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  • 特表-共有結合架橋多糖及びその使用方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-10
(54)【発明の名称】共有結合架橋多糖及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   C08B 37/04 20060101AFI20250703BHJP
   A61K 9/62 20060101ALI20250703BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20250703BHJP
   A61K 35/12 20150101ALI20250703BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20250703BHJP
   A61K 38/00 20060101ALI20250703BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20250703BHJP
【FI】
C08B37/04
A61K9/62
A61K47/36
A61K35/12
A61P3/10
A61K38/00
A61K39/395
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024576994
(86)(22)【出願日】2023-06-30
(85)【翻訳文提出日】2025-02-26
(86)【国際出願番号】 US2023026771
(87)【国際公開番号】W WO2024006544
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】63/357,877
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/452,090
(32)【優先日】2023-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519118164
【氏名又は名称】シギロン セラピューティクス, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SIGILON THERAPEUTICS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ブキャナン, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】スパラジェス, クリストファー エー.
(72)【発明者】
【氏名】デ パオリス, オマール
(72)【発明者】
【氏名】ハリントン, ロジャー イー.
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ウェイヘン
(72)【発明者】
【氏名】ジャンセン, ローレン イー.
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C087
4C090
【Fターム(参考)】
4C076AA64
4C076BB32
4C076CC21
4C076EE36H
4C076EE45H
4C076FF70
4C076GG22
4C084AA03
4C084BA44
4C084NA13
4C085AA13
4C085EE01
4C085EE05
4C087BB63
4C087CA04
4C087MA05
4C087MA37
4C087MA67
4C087NA03
4C087NA13
4C087ZC35
4C090AA02
4C090AA09
4C090BA72
4C090BB53
4C090BB62
4C090BB98
4C090CA46
4C090DA10
4C090DA23
4C090DA24
(57)【要約】
【課題】移植デバイスの機能は、レシピエントの生物学的免疫反応経路に大きく依存する。免疫反応の調節は、これらのデバイスの忠実度、及び機能に有益な効果をもたらし得る。そのため、この目標を達成する、新規な化合物、組成物、及びデバイスが、当該技術分野で必要とされている。
【解決手段】別の多糖ポリマー等の別の部位への共有架橋が可能である多糖ポリマーを含むヒドロゲルカプセル(例えば、アルギネートヒドロゲルカプセル)、ならびにその関連する組成物及び使用が本明細書に記載される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多糖ポリマーであって、
(i)クリック可能な架橋部位と、
(ii)式(I)の化合物:
【化1】

またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
Aが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O)-、-N(R)-、-N(R)C(O)-、-C(O)N(R)-、-N(R)N(R)-、-NCN-、-N(R)C(O)(C-C-アルキレン)-、-N(R)C(O)(C-C-アルケニレン)-、-C(=N(R)(R))O-、-S-、-S(O)-、-OS(O)-、-N(R)S(O)-、-S(O)N(R)-、-P(R-、-Si(OR-、-Si(R)(OR)-、-B(OR)-、または金属であり、これらの各々が、結合基(例えば、本明細書に記載される結合基)に任意選択的に連結され、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
及びLの各々が、独立して、結合、アルキル、またはヘテロアルキルであり、各アルキル及びヘテロアルキルが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
が、結合であり、
Mが、非存在、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々が、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
Pが、1つ以上のRによって任意選択的に置換されたヘテロアリールであり、
Zが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々が、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各R、R、R、R、R、R、及びRが、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、アジド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
あるいはR及びRが、それらが結合した窒素原子と一緒になって、1つ以上のRによって任意選択的に置換された環(例えば、5~7員環)を形成し、
各R、R、R、R、R、及びRが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、S(O)E1、-OS(O)E1、-N(RC1)S(O)E1、-S(O)N(RC1)(RD1)、-P(RF1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、
xが、1または2であり、
yが、2、3、または4である、前記式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、を含む、前記多糖ポリマー。
【請求項2】
前記クリック可能な架橋部位が、前記多糖ポリマー内の糖モノマーに共有結合される、請求項1に記載の多糖ポリマー。
【請求項3】
前記クリック可能な架橋部位が、前記糖モノマー内のカルボキシレート部位に結合される、請求項2に記載の多糖ポリマー。
【請求項4】
前記クリック可能な架橋部位が、アルキル、アルケニル、アルキニル、エステル、ケトン、アミン、アジド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール基を含む、請求項1に記載の多糖ポリマー。
【請求項5】
前記クリック可能な架橋部位が、熱による活性化時に、任意選択的に、銅触媒の非存在下で、第二のクリック可能な架橋部位と反応することが可能である、請求項1に記載の多糖ポリマー。
【請求項6】
前記クリック可能な架橋部位が、例えば、参照標準との比較によって決定される場合、少なくとも約1%、例えば、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、またはそれ以上の密度で前記多糖ポリマー上に存在する、請求項1に記載の多糖ポリマー。
【請求項7】
前記クリック可能な架橋部位が、例えば、参照標準との比較によって決定される場合、1%~10%、例えば、1%~8%、1%~6%、または1%~4%の密度で前記多糖ポリマー上に存在する、請求項1に記載の多糖ポリマー。
【請求項8】
前記多糖ポリマーが、アルギネート、ヒアルロネート、及びキトサンから選択される、請求項1に記載の多糖ポリマー。
【請求項9】
前記多糖ポリマーが、アルギネートである、請求項1に記載の多糖ポリマー。
【請求項10】
前記アルギネートが、高グルロン酸(G)アルギネートまたは高マンヌロン酸(M)アルギネートである、請求項9に記載の多糖ポリマー。
【請求項11】
前記クリック可能な架橋部位が、式(IV)の構造:
【化2】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体を有し、式中、
Aが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、Tが、非存在、O、S、NR53、またはC(R54a)(R54b)であり、
52、R53、R54a、及びR54bの各々が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
が、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、S(O)E1、-OS(O)E1、-N(RC1)S(O)E1、-S(O)N(RC1)(RD1)、-P(RF1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、
xが、1または2であり、
yが、2、3、または4である、請求項1に記載の多糖ポリマー。
【請求項12】
前記式(IV)の化合物が、式(IV-b)の化合物:
【化3】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であり、式中、
50、R51a、及びR51bの各々が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、あるいはR51a及びR51bが、一緒になってオキソ基を形成し、
52a及びR52bの各々が、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、
m及びnの各々が、0、1、2、3、4、5、または6である、請求項11に記載の多糖ポリマー。
【請求項13】
mが、2であり、R52a、R52b、R51a、及びR51bの各々が、独立して、水素である、請求項12に記載の多糖ポリマー。
【請求項14】
前記クリック可能な架橋部位が、表4から選択される構造、またはその薬学的に許容可能な塩を有する、請求項1に記載の多糖ポリマー。
【請求項15】
前記クリック可能な架橋部位が、式(V)の構造:
【化4】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体を有し、式中、
環M及びMの各々が、独立して、アリールまたはヘテロアリールであり、これらの各々が、1~6つのRによって任意選択的に置換され、
52が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
53が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
各RA1、RB1、RC1、RD1、及びRE1が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々が、1~6つのRによって任意選択的に置換され、
各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、あるいは
のうちの2つが、一緒になってアリールまたはヘテロアリール環を形成してもよい、請求項1に記載の多糖ポリマー。
【請求項16】
前記クリック可能な架橋部位が、式(V-a)の構造:
【化5】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体を有し、式中、R53a、R53b、R53c、R53d、R53e、R53f、R53g、R53h、及びR53iの各々が、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、
52が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、-C(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、
各RA1、RB1、RC1、RD1、及びRE1が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々が、1~6つのRによって任意選択的に置換され、
各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルである、請求項15に記載の多糖ポリマー。
【請求項17】
53a、R53b、R53c、R53d、R53e、R53f、R53g、R53h、R53iの各々が、独立して、水素である、請求項16に記載の多糖ポリマー。
【請求項18】
前記クリック可能な架橋部位が、表5から選択される構造、またはその薬学的に許容可能な塩を有する、請求項1に記載の多糖ポリマー。
【請求項19】
前記多糖ポリマーが、式(IV)の化合物もしくは式(V)の化合物のうちの1つ、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、請求項1に記載の多糖ポリマー。
【請求項20】
前記多糖ポリマーが、式(IV)の化合物及び式(V)の化合物の各々、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、請求項1~18のいずれか1項に記載の多糖ポリマー。
【請求項21】
前記式(I)の化合物が、表3から選択される構造、またはその薬学的に許容可能な塩を有する、請求項1に記載の多糖ポリマー。
【請求項22】
前記式(I)の化合物が、化合物100、化合物101、化合物110、化合物112、化合物113、化合物114、化合物122、及び化合物123、またはその薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項1に記載の多糖ポリマー。
【請求項23】
前記式(I)の化合物が、化合物101またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項1に記載の多糖ポリマー。
【請求項24】
前記多糖ポリマーが、アルギネートであり、前記クリック可能な架橋部位が、表4に列挙される化合物またはその薬学的に許容可能な塩から選択され、前記式(I)の化合物が、化合物101またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項1に記載の多糖ポリマー。
【請求項25】
請求項1~24のいずれか1項に記載の多糖ポリマーを含む、組成物。
【請求項26】
請求項1~24のいずれか1項に記載の多糖ポリマーを含む、ヒドロゲルカプセル。
【請求項27】
前記ヒドロゲルカプセルが、前記多糖ポリマー(例えば、本明細書に記載される多糖ポリマー)を含む、単一の区画を含む、請求項26に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項28】
前記ヒドロゲルカプセルが、複数の区画を含み、前記区画のうちの1つが、前記多糖ポリマー(例えば、本明細書に記載される多糖ポリマー)を含む、請求項26に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項29】
前記ヒドロゲルカプセルが、内側区画、及び外側区画を含む、請求項26に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項30】
前記内側区画が、前記クリック可能な架橋部位を含む第一の多糖ポリマーを含み、
前記外側区画が、前記クリック可能な架橋部位を含む第二の多糖ポリマーを含む、請求項29に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項31】
ヒドロゲルカプセルであって、
(i)式(I)の化合物:
式(I):
【化6】

またはその薬学的に許容可能な塩を含む第一の多糖ポリマーを含む内側区画であって、式中、
Aが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O)-、-N(R)-、-N(R)C(O)-、-C(O)N(R)-、-N(R)N(R)-、-NCN-、-N(R)C(O)(C-C-アルキレン)-、-N(R)C(O)(C-C-アルケニレン)-、-C(=N(R)(R))O-、-S-、-S(O)-、-OS(O)-、-N(R)S(O)-、-S(O)N(R)-、-P(R-、-Si(OR-、-Si(R)(OR)-、-B(OR)-、または金属であり、これらの各々が、結合基(例えば、本明細書に記載される結合基)に任意選択的に連結され、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
及びLの各々が、独立して、結合、アルキル、またはヘテロアルキルであり、各アルキル及びヘテロアルキルが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
が、結合であり、
Mが、非存在、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々が、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
Pが、1つ以上のRによって任意選択的に置換されたヘテロアリールであり、
Zが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々が、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各R、R、R、R、R、R、及びRが、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、アジド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
あるいはR及びRが、それらが結合した窒素原子と一緒になって、1つ以上のRによって任意選択的に置換された環(例えば、5~7員環)を形成し、
各R、R、R、R、R、及びRが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、S(O)E1、-OS(O)E1、-N(RC1)S(O)E1、-S(O)N(RC1)(RD1)、-P(RF1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、
xが、1、または2であり、
yが、2、3、または4である、前記内側区画と、
(ii)クリック可能な架橋部位を含む第二の多糖ポリマーを含む外側区画と、を含む、前記ヒドロゲルカプセル。
【請求項32】
前記多糖ポリマー(例えば、第一の多糖ポリマー及び/または第二の多糖ポリマー)が、アルギネート、ヒアルロネート、及びキトサンから選択される、請求項26に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項33】
前記多糖ポリマー(例えば、第一の多糖ポリマー及び/または第二の多糖ポリマー)が、アルギネートである、請求項26に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項34】
前記第一の多糖ポリマーが、アルギネートである、請求項30に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項35】
前記第二の多糖ポリマーが、アルギネートである、請求項30に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項36】
前記アルギネートが、高グルロン酸(G)アルギネートまたは高マンヌロン酸(M)アルギネートである、請求項34~35のいずれか1項に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項37】
前記クリック可能な架橋部位が、式(IV)の構造:
【化7】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であって、式中
Aが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、Tが、非存在、O、S、NR53、またはC(R54a)(R54b)であり、
52、R53、R54a、及びR54bの各々が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
が、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、S(O)E1、-OS(O)E1、-N(RC1)S(O)E1、-S(O)N(RC1)(RD1)、-P(RF1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、
xが、1、または2であり、
yが、2、3、または4である、前記式(IV)の構造、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体、
及び/または式(V)の構造:
【化8】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であって、式中
環M及びMの各々が、独立して、アリールまたはヘテロアリールであり、これらの各々が、1~6つのRによって任意選択的に置換され、
52が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
53が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
各RA1、RB1、RC1、RD1、及びRE1が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々が、1~6つのRによって任意選択的に置換され、
各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、あるいは
のうちの2つが、一緒になってアリールまたはヘテロアリール環を形成してもよい、前記式(V)の構造、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体、を有する、請求項26に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項38】
式(IV)の化合物が、表4の化合物またはその薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項36に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項39】
式(V)の化合物が、表5の化合物またはその薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項36に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項40】
前記外側区画が、式(IV)の化合物を含む第一の多糖ポリマー及び式(V)の化合物を含む第二の多糖ポリマーを含む、請求項30に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項41】
前記式(I)の化合物が、表3から選択される構造、またはその薬学的に許容可能な塩を有する、請求項30に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項42】
前記式(I)の化合物が、化合物100、化合物101、化合物110、化合物112、化合物113、化合物114、化合物122、及び化合物123、またはその薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項30に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項43】
前記式(I)の化合物が、化合物101またはその薬学的に許容可能な塩である、請求項30に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項44】
前記ヒドロゲルカプセルが、0.1mm~5mmの直径を有する、請求項30に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項45】
前記ヒドロゲルカプセルが、1mm~5mmの直径を有する、請求項30~43のいずれか1項に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項46】
前記ヒドロゲルカプセルが、1mm~2.5mmの直径を有する、請求項30~44のいずれか1項に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項47】
前記ヒドロゲルカプセルが、細胞を封入する、請求項30~45のいずれか1項に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項48】
前記細胞が、治療薬を産生する、請求項47に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項49】
前記治療薬が、タンパク質、例えば、ホルモン、血液凝固因子、抗体、または酵素である、請求項48に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項50】
前記ヒドロゲルカプセルが、対象への移植(例えば、腹腔内(IP)空間、腹膜腔、網、網嚢、皮下脂肪への移植)のために製剤化される、請求項30に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項51】
移植可能要素が、対象のIP空間への移植のために製剤化される、請求項30に記載のヒドロゲルカプセル。
【請求項52】
請求項26~51のいずれか1項に記載のヒドロゲルカプセルを含む、組成物。
【請求項53】
請求項1~24のいずれか1項に記載の多糖ポリマーを含む、ヒドロゲルカプセルを製造する方法。
【請求項54】
多糖ポリマーを含むヒドロゲルカプセルの安定性を上昇させる方法であって、前記多糖ポリマーをイオン架橋する、及び前記多糖ポリマーを共有結合架橋する、両方の手段を提供することを含む、前記方法。
【請求項55】
前記多糖ポリマーをイオン架橋する前記手段が、二価カチオン(例えば、Ba2+、Ca2+、Sr2+)の使用を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記多糖ポリマーを共有結合架橋する前記手段が、クリック可能な架橋部位(例えば、アジド及びアルキンの組み合わせ、例えば、DBCO、またはその薬学的に許容可能な塩)の使用を含む、請求項54~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
対象における疾患、障害、または状態を治療するための方法であって、前記対象に、請求項26~51のいずれか1項に記載のヒドロゲルカプセルまたは請求項52に記載の組成物を投与することを含み、それによって、前記対象における前記疾患、障害、または状態を治療する、前記方法。
【請求項58】
前記疾患、障害、または状態が、糖尿病(例えば、1型糖尿病)である、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記疾患、障害、または状態が、糖尿病(例えば、1型糖尿病)ではない、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記対象が、ヒトである、請求項57に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、2022年7月1日に出願された米国出願第63/357,877号及び2023年3月14日に出願された米国出願第63/452,090号の優先権を主張するものである。前述の出願の各々の開示は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
移植デバイスの機能は、レシピエントの生物学的免疫反応経路に大きく依存する(Anderson et al.,Semin.Immunol.20:86-100(2008)、Langer,Adv.Mater.21:3235-3236(2009))。免疫反応の調節は、これらのデバイスの忠実度、及び機能に有益な効果をもたらし得る。そのため、この目標を達成する、新規な化合物、組成物、及びデバイスが、当該技術分野で必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
別の多糖ポリマー等の別の部位への共有架橋が可能な多糖ポリマー、ならびにそれを含むヒドロゲルカプセル、ならびにその組成物及び使用が本明細書に記載される。一実施形態では、多糖ポリマーは、式(IV)もしくは(V)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩等のクリック可能な架橋部位を含む。一実施形態では、多糖ポリマーは、クリック可能な架橋部位(例えば、式(IV)または(V)の化合物)及び式(I)の化合物(例えば、非線維性化合物)、またはその薬学的に許容可能な塩の両方を含む。これらの多糖ポリマーは、細胞を封入することが可能なヒドロゲルカプセルに組み込まれ得る。クリック可能な架橋部位を多糖ポリマー、及び次いで、多糖ポリマーを組み込んだヒドロゲルカプセルを含めることにより、カプセルの直径、安定性、及び完全性を含むヒドロゲルカプセルの所定の特性を調整することを可能になり得る。
【0004】
本発明の1つ以上の実施形態の詳細は、本明細書に記載される。本発明の他の特長、目的、及び利点は、発明を実施するための形態、図面、実施例、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本明細書に記載されるポリマー及び関連するハイドロゲルカプセルの例示的なアーキテクチャを示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本開示は、クリック可能な架橋部位及び式(I)の化合物を含む多糖ポリマー、ならびに関連する組成物、それを含むヒドロゲルカプセル、ならびにその製造方法及び使用を提供する。
【0007】
略語及び定義
本発明がより容易に理解され得るように、所定の技術的及び科学的用語が以下に具体的に定義される。この文書における他の箇所で具体的に定義されない限り、本明細書で使用される全ての他の技術的及び科学的用語は、本発明が属する分野における当業者によって一般的に理解される意味を有する。
【0008】
添付の特許請求の範囲を含む本明細書で使用される場合、例えば、「a」、「an」、及び「the」等の用語の単数形には、文脈が別途明らかに示さない限り、それらの対応する複数の言及が含まれる。
「約」、または「およそ」は、数値的に定義されるパラメータ(例えば、ヒドロゲルカプセルの物理的記載、例えば、直径、球形度、その中に封入された細胞の数、調製物におけるカプセルの数)を修飾するために本明細書で使用される場合、記述される数値が、例えば、測定システムの限界(その測定システムについての許容可能な誤差範囲を含む)が、どのように測定、または決定されたかに部分的に依存する、当業者によって決定される定義されるパラメータについての許容可能な機能的範囲内であることを意味する。例えば、「約」は、記述される数値の20%上、及び下の範囲を意味し得る。非限定的な例として、約1.5ミリメートル(mm)の直径を有し、かつ約500万(M)個の細胞を封入するものとして定義されるヒドロゲルカプセルは、1.2~1.8mmの直径を有し得、4M~6M個の細胞を封入し得る。別の非限定的な例として、約100個のデバイス(例えば、ヒドロゲルカプセル)の調製物には、80~120個のデバイスを有する調製物が含まれる。いくつかの実施形態では、用語「約」は、修飾されたパラメータが、そのパラメータについて記述された数値を、15%、10%、または5%、上回る、または下回るほど様々であり得ることを意味する。代替的に、特に、細胞生産性または非線維性化合物等の本明細書に記載されるデバイスの所定の特性に関して、用語「約」は、記述される値を上回る及び下回る桁内、例えば、5倍、4倍、3倍、2倍、または1倍以内を意味し得る。
【0009】
「取得する」、または「取得すること」は、本明細書で使用される場合、値、または物理的実体を「直接的に取得すること」、または「間接的に取得すること」によって、値の所有物、例えば、数値、または画像、または物理的実体(例えば、試料)を得ることを指す。「直接的に取得すること」は、値、または物理的実体を得るために、プロセスを行うこと(例えば、分析的方法、またはプロトコルを行うこと)を意味する。「間接的に取得すること」は、別の団体、または供給源(例えば、物理的実体、または値を直接的に取得した、第三者の研究室)から、値、または物理的実体を受け取ることを指す。値、または物理的実体を直接的に取得することには、物理的物質の物理的変化を含むプロセス、または機械、もしくはデバイスの使用を行うことが含まれる。値を直接的に取得することの例としては、ヒト対象から試料を得ることが含まれる。値を直接的に取得することとしては、機械、またはデバイスを使用するプロセスを行うこと、例えば、蛍光顕微鏡を使用して、蛍光顕微鏡検査データを取得することが含まれる。
【0010】
「投与する」、「投与すること」、または「投与」は、本明細書で使用される場合、対象に本明細書に記載される実体(例えば、デバイスまたはデバイスの調製)を移植すること、吸収させること、摂取させること、注射すること、またはそうでなければ導入すること、または投与のために対象にそのような実体を提供することを指す。
【0011】
「非線維性」は、本明細書で使用される場合、異物反応(FBR)を緩和する、化合物、または材料を意味する。例えば、非線維性化合物(例えば、表4に列挙される化合物で共有結合的に修飾されたポリマーを含むヒドロゲルカプセル)を含むデバイス(例えば、ヒドロゲルカプセル)の生物学的組織への移植によって誘導されるその組織におけるFBRの量は、任意の非線維性化合物を欠くが、実質的に同じ組成物(例えば、同じ細胞タイプ(複数可))及び構造(例えば、区画のサイズ、形状、数)のものである非線維性ヌル参照デバイスの移植によって誘導されるFBRよりも低い。一実施形態では、FBRの程度は、例えば、WO2017/075630に記載されるような、当該技術分野で知られているアッセイを使用するか、またはVegas,A.,et al.,Nature Biotechnol(上記)に記載されるアッセイ/方法(例えば、移植されたカプセルの皮下カテプシン測定、 マッソントリクローム(MT)、組織切片のヘマトキシリンもしくはエオジン染色、コラーゲン密度の定量化、マクロファージ(CD68またはF4/80)の細胞染色及び共焦点顕微鏡法、筋線維芽細胞(アルファ筋アクチン、SMA)もしくは一般的な細胞沈着、知られている炎症性因子及び免疫細胞マーカーの79のRNA配列の定量化、または好適な試験対象、例えば、免疫正常マウスの腹腔内空間において14日後に回収されたデバイス(例えば、カプセル)上のマクロファージ及び好中球細胞のFACS分析)の1つ以上を使用して、例えば、タンパク質吸着、マクロファージ、多核異物巨細胞、線維芽細胞、及び血管新生を含み得る、移植デバイス(例えば、ヒドロゲルカプセル)を含む組織における免疫学的応答によって評価される。一実施形態では、FBRは、免疫応答の1つ以上のバイオマーカー、例えば、カテプシン、TNF-α、IL-13、IL-6、G-CSF、GM-CSF、IL-4、CCL2、またはCCL4の、埋め込みを含む、組織内のレベルを測定することによって評価される。いくつかの実施形態では、本発明のデバイス(例えば、その外面に配置された非線維性化合物を含む、ヒドロゲルカプセル)によって誘導されるFBRは、FBRヌル参照デバイス、例えば、FBRを軽減するための手段を欠いていることを除いて、試験、または特許請求されるデバイスと実質的に同一であるデバイス(例えば、非線維性化合物を含まないが、それ以外は請求されるカプセルと実質的に同一であるヒドロゲルカプセル)によって誘導されるFBRよりも、少なくとも、約80%、約85%、約90%、約95%、約99%、または約100%低い。いくつかの実施形態では、FBR(例えば、バイオマーカー(複数可)のレベル)は、約30分後、約1時間後、約6時間後、約12時間後、約1日後、約2日後、約3日後、約4日後、約1週間後、約2週間後、約1ヶ月後、約2ヶ月後、約3ヶ月後、約6ヶ月後、またはそれよりも後に測定される。
【0012】
本明細書で使用される場合、「細胞」は、操作された細胞、または操作されていない細胞を指す。一実施形態では、細胞は、不死化細胞、または不死化細胞に由来する操作された細胞である。一実施形態では、細胞は、生存細胞であり、例えば、本明細書に記載される、または当該技術分野で知られている任意の技術によって測定される場合、生存可能である。
【0013】
「細胞結合ペプチド(CBP)」は、本明細書で使用される場合、細胞付着分子(CAM)(例えば、細胞-マトリックス接続、または細胞-細胞接続を媒介する)のリガンドの細胞結合ドメインに由来する、アミノ酸配列を含む、直鎖状、または環状ペプチドを意味する。CBPは、50、40、30、25、20、15、または10アミノ酸未満の長さである。一実施形態では、CBPは、3~12の間のアミノ酸の長さ、4~10アミノ酸の長さ、または3、4、5、6、7、8、9、もしくは10アミノ酸の長さである。CBPアミノ酸配列は、天然に存在する結合ドメイン配列と同一であり得るか、またはその保存的に置換されたバリアントであり得る。一実施形態では、CAMリガンドは、哺乳動物タンパク質である。一実施形態では、CAMリガンドは、以下の表1に列挙される、タンパク質の群から選択されるヒトタンパク質である。一実施形態では、CBPは、以下の表1に列挙される、細胞結合配列、またはその保存的に置換されたバリアントを含む。一実施形態では、CBPは、以下の表1に列挙される、細胞結合配列の少なくとも1つを含む。一実施形態では、CBPは、以下の表1に列挙される、細胞結合配列から本質的になる。一実施形態では、CBPは、RGDペプチドであり、これは、ペプチドが、アミノ酸配列RGD(配列番号43)を含み、任意選択的に、N末端、及びC末端の、一方、または両方に位置する、1つ以上の追加のアミノ酸を含むことを意味する。一実施形態では、CBPは、RGD(配列番号43)を含む環状ペプチド、例えば、Vilaca,H.et al.,Tetrahedron 70(35):5420-5427(2014)に記載される環状RGDペプチドの1つである。一実施形態では、CBPは、RGD(配列番号43)を含む直鎖状ペプチドであり、長さが6アミノ酸未満である。一実施形態では、CBPは、RGD(配列番号43)、またはRGDSP(配列番号59)から本質的になる直鎖状ペプチドである。
【表1】
【0014】
「CBP-ポリマー」は、本明細書で使用される場合、リンカーを介してポリマーに共有結合的に結合された少なくとも1つの細胞結合ペプチド分子を含むポリマーを意味する。一実施形態では、ポリマーは、ペプチド、またはポリペプチドではない。一実施形態では、CBP-ポリマー中のポリマーは、アミノ酸を含有しない。一実施形態では、CBP-ポリマー中のポリマーは、合成、または天然に存在する多糖、例えば、アルギネート、例えば、アルギン酸ナトリウムである。一実施形態では、リンカーは、アミノ酸リンカーであり(すなわち、単一のアミノ酸、またはいくつかの同一の、もしくは異なるアミノ酸のペプチドから本質的になる)、これは、ペプチド結合を介して、CBPのN末端、またはC末端に結合される。一実施形態では、アミノ酸リンカーのC末端は、CBPのN末端に結合され、アミノ酸リンカーのN末端は、アミド結合を介して、多糖中の少なくとも1つのペンダントカルボキシル基に結合される。一実施形態では、リンカー-CBPの構造は、G(1-4)-CBPとして発現され、リンカーが、1つ、2つ、3つ、または4つのグリシン残基を有することを意味する(「G(1-4)」は、配列番号70として開示される)。一実施形態では、CBP-多糖、例えば、CBP-アルギネート)中の単糖部位のうちの1つ以上は、CBPで修飾されておらず、例えば、未修飾部位は、遊離カルボキシル基を有するか、または修飾可能なペンダントカルボキシル基を欠く。一実施形態では、共有結合したCBPを有する多糖部位の数は、以下の値のいずれよりも少ない:99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、1%。
【0015】
一実施形態では、CBP-ポリマー中のCBP修飾の密度は、窒素パーセントに関する燃焼分析によって推定される。一実施形態では、CBP-ポリマーは、RGD-ポリマー(例えば、RGD-アルギネート)であり、これは、リンカー-RGD分子(例えば、GRGD(配列番号62)、またはGRGDSP(配列番号60)から本質的なるペプチド)であり、リンカー-RGD分子修飾の密度(例えば、コンジュゲーション密度)は、本明細書に記載されるアッセイを用いて決定した場合、約0.05%窒素(N)~1.00%N、約0.10%N~0.75%N、約0.20%N~約0.50%N、または約0.30%N~約0.40%Nである。一実施形態では、RGD-アルギネート(例えば、GRGDSP(配列番号60)で共有結合修飾された、MMWアルギネート)中の、リンカー-RGD修飾のコンジュゲーション密度は、ポリマーにコンジュゲートされたペプチドの量を定量化することが可能である任意のアッセイ(例えば、本明細書に記載される定量的ペプチドコンジュゲーションアッセイ)によって決定した場合、粘度が80~120cPの溶液中のRGD-ポリマー1gあたり、0.1~1.0、0.2~0.8、0.3~0.7、0.3~0.6、0.4~0.6マイクロモルのリンカー-RGD部位を含む。別途明示的に述べられていない限り、または文脈から容易に明らかでない限り、CBP-ポリマー中のCBPの具体的に記述される、数値濃度、濃度範囲、密度、または密度範囲は、コンジュゲートされたCBP分子の濃度、または密度を指し、すなわち、CBP-ポリマー中に存在し得る残留遊離(例えば、コンジュゲートされていない)CBPを含まない。
【0016】
「細胞結合ポリペプチド(CBPP)」は、本明細書で使用される場合、少なくとも50個、少なくとも75個、または少なくとも100個のアミノ酸長のポリペプチドであって、CAMリガンドの細胞結合ドメインのアミノ酸配列、またはその保存的に置換されたバリアントを含む、ポリペプチドを意味する。一実施形態では、CAMリガンドは、哺乳動物タンパク質である。一実施形態では、CBPPアミノ酸は、完全長CAMリガンド、例えば、表1に列挙されるタンパク質のうちの1つ、またはその保存的に置換されたバリアントの天然に存在するアミノ酸配列を含む。
【0017】
「CBP密度」は、本明細書で使用される場合、本明細書で別途明示的に述べられていない限り、CBP-ポリマー、例えば、G1-3RGD(配列番号63)またはG1-3RGDSP(配列番号64)で修飾されたアルギネート中のリンカー-CBP部位の量または濃度を指す。
【0018】
「細胞結合物質(CBS)」は、本明細書で使用される場合、細胞-マトリックス接続または細胞-細胞接続または他の受容体媒介シグナル伝達を媒介する細胞-付着分子(CAM)または他の細胞-表面分子のリガンドの少なくとも1つの活性を模倣することが可能である任意の化学的、生物学的、または他のタイプの物質(例えば、小さな有機化合物、ペプチド、ポリペプチド)を意味する。一実施形態では、細胞を封入するポリマー組成物中に存在する場合、CBSは、細胞のうちの1つ以上と一過性または永久的な結合または接触を形成することが可能である。一実施形態では、CBSは、ポリマー組成物に封入された2つ以上の生存細胞間の相互作用を容易化する。一実施形態では、複数の細胞(例えば、生存細胞)を封入するポリマー組成物におけるCBSの存在は、封入された細胞が試験対象、例えば、マウスに移植された場合、増加した細胞生産性(例えば、治療薬の発現)及び増加した細胞生存性の一方または両方と相関する。一実施形態では、CBSは、ポリマー組成物における1つ以上のポリマー分子に物理的に結合される。一実施形態では、CBSは、本明細書で定義されるように、細胞結合ペプチドまたは細胞結合ポリペプチドである。
【0019】
「保存的に修飾されたバリアント」、または「保存的置換」は、本明細書で使用される場合、そのアミノ酸配列において1つ以上の保存的アミノ酸置換を有することを除き、参照分子と同一である、参照ペプチド、またはポリペプチドのバリアントを指す。一実施形態では、保存的に修飾されたバリアントは、参照アミノ酸配列と少なくとも70%、80%、85%、90%、95%、97%、98%または99%同一であるアミノ酸配列からなる。保存的アミノ酸置換は、同様の特徴(例えば、電荷、側鎖サイズ、疎水性/親水性、骨格コンフォメーション及び剛性等)を有し、かつ得られる置換されたペプチドまたはポリペプチドの生物学的活性に最小の影響を有するアミノ酸でのアミノ酸の置換を指す。機能的に同様のアミノ酸の保存的置換表は、当該技術分野でよく知られており、機能的特徴によってグループ化された例示的な置換が、以下の表2に示されている。
【表2】
【0020】
「から本質的になる(Consists essentially of)」、及び類型、例えば、「から本質的になる(consist essentially of)」または「から本質的になる(consisting essentially of)」は、本明細書及び特許請求の範囲を通して使用される場合、任意の記述される要素または要素の群の包含、及び特定された分子、組成物、デバイス、または方法の基礎的なまたは新規な特性を実質的に変更しない、記述される要素と同様か、または異なる特質の他の要素の任意の包含を示す。非限定的な例として、記述されるアミノ酸配列から本質的になる細胞結合ペプチドまたは治療用タンパク質はまた、記述されるアミノ酸配列内の置換を含む、それぞれ、細胞結合ペプチドまたは治療用タンパク質の関連する生物学的活性に重大な影響を及ぼさない、1つ以上のアミノ酸残基の1つ以上のアミノ酸を含み得る。別の非限定的な例として、記述されるアミノ酸配列から本質的になる細胞結合ペプチドは、細胞結合ペプチドの関連する生物学的活性、例えば、本明細書に記載される封入された細胞の生存性また生産性を増加させる能力を実質的に変化させない1つ以上の共有結合した部位(例えば、放射性標識または蛍光標識)を含有し得る。
【0021】
「架橋された」、及び「架橋」等のその類型、または「x連結された」は、本明細書で使用される場合、2つのポリマー間の少なくとも1つの化学結合(例えば、イオン結合、例えば、共有結合)を指す。いくつかの実施形態では、2つ以上の化学結合が存在する場合、架橋は、共有結合、及びイオン結合の両方の混合物を指す。いくつかの実施形態では、2つ以上の化学結合が存在する場合、架橋は、異なるタイプの共有結合(例えば、異なる、またはオルソゴナルな官能基を含む共有結合)を指す。いくつかの実施形態では、2つ以上の化学結合が存在する場合、架橋は、同一のタイプの共有結合(例えば、同一の官能基を含む共有結合)を指す。いくつかの実施形態では、2つ以上の化学結合が存在する場合、架橋は、同一のタイプのイオン結合(例えば、同一のイオン、例えば、Ba2+を含むイオン結合)を指す。
【0022】
「に由来する」は、細胞に関して本明細書で使用される場合、組織、細胞株、または細胞から得られた細胞を指し、任意選択的に、次いで、培養、継代、分化、誘導等がされて誘導された細胞を産生する。例えば、間葉幹細胞は、間葉組織に由来し、次いで、多様な細胞タイプに分化させられ得る。
【0023】
「デバイス」は、本明細書で使用される場合、本明細書に記載される、任意の移植可能な物体(例えば、粒子、ヒドロゲルカプセル、インプラント、医療機器)を指す。いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイスの埋め込み後に治療薬を発現し得る細胞(例えば、生存細胞)を含有し、細胞栄養素がデバイスに入ることを可能にすることによって細胞の生存性を支援する構成を有する。いくつかの実施形態では、デバイスは、生存細胞によって生成された、代謝副産物、及び/または治療薬の、デバイスからの放出を可能にする。
【0024】
「差容積」とは、本明細書で使用される場合、別の区画(複数可)が占有する空間を除外する、本明細書に記載されるデバイス内の1つの区画の容積を指す。例えば、内側区画及び外側区画を有する2区画デバイス内の第二の(例えば、外側)区画の差容積は、第一の(内側)区画によって占有される空間を除外する第二の区画内の容積を指す。
【0025】
「有効量」とは、本明細書で使用される場合、生物学的反応を誘発するのに十分な、例えば、疾患、障害、もしくは病態を処置するのに十分な、細胞、例えば、操作された細胞、または細胞、例えば、操作されたRPE細胞によって産生された薬剤を含む、複数のヒドロゲルカプセル等といった、デバイス、デバイス組成物、またはデバイスもしくはデバイス化合物の成分の量を指す。いくつかの実施形態では、用語「有効量」は、デバイスの構成要素の量、例えば、デバイス内の細胞の数、またはデバイスの表面及び/またはバリア区画に配置された非線維性化合物の密度を指す。当業者によって理解されるように、有効量は、所望の生物学的エンドポイント、治療薬、組成物またはデバイス(例えば、カプセル、粒子)の薬物動態、治療されている状態、投与様式、ならびに対象の年齢及び健康等の要因に応じて変化し得る。有効量には、治療上、及び予防上の処置が包含される。例えば、FBRを軽減するために、有効量の式(I)の化合物は、埋め込まれたデバイス上、もしくはその近傍の、線維症を軽減し得る、または線維性組織の成長、もしくは広がりを停止させ得る。別の例として、有効量のCBSは、デバイス内の細胞の生存性(例えば、生存細胞の数)を増強し、及び/または細胞によって発現及び/または分泌される治療薬のレベルを増加させ得る。デバイス、組成物、または構成要素、例えば、非線維性化合物またはCBSの有効量は、当該技術分野で知られているか、または本明細書に記載される任意の技術によって判定されてもよい。
【0026】
「内因性核酸」は、本明細書で使用される場合、対象細胞において天然に存在する核酸である。
【0027】
「内因性ポリペプチド」は、本明細書で使用される場合、対象細胞において天然に存在するポリペプチドである。
【0028】
「操作された細胞」は、本明細書で使用される場合、天然に存在しない改変を有する細胞であり、典型的には、操作されていない同様の条件下で、他の点では同様の細胞に存在しない(または異なるレベルで存在する)、核酸配列(例えば、DNA、またはRNA)(例えば、外因性核酸配列)、またはポリペプチドを含む。一実施形態では、操作された細胞は、外因性核酸(例えば、ベクター、または改変された染色体性配列)を含む。一実施形態では、操作された細胞は、外因性ポリペプチドを含む。一実施形態では、操作された細胞は、外因性核酸配列、例えば、操作されていない同様の細胞に存在しない、配列、例えば、DNA、またはRNAを含む。一実施形態では、外因性核酸配列は、染色体性であり、例えば、外因性核酸配列は、内因性染色体配列内に配置された外因性配列である。一実施形態では、外因性核酸配列は、染色体性、または染色体外性、例えば、非組み込みベクターである。一実施形態では、外因性核酸配列は、RNA配列、例えば、mRNAを含む。一実施形態では、外因性核酸配列は、RNA、例えば、mRNA、または制御性RNAとして発現する配列を含む、染色体性、または染色体外性外因性核酸配列を含む。一実施形態では、外因性核酸配列は、ポリペプチドをコードする、またはポリペプチドとして発現する配列を含む、染色体性、または染色体外性核酸配列を含む。一実施形態では、外因性核酸配列は、第二の核酸配列のコンフォメーション、または発現を調節する、第一の染色体性、または染色体外性外因性核酸配列を含み、第二のアミノ酸配列は、外因性、または内因性であり得る。例えば、操作された細胞は、内因性配列の発現を制御する外因性核酸を含み得る。一実施形態では、操作された細胞は、操作されていない同様の細胞に見られるレベルとは異なる、レベル、または分布で存在するポリペプチドを含む。一実施形態では、操作された細胞は、RNA、またはポリペプチドを産生するように操作されたRPEを含む。例えば、操作された細胞は、RNA、例えば、mRNA、または制御性RNAとして発現する配列を含む、染色体性、または染色体外性外因性核酸配列を含む、外因性核酸配列を含み得る。一実施形態では、操作された細胞(例えば、RPE細胞)は、ポリペプチドをコードする、またはポリペプチドとして発現する配列を含む、染色体性、または染色体外性核酸配列を含む、外因性核酸配列を含む。一実施形態では、ポリペプチドは、天然に存在するコード配列よりも高いポリペプチドの発現を達成するためのコドン最適化配列によってコードされる。コドン最適化配列は、市販のアルゴリズム、例えば、GeneOptimizer(ThermoFisher Scientific)、OptimumGene(商標)(GenScript、Piscataway,NJ USA)、GeneGPS(登録商標)(ATUM、Newark,CA USA)、またはJava(登録商標) Codon Adaptation Tool(JCat、www.jcat.de、Grote, A.et al.,Nucleic Acids Research,Vol 33,Issue suppl_2,pp.W526-W531(2005)を使用して生成され得る。一実施形態では、操作された細胞(例えば、RPE細胞)は、内因性配列のコンフォメーション、または発現を調節する、外因性核酸配列を含む。一実施形態では、操作された細胞(例えば、RPE細胞)は、安定的にトランスフェクションされた細胞の集団から、またはモノクローナル細胞株から培養される。
【0029】
「外因性核酸」は、本明細書で使用される場合、対象細胞において天然に存在しない核酸である。
【0030】
「外因性ポリペプチド」は、本明細書で使用される場合、対象細胞、例えば、操作された細胞に天然に存在しないポリペプチドである。特定の配列のアミノ酸位置に対する言及は、参照アミノ酸配列、例えば、全長成熟(シグナルペプチド切断後)野生型タンパク質(別途述べられていない限り)の配列における当該アミノ酸の位置を意味し、参照アミノ酸配列における他の位置でのバリエーション、例えば、欠失、挿入、及び/または置換の存在を排除しない。
【0031】
「第VII因子タンパク質」、または「FVIIタンパク質」は、本明細書で使用される場合、別途特定されない限り、天然に存在する第VII因子タンパク質、または当該技術分野で認識されているアッセイによって決定される場合、FVII生物学的活性(例えば、血液凝血を促進すること)を有するそのバリアントの、アミノ酸配列を含む、ポリペプチドを意味する。天然に存在するFVIIは、一本鎖チモーゲン、チモーゲン様二本鎖ポリペプチド、及び十分に活性化された二本鎖形態(FVIIa)として存在する。いくつかの実施形態では、FVIIに対する言及には、一本鎖、及びその二本鎖形態(チモーゲン様、及びFVIIaを含む)が含まれる。本明細書に記載されるデバイス(例えば、操作されたRPE細胞を含有するデバイス)によって産生され得るFVIIタンパク質には、野生型霊長類(例えば、ヒト)、ブタ、イヌ、及びネズミタンパク質、ならびに1つ以上のアミノ酸置換、及び/または欠失を有する、断片、変異体、バリアントを含むそのような、野生型タンパク質のバリアントが含まれる。いくつかの実施形態では、バリアントFVIIタンパク質は、野生型第VIIa因子の活性の少なくとも50%、75%、90%またはそれ超(>100%を含む)を有する十分に活性化された二本鎖形態(第VIIa因子)に活性化されることが可能である。FVII及びFVIIaのバリアント、例えば、マルゼプタコグアルファ(活性化)(MarzAA)、ならびに欧州特許第1373493号、米国特許第7771996号、米国特許第9476037号、及び米国公開出願第US20080058255号に記載のバリアントが知られている。
【0032】
第VII因子生物学的活性は、別途特定されない限り、当該技術分野で認識されているアッセイによって定量され得る。例えば、生物学的流体、例えば、血漿の試料におけるFVII生物学的活性は、(i)脂質膜に埋め込まれた組織因子(TF)を含むシステムにおいて生成された第Xa因子及び第X因子の量を測定すること(Persson et al.,J.Biol.Chem.272:19919-19924,1997);(ii)水性システムにおける第X因子加水分解を測定すること;(iii)表面プラズモン共鳴に基づく装置を使用してTFへのその物理的結合を測定すること(Persson,FEBS Letts.413:359-363,1997);または(iv)合成基質の加水分解を測定すること;及び/または(v)TF非依存的インビトロシステムにおけるトロンビンの生成を測定することによって定量され得る。一実施形態では、FVII活性は、FVIIを含有する生物学的試料が、トロンボプラスチンカルシウム、第X因子及びSXa-11(第Xa因子に特異的な発色基質)と混合される市販の発色アッセイ(BIOPHEN FVII,HYPHEN BioMed Neuville sur Oise,France)によって評価される。
【0033】
「第VIII因子タンパク質」、または「FVIIIタンパク質」は、本明細書で使用される場合、別途特定されない限り、当該技術分野で認識されているアッセイによって決定される場合、FVIII生物学的活性、例えば、凝固活性を有する、天然に存在する第VIII因子ポリペプチド、またはそのバリアントの、アミノ酸配列を含む、ポリペプチドを意味する。本明細書に記載されるデバイス(例えば、操作されたRPE細胞を含有するデバイス)によって産生され得るFVIIIタンパク質には、野生型霊長類(例えば、ヒト)、ブタ、イヌ、及びネズミタンパク質、ならびに1つ以上のアミノ酸置換、及び/または欠失を有する、断片、変異体、バリアントを含むそのような、野生型タンパク質のバリアント、B-ドメイン欠失(BDD)バリアント、一本鎖バリアント、及び前述の野生型、またはバリアントのいずれかと、半減期延長ポリペプチドとの融合体が含まれる。一実施形態では、細胞は、Bドメインの完全、または部分欠失を有する、前駆体第VIII因子ポリペプチド(例えば、シグナル配列を有する)をコードする外因性配列を含む。一実施形態では、細胞は、バリアントFVIIIタンパク質を含む一本鎖第VIII因子ポリペプチドをコードするように操作され、バリアントFVIIIタンパク質は、好ましくは、対応する野生型第VIII因子の凝固活性の少なくとも50%、75%、90%、またはそれ以上(>100%を含む)を有する。FVIIIタンパク質の凝固活性を測定するためのアッセイには、一段階または二段階凝固アッセイ(Rizza et al.,1982,Coagulation assay of FVIII:C and FIXa in Bloom ed.The Hemophelias.NY Churchill Livingston 1992)または発色基質FVIII:Cアッセイ(Rosen,S.1984.Scand J Haematol 33:139-145,suppl.)が含まれる。
【0034】
多数のFVIII-BDDバリアントが知られており、それには、例えば、以下の米国特許第4,868,112号(例えば、カラム2、2行目~カラム19、21行目及び表2);同第5,112,950号(例えば、カラム2、55~68行目、図2、及び実施例1);同第5,171,844号(例えば、カラム4、22行目~カラム5、36行目);同第5,543,502号(例えば、カラム2、17~46行目);同第5,595,886号;同第5,610,278号;同第5,789,203号(例えば、カラム2、26~51行目及び実施例5~8);同第5,972,885号(例えば、カラム1、25行目~カラム2、40行目);同第6,048,720号(例えば、カラム6、1~22行目及び実施例1);同第6,060,447号;同第6,228,620号;同第6,316,226号(例えば、カラム4、4行目~カラム5、28行目及び実施例1~5);同第6,346,513号;同第6,458,563号(例えば、カラム4、25~53行目)及び同第7,041,635号(例えば、カラム2、1行目~カラム3、19行目、カラム3、40行目~カラム4、67行目、カラム7、43行目~カラム8、26行目、及びカラム11、5行目~カラム13、39行目)のいずれかに開示される完全または部分B-ドメイン欠失を有するバリアントが含まれる。
【0035】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるデバイスによって産生される(例えば、デバイスに含有される操作された細胞によって発現される)FVIII-BDDタンパク質は、以下のB-ドメインにおけるアミノ酸の欠失のうちの1つ以上を有する:(i)主要翻訳生成物を2つのポリペプチド鎖に細胞内プロセシングするために必須のアミノ末端B-ドメイン配列を除くBドメインのほとんど(WO91/09122);(ii)アミノ酸747~1638(Hoeben R.C.,et al.J.Biol.Chem.265(13):7318-7323(1990));アミノ酸771~1666またはアミノ酸868~1562(Meulien P.,et al.Protein Eng.2(4):301-6(1988);アミノ酸982~1562または760~1639(Toole et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.83:5939-5942(1986));アミノ酸797~1562(Eaton et al.,Biochemistry 25:8343-8347(1986));741~1646(Kaufman,WO87/04187))、747~1560(Sarver et al.,DNA 6:553-564(1987));アミノ酸741~1648(Pasek,WO88/00831))、アミノ酸816~1598または741~1689(Lagner(Behring Inst.Mitt.(1988)No 82:16-25,EP295597)の欠失;米国特許第9,956,269号においてカラム10、65行目~カラム11、36行目で記述される特定の欠失のいずれかを含むフーリンプロテアーゼ認識配列、例えば、アミノ酸1643~1648のLKRHQR(例えば、配列番号65)における1つ以上の残基を含む欠失。
【0036】
他の実施形態では、FVIII-BDDタンパク質は、以下のB-ドメインアミノ酸またはアミノ酸配列のいずれかを保持する:(i)B-ドメインにおける1つ以上のN-結合型グリコシル化部位、例えば、残基757、784、828、900、963、または任意選択的に943、最初の226アミノ酸または最初の163アミノ酸(Miao,H.Z.,et al.,Blood 103(a):3412-3419(2004),Kasuda,A.,et al.,J.Thromb.Haemost.6:1352-1359(2008)、及びPipe,S.W.,et al.,J.Thromb.Haemost.9:2235-2242(2011)。
【0037】
いくつかの実施形態では、FVIII-BDDタンパク質は、この部位でタンパク質分解切断を防止するフーリンプロテアーゼ認識配列(アミノ酸1643~1648のLKRHQR(配列番号65))における1つ以上のアミノ酸の置換(米国特許第10,023,628号、同第9,394,353号及び同第9,670,267号に記載のR1645及び/またはR1648位置での置換のいずれかを含む)によって生成される一本鎖バリアントである。
【0038】
いくつかの実施形態では、上記FVIII-BDDタンパク質のいずれかは、以下のバリエーションの1つ以上を更に含み得る:FVIII-BDDタンパク質の発現を改善するためのF309S置換(Miao,H.Z.,et al.,Blood 103(a):3412-3419(2004);アルブミン融合(WO2011/020866);及びFc融合(WO04/101740)。
【0039】
本明細書で参照される全てのFVIII-BDDアミノ酸位置は、別途特定されない限り、全長ヒトFVIIIにおける位置を指す。
【0040】
「第IX因子タンパク質」または「FIXタンパク質」は、本明細書で使用される場合、別途特定されない限り、天然に存在する第IX因子タンパク質または当該技術分野で認識されているアッセイによって決定される場合、FIX生物学的活性、例えば、凝固活性を有するそのバリアントのアミノ酸配列を含むポリペプチドを意味する。FIXは、1つ以上のジスルフィド結合によって一緒に保持される、重鎖、及び軽鎖を生成するために、活性化ペプチドの第XIa因子切除によって活性形態に変換される、非活性チモーゲンとして生成される。本明細書に記載されるデバイス(例えば、操作されたRPE細胞を含有するデバイス)によって産生され得るFIXタンパク質には、野生型霊長類(例えば、ヒト)、ブタ、イヌ、及びネズミタンパク質、ならびに1つ以上のアミノ酸置換、及び/または欠失を有する、断片、変異体、バリアントを含む、そのような野生型タンパク質のバリアント、及び前述の野生型、またはバリアントタンパク質のいずれかと、半減期延長ポリペプチドとの融合体が含まれる。一実施形態では、細胞は、全長野生型ヒト第IX因子ポリペプチド(例えば、シグナル配列を有する)、またはその機能的バリアントをコードするように操作される。バリアントFIXタンパク質は、好ましくは、野生型第VIX因子の凝固活性の少なくとも50%、75%、90%またはそれ超(>100%を含む)を有する。FIXタンパク質の凝固活性を測定するためのアッセイには、Biophen第IX因子アッセイ(Hyphen BioMed)及び一段階凝血アッセイ(活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)(例えば、EP2 032 607に記載されている)、トロンビン生成時間アッセイ(TGA)及び回転トロンボエラストメトリー(例えば、WO2012/006624に記載されている)が含まれる。
【0041】
いくつかの機能的FIXバリアントが知られており、以下の国際特許公開に記載されている機能的FIXバリアントのうちのいずれかを含む、本明細書に記載されるデバイスに封入された操作された細胞によって発現され得る:WO02/040544、4頁、9~30行目及び15頁、6~31行目;WO03/020764、表2及び3、14~24頁、及び12頁、1~27行目;WO2007/149406、4頁、1行目~19頁、11行目;WO2007/149406A2、19頁、12行目~20頁、9行目;WO08/118507、5頁、14行目~6頁、5行目;WO09/051717、9頁、11行目~20頁、2行目;WO09/137254、2頁、段落[006]~5頁、段落[011]及び16頁、段落[044]~24頁、段落[057];WO09/130198A2、4頁、26行目~12頁、6行目;WO09/140015、11頁、段落[0043]~13頁、段落[0053];WO2012/006624;WO2015/086406。
【0042】
所定の実施形態では、FIXポリペプチドは、FIXタンパク質の半減期を延長させる異種ポリペプチドまたは非ポリペプチド部位に融合された野生型またはバリアント配列を含む。例示的な半減期延長部位には、Fc、アルブミン、PAS配列、トランスフェリン、CTP(その4つのO-グリカンを有するヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の28アミノ酸C末端ペプチド(CTP))、ポリエチレングリコール(PEG)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、アルブミン結合ポリペプチド、アルブミン結合小分子、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。例示的なFIXポリペプチドは、WO2012/006624に記載のrFIXFcタンパク質であり、これは、Fcのヒンジ領域における2つのジスルフィド結合を介して一緒に結合したFIXFc一本鎖(FIXFc-sc)及びFc一本鎖(Fc-sc)である。
【0043】
FIXバリアントにはまた、機能バリアントの獲得及び喪失が含まれる。機能バリアントの獲得の例は、成熟タンパク質の位置338(配列番号2のアミノ酸位置384に対応する)でR(アルギニン)の代わりにL(ロイシン)を有し、かつ野生型ヒトFIXと比較してより高い触媒的及び凝集活性を有するヒトFIXの「Padua」バリアントである(Chang et al.,J.Biol.Chem.,273:12089-94(1998))。機能喪失バリアントの例は、成熟タンパク質の開始から5番目のアミノ酸位置におけるリジンについて置換されたアラニンであり、これは、コラーゲンIVへの低減した結合(例えば、機能喪失)を有するタンパク質をもたらす。
【0044】
「インターロイキン-2タンパク質」または「IL-2タンパク質」は、本明細書で使用される場合、別途特定されない限り、IL-2生物学的活性を有する天然に存在するIL-2タンパク質またはそのバリアントのアミノ酸配列を含むポリペプチドを意味し、例えば、当該技術分野で認識されるアッセイによって決定される場合、Treg細胞におけるIL-2受容体シグナル伝達を活性化する。本明細書に記載されるデバイス、例えば、操作されたRPE細胞を含有するデバイスによって産生され得るIL-2タンパク質には、野生型霊長類(例えば、ヒト)、ブタ、イヌ、及びマウスタンパク質、ならびにそのような野生型タンパク質のバリアントが含まれる。バリアントIL-2タンパク質は、好ましくは、対応する野生型IL-2の生物学的活性の少なくとも50%、75%、90%、またはそれ以上(>100%を含む)を有する。IL-2タンパク質の生物学的活性アッセイは、米国特許第10,035,836号に記載されており、例えば、CD4+CD25-/低T細胞またはNK細胞と比較して、Treg細胞中のリン酸化STAT5タンパク質のレベルを測定することを含む。本開示のデバイス(例えば、操作されたRPE細胞を含有するデバイス)によって産生され得るバリアントIL-2タンパク質には、以下のアミノ酸置換のうちの1つ以上を有するタンパク質が含まれる:N88R、N88I、N88G、D20H、Q126L、Q126F、及びC125SまたはC125A。
【0045】
「膵島細胞」は、本明細書で使用される場合、天然に存在する、または合成的に生成された、または修飾された任意の細胞を含み、かつ部分的に、または全体としてランゲルハンスの膵臓膵島の細胞の機能を、部分的に、または全体として反復し、模倣し、またはそうでなければ発現することが意図された任意の細胞を意味する。用語「膵島細胞」には、幹細胞、例えば、誘導多能性幹細胞株に由来する、グルコース反応性インスリン産生細胞が含まれる。
【0046】
「マンニトール」は、本明細書で使用される場合、別途明示的に述べられていない限り、D-マンニトールを指す。
【0047】
「中分子量アルギネート」または「MMW-Alg」は、本明細書で使用される場合、75kDa~150kDaのおおよその分子量を有するアルギネートを意味する。
【0048】
「間葉系幹機能細胞」、または「MSFC」というそれらの用語は、本明細書で使用される場合、中胚葉系の細胞に由来するか、またはその細胞に特異的な少なくとも1つの特徴を有する細胞を指し、MSFCは、i)分化の最終状態にはなく、及びii)1つ以上の細胞種に最終分化し得る。MSFCは、内皮起源の細胞、例えば、腸細胞、または外胚葉起源の細胞、例えば、皮膚、CNS、もしくは神経細胞に由来する細胞を含まない。一実施形態では、MSFCは、複能性である。一実施形態では、MSFCは、全能性ではない。一実施形態では、MSFCは、以下の特徴の1つ以上を含む。
a)それは、間葉系幹細胞(MSC)またはそれに由来する細胞(MSCの一次細胞培養に由来する細胞を含む)、天然に存在するMSC、例えば、ヒトまたは他の哺乳動物由来のMSCから直接単離された細胞(長期培養を伴わない、例えば、単離から5または10回未満の継代またはラウンドの細胞分裂)、形質転換された、多能性の、不死化された、または長期的な(例えば、5または10回を超える継代またはラウンドの細胞分裂)MSC培養に由来する細胞から直接単離された細胞(例えば、単離以来、5または10回未満の通過またはラウンド未満の細胞分裂)を含む。
【0049】
b)それは、低分化細胞から得られた細胞、例えば、MSCへと、成長、プログラム、もしくは再プログラムされた細胞(例えば、インビトロ)、または任意の遺伝子操作を除いて、天然に存在するMSC、またはMSCの初代もしくは長期培養からの細胞、または上記a)に記載された細胞の1つ以上。MSFCが由来し得る低分化細胞の例としては、IPS細胞、胚性幹細胞、または他の全能性もしくは多能性細胞が挙げられる。例えば、Chen,Y.S.et al(2012)Stem Cells Transl Med 1(83-95)、Frobel,J et al(2014)Stem Cell Reports 3(3):414-422、Zou,L et al(2013)Sci Rep 3:2243を参照されたい。
c)それは、例えば、細胞多能性に関する情報を提供すること可能な任意のアッセイ、例えば、顕微鏡法によって測定されるように、多能性である。
d)それは、円形から楕円形の核を有する、特徴的な単核卵形、星形または紡錘形を示す。楕円形の細長い核は、顕著な核小体、ならびにヘテロクロマチン及びユークロマチンの混合物を有し得る。MSFC(例えば、MSC)は、小さな細胞質を有し得るが、核から延びているように見える多くの薄いプロセスを有し得る。
e)それは、例えば、細胞分裂に関する情報を提供することが可能な任意のアッセイ、例えば、顕微鏡法によって測定されるように、細胞分裂することが可能である。一実施形態では、MSFCは、培養物中で(例えば、封入されるか、またはデバイスに組み込まれる前に)細胞分裂することが可能である。一実施形態では、それは、封入された後、例えば、本明細書に記載されるように封入された後、またはデバイス(例えば、本明細書に記載されるデバイス)に組み込まれた後、細胞分裂することが可能である。一実施形態では、それは、コンフルエンスに達した後に細胞分裂することができない。
f)それは、間葉系細胞系統、例えば、骨芽細胞、軟骨芽細胞、脂肪細胞、または線維芽細胞に分化することが可能である。
g)それは、間葉系細胞マーカー、例えば、CD105、CD106、CD73、CD90、Stro-1、CD49a、CD29、CD44、CD146、CD166、TNAP+、THY-1+、Stro-2、Stro-4、及びアルカリホスファターゼのうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または全てを発現する。
h)CD34、CD31、VE-カドヘリン、CD45、HLA-DR、CD11b、及びグリコフォリンまたは白血球分化抗原、例えば、CD14、CD33、CD3、及びCD19のうちの1つ、2つ、3つ、またはいずれかの著しいレベルを発現しない。
i)CD75、CD90、及びCD105のうちの1つ、2つ、または全てを発現し、CD45、CD34、及びCD14のうちの1つ、2つ、またはいずれも発現しない。
j)それは、例えば、炎症に関する情報を提供することが可能な任意の方法、例えば、T細胞増殖のインビボ阻害によって測定される、抗炎症性または免疫抑制性である。
k)それは、例えば、目視検査によって決定されるように、付着性、例えば、プラスチック付着性であることが可能であるか、または
l)例えば、目視検査によって決定されるように、三次元で成長し得る。
【0050】
「副甲状腺ホルモン」、または「PTH」は、本明細書で使用される場合、例えば、当該技術分野で認識されるアッセイにより決定される場合、PTH生物学的活性を有する、天然に存在する副甲状腺ホルモンポリペプチド、もしくはペプチド、またはそのバリアントのア、ミノ酸配列を含む、ポリペプチド、またはペプチドを意味する。本明細書に記載される封入された細胞によって発現され得るPTHポリペプチド、及びペプチドとしては、野生型霊長類(例えば、ヒト)、ブタ、イヌ、及びマウスタンパク質、ならびにそのような野生型タンパク質のバリアントが挙げられる。そのようなPTHポリペプチド、及びペプチドは、プレプロPTHポリペプチド(115アミノ酸)、プロPTHポリペプチド(90アミノ酸)、成熟84アミノ酸ペプチド(PTH(1-84))、及びその生物学的活性のあるバリアント、例えば、トランケート型バリアントペプチドPTH(1-34)が挙げられるが、これらに限定されない。ヒト野生型配列中に1つ以上のアミノ酸置換を有するPTHペプチドバリアントは、例えば、米国特許第7410948号及び第8563513号、ならびに米国特許出願公開第20130217630号に記載されている。PTHバリアントは、好ましくは、対応する野生型PTHの生物学的活性の少なくとも50%、75%、90%、またはそれ以上(>100%を含む)を有する。タンデム質量分析によって所定のPTHバリアントを検出するためのアッセイは、米国特許第8383417号に記載されている。PTHペプチドバリアントの生物学的活性アッセイ-cAMPレベルを測定することによって決定されるアデニル酸シクラーゼの刺激-は、米国特許第7410948号に記載されている。
【0051】
「ポロクサマー」は、本明細書で使用される場合、2つのポリオキシエチレン(ポリ(エチレンオキシド))部位に隣接するポリオキシプロピレン(ポリ(プロピレンオキシド))の中央疎水性鎖からなる非イオン性トリブロック直鎖状コポリマーのクラスの標準的な一般的な用語を指す。
【0052】
「ポロクサマー188」または「P188」は、本明細書で使用される場合、ポリオキシプロピレンコアについて1800g/モルのおおよその分子量、及び約80重量%、例えば、79.0~83.7パーセントのオキシエチレン含有量を有するポロクサマーを指す。一実施形態では、ポロクサマー188は、8350g/モルの平均分子量を有する。一実施形態では、ポロクサマー188は、例えば、サイズ排除クロマトグラフィーによって決定される場合、7680g/モル~9510g/モルの平均分子量、及び81.8±1.9重量%のオキシエチレン含有量を有する。一実施形態では、ポロクサマー188中の各ポリオキシエチレン鎖は、75~85(例えば、80)のエチレンオキシドモノマーを有し、ポリオキシプロピレンコアは、25~30(例えば、27)のプロピレンオキシドモノマーを有する。一実施形態では、本明細書に記載されるプロセスで使用されるポロクサマー188は、プロセスが実行された時点で公式である米国薬局方-国民医薬品集(USP-NF)または欧州薬局方(Ph.Eur.)によって公開されたポロクサマーの論文に記載される仕様を実質的に満たす。
【0053】
「ポリマー組成物」は、本明細書で使用される場合、1つ以上のポリマーを含む組成物(例えば、溶液、混合物)である。クラスとして、「ポリマー」としては、ホモポリマー、ヘテロポリマー、コポリマー、ブロックポリマー、ブロックコポリマーが挙げられ、天然、及び合成の両方であり得る。ホモポリマーは、1つのタイプの構築ブロック、またはモノマーを含有する一方で、コポリマーは、2つ以上のタイプのモノマーを含有する。
【0054】
「ポリペプチド」は、本明細書で使用される場合、ペプチド結合を介して連結されたアミノ酸残基を含み、かつ、少なくとも2、いくつかの実施形態では、少なくとも10、50、75、100、150、または200アミノ酸残基を有するポリマーである。
【0055】
「予防」、「予防する」、及び「予防すること」は、本明細書で使用される場合、疾患、障害、または病態の身体的兆候を防止するために、当該疾患、障害、または病態の開始前に、療法を投与、または適用すること、例えば、細胞を封入したデバイスの組成物(例えば、本明細書に記載されるもの)を投与することを含む処置を指す。いくつかの実施形態では、「予防」、「予防する」、及び「予防すること」は、疾患、障害、または病態の兆候、または症状が、発症していないこと、または観察されていないことを必要とする。いくつかの実施形態では、処置は、予防を含み、他の実施形態では、予防を含まない。
【0056】
「補充療法」、または「補充タンパク質」は、減少、変化、または欠如したタンパク質に関連する、疾患、または病態を有する対象において、減少している、不十分な量で存在する、変化(例えば、変異)している、または欠如しているタンパク質の有益な機能を、補充、または増強する、治療用タンパク質、またはその機能的断片である。例としては、所定の血液凝固障害における所定の血液凝固因子、または所定のリソソーム蓄積症における所定のリソソーム酵素が挙げられる。一実施形態では、補充療法、または補充タンパク質は、内因性タンパク質の機能をもたらす。一実施形態では、補充療法、または補充タンパク質は、補充されるタンパク質の天然に存在するバリアント、例えば、野生型アレル、または障害に関連しないアレルと同一のアミノ酸配列を有する。一実施形態では、補充療法、または補充タンパク質は、天然に存在するバリアント、例えば、野生型、アレルまたは障害に関連しないアレル、例えば、対象が保有するアレルと、アミノ酸残基の約1、2、3、4、5、10、15、または20%以下でアミノ酸配列が異なる。
【0057】
特許請求されるデバイス(例えば、ヒドロゲルカプセル)に関して本明細書で使用される「参照デバイス」とは、(i)特定の特徴、例えば、FBR緩和手段(例えば、非線維性化合物(本明細書で定義される)またはCBS(本明細書で定義される)を含むバリア区画(例えば、RGDポリマー))を欠いており、かつ(ii)特許請求されるデバイスとほぼ同じ量の同じ細胞タイプ(複数可)の細胞を細胞含有区画にカ封入し、かつ(iii)特定の特徴(例えば、非線維性化合物またはCBS)を欠いている以外に、特許請求されるデバイスと実質的に類似したポリマー組成物及び構造を有する、デバイス(例えば、ヒドロゲルカプセル)を意味する。一実施形態では、参照デバイスの細胞含有区画内の生存細胞の数は、特許請求されるデバイスの細胞含有区画内の生存細胞の数の80%~120%以内、または90%~110%以内である。一実施形態では、参照デバイス及び特許請求されるデバイス内の細胞は、同じ細胞培養物から得られる。一実施形態では、実質的に類似したポリマー組成物は、任意のCBP-ポリマー及び非線維性ポリマーのポリマー成分を含む、参照及び特許請求されるデバイス内の全てのポリマーが、該当する場合、同じ化学及び分子量クラス(例えば、高いG含有量及び同じ分子量範囲を有するアルギネート)であることを意味する。例えば、一実施形態では、CBPヌル参照デバイスの細胞含有区画は、特許請求されるデバイスの細胞含有区画を形成するために使用されるCBP-ポリマー中のポリマー(例えば、アルギネート)の非修飾バージョンから形成される。特許請求される2区画ヒドロゲルミリカプセルが、(i)複数の細胞を封入するCBP-ポリマーから形成された内側区画と、(ii)化学修飾ポリマー(例えば、本明細書に記載されるCM-LMW-アルギネート)及び未修飾ポリマー(例えば、本明細書に記載されるU-HMW-アルギネート)の混合物から形成された外側区画とを有するいくつかの実施形態では、参照カプセル及び特許請求されるカプセルの外側区画は、同じポリマー混合物から形成され、一方で、参照カプセルの内側区画は、外側区画に使用される同じポリマー混合物中の細胞の懸濁液から形成される。一実施形態では、実質的に類似した構造は、参照デバイス及び特許請求されるデバイスが同じ数の区画(例えば、1つ、2つ、3つ等)を有し、ほぼ同じサイズ及び形状を有することを意味する。
【0058】
「RPE細胞」は、本明細書で使用される場合、以下の特徴のうちの1つ以上を有する細胞を指す:a)網膜色素上皮細胞(RPE)(例えば、ARPE-19細胞株(ATCC(登録商標)CRL-2302(商標))を使用して培養された)または、例えば、ARPE-19細胞株から培養された細胞を治療用タンパク質をコードする外因性配列で安定的にトランスフェクションすることによってまたはそうでなければ、そのような培養されたARPE-19細胞を外因性タンパク質または他の外因性物質を発現するように操作することによってそれから誘導された細胞、RPE細胞の初代細胞培養物に由来する細胞、天然に存在するRPE細胞、例えば、ヒトまたは他の哺乳動物から直接的に(長期培養を伴わずに、例えば、単離から5または10回未満の継代またはラウンドの細胞分裂)単離された細胞、形質転換、不死化、または長期(例えば、5または10回を超える継代またはラウンドの細胞分裂)RPE細胞培養に由来する細胞を含む;b)未分化細胞、例えば、RPE細胞または、任意の遺伝子操作を除き、天然に存在するRPE細胞またはRPE細胞からの初代または長期培養物からの細胞(例えば、細胞は、IPS細胞に由来し得る)のうちの1つ以上と実質的に同様である細胞に発達、プログラム化、または再プログラム化(例えば、in vitroで)される細胞から得られた細胞;またはc)以下の特性のうちの1つ以上を有する細胞:i)バイオマーカーCRALBP、RPE-65、RLBP、BEST1、またはαB-クリスタリンのうちの1つ以上を発現する;ii)バイオマーカーCRALBP、RPE-65、RLBP、BEST1、またはαB-クリスタリンのうちの1つ以上を発現しない;iii)網膜において天然に見られ、ブルッフ膜における脈絡膜血管の上に単層を形成する;iv)網膜における上皮輸送、光吸収、分泌、及び免疫調節を担う;またはv)不死化RPE細胞株(例えば、ARPE-19細胞株(ATCC(登録商標)CRL-2302(商標))と同じまたは実質的に同じ遺伝子含有物、及び任意選択的に同じまたは実質的に同じエピジェネティック含有物を有するように合成的に生成されている、または天然に存在する細胞から修飾されている。一実施形態では、本明細書に記載されるRPE細胞は、例えば、新しい特性を有するように操作され、例えば、細胞は、CBPまたはCBSを含むポリマー組成物に封入されたときに治療薬を発現するように操作される。他の実施形態では、RPE細胞は、操作されない。
【0059】
「生理食塩水溶液」は、本明細書で使用される場合、別途特定されない限り、通常の生理食塩水、すなわち、0.9%のNaClを含む水を意味する。
【0060】
「配列同一性」、または「同一率」は、2つのヌクレオチド配列、または2つのアミノ酸配列を指すために、本明細書で使用される場合、2つの配列が、特定された領域内で同一のであること、または2つの配列が、比較ウィンドウ、または指定された領域にわたって、最大一致のために比較、及びアライメントされた場合、特定された領域内で、ヌクレオチド、またはアミノ酸位置の特定されたパーセンテージで、同一のヌクレオチド、またはアミノ酸を有することを意味する。配列同一性は、米国特許出願公開第2017/02334455号に記載のアルゴリズムのいずれかを含むがこれらに限定されない、当該技術分野で知られている標準的な技術を使用して決定され得る。一実施形態では、同一のヌクレオチド、またはアミノ酸位置の特定されたパーセンテージは、少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれを超える。
【0061】
「球状」は、本明細書で使用される場合、例えば、表面に、波、及びうねりを有し得る、スフェア(例えば、完全に丸いボール)、またはスフェア様形状を形成する、曲がった表面を有する、デバイス(例えば、ヒドロゲルカプセル、または他の粒子)を意味する。スフェア、及びスフェア様物体は、3つの直交軸a、b、及びcの、各々の周囲の、丸、楕円、または組み合わせの回転によって数学的に定義され得る。スフェアでは、3つの軸が、同一の長さである。通常、スフェア様形状は、互いに10%、または5%、または2.5%以内の半主軸を有する(その平均化表面について)楕円体である。スフェア、またはスフェア様形状の直径は、平均直径、例えば、半主軸の平均である。
【0062】
「楕円体」は、その用語がデバイス(例えば、ヒドロゲルカプセル、または他の粒子)を指すために本明細書で使用される場合、デバイスが、(i)完全な、または古典的な、扁平楕円体、または扁長楕円体形状を有すること、または(ii)楕円体を概略的に形成する表面を有すること、例えば、波、及びうねりを有し得ること、及び/または互いに100%以内の半主軸を有する楕円形(その平均化表面について)であり得ることを意味する。
【0063】
「対象」は、本明細書で使用される場合、ヒトまたは非ヒト動物を指す。一実施形態では、対象は、例えば、任意の年齢群のヒト(すなわち、男性または女性)、小児対象(例えば、幼児期、小児期、思春期)または成人対象(例えば、若年成人、中年成人、または高齢成人)である。一実施形態では、対象は、非ヒト動物、例えば、哺乳動物(例えば、マウス、イヌ、霊長類(例えば、カニクイザル、またはアカゲザル))である。一実施形態では、対象は、商業的に関連する哺乳動物(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、もしくはイヌ)、または鳥(例えば、商業的に関連する鳥、例えば、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、もしくはシチメンチョウ)である。所定の実施形態では、動物は、哺乳動物である。動物は、雄または雌であり、任意の発達段階のものであり得る。非ヒト動物は、トランスジェニック動物であり得る。
【0064】
「総容積」は、本明細書で使用される場合、別の区画によって占有される空間を含む、マルチ区画デバイスの1つの区画内の容積を指す。例えば、2区画デバイスの第二の(例えば、外側の)区画の総容積とは、第一の区画によって占有される空間を含む、第二の区画内の容積を指す。
【0065】
「治療」、「治療する」、及び「治療すること」は、本明細書で使用される場合、疾患、障害、または病態の、症状、兆候、または根本原因の1つ以上を、低減すること、逆行させること、緩和すること、その開始を遅延させること、またはその進行を阻害することの1つ以上を指す。一実施形態では、治療することは、疾患、障害、または病態の症状を、低減すること、逆行させること、緩和すること、その開始を遅延させること、またはその進行を阻害することを含む。一実施形態では、治療することは、疾患、障害、または状態の兆候を、低減すること、逆行させること、緩和すること、その開始を遅延させること、またはその進行を阻害することを含む。一実施形態では、治療することは、疾患、障害、または状態の根本原因を、低減すること、逆行させること、緩和すること、その開始を遅延させること、またはその進行を阻害することを含む。いくつかの実施形態では、「治療」、「治療する」、及び「治療すること」は、疾患、障害、または病態の、症状、または兆候が、発生していること、または観察されていることを要する。他の実施形態では、治療は、例えば、予防的処置において、疾患、または病態の、兆候、または症状の非存在下で投与され得る。例えば、治療は、症状の開始前の罹患しやすい個体に投与され得る(例えば、症状の履歴を考慮して、及び/または遺伝子的、または他の感受性要因の観点から)。治療はまた、症状が解消された後に、例えば、再発を遅延させるために、または予防するために継続され得る。いくつかの実施形態では、治療は、予防を含み、他の実施形態では、予防を含まない。
【0066】
「フォンヴィレブランド因子タンパク質」または「VWFタンパク質」は、本明細書で使用される場合、別途特定されない限り、当該技術分野で認識されているアッセイによって決定される場合、VWF生物学的活性、例えば、FVIII結合活性を有する、天然に存在するVWFポリペプチド、またはそのバリアントの、アミノ酸配列を含む、ポリペプチドを意味する。本明細書に記載されるデバイスによって産生され得るVWFタンパク質(例えば、デバイスに含有される操作された細胞によって発現された)には、野生型霊長類(例えば、ヒト)、ブタ、イヌ、及びマウスタンパク質、ならびにそのような野生型タンパク質のバリアントが含まれる。封入された細胞は、以下のVWFポリペプチドのうちのいずれかをコードするように操作され得る:2813アミノ酸の前駆体VWF、22アミノ酸のシグナルペプチド及び任意選択的に741アミノ酸のプレプロペプチドを欠くVWF、2050アミノ酸の成熟VWFタンパク質、ならびにVWF欠損マウスの内因性FVIIIレベルを安定化するのに十分なVWF断片等のその切断バリアント、例えば、D´D3領域(アミノ酸764~1247)またはD1D2D´D3領域を含む切断バリアント;ならびに例えば、米国特許第9458223号に記載されているようなD´領域内の、1つ以上のアミノ酸置換を有するVWFバリアント。バリアントVWFタンパク質は、好ましくは、対応する野生型VWFタンパク質の生物学的活性の少なくとも50%、75%、90%、またはそれ以上(>100%を含む)を有する。VWFの生物学的活性を決定するための当該技術分野で認識されるアッセイには、リストセチン補因子活性(Federici A B et al.2004. Haematologica 89:77-85)、血小板糖タンパク質複合体Ib-V-IXのGP IbαへのVWFの結合(Sucker et al.2006.Clin Appl Thromb Hemost.12:305-310)、及びコラーゲン結合(Kallas&Talpsep.2001.Annals of Hematology 80:466-471)が含まれる。
【0067】
いくつかの実施形態では、本開示のデバイスによって産生されるVWFタンパク質は、VWFタンパク質の半減期を延長させる異種ポリペプチドまたは非ポリペプチド部位に融合した天然に存在するまたはバリアントVWFアミノ酸配列を含む。例示的な半減期延長部位には、Fc、アルブミン、PAS配列、トランスフェリン、CTP(その4つのO-グリカンを有するヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の28アミノ酸C末端ペプチド(CTP))、ポリエチレングリコール(PEG)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、アルブミン結合ポリペプチド、アルブミン結合小分子、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0068】
「VLVG」、または「VLVGアルギネート」は、約75kDa未満の平均分子量を有し、かつ60%超のグルロン酸単位を含む(すなわち、1.5以上の、グルクロネ-ト対マンノネート比を有する)であり得る、超低粘度アルギン酸ナトリウムを指す。
【0069】
「SG100」、または「SG100アルギネート」は、約150~250kDaの平均分子量を有し、かつ60%超のグルロン酸単位を含む(すなわち、1以上の、グルクロネ-ト対マンノネート比を有する)アルギン酸ナトリウムを指す。
【0070】
選択された化学的定義
特定の官能基、及び化学的用語の定義は、以下により詳細に記載されている。化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.(表紙裏)に従って特定され、特定の官能基は通常、そこに記載される通り定義される。更に、有機化学の一般原則、加えて、特定の官能部位及び反応性は、Thomas Sorrell,Organic Chemistry,University Science Books,Sausalito,1999、Smith and March,March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley&Sons,Inc.,New York,2001、Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989、及びCarruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載されている。
【0071】
本明細書で使用される略語は、化学的分野及び生物学的分野における従来の意味を有する。本明細書に示される化学的構造、及び式は、化学的分野で知られている化学的価数の標準的な規則に従って構築される。
【0072】
値の範囲が列挙される場合、範囲内の各値及び副次的範囲を包含することが意図される。例えば、「C-Cアルキル」は、C、C、C、C、C、C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、C-C、及びC-Cアルキルを包含することが意図される。
【0073】
本明細書で使用される場合、「アルキル」は、1~24個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖飽和炭化水素基の基(「C-C24アルキル」)を指す。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~12個の炭素原子(「C-C12アルキル」)、1~10個の炭素原子(「C-C12アルキル」)、1~8個の炭素原子(「C-Cアルキル」)、1~6個の炭素原子(「C-Cアルキル」)、1~5個の炭素原子(「C-Cアルキル」)、1~4個の炭素原子(「C-Cアルキル」)、1~3個の炭素原子(「C-Cアルキル」)、1~2個の炭素原子(「C-Cアルキル」)、または1つの炭素原子(「Cアルキル」)を有する。いくつかの実施形態では、アルキル基は、2~6個の炭素原子(「C-Cアルキル」)を有する。C-Cアルキル基の例には、メチル(C)、エチル(C)、n-プロピル(C)、イソプロピル(C)、n-ブチル(C)、tert-ブチル(C)、sec-ブチル(C)、iso-ブチル(C)、n-ペンチル(C)、3-ペンタニル(C)、アミル(C)、ネオペンチル(C)、3-メチル-2-ブタニル(C)、三級アミル(C)、及びn-ヘキシル(C)が含まれる。アルキル基の追加の例には、n-ヘプチル(C)、n-オクチル(C)等が含まれる。アルキル基の各例は、独立して、任意選択的に置換されていてもよく、すなわち、非置換であり(「非置換アルキル」)、または1つ以上の置換基、例えば、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基、または1つの置換基によって置換されている(「置換アルキル」)。
【0074】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、2~24個の炭素原子、1つ以上の炭素-炭素二重結合を有し、三重結合を有しない直鎖または分岐鎖炭化水素基の基(「C-C24アルケニル」)を指す。いくつかの実施形態では、アルケニル基は、2~10個の炭素原子(「C-C10アルケニル」)、2~8個の炭素原子(「C-Cアルケニル」)、2~6個の炭素原子(「C-Cアルケニル」)、2~5個の炭素原子(「C-Cアルケニル」)、2~4個の炭素原子(「C-Cアルケニル」)、2~3個の炭素原子(「C-Cアルケニル」)、または2つの炭素原子(「Cアルケニル」)を有する。1つ以上の炭素-炭素二重結合は、内部(例えば、2-ブテニルにおけるもの)または末端(例えば、1-ブテニルにおけるもの)であり得る。C-Cアルケニル基の例には、エテニル(C)、1-プロペニル(C)、2-プロペニル(C)、1-ブテニル(C)、2-ブテニル(C)、ブタジエニル(C)等が含まれる。C-Cアルケニル基の例には、前述したC2-4アルケニル基及びペンテニル(C)、ペンタジエニル(C)、ヘキセニル(C)等が含まれる。アルケニル基の各例は、独立して、任意選択的に置換されていてもよく、すなわち、非置換であり(「非置換アルケニル」)、または1つ以上の置換基、例えば、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基、または1つの置換基によって置換されている(「置換アルケニル」)。
【0075】
本明細書で使用される場合、用語「アルキニル」は、2~24個の炭素原子、1つ以上の炭素-炭素三重結合を有する直鎖または分岐鎖炭化水素基の基(「C-C24アルケニル」)を指す。いくつかの実施形態では、アルキニル基は、2~10個の炭素原子(「C-C10アルキニル」)、2~8個の炭素原子(「C-Cアルキニル」)、2~6個の炭素原子(「C-C アルキニル」)、2~5個の炭素原子(「C-Cアルキニル」)、2~4個の炭素原子(「C-Cアルキニル」)、2~3個の炭素原子(「C-Cアルキニル」)、または2つの炭素原子(「Cアルキニル」)を有する。1つ以上の炭素-炭素三重結合は、内部(例えば、2-ブチニルにおけるもの)または末端(例えば、1-ブチニルにおけるもの)であり得る。C-Cアルキニル基の例には、エチニル(C)、1-プロピニル(C)、2-プロピニル(C)、1-ブチニル(C)、2-ブチニル(C)等が含まれる。アルキニル基の各例は、独立して、任意選択的に置換されていてもよく、すなわち、非置換であり(「非置換アルキニル」)、または1つ以上の置換基、例えば、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基、または1つの置換基によって置換されている(「置換アルキニル」)。
【0076】
本明細書で使用される場合、用語「ヘテロアルキル」は、少なくとも1つの炭素原子、ならびにO、N、P、Si、及びSからなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含む、非環状安定直鎖、もしくは分岐鎖、またはそれらの組み合わせであって、窒素、及び硫黄原子は、任意選択的に酸化され得、窒素ヘテロ原子は、任意選択的に四級化され得る、非環状安定直鎖、もしくは分岐鎖、またはそれらの組み合わせを指す。ヘテロ原子(複数可)のO、N、P、S、及びSiは、ヘテロアルキル基の任意の位置に位置し得る。例示的なヘテロアルキル基には、-CH-CH-O-CH、-CH-CH-NH-CH、-CH-CH-N(CH)-CH、-CH-S-CH-CH、-CH-CH、-S(O)-CH、-CH-CH-S(O)-CH、-CH=CH-O-CH、-Si(CH、-CH-CH=N-OCH、-CH=CH-N(CH)-CH、-O-CH、及び-O-CH-CHが含まれるが、これらに限定されない。最大で2または3個のヘテロ原子は、連続的、例えば、-CH-NH-OCH及び-CH-O-Si(CH等であり得る。「ヘテロアルキル」が記述され、それに続いて特定のヘテロアルキル基、例えば、-CHO、-NR等が記述される場合、用語ヘテロアルキル及び-CHOまたは-NRは、冗長ではなく、相互に排他的でもないことが理解される。むしろ、特定のヘテロアルキル基は、明確性を付与するために記述される。よって、用語「ヘテロアルキル」は、特定のヘテロアルキル基、例えば、-CHO、-NR等を除くものとして本明細書で解釈されるべきではない。ヘテロアルキル基の各例は、独立して、任意選択的に置換されていてもよく、すなわち、非置換であり(「非置換ヘテロアルキル」)、または1つ以上の置換基、例えば、例えば1~5個の置換基、1~3個の置換基、または1つの置換基によって置換されている(「置換ヘテロアルキル」)。
【0077】
用語「アルキレン」、「アルケニレン」、「アルキニレン」、または「ヘテロアルキレン」は、単独で、または別の置換基の一部として、別途述べられていない限り、各々、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはヘテロアルキルに由来する二価基を意味する。アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、またはヘテロアルキレン基は、例えば、C-C員アルキレン、C-C員アルケニレン、C-C員アルキニレン、またはC-C員ヘテロアルキレンとして記載され得、用語「員」は、部位内の非水素原子を指す。ヘテロアルキレン基の場合、ヘテロ原子はまた、鎖末端のいずれか、または両方を占有し得る(例えば、アルキレンオキシ、アルキレンジオキシ、アルキレンアミノ、アルキレンジアミノ等)。また更に、アルキレン、及びヘテロアルキレン連結基について、連結基の配向は、連結基の式が記載される方向によって示されない。例えば、式-C(O)R’-は、-C(O)R’-及び-R’C(O)-の両方を表し得る。
【0078】
本明細書で使用される場合、「アリール」は、芳香族環系で提供される6~14個の環炭素原子及び0個のヘテロ原子を有する単環式または多環式(例えば、二環式または三環式)の4n+2芳香族環系(例えば、環状アレイで共有される6、10、または14個のπ電子を有する)の基(「C-C14アリール」)を指す。いくつかの実施形態では、アリール基は、6つの環炭素原子を有する(「Cアリール」;例えば、フェニル)。いくつかの実施形態では、アリール基は、10個の環炭素原子を有する(「C10アリール」;例えば、ナフチル、例えば、1-ナフチル及び2-ナフチル)。いくつかの実施形態では、アリール基は、14個の環炭素原子を有する(「C14アリール」;例えば、アントラシル)。アリール基は、例えば、C-C10員アリールとして記載され得、用語「員」は、部位内の非水素環原子を指す。アリール基としては、フェニル、ナフチル、インデニル、及びテトラヒドロナフチルが挙げられる。アリール基の各例は、独立して、任意選択的に置換されていてもよく、すなわち、非置換であり(「非置換アリール」)、または1つ以上の置換基によって置換されている(「置換アリール」)。
【0079】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」は、芳香族環系で提供される環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員単環式または二環式4n+2芳香族環系(例えば、環状アレイで共有される6または10個のπ電子を有する)の基であって、各ヘテロ原子が、独立して、窒素、酸素及び硫黄から選択される(「5~10員ヘテロアリール」)、基を指す。1つ以上の窒素原子を含有するヘテロアリール基において、結合点は、原子価が許す場合、炭素、または窒素原子であり得る。ヘテロアリール二環式環系には、一方、または両方の環において、1つ以上のヘテロ原子が含まれ得る。「ヘテロアリール」は、上に定義されるヘテロアリール環が、1つ以上のアリール基と縮合しており、結合点がアリール、またはヘテロアリール環のいずれかにある環系も含まれ、そのような場合、環員の数は、縮合(アリール/ヘテロアリール)環系における環員数を指す。一方の環がヘテロ原子を含有しない二環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリル等)結合点は、いずれかの環上にあり、すなわち、ヘテロ原子を保有する環上(例えば、2-インドリル)またはヘテロ原子を含有しない環上(例えば、5-インドリル)にあり得る。ヘテロアリール基は、例えば、6~10員ヘテロアリールとして記載され得、用語「員」は、部位内の非水素環原子を指す。
【0080】
いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香族環系で提供される環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員芳香族環系であって、各ヘテロ原子が、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される(「5~10員ヘテロアリール」)、5~10員芳香族環系である。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香族環系で提供される環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する5~8員芳香族環系であって、各ヘテロ原子が、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される(「5~8員ヘテロアリール」)、5~8員芳香族環系である。いくつかの実施形態では、ヘテロアリール基は、芳香族環系で提供される環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する5~6員芳香族環系であって、各ヘテロ原子が、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される(「5~6員ヘテロアリール」)、5~6員芳香族環系である。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される、1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロアリールは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1つの環ヘテロ原子を有する。ヘテロアリール基の各例は、独立して、任意選択的に置換されていてもよく、すなわち、非置換であり(「非置換ヘテロアリール」)、または1つ以上の置換基によって置換されている(「置換ヘテロアリール」)。
【0081】
1つのヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基には、限定されないが、ピロリル、フラニル及びチオフェニルが含まれる。2つのヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基には、限定されないが、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、及びイソチアゾリルが含まれる。3つのヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基には、限定されないが、トリアゾリル、オキサジアゾリル、及びチアジアゾリルが含まれる。4つのヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基には、限定されないが、テトラゾリルが含まれる。1つのヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基には、限定されないが、ピリジニルが含まれる。2つのヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基には、限定されないが、ピリダジニル、ピリミジニル、及びピラジニルが含まれる。3または4個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基には、限定されないが、トリアジニル及びテトラジニルがそれぞれ含まれる。1つのヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロアリール基には、限定されないが、アゼピニル、オキセピニル、及びチエピニルが含まれる。例示的な5,6-二環式ヘテロアリール基には、限定されないが、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズチアジアゾリル、インドリジニル、及びプリニルが含まれる。代表的な6,6-二環式ヘテロアリール基としては、限定されないが、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、及びキナゾリニルが挙げられる。他の例示的なヘテロアリール基としては、ヘム、及びヘム誘導体が挙げられる。
【0082】
本明細書で使用される場合、用語「アリーレン」、及び「ヘテロアリーレン」は、単独で、または別の置換基の一部として、各々、アリール、及びヘテロアリールに由来する二価基を意味する。
【0083】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、非芳香族環系において3~10個の環炭素原子(「C-C10シクロアルキル」)及び0個のヘテロ原子を有する非芳香族環状炭化水素基の基を指す。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、3~8個の環炭素原子(「C-Cシクロアルキル」)、3~6個の環炭素原子(「C-Cシクロアルキル」)、または5~10個の環炭素原子(「C-C10シクロアルキル」)を有する。シクロアルキル基は、例えば、C-C員シクロアルキルとして記載され得、用語「員」は、部位内の非水素環原子を指す。例示的なC-Cシクロアルキル基には、限定されないが、シクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)等が含まれる。例示的なC-Cシクロアルキル基には、限定されないが、前述したC-Cシクロアルキル基及びシクロヘプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)、キュバニル(C)、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル(C)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C)、ビシクロ[2.1.1]ヘキサニル(C)、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル(C)等が含まれる。例示的なC-C10シクロアルキル基としては、限定されないが、前述のC-Cシクロアルキル基、ならびにシクロノニル(C)、シクロノネニル(C)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ-1H-インデニル(C)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)等が挙げられる。前述の例が示すように、所定の実施形態では、シクロアルキル基は、単環式(「単環式シクロアルキル」)であり、または縮合、架橋、またはスピロ環系、例えば、二環式系(「二環式シクロアルキル」)を含有し、飽和であり得、または部分的に不飽和であり得る。「シクロアルキル」には、上に定義されるシクロアルキル環が、1つ以上のアリール基と縮合しており、結合点がシクロアルキル環上にある環系も含まれ、そのような事例では、炭素数は、引き続き、シクロアルキル環系中の炭素数を指す。シクロアルキル基の各例は、独立して、任意選択的に置換されていてもよく、すなわち、非置換であり(「非置換シクロアルキル」)、1つ以上の置換基によって置換されている(「置換シクロアルキル」)。
【0084】
「ヘテロシクリル」は、本明細書で使用される場合、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する3~10員非芳香族環系の基であって、各ヘテロ原子が、独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素から選択される(「3~10員ヘテロシクリル」)、基である。1つ以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基において、結合点は、原子価が許す場合、炭素、または窒素原子であり得る。ヘテロシクリル基は、単環式(「単環式ヘテロシクリル」)、または縮合、架橋、もしくはスピロ環系、例えば、二環式系(「二環式ヘテロシクリル」)のいずれかであり得、飽和であり得、または部分的に不飽和であり得る。ヘテロシクリル二環式環系には、一方、または両方の環において、1つ以上のヘテロ原子が含まれ得る。「ヘテロシクリル」には、上に定義されるヘテロシクリル環が、1つ以上のシクロアルキル基と縮合しており、結合点がシクロアルキル環、もしくはヘテロシクリル環のいずれかの環上にある環系、または上に定義されるヘテロシクリル環が、1つ以上のアリール基、もしくはヘテロアリール基と縮合しており、結合点がヘテロシクリル環上にある環系も含まれ、そのような場合、環員の数は、引き続き、ヘテロシクリル環系中の環員の数を指す。ヘテロシクリル基は、例えば、3~7員ヘテロシクリルとして記載され得、用語「員」は、部位内の非水素環原子、すなわち、炭素、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素を指す。ヘテロシクリルの各例は、独立して、任意選択的に置換されていてもよく、すなわち、非置換であり(「非置換ヘテロシクリル」)、1つ以上の置換基によって置換されている(「置換ヘテロシクリル」)。所定の実施形態では、ヘテロシクリル基は、非置換3~10員ヘテロシクリルである。所定の実施形態では、ヘテロシクリル基は、置換された3~10員ヘテロシクリルである。
【0085】
いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する5~10員非芳香族環系であって、各ヘテロ原子が、独立して、窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、及びケイ素から選択される(「5~10員ヘテロシクリル」)、5~10員非芳香族環系である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する5~8員非芳香族環系であって、各ヘテロ原子が、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択されるもの(「5~8員ヘテロシクリル」)である。いくつかの実施形態では、ヘテロシクリル基は、環炭素原子及び1~4個の環ヘテロ原子を有する5~6員非芳香族環系であって、各ヘテロ原子が、独立して、窒素、酸素、及び硫黄から選択される(「5~6員ヘテロシクリル」)、5~6員非芳香族環系である。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~3個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1~2個の環ヘテロ原子を有する。いくつかの実施形態では、5~6員ヘテロシクリルは、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1つの環ヘテロ原子を有する。
【0086】
1つのヘテロ原子を含有する例示的な3員ヘテロシクリル基には、限定されないが、アジルジニル、オキシラニル、チオレニルが含まれる。1つのヘテロ原子を含有する例示的な4員ヘテロシクリル基には、限定されないが、アゼチジニル、オキセタニル及びチエタニルが含まれる。1つのヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基には、限定されないが、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル及びピロリル-2,5-ジオンが含まれる。2つのヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基には、限定されないが、ジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニル、及びオキサゾリジン-2-オンが含まれる。3つのヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基には、限定されないが、トリアゾリニル、オキサジアゾリニル、及びチアジアゾリニルが含まれる。1つのヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基には、限定されないが、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、及びチアニルが含まれる。2つのヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基には、限定されないが、ピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルが含まれる。2つのヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基には、限定されないが、トリアジナニルまたはチオモルホリニル-1,1-ジオキシドが含まれる。1つのヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロシクリル基には、限定されないが、アゼパニル、オキセパニル及びチエパニルが含まれる。1つのヘテロ原子を含有する例示的な8員ヘテロシクリル基には、限定されないが、アゾカニル、オキセカニル及びチオカニルが含まれる。Cアリール環に縮合された例示的な5員ヘテロシクリル基(本明細書で5,6-二環式複素環式環とも称される)には、限定されないが、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニル等が含まれる。アリール環に縮合された例示的な6員ヘテロシクリル基(本明細書で6,6-二環式複素環式環とも称される)には、限定されないが、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル等が含まれる。
【0087】
「アミノ」は、本明細書で使用される場合、基-NR7071(式中、R70及びR71は、それぞれ独立して、水素、C-Cアルキル、C-C10シクロアルキル、C-C10ヘテロシクリル、C-C10アリール、及びC-C10ヘテロアリールである)を指す。いくつかの実施形態では、アミノは、NHを指す。
【0088】
本明細書で使用される場合、「シアノ」は、基-CNを指す。
【0089】
本明細書で使用される場合、「ハロ」、または「ハロゲン」は、独立して、または別の置換基の一部として、別途述べられていない限り、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、またはヨウ素(I)原子を意味する。
【0090】
本明細書で使用される場合、「ヒドロキシ」は、基-OHを指す。
【0091】
アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリール基は、本明細書で定義される場合、任意選択的に置換されている(例えば、「置換」、または「非置換」アルキル、「置換」、または「非置換」アルケニル、「置換」、または「非置換」アルキニル、「置換」、または「非置換」ヘテロアルキル、「置換」、または「非置換」シクロアルキル、「置換」、または「非置換」ヘテロシクリル、「置換」、または「非置換」アリール、または「置換」、または「非置換」ヘテロアリール基)。通常、用語「置換された」は、用語「任意選択的に」が先行するかどうかにかかわらず、基(例えば、炭素、または窒素原子)上に存在する少なくとも1つの水素が、許容可能な置換基、例えば、置換により、安定な化合物(例えば、転位、環化、脱離、または他の反応によって自発的に変換を受けない化合物)をもたらす置換基で、置き換えられていることを意味する。別途示されない限り、「置換された」基は、基の1つ以上の置換可能な位置によって置換基を有し、任意の所与の構造における2つ以上の位置が置換される場合、置換基は、各位置で、同一であり、または異なる。用語「置換された」は、安定な化合物の形成をもたらす、本明細書に記載される置換基のいずれか等の、有機化合物の全ての許容可能な置換基での置換を含むことが企図される。本開示は、安定な化合物に到達するための、あらゆるそのような組み合わせを企図する。本開示の目的のため、窒素等のヘテロ原子は、水素置換基、及び/またはヘテロ原子の価数を満たし、かつ安定な部位の形成をもたらす本明細書に記載される任意の好適な置換基を有し得る。
【0092】
2つ以上の置換基は、任意選択的に結合して、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、またはヘテロシクリル基を形成し得る。そのようないわゆる環形成置換基は、典型的には、環状基本構造に結合した状態で見出されるが、必ずしもそうとは限らない。1つの実施形態では、環形成置換基は、基本構造の隣接員に結合される。例えば、環状基本構造の隣接員に結合した2つの環形成置換基は、縮合環構造を生成する。別の実施形態では、環形成置換基は、基本構造の単一員に結合される。例えば、環状基本構造の単一員に結合した2つの環形成置換基は、スピロ環式構造を生成する。更に別の実施形態では、環形成置換基は、基本構造の非隣接員に結合される。
【0093】
本明細書に記載される式(I)の化合物は、1つ以上の不斉中心を含み得、よって、様々な異性体形態、例えば、エナンチオマー、及び/またはジアステレオマーで存在し得る。例えば、本明細書に記載される化合物は、個々のエナンチオマー、ジアステレオマー、または幾何異性体の形態であり得、またはラセミ混合物、及び1つ以上の立体異性体が濃縮された混合物を含む、立体異性体の混合物の形態であり得る。異性体は、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、ならびにキラル塩の形成、及び結晶化を含む、当業者に知られている方法によって混合物から単離され得、または好ましい異性体は、不斉合成によって調製され得る。例えば、Jacques et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley Interscience,New York,1981)、Wilen et al.,Tetrahedron 33:2725(1977)、Eliel,Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill,NY,1962)、及びWilen,Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN 1972)を参照されたい。本開示は、他の異性体を実質的に含まない個々の異性体として、及び代替的に、様々な異性体の混合物として、本明細書に記載される化合物を追加的に包含する。
【0094】
本明細書で使用される場合、純粋なエナンチオマー化合物は、化合物の他のエナンチオマー、または立体異性体を、実質的に含まない(すなわち、エナンチオマー過剰である)。換言すれば、化合物の「S」形態は、化合物の「R」形態を実質的に含まないので、したがって、「R」形態に対してエナンチオマー過剰である。用語「エナンチオマー的に純粋」、または「純粋なエナンチオマー」は、化合物が、75重量%を超える、80重量%を超える、85重量%を超える、90重量%を超える、91重量%を超える、92重量%を超える、93重量%を超える、94重量%を超える、95重量%を超える、96重量%を超える、97重量%を超える、98重量%を超える、99重量%を超える、99.5重量%を超える、または99.9重量%を超える、エナンチオマーを含むこと示す。所定の実施形態では、重量は、化合物の全てのエナンチオマー、または立体異性体の総重量に基づく。
【0095】
本明細書に記載される式(I)の化合物はまた、1つ以上の同位体置換を含み得る。例えば、Hは、H、H(Dまたは重水素)、及びH(Tまたはトリチウム)を含む任意の同位体形態であり得、Cは、12C、13C、及び14Cを含む任意の同位体形態であり得、Oは、16O及び18Oを含む任意の同位体形態であり得る、等である。
【0096】
用語「薬学的に許容可能な塩」は、本明細書に記載される化合物上に見出される特定の置換基に応じて、比較的毒性のない酸、または塩基を用いて調製される、活性化合物の塩を含むことを意味する。本開示のデバイスを調製するために使用される式(I)の化合物が、相対的に酸性の官能基を含有する場合、塩基付加塩は、そのような化合物の中性形態を、十分な量の所望の塩基と、そのままで、または好適な不活性溶媒中で接触させることによって得られ得る。薬学的に許容可能な塩基付加塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、またはマグネシウム塩、または同様の塩が挙げられる。本開示で使用される化合物が、相対的に塩基性の機能性を含有する場合、酸付加塩は、そのような化合物の中性形態を、十分な量の所望の酸と、そのままで、または好適な不活性溶媒中で接触させることによって得られ得る。薬学的に許容可能な酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、硫酸、一水素硫酸、ヨウ化水素酸、または亜リン酸等のような無機酸に由来する塩、ならびに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸等のような有機酸に由来する塩が挙げられる。また、アルギネート等のアミノ酸の塩、及びグルクロン酸またはガラクツロン酸等の有機酸の塩も含まれる(例えば、Berge et al,Journal of Pharmaceutical Science 66:1-19 (1977)を参照されたい)。本開示のデバイス(例えば、粒子、ヒドロゲルカプセル)において使用される所定の特定の化合物は、化合物が塩基、または酸付加塩のいずれかに変換されることを可能とする、塩基性、及び酸性官能性の両方を含有する。これらの塩は、当業者に知られている方法によって調製され得る。当業者に知られている他の薬学的に許容可能な担体は、本開示における使用のために好適である。
【0097】
「多糖」は、本明細書で使用される場合、グリコシド結合によって一緒に結合した、単糖、または二糖炭水化物のポリマーを指す。多糖は、直鎖状、または分岐鎖状であってもよい。例示的な単糖としては、グルコース、ガラクトース、マンノース、アロース、アルトロース、タロース、イドース、グロース、フルクトース、リボース、アラビノース、リキソース、キシロース、ラムノース、グルクロン酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸、及びグルロン酸が挙げられる。例示的な多糖としては、アルギネート、寒天、アガロース、カラギーナン、ヒアルロネート、アミロペクチン、グリコーゲン、ゼラチン、セルロース、アミロース、キチン、キトサン、またはそれらの誘導体、もしくはバリアント(例えば、Laurienzo(2010),Mar Drugs 9:2435-65に記載されているもの)が挙げられる。
【0098】
本開示のデバイスは、式(I)の化合物を、プロドラッグ形態で含有し得る。プロドラッグは、本開示においてデバイスを調製するために有用な化合物を提供するために、生理的条件下で化学的変化を容易に受けるそれらの化合物である。加えて、プロドラッグは、エクスビボ環境で、化学的、または生化学的方法によって、式(I)の有用な化合物に変換され得る。
【0099】
本明細書に記載される式(I)の所定の化合物は、非溶媒和形態、及び水和形態を含む溶媒和形態で存在し得る。概して、溶媒和形態は、非溶媒和形態と同等であり、本開示の範囲内に包含される。本明細書に記載される式(I)の所定の化合物は、多結晶性、または非晶質形態で存在し得る。通常、全ての物理的形態は、本開示によって企図される使用のために同等であり、本開示の範囲内であることが意図される。
【0100】
用語「溶媒和物」は、通常は、加溶媒分解反応によって、溶媒に関連付けられた化合物の形態を指す。この物理的会合は、水素結合を含み得る。従来の溶媒としては、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテル等が挙げられる。本明細書に記載される化合物は、例えば、結晶形態で調製され得、溶媒和され得る。好適な溶媒和物には、薬学的に許容可能な溶媒和物が含まれ、化学量論的溶媒和物及び非化学量論的溶媒和物の両方が更に含まれる。
【0101】
用語「水和物」は、水に関連付けられた化合物を指す。典型的には、化合物の水和物に含有される水分子の数は、水和物における化合物分子の数に対する限定された比内にある。したがって、化合物の水和物は、例えば、一般式R・x HOによって表され得、式中、Rは化合物であり、xは0を超える数である。
【0102】
本明細書で使用される場合、用語「互変異性体」とは、互換性のある形態の化合物構造であり、水素原子及び電子の置き換えに変化がある化合物を意味する。したがって、2つの構造は、π電子と原子(通常、H)の移動を通して平衡であり得る。例えば、エノール、及びケトンは、酸、または塩基のいずれかで処理することによって迅速に相互変換されるので、互変異性体である。互変異性形態は、目的の化合物の、最適な化学的反応性、及び生物学的活性の達成に関連し得る。
【0103】
本明細書で使用される記号「
【化1】

」は、実体、例えば、ポリマー(例えば、アルギネート等のヒドロゲル形成ポリマー)との、または埋め込み可能なデバイス、例えば、粒子、ヒドロゲルカプセルの表面への接続を指す。「
【化2】

」で表される接続は、実体、例えば、ポリマーまたは移植可能な要素への直接の結合を指してもよく、結合基を介した実体への連結を指してもよい。本明細書で記載される「結合基」は、式(I)の化合物を実体(例えば、本明細書に記載されるポリマーまたは移植可能な要素(例えば、デバイス))に連結するための部位を指し、当該知られている任意の結合化学を含み得る。例示的な結合基のリストは、Bioconjugate Techniques(3rd ed,Greg T.Hermanson,Waltham,MA:Elsevier,Inc,2013)に概説されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、結合基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)-、-OC(O)-、-N(R)-、-N(R)C(O)-、-C(O)N(R)-、-N(R)N(R)-、-NCN-,-C(=N(R)(R))O-,-S-,-S(O)-,-OS(O)-,-N(R)S(O)-,-S(O)N(R)-、-P(R-,-Si(OR-,-Si(R)(OR)-、-B(OR)-、または金属を含み、R、R、R、R、R、x、及びyの各々は独立して、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、結合基は、アミン、ケトン、エステル、アミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはチオールを含む。いくつかの実施形態では、結合基は、架橋剤である。いくつかの実施形態では、結合基は、-C(O)(C-C-アルキレン)-であり、アルキレンは、Rによって置換されている、Rは、本明細書に記載の通りである。いくつかの実施形態では、結合基は、-C(O)(C-C-アルキレン)-であり、アルキレンは、1~2個のアルキル基(例えば、1~2個のメチル基)によって置換されている。いくつかの実施形態では、結合基は、-C(O)C(CH-である。いくつかの実施形態では、結合基は、-C(O)(メチレン)-であり、アルキレンは、1~2個のアルキル基(例えば、1~2個のメチル基)によって置換されている。いくつかの実施形態では、結合基は、-C(O)CH(CH)-である。いくつかの実施形態では、結合基は、-C(O)C(CH)-である。
【0104】
用語「共有結合」、「共有結合」、及び「共有結合」は、本明細書で使用される場合、2つの隣接する原子間の電子の共有を伴う化学結合の一種を指す。共有結合の例としては、炭素と水素(C-H結合)、炭素原子(C-C結合)、炭素原子と酸素原子(C-O結合)、及び炭素と窒素(C-N結合)の間に形成されたものが挙げられる。原子の同一性に応じて、共有結合は、単結合、二重結合、または三重結合であり得る。すなわち、共有結合は、1対、2対、または3対の電子の共有を含み得る。
【0105】
用語「イオン性」、「イオン結合」、及び「イオン結合」は、本明細書で使用される場合、隣接する反対電荷の原子(すなわち、イオン)間のクーロン引力を関与させた化学結合の一種を指す。
【0106】
修飾多糖ポリマー
本明細書に記載される多糖ポリマーは、共有結合架橋剤部位で共有結合的に修飾される。一実施形態では、多糖ポリマーは、直鎖状、分岐鎖状、もしくは架橋状の多糖ポリマー、または選択された分子量範囲、重合度、粘度、もしくはメルトフローレートの多糖ポリマーであり得る。分岐状多糖ポリマーには、以下のタイプ:星型ポリマー、櫛型ポリマー、ブラシ型ポリマー、デンドリマー化ポリマー、グラフトコ(ポリマー)、はしご型、及びデンドリマーのうちの1つ以上が含まれ得る。いくつかの実施形態では、分岐鎖多糖ポリマーは、星形ポリマーである。いくつかの実施形態では、分岐鎖多糖ポリマーは、くし形ポリマーである。いくつかの実施形態では、分岐鎖多糖ポリマーは、ブラシ形ポリマーである。いくつかの実施形態では、分岐鎖多糖ポリマーは、デンドロンポリマーである。いくつかの実施形態では、分岐鎖多糖ポリマーは、グラフト(コ)ポリマーである。いくつかの実施形態では、分岐鎖多糖ポリマーは、はしご型ポリマーである。いくつかの実施形態では、分岐鎖多糖ポリマーは、デンドリマー型ポリマーである。多糖ポリマーは、熱応答性ポリマー、例えば、ゲル(例えば、熱、もしくは所定の温度への曝露により、固体、もしくは液体になる)、または光架橋性ポリマーであり得る。いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは、架橋性ポリマーであり、架橋部位は、別の薬剤によって活性化される。いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは、生分解性であってもよく、例えば、不安定な結合を含有してもよく、または酵素、例えば、リアーゼによって解離されてもよい。いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは、単一のタイプの繰り返しモノマー単位から構成される。他の実施形態では、多糖ポリマーは、異なるタイプの繰り返しモノマー単位(例えば、2タイプの繰り返しモノマー単位、3タイプの繰り返しモノマー単位、例えば、ポリマーブレンド)から構成される。いくつかの実施形態では、多糖は、マンヌロン酸及びグルロン酸モノマーから構成され得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、ポリマーは、天然に存在するまたは合成ポリマーである。いくつかの実施形態では、ポリマーは、天然に存在する多糖または合成多糖である。一実施形態では、多糖ポリマーは、セルロース、例えば、カルボキシメチルセルロースである。一実施形態では、多糖ポリマーは、ポリラクチド、ポリグリコシド、またはポリカプロラクトンである。一実施形態では、多糖ポリマーは、ヒアルロネート、例えば、ヒアルロン酸ナトリウムである。一実施形態では、ポリマーは、コラーゲン、エラスチン、またはゼラチンである。一実施形態では、ポリマーは、キチンである。
【0108】
いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは、ヒドロゲル形成ポリマーである。ヒドロゲル形成ポリマーは、親水性構造を含み、そのため、三次元ネットワーク内に大量の水を保持することが可能である。ヒドロゲル形成ポリマーは、ホモポリマーヒドロゲルカプセル、コポリマーヒドロゲルカプセル、またはマルチポリマー相互浸透ポリマーヒドロゲルカプセルを形成するポリマーを含み得、例えば、Ahmed(2015)J Adv Res 6:105-121に記載されているように、本質的に、非晶質性、半結晶性、または結晶性であり得る。例示的なヒドロゲル形成ポリマーとしては、タンパク質(例えば、コラーゲン)、ゼラチン、多糖(デンプン、アルギネート、ヒアルロネート、アガロース)、及び合成多糖が挙げられる。
【0109】
例示的な多糖としては、アルギネート、寒天、アガロース、カラギーナン、ヒアルロネート、アミロペクチン、グリコーゲン、ゼラチン、セルロース、アミロース、キチン、キトサン、またはそれらの誘導体、もしくはバリアント(例えば、Laurienzo(2010),Mar Drugs 9:2435-65に記載されているもの)が挙げられる。多糖ポリマーは、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、デルマタン、デキストラン、またはカルボキシメチルセルロースを含み得る。いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは架橋ポリマーである。いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは細胞表面多糖である。
【0110】
いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは、アルギネートである。アルギネートは、β-D-マンヌロン酸(M)、及びα-L-グルロン酸(G)から構成される多糖である。いくつかの実施形態では、アルギネートは、高グルロン酸(G)アルギネートであり、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、またはそれを超えるグルロン酸(G)を含む。いくつかの実施形態では、アルギネートは、高マンヌロン酸(M)アルギネートであり、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%超、またはそれを超えるマンヌロン酸(M)を含む。いくつかの実施形態では、M:Gの比は、約1である。いくつかの実施形態では、M:Gの比は、1未満である。いくつかの実施形態では、M:Gの比は、1を超える。いくつかの実施形態では、アルギネートは、<75kDaのおおよその分子量、及び任意選択的に、≧1.5のG:M比を有する。いくつかの実施形態では、アルギネートは、75kDa~150kDaのおおよその分子量を有し、任意選択的に、≧1.5のG:M比を有する。いくつかの実施形態では、アルギネートは、150~250kDaのおおよその分子量を有し、任意選択的に、≧1.5のG:M比を有する。
【0111】
式(I)の構造を有する糖部位、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、多糖ポリマー(例えば、本明細書に記載されるポリマーのいずれか、例えば、本明細書に記載されるアルギネートのいずれか)は、1つ以上のモノマー単位において修飾されていてもよい。いくつかの実施形態では、多糖ポリマーの糖モノマーの少なくとも0.5パーセントが、式(I)の構造を有する(例えば、糖モノマーの、少なくとも1、2.5、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、99パーセント、またはそれ以上、が式(I)の構造を有する)。いくつかの実施形態では、多糖ポリマーの糖モノマーの0.5~50%、10~90%、10~50%、または25~75%が、式(I)の構造を有する。いくつかの実施形態では、多糖ポリマーの糖モノマーの1~20%が、式(I)の構造を有する。いくつかの実施形態では、多糖ポリマーの糖モノマーの1~10%が、式(I)の構造を有する。いくつかの実施形態では、糖モノマーの1~50%が、式(I)の構造を有する。
【0112】
いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは(式(I)の構造を有する糖モノマーを含む場合)、重量基準で、少なくとも0.1、0.2、0.5、1.0、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10%Nの、%Nの増加(非修飾ポリマーと比較した場合)を含み、%Nは、元素分析によって決定され、修飾ポリマー中の式(I)の化合物の量に対応する。
【0113】
いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは(式(I)の構造を有する糖モノマーを含む場合)、重量基準で、0.1~10%Nの、%Nの増加(非修飾ポリマーと比較した場合)を含み、%Nは、元素分析によって決定され、修飾ポリマー中の式(I)の化合物の量に対応する。
【0114】
いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは(式(I)の構造を有する糖モノマーを含む場合)、重量基準で、0.1~2%Nの、%Nの増加(非修飾ポリマーと比較した場合)を含み、%Nは、元素分析によって決定され、修飾ポリマー中の式(I)の化合物の量に対応する。
【0115】
いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは(式(I)の構造を有する糖モノマーを含む場合)、重量基準で、2~4%Nの、%Nの増加(非修飾ポリマーと比較した場合)を含み、%Nは、元素分析によって決定され、修飾ポリマー中の式(I)の化合物の量に対応する。
【0116】
いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは(式(I)の構造を有する糖モノマーを含む場合)、重量基準で、4~8%Nの、%Nの増加(非修飾ポリマーと比較した場合)を含み、%Nは、元素分析によって決定され、修飾ポリマー中の式(I)の化合物の量に対応する。
【0117】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される多糖ポリマー(例えば、アルギネート)はいずれも、式(I-a)、(I-b)、(I-c)、(I-d)、(I-e)、(I-f)の1つ以上を有する糖モノマー、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは、式(II-a)の構造を有する、糖モノマーを含む。いくつかの実施形態では、ポリマーは、式(II-b)の化合物で修飾されている。いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは、式(II-c)の構造を有する、糖モノマーを含む。いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは、式(II-d)の構造を有する、糖モノマーを含む。いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは、式(II-e)の構造を有する、糖モノマーを含む。いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは、式(II-f)の構造を有する、糖モノマーを含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、ポリマー(例えば、アルギネート)は、表3に示される化合物で修飾される。
【0119】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物で修飾されたポリマー(例えば、アルギネート)は、WO2012/112982、WO2012/167223、WO2014/153126、WO2016/187225、WO2016/019391、WO2017/075630、WO2017/075631、WO2018/067615、WO2019/169333、及びUS2016-0030359のいずれか1つに記載の修飾ポリマーではない。
【0120】
非線維性化合物
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される多糖ポリマーは、少なくとも1つの式(I)の非線維性化合物、
【化3】

またはその薬学的に許容可能な塩を更に含み、式中、
Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O)-、-N(R)-、-N(R)C(O)-、-C(O)N(R)-、-N(R)C(O)(C-C-アルキレン)-、-N(R)C(O)(C-C-アルケニレン)-、-N(R)N(R)-、-NCN-、-C(=N(R)(R))O-、-S-、-S(O)-、-OS(O)-、-N(R)S(O)-、-S(O)N(R)-、-P(R-、-Si(OR-、-Si(R)(OR)-、-B(OR)-、または金属であり、これらの各々は、結合基(例えば、本明細書に記載される結合基)に任意選択的に連結され、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、L及びLの各々は、独立して、結合、アルキル、またはヘテロアルキルであり、各アルキル及びヘテロアルキルは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、Lは、結合であり、Mは、非存在、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々は、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、Pは、非存在、シクロアルキル、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールであり、これらの各々は、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、Zは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、-OR、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)N(R)(R)、-N(R)C(O)R、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、各R、R、R、R、R、R、及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、アジド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、あるいはR及びRは、それらが結合した窒素原子と一緒になって、1つ以上のRによって任意選択的に置換された環(例えば、5~7員環)を形成し、各R、R、R、R、R、及びRは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、S(O)E1、-OS(O)E1、-N(RC1)S(O)E1、-S(O)N(RC1)(RD1)、-P(RF1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、各RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、xは、1または2であり、yは、2、3、または4である。
【0121】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-a)の化合物:
【化4】

またはその薬学的に許容可能な塩を更に含み、式中、Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O)-、-N(R)-、-N(R)C(O)-、-C(O)N(R)-、-N(R)N(R)-、N(R)C(O)(C-C-アルキレン)-、-N(R)C(O)(C-C-アルケニレン)-、-NCN-、-C(=N(R)(R))O-、-S-、-S(O)-、-OS(O)-、-N(R)S(O)-、-S(O)N(R)-、-P(R-、-Si(OR-、-Si(R)(OR)-、-B(OR)-、または金属であり、これらの各々は、結合基(例えば、本明細書に記載される結合基)に任意選択的に連結され、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、L及びLの各々は、独立して、結合、アルキル、またはヘテロアルキルであり、各アルキル及びヘテロアルキルは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、Lは、結合であり、Mは、非存在、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々は、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、Pは、1つ以上のRによって任意選択的に置換されたヘテロアリールであり、Zは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々は、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、各R、R、R、R、R、R、及びRは、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、アジド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、あるいはR及びRは、それらが結合した窒素原子と一緒になって、1つ以上のRによって任意選択的に置換された環(例えば、5~7員環)を形成し、各R、R、R、R、R、及びRは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、S(O)E1、-OS(O)E1、-N(RC1)S(O)E1、-S(O)N(RC1)(RD1)、-P(RF1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、各RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、xは、1または2であり、yは、2、3、または4である。
【0122】
いくつかの実施形態では、式(I)及び(I-a)について、Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O)-、-N(R)C(O)-、-N(R)C(O)(C-C-アルキレン)-、-N(R)C(O)(C-C-アルケニレン)-、または-N(R)-である。いくつかの実施形態では、Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O)-、または-N(R)-である。いくつかの実施形態では、Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O)-、または-N(R)-である。いくつかの実施形態では、Aは、アルキル、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O)、または-N(R)-である。いくつかの実施形態では、Aは、-N(R)C(O)-、-N(R)C(O)(C-C-アルキレン)-、または-N(R)C(O)(C-C-アルケニレン)-である。いくつかの実施形態では、Aは、-N(R)-である。いくつかの実施形態では、Aは、-N(R)-であり、R及びRは、独立して、水素またはアルキルである。いくつかの実施形態では、Aは、-NH-である。いくつかの実施形態では、Aは、-N(R)C(O)(C-C-アルキレン)-であり、アルキレンは、Rによって置換されている。いくつかの実施形態では、Aは、-N(R)C(O)(C-C-アルキレン)-であり、Rは、アルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態では、Aは、-NHC(O)C(CH-である。いくつかの実施形態では、Aは、-N(R)C(O)(メチレン)-であり、Rは、アルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態では、Aは、-NHC(O)CH(CH)-である。いくつかの実施形態では、Aは、-NHC(O)C(CH)-である。
【0123】
いくつかの実施形態では、式(I)及び(I-a)について、Lは、結合、アルキル、またはヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは、結合またはアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは、結合である。いくつかの実施形態では、Lは、アルキルである。いくつかの実施形態では、Lは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは、 -CH-、-CH(CH)-、-CHCHCH、または-CHCH-である。いくつかの実施形態では、Lは、-CH-または-CHCH-である。
【0124】
いくつかの実施形態では、式(I)及び(I-a)について、Lは、結合、アルキル、またはヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは、結合である。いくつかの実施形態では、Lは、アルキルである。いくつかの実施形態では、Lは、C-C12アルキルである。いくつかの実施形態では、Lは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは、-CH-である。いくつかの実施形態では、Lは、ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは、1つ以上のR(例えば、オキソ)によって任意選択的に置換されたC-C12ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは、1つ以上のR(例えば、オキソ)によって任意選択的に置換されたC-Cヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、Lは、
-C(O)OCH-、-CH(OCHCH-、-CH(OCHCH-、CHCHO-、または-CHO-である。いくつかの実施形態では、Lは、-CHO-である。
【0125】
いくつかの実施形態では、式(I)及び(I-a)について、Mは、非存在、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Mは、ヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Mは、非存在である。いくつかの実施形態では、Mは、アルキル(例えば、C-Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、Mは、-CH-である。いくつかの実施形態では、Mは、ヘテロアルキル(例えば、C-Cヘテロアルキル)である。いくつかの実施形態では、Mは、(-OCHCH-)zであり、zは、1~10から選択される整数である。いくつかの実施形態では、zは、1~5から選択される整数である。いくつかの実施形態では、Mは、-OCHCH-、(-OCHCH-)
(-OCHCH-)、(-OCHCH-)、または(-OCHCH-)である。いくつかの実施形態では、Mは、-OCHCH-、
(-OCHCH-)、(-OCHCH-)、または(-OCHCH-)である。いくつかの実施形態では、Mは、(-OCHCH-)である。いくつかの実施形態では、Mは、アリールである。いくつかの実施形態では、Mは、フェニルである。いくつかの実施形態では、Mは、非置換フェニルである。いくつかの実施形態では、Mは、
【化5】

である。いくつかの実施形態では、Mは、R(例えば、1つのR)によって置換されたフェニルである。いくつかの実施形態では、Mは、
【化6】

である。いくつかの実施形態では、Rは、CFである。
【0126】
いくつかの実施形態では、式(I)、及び(I-a)について、Pは、非存在、ヘテロシクリル、またはヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Pは、非存在である。いくつかの実施形態では、式(I)、及び(I-a)について、Pは、三環式、二環式、または単環式ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Pは、単環式ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Pは、窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Pは、単環式、窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Pは、5員ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Pは、5員窒素含有ヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Pは、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、またはトリアゾリル、ピロリル、オキサゾリル、またはチアゾリルである。いくつかの実施形態では、Pは、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、またはトリアゾリル、またはピロリルである。いくつかの実施形態では、Pは、イミダゾリルである。いくつかの実施形態では、Pは、
【化7】

である。いくつかの実施形態では、Pは、トリアゾリルである。いくつかの実施形態では、Pは、1,2,3-トリアゾリルである。いくつかの実施形態では、Pは、
【化8】

である。
【0127】
いくつかの実施形態では、Pは、ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Pは、5員ヘテロシクリル、または6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Pは、イミダゾリジノニルである。いくつかの実施形態では、Pは、
【化9】

である。いくつかの実施形態では、Pは、チオモルホリニル-1,1-ジオキシジルである。
【0128】
いくつかの実施形態では、Pは、
【化10】

である。
【0129】
いくつかの実施形態では、式(I)、または(I-a)について、Zは、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールである。いくつかの実施形態では、Zは、ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Zは、単環式、または二環式ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Zは、酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Zは、4員ヘテロシクリル、5員ヘテロシクリル、または6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Zは、6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Zは、6員酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Zは、テトラヒドロピラニルである。いくつかの実施形態では、Zは、
【化11】

である。いくつかの実施形態では、Zは、4員酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Zは、
【化12】

である。
【0130】
いくつかの実施形態では、Zは、二環式酸素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Zは、無水フタル酸である。いくつかの実施形態では、Zは、硫黄含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Zは、6員硫黄含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Zは、窒素原子、及び硫黄原子を含有する6員ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Zは、チオモルホリニル-1,1-ジオキシジルである。いくつかの実施形態では、Zは、
【化13】

である。いくつかの実施形態では、Zは、窒素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Zは、6員窒素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Zは、
【化14】

である。
【0131】
いくつかの実施形態では、Zは、二環式ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Zは、1つ以上のRによって任意選択的に置換された二環式窒素含有ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、Zは、2-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノナニルである。いくつかの実施形態では、Zは、
【化15】

である。いくつかの実施形態では、Zは、1-オキサ-3,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-オンである。いくつかの実施形態では、Zは、
【化16】

である。
【0132】
いくつかの実施形態では、式(I)、及び(I-a)について、Zは、アリールである。いくつかの実施形態では、Zは、単環式アリールである。いくつかの実施形態では、Zは、フェニルである。いくつかの実施形態では、Zは、一置換フェニル(例えば、1つのRを有する)である。いくつかの実施形態では、Zは、1つのRが窒素含有基である一置換フェニルである。いくつかの実施形態では、Zは、1つのRがNHである一置換フェニルである。いくつかの実施形態では、Zは、1つのRが酸素含有基である一置換フェニルである。いくつかの実施形態では、Zは、1つのRが酸素含有ヘテロアルキルである一置換フェニルである。いくつかの実施形態では、Zは、1つのRがOCHである一置換フェニルである。いくつかの実施形態では、Zは、1つのRがオルト位にある一置換フェニルである。いくつかの実施形態では、Zは、1つのRがメタ位にある一置換フェニルである。いくつかの実施形態では、Zは、1つのRがパラ位にある一置換フェニルである。
【0133】
いくつかの実施形態では、式(I)及び(I-a)について、Zは、アルキルである。いくつかの実施形態では、Zは、C-C12アルキルである。いくつかの実施形態では、Zは、C-C10アルキルである。いくつかの実施形態では、Zは、C-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Zは、1~5個のRによって置換されたC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Zは、1つのRによって置換されたC-Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Zは、1つのRによって置換されたC-Cアルキルであり、Rは、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、または
-N(RC1)(RD1)である。いくつかの実施形態では、Zは、1つのRによって置換されたC-Cアルキルであり、Rは、-ORA1または-C(O)ORA1である。いくつかの実施形態では、Zは、1つのRによって置換されたC-Cアルキルであり、Rは、
-ORA1または-C(O)OHである。いくつかの実施形態では、Zは、-CHである。
【0134】
いくつかの実施形態では、式(I)及び(I-a)について、Zは、ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、Zは、C-C12ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、Zは、C-C10ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、Zは、C-Cヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、Zは、C-Cヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、Zは、1つ以上のRで任意選択的に置換された窒素含有ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、Zは、1~5個のRによって置換された窒素及び硫黄含有ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、Zは、N-メチル-2-(メチルスルホニル)エタン-1-アミニルである。
【0135】
いくつかの実施形態では、Zは、-ORまたは-C(O)ORである。いくつかの実施形態では、Zは、-OR(例えば、-OHまたは-OCH)である。いくつかの実施形態では、Zは、-OCHである。いくつかの実施形態では、Zは、-C(O)OR(例えば、
-C(O)OH)である。
【0136】
いくつかの実施形態では、Zは、水素である。
【0137】
いくつかの実施形態では、Lは、結合であり、P及びLは、独立して、非存在である。いくつかの実施形態では、Lは、結合であり、Pは、ヘテロアリールであり、Lは、結合であり、Zは、水素である。いくつかの実施形態では、Pは、ヘテロアリールであり、Lは、ヘテロアルキルであり、Zは、アルキルである。
【0138】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-b)の化合物:
【化17】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Mは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々は、1~5個のRによって任意選択的に置換され、環Zは、1~5個のRによって任意選択的に置換されたシクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、あるいはR2a及びR2bまたはR2c及びR2dの各々は、一緒になって、オキソ基を形成し、Xは、非存在、N(R10)(R11)、O、またはSであり、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、各R、R、及びRは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、R10及びR11の各々は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-C(O)N(RC1)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各RA1、RB1、RC1、RD1、及びRE1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、各m及びnは、独立して、1、2、3、4、5、または6であり、「
【化18】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。いくつかの実施形態では、各R及びRについて、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、ハロゲン、オキソ、シアノ、シクロアルキル、またはヘテロシクリルによって任意選択的に独立して置換される。
【0139】
いくつかの実施形態では、式(I-b)の化合物は、式(I-b-i)の化合物:
【化19】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Mは、1つ以上のRによって任意選択的に置換されたアリールまたはヘテロアリールであり、環Zは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、あるいはR2a及びR2bまたはR2c及びR2dの各々は、一緒になって、オキソ基を形成し、Xは、非存在、O、またはSであり、各R及びRは、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、各アルキル及びヘテロアルキルは、ハロゲンによって任意選択的に置換され、あるいは2つのRは、一緒になって、環Zに縮合された5~6員環を形成し、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、または6であり、pは、0、1、2、3、4、5、または6であり、「
【化20】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0140】
いくつかの実施形態では、式(I-b-i)の化合物は、式(I-b-ii)の化合物:
【化21】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Zは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、R2c及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、あるいはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し、各R及びRは、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、各アルキル及びヘテロアルキルは、ハロゲンによって任意選択的に置換され、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、p及びqの各々は、独立して、0、1、2、3、4、5、または6であり、「
【化22】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0141】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-c)の化合物:
【化23】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Zは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、R2c及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、あるいはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し、各R及びRは、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、各アルキル及びヘテロアルキルは、ハロゲンによって任意選択的に置換され、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、mは、1、2、3、4、5、または6であり、p及びqの各々は、独立して、0、1、2、3、4、5、または6であり、「
【化24】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0142】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-d)の化合物:
【化25】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Zは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、Xは、非存在、O、またはSであり、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、あるいはR2a及びR2bまたはR2c及びR2dの各々は、一緒になって、オキソ基を形成し、各Rは、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、各アルキル及びヘテロアルキルは、ハロゲンによって任意選択的に置換され、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、m及びnの各々は、独立して、1、2、3、4、5、または6であり、pは、0、1、2、3、4、5、または6であり、「
【化26】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0143】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-e)の化合物:
【化27】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Zは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、Xは、非存在、O、またはSであり、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、あるいはR2a及びR2bまたはR2c及びR2dの各々は、一緒になって、オキソ基を形成し、各Rは、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、m及びnの各々は、独立して、1、2、3、4、5、または6であり、pは、0、1、2、3、4、5、または6であり、「
【化28】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0144】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(I-f)の化合物:
【化29】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Mは、1つ以上のRによって任意選択的に置換されたアルキルであり、環Pは、1つ以上のRによって任意選択的に置換されたヘテロアリールであり、Lは、1つ以上のRによって任意選択的に置換されたアルキルまたはヘテロアルキルであり、Zは、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々は、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、R2a及びR2bの各々は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、あるいはR2a及びR2bは、一緒になって、オキソ基を形成し、各R、R、R、及びRは、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、nは、独立して、1、2、3、4、5、または6であり、「
【化30】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0145】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(II)の化合物:
【化31】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Mは、結合、アルキル、またはアリールであり、アルキル及びアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、Lは、1つ以上のRによって任意選択的に置換されたアルキルまたはヘテロアルキルであり、Zは、水素、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、または-ORであり、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、Rは、水素であり、R2a及びR2bの各々は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、あるいはR2a及びR2bは、一緒になって、オキソ基を形成し、各R、R、及びRは、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、nは、独立して、1、2、3、4、5、または6であり、「
【化32】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0146】
いくつかの実施形態では、式(II)の化合物は、式(II-a)の化合物:
【化33】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Lは、アルキルまたはヘテロアルキルであり、これらの各々は、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、Zは、水素、アルキル、ヘテロアルキル、または-ORであり、アルキル及びヘテロアルキルは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、R2a及びR2bの各々は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、あるいはR2a及びR2bは、一緒になって、オキソ基を形成し、各R、R、及びRは、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、Rは、水素であり、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、nは、独立して、1、2、3、4、5、または6であり、「
【化34】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0147】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(III)の化合物:
【化35】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Zは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々は、1~5個のRによって任意選択的に置換され、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、あるいはR2a及びR2bまたはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはヘテロアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはヘテロアルキルの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、R、R、及びRの各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、または6でありqは、0~25の整数であり、「
【化36】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0148】
いくつかの実施形態では、式(III)の化合物は、式(III-a)の化合物:
【化37】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Zは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々は、1~5個のRによって任意選択的に置換され、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであり、あるいはR2a及びR2bまたはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し、R及びRの各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、または6であり、o及びpは、各々独立して、0、1、2、3、4、または5であり、qは、0~25の整数であり、「
【化38】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0149】
いくつかの実施形態では、式(III-a)の化合物は、式(III-b)の化合物:
【化39】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Zは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々は、1~5個のRによって任意選択的に置換され、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであり、あるいはR2a及びR2bまたはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し、R及びRの各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、または6であり、o及びpは、各々独立して、0、1、2、3、4、または5であり、qは、0~25の整数であり、「
【化40】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0150】
いくつかの実施形態では、式(III-a)の化合物は、式(III-c)の化合物:
【化41】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Xは、C(R’)(R”)、N(R’)、またはS(O)であり、R’及びR”の各々は、独立して、水素、アルキル、ハロゲン、またはシクロアルキルであり、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、またはハロであり、あるいはR2a及びR2bまたはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し、R及びRの各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、または6であり、pは、0、1、2、3、4、または5であり、qは、0~25の整数であり、xは、0、1、または2であり、「
【化42】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0151】
いくつかの実施形態では、式(III-c)の化合物は、式(III-d)の化合物:
【化43】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Xは、C(R’)(R”)、N(R’)、またはS(O)であり、R’及びR”の各々は、独立して、水素、アルキル、ハロゲン、またはシクロアルキルであり、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、またはハロであり、あるいはR2a及びR2bまたはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し、R及びRの各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、または6であり、pは、0、1、2、3、4、または5であり、qは、0~25の整数であり、xは、0、1、または2であり、「
【化44】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0152】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(III-e)の化合物:
【化45】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Zは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々は、1~5個のRによって任意選択的に置換され、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、アミノ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、あるいはR2a及びR2bまたはR2c及びR2dの各々は、一緒になって、オキソ基を形成し、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはヘテロアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはヘテロアルキルの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、R、R、及びRの各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、各R12は、独立して、重水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、またはアミノであり、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、または6であり、qは、0~25の整数であり、wは、0 または1であり、「
【化46】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0153】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(III-f)の化合物:
【化47】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Zは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々は、1~5個のRによって任意選択的に置換され、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロであり、あるいはR2a及びR2bまたはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し、Rは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはヘテロアルキルであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはヘテロアルキルの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、R、R、及びRの各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、各R12は、独立して、重水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、またはアミノであり、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、または6であり、o及びpは、各々独立して、0、1、2、3、4、または5であり、qは、0~25の整数であり、wは、0または1であり、「
【化48】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0154】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(III-g)の化合物:
【化49】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、環Zは、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々は、1~5個のRによって任意選択的に置換され、Rは、水素、アルキル、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)(C-C-アルキル)、または-N(R)C(O)(C-C-アルケニル)であり、アルキル及びアルケニルの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素またはアルキルであり、あるいはR2a及びR2bまたはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し、R、R、及びRの各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、R12は、水素、重水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、またはアミノであり、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、または6であり、qは、0~25の整数であり、xは、0、1、または2であり、「
【化50】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0155】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(III-h)の化合物:
【化51】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Rは、水素、アルキル、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)(C-C-アルキル)、または-N(R)C(O)(C-C-アルケニル)であり、アルキル及びアルケニルの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素またはアルキルであり、あるいはR2a及びR2bまたはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し、R、R、及びRの各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、R12は、水素、重水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、またはアミノであり、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、または6であり、qは、0~25の整数であり、xは、0、1、または2であり、zは、0、1、2、3、4、5、または6であり、「
【化52】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0156】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(III-i)の化合物:
【化53】

またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中、Xは、C(R’)(R”)、N(R’)、またはS(O)であり、R’及びR”の各々は、独立して、水素、アルキル、またはハロゲンであり、Rは、水素、アルキル、-N(R)C(O)R、-N(R)C(O)(C-C-アルキル)、または-N(R)C(O)(C-C-アルケニル)であり、アルキル及びアルケニルの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素またはアルキルであり、あるいはR2a及びR2bまたはR2c及びR2dは、一緒になって、オキソ基を形成し、R、R、及びRの各々は、独立して、アルキル、ヘテロアルキル、ハロゲン、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、または-C(O)RB1であり、R12は、水素、重水素、アルキル、ヘテロアルキル、ハロアルキル、ハロ、シアノ、ニトロ、またはアミノであり、各RA1及びRB1は、独立して、水素、アルキル、またはヘテロアルキルであり、m及びnは、各々独立して、1、2、3、4、5、または6であり、qは、0~25の整数であり、xは、0、1、または2であり、zは、0、1、2、3、4、5、または6であり、「
【化54】

」は、本明細書に記載される結合基またはポリマーへの接続を指す。
【0157】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)の化合物である。いくつかの実施形態では、Lは、結合であり、P及びLは、独立して、非存在である。
【0158】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I-a)の化合物である。式(II-a)のいくつかの実施形態では、Lは、結合であり、Pは、ヘテロアリールであり、Lは、結合であり、Zは、水素である。いくつかの実施形態では、Pは、ヘテロアリールであり、Lは、ヘテロアルキルであり、Zは、アルキルである。いくつかの実施形態では、Lは、結合であり、P及びLは、独立して、非存在である。いくつかの実施形態では、Lは、結合であり、Pは、ヘテロアリールであり、Lは、結合であり、Zは、水素である。いくつかの実施形態では、Pは、ヘテロアリールであり、Lは、ヘテロアルキルであり、Zは、アルキルである。
【0159】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I-b)の化合物である。いくつかの実施形態では、Pは、非存在であり、Lは、-NHCHであり、Lは、結合であり、Mは、アリール(例えば、フェニル)であり、Lは、-CHOであり、Zは、ヘテロシクリル(例えば、窒素含有ヘテロシクリル、例えば、チオモルホリニル-1,1-ジオキシド)である。
【0160】
式(I-b)のいくつかの実施形態では、Pは、非存在であり、Lは、-NHCHであり、Lは、結合であり、Mは、非存在であり、Lは、結合であり、Zは、ヘテロシクリル(例えば、酸素含有ヘテロシクリル、例えば、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、オキセタニル、またはオキシラニル)である。
【0161】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I-b-i)の化合物である。式(I-b-i)のいくつかの実施形態では、R2a及びR2bの各々は、独立して、水素またはCHであり、R2c及びR2dの各々は、独立して、水素であり、mは、1または2であり、nは、1であり、Xは、Oであり、pは、0であり、Mは、1つ以上のRによって任意選択的に置換されたフェニルであり、Rは、-CFであり、Zは、ヘテロシクリル(例えば、酸素含有ヘテロシクリル、例えば、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、オキセタニル、またはオキシラニル)である。
【0162】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I-b-ii)の化合物である。式(I-b-ii)のいくつかの実施形態では、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素であり、qは、0であり、pは、0であり、mは、1であり、Zは、ヘテロシクリル(例えば、酸素含有ヘテロシクリル、例えば、テトラヒドロピラニル)である。
【0163】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I-c)の化合物である。式(I-c)のいくつかの実施形態では、R2c及びR2dの各々は、独立して、水素であり、mは、1であり、pは、1であり、qは、0であり、Rは、-CHであり、Zは、ヘテロシクリル(例えば、窒素含有ヘテロシクリル、例えば、ピペラジニル)である。
【0164】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I-d)の化合物である。式(I-d)のいくつかの実施形態では、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素であり、mは、1であり、nは、3であり、Xは、Oであり、pは、0であり、Zは、ヘテロシクリル(例えば、酸素含有ヘテロシクリル、例えば、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、オキセタニル、またはオキシラニル)である。
【0165】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I-f)の化合物である。式(I-f)のいくつかの実施形態では、R2a及びR2bの各々は、独立して、水素であり、nは、1であり、Mは、-CH-であり、Pは、窒素含有ヘテロアリール(例えば、イミダゾリル)であり、Lは、-C(O)OCH-であり、Zは、CHである。
【0166】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(II-a)の化合物である。式(II-a)のいくつかの実施形態では、R2a及びR2bの各々は、独立して、水素であり、nは、1であり、qは、0であり、Lは、-CH(OCHCHであり、Zは、-OCHである。
【0167】
式(II-a)のいくつかの実施形態では、R2a及びR2bの各々は、独立して、水素であり、nは、1であり、Lは、結合または-CHであり、Zは、水素または-OHである。
【0168】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(III)の化合物である。式(III)のいくつかの実施形態では、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素であり、mは、1であり、nは、2であり、qは、3であり、pは、0であり、Rは、水素であり、Zは、R(例えば、-N(CH)(CHCH)S(O)CH)によって任意選択的に置換されたヘテロアルキルである。
【0169】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(III-b)の化合物である。式(III-b)のいくつかの実施形態では、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素であり、mは、0であり、nは、2であり、qは、3であり、pは、0であり、Zは、1個のR(例えば、-NH)によって置換されたアリール(例えば、フェニル)である。
【0170】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(III-b)の化合物である。式(III-b)のいくつかの実施形態では、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素であり、mは、1であり、nは、2であり、qは、3であり、pは、0であり、Rは、水素であり、Zは、ヘテロシクリル(例えば、窒素含有ヘテロシクリル、例えば、窒素含有スピロヘテロシクリル、例えば、2-オキサ-7-アザスピロ[3.5]ノナニル)である。
【0171】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(III-d)の化合物である。式(III-d)のいくつかの実施形態では、R2a、R2b、R2c、及びR2dの各々は、独立して、水素であり、mは、1であり、nは、2であり、qは、1、2、3、または4であり、pは、0であり、Xは、S(O)である。式(III-d)のいくつかの実施形態では、R2a及びR2bの各々は、独立して、水素であり、mは、1であり、nは、2であり、qは、1、2、3、または4であり、pは、0であり、Xは、S(O)である。
【0172】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I-b)、(I-d)、または(I-e)の化合物である。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I-b)、(I-d)、または(II)の化合物である。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I-b)、(I-d)、または(I-f)の化合物である。いくつかの実施形態では、化合物は、式(I-b)、(I-d)、または(III)の化合物である。
【0173】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、WO2012/112982、WO2012/167223、WO2014/153126、WO2016/019391、WO2017/075630、US2012-0213708、US2016-0030359、またはUS2016-0030360に開示される化合物ではない。
【0174】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、表3に示される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるデバイス内の外側表面、及び/または1つ以上の区画は、表3に示される小分子化合物、またはその薬学的に許容可能な塩を含む。
【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】
【0175】
表3の化合物のいずれかとポリマー(例えば、アルギネート)とのコンジュゲーションは、WO2019/195055の実施例2に記載されているように、または任意の他の好適な化学反応で行われ得る。
【0176】
いくつかの実施形態では、化合物は、式(I)(例えば、式(I-a)、(I-b)、(I-c)、(I-d)、(I-e)、(I-f)、(II)、(II-a)、(III)、(III-a)、(III-b)、(III-c)、(III-d)、(III-e)、(III-f)、(III-g)、(III-h)、または(III-i))の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩であり、
【化55】

、またはその薬学的に許容可能な塩から選択される。
【0177】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される多糖ポリマーまたはデバイス(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、
【化56】

の化合物、またはいずれかの化合物の薬学的に許容可能な塩を含む。
【0178】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物(例えば、表3の化合物101)は、WO2020/069429に記載されるように、窒素パーセントについて燃焼分析によって決定される場合、少なくとも2.0%かつ9.0%未満、または3.0%~8.0%、4.0~7.0、5.0~7.0、または6.0~7.0または約6.8のコンジュゲーション密度でアルギネート(例えば、おおよそのMW<75kDa、G:M比≧1.5を有するアルギネート)に共有結合的に結合される。
【0179】
クリック可能な架橋剤
クリック化学反応を受けることが可能な架橋剤、すなわち、クリック可能な架橋部位に共有結合した多糖が本明細書に記載される。いくつかの実施形態では、クリック可能な架橋部位は、アジドのアルキンへの[2+3]ヒュスゲン環化付加を受けることが可能である。クリック可能な架橋部位は、他のものと反応することが可能なアジド及びアルキン等の一組の薬剤を含み得る。いくつかの実施形態では、クリック試薬は、多糖に結合するための好適なスペーサーで修飾されている。いくつかの実施形態では、スペーサーは、アルキル、アルケニル、ヘテロアルキル、アミン、エーテル、エステル、または他の官能基を含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、ヘテロアルキルを含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、アルキルアミンを含む。いくつかの実施形態では、スペーサーは、エチレングリコール基を含む。いくつかの実施形態では、クリック試薬は、2つ以上の官能基を含む。いくつかの実施形態では、クリック試薬は、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上の官能基を含む。
【0180】
クリック可能な架橋部位は、反応のために銅触媒等の触媒を必要としてもしなくてもよい。いくつかの実施形態では、クリック反応は、銅を含まないクリック化学反応を必要とする。
【0181】
いくつかの実施形態では、クリック化学試薬は、アジドを含む。いくつかの実施形態では、アジドは、アルキルアジド、アリールアジド、及びアシルアジドからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、アジドは、アルキルアジドである。
【0182】
いくつかの実施形態では、クリック架橋剤は、式(IV)の化合物:
【化57】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であり、式中、Aは、1つ以上のRによって任意選択的に置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、Tは、非存在、O、S、NR53、またはC(R54a)(R54b)であり、R52、R53、R54a、及びR54bの各々は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、S(O)E1、-OS(O)E1、-N(RC1)S(O)E1、-S(O)N(RC1)(RD1)、-P(RF1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、各RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、xは、1または2であり、yは、2、3、または4である。
【0183】
式(IV)のいくつかの実施形態では、Aは、ヘテロアルキル(例えば、エチレングリコールまたはポリエチレングリコール)であり、Tは、C(R54a)(R54b)であり、R52は、-N(RC1)(RD1)であり、R54a、R54b、RC1、及びRD1の各々は、水素である。
【0184】
いくつかの実施形態では、クリック架橋剤は、式(IV-a)の化合物:
【化58】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であり、式中、Tは、非存在、O、S、NR53、またはC(R54a)(R54b)であり、R50、R51a、R51b、及びR52の各々は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、あるいはR51a及びR51bは、一緒になってオキソ基を形成し、各RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、m及びnの各々は、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12である。
【0185】
いくつかの実施形態では、Tは、NR53であり、R53は、水素である。いくつかの実施形態では、R52は、水素である。いくつかの実施形態では、nは、1、2、3、または4である。いくつかの実施形態では、nは、1である。いくつかの実施形態では、nは、2である。いくつかの実施形態では、nは、3である。いくつかの実施形態では、クリック架橋剤は、化合物201、202、または203である。
【0186】
いくつかの実施形態では、架橋剤は、式(IV-b)の化合物:
【化59】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であり、式中、R50、R51a、及びR51bの各々は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、あるいはR51a及びR51bは、一緒になってオキソ基を形成し、R52a及びR52bの各々は、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、m及びnの各々は、0、1、2、3、4、5、または6である。
【0187】
いくつかの実施形態では、クリック架橋剤は、式(IV-c)の化合物:
【化60】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であり、式中、R50、R51a、及びR51bの各々は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、あるいはR51a及びR51bは、一緒になってオキソ基を形成し、R52は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、m及びnの各々は、0、1、2、3、4、5、または6である。
【0188】
いくつかの実施形態では、式(IV)の化合物は、表4から選択される化合物、またはその薬学的に許容可能な塩である。
【表12】

いくつかの実施形態では、クリック可能な架橋部位は、
【化61】

である。
【0189】
いくつかの実施形態では、クリック架橋剤は、アルキンを含む。いくつかの実施形態では、クリック架橋剤は、シクロアルキンを含む。いくつかの実施形態では、クリック架橋剤は、シクロオクチン基を含む。いくつかの実施形態では、クリック架橋剤は、フッ素化シクロオクチンを含む。いくつかの実施形態では、クリック架橋剤は、アリールシクロオクチンを含む。いくつかの実施形態では、架橋剤は、式(V)の化合物:
【化62】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であり、式中、環M及びMの各々は、独立して、アリールまたはヘテロアリールであり、これらの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、R52は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、R53は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各RA1、RB1、RC1、RD1、及びRE1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、あるいはRのうちの2つは、一緒になって、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール環を形成してもよい。
【0190】
いくつかの実施形態では、式(V)のクリック架橋剤は、式(V-a)の化合物:
【化63】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であり、式中、R53a、R53b、R53c、R53d、R53e、R53f、R53g、R53h、及びR53iの各々は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、R52は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、-C(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、各RA1、RB1、RC1、RD1、及びRE1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルである。
【0191】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物は、式(V-b)の化合物:
【化64】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であり、式中、T及びYの各々は、独立して、C(R40)(R41)、O、またはN(R42)であり、R40、R41、R42、R53a、R53b、R53c、R53d、R53e、R53f、R53g、R53h、R53i、R53、及びR54の各々は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、あるいはR53a及びR53b、R53b及びR53c、R53c及びR53d、R53f及びR53g、R53g及びR53h、R53h及びR53iのうちのいずれかは、それらが結合した窒素原子と一緒に、一緒になって、アリールまたはヘテロアリール環を形成し、これらの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換されてもよく、各RA1、RB1、RC1、RD1、及びRE1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルである。
【0192】
いくつかの実施形態では、R53a、R53b、R53c、R53d、R53e、R53f、R53g、R53h、及びR53iの各々は、独立して、水素である。いくつかの実施形態では、Yは、Oである。いくつかの実施形態では、Tは、C(R40)(R41)であり、R40及びR41の各々は、水素である。いくつかの実施形態では、R54は、ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R53は、-CHNHである。いくつかの実施形態では、クリック架橋剤は、化合物220である。
【0193】
追加のクリック可能な架橋部位は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第USRE47539E1号、及び米国特許第8,133,515号に見出され得る。
【0194】
いくつかの実施形態では、式(V)の化合物は、表5から選択される化合物またはその薬学的に許容可能な塩である。
【表13】
【0195】
いくつかの実施形態では、多糖ポリマーは、第一のクリック可能な架橋部位及び第二のクリック可能な架橋部位を含む。一実施形態では、第一のクリック可能な架橋部位は、式(IV)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩である。一実施形態では、第一のクリック可能な架橋部位は、アジド、例えば、表4に提供される化合物またはその薬学的に許容可能な塩である。一実施形態では、第二のクリック可能な架橋部位は、式(V)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩である。一実施形態では、第一のクリック可能な架橋部位は、アルキン、例えば、表5に提供される化合物またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、第一のクリック可能な架橋部位は、式(IV)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩(例えば、ポリエチレングリコール-アジド)であり、第二のクリック可能な架橋部位は、式(V)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩(例えば、ジベンゾシクロオクチン(DBCO))である。
【0196】
クリック可能な架橋部位を有する修飾ポリマー
クリック可能な架橋部位は、多糖ポリマー、例えば、アルギネートに共有結合され得る。一実施形態では、多糖は、式(VI)の構造:
【化65】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体を含み、式中、U及びYの各々は、独立して、C(R40)(R41)、O、またはN(R42)であり、R38a、R38b、R39a、R39b、R40、R41、R42の各々は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、各RA1、RB1、RC1、RD1、及びRE1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、架橋剤は、式(IV)、(IV-a)、(IV-b)、(IV-c)、(V)、(V-a)、または(V-b)の構造を有する。
【0197】
一実施形態では、式(VI)の多糖は、式(VI-a)の多糖:
【化66】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であり、式中、U及びYの各々は、独立して、C(R40)(R41)、O、またはN(R42)であり、R38a、R38b、R39a、R39b、R40、R41、R42の各々は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、Aは、1つ以上のRによって任意選択的に置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、Rは、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、S(O)E1、-OS(O)E1、-N(RC1)S(O)E1、-S(O)N(RC1)(RD1)、-P(RF1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、各RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、Tは、非存在、O、S、NR53、またはC(R54a)(R54b)であり、xは、1または2であり、yは、2、3、または4であり、R52、R53、R54a、及びR54bの各々は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールである。
【0198】
一実施形態では、式(VI)の多糖は、式(VI-b)の多糖:
【化67】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であり、式中、Uは、C(R40)(R41)、O、またはN(R42)であり、R38a、R38b、R39a、R39b、R40、R41、R42、R50、R51a、R51b、R52、及びR53の各々は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、あるいはR51a及びR51bは、一緒になってオキソ基を形成し、各RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、各RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、m及びnの各々は、独立して、1、2、3、4、5、または6である。
【0199】
一実施形態では、式(VI)の多糖は、式(VI-d)の多糖:
【化68】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であり、式中、Uは、C(R40)(R41)、O、またはN(R42)であり、環M及びMの各々は、独立して、アリールまたはヘテロアリールであり、これらの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、R38a、R38b、R39a、R39b、R50、R51a、R51b、R52、及びR53の各々は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、各RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールは、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、環M及びMの各々は、独立して、アリールまたはヘテロアリールであり、これらの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、各RA1、RB1、RC1、RD1、及びRE1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルである、あるいはRのうちの2つは、一緒になって、アリールまたはヘテロアリール環を形成してもよい。
【0200】
一実施形態では、式(VI)の多糖は、式(VI-e)の多糖:
【化69】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であり、式中、U及びYの各々は、独立して、C(R40)(R41)、O、またはN(R42)であり、R38a、R38b、R39a、R39b、R53a、R53b、R53c、R53d、R53e、R53f、R53g、R53h、及びR53iの各々は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、あるいはR53a及びR53b、R53b及びR53c、R53c及びR53d、R53f及びR53g、R53g及びR53h、R53h及びR53iのうちのいずれかは、それらが結合した窒素原子と一緒になって、一緒になって、アリールまたはヘテロアリール環を形成し、これらの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換されてもよく、各RA1、RB1、RC1、RD1、及びRE1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルである。
【0201】
他の実施形態では、多糖、例えば、アルギネートは、2つ以上の架橋剤で修飾され得る。いくつかの実施形態では、2つ以上の架橋剤は、架橋反応性である。いくつかの実施形態では、異なるクリック可能な対からの2つ以上の架橋剤は、架橋反応性ではない。
【0202】
架橋剤及び非線維性小分子化合物で修飾された多糖ポリマー
いくつかの実施形態では、多糖(例えば、アルギネート)は、クリック可能な架橋部位及び非線維性小分子化合物で修飾され得る。いくつかの実施形態では、非線維性化合物は、表3に示される化合物のうちの1つである。いくつかの実施形態では、多糖は、1つのタイプのクリック可能な架橋部位及び1つのタイプの非線維性化合物で修飾され得る。いくつかの実施形態では、多糖は、2つ以上のタイプのクリック可能な架橋部位及び2つ以上のタイプの非線維性化合物で修飾され得る。
【0203】
いくつかの実施形態では、多糖は、式(VI)のポリマー:
【化70】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であり、式中、W、T、T、U、及びUの各々は、独立して、C(R40)(R41)、O、またはN(R42)であり、R38a、R38b、R39a、及びR39bの各々は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、各RA1、RB1、RC1、RD1、及びRE1は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々は、1~6個のRによって任意選択的に置換され、各Rは、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、クリック可能な架橋部位は、非存在であるか、または式(IV-a)、(IV-b)、(IV-c)、(V)、もしくは(V-a)の構造を有し、非線維性化合物は、非存在であるか、または式(I)、(I-a)、(I-b)、(I-b-i)、(I-b-ii)、(I-c)、(I-d)、(I-e)、(I-f)、(II)、(II-a)、(III)、(III-a)、(III-b)、(III-c)、(III-d)、(III-e)、(III-f)、(III-g)、(III-h)、もしくは(III-i)の構造を有する。
【0204】
いくつかの実施形態では、クリック可能な架橋部位、及び任意選択的に式(I)の化合物を含む多糖(例えば、アルギネート)は、表6に示される化合物である。表6において、nは、1を超える整数である。
【0205】
いくつかの実施形態では、多糖ポリマー、例えば、アルギネートポリマーは、クリック可能な架橋部位で修飾され、その後、共有結合架橋されて、クリック可能な架橋ヒドロゲルを形成することができる。いくつかの実施形態では、クリック可能な架橋ヒドロゲルは、治療生成物を封入することが可能である。いくつかの実施形態では、クリック可能な架橋ヒドロゲルは、哺乳動物細胞を封入することが可能である。いくつかの実施形態では、クリック可能な架橋ヒドロゲルは、操作された哺乳動物細胞を封入することが可能である。
【0206】
一実施形態では、式(VI)の修飾多糖ポリマーは、表6から選択される化合物である。
【表14】

【表15】
【0207】
いくつかの実施形態では、架橋剤反応は、添加剤、例えば、触媒を更に含み得る。いくつかの実施形態では、クリック化学反応は、触媒の存在下で、または触媒なしで行われる。いくつかの実施形態では、クリック化学反応は、銅触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、クリック化学反応は、銅(I)触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態では、クリック化学反応は、触媒の非存在下で行われる。
【0208】
いくつかの実施形態では、架橋反応は、水性溶媒または有機溶媒中のいずれかで行われる。いくつかの実施形態では、架橋反応は、PBS及びアセトニトリルの1:1溶液中で行われる。いくつかの実施形態では、架橋反応は、水及びアセトニトリルの1:1溶液中で行われる。
【0209】
いくつかの実施形態では、クリック反応は、20~40℃で行われる。
【0210】
多糖ポリマー、例えば、アルギネートポリマーの純度は、当該技術分野における任意の知られている方法を使用して決定され得る。いくつかの実施形態では、修飾多糖ポリマー(例えば、アルギネートポリマー)は、約50%、55%、60%、65%、70%、80%、85%、90%、95%、99%、またはそれ以上の純度を有する。いくつかの実施形態では、修飾多糖ポリマーは、50~100%、75~100%の純度を有する。一実施形態では、修飾多糖ポリマーは、50%の純度を有する。一実施形態では、修飾多糖ポリマーは、75%を超える純度を有する。一実施形態では、修飾多糖ポリマーは、99.9%を超える純度を有する。
【0211】
本明細書に記載される多糖ポリマーは、任意の好適な官能基(例えば、カルボキシル基またはヒドロキシル基)で修飾されていてもよい。一実施形態では、多糖ポリマーは、単一のタイプの官能基で修飾される。一実施形態では、多糖ポリマーは、2つ以上のタイプの官能基で修飾される。
【0212】
一実施形態では、修飾の程度(すなわち、クリック可能な架橋部位で修飾されたポリマーの官能基のパーセント)は、99%を超える。一実施形態では、ポリマーの修飾の程度は、99%未満である。一実施形態では、修飾の程度は、約95%を超える。一実施形態では、修飾の程度は、約50%である。一実施形態では、多糖ポリマーは、約1%~約99%の修飾の程度を有する。一実施形態では、修飾の程度は、約1%~約80%である。一実施形態では、修飾の程度は、約1%~約75%である。一実施形態では、多糖ポリマーは、約1%~約70%の修飾の程度を有する。一実施形態では、多糖ポリマーは、約1%~約65%の修飾の程度を有する。一実施形態では、多糖ポリマーは、約1%~約60%の修飾の程度を有する。一実施形態では、多糖ポリマーは、約1%~約55%の修飾の程度を有する。一実施形態では、多糖ポリマーは、約1%~約50%の修飾の程度を有する。一実施形態では、多糖ポリマーは、約1%~約45%の修飾の程度を有する。好ましい実施形態では、修飾多糖の全ての官能基(例えば、カルボキシル基)が置換されているわけではなく、これは、イオン及び共有結合の両方を可能にする。
【0213】
一実施形態では、修飾の程度(すなわち、クリック可能な架橋部位で修飾されたポリマーの官能基のパーセント)は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%である。一実施形態では、修飾の程度(すなわち、クリック可能な架橋部位で修飾されたポリマーの官能基のパーセント)は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%を超える。一実施形態では、修飾の程度(すなわち、クリック可能な架橋部位で修飾されたポリマーの官能基のパーセント)は、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%未満である。
【0214】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される多糖ポリマーは、例えば、ポリマーが二重架橋を有するヒドロゲルカプセルを調製するために使用される場合に、イオン架橋を可能にするのに十分な未反応のカルボン酸基を保持する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される多糖ポリマーは、カルボン酸基の10%超の修飾の程度を含まない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される多糖ポリマーは、カルボン酸基の5%超の修飾の程度を含まない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される多糖ポリマーは、カルボン酸基の5%、6%、7%、8%、9%、または10%超の修飾の程度を含まない。
【0215】
一実施形態では、本明細書に記載される多糖ポリマーは、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の固有の化合物で修飾される。一実施形態では、本明細書に記載される多糖ポリマーは、クリック可能な架橋部位(例えば、式(IV)及び/または式(V)の化合物、式(I)の化合物、ならびに細胞付着分子(例えば、RGD))で修飾される。一実施形態では、本明細書に記載される多糖ポリマーは、クリック可能な架橋部位で修飾される。一実施形態では、本明細書に記載される多糖ポリマーは、式(I)の化合物で修飾される。一実施形態では、本明細書に記載される多糖ポリマーは、細胞付着分子で修飾される。一実施形態では、本明細書に記載される多糖ポリマーは、クリック可能な架橋部位及び細胞付着分子の両方で修飾される。好ましい実施形態では、本明細書に記載される多糖ポリマーは、クリック可能な架橋部位及び式(I)の化合物の両方で修飾される。一実施形態では、本明細書に記載される多糖ポリマーは、細胞付着分子及び式(I)の化合物の両方で修飾される。
【0216】
ヒドロゲル及びヒドロゲルカプセルの特徴
本開示は、本明細書に記載される多糖ポリマーを含むヒドロゲルカプセルを更に特徴とする。ヒドロゲルカプセルは、クリック可能な架橋基を架橋する(すなわち、共有結合)ことによって、またはイオン架橋することによって、例えば、二価カチオン(例えば、Ba2+)の存在下で生成することができる。一実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、クリック可能な架橋部位を反応させることによって生成される。一実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、共有結合架橋及びイオン架橋によって生成される。当業者であれば、適切な開始剤の存在下での、熱、超音波、及びガンマ線を含む、他の方法で重合を開始することが可能であることを認識するであろう。
【0217】
クリック可能な試薬を有する修飾ポリマーは、更なる重合を経ることができ、例えば、同じまたは異なるポリマー上の適合性官能基と反応することができる。一実施形態では、チオール基を含むように修飾されたポリマーと、アルケン基を含むように修飾された第二のポリマーとを含むことで、架橋ポリマーが、第一の、及び第二のポリマーを反応させることによって形成され得る。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルは、鎖成長重合プロセスによる不飽和官能基の架橋によって形成される。他の実施形態では、ヒドロゲルは、ステップ成長重合プロセスによる不飽和官能基の架橋によって形成される。ステップ成長重合プロセスは、好ましくは、1つの多糖鎖の1つ以上の不飽和官能基(例えば、アルケニル基)と別のポリマー鎖のチオール化官能基との間の反応を含む。いくつかの実施形態では、ステップ成長重合は、チオール-エンフォトクリック反応である。一実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、第一のポリマー上の不飽和官能基と第二のポリマー上の官能基との架橋によって形成される。好ましい実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、第一のポリマー上のアルキニル官能基と第二のポリマー上のアジド官能基との架橋によって形成される。
【0218】
本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、多糖ポリマーの1つ以上のタイプの架橋によって形成される。一実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、多糖ポリマーのみを含む。一実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、同一のタイプの多糖ポリマー、例えば、アルギネートポリマーを含む。一実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、2つの同一の多糖の重合によって形成される。一実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、2つの異なる多糖の重合によって形成される。一実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、複数のポリマー、例えば、複数の多糖ポリナーを含む。一実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、1つの多糖ポリマー、及び非多糖ポリマーを含む。
【0219】
本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、均質であってもよく、すなわち、非多糖ポリマーを含まなくてもよい。一実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、ポリアクリルアミド、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリエチレングリコール(PEG)、及びポリホスファゼンから選択されるポリマーを含まない。一実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、ポリ(ビニルアルコール)を含まない。一実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、ポリ(エチレンオキシド)を含まない。一実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、ポリエチレングリコール(PEG)を含まない。一実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、ポリホスファゼンを含まない。
【0220】
本発明の一実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、2区画ヒドロゲルカプセルである。本発明の好ましい実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、内側区画、及び外側区画からなる。一実施形態では、2つの区画は、同一のタイプの修飾多糖から形成される。一実施形態では、2つの区画は、異なるタイプの修飾多糖から形成される。
【0221】
いくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、ポリマーのブレンド(すなわち、ポリマーの混合物)を含む。いくつかの実施形態では、第一の(内側)区画は、ポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第二の(外側)区画は、ポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、ポリマーの同一のブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、ポリマーの異なるブレンドを含む。
【0222】
いくつかの実施形態では、第一の区画は、ポリマーのブレンドを含み、第二の区画は、ポリマーのブレンドを含まない。いくつかの実施形態では、第一の区画は、ポリマーのブレンドを含み、第二の区画は、ポリマーのブレンドを含む。
【0223】
いくつかの実施形態では、第一の区画は、ポリマーのブレンドを含まず、第二の区画は、ポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第一の区画は、単一のタイプのポリマーを含み、第二の区画は、ポリマーのブレンドを含む。
【0224】
いくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、アルギネートポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第一の区画は、アルギネートポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第二の区画は、アルギネートポリマーのブレンドを含む。
【0225】
本発明のいくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、VLVGアルギネートとSLG100アルギネートとのブレンドを含む。本発明のいくつかの実施形態では、第一の区画は、VLVGアルギネートとSLG100アルギネートとのブレンドを含む。本発明のいくつかの実施形態では、第二の区画は、VLVGアルギネートとSLG100アルギネートとのブレンドを含む。
【0226】
いくつかの実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、(i)VLVGアルギネートを含む内側区画であって、VLVGアルギネートが式(IV)の化合物を含み、SLG100アルギネートが式(V)の化合物を含む、内側区画と、(ii)VLVG及びSLG100アルギネートのブレンドを含む外側区画であって、VLVGアルギネートが式(IV)の化合物を含み、SLG100アルギネートが式(V)の化合物を含む、外側区画とを含む。
【0227】
本発明のいくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、VLVGアルギネートとSLG100アルギネートとのブレンドを含む。本発明のいくつかの実施形態では、第一の区画は、VLVGアルギネートとSLG100アルギネートとのブレンドを含む。本発明のいくつかの実施形態では、第二の区画は、VLVGアルギネートとSLG100アルギネートとのブレンドを含む。
【0228】
いくつかの実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、(i)VLVG及びSLG100アルギネートのブレンドを含む内側区画であって、VLVGアルギネートが式(IV)の化合物を含み、SLG100アルギネートが式(V)の化合物を含む、内側区画と、(ii)VLVG及びSLG100アルギネートのブレンドを含む外側区画であって、VLVGアルギネートが式(IV)の化合物を含み、SLG100アルギネートが式(V)の化合物を含む、外側区画とを含む。
【0229】
いくつかの実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、(i)VLVG及びSLG100アルギネートのブレンドを含む内側区画であって、VLVGアルギネートが式(I)及び式(IV)の化合物を含み、SLG100アルギネートが式(V)の化合物を含む、内側区画と、(ii)VLVG及びSLG100アルギネートのブレンドを含む外側区画であって、VLVGアルギネートが式(I)及び式(IV)の化合物を含み、SLG100アルギネートが式(V)の化合物を含む、外側区画とを含む。
【0230】
本開示は、哺乳動物細胞を封入するための二重架橋多糖を特徴とする。二重架橋多糖ヒドロゲルカプセルは、少なくとも1つの細胞結合物質(CBS)(本明細書で定義される)を含有する。細胞は、ヒドロゲルを対象、例えば、ヒトまたは他の哺乳動物対象に移植すると、治療薬を発現することが可能である。更に、デバイスは、FBRを軽減するための、少なくとも1つの手段(本明細書で定義される)を含む。
【0231】
いくつかの実施形態では、非修飾ポリマーは、非修飾アルギネートである。いくつかの実施形態では、アルギネートは、高グルロン酸(G)アルギネートであり、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、またはそれを超えるグルロン酸(G)を含む。いくつかの実施形態では、アルギネートは、高マンヌロン酸(M)アルギネートであり、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%超、またはそれを超えるマンヌロン酸(M)を含む。いくつかの実施形態では、M:Gの比は、約1である。いくつかの実施形態では、M:Gの比は、1未満である。いくつかの実施形態では、M:Gの比は、1を超える。一実施形態では、非修飾アルギネートは、150kDa~250kDaの分子量、及び≧1.5のG:M比を有する。
【0232】
いくつかの実施形態では、非線維性ポリマーは、式(I)の化合物で化学的に修飾されたアルギネートを含む。修飾された非線維性ポリマーにおけるアルギネートは、デバイスに存在する任意の非修飾アルギネートと同じか、または異なり得る。一実施形態では、非線維性アルギネートにおける式(I)の化合物の密度(例えば、コンジュゲーションの量)は、約4.0%~約8.0%の間、約5.0%~約7.0%の間、または約6.0%~約7.0%の間の窒素(例えば、窒素率について燃焼分析によって決定される場合)である。一実施形態では、化合物101の量は、(非修飾アルギネートと比較した場合)約0.5%~2%、2%~4%のN、約4%~6%のN、約6%~8%、または約8%~10%のN)の%Nの増加%をもたらし、%Nは、燃焼分析によって決定され、修飾アルギネートにおける化合物101の量に対応する。
【0233】
本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、多孔質、または非多孔質であり得る。多糖ヒドロゲル(例えば、アルギネートヒドロゲル)の細孔は、小さなタンパク質及び分子に対する選択的に透過性の膜として機能し、一方で免疫グロビン等のより大きな、望ましくない分子が、封入された細胞にアクセスするのを防ぐ。好ましい実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲル、及びヒドロゲルカプセルは、多孔質である。一実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、約10nm~約50nmの平均細孔直径を有する。いくつかの実施形態では、平均細孔直径は、約10nm~40nmである。いくつかの実施形態では、平均細孔直径は、約10nm~30nmである。いくつかの実施形態では、平均細孔直径は、10~20nmである。
【0234】
いくつかの実施形態では、粒子の、第一の区画の平均細孔径、及び第二の区画の平均細孔径は、実質的に同一である。いくつかの実施形態では、粒子の、第一の区画の平均細孔径、及び第二の区画の平均細孔径は、約1.5%、2%、5%、7.5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、またはそれ以上異なる。いくつかの実施形態では、粒子の平均細孔径(例えば、第一の区画の平均細孔径、及び/または第二の区画の平均細孔径)は、多数の要因、例えば、各区画内の材料(複数可)、ならびに式(I)の化合物の存在、及び密度に依存する。
【0235】
本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、ヒドロゲルを通した細胞(例えば、免疫細胞、例えば、樹状細胞)の移動を可能にするのに十分な直径の細孔を有するべきではない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、75μm超の細孔径を有さない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、または75μm超の細孔径を有さない。
【0236】
本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルの物理的特性は(例えば、実施例に記載されるように)、封入された分子の放出を制御する(例えば、デキストラン透過性アッセイによって決定されるように)。いくつかの実施形態では、平均分子量透過性は、約50kDa~約400kDaである。いくつかの実施形態では、平均分子量透過性は、約100kDa~約400kDaである。いくつかの実施形態では、平均分子量透過性は、約100kDa~約350kDaである。いくつかの実施形態では、平均分子量透過性は、約100kDa~約300kDaである。いくつかの実施形態では、平均分子量透過性は、約100kDa~約250kDaである。いくつかの実施形態では、平均分子量透過性は、約100kDa~約200kDaである。いくつかの実施形態では、平均分子量透過性は、約100kDa~約150kDaである。好ましい実施形態では、平均分子量透過性は、約125kDa~約175kDaである。
【0237】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、テクスチャ分析器を使用することによって決定される、絶対破壊強度(例えば、圧壊強度)によって特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、絶対破壊強度は、50~800gである。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約50g、60g、70g、80g、90g、100g、110g、120g、130g、140g、150g、160g、170g、180g、190g、200g、210g、220g、230g,240g、250g、260g、270g、280g、290g、300g、310g、320g、330g、340g、350g、360g、370g、380g、390g、400g、410g、420g、430g、440g、450g、460g、470g、480g、490g、500g、510g、520g、530g、540g、550g、560g、570g、580g、590g、600g、610g、620g、630g、640g、650g、660g、670g、680g、690g、700g、710g、720g、730g、740g、750g、760g、770g、780g、790g、または800gの絶対強度を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約50g、60g、70g、80g、90g、100g、110g、120g、130g、140g、150g、160g、170g、180g、190g、200g、210g、220g、230g,240g、250g、260g、270g、280g、290g、300g、310g、320g、330g、340g、350g、360g、370g、380g、390g、400g、410g、420g、430g、440g、450g、460g、470g、480g、490g、500g、510g、520g、530g、540g、550g、560g、570g、580g、590g、600g、610g、620g、630g、640g、650g、660g、670g、680g、690g、700g、710g、720g、730g、740g、750g、760g、770g、780g、790g、または800gを超える絶対強度を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約50g、60g、70g、80g、90g、100g、110g、120g、130g、140g、150g、160g、170g、180g、190g、200g、210g、220g、230g,240g、250g、260g、270g、280g、290g、300g、310g、320g、330g、340g、350g、360g、370g、380g、390g、400g、410g、420g、430g、440g、450g、460g、470g、480g、490g、500g、510g、520g、530g、540g、550g、560g、570g、580g、590g、600g、610g、620g、630g、640g、650g、660g、670g、680g、690g、700g、710g、720g、730g、740g、750g、760g、770g、780g、790g、または800g未満の絶対強度を有する。
【0238】
いくつかの実施形態では、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、1ミリメートル(mm)超、好ましくは、約1.5mm、またはそれ以上である最大の線形寸法(LLD)、例えば、平均直径、または径を有する。いくつかの実施形態では、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、直径、または径が10mmほどの大きさであり得る。例えば、本明細書に記載される粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、0.5mm~10mm、1mm~10mm、1mm~8mm、1mm~6mm、1mm~5mm、1mm~4mm、1mm~3mm、1mm~2mm、1mm~1.5mm、1.5mm~8mm、1.5mm~6mm、1.5mm~5mm、1.5mm~4mm、1.5mm~3mm、1.5mm~2mm、2mm~8mm、2mm~7mm、2mm~6mm、2mm~5mm、2mm~4mm、2mm~3mm、2.5mm~8mm、2.5mm~7mm、2.5mm~6mm、2.5mm~5mm、2.5mm~4mm、2.5mm~3mm、3mm~8mm、3mm~7mm、3mm~6mm、3mm~5mm、3mm~4mm、3.5mm~8mm、3.5mm~7mm、3.5mm~6mm、3.5mm~5mm、3.5mm~4mm、4mm~8mm、4mm~7mm、4mm~6mm、4mm~5mm、4.5mm~8mm、4.5mm~7mm、4.5mm~6mm、4.5mm~5mm、5mm~8mm、5mm~7mm、5mm~6mm、5.5mm~8mm、5.5mm~7mm、5.5mm~6mm、6mm~8mm、6mm~7mm、6.5mm~8mm、6.5mm~7mm、7mm~8mm、または7.5mm~8mmの径範囲にある。いくつかの実施形態では、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、約1mm~約8mmの間の平均直径、または径を有する。いくつかの実施形態では、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、約1mm~約4mmの間の平均直径、または径を有する。いくつかの実施形態では、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、約1mm~約2mmの間の平均直径、または径を有する。いくつかの実施形態では、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、約1.5mm~約2mmの間の平均直径、または径を有する。
【0239】
いくつかの実施形態では、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、最大の線形寸法(LLD)、例えば、1ミリメートル(mm)、またはそれ未満の、平均直径、または径を有する。いくつかの実施形態では、粒子(例えばヒドロゲルカプセル)は、0.3mm~1mm、0.4mm~1mm、0.5mm~1mm、0.6mm~1mm、0.7mm~1mm、0.8mm~1mm、または0.9mm~1mmの径範囲にある。
【0240】
本開示は、第一の区画、第二の区画、クリック可能な架橋部位(例えば、式(IV)または(V)の化合物)、及び任意選択的に式(I)の化合物を含む粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)を特徴とする。クリック可能な架橋部位部位は、第一の、及び/または第二の区画に存在する多糖ポリマーに共有結合される。粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、球状であり得るか、または任意の他の形状を有し得る。粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、金属、金属合金、セラミック、ポリマー、繊維、不活性材料、及びそれらの組み合わせ等の材料を含み得る。粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、完全に1タイプの材料で作成され得、または第二(外側)区画、及び第一(内側)区画内に多数の他の材料を含み得る。
【0241】
いくつかの実施形態では、第一の区画は、式(I)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態では、第二の区画は、式(I)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態では、第一の区画、及び第二の区画の両方は、独立して、式(I)の化合物で修飾される。
【0242】
いくつかの実施形態では、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、1ミリメートル(mm)超、好ましくは、約1.5mm、またはそれ以上である最大の線形寸法(LLD)、例えば、平均直径、または径を有する。いくつかの実施形態では、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、直径、または径が10mmほどの大きさであり得る。例えば、本明細書に記載される粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、0.5mm~10mm、1mm~10mm、1mm~8mm、1mm~6mm、1mm~5mm、1mm~4mm、1mm~3mm、1mm~2mm、1mm~1.5mm、1.5mm~8mm、1.5mm~6mm、1.5mm~5mm、1.5mm~4mm、1.5mm~3mm、1.5mm~2mm、2mm~8mm、2mm~7mm、2mm~6mm、2mm~5mm、2mm~4mm、2mm~3mm、2.5mm~8mm、2.5mm~7mm、2.5mm~6mm、2.5mm~5mm、2.5mm~4mm、2.5mm~3mm、3mm~8mm、3mm~7mm、3mm~6mm、3mm~5mm、3mm~4mm、3.5mm~8mm、3.5mm~7mm、3.5mm~6mm、3.5mm~5mm、3.5mm~4mm、4mm~8mm、4mm~7mm、4mm~6mm、4mm~5mm、4.5mm~8mm、4.5mm~7mm、4.5mm~6mm、4.5mm~5mm、5mm~8mm、5mm~7mm、5mm~6mm、5.5mm~8mm、5.5mm~7mm、5.5mm~6mm、6mm~8mm、6mm~7mm、6.5mm~8mm、6.5mm~7mm、7mm~8mm、または7.5mm~8mmの径範囲にある。いくつかの実施形態では、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、約1mm~約8mmの間の平均直径、または径を有する。いくつかの実施形態では、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、約1mm~約4mmの間の平均直径、または径を有する。いくつかの実施形態では、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、約1mm~約2mmの間の平均直径、または径を有する。いくつかの実施形態では、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、約1.5mm~約2mmの間の平均直径、または径を有する。
【0243】
いくつかの実施形態では、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、最大の線形寸法(LLD)、例えば、1ミリメートル(mm)、またはそれ未満の、平均直径、または径を有する。いくつかの実施形態では、粒子(例えばヒドロゲルカプセル)は、0.3mm~1mm、0.4mm~1mm、0.5mm~1mm、0.6mm~1mm、0.7mm~1mm、0.8mm~1mm、または0.9mm~1mmの径範囲にある。
【0244】
一実施形態では、第二の(外側)区画は、第一の(内側)区画を完全に周囲し、第二の区画の内側境界は、第一の区画の外側境界と界面を形成する。そのような実施形態では、第二の(外側)区画の厚さは、第二の区画の外側境界と、2つの区画間の界面との間の平均距離を意味する。いくつかの実施形態では、外側区画の厚さは、約10ナノメートル(nm)超であり、好ましくは、100nm超であり、1mmほどの大きさであり得る。例えば、本明細書に記載される粒子における外側区画の厚さは、10ナノメートル~1ミリメートル、100ナノメートル~1ミリメートル、500ナノメートル~1ミリメートル、1マイクロメートル(μm)~1ミリメートル、1μm~1mm、1μm~500μm、1μm~250μm、1μm~1mm、5μm~500μm、5μm~250μm、10μm~1mm、10μm~500μm、または10μm~250μmであり得る。いくつかの実施形態では、外側区画の厚さは、100ナノメートル~1ミリメートル、1μm~1mmの間、1μm~500μmの間、または5μm~1mmの間である。
【0245】
いくつかの実施形態では、第一の区画、及び第二の区画の両方は、同一のポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第一の区画、及び第二の区画は、異なるポリマーを含む。いくつかの実施形態では、第一の区画は、アルギネートを含む。いくつかの実施形態では、第二の区画は、アルギネートを含む。いくつかの実施形態では、第一の区画、及び第二の区画の両方は、アルギネートを含む。いくつかの実施形態では、第一の区画内のアルギネートは、第二の区画内のアルギネートとは異なる。いくつかの実施形態では、第一の区画は、アルギネートを含み、第二の区画は、異なるポリマー(例えば、多糖、例えば、ヒアルロネート、またはキトサン)を含む。いくつかの実施形態では、第二の区画は、アルギネートを含み、第一の区画は、異なるポリマー(例えば、多糖、例えば、ヒアルロネートまたはキトサン)を含む。
【0246】
第一の区画、及び第二の区画の両方は、単一の成分(例えば、1つのポリマー)、または2つ以上の成分(例えば、ポリマーのブレンド)を含み得る。いくつかの実施形態では、第一の区画は、アルギネート(例えば、化学的に修飾されたアルギネート、または未修飾アルギネートと化学的に修飾されたアルギネートとのブレンド)のみを含む。いくつかの実施形態では、第二の区画は、アルギネート(例えば、化学的に修飾されたアルギネート、または未修飾アルギネートと化学的に修飾されたアルギネートとのブレンド)のみを含む。いくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画の両方は、独立して、アルギネート(例えば、化学的に修飾されたアルギネート、または未修飾アルギネートと化学的に修飾されたアルギネートとのブレンド)のみを含む。
【0247】
いくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、ポリマーのブレンド(すなわち、ポリマーの混合物)を含む。いくつかの実施形態では、第一の(内側)区画は、ポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第二の(外側)区画は、ポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、ポリマーの同一のブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、ポリマーの異なるブレンドを含む。いくつかの実施形態では、外側区画を含むブレンド中の少なくとも1つのポリマーは、本明細書に記載されるクリック可能な架橋部位(例えば、式(IV)、(V)、または(VI)の化合物)で共有結合修飾される。いくつかの実施形態では、第二の(外側)区画を含むブレンド中の少なくとも1つのポリマーは、本明細書に記載される非線維性化合物(例えば、式(I)の化合物)で共有結合修飾される。いくつかの実施形態では、第二の(外側)区画を含むブレンド中の少なくとも1つのポリマーは、クリック可能な架橋部位及び非線維性化合物の両方で共有結合修飾される。
【0248】
いくつかの実施形態では、第一の区画は、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれを超えるポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第一の区画は、2つのポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第一の区画は、3つのポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第一の区画は、4つのポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第一の区画は、5つのポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第一の区画は、6つのポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第一(内側)の区画は、7つのポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第一の(内側)区画は、8つのポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第一の(内側)区画は、9つポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第一の(内側)区画は、10個のポリマーのブレンドを含む。
【0249】
いくつかの実施形態では、第二の(外側)区画は、2、3、4、5、6、7、8、9、10個、またはそれを超えるポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第二の(外側)区画は、2つのポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第二の(外側)区画は、3つのポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第二の(外側)区画は、4つのポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第二の(外側)区画は、5つのポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第二の(外側)区画は、6つのポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第二の(外側)区画は、7つのポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第二の(外側)区画は、8つのポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第二の(外側)区画は、9つのポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第二の(外側)区画は、10個のポリマーのブレンドを含む。
【0250】
いくつかの実施形態では、第一の区画は、ポリマーのブレンドを含み、第二の区画は、ポリマーのブレンドを含まない。いくつかの実施形態では、第一の区画は、ポリマーのブレンドを含み、第二の区画は、ポリマーのブレンドを含む。
【0251】
いくつかの実施形態では、第一の区画は、ポリマーのブレンドを含まず、第二の区画は、ポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第一の区画は、単一のタイプのポリマーを含み、第二の区画は、ポリマーのブレンドを含む。
【0252】
いくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、ポリマーのブレンドを含み、ブレンドのポリマーは、任意の2つの混和性ポリマーである。
【0253】
いくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、ポリマーのブレンドを含み、ポリマーは、アルギネート、ヒアルロネート、及びキトサンからなる群から選択される。
【0254】
いくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、ポリマーのブレンドを含み、ポリマーは、アルギネート、ヒアルロネート、及びキトサンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第一の区画は、ポリマーのブレンドを含み、ポリマーは、アルギネート、ヒアルロネート、及びキトサンからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、第二の区画は、ポリマーのブレンドを含み、ポリマーは、アルギネート、ヒアルロネート、及びキトサンからなる群から選択される。
【0255】
いくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、アルギネートポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第一の区画は、アルギネートポリマーのブレンドを含む。いくつかの実施形態では、第二の区画は、アルギネートポリマーのブレンドを含む。
【0256】
いくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、アルギネートポリマーのブレンドを含み、アルギネートポリマーは、高グルロン酸アルギネート及び高マンヌロン酸アルギネートから選択される。いくつかの実施形態では、第一の区画は、アルギネートポリマーのブレンドを含み、アルギネートポリマーは、高グルロン酸アルギネート及び高マンヌロン酸アルギネートから選択される。いくつかの実施形態では、第二の区画は、アルギネートポリマーのブレンドを含み、アルギネートポリマーは、高グルロン酸アルギネート及び高マンヌロン酸アルギネートから選択される。
【0257】
いくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、アルギネートポリマーのブレンドを含み、アルギネートポリマーは、低分子量アルギネート、中分子量アルギネート、高分子量アルギネート、及び超高分子量アルギネートから選択される。いくつかの実施形態では、第一の区画は、アルギネートポリマーのブレンドを含み、アルギネートポリマーは、低分子量アルギネート、中分子量アルギネート、高分子量アルギネート、及び超高分子量アルギネートから選択される。いくつかの実施形態では、第二の区画は、アルギネートポリマーのブレンドを含み、アルギネートポリマーは、低分子量アルギネート、中分子量アルギネート、高分子量アルギネート、及び超高分子量アルギネートから選択される。
【0258】
いくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、アルギネートポリマーのブレンドを含み、アルギネートポリマーは、Kimica Algin IL-2、Kimica Algin IL-6、Kimica Algin I-1、Kimica Algin I-3、Kimica Algin I-5、Kimica Algin I-8、Kimica Algin LZ-2、Kimica Algin ULV-L3、Kimica Algin ULV-L5、Kimica Algin ULV-1G、Kimica Algin ULV-5G、Kimica Algin ULV IL-6G、Pronova UP VLVM、Pronova UP LVM、Pronova UP MVM、Pronova UP VLVG、Pronova UP MVG、Pronova UP LVG、Pronova SLM20、Pronova SLM100、Pronova SLG20、及びPronova SLG100から選択される。いくつかの実施形態では、第一の区画は、アルギネートポリマーのブレンドを含み、アルギネートポリマーは、Kimica Algin IL-2、Kimica Algin IL-6、Kimica Algin I-1、Kimica Algin I-3、Kimica Algin I-5、Kimica Algin I-8、Kimica Algin LZ-2、Kimica Algin ULV-L3、Kimica Algin ULV-L5、Kimica Algin ULV-1G、Kimica Algin ULV-5G、Kimica Algin ULV IL-6G、Pronova UP VLVM、Pronova UP LVM、Pronova UP MVM、Pronova UP VLVG、Pronova UP MVG、Pronova UP LVG、Pronova SLM20、Pronova SLM100、Pronova SLG20、及びPronova SLG100から選択される。いくつかの実施形態では、第二の区画は、アルギネートポリマーのブレンドを含み、アルギネートポリマーは、Kimica Algin IL-2、Kimica Algin IL-6、Kimica Algin I-1、Kimica Algin I-3、Kimica Algin I-5、Kimica Algin I-8、Kimica Algin LZ-2、Kimica Algin ULV-L3、Kimica Algin ULV-L5、Kimica Algin ULV-1G、Kimica Algin ULV-5G、Kimica Algin ULV IL-6G、Pronova UP VLVM、Pronova UP LVM、Pronova UP MVM、Pronova UP VLVG、Pronova UP MVG、Pronova UP LVG、Pronova SLM20、Pronova SLM100、Pronova SLG20、及びPronova SLG100から選択される。
【0259】
いくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、2つのアルギネートポリマーのブレンドを、任意の比で含む。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約99:1、95:5、90:10、85:15、80:20、75:25、70:30、65:35、60:40、55:45、または50:50である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約99:1である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約95:5である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約90:10である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約85:15である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約80:20である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約75:25である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約70:30である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約65:35である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約60:40である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約55:45である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約50:50である。
【0260】
いくつかの実施形態では、第一の、及び第二の区画は、2つのアルギネートポリマーのブレンドを、任意の比で含む。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約99:1、95:5、90:10、85:15、80:20、75:25、70:30、65:35、60:40、55:45、または50:50超である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約99:1超である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約95:5超である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約90:10超である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約85:15超である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約80:20超である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約75:25超である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約70:30超である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約65:35超である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約60:40超である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約55:45超である。いくつかの実施形態では、ブレンド中の2つのアルギネートポリマーの比は、約50:50超である。
【0261】
いくつかの実施形態では、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)の第一の区画のポリマーは、式(I)の1つの化合物で修飾され、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)の第二の区画のポリマーは、式(I)の異なる化合物で修飾される。いくつかの実施形態では、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、式(I)の化合物で修飾されたポリマーと、未修飾ポリマー(例えば、式(I)の化合物で修飾されないポリマー)との混合物を含む。いくつかの実施形態では、第一の区画は、式(I)の化合物で修飾されたポリマーと、未修飾ポリマー(例えば、式(I)の化合物で修飾されないポリマー)との混合物(すなわち、ブレンド)を含む。いくつかの実施形態では、第二の区画は、式(I)の化合物で修飾されたポリマーと、未修飾ポリマー(例えば、式(I)の化合物で修飾されないポリマー)との混合物(すなわち、ブレンド)を含む。
【0262】
本明細書に記載される粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)のポリマーは、ポリマーの1つ以上の1つ以上のモノマーにおいて、式(I)の化合物、または医薬として許容できるその塩で修飾され得る。粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)の修飾ポリマーは、粒子の第一の(内部)区画、粒子の第二の(外部)区画、または粒子の第一の(内部)、及び第二の(外部)区画の両方に存在し得る。いくつかの実施形態では、修飾ポリマーは、第二の区画(粒子の外部表面を含む)内にのみ存在する。いくつかの実施形態では、ポリマーのモノマーの少なくとも0.5%は、式(I)の化合物で修飾される(例えば、ポリマーのモノマーの、少なくとも1%、2.5%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、またはそれ以上は、(I)の化合物で修飾される)。いくつかの実施形態では、ポリマーのモノマーの0.5%~50%、10%~90%、10%~50%、または25~75%は、式(I)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態では、ポリマーのモノマーの1%~20%は、式(I)の化合物で修飾される。いくつかの実施形態では、ポリマーのモノマーの1%~10%は、式(I)の化合物で修飾される。
【0263】
いくつかの実施形態では、ポリマー(例えば、アルギネート)(式(I)の化合物、例えば、表3の化合物101で修飾された場合)は、以下の値のいずれか:(i)重量で、少なくとも0.1%、0.2%、0.5%、1.0%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、または10%のN、(ii)重量で、0.1%~10%、(iii)重量で、0.1%~2%のN、(iv)重量で、2%~4%のN、(v)重量で、4%~8%のN、(vi)重量で、5%~9%のN、(vii)重量で、6%~9%のN、(viii)重量で、6%~8%のN、(ix)重量で、7%~9%のN、(x)重量で、8%~9%のN(いずれの場合も、N%は、燃焼分析によって決定され(例えば、本明細書では実施例2に記載されているように)、修飾ポリマー中の式(I)の化合物の量に対応する)の、%Nの増加(未修飾ポリマー、例えば、アルギネートと比較して)を含む。
【0264】
粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)(例えば、その中の第一の区画、または第二の区画)は、粒子に特定の特徴を付与する量で、式(I)の化合物を含み得る。例えば、粒子表面(例えば、外側区画の外側)は、粒子が対象において非線維性である(すなわち、異物反応を軽減する)ような、式(I)の化合物の濃度、または密度を含み得る。一実施形態では、粒子表面は、非線維化が有効な量の化合物101で化学的に修飾されたアルギネートを含む。一実施形態では、非線維化が有効な量の化合物101は、(非修飾アルギネートと比較した場合)約0.5%~2%、2%~4%のN、約4%~6%のN、約6%~8%、または約8%~10%のN)の%Nの増加をもたらし、%Nは、燃焼分析によって決定され(例えば、本明細書では実施例2に記載されているように)、修飾されたアルギネート中の化合物101の量に対応する。
【0265】
一実施形態では、TA.XT plus Texture Analyzer(Stable Micro Systems、Surrey,United Kingdom)にて、5kgロード細胞に取り付けられた5mmプローブを使用して、ヒドロゲルカプセルの機械的試験を行う。個々のカプセルをプラットフォーム上に置き、プローブによって、上から、0.5mm/秒の固定速度で圧縮する。1gの反発力が測定されると、プローブとカプセルとの間の接触が検出される。プローブは引き続き、プローブの接触高さとプラットフォームとの間の距離の90%を移動し、カプセルを破裂点まで圧縮する。プローブの圧縮力に対する抵抗が測定され、プローブ移動量の関数としてプロットされ得る(力対変位曲線)。典型的には、カプセルは、完全に破裂する前にわずかに破壊し、プローブに印加される力が、少しの量減少する。分析マクロをプログラムして、力対変位曲線において、0.25~0.5gの減少が発生する初回を検出し得る。これが発生するときにプローブによって印加される力は、初期破壊力と呼ばれる。一実施形態では、本明細書に記載される粒子(例えば、2区画ヒドロゲルカプセル)の所望の機械的強度は、1、1.5、2、2.5、または3グラム超、または少なくとも2グラムの初期破壊力を有する。
【0266】
一実施形態では、粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)の所望の機械的強度は、対象への移植後、所望の時点で無傷のままである能力である。例えば、対象から除去されるヒドロゲルカプセルの外側、及び内側の区画の両方が、免疫適格マウスからの回収後に、光学顕微鏡法によって、例えば、本明細書における実施例に記載されるような明視野イメージングによって観察したときに、視覚的に無傷である。
【0267】
一実施形態では、粒子表面は、化合物101で化学的に修飾されたアルギネートを、粒子に非線維特性と所望の機械的強度の両方、例えば、以下の値のいずれかのN%(未修飾アルギネートと比較した)増加をもたらす、修飾アルギネート中の化合物101の濃度、または密度で含む:(i)重量で、1%~3%、(ii)重量で、2%~4%のN、(iii)重量で、4%~8%のN、(iv)重量で、5%~9%のN、(v)重量で、6%~9%のN、(vi)重量で、6%~8%のN、(vii)重量で、7%~9%のN、及び(ix)重量で、8%~9%のN、(いずれの場合も、%Nは、燃焼分析によって(例えば、本明細書では実施例2に記載の通り)決定され、修飾されたアルギネート中の式(I)化合物の量に対応する)。
【0268】
粒子(例えば、その中の第一の区画、及び第二の区画)は、アルギネートを含み、アルギネートは、当該技術分野で知られている任意の好適な方法を使用して、式(I)の化合物で化学的に修飾され得る。例えば、アルギネートカルボン酸部位は、式(I)の化合物で修飾されたアルギネートを達成するために1つ以上のアミン官能化化合物にカップリングするために活性化され得る。アルギネートポリマーは、水(30mL/グラムポリマー)に溶解され得、2-クロロ-4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン(0.5当量)、及びN-メチルモルホリン(1当量)で処置され得る。この混合物に、緩衝液、または溶媒、例えば、アセトニトリル中の、式(I)の化合物の溶液(0.3M)が添加され得る。反応物は、55℃に16時間加温され得、次いで、室温に冷却され、回転蒸発を介して濃縮され得る。次いで、残渣を、緩衝液、または溶媒、例えば、水中に溶解させ得る。次いで、混合物は、例えば、シアノ修飾されたシリカゲル(Silicycle)床を通して濾過され、フィルターケーキは、水で洗浄され得る。次いで、得られた溶液は、例えば、緩衝液、または水で、少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも3回、またはそれを超える回数交換して、緩衝液、または水に対して24時間透析され得る(10,000 MWCO膜)。得られた溶液は、例えば、凍結乾燥を介して濃縮されて、所望の化学的に修飾されたアルギネートが提供され得る。
【0269】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される粒子は、細胞を含む。いくつかの実施形態では、細胞は、治療薬(例えば、タンパク質、またはポリペプチド、例えば、抗体、タンパク質、酵素、または成長因子)を産生するように操作される。いくつかの実施形態では、細胞は、第一の区画と共に配置される。いくつかの実施形態では、細胞は、第二の区画と共に配置される。いくつかの実施形態では、細胞は、第一の区画内に配置され、第二の区画は、細胞を含まない。粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)は、タンパク質、またはポリペプチドの、活性、または不活性断片、例えば、グルコースオキシダーゼ(例えば、グルコースセンサ用)、キナーゼ、ホスファターゼ、オキシゲナーゼ、ヒドロゲナーゼ、またはレダクターゼ等を含み得る。
【0270】
本明細書に記載される粒子(例えばヒドロゲルカプセル)は、治療薬、例えば、外因性物質、例えば、本明細書に記載される治療薬を放出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、治療薬は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、治療薬は、生物学的物質である。いくつかの実施形態では、治療薬は、核酸(例えば、RNAまたはDNA)、タンパク質(例えば、ホルモン、酵素、抗体、抗体断片、抗原、またはエピトープ)、小分子、脂質、薬物、ワクチン、またはそれらの任意の誘導体である。
【0271】
粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)(例えば、本明細書に記載される)は、対象に移植、または投与するための、調製物、または組成物として提供され得る。いくつかの実施形態では、調製物、または組成物中の粒子(例えば、ヒドロゲルカプセル)の、少なくとも20%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%は、本明細書に記載される特性、例えば、平均直径、または平均細孔径を有する。
【0272】
細胞及び治療薬
本開示のヒドロゲルカプセルは、これらに限定されないが、脂肪細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、線維芽細胞、膵島細胞、間葉系幹細胞、周皮細胞、前述のうちのいずれかのサブタイプ、前述のうちのいずれかに由来する細胞、誘導多能性幹細胞に由来する細胞、及び前述のうちのいずれかの1つ以上の混合物を含む、多種多様な異なる細胞タイプ(例えば、ヒト細胞)を含み得る。例示的な細胞タイプとしては、WO2017/075631、及びWO2019/195055に記述される細胞タイプが挙げられる。一実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、複数の細胞を含む。一実施形態では、複数の細胞は、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセル内に封入される前に、細胞懸濁液の形態である。懸濁液における細胞は、単一の細胞(例えば、単層細胞培養からのもの)の形態をとり得、または、例えば、マイクロキャリア(例えば、ビーズ、またはマトリックス)上に配置された別の形態で、または細胞の三次元凝集体(例えば、細胞クラスター、またはスフェロイド)として提供され得る。細胞懸濁液は、複数の細胞クラスター(例えば、スフェロイドとして)、またはマイクロキャリアを含み得る。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、いかなる膵島細胞も含まず、グルコースに反応してインスリンを産生することが可能ないかなる細胞も含まない。
【0273】
本開示のヒドロゲルカプセルは、未処理の対照と比較して、免疫細胞の付着性を減少させる。一実施形態では、ヒドロゲルカプセルは、未処理の対照と比較して、マクロファージの付着性を減少させる。一実施形態では、マクロファージ付着性の減少は、未処理の対照よりも、約1倍~10倍の間少ない。一実施形態では、マクロファージ付着性の減少は、未処理の対照よりも、約1倍~8倍の間少ない。一実施形態では、マクロファージ付着性の減少は、未処理の対照よりも、約1倍~7倍の間少ない。一実施形態では、マクロファージ付着性の減少は、未処理の対照よりも、約1倍~6倍の間少ない。一実施形態では、マクロファージ付着性の減少は、未処理の対照よりも、約1倍~5倍の間少ない。
【0274】
本開示のヒドロゲル、またはヒドロゲルカプセルは、封入された細胞(例えば、操作された細胞)が生存性を保持することを可能にする(例えば、細胞生存能力アッセイによって決定される)。いくつかの実施形態では、ヒドロゲル、またはヒドロゲルカプセルは、封入された細胞が、少なくとも7日間、少なくとも1ヶ月、または少なくとも1年間、生存性を保持することを可能にする。
【0275】
本開示は、本明細書に記載される疾患、障害、または病態の予防または処置のための治療薬を産生する、または産生することが可能な細胞を特徴とする。一実施形態では、細胞は、操作された細胞である。一実施形態では、細胞は、化学的シグナル等の刺激を感知し、その刺激に応じて治療薬を発現するように操作される。治療薬は、核酸(例えば、ヌクレオチド、DNA、またはRNA)、ポリペプチド、脂質、糖(例えば、単糖、二糖、オリゴ糖、または多糖)、または小分子等(これらの各々については以下で更に詳述する)、任意の生物学的物質であり得る。例示的な治療薬としては、WO2017/075631及びWO2019/195055に収載されている薬剤が挙げられる。
【0276】
いくつかの実施形態では、細胞(例えば、操作された細胞)は核酸を産生する。本明細書に記載される細胞によって産生される核酸は、様々なサイズであり得、1つ以上のヌクレオシドまたはヌクレオチド、例えば、2、3、4、5、10、25、50個以上のヌクレオシドまたはヌクレオチドを含み得る。いくつかの実施形態では、核酸は、例えば、RNA、またはDNAの短い断片であり、例えば、レポーターとして、または診断目的で使用され得る。例示的な核酸としては、単一のヌクレオシド、またはヌクレオチド(例えば、アデノシン、チミジン、シチジン、グアノシン、ウリジン一リン酸、イノシン一リン酸)、RNA(例えば、mRNA、siRNA、miRNA、RNAi)、及びDNA(例えば、ベクター、染色体DNA)が挙げられる。いくつかの実施形態では、核酸は、約0.25、0.5、1、1.5、2、2.5、5、10、25、50、100、150、200以上の平均分子量(kD)を有する。
【0277】
いくつかの実施形態では、治療薬は、ホルモン、酵素、サイトカイン(例えば、炎症誘発性サイトカインまたは抗炎症性サイトカイン)、成長因子、凝固因子、またはリポタンパク質等のペプチドまたはポリペプチド(例えば、タンパク質)である。移植可能要素内の細胞によって産生されるペプチドまたはポリペプチド(例えば、タンパク質、例えば、ホルモン、成長因子、凝血因子または凝固因子、抗体分子、酵素、サイトカイン、サイトカイン受容体、またはサイトカインもしくはサイトカイン受容体を含むキメラタンパク質)は、天然に存在するアミノ酸配列を有することができ、または天然に存在する配列のバリアントを含むことができる。バリアントは、天然に存在する参照配列と比べて天然に存在するまたは天然に存在しないアミノ酸置換、変異、欠失または付加であり得る。天然に存在するアミノ酸配列は、多型バリアントであり得る。天然に存在するアミノ酸配列は、ヒト、または非ヒトアミノ酸配列であり得る。いくつかの実施形態では、天然に存在するアミノ酸配列、またはその天然に存在するバリアントは、ヒト配列である。更に、本発明で使用するためのペプチド、またはポリペプチド(例えば、タンパク質)は、例えば、化学的、または酵素的な修飾(例えば、グリコシル化、リン酸化)による、何らかの方法で修飾され得る。いくつかの実施形態では、ペプチドは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、または50個のアミノ酸を有する。いくつかの実施形態では、タンパク質は、5、10、25、50、100、150、200、250、500以上の平均分子量(kD)を有する。
【0278】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、ホルモンである。例示的なホルモンとしては、抗利尿ホルモン(ADH)、オキシトシン、成長ホルモン(GH)、プロラクチン、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、チロトロピン放出ホルモン(TRH)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、チロキシン、カルシトニン、副甲状腺ホルモン、アルドステロン、コルチゾール、エピネフリン、グルカゴン、インスリン、エストロゲン、プロゲステロン、及びテストステロン挙げられる。いくつかの実施形態では、タンパク質は、インスリン(例えば、インスリンA-鎖、インスリンB-鎖、またはプロインスリン)である。いくつかの実施形態では、タンパク質は、成長ホルモン、例えば、ヒト成長ホルモン(hGH)、組換えヒト成長ホルモン(rhGH)、ウシ成長ホルモン、メチオン-ヒト成長ホルモン、デス-フェニルアラニンヒト成長ホルモン、及びブタ成長ホルモンである。いくつかの実施形態では、タンパク質は、インスリン(例えば、インスリンA-鎖、インスリンB-鎖、またはプロインスリン)ではない。
【0279】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、成長因子、例えば、血管内皮成長因子(VEGF)、神経成長因子(NGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、上皮成長因子(EGF)、形質転換成長因子(TGF)、ならびにインスリン様成長因子-I、及び-II(IGF-I及びIGF-II)である。
【0280】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、凝血因子、または凝固因子、例えば、血液凝血因子、または血液凝固因子である。いくつかの実施形態では、タンパク質は、凝固、すなわち、血液が、液体から固体、またはゲルに変換されるプロセスに関与するタンパク質である。例示的な凝血因子、及び凝固因子としては、第I因子(例えば、フィブリノゲン)、第II因子(例えば、プロトロンビン)、第III因子(例えば、組織因子)、第V因子(例えば、プロアクセレリン、不安定因子)、第VI因子、第VII因子(例えば、安定因子、プロコンバーチン)、第VIII因子(例えば、抗血友病因子A)、第VIIIC因子、第IX因子(例えば、抗血友病因子B)、第X因子(例えば、スチュアート・プロワー因子)、第XI因子(例えば、血漿トロンボプラスチン前駆物質)、第XII因子(例えば、ハーゲマン因子)、第XIII因子(例えば、フィブリン安定化因子)、フォンヴィレブランド因子、プレカリクレイン、ヘパリン補因子II、高分子量キニノゲン(例えば、フィッツジェラルド因子)、抗トロンビンIII、及びフィブロネクチンが挙げられる。いくつかの実施形態では、タンパク質は、抗凝血因子、例えば、プロテインCである。
【0281】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、抗体分子である。本明細書で使用される場合、用語「抗体分子」は、例えば、少なくとも1つの免疫グロブリン可変ドメイン配列を含む、免疫グロブリン鎖、またはその断片等の、タンパク質を指す。用語「抗体分子」は、例えば、モノクローナル抗体(免疫グロブリンFc領域を有する全長抗体を含む)を含む。一実施形態では、抗体分子は、全長抗体、または全長免疫グロブリン鎖を含む。一実施形態では、抗体分子は、全長抗体、または全長免疫グロブリン鎖の、抗原結合断片、または機能的断片を含む。一実施形態では、抗体分子は、単一のエピトープに結合する単特異性抗体分子、例えば、複数の免疫グロブリン可変ドメイン配列を有し、その各々が同一のエピトープに結合する単特異性抗体分子である。
【0282】
一実施形態では、抗体分子は多重特異性抗体分子であり、例えば、複数の免疫グロブリン可変ドメイン配列を含み、複数あるうちの第一の免疫グロブリン可変ドメイン配列は、第一のエピトープに対する結合特異性を有し、複数あるうちの第二の免疫グロブリン可変ドメイン配列は、第二のエピトープに対する結合特異性を有する。一実施形態では、第一の、及び第二のエピトープは、同一の抗原、例えば、同一のタンパク質(または多量体タンパク質のサブユニット)上にある。一実施形態では、多重特異性抗体分子は、第三の、第四の、または第五の免疫グロブリン可変ドメインを含む。一実施形態では、多特異性抗体分子は、二特異性抗体分子、三特異性抗体分子、または四特異性抗体分子である。
【0283】
本明細書に記載される移植可能要素内の細胞によって、あらゆるクラスの免疫グロブリン全体、その断片、及び抗体の抗原結合可変ドメインを少なくとも含む合成タンパク質を含め、様々なタイプの抗体分子が産生され得る。抗体分子は、抗体、例えば、IgG、IgG、IgG、またはIgG等のIgG抗体であり得る。抗体分子は、Fab断片、F(ab’)2断片、単鎖可変領域等を含む、抗原結合断片の形態であり得る。抗体は、ポリクローナル、またはモノクローナル(mAb)であり得る。モノクローナル抗体は、標的抗原に特異的に結合する、及び/または所望の生物学的活性を示す限り、「キメラ」抗体(重鎖、及び/または軽鎖の一部分が、特定の種に由来する抗体、または特定の抗体クラス、もしくはサブクラスに属する抗体における、対応する配列と同一、または同種である一方で、鎖(複数可)の残りが、標的抗原に特異的に結合し、かつ/または所望の生物学的活性を示す限り、別の種に由来する抗体、または別の抗体クラス、もしくはサブクラスに属する抗体における、対応する配列と同一、または同種であるもの)、及びそのような抗体の断片を含み得る。いくつかの実施形態では、抗体分子は、単一ドメイン抗体(例えば、ナノボディ)である。記載された抗体を、組換え手段によって、例えば、アミノ酸の欠失、付加、または置換によって修飾して、所望の機能を媒介する抗体の有効性を高めることもできる。例示的な抗体としては、抗ベータ-ガラクトシダーゼ、抗コラーゲン、抗CD14、抗CD20、抗CD40、抗HER2、抗IL-1、抗IL-4、抗IL6、抗IL-13、抗IL17、抗IL18、抗IL-23、抗IL-28、抗IL-29、抗IL-33、抗EGFR、抗VEGF、抗CDF、抗フラジェリン、抗IFN-α、抗IFN-β、抗IFN-γ、抗マンノース受容体、抗VEGF、抗TLR1、抗TLR2、抗TLR3、抗TLR4、抗TLR5、抗TLR6、抗TLR9、抗PDF、抗PD1、抗PDL-1、または抗神経成長因子抗体が挙げられる。いくつかの実施形態では、抗体は、抗神経成長因子抗体(例えば、フルラヌマブ、ファシヌマブ、タネズマブ)である。
【0284】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、サイトカイン、もしくはサイトカイン受容体、またはサイトカイン、もしくはそれらの受容体を含むキメラタンパク質であり、例えば、腫瘍壊死因子アルファ、及びベータ、それらの受容体、及びそれらの誘導体、レニン、リポタンパク質、コルヒチン、コルチコトロフィン、バソプレシン、ソマトスタチン、リプレシン、パンクレオザイミン、リュープロリド、アルファ-1-アンチトリプシン、心房性ナトリウム利尿因子、肺サーファクタント、組織型プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)以外のプラスミノーゲン活性化因子、例えば、ウロキナーゼ、ボンベシン、トロンビン、エンケファリナーゼ、RANTES(通常、T細胞は活性化されると発現と分泌を制御される)、ヒトマクロファージ炎症性タンパク質(MIP-1-アルファ)、血清アルブミン、例えば、ヒト血清アルブミン、ミュラー管阻害物質、リラキシンA-鎖、リラキシンB-鎖、プロリラキシン、マウスゴナドトロピン関連ペプチド、絨毛性ゴナドトロピン、微生物タンパク質、例えば、ベータ-ラクタマーゼ、DNase、インヒビン、アクチビン、ホルモン、または成長因子に対する受容体、インテグリン、プロテインA、またはD、リウマチ因子、血小板由来成長因子(PDGF)、上皮成長因子(EGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF)、例えば、TGF-α、及びTGF-β(TGF-β1、TGF-β2、TGF-β3、TGF-β4、またはTGF-β5を含む)、インスリン様成長因子-I、及び-II(IGF-I及びIGF-II)、デス(1-3)-IGF-I(脳IGF-I)、インスリン様成長因子結合タンパク質、CDタンパク質、例えば、CD-3、CD-4、CD-8、及びCD-19、エリスロポエチン、骨誘導性因子、抗毒素、インターフェロン、例えば、インターフェロン-アルファ(例えば、インターフェロンアルファ2A)、-ベータ、-ガンマ、-ラムダ、及びコンセンサスインターフェロン、コロニー刺激因子(CSF)、例えば、M-CSF、GM-CSF、及びG-CSF、インターロイキン(IL)、例えば、IL-1~IL-10、スーパーオキシドジスムターゼ、T細胞受容体、表面膜タンパク質、分解促進因子、輸送タンパク質、ホーミング受容体、アドレシン、受胎阻害剤、例えば、プロスタグランジン、受胎促進剤、制御性タンパク質、抗体(その断片を含む)、及びキメラタンパク質、例えば、イムノアドヘシン、これらの化合物の前駆体、誘導体、プロドラッグ、及び類似体、ならびにこれらの化合物、またはそれらの前駆体、誘導体、プロドラッグ、及び類似体の薬学的に許容可能な塩が含まれる。好適なタンパク質またはペプチドは、ネイティブまたは組換えであり得、それには、例えば、融合タンパク質が含まれる。
【0285】
本明細書に記載される移植可能要素における細胞によって産生されるポリペプチド(例えばタンパク質)の例にはまた、CCL1、CCL2(MCP-1)、CCL3(MIP-1α)、CCL4(MIP-1β)、CCL5(RANTES)、CCL6、CCL7、CCL8、CCL9(CCL10)、CCL11、CCL12、CCL13、CCL14、CCL15、CCL16、CCL17、CCL18、CCL19、CCL20、CCL21、CCL22、CCL23、CCL24、CCL25、CCL26、CCL27、CCL28、CXCL1(KC)、CXCL2(SDF1a)、CXCL3、CXCL4、CXCL5、CXCL6、CXCL7、CXCL8(IL8)、CXCL9、CXCL10、CXCL11、CXCL12、CXCL13、CXCL14、CXCL15、CXCL16、CXCL17、CX3CL1、XCL1、XCL2、TNFA、TNFB(LTA)、TNFC(LTB)、TNFSF4、TNFSF5(CD40LG)、TNFSF6、TNFSF7、TNFSF8、TNFSF9、TNFSF10、TNFSF11、TNFSF13B、EDA、IL2、IL15、IL4、IL13、IL7、IL9、IL21、IL3、IL5、IL6、IL11、IL27、IL30、IL31、OSM、LIF、CNTF、CTF1、IL12a、IL12b、IL23、IL27、IL35、IL14、IL16、IL32、IL34、IL10、IL22、IL19、IL20、IL24、IL26、IL29、IFNL1、IFNL2、IFNL3、IL28、IFNA1、IFNA2、IFNA4、IFNA5、IFNA6、IFNA7、IFNA8、IFNA10、IFNA13、IFNA14、IFNA16、IFNA17、IFNA21、IFNB1、IFNK、IFNW1、IFNG、IL1A(IL1F1)、IL1B(IL1F2)、IL1Ra(IL1F3)、IL1F5(IL36RN)、IL1F6(IL36A)、IL1F7(IL37)、IL1F8(IL36B)、IL1F9(IL36G)、IL1F10(IL38)、IL33(IL1F11)、IL18(IL1G)、IL17、KITLG、IL25(IL17E)、CSF1(M-CSF)、CSF2(GM-CSF)、CSF3(G-CSF)、SPP1、TGFB1、TGFB2、TGFB3、CCL3L1、CCL3L2、CCL3L3、CCL4L1、CCL4L2、IL17B、IL17C、IL17D、IL17F、AIMP1(SCYE1)、MIF、Areg、BC096441、Bmp1、Bmp10、Bmp15、Bmp2、Bmp3、Bmp4、Bmp5、Bmp6、Bmp7、Bmp8a、Bmp8b、C1qtnf4、Ccl21a、Ccl27a、Cd70、Cer1、Cklf、Clcf1、Cmtm2a、Cmtm2b、Cmtm3、Cmtm4、Cmtm5、Cmtm6、Cmtm7、Cmtm8、Crlf1、Ctf2、Ebi3、Edn1、Fam3b、Fasl、Fgf2、Flt3l、Gdf10、Gdf11、Gdf15、Gdf2、Gdf3、Gdf5、Gdf6、Gdf7、Gdf9、Gm12597、Gm13271、Gm13275、Gm13276、Gm13280、Gm13283、Gm2564、Gpi1、Grem1、Grem2、Grn、Hmgb1、Ifna11、Ifna12、Ifna9、Ifnab、Ifne、Il17a、Il23a、Il25、Il31、Iltifb、Inhba、Lefty1、Lefty2、Mstn、Nampt、Ndp、Nodal、Pf4、Pglyrp1、Prl7d1、Scg2、Scgb3a1、Slurp1、Spp1、Thpo、Tnfsf10、Tnfsf11、Tnfsf12、Tnfsf13、Tnfsf13b、Tnfsf14、Tnfsf15、Tnfsf18、Tnfsf4、Tnfsf8、Tnfsf9、Tslp、Vegfa、Wnt1、Wnt2、Wnt5a、Wnt7a、Xcl1、エピネフリン、メラトニン、トリヨードサイロニン、プロスタグランジン、ロイコトリエン、プロスタサイクリン、トロンボキサン、膵島アミロイドポリペプチド、ミュラー管阻害因子またはホルモン、アディポネクチン、コルチコトロピン、アンジオテンシン、バソプレシン、アルギニンバソプレシン、アトリオペプチン、脳性ナトリウム利尿ペプチド、カルシトニン、コレシストキニン、コルチスタチン、エンケファリン、エンドセリン、エリスロポエチン、卵胞刺激ホルモン、ガラニン、胃阻害性ポリペプチド、ガストリン、グレリン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド-1、ゴナドトロピン放出ホルモン、ヘプシジン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒト胎盤性ラクトゲン、インヒビン、ソマトメジン、レプチン、リポトロピン、メラノサイト刺激ホルモン、モチリン、オレキシン、オキシトシン、膵臓ポリペプチド、下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド、リラキシン、レニン、セクレチン、ソマトスタチン、トロンボポエチン、チロトロピン、チロトロピン放出ホルモン、血管作動性腸管ペプチド、アンドロゲン、アルファ-グルコシダーゼ(酸マルターゼとしても知られている)、グリコーゲンホスホリラーゼ、グリコーゲン脱分岐酵素、ホスホフルクトキナーゼ、ホスホグリセリン酸キナーゼ、ホスホグリセレートムターゼ、乳酸脱水素酵素、カルニチンパリミチルトランスフェラーゼ、カルニチン、及びミオアデニレートデアミナーゼが含まれる。
【0286】
いくつかの実施形態では、タンパク質は、補充療法または補充タンパク質である。いくつかの実施形態では、補充療法または補充タンパク質は、凝血因子または凝固因子、例えば、第VIII因子(例えば、天然に存在するヒト第VIII因子アミノ酸配列またはそのバリアントを含む)または第IX因子(例えば、天然に存在するヒト第IX因子アミノ酸配列またはそのバリアントを含む)である。
【0287】
いくつかの実施形態では、細胞は、第VIII因子、例えば、組換え第VIII因子を発現するように操作される。いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト組織に由来し、第VIII因子、例えば、組換え第VIII因子を発現するように操作される。いくつかの実施形態では、組換え第VIII因子は、Bドメイン欠失型組換え第VIII因子(FVIII-BDD)である。
【0288】
いくつかの実施形態では、細胞は、ヒト組織に由来し、第IX因子、例えば、組換え第IX因子を発現するように操作される。いくつかの実施形態では、細胞は、第IX因子、例えば、野生型ヒト第IX因子(FIX)、またはその多型バリアントを発現するように操作される。いくつかの実施形態では、細胞は、野生型FIXタンパク質の機能獲得(GIF)バリアント(FIX-GIF)を発現するように操作され、GIFバリアントは、対応する野生型FIXよりも高い比活性を有する。
【0289】
いくつかの実施形態では、補充療法、または補充タンパク質は、酵素、例えば、アルファ-ガラクトシダーゼ、アルファ-L-イズロニダーゼ(IDUA)、またはN-スルホグルコサミンスルホヒドロラーゼ(SGSH)である。いくつかの実施形態では、補充療法、または補充タンパク質は、酵素、例えば、アルファ-ガラクトシダーゼA(例えば、天然に存在するヒトアルファ-ガラクトシダーゼAアミノ酸配列、またはそのバリアントを含む)である。いくつかの実施形態では、補充療法、または補充タンパク質は、サイトカイン、または抗体である。
【0290】
いくつかの実施形態では、治療薬は、単糖、二糖、オリゴ糖、または多糖等の糖である。いくつかの実施形態では、糖は、トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、またはヘプトース部位を含む。いくつかの実施形態では、糖は、直鎖状単糖、または環状単糖を含む。いくつかの実施形態では、糖は、グルコース、ガラクトース、フルクトース、ラムノース、マンノース、アラビノース、グルコサミン、ガラクトサミン、シアル酸、マンノサミン、グルクロン酸、ガラクツロン酸、マンヌロン酸、またはグルロン酸部位を含む。いくつかの実施形態では、糖は、タンパク質に結合している(例えば、N結合型グリカン、またはO結合型グリカン)。例示的な糖としては、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、ラムノース、スクロース、リボース、キシロース、シアル酸、マルトース、アミロース、イヌリン、フルクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マンナン、レクチン、ペクチン、デンプン、セルロース、ヘパリン、ヒアルロン酸、キチン、アミロペクチン、またはグリコーゲンが挙げられる。いくつかの実施形態では、治療薬は、糖アルコールである。
【0291】
いくつかの実施形態では、治療薬は、脂質である。脂質は、疎水性、または両親媒性であり得、リポソーム、小胞、もしくは膜、またはリポソーム、小胞、もしくは膜への挿入物等の三次構造を形成し得る。脂質は、脂肪酸、グリセロ脂質、グリセロリン脂質、ステロール脂質、プレノール脂質、スフィンゴ脂質、糖脂質、ポリケチド、またはスフィンゴ脂質を含み得る。本明細書に記載される細胞によって産生される脂質の例としては、アナンダミド、ドコサヘキサエン酸、アプロスタグランジン、ロイコトリエン、トロンボキサン、エイコサノイド、トリグリセリド、カンナビノイド、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、セラミド、スフィンゴミエリン、セレブロシド、ガングリオシド、エストロゲン、アンドロステロン、テストステロン、コレステロール、カロテノイド、キノン、ヒドロキノン、またはユビキノンが挙げられる。
【0292】
いくつかの実施形態では、治療薬は、小分子である。小分子は、細胞によって産生される天然産物を含み得る。いくつかの実施形態では、小分子は、アベイラビリティが低いか、またはリピンスキーのルール・オブ・ファイブ(小分子がヒトにおいて経口活性薬物となる可能性が高いかどうかを推定するために使用される、一式のガイドライン、例えば、Lipinski,C.A.et al(2001)Adv Drug Deliv 46:2-36を参照されたい)に適合しない。例示的な小分子天然産物としては、抗細菌薬(例えば、カルモナム、ダプトマイシン、フィダキソマイシン、ホスホマイシン、イスパマイシン、硫酸ミクロノミシン、ミオカマイシン、ムピオシン、硫酸ネチルマイシン、テイコプラニン、チエナマイシン、リファマイシン、エリスロマイシン、バンコマイシン)、抗寄生体薬(例えば、アルテミシニン、イベルメクチン)、抗がん薬(例えば、ドキソルビシン、アクラルビシン、アミノレブリン酸、アルグラビン、オマセタキシンメペスクシネート、パクリタキ細胞、ペントスタチン、ペプロマイシン、ロミデプシン、トラベクトジン(trabectdin)、アクチノマイシンD、ブレオマイシン、クロモマイシンA、ダウノルビシン、ロイコボリン、ネオカルジノスタチン、ストレプトゾシン、トラベクテジン、ビンブラスチン、ビンクリスチン)、抗糖尿病薬(例えば、ボグリボース)、中枢神経系薬(例えば、L-ドーパ、ガランタミン、ジコンチド(zicontide))、スタチン(例えば、メバスタチン)、抗真菌薬(例えば、フマギリン、シクロスポリン)、1-デオキシノジリマイシン、及びテオフィリン、ステロール(コレステロール、エストロゲン、テストステロン)が挙げられる。追加の小分子天然産物については、Newman,D.J.and Cragg,M.(2016)J Nat Prod 79:629-661及びButler,M.S.et al(2014)Nat Prod Rep 31:1612-1661に記載されている。
【0293】
いくつかの実施形態では、細胞は、非タンパク質または非ペプチドの小分子を合成するように操作される。例えば、一実施形態では、細胞は、スタチン(例えば、タウロスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、またはアトルバスタチン)を産生することができる。
【0294】
いくつかの実施形態では、治療薬は、抗原(例えば、ウイルス抗原、細菌抗原、真菌抗原、植物抗原、環境抗原、または腫瘍抗原)である。抗原は、免疫刺激性、すなわち、免疫反応を刺激すること、またはその由来となる生物、もしくは分子に対して有効な免疫をもたらすことが可能なものとして、当業者には認識されている。抗原は、核酸、ペプチド、タンパク質、糖、脂質、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0295】
細胞、例えば、操作された細胞、例えば、本明細書に記載される操作された細胞は、単一の治療薬または複数の治療薬を産生し得る。いくつかの実施形態では、細胞は、単一の治療薬を産生する。いくつかの実施形態では、細胞クラスターは、単一の治療薬を産生する細胞を含む。いくつかの実施形態では、クラスター中の細胞の少なくとも約1パーセント、または約5、10、20、25、30、40、50、60、70、80、90、95、もしくは99パーセントが、単一の治療薬(例えば、本明細書に記載される治療薬)を産生する。いくつかの実施形態では、細胞は、複数の治療薬、例えば少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10種類の治療薬を産生する。いくつかの実施形態では、細胞クラスターは、複数の治療薬を産生する細胞を含む。いくつかの実施形態では、クラスター中の細胞の少なくとも約1パーセント、または約5、10、20、25、30、40、50、60、70、80、90、95、もしくは99パーセントが、複数の治療薬(例えば、本明細書に記載される治療薬)を産生する。
【0296】
これらの治療薬は関連している場合もあれば、複合体を形成する場合もある。いくつかの実施形態では、治療薬は、活性形態で、細胞から分泌、または放出される。いくつかの実施形態では、治療薬は、不活性形態で、例えば、プロドラッグとして、細胞から分泌、または放出される。後者の場合、治療薬は、酵素等の下流の薬剤によって活性化され得る。いくつかの実施形態では、治療薬は、細胞から分泌または放出されるのではなく、細胞内に維持される。例えば、治療薬は、不要な物質の解毒、または代謝に関与する酵素であり得、不要な物質の解毒、または代謝は、細胞内で起こる。
【0297】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、または50M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。
【0298】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約1M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約2M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約3M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約4M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約5M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約6M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約7M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約8M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約9M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約10M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約15M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約20M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約25M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約30M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約35M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約40M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約45M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約50M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。
【0299】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるヒドロゲルカプセルは、約1~50M mL-1、1~45M mL-1、1~40M mL-1、1~35M mL-1、1~30M mL-1、1~25M mL-1、1~20M mL-1、1~15M mL-1、1~10M mL-1、1~5M mL-1、5~50M mL-1、5~45M mL-1、5~40M mL-1、5~35M mL-1、5~30M mL-1、5~25M mL-1、5~20M mL-1、5~15M mL-1、5~10M mL-1、10~50M mL-1、10~45M mL-1、10~40M mL-1、10~35M mL-1、10~30M mL-1、10~25M mL-1、10~20M mL-1、10~15M mL-1、15~50M mL-1、15~45M mL-1、15~40M mL-1、15~35M mL-1、15~30M mL-1、15~25M mL-1、15~20M mL-1、20~50M mL-1、20~45M mL-1、20~40M mL-1、20~35M mL-1、20~30M mL-1、または20~25M mL-1の濃度で哺乳動物細胞を含む。
【0300】
治療方法
本明細書に記載するのは、本明細書に記載される多糖ポリマーを含む、ヒドロゲルカプセルの投与、または移植を通じて、対象における疾患、障害、または病態を予防、または治療するための方法である。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、疾患、障害、または病態の少なくとも1つの症状を、直接的、または間接的に低減、または緩和させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、疾患、障害、または病態の発症を、予防、または遅延させる。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。
【0301】
いくつかの実施形態では、疾患、障害、または病態は、例えば、神経系(例えば、末梢神経系、または中枢神経系)、血管系、骨格系、呼吸器系、内分泌系、リンパ系、生殖器系、または胃腸管等の、身体の系に影響を及ぼす。いくつかの実施形態では、疾患、障害、または病態は、血液、眼、脳、皮膚、肺、胃、口、耳、脚、足、手、肝臓、心臓、腎臓、骨、膵臓、脾臓、大腸、小腸、脊髄、筋肉、卵巣、子宮、膣、または陰茎等の、身体の一部に影響を及ぼす。
【0302】
いくつかの実施形態では、疾患、障害、または病態は、神経変性疾患、糖尿病(1型、または2型)、心臓病、自己免疫疾患、がん、肝臓病、リソソーム蓄積症、凝血障害または凝固障害、整形外科的病態、アミノ酸代謝障害である。
【0303】
いくつかの実施形態では、疾患、障害、または病態は、自己免疫疾患である。いくつかの実施形態では、疾患、障害、または病態は、糖尿病(1型、または2型糖尿病)である。一実施形態では、対象は、糖尿病(例えば、1型、または2型糖尿病)を有するか、または有すると診断されている。対象は、糖尿病に関連する任意のバイオマーカー、または他の診断基準を有し得、例えば、高血糖レベル(例えば、300mg/dL超、400mg/dL超)、または高ヘモグロビンA1Cレベル(例えば、ヘモグロビンA1Cレベル5.9%超、ヘモグロビンA1Cレベル6.5%超、ヘモグロビンA1Cレベル7%超)を有する。I
【0304】
いくつかの実施形態では、疾患、障害、または病態は、I型糖尿病ではなく、及び/またはII型糖尿病ではない。
【0305】
いくつかの実施形態では、疾患、障害または病態は、神経変性疾患である。例示的な神経変性疾患としては、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病(PD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症(MS)及び脳性麻痺(CP)、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症(DRPLA)、ニューロン核内硝子様封入体病(NIHID)、レビー小体型認知症、ダウン症候群、ハレルフォルデン・スパッツ病、プリオン病、嗜銀顆粒性認知症、皮質基底核変性症、ボクサー認知症、びまん性神経原線維変化病、ゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、ヤコブ・クロイツフェルト病、ニーマン・ピック病3型、進行性核上性麻痺、亜急性硬化性全脳炎、脊髄小脳失調症、ピック病、及び歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症が挙げられる。
【0306】
いくつかの実施形態では、疾患、障害、または病態は、自己免疫疾患、例えば、強皮症、多発性硬化症、狼瘡、またはアレルギーである。
【0307】
いくつかの実施形態では、疾患は、肝臓病、例えば、B型肝炎、C型肝炎、硬変、NASHである。
【0308】
いくつかの実施形態では、疾患、障害、または病態は、がんである。例示的ながんとしては、白血病、リンパ腫、黒色腫、肺癌、脳癌(例えば、神経膠芽腫)、肉腫、膵臓癌、腎臓癌、肝臓癌、精巣癌、前立腺癌、または子宮癌が挙げられる。
【0309】
いくつかの実施形態では、疾患、障害、または病態は、整形外科的病態である。例示的な整形外科的病態としては、骨粗鬆症、骨壊死、パジェット病、または骨折が挙げられる。
【0310】
いくつかの実施形態では、疾患、障害、または病態は、リソソーム蓄積症である。例示的なリソソーム蓄積症としては、ゴーシェ病(例えば、I型、II型、III型)、テイ・サックス病、ファブリー病、ファーバー病、ハーラー症候群(別名、ムコ多糖症I型(MPSI))、ハンター症候群、リソソーム酸性リパーゼ欠損症、ニーマン・ピック病、サラ病、サンフィリッポ症候群(ムコ多糖症IIIA型(MPS3A)としても知られる)、多発性スルファターゼ欠損症、マロトー・ラミー症候群、異染性白質ジストロフィー、クラッベ病、シャイエ症候群、ハーラー・シャイエ症候群、スライ症候群、ヒアルロニダーゼ欠損症、ポンペ病、ダノン病、ガングリオシドーシス、またはモルキオ症候群が挙げられる。
【0311】
いくつかの実施形態では、疾患、障害、または病態は、凝血障害、または凝固障害である。例示的な凝血障害または凝固障害としては、血友病(例えば、血友病A、または血友病B)、フォンヴィレブランド病、血小板減少症、尿毒症、ベルナール・スーリエ症候群、第XII因子欠損症、ビタミンK欠損症、または先天性無フィブリノゲン血症等が挙げられる。
【0312】
いくつかの実施形態では、疾患、障害、または病態は、アミノ酸代謝障害、例えば、フェニルケトン尿症、チロシン血症(例えば、1型、または2型)、アルカプトン尿症、ホモシスチン尿症、高ホモシステイン血症、メープルシロップ尿症である。
【0313】
いくつかの実施形態では、疾患、障害、または病態は、脂肪酸代謝障害、例えば、高脂血症、高コレステロール血症、ガラクトース血症である。
【0314】
いくつかの実施形態では、疾患、障害、または病態は、プリン、またはピリミジン代謝障害、例えば、レッシュ・ナイハン症候群である。
【0315】
本発明は、本明細書に記載される疾患、障害、または病態を有する、または有する疑いのある対象を識別し、そのような識別に応じて、細胞(例えば、任意選択的に、封入成分によって封入されたもの)を含み、及び任意選択的に、本明細書に記載される式(I)の化合物で修飾された、移植可能要素、またはその組成物を対象に投与する方法を更に含む。一実施形態では、対象は、ヒトである。一実施形態では、対象は、ヒトである。一実施形態では、対象は、成人である。一実施形態では、対象は、小児(例えば、21歳未満、18歳未満、15歳未満、12歳未満、10歳未満、または6歳未満の対象)である。
【0316】
粒子の作製方法
本開示は、本明細書に記載される粒子、例えば、第一の区画、第二の区画、及び式(I)の化合物を含む粒子を作製する方法を更に含む。粒子がヒドロゲルカプセルであるいくつかの実施形態では、粒子の作製方法は、第一の、及び第二のポリマー溶液(例えば、それぞれがヒドロゲル形成ポリマーを含む)を含む複数の液滴を水性架橋溶液と接触させることを含む。液滴は、当該技術分野で知られている任意の技術を使用して形成することができる。
【0317】
本明細書に記載される粒子の各区画は、未修飾ポリマー、式(I)の化合物で修飾されたポリマー、クリック可能な架橋部位で修飾されたポリマー、またはそれらのブレンドを含み得る。簡潔には、2区画ヒドロゲルカプセルとして構成された粒子を調製する方法を行う際に、第一のポリマー溶液(例えば、未修飾ポリマー、式(I)の化合物で修飾されたポリマー、クリック可能な架橋部位で修飾されたポリマー、またはそれらのブレンドを含む、かつ任意選択的に細胞を含有する)の体積を、同軸針の内腔に接続された第一のシリンジに充填する。次いで、第一のシリンジは、架橋剤、緩衝液、及び浸透圧調整剤を含む、水性架橋溶液を含む、容器の垂直上方に配向されたシリンジポンプに接続され得る。第二のポリマー溶液の体積(例えば、未修飾ポリマー、式(I)の化合物で修飾されたポリマー、クリック可能な架橋部位で修飾されたポリマー、またはそれらのブレンドを含む、かつ任意選択的に細胞を含有する)を、同軸針の外腔に接続された第二のシリンジに充填する。次いで、第二のシリンジは、架橋溶液を含有する、容器に対して水平方向に配向されたシリンジポンプに接続され得る。次いで、高電圧電力発生器は、針の上部、及び底部に接続され得る。次に、シリンジポンプ、及び電力発生器を使用して、架橋溶液中へのポリマー溶液の所望の液滴速度を達成するように決定された設定で、シリンジを通して、第一の、及び第二のポリマー溶液を押し出すことができる。当業者は、針の管腔サイズ、電圧範囲、流量、液滴速度、及び液滴距離の様々な組み合わせを容易に決定して、2区画ヒドロゲルカプセル組成物を作製してもよく、そこでカプセルの大部分(例えば、少なくとも80%、85%、90%、またはそれ以上)は、目標サイズの10%以内にあり、スフェア様形状を有する。ポリマー溶液の第一の、及び第二の体積を排出した後、液滴を架橋溶液中である程度の時間、例えば、約5分間、架橋させてもよい。
【0318】
ミリカプセル(例えば、1.5mm直径のミリカプセル)の組成物を調製するための例示的なプロセスパラメータとしては、以下が挙げられる。同軸針を、架橋溶液の表面の上方に、針先端から溶液表面までの滴距離を提供するのに十分な距離で配置する。一実施形態では、針先端と溶液表面との間の距離は、1~5cmの間である。一実施形態では、第一の、及び第二のポリマー溶液は、総流量0.05mL/分~5mL/分の間、または0.05mL/分~2.5mL/分、または0.05mL/分~約1mL/分、または0.05mL/分~0.5mL/分、または0.1mL/分~0.5mL/分の総流量で、針を通して押し出される。一実施形態では、第一の、及び第二のポリマー溶液は、約0.05mL/分、0.1mL/分、0.15mL/分、0.2mL/分、0.25mL/分、0.3mL/分、0.35mL/分、0.4mL/分、0.45mL/分、または0.5mL/分の総流量で、針を通して押し出される。一実施形態では、針を通る第一の、及び第二のポリマー溶液の流量は、実質的に同一である。一実施形態では、針を通る第一の、及び第二のポリマー溶液の流量は、異なる。
【0319】
一実施形態では、機器の電圧は、1kV~20kVの間、または1~15kV、または1kV~10kV、または5kV~10kVである。電圧は、所望の液滴速度に達するまで、調整されてよい。一実施形態では、機器の液滴速度は、1液滴/10秒~50液滴/10秒の間、または1液滴/10秒~25液滴/10秒である。
【0320】
一実施形態では、架橋溶液の表面上の非粒子破片の数が、決定される。次いで、架橋容器の底に落ちた粒子を、例えば、粒子を含有する架橋溶液を別の容器に移し、元の架橋容器の溶液表面に非粒子破片を残すことによって、収集し得る。その後、除去された粒子を沈降させることができ、架橋溶液を除去することができ、次いで、粒子を緩衝液(例えば、HEPES緩衝液)で1回以上洗浄し得る。一実施形態では、結果として得られる粒子組成物の1つ以上のアリコート(例えば、粒子の調製物)は、組成物の品質、例えば、粒子欠陥、及びサテライト粒子の数を評価するために、顕微鏡法によって検査される。
【0321】
いくつかの実施形態では、架橋溶液は、処理添加剤(例えば、親水性、非イオン性界面活性剤)を更に含む。処理添加剤は、架橋溶液の表面張力を低減させることができる。本開示において処理添加剤として有用な薬剤としては、ポリソルベート型界面活性剤、ポリエチレンオキシド(PEO)とポリプロピレンオキシド(PPO)とのコポリマー、ポリ(エチレンオキシド)-ポリ(プロピレンオキシド)-ポリ(エチレンオキシド)(PEO-PPO-PEO)トリブロックコポリマー、及び非イオン性界面活性剤、例えば、Tween(登録商標)20、Tween(登録商標)80、Triton(商標)X-100、IGEPAL(登録商標)CA-630、ポロクサマー188、もしくはポロクサマー407、もしくは直下の例示的な界面活性剤表に列挙される、実質的に同一の化学的特性、及び物理的特性を有する界面活性剤が挙げられる。
【表16】

いくつかの実施形態では、処理添加剤は、非イオン性界面活性剤である。一実施形態では、処理添加剤は、2つ以上の界面活性剤、例えば、2つ以上の親水性界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、処理添加剤は、Tween(登録商標)20(ポリソルベート20)、またはTriton(商標)X-100を含有しない。一実施形態では、処理添加剤は、IGEPAL(登録商標)CA-630(ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート)である。いくつかの実施形態では、処理添加剤は、ポロクサマー188である。
【0322】
いくつかの実施形態では、処理添加剤(例えば、界面活性剤)は、少なくとも0.0001%以上の濃度で、架橋溶液中に存在する。いくつかの実施形態では、架橋溶液は、少なくとも0.001%、0.01%、または0.1%の処理添加剤を含む。いくつかの実施形態では、処理添加剤は、約0.001%~約0.1%の間、約0.005%~約0.05%、約0.005%~約0.01%、及び約0.01%~約0.5%から選択される濃度で存在する。一実施形態では、処理添加剤は、界面活性剤であり、界面活性剤についてのミセル濃度を下回る濃度で存在する。
【0323】
いくつかの実施形態では、架橋剤は、単一のタイプの二価カチオンまたは異なるタイプの混合物、例えば、Ba2+、Ca2+、Sr2+のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態では、架橋剤は、例えば、1mM~100mMまたは7.5mM~20mMの濃度のBaClである。いくつかの実施形態では、架橋剤は、例えば、50mM~100mMの濃度のCaClである。いくつかの実施形態では、架橋剤は、例えば、37.5mM~100mMの濃度のSrClである。いくつかの実施形態では、架橋剤は、BaCl(例えば、5mM~20mM)及びCaCl(例えば、37.5mM~12.5mM)の混合物、またはBaCl(例えば、5mM~20mM)及びSrCl(例えば、37.5mM~12.5mM)の混合物である。
【0324】
いくつかの実施形態では、架橋剤は、SrClであり、処理添加剤は、0.1%未満、例えば、約0.005%~0.05%、約0.005%~約0.01%の濃度のTween(登録商標)80(または例示的な界面活性剤の表に列挙されているのと実質的に同じ化学的及び物理的特性を有する界面活性剤)である。いくつかの実施形態では、SrClの濃度は、約50mMである。いくつかの実施形態では、架橋剤は、SrClであり、処理添加剤は、1%の濃度のポロクサマー188である。
【0325】
水性架橋溶液中の緩衝液のタイプ、及び濃度は、溶液pHを、ほぼ中性、例えば、約6.5~約7.5、約7.0~約7.5、または約7.0に維持するように選択される。一実施形態では、緩衝液は、粒子、例えば、細胞に封入される生物由来物質と適合性がある。いくつかの実施形態では、水性架橋溶液中の緩衝液は、HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)を含む。
【0326】
水性架橋溶液中の浸透圧濃度調整剤は、溶液の浸透圧を、ポリマー溶液(いくつかの実施形態では、細胞の懸濁液を含む)と同様の値、例えば、または最大20%、10%、または5%の、より高い、またはより低い変動を有する浸透圧に、維持するように選択される。いくつかの実施形態では、浸透圧調整剤は、0.1M~0.3Mの濃度のマンニトールである。
【0327】
いくつかの実施形態では、架橋溶液は、25mMのHEPES緩衝液、20mMのBaCl、0.2Mのマンニトール、及び0.01%のポロクサマー188を含む。
【0328】
いくつかの実施形態では、架橋溶液は、50mMの塩化ストロンチウム六水和物、0.165Mのマンニトール、25mMのHEPES、及びTween80の例示的な界面活性剤表に列挙される実質的に同一の化学的、及び物理的特性を有する、0.01%の界面活性剤を含む。
【0329】
一実施形態では、処理添加剤は、ポロクサマー188であり、これは、洗浄ステップ後、検出可能な量で粒子組成物(例えば、粒子の調製物)中に存在する。ポロクサマー188は、当該技術分野で知られている任意の技術によって、例えば、硫酸ナトリウム沈殿によって組成物のアリコート中の粒子を部分的または完全に溶解し、LC/MSによって上清を分析することによって検出し得る。
【0330】
架橋溶液の表面張力の低減は、当該技術分野で知られている任意の方法によって、例えば、接触角ゴニオ計、またはテンショメータを使用することによって、例えば、デュヌイ環法(例えば、Davarci et al(2017)Food Hydrocolloids 62:119-127を参照されたい)を介して評価することができる。
【0331】
例示的な列挙された実施形態
1.多糖ポリマーであって、
(i)クリック可能な架橋部位と、
(ii)式(I)の化合物:
【化71】

またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
Aが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O)-、-N(R)-、-N(R)C(O)-、-C(O)N(R)-、-N(R)N(R)-、-NCN-、-N(R)C(O)(C-C-アルキレン)-、-N(R)C(O)(C-C-アルケニレン)-、-C(=N(R)(R))O-、-S-、-S(O)-、-OS(O)-、-N(R)S(O)-、-S(O)N(R)-、-P(R-、-Si(OR-、-Si(R)(OR)-、-B(OR)-、または金属であり、これらの各々が、結合基(例えば、本明細書に記載される結合基)に任意選択的に連結され、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
及びLの各々が、独立して、結合、アルキル、またはヘテロアルキルであり、各アルキル及びヘテロアルキルが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
が、結合であり、
Mが、非存在、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々が、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
Pが、1つ以上のRによって任意選択的に置換されたヘテロアリールであり、
Zが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々が、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各R、R、R、R、R、R、及びRが、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、アジド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
あるいはR及びRが、それらが結合した窒素原子と一緒になって、1つ以上のRによって任意選択的に置換された環(例えば、5~7員環)を形成し、
各R、R、R、R、R、及びRが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、S(O)E1、-OS(O)E1、-N(RC1)S(O)E1、-S(O)N(RC1)(RD1)、-P(RF1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、
xが、1または2であり、
yが、2、3、または4である、前記式(I)の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、を含む、前記多糖ポリマー。
2.前記クリック可能な架橋部位が、前記多糖ポリマー内の糖モノマーに共有結合される、実施形態1に記載の多糖ポリマー。
3.前記クリック可能な架橋部位が、前記糖モノマー内のカルボキシレート部位に結合される、実施形態2に記載の多糖ポリマー。
4.前記クリック可能な架橋部位が、アルキル、アルケニル、アルキニル、エステル、ケトン、アミン、アジド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリール基を含む、実施形態1~3のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
5.前記クリック可能な架橋部位が、熱による活性化時に、任意選択的に、銅触媒の非存在下で、第二のクリック可能な架橋部位と反応することが可能である、実施形態1~4のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
6.前記クリック可能な架橋部位が、例えば、参照標準との比較によって決定される場合、少なくとも約1%、例えば、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、またはそれ以上の密度で前記多糖ポリマー上に存在する、実施形態1~5のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
7.前記クリック可能な架橋部位が、例えば、参照標準との比較によって決定される場合、1%~10%、例えば、1%~8%、1%~6%、または1%~4%の密度で前記多糖ポリマー上に存在する、実施形態1~6のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
8.前記多糖ポリマーが、アルギネート、ヒアルロネート、及びキトサンから選択される、実施形態1~7のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
9.前記多糖ポリマーが、アルギネートである、実施形態1~8のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
10.前記アルギネートが、高グルロン酸(G)アルギネートまたは高マンヌロン酸(M)アルギネートである、実施形態9に記載の多糖ポリマー。
11.前記クリック可能な架橋部位が、式(IV)の構造:
【化72】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体を有し、式中、
Aが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、Tが、非存在、O、S、NR53、またはC(R54a)(R54b)であり、
52、R53、R54a、及びR54bの各々が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
が、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、S(O)E1、-OS(O)E1、-N(RC1)S(O)E1、-S(O)N(RC1)(RD1)、-P(RF1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、
xが、1、または2であり、
yが、2、3、または4である、実施形態1~8のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
12.前記式(IV)の化合物が、式(IV-b)の化合物:
【化73】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であり、式中、
50、R51a、及びR51bの各々が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、あるいはR51a及びR51bが、一緒になってオキソ基を形成し、
52a及びR52bの各々が、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、
m及びnの各々が、0、1、2、3、4、5、または6である、実施形態11に記載の多糖ポリマー。
13.mが、2であり、R52a、R52b、R51a、及びR51bの各々が、独立して、水素である、実施形態12に記載の多糖ポリマー。
14.前記クリック可能な架橋部位が、表4から選択される構造、またはその薬学的に許容可能な塩を有する、実施形態1~13のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
15.前記クリック可能な架橋部位が、式(V)の構造:
【化74】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体を有し、式中、
環M及びMの各々が、独立して、アリールまたはヘテロアリールであり、それらの各々が、1~6つのRによって任意選択的に置換され、
52が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
53が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
各RA1、RB1、RC1、RD1、及びRE1が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々が、1~6つのRによって任意選択的に置換され、
各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、あるいは
のうちの2つが、一緒になってアリールまたはヘテロアリール環を形成してもよい、実施形態1~10のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
16.前記クリック可能な架橋部位が、式(V-a)の構造:
【化75】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体を有し、式中、R53a、R53b、R53c、R53d、R53e、R53f、R53g、R53h、及びR53iの各々が、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、
52が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、-C(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、
各RA1、RB1、RC1、RD1、及びRE1が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々が、1~6つのRによって任意選択的に置換され、
各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルである、実施形態15に記載の多糖ポリマー。
17.R53a、R53b、R53c、R53d、R53e、R53f、R53g、R53h、R53iの各々が、独立して、水素である、実施形態16に記載の多糖ポリマー。
18.前記クリック可能な架橋部位が、表5から選択される構造、またはその薬学的に許容可能な塩を有する、実施形態1~17のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
19.前記多糖ポリマーが、式(IV)の化合物もしくは式(V)の化合物のうちの1つ、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
20.前記多糖ポリマーが、式(IV)の化合物及び式(V)の化合物の各々、またはその薬学的に許容可能な塩を含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
21.前記式(I)の化合物が、表3から選択される構造、またはその薬学的に許容可能な塩を有する、実施形態1~20のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
22.前記式(I)の化合物が、化合物100、化合物101、化合物110、化合物112、化合物113、化合物114、化合物122、及び化合物123、またはその薬学的に許容可能な塩から選択される、実施形態1~21のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
23.前記式(I)の化合物が、化合物101またはその薬学的に許容可能な塩である、実施形態1~22のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
24.前記多糖ポリマーが、アルギネートであり、前記クリック可能な架橋部位が、表4に列挙される化合物またはその薬学的に許容可能な塩から選択され、前記式(I)の化合物が、化合物101またはその薬学的に許容可能な塩である、実施形態1~23のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
25.実施形態1~24のいずれか1つに記載の多糖ポリマーを含む、組成物。
26.実施形態1~24のいずれか1つに記載の多糖ポリマーを含む、ヒドロゲルカプセル。
27.前記ヒドロゲルカプセルが、前記多糖ポリマー(例えば、本明細書に記載される多糖ポリマー)を含む、単一の区画を含む、実施形態26に記載のヒドロゲルカプセル。
28.前記ヒドロゲルカプセルが、複数の区画を含み、前記区画のうちの1つが、前記多糖ポリマー(例えば、本明細書に記載される多糖ポリマー)を含む、実施形態26に記載のヒドロゲルカプセル。
29.前記ヒドロゲルカプセルが、内側区画、及び外側区画を含む、実施形態28に記載のヒドロゲルカプセル。
30.
前記内側区画が、前記クリック可能な架橋部位を含む第一の多糖ポリマーを含み、
前記外側区画が、前記クリック可能な架橋部位を含む第二の多糖ポリマーを含む、実施形態29に記載のヒドロゲルカプセル。
31.ヒドロゲルカプセルであって、
(i)式(I)の化合物:
式(I):
【化76】

またはその薬学的に許容可能な塩を含む第一の多糖ポリマーを含む内側区画であって、式中、
Aが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-O-、-C(O)O-、-C(O)-、-OC(O)-、-N(R)-、-N(R)C(O)-、-C(O)N(R)-、-N(R)N(R)-、-NCN-、-N(R)C(O)(C-C-アルキレン)-、-N(R)C(O)(C-C-アルケニレン)-、-C(=N(R)(R))O-、-S-、-S(O)-、-OS(O)-、-N(R)S(O)-、-S(O)N(R)-、-P(R-、-Si(OR-、-Si(R)(OR)-、-B(OR)-、または金属であり、これらの各々が、結合基(例えば、本明細書に記載される結合基)に任意選択的に連結され、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
及びLの各々が、独立して、結合、アルキル、またはヘテロアルキルであり、各アルキル及びヘテロアルキルが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
が、結合であり、
Mが、非存在、アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々が、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
Pが、1つ以上のRによって任意選択的に置換されたヘテロアリールであり、
Zが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、これらの各々が、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各R、R、R、R、R、R、及びRが、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、アジド、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
あるいはR及びRが、それらが結合した窒素原子と一緒になって、1つ以上のRによって任意選択的に置換された環(例えば、5~7員環)を形成し、
各R、R、R、R、R、及びRが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、S(O)E1、-OS(O)E1、-N(RC1)S(O)E1、-S(O)N(RC1)(RD1)、-P(RF1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、
xが、1、または2であり、
yが、2、3、または4である、前記内側区画と、
(ii)クリック可能な架橋部位を含む第二の多糖ポリマーを含む外側区画と、を含む、前記ヒドロゲルカプセル。
32.前記多糖ポリマー(例えば、前記第一の多糖ポリマー及び/または前記第二の多糖ポリマー)が、アルギネート、ヒアルロネート、及びキトサンから選択される、実施形態26~31のいずれか1つに記載のヒドロゲルカプセル。
33.前記多糖ポリマー(例えば、前記第一の多糖ポリマー及び/または前記第二の多糖ポリマー)が、アルギネートである、実施形態26~32のいずれか1つに記載のヒドロゲルカプセル。
34.前記第一の多糖ポリマーが、アルギネートである、実施形態30~33に記載のヒドロゲルカプセル。
35.前記第二の多糖ポリマーが、アルギネートである、実施形態30~33に記載のヒドロゲルカプセル。
36.前記アルギネートが、高グルロン酸(G)アルギネートまたは高マンヌロン酸(M)アルギネートである、実施形態33~35のいずれか1つに記載のヒドロゲルカプセル。
37.前記クリック可能な架橋部位が、式(IV)の構造:
【化77】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であって、式中、
Aが、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、Tが、非存在、O、S、NR53、またはC(R54a)(R54b)であり、
52、R53、R54a、及びR54bの各々が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
が、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、S(O)E1、-OS(O)E1、-N(RC1)S(O)E1、-S(O)N(RC1)(RD1)、-P(RF1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、及びヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各RA1、RB1、RC1、RD1、RE1、及びRF1が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、各アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールが、1つ以上のRによって任意選択的に置換され、
各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、
xが、1、または2であり、
yが、2、3、または4である、前記式(IV)の構造、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体、
及び/または式(V)の構造:
【化78】

、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体であって、式中
環M及びMの各々が、独立して、アリールまたはヘテロアリールであり、それらの各々が、1~6つのRによって任意選択的に置換され、
52が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
53が、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、アジド、オキソ、-ORA1、-C(O)ORA1、-C(O)RB1、-OC(O)RB1、-N(RC1)(RD1)、-N(RC1)C(O)RB1、-C(O)N(RC1)、SRE1、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
各RA1、RB1、RC1、RD1、及びRE1が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールであり、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリールの各々が、1~6つのRによって任意選択的に置換され、
各Rが、独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ハロゲン、シアノ、オキソ、ヒドロキシル、シクロアルキル、またはヘテロシクリルであり、あるいは
のうちの2つが、一緒になってアリールまたはヘテロアリール環を形成してもよい、前記式(V)の構造、またはその薬学的に許容可能な塩もしくは互変異性体、を有する、実施形態31~36のいずれか1つに記載のヒドロゲルカプセル。
38.前記式(IV)の化合物が、表4の化合物またはその薬学的に許容可能な塩から選択される、実施形態37に記載のヒドロゲルカプセル。
39.前記式(V)の化合物が、表5の化合物またはその薬学的に許容可能な塩から選択される、実施形態37に記載のヒドロゲルカプセル。
40.前記外側区画が、式(IV)の化合物を含む第一の多糖ポリマー及び式(V)の化合物を含む第二の多糖ポリマーを含む、実施形態31~39のいずれか1つに記載のヒドロゲルカプセル。
41.前記式(I)の化合物が、表3から選択される構造、またはその薬学的に許容可能な塩を有する、実施形態31~40のいずれか1つに記載のヒドロゲルカプセル。
42.前記式(I)の化合物が、化合物100、化合物101、化合物110、化合物112、化合物113、化合物114、化合物122、及び化合物123、またはその薬学的に許容可能な塩から選択される、実施形態31~41のいずれか1つに記載のヒドロゲルカプセル。
43.前記式(I)の化合物が、化合物101またはその薬学的に許容可能な塩である、実施形態31~42のいずれか1つに記載のヒドロゲルカプセル。
44.前記ヒドロゲルカプセルが、0.1mm~5mmの直径を有する、実施形態31~43のいずれか1つに記載のヒドロゲルカプセル。
45.前記ヒドロゲルカプセルが、1mm~5mmの直径を有する、実施形態31~44のいずれか1つに記載のヒドロゲルカプセル。
46.前記ヒドロゲルカプセルが、1mm~2.5mmの直径を有する、実施形態31~45のいずれか1つに記載のヒドロゲルカプセル。
47.前記ヒドロゲルカプセルが、細胞を封入する、実施形態31~46のいずれか1つに記載のヒドロゲルカプセル。
48.前記細胞が、治療薬を産生する、実施形態47に記載のヒドロゲルカプセル。
49.前記治療薬が、タンパク質、例えば、ホルモン、血液凝固因子、抗体、または酵素である、実施形態48に記載のヒドロゲルカプセル。
50.前記ヒドロゲルカプセルが、対象への移植(例えば、腹腔内(IP)空間、腹膜腔、網、網嚢、皮下脂肪への移植)のために製剤化される、実施形態31~49のいずれか1つに記載のヒドロゲルカプセル。
51.移植可能要素が、対象の前記IP空間への移植のために製剤化される、実施形態31~50のいずれか1つに記載のヒドロゲルカプセル。
52.実施形態31~51のいずれか1つに記載のヒドロゲルカプセルを含む、組成物。
53.実施形態1~24のいずれか1つに記載の多糖ポリマーを含む、ヒドロゲルカプセルの製造方法。
54.多糖ポリマーを含むヒドロゲルカプセルの安定性を上昇させる方法であって、前記多糖ポリマーをイオン架橋する、及び前記多糖ポリマーを共有結合架橋する、両方の手段を提供することを含む、前記方法。
55.前記多糖ポリマーをイオン架橋する前記手段が、二価カチオン(例えば、Ba2+、Ca2+、Sr2+)の使用を含む、実施形態54に記載の方法。
56.前記多糖ポリマーを共有結合架橋する前記手段が、クリック可能な架橋部位(例えば、アジド及びアルキンの組み合わせ、例えば、DBCO、またはその薬学的に許容可能な塩)の使用を含む、実施形態54~55のいずれか1つに記載の方法。
57.前記多糖が、前記クリック可能な架橋部位の添加後に追加のカルボン酸基を保持する、実施形態1~24のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
58.前記多糖が、クリック可能な架橋部位で修飾される前に、還元されない(例えば、還元剤で処理されない)、実施形態1~24または57のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
59.前記多糖ポリマーが、クリック可能な架橋部位で修飾される前に、酸化されない(例えば、酸化剤で処理されない)、実施形態1~24または57のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
60.前記クリック可能な架橋部位が、加水分解可能ではない、実施形態1~24または57~59のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
61.前記式(I)の化合物が、加水分解性でない、実施形態1~24または57~60のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
62.前記クリック可能な架橋部位が、チオールまたはビニルスルホンではない、実施形態1~24または57~61のいずれか1つに記載の多糖ポリマー。
【実施例
【0332】
本明細書に記載される発明がより十分に理解され得るように、以下の実施例が示される。本出願に記載の合成実施例及び生物学的実施例は、本明細書で提供される化合物、組成物、デバイス、及び方法を例示するために提供され、決してそれらの範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0333】
本明細書で提供される化合物、修飾ポリマー、移植可能要素、及びその組成物は、当業者によく知られているであろう以下に示される特定の合成プロトコルへの変更を使用して、容易に入手可能な出発材料から調製することができる。典型的なまたは好ましいプロセス条件(すなわち、反応温度、時間、反応体のモル比、溶媒、圧力等)が示されているが、別途述べられていない限り、他のプロセス条件も使用できることを理解されたい。最適な反応条件は、使用する特定の反応体または溶媒により変わり得るが、そのような条件は、当業者であれば、定型的な最適化手順によって決定することができる。
【0334】
更に、当業者には明らかな通り、所定の官能基が望まれない反応を起こすことを防止するため、従来の保護基が必要な場合がある。特定の官能基に好適な保護基の選択ならびに保護及び脱保護に好適な条件は、当該技術分野でよく知られている。例えば、多数の保護基ならびにそれらの導入及び除去は、Greene et al.,Protecting Groups in Organic Synthesis,Second Edition,Wiley,New York,1991及び当該文献中に引用されている参考文献に記載されている。
【0335】
本発明の例示的な化合物、修飾ポリマー、移植可能要素、及び組成物は、以下に記載される戦略のいずれかを使用して調製することができる。
【0336】
実施例1:アジドクリック可能な架橋部位及び非線維性化合物で修飾されたアルギン酸ナトリウムの合成
【化79】

この実施例では、アジドクリック可能な架橋部位を含むアルギネートポリマーを合成する。Nova Matrix PRONOVA(商標)UP LG20(300g;水中1.25%w/w、3.75gのアルギン酸ナトリウム)を、オーバーヘッド撹拌を備えた400mLのEasyMax反応器に計量する。別個の150mLの滅菌容器に、4-((1-(2-(2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)エトキシ)エチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)メチル)チオモルホリン1,1-ジオキシド(5.77g、14.74mmol)をエンドトキシンを含まない水(20g)と一緒にまとめ、完全に溶解するまでシェーカーで、300rpmで混合する。溶解すると、pHを6N及び1Nの塩酸でpH7.0に調製し、EasyMax反応器に充填する。撹拌を300rpmに設定し、バッチ温度を25℃に調整する。別個の150mLの容器に、4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(3.88g、14.02mmol)をエンドトキシンを含まない水(45g)と一緒にまとめ、完全に溶解するまで手動で混合する。溶液をEasyMax反応器に2分間の期間にわたって添加する。添加が完了すると、バッチを1時間で35℃まで加熱し、35℃で15時間保持した後、25℃まで冷却する。反応が完了すると、バッチを、タンジェンシャルフロー濾過(10kDaの分子量カットオフ)を介して精製する前に、シアノ-シリカのパッドを通して濾過する。溶液を、最初に、生理食塩水との10回の体積交換に対して精製し、続いて、エンドトキシンを含まない水との10回の体積交換を行う。
【0337】
精製後、溶液を1.3360の屈折率値に濃縮し、400mLのEasyMax反応器に充填し戻す。撹拌を300rpmに設定し、バッチ温度を25℃に調整する。アジドクリック可能な架橋部位を添加するために、例示的な反応条件に従う。別個の滅菌容器で、1-アミノ-11-アジド-3,6,9-トリオキサウンデカン(1.15g、5.28mmol)を計量し、1MのMES pH7.0緩衝液(7.5mL)中に溶解させ、次いで、反応器に充填する。4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(1.61g、5.82mmol)を滅菌容器中で計量し、1MのMES pH7.0緩衝液(10mL)中に溶解させ、次いで、2分間にわたって反応器に添加する。充填が完了すると、反応混合物を1時間で35℃まで加熱し、35℃で15時間保持した後、25℃まで冷却する。反応混合物を、生理食塩水との10回の体積の交換に対して、タンジェンシャルフロー濾過(10kDaの分子量カットオフ)を介して精製する。精製後、溶液を1.3380の屈折率値に濃縮する。
【0338】
実施例2:DBCOクリック可能な架橋部位で修飾されたアルギン酸ナトリウムの合成
【化80】

この実施例では、DBCOクリック可能な架橋部位を含むアルギネートポリマーを、以下に概説される例示的な手順に従って合成してもよい。Nova Matrix PRONOVA(商標)UP LG20(300g;水中1.25%w/w、3.75gのアルギン酸ナトリウム)を、オーバーヘッド撹拌を備えた400mLのEasyMax反応器に計量する。別個の滅菌容器で、アザジベンゾシクロオクチン-アミン(2.06g、5.28mmol)を計量し、1MのMES pH7.0緩衝液(7.5mL)中に溶解させ、次いで、反応器に充填する。4-(4,6-ジメトキシ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウムクロリド(1.61g、5.82mmol)を滅菌容器中で計量し、1MのMES pH7.0緩衝液(10mL)中に溶解させ、次いで、2分間にわたって反応器に添加する。充填が完了すると、反応混合物を1時間で35℃まで加熱し、35℃で15時間保持した後、25℃まで冷却する。反応混合物を、生理食塩水との10回の体積の交換に対して、タンジェンシャルフロー濾過(10kDaの分子量カットオフ)を介して精製する。精製後、溶液を1.3380の屈折率値に濃縮する。
【0339】
実施例3:銅フリーのクリック化学による二重架橋アルギネートポリマーの合成
【化81】

共有結合架橋アルギネートを形成するために、アジド架橋剤及びDBCO架橋剤は、本明細書に概説される例示的なプロトコルに従って、一緒にカップリングされてもよい:化合物301を含むアルギネートポリマー及び化合物304を含むアルギネートポリマー(1:3のモル比)を、1MのMES緩衝液中に溶解させ、20~30℃で4~12時間インキュベートさせる。反応混合物を、生理食塩水との10回の体積の交換に対して、タンジェンシャルフロー濾過(10kDaの分子量カットオフ)を介して精製する。精製後、溶液を1.3380の屈折率値に濃縮する。
【0340】
アジド架橋剤及びDBCO架橋剤の他の組み合わせを含むアルギネートもまた企図され、例えば、表4及び5の化合物である。
【0341】
実施例4:例示的な二重架橋アルギネートヒドロゲルカプセルの合成
1区画、及び2区画のアルギネートヒドロゲルカプセルを作製する前に、無菌プロセスを使用して、0.2μmフィルターを介した濾過によって、緩衝液、及びアルギネート溶液を滅菌する。約1.5mmの直径の2区画ハイドロゲルカプセルとして構成された粒子を調製するために、静電気性液滴生成器を以下のように設定した:ESシリーズ0-100-kV、20ワット高電圧生成器(EQシリーズ、Matsusada、NC,USA)を同軸針の頂部及び底部(内腔22G、外腔18G、Paragon)に接続した。内腔を、垂直に配向したシリンジポンプ(Pump 11 Pico Plus、Harvard Apparatus、Holliston,MA,USA)に接続された第一の5mlのLuer-lockシリンジ(BD、NJ、USA)に取り付けた。外腔は、水平に配向した第二のシリンジポンプ(Pump 11 Pico Plus)に接続された第二の5mlのLuer-lockシリンジにルアーカップリングを介して接続した。2つのシリンジポンプは、第一の、及び第二のアルギネート溶液を同軸針の両方のルーメンを介してシリンジから移動させ、両方のアルギネート溶液を含有する液滴が1滴ずつ、架橋溶液を含むガラス皿に針から押し出される。各Pico Plusシリンジポンプのセッティングは、12.06mmの直径であり、以下の実施例では、各ポンプの流量を調整して様々な試験流量を達成したが、総流量は10ml/時間で維持した。
【0342】
2区画及び1区画の両方の二重架橋アルギネートヒドロゲルカプセルの作製のために、所望の体積のアルギネート溶液の押し出し後、アルギネート液滴を、25mMのHEPES緩衝液、20mMのBaCl、及び0.2Mのマンニトールを含有していた架橋溶液中で5分間イオン架橋した。いくつかの実験では、架橋溶液は、0.01%のポロクサマー188も含有していた。架橋容器の底部に落下したカプセルを、ピペッティングによって円錐チューブ内に収集した。カプセルがチューブ内に沈降した後、架橋緩衝液を除去し、カプセルを洗浄した。カプセルをHEPES緩衝液で4回洗浄し、中に再懸濁した。
【0343】
いくつかの実験では、2区画、または1区画カプセルの組成物中のカプセルの品質を調べた。少なくとも200個のカプセルを含むアリコートを組成物から採取し、ウェルプレートに移し、アリコート全体を、総数から球状カプセルの数をカウントすることによって、光学顕微鏡法によって品質について検査した。
【0344】
いくつかの実験では、2区画カプセルの組成物中のカプセルの機械的強度をテクスチャ分析器を使用して調べて、本明細書の上記のような初期破壊力を決定した。
【0345】
実施例5:修飾多糖ポリマーを含む2区画ヒドロゲルカプセルの調製
実施例4の方法を使用して、2区画ヒドロゲルカプセルを、実施例2に記載されるアルギネートポリマーから合成してもよい。非限定的な例として、実施例2の二重架橋アルギネートの内側区画及び外側区画の両方を含む2区画ヒドロゲルを、この方法に従って合成してもよい。
【0346】
実施例6:修飾多糖ポリマーを含むヒドロゲルカプセル中の哺乳動物細胞の封入
例示的な哺乳動物細胞は、実施例4及び5に記載されるヒドロゲルカプセルに封入され得る。細胞を、2区画ヒドロゲルの内側及び/または外側の層に添加してもよい(例えば、5~8×10細胞mL-1の密度で)。
【0347】
均等物及び範囲
本出願は、様々な発行特許、公開特許出願、雑誌記事、及び他の刊行物に言及し、これらの全ては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれた参考文献のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合、本明細書が優先されるものとする。さらに、先行技術に入る本開示の任意の特定の実施形態は、請求項の任意の1つ以上から明白に除外され得る。そのような実施形態は、当業者に知られているとみなされるので、それらは、除外が本明細書に明白に示されない場合であっても除外され得る。本開示の任意の特定の実施形態は、先行技術の存在に関連するかどうかにかかわらず、任意の理由により、任意の請求項から除外され得る。
【0348】
当業者は、慣例的なものにすぎない実験を使用して、本明細書に記載される特定の実施形態に対する多くの均等物を認識し、または確認し得るであろう。本明細書に記載される本実施形態の範囲は、上記の明細書、図面、または実施例に限定されることは意図されておらず、添付の特許請求の範囲に示される通りである。当業者は、本明細書に対する様々な変更及び修飾が、以下の特許請求の範囲において定義されるように、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなくなされ得ることを理解するであろう。
図1
【配列表】
2025521754000001.xml
【国際調査報告】