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特表2025-521868オペレーターが救助発信者に質問するようにガイドするシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-10
(54)【発明の名称】オペレーターが救助発信者に質問するようにガイドするシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20240101AFI20250703BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024577446
(86)(22)【出願日】2023-07-04
(85)【翻訳文提出日】2024-12-27
(86)【国際出願番号】 CN2023105651
(87)【国際公開番号】W WO2024008056
(87)【国際公開日】2024-01-11
(31)【優先権主張番号】202210805597.1
(32)【優先日】2022-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】525001883
【氏名又は名称】中国疾病予防控制中心慢性非傳染性疾病予防控制中心
【氏名又は名称原語表記】NATIONAL CENTER FOR CHRONIC AND NONCOMMUNICABLE DISEASE CONTROL AND PREVENTION, CHINESE CENTER FOR DISEASE CONTROL AND PREVENTION
【住所又は居所原語表記】27 Nanwei Road Xicheng District, Beijing 100050 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001863
【氏名又は名称】弁理士法人アテンダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】厚磊
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
(57)【要約】
本出願の実施例は、オペレーターが救助発信者に質問するようにガイドするシステムを提供し、前記システムは、複数の第1参照グループのうちの任意の第1参照グループに含まれる任意の第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして、任意の第1参照グループに対して分類テストを実行して、任意の第2参照グループに対応する分類感度と分類特異度を取得することと、任意の第1参照グループ内の複数の第2参照グループに対応する分類感度及び分類特異度に基づいて、任意の第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線を取得することと、複数の第1参照グループ内の各第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線に基づいて、複数の第1参照グループからターゲット第1参照グループを決定することと、複数の第2参照グループのうちの任意の第2参照グループに対応する座標点と完璧な分類座標点との間の距離からターゲット質問セマンティクスを決定することと、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレーターが救助発信者に質問するようにガイドするシステムであって、前記システムは、第1参照グループ取得モジュール、分類テストモジュール、受信者動作特性曲線取得モジュール、候補質問セマンティクス取得モジュール及びターゲット質問セマンティクス取得モジュールを含み、
前記第1参照グループ取得モジュールは、初期参照グループから未処理の第1参照グループを複数選択するように構成され、前記第1参照グループは、エンティティ属性クラスタに基づいて前記初期参照グループにおける複数の履歴被救助者を分類することによって取得され、前記エンティティ属性クラスタは、同じ核心質問に対応する複数のエンティティ属性ペアで構成され、前記エンティティ属性ペアにはエンティティと属性が含まれ、前記エンティティは履歴救援電話におけるオペレーターの質問のセマンティクスを表し、前記属性は前記質問に対する救助発信者の回答のセマンティクスを表し、
前記分類テストモジュールは、前記複数の第1参照グループのうちの任意の第1参照グループに含まれる任意の第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして使用して、前記任意の第1参照グループに対して分類テストを実行して、前記任意の第2参照グループに対応する分類感度及び分類特異度を取得するように構成され、前記カットオフポイントは、前記第1参照グループの正例ラベルを決定するためのものであり、前記第2参照グループは、エンティティ属性に基づいて前記第1参照グループを分類することによって取得され、
前記受信者動作特性曲線取得モジュールは、前記任意の第1参照グループ内の複数の第2参照グループに対応する分類感度及び分類特異度に基づいて、前記任意の第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線を取得するように構成され、
前記候補質問セマンティクス取得モジュールは、前記複数の第1参照グループ内の第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線に基づいて、前記複数の第1参照グループからターゲット第1参照グループを決定し、前記ターゲット第1参照グループに対応するエンティティ属性クラスタ内の各エンティティ属性ペアのエンティティを候補質問セマンティクスとするように構成され、
前記ターゲット質問セマンティクス取得モジュールは、前記ターゲット第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線における前記複数の第2参照グループのうちの任意の第2参照グループに対応する座標点から完璧な分類座標点までの距離に基づいて、前記候補質問セマンティクスからターゲット質問セマンティクスを決定するように構成され、ここで、前記完璧な分類座標点は、前記受信者動作特性曲線における横座標が0、縦座標が1である座標点であり、前記ターゲット質問セマンティクスは、前記オペレーターが次の質問を行うようにガイドするように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記複数の第1参照グループのうちの任意の第1参照グループに含まれる任意の第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして、前記任意の第1参照グループに対して分類テストを実行して、前記任意の第2参照グループに対応する分類感度と分類特異度を取得することは、
前記第1参照グループにおける正例確率が前記カットオフポイント以上である第2参照グループのメンバーをプリセット正例として、前記第1参照グループにおける正例確率が前記カットオフポイントより小さい第2参照グループのメンバーをプリセット反例とすることと、
実際に正例として分類される前記プリセット正例のメンバーの数と、実際に正例として分類される前記第1参照グループのメンバーの数に応じて前記分類感度を取得することと、
実際に反例として分類される前記プリセット反例のメンバーの数と、実際に反例として分類される前記第1参照グループのメンバーの数に応じて前記分類特異度を取得することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記任意の第1参照グループ内の複数の第2参照グループに対応する分類感度及び分類特異度に基づいて、前記任意の第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線を取得することは、
前記複数の第2参照グループのうちの任意の第2参照グループの分類感度を縦座標として、前記任意の第2参照グループの分類特異度と1との差の絶対値を横座標として、前記任意の第2参照グループに対応する座標点を取得することと、
前記第1参照グループ内の各第2参照グループに対応する座標点を接続して、前記任意の第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線を取得することと、を含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の第1参照グループ内の各第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線に基づいて、前記複数の第1参照グループからターゲット第1参照グループを決定することは、
前記複数の第1参照グループ内の各第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線の曲線下面積を計算することと、
前記の曲線下面積のうちの最大曲線下面積に対応する前記第1参照グループを、ターゲット第1参照グループとして使用することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ターゲット第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線における前記複数の第2参照グループのうちの任意の第2参照グループに対応する座標点から完璧な分類座標点までの距離に基づいて、前記候補質問セマンティクスからターゲット質問セマンティクスを決定することは、
前記複数の第2参照グループのうちの各第2参照グループに対応する座標点から完璧な分類座標点までの複数の距離を計算することと、
前記複数の距離のうちの最短距離に対応する第2参照グループを前記ターゲット第2参照グループとして、前記ターゲット第2参照グループに対応するエンティティ属性ペアのエンティティを前記ターゲット質問セマンティクスとすることと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記救助発信者の言う情報から被救助者の個人的特徴情報を抽出し、前記個人的特徴情報に基づいて初期参照グループを決定することにより、前記初期参照グループを取得することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
被救助者が正例であるかどうかを決定するようオペレーターをガイドするシステムであって、前記システムは、エンティティ属性クラスタ及びエンティティ属性ペア決定モジュール、第1参照グループ及び第2参照グループ決定モジュール、プリセット正例のメンバー数取得モジュール及び正例確率決定モジュールを含み、
前記エンティティ属性クラスタ及びエンティティ属性ペア決定モジュールは、前記オペレーターと救助発信者の間の任意の対話における前記オペレーターの質問とその質問に対する救助発信者の回答に基づいて、被救助者に現在対応するエンティティ属性クラスタと、前記被救助者に現在対応するエンティティ属性ペアを決定するように構成され、ここで、前記エンティティ属性クラスタは、同じ核心質問に対応する複数のエンティティ属性ペアで構成され、前記エンティティ属性ペアには、エンティティと属性が含まれ、前記エンティティは、履歴救援電話におけるオペレーターの質問のセマンティクスを表し、前記属性は、前記質問に対する救助発信者の回答のセマンティクスを表し、
前記第1参照グループ及び第2参照グループ決定モジュールは、初期参照グループから前記エンティティ属性クラスタに対応する第1参照グループと前記エンティティ属性ペアに対応する第2参照グループを取得するように構成され、ここで、前記第1参照グループは、エンティティ属性クラスタに基づいて前記初期参照グループにおける複数の履歴被救助者を分類することによって取得され、前記第2参照グループは、エンティティ属性に基づいて前記第1参照グループを分類することによって取得され、
前記プリセット正例のメンバー数取得モジュールは、前記第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして、プリセット正例である前記第1参照グループのメンバーの数を取得するように構成され、ここで、前記カットオフポイントは、前記第1参照グループの正例ラベルを決定するためのものであり、
前記正例確率決定モジュールは、プリセット正例である前記第1参照グループのメンバーのうち、実際に正例として分類されるメンバーの数と、前記第1参照グループにおいてプリセット正例であるメンバーの数との比率に基づいて、前記被救助者の正例確率を取得するように構成され、前記正例確率は、前記被救助者が正例であるかどうかを決定するようオペレーターをガイドするように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項8】
前記システムは、正例確率傾向散布図取得モジュール及び線形回帰方程式の傾き取得モジュールを更に含み、
前記正例確率傾向散布図取得モジュールは、前記オペレータと前記救助発信者との間の複数回の対話において得られた前記被救助者の複数の正例確率に基づいて正例確率傾向散布図を取得するように構成され、
前記線形回帰方程式の傾き取得モジュールは、線形回帰方程式を使用して前記正例確率傾向散布図をフィッティングし、前記線形回帰方程式を解いて前記線形回帰方程式の傾きを取得するように構成され、
ここで、前記正例確率傾向散布図と前記線形回帰方程式の傾きは、前記被救助者が正例である確率の傾向を表すためのものであることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記オペレータと前記救助発信者との間の複数回の対話において得られた前記被救助者の複数の正例確率に基づいて正例確率傾向散布図を取得することは、
前記複数の正例確率のうちの任意の正例確率に対応する対話の回数を横座標、前記任意の正例確率を縦座標として、前記正例確率傾向散布図上の座標を取得することを含むことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記被救助者に現在対応するエンティティ属性クラスタ、及び前記被救助者に現在対応するエンティティ属性ペアを決定することは、
前記オペレーターの質問を取得し、前記質問から質問セマンティクス情報を抽出することと、
前記質問に対する前記救助発信者の回答を取得し、前記回答から回答セマンティクス情報を抽出することと、
前記質問で説明されている核心質問を決定し、前記核心質問に基づいて前記エンティティ属性クラスタを取得することと、
前記質問セマンティクス情報と前記回答セマンティクス情報に基づいて前記エンティティ属性ペアを決定することと、を含むことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして、プリセット正例である前記第1参照グループのメンバーの数を取得することは、
前記第1参照グループにおける正例確率が前記カットオフポイント以上である第2参照グループのメンバーの数をプリセット正例のメンバーの数とすることを含むことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムはさらに、率比取得モジュール及び率差取得モジュールを含み、
前記率比取得モジュールは、現在の前記被救助者の正例確率と前回の対話に取得された前記被救助者の正例確率との比率により率比を取得するように構成され、
前記率差取得モジュールは、現在の前記被救助者の正例確率と前回の対話に取得された前記被救助者の正例確率との差に応じて率差を取得するように構成され、
前記率差及び前記率比は、現在の前記被救助者の正例確率による現在の前記被救助者が正例であるか否かを決定することへの価値を判断するよう前記オペレーターをガイドするように構成されることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項13】
調査者が被調査者に質問するようガイドするシステムであって、前記システムは、第1参照グループ取得モジュール、分類テストモジュール、受信者動作特性曲線取得モジュール、候補質問セマンティクス取得モジュール及びターゲット質問セマンティクス取得モジュールを含み、
前記第1参照グループ取得モジュールは、初期参照グループから未処理の第1参照グループを複数選択するように構成され、ここで、前記第1参照グループは、エンティティ属性クラスタに基づいて前記初期参照グループにおける複数の履歴被調査者を分類することによって取得され、前記エンティティ属性クラスタは、同じ核心質問に対応する複数のエンティティ属性ペアで構成され、前記エンティティ属性ペアには、エンティティと属性が含まれ、前記エンティティは、履歴調査電話における調査者の質問のセマンティクスを表し、前記属性は、前記質問に対する被調査者の回答のセマンティクスを表し、
前記ターゲット質問セマンティクス取得モジュールは、前記ターゲット第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線における前記複数の第2参照グループのうちの任意の第2参照グループに対応する座標点から完璧な分類座標点までの距離に基づいて、前記候補質問セマンティクスからターゲット質問セマンティクスを決定するように構成され、ここで、前記完璧な分類座標点は、前記受信者動作特性曲線における横座標が0、縦座標が1である座標点であり、前記ターゲット質問セマンティクスは、前記調査員が次の質問を行うようにガイドするように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項14】
被調査者が正例であるかどうかを決定するよう調査者をガイドするシステムであって、前記システムは、エンティティ属性クラスタ及びエンティティ属性ペア決定モジュール、第1参照グループ及び第2参照グループ決定モジュール、プリセット正例のメンバー数取得モジュール及び正例確率決定モジュールを含み、
前記エンティティ属性クラスタ及びエンティティ属性ペア決定モジュールは、前記調査者と被調査者の間の任意の対話における前記調査者の質問とその質問に対する被調査者の回答に基づいて、被調査者に現在対応するエンティティ属性クラスタと、前記被調査者に現在対応するエンティティ属性ペアを決定するように構成され、ここで、前記エンティティ属性クラスタは、同じ核心質問に対応する複数のエンティティ属性ペアで構成され、前記エンティティ属性ペアには、エンティティと属性が含まれ、前記エンティティは、履歴調査電話における調査者の質問のセマンティクスを表し、前記属性は、前記質問に対する被調査者の回答のセマンティクスを表し、
前記第1参照グループ及び第2参照グループ決定モジュールは、初期参照グループから前記エンティティ属性クラスタに対応する第1参照グループと前記エンティティ属性ペアに対応する第2参照グループを取得するように構成され、ここで、前記第1参照グループは、エンティティ属性クラスタに基づいて前記初期参照グループにおける複数の履歴被調査者を分類することによって取得され、前記第2参照グループは、エンティティ属性に基づいて前記第1参照グループを分類することによって取得され、
前記正例確率決定モジュールは、プリセット正例である前記第1参照グループのメンバーのうち、実際に正例として分類されるメンバーの数と、前記第1参照グループにおいてプリセット正例であるメンバーの数との比率に基づいて、前記被調査者の正例確率を取得するように構成され、前記正例確率は、前記被調査者が正例であるかどうかを決定するよう調査者をガイドするように構成されることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年7月8日に中国特許庁に出願された「SYSTEM FOR HELPING OPERATOR TO QUESTION HELP-SEEKER」という名称の中国特許出願第202210805597.1号に対する優先権を主張し、その全内容を参照により援用する。
【0002】
本出願は、コンピュータの技術分野に関し、特に、オペレーターが救助発信者に質問するようにガイドするシステムに関する。本出願は、被救助者が正例であるかどうかを決定するようオペレーターをガイドするシステムにも関する。本出願はさらに、調査者が被調査者に質問するようガイドするシステムに関する。本出願はさらに、被調査者が正例であるかどうかを決定するよう調査者をガイドするシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
院外心停止(OHCA)は、院外で発生する最も重篤な臨床症状であり、一度発生すると患者はすぐに死亡する可能性がある。心停止後の救出のゴールデンタイムはわずか3~5分であるが、中国の救急車の平均応答時間は通常15分以上であり、現場での心肺蘇生(CPR)がOHCA患者の生存の唯一の希望である。
【0004】
近年、国内外では、救急医療指令センター(例えば、救急電話番号:120)の指令員が、救難電話を受けたときに、OHCA患者に現場でCPR(即ち、電話CPR)を提供するように電話で救助発信者(発信者)またはその場にいた他の人々を励まし、指導する試みがなされている。応急処置の専門知識が豊富でない指令員にとって、電話CPRの実施率や成功率は低く、OHCA患者の診断を見落としやすい。したがって、指令員が救助発信者に質問するようにどのようにガイドするか、また指令員が被救助者の現場の状況(例えば、被救助者がOHCA患者の疑いがあるかどうか)及び救助発信者又は現場にいた他の人員による被救助者への救助の進捗状況(例えば、救助発信者がCPRを開始したかどうか、自動体外式除細動器(AED)が使用されたかどうか、CPR後に自発循環の回復(ROSC)が達成されたかどうかなど)を確定するために、どのように指令員に参考データを提供するかは早急に解決する必要がある技術的問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の実施例は、オペレーターが救助発信者に質問するようにガイドするシステムを提供し、指令員が救助発信者に質問するようガイドし、被救助者の現場の状況(たとえば、被救助者がOHCA患者の疑いがあるかどうか)、及び救助発信者又は現場にいた他の人員による被救助者への救助の進捗状況(例えば、救助発信者がCPRを開始したかどうか、AEDが使用されたかどうか、CPR後に自発循環の回復(ROSC)が達成されたかどうかなど)を決定するよう指令員を助けるように構成される。本出願の実施例は、被救助者の正例確率を決定するシステムも提供し、指令員が被救助者の現場の状況(例えば、被救助者がOHCA患者の疑いがあるかどうか等)、及び救助発信者又は現場にいた他の人員による被救助者への救助の進捗状況(例えば、救助発信者がCPRを開始したかどうか、AEDが使用されたかどうか、CPR後に自発循環の回復(ROSC)が達成されたかどうかなど)を決定するよに助けるように構成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願の実施例の1つは、オペレーターが救助発信者に質問するようにガイドするシステムを提供する。前記システムは、第1参照グループ取得モジュール、分類テストモジュール、受信者動作特性曲線取得モジュール、候補質問セマンティクス取得モジュール及びターゲット質問セマンティクス取得モジュールを含み、前記第1参照グループ取得モジュールは、初期参照グループから未処理の第1参照グループを複数選択するように構成され、ここで、前記第1参照グループは、エンティティ属性クラスタに基づいて前記初期参照グループにおける複数の履歴被救助者を分類することによって取得され、前記エンティティ属性クラスタは、同じ核心質問に対応する複数のエンティティ属性ペアで構成され、前記エンティティ属性ペアには、エンティティと属性が含まれ、前記エンティティは、履歴救援電話におけるオペレーターの質問のセマンティクスを表し、前記属性は、前記質問に対する救助発信者の回答のセマンティクスを表し、前記分類テストモジュールは、前記複数の第1参照グループのうちの任意の第1参照グループに含まれる任意の第2の参照グループの正例確率をカットオフポイントとして使用して、前記任意の第1参照グループに対して分類テストを実行して、前記任意の第2参照グループに対応する分類感度及び分類特異度を取得するように構成され、ここで、前記カットオフポイントは、前記第1参照グループの正例ラベルを決定するためのものであり、前記第2参照グループは、エンティティ属性に基づいて前記第1参照グループを分類することによって取得され、前記受信者動作特性曲線取得モジュールは、前記任意の第1参照グループ内の複数の第2参照グループに対応する分類感度及び分類特異度に基づいて、前記任意の第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線を取得するように構成され、前記候補質問セマンティクス取得モジュールは、前記複数の第1参照グループ内の各第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線に基づいて、前記複数の第1参照グループからターゲット第1参照グループを決定し、前記ターゲット第1参照グループに対応するエンティティ属性クラスタ内の各エンティティ属性ペアのエンティティを候補質問セマンティクスとするように構成され、前記ターゲット質問セマンティクス取得モジュールは、前記ターゲット第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線における前記複数の第2参照グループのうちの任意の第2参照グループに対応する座標点から完璧な分類座標点までの距離に基づいて、前記候補質問セマンティクスからターゲット質問セマンティクスを決定するように構成され、ここで、前記完璧な分類座標点は、前記受信者動作特性曲線における横座標が0、縦座標が1である座標点であり、前記ターゲット質問セマンティクスは、前記オペレーターが次の質問を行うようにガイドするように構成される。
【0007】
複数の実施例において、前記複数の第1参照グループのうちの任意の第1参照グループに含まれる任意の第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとし、前記任意の第1参照グループに対して分類テストを実行して、前記任意の第2参照グループに対応する分類感度と分類特異度を取得することは、
前記第1参照グループにおける正例確率が前記カットオフポイント以上である第2参照グループのメンバーをプリセット正例として、前記第1参照グループにおける正例確率が前記カットオフポイントより小さい第2参照グループのメンバーをプリセット反例とすることと、
実際に正例として分類される前記プリセット正例のメンバーの数と、実際に正例として分類される前記第1参照グループのメンバーの数に応じて前記分類感度を取得することと、
実際に反例として分類される前記プリセット反例のメンバーの数と、実際に反例として分類される前記第1参照グループのメンバーの数に応じて、前記分類特異度を取得することと、を含む。
【0008】
複数の実施例において、前記任意の第1参照グループ内の複数の第2参照グループに対応する分類感度及び分類特異度に基づいて、前記任意の第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線を取得することは、前記複数の第2参照グループのうちの任意の第2参照グループの分類感度を縦座標として、前記任意の第2参照グループの分類特異度と1との差の絶対値を横座標として、前記任意の第2参照グループに対応する座標点を取得することと、前記第1参照グループ内の各第2参照グループに対応する座標点を接続して、前記任意の第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線を取得することと、を含む。
【0009】
複数の実施例において、前記複数の第1参照グループ内の各第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線に基づいて、前記複数の第1参照グループからターゲット第1参照グループを決定することは、前記複数の第1参照グループ内の各第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線の曲線下面積を計算することと、最大曲線下面積に対応する前記第1参照グループを、ターゲット第1参照グループとして使用することと、を含む。
【0010】
複数の実施例において、前記ターゲット第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線における前記複数の第2参照グループのうちの任意の第2参照グループに対応する座標点から完璧な分類座標点までの距離に基づいて、前記候補質問セマンティクスからターゲット質問セマンティクスを決定することは、前記複数の第2参照グループのうちの各第2参照グループに対応する座標点から完璧な分類座標点までの複数の距離を計算することと、前記複数の距離のうちの最短距離に対応する第2参照グループを前記ターゲット第2参照グループとして、前記ターゲット第2参照グループに対応するエンティティ属性ペアのエンティティを前記ターゲット質問セマンティクスとすることと、を含む。
【0011】
複数の実施例において、前記救助発信者の言う情報から被救助者の個人的特徴情報を抽出し、前記個人的特徴情報に基づいて初期参照グループを決定することにより、前記初期参照グループを取得する。
【0012】
本出願の実施例の1つは、被救助者が正例であるかどうかを決定するようオペレーターをガイドするシステムを提供し、前記システムは、エンティティ属性クラスタ及びエンティティ属性ペア決定モジュール、第1参照グループ及び第2参照グループ決定モジュール、プリセット正例のメンバー数取得モジュール及び正例確率決定モジュールを含む。前記エンティティ属性クラスタ及びエンティティ属性ペア決定モジュールは、前記オペレーターと救助発信者の間の任意の対話における前記オペレーターの質問とその質問に対する救助発信者の回答に基づいて、被救助者に現在対応するエンティティ属性クラスタと、前記被救助者に現在対応するエンティティ属性ペアを決定するように構成され、ここで、前記エンティティ属性クラスタは、同じ核心質問に対応する複数のエンティティ属性ペアで構成され、前記エンティティ属性ペアには、エンティティと属性が含まれ、前記エンティティは、履歴救援電話におけるオペレーターの質問のセマンティクスを表し、前記属性は、前記質問に対する救助発信者の回答のセマンティクスを表し、前記第1参照グループ及び第2参照グループ決定モジュールは、初期参照グループから前記エンティティ属性クラスタに対応する第1参照グループと前記エンティティ属性ペアに対応する第2参照グループを取得するように構成され、ここで、前記第1参照グループは、エンティティ属性クラスタに基づいて前記初期参照グループにおける複数の履歴被救助者を分類することによって取得され、前記第2参照グループは、エンティティ属性に基づいて前記第1参照グループを分類することによって取得され、前記プリセット正例のメンバー数取得モジュールは、前記第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして、プリセット正例である前記第1参照グループのメンバーの数を取得するように構成され、ここで、前記カットオフポイントは、前記第1参照グループの正例ラベルを決定するためのものであり、前記正例確率決定モジュールは、プリセット正例である前記第1参照グループのメンバーのうち、実際に正例として分類されるメンバーの数と、前記第1参照グループにおいてプリセット正例であるメンバーの数との比率に基づいて、前記被救助者の正例確率を取得するように構成され、前記正例確率は、前記被救助者が正例であるかどうかを決定するようオペレーターをガイドするように構成されることを特徴とする。
【0013】
複数の実施例において、前記システムは、正例確率傾向散布図取得モジュール及び線形回帰方程式の傾き取得モジュールを更に含み、前記正例確率傾向散布図取得モジュールは、前記オペレータと前記救助発信者との間の複数回の対話において得られた前記被救助者の複数の正例確率に基づいて正例確率傾向散布図を取得するように構成され、前記線形回帰方程式の傾き取得モジュールは、線形回帰方程式を使用して前記正例確率傾向散布図をフィッティングし、前記線形回帰方程式を解いて前記線形回帰方程式の傾きを取得するように構成され、ここで、前記正例確率傾向散布図と前記線形回帰方程式の傾きは、前記被救助者が正例である確率の傾向を表すためのものである。
【0014】
複数の実施例において、前記オペレータと前記救助発信者との間の複数回の対話において得られた前記被救助者の複数の正例確率に基づいて正例確率傾向散布図を取得することは、前記複数の正例確率のうちの任意の正例確率に対応する対話の回数を横座標、前記任意の正例確率を縦座標として、前記正例確率傾向散布図上の座標を取得することを含む。複数の実施例において、前記被救助者に現在対応するエンティティ属性クラスタ、及び前記被救助者に現在対応するエンティティ属性ペアを決定することは、前記オペレーターの質問を取得し、前記質問から質問セマンティクス情報を抽出することと、前記質問に対する前記救助発信者の回答を取得し、前記回答から回答セマンティクス情報を抽出することと、前記質問で説明されている核心質問を決定し、前記核心質問に基づいて前記エンティティ属性クラスタを取得することと、前記質問セマンティクス情報と前記回答セマンティクス情報に基づいて前記エンティティ属性ペアを決定することと、を含む。
【0015】
複数の実施例において、前記第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして、プリセット正例である前記第1参照グループのメンバーの数を取得することは、前記第1参照グループにおける正例確率が前記カットオフポイント以上である第2参照グループのメンバーの数をプリセット正例のメンバーの数とすることを含む。
【0016】
複数の実施例において、前記システムは、率比取得モジュール及び率差取得モジュールを更に含み、前記率比取得モジュールは、現在の前記被救助者の正例確率と前回の対話に取得された前記被救助者の正例確率との比率により率比を取得するように構成され、前記率差取得モジュールは、現在の前記被救助者の正例確率と前回の対話に取得された前記被救助者の正例確率との差に応じて率差を取得するように構成され、ここで、前記率差及び前記率比は、現在の前記被救助者の正例確率による前記現在の被救助者が正例であるか否かを決定することへの価値を判断するよう前記オペレーターをガイドするように構成される。
【0017】
本出願の実施例の1つは、調査者が被調査者に質問するようにガイドするシステムを提供し、前記システムは、第1参照グループ取得モジュール、分類テストモジュール、受信者動作特性曲線取得モジュール、候補質問セマンティクス取得モジュール及びターゲット質問セマンティクス取得モジュールを含み、前記第1参照グループ取得モジュールは、初期参照グループから未処理の第1参照グループを複数選択するように構成され、ここで、前記第1参照グループは、エンティティ属性クラスタに基づいて前記初期参照グループにおける複数の履歴被調査者を分類することによって取得され、前記エンティティ属性クラスタは、同じ核心質問に対応する複数のエンティティ属性ペアで構成され、前記エンティティ属性ペアには、エンティティと属性が含まれ、前記エンティティは、履歴調査電話における調査者の質問のセマンティクスを表し、前記属性は、前記質問に対する被調査者の回答のセマンティクスを表し、前記分類テストモジュールは、前記複数の第1参照グループのうちの任意の第1参照グループに含まれる任意の第2の参照グループの正例確率をカットオフポイントとして使用して、前記任意の第1参照グループに対して分類テストを実行して、前記任意の第2参照グループに対応する分類感度及び分類特異度を取得するように構成され、ここで、前記カットオフポイントは、前記第1参照グループの正例ラベルを決定するためのものであり、前記第2参照グループは、エンティティ属性に基づいて前記第1参照グループを分類することによって取得され、前記受信者動作特性曲線取得モジュールは、前記任意の第1参照グループ内の複数の第2参照グループに対応する分類感度及び分類特異度に基づいて、前記任意の第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線を取得するように構成され、前記候補質問セマンティクス取得モジュールは、前記複数の第1参照グループ内の各第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線に基づいて、前記複数の第1参照グループからターゲット第1参照グループを決定し、前記ターゲット第1参照グループに対応するエンティティ属性クラスタ内の各エンティティ属性ペアのエンティティを候補質問セマンティクスとするように構成され、前記ターゲット質問セマンティクス取得モジュールは、前記ターゲット第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線における前記複数の第2参照グループのうちの任意の第2参照グループに対応する座標点から完璧な分類座標点までの距離に基づいて、前記候補質問セマンティクスからターゲット質問セマンティクスを決定するように構成され、ここで、ここで、前記完璧な分類座標点は、前記受信者動作特性曲線における横座標が0、縦座標が1である座標点であり、前記ターゲット質問セマンティクスは、前記調査員が次の質問を行うようにガイドするように構成される。
【0018】
本出願の実施例の1つは、被調査者が正例であるかどうかを決定するよう調査者をガイドするシステムを提供し、前記システムは、エンティティ属性クラスタ及びエンティティ属性ペア決定モジュール、第1参照グループ及び第2参照グループ決定モジュール、プリセット正例のメンバー数取得モジュール及び正例確率決定モジュールを含み、前記エンティティ属性クラスタ及びエンティティ属性ペア決定モジュールは、前記調査者と被調査者の間の任意の対話における前記調査者の質問とその質問に対する被調査者の回答に基づいて、被調査者に現在対応するエンティティ属性クラスタと、前記被調査者に現在対応するエンティティ属性ペアを決定するように構成され、ここで、前記エンティティ属性クラスタは、同じ核心質問に対応する複数のエンティティ属性ペアで構成され、前記エンティティ属性ペアには、エンティティと属性が含まれ、前記エンティティは、履歴調査電話における調査者の質問のセマンティクスを表し、前記属性は、前記質問に対する被調査者の回答のセマンティクスを表し、前記第1参照グループ及び第2参照グループ決定モジュールは、初期参照グループから前記エンティティ属性クラスタに対応する第1参照グループと前記エンティティ属性ペアに対応する第2参照グループを取得するように構成され、ここで、前記第1参照グループは、エンティティ属性クラスタに基づいて前記初期参照グループに複数の履歴被調査者を分類することによって取得され、前記第2参照グループは、エンティティ属性に基づいて前記第1参照グループを分類することによって取得され、前記プリセット正例のメンバー数取得モジュールは、前記第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして、プリセット正例である前記第1参照グループのメンバーの数を取得するように構成され、ここで、前記カットオフポイントは、前記第1参照グループの正例ラベルを決定するためのものであり、前記正例確率決定モジュールは、プリセット正例である前記第1参照グループのメンバーのうち、実際に正例として分類されるメンバーの数と、前記第1参照グループにおいてプリセット正例であるメンバーの数との比率に基づいて、前記被調査者の正例確率を取得するように構成され、前記正例確率は、前記被調査者が正例であるかどうかを決定するよう調査者をガイドするように構成される。
【発明の効果】
【0019】
本出願によって提供される実施例では、エンティティ属性クラスタは、履歴救援電話における同じ主題を有するエンティティ属性ペアから構成され、エンティティ属性ペアは、オペレーターの質問セマンティクスと救助発信者の回答セマンティクスから構成され、救難ディスパッチデータベースにおける多数の混沌とした履歴対話を構造化し、これにより、履歴対話によって履歴救助者対象を分類し、第1参照グループと第2参照グループを得ることができる。本出願によって提供される実施例は、任意の第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして使用することによって、第1参照グループに対して分類テストを実行するため、エンティティ属性で分類して得られる第2参照グループを連続的に分離可能にし、エンティティ属性クラスタに基づいて分類して取得された第1参照グループを計算可能にし、さらに、第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして取得した分類感度と分類特異度は、第2参照グループに対応するエンティティ属性ペアが表す対話による被救助者の現場の状況や救助発信者の被救助者に対する救助の進捗状況の決定への有効性をより正確に反映することができる。
【0020】
本出願によって提供される実施例では、任意の第2参照グループに対応する分類感度および分類特異度に基づいて第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線を取得し、被救助者の現場の状況と救助発信者の被救助者への救助の進捗状況を決定する際の複数のエンティティ属性クラスタの有効性を定量化し、このようにして、被救助者の現場の状況と救助発信者の被救助者への救助の進捗状況を決定するのに役立つエンティティ属性クラスタ表現の核心質問を得ることができる。
【0021】
本出願によって提供される実施例では、取得されたターゲット第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線における複数の第2参照グループのうちの任意の第2参照グループに対応する座標点から完璧な分類座標点までの距離を計算することにより、被救助者の現場の状況と救助発信者の被救助者への救助の進捗状況を決定する際のエンティティ属性ペアの有効性を定量化し、このようにして、被救助者の現場の状況と救助発信者の被救助者への救助の進捗状況を決定するのに役立つエンティティ属性ペア表現の質問セマンティクスを得ることができる。
【0022】
本出願によって提供される実施例では、オペレーターの質問とその質問に対する救助発信者の回答を通じて、被救助者に現在対応するエンティティ属性クラスタと、被救助者に現在対応するエンティティ属性ペアを決定し、初期参照グループからエンティティ属性クラスタに対応する第1参照グループとエンティティ属性ペアに対応する第2参照グループを取得し、このようにして、対話を通じて被救助者の履歴参照グループを得ることができる。本出願によって提供される実施例では、第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして、プリセット正例である第1参照グループのメンバーの数を取得し、プリセット正例である第1参照グループのメンバーのうち、実際に正例として分類されるメンバーの数と、第1参照グループにおいてプリセット正例であるメンバーの数との比率に基づいて、被救助者の正例確率を取得し、これにより、救難ディスパッチデータベースの患者カルテリソースを最大限に活用し、オペレーターと救助発信者の対話を通じて、被救助者が正例であるか否かの確率をより正確に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本出願は、例示的な実施例によってさらに説明され、これらの例示的な実施例は、図面によって詳細に説明される。これらの実施例は限定するものではない。これらの実施例において、同じ番号は同じ構造を表す。
【0024】
図1】本出願のいくつかの実施例による、オペレーターが救助発信者に質問するようにガイドするシステムと、オペレーターが被救助者が正例であるかどうかを決定するようにガイドするシステムの適用シナリオの概略図である。
図2】本出願のいくつかの実施例による、オペレーターが救助発信者に質問するようガイドするシステムの例示的な概略図である。
図3】本出願のいくつかの実施例による、被救助者が正例であるかどうかを決定するためにオペレーターをガイドするためのシステムの例示的な概略図である。
図4】本出願のいくつかの実施例による、エンティティ属性クラスタ、エンティティ属性ペア、第1参照グループ、および第2参照グループの例示的な概略図である。
図5】本出願のいくつかの実施例に示した受信者動作特性曲線の例示な概略図である。
図6】本出願のいくつかの実施例に示した正例確率傾向散布図の例示な概略図である。
図7】本出願のいくつかの実施例に示した別の正例確率傾向散布図の例示な概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本出願の実施例の技術案をより明確に説明するために、実施例の説明に必要な図面を以下に簡単に紹介する。明らかに、次の説明における図面は本出願の複数の例又は実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な努力をすることなく、これらの図面に基づいて本出願を他の類似のシナリオに適用することもできる。言語環境から明らかでない限り、または別段の記載がない限り、図中の同じ参照番号は同じ構造または動作を表す。
【0026】
本明細書で使用される「システム」、「装置」、「ユニット」及び/又は「モジュール」という用語は、異なるレベルの異なるコンポーネント、要素、部品、部分またはアセンブリを区別する手段であることが理解されるであろう。ただし、同じ目的を達成できる場合には、他の表現に置き換えることができる。
【0027】
本出願および特許請求の範囲に示されているように、文脈が例外を明確に示していない限り、「1」、「1つ」、「1種」及び/又は「該」などの単語は、特に単数形を指すものではなく、複数形を含む場合がある。一般的に言えば、「含む」と「含有する」という用語には、明確に識別されたステップと要素を含むだけであり、これらのステップと要素は排他的羅列を構成せず、方法またはデバイスには他のステップまたは要素も含まれる場合がある。
【0028】
本出願では、フローチャートを使用して本出願の実施例によるシステムによって実行される操作を説明するように構成される。前後の操作は必ずしも正確な順序で実行されるわけではないことを理解する必要がある。代わりに、これらのステップを逆の順序で、または同時に処理することができる。同時に、これらのプロセスに他の操作を追加したり、これらのプロセスから1つまたは複数のステップを削除したりすることができる。
【0029】
図1は、本出願のいくつかの実施例による、オペレーターが救助発信者に質問するようにガイドするシステムと、被救助者が正例であるかどうかを決定するようオペレーターをガイドするシステムの適用シナリオの概略図である。
【0030】
本出願の実施例によって提供される、オペレーターが救助発信者に質問するようガイドするシステムと、被救助者が正例であるかどうかを決定するようにオペレーターをガイドするシステムは、例えば、救急医療派遣センターの電話救助シナリオ、オンライン販売プラットフォームの電話レコメンデーションシナリオなど、さまざまなタスクシナリオに適用することができる。例えば、オンラインプラットフォームは、本出願によって提供されるシステムを使用して、オペレーターが次の質問を行うようにガイドするように構成されるターゲット質問セマンティクスを取得することができ、オペレーターは、該ターゲット質問セマンティクスを参照して質問を通して電話相談ユーザの真の購入意図を決定できる。
【0031】
一例として、緊急医療派遣センターの電話救助業務を例として、本出願におけるオペレーターが救助発信者を質問するようにガイドするシステムの適用シナリオを説明する。
【0032】
図1に示すように、適用シナリオ100は、サーバ110、端末120、およびネットワーク130を含むことができる。
【0033】
複数の実施例において、サーバ110と端末120は、ネットワーク130を介してデータまたは情報を交換することができる。例えば、サーバ110は、ネットワーク130を介して端末120内の情報及び/又はデータを取得したり、ネットワーク130を介して端末120に情報及び/又はデータを送信したりすることができる。
【0034】
端末120は、オペレーター(例えば、救急医療派遣センターの指令員)が救援電話に応答するように構成する電子装置であり、端末120を介してオペレーターに電話緊急支援ガイダンスを提供することができる。複数の実施例において、端末120は、オペレーターの質問と救助発信者の回答を取得し、その質問と回答を処理のためにサーバ110に送信することができる。複数の実施例において、端末120は、サーバ110から受信したターゲット質問セマンティクス、被救助者の正例確率、率比、率差、正例確率傾向散布図を、様々な方法(例えば、音声プロンプト、テキストプロンプトなど)でオペレーターに提示することができる。複数の実施例において、端末120の処理能力が高い場合、端末120は、オペレーターの質問および救助発信者の回答を処理して、ターゲット質問セマンティクス、被救助者の正例確率、率比、率差、正例確率傾向散布図等を取得することもでき、本明細書の表現に限定されるものではない。端末120は、モバイルデバイス、タブレットコンピュータ等、入力及び/又は出力機能を備えたデバイスのうちの1つ、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。
【0035】
サーバ110は、単一のサーバであってもよいし、サーバ群であってもよい。該サーバ群は、集中型または分散型(例えば、サーバ110は分散型システム)であってもよく、専用であってもよく、あるいは他の装置やシステムによって同時にサービスを提供してもよい。複数の実施例において、サーバ110はローカルでもリモートでもよい。複数の実施例において、サーバ110は、クラウドプラットフォーム上に実装されてもよいし、仮想的に提供されてもよい。ほんの一例として、クラウドプラットフォームには、プライベートクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウド、コミュニティクラウド、分散クラウド、内部クラウド、多層クラウドなど、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる場合がある。
【0036】
複数の実施例において、サーバ110は、救急センターの救難ディスパッチデータベースを維持し、エンティティ属性クラスタおよびエンティティ属性ペアに基づいてディスパッチデータベース内の患者を分類することができる。複数の実施例において、サーバ110は、オペレーターと救助発信者の間の質問に基づいて救難ディスパッチデータベースから計算に参加する必要がある第1参照グループと第2参照グループを取得し、該第1参照グループまたは第2参照グループのデータ情報を端末120に送信することができる。
【0037】
複数の実施例において、ネットワーク130は、有線ネットワークまたは無線ネットワークのうちの任意の1つまたは複数であり得る。例えば、ネットワーク130は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)など、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0038】
理解を容易にするために、本出願の技術案を図面および実施例と併せて以下に説明する。
【0039】
図2は、本出願のいくつかの実施例による、オペレーターが救助発信者に質問するようガイドするシステムの例示的な概略図である。図2に示すように、オペレーターが救助発信者に質問するようにガイドするシステムは、第1参照グループ取得モジュール210、分類テストモジュール220、受信者動作特性曲線取得モジュール230、候補質問セマンティクス取得モジュール240及びターゲット質問セマンティクス取得モジュール250を含む。
【0040】
第1参照グループ取得モジュール210は、初期参照グループから複数の未処理の第1参照グループを選択するように構成される。第1参照グループは、エンティティ属性クラスタに基づいて初期参照グループのうちの複数の履歴被救助者(例えば、OHCAの疑いのある患者)を分類して取得されたものである。エンティティ属性クラスタは、同じ核心質問に対応する複数のエンティティ属性ペアで構成される。核心質問は、オペレーターが質問を通じて理解しようとしている主題である。例えば、核心質問は、ヘルプ、意識、呼吸、心臓、話等の主題であってもよい。エンティティ属性ペアには、エンティティと属性が含まれ、エンティティは、履歴救援電話におけるオペレーターの質問のセマンティクスを表し、属性は、質問に対する救助発信者の回答のセマンティクスを表す。例えば、オペレーターの質問「こんにちは、どうすればお手伝いできますか?」と救助発信者の回答は「大変でずが、父の調子が悪い。」では、質問から「こんにちは」というセマンティクスを抽出し、回答から「調子が悪い」というセマンティクスを抽出し、したがって、該質問と回答に対応するエンティティ属性ペアは「こんにちは-調子が悪い」であり、該質問の核心質問は「ヘルプ」であるため、該質問と回答に対応するエンティティ属性ペアは「ヘルプ」エンティティ属性クラスタに属する。図4に示すように、同じ核心質問に基づく回答はエンティティ属性クラスタを構成し、異なるエンティティ属性クラスタは互いに独立し、エンティティ属性クラスタ上の座標(黒点)は、核心質問から抽出されたエンティティを表し、各エンティティは少なくとも1つの異なる属性に対応し、エンティティと属性は一緒になってエンティティ属性ペアを構成する。
【0041】
具体的な実施中に、オペレーターと救助発信者間のすべての対話に対して、音声からテキストへのアルゴリズムを使用してテキストに変換し、そして、変換されたテキストに基づいてテキスト認識を実行し、テキストによって表される質問と回答が得られる。複数の実施例において、テキスト形式の質問と回答を、異なるデータベースに記憶でき、救助発信者が電話で助けを求めるとき、それぞれ質問データベースと回答データベースから質問と回答を呼び出し、そして、質問と回答を照合して、対話に対応するエンティティ属性クラスタとエンティティ属性ペアを取得する。
【0042】
救難ディスパッチデータベースに記憶されている応急処置の対話は大規模で乱雑で、標準化や構造化が難しいので、利用することが困難である。本出願によって提供される実施例では、エンティティ属性クラスタとエンティティ属性ペアの概念を通じて救難ディスパッチデータベースの応急処置の対話を構造化するので、既存の対話データリソースを使用して、指令員が救助発信者に質問するようガイドでき、被救者の現場の状況、救助発信者による被救助者へ救助の進捗状況を決定し、これにより、救急指令員の専門性要件が軽減され、一般の指令員が患者に効果的な応急処置サービスを提供できるようになる。
【0043】
初期参照グループは、救難ディスパッチデータベースから選択された履歴被救助者で構成されるグループである。具体的な実施中に、救助発信者の言う情報から被救助者の個人的特徴情報を抽出し、個人的特徴情報に基づいてデータベース(例えば、救難ディスパッチデータベース)から初期参照グループを決定できる。個人的特徴情報には、性別、年齢、体型、性別、年齢、体型、救難時間、地理的位置等の被救助者の個人的特徴を示す情報が含まれるが、これらに限定されない。例えば、オペレーターが「こんにちは、xxxコマンドセンター、どのようにお手伝いできますか?」と尋ね、救助発信者が「大変でずが、父の調子が悪い。」と答える対話シナリオの場合、救助発信者の回答セマンティクスから「成人」と「男性」という2つの特徴情報を抽出することができ、データベースから該特徴情報を満たす履歴被救助者事例500,000件を初期参照グループとして選択する。対話が進むにつれて、対話の各回に対応するエンティティ属性クラスタとエンティティ属性ペアに基づいて、データベースから被救助者の状況とより類似した参照グループを取得できる。
【0044】
初期参照グループは、エンティティ属性クラスタに基づいて複数の第1参照グループにさらに分割することができる。例えば、初期参照グループは、「ヘルプ」エンティティ属性クラスタに対応する第1参照グループ、「意識」エンティティ属性クラスタに対応する第1参照グループ、「呼吸」エンティティ属性クラスタに対応する第1参照グループなどを含むことができる。
【0045】
具体的な実施中に、初期参照グループから複数の未処理の第1参照グループを選択し、次に、該複数の第1参照グループに基づいて、オペレーターを次のの質問を行うようにガイドするためのターゲット質問セマンティクスを取得できる。ほんの一例として、現在の対話に対応するエンティティ属性クラスタは「ヘルプ」エンティティ属性クラスタであり、初期参照グループに含まれる他の4つのエンティティ属性クラスタに対応する第1参照グループはまだ処理されず、説明を容易にするために、それぞれを意識クラスタ、呼吸クラスタ、心臓クラスタ、話クラスタと呼び、次に、意識クラスタに対応する第1参照グループ、呼吸クラスタに対応する第1参照グループ、心臓クラスタに対応する第1参照グループ、および話クラスタに対応する第1参照グループを、その後の処理のための複数の第1参照グループとして選択することができる。
【0046】
分類テストモジュール220は、複数の第1参照グループのうちの任意の第1参照グループに含まれる任意の第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとし、任意の第1参照グループに対して分類テストを実行して、任意の第2参照グループに対応する分類感度と分類特異度を取得するように構成される。
【0047】
図4に示すように、第2参照グループは、エンティティ属性に基づいて第1参照グループを分類することによって取得される。例えば、上記の例の意識クラスタには、「昏睡-はい」、「反応-ショック」、「覚める-無反応」および「反応-動かない」という4つのエンティティ属性ペアが含まれる(含まれるエンティティ属性ペアの実際の数は4よりはるかに多い場合があるが、説明の便宜上簡略化されている)。4つのエンティティ属性ペアによれば、意識クラスタに対応する第1参照グループを4つの第2参照グループに分割することができる。また例えば、姿勢ガイダンスクラスタ(エンティティ属性クラスタ)には、「横たわる-平らにする」、「仰向く-もう大丈夫です」、「横たわる-はい」、「仰向けになる-OK」という4つのエンティティ属性ペアが含まれる(含まれるエンティティ属性ペアの実際の数は4よりはるかに多い場合があるが、説明の便宜上簡略化されている)。該4つのエンティティ属性ペアによれば、姿勢ガイダンスクラスタに対応する第1参照グループを4つの第2参照グループに分割することができる。
【0048】
第2参照グループの正例確率は、第2参照グループの総人数に対する実際に正例と分類されたメンバーの割合であり、
計算式は以下のように表される。
=実際に正例として分類された患者数/患者総数 式(1)
【0049】
ほんの一例として、ある第2参照グループの総人数が100,000人で、そのうち5,000人のメンバーが正例として確認された場合、該第2参照グループにおける正例確率は0.005である。
【0050】
正例は、「肯定例示」とも呼ばれ、概念の適切な例示または例である。各概念のすべての正例には共通の本質的な特徴が含まれており、各概念には正例と反例(否定例示)がある。例えば、ゾウ、ライオン、トラ、猫、犬、クジラなどは哺乳類の概念の正例であり、魚、カメなどは哺乳類の概念の反例である。
【0051】
救急医療派遣センターでの電話救助タスクのシナリオでは、指令員が患者がある特定の状態にあるかどうかを判断しようとするとき、その特定状態にある患者は正例であり、その特定状態にない患者は反例である。例えば、指令員が対話により被救助者がOHCAの疑いのある患者であるかどうかを判断する場合(被救助者がOHCA患者であるかどうかを確認できるのは救急医のみであるため、指令員は被救助者がOHCAの疑いのある患者であることを判断することしかできない)、正例としては、救急医によってOHCA患者と診断され、反例としては、救急医によって非OHCA患者と診断される。また例えば、指令員が救助発信者による被救助者の救助の進捗状況を対話により判断する場合、正例としては救助発信者がCPRを開始した患者が考えられ、反例としては救助発信者がまだCPRを開始していない患者が考えられる。また例えば、指令員が対話により被救助者がROSCを達成したか否かを判断する場合、正例はROSCを達成した患者であり、反例はROSCを達成していない患者である。
【0052】
他の適用シナリオでは、正例または反例は、救急医療派遣センターの電話救助タスクシナリオにおける正例または反例とは異なる対象グループを指す場合があり、本明細書の表現によって限定されない。例えば、オンライン販売プラットフォームの電話推奨シナリオでは、特定の商品を購入する意思があるユーザーが正例となり、特定の商品を購入する意思がないユーザーが反例になる。
【0053】
プリセット正例は、正例であると仮定される対象であり、つまり、プリセット正例の真の分類は、正例であっても反例であってもよい。プリセット反例は、反例であると仮定される対象であり、つまり、プリセット反例の真の分類は、反例であっても正例であってもよい。救急医療派遣センターでの電話救助タスクのシナリオでは、プリセット正例は、システムが分類テストまたはその他の計算を実行することで、特定の状態にあると判定し仮定する患者であり、プリセット反例は、システムが分類テストまたはその他の計算を実行することで、特定の状態にないと判定し仮定する患者である。例えば、指令員が対話により被救助者がOHCAの疑いのある患者であるかどうかを判断する場合、プリセット正例はシステムが判定し仮定する医師によりOHCAと診断された患者、プリセット反例はシステムが判定し仮定する医師により非OHCAと診断された患者である。また例えば、指令員が救助発信者による被救助者の救助の進捗状況を対話により判断する場合、プリセット正例として救助発信者がCPRを開始したとシステムが仮定する患者であり、プリセット反例は、救助発信者がCPRを開始していないとシステムが仮定する患者である。また例えば、指令員が対話により被救助者がROSCを達成したか否かを判断する場合、プリセット正例はシステムが仮定するROSCを達成した患者であり、プリセット反例は、システムが仮定するROSCを達成していない患者である。
【0054】
カットオフポイントは、第1参照グループの正例ラベルを決定するためのものである。複数の実施例において、第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして、第1参照グループにおける正例確率がカットオフポイント以上である第2参照グループのメンバーをプリセット正例として、第1参照グループにおける正例確率がカットオフポイントより小さい第2参照グループのメンバーをプリセット反例とすることができる。
【0055】
例えば、「ヘルプ」エンティティ属性クラスタには、「こんにちは-気を失いました」、「こんにちは-死にそうだ」、「こんにちは-すぐに来てください」、「こんにちは-救急車」という4つのエンティティ属性ペアが含まれている(含まれるエンティティ属性ペアの実際の数は4よりはるかに多い場合があるが、説明の便宜上簡略化されている)。ソート後、各エンティティ属性ペアに対応する第2参照グループの正例確率はそれぞれP=0.165「こんにちは-気を失いました」、P=0.035「こんにちは-死にそうだ」、P=0.019「こんにちは-すぐに来てください」、P=0.011「こんにちは-救急車」であり、P=0.035(こんにちは-死にそうだ)をカットオフポイントとして使用する場合、「こんにちは-気を失いました」エンティティ属性ペアに対応する第2参照グループ(その正例確率0.165は、カットオフポイント0.035より大きい)のメンバー、「こんにちは-死にそうだ」エンティティ属性ペアに対応する第2参照グループ(その正例確率0.035がカットオフポイント0.035に等しい)のメンバーを、プリセット正例として使用し、「こんにちは-すぐに来てください」エンティティ属性ペアに対応する第2参照グループ(正例確率0.019がカットオフポイント0.035より小さい)のメンバー、「こんにちは-救急車」エンティティ属性ペアに対応する第2参照グループ(正例確率0.011はカットオフポイント0.035より小さい)メンバーをプリセット反例として使用することができる。
【0056】
また例えば、手のひら位置決めクラスタ(エンティティ属性クラスタ)には「両手を合わせて手根を患者の乳首間の中央に置きます-OK」、「手根を患者の乳首間の中央に置きます-OK」、「両手を合わせて患者の胸の前に置きます-OK」、「患者の胸の前に両手を置きます-OK」という4つのエンティティ属性ペアが含まれる(含まれるエンティティ属性ペアの実際の数は4よりはるかに多い場合があるが、説明の便宜上簡略化されている)。ソート後、各エンティティ属性ペアに対応する第2参照グループの正例確率はそれぞれP=0.857「両手を合わせて手根を患者の乳首間の中央に置きます-OK」、P=0.811「手根を患者の乳首間の中央に置きます-OK」、P=0.789「両手を合わせて患者の胸の前に置きます-OK」、P=0.667「両手を患者の胸の前に置きます-OK」であり、P=0.811(両手を合わせて手根を患者の乳首間の中央に置きます-OK」をカットオフポイントとする場合、「両手を合わせて手根を患者の乳首間の中央に置きます-OK」エンティティ属性ペア(その正例確率がカットオフポイントより大きい)に対応する第2参照グループのメンバー、「手根を患者の乳首間の中央に置きます-OK」エンティティ属性ペア(その正例確率がカットオフポイントに等しい)に対応する第2参照グループのメンバーを、プリセット正例として、「手掌の基部を患者の胸の前に置きます-OK」エンティティ属性ペア(その正例確率がカットオフポイントより小さな)に対応する第2参照グループのメンバー、「一方の手を他方の手に重ねて患者の胸の前に置きます-OK」エンティティ属性ペア(その正例確率がカットオフポイントより小さい)に対応する第2参照グループのメンバーをプリセット反例とすることができる。
【0057】
分類テストには、スクリーニングテストと診断テストが含まれる場合があり、迅速かつ簡単なテスト検査やその他の方法を使用して、見かけは健康な人から未識別の疑わしい症例を検出する。救急医療派遣センターの電話救助シナリオにおいて、指令員は救助発信者との対話を通じて被救助者の本当の病状を判断する。通常、分類テストの信頼性を評価するには、分類感度と分類特異度を計算する必要がある。分類テストの表は次のとおりである。
【0058】
【表1】
【0059】
具体的な実施中に、実際に正例として分類されるプリセット正例(表1の真陽性(a))のメンバーの数と、実際に正例として分類される第1参照グループのメンバーの数(表1の真陽性(a)と偽陰性(c)の合計)に応じて分類感度を取得することができる。計算式は以下の通りである。

【0060】
具体的な実施中に、実際に反例として分類されるプリセット反例(表1の真陰性(d))のメンバーの数と、実際に反例として分類される第1参照グループ(表1の偽陽性(b)と真陰性(d)の合計)のメンバーに応じて分類感度を取得することができる。計算式は以下の通りである。
【0061】
ほんの一例として、呼吸クラスタには4つのエンティティ属性ペアが含まれ(含まれる実際数は4よりはるかに多く、説明の便宜上簡略化されている)、第2参照グループの正例確率に基づいて並べ替えた後、各エンティティ属性ペア及び対応する第2参照グループの正例確率はそれぞれ「呼吸-なし」(P=0.400)、「呼吸-不快」(P=0.210)、「喘ぎ-窒息」(P=0.145)および「喘ぎ-非常に弱い」(P=0.074)である。上記の仮定に基づいて、「呼吸-なし」に対応する第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして使用して、「呼吸クラスタ」に対応する第1参照グループに対して分類テストを実行し、表2が得られた。
【0062】
【表2】
【0063】
表2において、Xはカットオフポイントを表し、X=1は、カットオフポイント分類条件を満たすメンバーがプリセット正例として使用されることを意味し、本例において、「呼吸-なし」に対応する第2参照グループの正例確率(0.400)をカットオフポイントとする場合、「呼吸-なし」に対応する第2参照グループのメンバーをプリセット正例として使用し、残りのエンティティが属性ペアに対応する第2参照グループ(正例確率は0.400未満)のメンバーをプリセット反例として使用する。
【0064】
表2において、実際に正例(a)として分類される前記プリセット正例のメンバーの数は480、実際に正例として分類される第1参照グループのメンバー(a+c)の数は480+1120=1600であり、この場合、式(2)に基づいて、
が計算して得られ、実際の分類が反例であるプリセット反例のメンバー(d)の数は12680であり、実際に反例(b+d)として分類される第1参照グループのメンバーの数は、720+12680=13400である場合、式(3)に基づいて
が計算できる。
【0065】
上記の方法によれば、「呼吸-不快」、「喘ぎ-窒息」および「喘ぎ-やや弱い」に対応する第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとする場合、各第2参照グループに対応する分類感度と分類特異度を取得することができる。
【0066】
受信者動作特性曲線取得モジュール230は、任意の第1参照グループ内の複数の第2参照グループに対応する分類感度及び分類特異度に基づいて、任意の第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線を取得するように構成される。
【0067】
受信者動作特性曲線(receiver operating characteristic curve、ROC)とは、特定の刺激条件下、被験者が異なる判断基準で得た分類特異度(Sp)と1との差値を横座標、分類感度(Se)を縦座標として点間を結ぶ線である。ROC曲線の特徴は、(0,0)と(1,1)を通過する必要があり、曲線上の点が上記2点を結ぶ線の上にのみ表示され、単調増加することである。したがって、ROC曲線はAUC>0.5の場合にのみ意味を持つ。
【0068】
具体的な実施中に、複数の第2参照グループのうちの任意の第2参照グループの分類感度を縦座標として、1と任意の第2参照グループの分類特異度との差値を横座標として、任意の第2参照グループに対応する座標点を取得し、次に第1参照グループ内の各第2参照グループに対応する座標点を接続して、任意の第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線を取得することができる。ほんの一例として、上記の例で得られた「呼吸クラスタ」に対応する第1参照グループ内の複数の第2参照グループに対応する分類感度および分類特異度を使用して、図5に示すような受信者動作特性曲線を得ることができる。
【0069】
候補質問セマンティクス取得モジュール240は、複数の第1参照グループ内の第1参照グループの各グループに対応する受信者動作特性曲線に基づいて、複数の第1参照グループからターゲット第1参照グループを決定し、ターゲット第1参照グループに対応するエンティティ属性クラスタ内の各エンティティ属性ペアのエンティティを候補質問セマンティクスとするように構成される。
【0070】
受信者動作特性曲線の曲線下面積が大きいほど、その曲線に対応する分類テストの分類効果はより良くなる。したがって、いくつかの実施例では、複数の第1参照グループ内の各第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線の曲線下面積(Area Under Curve、AUC)を計算し、(例れば、台形則を使用して計算される)、次に最大曲線下面積に対応する第1参照グループを、ターゲット第1参照グループとして使用することができる。ほんの一例として、「呼吸クラスタ」、「心臓クラスタ」、および「話クラスタ」という名前のエンティティ属性クラスタにそれぞれ対応する3つの第1参照グループについて、上記の方法を使用して、対応する受信者動作特性曲線を取得し、また、計算された受信者動作特性曲線のAUCは、それぞれ0.761、0.733、0.662であり、そのうち、最大のAUCは、「呼吸クラスタ」に対応する第1参照グループに対応するので、「呼吸クラスタ」に対応する第1参照グループをターゲット第1参照グループとして使用する。
【0071】
ターゲット第1参照グループが取得された後、ターゲット第1参照グループに対応するエンティティ属性クラスタ内の各エンティティ属性ペアのエンティティを、候補質問セマンティクスとして使用し得る。ほんの一例として、上記の例で得られたターゲット第1参照グループに対応する「呼吸クラスタ」には、「呼吸-なし」、「呼吸-不快」、「喘ぎ-窒息」、「喘ぎ-やや弱い」というエンティティ属性ペアが含まれているため、「呼吸」と「喘ぎ」が候補質問セマンティクスとして使用できる。続いて、ターゲット質問セマンティクスを候補質問セマンティクスから選択することができる。
【0072】
ターゲット質問セマンティクス取得モジュールは、ターゲット第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線における複数の第2参照グループのうちの任意の第2参照グループに対応する座標点から完璧な分類座標点までの距離に基づいて、候補質問セマンティクスからターゲット質問セマンティクスを決定するように構成される。
【0073】
完璧な分類座標点は、受信者動作特性曲線における横座標が0、縦座標が1である座標点である。受信者動作特性曲線の座標点(0,1)は、分類特異度(Sp)が1、分類感度が1の分類テスト結果を表しており、最も高い分類正確度を備えた完璧な結果である。受信者動作特性曲線では、任意の第2参照グループに対応する座標点から完璧な分類座標点までの距離は、任意の第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして使用して、第1参照グループに対して分類テストを実行することによって得られた分類結果の正確度を反映できる。受信者動作特性曲線における任意の第2参照グループに対応する座標点から完璧な分類座標点までの距離は、次の式で取得できる。
【0074】
具体的な実施中に、複数の第2参照グループのうちの各第2参照グループに対応する座標点から完璧な分類座標点までの複数の距離を計算し、複数の距離のうちの最短距離に対応する第2参照グループをターゲット第2参照グループとして、ターゲット第2参照グループに対応するエンティティ属性ペアのエンティティをターゲット質問セマンティクスとすることができる。ほんの一例として、上記の例でのターゲット第1参照グループに対応する「呼吸クラスタ」には、「呼吸-なし」、「呼吸-不快」、「喘ぎ-窒息」、「喘ぎ-やや弱い」というエンティティ属性ペアが含まれ、受信者動作特性曲線では、該4つのエンティティ属性ペアに対応する4つの座標点から(0,1)までの距離は、それぞれ0.702、0.548、0.419、0.537であるため、「喘ぎ-窒息」のを「喘ぎ」をターゲット質問セマンティクスとして使用する。
【0075】
ターゲット質問セマンティクスは、オペレーターが次の質問を行うようにガイドするように構成される。複数の実施例において、オペレーターは救急医療派遣センターの指令員であり、指令員の質問は、現場での心肺蘇生が被救助者に必要かどうかを判断するためのものである。
【0076】
複数の実施例において、オペレーターは救急医療派遣センターの指令員であり、指令員の質問は、救助発信者が被救助者の現場での心肺蘇生を行うようガイドするためのものである。
【0077】
図3は、本出願のいくつかの実施例による、被救助者が正例であるかどうかを決定するためにオペレーターをガイドするためのシステムの例示的な概略図である。図3に示すように、被救助者が正例であるかどうかを決定するようオペレーターをガイドするシステムは、エンティティ属性クラスタ及びエンティティ属性ペア決定モジュール310、第1参照グループ及び第2参照グループ決定モジュール320、プリセット正例のメンバー数取得モジュール330及び正例確率決定モジュール340を含む。
【0078】
エンティティ属性クラスタ及びエンティティ属性ペア決定モジュール310は、オペレーターと救助発信者の間の任意の対話におけるオペレーターの質問とその質問に対する救助発信者の回答に基づいて、被救助者に現在対応するエンティティ属性クラスタと被救助者に現在対応するエンティティ属性ペアを決定するように構成される。
【0079】
エンティティ属性クラスタは、同じ核心質問に対応する複数のエンティティ属性ペアで構成され、エンティティ属性ペアにはエンティティと属性が含まれ、エンティティは履歴救援電話におけるオペレーターの質問のセマンティクスを表し、属性は質問に対する救助発信者の回答のセマンティクスを表す。
【0080】
具体的な実施中に、オペレーターの質問を取得し、質問から質問セマンティクス情報を抽出でき、質問に対する救助発信者の回答を取得し、回答から回答セマンティクス情報を抽出し、質問で説明されている核心質問を決定し、核心質問に基づいてエンティティ属性クラスタを取得し、質問セマンティクス情報と回答セマンティクス情報に基づいてエンティティ属性ペアを決定できる。エンティティ属性クラスタとエンティティ属性ペアの詳細については、図2を参照して、ここではさらに説明しない。
【0081】
第1参照グループ及び第2参照グループ決定モジュール320は、初期参照グループからエンティティ属性クラスタに対応する第1参照グループとエンティティ属性ペアに対応する第2参照グループを取得するように構成され、ここで、第1参照グループは、エンティティ属性クラスタに基づいて初期参照グループにおける複数の履歴被救助者を分類することによって取得され、第2参照グループは、エンティティ属性に基づいて第1参照グループを分類することによって取得される。
【0082】
初期参照グループ、第1参照グループ、および第2参照グループの詳細な説明については、図2を参照し、ここでは再度説明しない。
【0083】
プリセット正例のメンバー数取得モジュール330は、第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして、プリセット正例である第1参照グループのメンバーの数を取得するように構成される。
【0084】
カットオフポイントは、第1参照グループの正例ラベルを決定するためのものである。カットオフポイントの詳細な説明については、図2を参照して、ここではさらに説明しない。
【0085】
複数の実施例において、第1参照グループにおける正例確率がカットオフポイント以上である第2参照グループのメンバーの数をプリセット正例のメンバーの数とすることができる。本実施例の詳細な説明については、ステップS220の例を参照し、ここでは再度説明しない。
【0086】
正例確率決定モジュール340は、プリセット正例である第1参照グループのメンバーのうち、実際に正例として分類されるメンバーの数と、第1参照グループにおいてプリセット正例であるメンバーの数との比率に基づいて、被救助者の正例確率を取得するように構成される。
【0087】
ほんの一例として、「ヘルプ」エンティティ属性クラスタには、4つのエンティティ属性ペアが含まれ(含まれるエンティティ属性ペアの実際の数は4よりはるかに多い場合があるが、説明の便宜上簡略化されている)、第2参照グループの正例確率に基づいて並べ替えた後、これら4つのエンティティ属性ペア及び各エンティティ属性ペアと対応する第2参照グループの正例確率はそれぞれ「こんにちは-気を失いました」(P=0.165)、「こんにちは-死にそうだ」(P=0.035)、「こんにちは-すぐに来てください」(P=0.019)及び「こんにちは-救急車」(P=0.011)である。現在の救助発信者の回答「こんにちは-父は死にそうだ」によれば、エンティティ属性ペア「こんにちは-死にそうだ」に対応する第2参照グループの正例確率(0.035)をカットオフポイントとして使用すると、「こんにちは-気を失いました」(対応する第2参照グループの正例確率は0.165で、カットオフポイントより大きい)および「こんにちは-死にそうだ」(対応する第2参照グループの正例確率は0.035で、カットオフポイントに等しい)エンティティ属性ペアに対応する第2参照グループのメンバーをプリセット正例として使用でき、合計10万例あり、この10万例のメンバーのうち、医師によってOHCAと確認された症例は4,000例あり、被救助者の正例確率は0.04である。
【0088】
被救助者の正例確率は、被救助者が正例であるかどうかを判断するようにオペレーターをガイドするように構成される。複数の実施例において、オペレーターは救急医療派遣センターの指令員であり、正例は、現場での心肺蘇生が必要な被救助者である。
【0089】
複数の実施例において、オペレーターは救急医療派遣センターの指令員であり、正例は、指令員によって励まされ、救助発信者またはその場にいた他の人によってCPRが開始された患者である。
【0090】
複数の実施例において、オペレーターは救急医療派遣センターの指令員であり、正例は、現場での心肺蘇生後のROSC被救助者である。
【0091】
複数の実施例において、オペレーターが救助発信者に質問するようにガイドするシステムは、正例確率傾向散布図取得モジュール及び線形回帰方程式の傾き取得モジュールも含む。
【0092】
正例確率傾向散布図取得モジュールは、オペレータと救助発信者との間の複数回の対話において得られた被救助者の複数の正例確率に基づいて正例確率傾向散布図を取得するように構成される。
【0093】
線形回帰方程式の傾き取得モジュールは、線形回帰方程式を使用して正例確率傾向散布図をフィッティングし、線形回帰方程式を解いて前記線形回帰方程式の傾きを取得するように構成される。
【0094】
正例確率傾向散布図と線形回帰方程式の傾きは、被救助者が正例である確率の傾向を表すためのものである。具体的な実施中に、複数の正例確率のうちの任意の正例確率に対応する対話の回数を横座標、前記任意の正例確率を縦座標として、正例確率傾向散布図上の座標を取得することができる。
【0095】
図6は、複数回の対話で得られた被救助者の複数の正例確率に基づいて描かれた正例確率傾向散布図を示し、ここで、a、b、c、dは、異なる救助発信者とオペレーターの間の複数回の対話から得られた正例確率傾向散布図である。図6の4つの傾きは、それぞれ0.045、0.0351、0.1047、0.1291であるため、これに基づいて、患者dが結果になる可能性が最も高くなると判断される。
【0096】
図7は、複数回の対話で得られた被救助者の複数の正例確率に基づいて描かれた別の正例確率傾向散布図を示し、ここで、a、b、c、dは、異なる救助発信者とオペレーターの間の複数回の対話から得られた正例確率傾向散布図である。図7におけるaは、結果の予測確率がわずか3回の反復後に急速に0.9に増加し、救難患者が実際の分類結果に属する可能性が高いことを示している。図7におけるbは、結果の予測確率が最初に増加し、その後減少し、その後再び増加するが、全体的な傾向が依然として実際の分類結果に向かう傾向があることを示している。図7におけるcは、最初の数回の反復では陽性ラベルを「捕捉」できなかったが、最後の反復で結果の予測確率が急速に増加したことを示している。図7におけるdは、実際の分類結果に属する可能性が低いことを示している。図7の4つの傾きは、それぞれ0.297、0.138、0.121、0.068であるため、これに基づいて、患者aが結果になる可能性が依然として最も高いと判断される。
【0097】
正例確率傾向散布図では、各被救助者が独立しており、各エンティティ属性クラスタに対する質問と回答も独立しているため、異なるx(横座標)でのランダム変数P(正例確率)の分散が等しいと仮定され、式(2)および式(3)によると、専門知識を組み合わせて、一般にxが増加するにつれてy(y=P、0≦P≦1)も増加し、したがって、線形回帰方程式(y=a+bx)の傾き(b)を結果判定の基礎として使用でき、bが大きいほど、将来被救助者の正例確率が高くなる。具体的な実施中に、最小二乗法を使用して線形回帰方程式を解き、方程式の傾きを求めることができ、計算式は次のとおりである。
【0098】
複数の実施例において、他の回帰モデルを使用して散布図をフィッティングすることもできるが、本明細書の式に限定されるものではない。例えば、散布図は、逆関数、冪関数、対数関数、合成関数、成長関数、指数関数などの関数を使用してフィッティングすることができる。
【0099】
複数の実施例において、正例確率傾向散布図および線形回帰方程式の傾きは、(例えば、端末120の画面経由で表示)オペレーターに表示され、被救助者が正例であるかどうかを決定するようオペレーターをガイドすることができる。
【0100】
複数の実施例において、オペレーターが救助発信者に質問するようにガイドするシステムは、率比取得モジュール及び率差取得モジュールを更に含む。
【0101】
率比取得モジュールは、現在の被救助者の正例確率と前回の対話に取得された前記被救助者の正例確率との比率により率比を取得するように構成される。率比の計算式は
【0102】
ほんの一例として、P1は0.04、P2は0.1である場合、式(6)に基づいてRRは2.5と計算できる。
【0103】
率比(RR)は、実際の分類の予測に対してこの回の対話で選択されたカットオフポイントの価値(寄与度)を表すことができ、RR>1の場合、この回の対話で選択されたカットオフポイントは実際の分類に対する識別価値を持ち、RR≦1の場合、この回の対話で選択されたカットオフポイントは実際の分類に対する識別価値を持ちない。
【0104】
率差取得モジュールは、現在の被救助者の正例確率と前回の対話に取得された被救助者の正例確率との間の差により率差を取得するように構成される。率差の計算式は以下のとおりである。
RD=P-Pc-1 式(7)
【0105】
ほんの一例として、Pは0.04、Pは0.1である場合、式(7)に基づいてRRは0.06と計算できる。
【0106】
率差(RD)は、実際の分類の予測に対してこの回の対話で選択されたカットオフポイントの価値を表すことができる。RD>0の場合、この回の対話で選択されたカットオフポイントは実際の分類に対する識別価値を持ち、RR≦0の場合、この回の対話で選択されたカットオフポイントは実際の分類に対する識別価値を持ちない。
【0107】
複数の実施例において、率差および率比をオペレーターに表示することにより、オペレーターが現在の被救助者の正例確率による現在の被救助者が正例であるか否かを決定することへの価値を判断するためにガイドすることができる。
【0108】
RR>1の場合、該ラベルには実際の分類のための識別価値があり、RR≦1の場合、該ラベルには実際の分類のための識別価値がない。RD>0の場合、該ラベルには実際の分類のための識別価値があり、RD≦0の場合、該ラベルには実際の分類のための識別価値がない。
【0109】
本出願の又の実施例は、調査者が被調査者に質問するようにガイドするシステムを提供し、前記システムは、第1参照グループ取得モジュール、分類テストモジュール、受信者動作特性曲線取得モジュール、候補質問セマンティクス取得モジュール及びターゲット質問セマンティクス取得モジュールを含む。
【0110】
第1参照グループ取得モジュールは、初期参照グループから複数の未処理の第1参照グループを選択するように構成される。
【0111】
前記第1参照グループは、エンティティ属性クラスタに基づいて前記初期参照グループにおける複数の履歴被調査者を分類することによって取得され、前記エンティティ属性クラスタは、同じ核心質問に対応する複数のエンティティ属性ペアで構成され、前記エンティティ属性ペアには、エンティティと属性が含まれ、前記エンティティは、履歴調査電話における調査者の質問のセマンティクスを表し、前記属性は、前記質問に対する被調査者の回答のセマンティクスを表す。
【0112】
初期参照グループ、第1参照グループ、および第2参照グループの詳細な説明については、図2を参照し、ここでは再度説明しない。
【0113】
前記分類テストモジュールは、前記複数の第1参照グループのうちの任意の第1参照グループに含まれる任意の第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして使用して、前記任意の第1参照グループに対して分類テストを実行して、前記任意の第2参照グループに対応する分類感度及び分類特異度を取得するように構成される。
【0114】
前記カットオフポイントは、前記第1参照グループの正例ラベルを決定するためのものであり、前記第2参照グループは、エンティティ属性に基づいて前記第1参照グループを分類することによって取得される。第2参照グループとカットオフポイントの詳細な説明については、図2を参照して、ここではさらに説明しない。
【0115】
前記受信者動作特性曲線取得モジュールは、前記任意の第1参照グループ内の複数の第2参照グループに対応する分類感度及び分類特異度に基づいて、前記任意の第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線を取得するように構成される。
【0116】
前記候補質問セマンティクス取得モジュールは、前記複数の第1参照グループ内の各第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線に基づいて、前記複数の第1参照グループからターゲット第1参照グループを決定し、前記ターゲット第1参照グループに対応するエンティティ属性クラスタ内の各エンティティ属性ペアのエンティティを候補質問セマンティクスとするように構成される。
【0117】
前記ターゲット質問セマンティクス取得モジュールは、前記ターゲット第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線における前記複数の第2参照グループのうちの任意の第2参照グループに対応する座標点から完璧な分類座標点までの距離に基づいて、前記候補質問セマンティクスからターゲット質問セマンティクスを決定するように構成され、ここで、前記完璧な分類座標点は、前記受信者動作特性曲線における横座標が0、縦座標が1である座標点であり、前記ターゲット質問セマンティクスは、前記調査員が次の質問を行うようにガイドするように構成される。
【0118】
調査者が被調査者に質問するようにガイドするシステムの上記実施例において、各モジュールの具体的な処理およびそれによる技術的効果は、図2の対応する実施例における関連する説明を参照することができ、説明は省略する。
【0119】
本出願の別の実施例は、被調査者が正例であるかどうかを決定するよう調査者をガイドするシステムを提供し、前記システムは、エンティティ属性クラスタ及びエンティティ属性ペア決定モジュール、第1参照グループ及び第2参照グループ決定モジュール、プリセット正例のメンバー数取得モジュール及び正例確率決定モジュールを含む。
【0120】
前記エンティティ属性クラスタ及びエンティティ属性ペア決定モジュールは、前記調査者と被調査者の間の任意の対話における前記調査者の質問とその質問に対する被調査者の回答に基づいて、被調査者に現在対応するエンティティ属性クラスタと前記被調査者に現在対応するエンティティ属性ペアを決定するように構成される。
【0121】
前記エンティティ属性クラスタは、同じ核心質問に対応する複数のエンティティ属性ペアで構成され、前記エンティティ属性ペアには、エンティティと属性が含まれ、前記エンティティは、履歴調査電話における調査者の質問のセマンティクスを表し、前記属性は、前記質問に対する被調査者の回答のセマンティクスを表す。
【0122】
エンティティ属性クラスタとエンティティ属性ペアの詳細な説明については、図2の関連内容を参照して、ここではさらに説明しない。
【0123】
前記第1参照グループ及び第2参照グループ決定モジュールは、初期参照グループから前記エンティティ属性クラスタに対応する第1参照グループと前記エンティティ属性ペアに対応する第2参照グループを取得するように構成される。
【0124】
前記第1参照グループは、エンティティ属性クラスタに基づいて前記初期参照グループにおける複数の履歴被調査者を分類することによって取得され、前記第2参照グループは、エンティティ属性に基づいて前記第1参照グループを分類することによって取得される。
【0125】
第1参照グループと第2参照グループの詳細な説明については、図2の関連内容を参照して、ここではさらに説明しない。
【0126】
前記プリセット正例のメンバー数取得モジュールは、前記第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして、プリセット正例である前記第1参照グループのメンバーの数を取得するように構成される。
【0127】
前記カットオフポイントは、前記第1参照グループの正例ラベルを決定するためのである。カットオフポイントの詳細な説明については、図2の関連内容を参照して、ここではさらに説明しない。
【0128】
前記正例確率決定モジュールは、プリセット正例である前記第1参照グループのメンバーのうち、実際に正例として分類されるメンバーの数と、前記第1参照グループにおけるプリセット正例であるメンバーの数との比率に基づいて、前記被調査者の正例確率を取得するように構成される。
【0129】
前記正例確率は、前記被調査者が正例であるかどうかを決定するよう調査者をガイドするように構成される。正例確率及び正例の詳細については、図2の関連する内容を参照して、ここではさらに説明しない。
【0130】
調査者が被調査者が正例であるかどうかを決定するようガイドするシステムの上記の実施例における各モジュールの具体的な処理およびそれによる技術的効果については、図3の対応する実施例における関連説明を参照することができ、ここで省略する。
【0131】
上記調査者による被調査者への質問をガイドするシステムや、被調査者が正例であるかどうかを決定するよう調査者をガイドするシステムは、病気や健康実態流動調査(疫学調査の略称)の応用シナリオ、製品のアフターサービス調査の応用シナリオなど、さまざまな応用シナリオに適用できる。例えば、以下では、伝染病の調査タスクを例に挙げて説明する。
【0132】
流動調査は伝染病を制御する鍵であり、伝染病の流動調査から収集した情報は、伝染病を効果的に封じ込める上で重要な役割を果たすことができる。伝染病の流動調査の目的は、過去の一定期間における被調査者の移動軌跡、遭遇した人々、何が起こったかを明らかにし、感染経路を明らかにし、感染源を特定し、濃厚接触者を特定し、隔離措置を講じ、消毒の範囲を明確にするための基礎を提供することである。
【0133】
複数の実施例において、調査者が使用する端末は、調査者の質問と被調査者の回答を取得し、その質問と回答をサーバーに送信して処理することができる(或いは調査者が使用する端末によって処理する)。複数の実施例において、調査者が使用する端末は、さまざまな方法(たとえば、音声プロンプト、テキストプロンプトなど)を通じて、サーバーから受信したターゲット質問セマンティクス、被調査者の正例確率、率比、率差、正例確率傾向散布図を調査者に見せられる。調査者が被調査者の流動調査状況(例えば、被調査者が濃厚接触者であるかどうか、被調査者が隔離措置をとる必要のある人物であるか否かなど)を決定するのに役立つ。
【0134】
伝染病の流動調査タスクのシナリオにおいて、被調査者が伝染病の蔓延を防ぐために特定の措置を講じる必要がある特定のタイプの人々のグループであるかどうかを調査者が決定しようとする場合、このタイプのグループに属する被調査者は正例であり、このタイプのグループに属しない被調査者は反例である。例えば、調査者(流動調査員)が対話により被調査者が濃厚接触者であるかどうかを判断する場合、正例は濃厚接触者に属する被調査者、反例は非濃厚接触者に属する被調査者となり得る。
【0135】
伝染病の流動調査タスクのシナリオにおいて、プリセット正例は、システムでは分類テストやその他の計算を行うために、伝染病の蔓延を防ぐための特定の措置を講じる必要がある人々の特定のタイプに属していると仮定する人たちであり、プリセット反例は、システム(調査者が使用する端末またはサーバー)では分類テスト又は他の計算を行うために、伝染病の蔓延を防ぐための特定の措置を講じる必要がある特定のタイプに属さないと仮定する人たちである。例えば、調査者(流動調査員)が対話により被調査者が濃厚接触者であるかどうかを判断する場合、プリセット正例はシステムが仮定する濃厚接触者に属する被調査者であり、プリセット反例はシステムが仮定する非濃厚接触者に属する被調査者であってもよい。
【0136】
基本的な概念は上に説明されているが、上記の詳細な開示は単なる一例であり、本発明を限定するものではないことは当業者には明らかである。本明細書では明示的に述べていないが、当業者は、本出願に対してさまざまな変更、改良、および修正を行うことができる。このような変更、改良、および修正は本出願において提案されており、そのような変更、改良、および修正は依然として本出願の例示的な実施例の精神および範囲内に含まれる。
【0137】
同時に、本出願では、本出願の実施例を説明するために特定の単語を使用している。例えば、「1つの実施例」、「一実施例」、及び/又は「複数の実施例」は、本出願の少なくとも1つの実施例に関連する特定の特徴、構造、または特性を意味する。したがって、本出願において異なる箇所で複数回言及される「一実施例」または「1つの実施例」または「1つの代替実施例」は、必ずしも同じ実施例を指すわけではないことを強調し、留意する必要がある。また、本出願の1つ以上の実施例における特定の特徴、構造、または特性は、適切に組み合わせることができる。
【0138】
また、特許請求の範囲に明示的に記載されていない限り、本出願に記載の処理要素およびシーケンスの順序、数字および文字の使用、または他の名称の使用は、本出願のプロセスおよび方法の順序を限定するように構成されるものではない。上記開示は、現在有用であると考えられる本発明のいくつかの実施例を様々な例によって論じているが、そのような詳細は説明のみを目的としており、添付の特許請求の範囲は開示された実施例に限定されず、逆に、特許請求の範囲は、本出願の実施例の精神および範囲内にあるすべての修正および同等の組み合わせを網羅するものとすることを理解されたい。例えば、上で説明したシステムコンポーネントはハードウェアデバイスを通じて実装できるが、説明したシステムを既存のサーバーまたはモバイルデバイスにインストールするなど、ソフトウェアのみの解決手段を通じて実装することもできる。
【0139】
同様に、本出願で開示する説明を簡略化し、それによって本発明の1つ以上の実施例の理解を容易にするために、本出願の実施例の前述の説明では、複数の特徴が1つの実施例、図面、またはその説明に組み合わされる場合があることに留意されたい。しかしながら、この開示方法は、本出願の保護対象に必要な特徴は特許請求の範囲で言及されている特徴よりも多いことを意味するものではない。実際、実施例の特徴は上記の開示された単一の実施例の全ての特徴より少ない。
【0140】
いくつかの実施例では、構成要素および特性の量を説明するために数値が使用されるが、実施例を説明するように構成されるそのような数値は、いくつかの例では「約」、「およそ」、または「一般的に」という修飾語によって修飾されることを理解されたい。特に明記しない限り、「約」、「およそ」、または「一般的に」は、記載された数値が±20%の変動を許容されることを意味する。したがって、いくつかの実施例では、明細書および特許請求の範囲で使用される数値パラメータは、個々の実施例の所望の特徴に応じて変化し得る近似値である。複数の実施例において、数値パラメータでは、指定された有効桁数を考慮し、一般的な桁保存方法を採用する必要がある。本出願のいくつかの実施例において範囲の広さを確認するように構成される数値範囲およびパラメータは近似値であるが、特定の実施例においては、そのような数値は可能な限り正確に設定される。
【0141】
本出願で引用される各特許、特許出願、特許出願公開、および記事、書籍、説明書、刊行物、文書などの他の資料は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本出願の内容と一致せず、または矛盾する出願履歴文書は、本出願の特許請求の範囲の最も広い範囲を制限する文書(現在または後に本出願に添付される)と同様に除外される。本出願の添付資料における説明、定義、および/または用語の使用と、本出願に記載されている内容との間に一致せずまたは矛盾がある場合、本出願における説明、定義、および/または用語の使用法が適用される。
【0142】
最後に、本出願で説明される実施例は、本出願の実施例の原理を説明するためにのみ使用されることを理解されたい。本出願の範囲内で他の変形も可能である。したがって、限定ではなく例として、本出願の実施例の代替構成は、本出願の教示と一致するとみなされる。したがって、本出願の実施例は、本明細書で明示的に紹介および説明した実施例に限定されない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-12-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレーターが救助発信者に質問するようにガイドするシステムであって、前記システムは、第1参照グループ取得モジュール、分類テストモジュール、受信者動作特性曲線取得モジュール、候補質問セマンティクス取得モジュール及びターゲット質問セマンティクス取得モジュールを含み、
前記第1参照グループ取得モジュールは、初期参照グループから未処理の第1参照グループを複数選択するように構成され、前記第1参照グループは、エンティティ属性クラスタに基づいて前記初期参照グループにおける複数の履歴被救助者を分類することによって取得され、前記エンティティ属性クラスタは、同じ核心質問に対応する複数のエンティティ属性ペアで構成され、前記エンティティ属性ペアにはエンティティと属性が含まれ、前記エンティティは履歴救援電話におけるオペレーターの質問のセマンティクスを表し、前記属性は前記質問に対する救助発信者の回答のセマンティクスを表し、
前記分類テストモジュールは、前記複数の第1参照グループのうちの任意の第1参照グループに含まれる任意の第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして使用して、前記任意の第1参照グループに対して分類テストを実行して、前記任意の第2参照グループに対応する分類感度及び分類特異度を取得するように構成され、前記カットオフポイントは、前記第1参照グループの正例ラベルを決定するためのものであり、前記第2参照グループは、エンティティ属性に基づいて前記第1参照グループを分類することによって取得され、
前記受信者動作特性曲線取得モジュールは、前記任意の第1参照グループ内の複数の第2参照グループに対応する分類感度及び分類特異度に基づいて、前記任意の第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線を取得するように構成され、
前記候補質問セマンティクス取得モジュールは、前記複数の第1参照グループ内の第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線に基づいて、前記複数の第1参照グループからターゲット第1参照グループを決定し、前記ターゲット第1参照グループに対応するエンティティ属性クラスタ内の各エンティティ属性ペアのエンティティを候補質問セマンティクスとするように構成され、
前記ターゲット質問セマンティクス取得モジュールは、前記ターゲット第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線における前記複数の第2参照グループのうちの任意の第2参照グループに対応する座標点から完璧な分類座標点までの距離に基づいて、前記候補質問セマンティクスからターゲット質問セマンティクスを決定するように構成され、ここで、前記完璧な分類座標点は、前記受信者動作特性曲線における横座標が0、縦座標が1である座標点であり、前記ターゲット質問セマンティクスは、前記オペレーターが次の質問を行うようにガイドするように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記複数の第1参照グループのうちの任意の第1参照グループに含まれる任意の第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして、前記任意の第1参照グループに対して分類テストを実行して、前記任意の第2参照グループに対応する分類感度と分類特異度を取得することは、
前記第1参照グループにおける正例確率が前記カットオフポイント以上である第2参照グループのメンバーをプリセット正例として、前記第1参照グループにおける正例確率が前記カットオフポイントより小さい第2参照グループのメンバーをプリセット反例とすることと、
実際に正例として分類される前記プリセット正例のメンバーの数と、実際に正例として分類される前記第1参照グループのメンバーの数に応じて前記分類感度を取得することと、
実際に反例として分類される前記プリセット反例のメンバーの数と、実際に反例として分類される前記第1参照グループのメンバーの数に応じて前記分類特異度を取得することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記任意の第1参照グループ内の複数の第2参照グループに対応する分類感度及び分類特異度に基づいて、前記任意の第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線を取得することは、
前記複数の第2参照グループのうちの任意の第2参照グループの分類感度を縦座標として、前記任意の第2参照グループの分類特異度と1との差の絶対値を横座標として、前記任意の第2参照グループに対応する座標点を取得することと、
前記第1参照グループ内の各第2参照グループに対応する座標点を接続して、前記任意の第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線を取得することと、を含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の第1参照グループ内の各第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線に基づいて、前記複数の第1参照グループからターゲット第1参照グループを決定することは、
前記複数の第1参照グループ内の各第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線の曲線下面積を計算することと、
前記の曲線下面積のうちの最大曲線下面積に対応する前記第1参照グループを、ターゲット第1参照グループとして使用することと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ターゲット第1参照グループに対応する受信者動作特性曲線における前記複数の第2参照グループのうちの任意の第2参照グループに対応する座標点から完璧な分類座標点までの距離に基づいて、前記候補質問セマンティクスからターゲット質問セマンティクスを決定することは、
前記複数の第2参照グループのうちの各第2参照グループに対応する座標点から完璧な分類座標点までの複数の距離を計算することと、
前記複数の距離のうちの最短距離に対応する第2参照グループを前記ターゲット第2参照グループとして、前記ターゲット第2参照グループに対応するエンティティ属性ペアのエンティティを前記ターゲット質問セマンティクスとすることと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記救助発信者の言う情報から被救助者の個人的特徴情報を抽出し、前記個人的特徴情報に基づいて初期参照グループを決定することにより、前記初期参照グループを取得することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
被救助者が正例であるかどうかを決定するようオペレーターをガイドするシステムであって、前記システムは、エンティティ属性クラスタ及びエンティティ属性ペア決定モジュール、第1参照グループ及び第2参照グループ決定モジュール、プリセット正例のメンバー数取得モジュール及び正例確率決定モジュールを含み、
前記エンティティ属性クラスタ及びエンティティ属性ペア決定モジュールは、前記オペレーターと救助発信者の間の任意の対話における前記オペレーターの質問とその質問に対する救助発信者の回答に基づいて、被救助者に現在対応するエンティティ属性クラスタと、前記被救助者に現在対応するエンティティ属性ペアを決定するように構成され、ここで、前記エンティティ属性クラスタは、同じ核心質問に対応する複数のエンティティ属性ペアで構成され、前記エンティティ属性ペアには、エンティティと属性が含まれ、前記エンティティは、履歴救援電話におけるオペレーターの質問のセマンティクスを表し、前記属性は、前記質問に対する救助発信者の回答のセマンティクスを表し、
前記第1参照グループ及び第2参照グループ決定モジュールは、初期参照グループから前記エンティティ属性クラスタに対応する第1参照グループと前記エンティティ属性ペアに対応する第2参照グループを取得するように構成され、ここで、前記第1参照グループは、エンティティ属性クラスタに基づいて前記初期参照グループにおける複数の履歴被救助者を分類することによって取得され、前記第2参照グループは、エンティティ属性に基づいて前記第1参照グループを分類することによって取得され、
前記プリセット正例のメンバー数取得モジュールは、前記第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして、プリセット正例である前記第1参照グループのメンバーの数を取得するように構成され、ここで、前記カットオフポイントは、前記第1参照グループの正例ラベルを決定するためのものであり、
前記正例確率決定モジュールは、プリセット正例である前記第1参照グループのメンバーのうち、実際に正例として分類されるメンバーの数と、前記第1参照グループにおいてプリセット正例であるメンバーの数との比率に基づいて、前記被救助者の正例確率を取得するように構成され、前記正例確率は、前記被救助者が正例であるかどうかを決定するようオペレーターをガイドするように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項8】
前記システムは、正例確率傾向散布図取得モジュール及び線形回帰方程式の傾き取得モジュールを更に含み、
前記正例確率傾向散布図取得モジュールは、前記オペレータと前記救助発信者との間の複数回の対話において得られた前記被救助者の複数の正例確率に基づいて正例確率傾向散布図を取得するように構成され、
前記線形回帰方程式の傾き取得モジュールは、線形回帰方程式を使用して前記正例確率傾向散布図をフィッティングし、前記線形回帰方程式を解いて前記線形回帰方程式の傾きを取得するように構成され、
ここで、前記正例確率傾向散布図と前記線形回帰方程式の傾きは、前記被救助者が正例である確率の傾向を表すためのものであることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記オペレータと前記救助発信者との間の複数回の対話において得られた前記被救助者の複数の正例確率に基づいて正例確率傾向散布図を取得することは、
前記複数の正例確率のうちの任意の正例確率に対応する対話の回数を横座標、前記任意の正例確率を縦座標として、前記正例確率傾向散布図上の座標を取得することを含むことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記被救助者に現在対応するエンティティ属性クラスタ、及び前記被救助者に現在対応するエンティティ属性ペアを決定することは、
前記オペレーターの質問を取得し、前記質問から質問セマンティクス情報を抽出することと、
前記質問に対する前記救助発信者の回答を取得し、前記回答から回答セマンティクス情報を抽出することと、
前記質問で説明されている核心質問を決定し、前記核心質問に基づいて前記エンティティ属性クラスタを取得することと、
前記質問セマンティクス情報と前記回答セマンティクス情報に基づいて前記エンティティ属性ペアを決定することと、を含むことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2参照グループの正例確率をカットオフポイントとして、プリセット正例である前記第1参照グループのメンバーの数を取得することは、
前記第1参照グループにおける正例確率が前記カットオフポイント以上である第2参照グループのメンバーの数をプリセット正例のメンバーの数とすることを含むことを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムはさらに、率比取得モジュール及び率差取得モジュールを含み、
前記率比取得モジュールは、現在の前記被救助者の正例確率と前回の対話に取得された前記被救助者の正例確率との比率により率比を取得するように構成され、
前記率差取得モジュールは、現在の前記被救助者の正例確率と前回の対話に取得された前記被救助者の正例確率との差に応じて率差を取得するように構成され、
前記率差及び前記率比は、現在の前記被救助者の正例確率による現在の前記被救助者が正例であるか否かを決定することへの価値を判断するよう前記オペレーターをガイドするように構成されることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】
図1】本出願のいくつかの実施例による、オペレーターが救助発信者に質問するようにガイドするシステムと、オペレーターが被救助者が正例であるかどうかを決定するようにガイドするシステムの適用シナリオの概略図である。
図2】本出願のいくつかの実施例による、オペレーターが救助発信者に質問するようガイドするシステムの例示的な概略図である。
図3】本出願のいくつかの実施例による、被救助者が正例であるかどうかを決定するためにオペレーターをガイドするためのシステムの例示的な概略図である。
図4】本出願のいくつかの実施例による、エンティティ属性クラスタ、エンティティ属性ペア、第1参照グループ、および第2参照グループの例示的な概略図である。
図5】本出願のいくつかの実施例に示した受信者動作特性曲線の例示な概略図である。
図6A-D】本出願のいくつかの実施例に示した正例確率傾向散布図の例示な概略図である。
図7A-D】本出願のいくつかの実施例に示した別の正例確率傾向散布図の例示な概略図である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0095】
図6A~図6Dは、複数回の対話で得られた被救助者の複数の正例確率に基づいて描かれた正例確率傾向散布図を示し、ここで、図6A図6Dは、異なる救助発信者とオペレーターの間の複数回の対話から得られた正例確率傾向散布図である。図6A~図6Dの4つの傾きは、それぞれ0.045、0.0351、0.1047、0.1291であるため、これに基づいて、図6Dの患者が結果になる可能性が最も高くなると判断される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0096】
図7A~図7Dは、複数回の対話で得られた被救助者の複数の正例確率に基づいて描かれた別の正例確率傾向散布図を示し、ここで、図7A図7Dは、異なる救助発信者とオペレーターの間の複数回の対話から得られた正例確率傾向散布図である。図7Aは、結果の予測確率がわずか3回の反復後に急速に0.9に増加し、救難患者が実際の分類結果に属する可能性が高いことを示している。図7Bは、結果の予測確率が最初に増加し、その後減少し、その後再び増加するが、全体的な傾向が依然として実際の分類結果に向かう傾向があることを示している。図7Cは、最初の数回の反復では陽性ラベルを「捕捉」できなかったが、最後の反復で結果の予測確率が急速に増加したことを示している。図7Dは、実際の分類結果に属する可能性が低いことを示している。図7A~図7Dの4つの傾きは、それぞれ0.297、0.138、0.121、0.068であるため、これに基づいて、図7Aの患者が結果になる可能性が依然として最も高いと判断される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
【国際調査報告】