(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-15
(54)【発明の名称】非代替性トークンを用いたデータプロビジョニングフレームワーク
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20250708BHJP
【FI】
G06Q50/18 310
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024574819
(86)(22)【出願日】2023-06-06
(85)【翻訳文提出日】2024-12-19
(86)【国際出願番号】 IB2023055810
(87)【国際公開番号】W WO2023248034
(87)【国際公開日】2023-12-28
(32)【優先日】2022-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2023-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】十亀 隆
(72)【発明者】
【氏名】村尾 貞佳
(72)【発明者】
【氏名】ピンギリ シュリニヴァーサ
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC16
(57)【要約】
非代替性トークン(NFT)を用いたデータプロビジョニングのためのシステム及び方法を開示する。システムは、データ所有者に関連するデータセットを記憶し、データユーザのアカウントから、台帳上のデータセットを表すNFTの購入要求を受け取る。システムは、購入要求がNFTの販売に関連する条件を満たしているかどうかに基づいて、NFTの所有権情報をデータユーザを含むように更新する。システムは、データセットへのアクセス要求を受け取り、所有権情報と、アクセス要求がデータセットのアクセスルール及びデータセットの使用に関連する条件を満たしているかどうかとに基づいて要求を妥当性確認する。システムは、妥当性確認に基づいて分析システムにデータセットのコピーを提供し、コピーの消費パターンを決定する。システムは、消費パターンに基づいて分析システム上のコピーへのアクセスを制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ所有者に関連するデータセットを記憶する記憶装置を含むシステムにおいて、
データユーザのアカウントから、分散型台帳上のデータセットを表す非代替性トークン(NFT)の購入要求を受け取ることと、
前記購入要求が前記NFTの販売に関連する条件を満たしているかどうかに基づいて、前記分散型台帳上の前記NFTの所有権情報を前記データユーザを含むように更新することと、
前記データセットへのアクセス要求を受け取ることと、
前記所有権情報と、前記アクセス要求が前記データセットのアクセスルール及び前記データセットの使用に関連する条件の少なくとも一方を満たしているかどうかとに基づいて、前記アクセス要求を妥当性確認することと、
前記妥当性確認に基づいて、前記記憶装置から前記データユーザに関連する分析システムに前記データセットのコピーを提供することと、
前記提供されたコピーの消費パターンを前記分析システム上で決定することと、
前記消費パターンに基づいて、前記分析システム上の前記データセットのコピーへのアクセスを制御することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記データ所有者が複数のモビリティサービスプロバイダを介して行った過去の一連の旅行に関連するモビリティサービスデータを受け取ることと、
前記データ所有者と前記システムに関連するデータオペレータとの間でマスターサービス契約を実行することと、
前記実行に基づいて、前記モビリティサービスデータから前記データセットを抽出することと、
をさらに含み、前記データセットは、前記抽出後に前記記憶装置に記憶される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データセットがNFTの作成条件を満たしているかどうかに基づいて、前記分散型台帳上に前記NFTを作成することと、
前記作成されたNFTを前記分散型台帳に関連するNFTマーケットプレイス上にリストすることと、
をさらに含み、
前記NFTのリストは、前記データ所有者に関連する所有権情報、及び前記NFTによって表される前記データセットのプレビューを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記データセットは、前記NFTの作成後に暗号化形態又は匿名化形態で前記記憶装置に記憶される、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記システムは、メッセージブローカと、一連の発行者ノードと、一連の分散型台帳ノードと、前記メッセージブローカを介して前記一連の発行者ノードと通信する一連の加入者ノードとを含むモビリティアズアサービス(MaaS)ネットワークをさらに含み、
前記一連の発行者ノードは、前記分散型台帳に通信可能に結合される、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記NFTの販売に関連する条件、前記データセットのアクセスルール、又は前記データセットの使用に関連する条件は、前記分散型台帳上の第1のスマートコントラクト、又は前記MaaSネットワークの台帳ノード上の第2のスマートコントラクトに記述される、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記アクセス要求は、前記分散型台帳上の前記第1のスマートコントラクト、又は前記MaaSネットワークの前記台帳ノード上の前記第2のスマートコントラクトを実行することによって妥当性確認される、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記データセットのアクセスルールは、前記データセットに対する有効分析のリスト、前記分析システム上で前記データセットにアクセス可能な又は前記データセットをダウンロード可能な期間、前記分析システムを通じて前記データセットに作用できる参加者の数、又は前記分析システムを介して前記データセットをダウンロード可能な又は前記データセットにアクセス可能な場所、のうちの1つ又は2つ以上を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記NFTの販売に関連する条件は、前記データユーザが許可される前記データセットのダウンロード回数、前記データユーザが前記データセットをダウンロードする期間に対する制限、前記NFTによって表される前記データセットの未加工バージョンへのアクセスに対する制限、前記データユーザの場所に基づく前記データセットへのアクセス制限、前記データユーザによる前記データセットの転売に対する制限、前記NFTによって表される前記データセットの集約データのアクセスに対する制限、許容される前記データセットのコピー回数に対する制限、前記データユーザによる前記NFTの購入目的に対する制限、又は前記データユーザによる前記データセットの匿名化バージョンへのアクセスに対する制限、のうちの1つ又は2つ以上を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記データセットの使用に関連する条件は、前記データユーザが前記NFTの購入時にサービス契約を受諾したかどうかに基づいて前記データセットへのアクセスを提供する条件、前記データユーザのステータスに基づく前記データセットの使用に対する制限、前記分析システムへの前記データセットのストリーミング許容を含み、前記データユーザのステータスは、ホワイトリストステータス又はブラックリストステータスである、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記アクセス要求の妥当性確認に基づいて前記データユーザのアカウントとの間で秘密鍵を共有することであって、前記データセットのコピーが暗号化コピーである、ことと、
前記秘密鍵に基づいて前記データセットの前記暗号化コピーを復号して非暗号化形態のデータセットを取得することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記消費パターンに基づいて、前記NFTの販売に関連する条件、前記データセットのアクセスルール、又は前記データセットの使用に関連する条件に対する違反を判定することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記違反の判定に基づいてフィードバックを生成することと、
前記データユーザに関連するユーザ装置を前記フィードバックをレンダリングするように制御することと、
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記違反は、機械学習(ML)モデルを使用して判定される、
請求項12に記載の方法。
【請求項15】
データ所有者に関連するデータセットを記憶するように構成された記憶装置と、
回路と、
を備えたシステムであって、前記回路は、
データユーザのアカウントから、分散型台帳上のデータセットを表す非代替性トークン(NFT)の購入要求を受け取り、
前記購入要求が前記NFTの販売に関連する条件を満たしているかどうかに基づいて、前記分散型台帳上の前記NFTの所有権情報を前記データユーザを含むように更新し、
前記データセットへのアクセス要求を受け取り、
前記所有権情報と、前記アクセス要求が前記データセットのアクセスルール及び前記データセットの使用に関連する条件の少なくとも一方を満たしているかどうかとに基づいて、前記アクセス要求を妥当性確認し、
前記妥当性確認に基づいて、前記記憶装置から前記データユーザに関連する分析システムに前記データセットのコピーを提供し、
前記提供されたコピーの消費パターンを前記分析システム上で決定し、
前記消費パターンに基づいて、前記分析システム上の前記データセットのコピーへのアクセスを制御する、
ように構成される、
ことを特徴とするシステム。
【請求項16】
前記回路は、
前記データ所有者が複数のモビリティサービスプロバイダを介して行った過去の一連の旅行に関連するモビリティサービスデータを受け取り、
前記データ所有者と前記システムに関連するデータオペレータとの間でマスターサービス契約を実行し、
前記実行に基づいて、前記モビリティサービスデータから前記データセットを抽出する、
ようにさらに構成され、前記データセットは、前記抽出後に前記記憶装置に記憶される、
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記回路は、
前記データセットがNFTの作成条件を満たしているかどうかに基づいて、前記分散型台帳上に前記NFTを作成し、
前記作成されたNFTを前記分散型台帳に関連するNFTマーケットプレイス上にリストする、
ようにさらに構成され、
前記NFTのリストは、前記データ所有者に関連する所有権情報、及び前記NFTによって表される前記データセットのプレビューを含む、
請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記データセットは、前記NFTの作成後に暗号化形態又は匿名化形態で前記記憶装置に記憶される、
請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
メッセージブローカと、一連の発行者ノードと、一連の分散型台帳ノードと、前記メッセージブローカを介して前記一連の発行者ノードと通信する一連の加入者ノードとを含むモビリティアズアサービス(MaaS)ネットワークをさらに備え、
前記一連の発行者ノードは、前記分散型台帳に通信可能に結合される、
請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
コンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、システムによって実行された時に、
データユーザのアカウントから、分散型台帳上のデータセットを表す非代替性トークン(NFT)の購入要求を受け取ることと、
前記購入要求が前記NFTの販売に関連する条件を満たしているかどうかに基づいて、前記分散型台帳上の前記NFTの所有権情報を前記データユーザを含むように更新することと、
前記データセットへのアクセス要求を受け取ることと、
前記所有権情報と、前記アクセス要求が前記データセットのアクセスルール及び前記データセットの使用に関連する条件の少なくとも一方を満たしているかどうかとに基づいて、前記アクセス要求を妥当性確認することと、
前記妥当性確認に基づいて、前記記憶装置から前記データユーザに関連する分析システムに前記データセットのコピーを提供することと、
前記提供されたコピーの消費パターンを前記分析システム上で決定することと、
前記消費パターンに基づいて、前記分析システム上の前記データセットのコピーへのアクセスを制御することと、
を含む動作を前記システムに実行させる、ことを特徴とする非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照/引用による組み入れ〕
本出願は、2022年6月22日に出願された米国仮特許出願シリアル番号第63/366,781号の優先権を主張する、2023年3月22日に米国特許商標庁に出願された米国特許出願第18/188,172号の優先権の利益を主張するものであり、この文献はその内容全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
本開示の様々な実施形態は、非代替性トークン(non-fungible tokens)に関する。具体的には、本開示の様々な実施形態は、非代替性トークンを用いたデータプロビジョニングフレームワークのための電子装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
情報技術の進歩は、異なるサービスプロバイダが協働して単一のソフトウェアアプリケーションを介してユーザにサービスを提供することを可能にするツールの発展をもたらしてきた。例えば、複数のモビリティサービスプロバイダがモビリティアズアサービスネットワークに登録し、MaaSアプリケーションを介してマルチモーダル輸送サービスをユーザに提供することができる。ソフトウェアアプリケーションは、これらのサービスに基づいて、各ユーザに関する大量のデータを一定期間にわたって蓄積することができる。これらのデータは、ある地理的地域のフリートオペレーション(fleet operations)、又はモビリティサービスプロバイダによって提供されるサービスの需要推定などの用途に役立つことができる。データ所有者は、データの有意性又はサイズに応じて一定の取引条件(terms and conditions)下でデータを販売し、又はユーザと共有したいと望むことがある。クライアント-サーバモデルに従う従来のITシステムでは、営利目的でデータを悪用、改竄又は転売するという悪意を持ってデータを購入する顧客を識別することが困難な場合がある。このようなデータの悪用、或いはいずれかの改竄又は転売の試みを従来のITシステムが防ぐことはさらに困難となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当業者には、説明したシステムと、本出願の残り部分において図面を参照しながら示す本開示のいくつかの態様とを比較することにより、従来の慣習的な手法の限界及び不利点が明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実質的に少なくとも1つの図に関連して図示及び/又は説明し、特許請求の範囲にさらに完全に示すような、非代替性トークンを用いたデータプロビジョニングフレームワークのためのシステム及び方法を提供する。
【0006】
全体を通じて同じ要素を同じ参照符号によって示す添付図面を参照しながら本開示の以下の詳細な説明を検討することにより、本開示のこれらの及びその他の特徴及び利点を理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の実施形態による、非代替性トークンを用いたデータプロビジョニングのための例示的なシステムを示すブロック図である。
【
図2】本開示の実施形態による、
図1の例示的なモビリティアズアサービス(MaaS)輸送ネットワークを示すブロック図である。
【
図3A】本開示の実施形態による、非代替性トークンを用いたデータプロビジョニングのための例示的な一連の動作を
図3Bと共に示す図である。
【
図3B】本開示の実施形態による、非代替性トークンを用いたデータプロビジョニングのための例示的な一連の動作を
図3Aと共に示す図である。
【
図4A】本開示の実施形態による、非代替性トークンを用いたデータプロビジョニングのための例示的なシナリオを
図4Bと共に示す図である。
【
図4B】本開示の実施形態による、非代替性トークンを用いたデータプロビジョニングのための例示的なシナリオを
図4Aと共に示す図である。
【
図5】本開示の実施形態による例示的なデータ収集システムを示すブロック図である。
【
図6】本開示の実施形態による、非代替性トークンを用いたデータプロビジョニングのための例示的な方法の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
非代替性トークンを用いたデータプロビジョニングのためのシステム及び方法では、後述する実施形態を見出すことができる。システムは、データセットの作成又は定義(オリジナルデータ)、販売、データセットの所有権、及び分析目的でのデータセットの消費などの、デジタルサプライチェーンプロセスのエンドツーエンドプロセスをカバーする。本開示の例示的な態様は、非代替性トークンを用いたデータプロビジョニングのための動作を実行できるシステムを提供することができる。システムは、データ所有者に関連するデータセットを記憶装置に記憶することができる。システムは、いずれかの時点でデータユーザの1又は2以上のアカウントから非代替性トークン(NFT)の購入要求を受け取る。NFTは、分散型台帳(distributed ledger)上のデータセットを表すことができる。システムは、購入要求がNFTの販売に関連する条件を満たしているかどうかに基づいて、分散型台帳上のNFTの所有権情報をデータユーザを含むように更新することができる。その後、システムは、データセットへのアクセス要求を受け取る。アクセス要求は、所有権情報と、データセットのアクセスルール及びデータセットの使用に関連する条件の少なくとも一方をアクセス要求が満たしているかどうかとに基づいて妥当性確認される。システムは、妥当性確認に基づいて、記憶装置からデータユーザに関連する分析システムにデータセットのコピーを提供することができる。システムは、コピーが提供された後に、分析システム上の提供されたコピーの消費パターンを決定し、消費パターンに基づいて分析システム上のデータセットのコピーへのアクセスを制御することができる。
【0009】
異なるモビリティプロバイダを接続するアプリケーションは、大量のデータセットを生成することができる。データ所有者は、このようなデータセットを所有することができる。例えば、1又は2以上の公共又は民間交通手段を使用してMaaSを提供するアプリケーションのユーザは、MaaSトリップのデータセットのデータ所有者であることができる。例えば、データセットは、1回使用チケット、登録ベースのチケット及び季節チケットなどの、輸送チケットのタイプの使用に関する情報を含むことができる。データセットに価値がある場合、データ所有者は、そのデータセットを信頼できる相手と共有し、又は信頼できる相手に販売したいと望むことがある。従来のITシステムでは、営利目的で不当にデータセットを使用し、データセットを改竄し、又はデータセットを転売するつもりでデータセットを購入する顧客を検出することが困難な場合がある。従来のITシステムでは、このような悪用、或いはデータセットを改竄又は転売しようとする試みを阻止することははるかに困難な場合があった。従って、このようなデータセットに対するセキュアな不正防止対策されたアクセスを保証するデータプロビジョニングフレームワークへのニーズが存在する。
【0010】
本開示は、これらの問題に対処してニーズを満たすために、非代替性トークンを用いたデータプロビジョニングを提供するシステムを導入する。開示するシステムは、分散型台帳を活用してデータセットの所有権及びアクセス許可を保護することができる。このようなデータセットが分散型台帳上に作成されると、オープンな技術を使用してデータセットの暗号化バージョンを共有し、データセットの違法コピーを防ぐことができる。例えば、開示するシステムは、データセットがNFTの作成条件を満たしているかどうかに基づいて公開分散型台帳(public distributed ledger)上にNFTを作成することができる。作成されたNFTは、公開分散型台帳に関連するNFTマーケットプレイス上にリストすることができる。システムは、データユーザのアカウントからNFTの購入要求を受け取ることができる。例えば、購入要求は、NFTマーケットプレイス上のリストされたNFTの選択に基づいて受け取ることができる。システムは、購入要求がNFTの販売に関連する条件を満たしているかどうかを判定することができる。その後、データユーザはNFTの購入代金を支払うことができる。NFTが購入されると、システムは分散型台帳上のNFTの所有権情報をデータユーザを含むように更新することができる。
【0011】
システムは、ユーザ装置を介したデータセットへのアクセス要求を受け取り、所有権情報に基づくとともに、アクセス要求がデータセットのアクセスルール及びデータセットの使用に関連する条件の少なくとも一方を満たしているかどうかにさらに基づいて、アクセス要求を妥当性確認することができる。システムは、妥当性確認に基づいて記憶装置から分析システムにデータセットのコピーを提供し、データセットの消費パターンを決定することができる。この消費パターンに基づいて、分析システム上のデータセットのコピーへのアクセスを制御することができる。従って、システムは、データセットのNFTの所有権を有する限られた参加者に、旅行データなどのデータセットをセキュアに共有するデータプロビジョニングフレームワークを提供する。システムは、データセットの使用に関する権利をさらに保護し、データセットの違法コピーを防ぐことができる。
【0012】
図1は、本開示の実施形態による、非代替性トークンを用いたデータプロビジョニングのための例示的なシステムを示すブロック図である。
図1にはシステム100の図を示す。システム100は、データ収集システム102、所有者装置104、ミドルウェアシステム106、分散型台帳108、非代替性トークン(NFT)マーケットプレイス110、モビリティアズアサービス(MaaS)ネットワーク112、ユーザ装置114、分析システム116、サーバ118、データベース120、及び通信ネットワーク122を含むことができる。ミドルウェアシステム106は、記憶装置124を含むことができる。MaaSネットワーク112は、機械学習(ML)モデル126を含むことができる。分散型台帳108は、NFTマーケットプレイス110で購入されるNFTを記憶するために使用することができる。一例として、NFTマーケットプレイス110はデータセットのためのNFT128をリストすることができる。データ収集システム102、所有者装置104、ミドルウェアシステム106、分散型台帳108、MaaSネットワーク112、ユーザ装置114、分析システム116及びサーバ118は、通信ネットワーク122を介して互いに通信可能に結合することができる。
図1には、所有者装置104に関連し得るデータ所有者130と、ユーザ装置114に関連し得るデータユーザ132とをさらに示す。データ所有者130は、データセットの最初の所有者であることができる。
【0013】
システム100は、様々なデータ所有者に関連するデータセットのためのセキュアなデータプロビジョニング機構を提供するように構成できる好適なロジック、回路及びインターフェイスを含むことができる。システム100は、(データ所有者130などの)データ所有者がデータセットを提出して分散型台帳108上での(NFT128などの)NFTの作成を要求することを可能にすることができる。作成後には、このようなNFTをNFTマーケットプレイス110上にリストすることができ、(データユーザ132などの)データユーザは(NFT128などの)NFTを購入して、このようなNFTによって表されるそれぞれのデータセットにアクセスすることができる。システム100は、好適な暗号化技術(例えば、公開鍵及び秘密鍵を使用してデータセットを暗号化する非対称暗号化技術)を使用することによるデータセットのセキュアな記憶を可能にすることもできる。システム100の例としては、以下に限定するわけではないが、モノのインターネット(IoT)装置のネットワーク、一群のメインフレームマシン、複数の共有リソースを有する集中サーバ又はデータセンター、コンピュータワークステーションのネットワーク、エッジデバイスのネットワーク、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。
【0014】
データ収集システム102は、データ所有者130からデータセットを受け取り、データセット(すなわち、データ所有者130によって提出されたデータ)がNFT128の作成条件を満たしているかどうかに基づいて分散型台帳108上にNFT128を作成するように構成できる好適なロジック、回路及びインターフェイスを含むことができる。データ収集システム102は、データユーザ132のアカウントからNFT128の購入要求を受け取ることができる。アカウントは、例えば分散型台帳108、又は分散型台帳108以外の分散型台帳上のデータユーザ132のウォレットアカウントであることができる。ある例では、アカウントが、分散型台帳108にリンクできる分散型アプリケーション(DApp)に関連することができる。DAppは、NFTの検索、リスト及び購入のための機能を含むことができる。DAppへのアクセスは、DAppに関連するアカウント及び分散識別子(decentralized identifier)などに基づいて認証することができる。データ収集システム102は、購入要求がNFT128の販売に関連する条件を満たしているかどうかに基づいて、分散型台帳108上のNFT128の所有権情報をデータユーザ132を含むように更新することができる。データ収集システム102の例としては、以下に限定するわけではないが、モノのインターネット(IoT)装置のネットワーク、一群のメインフレームマシン、集中サーバ、複数の共有リソースを有するデータセンター、コンピュータワークステーションのネットワーク、又はエッジデバイスのネットワークを挙げることができる。
【0015】
所有者装置104は、データ所有者130をデータ収集システム102にオンボードする要求を送信するように構成できる好適なロジック、回路及びインターフェイスを含むことができる。所有者装置104は、データ所有者130に関連することができる。所有者装置104の例としては、以下に限定するわけではないが、コンピュータ装置、ハードウェアベースのアニーラ装置(annealer device)、スマートフォン、携帯電話機、ゲーム装置、メインフレームマシン、サーバ、コンピュータワークステーション、及び/又は消費者電子(CE)装置を挙げることができる。
【0016】
ミドルウェアシステム106は、記憶装置124とデータ収集システム102上で動作するアプリケーションとの間のブリッジとして機能できるソフトウェアアプリケーションを含むことができる。ミドルウェアシステム106は、記憶装置124に記憶されたデータの管理及び配布を担うことができる。
【0017】
分散型台帳108は、データオペレーション又はトランザクションの不変記録(immutable record)を保持する非集中的な分散型データベースシステムであることができる。一連のデータオペレーションは、ブロックとしてグループ化できるとともに、以前のデータオペレーションブロックにさらにリンクして複数のブロックのチェーンを形成することができる。全てのデータオペレーションブロックは、全ての参加者又はノードが複数のブロックを全て記憶する分散方式で記憶することができる。さらに、分散型台帳108は、複数の当事者間での一連のスマートコントラクトの展開を可能にすることができるオペレーティングシステムを含むことができる。
【0018】
分散型台帳108は、アカウントを状態オブジェクト(state objects)として使用できるブロックのチェーンを維持することができ、このチェーンによって各アカウントの状態を追跡することができる。アカウントは、ユーザ、マイニングノード(mining nodes)又は自動化エージェントのアイデンティティを表すことができる。全てのデータオペレーションブロック又はスマートコントラクトは、ブロックのチェーン上のアカウントに関連することができる。限定ではなく一例として、分散型台帳108は、アカウントを状態オブジェクトとして使用し、各アカウントの状態をブロックチェーンによって追跡できる、ブロックチェーン台帳(Blockchain ledger)であることができる。本開示の範囲は、特定のタイプの台帳としての分散型台帳108の実装に限定しないことができる。本開示では、本開示の範囲から逸脱することなく分散型台帳108の他の実装も可能であることができる。
【0019】
NFTマーケットプレイス110は、NFTを販売用としてリストするために使用できるデジタルマーケットプレイスなどのアプリケーションであることができる。例えば、NFT128は、NFTマーケットプレイス110上にリストすることができる。NFTマーケットプレイス110は、ウェブクライアントを介してアクセス可能なフロントエンドインターフェイスと、分散型台帳108にリンクできるバックエンドインターフェイスとを含むことができる。例えば、フロントエンドインターフェイスは、ウェブアプリケーション、ウェブサイト又はモバイルアプリケーションのユーザインターフェイス(UI)であることができる。データ収集システム102は、NFTマーケットプレイス110を介したNFT128の選択に関連するユーザ入力に基づいてNFTの購入要求を受け取ることができる。
【0020】
MaaSネットワーク112は、ユーザが異なる輸送プロバイダのサービスを伴う旅行を計画できるようにするアプリケーションであることができる。MaaSネットワーク112は、メッセージブローカ、一連の発行者ノード(set of publisher nodes)、一連の分散型台帳ノード、及びメッセージブローカを介して一連の発行者ノードと通信する一連の加入者ノード(set of subscriber nodes)を含むことができる。一連の発行者ノードは、分散型台帳108に通信可能に結合することができる。MaaSネットワーク112は、複数の同種又は異種モビリティプロバイダ、並びに改札機(ticketing gates)、アプリケーション及び/又は販売時点情報管理(PoS)装置などのそのインフラストラクチャがMaaSネットワーク112上で動作して様々なモビリティサービスを提供するのを容易にすることができる。各モビリティプロバイダは、セキュアなデータ所有権を享受し、一連の分散型台帳ノードのうちの少なくとも1つのノードを通じて関連するトランザクションデータを共同使用することができる。これによって様々なモビリティプロバイダ間の接続性を強化することができる。MaaSネットワーク112に関する詳細については、例えば
図2にさらに示す。
【0021】
ユーザ装置114は、分散型台帳108上のデータセットを表すNFT128の購入要求をユーザ入力に基づいて提供するように構成できる好適なロジック、回路及びインターフェイスを含むことができる。さらに、ユーザ装置114は、データ収集システム102にデータセットへのアクセス要求を提供することができる。ユーザ装置114は、データユーザ132に関連することができる。ユーザ装置114の例としては、以下に限定するわけではないが、コンピュータ装置、ハードウェアベースのアニーラ装置、デジタルアニーラ装置、量子ベースの又は量子触発型の(quantum-inspired)アニーラ装置、スマートフォン、セルラー電話機、携帯電話機、ゲーム装置、メインフレームマシン、サーバ、コンピュータワークステーション、及び/又は消費者電子(CE)装置を挙げることができる。
【0022】
分析システム116は、データユーザ132からのアクセス要求の認証時に記憶装置124からデータセットのコピーを受け取るように構成できる好適なロジック、回路及びインターフェイスを含むことができる。分析システム116は、受け取ったデータセットのコピーを処理して分析するソフトウェアツールを含むことができる。いくつかの実施形態では、分析システム116の機能をデータユーザ132に関連するユーザ装置114に少なくとも部分的に又は全体的に組み込むことができる。分析システム116の例としては、以下に限定するわけではないが、コンピュータ装置、スマートフォン、携帯電話機、ゲーム装置、メインフレームマシン、サーバ、コンピュータワークステーション、及び/又は消費者電子(CE)装置を挙げることができる。
【0023】
サーバ118は、消費パターンに基づいて分析システム116上のデータセットのコピーへのアクセスを制御するように構成できる好適なロジック、回路、インターフェイス及び/又はコードを含むことができる。サーバ118はクラウドサーバとして実装することができ、ウェブアプリケーション、クラウドアプリケーション、HTTPリクエスト、リポジトリ操作及びファイル転送などを介して動作を実行することができる。サーバ118の他の実装例としては、以下に限定するわけではないが、データベースサーバ、ファイルサーバ、ウェブサーバ、メディアサーバ、アプリケーションサーバ、メインフレームサーバ、又はクラウドコンピューティングサーバを挙げることができる。
【0024】
少なくとも1つの実施形態では、当業者に周知の複数の技術を使用することにより、サーバ118を複数の分散型クラウドベースのリソースとして実装することができる。当業者であれば、本開示の範囲は、2つの独立エンティティとしてのサーバ118及びデータ収集システム102の実装に限定しないこともできると理解するであろう。いくつかの実施形態では、本開示の範囲から逸脱することなく、サーバ118の機能を全体的に又は少なくとも部分的にデータ収集システム102に組み込むこともできる。いくつかの実施形態では、サーバ118がデータベース120をホストすることができる。或いは、サーバ118は、データベース120から分離して、データベース120を記憶する装置に通信可能に結合することもできる。
【0025】
データベース120は、データセットのコピーを記憶するように構成することができる。データベース120は、サーバ(例えば、サーバ118)又はデータ収集システム102などの装置上に記憶又はキャッシュすることができる。いくつかの実施形態では、データベース120を、同じ又は異なる場所に記憶された複数のサーバ上にホストすることができる。データベース120の動作は、プロセッサ、(例えば、1又は2以上の動作を実行し又は実行を制御する)マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含むハードウェアを使用して実行することができる。
【0026】
通信ネットワーク122は、データ収集システム102、所有者装置104、ミドルウェアシステム106、分散型台帳108、NFTマーケットプレイス110、MaaSネットワーク112、ユーザ装置114、分析システム116及びサーバ118が互いに通信できるようにする通信媒体を含むことができる。通信ネットワーク122は、有線接続又は無線接続のいずれかであることができる。通信ネットワーク122の例としては、以下に限定するわけではないが、インターネット、クラウドネットワーク、(ロングタームエボリューション及び第5世代(5G)新無線(NR)などの)セルラー又はワイヤレスモバイルネットワーク、ワイヤレスフィデリティ(Wi-Fi)ネットワーク、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、又はメトロポリタンエリアネットワーク(MAN)を挙げることができる。システム100内の様々な装置は、様々な有線及び無線通信プロトコルに従って通信ネットワーク122に接続するように構成することができる。このような有線及び無線通信プロトコルの例としては、以下に限定するわけではないが、伝送制御プロトコル及びインターネットプロトコル(TCP/IP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)、ファイル転送プロトコル(FTP)、ZigBee、EDGE、IEEE802.11、ライトフィデリティ(Li-Fi)、802.16、IEEE802.11s、IEEE802.11g、マルチホップ通信、無線アクセスポイント(AP)、装置間通信、セルラー通信プロトコル及びBluetooth(BT)通信プロトコルのうちの少なくとも1つを挙げることができる。
【0027】
記憶装置124は、データセットを記憶するように構成できる好適なロジック、インターフェイス及び/又はコードを含むことができる。記憶装置124は、サーバ(例えば、サーバ118)又はデータ収集システム102などの装置に含め又は統合することができる。記憶装置124の動作は、プロセッサ、(例えば、1又は2以上の動作を実行し又は実行を制御する)マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含むハードウェアを使用して実行することができる。他のいくつかの事例では、ソフトウェアを使用してデータベース120を実装することができる。
【0028】
MLモデル126は、訓練データセット内の特徴などの入力と出力ラベルとの間の関係を識別するように訓練できる分類器モデルであることができる。MLモデル126は、例えば重みの数、コスト関数、入力サイズ及び層の数などのハイパーパラメータによって定めることができる。MLモデル126のパラメータは、MLモデル126のコスト関数の大域的最小値に向かうように調整して重みを更新することができる。MLモデル126は、訓練データセット内の特徴情報についての複数エポックの訓練後に、一連の入力の分類結果を出力するように訓練することができる。分類結果は、一連の入力の各入力(例えば、新たな/見えざるインスタンスから抽出された入力特徴)のクラスラベルを示すことができる。例えば、消費パターンに基づいて、NFTの販売に関連する条件、データセットのアクセスルール、又はデータセットの使用に関連する条件に対する違反が検出された場合、MLモデル126は、データユーザ132をブラックリストラベルと共に分類することができる。
【0029】
MLモデル126は、例えばデータ収集システム102上で実行可能なアプリケーションのソフトウェアコンポーネントとして実装できる電子データを含むことができる。MLモデル126は、処理装置による実行のために、ライブラリ、外部スクリプト又はその他のロジック/命令に依拠することができる。MLモデル126は、NFT128の販売に関連する条件に対する違反が存在するかどうかについての判定などの1又は2以上の動作をMaaSネットワーク112などのコンピュータシステムが実行することを可能にするコンピュータ実行可能コード及びルーチンに依拠することができる。これに加えて又は代えて、MLモデル126は、プロセッサ、(例えば、1又は2以上の動作を実行し又は実行を制御する)マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含むハードウェアを使用して実装することもできる。或いは、いくつかの実施形態では、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせを使用してMLモデル126を実装することもできる。
【0030】
NFTは、一意のアイテム又はオブジェクトの所有権又は真正性証明を表す一種のデジタル資産として説明することができる。例えば、NFT128は、データ所有者130に関連するデータセットの所有権又は真正性証明を表すことができる。通常、NFTは、(分散型台帳108などの)分散型台帳上に記憶することができて代替不能であり、すなわちNFTは一意的なものであって固有値を有する。一般に、NFTは、分散型台帳上でコピー、置換、又は細分化することができない。このことは、一様な価値との代替が可能とみなすことができる従来の暗号通貨とは対照的である。
【0031】
データ収集システム102は、動作時に、データ所有者130に関連するデータセットを記憶装置124に記憶するようにミドルウェアシステム106を制御することができる。ある実施形態では、記憶装置124にデータセットの未加工バージョンを記憶することができる。別の実施形態では、データセットを暗号化し、暗号化されたデータセットを記憶装置124に記憶することができる。データセットの記憶に関する詳細については、例えば
図3Aに示す。
【0032】
NFTマーケットプレイス110は、いずれかの時点でデータユーザ132のアカウントからNFT128の購入要求を受け取ることができる。このアカウントは、ウォレット、又は分散型台帳108にリンクできるDAppに関連するアカウントであることができる。NFT128は、分散型台帳108上のデータセットを表すことができる。NFTマーケットプレイス110は、NFT128を購入用としてリストできるデジタルマーケットプレイスであることができる。NFTマーケットプレイス110は、データユーザ132によって提供されるユーザ入力に基づいて購入要求を受け取ることができる。例えば、ユーザ入力は、NFT128に関連するユーザインターフェイス(UI)要素とのユーザの相互作用に基づいて受け取ることができる。購入要求に関する詳細については、例えば
図3Aに示す。
【0033】
購入要求が受け取られると、データ収集システム102は、購入要求がNFT128の販売に関連する条件を満たしているかどうかに基づいて、分散型台帳108上のNFT128の所有権情報をデータユーザ132を含むように更新することができる。例えば、データ収集システム102は、購入要求において指定された詳細がNFT128の販売に関連する条件を満たしているかどうかを検証することができる。購入要求がNFT128の販売に関連する条件を満たしている場合には、NFT128の所有権情報をデータユーザ132を含むように更新することができる。NFT128の販売に関連する条件に関する詳細については、例えば
図3Bに示す。
【0034】
ミドルウェアシステム106は、分析システム116からデータセットへのアクセス要求を受け取ることができる。NFT128を購入するだけでは、データユーザ132に関連する分析システム116がデータセットにアクセスできないことがある。分析システム116は、ユーザ入力に基づいてアクセス要求を生成することができる。データ収集システム102は、所有権情報と、アクセス要求がデータセットのためのアクセスルール及びデータセットの使用に関連する条件の少なくとも一方を満たしているかどうかとに基づいてアクセス要求を妥当性確認するようにミドルウェアシステム106を制御することができる。例えば、アクセス要求が受け取られると、所有権情報を検証して、アクセス要求の発信元であるアカウントが、NFT128の購入に使用されたデータユーザ132のアカウントと同じであるかどうかを判定することができる。所有権情報が妥当性確認されると、アクセス要求で指定された情報を検証して、アクセス要求がデータセットのアクセスルール及びデータセットの使用に関連する条件を満たしているかどうかを判定することができる。データセットのアクセスルール又はデータセットの使用に関連する条件に違反がある場合には、アクセス要求を拒絶することができる。アクセス要求の妥当性確認に関する詳細については、例えば
図3Bに示す。
【0035】
データ収集システム102は、ミドルウェアシステム106を、妥当性確認に基づいて記憶装置124からデータユーザ132に関連する分析システム116にデータセットのコピーを提供するように制御することができる。例えば、アクセス要求が妥当性確認されると、ミドルウェアシステム106は、分析システム116にデータセットのコピーをストリーミングすることができる。例えば、データセットのコピーは、暗号化形態及び/又は匿名化形態でストリーミングすることができる。ミドルウェアシステム106は、データセットのコピーを個別に復号するための(単複の)秘密鍵をデータユーザ132のウォレットアカウントと共有することができる。データセットのコピーの提供に関する詳細については、例えば
図3Bに示す。
【0036】
データ収集システム102は、データセットのコピーが提供された後に、提供されたコピーの消費パターンを分析システム116上で決定することができる。データ収集システム102は、消費パターンに基づいて、分析システム116上のデータセットのコピーへのアクセスを制御することができる。例えば、データ収集システム102は、消費パターンを分析して、NFT128の販売に関連する条件、データセットのアクセスルール、又はデータセットの使用に関連する条件に対する違反があるかどうかを判定することができる。違反が検出された場合、データ収集システム102はデータセットのコピーへのアクセスを防ぐことができる。消費パターン及びデータセットのコピーへのアクセス制御に関する詳細については、例えば
図3Bに示す。
【0037】
開示するシステム100は、データ所有者130、システム100の所有者、及びデータユーザ132に利点をもたらすことができる。システム100は、データ所有者130により高い利益幅をもたらすことができる。さらに、開示するシステム100は、データ所有者130が自身に関連する出版事業を拡大し、自身に関連する出版事業の一次市場及び二次市場を強化するのを支援することができる。また、システム100は、所有するデータセットを販売したいと望む新規参入者及び市場リーダーに新たな機会を提供することもできる。データ所有者130は、データセットに関連するNFT128をオークションにかけることにより、データ所有者130が所有するデータセットを販売することもできる。開示するシステム100は、アナリティクスアズアサービス(analytics as a service)などの二次市場を管理して、ユーザのデータをデータスプーフィング(data spoofing)及び偽造から防ぐことができる。データユーザ132は、データ所有者130と直接やりとりするオプションを有することができる。さらに、データユーザ132は、分散型台帳108及びMaaSネットワーク112の関与によってデータセットが本物であることを保証することができる。
【0038】
データの使用は、一次使用及び二次使用に大別することができる。一次使用は、モビリティプロバイダ及びモビリティサービスプロバイダなどのMaaS関連プレーヤ間の収益分配のための取引決済であることができる。二次使用は、政府、関連機関、位置情報サービス(LBS)プレーヤなどのサービスプロバイダ及びマーケティング会社などによる分析などのためのデータセットの再使用を含むことができる。データ分析プレーヤがデータを処理し、フレームワークを使用して新たなNFTとして転売する他の使用も存在することができる。例えば、このような分析からのデータは、分析プレーヤが同じデータプロビジョニングフレームワークを使用して転売するための新たなNFTの作成に適した新たなデータセットを表すことができる。使用パターンは、価格を上げることによって所有者にさらなる利益をもたらすオプションなどのさらなる変更の対象にできる人気の高いデータセットを示すことができる。
【0039】
図2は、本開示の実施形態による、
図1のMaaSネットワークを示すブロック図である。
図2の説明は、
図1の要素に関連して行う。
図2にはMaaSネットワーク112を示す。MaaSネットワーク112は、パブリッシュ-サブスクライブパターンに関連することができる。MaaSネットワーク112は、一連の発行者ノード202A、202B、...202N、メッセージブローカ204、及び一連の加入者ノード206A、206B...206Nを含むことができる。MaaSネットワーク112は、第1の分散型台帳208の複数のモビリティプロバイダ(MP)ノード208A、208B、...208N、及び第2の分散型台帳210の複数のMaaSノード210A、210B...210Nをさらに含むことができる。さらに、MaaSネットワーク112は、運転手ノード212A、ユーザノード212B、及びドキュメントノード212Cを含むことができる一連の分散型台帳ノード212を含むことができる。
【0040】
MaaSネットワーク112は、標準通信仕様をサポートすることができる。MaaSネットワーク112は、発行者ノード(例えば、チケットリーダ又は乗車予約アプリケーション)、加入者ノード、及び以下に限定するわけではないが、メッセージキューイングテレメトリトランスポート(MQTT)ベースのメッセージングプロトコル、アドバンストメッセージキューイングプロトコル(AMQP)ベースのメッセージングプロトコル、又はメッセージ指向ミドルウェア(MOM)ベースのメッセージングフレームワークなどのパブリッシュ-サブスクライブネットワークプロトコルに従って発行者ノードから加入者ノードにトランザクションメッセージを伝える少なくとも1つのメッセージブローカを含むことができる。少なくとも1つの実施形態では、MaaSネットワーク112が、MaaS輸送サービスの発券トランザクション、メディア使用又は消費統計、或いはコンテンツ所有者、輸送プロバイダ、又はMaaSネットワーク112のオペレータなどの様々な利害関係者間の支払い決済などの様々なモビリティサービスに関連するトランザクションを記録する台帳ノードを含むことができる分散型台帳を含むことができる。
【0041】
MaaSネットワーク112に関連する全ての輸送サービスプロバイダの一連の発行者ノード202A、202B、...202Nは、標準的な又は共通の通信プロトコルに従ってデータ交換を行うことができる。MaaSネットワーク112は、MaaS標準通信仕様に従うことができる同種発行者ノードを含むことができる。ある実施形態では、MaaSネットワーク112が、専用通信プロトコルに従うことができる異種発行者ノードを含むこともできる。MaaSネットワーク112は、それぞれの輸送サービスプロバイダがMaaS標準通信仕様に従ってそのサポートを提供するまでこのような異種発行者ノードをサポートできるように、一連の発行者ノード202A、202B、...202Nにプラグインベースのサポートを提供することができる。
【0042】
MaaSネットワーク112は、異なる輸送プロバイダに関連する発行者ノードがMaaSネットワーク112に参加するのを可能にすることができる。MaaSネットワーク112は、ノード管理装置を通じて発行者ノードのバルククラスタ管理を提供することができる。全ての発行者ノードは、MaaSネットワーク112上での動作を可能にするセットプロトコル(set protocols)に従うことができる。セットプロトコルは、(発行者ノードの認証及び許可のための)共通セキュリティアーキテクチャ、ネットワークプロトコル(例えば、HTTP、MQTT及びAMQPなど)、統一データ要求又は応答フォーマット(例えば、JSON、CSV、XMLフォーマット)、及びAPI/データスキームを義務付けることができる。これによって各発行者ノードが(企業名、企業ID、ゲートID及びゲート番号などを含む装置プロファイルなどの)クラスタレベル構成及び装置レベル証明書(すなわち、認証クレデンシャル)に従うことを保証することができる。クラスタレベル構成及びセットプロトコルのパターンは、輸送プロバイダがプラグアンドプレイの手法で新たな発行者ノードの展開又は既存の発行者ノードの交換を行うことを容易にすることができる。これによってMaaSネットワーク1112が様々な輸送プロバイダの(発行者ノード装置などの)リソース間の相互運用性を有する同種輸送ネットワークとして機能することを容易にすることができる。
【0043】
一連の発行者ノード202A、202B...202Nの各々は、それぞれの輸送サービスプロバイダの輸送サービスのためのチケット処理クライアントとして動作するように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。例えば、一連の発行者ノード202A、202B...202Nの各々は、チケット処理クライアントとしてチケットの読み取り、発行、リチャージ又はキャンセルを行ってそれぞれの輸送サービスに関連するイベントを作成することができる。このようなイベントに基づいて、メッセージブローカ204を通じてMaaSネットワーク112の(一連の加入者ノード206A、206B...206Nなどの)1又は2以上の加入者ノードにトランザクションメッセージを伝えることができる。一連の発行者ノード202A、202B...202Nの例としては、以下に限定するわけではないが、旅行計画又は予約アプリケーションを有する消費者電子装置、改札機上のチケットリーダ、発券キオスク、販売時点情報管理(PoS)装置、モバイルPOS、チケット販売機、チケットを読み取って乗車を開始又は終了することができる輸送車両のスマートドアを挙げることができる。
【0044】
一連の加入者ノード206A、206B...206Nの各々は、一連の発行者ノード202A、202B...202Nのうちの1つ又は2つ以上からメッセージブローカ204を介してトランザクションメッセージを受け取るように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。各トランザクションメッセージは、一連の加入者ノード206A、206B、206Nのうちの1又は2以上の加入者ノードが購読できるトピックを含むことができる。加入者ノードの実装例としては、以下に限定するわけではないが、ウェブサーバ、エッジ装置、エッジノード、クラウドサーバ、クラウドベースサーバのクラスタノード、ワークステーション、或いはフォグコンピューティング能力を有するいずれかのコンピュータ装置を挙げることができる。
【0045】
一連の発行者ノード202A、202B...202Nのうちの第1の発行者ノード202A、及び一連の加入者ノード206A、206B...206Nのうちの第1の加入者ノード206Aは、第1の輸送プロバイダに関連することができる。第2の発行者ノード202B及び第2の加入者ノード206Bなどの他のノードは、第1の輸送プロバイダ、又は第1の輸送プロバイダとは異なることができる第2の輸送プロバイダに関連することができる。
【0046】
メッセージブローカ204は、(第1の発行者ノード202Aなどの)発行者ノードから(第1の加入者ノード206Aなどの)加入者ノードにトランザクションメッセージをルーティングするように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。メッセージブローカ204がこのようなトランザクションメッセージを加入者ノードにルーティングすることを許可する決定は、MaaSネットワーク112に関連する(
図1には示していない)サーバが行うことができる。メッセージブローカ204の例示的な実装としては、以下に限定するわけではないが、アプリケーションサーバ、クラウドサーバ、メインフレームサーバ、データベースサーバ、ウェブサーバ、又はその他のタイプのサーバを挙げることができる。
【0047】
メッセージブローカ204は、以下に限定するわけではないが、MQTTベースのメッセージングプロトコル、AMQPベースのメッセージングプロトコル、又はメッセージ指向ミドルウェア(MOM)ベースのメッセージングフレームワークなどの好適なパブリッシュ-サブスクライブネットワークプロトコルを通じて一連の発行者ノード202A、202B...202N及び一連の加入者ノード206A、206B...206Nの各々と通信するように構成することができる。
【0048】
複数のMPノード208A、208B...208Nは、それぞれのモビリティプロバイダに関連するトランザクションデータを記憶するように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。例えば、第1のMPノード208Aは、第1のモビリティプロバイダに関連するトランザクションデータを記憶することができる。トランザクションデータは、ユーザの旅行の記録を含むことができる。各旅行は、旅行の少なくとも1つの行程において第1の輸送プロバイダが提供できるMaaS輸送サービスに対応することができる。複数のMPノードの各々は、MaaSネットワーク112の様々なモビリティプロバイダのトランザクションデータを記憶できる第1の分散型台帳208のノードと呼ぶことができる。
【0049】
複数のMaaSノード210A、210B...210Nは、MaaSネットワーク112の全てのモビリティプロバイダに関連するトランザクションデータを記憶するように構成できる好適なロジック、回路、コード及び/又はインターフェイスを含むことができる。輸送サービスプロバイダの各々に関連するトランザクションデータの記憶は、ユーザに輸送サービスを提供する輸送サービスプロバイダ間で支払いを決済するために使用することができる。複数のMaaSノード210A、210B...210Nの各々は、MaaSネットワーク112に関連するトランザクションデータを記憶できる第2の分散型台帳210のノードに対応することができる。
【0050】
複数のMPノード208A~208Nの各々及び複数のMaaSノード210A、210B...210Nの各々は、一連の分散型台帳ノード212に関連することができる。例えば、第1のMPノード208A及び第1のMaaSノード210Aの各々は、運転手ノード212A、ユーザノード212B、及びドキュメントノード212Cに関連することができる。
【0051】
一連の加入者ノード206A、206B...206Nは、第1の分散型台帳208の対応するノードに関連することができる。例えば、第1の加入者ノード206Aは第1の分散型台帳208の第1のMPノード208Aに関連することができ、第2の加入者ノード206Bは第1の分散型台帳208の第2のMPノード208Bに関連することができ、他もまた同様である。
【0052】
ある実施形態では、第1の分散型台帳208及び第2の分散型台帳210の各々の少なくとも2つの台帳ノードが、MaaS輸送サービスに関連するトランザクションデータを記憶することができる。MaaS輸送サービスは、統合MaaSインターフェイス又は一連の発行者ノード202A、202B...202Nを通じてMaaS輸送サービスを利用できる複数の輸送プロバイダ及び/又はユーザ(例えば、乗客)のうちの1つ又は2つ以上に関連することができる。MaaS輸送サービスに関連するトランザクションデータは、初期状態オブジェクト及び初期状態オブジェクトの更新バージョンなどの一連の状態オブジェクトに含めることができる。各状態オブジェクトは、スマートコントラクト、コントラクトコード(又はトランザクションの当事者が同意するトランザクションルール)、及び(一連の発行者ノード202A、202B...202Nからのトランザクション要求に基づいてトランザクションデータが更新された時に更新できる)状態特性(state properties)を含むことができる。
【0053】
少なくとも1つの実施形態では、第1の分散型台帳208及び第2の分散型台帳210の各々が、不変のデータ動作記録又はトランザクション記録を維持できる非集中的な分散型データベースシステムであることができる。例えば、トランザクションは、(
図1で説明したような)NFTの消費パターン又はNFTマーケットプレイス110を介したNFTの販売に関する記録を含むことができる。一連のデータオペレーションはブロックとしてグループ化できるとともに、以前のデータオペレーションブロックにさらにリンクされて複数のブロックのチェーンを形成することができる。全てのデータオペレーションブロックは、第1の分散型台帳208及び第2の分散型台帳210の各々の少なくとも2つの参加者又はノードが、これらの参加者又はノードが参加できる1又は2以上のトランザクションに関連する複数のブロックのサブセットを記憶することができる、非集中方式で記憶することができる。さらに、第1の分散型台帳208及び第2の分散型台帳210の各々は、例えば第1の輸送プロバイダの(単複の)モビリティプロバイダノード及びカウンターパーティノード(すなわち、MaaSプロバイダノード)などの複数の当事者間におけるスマートコントラクトの展開を可能にすることができるオペレーティングシステム(例えば、Java Virtual Machine(JVM))を含むことができる。
【0054】
限定ではなく一例として、第1の分散型台帳208及び第2の分散型台帳210の各々は、ブロックチェーンベースのシステム(例えば、Cordaブロックチェーン、Ethereum(登録商標)ブロックチェーン、又はHyperledgerブロックチェーン)などの分散型台帳技術(DLT)システムであることができる。第1の分散型台帳208及び第2の分散型台帳210の各々は、第1の分散型台帳208及び第2の分散型台帳210が追跡できる一連の不変の状態オブジェクトをそれぞれ記憶することができる。状態オブジェクトは、異なるタイプの分散型台帳技術のための一連の分散型台帳対応ルールを含むことができる。例えば、状態オブジェクトは、当事者間のスマートコントラクト、コントラクトコード(トランザクションのルール)、及び一定の状態値を有する状態特性を含むコンテンツなどのトランザクションデータを含むことができる。スマートコントラクトは、スマートコントラクトの複数の当事者が互いに相互作用することに合意できる一連の条件を含むことができる。スマートコントラクトは、第1の分散型台帳208及び第2の分散型台帳210の各々の1又は2以上のノード上で実行され、トランザクションを生成するための状態オブジェクト間の遷移を管理することができる。スマートコントラクトは1回書くことができ、数多くの状態オブジェクトに再使用することができ、暗号ハッシュを通じて準拠法的散文(governing legal prose)を参照することができる。
【0055】
第1の分散型台帳208及び第2の分散型台帳210の各々は、セキュアな暗号ハッシュを使用して当事者及びデータを識別するとともに、状態オブジェクトを以前のバージョンの状態オブジェクトにリンクしてプロビナンスチェーン(chains of provenance)を提供することもできる。第1の分散型台帳208及び第2の分散型台帳210には、関連する一群の当事者のみが閲覧できるように一群の当事者間のトランザクションを記憶することができる。トランザクションに関連する当事者は、そのトランザクションの現在の状態オブジェクトをボールト(vault)(第1の分散型台帳208及び第2の分散型台帳210などのそれぞれの分散型台帳に関連するデータベース)に記憶することができる。トランザクションを閲覧又は処理する(例えば、トランザクションの妥当性を確認する)資格がある別の当事者は、ボールトからトランザクションの現在の状態オブジェクトを検索することができる。また、第1の分散型台帳208及び第2の分散型台帳210の各々の状態オブジェクトは、関連するトランザクションに参加できる当事者又はノード間のスマートコントラクトを含むことができる。
【0056】
第1の分散型台帳208及び第2の分散型台帳210の各々では、参加者又はノード(例えば、第1のMPノード208A)が入力状態オブジェクト(例えば、第1の状態オブジェクト)の状態特性を更新して出力状態オブジェクト(例えば、第2の状態オブジェクト)を生成することによってトランザクションを更新することができる。この結果、更新済みトランザクションは(トランザクションデータに関連することができる)プロビナンスチェーンを形成することができる。第1の分散型台帳208及び第2の分散型台帳210の各々は、更新済みトランザクションの妥当性の判定、及び更新済みトランザクションの一意性の判定に基づいて、更新済みトランザクションについて合意することができる。ある実施形態では、更新済みトランザクションに関連するノードの参加者が、トランザクションに関連するスマートコントラクト及び妥当性確認ロジックを個別に実行することによって更新済みトランザクションの妥当性を判定することができる。さらに、第1の分散型台帳208及び第2の分散型台帳210の各々に関連するコンセンサスノードは、現在のトランザクションと同じ入力状態オブジェクトを使用して合意に達したトランザクションが他に存在しないとのチェックに基づいて、更新済みトランザクションの一意性を判定することができる。
【0057】
図3A及び
図3Bは、本開示の実施形態による、非代替性トークンを用いたデータプロビジョニングのための例示的な一連の動作を集合的に示す。
図3A及び
図3Bの説明は、
図1及び
図2の要素に関連して行う。
図3A及び
図3Bには、302~328の例示的な動作を示す例示的なシーケンス
図300を示す。302~328の例示的な動作は、例えば
図1のシステム100のコンポーネントなどのいずれかのコンピュータシステムによって実行することができる。例示的なシーケンス
図300には、データ収集システム102、所有者装置104、ミドルウェアシステム106、NFTマーケットプレイス110、モビリティアズアサービス(MaaS)ネットワーク112、ユーザ装置114、分析システム116、及びMLモデル126をさらに示す。
【0058】
302において、オンボーディング要求を受け取ることができる。データ収集システム102は、データ所有者130が所有するデータセットをデータ収集システム102に提出する目的でデータ所有者130のオンボーディング要求を受け取ることができる。オンボーディング要求は、データ所有者130によって所有者装置104から提供されるユーザ入力を介して受け取ることができる。一例として、所有者装置104上には、データ収集アプリケーションのインターフェイスをレンダリングすることができる。データ収集アプリケーションのインターフェイスは、データ所有者130の名前、データ所有者130が所有しているデータのタイプ(例えば、旅行データ)、データ所有者130が所有しているデータの容量(例えば、100キロバイトのデータ)などの情報を受け取ることができる。受け取られた情報は、データ収集システム102に送信することができる。
【0059】
304において、モビリティサービスデータを受け取ることができる。ある実施形態では、データ収集システム102が、データ所有者130が複数のモビリティサービスプロバイダを介して行った一連の過去の旅行に関連するモビリティサービスデータを受け取ることができる。モビリティサービスプロバイダは、データ所有者130が1つの場所から別の場所に移動するためにサービスを使用したことがある輸送プロバイダであることができる。データ所有者130は、1回の旅行で複数のモビリティサービスプロバイダを使用することができる。例えば、データ所有者130などのデータ所有者は、旅行の第1の行程で配車(ride hailing)サービス(例えば、タクシーサービス)を使用し、旅行の第2の行程で列車サービスを使用し、旅行の第3の行程でフライトサービスを使用することができる。一連の過去の旅行は、過去にデータ所有者130が行った各旅行に関連する情報を含むことができる。例えば、旅行に関連する情報は、旅行日、旅行期間、旅行に関与したモビリティプロバイダの数、及び旅行の支払い手段などを含むことができる。一連の過去の旅行に関連するモビリティサービスデータは、一連の過去の旅行の各旅行に関連する情報を含むことができる。
【0060】
データ収集システム102は、データ所有者130とシステムに関連するデータオペレータ(システム100又はデータ収集システム102の動作を管理するエンティティなど)との間のマスターサービス契約(master service agreement)を実行することができる。マスターサービス契約は、データ所有者130がオンボーディングプロセスの一部として同意する必要がある法的取引条件を含むことができる。例えば、マスターサービス契約は、データ所有者130がデータ収集システム102との間でモビリティサービスデータを共有することに同意する旨を示すことができる。さらに、マスターサービス契約は、モビリティサービスデータがユーザのモビリティデータの非改竄バージョンであることを必要とすることができる。また、マスターサービス契約(MSA)は、データ所有者130がデータの唯一の所有者であることを保証する旨を示すこともできる。さらに、マスターサービス契約(MSA)は、オンボーディングプロセス中にデータ所有者130によって提供される情報が真正なものであることをデータ所有者130が保証する旨を示すこともできる。
【0061】
データ所有者130がマスターサービス契約に同意すると、データ収集システム102はモビリティサービスデータを処理し、マスターサービス契約の実行に基づいてモビリティサービスデータからデータセットを抽出することができる。データセットは、抽出後に記憶装置124に記憶することができる。なお、モビリティサービスデータは、データセットの未加工バージョンであることができる。従って、モビリティサービスデータは、データセットを抽出するために破棄できる冗長情報を含むことができる。
【0062】
データ収集システム102は、データセットのデータ構造(又はスキーマ)、及びデータセットの各属性のデータ型を定めることができる。一例として、NFT128を作成するのに最も価値が高いと考えられるデータセットを抽出するために決定木を使用することができる。モビリティサービスデータの所有権情報は、データセットから除去することができる。一例として、データ所有者130の性別、旅行期間、旅行中に周遊した場所のような様々な属性をチケットデータから収集し、これらを使用してデータセットの価値を決定することができる。ある実施形態では、データ収集システム102が、データセットを抽出するための論理的グルーピングを含むデータカタログを定めることができる。例えば、データ収集システム102は、モビリティプロバイダのタイプ、輸送手段及び地理的位置などに基づいて、モビリティサービスデータ内のデータポイントをグループ化することができる。一例として、モビリティサービスデータは、旅行の旅行識別子、旅行中にデータ所有者130が訪問できた一連の場所、旅行中にデータ所有者130が使用した一連のモビリティプロバイダ、及び旅行中にデータ所有者130が使用した支払い手段などを含むことができる。支払い手段又はその他の支払い関連情報は、データ収集システム102がモビリティサービスデータからデータセットを抽出している間にフィルタリングできる機密データであることができる。
【0063】
306において、データセットについてNFTを作成すべきかどうかを決定することができる。データ収集システム102は、NFT128の作成条件に基づいて、データセットについてNFT128を作成すべきかどうかを決定することができる。NFT128の作成は、データセットのサイズ、データセットのタイプ、データセットにおいて使用される属性のタイプ、及び(例えば、金銭的価値又は市場での需要面からの)データセットの価値などの要因に依存することができる。例えば、データセットのタイプは、真正タイプ又は改竄タイプであることができる。データセットが真正なものでない場合、データ収集システム102は、308においてNFT128を作成しないと決定することができる。シーケンス
図300は、308において中止することができる。一方で、データセットが真正なものである場合、データ収集システム102はNFT128を作成すると決定することができる。なお、データ収集システム102は、ERC-721及びERC-1155のような標準的トークン仕様を使用してNFT128を作成することができる。データセットは資産として分類することができ、分散型台帳108上のNFT128を介して表すことができる。分散型台帳108は、NFT128がデータ所有者130によって所有されていることを示す、データ所有者130に関連する所有権情報を含むこともできる。
【0064】
310において、NFTをNFTマーケットプレイス110上にリストすることができる。NFT128が作成されると、データ収集システム102は、作成されたNFT128を分散型台帳108に関連するNFTマーケットプレイス110上にリストすることができる。NFT128のリストは、データ所有者130に関連する所有権情報、並びにデータセット及びNFT128のプレビューを含むことができる。一例として、NFTマーケットプレイス110上にリストされる各NFTには、NFTマーケットプレイス110上にリストされたデータセットを購入者(例えば、データユーザ132)が理解するのに役立つように、(所有権情報及びプレビューなどの)関連するメタデータをタグ付けすることができる。これにより、購入者(例えば、データユーザ132)は、その要件に従ってデータセットを閲覧し、検索し、フィルタリングし、購入できるようになる。作成されたNFT128のリストに関する詳細については、例えば
図4Bにさらに示す。
【0065】
312において、ミドルウェアシステム106に関連する記憶装置124にデータセットを記憶することができる。データ収集システム102は、NFT128の作成後にデータセットを記憶装置124に記憶することができる。ある実施形態では、データセットが記憶装置124に記憶される前にデータセットを分類し、この分類に基づいて前処理することができる。例えば、データセットは、データセットが個人識別情報(PII)、財務情報及び人口統計的詳細などを含んでいるかどうかに基づいて一連のクラス(例えば、匿名化、安全、未加工など)のうちの1つに分類することができる。ある実施形態では、データセットが記憶装置124に記憶される前にデータセットを匿名化することができる。例えば、データセットの匿名化バージョンを取得するために、データセット内のPIIに関連する値を削除し、或いは数字又は英数字識別子に置き換えることができる。データセットの匿名化バージョンは、記憶装置124に記憶することができる。別の実施形態では、NFT128の作成後に、データセットを暗号化形態及び/又は匿名化形態で記憶装置124に記憶することができる。データセットの暗号化は、データセットが記憶装置124にセキュアに記憶されることを保証することができる。これにより、無許可の人物又は装置がデータセットにアクセスするのを防ぐことができる。
【0066】
314において、NFTマーケットプレイス110上で購入要求を受け取ることができる。購入要求が受け取られる前に、データユーザ132は、NFTマーケットプレイス110上のウェブサイトユーザとしてサインアップ又は登録することができる。NFTマーケットプレイス110は、データユーザ132に関連するユーザ識別(ID)及びパスワードに基づいてデータユーザ132を認証することができる。データユーザ132が認証されると、NFTマーケットプレイス110は、データユーザ132に関連するウォレットをユーザ識別にリンクさせるオプションをデータユーザ132に提供することができる。ミドルウェアシステム106は、管理ウォレット(administrative wallet)又は特権ウォレット(privilege wallet)を介した(第1のスマートコントラクト又は第2のスマートコントラクトなどの)スマートコントラクトを要求し、データユーザ132のパブリックアドレスをホワイトリストユーザとして記録することができる。その後、NFTマーケットプレイス110は、データユーザ132のアカウントからNFT128の購入要求を受け取ることができる。上述したように、NFT128はNFTマーケットプレイス110上にリストすることができる。一例として、データユーザ132は、NFTマーケットプレイス110上のNFT128に関連するユーザインターフェイス(UI)要素と相互作用してNFT128を選択することができる。NFT128の購入要求は、データユーザ132とUI要素との相互作用に基づいて受け取ることができる。
【0067】
ある実施形態では、所有者装置104に関連するデータ所有者130が、オンボーディング中にNFT資産を購入するための資格基準などの情報を含む検証可能なクレデンシャルを指定することができる。このようなデータユーザ132に関連するクレデンシャルは、ミドルウェアシステム106を介して検証して、リストされたNFT128をデータユーザ132が購入するのを許可すべきであるかどうかを決定することができる。
【0068】
購入要求がNFT128の販売に関連する条件を満たす場合、データ収集システム102は購入要求を受諾することができる。その後、NFT128の購入のための支払いとして、金銭、デジタル不換紙幣(digital fiat currency)、暗号通貨又はクーポンなどのデジタル資産をデータユーザ132の口座からデータ所有者130の口座に、又はデータ収集システム102に関連するデータオペレータの口座に移すことができる。
【0069】
ある実施形態では、NFT128の販売に関連する条件が、データユーザ132に許可されるデータセットのダウンロード回数、データユーザ132がデータセットをダウンロードする期間に対する制限、NFT128によって表されるデータセットの未加工バージョンへのアクセスに対する制限、データユーザ132の場所に基づくデータセットへのアクセス制限、データユーザ132によるデータセットの転売に対する制限、データセットの集約データへのアクセスに対する制限、許容されるデータセットのコピー回数に対する制限、NFT128の購入目的に対する制限、又はデータセットの匿名化バージョンへのアクセスに対する制限、のうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。データユーザ132に許可されるデータセットのダウンロード回数は、データユーザ132がデータセットをとめどなくダウンロードするのを防ぐことができる。例えば、許可されるデータセットのダウンロード回数は2回であることができる。データセットが2回ダウンロードされた後には、データユーザ132がデータセットをダウンロードするのを許可しないことができる。データセットをダウンロードする期間に対する制限は、分析システム116上でデータセットをダウンロードできる、又はデータセットにアクセスできる時間ウィンドウを提供することができる。例えば、データセットをダウンロードする期間は、データセットの購入日から2週間であることができる。データセットの購入日から2週間後には、データユーザ132がデータセットをダウンロードできないようにすることができる。表されるデータセットの未加工バージョンへのアクセスに対する制限は、データセットの未加工バージョンがデータユーザ132によってアクセスされるべきかどうかを示すことができる。例えば、未加工バージョンのデータセットへのアクセスに対する制限は、データユーザ132がデータセットの暗号化形態又は匿名化形態のみにアクセスできるようにすべきであることを義務付けることができる。データユーザ132の位置に基づくデータセットへのアクセス制限は、データセットにアクセスするためにデータユーザ132の位置が所定の地理的地域内に存在することを必要とすることができる。データユーザ132の位置が所定の地理的地域内に存在しない場合には、データユーザ132がデータセットにアクセスできないようにすることができる。データセットの転売に対する制限は、データセットの有効な所有者でないいずれかの人物にデータユーザ132がデータセットを転売するのを防ぐことができる。データセットの集約データへのアクセスに対する制限は、データ使用者132が集約データにアクセスできるようにすべきかどうかを指定することができる。集約データは、例えばデータセットの要約であることができる。許容されるデータセットのコピー回数に対する制限は、データユーザ132が販売を許可されるデータセットの最大コピー回数を指定することができる。NFT128の購入目的に対する制限は、データユーザ132が所定の目的以外の目的でNFT128を購入するのを防ぐことができる。例えば、NFT128の購入目的に対する制限は、データセットが記述的分析(descriptive analytics)にのみ使用されることを必要とすることができる。従って、NFT128の購入目的が記述的分析のためでない場合には、データユーザ132のアカウントから受け取られた購入要求を拒絶することができる。データセットの匿名化バージョンへのアクセスに対する制限は、データユーザ132が匿名化バージョンにアクセスできるようにすべきかどうかを指定することができる。
【0070】
データ収集システム102は、購入要求がNFT128の販売に関連する条件を満たしているかどうかに基づいて、分散型台帳108上のNFT128の所有権情報をデータユーザ132を含むように更新することができる。購入要求がNFT128の販売に関連する条件を満たす場合には、NFT128の所有権情報をデータユーザ132のアカウントを含むように更新することができる。すなわち、NFT128をデータユーザ132のアカウントに移すことができる。
【0071】
316において、ミドルウェアシステム106がアクセス要求を受け取ることができる。NFT128が購入されると、ミドルウェアシステム106は、分析システム116からデータセットへのアクセス要求を受け取ることができる。例えば、分析システム116は、ミドルウェアシステム106からデータセットをダウンロードするためにアクセス要求(例えば、HTTPリクエスト又はウェブフック(webhook))を送信することができる。
【0072】
318において、所有権検証を実行することができる。ミドルウェアシステム106は、アクセス要求を受け取ると、アクセス要求に関連する所有権情報を検証することができる。ミドルウェアシステム106は、データセットのアクセス又はダウンロード要求に使用されたアカウントが購入要求の発信元と同じアカウントであるかどうかを検証することができる。具体的には、所有権検証は、分析システム116に関連するデータユーザがNFT128を購入したデータユーザと同じであるかどうかを検証するために実行することができる。
【0073】
所有権情報が検証されると、データ収集システム102は、アクセス要求がデータセットの使用に関連する条件を満たしているかどうかを検証することができる。ある実施形態では、データセットの使用に関連する条件が、データユーザ132がNFT128の購入時にサービス契約を受諾したかどうかに基づいてデータセットへのアクセスを提供する条件、データユーザ132のステータスに基づくデータセットの使用に対する制限、又は分析システム116へのデータセットのストリーミング許可を含むことができる。データユーザ132のステータスは、ホワイトリストステータス又はブラックリストステータスであることができる。サービス契約は、(NFT128によって表される)データセットにアクセスするためにデータユーザ132が同意する必要がある一連の取引条件を含むことができる。データユーザ132がサービス契約の取引条件に同意していない場合には、データユーザ132がデータセットを使用するのを防ぐことができる。サービス契約は、データユーザ132とデータ所有者130との間の拘束力のある契約(binding agreement)であることができる。ある実施形態では、サービス契約が、NFT128の販売に関連する条件を含むこともできる。
【0074】
データセットの使用に対する制限は、データユーザ132がブラックリストステータスに関連している場合にデータユーザ132がデータセットを使用するのを防ぐことができる。多くの場合、データ収集システム102は、過去にデータセットのアクセスルール又はデータセットの使用に関連する条件に違反したことがあると判明したデータユーザをブラックリスト登録することができる。このようなユーザにはブラックリストステータスを与えて、将来的にデータセットを使用するのを防ぐことができる。
【0075】
分析システム116へのデータセットのストリーミング許可は、分析システム116にデータセットをストリーミングできる条件を示すことができる。例えば、分析システム116へのデータセットのストリーミング許可は、分析システム116がオンザフライで処理できるデータセットを「100」キロバイトサイズのデータサブセットにおいてストリーミングできることを示すことができる。
【0076】
アクセス要求がデータセットの使用に関連する条件を満たしていることをデータ収集システム102が検証すると、MaaSネットワーク112は、320において、NFT128に関連するデータセットの消費を監査して追跡する要求を受け取ることができる。MaaSネットワーク112は、NFT128を監査して追跡する要求をミドルウェアシステム106から受け取ることができる。MaaSネットワーク112は、データユーザ132とデータ所有者130との間のサービス契約が有効である期間にわたり、NFT128に関連するデータセットの消費の妥当性確認、監査及び追跡を行うことができる。
【0077】
322において、MLモデル126は、アクセス要求がデータセットのアクセスルールを満たしているかどうかを検証する要求を受け取ることができる。MLモデル126は、アクセス要求がMaaSネットワーク112からのデータセットのアクセスルールを満たしているかどうかを検証することができる。ある実施形態では、データセットのアクセスルールが、データセットに対する有効分析(valid analytics)のリスト、分析システム116上でデータセットにアクセス可能な又はデータセットをダウンロード可能な期間、分析システム116を通じてデータセットに作用できる参加者の数、或いは分析システム116を介してデータセットをダウンロード可能な又はデータセットにアクセス可能な場所、のうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。データセットに対する有効分析のリストは、有効分析のリスト内のもの以外の望ましくない動作がデータセットに対して行われるのを防ぐことができる。一例として、有効分析のリストは、過去にデータ所有者130にサービスを提供したことがある特定のモビリティプロバイダの需要を予測する動作、データ所有者130が典型的にサービス対価として支払うことを好む価格を決定する動作、及びデータ所有者130が訪問することを好むキーロケーションを決定する動作などを含むことができる。
【0078】
分析システム116上でデータセットにアクセス可能な又はデータセットをダウンロード可能な期間は、時間、日、週又は月単位での時間ウィンドウを基準とすることができる。この期間後には、分析システム116がデータセットにアクセスし又はデータセットをダウンロードするのを許可しないことができる。例えば、この期間は、NFT128の購入日から2週間であることができる。NFT128の購入日から2週間後には、分析システム116がデータセットにアクセスし又はデータセットをダウンロードするのを許可しないことができる。
【0079】
分析システム116を通じてデータセットに作用できる参加者の数は、分析システム116を通じてデータセットに作用できるユーザの数に対応することができる。例えば、データセットに作用できる参加者の数は、多くても1人であることができる。
【0080】
分析システム116を介してデータセットをダウンロード可能な又はデータセットにアクセス可能な場所は、地理的地域に対応することができる。MaaSネットワーク112は、その地域からのものであることができる全てのアクセス要求を受諾することができる。MaaSネットワーク112は、他の地域からのアクセス要求を拒絶することができる。
【0081】
ある実施形態では、NFT128の販売に関連する条件、データセットのアクセスルール、又はデータセットの使用に関連する条件を、分散型台帳108上の第1のスマートコントラクト、又はMaaSネットワーク112の台帳ノード上の第2のスマートコントラクトに記述することができる。アクセス要求は、分散型台帳108上の第1のスマートコントラクト、又はMaaSネットワーク112の台帳ノード上の第2のスマートコントラクトを実行することによって妥当性確認することができる。例えば、NFT128の販売に関連する条件、データセットのアクセスルール、又はデータセットの使用に関連する条件が分散型台帳108上の第1のスマートコントラクトに記述されている場合には、NFT128の購入要求がNFT128の販売に関連する条件を満たしているかどうかを判定するために分散型台帳108上の第1のスマートコントラクトを実行することができる。分散型台帳108上の第1のスマートコントラクトは、アクセス要求が(分散型台帳108上の第1のスマートコントラクトに記述されているような)データセットのアクセスルール又はデータセットの使用に関連する条件を満たしているかどうかを判定するためにさらに実行することができる。
【0082】
ある実施形態によれば、MLモデル126は、(
図3Bに示すように)アクセス要求がデータセットのアクセスルールを満たしているかどうかを検証するように構成することができる。いくつかの実施形態では、複雑なアクセスルールのサブセットを第1のスマートコントラクト又は第2のスマートコントラクトからMLモデル126に外面化(externalized)することができる。データ収集システム102は、所有権情報に基づくとともに、アクセス要求がデータセットのアクセスルール及びデータセットの使用に関連する条件の少なくとも一方を満たしているかどうかにさらに基づいて、アクセス要求を妥当性確認することができる。
【0083】
324において、データ収集システム102が、NFTマーケットプレイス110上のNFT128に関連する情報を更新する要求を受け取ることができる。アクセス要求が妥当性確認されると、データ収集システム102は、分析システム116がデータセットにアクセスし又はデータセットをダウンロードできるように、分散型台帳108上の第1のスマートコントラクト上のデータセットのアクセスに関連する情報を更新することができる。NFTマーケットプレイス110上では、NFT128に関連する情報を更新することができ、NFTマーケットプレイス110は、データユーザ132に関連する分析システム116がデータセットにアクセスし又はデータセットをダウンロードできることをデータユーザ132に通知することができる。
【0084】
326において、分析システム116にデータセットの暗号化コピーを提供することができる。分析システム116は、ミドルウェアシステム106からデータセットの暗号化コピーを受け取ることができる。ミドルウェアシステム106は、許可されたユーザのみがデータセットにセキュアにアクセスできるように、データセットの暗号化コピーを提供することができる。
【0085】
328において、受け取られたデータセットの暗号化コピーの復号動作を実行することができる。ある実施形態では、データ収集システム102が、分析システム116へのアクセス要求の妥当性確認に基づいて、データユーザ132のアカウントとの間で秘密鍵を共有することができる。分析システム116は、受け取った秘密鍵に基づいてデータセットの暗号化コピーを復号し、非暗号化形態でデータセットを取得することができる。ある実施形態では、秘密鍵を分散型台帳108から検索することができ、分析システム116は、データユーザ132のアカウント及び秘密鍵を使用してデータセットの暗号化コピーを復号することができる。その後、分析システム116は、非暗号化形態のデータセットに対して分析を実行することができる。例えば、分析システム116は、非暗号化形態のデータセットを分析して、データ所有者130が最も頻繁に使用した可能性がある移動手段及びデータ所有者130が頻繁に訪問した場所を決定することができる。
【0086】
データ収集システム102は、非暗号化形態のデータセットに対して実行された分析をモニタして、提供されたコピーの消費パターンを分析システム116上で決定することができる。例えば、消費パターンは、非暗号化形態のデータセットに対して実行された分析動作、及び非暗号化形態のデータセットに対して分析が実行された回数を含むことができる。さらに、消費パターンは、データセットのダウンロード回数、データセットにアクセスするためにユーザアカウントを偽造しようとする試み、データセットを転売しようとする試み、データセットを改竄しようとする試み、及びデータセットを分析システム116外に転送しようとする試みなどを含むことができる。
【0087】
データ収集システム102は、消費パターンに基づいて分析システム116上のデータセットのコピーへのアクセスを制御することができる。ある実施形態では、データ収集システム102が、消費パターンに基づいて、NFT128の販売に関連する条件、データセットのアクセスルール、又はデータセットの使用に関連する条件に対する違反を判定することができる。例えば、非暗号化形態のデータセットに対して実行された分析が無効な(又は安全でない)分析であると判定された場合、データ収集システム102は、この動作をデータセットの使用に関連する条件に対する違反として判定することができる。
【0088】
ある実施形態では、MLモデル126を使用することによって違反を判定することができる。MLモデル126は、消費パターンに基づいて違反を判定するように訓練することができる。MLモデル126は、消費パターンを入力として受け取り、消費パターンの分析に基づいて違反を判定することができる。一例として、データユーザ132がデータセットを別の当事者に転売しようと試みることがある。消費パターンは、データセットを転売しようとする試みに関連する情報を含むことができる。MLモデル126は、消費パターン内の試みに基づいて、NFT128の販売に関連する条件に対する違反を判定することができる。また、MLモデル126は、データユーザ132の悪質な行いを判定し、或いはデータセットの不当な消費(例えば、NFT128の販売に関連する条件に定められる在庫制限の超過)を検出することもできる。違反が検出されると、データユーザ132は、分析システム116上のデータセットへのアクセス権を失うことがある。いくつかの事例では、データ収集システム102がデータユーザに警告を発し、或いは確定期間又は不定期間にわたってデータユーザ132をブロックすることができる。
【0089】
ある実施形態では、データ収集システム102又はMLモデル126が、違反の判定に基づいてフィードバックを生成することができる。生成されたフィードバックは、ユーザ装置114に送信することができる。データ収集システム102は、データユーザ132に関連するユーザ装置114をフィードバックをレンダリングするように制御することができる。例えば、データユーザ132に関連するユーザ装置114上に通知をポップアップ表示させることができる。通知は、分析システム116上で使用条件の違反が判定された旨を示すことができる。ある実施形態では、生成されたフィードバックをデータ収集システム102に送信することができる。データ収集システム102は、分析システム116がデータセットのコピー又はデータセットの暗号化コピーにアクセスするのをブロックするようにミドルウェアシステム106を制御することができる。
【0090】
図4A及び
図4Bは、本開示の実施形態による、非代替性トークンを用いたデータプロビジョニングの例示的なシナリオを集合的に示す図である。
図4A及び
図4Bの説明は、
図1、
図2、
図3A及び
図3Bの要素に関連して行う。
図4A及び
図4Bには例示的なシナリオ400を示す。例示的なシナリオ400は、モビリティサービスデータ402、データセット404、NFT406、ユーザ装置408、ユーザインターフェイス(UI)410A、第1のUI要素412A、第2のUI要素412B、第3のUI要素412C、第4のUI要素412D、ユーザインターフェイス(UI)410B、第5のUI要素414A、及び第6のUI要素414Bを含むことができる。ここでは、例示的なシナリオに関連する一連の動作について説明する。
【0091】
動作中、データ収集システム102は、所有者装置(例えば、所有者装置104)からモビリティサービスデータ402を受け取ることができる。モビリティサービスデータ402は、データ所有者(例えば、データ所有者130)の移動履歴に関連する未加工データセットであることができる。モビリティサービスデータ402は、データ所有者130が行った「N」回の旅行に関連する情報を含むことができる。各旅行につき、旅行に関連する旅行識別子(ID)、旅行中にデータ所有者130が訪問した場所の名称、旅行中に発生した費用、旅行中に移動のために使用したモビリティプロバイダ、及び旅行中に使用した支払い手段を指定することができる。例えば、モビリティサービスデータ402からは、旅行ID「1」の旅行ではデータ所有者130が1又は2以上の配車サービスを使用してコロンバスからクリーブランドに移動したことを観察することができる。さらに、旅行ID「1」の旅行で発生した費用は10ドルであり、データ所有者130は支払いにウォレット「A」を使用したものとすることができる。
【0092】
データ収集システム102は、モビリティサービスデータ402からデータセット404を抽出することができる。モビリティサービスデータ402は、モビリティサービスデータ402に含まれる特定の機密情報を除外するようにフィルタリングすることができる。例えば、モビリティサービスデータ402は、モビリティサービスデータ402から支払い手段の列を除去することによってフィルタリングすることができる。
【0093】
データ収集システム102は、分散型台帳108などの分散型台帳上にNFT406を作成することができる。NFTが作成される(minted)と、データ収集システム102はカスタムメタデータを記憶することができる。メタデータは、所有権情報、オフチェーンに存在する(present off-chain)真の情報源(source of truth)であるデータセットにリンクできる統一リソース識別子(Uniform Resource Identifier:URI)などの情報を含むことができる。分散型台帳108上の第1のスマートコントラクトなどのスマートコントラクトには、NFT406の販売に関連する条件、データセットのアクセスルール、又はデータセットの使用に関連する条件を記述することができる。NFT406は、スマートコントラクトのアドレス及びスマートコントラクトに関連するスマートコントラクト識別(ID)に関連する情報を含むことができる。
図4Aを参照すると、スマートコントラクトのアドレスは「0xc0ffec254728269b83B」であることができ、スマートコントラクトIDは「58213」であることができる。
【0094】
NFT406は、NFTマーケットプレイス110などのNFTマーケットプレイス上にリストすることができる。NFTマーケットプレイス110には、ユーザ装置408上のウェブクライアントを介してアクセスすることができる。
図4Bに、NFT406をNFTマーケットプレイス110の第1のUI410A上のリストとして示す。第1のUI410Aは、第1のUI要素412A、第2のUI要素412B、第3のUI要素412C、及び第4のUI要素412Dに関連することができる。第1のUI要素412Aは、データセット404の現在の所有者(例えば、データ所有者130)に関連する情報を提供することができる。この情報は、例えばNFT ID、所有者のウォレットID、及び分散型台帳108上のNFT406のアドレスを含むことができる。第1のUI要素412Aは、NFT406のNFT IDが「48213」であり、データ所有者130に関連する所有者のウォレットIDが「0zA3967b」であり、分散型台帳108上のNFT406のアドレスが「0xc0ffec25b678269A83B」であることを示すことができる。
【0095】
第2のUI要素412Bは、NFT406に関連するデータセット404のプレビューを提供することができる。
図4Bを参照すると、第2のUI要素412Bは、NFT406に関連するデータセット404が1000レコード、200列を含み、匿名化バージョンであることを示すことができる。第3のUI要素412Cは、NFT406の価格を含むことができる。
図4Bを参照すると、第3のUI要素412Cは、NFT406の価格が100ドルであることを示すことができる。データユーザ132は、データセット404の現在の所有者(例えば、データ所有者130)に関連する情報、NFT406に関連するデータセット404のプレビュー及びNFT406の価格を分析して、NFT406を購入するかどうかを決定することができる。NFTマーケットプレイス110は、データユーザ132と第4のUI要素412Dとの相互作用に基づいてNFT406を購入する要求を受け取ることができる。
【0096】
NFTマーケットプレイス110は、NFT406を購入する要求を受け取ると、第2のユーザインターフェイス410Bに切り替わることができる。第2のユーザインターフェイス410Bは、ユーザ装置408上に表示することができる。第2のユーザインターフェイス410Bは、第5のUI要素414A及び第6のUI要素414Bを提供することができる。第5のUI要素414Aは、NFT406に関連する取引条件を提供することができる。
図4Bを参照すると、第5のUI要素414A内に提供される取引条件は、データセット404が記述的分析のみに使用されること、データユーザ132がデータセット404を第三者と共有し又は第三者に販売してはならないこと、及びいかなる形でもデータセット404を操作又は改竄してはならないことを求めることができる。データユーザ132は、NFT406に関連する取引条件を読んでNFT406を購入すると決定することができる。NFTマーケットプレイス110は、第6のUI要素414Bの選択に基づいて、第5のUI要素414Aに提供された取引条件の受諾を受け取ることができる。その後、データユーザ132の口座からデータ所有者130又はデータ収集システム102の口座に100ドルの支払いを行うことができる。
【0097】
図5は、本開示の実施形態による、
図1の例示的なデータ収集システムを示すブロック図である。
図5の説明は、
図1、
図2、
図3A、
図3B、
図4A及び
図4Bの要素に関連して行う。
図5には、
図1のシステム100のブロック
図500を示す。システム100は、回路502、メモリ504、入力/出力(I/O)装置506、及びネットワークインターフェイス508を含むことができる。入力/出力(I/O)装置506は、ディスプレイ装置510を含むことができる。
【0098】
回路502は、データ収集システム102によって実行される異なる動作に関連するプログラム命令を実行するように構成できる好適なロジック、回路及び/又はインターフェイスを含むことができる。回路502は、独立プロセッサとして実装できる1又は2以上の処理ユニットを含むことができる。ある実施形態では、1又は2以上の処理ユニットを、1又は2以上の処理ユニットの機能をまとめて実行する統合プロセッサ又はプロセッサ群として実装することができる。回路502は、当業で周知の複数のプロセッサ技術に基づいて実装することができる。回路502の実装例は、X86ベースのプロセッサ、グラフィックプロセッシングユニット(GPU)、縮小命令セットコンピューティング(RISC)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)プロセッサ、複合命令セットコンピューティング(CISC)プロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理装置(CPU)、及び/又はその他の制御回路であることができる。
【0099】
メモリ504は、回路502によって実行される1又は2以上の命令を記憶するように構成できる好適なロジック、回路、インターフェイス及び/又はコードを含むことができる。メモリ504は、データセットを記憶するように構成することができる。メモリ504の実装例としては、以下に限定するわけではないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、ハードディスクドライブ(HDD)、固体ドライブ(SSD)、CPUキャッシュ、及び/又はセキュアデジタル(SD)カードなどを挙げることができる。
【0100】
I/O装置506は、入力を受け取り、受け取った入力に基づいて出力を提供するように構成できる好適なロジック、回路、インターフェイス及び/又はコードを含むことができる。例えば、I/O装置506は、オンボーディング要求を示す第1のユーザ入力を受け取ることができる。I/O装置506は、ディスプレイ装置510を含むことができる。I/O装置506の例としては、以下に限定するわけではないが、タッチ画面、キーボード、マウス、ジョイスティック、マイク、又はスピーカなどを挙げることができる。
【0101】
ネットワークインターフェイス508は、通信ネットワーク122を介したデータ収集システム102とサーバ118との間の通信を容易にするように構成できる好適なロジック、回路、インターフェイス及び/又はコードを含むことができる。ネットワークインターフェイス508は、様々な既知の技術を使用してデータ収集システム102と通信ネットワークとの有線又は無線通信をサポートするために実装することができる。ネットワークインターフェイス508は、以下に限定するわけではないが、アンテナ、無線周波数(RF)トランシーバ、1又は2以上の増幅器、チューナ、1又は2以上の発振器、デジタルシグナルプロセッサ、コーダ-デコーダ(CODEC)チップセット、加入者IDモジュール(SIM)カード、又はローカルバッファ回路を含むことができる。
【0102】
ネットワークインターフェイス508は、インターネット、イントラネット、無線ネットワーク、セルラー電話ネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(LAN)又はメトロポリタンエリアネットワーク(MAN)などのネットワークと無線通信を介して通信するように構成することができる。無線通信は、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM)、拡張データGSM環境(EDGE)、広帯域符号分割多重アクセス(W-CDMA)、ロングタームエボリューション(LTE)、第5世代(5G)新無線(NR)、符号分割多重アクセス(CDMA)、時分割多重アクセス(TDMA)、Bluetooth、(IEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g又はIEEE802.11nなどの)ワイヤレスフィデリティ(WiFi)、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)、ライトフィデリティ(Li-Fi)、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(Wi-MAX)、電子メール、インスタントメッセージング及びショートメッセージサービス(SMS)のためのプロトコルなどの複数の通信標準、プロトコル及び技術のうちの1つ又は2つ以上を使用するように構成することができる。
【0103】
ディスプレイ装置510は、データセットに関連する情報及びNFT128の販売に関連する条件を表示するように構成できる好適なロジック、回路及びインターフェイスを含むことができる。ディスプレイ装置510は、ユーザ(例えば、データ所有者130)がディスプレイ装置510を介してユーザ入力を提供できるようにするタッチ画面であることができる。タッチ画面は、抵抗膜式タッチ画面、静電容量式タッチ画面、又は熱式タッチ画面のうちの少なくとも1つであることができる。ディスプレイ装置510は、以下に限定するわけではないが、液晶ディスプレイ(LCD)ディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、又は有機LED(OLED)ディスプレイ技術、又はその他のディスプレイ装置のうちの少なくとも1つなどの複数の既知の技術を通じて実現することができる。ある実施形態によれば、ディスプレイ装置510は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スマートメガネ、シースルーディスプレイ、投影ベースのディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、又は透明ディスプレイのディスプレイ画面を意味することができる。
【0104】
図6は、本開示の実施形態による、非代替性トークンを用いたデータプロビジョニングのための例示的な方法の動作を示すフローチャートである。
図6の説明は、
図1、
図2、
図3A、
図3B、
図4A、
図4B及び
図5の要素に関連して行う。
図6にはフローチャート600を示す。フローチャート600は602~618の動作を含み、
図1のデータ収集システム102、所有者装置104、ミドルウェアシステム106、分散型台帳108、NFTマーケットプレイス110、MaaSネットワーク112、ユーザ装置114、分析システム116、又は
図2の回路502によって実行することができる。フローチャート600は、602から開始して604に進むことができる。
【0105】
604において、データ所有者130に関連するデータセットを記憶装置124に記憶することができる。データ収集システム102は、データ所有者130に関連するデータセットを記憶装置124に記憶するようにミドルウェアシステム106を制御することができる。データセットの記憶に関する詳細については、例えば
図3Aに示している。
【0106】
606において、NFTマーケットプレイス110がデータユーザ132のアカウントからNFT128の購入要求を受け取ることができる。NFTマーケットプレイス110は、データユーザ132のアカウントからNFT128の購入要求を受け取ることができる。NFT128は、分散型台帳108上のデータセットを表すことができる。購入要求に関する詳細については、例えば
図3Aに示している。
【0107】
608において、購入要求がNFT128の販売に関連する条件を満たしているかどうかに基づいて、分散型台帳108上でNFT128の所有権情報をデータユーザ132を含むように更新することができる。データ収集システム102は、購入要求がNFT128の販売に関連する条件を満たしているかどうかに基づいて、分散型台帳108上でNFT128の所有権情報をデータユーザ132を含むように更新することができる。所有権情報に関する詳細については、例えば
図3Bに示している。
【0108】
610において、データセットへのアクセス要求を受け取ることができる。ミドルウェアシステム106は、データセットへのアクセス要求を受け取ることができる。アクセス要求に関する詳細については、例えば
図3Bに示している。
【0109】
612において、所有権情報と、アクセス要求がデータセットのアクセスルール及びデータセットの使用に関連する条件の少なくとも一方を満たしているかどうかとに基づいて、アクセス要求を妥当性確認することができる。データ収集システム102は、所有権情報と、アクセス要求がデータセットのアクセスルール及びデータセットの使用に関連する条件の少なくとも一方を満たしているかどうかとに基づいて、アクセス要求を妥当性確認することができる。アクセス要求の妥当性確認に関する詳細については、例えば
図3Bに示している。
【0110】
614において、記憶装置124からデータユーザ132に関連する分析システム116にデータセットのコピーを提供することができる。データ収集システム102は、妥当性確認に基づいて、記憶装置124からデータユーザ132に関連する分析システム116にデータセットのコピーを提供するようにミドルウェアシステム106を制御することができる。データセットのコピーの提供に関する詳細については、例えば
図3Bに示している。
【0111】
616において、提供されたコピーの消費パターンを分析システム116上で決定することができる。データ収集システム102は、提供されたコピーの消費パターンを分析システム116上で決定することができる。消費パターンに関する詳細については、例えば
図3Bに示している。
【0112】
618において、消費パターンに基づいて、分析システム116上のデータセットのコピーへのアクセスを制御することができる。データ収集システム102は、消費パターンに基づいて、分析システム116上のデータセットのコピーへのアクセスを制御することができる。データセットのコピーへのアクセスの制御に関する詳細については、例えば
図3Bに示している。制御は終了に進むことができる。
【0113】
フローチャート600については、604、606、608、610、612、614、616及び618などの離散的動作として示しているが、本開示はこのように限定されるものではない。従って、いくつかの実施形態では、開示する実施形態の本質を損なうことなく、実装に応じてこのような離散的動作をさらなる動作にさらに分割し、より少ない動作に結合し、又は削除することもできる。
【0114】
本開示の様々な実施形態は、システム(例えば、
図1のデータ収集システム102)を動作させるために機械及び/又はコンピュータによって実行可能なコンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体及び/又は記憶媒体を提供することができる。このような命令は、データ所有者(例えば、
図1のデータ所有者130)に関連するデータセットを記憶装置(例えば、
図1の記憶装置124)に記憶することを含むことができる動作をデータ収集システム102に実行させることができる。動作は、データユーザ(例えば、
図1のデータユーザ132)のアカウントから、分散型台帳(例えば、
図1の分散型台帳108)上のデータセットを表す非代替性トークン(NFT)(例えば、
図1のNFT128)の購入要求を受け取ることをさらに含むことができる。動作は、購入要求がNFT128の販売に関連する条件を満たしているかどうかに基づいて、分散型台帳108上のNFT128の所有権情報をデータユーザ132を含むように更新することをさらに含むことができる。動作は、データセットへのアクセス要求を受け取ることをさらに含むことができる。動作は、所有権情報と、アクセス要求がデータセットのアクセスルール及びデータセットの使用に関連する条件の少なくとも一方を満たしているかどうかとに基づいて、アクセス要求を妥当性確認することをさらに含むことができる。動作は、妥当性確認に基づいて、記憶装置124からデータユーザ132に関連する分析システム(例えば、
図1の分析システム116)にデータセットのコピーを提供することをさらに含むことができる。動作は、提供されたコピーの消費パターンを分析システム116上で決定することをさらに含むことができる。動作は、消費パターンに基づいて分析システム116上のデータセットのコピーへのアクセスを制御することをさらに含むことができる。
【0115】
本開示の例示的な態様は、システム(例えば、
図1のデータ収集システム102)を提供することができる。システムは、データ所有者(例えば、
図1のデータ所有者130)に関連するデータセットを記憶装置(例えば、
図1の記憶装置124)に記憶することができる。システムは、データユーザ(例えば、
図1のデータユーザ132)のアカウントから、分散型台帳(例えば、
図1の分散型台帳108)上のデータセットを表す非代替性トークン(NFT)(例えば、
図1のNFT128)の購入要求を受け取ることができる。システムは、購入要求がNFT128の販売に関連する条件を満たしているかどうかに基づいて、分散型台帳108上のNFT128の所有権情報をデータユーザ132を含むように更新することができる。システムは、データセットへのアクセス要求を受け取ることができる。システムは、所有権情報と、アクセス要求がデータセットのアクセスルール及びデータセットの使用に関連する条件の少なくとも一方を満たしているかどうかとに基づいて、アクセス要求を妥当性確認することができる。システムは、妥当性確認に基づいて、記憶装置124からデータユーザ132に関連する分析システム(例えば、
図1の分析システム116)にデータセットのコピーを提供することができる。システムは、提供されたコピーの消費パターンを分析システム116上で決定することができる。システムは、消費パターンに基づいて分析システム116上のデータセットのコピーへのアクセスを制御することができる。
【0116】
ある実施形態では、データ収集システム102が、データ所有者130が複数のモビリティサービスプロバイダを介して行った過去の一連の旅行に関連するモビリティサービスデータ402を受け取ることができる。データ収集システム102は、データ所有者130とデータ収集システム102に関連するデータオペレータとの間のマスターサービス契約を実行することができる。データ収集システム102は、実行に基づいてモビリティサービスデータからデータセット404を抽出することができ、データセット404は、抽出後に記憶装置124に記憶することができる。
【0117】
ある実施形態では、データ収集システム102が、データセット404がNFT128の作成条件を満たしているかどうかに基づいて、分散型台帳108上にNFT128を作成することができる。データ収集システム102は、作成されたNFT128を分散型台帳108に関連するNFTマーケットプレイス110上にリストすることができ、NFT128のリストは、データ所有者130に関連する所有権情報、及びNFT128が表すことができるデータセット404のプレビューを含む。
【0118】
ある実施形態では、NFT128の作成後に、データセット404を暗号化形態及び/又は匿名化形態で記憶装置124に記憶することができる。
【0119】
ある実施形態では、システムが、メッセージブローカ204、一連の発行者ノード202A、202B、...202N、一連の分散型台帳ノード212、及びメッセージブローカ(例えば、
図2のメッセージブローカ204)を介して一連の発行者ノード202A、202B、...202Nと通信する一連の加入者ノード206A、206B...206Nを含むMaaSネットワーク112をさらに含むことができる。一連の発行者ノードは、分散型台帳108に通信可能に結合することができる。
【0120】
ある実施形態では、分散型台帳108上の第1のスマートコントラクト、又はMaaSネットワーク112の台帳ノード上の第2のスマートコントラクトに、NFT128の販売に関連する条件、データセット404のアクセスルール、又はデータセット404の使用に関連する条件を記述することができる。
【0121】
ある実施形態では、分散型台帳108上の第1のスマートコントラクト又はMaaSネットワーク112の台帳ノード上の第2のスマートコントラクトを実行することによってアクセス要求を妥当性確認することができる。
【0122】
ある実施形態では、データセット404のアクセスルールが、データセット404に対する有効分析のリスト、分析システム116上でデータセット404にアクセス可能な又はデータセット404をダウンロード可能な期間、分析システム116を通じてデータセット404に作用できる参加者の数、或いは分析システム116を介してデータセット404をダウンロード可能な又はデータセット404にアクセス可能な場所、のうちの1又は2以上を含むことができる。
【0123】
実施形態では、NFT128の販売に関連する条件が、データユーザ132が許可されるデータセット404のダウンロード回数、データユーザ132がデータセット404をダウンロードする期間に対する制限、NFT128によって表されるデータセット404の未加工バージョンへのアクセスに対する制限、データユーザ132の場所に基づくデータセット404へのアクセス制限、データユーザ132によるデータセット404の転売に対する制限、NFT128によって表されるデータセット404の集約データのアクセスに対する制限、許容されるデータセット404のコピー回数に対する制限、データユーザ132によるNFT128の購入目的に対する制限、又はデータユーザ132によるデータセット404の匿名化バージョンへのアクセスに対する制限、のうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。
【0124】
ある実施形態では、データセット404の使用に関連する条件が、データユーザ132によるサービス契約の受諾に基づく、NFT128によって表されるデータセット404へのアクセス、データユーザ132のステータスに基づくデータセット404の使用に対する制限、分析システム116へのデータセット404のストリーミング許可、のうちの1つ又は2つ以上を含むことができ、データユーザ132のステータスは、ホワイトリストステータス又はブラックリストステータスであることができる。
【0125】
ある実施形態では、データ収集システム102が、アクセス要求の妥当性確認に基づいてデータユーザ132のアカウントと秘密鍵を共有することができ、データセットのコピーは暗号化コピーであることができる。分析システム116は、秘密鍵に基づいてデータセットの暗号化コピー404を復号して、非暗号化形態のデータセットを取得することができる。
【0126】
ある実施形態では、消費パターンに基づいて、NFT128の販売に関連する条件、データセット404のアクセスルール、又はデータセット404の使用に関連する条件に対する違反を判定することができる。
【0127】
ある実施形態では、データ収集システム102が、違反の判定に基づいてフィードバックを生成することができる。データ収集システム102は、データユーザ132に関連するユーザ装置114を、フィードバックをレンダリングするように制御することができる。
【0128】
ある実施形態では、MLモデル126の使用によって違反を決定することができる。
【0129】
本開示は、本明細書で説明した方法の実装を可能にする全ての特徴を含み、コンピュータシステムにロードされた時にこれらの方法を実行できるコンピュータプログラム製品に位置付けることもできる。本文脈におけるコンピュータプログラムとは、情報処理能力を有するシステムに特定の機能を直接的に、或いはa)別の言語、コード又は表記法への変換、b)異なる内容形態での複製、のいずれか又は両方を行った後に実行させるように意図された命令セットの、あらゆる言語、コード又は表記法におけるあらゆる表現を意味する。
【0130】
いくつかの実施形態を参照しながら本開示を説明したが、当業者であれば、本開示の範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができ、同等物を代用することもできると理解するであろう。また、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の状況又は内容を本開示の教示に適合させるように多くの修正を行うこともできる。従って、本開示は、開示した特定の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内に収まる全ての実施形態を含むように意図される。
【符号の説明】
【0131】
100 システム
102 データ収集システム
104 所有者装置
106 ミドルウェアシステム
108 分散型台帳
110 NFTマーケットプレイス
112 モビリティアズアサービス(MaaS)ネットワーク
114 ユーザ装置
116 分析システム
118 サーバ
120 データベース
122 通信ネットワーク
124 記憶装置
126 機械学習(ML)モデル
128 非代替性トークン
130 データ所有者
132 データユーザ
【国際調査報告】