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特表2025-524709漏電検出デバイスおよび方法、ならびに車両
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-07-30
(54)【発明の名称】漏電検出デバイスおよび方法、ならびに車両
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/52 20200101AFI20250723BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20250723BHJP
【FI】
G01R31/52
B60L3/00 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025503129
(86)(22)【出願日】2023-06-30
(85)【翻訳文提出日】2025-01-21
(86)【国際出願番号】 CN2023104817
(87)【国際公開番号】W WO2024022030
(87)【国際公開日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】202210898895.X
(32)【優先日】2022-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】チェン、ミンウェン
(72)【発明者】
【氏名】シュエ、ポンホイ
(72)【発明者】
【氏名】リー、シアンシアン
(72)【発明者】
【氏名】シー、レイ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ウェイチョン
【テーマコード(参考)】
2G014
5H125
【Fターム(参考)】
2G014AA16
2G014AA17
2G014AB23
2G014AB29
5H125AA01
5H125AC11
5H125EE23
5H125EE26
5H125FF30
(57)【要約】
漏電検出方法を適用し、車両に適用され、検出ユニット、サンプリング・ユニット、および信号処理ユニットを備える、漏電検出デバイス。検出ユニットは、電源の2相放電経路に別々に接続され、電源が放電するときに2相放電経路の検出ループを別々に確立するために使用される。サンプリング・ユニットは、検出ユニットに電気的に接続され、検出ループから第1の位相放電経路の第1の検出電圧および/または第2の位相放電経路の第2の検出電圧を収集するために使用される。信号処理ユニットは、サンプリング・ユニットに接続され、サンプリング・ユニットから第1の検出電圧および第2の検出電圧を非同期的に受信し、第1の検出電圧および第2の検出電圧に従って電源の漏電特性を判定するために使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知ユニット(11)であって、前記検知ユニット(11)が第1の位相放電経路および第2の位相放電経路に別々に接続され、前記第1の位相放電経路および前記第2の位相放電経路が、電源(20)を接続し、前記電源(20)が放電されるときに出力される電気を送信するように構成され、前記検知ユニット(11)が、前記電源(20)が放電されるときに前記第1の位相放電経路および前記第2の位相放電経路の検知ループを確立するように構成される、検知ユニット(11)と、
前記検出ユニット(11)に電気的に接続され、前記検出ループから前記第1の位相放電経路の第1の検出電圧および前記第2の位相放電経路の第2の検出電圧を別々に収集するように構成されたサンプリング・ユニット(12)と、
前記サンプリング・ユニット(12)に接続され、前記サンプリング・ユニット(12)から前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を非同期的に受信し、前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧に基づいて前記電源(20)の漏電特性を判定するように構成された信号処理ユニット(13)と
を備える、漏電を検知するためのデバイス(10)。
【請求項2】
前記検出ユニット(11)が第1の検出回路(111)および第2の検出回路(112)を備え、前記第1の検出回路(111)が前記第1の位相放電経路と低電圧接地との間に接続されて前記検出ループを形成し、
前記第2の検出回路(112)が前記第2の位相放電経路と前記低電圧接地との間に接続されて前記検出ループを形成し、
前記サンプリング・ユニット(12)が、前記第1の検出回路(111)から前記第1の検出電圧を収集し、前記第2の検出回路(112)から前記第2の検出電圧を収集するように構成される、請求項1に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項3】
前記第1の検出回路(111)が、第1の検出電圧安定化モジュール(111B)、第1の単方向導通モジュール(111D)、およびサンプリング・モジュール(111E)を備え、前記第1の検出電圧安定化モジュール(111B)、前記第1の単方向導通モジュール(111D)、および前記サンプリング・モジュール(111E)が、前記第1の位相放電経路と前記低電圧接地との間に順次直列に接続されて前記検出ループを形成し、
前記第2の検出回路(112)が、第2の検出電圧安定化モジュール(112B)および第2の単方向導通モジュール(112D)を備え、前記第2の検出電圧安定化モジュール(112B)、前記第2の単方向導通モジュール(112D)、および前記サンプリング・モジュール(111E)が、前記第2の位相放電経路と前記低電圧接地との間に順次直列に接続されて前記検出ループを形成する、請求項2に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項4】
前記第1の検出電圧安定化モジュール(111B)が第1のスイッチを備え、前記第1の単方向導通モジュール(111D)が第1のダイオードを備え、前記サンプリング・モジュール(111E)が第1の抵抗器、サンプリング・ノード、およびサンプリング抵抗器を備え、
前記第1のスイッチ、前記第1のダイオード、前記第1の抵抗器、および前記サンプリング抵抗器が、前記第1の位相放電経路と前記低電圧接地との間に順次直列に接続されて前記検出ループを形成し、前記第1のダイオードのアノードが前記第1のスイッチに接続され、前記第1のダイオードのカソードが前記第1の抵抗器に接続され、前記サンプリング・ノードが前記第1の抵抗器と前記サンプリング抵抗器との間のノードであり、
前記第2の検出電圧安定化モジュール(112B)が第2のスイッチを備え、前記第2の単方向導通モジュール(112D)が第2のダイオードを備え、前記第2のスイッチ、前記第2のダイオード、前記第1の抵抗器、および前記サンプリング抵抗器が、前記第2の位相放電経路と前記低電圧接地との間に順次直列に接続されて前記検出ループを形成し、前記第2のダイオードのアノードが前記第2のスイッチに接続され、前記第2のダイオードのカソードが前記第1の抵抗器に接続され、
前記サンプリング・ユニット(12)が前記サンプリング・ノードから前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を収集する、請求項3に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項5】
前記第1の検出電圧安定化モジュール(111B)が第1の検出電圧安定化コンデンサを備え、前記第1の単方向導通モジュール(111D)が第1のダイオードを備え、前記サンプリング・モジュール(111E)が第1の抵抗器、サンプリング・ノード、およびサンプリング抵抗器を備え、
前記第1の検出電圧安定化コンデンサ、前記第1のダイオード、前記第1の抵抗器、および前記サンプリング抵抗器が、前記第1の位相放電経路と前記低電圧接地との間に順次直列に接続されて前記検出ループを形成し、前記第1のダイオードのアノードが前記第1の検出電圧安定化コンデンサに接続され、前記第1のダイオードのカソードが前記第1の抵抗器に接続され、前記サンプリング・ノードが前記第1の抵抗器と前記サンプリング抵抗器との間のノードであり、
前記第2の検出電圧安定化モジュール(112B)が第2の検出電圧安定化コンデンサを備え、前記第2の単方向導通モジュール(112D)が第2のダイオードを備え、前記第2の検出電圧安定化コンデンサ、前記第2のダイオード、前記第1の抵抗器、および前記サンプリング抵抗器が、前記第2の位相放電経路と前記低電圧接地との間に順次直列に接続されて前記検出ループを形成し、前記第2のダイオードのアノードが前記第2の検出電圧安定化コンデンサに接続され、前記第2のダイオードのカソードが前記第1の抵抗器に接続され、
前記サンプリング・ユニット(12)が前記サンプリング・ノードから前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を収集する、請求項3に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項6】
前記サンプリング・ユニット(12)が、差動演算増幅器(122)、第2の抵抗器、第3の抵抗器、および第3のコンデンサを備え、
前記差動演算増幅器(122)の正相端が、前記サンプリング・ノードに接続され、前記サンプリング・ノードから前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を収集するように構成され、
前記第2の抵抗器および前記第3のコンデンサが、前記差動演算増幅器(122)の逆相端とデバイス接地との間に直列に接続され、前記差動演算増幅器(122)の前記逆相端が、前記第3の抵抗器を介して前記差動演算増幅器(122)の出力端に接続され、前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を予め設定された割合に従って増加または減少させ、前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を前記差動演算増幅器(122)の前記出力端から出力するように構成される、請求項4または5に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項7】
前記検出ユニット(11)がさらに第3の位相放電経路に接続され、前記電源(20)が、3相交流電源であり、前記第1の位相放電経路、前記第2の位相放電経路、および前記第3の位相放電経路を介して、等しい振幅、同じ周波数、および同じ位相差を有する電流を出力する、請求項1に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項8】
前記検出ユニット(11)が第1の検出回路(111)および第2の検出回路(112)を備え、
前記第1の検出回路(111)が、前記第1の位相放電経路とデバイス接地との間に接続され、前記デバイス接地によって前記第2の位相放電経路に接続されて前記検出ループを形成し、
前記第2の検出回路(112)が、前記第2の位相放電経路と前記デバイス接地との間に接続され、前記デバイス接地を介して前記第1の位相放電経路に接続されて前記検出ループを形成する、請求項1に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項9】
前記第1の検出回路(111)が、第1の検出電圧安定化モジュール(111B)、第1の経路電圧安定化モジュール(111A)、第1の電圧分割モジュール(111C)、およびサンプリング・モジュール(111E)を備え、前記第1の検出電圧安定化モジュール(111B)、前記第1の電圧分割モジュール(111C)、および前記サンプリング・モジュール(111E)が、前記第1の位相放電経路と前記デバイス接地との間に順次直列に接続され、前記第1の経路電圧安定化モジュール(111A)が前記第2の位相放電経路と前記デバイス接地との間に同時に接続されて前記検出ループを形成し、
前記第2の検出回路(112)が、第2の検出電圧安定化モジュール(112B)、第2の経路電圧安定化モジュール(112A)、および第2の電圧分割モジュール(112C)を備え、前記第2の検出電圧安定化モジュール(112B)、前記第2の電圧分割モジュール(112C)、および前記サンプリング・モジュール(111E)が、前記第2の位相放電経路と前記デバイス接地との間に順次直列に接続され、前記第2の経路電圧安定化モジュール(112A)が前記第1の位相放電経路と前記デバイス接地との間に同時に接続されて前記検出ループを形成する、請求項8に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項10】
前記第1の検出電圧安定化モジュール(111B)が第1のスイッチを備え、前記第1の電圧分割モジュール(111C)が第1のダイオードおよび第1の抵抗器を備え、前記サンプリング・モジュール(111E)がサンプリング抵抗器およびサンプリング・ノードを備え、前記第1の経路電圧安定化モジュール(111A)が第1の経路電圧安定化コンデンサを備え、前記第1のスイッチ、前記第1のダイオード、前記第1の抵抗器、および前記サンプリング抵抗器が、前記第1の位相放電経路と前記デバイス接地との間に順次直列に接続され、前記第1のダイオードのアノードが前記第1のスイッチに接続され、前記第1のダイオードのカソードが前記第1の抵抗器に接続され、前記サンプリング・ノードが前記第1の抵抗器と前記サンプリング抵抗器との間のノードであり、前記第1の経路電圧安定化コンデンサが前記デバイス接地と前記第2の位相放電経路との間に同時に接続されて前記検出ループを形成し、
前記第2の検出電圧安定化モジュール(112B)が第2のスイッチを備え、前記第2の電圧分割モジュール(112C)が第2のダイオードおよび第2の抵抗器を備え、前記第2の経路電圧安定化モジュール(112A)が第2の経路電圧安定化コンデンサを備え、前記第2のスイッチ、前記第2のダイオード、前記第2の抵抗器、および前記サンプリング抵抗器が、前記第2の位相放電経路と前記デバイス接地との間に順次直列に接続され、前記第2のダイオードのアノードが前記第2のスイッチに接続され、前記第2のダイオードのカソードが前記第2の抵抗器に接続され、前記第2の経路電圧安定化コンデンサが前記デバイス接地と前記第1の位相放電経路との間に同時に接続されて前記検出ループを形成し、
前記サンプリング・ユニット(12)が、前記サンプリング・ノードから前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を収集するように構成される、請求項9に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項11】
前記第1の検出電圧安定化モジュール(111B)が第1の検出電圧安定化コンデンサを備え、前記第1の経路電圧安定化モジュール(111A)が第1の経路電圧安定化コンデンサを備え、前記第1の電圧分割モジュール(111C)が第1のダイオードおよび第1の抵抗器を備え、前記サンプリング・モジュール(111E)がサンプリング・ノードおよびサンプリング抵抗器を備え、前記第1の検出電圧安定化コンデンサ、前記第1のダイオード、前記第1の抵抗器、および前記サンプリング抵抗器が、前記第1の位相放電経路と前記デバイス接地との間に順次直列に接続され、前記第1のダイオードのアノードが前記第1の検出電圧安定化コンデンサに接続され、前記第1のダイオードのカソードが前記第1の抵抗器に接続され、前記サンプリング・ノードが前記第1の抵抗器と前記サンプリング抵抗器との間のノードであり、前記第1の経路電圧安定化コンデンサが前記デバイス接地と前記第2の位相放電経路との間に同時に接続されて前記検出ループを形成し、
前記第2の検出電圧安定化モジュール(112B)が第2の検出電圧安定化コンデンサを備え、前記第2の電圧分割モジュール(112C)が第2のダイオードおよび第2の抵抗器を備え、前記第2の経路電圧安定化モジュール(112A)が第2の経路電圧安定化コンデンサを備え、前記第2の検出電圧安定化コンデンサ、前記第2のダイオード、前記第2の抵抗器、および前記サンプリング抵抗器が、前記第2の位相放電経路と前記デバイス接地との間に順次直列に接続され、前記第2のダイオードのアノードが前記第2の検出電圧安定化コンデンサに接続され、前記第2のダイオードのカソードが前記第2の抵抗器に接続され、前記第2の経路電圧安定化コンデンサが前記デバイス接地と前記第1の位相放電経路との間に同時に接続されて前記検出ループを形成し、
前記サンプリング・ユニット(12)が、前記サンプリング・ノードから前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を収集するように構成される、請求項9に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項12】
前記サンプリング・ユニット(12)が電圧フォロワ(121)を備え、前記電圧フォロワ(121)の正相端が、前記サンプリング・ノードに接続され、前記サンプリング・ノードから前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を収集するように構成され、前記電圧フォロワの逆相端が、前記電圧フォロワの出力端に接続され、収集された前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を予め設定された割合に従って増加または減少させ、収集された前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を前記電圧フォロワ(121)の前記出力端から出力するように構成される、請求項10または11に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項13】
前記信号処理ユニット(13)がクランピング回路(131)およびデジタル信号プロセッサ(132)を備え、前記クランピング回路(131)が前記サンプリング・ユニット(12)および前記デジタル信号プロセッサ(132)に接続され、前記サンプリング・ユニット(12)から受信された前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を予め設定された電圧範囲にクランプし、前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を前記デジタル信号プロセッサ(132)に出力するように構成され、
前記デジタル信号プロセッサ(132)が、前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を受信し、前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧に基づいて前記電源(20)の漏電特性を判定する、請求項1に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項14】
漏電を検出するための方法であって、前記方法が、請求項1から13のいずれか一項に記載の前記漏電を検出するためのデバイス(10)に適用され、
前記電源(20)が前記第1の位相放電経路を介して正に放電されると、前記第1の検出回路(111)が導通されて、前記第1の検出回路(111)から前記第1の検出電圧を収集するように前記サンプリング・ユニット(12)を制御すること(S101)と、
前記電源(20)が前記第2の位相放電経路を介して正に放電されると、前記第2の検出回路(112)が導通されて、前記第2の検出回路(112)から前記第2の検出電圧を収集するように前記サンプリング・ユニット(12)を制御すること(S102)と、
前記第1の検出電圧と前記第2の検出電圧との間の電圧差を閾値電圧と比較し、電圧差が前記閾値電圧より大きい場合、前記電源に漏電障害が発生していると判定すること(S103)と
を含む、漏電を検出するための方法。
【請求項15】
電源(20)と、請求項1から13のいずれか一項に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)とを備える車両であって、前記電源(20)が、第1の位相放電経路および第2の位相放電経路に接続され、前記第1の位相放電経路および前記第2の位相放電経路を介して放電されて交流電流を出力し、且つ前記漏電を検出するように構成され、前記デバイス(10)が、検出アセンブリとサンプリングアセンブリとを備え、且つ前記電源(20)が放電されるときに前記第1の位相放電経路および前記第2の位相放電経路に対して漏電検出するように構成される、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2022年7月28日に出願された「ELECTRIC LEAKAGE DETECTION DEVICE AND METHOD, AND VEHICLE」と題する中国特許出願第202210898895.X号に対する優先権を主張する。上記の参照出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、駆動デバイスの分野に関し、詳細には、漏電を検出するための電気デバイス、方法、および車両に関する。
【背景技術】
【0003】
新エネルギ電気車両が発展するにつれて、新エネルギ電気車両に対する需要が高まり、車両に放電機能を持たせるニーズが高まっており、車両の電源が外部の電気デバイスに電力を供給する場合、電源の漏電検出および保護が現在の大きなチャレンジとなっている。
【0004】
現在、電気車両の漏電検出では、車両全体の絶縁抵抗とのループを構成するために、高電圧ループと車体との間にそれぞれ正負の直流電源が印加され、この方法によって、車両全体の絶縁抵抗値の変化が取得される。漏電を検出するためのデバイスは高電圧ループと車体との間に設けられているため、漏電を検出するためのデバイスの動作中、高電圧ループに流れる電流を増大させる必要があり、車両全体の絶縁性能が影響を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の技術的課題に鑑み、本開示の実施形態は、電源放電ループの漏電検出の信頼性を向上させるとともに電源の交流出力端の絶縁特性を向上させることができる、漏電を検出するための電気デバイス、検出方法、および漏電を検出するための電気デバイスによる故障検出を実行する車両を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態は、漏電を検出するためのデバイスを開示し、漏電を検出するためのデバイスは、検出ユニット、サンプリング・ユニット、および信号処理ユニットを含み、検出ユニットは、第1の位相放電経路および第2の位相放電経路に別々に接続され、第1の位相放電経路および第2の位相放電経路は、電源を接続し、電源が放電されるときに出力される電気を送信するために使用され、検出ユニットは、電源が放電されるときに第1の位相放電経路および第2の位相放電経路の検出ループを形成するために使用される。サンプリング・ユニットは、検出ユニットに電気的に接続され、検出ループから第1の位相放電経路の第1の検出電圧および第2の位相放電経路の第2の検出電圧を別々に収集するために使用される。信号処理ユニットは、サンプリング・ユニットに接続され、サンプリング・ユニットから第1の検出電圧および第2の検出電圧を非同期的に受信し、第1の検出電圧および第2の検出電圧に基づいて電源の漏電特性を判定するために使用される。
【0007】
任意選択として、検出ユニットは第1の検出回路および第2の検出回路を含み、第1の検出回路は、第1の位相放電経路と低電圧接地との間に接続されて検出ループを形成し、第2の検出回路は、第2の位相放電経路と低電圧接地との間に接続されて検出ループを形成する。サンプリング・ユニットは、第1の検出回路から第1の検出電圧を収集し、第2の検出回路から第2の検出電圧を収集するために使用される。
【0008】
任意選択として、第1の検出回路は、第1の検出電圧安定化モジュール、第1の単方向導通モジュール(unidirectional conduction module)、およびサンプリング・モジュールを含み、第1の検出電圧安定化モジュール、第1の単方向導通モジュール、およびサンプリング・モジュールは、第1の位相放電経路と低電圧接地との間に順次直列に接続されて検出ループを形成する。第2の検出回路は、第2の検出電圧安定化モジュールおよび第2の単方向導通モジュールを含み、第2の検出電圧安定化モジュール、第2の単方向導通モジュール、およびサンプリング・モジュールは、第2の位相放電経路と低電圧接地との間に順次直列に接続されて検出ループを形成する。
【0009】
任意選択として、第1の検出電圧安定化モジュールは第1のスイッチを含み、第1の単方向導通モジュールは第1のダイオードを含み、サンプリング・モジュールは、第1の抵抗器、サンプリング・ノード、およびサンプリング抵抗器を含む。第1のスイッチ、第1のダイオード、第1の抵抗器、およびサンプリング抵抗器は、第1の位相放電経路と低電圧接地との間に順次直列に接続されて検出ループを形成し、第1のダイオードのアノードは第1のスイッチに接続され、第1のダイオードのカソードは第1の抵抗器に接続され、サンプリング・ノードは第1の抵抗器とサンプリング抵抗器との間のノードである。第2の検出電圧安定化モジュールは第2のスイッチを含み、第2の単方向導通モジュールは第2のダイオードを含み、第2のスイッチ、第2のダイオード、第1の抵抗器、およびサンプリング抵抗器は、第2の位相放電経路と低電圧接地との間に順次直列に接続されて検出ループを形成し、第2のダイオードのアノードは第2のスイッチに接続され、第2のダイオードのカソードは第1の抵抗器に接続される。サンプリング・ユニットは、サンプリング・ノードから第1の検出電圧および第2の検出電圧を収集する。
【0010】
任意選択として、第1の検出電圧安定化モジュールは第1の検出電圧安定化コンデンサを含み、第1の単方向導通モジュールは第1のダイオードを含み、サンプリング・モジュールは、第1の抵抗器、サンプリング・ノード、およびサンプリング抵抗器を含む。第1の検出電圧安定化コンデンサ、第1のダイオード、第1の抵抗器、およびサンプリング抵抗器は、第1の位相放電経路と低電圧接地との間に順次直列に接続されて検出ループを形成する。第1のダイオードのアノードは第1の検出電圧安定化コンデンサに接続され、第1のダイオードのカソードは第1の抵抗器に接続され、サンプリング・ノードは第1の抵抗器とサンプリング抵抗器との間のノードである。第2の検出電圧安定化モジュールは第2の検出電圧安定化コンデンサを含み、第2の単方向導通モジュールは第2のダイオードを含み、第2の検出電圧安定化コンデンサ、第2のダイオード、第1の抵抗器、およびサンプリング抵抗器は、第2の位相放電経路と低電圧接地との間に順次直列に接続されて検出ループを形成し、第2のダイオードのアノードは第2の検出電圧安定化コンデンサに接続され、第2のダイオードのカソードは第1の抵抗器に接続される。サンプリング・ユニットは、サンプリング・ノードから第1の検出電圧および第2の検出電圧を収集する。
【0011】
任意選択として、サンプリング・ユニットは、差動演算増幅器、第2の抵抗器、第3の抵抗器、および第3のコンデンサを含み、差動演算増幅器の正相端は、サンプリング・ノードに接続され、サンプリング・ノードから第1の検出電圧および第2の検出電圧を収集するために使用される。第2の抵抗器および第3のコンデンサは、差動演算増幅器の逆相端とデバイス接地との間に直列に接続され、差動演算増幅器の逆相端は、第3の抵抗器を介して差動演算増幅器の出力端に接続され、第1の検出電圧および第2の検出電圧を予め設定された割合に従って増加または減少させ、第1の検出電圧および第2の検出電圧を差動演算増幅器の出力端から出力するために使用される。
【0012】
任意選択として、検出ユニットはさらに第3の位相放電経路に接続され、電源は、3相交流電源であり、第1の位相放電経路、第2の位相放電経路、および第3の位相放電経路を介して、等しい振幅、同じ周波数、および同じ位相差を有する電流を出力する。
【0013】
任意選択として、検出ユニットは第1の検出回路および第2の検出回路を含み、第1の検出回路は、第1の位相放電経路とデバイス接地との間に接続され、デバイス接地によって第2の位相放電経路に接続されて検出ループを形成する。第2の検出回路は、第2の位相放電経路とデバイス接地との間に接続され、デバイス接地を介して第1の位相放電経路に接続されて検出ループを形成する。
【0014】
任意選択として、第1の検出回路は、第1の検出電圧安定化モジュール、第1の経路電圧安定化モジュール、第1の電圧分割モジュール、およびサンプリング・モジュールを含む。第1の検出電圧安定化モジュール、第1の電圧分割モジュール、およびサンプリング・モジュールは、第1の位相放電経路とデバイス接地との間に順次直列に接続され、第1の経路電圧安定化モジュールは、第2の位相放電経路とデバイス接地との間に接続されて検出ループを形成する。第2の検出回路は、第2の検出電圧安定化モジュール、第2の経路電圧安定化モジュール、および第2の電圧分割モジュールを含む。第2の検出電圧安定化モジュール、第2の電圧分割モジュール、およびサンプリング・モジュールは、第2の位相放電経路とデバイス接地との間に順次直列に接続され、第2の経路電圧安定化モジュールは、第1の位相放電経路とデバイス接地との間に同時に接続されて検出ループを形成する。
【0015】
任意選択として、第1の検出電圧安定化モジュールは第1のスイッチを含み、第1の電圧分割モジュールは第1のダイオードおよび第1の抵抗器を含み、サンプリング・モジュールはサンプリング抵抗器およびサンプリング・ノードを含み、第1の経路電圧安定化モジュールは第1の経路電圧安定化コンデンサを含み、第1のスイッチ、第1のダイオード、第1の抵抗器、およびサンプリング抵抗器は、第1の位相放電経路とデバイス接地との間に順次直列に接続され、第1のダイオードのアノードは第1のスイッチに接続され、第1のダイオードのカソードは第1の抵抗器に接続され、サンプリング・ノードは第1の抵抗器とサンプリング抵抗器との間のノードであり、第1の経路電圧安定化コンデンサは、デバイス接地と第2の位相放電経路との間に同時に接続されて検出ループを形成する。第2の検出電圧安定化モジュールは第2のスイッチを含み、第2の電圧分割モジュールは第2のダイオードおよび第2の抵抗器を含み、第2の経路電圧安定化モジュールは第2の経路電圧安定化コンデンサを含み、第2のスイッチ、第2のダイオード、第2の抵抗器、およびサンプリング抵抗器は、第2の位相放電経路とデバイス接地との間に順次直列に接続され、第2のダイオードのアノードは第2のスイッチに接続され、第2のダイオードのカソードは第2の抵抗器に接続され、第2の経路電圧安定化コンデンサは、デバイス接地と第1の位相放電経路との間に同時に接続されて検出ループを形成する。サンプリング・ユニットは、サンプリング・ノードから第1の検出電圧および第2の検出電圧を収集するために使用される。
【0016】
任意選択として、第1の検出電圧安定化モジュールは第1の検出電圧安定化コンデンサを含み、第1の経路電圧安定化モジュールは第1の経路電圧安定化コンデンサを含み、第1の電圧分割モジュールは第1のダイオードおよび第1の抵抗器を含み、サンプリング・モジュールはサンプリング・ノードおよびサンプリング抵抗器を含む。第1の検出電圧安定化コンデンサ、第1のダイオード、第1の抵抗器、およびサンプリング抵抗器は、第1の位相放電経路とデバイス接地との間に順次直列に接続され、第1のダイオードのアノードは第1の検出電圧安定化コンデンサに接続され、第1のダイオードのカソードは第1の抵抗器に接続され、サンプリング・ノードは第1の抵抗器とサンプリング抵抗器との間のノードであり、第1の経路電圧安定化コンデンサは、デバイス接地と第2の位相放電経路との間に同時に接続されて検出ループを形成する。第2の検出電圧安定化モジュールは第2の検出電圧安定化コンデンサを含み、第2の電圧分割モジュールは第2のダイオードおよび第2の抵抗器を含み、第2の経路電圧安定化モジュールは第2の経路電圧安定化コンデンサを含み、第2の検出電圧安定化コンデンサ、第2のダイオード、第2の抵抗器、およびサンプリング抵抗器は、第2の位相放電経路とデバイス接地との間に順次直列に接続され、第2のダイオードのアノードは第2の検出電圧安定化コンデンサに接続され、第2のダイオードのカソードは第2の抵抗器に接続され、第2の経路電圧安定化コンデンサは、デバイス接地と第1の位相放電経路との間に同時に接続されて検出ループを形成する。サンプリング・ユニットは、サンプリング・ノードから第1の検出電圧および第2の検出電圧を収集するために使用される。
【0017】
任意選択として、サンプリング・ユニットは電圧フォロワを含み、電圧フォロワの正相端は、サンプリング・ノードに接続され、サンプリング・ノードから第1の検出電圧および第2の検出電圧を収集するために使用され、電圧フォロワの逆相端は、電圧フォロワの出力端に接続され、収集された第1の検出電圧および第2の検出電圧を予め設定された割合に従って増加または減少させ、収集された第1の検出電圧および第2の検出電圧を電圧フォロワの出力端から出力するために使用される。
【0018】
任意選択として、信号処理ユニットはクランピング回路およびデジタル信号プロセッサを含み、クランピング回路は、サンプリング・ユニットおよびデジタル信号プロセッサに接続され、サンプリング・ユニットから受信された第1の検出電圧および第2の検出電圧を予め設定された電圧範囲にクランプし、第1の検出電圧および第2の検出電圧をデジタル信号プロセッサに出力するために使用される。デジタル信号プロセッサは、第1の検出電圧および第2の検出電圧を受信し、第1の検出電圧および第2の検出電圧に基づいて電源の漏電特性を判定する。
【0019】
本開示の一実施形態はさらに、前述の漏電を検出するためのデバイスまたは電気車両に適用される漏電を検出するための方法を開示する。具体的なステップは、電源が第1の位相放電経路を介して正に放電されると、第1の検出回路が導通されて、第1の検出回路から第1の検出電圧を収集するようにサンプリング・ユニットを制御することを含む。電源が第2の位相放電経路を介して正に放電されると、第2の検出回路が導通されて、第2の検出回路から第2の検出電圧を収集するようにサンプリング・ユニットを制御する。第1の検出電圧と第2の検出電圧との間の電圧差が閾値電圧と比較され、電圧差が閾値電圧より大きい場合に電源に漏電障害が発生していると判定する。
【0020】
本開示の一実施形態は、前述の漏電を検出するためのデバイスを含む車両も開示し、電源は第1の位相放電経路および第2の位相放電経路に接続され、電源は、第1の位相放電経路および第2の位相放電経路を介して放電され、交流電流を出力し、漏電を検出するためのデバイスは、電源が放電されるときに第1の位相放電経路および第2の位相放電経路に対して漏電検出を実行するために使用される。
【0021】
先行技術と比較して、本開示によって提供される漏電を検出するためのデバイスは、電源放電中に電源放電ループに対して漏電検出を直接かつ迅速に実行するように、電源の第1の位相放電経路および第2の位相放電経路にそれぞれ漏電検出ループを確立し、電源の高電圧ループ間に漏電を検出するためのデバイスを直接配置することによって引き起こされる検出ループの高インピーダンスの欠陥を効果的に回避し、電源放電ループの漏電検出の信頼性を効果的に向上させ、電源AC出力端の絶縁特性を大幅に向上させる。さらに、電源放電ループに漏電障害がない場合、漏電を検出するためのデバイスは低消費電力状態にあり、それにより電気エネルギの消費を削減し、漏電を検出するためのデバイスは全体的な消費電力が低く、構造が簡単であり、それにより回路の使用コストおよび製造コストを大幅に削減する。
【0022】
本開示の実施形態における技術的解決策をより明確に例示するために、実施形態で使用される必要のある添付図面について以下に簡単に説明されるが、当然ながら以下の説明における添付図面は本開示のいくつかの実施形態であり、当業者であれば、創作的な努力なしにこれらの添付図面に従って他の図面が得られる場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示の第1の実施形態による、駆動デバイスの概略ブロック図である。
図2】本開示の第2の実施形態による、図1に示された漏電を検出するためのデバイスの回路ブロック図である。
図3図2における漏電を検出するためのデバイスのモジュール接続の概略図である。
図4図3における漏電を検出するためのデバイスの等価回路図である。
図5】本開示の第3の実施形態による、図3における漏電を検出するためのデバイスの等価回路図である。
図6】本開示の第4の実施形態による、図2における漏電を検出するためのデバイスの機能モジュール間の接続の概略図である。
図7図6における漏電を検出するためのデバイスの等価回路図である。
図8】本開示の第5の実施形態による、図6における漏電を検出するためのデバイスの等価回路図である。
図9】本開示の第6の実施形態による、漏電を検出するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本開示の理解を容易にするために、添付図面を参照して本開示が以下でより詳細に説明される。添付図面には本開示の好ましい実施形態が示されている。しかしながら、本開示は多くの異なる形式で実施されてもよく、本明細書に記載された実施形態に限定されない。むしろ、これらの実施形態を提供する目的は、本開示の開示をより徹底的かつ包括的にすることである。
【0025】
本開示によって実施され得る特定の実施形態を例示するために、添付図面を参照して実施形態の以下の説明が提供される。「第1」、「第2」などの構成要素自体の通し番号は、説明されている対象物を区別するためにのみ使用され、順序的な意味も技術的な意味も有していない。しかしながら、本開示における「接続」および「結合」という用語は、具体的に説明されておらず、すべて直接および間接の接続(結合)を含む。本開示で言及される方向の用語、例えば「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「内」、「外」、「側」などは、添付図面を参照する方向であるに過ぎず、したがって、使用される方向の用語は、本開示によって言及される装置または要素が特定の配向を有する必要があること、または特定の配向で構築され動作されることを示唆または暗示するものではなく、本開示のより適切でより明確な説明および理解のためのものであり、したがって、本開示に対する制限として理解されるものではない。
【0026】
本開示の説明において、特に明記され限定されない限り、「設置」、「接続」および「結合」という用語は、広い意味で理解されるべきであることに留意されるべきである。例えば、この用語は、固定された接続または取り外し可能な接続、一体型接続、機械的接続、直接接続、中間媒体を介した間接接続、または2つの構成要素間の内部接続とすることができる。当業者にとって、本開示における上記用語の具体的な意味は個々の場合に応じて理解され得る。本開示の説明、特許請求の範囲、および図面における「第1」、「第2」などの用語は、特定の順序を説明するのではなく、異なる対象物を区別するために使用されていることが留意されるべきである。
【0027】
加えて、本開示で使用される「含む」、「含むことができる」、「備える」、または「備えることができる」という用語は、対応する開示された機能、動作、要素などの存在を示しており、他の1つまたは複数の機能、動作、構成要素などを制限するものではない。さらに、「含む」または「備える」という用語は、明細書で開示された対応する特徴、数値、ステップ、動作、要素、構成要素、またはそれらの組合せの存在を示しているが、1つもしくは複数の他の特徴、数値、ステップ、動作、要素、部分、またはそれらの組合せの存在または追加を排除するものではなく、非排他的包含を対象とすることを意図している。加えて、本開示の実施形態を説明する際に「できる」が使用される場合、「本開示の1つまたは複数の実施形態」を意味する。また、「例示的な」という用語は、例または例示を指すことを意図している。
【0028】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。本開示の説明で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけのものであり、本開示を制限することを意図するものではない。
【0029】
図1を参照すると、図1は、本開示の第1の実施形態による、駆動デバイスの概略ブロック図である。図1に示されるように、駆動デバイス100は、車体外に電気エネルギを出力できる車両であり、漏電を検出するためのデバイス10および電源20を含み、漏電を検出するためのデバイス10は、車両が外部に電気エネルギを出力するときに高電圧ループに対して漏電検出を実行するために使用される。
【0030】
図2を参照すると、図2は、本開示の第2の実施形態による、図1に示された漏電を検出するためのデバイスの回路ブロック図である。図2に示されるように、漏電を検出するためのデバイス10は、検出ユニット11、サンプリング・ユニット12、および信号処理ユニット13を含む。
【0031】
検出ユニット11は、第1の位相放電経路Lおよび第2の位相放電経路Nに別々に接続され、第1の位相放電経路Lおよび第2の位相放電経路Nは、電源20に接続し、電源20が放電されるときに出力される電気を送信するために使用され、検出ユニット11は、電源20が放電されるときに第1の位相放電経路Lおよび第2の位相放電経路Nの検出ループを確立するために使用される。
【0032】
サンプリング・ユニット12は、検出ユニット11に電気的に接続され、検出ループから、第1の位相放電経路Lの第1の検出電圧ULEおよび/または第2の位相放電経路Nの第2の検出電圧UNEを別々に収集するように構成される。
【0033】
信号処理ユニット13は、サンプリング・ユニット12に接続され、サンプリング・ユニット12から第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEを非同期的に受信し、電源の漏電特性を判定するように構成され、第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧UNEとの間の差が閾値電圧より大きい場合、電源20に漏電障害が発生していることを指し示す。
【0034】
一実施形態では、電源20は3相交流電源とすることもでき、すなわち、電源20は、同じ周波数、同じ等しい振幅、および120°の位相差を有する3つの交流電位を順次に含む電源である。これに対応して、電源20は、第1の位相放電経路、第2の位相放電経路、および第3の位相放電経路を介して、それぞれ同じ周波数、同じ振幅、および120°の同じ位相差を有する3つの電流を出力する。電源20が3相放電経路を介して電流を出力する場合、検出ユニット11も第1の位相放電経路、第2の位相放電経路、および第3の位相放電経路に接続され、対応する検出を実行する。
【0035】
図3を参照すると、図3は、図2における漏電を検出するためのデバイスのモジュール接続の概略図である。図3に示されるように、検出ユニット11は、第1の検出回路111および第2の検出回路112を含む。
【0036】
第1の検出回路111は、第1の位相放電経路Lと低電圧接地GNDとの間に接続されて、第1の位相放電経路Lの第1の検出電圧ULEを検出するための検出ループを形成し、第2の検出回路112は、第2の位相放電経路Nと低電圧接地GNDとの間に接続されて、第2の位相放電経路Nの第2の検出電圧UNEを検出するための検出ループを形成する。
【0037】
電源20が交流電流を出力し、第1の位相放電経路Lが正に放電されると、第1の検出回路111は導通され、サンプリング・ユニット12は第1の検出回路111から第1の検出電圧ULEを検出し、電源20が交流電流を出力し、第2の位相放電経路Nが正に放電されると、第2の検出回路112は導通され、サンプリング・ユニット12は第2の検出回路112から第2の検出電圧UNEを検出する。
【0038】
第1の検出回路111は、第1の検出電圧安定化モジュール111B、サンプリング・モジュール111E、および第1の単方向導通モジュール111Dを含む。第1の検出電圧安定化モジュール111B、第1の単方向導通モジュール111D、およびサンプリング・モジュール111Eは、第1の位相放電経路Lと低電圧接地GNDとの間に順次直列に接続されて検出ループを形成する。
【0039】
第2の検出回路112は、第2の検出電圧安定化モジュール112Bおよび第2の単方向導通モジュール112Dを含む。第2の検出電圧安定化モジュール112B、第2の単方向導通モジュール112D、およびサンプリング・モジュール111Eは、第2の位相放電経路Nと低電圧接地GNDとの間に順次直列に接続されて検出ループを形成する。
【0040】
サンプリング・ユニット12は検出ユニット11に電気的に接続され、検出ユニット11は、検出ループから、第1の位相放電経路Lの第1の検出電圧ULEおよび/または第2の位相放電経路Nの第2の検出電圧UNEを収集するために使用される。
【0041】
信号処理ユニット13は、サンプリング・ユニット12に接続され、サンプリング・ユニット12から第1の検出電圧および第2の検出電圧を非同期的に受信し、電源の漏電特性を判定するために使用され、第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧UNEとの間の差が閾値電圧より大きい場合、電源20に漏電障害が発生していることを指し示す。
【0042】
図4を参照すると、図4は、図3における漏電を検出するためのデバイスの等価回路図である。図4に示されるように、第1の検出電圧安定化モジュール111Bは第1のスイッチK1を含み、第1の単方向導通モジュール111Dは第1のダイオードD1を含み、サンプリング・モジュール111Eは、第1の抵抗器R1、サンプリング・ノードQ、およびサンプリング抵抗器Rxを含む。第1のスイッチK1、第1のダイオードD1、第1の抵抗器R1、およびサンプリング抵抗器Rxは、第1の位相放電経路Lと低電圧接地GNDとの間に順次直列に接続されて検出ループを形成し、第1のダイオードD1のアノードは第1のスイッチK1に接続され、第1のダイオードD1のカソードは第1の抵抗器R1に接続され、サンプリング・ノードQは、サンプリング・ユニット12によって第1の検出電圧ULEを収集するために第1の抵抗器R1とサンプリング抵抗器Rxとの間に配置される。
【0043】
第2の検出電圧安定化モジュール112Bは第2のスイッチK2を含み、第2の単方向導通モジュール112Dは第2のダイオードD2を含み、第2のスイッチK2、第2のダイオードD2、第1の抵抗器R1、およびサンプリング抵抗器Rxは、第2の位相放電経路Nと低電圧接地GNDとの間に順次直列に接続されて検出ループを形成し、第2のダイオードD2のアノードは第2のスイッチK2に接続され、第2のダイオードD2のカソードは第1の抵抗器R1に接続され、サンプリング・ユニット12は、サンプリング・ノードQから第2の位相放電経路Nの第2の検出電圧UNEを収集する。
【0044】
サンプリング・ユニット12は、差動演算増幅器122、第3のコンデンサCY3、第2の抵抗器R2、および第3の抵抗器R3を含む。第3の抵抗器R3は、差動演算増幅器122の逆相端in2と差動演算増幅器122の出力端outとの間に接続される。第2の抵抗器R2および第3のコンデンサCY3は、デバイス接地Eおよび差動演算増幅器122の逆相端in2に直列に接続される。差動演算増幅器122の正相端in1はサンプリング・ノードQに接続され、差動演算増幅器122は、サンプリング・ノードQを介して第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEをそれぞれ収集する。
【0045】
第1の位相放電経路Lの電圧が第2の位相放電経路Nの電圧より大きい場合、差動演算増幅器122は、第1の検出回路111を介して第1の位相放電経路Lの第1の検出電圧ULEを検出する。第2の位相放電経路Nの電圧が第1の位相放電経路Lの電圧より大きい場合、差動演算増幅器122は、第2の検出回路112を介して第2の位相放電経路Nの第2の検出電圧UNEを検出する。
【0046】
第1の位相放電経路Lの電圧が第2の位相放電経路Nの電圧より大きい場合、差動演算増幅器122の正相端in1は、サンプリング・ノードQに接続され、第1の検出回路111によって第1の位相放電経路Lに接続され、サンプリング・ノードQから第1の検出電圧ULEが収集され、逆相端in2は、第3の検出回路を介してデバイス接地Eに接続され、第3の検出回路は第2の抵抗器R2および第3のコンデンサCY3を含む。回路が動作すると、正出力が第1のスイッチK1、第1のダイオードD1、および第1の抵抗器R1を通過して差動演算増幅器122の正相端in1に至り、負入力がデバイス接地E、第2の抵抗器R2、および第3のコンデンサCY3を通過して逆相端in2に至り、次いで、差動演算増幅器122の出力端outから第1の検出電圧ULEが出力される。
【0047】
第2の位相放電経路Nの電圧が第1の位相放電経路Lの電圧より大きい場合、差動演算増幅器122の正相端in1は、サンプリング・ノードQに接続され、第2の検出回路112によって第2の位相放電経路Nに接続され、サンプリング・ノードQから第2の検出電圧UNEが収集され、逆相端in2は、第3の検出回路を介してデバイス接地Eに接続される。回路が動作すると、正出力が第2のスイッチK2、第2のダイオードD2、および第1の抵抗器R1を通過して差動演算増幅器122の正相端in1に至り、負入力がデバイス接地E、第2の抵抗器R2、第3のコンデンサCY3を通過して逆相端in2に至り、次いで、差動演算増幅器122の出力端outから第2の検出電圧UNEが出力される。
【0048】
差動演算増幅器122は、収集された第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEを、出力端outを介して信号処理ユニット13に送信する。
【0049】
信号処理ユニット13は、クランピング回路131およびデジタル信号プロセッサ(DSP)132を含む。クランピング回路131は、差動演算増幅器122の出力端outおよびデジタル信号プロセッサ132に接続され、第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEの受信された電圧値を予め設定された範囲内に調整するために使用される。デジタル信号プロセッサ132は、第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧UNEとをデジタル形式で比較するために使用される。第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧UNEとの間の差が予め設定された閾値より大きい場合、これは、電源20に漏電障害が発生していることを示す。
【0050】
この実施形態で開示された漏電を検出するためのデバイスは、国家規格「GB 18384.2020 Electric Vehicles Safety Requirements」における、交流放電経路、すなわち第1の位相放電経路Lと第2の位相放電経路Nとの間の絶縁抵抗が
【数1】
であるという要件を満たすことができる。
【0051】
図5を参照すると、図5は、本開示の第3の実施形態によって提供される、図3における漏電を検出するためのデバイスの等価回路図である。図5に示されるように、第1の検出電圧安定化モジュール111Bは第1の検出電圧安定化コンデンサCY1を含み、第1の単方向導通モジュール111Dは第1のダイオードD1を含み、サンプリング・モジュール111Eは、第1の抵抗器R1、サンプリング・ノードQ、およびサンプリング抵抗器Rxを含む。第1の検出安定化コンデンサCY1、第1のダイオードD1、第1の抵抗器R1、およびサンプリング抵抗器Rxは、第1の位相放電経路Lおよび低電圧接地端子GNDに順次直列に接続されて検出ループを形成する。第1のダイオードD1のアノードは第1の検出電圧安定化コンデンサCY1に接続され、第1のダイオードD1のカソードは第1の抵抗器R1に接続され、サンプリング・ノードQは、サンプリング・ユニット12が第1の検出電圧ULEを収集するための第1の抵抗器R1とサンプリング抵抗器Rxとの間のノードである。
【0052】
第2の検出電圧安定化モジュール112Bは、第2の検出電圧安定化コンデンサCY2を含み、第2の単方向導通モジュール112Dは、第2のダイオードD2を含む。第2の検出電圧安定化コンデンサCY2、第2のダイオードD2、第1の抵抗器R1、およびサンプリング抵抗器Rxは、第2の位相放電経路Nおよび低電圧接地GNDに順次直列に接続されて検出ループを形成し、第2のダイオードD2のアノードは第2の検出電圧安定化コンデンサCY2に接続され、第2のダイオードD2のカソードは第1の抵抗器R1に接続される。サンプリング・ユニット12は、サンプリング・ノードQを介して第2の位相放電経路Nの第2の検出電圧UNEを収集する。
【0053】
サンプリング・ユニット12は、差動演算増幅器122、第3のコンデンサCY3、第2の抵抗器R2、および第3の抵抗器R3を含む。第3の抵抗器R3は、差動演算増幅器122の逆相端in2と差動演算増幅器122の出力端outとの間に接続される。第2の抵抗器R2および第3のコンデンサCY3は、デバイス接地Eおよび差動演算増幅器122の逆相端in2に直列に接続される。差動演算増幅器122の正相端in1はサンプリング・ノードQに接続され、差動演算増幅器122は、サンプリング・ノードQによって第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEをそれぞれ収集する。
【0054】
第1の位相放電経路Lの電圧が第2の位相放電経路Nの電圧より大きい場合、差動演算増幅器122は、第1の検出回路111を介して第1の位相放電経路Lの第1の検出電圧ULEを検出する。第2の位相放電経路Nの電圧が第1の位相放電経路Lの電圧より大きい場合、差動演算増幅器122は、第2の検出回路112を介して第2の位相放電経路Nの第2の検出電圧UNEを検出する。
【0055】
第1の位相放電経路Lの電圧が第2の位相放電経路Nの電圧より大きい場合、差動演算増幅器122の正相端in1は、サンプリング・ノードQに接続され、第1の検出回路111を介して第1の位相放電経路Lに接続され、サンプリング・ノードQから第1の検出電圧ULEを収集し、逆相端in2は第3の検出回路によってデバイス接地Eに接続され、第3の検出回路は、第2の抵抗器R2および第3のコンデンサCY3を含む。回路が動作すると、正出力が第1の検出電圧安定化コンデンサCY1、第1のダイオードD1、および第1の抵抗器R1を通過して差動演算増幅器122の正相端in1に至り、負入力がデバイス接地Eを通過し、第2の抵抗器R2および第3のコンデンサCY3が、逆相端in2に接続され次いで、差動演算増幅器122の出力端outから第1の検出電圧ULEが出力される。
【0056】
第2の位相放電経路Nの電圧が第1の位相放電経路Lの電圧より大きい場合、差動演算増幅器122の正相端in1は、サンプリング・ノードQに接続され、第2の検出回路112を介して第2の位相放電経路Nに接続され、サンプリング・ノードQから第2の検出電圧UNEが収集され、逆相端in2は、第3の検出回路によってデバイス接地Eに接続される。回路が動作すると、正出力が第2の検出電圧安定化コンデンサCY2、第2のダイオードD2、および第1の抵抗器R1を通過して差動演算増幅器122の正相端in1に至り、負入力がデバイス接地E、抵抗器R2、および第3のコンデンサCY3を通過して逆相端in2に至り、次いで、差動演算増幅器122の出力端outから第2の検出電圧UNEが出力される。
【0057】
差動演算増幅器122は、収集された第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEを、出力端outを介して信号処理ユニット13に送信する。
【0058】
信号処理ユニット13は、クランピング回路131およびデジタル信号プロセッサ(DSP)132を含む。クランピング回路131は、差動演算増幅器122の出力端outとデジタル信号プロセッサ132との間に接続され、第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEの受信された電圧値を予め設定された範囲内に調整するために使用される。デジタル信号プロセッサ132は、第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧UNEとをデジタル形式で比較するために使用される。第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧UNEとの間の差が予め設定された閾値より大きい場合、これは、電源20に漏電障害が発生していることを示す。
【0059】
演算増幅器の仮想短絡特性から、差動演算増幅器122の正相端in1の電圧および差動演算増幅器122の逆相端in2の電圧が等しいことが分かる。第3の抵抗器R3の抵抗値およびサンプリング抵抗器Rxの抵抗値は差動演算増幅器のフィードバック抵抗器Rfの抵抗値と等しく、すなわちRx=R3=Rfであり、第1の抵抗器R1の抵抗値および第2の抵抗器R2の抵抗値は等しく、両方ともRであり、すなわちR1=R2=Rであり、第1の検出電圧安定化コンデンサCY1、第2の検出電圧安定化コンデンサCY2、および第3のコンデンサCY3は等しく、すなわちCY1=CY2=CY3であり、その場合、差動演算増幅器122はコモン・モード電圧ULE=(U-U)*Rf/Rを出力する。
【0060】
第2の位相放電経路Nの電圧が第1の位相放電経路Lの電圧より大きい場合、第2の検出回路112が導通され、第2の検出電圧UNEを検出し、UNE=(U-U)*Rf/Rである。
【0061】
【0062】
「GB/T18384-2020 Electric Vehicles Safety Requirements」は新エネルギ電気車両の漏電についての要件を定めており、最大動作電圧において、交流回路の絶縁抵抗の最小値は500Ω/Vより大きくあるべきであり、最大動作電圧の実効値は220Vである。国家規格は、交流側の絶縁抵抗が
【数2】
であるべきであると要求しており、したがって、第1の位相放電経路Lまたは第2の位相放電経路Nの車体に対する等価絶縁抵抗が
【数3】
である場合、警報表示が提供されなければならず、同時に車両は放電を停止する。
【0063】
接地に対する第1の位相放電経路Lおよび/または接地に対する第2の位相放電経路Nで漏電障害が発生している場合、デバイス接地に対する第1の位相放電経路Lの絶縁抵抗器RLが減少すると、第1の検出電圧ULEが減少し、その結果、接地に対する第1の位相放電経路Lの電圧ULが減少すると同時に、接地に対する第1の位相放電経路Lの電圧Uと接地に対する第2の位相放電経路Nの電圧Uとの間に大きな電圧差が生じる。コモン・モード電圧の偏差値が一定の閾値Mに達したこと、すなわち|ULE-UNE|>Mであることが検出されると、漏電障害が報告され、放電が終了する。
【0064】
コモン・モード電圧の偏差値閾値Mは、車両全体の第1の位相放電経路Lまたは第2の位相放電経路Nと駆動デバイス100の車体間の経路に110kΩの抵抗器を並列に接続すること、及びソフトウェアによる整合を実行することにより、決定される。閾値Mは、駆動デバイス100の特定のニーズに応じて調整されることもでき、本開示では限定されない。
【0065】
この実施形態で提供される漏電を検出するためのデバイス10は、検出精度を保証しながら、電源20の交流ポート間、すなわち第1の位相放電経路Lと第2の位相放電経路Nとの間の絶縁抵抗を20MΩ以上にすることができる。
【0066】
図6を参照すると、図6は、本開示の第4の実施形態で開示される図2における漏電を検出するためのデバイスの機能モジュールの概略接続図である。図6に示されるように、電源20は、受信された直流電流DCを交流電流ACに変換し、第1の位相放電経路Lおよび第2の位相放電経路Nを介して車体外の電気デバイスに電気エネルギを出力する。
【0067】
検出ユニット11は、第1の検出回路111および第2の検出回路112を含む。
【0068】
第1の検出回路111は、第1の位相放電経路Lとデバイス接地Eとの間に接続され、デバイス接地Eによって第2の位相放電経路Nに接続されて、第1の位相放電経路Lとデバイス接地端子Eとの間のコモン・モード電圧を検出するための検出ループを形成する。デバイス接地Eは、駆動デバイス100の車体によってアースに接続される。
【0069】
第2の検出回路112は、第2の位相放電経路Nとデバイス接地Eとの間に接続され、デバイス接地Eによって第1の位相放電経路Lに接続されて、第2の位相放電経路Nとデバイス接地Eとの間のコモン・モード電圧、すなわち第2の検出電圧UNEを検出するための検出ループを形成する。
【0070】
電源20によって出力される電流は交流電流である。第1の位相放電経路Lが正に放電されると、第1の検出回路111が導通され、サンプリング・ユニット12は第1の検出回路から第1の検出電圧ULEを検出する。第2の位相放電経路Nが正に放電されると、第2の検出回路112が導通され、サンプリング・ユニット12は第2の検出回路112から第2の検出電圧UNEを検出する。
【0071】
第1の検出回路111は、第1の経路電圧安定化モジュール111A、第1の検出電圧安定化モジュール111B、第1の電圧分割モジュール111C、およびサンプリング・ユニット111Eを含む。第1の検出電圧安定化モジュール111B、第1の電圧分割モジュール111C、およびサンプリング・モジュール111Eは、第1の位相放電経路Lとデバイス接地Eとの間に順次直列に接続され、第1の経路電圧安定化モジュール111Aは、第2の位相放電経路とデバイス接地Eとの間に同時に接続されて検出ループを形成する。
【0072】
第1の検出回路111が導通されると、第1の検出電圧安定化モジュール111Bは、第1の位相放電経路Lから第1の検出回路111によって受信される電圧の安定性を維持するために使用される。第1の経路電圧安定化モジュール111Aは、第1の検出回路111によって第2の位相放電経路Nに送信される電圧の安定性を維持するために使用される。第1の電圧分割モジュール111Cは、第1の検出回路111内の電圧を分割し、同時に第1の位相放電経路Lからデバイス接地Eへの単方向導通機能を提供するために使用される。サンプリング・モジュール111Eは、サンプリング・ユニット12に第1の検出電圧ULEを提供するために使用される。
【0073】
第2の検出回路112は、第2の経路電圧安定化モジュール112A、第2の検出電圧安定化モジュール112B、および第2の電圧分割モジュール112Cを含む。第2の検出電圧安定化モジュール112B、第2の電圧分割モジュール112C、およびサンプリング・モジュール111Eは、第2の位相放電経路Nとデバイス接地Eとの間に順次直列に接続される。同時に、第2の経路電圧安定化モジュール112Aは、第1の位相放電経路Lと機器接地Eとの間に接続されて検出ループを形成する。
【0074】
第2の検出回路112が導通されると、第2の検出電圧安定化モジュール112Bは、第2の位相放電経路Nから第2の検出回路112によって受信される電圧の安定性を維持するために使用される。第2の経路電圧安定化モジュール112Aは、第2の検出回路112によって第1の位相放電経路に送信される電圧の安定性を維持するために使用される。第2の電圧分割モジュール112Cは、第2の検出回路112内の電圧を分割し、同時に第2の位相放電経路Nからデバイス接地Eへの単方向導通機能を提供するために使用される。
【0075】
サンプリング・ユニット12は、検出ユニット11に電気的に接続され、検出ループから第1の位相放電経路Lの第1の検出電圧ULEおよび/または第2の位相放電経路Nの第2の検出電圧UNEを収集するために使用される。
【0076】
信号処理ユニット13は、サンプリング・ユニット12に接続され、サンプリング・ユニット12から第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEを非同期的に受信し、電源20の漏電特性を判定するために使用される。第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧ULEとの間の電圧差が閾値電圧より大きい場合、これは、電源20に漏電障害が発生していることを示す。
【0077】
図6における漏電を検出するためのデバイスの等価回路図である図7も参照されたい。図7に示されるように、第1の検出回路111において、第1の経路電圧安定化モジュール111Aは第1の経路電圧安定化コンデンサC1を含み、第1の検出電圧安定化モジュール111Bは第1のスイッチK1を含み、第1の電圧分割モジュール111Cは第1のダイオードD1および第1の抵抗器R1を含み、サンプリング・モジュール111Eはサンプリング・ノードQおよびサンプリング抵抗器Rxを含む。このうち、第1のスイッチK1、第1のダイオードD1、第1の抵抗器R1、およびサンプリング抵抗器Rxは、第1の位相放電経路Lとデバイス接地Eとの間に直列に接続され、第1のダイオードD1のアノードは、第1の位相放電経路Lおよびデバイス接地Eに接続される。スイッチK1、第1のダイオードD1のカソードは第1の抵抗器R1に接続され、サンプリング・ノードQは第1の抵抗器R1とサンプリング抵抗器Rxとの間のノードに位置し、第1の経路電圧安定化コンデンサC1はNとデバイス接地Eとの間の第2の位相放電経路に接続され、第1の検出回路111はコモン・モード電圧検出ループを形成する。
【0078】
第1のスイッチK1は、第1の位相放電経路Lと第1のダイオードD1との間に接続され、第1の検出回路111の検出実行および検出停止を制御するために使用される。サンプリング抵抗器Rxは、第1の抵抗器R1とデバイス接地Eとの間に接続され、サンプリング・ユニット12に電圧サンプリング点を提供するために使用される。サンプリング・ノードQは、第1の抵抗器R1とサンプリング抵抗器Rxとの間に設定される。サンプリング・ユニット12は、サンプリング・ノードQに接続され、第1の検出回路111が第1の位相放電経路Lのコモン・モード電圧を検出するときにサンプリング抵抗器Rxの電圧を収集するために使用される。電圧値は、第1の検出電圧ULEでもある。
【0079】
第2の検出回路112において、第2の経路電圧安定化モジュール112Aは第2の経路電圧安定化コンデンサC2を含み、第2の検出電圧安定化モジュール112Bは第2のスイッチK2を含み、第2の電圧分割モジュールは第2のダイオードD2および第2の抵抗器R2を含む。第2のスイッチK2、第2のダイオードD2、および第2の抵抗器R2は、第2の位相放電経路Nとサンプリング・ノードQとの間に順次直列に接続される。第2のダイオードD2のアノードは第2のスイッチK2に接続され、ダイオードD2のカソードは第2の抵抗器R2に接続され、第2の経路電圧安定化コンデンサC2は第1の位相放電経路Lとデバイス接地Eとの間に接続され、その結果、第2の位相放電経路N、第2のスイッチK2、第2のダイオードD2、第2の抵抗器R2、サンプリング抵抗器Rx、機器接地E、第2の経路電圧安定化コンデンサC2、および第1の位相放電経路Lの間で、検出ループが形成される。サンプリング・ユニット12は、サンプリング・ノードQの電圧によって第2の検出電圧UNEを取得する。
【0080】
サンプリング・ユニット12は、電圧フォロワ121を含む。電圧フォロワ121の正相端in1はサンプリング・ノードQに接続され、電圧フォロワ121の逆相端in2は電圧フォロワ121の出力端outに接続され、出力端outは、第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEを収集するための信号処理ユニット13に接続され、出力端outは、第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEを信号処理ユニット13に送信する。
【0081】
信号処理ユニット13は、クランピング回路131およびデジタル信号プロセッサ(DSP)132を含む。クランピング回路131は、電圧フォロワ121の出力端outとデジタル信号プロセッサ132との間に接続され、第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEの受信された電圧値を予め設定された電圧範囲にクランプするために使用される。デジタル信号プロセッサ132は、第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEをデジタル形式で受信し、第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧UNEとをデジタル形式で比較するために使用される。電圧ULEと第2の検出電圧UNEとの間の差が予め設定された閾値より大きい場合、これは、電源20に漏電障害が発生していることを示す。
【0082】
電源20が第1の位相放電経路Lおよび第2の位相放電経路Nを介して放電する場合、漏電障害が発生していなければ、第1の位相放電経路Lとデバイス接地Eとの間のコモン・モード電圧は、第2の位相放電経路Nとデバイス接地Eとの間のコモン・モード電圧と同じである。同時に、漏電を検出するためのデバイス10内の検出ユニット11に電流は流れず、サンプリング・ユニット12はサンプリング・ノードから第1の検出電圧ULEも第2の検出電圧ULEも収集する必要がなく、信号処理ユニット13は電源20の漏電特性の判定を実行する必要がなく、漏電を検出するためのデバイス10全体としては低消費電力状態となる。
【0083】
第1の位相放電経路Lとデバイス接地Eとの間のコモン・モード電圧と、第2の位相放電経路Nとデバイス接地Eとの間のコモン・モード電圧との間に電圧差がある場合、検出ユニット11は、第1の検出回路111によって第1の検出電圧ULEを検出し、かつ/または第2の検出回路112によって第2の検出電圧UNEを検出する。次いで、サンプリング・ユニット12および信号処理ユニット13は、後続の検出および判定を順に実行する。
【0084】
具体的には、駆動デバイス100が放電機能をオンにする、すなわち車体外の電気デバイスに電力を供給するとき、電源20は、直流を交流に変換する。第1の検出回路111内の第1のスイッチK1および第1のダイオードD1、第1の抵抗器R1、サンプリング抵抗器Rx、ならびに第1の経路電圧安定化コンデンサC1は、第1の位相放電経路Lと第2の位相放電経路Nとの間に検出ループを形成する。サンプリング・ユニット12内の電圧フォロワ121は、サンプリング・ノードQから第1の検出電圧ULEを収集し、第1の検出電圧ULEをクランピング回路131に送信する。クランピング回路131は、受信された第1の検出電圧ULEをクランプし、それをデジタル信号プロセッサ132に送信する。
【0085】
代替として、第2の検出回路112において、第2の位相放電経路Nと第1の位相放電経路Lとの間の検出ループから、第2のスイッチK2、第2のダイオードD2、第2の抵抗器R2、サンプリング抵抗器Rx、および第2の経路電圧安定化コンデンサC2。サンプリング・ユニット12内の電圧フォロワ121は、サンプリング・ノードQから第2の検出電圧UNEを収集し、第2の検出電圧UNEをクランピング回路131に送信する。クランピング回路131は、受信された第2の検出電圧UNEをクランプし、それをデジタル信号プロセッサ132に送信する。
【0086】
このうち、電圧フォロワ121は、低電圧接地GNDに接続される。低電圧接地GNDとデバイス接地Eとの間に第4の抵抗器R4が設けられる。低電圧接地GNDとデバイス接地Eとの間のクロストークを回避するために、低電圧接地GNDとデバイス接地Eとの間の電位は同じである。
【0087】
デジタル信号プロセッサ132は、受信された第1の検出電圧ULEおよび/または第2の検出電圧UNEをデジタル形式で比較する。第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧UNEとの間の差が予め設定された閾値より大きい場合、これは、電源20が漏電障害を有することを示す。第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧UNEとを具体的に識別する必要はない。デジタル信号プロセッサ132が第1の検出電圧ULEまたは第2の検出電圧UNEを受信すると、第1の検出電圧ULEを検出して第2の検出電圧UNEを取得するだけでよく、次いで、第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧UNEとの間の差が算出されてもよく、または第2の検出電圧UNEを介して第1の検出電圧ULEが取得されてもよく、次いで、第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧UNEとの間の差が算出されてもよい。
【0088】
電源20の放電回路内に漏電障害がないとき、漏電を検出するためのデバイス10は低消費電力状態にある。例えば、電源20は、第1の位相放電経路Lおよび第2の位相放電経路Nを介して220VのAC電力を出力し、これは、外部電気デバイスに電力を供給するために使用される。漏電障害が発生していないとき、第1の位相放電経路Lと機器接地Eとの間のコモン・モード電圧は110Vであり、第2の位相放電経路Nとデバイス接地Eとの間のコモン・モード電圧は110Vであり、第1の位相放電経路Lと第2の位相放電経路Nとの間に電圧差はなく、第1の検出回路111と第2の検出回路112との間に電流は流れず、漏電を検出するためのデバイスは低消費電力状態にある。
【0089】
サンプリング・ユニット12が第1の検出回路111を介して第1の検出電圧ULEを収集するか、または第2の検出回路112を介して第2の検出電圧UNEを収集する場合、交流特性に応じて、信号処理ユニット13は、第1の検出電圧ULEに基づいて第2の検出電圧UNEを算出することができ、または、第2の検出電圧UNEに基づいて第1の検出電圧ULEが算出されることができ、次いで、第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧UNEとの間の電圧差が算出されることができる。
【0090】
例えば、漏電障害が発生した場合、第1の位相放電経路Lとデバイス接地Eとの間のコモン・モード電圧が160Vであるとき、信号処理ユニット13は、第1の位相放電経路Lとデバイス接地Eとの間の電圧に基づいて、第2の位相放電経路Nとデバイス接地Eとの間のコモン・モード電圧を算出することができ、または、サンプリング・ユニット12によって収集された第2の位相放電経路Nとデバイス接地Eとの間のコモン・モード電圧が60Vであるとき、第1の位相放電経路Lと第2の位相放電経路Nとの間に電圧差がある。
【0091】
第1の検出回路111および第2の検出回路112はそれぞれ異なる時点で導通され、第1の検出回路111によって、第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEが検出されてサンプリングされることができる。デジタル信号処理ユニットは、第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧UNEとの間の差を判定し、差が閾値電圧より大きい場合、これは、電源20が電力を供給するときに漏電障害が発生していることを示す。
【0092】
この実施形態で提供される漏電を検出するためのデバイス10は、検出精度を保証しながら、電源20の交流ポート間、すなわち第1の位相放電経路Lと第2の位相放電経路Nとの間の絶縁抵抗を10MΩ以上にすることができる。
【0093】
本開示の第5の実施形態によって提供される、図6における漏電を検出するためのデバイスの等価回路図である図8も参照されたい。図8に示されるように、第1の検出回路111において、第1の経路電圧安定化モジュール111Aは第1の経路電圧安定化コンデンサC1を含み、第1の検出電圧安定化モジュール111Bは第1の検出電圧安定化コンデンサCY1を含み、第1の電圧分割モジュール111Cは第1のダイオードD1および第1の抵抗器R1を含み、サンプリング・モジュール111Eはサンプリング・ノードQおよびサンプリング抵抗器Rxを含む。このうち、第1の検出電圧安定化コンデンサCY1、第1のダイオードD1、第1の抵抗器R1、およびサンプリング抵抗器Rxは、第1の位相放電経路Lとデバイス接地Eとの間に直列に接続される。第1のダイオードD1のアノードは第1の検出電圧安定化コンデンサCY1に接続され、第1のダイオードD1のカソードは第1の抵抗器R1に接続され、サンプリング・ノードQは第1の抵抗器R1とサンプリング抵抗器Rxとの間に位置し、第1の経路電圧安定化コンデンサC1は第2の位相放電経路Nとデバイス接地Eとの間に接続され、第1の検出回路111はコモン・モード電圧検出ループを形成する。
【0094】
第2の検出安定化コンデンサCY2は、第1の位相放電経路Lと第1のダイオードD1との間に接続されて、検出ループ内のインピーダンスを高め、第1の検出回路111の電圧安定性を維持する。サンプリング抵抗器Rxは、第1の抵抗器R1とデバイス接地Eとの間に接続され、サンプリング・ユニット12に電圧サンプリング点を提供するために使用される。サンプリング・ノードQは、第1の抵抗器R1とサンプリング抵抗器Rxとの間に設けられる。サンプリング・ユニット12は、サンプリング・ノードQに接続され、第1の検出回路111が第1の位相放電経路Lのコモン・モード電圧を検出するときにサンプリング抵抗器Rxの電圧、すなわち第1の検出電圧ULEを収集するために使用される。
【0095】
第2の検出回路112において、第2の経路電圧安定化モジュール112Aは第2の経路電圧安定化コンデンサC2を含み、第2の検出電圧安定化モジュール112Bは第2の検出電圧安定化コンデンサCY2を含み、第2の電圧分割モジュールは第2のダイオードD2および第2の抵抗器R2を含む。第2の検出電圧安定化コンデンサCY2、第2のダイオードD2、および第2の抵抗器R2は、第2の位相放電経路Nとサンプリング・ノードQとの間に順次直列に接続され、第2のダイオードD2のアノードは第2の検出電圧安定化コンデンサCY2に接続され、第2のダイオードD2のカソードは第2の抵抗器R2に接続され、サンプリング・ノードQは第1の抵抗器R1とサンプリング抵抗器Rxとの間に位置する。同時に、第2の経路電圧安定化コンデンサC2は、第1の位相放電経路Lと機器接地Eとの間に接続され、その結果、第2の位相放電経路N、第2の検出電圧安定化コンデンサCY2、第2のダイオードD2、抵抗器R2、サンプリング抵抗器Rx、デバイス接地E、第2の経路電圧安定化コンデンサC2、および第1の位相放電経路Lの間で、検出ループが形成される。サンプリング・ユニット12は、サンプリング・ノードQの電圧を収集することによって第2の検出電圧UNEを取得する。
【0096】
第2の経路電圧安定化コンデンサC2と第2の検出電圧安定化コンデンサCY2との容量値は等しく、第1の抵抗器R1の抵抗値は第2の抵抗器R2の抵抗値と等しい。
【0097】
サンプリング・ユニット12は、電圧フォロワ121を含む。電圧フォロワ121の正相端in1はサンプリング・ノードQに接続され、電圧フォロワ121の逆相端in2は電圧フォロワ121の出力端outに接続され、出力端outは、サンプリング・ノードQから第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEを収集するための信号処理ユニット13に接続され、第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEは信号処理ユニット13に送信される。
【0098】
信号処理ユニット13は、クランピング回路131およびデジタル信号プロセッサ(DSP)132を含む。クランピング回路131は、電圧フォロワ121の出力端outとデジタル信号プロセッサ132との間に接続され、第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEの受信された電圧値を予め設定された範囲内にクランプするために使用される。デジタル信号プロセッサ132は、第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧UNEとをデジタル形式で比較するために使用される。第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEの差が予め設定された閾値より大きい場合、これは、電源20に漏電障害が発生していることを示す。
【0099】
具体的には、駆動デバイス100が放電機能をオンにして車体外の電気デバイスに電力を供給するとき、電源20は直流を交流に変換し、第1の検出回路111において、第1の検出電圧安定化コンデンサCY1、ダイオードD1、第1の抵抗器R1、サンプリング抵抗器Rx、および第1の経路電圧安定化コンデンサC1は、第1の位相放電経路Lと第2の位相放電経路Nとの間に検出ループを形成する。サンプリング・ユニット12内の電圧フォロワ121は、サンプリング・ノードQから第1の検出電圧ULEを収集し、第1の検出電圧ULEをクランピング回路131に送信する。クランピング回路131は、受信された第1の検出電圧ULEをクランプし、それをデジタル信号プロセッサ132に送信する。
【0100】
第2の検出回路112において、第2の検出電圧安定化コンデンサCY2、第2のダイオードD2、第2の抵抗器R2、サンプリング抵抗器Rx、および第2の経路電圧安定化コンデンサC2は、第2の位相放電経路Nと第1の位相放電経路との間に検出ループを形成する。サンプリング・ユニット12内の電圧フォロワ121は、サンプリング・ノードQから第2の検出電圧UNEを収集し、第2の検出電圧UNEをクランピング回路131に送信する。クランピング回路131は、受信された第2の検出電圧UNEをクランプし、それをデジタル信号プロセッサ132に送信する。デジタル信号プロセッサ132は、受信された第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧UNEとをデジタル形式で比較する。第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧UNEとの間の差が予め設定された閾値より大きい場合、これは、電源20に漏電障害が発生していることを示す。
【0101】
電源20による交流AC出力の周波数はfAC=50Hzであり、第1の電圧安定化コンデンサC1のインピーダンスはRC1=1/(2π*fAC*CC1)であり、第1の検出電圧安定化コンデンサCY1のインピーダンスはRCY1=1/(2π*fAC*CCY1)であり、第2の経路電圧安定化コンデンサC2のインピーダンスはRC2=1/(2π*fAC*CC2)であり、第2の検出電圧安定化コンデンサCY2のインピーダンスはRCY2=1/(2π*fAC*CCY2)である。
【0102】
UL=RX/(RCY1+R1+RX)*ULEであり、UN= RX/(RCY2+R2+RX)*UNEである。
【0103】
【0104】
LNは、第1の位相放電経路Lと第2の位相放電経路Nとの間の差動モード電圧である。
【0105】
「GB/T18384-2020 Electric Vehicles Safety Requirements」は新エネルギ電気車両の漏電についての要件を定めており、最大動作電圧において、交流回路の絶縁抵抗の最小値は500Ω/Vより大きくあるべきであり、最大動作電圧の実効値は220Vである。国家規格は、交流側の絶縁抵抗が
【数4】
であるべきであると要求しており、したがって、第1の位相放電経路Lまたは第2の位相放電経路Nの車体に対する等価絶縁抵抗が
【数5】
である場合、警報表示が提供されなければならず、同時に車両は放電を停止する。
【0106】
接地に対する第1の位相放電経路Lの一端および/または接地に対する第2の位相放電経路Nの一端で漏電障害が発生している場合、デバイス接地に対する第1の位相放電経路Lの絶縁抵抗器RLが減少すると、第1の検出電圧ULEが減少し、したがって、第1の位相放電経路のL端の電圧ULが減少する。このとき、第1の位相放電経路のL端の電圧ULと第2の位相放電経路のN端の電圧UNとの間に大きな電圧差が生じ、コモン・モード電圧の偏差値が電圧閾値Mに達したこと、すなわち|ULE-UNE|>Mであることが検出されると、漏電障害が報告され、放電が終了する。具体的なコモン・モード電圧差閾値Mは、車両が放電するときの交流ポートの等価容量、すなわち車両が放電するときの第1の経路電圧安定化コンデンサC1および第2の経路電圧安定化コンデンサC2の等価容量に基づいて整合される必要がある。駆動デバイス100の第1の位相放電経路Lまたは第2の位相放電経路Nと車体との間に110kΩの抵抗器が並列に接続され、コモン・モード電圧差閾値Mはソフトウェアによって整合される。
【0107】
この実施形態で提供される漏電を検出するためのデバイス10は、検出精度を保証しながら、電源20の交流ポート間、すなわち第1の位相放電経路Lと第2の位相放電経路Nとの間の絶縁抵抗を20MΩ以上にすることができる。
【0108】
電源放電ループのコモン・モード電圧を収集することにより駆動デバイスの漏電を検出することによって、駆動デバイスの高電圧回路と車体との間に漏電を検出するためのデバイスを直接設定することを回避し、車両全体の絶縁性能を向上させ、企業標準の車両安全要件を満たす。同時に、電源放電ループに漏電障害がない場合、漏電を検出するためのデバイスは低消費電力状態にあり、これにより消費電力を低減する。漏電を検出するためのデバイスの全体的な消費電力は低く、構造が簡単であり、これにより使用コストおよび製造コストを大幅に削減する。
【0109】
図9を参照すると、図9は、本開示の第6の実施形態によって提供される漏電を検出するための方法の流れ図である。図9に示されるように、漏電を検出するための方法は、前述の漏電を検出するためのデバイスおよび駆動デバイスに適用されることができる。具体的なステップは以下のとおりである。
【0110】
S101において、電源が第1の位相放電経路を介して正に放電されると、第1の検出回路が導通され、サンプリング・ユニットは、第1の検出回路から第1の検出電圧を収集するように制御される。
【0111】
電源20が直流を交流に変換して車体外の電気デバイスに電力を供給する場合、第1の位相放電経路Lが導通されると、第1の検出回路111が導通され、サンプリング・ユニット12は第1の検出回路111内のサンプリング・ノードから第1の検出電圧ULEを収集することができ、第1の検出電圧ULEは、第1の位相放電経路Lとデバイス接地Eとの間のコモン・モード電圧である。
【0112】
S102において、電源が第2の位相放電経路を介して正に放電されると、第2の検出回路が導通され、サンプリング・ユニットは、第2の検出回路から第2の検出電圧を収集するように制御される。
【0113】
第2の位相放電経路Nが導通されると、第2の検出回路112が導通され、サンプリング・ユニット12は、第2の検出回路112内のサンプリング・ノードから第2の検出電圧UNEを収集することができ、第2の検出電圧UNEは、第2の位相放電経路Nとデバイス接地Eとの間のコモン・モード電圧である。
【0114】
S103において、第1の検出電圧と第2の検出電圧との間の電圧差を閾値電圧と比較する。電圧差が閾値電圧より大きい場合、電源に漏電障害が発生していると判定される。
【0115】
信号処理ユニット13は、受信された第1の検出電圧ULEおよび第2の検出電圧UNEを、内部で予め設定された閾値電圧と比較する。第1の検出電圧ULEと第2の検出電圧UNEとの間の電圧差が閾値電圧より大きい場合、これは、第1の位相放電経路Lまたは第2の位相放電経路Nに漏電障害が発生していることを示す。
【0116】
本開示の適用は、上記の例に限定されないことが理解されるべきである。当業者は、上記の説明に基づいて改良または変更を加えることができる。これらの改良および変更はすべて、本開示の添付された特許請求の範囲の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2025-01-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知ユニット(11)であって、前記検知ユニット(11)が第1の位相放電経路および第2の位相放電経路に別々に接続され、前記第1の位相放電経路および前記第2の位相放電経路が、電源(20)を接続し、前記電源(20)が放電されるときに出力される電気を送信するように構成され、前記検知ユニット(11)が、前記電源(20)が放電されるときに前記第1の位相放電経路および前記第2の位相放電経路の検知ループを確立するように構成される、検知ユニット(11)と、
前記検出ユニット(11)に電気的に接続され、前記検出ループから前記第1の位相放電経路の第1の検出電圧および前記第2の位相放電経路の第2の検出電圧を別々に収集するように構成されたサンプリング・ユニット(12)と、
前記サンプリング・ユニット(12)に接続され、前記サンプリング・ユニット(12)から前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を非同期的に受信し、前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧に基づいて前記電源(20)の漏電特性を判定するように構成された信号処理ユニット(13)と
を備える、漏電を検知するためのデバイス(10)。
【請求項2】
前記検出ユニット(11)が第1の検出回路(111)および第2の検出回路(112)を備え、前記第1の検出回路(111)が前記第1の位相放電経路と低電圧接地との間に接続されて前記検出ループを形成し、
前記第2の検出回路(112)が前記第2の位相放電経路と前記低電圧接地との間に接続されて前記検出ループを形成し、
前記サンプリング・ユニット(12)が、前記第1の検出回路(111)から前記第1の検出電圧を収集し、前記第2の検出回路(112)から前記第2の検出電圧を収集するように構成される、請求項1に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項3】
前記第1の検出回路(111)が、第1の検出電圧安定化モジュール(111B)、第1の単方向導通モジュール(111D)、およびサンプリング・モジュール(111E)を備え、前記第1の検出電圧安定化モジュール(111B)、前記第1の単方向導通モジュール(111D)、および前記サンプリング・モジュール(111E)が、前記第1の位相放電経路と前記低電圧接地との間に順次直列に接続されて前記検出ループを形成し、
前記第2の検出回路(112)が、第2の検出電圧安定化モジュール(112B)および第2の単方向導通モジュール(112D)を備え、前記第2の検出電圧安定化モジュール(112B)、前記第2の単方向導通モジュール(112D)、および前記サンプリング・モジュール(111E)が、前記第2の位相放電経路と前記低電圧接地との間に順次直列に接続されて前記検出ループを形成する、請求項2に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項4】
前記第1の検出電圧安定化モジュール(111B)が第1のスイッチを備え、前記第1の単方向導通モジュール(111D)が第1のダイオードを備え、前記サンプリング・モジュール(111E)が第1の抵抗器、サンプリング・ノード、およびサンプリング抵抗器を備え、
前記第1のスイッチ、前記第1のダイオード、前記第1の抵抗器、および前記サンプリング抵抗器が、前記第1の位相放電経路と前記低電圧接地との間に順次直列に接続されて前記検出ループを形成し、前記第1のダイオードのアノードが前記第1のスイッチに接続され、前記第1のダイオードのカソードが前記第1の抵抗器に接続され、前記サンプリング・ノードが前記第1の抵抗器と前記サンプリング抵抗器との間のノードであり、
前記第2の検出電圧安定化モジュール(112B)が第2のスイッチを備え、前記第2の単方向導通モジュール(112D)が第2のダイオードを備え、前記第2のスイッチ、前記第2のダイオード、前記第1の抵抗器、および前記サンプリング抵抗器が、前記第2の位相放電経路と前記低電圧接地との間に順次直列に接続されて前記検出ループを形成し、前記第2のダイオードのアノードが前記第2のスイッチに接続され、前記第2のダイオードのカソードが前記第1の抵抗器に接続され、
前記サンプリング・ユニット(12)が前記サンプリング・ノードから前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を収集する、請求項3に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項5】
前記第1の検出電圧安定化モジュール(111B)が第1の検出電圧安定化コンデンサを備え、前記第1の単方向導通モジュール(111D)が第1のダイオードを備え、前記サンプリング・モジュール(111E)が第1の抵抗器、サンプリング・ノード、およびサンプリング抵抗器を備え、
前記第1の検出電圧安定化コンデンサ、前記第1のダイオード、前記第1の抵抗器、および前記サンプリング抵抗器が、前記第1の位相放電経路と前記低電圧接地との間に順次直列に接続されて前記検出ループを形成し、前記第1のダイオードのアノードが前記第1の検出電圧安定化コンデンサに接続され、前記第1のダイオードのカソードが前記第1の抵抗器に接続され、前記サンプリング・ノードが前記第1の抵抗器と前記サンプリング抵抗器との間のノードであり、
前記第2の検出電圧安定化モジュール(112B)が第2の検出電圧安定化コンデンサを備え、前記第2の単方向導通モジュール(112D)が第2のダイオードを備え、前記第2の検出電圧安定化コンデンサ、前記第2のダイオード、前記第1の抵抗器、および前記サンプリング抵抗器が、前記第2の位相放電経路と前記低電圧接地との間に順次直列に接続されて前記検出ループを形成し、前記第2のダイオードのアノードが前記第2の検出電圧安定化コンデンサに接続され、前記第2のダイオードのカソードが前記第1の抵抗器に接続され、
前記サンプリング・ユニット(12)が前記サンプリング・ノードから前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を収集する、請求項3に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項6】
前記サンプリング・ユニット(12)が、差動演算増幅器(122)、第2の抵抗器、第3の抵抗器、および第3のコンデンサを備え、
前記差動演算増幅器(122)の正相端が、前記サンプリング・ノードに接続され、前記サンプリング・ノードから前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を収集するように構成され、
前記第2の抵抗器および前記第3のコンデンサが、前記差動演算増幅器(122)の逆相端とデバイス接地との間に直列に接続され、前記差動演算増幅器(122)の前記逆相端が、前記第3の抵抗器を介して前記差動演算増幅器(122)の出力端に接続され、前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を予め設定された割合に従って増加または減少させ、前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を前記差動演算増幅器(122)の前記出力端から出力するように構成される、請求項4に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項7】
前記検出ユニット(11)がさらに第3の位相放電経路に接続され、前記電源(20)が、3相交流電源であり、前記第1の位相放電経路、前記第2の位相放電経路、および前記第3の位相放電経路を介して、等しい振幅、同じ周波数、および同じ位相差を有する電流を出力する、請求項1に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項8】
前記検出ユニット(11)が第1の検出回路(111)および第2の検出回路(112)を備え、
前記第1の検出回路(111)が、前記第1の位相放電経路とデバイス接地との間に接続され、前記デバイス接地によって前記第2の位相放電経路に接続されて前記検出ループを形成し、
前記第2の検出回路(112)が、前記第2の位相放電経路と前記デバイス接地との間に接続され、前記デバイス接地を介して前記第1の位相放電経路に接続されて前記検出ループを形成する、請求項1に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項9】
前記第1の検出回路(111)が、第1の検出電圧安定化モジュール(111B)、第1の経路電圧安定化モジュール(111A)、第1の電圧分割モジュール(111C)、およびサンプリング・モジュール(111E)を備え、前記第1の検出電圧安定化モジュール(111B)、前記第1の電圧分割モジュール(111C)、および前記サンプリング・モジュール(111E)が、前記第1の位相放電経路と前記デバイス接地との間に順次直列に接続され、前記第1の経路電圧安定化モジュール(111A)が前記第2の位相放電経路と前記デバイス接地との間に同時に接続されて前記検出ループを形成し、
前記第2の検出回路(112)が、第2の検出電圧安定化モジュール(112B)、第2の経路電圧安定化モジュール(112A)、および第2の電圧分割モジュール(112C)を備え、前記第2の検出電圧安定化モジュール(112B)、前記第2の電圧分割モジュール(112C)、および前記サンプリング・モジュール(111E)が、前記第2の位相放電経路と前記デバイス接地との間に順次直列に接続され、前記第2の経路電圧安定化モジュール(112A)が前記第1の位相放電経路と前記デバイス接地との間に同時に接続されて前記検出ループを形成する、請求項8に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項10】
前記第1の検出電圧安定化モジュール(111B)が第1のスイッチを備え、前記第1の電圧分割モジュール(111C)が第1のダイオードおよび第1の抵抗器を備え、前記サンプリング・モジュール(111E)がサンプリング抵抗器およびサンプリング・ノードを備え、前記第1の経路電圧安定化モジュール(111A)が第1の経路電圧安定化コンデンサを備え、前記第1のスイッチ、前記第1のダイオード、前記第1の抵抗器、および前記サンプリング抵抗器が、前記第1の位相放電経路と前記デバイス接地との間に順次直列に接続され、前記第1のダイオードのアノードが前記第1のスイッチに接続され、前記第1のダイオードのカソードが前記第1の抵抗器に接続され、前記サンプリング・ノードが前記第1の抵抗器と前記サンプリング抵抗器との間のノードであり、前記第1の経路電圧安定化コンデンサが前記デバイス接地と前記第2の位相放電経路との間に同時に接続されて前記検出ループを形成し、
前記第2の検出電圧安定化モジュール(112B)が第2のスイッチを備え、前記第2の電圧分割モジュール(112C)が第2のダイオードおよび第2の抵抗器を備え、前記第2の経路電圧安定化モジュール(112A)が第2の経路電圧安定化コンデンサを備え、前記第2のスイッチ、前記第2のダイオード、前記第2の抵抗器、および前記サンプリング抵抗器が、前記第2の位相放電経路と前記デバイス接地との間に順次直列に接続され、前記第2のダイオードのアノードが前記第2のスイッチに接続され、前記第2のダイオードのカソードが前記第2の抵抗器に接続され、前記第2の経路電圧安定化コンデンサが前記デバイス接地と前記第1の位相放電経路との間に同時に接続されて前記検出ループを形成し、
前記サンプリング・ユニット(12)が、前記サンプリング・ノードから前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を収集するように構成される、請求項9に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項11】
前記第1の検出電圧安定化モジュール(111B)が第1の検出電圧安定化コンデンサを備え、前記第1の経路電圧安定化モジュール(111A)が第1の経路電圧安定化コンデンサを備え、前記第1の電圧分割モジュール(111C)が第1のダイオードおよび第1の抵抗器を備え、前記サンプリング・モジュール(111E)がサンプリング・ノードおよびサンプリング抵抗器を備え、前記第1の検出電圧安定化コンデンサ、前記第1のダイオード、前記第1の抵抗器、および前記サンプリング抵抗器が、前記第1の位相放電経路と前記デバイス接地との間に順次直列に接続され、前記第1のダイオードのアノードが前記第1の検出電圧安定化コンデンサに接続され、前記第1のダイオードのカソードが前記第1の抵抗器に接続され、前記サンプリング・ノードが前記第1の抵抗器と前記サンプリング抵抗器との間のノードであり、前記第1の経路電圧安定化コンデンサが前記デバイス接地と前記第2の位相放電経路との間に同時に接続されて前記検出ループを形成し、
前記第2の検出電圧安定化モジュール(112B)が第2の検出電圧安定化コンデンサを備え、前記第2の電圧分割モジュール(112C)が第2のダイオードおよび第2の抵抗器を備え、前記第2の経路電圧安定化モジュール(112A)が第2の経路電圧安定化コンデンサを備え、前記第2の検出電圧安定化コンデンサ、前記第2のダイオード、前記第2の抵抗器、および前記サンプリング抵抗器が、前記第2の位相放電経路と前記デバイス接地との間に順次直列に接続され、前記第2のダイオードのアノードが前記第2の検出電圧安定化コンデンサに接続され、前記第2のダイオードのカソードが前記第2の抵抗器に接続され、前記第2の経路電圧安定化コンデンサが前記デバイス接地と前記第1の位相放電経路との間に同時に接続されて前記検出ループを形成し、
前記サンプリング・ユニット(12)が、前記サンプリング・ノードから前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を収集するように構成される、請求項9に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項12】
前記サンプリング・ユニット(12)が電圧フォロワ(121)を備え、前記電圧フォロワ(121)の正相端が、前記サンプリング・ノードに接続され、前記サンプリング・ノードから前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を収集するように構成され、前記電圧フォロワの逆相端が、前記電圧フォロワの出力端に接続され、収集された前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を予め設定された割合に従って増加または減少させ、収集された前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を前記電圧フォロワ(121)の前記出力端から出力するように構成される、請求項10に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項13】
前記信号処理ユニット(13)がクランピング回路(131)およびデジタル信号プロセッサ(132)を備え、前記クランピング回路(131)が前記サンプリング・ユニット(12)および前記デジタル信号プロセッサ(132)に接続され、前記サンプリング・ユニット(12)から受信された前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を予め設定された電圧範囲にクランプし、前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を前記デジタル信号プロセッサ(132)に出力するように構成され、
前記デジタル信号プロセッサ(132)が、前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧を受信し、前記第1の検出電圧および前記第2の検出電圧に基づいて前記電源(20)の漏電特性を判定する、請求項1に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)。
【請求項14】
漏電を検出するための方法であって、前記方法が、請求項1から13のいずれか一項に記載の前記漏電を検出するためのデバイス(10)に適用され、
前記電源(20)が前記第1の位相放電経路を介して正に放電されると、前記第1の検出回路(111)が導通されて、前記第1の検出回路(111)から前記第1の検出電圧を収集するように前記サンプリング・ユニット(12)を制御すること(S101)と、
前記電源(20)が前記第2の位相放電経路を介して正に放電されると、前記第2の検出回路(112)が導通されて、前記第2の検出回路(112)から前記第2の検出電圧を収集するように前記サンプリング・ユニット(12)を制御すること(S102)と、
前記第1の検出電圧と前記第2の検出電圧との間の電圧差を閾値電圧と比較し、電圧差が前記閾値電圧より大きい場合、前記電源に漏電障害が発生していると判定すること(S103)と
を含む、漏電を検出するための方法。
【請求項15】
電源(20)と、請求項1から13のいずれか一項に記載の漏電を検出するためのデバイス(10)とを備える車両であって、前記電源(20)が、第1の位相放電経路および第2の位相放電経路に接続され、前記第1の位相放電経路および前記第2の位相放電経路を介して放電されて交流電流を出力し、且つ前記漏電を検出するように構成され、前記デバイス(10)が、検出アセンブリとサンプリングアセンブリとを備え、且つ前記電源(20)が放電されるときに前記第1の位相放電経路および前記第2の位相放電経路に対して漏電検出するように構成される、車両。
【国際調査報告】