(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-08-01
(54)【発明の名称】加飾基板およびその調製方法、カバープレートならびに電子装置
(51)【国際特許分類】
G02B 5/02 20060101AFI20250725BHJP
【FI】
G02B5/02 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025505910
(86)(22)【出願日】2023-05-25
(85)【翻訳文提出日】2025-03-17
(86)【国際出願番号】 CN2023096305
(87)【国際公開番号】W WO2024027297
(87)【国際公開日】2024-02-08
(31)【優先権主張番号】202210929657.0
(32)【優先日】2022-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BYD Company Limited
【住所又は居所原語表記】No. 3009, BYD Road, Pingshan, Shenzhen, Guangdong 518118, P. R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100210099
【氏名又は名称】遠藤 太介
(72)【発明者】
【氏名】リーホン ヂャオ
(72)【発明者】
【氏名】チーイ ヂュー
(72)【発明者】
【氏名】ウェンチュワン ガオ
(72)【発明者】
【氏名】ウェンハイ ルオ
【テーマコード(参考)】
2H042
【Fターム(参考)】
2H042AA06
2H042BA05
(57)【要約】
本出願は、加飾基板およびその調製方法、カバープレートならびに電子装置を提供する。加飾基板は、基材と、基材の表面上に配置されたテクスチャ層とを備える。テクスチャ層には、アレイ状に配置された複数の突起が設けられている。第1の方向とは、テクスチャ層が位置する平面内の任意の方向である。各突起は、突起底面および頂点を備え、第1の方向において、複数の突起の頂点の突起底面への投影点と突起底面の中心との間の距離が徐々に変化する、および/または、第1の方向において、突起底面に対する複数の突起の頂点の高さが徐々に変化する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材(20)と前記基材(20)の表面に配置されたテクスチャ層(10)とを備え、前記テクスチャ層(10)には、複数の突起(11)がアレイ状に配置されており、第1の方向(X)とは、前記テクスチャ層(10)が位置する平面内の任意の方向である、加飾基板(100)であって、
前記突起(11)の各々が突起底面(112)と頂点(111)とを有し、前記第1の方向(X)において、前記複数の突起(11)の頂点(111)の前記突起底面(112)への投影点(H)と前記突起底面(112)の中心(O)との距離(d)が徐々に変化する、および/または、
前記第1の方向(X)において、前記突起底面(112)に対する前記複数の突起(11)の頂点(111)の高さ(h)は徐々に変化する、加飾基板(100)。
【請求項2】
前記突起底面(112)に対する前記複数の突起(11)の頂点(111)の高さが前記第1の方向(X)において徐々に変化し、前記第1の方向(X)の距離1cm毎に、前記突起底面(112)に対する前記複数の突起(11)の頂点(111)の高さの変化が、0.2μm~6μmの範囲にある、請求項1に記載の加飾基板(100)。
【請求項3】
前記各突起底面(112)の形状が多角形または円形のいずれか1つを含み、前記第1の方向(X)において、前記複数の突起(11)の頂点(111)の前記突起底面(112)への投影点(H)と前記突起底面(112)の中心(O)との距離(d)が徐々に変化し、前記第1の方向(X)の距離1cm毎に、前記複数の突起(11)の頂点(111)の前記突起底面(112)への投影点(H)と前記突起底面(112)の中心(O)との前記距離(d)の変化が、1μm~200μmの範囲にある、請求項1に記載の加飾基板(100)。
【請求項4】
隣接する前記突起(11)の間の距離(d5)が1μm~10mmの範囲にあり、前記突起底面(112)の形状が円形で前記突起底面(112)の半径が1μm~10mmの範囲にあるか、または、前記突起底面(112)の形状が多角形で前記突起底面(112)の外接円(110)の半径が、1μm~10mmの範囲にある、請求項1に記載の加飾基板(100)。
【請求項5】
前記突起底面(112)の形状が円形であり、隣接する前記突起(11)間の距離(d5)に対する前記突起底面(112)の半径の比が(2~3):1である、または、前記突起底面(112)の形状が多角形であり、隣接する前記突起(11)間の距離(d5)に対する前記突起底面(112)の外接円(110)の半径の比が(2~3):1である、請求項1に記載の加飾基板。
【請求項6】
前記突起底面(112)に対する前記突起の頂点(111)の高さ(h)が、0.1μm~20μmの範囲にある、請求項1に記載の加飾基板(100)。
【請求項7】
前記突起底面(112)の形状が円形であり、複数の突起底面(112)の半径が第2の方向(Y)において徐々に変化する、または前記突起底面(112)の形状が多角形であり、前記複数の突起底面(112)の外接円(110)の半径が前記第2の方向(Y)において徐々に変化し、前記第2の方向(Y)とは、前記テクスチャ層(10)が位置する平面内の任意の方向である、請求項1に記載の加飾基板(100)。
【請求項8】
前記突起底面(112)の形状が多角形であり、複数の突起底面(112)が第1のアレイ方向および第2のアレイ方向を有し、前記第1のアレイ方向が前記第2のアレイ方向に対して直角であり、前記複数の突起底面(112)が前記第1のアレイ方向または前記第2のアレイ方向に対して徐々に変化する相対回転角度を有する、請求項1に記載の加飾基板(100)。
【請求項9】
前記突起(11)の側面が平坦面、直線面または曲面のいずれか1つである、請求項1に記載の加飾基板(100)。
【請求項10】
前記複数の突起(11)の頂点(111)が前記突起底面(112)の投影点(H)において接続されて、前記第1の方向(X)における前記突起(11)の頂点(111)の配置パスを形成しており、前記配置パスは、直線パスおよび/または曲線パスを含む、請求項1に記載の加飾基板(100)。
【請求項11】
第1のアレイ方向が前記複数の突起(11)のアレイ方向と定義され、前記突起底面(112)の形状が四角形であり、前記第1のアレイ方向において、前記複数の突起(11)の頂点(111)の前記突起底面(112)への投影点(H)が前記四角形の対角線に沿って順に配置される、請求項10に記載の加飾基板(100)。
【請求項12】
第1のアレイ方向が前記複数の突起(11)のアレイ方向と定義され、前記突起底面(112)の形状が四角形であり、前記第1のアレイ方向において、前記複数の突起(11)の頂点(111)の前記突起底面(112)への投影点(H)が所定の線分(l1)に沿って順に配置され、前記所定の線分(l1)が前記四角形の辺長(113)と平行な線分である、請求項10に記載の加飾基板(100)。
【請求項13】
前記複数の突起(11)の頂点(111)の前記突起底面(112)への投影点(H)が、前記第1の方向(X)において前記突起底面(112)の中心(O)を通る同一の軸線上に位置する、請求項10に記載の加飾基板(100)。
【請求項14】
前記軸線が前記突起底面(112)の対称軸線、または、前記突起底面(112)の中心(O)を通る線分であり、前記線分が前記突起底面(112)の円周上の任意の2点を結んだ線である、請求項13に記載の加飾基板(100)。
【請求項15】
複数の突起底面(112)が第1のアレイ方向および第2のアレイ方向を有し、前記第1のアレイ方向が前記第2のアレイ方向に対して直角であり、前記複数の突起(11)の前記突起底面(112)の大きさが前記第1のアレイ方向および/または前記第2のアレイ方向において徐々に小さくなり、隣接する前記突起(11)間の距離(d5)が徐々に長くなる、請求項1に記載の加飾基板(100)。
【請求項16】
複数の突起底面(112)が第1のアレイ方向と第2のアレイ方向とを有し、前記第1のアレイ方向が前記第2のアレイ方向に対して直角であり、前記第1のアレイ方向において、前記複数の突起(11)の前記複数の突起底面(112)の大きさが徐々に小さくなり、前記第1のアレイ方向の距離1cm毎に、前記複数の突起(11)の前記複数の突起底面(112)の大きさの変化が0.1μm~100μmの範囲にある、請求項1に記載の加飾基板(100)。
【請求項17】
前記加飾基板が仕上げ層をさらに備え、前記仕上げ層が発色層、つや消し層、および光輝層のうちの1つまたは複数を備え、前記仕上げ層が前記テクスチャ層(10)および/または前記基材(20)の表面に配置される、請求項1に記載の加飾基板(100)。
【請求項18】
加飾基板(100)を調製するための方法であって、
基材(20)の表面にテクスチャ層(10)を形成して加飾基板(100)を得るステップであって、前記テクスチャ層(10)の調製方法が、転写印刷、エッチング、および熱間プレス成形のうちの1つまたは複数を含む、ステップを含み、前記テクスチャ層(10)の表面には、アレイ状に配置された複数の突起(11)が設けられ、第1の方向(X)とは、前記テクスチャ層(10)が位置する平面内の任意の方向であり、
前記突起(11)が突起底面(112)と頂点(111)とを有し、前記第1の方向(X)において、前記複数の突起(11)の頂点(111)の前記突起底面(112)への投影点(H)と前記突起底面(112)の中心(O)との距離(d)が徐々に変化し、
および/または、前記第1の方向(X)において、前記突起底面(112)に対する前記複数の突起(11)の頂点(111)の高さ(h)が徐々に変化する、方法。
【請求項19】
請求項1から17のいずれか一項に記載の加飾基板と基体とを備え、前記加飾基板が前記基体の表面に配置される、カバープレート。
【請求項20】
請求項19に記載のカバープレートを備える、電子装置(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2022年8月3日に出願された「加飾基板およびその調製方法と用途」という名称の中国特許出願第202210929657.0号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、加飾技術の分野に関し、特に、加飾基板およびその調製方法、カバープレートならびに電子装置に関する。
【背景技術】
【0003】
新しいタイプの加飾材料として、グラデーションカラー加飾フィルムが、電子機器および他の分野で広く用いられている。しかしながら、既存のグラデーションカラー加飾フィルムは、主にコーティングによってカラー変化を実現している。グラデーションカラーの変化はコーティングの構造によって制限され、グラデーションカラーの変化は比較的固定されて単一であり、グラデーションカラー加飾フィルムは異なる角度で同じグラデーションカラーであり、カラーの変化が十分に立体的でないため、消費者のニーズに応えられない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の問題を解決するために、本開示は、良好な加飾効果を示すように、異なる視野角の下で異なるカラーグラデーションを有する加飾基板を提供する。
【0005】
本開示の第1の態様は、加飾基板を提供し、当該加飾基板は、基材と、基材の表面に配置されたテクスチャ層とを備え、テクスチャ層には、複数の突起がアレイ状に配置されており、第1の方向とは、テクスチャ層が位置する平面内の任意の方向である。
【0006】
各突起は突起底面と頂点とを有し、第1の方向において、複数の突起の頂点の突起底面への投影点と突起底面の中心との距離が徐々に変化し、および/または第1の方向において、複数の突起の頂点の突起底面に対する高さが徐々に変化する。
【0007】
本開示では、テクスチャ層内の複数の突起が規則的に変化する構造を有しているので、光は、異なる構造の突起で反射、散乱、屈折または他の効果を作用させることができ、その後、異なる強度の光を反射し、輝度の変化を示し、異なる色を散乱させ、グラデーションカラー効果を示す。当該構造の加飾基板は、異なる視野角の下で動的なカラー変化を示すことができ、すなわち、リアルタイムで変化するグラデーション効果を有しており、加飾効果を大幅に改善する。
【0008】
一例では、突起底面に対する複数の突起の頂点の高さは、第1の方向において徐々に変化し、第1の方向の距離1cm毎に、突起底面に対する複数の突起の頂点の高さの変化は、0.2μm~6μmの範囲にある。
【0009】
一例では、突起底面の形状は、多角形または円形のいずれか1つを含み、第1の方向において複数の突起の頂点の突起底面への投影点と突起底面の中心との距離は徐々に変化し、第1の方向の距離1cm毎に、複数の突起の頂点の突起底面への投影点と突起底面の中心との距離の変化は、1μm~200μmの範囲にある。
【0010】
一例では、隣接する突起間の距離の変化は、1μm~10mmの範囲にある。
【0011】
一例では、突起底面の形状は円形であり、突起底面の半径は、1μm~10mmの範囲にある。
【0012】
一例では、突起底面の形状は多角形であり、突起底面の外接円の半径は、1μm~10mmの範囲にある。
【0013】
一例では、突起底面の形状は円形であり、隣接する突起間の距離に対する突起底面の半径の比は(2~3):1である。
【0014】
一例では、突起底面の形状は多角形であり、隣接する突起間の距離に対する突起底面の外接円の半径の比は、(2~3):1である。
【0015】
一例では、突起底面に対する突起の頂点の高さは、0.1μm~20μmの範囲である。
【0016】
一例では、突起底面の形状は円形であり、複数の突起底面の半径は第2の方向において徐々に変化し、第2の方向とは、テクスチャ層が位置する平面内の任意の方向である。
【0017】
一例では、突起底面の形状は多角形であり、複数の突起底面の外接円の半径は、第2の方向において徐々に変化し、第2の方向とは、テクスチャ層が位置する平面内の任意の方向である。
【0018】
一例では、突起底面の形状は多角形であり、複数の突起底面は第1のアレイ方向および第2のアレイ方向を有し、第1のアレイ方向は第2のアレイ方向に直角であり、複数の突起底面は、第1のアレイ方向または第2のアレイ方向に対して徐々に変化する相対回転角度を有している。
【0019】
一例では、突起の側面の形状は、平坦面、直線面、または曲面のいずれかである。
【0020】
一例では、第1の方向において、複数の突起の頂点の突起底面への投影点は、突起の頂点の配置パスを形成するように接続され、配置パスは、直線パスおよび/または曲線パスを含む。
【0021】
一例では、第1のアレイ方向は、複数の突起のアレイ方向として定義され、突起底面の形状は、四角形であり、第1のアレイ方向において、複数の突起の頂点の投影点が四角形の対角線に沿って順に配置される。
【0022】
一例では、第1のアレイ方向は、複数の突起のアレイ方向として定義され、突起底面の形状は、四角形であり、第1のアレイ方向において、複数の突起の頂点の投影点が所定の線分に沿って順に配置され、所定の線分は、四角形の辺長に平行な線分である。
【0023】
一例では、第1の方向において、複数の突起の頂点の突起底面への投影点は、突起底面の中心を通る突起底面の同一の軸線上に投影される。
【0024】
一例では、軸線は、突起底面の対称軸線または突起底面の中心を通る線分を含み、線分は、突起底面の円周上の任意の2点を結んだ線である。
【0025】
一例では、複数の突起底面は、第1のアレイ方向および第2のアレイ方向を有し、第1のアレイ方向は第2のアレイ方向に対して直角であり、複数の突起の突起底面の大きさは、第1のアレイ方向および/または第2のアレイ方向において徐々に小さくなり、隣接する突起間の距離は徐々に長くなる。
【0026】
一例では、複数の突起底面は第1のアレイ方向および第2のアレイ方向を有し、第1のアレイ方向は第2のアレイ方向に対して直角であり、第1のアレイ方向において複数の突起の突起底面の大きさは徐々に小さくなり、第1のアレイ方向の距離1cm毎に、複数の突起の突起底面の大きさの変化は、0.1μm~100μmの範囲にある。
【0027】
一例では、加飾基板は、仕上げ層をさらに含み、仕上げ層は、発色層、つや消し層、および光輝層のうちの1つまたは複数を含み、仕上げ層は、テクスチャ層および/または基材の表面上に設けられる。
【0028】
本開示の第2の態様は、加飾基板を調製するための方法であって、この方法は、
基材の表面にテクスチャ層を形成して加飾基板を得るステップであって、テクスチャ層の調製方法は、転写印刷、エッチング、および熱圧成形のうちの1つまたは複数を含むステップを含み、テクスチャ層の表面にアレイ状に配置された複数の突起が設けられ、第1の方向とは、テクスチャ層が位置する平面内の任意の方向であり、
各突起は、突起底面と頂点とを有し、第1の方向において、複数の突起の頂点の突起底面への投影点と突起底面の中心との距離は徐々に変化し、
および/または第1の方向において、突起底面に対する複数の突起の頂点の高さは徐々に変化する。
【0029】
本開示によって提供される調製方法は、簡単で操作が容易であり、そのプロセスは成熟しており、工業生産に便利である。
【0030】
本開示の第3の態様は、本開示の第1の態様による加飾基板と、基体とを含むカバープレートを提供し、加飾基板は、基体の表面に配置される。
【0031】
本開示の第4の態様は、本開示の第3の態様に係るカバープレートを含む電子装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本開示の一例による加飾基板の構造図である。
【
図2】本開示の一例によるテクスチャ層の構造図である。
【
図3】本開示の一例によるテクスチャ層の構造図である。
【
図4】本開示の一例によるテクスチャ層の構造図である。
【
図5A】本開示の一例による突起の稜が直線の場合の構造図である。
【
図5B】本開示の一例による突起の稜が湾曲している場合の構造図である。
【
図5C】本開示の別の例による突起の稜が湾曲している場合の構造図である。
【
図6A】本開示の一例による突起のS字形方向に沿ったアレイ配置の構造図である。
【
図6B】本開示の別の例による突起のM字形方向に沿ったアレイ配置の構造図である。
【
図7】本開示の一例によるリングアレイの構造図である。
【
図8】本開示の一例による突起の立体構造の概略図である。
【
図9】本開示の一例による突起の突起底面の構造図である。
【
図10】本開示の一例による突起構造の変化の構造図である。
【
図11】本開示の一例による突起構造の変化の構造図である。
【
図12】本開示の一例による突起構造の変化の構造図である。
【
図13A】本開示の一例による複数の突起の配置の概略図である。
【
図13B】
図13Aの複数の突起の頂点の突起底面への投影点の位置変化の構造図である。
【
図14A】本開示の別の例による複数の突起の配置の概略図である。
【
図14B】
図14Aの複数の突起の頂点の突起底面への投影点の位置変化の構造図である。
【
図15A】本開示のさらに別の例による複数の突起の配置の概略図である。
【
図16】本開示の一例によるテクスチャ層の構造図である。
【
図17】本開示の一例によるテクスチャ層の構造図である。
【
図18】本開示の一例によるテクスチャ層の構造図である。
【
図19】本開示の一例のテクスチャ層の構造図である。
【
図20】本開示の一例によって提供されるテクスチャ層の構造図である。
【
図21】本開示の一例によるテクスチャ層の構造図である。
【
図22】本開示の一例によるテクスチャ層の構造図である。
【
図23】本開示の一例によるテクスチャ層の構造図である。
【
図24】本開示の一例によって提供されるテクスチャ層の構造図である。
【
図25】本開示の一例によって提供されるテクスチャ層の構造図である。
【
図26】本開示の一例による電子機器の構造図である。
【
図27】本開示の実施例1による加飾基板の上面図である。
【
図28】本開示の実施例1による加飾基板の効果図である。
【
図29】本開示の実施例2において提供される加飾基板の上面図である。
【
図30】本開示の実施例2において提供される加飾基板の効果図である。
【
図31】本開示の実施例3による加飾基板の上面図である。
【
図32】本開示の実施例4において提供される加飾基板の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示の例における技術的スキームは、本開示の例に添付される図面と組み合わせて明確かつ完全に説明されるであろう。明らかに、説明された例は本開示の例の一部にすぎず、すべての例ではない。本開示における例に基づいて、当業者が創造的な作業を行わずに得る他のすべての例は、本出願の保護の範囲内に入ることができる。
【0034】
本開示の一例による加飾基板100の構造図である
図1を参照すると、加飾基板100は、基材20と、基材20の表面に配置されたテクスチャ層10とを含む。基材20は、プラスチック、金属、セラミック、およびガラスのうちの1つまたは複数を含むが、これらに限定されない。本開示の一例によるテクスチャ層10の構造図である
図2を参照すると、テクスチャ層10は、アレイ状に配置された複数の突起11を備えており、アレイ方向は、第1のアレイ方向および第2のアレイ方向を含む。本開示において、突起底面112とは、テクスチャ層10に近い突起11の側面を指し、突起11の頂点とは、テクスチャ層10から離れた表面において、突起11がテクスチャ層10から最も離れた点を指す。本開示の一例による突起11の立体構造の概略図である
図8を参照すると、各突起11は頂点111および突起底面112を含む。突起11の頂点111は、突起底面112に対して突起11の最も高い点である。本開示の例では、突起11の複数の突起底面112の形状は、多角形または円形のいずれかを含むが、これらに限定されず、多角形は、正多角形またはそれ以外の多角形であってもよい。
図2に示すように、複数の突起11に対応する複数の突起底面112の形状は、四角形である。本開示の一例によるテクスチャ層の構造図である
図3を参照すると、複数の突起11に対応する複数の突起底面の形状は五角形である。本開示の一例によるテクスチャ層の構造図である
図4を参照すると、複数の突起に対応する複数の突起底面の形状は六角形である。
【0035】
本開示の例において、突起の側面は、平面、直線面、曲面のいずれであってもよい。
図5A、
図5Bおよび
図5Cを参照すると、
図5Aは、突起の稜が直線の場合の構造図であり、
図5Bおよび
図5Cは、突起の稜が湾曲している場合の構造図である。具体的には、
図5A、
図5Bおよび
図5Cの複数の突起11に対応する複数の突起底面112の形状は、すべて四角形であり、複数の突起の構造は、すべて四角錐である。違いは、
図5Aでは、四角錐の稜が直線でかつ四角錐の側面が平面であり、
図5Bでは、四角錐の稜が上に凸の円弧でかつ四角錐の側面が曲面であり、
図5Cでは、四角錐の稜が下に凸の円弧でかつ四角錐の側面が曲面であることである。
【0036】
本開示のいくつかの例では、複数の突起によって形成されたアレイ構造は、リングアレイ、矩形アレイ、または湾曲アレイのいずれであってもよく、それに対応して、アレイ方向は、直線方向、湾曲方向、または円形方向のいずれかを含む。矩形アレイの概略図を
図2に示す。
図6Aおよび
図6Bを参照すると、
図6Aは、本開示の一例による突起のS字方向に沿ったアレイ配置の構造図であり、すなわち、突起のアレイ方向はS字曲線であり、
図6Bは、突起のM字方向に沿ったアレイ配置の構造図であり、すなわち、突起のアレイ方向はM字曲線である。本開示の一例によるリングアレイの構造図を提供する
図7を参照されたい。
【0037】
本開示のスキームを明確に表現するために、本開示のいくつかの用語を以下に説明する。
【0038】
突起底面の中心とは、突起底面の形状が円形の場合、突起底面の中心は円の中心であり、突起底面の形状が多角形の場合、突起底面の中心は多角形の外接円の中心である。
【0039】
突起底面の大きさとは、突起底面の形状が円形の場合、突起底面の大きさは円の半径であり、突起底面の形状が多角形の場合、突起底面の大きさは多角形の外接円の半径である。
【0040】
本開示では、複数の突起の頂点の位置が第1の方向において徐々に変化しており、この変化は、突起の頂点の高さの変化または突起の頂点の突起底面への投影位置の変化であり得、第1の方向とは、複数の突起のアレイ方向、またはテクスチャ層が位置する平面内の任意の方向であり得る。詳細については、本開示の一例による突起11の立体構造の概略図である
図8を再度参照すると、突起11の頂点の高さhとは、突起11の頂点111と突起11の突起底面112との間の距離を指し、突起11の頂点の高さhの変化とは、複数の突起11の頂点の高さhの第1の方向における徐々の変化を指し、徐々の変化とは、徐々に増加もしくは減少、または最初に増加しその後減少、または最初に減少しその後増加できることである。本開示の一例による突起の突起底面112の構造図である
図9を参照されたい。
図9では、突起底面112の中心Oは突起底面112の外接円110の中心であり、突起11の頂点の突起底面112への投影点はHである。突起11の頂点111の突起底面112への投影点Hと突起底面112の中心Oとの間の距離はdであり、突起底面112の中心Oに対する突起11の突起底面112への投影点Hの位置の変化とは、突起11の頂点111の突起底面112への投影点Hと突起底面112の中心Oとの間の距離が徐々に変化することを指す。徐々の変化は、徐々に増加または減少すること、または最初に増加してから減少すること、または最初に減少してから増加することができる。本開示では、突起アレイにおける突起構造の変化を設定することにより、テクスチャ層を異なる角度において異なる段階で変化させることができ、突起の方向配置により、カラーグラデーションがより自然になり、加飾基板の立体的なグラデーション効果が得られる。
【0041】
本開示のいくつかの例では、第1の方向において、複数の突起の頂点の突起底面への投影点と突起底面の中心との間の距離は、徐々に変化する。なお、本開示では、テクスチャ層内における複数の突起底面のパターンは同一または類似しているため、突起底面の中心の位置は、異なる突起でも同一であることに留意すべきである。本開示の一例による突起構造の変化の構造図である
図10を参照されたい。
図10では、突起底面の形状が四角形であり、突起の構造が四角錐であり、その結果、四角錐の頂点の突起底面への投影位置が変化し、それに対応して四角錐の構造が変化する。本開示の一例による突起構造の変化の構造図である
図11を参照されたい。
図11では、突起底面の形状が五角形であり、突起の構造が五角錐であり、五角錐の頂点の突起底面への投影位置が変化し、それに対応して五角錐の構造が変化する。本開示の一例による突起構造の変化の構造図である
図12を参照されたい。
図12では、突起底面の形状が六角形であり、突起の構造が六角錐であり、六角錐の頂点の突起底面への投影位置が変化し、それに対応して六角錐の構造が変化する。突起底面の中心に対する突起頂点の位置の変化により、突起の側面の角度や大きさが変化することができるため、光は、テクスチャ層内の異なる位置で異なる強度の光を反射し、輝度の変化を示し、異なる色を散乱させ、グラデーションカラー効果を示す。
【0042】
本開示において、複数の突起の頂点の突起底面への投影点と突起底面の中心との距離が徐々に変化することは、複数の突起の頂点の位置が変化する方向(すなわち、第1の方向)において、複数の突起の頂点の突起底面への投影点が、突起底面の中心に徐々に近づいたり、突起底面の中心から徐々に遠ざかったりすることと理解することができ、複数の突起の頂点の配置パスは、複数の突起の頂点の突起底面への投影点を接続することによって得られる。配置パスは、直線パスおよび曲線パスの少なくとも一方であり得る。
図13Aおよび
図13Bを参照すると、
図13Aは、本開示の一例による複数の突起A1、A2およびA3の配置の概略図であり、
図13Bは、
図13Aの複数の突起A1、A2およびA3の頂点の突起底面への投影点H1、H2およびH3の位置変化の構造図である。複数の突起A1、A2、およびA3に対応する複数の突起底面112の形状は、四角形であり、第1の方向Xは、突起A1、A2、およびA3のアレイ方向である。第1の方向Xにおいて、複数の突起A1、A2、およびA3の頂点の突起底面への投影点H1、H2、およびH3は、四角形の対角線Pに沿って順に配置される。
図14Aおよび
図14Bを参照すると、
図14Aは、本開示の別の例による突起A1、A2、およびA3の配置の概略図であり、
図14Bは、
図14Aの複数の突起A1、A2、およびA3の頂点の突起底面への投影点H1、H2、およびH3の位置変化の構造図である。複数の突起A1、A2、およびA3に対応する複数の突起底面112の形状は、四角形である。例示的には、この例では、四角形は、同じ長さの4つの辺長113からなる。いくつかの例では、四角形はさらに、異なる長さの4つの辺長113を含むことがある。所定の線分l1を四角形の辺長113に平行な線分として定義し、第1の方向Xにおいて、複数の突起A1、A2、およびA3の頂点は、所定の線分l1に沿って移動する。例示すると、この例では、所定の線分l1は、突起底面112内に位置する。いくつかの例では、所定の線分l1はまた、突起底面112内に少なくとも部分的に位置してもよい。
【0043】
本開示のいくつかの例では、第1の方向において、複数の突起の頂点の突起底面への投影点はすべて、突起底面の中心点を通る同一の軸線上に位置する。突起底面の中心を通る軸線は、例えば、突起底面の対称軸線、または突起底面の中心を通る任意の線分(突起底面の周囲の任意の2点を結ぶ線)であり得る。すなわち、第1の方向において、突起の頂点の配置パスは、複数の突起の頂点の突起底面への投影点を接続することにより得られ、突起底面の対称軸線または突起底面の中心点を通る線分と一致する。本開示のいくつかの例では、突起底面の形状は多角形であり、第1の方向において、複数の突起の頂点の突起底面への投影点はすべて、突起底面の多角形のいずれかの辺に平行な同一の線分(突起底面の周囲の任意の2点を結ぶ線)上に位置する。上記構造の突起のアレイ配置によって形成されるテクスチャ層は、加飾基板のカラー遷移をより自然なものとすることができる。
【0044】
本開示のいくつかの例では、第1の方向において、複数の突起の頂点の突起底面への投影点と突起底面の中心との間の距離は、徐々に変化する。第1の方向の距離1cm毎に、複数の突起の頂点の突起底面への投影点と突起底面の中心との間の距離の変化は、1μm~200μmの範囲にある。
図13Bを例にとると、複数の突起A1、A2、およびA3は第1の方向Xにある。複数の突起A1、A2、およびA3の頂点の突起底面112への投影点H1、H2、およびH3と突起底面112の中心Oとの間の距離d1、d2、およびd3は、第1の方向Xにおいて徐々に短くなる。例えば、突起A1の頂点の突起底面112への投影点H1と突起底面112の中心Oとの間の距離はd1、突起A2の頂点の突起底面112への投影点H2と突起底面112の中心Oとの間の距離はd2、突起A3の頂点の突起底面112への投影点H3と突起底面112の中心Oとの間の距離はd3であり、d1>d2>d3である。なお、突起A1と突起A3との間の距離は1cm(いくつかの突起は途中で省略可能)であるため、突起の頂点の突起底面への投影点と突起底面の中心との間の距離の変化は、d1~d3の範囲にある。本開示のいくつかの例では、第1の方向とは、湾曲の方向であり、1cmの距離とは、円弧セグメントの長さが1cmであることを指す。
【0045】
本開示のいくつかの例では、第1の方向において、突起底面に対する複数の突起の頂点の高さは、徐々に変化する。
図15Aおよび
図15Bを参照されたい。
図15Aは、本開示のさらに別の例による複数の突起A1、A2、およびA3の配置の概略図である。
図15Bは、
図15Aの複数の突起A1、A2、およびA3の頂点111の高さの変化の構造図である。ここで、複数の突起A1、A2、およびA3の複数の突起底面112の形状は、すべて四角形であり、第1の方向Xとは、複数の突起A1、A2、およびA3のアレイ方向である。例えば、この例では、複数の突起A1、A2、およびA3に対応する複数の突起底面112の形状は同じであり、すなわち、複数の突起A1、A2、およびA3に対応する複数の突起底面112の中心Oは、いずれも四角形の対角線の交点に位置する。いくつかの例では、複数の突起A1、A2、およびA3に対応する複数の突起底面112の形状も同じであってもよい。第1の方向Xにおいて、複数の突起A1、A2、およびA3の頂点111の突起底面112に対する高さh1、h2、およびh3は、徐々に低くなっている。突起底面に対する複数の突起の頂点の高さの変化はまた、突起の側面の角度および大きさを変化させることができ、その結果、光はテクスチャ層の異なる位置で異なる強度で反射され、輝度の変化を示し、異なる色を散乱させ、グラデーション効果を示す。
【0046】
本開示のいくつかの例では、第1の方向において、突起底面に対する複数の突起の頂点の高さは、徐々に変化する。第1の方向の距離1cm毎に、突起底面に対する突起の頂点の高さの変化は、0.2μm~6μmの範囲にある。突起底面に対する突起の頂点の特定の高さの変化は、0.2μm、0.3μm、0.4μm、0.5μm、または0.6μmであり得るが、これらに限定されない。再び
図15Bを参照すると、例えば、この例では、テクスチャ層は、第1の方向Xに複数の突起A1、A2、およびA3を有し、複数の突起A1、A2、およびA3の高さh1、h2、およびh3は、第1の方向Xにおいて徐々に低くなる。例えば、突起底面112に対する突起A1の頂点111の高さはh1であり、突起底面112に対する突起A2の頂点111の高さはh2であり、突起底面112に対する突起A3の頂点111の高さはh3であり、h1>h2>h3である。なお、突起A1と突起A3との間の距離は1cm(いくつかの突起は途中で省略可能)であるため、突起底面112に対する突起A1、A3の頂点111の高さh1、h3の変化は、h1~h3の範囲にある。
【0047】
本開示のいくつかの例では、突起底面の大きさは、1μm~10mmの範囲にある。突起底面の具体的な大きさは、1μm、20μm、50μm、80μm、100μm、200μm、500μm、800μm、1mm、1.5mm、2mm、3mm、5mm、7mm、または10mmであり得るが、これらに限定されない。突起底面の形状が円形の場合、突起底面の大きさは円の半径、すなわち円の半径は、1μm~10mmの範囲にあり、突起底面の形状が多角形の場合、突起底面の大きさは多角形の外接円の半径、すなわち多角形の外接円の半径は、1μm~10mmの範囲にある。本開示の一例によるテクスチャ層10の構造図である
図16を参照されたい。本開示において、隣接する突起11間の距離d5とは、隣接する2つの突起11の2つの突起底面の中心Oを結んだ線の長さL1と、2つの突起底面の大きさL2との差を指す。言い換えると、隣接する突起11間の距離d5は、突起底面112間の平面領域の長さである。本開示のいくつかの例では、隣接する突起11間の距離d5は、1μm~10mmの範囲にある。隣接する突起11間の距離d5は、1μm、20μm、50μm、80μm、100μm、200μm、500μm、800μm、1mm、1.5mm、2mm、3mm、5mm、7mm、または10mmであり得るが、これらに限定されない。本出願のいくつかの例では、隣接する2つの突起11間の距離d5に対する突起底面112の大きさL2の比は、(2~3):1である。隣接する2つの突起11間の距離d5に対する突起底面112の大きさL2の比は、2:1、2.5:1、2.7:1、または3:1であり得るが、これらに限定されない。突起底面112の大きさL2および隣接する突起11間の距離d5を制御することは、カラーグラデーションの滑らかさを向上させ、カラー変化をより繊細にするために有益である。
【0048】
再び
図8を参照されたい。本開示のいくつかの例では、突起底面112に対する突起11の頂点111の高さhは、0.1μm~20μmの範囲にある。突起底面112に対する突起11の頂点111の高さhは、0.1μm~20μmであり得るが、これらに限定されない。本開示のいくつかの例では、突起底面112の大きさの、突起底面112に対する突起11の頂点111の高さhに対する比は、2以上である。突起底面112の大きさの、突起底面112に対する突起11の頂点111の高さhに対する比は、2、4、6、8、10、または15であり得るが、これらに限定されない。突起底面112の大きさ、および突起底面112に対する突起11の頂点111の高さhを制御することにより、カラー変化効果をより顕著にすることができる。
【0049】
本開示のいくつかの例では、突起底面の形状は多角形であり、少なくとも1つのアレイ方向において、複数の突起底面は、アレイ方向に対して徐々に変化する相対回転角度を有している。本開示の一例によるテクスチャ層の構造図である
図17を参照されたい。
図17では、突起底面の形状は四角形であり、第1のアレイ方向において、複数の突起底面は第1のアレイに対して当該方向に回転し、回転角度は徐々に大きくなる。本開示の一例によるテクスチャ層の構造図である
図18を参照されたい。
図18では、突起底面の形状は五角形であり、第1のアレイ方向において、複数の突起底面は第1のアレイに対して当該方向に回転し、回転角度は徐々に大きくなる。本開示の一例についてのテクスチャ層の構造図である
図19を参照されたい。
図19では、突起底面の形状は六角形であり、第1のアレイ方向において、複数の突起底面は第1のアレイに対して当該方向に回転し、回転角度は徐々に大きくなる。
【0050】
本開示のいくつかの例では、少なくとも1つのアレイ方向において、複数の突起に対応する複数の突起底面の大きさは、徐々に小さくなる。本開示の一例によって提供されるテクスチャ層の構造図である
図20を参照されたい。
図20では、複数の突起に対応する複数の突起底面の形状は、四角形である。第1のアレイ方向において、複数の突起に対応する複数の突起底面の大きさは、徐々に小さくなる。本開示の一例によるテクスチャ層の構造図である
図21を参照されたい。
図21では、複数の突起に対応する複数の突起底面の形状は五角形である。第1のアレイ方向において、複数の突起に対応する複数の突起底面の大きさは、徐々に小さくなる。本開示の一例によるテクスチャ層の構造図である
図22を参照されたい。
図22では、複数の突起に対応する複数の突起底面の形状は、六角形である。第1のアレイ方向において、複数の突起に対応する複数の突起底面の大きさは、徐々に小さくなる。
【0051】
いくつかの例では、複数の突起に対応する複数の突起底面の大きさは、アレイ方向において徐々に小さくなり、隣接する突起間の距離は、徐々に長くなる。本開示の一例によるテクスチャ層の構造図である
図23を参照されたい。
図23では、複数の突起に対応する複数の突起底面の形状は、四角形であり、複数の突起底面の大きさは、第1のアレイ方向において徐々に小さくなり、隣接する突起間の距離は、徐々に長くなる。本開示の一例によって提供されるテクスチャ層の構造図である
図24を参照されたい。
図24では、複数の突起に対応する複数の突起底面の形状は五角形であり、複数の突起底面の大きさは、第1のアレイ方向において徐々に小さくなり、隣接する突起間の距離は、徐々に長くなる。本開示の一例によって提供されるテクスチャ層の構造図である
図25を参照されたい。
図25では、複数の突起に対応する複数の突起底面の形状は、六角形であり、複数の突起底面の大きさは、第1のアレイ方向において徐々に小さくなり、隣接する突起間の距離は、徐々に長くなる。本開示のいくつかの例では、複数の突起に対応する複数の突起底面の大きさは、第1のアレイ方向において徐々に小さくなり、第1のアレイ方向の距離1cm毎に、複数の突起底面の大きさの変化は、0.1μm~100μmの範囲にある。
【0052】
本開示のいくつかの例では、加飾基板は、発色層、つや消し層および光輝層のうちの1つまたは複数を含む仕上げ層をさらに含む。本開示の例において、発色層は、一定の色を有する限り、コーティング層であってもインク層であってもよい。本開示では、加飾フィルム自体内のテクスチャ層が一定のカラー効果を有しており、発色層の設定により、カラーバリエーションをより豊かにすることができる。発色層とテクスチャ層との組合せにより、単色コーティングのカラー変化を実現することができる。つや消し層は、ある滑り止め機能を有し、視覚効果がより柔らかく、製品の外観を豊かにすることができる。光輝層とは、光輝点効果を示すことができる仕上げ層を指す。いくつかの例では、光輝層は、光輝粒子でドープされたコーティングを含み、光輝層の設定により加飾基板にある眩惑効果を持たせることができる。いくつかの例では、仕上げ層はテクスチャ層の表面に配置される。いくつかの例では、仕上げ層は基板の表面に配置される。いくつかの例では、仕上げ層は、基板およびテクスチャ層の表面に配置される。
【0053】
本開示によって提供される加飾基板では、テクスチャ層は連続的に変化する特徴構造を有し、これは、異なる角度で加飾基板のカラー変化を実現することができ、例えば、正面から見ると薄紫色から薄黄色に徐々に変化し、側面から見ると薄紫色から薄青色に徐々に変化して、動的で立体的なカラーグラデーション効果を示すため、製品の美観を大幅に向上させる。
【0054】
本開示はまた、加飾基板を調製する方法を提供する。本開示の例では、テクスチャ層を調製する方法には、エッチング、UV転写印刷、およびホットプレスのうちの1つまたは複数が含まれる。いくつかの例では、基板は透明フィルムを含み、例えば、基板は、ポリエステル基板(PETフィルム)、ポリカーボネート基板(PCフィルム)、ポリメチルメタクリレート基板(PMMAフィルム)であってもよく、加飾基板の調製方法は、テクスチャ層のパターンに従って金型上にテクスチャパターンを有するテクスチャマスターを作製すること、テクスチャマスターを基板の表面に転写して加飾基板を得ることを含み、得られた加飾基板はテクスチャフィルムシートである。いくつかの例では、基材はプラスチックシートを含み、加飾基板の調製方法は、テクスチャマスターを基材の表面に転写することと、加飾基板を得るために熱間プレス成形することとを含み、得られる加飾基板はテクスチャ加工プラスチックシートである。いくつかの例では、基材はガラスを含み、加飾基板の作製方法は、テクスチャ層のパターンに従って基材の表面上にマスクプレートを調製することと、基材をエッチングすることと、マスクプレートの薄い部分ではエッチング効果が強く、マスクプレートの厚い部分ではエッチング効果が弱く、それによって基材の表面上にテクスチャパターンを形成して加飾基板を得ることとを含み、得られる加飾基板はテクスチャ加工ガラスである。本開示で提供される加飾基板の調製方法は、成熟した技術、単純なプロセス、および高い製品安定性を有し、製品の歩留まりを改善することができ、大量生産に適している。
【0055】
本開示はさらに、本開示の加飾基板および基体を含むカバープレートを提供し、基体はカバープレートの構造的強度を高めるために使用され、基体はプラスチック、金属、セラミック、またはガラスのうちの1つまたは複数であってもよい。カバープレートは、異なる視野角の下で、動的なカラー変化の徐々の効果を示すことができ、これは美観を大幅に改善し、良好な市場見通しを有している。本開示のいくつかの例では、カバープレートを通信機器のシェルに使用することができ、カバープレートはユニークな外観を有し、製品の識別性を改善することができる。
【0056】
本開示はさらに、カバープレートを含む電子装置をさらに提供する。本開示の一例による電子機器の構造図である
図26を参照すると、電子装置200はディスプレイ構成要素201とハウジング202とを含み、ハウジング202は本開示のカバープレートを含む。本開示の例では、電子デバイスは、携帯電話、コンピュータ、時計、Uディスク、電子タバコ、ウェアラブルデバイス、デジタルカメラなどであり得る。
【0057】
以下は、具体例を介した本開示の実施のさらなる説明である。
【0058】
実施例1
加飾基板であって、その調製方法は、テクスチャ層のパターンデータをコンピュータに転写することと、均一なフォトレジストを用いてガラス板にフォトリソグラフィ露光を行うことと、現像、乾燥およびプラズマ洗浄を行うことと、UV転写を行い、PCシートにテクスチャを転写し、加飾基板を得ることとを含む。加飾基板は、ガラス板の表面に、コーティング、印刷、切断、接着などのプロセスを介して接着され、テクスチャパターンを有するガラスカバー板を得る。
【0059】
本開示の実施例1による加飾基板の上面図である
図27を参照されたい。
図27では、加飾基板の表面のテクスチャ層は複数の突起を有し、突起底面の形状は四角形であり、複数の突起は第1のアレイ方向および第2のアレイ方向に沿って配置されており、突起底面に対する複数の突起の頂点の高さは同一である。突起A1の頂点の突起底面への投影点は突起底面の中心と重なり、突起A2の頂点の突起底面への投影点は突起底面の四角形の右上角の頂点と重なり、突起A3の頂点の突起底面への投影点は突起底面の四角形の右上角の頂点と重なる。突起A1を起点として、第1のアレイ方向において、複数の突起の頂点の突起底面への投影点は、突起底面の中心から徐々にずれる、すなわち、複数の突起の頂点の突起底面への投影点と突起底面の中心との距離は、徐々に長くなる。同様に、突起A1を起点として、第2のアレイ方向において、複数の突起の頂点の突起底面への投影点は、突起底面の中心から徐々にずれる、すなわち、複数の突起の頂点の突起底面への投影点と突起底面の中心との距離は、徐々に長くなる。
【0060】
本開示の実施例1による加飾基板の効果図である
図28を参照されたい。
図28から分かるように、テクスチャユニットの外面が多段階の構造変化を有し、したがってカラーグラデーションが豊かになっている。
【0061】
実施例2
加飾基板であって、その調製方法は、テクスチャ層のパターンデータをコンピュータに転送することと、均一なフォトレジストを用いてガラス板上でフォトリソグラフィ露光と現像を行うことと、フォトレジストの表面にテクスチャパターンを形成することを含み、フォトレジスト付きガラス板を化学液体エッチング槽に入れ、ガラス上のフォトレジストの保護効果により、厚い接着剤部分はエッチング耐性時間が長く、薄い接着剤部分はエッチング耐性時間が短く、薄い接着剤部分は厚い接着剤部分より先にガラス層から流出するため、凹凸のあるテクスチャ構造が形成され、その結果、テクスチャがガラス表面に完全にコピーされ、加飾基板が形成される。
【0062】
本開示の実施例2による加飾基板の上面図である
図29を参照されたい。
図29では、加飾基板の表面のテクスチャ層は複数の突起を有し、突起底面の形状は四角形であり、複数の突起は第1のアレイ方向および第2のアレイ方向に沿って配置される。突起A1の頂点の突起底面への投影点は、突起底面上の四角形の左側の辺長に位置し、突起A2の頂点の突起底面への投影点は、突起底面上の四角形の右側の辺長に位置する。突起A1を起点として、第1のアレイ方向において、複数の突起の頂点の突起底面への投影点は、最初突起底面の中心に徐々に近づき、その後突起底面の中心から徐々にずれる、すなわち、複数の突起の頂点の突起底面への投影点と突起底面の中心との距離は、最初徐々に短くなり、その後徐々に長くなる。第2のアレイ方向において、複数の突起の構造は同じである。
【0063】
本開示の実施例2による加飾基板の効果図である
図30を参照されたい。
図30から分かるように、テクスチャユニットの外面が多段階の構造変化を有し、したがってカラーグラデーションが豊かになっている。
【0064】
実施例3
加飾基板については、本開示の実施例3による加飾基板の上面図である
図31を参照されたい。
図31では、加飾基板の表面のテクスチャ層は複数の突起を有し、突起底面の形状は四角形であり、複数の突起は第1のアレイ方向および第2のアレイ方向に沿って配置されており、突起底面上の複数の突起の頂点の投影位置は同一である。このうち、突起底面に対する突起A1の頂点の高さをh1、突起底面に対する突起A2の頂点の高さをh2、突起底面に対する突起A3の頂点の高さをh3とすると、h1>h2、h1>h3である。突起A1を起点として、第1のアレイ方向において、突起底面に対する複数の突起の頂点の高さは、最初徐々に高くなり、その後徐々に低くなる。第2のアレイ方向において、突起A1を起点として、突起底面に対する複数の突起の頂点の高さは、徐々に低くなる。
【0065】
本開示の実施例1で提供される加飾基板の効果図である
図28を参照されたい。
図28から分かるように、テクスチャユニットの外面は、多段階の構造変化を有し、したがってカラーグラデーションが豊かになっている。
【0066】
実施例4
加飾基板については、本開示の実施例4において提供される加飾基板の上面図である
図32を参照されたい。
図32では、加飾基板の表面のテクスチャ層は複数の突起を有し、突起底面の形状は、四角形であり、複数の突起は第1のアレイ方向および第2のアレイ方向に沿って配置されており、突起底面上の複数の突起の頂点の投影位置は同一である。このうち、突起底面に対する突起A1の頂点の高さをh1、突起底面に対する突起A2の頂点の高さをh2、突起底面に対する突起A3の頂点の高さをh3とすると、h2>h1、h2>h3である。突起A1を起点として、第1のアレイ方向においては、突起底面に対する複数の突起の頂点の高さは、最初徐々に高くなり、その後徐々に低くなり、第2のアレイ方向においては、複数の突起の構造は同じである。
【0067】
本開示の実施例2において提供される加飾基板の効果図である
図30を参照されたい。
図30から分かるように、テクスチャユニットの外面は、多段階の構造変化を有し、したがってカラーグラデーションが豊かになっている。
【0068】
上記の例は、本開示の一例を表現したにすぎず、その説明は比較的具体的かつ詳細であるが、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。当業者であれば、本開示の設計概念から逸脱することなく、いくつかの修正および改良を行うことができ、これらはすべて本開示の範囲内にあることに留意されたい。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【国際調査報告】