(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-30
(54)【発明の名称】電池管理チップおよびシステム、ならびに車両
(51)【国際特許分類】
H01M 10/48 20060101AFI20250723BHJP
G01R 31/396 20190101ALI20250723BHJP
【FI】
H01M10/48 P
G01R31/396
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024574577
(86)(22)【出願日】2023-03-22
(85)【翻訳文提出日】2025-01-08
(86)【国際出願番号】 CN2023083079
(87)【国際公開番号】W WO2024001329
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】202210756825.0
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】シエ、シーコー
(72)【発明者】
【氏名】リー、チエ
(72)【発明者】
【氏名】リー、チーフォン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ユン
【テーマコード(参考)】
2G216
5H030
【Fターム(参考)】
2G216BA51
2G216CC04
2G216CC06
5H030AA01
5H030AS20
5H030FF43
5H030FF44
(57)【要約】
車両は、電池管理チップおよび電池管理システムを含む。電池管理チップは、電池セル・データ・サンプリング・モジュール、データ処理モジュール、第1の通信モジュール、および第1の電源モジュールを備える。電池セル・データ・サンプリング・モジュールは、電池セルの電池セル・データを取得するために使用され、データ処理モジュールは、電池セル・データ・サンプリング・モジュールに接続され、電池セル・データを処理するために使用され、第1の通信モジュールは、データ処理モジュールに接続され、処理された電池セル・データを制御モジュールに送るために使用され、第1の電源モジュールは、電池セルおよびデータ処理モジュールに接続され、電池セルによって出力される初期電圧を受信し、初期電圧に対して昇圧処理を実行してデータ処理モジュールに動作電圧を提供するために使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池管理チップ(1)であって、前記電池管理チップ(1)が、単一の電池セルに対応して接続され、前記電池管理チップ(1)が、
前記電池セルの電池セル・データを取得するために使用される電池セル・データ・サンプリング・モジュール(10)と、
前記電池セル・データ・サンプリング・モジュール(10)に接続され、前記電池セル・データを処理するために使用されるデータ処理モジュール(11)と、
前記データ処理モジュール(11)に接続され、処理された前記電池セル・データを制御モジュールに送信するために使用される第1の通信モジュール(12)と、
前記電池セルおよび前記データ処理モジュール(11)に接続され、前記電池セルによって出力される初期電圧を受信し、前記初期電圧に対して昇圧処理を実行して前記データ処理モジュール(11)に動作電圧を提供するために使用される第1の電力モジュール(13)と
を備える、電池管理チップ(1)。
【請求項2】
前記第1の電力モジュール(13)が、
昇圧回路ユニット(131)を備え、前記昇圧回路ユニット(131)が、前記電池セルに接続され、前記電池セルから出力される初期電圧に対して昇圧処理を実行して初期目標電圧を得るために使用される、請求項1に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項3】
前記第1の電力モジュール(13)が、
入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)をさらに備え、前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の入力端子が、前記電池セルの電圧出力端子に接続され、前記電池セルによって出力される前記初期電圧の電圧リップル干渉を低減してDC電圧を出力するために使用される、請求項2に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項4】
前記第1の電力モジュール(13)が、
出力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(132)をさらに備え、前記出力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(132)が、前記昇圧回路ユニット(131)に接続され、前記初期目標電圧に対してフィルタリングおよび安定化を実行して目標電圧を得て、前記目標電圧を出力し、前記データ処理モジュール(11)に動作電圧を提供するために使用される、請求項2または3に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項5】
前記第1の電力モジュール(13)が、
サンプリング・フィードバック・ユニット(133)をさらに備え、前記サンプリング・フィードバック・ユニット(133)が、前記出力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(132)および前記昇圧回路ユニット(131)に接続され、前記目標電圧の電圧値を取得し、前記目標電圧の前記電圧値を前記昇圧回路ユニット(131)にフィードバックするために使用される、請求項4に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項6】
前記昇圧回路ユニット(131)が、前記目標電圧の前記電圧値を受信し、前記目標電圧の前記電圧値に基づいて昇圧アクションを調整するようにさらに構成され、その結果、調整後に出力される前記初期目標電圧が前記出力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(132)によってフィルタリングおよび安定化され、出力される前記目標電圧が予め設定された電圧範囲内となる、請求項5に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項7】
前記昇圧回路ユニット(131)が、
PWM生成回路サブユニット(134)であって、前記PWM生成回路サブユニット(134)の第1の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の出力端子に接続され、前記PWM生成回路サブユニット(134)の第2の端子が接地され、前記PWM生成回路サブユニット(134)の第3の端子がPWM信号を出力するために使用される、PWM生成回路サブユニット(134)と、
チャージ・ポンプ昇圧サブユニット(135)であって、前記チャージ・ポンプ昇圧サブユニット(135)の第1の端子が前記PWM生成回路サブユニット(134)の前記第3の端子に接続され、前記初期目標電圧が得られるまで前記PWM信号の周波数およびデューティ・サイクルをリアルタイムで調整するために使用される、チャージ・ポンプ昇圧サブユニット(135)と
を備える、請求項5または6に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項8】
前記PWM生成回路サブユニット(134)が、
エネルギ貯蔵サブユニット(C1)であって、前記エネルギ貯蔵サブユニット(C1)の一方の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続され、前記エネルギ貯蔵サブユニット(C1)の他方の端子が接地される、エネルギ貯蔵サブユニット(C1)と、
波形生成サブユニット(136)であって、前記波形生成サブユニット(136)の第1の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続され、前記波形生成サブユニット(136)の第2の端子が接地される、波形生成サブユニット(136)と、
電圧フォロワ回路(137)であって、前記電圧フォロワ回路(137)の第1の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続され、前記電圧フォロワ回路(137)の第3の端子が接地される、電圧フォロワ回路(137)と、
第1のコンパレータ(Q1)であって、前記第1のコンパレータ(Q1)の正相入力端子が前記波形生成サブユニット(136)の前記第1の端子に接続される、第1のコンパレータ(Q1)と、
第2のコンパレータ(Q2)であって、前記第2のコンパレータ(Q2)の正相入力端子が前記電圧フォロワ回路(137)の前記第3の端子に接続され、前記第2のコンパレータ(Q2)の反転入力端子が前記第1のコンパレータ(Q1)の反転入力端子に接続され、前記第2のコンパレータ(Q2)の出力端子が前記チャージ・ポンプ昇圧サブユニット(135)の前記第1の端子に接続される、第2のコンパレータ(Q2)と、
充放電コンデンサ(C2)であって、前記充放電コンデンサ(C2)の一方の端子が前記第1のコンパレータ(Q1)の前記反転入力端子および前記第2のコンパレータ(Q2)の前記反転入力端子に接続され、前記充放電コンデンサ(C2)の他方の端子が接地される、充放電コンデンサ(C2)と、
デューティ・サイクル調整抵抗器(RE1)であって、前記デューティ・サイクル調整抵抗器(RE1)の一方の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続され、前記デューティ・サイクル調整抵抗器(RE1)の他方の端子が前記電圧フォロワ回路(137)の第2の端子に接続される、デューティ・サイクル調整抵抗器(RE1)と
を備える、請求項7に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項9】
前記波形生成サブユニット(136)が、
電圧調整サブユニットであって、前記電圧調整サブユニットの第1の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続され、前記電圧調整サブユニットの第2の端子が接地される、電圧調整サブユニットと、
充放電サブユニットであって、前記充放電サブユニットの一方の端子が前記第1のコンパレータ(Q1)の出力端子に接続され、前記充放電サブユニットの他方の端子が前記充放電コンデンサ(C2)の一方の端子に接続される、充放電サブユニットと
を備える、請求項8に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項10】
前記電圧調整サブユニットが、
第1の抵抗器(R1)であって、前記第1の抵抗器(R1)の一方の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続される、第1の抵抗器(R1)と、
第2の抵抗器(R2)であって、前記第2の抵抗器(R2)の一方の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続される、第2の抵抗器(R2)と、
第3の抵抗器(R3)であって、前記第3の抵抗器(R3)の一方の端子が前記第1の抵抗器(R1)の他方の端子に接続され、前記第3の抵抗器(R3)の他方の端子が前記第2の抵抗器(R2)の他方の端子に接続される、第3の抵抗器(R3)と、
第4の抵抗器(R4)であって、前記第4の抵抗器(R4)の一方の端子が前記第1のコンパレータ(Q1)の前記正相入力端子に接続され、前記第4の抵抗器(R4)の他方の端子が接地される、第4の抵抗器(R4)と
を備える、請求項9に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項11】
前記充放電サブユニットが第5の抵抗器(R5)を含む、請求項9または10に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項12】
前記電圧フォロワ回路(137)が、
電圧分割サブユニットであって、前記電圧分割サブユニットの一方の端子が前記デューティ・サイクル調整抵抗器(RE1)の他方の端子に接続され、前記電圧分割サブユニットの他方の端子が接地される、電圧分割サブユニットと、
電圧差出力ユニットであって、前記電圧差出力ユニットの第1の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続され、前記電圧差出力ユニットの第2の端子が前記電圧分割サブユニットの一方の端子に接続される、電圧差出力ユニットと
を備える、請求項8から11のいずれか一項に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項13】
前記電圧差出力ユニットが、
第7の抵抗器(R7)であって、前記第7の抵抗器(R7)の一方の端子が前記デューティ・サイクル調整抵抗器(RE1)の一方の端子に接続される、第7の抵抗器(R7)と、
三極管(Q3)であって、前記三極管(Q3)のベース電極が前記デューティ・サイクル調整抵抗器(RE1)の他方の端子に接続され、前記三極管(Q3)のコレクタ電極が前記第7の抵抗器(R7)の他方の端子に接続される、三極管(Q3)と、
電圧安定化エネルギ貯蔵コンデンサであって、前記電圧安定化エネルギ貯蔵コンデンサの一方の端子が前記三極管のエミッタ電極に接続され、前記電圧安定化エネルギ貯蔵コンデンサの他方の端子が接地される、電圧安定化エネルギ貯蔵コンデンサと
を備える、請求項11または12に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項14】
前記チャージ・ポンプ昇圧サブユニット(135)が、
フィルタリング電圧安定化コンデンサ(C4)であって、前記フィルタリング電圧安定化コンデンサ(C4)の一方の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続され、前記フィルタリング電圧安定化コンデンサ(C4)の他方の端子が接地される、フィルタリング電圧安定化コンデンサ(C4)と、
フィードバック調整サブユニットであって、前記フィードバック調整サブユニットの第1の端子が前記フィルタリング電圧安定化コンデンサ(C4)の一方の端子に接続され、前記フィードバック調整サブユニットの第2の端子が接地される、フィードバック調整サブユニットと、
充放電制御サブユニットであって、前記充放電制御サブユニットの第1の端子が前記フィルタリング電圧安定化コンデンサ(C4)の一方の端子に接続され、前記充放電制御サブユニットの第2の端子が前記第2のコンパレータ(Q2)の前記出力端子に接続される、充放電制御サブユニットと、
エネルギ貯蔵コンデンサ(C5)であって、前記エネルギ貯蔵コンデンサ(C5)の一方の端子が前記充放電制御サブユニットの第3の端子に接続され、前記エネルギ貯蔵コンデンサ(C5)の他方の端子が接地され、第2のスイッチ・トランジスタ(Q5)および第4のスイッチ・トランジスタ(Q7)がオンに切り替えられたときに前記エネルギ貯蔵コンデンサ(C5)が充電のために使用される、エネルギ貯蔵コンデンサ(C5)と
を備える、請求項8から13のいずれか一項に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項15】
前記充放電制御サブユニットが、
第1のスイッチ・トランジスタ(Q4)であって、前記第1のスイッチ・トランジスタ(Q4)のゲート電極が前記第2のコンパレータ(Q2)の前記出力端子に接続される、第1のスイッチ・トランジスタ(Q4)と、
インバータ(138)であって、前記インバータ(138)の入力端子が前記第2のコンパレータ(Q2)の前記出力端子に接続される、インバータ(138)と、
第2のスイッチ・トランジスタ(Q5)であって、前記第2のスイッチ・トランジスタ(Q5)のゲート電極が前記インバータ(138)の出力端子に接続される、第2のスイッチ・トランジスタ(Q5)と、
第3のスイッチ・トランジスタ(Q6)であって、前記第3のスイッチ・トランジスタ(Q6)のドレイン電極が前記第2のスイッチ・トランジスタ(Q5)のソース電極に接続され、前記第3のスイッチ・トランジスタ(Q6)のゲート電極が前記第1のスイッチ・トランジスタ(Q4)の前記ゲート電極に接続される、第3のスイッチ・トランジスタ(Q6)と、
第4のスイッチ・トランジスタ(Q7)であって、前記第4のスイッチ・トランジスタ(Q7)のソース電極が前記第3のスイッチ・トランジスタ(Q6)のソース電極に接続され、前記第4のスイッチ・トランジスタ(Q7)のゲート電極が前記インバータ(138)の前記出力端子に接続される、第4のスイッチ・トランジスタ(Q7)と、
ポンプ・コンデンサ(CE1)であって、前記ポンプ・コンデンサ(CE1)の一方の端子が前記第2のスイッチ・トランジスタ(Q5)の前記ドレイン電極に接続され、前記ポンプ・コンデンサ(CE1)の他方の端子が前記第4のスイッチ・トランジスタ(Q7)の前記ソース電極に接続され、前記第1のスイッチ・トランジスタ(Q4)および前記第3のスイッチ・トランジスタ(Q6)がオンに切り替えられたときに前記ポンプ・コンデンサ(CE1)が充電のために使用される、ポンプ・コンデンサ(CE1)と
を備える、請求項14に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項16】
前記フィードバック調整サブユニットが、
チューニング抵抗器(RON)であって、前記チューニング抵抗器(RON)の第1の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続され、前記チューニング抵抗器(RON)の第2の端子が前記充放電制御サブユニットの前記第1の端子に接続される、チューニング抵抗器(RON)と、
第1のフィードバック抵抗器(Rf1)であって、前記第1のフィードバック抵抗器(Rf1)の一方の端子が前記エネルギ貯蔵コンデンサ(C5)の一方の端子に接続される、第1のフィードバック抵抗器(Rf1)と、
第2のフィードバック抵抗器(Rf2)であって、前記第2のフィードバック抵抗器(Rf2)の一方の端子が前記第1のフィードバック抵抗器(Rf1)の他方の端子に接続され、前記第2のフィードバック抵抗器(Rf2)の他方の端子が接地される、第2のフィードバック抵抗器(Rf2)と、
第8の抵抗器(Rload)であって、前記第8の抵抗器(Rload)の一方の端子が前記第1のフィードバック抵抗器(Rf1)の一方の端子に接続され、前記第8の抵抗器(Rload)の他方の端子が前記第2のフィードバック抵抗器(Rf2)の他方の端子に接続される、第8の抵抗器(Rload)と、
フィードバック・コンパレータ(Q3’)であって、前記フィードバック・コンパレータ(Q3’)の反転入力端子が前記第1のフィードバック抵抗器(Rf1)の他方の端子に接続され、前記フィードバック・コンパレータ(Q3’)の正相入力端子が前記サンプリング・フィードバック・ユニット(133)の出力端子に接続される、フィードバック・コンパレータ(Q3’)と、
論理サブユニット(139)であって、前記論理サブユニット(139)の入力端子が前記フィードバック・コンパレータ(Q3’)の出力端子に接続され、前記論理サブユニット(139)の出力端子が前記チューニング抵抗器(RON)の調整端子に接続される、論理サブユニット(139)と
を備える、請求項14または15に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項17】
前記第1の通信モジュール(12)が第1のワイヤレス通信ユニットを備える、請求項1から16のいずれか一項に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項18】
前記第1の電力モジュール(13)が、前記第1のワイヤレス通信ユニットに接続され、前記第1のワイヤレス通信ユニットに電力を供給するために使用される、請求項17に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項19】
前記データ処理モジュール(11)が、
前記電池セル・データ・サンプリング・モジュール(10)に接続され、前記電池セル・データを選択するために使用される多重化スイッチ・モジュール(110)と、
前記多重化スイッチ・モジュール(110)に接続され、選択された前記電池セル・データに対してアナログ/デジタル変換またはデジタル/アナログ変換を実行して前記電池セル・データのデジタル情報および/またはアナログ情報を得るために使用される変換モジュール(111)と、
前記変換モジュール(111)に接続され、前記デジタル情報および/またはアナログ情報内の干渉情報を除去するために使用されるフィルタリング・モジュール(112)と、
前記フィルタリング・モジュール(112)に接続され、フィルタリングされた前記デジタル情報および/またはアナログ信号の演算ならびに記憶に使用される演算記憶モジュール(113)と
を備える、請求項2から16のいずれか一項に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項20】
前記電池セル・データ・サンプリング・モジュール(10)が、
前記電池セルの電圧データを取得するための電圧サンプリング・モジュール、
前記電池セルの電力データを取得するための電流サンプリング・モジュール、
前記電池セルの温度データを取得するための温度取得モジュール、および
前記電池セルの抵抗データを取得するための抵抗サンプリング・モジュール
のうちの少なくとも1つを備える、請求項1から19のいずれか一項に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項21】
前記電池セルに接続され、前記電池セルの前記電圧と残りの電池セルの最小電圧との間の差が予め設定された電圧範囲内になるように前記電池セルの前記電圧に対して整合性処理を実行するために使用される均等化モジュール(14)をさらに備える、請求項1から20のいずれか一項に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項22】
前記温度取得モジュールが温度センサを備え、前記温度センサが前記温度取得モジュール内に一体的に配置される、請求項20に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項23】
請求項1から22のいずれか一項に記載の少なくとも1つの電池管理チップ(1)と、
前記電池管理チップ(1)のうちの少なくとも1つに1対1の対応関係で接続された少なくとも1つの電池セルと、
前記電池管理チップ(1)と通信する制御モジュール(21)と
を備える、電池管理システム。
【請求項24】
前記制御モジュール(21)が、
前記電池管理チップ(1)の第1の通信モジュール(12)と通信する第2の通信モジュール(22)と、
前記電池管理チップ(1)が前記電池管理チップ(1)に接続された前記電池セルを制御することができるように、前記電池管理チップ(1)によって前記第2の通信モジュール(22)を介して送信された電池セル・データを受信し、前記第2の通信モジュール(22)を介して前記電池管理チップ(1)に制御信号を送信する、マイクロ制御ユニット(23)と、
前記マイクロ制御ユニット(23)に接続され、前記マイクロ制御ユニット(23)に電力を供給するために使用される第2の電力モジュール(24)と
を備える、請求項23に記載の電池管理システム。
【請求項25】
前記第2の通信モジュール(22)が第2のワイヤレス通信ユニットを備え、前記第2の電力モジュール(24)が、前記第2のワイヤレス通信ユニットに接続され、前記第2のワイヤレス通信ユニットに電力を供給するために使用される、請求項24に記載の電池管理システム。
【請求項26】
請求項23から25のいずれか一項に記載の電池管理システムを備える車両(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2022年6月30日に出願された「BATTERY MANAGEMENT CHIP AND SYSTEM,AND VEHICLE」と題する中国特許出願第202210756825.0号に対する優先権を主張する。
【0002】
本開示は、車両技術の分野に関し、詳細には、電池管理チップおよびシステム、ならびに車両に関する。
【背景技術】
【0003】
電池管理システム(BMS)は、主に、電池パックの電圧、電流、温度、動的内部抵抗、および他のデータを取得し、従来のワイヤリング・ハーネス通信モードを使用することによって上位の制御モジュールを用いてデータを送信し、データ伝送のインタラクティブ制御を実現する。
【0004】
現在、複数の電池セルで構成される電池パックは、電池管理チップによって監視される。電池パックの高電圧は、電池管理チップのプロセスおよび安全性に大きな課題をもたらす。第二に、電池管理チップの正常な動作は低電圧を要し、電池パック内の電池セルのすべての電気量の整合性(consistency)を保証するためには、総電圧から電力を取得し、ステップダウン処理後にチップが使用できる電圧を得る必要があり、これにより電池セルの不要なエネルギ損失が増加する。加えて、電池管理チップは複数の電池セルを同時に監視しており、車両の長期運転中にチップの故障が発生し、その結果、複数の電池セルのセル・データが失われ、車両の故障率が高まるというリスクがある。最後に、複数の電池セルは管理チップによって監視されるが、管理チップは、複雑なサンプリング・ワイヤリング・ハーネスおよびコネクタを使用することになり、同時に電池管理チップのサンプリング・ボードの設計が複雑になり、一方ではコストの急激な上昇につながり、他方ではハーネス・コネクタの安定性および信頼性が車両の故障率を高めることになり、同時に、電子電力技術の昇圧回路(boost circuit)は、広範囲の低電圧下でのチップの正常な動作を保証することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、関連技術における技術的問題のうちの1つを少なくともある程度解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本開示の第1の目的は、電池管理チップを提案することであり、電池管理チップは、第1の電力モジュールを配置して電池セルによって出力される初期電圧を昇圧することによってデータ処理モジュールに動作電圧を提供し、電池管理チップが広範囲の低電圧で動作できるように保証し、1つの電池管理チップを介して1つの電池セルを対応して監視する。第1の態様は、電池管理チップが、直列の複数の電池セルによって生成される高電圧に直面する必要がなく、電池セルが高電圧下で作動することを回避して不要なエネルギ損失を回避し、それによってチップ製造のプロセス要件を削減するとともにエネルギ消費を節約し、第2の態様は、チップの故障リスクを低減することができ、複数の電池セルのデータが1回で失われることを回避し、車両の故障率を低減し、第3の態様は、電池管理チップの柔軟性を向上させることができ、多数のワイヤリング・ハーネスおよびコネクタの使用を低減し、電池管理チップの複雑さを低減し、電池管理チップの安定性および信頼性を向上させる。
【0007】
したがって、本開示の第2の目的は、電池管理システムを提案することである。
【0008】
したがって、本開示の第3の目的は、車両を提案することである。
【0009】
上記の目的を達成するために、本開示の第1の態様の実施形態は、単一の電池セルに対応して接続される電池管理チップを提案し、電池管理チップは、電池セルの電池セル・データを取得するための電池セル・データ・サンプリング・モジュールと、電池セル・データ・サンプリング・モジュールに接続され、電池セル・データを処理するために使用されるデータ処理モジュールと、データ処理モジュールに接続され、処理された電池セル・データを制御モジュールに送信するために使用される第1の通信モジュールと、電池セルおよびデータ処理モジュールに接続され、電池セルによって出力される初期電圧を受信し、初期電圧に対して昇圧処理を実行してデータ処理モジュールに動作電圧を提供するために使用される第1の電力モジュールとを含む。
【0010】
本開示の一実施形態による電池管理チップは、第1の電力モジュールを介して電池セルによって出力される初期電圧を昇圧し、データ処理モジュールに動作電圧を提供し、電池管理チップが広範囲の低電圧で動作できるように保証し、1つの電池管理チップを介して1つの電池セルを対応して監視する。第1の態様は、電池管理チップが、直列の複数の電池セルによって生成される高電圧に直面する必要がなく、電池セルが高電圧下で作動することを回避して不要なエネルギ損失を回避し、それによってチップ製造のプロセス要件を削減するとともにエネルギ消費を節約し、第2の態様は、チップの故障リスクを低減することができ、複数の電池セルのデータが1回で失われることを回避し、車両の故障率を低減し、第3の態様は、電池管理チップの柔軟性を向上させることができ、多数のワイヤリング・ハーネスおよびコネクタの使用を低減し、電池管理チップの複雑さを低減し、電池管理チップの安定性および信頼性を向上させる。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の電力モジュールは、電池セルに接続され、電池セルによって出力される初期電圧に対して昇圧処理を実行して初期目標電圧を出力するために使用される、昇圧回路ユニットを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、第1の電力モジュールは、入力フィルタリング電圧安定化回路ユニットをさらに含み、入力フィルタリング電圧安定化回路ユニットの入力端子は、電池セルの電圧出力端子に接続され、電池セルによって出力される初期電圧の電圧リップル干渉を低減してDC電圧を出力するために使用される。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の電力モジュールは、出力フィルタリング電圧安定化回路ユニットをさらに含み、出力フィルタリング電圧安定化回路ユニットは、昇圧回路ユニットに接続され、初期目標電圧に対してフィルタリングおよび電圧安定化処理を実行して目標電圧を得て、目標電圧を出力し、データ処理モジュールに動作電圧を提供するために使用される。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の電力モジュールは、サンプリング・フィードバック・ユニットをさらに含み、サンプリング・フィードバック・ユニットは、出力フィルタリング電圧安定化回路ユニットおよび昇圧回路ユニットにそれぞれ接続され、目標電圧の電圧値を取得し、目標電圧の電圧値を昇圧回路ユニットにフィードバックするために使用される。
【0015】
いくつかの実施形態では、昇圧回路ユニットは、目標電圧の電圧値を受信し、目標電圧の電圧値に基づいて昇圧アクションを調整するようにさらに構成され、その結果、調整された出力の初期目標電圧は、出力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(132)によってフィルタリングおよび安定化されて、予め設定された電圧範囲内の目標電圧を出力する。
【0016】
いくつかの実施形態では、昇圧回路ユニットは、PWM生成回路サブユニットであって、PWM生成回路サブユニットの第1の端子が入力フィルタリング電圧安定化回路ユニットの出力端子に接続され、PWM生成回路サブユニットの第2の端子が接地され、PWM生成回路サブユニットの第3の端子がPWM(パルス幅変調技術)信号を出力するために使用される、PWM生成回路サブユニットと、チャージ・ポンプ昇圧サブユニットであって、チャージ・ポンプ昇圧サブユニットの第1の端子がPWM生成回路サブユニットの第3の端子に接続され、初期目標電圧が得られるまでPWM信号の周波数およびデューティ・サイクルをリアルタイムで調整するために使用される、チャージ・ポンプ昇圧サブユニットとを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、PWM生成回路サブユニットは、エネルギ貯蔵サブユニットであって、エネルギ貯蔵サブユニットの一方の端子が入力フィルタリング電圧安定化回路ユニットの出力端子に接続され、エネルギ貯蔵サブユニットの他方の端子が接地される、エネルギ貯蔵サブユニットと、波形生成サブユニットであって、波形生成サブユニットの第1の端子が入力フィルタリング電圧安定化回路ユニットの出力端子に接続され、波形生成サブユニットの第2の端子が接地される、波形生成サブユニットと、電圧フォロワ回路であって、電圧フォロワ回路の第1の端子が入力フィルタリング電圧安定化回路ユニットの出力端子に接続され、第3の端子が接地される、電圧フォロワ回路と、第1のコンパレータであって、第1のコンパレータの正相入力端子が波形生成サブユニットの第1の端子に接続される、第1のコンパレータと、第2のコンパレータであって、第2のコンパレータの正相入力端子が電圧フォロワ回路の第3の端子に接続され、第2のコンパレータの反転入力端子が第1のコンパレータの反転入力端子に接続され、第2のコンパレータの出力端子がチャージ・ポンプ昇圧サブユニットの第1の端子に接続される、第2のコンパレータと、充放電コンデンサであって、充放電コンデンサの一方の端子が第1のコンパレータの反転入力端子および第2のコンパレータの反転入力端子に接続され、充放電コンデンサの他方の端子が接地される、充放電コンデンサと、デューティ・サイクル調整抵抗器であって、デューティ・サイクル調整抵抗器の一方の端子が入力フィルタリング電圧安定化回路ユニットの出力端子に接続され、デューティ・サイクル調整抵抗器の他方の端子が電圧フォロワ回路の第2の端子に接続される、デューティ・サイクル調整抵抗器とを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、波形生成サブユニットは、電圧調整サブユニットであって、電圧調整サブユニットの第1の端子が入力フィルタリング電圧安定化回路ユニットの出力端子に接続され、電圧調整サブユニットの第2の端子が接地される、電圧調整サブユニットと、充放電サブユニットであって、充放電サブユニットの一方の端子が第1のコンパレータの出力端子に接続され、充放電サブユニットの他方の端子が充放電コンデンサの一方の端子に接続される、充放電サブユニットとを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、電圧調整サブユニットは、第1の抵抗器であって、第1の抵抗器の一方の端子が入力フィルタリング電圧安定化回路ユニットの出力端子に接続される、第1の抵抗器と、第2の抵抗器であって、第2の抵抗器の一方の端子が入力フィルタリング電圧安定化回路ユニットの出力端子に接続される、第2の抵抗器と、第3の抵抗器であって、第3の抵抗器の一方の端子が第1の抵抗器の他方の端子に接続され、第3の抵抗器の他方の端子が第2の抵抗器の他方の端子に接続される、第3の抵抗器と、第4の抵抗器であって、第4の抵抗器の一方の端子が第1のコンパレータの正相入力端子に接続され、第4の抵抗器の他方の端子が接地される、第4の抵抗器とを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、充放電サブユニットは第5の抵抗器を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、電圧フォロワ回路は、電圧分割サブユニットであって、電圧分割サブユニットの一方の端子がデューティ・サイクル調整抵抗器の他方の端子に接続され、電圧分割サブユニットの他方の端子が接地される、電圧分割サブユニットと、電圧差出力ユニットであって、電圧差出力ユニットの第1の端子が入力フィルタリング電圧安定化回路ユニットの出力端子と接続され、電圧差出力ユニットの第2の端子が電圧分割サブユニットの一方の端子と接続される、電圧差出力ユニットとを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、電圧差出力ユニットは、第7の抵抗器であって、第7の抵抗器の一方の端子がデューティ・サイクル調整抵抗器の一方の端子に接続される、第7の抵抗器と、三極管であって、三極管のベース電極がデューティ・サイクル調整抵抗器の他方の端子に接続され、三極管のコレクタ電極が第7の抵抗器の他方の端子に接続される、三極管と、電圧安定化エネルギ貯蔵コンデンサであって、電圧安定化エネルギ貯蔵コンデンサの一方の端子が三極管のエミッタ電極に接続され、電圧安定化エネルギ貯蔵コンデンサの他方の端子が接地される、電圧安定化エネルギ貯蔵コンデンサとを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、チャージ・ポンプ昇圧サブユニットは、フィルタリング電圧安定化コンデンサであって、フィルタリング電圧安定化コンデンサの一方の端子が入力フィルタリング電圧安定化回路ユニットの出力端子に接続され、フィルタリング電圧安定化コンデンサの他方の端子が接地される、フィルタリング電圧安定化コンデンサと、フィードバック調整サブユニットであって、フィードバック調整サブユニットの第1の端子がフィルタリング電圧安定化コンデンサの一方の端子に接続され、フィードバック調整サブユニットの第2の端子が接地される、フィードバック調整サブユニットと、充放電制御サブユニットであって、充放電制御サブユニットの第1の端子がフィルタリング電圧安定化コンデンサの一方の端子に接続され、充放電制御サブユニットの第2の端子が第2のコンパレータの出力端子に接続される、充放電制御サブユニットと、エネルギ貯蔵コンデンサであって、エネルギ貯蔵コンデンサの一方の端子が充放電制御サブユニットの第3の端子に接続され、エネルギ貯蔵コンデンサの他方の端子が接地され、第2のスイッチング・トランジスタおよび第4のスイッチング・トランジスタがオンに切り替えられたときにエネルギ貯蔵コンデンサが充電のために使用される、エネルギ貯蔵コンデンサとを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、充放電制御サブユニットは、第1のスイッチング・トランジスタであって、第1のスイッチング・トランジスタのゲート電極が第2のコンパレータの出力端子に接続される、第1のスイッチング・トランジスタと、インバータであって、インバータの入力端子が第2のコンパレータの出力端子に接続される、インバータと、第2のスイッチ・トランジスタであって、第2のスイッチ・トランジスタのゲート電極がインバータの出力端子に接続される、第2のスイッチ・トランジスタと、第3のスイッチ・トランジスタであって、第3のスイッチ・トランジスタのドレイン電極が第2のスイッチ・トランジスタのソース電極に接続され、第3のスイッチ・トランジスタのゲート電極が第1のスイッチ・トランジスタのゲート電極に接続される、第3のスイッチ・トランジスタと、第4のスイッチ・トランジスタであって、第4のスイッチ・トランジスタのソース電極が第3のスイッチ・トランジスタのソース電極に接続され、第4のスイッチ・トランジスタのゲートがインバータの出力端子に接続される、第4のスイッチ・トランジスタと、ポンプ・コンデンサであって、ポンプ・コンデンサの一方の端子が第2のスイッチ・トランジスタのドレイン電極に接続され、ポンプ・コンデンサの他方の端子が第4のスイッチ・トランジスタのソース電極に接続され、第1のスイッチ・トランジスタおよび第3のスイッチ・トランジスタがオンに切り替えられたときにポンプ・コンデンサが充電のために使用される、ポンプ・コンデンサとを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、フィードバック調整サブユニットは、チューニング抵抗器であって、チューニング抵抗器の第1の端子が入力フィルタリング電圧安定化回路ユニットの出力端子に接続され、チューニング抵抗器の第2の端子が充放電制御サブユニットの第1の端子に接続される、チューニング抵抗器と、第1のフィードバック抵抗器であって、第1のフィードバック抵抗器の一方の端子がエネルギ貯蔵コンデンサの一方の端子に接続される、第1のフィードバック抵抗器と、第2のフィードバック抵抗器であって、第2のフィードバック抵抗器の一方の端子が第1のフィードバック抵抗器の他方の端子に接続され、第2のフィードバック抵抗器の他方の端子が接地される、第2のフィードバック抵抗器と、第8の抵抗器であって、第8の抵抗器の一方の端子が第1のフィードバック抵抗器の一方の端子に接続され、第8の抵抗器の他方の端子が第2のフィードバック抵抗器の他方の端子に接続される、第8の抵抗器と、フィードバック・コンパレータであって、フィードバック・コンパレータの反転入力端子が第1のフィードバック抵抗器の他方の端子に接続され、フィードバック・コンパレータの正相入力端子がサンプリング・フィードバック・ユニットの出力端子に接続される、フィードバック・コンパレータと、論理サブユニットであって、論理サブユニットの入力端子がフィードバック・コンパレータの出力端子に接続され、論理サブユニットの出力端子がチューニング抵抗器の調整端子に接続される、論理サブユニットとを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1の通信モジュールは第1のワイヤレス通信ユニットを含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、第1の電力モジュールは、第1のワイヤレス通信ユニットに接続され、第1のワイヤレス通信ユニットに電力を供給するために使用される。
【0028】
いくつかの実施形態では、データ処理モジュールは、電池セル・データ・サンプリング・モジュールに接続され、電池セル・データを選択するように構成された多重化スイッチ・モジュールと、多重化スイッチ・モジュールに接続され、選択された電池セル・データに対してアナログ/デジタル変換またはデジタル/アナログ変換を実行して電池セル・データのデジタル情報および/またはアナログ情報を得るように構成された変換モジュールと、変換モジュールに接続され、デジタル情報および/またはアナログ情報内の干渉情報を除去するように構成されたフィルタリング・モジュールと、フィルタリング・モジュールに接続され、フィルタリングされたデジタル情報および/またはアナログ信号の演算ならびに記憶を実行するように構成された演算記憶モジュールとを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、電池セル・データ・サンプリング・モジュールは、電池セルの電圧データを取得するように構成された電圧サンプリング・モジュール、電池セルの電力データを取得するように構成された電流サンプリング・モジュール、電池セルの温度データを取得するように構成された温度取得モジュール、および電池セルの抵抗データを取得するように構成された抵抗サンプリング・モジュールのうちの少なくとも1つを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、電池管理チップは、電池セルに接続され、電池セルの電圧と残りの電池セルの最小電圧との間の差が予め設定された電圧範囲内になるように電池セルの電圧に対して整合性処理を実行するように構成された均等化モジュールをさらに含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、温度取得モジュールは、温度取得モジュール内に一体的に配置された温度センサを含む。
【0032】
上記の目的を達成するために、本開示の第2の態様の一実施形態は、電池管理システムを提案する。電池管理システムは、上記の実施形態で説明された少なくとも1つの電池管理チップと、電池管理チップのうちの少なくとも1つに1対1の対応関係で接続された少なくとも1つの電池セルと、電池管理チップと通信する制御モジュールとを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、制御モジュールは、電池管理チップの第1の通信モジュールと通信する第2の通信モジュールと、電池管理チップが電池管理チップに接続された電池セルを制御することができるように、電池管理チップによって第2の通信モジュールを介して送信された電池セル・データを受信し、第2の通信モジュールを介して電池管理チップに制御信号を送信する、マイクロ制御ユニットと、マイクロ制御ユニットに接続され、マイクロ制御ユニットに電力を供給するように構成された第2の電力供給モジュールとを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、第2の通信モジュールは第2のワイヤレス通信ユニットを含み、第2の電力モジュールは、第2のワイヤレス通信ユニットに接続され、第2のワイヤレス通信ユニットに電力を供給するために使用される。
【0035】
上記の目的を達成するために、本開示の第3の態様の一実施形態は、上記の実施形態で説明された電池管理システムを含む車両を提供する。
【0036】
本開示の追加の態様および利点は以下の説明で部分的に提供され、そのうちのいくつかは、以下の説明から明らかになるか、または本開示の実践から学習され得る。
【0037】
本開示の上記および/または追加の態様ならびに利点は、以下の図面と併用される実施形態の説明から明らかとなり、容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本開示の一実施形態による電池管理チップのブロック図である。
【
図2】本開示の一実施形態による第1の電力モジュールのブロック図である。
【
図3】本開示の特定の実施形態による昇圧回路ユニットの回路構造の概略図である。
【
図4】本開示の一実施形態による充放電コンデンサC2における電圧波形の概略図である。
【
図5】本開示の一実施形態による第2のコンパレータQ2によって出力されるパルス波形の概略図である。
【
図6】本開示の一実施形態による電池管理チップと制御モジュールとの間の通信のブロック図である。
【
図7】本開示の一実施形態による電池管理システムの構造の概略図である。
【
図8】本開示の一実施形態による車両のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本開示の実施形態が以下で詳細に説明され、添付の図面を参照して説明される実施形態は例示である。
【0040】
電池管理チップは、電池セルの電圧データ、電流データ、温度データ、および抵抗データを取得し、そのデータを制御モジュールに送信し、その結果、制御モジュールは、データを分析および処理して電池セルの動作を実現することができる。
【0041】
以下では、
図1から
図4を参照して、本開示の一実施形態による電池管理チップが一例として説明される。
【0042】
図1に示されるように、本開示の一実施形態による電池管理チップ1は、電池セル・データ・サンプリング・モジュール10、データ処理モジュール11、第1の通信モジュール12、および第1の電力モジュール13を含む。
【0043】
電池セル・データ・サンプリング・モジュール10は、電池セル(BC)の電池セル・データを取得するように構成され、データ処理モジュール11は、電池セル・データ・サンプリング・モジュール10と接続され、電池セル・データを処理するために使用され、第1の通信モジュール12は、データ処理モジュール11に接続され、処理された電池セル・データを制御モジュールに送信するために使用され、第1の電力モジュール13は、電池セルおよびデータ処理モジュール11と接続され、電池セルによって出力される初期電圧を受信し、初期電圧に対して昇圧処理を実行してデータ処理モジュール11に動作電圧を提供するために使用される。電池管理チップ1が、単一の電池セルに対応して接続されて、電池セルが高電圧下で作動することを回避し、それによって、電池管理チップ1に電力を供給するために電池セルが降圧(buck)される必要があるという問題を回避し、不必要なエネルギ損失を削減することが理解され得る。さらに、電池管理チップは、単一の電池セルを検出するために単一の電池セルに接続されており、これにより車両の長期運転中に電池管理チップが故障するリスクが大幅に軽減され、車両の故障率が低下する。最後に、電池管理チップは単一の電池セルに接続されるので、ワイヤリング・ハーネスおよびコネクタの使用が大幅に削減され、チップ設計の複雑さが軽減されることができ、設計がより柔軟になる。
【0044】
一実施形態では、電池管理チップ1が電圧取得命令などの有効な動作命令を受信すると、電池セル・データ・サンプリング・モジュール10は、受信された対応する動作命令に従って電池セルの電池セル・データを取得する。電池セルの初期電圧は広範囲の低電圧信号である、例えば電池セルの初期電圧が2.5Vから5.5Vの間であるので、電池管理チップ1の正常な動作は保証されることができず、この時点で、データ処理モジュール11の正常な動作のための動作電圧を提供するために、第1の電力モジュール13によって電池セルの初期電圧が昇圧され、例えば昇圧処理後の動作電圧は3.3Vから5Vの間となり、その結果、データ処理モジュール11は、電池セル・データ・サンプリング・モジュール10によって送信された電池セル・データを受信した後に電池セル・データを処理し、処理された電池セル・データを第1の通信モジュール12を介して制御モジュールに送信する。制御モジュールは、受信された電池セル・データを分析および処理して、対応する動作命令を電池セルに発行する。第1の電力モジュール13を設定することによって、電池セルから出力される初期電圧が昇圧されてデータ処理モジュール11に動作電圧を提供し、その結果、電池管理チップ1が広範囲の低電圧下で正常に作動することができる。
【0045】
本開示の一実施形態による電池管理チップは、第1の電力モジュールを介して電池セルによって出力される初期電圧を昇圧し、データ処理モジュールに動作電圧を提供し、電池管理チップが広範囲の低電圧で動作できるように保証し、1つの電池管理チップを介して1つの電池セルを対応して監視する。第1の態様は、電池管理チップが、直列の複数の電池セルによって生成される高電圧に直面する必要がなく、電池セルが高電圧下で作動することを回避して不要なエネルギ損失を回避し、それによってチップ製造のプロセス要件を削減するとともにエネルギ消費を節約し、第2の態様は、チップの故障リスクを低減することができ、複数の電池セルのデータが1回で失われることを回避し、車両の故障率を低減し、第3の態様は、電池管理チップの柔軟性を向上させることができ、多数のワイヤリング・ハーネスおよびコネクタの使用を低減し、電池管理チップの複雑さを低減し、電池管理チップの安定性および信頼性を向上させる。
【0046】
例えば、
図2は、本開示の一実施形態による第1の電力モジュール13のブロック図を示す。第1の電力モジュール13は、入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット130、昇圧回路ユニット131、および出力フィルタ電圧安定化回路ユニット132を含む。入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット130の入力端子は、電池セルの電圧出力端子に接続され、電池セルによって出力される初期電圧の電圧リップル干渉を低減し、DC電圧を出力するために使用される。昇圧回路ユニット131は、入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット130の出力端子に接続され、DC電圧を昇圧して初期目標電圧を得るために使用される。出力フィルタリング電圧安定化回路ユニット132は、昇圧回路ユニット131に接続され、初期目標電圧をフィルタリングおよび安定化させて目標電圧を得て、目標電圧を出力し、データ処理モジュール11に動作電圧を提供するために使用される。
【0047】
実施形態では、初期電圧は単一の電池セルによって提供され、単一の電池セルが初期電圧を出力した後、入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット130は、初期電圧を受信し、初期電圧の電圧リップル干渉を低減して比較的安定したDC電圧を得て、DC電圧を出力する。出力されたDC電圧は、初期目標電圧を得るために昇圧回路ユニット131によって昇圧され、初期目標電圧は、出力フィルタリング電圧安定化回路ユニット132に送信される。出力フィルタリング電圧安定化回路ユニット132は、受信された初期目標電圧に対してフィルタリングおよび安定化を実行して目標電圧を得て、目標電圧をデータ処理モジュール11に出力し、データ処理モジュール11に動作電圧を提供する。初期電圧が広範囲の低電圧であり、初期目標電圧を得るために、電圧リップル干渉が除去された初期電圧であるDC電圧が昇圧回路ユニット131によって処理されることが理解され得る。初期目標電圧は、電池管理チップ1の正常な動作のための動作電圧を提供する。初期目標電圧は、比較的安定した初期目標電圧を得るために安定化およびフィルタリングされて、比較的安定した初期目標電圧が目標電圧として採用される。電池セルから出力される初期電圧が昇圧回路ユニット131によって昇圧されて、データ処理モジュール11に動作電圧を提供し、電池管理チップが広範囲の低電圧で動作できるように保証する。
【0048】
いくつかの実施形態では、
図2に示されるように、昇圧回路ユニット131は、第1の電力モジュール13内に一体的に配置される。昇圧回路ユニット131を第1の電力モジュール13内に一体化することによって、インダクタおよびトランスなどの一体化されることができないデバイスを使用する場合と比較して、配置スペースを節約し、コストを削減することが可能である。
【0049】
いくつかの実施形態では、
図2に示されるように、第1の電力モジュール13は、サンプリング・フィードバック・ユニット133をさらに含む。サンプリング・フィードバック・ユニット133は、出力フィルタリング電圧安定化回路ユニット132および昇圧回路ユニット131にそれぞれ接続され、目標電圧の電圧値を取得し、目標電圧の電圧値を昇圧回路ユニット131にフィードバックするために使用される。昇圧回路ユニット131は、さらに、目標電圧の電圧値を受信し、目標電圧の電圧値に基づいてDC電圧の昇圧動作を調整するために使用され、その結果、調整後に出力される初期目標電圧は、出力フィルタリング安定化回路ユニット132によってフィルタリングおよび安定化され、出力される目標電圧は、予め設定された電圧範囲内となる。
【0050】
一実施形態では、予め設定された電圧範囲は、電池管理チップ1の正常な動作を保証する電圧範囲、例えば、3.3V~5Vである。動作モードによって電池管理チップ1の電流消費量が異なり、目標電圧が大きく変化することを考慮しながら、出力フィルタリング電圧安定化回路ユニット132が目標電圧を出力した後、この時点で、サンプリング・フィードバック・ユニット133によって初期目標電圧が検出され、目標電圧の電圧値に基づいて昇圧回路ユニット131の昇圧動作がリアルタイムで調整されて、出力される目標電圧が予め設定された電圧範囲内にあることを保証する、言い換えれば、出力される目標電圧が動作モードの変化によって大きく変化しないことが保証される。
【0051】
いくつかの実施形態では、
図3は、本開示の一実施形態による昇圧回路ユニット131の回路構造の概略図を示す。昇圧回路ユニット131は、PWM生成回路サブユニット134であって、PWM生成回路サブユニット134の第1の端子が入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット130の出力端子に接続され、PWM生成回路サブユニット134の第2の端子が接地され、PWM生成回路サブユニット134の第3の端子がPWM信号を出力するために使用される、PWM生成回路サブユニット134と、チャージ・ポンプ昇圧サブユニット135であって、チャージ・ポンプ昇圧サブユニット135の第1の端子がPWM生成回路サブユニット134の第3の端子に接続され、初期目標電圧が得られるまでPWM信号の周波数およびデューティ・サイクルをリアルタイムで調整するために使用される、チャージ・ポンプ昇圧サブユニット135とを含む。このうち、チャージ・ポンプ昇圧サブユニット135は、チャージ・ポンプ回路昇圧の原理を採用し、電荷転送によって動作する。ポンプ・コンデンサは、負荷によって必要とされる電流を提供するために入力端子から出力端子に電荷を転送することができ、エネルギを貯蔵するためのコンデンサを採用し、EMI干渉がなく、ノイズが少なく、コストが低く、静止電流が小さく、出力電圧リップルが小さく、フィードバック調整によって高電流動作を提供することができる。
【0052】
一実施形態では、昇圧回路ユニット131の前段はPWM生成回路サブユニット134であり、後段はチャージ・ポンプ昇圧サブユニット135である。チャージ・ポンプ昇圧サブユニット135は、PWM信号の周波数およびデューティ・サイクルを制御する。昇圧回路ユニット131は、初期目標電圧が得られるまで、PWM生成回路サブユニット134およびチャージ・ポンプ昇圧サブユニット135を介してDC電圧を連続的に昇圧する。
【0053】
いくつかの実施形態では、
図3に示されるように、PWM生成回路サブユニット134は、エネルギ貯蔵サブユニットC1、波形生成サブユニット136、電圧フォロワ回路137、第1のコンパレータQ1、第2のコンパレータQ2、充放電コンデンサC2、およびデューティ・サイクル調整抵抗器RE1を含む。このうち、エネルギ貯蔵サブユニットC1の一方の端子は入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット130の出力端子に接続され、エネルギ貯蔵サブユニットC1の他方の端子は接地される。波形生成サブユニット136の第1の端子は入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット130の出力端子に接続され、波形生成サブユニット136の第2の端子は接地される。電圧フォロワ回路137の第1の端子は入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット130の出力端子に接続され、電圧フォロワ回路137の第3の端子は接地される。第1のコンパレータQ1の正相入力端子は波形生成サブユニット136の第1の端子に接続される。第2のコンパレータQ2の正相入力端子は電圧フォロワ回路137の第3の端子に接続され、第2のコンパレータQ2の反転入力端子は第1のコンパレータQ1の反転入力端子に接続され、第2のコンパレータQ2の出力端子はチャージ・ポンプ昇圧サブユニット135の第1の端子に接続される。充放電コンデンサC2の一方の端子は第1のコンパレータQ1の反転入力端子および第2のコンパレータQ2の反転入力端子に接続され、充放電コンデンサC2の他方の端子は接地される。デューティ・サイクル調整抵抗器RE1の一方の端子は入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット130の出力端子に接続され、デューティ・サイクル調整抵抗器RE1の他方の端子は電圧フォロワ回路137の第2の端子に接続される。
【0054】
実施形態では、PWM生成回路サブユニット134内の充放電コンデンサC2および第1のコンパレータQ1は鋸歯状波を出力し、デューティ・サイクル調整抵抗器RE1は、後続の回路で使用するためのPWM信号を、電圧フォロワ回路137および第2のコンパレータQ2を介して出力するように調整される。
【0055】
例えば、
図3に示されるように、波形生成サブユニット136は、電圧調整サブユニットおよび充放電サブユニットを含む。電圧調整サブユニットは、第1の抵抗器R1、第2の抵抗器R2、第3の抵抗器R3、および第4の抵抗器R4を含む。充放電サブユニットは、第5の抵抗器R5を含む。第1の抵抗器R1の一方の端子は、入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット130の出力端子に接続される。第2の抵抗器R2の一方の端子は、入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット130の出力端子に接続される。第3の抵抗器R3の一方の端子は、第1の抵抗器R1の他方の端子に接続され、第3の抵抗器R3の他方の端子は、第2の抵抗器R2の他方の端子に接続される。第4の抵抗器R4の一方の端子は、第1のコンパレータQ1の正相入力端子に接続され、第4の抵抗器R4の他方の端子は接地される。第5の抵抗器R5の一方の端子は、第1のコンパレータQ1の出力端子に接続され、第5の抵抗器R5の他方の端子は、充放電コンデンサC2の一方の端子に接続される。
【0056】
PWM生成回路サブユニット134は、PWMパルス波形を出力するときに3段階に分割され得ることが理解される。第1段階では、第1のコンパレータQ1の反転入力端子における電圧は0であり、正相入力端子における電圧はR4*VBAT/(R4+((R2+R3)//R1))である。この時点で、第1のコンパレータQ1はハイ・レベルを出力し、第5の抵抗器R5を介して充放電コンデンサC2を充電し、第2段階では、充放電コンデンサC2の充電電圧が第1のコンパレータQ1の正相入力端子の電圧に達すると、すなわちR4*VBAT/(R4+((R2+R3)//R1))に達すると、第1のコンパレータQ1はロー・レベルを出力し、第1のコンパレータQ1における正相入力端子の電圧は(R3//R4)*VBAT/((R3//R4)+R1)であり、充放電コンデンサC2は第5の抵抗器R5を介して放電され、第3段階では、充放電コンデンサC2によって第1のコンパレータQ1の正相入力端子に対して放電された電圧が(R3//R4)*VBAT/((R3//R4)+R1)より低いとき、第1のコンパレータQ1は、ハイ・レベルを出力し、再び第1段階に戻り、それによって出力PWMパルス波形を実現する。
【0057】
図4は、本開示の一実施形態による充放電コンデンサC2の電圧波形の概略図である。
図4から見て取れるように、充放電コンデンサC2における波形は、段階によって異なる。
【0058】
いくつかの実施形態では、
図3に示されるように、電圧フォロワ回路137は、電圧分割サブユニットおよび電圧差出力ユニットを含む。電圧分割サブユニットの一方の端子は、デューティ・サイクル調整抵抗器RE1の他方の端子に接続され、電圧分割サブユニットの他方の端子は接地される。具体的には、電圧分割サブユニットは第6の抵抗器を含み、電圧差出力ユニットは、三極管Q3、第7の抵抗器R7、および電圧安定化エネルギ貯蔵コンデンサC3を含む。第7の抵抗器R7の一方の端子は、デューティ調整抵抗器RE1の一方の端子に接続される。三極管Q3のベース電極はデューティ調整抵抗器RE1の他方の端子に接続され、三極管Q3のコレクタ電極は第7の抵抗器R7の他方の端子に接続される。電圧安定化エネルギ貯蔵コンデンサC3の一方の端子は三極管Q3のエミッタ電極と接続され、電圧安定化エネルギ貯蔵コンデンサC3の他方の端子は接地される。
【0059】
実施形態では、デューティ・サイクル調整抵抗器RE1は調整可能な抵抗器であり、デューティ・サイクル調整抵抗器RE1と第6の抵抗器R6とが直列に接続されて三極管Q3のベース電極の電圧調整を実現し、三極管Q3のベース電極の電圧の変化に応じて電圧安定化エネルギ貯蔵コンデンサC3の電圧が変化し、第2のコンパレータQ2における正相入力端子の電圧はR6*VBAT/(R6+RE1-0.7V)であり、このうち、第7の抵抗器R7は三極管Q3の負荷容量を提供する。負荷容量(load capacity)は回路内の出力抵抗の大きさであることが理解される。
【0060】
図5は、本開示の一実施形態による第2のコンパレータQ2によって出力されるパルス波形の概略図である。
図5から見て取れるように、第2のコンパレータQ2はPWM波形を出力し、PWM波形のデューティ・サイクルは、デューティ・サイクル調整抵抗器RE1を調整することによって調整される。
【0061】
いくつかの実施形態では、
図3に示されるように、チャージ・ポンプ昇圧サブユニットは、フィルタリング電圧安定化コンデンサC4、フィードバック調整サブユニット、充放電制御サブユニット、およびエネルギ貯蔵コンデンサC5を含む。フィルタリング電圧安定化コンデンサC4の一方の端子は、入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット130の出力端子に接続され、フィルタ電圧安定化コンデンサC4の他方の端子は接地される。フィードバック調整サブユニットの第1の端子は、フィルタリング電圧安定化コンデンサC4の一方の端子に接続され、フィードバック調整サブユニットの第2の端子は接地される。充放電制御サブユニットの第1の端子は、フィルタリング電圧安定化コンデンサC4の一方の端子と接続され、充放電制御サブユニットの第2の端子は、第2のコンパレータQ2の出力端子と接続される。エネルギ貯蔵コンデンサC5の一方の端子は、充放電制御サブユニットの第3の端子に接続され、エネルギ貯蔵コンデンサC5の他方の端子は接地され、第2のスイッチ・トランジスタQ5および第4のスイッチ・トランジスタQ7がオンに切り替えられたときにエネルギ貯蔵コンデンサC5が充電のために使用される。
【0062】
このうち、充放電制御サブユニットは、第1のスイッチ・トランジスタQ4、インバータ138、第2のスイッチ・トランジスタQ5、第3のスイッチ・トランジスタQ6、第4のスイッチ・トランジスタQ7、およびポンプ・コンデンサCE1を含む。フィードバック調整サブユニットは、チューニング抵抗器RON、第1のフィードバック抵抗器Rf1、第2のフィードバック抵抗器Rf2、フィードバック・コンパレータQ3’、第8の抵抗器Rload、および論理サブユニット139を含む。具体的には、第1のスイッチ・トランジスタQ4のゲート電極は第2のコンパレータQ2の出力端子に接続され、インバータ138の入力端子は第2のコンパレータQ2の出力端子に接続され、第2のスイッチ・トランジスタQ5のゲート電極はインバータ138の出力端子に接続され、第3のスイッチ・トランジスタQ6のドレイン電極は第2のスイッチ・トランジスタQ5のソース電極に接続され、第3のスイッチ・トランジスタQ6のゲート電極は第1のスイッチ・トランジスタQ4のゲートに接続される。第4のスイッチ・トランジスタQ7のソース電極は第3のスイッチ・トランジスタQ6のソース電極に接続され、第4のスイッチ・トランジスタQ7のゲート電極はインバータ138の出力端子に接続され、ポンプ・コンデンサの一方の端子は第2のスイッチ・トランジスタQ5のドレイン電極に接続され、ポンプ・コンデンサCE1の他方の端子は第4のスイッチ・トランジスタQ7のソースに接続され、第1のスイッチ・トランジスタQ4および第3のスイッチ・トランジスタQ6がオンに切り替えられたときにポンプ・コンデンサが充電のために使用される。調整抵抗器RONの第1の端子は入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット130の出力端子に接続され、調整抵抗器RONの第2の端子は充放電制御サブユニットの第1の端子に接続され、第1のフィードバック抵抗器Rf1の一方の端子はエネルギ貯蔵コンデンサC5の一方の端子に接続され、第2のフィードバック抵抗器Rf2の一方の端子は第1のフィードバック抵抗器Rf1の他方の端子に接続され、第2のフィードバック抵抗器Rf2の他方の端子は接地され、第8の抵抗器Rloadの一方の端子は第1のフィードバック抵抗器の一方の端子に接続され、第8の抵抗器Rloadの他方の端子は第2のフィードバック抵抗器Rf2の他方の端子に接続され、フィードバック・コンパレータQ3’の反転入力端子は第1のフィードバック抵抗器Rf1の他方の端子に接続され、フィードバック・コンパレータQ3’の正相入力端子はサンプリング・フィードバック・ユニット133の出力端子に接続され、論理サブユニット139の入力端子はフィードバック・コンパレータQ3’の出力端子に接続され、論理サブユニット139の出力端子はチューニング抵抗器RONの調整端子に接続される。
【0063】
PWM波は、インバータ138を介してPWM1波形を出力し、インバータ138を通過しない別の経路上でPWM2波形を出力し、インバータ138を通過する波形は、インバータ138を通過しない波形と逆であることが理解されよう。
【0064】
実施形態では、昇圧回路ユニット131の作動後、前半サイクルでは、PWM2はローであり、PWM生成回路サブユニット134は、ローであり、ポンプ・コンデンサCE1を充電するために第1のスイッチ・トランジスタQ4および第3のスイッチ・トランジスタQ6がオンに切り替えられるように制御する。この時点で、PWM信号は、ハイまでインバータ138を介して出力されるPWM1であり、第2のスイッチ・トランジスタQ5および第4のスイッチ・トランジスタQ7が閉じられるように制御する。後半サイクルでは、第2のスイッチ・トランジスタQ5および第4のスイッチ・トランジスタQ7はオンに切り替えられ、第1のスイッチ・トランジスタQ4および第3のスイッチ・トランジスタQ6は閉じられ、第3のコンデンサC5はポンプ・コンデンサCE1によって充電され、負荷に必要とされる電流が供給され、PWM周波数およびデューティ・サイクルを制御することによって、電圧が、電池管理チップに必要とされる電圧および電流まで継続的に昇圧され、出力をさらに制御するために、ポンプ・コンデンサCE1への充電電流が出力フィードバック調整回路によって制御される。
【0065】
このうち、第3のスイッチ・トランジスタQ6が閉じられて、ポンプ・コンデンサCE1によってエネルギ貯蔵コンデンサC5を充電し、必要とされる電気量を負荷に提供する。エネルギ貯蔵コンデンサC5は、チャージ・ポンプ昇圧サブユニットのエネルギ貯蔵コンデンサであり、第8の抵抗器Rloadに電流を提供する。フィードバック・コンパレータQ3’は、昇圧後のフィードバック調整電圧出力であり、高精度の第1のフィードバック抵抗器Rf1および第2のフィードバック抵抗器Rf2の直列分圧によって実現される。フィードバック・コンパレータQ3’の反転入力端子における電圧は、Rf2*Vout/(Rf1+Rf2)である。フィードバック・コンパレータQ3’の反転入力端子における電圧がサンプリング・フィードバック・ユニット133の出力端子における電圧よりも低い場合、フィードバック・コンパレータQ3’は、出力電圧が低すぎることを示す信号を論理サブユニット139に送り、論理サブユニット139は、判定処理後にチューニング抵抗器RONを調整し、チャージ・ポンプ昇圧サブユニットを制御して目標電圧に達するように電圧を昇圧する。
【0066】
フィードバック・コンパレータQ3’の反転入力端子における電圧がサンプリング・フィードバック・ユニット133の出力端子における電圧よりも大きい場合、フィードバック・コンパレータQ3’は、出力電圧が高すぎることを示す信号を論理サブユニット139に送り、論理サブユニット139は、判断処理後にチューニング抵抗器RONを調整し、チャージ・ポンプ昇圧サブユニットを制御して目標電圧に達するように電圧をステップダウンする。
【0067】
現在、一般的な電池管理チップによって採用される通信モードは、主にツイスト・ペア・デイジー・チェーン・ケーブルであり、ツイスト・ペア・デイジー・チェーン・ケーブルを使用したこの有線通信モードは、複雑な干渉環境下での車両の通信の信頼性および安定性を保証するために、通信端末に絶縁デバイスおよび電磁両立性保護デバイスを追加する必要がある。第二に、ツイスト・ペア・デイジー・チェーン・ケーブル有線通信モードが電池セル情報を同期的に監視する場合、シリアル伝送モードおよび双方向伝送の要件により、データ受信が遅延し、同期監視におけるタイミング処理の需要が増加する。最後に、有線通信方法はワイヤリング・ハーネスおよびコネクタを要し、これもワイヤリング・ハーネス・コネクタの信頼性、安定性、およびコストにとって大きな課題である。
【0068】
したがって、
図1に示されるように、本開示の実施形態の第1の通信モジュール12は第1のワイヤレス通信ユニットを採用し、第1のワイヤレス通信ユニットを使用することによって電池管理チップ1のワイヤレス通信伝送が実現される。第一に、このワイヤレス通信伝送は、有線通信ハーネス・ノイズの結合干渉に必要とされる絶縁デバイスおよび保護デバイスを削減し、これにより通信品質を向上させ、データの正確な伝送およびインタラクションを保証し、サンプリング・ボードの複雑さを軽減し、より柔軟な適用を可能にすることができる。第二に、第1のワイヤレス通信ユニットの通信モードが採用され、ツイスト・ペア・デイジー・チェーン・ケーブルを使用した有線通信モードと比較して、ワイヤレス通信モードは、情報のインタラクションをより柔軟かつ便利にし、自然な時間同期測定を実現し、より多くの同期誘導機能をサポートする。さらに、ワイヤリング・ハーネスによって引き起こされる電池情報損失の問題を回避し、車両全体の安全性を向上させることができる。最後に、複雑なワイヤリング・ハーネスおよびコネクタを削減することで、車両全体の重量および複雑さを軽減し、設計の柔軟性を向上させ、メンテナンスをよりシンプルかつ便利にすることができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、
図1に示されるように、第1の電力モジュール13は、第1のワイヤレス通信ユニットに接続され、第1のワイヤレス通信ユニットに電力を供給するために使用される。第1の電力モジュール13は、第1のワイヤレス通信ユニットに電力を供給して、第1のワイヤレス通信ユニットの正常な通信を保証する。
【0070】
いくつかの実施形態では、第1のワイヤレス通信ユニットは、Bluetooth、RFID(無線周波数識別)ユニット、電磁波ワイヤレス通信ユニット、およびSparkLink通信ユニットのうちの少なくとも1つを含む。言い換えれば、第1のワイヤレス通信ユニットは、Bluetooth通信方法、RFID通信方法、電磁波通信方法、およびSparkLink通信方法のうちの少なくとも1つによってワイヤレス通信を実現することができるが、これらに限定されない。SparkLink通信方法がワイヤレス通信のためにSparkLink技術を使用することが理解される。SparkLink技術は、車両アプリケーションのシナリオにおいてデータのインタラクションおよび伝送を実施するためのワイヤレス相互接続を実現するために使用され得る短距離通信技術である。SparkLink技術は、超低遅延、超高信頼性、および正確な同期という利点を有する。
【0071】
いくつかの実施形態では、
図1および
図6と併せて示されるように、データ処理モジュール11は、多重化スイッチ・モジュール110、変換モジュール111、フィルタリング・モジュール112、および演算記憶モジュール113を含む。多重化スイッチ・モジュール110は、電池セル・データ・サンプリング・モジュール10に接続され、電池セル・データを選択するために使用される。変換モジュール111は、多重化スイッチ・モジュール110に接続され、選択された電池セル・データに対してアナログ/デジタル変換またはデジタル/アナログ変換を実行して電池セル・データのデジタル情報および/またはアナログ情報を得るために使用される。フィルタリング・モジュール112は、変換モジュール111に接続され、デジタル情報および/またはアナログ情報内の干渉情報を除去するために使用される。演算記憶モジュール113は、フィルタリング・モジュール112に接続され、フィルタリングされたデジタル情報および/またはアナログ信号の演算ならびに記憶に使用される。
【0072】
一実施形態では、第1のワイヤレス通信ユニットを介して電池セル・データを送信するために、多重化スイッチ・モジュール110、変換モジュール111、フィルタリング・モジュール112、および演算記憶モジュール113によって電池セル・データが処理されて、処理された電池セル・データを得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、
図6に示されるように、電池セル・データ・サンプリング・モジュール10は、電池セルの電圧データを取得するための電圧サンプリング・モジュール(VSM)、電池セルの電力データを取得するための電流サンプリング・モジュール(CSM)、電池セルの温度データを取得するための温度取得モジュール(TAM)、および電池セルの抵抗データを取得するための抵抗サンプリング・モジュール(RSM)のうち少なくとも1つを含む。対応するサンプリング・モジュールを設定することによって、電池セル・データの取得を実現する。
【0074】
いくつかの実施形態では、
図6に示されるように、電池管理チップ1は、均等化モジュール14をさらに含み、均等化モジュール14は、電池セルに接続され、電池セルの電圧と残りの電池セルの最小電圧との間の差が予め設定された電圧範囲内になるように電池セルの電圧に対して整合性処理を実行するために使用される。均等化モジュール14を設定することによって、電池セルの電圧整合性が異常である場合に、すなわち、ある電池セルの電圧が高い場合に、均等化モジュール14によって電池セルの電圧が低減され、その結果、電池セルの電圧と残りの電池セルの最小電圧との間の差が小さくなり、個々の電池セル間の電圧整合性が保証されることが理解され得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、
図6に示されるように、電池管理チップ1は、クロック・モジュール15をさらに含み、クロック・モジュール15は、電池セル・データの送受信タイミングを決定するために第1の電力モジュール13に接続される。クロック・モジュール15を設定することによって、電池セル・データの送受信タイミングは、電池セル・データが固有のタイミング・シーケンスに従って送受信されるように制御される。
【0076】
現在、電池パック、チップ、環境などの温度監視は、主に、温度感応性抵抗器の抵抗値の変化を通じて温度を算出および判断している。この手法では、抵抗値の変化に時間がかかるため、温度情報が十分に適時なものではなくなり、早期の熱故障ならびに検出および監視の失敗につながる。したがって、
図6に示されるように、本開示の一実施形態では、温度取得モジュールは温度センサを含む。温度取得モジュール内に温度センサを配置して電池セルの温度データを取得することによって、温度感応性抵抗器を使用する場合と比較して、温度センサが温度データに対してより敏感かつ迅速に反応し、したがって温度応答処理速度を大幅に向上させる。
【0077】
いくつかの実施形態では、温度センサは、温度取得モジュール内に一体的に配置され、それによって電池管理チップ1の配置スペースを節約し、コストを節約する。
【0078】
本開示の一実施形態による電池管理チップ1は、第1の電力モジュールを介して電池セルによって出力される初期電圧を昇圧し、データ処理モジュールに動作電圧を提供し、電池管理チップが広範囲の低電圧で動作できるように保証し、1つの電池管理チップを介して1つの電池セルを対応して監視する。第1の態様は、電池管理チップが、直列の複数の電池セルによって生成される高電圧に直面する必要がなく、電池セルが高電圧下で作動することを回避して不要なエネルギ損失を回避し、それによってチップ製造のプロセス要件を削減するとともにエネルギ消費を節約し、第2の態様は、チップの故障リスクを低減することができ、複数の電池セルのデータが1回で失われることを回避し、車両の故障率を低減し、第3の態様は、電池管理チップの柔軟性を向上させることができ、多数のワイヤリング・ハーネスおよびコネクタの使用を低減し、電池管理チップの複雑さを低減し、電池管理チップの安定性および信頼性を向上させる。
【0079】
本開示の一実施形態による電池管理システムが以下に説明される。
【0080】
図7に例示されるように、本開示の一実施形態による電池管理システム2は、上記の実施形態で説明された少なくとも1つの電池管理チップ1と、電池管理チップのうちの少なくとも1つに1対1の対応関係で接続された少なくとも1つの電池セル(図示せず)と、電池管理チップ1と通信する制御モジュール21とを含む。
【0081】
本開示の一実施形態による電池管理システム2は、第1の電力モジュールを介して電池セルによって出力される初期電圧を昇圧し、データ処理モジュールに動作電圧を提供し、電池管理チップが広範囲の低電圧で動作できるように保証し、1つの電池管理チップを介して1つの電池セルを対応して監視する。第1の態様は、電池管理チップが、直列の複数の電池セルによって生成される高電圧に直面する必要がなく、電池セルが高電圧下で作動することを回避して不要なエネルギ損失を回避し、それによってチップ製造のプロセス要件を削減するとともにエネルギ消費を節約し、第2の態様は、チップの故障リスクを低減することができ、複数の電池セルのデータが1回で失われることを回避し、車両の故障率を低減し、第3の態様は、電池管理チップの柔軟性を向上させることができ、多数のワイヤリング・ハーネスおよびコネクタの使用を低減し、電池管理チップの複雑さを低減し、電池管理チップの安定性および信頼性を向上させる。
【0082】
いくつかの実施形態では、制御モジュール21は、電池管理チップ1の第1の通信モジュールと通信する第2の通信モジュール22と、電池管理チップ1が電池管理チップ1に接続された電池セルを制御することができるように、電池管理チップ1によって第2の通信モジュール22を介して送信された電池セル・データを受信し、第2の通信モジュール22を介して電池管理チップ1に制御信号を送信する、マイクロ制御ユニット23と、マイクロ制御ユニット23に接続され、マイクロ制御ユニット23に電力を供給するために使用される第2の電力モジュール24とを含む。1つの電池管理チップ1は1つの電池セルを管理し、制御モジュール22は複数の電池管理チップ1と同時にデータ・インタラクション処理を実行することができ、制御モジュール22は有効な動作命令を送り、電池管理チップ1は、ワイヤレス通信を介して命令を受信すると、単一の電池セルの電池セル・データの取得および監視を開始し、次いで、その電池セル・データを、データ分析および処理のためにワイヤレス通信を介して制御モジュール21に送信し、次の動作を待つ。
【0083】
いくつかの実施形態では、第2の通信モジュール22は、第2のワイヤレス通信ユニットを含む。ワイヤレス通信は、第1のワイヤレス通信ユニットと第2のワイヤレス通信ユニットとの間で実現されることができ、より多くの同期検知機能がサポートされ、その結果、通信の使用はより自由かつ柔軟になる。ワイヤレス通信によるデータ伝送は、ツイスト・ペア・デイジー・チェーン有線通信方法における別の大きな革新である。第一に、ワイヤレス通信によるデータ伝送は、有線通信ハーネス・ノイズの結合干渉に必要とされる絶縁デバイスおよび電磁両立性保護デバイスを削減する。一方では、ワイヤレス通信によるデータ伝送は電池サンプリング・ボードの複雑さを軽減し、他方では、適用がより柔軟になる。第二に、ツイスト・ペア・デイジー・チェーン・シリアル有線通信と比較して、ワイヤレス通信は、情報のやり取りをより柔軟かつ便利にし、時間同期測定を自然に実現することができ、より多くの同期誘導機能をサポートすることができ、ワイヤリング・ハーネスによって引き起こされるシリアル通信におけるマルチストリング電池情報損失の問題を回避し、それによって車両全体の安全性を向上させることができる。最後に、構造の観点で複雑なワイヤリング・ハーネスおよびコネクタが存在しないことで、車両全体の重量および複雑さを軽減し、設計の柔軟性を向上させ、メンテナンスをよりシンプルかつ便利にすることができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、第2の電力モジュール24は、第2のワイヤレス通信ユニットに接続され、第2のワイヤレス通信ユニットに電力を供給するために使用される。第2の電力モジュールは、ワイヤレス通信ユニットの正常な動作を保証するための第2のワイヤレス通信ユニットのワークピースである。
【0085】
本開示の一実施形態による車両が以下に説明される。
【0086】
図8に例示されるように、本開示の一実施形態による車両3は、上記の実施形態で説明された電池管理システム2を含む。
【0087】
本開示の一実施形態による車両3は、第1の電力モジュールを介して電池セルによって出力される初期電圧を昇圧し、データ処理モジュールに動作電圧を提供し、電池管理チップが広範囲の低電圧で動作できるように保証し、1つの電池管理チップを介して1つの電池セルを対応して監視する。第1の態様は、電池管理チップが、直列の複数の電池セルによって生成される高電圧に直面する必要がなく、電池セルが高電圧下で作動することを回避して不要なエネルギ損失を回避し、それによってチップ製造のプロセス要件を削減するとともにエネルギ消費を節約し、第2の態様は、チップの故障リスクを低減することができ、複数の電池セルのデータが1回で失われることを回避し、車両の故障率を低減し、第3の態様は、電池管理チップの柔軟性を向上させることができ、多数のワイヤリング・ハーネスおよびコネクタの使用を低減し、電池管理チップの複雑さを低減し、電池管理チップの安定性および信頼性を向上させる。
【0088】
本明細書の説明において、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「例示的な実施形態」、「例」、「特定の例」、または「いくつかの例」などの用語への言及は、実施形態または例に関連して説明される特定の特徴、構造、材料、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態または例に含まれることを意味する。本明細書において、上記の用語の例示的な表現は、必ずしも同じ実施形態または例を指すものではない。
【0089】
本開示の実施形態が上記に示され説明されているが、本開示の原理および思想から逸脱することなく上記の実施形態に様々な変更、修正、置換、および変形が加えられてもよいことは当業者によって理解されることができ、その範囲は、特許請求の範囲およびその均等物によって定義される。
【符号の説明】
【0090】
1 電池管理チップ(BMC)
10 電池セル・データ・サンプリング・モジュール(BCDSM)
11 データ処理モジュール(DPM)
12 第1の通信モジュール(FCM)
13 第1の電力モジュール(FPM)
130 入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(IFVSCU)
131 昇圧回路ユニット(BCU)
132 出力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(OFVSCU)
133 サンプリング・フィードバック・ユニット(SFU)
134 PWM生成回路サブユニット
135 チャージ・ポンプ昇圧サブユニット
136 波形生成サブユニット
137 電圧フォロワ回路
138 インバータ
139 論理サブユニット
110 多重化スイッチ・モジュール(MSM)
111 変換モジュール(CONVM)
112 フィルタリング・モジュール(FLTM)
113 演算記憶モジュール(ASM)
14 均等化モジュール(EQM)
15 クロック・モジュール(CLKM)
2 電池管理システム(BMC)
21 制御モジュール(CTRLM)
22 第2の通信モジュール(SCM)
23 マイクロ制御ユニット(MCU)
24 第2の電力モジュール(SPM)
3 車両
【手続補正書】
【提出日】2025-01-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池管理チップ(1)であって、前記電池管理チップ(1)が、単一の電池セルに対応して接続され、前記電池管理チップ(1)が、
前記電池セルの電池セル・データを取得するために使用される電池セル・データ・サンプリング・モジュール(10)と、
前記電池セル・データ・サンプリング・モジュール(10)に接続され、前記電池セル・データを処理するために使用されるデータ処理モジュール(11)と、
前記データ処理モジュール(11)に接続され、処理された前記電池セル・データを制御モジュールに送信するために使用される第1の通信モジュール(12)と、
前記電池セルおよび前記データ処理モジュール(11)に接続され、前記電池セルによって出力される初期電圧を受信し、前記初期電圧に対して昇圧処理を実行して前記データ処理モジュール(11)に動作電圧を提供するために使用される第1の電
力モジュール(13)と
を備える、電池管理チップ(1)。
【請求項2】
前記第1の電力モジュール(13)が、
昇圧回路ユニット(131)を備え、前記昇圧回路ユニット(131)が、前記電池セルに接続され、前記電池セルから出力される初期電圧に対して昇圧処理を実行して初期目標電圧を得るために使用される、請求項1に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項3】
前記第1の電力モジュール(13)が、
入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)をさらに備え、前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の入力端子が、前記電池セルの電圧出力端子に接続され、前記電池セルによって出力される前記初期電圧の電圧リップル干渉を低減してDC電圧を出力するために使用される、請求項2に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項4】
前記第1の電力モジュール(13)が、
出力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(132)をさらに備え、前記出力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(132)が、前記昇圧回路ユニット(131)に接続され、前記初期目標電圧に対してフィルタリングおよび安定化を実行して目標電圧を得て、前記目標電圧を出力し、前記データ処理モジュール(11)に動作電圧を提供するために使用される、請求
項3に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項5】
前記第1の電力モジュール(13)が、
サンプリング・フィードバック・ユニット(133)をさらに備え、前記サンプリング・フィードバック・ユニット(133)が、前記出力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(132)および前記昇圧回路ユニット(131)に接続され、前記目標電圧の電圧値を取得し、前記目標電圧の前記電圧値を前記昇圧回路ユニット(131)にフィードバックするために使用される、請求項4に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項6】
前記昇圧回路ユニット(131)が、前記目標電圧の前記電圧値を受信し、前記目標電圧の前記電圧値に基づいて昇圧アクションを調整するようにさらに構成され、その結果、調整後に出力される前記初期目標電圧が前記出力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(132)によってフィルタリングおよび安定化され、出力される前記目標電圧が予め設定された電圧範囲内となる、請求項5に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項7】
前記昇圧回路ユニット(131)が、
PWM生成回路サブユニット(134)であって、前記PWM生成回路サブユニット(134)の第1の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の出力端子に接続され、前記PWM生成回路サブユニット(134)の第2の端子が接地され、前記PWM生成回路サブユニット(134)の第3の端子がPWM信号を出力するために使用される、PWM生成回路サブユニット(134)と、
チャージ・ポンプ昇圧サブユニット(135)であって、前記チャージ・ポンプ昇圧サブユニット(135)の第1の端子が前記PWM生成回路サブユニット(134)の前記第3の端子に接続され、前記初期目標電圧が得られるまで前記PWM信号の周波数およびデューティ・サイクルをリアルタイムで調整するために使用される、チャージ・ポンプ昇圧サブユニット(135)と
を備える、請求項
5に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項8】
前記PWM生成回路サブユニット(134)が、
エネルギ貯蔵サブユニット(C1)であって、前記エネルギ貯蔵サブユニット(C1)の一方の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続され、前記エネルギ貯蔵サブユニット(C1)の他方の端子が接地される、エネルギ貯蔵サブユニット(C1)と、
波形生成サブユニット(136)であって、前記波形生成サブユニット(136)の第1の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続され、前記波形生成サブユニット(136)の第2の端子が接地される、波形生成サブユニット(136)と、
電圧フォロワ回路(137)であって、前記電圧フォロワ回路(137)の第1の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続され、前記電圧フォロワ回路(137)の第3の端子が接地される、電圧フォロワ回路(137)と、
第1のコンパレータ(Q1)であって、前記第1のコンパレータ(Q1)の正相入力端子が前記波形生成サブユニット(136)の前記第1の端子に接続される、第1のコンパレータ(Q1)と、
第2のコンパレータ(Q2)であって、前記第2のコンパレータ(Q2)の正相入力端子が前記電圧フォロワ回路(137)の前記第3の端子に接続され、前記第2のコンパレータ(Q2)の反転入力端子が前記第1のコンパレータ(Q1)の反転入力端子に接続され、前記第2のコンパレータ(Q2)の出力端子が前記チャージ・ポンプ昇圧サブユニット(135)の前記第1の端子に接続される、第2のコンパレータ(Q2)と、
充放電コンデンサ(C2)であって、前記充放電コンデンサ(C2)の一方の端子が前記第1のコンパレータ(Q1)の前記反転入力端子および前記第2のコンパレータ(Q2)の前記反転入力端子に接続され、前記充放電コンデンサ(C2)の他方の端子が接地される、充放電コンデンサ(C2)と、
デューティ・サイクル調整抵抗器(RE1)であって、前記デューティ・サイクル調整抵抗器(RE1)の一方の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続され、前記デューティ・サイクル調整抵抗器(RE1)の他方の端子が前記電圧フォロワ回路(137)の第2の端子に接続される、デューティ・サイクル調整抵抗器(RE1)と
を備える、請求項7に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項9】
前記波形生成サブユニット(136)が、
電圧調整サブユニットであって、前記電圧調整サブユニットの第1の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続され、前記電圧調整サブユニットの第2の端子が接地される、電圧調整サブユニットと、
充放電サブユニットであって、前記充放電サブユニットの一方の端子が前記第1のコンパレータ(Q1)の出力端子に接続され、前記充放電サブユニットの他方の端子が前記充放電コンデンサ(C2)の一方の端子に接続される、充放電サブユニットと
を備える、請求項8に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項10】
前記電圧調整サブユニットが、
第1の抵抗器(R1)であって、前記第1の抵抗器(R1)の一方の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続される、第1の抵抗器(R1)と、
第2の抵抗器(R2)であって、前記第2の抵抗器(R2)の一方の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続される、第2の抵抗器(R2)と、
第3の抵抗器(R3)であって、前記第3の抵抗器(R3)の一方の端子が前記第1の抵抗器(R1)の他方の端子に接続され、前記第3の抵抗器(R3)の他方の端子が前記第2の抵抗器(R2)の他方の端子に接続される、第3の抵抗器(R3)と、
第4の抵抗器(R4)であって、前記第4の抵抗器(R4)の一方の端子が前記第1のコンパレータ(Q1)の前記正相入力端子に接続され、前記第4の抵抗器(R4)の他方の端子が接地される、第4の抵抗器(R4)と
を備える、請求項9に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項11】
前記充放電サブユニットが第5の抵抗器(R5)を含む、請求項
9に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項12】
前記電圧フォロワ回路(137)が、
電圧分割サブユニットであって、前記電圧分割サブユニットの一方の端子が前記デューティ・サイクル調整抵抗器(RE1)の他方の端子に接続され、前記電圧分割サブユニットの他方の端子が接地される、電圧分割サブユニットと、
電圧差出力ユニットであって、前記電圧差出力ユニットの第1の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続され、前記電圧差出力ユニットの第2の端子が前記電圧分割サブユニットの一方の端子に接続される、電圧差出力ユニットと
を備える、請求項
8に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項13】
前記電圧差出力ユニットが、
第7の抵抗器(R7)であって、前記第7の抵抗器(R7)の一方の端子が前記デューティ・サイクル調整抵抗器(RE1)の一方の端子に接続される、第7の抵抗器(R7)と、
三極管(Q3)であって、前記三極管(Q3)のベース電極が前記デューティ・サイクル調整抵抗器(RE1)の他方の端子に接続され、前記三極管(Q3)のコレクタ電極が前記第7の抵抗器(R7)の他方の端子に接続される、三極管(Q3)と、
電圧安定化エネルギ貯蔵コンデンサであって、前記電圧安定化エネルギ貯蔵コンデンサの一方の端子が前記三極管のエミッタ電極に接続され、前記電圧安定化エネルギ貯蔵コンデンサの他方の端子が接地される、電圧安定化エネルギ貯蔵コンデンサと
を備える、請求
項12に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項14】
前記チャージ・ポンプ昇圧サブユニット(135)が、
フィルタリング電圧安定化コンデンサ(C4)であって、前記フィルタリング電圧安定化コンデンサ(C4)の一方の端子が前記入力フィルタリング電圧安定化回路ユニット(130)の前記出力端子に接続され、前記フィルタリング電圧安定化コンデンサ(C4)の他方の端子が接地される、フィルタリング電圧安定化コンデンサ(C4)と、
フィードバック調整サブユニットであって、前記フィードバック調整サブユニットの第1の端子が前記フィルタリング電圧安定化コンデンサ(C4)の一方の端子に接続され、前記フィードバック調整サブユニットの第2の端子が接地される、フィードバック調整サブユニットと、
充放電制御サブユニットであって、前記充放電制御サブユニットの第1の端子が前記フィルタリング電圧安定化コンデンサ(C4)の一方の端子に接続され、前記充放電制御サブユニットの第2の端子が前記第2のコンパレータ(Q2)の前記出力端子に接続される、充放電制御サブユニットと、
エネルギ貯蔵コンデンサ(C5)であって、前記エネルギ貯蔵コンデンサ(C5)の一方の端子が前記充放電制御サブユニットの第3の端子に接続され、前記エネルギ貯蔵コンデンサ(C5)の他方の端子が接地され、第2のスイッチ・トランジスタ(Q5)および第4のスイッチ・トランジスタ(Q7)がオンに切り替えられたときに前記エネルギ貯蔵コンデンサ(C5)が充電のために使用される、エネルギ貯蔵コンデンサ(C5)と
を備える、請求項
8に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項15】
前記充放電制御サブユニットが、
第1のスイッチ・トランジスタ(Q4)であって、前記第1のスイッチ・トランジスタ(Q4)のゲート電極が前記第2のコンパレータ(Q2)の前記出力端子に接続される、第1のスイッチ・トランジスタ(Q4)と、
インバータ(138)であって、前記インバータ(138)の入力端子が前記第2のコンパレータ(Q2)の前記出力端子に接続される、インバータ(138)と、
第2のスイッチ・トランジスタ(Q5)であって、前記第2のスイッチ・トランジスタ(Q5)のゲート電極が前記インバータ(138)の出力端子に接続される、第2のスイッチ・トランジスタ(Q5)と、
第3のスイッチ・トランジスタ(Q6)であって、前記第3のスイッチ・トランジスタ(Q6)のドレイン電極が前記第2のスイッチ・トランジスタ(Q5)のソース電極に接続され、前記第3のスイッチ・トランジスタ(Q6)のゲート電極が前記第1のスイッチ・トランジスタ(Q4)の前記ゲート電極に接続される、第3のスイッチ・トランジスタ(Q6)と、
第4のスイッチ・トランジスタ(Q7)であって、前記第4のスイッチ・トランジスタ(Q7)のソース電極が前記第3のスイッチ・トランジスタ(Q6)のソース電極に接続され、前記第4のスイッチ・トランジスタ(Q7)のゲート電極が前記インバータ(138)の前記出力端子に接続される、第4のスイッチ・トランジスタ(Q7)と、
ポンプ・コンデンサ(CE1)であって、前記ポンプ・コンデンサ(CE1)の一方の端子が前記第2のスイッチ・トランジスタ(Q5)の前記ドレイン電極に接続され、前記ポンプ・コンデンサ(CE1)の他方の端子が前記第4のスイッチ・トランジスタ(Q7)の前記ソース電極に接続され、前記第1のスイッチ・トランジスタ(Q4)および前記第3のスイッチ・トランジスタ(Q6)がオンに切り替えられたときに前記ポンプ・コンデンサ(CE1)が充電のために使用される、ポンプ・コンデンサ(CE1)と
を備える、請求項14に記載の電池管理チップ(1)。
【請求項16】
請求項1から
15のいずれか一項に記載の少なくとも1つの電池管理チップ(1)と、
前記電池管理チップ(1)のうちの少なくとも1つに1対1の対応関係で接続された少なくとも1つの電池セルと、
前記電池管理チップ(1)と通信する制御モジュール(21)と
を備える、電池管理システム。
【請求項17】
前記制御モジュール(21)が、
前記電池管理チップ(1)の第1の通信モジュール(12)と通信する第2の通信モジュール(22)と、
前記電池管理チップ(1)が前記電池管理チップ(1)に接続された前記電池セルを制御することができるように、前記電池管理チップ(1)によって前記第2の通信モジュール(22)を介して送信された電池セル・データを受信し、前記第2の通信モジュール(22)を介して前記電池管理チップ(1)に制御信号を送信する、マイクロ制御ユニット(23)と、
前記マイクロ制御ユニット(23)に接続され、前記マイクロ制御ユニット(23)に電力を供給するために使用される第2の電力モジュール(24)と
を備える、請求項
16に記載の電池管理システム。
【請求項18】
前記第2の通信モジュール(22)が第2のワイヤレス通信ユニットを備え、前記第2の電力モジュール(24)が、前記第2のワイヤレス通信ユニットに接続され、前記第2のワイヤレス通信ユニットに電力を供給するために使用される、請求項
17に記載の電池管理システム。
【請求項19】
請求項
16に記載の電池管理システムを備える車両(3)。
【国際調査報告】