(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-22
(54)【発明の名称】電池のための冷却システム、電池パック、および車両
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6554 20140101AFI20250714BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20250714BHJP
H01M 10/625 20140101ALI20250714BHJP
【FI】
H01M10/6554
H01M10/613
H01M10/625
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025502679
(86)(22)【出願日】2023-08-02
(85)【翻訳文提出日】2025-01-17
(86)【国際出願番号】 CN2023110662
(87)【国際公開番号】W WO2024027740
(87)【国際公開日】2024-02-08
(31)【優先権主張番号】202222024670.X
(32)【優先日】2022-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】スー、ホンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】チアン、チーミン
(72)【発明者】
【氏名】タン、チン
(72)【発明者】
【氏名】クオ、シュー
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031KK01
5H031KK08
(57)【要約】
電池のための冷却システム(100)、電池パック(200)、および車両(300)。電池のための冷却システム(100)は、主冷却板(1)および接続片冷却板(2)を備え、第1の冷却チャネルが、主冷却板(1)に設けられ、主冷却板(1)は、電池セル(4)を冷却するために使用され、接続片冷却板(2)は、主冷却板(1)上に設けられ、第2の冷却チャネルが、各接続片冷却板(2)に設けられ、接続片冷却板(2)は、接続片(5)を冷却するために使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の冷却チャネルが設けられており、かつ、電池セル(4)を冷却するように構成されている、主冷却板(1)と、
前記主冷却板(1)上に配置されており、第2の冷却チャネルが設けられており、かつ、接続シート(5)を冷却するように構成されている、接続シート冷却板(2)と、
を備える、電池のための冷却システム(100)。
【請求項2】
前記第1の冷却チャネルおよび前記第2の冷却チャネルが、互いに独立しており、かつ、互いに連通しない、請求項1に記載の電池のための冷却システム(100)。
【請求項3】
前記第1の冷却チャネルが、前記第2の冷却チャネルと連通する、請求項1に記載の電池のための冷却システム(100)。
【請求項4】
第1のコネクタ(21)が、前記第2の冷却チャネルの入口および出口のそれぞれに配置され、複数の第2のコネクタ(13)が、前記主冷却板(1)上に配置され、前記第2のコネクタ(13)および前記第1のコネクタ(21)が、1対1対応しており、かつ、互いに連通する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電池のための冷却システム(100)。
【請求項5】
前記第1のコネクタ(21)と前記第2のコネクタ(13)との接合部において、密閉ホース(3)は、スリーブが装着される、請求項4に記載の電池のための冷却システム(100)。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電池のための冷却システム(100)を備える、電池パック(200)。
【請求項7】
複数の電池セル(4)および複数の接続シート(5)をさらに備え、前記電池セル(4)が、前記主冷却板(1)上に固定して配置されており、前記接続シート(5)が、前記電池セル(4)の端子に接続されており、前記接続シート冷却板(2)が、前記接続シート(5)に固定して接続されている、請求項6に記載の電池パック(200)。
【請求項8】
前記電池セル(4)が、熱伝導性接着剤を通じて前記主冷却板(1)に固定して接続される、請求項7に記載の電池パック(200)。
【請求項9】
前記接続シート冷却板(2)が、熱伝導性接着剤を通じて前記接続シート(5)に固定して接続される、請求項7又は8に記載の電池パック(200)。
【請求項10】
電池トレイ(201)をさらに備え、前記主冷却板(1)が、第1の冷却板(14)を備え、前記第1の冷却板(14)が、前記電池トレイ(201)上に統合されている、請求項6乃至9のいずれか一項に記載の電池パック(200)。
【請求項11】
前記電池トレイ(201)が、外側フレーム(8)および底板(9)を備え、前記第1の冷却板(14)が、前記底板(9)上に統合される、請求項10に記載の電池パック(200)。
【請求項12】
密閉カバーをさらに備え、前記主冷却板(1)が、第2の冷却板(15)をさらに備え、前記第2の冷却板(15)が、前記密閉カバー上に統合されている、請求項10に記載の電池パック(200)。
【請求項13】
請求項1から5までのいずれか一項に記載の電池のための冷却システム(100)、または請求項6から12までのいずれか一項に記載の電池パック(200)を備える、車両(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2022年8月2日に出願され「COOLING SYSTEM FOR BATTERY,BATTERY PACK,AND VEHICLE」と題された中国特許出願第202222024670.X号の優先権および利益を主張するものである。上記出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、電池技術の分野に関し、詳細には、電池のための冷却システム、電池パック、および車両に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の技術では、電池パック内の接続シートが、電池パック内の少量の空気によってのみ受動的かつ自然に冷却される。しかし、この態様は、熱放散能力が限られており、熱放散効果が貧弱である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、電池のための冷却システム、電池パック、および車両を提供することである。したがって、接続シートの効率的な熱放散が実施され得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本開示は、主冷却板および接続シート冷却板を含む、電池のための冷却システムを提供する。第1の冷却チャネルが、主冷却板に設けられる。主冷却板は、電池セルを冷却するように構成される。接続シート冷却板は、主冷却板上に配置される。第2の冷却チャネルが、接続シート冷却板に設けられる。接続シート冷却板は、接続シートを冷却するように構成される。
【0006】
任意選択で、第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルは、互いに独立しており、互いに連通しない。
【0007】
任意選択で、第1の冷却チャネルは、第2の冷却チャネルと連通する。
【0008】
任意選択で、第1のコネクタが、第2の冷却チャネルの入口および出口のそれぞれに配置され、複数の第2のコネクタが、主冷却板上に配置され、第2のコネクタおよび第1のコネクタは、1対1対応しており、かつ、互いに連通する。
【0009】
任意選択で、第1のコネクタと第2のコネクタとの間の接合部において、密閉ホースは、スリーブが装着される。
【0010】
上記の技術的解決法に基づき、本開示は、電池のための冷却システムを含む電池パックをさらに提供する。
【0011】
任意選択で、電池パックは、複数の電池セルおよび複数の接続シートをさらに含み、電池セルは、主冷却板上に固定して配置され、接続シートは、電池セルの端子に接続され、接続シート冷却板は、接続シートに固定して接続される。
【0012】
任意選択で、電池セルは、熱伝導性接着剤を通じて主冷却板に固定して接続される。
【0013】
任意選択で、接続シート冷却板は、熱伝導性接着剤を通じて接続シートに固定して接続される。
【0014】
任意選択で、電池パックは、電池トレイをさらに含み、主冷却板は、第1の冷却板を含み、第1の冷却板は、電池トレイ上に統合される。
【0015】
任意選択で、電池トレイは、外側フレームおよび底板を含み、第1の冷却板は、底板上に統合される。
【0016】
任意選択で、電池パックは、密閉カバーをさらに含み、主冷却板は、第2の冷却板をさらに含み、第2の冷却板は、密閉カバー上に統合される。
【0017】
上記の技術的解決法に基づき、本開示は、電池のための冷却システムまたは電池パックを含む車両をさらに提供する。
【0018】
上記の技術的解決法を通じて、本開示において提供される電池のための冷却システムは、主冷却板および接続シート冷却板を含む。第1の冷却チャネルは、主冷却板に設けられる。冷却媒体(例えば、冷却剤)が、主冷却板における第1の冷却チャネルに導入されて、電池セルの熱放散および冷却を実施する。さらに、第2の冷却チャネルは、接続シート冷却板に設けられる。冷却媒体(例えば、冷却剤)が、接続シート冷却板内の第2の冷却チャネルに導入されて、接続シートの熱放散および冷却を実施する。効率的かつ時宜を得た熱放散が、追加された接続シート冷却板を通じて電池パック内の接続シートにおいて行われることができ、その結果、接続シートの過熱によってもたらされる電池の性能および寿命への影響が軽減される。
【0019】
本開示の他の特徴および利点は、以下の発明を実施するための形態の部分において詳細に説明される。
【0020】
添付の図面は、本開示のさらなる理解のために提供され、本明細書の一部分を構成するものであり、また、以下の特定の実施態様と一緒に本開示を説明するものであるが、本開示の限界を構成するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による電池のための冷却システムの概略構造図である。
【
図3】本開示の例示的な実施形態による電池パックの部分的な概略構造図である。
【
図4】本開示の例示的な実施形態による電池パックの3次元分解組立図である。
【
図5】本開示の例示的な実施形態による電池パックの別の3次元分解組立図である。
【
図7】本開示の例示的な実施形態による電池パック内の電池トレイの概略構造図である。
【
図8】本開示の例示的な実施形態による車両の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図面を参照しながら本開示の特定の実施態様を詳細に説明する。本明細書において説明される特定の実施態様は、単に本開示を説明しかつ解説するために使用されるものであって、本開示を限定するようには意図されていないことが、理解されるべきである。
【0023】
本開示において、そうでないことが指定されていない限り、「内側および外側(inside and outside)」などの使用される配向の用語は、対応する構成要素の輪郭のためのものである。さらに、以下の説明が添付の図面に関連する場合、そうでないことが指定されていない限り、異なる添付の図面における同じ番号は、同じまたは類似の要素を表す。以下の例示的な実施形態において説明される実施態様は、本開示と一致する全ての実施態様を表すものではない。代わりに、それらの実施態様は、添付の特許請求の範囲に記載されるような本開示に関連するいくつかの態様と一致する装置および方法の例にすぎない。
【0024】
電気車両の電池パックでは、接続シートが一般に配置される。接続シートは、電池セル間の直列および並列の接続を実施するために、溶接する態様または別の接続する態様で電池セル(セル)の端子にしっかりと接続される。急速充電中、電池、接続シート、および別の電気的接続構造は、全て、持続的な大電流にさらされる。接続シートおよび別の電気的接続構造の抵抗、ならびに溶接によって増加される抵抗は、全て、大量の熱を生じさせる。接続シートおよび別の電気的接続構造によって生成される熱が、時間内に放散され得ない場合、電池の温度が上昇する。その結果、電池の性能、寿命、などが影響を受ける。
【0025】
本開示の特定の実施態様によれば、
図1から
図7を参照すると、主冷却板1および接続シート冷却板2を含む、電池のための冷却システム100が提供される。第1の冷却チャネルが、主冷却板1に設けられる。主冷却板1は、電池セル4を冷却するように構成される。接続シート冷却板2は、主冷却板1上に配置される。第2の冷却チャネルが、接続シート冷却板2に設けられる。接続シート冷却板2は、接続シート5を冷却するように構成される。
【0026】
上記の技術的解決法を通じて、本開示において提供される電池のための冷却システム100は、主冷却板1および接続シート冷却板2を含む。第1の冷却チャネルは、主冷却板1に設けられる。冷却媒体(例えば、冷却剤)が、主冷却板1における第1の冷却チャネルに導入されて、電池セル4の熱放散および冷却を実施する。さらに、第2の冷却チャネルは、接続シート冷却板2に設けられる。本開示において提供される電池のための冷却システム100では、冷却媒体(例えば、冷却剤)が、接続シート冷却板2における第2の冷却チャネルに導入されて、接続シート5の熱放散および冷却を実施する。さらに、効率的かつ時宜を得た熱放散が、追加された接続シート冷却板2を通じて電池パック内の接続シート5において行われることができ、その結果、接続シート5の過熱によってもたらされる電池の性能および寿命への影響が軽減される。
【0027】
図1を参照すると、主冷却板1は、完全な液体冷却板であってもよく、または、複数の液体冷却板によって接合(splice)されてもよい。主冷却板1は、入口コネクタ11および出口コネクタ12を含む。入口コネクタ11および出口コネクタ12はどちらも、第1の冷却チャネルと連通する。主冷却板1が完全な液体冷却板である場合、接続シート冷却板2は、主冷却板1の上方に配置される。接続シート冷却板2は、金属押出しハーモニカ管(metal extruded harmonica tube)、蛇行管(serpentine tube)、または型打ちロウ付け板(stamped brazing plate)であってもよい。主冷却板1上の接続シート冷却板2の具体的な位置は、接続シート5の位置に基づいて定められてもよい。これは、本開示に特に限定されるものではない。主冷却板1が複数の液体冷却板によって接合される場合、接続シート冷却板2は、各液体冷却板上に配置されてもよい。あるいは、同じ接続シート冷却板2が、少なくとも2つの液体冷却板にわたって配置されてもよい。これは、本開示に特に限定されるものではない。
【0028】
本開示において提供される一実施態様では、第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルは、主冷却板1および接続シート冷却板2の独立した冷却を実施するために、互いに独立しておりかつ互いに連通していなくてもよい。主冷却板1および接続シート冷却板2が互いに独立しておりかつ互いに連通していない場合、第2の冷却チャネルに導入される物質は、冷却剤であってもよい。
【0029】
本開示において提供される別の実施態様では、
図1を参照すると、第1の冷却チャネルおよび第2の冷却チャネルは、あるいは、冷却媒体(例えば、冷却剤)が電池のための冷却システム100全体に流入するように構成されたチャネルが経路を形成するように、互いに連通してもよい。冷却剤は、主冷却板1に導入された後、主冷却板1の第1の冷却チャネルおよび接続シート冷却板2の第2の冷却チャネルに流入することができ、各接続シート冷却板2を冷却剤移送デバイスに接続する必要はない。言い換えれば、主冷却板1および接続シート冷却板2は、同じ冷却剤移送デバイスを共有する。このようにして、複数の冷却剤移送デバイスの配置が回避されることができ、結果として、電池パックの内部空間が節約され、電池パックのコストも削減され得る。
【0030】
第1の冷却チャネルが第2の冷却チャネルと連通する場合、
図1および
図2を参照すると、第1のコネクタ21が、第2の冷却チャネルの入口および第2の冷却チャネルの出口にそれぞれ配置されてもよく、複数の第2のコネクタ13が、主冷却板1上に配置され、第2のコネクタ13および第1のコネクタ21は、1対1対応しており、かつ、互いに連通する。上記の設計態様では、第1のコネクタ21および第2のコネクタ13の両方が、延長コネクタ構造であり、また、第2のコネクタ13および第1のコネクタ21は、第1の冷却チャネルと第2の冷却チャネルとの間の連通を促進するために、1対1対応の態様で配置される。接続シート冷却板2は、ある長さを有する。2つの第1のコネクタ21が、長さ方向に沿って接続シート冷却板2の2つの端部にそれぞれ配置される。第1のコネクタ21および第2のコネクタ13の両方が、金属コネクタであってもよく、各第1のコネクタ21、および対応する第2のコネクタ13は、互いに向かって延在する。
【0031】
第1のコネクタ21と第2のコネクタ13との接合部における冷却剤漏れの可能性を低くするために、本開示において提供される一実施態様では、
図2を参照すると、密閉ホース3は、第1のコネクタ21と第2のコネクタ13との接合部において、スリーブが装着される。密閉ホース3は、冷却剤が電池のための冷却システム100から容易には流出しないように、また、冷却剤が電池パック内の電池セル4などの別の構造に影響を与える可能性が低下されるように、第1のコネクタ21と第2のコネクタ13との接合部を密閉するように構成される。密閉ホース3の内壁は、第1のコネクタ21および第2のコネクタ13の周壁に近接して配置される。
【0032】
上記の技術的解決法に基づき、本開示は、電池パック200をさらに提供する。
図3から
図6を参照すると、電池パック200は、上記の電池のための冷却システム100を含む。この設計態様を通じて、接続シート5上で冷却および熱放散を行う接続シート冷却板2は、接続シート5の過熱に起因して電池パック200の使用に影響を与えるのを避けるために、電池パック200内に配置される。本開示において提供される電池パック200もまた、上記の特徴を有する。繰り返しを避けるために、本明細書では詳細は再度説明されない。
【0033】
本開示において提供される一実施態様では、
図3を参照すると、電池パック200は、複数の電池セル4および複数の接続シート5をさらに含み、電池セル4は、主冷却板1上に固定して配置され、接続シート5は、電池セル4の端子に接続され、接続シート冷却板2は、接続シート5に固定して接続される。上記の設計態様では、電池セル4は、電池セル4の熱放散および冷却を促進する主冷却板1上に配置される。同様に、接続シート冷却板2および接続シート5は、熱くなる接続シート5上で接続シート冷却板2が熱放散および冷却をより良く行うことができるように、固定して配置される。
【0034】
図3および
図4を参照すると、複数の電池セル4は、第1の方向に沿って配置され、かつ、固定支点41を通じて電池セル列(電池セル4および電池セル4上に接続または配置される別の構造の列を含む)を形成する。エーロゲル42が、隣接する電池セル4間に配置される。エーロゲル42は、電池セル4間の熱絶縁を実施し、かつ、電池セル4の膨張を吸収することができる。固定支点41は、第1の方向に沿って延在する。第1の方向に沿って間隔を置いて配置される複数の接続シート5が、各電池セル列の対向する2つの側それぞれに配置され、接続シート5は、電池モジュールを形成するために、電池セル列内の複数の電池セル4と連通するように構成される。1つの接続シート冷却板2が、電池セル列の同じ側に設置された接続シート5の外側に固定されてもよく、または、第1の方向に沿って配置された複数の接続シート冷却板2が、電池セル列の同じ側に設置された接続シート5の外側に固定されてもよいことが、留意されるべきである。
【0035】
本開示において提供される一実施態様では、
図3および
図4を参照すると、電池パック200は、フレキシブル回路板6および保護ハウジング7をさらに含む。フレキシブル回路板6および保護ハウジング7は、どちらも第1の方向に沿って延在する。接続シート冷却板2は、フレキシブル回路板6と接続シート5との間に設置される。フレキシブル回路板6は、電池モジュールの電圧および温度を監視および測定し、かつ、全電池管理システム(電池管理システム、BMS)と通信するように構成される。保護ハウジング7は、フレキシブル回路板6、接続シート冷却板2、および接続シート5の外側を覆う。保護ハウジング7は、上記の構造を保護するために、固定支点41と係合される。
【0036】
図3から
図5を参照すると、熱伝導に影響を与えることなしに電池セル4が主冷却板1にしっかりと接続されることを確実にするために、本開示において提供される一実施態様では、電池セル4は、熱伝導性接着剤を通じて主冷却板1に固定して接続され得る。電池セル4と主冷却板1との間の熱伝導性接着剤は、第1の熱伝導性接着剤43であってもよい。さらに、熱伝導に影響を与えることなしに接続シート5が接続シート冷却板2にしっかりと接続されることを確実にするために、本開示において提供される一実施態様では、接続シート冷却板2は、熱伝導性接着剤を通じて接続シート5に固定して接続され得る。接続シート5と接続シート冷却板2との間の熱伝導性接着剤は、第2の熱伝導性接着剤51であってもよい。他の実施形態では、接続シート冷却板2および接続シート5は、熱伝導性構造用接着剤を通じて接続されかつ固定されてもよく、または、電池セル4および主冷却板1は、熱伝導性構造用接着剤を通じて接続されかつ固定されてもよい。これは、本開示に特に限定されるものではない。
【0037】
本開示において提供される一実施態様では、
図5および
図7を参照すると、電池パック200は、電池トレイ201をさらに含み、主冷却板1は、第1の冷却板14を含むことができ、第1の冷却板14は、電池トレイ201上に統合され得る。上記の設計態様では、電池モジュールは、電池トレイ201上に置かれ、熱放散は、電池トレイ201上に統合された第1の冷却板14を通じて直接に行われ、結果として、組み合わされた後の第1の冷却板14および電池パック200の統合度は、より高くなり、熱放散は、電池モジュール内の電池セル4上で容易に行われる。さらに、第1の冷却板14および電池トレイ201は、その代わりに、互いに固定される2つの独立した構造体であってもよく、また、第1の冷却板14および電池トレイ201は、その代わりに、同じ構造に統合されてもよい(すなわち、液体冷却機能を持つ電池トレイ201が形成される)。
【0038】
図5、
図6、および
図7を参照すると、電池トレイ201は、底板9および外側フレーム8を含む。外側フレーム8は、押出し材を溶接することによって形成されたフレーム構造体である。外側フレーム8は、電池モジュールの外側に囲まれる。第1の冷却板14は、底板9上に統合され、一緒に統合された底板9および第1の冷却板14は、摩擦攪拌溶接により、または別の形態において、外側フレーム8の底部に固定される。電池モジュールは、熱伝導性接着剤または熱伝導性構造用接着剤を通じて、底板と統合された第1の冷却板14に固定される。1つまたは複数の電池モジュールが、外側フレーム8内に配置されてもよい。これは、本開示に特に限定されるものではない。
【0039】
図7に示された実施形態では、4つの電池モジュールが、外側フレーム8内に配置されている。拡張ビーム81および中間長手方向ビーム82が、外側フレーム8の内壁に固定され、拡張ビーム81および中間長手方向ビーム82は、外側フレーム8内で「十字架」形状に交差接続され、結果として、外側フレーム8の内部が4つの領域に分割され、各領域内に1つの電池モジュールが配置され得る。第1の方向に沿って分散された2つの電池モジュールにおいて、2つの電池モジュールの同じ側に設置された接続シート5上には1つだけの接続シート冷却板2が配置されることができ、拡張ビーム81の高さは、接続シート冷却板2および第1の冷却板14が熱伝導性接着剤または熱伝導性構造用接着剤を通じて外側フレーム8内の全ての電池モジュールの電池セル4の下部表面に結合されるのを回避することができる。
【0040】
本開示において提供される特定の実施態様では、
図5および
図6を参照すると、電池パック200は、密閉カバーをさらに含み、主冷却板1は、第2の冷却板15をさらに含み、第2の冷却板15は、密閉カバー上に統合され得る。上記の設計態様において、密閉カバーはまた、電池セル上での冷却および熱放散を効率的に行うために、電池セルを冷却する効果を有することができる。第2の冷却板15および密閉カバーは、互いに固定される2つの独立した構造体であってもよく、また代替的に、第2の冷却板15および密閉カバーは、本開示の電池パック200がより高い統合度を有するように、同じ構造体に統合されてもよい(すなわち、冷却機能を有する密閉カバーが形成される)。密閉カバーと統合された第2の冷却板15は、熱伝導性接着剤または熱伝導性構造用接着剤を通じて、外側フレーム8内の全ての電池モジュールの電池セル4の上部表面に固定して接続されてもよい。接続シート冷却板2は、第1の冷却板14と連通してもよく、または、第2の冷却板15と連通してもよく、または、第1の冷却板14および第2の冷却板15の両方と連通してもよい。これは、本開示に特に限定されるものではない。他の実施形態では、主冷却板1は、第1の冷却板14のみを含むことがあり、密閉カバーは、プラスチックまたは金属で作られたカバー板であることがあり、かつ、電池トレイ201上に配置される。
【0041】
上記の技術的解決法に基づき、本開示は、車両300をさらに提供する。
図8を参照すると、車両300は、上記の電池のための冷却システム100、または上記の電池パック200を含む。上記の設計態様において、本開示の電池のための冷却システム100または電池パック200が配置される車両300は、接続シート5の過熱による影響を受けず、結果として、車両300の性能が動作中により安定し、また、車両300の故障率が低下される。電池パック200は、車両300に搭載されてもよく、または、統合された電池車両体の形態で配置されてもよい。
【0042】
本開示のこの実施形態の実施原理は、以下の通りである。主冷却板1は、電池セル4上に固定して配置される。接続シート冷却板2は、接続シート5の外側上に固定して配置され、冷却剤または冷媒は、主冷却板1および接続シート冷却板2に導入される。電池セル4上で熱放散が行われるときに、接続シート5上でも熱放散が行われ、結果として、接続シート5は、もはや空気によってのみ受動的に冷却されるのではない。さらに、接続シート冷却板2は、接続シート5の効率的な冷却を実施しかつ電池の性能および寿命への接続シート5の過熱の影響を軽減するために、接続シート5を直接に能動的に冷却するように配置される。
【0043】
本開示の例示的な実施形態は、添付の図面を参照しながら上記で詳細に説明されているが、本開示は、上記の実施形態における特定の詳細に限定されるものではない。本開示の技術的発想の範囲内で、本開示の技術的解決法に様々な単純な変形が行われてもよく、そのような単純な変形は、本開示の保護範囲に全て含まれるものとする。
【0044】
上記の特定の実施形態において説明された特定の技術的特徴は、矛盾がなければ任意の適切な態様で組み合わせられてもよいことが、さらに留意されるべきである。不要な反復を避けるために、様々な可能な組合せは、本開示ではさらに説明されない。
【0045】
さらに、本開示の様々な実施形態は、本開示の発想から逸脱することなしに組み合わせられてもよく、そのような組合せもまた、本開示の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0046】
1 主冷却板
11 入口コネクタ
12 出口コネクタ
13 第2のコネクタ
14 第1の冷却板
15 第2の冷却板
2 接続シート冷却板
21 第1のコネクタ
3 密閉ホース
4 電池セル
41 固定支点
42 エーロゲル
43 第1の熱伝導性接着剤
5 接続シート
51 第2の熱伝導性接着剤
6 フレキシブル回路板
7 保護ハウジング
8 外側フレーム
81 拡張ビーム
82 中間長手方向ビーム
9 底板
100 電池のための冷却システム
200 電池パック
201 電池トレイ
300 車両
【手続補正書】
【提出日】2025-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の冷却チャネルが設けられており、かつ、電池セル(4)を冷却するように構成されている、主冷却板(1)と、
前記主冷却板(1)上に配置されており、第2の冷却チャネルが設けられており、かつ、接続シート(5)を冷却するように構成されている、接続シート冷却板(2)と、
を備える、電池のための冷却システム(100)。
【請求項2】
前記第1の冷却チャネルおよび前記第2の冷却チャネルが、互いに独立しており、かつ、互いに連通しない、請求項1に記載の電池のための冷却システム(100)。
【請求項3】
前記第1の冷却チャネルが、前記第2の冷却チャネルと連通する、請求項1に記載の電池のための冷却システム(100)。
【請求項4】
第1のコネクタ(21)が、前記第2の冷却チャネルの入口および出口のそれぞれに配置され、複数の第2のコネクタ(13)が、前記主冷却板(1)上に配置され、前記第2のコネクタ(13)および前記第1のコネクタ(21)が、1対1対応しており、かつ、互いに連通する、請求項
1に記載の電池のための冷却システム(100)。
【請求項5】
前記第1のコネクタ(21)と前記第2のコネクタ(13)との接合部において、密閉ホース(3)は、スリーブが装着される、請求項4に記載の電池のための冷却システム(100)。
【請求項6】
請求項
1に記載の電池のための冷却システム(100)を備える、電池パック(200)。
【請求項7】
複数の電池セル(4)および複数の接続シート(5)をさらに備え、前記電池セル(4)が、前記主冷却板(1)上に固定して配置されており、前記接続シート(5)が、前記電池セル(4)の端子に接続されており、前記接続シート冷却板(2)が、前記接続シート(5)に固定して接続されている、請求項6に記載の電池パック(200)。
【請求項8】
前記電池セル(4)が、熱伝導性接着剤を通じて前記主冷却板(1)に固定して接続される、請求項7に記載の電池パック(200)。
【請求項9】
前記接続シート冷却板(2)が、熱伝導性接着剤を通じて前記接続シート(5)に固定して接続される、請求項
7に記載の電池パック(200)。
【請求項10】
電池トレイ(201)をさらに備え、前記主冷却板(1)が、第1の冷却板(14)を備え、前記第1の冷却板(14)が、前記電池トレイ(201)上に統合されている、請求項
6に記載の電池パック(200)。
【請求項11】
前記電池トレイ(201)が、外側フレーム(8)および底板(9)を備え、前記第1の冷却板(14)が、前記底板(9)上に統合される、請求項10に記載の電池パック(200)。
【請求項12】
密閉カバーをさらに備え、前記主冷却板(1)が、第2の冷却板(15)をさらに備え、前記第2の冷却板(15)が、前記密閉カバー上に統合されている、請求項10に記載の電池パック(200)。
【請求項13】
請求項1から5までのいずれか一項に記載の電池のための冷却システム(100)、または請求項6から12までのいずれか一項に記載の電池パック(200)を備える、車両(300)。
【国際調査報告】