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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-30
(54)【発明の名称】統合高アスペクト比エッチング
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20250723BHJP
【FI】
H01L21/302 105A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2024576577
(86)(22)【出願日】2023-06-15
(85)【翻訳文提出日】2025-02-19
(86)【国際出願番号】 US2023025448
(87)【国際公開番号】W WO2024006088
(87)【国際公開日】2024-01-04
(31)【優先権主張番号】63/367,121
(32)【優先日】2022-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タン・チョンクイ
(72)【発明者】
【氏名】スー・シャオフェン
(72)【発明者】
【氏名】パン・ユー
(72)【発明者】
【氏名】バー・シャオロン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ・ジュウェン
(72)【発明者】
【氏名】リー・ミン
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA02
5F004BA20
5F004BB13
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB28
5F004BB29
5F004BC05
5F004BC06
5F004BD04
5F004CA04
5F004CA06
5F004DB30
5F004EA03
5F004EA06
5F004EA07
5F004EB01
(57)【要約】
【解決手段】シリコン含有残留物の再堆積を低減し、なくすために、ホウ素ドープタングステン材料など、ドープタングステン含有マスクを使用して特徴を炭素材料にエッチングするための方法が、本明細書で提供される。方法は、炭素材料をエッチングすることより前に炭素材料上にドープタングステン含有材料を堆積させることと、ドープタングステン含有マスクを形成するために、ドープタングステン含有材料をパターニングすることと、炭素材料のエッチング中のシリコン含有マスクの使用がなくされるように、パターニングされたドープタングステン含有マスクを使用して炭素材料をエッチングすることと、を伴う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチングされるべき非晶質炭素層を備える基板を提供することであって、前記非晶質炭素層が、少なくとも約100nmの厚さを有する、ことと、
前記非晶質炭素層上に、パターニングされたドープタングステン含有マスクを形成することと、
パターニングされた炭素含有層を形成するために、前記パターニングされたドープタングステン含有マスクを使用して前記非晶質炭素層をエッチングすることと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記パターニングされたドープタングステン含有マスクが、金属ドーパントを備え、前記金属ドーパントが、ホウ素と、チタンと、タングステンと、タンタルと、スズと、アルミニウムと、それらの組合せと、からなるグループから選択される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記非晶質炭素層が、ドーパントを含まない、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記非晶質炭素層が、約10%未満の不純物を含む、方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、前記パターニングされたドープタングステン含有マスクを形成することより前に、前記非晶質炭素層上に直接接着層を堆積させることをさらに含む、方法。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、前記パターニングされたドープタングステン含有マスクが、シリコンを含まない、方法。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、前記パターニングされたドープタングステン含有マスクを形成することが、ドープタングステン含有材料を堆積させることと、前記パターニングされたドープタングステン含有マスクを形成するために、フォトレジストマスクを使用して前記ドープタングステン含有材料をエッチングすることと、を含む、方法。
【請求項8】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、前記非晶質炭素層を前記エッチングすることの後に前記非晶質炭素層中に形成される特徴の楕円率が、約1~約1.1である、方法。
【請求項9】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、前記非晶質炭素層を前記エッチングすることが、基板表面上に材料を再堆積させることなしに、前記パターニングされたドープタングステン含有マスクおよび前記非晶質炭素層との揮発性副産物を形成する1つまたは複数のガスを使用して実施される、方法。
【請求項10】
請求項1から4のいずれか一項に記載の方法であって、前記パターニングされたドープタングステン含有マスクが、ホウ素でドープされ、前記非晶質炭素層を前記エッチングすることが、シリコンを含まない環境において実施される、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[参照による援用]
本出願の一部として、PCT願書様式が、本明細書と同時に提出される。同時に提出されたPCT願書様式において識別されるように、本出願が利益または優先権を主張する各出願は、その全体が参照により、およびすべての目的のために本明細書に組み込まれる。
【0002】
半導体作製プロセスは、しばしば、マスクを使用して炭素含有材料をエッチングすることを伴う。しかしながら、デバイスが縮小し、技術が進歩するにつれて、炭素含有材料にエッチングされるべきパターンのプロファイルに影響を及ぼすことなしに既存のハードマスクを使用して炭素含有材料をエッチングすることは、難しい。
【0003】
本明細書で提供される背景技術の説明は、本開示のコンテキストを全般的に提示することを目的としている。現在名前が挙げられている発明者の研究は、この背景技術セクションにおいて説明されるその研究の範囲で、出願時に従来技術と別途見なされない可能性のある説明の態様と同様に、本開示に対する従来技術として明示的にも暗示的にも認められるものではない。
【発明の概要】
【0004】
一態様は、エッチングされるべき非晶質炭素層を含む基板を提供することであって、非晶質炭素層が、少なくとも約100nmの厚さを有する、基板の提供と、非晶質炭素層上に、パターニングされたドープタングステン含有マスクを形成することと、パターニングされた炭素含有層を形成するために、パターニングされたドープタングステン含有マスクを使用して非晶質炭素層をエッチングすることと、を含む、方法を伴う。
【0005】
様々な実施形態では、パターニングされたドープタングステン含有マスクは、ホウ素と、チタンと、タングステンと、タンタルと、スズと、アルミニウムと、それらの組合せと、のうちの1つなどである金属ドーパントを含む。いくつかの実施形態では、金属ドーパントは、ホウ素を含むか、またはホウ素である。
【0006】
様々な実施形態では、非晶質炭素層は、ドーパントを含まない。
【0007】
様々な実施形態では、非晶質炭素層は、約10%未満の不純物を含む。
【0008】
様々な実施形態では、本方法は、パターニングされたドープタングステン含有マスクを形成することより前に、非晶質炭素層上に直接接着層を堆積させることをも含む。いくつかの実施形態では、接着層は、タングステンと、窒素と、を含む。
【0009】
様々な実施形態では、パターニングされたドープタングステン含有マスクは、シリコンを含まない。
【0010】
様々な実施形態では、パターニングされたドープタングステン含有マスクを形成することは、ドープタングステン含有材料を堆積させることと、パターニングされたドープタングステン含有マスクを形成するために、フォトレジストマスクを使用してドープタングステン含有材料をエッチングすることと、を含む。
【0011】
様々な実施形態では、パターニングされたドープタングステン含有層中の金属のドーパント濃度が、約20%~約60%である。
【0012】
様々な実施形態では、非晶質炭素層をエッチングするとき、非晶質炭素層のエッチング速度が、パターニングされたドープタングステン含有層のエッチング速度よりも少なくとも約3倍速い。
【0013】
様々な実施形態では、パターニングされたドープタングステン含有マスクの厚さと、非晶質炭素層の厚さと、の比が、約1:5~約1:30である。いくつかの実施形態では、パターニングされたドープタングステン含有マスクをエッチングすることは、バイアスを使用して実行される。たとえば、いくつかの実施形態では、バイアス電力は、少なくとも約1000Vである。
【0014】
様々な実施形態では、非晶質炭素層をエッチングすることの後に非晶質炭素層中に形成される特徴の楕円率が、約1~約1.1である。
【0015】
様々な実施形態では、非晶質炭素層をエッチングすることは、基板表面上に材料を再堆積させることなしに、パターニングされたドープタングステン含有マスクおよび非晶質炭素層との揮発性副産物を形成する1つまたは複数のガスを使用して実施される。
【0016】
様々な実施形態では、パターニングされたドープタングステン含有マスクは、限界寸法約50nm~約500nmを有する特徴を形成するようにエッチングされる。
【0017】
様々な実施形態では、パターニングされたドープタングステン含有マスクは、ホウ素でドープされ、非晶質炭素層をエッチングすることは、シリコンを含まない環境において実施される。
【0018】
これらおよび他の態様は、図面を参照しながら以下でさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1A】エッチング動作を受ける基板の概略図である。
図1B】エッチング動作を受ける基板の概略図である。
図1C】エッチング動作を受ける基板の概略図である。
【0020】
図2】いくつかの開示される実施形態に従って実施される動作を示すプロセスフロー図である。
【0021】
図3A】いくつかの開示される実施形態の動作を受ける基板の概略図である。
図3B】いくつかの開示される実施形態の動作を受ける基板の概略図である。
図3C】いくつかの開示される実施形態の動作を受ける基板の概略図である。
図3D】いくつかの開示される実施形態の動作を受ける基板の概略図である。
【0022】
図4】いくつかの開示される実施形態を実施するための例示的なプロセスチャンバの概略図である。
【0023】
図5】いくつかの開示される実施形態を実施するための例示的なプロセス装置の概略図である。
【0024】
図6】いくつかの実験による、ドープタングステン含有材料と、シリコン窒化物と、の相対エッチング速度を示すグラフである。
【0025】
図7】いくつかの実験による、SiONエッチ化学作用(etch chemistry)における、ドープタングステン含有材料と、シリコン窒化物と、の相対エッチング速度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の説明では、提示される実施形態の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が記載される。開示される実施形態は、これらの具体的な詳細の一部または全部なしに実践され得る。他の事例では、よく知られているプロセス動作は、開示される実施形態を不必要に不明瞭にしないために、詳細に説明されていない。開示される実施形態は、特定の実施形態に関して説明されるが、開示される実施形態を限定するものではないことを理解されよう。
【0027】
半導体作製プロセスは、メモリおよび論理デバイスの作製を伴う。例は、3D NANDおよびダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)適用例、ならびにミッドエンドオブライン(MEOL)およびバックエンドオブライン(BEOL)プロセスのための論理適用例を含む。メモリおよび論理デバイスの作製は、しばしば、基板上で、コンタクトホールなどの特徴をエッチングすることを伴い、基板は、1つの材料、または材料の複数の層を含み得、そのうちのいくつかは半導体材料であり得る。ビアまたはコンタクトホールなどの「特徴」は、狭いおよび/またはリエントラント型(re-entrant)開口と、特徴内の狭窄部と、高アスペクト比と、のうちの1つまたは複数によって特徴づけられ得る。本明細書で説明される「特徴」という用語は、ホールまたはビアなどのネガティブ特徴を指す。特徴をエッチングすることは、多くの場合、エッチングされるべき材料上にハードマスクを堆積させ、パターニングすることと、そのハードマスクをパターンとして使用して材料をエッチングすることと、を伴う。パターニングされたハードマスクは、最終的に基板から除去され得る。
【0028】
半導体デバイスのいくつかの作製方法は、ハードマスクを使用して非晶質炭素材料をエッチングすることを伴う。デバイスが縮小するにつれて、ハードマスクを使用してエッチングされる一部の非晶質炭素材料が、少なくとも0.1μm、少なくとも0.5μm、少なくとも1μm、または少なくとも約2μm、または少なくとも約3μm、または少なくとも約4μm、または4μm超の厚さを有するなど、極めて厚くなる。少なくとも90個のNAND層またはそれ以上など、3D-NAND作製における多くのNAND層を有するいくつかの適用例について、パターンを非晶質炭素の厚い層に転写することは、困難であり得る。さらに、非晶質炭素材料が極めて厚いので、それらの中に形成される特徴は、少なくとも約25:1、または少なくとも約30:1、または少なくとも約40:1、または少なくとも約50:1など、高アスペクト比を有し得る。他の課題は、エッチング選択性を維持することと、エッチングプロファイルを維持すること(反り問題および限界寸法問題など。これは、スタックの底部において問題を引き起こすこともある)と、局所限界寸法均一性(LCDU)と、楕円率(ホール長径(major diameter)を短径(minor diameter)で除算したもの)と、他の問題と、を含む。これらの課題により、様々な基板のエッチング中にそのような性質を制御することは、より困難であり得る。そのような問題は、デバイス性能に関係する、メモリストリングレベルにおける電気的故障につながり得る。
【0029】
スタックがより厚いとき、マスク選択性が、特定の課題である。たとえば、メモリホール、スリット、コンタクトホール、および他の特徴をエッチングすることが、より難しくなり得る。たとえば、少なくとも6μmのONON(酸化物-窒化物-酸化物-窒化物)スタックまたはOPOP(酸化物-ポリシリコン-酸化物-ポリシリコン)スタックにおいて、非晶質炭素層が、約3μm超の厚さを有し得る。そのような厚い層をエッチングするために、ハードマスクは、同じく厚いものでなければならず、たとえば、非晶質炭素層上のハードマスクは、少なくとも約250nm厚さであり得る。ハードマスクと非晶質炭素層の両方の厚さは、エッチングされるべき極高アスペクト比特徴を生じ、以下で述べられるように、スパッタリングされたマスク材料と、シリコン含有材料の再堆積と、が、その特徴の上部において詰まりを引き起こし得る。
【0030】
いくつかの方法では、シリコン含有ハードマスクが、非晶質炭素をエッチングするときにマスクとして使用される。たとえば、シリコン酸窒化物、シリコン窒化物、シリコン、またはシリコン酸化物のハードマスクが、使用され得る。一例が、図1Aにおいて提供されており、図1Aは、非晶質炭素層103と、シリコン酸窒化物ハードマスク105と、パターニングされたフォトレジスト107と、を有する基板101を示す。図1Aは、単に、非晶質炭素層103と、シリコン酸窒化物ハードマスク105と、パターニングされたフォトレジスト107と、を示すが、限定はしないが、反射防止コーティング、スピンオン膜、ならびに他のバリア層、接着層、および/または中間層など、様々な他の層も、基板上に存在し得ることを理解されよう。
【0031】
様々な実施形態では、パターニングされたフォトレジスト107は、炭素含有材料など、フォトレジスト材料を堆積させることと、フォトリソグラフィ技術を使用してフォトレジスト材料を現像することと、によって形成される。
【0032】
図1Bでは、シリコン酸窒化物ハードマスク105は、パターニングされたシリコン酸窒化物ハードマスク115を形成するために、パターニングされたフォトレジスト107のパターンを使用してエッチングされる。図1Cでは、非晶質炭素層103は、パターニングされたシリコン酸窒化物ハードマスク115のパターンを使用してエッチングされる。しかしながら、非晶質炭素層103が、エッチ化学作用を使用して長い持続時間の間エッチャントに露出され、これは、シリコンとの不揮発性副産物を形成し得るので、(シリコン酸化物残留物などの)不揮発性エッチング残留物125およびシリコンエッチング副産物が、パターニングされたシリコン酸窒化物ハードマスク115において、特徴の上部上に、または特徴の開口の近くで再堆積され得、これは、エッチングされた非晶質炭素113間の特徴の限界寸法を低減し、特徴の限界寸法に影響を及ぼす。再堆積は、特徴の側壁上に最高20nmの厚さの増加を生じ得、これは、様々な実施形態では、特徴開口全体を閉じるのに十分な厚さであり得る。これは、シリコン酸窒化物ハードマスク115のいくらかの厚さが基板上に残っている間に、行われ得、その厚さは、エッチャントによるシリコン酸窒化物ハードマスク115のいくらかのエッチングによりわずかに低減され得る。これは、ウエハにわたる特徴の限界寸法変動を生じる。
【0033】
示されているように、非晶質炭素材料のエッチング中のハードマスクにおけるシリコンの存在は、局所限界寸法変動の増加を生じる劣化を引き起こし得る。これらの方法のうちのいくつかは、マスクファセッティング(faceting)と、特徴の楕円率と、線幅粗さと、空間幅粗さと、特徴のねじれと、を生じ得る。
【0034】
特徴の楕円率は、長径を短径で除算することによって測定される。完全に円形の特徴は、1の楕円率を有することになる。特徴の上部上へのシリコン含有材料の再堆積は、特徴の楕円率が、約1.16またはそれ以上になることを引き起こすことがある。しかしながら、本明細書で説明されるいくつかの開示される実施形態を使用して、特徴の楕円率は、約1~約1.3の間であり得る。
【0035】
ある方向における限界寸法の変動が、特徴のねじれを引き起こすことがあり、これは、最終的に、短絡またはエッチング問題を後で生じることがある。たとえば、望ましくない高い限界寸法変動により、マスクを開いた後に、ONONゲートエッジが開かれず、それにより、デバイスに関する問題を引き起こすことがある。
【0036】
いくつかの方法では、シリコン含有ハードマスクを使用したエッチングが、特徴開口においてまたはその近くで、シリコン酸化物残留物など、不揮発性シリコンまたはシリコン含有エッチング残留物の再堆積を生じ、それにより、エッチングされるべき特徴のプロファイルを劣化させ、基板上の欠陥を引き起こす。いくつかの実施形態では、シリコン酸化物残留物蓄積は、特徴を完全に閉じるほど大きくなり、基板を役に立たないものにし得る。そのようなプロセスは、低減されたまたは限定されたデバイス性能、あるいはデバイスの収率損失を生じ得る。
【0037】
エッチング選択性と、楕円率と、限界寸法均一性と、特徴プロファイルと、を維持しながら、非晶質炭素材料をエッチングするための方法および装置が、本明細書で提供される。いくつかの開示される実施形態は、非晶質炭素層上でシリコン含有ハードマスクの代わりにドープタングステン含有ハードマスクを使用することを伴い、ドープタングステン含有ハードマスクは、非晶質炭素層のエッチングが、特徴開口においてまたはその近くで、再堆積なしに実施されることを保証するために、ロバストな性質を提供し、シリコンを含まない。
【0038】
特定の理論に束縛されることなく、タングステン含有層中のドーパントの存在が、エッチング選択性を容易にするのに役立つと考えられる。シリコン含有ハードマスクが使用される場合、シリコンが、特徴の側壁上に蓄積し、側壁表面の約30%~約50%上に再堆積する。元素ホウ素ハードマスクが使用される場合、約1%未満のホウ素が、側壁表面上に蓄積される。しかしながら、ホウ素は、より小さい原子番号を有し、軽量であり、それは、スパッタリングを引き起こし、高いスパッタ収率を生じることがある。その結果、非晶質炭素材料のエッチング中に、ホウ素損失は高く、元素ホウ素ハードマスクの厚さは、極めて厚い非晶質炭素材料を十分にエッチングするためのエッチングの持続時間に対応するためにはるかに厚くなる。金属含有ハードマスクは、高い選択性を達成することの利点を有し、一部は、側壁上にポリマーを形成し得るが、ドーパントを取り入れることが、重合を低減するのに役立ち、それにより、特徴の側壁上への再堆積を低減することとロバストなエッチング選択性を有することの両方の、相乗効果を組み合わせる。
【0039】
ドープタングステン含有ハードマスクは、タングステンの場合、シリコンの場合よりも高い原子番号を有し、より高い膜密度、およびより高い係数を有する。より高い原子番号は、シリコン含有ハードマスクと比較して、炭素材料に対してエッチング選択性を改善し得る。金属ドーパントは、金属膜がそれの結晶構造を低減することを可能にし、エッチング選択性を改善し、詰まりを低減する。ドープタングステン含有ハードマスクは、熱化学気相堆積(CVD)または熱的原子層堆積(ALD)または他の同様の技法によって堆積され得る。ドープタングステン含有ハードマスクの膜応力は、限定はしないが、ガス流、圧力、および堆積温度など、堆積中の1つまたは複数のプロセス条件を調節することによって調整され得る。応力を調整することは、パターンの形状がエッチングに与える影響を最小限に抑え(線曲がりを低減することなど)、エッチング中の特徴ホールの形状の変更を最小限に抑え、より良いパターン転写を生じる。
【0040】
いくつかの開示される実施形態は、限定はしないが、自己整列ダブルパターニング方式および自己整列クワッドパターニング方式を含む、パターニング方式に好適である。様々な実施形態では、マスクにおけるタングステンの存在は、パターニングされたマスクにおいて、および下にある炭素材料をパターニングするとき、ファセットの形成を低減するのに役立ち得る。
【0041】
図2は、いくつかの開示される実施形態に従って動作を実施するための例示的な方法を示すプロセスフロー図である。動作201において、炭素材料を有する基板が、提供される。基板は、上に堆積された、誘電体材料、導電性材料、または半導体材料など、材料の1つまたは複数の層を有するウエハを含む、シリコンウエハ、たとえば、200mmウエハ、300mmウエハ、または450mmウエハであり得る。様々な実施形態では、基板は、パターニングされる。パターニングされた基板が、ピラー、ポール、トレンチ、ビアまたはコンタクトホールなど、「特徴」を有し得、それらは、狭いおよび/またはリエントラント型開口と、特徴内の狭窄部と、高アスペクト比と、のうちの1つまたは複数によって特徴づけられ得る。(1つまたは複数の)特徴は、上記で説明された層のうちの1つまたは複数中に形成され得る。いくつかの実施形態では、特徴は、基板の最上層のうちの1つまたは複数上に形成され得、したがって、特徴の底部が、露出した下層である。特徴の一例は、半導体基板または基板上の層中の、ピラーまたはポールである。別の例は、基板または層中のトレンチである。様々な実施形態では、特徴は、バリア層または接着層など、下層を有し得る。下層の非限定的な例は、誘電体層および導電層、たとえば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン炭化物、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、および金属層を含む。
【0042】
様々な実施形態では、基板は、ブランケット層である。様々な実施形態では、基板は、非晶質炭素材料など、炭素材料を含む。非晶質炭素材料は、本明細書では、「非晶質炭素層」または「ACL」と呼ばれることがある。非晶質炭素材料は、上にエッチングされる特徴を有しないブランケット層であり得る。多くの実施形態では、炭素材料は、0%の金属含有量を有する。様々な実施形態では、非晶質炭素材料は、金属を含まない。様々な実施形態では、非晶質炭素材料は、所望のパターンを用いて上に適切なハードマスクを形成した後に最終的にエッチングされるべき材料であり得る。炭素材料は、実質的にドーパントを含まず、これは、実質的にドーパントを含まない炭素材料が、その炭素材料中に、約1%未満、または約0%、または0%のドーパント濃度を有するなど、極めて低い量のドーパントをもつ材料を含むように、定義される。様々な実施形態では、非晶質炭素層は、タングステンを含まない。様々な実施形態では、非晶質炭素材料は、ホウ素を含まない。いくつかの実施形態では、炭素材料は、微量の水素および/または窒素を含む。様々な実施形態では、非晶質炭素層は、約1%未満の水素、または約0%の水素など、微量の水素を含む。様々な実施形態では、非晶質炭素層は、約1%未満の窒素、または約0%の窒素など、微量の窒素を含む。いくつかの実施形態では、非晶質炭素材料は、約40%未満の非炭素原子、または約30%未満の非炭素原子、または約15%未満の非炭素原子を有する。
【0043】
非晶質炭素材料はまた、約8から約12の間の硬度を有する材料など、硬度が変動し得る。非晶質炭素材料はまた、約60GPaから約160GPaの間など、いくつかの係数を有し得る。いくつかの実施形態では、非晶質炭素材料中のsp3結合の割合は、約15%から約50%の間であり得る。
【0044】
様々な実施形態では、非晶質炭素材料の厚さは、少なくとも約50nm、または少なくとも約200nm、または少なくとも約300nm、または少なくとも約500nm、または少なくとも約1000nm、または少なくとも約1500nm、または少なくとも約2000nm、または少なくとも約3000nm、または少なくとも約5000nm、または少なくとも約7000nm、または約50nm~約1000nm、または約50nm~約8000nmである。
【0045】
非晶質炭素材料においてエッチングされるべき特徴の限界寸法は、適用例に依存する。いくつかの実施形態では、それらの特徴は、3D-NAND適用例の場合、少なくとも約50nm、または少なくとも約80nm、または少なくとも約100nm、または約50nm~約500nmの限界寸法を有する。いくつかの実施形態では、それらの特徴は、DRAM適用例の場合、少なくとも約10nm、または少なくとも約15nm、または少なくとも約20nm、または約16nm~約22nmの限界寸法を有する。
【0046】
提供される基板上の特徴が、複数の異なるサイズを有し得る。いくつかの実施形態では、基板は、大きい特徴開口をもつ特徴、小さい特徴開口をもつ特徴、高アスペクト比をもつ特徴、小アスペクト比特徴をもつ特徴、またはそれらの組合せを含み得る。
【0047】
図2に戻ると、動作202において、随意に、接着層が、非晶質炭素材料上に堆積される。いくつかの実施形態では、接着層は、いくつかの窒素原子を含み得る。いくつかの実施形態では、接着層中の窒素原子が、以下でさらに説明される動作203において後で堆積されるタングステン含有層に拡散し得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、接着層は、タングステン含有層である。接着層の例示的な組成は、限定はしないが、タングステン窒化物と、チタン窒化物と、タングステン炭化物と、タングステン炭窒化物と、タングステンと、を含む。いくつかの実施形態では、接着層は、ドーパントでドープされる。いくつかの実施形態では、ドーパントは、ホウ素である。接着層は、少なくとも約325℃の温度において堆積される。
【0049】
接着層は、厚さが少なくとも約2nmの厚さまで堆積され得る。いくつかの実施形態では、接着層は、厚さが少なくとも約5nmの厚さまで堆積され得る。いくつかの実施形態では、接着層は、約2nm~約5nmの厚さまで堆積され得る。いくつかの厚さが、後続の動作において少なくとも約100nmのドープタングステン材料を形成するのに好適であり得る。いくつかの実施形態では、接着層は、後続の実施形態において非晶質炭素材料表面上でのタングステン含有膜粒子の核形成を容易にするために使用され得る。いくつかの実施形態では、浸漬動作が、接着層の堆積より前に、およびそれに加えて、またはそれの代わりに実施され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、非晶質炭素層は、浸漬を実施することが、後続の動作におけるタングステン含有材料の核形成を可能にするように、接着層を堆積させることより前にジボラン(B26)浸漬に露出され得るか、または接着層を堆積させることなしにジボラン浸漬に露出され得る。いくつかの実施形態では、浸漬および/または接着層堆積は、タングステン含有材料を堆積させるときの核形成遅延を低減するかまたはなくし得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、より高い温度における堆積が、より良い接着を生じ得る。いくつかの実施形態では、ジボランの増加した流れを使用する堆積が、より良い接着を生じ得る。
【0051】
いくつかの実施形態では、接着層は、プラズマを含まない堆積プロセスにおいて堆積される。いくつかの実施形態では、接着層は、熱的に堆積される。いくつかの実施形態では、接着層は、CVDまたはALDによって、あるいは別の堆積技法によって、堆積される。
【0052】
ALDは、連続した自己制限反応を使用して材料の薄い層を堆積させる技法である。ALDプロセスは、膜をサイクルで一層ずつ堆積させるために、表面媒介堆積反応を使用する。一例として、ALDサイクルは、以下の動作、すなわち、(i)前駆体の送出/吸着、(ii)チャンバから前駆体をパージすること、(iii)第2の反応物の送出、およびプラズマの随意の生成、ならびに(iv)チャンバから副産物をパージすることを含み得る。基板の表面上に膜を形成するための、第2の反応物と、吸着された前駆体と、の間の反応は、不均一性、応力、ウェットエッチング速度、ドライエッチング速度、電気的性質(たとえば、破壊電圧および漏れ電流)など、膜の組成および性質に影響を及ぼす。タングステン窒化物膜のALD堆積では、この反応は、時間的に交互に起こるパルス中で、タングステン含有前駆体ガスを窒素含有ガスと反応させることを伴い得る。タングステン窒化物膜のALD堆積では、三元反応(ternary reaction)が使用され得る。たとえば、1つの非限定的な三元反応例は、ジボランをパルス化することと、パージすることと、六フッ化タングステンをパルス化することと、パージすることと、アンモニアを用いてパルス化することとを伴い得る。
【0053】
化学気相堆積(CVD)技法とは異なり、ALDプロセスは、膜を一層ずつ堆積させるために、表面媒介堆積反応を使用する。ALDプロセスの一例では、表面活性部位の集合を含む基板表面が、基板を収容するチャンバに提供されるドーズ(dose)で、シリコン含有前駆体など、第1の前駆体のガス相分布に露出される。この第1の前駆体の分子は、基板表面上に吸着され、第1の前駆体の化学吸着された種および/または物理吸着された分子を含む。化合物が、本明細書で説明されるように、基板表面上に吸着されたとき、吸着層は、化合物ならびに化合物の誘導体を含み得ることを理解されたい。たとえば、タングステン含有前駆体の吸着層が、タングステン含有前駆体ならびにタングステン含有前駆体の誘導体を含み得る。第1の前駆体ドーズの後に、チャンバは、次いで、排気されて、主に吸着された種がまたは吸着された種のみがとどまるように、ガス相にとどまる第1の前駆体の大部分またはすべてを除去する。いくつかの実装形態では、チャンバは、完全には排気されないことがある。たとえば、リアクタは、ガス相中の第1の前駆体の分圧が、反応を緩和するほどに十分に低くなるように、排気され得る。窒素含有ガスなど、第2の反応物が、チャンバに導入され、したがって、これらの分子のうちのいくつかが、表面上に吸着された第1の前駆体と反応する。いくつかのプロセスでは、第2の前駆体は、吸着された第1の前駆体と直ちに反応する。他の実施形態では、第2の反応物は、活性化源が一時的に適用された後にのみ反応する。チャンバは、次いで、再び排気されて、未結合の第2の反応物分子を除去し得る。上記で説明されたように、いくつかの実施形態では、チャンバは、完全には排気されないことがある。膜厚を構築するために、追加のALDサイクルが使用され得る。
【0054】
いくつかの実施態様では、ALD方法は、プラズマ活性化を含む。本明細書で説明されるように、本明細書で説明されるALD方法および装置は、共形膜堆積(CFD)方法であり得、これらは、概して、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2011年4月11日に出願された「PLASMA ACTIVATED CONFORMAL FILM DEPOSITION」と題する米国特許出願第13/084,399号(現在、米国特許第8,728,956号)、および2011年4月11日に出願された「SILICON NITRIDE FILMS AND METHODS」と題する米国特許出願第13/084,305号において説明される。
【0055】
動作203において、ドープタングステン含有層が、炭素材料上に堆積される。図2中の動作は、任意の順序で実施され得るが、いくつかの実施形態では、動作203において、ドープタングステン含有層が、動作202において堆積された接着層上に堆積されるように、動作202は、動作203より前に実施され得る。様々な実施形態では、ドープタングステン含有層は、接着層を堆積させることなしに、炭素材料上に直接堆積される。様々な実施形態では、ドープタングステン含有層は、炭素材料がジボラン浸漬に露出された後に、炭素材料上に直接堆積される。様々な実施形態では、ドープタングステン含有層は、接着層上に直接堆積され、したがって、接着層は、ドープタングステン含有層と、炭素材料と、の間にはさまれる。
【0056】
様々な実施形態では、ドープタングステン含有層の金属ドーパントは、ホウ素であり得る。いくつかの実施形態では、金属ドーパントは、以下の金属、すなわち、ホウ素、リン、窒素、炭素、および塩素のうちのいずれか1つまたは複数であり得る。様々な実施形態では、金属ドーパントは、どんな金属が使用されるかと、どんな前駆体が使用されるかと、他のプロセス条件と、に依存し得る。いくつかの実施形態では、ドープタングステン含有層は、ホウ素ドープタングステンである。
【0057】
ドープタングステン含有層中の金属ドーパントの量は、少なくとも約15%原子、または少なくとも約20%原子、または少なくとも約30%原子、または少なくとも約40%原子、または少なくとも約50%原子、または約60%~約70%原子、または最高約80%原子、または約20%~約50%原子であり得る。いくつかの実施形態では、ドープタングステン含有層中のホウ素の量は、少なくとも約15%原子、または少なくとも約20%原子、または約30%原子、または少なくとも約40%原子、または最高約50%原子、または約20%~約50%原子であり得る。いくつかの実施形態では、タングステン中のホウ素ドーパントの50%超の原子組成が、特に、膜の変形を引き起こし得る。たとえば、いくつかの実施形態では、多量のホウ素が、ウエハ反りを低減し得、ただし、不均一性が発生し得るが、様々な実施形態では、不均一性は、ハードウェアまたは他のファクタによるものであり得、緩和され得る。いくつかの実施形態では、堆積され得る他の金属含有層では、最高約80%のホウ素ドーパント濃度を有することが、エッチング選択性および他の性質を改善するための追加の利益を生じることがある。金属ドーパントの量は、プロセス条件を調節することによって変動され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、温度を増加させることが、ドーパント濃度を増加させ得る。いくつかの実施形態では、ALDサイクルでドープタングステン含有層を堆積させるために使用されるタングステン含有前駆体への露出時間を増加させることが、ドーパント濃度を低減し得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のプロセスガスの流量を増加させることが、ドーパント濃度を増加させ得る。いくつかの実施形態では、調節している、プロセスガスの相対的流量、および気相中のガスの分圧が、ドーパント濃度を調節するために使用され得る。CVD反応の場合、チャンバ圧力を増加させることが、堆積速度を増加させ得、たとえば、より高いチャンバ圧力が、基板表面の上方の処理領域においてより多くの残留ガスを生じ得、したがって、追加の金属が、堆積され得る。
【0058】
ドープタングステン含有層は、CVDによって、またはALDによって堆積され得る。いくつかの実施形態では、ドープタングステン含有層は、プラズマを含まない環境において堆積され得る。
【0059】
ドープタングステン含有層は、非晶質である。元素タングステン膜が、結晶構造をより多く有し得るので、金属ドーパントが、非晶質膜を達成するために使用される。
【0060】
ドープタングステン含有層は、炭素材料をエッチングするために使用される後続のエッチング動作に耐えるのに十分な厚さまで堆積される。たとえば、いくつかの実施形態では、ドープタングステン含有層は、少なくとも約10nm、または少なくとも約50nm、または少なくとも約100nm、または少なくとも約200nm、または約10nm~約300nmの厚さまで堆積される。
【0061】
ドープタングステン含有層の応力は、限定はしないが、ガス流、圧力、および堆積温度を含む、動作203中の様々な堆積プロセス条件を調節することによって調節され得る。
【0062】
様々な実施形態では、動作203は、少なくとも約200℃、または少なくとも約300℃、または約300℃~約350℃の基板温度において実施され得る。ドープタングステン含有層の堆積速度、およびドープタングステン含有層中に形成されるドーパント濃度は、堆積中の基板の温度に応じて変動し得る。たとえば、より高い温度が、ドープタングステン含有層におけるドーパントのより高い濃度を生じ得る。一例では、より高い温度が、ドープタングステン含有層におけるホウ素のより高い濃度を生じ得る。
【0063】
ドープタングステン含有層がALDによって堆積される一例では、基板は、「ドーズ」に露出され、それにより、タングステン含有前駆体が、気相で基板表面に導入され、それにより、少なくとも1つのタングステン含有前駆体が、基板の表面上に吸着されることを引き起こす。タングステン含有前駆体は、六フッ化タングステン、五フッ化タングステン、六塩化タングステン、または五フッ化タングステンなど、ハロゲン含有前駆体であり得る。いくつかの実施形態では、タングステン含有前駆体は、有機金属タングステン前駆体であり得る。「ドーズ」は、約0.1秒~約30秒の持続時間の間実施され得る。
【0064】
「ドーズ」の後に、タングステン含有前駆体ガス流は、停止されるかまたは分流され、プロセスチャンバは、随意に、パージされて、基板表面の上方の処理領域において過剰なタングステン含有前駆体ガス分子を除去し得る。チャンバをパージすることは、パージガスまたはスイープガスを流すことを伴い得、これは、他の動作において使用されるキャリアガスであり得るか、または異なるガスであり得る。いくつかの実施形態では、パージすることは、チャンバを排気することを伴い得る。例示的なパージガスは、アルゴン、窒素、水素、およびヘリウムを含む。いくつかの実施形態では、パージすることは、プロセスチャンバを排気するための1つまたは複数の排気サブフェーズを含み得る。代替的に、パージすることは、いくつかの実施形態では省略され得ることが諒解されよう。パージすることは、約0秒から約60秒の間など、任意の好適な持続時間、たとえば、約0.01秒、または、たとえば、約100msを有し得る。
【0065】
随意のパージ動作に続いて、「変換」動作が実施され得、したがって、第2の反応物が導入されて、吸着されたタングステン含有前駆体と反応して、基板の表面上にタングステン含有材料を形成する。第2の反応物は、ドーパントを含み得る。いくつかの実施形態では、第2の反応物は、ジボランなど、ホウ素含有反応物である。いくつかの実施形態では、第2の反応物は、アンモニアなど、窒素含有反応物である。いくつかの実施形態では、第2の反応物は、アンモニアなど、水素含有反応物である。いくつかの実施形態では、第2の反応物は、ジボラン、アンモニア、水素、およびそれらの組合せなど、1つまたは複数のガスを含む。様々な実施形態では、第2の反応物は、熱および/またはプラズマを含まない反応において、吸着されたタングステン含有前駆体と反応し、したがって、プラズマが点火されず、または、プラズマ種が、動作中に基板の上方の処理領域中にない。1つまたは複数の不活性ガスおよび/またはキャリアガスが、同時に流され得るか、または第2の反応物とともに流され得、次いで、プロセスチャンバのシャワーヘッドへの送出より前に分流される。
【0066】
「変換」動作に続いて、第2の随意の、パージすることが、実施され得る。「ドーズ」および「変換」を含むプロセス全体が、任意の順序で実施され得る(たとえば、タングステン含有前駆体が導入され、その後に、第2の反応物が続き得る、または、第2の反応物が導入され、その後に、タングステン含有前駆体が続き得る)。いくつかの実施形態では、ALDサイクル全体が、少なくとも1つのドーズと、1つの変換動作と、を含み得る。いくつかの実施形態では、ALDサイクル全体が、ドーズと、パージと、変換と、第2のパージと、を含み得る。膜厚を構築するために、複数のALDサイクルが実施され得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、動作203におけるドープタングステン含有層は、熱CVDによって堆積される。熱CVDでは、基板は、1つまたは複数のタングステン含有前駆体ガスと、第2の反応物と、に露出され、したがって、タングステン含有前駆体ガスと、第2の反応物と、が反応して、ドープタングステン含有層を形成する。いくつかの実施形態では、その反応は、基板の上方の処理領域において行われる。いくつかの実施形態では、その反応は、基板表面上で行われて、基板表面上にタングステン含有材料を形成する。
【0068】
堆積時間も、ドープタングステン含有層中のドーパント濃度に影響を及ぼし得る。たとえば、より長い堆積時間が、より高いドーパント濃度を生じることになる。
【0069】
使用される反応物、特に、ドーパント含有反応物のための堆積流も、ドーパント濃度に影響を及ぼす。たとえば、ドーパント含有反応物の流量の増加が、ドープタングステン含有層において、より高いドーパント濃度を生じることになる。
【0070】
圧力も、ドーパント濃度、または堆積速度、またはその両方に影響を及ぼし得る。たとえば、CVDベースの堆積プロセスでは、圧力の増加が、タングステン含有前駆体と、ドーパント含有反応物と、の間の反応速度を増加させ、堆積速度を増加させ得る。さらに、堆積中に使用される様々なガスの相対分圧も、ドーパント濃度に影響を及ぼす。ALDプロセスでは、圧力の増加は、ドーパント含有反応物が導入されるとき、処理領域においてより多くの周囲材料を生じ得、より多くの堆積を生じ得る。たとえば、六フッ化タングステンを導入した後の不完全なパージが、ジボランが後で導入されるとき、より多くのタングステン堆積を生じ得る。いくつかの実施形態では、タングステン含有前駆体とドーパント含有反応物の流量比が、ドーパント濃度に影響を及ぼし得る。
【0071】
ドープタングステン含有層の厚さと炭素材料の厚さの比は、約1:5から約1:30の間であり得る。様々な実施形態では、ドープタングステン含有層は、炭素材料上に直接堆積される。
【0072】
ドープタングステン含有層は、シリコンを含まない。ドープタングステン含有ハードマスクが、架橋され得るタングステン原子を含む。いくつかの実施形態では、ホウ素を有するドープタングステン含有ハードマスクが、タングステンホウ化物と、追加のタングステンと、ホウ素原子と、の間の、またはタングステンホウ化物と、追加のタングステン原子と、の間の、またはタングステンホウ化物と、追加のホウ素原子と、の間の、架橋を含む。ドープタングステン含有層において観察される異なるタイプの架橋が、堆積前駆体化学作用、温度、チャンバ圧力、およびプラズマ条件など、層を堆積させるためのプロセス条件に依存する。
【0073】
一例では、極めて厚い非晶質炭素層上に形成された約5nmの接着層上で六フッ化タングステンをジボランと反応させることによって、少なくとも約100nmのホウ素ドープタングステンが、堆積される。
【0074】
図2に戻ると、動作205において、パターニングされたマスクが、ドープタングステン含有層上に形成される。いくつかの実施形態では、パターニングされたマスクは、パターニングされたフォトレジストである。パターニングされたフォトレジストは、フォトレジスト層を堆積させることと、フォトレジストをリソグラフィ的にパターニングすることと、によって形成され得る。いくつかの実施形態では、パターニングされたマスクを形成することより前に、底部反射防止コーティング層が、ドープタングステン含有層上に形成される。いくつかの実施形態では、底部反射防止コーティング(BARC)層は、化学式Cxyzを有するものなど、ポリマー材料であり得る。いくつかの実施形態では、BARC層は、約10nm~約50nmの厚さを有する。いくつかの実施形態では、BARC層は、スピンオン方法によって堆積され得る。いくつかの実施形態では、ドープタングステン含有層上に形成されたパターニングされたマスクは、パターニングされたBARC層とパターニングされたフォトレジストの両方を含む。非限定的な一例では、BARC層は、CF4など、CFx化合物と、プラズマと、を使用することによってパターニングされ得、電力が、約200Hzの周波数において交互にパルス化され得る。CF4の流量は、約50sccmから約200sccmの間であり得る。このステップにおいてパルス化され得る他のガスは、ヘリウム(He)を含む。
【0075】
図2に戻ると、動作207において、パターニングされたマスクのパターンは、ドープタングステン含有層に転写されて、パターニングされたドープタングステン含有マスクを形成する。ドープタングステン含有層へのパターンの転写は、パターニングされたマスクをマスクとして使用してドープタングステン含有層をエッチングすることによって実施され得る。マスクは、ハロゲン含有エッチング種を使用してエッチングされ得る。使用される例示的なハロゲン含有ガスは、限定はしないが、塩素と、フッ素と、三フッ化窒素と、三フッ化ホウ素と、を含む。様々な実施形態では、エッチングは、パターニングされたドープタングステン含有層を形成する間に炭素材料をエッチングしないように、下にある炭素材料に対して選択的である。いくつかの実施形態では、この動作はまた、随意の接着層をエッチングして炭素材料の表面を露出することを含む。プラズマ中に存在する実際の種は、エッチングガスから導出された異なるイオンと、ラジカルと、分子と、の混合物であり得ることを、当業者は認識されよう。プラズマは、ドープタングステン含有材料と反応し、それを破壊するので、揮発性副産物など、他の種が、ドープタングステン含有材料の除去中に反応チャンバ中に存在し得ることに留意されたい。プラズマに導入される最初の1つまたは複数のガスは、プラズマ中に存在する1つまたは複数のガス、ならびにエッチング中に基板の表面に接触する1つまたは複数のガスとは異なり得る。RFプラズマ源と、DCプラズマ源と、マイクロ波ベースプラズマ源と、を含む、様々なタイプのプラズマ源が、使用され得る。いくつかの実施形態では、RFプラズマ源が、使用される。一般に、300mmウエハのためのRFプラズマ電力は、約500Wから約10000Wの間、または約3000Wから約10000Wの間にわたる。いくつかの実施形態では、電力は、ステーションごとに約7000Wである。使用されているプロセスチャンバに応じて、いくつかの実施形態では、各ステーションが、専用電源を有する。様々な実施形態では、プラズマは、シャワーヘッドの上流に誘導結合プラズマとして生成される。様々な実施形態では、バイアスが、金属ドープ炭素含有材料のエッチング中に、ペデスタルに適用されない。しかしながら、いくつかの実施形態では、RFバイアスが、使用される。RFバイアスは、いくつかの実施形態において使用され得る。様々なタイプのRFバイアスが、使用され得、たとえば、RFバイアスは、13.56MHz以下、限定はしないが、400MHz、2MHz、および1MHzを含む、周波数において生成され得る。高バイアスの一例が、エッチング中にペデスタルに適用される少なくとも約1000Vの電力を有するバイアスである。バイアスの使用は、化学作用と、いくつかの開示される実施形態を使用する適用例において、方向性エッチングが使用されるかどうかと、に依存する。
【0076】
バイアスが適用される場合、バイアスに適用される電力は、約10Vなど、約10Vから約3000Vの間であり得る。「バイアス電力」および「バイアス電圧」という用語は、バイアスがペデスタルに適用されるとき、ペデスタルが設定される電圧について説明するために、本明細書では互換的に使用されることを理解されよう。本明細書で説明されるバイアス電力またはバイアス電圧は、ペデスタルに適用される電力についてワット単位で測定される。いくつかの実施形態では、パルス化されたバイアスが、シリコンを含有するパターニングされたマスクのエッチングを防ぐために使用され得る。パルス化されたプラズマが、低バイアスと、高バイアスと、の間で、またはオン状態にあるバイアスと、オフ状態(0V)状態にあるバイアスと、の間でパルス化され得る。低バイアスと、高バイアスと、の間でパルス化することは、約100Vから約300Vの間の低バイアスと、約1000Vから約2500Vの間の高バイアスと、の間でパルス化することを伴う。パルス化することは、約3%から約40%の間、または約3%~約99%、または100%(連続バイアス)のデューティサイクルを使用して実施され得る。デューティサイクルは、期間中にパルスがオンである、持続時間を指す。バイアスパルス化は、各々が、持続時間Tの間持続し得る、期間の繰返しを伴い得ることを理解されよう。持続時間Tは、所与の期間中の、パルスオン時間のための持続時間(バイアスがオン状態にある、持続時間)と、バイアスオフ時間のための持続時間(バイアスがオフ状態にある、持続時間)と、を含む。パルス周波数は、1/Tとして理解されよう。たとえば、バイアスパルス化期間T=100μsの場合、周波数は、1/T=1/100μs、または10kHzである。デューティサイクルまたはデューティ比は、バイアスがオン状態にある、期間Tにおける部分または割合であり、したがって、デューティサイクルまたはデューティ比は、パルスオン時間をTで除算したものである。たとえば、バイアスパルス化期間T=100μsの場合、パルスオン時間が70μsであり(したがって、バイアスが期間においてオン状態にある、持続時間が70μsである)、パルスオフ時間が30μsである(したがって、バイアスが期間においてオフ状態にある、持続時間が30μsである)場合、デューティサイクルは、70%である。
【0077】
エッチングが、パターニングされたマスクをマスクとして使用して実施されたので、特徴間のギャップのアスペクト比が同じままであることに留意されたい。
【0078】
図2に戻ると、動作209において、パターンは、ドープタングステン含有マスクを使用して炭素材料に転写される。エッチングは、二酸化硫黄または酸硫化炭素ガスと混合された酸素含有ガスと、窒素、アルゴン、およびヘリウムなど、1つまたは複数の不活性ガスと、を使用して実施され得る。エッチング中に、パターニングされたマスクが、パターンを炭素材料に転写することより前に除去される場合、エッチング中にシリコンが存在せず、したがって、シリコン含有残留物の再堆積または形成がない。非晶質炭素層のエッチング速度は、毎分約50nm~毎分約1ミクロン超であり得る。ホウ素ドープタングステンのエッチング速度は、毎分約1nm~毎分約50nmであり得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、いくつかの開示される実施形態を使用するエッチングは、たとえば、基板の表面を上から下に直接見ることによって、膜の上面図視点から評価された、特定の楕円率を有するエッチング特徴を伴う。いくつかの実施形態では、非晶質炭素をエッチングするためにドープタングステン含有マスクを使用することが、約1~約1.05、または、約1~約1.1の楕円率を有する特徴を有する非晶質炭素を生じる。
【0080】
図3A図3Dは、非晶質炭素層303と、ドープタングステン含有層309と、BARC層305と、現像されたフォトレジスト307と、をもつ基板301の例示的な概略図を示す。図示されていないが、非晶質炭素層303上のドープタングステン含有層305の堆積が、非晶質炭素層303上に直接接着層(図示せず)を堆積させることと、その後に続く、ドープタングステン含有層305を堆積させることと、を伴い得る。いくつかの実施形態では、現像されたフォトレジスト307は、リソグラフィ技法を使用して形成されたマスクを表し得る。
【0081】
図3Bは、ドープタングステン含有層309に対する選択的エッチングを使用して、現像されたフォトレジスト307をマスクとして使用して図3A中のBARC層305をエッチングした後の、パターニングされたBARC層315を示す。BARC層305のそのようなエッチングは、パターニングされたレジストをマスクとして使用するプラズマエッチングによって実施され得る。
【0082】
図3Cは、図3B中のドープタングステン含有層309が、パターニングされたBARC層325に対して選択的にエッチングされて、パターニングされたドープタングステン含有マスク319を形成することを示す。いくつかの実施形態では、エッチングは、非晶質炭素303ではなく、BARC層のみに対して選択的であり、したがって、一部の非晶質炭素303がエッチングされ得る。しかしながら、そのようなエッチングは、かなり遅いことがあるので、そのようなエッチングは、非晶質炭素層全体を完全にエッチングするために使用されず、以下でさらに説明される、別のエッチング化学作用(etching chemistry)が、非晶質炭素層の厚さをエッチングするために使用される。エッチングが、パターニングされたBARC層325をマスクとして使用して実施されたので、特徴間のギャップのアスペクト比が同じままであることに留意されたい。エッチング化学作用は、パターニングされたBARC層325をエッチングすることなしに、および非晶質炭素303を実質的にエッチングすることなしに、主にドープタングステン含有層309をエッチングするように選択的である。いくつかの実施形態では、あるごくわずかな量のパターニングされたBARC層325が、この動作中に消費され得る。エッチング化学作用は、ハロゲン含有化学作用を含む。金属ドープタングステン含有層の、炭素材料に対するエッチング選択性は、少なくとも約10:1、または、約30:1から約40:1の間であり得る。
【0083】
図3Dは、消費された、パターニングされたBARC層325を使用し、ドープタングステン含有マスク329をマスクとして使用してエッチングされた、パターニングされた炭素層313をもつ基板301を示す。シリコン含有マスクの代わりに、ドープタングステン含有マスクが使用されるので、特徴の上部に残されるシリコン含有残留物の量は、低減されるか、または、いくつかの実施形態では、完全になくされる。
【0084】
いくつかの開示される実施形態はまた、ドープタングステン含有スペーサ材料を形成するのに好適である。たとえば、ドープタングステン含有スペーサは、より良いプロファイル制御を有し得、線曲がりまたは傾きを低減し、スペーサ堆積によるコア損傷を低減し、下にあるエッチング停止材料に対するスペーサエッチングえぐれ(gouging)を低減し得る。
【0085】
装置
開示される実施形態は、CA、フリーモントのLam Research Corporationから入手可能な、任意の好適なエッチングチャンバまたは装置において実施され得る。プラズマエッチングチャンバのさらなる説明は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,841,943号および第8,552,334号において見つけられ得る。
【0086】
開示される実施形態は、誘導結合プラズマ(ICP)リアクタにおいて実施される。一例が、図4において提供される。そのようなICPリアクタはまた、本明細書で説明される技法の実装のための好適なICPリアクタについて説明する目的で参照により本明細書に組み込まれる、2016年6月7日に発行され、2013年12月10日に出願された、「METHOD FOR FORMING A MASK BY ETCHING CONFORMAL FILM ON PATTERNED ASHABLE HARDMASK」と題する、米国特許第9,362,133号において説明されている。ICPリアクタが、本明細書で説明されるが、いくつかの実施形態では、容量結合プラズマリアクタも、使用され得ることを理解されたい。例示的なチャンバまたは装置が、本明細書で説明されるように、チャンバ壁を有するチャンバと、ウエハをチャックおよびデチャックするための静電電極を含み得、無線周波数(RF)電源を使用して帯電され得る、処理されるべき基板またはウエハを保持するためのチャックと、プラズマを生成するためにコイルに電力を供給するように構成されたRF電源と、ガスを取り入れるためのガス流入口と、を含み得る。いくつかの実施形態では、装置が、2つ以上のチャンバを含み得、それらの各々が、エッチングするために、堆積するために、または基板を処理するために使用され得る。チャンバまたは装置は、チャンバ圧力、不活性ガス流、プラズマ電力、プラズマ周波数、反応ガス流(たとえば、エッチングガスなど)、バイアス電力、温度、真空設定、および他のプロセス条件を調節することなど、チャンバまたは装置の動作の一部または全部を制御するためのシステムコントローラを含み得る。チャンバはまた、タングステン含有材料を基板上に堆積させるために使用され得る。
【0087】
図4は、本明細書のいくつかの実施形態を実装することに適した誘導結合プラズマ統合エッチングおよび堆積装置400の断面図を概略的に示し、その一例が、CA、フリーモントのLam Research Corp.によって作り出された誘導結合プラズマリアクタである。誘導結合プラズマ装置400は、チャンバ壁およびウィンドウ411によって構造的に画定された処理チャンバ401を含む。チャンバ壁は、ステンレス鋼またはアルミニウムから作製され得る。ウィンドウ411は、石英または他の誘電体材料から作製され得る。随意の内部シャワーヘッド450が、処理チャンバ401を、上側サブチャンバ402と、下側サブチャンバ403と、に分割する。シャワーヘッドは、ガスおよび/またはプラズマ種を下側サブチャンバ403に送出および分配するために、1つのホールを含み得るか、または複数のホールを含み得る。たいていの実施形態では、シャワーヘッド450は、除去され、それにより、サブチャンバ402および403により作られたチャンバ空間を利用し得る。チャック417が、底部内側表面の近くで下側サブチャンバ403内に配置される。チャック417は、半導体ウエハ419を受け取り、保持するように構成され、半導体ウエハ419上で、エッチングおよび堆積プロセスが実施される。チャック417は、存在するとき、ウエハ419を支持するための静電チャックであり得る。いくつかの実施形態では、エッジリング(図示せず)が、チャック417を囲み、チャック417上に存在するとき、ウエハ419の上部表面とほぼ平面である上側表面を有する。チャック417はまた、ウエハをチャックおよびデチャックするための静電電極を含む。フィルタおよびDCクランプ電源(図示せず)が、この目的で提供され得る。ウエハ419をチャック417から持ち上げるための他の制御システムも、提供され得る。チャック417は、チャンバの側壁に実質的に平行な軸に沿って移動可能であり得、それにより、チャック417の表面は、地面に実質的に平行である。シャワーヘッドが使用される場合、ウエハ419と、シャワーヘッド(図示せず)と、の間の距離は、約0.5インチから約3.0インチの間であり得る。チャック417は、RF電源423を使用して帯電され得る。RF電源423は、接続427を通して整合回路421に接続される。整合回路421は、接続425を通してチャック417に接続される。このようにして、RF電源423は、チャック417に接続される。
【0088】
プラズマ生成のための要素が、ウィンドウ411の上方に配置されたコイル433を含む。様々な実施形態では、開示される実施形態においてコイルが使用されない。コイル433は、導電性材料から作製され、少なくとも1回の完全な巻きを含む。図4に示されているコイル433の例は、3回の巻きを含む。コイル433の断面が、記号で示されており、「X」を有するコイルは、回転してページの中に入るように延び、「●」を有するコイルは、回転してページの外に出るように延びる。プラズマ生成のための要素は、コイル433にRF電力を供給するように構成されたRF電源441をも含む。概して、RF電源441は、接続445を通して整合回路439に接続される。整合回路439は、接続443を通してコイル433に接続される。このようにして、RF電源441は、コイル433に接続される。随意のファラデーシールド449が、コイル433と、ウィンドウ411と、の間に配置される。ファラデーシールド449は、コイル433に対して離間された関係で維持される。ファラデーシールド449は、ウィンドウ411のすぐ上方に配設される。コイル433、ファラデーシールド449、およびウィンドウ411は、各々、互いに実質的に平行であるように構成される。ファラデーシールドは、金属または他の種が、処理チャンバ401の誘電体ウィンドウ上に堆積することを防ぎ得る。
【0089】
プロセスガス(たとえば、酸素含有ガス、ハロゲン含有ガス、ドープタングステン含有層堆積前駆体など)が、上側チャンバ402中に配置された1つまたは複数のメインガス流入口460を通して、および/または1つまたは複数のサイドガス流入口470を通して、処理チャンバ401中に流され得る。同様に、明示的に示されていないが、同様のガス流入口が、プロセスガスを容量結合プラズマ処理チャンバに供給するために使用され得る。プロセスガスを処理チャンバ401から引き出し、処理チャンバ401内の圧力を維持するために、真空ポンプ、たとえば、1段または2段機械式ドライポンプおよび/またはターボ分子ポンプ440が、使用され得る。たとえば、そのポンプは、ドープタングステン含有材料、非ドープタングステン含有材料、ならびにBARC材料などのパターニングされたマスク材料をエッチングすることから生成される揮発性副産物を除去するために、処理チャンバ401を排気するために使用され得る。真空ポンプによって提供された真空環境の適用を選択的に制御するように、真空ポンプを処理チャンバ401に流体的に接続するために、バルブ制御導管が使用され得る。これは、動作するプラズマ処理中に、スロットルバルブ(図示せず)または振り子バルブ(図示せず)など、閉ループ制御流量制限デバイスを採用して行われ得る。同様に、容量結合プラズマ処理チャンバへの真空ポンプおよびバルブ制御流体接続も、採用され得る。
【0090】
装置の動作中に、1つまたは複数プロセスガスが、ガス流入口460および/または470を通して供給され得る。いくつかの実施形態では、プロセスガスは、メインガス流入口460のみを通して、またはサイドガス流入口470のみを通して、供給され得る。いくつかの場合には、図に示されているガス流入口は、たとえば、より複雑なガス流入口、1つまたは複数のシャワーヘッドと置き換えられ得る。ファラデーシールド449および/または随意のグリッド450は、処理チャンバ401へのプロセスガスの送出を可能にする内部チャネルおよびホールを含み得る。ファラデーシールド449と随意のグリッド450のいずれかまたは両方が、処理ガスの送出のためのシャワーヘッドとして働き得る。いくつかの実施形態では、液体気化および送出システムが、処理チャンバ401の上流にあり得、したがって、液体反応物または前駆体が気化されると、気化された反応物または前駆体は、ガス流入口460および/または470を介して処理チャンバ401中に導入される。
【0091】
無線周波数電力が、RF電源441からコイル433に供給されて、RF電流が、コイル433を通って流れることを引き起こす。コイル433を通って流れるRF電流は、コイル433の周りに電磁場を生成する。電磁場は、上側サブチャンバ402内に誘導電流を生成する。ウエハ419との、様々な生成されたイオンおよびラジカルの物理的および化学的相互作用が、選択的に、ウエハの特徴をエッチングし、ウエハ上に層を堆積させる。
【0092】
プラズマグリッドが使用され、したがって、上側サブチャンバ402と下側サブチャンバ403の両方がある場合、誘導電流は、上側サブチャンバ402中に存在する1つまたは複数のガスに作用して、上側サブチャンバ402中で電子-イオンプラズマを生成する。随意の内部プラズマグリッド450は、下側サブチャンバ403中の熱い電子の量を制限する。いくつかの実施形態では、装置は、下側サブチャンバ403中に存在するプラズマがイオン-イオンプラズマであるように、設計および動作される。
【0093】
上側の電子-イオンプラズマと下側のイオン-イオンプラズマの両方が、正イオンおよび負イオンを含んでいることがあるが、イオン-イオンプラズマは、負イオンと正イオンのより大きい比を有することになる。揮発性エッチングおよび/または堆積副産物が、ポート422を通して下側サブチャンバ403から除去され得る。本明細書で開示されるチャック417は、約200℃から約500℃の間にわたる高い温度において動作し得る。温度は、プロセス動作と、特定のレシピと、に依存することになる。
【0094】
処理チャンバ401は、クリーンルームまたは作製施設に設置されたとき、施設(図示せず)に結合され得る。施設は、処理ガスと、真空と、温度制御と、環境粒子制御と、を提供する配管を含む。これらの施設は、ターゲット作製施設に設置されたとき、処理チャンバ401に結合される。さらに、処理チャンバ401は、典型的な自動化を使用して半導体ウエハを処理チャンバ401におよび処理チャンバ401から移送するためのロボティクスを可能にする移送チャンバに結合され得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、(1つまたは複数の物理的または論理的コントローラを含み得る)システムコントローラ430が、処理チャンバの動作の一部または全部を制御する。システムコントローラ430は、1つまたは複数のメモリデバイスと、1つまたは複数のプロセッサと、を含み得る。いくつかの実施形態では、装置は、開示される実施形態が実施されるとき、流量および持続時間を制御するための切替えシステムを含む。いくつかの実施形態では、装置は、最高約500ms、または最高約750msの切替え時間を有し得る。切替え時間は、流れの化学作用、選択されたレシピ、リアクタアーキテクチャ、および他のファクタに依存し得る。
【0096】
処理チャンバ401または装置は、システムコントローラを含み得る。たとえば、いくつかの実施形態では、コントローラ430は、上記で説明された例の一部であり得る、システムの一部である。そのようなシステムは、処理のための1つまたは複数の処理ツール、1つまたは複数のチャンバ、1つまたは複数のプラットフォーム、および/または特定の処理構成要素(ウエハペデスタル、ガス流システムなど)を含む、半導体処理機器を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前に、処理中に、処理後にそれらの動作を制御するための電子機器と統合され得る。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれることがあり、これは、1つまたは複数のシステムの様々な構成要素またはサブ部分を制御し得る。コントローラ430は、処理仕様および/またはシステムのタイプに応じて、処理ガスの送出、温度設定(たとえば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、無線周波数(RF)生成器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体送出設定、位置および動作設定、特定のシステムに接続されたまたはそれとインターフェースされたツールおよび他の移送ツールおよび/またはロードロックを出入りするウエハ移送を含む、本明細書で開示されるプロセスのいずれかを制御するようにプログラムされ得る。
【0097】
概して、コントローラ430は、命令を受け取り、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどを行う様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/またはソフトウェアを有する電子機器として定義され得る。集積回路は、プログラム命令を記憶したファームウェア、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/あるいは、プログラム命令(たとえば、ソフトウェア)を実行する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、またはマイクロコントローラの形式のチップを含み得る。プログラム命令は、半導体ウエハ上でまたはそれのためにあるいはシステムに対して特定のプロセスを行うための動作パラメータを定義する、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形式でコントローラに通信される命令であり得る。動作パラメータは、いくつかの実施形態では、ウエハの1つまたは複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはダイの作製中に1つまたは複数の処理ステップを達成するために、プロセス技術者によって定義されたレシピの一部であり得る。
【0098】
コントローラ430は、いくつかの実装形態では、システムと統合されるか、システムに結合されるか、さもなければシステムにネットワーク接続される、コンピュータの一部であるか、またはそのコンピュータに結合されるか、あるいはその組合せであり得る。たとえば、コントローラ430は、「クラウド」の中に、あるいはウエハ処理のリモートアクセスを可能にすることができるファブホストコンピュータシステムの全部または一部の中にあり得る。コンピュータは、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理の後に続く処理ステップを設定し、または新しいプロセスを開始するために、作製動作の現在の進行を監視し、過去の作製動作の履歴を検査し、複数の作製動作からトレンドまたはパフォーマンスメトリックを検査するために、システムへのリモートアクセスを可能にし得る。いくつかの例では、リモートコンピュータ(たとえば、サーバ)が、ローカルネットワークまたはインターネットを含み得るネットワーク上でシステムにプロセスレシピを提供することができる。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含み得、パラメータおよび/または設定は、次いで、リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、コントローラは、1つまたは複数の動作中に実施されるべき処理ステップの各々についてパラメータを指定する、データの形式の命令を受け取る。パラメータは、実施されるべきプロセスのタイプと、コントローラがインターフェースするかまたは制御するように構成されたツールのタイプと、に固有であり得ることを理解されたい。したがって、上記で説明されたように、コントローラは、ともにネットワーク接続され、本明細書で説明されるプロセスおよび制御などの共通の目的に向かって機能する1つまたは複数の個別のコントローラを含むことによってなどで、分散され得る。そのような目的のための分散コントローラの一例が、チャンバ上のプロセスを制御するように組み合わせた、(プラットフォームレベルにおいて、または遠隔コンピュータの一部としてなどの)遠隔にある1つまたは複数の集積回路と通信しているチャンバ上の1つまたは複数の集積回路であろう。
【0099】
限定はしないが、例示的なシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、堆積チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属めっきチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、面取りエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理気相堆積(PVD)チャンバまたはモジュール、化学気相堆積(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに半導体ウエハの作製および/または製造において関連付けられまたは使用され得る任意の他の半導体処理システムを含み得る。
【0100】
上述のように、ツールによって実施されるべき1つまたは複数のプロセスステップに応じて、コントローラ430は、他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接ツール、近隣ツール、工場全体に位置するツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または半導体製造工場におけるツールロケーションおよび/またはロードポートとの間でウエハのコンテナを運ぶ材料搬送において使用されるツールのうちの1つまたは複数と通信し得る。
【0101】
処理チャンバ401は、図5に示されているようなマルチステーションツールにおいて統合され得る。各ステーションが、異なる動作を処理するために使用され得る。たとえば、あるステーションが、予備酸化を実施するために使用され得、別のステーションが、ドープタングステン含有材料の選択的エッチングを実施するために使用される。開示される実施形態は、真空を破壊することなしに実施され得、同じ装置において実施され得る。
【0102】
図5は、真空移送モジュール(VTM)538とインターフェースする、様々なモジュールをもつ半導体プロセスクラスタアーキテクチャを示す。複数の保管施設および処理モジュールの間でウエハを「移送」するための移送モジュールの構成が、「クラスタツールアーキテクチャ」システムと呼ばれることがある。ロードロックまたは移送モジュールとしても知られる、エアロック530が、様々な作製プロセスを実施するために個々に最適化され得る、4つの処理モジュール520a~520dとともに、VTM538において示されている。例として、処理モジュール520a~520dは、基板エッチング、堆積、イオン注入、ウエハ洗浄、スパッタリング、および/または他の半導体プロセスを実施するために実装され得る。基板エッチング処理モジュールのうちの1つまたは複数(520a~520dのいずれか)が、本明細書で開示されるように、すなわち、予備酸化を実施することと、ドープタングステン含有材料を選択的に除去することと、開示される実施形態による他の好適な機能と、のために、実装され得る。エアロック530およびプロセスモジュール520は、「ステーション」と呼ばれることがある。各ステーションは、ステーションをVTM538にインターフェースするファセット536を有する。各ファセットの内側で、センサー1~18が、それぞれのステーション間で移動されるときにウエハ526の通過を検出するために、使用される。
【0103】
ロボット522が、ステーション間でウエハ526を移送する。一実施形態では、ロボット522は、1つのアームを有し、別の実施形態では、ロボット522は、2つのアームを有し、各アームが、搬送のために、ウエハ526などのウエハを取るためのエンドエフェクタ524を有する。大気移送モジュール(ATM)540中のフロントエンドロボット532が、ウエハ526を、ロードポートモジュール(LPM)542中のカセットまたはフロントオープニングユニファイドポッド(FOUP)534からエアロック530に移送するために使用される。プロセスモジュール520の内側のモジュールセンター528は、ウエハ526を置くための1つのロケーションである。ATM540中のアライナー544が、ウエハを整列させるために使用される。
【0104】
例示的な処理方法では、ウエハが、LPM542中のFOUP534のうちの1つ中に置かれる。フロントエンドロボット532は、ウエハを、FOUP534からアライナー544に移送し、これは、ウエハ526が、それがエッチングまたは処理される前に、適切に中心に置かれることを可能にする。整列された後に、ウエハ526は、フロントエンドロボット532によってエアロック530に移動される。エアロックモジュールが、ATMと、VTMと、の間の環境と整合する能力を有するので、ウエハ526は、損傷を与えられることなしに2つの気圧環境間で移動することが可能である。エアロックモジュール530から、ウエハ526は、ロボット522によってVTM538を通して、およびプロセスモジュール520a~520dのうちの1つに移動される。このウエハ移動を達成するために、ロボット522は、それのアームの各々上でエンドエフェクタ524を使用する。ウエハ526が処理されると、ウエハ526は、ロボット522によってプロセスモジュール520a~520dからエアロックモジュール530に移動される。ここから、ウエハ526は、フロントエンドロボット532によってFOUP534のうちの1つにまたはアライナー544に移動され得る。
【0105】
ウエハ移動を制御するコンピュータは、クラスタアーキテクチャに対してローカルであり得るか、または製造フロアにおいてクラスタアーキテクチャの外部に位置し得るか、または遠隔ロケーションにあり、ネットワークを介してクラスタアーキテクチャに接続され得る。図4に関して上記で説明されたコントローラが、図5中のツールとともに実装され得る。
【0106】
実験
実験1
非晶質炭素材料をエッチングするために同じエッチ化学作用を使用して異なるマスク材料のエッチング速度を測定する実験が、行われた。3つのマスクが、様々な量のホウ素ドーパントを有するホウ素ドープタングステンを含み、第4のマスクが、シリコン窒化物マスクであった。ホウ素ドープタングステンマスク中に最小限のホウ素ドーパントを有することが、シリコン酸窒化物をマスクとして使用することと比較して、選択性を12.9倍だけ改善した。変動する量のホウ素においてホウ素ドープタングステンを使用することは、図6に示されているように、選択性改善をSiONマスクのものの、少なくとも5.8倍だけ達成した。
【0107】
実験2
SiNエッチング化学作用を使用してホウ素ドープタングステン含有材料のエッチング速度を測定する実験が、行われた。ホウ素ドープタングステンは、SiONに対して、図7に示されているように少なくとも52%の低減による、より低いエッチング速度を有した。図6および図7は、ホウ素ドープタングステン含有材料が、SiNベースマスクに対して高い選択性をもつ非晶質炭素材料のためのマスク材料として使用され得(図6)、ホウ素ドープタングステン含有材料が、SiNエッチ化学作用を使用して容易にエッチングされ得(図7)、これにより、それが、SiONよりも良好なマスク材料になることを示唆する。
【0108】
実験3
接着層堆積温度および接着層ジボラン流れが変動していたときの、接着強度をテストする実験が、行われた。1つの基板上に、250℃および325℃の温度を有するステーションを有する装置を使用して、90sccmのジボランを使用して、接着層が堆積された。接着層は、不十分な品質のものであり、容易に剥離された。第2の基板上に、250℃および325℃の温度を有するステーションを有する装置を使用して、190sccmのジボランを使用して、接着層が堆積された。接着層は、より良好な品質のものであったが、一部の材料は、剥離可能なものであった。第3の基板上に、325℃の温度を有するステーションを有する装置を使用して、190sccmのジボランを使用して、接着層が堆積された。接着層は、剥離に耐え、大きく改善された接着強度を示した。
【0109】
結論
上記の実施形態は、理解の明確さの目的で、ある程度詳細に説明されたが、いくつかの変更および修正が、添付の特許請求の範囲内で実践され得ることは明らかであろう。本実施形態のプロセス、システムおよび装置を実装する多くの代替のやり方があることに留意されたい。したがって、本実施形態は、限定的ではなく例示的であると見なされるべきであり、それらの実施形態は、本明細書で与えられる詳細に限定されるべきでない。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】