(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-30
(54)【発明の名称】トレーサビリティアウェア人工知能のための方法、アーキテクチャ、装置、及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 24/02 20090101AFI20250723BHJP
H04W 8/22 20090101ALI20250723BHJP
H04W 92/18 20090101ALI20250723BHJP
【FI】
H04W24/02
H04W8/22
H04W92/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024575751
(86)(22)【出願日】2023-06-28
(85)【翻訳文提出日】2025-02-07
(86)【国際出願番号】 US2023026493
(87)【国際公開番号】W WO2024006385
(87)【国際公開日】2024-01-04
(32)【優先日】2022-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】510030995
【氏名又は名称】インターデイジタル パテント ホールディングス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チョンガン
(72)【発明者】
【氏名】リー、シュー
(72)【発明者】
【氏名】ファサラ、エファト
(72)【発明者】
【氏名】ガズダ、ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ロイ、ミシェル
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
5K067EE25
(57)【要約】
人工知能(AI)タスク、及びホストデバイスのトレースを可能にする手順、方法、アーキテクチャ、装置、システム、デバイス、及びコンピュータプログラム製品。デバイスは、少なくとも1つの他のデバイスから、人工知能(AI)タスクを実行するためにデバイス上にインストールするためのAIモデルと、デバイスによって要求されたAIモデルのトレース基準に基づくトレース命令を示す情報とを受信し、トレース情報は、AIモデルに関連付けられたAIパイプラインの1つ以上のステージをトレースするための情報に対応し、AIモデルをインストールし、インストールされたAIモデルの記録を作成し、作成された記録の少なくとも一部を示す情報を含むメッセージを記録デバイスに送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを備えるデバイスであって、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
少なくとも1つの他のデバイスから、人工知能(AI)タスクを実行するために前記デバイス上にインストールするためのAIモデルと、前記デバイスによって要求された前記AIモデルのためのトレース基準に基づくトレース命令を示す情報であって、前記トレース情報は、前記AIモデルに関連付けられたAIパイプラインの1つ以上のステージをトレースするための情報に対応する、情報と、を受信し、
前記AIモデルをインストールし、
前記インストールされたAIモデルの記録を作成し、
前記作成された記録の少なくとも一部を示す情報を含むメッセージを記録デバイスに送信する、
ように構成されている、
デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つの他のデバイスのうちの少なくとも1つに、AIモデルを求める要求であって、前記基準を含む前記要求を示す情報を送信するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記要求は、前記AIモデルの識別子を更に含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記少なくとも1つの他のデバイスの第1のデバイスから、第2のデバイスを示す情報を受信するように構成されており、
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第2のデバイスから前記AIモデルをダウンロードすることによって、前記AIモデルを受信するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記第1のデバイスから、第3のデバイスを示す情報を受信し、
前記トレース命令を求める要求を示す情報を、前記第3のデバイスに送信するように構成されている、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
第1のデバイスから、第3のデバイスを示す情報を受信し、
前記トレース命令を求める要求を示す情報を、前記第3のデバイスに送信するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記トレース命令に基づくトレース構成を使用して前記記録を作成するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記トレース命令をユーザに提示し、
前記ユーザからの入力を受信し、
前記トレース命令及び前記ユーザからの前記入力に基づいて前記トレース構成を生成するように構成されている、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記入力は、前記メッセージの受信者を示す、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記インストールされたAIモデルに関する前記作成された記録は、前記デバイスの識別子、前記インストールされたAIモデルの識別子、前記AIモデルを取り出すことができるアドレス、及び完全にトレーニングされたAIモデルを前記デバイスにプッシュするために使用することができるアドレス、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
デバイスによって実行される方法であって、
少なくとも1つの他のデバイスから、人工知能(AI)タスクを実行するために前記デバイス上にインストールするためのAIモデルと、前記デバイスによって要求された前記AIモデルのためのトレース基準に基づくトレース命令を示す情報であって、前記トレース情報は、前記AIモデルに関連付けられたAIパイプラインの1つ以上のステージをトレースするための情報に対応する、情報と、を受信することと
前記AIモデルをインストールすることと、
前記インストールされたAIモデルの記録を作成することと、
前記作成された記録の少なくとも一部を示す情報を含むメッセージを記録デバイスに送信することと、
を含む方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの他のデバイスのうちの少なくとも1つに、AIモデルを求める要求であって、前記基準を含む前記要求を示す情報を送信することを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記要求は、前記AIモデルの識別子を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つの他のデバイスの第1のデバイスから、第2のデバイスを示す情報を受信することを更に含み、
前記AIモデルを受信することは、前記第2のデバイスから前記AIモデルをダウンロードすることを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のデバイスから、第3のデバイスを示す情報を受信することと、
前記第3のデバイスに、前記トレース命令を求める要求を示す情報を送信することと、
を更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
第1のデバイスから、第3のデバイスを示す情報を受信することと、
前記第3のデバイスに、前記トレース命令を求める要求を示す情報を送信することと、
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記トレース命令に基づくトレース構成を使用して前記記録を作成すること、
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記トレース命令をユーザに提示することと、
前記ユーザから入力を受信することと、
前記トレース命令及び前記ユーザからの前記入力に基づいて前記トレース構成を生成することと、
を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記入力は、前記メッセージの受信者を示す、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記インストールされたAIモデルに関する前記作成された記録は、前記デバイスの識別子、前記インストールされたAIモデルの識別子、前記AIモデルを取り出すことができるアドレス、及び完全にトレーニングされたAIモデルを前記デバイスにプッシュするために使用することができるアドレス、のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1つのプロセッサを備えるデバイスであって、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
別のデバイスから、人工知能(AI)タスクを実行するために前記デバイス上にインストールするためのAIモデルと、前記AIモデルのためのトレース命令であって、前記AIモデルに関連付けられたAIパイプラインの1つ以上のステージをトレースするための情報に対応するトレース命令を示す情報と、を受信し、
前記AIモデルをインストールし、
前記他のデバイスに、前記デバイスへの前記AIモデルのインストールを示す情報を含むメッセージを送信する、
ように構成されている、
デバイス。
【請求項22】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記他のデバイスに、AIモデルを求める要求と、前記デバイス上で前記AIモデルをトレースするために前記デバイスにおいて利用可能なリソースと、を示す情報を送信するように構成されている、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記トレース命令をユーザに提示し、
前記ユーザからの入力を受信し、
前記トレース命令及び前記ユーザからの前記入力に基づいて、トレース構成を生成する、
ように構成されている、請求項21に記載のデバイス。
【請求項24】
前記入力は、前記メッセージの受信者を示す、請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
デバイスによって実行される方法であって、
別のデバイスから、人工知能(AI)タスクを実行するために前記デバイス上にインストールするためのAIモデルと、前記AIモデルのためのトレース命令であって、前記AIモデルに関連付けられたAIパイプラインの1つ以上のステージをトレースするための情報に対応するトレース命令を示す情報と、を受信することと、
前記AIモデルをインストールすることと、
前記他のデバイスに、前記デバイスへの前記AIモデルのインストールを示す情報を含むメッセージを送信することと、
を含む方法。
【請求項26】
前記他のデバイスに、AIモデルを求める要求と、前記デバイス上で前記AIモデルをトレースするために前記デバイスにおいて利用可能なリソースと、を示す情報を送信すること、
を更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記トレース命令をユーザに提示することと、
前記ユーザから入力を受信することと、
前記トレース命令及び前記ユーザからの前記入力に基づいて、トレース構成を生成することと、
を更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記入力は、前記メッセージの受信者を示す、請求項27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、例えば、トレーサビリティアウェア人工知能(Artificial Intelligence、AI)を対象とする方法、アーキテクチャ、装置、システムを含む、通信、ソフトウェア、及び符号化の分野を対象とする。
【発明の概要】
【0002】
第1の態様では、本原理は、少なくとも1つのプロセッサを含むデバイスを対象とし、その少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの他のデバイスから、人工知能(AI)タスクを実行するためにデバイス上にインストールするためのAIモデルと、デバイスによって要求されたAIモデルのためのトレース基準に基づくトレース命令を示す情報であって、トレース情報は、AIモデルに関連付けられたAIパイプラインの1つ以上のステージをトレースするための情報に対応する、情報と、を受信し、AIモデルをインストールし、インストールされたAIモデルの記録を作成し、作成された記録の少なくとも一部を示す情報を含むメッセージを記録デバイスに送信するように構成されている。
【0003】
第2の態様では、本原理は、デバイスによって実行される方法を対象とし、その方法は、少なくとも1つの他のデバイスから、人工知能(AI)タスクを実行するためにデバイス上にインストールするためのAIモデルと、デバイスによって要求されたAIモデルのためのトレース基準に基づくトレース命令を示す情報であって、トレース情報は、AIモデルに関連付けられたAIパイプラインの1つ以上のステージをトレースするための情報に対応する、情報とを受信することと、AIモデルをインストールすることと、インストールされたAIモデルの記録を作成することと、作成された記録の少なくとも一部を示す情報を含むメッセージを記録デバイスに送信することと、を含む。
【0004】
第3の態様では、本原理は、少なくとも1つのプロセッサを含むデバイスを対象とし、そのプロセッサは、別のデバイスから、人工知能(AI)タスクを実行するためにデバイス上にインストールするためのAIモデルと、AIモデルのトレース命令であって、AIモデルに関連付けられたAIパイプラインの1つ以上のステージをトレースするための情報に対応するトレース命令を示す情報と、を受信し、AIモデルをインストールし、デバイスへのAIモデルのインストールを示す情報を含むメッセージを他のデバイスに送信するように構成されている。
【0005】
第4の態様では、本原理は、デバイスによって実行される方法を対象とし、その方法は、別のデバイスから、人工知能(AI)タスクを実行するためにデバイス上にインストールするためのAIモデルと、AIモデルのためのトレース命令であって、AIモデルに関連付けられたAIパイプラインの1つ以上のステージをトレースするための情報に対応するトレース命令を示す情報と、を受信することと、AIモデルをインストールすることと、デバイスへのAIモデルのインストールを示す情報を含むメッセージを他のデバイスに送信することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
より詳細な理解は、添付の図面と併せて、例として与えられる以下の詳細な説明から得られ得る。かかる図面の図は、詳細な説明と同様、例に過ぎない。したがって、図及び詳細な説明は限定的であるとみなされるべきではなく、他の同様に効果的な例が可能であり、可能性が高い。更に、図中の類似の参照数字(「参照」)は、類似の要素を示す。
【
図1A】例示的な通信システムを示すシステム図である。
【
図1B】
図1Aに示される通信システム内で使用され得る例示的なワイヤレス送信/受信ユニット(wireless transmit/receive unit、WTRU)を示すシステム図である。
【
図1C】
図1Aに示される通信システム内で使用され得る、例示的な無線アクセスネットワーク(radio access network、RAN)及び例示的なコアネットワーク(core network、CN)を示すシステム図である。
【
図1D】
図1Aに示される通信システム内で使用され得る、更なる例示的なRAN及び更なる例示的なCNを示すシステム図である。
【
図2】AIモデルを使用するAIタスクを伴うAIエージェントを伴うAIホストを示す。
【
図3】教師あり学習のための一般的なAIパイプラインを示す。
【
図4】一般的な連合学習(Federated Learning、FL)プロセスを示す。
【
図5】ワイヤレスネットワークへの深層学習(Deep Learning、DL)適用の2つの例を示す。
【
図6】ワイヤレスネットワークへのFL適用の一例を示す。
【
図7】提案されたトレーサビリティアウェアAI管理アーキテクチャの一実施形態を示す。
【
図8】ワイヤレスシステムにおける
図7の実施形態の第1の例を示す。
【
図9】ワイヤレスシステムにおける
図7の実施形態の第2の例を示す。
【
図10】トレーサビリティアウェアAIホスト(AI Host、AIH)登録の方法の一実施形態を示す。
【
図11】トレーサビリティアウェアAIH登録の方法の別の実施形態を示す。
【
図12】AIH開始型トレーサビリティアウェアAIタスク展開の一実施形態を示す。
【
図13】AIマネージャ(AI Manager、AIM)開始型トレーサビリティアウェアAIタスク展開の一実施形態を示す。
【
図14】AIH開始型トレーサビリティアウェアFLタスク展開の一実施形態を示す。
【
図15】AIM開始型トレーサビリティアウェアFLタスク展開の一実施形態を示す。
【
図16】一実施形態による、AIモデルプロデューサ(AI Model Producer、AIMP)が、AIモデルをAIリポジトリ(AI Repository、AIR)に登録するための方法を示す。
【
図17】一実施形態による、AIR支援型トレーサビリティアウェアモデルの発見及び展開の方法を示す。
【
図18】一実施形態による、AIM調整型トレーサビリティアウェアAIモデルの発見及び展開の方法を示す。
【
図19】一実施形態による、AIMP開始型トレーサビリティアウェアモデルの発見及び展開の方法を示す。
【
図20】3GPPセルラーネットワークにおける、トレーサビリティアウェアAIタスク及びモデル管理の展開の第1の例を示す。
【
図21】3GPPセルラーネットワークにおける、展開トレーサビリティアウェアAI管理の第2の例を示す。
【
図22】3GPPセルラーネットワークにおける、展開トレーサビリティアウェアAI管理の第3の例を示す。
【
図23】トレーサビリティアウェアAIモデルの発見及び展開のための例示的なサービスフローを示す。
【
図24】ETSIセキュアリング人工知能(Secureing Artificial Intelligence、SAI)のフレームワークにおける、タスク及びモデル展開を含む、トレーサビリティアウェアAI管理の方法の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明では、本明細書に開示される実施形態及び/又は実施例の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、このような実施形態及び実施例は、本明細書に記載される具体的な詳細の一部又は全部を伴わずに実践され得るということが理解されるであろう。他の例では、以下の説明を不明瞭にしないように、周知の方法、手順、構成要素及び回路は詳細に説明されていない。更に、本明細書に具体的に説明されていない実施形態及び実施例は、本明細書に明示的、暗黙的及び/又は本質的に(集合的に「提供される」)説明、開示、又は別様に提供される実施形態及び他の実施例の代わりに、又はそれらと組み合わせて実践され得る。本明細書では、装置、システム、デバイスなど及び/又はそれらの任意の要素が、動作、プロセス、アルゴリズム、機能など及び/又はそれらの任意の部分を実行する様々な実施形態が説明及び/又は特許請求されているが、本明細書に説明及び/又は特許請求されている任意の実施形態は、任意の装置、システム、デバイスなど及び/又はそれらの任意の要素が、任意の動作、プロセス、アルゴリズム、機能など及び/又はそれらの任意の部分を実行するように構成されていると仮定することを理解されたい。
【0008】
例示的な通信システム
本明細書で提供される方法、装置、及びシステムは、有線ネットワーク及びワイヤレスネットワークの両方を含む通信によく適している。様々なタイプのワイヤレスデバイス及びインフラストラクチャの概要が、
図1A~
図1Dに関して提供されており、それらの図では、ネットワークの様々な要素が、本明細書で提供される方法、装置、及びシステムを利用し、実行し、それらに従って配置され、及び/又はそれらのために適応及び/又は構成され得る。
【0009】
図1Aは、1つ以上の開示された実施形態が実装され得る例示的な通信システム100を示すシステム図である。通信システム100は、音声、データ、ビデオ、メッセージ伝達、ブロードキャストなどのコンテンツを複数のワイヤレスユーザに提供する多重アクセスシステムであり得る。通信システム100は、複数のワイヤレスユーザが、ワイヤレス帯域幅を含むシステムリソースの共有を通じて、このようなコンテンツにアクセスすることを可能にし得る。例えば、通信システム100は、符号分割多重アクセス(code division multiple access、CDMA)、時分割多重アクセス(time division multiple access、TDMA)、周波数分割多重アクセス(frequency division multiple access、FDMA)、直交FDMA(orthogonal FDMA、OFDMA)、単一搬送波FDMA(single-carrier FDMA、SC-FDM)、ゼロテール(zero-tail、ZT)ユニークワード(unique-word、UW)離散フーリエ変換(discreet Fourier transform、DFT)拡散OFDM(ZT UW DTS spread OFDM、ZT UW DTS-s OFDM)、ユニークワードOFDM(unique word OFDM、UW-OFDM)、リソースブロックフィルタ型OFDM、フィルタバンク多重搬送波(filter bank multicarrier、FBMC)などの、1つ以上のチャネルアクセス方法を採用し得る。
【0010】
図1Aに示されるように、通信システム100は、ワイヤレス送信/受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、102d、ワイヤレスアクセスネットワーク(RAN)104/113、コアネットワーク(CN)106/115、公衆交換電話網(public switched telephone network、PSTN)108、インターネット110、及び他のネットワーク112を含み得るが、開示された実施形態は、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、及び/又はネットワーク要素を企図していることが理解されよう。WTRU102a、102b、102c、102dの各々は、ワイヤレス環境において動作及び/又は通信するように構成された任意のタイプのデバイスであり得る。例として、いずれも「局」及び/又は「STA」と称され得るWTRU102a、102b、102c、102dは、ワイヤレス信号を送信及び/又は受信するように構成され得、ユーザ機器(user equipment、UE)、移動局、固定又は移動加入者ユニット、サブスクリプションベースのユニット、ポケットベル、携帯電話、携帯情報端末(personal digital assistant、PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、ワイヤレスセンサ、ホットスポット又はMi-Fiデバイス、モノのインターネット(Internet of Things、IoT)デバイス、時計又は他のウェアラブル、ヘッドマウントディスプレイ(head-mounted display、HMD)、車両、ドローン、医療デバイス及びアプリケーション(例えば、遠隔手術)、産業デバイス及びアプリケーション(例えば、産業及び/又は自動処理チェーンの文脈で動作するロボット及び/又は他のワイヤレスデバイス)、家庭用電子デバイス、商業及び/又は産業用ワイヤレスネットワークで動作するデバイスなどを含み(又はそれらであり)得る。WTRU102a、102b、102c、及び102dのいずれも、互換的にUEと称され得る。
【0011】
通信システム100はまた、基地局114a及び/又は基地局114bを含み得る。基地局114a、114bの各々は、例えば、CN106/115、インターネット110、及び/又はネットワーク112などの1つ以上の通信ネットワークへのアクセスを容易にするために、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの少なくとも1つとワイヤレスでインターフェース接続するように構成された任意のタイプのデバイスであり得る。一例として、基地局114a、114bは、ベーストランシーバ局(base transceiver station、BTS)、ノードB(Node-B、NB)、eノードB(eNode-B、eNB)、ホームノードB(Home Node-B、HNB)、ホームeノードB(Home eNode-B、HeNB)、gノードB(gNode-B、gNB)、NRノードB(NR Node-B、NR NB)、サイトコントローラ、アクセスポイント(access point、AP)、ワイヤレスルータなどのうちのいずれかであり得る。基地局114a、114bは、各々単一の要素として描示されているが、基地局114a、114bは、任意の数の相互接続された基地局及び/又はネットワーク要素を含み得るということが理解されよう。
【0012】
基地局114aは、基地局コントローラ(base station controller、BSC)、無線ネットワークコントローラ(radio network controller、RNC)、リレーノードなどの他の基地局及び/又はネットワーク要素(図示せず)も含み得るRAN104/113の一部であり得る。基地局114a及び/又は基地局114bは、セル(図示せず)と称され得る、1つ以上の搬送波周波数でワイヤレス信号を送信及び/又は受信するように構成され得る。これらの周波数は、認可スペクトル、未認可スペクトル、又は認可スペクトルと未認可スペクトルとの組み合わせであり得る。セルは、相対的に固定され得るか、又は経時的に変化し得る特定の地理的エリアに、ワイヤレスサービスのカバレッジを提供し得る。セルは、セルセクタに更に分けられ得る。例えば、基地局114aと関連付けられたセルは、3つのセクタに分けられ得る。したがって、一実施形態では、基地局114aは、3つのトランシーバ、すなわち、セルのセクタごとに1つのトランシーバを含み得る。一実施形態では、基地局114aは、多入力多出力(multiple-input multiple output、MIMO)技術を採用し得、セルの各々の、又は任意のセクタに対して複数のトランシーバを利用し得る。例えば、ビームフォーミングを使用して、所望の空間方向に信号を送信及び/又は受信し得る。
【0013】
基地局114a、114bは、エアインターフェース116を介して、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つ以上と通信し得、このエアインターフェースは、任意の好適なワイヤレス通信リンク(例えば、無線周波数(radio frequency、RF)、マイクロ波、センチメートル波、マイクロメートル波、赤外線(infrared、IR)、紫外線(ultraviolet、UV)、可視光など)であり得る。エアインターフェース116は、任意の好適な無線アクセス技術(radio access technology、RAT)を使用して確立され得る。
【0014】
より具体的には、上記のように、通信システム100は、多重アクセスシステムであり得、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMAなどの、1つ以上のチャネルアクセス方式を採用し得る。例えば、RAN104/113及びWTRU102a、102b、102cの基地局114aは、広帯域CDMA(wideband CDMA、WCDMA)を使用してエアインターフェース116を確立し得る、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunications System、UMTS)地上無線アクセス(Terrestrial Radio Access、UTRA)などの無線技術を実装し得る。WCDMAは、高速パケットアクセス(High-Speed Packet Access、HSPA)及び/又は進化型HSPA(HSPA+)などの通信プロトコルを含み得る。HSPAは、高速ダウンリンクパケットアクセス(High-Speed Downlink Packet Access、HSDPA)及び/又は高速アップリンクパケットアクセス(High-Speed Uplink Packet Access、HSUPA)を含み得る。
【0015】
一実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、進化型UMTS地上無線アクセス(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access、E-UTRA)などの無線技術を実装し得、これは、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)及び/又はLTE-Advanced(LTE-A)及び/又はLTE-Advanced Pro(LTE-A Pro)を使用してエアインターフェース116を確立し得る。
【0016】
一実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、NR無線アクセスなどの無線技術を実装し得、この技術は、新しい無線(New Radio、NR)を使用してエアインターフェース116を確立し得る。
【0017】
一実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、複数の無線アクセス技術を実装し得る。例えば、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、例えば、デュアルコネクティビティ(dual connectivity、DC)原理を使用して、LTE無線アクセス及びNR無線アクセスを一緒に実装し得る。したがって、WTRU102a、102b、102cによって利用されるエアインターフェースは、複数のタイプの無線アクセス技術、及び/又は複数のタイプの基地局(例えば、eNB及びgNB)との間で送られる送信によって特徴付けられ得る。
【0018】
一実施形態では、基地局114a及びWTRU102a、102b、102cは、IEEE802.11(すなわち、ワイヤレスフィデリティ(Wireless Fidelity、Wi-Fi)、IEEE802.16(すなわち、マイクロ波アクセスのための世界的相互運用性(Worldwide Interoperability for Microwave Access、WiMAX))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000 EV-DO、暫定規格2000(Interim Standard 2000、IS-2000)、暫定規格95(IS-95)、暫定規格856(IS-856)、グローバル移動通信システム(Global System for Mobile communication、GSM)、GSM進化型高速データレート(Enhanced Data rates for GSM Evolution、EDGE)、GSM EDGE(GERAN)などの無線技術を実装し得る。
【0019】
図1Aの基地局114bは、例えば、ワイヤレスルータ、ホームノードB、ホームeノードB、又はアクセスポイントであり得、事業所、家、車両、キャンパス、産業施設、(例えば、ドローンによる使用のための)空中回廊、道路などの局所的領域におけるワイヤレス接続を容易にするために、任意の好適なRATを利用し得る。一実施形態では、基地局114b及びWTRU102c、102dは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(wireless local area network、WLAN)を確立するためにIEEE802.11などのワイヤレス技術を実装し得る。一実施形態では、基地局114b及びWTRU102c、102dは、IEEE802.15などのワイヤレス技術を実装して、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(wireless personal area network、WPAN)を確立し得る。一実施形態では、基地局114b及びWTRU102c、102dは、スモールセル、ピコセル、又はフェムトセルのうちのいずれかを確立するためにセルラーベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、NRなど)を利用し得る。
図1Aに示されるように、基地局114bは、インターネット110への直接接続を有し得る。したがって、基地局114bは、CN106/115を介してインターネット110にアクセスする必要がない場合がある。
【0020】
RAN104/113は、CN106/115と通信し得、これは、音声、データ、アプリケーション、及び/又はボイスオーバインターネットプロトコル(voice over internet protocol、VoIP)サービスを、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つ以上に提供するように構成された任意のタイプのネットワークであり得る。データは、異なるスループット要件、レイテンシ要件、誤り許容要件、信頼性要件、データスループット要件、モビリティ要件などの様々なサービス品質(quality of service、QoS)要件を有し得る。CN106/115は、呼制御、支払い請求サービス、移動体ロケーションベースのサービス、プリペイド通話、インターネット接続性、ビデオ配信などを提供し得、かつ/又はユーザ認証などの高レベルセキュリティ機能を実施し得る。
図1Aには示していないが、RAN104/113及び/又はCN106/115は、RAN104/113と同じRAT又は異なるRATを採用する他のRANと、直接又は間接的に通信し得ることが理解されよう。例えば、CN106/115は、NR無線技術を利用し得るRAN104/113に接続されることに加えて、GSM、UMTS、CDMA2000、WiMAX、E-UTRA、又はWi-Fi無線技術のうちのいずれかを採用する別のRAN(図示せず)とも通信し得る。
【0021】
CN106/115はまた、WTRU102a、102b、102c、102dがPSTN108、インターネット110、及び/又は他のネットワーク112にアクセスするためのゲートウェイとして機能し得る。PSTN108は、従来型電話サービス(plain old telephone service、POTS)を提供する回線交換電話網を含み得る。インターネット110は、相互接続されたコンピュータネットワーク及びデバイスのグローバルシステムを含み得、これらのネットワーク及びデバイスは、伝送制御プロトコル(transmission control protocol、TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(user datagram protocol、UDP)、及び/又はTCP/IPインターネットプロトコルスイートのインターネットプロトコル(internet protocol、IP)などの共通通信プロトコルを使用する。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有及び/又は運用されている有線通信ネットワーク及び/又はワイヤレス通信ネットワークを含み得る。例えば、ネットワーク112は、RAN104/114と同じRAT又は異なるRATを採用し得る1つ以上のRANに接続された別のCNを含み得る。
【0022】
通信システム100におけるWTRU102a、102b、102c、102dのうちのいくつか又は全ては、マルチモード機能を含み得る(例えば、WTRU102a、102b、102c、102dは、異なるワイヤレスリンクを介して異なるワイヤレスネットワークと通信するための複数のトランシーバを含み得る)。例えば、
図1Aに示されるWTRU102cは、セルラーベースの無線技術を採用し得る基地局114a、及びIEEE802無線技術を採用し得る基地局114bと通信するように構成され得る。
【0023】
図1Bは、例示的なWTRU102を示すシステム図である。
図1Bに示されるように、WTRU102は、とりわけ、プロセッサ118、トランシーバ120、送信/受信要素122、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、非リムーバブルメモリ130、リムーバブルメモリ132、電源134、全地球測位システム(global positioning system、GPS)チップセット136、及び/又は他の要素/周辺機器138を含み得る。WTRU102は、一実施形態との一貫性を維持したまま、前述の要素の任意の部分的組み合わせを含み得るということが理解されよう。
【0024】
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来のプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor、DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連付けられた1つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)回路、任意の他のタイプの集積回路(integrated circuit、IC)、状態機械などであり得る。プロセッサ118は、信号コーディング、データ処理、電力制御、入力/出力処理、及び/又はWTRU102がワイヤレス環境で動作することを可能にする任意の他の機能を実施し得る。プロセッサ118は、送信/受信要素122に結合され得るトランシーバ120に結合され得る。
図1Bは、プロセッサ118及びトランシーバ120を別個の構成要素として描示しているが、プロセッサ118及びトランシーバ120は、例えば、電子パッケージ又はチップに統合され得るということが理解されよう。
【0025】
送信/受信要素122は、エアインターフェース116を介して、基地局(例えば、基地局114a)に信号を送信するか、又は基地局から信号を受信するように構成され得る。例えば、一実施形態では、送信/受信要素122は、RF信号を送信及び/又は受信するように構成されたアンテナであり得る。一実施形態では、送信/受信要素122は、例えば、IR信号、UV信号、又は可視光信号を送信及び/又は受信するように構成された放射装置/検出器であり得る。一実施形態では、送信/受信要素122は、RF信号及び光信号の両方を送信及び/又は受信するように構成され得る。送信/受信要素122は、ワイヤレス信号の任意の組み合わせを送信及び/又は受信するように構成され得るということが理解されよう。
【0026】
送信/受信要素122は、単一の要素として
図1Bに描示されているが、WTRU102は、任意の数の送信/受信要素122を含み得る。例えば、WTRU102は、MIMO技術を採用し得る。したがって、一実施形態では、WTRU102は、エアインターフェース116を介してワイヤレス信号を送信及び受信するための2つ以上の送信/受信要素122(例えば、複数のアンテナ)を含み得る。
【0027】
トランシーバ120は、送信/受信要素122によって送信される信号を変調し、送信/受信要素122によって受信される信号を復調するように構成され得る。上記のように、WTRU102は、マルチモード機能を有し得る。したがって、トランシーバ120は、例えば、NR及びIEEE802.11などの複数のRATを介してWTRU102が通信することを可能にするための複数のトランシーバを含み得る。
【0028】
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、及び/又はディスプレイ/タッチパッド128(例えば、液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)ディスプレイユニット若しくは有機発光ダイオード(organic light-emitting diode、OLED)ディスプレイユニット)に結合され得、これらからユーザが入力したデータを受信し得る。プロセッサ118はまた、ユーザデータをスピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、及び/又はディスプレイ/タッチパッド128に出力し得る。加えて、プロセッサ118は、非リムーバブルメモリ130及び/又はリムーバブルメモリ132などの任意のタイプの好適なメモリから情報にアクセスし、かつ当該メモリにデータを記憶し得る。非リムーバブルメモリ130は、ランダムアクセスメモリ(random-access memory、RAM)、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)、ハードディスク、又は任意の他のタイプのメモリ記憶デバイスを含み得る。リムーバブルメモリ132は、加入者識別モジュール(subscriber identity module、SIM)カード、メモリスティック、セキュアデジタル(secure digital、SD)メモリカードなどを含み得る。他の実施形態では、プロセッサ118は、サーバ又はホームコンピュータ(図示せず)上など、WTRU102上に物理的に位置していないメモリから情報にアクセスして、当該メモリにデータを記憶し得る。
【0029】
プロセッサ118は、電源134から電力を受け取り得、WTRU102における他の構成要素に電力を分配し、かつ/又は制御するように構成され得る。電源134は、WTRU102に電力を供給するための任意の好適なデバイスであり得る。例えば、電源134は、1つ以上の乾電池(例えば、ニッケルカドミウム(nickel-cadmium、NiCd)、ニッケル亜鉛(nickel-zinc、NiZn)、ニッケル金属水素化物(nickel metal hydride、NiMH)、リチウムイオン(lithium-ion、Li-ion)など)、太陽電池、燃料電池などを含み得る。
【0030】
プロセッサ118はまた、GPSチップセット136に結合され得、これは、WTRU102の現在のロケーションに関するロケーション情報(例えば、経度及び緯度)を提供するように構成され得る。GPSチップセット136からの情報に加えて、又はその代わりに、WTRU102は、エアインターフェース116を介して基地局(例えば、基地局114a、114b)からロケーション情報を受信し、かつ/又は2つ以上の近接基地局から受信される信号のタイミングに基づいて、そのロケーションを判定し得る。WTRU102は、一実施形態との一貫性を維持したまま、任意の好適なロケーション判定方法によってロケーション情報を獲得し得るということが理解されよう。
【0031】
プロセッサ118は、他の要素/周辺機器138に更に結合され得、他の要素/周辺機器は、追加の特徴、機能、及び/又は有線若しくはワイヤレス接続を提供する1つ以上のソフトウェア及び/又はハードウェアモジュール/ユニットを含み得る。例えば、要素/周辺機器138には、加速度計、電子コンパス、衛星トランシーバ、(例えば、写真及び/又はビデオ用)デジタルカメラ、ユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)ポート、振動デバイス、テレビ用トランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(frequency modulated、FM)ラジオユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、仮想現実及び/又は拡張現実(virtual reality/augmented reality、VR/AR)デバイス、アクティビティトラッカなどが含まれ得る。要素/周辺機器138は、1つ以上のセンサを含み得、センサは、ジャイロスコープ、加速度計、ホール効果センサ、磁力計、方位センサ、近接センサ、温度センサ、時間センサ、ジオロケーションセンサ、高度計、光センサ、タッチセンサ、磁力計、気圧計、ジェスチャセンサ、生体認証センサ、及び/又は湿度センサのうちの1つ以上であり得る。
【0032】
WTRU102は、(例えば、アップリンク(例えば、送信用)及びダウンリンク(例えば、受信用)の両方のための特定のサブフレームと関連付けられた)信号の一部又は全部の送信及び受信が並列及び/又は同時であり得る全二重無線機を含み得る。全二重無線機は、ハードウェア(例えば、チョーク)又はプロセッサ(例えば、別個のプロセッサ(図示せず)又はプロセッサ118を介して)を介した信号処理のいずれかを介して自己干渉を低減する、かつ又は実質的に排除するための干渉管理ユニットを含み得る。一実施形態では、WTRU102は、(例えば、アップリンク(例えば、送信用)又はダウンリンク(例えば、受信用)のいずれかのための特定のサブフレームと関連付けられた)信号の一部又は全部の送信及び受信のための半二重無線機を含み得る。
【0033】
図1Cは、一実施形態による、RAN104及びCN106を示すシステム図である。上記のように、RAN104は、E-UTRA無線技術を用いて、エアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、及び102cと通信し得る。RAN104はまた、CN106と通信し得る。
【0034】
RAN104は、eノードB160a、160b、160cを含み得るが、RAN104は、一実施形態との一貫性を維持したまま、任意の数のeノードBを含み得るということが理解されよう。eノードB160a、160b、160cは各々、エアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つ以上のトランシーバを含み得る。一実施形態では、eノード-B160a、160b、160cは、MIMO技術を実装し得る。したがって、eノード-B160aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aにワイヤレス信号を送信し、WTRU102aからワイヤレス信号を受信し得る。
【0035】
eノードB160a、160b、及び160cの各々は、特定のセル(図示せず)に関連付けられ得、無線リソース管理決定、ハンドオーバ決定、アップリンク(uplink、UL)及び/又はダウンリンク(downlink、DL)におけるユーザのスケジューリングなどを処理するように構成され得る。
図1Cに示されるように、eノードB160a、160b、160cは、X2インターフェースを介して互いに通信し得る。
【0036】
図1Cに示すCN106は、移動管理エンティティ(mobility management entity、MME)162、サービングゲートウェイ(serving gateway、SGW)164、及びパケットデータネットワーク(packet data network、PDN)ゲートウェイ(PDN gateway、PGW)166を含み得る。前述の要素の各々は、CN106の一部として描示されているが、これらの要素のうちのいずれか1つは、CN事業者以外の法人によって所有及び/又は運用され得るもことが理解されよう。
【0037】
MME162は、S1インターフェースを介して、RAN104内のeノード-B160a、160b、及び160cの各々に接続され得、制御ノードとして機能し得る。例えば、MME162は、WTRU102a、102b、102cのユーザを認証すること、ベアラのアクティブ化/非アクティブ化、WTRU102a、102b、102cの初期アタッチ中に特定のサービングゲートウェイを選択すること、などの役割を果たし得る。MME162は、RAN104と、GSM及び/又はWCDMAなどの他の無線技術を採用する他のRAN(図示せず)とを切り替えるための制御プレーン機能を提供し得る。
【0038】
SGW164は、S1インターフェースを介してRAN104内のeノードB160a、160b、160cの各々に接続され得る。SGW164は、概して、WTRU102a、102b、102cとの間でユーザデータパケットをルーティング及び転送し得る。SGW164は、eノードB間ハンドオーバ中のユーザプレーンの固定、WTRU102a、102b、102cにDLデータが利用可能な場合のページングの始動、WTRU102a、102b、102cのコンテキストの管理及び記憶などの他の機能を実行し得る。
【0039】
SGW164は、PGW166に接続され得、PGW166は、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするために、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供し得る。
【0040】
CN106は、他のネットワークとの通信を容易にし得る。例えば、CN106は、WTRU102a、102b、102cと従来の地上回線通信デバイスとの間の通信を容易にするために、PSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに提供し得る。例えば、CN106は、CN106とPSTN108との間のインターフェースとして機能するIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(multimedia subsystem、IMS)サーバ)を含み得るか、又はこれと通信し得る。加えて、CN106は、WTRU102a、102b、102cに他のネットワーク112へのアクセスを提供し得、他のネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有及び/又は運用される他の有線及び/又はワイヤレスネットワークを含み得る。
【0041】
WTRUは、ワイヤレス端末として
図1A~
図1Dに説明されているが、特定の代表的な実施形態では、かかる端末は、通信ネットワークとの(例えば、一時的又は永久的な)有線通信インターフェースを使用し得ることが企図される。
【0042】
代表的な実施形態では、他のネットワーク112は、WLANであり得る。
【0043】
インフラストラクチャ基本サービスセット(basic service set、BSS)モードのWLANは、BSS用のアクセスポイント(AP)と、APに関連付けられた1つ以上の局(STA)と、を有し得る。APは、トラフィックをBSS内及び/又はBSS外へ搬送する配信システム(distribution system、DS)又は別のタイプの有線/ワイヤレスネットワークへのアクセス又はインターフェースを有し得る。BSS外から生じる、STAへのトラフィックは、APを通って到達し得、STAに配信され得る。STAからBSS外の宛先へ生じるトラフィックは、それぞれの宛先に配信されるようにAPに送られ得る。BSS内のSTA間のトラフィックは、例えば、APを通して送られ得、ソースSTAは、APにトラフィックを送り得、APは、トラフィックを宛先STAに配信し得る。BSS内のSTA間のトラフィックは、ピアツーピアトラフィックとみなされ得る、かつ/又は称され得る。ピアツーピアトラフィックは、ソースSTAと宛先STAとの間で(例えば、これらの間で直接)、直接リンクセットアップ(direct link setup、DLS)を使用して送られ得る。特定の代表的な実施形態では、DLSは、802.11e DLS又は802.11zトンネル化DLS(tunneled DLS、TDLS)を使用し得る。独立BSS(independent BSS、IBSS)モードを使用するWLANは、APを有しない場合があり、IBSS内又はこれを使用するSTA(例えば、STAの全て)は、互いに直接通信し得る。IBSS通信モードは、本明細書では「アドホック」通信モードと称されることもある。
【0044】
802.11acインフラストラクチャ動作モード又は同様の動作モードを使用する場合、APは、プライマリチャネルなどの固定チャネル上にビーコンを送信し得る。プライマリチャネルは、固定幅(例えば、20MHz幅の帯域幅)又はシグナリングを介して動的に設定される幅であり得る。プライマリチャネルは、BSSの動作チャネルであり得、APとの接続を確立するためにSTAによって使用され得る。特定の代表的な実施形態では、搬送波検知多重アクセス/衝突回避(carrier sense multiple access with collision avoidance、CSMA/CA)は、例えば、802.11システムにおいて実装され得る。CSMA/CAの場合、APを含むSTA(例えば、全てのSTA)は、プライマリチャネルを検知し得る。プライマリチャネルが特定のSTAによってビジーであると検知/検出及び/又は判定された場合、特定のSTAは、バックオフされ得る。1つのSTA(例えば、1つの局のみ)は、所与のBSSにおいて、任意の所与の時間に送信され得る。
【0045】
高スループット(high throughput、HT)STAは、例えば、プライマリ20MHzチャネルと、隣接又は非隣接の20MHzチャネルとを組み合わせて40MHz幅チャネルを形成することにより、通信用に40MHz幅チャネルを使用し得る。
【0046】
超高スループット(very high throughput、VHT)STAは、20MHz、40MHz、80MHz、及び/又は160MHz幅のチャネルをサポートし得る。40MHz及び/又は80MHzチャネルは、連続する20MHzチャネルを組み合わせることによって形成され得る。160MHzチャネルは、8つの連続する20MHzチャネルを組み合わせることによって、又は80+80構成と称され得る2つの連続していない80MHzチャネルを組み合わせることによって形成され得る。80+80構成の場合、チャネル符号化後、データは、データを2つのストリームに分け得るセグメントパーサを通過し得る。逆高速フーリエ変換(inverse fast fourier transform、IFFT)処理及び時間領域処理は、各ストリームで別々に行われ得る。ストリームは、2つの80MHzチャネルにマッピングされ得、データは、送信STAによって送信され得る。受信STAの受信機では、80+80構成のための前述の動作が逆になり得、結合されたデータが、媒体アクセス制御(medium access control、MAC)レイヤ、エンティティなどへ送られ得る。
【0047】
サブ1GHzの動作モードは、802.11af及び802.11ahによってサポートされる。チャネル動作帯域幅及び搬送波は、802.11n及び802.11acで使用されるものと比較して、802.11af及び802.11ahでは低減される。802.11afは、TVホワイトスペース(TV white space、TVWS)スペクトルにおいて5MHz、10MHz、及び20MHzの帯域幅をサポートし、802.11ahは、非TVWSスペクトルを使用して1MHz、2MHz、4MHz、8MHz、及び16MHzの帯域幅をサポートする。代表的な実施形態によれば、802.11ahは、マクロカバレッジ領域におけるMTCデバイスなどのメータ型制御/マシン型通信(meter type control/machine-type communication、MTC)をサポートし得る。MTCデバイスは、特定の能力、例えば、特定の及び/又は限定された帯域幅のためのサポート(例えば、これらのためのみのサポート)を含む、限定された能力を有し得る。MTCデバイスは、(例えば、非常に長いバッテリ寿命を維持するために)閾値を上回るバッテリ寿命を有するバッテリを含み得る。
【0048】
複数のチャネル、並びに802.11n、802.11ac、802.11af、及び802.11ahなどのチャネル帯域幅をサポートし得るWLANシステムは、プライマリチャネルとして指定され得るチャネルを含む。プライマリチャネルは、BSSにおける全てのSTAによってサポートされる最大共通動作帯域幅に等しい帯域幅を有し得る。プライマリチャネルの帯域幅は、最小帯域幅動作モードをサポートするBSSで動作する全てのSTAの中から、STAによって設定され、かつ/又は制限され得る。802.11ahの例では、プライマリチャネルは、AP、及びBSSにおける他のSTAが2MHz、4MHz、8MHz、16MHz、及び/又は他のチャネル帯域幅動作モードをサポートする場合であっても、1MHzモードをサポートする(例えば、これのみをサポートする)STA(例えば、MTC型デバイス)に対して1MHz幅であり得る。搬送波検知及び/又はネットワーク割り当てベクトル(network allocation vector、NAV)設定は、プライマリチャネルの状態に依存し得る。例えば、APに送信する(1MHz動作モードのみをサポートする)STAに起因して、プライマリチャネルがビジーである場合、周波数帯域の大部分がアイドルのままであり、利用可能であり得るとしても、利用可能な周波数帯域全体がビジーとみなされ得る。
【0049】
米国では、802.11ahにより使用され得る利用可能な周波数帯域は、902MHz~928MHzである。韓国では、利用可能な周波数帯域は、917.5MHz~923.5MHzである。日本では、利用可能な周波数帯域は、916.5MHz~927.5MHzである。802.11ahに利用可能な総帯域幅は、国のコードに応じて6MHz~26MHzである。
【0050】
図1Dは、一実施形態による、RAN113及びCN115を示すシステム図である。上記のように、RAN113は、エアインターフェース116を介して、WTRU102a、102b、102cと通信するために、NR無線技術を採用し得る。RAN113はまた、CN115と通信し得る。
【0051】
RAN113は、gNB180a、180b、180cを含み得るが、RAN113は、一実施形態との一貫性を維持したまま、任意の数のgNBを含んでもよいということが理解されよう。gNB180a、180b、180cは各々、エアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つ以上のトランシーバを含み得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cは、MIMO技術を実装し得る。例えば、gNB180a、180bは、ビームフォーミングを利用して、WTRU102a、102b、102cに信号を送信し、及び/又はそこから信号を受信し得る。したがって、gNB180aは、例えば、複数のアンテナを使用して、WTRU102aにワイヤレス信号を送信し、かつ/又はWTRU102aからワイヤレス信号を受信し得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cは、キャリアアグリゲーション技術を実装し得る。例えば、gNB180aは、複数のコンポーネントキャリアをWTRU102aに送信し得る(図示せず)。これらのコンポーネントキャリアのサブセットは、未認可スペクトル上にあり得るが、残りのコンポーネントキャリアは、認可スペクトル上にあり得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cは、協調マルチポイント(Coordinated Multi-Point、CoMP)技術を実装し得る。例えば、WTRU102aは、gNB180a及びgNB180b(及び/又はgNB180c)からの協調送信を受信し得る。
【0052】
WTRU102a、102b、102cは、スケーラブルなニューメロロジと関連付けられた送信を使用して、gNB180a、180b、180cと通信し得る。例えば、OFDMシンボル間隔及び/又はOFDM副搬送波間隔は、異なる送信、異なるセル、及び/又はワイヤレス送信スペクトルの異なる部分について変わり得る。WTRU102a、102b、102cは、様々な若しくは拡張可能な長さのサブフレーム又は送信時間間隔(transmission time interval、TTI)を使用して(例えば、様々な数のOFDMシンボル及び/又は持続的に変化する長さの絶対時間を含む)、gNB180a、180b、180cと通信し得る。
【0053】
gNB180a、180b、180cは、スタンドアロン構成及び/又は非スタンドアロン構成でWTRU102a、102b、102cと通信するように構成され得る。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、他のRAN(例えば、eノードB160a、160b、160cなど)にアクセスすることもなく、gNB180a、180b、180cと通信し得る。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、モビリティアンカポイントとしてgNB180a、180b、180cのうちの1つ以上を利用し得る。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、未認可帯域における信号を使用して、gNB180a、180b、180cと通信し得る。非スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、gNB180a、180b、180cと通信/接続する一方で、eノードB160a、160b、160cなどの別のRANとも通信/接続し得る。例えば、WTRU102a、102b、102cは、1つ以上のgNB180a、180b、180c及び1つ以上のeノードB160a、160b、160cと実質的に同時に通信するためのDC原理を実装し得る。非スタンドアロン構成では、eノードB160a、160b、160cは、WTRU102a、102b、102cのモビリティアンカとして機能し得、gNB180a、180b、180cは、WTRU102a、102b、102cにサービス提供するための追加のカバレッジ及び/又はスループットを提供し得る。
【0054】
gNB180a、180b、180cの各々は、特定のセル(図示せず)に関連付けられ得、無線リソース管理決定、ハンドオーバ決定、UL及び/又はDLにおけるユーザのスケジューリング、ネットワークスライシングのサポート、二重接続、NRとE-UTRAとの間の連携、ユーザプレーン機能(user plane function、UPF)184a、184bへのユーザプレーンデータのルーティング、アクセス及び移動管理機能(access and mobility management function、AMF)182a、182bへの制御プレーン情報のルーティングなどを処理するように構成され得る。
図1Dに示されるように、gNB180a、180b、180cは、Xnインターフェースを介して互いに通信し得る。
【0055】
図1Dに示されるCN115は、少なくとも1つのAMF182a、182b、少なくとも1つのUPF184a、184b、少なくとも1つのセッション管理機能(session management function、SMF)183a、183b、及び少なくとも1つのデータネットワーク(Data Network、DN)185a、185bを含み得る。前述の要素の各々は、CN115の一部として描示されているが、これらの要素のいずれも、CN事業者以外の法人によって所有及び/又は運用され得ることが理解されよう。
【0056】
AMF182a、182bは、N2インターフェースを介してRAN113におけるgNB180a、180b、180cのうちの1つ以上に接続され得、制御ノードとして機能し得る。例えば、AMF182a、182bは、WTRU102a、102b、102cのユーザを認証すること、ネットワークスライシングのためのサポート(例えば、異なる要件を有する異なるプロトコルデータユニット(protocol data unit、PDU)セッションの処理)、特定のSMF183a、183bを選択すること、登録領域の管理、NASシグナリングの終了、移動管理などの役割を果たし得る。ネットワークスライシングは、例えば、WTRU102a、102b、102cで利用されているサービスのタイプに基づいてWTRU102a、102b、102cのCNサポートをカスタマイズするために、AMF182a、182bによって使用され得る。例えば、異なるネットワークスライスは、超高信頼低レイテンシ(ultra-reliable low latency、URLLC)アクセスに依拠するサービス、拡張大規模モバイルブロードバンド(enhanced massive mobile broadband、eMBB)アクセスに依拠するサービス、MTCアクセスのためのサービスなどのような異なる使用事例に対して確立され得る。AMF162は、RAN113と、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、及び/又はWi-Fiのような非3GPPアクセス技術など、他の無線技術を用いる他のRAN(図示せず)とを切り替えるための制御プレーン機能を提供し得る。
【0057】
SMF183a、183bは、N11インターフェースを介して、CN115内のAMF182a、182bに接続され得る。SMF183a、183bはまた、N4インターフェースを介して、CN115内のUPF184a、184bに接続され得る。SMF183a、183bは、UPF184a、184bを選択及び制御し、UPF184a、184bを通るトラフィックのルーティングを構成し得る。SMF183a、183bは、UEのIPアドレスを管理し、割り当てること、PDUセッションを管理すること、ポリシー執行及びQoSを制御すること、ダウンリンクデータ通知を提供することなどの他の機能を実施し得る。PDUセッションタイプは、IPベース、非IPベース、イーサネットベースなどであり得る。
【0058】
UPF184a、184bは、N3インターフェースを介してRAN113内のgNB180a、180b、180cのうちの1つ以上に接続され得、これは、例えば、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするために、WTRU102a、102b、102cにインターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスを提供し得る。UPF184、184bは、パケットをルーティング及び転送すること、ユーザプレーンポリシーを執行すること、多重ホームPDUセッションをサポートすること、ユーザプレーンQoSを処理すること、ダウンリンクパケットをバッファリングすること、モビリティアンカリングを提供することなどの他の機能を実施し得る。
【0059】
CN115は、他のネットワークとの通信を容易にし得る。例えば、CN115は、CN115とPSTN108との間のインターフェースとして機能するIPゲートウェイ(例えば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバ)を含み得るか、又はこれと通信し得る。加えて、CN115は、WTRU102a、102b、102cに他のネットワーク112へのアクセスを提供し得、他のネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有及び/又は運用される他の有線及び/又はワイヤレスネットワークを含み得る。一実施形態では、WTRU102a、102b、102cは、UPF184a、184bとのN3インターフェース、及びUPF184a、184bとDN185a、185bとの間のN6インターフェースを介して、UPF184a、184bを通じて、ローカルデータネットワーク(DN)185a、185bに接続され得る。
【0060】
図1A~
図1D、及び
図1A~
図1Dの対応する説明を鑑みると、WTRU102a~d、基地局114a~b、eノードB160a~c、MME162、SGW164、PGW166、gNB180a~c、AMF182a~b、UPF184a~b、SMF183a~b、DN185a~b、及び/又は本明細書に説明される任意の他の要素/デバイスのうちのいずれかに関して本明細書に記載のされる機能のうちの1つ以上又は全ては、1つ以上のエミュレーション要素/デバイス(図示せず)によって実行され得る。エミュレーションデバイスは、本明細書に記載される機能のうちの1つ以上又は全てをエミュレートするように構成された1つ以上のデバイスであり得る。例えば、エミュレーションデバイスを使用して、他のデバイスを試験し、かつ/又は、ネットワーク及び/若しくはWTRU機能をシミュレートし得る。
【0061】
エミュレーションデバイスは、ラボ環境及び/又は事業者ネットワーク環境における他のデバイスのうちの1つ以上の試験を実装するように設計され得る。例えば、1つ以上のエミュレーションデバイスは、通信ネットワーク内の他のデバイスを試験するために、有線及び/又はワイヤレス通信ネットワークの一部として完全に又は部分的に実装及び/又は展開されている間、1つ以上又は全ての機能を実施し得る。1つ以上のエミュレーションデバイスは、有線及び/又はワイヤレス通信ネットワークの一部として一時的に実装/展開されている間、1つ以上又は全ての機能を実施し得る。エミュレーションデバイスは、試験を目的として、別のデバイスに直接結合され得、かつ/又は地上波ワイヤレス通信を使用して、試験を実行し得る。
【0062】
1つ以上のエミュレーションデバイスは、有線及び/又はワイヤレス通信ネットワークの一部として実装/展開されていない間、全てを含む1つ以上の機能を実施し得る。例えば、エミュレーションデバイスは、1つ以上の構成要素の試験を実装するために、試験実験室での試験シナリオ、並びに/又は展開されていない(例えば、試験用の)有線及び/若しくはワイヤレス通信ネットワークにおいて利用され得る。1つ以上のエミュレーションデバイスは、試験機器であり得る。RF回路(例えば、1つ以上のアンテナを含み得る)を介した直接RF結合及び/又はワイヤレス通信は、データを送信及び/又は受信するために、エミュレーションデバイスによって使用され得る。
【0063】
序論
ブロックチェーン技術
ブロックチェーン技術は、暗号法、ハッシング、マークルツリー、分散型台帳、ピアツーピアネットワーキング、及びコンセンサスプロトコルなどの既存の技法を共同で活用し、それらの上に構築する。ブロックチェーン技術は、非中央集権化、不変性、透明性、及びセキュリティなどの高度な特徴を提供することができるシステム(すなわち、ブロックチェーンシステム)に統合する。ブロックチェーンシステムを使用するかつ/又はブロックチェーンシステムによってサポートされるアプリケーションは、ブロックチェーンアプリケーションと呼ばれる。ブロックチェーンシステムは、参加ブロックチェーンノードで構成されるブロックチェーンネットワークによって支持される。各ブロックチェーンノードは、1つ以上の分散型ブロックチェーン(すなわち、分散型台帳の一形態)をホストし、ブロックチェーンシステムに参加する。例えば、ブロックチェーンノードは、それらの間でブロックチェーントランザクション及びブロックをブロードキャストするために、ピアツーピアネットワークを形成することができる。ブロックチェーンノードはまた、コンセンサスプロトコルを実施して、中央集権化された当事者に依拠することなく分散された信頼に達する。ブロックチェーントランザクションは、例えば、現実世界のトランザクションのデジタル表現、物理的資産のデジタル記録、物理的イベントのデジタル記録、情報システムにおける任意のアクションのデジタル記録、デジタル支払い、及び/又はデジタルスマート契約であり得る。ブロックは、複数のブロックチェーントランザクションをグループ化する。ブロックチェーンは、増加する数のブロックをチェーン化させるデータ構造である。本明細書では、分散型台帳技術の非限定的な例として、ブロックチェーン技術が使用される。したがって、本原理は、任意の特定のブロックチェーン技術だけでなく、許可された分散型台帳(ETSI GR PDL 003 V1.1.1(2020-12);Permissioned Distributed Ledger(PDL);Application Scenariosを参照)などの分散型台帳技術にも適用することができる。
【0064】
ブロックチェーンシステムの一般的なワークフローは、5つのステップを含む。
【0065】
ステップ1:トランザクションを開始する。各ブロックチェーンクライアント又はブロックチェーンユーザは、新しいトランザクションを独立して生成する。各ブロックチェーンユーザは、ユーザ又はアカウント識別子、典型的には、新しいトランザクションに署名するために使用されるユーザの公開鍵のハッシュを有する。次いで、署名された新しいトランザクションは、ブロックチェーンネットワークに送信される。
【0066】
ステップ2:トランザクションをブロードキャスト及び検証する。新しいトランザクションは、最初に少数のブロックチェーンノードによって受信され、ブロックチェーンノードは、トランザクションに含まれるユーザの公開鍵を使用してその完全性を検証する。新しいトランザクションの有効性が成功裏に検証された場合、新しいトランザクションは、ブロックチェーンネットワーク内で中継されブロードキャストされる。最終的に、全てのブロックチェーンノードが、任意の新しく生成された有効なトランザクションのコピーを受信し、有することになる。
【0067】
ステップ3:新しいブロックを構築する。特定の構築ブロックチェーンノード(マイニングノード又はフルブロックチェーンノードと呼ばれる)は、複数の新しく生成された、保留中のトランザクションのグループ化を開始し、新しいブロックを生成する。新しいブロックは、ブロックヘッダ及びブロック本体を含むことになる。ブロックヘッダは、概して、以前に確認されたブロックのハッシュ、及び含まれる全てのトランザクションのハッシュ(例えば、マークルツリー)を含む。コンセンサスプロトコルに応じて、ブロックヘッダは追加情報を含み得る。ブロック本体は、含まれる全てのトランザクションのコンテンツを含む。各構築ブロックチェーンノードは、独立して新しいブロックを作成しようと試みる。
【0068】
ステップ4:コンセンサスプロトコルに基づいて新しいブロックを検証する。ステップ3において、構築ブロックチェーンノードは、独立して新しいブロックを作成しようと試みる。それらは、同じコンセンサスプロトコル(例えば、ビットコインシステムにおけるプルーフオブワーク)を実行し、誰(すなわち、勝者)が既存のブロックチェーンにブロックを挿入することを許可されるかについての合意に達する。コンセンサスプロトコルの勝者は、その新しく生成されたブロックをブロックチェーンネットワークに送信する。この新しいブロックはブロードキャストされ、全ての構築ブロックチェーンノードがそれを受信し、検証する。
【0069】
ステップ5:ブロックチェーンを更新する。新しく生成されたブロックがステップ4において検証された後、以前のブロック(すなわち、以前のブロックチェーンの最後のブロック)のハッシュを含むので、既存のブロックチェーンに成功裏に追加され、それにリンクされる。
【0070】
AI序論
AIシステムは、深層学習、連合学習、及び強化学習などの少なくとも1つのAI方式に基づいて、AIモデルを学習及び/又は活用する1つ以上のAIエージェントを含む。AIエージェントは、通常、AIホスト(AIH)と呼ばれる異なる物理ノード又は論理ノード(例えば、デバイス、サーバ、クラウド内の仮想マシン)内に常駐する。各AIエージェントは、通常、例えば、AIアルゴリズム(例えば、深層学習アルゴリズム、連合学習アルゴリズム、強化学習アルゴリズム)に従ってAIモデルを学習するためのタスク、又は知識を推論するためにAIモデルを使用するためのタスクである、AIタスクをホストし、実行する。深層学習及び強化学習は、通常、1つのAIエージェントを使用するが、連合学習は、AIモデルを学習するために協調して働く複数のAIエージェントを利用し、そのAIモデルは、強化学習のための深層ニューラルネットワークモデル及びポリシーモデルであり得る。連合学習は、深層学習及び強化学習を含むがこれらに限定されない様々なタイプの学習タスクを解決するために使用され得る。AIアルゴリズムは、タグ付けされたトレーニングデータに依拠することによって教師ありであり得るか、又はタグ付けされたデータを使用しない教師なしであり得る。
図2は、AIモデルを使用するAIタスクを伴うAIエージェントを伴うAIホストを示す。
【0071】
本明細書では、AIホスト上のAIエージェント上にAIタスク(例えば、1つのソフトウェアコード及びデータ)を(再)インストールするプロセスは、「AIタスク展開」と呼ばれ、「AIモデル展開」は、既存のAIタスクにAIモデルを転送及び/又は(再)インストールするプロセスを指す。AIタスクがAIエージェント上で既に展開されている場合には、AIエージェント及びAIタスクは、本説明において交換可能に使用され得るということに留意されたい。
【0072】
本明細書では、「モデル」及び「AIモデル」は交換可能に使用され、明示的に述べられない限り、同じものを意味する。同様に、「タスク」及び「AIタスク」は交換可能に使用され、明示的に述べられない限り、同じものを意味する。
【0073】
図3は、教師あり学習のための一般的なAIパイプラインを示す。パイプラインは、通常、1)AIアプリケーション又はユーザによるAIエージェント/タスクの展開を含むタスク構成、2)データ収集及び任意選択で特徴エンジニアリング/抽出を含むデータ準備、3)AIモデルを学習するためのトレーニング、4)学習済みAIモデルを試験及び検証するための検証、5)検証されたAIモデルを展開及び転送するためのモデル展開、並びに6)新しいデータを入力(推論のための入力データと呼ばれる)として使用して、将来の知識を推論及び予測するための推論の複数のステージを含む。推論からの結果(例えば、成果)は、AIモデルを再トレーニングするために、トレーニングに戻るためのアクション又はトリガに活用され得る。
【0074】
AI展開の選択に応じて、AIエージェントは、1)AIモデルの学習を担当する学習のためのAIエージェント(AI Agent for Learning、AIA4L)、2)推論及び予測のために学習済みAIモデルを使用する推論のためのAIエージェント(AI Agent for Inference、AIA4I)、及び3)前者の2つを組み合わせた学習及び推論のためのAIエージェント(AI Agent for Learning and Inference、AIA4LI)であり得る。AIモデル転送は、概して、AIA4LとAIA4Iとの間、又は複数のAIA4LIどうしの間で行われる。
【0075】
深層学習
深層学習(deep learning、DL)は、当該技術分野でよく知られているように、深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network、DNN)を使用する特殊な教師付き機械学習(machine learning、ML)である。DNNは、通常、入力層、複数の隠れ層、及び出力層を含む。各層(特に隠れ層)は、前の層のニューロン及び次の層のニューロンに接続されたいくつかの人工ニューロンを有する。2つの隣接する層内の2つのニューロン間の接続には、前の層内のニューロンが次の層内のニューロンにどの程度影響を及ぼすかを示す重みが割り当てられる。DNNをトレーニングすることは、繰り返されるフィードフォワード及バックプロパゲーションを含む。
【0076】
フィードフォワード:入力データは、入力層から出力層へDNNを通過して出力(例えば、スカラー又はベクトル)を生成する。
【0077】
バックプロパゲーション:生成された出力を用いて、所定の損失関数に従って損失を計算する。損失は、次いで、勾配降下を使用して、出力層から入力層までずっと後方にある2つの隣接層間の重みを調整するために使用される。深層学習における学習済みAIモデルは、DNNにおける全てのニューロンを接続する重みのセットである。深層学習システムは、単一のAIエージェント(すなわち、AIA4LI)として、又は複数の別個のAIエージェント(例えば、1つのAIA4L及び複数のAIA4I)として展開され得る。
【0078】
DNNは、入力を出力にマッピングする非線形関数を学習又は近似するための良好な手法を提供することができる。しかしながら、DNNをトレーニングするために使用されるデータ項目は、良好な性能(例えば、学習精度)を達成するために、相関していないか又は相関が小さいものであるべきである。DNNは、予測及び分類などの多くの機械学習問題を解決するために使用することができる。異なるタイプのDNNが、異なる用途のために設計されている。例えば、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network、CNN)は、コンピュータビジョン及び音響モデリングで成功しているが、再帰型ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network、RNN)及び長期短期記憶(Long Short-Term Memory、LSTM)は、自然言語処理に良好なツールである。
【0079】
連合学習
連合学習(FL)は、分散型ML又は分散型AIのフレームワークである。FLでは、トレーニングデータは、複数の分散型連合学習クライアント(Federated Learning Client、FLC)(例えば、モバイルデバイス)においてローカルに維持される。各FLCは、ローカルトレーニング(例えば、深層学習)を実行し、ローカルモデル更新を生成し、ローカルモデル更新を、連合学習サーバ(Federated Learning Server、FLS)に送信する。FLSは、中心エンティティとして、FLCからのローカルモデル更新を集約し、グローバルモデル更新を生成し、グローバルモデル更新は、次のトレーニングラウンドのために、参加FLCに送信される。連合学習の例示的な利点としては、1)トレーニングデータがFLCに留まるので、データプライバシーの保護が改善される、2)中央エンティティにトレーニングデータを収集/送信する必要がないので、通信オーバーヘッドが低減される、3)モデルトレーニングがFLCにおいて分散計算リソースを活用するので、学習速度が改善されることを挙げることができる。しかしながら、FLは、FLSとFLCとの間でモデル更新を送信する必要があり、これは、集中型機械学習と比較して追加の通信オーバーヘッドを導入する。また、FLは、良好な学習性能を達成するために、全てのFLCにおけるデータが独立同一分布(Independent and Identical Distribution、IID)に従うこと(すなわち、IIDデータ)を必要とする。加えて、FLは、データポイズニング攻撃及びモデルポイズニング攻撃などの、潜在的なセキュリティ問題及び脅威を継承する。実際に、FLSは、学習のためのFLエージェント(すなわち、AIA4L)をホストし、一方、各FLCは、学習及び推論の両方のためであり得るFLエージェント(すなわち、AIA4LI)を有する。FLS及びFLCは両方ともAIHであることに留意されたい。
【0080】
図4は、一般的な連合学習プロセスを示し、ここで、例えば、FLSは5GにおけるNWDAFであり得、FLCはUEであり得る。FLS及びFLCは共同で、FLタスクを実行するために以下のステップをとる。
【0081】
ステップS401(図示せず):FLSは、FLタスクに参加するFLCのセットを選択する。図示の例では、FLC1~3が選択される。
【0082】
ステップS402:FLSは、選択された各FLCに対してFLタスクを構成する(例えば、既に展開されたFLタスクのローカルトレーニングを開始するようにFLCに展開又は命令する)。
【0083】
ステップS403:FLSは、初期グローバルモデルを選択された各FLCに送信する。
【0084】
ステップS404:各FLCは、受信した初期グローバルモデル及びそのローカルデータに基づいて、グローバルモデルを独立してトレーニングする。
【0085】
ステップS405:ステップS404におけるローカルトレーニングラウンドの後、各FLCは、FLSに送信するローカルモデル更新を生成する。
【0086】
ステップS406:FLSは、選択されたFLCからローカルモデル更新を受信し、それらを集約し、グローバルモデル更新を生成する。同期FLでは、FLSは、集約を実行する前に、全ての参加FLCからローカルモデル更新を受信するまで待機する。非同期FLでは、FLSは、参加しているFLCのサブセットからローカルモデル更新を受信すると、集約を開始することができる。
【0087】
ステップS407はステップS403と同様であるが、FLSはグローバルモデル更新を選択されたFLCに送信する。FLSは、トレーニングラウンドどうしの間で、選択されたFLCのセットを変更することができ、例えば、前のセットの1つ以上のFLCを保持することができるということに留意されたい。
【0088】
ステップS408は、ステップS404と同様であり、すなわち、選択されたFLCは、受信したグローバルモデル更新に基づいて、グローバルモデルを独立してトレーニングする。
【0089】
ステップS409(図示せず)はステップS405と同様であり、FLCは、ローカルモデル更新をFLSに送信する。次に、FLSは新しいグローバルモデル更新を生成することができ、FLSは、それを更なる反復の開始としてFLCに送信することができる。
【0090】
AI関連3GPP規格
3GPP TS 22.261(3GPP TS 22.261 V18.5.0(2021-12);Service requirements for the 5G system;Stage 1(Release 18))は、以下の3つのタイプのAI動作のためのAIモデル転送要件を指定する。1)AIエンドポイントどうしの間でのAI動作の分割、2)5Gシステム(5GS)上でのAIモデル/データの分配及び共有、及び3)5GS上での分散/連合学習(FL)。
【0091】
3GPP TR23.700-80(3GPP TR 23.700-80 v0.3.0(2022-05)Study on 5G system support for AI-based services(Release 18))は、5GSにおけるAIベースのサービスのためのインテリジェント伝送サポートを定義することを目的とする。これは、5GSアーキテクチャ拡張及び機能拡張に焦点を当てて、サービスプロバイダが、AIベースのサービスをサポートするためのインテリジェント伝送プラットフォームとして5GSを活用することができるようにするものである。
【0092】
TR 23.700-80は、以下のようないくつかの主要な目的を有する。TS 22.261において定義されるアプリケーション層AI動作をサポートするための可能なアーキテクチャ拡張及び機能拡張を研究する。通常の(非アプリケーションAI)5GSユーザトラフィックをサポートしながら、アプリケーションAI動作トラフィックをサポートするための可能なQoS、ポリシー強化を研究する。AF及びUEが、FL動作及びモデル分散/再分散(例えば、FLメンバ選択)を管理して、UE(すなわち、FLC)上で実行されるアプリケーションクライアントとアプリケーションサーバ(すなわち、FLS)との間の連合学習動作に基づいて、協調アプリケーションAIを容易にするために、5GSがAF及びUEに支援を提供するかどうか、及びどのように提供するかを研究する。
【0093】
加えて、3GPPは、新しいリリース19研究項目(3GPP SA1 S1-220183,「Study on AI Model Transfer Phase2,」3GPP SA WG1 Meeting #97-e,February 14-24,2022)を最近承認して、直接デバイス接続を伴う分散型AIトレーニング/推論のための使用事例並びに潜在的サービス及び性能要件を研究し、それは、2つの目的、すなわち、デバイス間接続に基づく分散型AIトレーニング/推論と、課金及びセキュリティ側面とを有する。
【0094】
ETSI SAI
ETSI GR SAI 0010(ETSI GR SAI 0010 V0.0.1(2022-01);Securing Artificial Intelligence(SAI);Traceability of AI Models)は、AIをセキュアリングする際のAIトレーサビリティの役割を研究し、異なるタスク又は様々な産業関連用途にわたってモデルを共有及び再利用することに関連する潜在的な問題を調査することを目的とする。AIトレーサビリティの範囲は、潜在的な脅威の発見、及びそれらの関連する修復を含むが、これらに限定されない。更なるAIトレーサビリティは、AIトレーサビリティがどこに適用可能であるかの決定を改善し、AI作成者の所有権を保護するとともに、モデル検証の起源を保護し、モデルの完全性を保証し、又はその目的を発見することができる。
【0095】
ワイヤレスAI使用事例
ワイヤレスネットワークにおける深層学習(DL)及びワイヤレスネットワークのための連合学習を含む、2つのワイヤレスAI使用事例が説明される。両方の使用事例において、AIタスク(すなわち、深層学習及び連合学習)及びAIモデルをエッジデータネットワーク(又はコアネットワーク)からワイヤレスデバイスに展開する必要がある。ETSI GR SAI 0010が示すように、展開されたAIタスク及びAIモデルにトレーサビリティを提供することが重要であり得るが、これは、AIタスク及びAIモデルがそれらのライフサイクル中にトレースされることを必要とし、監査可能、説明可能、及び信頼できるAIを構築するための基礎として活用され得る。
【0096】
図5は、ワイヤレスネットワークへのDL適用の2つの例を示し、ここで、UEは、AIタスクをホストするDLエージェントをホストする。AIタスクは、DLモデルを使用するか、DLモデルを学習するか、又はその両方である。各UEにおけるDLエージェントは、事前にインストールされているか、又はランタイム展開される。
図5では、DLを別のタイプのAIアルゴリズムで置き換えることができるということに留意されたい。この使用事例では、基地局及び各UEはAIHである。
【0097】
無線リソース割り当てのためのDL:DLは、UE-1と基地局との間の無線リソース割り当てを学習するために使用される。例えば、DLエージェント(すなわち、DLA4L)は、基地局と同じ場所に配置されたエッジサーバに展開される。DLエージェントは、無線リソース割り当てポリシーを学習するためのAIタスクで構成されている。UE-1(及び/又は他のUE)及び基地局に関する履歴送信情報に基づいて、DLエージェントは、UE-1(及び/又はUE-2)に無線リソースを割り当てるためのモデルを学習する。次いで、学習済みモデルが、UE-1(及び/又はUE-2)に展開される。新しいタイムスロットごとに、UE-1及び/又はUE-2におけるDLエージェント(すなわち、DLA4I)は、モデルを使用して、アップストリーム送信のための新しい無線リソースを決定することができる。そのようなAIベースの手法は、ワイヤレスチャネルダイナミクス及びワイヤレスチャネル上の変化するトラフィックをより迅速かつ正確に捕捉し、次いで、無線リソース利用の改善につながる可能性がある。
【0098】
車両間コンテンツ配布のためのDL:3台の車両(すなわち、UE-3、UE-4、及びUE-5)が同じ近傍内にあり、コンテンツ(例えば、メディアファイル)を共有するために互いに直接通信することができる。コンテンツをより効率的に配布するために、各車両には、DLエージェント(すなわち、DLA4LI)がインストールされており、例えば、社会的関係及びコンテンツの人気を学習する。
【0099】
図6は、ワイヤレスネットワークへのFL適用の一例を示し、各UEは、グローバルモデルを学習することに協力して参加し、学習済みグローバルモデルを推論のために使用するFLエージェントをホストする。各UEにおけるFLエージェントは、事前にインストールされているか、又はランタイムで展開される。この場合、各UE及びエッジサーバはAIHである。
【0100】
スペクトル管理のためのFL:FLは、正確なスペクトル利用モデルを学習するために使用される。各UE(すなわち、UE-1、UE-2、UE-3、及びUE-4)は、ローカルモデル更新を生成するためにFLCとして働くFLエージェント(すなわち、FLA4LI)をホストする。ローカルモデル更新はエッジサーバに送信され、エッジサーバは、グローバルモデル更新を生成するためにUEからのローカルモデル更新を集約することを主に担当するFLエージェント(すなわち、FLA4L)を有する。グローバルモデル更新は、グローバルモデルが収束するまで次のトレーニングラウンドを継続するためにUEに送信される。次いで、収束した最終グローバルモデルは、各UEにおけるFLエージェントに送信され、各UEは、そのローカルスペクトルアクセスを管理するために最終グローバルモデルとともにFLエージェントを使用する。
【0101】
ワイヤレスネットワークのための前述のAI使用事例では、UEは、典型的には、モデルを学習するか、知識推論のためにモデルを使用するか、又は両方に参加する、AIエージェント(例えば、AIA4L、AIA4I、又はAIA4LI)をホストする。ワイヤレスネットワークのための特定のAI方式を展開するためには、AIエージェント(例えば、ソフトウェア)は、最初に、対応するUE、及び/又はエッジサーバなどの他のネットワークノード上にインストールされる必要がある。次いで、AIエージェントは、トレーニングデータの収集を要求し得るAIモデルのトレーニングを開始する。AIモデルがトレーニングされた後、AIエージェントは、AIモデルが展開される(例えば、あるAIエージェントから別のAIエージェントに転送される)前に、試験データ及び検証データに対してAIモデルを試験及び検証する必要がある。最後に、展開又は転送されたAIモデルを使用して、実データから将来の知識を推論及び予測し、これに基づいてアクションを取ることができる。
【0102】
特に、分散された当事者が存在し、データポイズニング攻撃などのAIエージェント及びAIモデルに対する潜在的な脅威が発生する可能性があるワイヤレス環境内で、このAIシステム全体を信頼できるものにすることが重要であり得る。そのため、1つの手法は、AIシステム全体をトレースして文書化することであり、AIトレーサビリティと呼ばれる。AIトレーサビリティに対するそのような要件は、AIエージェント、AIアプリケーション、又はAIユーザに由来し得る。しかしながら、AIシステム全体をトレースすることは、特にネットワーク遅延が重要なパラメータである通信システムにおいて、莫大なオーバーヘッドを導入する場合がある。更に、AIシステムの各ステージをトレースする必要がない場合がある。例えば、連合学習では、トレーニングステージが、より多くの潜在的な脅威又はリスクを伴って、複数の分散ノードによって実行されるので、トレーニングステージをトレースすることは、推論ステージよりも重要であり得る。一般に、効率的で柔軟なAIトレーサビリティ方式が、特にワイヤレスAI使用事例に必要とされ得る。本原理によれば、AIトレース情報又はAIトレース記録又はAIトレース文書は、AIシステム又はAIパイプラインをトレースすることから生成される情報である。
【0103】
本原理によるAI管理は、複数のステージ/動作/手順を主に指すが、その例としては、AIHをリポジトリに登録するためのAIホスト登録、AIタスク展開、AIモデル登録、AIモデル発見、及びAIモデル転送/展開などが挙げられるが、これらに限定されない。既存のAI管理手順は、トレーサビリティを意識しておらず、その結果、AI管理が非効率的になり、AIの信頼性が低下し、最終的にAIに対するユーザの信頼が低くなる場合がある。例えば、AIユーザは、トレーサビリティをサポートするAIモデルを発見する必要がある場合があり、これは、AIユーザに対してより良い透明性及び信頼性を提供することができる。しかしながら、トレーサビリティを意識しないAIモデル登録は、AIモデルがトレーサビリティをサポートするか否かを示すことができず、ひいては、AIユーザのニーズを満たすことができない。加えて、AIタスク/モデルが展開されるときにトレーサビリティがサポートされていない場合、AIタスク/モデルは除去され、後でトレーサビリティが要求されるときに再展開される必要があり得る。最悪の場合、トレーサビリティの欠如に起因して、AIモデル/タスクは、多数回(再)展開及び/又は再トレーニングされる必要があり得るが、これは、繰り返されるAI管理手順及び消費されるリソースに関して、余分なオーバーヘッドを導入する。更に、これらのAI管理ステージ/手順の各々は、異なる物理ノード及び/又は論理ノードによって行われてもよい。例えば、無線リソース割り当てのための
図5におけるトレーニング及び知識推論は、それぞれ基地局及びUEによって行われる。これらの物理ノード及び/又は論理ノードは、一般に、トレーサビリティアウェアAI管理を可能にするために統一された様式で一緒に考慮されるべきである異なるリソース(例えば、計算能力)を有する。
【0104】
上述の考察を前提として、以下の問題が特定される。
【0105】
問題#1:AIパイプラインを柔軟にトレースすることができるAI管理アーキテクチャをどのように設計するか?
【0106】
現実世界のAIシステム(例えば、FLシステム)は、例えば、AIタスクのタイプ、利用可能なトレーニングデータの量、関与するAIエージェントの数、及び関与するAIエージェントの能力に関して、動的かつ異なる種類のものであり得る。トレーサビリティアウェアAI管理アーキテクチャは、異なるAIシステム、異なるAIタスク、及び異なるAIエージェントに適用可能かつ適応可能であるべきである。そのような柔軟なトレーサビリティアウェアAI管理アーキテクチャはまた、異なるが適切なトレーサビリティ命令を使用して異なるレベルのトレーサビリティをサポートし(例えば、AIパイプライン全体をトレースし、又はパイプラインの1つのステージをトレースし)、必要に応じて適切なAIトレース記録を生成することができる、かつ/又はそのように拡張可能であり得る。一例として、そのような柔軟なトレーサビリティアウェアAI管理アーキテクチャは、異なるAIシステムのトレーサビリティをそれらの要件に基づいて可能にするために活用することができる共通の方法/インターフェース/手順を提供することができる。
【0107】
柔軟なトレーサビリティアウェアAI管理アーキテクチャを設計するために、以下の問題が考慮される。
【0108】
問題#2:トレーサビリティアウェアAIホスト登録。
【0109】
AIホストがそれ自体をAIリポジトリエンティティに登録する場合、ある方法では、AIホストのトレース能力、及びそのトレース能力を他のエンティティにどのように公開するかを表すことができる。
【0110】
問題#3:トレーサビリティアウェアAIタスク展開。
【0111】
AIタスクが展開される場合、AIタスクが構成されたトレース命令に従ってそれ自体を自動的にトレースすることができるように、明示的かつ同時に、AIタスクのためのトレース命令を構成することが重要であり得る。
【0112】
問題#4:トレーサビリティアウェアAIモデル登録。
【0113】
AIモデルがAIリポジトリエンティティに登録される場合、ある方法では、適切なトレース命令を構成又はAIモデルに関連付けることができる。
【0114】
問題#5:トレーサビリティアウェアAIモデルの発見及び展開。
【0115】
AIホストがAIモデルを発見し、インストール/ホストすることを要求する場合、ある方法では、発見されたAIモデルのトレース命令が、AIホストのトレース能力に一致することを保証することができる。
【0116】
概要
ここで、以下の用語は次のように定義される。
【0117】
AIモデル:トレーニングデータ内のパターンを正確にモデル化又は捕捉することができる、トレーニングデータからの学習済みモデル(例えば、パラメータのセット)。
【0118】
AIタスク:AIモデルをトレーニングするため、及び/又はトレーニング済みAIモデルを使用するためのタスク。AIタスクは、関連情報(例えば、初期AIモデル、トレーニングデータ、及び/又は入力データ)を有するソフトウェアとして、AIホストに展開され得る。
【0119】
AIエージェント:AIタスクを実行することができるエンティティ。AIエージェントは、AIホストによってホストされ、AIホストは、複数のAIエージェントをホストすることができる。AIエージェントは、知識を推論するために、AIモデルを生成/トレーニングし、かつ/又はトレーニング済みAIモデルを使用することができる。
【0120】
AIホスト:1つ以上のAIエージェントをサポートするソフトウェア及びハードウェアの両方を有するエンティティ。
【0121】
AIリポジトリ:AIホスト及び/又はAIモデルの登録、AIホスト及び/又はAIモデルの発見などを可能にするエンティティ。
【0122】
AIパイプライン:1つ以上のAIタスクを実行するためのステージのセット。AIパイプラインは、タスク構成、データ準備、AIモデルを学習するためのトレーニング、学習済みAIモデルの試験のための検証及び学習済みAIモデルの検証、検証済みAIモデルを展開及び転送するためのモデル展開、並びに新しいデータを入力として使用して将来の知識を推論及び予測するための推論のうちの1つ以上(例えば、全て)を含み得る。
【0123】
AIトレースマネージャ:AIパイプラインをトレースすべきかどうか、いつ、どのように、及び/又は何をトレースすべきかを管理するエンティティ。AIトレースマネージャは、AIホスト、AIエージェント、AIタスク、及び/又はAIモデルのための/それらからのトレース命令を、生成、構成、更新、除去し得る。
【0124】
トレース命令:AIパイプラインをトレースすべきかどうか、いつ、どのように、及び/又は何をトレースすべきかを記述するための仕様、条件、基準、ポリシー、又はルール。AIエージェント(又はAIホスト)は、構成されたトレース命令に従ってトレース記録を生成する。トレース命令は、トレース条件、トレース基準、トレースコマンド、トレースルール、及び/又はトレースポリシーと呼ぶことができる。
【0125】
AIマネージャ:AIタスク、AIエージェント、AIホスト、AIリポジトリ、更にはAIトレースマネージャを管理するエンティティ。
【0126】
分散型ストレージシステム(Distributed Storage System、DSS):情報(例えば、AIモデルについての情報、AIホストに関する情報、トレーニングデータ、推測された知識、トレース命令、トレース記録など)を記憶するシステム。DSSは、分散型データベース、分散型台帳、ブロックチェーンシステムなどであり得る。
【0127】
トレーサビリティアウェアAI管理アーキテクチャ
AI管理は、AIホスト登録、AIタスク展開、及びAIモデル展開などの、AIホスト、AIタスク、及びAIモデルを管理するための動作を指す。AIタスク又はAIモデルが展開された後にそれらをトレースするために使用される従来のAI管理ソリューションは、展開後トレース手法と呼ばれる。本原理は、AI管理動作中に同時にAIトレーサビリティを可能にするか又は埋め込む、よりプロアクティブな手法を提案する。例えば、展開後トレース手法は、展開されたAIタスクがAIトレーサビリティをサポートしない場合、失敗する場合がある。更に、例えば、展開後トレース手法が、AIトレーサビリティをサポートするために、展開されたAIタスクを修正又は再展開する必要があり得る余分なオーバーヘッドを本原理は回避又は低減することができる。トレーサビリティアウェアAI管理フレームワークは、AIタスク/モデルがトレースされる必要があるもの(すなわちトレース命令)と、AIホストが、それがホストするAIタスク/モデルをトレースするために割り当てる又は与えることができるリソース(すなわちトレース能力)とを一緒に考慮することによって、トレーサビリティ有効化とAI管理とを結合するプロアクティブなトレース手法として提案されている。提案されたトレーサビリティアウェアAI管理フレームワークは、特定のAIシステム/タスク/モデルに限定されない、必須かつ共通の機能及びインターフェースを提供する(例えば、AIタスクを構成するときにトレース命令を構成する)ことができる。更に、提案されたトレーサビリティアウェアフレームワークは、異なるAIホストへの適切なトレース命令を、それらのトレース能力及びそれらがホストするAIタスク/モデルの特性に応じて構成することを可能にする。したがって、AIパイプラインに関するより有用なトレース情報を収集することが可能になり得る。
【0128】
提案されるトレーサビリティアウェアAI管理は、以下の機能のうちの少なくとも1つを特徴とする。
【0129】
AIトレースマネージャ(AI Trace Manager、AITM)は、AIタスク/モデルのトレース命令と、AIタスク/モデルをホストするAIホスト(AIH)のトレース能力(例えば、生成されたAIトレース記録を記憶するために利用可能なストレージ)とに基づいて、AIタスク/モデルをトレースするための(例えば、各トレーニングラウンドについてAIトレース記録を生成するための)トレース命令を提供及び決定することができる。AIHは、AIA4L、AIA4I、及び/又はAIA4LIであり得る、1つ以上のAIエージェントをホストし得るということに留意されたい。
【0130】
AIHは、そのトレース能力をAIリポジトリ(AIR)に登録することができ、AIリポジトリは、AIマネージャ(AIM)などの両方のエンティティに公開され、それらによって発見され得る。AIHは、AIモデルプロデューサ(AIMP)又はAIモデルユーザ(AI Model User、AIMU)であり得る。AIMPは、1つ以上のAIA4L又はALA4LIをホストすることができ、AIMUは、1つ以上のAIA4Iをホストすることができる。AIRは、登録された各AIHを、分散型台帳システムなどの分散型ストレージシステム(DSS)に公開することができる。
【0131】
AIMは、AIタスクを用いてトレース命令を構成することによって、AIタスクをAIMPに展開するときに、同時にトレーサビリティを可能にすることができる。トレース命令は、AIMPがサポートできるトレース能力に一致する。
【0132】
AIMは、AIタスクを用いてトレース命令を構成することによって、AIタスクをAIMUに展開するときに、同時にトレーサビリティを可能にすることができる。トレース命令は、AIMUがサポートできるトレース能力に一致する。
【0133】
AIRはまた、AIMPが生成し、AIRに登録するAIモデルのリストを維持することができる。AIMPがAIモデルを登録するとき、AIMPは、AIモデルのためのトレース命令を構成することができる。AIMUは、AIMUのトレース能力に一致するトレース命令を有する適切なAIモデルを発見するために、AIRにアクセスすることができる。AIRは、登録された各AIモデルを分散型台帳システムなどのDSSに公開することができる。
【0134】
トレース命令を有するAIタスクがAIMPにインストールされている場合、AIMPはAIタスクを実行し、その間に、AIタスクで構成されたトレース命令に従ってAIトレース記録を生成する。AIトレース記録は、分散型台帳システムなどのDSSに送信される。
【0135】
AIタスクと、トレース命令を有する対応するAIモデルとがAIMUにインストールされた後、AIMUは、AIタスクを実行し、その間に、AIタスク/モデルで構成されたトレース命令に従ってAIトレース記録を生成する。AIトレース記録は、分散型台帳システムなどの分散型ストレージシステム(DSS)に送信される。
【0136】
AIMは、新しいAIモデルを能動的に発見し、それを新しいトレース命令を有するAIMUにプッシュすることができる。
【0137】
AIMPは、部分的にトレーニングされたAIモデルを、トレース命令とともにAIRに事前登録するか、又はそれをAIMUに通知することができる。AIモデルが完全にトレーニングされた後、AIMPは、AIモデルをAIR又はAIMUに能動的にプッシュすることができる。
【0138】
図7は、いくつかの論理エンティティを含む、提案されたトレーサビリティアウェアAI管理アーキテクチャの実施形態を示し、そのアーキテクチャは、AIマネージャ(AIM)、AIトレースマネージャ(AITM)、AIリポジトリ(AIR)、AIモデルプロデューサ(AIMP)、AIモデルユーザ(AIMU)、及び分散型データシステム(Distributed Data System、DDS)を含む。このアーキテクチャの顕著な特徴は、これらの論理エンティティ間の協調的対話によって統合されたAIパイプライン管理及びトレーサビリティである。言い換えれば、AIトレーサビリティは、提案されたアーキテクチャで、AIタスク及びモデルを管理するプロセスにおいて効率的に有効化され得る。
図7のAIMU及びAIMPは、AIA4LIエージェントをホスト及びサポートするために組み合わせることができるということに留意されたい。
【0139】
AIタスク:AIタスクは、あるAIモデルプロデューサ(AIMP)又はあるAIモデルユーザ(AIMU)に、そのAIMP又はそのAIMUにおけるAIエージェントの一部としてインストールすることができる。AIMPは、学習のためのAIエージェント(AIA4L)を有し、これは、1)AIモデルをトレーニング及び生成し、2)インストールされたトレース命令に従ってAIトレース記録を生成するために使用される。対照的に、AIMUは、推論のためのAIエージェント(AIA4I)を有し、これは、1)インストールされたAIモデル及び推論のための入力データに基づいて、知識を推論し、2)インストールされたトレース命令に従って、AIトレース記録を生成するために使用される。AIMU及びAIMPは、UE又はエッジサーバなどの同じ物理ノード内に併置され得る。AIトレーサビリティ及びAI管理をサポートするために、各AIエージェント(又はAIタスクエグゼキュータ)は、新しいアプリケーションプログラミングインターフェース(Application Programming Interface、API)をサポートすることができる。
【0140】
一例として、単一のAPIとして実装することができる以下の3つのAPIを使用して、AIタスクと通信することができる。単一のAPIとして実装される場合、要求は、以下のAPI機能のうちのどれがトリガされるかを示すことができる。
【0141】
TRACE-INSTRUCTION-CONFIG-API(トレース-命令-構成-API):このAPIは、AIマネージャ(AIM)又はAIトレースマネージャ(AITM)などの他のエンティティが、AIエージェントへの1つ以上のトレース命令を構成することを可能にする。AIエージェントが対応するAIタスクを実行すると、AIエージェントはトレース命令に従ってAIトレース記録を生成する。
【0142】
TRACE-RECORD-MGMT-API(トレース-記録-管理-API):このAPIは、他のエンティティが、生成されたAIトレース記録を取り出す/削除することを可能にするか、又はAIエージェントが、生成されたAIトレース記録を、このインターフェースを介して、他のエンティティ(例えば、DSS又はAIM)に能動的にプッシュすることを可能にする。
【0143】
MODEL-MGMT-API(モデル-管理-API)知識を推論するためのAIタスク(すなわち、AIA4I)は、他のエンティティ(例えば、AIM、AIH)が、AIエージェントによって使用されるAIモデルを動的に構成/更新/取り出すことを可能にする、この追加的APIを有し得る。このAPIは、特にTRACE-INSTRUCTION-CONFIG-APIが利用可能でないときに、AIモデルと関連するトレース命令との両方を同時に構成することができる。
【0144】
各APIは、例えば、以下のAPI情報(API-Infoと呼ばれる)を使用して記述することができる。通信のためのAPIのエンドポイント(例えば、URI、FQDN、IPアドレスなど)、APIのトランスポート情報、例えば、プロトコルのタイプ(例えば、REST/HTTP、CoAP、Topic-based、Pub Sub、RPC、WebSocketなど)、セキュリティ関連情報(例えば、セキュリティ認証証明、証明書、公開鍵など)、バージョンなど。
【0145】
各APIのAPI-Infoは、別のエンティティ(例えば、AIマネージャ、AIトレースマネージャ、AIリポジトリなど)と共有され、かつ/又はそれによって構成され得る。
【0146】
AIモデル:AIモデルは、AIMPによって生成することができ、AIMPは、対応するAIアルゴリズム(例えば、DNNのバックプロパゲーション)に従ってAIモデル(例えば、DNNのパラメータ/重みのセット)をトレーニングするためにAIタスクを実行するAIエージェントを有する。独立型AIMPは、単独でAIモデルを生成することができる。複数のAIMPもまた、AIモデルを協調的にトレーニングすることができ、トレース命令は、この場合には、AIMによって定義及び作成することができる。例えば、FL設定では、FLサーバ及びFLクライアントは、収束グしたローバルAIモデルを生成するために協働する。AIMUは、実際のデータ入力に基づいて知識を推論するために生成されたAIモデルを使用することができ、複数のAIMUは、異なるデータ入力で同じAIモデルを使用することができる。AIモデルのコンテンツは、それ自体のトレース命令及び要件(Trace-Instructions)を含むことができ、どのAIタスクがこのAIモデルを使用しているかに基づいて、各AIタスクは、それに応じてAIトレース記録を生成することができる。AIMPにおけるAIモデルのステータスは、例えば、完全にトレーニングされている(AIモデルが完全にトレーニングされて検証されており、知識を推論するために展開することができる)か、2)部分的にトレーニングされている(AIMPがモデルのトレーニング又は検証を終了しておらず、知識を推論するために展開又は使用することができない)かであり得る。
【0147】
AIトレース命令(ATI):AIトレース命令は、AIタスクからのAIプロセス及び結果として生じる情報(例えば、モデル重み、推論結果など)が、トレーサビリティのために、どの条件下でどのように記録されるべきかを記述する。AIトレース命令及びトレース命令は、本開示において交換可能に使用される。
【0148】
AIマネージャ(AIM):AIMは、AIタスクのリストを維持する。AIMの主な目的は、AIタスク及びモデルを管理しながらAIトレーサビリティを可能にすることである。具体的には、AIMは、AIトレースマネージャ(AITM)へのトレース命令の要求及びAITMからのトレース命令の受信、AIRからのAIモデルプロデューサ(AIMP)の発見、AIMPへのAIタスクのインストール、AIRからのAIモデルの発見及びダウンロード、AIリポジトリ(AIR)からのAIモデルユーザ(AIMU)の発見、並びにAIMUへのAIタスク及びAIモデルのインストールを担当する。
【0149】
例として、最初に、AIMは、1つ以上のAIタスクのために、AIトレースマネージャ(AITM)にトレース命令を要求するか又はそれからトレース命令を受信する。AITMはまた、AIMからAIタスクを能動的に取り出し、次いで、各タスクのための適切なトレース命令を構成し得る。トレース命令は、1つ以上のAIタスクに適用することができる。結果として、各トレース命令は、トレース命令が適用され得るAIタスクを示す、AIタスクIDのリストを含む。1つのAIタスクは、複数のトレース命令で適用又は実施することができる。
【0150】
次いで、AIMは、選択されたAIタスクをAIMPにインストールすることを決定する。AIMは、選択されたAIタスクのためのAIMPをAIRから発見する。AIMは、AIタスク自体(すなわち、任意の必要な構成ファイルを有するソフトウェアコード)と、AITMから受信した適用可能なトレース命令とを含むAIタスクパッケージを生成する。AIMは、AIタスクパッケージをAIMPに送信し、AIMPは、AIタスクパッケージを、そのAIエージェントにローカルにインストールする。その後、AIM及びAITMは、そのTRACE-CONFIG-API(トレース-構成-API)を介して、AIタスクへの新しいトレース命令を再構成することができる。
【0151】
AIタスクをAIMPにインストールするのと同様に、AIMは、別のAIタスクをAIMUにインストールすることができ、トレース命令は、AIMUに送信されるAIタスクパッケージに埋め込まれる。AIMは、AIRからAIMUを発見することができる。AIMUに送信されるAIタスクパッケージは、AIMが発見してAIRからダウンロードすることができる1つ以上のAIモデルを含むことができる。AIタスクパッケージがAIモデルを含まない場合、AIMUは、AIRからAIモデルを発見し、ダウンロードすることができる。あるいは、AIM又はAIRは、そのMODEL-MGMT-APIを介して、AIMUでインストールされたAIタスクに対してAIモデルを構成することができる。
【0152】
AIトレースマネージャ(AITM):AITMは、AI管理の一部としてAIトレーサビリティを有効化する。AITMは、管理アプリケーションであってもよく、AIMの一部として実装されてもよい。AITMは、AIM、AIMP、及び/又はAIMUを介して1つ以上のAIタスクのためのトレース命令を構成することを主に担当する。AITMは、AIM、AIMP、及び/又はAIMUからの任意の構成されたトレース命令を更新又は削除することができる。更に、AITMは、分散型ストレージシステム(DSS)に記憶されたAIトレース記録を管理することができる。
【0153】
AITMは、AIMからAIタスクを発見し、供給されたポリシーに従って、AIタスクのための適用可能なトレース命令を決定することができる。あるいは、AIMは、AITMにAIタスクを要求し、そのトレース命令を取り出すことができる。
【0154】
AITMは、AIMPにインストールされたAIタスクのための任意の構成されたトレースポリシーを、そのTRACE-MGMT-APIを介して、更新及び除去することができる。
【0155】
AITMは、AIMUにインストールされたAIタスクのための任意の構成されたトレースポリシーを、そのTRACE-MGMT-APIを介して、更新及び削除することができる。
【0156】
AITMは、DSSに記憶されたAIトレース記録を照会、取り出し、集約、更には修正することができる。
【0157】
AIリポジトリ(AIR):AIRは、登録されたAIモデルのリストを維持する。AIRはまた、潜在的なAIMP及びAIMUのリストを維持することができる。AIRは主に以下の動作を担当する。
【0158】
AIMPは、それ自体及び/又はそのモデルをAIRに登録することができ、それにより、1)AIMPとしてそれを使用することができ、AIモデルをトレーニングするためにAIタスクをホストすることができるかどうか、及び/又は2)AIRに登録されるべきトレーニング済みAIモデルを有するかどうかを示す。AIRへのこの登録中に、AIMPは、そのトレース能力(Trace-Capability)も示すことができ、これは、AIMPが、AIMPにおいてAIタスクをトレースするために割り当てることができる利用可能なコンピューティング/ストレージ/通信リソースの量として説明することができる。
【0159】
AIMUは、それ自体及び/又はそのモデルをAIRに登録することができ、それにより、1)AIMUとしてそれを使用することができ、AIモデルを使用して知識を推論するためにAIタスクをホストすることができるかどうか、及び/又は2)それが知識推論のためになんらかのAIモデルをインストールしているかどうかを示す。AIRへのこの登録中に、AIMUは、そのトレース能力(Trace-Capability)も示すことができ、これは、AIMUが、AIMUにおいてAIタスクをトレースするために割り当てることができる利用可能なコンピューティング/ストレージ/通信リソースの量として説明することができる。
【0160】
AIMUは、AIMUにおいてインストールされたAIタスク(すなわち、AIエージェント)のために、AIRからAIモデルを能動的に発見し、ダウンロードすることができる。このプロセス中に、AIRは、AIMUでのAIタスクのための新しいトレース命令を構成するか、又は既存のトレース命令を更新することができる。
【0161】
AIRはまた、登録されたAIモデルのリスト、登録されたAIMPのリスト、登録されたAIMUのリストをDSSに記憶することができる。この場合、AIMは、DSSから直接、AIモデル、AMIP、及び/又はAIMUを発見することができる。AIMUは、DSSから直接、AIモデルを発見してダウンロードすることもできる。
【0162】
AIモデルプロデューサ(AIMP):AIMPは、学習のためのAIエージェント(AIA4L)によって処理されるAIトレーサビリティをサポートしながら、AIモデルをトレーニング及び生成するためにAIタスクをホストすることができる。この目的を達成するために、AIMPは、以下のように他のエンティティと対話することができる。
【0163】
AIタスクがインストールされる前に、AIMPは、そのトレース能力(Trace-Capability)とともにそれ自体をAIRに登録することができ、その結果、AIM(及び/又はAITM)はAIMPを見つけることができ、AIMはそのTrace-Capabilityに一致する適切なAIタスクをAIMPに割り当てることができる(及び/又はAITMはトレース命令をAIMPに割り当てることができる)。
【0164】
AIタスクがインストールされた後、AIMPはAIタスクを実行して、AIタスクによって指定されたAIモデルをトレーニングする。AIMPは、AIタスクに関連付けられたトレース命令に従って、モデルをトレーニングしながらAIトレース記録を生成することができる。AIMPは、生成されたAIトレース記録をDSSに記憶することができる。AIMPはまた、DSS上に記憶されたそれらのAIトレース記録を管理(例えば、照会、取り出し、集約、修正、削除)することができる。
【0165】
AIモデルがトレーニングされた後、AIMPは、AIモデルをAIRに登録し、AIMUがAIモデルをダウンロードするのを待ち、かつ/又はAIモデルをAIMUに能動的にプッシュすることができる。生成されたAIモデルをどのように処理するかは、AIタスクの一部として説明されている場合がある。
【0166】
AIMPがAIモデルをトレーニングするためにAIタスクを実行するとき又は実行した後、AITM及び/又はAIMは、AIタスクに関連付けられたトレース命令を更新することができる。
【0167】
AIMPは、埋め込みAITMを有することができ、これは、AIMPにおけるAIエージェント及び/又はAIMPによって提供されるAIモデルを使用する他のAIエージェントのトレーサビリティを管理する。
【0168】
AIモデルユーザ(AIMU):AIMUは、AIタスクをホストし、これは、AIモデルを使用して知識を推論する。AIMUは、そのような知識推論ステージ中に、AIトレーサビリティをサポートすることができる。知識推論中のAIトレーサビリティ機能は、推論用AIエージェント(AIA4I)によって処理される。この目的を達成するために、AIMUは、以下のように他のエンティティと対話することができる。
【0169】
AIタスクがインストールされる前に、AIMUは、そのトレース能力(Trace-Capability)とともにそれ自体をAIRに登録することができ、その結果、AIM(及び/又はAITM)はAIMUを見つけることができ、AIMはAIMUのTrace-Capabilityに一致する適切なAIタスクをAIMUに割り当てることができる(及び/又はAIMはトレース命令をAIMUに割り当てることができる)。
【0170】
インストールされたAIタスクにAIモデルが伴っていない場合、又はAIモデルが更新される必要がある場合、AIMUは、AIRから新しいAIモデルを発見し、ダウンロードすることができる。
【0171】
次いで、AIMUは、AIタスクを実行して知識を推論することができる。AIMUは、AIタスクに関連付けられたトレース命令に従って、この推論ステージ中にAIトレース記録を生成することができる。AIMUは、生成されたAIトレース記録をDSSに記憶することができる。AIMUはまた、DSS上に記憶されたそれらのAIトレース記録を管理(例えば、照会、取り出し、集約、修正、削除)することができる。
【0172】
AIMUがAIタスクを実行し、関連付けられたAIモデルを使用して知識を推論するとき又は推論した後、AITM及び/又はAIMは、AIタスクに関連付けられたトレース命令を更新することができる。
【0173】
加えて、AIMUは、AIMPから直接、AIモデルを発見、ダウンロード、又は受信することができる。
【0174】
分散型ストレージシステム(DSS):DSSは、AIMP及び/又はAIMUから送信されたAIトレース記録を記憶する。DSSはまた、AIRに関するリポジトリ情報(例えば、登録されたAIモデルのリスト、登録されたAIMPのリスト、登録されたAIMUのリスト)を記憶することができる。更に、DSSはまた、DSS上に記憶されたAIトレース記録を管理するためにAITMをサポートする。DSSは、例えば、分散型台帳システム、ブロックチェーンシステム、分散型ファイルシステム、又は分散型データベースであり得るが、これらに限定されない。
【0175】
本原理によれば、論理エンティティ(例えば、AIホスト、AIエージェント、AIタスク、AIMU、AIMP、AIM、AITM、AIR、DSS、APIなど)又は情報オブジェクト(例えば、AIモデル、トレース記録、トレース命令、AIH記録、AIモデル記録、トレーニングデータ、入力データ、推論知識、台帳上のトランザクション、台帳上のブロック、台帳上のスマート契約など)のアドレス及び/又は識別子は、エンドポイントと呼ばれることもあり、ユニフォームリソース識別子(Uniform Resource Identifier、URI)、完全修飾ドメイン名(Fully Qualified Domain Name、FQDN)、IPアドレス、ポート番号、及び/又はそれらの組み合わせなどであってもよい。
【0176】
次に、
図7の例示的なアーキテクチャに基づいて、本原理による以下の特徴及び対応する手順について説明する。トレーサビリティアウェアAIホスト登録、トレーサビリティアウェアAIタスク展開、トレーサビリティアウェアAIモデル登録、トレーサビリティアウェアAIモデル発見及び登録。
【0177】
第1の例として、
図7の例示的なアーキテクチャは、
図8に示す、将来のワイヤレスシステムにおいて展開することができる。この第1の例では、AIM及びAITMは、コアネットワーク又はクラウドネットワーク内の単一のネットワーク機能として一緒に(又は別々に)展開され、AIR-1はエッジサーバ-1と同じ場所に配置され、AIR-2はエッジサーバ-2と同じ場所に配置され、AIR-1及びAIR-2は、両方のAIR内に維持される任意の情報(例えば、AIH記録)を交換するために互いに直接対話することができる。更に、各AIHはUEと同じ場所に配置され、基地局-1の下のAIHはAIR-1に登録し、基地局-2の下のAIHはAIR-2に登録する。AIH-1及びAIH-2は、例えば、AIモデル及び/又は推論された知識を交換するために、直接及び/又はAIR-1/AIM/AITMによって支援されて、互いに対話することができる。AIH-3及びAIH-4は、例えば、AIモデル及び/又は推論された知識を交換するために、直接及び/又はAIR-2/AIM/AITMによって支援されて、互いに対話することができる。AIMは、いかなるAIRも経由することなく、(例えば、AIタスクを各AIHにインストールするために)各AIHと直接対話することができる。AITMは、いかなるAIRも経由することなく、(例えば、トレース命令を各AIHに構成するために)各AIHと直接対話することができる。
【0178】
第2の例として、
図7の例示的なアーキテクチャは、
図9に示す、将来のワイヤレスシステムにおいて展開することができる。この第2の例では、AIR及びAITMは、コアネットワーク又はクラウドネットワーク内の単一のネットワーク機能として一緒に(又は別々に)展開され、AIM-1はエッジサーバ-1と同じ場所に配置され、AIM-2はエッジサーバ-2と同じ場所に配置され、AIM-1及びAIM-2は、両方のAIM内に維持される任意の情報(例えば、AIタスク)を交換するために互いに直接対話することができる。各AIHは、UEと同じ場所に配置される。基地局-1の下のAIHはAIM-1によって管理され、基地局-2の下のAIHはAIM-2によって管理される。AIH-1及びAIH-2は、例えば、AIモデル及び/又は推論された知識を交換するために、直接及び/又はAIM-1によって支援されて、互いに対話することができる。AIH-3及びAIH-4は、例えば、AIモデル及び/又は推論された知識を交換するために、直接及び/又はAIM-2によって支援されて、互いに対話することができる。各AIHは、いかなるAIMも経由することなく、(例えば、AIHをAIRに登録するために)AIRと直接対話することができる。AITMは、いかなるAIMも経由することなく、(例えば、トレース命令を各AIHに構成するために)各AIHと直接対話することができる。
【0179】
トレーサビリティアウェアAIホスト登録
AIホスト(AIH)は、知識を推論するために、AIモデルをトレーニングするためのAIMP又はAIモデルを使用するためのAIMUであり得る。AIHは、AIMがAIタスクをAIHにインストールされ得る前にAIMによって発見され得るように、それ自体をAIRに登録することができる。そのようなAIH登録中に、AIHは、そのAI能力及びトレース能力をAIRに示す。AIRは、AIM及び/又は他のエンティティに公開される、登録されたAIH記録のリストを維持することができる。AIHは、AIRのアドレスで事前に構成されていてもよく、又はAIHがAIRを発見することができるエンティティで事前に構成されていてもよいということに留意されたい。
【0180】
図10は、トレーサビリティアウェアAIH登録の方法の一実施形態を示す。
【0181】
ステップS1002において、AIH1001は、AIH1001をAIR1003に登録するためのメッセージをAIR1003に送信し、AIR1003はそのメッセージを受信する。このメッセージは、以下のパラメータうちの1つ以上を含み得る。
【0182】
AIH-ID:AIHの識別子又はアドレス。AIHがブロックチェーンノード又はユーザである場合、そのブロックチェーンアドレス(例えば、その公開鍵から生成された一意の識別子)をAIH-IDとして使用することができる。
【0183】
AIH-Type:AIHがAIMP、AIMU、又はその両方であるかどうかを示す。
【0184】
AI-Capability(AI-能力):AIHがAIタスクをホストするために割り当てることができる能力及び入手可能なリソース。このパラメータは、例えば、1)AIタスクを実行するための計算リソースバジェット、2)AIタスクを実行するための記憶リソースバジェット、及び3)データサンプルの数及びデータサンプル内の特徴の数などのトレーニングデータプロパティのうちの1つ以上を含み得る。AIHが既にAIタスクをホストしている場合、AI能力は、1)ホストされるAIタスクの一意の識別子(AIタスクID)、2)
図12のステップS1202において定義されるようなホストされるAIタスクのタイプ(AIタスクタイプ)、及び3)MODEL-MGMT-APIのAPI情報を含む追加情報を示し得るが、これらに限定されない。
【0185】
Trace-Capability(トレース-能力):AIHがAIタスクをトレースするために割り当てることができる能力及び利用可能なリソース。このパラメータは、1)AIタスクをトレースするための計算リソースバジェット、2)AIタスクをトレースするための記憶リソースバジェット、3)AIHがDSS又はAIトレース記録を記憶するための他の外部エンティティへのインターフェースを有するかどうか、4)AIHがAIトレース記録をDSS又は他のエンティティに送信するために使用することができる帯域幅などの通信能力、5)他のエンティティがAIトレース記録を取得するためのサポートされた通信モード(例えば、プッシュ又はプル)、6)AIHがAIMPである場合に「トレーニングデータ」をトレースする意思があるかどうか、又はAIHがAIMUである場合に「推論のための入力データ」をトレースする意思があるかどうかを示し得るが、これらに限定されない。AIHが既にAIタスクをホストしている場合、Trace-Capabilityは、例えば、以下のうちの1つ以上を含む、ホストされたAIタスクのトレーサビリティに関する追加情報を示すことができる。1)TRACE-INSTRUCTION-CONFIG-APIのAPI-Info、2)TRACE-RECORD-MGMT-APIのAPI-Info、3)AIタスクのAIパイプラインのどの部分がトレースされ得るか、4)ホストされたAIタスクで構成されたトレース命令、及び5)ホストされたAIタスクの期間中に生成されたAIトレース記録に関する統計情報(例えば、AIタスクがその期間中にどのくらいの頻度でAIトレース記録を生成したか、その期間中に生成されたAIトレース記録の数、生成されたAIトレース記録がどこに記憶されたかなど)。
【0186】
Training-Data-Info(トレーニング-データ-情報):AIHがAIMPであり、ローカルトレーニングデータを有する場合、AIHは、Training-Data-Infoパラメータを使用して、トレーニングデータに関するメタデータ情報(例えば、トレーニングデータのタイプ、トレーニングデータの量、トレーニングデータの特徴、トレーニングデータが生成又は収集された時間、トレーニングデータを取り出すことができる場所など)を示す。
【0187】
Input-Data-Info(入力-データ-情報):AIHがAIMUであり、知識を推論するためのローカル入力データを有する場合、AIHは、Input-Data-Infoパラメータを使用して、入力データに関するメタデータ情報(例えば、入力データのタイプ、入力データの特徴、入力データの鮮度など)を示す。
【0188】
AIM-ID:AIRを制御及び管理するAIMの識別子又はアドレス。例えば、AIHがそれ自体を同じ又は異なるAIRに再登録するとき、AIHは既にAIM-IDを知っており、現在の登録要求にAIM-IDを含めることができる。別の例では、AIHは、AIM-IDとともに事前インストール又は提供され得る。
【0189】
ステップS1004:ステップ1からの登録要求が承認された場合(例えば、AIR1003が、ステップS1002から受信した登録要求を検証、認証、及び/又は許可した後)、AIRは、AIHのための新しいAIH-IDを生成することができる。AIRは、AIHに、AIM及びAITMを割り当てることができる。AIHがAIMPである場合、AIRは、そのローカルリポジトリからAIHにAIMUを推奨することができる。AIHがAIMUである場合、AIRは、そのローカルリポジトリからAIHにAMIPを推奨することができる。次に、AIRは、AIHのためのAIH記録を作成し、AIH記録を例えばそのローカルリポジトリに記憶する。AIRは、AIH記録をDSS又はAIMに公開することができる。このAIH記録は、例えば、
-AIH-ID:ステップS1002で受信した、又はステップS1004で生成されたAIH-ID。
-AIH-Type:ステップS1002で受信したもの。
-AI-Capability:ステップS1002で受信したもの。
-Trace-Capability:ステップS1002で受信したもの。
-AIM-ID:ステップS1002で受信したもの、又はAIRによってAIHに割り当てられたAIMの識別子及び/若しくはアドレスのうちの1つ以上を含み得る。
-AITM-ID:AIRによってAIHに割り当てられたAITMの識別子及び/又はアドレス。
-AIMP-ID:AIHがAIMUである場合にAIRがAIHに推奨するAIMPの識別子及び/又はアドレス。
-AIMU-ID:AIHがAIMPである場合にAIRがAIHに推奨するAIMUの識別子及び/又はアドレス。
【0190】
AIRは、作成されたAIH記録をDSS(例えば、分散型台帳)に記憶することができる。この目的のために、AIRは、作成されたAIH記録全体又はその一部を含むことができるトランザクションTxt-Exampleを作成する。AIRは、トランザクションをDSSに送信し、DSSは、コンセンサスプロトコルの後に、トランザクションを台帳構造(例えば、ブロックチェーン、ブロック有向非巡回グラフ、ブロックレス有向非巡回グラフ)に追加する。トランザクションが台帳構造に追加されると、トランザクションは、台帳がブロックベース構造を使用する場合、トランザクションシーケンス番号(すなわち、Transaction-Seq-Num)及び/又は関連付けられたブロックシーケンス番号(すなわち、Block-Seq-Num)を有する。Transaction-Seq-Num及びBlock-Seq-Numは、台帳上に記憶されたトランザクションTxt-Exampleを一意に識別する。DSSは、Transaction-Seq-Num及び/又はBlock-Seq-NumをAIRに返すことができる。AIRを含む任意のエンティティは、Transaction-Seq-Num及びBlock-Seq-Numを使用して、台帳からトランザクションTxt-Exampleを取り出すことができる。AIRは、AIHに送信される応答メッセージに、Transaction-Seq-Num及びBlock-Seq-Numを含めることができる。
【0191】
ステップS1006において、AIRは、AIHに応答を送信する。この応答は、例えば、
-AIH-ID:ステップS1004で生成された場合の新しいAIH-ID。
-AIM-ID:ステップS1004で生成されたAIH記録からのもの。
-AITM-ID:ステップS1004で生成されたAIH記録からのもの。
-AIMP-ID:ステップS1004で生成されたAIH記録からのもの。
-AIMU-ID:ステップS1004で生成されたAIH記録からのもの、のうちの1つ以上を含み得る。
-AIH-Record-ID(AIH-記録-ID):ステップS1004で作成されたAIH記録の識別子及び/又はアドレス。
【0192】
AIHが変更されたAI能力及び/又はトレース能力を有する場合、AIHは、
図10の方法を使用して、AIRをその新しいAI能力及び/又はトレース能力で更新することができるということに留意されたい。同様に、AIHは、
図10の方法を使用して、それ自体をAIMに登録し、単にAIRをAIMで置き換えることができる。ステップS1002において、AIHはまた、登録解除インジケータを追加することによって、AIRのローカルリポジトリからそれ自体を削除するようにAIRに要求することができる。
【0193】
図11は、本原理によるDSSを介したトレーサビリティアウェアAIホスト登録の一実施形態を示す。この場合、AIHは、その登録情報をDSS(例えば、分散型台帳)に記憶し、登録時にDSSのトランザクション及びブロックシーケンス番号をAIRに渡す。そのような手法は、
図10に示す方法と比較して、より良好な不変性及び信頼性を提供することができる。
【0194】
ステップS1102において、AIH1101は、トランザクションを生成し、トランザクションをDSS1103に送信することができる。トランザクションは、例えば、以下のうちの1つ以上を含み得る。
-AIH-ID:
図10のステップS1002におけるのと同じもの。
-AIH-Type:
図10のステップS1002におけるのと同じもの。
-AI-Capability:
図10のステップS1002におけるのと同じもの。
-Trace-Capability:
図10のステップS1002におけるのと同じもの。
-Training-Data-Info:
図10のステップS1002におけるのと同じもの。
-Input-Data-Info:
図10のステップS1002におけるのと同じもの。
-Smart-Contract(スマート-契約):AIタスクをホストするためのAIHの意向及び契約を示す情報。AIHは、トランザクションにおいて複数のスマート契約を含むことができる。各スマート契約は、以下のうちの1つ以上を含み得る。
・Desired-AI-Task(所望-AI-タスク):所望のAIタスクのタイプを示す。AIタスクの潜在的なタイプについては、「トレーサビリティアウェアAIタスク展開」と題するセクションで説明する。
・Requested-Payment(要求-支払い):AIHが所望のAIタスクをホストし、実行する場合に、AIHが収集したい支払いを示す。所望のAIタスクがAIモデルをトレーニングするためのものである場合、かつAIHがトレーニングデータを提供する場合、AIHは追加の又は異なる支払いを要求することができる。
・AI-Task-Address(AI-タスク-アドレス):AIHがAIタスクをダウンロードすることができるAIタスクのアドレス(例えば、ソフトウェアコード)を示す。これは、このスマート契約の入力パラメータである。例えば、このスマート契約がDSSに公開された後、AIMは、このスマート契約を発見することができる。AIMがこのスマート契約をトリガしてターゲットAIタスクをAIHに展開したい場合、AIMは、この入力パラメータ「AI-Task-Address」を介して、ターゲットAIタスクのアドレスを、このスマート契約に提供する必要がある。
・AI-Model-Contract-Address(AI-モデル-契約-アドレス):AIモデルを使用又は展開するための別のスマート契約のアドレスを示す。これは入力パラメータである。このスマート契約がAIM(又は他のエンティティ)によってトリガされるとき、AIMは、このAIHのスマート契約への入力パラメータとして「AI-Model-Contract-Address」を提供することができる。結果として、AIHは、AIモデルを生成するためのAIタスクを実行するために、スマート契約を実行することができる。この場合、AIモデルは、「AI-Model-Contract-Address」によって示されるように、別のスマート契約への入力パラメータとして自動的に送信され得る。
【0195】
DSS1103がブロックチェーンなどの分散型台帳機能をサポートする場合、トランザクションは、特定のコンセンサスプロトコル又はメカニズムの後に、分散型台帳に追加される。トランザクションが分散型台帳に追加された後、DSS1103は、ステップS1104において、AIHへの応答を送信する。応答は、例えば、以下を含むことができる。
-Transaction-Seq-Num(トランザクション-シーケンス-番号):分散型台帳に追加されたトランザクションのシーケンス番号。
-Block-Seq-Num(ブロック-シーケンス-番号):トランザクションが含まれていたブロックのシーケンス番号。
【0196】
DSSが、分散型台帳の進捗の観測からTransaction-Seq-Num及びBlock-Seq-Numを依然として取得し得るAIHに、応答を送信しない可能性があるということに留意されたい。
【0197】
ステップS1106において、AIHは、それ自体を登録する要求をAIR1105に送信する。この要求は、例えば、以下を含み得る
-AIH-ID:ステップS1102におけるものと同様のもの。
-AIH-Type:ステップS1102におけるものと同様のもの。
-Transaction-Seq-Num:ステップS1104におけるものと同様のもの。
-Block-Seq-Num:ステップS1104におけるものと同様のもの。
【0198】
ステップS1108において、AIR1105は、AIH1101に関する追加情報(例えば、AI能力及びトレース能力など、ステップS1102に含まれる他のパラメータ)を取り出す要求をDSS1103に送信することができる。この要求は、Transaction-Seq-Num及びBlock-Seq-Num、並びに取り出されるべき他のパラメータの名前を含むことができる。
【0199】
DSS1103は、ステップS1104において作成された対応するトランザクションを見つけるために識別子(例えば、Transaction-Seq-Num及びBlock-Seq-Num)を使用し、このトランザクションから要求された情報を抽出する。ステップS1110において、DSS1103は、要求された情報を含む応答をAIR1105に送信する。
【0200】
ステップS1112において、
図10のステップS1004と同様に、AIR1105は、AIH1101用のAIH記録を作成する。このAIH記録は、
図10を参照して説明したものよりも簡単であり得、以下のものを含むことができる。
-AIH-ID:ステップS1106におけるものと同様のもの。
-Transaction-Seq-Num:ステップS1106におけるものと同様のもの。
-Block-Seq-Num:ステップS1106におけるものと同様のもの。
-AIM-ID:AIRがAIHに割り当てるAIMの識別子及び/又はアドレス。
-AITM-ID:AIRがAIHに割り当てるAITMの識別子及び/又はアドレス。
-AIMP-ID:AIHがAIMUである場合にAIRがAIHに推奨するAIMPの識別子及び/又はアドレス。この目的のために、AIRは、他のAMIPに関する詳細な情報を取り出すためにDSSに連絡し得る。
-AIMU-ID:AIHがAIMPである場合にAIRがAIHに推奨するAIMUの識別子及び/又はアドレス。この目的のために、AIRは、他のAMIUに関する詳細な情報を取り出すためにDSSに連絡し得る。
【0201】
ステップS1114において、AIR1105は、応答をAIH1101に送信する。この応答は、以下を含み得る。
-AIM-ID:ステップS1112におけるものと同様のもの。
-AITM-ID:ステップS1112におけるものと同様のもの。
-AIMP-ID:ステップS1112におけるものと同様のもの。
-AIMU-ID:ステップS1112におけるものと同様のもの。
-AIH-Record-ID:ステップS1112で作成されたAIH記録の識別子及び/又はアドレス。
【0202】
ステップS1116において、AIM1107(又は別のAIH)は、1つ以上のターゲットAIH1101を発見するための要求をAIR1105に送信する。要求は、ディスカバリフィルタ(例えば、ターゲットAIHのAIH-Type及び/又はAIH-IDのワイルドカード)を含むことができる。
【0203】
AIR1105は、ディスカバリフィルタを使用して、AIH記録を調べ、ターゲットAIHを見つける。発見されたターゲットAIHごとに、AIRは、ステップS1118においてAIM1107(又は他のAIH)に送信する応答に以下の情報を含めることができる。
-Transaction-Seq-Num:ターゲットAIHに関する詳細な情報を含むトランザクションのシーケンス番号。
-Block-Seq-Num:ターゲットAIHに関するトランザクションを含むブロックのシーケンス番号。
-AIH-ID:ターゲットAIHの識別子又はアドレス。
-AIH-Type:ターゲットAIHのタイプ。
【0204】
他の実施形態と同様に、Transaction-Seq-Num及びBlock-Seq-Numは、台帳識別子を構成することができる情報の例である。
【0205】
ステップS1120において、ステップS1108と同様に、AIM1107(又は別のAIH)は、発見された各ターゲットAIHに関する追加情報を取り出すための要求をDSS1103に送信する。
【0206】
ステップS1122において、ステップS1110と同様に、要求された情報を取り出したDSS1103は、発見されたターゲットAIHに関する追加情報を含む応答をAIM1107(又は別のAIH)に送信する。
【0207】
トレーサビリティアウェアAIタスク展開
トレーサビリティアウェアAIタスク展開の4つの実施形態について説明する。
図12は、AIH開始型トレーサビリティアウェアAIタスク展開を示す。
図13は、AIM開始型トレーサビリティアウェアAIタスク展開を示す。
図14は、AIH開始型トレーサビリティアウェアFLタスク展開を示す。
図15は、AIM開始型トレーサビリティアウェアFLタスク展開を示す。
【0208】
AIH開始型トレーサビリティアウェアAIタスク展開
AIホスト(AIH)(AIMP又はAIMU)は、AIMからAIタスクを能動的に要求する。AIHは、まず、要求されたAIタスク、そのAI能力、及びそのトレース能力を、AIMに提示する。次いで、AIMは、AIHのAI能力に従って適切なAIタスクを承認し、決定する。AIMはまた、AIHのトレース能力に従って、AIタスクのためにAITMからトレース命令を取得する。これらのトレース命令は、AIHへのAIタスクの展開中にAIHに同時に送信される。AIMは、AIHに展開されている各AIタスクについてAIタスク記録を作成する。AIMは、AIタスク記録をローカルに及び/又は他のエンティティ(例えば、DSS)に記憶することができる。1)AIHにはAIMが提供されており、AIMのアドレスを知っていること、及び2)AIMにはAITMが提供されており、AITMのアドレスを知っていることが仮定される。AIM及びAITMは、1つの物理ノード又は論理ノードとして一緒に実装され得るということに留意されたい。
【0209】
図12は、一実施形態による、AIH開始型トレーサビリティアウェアAIタスク展開の方法を示す。
【0210】
ステップS1202において、AIH1201、例えば、AIモデルユーザ又はAIモデルプロデューサは、要求メッセージをAIM1203に送信して、AIH1201に展開されるべきAIタスクを要求する。このメッセージは、以下のうちの1つ以上を含み得る。
-AI-Task-ID(AI-タスク-ID):展開されるべきAIタスクの一意の識別子又はアドレス。このパラメータがメッセージに含まれる場合、更なるパラメータを省略することができる。
-AIH-ID:AIH1101の識別子又はアドレス。
-AI-Task-Type:AIH1101が要求するAIタスクのタイプ。AI-Task-Typeは、要求されたタスクがモデルのトレーニング、知識の推論、又はその両方のためのものであるかどうかを示すことができる。AI-Task-Typeはまた、要求されたAIタスクがDLタスク、FLタスク、RLタスク、又は他の種類であるかどうかを示すこともできる。AI-Task-Typeは、要求されたAIタスクの目的(例えば、回帰、分類、クラスタリングなど)を示すこともできる。AI-Task-Typeは、要求AIタスクの適用カテゴリ(例えば、自然言語処理、テキスト処理、画像処理、ビデオ処理など)を示すこともできる。
-AI-Task-Size-Threshold(AI-タスク-サイズ-閾値):AIH1101は、それが要求するAIタスクのサイズがAI-Task-Size-Threshold未満であるべきであることを要求する。AIタスクのサイズは、通常、ソフトウェアコードのサイズ及び任意の関連データのサイズに依存する。
-AI-Capability:AIH1101がAIタスクをホストするために割り当てることができる能力及び入手可能なリソース。このパラメータは、例えば、1)AIタスクを実行するための計算リソースバジェット、2)AIタスクを実行するための記憶リソースバジェット、及び3)データサンプルの数及びデータサンプル中の特徴の数などのトレーニングデータプロパティを示し得るが、これらに限定されない。
-Trace-Capability:AIH1101がAIタスクをトレースするために割り当てることができる能力及び利用可能なリソース。このパラメータは、例えば、1)AIタスクをトレースするための計算リソースバジェット、2)AIタスクをトレースするための記憶リソースバジェット、3)AIH1101がDSS又はAIトレース記録を記憶するための他の外部エンティティへのインターフェースを有するかどうか、4)AIH1101がAIトレース記録をDSS又は他のエンティティに送信するために使用することができる帯域幅などの通信能力、5)他のエンティティがAIトレース記録を取得するためのサポートされた通信モード(例えば、プッシュ又はプル)、6)AIH1101が、AIH1101がAIMPである場合に「トレーニングデータ」をトレースしたいかどうか、又はAIH1101がAIMUである場合に「推論のための入力データ」をトレースしたいかどうか、を示し得るが、これらに限定されない。
-AITM-ID:AITM1205の識別子又はアドレス。任意選択であるこのパラメータは、特定のAITMが知られている場合、それを指定するためにAIH1101によって使用され得る。
【0211】
展開されるAIタスクは、AI-Task-IDによって一意に識別され得るということに留意されたい。あるいは、AIM1203は、ステップS1202において複数の他のパラメータの組み合わせ(例えば、AI-Task-Type及びAI-Task-Size-Threshold)を使用して、AIHのために選択することができる1つ以上のAIタスクを識別することができる。
【0212】
ステップS1204において、AIM1203は、AI-Task-Type及びAI-Capabilityなど、ステップS1202において受信されたパラメータに基づいて、AIH1101のためのAIタスクを選択(すなわち、決定)する。AIM1203は、AIH-ID、AI-Task-Type、ステップS1202における要求からの他のパラメータ、及び/又はAIM1203における他のローカル情報に基づき得る、選択されたAIタスクのための一意の識別子(AI-Task-ID)を生成する。AIM1203に記憶された各AIタスクは、AIM1203が対応するトレース命令を、それを通じて要求することができる関連付けられたAITM1205を有し得るということに留意されたい。
【0213】
ステップS1206において、AIM1203は、選択されたAIタスクのためのトレース命令を要求するメッセージを、AITM1205に送信する。このメッセージには、ステップS1202と同様に、AIH-ID、Trace-Capability、AI-Task-Typeが含まれ得る。
【0214】
AITM1205は、メッセージを受信し、AIH1201が要求されたAIタスクをトレースするためのトレース命令を決定する。この決定は、ステップS1206においてメッセージ内で受信されたAIH-ID、Trace-Capability、及びAI-Task-Typeなどのパラメータに基づくことができる。AITM1205は、応答メッセージをAIM1203に送信する。応答メッセージは、AIH1201のための決定されたトレース命令(すなわち、Trace-Instructions)を含む。トレース命令は、1つ以上のトレース命令を含むことができる。各トレース命令(TI(i))は、例えば、以下のパラメータを含むことができる。
-Trace-Instruction-ID(トレース-命令-ID):TI(i)の(統計的に又は蓋然的に)一意の識別子。一例として、追加情報とともにTI(i)コンテンツのハッシュを一意の識別子として使用することができる。
-Trace-Scope(トレース-範囲):選択されたAIタスクのトレース範囲。トレース範囲は、以下のうちの1つ以上であり得る。1)全てのトレーニングラウンド又は選択されたトレーニングラウンドについてのもの、2)知識推論の全ての反復又は知識推論の選択された反復についてのもの、3)トレーニングラウンドにおいて使用されるトレーニングデータ、4)トレーニングラウンドにおけるトレーニングデータと対応するモデル更新(例えば、DNNモデルの勾配)との間の相関、5)トレーニングラウンドにおいて生成される部分的又は完全なモデル更新、6)トレーニング中のモデル精度の傾向、7)トレーニング中のモデル収束速度、8)試験及び検証のためのトレーニング済みモデル、9)試験及び検証ステージ中の失敗、10)トレーニング済み最終モデル、11)トレーニングステージについての他の統計(例えば、使用されたトレーニングデータの分布、DNNモデルである場合の最終モデルの重み分布など)、12)知識推論に使用されるモデル、13)推論のための入力データ、14)推論された知識、15)推論のための入力データと推論された知識との間の相関、16)推論された知識と、推論された知識に基づいても基づかなくてもよいAIMUがとるアクションとの間の不一致、及び17)知識推論についての他の統計(例えば、推論のために使用された入力データの分布、推論された知識の分布、知識推論がいつ/どこでトリガされるかに関する時間/ロケーション情報など)。
-Trace-Record-Format(トレース-記録-フォーマット):生成されたAIトレース記録のためのフォーマット(例えば、簡潔なバイナリオブジェクト表現(Concise Binary Object Representation、CBOR)、JavaScriptオブジェクト表記法(JavaScript Object Notation、JSON))及びメタデータを定義する。トレース記録(TR(j))のメタデータは、以下のパラメータを含むことができるが、これらに限定されない。
・Trace-Record-Creator(トレース-記録-作成者):TR(j)を作成するAIHの識別子。
・Trace-Record-Creation-Time(トレース-記録-作成-時間):TR(j)が作成される時間。
・Trace-Record-Creation-Location(トレース-記録-作成-場所):AIHがTR(j)を作成するときのAIHの場所。このパラメータは、AIHが静止していない場合、瞬時位置を捕捉するのに有用であり得る。
・Trace-Record-Identifier(トレース-記録-識別子):アドレス又はユニフォームリソース識別子(URI)などのTR(j)の識別子であり、それを介してTR(j)にアクセスすることができる。このパラメータは、TR(j)が、TR(j)を作成するAIHにおいてローカルに記憶されない場合、ブランクであってもよい。
・Trace-Record-Content-Type(トレース-記録-コンテンツ-タイプ):TR(j)に含まれるコンテンツのタイプであり、トレーニングデータ、AIモデル更新、最終AIモデル、推論のための入力データ、推論された知識、モデルトレーニング統計、知識推論統計などのタイプのうちの1つ又は組み合わせであり得る。
-Trace-Record-Creation-Condition(トレース-記録-作成-条件):新しいトレース記録がAIHによって作成される条件を記述する。条件は、1つ以上の以下のパラメータに基づくことができるが、これらに限定されない。
・Trace-Record-Creation-Time-Windows(トレース-記録-作成-時間-ウィンドウ):AIHが以下のパラメータに従ってトレース記録を作成する時間ウィンドウ。
・Trace-Record-Creation-Frequency(トレース-記録-作成-頻度):周期的にトレース記録を作成する頻度。
・AI-Model-Training-Accuracy-Range(AI-モデル-トレーニング-精度-範囲):トレーニング中のAIモデルの瞬時精度(すなわち、損失関数に基づいて計算される)が、AI-Model-Training-Accuracy-Rangeによって定義される範囲内にあるとき、新しいトレース記録が作成される。
・AI-Model-Test-Accuracy-Range(AI-モデル-試験-精度-範囲):試験データ下でAIモデルの試験された精度が、AI-Model-Test-Accuracy-Rangeによって定義される範囲内にあるとき、新しいトレース記録が作成される。
・AI-Model-Test-Failure-Threshold(AI-モデル-試験-不合格-閾値):試験ステージで発生する不合格の数が、AI-Model-Test-Failure-Thresholdによって定義されるような閾値を超えるとき、新しいトレース記録が生成される。
・AI-Model-Attack-Detection(AI-モデル-攻撃-検出):バックドア又は他のデータポイズン攻撃が、攻撃検出アルゴリズムに基づいてAIHによって検出されると、新しいトレース記録が生成される。
-Trace-Record-Forwarding-Address(トレース-記録-転送-アドレス):作成されるトレース記録を記憶するための場所及び/又はアドレスを示す。このパラメータは空であってもよいし、単に「LOCAL」を示してもよい。その結果、このトレース命令を使用するAIHは、任意の作成されたトレース記録をローカルに記憶するだけである。このパラメータは、このトレース命令を使用するAIHが任意の作成されたトレース記録を転送する外部エンティティ(例えば、DSS)を指すアドレスを含むことができる。
-Trace-Record-Forwarding-Condition(トレース-記録-転送-条件):これは、AIHが、Trace-Record-Storage-Addressによって示されるように、作成されたトレース記録を外部エンティティに転送する条件を記述する。条件は、以下のうちの1つ以上に基づき得る。
・Trace-Record-Maximum-Buffer-Time(トレース-記録-最大-バッファリング-時間):AIHがトレース記録を外部エンティティに転送する前に、トレース記録をAIHにおいてローカルにバッファリングすることができる最大時間を示す。
・Trace-Record-Forwarding-Frequency(トレース-記録-転送-頻度):AIHが生成されたトレース記録をどのくらい速く転送するかを示す。例えば、AIHは、M個の新しいトレース記録が作成されるたびに、M個のトレース記録を一緒に外部エンティティに転送することができる。Mは、Trace-Record-Forwarding-Frequencyに含まれる。
-Trace-Record-Forwarding-Metadata(トレース-記録-転送-メタデータ):AIHがトレース記録を外部エンティティ(例えば、DSS)に転送するときに、外部エンティティによって要求されるメタデータを示す。例えば、外部エンティティがブロックチェーン又は分散型台帳システムであるとき、Trace-Record-Forwarding-Metadataは、対応するブロックチェーントランザクションフォーマットを示すことができる。AIHは、トランザクションフォーマットに従って1つ以上のブロックチェーントランザクションにM個のトレース記録をカプセル化し、これらのブロックチェーントランザクションを外部ブロックチェーンシステムに送信することができる。
-Trace-Record-Forwarding-Credentials(トレース-記録-転送-資格証明):Trace-Record-Storage-Addressによって示されるように、AIHがトレース記録を外部エンティティに転送するために使用する資格証明を示す。認証証明は、外部エンティティにアクセスするためのトークン又は証明書であり得る。AIHがトレース記録を外部エンティティに転送するとき、AIHは、認証証明に基づいてAIHを認証及び認可することができる外部エンティティに、認証証明を提示する。外部エンティティがブロックチェーン又は分散型台帳システムである場合、Trace-Record-Forwarding-Credentialsは、AITMがAIHに割り当てるブロックチェーンアカウント(例えば、AIH及び/又はAITMの公開鍵から導出される)を含んでもよい。
【0215】
Trace-Scope及びTrace-Record-Creation-Conditionはともに、Trace-Record-Formatによって定義されるフォーマットに従うAIトレース記録がいつ生成されるべきかを決定する。
【0216】
ステップS1208における応答は、例えば、完全なコンテンツが大きすぎる場合、各トレース命令の完全な内容の代わりにトレース命令識別子のリストを単に含んでもよいことに留意されたい。その結果、AIMは、別個のステップを使用して、1つ以上のトレース命令識別子をAITMに提示し、対応するトレース命令の完全なコンテンツを取り出すことができる。
【0217】
また、ステップS1206及びS1208は、AIM1203がAIH1201のためのトレース命令を決定することができる場合、例えば、AITM1205から受信された以前に提供された又はバッファリングされたトレース命令を活用して、省略され得るということに留意されたい。
【0218】
ステップS1210において、AIM1203は、選択されたAIタスクをAIHにインストール/展開するために、AIH1201に応答を送信する。この応答は以下のものを含むことができる。
-AI-Task-Content(AI-タスク-コンテンツ):選択されたAIタスクのソフトウェアコード。これが含まれる場合、AI-Task-Content-Address(AI-タスク-コンテンツ-アドレス)(以下を参照)は必要とされない場合がある。これが含まれない場合、AI-Task-Content-Addressが代わりに必要とされ得る。
-AI-Task-Content-Address:選択されたAIタスクのソフトウェアコードをダウンロードすることができるアドレス。これが含まれる場合、AIH1201は、AIタスクを物理的にインストールすることができる前に、AIタスクのソフトウェアコードをダウンロードするための追加のアクションを実行することができる。
-AI-Task-ID:選択されたAIタスクの一意の識別子。
-Trace-Instructions(トレース-命令):ステップS1208における応答で受信された(又は他の場所で取得された)もの。
-AIR-ID:AIH1201が更新されたAIモデルを発見することができるAIRの識別子。
-AI-Model-ID(AI-モデル-ID):既存のAIモデルの識別子であり、AIM1203は、AIH1201がAIタスクを取り出してインストールすることを望む。これは、AIタスクが学習のためのものであるとき、必要とされない場合がある。AI-Model-IDがメッセージに含まれる場合、AI-Model-Content(AI-モデル-コンテンツ)(下記参照)を省略することができる。
-AI-Model-Content:AIモデルの内容。これは、AIタスクが学習のためのものである場合、必要とされない場合がある。たとえAIタスクが知識を推論するためのものであっても、AIM1203がAIR-ID又はAI-Model-IDを使用して、AIH1201にAIRからAIモデルを発見して取り出すように命令することができるので、このパラメータは任意選択であり得る。このメッセージにAI-Model-Contentが含まれている場合には、AI-Model-IDは不要である。AIタスクが半教師あり学習タスクである場合、AI-Model-Content又はAI-Model-IDが必要である。
【0219】
インストールされるタスクがAIモデルトレーニングタスクである場合、メッセージは更に以下を含み得る。
-Training-Data-Source(トレーニング-データ-ソース):AIH1201がトレーニングデータを取り出すべき又はダウンロードすべき場所(例えば、URI、FQDNなど)。AIH1201が、AIH登録中に示している場合があるトレーニングデータを既に有している場合、トレーニングデータをダウンロードする必要はない。この場合、これはオプションである。
-Model-Handling(モデル-処理):トレーニング済みAIモデルがどのように処理されるか。これは、異なる可能性を示し得る。第1の例として、AIHは、トレーニングプロセスを完了し、AIモデルを生成すると、そのAIモデルをAIMに返す。あるいは、AIHは、AIモデルの利用可能性をAIMに知らせ、AIMは、AIHからAIモデルを取り出すことができる。第2の例として、AIHは、トレーニング済みAIモデルをAIRに登録するものとする。この場合、このパラメータは、AIRのアドレスも含むことができる。
【0220】
インストールされるタスクが知識推論タスクである場合、メッセージは更に以下を含を含み得る
-Input-Data-Source(入力-データ-ソース):AIHが入力データを取り出すか又はダウンロードし、入力データから知識を導出することができる場所(例えば、ユニフォームリソースロケータ(URL))。AIHが、AIH登録中に示している場合がある入力データを既に有している場合、入力データをダウンロードする必要はない。この場合、これはオプションである。
-Knowledge-Handling(知識-処理):推論された知識がどのように処理されるか。これは、異なる可能性を示し得る。第1の例として、AIHは、推論プロセスを完了し、知識を生成すると、その知識をAIMに返すことができる。あるいは、AIHは、知識の利用可能性をAIMに知らせることができ、AIMは、AIHから知識を取り出すことができる。また、AIHは、知識消費者(例えば、知識を使用してそれ自体のモデルをトレーニングするためのAIMP)に知識を直接送信することができる。第2の例として、AIHは、それ自体のためにローカルに知識を維持することができる。
【0221】
ステップS1210における応答はまた、AIHがステップS1212においてAIタスクをインストールした後に、AIH1201からAIM1203に送信されるべき通知を(すなわち、ステップS1214において)要請し得る。
【0222】
ステップS1212において、AIH1201は、AIタスクをローカルにインストールする。また、AIH1201は、インストールされたAIタスクを用いて受信されたトレース命令(すなわち、Trace-Instructions)を構成することができ、その結果、AIタスクは、実行を開始すると、トレース命令に従ってAIトレース記録を生成する。AI-Model-Contentが応答に含まれている場合、AIHは、対応するAI-Model-ContentをAIタスクとともにインストールする。AIR-ID又はAI-Model-IDがメッセージに含まれる場合、AIHは、AIRからAIモデルを発見又は取り出すことができ、その後、AIHは、AIタスクをインストールする。AIHは、インストールされたAIタスクにアクセスすることができる、AI-Task-Addressと呼ばれる1つ以上のアドレスを生成することができる。AI-Task-Addressは以下を含み得る。
-インストールされたAIタスクのTRACE-CONFIG-APIのAPI-Info。
-インストールされたAIタスクのTRACE-MGMT-APIのAPI-Info。
-インストールされたAIタスクのMODEL-MGMT-APIのAPI-Info。
【0223】
ステップS1214において、AIH1201は、ステップS1210で要求されたAIタスクのインストール成功(又はインストール失敗)を示す通知をAIM1203に送信する。AIH1201は、任意選択で、DSS又はAIRに対するこの応答を記憶することができる。この通知は、例えば、以下を含み得る。
-AIH-ID:ステップS1202におけるものと同様のもの。
-AI-Task-Address:ステップS1212で生成されるもの。
【0224】
AIH1201はまた、同じ通知を含むトランザクションを作成し、トランザクションをDSS(例えば、分散型台帳)に送信し得る。トランザクションは、AI-Task-ID、AI-Task-Content、及びAI-Task-Typeも含み得る。トランザクションが分散型台帳に追加された後、AIHは、追加されたトランザクションについての対応するTransaction-Seq-Num及びBlock-Seq-Numを知ることになる。次いで、AIHは、Transaction-Seq-Num及びBlock-Seq-NumをAIMに送信することができる。
【0225】
ステップS1216において、通知を受信したAIM1203は、AIH1201にインストールされたAIタスクのAIタスク記録を作成する。AIM1203は、AIタスク記録をDSS又はAIRに公開することができる。例えば、AIM1203は、AIタスク記録を含むトランザクションを作成することができ、トランザクションをDSS(例えば、分散型台帳)に送信する。AIタスク記録は、以下を含み得る
-AIH-ID:ステップS1214におけるものと同様のもの。
-AI-Task-ID:ステップS1210におけるものと同様のもの。
-AI-Task-Address:ステップS1214におけるものと同様のもの。
-AI-Task-Type:ステップS1202におけるものと同様のもの。
-Trace-Instructions:ステップS1210におけるものと同様のもの。
【0226】
ステップS1218において、AIM1203は、通知をAITM1205に送信する。この通知は、ステップS1216で生成されたAIタスク記録を含み得る。AIM1203は、同じ通知をAIR及び/又はDSSに送ることができる。
【0227】
AIM開始型トレーサビリティアウェアAIタスク展開
AIタスクを展開するために、AIMは、AIタスクを決定し、AITMからAIタスクのためのトレース命令を要求する。トレース命令及び決定されたAIMUタスクに従って、AIMは、AIRから1つ以上の適切なAIH(AIMP又はAIMU)を発見する。AIRは、登録された各AIHのトレース能力を維持することに留意されたい。一般的に言えば、AIMは、登録された各AIHのトレース能力をAITMからのトレース命令と比較して、トレース命令を満たすことができる適切なAIHを決定する。次に、AIMは、AIRから受信した適切なAIHのリストからAIHを選択し、トレース命令を有する決定されたAIタスクを選択されたAIHにインストールする。
【0228】
図13は、本原理の一実施形態による、AIMによって開始されるトレーサビリティアウェアAIタスク展開の方法を示す。
【0229】
ステップS1302において、AIM1303は、AIタスクを展開すると決定する。AIM1303は、AIタスクのリストを維持することに留意されたい。
【0230】
AIM1303は、特に、AIH情報がAIH登録プロセス中に分散型台帳に公開されている場合、DSS(例えば、分散型台帳)から1つ以上のAIRを検索し得る。検索は、ステップS1302の前又は後に行われてもよい。AIMがAIRを検索する場合、ステップS1304~S1310は省略されてもよい。
【0231】
ステップS1304において、AIM1303は、要求メッセージをAITM1305に送信して、AIタスクのためのトレース命令を要求する。このメッセージは、以下を含むことができる。
-AI-Task-Type:AIHが要求するAIタスクのタイプ。AI-Task-Typeは、要求されたタスクがモデルのトレーニング、知識の推論、又はその両方のためのものであるかどうかを示すことができる。AI-Task-Typeはまた、要求されたAIタスクが、DLタスク、FLタスク、RLタスク、又は他の種類であるかどうかを示すことができる。AI-Task-Typeは、要求されたAIタスクの目的(例えば、回帰、分類、クラスタリングなど)を示すこともできる。AI-Task-Typeはまた、要求AIタスクの適用カテゴリ(例えば、自然言語処理、テキスト処理、画像処理、ビデオ処理など)を示すことができる。
-AI-Task-ID:選択されたAIタスクの、任意選択の一意の識別子。AI-Task-IDは、例えば、AITM1305がそれを理解し、対応するトレース命令を決定するためにそれを使用することができる場合、要求メッセージに含まれ得る。
【0232】
AITM1305は、AI-Task-Type及び/又はAI-Task-IDを使用して、AIタスクのためのトレース命令を決定する。ステップS1306において、AITM1305は、AIタスクに関連する情報のうちのどのタイプがどのようにトレースされ記録されるべきかを示すTrace-Instructionsを含む応答をAIMに送信する。これは、
図12のステップS1208で説明したTrace-Instructionsと同様である。
【0233】
ステップS1308において、AIM1303は、AIタスクが展開される1つ(又は複数)のAIH1301を発見するために、メッセージをAIR1307に送信する。このメッセージは、以下を含み得る。
-AI-Task-ID:ステップS1304におけるものと同じもの。
-AI-Task-Type:ステップS1304におけるものと同じもの。
-Trace-Instructions:ステップS1306におけるものと同じもの。
-Other-Discovery-Criteria(他の-発見-基準):例えば、AIHを選択するための評判閾値などの、AIHを発見するために使用される他の基準を示す。
【0234】
メッセージを受信すると、AIR1307は、AI-Task-ID、AI-Task-Type、Trace-Instructions、及び/又はOther-Discovery-Criteriaに一致する適切なAIHのリストを見つけるために、(例えば、それ自体のローカル)リポジトリを検索する。ステップS1310において、AIR1307は、応答をAIH1303に送信する。この応答は、発見された適切なAIHのリストであるAIH-Listを含むことができる。
【0235】
AIH情報が、AIH登録プロセス中にDSS(例えば、分散型台帳)に公開されている場合、AIR1307は、適切なAIHを見つけるために、DSSからAIH情報(例えば、AI-Capability、Trace-Capability)を検索することができる。
【0236】
ステップS1312において、AIM1303は、AIR1307から受信したAIHのリストから1つ(又は複数)のAIHを選択することができる。AIM1303は、ステップS1306で受信したTrace-Instructionsを、ステップS1314で含まれるTrace-Instructionsとして単純に使用することができる。あるいは、AIM1303は、ステップS1306で受信したトレース命令を修正してもよい。
【0237】
ステップS1314において、AIM1303は、選択されたAIH1301に、AIタスクのインストールを要求するメッセージを送信する。このメッセージは、以下を含み得る。
-AI-Task-ID:ステップS1304におけるものと同じもの。
-AI-Task-Type:ステップS1304におけるものと同じもの。
-AI-Task-Content:AIタスクのソフトウェアコード。
-AI-Task-ID:AIタスクの(少なくとも蓋然的に)一意の識別子。
-Trace-Instructions:ステップS1312からのもの。
【0238】
AI-Task-TypeがAIモデルトレーニングタスクを示す場合、ステップS1314におけるメッセージは、以下を含み得る
-Training-Data-Source:AIHがトレーニングデータを取り出すか又はダウンロードすべき場所(例えば、ユニフォームリソースロケータ(URL))。
-Model-Handling:トレーニング済みAIモデルがどのように処理されるか。これは、異なる可能性を示し得る。第1の例として、AIH1301は、トレーニングプロセスを完了し、AIモデルを生成すると、そのAIモデルをAIM1303に返す。あるいは、AIH1301は、AIモデルの利用可能性をAIM1303に知らせ、AIM1303は、AIH1301からAIモデルを取り出すことができる。第2の例として、AIH1301は、トレーニング済みAIモデルを単独でAIR1307に登録することができる。この場合、Model-Handlingは、AIRのアドレスも含むことができる。
【0239】
AI-Task-Typeが知識推論タスクを示す場合、ステップS1314におけるメッセージは、以下のものを追加的に含むことができる。
-Input-Data-Source:AIHが入力データを取り出すか又はダウンロードし、入力データから知識を導出すべき場所(例えば、ユニフォームリソースロケータ(URL))。
-Knowledge-Handling:推論された知識がどのように処理されるか。これは、異なる可能性を示し得る。第1の例として、AIH1301は、推論プロセスを完了し、知識を生成すると、その知識をAIM1303に返す。あるいは、AIH1301は、知識の利用可能性をAIM1303に知らせ、AIM1303は、AIH1301から知識を取り出すことができる。また、AIH1301は、知識消費者(例えば、知識を使用してそれ自体のモデルをトレーニングするためのAIMP)に知識を直接送信することができる。第2の例として、AIH1301は、それ自体のためにローカルに知識を維持することができる。
【0240】
ステップS1316において、AIH1301は、トレース命令を伴うAIタスクをインストールする。このステップは、
図12のステップS1212と同じであり得る。
【0241】
ステップS1318において、AIH1301は、インストールの成功(又は失敗)を示す応答をAIM1303に送信する。このステップは、
図12のステップS1214と同じであり得る。
【0242】
AIH1301はまた(又は代替として)、応答を含むトランザクションを作成し、トランザクションをDSS(例えば、分散型台帳)に送信し得る。トランザクションは、AI-Task-ID、AI-Task-Content、及びAI-Task-Typeも含み得る。トランザクションが分散型台帳に追加された後、AIH1301は、対応する台帳識別子を知る。次いで、AIH1301は、台帳識別子をAIM1305に送信することができる。
【0243】
ステップS1320において、AIM1303は、AIH1301にインストールされたAIタスクのためのAIタスク記録を作成する。このステップは、
図12のステップS1216と同じであり得る。
【0244】
ステップS1322において、AIM1303は、AITM1307に通知を送信することができる。このステップは、
図12のステップS1218と同じであり得る。AIM1303は、AIR1307及び/又はDSSに通知を送ることができる。例えば、AIM1303は、この通知を含むトランザクションを作成することができ、トランザクションをDSS(例えば、分散型台帳)に送信する。
【0245】
AIH開始型トレーサビリティアウェアFLタスク展開
図14は、本原理の一実施形態による、AIHによって開始されるトレーサビリティアウェアFLタスク展開の方法を示す。この方法は、
図12に示したものと同様であるが、一般的なAIタスクをFLタスクに拡張する。
【0246】
ステップ1402において、FLS1403は、AIタスク(すなわち、この場合はFLタスク)を要求するメッセージをAIM1405に送信する。これは、
図12のステップS1202と同様である。このメッセージに含まれるAIH-IDは、FLSの識別子である。FLS1403は、それがAIM1405にFLC1401を発見することを要求するかどうか、及びいくつのFLCが必要とされるかをメッセージ中で示し得る。FLS1403が準備完了のFLCのリストを有する場合であっても、FLS1403は、FLC1401を再選択するようにAIM1405に要求することができる。FLS1403はまた、そのFLCのリスト(例えば、それらの一意の識別子)を、このメッセージに含まれる情報及び/又はAIM1405が各FLCについてAIRから取り出すことができる追加の情報に基づいて、それらのFLCを認証することができるAIM1405に送ることができる。
【0247】
ステップS1404において、AIM1405は、FLS1403のためのAIタスク(すなわち、FLタスク)を決定する。これは、
図12のステップS1204と同様である。更に、AIM1405は、例えば、AIRから適切なAIHを発見し、発見されたAIHをFLCとして割り当てるために、決定されたAIタスクのためのFLCを決定することができる。AIM1405はまた、決定されたFLタスクのためのFL集約アルゴリズム(例えば、同期又は非同期)を選択し得る。
【0248】
ステップS1406において、
図12のステップS1206と同様に、AIM1405は、トレース命令を要求するためにAITM1407にメッセージを送信する。このメッセージに含まれるAIH-IDは、FLS1403の識別子を含む。AIH-IDは、ステップS1404で決定されたFLCの識別子を含むこともできる。
【0249】
ステップS1408において、AITM1407は、応答をAIM1405に送信する。これは、
図12のステップS1208と同様である。この応答に含まれるトレース命令は、FLS1403のみに対するものとすることができ、任意選択で、ステップS1406において何らかのFLCが示される場合、各FLCに対するものとすることができる。
【0250】
ステップS1410において、AIM1405は、決定されたタスクをインストールするようにFLSに要求を送信する。これは、
図12のステップS1210と同様である。要求は、FLパラメータ、すなわち、ステップS1404において決定されたFLCのリスト(例えば、それらの識別子)、及び/又はステップS1404において選択されたFL集約アルゴリズムを含み得る。
【0251】
ステップS1412において、FLS1403は、AIタスク(すなわち、FLタスク)をインストールする。これは、
図12のステップS1212と同様である。AIタスクのインストールに成功した後、FLSは、
図12のステップS1214と同様に、成功(又は失敗)を示す応答をAIMに送信することができる。
【0252】
ステップS1414において、FLS1403は、AIタスクのためのFLCを決定し得る。ステップS1410においてFLCのリストが示される場合であっても、FLS1403は、リストから何も選択しなくてもよく、いくつかを選択してもよく、又は他のFLCを選択してもよい。
【0253】
ステップS1416において、FLS1403は、ステップS1410で受信したトレース命令に基づいて、各FLCに対するトレース命令を決定する。
【0254】
ステップS1418において、FLS1403は、AIタスクをインストールする要求をFLC1401に送信する。このステップはステップS1410と同様であり、違いは、この要求がFLSの識別子であるFLS-IDを含み得ることである。
【0255】
FLC1401は、ステップS1412と同様に、AIタスクをインストールし、ステップS1420において、応答をFLS1403に送信する。この応答には、FLCの識別子であるFLC-IDと、
図12のステップS1214におけるAI-Task-Addressと同様のAI-Task-Addressとが含まれ得る。
【0256】
ステップS1422において、
図12のステップS1214と同様に、FLS1403は、AIM1405に応答を送信する。FLS1403は、FLタスクをインストールすることを要求した全てのFLCから応答を受信するのを待ち、応答を集約し、集約された応答を生成してAIM1405に送信することができる。あるいは、FLS1403は、例えばステップS1420において応答を受信すると、FLC1401に関する個々の応答をAIM1405に送信することができる。応答は、AIH-ID、すなわち、応答に関係するFLS1403及び各FLC1401の識別子と、FLS1403にインストールされたAIタスク及び各FLC1401にインストールされたAIタスクのアドレスを示すAI-Task-Addressとを含むことができる。
【0257】
ステップS1424において、
図12のステップS1214と同様に、AIM1405は、FLS1403及び全てのFLC1401にインストールされたAIタスクのAIタスク記録を作成する。あるいは、AIM1405は、FLS1403にインストールされたAIタスクについて1つのAIタスク記録を作成し、各FLC1401にインストールされたAIタスクについて1つのAIタスク記録を作成する。
【0258】
ステップS1426において、AIM1405は、通知をAITM1407に送信する。この通知は、ステップS1424で作成されたAIタスク記録を含み得る。通知はまた又は代替的に、AIR及び/又はDSSに送信され得る。
【0259】
AIM開始型トレーサビリティアウェアFLタスク展開
図15は、本原理の一実施形態による、AIMによって開始されるトレーサビリティアウェアFLタスク展開の方法を示す。この方法は、
図13に示すものと同様であるが、展開されるAIタスクはFLタスクである。
【0260】
ステップS1502において、
図13のステップS1302と同様に、AIM1305は、AIタスク(すなわち、この場合はFLタスク)を展開することを決定する。
【0261】
ステップS1504において、
図13のステップS1304と同様に、AIM1305は、決定されたAIタスクに対するトレース命令を要求するために、メッセージをAITM1307に送信する。
【0262】
ステップS1506において、
図13のステップS1306と同様に、AITM1307は、トレース命令を含む応答をAIM1305に送信する。
【0263】
ステップS1508において、
図13のステップS1308と同様に、AIM1505は、AIタスクのためのAIHを発見するために、メッセージをAIR1509に送信する。AIタスクはFLタスクであるので、AIM1505は、FLS1503とFLC1501の両方を発見することを要求することができる。
【0264】
ステップS1508において、AIMがFLCも要求する場合、AIR1509は、リポジトリ、例えば、そのローカルリポジトリを検索して、複数のFLS及び複数のFLCを見つける。ステップS1510において、AIR1509は、複数のFLSの識別子及び全てのFLCの識別子を示すAIH-Listを含む応答を、AIM1505に送信する。
【0265】
ステップS1512において、AIM1505は、AIタスクのためにFLS1503及び複数のFLC1501を選択する。あるいは、ステップS1518において、AIM1505は、FLS1503のみを選択し、FLS1503にFLC1501を選択させてもよい。
【0266】
ステップS1514において、
図14のステップS1410と同様に、AIM1505は、FLタスクをFLS1503にインストールするようにFLS1501(又は場合によってはFLS)に送信する。
【0267】
FLS1503は、FLタスクをインストールする。ステップS1516において、
図14のステップS1412と同様に、FLS1503は、FLS1505におけるFLタスクのインストールの成功(又は失敗)を示す応答をAIM1505に送信し得る。
【0268】
ステップS1518において、
図14のステップS1414と同様に、FLS1503は、FLCを再選択し得る。
【0269】
ステップS1520において、
図14のステップS1416と同様に、FLS1503は、各FLCに対するトレース命令を決定する。
【0270】
ステップS1522において、
図14のステップS1418と同様に、FLS1503は、FLC1501にメッセージを送信して、FLタスクのインストールを要求する。
【0271】
FLC1501は、FLタスクをインストールし、ステップS1524において、
図14のステップS1420と同様に、応答をFLS1503に送信する。
【0272】
ステップS1526において、
図14のステップS1422と同様に、FLS1503は、AIM1505に応答を送信する。
【0273】
ステップS1528において、
図14のステップS1424と同様に、AIM1505は、1つ以上のAIタスク記録を作成する。
【0274】
ステップS1530において、
図14のステップS1426と同様に、AIM1505は、AIタスク記録をAITM1507及びAIR1509に(及び場合によってはDSSにも)送信する。
【0275】
トレーサビリティアウェアAIモデル登録
AIMPは、その生成された(すなわち、トレーニング済み)AIモデルをAIRに登録することができ、AIRは、AIMUによって発見され、AIMUに共有され得る。あるいは、AIMPがAIモデルを生成すると、AIMPは、そのメタデータを含むAIモデルをAIMに送信することができ、AIMは、AIモデルをトレーニングするためにAIMPにAIタスクをインストールしており、結果として、AIMは、AIモデルをAIRに登録する。
【0276】
AIMP(又はAIM)がAIモデルを登録すると、AIMP(又はAIM)は、AIモデルに対するトレーサビリティ要件を有することができる。結果として、AIMP(又はAIM)は、登録されるべきAIモデルを用いて必要なトレース命令を構成する。
【0277】
AIMPがAIモデルをトレーニングするには時間がかかる。しかし、AIMPは、完全にトレーニングされる前に、そのAIモデルがAIMUによって発見可能であることを望む場合がある。言い換えれば、AIMPによって登録されているAIモデルは、完全にトレーニングされていてもよいし、部分的にトレーニングされていてもよい。AIMPが部分的にトレーニングされたAIモデルを登録すると、それは、モデル事前登録又はモデル事前告知とみなされ得る。
【0278】
図16は、本原理の一実施形態による、AIMPがAIモデルをAIRに登録するための方法を示す。
【0279】
ステップS1602において、AIMP1603は、AIモデルを登録するためのメッセージをAIR1601に送信する。
【0280】
AIMP1603は、AIM(図示せず)がAIトレーニングタスクをAIMP1603にインストールしたときに、AIR1601のアドレスを知らされている場合があるということに留意されたい。この場合、Trace-Instructionsなどの登録メッセージに含まれる情報は、AIMによってAIR1601に送信されている場合があり、したがって、登録メッセージから省略することができる。
【0281】
メッセージは、以下を含み得る。
-Trace-Instructions:AIMUが知識を推論するためにモデルを使用したい場合、AIモデルに対するトレース命令及び要件。例えば、1つのトレース要件は、推論された知識が間違っているか、又はある精度閾値未満であるとき、推論された知識及び推論に関連する入力データを記録することをAIMUに要求することがある。このパラメータは、
図12のステップ1208で説明したTrace-Instructionsと同様である。
-AI-Model-Type:登録されているAIモデルのタイプ。これは、異なるレベル又は粒度でAIモデルのタイプを説明することができ、例えば、1)アルゴリズムレベル:AIモデルが線形回帰モデル、分類モデル、DNNモデルなどである場合、2)適用レベル:AIモデルがワイヤレスチャネル予測、画像分類、パターン認識、自然言語処理、金融市場予測、自律走行などのためのものである場合、があるが、これらに限定されない。AI-Model-Typeは、AIモデルがDNNモデルである場合、DNNのレイヤ数及びニューロン数を示すこともできる。
-AI-Model-Content:登録されているAIモデルが完全にトレーニングされている場合、完全なAIモデル(すなわち、DNNの全てのパラメータ/重み)及びモデルバージョン。モデルが完全にはトレーニングされていない場合、AI-Model-Contentは不要である。完全にトレーニングされたAIモデルの場合であっても、AIMPは、このパラメータをスキップし、モデルコンテンツをAIRにアップロードしないことを決定することができる。代わりに、他のエンティティは、AI-Model-Address(AI-モデル-アドレス)を発見し、別個のステップを使用して、モデルコンテンツをAIMPから直接取り出すことができる。
-AI-Model-Usage-Constraints(AI-モデル-使用-制約):登録されたモデルを誰がいつ発見し、使用することができるかなどの制約。一例として、AI-Model-Usage-Constraintsは、閾値よりも高い評判を有するAIMUのみがこのAIモデルを発見して使用できることを示す評判閾値を含むことができる。
-AI-Model-ID:以前に登録されたAIモデルの識別子。AIMPは、AI-Model-IDを使用して、AI-Model-Contentが、AI-Model-IDによって示されるような以前に登録されたAIモデルに対する更新であることをAIRに知らせることができる。
-AI-Model-Address:AIMPで部分的にトレーニングされているか、又はまだトレーニング中であるAIモデルのアドレス。このパラメータを用いて、AIR又はAIMUは、AIMPからのAIモデルのステータス(例えば、完全にトレーニングされた、又は部分的にトレーニングされた)をチェックし、それが完全にトレーニングされた後にAIMPからそれをダウンロードすることができる。AI-Model-Contentが登録メッセージに含まれていない場合、AIMU又はAIRは、AI-Model-Addressを使用してAIMPに来て、後でモデルコンテンツを取り出すことができる。
-AIM-ID:AIMPにおけるAIモデルトレーニングタスクがAIMによってインストールされている場合、このパラメータは、AIMの識別子及び/又はアドレスを示す。
-AIMP-ID:AIモデルが生成されるか又はまだトレーニング中であるAIMPの識別子及び/又はアドレス。
【0282】
ステップS1602は、新しいAIモデルがAIMP1603において生成/トレーニングされたときにトリガされ得る。また、AIMP1603は、ステップS1602を使用して、まだトレーニング中であるAIモデルを事前登録又は事前告知することができる。
【0283】
AI-Model-Contentがメッセージに含まれている場合、ステップS1604において、AIR1601は、AIモデルを(例えば、そのローカルの)リポジトリに記憶する。AI-Model-Contentがメッセージに含まれていない場合、ステップS1604はスキップされ得る。ステップS1602において、AIMP1603が以前に登録されたAIモデルを更新することを要求する場合、ステップS1602において、AIR1601は、メッセージに含まれる新しいAI-Model-Contentを使用して、AIモデルの以前のバージョンを置き換え、対応するAIモデル記録を削除する。
【0284】
ステップS1606において、AIR1601は、ステップS1602においてメッセージが示したAIモデルに対するAIモデル記録を作成する。AIR1601は、AIモデルをDSS(例えば、分散型台帳)に公開してもよい。例えば、AIR1601は、AIモデルを含むトランザクションを作成し、トランザクションを分散型台帳に送信してもよい。AIモデル記録は、AIMUなどの他のエンティティに発見及び/又は公開され得る以下のものを含み得る。
-AI-Model-ID:含まれている場合、ステップS1602のメッセージにおけるものと同じもの。含まれていない場合、これは、AIモデルが初めて登録され、AIR1601が登録されたAIモデルに対してAI-Model-IDを作成することを意味する。後で、AIMP1603は、登録されたAIモデルを更新するために、AI-Model-IDを使用することができる。
-AI-Model-Usage-Constraints:含まれている場合、ステップS1602のメッセージにおけるものと同じもの。含まれていない場合、AIR1601は、AIモデル使用制約を決定することができる。
-AI-Model-Address:含まれている場合、ステップS1602のメッセージにおけるものと同じもの。含まれていない場合は不要である。
-AI-Model-Content:含まれている場合、ステップS1602のメッセージにおけるものと同じもの。含まれていない場合は不要である。
-AI-Model-Mode(AI-モデル-モード):AIモデルが登録されていることを示す。
-Trace-Instructions:ステップS1602のメッセージにおけるものと同じもの。
【0285】
ステップS1608において、AIR1601は、応答をAIMP1603に送信する。応答は、以下を含み得る。
-AI-Model-ID:ステップS1602におけるものと同じもの。
-AI-Model-Record-ID(AI-モデル-記録-ID):ステップS1606で作成されたAIモデル記録の識別子。
【0286】
AIMP1603は、ステップS1608で応答を受信すると、登録されたAIモデルをトレーニング/生成するためのAIタスクを、AIMPに以前にインストールしたAIM(図示せず)に応答を転送することができる。
【0287】
ステップS1602においてAIM-IDが含まれていた場合、AIR1601は、ステップS1608においてAIMP1603に送信された応答を、AIM-IDによって示されるAIMに転送することもできる。応答を受信すると、AIMは、いつでも、AIR1601からAIモデルを取り出すか、又はAIモデルに関する他の情報を調べることができる。
【0288】
AIMP1603は、この方法を使用して、そのモデルをAIM又はDSSに登録する(すなわち、
図16のAIRをAIM又はDSSで置き換える)こともできるということに留意されたい。
【0289】
ステップS1608の後、AIR1601は、ステップS1606で作成されたAIモデル記録を含む通知を、AIM又はAITMに送信することができる。
【0290】
AIMP1603は、AIモデルを生成すると、そのAIモデルをAIMに送ることができるということに留意されたい。次いで、AIMは、AIMPの代わりにAIMと対話して、
図16の方法を使用してAIモデルをAIRに登録することができる。次いで、AIMは、AIモデルをDSS(例えば、分散型台帳)に公開してもよい。例えば、AIMは、AIモデルを含むトランザクションを作成することができ、トランザクションを分散型台帳に送信する。
【0291】
特に、トレース命令がAIMPによって純粋に決定される場合、又はAIRがAITMを用いてTrace-Instructionsを検証したい場合、AIRは、AIMPから受信したTrace-InstructionsをAITMに転送することができるということに留意されたい。AIRがTrace-Instructionsを転送するとき、AIRは、Trace-Instructionsを対応するAI-Model-ID及びAIMP-IDに関連付け、その関連付けをAITMに転送することもできる。
【0292】
トレーサビリティアウェアAIモデルの発見及び展開
AIR支援トレーサビリティアウェアモデルの発見
AIMUは、AIモデルをインストールするためのものである。AIRから、AIMUは、そのトレース基準を満たすAIモデルを発見する。AIRは、AIモデルアドレスをAIMUに送信するか、又はモデルコンテンツ及び関連するトレース命令をAIMUに送信することができる。AIMUがAIRからAIモデルアドレスのみを受信する場合、AIMUは、AIモデルアドレス(例えば、AIMP)からAIモデルコンテンツを取り出すことができる。AIMUはまた、AITMからトレース命令を取り出し得る。次いで、AIMUは、トレース命令及び任意のユーザ入力を組み込んだAIモデルをインストールする。AIMUは、インストールされたAIモデルに対するAIモデル記録を作成する。最後に、AIMUは、AIモデル記録を、AIR及び/又は他のエンティティ(例えば、AIMP、DSS、AITM)に送信する。
【0293】
図17は、本原理の一実施形態による、AIR支援トレーサビリティアウェアモデルの発見及び展開の方法を示す。
【0294】
AIM(図示せず)は、関連付けられたAIモデルなしでAIタスクをAIMU1701にインストール済みである。しかしながら、AIMU1701は、知識を推論するためにAIタスクを実行するためのAIモデルを必要とする。
【0295】
ステップS1702において、AIMU1701は、その所望のAIモデルを発見するために、メッセージをAIR1703に送信する。AIMU1701は、AIタスクがインストールされたときにAIタスクとともに既にインストールされているローカルAIエージェントを有し、AIMU1703のアドレスは、AIR1701に対して構成され得るということに留意されたい。このメッセージは、以下のうちの1つ以上を含み得る。
-Trace-Criteria(トレース-基準):AIモデルを発見するためのトレース基準。言い換えれば、AIMU1701は、「Trace-Instructions」がTrace-Criteriaによって示されるトレース基準を満たすAIモデルを必要とする。Trace-Criteriaは、
図12のステップS1208で説明したように、「Trace-Instructions」の一部である同様の情報(例えば、「Trace-Scope」)を含み得る。
-AI-Model-Type:登録されているAIモデルのタイプ。これは、異なるレベル又は粒度でAIモデルのタイプを説明し得るものであり、例えば、1)アルゴリズムレベル:AIモデルが線形回帰モデル、分類モデル、DNNモデルなどである場合、2)適用レベル:AIモデルがワイヤレスチャネル予測、画像分類、パターン認識、自然言語処理、金融市場予測、自律走行などのためのものである場合、であるが、これらに限定されない。AI-Model-Typeは、AIモデルがDNNモデルである場合、DNNのレイヤ数及びニューロン数を示すこともできる。
-AI-Model-ID:以前にダウンロードされたAIモデルの識別子。AIMU1701は、このパラメータを使用して、AIR1703からAIモデルの新しいバージョンをダウンロードすることができる。
【0296】
AIMU1701は、Trace-Criteriaが二次的な優先度であることをメッセージ内に示すことができ、これは、不一致のTrace-Instructionsを有するAIモデルが依然として発見され、AIMU1701にインストールされ得るということを暗示することに留意されたい。
【0297】
AIR1703は、受信したTrace-Criteriaを使用して、Trace-Criteriaに一致するTrace-Instructionsを有する登録されたAIモデルを見つけるために、(ローカルに)維持されたAIモデル記録をチェックする。例えば、AIR1703は、Trace-Criteriaに含まれる「Trace-Scope」が、任意の維持されたAIモデルのTrace-Instructionsの「Trace-Scope」と一致するかどうかをチェックすることができる。AI-Model-IDがメッセージに含まれている場合、AIR1703は、単にそれを使用して、登録されている対応するAIモデルを見つけることができる。
【0298】
ステップS1704において、AIR1703は、応答をAIMU1701に送信する。応答は、トレース命令を有する完全なAIモデルをAIMU1701に与えることができる。変形例では、応答は、AIMUが完全なAIモデルをダウンロードするために使用することができるAIモデルアドレス情報のみを含む。具体的には、応答は、発見されたAIモデルごとに以下の情報を含むことができる。
-AI-Model-ID:発見されたAIモデルの識別子。
-AI-Model-Content:発見されたAIモデルのコンテンツ。
-Trace-Instructions:AIMP又はAIRによって発見されたAIモデルで構成されたトレース命令。
-AI-Model-Address:発見されたAIモデルのアドレスであり、そこからAIモデルのコンテンツを取り出すことができる。この情報が含まれている場合、AIMU1701は、ステップS1706及びS1708で説明するように、それを使用してAIMPからAIモデルを取り出すことができる。
-AITM-ID:AITMの識別子又はアドレスであり、そこからAIMU1701はAIモデルに対するトレース命令を取り出すことができる。この情報がステップS1702においてメッセージに含まれている場合、AIMU1701は、説明されるように、ステップS1710及びS1712を実行することができる。この情報は、ステップS1704の応答にTrace-Instructionsが含まれている場合には省略することができる。
-Notification-Target(通知-ターゲット):AIMU1701がAIモデルをインストールした後に通知を送信する(すなわち、ステップ1722)1つ以上の通知ターゲット(例えば、AIR、AITMなど)のアドレス又は識別子。
【0299】
AIR1703は、例えば、Trace-Instructionsを使用せずに検索が行われた場合、又はTrace-Instructionsに一致するAIモデルがない場合、特に、ステップS1702の発見メッセージにおいて、Trace-Criteriaが二次的優先度であることをAIMU1701が示した場合、AIMU1701のTrace-Instructionsに一致しないAIモデルを見つけることができることに留意されたい。ステップS1704における応答においてAIMUが受信するトレース命令は、ステップS1702における発見メッセージにおいてAIMUによって要求されるトレース要件を上回る(例えば、AIMPによって設定される)追加のトレース要件を含み得るということは注目に値する。
【0300】
ステップS1704において、AI-Model-Addressが応答に含まれている場合、ステップS1706において、AIMU1701は、AI-Model-Addressによって示されるAIモデルを取り出すために、メッセージをAIMP1705に送信する。このメッセージは、以下を含み得る。
-AI-Model-ID:ステップS1704におけるものと同様のもの。
-AI-Model-Address:ステップS1704におけるものと同様のもの。
-AI-Model-Push-Address(AI-モデル-プッシュ-アドレス):AIMP1705が完全にトレーニングされたAIモデルのコンテンツをAIMU1701にプッシュするために使用することができるアドレス。
【0301】
AIMP1705は、AI-Model-ID及び/又はAI-Model-Addressを使用して、AIMP1705がローカルに維持するAIモデルを一意に識別することができる。
【0302】
AIMP1705は、受信したAI-Model-Addressを使用して、対応するAIモデルを識別し、ステップS1708において、AIMU1701に応答を送信する。AIモデルがここで完全にトレーニングされている場合、応答はAIモデルのコンテンツを含む。そうでない場合、応答は、AIモデルが利用可能でなく、まだトレーニング中であるというインジケーションを含み得る。AIモデルが完全にトレーニングされると、AIMP1705は、AIモデルのコンテンツをAI-Model-Push-Addressにプッシュすることができる。応答は、以下を含み得る。
-AI-Model-ID:ステップS1706におけるものと同様のもの。
-AI-Model-Content:AIモデルが完全にトレーニングされている場合のAIモデルのコンテンツ。
-Trace-Instructions:AIモデルが完全にトレーニングされている場合にAIモデルによって必要とされるトレース命令及び要件。
-AI-Model-Ready-Time(AI-モデル-準備-時間):AIモデルが完全にトレーニングされるまでの推定時間。
-AITM-ID:AITMの識別子又はアドレスであり、そこからAIMU1701はAIモデルからのトレース命令を取り出すことができる。このパラメータが含まれる場合、AIMU1701は、以下のステップS1710及びS1712を実行することができる。
【0303】
ステップS1710において、AIMU1701は、AIMU1701がステップS1704又はS1708における応答においてAIモデルのコンテンツを取得した場合に、AIモデルに対するトレース命令を取り出すために、要求メッセージをAITM1707に送信する。
【0304】
ステップS1710は、例えば、AIMU1701がステップS1704の応答においてAIRからトレース命令を受信した場合には省略することができることに留意されたい。加えて、AIMU1701がAITM1707のアドレス又は識別子を知らない場合、ステップS1710は省略される。
【0305】
要求メッセージは、以下を含み得る。
-AIMU-ID:AIMU1701の識別子。
-AI-Model-ID:AIモデルの識別子。
-Trace-Criteria:ステップS1702の要求メッセージにおける「Trace-Criteria」と同じもの。
-Trace-Capability:
図10のステップS1002で受信した「Trace-Capability」と同じもの。
【0306】
AITM1707は、例えば、ステップS1710において要求メッセージで受信したTrace-Criteria及びTrace-Capabilityに基づいて、AIMU1701に対するトレース命令を決定する。あるいは、AIMU1701には、AI-Model-IDによって示されるAIモデルのためのトレース命令が提供されてもよい。ステップS1712において、AITM1707は、決定されたTrace-Instructionsを含む応答をAIMU1701に送信する。
【0307】
ここでも、AIMU1701自体が、ステップS1704又はS1708における応答において受信したTrace-Instructionsからトレース命令を決定することができるということに留意されたい。この場合、ステップS1710及びS1712は不要である。
【0308】
ステップS1714において、AIMU1701は、ステップS1704又はステップS1708で取得されたAIモデルをインストールする。
【0309】
ステップS1716において、AIMU1701は、ステップS1712において受信した、又は既に説明したように別の方法で決定されたTrace-Instructionsを、入力を求める人に提示することができる。例えば、その人は、トレース命令を受諾するか又は拒否することができ、その人は、AIMUがAIトレース記録を送信するアドレスを指定することができる。
【0310】
ステップS1718において、AIMU1701は、その人からの入力を受信し得る。AIMU1701は、Trace-Instructionsとその人からの入力とを組み合わせることによって、最終的なトレース構成(Trace-Configuration)を生成することができる。AIMU1701は、Trace-ConfigurationをAIモデルに構成する。
【0311】
ステップS1720において、AIMU1701は、インストールされたAIモデルのAIモデル記録を作成する。AIモデル記録は、以下を含み得る。
-AIMU-ID:AIMU1701の識別子。
-AI-Model-ID:インストールされたAIモデルの識別子。
-AI-Model-Address:ステップS1704におけるものと同様のもの。
-AI-Model-Push-Address:ステップS1706におけるものと同様のもの。
-Trace-Configuration:Trace-Instructionsとその人からの入力とを組み合わせた結果。
【0312】
ステップS1722において、AIMU1701は、ステップS1704において受信したNotification-Targetによって決定されるAIR又はAITMに通知を送信する。通知は、ステップS1720で作成されたAIモデル記録全体を含み得るか、又はAIモデル記録の識別子を含み得る。任意選択で、AIMU1701は、このAIモデル記録をDSSに公開することもできる。また、AIモデルがAIMP1701によって生成され、寄与された場合、AIMU1701は、同じ通知をこのAIMP1705に送信することができる。
【0313】
既存のAIモデルを初期モデルとして使用して、AIMUがAIMP-Xによって置換される新しいAIモデルをトレーニングする場合、別のAIMP-Xは、
図17の方法と同様の方法を使用して、既存のAIモデルのコンテンツを発見し、取り出すことができるということに留意されたい。
【0314】
AIM調整されたトレーサビリティアウェアAIモデルの発見及び展開
AIMUは、AIMに依拠して、そのトレース基準を満たすAIモデルをAIRにおいて発見する。AIRは、AIモデルアドレスをAIMUに返すか、又はモデルコンテンツ及び関連するトレース命令をAIMに返すことができる。AIMがAIRからAIモデルアドレスのみを受信する場合、AIMは、AIモデルアドレス(例えば、AIMP)からAIモデルコンテンツを取り出す。AIMはまた、AITMからトレース命令を取り出し得る。次いで、AIMは、モデルコンテンツ及び関連付けられたトレース命令をAIMUにプッシュする。AIMUは、トレース命令及び任意のユーザ入力を組み込むAIモデルをインストールする。AIMは、AIMUにインストールされたAIモデルのAIモデル記録を作成する。最後に、AIMは、AIモデル記録をAIR及び/又は他のエンティティ(例えば、DSS、AIMP、AITM)に送信する。
【0315】
図18は、本原理の一実施形態による、AIM調整されたトレーサビリティアウェアAIモデルの発見及び展開の方法を示す。
【0316】
ステップS1800において、AIMU1801は、AIM1803にメッセージを送信することによって、AIモデルの発見を開始することができる。これは、
図17のステップS1702と同様である。更に、AIMU1801は、このステップにそのTrace-Capabilityを含めることができる。
【0317】
AIM1803は、AIタスクをAIMU1801にインストールしているので、AIMU1801がどの種類のAIモデルを必要とするかを知っている。ステップS1802において、AIM1803は、AIMU1801のためのAIモデルを発見してダウンロードするためのメッセージをAIR1805に送信する。これは、
図17のステップS1702と同様である。
【0318】
ステップS1804において、AIR1805は、
図17のステップS1704と同様に、AIモデル情報を含む応答をAIM1803に送信する。
【0319】
ステップS1806において、AIM1803は、AIモデルを取り出すためのメッセージをAIMP1807に送信する。これは、
図17のステップS1706と同様であるが、メッセージに含まれるAI-Model-Push-Addressは、AIMP1807からAIモデルを受信するためのAIM1803のアドレス、又はAIMP1807からAIモデルを受信するためのAIMU1801のアドレスを示すことができる。AI-Model-Push-AddressがAIMU1801のアドレスである場合、AIMP1807は、このAI-Model-Push-Addressを使用して、AIモデルをAIMU1801に直接プッシュ又は送信することができる。
【0320】
ステップS1808において、AIMP1807は、要求されたAIモデルをAIM1803に送信することができる。このステップは、
図17のステップS1708と同様である。
【0321】
ステップS1810において、AIMは、AITM1809にTrace-Instructionsを要求する。これは、
図17のステップS1710と同様である。
【0322】
ステップS1812において、Trace-Instructionsを取り出した後、AITM1809は、これらをAIM1803に送信する。これは、
図17のステップS1712と同様である。
【0323】
ステップS1804及び/又はステップS1812において受信したトレース命令に基づいて、AIM1803は、展開されるべきAIモデルのための最終的なトレース命令を決定する。ステップS1814において、AIM1803は、AIMU1801に応答メッセージを送信して、AIモデルを展開するようにAIMU1801に命令する。このメッセージは、以下を含み得る。
-AI-Model-ID:AIMU1801に送信され、そこで展開されるAIモデルの識別子。
-AI-Model-Content:AIMU1801に送信され、そこで展開されるAIモデルのコンテンツ。
-Trace-Instructions:AIMU1801に送信され、そこで展開されるAIモデルのための最終トレース命令。
【0324】
変形例では、AIM1803は、Trace-InstructionsをAIMU1801に送信しない。代わりに、AIMU1803は、AIMU1801のために決定又は作成されたトレース命令の識別子をAIMU1801に知らせることができ、その結果、AIM1801は、例えば、その識別子及び/又は決定されたトレース命令の任意の識別子を提示することによって、AITM1809からトレース命令を取り出すことができる。
【0325】
ステップS1816において、AIMU1801は、AIモデルをインストールする。これは、
図17のステップS1714と同様である。
【0326】
ステップS1818において、AIMU1801は、トレーサビリティオプションのためのユーザ入力を要求する。これは、
図17のステップS1716と同様である。
【0327】
ステップS1820において、AIMU1801は、ユーザ入力を受信し、ユーザ入力を使用して決定された最終トレース構成を使用してAIモデルを構成する。これは、
図17のステップS1718と同様である。
【0328】
ステップS1822において、AIMU1801は、AIモデルの展開を示す通知メッセージをAIM1803に送信する。この通知メッセージは、以下を含み得る。
-AIMU-ID:AIMU1801の識別子。
-Trace-Configuration:ステップS1820で決定された最終トレース構成。
【0329】
ステップS1824において、AIM1803は、AIMU1801に展開されたAIモデルのAIモデル記録を作成する。これは、
図17のステップS1720と同様である。AIモデル記録は、以下を含み得る。
-AIMU-ID:AIMU1801の識別子。
-AI-Model-ID:インストールされたAIモデルの識別子。
-AI-Model-Address:AIMP1807からAIモデルを取り出すためのアドレス。
-AI-Model-Push-Address:ステップS1806におけるものと同じもの。
-Trace-Configuration:ステップS1822におけるものと同じもの。
-AIM-ID:AIM1803の識別子。
【0330】
ステップS1826において、AIM1803は、ステップS1804においてAIMUがメッセージで受信したNotification-Targetによって決定されたAIR1805又はAITM1809に通知メッセージを送信する。AIM1803はまた、事前に構成されたポリシーに基づいて、AIR1805及び/又はAITM1809に通知を送信することを決定し得る。通知は、ステップS1824で作成したAIモデル記録全体を含み得るか、又はこのAIモデル記録の識別子を含み得る。任意選択で、AIMU1801は、このAIモデル記録をDSSに公開することができる。また、AIモデルが、AIMP1807によって生成され、寄与された場合、AIM1803は、通知メッセージをこのAIMP1807に送信することができる。
【0331】
別のAIMP-Yは、新しいAIモデルをトレーニングするための初期モデルとして既存のAIモデルを使用したい場合、AIMUの代わりに
図18に示す方法を使用して、既存のAIモデルのコンテンツを発見し、取り出すことができるということに留意されたい。
【0332】
AIMP開始型トレーサビリティアウェアAIモデルの発見及び展開
AIMPは、AIモデルをAIMUに展開するためのものである。AIRから、AIMPは、そのトレース基準及びAI基準を満たすAIMUを発見する。AIRは、そのローカルに維持されたAIホスト記録を調べ、そのAI能力及びトレース能力がAIMPからのAI基準及びトレース基準に一致する1つ以上のAIMUを見つける。AIRは、発見されたAIMUをAIMPに返す。次に、AIMPは、各AIMUに連絡して、AIモデルを展開する許可を得る。AIMUは、AIMPからモデルコンテンツを受け取り、AIMP又はAITMからトレース命令を受け取る。次いで、AIMUは、トレース命令及び任意のユーザ入力を組み込んだAIモデルをインストールする。AIMUは、インストールされたAIモデルに対するAIモデル記録を作成する。最後に、AIMUは、AIモデル記録を、AIR及び/又は他のエンティティ(例えば、AIMP、DSS、AITM)に送信する。
【0333】
図19は、本原理の一実施形態による、AIR支援型トレーサビリティアウェアモデルの発見及び展開の方法を示す。
【0334】
ステップS1902において、AIMP1905は、AIMU1901を発見するためにAIR1903にメッセージを送信する。このメッセージは、以下を含み得る。
-AIMP-ID:AIMPの(一意の)識別子。
-Trace-Criteria:AIMUを発見するためのトレース基準。言い換えれば、AIMPは、「Trace-Capability」がTrace-Criteriaによって示されるトレース基準を満たすAIMUを発見する。Trace-Criteriaは、
図12のステップS1208に関して説明した「Trace-Capability」の一部である情報と同様の情報(例えば、「Trace-Scope」)を含み得る。
-AI-Criteria:AIMUを発見するためのAI要件。言い換えれば、AIMPは、「AI能力」がAI-Criteriaによって示されるAI基準を満たすAIMUを発見する。AI-Criteriaは、
図10のステップS1002で説明した「AI-Capability」と同様の情報を含み得る。更に、AI-Criteriaは、AIMPがAIMUに展開したいAIモデルについてのメタデータを含み得る。
【0335】
AIR1903は、受信したTrace-Criteria及びAI-Criteriaを使用して、(ローカルに)維持されたAIホスト記録をチェックし、Trace-Criteriaに一致するTrace-Instructionsを有する登録されたAIMUを見つける。次に、ステップS1904において、AIR1903は、AIMP1905に応答を送信する。応答メッセージは、発見されたAIMUごとに、以下を含み得る。
-AIMU-ID:発見されたAIMUの識別子であり、AIMUのアドレスを含み得る。
-AI-Capability:発見されたAIMUのAI能力。
-Trace-Capability:発見されたAIMUのトレース能力。
【0336】
応答を受信したAIMP1905は、ステップS1904において、応答に含まれる発見されたAIMUのリストから少なくとも1つのAIMUを選択する。
【0337】
ステップS1906~S1924は、選択されたAIMUごとに実行される。
【0338】
ステップS1906において、AIMP1905は、AIモデルを展開するために、選択されたAIMU1901に通知を送信する。この通知メッセージは、以下を含み得る。
-AIMU-ID:選択されたAIMU1901の識別子又はアドレス。
-AI-Model-ID:展開されるAIモデルの(一意の)識別子。
-AI-Model-Type:展開されるAIモデルのタイプ。
-Trace-Criteria:ステップS1902でメッセージに含まれるTrace-Criteria。
【0339】
AIMU1901は、受諾してもよく又は拒否してもよい通知メッセージを受信する。AIMU1901が通知メッセージを受諾する場合、本方法はそのAIMU1901に対して継続する。
【0340】
ステップS1908において、AIMU1901は、メッセージをAIMP1905に送信して、AI-Model-IDによって識別されたAIモデルを取り出す。このメッセージは、以下を含み得る。
-AI-Model-ID:ステップS1906におけるものと同じもの。
-AI-Model-Push-Address:AIMP1905が完全にトレーニングされたAIモデルのコンテンツをAIMU1901にプッシュするために使用することができるアドレス。
【0341】
AIMP1905は、メッセージを受信し、対応するAIモデルを識別するためにAI-Model-IDを使用する。ステップS1910において、AIMP1905は、応答をAIMU1901に送信する。
【0342】
AIモデルが完全にトレーニングされている場合、応答はAIモデルのコンテンツを含むことができる。そうでない場合、応答は、AIモデルが利用可能でなく、まだトレーニング中であることを示す情報を含むことができる。AIモデルが完全にトレーニングされると、AIMP1905はまた又は代替的に、AIモデルのコンテンツをAI-Model-Push-Addressにプッシュすることができる。応答は、以下のうちの1つ以上を含み得る。
-AI-Model-Content:AIモデルが完全にトレーニングされている場合のAIモデルのコンテンツ。
-Trace-Instructions:AIモデルが完全にトレーニングされている場合にAIモデルによって必要とされるトレース命令及び要件。AIMP1905は、AITM1907からトレース命令を得ることができるということに留意されたい。
-AI-Model-Ready-Time:AIモデルが完全にトレーニングされるまでの推定時間。
-AITM-ID:AITM1907の識別子又はアドレスであり、そこからAIMU1901はAIモデルからのトレース命令を取り出すことができる。この情報が応答に含まれる場合、AIMU1901は、ステップS1912及びS1914を実行することができる。
【0343】
ステップS1912~S1922は、ステップS1710~S1720と同様である。
【0344】
ステップS1924は、
図17のステップS1722と同様であり、AIMU1901がAIMP1905にも通知する点が追加される。
【0345】
分散型台帳を使用して実装されるAIMP開始型トレーサビリティアウェアAIモデルの発見及び展開
図19に示す方法は、以下の例で説明するように、DSSの一例としてブロックチェーン及び/又は分散型台帳を使用して実装することができる。
【0346】
図19の各エンティティ(すなわち、AIMU1901、AIR1903、AIMP1905、及びAITM1907)は、ブロックチェーンユーザである。各エンティティは、ブロックチェーンアカウントを有する。各エンティティは、ブロックチェーン又は台帳全体をホストする異なる(又は同じ)ブロックチェーンノードに接続される。
【0347】
AIR1903は、ブロックチェーン上にAIホスト記録を公開している場合がある。AIR1903は、各AIホスト記録のブロックチェーンアドレスと呼ばれる、各AIホスト記録がブロックチェーン内のどこに記憶されているかに関する情報(例えば、AIホスト記録を含むブロック及びトランザクションのシーケンス番号)を維持し得る。
【0348】
AIR1903(及び/又はAIMP1905)は、ブロックチェーン上にAIモデル記録を公開している場合がある。AIR1903は、各AIモデル記録のブロックチェーンアドレスと呼ばれる、各AIモデル記録がブロックチェーン内のどこに記憶されているかに関する情報(例えば、AIモデル記録を含むブロック及びトランザクションのシーケンス番号)を維持し得る。
【0349】
AITM1907は、ブロックチェーン上にトレース命令を公開している場合がある。AITM1907は、各トレース命令のブロックチェーンアドレスと呼ばれる、各トレース命令がブロックチェーン内のどこに記憶されているかに関する情報(例えば、トレース命令を含むブロック及びトランザクションのシーケンス番号)を維持し得る。
【0350】
ステップS1902は変更されない。
【0351】
ステップS1904において、AIR1903は、見つかったAIMUについてのAIホスト記録のブロックチェーンアドレスのみを応答に含めることができる。すなわち、この応答には、AIMU-ID、Trace-Capability、AI-Capabilityは含まれていない。AIMP1905は、ブロックチェーンアドレスを使用して、AIMP1905が接続するブロックチェーンノードから対応するAIホスト記録を取り出す。
【0352】
ステップS1906において、AIMP1905は、AIモデル記録のブロックチェーンアドレスのみを含むことができる。
【0353】
ステップS1908において、AIMU1901は、AIMUが接続することができるブロックチェーンノードからAIモデルコンテンツ及び関連付けられたトレース命令を取り出すために、AIモデルのブロックチェーンアドレスを使用する。
【0354】
ステップS1910において、AIMU1901は、ブロックチェーンノードからAIモデルを受信する。
【0355】
ステップS1912は変更されない。
【0356】
ステップS1914において、応答は、トレース命令のブロックチェーンアドレスのみを含むことができる。次に、AIMU1901は、このブロックチェーンアドレスを使用して、AIMU1901が接続するブロックチェーンノードからトレース命令を取り出す。
【0357】
ステップS1916~S1922は変更されない。
【0358】
ステップS1924において通知を送信する代わりに、又はそれに加えて、AIMU1901は、AIMUが接続するブロックチェーンノードを介してAIモデル記録をブロックチェーンに公開する。代替案では、ステップS1924は変更されない。
【0359】
実施形態
以下は、本原理が様々な種類のネットワークアーキテクチャにおいてどのように実装され得るかを示す。
【0360】
3GPP SA2の実施形態
アーキテクチャの実施形態
本明細書で説明されるトレーサビリティアウェアAIタスク及びモデル管理のためのエンティティ(例えば、AIMU、AIR、AIMP、及びAITM)は、非限定的な例として5Gサービスアーキテクチャを使用して、以下のように3GPPセルラーネットワークにおいて実装され得る。
【0361】
AIMUは、UE、ネットワークファンクション(Network Function、NF)、及び/又はアプリケーションファンクション(Application Function、AF)であり得る。
【0362】
AIMPは、UE、NF、及び/又はAFであり得る。
【0363】
AIM及びAIRは、スタンドアロンNF、AF、5Gネットワークリポジトリ機能(Network Repository Function、NRF)への拡張、5Gネットワークデータ分析機能(Network Data Analytics Function、NWDAF)への拡張、又は5G非構造化データ記憶機能(Unstructured Data Storage Function、UDSF)への拡張として展開され得るAI管理及びリポジトリ機能(AI Management and Repository Function、AIMRF)として1つのデバイス又はノードに統合され得る。
【0364】
AITMは、スタンドアロンNF又は5Gポリシー制御機能(Policy Control Function、PCF)への拡張として展開され得る、AIトレース管理機能(AI Trace Management Function、AITMF)として実装され得る。
【0365】
DSSは、スタンドアロンNFとして展開されるDSS機能(DSSF)、5G 統合データリポジトリ(Unified Data Repository、UDR)機能への拡張、又は5G UDSFへの拡張として実装され得る。
【0366】
AIMU、AIMP、AIMRF、AITMF、及びDSSFは、デバイス、エッジデータネットワーク、コアネットワーク、データネットワーク、及び/又はクラウドなど、5G以上のセルラーネットワークの様々なロケーションに展開され得る。
【0367】
図20に、3GPPセルラーネットワークにおけるトレーサビリティアウェアAIタスク及びモデル管理の展開の一例を示す。この例では以下の通りである。
-UE-1は、知識推論のためにAIMPによって提供されるAIモデルを使用する、AIタスクをホストするAIMUである。UE-1は、そのAI-Capability及びTrace-Capabilityを有する。
-UE-2は、AIモデルを生成するAIタスクをホストするAIMPである。生成されたAIモデルは、UE-1に展開される。UE-1は、そのAI-Capability及びTrace-Capabilityを有する。
-AIMRFは、3GPPネットワーク又はデータネットワークにおいてNF又はAFとして展開される。UE-1は、それ自体のAI-Capability及びTrace-Capabilityを示すAIMUとしてAIMRFにそれ自体を登録し、一方、UE-2は、AIMPとしてAIMRFにそれ自体を登録し、それ自体のAI-Capability及びTrace-Capabilityも示す。AIMRFは、登録されたAIMU及びAMIPのリストを維持する。あるいは、AIMRFは、登録されたAIMU及びAIMPをDSSFに公開/記憶する。
-AITMFは、トレース命令を管理するために、3GPPネットワーク又はデータネットワークにおいてNF又はAFとして展開される。AITMFは、UE-1及びUE-2に対する適切なTrace-Instructionsを決定することができる。AITMFは、DSSFにTrace-Instructionsを記憶することができ、DSSFからTrace-Instructionsを取り出すこともできる。
-登録されたAIMU、登録されたAIMP、登録されたAIモデル、展開されたAIタスク、及び/又はトレース命令に関する情報は、DSSFに記憶され、DSSFによって維持され得る。
【0368】
AIMRFは、AIモデルをトレーニングするためにUE-2にAIタスクを展開することを担当する。AIMRFは、AIタスクをUE-2に展開するとき、Trace-InstructionsをAIタスクに割り当てることができる。そのようなトレース命令は、AITMFから得ることができる。
【0369】
UE-2がAIモデルを生成した後、UE-2は、AIモデルをAIMRFに登録する。UE-2がそのAIモデルを登録するとき、UE-2は、AIモデルに関連するTrace-Instructionsを示すことができる。AIMRFは、登録されたAIモデルのリストを維持し、登録された各AIモデルは、関連付けられたTrace-Instructionsを有し得る。
【0370】
AIMRFは、知識推論のためにAIモデルを使用するために、UE-1にAIタスクを展開することも担当する。AIMRFがUE-1にAIタスクを展開するとき、AIMRFは、Trace-Instructionsを用いてAIタスクを構成し得る。このようなTrace-InstructionsはAITMFから入手することができる。
【0371】
UE-1は、AIMRFからAIモデル(例えば、UE-2によって生成されたAIモデル)を発見することができる。AIMRFは、UE-1のTrace-Capabilityが発見されたAIモデルのTrace-Instructionsと一致することを保証する。
【0372】
AIMRFは、発見されたAIモデルをそのTrace-InstructionsとともにUE-1にプッシュすることができる。また、UE-1は、別個のステップを使用して、発見されたAIモデル及びそのTrace-InstructionsをAIMRFから取り出す/プルすることができる。
【0373】
あるいは、UE-2は、AIMRFからUE-1を見つけ、Trace-Instructionsを有するAIモデルをUE-1に能動的にプッシュすることができる。
【0374】
図21は、3GPPセルラーネットワークにおける展開トレーサビリティアウェアAI管理の別の例を示す。この例では、AIMUは依然としてUEであるが、
図20との違いは、AIMPが3GPPネットワーク又はデータネットワーク内のNF又はAFであることである。
【0375】
図22は、3GPPセルラーネットワークにおける展開トレーサビリティアウェアAI管理の別の例を示す。この例では、AIMPは依然としてUEであるが、
図20との違いは、AIMUが3GPPネットワーク又はデータネットワーク内のNF又はAFであることである。
【0376】
トレーサビリティアウェアAIモデルの発見及び展開のためのサービスフロー実施形態
図23は、
図19の手順に基づく、トレーサビリティアウェアAIモデルの発見及び展開のためのサービスフローの一例を示す。
図23のAIMU-IDは、限定はしないが、UEのグローバルな一意の一時的識別子(Global Unique Temporary Identifier、GUTI)、UEのサブスクリプション隠蔽識別子(Subscription Concealed Identifier、SUCI)などのUE識別子であることに留意されたい。
【0377】
以下のことを仮定する。3GPPコアネットワーク内のAIMPは、アップストリーム通信のための効率的な無線リソース割り当てのための新しいAIモデルをトレーニングする。AIMPは、AIモデルをAIMUとしてUEに展開するためのものである。一方、AIMPは、AIモデルがUE及びシステム全体に対して正確であるか又は有用であるかを知りたい。言い換えれば、AIMPは、AIモデルが展開され実行されると、UEがAIモデルをトレースすることを望む。まず、AIMPは、AIMPのTrace-Criteriaに一致するTrace-Capabilityを有する適切なUEをAIMRFから見つける。次いで、AIMPは、それ自体でトレース命令を決定することができ、又はAIMPは、AITMFからトレース命令を取得することができる。最後に、AIMPは、対応するトレース命令を有するAIモデルをUEに展開する。
【0378】
図23に対して以下の前提条件を仮定することができる。
-AIMRF、AITMF、DSSF、AIMP及びPCFがNRFに登録されている。
-AIMPはAIMRF、AITMF、及びPCFを見つけている。
-UEは、3GPPセルラーネットワークに登録されており、AMF(図示せず)を介してAIMRFなどのコアネットワーク機能と通信することができる。
-UEとAIMPの両方がAIMRFに登録されている。
-AIMPはAIモデルを生成する。
【0379】
【0380】
ステップS2302において、AIMP2305は、AIモデルをAIMU2301に展開するために、AIMRF2303にAIMUを発見する要求を送信する。
【0381】
ステップS2304において、AIMRF2303は、AIMP2305に適用できるAIMU発見ポリシーがあるかどうかをPCF2309に確認するためのメッセージを送信する。
【0382】
ステップS2306において、PCF2309は、AIMU発見ポリシーをAIMRF2305に送信する。
【0383】
AIMRF2303は、ステップS2302において受信したAIMPの要求を許可する。承認された場合、AIMRF2303は、ローカルに保持されているAIH記録から1つ以上のAIMU2301を見つける。ステップS2308において、AIMRF2303は、発見されたAIMUをAIMP2305(すなわち、この場合、UE)に送信する。
【0384】
ステップS2310において、AIMP2305は、AIモデルを展開するための要求メッセージをUE2301に送信する。
【0385】
UE2301は、受信した要求を承認する。(そうでなければ、サービスフローは停止する)。ステップS2312において、UE2301は、AIモデルを取り出す要求をAIMP2305に送信する。
【0386】
ステップS2314において、AIMP2305は、トレース命令を有するAIモデルのコンテンツをUE2301に送信する。
【0387】
ステップS2316において、UE2301は、AIモデルのトレース命令を取り出すための要求をAITMF2309に送信し得る。この場合、ステップS2318において、AITMF2309は、要求されたトレース命令をUE2301に送信する。
【0388】
ステップS2320において、UE2301は、AIモデルをインストールする。
【0389】
ステップS2322において、UE2301は、トレーサビリティオプションのためのユーザ入力を要求する。
【0390】
ステップS2324において、UE2301は、ユーザ入力を受信し、これを使用してAIモデルを構成する。
【0391】
ステップS2326において、UE2301は、インストールされたAIモデルのAIモデル記録を作成する。
【0392】
ステップS2328において、UE2301は、AIモデル記録をAIMRF2303、AIMP2305、AITMF2307、及び/又はDSSF2311に送信する。
【0393】
ETSI SAI実施形態
図24は、以下の論理エンティティを含むETSI SAIのフレームワークにおいて実装される本原理によるトレーサビリティアウェアAIタスク及びモデル展開の方法の一例を示す。
-AIMU:
図7のAIMUと同じもの。
-AIMP:
図7のAIMPと同じもの。
-AITM:
図7のAITMと同じもの。
-DSS:
図7のDSSと同じもの。
-AIRM:
図7のAIRとAIMの組み合わせ。
【0394】
ステップ2402aでは、AIMU2401は、
図10のステップS1002、S1004、及びS1006を使用して、そのTrace-Capabilityを示すAIRM2403にそれ自体を登録する。ステップ2402bにおいて、AIMP2405は、
図10のステップS1002、S1004、及びS1006を使用して、そのTrace-Capabilityを示すAIRM2403にそれ自体を登録する。
【0395】
ステップ2404において、AIRM2403は、DSS2409へのAIホスト記録(すなわち、AIMU及びAIMPの登録記録)を生成する。
【0396】
ステップ2406において、AIRM2403は、例えば、それらのTrace-Capabilityに基づいて、登録されたAIMP2405及びAIMU2401に対するTrace-InstructionsをAITM2407に要求する。
【0397】
ステップ2408aにおいて、AIRM2403はAIMU2401にAIタスクを展開する。ステップ2408bにおいて、AIMR2403はまた、AIタスクをAIMP2405に展開する。
図12、
図13、
図14、又は
図15のいずれかからの同じステップを、ステップ2408a及び2408bに使用することができる。
【0398】
ステップ2410において、AIMP2405は、展開されたAIタスクを使用して、AIモデルをトレーニング及び生成する。
【0399】
ステップ2412において、AIMP2405は、そのTrace-Instructionsを示す生成されたAIモデルを登録する。ステップ2412については、
図16と同じステップを用いることができる。
【0400】
ステップ2414において、場合によってはAIRM2403を介して、AIMP2405は、生成されたAIモデルをAIMU2401に展開する。AIMP2405は、AIモデルをAIMU2401に直接インストールすることができる。あるいは、AIMU2401は、AIRM2403からAIモデルを発見してダウンロードすることができる。
図17、
図18、又は
図19のいずれかからの同じステップをステップ2414に使用することができる。
【0401】
ステップ2416において、AIMU2401は、AIモデルをインストールし、関連するTrace-Instructionsを構成する。
【0402】
ステップ2418において、AIMU2401は、インストールされたAIモデルのAIモデル記録を生成する。AIMU2401は、AIモデル記録をAIRM2403及び/又はDSS2409に送信する。
【0403】
結論
上記では、特徴及び要素が特定の組み合わせにおいて提供されているが、当業者には、各特徴若しくは各要素を単独で使用する、又は他の特徴及び要素との任意の組み合わせにおいて使用することができるということが理解されよう。本開示は、本出願に説明されている特定の実施形態の観点において限定されるべきではなく、これらの実施形態は、様々な態様の例示として、意図されるものである。当業者には明らかなように、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、多くの修正及び変形が行われてもよい。本出願の説明において使用されているいかなる要素、動作、又は指示も、そのように明示的に提示されていない限り、本発明にとって重要又は本質的であると解釈されるべきではない。本明細書に列挙したものに加えて、本開示の範囲内の機能的に等価な方法及び装置が、前述の説明から、当業者には明らかであろう。このような修正及び変形は、添付の請求項の範囲に入ることが意図されている。本開示は、添付の請求項が権利を有する均等物の完全な範囲とともに、このような請求項の条項によってのみ限定されるべきである。本開示は、特定の方法又はシステムに限定されないことを理解されたい。
【0404】
前述の実施形態は、簡潔さのために、赤外線対応デバイス(すなわち赤外線放射装置及び受信機)の用語及び構造に関して考察されている。しかしながら、考察されている実施形態は、これらのシステムに限定されるものではなく、他の形態の電磁波、又は音響波などの非電磁波を使用する他のシステムにも適用され得る。
【0405】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、限定することを意図するものではないということも理解されたい。本明細書で使用される場合、「ビデオ」という用語又は「画像」という用語は、スナップショット、単一画像、及び/又は経時的に表示される複数の画像のうちのいずれかを意味し得る。別の例として、本明細書で言及される場合、「ユーザ機器」という用語及びその略語「UE」、「リモート」という用語、並びに/又は「ヘッドマウントディスプレイ」という用語若しくはその略語「HMD」は、(i)ワイヤレス送信及び/若しくは受信ユニット(WTRU)、(ii)WTRUのいくつかの実施形態のうちのいずれか、(iii)とりわけWTRUのいくつか若しくは全ての構造及び機能を有するように構成されたワイヤレス対応及び/若しくは有線対応(例えば、テザリング可能)デバイス、(iii)WTRUの全ての構造及び機能よりも少ない構造及び機能を有するように構成されたワイヤレス対応及び/若しくは有線対応デバイス、又は(iv)同類のもの、を意味し得るか、又は含み得る。本明細書に列挙された任意のWTRUを表し得る例示的なWTRUの詳細は、
図1A~
図1Dに関して本明細書に提供されている。別の例として、本明細書で開示される上記の様々な実施形態及び下記の様々な実施形態は、ヘッドマウントディスプレイを利用するものとして説明されている。当業者であれば、ヘッドマウントディスプレイ以外のデバイスが利用され得、本開示及び様々な開示された実施形態のいくつか又は全てを、過度の実験なしにそれに従って修正することができることを認識するであろう。このような他のデバイスの例は、適応現実体験を提供するための情報をストリーミングするように構成されたドローン又は他のデバイスを含み得る。
【0406】
加えて、本明細書に提供されている方法は、コンピュータ又はプロセッサによって実行されるようにコンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、又はファームウェアにおいて実装され得る。コンピュータ可読媒体の例としては、(有線又はワイヤレス接続を介して送信される)電子信号及びコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内部ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気媒体、磁気光学媒体、並びにCD-ROMディスク及びデジタル多用途ディスク(digital versatile disk、DVD)などの光学媒体が挙げられるが、これらに限定されない。ソフトウェアと関連付けられたプロセッサを使用して、WTRU、UE、端末、基地局、RNC、又は任意のホストコンピュータにおいて使用するための無線周波数トランシーバを実装し得る。
【0407】
本発明の範囲から逸脱することなく、上記で提供された方法、装置、及びシステムの変形が可能である。適用され得る多種多様な実施形態を考慮して、示された実施形態は単なる例であり、以下の特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではないことを理解されたい。例えば、本明細書に提供されている実施形態は、携帯型デバイスを含み、このデバイスは、任意の適切な電圧を提供するバッテリなどの任意の適切な電圧源を含み得るか、又はそのような電圧源を用いて利用され得る。
【0408】
更に、上記の実施形態では、処理プラットフォーム、コンピューティングシステム、コントローラ、及びプロセッサを含む他のデバイスに留意されたい。これらのデバイスは、少なくとも1つの中央処理ユニット(Central Processing Unit、「CPU」)及びメモリを含み得る。コンピュータプログラミングの技術分野における当業者の慣例に従い、動作、及び演算又は命令の記号表現への言及は、様々なCPU及びメモリによって実施され得る。このような動作、及び演算又は命令は、「実行される」、「コンピュータによって実行される」、又は「CPUによって実行される」と言及される場合がある。
【0409】
当業者には、動作及び記号的に表現された演算又は命令が、CPUによる電気信号の操作を含むことが理解されよう。電気システムは、電気信号の結果的な変換又は低減を引き起こし得るデータビットを表し、メモリシステムのメモリロケーションにデータビットを維持し、それによって、CPUの動作及びその他の信号の処理を再構成するか、又は別様に変更する。データビットが維持されるメモリロケーションは、データビットに対応する、又はデータビットを表す特定の電気的特性、磁気的特性、光学的特性、又は有機的特性を有する、物理的ロケーションである。実施形態は、上で言及されるプラットフォーム又はCPUに限定されず、他のプラットフォーム及びCPUが、提供される方法をサポートし得ることを理解されたい。
【0410】
データビットはまた、磁気ディスク、光ディスク、及びCPUによって読み取り可能な任意の他の揮発性(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))又は不揮発性(例えば、読み取り専用メモリ(ROM))大容量記憶システムを含むコンピュータ可読媒体上に維持され得る。コンピュータ可読媒体は、処理システム上に排他的に存在するか、又は処理システムに対してローカル又はリモートであり得る複数の相互接続された処理システム間で分散された、協調的又は相互接続されたコンピュータ可読媒体を含み得る。実施形態は、上で言及されるメモリに限定されず、他のプラットフォーム及びメモリが、提供される方法をサポートし得ることを理解されたい。
【0411】
例示的実施形態では、本明細書に記載される動作、プロセスなどのいずれかは、コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ可読命令として実装され得る。コンピュータ可読命令は、移動体、ネットワーク要素、及び/又は任意のその他のコンピューティングデバイスのプロセッサによって実行され得る。
【0412】
システムの態様のハードウェア実装とソフトウェア実装との間には、ほとんど区別がない。ハードウェアを使用するかソフトウェアを使用するかは、一般に(常にという訳ではないが、特定の文脈ではハードウェアかソフトウェアかの選択が重要になる場合がある)、コストと効率のトレードオフを表す設計上の選択である。本明細書に説明されているプロセス及び/又はシステム及び/又は他の技術が効果的であり得る様々な達成手段(例えば、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェア)が存在し得、好ましい達成手段は、プロセス及び/又はシステム及び/又は他の技術が展開される文脈によって変化し得る。例えば、実装者が、速度及び正確性が最重要であると判断した場合、実装者は、主に、ハードウェア及び/又はファームウェアの達成手段を選択し得る。柔軟性が最重要である場合、実装者は、主に、ソフトウェア実装を選択し得る。代わりに、実装者は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの何らかの組み合わせを選択してもよい。
【0413】
前述の詳細な説明では、ブロック図、フローチャート、及び/又は実施例の使用を通じて、デバイス及び/又はプロセスの様々な実施形態を示した。そのようなブロック図、フローチャート、及び/又は実施例が1つ以上の機能及び/又は動作を含む限り、そのようなブロック図、フローチャート、又は実施例内の各機能及び/又は動作は、広範囲のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は実際のそれらの任意の組み合わせによって個別に及び/又は集合的に実装され得ることが当業者によって理解されよう。一実施形態において、本明細書に説明されている主題のいくつかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及び/又は他の集積形式を介して実装され得る。しかしながら、本明細書に開示される実施形態のいくつかの態様は、その全体又は一部が、1つ以上のコンピュータ上で動作する1つ以上のコンピュータプログラムとして(例えば、1つ以上のコンピュータシステム上で動作する1つ以上のプログラムとして)、1つ以上のプロセッサ上で動作する1つ以上のプログラムとして(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ上で動作する1つ以上のプログラムとして)、ファームウェアとして、又はこれらの実際の任意の組み合わせとして、集積回路において等価的に実装され得ることと、回路を設計すること、並びに/又はソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードを書くことが、本開示に照らして、当業者の技術の範囲内であることとが当業者には認識されよう。加えて、本明細書に記載される主題のメカニズムが、様々な形態のプログラム製品として配布され得ること、及び本明細書に記載される主題の例示的実施形態が、配布を実際に行うために使用される特定のタイプの信号伝達媒体にかかわらず適用されることが当業者には理解されよう。信号伝達媒体の例としては、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、CD、DVD、デジタルテープ、コンピュータメモリなどの記録可能型媒体、並びに、デジタル通信媒体及び/又はアナログ通信媒体(例えば、光ファイバケーブル、導波管、有線通信リンク、ワイヤレス通信リンクなど)などの送信型媒体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0414】
本明細書に記載される方法でデバイス及び/又はプロセスを説明し、その後、エンジニアリング手法を使用して、このような説明されたデバイス及び/又はプロセスをデータ処理システムに統合することが、当該技術分野において一般的であることが当業者には認識されよう。すなわち、本明細書に記載されるデバイス及び/又はプロセスの少なくとも一部分が、合理的な量の実験を介してデータ処理システムに統合され得る。典型的なデータ処理システムは、一般に、システムユニットハウジング、ビデオ表示デバイス、揮発性及び不揮発性メモリなどのメモリ、マイクロプロセッサ及びデジタル信号プロセッサなどのプロセッサ、オペレーティングシステム、ドライバ、グラフィカルユーザインターフェース、及びアプリケーションプログラムなどの計算エンティティ、タッチパッド若しくはスクリーンなどの1つ以上のインタラクションデバイス、並びに/又はフィードバックループ及び制御モータ(例えば、位置及び/若しくは速度を検知するフィードバック、構成要素及び/若しくは量を移動及び/又は調節する制御モータ)を含む制御システム、のうちの1つ以上を含み得ることが当業者には認識されよう。典型的なデータ処理システムは、データコンピューティング/通信システム及び/又はネットワークコンピューティング/通信システムに典型的に見られるような、任意の好適な市販の構成要素を利用して実装され得る。
【0415】
本明細書に説明される主題は、異なる他の構成要素内に含まれるか、又は異なる他の構成要素と接続される異なる構成要素を示すことがある。このような描示されたアーキテクチャは、単なる例であり、実際には、同じ機能を達成するその他の多くのアーキテクチャが実装され得ることを理解されたい。概念的には、同じ機能を達成するための構成要素の任意の配置は、所望の機能が達成され得るように、効果的に「関連付けられる」。したがって、特定の機能を達成するために組み合わされた本明細書における任意の2つの構成要素は、アーキテクチャ又は介在する構成要素に関係なく、所望の機能が達成されるように、互いに「関連付けられている」とみなされ得る。同様に、このように関連付けられた任意の2つの構成要素は、所望の機能を達成するために、互いに「動作可能に接続されている」、又は「動作可能に結合されている」とみなされ得、このように関連付けることができる任意の2つの構成要素はまた、所望の機能を達成するために、互いに「動作可能に結合可能」であるとみなされ得る。動作可能に結合可能の具体例としては、物理的に嵌合可能かつ/若しくは物理的に対話する構成要素、及び/又はワイヤレスで対話可能かつ/若しくはワイヤレスで対話する構成要素、及び/又は論理的に対話するかつ/若しくは論理的に対話可能な構成要素が挙げられるが、これらに限定されない。
【0416】
本明細書における実質的に任意の複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈及び/又は用途に適切であるように、複数形から単数形に、及び/又は単数形から複数形に変換することができる。本明細書では、明瞭にする目的で、様々な単数形/複数形の並べ換えが明示的に記載され得る。
【0417】
全般的に、本明細書、特に、添付の請求項(例えば添付の請求項の本文)において使用されている用語は、概して、「非限定」用語として意図されることが、当業者には理解されよう(例えば、「含んでいる」という用語は、「含んでいるが、これらに限定されない」と解釈するべきであり、「有する」という用語は、「を少なくとも有する」と解釈するべきであり、「含む」という用語は、「含むがこれらに限定されない」と解釈するべきである、などである)。更に、特定の数の導入された請求項の記述が意図される場合、このような意図は、請求項に明示的に記述されており、このような記述がない場合、このような意図は存在しないことが当業者には理解されよう。例えば、1つの項目のみが意図される場合、「単一」という用語又は類似の言葉が使用されてもよい。理解を助けるために、以下の添付の請求項及び/又は本明細書の説明は、請求項の記述を導入するために「少なくとも1つ」及び「1つ以上」という導入句の使用を含み得る。しかしながら、このような句の使用は、「a」又は「an」という不定冠詞による請求項の記述の導入が、かかる導入された請求項の記述を含む任意の特定の請求項を、かかる1つの記述のみを含む実施形態に制限することを意味するものと解釈すべきではなく、たとえ同じ請求項に、「1つ以上」又は「少なくとも1つ」という導入句、及び「a」又は「an」などの不定冠詞が含まれていても同様である(例えば「a」及び/又は「an」は「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味するものと解釈されるきである)。請求項の記述を導入するために使用される定冠詞の使用にも同じことが当てはまる。加えて、特定の数の導入された請求項の記述が明示的に記述されている場合でも、このような記述は、少なくとも記述された数を意味するものと解釈されるべきであることが当業者には認識されよう(例えば、その他の修飾語なしの「2つの記述」という単純な記述は、少なくとも2つの記述、又は2つ以上の記述を意味する)。更に、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つなど」に類似する表記が使用される場合、一般に、このような構造は、当業者がその表記を理解するであろう意味として意図される(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、並びに/又は、A、B、及びCを一緒に、有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。「A、B、又はCのうちの少なくとも1つなど」に類似する表記が使用される場合、一般に、このような構造は、当業者がその表記を理解するであろう意味として意図される(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBを一緒に、A及びCを一緒に、B及びCを一緒に、かつ/又はA、B、及びCを一緒に、有するシステムなどを含むが、これらに限定されない)。明細書、特許請求の範囲、又は図面のいずれにおいても、2つ以上の代替的な用語を提示する実際の任意の離接的な語及び/又は句は、用語の一方、用語のいずれか、又は両方の用語を含む可能性を企図するものと理解されるべきであることが当業者には更に理解されよう。例えば、「A又はB」という句は、「A」若しくは「B」又は「A及びB」の可能性を含むものと理解される。更に、本明細書で使用される場合、複数の項目のリスト及び/又は複数の項目のカテゴリのリストが後ろに続く「のいずれか」という用語は、項目及び/又は項目のカテゴリの、「のいずれか」、「の任意の組み合わせ」、「の任意の複数」、及び/又は「の任意の複数の組み合わせ」を、個別に、又は他の項目及び/若しくは他の項目のカテゴリとの組み合わせにおいて含むことが意図される。更に、本明細書で使用される場合、「セット」という用語は、ゼロを含む任意の数の項目を含むことが意図される。追加的に、本明細書で使用される場合、「数」という用語は、ゼロを含む任意の数を含むことが意図される。また、本明細書で使用される場合、「多重」という用語は、「複数」と同義であることが意図される。
【0418】
加えて、本開示の特徴又は態様が、マーカッシュ群の観点から記載されている場合、当業者には、本開示が、それによって、マーカッシュ群の任意の個々の要素又は要素のサブグループの観点からも記載されることが認識されよう。
【0419】
当業者には理解されるように、書面による記載を提供するという観点など、あらゆる目的のために、本明細書に開示される全ての範囲は、その任意の可能な部分範囲及び部分範囲の組み合わせも包含している。任意の列挙された範囲は、同じ範囲が、少なくとも等しい2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解されることを十分に説明して可能にするものとして、容易に認識され得る。非限定的実施例として、本明細書に考察されている各範囲は、下位3分の1、中央の3分の1、及び上位3分の1などに容易に分解されてもよい。また、当業者には理解されるように、「まで」、「少なくとも」、「よりも多い」、「よりも少ない」などの全ての言葉は、記述された数を含み、かつ、上で考察されるように、後で部分範囲に分解され得る範囲を指す。最後に、当業者には理解されるように、範囲は、個々の各要素を含む。したがって、例えば、1~3つのセルを有するグループは、1つ、2つ、又は3つのセルを有するグループを指す。同様に、1~5つのセルを有するグループは、1つ、2つ、3つ、4つ、又は5つのセルを有するグループを指し、以下同様である。
【0420】
更に、請求項は、特にそのように記載されない限り、提供された順序又は提供された要素に限定されるものとして読まれるべきではない。加えて、いかなる請求項においても、「ための手段」という用語の使用は、米国特許法第112条、第6項、又はミーンズプラスファンクションの請求項形式に訴えることを意図しており、「ための手段」という用語を有しないいかなる請求項も、そのようには意図されていない。
【国際調査報告】