉末、酸化亜鉛を製造するための独立した製造プロセスで使用される原材料のコストと比較して、大幅にコストが低くなる。
【0069】
この方法(100)により、競合メーカーと比較して原材料コストを大幅に削減できるため、メーカーに大きなコスト上の利点がもたらされる。したがって、製造業者は二次アルミニウムと亜鉛を他の生産者よりも低価格で販売することができる。
【0070】
さらに、この方法(100)では、二次アルミニウムと酸化亜鉛の両方を製造するのに1セットの機械のみが必要である。したがって、本発明は、従来の二次アルミニウムおよび亜鉛の製造方法と比較して、コスト、時間、燃料、エネルギー、敷地面積および手作業を節約する。
【0071】
本開示の実施形態の詳細な説明では、本明細書の一部を形成し、本開示を実施することができる特定の実施形態を例示として示す添付の図面が参照される。これらの実施形態は、当業者が本開示を実施できるように十分に詳細に説明されており、他の実施形態が利用されてもよく、本開示の範囲から逸脱することなく変更が行われてもよいことが理解されるべきである。したがって、この説明は限定的な意味で解釈されるべきではない。
同等物:
【0072】
本明細書における実質的にあらゆる複数形および/または単数形の用語の使用に関しては、当業者は、文脈および/または用途に応じて、複数形から単数形へ、および/または単数形から複数形へ翻訳することができる。明確さのために、さまざまな単数/複数の順列が本明細書に明示的に記載される場合がある。
一般に、本明細書、特に添付の請求項(例えば、添付の請求項の本文)で使用される用語は、一般に「オープン」な用語として意図されていることは、当業者には理解される(例えば、「含む」という用語は「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきであり、「有する」という用語は「少なくとも有する」と解釈されるべきであり、「含む」という用語は「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである、など)。さらに、当業者であれば、導入された請求項の特定の数の記載が意図されている場合、そのような意図は請求項に明示的に記載され、そのような記載がない場合にはそのような意図は存在しないことが理解される。たとえば、理解を助けるために、以下の添付の請求項には、請求項の記載を紹介するために「少なくとも1つ」および「1つまたは複数」という導入句が使用される場合がある。しかし、そのような句の使用は、不定冠詞「1つ(a)」または「1つ(an)」によるクレームの記載導入が、その導入されたクレームの記載を含む特定のクレームを、そのような記載を1つだけ含む発明に限定することを意味すると解釈されるべきではない。たとえ、同じクレームに導入句「1つまたは複数」または「少なくとも1つ」と不定冠詞「1つ(a)」または「1つ(an)」が含まれる場合であってもある(例えば、「1つ(a)」および/または「1つ(an)」は通常「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味すると解釈されるべきである)。クレームの記載を導入するために使用される定冠詞の使用についても同様である。
【0073】
さらに、導入された請求項の特定の数が明示的に記載されている場合でも、当業者は、そのような記載は通常、少なくとも記載された数を意味するように解釈されるべきであることを認識する(例えば、他の修飾語なしの「2つの記載」という単なる記載は、通常、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、B、Cなどのうちの少なくとも1つ」に類似した規則が使用されている場合、一般に、そのような解釈は、当業者がその規則を理解する意味で意図されている(たとえば、「A、B、Cのうちの少なくとも1つを含むシステム」には、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、および/またはA、B、Cの両方などを含むシステムが含まれるが、これらに限定されない)。「A、B、Cなどのうち少なくとも1つ」に類似した規則が使用されている場合、一般に、そのような解釈は、当業者がその規則を理解する意味で意図されている(たとえば、「A、B、Cなどのうち少なくとも1つを含むシステム」には、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、および/またはA、B、およびCのすべてなどを含むシステムが含まれるが、これらに限定されない)。さらに、当業者であれば、説明、請求項、図面のいずれにおいても、2つ以上の代替用語を提示する実質的にあらゆる分離語および/または句は、用語の1つ、いずれかの用語、または両方の用語を含める可能性を考慮していると理解されるはずであることを理解できる。たとえば、「AまたはB」という語句は、「A」または「B」または「AかつB」の可能性を含むと理解される。
【0074】
本明細書では様々な態様および実施形態が開示されているが、他の態様および実施形態も当業者には明らかである。本明細書に開示されるさまざまな態様および実施形態は、例示目的であり、限定するものではなく、真の範囲および精神は、以下の請求項によって示される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
【国際調査報告】