IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

2025-521144フローサイトメトリのための線形可変光学フィルタシステム、及びそれを使用するための方法
<>
  • -フローサイトメトリのための線形可変光学フィルタシステム、及びそれを使用するための方法 図1
  • -フローサイトメトリのための線形可変光学フィルタシステム、及びそれを使用するための方法 図2
  • -フローサイトメトリのための線形可変光学フィルタシステム、及びそれを使用するための方法 図3
  • -フローサイトメトリのための線形可変光学フィルタシステム、及びそれを使用するための方法 図4A
  • -フローサイトメトリのための線形可変光学フィルタシステム、及びそれを使用するための方法 図4B
  • -フローサイトメトリのための線形可変光学フィルタシステム、及びそれを使用するための方法 図5
  • -フローサイトメトリのための線形可変光学フィルタシステム、及びそれを使用するための方法 図6A
  • -フローサイトメトリのための線形可変光学フィルタシステム、及びそれを使用するための方法 図6B
  • -フローサイトメトリのための線形可変光学フィルタシステム、及びそれを使用するための方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-08
(54)【発明の名称】フローサイトメトリのための線形可変光学フィルタシステム、及びそれを使用するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/1434 20240101AFI20250701BHJP
   G01N 15/1429 20240101ALI20250701BHJP
【FI】
G01N15/1434
G01N15/1429 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024570389
(86)(22)【出願日】2023-05-03
(85)【翻訳文提出日】2025-01-16
(86)【国際出願番号】 US2023020801
(87)【国際公開番号】W WO2023229811
(87)【国際公開日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】63/346,722
(32)【優先日】2022-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.WINDOWS XP
3.iOS
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】オズボーン,ジェフリー
(57)【要約】
本開示の態様は、スペクトル識別によってフローストリーム内の粒子からの光を検出するためのシステムを含む。光検出システムは、線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素であって、線形可変光学フィルタの各セットは、所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成されている、波長セパレータ構成要素と、線形可変光学フィルタを横切る各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器と、を含む。フローストリーム内の粒子を照射するための光源と、光検出システムの複数の光検出器チャネルで生成されたデータ信号をビニングするための光検出器変調器構成要素と、を有するシステム、システムを用いて光を検出するための方法、及び方法により光を検出するための1つ以上の構成要素を有するキットもまた提供される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検出システムであって、
線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素であって、線形可変光学フィルタの各セットが、前記線形可変光学フィルタを横切って所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成されている、波長セパレータ構成要素と、
前記線形可変光学フィルタを横切る各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器と、を備える、光検出システム。
【請求項2】
線形可変光学フィルタの各セットが、ロングパス線形可変バンドパスフィルタ及びショートパス線形可変バンドパスフィルタを備える、請求項1に記載の光検出システム。
【請求項3】
前記ロングパス可変バンドパスフィルタが、線形可変光学フィルタの各セットにおいて、所定の距離だけショートパス線形可変バンドパスフィルタからオフセットされている、請求項2に記載の光検出システム。
【請求項4】
線形可変光学フィルタの各セットを横切る前記サブスペクトル範囲の光が、前記ショートパス線形可変バンドパスフィルタからの前記ロングパス可変バンドパスフィルタの前記オフセットによって決定される、請求項3に記載の光検出システム。
【請求項5】
線形可変光学フィルタの前記セットを横切って通過する各サブスペクトル範囲の光が、5nm~50nmのスペクトル幅を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の光検出システム。
【請求項6】
線形可変光学フィルタの前記第1のセット及び線形可変光学フィルタの前記第2のセットが、2つの平行平面に沿って位置付けられている、請求項1~5のいずれか一項に記載の光検出システム。
【請求項7】
前記波長セパレータ構成要素が、線形可変光学フィルタの前記第1のセットと線形可変光学フィルタの前記第2のセットとの間で光を行ったり来たりさせて伝達するように構成されている、請求項6に記載の光検出システム。
【請求項8】
前記波長セパレータ構成要素が、
線形可変光学フィルタの前記第1のセットが、前記線形可変光学フィルタを横切って低波長から高波長へ光を通過させるように構成され、
線形可変光学フィルタの前記第2のセットが、前記線形可変光学フィルタを横切って高波長から低波長へ光を通過させるように構成されるように、構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の光検出システム。
【請求項9】
前記複数の光検出器が、線形可変光学フィルタの各セットを挟んで位置付けられている、請求項1~8のいずれか一項に記載の光検出システム。
【請求項10】
前記複数の光検出器が、2つ以上の異なる光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするように構成された変調器構成要素を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の光検出システム。
【請求項11】
各光検出器チャネルが、サブスペクトル範囲の光毎にデータ信号を生成するように構成されている、請求項10に記載の光検出システム。
【請求項12】
前記変調器構成要素が、隣接する光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするように構成されている、請求項10又は11に記載の光検出システム。
【請求項13】
システムであって、
フローストリームを通して伝播する粒子を照射するように構成された光源と、
光検出システムであって、
線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素であって、線形可変光学フィルタの各セットが、前記線形可変光学フィルタを横切って所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成されている、波長セパレータ構成要素と、
前記線形可変光学フィルタを横切る各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器と、を備える、光検出システムと、を備える、システム。
【請求項14】
方法であって、
フローストリームからの光を光検出システムで検出することであって、前記光検出システムが、
線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素であって、線形可変光学フィルタの各セットが、前記線形可変光学フィルタを横切って所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成されている、波長セパレータ構成要素と、
前記線形可変光学フィルタを横切る各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器と、を備える、検出することを含む、方法。
【請求項15】
キットであって、
線形可変光学フィルタの第1のセットと、
線形可変光学フィルタの第2のセットと、
光検出器と、を備える、キット。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
序論
光検出は、例えば、試料(例えば、生体試料)が疾患又は病態の診断に使用されるとき、試料の構成要素を特徴付けるためにしばしば使用される。試料が照射されると、光は、試料によって散乱され、試料を通して透過されるだけでなく、試料によって(例えば、蛍光によって)放出され得る。形態、吸収率、及び蛍光標識の存在などの試料構成要素の違いは、試料によって散乱され、透過され、又は放出される光の違いを引き起こし得る。これらの違いは、試料内の構成要素の存在を特徴付け、かつ識別するために使用され得る。これらの違いを定量化するために、光が収集され、検出器の表面に導かれる。検出器に到達する光の量は、検出器によって出力された光信号の全体的な品質に影響を与える可能性がある。検出器に到達する光の量は、検出器の表面積を増加させることによって、又は試料からの光の収集を増加させることによって上昇させることができる。
【0002】
試料内の構成要素を特徴付けるために光検出を利用する1つの技術は、フローサイトメトリである。検出された光から生成されたデータを使用して、構成要素の分布を記録することができ、所望の材料を選別することができる。フローサイトメータは、血液試料などの流体試料を受容するための試料リザーバ、及びシース流体を含有するシースリザーバを典型的には含む。フローサイトメータは、シース流体をフローセルに方向付けながら、流体試料中の粒子(細胞を含む)をセルストリームとしてフローセルに移送する。フローセル内では、セルストリームの周りに液体シースが形成されて、セルストリームに実質的に均一な速度を付与する。フローセルは、ストリーム内の細胞を、フローセル内の光源の中心を通過するように流体力学的に絞り込む。光源からの光は、散乱として、若しくは透過分光法によって検出され得るか、又は試料内の1つ以上の構成要素によって吸収され、発光として再放出され得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示の態様は、スペクトル識別によってフローストリーム内の粒子からの光を検出するためのシステムを含む。ある特定の実施形態による光検出システムは、線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素であって、線形可変光学フィルタの各セットが、所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成されている、波長セパレータ構成要素と、線形可変光学フィルタを横切る各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器と、を含む。フローストリーム内の粒子を照射するための光源と、光検出システムの複数の光検出器チャネルで生成されたデータ信号をビニングするための光検出器変調器構成要素と、を有するシステムもまた記載される。主題のシステムを用いて光を検出するための方法、及び主題の方法により光を検出するための1つ以上の構成要素を有するキットもまた提供される。
【0004】
いくつかの実施形態では、線形可変光学フィルタの各セットは、500nm~800nmなどの200nm~1200nmの範囲の波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成されている。例えば、線形可変光学フィルタの第1のセットは、500nm~650nmの範囲の波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成され得、線形可変光学フィルタの第2のセットは、650nm~800nmの範囲の波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成され得る。いくつかの事例では、線形可変光学フィルタの各セットは、ロングパス線形可変バンドパスフィルタ及びショートパス線形可変バンドパスフィルタを含む。いくつかの事例では、ロングパス可変バンドパスフィルタは、所定の距離だけショートパス可変バンドパスフィルタからオフセットされている。ある特定の事例では、線形可変光学フィルタの各セットを横切って通過することができるサブスペクトル範囲の光は、ショートパス線形可変バンドパスフィルタからのロングパス可変バンドパスフィルタのオフセットによって決定される。ある特定の事例では、ロングパス線形可変バンドパスフィルタは、各サブスペクトル範囲の光が、5nm~45nmなどの、及び10nm~40nmを含む、1nm~50nmのスペクトル幅を有するように、線形可変光学フィルタの各セットにおけるショートパス可変バンドパスフィルタからオフセットされている。ある特定の実施形態では、ロングパス線形可変バンドパスフィルタは、各サブスペクトル範囲の光が20nmのスペクトル幅を有するように、線形可変光学フィルタの各セットにおけるショートパス可変バンドパスフィルタからオフセットされている。
【0005】
いくつかの実施形態では、線形可変光学フィルタのセットを通過する各スペクトル範囲の光は、10nm~40nmのスペクトル幅など、約20nmのスペクトル幅などの、5nm~50nmのスペクトル幅を有する。いくつかの実施形態では、線形可変光学フィルタの第1のセット及び線形可変光学フィルタの第2のセットは、2つの平行な平面に沿って位置付けられている。いくつかの事例では、波長セパレータ構成要素は、線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を行ったり来たりさせて伝達するように構成されている。ある特定の事例では、波長セパレータ構成要素は、線形可変光学フィルタの第1のセットが、線形可変光学フィルタを横切って低波長から高波長へ光を通過させるように構成され、線形可変光学フィルタの第2のセットが、線形可変光学フィルタを横切って高波長から低波長へ光を通過させるように構成されるように、構成されている。例えば、試料からの光は、線形可変光学フィルタの第1のセットの第1のセグメントに伝達され、500nm~520nmの範囲の波長を有する光を通過させ、光の残りの部分を線形可変光学フィルタの第2のセットの第1のセグメントに反射させ得、これは、800nm~780nmの範囲の波長を有する光を通過させ、光の残りの部分を線形可変光学フィルタの第1のセットの第2のセグメントに反射するように構成されている。線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間の光の行ったり来たりの伝達及び通過は、ある特定の実施形態では、線形可変光学フィルタの各セットの全長にわたって継続される。
【0006】
いくつかの実施形態では、光検出システムは、線形光学フィルタの各セットを挟んで位置付けられている複数の光検出器を含む。いくつかの事例では、各光検出器は、線形光学フィルタの各セグメントで、あるサブスペクトル範囲の光を検出するように構成されている。いくつかの事例では、各光検出器は、線形光学フィルタの各セグメントで5nm~50nm(例えば、20nm)のスペクトル幅を有するサブスペクトル範囲の光を検出するように構成されている。ある特定の事例では、光検出システムは、線形可変光学フィルタの第1のセットを挟んで位置付けられ、かつ500nm~520nm、520nm~540nm、540nm~560nm、560nm~580nm、580nm~600nm、600nm~620nm、及び620nm~640nm、640nm~660nmのサブスペクトル範囲を有する光を検出するように構成されている、光検出器の第1のセットと、線形可変光学フィルタの第2のセットを挟んで位置付けられ、かつ800nm~780nm、780nm~760nm、760nm~740nm、740nm~720nm、720nm~700nm、700nm~680nm、及び680nm~660nmのサブスペクトル範囲を有する光を検出するように構成されている、光検出器の第2のセットと、を含む。
【0007】
いくつかの事例では、光検出システムの光検出器構成要素は、2つ以上の異なる光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするように構成された変調器構成要素を含む。いくつかの事例では、各光検出器チャネルは、サブスペクトル範囲の光毎にデータ信号を生成するように構成されている。いくつかの事例では、変調器構成要素は、隣接する光検出器チャネルの水平ビニングなど、隣接する光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするように構成されている。いくつかの実施形態では、変調器構成要素は、各光検出器チャネルから出力される信号を変調するように構成された出力変調器を含む。ある特定の実施形態では、出力変調器は、増幅器(例えば、トランスインピーダンス増幅器)、スイッチ回路、及び差動増幅器のうちの1つ以上を含む。ある特定の事例では、変調器構成要素は、生成されたデータ信号を多重化するように構成されている。
【0008】
本開示の態様はまた、スペクトル識別によって試料(例えば、フローストリーム内の)からの光を測定するためのシステムも含む。ある特定の実施形態では、システムは、光源と、線形可変光学フィルタを横切って所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成された、線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素を有する所定のスペクトル範囲の光を検出するように構成された、光検出システムと、線形可変光学フィルタを横切る各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器と、を含む。いくつかの実施形態では、システムは、光を光検出システムに伝播するための光学収集システムも含む。光学収集システムは、自由空間光リレーシステムであり得、光ファイバ光リレー束などの光ファイバを含み得る。いくつかの実施形態では、システムは、フローサイトメータである。
【0009】
本開示の態様はまた、調査フィールド内(例えば、フローストリーム内)の試料を光源で照射する方法、主題の光検出システムで試料から光を集め、かつ検出するための方法、並びに1つ以上の波長で検出された光を測定するための方法も含む。いくつかの実施形態では、光は収集され、自由空間光リレーシステムによって光検出システムに伝達される。他の実施形態では、光は、光ファイバ光リレー束などの光ファイバによって集められ、光検出システムに伝達される。
【0010】
主題の光検出システムの1つ以上の構成要素を有するキットもまた提供される。ある特定の実施形態によるキットは、線形可変光学フィルタの第1のセット、線形可変光学フィルタの第2のセット、及び光検出器を含む。いくつかの実施形態では、線形可変光学フィルタのうちの1つ以上は、ロングパス線形可変バンドパスフィルタ又はショートパス線形可変バンドパスフィルタなどの線形可変バンドパスフィルタである。いくつかの事例では、キットは、光ファイバ光リレー束又は自由空間光リレーシステムなどの光学収集構成要素を含む。キットはまた、フォトマルチプライヤチューブ(例えば、金属パッケージフォトマルチプライヤチューブ)又はフォトダイオード(例えば、アバランシェフォトダイオード、APD)などの1つ以上の光検出器を含み得る。
【0011】
本発明は、添付の図面と併せて読む場合、以下の詳細な説明から最も理解することができる。図面には、以下の図が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ある特定の実施形態による、線形可変光学フィルタの第1のセット及び複数のセグメントを横切る光を検出するための光検出器を示す。
図2】ある特定の実施形態による、線形可変光学フィルタの第2のセット及び複数のセグメントを横切る光を検出するための光検出器を示す。
図3】ある特定の実施形態による、光を行ったり来たりさせて伝達するように構成された、線形可変光学フィルタの第1のセット及び線形可変光学フィルタの第2のセットを有する光検出システムを示す。
図4A】ある特定の実施形態による粒子分析システムの機能ブロック図を示す。
図4B】ある特定の実施形態による光検出システムを有するフローサイトメータシステムを示す。
図5】ある特定の実施形態による粒子分析器制御システムの一実施例のための機能ブロック図を示す。
図6A】ある特定の実施形態による粒子選別器システムの概略図を示す。
図6B】ある特定の実施形態による粒子選別器システムの概略図を示す。
図7】ある特定の実施形態によるコンピューティングシステムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の態様は、スペクトル識別によってフローストリーム内の粒子からの光を検出するためのシステムを含む。ある特定の実施形態による光検出システムは、線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素であって、線形可変光学フィルタの各セットが、所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成されている、波長セパレータ構成要素と、線形可変光学フィルタを横切る各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器と、を含む。フローストリーム内の粒子を照射するための光源と、光検出システムの複数の光検出器チャネルで生成されたデータ信号をビニングするための光検出器変調器構成要素と、を有するシステムもまた記載される。主題のシステムを用いて光を検出するための方法、及び主題の方法により光を検出するための1つ以上の構成要素を有するキットもまた提供される。
【0014】
本発明がより詳細に説明される前に、本発明は、説明される特定の実施形態に限定されず、したがって、当然のことながら、変化し得ることを理解されたい。また、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることになるため、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、限定することが意図されるものではないことも理解されるべきである。
【0015】
値の範囲が提供される場合、文脈が別段明示しない限り、各介在値は、その範囲の上限及び下限と、その記載された範囲内の任意の他の記載値又は介在値との間に、下限の単位の10分の1まで包含されることが理解されよう。これらのより小さな範囲の上限及び下限は、独立して、より小さな範囲に含まれ得、また、記述の範囲内の任意の特定の除外された制限に従うことを条件として、本発明内に包含される。記載された範囲が限定の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる限定のいずれか又は両方を除外する範囲も、同様に本発明に含まれる。
【0016】
ある特定の範囲は、「約」という用語が数値に先行して本明細書で提示される。「約」という用語は、この用語が先行する正確な数、及びこの用語が先行する数に近い数又はほぼその数である数についての逐語的支持を提供するために本明細書で使用される。ある数が、具体的に列挙された数に近いか又はほぼその数であるかを決定する際に、列挙されていない数に近いか又はほぼその数は、提示される文脈において、具体的に列挙された数の実質的な同等性を提供する数であり得る。
【0017】
別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似又は同等の任意の方法及び材料も、本発明の実施又は試験で使用することができるが、代表的な例示的な方法及び材料がここで説明される。
【0018】
本明細書で引用される全ての刊行物及び特許は、各個々の刊行物又は特許が、参照により組み込まれると具体的かつ個々に示されるかのように参照により本明細書に組み込まれ、方法及び/又は材料を刊行物が引用されるものに関して開示及び説明するために参照により本明細書に組み込まれる。いずれもの刊行物の引用は、出願日前のその開示についてのものであり、本発明が、従来発明のためそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきでない。更に、提供される刊行物の日付は、実際の公開日とは異なり得、これらは独立して確認する必要があり得る。
【0019】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈において明確に別段の指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、あらゆる任意選択的な要素を除外するように起草される場合があることに更に留意されたい。したがって、この記述は、特許請求要素の列挙に関連した「もっぱら(solely)」及び「のみ(only)」などの排他的用語の使用のための、又は「消極的な」限定の使用のための先行詞として機能することが意図される。
【0020】
本開示を読むと当業者には明らかであろうように、本明細書に記載及び例証される別個の実施形態の各々は、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他の様々な実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に分離され得るか、又はそれらと組み合わされ得る別個の構成要素及び特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙された事象の順序、又は論理的に可能な任意の他の順序で実行され得る。
【0021】
装置及び方法は、文法的流動性のために、機能的な解説において説明されているか、又は説明されるであろうが、特許請求の範囲は、米国特許法第112条下で明確に記載されない限り、「手段」又は「ステップ」限定の構文によって必然的に限定されるとなんら解釈されるべきでなく、司法均等論下で特許請求の範囲によって提供される定義の意味及び均等物の完全な範囲を付与されるべきであり、特許請求の範囲は、米国特許法第112条下で明確に記載される場合、米国特許法第112条下で完全な法定による均等物が付与されるべきであることを明確に理解されたい。
【0022】
上記で要約したように、本開示は、フローストリーム内(例えば、粒子分析器内)の粒子からの光をスペクトル識別によって検出するためのシステム及び方法を提供する。本開示の実施形態の更なる説明では、線形可変光学フィルタの第1のセットと、線形可変光学フィルタの第2のセットと、線形可変光学フィルタを横切るサブスペクトル範囲からの光を検出するように構成された複数の光検出器と、を有する光検出システムが、最初に、より詳細に説明される。次に、主題のシステムを用いたスペクトル識別によって光を検出する方法が説明される。主題のスペクトル識別検出システムの1つ以上の構成要素を有するキットが説明される。
【0023】
スペクトル識別によるフローストリーム内の粒子からの光を検出するためのシステム
本開示の態様は、フローストリーム内の粒子からの光をスペクトル識別によって検出するためのシステムを含む。「スペクトル識別」という用語は、本明細書では、照射された粒子からのある波長のスペクトルの光の差動検出を指すために、その従来の意味で使用され、ある特定の事例では、照射された粒子からのスペクトルの光の差動検出は、粒子又はその構成要素を識別又は特徴付けるために使用され得る。以下でより詳細に記載されるように、主題のシステムは、照射された粒子から放射される複数の異なる波長の光を検出するように構成され、いくつかの事例では、1つ以上のデータ信号が、検出された各異なる波長の光に応答して生成される。いくつかの実施形態では、主題のシステムは、照射された粒子からの波長のスペクトル全体の光の検出を提供する。
【0024】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるように、スペクトル識別によって粒子からの光を検出するためのシステムは、例えば、狭スペクトルサンプリング精度が、2つ以上の光検出器チャネルからのデータ信号をビニングすることなく、信号処理と比較して5%以上、例えば10%以上、例えば15%以上、例えば25%以上、例えば50%以上、例えば75%以上、例えば90%以上、及び95%以上を含んで、増加される、光検出器アレイによって標的スペクトル発光帯域をキャプチャする精度の増加を提供する。ある実施形態によれば、本明細書に記載の光検出システムは、20%以下の光損失、例えば19%以下の光損失、例えば18%以下の光損失、例えば17%以下の光損失、例えば16%以下の光損失、例えば15%以下の光損失を示しながら、10%以上の異なるスペクトル範囲の光を生成することができ、10%以下の光損失を示しながら、10%以上の異なるスペクトル範囲の光を生成することを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、主題の光検出システムは、狭スペクトル範囲の光の増加した分解能を提供する。例えば、光検出システムは、照射された粒子から光をスペクトル的に分離することにおいてより大きな粒度を提供することができる。いくつかの実施形態では、光検出システムは、5%以上、例えば10%以上、例えば15%以上、例えば25%以上、例えば50%以上、例えば75%以上、例えば90%以上、及び95%以上を含めた、データシグナルの信号対雑音比の増加を提供する。本光検出システムのある特定の実施形態による、複数の光検出器チャネル内でデータ信号を生成することは、より多くの光検出器チャネルからのデータ信号の処理を同時に可能にすることによって、信号対雑音比を増加させる。より多くのデータ信号を所定のスペクトル幅で処理することができるため、試料から検出された光の信号対雑音比が増加する。加えて、光検出システムは、いくつかの事例では、試料内の異なるフルオロフォアの発光間の干渉量を減少させることによって、信号対雑音比を増加させることができる。
【0026】
ある特定の実施形態による光検出システムは、線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素であって、線形可変光学フィルタの各セットが、所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成されている、波長セパレータ構成要素を含む。「波長分離器」という用語は、本明細書では、その従来の意味で、(例えば、フローストリーム内で照射された粒子から集められた)光を所定のスペクトル範囲に分離するように構成された光学構成要素を指すために使用される。いくつかの実施形態では、波長分離器は、所定のスペクトル範囲を有する光を通過させ、1つ以上の残りのスペクトル範囲の光を反射することによって、集められた光を所定のスペクトル範囲に分離するように構成されている。他の実施形態では、波長分離器は、所定のスペクトル範囲を有する光を通過させ、1つ以上の残りのスペクトル範囲の光を吸収することによって、集められた光を所定のスペクトル範囲に分離するように構成されている。更に他の実施形態では、波長分離器は、集められた光を所定のスペクトル範囲に空間的に回折するように構成されている。
【0027】
いくつかの事例では、主題のシステムで検出された光は、照射された粒子からの蛍光などの発光である。いくつかの事例では、照射された粒子からの光は、散乱光である。いくつかの場合には、散乱光は、前方散乱光である。いくつかの場合には、散乱光は、後方散乱光である。いくつかの場合には、散乱光は、側方散乱光である。いくつかの事例では、照射された粒子からの光は、透過光である。
【0028】
実施形態では、波長セパレータ構成要素の線形可変光学フィルタの各セットは、例えば250nm~1150nm、例えば300nm~1100nm、例えば350nm~1050nm、例えば400nm~1000nm、例えば450nm~950nm、例えば500nm~900nm、例えば550nm~850nm、及び600nm~800nmを含む、200nm~1200nmの範囲の波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成されている。いくつかの実施形態では、線形可変光学フィルタの各セットは、ロングパス可変バンドパスフィルタ及びショートパス可変バンドパスフィルタを含む。ある特定の実施形態では、ロングパス線形可変バンドパスフィルタは、400nm超、450nm超、500nm超、550nm超、600nm超、650nm超、700nm超、750nm超、800nm超の波長の光をバンドパスフィルタを横切って通過させる線形可変バンドパスフィルタである。ある特定の実施形態では、ショートパス線形可変バンドパスフィルタは、600nm以下、550nm以下、500nm以下、450nm以下、400nm以下、350nm以下、300nm以下、250nm以下、200nm以下の波長の光をバンドパスフィルタを横切って通過させる、線形可変バンドパスフィルタである。
【0029】
線形可変光学フィルタの各セットは、離間し、かつ互いに隣接して配置された2つの線形可変光学フィルタを含む。線形可変光学フィルタの各セットにおける2つの線形可変光学フィルタ間の距離は、0.001mm~25mmなど、0.005mm~20mmなど、0.01mm~15mmなど、0.05mm~10mmなど、0.1mm~10mmなど、0.5mm~10mmなど、1mm~9mmなど、2mm~8mmなど、様々であり得る。ある特定の事例では、線形可変光学フィルタの各セット内の2つの線形可変光学フィルタは、互いに物理的に接触している(すなわち、2つの線形可変光学フィルタの間にスペースがない)。
【0030】
いくつかの事例では、ロングパス可変バンドパスフィルタは、ショートパス可変バンドパスフィルタから所定の距離だけオフセットで位置付けられている。ある特定の事例では、線形可変光学フィルタの各セットを横切って通過することができるサブスペクトル範囲の光は、ショートパス線形可変バンドパスフィルタからのロングパス可変バンドパスフィルタのオフセットによって決定される。いくつかの実施形態では、ロングパス可変バンドパスフィルタは、0.0001mm以上、例えば0.0005mm以上、例えば0.001mm以上、例えば0.005mm以上、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば1.5mm以上、例えば2mm以上、例えば2.5mm以上、例えば3mm以上、例えば3.5mm以上、例えば4mm以上、例えば4.5mm以上、例えば5mm以上、例えば6mm以上、例えば7mm以上、例えば8mm以上、例えば9mm以上、例えば10mm以上、及び15mm以上を含んで、ショートパス可変バンドパスフィルタからオフセットされて位置付けられている。ある特定の実施形態では、ロングパス可変バンドパスフィルタは、波長セパレータ構成要素内の線形可変光学フィルタの各セットにおいて、0.001mm~25mm、例えば0.005mm~20mm、例えば0.01mm~15mm、例えば0.05mm~10mm、例えば0.1mm~10mm、例えば0.5mm~10mm、例えば1mm~9mm、及び2mm~8mmを含む距離で、ショートパス可変バンドパスフィルタからオフセットされて位置付けられている。
【0031】
いくつかの実施形態では、線形可変光学フィルタの各セットは、線形可変光学フィルタを横切って通過し、かつ光検出器(以下により詳細に説明されるように)に到達する複数のスペクトル範囲の光、例えば各々が検出される3個以上のスペクトル範囲、例えば4個以上、例えば5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、例えば10個以上、例えば15個以上、例えば25個以上、例えば50個以上、例えば75個以上、及び各々が光検出器によって検出される100個以上を含むスペクトル範囲の光を横切る複数のスペクトル範囲の光を生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、線形光学フィルタのセットを通過し、光検出器によって検出される各スペクトル範囲の光は、5nm~50nmのスペクトル幅、例えば10nm~40nmのスペクトル幅、例えば約20nmのスペクトル幅を有する。ある特定の事例では、ロングパス線形可変バンドパスフィルタは、各サブスペクトル範囲の光が、例えば2nm以上、例えば3nm以上、例えば4nm以上、例えば5nm以上、例えば6nm以上、例えば7nm以上、例えば8nm以上、例えば9nm以上、例えば10nm以上、例えば11nm以上、例えば12nm以上、例えば13nm以上、例えば14nm以上、例えば15nm以上、例えば16nm以上、例えば17nm以上、例えば18nm以上、例えば19nm以上、例えば20nm以上、例えば25nm以上、例えば30nm以上、例えば35nm以上、例えば40nm以上、例えば45nm以上、及び50nm以上を含む、1nm以上のスペクトル幅を有するように、線形可変光学フィルタの各セットにおけるショートパス可変バンドパスフィルタからオフセットされている。ある特定の実施形態では、ロングパス線形可変バンドパスフィルタは、各サブスペクトル範囲の光が、例えば2nm~49nm、例えば3nm~48nm、例えば4nm~47nm、例えば5nm~46nm、例えば6nm~45nm、例えば7nm~44nm、例えば8nm~43nm、例えば9nm~42nm、及び10nm~40nmを含む、1nm~50nmのスペクトル幅を有するように、線形可変光学フィルタの各セットにおけるショートパス可変バンドパスフィルタからオフセットされている。ある特定の実施形態では、ロングパス線形可変バンドパスフィルタは、各サブスペクトル範囲の光が20nmのスペクトル幅を有するように、線形可変光学フィルタの各セットにおけるショートパス可変バンドパスフィルタからオフセットされている。
【0032】
実施形態では、線形可変光学フィルタの第1のセット及び線形可変光学フィルタの第2のセットは、光が互いに伝達されるように、互いに光学的に連通する。いくつかの事例では、波長セパレータ構成要素は、線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を行ったり来たりさせて伝達するように構成されている。いくつかの実施形態では、線形可変光学フィルタの第1のセット及び線形可変光学フィルタの第2のセットは、2つの平行な平面に沿って位置付けられている。他の実施形態では、線形可変光学フィルタのセットは、光検出システム内で互いに対して、例えば0.005°~14.5°、例えば0.01°~14°、例えば0.05°~13.5°、例えば0.1°~13°、例えば0.5°~12.5°、及び1°~10°を含む、0.001°~15°の範囲の角度で配向されている。
【0033】
いくつかの実施形態では、波長セパレータ構成要素は、線形可変光学フィルタの第1のセットが、線形可変光学フィルタを横切って低波長から高波長へ光を通過させるように構成され、線形可変光学フィルタの第2のセットが、線形可変光学フィルタを横切って高波長から低波長へ光を通過させるように構成されるように、構成されている。いくつかの事例では、例えば、試料からの光は、線形可変光学フィルタの第1のセットの第1のセグメントに伝達され、500nm~520nmの範囲の波長を有する光を通過させ、光の残りの部分を線形可変光学フィルタの第2のセットの第1のセグメントに反射させ、これは、800nm~780nmの範囲の波長を有する光を通過させ、光の残りの部分を線形可変光学フィルタの第1のセットの第2のセグメントに反射するように構成されている。線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間の光のこの行ったり来たりの伝達及び通過は、ある特定の実施形態では、例えば線形可変光学フィルタの各セットの長さの10%以上、例えば15%以上、例えば20%以上、例えば25%以上、例えば50%以上、例えば75%以上、例えば90%以上、例えば95%以上、例えば97%以上、例えば99%以上、及び線形可変光学フィルタの各セットの長さの99.5%以上を含む、線形可変光学フィルタの各セットの長さにわたって継続される。ある特定の事例では、光は、線形可変光学フィルタの全長を横切って、線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で行ったり来たりさせて伝達される。
【0034】
線形可変光学フィルタのセットを通過させる光は、複数の光検出器によって検出される。各光検出器は、線形可変光学フィルタのセットを通過させられる所定のスペクトル幅の光を検出するように構成されている。例えば、各光検出器は、線形可変光学フィルタのセットの長さに沿って位置付けられて、例えば10nm~40nmのスペクトル幅、例えば約20nmのスペクトル幅の、5nm~50nmのスペクトル幅を検出し得る。ある特定の事例では、各光検出器は、例えば2nm以上、例えば3nm以上、例えば4nm以上、例えば5nm以上、例えば6nm以上、例えば7nm以上、例えば8nm以上、例えば9nm以上、例えば10nm以上、例えば11nm以上、例えば12nm以上、例えば13nm以上、例えば14nm以上、例えば15nm以上、例えば16nm以上、例えば17nm以上、例えば18nm以上、例えば19nm以上、例えば20nm以上、例えば25nm以上、例えば30nm以上、例えば35nm以上、例えば40nm以上、例えば45nm以上、及び50nm以上を含む、1nm以上のスペクトル幅を有する線形可変光学フィルタのセットのセグメントを通過する光を検出するように位置付けられている。ある特定の実施形態では、光検出システムは、20nmのスペクトル幅を有する線形可変光学フィルタのセットを通過する光を検出するように位置付けられた光検出器を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、線形可変光学フィルタの第1のセットは、例えば、光検出器が20nmのスペクトル幅を有する間隔で線形可変光学フィルタの第1のセットを通過させられる光を検出するように位置付けられるように、500nm~650nmの範囲の光を通過させるように構成されている。図1は、ある特定の実施形態による、線形可変光学フィルタの第1のセット及び複数のセグメントを横切る光を検出するための光検出器を示す。図1に示されるように、線形可変光学フィルタセット100は、第1の線形可変光学フィルタ101(例えば、ショートパス線形可変バンドパスフィルタ)及び第2の線形可変光学フィルタ102(例えば、ロングパス線形可変バンドパスフィルタ)を含む。光は、線形可変光学フィルタセット100を横切って通過して、光検出器103a、103b、103c、103d、103e、103f、及び103gに到達し、各光検出器は、20nmのスペクトル幅の光を検出するように構成されている。光検出器103aは、500nm~520nmの光を検出するように構成され、光検出器103bは、520nm~540nmの光を検出するように構成され、光検出器103cは、540nm~560nmの光を検出するように構成され、光検出器103dは、560nm~580nmの光を検出するように構成され、光検出器103eは、580nm~600nmの光を検出するように構成され、光検出器103fは、600nm~620nmの光を検出するように構成され、光検出器103gは、620nm~640nmの光を検出するように構成されている。
【0036】
いくつかの実施形態では、線形可変光学フィルタの第2のセットは、例えば、光検出器が20nmのスペクトル幅を有する間隔で線形可変光学フィルタの第2のセットを通過させられる光を検出するように位置付けられるように、650nm~800nmの範囲の光を通過させるように構成されている。図2は、ある特定の実施形態による、線形可変光学フィルタの第1のセット及び複数のセグメントを横切る光を検出するための光検出器を示す。図2に示されるように、線形可変光学フィルタセット200は、第1の線形可変光学フィルタ201(例えば、ショートパス線形可変バンドパスフィルタ)及び第2の線形可変光学フィルタ202(例えば、ロングパス線形可変バンドパスフィルタ)を含む。光は、線形可変光学フィルタセット200を横切って通過して、光検出器203a、203b、203c、203d、203e、203f、及び203gに到達し、各光検出器は、20nmのスペクトル幅の光を検出するように構成されている。光検出器203aは、800nm~780nmの光を検出するように構成され、光検出器203bは、780nm~760nmの光を検出するように構成され、光検出器203cは、760nm~740nmの光を検出するように構成され、光検出器203dは、740nm~720nmの光を検出するように構成され、光検出器203eは、720nm~700nmの光を検出するように構成され、光検出器203fは、700nm~680nmの光を検出するように構成され、光検出器203gは、680nm~660nmの光を検出するように構成されている。
【0037】
実施形態では、線形可変光学フィルタの第1のセット及び線形可変光学フィルタの第2のセットは、互いの間で光を伝達するように構成されている。いくつかの事例では、線形可変光学フィルタの各セットは、あるスペクトル範囲の光を通過させ、1つ以上の残りのスペクトル範囲の光を線形可変光学フィルタの別のセットに伝達(例えば、反射によって)するように構成されている。光は、線形可変光学フィルタの長さを横切って、線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で行ったり来たりさせて伝達される。一実施例では、線形可変光学フィルタのセットは、試料からの光を受信し、第1のスペクトル範囲の光を通過させ、第2のスペクトル範囲の光を線形可変光学フィルタの第2のセットに伝達するように構成されている。線形可変光学フィルタの第2のセットは、第3のスペクトル範囲の光を通過させ、第4のスペクトル範囲の光を線形可変光学フィルタの第1のセットに戻すように構成されている。線形可変光学フィルタの第1のセットは、次いで、第5のスペクトル範囲の光を線形可変光学フィルタの第2のセットに戻すように構成されている。光のこの行ったり来たりの伝達及び通過は、線形可変光学フィルタのセットにわたって継続し、各スペクトル幅の光は、複数の光検出器によって検出される。
【0038】
図3は、ある特定の実施形態による、光を行ったり来たりさせて伝達するように構成された、線形可変光学フィルタの第1のセット及び線形可変光学フィルタの第2のセットを有する光検出システムを示す。光は、光ファイバ又は自由空間光リレーシステムなどの光学収集構成要素305を用いて光検出システムに伝播される。光学収集構成要素305からの光は、ショートパス線形可変バンドパスフィルタ及びロングパス線形可変バンドパスフィルタから構成される線形可変光学フィルタ301の第1のセットに伝達される。500nm~520nmの波長を有する光は、線形可変光学フィルタ301の第1のセットの第1のセグメントを横切って通過し、光検出器303aで検出される。残りの波長の光(すなわち、520nmを超える波長を有する光)は反射され、線形可変光学フィルタ302の第2のセットに伝達される。線形可変光学フィルタ302の第2のセットは、ショートパス線形可変バンドパスフィルタ及びロングパス線形可変バンドパスフィルタから構成される。800nm~780nmの波長を有する光は、線形可変光学フィルタ302の第2のセットの第1のセグメントを横切って通過し、光検出器303hで検出される。残りの波長の光は、線形可変光学フィルタ301の第1のセットに反射され、520nm~540nmの波長を有する光は、線形可変光学フィルタ301の第1のセットの第2のセグメントを横切って通過し、光検出器303bで検出される。光は、線形可変光学フィルタ301の第1のセットと線形可変光学フィルタ302の第2のセットとの間で行ったり来たりして反射され、線形可変光学フィルタ301の第1のセットを横切ってセグメントを通過した後、光検出器303b、303c、303d、303e、303f、及び303gによって検出され、線形可変光学フィルタ302の第2のセットを横切ってセグメントを通過した後、光検出器303i、303j、303k、303l、303m、及び303nによって検出される。
【0039】
実施形態では、光検出システムは、線形可変光学フィルタを横切って各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器を含む。いくつかの実施形態では、光は、光学調整構成要素を介して各光検出器に伝達される。「光学調整」という用語は、本明細書では従来の意味で使用され、光の空間幅を変更すること、又は、例えば、方向、波長、ビーム幅、ビーム強度、及び焦点などの、線形可変光学フィルタの各セグメントを通過した光の他の特性を変更することができる任意のデバイスを指す。光学調整プロトコルは、以下に限定されないが、レンズ、ミラー、フィルタ、光ファイバ、波長セパレータ、ピンホール、スリット、コリメーティングプロトコル、及びそれらの組み合わせを含む、光の1つ以上の特性を調整する任意の好都合なデバイスであり得る。ある特定の実施形態では、対象となるシステムは、1つ以上の集束レンズを含む。一実施例では、集束レンズは、非拡大レンズであり得る。別の実施例では、集束レンズは、拡大レンズである。他の実施形態では、対象となるシステムは、1つ以上のミラーを含む。更に他の実施形態では、対象となるシステムは、光ファイバを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、光学調整構成要素は、光検出器と物理的に接触している。他の実施形態では、光学調整構成要素は、光検出器の活性面と光学的に連通しており、例えば0.005mm以上、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば10mm以上、例えば25mm以上、例えば50mm以上、及び光検出器から100mm以上を含んで、光検出器から0.001mm以上に位置付けられ得る。
【0041】
光検出器は、主題の光検出モジュール内の各光学調整構成要素に解放可能に接続され得る。光検出器及び光学調整構成要素は、任意の好都合なプロトコルによって接続され得る。ある特定の実施形態では、光検出器及び光学構成要素は、光検出器を、光学構成要素、又はフックアンドループファスナ、磁石、ラッチ、ノッチ、皿穴、カウンタボア、溝、ピン、テザー、ヒンジ、ベルクロ(登録商標)、非永久的接着剤、若しくはそれらの組み合わせなどのファスナとともに取り付けることによって一緒に接続される。ある特定の事例では、光検出器は、波長セパレータを光検出モジュールの溝にスロット嵌合させることによって、光学構成要素に接続される。更に他の事例では、光検出器は、1つ以上のねじによって光学構成要素に接続される。
【0042】
実施形態では、各光検出システムは、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上、例えば6つ以上、例えば7つ以上、例えば8つ以上、例えば9つ以上、例えば10個以上、例えば15個以上、例えば25個以上、例えば50個以上、及び100個以上の光検出器を含む、2つ以上の光検出器を含む。いくつかの実施形態では、光検出モジュールは、1つ以上の光検出器アレイを含む。「光検出器アレイ」という用語は、その従来の意味で、2つ以上の光検出器の配置又は一連を指すために使用される。実施形態では、光検出器アレイは、15個以上の光検出器を含め、3つ以上の光検出器など、4つ以上の光検出器など、5つ以上の光検出器など、6つ以上の光検出器など、7つ以上の光検出器など、8つ以上の光検出器など、9つ以上の光検出器など、10個以上の光検出器など、12個以上の光検出器など、2つ以上の光検出器を含み得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、線形可変光学フィルタを介して伝達された各サブスペクトル範囲の光は、単一の光検出器、2つの異なる光検出器、3つの異なる光検出器、4つの異なる光検出器に伝達され、各サブスペクトル範囲の光が5つ以上の異なる光検出器に伝達されることを含む、1つ以上の光検出器に伝播される。ある特定の事例では、各サブスペクトル範囲の光は、それ自体の別個の検出器(すなわち、各異なるサブスペクトル範囲からの光を検出するように構成された別個の光検出器)に伝達される。これらの実施形態では、各サブスペクトル範囲からの光は、異なるサブスペクトル範囲及び光検出器のためのコリメータ及び集束レンズの異なるセットなど、光学調整構成要素の異なるセットを介して集められ、光検出器に伝播され得る。
【0044】
ある特定の事例では、線形可変光学フィルタを介して伝達される各サブスペクトル範囲の光は、1つ以上の異なる検出器チャネル(例えば、マルチチャネル光検出器アレイ)で検出される。いくつかの事例では、各サブスペクトル範囲の光は、異なる検出器チャネルで検出される。他の事例では、各サブスペクトル範囲の光は、例えば2つ以上の検出器チャネル、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば8つ以上、例えば16個以上、及び線形可変光学フィルタを介して伝達される各サブスペクトル範囲の光が32個以上の検出器チャネルで検出されることを含む、複数の検出器チャネルを横切って検出される。
【0045】
主題のシステムの光検出システムは、限定されるものではないが、他の光検出器の中でも、アバランシェフォトダイオード(APD)、アクティブピクセルセンサ(APS)、象限フォトダイオード、画像センサ、電荷結合デバイス(CCD)、強化電荷結合デバイス(ICCD)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、光抵抗器、太陽電池、フォトダイオード、光電子増倍管、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体又はフォトダイオード、並びにそれらの組み合わせなどの光センサ又は光検出器を含む、任意の好都合な光検出プロトコルであり得る。ある特定の実施形態では、光検出器は、光増倍管、例えば0.01cm~10cm、例えば0.05cm~9cm、例えば0.1cm~8cm、例えば0.5cm~7cmの範囲及び1cm~5cmを含む範囲の各領域の活性検出表面積を有する光増倍管である。
【0046】
本開示の実施形態では、各光検出器は、例えば2つ以上の波長、例えば5つ以上の異なる波長、例えば10個以上の異なる波長、例えば25個以上の異なる波長、例えば50個以上の異なる波長、例えば100個以上の異なる波長、例えば200個以上の異なる波長、例えば300個以上の異なる波長、及び400個以上の異なる波長にある光を測定することを含む、1つ以上の波長にある光を検出するように構成され得る。
【0047】
光検出器は、連続的に、又は離散的な間隔で光を測定するように構成され得る。いくつかの事例では、対象となる検出器は、光の測定を連続的に行うように構成されている。他の事例では、対象となる検出器は、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、及び1000ミリ秒毎を含む、又は何らかの他の間隔毎に光を測定するなど、離散間隔において測定するように構成されている。
【0048】
光検出器は、各々の離散した時間間隔中に、例えば、2回以上、例えば、3回以上、例えば、5回以上、及び10回以上を含めて、1回以上光の計測を行うように構成され得る。ある特定の実施形態では、光検出器によって、光は2回以上計測され、ある特定の事例では、データは平均化される。フローストリーム内の粒子から伝達される光は、例えば2つ以上、例えば3つ以上、例えば4つ以上、例えば5つ以上、例えば6つ以上、例えば7つ以上、例えば8個以上、例えば9個以上、及び10個以上の光検出器チャネルを含む、1つ以上の光検出器チャネルにおいて検出され得る。
【0049】
いくつかの事例では、試料内の粒子から検出された光は、散乱光である。いくつかの場合には、散乱光は、前方散乱光である。いくつかの場合には、散乱光は、後方散乱光である。いくつかの場合には、散乱光は、側方散乱光である。いくつかの事例では、照射された粒子から伝達された光は、透過光である。ある特定の実施形態では、各粒子から検出された光は、粒子発光(すなわち、蛍光又はリン光)などの発光である。これらの実施形態では、各粒子は、2つ以上の光源による照射に応答して蛍光を放出する1つ以上のフルオロフォアを含み得る。例えば、各粒子は、例えば3個以上、例えば4個以上、例えば5個以上、例えば6個以上、例えば7個以上、例えば8個以上、例えば9個以上、及び10個以上のフルオロフォアを含む、2個以上のフルオロフォアを含み得る。いくつかの事例では、各粒子は、光源による照射に応答して蛍光を放出するフルオロフォアを含む。いくつかの実施形態では、対象となるフルオロフォアは、これらに限定されないが、例えば、アクリジン色素、アントラキノン色素、アリールメタン色素、ジアリールメタン色素(例えば、ジフェニルメタン色素)、クロロフィル含有色素、トリアリールメタン色素(例えば、トリフェニルメタン色素)、アゾ色素、ジアゾニウム色素、ニトロ色素、ニトロソ色素、フタロシアニン色素、シアニン色素、非対称シアニン色素、キノン-イミン色素、アジン色素、ユーロジン色素、サフラニン色素、インダミン、インドフェノール色素、フルオリン色素、オキサジン色素、オキサゾン色素、チアゾール色素、キサンテン色素、フルオレン色素、ピロニン色素、フッ素色素、ローダミン色素、フェナントリジン色素、並びに上記の色素のうちの2つ以上を組み合わせた色素(例えばタンデム)、1つ以上の単量体色素単位を有する高分子色素、及びその上記の色素のうちの2つ以上の混合物など、分析用途(例えば、フローサイトメトリ、撮像など)における使用に好適な色素を含み得る。多数の色素が、例えば、Molecular Probes(Eugene,OR)、Dyomics GmbH(Jena,Germany)、Sigma-Aldrich(St.Louis,MO)、Sirigen,Inc.(Santa Barbara,CA)、Becton Dickinson(BD)and Company(Franklin Lakes,NJ)及びExciton(Dayton,OH)などの様々な供給元から市販されている。例えば、フルオロフォアは、4-アセトアミド-4’-イソチオシアナトスチルベン-2,2’ジスルホン酸;アクリジン及びアクリジン、アクリジンオレンジ、アクリジンイエロー、アクリジンレッド、並びにアクリジンイソチオシアネートなどの誘導体;アロフィコシアニン(APC)、フィコエリスリン(PE)、ペリジニン-クロロフィルタンパク質、5-(2’-アミノエチル)アミノナフタレン-1-スルホン酸(EDANS);4-アミノ-N-[3-ビニルスルホニル)フェニル]ナフタリミド-3,5-ジスルホネート(ルシファーイエローVS);N-(4-アニリノ-1-ナフチル)マレイミド;アントラニルアミド;ブリリアントイエロー;クマリン、並びに7-アミノ-4-メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクマリン(クマリン151)などの誘導体;シアニン、並びにシアノシン、Cy3,Cy3.5,Cy5.Cy5.5、及びCy7などの誘導体;4’,6-ジアミニド-2-フェニルインドール(DAPI);5’,5”-ジブロモピロガロール-スルホンフタレイン(ブロモピロガロールレッド);7-ジエチルアミノ-3(4’-イソチオシアナトフェニル)-4-メチルクマリン;ジエチルアミノクマリン;ジエチレントリアミン五酢酸;4,4’-ジイソチオシアナトジヒドロスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;4,4’-ジイソチオシアナトスチルベン-2,2’-ジスルホン酸;5-[ジメチルアミノ]ナフタレン-1-塩化スルホニル(DNS、塩化ダンシルク);4-(4’-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL)、4-ジメチルアミノフェニルアゾフェニル-4’-イソチオシアネート(DABITC);エオシン、並びにエオシン及びイソチオシアン酸エオシンなどの誘導体;エリスロシン、並びにエリスロシンB及びエリスロシンイソチオシアネートなどの誘導体、エチジウム;フルオレセイン、並びに5-カルボキシフルオレセイン(FAM)、5-(4,6-ジクロロトリアジン-2-イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’7’-ジメトキシ-4’5’-ジクロロ-6-カルボキシフルオレセイン(JOE)、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フルオレセインクロロトリアジニル、ナフトフルオレセイン、及びQFITC(XRITC)などの誘導体、フルオレスカミン;IR144;IR1446;緑色蛍光タンパク質(GFP);サンゴ礁蛍光タンパク質(RCFP);リサミン(商標);リサミンローダミン、ルシファーイエロー;マラカイトグリーンイソチオシアネート;4-メチルウンベリフェロン;オルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラロアニリン;ナイルレッド;オレゴングリーン;フェノールレッド;B-フィコエリトリン;o-フタルジアルデヒド;ピレン、並びにピレン、ピレンブチレート及びスクシンイミジル1-ピレンブチレートなどの誘導体;リアクティブレッド4(Cibacron(商標)ブリリアントレッド3B-A);ローダミン、並びに6-カルボキシ-X-ローダミン(ROX)、6-カルボキシローダミン(R6G)、4,7-ジクロロローダミンリサミン、ローダミンB塩化スルホニル、ローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101の塩化スルホニル誘導体(テキサスレッド)、N,N,N’,N’-テトラメチル-6-カルボキシローダミン(TAMRA)、テトラメチルローダミン、及びテトラメチル ローダミン イソチオシアネート(TRITC)などの誘導体、リボフラビン;ロソリン酸、及びテルビウムキレート誘導体;キサンテン;フルオレセインイソチオシアネートデキストランなどの色素共役高分子(すなわち、高分子結合色素)、並びに2つ以上の色素、例えば、フィコエリトリン(PE)タンデム色素又はアロフィコシアニン(APC)タンデム色素、例えば、フィコエリトリン-CF594(PE-CF594)タンデム、フィコエリトリン-シアニン5タンデム(PE-Cy5)、フィコエリトリン-シアニン5.5タンデム(PE-Cy5.5)、フィコエリトリン-シアニン7タンデム(PE-Cy7)、アロフィコシアニン-R700タンデム(APC-R700)、アロフィコシアニン-シアニン7(APC-Cy7)を組み合わせた色素(例えば、タンデム色素又はタンパク質複合体タンデム色素)、1つ以上の単量体色素単位を有する高分子色素並びに前述の色素又はそれらの組み合わせのうちの2つ以上の混合物を含み得る。
【0050】
いくつかの事例では、フルオロフォアは、高分子色素である。方法のいくつかの事例では、高分子色素は、共役高分子を含む。共役高分子(CP)は、交互の不飽和結合(例えば、二重及び/又は三重結合)及び飽和(例えば、単結合)結合の骨格を含む非局在化電子構造を特徴とし、π電子は、一方の結合から他方の結合に移動することができる。したがって、共役骨格は、高分子の反復単位間の結合角を制限して、高分子色素に伸長した線形構造を付与し得る。例えば、タンパク質及び核酸は、高分子でもあるが、いくつかの場合には、伸長ロッド構造を形成せず、むしろ高次の三次元形状に折り畳む。加えて、CPは、「リジッドロッド」高分子骨格を形成し、高分子骨格鎖に沿った単量体反復単位間の限定されたねじり(twist)(例えば、ねじれ)角を経験し得る。いくつかの事例では、高分子色素は、リジッドロッド構造を有するCPを含む。高分子色素の構造特性は、分子の蛍光特性に影響を及ぼし得る。
【0051】
対象となる高分子色素としては、限定されるものではないが、開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国公開第20040142344号、第20080293164号、第20080064042号、第20100136702号、第20110256549号、第20110257374号、第20120028828号、第20120252986号、第20130190193号、第20160264737号、第20160266131号、第20180231530号、第20180009990号、第20180009989号、及び第20180163054号と、開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、Gaylord et al.,J.Am.Chem.Soc.,2001,123(26),pp 6417-6418;Feng et al.,Chem.Soc.Rev.,2010,39,2411-2419;及びTraina et al.,J.Am.Chem.Soc.,2011,133(32),pp 12600-12607と、にGaylord et al.によって記載される色素が挙げられる。
【0052】
高分子色素は、特定の吸収極大波長、特定の発光極大波長、消光係数、量子収率など、1つ以上の望ましい分光特性を有し得る(例えば、Chattopadhyayら,「Brilliant violet fluorophore:A new class of ultrabright fluorescent compounds for immunofluorescence experiments」,Cytometry Part A,81A(6),456-466,2012 を参照されたい)。いくつかの実施形態では、高分子色素は、280nm~475nmの吸収曲線を有する。特定の実施形態では、高分子色素は、280nm~475nmの範囲に吸収極大(励起極大)を有する。いくつかの実施形態では、高分子色素は、280nm~475nmの範囲の波長を有する入射光を吸収する。いくつかの実施形態では、高分子色素は、400nm~850nm、例えば415nm~800nmの範囲の発光極大波長を有し、対象となる発光極大の具体例としては、421nm、510nm、570nm、602nm、650nm、711nm及び786nmが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの事例では、高分子色素は、410nm~430nm、500nm~520nm、560nm~580nm、590nm~610nm、640nm~660nm、700nm~720nm、及び775nm~795nmからなる群から選択される範囲の発光極大波長を有する。特定の実施形態では、高分子色素は、421nmの発光極大波長を有する。いくつかの事例では、高分子色素は、510nmの発光極大波長を有する。場合によっては、高分子色素は、570nmの発光極大波長を有する。特定の実施形態では、高分子色素は、602nmの発光極大波長を有する。いくつかの事例では、高分子色素は、650nmの発光極大波長を有する。特定の場合には、高分子色素は、711nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、高分子色素は、786nmの発光極大波長を有する。特定の事例では、高分子色素は、421nm±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、高分子色素は、510nm±5nmの発光極大波長を有する。特定の事例では、高分子色素は、570nm±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの事例では、高分子色素は、602nm±5nmの発光極大波長を有する。いくつかの実施形態では、高分子色素は、650nm±5nmの発光極大波長を有する。特定の事例では、高分子色素は、711nm±5nmの発光極大波長を有する。場合によっては、高分子色素は、786nm±5nmの発光極大波長を有する。特定の実施形態では、高分子色素は、421nm、510nm、570nm、602nm、650nm、711nm及び786nmからなる群から選択される発光極大を有する。
【0053】
用いられ得る特定の高分子色素には、BD Horizon Brilliant(商標)色素、例えば、BD Horizon Brilliant(商標)紫色色素(例えば、BV421、BV480、BV510、BV570、BV605、BV650、BV711、BV786、BV829)、BD Horizon Brilliant(商標)紫外線色素(例えば、BUV395、BUV496、BUV563、BUV615、BUV661、BUV737、BUV805)、及びBD Horizon Brilliant(商標)青色色素(例えば、BB515、BB630、BB660、BB700、BB755、BB790)(BD Biosciences,San Jose,CA)が含まれるが、これらに限定されない。
【0054】
いくつかの実施形態では、光検出システムは、異なる光検出器チャネルからのデータ信号をビニングする変調器構成要素を含む。いくつかの実施形態では、変調器は、2つ以上の異なる光検出器チャネルからのデータ信号をビニングして、組み合わされたスペクトルデータ信号を生成するように構成されている。いくつかの事例では、変調器構成要素は、隣接しない光検出器からのデータ信号をビニングする。いくつかの事例では、変調器構成要素は、隣接する光検出器からのデータ信号をビニングする。ある特定の事例では、変調器構成要素は、隣接する光検出器からのデータ信号の水平ビニングのために構成されている。
【0055】
いくつかの実施形態では、変調器構成要素は、3つ以上の異なる光検出器チャネル、例えば4つ以上、例えば5つ以上、例えば6つ以上、例えば16個以上、例えば32個以上、及び64個以上の異なる光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするように構成されている。ある特定の事例では、各光検出器チャネルは、サブスペクトル範囲の光毎にデータ信号を生成するように構成されている。いくつかの実施形態では、ビニングされたデータ信号は、波長分離されたデータ信号である。いくつかの実施形態では、ビニングされたデータ信号は、時間分離されたデータ信号である。いくつかの実施形態では、ビニングされたデータ信号は、時間及び波長分離されたデータ信号である。
【0056】
ある特定の実施形態では、変調器構成要素は、2つ以上の異なる光検出器チャネルからのデータ信号をリアルタイムで動的にビニングするように構成されている。ある特定の事例では、変調器構成要素は、集積回路を含む。実施形態では、集積回路デバイスは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、又はいくつかの他の集積回路デバイスであり得る。例えば、集積回路は、FPGAが、異なる光検出器チャネルからのデータ信号を動的にビニングするようにプログラミングすることを含むなど、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であり得る。ある特定の事例では、変調器構成要素は、例えば、変調器構成要素が、リアルタイムでビニング構成を動的にマッピングするためのプログラミングを有するFPGAを含む、各光検出器チャネルについてマッピングされたビニング構成でプログラムされる。
【0057】
他の実施形態では、変調器構成要素は、1つ以上の増幅器を含む。いくつかの実施形態では、増幅器構成要素は、トランスインピーダンス増幅器、加算増幅器、差動増幅器、又はそれらの組み合わせなどの複数の増幅器を含む。いくつかの事例では、変調器構成要素は、光検出器チャネル毎に増幅器を含み、例えば、変調器構成要素は、2つ以上の増幅器、例えば4つ以上の増幅器、例えば8つ以上の増幅器、例えば12個以上の増幅器、例えば16個以上の増幅器、例えば20個以上の増幅器、例えば24個以上の増幅器、例えば28個以上の増幅器、例えば32個以上の増幅器、例えば36個以上の増幅器、例えば40個以上の増幅器、例えば44個以上の増幅器、例えば48個以上の増幅器、例えば52個以上の増幅器、例えば56個以上の増幅器、例えば60個以上の増幅器、及び64個以上の増幅器を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、変調器構成要素は、各光検出器チャネルからのデータ信号を増幅するように構成された第1の増幅器構成要素、及び電子スイッチ構成要素からのデータ信号を増幅するように構成された第2の増幅器構成要素を含む。いくつかの事例では、第1の増幅器構成要素は、複数のトランスインピーダンス増幅器を含み、第2の増幅器構成要素は、複数の差動増幅器を含む。
【0059】
いくつかの事例では、変調器構成要素は、2つ以上の異なる光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするように構成された電子スイッチ(例えば、デジタルスイッチ回路)を含む。ある特定の事例では、スイッチは、各光検出器チャネルからの出力データ信号を多重化するか、又は非多重化するように構成されている。光検出システムに採用される光検出器チャネル及び増幅器(上述のような)の数に応じて、電子スイッチ構成要素は、2つ以上の電子スイッチ、例えば3つ以上の電子スイッチ、例えば4つ以上の電子スイッチ、例えば5つ以上の電子スイッチ、例えば6つ以上の電子スイッチ、例えば7つ以上の電子スイッチ、例えば8つ以上の電子スイッチ、例えば9つ以上の電子スイッチ、例えば10個以上の電子スイッチ、例えば15個以上の電子スイッチ、例えば25個以上の電子スイッチ、例えば50個以上の電子スイッチ、例えば100個以上の電子スイッチ、例えば250個以上の電子スイッチ、例えば500個以上の電子スイッチ、例えば750個以上の電子スイッチ、及び1000個以上の電子スイッチを含み得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、対象となる光検出システムは、N個の光検出器チャネルを有する光検出器アレイと、N個のトランスインピーダンス増幅器を有する増幅器構成要素と、を含み、Nは、4~1000の整数である。ある特定の事例では、光検出システムは、N個の光検出器チャネルを有する光検出器アレイと、N個のトランスインピーダンス増幅器を有する変調器構成要素と、N×N個のスイッチのアレイを有する電子スイッチ構成要素と、を含む。いくつかの事例では、光検出器アレイは、N個のフォトダイオードを有するフォトダイオードアレイであり得る。これらの実施形態では、変調器構成要素は、N個のトランスインピーダンス増幅器と、N×N個のスイッチのアレイと、を含み得る。いくつかの実施形態では、Nは、8である。他の実施形態では、Nは、16である。他の実施形態では、Nは、32である。他の実施形態では、Nは、64である。他の実施形態では、Nは、128である。
【0061】
スペクトル識別による試料内の粒子からの光を検出するためのシステム
本開示の態様は、スペクトル識別によってフローストリーム内の粒子からの光を検出するためのシステムを含む。ある特定の実施形態では、システムは、照射された粒子からのあるスペクトルの波長の光の差動検出を提供し、ある特定の事例では、照射された粒子からの光のスペクトルの差動検出は、粒子又はその構成要素を識別又は特徴付けるために使用され得る。主題のシステムは、照射された粒子から放射される複数の異なる波長の光を検出するように構成され、いくつかの事例では、1つ以上のデータ信号が、それぞれの異なる検出された波長の光に応答して生成される。
【0062】
実施形態では、システムは、線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素であって、線形可変光学フィルタの各セットが、所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成されている、波長セパレータ構成要素と、線形可変光学フィルタを横切って各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器と、を有する本明細書に記載の光検出システムを含む。いくつかの実施形態では、システムは、照射されたフローストリームからなど、光を光検出システムに伝達するための光学収集システムを含む。
【0063】
各光学収集システムは、照射された試料から光を集め、光を光検出システムの線形可変光学フィルタの第1のセットに向ける任意の適切な光学収集プロトコルであり得る。いくつかの実施形態では、光学収集システムは、光ファイバ光リレー束などの光ファイバを含む。他の実施形態では、光学収集システムは、自由空間光リレーシステムである。
【0064】
実施形態では、各光学収集システムは、接着剤などによって光検出システムに物理的に結合され得るか、各光検出モジュールに共成形され得るか、又は各光検出モジュールに統合され得る。ある特定の実施形態では、光検出システム及び光学収集システムは、単一のユニットに統合される。いくつかの事例では、光検出システムは、フック及びループファスナ、磁石、ラッチ、ノッチ、皿穴、カウンタボア、溝、ピン、テザー、ヒンジ、ベルクロ、非永久的接着剤、又はそれらの組み合わせなど、光学収集システムを各光検出モジュールに締め付けるコネクタで、光学収集システムに結合される。
【0065】
他の実施形態では、光検出システム及び光学収集システムは、光学的に連通するが、物理的に接触していない。実施形態では、光学収集システムは、例えば0.005mm以上、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば10mm以上、例えば25mm以上、例えば50mm以上、及び光検出システムから100mm以上を含む、光検出モジュールから0.001mm以上に位置付けられ得る。
【0066】
ある特定の実施形態では、光学収集システムは、光ファイバを含む。例えば、光学収集システムは、光ファイバ光リレー束であり得、試料からの光は、光ファイバ光リレー束を通して、光検出システムの線形可変光学フィルタの第1のセットに伝達される。任意の光ファイバ光リレーシステムは、光を伝達するために採用され得、ある特定の実施形態では、好適な光ファイバ光リレーシステムは、限定されるものではないが、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,809,804号に記載されるものなどの光ファイバ光リレーシステムを含む。
【0067】
他の実施形態では、光学収集システムは、自由空間光リレーシステムである。「自由空間光リレー」という語句は、本明細書では、その従来の意味で、1つ以上の光学構成要素の構成を用いて、自由空間を通って試料からの光を光検出システムに方向付ける光伝播を指すために使用される。ある特定の実施形態では、自由空間光リレーシステムは、近位端及び遠位端を有するハウジングを含み、近位端は、光検出モジュールに結合される。自由空間リレーシステムは、レンズ、ミラー、スリット、ピンホール、波長セパレータ、又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上など、異なる光学構成要素の任意の組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、対象となる自由空間光リレーシステムは、1つ以上の集束レンズを含む。他の実施形態では、本自由空間光リレーシステムは、1つ以上のミラーを含む。更に他の実施形態では、自由空間光リレーシステムは、コリメーティングレンズを含む。ある特定の実施形態では、試料からの光を光検出システムの線形可変光学フィルタの第1のセットに伝播するための適切な自由空間光リレーシステムは、限定されるものではないが、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第7,643,142号、第7,728,974号、及び第8,223,445号に記載されたもののような光リレーシステムを含む。
【0068】
試料からの光を測定するための対象となるシステムは、光源を含む。実施形態では、光源は、任意の好適な広帯域又は狭帯域の光源であり得る。試料中の成分(例えば、細胞、ビーズ、非細胞粒子など)に応じて、光源は、400nm~800nmを含め、250nm~1250nmなど、300nm~1000nmなど、350nm~900nmなど、200nm~1500nmの範囲で変化する波長の光を放出するように構成され得る。例えば、光源は、200nm~900nmの波長を有する光を放出する広帯域光源を含み得る。他の事例では、光源は、200nm~900nmの範囲の波長を放出する狭帯域光源を含む。例えば、光源は、200nm~900nmの範囲の波長を有する光を放出する狭帯域LED(1nm~25nm)であり得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、光源は、レーザである。対象となるレーザは、パルスレーザ又は連続波レーザを含み得る。例えば、レーザは、ヘリウム-ネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴン-フッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトン-フッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ若しくはキセノン-フッ素(XeF)エキシマレーザ、又はそれらの組み合わせなどのガスレーザ、スチルベン、クマリン、又はローダミンレーザなどの色素レーザ、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、又は金レーザ、及びそれらの組み合わせなどの金属-蒸気レーザ、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、チュリムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、イッテルビウムレーザ、又はセリウムドープされたレーザ、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザ、半導体ダイオードレーザ、光学的にポンプされた半導体レーザ(OPSL)、又は上述のレーザのうちのいずれかの周波数2倍若しくは周波数3倍の実施態様であり得る。
【0070】
他の実施形態では、光源は、限定されないが、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプを含むランプ、連続スペクトルを有する広帯域LED、スーパールミネッセント発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED集積などの発光ダイオードなどの非レーザ光源である。いくつかの事例では、非レーザ光源は、他の光源の中でも、安定化ファイバ結合広帯域光源、白色光源、又はそれらの任意の組み合わせである。
【0071】
ある特定の実施形態では、光源は、周波数シフトされた光の2つ以上のビームを生成するように構成されている光ビーム生成器である。いくつかの事例では、この光ビーム生成器は、レーザ、高周波駆動信号を音響光学デバイスに印加して2つ以上の角度偏向レーザビームを生成するように構成された高周波生成器を含む。これらの実施形態では、レーザは、パルスレーザ又は連続波レーザであり得る。例えば、対象となる光ビーム生成器におけるレーザは、ヘリウム-ネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴン-フッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトン-フッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ若しくはキセノン-フッ素(XeF)エキシマレーザ、又はそれらの組み合わせなどのガスレーザ、スチルベン、クマリン、又はローダミンレーザなどの色素レーザ、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、又は金レーザ、及びそれらの組み合わせなどの金属-蒸気レーザ、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、チュリムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、イッテルビウムレーザ、又はセリウムドープされたレーザ、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザであり得る。
【0072】
音響光学デバイスは、印加された音響波を使用してレーザ光を周波数シフトするように構成された任意の簡便な音響光学プロトコルであり得る。ある特定の実施形態では、音響光学デバイスは、音響光学偏向器である。主題のシステム内の音響光学デバイスは、レーザからの光、及び印加された高周波駆動信号から、角度偏向レーザビームを生成するように構成されている。この高周波駆動信号は、ダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)、任意の波形生成器(AWG)、又は電気パルス生成器などの、任意の好適な高周波駆動信号源で、音響光学デバイスに印加され得る。
【0073】
実施形態では、コントローラは、100個以上の高周波駆動信号を印加するように構成されていることを含め、4つ以上の高周波駆動信号など、5つ以上の高周波駆動信号など、6つ以上の高周波駆動信号など、7つ以上の高周波駆動信号など、8つ以上の高周波駆動信号など、9つ以上の高周波駆動信号など、10個以上の高周波駆動信号など、15個以上の高周波駆動信号など、25個以上の高周波駆動信号など、50個以上の高周波駆動信号など、3つ以上の高周波駆動信号を印加するように構成されているなど、高周波駆動信号を音響光学デバイスに印加して、出力レーザビーム内に所望の数の角度的に偏向されたレーザビームを生成するように構成される。
【0074】
いくつかの事例では、出力レーザビーム内の角度的に偏向されたレーザビームの強度プロファイルを生成するために、コントローラは、約5V~約25Vを含め、約0.001V~約500Vなど、約0.005V~約400Vなど、約0.01V~約300Vなど、約0.05V~約200Vなど、約0.1V~約100Vなど、約0.5V~約75V、約1V~50Vなど、約2V~40Vなど、3V~約30Vなどで変化する振幅を有する高周波駆動信号を印加するように構成される。いくつかの実施形態では、各印加された高周波駆動信号は、約5MHz~約50MHzを含め、約0.005MHz~約400MHzなど、約0.01MHz~約300MHzなど、約0.05MHz~約200MHzなど、約0.1MHz~約100MHzなど、約0.5MHz~約90MHzなど、約1MHz~約75MHzなど、約2MHz~約70MHzなど、約3MHz~約65MHzなど、約4MHz~約60MHzなど、約0.001MHz~約500MHzの周波数を有する。
【0075】
ある特定の実施形態では、コントローラは、メモリがそれに記憶される命令を含むように、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、所望の強度プロファイルを有する角度的に偏向されたレーザビームを有する出力レーザビームを生成させる。例えば、メモリが同じ強度を有する100個以上の角度的に偏向されたレーザビームを生成するための命令を含み得ることを含め、メモリは、3つ以上など、4つ以上など、5つ以上など、10個以上など、25個以上など、50個以上など、同じ強度を有する2つ以上の角度的に偏向されたレーザビームを生成するための命令を含み得る。他の実施形態では、メモリが異なる強度を有する100個以上の角度的に偏向されたレーザビームを生成するための命令を含み得ることを含め、メモリは、3つ以上など、4つ以上など、5つ以上など、10個以上など、25個以上など、50個以上など、異なる強度を有する2つ以上の角度的に偏向されたレーザビームを生成するための命令を含み得る。
【0076】
ある特定の実施形態では、コントローラは、メモリがそれに記憶される命令を含むように、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、水平軸に沿った出力レーザビームのエッジから中心に増加する強度を有する出力レーザビームを生成させる。これらの事例では、出力ビームの中心における角度的に偏向されたレーザビームの強度は、水平軸に沿った出力レーザビームのエッジにおける角度的に偏向されたレーザビームの強度の約10%~約50%を含め、0.5%~約95%など、1%~約90%など、約2%~約85%など、約3%~約80%など、約4%~約75%など、約5%~約70%など、約6%~約65%など、約7%~約60%など、約8%~約55%など、水平軸に沿った出力レーザビームのエッジにおける角度的に偏向されたレーザビームの強度の0.1%~約99%の範囲であり得る。他の実施形態では、コントローラは、メモリがそれに記憶される命令を含むように、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、水平軸に沿った出力レーザビームのエッジから中心に増加する強度を有する出力レーザビームを生成させる。これらの事例では、出力ビームのエッジにおける角度的に偏向されたレーザビームの強度は、水平軸に沿った出力レーザビームの中心における角度的に偏向されたレーザビームの強度の約10%~約50%を含め、0.5%~約95%など、1%~約90%など、約2%~約85%など、約3%~約80%など、約4%~約75%など、約5%~約70%など、約6%~約65%など、約7%~約60%など、約8%~約55%など、水平軸に沿った出力レーザビームの中心における角度的に偏向されたレーザビームの強度の0.1%~約99%の範囲であり得る。更に他の実施形態では、コントローラは、メモリがそれに記憶される命令を含むように、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、水平軸に沿ってガウス分布を有する強度プロファイルを有する出力レーザビームを生成させる。更に他の実施形態では、コントローラは、メモリがそれに記憶される命令を含むように、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、水平軸に沿ってトップハット強度プロファイルを有する出力レーザビームを生成させる。
【0077】
実施形態では、関心の光ビーム生成器は、空間的に分離された、出力レーザビーム内の角度的に偏向されたレーザビームを生成するように構成され得る。印加された高周波駆動信号及び出力レーザビームの所望の照射プロファイルに応じて、角度的に偏向されたレーザビームは、5000μm以上を含め、0.005μm以上など、0.01μm以上など、0.05μm以上など、0.1μm以上など、0.5μm以上など、1μm以上など、5μm以上など、10μm以上など、100μm以上など、500μm以上など、1000μm以上など、0.001μm以上で分離され得る。いくつかの実施形態では、システムは、出力レーザビームの水平軸に沿った隣接する角度的に偏向されたレーザビームなどと重複する、出力レーザビーム内の角度的に偏向されたレーザビームを生成するように構成される。隣接する角度的に偏向されたレーザビーム間の重複(ビームスポットの重複など)は、100μm以上の重複を含め、0.005μm以上の重複など、0.01μm以上の重複など、0.05μm以上の重複など、0.1μm以上の重複など、0.5μm以上の重複など、1μm以上の重複など、5μm以上の重複など、10μm以上の重複など、0.001μm以上の重複であり得る。
【0078】
ある特定の事例では、周波数シフトされた光の2つ以上のビームを生成するように構成された光ビーム生成器は、米国特許第9,423,353号、第9,784,661号、及び第10,006,852号、並びに米国特許公開第2017/0133857号及び同第2017/0350803号に記載されているようなレーザ励起モジュールを含み、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0079】
光源は、試料(例えば、フローサイトメータ内のフローストリーム)からの任意の好適な距離に位置付けすることができ、例えばフローストリームから0.001mm以上の距離、例えば0.005mm以上、例えば0.01mm以上、例えば0.05mm以上、例えば0.1mm以上、例えば0.5mm以上、例えば1mm以上、例えば5mm以上、例えば10mm以上、例えば25mm以上、及び100mm以上の距離を含む距離である。更に、光源は、任意の好適な角度(例えば、フローストリームの垂直軸に対して)で試料を照射し、例えば、15°~85°、例えば、20°~80°、例えば、25°~75°、及び30°~60°を含めて、10°~90°の範囲にわたる角度、例えば、90°の角度である。
【0080】
光源は、連続的に、又は離散的な間隔で試料を照射するように構成され得る。いくつかの事例では、システムは、フローサイトメータの調査ポイントにおいてフローストリームを連続的に照射する連続波レーザなどで、試料を連続的に照射するように構成されている光源を含む。他の事例では、対象となるシステムは、0.001ミリ秒毎、0.01ミリ秒毎、0.1ミリ秒毎、1ミリ秒毎、10ミリ秒毎、100ミリ秒毎、及び1000ミリ秒毎を含む離散的な間隔で、又は何らかの他の間隔の離散的な間隔で、試料を照射するように構成されている光源を含む。光源が離散的な間隔で試料を照射するように構成されている場合、システムは、光源を用いた、試料の断続的な照射を提供するための、1つ以上の追加の構成要素を含み得る。例えば、これらの実施形態における主題のシステムは、光源に対して試料を遮断及び曝露するための、手動による、又はコンピュータ制御されたビーム停止部である、1つ以上のレーザビームチョッパーを含み得る。
【0081】
ある特定の実施形態では、システムは、フローストリーム内の試料を伝播するように構成されているフローセルを更に含む。流体試料を試料検査領域に伝播させる任意の好都合なフローセルが採用され得、いくつかの実施形態では、フローセルは、長手方向軸を画定する近位円筒形部分、及び長手方向軸に対して横方向であるオリフィスを有する平坦な表面で終端する遠位円錐形部分を含む。近位円筒形部分の長さ(長手方向軸に沿って測定される)は、例えば、1.5mm~12.5mm、例えば、2mm~10mm、例えば、3mm~9mm、及び4mm~8mmを含む、1mm~15mmの範囲で変わり得る。遠位円錐台形部分の長さ(長手方向軸に沿って測定される)も同様に、例えば、2mm~9mm、例えば、3mm~8mm、及び4mm~7mmを含む、1mm~10mmの範囲で変わり得る。フローセルノズルチャンバの直径は、いくつかの実施形態では、例えば、2mm~9mm、例えば、3mm~8mm、及び4mm~7mmを含む、1mm~10mmの範囲で変わり得る。
【0082】
ある特定の事例では、フローセルは、円筒形部分を含まず、フローセル内部チャンバ全体が円錐台形に形成される。これらの実施形態では、円錐台形内部チャンバの長さ(ノズルオリフィスに対して横方向の長手方向軸に沿って測定される)は、例えば、1.5mm~12.5mm、例えば、2mm~10mm、例えば、3mm~9mm、及び4mm~8mmを含む、1mm~15mmの範囲であり得る。円錐台形ノズルチャンバの近位部分の直径は、例えば、2mm~9mm、例えば、3mm~8mm、及び4mm~7mmを含む、1mm~10mmの範囲であり得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、試料フローストリームは、フローセルの遠位端でオリフィスから発せられる。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルオリフィスは、任意の好適な形状であり得、対象となる断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形である曲線断面形状、並びに、例えば、平面状の上部分に結合されている放物線状の底部分などの不規則形状が挙げられる。ある特定の実施形態では、対象となるフローセルは、円形オリフィスを有する。ノズルオリフィスのサイズは、いくつかの実施形態では、例えば2μm~17500μm、例えば5μm~15000μm、例えば10μm~12500μm、例えば15μm~10000μm、例えば25μm~7500μm、例えば50μm~5000μm、例えば75μm~1000μm、例えば100μm~750μm、及び150μm~500μmを含む、1μm~20000μmの範囲で変わり得る。ある特定の実施形態では、ノズルオリフィスは、100μmである。
【0084】
いくつかの実施形態では、フローセルは、試料をフローセルに提供するように構成されている試料注入ポートを含む。実施形態では、試料注入システムは、フローセル内部チャンバに試料の好適なフローを提供するように構成される。フローストリームの所望の特性に応じて、試料注入ポートによってフローセルチャンバに伝達される試料の速度は、例えば2μL/分以上、例えば3μL/分以上、例えば5μL/分以上、例えば10μL/分以上、例えば15μL/分以上、例えば25μL/分以上、例えば50μL/分以上、及び100μL/分以上を含む、1μL/分以上であり得、いくつかの事例では、試料注入ポートによってフローセルチャンバに伝達される試料の速度は、例えば2μL/秒以上、例えば3μL/秒以上、例えば5μL/秒以上、例えば10μL/秒以上、例えば15μL/秒以上、例えば25μL/秒以上、例えば50μL/秒以上、及び100μL/分以上を含む、1μL/秒以上である。
【0085】
試料注入ポートは、内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスであり得るか、又は、内部チャンバの近位端に位置付けられた導管であり得る。試料注入ポートが内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスである場合、試料注入ポートオリフィスは、任意の好適な形状であり得、対象となる断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形である曲線断面形状、並びに、例えば、平面状の上部分に結合されている放物線状の底部分などの不規則形状が挙げられる。ある特定の実施形態では、試料注入ポートは、円形オリフィスを有する。試料注入ポートオリフィスのサイズは、形状に応じて変わり得、ある特定の事例では、例えば、0.2~3.0mm、例えば、0.5mm~2.5mm、例えば、0.75mm~2.25mm、例えば、1mm~2mm、及び1.25mm~1.75mm、例えば、1.5mmを含む、0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有する。
【0086】
ある特定の事例では、試料注入ポートは、フローセル内部チャンバの近位端に位置付けられた導管である。例えば、試料注入ポートは、フローセルオリフィスに沿った試料注入ポートのオリフィスを有するように位置付けられた導管であり得る。試料注入ポートが、フローセルオリフィスに沿って位置付けられた導管である場合、試料注入チューブの断面形状は、任意の好適な形状であり得、対象となる断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形である曲線断面形状、並びに、例えば、平面状の上部分に結合されている放物線状の底部分などの不規則形状が挙げられる。導管のオリフィスは、形状に応じて変わり得、ある特定の事例では、例えば、0.2~3.0mm、例えば、0.5mm~2.5mm、例えば、0.75mm~2.25mm、例えば、1mm~2mm、及び1.25mm~1.75mm、例えば、1.5mmを含む、0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有する。試料注入ポートの先端部の形状は、試料注入管の断面形状と同じ又は異なり得る。例えば、試料注入ポートのオリフィスは、例えば2°~9°、例えば3°~8°、例えば4°~7°、及び5°のベベル角を含む、1°~10°の範囲のベベル角を有する傾斜した先端部を含み得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、フローセルはまた、フローセルにシース流体を提供するように構成されているシース流体注入ポートも含む。実施形態では、シース流体注入システムは、例えば、試料と併せて、フローセル内部チャンバにシース流体のフローを提供して、試料フローストリームを取り囲むシース流体の積層フローストリームを生成するように構成される。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルチャンバに伝達されるシース流体の速度は、例えば50μL/秒以上、例えば75μL/秒以上、例えば100μL/秒以上、例えば250μL/秒以上、例えば500μL/秒以上、例えば750μL/秒以上、例えば1000μL/秒以上、及び2500μL/秒以上を含む、25μL/秒以上であり得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、シース流体注入ポートは、内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスである。シース流体注入ポートオリフィスは、任意の好適な形状であり得、対象となる断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形である曲線断面形状、並びに、例えば、平面状の上部分に結合されている放物線状の底部分などの不規則形状が挙げられる。試料注入ポートオリフィスのサイズは、形状によって異なり得、ある特定の事例では、1.25mm~1.75mmを含め、例えば、0.2~3.0mm、例えば、0.5mm~2.5mm、0.75mm~2.25mmなど、1mm~2mmなどの0.1mm~5.0mmの範囲の、例えば、1.5mmの開口部を有する。
【0089】
いくつかの実施形態では、システムは、フローセルを通じてフローストリームを伝播させるためにフローセルと流体連通するポンプを更に含む。フローセルを通るフローストリームのフローを制御するために、任意の好都合な流体ポンププロトコルが、採用され得る。ある特定の事例では、システムは、パルスダンパを有する蠕動ポンプなどの、蠕動ポンプを含む。主題のシステム内のポンプは、フローストリーム内の試料から光を検出するのに好適な速度でフローセルを通して流体を伝達するように構成されている。いくつかの事例では、フローセル内の試料フローの速度は、例えば2μL/分以上、例えば3μL/分以上、例えば5μL/分以上、例えば10μL/分以上、例えば25μL/分以上、例えば50μL/分以上、例えば75μL/分以上、例えば100μL/分以上、例えば250μL/分以上、例えば500μL/分以上、例えば750μL/分以上、及び1000μL/分以上を含む、1μL/分(毎分マイクロリットル)以上である。例えば、システムは、10μL/分~50μL/分を含め、1μL/分~250μL/分など、1μL/分~100μL/分など、2μL/分~90μL/分など、3μL/分~80μL/分など、4μL/分~70μL/分など、5μL/分~60μL/分などの1μL/分~500μL/分の範囲の速度でフローセルを通じて試料を流すように構成されるポンプを含み得る。ある特定の実施形態では、フローストリームの流速は、5μL/分~6μL/分である。
【0090】
ある特定の実施形態では、主題のシステムは、フローサイトメトリックシステムである。好適なフローサイトメトリシステムは、これらに限定されないが、Ormerod(ed.)、フローサイトメトリ:A Practical Approach,Oxford Univ.Press(1997);Jaroszeski et al.(eds.),Flow Cytometry Protocols,Methods in Molecular Biology No.91,Humana Press(1997);Practical Flow Cytometry,3rd ed.,Wiley-Liss(1995);Virgo,et al.(2012)Ann Clin Biochem.Jan;49(pt 1):17-28;Linden,et.al.,Semin Throm Hemost.2004 Oct;30(5):502-11;Alison,et al.J Pathol,2010 Dec;222(4):335-344;及びHerbig,et al.(2007)Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.24(3):203-255に記載されているものを含んでもよく、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の事例では、対象となるフローサイトメトリシステムは、BD Biosciences FACSCanto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSCanto(商標)IIフローサイトメータ、BD Accuri(商標)フローサイトメータ、BD Accuri(商標)C6 Plusフローサイトメータ、BD Biosciences FACSCelesta(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVerse(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)X-20フローサイトメータ、BD Biosciences FACSPresto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVia(商標)フローサイトメータ並びにBD Biosciences FACSCalibur(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSCount(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)セルソータ及びBD Biosciences Via(商標)セルソータ、BD Biosciences Influx(商標)セルソータ、BD Biosciences Jazz(商標)セルソータ、BD Biosciences Aria(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)IIセルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)IIIセルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)Fusionセルソータ、及びBD Biosciences FACSMelody(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)S6セルソータなどを含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、本システムは、米国特許第10,663,476号、同第10,620,111号、同第10,613,017号、同第10,605,713号、同第10,585,031号、同第10,578,542号、同第10,578,469号、同第10,481,074号、同第10,302,545号、同第10,145,793号、同第10,113,967号、同第10,006,852号、同第9,952,076号、同第9,933,341号、同第9,726,527号、同第9,453,789号、同第9,200,334号、同第9,097,640号、同第9,095,494号、同第9,092,034号、同第8,975,595号、同第8,753,573号、同第8,233,146号、同第8,140,300号、同第7,544,326号、同第7,201,875号、同第7,129,505号、同第6,821,740号、同第6,813,017号、同第6,809,804号、同第6,372,506号、同第5,700,692号、同第5,643,796号、同第5,627,040号、同第5,620,842号、同第5,602,039号、同第4,987,086号、同第4,498,766号に記載されているものなどのフローサイトメトリックシステムであり、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0092】
いくつかの実施形態では、主題のシステムは、米国特許公開第2017/0299493号に説明されているものなどの、密閉された粒子選別モジュールを用いて粒子を選別するように構成された粒子選別システムであり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態では、試料の粒子(例えば、細胞)は、米国特許公開第2020/0256781号に記載されたものなどの、複数の選別判定ユニットを有する選別判定モジュールを使用して選別され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、主題のシステムは、2017年3月28日に出願され、その開示が、参照により本明細書に組み込まれる米国特許公開第2017/0299493号に記載されるものなどの、偏向板を有する粒子選別モジュールを含む。
【0093】
ある特定の事例では、本発明のフローサイトメトリシステムは、Diebold,et al.Nature Photonics Vol.7(10);806-810(2013)に記載されているもの、並びに米国特許第9,423,353号、同第9,784,661号、同第9,983,132号、同第10,006,852号、同第10,078,045号、同第10,036,699号、同第10,222,316号、同第10,288,546号、同第10,324,019号、同第10,408,758号、同第10,451,538号、同第10,620,111号、並びに米国特許公開第2017/0133857号、同第2017/0328826号、同第2017/0350803号、同第2018/0275042号、同第2019/0376895号、及び同第2019/0376894号に記載されているものなど、高周波タグ付き放出(FIRE)を使用した蛍光撮像によってフローストリーム内の粒子を撮像するように構成されている。これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
いくつかの実施形態では、システムは、粒子分析システム401(図4A)を使用して、粒子を収集容器中に物理的に選別することの有無にかかわらず、粒子を分析及び特性評価することができる、粒子分析器である。図4Aは、計算ベースの試料分析及び粒子特性評価のための粒子分析システムの機能ブロック図を示す。いくつかの実施形態では、粒子分析システム401は、フローシステムである。図4Aに示される粒子分析システム401は、全体的又は部分的に、本明細書に説明される方法を実行するように構成され得る。粒子分析システム401は、流体工学システム402を含む。流体工学システム402は、試料管405と、試料の粒子403(例えば、細胞)が共通試料経路409に沿ってその中を移動する試料管内の移動流体カラムと、を含むか又はそれらと連結されることができる。
【0095】
粒子分析システム401は、各粒子が共通試料経路に沿って1つ以上の検出ステーションを通過するときに、各粒子から信号を収集するように構成されている検出システム404を含む。検出ステーション408は、概して、共通試料経路の監視エリア407を指す。いくつかの実装形態では、検出は、粒子403が監視エリア407を通過するときに、それらの粒子の光、又は1つ以上の他の特性を検出することを含み得る。図4Aでは、1つの監視エリア407を有する1つの検出ステーション408が示されている。粒子分析システム401のいくつかの実装形態は、複数の検出ステーションを含むことができる。更に、いくつかの検出ステーションは、2つ以上の領域を監視することができる。
【0096】
各信号には、各粒子に対してデータポイントを形成するための信号値が割り当てられる。上述したように、このデータは、事象データと称され得る。データポイントは、粒子に対して測定されたそれぞれの特性の値を含む多次元データポイントであり得る。検出システム404は、一連のそのようなデータポイントを第1の時間間隔で収集するように構成されている。
【0097】
粒子分析システム401はまた、制御システム306も含むことができる。制御システム406は、1つ以上のプロセッサ、振幅制御回路、及び/又は周波数制御回路を含むことができる。示された制御システムは、流体工学システム402に動作可能に関連付けられ得る。制御システムは、ポアソン分布、及び第1の期間中に検出システム404によって収集されたデータポイントの数に基づいて、第1の期間の少なくとも一部分について計算された信号周波数を生成するように構成され得る。制御システム406は、第1の期間の一部分におけるデータポイントの数に基づいて、実験的な信号周波数を生成するように更に構成され得る。制御システム406は、追加的に、実験的な信号周波数を、計算された信号周波数又は所定の信号周波数のそれと比較することができる。
【0098】
図4Bは、本発明の例示的な実施形態による、フローサイトメトリのためのシステムを示す。このシステムは、フローサイトメータ400、コントローラ/プロセッサ490、及びメモリ495を含む。このフローサイトメータ470は、1つ以上の励起レーザ471、472、473、474及び475、集束レンズ476、フローチャンバ477、前方散乱検出器480a、側方散乱検出器480b、及び蛍光集束レンズ440を含む。
【0099】
励起レーザ471、472、473、474、及び475は、レーザビームの形態で光を放出する。励起レーザ471、472、473、474、及び475から放出されるレーザビームの波長は、図4Bの例示的なシステムにおいて、それぞれ、637nm、561nm、488nm、405nm、及び349nmである。レーザビームは、最初、ビームスプリッタ471a、472a、473a、474a、及び475aのうちの1つ以上を通って誘導される。ビームスプリッタ475aは、637nm、561nm、488nm、及び405nmで光を透過し、349nmで光を反射する。ビームスプリッタ474aは、637nm、561nm、及び488nmで光を透過し、405nmで光を反射する。ビームスプリッタ473aは、637nm及び561nmで光を透過し、488nmで光を反射する。ビームスプリッタ472aは、637nmで光を透過し、561nmで光を反射する。ビームスプリッタ471aは、637nmで光を反射する。次いで、レーザビームは、集束レンズ476へと誘導され、集束レンズ476は、フローチャンバ477内で、試料の粒子が位置する流体ストリームの部分上にビームを集束させる。フローチャンバは、調査のために、通常一度に1つ、ストリーム内の粒子を集束レーザビームに誘導する流体工学システムの一部である。フローチャンバは、ベンチトップフローサイトメータ内にフローセルを、又はストリームインエアサイトメータ内にノズル先端部を備えることができる。
【0100】
レーザビームからの光は、粒子のサイズ、内部構造、及び粒子の上若しくは中に付属されるか若しくは自然に存在する1つ以上の蛍光分子の存在などの粒子の特性に応じて、様々な異なる波長での再放出を伴う回折、屈折、反射、散乱、及び吸収によって、試料内の粒子と相互作用する。蛍光放出、並びに回折光、屈折光、反射光、及び散乱光は、蛍光集束レンズ440を通って、前方散乱検出器480a、側方散乱検出器480b、並びに光検出システム478a、478b、478c、478d、及び478eのうちの1つ以上、のうちの1つ以上に経路設定され得る。ある特定の実施形態では、フローセル477からの光は、上述のように光ファイバ又は自由空間リレーデバイスなどの光学収集構成要素で集められ、光検出システム478a、478b、478c、478d、及び478eのうちの1つ以上に伝播される。
【0101】
ある特定の実施形態による各レーザによって照射された粒子からの光は、本明細書に記載されるように、別個の光検出システムで検出される。図3に示されるように、各光検出システムは、線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素であって、線形可変光学フィルタの各セットが、所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成されている、波長セパレータ構成要素と、線形可変光学フィルタを横切る各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器と、を含む。図4Bでは、光検出モジュール478aは、レーザ471(例えば、637nmレーザ)で照射されたフローセル477を通って伝播する粒子からの光を検出するように構成され、光検出モジュール478bは、レーザ472(例えば、561nmレーザ)で照射されたフローセル477を通って伝播する粒子からの光を検出するように構成され、光検出モジュール478cは、レーザ473(例えば、488nmレーザ)で照射されたフローセル477を通って伝播する粒子からの光を検出するように構成され、光検出モジュール478dは、レーザ474(例えば、405nmレーザ)で照射されたフローセル477を通って伝播する粒子からの光を検出するように構成され、光検出モジュール478eは、レーザ475(例えば、349nmレーザ)で照射されたフローセル477を通って伝播する粒子からの光を検出するように構成されている。図4Bに示される実施形態では、異なる光検出モジュールは、各レーザラインからのフローストリームからの光を検出するために使用される。実施形態では、光検出モジュールは、フローストリームに沿って任意の位置及び任意の角度で配置され得る。ある特定の事例では、図4Bに示されるように、光検出モジュールは、フローストリームの長手方向軸に沿って一列に位置付けられている。各レーザによる照射位置に応じて、光検出モジュールは、フローストリームの長手方向軸に沿って、例えば5mm以上、例えば10mm以上、例えば25mm以上、例えば50mm以上、例えば100mm以上、及び250mm以上を含む、1mm以上だけ、互いに分離され得る。
【0102】
前方散乱検出器480aは、フローセルを通る直接ビームから軸外にわずかに離れて位置付けられ、回折光、粒子を通って又はその周りをほとんど前方方向に移動する励起光を検出するように構成されている。前方散乱検出器によって検出された光の強度は、粒子のサイズ全体に依存する。前方散乱検出器は、フォトダイオードを含むことができる。側方散乱検出器480bは、粒子の表面及び内部構造からの回折光及び反射光を検出するように構成され、粒子構造が複雑になるにつれて増加する傾向がある。前方散乱検出器480a、側方散乱検出器480b、及び蛍光検出器で検出された信号は、検出器によって電子信号(電圧)に変換され得る。このデータは、試料に関する情報を提供することができる。
【0103】
当業者は、本発明の一実施形態によるフローサイトメータが、図4Bに示されるフローサイトメータに限定されず、当該技術分野で既知の任意のフローサイトメータを含み得ることを認識するであろう。例えば、フローサイトメータは、様々な波長で、かつ様々な異なる構成で、任意の数のレーザ、ビームスプリッタ、フィルタ、及び検出器を有し得る。
【0104】
動作中、フローサイトメータの動作は、コントローラ/プロセッサ490によって制御され、検出器からの測定データは、メモリ495内に記憶されて、コントローラ/プロセッサ490によって処理され得る。明示的には示されていないが、コントローラ/プロセッサ490は、検出器に結合されて、その検出器から出力信号を受け取り、また、フローサイトメータ400の電気構成要素及び電気機械構成要素に結合されて、レーザ、流体流パラメータなどを制御し得る。入力/出力(I/O)機能部497は、システム内にも提供され得る。メモリ495、コントローラ/プロセッサ490、及びI/O497は、全体的に、フローサイトメータ410の不可欠な部分として提供され得る。そのような実施形態では、ディスプレイはまた、サイトメータ400のユーザに実験的なデータを提示するための、I/O機能部497の一部も形成し得る。代替的に、メモリ495及びコントローラ/プロセッサ490及びI/O機能部の一部又は全ては、汎用コンピュータなどの1つ以上の外部デバイスの一部であり得る。いくつかの実施形態では、メモリ495及びコントローラ/プロセッサ490の一部又は全ては、フローサイトメータ400と無線又は有線で通信することができる。メモリ495及びI/O497と併せて、コントローラ/プロセッサ490は、フローサイトメータ実験の調製及び分析に関連する様々な機能を実行するように構成され得る。
【0105】
I/O497は、蛍光標識のパネルを有するフローサイトメータ実験、及び複数のマーカーを有する複数の細胞母集団に関係するデータを受信するように構成され得、各細胞母集団は、複数のマーカーのサブセットを有する。I/O497はまた、1つ以上のマーカーを1つ以上の細胞母集団に割り当てる生体データ、マーカー濃度データ、発光スペクトルデータ、1つ以上のマーカーに標識を割り当てるデータ、及びサイトメータ構成データも受信するように構成され得る。標識スペクトル特性及びフローサイトメータ構成データなどのフローサイトメータ実験データもまた、メモリ495内に記憶され得る。コントローラ/プロセッサ490は、マーカーに対する標識の1つ以上の割り当てを評価するように構成することができる。
【0106】
図5は、生体事象を分析及び表示するための、分析コントローラ500などの、粒子分析器制御システムの一実施例の機能ブロック図を示す。分析コントローラ500は、生体事象のグラフィック表示を制御するための様々なプロセスを実装するように構成することができる。
【0107】
粒子分析器又は粒子選別システム502は、生体事象データを取得するように構成することができる。例えば、フローサイトメータは、フローサイトメトリック事象データを生成することができる。粒子分析器502は、生体事象データを分析コントローラ500に提供するように構成することができる。データ通信チャネルを、粒子分析器又は粒子選別システム502と分析コントローラ500との間に含めることができる。生体事象データは、データ通信チャネルを介して、分析コントローラ500に提供することができる。
【0108】
分析コントローラ500は、粒子分析器又は選別システム502から生体事象データを受信するように構成することができる。粒子分析器又は選別システム502から受信した生体事象データは、フローサイトメトリック事象データを含むことができる。分析コントローラ500は、生体事象データの第1のプロットを含むグラフィカル表示を表示デバイス506に提供するように構成することができる。分析コントローラ500は、対象となる領域を、表示デバイス506によって示される生体事象データの母集団の周辺のゲートとして、例えば、第1のプロット上に重ねられて、レンダリングするように更に構成することができる。いくつかの実施形態では、そのゲートは、単一パラメータのヒストグラム又は二変量プロット上に描かれる、対象となる1つ以上のグラフィカル領域の論理結合とすることができる。いくつかの実施形態では、そのディスプレイを使用して、粒子パラメータ又は飽和した検出器データを表示することができる。
【0109】
分析コントローラ500は、ゲート内の表示デバイス506上に、生体事象データを、ゲートの外側の生体事象データ内の他の事象とは異なって表示するように更に構成され得る。例えば、分析コントローラ500は、ゲート内に含まれる生体事象データの色を、ゲートの外側の生体事象データの色とは区別するようレンダリングするように構成することができる。表示デバイス506は、モニタ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、又はグラフィカルインターフェースを提示するように構成されている他の電子デバイスとして、実装することができる。
【0110】
分析コントローラ500は、第1の入力デバイスからゲートを識別するゲート選択信号を受信するように構成することができる。例えば、第1の入力デバイスは、マウス510として実装することができる。このマウス510は、表示デバイス506を介して表示又は操作されるゲートを識別する分析コントローラ500に対して、(例えば、カーソルをそこに位置決めするときに、所望のゲートをクリックすることによって)ゲート選択信号を始動させることができる。いくつかの実装形態では、第1のデバイスは、キーボード508、又はタッチスクリーン、入力用ペン、光検出器、若しくは音声認識システムなどの、入力信号を分析コントローラ500に提供するための他の手段として実装することができる。いくつかの入力デバイスは、複数の入力機能を含むことができる。そのような実装形態では、入力機能は、各々、入力デバイスとみなすことができる。例えば、図5に示されるように、マウス510は、右マウスボタン及び左マウスボタンを含むことができ、それらの各々は、起動事象を生成することができる。
【0111】
起動事象は、分析コントローラ500に、データが表示される方法、データのどの部分が実際に表示デバイス506上に表示されるかを変更させ、かつ/又は粒子選別の対象の母集団の選択などの更なる処理への入力を提供することができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、分析コントローラ500は、ゲート選択がマウス510によっていつ始動されたかを検出するように構成され得る。分析コントローラ500は、プロットの視覚化を自動的に修正して、ゲート制御プロセスを容易にするように更に構成され得る。この修正は、分析コントローラ500によって受信された生体事象データの特定の分布に基づき得る。
【0113】
分析コントローラ500は、記憶デバイス504に接続され得る。この記憶デバイス504は、分析コントローラ500から生体事象データを受信及び記憶するように構成され得る。記憶デバイス504はまた、分析コントローラ500からフローサイトメトリック事象データも受信及び記憶するように構成され得る。記憶デバイス504は、分析コントローラ500によって、フローサイトメトリック事象データなどの生体事象データの検索を可能にするように更に構成され得る。
【0114】
表示デバイス506は、分析コントローラ500から表示データを受信するように構成され得る。表示データは、生体事象データのプロット、及びそのプロットの区画の輪郭を描くゲートを含み得る。表示デバイス506は、粒子分析器502、記憶デバイス504、キーボード508、及び/又はマウス510からの入力と併せて、分析コントローラ500から受信した入力に従って提示された情報を変更するように更に構成され得る。
【0115】
いくつかの実装態様では、分析コントローラ500は、ユーザインターフェースを生成して、選別のための例示的な事象を受信することができる。例えば、このユーザインターフェースは、例示的な事象又は例示的な画像を受信するための制御を含むことができる。例示的な事象若しくは画像、又は例示的ゲートは、試料についての事象データの収集前に、又は試料の一部分についての事象の初期セットに基づいて提供することができる。
【0116】
図6Aは、本明細書に提示される一実施形態による、粒子選別器システム600(例えば、粒子分析器又は粒子選別システム502)の概略図である。いくつかの実施形態では、粒子選別器システム600は、細胞選別器システムである。図6Aに示すように、液滴形成トランスデューサ602(例えば、圧電発振器)は、流体導管601に結合され、流体導管601は、ノズル603に結合され得るか、ノズル603を含み得るか、ノズル603であり得る。流体導管601内で、シース流体604が、粒子609を含む試料流体606を流体力学的に集中させて移動流体カラム608(例えば、ストリーム)とする。移動流体カラム608内で、粒子609(例えば、細胞)は、1列縦隊に並べられて、監視エリア611(例えば、レーザストリームが交差する)を横切り、照射源612(例えば、レーザ)によって照射される。液滴形成トランスデューサ602の振動によって、移動流体カラム608は複数の液滴610に分裂し、そのうちのいくつかは粒子609を包含する。
【0117】
動作中、検出ステーション614(例えば、事象検出器)は、対象となる粒子(又は対象となる細胞)が監視エリア611を横切るときを識別する。検出ステーション614は、タイミング回路628に入力供給し、次いで、タイミング回路628は、フラッシュ電荷回路630に入力供給する。時限液滴遅延(Δt)によって通知される液滴分裂ポイントでは、フラッシュ電荷を移動流体カラム608に印加することができ、したがって、対象となる液滴が電荷を担う。対象となる液滴は、ソートされるべき1つ以上の粒子又は細胞を含むことができる。次いで、帯電した液滴は、偏向板(図示せず)を作動させることによって選別され、液滴を、収集管、又はウェル若しくはマイクロウェルが特定の対象となる液滴に関連付けられ得るマルチウェル若しくはマイクロウェル試料プレートなどの容器内に偏向させることができる。図6Aに示されるように、液滴は、ドレイン容器638内に収集することができる。
【0118】
検出システム616(例えば、液滴境界検出器)は、対象となる粒子が監視エリア611を通過するときに、液滴駆動信号の位相を自動的に判定する役割を果たす。例示的な液滴境界検出器が、米国特許第7,679,039号に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。検出システム616は、機器が、液滴中の検出された各粒子の位置を正確に計算することを可能にする。検出システム616は、振幅信号620及び/又は位相618信号に入力供給することができ、それらは、次いで、振幅制御回路626及び/又は周波数制御回路624に(増幅器622を介して)入力供給する。振幅制御回路626及び/又は周波数制御回路624は、次いで、液滴形成トランスデューサ602を制御する。振幅制御回路626及び/又は周波数制御回路624は、制御システム内に含まれ得る。
【0119】
いくつかの実装形態では、選別エレクトロニクス(例えば、検出システム616、検出ステーション614、及びプロセッサ640)は、検出された事象と、それに基づく選別決定と、を記憶するように構成されたメモリと結合することができる。選別決定は、粒子の事象データに含めることができる。いくつかの実施態様では、検出システム616及び検出ステーション614は、単一の検出ユニットとして実装することができるか、又は事象測定値が、検出システム616若しくは検出ステーション614のうちの一方によって収集され、かつ非収集要素に提供することができるように、通信可能に連結することができる。
【0120】
図6Bは、本明細書に提示される一実施形態による、粒子選別器システムの概略図である。図6Bに示される粒子選別器システム600は、偏向板652及び654を含む。バーブ内のストリーム帯電ワイヤを介して電荷を印加することができる。これにより、分析のために粒子610を包含する液滴610のストリームが作り出される。粒子は、光散乱及び蛍光情報を生成するために、1つ以上の光源(例えば、レーザ)で照射することができる。粒子についての情報は、選別エレクトロニクス又は他の検出システム(図6Bには図示せず)によるなどして分析される。偏向板652及び654は、独立して制御されて、帯電した液滴を引き付けるか又は反発させて、液滴を目的の収集容器(例えば、672、674、676、又は678のうちの1つ)に向かって誘導することができる。図6Bに示されるように、偏向板652及び654は制御されて、粒子を第1の経路662に沿って容器674に向かって、又は第2の経路668に沿って容器678に向かって誘導することができる。粒子が対象でない(例えば、指定された選別範囲内の散乱又は照明情報を呈しない)場合、偏向板は、粒子がフロー経路664に沿って進み続けることを可能にし得る。そのような非荷電の液滴は、吸引器670を介してなど、廃棄物容器内に移行し得る。
【0121】
選別エレクトロニクスは、測定値の収集を始動し、粒子に関する蛍光信号を受信し、粒子の選別を引き起こすために偏向板をどのように調整するかを決定するために含めることができる。図6Bに示される実施形態の例示的実装態様としては、Becton,Dickinson and Company(Franklin Lakes,NJ)によって市販されているBD FACSAria(商標)系のフローサイトメータが挙げられる。
【0122】
コンピュータ制御システム
本開示の態様は、コンピュータ制御システムを更に含み、システムは、完全な自動化又は部分的な自動化のための1つ以上のコンピュータを更に含む。いくつかの実施形態では、システムは、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を有するコンピュータを含み、コンピュータプログラムは、コンピュータにロードされたときに、線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素であって、線形可変光学フィルタの各セットが、所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成されている、波長セパレータ構成要素と、線形可変光学フィルタを横切って各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器と、を有する光検出システムで、調査領域を通ってフローストリームに沿って伝播する粒子を照射するための命令を含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、コンピュータ制御システムは、異なる光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするための命令を記憶したメモリを含む。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、組み合わせられたスペクトルデータ信号を生成するために、2つ以上の異なる光検出器チャネルからのデータ信号を動的にビニングするための命令を含む。いくつかの事例では、コンピュータプログラムは、非隣接する光検出器からのデータ信号をビニングするための命令を含む。いくつかの事例では、コンピュータプログラムは、隣接する光検出器からのデータ信号をビニングするための命令を含む。ある特定の事例では、コンピュータプログラムは、隣接する光検出器からのデータ信号の水平ビニングのための命令を含む。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、3つ以上の異なる光検出器チャネル、例えば4つ以上、例えば5つ以上、例えば6つ以上、例えば16個以上、例えば32個以上、及び64個以上の異なる光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするための命令を含む。いくつかの実施形態では、ビニングされたデータ信号は、波長分離されたデータ信号である。いくつかの実施形態では、ビニングされたデータ信号は、時間分離されたデータ信号である。いくつかの実施形態では、ビニングされたデータ信号は、時間及び波長分離されたデータ信号である。
【0124】
ある特定の実施形態では、コンピュータプログラムは、1つ以上の光検出器チャネルからのデータ信号を増幅するための命令を含む。いくつかの事例では、コンピュータプログラムは、各光検出器チャネルからのデータ信号を増幅し、増幅されたデータ信号をビニングするための命令を含む。いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、生成されたデータ信号を多重化するための命令を含む。いくつかの事例では、コンピュータプログラムは、多重化されたデータ信号をビニングするための命令を含む。
【0125】
実施形態では、システムは、入力モジュール、処理モジュール、及び出力モジュールを含む。主題のシステムは、ハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素の両方を含み得、ハードウェア構成要素は、例えば、サーバの形態で1つ以上のプラットフォームの形態を採り得、その結果、システムの機能要素、すなわち、特定のタスク(情報の入出力の管理、情報の処理など)を実行するシステムのそれらの要素は、システムに表される1つ以上のコンピュータプラットフォーム上で及びそれを横切ってソフトウェアアプリケーションの実行によって実行され得る。
【0126】
システムは、ディスプレイ及びオペレータ入力デバイスを含み得る。オペレータ入力デバイスは、例えば、キーボード、マウスなどであり得る。処理モジュールは、主題の方法のステップを実行するために記憶された命令を有するメモリにアクセスするプロセッサを含む。処理モジュールは、オペレーティングシステム、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラ、システムメモリ、メモリ記憶デバイス、及び入出力コントローラ、キャッシュメモリ、データバックアップユニット、並びに多くの他のデバイスを含み得る。プロセッサは、市販のプロセッサであり得るか、又は利用可能であるか、若しくは利用可能になるであろう他のプロセッサのうちの1つであり得る。プロセッサは、オペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムは、周知の方法でファームウェア及びハードウェアとインターフェース接続し、当該技術分野で既知であるように、Java、Perl、C++、他の高級言語又は低級言語、並びにそれらの組み合わせなどの様々なプログラミング言語で記述され得る様々なコンピュータプログラムの機能を、プロセッサが連携及び実行するのを容易にする。オペレーティングシステムは、典型的には、プロセッサと協調して、コンピュータの他の構成要素の機能を調整し、実行する。オペレーティングシステムはまた、全て既知の技術に従って、スケジューリング、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、並びに通信制御及び関連サービスを提供する。プロセッサは、任意の好適なアナログ又はデジタルシステムであり得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、第1の光信号及び第2の光信号に基づいて、ユーザが、光源をフローストリームと手動で整列させることを可能にするアナログ電子機器を含む。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば、負帰還制御などのフィードバック制御を提供するアナログ電子機器を含む。
【0127】
システムメモリは、様々な既知又は将来のメモリ記憶デバイスのいずれかであり得る。例としては、任意の一般的に入手可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、常駐ハードディスク若しくはテープなどの磁気媒体、リードライトコンパクトディスクなどの光学媒体、フラッシュメモリデバイス、又は他のメモリ記憶デバイスが挙げられる。メモリ記憶デバイスは、コンパクトディスクドライブ、テープドライブ、リムーバブルハードディスクドライブ、又はディスクドライブを含む、様々な既知又は将来のデバイスのいずれかであり得る。そのようなタイプのメモリ記憶デバイスは、通常、それぞれ、コンパクトディスク、磁気テープ、リムーバブルハードディスク、又はフロッピーディスクなどのプログラム記憶媒体(図示せず)から読み出し、及び/又はプログラム記憶媒体に書き込む。これらのプログラム記憶媒体のいずれか、又は現在使用されている、若しくは後に開発され得る他のものは、コンピュータプログラム製品とみなされ得る。理解されるように、これらのプログラム記憶媒体は、通常、コンピュータソフトウェアプログラム及び/又はデータを記憶する。コンピュータ制御ロジックとも呼ばれるコンピュータソフトウェアプログラムは、通常、システムメモリ、及び/又はメモリ記憶デバイスと併せて使用されるプログラム記憶デバイスに記憶される。
【0128】
いくつかの実施形態では、制御ロジック(プログラムコードを含むコンピュータソフトウェアプログラム)が記憶されているコンピュータ使用可能媒体を備えるコンピュータプログラム製品が説明される。制御ロジックは、プロセッサによって実行されるとコンピュータ、プロセッサに、本明細書に説明される機能を実行させる。他の実施形態では、いくつかの機能は、例えば、ハードウェアステートマシンを使用して、主にハードウェア内に実装される。本明細書に説明される機能を実行するためのハードウェアステートマシンの実装形態は、関連技術分野の当業者には明らかであろう。
【0129】
メモリは、磁気、光学、又はソリッドステート記憶デバイス(磁気若しくは光学ディスク、又はテープ、又はRAM、又は固定型若しくは携帯型のいずれかの任意の他の好適なデバイスを含む)などの、プロセッサがデータを記憶し、取り出すことができる任意の好適なデバイスであり得る。プロセッサは、必要なプログラムコードを担持するコンピュータ可読媒体から好適にプログラムされた汎用デジタルマイクロプロセッサを含み得る。プログラミングは、通信チャネルを介してプロセッサにリモートで提供され得るか、又はメモリ又は何らかの他の携帯型若しくは固定型のコンピュータ可読記憶媒体などのコンピュータプログラム製品に、メモリと一緒にそれらのデバイスのいずれかを使用して、あらかじめ保存することができる。例えば、磁気又は光学ディスクは、プログラミングを担持し得、ディスクライタ/リーダによって読み取ることができる。本発明のシステムは、例えば、コンピュータプログラム製品の形態のプログラミング、上記の方法を実践する際に使用するためのアルゴリズムも含む。本発明によるプログラミングは、コンピュータ可読媒体、例えば、コンピュータによって直接読み取り及びアクセスすることができる任意の媒体に記録され得る。そのような媒体としては、以下に限定されないが、フロッピーディスク、ハードディスク記憶媒体、及び磁気テープなどの磁気記憶媒体、CD-ROMなどの光学記憶媒体、RAM及びROMなどの電気記憶媒体、ポータブルフラッシュドライブ、並びに磁気/光学記憶媒体などのこれらのカテゴリのハイブリッドが挙げられる。
【0130】
プロセッサはまた、リモート位置にいるユーザと通信するための通信チャネルへのアクセスを有し得る。リモート位置とは、ユーザがシステムと直接接触せず、広域ネットワーク(「WAN」)、電話ネットワーク、衛星ネットワーク、又は携帯電話(すなわち、スマートフォン)を含む任意の他の好適な通信チャネルに接続されたコンピュータなど、外部デバイスから入力マネージャに入力情報を中継することを意味する。
【0131】
いくつかの実施形態では、本開示によるシステムは、通信インターフェースを含むように構成され得る。いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、ネットワーク及び/又は別のデバイスと通信するための受信器及び/又は送信器を含む。通信インターフェースは、無線周波数(RF)通信(例えば、無線周波数特定(RFID))、ジグビー通信プロトコル、WiFi、赤外線、無線ユニバーサルシリアルバス(USB)、超広帯域(UWB)、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル、及び符号分割多元接続(CDMA)又はモバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)などのセルラー通信を含むが、これらに限定されない、有線又は無線通信のために構成することができる。
【0132】
一実施形態では、通信インターフェースは、主題のシステムと、同様の補完的データ通信のために構成されるコンピュータ端末(例えば、診療所又は病院環境における)などの他の外部デバイスとの間のデータ通信を可能にするために、例えば、USBポート、RS-232ポート、又は任意の他の好適な電気接続ポートなどの物理ポート又はインターフェースなど、1つ以上の通信ポートを含むように構成される。
【0133】
一実施形態では、通信インターフェースは、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信、又は任意の他の好適な無線通信プロトコルのために構成され、主題のシステムが、コンピュータ端末及び/又はネットワーク、通信可能な携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント、又はユーザが併せて使用し得る任意の他の通信デバイスなど、他のデバイスと通信することを可能にする。
【0134】
一実施形態では、通信インターフェースは、携帯電話ネットワーク、ショートメッセージサービス(SMS)、インターネットに接続されたローカルエリアネットワーク(LAN)上のパーソナルコンピュータ(PC)への無線接続、又はWiFiホットスポットでのインターネットへのWiFi接続を介して、インターネットプロトコル(IP)を利用するデータ転送のための接続を提供するように構成される。
【0135】
一実施形態では、主題のシステムは、例えば、802.11若しくはBluetooth(登録商標)RFプロトコル、又はIrDA赤外線プロトコルなどの共通標準を使用して、通信インターフェースを介してサーバデバイスと無線で通信するように構成される。サーバデバイスは、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)若しくはノートブックコンピュータなどの別のポータブルデバイス、又はデスクトップコンピュータ、アプライアンスなどのより大きなデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、サーバデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ、及びボタン、キーボード、マウス、又はタッチスクリーンなどの入力デバイスを有する。
【0136】
いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、上で説明される通信プロトコル及び/又は機構のうちの1つ以上を使用して、ネットワーク又はサーバデバイスと、主題のシステム内、例えば、任意選択的なデータ記憶ユニット内に記憶されたデータを自動的に又は半自動で通信するように構成されている。
【0137】
出力コントローラは、ヒトであろうと機械であろうと、ローカルであろうとリモートであろうと、ユーザに情報を提示するための様々な既知の表示デバイスのいずれかのためのコントローラを含み得る。表示デバイスのうちの1つが視覚情報を提供する場合、この情報は、通常、画素のアレイとして論理的及び/又は物理的に編成され得る。グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラは、システムとユーザとの間にグラフィカル入力及び出力インターフェースを提供するための、及びユーザ入力を処理するための、様々な既知又は将来のソフトウェアプログラムのいずれかを含み得る。コンピュータの機能要素は、システムバスを介して互いに通信し得る。これらの通信のいくつかは、ネットワーク又は他のタイプのリモート通信を使用する代替の実施形態で達成され得る。出力マネージャはまた、既知の技術に従って、例えば、インターネット、電話、又は衛星ネットワークを介して、リモート位置でユーザに、処理モジュールによって生成された情報を提供し得る。出力マネージャによるデータの提示は、様々な既知の技術に従って実装され得る。いくつかの実施例として、データは、SQL、HTML、若しくはXMLドキュメント、電子メール若しくは他のファイル、又は他の形態のデータを含み得る。データは、ユーザが追加のSQL、HTML、XML、又は他のドキュメント若しくはデータをリモートソースから取り出すことができるように、インターネットURLアドレスを含み得る。主題のシステム内に存在する1つ以上のプラットフォームは、通常、典型的にサーバと称されるコンピュータのクラスのものであろうが、任意のタイプの既知のコンピュータプラットフォーム又は将来開発されるタイプであり得る。また一方、それらは、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、又は他のコンピュータタイプであり得る。それらは、任意の既知又は将来のタイプのケーブル配線、又はネットワーク化されているか、又はされていないかのいずれかの無線システムを含む、他の通信システムを介して接続され得る。それらは、同一場所に配置され得るか、又は物理的に分離され得る。場合により、選択されたコンピュータプラットフォームのタイプ及び/又は構成に応じて、様々なオペレーティングシステムが、コンピュータプラットフォームのいずれかで採用され得る。適切なオペレーティングシステムとしては、Windows NT(登録商標)、Windows XP、Windows 7、Windows 8、iOS、Oracle Solaris、Linux(登録商標)、OS/400、Compaq Tru64 Unix、SGI IRIX、Siemens Reliant Unixなどが挙げられる。
【0138】
図7は、ある特定の実施形態による、例示的なコンピューティングデバイス700の一般的なアーキテクチャを示す。図7に示されるコンピューティングデバイス700の一般的なアーキテクチャは、コンピュータハードウェア及びソフトウェア構成要素の配置を含む。コンピューティングデバイス700は、図7に示される要素よりも多くの(又はよりも少ない)要素を含み得る。ただし、有効な開示を提供するためには、これらの一般的に伝統的な要素の全てが、必ずしも示される必要はない。例解されるように、コンピューティングデバイス700は、処理ユニット710、ネットワークインターフェース720、コンピュータ可読媒体ドライブ730、入力/出力デバイスインターフェース740、ディスプレイ750、及び入力デバイス760を含み、それらの全ては、通信バスを経由して互いに通信し得る。ネットワークインターフェース720は、1つ以上のネットワーク又はコンピューティングシステムへの接続を提供し得る。したがって、処理ユニット710は、ネットワークを介して、他のコンピューティングシステム又はサービスから情報及び命令を受信し得る。処理ユニット710はまた、メモリ770との間でも通信し得、入力/出力デバイスインターフェース740を介して、任意選択的なディスプレイ750のための出力情報を更に提供し得る。入力/出力デバイスインターフェース740はまた、キーボード、マウス、デジタルペン、マイクロフォン、タッチスクリーン、ジェスチャー認識システム、音声認識システム、ゲームパッド、加速度計、ジャイロスコープ、又は他の入力デバイスなどの、任意選択的な入力デバイス760から入力を受信し得る。
【0139】
メモリ770は、処理ユニット710が順番に実行して1つ以上の実施形態を実装するコンピュータプログラム命令(いくつかの実施形態では、モジュール又は構成要素としてグループ化される)を含み得る。メモリ770は、一般的に、RAM、ROM、及び/又は他の永続的、補助的、又は非一時的コンピュータ可読媒体を含む。メモリ770は、コンピューティングデバイス700の一般的な管理及び動作において、処理ユニット710によって使用されるためのコンピュータプログラム命令を提供するオペレーティングシステム772を記憶し得る。メモリ770は、本開示の態様を実装するためのコンピュータプログラム命令及び他の情報を更に含み得る。
【0140】
スペクトル識別によるフローストリーム内の粒子からの光を検出するための方法
本開示の態様はまた、試料(例えば、フローサイトメータ内のフローストリーム内の)からの光を測定するための方法も含む。実施形態による方法を実践する際に、試料は、光源で照射され、試料からの光は、上述のように、線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素であって、線形可変光学フィルタの各セットが、所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成されている、波長セパレータ構成要素と、線形可変光学フィルタを横切って各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器と、を有する光検出システムで検出される。いくつかの実施形態では、試料は、生体試料である。「生体試料」という用語は、その従来の意味で、全生物、植物、菌類、又は、ある特定の事例では、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄、羊水、羊膜臍帯血、尿、膣液、及び精液中に見られ得る動物の組織、細胞、又は構成成分のサブセットを指すために使用される。したがって、「生体試料」は、天然有機体又はその組織のサブセットの両方、並びに、例えば、血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚の切片、呼吸管、胃腸管、心血管、及び泌尿器管、涙液、唾液、乳、血液細胞、腫瘍、臓器を含むが、これらに限定されない、生物又はその組織のサブセットから調製されたホモジネート、溶解物、又は抽出物を指す。生体試料は、健康組織と、疾患組織(例えば、がん性、悪性、壊死性など)との両方を含む、任意のタイプの生体組織であり得る。ある特定の実施形態では、生体試料は、血液又はその誘導体、例えば、血漿、涙液、尿、精液などの液体試料であり、いくつかの事例では、試料は、静脈穿刺又はフィンガースティックから取得された血液など、全血を含む血液試料である(血液は、アッセイの前に、防腐剤、抗凝固剤などの任意の試薬と組み合わされてもよく、又は組み合わされなくてもよい)。
【0141】
ある特定の実施形態では、試料源は、「哺乳類」又は「哺乳類の動物」であり、これらの用語は、肉食類(例えば、イヌ及びネコ)、げっ歯類(例えば、マウス、モルモット、及びラット)、及び霊長類(例えば、ヒト、チンパンジー、及びサル)を含む、哺乳類内の生物を説明するために広く使用される。いくつかの事例では、被験者はヒトである。方法は、両方の性別のヒト被験体から、発達の任意の段階(すなわち、新生児、乳幼児、年少者、青年、成人)で取得された試料に適用され得、特定の実施形態では、ヒト被験体は、年少者、青年、又は成人である。本発明は、ヒト被験体からの試料に適用され得るが、以下に限定されるものではないが、鳥、マウス、ラット、イヌ、ネコ、家畜、及びウマなどの他の動物被験体からの(すなわち、「非ヒト被験体」の)試料に対しても実施され得ることを理解されたい。
【0142】
主題の方法を実践する際に、試料(例えば、フローサイトメータのフローストリーム内の)は、光源からの光で照射される。いくつかの実施形態では、光源は、500nm以上を含め、100nm以上など、150nm以上など、200nm以上など、250nm以上など、300nm以上など、350nm以上など、400nm以上など、例えば、50nm以上に及ぶ広い範囲の波長を有する光を放出する広帯域光源である。例えば、ある好適な広帯域光源は、200nm~1500nmの波長を有する光を放出する。好適な広帯域光源の別の実施例は、400nm~1000nmの波長を有する光を放出する光源を含む。方法が広帯域光源で照射することを含む場合、関心対象の広帯域光源プロトコルとしては、以下に限定されないが、他の広帯域光源の中でも、ハロゲンランプ、重水素アークランプ、キセノンアークランプ、安定化ファイバ結合広帯域光源、連続スペクトルを有する広帯域LED、超高輝度発光ダイオード、半導体発光ダイオード、広域スペクトルLED白色光源、マルチLED統合白色光源、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられ得る。
【0143】
他の実施形態では、方法は、例えば、特定の波長の光(すなわち、単色光)を放出する光源を含め、40nm以下など、30nm以下など、25nm以下など、20nm以下など、15nm以下など、10nm以下など、5nm以下など、2nm以下など、50nm以下の範囲のような狭い範囲の波長における光を放出する光源など、特定の波長又は狭い範囲の波長を放出する狭帯域光源で照射することを含む。方法が狭帯域光源で照射することを含む場合、関心対象の狭帯域光源としては、以下に限定されないが、レーザ、狭波長LED、レーザダイオード、又は1つ以上の光学バンドパスフィルタ、回折格子、モノクロメータ、又はそれらの任意の組み合わせに結合された広帯域光源が挙げられ得る。
【0144】
ある特定の実施形態では、方法は、1つ以上のレーザで試料を照射することを含む。上で説明したように、レーザのタイプ及び数は、試料並びに収集される所望の光によって異なり得、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、COレーザ、COレーザ、アルゴン-フッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトン-フッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、キセノン-フッ素(XeF)エキシマレーザ、又はそれらの組み合わせなどのガスレーザであり得る。他の事例では、方法は、スチルベンレーザ、クマリンレーザ、又はローダミンレーザなどの色素レーザでフローストリームを照射することを含む。更に他の事例では、方法は、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、又は金レーザ、及びそれらの組み合わせなどの金属-蒸気レーザでフローストリームを照射することを含む。更に他の事例では、方法は、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVOレーザ、Nd:YCaO(BOレーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、スリムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、イッテルビウムレーザ、又はセリウムドープレーザ、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザでフローストリームを照射することを含む。
【0145】
試料は、10個以上の光源を含め、2つ以上の光源など、3つ以上の光源など、4つ以上の光源など、5つ以上の光源など、上述の光源のうちの1つ以上で照射され得る。光源は、任意のタイプの光源の組み合わせを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上のガスレーザ、1つ以上の色素レーザ、及び1つ以上の固体レーザを有するアレイなど、レーザのアレイでフローストリーム内の試料を照射することを含む。
【0146】
試料は、400nm~800nmを含め、250nm~1250nmなど、300nm~1000nmなど、350nm~900nmなど、200nm~1500nmの範囲の波長で照射され得る。例えば、光源が広帯域光源である場合、試料は、200nm~900nmの波長で照射され得る。他の事例では、光源が複数の狭帯域光源を含む場合、試料は、200nm~900nmの範囲の特定の波長で照射され得る。例えば、光源は、200nm~900nmの波長の範囲を有する光を各々独立して放出する複数の狭帯域LED(1nm~25nm)であり得る。他の実施形態では、狭帯域光源は、1つ以上のレーザ(レーザアレイなど)を含み、試料は、上で説明されるように、ガスレーザ、エキシマレーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ、及び固体レーザを有するレーザアレイなどで、200nm~700nmの範囲の特定の波長で照射される。
【0147】
2つ以上の光源が採用される場合、試料は、光源で同時に若しくは順次、又はそれらの組み合わせで照射され得る。例えば、試料は、光源の各々で同時に照射され得る。他の実施形態では、フローストリームは、光源の各々で順次照射される。試料を順次照射するために2つ以上の光源が用いられる場合、各光源が照射する時間は、独立して、例えば0.01マイクロ秒以上、例えば0.1マイクロ秒以上、例えば1マイクロ秒以上、例えば5マイクロ秒以上、例えば10マイクロ秒以上、例えば30マイクロ秒以上、及び60マイクロ秒以上を含む、0.001マイクロ秒以上であり得る。例えば、方法は、例えば0.01マイクロ秒~75マイクロ秒、例えば0.1マイクロ秒~50マイクロ秒、例えば1マイクロ秒~25マイクロ秒、及び5マイクロ秒~10マイクロ秒を含む、0.001マイクロ秒~100マイクロ秒の範囲の持続時間の間、光源(例えば、レーザ)で試料を照射することを含み得る。2つ以上の光源で試料が順次照射される実施形態では、試料が各光源によって照射される持続時間は、同じ又は異なり得る。
【0148】
また、各光源による照射間の期間も、60マイクロ秒以上を含め、0.01マイクロ秒以上など、0.1マイクロ秒以上など、1マイクロ秒以上など、5マイクロ秒以上など、10マイクロ秒以上までなど、15マイクロ秒以上までなど、30マイクロ秒以上までなど、0.001マイクロ秒以上の遅延によって独立して分離して、必要に応じて異なり得る。例えば、各光源による照射間の期間は、5マイクロ秒~10マイクロ秒を含め、0.01マイクロ秒~50マイクロ秒など、0.1マイクロ秒~35マイクロ秒など、1マイクロ秒~25マイクロ秒などの0.001マイクロ秒~60マイクロ秒の範囲であり得る。ある特定の実施形態では、各光源による照射間の期間は、10マイクロ秒である。試料が2つより多い(すなわち、3つ以上の)光源によって順次照射される実施形態では、各光源による照射間の遅延は、同じ又は異なり得る。
【0149】
試料は、連続的に、又は離散間隔で照射され得る。いくつかの事例では、方法は、連続的に光源で試料内の試料を照射することを含む。他の事例では、試料は、1000ミリ秒毎を含め、0.001ミリ秒毎に、0.01ミリ秒毎に、0.1ミリ秒毎に、1ミリ秒毎に、10ミリ秒毎に、100ミリ秒毎に、又はいくつかの他の間隔で、照射するなど、離散間隔において光源で照射される。
【0150】
光源に応じて、試料は、50mm以上を含め、0.01mm以上など、0.05mm以上など、0.1mm以上など、0.5mm以上など、1mm以上など、2.5mm以上など、5mm以上など、10mm以上など、15mm以上など、25mm以上などで異なる距離から照射され得る。また、照射の角度もまた、30°~60°を含め、15°~85°など、20°~80°など、25°~75°などの10°~90°の範囲で異なり得、例えば90°の角度である。
【0151】
上で考察されたように、実施形態では、照射された試料からの光は、本明細書に記載されるように、光検出システムに伝達され、また複数の光検出器によって検出される。光は、光検出システムで連続的に、又は離散間隔で測定され得る。いくつかの事例では、方法は、連続的に光の測定を行うことを含む。他の事例では、光は、1000ミリ秒毎を含め、0.001ミリ秒毎に、0.01ミリ秒毎に、0.1ミリ秒毎に、1ミリ秒毎に、10ミリ秒毎に、100ミリ秒毎に、又はいくつかの他の間隔毎で光を測定するなど、離散間隔で測定される。
【0152】
収集された光の測定は、例えば2回以上、例えば3回以上、例えば5回以上、及び10回以上を含めて、主題の方法中に、1回以上行われ得る。ある特定の実施形態では、光伝播は、2回以上測定され、特定の事例では、データは平均化される。
【0153】
いくつかの実施形態では、方法は、主題の光検出システムで光を検出する前に光を調整することを含む。例えば、試料源からの光は、1つ以上のレンズ、鏡、ピンホール、スリット、格子、光屈折器、及びそれらの任意の組み合わせを通過し得る。いくつかの事例では、収集された光は、上述のように、光検出システム又は光学収集システムに方向付けられた光のプロファイルを低減するように、1つ以上の集束レンズを通過する。他の事例では、試料から発せられた光は、光検出システムに伝達されている光ビーム発散を低減するために1つ以上のコリメータを通過する。
【0154】
キット
主題の光検出システムの1つ以上の構成要素を有するキットもまた提供される。ある特定の実施形態によるキットは、線形可変光学フィルタの第1のセット、線形可変光学フィルタの第2のセット、及び光検出器を含む。いくつかの実施形態では、線形可変光学フィルタのうちの1つ以上は、ロングパス線形可変バンドパスフィルタ又はショートパス線形可変バンドパスフィルタなどの線形可変バンドパスフィルタである。いくつかの事例では、キットは、光ファイバ光リレー束又は自由空間光リレーシステムなどの光学収集構成要素を含む。キットはまた、フォトマルチプライヤチューブ(例えば、金属パッケージフォトマルチプライヤチューブ)又はフォトダイオード(例えば、アバランシェフォトダイオード、APD)などの1つ以上の光検出器を含み得る。
【0155】
キットはまた、フローセルノズル、及びフローストリームに照射を行うためのキュベットを含んでもよい。キットはまた、レンズ(例えば、集束レンズ、対物レンズ)、ミラー、フィルタ、光ファイバ、波長セパレータ、ピンホール、スリット、コリメーティングプロトコル、及びそれらの組み合わせなどの光調整構成要素を含み得る。ある特定の事例では、キットは、レーザ、LED、ブロードバンド光源、又はそれらの組み合わせなどの1つ以上の光源を含む。
【0156】
上記の構成要素に加えて、主題のキットは、主題の方法を実施するための命令を更に含み得る(ある特定の実施形態では)。これらの説明書は、様々な形態で主題のキット内に存在し得、そのうちの1つ以上が、キット内に存在し得る。これらの説明書が存在し得る1つの形態は、例えば、情報が印刷される1枚又は複数枚の紙などの好適な媒体又は基板上、キットのパッケージ中、添付文書などの中の印刷情報としてである。これらの説明書の更に別の形態は、情報が記録されたコンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、ポータブルフラッシュドライブなどである。存在し得る、これらの説明書の更に別の形態は、隔たったサイトで情報にアクセスするために、インターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。
【0157】
ユーティリティ
主題の方法、システム、及びコンピュータシステムは、粒子の識別、特性評価、及びソーティングを最適化することが望ましい、様々な用途での使用を見出す。主題の方法及びシステムは、スペクトル識別を使用して光を検出すること、及びフローストリーム内の粒子を識別又は特徴付けることを提供する。本開示はまた、フローサイトメトリにおける使用も見出され、ここでは改善されたセルソーティング精度、強化された粒子収集、低減されたエネルギー消費、粒子帯電効率、より正確な粒子帯電、及びセルソーティング中の強化された粒子偏向を有するフローサイトメータを提供することが望ましい。実施形態では、本開示は、フローサイトメータによる試料分析中のユーザ入力又は手動調整の必要性を低減させる。ある特定の実施形態では、主題の方法及びシステムは、完全に自動化されたプロトコルを提供し、その結果、使用中のフローサイトメータへの調整が、任意のヒト入力があっても、ほとんど必要としない。
【0158】
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示はまた、以下の条項によって定義される。
1.光検出システムであって、
線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素であって、線形可変光学フィルタの各セットが、線形可変光学フィルタを横切って所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成されている、波長セパレータ構成要素と、
線形可変光学フィルタを横切る各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器と、を備える、光検出システム。
2.線形可変光学フィルタの各セットが、200nm~1200nmの波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成されている、条項1に記載の光検出システム。
3.線形可変光学フィルタの各セットが、500nm~800nmの波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成されている、条項1に記載の光検出システム。
4.線形可変光学フィルタの第1のセットが、500nm~650nmの波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成されている、条項3に記載の光検出システム。
【0159】
5.線形可変光学フィルタの第2のセットが、650nm~800nmの波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成されている、条項3に記載の光検出システム。
6.線形可変光学フィルタの各セットが、ロングパス線形可変バンドパスフィルタ及びショートパス線形可変バンドパスフィルタを備える、条項1~5のいずれか一項に記載の光検出システム。
7.ロングパス可変バンドパスフィルタが、線形可変光学フィルタの各セットにおいて、所定の距離だけショートパス線形可変バンドパスフィルタからオフセットされている、条項6に記載の光検出システム。
8.線形可変光学フィルタの各セットを横切るサブスペクトル範囲の光が、ショートパス線形可変バンドパスフィルタからのロングパス可変バンドパスフィルタのオフセットによって決定される、条項7に記載の光検出システム。
9.線形可変光学フィルタのセットを横切って通過する各サブスペクトル範囲の光が、5nm~50nmのスペクトル幅を含む、条項1~6のいずれか一項に記載の光検出システム。
【0160】
10.線形可変光学フィルタのセットを横切って通過する各サブスペクトル範囲の光が、約20nmのスペクトル幅を含む、条項9に記載の光検出システム。
11.線形可変光学フィルタの第1のセット及び線形可変光学フィルタの第2のセットが、2つの平行平面に沿って位置付けられている、条項1~10のいずれか一項に記載の光検出システム。
12.波長セパレータ構成要素が、線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を行ったり来たりさせて伝達するように構成されている、条項11に記載の光検出システム。
13.波長セパレータ構成要素が、
線形可変光学フィルタの第1のセットが、線形可変光学フィルタを横切って低波長から高波長へ光を通過させるように構成され、
線形可変光学フィルタの第2のセットが、線形可変光学フィルタを横切って高波長から低波長へ光を通過させるように構成されるように、構成されている、条項1~12のいずれか一項に記載の光検出システム。
14.複数の光検出器が、線形可変光学フィルタの各セットを挟んで位置付けられている、条項1~13のいずれか一項に記載の光検出システム。
【0161】
15.各光検出器が、5nm~50nmのスペクトル幅を有するサブスペクトル範囲の光を検出するように構成されている、条項14に記載の光検出システム。
16.各光検出器が、約20nmのスペクトル幅を有するサブスペクトル範囲の光を検出するように構成されている、条項15に記載の光検出システム。
17.光検出システムが、
線形可変光学フィルタの第1のセットを挟んで位置付けられた光検出器の第1のセットであって、
a)500nm~520nm、
b)520nm~540nm、
c)540nm~560nm、
d)560nm~580nm、
e)580nm~600nm、
f)600nm~620nm、
g)620nm~640nm、
h)640nm~660nmのサブスペクトル範囲を有する光を検出するように構成されている、光検出器の第1のセットと、
線形可変光学フィルタの第2のセットを挟んで位置付けられた光検出器の第2のセットであって、
a)800nm~780nm、
b)780nm~760nm、
c)760nm~740nm、
d)740nm~720nm、
e)720nm~700nm、
f)700nm~680nm、
g)680nm~660nmのサブスペクトル範囲を有する光を検出するように構成されている、光検出器の第2のセットと、を備える、条項14~16のいずれか一項に記載の光検出システム。
【0162】
18.複数の光検出器が、1つ以上の光電子増倍管(PMT)を備える、条項1~17のいずれか一項に記載の光検出システム。
19.複数の光検出器が、1つ以上のフォトダイオードを備える、条項1~17のいずれか一項に記載の光検出システム。
20.複数の光検出器が、1つ以上のアバランシェフォトダイオード(APD)を備える、条項1~17のいずれか一項に記載の光検出システム。
【0163】
21.複数の光検出器が、2つ以上の異なる光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするように構成された変調器構成要素を備える、条項1~20のいずれか一項に記載の光検出システム。
22.各光検出器チャネルが、サブスペクトル範囲の光毎にデータ信号を生成するように構成されている、条項21に記載の光検出システム。
23.変調器構成要素が、隣接する光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするように構成されている、条項21又は22に記載の光検出システム。
24.変調器構成要素が、隣接する光検出器チャネルの水平ビニングのために構成されている、条項23に記載の光検出システム。
【0164】
25.変調器構成要素が、3つ以上の異なる光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするように構成されている、条項22~24のいずれか一項に記載の光検出システム。
26.変調器構成要素が、各光検出器チャネルから出力される信号を変調するように構成された出力変調器を備える、条項21~25のいずれか一項に記載の光検出システム。
27.出力変調器が、増幅器を備える、条項26に記載の光検出システム。
28.増幅器が、トランスインピーダンス増幅器である、条項27に記載の光検出システム。
29.出力変調器が、スイッチ回路を備える、条項26~28のいずれか一項に記載の光検出システム。
30.出力変調器が、差動増幅器を備える、条項26~29のいずれか一項に記載の光検出システム。
31.変調器構成要素が、生成されたデータ信号を多重化するように構成されている、条項21~30のいずれか一項に記載の光検出システム。
【0165】
32.システムであって、
フローストリームを通して伝播する粒子を照射するように構成された光源と、
光検出システムであって、
線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素であって、線形可変光学フィルタの各セットが、線形可変光学フィルタを横切って所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成されている、波長セパレータ構成要素と、
線形可変光学フィルタを横切る各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器と、を備える、光検出システムと、を備える、システム。
33.システムが、粒子分析器である、条項32に記載のシステム。
34.システムが、フローサイトメータである、条項33に記載のシステム。
35.線形可変光学フィルタの各セットが、200nm~1200nmの波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成されている、条項32~34のいずれか一項に記載のシステム。
36.線形可変光学フィルタの各セットが、500nm~800nmの波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成されている、条項32~35のいずれか一項に記載のシステム。
【0166】
37.線形可変光学フィルタの第1のセットが、500nm~650nmの波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成されている、条項36に記載のシステム。
38.線形可変光学フィルタの第2のセットが、650nm~800nmの波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成されている、条項36に記載のシステム。
39.線形可変光学フィルタの各セットが、ロングパス線形可変バンドパスフィルタ及びショートパス線形可変バンドパスフィルタを備える、条項32~38のいずれか一項に記載のシステム。
40.ロングパス可変バンドパスフィルタが、線形可変光学フィルタの各セットにおいて、所定の距離だけショートパス線形可変バンドパスフィルタからオフセットされている、条項39に記載のシステム。
41.線形可変光学フィルタの各セットを横切るサブスペクトル範囲の光が、ショートパス線形可変バンドパスフィルタからのロングパス可変バンドパスフィルタのオフセットによって決定される、条項40に記載のシステム。
【0167】
42.線形可変光学フィルタのセットを横切って通過する各サブスペクトル範囲の光が、5nm~50nmのスペクトル幅を含む、条項32~41のいずれか一項に記載のシステム。
43.線形可変光学フィルタのセットを横切って通過する各サブスペクトル範囲の光が、約20nmのスペクトル幅を含む、条項42に記載のシステム。
44.線形可変光学フィルタの第1のセット及び線形可変光学フィルタの第2のセットが、2つの平行平面に沿って位置付けられている、条項32~43のいずれか一項に記載のシステム。
45.波長セパレータ構成要素が、線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を行ったり来たりさせて伝達するように構成されている、条項44に記載のシステム。
46.波長セパレータ構成要素が、
線形可変光学フィルタの第1のセットが、線形可変光学フィルタを横切って低波長から高波長へ光を通過させるように構成され、
線形可変光学フィルタの第2のセットが、線形可変光学フィルタを横切って高波長から低波長へ光を通過させるように構成されるように、構成されている、条項32~45のいずれか一項に記載のシステム。
【0168】
47.複数の光検出器が、線形可変光学フィルタの各セットを挟んで位置付けられている、条項32~46のいずれか一項に記載のシステム。
48.各光検出器が、5nm~50nmのスペクトル幅を有するサブスペクトル範囲の光を検出するように構成されている、条項47に記載のシステム。
49.各光検出器が、約20nmのスペクトル幅を有するサブスペクトル範囲の光を検出するように構成されている、条項48に記載のシステム。
50.光検出システムが、
線形可変光学フィルタの第1のセットを挟んで位置付けられた光検出器の第1のセットであって、
i)500nm~520nm、
j)520nm~540nm、
k)540nm~560nm、
l)560nm~580nm、
m)580nm~600nm、
n)600nm~620nm、及び
o)620nm~640nm、
p)640nm~660nmのサブスペクトル範囲を有する光を検出するように構成されている、光検出器の第1のセットと、
線形可変光学フィルタの第2のセットを挟んで位置付けられた光検出器の第2のセットであって、
h)800nm~780nm、
i)780nm~760nm、
j)760nm~740nm、
k)740nm~720nm、
l)720nm~700nm、
m)700nm~680nm、及び
n)680nm~660nmのサブスペクトル範囲を有する光を検出するように構成されている、光検出器の第2のセットと、を備える、条項47~49のいずれか一項に記載のシステム。
【0169】
51.複数の光検出器が、1つ以上の光電子増倍管(PMT)を備える、条項32~50のいずれか一項に記載のシステム。
52.複数の光検出器が、1つ以上のフォトダイオードを備える、条項32~50のいずれか一項に記載のシステム。
53.複数の光検出器が、1つ以上のアバランシェフォトダイオード(APD)を備える、条項32~50のいずれか一項に記載のシステム。
54.複数の光検出器が、2つ以上の異なる光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするように構成された変調器構成要素を備える、条項32~53のいずれか一項に記載のシステム。
55.各光検出器チャネルが、サブスペクトル範囲の光毎にデータ信号を生成するように構成されている、条項54に記載のシステム。
【0170】
56.変調器構成要素が、隣接する光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするように構成されている、条項54又は55に記載のシステム。
57.変調器構成要素が、隣接する光検出器チャネルの水平ビニングのために構成されている、条項56に記載のシステム。
58.変調器構成要素が、3つ以上の異なる光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするように構成されている、条項54~57のいずれか一項に記載のシステム。
59.変調器構成要素が、各光検出器チャネルから出力される信号を変調するように構成された出力変調器を備える、条項54~58のいずれか一項に記載のシステム。
60.出力変調器が、増幅器を備える、条項59に記載のシステム。
【0171】
61.増幅器が、トランスインピーダンス増幅器である、条項60に記載のシステム。
62.出力変調器が、スイッチ回路を備える、条項59~61のいずれか一項に記載のシステム。
63.出力変調器が、差動増幅器を備える、条項59~62のいずれか一項に記載のシステム。
64.変調器構成要素が、生成されたデータ信号を多重化するように構成されている、条項54~63のいずれか一項に記載のシステム。
【0172】
65.方法であって、
フローストリームからの光を光検出システムで検出することであって、光検出システムが、
線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素であって、線形可変光学フィルタの各セットが、線形可変光学フィルタを横切って所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成されている、波長セパレータ構成要素と、
線形可変光学フィルタを横切る各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器と、を備える、検出することを含む、方法。
66.調査フィールド内のフローストリーム内の試料を光源で照射することを更に含む、条項65に記載の方法。
67.フローストリームが、200nm~800nmの波長の光源で照射される、条項65又は66に記載の方法。
68.光源が、レーザである、条項65~67のいずれか一項に記載の方法。
69.フローストリームからの光が、光学収集構成要素で光検出システムに伝達される、条項65~68のいずれか一項に記載の方法。
【0173】
70.光学収集構成要素が、光ファイバを備える、条項69に記載の方法。
71.光学収集構成要素が、光ファイバ光リレー束を備える、条項70に記載の方法。
72.光学収集構成要素が、自由空間光リレーシステムを備える、条項69に記載の方法。
73.線形可変光学フィルタの各セットが、200nm~1200nmの波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成されている、条項65~72のいずれか一項に記載の方法。
74.線形可変光学フィルタの各セットが、500nm~800nmの波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成されている、条項65~72のいずれか一項に記載の方法。
【0174】
75.線形可変光学フィルタの第1のセットが、500nm~650nmの波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成されている、条項74に記載の方法。
76.線形可変光学フィルタの第2のセットが、650nm~800nmの波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成されている、条項74に記載の方法。
77.線形可変光学フィルタの各セットが、ロングパス線形可変バンドパスフィルタ及びショートパス線形可変バンドパスフィルタを備える、条項65~76のいずれか一項に記載の方法。
78.ロングパス可変バンドパスフィルタが、線形可変光学フィルタの各セットにおいて、所定の距離だけショートパス線形可変バンドパスフィルタからオフセットされている、条項77に記載の方法。
79.線形可変光学フィルタの各セットを横切るサブスペクトル範囲の光が、ショートパス線形可変バンドパスフィルタからのロングパス可変バンドパスフィルタのオフセットによって決定される、条項78に記載の方法。
【0175】
80.線形可変光学フィルタのセットを横切って通過する各サブスペクトル範囲の光が、5nm~50nmのスペクトル幅を含む、条項65~79のいずれか一項に記載の方法。
81.線形可変光学フィルタのセットを横切って通過する各サブスペクトル範囲の光が、約20nmのスペクトル幅を含む、条項80に記載の方法。
82.線形可変光学フィルタの第1のセット及び線形可変光学フィルタの第2のセットが、2つの平行平面に沿って位置付けられている、条項65~81のいずれか一項に記載の方法。
83.波長セパレータ構成要素が、線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を行ったり来たりさせて伝達するように構成されている、条項82に記載の方法。
84.波長セパレータ構成要素が、
線形可変光学フィルタの第1のセットが、線形可変光学フィルタを横切って低波長から高波長へ光を通過させるように構成され、
線形可変光学フィルタの第2のセットが、線形可変光学フィルタを横切って高波長から低波長へ光を通過させるように構成されるように、構成されている、条項65~83のいずれか一項に記載の方法。
【0176】
85.複数の光検出器が、線形可変光学フィルタの各セットを挟んで位置付けられている、条項65~84のいずれか一項に記載の方法。
86.各光検出器が、5nm~50nmのスペクトル幅を有するサブスペクトル範囲の光を検出するように構成されている、条項85に記載の方法。
87.各光検出器が、約20nmのスペクトル幅を有するサブスペクトル範囲の光を検出するように構成されている、条項86に記載の方法。
88.光検出システムが、
線形可変光学フィルタの第1のセットを挟んで位置付けられた光検出器の第1のセットであって、
q)500nm~520nm、
r)520nm~540nm、
s)540nm~560nm、
t)560nm~580nm、
u)580nm~600nm、
v)600nm~620nm、及び
w)620nm~640nm、
x)640nm~660nmのサブスペクトル範囲を有する光を検出するように構成されている、光検出器の第1のセットと、
線形可変光学フィルタの第2のセットを挟んで位置付けられた光検出器の第2のセットであって、
o)800nm~780nm、
p)780nm~760nm、
q)760nm~740nm、
r)740nm~720nm、
s)720nm~700nm、
t)700nm~680nm、及び
u)680nm~660nmのサブスペクトル範囲を有する光を検出するように構成されている、光検出器の第2のセットと、を備える、条項84~87のいずれか一項に記載の方法。
【0177】
89.複数の光検出器が、1つ以上の光電子増倍管(PMT)を備える、条項65~88のいずれか一項に記載の方法。
90.複数の光検出器が、1つ以上のフォトダイオードを備える、条項65~89のいずれか一項に記載の方法。
91.複数の光検出器が、1つ以上のアバランシェフォトダイオード(APD)を備える、条項65~89のいずれか一項に記載の方法。
92.複数の光検出器が、2つ以上の異なる光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするように構成された変調器構成要素を備える、条項65~91のいずれか一項に記載の方法。
93.各光検出器チャネルが、サブスペクトル範囲の光毎にデータ信号を生成するように構成されている、条項92に記載の方法。
94.変調器構成要素が、隣接する光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするように構成されている、条項92又は93に記載の方法。
【0178】
95.変調器構成要素が、隣接する光検出器チャネルの水平ビニングのために構成されている、条項94に記載の方法。
96.変調器構成要素が、3つ以上の異なる光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするように構成されている、条項92~95のいずれか一項に記載の方法。
97.変調器構成要素が、各光検出器チャネルから出力される信号を変調するように構成された出力変調器を備える、条項92~96のいずれか一項に記載の方法。
98.出力変調器が、増幅器を備える、条項97に記載の方法。
99.増幅器が、トランスインピーダンス増幅器である、条項98に記載の方法。
100.出力変調器が、スイッチ回路を備える、条項97~99のいずれか一項に記載の方法。
101.出力変調器が、差動増幅器を備える、条項97~100のいずれか一項に記載の方法。
102.変調器構成要素が、生成されたデータ信号を多重化するように構成されている、条項97~101のいずれか一項に記載の方法。
【0179】
103.キットであって、
線形可変光学フィルタの第1のセットと、
線形可変光学フィルタの第2のセットと、
光検出器と、を備える、キット。
104.線形可変光学フィルタの第1のセットが、ロングパス線形可変バンドパスフィルタ及びショートパス線形可変バンドパスフィルタを備える、条項103に記載のキット。
105.線形可変光学フィルタの第1のセットが、500nm~650nmの波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成されている、条項103又は104に記載のキット。
106.線形可変光学フィルタの第2のセットが、ロングパス線形可変バンドパスフィルタ及びショートパス線形可変バンドパスフィルタを備える、条項103~105のいずれか一項に記載のキット。
107.線形可変光学フィルタの第2のセットが、650nm~800nmの波長を有する光を線形可変光学フィルタを横切って通過させるように構成されている、条項103~106のいずれか一項に記載のキット。
【0180】
108.光源を更に備える、条項103~107のいずれか一項に記載のキット。
109.光源が、レーザを備える、条項108に記載のキット。
110.光学収集構成要素を更に備える、条項103~109のいずれか一項に記載のキット。
111.光学収集構成要素が、光ファイバを備える、条項110に記載のキット。
112.光学収集構成要素が、光ファイバ光リレー束を備える、条項111に記載のキット。
113.光学収集構成要素が、自由空間光リレーシステムを備える、条項110に記載のキット。
【0181】
上記の発明は、明確な理解のために例示及び例によってある程度詳しく説明されてきたが、当業者であれば、本発明の教示に照らして、添付の特許請求の範囲の趣旨又は範囲から逸脱することなく、それらの発明に対してある特定の変更及び修正が行われ得ることは、容易に明らかである。
【0182】
したがって、上記は単に本発明の原理を例解するにすぎない。当業者は、本明細書に明示的に説明又は図示されていないが、本発明の原理を具現化し、その趣旨及び範囲内に含まれる様々な配置を考案することができることが理解されるであろう。更に、本明細書に記載される全ての例及び条件付き言語は、主に、読者が、本発明の原理及び発明者が当該技術分野を促進するために寄与する概念を理解するのを助けることを意図し、かかる具体的に記載される例及び条件に限定されないと解釈されるべきである。更に、本発明の原理、態様、及び実施形態、並びにその具体的な例を記載する本明細書における全ての記述は、その構造的及び機能的等価物の両方を包含することを意図する。追加的に、かかる等価物は、構造にかかわらず、現在既知である等価物及び将来開発される等価物、すなわち、構造に関係なく同じ機能を実行するように開発された任意の要素の両方を含むことが意図される。更に、本明細書に開示されるものは、かかる開示が特許請求の範囲に明示的に記載されるかどうかにかかわらず、公衆に捧げられることを意図するものではない。
【0183】
したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され、説明された例示的な実施形態に限定されることを意図されていない。むしろ、本発明の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。特許請求の範囲において、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は、正確な語句「のための手段」又は正確な語句「のためのステップ」がそのクレームのそのような限定の始まりに記載されている場合にのみ、当該クレームの制限について呼び出されると明示的に定義されており、そのような正確な語句が、クレームの制限において使用されない場合は、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は呼び出されない。
【0184】
関連出願の相互参照
米国特許法第119条(e)に従って、本出願は、2022年5月27日に出願された米国仮特許出願第63/346,722号の出願日の優先権を主張し、その出願の開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
【手続補正書】
【提出日】2025-01-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検出システムであって、
線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素であって、線形可変光学フィルタの各セットが、前記線形可変光学フィルタを横切って所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成されている、波長セパレータ構成要素と、
前記線形可変光学フィルタを横切る各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器と、を備える、光検出システム。
【請求項2】
線形可変光学フィルタの各セットが、ロングパス線形可変バンドパスフィルタ及びショートパス線形可変バンドパスフィルタを備える、請求項1に記載の光検出システム。
【請求項3】
前記ロングパス線形可変バンドパスフィルタが、線形可変光学フィルタの各セットにおいて、所定の距離だけ前記ショートパス線形可変バンドパスフィルタからオフセットされている、請求項2に記載の光検出システム。
【請求項4】
線形可変光学フィルタの各セットを横切る前記サブスペクトル範囲の光が、前記ショートパス線形可変バンドパスフィルタからの前記ロングパス線形可変バンドパスフィルタの前記オフセットによって決定される、請求項3に記載の光検出システム。
【請求項5】
線形可変光学フィルタのセットを横切って通過する各サブスペクトル範囲の光が、5nm~50nmのスペクトル幅を含む、請求項1又は請求項2に記載の光検出システム。
【請求項6】
線形可変光学フィルタの前記第1のセット及び線形可変光学フィルタの前記第2のセットが、2つの平行平面に沿って位置付けられている、請求項1又は請求項2に記載の光検出システム。
【請求項7】
前記波長セパレータ構成要素が、線形可変光学フィルタの前記第1のセットと線形可変光学フィルタの前記第2のセットとの間で光を行ったり来たりさせて伝達するように構成されている、請求項6に記載の光検出システム。
【請求項8】
前記波長セパレータ構成要素が、
線形可変光学フィルタの前記第1のセットが、前記線形可変光学フィルタを横切って低波長から高波長へ光を通過させるように構成され、
線形可変光学フィルタの前記第2のセットが、前記線形可変光学フィルタを横切って高波長から低波長へ光を通過させるように構成されるように、構成されている、請求項1又は請求項2に記載の光検出システム。
【請求項9】
前記複数の光検出器が、線形可変光学フィルタの各セットを挟んで位置付けられている、請求項1又は請求項2に記載の光検出システム。
【請求項10】
前記複数の光検出器が、2つ以上の異なる光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするように構成された変調器構成要素を備える、請求項1に記載の光検出システム。
【請求項11】
各光検出器チャネルが、サブスペクトル範囲の光毎にデータ信号を生成するように構成されている、請求項10に記載の光検出システム。
【請求項12】
前記変調器構成要素が、隣接する光検出器チャネルからのデータ信号をビニングするように構成されている、請求項10又は11に記載の光検出システム。
【請求項13】
システムであって、
フローストリームを通して伝播する粒子を照射するように構成された光源と、
光検出システムであって、
線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素であって、線形可変光学フィルタの各セットが、前記線形可変光学フィルタを横切って所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成されている、波長セパレータ構成要素と、
前記線形可変光学フィルタを横切る各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器と、を備える、光検出システムと、を備える、システム。
【請求項14】
方法であって、
フローストリームからの光を光検出システムで検出することであって、前記光検出システムが、
線形可変光学フィルタの第1のセットと線形可変光学フィルタの第2のセットとの間で光を伝播するように構成された波長セパレータ構成要素であって、線形可変光学フィルタの各セットが、前記線形可変光学フィルタを横切って所定のサブスペクトル範囲を有する光を通過させるように構成されている、波長セパレータ構成要素と、
前記線形可変光学フィルタを横切る各サブスペクトル範囲からの光を検出するように位置付けられた複数の光検出器と、を備える、検出することを含む、方法。
【請求項15】
キットであって、
線形可変光学フィルタの第1のセットと、
線形可変光学フィルタの第2のセットと、
光検出器と、を備える、キット。
【国際調査報告】