IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソルベンタム インテレクチュアル プロパティズ カンパニーの特許一覧

<>
  • 特表-陰圧創傷療法の装置及びシステム 図1
  • 特表-陰圧創傷療法の装置及びシステム 図2
  • 特表-陰圧創傷療法の装置及びシステム 図3
  • 特表-陰圧創傷療法の装置及びシステム 図4A
  • 特表-陰圧創傷療法の装置及びシステム 図4B
  • 特表-陰圧創傷療法の装置及びシステム 図5
  • 特表-陰圧創傷療法の装置及びシステム 図5A
  • 特表-陰圧創傷療法の装置及びシステム 図5B
  • 特表-陰圧創傷療法の装置及びシステム 図6A
  • 特表-陰圧創傷療法の装置及びシステム 図6B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-08
(54)【発明の名称】陰圧創傷療法の装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/02 20240101AFI20250701BHJP
   A61M 27/00 20060101ALI20250701BHJP
   A61F 13/0246 20240101ALI20250701BHJP
   A61F 13/0203 20240101ALI20250701BHJP
【FI】
A61F13/02 310M
A61M27/00
A61F13/0246 502
A61F13/02 310D
A61F13/02 355
A61F13/0203
A61F13/02 310H
A61F13/02 345
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024571999
(86)(22)【出願日】2023-05-31
(85)【翻訳文提出日】2024-12-04
(86)【国際出願番号】 IB2023055600
(87)【国際公開番号】W WO2023237971
(87)【国際公開日】2023-12-14
(31)【優先権主張番号】63/349,375
(32)【優先日】2022-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524062087
【氏名又は名称】ソルベンタム インテレクチュアル プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】シュエル,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】イシワタリ,ヒロノブ
(72)【発明者】
【氏名】ラックマイヤー,ジェームズ エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ポール,デニス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ホルム,デヴィッド アール.
(72)【発明者】
【氏名】ツェ,キウ-ユエン
(72)【発明者】
【氏名】ジュルジェビッチ,シモーネ
(72)【発明者】
【氏名】デクルーフ,ダニエル ダブリュー.
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267JJ05
(57)【要約】
陰圧創傷療法環境で使用するための装置及びシステム。組織部位に配置されるように構成されたドレッシング材は、第1のフィルム層と、マニホールドと、カバー層とを備える。第1のフィルム層は、第1の複数の穿孔を有する治療領域と、第2の複数の穿孔を有する治療領域の周囲のシーリング領域と、組織部位に面するように構成された第1のフィルム層の第1の面のシーリング領域を覆うシーリング接着剤とを備える。マニホールドは、第1のフィルム層の第2の面に隣接して配置され、第2の面は第1の面の反対側である。カバー層は、マニホールドの上に配置され、マニホールドの周りで第1のフィルム層の第2の面に結合される。カバー層は、第2のフィルム層と、第2の複数の穿孔に隣接して配置されたカバー接着剤とを含む。
【選択図】図2


【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織部位に隣接して配置されるように構成されたドレッシング材であって、
第1のフィルム層であって、治療領域及び前記治療領域の周囲のシーリング領域と、前記治療領域を貫通して形成された第1の複数の穿孔と、前記シーリング領域を貫通して形成され、前記第1の複数の穿孔よりも大きい第2の複数の穿孔と、前記組織部位に面するように構成された前記第1のフィルム層の第1の面の前記シーリング領域を覆うシーリング接着剤と、を含む、第1のフィルム層と、
前記第1のフィルム層の第2の面に隣接して配置されたマニホールドであって、前記第2の面は前記第1の面の反対側である、マニホールドと、
第2のフィルム層及びカバー接着剤を含むカバー層であって、前記カバー層は、前記マニホールドの上に配置され、前記マニホールドの周りで前記第1のフィルム層の前記第2の面に結合され、前記カバー接着剤は、前記第2の複数の穿孔に隣接して配置される、カバー層と、を備える、ドレッシング材。
【請求項2】
前記第1のフィルム層は、約20ミクロン~約35ミクロンの厚さを有するポリウレタンフィルムを含む、請求項1に記載のドレッシング材。
【請求項3】
前記シーリング接着剤は、約100グラム/平方メートル~約250グラム/平方メートルのコーティング重量を有するシリコーン接着剤を含む、請求項1に記載のドレッシング材。
【請求項4】
前記マニホールドは、約5ミリメートル~約10ミリメートルの厚さを有する連続気泡発泡体を含む、請求項1に記載のドレッシング材。
【請求項5】
前記第2のフィルム層は、約20ミクロン~約35ミクロンの厚さを有するポリウレタンフィルムを含む、請求項1に記載のドレッシング材。
【請求項6】
前記カバー接着剤は、約25グラム/平方メートル~約65グラム/平方メートルのコーティング重量を有するアクリル接着剤を含む、請求項1に記載のドレッシング材。
【請求項7】
前記カバー接着剤は、前記第2の複数の穿孔を通って前記第1のフィルム層の前記第2の面から前記第1のフィルム層の前記第1の面まで及ぶように構成されている、請求項1に記載のドレッシング材。
【請求項8】
前記治療領域は、前記組織部位に接触するように構成され、前記シーリング領域は、前記組織部位の周囲の表皮に接触するように構成されている、請求項1に記載のドレッシング材。
【請求項9】
前記治療領域は、前記治療領域における前記第1のフィルム層の前記第1の面が前記組織部位と直接接触して配置されるように構成されるように、接着剤を含まない、請求項1に記載のドレッシング材。
【請求項10】
前記第1の複数の穿孔は、あるパターンで配設されたスリットを含む、請求項1に記載のドレッシング材。
【請求項11】
前記第2の複数の穿孔は、あるパターンで配設された円形開口部を含む、請求項1に記載のドレッシング材。
【請求項12】
前記第1の複数の穿孔の各々は、第1の開放面積を備え、前記第2の複数の穿孔の各々は、前記第1の開放面積よりも大きい第2の開放面積を備える、請求項1に記載のドレッシング材。
【請求項13】
前記第1の複数の穿孔は、前記第2の複数の穿孔とは異なる形状を備える、請求項1に記載のドレッシング材。
【請求項14】
前記第2の複数の穿孔は、少なくとも1つの寸法において前記第1の複数の穿孔よりも大きい、請求項1に記載のドレッシング材。
【請求項15】
前記第1の複数の穿孔は、前記組織部位が圧力に曝露されたときにサイズが増大するように構成され、前記第2の複数の穿孔は、前記圧力に曝露されたときにサイズが変化せず、前記第2の複数の穿孔は、前記組織部位が前記圧力に曝露されたとき及び前記組織部位が前記圧力に曝露されていないときに前記第1の複数の穿孔よりもサイズが大きい、請求項1に記載のドレッシング材。
【請求項16】
前記カバー接着剤の反対側の前記カバー層の面に取り外し可能に結合されたキャリア層を更に備える、請求項1に記載のドレッシング材。
【請求項17】
前記キャリア層は、コーティングされた紙又はポリマーフィルムを含む、請求項16に記載のドレッシング材。
【請求項18】
陰圧療法によって組織部位を治療するためのシステムであって、
請求項1に記載のドレッシング材と、
前記カバー層を通して前記組織部位に流体結合されるように構成された陰圧源と、を備える、システム。
【請求項19】
陰圧療法によって組織部位を治療するためのシステムであって、
前記組織部位に隣接して配置されるように構成されたドレッシング材であって、
キャリア層と、
第1のフィルム層であって、治療領域及び前記治療領域の周囲のシーリング領域と、前記治療領域を貫通して形成された複数のスリットと、前記シーリング領域を貫通して形成され、前記複数のスリットよりも大きい開放面積を含む、複数の孔と、前記組織部位に面するように構成された前記第1のフィルム層の面の前記シーリング領域を覆うシーリング接着剤と、を含む、第1のフィルム層と、
マニホールドと、
開口部を含む第2のフィルム層であって、前記組織部位に面するように構成された前記第2のフィルム層の面が感圧性接着剤でコーティングされている、第2のフィルム層と、を含む、ドレッシング材を備え、
前記キャリア層、前記第1のフィルム層、前記マニホールド、及び前記第2のフィルム層は、前記第1のフィルム層及び前記第2のフィルム層が前記マニホールドを包み込んだ状態で積み重ねられた関係で組み立てられ、前記マニホールドは、前記治療領域と位置合わせされ、前記感圧性接着剤及び前記シーリング接着剤は、前記組織部位に面するように構成され、前記感圧性接着剤の少なくとも一部は、前記複数の孔を通して露出され、前記キャリア層は、前記感圧性接着剤の反対側の前記第2のフィルム層の面で前記第2のフィルム層に積層され、
陰圧源は、前記開口部、前記マニホールド、及び前記複数のスリットを通して前記組織部位に流体結合されるように構成されている、システム。
【請求項20】
前記シーリング接着剤は、前記治療領域上に配置されない、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記キャリア層は、コーティングされた紙又はポリマーフィルムを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項22】
前記キャリア層は、前記第2のフィルム層に取り外し可能に結合される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記キャリア層は、前記ドレッシング材が前記組織部位に隣接して配置された後に、前記第2のフィルム層から除去されるように構成されている、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記シーリング接着剤は、前記第1のフィルム層にあるパターンで適用される、請求項19に記載のシステム。
【請求項25】
前記シーリング接着剤は、前記治療領域に前記シーリング接着剤がないようなパターンで、前記第1のフィルム層に適用される、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記シーリング接着剤は、前記シーリング領域が前記シーリング接着剤を含むが、前記治療領域に前記シーリング接着剤がないようなパターンで、前記第1のフィルム層に適用される、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
実質的に本明細書で説明されるシステム、装置、及び方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年6月6日に出願された米国仮出願第63/349,375号の優先権の利益を主張するものであり、本仮出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
添付の特許請求の範囲に記載された本発明は、概して、組織治療システムに関し、より具体的には、限定されないが、陰圧による組織治療のためのドレッシング材及び陰圧による組織治療のためのドレッシング材を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
臨床研究及び臨床診療は、組織部位付近の圧力を低減することによって、組織部位における新しい組織の成長を増強及び加速させることができることを示している。この現象の用途は数多くあるが、創傷を治療するために特に有利であることが証明されている。外傷、手術、又は別の原因を問わず、創傷の病因にかかわらず、創傷の適切なケアが転帰に重要である。減圧による創傷又は他の組織の治療は、一般的に「陰圧療法」と称され得るが、例えば、「陰圧創傷療法」、「減圧療法」、「真空療法」、「真空補助閉鎖」、及び「局所陰圧」を含む、他の名称によっても知られている。陰圧療法は、上皮組織及び皮下組織の移行、血流の改善、及び創傷部位における組織の微小変形を含む、多くの利益を提供し得る。全体として、これらの利益は、肉芽組織の発達を高めることができ、かつ治癒時間を短縮することができる。
【0004】
陰圧療法の臨床的な利益は、広く知られているが、療法システム、構成要素、及びプロセスの改善は、ヘルスケア提供者及び患者に利益をもたらし得る。
【発明の概要】
【0005】
添付の特許請求の範囲には、陰圧療法環境において組織を治療する新規かつ有用なシステム、装置、及び方法が記載されている。特許請求される主題を当業者が作製及び使用することを可能にするための例示的な実施形態も提供されている。
【0006】
例えば、いくつかの実施形態では、組織を治療するためのドレッシング材は、第1のフィルム層と、マニホールドと、カバー層とを含むことができる。第1のフィルム層は、治療領域と治療領域の周囲のシーリング領域を含むことができる。第1のフィルム層は、治療領域を貫通して形成された第1の複数の穿孔と、シーリング領域を貫通して形成された第2の複数の穿孔とを更に含むことができる。第2の複数の穿孔は、第1の複数の穿孔よりも大きくてもよい。第1のフィルム層は、組織部位に面するように構成された第1のフィルム層の第1の面のシーリング領域を覆うシーリング接着剤を更に含むことができる。マニホールドは、第1のフィルム層の第2の面に隣接して配置され得る。第1のフィルム層の第2の面は、第1のフィルム層の第1の面の反対側とすることができる。カバー層は、第2のフィルム層及びカバー接着剤を含むことができる。カバー層は、マニホールドの上に配置され得、マニホールドの周りで第1のフィルム層の第2の面に結合され得る。カバー接着剤は、第2の複数の穿孔に隣接して配置され得る。
【0007】
いくつかの例示的な実施形態では、第1のフィルム層は、約20ミクロン~約35ミクロンの厚さを有するポリウレタンフィルムを含むことができる。
【0008】
いくつかの例示的な実施形態では、シーリング接着剤は、約100グラム/平方メートル~約250グラム/平方メートルのコーティング重量を有するシリコーン接着剤を含むことができる。
【0009】
いくつかの例示的な実施形態では、マニホールドは、約5ミリメートル~約10ミリメートルの厚さを有する連続気泡発泡体を含むことができる。
【0010】
いくつかの例示的な実施形態では、第2のフィルム層は、約20ミクロン~約35ミクロンの厚さを有するポリウレタンフィルムを含むことができる。
【0011】
いくつかの例示的な実施形態では、カバー接着剤は、約25グラム/平方メートル~約65グラム/平方メートルのコーティング重量を有するアクリル接着剤を含むことができる。
【0012】
いくつかの例示的な実施形態では、カバー接着剤は、第2の複数の穿孔を通って第1のフィルム層の第2の面から第1のフィルム層の第1の面まで及ぶように構成され得る。
【0013】
いくつかの例示的な実施形態では、治療領域は、組織部位に接触するように構成され得、シーリング領域は、組織部位の周囲の表皮に接触するように構成され得る。
【0014】
いくつかの例示的な実施形態では、治療領域は、治療領域における第1のフィルム層の第1の面が組織部位と直接接触して配置されるように構成されるように、接着剤を含まなくてもよい。
【0015】
いくつかの例示的な実施形態では、第1の複数の穿孔は、あるパターンで配設されたスリットを含むことができる。
【0016】
いくつかの例示的な実施形態では、第2の複数の穿孔は、あるパターンで配設された円形開口部を含むことができる。
【0017】
いくつかの例示的な実施形態では、第1の複数の穿孔の各々は、第1の開放面積を含むことができ、第2の複数の穿孔の各々は、第1の開放面積よりも大きい第2の開放面積を含むことができる。
【0018】
いくつかの例示的な実施形態では、第1の複数の穿孔は、第2の複数の穿孔とは異なる形状を含むことができる。
【0019】
いくつかの例示的な実施形態では、第2の複数の穿孔は、少なくとも1つの寸法において第1の複数の穿孔よりも大きくてもよい。
【0020】
いくつかの例示的な実施形態では、第1の複数の穿孔は、組織部位が圧力に曝露されたときにサイズが増大するように構成され得る。第2の複数の穿孔は、圧力に曝露されたときにサイズが変化しない。第2の複数の穿孔は、組織部位が圧力に曝露されたとき及び組織部位が圧力に曝露されていないときに第1の複数の穿孔よりもサイズが大きくてもよい。
【0021】
いくつかの例示的な実施形態では、ドレッシング材は、カバー接着剤の反対側のカバー層の面に取り外し可能に結合されたキャリア層を更に含むことができる。キャリア層は、コーティングされた紙又はポリマーフィルムを含むことができる。
【0022】
また、本明細書に記載されるのは、陰圧療法で組織部位を治療するための例示的なシステムである。システムは、第1のフィルム層と、マニホールドと、カバー層とを含むことができるドレッシング材を含むことができる。第1のフィルム層は、治療領域と治療領域の周囲のシーリング領域を含むことができる。第1のフィルム層は、治療領域を貫通して形成された第1の複数の穿孔と、シーリング領域を貫通して形成された第2の複数の穿孔とを更に含むことができる。第2の複数の穿孔は、第1の複数の穿孔よりも大きくてもよい。第1のフィルム層は、組織部位に面するように構成された第1のフィルム層の第1の面のシーリング領域を覆うシーリング接着剤を更に含むことができる。マニホールドは、第1のフィルム層の第2の面に隣接して配置され得る。第1のフィルム層の第2の面は、第1のフィルム層の第1の面の反対側とすることができる。カバー層は、第2のフィルム層及びカバー接着剤を含むことができる。カバー層は、マニホールドの上に配置され得、マニホールドの周りで第1のフィルム層の第2の面に結合され得る。カバー接着剤は、第2の複数の穿孔に隣接して配置され得る。システムはまた、カバーを通して組織部位に流体結合されるように構成された陰圧源を含むことができる。
【0023】
また、本明細書に記載されるのは、陰圧療法で組織部位を治療するための別の例示的なシステムである。システムは、組織部位に隣接して配置されるように構成されたドレッシング材を含むことができる。ドレッシング材は、第1のフィルム層と、マニホールドと、第2のフィルム層とを含むことができる。第1のフィルム層は、治療領域と治療領域の周囲のシーリング領域を含むことができる。複数のスリットは、治療領域を貫通して形成されてもよく、複数の孔は、シーリング領域を貫通して形成されてもよい。複数の孔は、複数のスリットよりも大きい開放面積を有することができる。第1のフィルム層は、組織部位に面するように構成された第1のフィルム層の面のシーリング領域を覆うシーリング接着剤を更に含むことができる。第2のフィルム層は、開口部を含むことができる。第2のフィルム層は、組織部位に面するように構成された第2のフィルム層の面が感圧性接着剤でコーティングされてもよい。キャリア層、第1のフィルム層、マニホールド、及び第2のフィルム層は、第1のフィルム層及び第2のフィルム層が前記マニホールドを包み込んだ状態で積み重ねられた関係で組み立てられ得る。マニホールドは、治療領域と位置合わせされ得る。感圧性接着剤及びシーリング領域は、組織部位に面するように構成されてもよく、感圧性接着剤の少なくとも一部は、複数の孔を通して露出されてもよい。キャリア層は、感圧性接着剤の反対側の第2のフィルム層の面で第2のフィルム層に積層され得る。陰圧源は、開口部、マニホールド、及び複数のスリットを通して組織部位に流体結合されるように構成され得る。
【0024】
いくつかの例示的な実施形態では、シーリング接着剤は、治療領域上に配置されない。
【0025】
いくつかの例示的な実施形態では、キャリア層は、コーティングされた紙又はポリマーフィルムを含むことができる。キャリア層は、第2のフィルム層に取り外し可能に結合されてもよく、ドレッシング材が組織部位に隣接して配置された後に、第2のフィルム層から除去されるように構成され得る。
【0026】
いくつかの例示的な実施形態では、シーリング接着剤は、第1のフィルム層にパターンで適用され得る。シーリング接着剤は、治療領域にシーリング接着剤がないようなパターンで、第1のフィルム層に適用され得る。シーリング接着剤は、シーリング領域がシーリング接着剤を含むが、治療領域にシーリング接着剤がないようなパターンで、第1のフィルム層に適用され得る。
【0027】
特許請求される主題を作製及び使用する目的、利点、及び好ましい態様が、例示的な実施形態の以下の詳細な説明と併せて添付の図面を参照することによって最も良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、本明細書に従って組織治療を提供することができる療法システムの例示的な一実施形態のブロック図である。
図2図2は、図1の療法システムのドレッシング材の例の分解図である。
図3図3は、図2のドレッシング材の組立図である。
図4A図4Aは、いくつかの実施形態と関連付けられ得る付加的詳細を図示する、図2のドレッシング材の例示的層の上面図である。
図4B図4Bは、いくつかの実施形態と関連付けられ得る付加的詳細を図示する、図4の例示的層の底面図である。
図5図5は、ドレッシング材インターフェースと組織部位に展開されたドレッシング材との、例示的な実施形態例を示す、図1の療法システムの例示的な実施形態の切断図である。
図5A図5Aは、図5に示される参照符号5Aにおける図5のドレッシング材の詳細図である。
図5B図5Bは、図5Aのドレッシング材の別の詳細図である。
図6A図6Aは、図1の療法システムのドレッシング材の別の実施形態の分解図である。
図6B図6Bは、図6Aのドレッシング材の組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
例示的な実施形態の以下の説明は、当業者が、添付の特許請求の範囲に記載された主題を作製及び使用することを可能にする情報を提供し、当該技術分野で既によく知られている特定の詳細は省略され得る。したがって、以下の詳細な説明は、限定的ではなく、例示的なものとして解釈されるべきである。
【0030】
図1は、本明細書に従って組織部位に陰圧療法を提供することができる療法システム100の例示的な一実施形態のブロック図である。
【0031】
この文脈における「組織部位」という用語は、限定されないが、表面創傷、骨組織、脂肪組織、筋組織、神経組織、真皮組織、血管組織、結合組織、軟骨、腱、又は靭帯を含む、組織上又は組織内に位置する創傷、欠損、又は他の治療標的を広く指す。創傷としては、例えば、慢性の、急性の、外傷性の、亜急性の、及び裂開した創傷、中間層熱傷、潰瘍(糖尿病潰瘍、圧力潰瘍、又は静脈不全潰瘍、など)、皮弁、及び移植が挙げられ得る。「組織部位」という用語はまた、必ずしも創傷又は欠損しているとは限らないが、代わりに、追加の組織の成長を追加又は促進することが所望され得る領域である、任意の組織の領域も指し得る。例えば、採取して移植することができる追加の組織を成長させるために、組織部位に陰圧が適用され得る。
【0032】
療法システム100は、陰圧源105などの陰圧源又は陰圧供給部と、1つ以上の分配構成要素と、を含み得る。分配構成要素は、好ましくは分離可能であり、かつ使い捨て可能、再使用可能、又はリサイクル可能であり得る。ドレッシング材110などのドレッシング材、及び容器115などの流体容器は、療法システム100のいくつかの例に関連付けられ得る分配構成要素の例である。図1の例に例示されるように、ドレッシング材110は、組織インターフェース120、カバー125、又はいくつかの実施形態ではその両方を備え得るか、又はそれらから本質的になり得る。
【0033】
流体導管は、分配構成要素の別の例示的な例である。この文脈での「流体導管」とは、2つの端部間で流体を搬送するように適合された1つ以上の管腔又は開経路を有する、チューブ、パイプ、ホース、導管、又は他の構造体を広く含む。典型的には、チューブは、いくらかの可撓性を有する細長い円柱構造体であるが、幾何学的形状及び剛性は変化し得る。更に、いくつかの流体導管は、他の構成要素内に成型され得るか、又は別様に他の構成要素と一体的に組み合わせられ得る。分配構成要素はまた、他の構成要素を結合及び結合解除するのを容易にするために、インターフェース又は流体ポートを含み得るか、又は備え得る。いくつかの実施形態では、例えば、ドレッシング材インターフェースは、流体導管をドレッシング材110に結合するのを容易にし得る。例えば、かかるドレッシング材インターフェースは、3M Companyから入手可能なSENSAT.R.A.C.(商標)Padであり得る。
【0034】
療法システム100はまた、調節器、又はコントローラ130などのコントローラも含み得る。加えて、療法システム100は、動作パラメータを測定して、動作パラメータを示すフィードバック信号をコントローラ130に提供するためのセンサを含み得る。図1に例示されるように、例えば、療法システム100は、コントローラ130に結合した第1のセンサ135及び第2のセンサ140を含み得る。
【0035】
療法システム100のいくつかの構成要素は、療法を更に容易にするセンサ、処理ユニット、アラームインジケータ、メモリ、データベース、ソフトウェア、ディスプレイデバイス、又はユーザインターフェースなどの他の構成要素内に収容され得るか、又はこれらと併せて使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、陰圧源105は、コントローラ130及び他の構成要素とともに療法ユニット145に組み合わせられ得る。
【0036】
概して、療法システム100の構成要素は、直接的又は間接的に結合され得る。例えば、陰圧源105は、容器115に直接的に結合され得、かつ容器115を通してドレッシング材110に間接的に結合され得る。いくつかの文脈では、結合としては、流体結合、機械結合、熱結合、電気結合、又は化学結合(化学接合など)、又はいくつかの組み合わせ、が挙げられ得る。例えば、陰圧源105は、コントローラ130に電気結合され得、かつ組織部位への流体経路を提供するために1つ以上の分配構成要素に流体結合され得る。いくつかの実施形態では、構成要素はまた、物理的近接によって、単一の構造体へと一体化させることによって、又は同じ材料片から形成することによって結合され得る。
【0037】
陰圧源105などの陰圧供給部は、例えば、陰圧の空気のリザーバであり得、又は真空ポンプ、吸引ポンプ、多くの医療施設で利用可能な壁面吸引ポート、若しくはマイクロポンプなどの手動の若しくは電気駆動のデバイスであり得る。「陰圧」とは、概して、シールされた治療環境に対する局所的外部環境における周囲圧力などの局所的周囲圧力未満の圧力を指す。多くの場合、局所的周囲圧力はまた、組織部位が位置する場所の大気圧であり得る。代替的に、圧力は、組織部位における組織に関連付けられた静水圧未満であり得る。別途示されない限り、本明細書に記載された圧力の値は、ゲージ圧である。陰圧の増加への言及は、典型的には、絶対圧力の減少を指し、一方で、陰圧の減少は、典型的には、絶対圧力の増加を指す。陰圧源105によって提供される陰圧の量及び性質は、治療要件に従って変化し得るが、圧力は、概して、-5mmHg(-667Pa)~-500mmHg(-66.7kPa)の、一般的に粗真空とも称される、低真空である。一般的な治療範囲は、-50mmHg(-6.7kPa)~-300mmHg(-39.9kPa)である。
【0038】
容器115は、組織部位から取り出された滲出液及び他の流体を管理するために使用することができる容器、キャニスタ、パウチ、又は他の貯蔵構成要素を表す。多くの環境では、流体を回収、貯蔵、及び廃棄するために、剛性容器が好ましくなり得るか、又は必要になり得る。他の環境では、流体は、剛性容器に貯蔵されずに適切に廃棄され得るが、再使用可能な容器は、陰圧療法に関連付けられた廃棄物及びコストを低減することができる。
【0039】
コントローラ130などのコントローラは、療法システム100の陰圧源105などの1つ以上の構成要素を動作させるようにプログラムされたマイクロプロセッサ又はコンピュータであり得る。いくつかの実施形態では、例えば、コントローラ130は、マイクロコントローラであり得、これは、概して、療法システム100の1つ以上の動作パラメータを直接的又は間接的に制御するようにプログラムされた、プロセッサコア及びメモリを含む集積回路を備える。動作パラメータは、例えば、陰圧源105に適用される電力、陰圧源105によって生成される圧力、又は組織インターフェース120に分配される圧力を含み得る。コントローラ130はまた、好ましくは、フィードバック信号などの1つ以上の入力信号を受信するように構成されており、かつ入力信号に基づいて1つ以上の動作パラメータを修正するようにプログラムされている。
【0040】
第1のセンサ135及び第2のセンサ140などのセンサは、物理的現象又は特性を検出又は測定するように動作可能な任意の装置とすることができ、概して、検出又は測定された現象又は特性を示す信号を提供することができる。例えば、第1のセンサ135及び第2のセンサ140は、療法システム100の1つ以上の動作パラメータを測定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、第1のセンサ135は、空気圧経路の圧力を測定して、その測定値を、測定された圧力を示す信号に変換するように構成されたトランスデューサであり得る。いくつかの実施形態では、例えば、第1のセンサ135は、ピエゾ抵抗性歪みゲージであり得る。いくつかの実施形態では、第2のセンサ140は、電圧又は電流などの陰圧源105の動作パラメータを任意選択で測定し得る。好ましくは、第1のセンサ135及び第2のセンサ140からの信号は、コントローラ130への入力信号として適切であるが、いくつかの実施形態では、いくらかの信号調整が適切であり得る。例えば、信号は、コントローラ130によって処理され得る前に、フィルタ処理又は増幅する必要があり得る。典型的には、信号は、電気信号であるが、光信号などの他の形態で表され得る。
【0041】
組織インターフェース120は、概して、組織部位に部分的に又は完全に接触するように適合させることができる。組織インターフェース120は、数多くの形態を採り得、かつ実施される治療のタイプ、又は組織部位の性質及びサイズなどの様々な要因に応じて、数多くのサイズ、形状、又は厚さを有し得る。例えば、組織インターフェース120のサイズ及び形状は、深く不規則な形状の組織部位の輪郭に適合され得る。組織インターフェース120の表面のうちのいずれか又は全ては、起伏のある、粗い、又はギザギザのプロファイルを有し得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、組織インターフェース120は、マニホールドを備え得るか、又はそれから本質的になり得る。この文脈におけるマニホールドは、圧力下で組織インターフェース120にわたって流体を収集又は分配するための手段を備え得るか、又はそれから本質的になり得る。例えば、マニホールドは、源から陰圧を受容し、組織インターフェース120にわたって複数の開口部を通して陰圧を分配するように適合されてもよく、これは、組織部位から流体を収集し、流体を源に向かって引き込む効果を有し得る。いくつかの実施形態では、流体経路は、逆転されてもよく、又は第2の流体経路は、組織部位を横断して流体を送達することを促進するために提供されてもよい。
【0043】
いくつかの例示的な実施形態では、マニホールドは、流体の分配又は回収を改善するように相互接続することができる、複数の経路を備え得る。いくつかの例示的な実施形態では、マニホールドは、相互接続された流体経路を有する多孔性材料を含み得るか、又はそれから本質的になり得る。相互接続された流体経路(例えば、チャネル)を形成するように適合させることができる適切な多孔性材料の例としては、網状発泡体などの連続気泡発泡体を含む気泡質発泡体、多孔質組織の集合体、並びに概して細孔、縁部、及び/又は壁を含むガーゼ又はフェルト状マットなどの他の多孔性材料が挙げられる。液体、ゲル、及び他の発泡体はまた、開口部及び流体経路を含み得るか、又はこれらを含むように硬化され得る。いくつかの実施形態では、マニホールドは、追加的又は代替的に、相互接続された流体経路を形成する突起を備え得る。例えば、マニホールドは、相互接続された流体経路を規定する表面突起を提供するように成型され得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、組織インターフェース120は、指示された療法の必要性に従って変化し得る細孔サイズ及び自由体積を有する網状発泡体を含み得るか、又はそれから本質的になり得る。例えば、少なくとも90%の自由体積を有する網状発泡体は、多くの療法用途に適し得、いくつかのタイプの療法には、400~600ミクロンの範囲の平均細孔サイズ(40~50個/インチの細孔)を有する発泡体が特に適し得る。組織インターフェース120の引張強度もまた、指示された療法の必要性に従って変化し得る。組織インターフェース120の25%圧縮荷重撓みは、少なくとも0.35ポンド/平方インチであり得、65%圧縮荷重撓みは、少なくとも0.43ポンド/平方インチであり得る。いくつかの実施形態では、組織インターフェース120の引張強度は、少なくとも10ポンド/平方インチであり得る。組織インターフェース120は、少なくとも2.5ポンド/インチの引裂強度を有し得る。いくつかの実施形態では、組織インターフェースは、ポリエステル又はポリエーテルなどのポリオール、トルエンジイソシアネートなどのイソシアネート、並びにアミン及びスズの化合物などの重合調整剤からなる発泡体であり得る。いくつかの例では、組織インターフェース120は、どちらも3M Companyから入手可能な、GRANUFOAM(商標)ドレッシング材又はV.A.C.VERAFLO(商標)ドレッシング材に見られるような網状ポリウレタン発泡体であり得る。
【0045】
組織インターフェース120の厚さもまた、指示された療法の必要性に従って変化し得る。例えば、周辺組織への張力が低減するように、組織インターフェースの厚さを薄くしてもよい。組織インターフェース120の厚さはまた、組織インターフェース120の適合性にも影響を及ぼし得る。いくつかの実施形態では、約5ミリメートル~10ミリメートルの範囲の厚さが適切であり得る。
【0046】
組織インターフェース120は、疎水性又は親水性のいずれであり得る。組織インターフェース120が親水性であり得る一例では、組織インターフェース120はまた、組織部位に陰圧を分配し続けながら、組織部位から離れるように流体を逃がし得る。組織インターフェース120のウィッキング特性は、毛細管流又は他のウィッキング機構によって、組織部位から離れるように流体を吸引し得る。適切であり得る親水性材料の一例は、3M Companyから入手可能なV.A.C.WHITEFOAM(商標)ドレッシング材などのポリビニルアルコールの連続気泡発泡体である。他の親水性発泡体としては、ポリエーテルから作製されたものが挙げられ得る。親水性特性を呈し得る他の発泡体としては、親水性を提供するように処理又はコーティングされた疎水性発泡体が挙げられる。
【0047】
いくつかの実施形態では、組織インターフェース120は、生体吸収性材料から構築され得る。適切な生体吸収性材料としては、限定されないが、ポリ乳酸(polylactic acid、PLA)とポリグリコール酸(polyglycolic acid、PGA)とのポリマーブレンドが挙げられ得る。ポリマーブレンドとしてはまた、限定されないが、ポリカーボネート、ポリフマレート、及びカプララクトンが挙げられ得る。組織インターフェース120は、新しい細胞成長のための足場としての更なる役割を果たし得、又は足場材料は、細胞成長を促進するために、組織インターフェース120と併せて使用され得る。足場は、概して、細胞成長のためのテンプレートを提供する三次元多孔質構造体などの、細胞の成長又は組織の形成を強化又は促進するために使用される物質又は構造体である。足場材料の例示的な例としては、リン酸カルシウム、コラーゲン、PLA/PGA、コーラルヒドロキシアパタイト、カーボネート、又は、処理された同種移植片材料が挙げられる。
【0048】
いくつかの実施形態では、カバー125は、細菌バリア、及び物理的外傷からの保護を提供し得る。カバー125はまた、蒸発損失を低減することができ、かつ2つの構成要素間の、又は治療環境と局所的外部環境との間などの2つの環境間の流体シールを提供することができる材料から構築され得る。カバー125は、例えば、所与の陰圧源に関して組織部位において陰圧を維持するのに十分なシールを提供することができる弾性フィルム又は膜を含み得、又はそれからなり得る。いくつかの用途では、カバー125は、高い水蒸気透過率(moisture-vapor transmission rate、MVTR)を有し得る。例えば、MVTRは、いくつかの実施形態では、38℃及び10%の相対湿度(relative humidity、RH)において、ASTM E96/E96MのUpright Cup Methodによる直立カップ技術を使用して測定したときに、少なくとも250グラム/平方メートル/24時間であり得る。いくつかの実施形態では、最大5000グラム/平方メートル/24時間のMVTRが、有効な通気性及び機械的特性を提供し得る。
【0049】
いくつかの例示的な実施形態では、カバー125は、水蒸気に対して透過性であるが、液体に対して不透過性であるポリウレタンフィルムなどのポリマードレープであり得る。かかるドレープは、典型的には、25~50ミクロンの範囲の厚さを有する。透過性材料に関して、透過性は、概して、所望の陰圧が維持され得るように十分に低くするべきである。カバー125は、例えば、親水性ポリウレタンなどのポリウレタン(polyurethane、PU)、セルロース誘導体、親水性ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、親水性アクリル、親水性シリコーンエラストマーなどのシリコーン、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、クロロスルホン化ポリエチレン、多硫化ゴム、エチレンビニルアセテート(ethylene vinyl acetate、EVA)、コポリエステル、及びポリエーテルブロックポリマイドコポリマー、のうちの1つ以上を含み得る。かかる材料は、例えば、Avery Dennison Corporation(Pasadena、California)から市販されているポリウレタン(PU)ドレープ、例えばArkema S.A.(Colombes,France)製のポリエーテルブロックポリアミドコポリマー(PEBAX)、並びにExopack Advanced Coatings(Wrexham,United Kingdom)から市販されているINSPIRE(登録商標)2301及びINSPIRE(登録商標)2327ポリウレタンフィルム、として市販されている。いくつかの実施形態では、カバー125は、2600g/m/24時間のMVTR(直立カップ技術)及び約30ミクロンの厚さを有するINSPIRE(登録商標)2301を含み得る。
【0050】
無傷の表皮、ガスケット、又は別のカバーなどの取り付け表面にカバー125を取り付けるために、取り付けデバイスが使用され得る。取り付けデバイスは、多くの形態を採り得る。例えば、取り付けデバイスは、組織部位の周りの表皮にカバー125を接合するように構成された医学的に許容可能な感圧性接着剤であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、カバー125の一部又は全部は、約25~65グラム/平方メートル(gram per square meter、g.s.m.)のコーティング重量を有し得る、アクリル接着剤などの接着剤でコーティングされ得る。いくつかの実施形態では、シールを改善し、漏出を低減するために、より厚い接着剤、又は接着剤の組み合わせが適用され得る。取り付けデバイスの他の例示的な実施形態としては、両面テープ、ペースト、ヒドロコロイド、ヒドロゲル、シリコーンゲル、又はオルガノゲルが挙げられ得る。
【0051】
動作中に、組織インターフェース120は、組織部位内に、組織部位を覆って、組織部位上に、又は別様に組織部位に近接して置かれ得る。例えば、組織部位が創傷である場合、組織インターフェース120は、部分的又は完全に創傷を塞ぎ得るか、又は創傷を覆って置かれ得る。カバー125は、組織インターフェース120を覆って置かれ得、かつ組織部位の近くの取り付け表面にシールされ得る。例えば、カバー125は、組織部位の周辺の無傷の表皮にシールされ得る。したがって、ドレッシング材110は、外部環境から実質的に隔離された組織部位に近接した、シールされた治療環境を提供することができ、陰圧源105は、シールされた治療環境内の圧力を低減することができる。
【0052】
圧力を低減するプロセスは、例えば、陰圧を「送達する」、「分配する」、又は「生成する」ものとして本明細書で例示的に説明され得る。
【0053】
概して、滲出液及び他の流体は、流体経路に沿ってより低い圧力に向かって流れる。したがって、「下流」という用語は、典型的には、陰圧源に相対的により近い、又は陽圧源からより遠く離れた流体経路内の位置を意味する。反対に、「上流」という用語は、陰圧源から相対的により遠く離れた、又は陽圧源により近い位置を意味する。同様に、そのような枠組みにおいて、流体「入口」又は「出口」との関連である特徴を説明することが好都合であり得る。この向きは、一般に、本明細書の様々な特徴及び構成要素を説明する目的のために想定される。しかしながら、流体経路はまた、いくつかの用途では、陰圧源を陽圧源に置き換えることなどによって逆にされ得、この説明的な慣習により、限定的に解釈されるべきではない。
【0054】
シールされた治療環境内の組織インターフェース120を通して組織部位に適用される陰圧は、組織部位においてマクロ歪み及びマイクロ歪みを引き起こし得る。陰圧はまた、組織部位から滲出液及び他の流体を除去することもでき、滲出液及び他の流体は、容器115内に回収することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、コントローラ130は、第1のセンサ135などの1つ以上のセンサからデータを受信して処理し得る。コントローラ130はまた、組織インターフェース120に送達される圧力を管理するために、療法システム100の1つ以上の構成要素の動作も制御し得る。いくつかの実施形態では、コントローラ130は、所望の標的圧力を受信するための入力を含み得、かつ組織インターフェース120に適用される標的圧力の設定及び入力に関するデータを処理するようにプログラムされ得る。いくつかの例示的な実施形態では、標的圧力は、組織部位における療法のために所望される標的陰圧として操作者によって設定され、次いで、コントローラ130への入力として提供される、固定圧力値であり得る。標的圧力は、組織部位を形成する組織のタイプ、傷害又は創傷のタイプ(存在する場合)、患者の医学的状態、及び担当医の選好に基づいて、組織部位によって異なり得る。所望の標的圧力を選択した後に、コントローラ130は、標的圧力に基づいて、1つ以上の制御モードで陰圧源105を動作させることができ、かつ組織インターフェース120における標的圧力を維持するために、1つ以上のセンサからフィードバックを受信することができる。
【0056】
図2は、図1のドレッシング材110の例示的な実施形態の分解図であり、組織インターフェース120が2つ以上の層を含む、いくつかの実施形態と関連付けられ得る付加的詳細を図示する。いくつかの実施形態では、組織インターフェース120は、マニホールド202と第1のフィルム層204と、を含み得る。マニホールド202は、第1の表面206と、第1の表面206の反対側の第2の表面208と、を含み得る。第1のフィルム層204は、第1の表面210と、第1の表面210の反対側の第2の表面212と、を含み得る。第1のフィルム層204の第1の表面210は、マニホールド202の第2の表面208に結合してもよく、それにより、ドレッシング材110が組み立てられるときにマニホールド202が第1のフィルム層204の上に積み重ねられる。
【0057】
マニホールド202は、図1を参照して前述されたようなマニホールド又はマニホールド層を備え得るか、又はそれから本質的になり得、それは、圧力下で組織インターフェース120を横断して流体を収集又は分配するための手段を提供する。マニホールド202は、いくつかの実施形態では卵形又はスタジアム形状のマニホールドであってもよい。いくつかの実施形態では、マニホールド202は、約5ミリメートル~約10ミリメートルの厚さであり得るGRANUFOAM(商標)又は連続気泡発泡体であり得る。マニホールド202は、陰圧源105などの源から陰圧を受容し、組織インターフェース120にわたって複数の開口部を通して陰圧を分配するように適合されてもよく、これは、組織部位から流体を収集し、流体を源に向かって引き込む効果を有し得る。いくつかの実施形態では、流体経路は、逆転されてもよく、又は第2の流体経路は、組織インターフェース120を横断して、点滴注入溶液源などから流体を送達することを促進するために提供されてもよい。
【0058】
第1のフィルム層204は、流体流を制御又は管理するための手段を含み得るか、又はそれから本質的になり得る。第1のフィルム層204は、内側部分216を取り囲むことができる周辺部214を含み得る。内側部分216は、第1のフィルム層204の中心に対称的に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、周辺部214は、第1のフィルム層204のシーリング領域であってもよく、内側部分216は、第1のフィルム層204の治療領域であってもよい。いくつかの実施形態では、内側部分216は、マニホールド202の表面積に対応し得る。いくつかの実施形態では、境界218は、第1のフィルム層204の周辺部214から内側部分216を分割又は分離し得る。第1のフィルム層204は、周辺部214の一部であってもよい角部220及び縁部222を更に含み得る。
【0059】
第1のフィルム層204は、内側部分216を貫通して形成された第1の複数の穿孔226と、周辺部214を貫通して形成された第2の複数の穿孔228と、を更に含み得る。第1の複数の穿孔226は、双方向かつ圧力応答性であり得る流体制限部であり得る。第1の複数の穿孔226は、概して、圧力勾配に応答して拡張することができる弾性通路を含み得るか、又はそれから本質的になり得る。いくつかの実施形態では、第1の複数の穿孔226は、第1のフィルム層204から材料を除去することによって形成されてもよい。例えば、第1の複数の穿孔226は、第1のフィルム層204を切断することによって形成されてもよく、これはまた、いくつかの実施形態では、第1の複数の穿孔226の縁部を変形させてもよい。第1の複数の穿孔226にわたる圧力勾配が存在しない場合、通路は、液体流を実質的に低減又は防止することができるシール又は流れ制限を形成するのに十分に小さくてもよい。追加的又は代替的に、第1の複数の穿孔226のうちの1つ以上は、液体流を実質的に防止するように、引っ張られていない、又は陰圧を受けていないとき、通常閉鎖され、圧力勾配に応答して開放することができる、エラストマー弁であってもよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、第1の複数の穿孔226は、第1のフィルム層204内の1つ以上のスリット若しくはスロット、又はスリット若しくはスロットの組み合わせを含み得るか、又はそれから本質的になり得る。いくつかの例では、第1の複数の穿孔226は、4ミリメートル未満の長さ及び1ミリメートル未満の幅を有する線形スロットを含み得るか、又はそれからなり得る。いくつかの実施形態では、長さは少なくとも2ミリメートルであってもよく、幅は少なくとも0.4ミリメートルであってもよい。約3ミリメートルの長さ及び約0.8ミリメートルの幅は、多くの用途に特に適し得る。約0.1ミリメートルの公差も許容可能であり得る。そのような寸法及び公差は、例えば、レーザカッタを用いて達成され得る。そのような構成のスロットは、通常閉鎖又は静止状態で液体流を実質的に低減する不完全弁として機能し得る。例えば、そのようなスロットは、完全に閉鎖又はシールされることなく、流れ制限を形成し得る。スロットは、圧力勾配に応答してより広く拡張又は開放し、液体流を増加させることができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、第1の複数の穿孔226は、あるパターンで配設されたスリット又はスロットであってもよい。例えば、スリット又はスロットは、山形パターン、平行な行及び列の格子、又は別のパターンで配設され得る。あるいは、第1の複数の穿孔226は、第1のフィルム層204の内側部分216全体にわたってランダムに配設され得る。
【0062】
第2の複数の穿孔228は、第1のフィルム層204の周辺部214を貫通して配置され得る。第2の複数の穿孔228は、カット、局所的なRF若しくは超音波エネルギーの適用、又は開口部を形成するための他の適切な技法によって形成され得る開口部又は孔であり得る。第2の複数の穿孔228は、一様な分布パターンを有し得るか、又は第1のフィルム層204の周辺部214にランダムに分布され得る。第2の複数の穿孔228は、例えば、円形、正方形、星形、楕円形、多角形、スリット、複雑な曲線、直線形状、三角形を含む多くの形状を有し得、又はそのような形状のいくつかの組み合わせを有し得る。
【0063】
第2の複数の穿孔228の各々は、均一又は同様の幾何学的特性を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、第2の複数の穿孔228の各々は、実質的に同じ直径を有する円形開口部であり得る。いくつかの実施形態では、第2の複数の穿孔228の各々の直径は、約1ミリメートル~約50ミリメートルであり得る。他の実施形態では、第2の複数の穿孔228の各々の直径は、約1ミリメートル~約20ミリメートルであり得る。
【0064】
他の実施形態では、第2の複数の穿孔228の幾何学的特性は変化し得る。例えば、第2の複数の穿孔228の直径は、第2の複数の穿孔228の場所に応じて変化し得る。いくつかの実施形態では、角部220に配置された第2の複数の穿孔228は、約7.75ミリメートル~約8.75ミリメートルの直径を有し得、第2の複数の穿孔228の残りは、約9.8ミリメートル~約10.2ミリメートルの直径を有し得る。
【0065】
第2の複数の穿孔228のうちの少なくとも1つは、周辺部214の縁部222に配置され得、縁部222と横方向に流体連通する、縁部222において開放又は露出された内部切り込みを有し得る。横方向は、縁部222に向かう方向であって、第1のフィルム層204と同じ平面内にある方向を指し得る。縁部222に近接して又はそこに配置された第2の複数の穿孔228は、周辺部214の周りに実質的に等距離に離間され得る。あるいは、縁部222に近接した又は縁部222における第2の複数の穿孔228の間隔は、不規則であり得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、第1の複数の穿孔226の各々は、第1の開放面積を有してもよく、第2の複数の穿孔228の各々は、第2の開放面積を有してもよい。各第2の開放面積は、各第1の開放面積よりも大きくてもよい。同様に、第2の複数の穿孔228の各々は、少なくとも1つの寸法において第1の複数の穿孔226の各々よりも大きくてもよい。上述のように、第1の複数の穿孔226の各々は、圧力応答性であってもよく、したがって、第1の複数の穿孔226の各々は、組織部位が陰圧源105からの陰圧などの圧力に曝露されると、サイズが増加するように構成され得る。対照的に、第2の複数の穿孔228は、圧力に曝露されたときにサイズが変化しなくてもよい。更に、第2の複数の穿孔228は、組織部位が圧力に曝露されたとき及び組織部位が圧力に曝露されていないときに第1の複数の穿孔226よりもサイズが大きくてもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、第1のフィルム層204は、シーリング接着剤230を更に含み得る。シーリング接着剤230は、ドレッシング材110が組織部位に置かれたときにシーリング接着剤230が組織部位に面し、組織部位の創部周囲領域に接触するように、第1のフィルム層204の第2の表面212上に配置され得る。シーリング接着剤230は、周辺部214上に配置されてもよく、第1のフィルム層204の内側部分216上に配置されなくてもよい。シーリング接着剤230は、内側部分216にシーリング接着剤230がないようなパターンで、第1のフィルム層204に適用され得る。いくつかの実施形態では、シーリング接着剤230は、シリコーン材料のコーティングであってもよく、又はそれを含むことができる。好適なシリコーン接着剤は、例えば、米国特許出願公開第2011/0212325号に記載されており、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、DowのOHX4070及びWackerのAK1,000,000などのシリコーン油が、シーリング接着剤230に含まれ得る。いくつかの実施形態では、シーリング接着剤230は、約100グラム/平方メートル~約250グラム/平方メートルのコーティング重量を有し得る。
【0068】
第1のフィルム層204は、組織部位との流体シールを提供し得る、実質的に平坦な表面を有し得るフィルムを含み得るか、又はそれから本質的になり得る。第1のフィルム層204は、いくつかの実施形態では、Pellethane(登録商標)5863-86A(Lubrizol)などのポリウレタンフィルムであり得る。第1のフィルム層204は、いくつかの実施形態では、約20ミクロン~約35ミクロンの厚さであってもよい。いくつかの実施形態では、第1のフィルム層204は、第1のフィルム層204の第1の表面210上に接着剤を更に含み得る。第1の表面210上の接着剤は、第1のフィルム層204をカバー125及び/又はマニホールド202に接着し得る。第1のフィルム層204の第1の表面210上の接着剤は、図1を参照して取り付けデバイスについて上述した材料のいずれかを含み得る。
【0069】
ドレッシング材110は、カバー125などの第2のフィルム層を更に含み得る。カバー125は、第1の表面232と、第1の表面232の反対側の第2の表面234と、を含み得る。カバー125の第2の表面234は、組織インターフェース120のマニホールド202の第1の表面206に結合するように構成され得る。カバー125は、Pellethane(登録商標)5863-86A(Lubrizol)などのポリウレタンフィルムを含み得るか、又はそれから本質的になり得る。いくつかの実施形態では、カバー125は、約20ミクロン~約35ミクロンの厚さを有し得る。ドレッシング材110は、図1を参照して上記で説明される取り付けデバイスなどの取り付けデバイス、又はカバー接着剤若しくは接着剤236を更に含み得る。接着剤236は、例えば、カバー125の第2の表面234の周囲、一部、又は全体の周りに延びる、医学的に許容可能な感圧性接着剤であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、接着剤236は、約25g.s.m.~約65g.s.m.のコーティング重量を有するアクリル接着剤であり得る。いくつかの実施形態では、シールを改善し、漏出を低減するために、より厚い接着剤、又は接着剤の組み合わせが適用され得る。接着剤236は、第1のフィルム層204の周辺部214と実質的に同じ形状を有する層であり得る。いくつかの実施形態では、接着剤236は、連続又は不連続であり得る。接着剤236の不連続部は、接着剤236の開口部又は孔(図示せず)によって提供され得る。接着剤236内の開口部又は孔は、接着剤236を適用した後に、又は接着剤236をカバー125の第2の表面234上にパターンで適用することによって形成され得る。接着剤236内の開口部又は孔はまた、いくつかの例示的な実施形態では、ドレッシング材110のMVTRを向上させるように定寸され得る。
【0070】
図2の例に例示されるように、いくつかの実施形態では、剥離ライナ240は、使用前に接着剤236を保護するために、第1のフィルム層204に取り付けられ得るか、又はそれに隣接して配置され得る。剥離ライナ240はまた、例えば、ドレッシング材110の展開を支援するための剛性も提供し得る。剥離ライナ240は、例えば、工程紙、フィルム、又はポリエチレンであり得る。更に、いくつかの実施形態では、剥離ライナ240は、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)又は同様の極性半結晶性ポリマーなどのポリエステル材料であり得る。剥離ライナ240への極性半結晶性ポリマーの使用は、ドレッシング材110のしわ又は他の変形を実質的に排除し得る。例えば、極性半結晶性ポリマーは、高度に配向され得、かつドレッシング材110の構成要素と接触させたときに、又は温度若しくは環境の変化を受けたときに、又は殺菌を受けたときに起こり得る軟化、膨潤、又は他の変形に対する耐性を有し得る。いくつかの実施形態では、剥離ライナ240は、第1のフィルム層204などの隣接層上にインプリントされ得る表面テクスチャを有し得る。いくつかの実施形態では、剥離ライナ240は、Scotchpak(商標)フッ素ポリマーコーティング剥離ライナ(3M)であり得る。更に、第1のフィルム層204に接触するように構成された剥離ライナ240の面には、剥離剤が配置され得る。例えば、剥離剤は、シリコーンコーティングであり得、かつ手によって、ドレッシング材110に損傷を与えずに、又は変形させずに剥離ライナ240の取り外しを容易にするのに適した剥離要素を有し得る。いくつかの実施形態では、剥離剤は、例えば、フルオロカーボン又はフルオロシリコーンであり得る。他の実施形態では、剥離ライナ240は、コーティングされていなくてもよく、又は別様に剥離剤なしで使用され得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、ドレッシング材110はキャリア242を更に含み得る。キャリア242は、第1の表面244と、第1の表面244の反対側の第2の表面246と、を含み得る。キャリア242の第2の表面246は、カバー125の第1の表面232に結合するように構成され得る。いくつかの実施形態では、キャリア242は、カバー125の第1の表面232に取り外し可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、キャリア242は、カバー125の第1の表面232に積層され得る。キャリア242は、剥離ライナ240がドレッシング材110から除去された後の安定したハンドリングを可能にし得る。いくつかの実施形態では、キャリア242は、接続部分252によって接続された第1の細長い部分248及び第2の細長い部分250を有し得る。キャリア242は、いくつかの実施形態では、別の形状又はサイズを有し得るが、剥離ライナ240が除去された後、依然としてドレッシング材110のための構造を提供してもよい。キャリア242は、いくつかの実施形態では、コーティングされた紙又はフィルムから構成され得る。キャリア材料の例としては、Loparexから入手可能なポリエチレン/酢酸ビニルコポリマーコーティングクラフト紙が挙げられ得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、ドレッシング材110は、任意のハンドリングバー(図示せず)を更に含み得る。任意のハンドリングバーは、医療関係者又はユーザが、ドレッシング材110を組織部位に適用する間にそれを保持するための場所を提供し得る。いくつかの実施形態では、任意のハンドリングバーは、カバー125の接着剤236に結合され得る。他の実施形態では、任意のハンドリングバーは、ドレッシング材110上の異なる場所に位置し得る。
【0073】
図2はまた、流体導管256及びドレッシング材インターフェース258の例示的な実施形態を図示する。流体導管256は、ドレッシング材インターフェース258に一方の端部を流体結合することができる可撓性チューブであり得る。ドレッシング材インターフェース258は、エルボーコネクタであってもよく、エルボーコネクタは、カバー125内の開口部262を取り囲むことができる、キャリア242内の開口部260を通して置かれ得る。開口部262は、流体導管256とドレッシング材110の組織インターフェース120との間に流体経路を提供し得る。
【0074】
使用時、剥離ライナ240(含まれる場合)は、第1のフィルム層204を露出させるために除去されてもよく、第1のフィルム層204は、組織部位、特に、表面組織部位及び隣接する表皮内に、それを覆って、その上に、又は別様に近接して置かれ得る。第1のフィルム層204は、マニホールド202と組織部位との間に介在されてもよく、マニホールド202との有害な相互作用を実質的に低減又は排除することができる。例えば、第1のフィルム層204は、マニホールド202との直接接触を防止するために、表面創傷(創傷の縁部を含む)及び損傷していない表皮を覆って置かれ得る。表面創傷の治療又は表面創傷上へのドレッシング材110の配置は、ドレッシング材110を身体の表面に直接隣接して置くこと、又は身体の表面の少なくとも一部にわたって延びることを含む。表面創傷の治療は、ドレッシング材を腹腔内に置くなど、ドレッシング材110を完全に体内に置くこと、又は完全に体の表面下に置くことを含まない。いくつかの用途では、第1のフィルム層204の内側部分216は、組織部位に隣接して、組織部位に近接して、又は組織部位を覆って配置され得る。第1のフィルム層204の周辺部214は、組織部位の周囲の又は組織部位を取り囲む組織に隣接又は近接して配置され得る。第1のフィルム層204は、ドレッシング材110を定位置に保持するように十分に粘着性であってもよく、また、組織部位への外傷を伴わずに、ドレッシング材110が除去又は再配置されることが可能になり得る。
【0075】
剥離ライナ240を除去することにより、カバー125の接着剤236を組織部位に露出させることもできる。例えば、カバー125は、マニホールド202の周囲で、組織部位の周辺の表皮に取り付けられ得る。接着剤236は、いくつかの実施形態では、第1のフィルム層204の少なくとも周辺部214内の第2の複数の穿孔228を通して、取り付け表面と流体連通し得る。接着剤236はまた、縁部222で露出した第2の複数の穿孔228を通して縁部222と流体連通し得る。
【0076】
ドレッシング材110が所望の位置にくると、接着剤236は、第2の複数の穿孔228を通して押圧され、ドレッシング材110を取り付け表面に接合し得る。縁部222における第2の複数の穿孔228は、接着剤236が縁部222の周りを流れることを可能にして、縁部222の取り付け表面への接着を強化し得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、第1のフィルム層204内の第2の複数の穿孔228は、第2の複数の穿孔228を通して取り付け表面と流体連通する接着剤236の量を制御するように定寸され得る。角部220の所与の幾何学的形状に対して、第2の複数の穿孔228の相対サイズは、角部220において第2の複数の穿孔228を通じて露出され流体連通する接着剤236の表面積を最大化するように構成され得る。例えば、縁部222は、実質的に直角又は約90度で交差して、角部220を画定し得る。いくつかの実施形態では、角部220は、約10ミリメートルの半径を有し得る。更に、いくつかの実施形態では、約7.75ミリメートル~約8.75ミリメートルの直径を有する第2の複数の穿孔228のうちの3つは、接着剤236のための露出表面積を最大化するために、角220において三角形構成で配置され得る。他の実施形態では、角220における第2の複数の穿孔228のサイズ及び数は、接着剤236の露出表面積を最大化するために、角220の選択された幾何学的形状に応じて、必要に応じて調整され得る。更に、角部220における第2の複数の穿孔228は、第1のフィルム層204内に完全に収容されてもよく、角部220の外部の横方向における流体連通を実質的に排除する。第1のフィルム層204内に完全に収容されている角部220における第2の複数の穿孔228は、角部220の外部の接着剤236の流体連通を実質的に妨げることができ、組織部位における展開中のドレッシング材110の改善されたハンドリングを提供し得る。更に、接着剤236を実質的に含まない角部220の外部は、快適性を高めるために角部220の可撓性を増加させ得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、接着剤236の接合強度は、ドレッシング材110の異なる位置において変化し得る。例えば、接着剤236は、第2の複数の穿孔228が比較的大きい第1のフィルム層204の位置ではより低い接合強度を有し得、第2の複数の穿孔228がより小さい場所ではより高い接合強度を有し得る。より大きい第2の複数の穿孔228と組み合わせたより低い接合強度を有する接着剤236は、より小さい第2の複数の穿孔228を有する位置においてより高い接合強度を有する接着剤236に匹敵する接合を提供し得、第1のフィルム層204の第2の表面212の周辺部214に沿って実質的に一定の全体的な接合を提供し得る。
【0079】
組織インターフェース120、カバー125、又はその両方の幾何学的形状及び寸法は、特定の用途又は生体構造に適合するように変化し得る。例えば、組織インターフェース120及びカバー125の幾何学的形状又は寸法は、組織部位及びその周囲において、肘又は踵などの困難な解剖学的表面に対して効果的かつ確実なシールを提供するように適合され得る。追加的又は代替的に、寸法は、組織部位における上皮細胞の移動及び増殖を増進し、肉芽組織内殖の可能性を低減するために、第1のフィルム層204の表面積を増加させるように修正され得る。
【0080】
更に、ドレッシング材110は、ドレッシング材110及び組織部位における折り目及び他の不連続性によって引き起こされ得る漏れを低減又は排除するために、再適用又は再配置を可能にし得る。漏れを是正する能力は、いくつかの実施形態では、療法の信頼性を高め、電力消費を低減することができる。
【0081】
したがって、図2の例におけるドレッシング材110は、外部環境から実質的に隔離された組織部位に近接してシールされた治療環境を提供することができ、陰圧源105は、シールされた治療環境内の圧力を低減することができる。第1のフィルム層204は、組織部位及びその周囲において、肘又は踵などの困難な解剖学的表面に対して効果的かつ確実なシールを提供し得る。更に、ドレッシング材110は、例えば、ドレッシング材110における折り目及び他の不連続性によって引き起こされる空気漏れを補正するために、再適用又は再配置を可能にし得る。漏れを是正する能力は、いくつかの実施形態では、療法の有効性を高め、電力消費を低減することができる。
【0082】
まだ構成されていない場合、ドレッシング材インターフェース258は、開口部262の上に配置され、カバー125に取り付けられ得る。流体導管256は、ドレッシング材インターフェース258及び陰圧源105に流体結合され得る。
【0083】
組織インターフェース120を通して印加される陰圧は、第1のフィルム層204内の第1の複数の穿孔226にわたって陰圧差を生成することができ、これは、第1の複数の穿孔226をそれらの静止状態から開放又は拡張することができる。例えば、第1の複数の穿孔226が第1のフィルム層204を通る実質的に閉鎖された開窓を備え得るいくつかの実施形態では、開窓にわたる圧力勾配は、ダックビル弁の動作と同様に、第1のフィルム層204の隣接する材料を歪ませ、開窓の寸法を増加させて、開窓を通る液体移動を可能にすることができる。第1の複数の穿孔226を開くことにより、滲出液及び他の液体が第1の複数の穿孔226を通ってマニホールド202及び容器115内に移動することを可能にし得る。圧力の変化はまた、マニホールドを拡張及び収縮させ得、境界218は、表皮を刺激から保護し得る。第1のフィルム層204はまた、マニホールド202への組織の露出を実質的に低減又は防止することができ、マニホールド202内への組織の成長を阻害することができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、マニホールド202は、ドレッシング材110内の液体の保持又は貯蔵を最小限にするために、疎水性であり得る。他の実施形態では、マニホールド202は、親水性であり得る。マニホールド202が親水性であり得る一例では、マニホールド202はまた、組織部位に陰圧を分配し続けながら、組織部位から離れるように流体を逃がし得る。マニホールド202のウィッキング特性は、例えば、毛細管流又は他のウィッキング機構によって、組織部位から離れるように流体を吸引し得る。親水性材料であるマニホールド202の一例は、KCI(San Antonio、Texas)から入手可能なV.A.C.WHITEFOAM(商標)ドレッシング材などのポリビニルアルコールの連続気泡発泡体である。他の親水性発泡体としては、ポリエーテルから作製されたものが挙げられ得る。親水性特性を呈し得る他の発泡体としては、親水性を提供するように処理又はコーティングされた疎水性発泡体が挙げられる。
【0085】
陰圧源105が除去又はオフにされる場合、第1の複数の穿孔226にわたる圧力差は消散し得、第1の複数の穿孔226がそれらの静止状態に移動することを可能にし、滲出液又は他の液体が第1のフィルム層204を通して組織部位に戻るのを防止又は速度を低減する。
【0086】
追加的又は代替的に、点滴注入溶液又は他の流体は、ドレッシング材110に分配されてもよく、それは、組織インターフェース120内の圧力を増加させることができる。組織インターフェース120内の圧力が増加すると、第1のフィルム層204内の第1の複数の穿孔226にわたって陽圧差を生成することができ、これは、第1の複数の穿孔226をそれらの静止状態から開放又は拡張することができ、点滴注入溶液又は他の流体が組織部位に分配されることを可能にし得る。
【0087】
図3は、図2のドレッシング材110の組立図である。ドレッシング材110が組み立てられると、カバー125の第2の表面234は、マニホールド202の第1の表面206に結合され得、マニホールド202の第2の表面208は、第1のフィルム層204の第1の表面210に結合され得、第1のフィルム層204の第2の表面212は、剥離ライナ240に結合され得る。剥離ライナ240は、ドレッシング材110が組織部位に置かれる前に、第1のフィルム層204の第2の表面212から除去され得る。いくつかの実施形態では、キャリア242は、ドレッシング材が組織部位上に置かれた後、かつドレッシング材インターフェース258がドレッシング材110のカバー125の第1の表面232に取り付けられる前に、ドレッシング材110から除去され得る。
【0088】
ドレッシング材110の個々の構成要素は、例えば、流体管理に悪影響を及ぼすことなく、溶媒若しくは非溶媒接着剤を用いて、又は熱溶接を用いて、相互に接合又は別様に固着され得る。更に、マニホールド202は、例えば溶接又は接着剤などの任意の適切な方法で第1のフィルム層204の境界218に結合され得る。
【0089】
カバー125、マニホールド202、第1のフィルム層204、又は様々な組み合わせは、適用前に又はその場で組み立てられ得る。例えば、カバー125は、いくつかの実施形態では、マニホールド202に積層され得る。第1のフィルム層204はまた、いくつかの実施形態では、カバー125の反対側でマニホールド202に結合され得る。いくつかの実施形態では、ドレッシング材110は、単一の複合ドレッシング材として提供され得る。例えば、第1のフィルム層204は、マニホールド202を囲むようにカバー125に結合されてもよく、第1のフィルム層204は、組織部位に面するように構成される。
【0090】
図4A及び図4Bを参照すると、組織インターフェース120の第1のフィルム層204が示されている。図4Aは、第1のフィルム層204の上面図であり、図4Bは、第1のフィルム層204の底面図である。第1のフィルム層204は、周辺部214と、内側部分216と、内側部分216を囲むことができ、周辺部214から内側部分216を分割又は分離することができる境界218と、を含み得る。シーリング接着剤230は、第1のフィルム層204の第2の表面212上に配置され得る。シーリング接着剤230は、周辺部214上に配置されてもよく、第1のフィルム層204の内側部分216上に配置されなくてもよい。シーリング接着剤230は、内側部分216がシーリング接着剤230を含まず、シーリング接着剤230が第2の複数の穿孔228の各々を取り囲むように、第1のフィルム層204に適用され得る。いくつかの実施形態では、シーリング接着剤230は、第1のフィルム層204にパターンで適用され得る。更に、いくつかの実施形態では、シーリング接着剤230は、第1のフィルム層204の第2の表面212の周辺部214に適用され得、その後、第1の複数の穿孔226及び/又は第2の複数の穿孔228が第1のフィルム層204を貫通して形成される。いくつかの例示的な実施形態では、シーリング接着剤230は、第1のフィルム層204の内側部分216に対応する部分切欠きを有し得る層であり得る。次いで、シーリング接着剤230は、第1のフィルム層204の第2の表面212に積層され得、第1の複数の穿孔226は、第1のフィルム層204の内側部分216を貫通して形成されてもよく、第2の複数の穿孔228は、シーリング接着剤230及び第1のフィルム層204の周辺部214を貫通して形成されてもよい。第1の複数の穿孔226及び第2の複数の穿孔228は、打抜き又は穿孔を形成する別の方法によって形成され得る。いくつかの実施形態では、境界218はまた、シーリング接着剤230がなくてもよい。
【0091】
図5を参照すると、療法システム100が組織部位502において示されている。組織部位502は、表皮504、真皮506、及び皮下組織508を通って及ぶことがあり得、又は別様に含み得る。組織部位502は、表皮504の表面の下方に及ぶ、図5に表される表面下の組織部位であり得る。更に、組織部位502は、例えば切開部などの、表皮504の表面に主に存在する表面組織部位(図示せず)であり得る。療法システム100は、療法システム100の配置又は組織部位のタイプにかかわらず、例えば、表皮504、真皮506、及び皮下組織508に療法を提供し得る。療法システム100はまた、限定されないが、他の組織部位においても利用され得る。
【0092】
療法システム100は、ドレッシング材110と、容器115と、療法ユニット145を含み得る陰圧源105と、を含み得る。更に、療法システム100は、療法システム100の任意の構成要素として充填材料510を含み得、これは、異なるタイプの組織部位又は陰圧を使用する異なるタイプの療法(例えば、上皮化など)のために省略され得る。装備されている場合、充填材料510は、例えば、組織部位502に合うように、及び組織部位502とドレッシング材110との間の空間を満たすように、任意の好適な様態に充填材料510を切断すること、又は別様に成形すること、などによって、組織部位502に近接して、又は組織部位に近接して配置されるように適合され得る。組織インターフェース120のマニホールド202と同様に、充填材料510は、本明細書に記載されたマニホールド材料で構築され得、かつ組織部位502に陰圧を分配するように、組織部位502と流体連通して配置されるように適合され得る。いくつかの実施形態では、充填材料510は、組織部位502と直接接触して、かつ組織部位502とドレッシング材110との間に配置され得る。充填材料510が省略された場合は、ドレッシング材110の組織インターフェース120が、組織部位502と直接接触して配置され得る。ドレッシング材110は、療法ユニット145の陰圧源105から組織部位502に、直接、又は装備されている場合は充填材料510を通して、陰圧を提供又は分配するように適合され得る。
【0093】
図5A及び図5Bを参照すると、参照符号5Aにおける図5の療法システム100の部分の詳細図が示されている。図5Aは、第1のフィルム層204の第2の複数の穿孔228を通して接着剤236を押すためにドレッシング材110に力が印加される前のドレッシング材110を示す。図5Bは、力520がドレッシング材110に印加された後のドレッシング材110を示す。上述したように、接着剤236は、いくつかの実施形態では、第1のフィルム層204の少なくとも周辺部214内の第2の複数の穿孔228を通して、取り付け表面と流体連通し得るか、又は別様に露出され得る。いくつかの実施形態では、取り付け表面は、組織部位502の表皮504であり得る。接着剤236はまた、縁部222で露出した第2の複数の穿孔228を通して縁部222と流体連通し得る。ドレッシング材110が図5Aに示されるような所望の位置にくると、接着剤236は、第2の複数の穿孔228を通して押圧され、ドレッシング材110を表皮504に接合し得る。縁部222における第2の複数の穿孔228は、接着剤236が縁部222の周りを流れることを可能にして、縁部222の取り付け表面への接着を強化し得る。
【0094】
図6A及び図6Bを参照すると、ドレッシング材110の別の実施形態が示されている。カバー125、組織インターフェース120、ドレッシング材インターフェース258、及び流体導管256は、実質的に、図2を参照して上記で説明されるようであり得る。キャリア242は、いくつかの実施形態では、図2に示されるものとは異なる形状であり得る。例えば、キャリア242は、実質的に矩形であり得、中央開口部602を含み得る。キャリア242は、第1の部分604と、第1の部分604の反対側の第2の部分606と、第1の部分604と第2の部分606とを結合する第3の部分608と、第3の部分608の反対側の第4の部分610と、を有し得る。ドレッシング材インターフェース258は、キャリア242の中心開口部602を通して、カバー125の開口部262に結合し得る。他の実施形態では、キャリア242は、剥離ライナ240がドレッシング材110から除去される前後に、ドレッシング材110に構造を提供し得る、別の形状又はサイズであり得る。
【0095】
本明細書に記載されたシステム、装置、及び方法は、従来のドレッシング材に比べて有意な利点を提供し得る。ドレッシング材110は、組織インターフェース120が、マニホールド202と、第1のフィルム層204の第2の表面212にパターンコーティングされたシーリング接着剤230を有する第1のフィルム層204とを含み得るので、薄くてもよく、非常に適合性があり得る。薄い構造のため、ドレッシング材110はまた、通気性であり得る。ドレッシング材110はまた、ドレッシング材110の薄い縁部厚さのため、組織部位502から持ち上げることがより容易であり得る。
【0096】
いくつかの例示的な実施形態に示してきたが、当業者は、本明細書に記載されたシステム、装置、及び方法が、添付の特許請求の範囲の範囲内にある様々な変更及び修正が可能であることを認識するであろう。更に、「又は」などの用語を使用する様々な代替案の説明は、文脈によって明らかに必要とされない限り、相互排他性を必要とせず、不定冠詞「a」又は「an」は、文脈によって明らかに必要とされない限り、対象を単一の事例に限定しない。構成要素はまた、販売、製造、組み立て、又は使用の目的で、様々な構成で組み合わせられ得るか、又は排除され得る。例えば、いくつかの構成では、ドレッシング材110、容器115、又はその両方は、製造又は販売のために、排除され得るか、又は構成要素から分離され得る。
【0097】
添付の特許請求の範囲は、上記の主題の新規かつ発明的な態様を記載しているが、特許請求の範囲はまた、詳細に具体的に記載されていない追加の主題も包含し得る。例えば、特定の特徴、要素、又は態様は、当業者に既に知られているものから新規かつ発明的な特徴を区別するために必要でない場合、特許請求の範囲から省略され得る。いくつかの実施形態の文脈に記載された特徴、要素、及び態様はまた、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲から逸脱することなく、省略され得、組み合わされ得、又は同じ、均等な、若しくは同様の目的を果たす代替的な特徴によって置き換えられ得る。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図5A
図5B
図6A
図6B
【国際調査報告】