(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-17
(54)【発明の名称】R-TWT SPにおけるR-TWT TIDの優先順位付け
(51)【国際特許分類】
H04W 74/0816 20240101AFI20250710BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20250710BHJP
H04W 74/0833 20240101ALI20250710BHJP
H04W 72/566 20230101ALI20250710BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20250710BHJP
【FI】
H04W74/0816
H04W84/12
H04W74/0833
H04W72/566
H04W72/0457 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024577355
(86)(22)【出願日】2023-06-08
(85)【翻訳文提出日】2024-12-27
(86)【国際出願番号】 US2023024869
(87)【国際公開番号】W WO2024006048
(87)【国際公開日】2024-01-04
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504257564
【氏名又は名称】ソニー コーポレイション オブ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】シン リャンシャオ
(72)【発明者】
【氏名】スン リ-シャン
(72)【発明者】
【氏名】シャ チン
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA03
5K067DD17
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE71
5K067JJ14
(57)【要約】
R-TWT SP中の競合問題を解消する方法について説明する。具体的には、対応するR-TWT SP中にR-TWT TIDの送信を優先する際の強化された機構を定める。また、DIFS又はAIFS期間後のアイドルチャネルの検出後に局がチャネルにアクセスする問題を解消する強化されたアクセス機構についても説明する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、
(a)独立した無線局(STA)であるSTA又はマルチリンク装置(MLD)内のSTAとしてIEEE802.11ネットワークの媒体アクセス制御(MAC)層間のフレームの送信を実行し、全てのリンク上のランダムチャネルアクセスに拡張分散チャネルアクセス(EDCA)が利用される、又は全てのリンク上のトリガーベースの(TB)アップリンク送信にトリガーベースのチャネルアクセスが利用される無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)上でキャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)機構を使用して他の無線局(STA)と無線で通信する通常の非アクセスポイント(AP)STA又はアクセスポイント(AP)STAのいずれかとして動作する、無線通信回路と、
(b)前記無線通信回路に結合されて前記WLAN上で動作するプロセッサと、
(c)他のSTAと通信するための、前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的メモリと、
を備え、
(d)前記命令は、前記プロセッサによって実行された時に、R-TWTメンバーシップネゴシエーション中に制限付きターゲットウェイトタイム(R-TWT)トラフィック識別子(TID)を設定する送信を優先させる際に、
(i)R-TWTサービス期間(SP)のR-TWTメンバーSTAになるために被R-TWTスケジュール側STAとR-TWTスケジュール側APとの間で前記R-TWT SPをネゴシエートすることと、
(ii)前記R-TWT SPが、特定のTIDを有する低遅延トラフィックの送信をネゴシエートされたものとして優先し、ここでトリガー有効型チャネルアクセス及び非トリガー有効型チャネルアクセスという2つのタイプのチャネルアクセスが提供され、これによって前記R-TWT SPをトリガー有効型R-TWT SP又は非トリガー有効型R-TWT SPのいずれかとして識別することと、
を含む、前記無線通信回路のための無線通信プロトコルのステップを実行する、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
ネゴシエートされるR-TWT TIDは、R-TWTアップリンク(UL)TID、R-TWTダウンリンク(DL)TID、及びR-TWTピアツーピア(P2P)TIDを含み、(単複の)SCSトラフィックストリームのサービス品質(QoS)特性要素に示されるストリーム分類サービス(SCS)トラフィックストリームに基づいて確立される、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
確立されたR-TWT P2P TIDは、対応するSCSトラフィックストリームのTID-リンクマッピングに従う、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
(a)SCSトラフィックストリームが、QoS特性要素内に同じ遅延限界及び/又はMSDU寿命を有すること、
(b)TID/UPの差別化サービスコードポイント(DSCP)範囲がゼロに設定されていること、
(c)アクセスカテゴリ(AC)内の1つのTIDのみがR-TWT TIDとして使用され、或いは同じAC内の両TIDがR-TWT TIDとして使用される必要があること、及び、
(d)P2P SCSトラフィックストリームがそのQoS特性要素内に同じTID-リンクマッピングを有すること、
という条件のうちの少なくとも1つが満たされる場合、複数のSCSトラフィックストリームが同じTIDにマッピングされる、
請求項2に記載の装置。
【請求項5】
R-TWTスケジュール側APは、
(a)R-TWT TIDが複数のSCSトラフィックストリームを有する場合、媒体時間は、前記R-TWT TIDの全てのSCSトラフィックストリームの総媒体時間である、
(b)TIDが複数のR-TWTのR-TWT TIDである場合、R-TWT時間は、これらのR-TWTの総R-TWT SP時間である、
(c)SCSトラフィックストリームの媒体時間が特定の帯域幅にわたる必要な送信時間について計算される場合、スケジュール側APは、帯域幅が前記特定の帯域幅よりも広い場合のSCSトラフィックストリームの送信のためのチャネル時間割り当てを削減する、
ということによって決定されるようなR-TWT TIDのSCSトラフィックストリームの媒体時間の要件を超えるR-TWT TIDのR-TWT SP時間をスケジュールすることができない、
請求項4に記載の装置。
【請求項6】
非トリガー有効型R-TWT SPにおいて、前記非トリガー有効型R-TWT SPのR-TWTメンバーSTAはTXOP所有者として動作して、前記非トリガー有効型R-TWT SPのR-TWT TIDのうちのいずれかにマッピングされるTXOPのプライマリACを除くR-TWTのいずれかのSPの開始時点よりも前にTXOPが終了することを保証する、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
TXOPのプライマリACをいずれのR-TWT TIDにもマッピングできない場合、R-TWTメンバーSTAはそのTXOPを継続することができる、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
R-TWTメンバーSTAは、前記R-TWT SPの開始時点後にR-TWT TIDのフレームを送信するためにTXOPを共有する、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
R-TWTメンバーSTAは、次のR-TWT SPの開始時点前に請求応答を含むフレーム送信を完了するのに十分な時間を有しているかどうかをチェックし、十分な時間がない場合、前記R-TWTメンバーSTAは送信を行わず、ACのコンテンションウィンドウ(CW)及び変更されないACのQoSショートリトライカウンタ(QSRC)を使用してバックオフを再開する、
請求項6に記載の装置。
【請求項10】
トリガー有効型R-TWT SPにおいて、TXOP所有者であるR-TWTメンバーSTAは、いずれかのR-TWT SPの開始時点前にR-TWTスケジュール側APとTXOPを共有することを保証し、或いはいずれかのR-TWT SPの開始時点前にTXOPが終了することを保証し、この場合、
(a)メンバーSTAは、スケジュール側APがそのTXOPを共有することを示すように設定された逆方向グラント(RDG)を含むフレームを送信することができ、APは、RDGを含むフレームを受け取ると、フレームの期間又はネットワーク割り当てベクトル(NAV)フィールド中にTXOP所有者として動作してTXOPを延長することができ、
(b)メンバーSTAは、たとえR-TWT SPの開始時点までにフレームの送信が完了しない予定であっても、APとTXOPを共有するためにフレームを送信する、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
R-TWT SP中のTXOP所有者であるR-TWTスケジュール側APは、R-TWT SPのいずれかのR-TWT TIDのフレームをTXOP中にプライマリACからのフレームとして送信する、
請求項1に記載の装置。
【請求項12】
APは、R-TWT SP中にTXOPを取得するためにいずれかのACの拡張分散チャネルアクセス機能(EDCAF)を使用し、或いはAPは、R-TWT SP中にTXOPを取得するためにR-TWT SPのR-TWT(DL)TIDのEDCAFのみを使用する、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
R-TWTメンバーSTA又は被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT SP外にいずれのR-TWTのR-TWT TIDでもないTIDのフレームを送信する、
請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記メンバーSTAは、R-TWTのSP外に前記R-TWTのR-TWT TIDのフレームを送信しない、
請求項1に記載の装置。
【請求項15】
被R-TWTスケジュール側STAは、緊急事態準備通信サービス(EPCS)優先アクセスを有効にしている場合であって、
(a)EPCSトラフィックを送信するTXOP所有者である被R-TWTスケジュール側STAがいずれかのR-TWT SPの開始時点を越えてそのTXOPを継続し、いずれかのR-TWT SPの開始時点前にそのTXOPを終了する必要がない場合、及び、
(b)EPCSトラフィックを送信するTXOP所有者である被R-TWTスケジュール側STAがR-TWT SP中に重複するクワイエット間隔を無視する場合、
にR-TWTスケジュールを無視する、
請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記R-TWTスケジュールSTAは、緊急事態準備通信サービス(EPCS)優先アクセスをSCSトラフィックストリームとして識別する、
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
QoS特性要素に、SCSトラフィックストリームがEPCSトラフィックであることを示すEPCSトラフィックサブフィールドが追加される、
請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記EPCSトラフィックサブフィールドが第1の状態に設定されている場合、前記QoS特性要素下のSCSトラフィックストリームはEPCSトラフィックであり、そうでなければ前記フィールドは第2の状態に設定され、前記QoS特性要素下のSCSトラフィックストリームはEPCSトラフィックとみなされない、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
R-TWTメンバーSTAは、たとえR-TWT SPの開始時点前にチャネルを求めて競合するためにマルチユーザ(MU)EDCAパラメータを使用していて、R-TWT SPの開始時点にMU EDCAタイマが満了していない場合でも、R-TWT SP中にR-TWT TID又は遅延に弱いトラフィックのためのチャネルを求めて競合するためにEDCAパラメータを使用する、
請求項1に記載の装置。
【請求項20】
メンバーSTAは、R-TWT SP中に送信を終了した直後、又はR-TWT SPが終了した直後にマルチユーザ(MU)EDCAパラメータを使用し続け、前記メンバーSTAは、R-TWT SPの開始時に一時停止していたMU EDCAタイマを、その期間中にMU EDCAタイマが更新されない限りカウントダウンし続ける、
請求項19に記載の装置。
【請求項21】
メンバーSTAは、R-TWT SPの開始時にR-TWTアップロード(UL)TID又は遅延に弱いトラフィックのACのためのマルチユーザ(MU)EDCAタイマをゼロにリセットする、
請求項19に記載の装置。
【請求項22】
R-TWTのメンバーSTAではない被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWTのSP中にチャネルを求めて競合するためにマルチユーザ(MU)EDCAパラメータを使用する、
請求項1に記載の装置。
【請求項23】
R-TWTのメンバーSTAは、R-TWTのSP中に非R-TWT TID又は遅延の影響を受けないトラフィックのためのチャネルを求めて競合するためにマルチユーザ(MU)EDCAパラメータを使用する、
請求項1に記載の装置。
【請求項24】
被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT SPの開始時にチャネルを求めて競合するためにDIFSアクセス及び/又はAIFSアクセスを使用しない、
請求項1に記載の装置。
【請求項25】
被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT SP中にDIFSアクセス又はAIFSアクセスを使用しない、
請求項24に記載の装置。
【請求項26】
被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT SPの最初のx時間中にDIFSアクセス又はAIFSアクセスを使用せず、ここでのxは、秒、ミリ秒又はマイクロ秒単位の時間を表す、
請求項24に記載の装置。
【請求項27】
被R-TWTスケジュール側STAは、チャネルを求めて競合するために、バックオフ手順を使用し、バックオフカウントを選択してこれを減分し、前記STAはゼロに等しいバックオフカウントを選択することができない、
請求項24に記載の装置。
【請求項28】
ネットワークにおける無線通信の実行方法であって、
(a)独立した無線局(STA)であるSTA又はマルチリンク装置(MLD)内のSTAとしてIEEE802.11ネットワークの媒体アクセス制御(MAC)層間のフレームの送信を実行し、全てのリンク上のランダムチャネルアクセスに拡張分散チャネルアクセス(EDCA)が利用される、又は全てのリンク上のトリガーベースの(TB)アップリンク送信にトリガーベースのチャネルアクセスが利用される無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)上でキャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)機構を使用して他の無線局(STA)と無線で通信する通常の非アクセスポイント(AP)STA又はアクセスポイント(AP)STAのいずれかとして動作することと、
(b)R-TWT SPのR-TWTメンバーSTAになるために被R-TWTスケジュール側STAとR-TWTスケジュール側APとの間で前記R-TWT SPをネゴシエートすることと、
(c)R-TWTにおいて、R-TWT TIDを含む特定のTIDを有する低遅延トラフィックの送信をネゴシエートされたものとして優先し、ここでトリガー有効型チャネルアクセス及び非トリガー有効型チャネルアクセスという2つのタイプのチャネルアクセスが提供され、これによって前記R-TWT SPをトリガー有効型R-TWT SP又は非トリガー有効型R-TWT SPのいずれかとしてそれぞれ識別することと、
を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願との相互参照〕
本出願は、2022年8月15日に出願された米国仮特許出願シリアル番号第63/371,406号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、この文献はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。本出願は、2022年6月30日に出願された米国仮特許出願シリアル番号第63/367,387号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、この文献はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。本出願は、2022年6月30日に出願された米国仮特許出願シリアル番号第63/367,342号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、この文献はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
〔連邦政府が支援する研究又は開発に関する記述〕
該当なし
【0003】
〔著作権保護を受ける資料の通知〕
本特許文献中の資料の一部は、アメリカ合衆国及びその他の国の著作権法の下で著作権保護を受けることができる。著作権の権利所有者は、合衆国特許商標庁の一般公開ファイル又は記録内に表される通りに第三者が特許文献又は特許開示を複製することには異議を唱えないが、それ以外は全ての著作権を留保する。著作権所有者は、限定ではないが米国特許法施行規則§1.14に従う権利を含め、本特許文献を秘密裏に保持しておく権利のいずれも本明細書によって放棄するものではない。
【0004】
本開示の技術は、一般に制限付きターゲットウェイトタイム(restricted-target wait time:R-TWT)動作に関し、具体的には、R-TWT TIDを割り当てて、DIFS/AIFSアクセスを利用する際のR-TWTサービス期間(SP)における衝突を防ぐことに関する。
【背景技術】
【0005】
制限付きターゲットウェイトタイム(R-TWT)スケジューリングは、どのR-TWT TIDを遅延に弱いトラフィックとみなすかを決定するアクセスポイント(AP)によって実行される。しかしながら、現在の構成ではR-TWT IDの使用が乱用される恐れがある。また、DIFS/AIFSアクセスを利用する際にR-TWT SP内で衝突が発生することもある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、これらのR-TWT問題に対処する無線プロトコル内の強化された機構に対するニーズが存在する。本開示は、これらのニーズを満たして既存のシステムを凌ぐさらなる利点をもたらすものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
R-TWT SP中の競合問題を解消するIEEE802.11(例えば、IEEE802.11be)下での無線プロトコル強化について説明する。具体的には、対応するR-TWT SP中にR-TWT TIDの送信を優先する際の強化された機構を定める。また、DIFS又はAIFS期間後のアイドルチャネルの検出後に局がチャネルにアクセスする問題を解消する強化されたアクセス機構についても説明する。
【0008】
本明細書の以下の部分では、本明細書で説明する技術のさらなる態様が明らかになり、この詳細な説明は、本技術の好ましい実施形態を限定することなく完全に開示するためのものである。
【0009】
本明細書で説明する技術は、例示のみを目的とする以下の図面を参照することによって十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の少なくとも1つの実施形態による通信局ハードウェアのブロック図である。
【
図2】本開示の少なくとも1つの実施形態に従って利用される制限付きTWTトラフィック情報要素のデータフィールド図である。
【
図3】本開示の少なくとも1つの実施形態による、緊急事態準備サービス(EPCS)優先アクセス有効フィールドを追加するデータフィールド図である。
【
図4】本開示の少なくとも1つの実施形態による、非AP局がR-TWT及び関連するTIDをネゴシエートするフロー図である。
【
図5】本開示の少なくとも1つの実施形態による、非AP局がR-TWT及び関連するTIDをネゴシエートするフロー図である。
【
図6】本開示の少なくとも1つの実施形態による、非AP局がR-TWT及び関連するTIDをネゴシエートするフロー図である。
【
図7】本開示の少なくとも1つの実施形態による、AP局がR-TWT及び関連するTIDをネゴシエートするフロー図である。
【
図8】本開示の少なくとも1つの実施形態に従って利用される、DIFS/AIFS間隔後にチャネルにアクセスする際の考えられる衝突問題の解消を示す通信図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.通信局(STA)ハードウェア
図1に、本開示のプロトコルを実行するように構成されたSTAハードウェアの実施形態例10を示す。外部I/O接続14が回路12の内部バス16に結合し、内部バス16上には、通信プロトコルを実装する(単複の)プログラムを実行するためにCPU18及びメモリ(例えば、RAM)20が接続されることが好ましい。ホストマシンは、1又は複数のアンテナ29、26a、26b、26c~26nにそれぞれが接続された少なくとも1つのRFモジュール24、28に結合された、通信をサポートする少なくとも1つのモデム22を収容する。複数のアンテナ(例えば、アンテナアレイ)を有するRFモジュールは、送信及び受信中にビームフォーミングの実行を可能にする。このように、STAは、複数組のビームパターンを使用して信号を送信することができる。
【0012】
バス14は、センサ及びアクチュエータなどの様々な装置をCPUに接続することができる。プロセッサ18上では、STAがアクセスポイント(AP)局又は通常の局(非AP STA)の機能を実行することを可能にするように実行される通信プロトコルを実装するプログラムを実行するための、メモリ20からの命令が実行される。また、このプログラミングは、現在の通信状況でどのような役割を果たしているかに応じて異なるモード(TXOP所有者、TXOP共有参加者、ソース、中間、宛先、第1のAP、他のAP、第1のAPに関連する局、他のAPに関連する局、調整機(coordinator)、被調整機(coordinatee)、OBSS内のAP、及びOBSS内のSTAなど)で動作するように構成されると理解されたい。
【0013】
従って、図示のSTA HWは、少なくとも1つのモデムと、少なくとも1つの帯域上での通信を提供するための関連するRF回路とで構成される。なお、本開示は、それぞれが任意の数のRF回路に結合された複数のモデム22を使用して構成することができると理解されたい。一般に、使用するRF回路の数が多ければ多いほど、アンテナビーム方向のカバレッジは広くなる。利用するRF回路の数及びアンテナの数は、特定の装置のハードウェア制約によって決まると理解されたい。RF回路及びアンテナの一部は、STAが近隣STAと通信する必要がないと判定した時に無効にすることができる。少なくとも1つの実施形態では、RF回路が周波数変換器及びアレイアンテナコントローラなどを含み、送受信のためにビームフォーミングを実行するように制御される複数のアンテナに接続される。このように、STAは、各ビームパターン方向がアンテナセクタとみなされる複数のビームパターンの組を使用して信号を送信することができる。
【0014】
また、この図に示すような局ハードウェアの複数のインスタンスはマルチリンク装置(MLD)に組み合わせることができ、通常、このMLDは活動を協調させるためにプロセッサ及びメモリを有するが、必ずしもMLD内の各STAに別々のCPU及びメモリが必要なわけではないので、これらのリソースは共有することができると理解されたい。
【0015】
2.R-TWT ID問題
2.1.R-TWT ID問題の記述
IEEE802.11be[草案P802.11be_D2.0]には、Wi-Fiネットワークにおける低遅延特徴を目的とするストリーム分類サービス(Stream Classification Service:SCS)トラフィックストリーム(TS)及び制限付きターゲットウェイトタイム(R-TWT)スケジュールが定められている。
【0016】
R-TWTのメンバー局(STA)及びR-TWTスケジュール側アクセスポイント(AP)がネゴシエートし、R-TWTのサービス期間(SP)中の遅延に弱いトラフィックとみなされR-TWTのSP中に通常のトラフィックよりも高い優先度で送信すべきR-TWTトラフィック識別子(TID)を定める。しかしながら、メンバーシップ設定手順中にR-TWT TIDを設定する方法は定められていない。R-TWT SP中のR-TWT TIDの乱用を回避するための制限/ルールを提供する強化されたプロトコルが必要である。
【0017】
メンバーSTA及び非メンバーSTAは、いずれも次のR-TWT SPの開始時点前にTXOPを終了する。しかしながら、次のR-TWT SPにわたってメンバーSTAと非メンバーSTAとの間に異なる挙動は示されない。メンバーSTA及び非メンバーSTAが同様に挙動するのであれば、次のR-TWT SP内にメンバーSTAである利点はない。
【0018】
2.2.R-TWT ID解決策の概要
開示する技術は、R-TWTメンバーシップネゴシエーション手順中にR-TWT TIDを設定する時期、及び対応するR-TWT SP中にR-TWT TIDの送信を優先する方法についてのルール及び制限を定めることによって既存のプロトコルを強化する。第3節では、本開示による解決策について説明する。
【0019】
3.解決策例
(1)IEEE802.11ネットワークでは、STAが、R-TWTスケジュール側APとの間でR-TWTのメンバーシップをネゴシエートする際に、(単複の)ストリーム分類サービス(SCS)トラフィックストリーム(TS)として確立されたTIDのみをそのR-TWTのR-TWT TIDとして設定することができる。(a)R-TWT TIDは、R-TWTアップリンク(UL)TID、R-TWTダウンリンク(DL)TID、及びR-TWTピアツーピア(P2P)TIDであることができる。特に、R-TWT P2P TIDは、方向がP2PであるSCSトラフィックストリームのTIDを意味する。(b)R-TWT P2P TIDの場合、STAは、SCSトラフィックストリームのQoS特性要素に示される対応するSCSトラフィックストリームのTID-リンクマッピングに従う必要がある。
【0020】
(2)複数のSCSトラフィックストリームは、以下の条件のうちの1つ又は2つ以上が満たされる場合にのみ同じTIDを共有することができる。(a)これらのSCSトラフィックストリームが、QoS特性要素内に同じ遅延限界(delay bound)(及び/又はMSDU寿命(MSDU lifetime))を有する場合。(b)TID/UPの差別化サービスコードポイント(Differentiated Service Code Point:DSCP)範囲がゼロに設定され、TID/UPの元々のDSCP範囲が他のTID、ユーザ優先度(User Priority:UP)又はアクセスカテゴリ(AC)によってカバーされる場合。(c)AC内の1つのTIDのみをR-TWT TIDとして使用することができ、或いは同じAC内の両TIDをR-TWT TIDとして使用しなければならない場合。(d)P2P SCSトラフィックストリームの場合に、SCSトラフィックストリームがそのQoS特性要素内に同じTID-リンクマッピングを有していなければならない場合。
【0021】
(3)R-TWTスケジュール側APは、そのR-TWT TIDの要件を超えるR-TWT SP時間をスケジュールすることができない。(a)例えば、R-TWT TIDが1つのSCSトラフィックストリームのみを有している場合、R-TWT SP時間(R-TWT SP期間/R-TWT SP間隔)はSCSトラフィックストリームの媒体時間(1秒当たりの時間)よりも長くなるべきではない。(b)R-TWT TIDが複数のSCSトラフィックストリームを有する場合、媒体時間はそのR-TWT TIDの全てのSCSトラフィックストリームの総媒体時間であるべきである。(c)TIDが複数のR-TWTのR-TWT TIDである場合、R-TWT SP時間はこれらのR-TWTの総R-TWT SP時間であるべきである。(d)SCSトラフィックストリームの媒体時間が特定の帯域幅(例えば、20MHz)にわたる必要な送信時間について計算される場合、スケジュール側APは、帯域幅が20MHzよりも広い場合にSCSトラフィックストリームの送信に割り当てられるチャネル時間を削減すべきである。
【0022】
(4)R-TWTが非トリガー有効型SP(non-trigger-enabled SPs)をスケジュールする場合、TXOP所有者であるR-TWTのメンバーSTAは、SPの開始時点後にR-TWT TIDを送信するために使用されるTXOPを除き、R-TWTのいずれかのSPの開始時点よりも前にTXOPが終了することを保証しなければならない。(a)TXOPのプライマリACがメンバーSTAのいずれのR-TWT TIDにもマッピングされていない場合、メンバーSTAは、SPの開始時点後にR-TWT TIDのフレームを送信するためにTXOPを共有できない限りTXOPを終了しなければならない。(b)或いは、TXOPのプライマリACがメンバーSTAのいずれのR-TWT TIDにもマッピングされていない場合、少なくとも1つの実施形態/モード/オプションでは、たとえ送信すべきプライマリACのフレームが残っている場合でも、メンバーSTAがSPの開始時点後にR-TWT TIDのフレームを送信するためにTXOPを共有する。(c)メンバーSTAは、次のR-TWT SPのR-TWT TIDではないフレームを送信する前に、次のR-TWT SPの開始時点までに(請求応答(solicited response)を含む)これらのフレームの送信を完了するのに十分な時間を有しているかどうかをチェックすべきである。そのための時間が十分でない場合、STAは、送信を行わずに、アクセスクラス(AC)のコンテンションウィンドウ(CW)(CW[AC])、及び直ちに変更されないACのQoSショートリトライカウンタ(QoS Short Retry Counter:QSRC)(QSRC[AC])を使用してバックオフプロセスを再開すべきである。
【0023】
(5)R-TWTがトリガー有効型SPをスケジュールする場合、送信機会(TXOP)所有者であるR-TWTのメンバーSTAは、R-TWTのいずれかのSPの開始時点前にR-TWTスケジュール側APとTXOPを共有することを保証し、或いはR-TWTのいずれかのSPの開始時点前にTXOPが終了することを保証しなければならない。(a)メンバーSTAは、そのTXOPを共有するために、逆方向グラント(Reverse Direction Grant:RDG)が第1の状態(例えば、「1」)に設定されたCTSフレーム又はQoSフレームなどのフレームをスケジュール側APに送信する(RDGを開始する)ことができる。APは、送信許可(Clear-To-Send:CTS)フレームを受け取ると、CTSフレームの期間(又はネットワーク割り当てベクトル(Network Allocation Vector:NAV))フィールド中にTXOP所有者として機能(動作)してTXOPを延長することができる。(b)メンバーSTAは、たとえR-TWT SPの開始時点までにフレームの送信を完了できない場合でも、そのTXOPをAPと共有するためにフレームを送信することができる。
【0024】
(6)R-TWT SP中のTXOP所有者であるR-TWTスケジュール側APは、TXOP中にプライマリACからのフレームであるという理由でR-TWT SPのいずれかのR-TWT TIDのフレームを送信することができる。少なくとも1つの実施形態/モード/オプションでは、APが、R-TWT SP中にTXOPを取得するためにいずれかのACの拡張分散チャネルアクセス機能(Enhanced Distributed Channel Access Functions:EDCAF)を使用することができ、或いはR-TWT SP中にTXOPを取得するためにR-TWT SPのR-TWT(DL)TIDのEDCAFのみを使用することができる。
【0025】
(7)(メンバー又は被R-TWTスケジュール側)STAは、R-TWT SP外ではいずれのR-TWTのR-TWT TIDでもないTIDのフレームを送信すべきである。
【0026】
(8)メンバーSTAは、R-TWTのSP外にそのR-TWTのR-TWT TIDのフレームを送信すべきではない。
【0027】
(9)被R-TWTスケジュール側STA(又はトリガー有効型R-TWT SPのメンバーSTAのみ)は、トリガー有効型R-TWT SP中に被TWTスケジュール側STAのルール/挙動に従う。なお、被R-TWTスケジュール側STAとは、R-TWT特徴をサポートするSTAのことである。
【0028】
図2に、本開示の少なくとも1つの実施形態に従って利用される制限付きターゲットウェイトタイム(R-TWT)トラフィック情報フィールドの実施形態例50を示す。
【0029】
IEEE802.11be D2.0のものと比べて以下のサブフィールドが追加されている。1ビット指示を含むことができるピアツーピア(P2P)トラフィック指示(TID)ビットマップ有効(Peer-to-Peer(P2P)Traffic Identification(TID)Bitmap Valid)フィールドが追加される。例えば、このフィールドが第1の状態(例えば、「1」)に設定されている場合、制限付きTWTトラフィック情報フィールド内に制限付きTWT P2P TIDビットマップ(Restricted TWT P2P TID Bitmap)が存在する。そうでなければ、このフィールドは第2の状態(例えば、「0」)に設定され、制限付きTWT P2P TIDビットマップは存在しない。このフィールドは、第2の状態(例えば、「0」)に設定されている場合、(a)全てのP2P SCSトラフィックストリームがR-TWTのR-TWT TIDとみなされる、或いは(b)いずれのP2P SCSトラフィックストリームもR-TWTのR-TWT TIDとみなされない、のいずれかを示すことができる。
【0030】
TWT要素のネゴシエーションタイプ(Negotiation Type)サブフィールドが「2」に等しい場合、P2P TIDビットマップ有効サブフィールドは第2の状態(例えば、「0」)に設定される。
【0031】
制限付きTWT P2P TIDビットマップは、TID(例えば、0~7のTID)を表すこのサブフィールドの各ビットを有する。このサブフィールドのビットが第1の状態(例えば、「1」)に設定されている場合、P2Pトラフィックの対応するTIDはR-TWTのR-TWT TIDとみなされる。そうでなければ、このサブフィールドは第2の状態(例えば、「0」)に設定される。
【0032】
図3に、サービス品質(Quality of Service:QoS)特性要素内に緊急事態準備サービス(EPCS)優先アクセス有効化(Emergency Preparedness Service(EPCS)priority access enabled)フィールドを追加する実施形態例70を示す(QoS特性要素はIEEE仕様における既存の要素であり、11be仕様、9.4.2.316 QoS特性要素-
図9-1002au-QoS特性要素フォーマットを参照されたい)。
【0033】
被R-TWTスケジュール側STAは、緊急事態準備通信サービス(EPCS)優先アクセスを有効化している場合、以下の条件下でR-TWTスケジュールを無視することができる。(a)EPCSトラフィックを送信するTXOP所有者である被R-TWTスケジュールSTAがいずれかのR-TWT SPの開始時点を越えてそのTXOPを継続できる場合。具体的には、STAがR-TWT SPの開始時点前にそのTXOPを終了できない場合。(b)EPCSトラフィックを送信するTXOP所有者である被R-TWTスケジュール側STAがR-TWT SP中に重複するクワイエット間隔を無視する場合。
【0034】
EPCSトラフィックは、SCSトラフィックストリームとして識別することができる。QoS特性要素内には、SCSトラフィックストリームがEPCSトラフィックであることを示すEPCSトラフィックサブフィールドが追加される(なお、制御情報フィールドはQoS特性要素の第4のフィールドであり、制御情報フィールドの詳細は
図9-1002av-制御情報フィールドフォーマットとして示す11be仕様書において見出される)。このフィールドが第1の状態(例えば、「1」)に設定されている場合、このQoS特性要素下のSCSトラフィックストリームはEPCSトラフィックである。そうでなければ、このフィールドは第2の状態(例えば、「0」)に設定され、このQoS特性要素下のSCSトラフィックストリームはEPCSトラフィックではない。
【0035】
被R-TWTスケジュール側STAは、緊急事態準備通信サービス(EPCS)優先アクセスを有効化している場合にはR-TWTスケジュールを無視することができる。EPCSトラフィックを送信するTXOP所有者である被R-TWTスケジュール側STAがいずれかのR-TWT SPの開始時点を越えてTXOPを継続できる場合。具体的には、STAは、R-TWT SPの開始時点前にTXOPを終了する必要がない。EPCSトラフィックを送信するTXOP所有者であるR-TWTスケジュールSTAは、R-TWT SP中に重複するクワイエット間隔を無視することができる。
【0036】
R-TWTのメンバーSTAは、たとえR-TWT SPの開始時点前にメンバーSTAがチャネルを求めて競合するためにMU EDCAパラメータを使用していて、R-TWT SPの開始時にMU EDCAタイマが満了していない場合でも、R-TWT SP中にR-TWT TID(又は遅延に弱いトラフィック)のためのチャネルを求めて競合するためにMU EDCAパラメータを使用することができる。
【0037】
少なくとも1つの実施形態/モード/オプションでは、メンバーSTAが、R-TWT SP中に送信を終了した直後、又はR-TWT SPが終了した直後にMU EDCAパラメータを使用し続ける。メンバーSTAは、R-TWT SPの開始時に一時停止していたMU EDCAタイマを、その期間中にMU EDCAタイマが更新されない限りカウントダウンし続ける。
【0038】
少なくとも1つの実施形態/モード/オプションでは、メンバーSTAが、R-TWT SPの開始時にR-TWT UL TID(又は遅延に弱いトラフィック)のACのためのMU EDCAタイマをゼロにリセットする。
【0039】
R-TWTのメンバーSTAではない被スケジュール側STAは、R-TWTのSP中にチャネルを求めて競合するためにMU-EDCAパラメータを使用しなければならない。
【0040】
R-TWTのメンバーSTAは、R-TWTのSP中に非R-TWT TID(又は遅延の影響を受けないトラフィック)のためのチャネルを求めて競合するためにMU EDCAパラメータを使用しなければならない。
【0041】
図4~
図6に、非AP STAのR-TWT優先順位付けの実施形態例150を示す。チェック152において、非APがR-TWTメンバーシップをネゴシエートしたかどうかを判定する。非APがメンバーシップをネゴシエートしていなければ、処理は終了する。
【0042】
そうでなければ、ブロック154において、非AP STAが、SCS手順中に確立されたTIDについてネゴシエートする。チェック156において、非AP STAがEPCS優先アクセスを有効にしているかどうかを判定する。有効である場合、ブロック168において、非AP STAはいかなるR-TWTスケジュールも無視することができ、処理は終了する。
【0043】
チェック156において、非AP STAがEPCS優先アクセスを有効にしていないと判定された場合、実行は
図6のチェック158に到達して、STAがTXOP所有者であるかどうかを判定する。
【0044】
STAがTXOP所有者である場合、チェック160において、次のR-TWT SPがトリガー有効型であるかどうかを判定する。トリガー有効型でない場合、ブロック178において、STAは、現在のTXOPを使用してR-TWT TIDを送信するつもりである場合には非トリガー型R-TWT SPの開始時にそのTXOPを終了しないことができ、その後に実行は終了する。
【0045】
そうでなければ、チェック162においてオプション「a」とオプション「b」との間で決定を行う。オプション「a」では、STAが、トリガーされたR-TWT SPの開始時にR-TWTスケジュール側APとの間でTXOPを共有する(164)と決定している。オプション「b」では、STAが、トリガーされたR-TWT SPの開始前にTXOPを終了する(166)と決定している。オプション「a」又はオプション「b」のいずれかが実行された後に処理は終了する。
【0046】
次に、
図6のチェック158に戻り、STAがTXOP所有者でない場合、実行は
図7のブロック170に進み、STAがR-TWTメンバーSTAであるかどうかを判定する。
【0047】
この条件が満たされる場合、チェック172において、STAがR-TWT TIDトラフィックを送信しているかどうかを判定する。条件が満たされる場合、ブロック176において、STAは、R-TWT SP中にチャネルを求めて競合するためにEDCA又はMU-EDCAを使用することができ、その後に処理は終了する。
【0048】
チェック170又は172のいずれかの条件が満たされない場合、ブロック174において、STAは、T-TWT SP中にチャネルを求めて競合するためにMC-EDCAを使用し、その後に処理は終了する。
【0049】
図7に、AP STAのR-TWT優先順位付けの実施形態例210を示す。チェック212において、R-TWTメンバーSTAのためのスケジュールされたR-TWTが存在するかどうかを判定する。条件が満たされない場合、処理は終了する。
【0050】
一方で、条件が満たされる場合、ブロック214において、APは、対応するR-TWT TIDのSCS手順中に、スケジュールされたR-TWT SPのQoS要件を超えることができない。
【0051】
次に、チェック216において、APがTXOP所有者であるかどうかを判定する。条件が満たされる場合、ブロック218において、APは、R-TWT SP中にいずれかのR-TWT TIDのトラフィックを送信し、或いはいずれかのACのEDCAFを使用してTXOPを取得することができる。
【0052】
そうでなければ、ブロック220において、APは、R-TWT SPの開始時にR-TWTメンバーSTAからの共有TXOPを継続し、TXOP所有者として実行することができる。ブロック218又は220のいずれかの実行後に実行は終了する。
【0053】
4.DIFs/AIFsアクセス
4.1.DIFs/AIFsアクセス問題
IEEE802.11では、STAは、空であったSTAの送信キューに到着パケットがするなどの一定の条件下において、DIFS時間にわたってチャネルアイドルを検知した後に直ちにチャネルにアクセスすることができる。これをDIFSアクセスと呼ぶ。なお、STAは、DIFSアクセスを使用する際にはバックオフカウントを選択せず、又はバックオフスロットをカウントダウンしない。被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT SPの開始時にチャネルを求めて競合し始める。これらのSTAがDIFSアクセスを使用してチャネルを求めて競合することを許可されている場合、複数のSTAがDIFSアクセスを使用すると衝突が発生する。AIFSアクセスはDIFSアクセスに類似し、すなわちSTAは、一定の条件下でAIFS時間にわたってチャネルアイドルを検知した後にチャネルにアクセスし、これらの条件はDIFSアクセスと同じである。
【0054】
4.2.DIFs/AIFsアクセスの解決策
被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT SPの開始時にチャネルを求めて競合するためにDIFSアクセス(及び/又はAIFSアクセス)を使用してはならない。
【0055】
図8に、DIFs時間にわたってチャネルがアイドルであるかどうかを検知する例310を示す。
【0056】
この図には、DIFS期間314におけるDIFsアクセス312、及び一定の条件下で利用できるDIFs後のアクセス316を示す。遅延アクセス(deferred access)320の期間も示す。媒体がビジー318である後にDIFS314が続くことを示す。その後にバックオフ324が実行され、バックオフスロット326及び単一のスロット時間328を示す。なお、媒体がアイドルである限りバックオフカウントは減分することができる(330)。バックオフの後に次のフレーム332を示す。
【0057】
以下は、異なる解決策の可能性である。
【0058】
被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT SP中にDIFSアクセス(又はAIFSアクセス)を使用してはならない。被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT SPの最初のx期間中にDIFSアクセス(又はAIFSアクセス)を使用してはならない。xの値は、秒、ミリ秒又はマイクロ秒単位の時間を表す。例えば、被R-TWTスケジュール側STAは、最初の43マイクロ秒(DIFS時間+バックオフスロット時間)中にDIFSアクセス(又はAIFSアクセス)を使用してはならない。なお、被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT SPの最初のx時間内に、
図8の312に示すようなDIFSアクセス手順、又はこの図には示していないAIFSアクセス手順を使用してはならない。DIFS/AIFSアクセスが使用される場合、STAは、330~332の開始に示すようなバックオフ手順を実行しない。
【0059】
被R-TWTスケジュール側STAは、チャネルを求めて競合するためにバックオフ手順のみを使用する(バックオフカウントを選択して減分する)ことができる。少なくとも1つの実施形態/モード/オプションでは、STAがゼロのバックオフカウントを選択することはできない。
【0060】
R-TWTのメンバーSTAは、たとえR-TWT SPの開始時点におけるMU EDCAタイマの満了前に、R-TWT SPの開始時点前にチャネルを求めて競合するためにMU EDCAパラメータを使用する場合でも、R-TWT SP中にR-TWT TID(又は遅延に弱いトラフィック)のためのチャネルを求めて競合するためにEDCAパラメータを使用することができる。
【0061】
少なくとも1つの実施形態/モード/オプションでは、メンバーSTAが、R-TWT SP中に送信を終えた直後、又はR-TWT SPの終了直後にMU EDCAパラメータを使用し続ける。メンバーSTAは、R-TWT SPの開始時に一時停止していたMU EDCAタイマを、その期間中にMU EDCAタイマが更新されない限りカウントダウンし続ける。
【0062】
少なくとも1つの実施形態/モード/オプションでは、メンバーSTAが、R-TWT SPの開始時に、R-TWT UL TID(又は遅延に弱いトラフィック)のACのためにMU EDCAタイマをゼロにリセットする。
【0063】
R-TWTのメンバーSTAでない被スケジュール側STAは、R-TWTのSP中にチャネルを求めて競合するためにMU-EDCAパラメータを使用する。
【0064】
R-TWTのメンバーSTAは、R-TWTのSP中に非R-TWT TID(又は遅延の影響を受けないトラフィック)のためのチャネルを求めて競合するためにMU EDCAパラメータを使用する。
【0065】
5.実施形態の一般的範囲
本明細書では、コンピュータプログラム製品としても実装できる、本技術の実施形態による方法及びシステム、及び/又は手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式又はその他の計算表現のフローチャートを参照して本技術の実施形態を説明することができる。この点、フローチャートの各ブロック又はステップ、及びフローチャートのブロック(及び/又はステップ)の組み合わせ、並びにいずれかの手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現は、ハードウェア、ファームウェア、及び/又はコンピュータ可読プログラムコードの形で具体化された1又は2以上のコンピュータプログラム命令を含むソフトウェアなどの様々な手段によって実装することができる。理解されるように、このようないずれかのコンピュータプログラム命令は、以下に限定されるわけではないが、汎用コンピュータ又は専用コンピュータ、又は機械を生産するための他のいずれかのプログラマブル処理装置を含む1又は2以上のコンピュータプロセッサによって実行して、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で実行されるコンピュータプログラム命令が、(単複の)特定される機能を実施するための手段を生み出すようにすることができる。
【0066】
従って、本明細書で説明したフローチャートのブロック、並びに手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現は、(単複の)特定の機能を実行する手段の組み合わせ、(単複の)特定の機能を実行するステップの組み合わせ、及びコンピュータ可読プログラムコードロジック手段の形で具体化されるような、(単複の)特定の機能を実行するコンピュータプログラム命令をサポートする。また、本明細書で説明したフローチャートの各ブロック、並びにいずれかの手順、アルゴリズム、ステップ、演算、数式、又は計算表現、及びこれらの組み合わせは、(単複の)特定の機能又はステップを実行する専用ハードウェアベースのコンピュータシステム、又は専用ハードウェアとコンピュータ可読プログラムコードとの組み合わせによって実装することもできると理解されるであろう。
【0067】
さらに、コンピュータ可読プログラムコードなどの形で具体化されるこれらのコンピュータプログラム命令を、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置に特定の態様で機能するように指示することができる1又は2以上のコンピュータ可読メモリ又はメモリ装置に記憶して、これらのコンピュータ可読メモリ又はメモリ装置に記憶された命令が、(単複の)フローチャートの(単複の)ブロック内に指定される機能を実施する命令手段を含む製造の物品を生産するようにすることもできる。コンピュータプログラム命令をコンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置によって実行し、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で一連の動作ステップが実行されるようにしてコンピュータで実施される処理を生成し、コンピュータプロセッサ又は他のプログラマブル処理装置上で実行される命令が、(単複の)フローチャートの(単複の)ブロック、(単複の)手順、(単複の)アルゴリズム、(単複の)ステップ、(単複の)演算、(単複の)数式、又は(単複の)計算表現に特定される機能を実施するためのステップを提供するようにすることもできる。
【0068】
さらに、本明細書で使用する「プログラム」又は「プログラム実行文」という用語は、本明細書で説明した1又は2以上の機能を実行するために1又は2以上のコンピュータプロセッサが実行できる1又は2以上の命令を意味すると理解されるであろう。命令は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで具体化することができる。命令は、装置の非一時的媒体に局所的に記憶することも、又はサーバなどに遠隔的に記憶することもでき、或いは命令の全部又は一部を局所的に又は遠隔的に記憶することもできる。遠隔的に記憶された命令は、ユーザが開始することによって、或いは1又は2以上の要因に基づいて自動的に装置にダウンロード(プッシュ)することができる。
【0069】
さらに、本明細書で使用するプロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、中央処理装置(CPU)及びコンピュータという用語は、命令、並びに入力/出力インターフェイス及び/又は周辺装置との通信を実行できる装置を示すために同義的に使用されるものであり、プロセッサ、ハードウェアプロセッサ、コンピュータプロセッサ、CPU及びコンピュータという用語は、単一の又は複数の装置、シングルコア装置及びマルチコア装置、及びこれらの変種を含むように意図するものであると理解されるであろう。
【0070】
本明細書の説明から、本開示は、限定ではないが以下の内容を含む複数の技術実装を含むと理解されるであろう。
【0071】
ネットワークにおける無線通信のための装置であって、(a)独立した無線局(STA)であるSTA又はマルチリンク装置(MLD)内のSTAとしてIEEE802.11ネットワークの媒体アクセス制御(MAC)層間のフレームの送信を実行し、全てのリンク上のランダムチャネルアクセスに拡張分散チャネルアクセス(EDCA)が利用される、又は全てのリンク上のトリガーベースの(TB)アップリンク送信にトリガーベースのチャネルアクセスが利用される無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)上でキャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)機構を使用して他の無線局(STA)と無線で通信する通常の非アクセスポイント(AP)STA又はアクセスポイント(AP)STAのいずれかとして動作する、無線通信回路と、(b)前記無線通信回路に結合されてWLAN上で動作するプロセッサと、(c)他のSTAと通信するための、前記プロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的メモリとを備え、(d)前記命令は、プロセッサによって実行された時に、R-TWTメンバーシップネゴシエーション中に制限付きターゲットウェイトタイム(R-TWT)トラフィック識別子(TID)を設定する送信を優先させる際に、(d)(i)R-TWTサービス期間(SP)のR-TWTメンバーSTAになるために被R-TWTスケジュール側STAとR-TWTスケジュール側APとの間で前記R-TWT SPをネゴシエートすることと、(d)(ii)前記R-TWT SPが、特定のTIDを有する低遅延トラフィックの送信をネゴシエートされたものとして優先し、ここでトリガー有効型チャネルアクセス及び非トリガー有効型チャネルアクセスという2つのタイプのチャネルアクセスが提供され、これによって前記R-TWT SPをトリガー有効型R-TWT SP又は非トリガー有効型R-TWT SPのいずれかとして識別することと、を含む、前記無線通信回路のための無線通信プロトコルのステップを実行する、装置。
【0072】
ネットワークにおける無線通信の実行方法であって、(a)独立した無線局(STA)であるSTA又はマルチリンク装置(MLD)内のSTAとしてIEEE802.11ネットワークの媒体アクセス制御(MAC)層間のフレームの送信を実行し、全てのリンク上のランダムチャネルアクセスに拡張分散チャネルアクセス(EDCA)が利用される、又は全てのリンク上のトリガーベースの(TB)アップリンク送信にトリガーベースのチャネルアクセスが利用される無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)上でキャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)機構を使用して他の無線局(STA)と無線で通信する通常の非アクセスポイント(AP)STA又はアクセスポイント(AP)STAのいずれかとして動作することと、(b)R-TWT SPのR-TWTメンバーSTAになるために被R-TWTスケジュール側STAとR-TWTスケジュール側APとの間で前記R-TWT SPをネゴシエートすることと、(c)R-TWTにおいて、R-TWT TIDを含む特定のTIDを有する低遅延トラフィックの送信をネゴシエートされたものとして優先し、ここでトリガー有効型チャネルアクセス及び非トリガー有効型チャネルアクセスという2つのタイプのチャネルアクセスが提供され、これによってR-TWT SPをトリガー有効型R-TWT SP又は非トリガー有効型R-TWT SPのいずれかとしてそれぞれ識別することと、を含む方法。
【0073】
ネゴシエートされるR-TWT TIDは、R-TWTアップリンク(UL)TID、R-TWTダウンリンク(DL)TID、及びR-TWTピアツーピア(P2P)TIDを含み、(単複の)SCSトラフィックストリームのサービス品質(QoS)特性要素に示されるストリーム分類サービス(SCS)トラフィックストリームに基づいて確立される、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0074】
確立されたR-TWT P2P TIDは、対応するSCSトラフィックストリームのTID-リンクマッピングに従う、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0075】
(a)SCSトラフィックストリームが、QoS特性要素内に同じ遅延限界及び/又はMSDU寿命を有すること、(b)TID/UPの差別化サービスコードポイント(DSCP)範囲がゼロに設定されていること、(c)アクセスカテゴリ(AC)内の1つのTIDのみがR-TWT TIDとして使用され、或いは同じAC内の両TIDがR-TWT TIDとして使用される必要があること、及び(d)P2P SCSトラフィックストリームがそのQoS特性要素内に同じTID-リンクマッピングを有すること、という条件のうちの少なくとも1つが満たされる場合、複数のSCSトラフィックストリームが同じTIDにマッピングされる、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0076】
R-TWTスケジュール側APは、(a)R-TWT TIDが複数のSCSトラフィックストリームを有する場合、媒体時間は、前記R-TWT TIDの全てのSCSトラフィックストリームの総媒体時間である、(b)TIDが複数のR-TWTのR-TWT TIDである場合、R-TWT時間は、これらのR-TWTの総R-TWT SP時間である、(c)SCSトラフィックストリームの媒体時間が特定の帯域幅にわたる必要な送信時間について計算される場合、スケジュール側APは、帯域幅が前記特定の帯域幅よりも広い場合のSCSトラフィックストリームの送信のためのチャネル時間割り当てを削減する、ということによって決定されるようなR-TWT TIDのSCSトラフィックストリームの媒体時間の要件を超えるR-TWT TIDのR-TWT SP時間をスケジュールすることができない、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0077】
非トリガー有効型R-TWT SPにおいて、前記非トリガー有効型R-TWT SPのR-TWTメンバーSTAはTXOP所有者として動作して、前記非トリガー有効型R-TWT SPのR-TWT TIDのうちのいずれかにマッピングされるTXOPのプライマリACを除くR-TWTのいずれかのSPの開始時点よりも前にTXOPが終了することを保証する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0078】
TXOPのプライマリACをいずれのR-TWT TIDにもマッピングできない場合、R-TWTメンバーSTAはそのTXOPを継続することができる、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0079】
R-TWTメンバーSTAは、前記R-TWT SPの開始時点後にR-TWT TIDのフレームを送信するためにTXOPを共有する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0080】
R-TWTメンバーSTAは、次のR-TWT SPの開始時点前に請求応答を含むフレーム送信を完了するのに十分な時間を有しているかどうかをチェックし、十分な時間がない場合、R-TWTメンバーSTAは送信を行わず、ACのコンテンションウィンドウ(CW)及び変更されないACのQoSショートリトライカウンタ(QSRC)を使用してバックオフを再開する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0081】
トリガー有効型R-TWT SPにおいて、TXOP所有者であるR-TWTメンバーSTAは、いずれかのR-TWT SPの開始時点前にR-TWTスケジュール側APとTXOPを共有することを保証し、或いはいずれかのR-TWT SPの開始時点前にTXOPが終了することを保証し、この場合、(a)メンバーSTAは、スケジュール側APがそのTXOPを共有することを示すように設定された逆方向グラント(RDG)を含むフレームを送信することができ、APは、RDGを含むフレームを受け取ると、フレームの期間又はネットワーク割り当てベクトル(NAV)フィールド中にTXOP所有者として動作してTXOPを延長することができ、(b)メンバーSTAは、たとえR-TWT SPの開始時点までにフレームの送信が完了しない予定であっても、APとTXOPを共有するためにフレームを送信する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0082】
R-TWT SP中のTXOP所有者であるR-TWTスケジュール側APは、R-TWT SPのいずれかのR-TWT TIDのフレームをTXOP中にプライマリACからのフレームとして送信する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0083】
APは、R-TWT SP中にTXOPを取得するためにいずれかのACの拡張分散チャネルアクセス機能(EDCAF)を使用し、或いはAPは、R-TWT SP中にTXOPを取得するためにR-TWT SPのR-TWT(DL)TIDのEDCAFのみを使用する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0084】
R-TWTメンバーSTA又は被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT SP外にいずれのR-TWTのR-TWT TIDでもないTIDのフレームを送信する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0085】
メンバーSTAは、R-TWTのSP外に前記R-TWTのR-TWT TIDのフレームを送信しない、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0086】
被R-TWTスケジュール側STAは、緊急事態準備通信サービス(EPCS)優先アクセスを有効にしている場合であって、(a)EPCSトラフィックを送信するTXOP所有者である被R-TWTスケジュール側STAがいずれかのR-TWT SPの開始時点を越えてそのTXOPを継続し、いずれかのR-TWT SPの開始時点前にそのTXOPを終了する必要がない場合、及び(b)EPCSトラフィックを送信するTXOP所有者である被R-TWTスケジュール側STAがR-TWT SP中に重複するクワイエット間隔を無視する場合に、R-TWTスケジュールを無視する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0087】
R-TWTスケジュールSTAは、緊急事態準備通信サービス(EPCS)優先アクセスをSCSトラフィックストリームとして識別する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0088】
QoS特性要素に、SCSトラフィックストリームがEPCSトラフィックであることを示すEPCSトラフィックサブフィールドが追加される、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0089】
前記EPCSトラフィックサブフィールドが第1の状態に設定されている場合、前記QoS特性要素下のSCSトラフィックストリームはEPCSトラフィックであり、そうでなければ前記フィールドは第2の状態に設定され、前記QoS特性要素下のSCSトラフィックストリームはEPCSトラフィックとみなされない、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0090】
R-TWTメンバーSTAは、たとえR-TWT SPの開始時点前にチャネルを求めて競合するためにマルチユーザ(MU)EDCAパラメータを使用していて、R-TWT SPの開始時点にMU EDCAタイマが満了していない場合でも、R-TWT SP中にR-TWT TID又は遅延に弱いトラフィックのためのチャネルを求めて競合するためにEDCAパラメータを使用する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0091】
メンバーSTAは、R-TWT SP中に送信を終了した直後、又はR-TWT SPが終了した直後にマルチユーザ(MU)EDCAパラメータを使用し続け、メンバーSTAは、R-TWT SPの開始時に一時停止していたMU EDCAタイマを、その期間中にMU EDCAタイマが更新されない限りカウントダウンし続ける、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0092】
前記メンバーSTAは、R-TWT SPの開始時にR-TWTアップロード(UL)TID又は遅延に弱いトラフィックのACのためのマルチユーザ(MU)EDCAタイマをゼロにリセットする、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0093】
R-TWTのメンバーSTAではない被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWTのSP中にチャネルを求めて競合するためにマルチユーザ(MU)EDCAパラメータを使用する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0094】
R-TWTのメンバーSTAは、R-TWTのSP中に非R-TWT TID又は遅延の影響を受けないトラフィックのためのチャネルを求めて競合するためにマルチユーザ(MU)EDCAパラメータを使用する、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0095】
被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT SPの開始時にチャネルを求めて競合するためにDIFSアクセス及び/又はAIFSアクセスを使用しない、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0096】
被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT SP中にDIFSアクセス又はAIFSアクセスを使用しない、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0097】
被R-TWTスケジュール側STAは、R-TWT SPの最初のx時間中にDIFSアクセス又はAIFSアクセスを使用せず、ここでのxは、秒、ミリ秒又はマイクロ秒単位の時間を表す、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0098】
被R-TWTスケジュール側STAは、チャネルを求めて競合するために、バックオフ手順を使用し、バックオフカウントを選択してこれを減分し、STAはゼロに等しいバックオフカウントを選択することができない、いずれかの先行する実装の装置又は方法。
【0099】
本明細書で使用する「実装」という用語は、本明細書で説明する技術を実践するための実施形態、実施例、又はその他の形態を制限なく含むように意図される。
【0100】
本明細書で使用する単数形の「a、an(英文不定冠詞)」及び「the(英文定冠詞)」は、文脈において別途明確に示されていない限り複数形の照応を含む。ある物体に対する単数形での言及は、明確にそう述べていない限り「唯一」を意味するものではなく、「1又は2以上」を意味する。
【0101】
本開示における「A、B及び/又はC」などの表現構造は、A、B又はCのいずれか、或いは項目A、B及びCのいずれかの組み合わせが存在し得ることを表す。「~のうちの少なくとも1つ(at least one of)」の後にリストされた一群の要素が続くものなどを示す表現構造は、該当する際にはこれらのリストされた要素のいずれかの考えられる組み合わせを含む、これらの一群の要素のうちの少なくとも1つが存在することを示す。
【0102】
本開示における「ある実施形態」、「少なくとも1つの実施形態」又は同様の実施形態という言い回しについて言及する参照は、説明する実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造又は特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを示す。従って、これらの様々な実施形態の表現は、必ずしも全てが同じ実施形態、又は説明されている他の全ての実施形態とは異なる特定の実施形態を意味するわけではない。実施形態という表現は、所与の実施形態の特定の特徴、構造又は特性を、開示する装置、システム又は方法の1又は2以上の実施形態においていずれかの好適な形で組み合わせることができることを意味するものとして解釈すべきである。
【0103】
本明細書で使用する「組(set)」という用語は、1又は2以上の物体の集合を意味する。従って、例えば物体の組は、単一の物体又は複数の物体を含むことができる。
【0104】
本文書における第1及び第2、頂部及び底部、上側及び下側、並びに左及び右などの関係語は、1つの実体又は行動を別の実体又は行動と区別するために使用しているにすぎず、必ずしもこのような実体又は行動同士のこのようないずれかの実際の関係又は順序を必要としたり、又は意味したりするものではない。
【0105】
「備える、有する、含む(comprises、comprising、has、having、includes、including、contains、containing)」という用語、又はこれらの用語の他のあらゆる変化形は、非排他的包含を含むことが意図されており、従って、ある要素リストを備える、有する又は含むプロセス、方法、物品、装置又はシステムは、これらの要素のみを含むのではなく、明示的に列挙していない、又はこのようなプロセス、方法、物品、装置又はシステムに特有の他の要素を含むこともできる。「~を備える、有する、又は含む(comprises … a、has … a、includes … a、contains … a)」に続く要素は、その要素を備える、有する又は含むプロセス、方法、物品、装置又はシステムにさらなる同一要素が存在することを、さらなる制約を受けることなく除外するものではない。
【0106】
本明細書で使用する「近似的に(approximately)」、「近似する(approximate)」、「実質的に(substantially)」、「基本的に(essentially)」及び「約(about)」という用語、又はこれらのいずれかの変形形態は、わずかな変動の記述及び説明のために使用するものである。これらの用語は、事象又は状況に関連して使用した時には、これらの事象又は状況が間違いなく発生する場合、及びこれらの事象又は状況が発生する可能性が非常に高い場合を意味することができる。これらの用語は、数値に関連して使用した時には、その数値の±5%以下、±4%以下、±3%以下、±2%以下、±1%以下、±0.5%以下、±0.1%以下、又は±0.05%以下などの、±10%以下の変動範囲を意味することができる。例えば、「実質的に」整列しているということは、±5°以下、±4°以下、±3°以下、±2°以下、±1°以下、±0.5°以下、±0.1°以下、又は±0.05°以下などの、±10°以下の角度変動範囲を意味することができる。
【0107】
また、本明細書では、量、比率及びその他の数値を範囲形式で示すこともある。このような範囲形式は、便宜的に単純化して使用するものであり、範囲の限界として明確に指定された数値を含むが、この範囲に含まれる全ての個々の数値又は部分的範囲も、これらの各数値及び部分的範囲が明確に示されているかのように含むものであると柔軟に理解されたい。例えば、約1~約200の範囲内の比率は、約1及び約200という明確に列挙した限界値を含むが、約2、約3、約4などの個々の比率、及び約10~約50、約20~約100などの部分的範囲も含むと理解されたい。
【0108】
本明細書で使用する「結合される(coupled)」という用語は、「接続される」と定義されるが、必ずしも直接的な機械的接続ではない。特定の形で「構成される(configured)」装置又は構造は、少なくともその形で構成されるが、列挙していない形で構成することもできる。
【0109】
利点、長所、問題解決手段、及びいずれかの利点、長所又は解決手段を生じさせる、又はより顕著にするいずれかの(単複の)要素は、本明細書で説明した技術、或いは一部又は全部の請求項の重要な、必要な又は不可欠な特徴又は要素として解釈すべきでない。
【0110】
また、上述した開示では、開示を合理化する目的で様々な実施形態において様々な特徴を共にグループ化することができる。本開示の方法は、請求項に記載する実施形態が、各請求項に明示的に記載する特徴よりも多くの特徴を必要とするという意図を反映したものであると解釈すべきではない。本発明の主題は、開示した単一の実施形態の全ての特徴よりも少ないものによって成立することができる。
【0111】
本開示の要約書は、読者が技術開示の本質を素早く確認できるように示すものである。要約書は、特許請求の範囲又はその意味を解釈又は限定するために使用されるものではないという理解の下で提示するものである。
【0112】
管轄によっては、出願後に本開示の1又は2以上の部分の削除を求める慣行もあると理解されたい。従って、読者は、本開示の元々の内容については出願日時点の出願を参照すべきである。開示内容のいずれかの削除は、当初出願時の出願のいずれかの主題の放棄、失権又は公衆への献呈として解釈すべきではない。
【0113】
以下の特許請求の範囲は、各請求項が単独の発明主題として自立した状態で本開示に組み込まれる。
【0114】
本明細書の説明は多くの詳細を含んでいるが、これらは本開示の範囲を限定するものではなく、現在のところ好ましい実施形態の一部を例示するものにすぎないと解釈すべきである。従って、本開示の範囲は、当業者に明らかになると考えられる他の実施形態も完全に含むと理解されるであろう。
【0115】
当業者に周知の本開示の実施形態の要素の構造的及び機能的同等物も、引用によって本明細書に明確に組み入れられ、本特許請求の範囲に含まれるように意図される。さらに、本開示の要素、構成要素又は方法ステップは、これらが特許請求の範囲に明示されているかどうかにかかわらず、一般に公開されるように意図するものではない。本明細書における請求項の要素については、その要素が「~のための手段」という表現を使用して明確に示されていない限り、「ミーンズプラスファンクション」の要素として解釈すべきではない。また、本明細書における請求項の要素については、その要素が「~のためのステップ」という表現を使用して明確に示されていない限り、「ステッププラスファンクション」の要素として解釈すべきではない。
【符号の説明】
【0116】
210 AP STAのR-TWT優先順位付けの実施形態
212 R-TWTメンバーSTAのためのスケジュールされたR-TWTが存在するか?
214 スケジュールされたR-TWT SPは、対応するR-TWT TIDのSCS手順中に確立されたQoS要件を超えることができない
216 APがTXOP所有者であるか?
218 APは、R-TWT SP中にいずれかのR-TWT TIDのトラフィックを送信し、或いはいずれかのACのEDCAFを使用してTXOPを取得することができる
220 APは、R-TWT SPの開始時にR-TWTメンバーSTAからの共有TXOPを継続し、TXOP所有者として実行することができる
【国際調査報告】