(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-10
(54)【発明の名称】排気ガスの再循環を行う複合サイクル発電所
(51)【国際特許分類】
F01K 23/08 20060101AFI20250703BHJP
F01K 23/10 20060101ALI20250703BHJP
F02C 3/34 20060101ALI20250703BHJP
F02C 6/04 20060101ALI20250703BHJP
【FI】
F01K23/08
F01K23/10 U
F02C3/34
F02C6/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024574687
(86)(22)【出願日】2023-06-26
(85)【翻訳文提出日】2025-02-14
(86)【国際出願番号】 US2023026218
(87)【国際公開番号】W WO2024006201
(87)【国際公開日】2024-01-04
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ラウブ ウォーフィールド
(72)【発明者】
【氏名】サマック、マジェ
【テーマコード(参考)】
3G081
【Fターム(参考)】
3G081BC07
(57)【要約】
圧縮機入口(106)と、第1の排気ガス流(120)を排出するように構成されたタービン出口(110)とを有するガスタービンエンジン(102)を含む複合サイクル発電所(100)である。前記熱回収蒸気発生器(112)は、前記第1の排気ガス流(120)を受け取ること、前記第1の排気ガス流(120)から熱を抽出して蒸気を発生させること、第2の排気ガス流(122)を排出することを実行する。蒸気タービン(104)は、蒸気流(128)を排出するように構成されており、炭素回収システム(134)は、前記蒸気流(128)を受け取るように構成されており、再循環送風機(170)は、前記第2の排気ガス流(122)の一部を加圧して、前記圧縮機入口(106)に向かうように再循環させるように構成されており、空気入口送風機(168)は、前記圧縮機入口(106)に向かって流れる空気流(174)を加圧し、前記第2の排気ガス流(122)の一部と前記空気流(174)とから形成された、加圧された混合流が前記圧縮機入口(106)で受け取られるように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合サイクル発電所(100)であって、
圧縮機入口(106)と、第1の排気ガス流(120)を排出するタービン出口(110)とを含むガスタービンエンジン(102)、
前記ガスタービンエンジン(102)の下流に配置された熱回収蒸気発生器(112)であって、前記熱回収蒸気発生器(112)は、
前記第1の排気ガス流(120)を受け取ること、
前記第1の排気ガス流(120)から熱を抽出して蒸気を発生させること、
第2の排気ガス流(122)を排出すること
を実行するように構成された、熱回収蒸気発生器(112)、
前記熱回収蒸気発生器(112)から蒸気を受け取り、蒸気流(128)を排出するように配置された蒸気タービン(104)、
前記蒸気タービン(104)の下流に配置され、前記蒸気流(128)を受け取るように配置された炭素回収システム(134)、
前記熱回収蒸気発生器(112)の下流に結合され、前記第2の排気ガス流(122)の一部を加圧して、前記圧縮機入口(106)に向かうように再循環させるための再循環送風機(170)、及び
前記圧縮機入口(106)に向かって流れる空気流(174)を加圧するように構成された空気入口送風機(168)であって、前記第2の排気ガス流(122)の一部と前記空気流(174)とから、加圧された混合流が形成され、その後で混合物が前記圧縮機入口(106)に流入する、空気入口送風機(168)
を含む、複合サイクル発電所(100)。
【請求項2】
前記複合サイクル発電所(100)はコントローラ(172)を更に含み、前記コントローラ(172)は、
再循環送風機(170)及び空気入口送風機(168)の電力消費を監視すること、
前記蒸気流(128)を前記炭素回収システム(134)に向けて排出することに起因する蒸気サイクル損失を決定すること、及び
前記圧縮機入口(106)に向かって流れ再循環する前記排気ガス流の流量を調節して、前記複合サイクル発電所(100)の動作を向上させること
を実行するように構成される、請求項1に記載の複合サイクル発電所(100)。
【請求項3】
前記複合サイクル発電所(100)は、前記熱回収蒸気発生器(112)と前記炭素回収システム(134)との間に結合された第1の冷却器(148)を更に含み、前記第1の冷却器(148)は、前記炭素回収システム(134)に向かう前記第2の排気ガス流(122)を冷却するように構成されている、請求項1に記載の複合サイクル発電所(100)。
【請求項4】
前記複合サイクル発電所(100)は、前記第1の冷却器(148)と流体連通するブースタ送風機(150)を更に含み、前記ブースタ送風機(150)は、前記炭素回収システム(134)に向かって流れる前記第2の排気ガス流(122)を加圧するように構成される、請求項3に記載の複合サイクル発電所(100)。
【請求項5】
前記複合サイクル発電所(100)は、前記圧縮機入口(106)に向かって流れ再循環する前記第2の排気ガス流(122)の一部を冷却するように構成された第2の冷却器(180)を更に含む、請求項1に記載の複合サイクル発電所(100)。
【請求項6】
前記第2の冷却器(180)は、前記熱回収蒸気発生器(112)と前記再循環送風機(170)との間に存在する、請求項5に記載の複合サイクル発電所(100)。
【請求項7】
前記第2の冷却器(180)は、前記再循環送風機(170)と前記圧縮機入口(106)との間に存在する、請求項5に記載の複合サイクル発電所(100)。
【請求項8】
複合サイクル発電所(100)であって、
圧縮機入口(106)と、第1の排気ガス流(120)を排出するように配置されたタービン出口(110)とを含むガスタービンエンジン(102)、
前記ガスタービンエンジン(102)の下流に配置された熱回収蒸気発生器(112)であって、前記熱回収蒸気発生器(112)は、
前記第1の排気ガス流(120)を受け取ること、
前記第1の排気ガス流(120)から熱を抽出して蒸気を発生させること、
第2の排気ガス流(122)を排出すること
を実行するように構成された、熱回収蒸気発生器(112)、
前記熱回収蒸気発生器(112)の下流に配置され、前記第2の排気ガス流(122)の一部を加圧して、前記圧縮機入口(106)に向かうように再循環させるための再循環送風機(170)、及び
前記圧縮機入口(106)に向かう空気流(174)を加圧するように構成された空気入口送風機(168)であって、前記第2の排気ガス流路(122)の一部と前記空気流(174)とから、加圧された混合流が形成され、その後で混合物が前記圧縮機入口(106)に流入する、空気入口送風機(168)
を含む、複合サイクル発電所(100)。
【請求項9】
蒸気流(128)を排出するように配置された蒸気タービン(104)、及び
前記蒸気タービン(104)の下流に配置され、前記蒸気流(128)を受け取るように配置された炭素回収システム(134)、
を含む、請求項8に記載の複合サイクル発電所(100)。
【請求項10】
前記複合サイクル発電所(100)はコントローラ(172)を更に含み、前記コントローラ(172)は、
再循環送風機(170)及び空気入口送風機(168)の電力消費を監視すること、
前記蒸気流(128)を前記炭素回収システム(134)に向けて排出することに起因する蒸気サイクル損失を決定すること、及び
前記圧縮機入口(106)に向かって流れ再循環する前記排気ガス流の流量及び温度のうちの少なくとも一方を調節して、前記複合サイクル発電所(100)の動作を向上させること
を実行するように構成される、請求項9に記載の複合サイクル発電所(100)。
【請求項11】
前記複合サイクル発電所(100)は、前記熱回収蒸気発生器(112)と前記炭素回収システム(134)との間に結合された第1の冷却器(148)を更に含み、前記第1の冷却器(148)は、前記炭素回収システム(134)に向かう前記第2の排気ガス流(122)を冷却するように構成されている、請求項10に記載の複合サイクル発電所(100)。
【請求項12】
前記複合サイクル発電所(100)は、前記第1の冷却器(148)と流体連通するブースタ送風機(150)を更に含み、前記ブースタ送風機(150)は、前記炭素回収システム(134)に向かって流れる前記第2の排気ガス流(122)を加圧するように構成される、請求項11に記載の複合サイクル発電所(100)。
【請求項13】
前記複合サイクル発電所(100)は、前記圧縮機入口(106)に向かって流れ再循環する前記第2の排気ガス流(122)の一部を冷却するように構成された第2の冷却器(180)を更に含む、請求項10に記載の複合サイクル発電所(100)。
【請求項14】
前記第2の冷却器(180)は、前記熱回収蒸気発生器(112)と前記再循環送風機(170)との間に存在する、請求項13に記載の複合サイクル発電所(100)。
【請求項15】
前記第2の冷却器(180)は、前記再循環送風機(170)と前記圧縮機入口(106)との間に存在する、請求項13に記載の複合サイクル発電所(100)。
【請求項16】
複合サイクル発電所(100)であって、
圧縮機入口(106)と、第1の排気ガス流(120)を排出するタービン出口(110)とを含むガスタービンエンジン(102)、
前記タービンの下流に配置された熱回収蒸気発生器(112)であって、前記熱回収蒸気発生器(112)は、
前記第1の排気ガス流(120)を受け取ること、
前記第1の排気ガス流(120)から熱を抽出して蒸気を発生させること、
第2の排気ガス流(122)を排出すること
を実行するように構成された、熱回収蒸気発生器(112)、
蒸気流(128)を排出するように配置された蒸気タービン(104)、
前記蒸気タービン(104)の下流に配置され、前記蒸気流(128)を受け取るように配置された炭素回収システム(134)、
前記熱回収蒸気発生器(112)と前記炭素回収システム(134)との間に配置された第1の冷却器(148)であって、前記第1の冷却器(148)は、前記炭素回収システム(134)に向かって流れる前記第2の排気ガス流(122)の第1の部分を冷却するように構成され、それにより第3の排気ガス流を形成する、第1の冷却器(148)、
前記熱回収蒸気発生器(112)の下流に結合され、前記第2の排気ガス流(122)の第2の部分を加圧して、前記圧縮機入口(106)に向かうように再循環させるための再循環送風機(170)、及び
前記圧縮機入口(106)に向かって流れる空気流(174)を加圧するように構成された空気入口送風機(168)であって、前記第2の排気ガス流(122)の第2の部分と前記空気流(174)とから、加圧された混合流が形成され、その後で混合物が前記圧縮機入口(106)に流入する、空気入口送風機(168)
を含む、複合サイクル発電所(100)。
【請求項17】
前記複合サイクル発電所(100)はコントローラ(172)を更に含み、前記コントローラ(172)は、
再循環送風機(170)及び空気入口送風機(168)の電力消費を監視すること、
前記蒸気流(128)を前記炭素回収システム(134)に向けて排出することに起因する蒸気サイクル損失を決定すること、及び
前記圧縮機入口(106)に向かって流れ再循環する前記排気ガス流の流量及び温度のうちの少なくとも一方を調節して、送風機の電力消費量及び前記蒸気サイクル損失を上回るように前記複合サイクル発電所(100)の正味の出力を増加させること
を実行するように構成される、請求項16に記載の複合サイクル発電所(100)。
【請求項18】
前記複合サイクル発電所(100)は、前記圧縮機入口(106)に向かって流れ再循環する前記第2の排気ガス流(122)の第2の部分を冷却するように構成された第2の冷却器(180)を更に含む、請求項16に記載の複合サイクル発電所(100)。
【請求項19】
前記第2の冷却器(180)は、前記熱回収蒸気発生器(112)と前記再循環送風機(170)との間に存在する、請求項18に記載の複合サイクル発電所(100)。
【請求項20】
前記第2の冷却器(180)は、前記再循環送風機(170)と前記圧縮機入口(106)との間に存在する、請求項18に記載の複合サイクル発電所(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に発電システムに関し、より具体的には、加圧された排気ガスを再循環させてプラント出力を向上させるシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
少なくとも一部の既知の発電所は、炭素及び水素を含有する燃料(石炭、石油、泥炭、廃棄物、バイオ燃料、天然ガスなど)を燃焼させることにより得られるエネルギーを生成する。このような燃料は、炭素及び水素に加えて、酸素、水分、及び/又は汚染物質を含む場合がある。そのため、このような燃料の燃焼により、灰、二酸化炭素(CO2)、硫黄化合物(多くの場合、「SOx」と呼ばれる硫黄酸化物の形態)、窒素化合物(多くの場合、「NOx」と呼ばれる窒素酸化物の形態)、塩素、水銀、及び/又は微量元素の形態の汚染物質を含むガス流が生成される場合がある。
【0003】
ガス流から汚染物質を除去するために、少なくとも一部の既知の発電所では、排気流が大気中に放出される前に汚染物質を捕捉しようとする捕捉システムを使用する場合がある。例えば、一部の既知の発電所では、燃焼後に二酸化炭素(CO2)を回収し、回収したCO2を地下に貯蔵して大気中に放出されるCO2の量を低減する炭素回収システムを使用する場合がある。しかし、炭素回収プロセスに電力が必要なので、炭素を回収するプロセスによって発電所の全体的な効率が低下する、及び/又は発電所の発電量を制限してしまう恐れがある。したがって、このような発電所システムの少なくとも一部は、発電効率を低下させて運転される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
一態様では、圧縮機入口と、第1の排気ガス流を排出するタービン出口とを有するガスタービンエンジンを含む複合サイクル発電所が提供される。熱回収蒸気発生器は、タービンエンジンの下流に配置され、前記熱回収蒸気発生器は、前記第1の排気ガス流を受け取ること、前記第1の排気ガス流から熱を抽出すること、及び第2の排気ガス流を排出することを実行するように構成されている。蒸気タービンは、蒸気流を排出するように構成されている。炭素回収システムは、前記蒸気タービンの下流に配置され、前記蒸気流を受け取るように配置されている。再循環送風機は、前記熱回収蒸気発生器の下流に結合され、前記第2の排気ガス流の一部を加圧して、前記圧縮機入口に向かうように再循環させる。空気入口送風機は、前記圧縮機入口に向かって流れる空気流を加圧するように構成され、前記第2の排気ガス流の一部と前記空気流とから、加圧された混合流が形成され、その後で混合物が前記圧縮機入口に流入する。空気入口送風機は、前記圧縮機入口に向かって流れる空気流を加圧するように構成され、前記第2の排気ガス流の一部と前記空気流とから、加圧された混合流が形成され、その後で混合物が前記圧縮機入口に流入する。
【0006】
更に別の態様では、圧縮機入口と、第1の排気ガス流を排出するタービン出口とを有するガスタービンエンジンを含む複合サイクル発電所が提供される。熱回収蒸気発生器は、前記タービンの下流に配置され、前記第1の排気ガス流を受け取ること、前記第1の排気ガス流から熱を抽出すること、第2の排気ガス流を排出することを実行するように構成されている。蒸気タービンは、蒸気流を排出するように構成されている。炭素回収システムは、前記蒸気タービンの下流に配置され、前記蒸気流を受け取るように配置されている。第1の冷却器は、前記熱回収蒸気発生器と前記炭素回収システムとの間に配置されている。前記第1の冷却器は、前記炭素回収システムに向かって流れる前記第2の排気ガス流を冷却するように構成され、それにより第3の排気ガス流を形成する。再循環送風機は、前記第3の排気ガス流の一部を加圧して、前記圧縮機入口に向かうように再循環させる。空気入口送風機は、前記圧縮機入口に向かって流れる空気流を加圧するように構成され、前記第3の排気ガス流の一部と前記空気流とから、加圧された混合流が形成され、その後で混合物が前記圧縮機入口に流入する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】例示的な複合サイクル発電所の概略図である。
【
図2】別の例示的な複合サイクル発電所の概略図である。
【
図3】別の例示的な複合サイクル発電所の概略図である。
【
図4】更に別の例示的な複合サイクル発電所の概略図である。
【
図5】さらなる例示的な複合サイクル発電所の概略図である。
【
図6】別の例示的な複合サイクル発電所の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に記載される実施形態は、加圧された排気ガスの再循環を利用してプラント出力を向上させる発電システムに関する。基本的な考え方は、加圧された入口空気と加圧された排気ガスの再循環との両方を使用してガスタービン圧縮機の入口圧力を高める(すなわち、過給する)ことである。圧縮機に与えられるブーストにより、ガスタービンの出力は、少なくとも、送風機ファンの電力消費と、炭素回収システムへの蒸気輸送による蒸気サイクル損失との両方を相殺するのに十分なレベルまで増加する。一実施形態では、入口空気と排気ガス再循環とを加圧するファンだけを使用し、したがって、ガスタービン排気と排熱回収ボイラ(HRSG)排気を適度に加圧し、HRSGの下流にある吸収塔への供給物質を加圧するための追加の送風ファンをできるだけ必要としないようにすることができる。代替の実施形態では、追加のファン又は第3のファンを使用して炭素回収システムへの供給物質を加圧してもよいし、追加のファン又は第3のファンを、排気部において誘引通風機として使用してもよい。したがって、本明細書に記載されるシステムは、排気ガスがガスタービン入口部に再循環されることで失われるプラント出力を回収することができる。
【0009】
特に断りのない限り、本明細書において使用される近似を表す言葉(「概ね」、「実質的に」、及び「およそ」など)は、その言葉で修飾された用語が、当業者であれば認識するように、絶対的又は完全な程度のものではなく、単に近似的な程度のものとして適用され得ることを示す。したがって、「およそ」、「約」、「実質的」などの1つ又は複数の用語によって修飾された値は、特定された正確な値に限定されるべきではない。少なくとも一部の事例では、近似を表す言葉は、その値を測定する機器の精度に対応する場合がある。更に、別段の指定がない限り、本明細書では、「第1」、「第2」などの用語は、単にラベルとして使用されており、これらの用語が言及する項目に順序的要件、位置的要件、又は階層的要件を課すことを意図したものではない。更に、例えば、「第2」の項目への言及は、例えば、「第1」即ち小さい番号の項目又は「第3」即ち大きい番号の項目の存在を必要とするものでもなく、排除するものでもない。
【0010】
図1は、例示的な複合サイクル発電所100の概略図である。例示的な実施形態では、発電所100はガスタービン102及び蒸気タービン104を含む。ガスタービン102は、圧縮機106、燃焼器108、及びタービン110を含んでおり、これらは流体的に直列関係にある。動作においては、燃焼器108は圧縮機部106から空気を受け取るとともに燃料供給部から燃料を受け取り、燃料と空気を使用して燃料空気混合物を作り、燃料空気混合物は燃焼して燃焼ガスが発生する。燃焼ガスはタービン110を流れ、タービン110から排出される。例示的な実施形態では、発電所100は、熱回収ボイラ(HRSG)112及び蒸気タービン104を含む蒸気サイクル構成も含んでいる。一部の実施形態では、蒸気サイクル構成は、凝縮器114及び少なくとも1つの循環ポンプ116を含む他の構成要素を含むこともできる。
【0011】
HRSG112は、ガスタービン102からの第1の排気ガス流120を受け入れるように方向付けられ、サイズが決められた入口118を含む。第1の排気ガス流120から熱が抽出され、第2の排気ガス流122は、第1の排気ガス流120の温度よりも低い温度で、第1の出口部124を流れて排出される。HRSG112は、第1の蒸気流128を排出する第2の出口部126も含む。蒸気タービン104は、第1の蒸気流128を受け取り、その後、循環流130を排出する。一部の実施形態では、蒸気タービン104は、下流側に追加の圧力蒸気タービンを含むことができる。例示的な実施形態では、ガスタービン102及び蒸気タービン104の各々は、電力を発生させるのに使用される発電機132に結合されている。
【0012】
例示的な実施形態では、発電所100は、炭素回収システム134も含んでいる。動作の間、炭素回収システム134は、炭素が減少した排気流140及び二酸化炭素流138を生成する。炭素回収システム134は、1つ又は複数の分離器を含むことができ、1つ又は複数の分離器は、単独で使用されてもよいし、他の分離プロセス(二酸化炭素選択膜技術、吸収法、隔膜など)と組み合わせて使用されてもよい。排気流140は、炭素回収システム134から周囲環境に排出することができる。他の一部の実施形態では、排気流140は、更に処理された後に、環境又は他の場所に排出される。二酸化炭素流138の少なくとも一部は、例えば、輸送及び/又は貯蔵のために、超臨界圧状態にすることができる。
【0013】
炭素回収システム134は、一般に、吸収器142、ストリッパ144、及び再沸器146を含んでいる。動作においては、HRSG112から排出された第2の排気ガス流122は吸収器142に向かって流れる。排ガス122は、吸収器142に入る前に、微粒子及び不純物(SOx及びNOxなど)の除去のために前処理することができる。更に、例示的な実施形態では、HRSG112と炭素回収システム134との間に、第1の冷却器148及びブースタ送風機150が結合されている。第1の冷却器148(例えば、急冷塔)は、排ガス流122の一部を冷却して炭素回収システム134に供給する。ブースタ送風機150は、排ガス流122の当該一部が炭素回収システム134に供給される前に排ガス流122の当該一部を加圧し、炭素回収システム134内の圧力を制御しやすくする。
【0014】
吸収器142の底部から、二酸化炭素を豊富に含む溶媒152が排出され、ポンプ154を経由して、ストリッパ144に送られる。また、ストリッパ144の底部から、二酸化炭素が少ない溶媒156が排出され、再沸器146、ポンプ166、及び熱交換器158を経由して、吸収器142の上部に戻る。吸収器142は、気液接触及び気液吸収を行うための典型的な構造とすることができる。吸収器142及びストリッパ144は、様々な内部構成要素(例えば、トレイ、パッキン、及び/又は支持体など)を組み込むことができる。一実施形態では、吸収器142は、流入する排気ガスの向流によって二酸化炭素を吸収する。ストリッパ144は溶媒152から二酸化炭素を除去する。吸収器142及びストリッパ144は、除去したいと考える二酸化炭素の量に基づいて様々なサイズとすることができ、様々な工学設計方程式に基づいてサイズを決定することができる。更に、単一のストリッパ144が複数の吸収器142を兼ねてもよい。
【0015】
例示的な例では、この溶媒は、典型的には、一つ又は複数の吸収性化合物の溶液又は分散液(典型的には水)とすることができ、つまり、この吸収性化合物は、水中で吸収性流体を生成する化合物であり、水単独と比較して、排気ガスから二酸化炭素を優先的に除去する能力を高くすることができる。例えば、溶媒は、モノエタノールアミン(MEA)とすることができるが、これに限定されることはない。溶媒の劣化を抑制するために、溶媒に抑制剤を含めることができる。
【0016】
例示的な実施形態では、溶媒152は向流熱交換器158内で溶媒156と熱交換して予熱され、その後、ストリッパ144の上部に供給される。ストリッパ144は加圧ユニットであり、加圧ユニットにおいて、溶媒152から二酸化炭素が回収される。ストリッパ144は、一般に、ストリッパ144の下部から流出する溶媒156の一部を受け取る再沸器146を組み込んでいる。再沸器146は溶媒156を蒸発させ、溶媒蒸気160をストリッパ144に供給して二酸化炭素の分離を促進する。単一のストリッパは、複数の再沸器146を含んでいてもよい。再沸器146は、蒸気タービン104から供給された蒸気(循環流などからの蒸気)を受け取り、再沸器146内に熱負荷が与えられる。
【0017】
ストリッパ144の上部から出る蒸気162は、オーバーヘッド凝縮器165で蒸気162の一部が凝縮される。蒸気162の凝縮した部分は還流164としてストリッパ144に戻される。還流164は、アキュムレーター(図示せず)及びポンプ(図示せず)を経由して、ストリッパ144に流入することができる。二酸化炭素ガス流138は、凝縮器165から取り出され、輸送及び/又は貯蔵することができる。
【0018】
例示的な実施形態では、発電所100は、空気入口送風機168、再循環送風機170、及びコントローラ172も含んでいる。空気入口送風機168は、圧縮機106の入口176に向かって流れる空気流174を加圧する。この実施形態では、第2の排気ガス流122の一部も、排気ガス再循環流178として入口176に向かって再循環される。再循環送風機170は、排気ガス再循環流178が圧縮機106の入口118に流入する前に、排気ガス再循環流178を加圧する。一部の実施形態では、空気流174と排気ガス再循環流178が混合され、加圧された混合流蒸気(図示せず)が形成された後に、混合気が圧縮機入口に流入する。したがって、圧縮機入口のブーストにより、発電所100の電力密度の増加が促進される。
【0019】
しかし、送風機150、168、及び170の動作による電力消費によって、発電所の効率が低下する恐れもある。特定の理論に縛られることなく、入口118で受ける加圧によって、発電所100の出力は、発電所100の運転中の送風機の電力消費及び蒸気サイクル損失により発生する効率の低下よりも大きくなるように改善できると考えられる。
【0020】
例示的な実施形態では、発電所100は、発電所100の動作を監視する及び/又は制御するコントローラ172も含んでいる。例えば、コントローラ172は、送風機150、168、及び/又は170の電力消費を監視することができ、例えば、炭素回収システム134に向かう排出流130に起因する蒸気サイクル損失を決定することもできる。コントローラ172は、電力消費量及び蒸気サイクル損失を動的に決定し、それに応じて発電所100の運転を調整することもできる。したがって、一実施形態では、コントローラ172は、送風機150、168及び/又は170の動作を可変的に調整し、圧縮機106がブーストされた結果として、電力消費量及び蒸気サイクル損失に対応できる程度まで、プラント出力を改善する。すなわち、コントローラ172は、圧縮機入口に向かう排気ガス再循環流178及び/又は空気流174の流量を調節して、発電所100の出力が、送風機の電力消費及び蒸気サイクル損失により発生する損失よりも大きくなるように、改善することができる。例示的な実施形態では、送風機150、168、及び/又は170のサイズ、及び/又は再循環ラインの全体的なサイズは、ベース負荷における最小限の制御動作で所定の所望の混合物が供給できるように可変的に選択される(即ち、フルブースト)。送風機速度を変調する、及び/又は送風機ガイドベーン(図示せず)の位置を変化させることにより、電力が減少するときの流量を管理し、ブーストを減少させることができる。少なくとも幾つかの低減負荷時において、及び少なくとも幾つかの低減負荷時よりも低い低減負荷において、少なくとも1つの送風機168、170、175(
図5に示す)及び/又は場合によっては送風機190(
図6に示す)への動力の供給を停止し、EGRダクトのダンパによって再循環流量制御を実行することができる。例示的な実施形態では、プラント出力は一般に燃焼される燃料の総量に比例し、これは、圧縮機入口におけるガス流量によって制約を受ける。EGR並びに入口送風機168及び/又は送風機170若しくは送風機175によって、入口圧力が大気圧よりも大きくなるようにすると、ガス流が圧縮機から燃焼器において略線形に増加し、その結果、電力出力が線形に増加する。より一般的に言えば、このような作用は、物理的に低い高度にある発電所を運転するのと類似しており、空気の密度は、海面における空気の密度よりも高い又は発電所の位置における実際の密度よりも高い。
【0021】
図2は、別の例示的な複合サイクル発電所100の概略図である。例示的な実施形態では、発電所100は空気入口送風機168及び再循環送風機170を含むが、ブースタ送風機150(
図1に示されている送風機150)は含まれていない。
図1に示される実施形態において、送風機150を含むかどうかは、HRSG、GT排気ダクト、及び吸収器142の設計上の内部圧力能と、これらの設備がクリーンな排気を大気に排出するまでのドラフト損失とに関係する。
図2において、発電所100の排気システムは、
図1に示される発電所100と比較して、わずかに増大した圧力で動作するように設計されており、したがって、送風機150を排除して、システムを簡素化し信頼性を向上させることができる。
図2に示される実施形態では、性能も一般にはある程度は向上するはずである。これは、タービンエキスパンダ110で失われる電力は、送風機150を含むことにより消費されると考えられる電力よりも少ないはずだからである。その結果、
図2の実施形態では、圧縮機のブーストの結果、出力電力を増加しやすくすることができる。
【0022】
図3及び4は、他の例示的な複合サイクル発電所100の概略図である。例示的な実施形態では、発電所100は、排気ガス再循環流178が圧縮機入口に流入する前に排気ガス再循環流178の冷却を促進する第2の冷却器180(急冷塔など)を含んでいる。冷却器180による入口176のEGRガスの温度と、冷却器148による吸収器142のEGRガスの温度を、独立して制御することによって、各ストリームの温度を容易に最適化することができる。第2の冷却器180は、
図3に示されているように、HRSG112と再循環送風機170との間に配置してもよいし、
図4に示されているように、再循環送風機170と圧縮機入口との間に配置してもよい。第2の冷却器180を再循環送風機170と圧縮機入口との間に配置することにより、再循環送風機170により引き起こされる加圧によって生じる排気ガス再循環流178の温度上昇を抑えることができる。機器が追加されると、発電所100のコストと複雑さが増加するが、これらのコストよりも、送風機170の前又は後に冷却器180を組み込むことの利点が大きく、これは、冷却された混合インレットガスの温度が圧縮機106に付与されることが電力出力に有益だからである(例えば、ガスの密度が高くなり、同じプラント出力を得るのに必要なブースト圧力が低減されることによる)。冷却を行うと、凝縮によって、EGR流の水分を低減することもできる。
【0023】
図5及び6は、他の例示的な複合サイクル発電所100の概略図である。より具体的には、
図5に示す例示的な実施形態では、発電所100は、単一のブースト送風機又は圧縮機175において、排気ガス再循環流178及び入口空気流174を加圧し、この加圧の後で、複合流179が圧縮機入口に流入する。送風機175を使用することによって、正味のプラント出力を増加させることができる。例示的な実施形態では、入口空気流174は、入口フィルタ181を流れた後で、排気ガス再循環流178と合流する。機器を追加すると発電所100の複雑性が増加する恐れはあるが、この損失よりも、発電所100が使用する送風機の数が低減されるという利点が大きい。更に、単一の送風機175の場合、圧縮機入口に対する単一の送風機の位置に関して、配置の柔軟性があり、例えば、再循環流178が圧縮機入口に流入する前に追加の入口調整をすることができる。更に、発電所100の運転条件次第では、単一の送風機175によって、コストを削減すること、メンテナンスを容易に行うこと、及び/又はアクセスが容易に行うことができる。更に、送風機175は、本明細書に記載されている各実施形態の発電所100で使用される他の送風機と同様に、発電所の負荷の要件に応じて、動力の供給を停止することができる。本実施形態では、冷却器148の下流の排気再循環供給接続部は、排気流が吸収器142に流入する前に及び/又は排気流が蒸気178によってタービン入口に流入する前に、排気流148の冷却を促進することができる。このような配置により、発電所100の排気システムの複雑さを低減する及び/又は簡略化することができる。
【0024】
図6に示す実施形態では、送風機175(
図5に示す)が取り除かれており、フロー179を加圧するために、シャフトドライブ型ブースト送風機190を有する圧縮機が含まれている。一実施形態では、送風機190は、パワートレインに対する送風機190の速度を減速するためのギアを含んでいる。送風機190によって、送風機を通過した後の入口ガス処理の選択肢は少なくなるが、送風機190は主圧縮機入口106の近くで主圧縮機入口106に結合されるため、送風機190によって、他の実施形態と比較して発電所100がコンパクトになる。更に、軸方向のシャフトドライブ型圧縮機は、モータ損失を低減することによって、及び軸方向のシャフトドライブ式の圧縮機の設計は既知のスタンドアロン型送風機と比較して一般的に効率性が高いことが期待されるので、発電所全体の効率を向上させる。更に、専用のシャフトドライブ型ブースタは、ブースト圧力を最適化して発電所全体の出力が増加するように設計の柔軟性を向上させることができるが、電力ブーストが不要な低プラント負荷においては、このようなブースタの電力供給を停止することは更に困難である。
【0025】
本明細書に記載された実施形態は、加圧された排気ガスの再循環を利用してプラント出力を増強する発電システムに関する。加圧された入口空気と加圧された排気ガスの再循環の両方によりガスタービン圧縮機入口圧力に与えられるブーストによって、送風機ファンの電力消費と、炭素回収システムへの蒸気輸送による蒸気サイクル損失との両方を少なくとも相殺するのに十分なガスタービン出力を増加させることができる。例えば、ブーストにより発電所の出力密度が増加し、これによって$/kWベースで改善できると考えられる。したがって、本明細書に記載された送風機によって提供されるブーストを調節することによって、部分負荷性能を向上させるために使用できる調整弁が提供される。
【0026】
本開示の他の態様は、以下の実施形態の主題によって提供される。
[実施形態1]
複合サイクル発電所であって、圧縮機入口と、第1の排気ガス流を排出するタービン出口とを含むガスタービンエンジン、タービンの下流に配置された熱回収蒸気発生器であって、前記熱回収蒸気発生器は、前記第1の排気ガス流を受け取ること、前記第1の排気ガス流から熱を抽出して蒸気を発生させること、第2の排気ガス流を排出することを実行するように構成された、熱回収蒸気発生器、前記熱回収蒸気発生器から蒸気を受け取り、蒸気流を排出するように配置された蒸気タービン、前記蒸気タービンの下流に配置され、前記蒸気流を受け取るように配置された炭素回収システム、前記熱回収蒸気発生器の下流に結合され、前記第2の排気ガス流の一部を加圧して、前記圧縮機入口に向かうように再循環させるための再循環送風機、及び前記圧縮機入口に向かって流れる空気流を加圧するように構成された空気入口送風機であって、前記第2の排気ガス流の一部と前記空気流とから、加圧された混合流が形成され、その後で混合物が前記圧縮機入口に流入する、空気入口送風機を含む、複合サイクル発電所。
[実施形態2]
前記複合サイクル発電所はコントローラを更に含み、前記コントローラは、再循環送風機及び空気入口送風機の電力消費を監視すること、前記蒸気流を前記炭素回収システムに向けて排出することに起因する蒸気サイクル損失を決定すること、及び前記圧縮機入口に向かって流れ再循環する前記排気ガス流の流量を調節して、前記複合サイクル発電所の動作を向上させることを実行するように構成される、実施形態1に記載の複合サイクル発電所。
[実施形態3]
前記複合サイクル発電所は、前記熱回収蒸気発生器と前記炭素回収システムとの間に結合された第1の冷却器を更に含み、前記第1の冷却器は、前記炭素回収システムに向かう前記第2の排気ガス流を冷却するように構成されている、実施形態1又は2に記載の複合サイクル発電所。
[実施形態4]
前記複合サイクル発電所は、前記第1の冷却器と流体連通するブースタ送風機を更に含み、前記ブースタ送風機は、前記炭素回収システムに向かって流れる前記第2の排気ガス流を加圧するように構成される、実施形態1~3のうちのいずれかの実施形態に記載の複合サイクル発電所。
[実施形態5]
前記複合サイクル発電所は、前記圧縮機入口に向かって流れ再循環する前記第2の排気ガス流の一部を冷却するように構成された第2の冷却器を更に含む、実施形態1~4のうちのいずれかの実施形態に記載の複合サイクル発電所。
[実施形態6]
前記第2の冷却器は、前記熱回収蒸気発生器と前記再循環送風機との間に存在する、実施形態1~5のうちのいずれかの実施形態に記載の複合サイクル発電所。
[実施形態7]
前記第2の冷却器は、前記再循環送風機と前記圧縮機入口との間に存在する、実施形態1~6のうちのいずれかの実施形態に記載の複合サイクル発電所。
[実施形態8]
複合サイクル発電所であって、圧縮機入口と、第1の排気ガス流を排出するように配置されたタービン出口とを含むガスタービンエンジン、前記ガスタービンエンジンの下流に配置された熱回収蒸気発生器であって、前記熱回収蒸気発生器は、前記第1の排気ガス流を受け取ること、前記第1の排気ガス流から熱を抽出して蒸気を発生させること、第2の排気ガス流を排出することを実行するように構成された、熱回収蒸気発生器、前記熱回収蒸気発生器の下流に配置され、前記第2の排気ガス流の一部を加圧して、前記圧縮機入口に向かうように再循環させるための再循環送風機、及び前記圧縮機入口に向かう空気流を加圧するように構成された空気入口送風機であって、前記第2の排気ガス流路の一部と前記空気流とから、加圧された混合流が形成され、その後で混合物が前記圧縮機入口に流入する、空気入口送風機を含む、複合サイクル発電所。
[実施形態9]
蒸気流を排出するように配置された蒸気タービン、及び前記蒸気タービンの下流に配置され、前記蒸気流を受け取るように配置された炭素回収システムを含む、実施形態1~8のうちのいずれかの実施形態に記載の複合サイクル発電所。
[実施形態10]
前記複合サイクル発電所はコントローラを更に含み、前記コントローラは、再循環送風機及び空気入口送風機の電力消費を監視すること、前記蒸気流を前記炭素回収システムに向けて排出することに起因する蒸気サイクル損失を決定すること、及び前記圧縮機入口に向かって流れ再循環する前記排気ガス流の流量及び温度のうちの少なくとも一方を調節して、前記複合サイクル発電所の動作を向上させることを実行するように構成される、実施形態1~9のうちのいずれかの実施形態に記載の複合サイクル発電所。
[実施形態11]
前記複合サイクル発電所は、前記熱回収蒸気発生器と前記炭素回収システムとの間に結合された第1の冷却器を更に含み、前記第1の冷却器は、前記炭素回収システムに向かう前記第2の排気ガス流を冷却するように構成されている、実施形態1~10のうちのいずれかの実施形態に記載の複合サイクル発電所。
[実施形態12]
前記複合サイクル発電所は、前記第1の冷却器と流体連通するブースタ送風機を更に含み、前記ブースタ送風機は、前記炭素回収システムに向かって流れる前記第2の排気ガス流を加圧するように構成される、実施形態1~11のうちのいずれかの実施形態に記載の複合サイクル発電所。
[実施形態13]
前記複合サイクル発電所は、前記圧縮機入口に向かって流れ再循環する前記第2の排気ガス流の一部を冷却するように構成された第2の冷却器を更に含む、実施形態1~12のうちのいずれかの実施形態に記載の複合サイクル発電所。
[実施形態14]
前記第2の冷却器は、前記熱回収蒸気発生器と前記再循環送風機との間に存在する、実施形態1~13のうちのいずれかの実施形態に記載の複合サイクル発電所。
[実施形態15]
前記第2の冷却器は、前記再循環送風機と前記圧縮機入口との間に存在する、実施形態1~14のうちのいずれかの実施形態に記載の複合サイクル発電所。
[実施形態16]
複合サイクル発電所であって、圧縮機入口と、第1の排気ガス流を排出するタービン出口とを含むガスタービンエンジン、前記タービンの下流に配置された熱回収蒸気発生器であって、前記熱回収蒸気発生器は、前記第1の排気ガス流を受け取ること、前記第1の排気ガス流から熱を抽出して蒸気を発生させること、第2の排気ガス流を排出することを実行するように構成された、熱回収蒸気発生器、蒸気流を排出するように配置された蒸気タービン、前記蒸気タービンの下流に配置され、前記蒸気流を受け取るように配置された炭素回収システム、前記熱回収蒸気発生器と前記炭素回収システムとの間に配置された第1の冷却器であって、前記第1の冷却器は、前記炭素回収システムに向かって流れる前記第2の排気ガス流の第1の部分を冷却するように構成され、それにより第3の排気ガス流を形成する、第1の冷却器、前記熱回収蒸気発生器の下流に結合され、前記第2の排気ガス流の第2の部分を加圧して、前記圧縮機入口に向かうように再循環させるための再循環送風機、及び前記圧縮機入口に向かって流れる空気流を加圧するように構成された空気入口送風機であって、前記第2の排気ガス流の第2の部分と前記空気流とから、加圧された混合流が形成され、その後で混合物が前記圧縮機入口に流入する、空気入口送風機を含む、複合サイクル発電所。
[実施形態17]
前記複合サイクル発電所はコントローラを更に含み、前記コントローラは、再循環送風機及び空気入口送風機の電力消費を監視すること、前記蒸気流を前記炭素回収システムに向けて排出することに起因する蒸気サイクル損失を決定すること、及び前記圧縮機入口に向かって流れ再循環する前記排気ガス流の流量及び温度のうちの少なくとも一方を調節して、送風機の電力消費量及び前記蒸気サイクル損失を上回るように前記複合サイクル発電所の正味の出力を増加させることを実行するように構成される、実施形態1~16のうちのいずれかの実施形態に記載の複合サイクル発電所。
[実施形態18]
前記複合サイクル発電所は、前記圧縮機入口に向かって流れ再循環する前記第2の排気ガス流の第2の部分を冷却するように構成された第2の冷却器を更に含む、実施形態1~17のうちのいずれかの実施形態に記載の複合サイクル発電所。
[実施形態19]
前記第2の冷却器は、前記熱回収蒸気発生器と前記再循環送風機との間に存在する、実施形態1~18のうちのいずれかの実施形態に記載の複合サイクル発電所。
[実施形態20]
前記第2の冷却器は、前記再循環送風機と前記圧縮機入口との間に存在する、実施形態1~19のうちのいずれかの実施形態に記載の複合サイクル発電所。
【0027】
上記の記載は例示のみを目的とするものであり、当業者であれば、開示された発明の範囲から逸脱することなく、記載された実施形態を変更できることを認識する。当業者であれば、本開示の検討を踏まえて、本発明の範囲内の変形は明らかであり、そのような変形は特許請求の範囲に含まれることが意図されている。
【0028】
本発明の様々な実施形態の特定の特徴は、いくつかの図面に示され、他の図面には示されていない場合があるが、これは単なる便宜上の理由によるものである。更に、上記の「一実施形態」に言及することは、言及された特徴も組み込む追加の実施形態の存在を排除するものとして解釈されることを意図するものではない。本発明の原理に従って、ある図面の任意の特徴は、他の図面の任意の特徴と組み合わせて参照する及び/又は特許請求の範囲に記載することができる
【0029】
本発明は、様々な特定の実施形態に関して説明されているが、当業者であれば、特許請求の範囲の趣旨とその範囲内で変更して実施できることを認識する。
【符号の説明】
【0030】
102 ガスタービン
104 蒸気タービン
108 燃焼器
112 熱回収ボイラ(HRSG)
114 凝縮器
116 循環ポンプ
118 入口
120 第1の排気ガス流
124 第1の出口部
126 第2の出口部
128 第1の蒸気流
132 発電機
134 炭素回収システム
140 排気流
142 吸収器
144 ストリッパ
146 再沸器
152 溶媒
154 ポンプ
160 溶媒蒸気
162 蒸気
164 還流
166 ポンプ
172 コントローラ
176 入口
181 入口フィルタ
【国際調査報告】