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特表2025-524143カバードレッシング材、キット、及び使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-25
(54)【発明の名称】カバードレッシング材、キット、及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/0246 20240101AFI20250717BHJP
   A61F 13/02 20240101ALI20250717BHJP
   A61M 25/02 20060101ALN20250717BHJP
【FI】
A61F13/0246 502
A61F13/02 310D
A61F13/02 310H
A61F13/02 310A
A61F13/02 380
A61F13/02 A
A61F13/02 355
A61M25/02 502
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025504462
(86)(22)【出願日】2023-07-11
(85)【翻訳文提出日】2025-01-27
(86)【国際出願番号】 IB2023057122
(87)【国際公開番号】W WO2024023619
(87)【国際公開日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】63/392,925
(32)【優先日】2022-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524062087
【氏名又は名称】ソルベンタム インテレクチュアル プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ エム.シーラッキ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー イー.ハンター
(72)【発明者】
【氏名】クリスタル ジェイ.シャイベル
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA33
4C267BB13
4C267BB24
4C267BB39
4C267BB40
4C267CC01
4C267GG05
4C267GG07
4C267GG08
4C267GG14
4C267GG46
4C267HH08
(57)【要約】
カバードレッシング材は、バッキング周辺部によって取り囲まれた第1及び第2の主表面を含むバッキングを含む。バッキングの第1の主表面は、ドレッシング材平面を画定する。カバードレッシング材は、バッキングに取り付けられ、かつフィルム周辺部によって取り囲まれた第1及び第2の主表面を含む、カバーフィルムを更に含む。カバーフィルムは、バッキング周辺部を越えて延びる第1のフィルム部分と、バッキングと少なくとも部分的に同一の広がりを有する第2のフィルム部分とを画定し、第1のフィルム部分に対応するフィルム周辺部は、ドレッシング材平面においてバッキング周辺部から少なくとも部分的に離間しているようになっている。カバードレッシング材は、バッキング及びカバーフィルムのうちの少なくとも1つの上に少なくとも部分的に配置された第1の接着剤層を更に含む。第1の接着剤層は、ドレッシング材平面においてバッキング周辺部を越えて延びる第1の接着剤部分を画定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッキングであって、第1の主表面と、前記第1の主表面の反対側の第2の主表面と、前記バッキングの前記第1の主表面及び前記第2の主表面を取り囲むバッキング周辺部とを含み、前記バッキングの前記第1の主表面が、ドレッシング材平面を画定する、バッキングと、
カバーフィルムであって、第1の主表面と、前記第1の主表面の反対側にあり、前記バッキングの前記第1の主表面に面する第2の主表面と、前記カバーフィルムの前記第1の主表面及び前記第2の主表面を取り囲むフィルム周辺部とを含み、前記バッキング周辺部を越えて延びる第1のフィルム部分と、前記バッキングと少なくとも部分的に同一の広がりを有する第2のフィルム部分とを画定し、前記第1のフィルム部分に対応する前記フィルム周辺部が、前記ドレッシング材平面において前記バッキング周辺部から少なくとも部分的に離間しているようになっている、カバーフィルムと、
前記バッキング及び前記カバーフィルムのうちの少なくとも1つの上に少なくとも部分的に配置された第1の接着剤層であって、前記第1の接着剤層が、前記ドレッシング材平面において前記バッキング周辺部を越えて延びる第1の接着剤部分を画定し、前記第1の接着剤層の前記第1の接着剤部分が、患者の皮膚と少なくとも部分的に結合するように構成されている、第1の接着剤層と、
を備える、カバードレッシング材。
【請求項2】
第1の接着剤層が、前記カバーフィルムの前記第1の主表面上に少なくとも部分的に配置されている、請求項1に記載のカバードレッシング材。
【請求項3】
前記第1の接着剤層が、前記ドレッシング材平面において前記バッキングと少なくとも部分的に同一の広がりを有する第2の接着剤部分を更に画定し、前記第2の接着剤部分が、医療デバイスと少なくとも部分的に結合するように構成されている、請求項1に記載のカバードレッシング材。
【請求項4】
前記バッキングの前記第1の主表面と前記カバーフィルムの前記第2の主表面との間に少なくとも部分的に配置された結合層を更に備え、前記結合層が、前記カバーフィルムを前記バッキングに取り付ける、請求項1に記載のカバードレッシング材。
【請求項5】
前記第1の接着剤層が、前記バッキングの前記第2の主表面上に少なくとも部分的に配置されている、請求項1に記載のカバードレッシング材。
【請求項6】
前記第1の接着剤層上に配置されたタブを更に備え、前記タブが、前記ドレッシング材平面において前記第1の接着剤部分から離間しているようになっており、前記タブが、第1の主表面と、前記タブの前記第1の主表面の反対側の第2の主表面と、前記タブの前記第1の主表面及び前記第2の主表面を取り囲むタブ周辺部とを含み、前記バッキングが、前記タブ周辺部を越えて延び、前記バッキング周辺部が、前記ドレッシング材平面において前記タブ周辺部から少なくとも部分的に離間しているようになっている、請求項1に記載のカバードレッシング材。
【請求項7】
前記タブ周辺部が、前記ドレッシング材平面において前記バッキング周辺部と部分的に整列している、請求項6に記載のカバードレッシング材。
【請求項8】
前記タブの前記第2の主表面の面積が、前記バッキングの前記第2の主表面の面積の最大30%である、請求項6に記載のカバードレッシング材。
【請求項9】
前記第1の接着剤層に少なくとも部分的にかつ取り外し可能に接着された剥離ライナを更に備え、前記剥離ライナの除去が、前記第1の接着剤層の少なくとも一部分を露出させる、請求項1に記載のカバードレッシング材。
【請求項10】
前記第1の接着剤層が、前記バッキングの前記第1の主表面と前記カバーフィルムの前記第2の主表面との間に部分的に配置され、前記第1の接着剤部分が、前記ドレッシング材平面において前記第1のフィルム部分と少なくとも部分的に同一の広がりを有するようになっている、請求項1に記載のカバードレッシング材。
【請求項11】
前記バッキングの前記第2の主表面上に少なくとも部分的に配置された第2の接着剤層を更に備え、前記第2の接着剤層が、医療デバイスと少なくとも部分的に結合するように構成されている、請求項1に記載のカバードレッシング材。
【請求項12】
前記第1の接着剤層が、前記カバーフィルムの前記第2の主表面と同一の広がりを有する、請求項11に記載のカバードレッシング材。
【請求項13】
前記第2の接着剤層が、前記バッキングの前記第2の主表面と同一の広がりを有する、請求項11に記載のカバードレッシング材。
【請求項14】
前記第2の接着剤層が、シリコーン接着剤を含む、請求項11に記載のカバードレッシング材。
【請求項15】
前記バッキングの前記第2の主表面が、前記第2の接着剤層を越えて延びる接着剤のない領域を含む、請求項11に記載のカバードレッシング材。
【請求項16】
前記第1の接着剤層及び前記第2の接着剤層のそれぞれに少なくとも部分的にかつ取り外し可能に接着された剥離ライナを更に備え、前記剥離ライナの除去が、前記第1の接着剤層及び前記第2の接着剤層の少なくともそれぞれの部分を露出させる、請求項11に記載のカバードレッシング材。
【請求項17】
前記第1の接着剤層に少なくとも部分的にかつ取り外し可能に接着された第1の剥離ライナであって、前記第1の剥離ライナの除去が、前記第1の接着剤層の少なくとも一部分を露出させる、第1の剥離ライナと、
前記第2の接着剤層に少なくとも部分的にかつ取り外し可能に接着された第2の剥離ライナであって、前記第2の剥離ライナの除去が、前記第2の接着剤層の少なくとも一部分を露出させる、第2の剥離ライナと、
を更に備える、請求項11に記載のカバードレッシング材。
【請求項18】
タブであって、前記バッキングの前記第2の主表面に面する第1の主表面と、前記タブの前記第1の主表面の反対側の第2の主表面と、前記タブの前記第1の主表面及び前記第2の主表面を取り囲むタブ周辺部とを含む、タブを更に備え、前記バッキング及び前記第2の接着剤層の各々が、前記タブ周辺部を越えて延び、前記バッキング周辺部が、前記ドレッシング材平面において前記タブ周辺部から少なくとも部分的に離間しているようになっており、前記第2の接着剤層が、前記バッキングの前記第2の主表面と前記タブの前記第1の主表面との間に部分的に配置されている、請求項11に記載のカバードレッシング材。
【請求項19】
前記タブ周辺部が、前記ドレッシング材平面において前記バッキング周辺部と部分的に整列している、請求項18に記載のカバードレッシング材。
【請求項20】
前記バッキング、前記カバーフィルム、前記第1の接着剤層、前記第2の接着剤層、及び前記タブの各々が、それぞれの第1の横方向縁部と、前記それぞれの第1の横方向縁部の反対側のそれぞれの第2の横方向縁部とを含み、前記バッキング、前記カバーフィルム、前記第1の接着剤層、前記第2の接着剤層、及び前記タブの前記それぞれの第1の横方向縁部が、前記ドレッシング材平面において整列している、請求項18に記載のカバードレッシング材。
【請求項21】
前記バッキングの前記第2の主表面が、前記第1の接着剤層を越えて延びる接着剤のない領域を含む、請求項1に記載のカバードレッシング材。
【請求項22】
前記カバーフィルムの前記第1の主表面が、前記第1の接着剤層を越えて延びる接着剤のない領域を含む、請求項1に記載のカバードレッシング材。
【請求項23】
前記バッキング周辺部が、前記ドレッシング材平面において前記フィルム周辺部と部分的に整列している、請求項1に記載のカバードレッシング材。
【請求項24】
前記バッキングの前記第1の主表面の面積が、前記カバーフィルムの前記第2の主表面の面積の最大60%である、請求項1に記載のカバードレッシング材。
【請求項25】
前記カバーフィルムが、光学的に透明である、請求項1に記載のカバードレッシング材。
【請求項26】
前記バッキングが、発泡体又は不織布材料を含む、請求項1に記載のカバードレッシング材。
【請求項27】
前記第1の接着剤層が、抗菌剤を含む、請求項1に記載のカバードレッシング材。
【請求項28】
前記バッキング及び前記カバーフィルムの各々が、前記ドレッシング材平面内で連続的であり、いかなる貫通開口部もない、請求項1に記載のカバードレッシング材。
【請求項29】
挿入部位において患者の皮膚を通して挿入可能な医療デバイスと共に使用するためのキットであって、請求項1に記載の一対のカバードレッシング材を備える、キット。
【請求項30】
挿入部位において患者の皮膚を通して挿入可能な医療デバイスと共に使用するためのキットであって、前記キットが、第1のカバードレッシング材及び第2のカバードレッシング材を備え、前記第1のカバードレッシング材及び前記第2のカバードレッシング材の各々が、
バッキングであって、第1の主表面と、前記第1の主表面の反対側の第2の主表面と、前記バッキングの前記第1の主表面及び前記第2の主表面を取り囲むバッキング周辺部とを含み、前記バッキングの前記第1の主表面が、ドレッシング材平面を画定する、バッキングと、
カバーフィルムであって、第1の主表面と、前記第1の主表面の反対側にあり、前記バッキングの前記第1の主表面に面する第2の主表面と、前記カバーフィルムの前記第1の主表面及び前記第2の主表面を取り囲むフィルム周辺部とを含み、前記バッキング周辺部を越えて延びる第1のフィルム部分と、前記バッキングと少なくとも部分的に同一の広がりを有する第2のフィルム部分とを画定し、前記第1のフィルム部分に対応する前記フィルム周辺部が、前記ドレッシング材平面において前記バッキング周辺部から少なくとも部分的に離間しているようになっている、カバーフィルムと、
前記バッキングの前記第1の主表面と前記カバーフィルムの前記第2の主表面との間に部分的に配置された第1の接着剤層であって、前記第1のフィルム部分に対応する前記カバーフィルムの前記第2の主表面上に更に少なくとも部分的に配置され、前記患者の前記皮膚と少なくとも部分的に結合するように構成された、第1の接着剤層と、
前記バッキングの前記第2の主表面上に少なくとも部分的に配置された第2の接着剤層であって、前記医療デバイスと少なくとも部分的に結合するように構成された、第2の接着剤層と、
を備える、
キット。
【請求項31】
請求項30に記載のキットを使用する方法であって、
前記第1のカバードレッシング材の前記バッキング周辺部の少なくとも一部分が前記挿入部位に隣接して配置されるように、前記第1のカバードレッシング材の前記第1の接着剤層を前記患者の前記皮膚に少なくとも部分的に結合することと、
前記第1のカバードレッシング材が折り畳まれ、前記バッキングの前記第2の主表面が前記皮膚から離れる方向を向くように、前記挿入部位に対して前記医療デバイスを回転させることと、
前記第2のカバードレッシング材の前記バッキング周辺部の少なくとも一部分が前記挿入部位に隣接して配置され、前記挿入部位が前記第1のカバードレッシング材及び前記第2のカバードレッシング材によって一緒に覆われるように、前記第2のカバードレッシング材の前記第1の接着剤層を前記患者の前記皮膚に少なくとも部分的に結合することと、
前記医療デバイスが前記第1のカバードレッシング材と前記第2のカバードレッシング材との間に少なくとも部分的に配置され、前記第1のカバードレッシング材及び前記第2のカバードレッシング材に固定されるように、前記第1のカバードレッシング材の前記第2の接着剤層及び前記第2のカバードレッシング材の前記第2の接着剤層を前記医療デバイスに、及び互いに少なくとも部分的に結合することと、
を含む、方法。
【請求項32】
前記第2のカバードレッシング材の前記第2の接着剤層を前記医療デバイス及び前記第1のカバードレッシング材の前記第2の接着剤層から除去することと、
前記第2のカバードレッシング材の前記第1の接着剤層を前記患者の前記皮膚から除去することと、
前記第2のカバードレッシング材の前記第2の接着剤層を前記医療デバイスから除去することと、
前記第1のカバードレッシング材の前記第1の接着剤層を前記患者の前記皮膚から除去することと、
を更に含む、請求項31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、挿入部位を覆うために使用されるカバードレッシング材に関し、具体的には、患者の皮膚を通して挿入可能な医療デバイスと共に使用するためのカバードレッシング材、一対のカバードレッシング材を含むキット、及びキットを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
チューブ又はカニューレを含む医療デバイスは、給送、給気、液体除去、並びに/又は、ユーザへの薬剤及び流体の投与などの様々な目的のために使用することができる。このような医療デバイスとしては、例えば、中心静脈カテーテル、動脈カテーテル、ドレインチューブなどが挙げられる。医療デバイスのカニューレは、挿入部位において患者の皮膚を通して挿入されてもよい。医療デバイスは、典型的には、固定デバイスによって患者に(例えば、患者の皮膚上に)固定される。
【0003】
患者の皮膚を通してカニューレを挿入した後、挿入部位を感染から保護するために、挿入部位をドレッシング材で覆う必要がある場合がある。ドレッシング材は、汚れ、細菌、及び水分を挿入部位に近づけない無菌バリアを提供することができ、それによって、挿入部位における感染のリスクを低減する。
【0004】
しかしながら、従来のドレッシング材は、接着性能の問題(例えば、ドレッシング材縁部のリフト/ロール)及び/又は過剰な汚れ(例えば、水分又は外部物質が従来のドレッシング材内のチャネルを通して挿入部位にアクセスすることによる)に起因して、早期に交換される必要があり得る。感染のリスクは、従来のドレッシング材が交換のために挿入部位から除去されるたびに増加し得る。
【0005】
したがって、カバードレッシング材の早期交換の必要性を低減又は防止するために、使用中の患者にとっての改善された快適性、改善されたバリア特性、及び改善された着用時間を提供するカバードレッシング材が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様では、本開示は、カバードレッシング材を提供する。カバードレッシング材は、バッキングを含む。バッキングは、第1の主表面と、第1の主表面の反対側の第2の主表面と、を含む。バッキングは、バッキングの第1の主表面及び第2の主表面を取り囲むバッキング周辺部を更に含む。バッキングの第1の主表面は、ドレッシング材平面を画定する。カバードレッシング材は、バッキングに取り付けられたカバーフィルムを更に含む。カバーフィルムは、第1の主表面と、カバーフィルムの第1の主表面の反対側の第2の主表面と、を含む。カバーフィルムの第2の主表面は、バッキングの第1の主表面に面する。カバーフィルムは、カバーフィルムの第1の主表面及び第2の主表面を取り囲むフィルム周辺部を更に含む。カバーフィルムは、バッキング周辺部を越えて延びる第1のフィルム部分と、バッキングと少なくとも部分的に同一の広がりを有する第2のフィルム部分とを画定し、第1のフィルム部分に対応するフィルム周辺部は、ドレッシング材平面においてバッキング周辺部から少なくとも部分的に離間しているようになっている。カバードレッシング材は、バッキング及びカバーフィルムのうちの少なくとも1つの上に少なくとも部分的に配置された第1の接着剤層を更に含む。第1の接着剤層は、ドレッシング材平面においてバッキング周辺部を越えて延びる第1の接着剤部分を画定する。第1の接着剤層の第1の接着剤部分は、患者の皮膚と少なくとも部分的に結合するように構成されている。
【0007】
第2の態様では、本開示は、挿入部位において患者の皮膚を通して挿入可能な医療デバイスと共に使用するためのキットを提供する。キットは、第1の態様による一対のカバードレッシング材を含む。
【0008】
第3の態様では、本開示は、挿入部位において患者の皮膚を通して挿入可能な医療デバイスと共に使用するためのキットを提供する。キットは、第1のカバードレッシング材と、第2のカバードレッシング材とを含む。第1のカバードレッシング材及び第2のカバードレッシング材の各々は、バッキングを含む。バッキングは、第1の主表面と、第1の主表面の反対側の第2の主表面と、バッキングの第1の主表面及び第2の主表面を取り囲むバッキング周辺部とを含む。バッキングの第1の主表面は、ドレッシング材平面を画定する。第1のカバードレッシング材及び第2のカバードレッシング材の各々は、カバーフィルムを更に含む。カバーフィルムは、第1の主表面と、第1の主表面の反対側にあり、バッキングの第1の主表面に面する第2の主表面と、カバーフィルムの第1の主表面及び第2の主表面を取り囲むフィルム周辺部とを含む。カバーフィルムは、バッキング周辺部を越えて延びる第1のフィルム部分と、バッキングと少なくとも部分的に同一の広がりを有する第2のフィルム部分とを画定し、第1のフィルム部分に対応するフィルム周辺部は、ドレッシング材平面においてバッキング周辺部から少なくとも部分的に離間しているようになっている。第1のカバードレッシング材及び第2のカバードレッシング材の各々は、バッキングの第1の主表面とカバーフィルムの第2の主表面との間に部分的に配置された第1の接着剤層を更に含む。第1の接着剤層は更に、第1のフィルム部分に対応するカバーフィルムの第2の主表面上に少なくとも部分的に配置されている。第1の接着剤層は、ユーザの皮膚と少なくとも部分的に結合するように構成されている。第1のカバードレッシング材及び第2のカバードレッシング材の各々は、バッキングの第2の主表面上に少なくとも部分的に配置された第2の接着剤層を更に含む。第2の接着剤層は、医療デバイスと少なくとも部分的に結合するように構成されている。
【0009】
第4の態様では、本開示は、第3の態様のキットを使用する方法を提供する。本方法は、第1のカバードレッシング材のバッキング周辺部の少なくとも一部分が挿入部位に隣接して配置されるように、第1のカバードレッシング材の第1の接着剤層を患者の皮膚に少なくとも部分的に結合することを含む。本方法は、第1のカバードレッシング材が折り畳まれ、バッキングの第2の主表面が皮膚から離れる方向を向くように、挿入部位に対して医療デバイスを回転させることを更に含む。本方法は、第2のカバードレッシング材のバッキング周辺部の少なくとも一部分が挿入部位に隣接して配置され、挿入部位が第1のカバードレッシング材及び第2のカバードレッシング材によって一緒に覆われるように、第2のカバードレッシング材の第1の接着剤層を患者の皮膚に少なくとも部分的に結合することを更に含む。本方法は、医療デバイスが第1のカバードレッシング材と第2のカバードレッシング材との間に少なくとも部分的に配置され、それらに固定されるように、第1のカバードレッシング材の第2の接着剤層及び第2のカバードレッシング材の第2の接着剤層を医療デバイスに、及び互いに少なくとも部分的に結合することを更に含む。
【0010】
本開示の1つ以上の例の詳細が、添付の図面及び以下の説明に記載される。本開示の他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面から、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に開示される例示的な実施形態は、以下の図面に関連以下の詳細な説明を考慮することにより、より十分に理解され得る。図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。特に、ある特定の層の厚さは、説明を容易にし、明確にするために、他の特定のアイテムとの比率において誇張されている。図中で使用される同様の番号は、同様の構成要素を指す。しかしながら、所与の図における構成要素を指すための番号の使用は、同じ番号でラベル付けされた別の図における構成要素を限定することを意図するものではないことが理解されよう。
図1】患者の皮膚を通して挿入された医療デバイスの概略斜視図である。
図2A】本開示の一実施形態による、カバードレッシング材の概略断面図である。
図2B】本開示の一実施形態による、いくつかの要素が示されていない図2Aのカバードレッシング材の概略分解断面図である。
図2C】本開示の一実施形態による、いくつかの要素が示されていないカバードレッシング材の概略上面図である。
図3】本開示の一実施形態による、いくつかの要素が示されていないカバードレッシング材の概略底面図である。
図4】本開示の別の実施形態による、カバードレッシング材の概略断面図である。
図5A】本開示の別の実施形態による、カバードレッシング材の概略断面図である。
図5B】本開示の別の実施形態による、カバードレッシング材の概略断面図である。
図6A】本開示の別の実施形態による、カバードレッシング材の概略断面図である。
図6B】本開示の別の実施形態による、カバードレッシング材の概略断面図である。
図7】本開示の一実施形態による、キットの概略ブロック図である。
図8】本開示の一実施形態による、図7のキットを使用する方法の種々のステップを示すフローチャートである。
図9A】本開示の一実施形態による、図8の方法を概略的に示す。
図9B】本開示の一実施形態による、図8の方法を概略的に示す。
図9C】本開示の一実施形態による、図8の方法を概略的に示す。
図9D】本開示の一実施形態による、図8の方法を概略的に示す。
図9E】本開示の一実施形態による、図8の方法を概略的に示す。
図9F】本開示の一実施形態による、図8の方法を概略的に示す。
図9G】本開示の一実施形態による、図8の方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明では、説明の一部を形成し、様々な実施形態が例示として示される添付の図面を参照する。他の実施形態が企図され、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく作成され得ることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
【0013】
以下の開示において、以下の定義が採用される。
【0014】
本明細書に記載されるように、すべての数は、用語「約」によって修飾されていると見なされるべきである。本明細書で使用される場合、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、「少なくとも1つの」、及び「1つ以上の」は、互換的に使用される。
【0015】
特性又は属性に対する修飾語として本明細書で使用される場合、「概して」という用語は、別段に具体的に定義されない限り、その特性又は属性が当業者によって容易に認識可能であるが、絶対的な精度又は完全な一致を必要としない(例えば、定量化可能な特性では+/-20%以内)ことを意味する。
【0016】
「実質的に」という用語は、別段に具体的に定義されない限り、高度な近似(例えば、定量化可能な特性では+/-10%以内)を意味するが、ここでも絶対的な精度又は完全な一致を必要としない。
【0017】
「約」という用語は、別段に具体的に定義されない限り、高度の近似(例えば、定量化可能な特性では+/-5%以内)を意味するが、ここでも絶対的な精度又は完全な一致を必要としない。
【0018】
同じ、等しい、均一な、一定の、厳密に、などの用語は、絶対的な精度又は完全な一致を必要とするのではなく、特定の状況に当てはまる通常の公差又は測定誤差の範囲にあると理解される。
【0019】
本明細書で使用される場合、「第1の」及び「第2の」という用語は、識別子として使用される。したがって、そのような用語は、本開示を限定するものとして解釈されるべきではない。「第1の」及び「第2の」という用語は、特徴又は要素と共に使用される場合、本開示の複数の実施形態全体を通して交換可能である。
【0020】
本明細書で使用される場合、第1の材料が第2の材料と「同様である」と称されるとき、第1及び第2の材料の少なくとも90重量%が同一であり、第1と第2の材料間の任意の変動は、第1及び第2の材料の各々の約10重量%未満である。
【0021】
本明細書で使用されるとき、「A及びBのうち少なくとも1つ」は、「Aのみ、Bのみ、又は、A及びBの両方」を意味すると理解されるべきである。
【0022】
別段の指定又は制限がない限り、「取り付けられた」、「接続された」、「結合された」という用語、及びそれらの変形は広義に使用され、直接及び間接の両方の取り付け、接続、及び結合を包含する。
【0023】
本明細書で使用されるとき、「隣接する」という用語は、互いに近接している、通常は互いに接触している要素を指すが、それらの間に介在要素を有してもよい。
【0024】
本明細書で使用されるとき、「ように構成されている(configured to)」という用語は、「ように適合される(adapted to)」という用語と少なくとも同程度に限定的であり、そのような機能を実行する単なる物理的能力ではなく、指定された機能を実行する実際の設計意図を要求する。
【0025】
本明細書で使用されるとき、「挿入部位」という用語は、チューブ又はカニューレが挿入されることが意図される対象の任意の部位又は領域を指す。
【0026】
本明細書で使用されるとき、「層」という用語は、材料又は材料のブレンドの厚さを指す。層は、連続的であってもよく、又は不連続的であってもよい。
【0027】
本明細書で使用するとき、「接着剤層」又は「結合層」という用語は、1つ以上の層の互いへの又は別の表面への接着を促進するために1つ以上の層上に配置された接着剤材料の層を指す。接着剤層は、パターン化されていてもよい。
【0028】
本明細書で使用されるとき、「周辺部」という用語は、層の辺縁、周縁、又は外側境界を指す。周辺部は、限定はしないが、三角形、長方形、八角形、正方形、円形、楕円形、台形、五角形、六角形などの任意の形状であってもよいことに留意することができる。
【0029】
本明細書で使用するとき、「同一の広がりを有する」という用語は、第1の層の長さ及び/又は幅が第2の層のそれぞれの長さ及び/又は幅と実質的に等しい、第1の層と第2の層との間の関係を指す。
【0030】
本開示は、カバードレッシング材に関する。カバードレッシング材は、バッキングを含む。バッキングは、第1の主表面と、第1の主表面の反対側の第2の主表面と、を含む。バッキングは、バッキングの第1の主表面及び第2の主表面を取り囲むバッキング周辺部を更に含む。バッキングの第1の主表面は、ドレッシング材平面を画定する。カバードレッシング材は、バッキングに取り付けられたカバーフィルムを更に含む。カバーフィルムは、第1の主表面と、カバーフィルムの第1の主表面の反対側の第2の主表面と、を含む。カバーフィルムの第2の主表面は、バッキングの第1の主表面に面する。カバーフィルムは、カバーフィルムの第1の主表面及び第2の主表面を取り囲むフィルム周辺部を更に含む。カバーフィルムは、バッキング周辺部を越えて延びる第1のフィルム部分と、バッキングと少なくとも部分的に同一の広がりを有する第2のフィルム部分とを画定し、第1のフィルム部分に対応するフィルム周辺部は、ドレッシング材平面においてバッキング周辺部から少なくとも部分的に離間しているようになっている。カバードレッシング材は、バッキング及びカバーフィルムのうちの少なくとも1つの上に少なくとも部分的に配置された第1の接着剤層を更に含む。第1の接着剤層は、ドレッシング材平面においてバッキング周辺部を越えて延びる第1の接着剤部分を画定する。第1の接着剤層の第1の接着剤部分は、患者の皮膚と少なくとも部分的に結合するように構成されている。
【0031】
本開示のカバードレッシング材は、患者の皮膚を通して挿入可能な医療デバイスと共に使用するのに好適であり得る。カバードレッシング材は、例えば、挿入部位、すなわち、医療デバイスのチューブ又はカニューレが患者の皮膚を通して挿入される部位を覆って保護するために使用されてもよい。
【0032】
カバードレッシング材は、挿入部位を汚れ、細菌、及び水分から保護することができる。具体的には、カバーフィルムは、挿入部位を汚れ、細菌、及び水分から保護するバリア特性を提供することができる。カバーフィルムは更に、長期間にわたって着用するのに適合し快適であり得る。カバーフィルムの少なくとも一部分は、好ましくは、光学的に透明であってもよく、それによって、患者の皮膚からカバードレッシング材を除去する必要なく、挿入部位の検査を可能にする。更に、バッキングは、患者の皮膚への適合性を可能にしながら、カバードレッシング材に機械的剛性を提供することができる。
【0033】
第1の接着剤層は、カバードレッシング材を患者の皮膚に部分的に接着してもよい。第1の接着剤層は、皮膚適合性接着剤を含んでもよく、好ましくは抗菌剤を含んでもよい。第1の接着剤層は更に、カバードレッシング材を医療デバイスに部分的に接着してもよい。具体的には、第1の接着剤層は、カバードレッシング材を医療デバイスのカニューレ又はチューブに部分的に接着してもよい。
【0034】
場合によっては、カバードレッシング材は、カバードレッシング材を医療デバイスに少なくとも部分的に接着する、第2の接着剤層を更に含んでもよい。第2の接着剤層は、カバードレッシング材を医療デバイスのカニューレ又はチューブに部分的に接着してもよい。第2の接着剤層の第2の接着剤は、好ましくは、シリコーンを含むものなどの再配置可能な接着剤を含んでもよい。
【0035】
場合によっては、本開示の一対のカバードレッシング材は、挿入部位を保護するために使用されてもよい。そのような場合、一対のカバードレッシング材は、患者の皮膚に部分的に接着され、医療デバイスに部分的に接着され、互いに部分的に接着されてもよい。
【0036】
カバードレッシング材は、医療デバイスを患者の皮膚に固定して安定させる固定デバイスと共に使用されてもよい。カバードレッシング材は、有利には、注入部分において医療デバイスの少なくとも一部分(例えば、カニューレ又はチューブ)を固定して安定させることができる。
【0037】
したがって、本開示のカバードレッシング材は、改善された着用時間及び患者にとっての快適性を提供することができる。これにより、注入部位におけるカバードレッシング材の早期交換を低減又は防止し、それによって、挿入部位における感染のリスクを低減することができる。
【0038】
ここで図面を参照すると、図1は、患者22の皮膚20を通して挿入可能な医療デバイス10の概略斜視図を示す。医療デバイス10は、チューブ又はカニューレ16を含んでもよい。図1では、医療デバイス10のカニューレ16は、挿入部位18において患者22の皮膚20を通して挿入されている。
【0039】
医療デバイス10は、カニューレ16と流体接続された1つ以上の管腔14を更に含んでもよい。1つ以上の管腔14は、図1に部分的に示されている。医療デバイス10は、ハブ12を更に含んでもよい。ハブ12は、1つ以上の管腔14及びカニューレ16を少なくとも部分的に受け入れることができる。
【0040】
図1に示す医療デバイス10は、中心静脈カテーテル(central venous catheter、CVC)である。あるいは、医療用デバイス10は、例えば、動脈カテーテル、ドレインチューブ、末梢挿入中心静脈カテーテル(peripherally inserted central catheter、PICC)などであってもよい。
【0041】
場合によっては、ハブ12は、固定デバイス(図示せず)によって患者22の皮膚20上に固定して安定させることができる。更に、挿入部位18は、ドレッシング材(図1には図示せず)によって覆われてもよい。ドレッシング材は、挿入部位18を汚れ、細菌、及び水分から保護する無菌バリアを提供し、それによって、挿入部位18における感染のリスクを低減することを目的としてもよい。場合によっては、ドレッシング材は、挿入部位18に対してカニューレ16を更に安定させてもよい。
【0042】
図2Aは、本開示の一実施形態による、カバードレッシング材100の概略断面図を示す。カバードレッシング材100は、患者の皮膚(例えば、図1の患者22の皮膚20)を通して挿入可能な医療デバイス(例えば、図1の医療デバイス10)と共に使用するのに好適であり得る。図2Bは、カバードレッシング材100の概略分解断面図を示す。
【0043】
カバードレッシング材100は、互いに直交するx軸、y軸、及びz軸を規定する。x軸は、カバードレッシング材100の長さに沿って規定され、y軸は、カバードレッシング材100の幅に沿って規定される。z軸は、カバードレッシング材100の厚さに沿って規定される。
【0044】
図2A及び図2Bを参照すると、カバードレッシング材100は、バッキング110を含む。バッキング110は、第1の主表面112と、第1の表面112の反対側の第2の主表面114と、を含む。バッキング110は、バッキング110の第1の主表面112及び第2の主表面114を取り囲むバッキング周辺部115を更に含む。
【0045】
バッキング110の第1の主表面112は、ドレッシング材平面116を画定する。ドレッシング材平面116は、図2A及び図2Bにおいて線で例示的に示されている。ドレッシング材平面116は、バッキング110の第1の主表面112に実質的に平行であってもよい。ドレッシング材平面116は、x-y平面に実質的に平行であってもよい。
【0046】
バッキング110は、適合性及び快適な着用を可能にするために十分な可撓性を提供しながら、カバードレッシング材100に機械的剛性を提供する任意の材料を含んでもよい。例えば、バッキング110の材料は、フィルム、紙、又は、織物、編物、若しくは不織布などの布層材料であってもよい。バッキング110の材料は、弾性又は剛性であってもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、バッキング110は、発泡体又は不織布材料を含む。例えば、バッキング110は、織物材料、編物材料、又は不織布材料を含むことができる。不織布材料の一例は、E.I.Dupont de Nemours & Company(Wilmington,Delaware)からSONTARAの商標で入手可能な高強度不織布である。他の好適な不織布材料としては、International Paper(Walpole,Minnesota)の一部門であるVertacから入手可能な水流交絡ポリエステル布が挙げられるが、これらに限定されない。別の好適な不織布材料は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5230701号に記載されている不織布エラストマーウェブである。
【0048】
バッキング110は、水蒸気透過性の高いフィルムバッキングであってもよい。米国特許第3645835号は、そのようなフィルムの製造方法及びそれらの透過性を試験する方法を記載しており、参照により本明細書に組み込まれる。バッキング110は、単層又は多層構造を有してもよい。いくつかの実施例では、補強材料がバッキング110に含まれてもよい。補強材料は、厚い接着剤と同程度に柔軟であってもよく、又は固体材料(例えば、紙又はフィルム)と同程度に硬くてもよい。
【0049】
バッキング110は、第1の主表面112と第2の主表面114との間に画定された厚さ110Tを更に有する。バッキング110の厚さ110Tは、ドレッシング材平面116に対して垂直に(すなわち、z軸に沿って)画定することができる。いくつかの実施形態では、バッキング110の厚さ110Tは、25ミクロン~260ミクロン(すなわち、約1ミル~約10ミル)であってもよい。いくつかの実施形態では、バッキング110の厚さ110Tは、50ミクロン~130ミクロンであってもよい。
【0050】
カバードレッシング材100は、バッキング110に取り付けられたカバーフィルム120を更に含む。カバーフィルム120は、バッキング110に直接(例えば、縫合など)又は間接的に(例えば、接着剤を介して)取り付けられていてもよい。図2Aの図示された実施形態では、カバーフィルム120は、後でより詳細に説明する接着剤層を介してバッキング110に取り付けられている。
【0051】
カバーフィルム120は、第1の主表面122と、カバーフィルム120の第1の主表面122の反対側の第2の主表面124と、を含む。カバーフィルム120の第2の主表面124は、バッキング110の第1の主表面112に面する。カバーフィルム120は、カバーフィルム120の第1の主表面122及び第2の主表面124を取り囲むフィルム周辺部125を更に含む。
【0052】
カバーフィルム120は、バッキング周辺部115を越えて延びる第1のフィルム部分126と、バッキング110と少なくとも部分的に同一の広がりを有する第2のフィルム部分127とを画定し、第1のフィルム部分126に対応するフィルム周辺部125は、ドレッシング材平面116においてバッキング周辺部115から少なくとも部分的に離間しているようになっている。換言すれば、カバーフィルム120の少なくとも一部分は、バッキング110と同一の広がりを有さなくてもよい。カバーフィルム120は、ドレッシング材平面116(又はx-y平面)においてバッキング110よりも大きい寸法を有してもよく、カバーフィルム120は、バッキング110のバッキング周辺部115を越えて延びる第1のフィルム部分126を画定するようになっている。
【0053】
いくつかの実施形態では、カバーフィルム120は、光学的に透明である。いくつかの実施形態では、カバーフィルム120の少なくとも第1のフィルム部分126は、光学的に透明である。結果として、第1のフィルム部分126の下に配置された患者の皮膚は、カバードレッシング材100を通して見ることができる。したがって、第1のフィルム部分126の下に配置された皮膚は、患者の皮膚からカバードレッシング材100を除去する必要なく検査することができる。いくつかの実施例では、挿入部位(例えば、図1の挿入部位18)は、第1のフィルム部分126を通して見ることができ、したがって、患者の皮膚からカバードレッシング材100を除去する必要なく検査することができる。光学的に透明なカバーフィルム120はまた、カバードレッシング材100の適用中に挿入部位に対するカバードレッシング材100の配置を容易にすることができる。
【0054】
カバーフィルム120は、好ましくは、液体に対して不透過性であるが、水蒸気に対して透過性であってもよい。更に、カバーフィルム120は、適合性及び弾性であってもよい。例えば、カバーフィルム120は、患者の皮膚などの非平面状の解剖学的表面に適合してもよい。いくつかの実施例では、カバーフィルム120は、200%超の極限伸びを有することができる。いくつかの実施例では、カバーフィルム120は、400%超の極限伸びを有することができる。カバーフィルム120の例示的な材料は、例えば、米国特許第5088483号及び同第5160315号に見出すことができ、これらは参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施例では、カバーフィルム120は、エラストマーポリウレタン、コポリエステル、又はポリエーテルブロックアミドフィルムを含んでもよい。したがって、カバーフィルム120は、適合性、高い水蒸気透過性、及び透明性という望ましい特性を有することができる。
【0055】
カバーフィルム120は、第1の主表面122と第2の主表面124との間に画定された厚さ120Tを有する。カバーフィルム120の厚さ120Tは、ドレッシング材平面116に対して垂直に(すなわち、z軸に沿って)画定することができる。いくつかの実施形態では、カバーフィルム120の厚さ120Tは、12ミクロン~130ミクロン(すなわち、約0.5ミル~約5ミル)であってもよい。いくつかの実施形態では、カバーフィルム120の厚さ120Tは、25ミクロン~100ミクロンであってもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、バッキング110及びカバーフィルム120の各々は、ドレッシング材平面116内で連続的であり、いかなる貫通開口部もない。換言すれば、バッキング110及びカバーフィルム120の各々は、いかなるマクロ開口部(例えば、1ミリメートル超の最大幅を有する開口部)もなくてもよい。いくつかの実施形態では、バッキング110及びカバーフィルム120の各々は、蒸気透過性を付与することができるマイクロ開口部を含み、マクロ開口部がなくてもよい。したがって、バッキング110及びカバーフィルム120の各々は、それを通って延びる窓又はスクリーンなどの巨視的要素を含まなくてもよい。
【0057】
カバードレッシング材100は、バッキング110及びカバーフィルム120のうちの少なくとも1つの上に少なくとも部分的に配置された第1の接着剤層130を更に含む。第1の接着剤層130は、ドレッシング材平面116においてバッキング周辺部115を越えて延びる第1の接着剤部分136を画定する。第1の接着剤層130の第1の接着剤部分136は、患者の皮膚(例えば、図1の患者22の皮膚20)と少なくとも部分的に結合するように構成されている。
【0058】
図2Aの図示された実施形態では、第1の接着剤層130は、バッキング110の第1の主表面112とカバーフィルム120の第2の主表面124との間に部分的に配置され、第1の接着剤部分136は、ドレッシング材平面116において第1のフィルム部分126と少なくとも部分的に同一の広がりを有するようになっている。具体的には、図2Aの図示された実施形態では、第1の接着剤層130は、ドレッシング材平面116においてカバーフィルム120の第2の主表面124と同一の広がりを有する。
【0059】
第1の接着剤層130は、皮膚への適用に適した接着剤材料を含んでもよい。第1の接着剤層130は、光学的に透明な接着剤(optically clear adhesive、OCA)を含むことができる。第1の接着剤層130は、例えば、感圧接着剤(pressure-sensitive adhesive、PSA)を含むことができる。感圧接着剤は、水分蒸発を可能にするために比較的高い水蒸気透過率を有してもよい。好適な感圧接着剤としては、アクリレート、ウレタン、ヒドロゲル、親水コロイド、ブロックコポリマー、シリコーン、ゴム系接着剤(天然ゴム、ポリイソプレン、ポリイソブチレン、ブチルゴムなどを含む)、並びにこれらの接着剤の組み合わせに基づくものが挙げられる。接着剤成分は、粘着付与剤、可塑剤、レオロジー調整剤、及び活性成分を含有してもよい。感圧接着剤は、米国特許第RE24906号に記載されているアクリレートコポリマーなど、適度に皮膚適合性であり、「低アレルギー性」であってもよい。特に有用なのは、97:3イソオクチルアクリレート:アクリルアミドコポリマーであり、米国特許第4737410号に記載されている70:15:15イソオクチルアクリレート:エチレンオキシドアクリレート:アクリル酸ターポリマーも同様である。追加の有用な接着剤は、米国特許第3389827号、同第4112213号、同第4310509号、及び同第4323557号に記載されている。いくつかの実施形態では、第1の接着剤層130は、抗菌剤を含む。米国特許第4310509号及び同第4323557号に記載されているように、第1の接着剤層130に薬剤又は抗菌剤を含めることが考えられる。
【0060】
図2Aの図示された実施形態では、第1の接着剤層130は、カバーフィルム120の第2の主表面124と同一の広がりを有する。あるいは、第1の接着剤層130は、カバーフィルム120の第2の主表面124と部分的に同一の広がりを有さず、第1の接着剤層130の少なくとも一部分が、第1のフィルム部分126に対応するカバーフィルム120の第2の主表面124上に配置されていてもよい。第1の接着剤層130は、所望の用途属性に基づいて、実質的に連続的であってもよく、又はパターン化されていてもよい。パターン化された第1の接着剤層130は、カバードレッシング材100の蒸気透過率を有利に改善することができる。
【0061】
第1の接着剤層130は、厚さ130Tを有する。第1の接着剤層130の厚さ130Tは、ドレッシング材平面116に対して垂直に(すなわち、z軸に沿って)画定することができる。いくつかの実施形態では、第1の接着剤層130の厚さ130Tは、2.5ミクロン~130ミクロン(すなわち、約0.1ミル~約5ミル)であってもよい。いくつかの実施形態では、第1の接着剤層130の厚さ130Tは、5ミクロン~50ミクロンであってもよい。
【0062】
図2Aの図示された実施形態では、カバードレッシング材100は、バッキング110の第2の主表面114上に少なくとも部分的に配置された第2の接着剤層140を更に含む。第2の接着剤層140は、医療デバイス(例えば、図1の医療デバイス10)と少なくとも部分的に結合するように構成することができる。具体的には、第2の接着剤層140は、医療デバイスのチューブ又はカニューレ(例えば、図1の医療デバイス10のカニューレ16)と少なくとも部分的に結合するように構成することができる。
【0063】
第2の接着剤層140は、再配置可能な接着剤を含んでもよい。好ましくは、第2の接着剤は、医療デバイスから容易に除去可能であってもよく、カバードレッシング材100は、挿入部位から医療デバイスを除去する必要なく、患者の皮膚から除去することができるようになっている。更に、第2の接着剤層140は、室温(例えば、摂氏27度)で低い粘着強度を有することができる。
【0064】
いくつかの実施例では、第2の接着剤層140は、感圧接着剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、第2の接着剤層140は、シリコーンを含む。好適なシリコーン接着剤は、国際公開第2010/056541号及び同第2010/056543号に開示されており、これらの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、第2の接着剤層140は、第1の接着剤層130とは異なる接着剤を含んでもよい。換言すれば、第2の接着剤層140は、第1の接着剤層130の組成とは異なる組成の接着剤を含むことができる。
【0065】
図2Aの図示された実施形態では、第2の接着剤層140は、バッキング110の第2の主表面114と同一の広がりを有する。あるいは、第2の接着剤層140は、バッキング110の第2の主表面114と部分的に同一の広がりを有さなくてもよい。第2の接着剤層140は、所望の用途属性に基づいて、実質的に連続的であってもよく、又はパターン化されていてもよい。場合によっては、第2の接着剤層140は、バッキング110の第2の主表面114の一部分に沿って不連続であってもよい。
【0066】
第2の接着剤層140は、厚さ140Tを有する。第2の接着剤層140の厚さ140Tは、ドレッシング材平面116に対して垂直に(すなわち、z軸に沿って)画定することができる。いくつかの実施形態では、第2の接着剤層140の厚さ140Tは、2.5ミクロン~130ミクロン(すなわち、約0.1ミル~約5ミル)であってもよい。いくつかの実施形態では、第2の接着剤層140の厚さ140Tは、5ミクロン~50ミクロンであってもよい。
【0067】
図2Aの図示された実施形態では、カバードレッシング材100は、タブ150を更に含む。タブ150は、バッキング110の第2の主表面114に面する第1の主表面152と、タブ150の第1の主表面152の反対側の第2の主表面154とを含んでもよい。タブ150は、タブ150の第1の主表面152及び第2の主表面154を取り囲むタブ周辺部155を更に含むことができる。
【0068】
タブ150は、厚さ150Tを更に有する。タブ150の厚さ150Tは、タブ150の第1の主表面152と第2の主表面154との間に画定することができる。タブ150の厚さ150Tは、ドレッシング材平面116に対して垂直に(すなわち、z軸に沿って)画定することができる。いくつかの実施形態では、タブ150の厚さ150Tは、12ミクロン~130ミクロン(すなわち、約0.5ミル~約5ミル)であってもよい。
【0069】
タブ150は、第1の接着剤層130及び第2の接着剤層140の接着剤など、任意の接着剤を含まない把持領域を提供することができる。具体的には、タブ150の第2の主表面154は、任意の接着剤を含まなくてもよい。タブ150は、患者の皮膚にカバードレッシング材100を適用するために、ユーザによって把持されてもよい。具体的には、タブ150の第2の主表面154及びカバーフィルム120の第1の主表面122は、患者の皮膚にカバードレッシング材100を適用するために、ユーザによって把持されてもよい。しかしながら、タブ150は任意選択であることに留意することができる。例えば、第2の接着剤層140がバッキング110の第2の主表面114上に接着剤のない領域を提供する構成を有する場合、タブ150は、カバードレッシング材100から省略されてもよい。このような構成については、後でより詳細に説明する。
【0070】
図2Aの図示された実施形態では、第2の接着剤層140は、バッキング110の第2の主表面114とタブ150の第1の主表面152との間に部分的に配置されている。更に、図2Aの図示された実施形態では、バッキング110及び第2の接着剤層140の各々は、バッキング周辺部115がドレッシング材平面116においてタブ周辺部155から少なくとも部分的に離間しているように、タブ周辺部155を越えて延びる。
【0071】
いくつかの実施形態では、バッキング110の第1の主表面112の面積は、カバーフィルム120の第2の主表面124の面積の最大60%である。いくつかの実施形態では、バッキング110の第1の主表面112の面積は、カバーフィルム120の第2の主表面124の面積の最大50%、最大40%、又は最大30%である。したがって、カバーフィルム120は、バッキング110と比較して寸法がより大きくてもよい。いくつかの実施形態では、タブの第2の主表面154の面積は、バッキング110の第2の主表面114の面積の最大30%である。したがって、バッキング110は、タブ150と比較して寸法がより大きくてもよい。カバーフィルム120、バッキング110、及びタブ150は、ドレッシング材平面116において連続的に減少する寸法を有してもよい。
【0072】
図2Aの図示された実施形態では、タブ周辺部155は、ドレッシング材平面116においてバッキング周辺部115と部分的に整列している。更に、図2Aの図示された実施形態では、バッキング周辺部115は、ドレッシング材平面116においてフィルム周辺部125と部分的に整列している。換言すれば、図2Aの図示された実施形態では、フィルム周辺部125、バッキング周辺部115、及びタブ周辺部155は、互いに部分的に整列し、互いに部分的に整列していない。例えば、フィルム周辺部125、バッキング周辺部115、及びタブ周辺部155は、カバードレッシング材100の一方の端部において整列していてもよいが、カバードレッシング材100の反対側の端部において整列していなくてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、カバードレッシング材100は、第1の接着剤層130及び第2の接着剤層140のそれぞれに少なくとも部分的にかつ取り外し可能に接着された剥離ライナ160を更に含む。剥離ライナ160は、説明のために図2Bには示されていない。
【0074】
剥離ライナ160は、カバードレッシング材100を患者の皮膚に適用する前に、第1の接着剤層130及び第2の接着剤層140を、埃、破片などの望ましくない汚染物質から保護することができる。剥離ライナ160の除去により、第1の接着剤層130及び第2の接着剤層140の少なくともそれぞれの部分を露出させることができる。いくつかの他の実施形態では、カバードレッシング材100は、第1の接着剤層130及び第2の接着剤層140のための別個の剥離ライナを含んでもよい。このような剥離ライナの構成については、後でより詳細に説明する。
【0075】
図2Cは、本開示の一実施形態による、カバードレッシング材100の概略上面図を示す。図2Aに示されている第1の接着剤層130、第2の接着剤層140、及び剥離ライナ160は、説明のために図2Cには示されていない。更に、バッキング110及びタブ150は、説明のために図2Cにおいて破線で概略的に示されている。
【0076】
カバードレッシング材100は、円形、楕円形、長方形、長円形、多角形などの任意の適切な形状を有してもよい。図2Cの図示された実施形態では、カバードレッシング材100は、一対の横方向縁部及び一対の長手方向縁部を含む実質的に長方形の形状を有する。
【0077】
図2Cの図示された実施形態では、カバーフィルム120は、略長方形の形状を有し、第1の横方向縁部121と、第1の横方向縁部121の反対側の第2の横方向縁部123と、第1の長手方向縁部128と、第1の長手方向縁部128の反対側の第2の長手方向縁部129とを含む。第1の横方向縁部121及び第2の横方向縁部123は、y軸に沿って延びることができる。第1の長手方向縁部128及び第2の長手方向縁部129は、x軸に沿って延びることができる。
【0078】
第1の横方向縁部121、第2の横方向縁部123、第1の長手方向縁部128、及び第2の長手方向縁部129は、フィルム周辺部125(図2A及び図2Bに示す)を集合的に画定することができる。カバーフィルム120は、カバーフィルム120の第1の長手方向縁部128及び第2の長手方向縁部129に沿って、かつ第1の横方向縁部121と第2の横方向縁部123との間に延びるフィルム長さ120Lを画定してもよい。
【0079】
図2Cの図示された実施形態では、バッキング110は、実質的に長方形の形状を有し、第1の横方向縁部111と、第1の横方向縁部111の反対側の第2の横方向縁部113と、第1の長手方向縁部118と、第1の長手方向縁部118の反対側の第2の長手方向縁部119とを含む。第1の横方向縁部111及び第2の横方向縁部113は、y軸に沿って延びることができる。第1の長手方向縁部118及び第2の長手方向縁部119は、x軸に沿って延びることができる。第1の横方向縁部111、第2の横方向縁部113、第1の長手方向縁部118、及び第2の長手方向縁部119は、バッキング周辺部115(図2A及び図2Bに示す)を集合的に画定することができる。
【0080】
図2Cの図示された実施形態では、バッキング110の第2の横方向縁部113は、カバーフィルム120の第2の横方向縁部123から離間している。更に、図2Cでは、バッキング110の第1の横方向縁部111、第1の長手方向縁部118、及び第2の長手方向縁部119は、それぞれの第1の横方向縁部を互いに区別することができるように、単に説明のために、カバーフィルム120の第1の横方向縁部121、第1の長手方向縁部128、及び第2の長手方向縁部129それぞれとわずかに整列していないように示されている。バッキング110の第1の横方向縁部111は、カバーフィルム120の第1の横方向縁部121と整列していてもよく、又は整列していなくてもよく、バッキング110の第1の長手方向縁部118は、カバーフィルム120の第1の長手方向縁部128と整列していてもよく、又は整列していなくてもよく、バッキング110の第2の長手方向縁部119は、カバーフィルム120の第2の長手方向縁部129と整列していてもよく、又は整列していなくてもよいことに留意することができる。
【0081】
バッキング110は、第1の長手方向縁部118及び第2の長手方向縁部119に沿って、かつバッキング110の第1の横方向縁部111と第2の横方向縁部113との間に延びるバッキング長さ110Lを画定してもよい。バッキング長さ110Lは、フィルム長さ120L未満であってもよい。具体的には、バッキング長さ110Lは、第1の長さ差105Lだけフィルム長さ120Lより短くてもよい。換言すれば、第1の長さ差105Lは、フィルム長さ120Lとバッキング長さ110Lとの間の長さの差であってもよい。第1の長さ差105Lは、例えば、フィルム長さ120Lの50%以上であってもよい。
【0082】
図2Cの図示された実施形態では、タブ150は、実質的に長方形の形状を有し、第1の横方向縁部151と、第1の横方向縁部151の反対側の第2の横方向縁部153と、第1の長手方向縁部158と、第1の長手方向縁部158の反対側の第2の長手方向縁部159とを含む。第1の横方向縁部151及び第2の横方向縁部153は、y軸に沿って延びることができる。第1の長手方向縁部158及び第2の長手方向縁部159は、x軸に沿って延びることができる。第1の横方向縁部151、第2の横方向縁部153、第1の長手方向縁部158、及び第2の長手方向縁部159は、タブ周辺部155(図2A及び図2Bに示す)を集合的に画定することができる。
【0083】
図2Cの図示された実施形態では、タブ150の第2の横方向縁部153は、バッキング110の第2の横方向縁部113から離間している。更に、図2Cでは、タブ150の第1の横方向縁部151、第1の長手方向縁部158、及び第2の長手方向縁部159は、それぞれの第1の横方向縁部を互いに区別することができるように、単に説明のために、カバーフィルム120の第1の横方向縁部121、第1の長手方向縁部128、及び第2の長手方向縁部129それぞれとわずかに整列していないように示されている。タブ150の第1の横方向縁部151は、バッキング110の第1の横方向縁部111と整列していてもよく、又は整列していなくてもよく、タブ150の第1の長手方向縁部158は、バッキング110の第1の長手方向縁部118と整列していてもよく、又は整列していなくてもよく、タブ150の第2の長手方向縁部159は、バッキング110の第2の長手方向縁部119と整列していてもよく、又は整列していなくてもよいことに留意することができる。図2A及び図2Bの図示された実施形態では、バッキング110の第1の横方向縁部111、カバーフィルム120の第1の横方向縁部121、及びタブ150の第1の横方向縁部151は、ドレッシング材平面116(図2Cに破線で示す)において互いに整列している。
【0084】
タブ150は、第1の長手方向縁部158及び第2の長手方向縁部159に沿って、かつタブ150の第1の横方向縁部151と第2の横方向縁部153との間に延びるタブ長さ150Lを画定してもよい。タブ長さ150Lは、バッキング長さ110L未満であってもよい。具体的には、タブ長さ150Lは、第2の長さ差106Lだけバッキング長さ110Lより短くてもよい。換言すれば、第2の長さ差106Lは、バッキング長さ110Lとタブ長さ150Lとの間の長さの差であってもよい。第2の長さ差106Lは、例えば、バッキング長さ110Lの50%以上であってもよい。
【0085】
図2Bの図示された実施形態では、第1の接着剤層130は、第1の横方向縁部131と、第1の横方向縁部131の反対側の第2の横方向縁部133とを含む。更に、図2Bの図示された実施形態では、第2の接着剤層140は、第1の横方向縁部141と、第1の横方向縁部141の反対側の第2の横方向縁部143とを含む。
【0086】
ここで図2A図2Cを参照すると、いくつかの実施形態では、バッキング110、カバーフィルム120、第1の接着剤層130、第2の接着剤層140、及びタブ150の各々は、それぞれの第1の横方向縁部111、121、131、141、151と、それぞれの第1の横方向縁部111、121、131、141、151の反対側のそれぞれの第2の横方向縁部113、123、133、143、153とを含む。更に、いくつかの実施形態では、バッキング110、カバーフィルム120、第1の接着剤層130、第2の接着剤層140、及びタブ150のそれぞれの第1の横方向縁部111、121、131、141、151は、ドレッシング材平面116において整列している。換言すれば、いくつかの実施形態では、バッキング110の第1の横方向縁部111、カバーフィルム120の第1の横方向縁部121、第1の接着剤層130の第1の横方向縁部131、及び第2の接着剤層140の第1の横方向縁部141は、ドレッシング材平面116において互いに整列している。いくつかの実施形態では、タブ150の第1の横方向縁部151はまた、ドレッシング材平面116において、バッキング110の第1の横方向縁部111、カバーフィルム120の第1の横方向縁部121、第1の接着剤層130の第1の横方向縁部131、及び第2の接着剤層140の第1の横方向縁部141と整列していてもよい。
【0087】
更に、いくつかの実施形態では、バッキング110、カバーフィルム120、第1の接着剤層130、第2の接着剤層140、及びタブ150のそれぞれの第2の横方向縁部113、123、133、143、153は、ドレッシング材平面116において整列していない。換言すれば、いくつかの実施形態では、バッキング110の第2の横方向縁部113、カバーフィルム120の第2の横方向縁部123、第1の接着剤層130の第2の横方向縁部133、及び第2の接着剤層140の第2の横方向縁部143は、ドレッシング材平面116において互いに整列していない。いくつかの実施形態では、タブ150の第2の横方向縁部153はまた、ドレッシング材平面116において、バッキング110の第2の横方向縁部113、カバーフィルム120の第2の横方向縁部123、第1の接着剤層130の第2の横方向縁部133、及び第2の接着剤層140の第2の横方向縁部144と整列していなくてもよい。
【0088】
図3は、本開示の別の実施形態による、カバードレッシング材170の概略底面図を示す。カバードレッシング材170は、図2Aのカバードレッシング材100と実質的に同様であり、同様の要素は、同様の参照符号によって示されている。バッキング110及びタブ150(両方とも図2Aに示す)は、説明のために図3には示されていない。しかしながら、カバードレッシング材170は、図2Aのカバードレッシング材100とは異なる形状及び異なる構成の第1の接着剤層130並びに第2の接着剤層140を有する。
【0089】
具体的には、図3の図示された実施形態では、カバードレッシング材170は、丸みを帯びた縁部を有する長方形の形状を有する。図示された実施形態では、カバーフィルム120は、丸みを帯びた縁部を有する長方形の形状を有する。しかしながら、カバーフィルム120、バッキング110(図3には図示せず)、第1の接着剤層130、第2の接着剤層140、及びタブ150(図3には図示せず)のうちの1つ以上は、丸みを帯びた縁部を有する長方形の形状を有することができることに留意することができる。
【0090】
更に、図3の図示された実施形態では、第1の接着剤層130及び第2の接着剤層140の各々は、ドレッシング材平面116(すなわち、図3のx-y平面)においてフィルム周辺部125から離間している。
【0091】
図4は、本開示の別の実施形態による、カバードレッシング材200の概略断面図を示す。カバードレッシング材200は、図2Aのカバードレッシング材100と同様であり、同様の要素は、同様の参照符号によって示されている。しかしながら、カバードレッシング材200は、図2Aのカバードレッシング材100と比較して、異なる構成の第2の接着剤層140を含む。結果として、カバードレッシング材100のタブ150は、カバードレッシング材200において省略されている。
【0092】
図4の図示された実施形態では、バッキング110の第2の主表面114は、第2の接着剤層140を越えて延びる接着剤のない領域117を含む。図4の図示された実施形態では、第2の接着剤層140の第1の横方向縁部141は、バッキング110の第1の横方向縁部111から離間しており、接着剤のない領域117は、バッキング110の第2の主表面114によって画定されるようになっている。
【0093】
接着剤のない領域117は、患者の皮膚にカバードレッシング材200を適用するために、ユーザによって把持されてもよい。接着剤のない領域117は、図2Aのタブ150の機能と同様の機能を提供することができる。結果として、接着剤のない領域117により、カバードレッシング材200からのタブ150(図2Aに示す)の省略を可能にすることができる。
【0094】
図4の図示された実施形態では、カバードレッシング材200は、第1の接着剤層130に少なくとも部分的にかつ取り外し可能に接着された第1の剥離ライナ161を更に含む。第1の剥離ライナ161の除去により、第1の接着剤層130の少なくとも一部分を露出させることができる。図4の図示された実施形態では、カバードレッシング材200は、第2の接着剤層140に少なくとも部分的にかつ取り外し可能に接着された第2の剥離ライナ162を更に含む。第2の剥離ライナ162の除去により、第2の接着剤層140の少なくとも一部分を露出させることができる。したがって、第1の接着剤層130及び第2の接着剤層140のそれぞれの部分は、第1の剥離ライナ161及び第2の剥離ライナ162の除去によって選択的に露出させることができる。
【0095】
図5Aは、本開示の別の実施形態による、カバードレッシング材250の概略断面図を示す。カバードレッシング材250は、図2Aのカバードレッシング材100と同様であり、同様の要素は、同様の参照符号によって示されている。しかしながら、カバードレッシング材250は、図2Aのカバードレッシング材100とは異なる構成の第1の接着剤層130を有する。更に、カバードレッシング材250は、図2Aのカバードレッシング材100の第2の接着剤層140を省略している。更に、第1の接着剤層130は、カバーフィルム120がカバードレッシング材250の厚さ(すなわち、z軸)に沿ってバッキング110と第1の接着剤層130との間に配置されるように、カバーフィルム120上に配置されている。
【0096】
図5Aの図示された実施形態では、カバードレッシング材250は、バッキング110の第1の主表面112とカバーフィルム120の第2の主表面124との間に少なくとも部分的に配置された結合層210を含む。結合層210は、カバーフィルム120をバッキング110に取り付ける。結合層210は、任意選択であり、例えば、カバーフィルム120が縫合によってなどの機械的手段によってバッキング110に取り付けられている場合、カバードレッシング材250から省略されてもよいことに留意することができる。
【0097】
図5Aの図示された実施形態では、第1の接着剤層130は、カバーフィルム120の第1の主表面122上に少なくとも部分的に配置されている。具体的には、図5Aの図示された実施形態では、第1の接着剤層130は、バッキング110の反対側のカバーフィルム120の第1の主表面122上に配置されている。したがって、バッキング110は、第1の接着剤層130を含まない。
【0098】
上述のように、第1の接着剤層130は、ドレッシング材平面116においてバッキング周辺部115を越えて延びる第1の接着剤部分136を画定する。第1の接着剤層130の第1の接着剤部分136は、患者の皮膚(例えば、図1の患者22の皮膚20)と少なくとも部分的に結合するように構成されている。図5Aの図示された実施形態では、第1の接着剤層130は更に、ドレッシング材平面116においてバッキング110と少なくとも部分的に同一の広がりを有する第2の接着剤部分137を画定する。いくつかの実施形態では、第2の接着剤部分137は、医療デバイス10(図1に示す)と少なくとも部分的に結合するように構成されている。
【0099】
図5Aの図示された実施形態では、カバードレッシング材250は、タブ220を更に含む。図5Aの図示された実施形態では、タブ220は、タブ220がドレッシング材平面116において第1の接着剤部分136から離間しているように、第1の接着剤層130上に配置されている。図5Aの図示された実施形態では、タブ220は、第1の接着剤層130の第2の接着剤部分137上に配置され、ドレッシング材平面116において第1の接着剤部分136から離間している。
【0100】
タブ220は、第1の主表面222と、タブ220の第1の主表面222の反対側の第2の主表面224と、を含むことができる。図5Aの図示された実施形態では、タブ220の第1の主表面222は、カバーフィルム120の第1の主表面112に面する。タブ220は、タブ220の第1の主表面222及び第2の主表面224を取り囲むタブ周辺部225を更に含むことができる。バッキング110は、バッキング周辺部115がドレッシング材平面116においてタブ周辺部225から少なくとも部分的に離間しているように、タブ周辺部225を越えて延びることができる。更に、図5Aの図示された実施形態では、タブ周辺部225は、ドレッシング材平面116においてバッキング周辺部115と部分的に整列している。いくつかの実施形態では、タブ220の第2の主表面224の面積は、バッキング110の第2の主表面114の面積の最大30%である。
【0101】
カバードレッシング材250は、剥離ライナ230を更に含んでもよい。図5Aの図示された実施形態では、剥離ライナ230は、第1の接着剤層130に少なくとも部分的にかつ取り外し可能に接着されている。剥離ライナ230の除去により、第1の接着剤層130の少なくとも一部分を露出させることができる。
【0102】
図5Bは、本開示の別の実施形態による、カバードレッシング材251の概略断面図を示す。カバードレッシング材251は、図5Aのカバードレッシング材250と実質的に同様であり、同様の要素は、同様の参照符号によって示されている。しかしながら、カバードレッシング材251は、カバードレッシング材250とは異なる構成の第1の接着剤層130を有する。
【0103】
具体的には、図5Bの図示された実施形態では、カバーフィルム120の第1の主表面122は、第1の接着剤層130を越えて延びる接着剤のない領域201を含む。換言すれば、図5Bの図示された実施形態では、カバーフィルム120の第1の主表面122は、第1の接着剤層130を含まない接着剤のない領域201を画定する。接着剤のない領域201により、カバードレッシング材251からのタブ220(図5Aに示す)の省略を可能にすることができる。結果として、図5Bの図示された実施形態では、カバードレッシング材251は、タブ220を省略している。
【0104】
図6Aは、本開示の別の実施形態による、カバードレッシング材270の概略断面図を示す。カバードレッシング材270は、図5Aのカバードレッシング材250と同様であり、同様の要素は、同様の参照符号によって示されている。しかしながら、カバードレッシング材270は、カバードレッシング材250とは異なる構成の第1の接着剤層130を有する。更に、第1の接着剤層130は、バッキング110がカバードレッシング材270の厚さ(すなわち、z軸)に沿ってカバーフィルム120と第1の接着剤層130との間に配置されるように、バッキング110上に少なくとも部分的に配置されている。
【0105】
図6Aの図示された実施形態では、第1の接着剤層130は、バッキング110の第2の主表面114上に少なくとも部分的に配置されている。上述のように、第1の接着剤層130は、ドレッシング材平面116においてバッキング周辺部115を越えて延びる第1の接着剤部分136を画定する。図6Aの図示された実施形態では、第1の接着剤層130は更に、バッキング110と少なくとも部分的に同一の広がりを有する第2の接着剤部分137を画定する。
【0106】
図6Aの図示された実施形態では、カバードレッシング材270は、タブ220を更に含む。図6Aの図示された実施形態では、タブ220の第1の主表面222は、バッキング110の第2の主表面114に面する。カバードレッシング材270は、任意選択的に、剥離ライナ230を更に含んでもよい。
【0107】
図6Bは、本開示の別の実施形態による、カバードレッシング材271の概略断面図を示す。カバードレッシング材271は、図6Aのカバードレッシング材270と同様であり、同様の要素は、同様の参照符号によって示されている。しかしながら、カバードレッシング材271は、カバードレッシング材270とは異なる構成の第1の接着剤層130を有する。
【0108】
具体的には、図6Bの図示された実施形態では、バッキング110の第2の主表面114は、第1の接着剤層130を越えて延びる接着剤のない領域203を含む。換言すれば、図6Bの図示された実施形態では、バッキング110の第2の主表面114は、第1の接着剤層130を含まない接着剤のない領域203を画定する。接着剤のない領域203により、カバードレッシング材271からのタブ220(図6Aに示す)の省略を可能にすることができる。したがって、図6Bの図示された実施形態では、カバードレッシング材271は、タブ220を省略している。
【0109】
図7は、本開示の一実施形態による、挿入部位において患者の皮膚を通して挿入可能な医療デバイスと共に使用するためのキット300の概略ブロック図を示す。
【0110】
キット300は、第1のカバードレッシング材101と、第2のカバードレッシング材102とを含む。第1のカバードレッシング材101及び第2のカバードレッシング材102の各々は、図2Aのカバードレッシング材100、図3のカバードレッシング材170、図4のカバードレッシング材200、図5Aのカバードレッシング材250、図5Bのカバードレッシング材251、図6Aのカバードレッシング材270、又は図6Bのカバードレッシング材271と同等であってもよい。いくつかの実施形態では、第1のカバードレッシング材101及び第2のカバードレッシング材102の各々は、互いに同一であってもよい。いくつかの他の実施形態では、第1のカバードレッシング材101及び第2のカバードレッシング材102は、互いに異なってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、第1のカバードレッシング材101は、図2Aのカバードレッシング材100と同等であってもよく、第2のカバードレッシング材102は、図3のカバードレッシング材200と同等であってもよい。
【0111】
図2A図4を参照すると、いくつかの実施形態では、第1のカバードレッシング材101及び第2のカバードレッシング材102の各々は、第1の主表面112と、第1の主表面112の反対側の第2の主表面114と、バッキング110の第1の主表面112及び第2の主表面114を取り囲むバッキング周辺部115とを含むバッキング110を含む。バッキング110の第1の主表面112は、ドレッシング材平面116を画定する。
【0112】
更に、いくつかの実施形態では、第1のカバードレッシング材101及び第2のカバードレッシング材102の各々は、第1の主表面122と、第1の主表面122の反対側にあり、バッキング110の第1の主表面112に面する第2の主表面124と、カバーフィルム120の第1の主表面122及び第2の主表面124を取り囲むフィルム周辺部125とを含むカバーフィルム120を含む。カバーフィルム120は、バッキング周辺部115を越えて延びる第1のフィルム部分126と、バッキング110と少なくとも部分的に同一の広がりを有する第2のフィルム部分127とを画定し、第1のフィルム部分126に対応するフィルム周辺部125は、ドレッシング材平面116においてバッキング周辺部115から少なくとも部分的に離間しているようになっている。
【0113】
更に、いくつかの実施形態では、第1のカバードレッシング材101及び第2のカバードレッシング材102の各々は、バッキング110の第1の主表面112とカバーフィルム120の第2の主表面124との間に部分的に配置され、第1の接着剤を含む、第1の接着剤層130を含む。第1の接着剤層130は更に、第1のフィルム部分126に対応するカバーフィルム120の第2の主表面124上に少なくとも部分的に配置されている。第1の接着剤層130は、患者22(図1に示す)の皮膚20と少なくとも部分的に結合するように構成されている。
【0114】
更に、いくつかの実施形態では、第1のカバードレッシング材101及び第2のカバードレッシング材102の各々は、バッキング110の第2の主表面114上に少なくとも部分的に配置された第2の接着剤層140を含む。第2の接着剤層140は、医療デバイス10(図1に示す)と少なくとも部分的に結合するように構成されている。
【0115】
いくつかの実施形態では、キット300は、手袋、滅菌材料、又は布若しくは他の吸収性材料を更に含んでもよい。キット300は、滅菌パッケージで使用するために臨床医が入手可能であってもよい。第1のカバードレッシング材101及び第2のカバードレッシング材102は、患者の皮膚への適用のために臨床医に容易に入手可能であってもよい。
【0116】
図8は、本開示の一実施形態による、図7のキット300を使用する方法400のフローチャートを示す。方法400は、図9A図9Gに概略的に示されている。図8及び図9A図9Gを参照して方法400を説明する。
【0117】
ステップ410において、方法400は、第1のカバードレッシング材のバッキング周辺部の少なくとも一部分が挿入部位に隣接して配置されるように、第1のカバードレッシング材の第1の接着剤層を患者の皮膚に少なくとも部分的に結合することを含む。例えば、図9Aに示すように、方法400は、第1のカバードレッシング材101のバッキング周辺部115の少なくとも一部分が挿入部位18に隣接して配置されるように、第1のカバードレッシング材101の第1の接着剤層130を患者22の皮膚20に少なくとも部分的に結合することを含むことができる。方法400は、第1のカバードレッシング材101の第2の接着剤層140を医療デバイス10に少なくとも部分的に結合することを更に含んでもよい。
【0118】
ステップ420において、方法400は、第1のカバードレッシング材が折り畳まれ、バッキングの第2の主表面が皮膚から離れる方向を向くように、挿入部位に対して医療デバイスを回転させることを更に含む。例えば、図9A及び図9Bに示すように、方法400は、第1のカバードレッシング材101が折り畳まれ、バッキング110の第2の主表面114が皮膚20から離れる方向を向くように(図9Bに示す)、挿入部位18に対して医療デバイス10を(例えば、図9Aに示す方向109に)回転させることを含んでもよい。
【0119】
ステップ430において、方法400は、第2のカバードレッシング材のバッキング周辺部の少なくとも一部分が挿入部位に隣接して配置され、挿入部位が第1のカバードレッシング材及び第2のカバードレッシング材によって一緒に覆われるように、第2のカバードレッシング材の第1の接着剤層を患者の皮膚に少なくとも部分的に結合することを更に含む。例えば、図9Cに示すように、方法400は、第2のカバードレッシング材102のバッキング周辺部115の少なくとも一部分が挿入部位18に隣接して配置され、挿入部位18が第1のカバードレッシング材101及び第2のカバードレッシング材102によって一緒に覆われるように、第2のカバードレッシング材102の第1の接着剤層130を患者22の皮膚20に少なくとも部分的に結合することを含むことができる。挿入部位18は、第1のカバードレッシング材101のカバーフィルム120及び第2のカバードレッシング材102のカバーフィルム120によって取り囲むことができることに留意することができる。
【0120】
ステップ440において、方法400は、医療デバイスが第1のカバードレッシング材と第2のカバードレッシング材との間に少なくとも部分的に配置され、それらに固定されるように、第1のカバードレッシング材の第2の接着剤層及び第2のカバードレッシング材の第2の接着剤層を医療デバイスに、及び互いに少なくとも部分的に結合することを更に含む。例えば、図9Dに示すように、方法400は、医療デバイス10が第1のカバードレッシング材101と第2のカバードレッシング材102との間に少なくとも部分的に配置され、それらに固定されるように、第1のカバードレッシング材101の第2の接着剤層140及び第2のカバードレッシング材102の第2の接着剤層140を医療デバイス10に、及び互いに少なくとも部分的に結合することを含むことができる。第1のカバードレッシング材101及び第2のカバードレッシング材102は、第1のカバードレッシング材101の第2の接着剤層140及び第2のカバードレッシング材102の第2の接着剤層140を互いに結合することができるように、医療デバイス10の周囲に少なくとも部分的に巻き付けられてもよい。
【0121】
いくつかの実施形態では、方法400は、第2のカバードレッシング材の第2の接着剤層を医療デバイス及び第1のカバードレッシング材の第2の接着剤層から除去することを更に含む。例えば、図9Eに示すように、方法400は、第2のカバードレッシング材102の第2の接着剤層140を医療デバイス10及び第1のカバードレッシング材101の第2の接着剤層140から除去することを含むことができる。第2の接着剤層140の第2の接着剤は、医療デバイス10及び第1のカバードレッシング材101の第2の接着剤層140からの第2のカバードレッシング材102の第2の接着剤層140の除去を容易にすることができる。
【0122】
いくつかの実施形態では、方法400は、第2のカバードレッシング材の第1の接着剤層を患者の皮膚から除去することを更に含む。例えば、図9Fに示すように、方法400は、第2のカバードレッシング材102の第1の接着剤層130を患者22の皮膚20から除去することを含んでもよい。
【0123】
いくつかの実施形態では、方法400は、第2のカバードレッシング材の第2の接着剤層を医療デバイスから除去することを更に含む。例えば、図9Fに示すように、方法400は、第2のカバードレッシング材102の第2の接着剤層140を医療デバイス10から除去することを含んでもよい。
【0124】
いくつかの実施形態では、方法400は、第1のカバードレッシング材の第1の接着剤層を患者の皮膚から除去することを更に含む。例えば、図9Gに示すように、方法400は、第1のカバードレッシング材101の第1の接着剤層130を患者22の皮膚20から除去することを含んでもよい。
【0125】
方法400は、臨床医がキット300を使用して、第1のカバードレッシング材101及び第2のカバードレッシング材102を(図1に示す)患者22の皮膚20に適用することを可能にすることができる。したがって、第1のカバードレッシング材101及び第2のカバードレッシング材102は、挿入部位18を覆って挿入部位18を汚れ、細菌、及び水分から保護し、それによって挿入部位18における感染のリスクを低減するために使用することができる。方法400は更に、臨床医がキット300を使用して、第1のカバードレッシング材101及び第2のカバードレッシング材102を患者22の皮膚20から除去することを可能にすることができる。
【0126】
別段の指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される特徴サイズ、量、及び物理的特性を表すすべての数は、「約」という用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、そうではないと示されない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本開示の教示を利用して当業者が得ようとする所望の特性に応じて変化し得る。
【0127】
本明細書では特定の実施形態を図示し説明してきたが、図示及び説明した特定の実施形態を本開示の範囲から逸脱することなく、様々な代替形態及び/又は等価な実装形態で置き換え可能であることは当業者には理解される。本出願は、本明細書で論じた特定の実施形態のどのような改作又は変形でも包含すると意図される。したがって、本開示は特許請求の範囲及びその等価物によってのみ限定されると意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
【国際調査報告】