(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-08-26
(54)【発明の名称】トリオールを含むナノ材料
(51)【国際特許分類】
C07D 295/13 20060101AFI20250819BHJP
C12N 15/88 20060101ALI20250819BHJP
C12N 15/113 20100101ALI20250819BHJP
C12N 15/09 20060101ALI20250819BHJP
A61K 9/51 20060101ALI20250819BHJP
A61K 47/60 20170101ALI20250819BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20250819BHJP
A61K 47/28 20060101ALI20250819BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20250819BHJP
A61K 31/7088 20060101ALI20250819BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20250819BHJP
A61K 39/00 20060101ALI20250819BHJP
A61P 37/06 20060101ALI20250819BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20250819BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20250819BHJP
【FI】
C07D295/13 CSP
C12N15/88 Z
C12N15/113 Z
C12N15/09 100
A61K9/51
A61K47/60
A61K47/24
A61K47/28
A61K45/00
A61K31/7088
A61K48/00
A61K39/00 H
A61P37/06
A61K47/22
A61K47/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025502904
(86)(22)【出願日】2023-07-14
(85)【翻訳文提出日】2025-01-20
(86)【国際出願番号】 US2023027741
(87)【国際公開番号】W WO2024019936
(87)【国際公開日】2024-01-25
(32)【優先日】2022-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520439645
【氏名又は名称】ビーム セラピューティクス インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】サゴ、 コリー デイン
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン、 グレゴリー ローレンス
(72)【発明者】
【氏名】パトワルダン、 ニーラジ ナレンドラ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA65
4C076AA95
4C076CC06
4C076CC41
4C076DD49
4C076DD59
4C076DD63
4C076DD70
4C076EE23
4C076EE59
4C076FF70
4C084AA13
4C084MA38
4C084NA13
4C084ZB09
4C085AA03
4C085BB23
4C085EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086EA16
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA38
4C086NA13
4C086ZB09
(57)【要約】
本開示は、組成物、調製物、ナノ粒子(脂質ナノ粒子など)、及び/又はナノ材料、並びにそれらの使用方法を説明する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】
又はその薬学的に許容される塩であって、
各L
1及びL
1’が、独立して、-C(O)-又は-OC(O)-であり、
各L
2及びL
2’が、独立して、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-12炭化水素鎖であり、
L
3が、共有結合、-O-、-C(O)O-、-OC(O)-、又は-OC(O)O-であり、
R
1が、任意選択的に置換されたC
1-20脂肪族、
【化2】
であり、
L
CyAが、共有結合、又は任意選択的に置換された二価の飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分岐鎖C
1-12炭化水素鎖であり、
Cy
Aが、3~7員の飽和又は部分不飽和カルボシクリル、1-アダマンチル、2-アダマンチル、ステロリル、及びフェニルから選択される任意選択的に置換された環であり、
L
Raが、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-12炭化水素鎖であり、
各R
a及びR
1’が、独立して、任意選択的に置換されたC
1-20脂肪族であり、
Y
1が、-C(O)-又は-C(O)O-であり、
Y
2が、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-6炭化水素鎖であり、
Y
3が、任意選択的に置換されたC
1-20脂肪族であり、
X
1が、共有結合、-O-、又は-NR-であり、
X
2は、1~3つのメチレン単位が任意選択的に、かつ独立して、-O-又は-NR-で置換されている、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-12炭化水素鎖であり、
X
3が、水素であるか、あるいは3~7員の飽和若しくは部分不飽和カルボシクリル、フェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する3~7員のヘテロシクリル、又は窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリールから選択される、任意選択的に置換された環であり、
各Rが、独立して、水素又は任意選択的に置換されたC
1-6脂肪族である、化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記化合物が、式IIの化合物:
【化3】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記化合物が、式IIIの化合物:
【化4】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記化合物が、式III-Aの化合物:
【化5】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1又は3に記載の化合物。
【請求項5】
前記化合物が、式III-Bの化合物:
【化6】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1又は3に記載の化合物。
【請求項6】
前記化合物が、式III-B-iの化合物:
【化7】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、3、及び5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
前記化合物が、式IVの化合物:
【化8】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記化合物が、式IV-Aの化合物:
【化9】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1又は7に記載の化合物。
【請求項9】
前記化合物が、式IV-Bの化合物:
【化10】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1又は7に記載の化合物。
【請求項10】
前記化合物が、式IV-B-iの化合物:
【化11】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、7、及び9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
前記化合物が、式Vの化合物:
【化12】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
前記化合物が、式V-Aの化合物:
【化13】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1又は11に記載の化合物。
【請求項13】
前記化合物が、式V-Bの化合物:
【化14】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1又は11に記載の化合物。
【請求項14】
前記化合物が、式V-B-iの化合物:
【化15】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、11、及び13のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
前記化合物が、式VIの化合物:
【化16】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
前記化合物が、式VI-Aの化合物:
【化17】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1又は15に記載の化合物。
【請求項17】
前記化合物が、式VI-Bの化合物:
【化18】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1又は15に記載の化合物。
【請求項18】
前記化合物が、式VI-B-iの化合物:
【化19】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、15、及び17のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
前記化合物が、式VIIの化合物:
【化20】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、2、3、及び11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
前記化合物が、式VII-Aの化合物:
【化21】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、2、3、11、及び19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
前記化合物が、式VII-Bの化合物:
【化22】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、2、3、5、11、及び19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
前記化合物が、式VII-B-iの化合物:
【化23】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、2、3、5、11、19、及び21のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
前記化合物が、式VIIIの化合物:
【化24】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、2、7、及び15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
前記化合物が、式VIII-Aの化合物:
【化25】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、2、7、15、及び23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
前記化合物が、式VIII-Bの化合物:
【化26】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、2、7、15、及び23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】
前記化合物が、式VIII-B-iの化合物:
【化27】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、2、7、15、23、及び25のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】
前記化合物が、式IXの化合物:
【化28】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、2、3、11、及び19のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
前記化合物が、式IX-Aの化合物:
【化29】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、2、3、11、19、及び27のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項29】
前記化合物が、式IX-Bの化合物:
【化30】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、2、3、11、19、及び27のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項30】
前記化合物が、式IX-B-iの化合物:
【化31】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、2、3、11、19、27、及び29のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項31】
前記化合物が、式Xの化合物:
【化32】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、2、7、15、及び23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項32】
前記化合物が、式X-Aの化合物:
【化33】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、2、7、15、23、及び31のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項33】
前記化合物が、式X-Bの化合物:
【化34】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、2、7、15、23、及び31のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項34】
前記化合物が、式X-B-iの化合物:
【化35】
又はその薬学的に許容される塩である、請求項1、2、7、15、23、31、及び33のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項35】
L
1が、-C(O)-である、請求項1~34のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項36】
L
1’が、-C(O)-である、請求項1~35のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項37】
L
2が、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C
4-8炭化水素鎖である、請求項1~36のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項38】
L
2が、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C
4-8炭化水素鎖である、請求項1~37のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項39】
L
2が、二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C
4-8炭化水素鎖である、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項40】
L
2が、-(CH
2)
6-又は-(CH
2)
7-である、請求項1~39のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項41】
L
2が、-(CH
2)
4-又は-(CH
2)
5-である、請求項1~39のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項42】
L
2’が、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-6炭化水素鎖である、請求項1~41のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項43】
L
2’が、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-6炭化水素鎖である、請求項1~42のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項44】
L
2’が、二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-6炭化水素鎖である、請求項1~43のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項45】
L
2’が、-(CH
2)
2-である、請求項1~44のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項46】
L
3が、共有結合である、請求項1~45のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項47】
L
3が、-C(O)O-である、請求項1~45のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項48】
L
3が、-OC(O)-である、請求項1~45のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項49】
R
1が、任意選択的に置換されたC
1-20脂肪族である、請求項1~48のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項50】
R
1が、任意選択的に置換されたC
6-12脂肪族である、請求項1~49のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項51】
R
1が、任意選択的に置換されたC
12-20脂肪族である、請求項1~49のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項52】
R
1が、
【化36】
である、請求項1~49のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項53】
-L
2-L
3-R
1が、
【化37】
である、請求項1~52のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項54】
各R
1’が、独立して、任意選択的に置換されたC
6-12脂肪族である、請求項1~53のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項55】
各R
1’が、独立して、任意選択的に置換されたC
7-9脂肪族である、請求項1~54のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項56】
各R
1’が、独立して、
【化38】
である、請求項1~55のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項57】
Y
1が、-C(O)-である、請求項1~56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項58】
Y
1が、-C(O)O-である、請求項1~56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項59】
Y
2が、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-3炭化水素鎖である、請求項1~58のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項60】
Y
2が、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-3炭化水素鎖である、請求項1~59のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項61】
Y
2が、二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-3炭化水素鎖である、請求項1~60のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項62】
Y
2が、-CH
2-又は-(CH
2)
2-である、請求項1~61のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項63】
Y
3が、任意選択的に置換されたC
1-12脂肪族である、請求項1~62のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項64】
Y
3が、任意選択的に置換されたC
4-8脂肪族である、請求項1~63のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項65】
Y
3が、-(CH
2)
5CH
3である、請求項1~64のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項66】
Y
3が、-CH
3、-CH
2CH
3、-(CH
2)
2CH
3、-(CH
2)
3CH
3、-(CH
2)
4CH
3、-(CH
2)
5CH
3、-(CH
2)
6CH
3、又は-(CH
2)
7CH
3である、請求項1~64のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項67】
X
1が、共有結合である、請求項1~66のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項68】
X
1が、-O-である、請求項1~66のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項69】
X
1が、-NR-である、請求項1~66のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項70】
X
2は、1~2つのメチレン単位が任意選択的に、かつ独立して、-O-又は-NR-で置換されている、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-6炭化水素鎖である、請求項1~69のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項71】
X
2が、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-6炭化水素鎖である、請求項1~70のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項72】
X
2が、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-6炭化水素鎖である、請求項1~71のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項73】
X
2が、二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-6炭化水素鎖である、請求項1~72のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項74】
X
2は、1~2つのメチレン単位が、独立して、-O-又は-NR-で置換されている、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C
4-8炭化水素鎖である、請求項1~69のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項75】
X
2は、1~2つのメチレン単位が、独立して、-O-又は-NR-で置換されている、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C
4-8炭化水素鎖である、請求項1~70及び74のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項76】
X
2は、1つのメチレン単位が-NR-で置換されている、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C
4-8炭化水素鎖である、請求項1~69、74、及び75のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項77】
X
3が、水素である、請求項1~76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項78】
X
3が、3~7員の飽和若しくは部分不飽和カルボシクリル、フェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する3~7員のヘテロシクリル、又は窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリールから選択される、任意選択的に置換された環である、請求項1~76のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項79】
X
3が、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換された5~6員のヘテロシクリルである、請求項1~76及び78のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項80】
X
3が、任意選択的に置換されたピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、又はモルホリニルである、請求項1~76、78、79のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項81】
-X
2-X
3が、
【化39】
である、請求項1~80のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項82】
各Rが、水素である、請求項1~81のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項83】
各Rが、独立して、任意選択的に置換されたC
1-6脂肪族である、請求項1~81のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項84】
各Rが、-CH
3である、請求項1~81のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項85】
X
2及びX
3のうちの少なくとも1つが、少なくとも1個のイオン化可能な窒素原子を含む、請求項1~84のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項86】
前記化合物が、イオン化可能な窒素原子を含み、その共役酸のpKaが、約4~約12である、請求項1~85のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項87】
前記化合物が、表1から選択される、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項88】
請求項1~87のいずれか一項に記載のイオン化可能な脂質を含む脂質ナノ粒子(LNP)調製物。
【請求項89】
脂質ナノ粒子(LNP)調製物であって、
請求項1~87のいずれか一項に記載のイオン化可能な脂質と、
リン脂質と、
コレステロールと、
コンジュゲート-リンカー脂質(例えば、ポリエチレングリコール脂質)と、を含む、LNP調製物。
【請求項90】
治療剤及び/又は予防剤を更に含む、請求項88又は89に記載のLNP調製物。
【請求項91】
前記治療剤及び/又は予防剤が、1つ以上の核酸であるか、又は1つ以上の核酸を含む、請求項88~90のいずれか一項に記載のLNP調製物。
【請求項92】
前記1つ以上の核酸が、RNAであるか、又はRNAを含む、請求項88~91のいずれか一項に記載のLNP調製物。
【請求項93】
前記1つ以上の核酸が、DNAであるか、又はDNAを含む、請求項88~91のいずれか一項に記載のLNP調製物。
【請求項94】
前記LNP調製物が、前記治療剤及び/又は予防剤を標的細胞に送達するように製剤化されている、請求項88~91のいずれか一項に記載のLNP調製物。
【請求項95】
前記標的細胞が、脾臓細胞(例えば、脾臓B細胞、脾臓T細胞、脾臓単球)、肝臓細胞(例えば、肝細胞)、骨髄細胞(例えば、骨髄単球)、免疫細胞、筋肉細胞(例えば、筋細胞)、心臓細胞(例えば、心筋細胞)、腎臓細胞、又は中枢神経系の細胞であるか、又はそれらを含む、請求項88~94のいずれか一項に記載のLNP調製物。
【請求項96】
前記標的細胞が、造血幹細胞であるか、又は造血幹細胞を含む、請求項88~94のいずれか一項に記載のLNP調製物。
【請求項97】
前記標的細胞が、肝臓細胞であるか、又は肝臓細胞を含む、請求項88~95のいずれか一項に記載のLNP調製物。
【請求項98】
請求項88~97のいずれか一項に記載のLNP調製物と、薬学的に許容される賦形剤と、を含む、医薬組成物。
【請求項99】
治療剤及び/又は予防剤の投与を必要とする対象においてそれを行うための方法であって、前記方法が、請求項88~97のいずれか一項に記載のLNP調製物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項100】
疾患又は障害の治療を必要とする対象においてそれを行うための方法であって、前記方法が、請求項88~97のいずれか一項に記載のLNP調製物を前記対象に投与することを含み、前記治療剤及び/又は予防剤が、前記疾患を治療するために有効である、方法。
【請求項101】
疾患又は障害の進行の遅延及び/又は停止を必要とする対象においてそれを行うための方法であって、前記方法が、請求項88~97のいずれか一項に記載のLNP調製物を前記対象に投与することを含み、前記治療剤及び/又は予防剤が、前記疾患を治療するために有効である、方法。
【請求項102】
対象に由来する哺乳動物細胞に治療剤及び/又は予防剤を送達する方法であって、前記方法が、請求項88~97のいずれか一項に記載のLNP調製物を投与された前記対象の前記細胞を接触させることを含む、方法。
【請求項103】
哺乳動物細胞において関心対象のポリペプチドを産生する方法であって、前記方法が、前記細胞を請求項88~97のいずれか一項に記載のLNP調製物と接触させることを含み、前記治療剤及び/又は予防剤が、mRNAであるか、又はmRNAを含み、前記mRNAが、前記関心対象のポリペプチドをコードし、それによって、前記mRNAが、前記細胞内で翻訳されて、前記関心対象のポリペプチドを産生することができる、方法。
【請求項104】
哺乳動物細胞における関心対象のポリペプチドの産生を阻害する方法であって、前記方法が、前記細胞を請求項88~97のいずれか一項に記載のLNP調製物と接触させることを含み、前記治療剤及び/又は予防剤が、RNAであるか、又はRNAを含み、それによって、前記RNAが、前記関心対象のポリペプチドの産生を阻害することができる、方法。
【請求項105】
治療剤及び/又は予防剤を哺乳動物臓器に特異的に送達する方法であって、前記方法が、哺乳動物臓器を請求項88~97のいずれか一項に記載のLNP調製物と接触させることを含み、それによって、前記治療剤及び/又は予防剤が、前記臓器に送達される、方法。
【請求項106】
対象に、前記対象に対する請求項88~97のいずれか一項に記載のLNP調製物を投与することを含む、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
請求項88~97のいずれか一項に記載のLNP調製物を投与することによってワクチン接種する方法。
【請求項108】
対象において適応免疫応答を誘発する方法であって、少なくとも1つのRNAを含む有効量の組成物を前記対象に投与することを含み、前記組成物が、請求項1~87のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩を含むLNP調製物を含む、方法。
【請求項109】
細胞のゲノムを塩基編集する方法であって、前記方法が、請求項88~97のいずれか一項に記載のLNP調製物を投与された前記対象の前記細胞を接触させることを含む、方法。
【請求項110】
対象における細胞のゲノムを塩基編集する方法であって、前記方法が、請求項88~97のいずれか一項に記載のLNP調製物を含む有効量の組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2022年7月20日に出願された米国特許出願第63/390,882号の優先権及び利益を主張し、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
脂質含有粒子は、核酸、小分子化合物、及びタンパク質などの治療剤を細胞及び他の細胞内区画内にカプセル化するために、及び輸送媒体として使用されてきた。治療剤をカプセル化し、そのようなナノ粒子ベースの輸送媒体の安全性、有効性、及び特異性を改善するために、新しい脂質を開発する継続的な必要性が依然として存在している。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料、並びにそれらの使用方法の必要性を認識する。とりわけ、本開示は、組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料の構造的特徴が、インビボ、インビトロ、及びエクスビボにおける機能的応答に強い影響を与えることを認識する。例えば、本開示は、とりわけ、本明細書に説明される1つ以上の構成成分の選択及び組み合わせが脂質ナノ粒子の機能活性に影響を及ぼすことを説明する。いくつかの実施形態では、例えば、機能活性は、所望の指向性、安定化、生物学的利用能、分解特性、及び/又は薬物送達有効性を指し得る。いくつかの実施形態では、とりわけ、本開示は、1つ以上の構成成分の異なる比率が、本明細書に説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料の1つ以上の機能活性に影響を及ぼすことを説明する。
【0004】
更に、とりわけ、本開示は、脂質の化学構造が、参照脂質構造と比較して改善された特性を付与することを認識している。例えば、いくつかの実施形態では、本開示は、式Iの化合物:
【化1】
又はその薬学的に許容される塩を説明し、L
1、L
1’、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
1、Y
2、Y
3、X
1、X
2及びX
3の各々が、本明細書に定義されるとおりである。
【0005】
とりわけ、本明細書に説明されるように、本開示は、トリオールコア及び/又は生分解性尾部を含むイオン化可能な脂質の驚くべき属性(例えば、治療剤又は予防剤などのカーゴの予想外の指向性、安定化、生物学的利用能、分解特性、及び送達有効性)と、その組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料(例えば、LNP及び/又はLNP含有組成物、調製物、ナノ粒子、ナノ材料)と、それらの使用方法とを実証し得る。いくつかの実施形態では、本開示は、トリオールコア及び生分解性尾部を含むイオン化可能な脂質の特に驚くべき属性(例えば、治療剤又は予防剤などのカーゴの予想外の指向性、安定化、生物学的利用能、分解特性、及び送達有効性)と、組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料(例えば、LNP及び/又はLNP含有組成物、調製物、ナノ粒子、ナノ材料)と、それらの使用方法とを実証し得る。いくつかの実施形態では、生分解性尾部を含むイオン化可能な脂質、組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料(例えば、LNP及び/又はLNP含有組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料)は、特定の比較可能な参照実体と比較して改善された安定性によって特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される尾部構造は、他の尾部構造と比較して、インビボで投与されると、より容易に分解する。
【0006】
いくつかの実施形態では、本開示は、特定の代替的な脂質化合物、並びに/又はそれらを含む組成物、調製物、ナノ粒子、及び/若しくはナノ材料の問題の原因を特定し得、例えば、改善が有益であろう1つ以上の属性を特定の尾部構造が付与又はそれらの属性に寄与し得るという洞察を提供する。問題の原因のそのような特定に加えて、本開示は、異なる尾部構造を有する、脂質化合物、並びに/又はそれらを含む組成物、調製物、ナノ粒子、及び/若しくはナノ材料を含む、特定の解決策を問題に提供し得る。いくつかの実施形態では、提供される脂質化合物、並びに/又はそれらを含む組成物、調製物、ナノ粒子、及び/若しくはナノ材料は、異なる尾部構造を有する適切な比較可能な参照と比較して、安定性、生物学的利用能、及び/又は分解特性の改善によって特徴付けられ得る。いくつかの特定の実施形態では、提供される脂質化合物、並びに/又はそれらを含む組成物、調製物、ナノ粒子、及び/若しくはナノ材料は、リノール酸尾部特徴(例えば、部分)を有する適切な比較可能な参照と比較して、改善された安定性、生物学的利用能、及び/又は分解特性によって特徴付けられ得る。いくつかの特定の実施形態では、提供される脂質化合物、並びに/又はそれらを含む組成物、調製物、ナノ粒子、及び/若しくはナノ材料は、2つ以上のリノール酸尾部特徴(例えば、部分)を有する適切な比較可能な参照と比較して、改善された安定性、生物学的利用能、及び/又は分解特性によって特徴付けられ得る。
【0007】
とりわけ、本開示は、脂質ナノ粒子(LNP)組成物が、1つ以上のイオン化可能な脂質を含むことを認識している。
【0008】
いくつかの実施形態では、提供される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、疾患又は障害の治療、送達、ポリペプチド産生、又は進行の遅延/停止の方法で使用するためのものである。
【0009】
いくつかの実施形態では、提供される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、製造方法で使用するためのものである。
【0010】
いくつかの実施形態では、提供される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、特性評価の方法で使用するためのものである。
【0011】
本発明の一態様を伴う実施形態の要素(例えば、方法)は、本発明の他の態様を伴う実施形態で適用され得、その逆も同様である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】肝臓への例示的なLNP調製物(化合物7-1、化合物7-2)の送達を示す棒グラフを図示する。
【0013】
【
図2】脾臓への例示的なLNP調製物(化合物7-1、化合物7-2)の送達を示す棒グラフを図示する。
【0014】
【
図3】肝臓への例示的なLNP調製物(化合物7-7)の送達後の肝臓細胞における塩基編集を示す棒グラフを図示する。
【0015】
【
図4】肝臓への例示的なLNP調製物(化合物7-7)の送達後の肝臓細胞における塩基編集を示す棒グラフを図示する。
【0016】
【
図5】肝臓への例示的なLNP調製物(化合物7-2)の送達後の肝臓細胞におけるサイレンシングを媒介するsiRNAを示す棒グラフを図示する。
【0017】
定義
約:本明細書で使用される場合、「約」又は「およそ」という用語は、値を参照して本明細書で使用される場合、参照値に関連して同様である値を指す。概して、文脈に精通している当業者は、その文脈において「約」又は「およそ」によって包含される妥当な変動の程度を理解するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、「約」という用語は、別段の記載がない限り、又は別様に文脈から明らかでない限り、参照値の25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以内に収まるか、又はいずれかの方向(より大きいか、又はより小さい)の値の範囲を包含し得る(そのような数が可能性のある値の100%を超えることになる場合を除いて)。
【0018】
投与:本明細書で使用される場合、「投与」という用語は、典型的には、対象又は系への組成物の投与を指す。当業者であれば、適切な状況下で、対象、例えば、ヒトへの投与に利用され得る様々な経路を認識するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、投与は、眼内、経口、非経口、局所などであり得る。いくつかの特定の実施形態では、投与は、気管支内(例えば、気管支内滴下による)、口腔内、皮膚内(例えば、皮膚に局所的に、皮内、真皮内、経皮などのうちの1つ以上であるか、又はそれらを含み得る)、経腸、動脈内、皮内、胃内、骨髄内、筋肉内、鼻内、腹腔内、くも膜下腔内、静脈内、脳室内、特定の臓器内(例えば、肝臓内)、粘膜内、鼻腔内、経口、直腸内、皮下、舌下、局所、気管(例えば、気管内点滴による)、膣内、硝子体内などであり得る。いくつかの実施形態では、投与は、断続的(例えば、時間的に分離された複数の用量)及び/又は定期的(例えば、共通の期間によって分離された個々の用量)な投与である投与を伴い得る。いくつかの実施形態では、投与は、少なくとも選択された期間にわたる連続投与(例えば、灌流)を伴い得る。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子を含む医薬組成物は、非経口(筋肉内、腹腔内、静脈内(IV)、若しくは皮下注射)、経皮(受動的に、又はイオン導入若しくはエレクトロポレーションを使用して)、又は経粘膜(鼻、膣、直腸、若しくは舌下)投与経路によるか、あるいは生体侵食性挿入物を使用することによる投与のために製剤化され得、各投与経路に適した剤形で製剤化され得る。
【0019】
脂肪族:「脂肪族」又は「脂肪族基」という用語は、本明細書で使用される場合、直鎖(すなわち、非分岐)若しくは分岐鎖の、完全に飽和しているか、若しくは1つ以上の不飽和単位を含有する置換若しくは非置換炭化水素鎖、又は完全に飽和しているか、若しくは1つ以上の不飽和単位を含有するが、芳香族ではなく(本明細書では「炭素環式」、「カルボ環式」、「脂環式」、又は「シクロアルキル」とも称される)、分子の残りの部分への単一の結合点を有する、単環式炭化水素若しくは二環式炭化水素を意味する。別段の指定がない限り、脂肪族基は、1~6個の脂肪族炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1~5個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1~4個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1~3個の炭素原子を含有し、いくつかの実施形態では、脂肪族基は、1~2個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態では、「炭素環式」(又は「脂環式」又は「炭素環」又は「シクロアルキル」)は、完全に飽和しているか、又は1つ以上の不飽和単位を含有するが、芳香族ではなく、分子の残りの部分への単一の結合点を有する、任意選択的に置換された単環式C3-C8炭化水素、又は任意選択的に置換されたC6-C12二環式炭化水素を指す。好適な脂肪族基としては、限定されるものではないが、直鎖又は分岐鎖の置換又は非置換のアルキル、アルケニル、アルキニル基、及び(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキル、又は(シクロアルキル)アルケニルなどのそれらのハイブリッドが挙げられる。
【0020】
アルケニル:本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、本明細書で定義されるように、1つ以上の二重結合を有するアルキル基を指す。いくつかの実施形態では、「アルケニル」という用語は、単独で、又はより大きな部分の一部として使用され、少なくとも1つの二重結合を有し、かつ(別段の指定がない限り)2~20、2~18、2~16、2~14、2~12、2~10、2~8、2~6、2~4、又は2~3個の炭素原子(例えば、C2-20、C2-18、C2-16、C2-14、C2-12、C2-10、C2-8、C2-6、C2-4、又はC2-3)を有する、任意選択的に置換された直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖を指す。例示的なアルケニル基としては、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、及びヘプテニルが挙げられる。
【0021】
アルケニレン:「アルケニレン」という用語は、二価アルケニル基を指す。置換アルケニレン鎖は、1個以上の水素原子が置換基で置換される少なくとも1つの二重結合を含有するポリメチレン基である。好適な置換基は、置換脂肪族基について以下に説明されるものを含む。
【0022】
アルキル:本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、当該技術分野の通常の意味を与えられ、直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基、シクロアルキル(脂環式)基、アルキル置換シクロアルキル基、及びシクロアルキル置換アルキル基を含む、飽和脂肪族基を含み得る。いくつかの実施形態では、アルキルは、1~100個の炭素原子を有する。特定の実施形態では、直鎖又は分岐鎖アルキルは、その骨格に約1~20個の炭素原子(例えば、直鎖の場合、C1-C20、分岐鎖の場合、C2-C20)、あるいは約1~10個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、シクロアルキル環は、それらの環構造内に約3~10個の炭素原子を有し、そのような環は、単環式又は二環式であり、代替的に、環構造内に約5、6、又は7つの炭素を有する。いくつかの実施形態では、アルキル基は、低級アルキル基であってもよく、低級アルキル基は、1~4個の炭素原子を含む(例えば、直鎖低級アルキルの場合、C1-C4)。
【0023】
アルキレン:「アルキレン」又は「アルキレニル」という用語は、直鎖(すなわち、非分岐鎖)又は分岐鎖の置換又は非置換である二価アルキル基(すなわち、二価飽和炭化水素鎖)を指す。上述の一価のアルキル基のいずれかは、アルキルからの第2の水素原子の抽出によるアルキレンであり得る。いくつかの実施形態では、「アルキレン」は、ポリメチレン基、すなわち、-(CH2)n-であり、nは、正の整数であり、好ましくは、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、1~2、2~5、又は4~8である。置換アルキレンは、1個以上のメチレン水素原子が置換基で置換されるポリメチレン基である。好適な置換基は、置換脂肪族基について以下に説明されるものを含む。
【0024】
アルキニル:本明細書で使用される場合、「アルキニル」という用語は、本明細書で定義されるように、1つ以上の三重結合を有するアルキル基を指す。いくつかの実施形態では、「アルキニル」という用語は、単独で、又はより大きな部分の一部として使用され、少なくとも1つの三重結合を有し、かつ(別段の指定がない限り)2~20、2~18、2~16、2~14、2~12、2~10、2~8、2~6、2~4、又は2~3個の炭素原子(例えば、C2-20、C2-18、C2-16、C2-14、C2-12、C2-10、C2-8、C2-6、C2-4、又はC2-3)を有する、任意選択的に置換された直鎖又は分岐鎖の炭化水素基を指す。例示的なアルキニル基としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、及びヘプチニルが挙げられる。
【0025】
アミノ酸:その最も広い意味では、本明細書で使用される場合、例えば、1つ以上のペプチド結合の形成を通じて、ポリペプチド鎖に組み込まれ得る任意の化合物及び/又は物質を指す。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、一般構造H2N-C(H)(RAA)-COOHを有し、RAAは、アミノ酸側鎖である。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸である。いくつかの実施形態では、アミノ酸は、非天然アミノ酸であり、いくつかの実施形態では、アミノ酸は、D-アミノ酸であり、いくつかの実施形態では、アミノ酸は、L-アミノ酸である。「標準アミノ酸」は、天然に存在するペプチドに一般的に見られる20個の標準L-アミノ酸のうちのいずれかを指す。「非標準アミノ酸」とは、合成的に調製されるか、又は天然源から取得されるかにかかわらず、標準アミノ酸以外の任意のアミノ酸を指す。いくつかの実施形態では、ポリペプチド内にカルボキシ及び/又はアミノ末端アミノ酸を含むアミノ酸は、上記の一般構造と比較して構造修飾を含有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、アミノ酸は、一般構造と比較して、メチル化、アミド化、アセチル化、ペグ化、グリコシル化、リン酸化、及び/又は置換(例えば、アミノ基、カルボン酸基、1つ以上のプロトン、及び/又はヒドロキシル基の)によって修飾され得る。いくつかの実施形態では、そのような修飾は、例えば、修飾アミノ酸を含有するポリペプチドの循環半減期を、他の同一の非修飾アミノ酸を含有するポリペプチドと比較して変化させ得る。いくつかの実施形態では、そのような修飾は、修飾アミノ酸を含有するポリペプチドの関連活性を、他の同一の非修飾アミノ酸を含有するポリペプチドと比較して、有意には変化させない。文脈から明らかなように、いくつかの実施形態では、「アミノ酸」という用語は、遊離アミノ酸を指すために使用され得、いくつかの実施形態では、ポリペプチドのアミノ酸残基を指すために使用され得る。
【0026】
動物:本明細書で使用される場合、動物界の任意のメンバーを指す。いくつかの実施形態では、「動物」とは、性別及び任意の発達段階のいずれかのヒトを指す。いくつかの実施形態では、「動物」とは、任意の発達段階の非ヒト動物を指す。特定の実施形態では、非ヒト動物は、哺乳動物(例えば、齧歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類、及び/又はブタ)である。いくつかの実施形態では、動物としては、限定されるものではないが、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫、及び/又は寄生虫が挙げられる。いくつかの実施形態では、動物は、トランスジェニック動物、遺伝子操作された動物、及び/又はクローンであってもよい。
【0027】
アリール:「アリール」という用語は、合計6~14個の環員(例えば、C6-14)を有する単環式及び二環式環系を指し、系内の少なくとも1つの環は、芳香族であり、系内の各環は、3~7つの環員を含む。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と互換的に使用され得る。いくつかの実施形態では、「アリール」は、限定されるものではないが、1つ以上の置換基を有し得る、フェニル、ナフチル、アントラシルなどを含む、芳香族環系を指す。別段の指定がない限り、「アリール」基は、炭化水素である。
【0028】
会合した:一方の存在、レベル、程度、タイプ、及び/又は形態が他方のものと相関する場合、その用語が本明細書で使用される際、2つの事象又は実体が、互いに「会合している」。例えば、特定の実体(例えば、ポリペプチド、遺伝シグネチャ、代謝物、微生物など)は、その存在、レベル、及び/又は形態が、疾患、障害、又は状態(例えば、関連する集団にわたる)の発生率及び/又はそれらに対する感受性と相関する場合、特定の疾患、障害、又は状態と関連付けられているとみなされる。いくつかの実施形態では、2つ以上の実体は、それらが互いに物理的に近接している、及び/又は物理的に近接したままであるように、それらが直接的又は間接的に相互作用する場合、互いに物理的に「会合している」。いくつかの実施形態では、互いに物理的に会合している2つ以上の実体は、互いに共有結合しており、いくつかの実施形態では、互いに物理的に会合している2つ以上の実体は、互いに共有結合していないが、例えば、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、磁化、及びそれらの組み合わせによって、非共有結合的に会合している。
【0029】
生体適合性:本明細書で使用される場合、「生体適合性」という用語は、そのような組織と接触して、例えば、インビボで配置されたときに、生体組織に著しい害を引き起こさない材料を指す。特定の実施形態では、材料は、細胞に対して毒性でない場合、「生体適合性」である。特定の実施形態では、材料は、インビトロにおける細胞へのそれらの添加が20%以下の細胞死をもたらし、及び/又はインビボにおけるそれらの投与が有意な炎症又は他のそのような有害作用を誘発しない場合、「生体適合性」である。
【0030】
生分解性:本明細書で使用される場合、「生分解性」という用語は、細胞に導入されたとき、細胞に著しい毒性効果を与えることなく、細胞が再使用又は廃棄することができる構成成分に分解される(例えば、酵素分解、加水分解、及び/又はそれらの組み合わせなどの細胞機構によって)材料を指す。特定の実施形態では、生分解性材料の分解によって生成される構成成分は、生体適合性であり、したがって、インビボで有意な炎症及び/又は他の有害作用を誘発しない。いくつかの実施形態では、生分解性ポリマー材料は、それらの構成成分モノマーに分解される。いくつかの実施形態では、生分解性材料(例えば、生分解性ポリマー材料を含む)の分解は、エステル結合の加水分解を伴う。代替的に又は追加的に、いくつかの実施形態では、生分解性材料(例えば、生分解性ポリマー材料を含む)の分解は、ウレタン結合の切断を伴う。例示的な生分解性ポリマーとしては、例えば、限定されるものではないが、ポリ(ヒドロキシル酸)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸-グリコール酸コポリマー)(PLGA)、及びPEGとのコポリマー、ポリ無水物、ポリ(オルト)エステル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(ヒドロキシアルカン酸、ポリ(ラクチド-カプロラクトンコポリマー)、それらの混合物及びコポリマーを含む、乳酸及びグリコール酸などのヒドロキシ酸のポリマーが挙げられる。多くの天然に存在するポリマーはまた、生分解性であり、例えば、アルブミン、コラーゲン、ゼラチン、及びプロラミンなどのタンパク質、例えば、ゼイン、並びにアルギネートなどの多糖類、セルロース誘導体、及びポリヒドロキシアルカン酸、例えば、ポリヒドロキシブチレート混合物及びそれらのコポリマーを含む。当業者であれば、そのようなポリマーが、それらの生体適合性及び/又は生分解性誘導体であるとき(例えば、当技術分野で公知の特定の化学基の置換又は付加のみが異なる実質的に同一の構造による親ポリマーに関連する)を理解するか、又は決定することができるであろう。
【0031】
生物学的に活性:本明細書で使用される場合、関心対象の薬剤又は実体によって達成される観察可能な生物学的効果又は結果を指す。例えば、いくつかの実施形態では、特異的結合相互作用は、生物学的活性である。いくつかの実施形態では、生物学的経路又は事象の調節(例えば、誘導、増強、又は阻害)は、生物学的活性である。いくつかの実施形態では、生物学的活性の存在又は程度は、関心対象の生物学的経路又は事象によって産生される直接的又は間接的な産物の検出によって評価される。
【0032】
二価:本明細書で使用される場合、「二価」という用語は、2つの結合点を有する化学的部分を指す。例えば、「二価のC1-8(又はC1-6)飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖炭化水素鎖」は、本明細書に定義されるように直鎖又は分岐鎖である二価アルキレン、アルケニレン、及びアルキニレン鎖を指す。
【0033】
架橋二環系:本明細書で使用される場合、「架橋二環系」、「架橋二環」、「架橋二環式」、及び「架橋二環式環」という用語は、少なくとも1つの架橋を有する、任意の二環式環系、すなわち、炭素環式又は複素環式の飽和又は部分不飽和を指す。IUPACによって定義されるように、「架橋」は、2つの架橋ヘッドを接続する原子の非分岐鎖又は原子若しくは原子価結合であり、「架橋ヘッド」は、3個以上の骨格原子に結合している環系の任意の骨格原子である(水素を除く)。いくつかの実施形態では、架橋二環式基は、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される7~12個の環員及び0~4個のヘテロ原子を有する。そのような架橋二環式基は、当技術分野で周知であり、各基が任意の置換可能な炭素又は窒素原子で分子の残りの部分に結合している、以下に記載される基を含む。別段の指定がない限り、架橋二環式基は、脂肪族基について記載される1つ以上の置換基で任意選択的に置換される。追加的に又は代替的に、架橋二環式基の任意の置換可能な窒素は、任意選択的に置換される。例示的な架橋二環式としては、限定されるものではないが、次のものが挙げられる。
【化2】
【0034】
がん:「がん」、「悪性腫瘍」、「新生物」、「腫瘍」、及び「がん腫」という用語は、比較的異常、制御不能な、及び/又は自律的な成長を呈する細胞を指すために本明細書で使用され、その結果、それらは、細胞増殖の制御の著しい喪失によって特徴付けられる異常な成長表現型を呈する。いくつかの実施形態では、腫瘍は、前がん状態(例えば、良性)、悪性、前転移性、転移性、及び/又は非転移性である細胞であってもよく、又はそれらを含んでもよい。本開示は、その教示が特に関連し得る特定のがんを具体的に特定する。いくつかの実施形態では、関連するがんは、固形腫瘍によって特徴付けられ得る。いくつかの実施形態では、関連するがんは、血液腫瘍によって特徴付けられ得る。一般に、当技術分野で公知の異なるタイプのがんの例としては、例えば、白血病を含む造血がん、リンパ腫(ホジキン及び非ホジキン)、骨髄腫及び骨髄増殖性障害、肉腫、黒色腫、腺腫、固形組織のがん、口、喉、及び肺の扁平上皮がん、肝臓がん、前立腺、子宮頸管、膀胱、子宮などの尿生殖器がん、子宮内膜がん、腎細胞がん、骨がん、膵がん、皮膚がん、皮膚又は眼内黒色腫、内分泌系のがん、甲状腺のがん、副甲状腺のがん、頭頸部がん、乳がん、胃腸がん、神経系がん、乳頭腫などの良性病変などが挙げられる。
【0035】
担体:本明細書で使用される場合、組成物が投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、又は媒体を指す。いくつかの例示的な実施形態では、担体は、例えば、水及び油などの滅菌液体、油は、例えば、ピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油などの石油、動物、植物、又は合成起源の油を含み得る。いくつかの実施形態では、担体は、1つ以上の固体構成成分であるか、又はそれらを含む。
【0036】
カルボシクリル:本明細書で使用される場合、「カルボシクリル」、「カルボ環」、及び「カルボ環式」という用語は、3~14員を有する、本明細書に説明される、飽和又は部分不飽和の環状脂肪族単環式、二環式、又は多環式環系を指し、脂肪族環系は、本明細書に説明されるように任意選択的に置換される。炭素環式基としては、限定なしで、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニル、ノルボルニル、アダマンチル、及びシクロオクタジエニルが挙げられる。いくつかの実施形態では、「カルボシクリル」(又は「脂環式」)は、完全に飽和しているか、又は1つ以上の不飽和単位を含有するが、芳香族ではなく、分子の残りの部分への単一の結合点を有する、任意選択的に置換された単環式C3-C8炭化水素、又は任意選択的に置換されたC6-C12二環式炭化水素を指す。「シクロアルキル」という用語は、約3~約10個の環炭素原子の任意選択的に置換された飽和環系を指す。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、3~6つの炭素を有する。例示的な単環式シクロアルキル環としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロヘプチルが挙げられる。「シクロアルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有し、かつ約3~約10個の炭素原子を有する、任意選択的に置換された非芳香族単環式又は多環式環系を指す。例示的な単環式シクロアルケニル環としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、及びシクロヘプテニルが挙げられる。
【0037】
比較可能な:本明細書で使用される場合、「比較可能な」という用語は、互いに同一ではないが、当業者が、観察された差異又は類似性に基づいて合理的に結論が導かれ得ることを理解するために、それらの比較を可能にするのに十分に類似している、2つ以上の薬剤、実体、状況、条件のセットなどを指す。いくつかの実施形態では、比較可能な条件、状況、個体、又は集団のセットは、複数の実質的に同一の特徴、及び1つ又は少数の変化した特徴によって特徴付けられる。当業者であれば、文脈において、2つ以上のそのような薬剤、実体、状況、条件のセットなどについて、比較可能であるとみなされるために、任意の所与の状況において、どの程度の同一性が必要とされるかを理解するであろう。例えば、当業者であれば、状況、個体、又は集団のセットが、異なる状況、個体、又は集団のセットの下で、又はそれらとともに得られた結果、又は観察された現象における差異が、変化したそれらの特徴における変動によって引き起こされるか、又は変動を示すという合理的な結論を正当化するのに十分な数及びタイプの実質的に同一の特徴によって特徴付けられるとき、互いに比較可能であることを理解するであろう。
【0038】
組成物:当業者であれば、「組成物」という用語が、1つ以上の指定された構成成分を含む別個の物理実体を指すために使用され得ることを理解するであろう。一般に、別段の指定がない限り、組成物は、任意の形態、例えば、気体、ゲル、液体、固体などであってもよい。
【0039】
含むこと:1つ以上の名前付き要素又はステップを「含む」として本明細書で説明される組成物又は方法は、オープンエンド型であり、名前付き要素又はステップが必須であるが、他の要素又はステップが組成物又は方法の範囲内で追加されてもよいことを意味する。冗長さを避けるために、1つ以上の名前付き要素又はステップ「含む(comprising)」(又は「含む(comprises)」)として説明される任意の組成物又は方法はまた、同じ名前付き要素又はステップ「から本質的に構成される」、対応する、より限定された組成物又は方法も説明し、これは、組成物又は方法が、名前付きの必須の要素又はステップを含むとともに、その組成物又は方法の基本的かつ新規の特徴に実質的に影響を与えない追加の要素又はステップも含み得ることを意味する。また、1つ以上の名前付き要素又はステップを「含む」か、又はそれら「から本質的に構成される」として本明細書で説明される任意の組成物又は方法はまた、任意の他の名前付き要素又はステップを除外するための、名前付き要素又はステップ「から構成される(consisting of)」(又は「から構成される(consists of)」)、対応する、より限定され、かつクローズエンド型の組成物又は方法を説明することが理解される。本明細書に開示される任意の組成物又は方法では、任意の名前付きの必須要素又はステップの公知又は開示の均等物は、その要素又はステップに置換され得る。
【0040】
「改善する」、「増加させる」、「阻害する」、又は「低減する」:本明細書で使用される場合、「改善する」、「増加させる」、「阻害する」、「低減する」という用語、又はその文法上の均等物は、ベースライン又は他の基準測定値に対する値を示す。いくつかの実施形態では、適切な基準測定値は、特定の薬剤若しくは治療の存在がない別様に比較可能な条件下(例えば、その前及び/若しくは後)、又は適切な比較可能な参照薬剤の存在下の特定の系における測定値であるか、又はそれを含み得る。いくつかの実施形態では、適切な基準測定値は、関連する薬剤又は治療の存在下で、特定のやり方で応答することが知られているか、又は予想される比較可能な系における測定値であるか、又はそれを含み得る。
【0041】
決定する:本明細書に説明される多くの方法論は、「決定する」ステップを含む。当業者であれば、本明細書を読むと、そのような「決定すること」が、例えば、本明細書に明示的に言及される特定の技術を含む、当業者に利用可能な様々な技術のいずれかの使用を通じて利用又は達成され得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、決定することは、物理的試料の操作を伴う。いくつかの実施形態では、決定することは、例えば、関連する分析を実施するように適合されたコンピュータ又は他の処理ユニットを利用した、データ又は情報の検討及び/又は操作を伴う。いくつかの実施形態では、決定することは、情報源から関連情報及び/又は材料を受信することを伴う。いくつかの実施形態では、決定することは、試料又は実体の1つ以上の特徴を比較可能な参照と比較することを伴う。
【0042】
カプセル化された:「カプセル化された」という用語は、本明細書では、別の材料によって完全に取り囲まれている物質を指すために使用される。
【0043】
賦形剤:本明細書で使用される場合、例えば、所望の一貫性又は安定化効果を提供するか、又はそれらに寄与するために、医薬組成物に含まれ得る非治療剤を指す。好適な医薬賦形剤としては、例えば、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。
【0044】
発現:本明細書で使用される場合、核酸配列の「発現」という用語は、核酸配列からの任意の遺伝子産物の生成を指す。いくつかの実施形態では、遺伝子産物は、転写物であり得る。いくつかの実施形態では、遺伝子産物は、ポリペプチドであり得る。いくつかの実施形態では、核酸配列の発現は、(1)DNA配列からのRNA鋳型の産生(例えば、転写による)、(2)RNA転写物の処理(例えば、スプライシング、編集、5’キャップ形成、及び/又は3’末端形成による)、(3)ポリペプチド若しくはタンパク質へのRNAの翻訳、及び/又は(4)ポリペプチド若しくはタンパク質の翻訳後修飾のうちの1つ以上を伴う。
【0045】
ヘテロアリール:単独で、又はより大きな部分の一部、例えば「ヘテロアラルキル」、又は「ヘテロアロアルコキシ」として使用される「ヘテロアリール」及び「heteroar-」という用語は、5~10個の環原子(例えば、5~6員の単環式ヘテロアリール、又は9~10員の二環式ヘテロアリール)を有する単環式又は二環式環基を指し、環式アレイで共有された6、10、又は14個のπ電子を有し、炭素原子に加えて、1~5個のヘテロ原子を有する。例示的なヘテロアリール基としては、限定なしで、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリドニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニル、プテリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリミジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、チエノピリミジニル、トリアゾロピリジニル、及びベンゾイソキサゾリルが挙げられる。本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」及び「heteroar-」という用語はまた、ヘテロ芳香族環が1つ以上のアリール環、脂環式環、又はヘテロシクリル環に縮合される基も含み、ラジカル又は結合点は、ヘテロ芳香族環上にある(すなわち、1~3個のヘテロ原子を有する二環式ヘテロアリール環)。非限定的な例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H-キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、ピリド[2,3-b]-1,4-オキサジン-3(4H)-オン、及びベンゾイソキサゾリルが挙げられる。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、又は「ヘテロ芳香族」という用語と互換的に使用され得、これらの用語のいずれかは、任意選択的に置換される環を含む。
【0046】
ヘテロ原子:「ヘテロ原子」という用語は、酸素、硫黄、窒素、リン、又はケイ素(任意の酸化形態の窒素、硫黄、リン、若しくはケイ素、任意の塩基性窒素の四級形態、又は複素環式環の置換可能な窒素、例えば、N(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリルにおけるように)、NH(ピロリジニルにおけるように)、又はNR+(N-置換ピロリジニルにおけるように)のうちの1つ以上を意味する。
【0047】
複素環:「複素環」、「複素環式」、「複素環式ラジカル」、及び「複素環式環」という用語は、本明細書では互換的に使用され、上記に定義されるように、飽和又は部分不飽和のいずれかであり、炭素原子に加えて、1個以上、例えば、1~4個のヘテロ原子を有する、安定な3~8員の単環式、7~12員の二環式、又は10~16員の多環式複素環部分を指す。複素環の環原子に関連して使用される場合、「窒素」という用語は置換窒素を含む。一例として、酸素、硫黄、又は窒素から選択される0~3個のヘテロ原子を有する飽和又は部分不飽和の環において、窒素は、N(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリルにおけるように)、NH(ピロリジニルにおけるように)、又はNR
+(N-置換ピロリジニルにおけるように)であり得る。複素環式環は、安定した構造をもたらす任意のヘテロ原子又は炭素原子でそのペンダント基に結合することができ、環原子のうちのいずれかは、任意選択的に置換され得る。そのような飽和又は部分不飽和の複素環式ラジカルの例としては、限定なしで、アゼチジニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピペリジニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、チアモルホリニル、及び
【化3】
が挙げられる。ヘテロシクリル基は、単環式、二環式、三環式、又は多環式、好ましくは、単環式、二環式、又は三環式、より好ましくは、単環式又は二環式であり得る。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリルによって置換されたアルキル基を指し、アルキル部分及びヘテロシクリル部分は、独立して、任意選択的に置換される。二環式複素環はまた、複素環式環が1つ以上のアリール環、ヘテロアリール環、又は脂環式環に縮合している基を含む。例示的な二環式複素環式基としては、インドリニル、イソインドリニル、ベンゾジオキソリル、1,3-ジヒドロイソベンゾフラニル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、及びテトラヒドロキノリニルが挙げられる。二環式複素環はまた、スピロ環式環系(例えば、炭素原子に加えて、上記に定義される1個以上のヘテロ原子(例えば、1個、2個、3個、又は4個のヘテロ原子)を有する7~11員のスピロ環式縮合複素環式環)であってもよい。二環式複素環はまた、架橋環系(例えば、1、2、又は3個の架橋原子を有する7~11員の架橋複素環式環)であってもよい。
【0048】
インビトロ:本明細書で使用される場合、「インビトロ」という用語は、多細胞生物内ではなく、人工環境、例えば、試験管又は反応容器内、細胞培養などで発生する事象を指す。
【0049】
単離された:本明細書で使用される場合、(1)最初に産生されたときに関連付けられた構成成分の少なくとも一部から分離され(自然界及び/若しくは実験設定のいずれにおいても)、並びに/又は(2)人の手によって設計、産生、調製、及び/若しくは製造された、物質及び/又は実体を指す。単離された物質及び/又は実体は、それらが最初に関連付けられた他の構成成分の約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約99%超から分離され得る。いくつかの実施形態では、単離剤は、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、又は約99%超純粋である。本明細書で使用される場合、物質は、他の構成成分を実質的に含まない場合、「純粋」である。いくつかの実施形態では、当業者によって理解されるように、物質は、例えば、1つ以上の担体又は賦形剤(例えば、緩衝液、溶媒、水など)などの、特定の他の構成成分と組み合わせられた後、依然として、「単離された」、又は更には「純粋」とみなされ得、そのような実施形態では、物質の単離又は純度のパーセントは、そのような担体又は賦形剤を含むことなく計算される。一例を挙げると、いくつかの実施形態では、自然界で発生するポリペプチド又はポリヌクレオチドなどの生体ポリマーは、a)その起源又は導出源によって、自然界のその天然状態でそれに伴う構成成分の一部又は全部と関連付けられていないとき、b)自然界でそれを産生する種由来の同じ種の他のポリペプチド又は核酸を実質的に含まないとき、c)自然界でそれを産生する種ではない細胞若しくは他の発現系からの構成成分によって発現されるか、又は別様にそれと関連する場合、「単離された」とみなされる。したがって、例えば、いくつかの実施形態では、自然界でポリペプチドを産生する細胞系とは異なる細胞系で化学的に合成されるか、又は合成されるポリペプチドは、「単離」ポリペプチドであるとみなされる。代替的に又は追加的に、いくつかの実施形態では、1つ以上の精製技術に供されたポリペプチドは、a)それが自然界で関連付けられている、及び/又はb)それが最初に産生されたときに関連付けられていた、他の構成成分から分離されたという点で「単離」ポリペプチドとみなされ得る。
【0050】
インビボ:本明細書で使用される場合、ヒト及び非ヒト動物などの多細胞生物内で発生する事象を指す。細胞ベースの系の文脈では、この用語は、生細胞内(例えば、インビトロ系ではなく)で発生する事象を指すために使用され得る。
【0051】
リンカー:本明細書で使用される場合、異なる要素を互いに接続する多要素剤の部分を指すために使用される。例えば、当業者であれば、その構造が2つ以上の機能ドメイン又は組織ドメインを含むポリペプチドが、多くの場合、それらを互いに連結するそのようなドメイン間のアミノ酸のストレッチを含むことを理解する。いくつかの実施形態では、リンカー要素「L’」を含むポリペプチドは、一般形態S1-L’-S2の全体構造を有し、S1及びS2は、同一であっても異なっていてもよく、リンカーによって互いに会合している2つのドメインを表す。いくつかの実施形態では、ポリプチドリンカーは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100以上のアミノ酸長である。いくつかの実施形態では、リンカーは、剛直な三次元構造を採用するのではなく、ポリペプチドに柔軟性を提供することを特徴とする。ポリペプチド(例えば、融合ポリペプチド)を操作するときに適切に使用され得る様々な異なるリンカー要素が当技術分野で知られている(例えば、Holliger,P.,et al.(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:6444-6448;Poljak,R.J.,et al.(1994)Structure 2:1 121-1123を参照されたい)。
【0052】
ナノ粒子:本明細書で使用される場合、「ナノ粒子」という用語は、1000ナノメートル(nm)未満の直径を有する粒子を指す。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、National Science Foundationによって定義されるように、300nm未満の直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、National Institutes of Healthによって定義される100nm未満の直径を有する。いくつかの実施形態では、ナノ粒子は、ミセル膜によってバルク溶液から分離された包囲された区画を含むという点でミセルであり、典型的には、空間又は区画を取り囲んで包囲する(例えば、内腔を画定する)両親媒性実体から構成される。いくつかの実施形態では、ミセル膜は、例えば、生体適合性及び/又は生分解性ポリマーなどの少なくとも1つのポリマーから構成される。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子は、約30~約170nmの平均流体力学的直径を有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子は、約30nm、35nm、40nm、45nm、50nm、55nm、60nm、65nm、70nm、75nm、80nm、85nm、90nm、95nm、100nm、105nm、110nm、115nm、120nm、125nm、130nm、135nm、140nm、145nm、150nm、155nm、160nm、165nm、170nm、又は上述の値のうちのいずれか2つによって定義される端点を有する任意の範囲の平均流体力学的直径を有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子は、50nm~100nmの平均流体力学的直径を有する。
【0053】
ナノ粒子組成物:本明細書で使用される場合、「ナノ粒子組成物」という用語は、少なくとも1つのナノ粒子及び少なくとも1つの追加の薬剤又は成分を含有する組成物を指す。いくつかの実施形態では、ナノ粒子組成物は、本明細書に説明されるナノ粒子の実質的に均一な集合を含む。
【0054】
核酸:本明細書で使用される場合、その最も広い意味で、オリゴヌクレオチド鎖に組み込まれるか、又は組み込まれ得る任意の化合物及び/又は物質を指す。いくつかの実施形態では、核酸は、ホスホジエステル結合を介してオリゴヌクレオチド鎖に組み込まれるか、又は組み込まれ得る化合物及び/又は物質である。文脈から明らかであるように、いくつかの実施形態では、「核酸」とは、個々の核酸残基(例えば、ヌクレオチド及び/又はヌクレオシド)を指し、いくつかの実施形態では、「核酸」とは、個々の核酸残基を含むオリゴヌクレオチド鎖を指す。いくつかの実施形態では、「核酸」は、RNAであるか、又はRNAを含み、いくつかの実施形態では、「核酸」は、DNAであるか、又はDNAを含む。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上の天然核酸残基であるか、それらを含むか、又はそれらから構成される。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上の核酸類似体であるか、それらを含むか、又はそれらから構成される。いくつかの実施形態では、核酸類似体は、ホスホジエステル骨格を利用しないという点で核酸とは異なる。例えば、いくつかの実施形態では、核酸は、当技術分野で公知であり、かつ骨格にホスホジエステル結合の代わりにペプチド結合を有する、1つ以上の「ペプチド核酸」であるか、それらを含むか、又はそれらから構成され、本発明の範囲内とみなされる。代替的に又は追加的に、いくつかの実施形態では、核酸は、ホスホジエステル結合ではなく、1つ以上のホスホロチオエート結合及び/又は5’-N-ホスホラミダイト結合を有する。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上の天然ヌクレオシド(例えば、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン、及びデオキシシチジン)であるか、それらを含むか、又はそれらから構成される。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上のヌクレオシド類似体(例えば、2-アミノアデノシン、2-チオチミジン、イノシン、ピロロ-ピリミジン、3-メチルアデノシン、5-メチルシチジン、C-5プロピニル-シチジン、C-5プロピニル-ウリジン、2-アミノアデノシン、C5-ブロモウリジン、C5-フルオロウリジン、C5-ヨードウリジン、C5-プロピニル-ウリジン、C5-プロピニル-シチジン、C5-メチルシチジン、2-アミノアデノシン、7-デアザアデノシン、7-デアザグアノシン、8-オキソアデノシン、8-オキソグアノシン、O(6)-メチルグアニン、2-チオシチジン、メチル化塩基、インターカレーション塩基、及びそれらの組み合わせ)であるか、それらを含むか、又はそれらから構成される。いくつかの実施形態では、核酸は、自然界の核酸と比較して、1つ以上の修飾糖(例えば、2’-フルオロリボース、リボース、2’-デオキシリボース、アラビノース、及びヘキソース)を含む。いくつかの実施形態では、核酸は、例えば、RNA又はタンパク質などの機能性遺伝子産物をコードするヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、核酸は、1つ以上のイントロンを含む。いくつかの実施形態では、核酸は、天然源からの単離、相補的鋳型に基づく重合による酵素合成(インビボ又はインビトロ)、組換え細胞又は系における複製、及び化学合成のうちの1つ以上によって調製される。いくつかの実施形態では、核酸は、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、20、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000以上の残基長である。いくつかの実施形態では、核酸は、部分的又は完全に一本鎖であり、いくつかの実施形態では、核酸は、部分的又は完全に二本鎖である。いくつかの実施形態では、核酸は、ポリペプチドをコードするか、又はポリペプチドをコードする配列の相補体である、少なくとも1つの要素を含むヌクレオチド配列を有する。いくつかの実施形態では、核酸は、酵素活性を有する。
【0055】
非経口:本明細書で使用される場合、「非経口投与」及び「非経口的に投与される」という語句は、通常、注射による、経腸投与及び局所投与以外の投与様式を指す、当技術分野で理解されている意味を有し、限定なしで、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、下顎嚢内、くも膜下内、脊髄内、及び胸骨内の注射及び注入を含む。
【0056】
患者:本明細書で使用される場合、「患者」という用語は、例えば、実験的、診断的、予防的、化粧、及び/又は治療目的のために、提供される組成物が投与されるか、又は投与され得る、任意の生物を指す。典型的な患者としては、動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、及び/又はヒトなどの哺乳動物)が挙げられる。いくつかの実施形態では、患者は、ヒトである。いくつかの実施形態では、患者は、1つ以上の障害又は状態を患っているか、又はそれらに感受性である。いくつかの実施形態では、患者は、障害又は状態の1つ以上の症状を示す。いくつかの実施形態では、患者は、1つ以上の障害又は状態と診断されている。いくつかの実施形態では、障害又は状態は、がん、又は1つ以上の腫瘍の存在であるか、又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、患者は、疾患、障害、又は状態を診断及び/又は治療するために、特定の療法を受けているか、又は受けてきた。
【0057】
医薬組成物:本明細書で使用される場合、「医薬組成物」という用語は、1つ以上の薬学的に許容される担体と一緒に製剤化された活性剤を指す。いくつかの実施形態では、活性剤は、関連集団に投与されたときに所定の治療効果を達成する統計的に有意な確率を示す治療レジメンにおける投与に適した単位用量で存在する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、固体又は液体形態における投与のために特別に製剤化され得、以下のものに対して適合されたものを含む:経口投与、例えば、ドレンチ(水溶液又は非水溶液又は懸濁液)、錠剤、例えば、頬側、舌下、及び全身吸収を標的とするもの、ボーラス、粉末、顆粒、舌への適用のためのペースト、非経口投与、例えば、滅菌溶液若しくは懸濁液として、例えば、皮下、筋肉内、静脈内、若しくは硬膜外注射による、又は徐放性製剤、局所適用、例えば、クリームとして、軟膏、又は皮膚、肺、若しくは口腔に塗布された徐放性のパッチ若しくはスプレー、膣内又は直腸内、例えば、ペッサリー、クリーム、又は発泡体として、舌下、眼、経皮的、あるいは鼻、肺、及び他の粘膜表面に対するもの。
【0058】
薬学的に許容される:本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という語句は、健全な医学的判断の範囲内で、合理的な利益/リスク比に匹敵する、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症なしで、ヒト及び/又は動物の組織と接触して使用するのに好適である、化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を指す。
【0059】
薬学的に許容される担体:本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、対象化合物を1つの臓器、又は身体の一部分から、別の臓器、又は身体の別の部分に搬送又は輸送することに関与する、液体若しくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、又は溶媒をカプセル化するカプセル化材料などの、薬学的に許容される材料、組成物、又は媒体を意味する。各担体は、製剤の他の成分と適合性があり、患者に損傷を与えないという意味で、「許容される」必要がある。薬学的に許容される担体として機能し得る材料のいくつかの例としては、ラクトース、グルコース、及びスクロースなどの糖類、コーンスターチ及びジャガイモデンプンなどのデンプン、セルロース、並びにカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、及びセルロースアセテートなどのその誘導体、粉末トラガカント、麦芽、ゼラチン、タルク、ココアバター及び座薬ワックスなどの賦形剤、ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブオイル、トウモロコシ油、及び大豆油などの油、プロピレングリコールなどのグリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、及びポリエチレングリコールなどのポリオール、オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルなどのエステル、寒天、水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムなどの緩衝剤、アルギン酸、パイロジェンフリー水、等張食塩水、リンゲル溶液、エチルアルコール、pH緩衝溶液、ポリエステル、ポリカーボネート、及び/又はポリ無水物、並びに医薬製剤に採用される他の非毒性適合物質が挙げられる。
【0060】
薬学的に許容される塩:本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という用語は、薬学的文脈における使用に適するそのような化合物の塩、すなわち、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなしで、ヒト及び下等動物の組織と接触しての使用に好適であり、合理的な利益/リスク比に匹敵する塩を指す。薬学的に許容される塩は、当技術分野で周知である。例えば、S.M.Berge,et al.は、薬学的に許容される塩をJ.Pharmaceutical Sciences,66:1-19(1977)で詳細に説明している。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩としては、限定されるものではないが、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、及び過塩素酸などの無機酸で、又は酢酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、若しくはマロン酸などの有機酸で、又はイオン交換などの当技術分野で使用されている他の方法を使用することによって形成されるアミノ基の塩である、非毒性酸付加塩が挙げられる。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩としては、限定されるものではないが、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸、吉草酸塩などが挙げられる。代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩は、適切な場合、ハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、1~6個の炭素原子を有するアルキル、スルホン酸塩、及びアリールスルホン酸塩などの対イオンを使用して形成される、非毒性アンモニウム、四級アンモニウム、及びアミンカチオンを含む。
【0061】
予防する又は予防:本明細書で使用される場合、疾患、障害、及び/又は状態の発生に関連して使用される場合、疾患、障害、及び/若しくは状態を発症するリスクを低減すること、並びに/又は特定の疾患、障害、若しくは状態の1つ以上の特徴若しくは症状の発症を遅延させること、並びに/又はそれらの頻度及び/若しくは重症度を低減することを指す。いくつかの実施形態では、予防は、疾患、障害、又は状態の1つ以上の症状の発生、頻度、及び/又は強度の統計的に有意な減少が、疾患、障害、又は状態に感受性のある集団において観察される場合、薬剤が特定の疾患、障害、又は状態を「予防」するとみなされるように、集団ベースで評価される。予防は、疾患、障害、又は状態の発症が所定の期間にわたって遅延したときに完了とみなされ得る。
【0062】
ポリペプチド:本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」という用語は、一般的に、少なくとも3つのアミノ酸のポリマーの当技術分野で認識されている意味を有する。当業者であれば、「ポリペプチド」という用語は、本明細書に列挙される完全な配列を有するポリペプチドを包含するだけでなく、そのような完全なポリペプチドの機能断片(すなわち、少なくとも1つの活性を保持する断片)を表すポリペプチドを包含するように、十分に一般的であることが意図されることを理解するであろう。更に、当業者であれば、タンパク質配列は、活性を破壊することなく、概して幾らかの置換に耐えることを理解する。したがって、活性を保持し、少なくとも約30~40%、多くの場合、約50%、60%、70%、又は80%超の全体的な配列同一性を共有し、更に通常、少なくとも3~4つ、多くの場合、最大20個以上のアミノ酸を通常包含する、1つ以上の高度に保存された領域において、同じクラスの別のポリペプチドとのはるかに高い、多くの場合、90%超、又は更には95%、96%、97%、98%、若しくは99%超の同一性の少なくとも1つの領域を含む任意のポリペプチドは、本明細書で使用される場合、関連する用語「ポリペプチド」内に包含される。ポリペプチドは、L-アミノ酸、D-アミノ酸、又はその両方を含有し得、当技術分野で既知の様々なアミノ酸修飾又は類似体のいずれかを含有し得る。有用な修飾としては、例えば、末端アセチル化、アミド化、メチル化などが挙げられる。いくつかの実施形態では、タンパク質は、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、合成アミノ酸、及びそれらの組み合わせを含み得る。「ペプチド」という用語は、一般的に、約100アミノ酸未満、約50アミノ酸未満、20アミノ酸未満、又は10アミノ酸未満の長さを有するポリペプチドを指すために使用される。いくつかの実施形態では、タンパク質は、抗体、抗体断片、その生物学的活性部分、及び/又はその特徴的な部分である。
【0063】
タンパク質:本明細書で使用される場合、「タンパク質」という用語は、個別の単位として機能する1つ以上のポリペプチドを指す。単一のポリペプチドが、個別の機能単位であり、個別の機能単位を形成するために他のポリペプチドとの永久的又は一時的な物理的会合を必要としない場合、「ポリペプチド」及び「タンパク質」という用語は、互換的に使用され得る。個別の機能単位が、互いに物理的に会合する2つ以上のポリペプチドから構成される場合、「タンパク質」という用語は、物理的に関連付けられ、個別のユニットとして一緒に機能する複数のポリペプチドを指すために使用され得る。いくつかの実施形態では、タンパク質は、アミノ酸以外の部分を含み得(例えば、糖タンパク質、プロテオグリカンなどであり得る)、及び/又は別様に処理若しくは修飾され得る。当業者であれば、いくつかの実施形態では、「タンパク質」という用語は、細胞によって産生される完全なポリペプチド鎖(例えば、シグナル配列を有するか、若しくは有しない)、及び/又は細胞内で活性である形態(例えば、切断若しくは複合形態)を指し得ることを理解するであろう。タンパク質が複数のポリペプチド鎖からなるいくつかの実施形態では、そのような鎖は、例えば、1つ以上のジスルフィド結合によって互いに共有結合的に会合し得るか、又は他の手段によって会合し得る。
【0064】
純粋:本明細書で使用される場合、薬剤又は実体は、他の構成成分を実質的に含まない場合、「純粋」である。例えば、約90%を超える特定の薬剤又は実体を含有する調製物は、典型的には、純粋な調製物であるとみなされる。いくつかの実施形態では、薬剤又は実体は、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、又は少なくとも99%純粋である。
【0065】
参照:本明細書で使用される場合、比較が実施される標準又は対照を説明する。例えば、いくつかの実施形態では、関心対象の薬剤、動物、個人、集団、試料、配列、又は値は、参照又は対照薬剤、動物、個人、集団、試料、配列、又は値と比較される。いくつかの実施形態では、参照又は対照は、関心対象の試験又は決定と実質的に同時に試験及び/又は決定される。いくつかの実施形態では、参照又は対照は、任意選択的に有形媒体中に具体化された過去の参照又は対照である。典型的には、当業者によって理解されるように、参照又は対照は、評価中のものと同等の条件又は状況下で決定又は特性評価される。当業者は、特定の可能性のある参照又は対照への依存及び/又は比較を正当化するのに十分な類似性が存在する場合を理解するであろう。
【0066】
試料:本明細書で使用される場合、「試料」という用語は、典型的には、本明細書に説明されるように、関心対象の供給源から取得又は誘導された材料のアリコートを指す。いくつかの実施形態では、関心対象の供給源は、生物学的又は環境的供給源である。いくつかの実施形態では、関心対象の供給源は、微生物、植物、又は動物(例えば、ヒト)などの細胞又は生物であるか、又はそれを含み得る。いくつかの実施形態では、関心対象の供給源は、生体組織又は生体液であるか、又はそれを含む。いくつかの実施形態では、生体組織又は生体液は、羊水、房水、腹水、胆汁、骨髄、血液、母乳、脳脊髄液、耳垢、乳糜、射精液、内リンパ液、滲出液、糞便、胃酸、胃液、リンパ、粘液、心膜液、外リンパ系、腹膜液、胸膜液、膿、粘膜分泌物、唾液、皮脂、精液、血清、恥垢、痰、滑液、汗、涙、尿、膣分泌物、硝子体液、嘔吐物、及び/又はその組み合わせ若しくは構成成分であるか、又はそれらを含み得る。いくつかの実施形態では、生体液は、細胞内液、細胞外液、血管内液(血液血漿)、間質液、リンパ液、及び/又は経細胞液であるか、又はそれを含み得る。いくつかの実施形態では、生体液は、植物滲出液であるか、又はそれを含み得る。いくつかの実施形態では、生体組織又は試料は、例えば、吸引、生検(例えば、微細針又は組織生検)、スワブ(例えば、経口、鼻、皮膚、又は膣スワブ)、擦り取り、手術、洗浄、又は灌流(例えば、気管支肺胞、管腔、鼻、眼、口腔、子宮、膣、又は他の洗浄若しくは灌流)によって得られ得る。いくつかの実施形態では、生体試料は、個体から得られた細胞であるか、又はそれらを含む。いくつかの実施形態では、試料は、任意の適切な手段によって関心対象の供給源から直接得られた「一次試料」である。いくつかの実施形態では、文脈から明らかであろうように、「試料」という用語は、一次試料を処理することによって(例えば、1つ以上の構成成分を除去することによって及び/又は1つ以上の薬剤を添加することによって)得られる調製物を指す。例えば、半透過性膜を使用して濾過する。そのような「処理された試料」は、例えば、試料から抽出された、又は一次試料を核酸の増幅若しくは逆転写、特定の構成成分の単離及び/若しくは精製などの1つ以上の技術に供することによって得られた核酸又はタンパク質を含み得る。
【0067】
安定なナノ粒子組成物:本明細書の組成物に適用される場合、「安定」という用語は、組成物が、その物理的構造の1つ以上の態様(例えば、粒子のサイズ範囲及び/又は分布)をある期間にわたって維持することを意味する。いくつかの実施形態では、安定なナノ粒子組成物は、平均粒子サイズ、最大粒子サイズ、粒子サイズの範囲、及び/又は粒子サイズの分布(すなわち、指定されたサイズを超える粒子及び/又は指定されたサイズ範囲外の粒子のパーセンテージ)が、指定された条件下で一定期間維持されるものである。いくつかの実施形態では、安定的に提供される組成物は、生物学的に関連性のある活性が一定期間維持される組成物である。いくつかの実施形態では、期間は、少なくとも約1時間であり、いくつかの実施形態では、期間は、約5時間、約10時間、約1日、約1週間、約2週間、約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約8か月、約10か月、約12か月、約24か月、約36か月、又はそれ以上である。いくつかの実施形態では、期間は、約1日~約24か月、約2週間~約12か月、約2か月~約5か月の範囲内である。例えば、ナノ粒子の集団が長期保存、温度変化、及び/又はpH変化に供され、組成物中のナノ粒子の大部分が規定範囲内の直径を維持する場合、ナノ粒子組成物は安定である。いくつかの実施形態では、安定な組成物は、周囲条件で安定である。いくつかの実施形態では、安定な組成物は、生物学的条件下(すなわち、リン酸緩衝生理食塩水中、37℃)で安定である。
【0068】
ステロリル:本明細書で使用される場合、「ステロリル」という用語は、飽和又は部分不飽和のいずれかであり、少なくとも1つのヒドロキシル基で置換され、任意の置換可能な炭素原子又は酸素原子で分子の残りの部分への単一の結合点を有する、17員縮合多環式環部分を指す。いくつかの実施形態では、ステロリル基は、コステリル基、又はそのバリアント若しくは誘導体である。いくつかの実施形態では、コレステロール基は、修飾される。いくつかの実施形態では、コレステロール基は、酸化コレチル基である(例えば、ベータ環構造上又は炭化水素尾部構造上で酸化される)。いくつかの実施形態では、コレステロール基は、エステル化コレステロール基である。いくつかの実施形態では、ステロリル基は、フィトステロリル基である。例示的なステロリル基としては、限定されるものではないが、25-ヒドロキシコステリル(25-OH)、20α-ヒドロキシコステリル(20α-OH)、27-ヒドロキシコステリル、6-ケト-5α-ヒドロキシコステリル、7-ケトコステリル、7β-ヒドロキシコステリル、7α-ヒドロキシコステリル、7β-25-ジヒドロキシコステリル、ベータ-シトステロリル、スチグマステリル、ブラシカステロリル、及びカンペステロリルが挙げられる。
【0069】
対象:本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、生物、典型的には、哺乳動物(例えば、ヒト、いくつかの実施形態では、出生前のヒト形態を含む)を指す。いくつかの実施形態では、対象は、関連する疾患、障害、又は状態に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害、又は状態に対して感受性である。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害、又は状態の1つ以上の症状又は特徴を示す。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害、又は状態のいかなる症状又は特徴も示さない。いくつかの実施形態では、対象は、疾患、障害、又は状態に対する感受性又はリスクに特徴的な1つ以上の特徴を有する者である。いくつかの実施形態では、対象は、患者である。いくつかの実施形態では、対象は、診断及び/又は療法が投与される、及び/又は投与されてきた個体である。
【0070】
実質的に:本明細書で使用される場合、「実質的に」という用語は、関心対象の特徴又は特性の合計若しくはほぼ合計の範囲又は程度を呈する定性的条件を指す。生物学的分野の当業者であれば、生物学的及び化学的現象が、もしあったとしても、完了すること、及び/若しくは完全性に進むこと、又は絶対的な結果を達成若しくは回避することはほとんどないことを理解するであろう。したがって、本明細書では、多くの生物学的及び化学的現象に固有の潜在的な完全性の欠如を取り込むために、「実質的に」という用語が使用される。
【0071】
置換されたか又は任意選択的に置換された:本明細書に説明されるように、本開示の化合物は、任意選択的に置換された部分及び/又は置換された部分を含有し得る。一般に、「置換された」という用語は、「任意選択的に」という用語が先行するか否かにかかわらず、指定された部分の1つ以上の水素が好適な置換基で置換されることを意味する。「置換された」は、構造から明示的又は暗示的のいずれかである1つ以上の水素に適用される(例えば、
【化4】
は、少なくとも
【化5】
を指し、
【化6】
は、少なくとも
【化7】
を指す)。別途示されない限り、「任意選択的に置換された」基は、基の各置換可能な位置に好適な置換基を有し得、任意の所与の構造内の2つ以上の位置が、特定の基から選択される2つ以上の置換基で置換され得る場合、置換基は、各位置で同一であってもよく、又は異なっていてもよい。本開示によって想定される置換基の組み合わせは、安定又は化学的に実行可能な化合物の形成をもたらすものであることが好ましい。本明細書で使用される場合、「安定」という用語は、それらの産生、検出、及び特定の実施形態では、本明細書に開示される目的のうちの1つ以上に対するそれらの回復、精製、及び使用を可能にするための条件に供されたときに実質的に変化しない化合物を指す。「置換された」として説明される基は、好ましくは、1~4つの置換基を有し、より好ましくは1又は2つの置換基を有する。「任意選択的に置換された」と説明される基は、上記のように、非置換であってもよく、又は「置換」されてもよい。
【0072】
好適な一価置換基としては、ハロゲン、-(CH2)0-4R°、-(CH2)0-4OR°、-O(CH2)0-4Ro、-O-(CH2)0-4C(O)OR°、-(CH2)0-4CH(OR°)2、R°で置換され得る-(CH2)0-4Ph、R°で置換され得る-(CH2)0-4O(CH2)0-1Ph、R°で置換され得る-CH=CHPh、R°で置換され得る-(CH2)0-4O(CH2)0-1-ピリジル、-NO2、-CN、-N3、-(CH2)0-4N(R°)2、-(CH2)0-4N(R°)C(O)R°、-N(R°)C(S)R°、-(CH2)0-4N(R°)C(O)NR°2、-N(R°)C(S)NR°2、-(CH2)0-4N(R°)C(O)OR°、-N(R°)N(R°)C(O)R°、-N(R°)N(R°)C(O)NR°2、-N(R°)N(R°)C(O)OR°、-(CH2)0-4C(O)R°、-C(S)R°、-(CH2)0-4C(O)OR°、-(CH2)0-4C(O)SR°、-(CH2)0-4C(O)OSiR°3、-(CH2)0-4OC(O)R°、-OC(O)(CH2)0-4SR°-、-SC(S)SR°、-(CH2)0-4SC(O)R°、-(CH2)0-4C(O)NR°2、-C(S)NR°2、-C(S)SR°、-SC(S)SR°、-(CH2)0-4OC(O)NR°2、-C(O)N(OR°)R°、-C(O)C(O)R°、-C(O)CH2C(O)R°、-C(NOR°)R°、-(CH2)0-4SSR°、-(CH2)0-4S(O)2R°、-(CH2)0-4S(O)2OR°、-(CH2)0-4OS(O)2R°、-S(O)2NR°2、-(CH2)0-4S(O)R°、-N(R°)S(O)2NR°2、-N(R°)S(O)2R°、-N(OR°)R°、-C(NH)NR°2、-P(O)2R°、-P(O)R°2、-OP(O)R°2、-OP(O)(OR°)2、-SiR°3、-OSiR°3、-(C1-4直鎖又は分岐鎖アルキレン)O-N(R°)2、又は-(C1-4直鎖若しくは分岐鎖アルキレン)C(O)O-N(R°)2が挙げられ、各R°は、以下に定義されるように置換され得、独立して、水素、C1-6脂肪族、-CH2Ph、-O(CH2)0-1Ph、-CH2-(5~6員ヘテロアリール環)、又は窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する5~6員の飽和環、部分不飽和環、若しくはアリール環、あるいは上記の定義にかかわらず、R°の2つの独立した出現であり、それらの介在原子と一緒になって、以下に定義されるように置換され得る、窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する3~12員の飽和、部分不飽和、又はアリールの単環又は二環式環を形成する。
【0073】
R°上の好適な一価置換基(又はR°の2つの独立した出現をそれらの介在する原子と一緒に取り込むことによって形成される環)は、独立して、ハロゲン、-(CH2)0-2Rλ、-(ハロRλ)、-(CH2)0-2OH、-(CH2)0-2ORλ、-(CH2)0-2CH(ORλ)2、-O(ハロRλ)、-CN、-N3、-(CH2)0-2C(O)Rλ、-(CH2)0-2C(O)OH、-(CH2)0-2C(O)ORλ、-(CH2)0-2C(O)NH2、-(CH2)0-2C(O)NHRλ、-(CH2)0-2C(O)NRλ
2、-(CH2)0-2SRλ、-(CH2)0-2SH、-(CH2)0-2NH2、-(CH2)0-2NHRλ、-(CH2)0-2NRλ
2、-NO2、-SiRλ
3、-OSiRλ
3、-C(O)SRλ、-(C1-4直鎖又は分岐鎖アルキレン)C(O)ORλ、又は-SSRλであり、各Rλは、非置換であるか、又は「ハロ」が先行する場合、1つ以上のハロゲンのみで置換され、独立して、C1-4脂肪族、-CH2Ph、-O(CH2)0-1Ph、あるいは5~6員の飽和、部分的不飽和、又は窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有するアリール環から選択される。R°の飽和炭素原子上の好適な二価置換基は、=O及び=Sを含む。
【0074】
好適な二価置換基としては、=O、=S、=NNR*
2、=NNHC(O)R*、=NNHC(O)OR*、=NNHS(O)2R*、=NR*、=NOR*、-O(C(R*
2))2-3O-、又は-S(C(R*
2))2-3S-が挙げられ、R*の各独立した出現は、水素、以下に定義されるように置換され得るC1-6脂肪族、又は窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する非置換の5~6員の飽和環、部分不飽和環、若しくはアリール環から選択される。「任意選択的に置換された」基の近接置換可能炭素に結合される好適な二価置換基としては、-O(CR*
2)2-3O-が挙げられ、R*の各独立した出現は、水素、以下に定義されるように置換され得るC1-6脂肪族、又は窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する非置換の5~6員の飽和環、部分不飽和環、若しくはアリール環から選択される。
【0075】
R*の脂肪族基上の好適な置換基としては、ハロゲン、-Rλ、-(ハロRλ)、-OH、-ORλ、-O(ハロRλ)、-CN、-C(O)OH、-C(O)ORλ、-NH2、-NHRλ、-NRλ
2、又は-NO2が挙げられ、各Rλは、非置換であるか、又は「ハロ」が先行する場合、1つ以上のハロゲンのみで置換され、独立して、C1-4脂肪族、-CH2Ph、-O(CH2)0-1Ph、又は窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する5~6員の飽和環、部分不飽和環、若しくはアリール環である。
【0076】
いくつかの実施形態では、置換可能な窒素上の好適な置換基としては、-R†、-NR†
2、-C(O)R†、-C(O)OR†、-C(O)C(O)R†、-C(O)CH2C(O)R†、-S(O)2R†、-S(O)2NR†
2、-C(S)NR†
2、-C(NH)NR†
2、又は-N(R†)S(O)2R†が挙げられ、各R†は、独立して、水素、以下に定義されるように置換され得るC1-6脂肪族、非置換-OPh、又は窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する非置換の5~6員の飽和環、部分的不飽和環、若しくはアリール環、あるいは上記の定義にかかわらず、R†の2つの独立した出現であり、それらの介在原子と一緒になって、窒素、酸素、又は硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する非置換の3~12員の飽和、部分的不飽和、又はアリールの単環又は二環式環を形成する。
【0077】
R†の脂肪族基上の好適な置換基は、独立して、ハロゲン、-Rλ、-(ハロRλ)、-OH、-ORλ、-O(ハロRλ)、-CN、-C(O)OH、-C(O)ORλ、-NH2、-NHRλ、-NRλ
2、又は-NO2であり、各Rλは、非置換であるか、又は「ハロ」が先行する場合、1つ以上のハロゲンのみで置換され、独立して、C1-4脂肪族、-CH2Ph、-O(CH2)0-1Ph、又は窒素、酸素、若しくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有する5~6員の飽和環、部分不飽和環、若しくはアリール環である。
【0078】
感受性:疾患、障害、又は状態に対して「感受性」である個体は、疾患、障害、又は状態を発症するリスクがある。いくつかの実施形態では、疾患、障害、又は状態に感受性を有する個体は、疾患、障害、又は状態のいかなる症状も示さない。いくつかの実施形態では、疾患、障害、又は状態に感受性を有する個体は、疾患、障害、及び/又は状態を有すると診断されていない。いくつかの実施形態では、疾患、障害、又は状態に感受性を有する個体は、疾患、障害、又は状態の発生と関連付けられた状態に曝露された個体である。いくつかの実施形態では、疾患、障害、及び/又は状態を発症するリスクは、集団ベースのリスク(例えば、疾患、障害、又は状態を罹患する個体の家族の一員)である。
【0079】
全身性:本明細書で使用される場合、「全身投与」、「全身に投与」、「末梢投与」、及び「末梢的に投与」という語句は、レシピエントの系に入るような化合物又は組成物の投与を指す、当技術分野で理解されている意味を有する。
【0080】
治療剤:本明細書で使用される場合、「治療剤」という語句は、対象に投与されたとき、治療効果を有する、並びに/又は所望の生物学的及び/若しくは薬理学的効果を誘発する薬剤を指す。いくつかの実施形態では、治療剤は、疾患、障害、及び/又は状態の1つ以上の症状又は特徴を軽減、改善、緩和、阻害、予防、発症の遅延、重症度の低減、及び/又は発生率の低減に使用され得る任意の物質である。
【0081】
治療有効量:本明細書で使用される場合、「治療有効量」という用語は、治療レジメンの一部として投与されたときに所望の生物学的応答を誘発する物質(例えば、治療剤、組成物、及び/又は製剤)の量を意味する。いくつかの実施形態では、物質の治療有効量は、疾患、障害、及び/又は状態に罹患しているか、又はそれらに感受性である対象に投与された場合、疾患、障害、及び/又は状態の発症を治療、診断、抑制、緩和、予防、及び/又は遅延させるのに十分である量である。当業者によって理解されるように、物質の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、送達される物質、標的細胞又は組織などの因子に応じて変化し得る。例えば、疾患、障害、及び/又は状態を治療するための製剤中の化合物の有効量は、疾患、障害、及び/又は状態の1つ以上の症状又は特徴を軽減、改善、緩和、抑制、予防、発症遅延、重症度を低減、及び/又は発生率を低減する量である。いくつかの実施形態では、治療有効量は、単回用量で投与され、いくつかの実施形態では、治療有効量を送達するために複数の単位用量が必要である。正確な投与量は、対象依存性変数(例えば、年齢、免疫系の健康など)、疾患、及び実施される治療などの様々な因子に応じて変化することになる。
【0082】
「組織」及び/又は「臓器」:本明細書で使用される場合、「組織」及び/又は「臓器」という用語は、別段の指定がない限り、凝集体形態、例えば、臓器の小部分、並びに分散細胞、例えば、骨髄細胞及び子孫細胞を含む、筋肉、心筋、肝臓、又は腎臓から分散、単離、及び/又は成長した細胞、血液由来幹細胞及び子孫、並びに様々な他の血液要素の生細胞材料を指す。いくつかの実施形態では、組織及び/又は臓器は、腎臓、心臓肝臓、胃、脾臓、膵臓、肺、脳、眼、腸、膀胱、皮膚又は皮膚組織、血管、静脈、動脈、心臓弁、精子、及び卵母細胞を指す。本明細書で使用される場合、「臓器」という用語は、固形臓器、例えば、腎臓、心臓、肝臓、肺、並びに臓器の機能部分、例えば、皮膚のセグメント、動脈、静脈の区分、肝臓、腎臓、肺の移植可能な葉などの両方を包含する。
【0083】
治療:本明細書で使用される場合、「治療」(「治療する」又は「治療すること」も)は、特定の疾患、障害、及び/又は状態の1つ以上の症状、特徴、及び/又は原因を部分的又は完全に緩和、改善、生存、抑制、発症遅延、重症度を低減、及び/又は発生率を低減する療法の投与を指す。いくつかの実施形態では、そのような治療は、関連する疾患、障害、及び/若しくは状態の兆候を呈さない対象の治療、並びに/又は疾患、障害、及び/若しくは状態の初期兆候のみを呈する対象の治療であってもよい。代替的に又は追加的に、そのような治療は、関連する疾患、障害、及び/又は状態の1つ以上の確立された兆候を示す対象の治療であってもよい。いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害、及び/又は状態に罹患していると診断された対象の治療であってもよい。いくつかの実施形態では、治療は、関連する疾患、障害、及び/又は状態の発症リスクの増加と統計的に相関する1つ以上の感受性因子を有することが知られている対象の治療であってもよい。したがって、いくつかの実施形態では、治療は、予防的であってもよく、いくつかの実施形態では、治療は、治療的であってもよい。
【0084】
本開示の目的のために、化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Edに従って特定される。加えて、有機化学の一般原則は、“Organic Chemistry”,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999、及び“March’s Advanced Organic Chemistry”,5th Ed.,Ed.:Smith,M.B.and March,J.,John Wiley&Sons,New York:2001に説明され、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0085】
別段の記載がない限り、本明細書に図示される構造はまた、構造の全ての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、及び幾何(又は立体構造))形態、例えば、各不斉中心に対するR及びS配置、Z及びE二重結合異性体、並びにZ及びE立体構造異性体を含むことも意図される。したがって、本化合物の単一の立体化学異性体、並びにエナンチオマー、ジアステレオマー、及び幾何(又は立体構造)混合物は、本発明の範囲内である。別段の記載がない限り、本発明の化合物の全ての互変異性形態は、本発明の範囲内である。加えて、別段の記載がない限り、本明細書に図示される構造はまた、1個以上の同位体濃縮原子の存在下でのみ異なる化合物を含むことも意図される。例えば、重水素若しくはトリチウムによる水素の置換、又は13C-若しくは14C-濃縮炭素による炭素の置換を含む、本構造を有する化合物は、本発明の範囲内である。そのような化合物は、例えば、分析ツールとして、生物学的アッセイにおけるプローブとして、又は本発明による治療剤として有用である。
【0086】
特定の実施形態の詳細な説明
とりわけ、本発明は、治療剤及び/又は予防剤の送達のための組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。例えば、本開示は、組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料で使用するための脂質化合物を説明する。いくつかの実施形態では、組成物、調製物、及び/又はナノ材料は、指定された標的細胞、組織、及び/又は臓器にカーゴを担持するLNPを含む。
【0087】
I.脂質ナノ粒子(LNP)
本発明は、脂質ナノ粒子を含む組成物、調製物、及び/又はナノ材料を提供する。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、1つ以上の構成成分を含む。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、化合物、イオン化可能な脂質、ステロール、コンジュゲート-リンカー脂質、及びリン脂質などの1つ以上の構成成分を含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、本明細書に説明される1つ以上の化合物を含む。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、本明細書に説明される1つ以上のイオン化可能な脂質を含む。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、本明細書に説明される1つ以上のステロールを含む。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、本明細書に説明される1つ以上のコンジュゲート-リンカー脂質を含む。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、本明細書に説明される1つ以上のリン脂質を含む。
【0089】
A.化合物
とりわけ、本開示は、本明細書に説明される1つ以上の化合物を含む組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を説明する。
【0090】
いくつかの実施形態では、本開示は、式Iの化合物:
【化8】
又はその薬学的に許容される塩であって、
各L
1及びL
1’が、独立して、-C(O)-又は-OC(O)-であり、
各L
2及びL
2’が、独立して、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-12炭化水素鎖であり、
L
3が、共有結合、-O-、-C(O)O-、-OC(O)-、又は-OC(O)O-であり、
R
1が、任意選択的に置換されたC
1-20脂肪族、
【化9】
であり、
L
CyAが、共有結合、又は任意選択的に置換された二価の飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分岐鎖C
1-12炭化水素鎖であり、
Cy
Aが、3~7員の飽和又は部分不飽和カルボシクリル、1-アダマンチル、2-アダマンチル、ステロリル、及びフェニルから選択される任意選択的に置換された環であり、
L
Raが、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-12炭化水素鎖であり、
各R
a及びR
1’が、独立して、任意選択的に置換されたC
1-20脂肪族であり、
Y
1が、-C(O)-又は-C(O)O-であり、
Y
2が、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-6炭化水素鎖であり、
Y
3が、任意選択的に置換されたC
1-20脂肪族であり、
X
1が、共有結合、-O-、又は-NR-であり、
X
2は、1~3つのメチレン単位が任意選択的に、かつ独立して、-O-又は-NR-で置換されている、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-12炭化水素鎖であり、
X
3が、水素であるか、あるいは3~7員の飽和若しくは部分不飽和カルボシクリル、フェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する3~7員のヘテロシクリル、又は窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリールから選択される、任意選択的に置換された環であり、
各Rが、独立して、水素又は任意選択的に置換されたC
1-6脂肪族である、化合物を提供する。
【0091】
いくつかの実施形態では、本開示は、式Iの化合物を提供し、
各L
1及びL
1’が、-C(O)-であり、
各L
2及びL
2’が、独立して、二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-12炭化水素鎖であり、
L
3が、共有結合、-C(O)O-、又は-OC(O)-であり、
R
1が、C
1-20アルキル、C
2-20アルケニル、又は
【化10】
であり、
各L
Ra及びR
1’が、独立して、C
1-20アルキル又はC
2-20アルケニルであり、
Y
1が、-C(O)-又は-C(O)O-であり、
Y
2が、二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-6炭化水素鎖であり、
Y
3が、C
1-20アルキル又はC
2-20アルケニルであり、
X
1が、-O-又は-NR-であり、
X
2は、1~3つのメチレン単位が任意選択的に、かつ独立して、-NR-で置換されている、二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C
1-12炭化水素鎖であり、
X
3は、水素であるか、又は窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択され、C
1-6アルキル若しくはC
2-6アルケニルで任意選択的に置換された1~3個のヘテロ原子を有する3~7員のヘテロシクリルであり、
各Rが、独立して、水素又はC
1-6アルキル又はC
2-6アルケニルである。
【0092】
いくつかの実施形態では、本開示は、式IIの化合物:
【化11】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
1、Y
2、Y
3、X
1、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0093】
いくつかの実施形態では、本開示は、式IIIの化合物:
【化12】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
1’、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
1、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0094】
いくつかの実施形態では、本開示は、式III-Aの化合物:
【化13】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
1’、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0095】
いくつかの実施形態では、本開示は、式III-Bの化合物:
【化14】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
1’、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、R、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0096】
いくつかの実施形態では、本開示は、式III-B-iの化合物:
【化15】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
1’、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0097】
いくつかの実施形態では、本開示は、式
IVの化合物:
【化16】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
1’、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
1、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0098】
いくつかの実施形態では、本開示は、式IV-Aの化合物:
【化17】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
1’、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0099】
いくつかの実施形態では、本開示は、式IV-Bの化合物:
【化18】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
1’、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、R、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0100】
いくつかの実施形態では、本開示は、式IV-B-i:
【化19】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
1’、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0101】
いくつかの実施形態では、本開示は、式Vの化合物:
【化20】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
1、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
1、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0102】
いくつかの実施形態では、本開示は、式V-Aの化合物:
【化21】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
1、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0103】
いくつかの実施形態では、本開示は、式V-Bの化合物:
【化22】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
1、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、R、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0104】
いくつかの実施形態では、本開示は、式V-B-i:
【化23】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
1、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0105】
いくつかの実施形態では、本開示は、式VIの化合物:
【化24】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
1、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
1、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0106】
いくつかの実施形態では、本開示は、式VI-Aの化合物:
【化25】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
1、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0107】
いくつかの実施形態では、本開示は、式VI-Bの化合物:
【化26】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
1、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、R、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0108】
いくつかの実施形態では、本開示は、式VI-B-i:
【化27】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
1、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0109】
いくつかの実施形態では、本開示は、式VIIの化合物:
【化28】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
1、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0110】
いくつかの実施形態では、本開示は、式VII-Aの化合物:
【化29】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0111】
いくつかの実施形態では、本開示は、式VII-Bの化合物:
【化30】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、R、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0112】
いくつかの実施形態では、本開示は、式VII-B-iの化合物:
【化31】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0113】
いくつかの実施形態では、本開示は、式VIIIの化合物:
【化32】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
1、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0114】
いくつかの実施形態では、本開示は、式VIII-Aの化合物:
【化33】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0115】
いくつかの実施形態では、本開示は、式VIII-Bの化合物:
【化34】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、R、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0116】
いくつかの実施形態では、本開示は、式VIII-B-iの化合物:
【化35】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
2、L
2’、L
3、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0117】
いくつかの実施形態では、本開示は、式IXの化合物:
【化36】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
2、L
2’、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
1、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0118】
いくつかの実施形態では、本開示は、式IX-Aの化合物:
【化37】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
2、L
2’、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0119】
いくつかの実施形態では、本開示は、式IX-Bの化合物:
【化38】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
2、L
2’、R
1、R
1’、R、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0120】
いくつかの実施形態では、本開示は、式IX-B-iの化合物:
【化39】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
2、L
2’、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0121】
いくつかの実施形態では、本開示は、式Xの化合物:
【化40】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
2、L
2’、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
1、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0122】
いくつかの実施形態では、本開示は、式X-Aの化合物:
【化41】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
2、L
2’、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0123】
いくつかの実施形態では、本開示は、式X-Bの化合物:
【化42】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
2、L
2’、R
1、R
1’、R、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0124】
いくつかの実施形態では、本開示は、式X-B-iの化合物:
【化43】
又はその薬学的に許容される塩を提供し、L
2、L
2’、R
1、R
1’、Y
2、Y
3、X
2、及びX
3の各々が、上記、並びに本明細書のクラス及びサブクラスにおいて、単独で及び組み合わせて説明されるとおりである。
【0125】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、L1が、-C(O)-又は-OC(O)-である。いくつかの実施形態では、L1が、-C(O)-である。いくつかの実施形態では、L1が、-OC(O)-である。
【0126】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、L1’が、-C(O)-又は-OC(O)-である。いくつかの実施形態では、L1’が、-C(O)-である。いくつかの実施形態では、L1’が、-OC(O)-である。
【0127】
いくつかの実施形態では、本開示は、式Iの化合物を提供し、各L1及びL1’が、-C(O)-である。
【0128】
いくつかの実施形態では、本開示は、式Iの化合物を提供し、各L2及びL2’が、独立して、二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。
【0129】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、L2が、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2が、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C4-8炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2が、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-6炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2が、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2が、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C4-8炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2が、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-6炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2が、二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2が、二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C4-8炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2が、二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-6炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2が、-CH2-である。いくつかの実施形態では、L2が、-(CH2)4-又は-(CH2)5-である。いくつかの実施形態では、L2が、-(CH2)6-又は-(CH2)7-である。
【0130】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、L2’が、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2’が、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-6炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2’が、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-3炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2’が、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2’が、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-6炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2’が、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-3炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2’が、二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2’が、二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-6炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2’が、二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-3炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、L2’が、-(CH2)2-である。
【0131】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、L3が、共有結合であり、
-O-、-C(O)O-、-OC(O)-、又は-OC(O)O-である。いくつかの実施形態では、L3が、共有結合、-C(O)O-、又は-OC(O)-である。いくつかの実施形態では、L3が、共有結合である。いくつかの実施形態では、L3が、-O-、-C(O)O-、-OC(O)-、又は-OC(O)O-である。いくつかの実施形態では、L3が、-C(O)O-又は-OC(O)-である。いくつかの実施形態では、L3が、-O-である。いくつかの実施形態では、L3が、-C(O)O-である。いくつかの実施形態では、L3が、-OC(O)-である。いくつかの実施形態では、L3が、-OC(O)O-である。
【0132】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、R
1が、任意選択的に置換されたC
1-20脂肪族、
【化44】
である。いくつかの実施形態では、R
1が、任意選択的に置換されたC
1-20脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1が、
【化45】
である。いくつかの実施形態では、R
1が、
【化46】
である。いくつかの実施形態では、R
1が、C
1-20脂肪族又は
【化47】
である。いくつかの実施形態では、R
1が、任意選択的に置換されたC
6-12脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1が、任意選択的に置換されたC
6-12アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1が、任意選択的に置換されたC
6-12アルケニルである。いくつかの実施形態では、R
1が、任意選択的に置換されたC
12-20脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1が、任意選択的に置換されたC
12-20アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1が、任意選択的に置換されたC
12-20アルケニルである。いくつかの実施形態では、R
1が、C
1-20脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1が、C
6-12脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1が、C
6-12アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1が、C
6-12アルケニルである。いくつかの実施形態では、R
1が、C
12-20脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1が、C
12-20アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1が、C
12-20アルケニルである。いくつかの実施形態では、R
1が、
【化48】
である。
【0133】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、LCyAが、共有結合、又は任意選択的に置換された二価の飽和若しくは不飽和の直鎖若しくは分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。
【0134】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、CyAが、3~7員の飽和又は部分不飽和カルボシクリル、1-アダマンチル、2-アダマンチル、ステロリル、及びフェニルから選択される任意選択的に置換された環である。
【0135】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、LRaが、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、LRaが、二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、LRaが、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-6炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、LRaが、二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-6炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、LRaが、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-3炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、LRaが、二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-3炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、LRaが、-CH2-又は-(CH2)2-である。
【0136】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、各R
aが、独立して、任意選択的に置換されたC
1-20脂肪族である。いくつかの実施形態では、各R
aが、独立して、任意選択的に置換されたC
1-12脂肪族である。いくつかの実施形態では、各R
aが、独立して、任意選択的に置換されたC
1-12アルキルである。いくつかの実施形態では、各R
aが、独立して、任意選択的に置換されたC
1-12アルケニルである。いくつかの実施形態では、各R
aが、独立して、任意選択的に置換されたC
4-10脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
aが、任意選択的に置換されたC
6-12脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
aが、任意選択的に置換されたC
6-12アルキルである。いくつかの実施形態では、R
aが、任意選択的に置換されたC
6-12アルケニルである。いくつかの実施形態では、R
aが、任意選択的に置換されたC
7-9脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
aが、任意選択的に置換されたC
7-9アルキルである。いくつかの実施形態では、R
aが、任意選択的に置換されたC
7-9アルケニルである。いくつかの実施形態では、各R
aが、独立して、C
1-20脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
aが、C
6-12脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
aが、C
6-12アルキルである。いくつかの実施形態では、R
aが、C
6-12アルケニルである。いくつかの実施形態では、R
aが、C
7-9脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
aが、C
7-9アルキルである。いくつかの実施形態では、R
aが、C
7-9アルケニルである。いくつかの実施形態では、R
aが、
【化49】
である。
【0137】
いくつかの実施形態では、-L
2-L
3-R
1が、
【化50】
である。いくつかの実施形態では、-L
2-L
3-R
1が、
【化51】
ではない。
【0138】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、各R
1’が、独立して、任意選択的に置換されたC
1-20脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1’が、任意選択的に置換されたC
6-12脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1’が、任意選択的に置換されたC
6-12アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1’が、任意選択的に置換されたC
6-12アルケニルである。いくつかの実施形態では、R
1’が、任意選択的に置換されたC
7-9脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1’が、任意選択的に置換されたC
7-9アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1’が、任意選択的に置換されたC
7-9アルケニルである。いくつかの実施形態では、各R
1’が、独立して、C
1-20脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1’が、C
6-12脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1’が、C
6-12アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1’が、C
6-12アルケニルである。いくつかの実施形態では、R
1’が、C
7-9脂肪族である。いくつかの実施形態では、R
1’が、C
7-9アルキルである。いくつかの実施形態では、R
1’が、C
7-9アルケニルである。いくつかの実施形態では、R
1’が、
【化52】
である。
【0139】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、Y1が、-C(O)-又は-C(O)O-である。いくつかの実施形態では、Y1が、-C(O)-である。いくつかの実施形態では、Y1が、-C(O)O-である。
【0140】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、Y2が、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-6炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、Y2が、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-3炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、Y2が、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-6炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、Y2が、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-3炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、Y2が、二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-6炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、Y2が、二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-6炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、Y2が、二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-3炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、Y2が、-CH2-又は-(CH2)2-である。
【0141】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、Y3が、任意選択的に置換されたC1-20脂肪族である。いくつかの実施形態では、Y3が、C1-20脂肪族である。いくつかの実施形態では、Y3が、任意選択的に置換されたC1-12脂肪族である。いくつかの実施形態では、Y3が、任意選択的に置換されたC1-12アルキルである。いくつかの実施形態では、Y3が、任意選択的に置換されたC4-8脂肪族である。いくつかの実施形態では、Y3が、任意選択的に置換されたC4-8アルキルである。いくつかの実施形態では、Y3が、任意選択的に置換されたC1-6アルキルである。いくつかの実施形態では、Y3が、-CH3、-CH2CH3、-(CH2)2CH3、-(CH2)3CH3、-(CH2)4CH3、-(CH2)5CH3、-(CH2)6CH3、又は-(CH2)7CH3である。いくつかの実施形態では、Y3が、-CH3である。いくつかの実施形態では、Y3が、-CH2CH3である。いくつかの実施形態では、Y3が、-(CH2)2CH3である。いくつかの実施形態では、Y3が、-(CH2)3CH3である。いくつかの実施形態では、Y3が、-(CH2)4CH3である。いくつかの実施形態では、Y3が、-(CH2)5CH3である。いくつかの実施形態では、Y3が、-(CH2)6CH3である。いくつかの実施形態では、Y3が、-(CH2)7CH3である。
【0142】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、X1が、共有結合、-O-、又は-NR-である。いくつかの実施形態では、X1が、共有結合である。いくつかの実施形態では、X1が、-O-又は-NR-である。いくつかの実施形態では、X1が、-O-である。いくつかの実施形態では、X1が、-NR-である。
【0143】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、X2は、1~3つのメチレン単位が任意選択的に、かつ独立して、-O-又は-NR-で置換されている、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2は、1~2つのメチレン単位が任意選択的に、かつ独立して、-O-又は-NR-で置換されている、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-6炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2が、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2が、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-6炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2が、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-3炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2が、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2が、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-6炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2が、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-3炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2が、二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2が、二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-6炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2が、二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-3炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2は、1~3つのメチレン単位が、独立して、-O-又は-NR-で置換されている、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2は、1~2つのメチレン単位が、独立して、-O-又は-NR-で置換されている、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C4-8炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2は、2つのメチレン単位が、独立して、-NR-で置換されている、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C4-8炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2は、1つのメチレン単位が-NR-で置換されている、任意選択的に置換された二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C4-8炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2は、1~3つのメチレン単位が任意選択的に、かつ独立して、-NR-で置換されている、二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2は、1~2つのメチレン単位が任意選択的に、かつ独立して、-NR-で置換されている、二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2は、1つのメチレン単位が-NR-で置換されている、二価の飽和又は不飽和の直鎖又は分岐鎖C4-8炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2は、1~3つのメチレン単位が、独立して、-O-又は-NR-で置換されている、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C1-12炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2は、1~2つのメチレン単位が、独立して、-O-又は-NR-で置換されている、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C4-8炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2は、2つのメチレン単位が、独立して、-NR-で置換されている、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C4-8炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2は、1つのメチレン単位が-NR-で置換されている、任意選択的に置換された二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C4-8炭化水素鎖である。いくつかの実施形態では、X2は、1つのメチレン単位が-NR-で置換されている、二価の飽和の直鎖又は分岐鎖C4-8炭化水素鎖である。
【0144】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、X3が、水素であるか、あるいは3~7員の飽和若しくは部分不飽和カルボシクリル、フェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する3~7員のヘテロシクリル、又は窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリールから選択される、任意選択的に置換された環である。いくつかの実施形態では、X3が、水素であるか、又は窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択され、C1-6脂肪族で任意選択的に置換された1~3個のヘテロ原子を有する3~7員のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、X3が、水素である。いくつかの実施形態では、X3が、3~7員の飽和若しくは部分不飽和カルボシクリル、フェニル、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する3~7員のヘテロシクリル、又は窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員のヘテロアリールから選択される、任意選択的に置換された環である。いくつかの実施形態では、X3が、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~3個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換された3~7員のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、X3が、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換された5~6員のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、X3が、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~2個のヘテロ原子を有する、5~6員のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、X3が、-R°で置換された、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~2個のヘテロ原子を有する、5~6員のヘテロシクリルであり、R°が、C1-6脂肪族(例えば、メチル又はエチル)である。いくつかの実施形態では、X3が、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換された5員のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、X3が、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~2個のヘテロ原子を有する、5員のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、X3が、-R°で置換された、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~2個のヘテロ原子を有する、5員のヘテロシクリルであり、R°が、C1-6脂肪族(例えば、メチル又はエチル)である。いくつかの実施形態では、X3が、1~2個の窒素原子を有する、任意選択的に置換された5員のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、X3が、1~2個の窒素原子を有する、5員のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、X3が、-R°で置換された、1~2個の窒素原子を有する、5員のヘテロシクリルであり、R°が、C1-6脂肪族(例えば、メチル又はエチル)である。いくつかの実施形態では、X3が、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~2個のヘテロ原子を有する、任意選択的に置換された6員のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、X3が、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~2個のヘテロ原子を有する、6員のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態では、X3が、-R°で置換された、窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1~2個のヘテロ原子を有する、6員のヘテロシクリルであり、R°が、C1-6脂肪族(例えば、メチル又はエチル)である。いくつかの実施形態では、X3が、任意選択的に置換されたピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、又はモルホリニルである。いくつかの実施形態では、X3が、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、又はモルホリニルである。いくつかの実施形態では、X3が、-R°で置換されたピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、又はモルホリニルであり、R°が、C1-6脂肪族(例えば、メチル又はエチル)である。
【0145】
いくつかの実施形態では、-X
2-X
3が、
【化53】
である。
【0146】
いくつかの実施形態では、X2及びX3のうちの少なくとも1つが、少なくとも1個のイオン化可能な窒素原子を含む。
【0147】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、各Rが、独立して、水素又は任意選択的に置換されたC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、各Rが、独立して、水素又はC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rが、水素である。いくつかの実施形態では、Rが、任意選択的に置換されたC1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rが、C1-6脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rが、任意選択的に置換されたC1-3脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rが、C1-3脂肪族である。いくつかの実施形態では、Rが、-CH3である。
【0148】
いくつかの実施形態では、R°が、メチルである。いくつかの実施形態では、R°が、エチルである。
【0149】
本明細書に説明される任意の式のいくつかの実施形態では、本開示は、イオン化可能な窒素原子を含む化合物を提供し、その共役酸のpKaが、約4~約12である。
【0150】
いくつかの実施形態では、本開示は、表1から選択される化合物を提供する。
【表1】
又はその薬学的に許容される塩である。
【0151】
当然のことながら、式I、II、III、III-A、III-B、III-B-i、IV、IV-A、IV-B、IV-B-i、V、V-A、V-B、V-B-i、VI、VI-A、VI-B、VI-B-i、VII、VII-A、VII-B、VII-B-i、VIII、VIII-A、VIII-B、VIII-B-i、IX、IX-A、IX-B、IX-B-i、X、X-A、X-B、及びX-B-iのうちのいずれかの上記の定義によって別段に指定又は禁止されない限り、上記で定義され、本明細書のクラス及びサブクラスで説明される、変数L1、L1’、L2、L2’、L3、LCyA、CyA、LRa、Ra、R1、R1’、R、Y1、Y2、Y3、X1、X2、及びX3の実施形態は、式I、II、III、III-A、III-B、III-B-i、IV、IV-A、IV-B、IV-B-i、V、V-A、V-B、V-B-i、VI、VI-A、VI-B、VI-B-i、VII、VII-A、VII-B、VII-B-i、VIII、VIII-A、VIII-B、VIII-B-i、IX、IX-A、IX-B、IX-B-i、X、X-A、X-B、及びX-B-iのうちのいずれかの化合物に、単独で及び組み合わせて適用される。
【0152】
いくつかの実施形態では、提供される化合物は、塩形態(例えば、薬学的に許容される塩形態)で提供及び/又は利用される。本明細書に提供される化合物への言及は、別途示されない限り、その塩への言及を含むと理解される。
【0153】
本開示全体を通して、別途示されない限り、式Iの化合物への言及は、式II、III、III-A、III-B、III-B-i、IV、IV-A、IV-B、IV-B-i、V、V-A、V-B、V-B-i、VI、VI-A、VI-B、VI-B-i、VII、VII-A、VII-B、VII-B-i、VIII、VIII-A、VIII-B、VIII-B-i、IX、IX-A、IX-B、IX-B-i、X、X-A、X-B、及びX-B-iのうちのいずれか、及び本明細書に開示されるそのような式の化合物種も含むことが意図されることが理解されるであろう。
【0154】
いくつかの実施形態では、本開示は、提供される化合物が、例えば、参照化合物又は他の既知の化合物と比較して、特定の望ましい特徴を示すという認識を包含する。例えば、いくつかの実施形態では、提供される化合物は、本明細書に説明される1つ以上の実験において、様々な細胞型へのより強力な送達を呈し、及び/又は他の既知の化合物よりも、治療剤又は予防剤などのカーゴの送達にとってより好適にする1つ以上の他の特徴を有し得る。任意の特定の理論に束縛されることを望むものではないが、本開示は、トリオールコア及び/又は生分解性尾部を含むことを特徴とする提供される化合物が、同じ特徴を欠く対応する化合物よりも、特定のより望ましい特徴(例えば、本明細書に説明される1つ以上の実験における様々な細胞型へのより強力な送達)を示し得るという認識を包含する。特定の実施形態では、本開示は、トリオールコア及び生分解性尾部を含むことを特徴とする提供される化合物が、特徴の同じ組み合わせを欠く対応する化合物よりも、特定のより望ましい特徴(例えば、本明細書に説明される1つ以上の実験における様々な細胞型へのより強力な送達)を示し得るという認識を包含する。
【0155】
B.提供される化合物の調製
提供される化合物は、概して、以下のスキーム及び実施例に説明されるプロセスによって作製され得る。
【0156】
C.イオン化可能な脂質
とりわけ、本開示は、本明細書に説明される1つ以上のイオン化可能な脂質を含む組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を説明する。
【0157】
例えば、いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子の構成成分の総モル数に基づいて、約50モルパーセント以下であるイオン化可能な脂質を有する組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、本明細書に説明される所望の指向性、安定化、及び薬物送達有効性などの脂質ナノ粒子の機能活性に有用であり、かつ/又は重要であり得る。
【0158】
いくつかの実施形態では、イオン化可能な脂質は、ヘッド基上にアミン含有基を含み得る。いくつかの実施形態では、イオン化可能な脂質は、本明細書に説明される化合物であるか、又はそれを含む。いくつかの実施形態では、イオン化可能な脂質は、脂質ナノ粒子の構成成分の総モル数に基づいて、約30モルパーセント~約70モルパーセントの脂質ナノ粒子(LNP)調製物中に存在する。いくつかの実施形態では、イオン化可能な脂質は、脂質ナノ粒子の構成成分の総モル数に基づいて、約33モルパーセント~約60モルパーセントで存在する。いくつかの実施形態では、イオン化可能な脂質は、脂質ナノ粒子の構成成分の総モル数に基づいて、約34モルパーセント~約55モルパーセントで存在する。いくつかの実施形態では、イオン化可能な脂質は、脂質ナノ粒子の構成成分の総モル数に基づいて、約33モルパーセント~約51モルパーセントで存在する。いくつかの実施形態では、イオン化可能な脂質は、脂質ナノ粒子の構成成分の総モル数に基づいて、約34.7モルパーセントで存在する。いくつかの実施形態では、イオン化可能な脂質は、脂質ナノ粒子の構成成分の総モル数に基づいて、約50モルパーセントで存在する。
【0159】
とりわけ、いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子組成物は、イオン化可能な脂質を含む。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子調製物は、イオン化可能な脂質、リン脂質、コンジュゲート-リンカー脂質、及びコレステロールを含む。いくつかの実施形態では、イオン化可能な脂質は、本明細書に説明される化合物による構造であるか、又はそれを含む。いくつかの実施形態では、イオン化可能な脂質は、脂質ナノ粒子の構成成分の総モル数に基づいて、約30モルパーセント~約70モルパーセントのLNP調製物中に存在する。
【0160】
D.ステロール
とりわけ、本開示は、本明細書に説明される1つ以上のステロールを含む組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を説明する。
【0161】
いくつかの実施形態では、ステロールは、コレステロール、又はそのバリアント若しくは誘導体である。いくつかの実施形態では、コレステロールは、修飾される。いくつかの実施形態では、コレステロールは、酸化コレステロールである。いくつかの実施形態では、コレステロールは、エステル化コレステロールである。非修飾コレステロールは、酵素によって作用されて、側鎖又は環が酸化されたバリアントを形成し得る。いくつかの実施形態では、コレステロールは、ベータ環構造上又は炭化水素尾部構造上で酸化され得る。いくつかの実施形態では、ステロールは、フィトステロールである。開示される脂質ナノ粒子における使用が考えられる例示的なステロールとしては、限定されるものではないが、25-ヒドロキシコレステロール(25-OH)、20α-ヒドロキシコレステロール(20α-OH)、27-ヒドロキシコレステロール、6-ケト-5α-ヒドロキシコレステロール、7-ケトコレステロール、7β-ヒドロキシコレステロール、7α-ヒドロキシコレステロール、7β-25-ジヒドロキシコレステロール、ベータ-シトステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、カンペステロール、又はそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、側鎖酸化コレステロールは、他のコレステロールバリアントと比較して、カーゴ送達を増強し得る。いくつかの実施形態では、コレステロールは、非修飾コレステロールである。
【0162】
いくつかの実施形態では、LNP調製物は、約20モルパーセント~約50モルパーセントのステロールを含む。いくつかの実施形態では、LNP調製物は、約38モルパーセントのステロールを含む。いくつかの実施形態では、LNP調製物は、約38.5モルパーセントのステロールを含む。いくつかの実施形態では、LNP調製物は、約33.8モルパーセントのコレステロールを含む。
【0163】
E.コンジュゲート-リンカー脂質
とりわけ、本開示は、本明細書に説明される1つ以上のコンジュゲート-リンカー脂質を含む組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を説明する。
【0164】
いくつかの実施形態では、コンジュゲート-リンカー脂質は、ポリエチレングリコール(PEG)脂質又はPEG修飾脂質であるか、又はそれを含む。いくつかの実施形態では、PEG又はPEG修飾脂質は、PEG化脂質又はPEG脂質と代替的に称され得る。PEG化脂質の含有は、インビトロにおける脂質ナノ粒子コロイド安定性及びインビボにおける循環時間を増強するために使用され得る。いくつかの実施形態では、PEG化は、PEG部分が血液循環において徐々に放出されるという点で可逆的である。例示的なPEG脂質としては、限定されるものではないが、C6-C20の長さを有する飽和又は不飽和のアルキル鎖にコンジュゲートされたPEGが挙げられる。PEG修飾ホスファチジルエタノールアミン、PEG修飾ホスファチジン酸、PEG修飾セラミド(PEG-CER)、PEG修飾ジアルキルアミン、PEG修飾ジアシルグリセロール(PEG-DAG)、PEG修飾ジアルキルグリセロール、及びそれらの混合物。例えば、いくつかの実施形態では、PEG脂質は、PEG-c-DOMG、PEG-DMG、PEG-DLPE、PEG-DMPE、PEG-DPPE、PEG-DSG、又はPEG-DSPE脂質であり得る。
【0165】
いくつかの実施形態では、コンジュゲート-リンカー脂質は、ポリエチレングリコール脂質を含む。いくつかの実施形態では、コンジュゲート-リンカー脂質は、ジミスチルグリセロール(DiMystyrlGlycerol)(DMG)、1,2-ジパルミトイル-rac-グリセロール、メトキシポリエチレングリコール(DPG-PEG)、又は1,2-ジステアロイル-rac-グリセロ-3-メチルポリオキシエチレン(DSG-PEG)を含む。いくつかの実施形態では、コンジュゲート-リンカー脂質は、約500Da~約5000Daの平均分子量を有する。いくつかの実施形態では、コンジュゲート-リンカー脂質は、約2000Daの平均分子量を有する。いくつかの実施形態では、LNP調製物は、約0モルパーセント~約5モルパーセントのコンジュゲート-リンカー脂質を含む。いくつかの実施形態では、LNP調製物は、約1.5モルパーセントのコンジュゲート-リンカー脂質を含む。いくつかの実施形態では、LNP調製物は、約3モルパーセントのコンジュゲート-リンカー脂質を含む。
【0166】
F.リン脂質
とりわけ、本開示は、本明細書に説明される1つ以上のリン脂質を含む組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を説明する。いくつかの実施形態では、本開示は、1つ以上の(ポリ)不飽和脂質を含む組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を説明する。
【0167】
いくつかの実施形態では、1つ以上のリン脂質は、1つ以上の脂質二重層に組み立てられ得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のリン脂質は、リン脂質部分を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のリン脂質は、1つ以上の脂肪酸部分を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のリン脂質は、リン脂質部分及び1つ以上の脂肪酸部分を含み得る。いくつかの実施形態では、リン脂質部分としては、限定されるものではないが、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、2-リゾホスファチジルコリン、及びスフィンゴミエリンが挙げられる。いくつかの実施形態では、脂肪酸部分としては、限定されるものではないが、ラウリン酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アルファリノレン酸、エルシン酸、フィタン酸、アラキジン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、ドコサペンタエン酸、及びドコサヘキサエン酸が挙げられる。分岐、酸化、環化、及びアルキンを含む修飾及び置換を有する天然種を含む非天然種も企図される。例えば、リン脂質は、1つ以上のアルキン(例えば、1つ以上の二重結合が三重結合で置換されるアルケニル基)で官能化されるか、又はそれらに架橋され得る。適切な反応条件下では、アルキン基は、アジドへの曝露時に銅触媒環化付加を受け得る。そのような反応は、ナノ粒子組成物の脂質二重層を官能化して、膜透過若しくは細胞認識を促進するのに有用であるか、又はナノ粒子組成物を標的化部分又は撮像部分などの有用な構成成分(例えば、染料)にコンジュゲートするのに有用であり得る。
【0168】
例示的なリン脂質としては、限定されるものではないが、1,2-ジステアロイル-snグリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、1,2-ジリノレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DLPC)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロホスホコリン(DMPC)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DOPC)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)、1,2-ジウンデカノイル-sn-グリセロホスホコリン(DUPC)、l-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(POPC)、1,2-ジ-O-オクタデセニル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(18:0ジエーテルPC)、1-オレオイル-2-コレステリルヘミコシノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(OChemsPC)、1-ヘキサデシルsnグリセロ-3-ホスホコリン(C16 Lyso PC)、1,2-ジリノレノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジアラキドノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジドコサヘキサエノイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、1,2-ジフィタノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(ME 16.0 PE)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、1,2-ジリノレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、1,2-ジリノレノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、1,2-ジアラキドノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、1,2-ジドコサヘキサエノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-rac-(1-グリセロール)ナトリウム塩(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、パルミトイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジステアロイル-ホスファチジル-エタノールアミン(DSPE)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE)、1-ステアロイル-2-オレオイル-ホスファチジエタノールアミン(SOPE)、1-ステアロイル-2オレオイルホスファチジルコリン(SOPC)、スフィンゴミエリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)、又はそれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、リン脂質は、DSPCである。いくつかの実施形態では、リン脂質は、DMPCである。
【0169】
いくつかの実施形態では、リン脂質が、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-(スクシニル)(スクシニルPE)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)、コレステロール、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DSPE)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-(スクシニル)(スクシニル-DPPE)、1,2-ジオレオイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DOPE)、1,2-ジミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DMPC)、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DPPC)、又はそれらの組み合わせを含む。
【0170】
G.直径
とりわけ、本開示は、約30~約220nmの平均流体力学的直径を有する組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を説明する。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、約30nm、35nm、40nm、45nm、50nm、55nm、60nm、65nm、70nm、75nm、80nm、85nm、90nm、95nm、100nm、105nm、110nm、115nm、120nm、125nm、130nm、135nm、140nm、145nm、150nm、155nm、160nm、165nm、170nm、175nm、180nm、185nm、190nm、195nm、200nm、205nm、210nm、215nm、220nm、又は上述の値のうちのいずれか2つによって定義される端点を有する任意の範囲である平均流体力学的直径を有する。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、50nm~200nmの平均流体力学的直径を有する。
【0171】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子は、約30~約220nmの平均流体力学的直径を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子は、約30nm、35nm、40nm、45nm、50nm、55nm、60nm、65nm、70nm、75nm、80nm、85nm、90nm、95nm、100nm、105nm、110nm、115nm、120nm、125nm、130nm、135nm、140nm、145nm、150nm、155nm、160nm、165nm、170nm、175nm、180nm、185nm、190nm、195nm、200nm、205nm、210nm、215nm、220nm、又は上述の値のうちのいずれか2つによって定義される端点を有する任意の範囲である平均流体力学的直径を有する。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子は、50nm~200nmの平均流体力学的直径を有する。
【0172】
H.多分散性
とりわけ、本開示は、約0.01~約0.3の多分散性指数(PDI)を有する組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を説明する。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、約0.3、又は上述の値のうちのいずれか2つによって定義される端点を有する任意の範囲であるPDIを有する。0.01,0.02,0.03,0.04,0.05,0.06,0.07,0.08,0.09,0.1,0.15,0.2,0.25,例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、約0.05~約0.2、約0.06~約0.1、又は約0.07~約0.09のPDIを有する。
【0173】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子は、約0.01~約0.3のPDIを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子は、約0.3、又は上述の値のうちのいずれか2つによって定義される端点を有する任意の範囲であるPDIを有する。0.01,0.02,0.03,0.04,0.05,0.06,0.07,0.08,0.09,0.1,0.15,0.2,0.25例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子は、約0.05~約0.2、約0.06~約0.1、又は約0.07~約0.09のPDIを有する。
【0174】
I.カプセル化効率
とりわけ、本開示は、提供される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料のカプセル化効率が約80%~約100%である、組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を説明する。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料のカプセル化効率は、約100%、又は上述の値のうちのいずれか2つによって定義される端点を有する任意の範囲である。80%,85%,90%,91%,92%,93%,94%,95%,95.5%,96%,96.5%,97%,97.5%,98%,98.5%,99%,99.5%,例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料のカプセル化効率は、約90%~約100%、約95%~約100%、約95%~約98%、又は約95.5%~約97.5%である。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料のカプセル化効率は、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%である。
【0175】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子のカプセル化効率は、約80%~約100%である。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子のカプセル化効率は、約80%、又は上述の値のうちのいずれか2つによって定義される端点を有する任意の範囲である。85%,90%,91%,92%,93%,94%,95%,95.5%,96%,96.5%,97%,97.5%,98%,98.5%,99%,99.5%,100%,例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子のカプセル化効率は、約90%~約100%、約95%~約100%、約95%~約98%、又は約95.5%~約97.5%である。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子のカプセル化効率は、少なくとも約98%、又は99%である。90%,91%,92%,93%,94%,95%,96%,97%,
【0176】
J.pKa
とりわけ、本開示は、約5~約9のpKaを有する組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を説明する。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、約5.0、又は上述の値のうちのいずれか2つによって定義される端点を有する任意の範囲であるpKaを有する。5.5,6.0,6.5,7.0,7.5,8.0,8.5,いくつかの実施形態では、本明細書に説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、約6.0、9.0、又は上述の値のうちのいずれか2つによって定義される端点を有する任意の範囲であるpKaを有する。6.1,6.2,6.3,6.4,6.5,6.6,6.7,6.8,6.9,7.0,7.1,7.2,7.3,7.4,7.5,7.6,7.7,7.8,7.9,8.0,8.1,8.2,8.3,8.4,8.5,8.6,8.7,8.8,8.9,
【0177】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子は、約5~約9のpKaを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子は、約5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、又は上述の値のうちのいずれか2つによって定義される端点を有する任意の範囲であるpKaを有する。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子は、約6.0、又は上述の値のうちのいずれか2つによって定義される端点を有する任意の範囲であるpKaを有する。6.1,6.2,6.3,6.4,6.5,6.6,6.7,6.8,6.9,7.0,7.1,7.2,7.3,7.4,7.5,7.6,7.7,7.8,7.9,8.0,8.1,8.2,8.3,8.4,8.5,8.6,8.7,8.8,8.9,9.0
【0178】
II.例示的なLNP調製物
本発明は、脂質ナノ粒子を含む組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子調製物は、約30モルパーセント~約70モルパーセントのイオン化可能な脂質、約5モルパーセント~約25モルパーセントのリン脂質、約25モルパーセント~約45モルパーセントのコレステロール、及び約0モルパーセント~約5モルパーセントのコンジュゲート-リンカー脂質を含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子調製物は、約45モルパーセントのイオン化可能な脂質、約9モルパーセントのリン脂質、約44モルパーセントのコレステロール、及び約2モルパーセントのコンジュゲート-リンカー脂質を含む。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子調製物は、約50モルパーセントのイオン化可能な脂質、約9モルパーセントのリン脂質、約38モルパーセントのコレステロール、及び約3モルパーセントのコンジュゲート-リンカー脂質を含む。
【0180】
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子調製物は、約47.5モルパーセントのイオン化可能な脂質、約10モルパーセントのリン脂質、約40モルパーセントのコレステロール、及び約2.5モルパーセントのコンジュゲート-リンカー脂質を含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子調製物は、約50モルパーセントのイオン化可能な脂質、約10モルパーセントのリン脂質、約38.5モルパーセントのコレステロール、及び約1.5モルパーセントのコンジュゲート-リンカー脂質を含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子調製物は、約40モルパーセント~約60モルパーセントの任意の提供される化合物のイオン化可能な脂質、約5モルパーセント~約15モルパーセントの1-2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン、約1モルパーセント~約5モルパーセントのC14PEG2000、及び約30モルパーセント~約47モルパーセントのコレステロールを、これらの4つの成分の総モル数に基づいて含む。
【0183】
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子(LNP)調製物は、約2:1~50:1の(イオン化可能な脂質、コレステロール、脂質-PEG、及びリン脂質):mRNAの質量比を含む。いくつかの実施形態では、LNP調製物が、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約11:1、約12:1、約13:1、約14:1、約15:1、約16:1、約17:1、約18:1、約19:1、約20:1、約21:1、約22:1、約23:1、約24:1、約25:1、約26:1、約27:1、約28:1、約29:1、約30:1、約31:1、約32:1、約33:1、約34:1、約35:1、約36:1、約37:1、約38:1、約39:1、約40:1、約41:1、約42:1、約43:1、約44:1、約45:1、約46:1、約47:1、約48:1、約49:1、約50:1の(イオン化可能な脂質、コレステロール、脂質-PEG、及びリン脂質):mRNAの質量比を含む。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子(LNP)調製物は、約11.7:1~19:1の(イオン化可能な脂質、コレステロール、脂質-PEG、及びリン脂質):mRNAの質量比を含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子調製物は、約2:1~50:1の(イオン化可能な脂質、コレステロール、脂質-PEG、及びリン脂質):siRNAの質量比を含む。いくつかの実施形態では、LNP調製物が、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約11:1、約12:1、約13:1、約14:1、約15:1、約16:1、約17:1、約18:1、約19:1、約20:1、約21:1、約22:1、約23:1、約24:1、約25:1、約26:1、約27:1、約28:1、約29:1、約30:1、約31:1、約32:1、約33:1、約34:1、約35:1、約36:1、約37:1、約38:1、約39:1、約40:1、約41:1、約42:1、約43:1、約44:1、約45:1、約46:1、約47:1、約48:1、約49:1、約50:1の(イオン化可能な脂質、コレステロール、脂質-PEG、及びリン脂質):siRNAの質量比を含む。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子(LNP)調製物は、約11.7:1~19:1の(イオン化可能な脂質、コレステロール、脂質-PEG、及びリン脂質):siRNAの質量比を含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子調製物は、約2:1~50:1の(イオン化可能な脂質、コレステロール、脂質-PEG、及びリン脂質):NAの質量比を含む。いくつかの実施形態では、LNP調製物が、約2:1、約3:1、約4:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約11:1、約12:1、約13:1、約14:1、約15:1、約16:1、約17:1、約18:1、約19:1、約20:1、約21:1、約22:1、約23:1、約24:1、約25:1、約26:1、約27:1、約28:1、約29:1、約30:1、約31:1、約32:1、約33:1、約34:1、約35:1、約36:1、約37:1、約38:1、約39:1、約40:1、約41:1、約42:1、約43:1、約44:1、約45:1、約46:1、約47:1、約48:1、約49:1、約50:1の(イオン化可能な脂質、コレステロール、脂質-PEG、及びリン脂質):NAの質量比を含む。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子(LNP)調製物は、約11.7:1~40:1の(イオン化可能な脂質、コレステロール、脂質-PEG、及びリン脂質)NAの質量比を含む。
【0186】
いくつかの実施形態では、NAは、本明細書に説明される塩基エディター及びgRNAを含む。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、1:1である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、2:1である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、3:1である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、4:1である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、5:1である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、6:1である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、7:1である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、8:1である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、9:1である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、10:1である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、1:2である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、1:3である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、1:4である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、1:5である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、1:6である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、1:7である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、1:8である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、1:9である。いくつかの実施形態では、塩基エディター:gRNAの質量比は、1:10である。
【0187】
III.医薬組成物
本発明は、医薬組成物を含む組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。とりわけ、いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に説明される脂質ナノ粒子及び脂質ナノ粒子調製物を含む。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子及び脂質ナノ粒子調製物は、医薬組成物として全体的又は部分的に製剤化され得る。
【0188】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に説明される1つ以上のナノ粒子組成物を含み得る。例えば、医薬組成物は、限定されるものではないが、異なるタイプの1つ以上の核酸を含むか、又は異なる薬剤をコードする、1つ以上の異なる治療薬及び/又は予防薬を含む1つ以上のナノ粒子組成物を含み得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、限定されるものではないが、薬学的に許容される担体を含む、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤又は補助成分を含む。
【0189】
医薬組成物は、対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、本明細書に説明されるように投与される。いくつかのインビボアプローチでは、本明細書に開示されるナノ粒子組成物は、本明細書に説明される治療有効量で対象に投与される。
【0190】
いくつかの実施形態では、当業者であれば、レシピエントの治療状況、年齢、及び一般的な健康状態を考慮すると、様々な患者における様々な状態の治療のための本明細書に説明される医薬組成物を使用して、適切な投与量レベル及び投与レジメンを考案することができるであろう。例えば、いくつかの実施形態では、選択された投与量は、所望の治療効果、投与経路、及び所望の治療の継続時間に依存する。いくつかの実施形態では、概して、体重1kg当たり約0.001mg~約5mgの投与量レベルの核酸が、哺乳動物への投与ごとに投与される。より具体的には、いくつかの実施形態では、開示されたナノ粒子内の核酸の優先的な用量は、約0.1mg/kg~約1.0mg/kgである。開示されたナノ粒子については、概して、約0.2mg~約100mgの4つの構成成分(イオン化可能な脂質、コレステロール、コンジュゲート-リンカーコンジュゲート、及びリン脂質)/体重kgの投与量レベルが哺乳動物に投与される。より具体的には、いくつかの実施形態では、開示されたナノ粒子の優先的な用量は、体重1kg当たり約0.5mg/kg~約5mg/kgの4つの構成成分である。
【0191】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される医薬組成物は、局所的に、例えば、治療される部位内への直接注射によって投与される。典型的には、注射は、全身投与によって達成され得るものよりも大きい組成物の局所濃度の増加を引き起こす。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される医薬組成物は、本明細書に説明されるマトリクスと組み合わせられて、治療される部位からのポリペプチドの受動的拡散を低減することによって、ポリペプチド組成物の局所濃度の増加を作り出すのを補助し得る。
【0192】
A.非経口投与のための調製物
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子を含有するものを含む、本明細書に開示される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、非経口注射によって水溶液中で投与される。いくつかの実施形態では、調製物はまた、懸濁液又はエマルションの形態であってもよい。概して、有効量の脂質ナノ粒子を含む医薬組成物が提供され、任意選択的に薬学的に許容される希釈剤、防腐剤、可溶化剤、乳化剤、アジュバント、及び/又は担体を含む。そのような組成物は、希釈剤、滅菌水、様々な緩衝液含有量(例えば、Tris-HCl、酢酸塩、リン酸塩)、pH、及びイオン強度の緩衝生理食塩水と、界面活性剤及び可溶化剤(例えば、TWEEN 20(ポリソルベート-20)、TWEEN 80(ポリソルベート-80))、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム)、並びに防腐剤(例えば、チメルソール、ベンジルアルコール)、及び増量物質(例えば、ラクトース、マンニトール)などの添加剤とのうちの1つ以上を任意選択的に含む。非水性溶媒又は媒体の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油及びトウモロコシ油などの植物油、ゼラチン、並びにオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルである。製剤は、凍結乾燥され、使用直前に再溶解/再懸濁され得る。製剤は、例えば、細菌保持フィルタを通した濾過によって、滅菌剤を組成物に組み込むことによって、組成物を照射することによって、又は組成物を加熱することによって滅菌され得る。
【0193】
B.制御送達ポリマーマトリクス
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料はまた、制御放出製剤で投与され得る。いくつかの実施形態では、制御放出ポリマーデバイスは、ポリマーデバイス(ロッド、シリンダ、フィルム、ディスクなど)の移植又は注射(マイクロ粒子など)の後に全身に長期放出するために作製され得る。いくつかの実施形態では、マトリクスは、マイクロスフェアなどのマイクロ粒子の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、薬剤は、固体ポリマーマトリクス又はマイクロカプセル内に分散される。いくつかの実施形態では、コアは、説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料のうちのいずれかのポリマーシェルとは異なる材料のものである。いくつかの実施形態では、ペプチドは、説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料のうちのいずれかの本質的に液体又は固体であり得るコアに分散又は懸濁される。本明細書で具体的に定義されない限り、マイクロ粒子、マイクロスフェア、及びマイクロカプセルは、互換的に使用される。いくつかの実施形態では、ポリマーは、ナノメートル~4センチメートルの範囲の薄いスラブ若しくはフィルム、粉砕若しくは他の標準的な技術によって生成される粉末、又は更にハイドロゲルなどのゲルとして鋳造され得る。
【0194】
いくつかの実施形態では、非生分解性マトリクスは、説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料の送達に使用される。いくつかの実施形態では、生分解性マトリクスは、説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料の送達に使用される。いくつかの実施形態では、生分解性マトリクスが好ましい。いくつかの実施形態では、生分解性マトリクスは、天然又は合成ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、分解及び放出プロファイルのより良好な特徴に起因して、合成ポリマーが好ましい。いくつかの実施形態では、ポリマーは、放出が望ましい期間に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、線形放出が最も有用であり得るが、他の実施形態では、パルス放出又は「バルク放出」が、より効果的な結果を提供し得る。いくつかの実施形態では、ポリマーは、ハイドロゲルの形態であってもよく(典型的には、最大約90重量%の水を吸収する)、任意選択的に、多価イオン又はポリマーと架橋されてもよい。
【0195】
マトリクスは、溶媒蒸発、噴霧乾燥、溶媒抽出、及び当業者に既知の他の方法によって形成され得る。生体内分解性マイクロスフェアは、例えば、Mathiowitz and Langer,J.Controlled Release,5:13-22(1987)、Mathiowitz,et al.,Reactive Polymers,6:275-283(1987)、及びMathiowitz,et al.,J.Appl.Polymer Sci.,35:755-774(1988)によって説明されるように、薬物送達のためのマイクロスフェアを作製するために開発された方法のいずれかを使用して調製され得、それらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0196】
いくつかの実施形態では、説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、典型的には、全身の治療のための投与量よりもはるかに少ない投与量を送達することになる、移植又は注射のエリアを治療するための局所放出、又は全身送達のために製剤化され得る。これらは、筋肉、脂肪内に皮下移植若しくは注射されるか、又は嚥下され得る。
【0197】
C.カーゴ
とりわけ、本発明は、本明細書に説明されるカーゴを含む組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。いくつかの実施形態では、組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、対象に送達するための治療剤又は予防剤を含む。いくつかの実施形態では、治療剤又は予防剤は、脂質ナノ粒子によってカプセル化される。いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、1つ以上の核酸を装填される。
【0198】
D.治療剤及び/又は予防剤
LNP調製物を介して送達されるカーゴは、生物学的活性剤であり得る。いくつかの実施形態では、カーゴは、mRNA、ガイドRNA(gRNA)、核酸、RNA誘導DNA結合剤、発現ベクター、鋳型核酸、抗体(例えば、モノクローナル、キメラ、ヒト化、ナノボディ、及びその断片など)、コレステロール、ホルモン、ペプチド、タンパク質、化学療法剤及び他のタイプの抗腫瘍剤、低分子量薬物、ビタミン、補因子、ヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、酵素核酸、アンチセンス核酸、三重鎖形成オリゴヌクレオチド、アンチセンスDNA又はRNA組成物、キメラDNA:RNA組成物、アロザイム、アプタマー、リボザイム、デコイ及びその類似体、プラスミド及び他のタイプのベクター、及び低核酸分子、RNAi剤、短鎖干渉核酸(siNA)、短鎖干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、短いヘアピンRNA(shRNA)及び「自己複製RNA」(レプリカーゼ酵素活性をコードし、インビボでそれ自身の複製又は増幅を指示することができる)分子、ペプチド核酸(PNA)、ロック型核酸リボヌクレオチド(LNA)、モルフォリノヌクレオチド、トレオース核酸(TNA)、グリコール核酸(GNA)、sisiRNA(小型内部セグメント化干渉RNA)、iRNA(非対称干渉RNA)などの、1つ以上の生物学的活性剤であるか、又はそれらを含む。生物学的活性剤の上記リストは例示に過ぎず、限定することを意図するものではない。そのような化合物は、精製されるか、又は部分的に精製されてもよく、天然に存在するものであるか、又は合成であってもよく、化学修飾されてもよい。
【0199】
LNP調製物を介して送達されるカーゴは、関心対象のタンパク質をコードするmRNA分子などのRNAであってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、緑色蛍光タンパク質(GFP)、RNA誘導DNA結合剤、又はCasヌクレアーゼなどのタンパク質を発現するためのmRNAが本明細書に説明される。CasヌクレアーゼmRNA、例えば、Cas9又はCpflタンパク質などのクラス2 Casヌクレアーゼの細胞における発現を可能にするクラス2 CasヌクレアーゼmRNAを含むLNP調製物が提供される。更に、カーゴは、1つ以上のガイドRNA又はガイドRNAをコードする核酸を含有し得る。例えば、修復又は組換えのために、鋳型核酸もまた、組成物に含まれてもよく、又は鋳型核酸は、本明細書に説明される方法に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、カーゴは、Streptococcus pyogenes Cas9、任意選択的にS.pyogenes gRNAをコードするmRNAを含む。いくつかの実施形態では、カーゴは、Neisseria meningitidis Cas9、任意選択的にnme gRNAをコードするmRNAを含む。
【0200】
「mRNA」は、ポリヌクレオチドを指し、ポリペプチドに翻訳され得る(すなわち、リボソーム及びアミノアシル化tRNAによる翻訳のための基質として機能し得る)オープンリーディングフレームを含む。mRNAは、リボース残基又はその類似体、例えば、2’-メトキシリボース残基を含むリン酸-糖骨格を含み得る。いくつかの実施形態では、mRNAリン酸-糖骨格の糖は、リボース残基、2’-メトキシリボース残基、又はそれらの組み合わせから本質的に構成される。概して、mRNAは、実質的な量のチミジン残基を含有しない(例えば、0個の残基、又は30、20、10、5、4、3、若しくは2つ未満のチミジン残基、又は0.2%、若しくは0.1%未満のチミジン含有量)。10%,9%,8%,7%,6%,5%,4%,4%,3%,2%,1%,0.5%,mRNAは、そのウリジン位置の一部又は全部に修飾ウリジンを含有し得る。
【0201】
E.CRISPR/Casカーゴ
いくつかの実施形態では、開示された組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、CasヌクレアーゼなどのRNA誘導DNA結合剤をコードするmRNAを含む。特定の実施形態では、開示される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、S.pyogenes Cas9などのクラス2 CasヌクレアーゼをコードするmRNAを含む。
【0202】
本明細書で使用される場合、「RNA誘導DNA結合剤」は、RNA及びDNA結合活性を有するポリペプチド若しくはポリペプチドの複合体、又はそのような複合体のDNA結合サブユニットを意味し、DNA結合活性は、配列特異的であり、RNAの配列に依存する。例示的なRNA誘導DNA結合剤としては、Casクリベース/ニッカーゼ及びそれらの不活性化形態(「dCas DNA結合剤」)が挙げられる。本明細書で使用される場合、「Casヌクレアーゼ」は、Casクリベース、Casニッカーゼ、及びdCas DNA結合剤を包含する。Casクリベース/ニッカーゼ及びdCas DNA結合剤は、III型CRISPR系のCsm又はCmr複合体、そのCaslO、Csml、又はCmr2サブユニット、I型CRISPR系のカスケード複合体、そのCas3サブユニット、及びクラス2 Casヌクレアーゼを含む。本明細書で使用される場合、「クラス2 Casヌクレアーゼ」は、RNA誘導DNA結合活性を有する一本鎖ポリペプチドである。クラス2 Casヌクレアーゼとしては、RNA誘導DNAクリベース又はニッカーゼ活性を更に有するクラス2 Casクリベース/ニッカーゼ(例えば、H840A、D10A、又はN863 Aバリアント)、及びクラス2 dCas DNA結合剤が挙げられ、クリベース/ニッカーゼ活性が不活性化される。クラス2 Casヌクレアーゼとしては、例えば、Cas9、Cpfl、C2cl、C2c2、C2c3、HF Cas9(例えば、N497A、R661A、Q695A、Q926Aバリアント)、HypaCas9(例えば、N692A、M694A、Q695A、H698Aバリアント)、eSPCas9(1.0)(例えば、K810A、K1003A、R1060Aバリアント)、及びeSPCas9(1.1)(例えば、K848A、K1003A、R1060Aバリアント)タンパク質、並びにそれらの修飾が挙げられる。Cpflタンパク質、Zetsche et al.,Cell,163:1-13(2015)は、Cas9と相同であり、RuvC様ヌクレアーゼドメインを含有する。ZetscheのCpfl配列は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、Zetsche,Tables Sl and S3を参照されたい。例えば、Makarova et al.,Nat Rev Microbiol,13(11):722-36(2015)、Shmakov et al.,Molecular Cell,60:385-397(2015)を参照されたく、その内容は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0203】
本明細書で使用される場合、「リボ核タンパク質」(RNP)又は「RNP複合体」は、Casヌクレアーゼ、例えば、Casクリベース、Casニッカーゼ、又はdCas DNA結合剤(例えば、Cas9)などの、RNA誘導DNA結合剤と一緒にガイドRNAを指す。いくつかの実施形態では、ガイドRNAは、Cas9などのRNA誘導DNA結合剤を標的配列に誘導し、ガイドRNAは、標的配列とハイブリダイズし、薬剤が標的配列に結合し、薬剤がクリベース又はニッカーゼである場合、結合の後に切断又はニッキングが続き得る。
【0204】
いくつかの実施形態では、LNP調製のためのカーゴは、ヌクレアーゼ(例えば、Cas9などのCasヌクレアーゼ)であり得る、RNA誘導DNA結合剤を標的DNAに向けるガイド配列を含む少なくとも1つのガイドRNAを含む。gRNAは、Casヌクレアーゼ又はクラス2 Casヌクレアーゼを標的核酸分子上の標的配列に誘導し得る。いくつかの実施形態では、gRNAは、クラス2 Casヌクレアーゼと結合し、クラス2 Casヌクレアーゼによる切断の特異性を提供する。いくつかの実施形態では、gRNA及びCasヌクレアーゼは、リボ核タンパク質(RNP)、例えば、CRISPR/Cas9複合体などのCRISPR/Cas複合体を形成し得る。いくつかの実施形態では、CRISPR/Cas複合体は、II型CRISPR/Cas9複合体であってもよい。いくつかの実施形態では、CRISPR/Cas複合体は、Cpfl/ガイドRNA複合体などの、V型CRISPR/Cas複合体であってもよい。Casヌクレアーゼ及び同族gRNAは対にされ得る。各クラス2 Casヌクレアーゼと対になるgRNA足場構造は、特定のCRISPR/Cas系とともに変化する。
【0205】
「ガイドRNA」、「gRNA」、及び単に「ガイド」は、crRNA(CRISPR RNAとしても知られる)、又はcrRNAとtrRNAとの組み合わせ(tracrRNAとしても知られる)のいずれかを指すために互換的に本明細書で使用される。ガイドRNAは、本明細書に説明される修飾RNAを含み得る。crRNA及びtrRNAは、単一のRNA分子(単一ガイドRNA、sgRNA)として、又は2つの別個のRNA分子(二重ガイドRNA、dgRNA)において会合し得る。「ガイドRNA」又は「gRNA」は、各タイプを指す。trRNAは、天然に存在する配列、又は天然に存在する配列と比較して修飾又は変形を有するtrRNA配列であってもよい。
【0206】
本明細書で使用される場合、「ガイド配列」とは、標的配列に相補的であり、RNA誘導DNA結合剤による結合又は修飾(例えば、切断)のためにガイドRNAを標的配列に向けるように機能する、ガイドRNA内の配列を指す。「ガイド配列」はまた、「標的化配列」又は「スペーサー配列」と称され得る。ガイド配列は、例えば、Streptococcus pyogenes(すなわち、Spy Cas9)及び関連するCas9相同体/オルソログの場合、20塩基対の長さであり得る。例えば、15、16、17、18、19、21、22、23、24、又は25ヌクレオチド長のより短い又はより長い配列もまた、ガイドとして使用され得る。いくつかの実施形態では、標的配列は、例えば、遺伝子内又は染色体上にあり、ガイド配列に対して相補的である。いくつかの実施形態では、ガイド配列とその対応する標的配列との間の相補性又は同一性の程度は、約又は少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%であってもよい。いくつかの実施形態では、ガイド配列及び標的領域は、少なくとも15、16、17、18、19、又は20個の連続するヌクレオチドの領域にわたって100%相補的、又は同一であってもよい。他の実施形態では、ガイド配列及び標的領域は、少なくとも1つのミスマッチを含有し得る。例えば、ガイド配列及び標的配列は、1、2、3、又は4つのミスマッチを含有し得、標的配列の全長は、少なくとも17、18、19、20個以上の塩基対である。いくつかの実施形態では、ガイド配列及び標的領域は、1~4つのミスマッチを含有し得、ガイド配列は、少なくとも17、18、19、20個以上のヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態では、ガイド配列及び標的領域は、1、2、3、又は4つのミスマッチを含有し得、ガイド配列は、20個のヌクレオチドを含む。
【0207】
Casタンパク質などのRNA誘導DNA結合タンパク質の標的配列は、Casタンパク質の核酸基質が二本鎖核酸であるため、ゲノムDNAのプラス鎖及びマイナス鎖の両方(すなわち、所与の配列及び配列の逆相補性)を含む。したがって、ガイド配列が「標的配列に相補的である」と言われる場合、ガイド配列は、ガイドRNAを標的配列の逆相補鎖に結合するように誘導し得ることが理解されるべきである。したがって、ガイド配列が標的配列の逆相補鎖に結合するいくつかの実施形態では、ガイド配列は、ガイド配列におけるTに対するUの置換を除いて、標的配列の特定のヌクレオチド(例えば、PAMを含まない標的配列)と同一である。
【0208】
標的化配列の長さは、使用されるCRISPR/Cas系及び構成成分に依存し得る。例えば、異なる細菌種由来の異なるクラス2 Casヌクレアーゼは、様々な最適な標的化配列長を有する。したがって、標的化配列は、50、又は50超のヌクレオチド長を含み得る。5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,35,40,45,いくつかの実施形態では、標的化配列の長さは、天然に存在するヌクレオチド配列のガイド配列よりも0、1、2、3、4、若しくは5ヌクレオチド長いか、又は短い。
【0209】
CRISPR/Cas系。特定の実施形態では、Casヌクレアーゼ及びgRNA足場は、同じCRISPR/Cas系に由来することになる。いくつかの実施形態では、標的化配列は、18~24個のヌクレオチドを含むか、又はそれらから構成され得る。いくつかの実施形態では、標的化配列は、19~21個のヌクレオチドを含むか、又はそれらから構成され得る。いくつかの実施形態では、標的化配列は、20個のヌクレオチドを含むか、又はそれらから構成され得る。
【0210】
いくつかの実施形態では、sgRNAは、Cas9タンパク質によるRNA誘導DNA切断を媒介することができる「Cas9 sgRNA」である。いくつかの実施形態では、sgRNAは、Cpflタンパク質によるRNA誘導DNA切断を媒介することができる「Cpfl sgRNA」である。いくつかの実施形態では、gRNAは、Cas9タンパク質と活性複合体を形成し、RNA誘導DNA切断を媒介するのに十分なcrRNA及びtracr RNAを含む。いくつかの実施形態では、gRNAは、Cpflタンパク質と活性複合体を形成し、RNA誘導DNA切断を媒介するのに十分なcrRNAを含む。Zetsche 2015を参照されたい。
【0211】
本発明の特定の実施形態はまた、本明細書に説明されるgRNAをコードする核酸、例えば、発現カセットを提供する。「ガイドRNA核酸」は、ガイドRNA(例えば、sgRNA又はdgRNA)、及び1つ以上のガイドRNAをコードする核酸であるガイドRNA発現カセットを指すために本明細書で使用される。
【0212】
本開示の特定の実施形態はまた、本明細書に説明されるLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を使用して、アデニン塩基エディター(「ABE」)の送達を提供する。ABE及びそれらの使用方法は、例えば、米国特許第10,113,163号及び米国特許公開第2021/0130805号に説明されており、それらの各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0213】
本開示の特定の実施形態はまた、本明細書に説明されるLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を使用したシトシン塩基エディター(CBE)の送達を提供する。ABE及びそれらの使用方法は、例えば、米国特許第10,167,457号及び同第9,840,699号に説明されており、それらの各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0214】
「塩基エディター(BE)」、又は「核酸塩基エディター(NBE)」という用語は、核酸配列(例えば、DNA又はRNA)内の塩基(例えば、A、T、C、G、又はU)に修飾を行うことができるポリペプチドを含む薬剤を指す。いくつかの実施形態では、塩基エディターは、核酸内の塩基を脱アミノ化することができる。いくつかの実施形態では、塩基エディターは、DNA分子内の塩基を脱アミノ化することができる。いくつかの実施形態では、塩基エディターは、DNA内のアデニン(A)を脱アミノ化することができる。。いくつかの実施形態では、デアミナーゼは、シトシンデアミナーゼ又はシチジンデアミナーゼである。いくつかの実施形態では、塩基エディターは、アデノシンデアミナーゼに融合された核酸プログラム可能DNA結合タンパク質(napDNAbp)を含む融合タンパク質である。いくつかの実施形態では、塩基エディターは、アデノシンデアミナーゼに融合されたCas9タンパク質である。いくつかの実施形態では、塩基エディターは、アデノシンデアミナーゼに融合されたCas9ニッカーゼ(nCas9)である。いくつかの実施形態では、塩基エディターは、アデノシンデアミナーゼに融合されたヌクレアーゼ不活性化Cas9(dCas9)である。いくつかの実施形態では、塩基エディターは、塩基除去修復の阻害剤、例えば、UGIドメイン、又はdISNドメインに融合される。いくつかの実施形態では、融合タンパク質は、デアミナーゼに融合されたCas9ニッカーゼ、及びUGI又はdISNドメインなどの塩基除去修復の阻害剤を含む。「核酸プログラム可能DNA結合タンパク質」又は「napDNAbp」という用語は、napDNAbpを特定の核酸配列に誘導する、ガイド核酸などの核酸(例えば、DNA又はRNA)と会合するタンパク質を指す。例えば、Cas9タンパク質は、ガイドRNAに対する相補性を有する特異的DNA配列にCas9タンパク質を誘導するガイドRNAと会合することができる。いくつかの実施形態では、napDNAbpは、クラス2微生物CRISPR-Casエフェクターである。いくつかの実施形態では、napDNAbpは、Cas9ドメイン、例えば、ヌクレアーゼ活性Cas9、Cas9ニッカーゼ(nCas9)、又はヌクレアーゼ不活性化Cas9(dCas9)である。核酸プログラム可能DNA結合タンパク質の例としては、限定なしで、Cas9(例えば、dCas9及びnCas9)、CasX、CasY、Cpf1、C2c1、C2c2、C2C3、及びアルゴノートが挙げられる。しかしながら、核酸プログラム可能DNA結合タンパク質はまた、RNAに結合する核酸プログラム可能タンパク質を含む。例えば、napDNAbpは、napDNAbpをRNAに誘導する核酸と会合し得る。他の核酸プログラム可能DNA結合タンパク質もまた、本開示の範囲内であるが、それらは、本開示に具体的に列挙されない場合がある。
【0215】
F.修飾RNA
特定の実施形態では、開示される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、修飾RNAを含む修飾核酸を含む。
【0216】
修飾ヌクレオシド又はヌクレオチドは、RNA、例えば、gRNA又はmRNA内に存在し得る。1つ以上の修飾ヌクレオシド又はヌクレオチドを含むgRNA又はmRNAは、例えば、標準的なA残基、G残基、C残基、及びU残基の代わりに、又はそれらに加えて使用される1つ以上の非天然及び/又は天然に存在する構成成分又は配置の存在を説明するために、「修飾」RNAと呼ばれる。いくつかの実施形態では、修飾RNAは、非標準ヌクレオシド又はヌクレオチドで合成され、本明細書では「修飾」と呼ばれる。
【0217】
修飾ヌクレオシド及びヌクレオチドは、(i)ホスホジエステル骨格結合における非結合リン酸酸素のうちの一方若しくは両方及び/又は結合リン酸酸素のうちの1つ以上の改変、例えば、置換(例示的な骨格修飾)、(ii)リボース糖の成分、例えば、リボース糖上の2’ヒドロキシルの改変、例えば、置換(例示的な糖修飾)、(iii)「脱リン酸」リンカーとのリン酸部分の完全な置換(例示的な骨格修飾)、(iv)非標準核酸塩基との置換を含む、天然に存在する核酸塩基の修飾又は置換(例示的な塩基修飾)、(v)リボース-リン酸骨格の置換又は修飾(例示的な骨格修飾)、(vi)オリゴヌクレオチドの3’末端又は5’末端の修飾、例えば、末端リン酸基の除去、修飾、若しくは置換、又は部分、キャップ、若しくはリンカーのコンジュゲート(そのような3’又は5’キャップ修飾は、糖及び/又は骨格修飾を含み得る)、並びに(vii)糖の修飾又は置換(例示的な糖修飾)のうちの1つ以上を含み得る。特定の実施形態は、mRNA、gRNA、又は核酸に対する5’末端修飾を含む。特定の実施形態は、mRNA、gRNA、又は核酸に対する3’末端修飾を含む。修飾RNAは、5’末端及び3’末端の修飾を含み得る。修飾RNAは、非末端場所に1つ以上の修飾残基を含有し得る。特定の実施形態では、gRNAは、少なくとも1つの修飾残基を含む。特定の実施形態では、mRNAは、少なくとも1つの修飾残基を含む。
【0218】
非修飾核酸は、例えば、細胞内ヌクレアーゼ又は血清中に見られるヌクレアーゼによって分解され易い可能性がある。例えば、ヌクレアーゼは、核酸ホスホジエステル結合を加水分解し得る。したがって、一態様では、本明細書に説明されるRNA(例えば、mRNA、gRNA)は、例えば、細胞内又は血清ベースのヌクレアーゼに対して安定性を導入するために、1つ以上の修飾ヌクレオシド又はヌクレオチドを含有し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される修飾gRNA分子は、インビボ及びエクスビボの両方で細胞の集団に導入されたとき、先天性免疫応答の低減を呈し得る。「先天性免疫応答」という用語は、一本鎖核酸を含む外因性核酸に対する細胞応答を含み、これは、サイトカイン発現及び放出の誘導、特に、インターフェロン、並びに細胞死を伴う。
【0219】
したがって、いくつかの実施形態では、開示される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料中のRNA又は核酸は、例えば、インビボにおけるヌクレアーゼ消化に対する改善された耐性を含む、核酸に対する増加又は増強した安定性を付与する少なくとも1つの修飾を含む。本明細書で使用される場合、「修飾」及び「修飾された」という用語は、本明細書に提供される核酸に関連し、好ましくは安定性を増強し、RNA又は核酸の野生型又は天然に存在するバージョンよりもRNA又は核酸をより安定(例えば、ヌクレアーゼ消化に対する耐性)させる、少なくとも1つの改変を含む。本明細書で使用される場合、そのような用語としての「安定」及び「安定性」という用語は、本発明の核酸に関連し、特に、RNAに関して、例えば、そのようなRNAを通常分解することができるヌクレアーゼ(すなわち、エンドヌクレアーゼ又はエクソヌクレアーゼ)による分解に対する増加又は増強した耐性を指す。増加した安定性は、例えば、内在性酵素(例えば、エンドヌクレアーゼ又はエクソヌクレアーゼ)又は標的細胞若しくは組織内の状態による加水分解又は他の破壊に対する感受性の低下、それによって、標的細胞、組織、対象及び/又は細胞質におけるそのようなRNAの滞留を増加又は増強することを含み得る。本明細書に提供される安定化RNA分子は、それらの天然に存在する非修飾対応物(例えば、mRNAの野生型バージョン)と比較して、より長い半減期を実証する。また、本明細書に開示されるLNP調製物のmRNAに関連する用語として「修飾」及び「修飾された」という用語によって企図されるのは、例えば、タンパク質翻訳の開始において機能する配列(例えば、コザックコンセンサス配列)の包含を含む、mRNA核酸の翻訳を改善又は増強する改変である。(Kozak,M.,Nucleic Acids Res 15(20):8125-48(1987)、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0220】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料のRNA又は核酸は、より安定なものにするために化学的又は生物学的修飾を受けてきた。RNAに対する例示的な修飾としては、塩基の枯渇(例えば、欠失による、又は1つのヌクレオチドを別のヌクレオチドに置換することによる)、又は塩基の修飾、例えば、塩基の化学修飾が挙げられる。本明細書で使用される場合、「化学修飾」という語句は、天然に存在するRNAに見られるものとは異なる化学物質を導入する修飾、例えば、修飾ヌクレオチド(例えば、ヌクレオチド類似体、又はそのようなRNA分子に天然に存在しないペンダント基の含有)の導入などの共有結合修飾を含む。
【0221】
骨格修飾のいくつかの実施形態では、修飾残基のリン酸基は、酸素のうちの1つ以上を異なる置換基で置換することによって修飾され得る。更に、修飾残基、例えば、修飾核酸中に存在する修飾残基は、本明細書に説明される修飾リン酸基による非修飾リン酸部分の完全な置換を含み得る。いくつかの実施形態では、リン酸骨格の骨格修飾は、非荷電リンカー又は非対称電荷分布を有する荷電リンカーのいずれかをもたらす改変を含み得る。修飾リン酸基の例としては、ホスホロチオエート、ホスホロセレネート、ボラノリン酸塩、ボラノリン酸エステル、水素ホスホネート、ホスホロアミデート、アルキル又はアリールホスホネート、及びホスホトリエステルが挙げられる。非修飾リン酸基中のリン原子は、アキラルである。しかしながら、上記の原子又は原子の基のうちの1つによる非架橋酸素のうちの1つの置換は、リン原子をキラル化させ得る。立体異性体のリン原子は、「R」配置(ここではRp)又は「S」配置(ここではSp)のいずれかを保有し得る。骨格はまた、窒素(架橋ホスホロアミデート)、硫黄(架橋ホスホロチオエート)、及び炭素(架橋メチレンホスホネート)による架橋酸素(すなわち、リン酸をヌクレオシドに連結する酸素)の置換によって修飾され得る。置換は、どちらかの結合酸素又は両方の結合酸素で起こり得る。リン酸基は、特定の骨格修飾において、リンを含まない結合基によって置換され得る。いくつかの実施形態では、荷電リン酸基は、中性部分によって置換され得る。リン酸基を置換し得る部分の例としては、限定なしで、例えば、ホスホン酸メチル、ヒドロキシルアミノ、シロキサン、炭酸塩、カルボキシメチル、カルバミン酸塩、アミド、チオエーテル、エチレンオキシドリンカー、スルホン酸塩、スルホンアミド、チオホルムアセタール、ホルムアセタール、オキシム、メチレンイミノ、メチレンメチルイミノ、メチレンヒドラゾ、メチレンジメチルヒドラゾ、及びメチレンオキシメチルイミノが挙げられ得る。
【0222】
G.mRNA
いくつかの実施形態では、開示される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、本明細書に説明されるCasヌクレアーゼ、又はクラス2 Casヌクレアーゼなどの、RNA誘導DNA結合剤をコードするオープンリーディングフレーム(ORF)を含むmRNAを含む。いくつかの実施形態では、Casヌクレアーゼ又はクラス2 CasヌクレアーゼなどのRNA誘導DNA結合剤をコードするORFを含むmRNAが提供されるか、使用されるか、又は投与される。mRNAは、5’キャップ、5’非翻訳領域(UTR)、3’UTR、及びポリアデニン尾部のうちの1つ以上を含み得る。mRNAは、例えば、核局在化配列をコードするか、又はタンパク質をコードするために代替コドンを使用するための修飾オープンリーディングフレームを含み得る。
【0223】
開示される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料内のmRNAは、例えば、分泌ホルモン、酵素、受容体、ポリペプチド、ペプチド、又は通常分泌される他の関心対象のタンパク質をコードし得る。本発明の一実施形態では、mRNAは、任意選択的に、例えば、そのようなmRNAの安定性及び/若しくは半減期を改善するか、又はタンパク質産生を改善するか、若しくは別様に促進する、化学的又は生物学的修飾を有し得る。
【0224】
加えて、好適な修飾は、コドンが同一のアミノ酸をコードするが、mRNAの野生型バージョンに見られるコドンよりも安定であるように、コドンの1つ以上のヌクレオチドの改変を含む。例えば、RNAの安定性と、より多数のシチジン(C)残基及び/又はウリジン(U)残基との間の逆相関が実証されており、C及びU残基を欠くRNAは、ほとんどのRNaseに対して安定であることが見出されている(Heidenreich,et al.J Biol Chem 269,2131-8(1994)、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。いくつかの実施形態では、mRNA配列内のC及び/又はU残基の数が低減される。別の実施形態では、C及び/又はU残基の数は、特定のアミノ酸をコードする1つのコドンを、同じ又は関連するアミノ酸をコードする別のコドンに置換することによって低減される。本発明のmRNA核酸に対する意図される修飾はまた、シュードウリジンの組み込みを含む。本発明のmRNA核酸へのシュードウリジンの組み込みは、安定性及び翻訳能力を増強し、並びにインビボにおける免疫原性を減少させ得る。例えば、Kariko,K.,et al.,Molecular Therapy 16(11):1833-1840(2008)を参照されたく、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本発明のmRNAへの置換及び修飾は、当業者に容易に知られている方法によって実施され得る。
【0225】
配列中のC及びU残基の数を低減させることに対する制約は、非翻訳領域と比較して、mRNAのコード領域内ではより大きい可能性が高い(すなわち、所望のアミノ酸配列をコードするメッセージの能力を保持しながら、メッセージ内に存在するC及びU残基の全てを排除することは不可能である可能性が高い)。しかしながら、遺伝子コードの縮重は、配列中に存在するC及び/又はU残基の数が低減することを可能にするが、一方で、同じコード能力を維持する機会を提示する(すなわち、どのアミノ酸がコドンによってコードされるかに応じて、RNA配列の修飾のためのいくつかの異なる可能性が可能であり得る)。
【0226】
修飾という用語はまた、例えば、本発明のmRNA配列への非ヌクレオチド結合又は修飾ヌクレオチドの組み込み(例えば、機能的分泌タンパク質又は酵素をコードするmRNA分子の3’及び5’末端の一方又は両方への修飾)を含む。そのような修飾としては、mRNA配列への塩基の付加(例えば、ポリA尾部又はより長いポリA尾部の含有)、3’UTR又は5’UTRの改変、mRNAを薬剤(例えば、タンパク質又は相補的核酸分子)と複合体化すること、及びmRNA分子の構造を変化させる要素の包含(例えば、二次構造を形成する)が挙げられる。
【0227】
ポリA尾部は、天然メッセンジャーを安定化すると考えられる。したがって、一実施形態では、長いポリA尾部がmRNA分子に付加され得、したがって、mRNAをより安定させる。ポリA尾部は、当技術分野で認識されている様々な技術を使用して付加され得る。例えば、長いポリA尾部は、ポリAポリメラーゼを使用して合成又はインビトロ転写mRNAに付加され得る(Yokoe,et al.Nature Biotechnology.1996;14:1252-1256、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。転写ベクターはまた、長いポリA尾部をコードし得る。加えて、ポリA尾部は、PCR産物から直接転写によって付加され得る。一実施形態では、ポリA尾部の長さは、少なくとも約90、200、300、400、少なくとも500ヌクレオチドである。一実施形態では、ポリA尾部の長さは、本発明の修飾mRNA分子の安定性、したがって、タンパク質の転写を制御するように調整される。例えば、ポリA尾部の長さはmRNA分子の半減期に影響し得るため、ポリA尾部の長さは、ヌクレアーゼに対するmRNAの耐性のレベルを修飾し、それによって、細胞におけるタンパク質発現の時間経過を制御するように調整され得る。一実施形態では、安定化mRNA分子は、インビボ分解に対して(例えば、ヌクレアーゼによって)十分に耐性があり、それにより、それらは、輸送媒体なしで標的細胞に送達され得る。
【0228】
いくつかの実施形態では、mRNAは、野生型mRNAに天然には存在しない3’及び/又は5’非翻訳(UTR)配列を組み込むことによって修飾され得る。一実施形態では、mRNAに天然に隣接し、第2の無関係なタンパク質をコードする3’及び/又は5’隣接配列は、治療用タンパク質又は機能タンパク質をコードするmRNA分子のヌクレオチド配列に組み込まれて、それを修飾し得る。例えば、安定しているmRNA分子(例えば、グロビン、アクチン、GAPDH、チューブリン、ヒストン、又はクエン酸サイクル酵素)からの3’又は5’配列は、センスmRNA核酸分子の3’及び/又は5’領域に組み込まれて、センスmRNA分子の安定性を増加させ得る。例えば、US2003/0083272を参照されたく、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。mRNA修飾のより詳細な説明は、US2017/0210698(A1)の57~68ページに見出すことができ、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0229】
H.鋳型核酸
本明細書に開示される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料、並びに方法は、鋳型核酸を含み得る。鋳型は、Casヌクレアーゼ、例えば、クラス2 CasヌクレアーゼなどのRNA誘導DNA結合タンパク質の標的部位又はその近くに核酸配列を改変又は挿入するために使用され得る。いくつかの実施形態では、方法は、細胞に鋳型を導入することを含む。いくつかの実施形態では、単一の鋳型が提供され得る。いくつかの実施形態では、編集が2つ以上の標的部位で起こり得るように、2つ以上の鋳型が提供され得る。例えば、細胞内の単一の遺伝子、又は細胞内の2つの異なる遺伝子を編集するために、異なる鋳型が提供され得る。
【0230】
いくつかの実施形態では、鋳型は、相同組換えで使用され得る。いくつかの実施形態では、相同組換えは、標的核酸分子への鋳型配列又は鋳型配列の一部分の組み込みをもたらし得る。いくつかの実施形態では、鋳型は、核酸内の切断部位におけるDNA鎖の侵入を伴う相同性指向修復に使用され得る。いくつかの実施形態では、相同性指向修復は、編集された標的核酸分子に鋳型配列を含めることをもたらし得る。いくつかの実施形態では、鋳型は、非相同末端結合によって媒介される遺伝子編集に使用され得る。いくつかの実施形態では、鋳型配列は、切断部位の近くの核酸配列と類似性を有していない。いくつかの実施形態では、鋳型又は鋳型配列の一部分が組み込まれる。いくつかの実施形態では、鋳型は、隣接する逆位末端反復(ITR)配列を含む。
【0231】
いくつかの実施形態では、鋳型配列は、標的細胞の内因性配列に対応するか、それを含むか、又はそれから構成され得る。それはまた、又は代替的に、標的細胞の外因性配列に対応するか、それを含むか、又はそれから構成され得る。本明細書で使用される場合、「内因性配列」という用語は、細胞にとって天然である配列を指す。「外因性配列」という用語は、細胞にとって天然ではない配列、又は細胞のゲノム内の天然の場所が異なる場所にある配列を指す。いくつかの実施形態では、内因性配列は、細胞のゲノム配列であり得る。
【0232】
いくつかの実施形態では、内因性配列は、染色体配列又は染色体外配列であり得る。いくつかの実施形態では、内因性配列は、細胞のプラスミド配列であり得る。
【0233】
いくつかの実施形態では、鋳型は、隣接する逆末端反復(ITR)配列を含有するssDNA又はdsDNAを含有する。いくつかの実施形態では、鋳型は、ベクター、プラスミド、ミニサークル、ナノサークル、又はPCR産物として提供される。
【0234】
いくつかの実施形態では、核酸は、精製される。いくつかの実施形態では、核酸は、沈殿方法(例えば、LiCl沈殿、アルコール沈殿、又は同等の方法、例えば、本明細書に説明される方法)を使用して精製される。いくつかの実施形態では、核酸は、HPLCベースの方法又は同等の方法(例えば、本明細書に説明される)などの、クロマトグラフィーベースの方法を使用して精製される。いくつかの実施形態では、核酸は、沈殿方法(例えば、LiCl沈殿)及びHPLCベースの方法の両方を使用して精製される。いくつかの実施形態では、核酸は、接線流濾過(TFF)によって精製される。
【0235】
IV.LNPを製造する方法
脂質ナノ粒子を製造する方法は、当技術分野で公知である。いくつかの実施形態では、説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、マイクロ流体を使用して製造される。例えば、脂質ナノ粒子を形成するためにマイクロ流体を使用する例示的な方法は、Leung,A.K.K,et al.,J Phys Chem,116:18440-18450(2012)、Chen,D.,et al.,J Am Chem Soc,134:6947-6951(2012)、及びBelliveau,N.M.,et al.,Molecular Therapy-Nucleic Acids,1:e37(2012)に説明されており、それらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0236】
簡潔に述べると、本明細書に説明されるカーゴなどのカーゴは、第1の緩衝溶液中で調製される。他の脂質ナノ粒子構成成分(イオン化可能な脂質、コンジュゲート-リンカー脂質、コレステロール、及びリン脂質など)は、第2の緩衝液中で調製される。いくつかの実施形態では、シリンジポンプは、2つの溶液をマイクロ流体デバイス内に導入する。2つの溶液は、マイクロ流体デバイス内で接触して、カーゴをカプセル化する脂質ナノ粒子を形成する。
【0237】
開示された脂質ナノ粒子をスクリーニングする方法は、国際特許出願第PCT/US2018/058171号に説明されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、スクリーニング方法は、媒体送達調製物を特性評価して、所望の指向性を有し、かつ特定の細胞の細胞質に機能カーゴを送達する調製物を特定する。いくつかの実施形態では、スクリーニング方法は、細胞に送達されたときに検出され得る機能を有するレポーターを使用する。例えば、細胞内の機能レポーターを検出することは、LNP調製物が細胞に機能カーゴを送達することを示す。とりわけ、いくつかの実施形態では、化学組成物識別子は、各異なる送達媒体製剤に特異的な化学組成物の追跡を続けるために、各異なる送達媒体製剤に含まれる。いくつかの実施形態では、化学組成物識別子は、核酸バーコードである。いくつかの実施形態では、核酸バーコードの配列は、それが装填されるLNP調製物を製剤化するために使用された化学構成成分と対になり、その結果、核酸バーコードが配列決定されたとき、バーコードを送達した送達媒体の化学組成が特定される。代表的なバーコードとしては、限定されるものではないが、Sago,2018 PNAS,Sago,JACS 2018によって説明されるバーコードが挙げられ、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。代表的なレポーターとしては、限定されるものではないが、siRNA、mRNA、ヌクレアーゼタンパク質、ヌクレアーゼmRNA、小分子、エピジェネティック修飾剤、及び表現型修飾剤が挙げられる。DNA(ゲノム及びDNAバーコード)は、QuickExtract(Lucigen)を使用して単離され、Sago et al.PNAS 2018、Sago et al.JACs 2018、Sago,Lokugamage et al.Nano Letters 2018によって説明されるようにIllumina MiniSeqを使用して配列決定され得、それらの開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
【0238】
V.使用方法
とりわけ、本開示は、本明細書に説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を使用する方法を説明する。例えば、いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に説明されるように、特定の細胞、組織、又は臓器にカーゴを送達するために、組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を使用する方法を説明する。別の例として、いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を使用する、疾患又は障害の治療の方法、並びに/又は疾患若しくは障害の進行を遅延及び/若しくは停止する方法を説明する。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、医薬品で使用するためのものである。
【0239】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、特定の細胞又は臓器への治療剤又は予防剤の送達を必要とする対象においてそれを行う。いくつかの実施形態では、組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、標的化リガンドの非存在下で、特定の細胞又は臓器への治療剤又は予防剤の送達を必要とする対象においてそれを行う。いくつかの実施形態では、組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、疾患の治療又は予防を必要とする対象において、それを行うために有用である。
【0240】
A.細胞、組織、又は臓器にカーゴを送達する方法
とりわけ、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、特定のタイプの細胞又はクラスの細胞(例えば、特定の臓器又はその系の細胞)、組織、及び臓器を標的とする。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に説明される1つ以上のカーゴの送達を必要とする対象においてそれを行う方法を提供する。いくつかの実施形態では、そのような方法は、インビボ及び/又はインビトロ送達を含む。いくつかの実施形態では、そのような方法は、インビボ送達を含む。いくつかの実施形態では、そのような方法は、インビトロ送達を含む。いくつかの実施形態では、本開示は、1つ以上の治療用及び/又は予防用核酸の送達を必要とする対象にそれを行う方法を提供し、本明細書に説明される。
【0241】
いくつかの実施形態では、組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ粒子は、対象の肝臓細胞に特異的に送達され得る、関心対象の治療及び/又は予防を含む。例示的な肝臓細胞としては、限定されるものではないが、肝細胞が挙げられる。
【0242】
いくつかの実施形態では、組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ粒子は、対象の脾臓細胞に特異的に送達され得る、関心対象の治療及び/又は予防を含む。例示的な脾臓細胞としては、限定されるものではないが、脾臓単球、脾臓T細胞、脾臓メモリーB細胞、又は脾臓B細胞が挙げられる。
【0243】
いくつかの実施形態では、組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ粒子は、対象の骨髄細胞に特異的に送達され得る、関心対象の治療及び/又は予防を含む。例示的な骨髄細胞としては、限定されるものではないが、骨髄単球、骨髄B細胞、骨髄メモリーB細胞、又は骨髄T細胞が挙げられる。
【0244】
いくつかの実施形態では、組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ粒子は、対象の免疫細胞に特異的に送達され得る、関心対象の治療及び/又は予防を含む。例示的な免疫細胞としては、限定されるものではないが、CD8+、CD4+、又はCD8+CD4+細胞が挙げられる。
【0245】
いくつかの実施形態では、組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ粒子は、対象の造血幹細胞に特異的に送達され得る、関心対象の治療及び/又は予防を含む。別段の指定がない限り、「造血幹細胞(HSC)」及び「造血幹細胞及び前駆細胞(HSPC)」という用語は、本開示において互換的に使用されることが理解される。
【0246】
いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子は、標的化リガンドの非存在下で、哺乳動物肝臓肝細胞、肝臓免疫細胞、脾臓T細胞、又は肺内皮細胞に送達されるように製剤化され得る。特定のクラス又はタイプの細胞への特異的送達は、より高い割合の脂質ナノ粒子が、細胞の標的タイプ又はクラスに送達されることを示す。いくつかの実施形態では、特定の送達は、従来のナノ粒子系(例えば、MC3-含有LNP)を使用した送達と比較して、2倍、5倍、10倍、15倍、又は20倍超をもたらし得る。
【0247】
B.ポリペプチドを産生する方法
とりわけ、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を使用する方法は、ポリペプチドを産生する方法に使用される。とりわけ、いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子は、標的細胞内におけるポリペプチドの産生を必要とする対象においてそれを行うために使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子は、標的細胞内におけるポリペプチドの産生を必要とする対象においてそれを行うために使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料は、細胞に送達される1つ以上の核酸配列を含む。
【0248】
いくつかの実施形態では、1つ以上の核酸は、細胞内で発現される。いくつかの実施形態では、核酸配列の発現は、(1)DNA配列からのRNA鋳型の産生(例えば、転写による)、(2)RNA転写物の処理(例えば、スプライシング、編集、5’キャップ形成、及び/又は3’末端形成による)、(3)ポリペプチド若しくはタンパク質へのRNAの翻訳、及び/又は(4)ポリペプチド若しくはタンパク質の翻訳後修飾のうちの1つ以上を伴う。
【0249】
C.遺伝子調節の方法
とりわけ、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を使用する方法は、遺伝子調節に使用される。とりわけ、いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子は、標的細胞内における遺伝子発現の低減及び/又は増加を必要とする対象においてそれを行うために使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子は、標的化リガンドなしで、対象の標的細胞に1つ以上の核酸を送達し得る。いくつかの実施形態では、核酸は、阻害核酸である。いくつかの実施形態では、阻害核酸は、siRNAである。いくつかの実施形態では、核酸は、本明細書に説明される核酸である。別の例として、いくつかの実施形態では、本明細書に説明される脂質ナノ粒子は、標的化リガンドなしで、対象の標的細胞にカーゴを送達し得る。いくつかの実施形態では、カーゴは、本明細書に説明される任意のカーゴである。
【0250】
とりわけ、いくつかの実施形態では、本明細書に開示される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を使用して、細胞内における遺伝子の編集を必要とする対象においてそれを行う方法。
【0251】
いくつかの実施形態では、遺伝子調節のために標的化される細胞は、免疫細胞である。免疫細胞は、CD8+T細胞、CD4+T細胞、又はT制御性細胞などの、T細胞であり得る。遺伝子編集のための他の例示的な免疫細胞としては、限定されるものではないが、マクロファージ、樹状細胞、B細胞、又はナチュラルキラー細胞が挙げられる。いくつかの実施形態では、肝細胞における遺伝子調節のために標的化される細胞。
【0252】
標的化され得る例示的な遺伝子としては、限定されるものではないが、T細胞受容体、B細胞受容体、CTLA4、PD1、FOXO1、FOXO3、AKT、CCR5、CXCR4、LAG3、TIM3、キラー免疫グロブリン様受容体、GITR、BTLA、LFA-4、T4、LFA-1、Bp35、CD27L受容体、TNFRSF8、TNFRSF5、CD47、CD52、ICAM-1、LFA-3、L-セレクチン、Ki-24、MB1、B7、B70、M-CSFR、TNFR-II、IL-7R、OX-40、CD137、CD137L、CD30L、CD40L、FasL、TRAIL、CD257、LIGHT、TRAIL-R1、TRAILR2、TRAIL-R4、TWEAK-R、TNFR、BCMA、B7DC、BTLA、B7-H1、B7-H2、B7-H3、ICOS、VEGFR2、NKG2D、JAG1、GITR、CD4、CCR2、GATA-3、MTORC1、MTORC2、RAPTOR、GATOR、FOXP3、NFAT、IL2R、及びIL7が挙げられる。標的化され得る他の例示的な遺伝子としては、限定されるものではないが、OCT、G6Pase、Mut、PCCA、PCCB、PCSK9、ALAS1、及びPAHが挙げられる。T細胞によって認識され得、標的化が企図される例示的な腫瘍関連抗原としては、限定されるものではないが、MAGE1、MAGE3、MAGE6、BAGE、GAGE、NYESO-1、MART1/Melan A、MC1R、GP100、チロシナーゼ、TRP-1、TRP-2、PSA、CEA、Cyp-B、Her2/Neu、hTERT、MUC1、PRAME、WT1、RAS、CDK-4、MUM-1、KRAS、MSLN、及びβ-カテニンが挙げられる。
【0253】
D.治療される対象
いくつかの実施形態では、治療される対象は、がん、自己免疫疾患、感染症、臓器移植、臓器不全、タンパク質欠損症、又はそれらの組み合わせを経験する哺乳動物である。いくつかの実施形態では、対象は、ヒトである。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される方法は、肝細胞に特定のタンパク質を翻訳させ得る。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される方法は、1つ以上のDNA、mRNA、sgRNA、又はsiRNAを肝細胞に送達するために使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される方法は、1つ以上のDNA、mRNA、sgRNA、又はsiRNAを脾臓T細胞に送達するために使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される方法は、1つ以上のDNA、mRNA、sgRNA、又はsiRNAを脾臓B細胞に送達するために使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される方法は、1つ以上のDNA、mRNA、sgRNA、又はsiRNAを脾臓単球に送達するために使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される方法は、1つ以上のDNA、mRNA、sgRNA、又はsiRNAを骨髄細胞に送達するために使用され得る。
【0254】
特定のアクションを実施するためのステップの順序又は順序は、本発明が運用可能なままである限り、重要ではない。更に、2つ以上のステップ又はアクションが同時に行われてもよい。
【0255】
本発明は、特定の好ましい実施形態を参照して具体的に示され、説明されてきたが、当業者によって、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更がその中で行われ得ることが理解されるべきである。
【実施例】
【0256】
例示
本開示は、本明細書に説明される組成物、調製物、製剤、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を例示する。本開示はまた、本明細書に説明される組成物、調製物、製剤、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を調製、特性評価、及び検証する方法を例示する。
【0257】
実施例1:材料及び方法
本実施例は、本明細書に説明される特定の組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を調製、特性評価、及び検証する例示的な材料及び方法を提供する。本実施例の詳細な説明は、参照により本明細書に組み込まれるWO2022/140252の実施例1に見出され得る。
【0258】
実施例2:スクリーニング当たりの効力
本実施例は、本明細書に説明されるそのような組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料の効力をスクリーニングするための例示的な組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料、並びに材料及び方法を提供する。WO2022/140252の実施例1に説明される例示的なLNPスクリーニングが、LNPの各プールが多くの組織にわたって非常に強力であることを実証するために使用され得る。
【0259】
実施例3:例示的なLNP調製物及び様々な細胞型への送達
本実施例は、本明細書に説明される様々な細胞型に送達するための例示的なLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。本実施例は、いくつかの実施形態では、提供される脂質が様々な細胞型への送達を示すことを実証するために使用され得る。
【0260】
実施例1のスクリーニングから導出された結果に基づいて、例示的なLNP調製物が、脾臓送達における使用のために、特にB細胞送達における使用のために特定される。これらの特定された脂質は、LNP調製物に製剤化され、本明細書に説明されるCreレポーター系を使用してスクリーニングされる。群当たり3匹のAi14マウスが使用される。ペイロードは、0.3mg/kgのCre mRNAを含む。データは、注射の168時間後に収集される。結果は、対照としてのMC3-LNP調製物と比較される。
【0261】
実施例4:例示的なLNP調製物は、様々な細胞型に送達される
本実施例は、本明細書に説明される様々な細胞型への送達を伴う例示的なLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。本実施例は、提供される脂質が様々な細胞型にわたる送達を示すことを実証するために使用され得る。
【0262】
LNP調製物は、本明細書に説明されるCreレポーター系及びAi14マウスモデルを使用して有効性の結果を確認するために選択される。各実験では、群当たり3匹のAi14マウスが使用される。データは、注射の72時間後に収集される。本明細書に説明されるスクリーニングプラットフォームは、LNP調製物を識別して、特定の細胞型に対してどのタイプのLNP調製物が最も強力であるかを決定し得る。
【0263】
実施例5:例示的なLNP調製物は、機能mRNAを送達する
本実施例は、機能mRNAを様々な細胞型に送達する例示的なLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。本実施例は、提供される脂質がマウスにおいて機能mRNAを送達することができることを実証するために使用され得る。
【0264】
例示的なLNP調製物は、マウスにおいて機能mRNAを送達する各調製物の能力を決定するように選択される。LNP調製物は、各々、0.15mg/kgのhEPO mRNAを担持し、2~3匹のC57BL6マウスにおいて11.7及び19の質量比で投与される。血漿中のhEPO発現は、LNP調製物の注射の6時間後に測定される。
【0265】
実施例6:忍容性及び有効性実験
本実施例は、本明細書に説明される組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を調製、特性評価、及び検証する例示的な材料及び方法を提供する。本実施例は、提供される脂質がマウスにおいて機能mRNAを送達することができることを実証するために使用され得る。
【0266】
例示的なLNP調製物は、本明細書に説明されるラットにおけるhEPO mRNA送達の忍容性及び有効性を決定するように選択される。1.0mg/kgのhEPO mRNAを含有する各LNP調製物が、Sprague-Dawleyラット(N=2)に注射される。アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)が、各例示的なLNP調製物について、注射の24時間後にラット血漿(U/L)から収集される。単球走化性タンパク質-1(MCP-1)が、各LNP調製物について注射の6時間後にラット血漿(ng/mL)から収集される。生理食塩水が対照として使用される。媒体(対照)及び例示的なLNP調製物を注射後の様々な時点(0、2、4、6、24、48、96時間)にわたって投与した後に、hEPOがラット血漿(ng/mL)から収集される。
【0267】
実施例7:イオン化可能な脂質の合成
本実施例は、本明細書に説明されるイオン化可能な脂質を調製、特性評価、及び検証する例示的な材料及び方法を提供する。以下の実施例に説明されるように、特定の例示的な実施形態では、化合物は、以下の一般的な手順に従って調製される。一般的な方法は、本開示の特定の化合物の合成を示すが、以下の一般的な方法及び当業者に公知の他の方法は、本明細書に説明されるように、これらの化合物の各々の全ての化合物並びにサブクラス及び種に適用され得ることが理解されるであろう。
【0268】
一般的な注釈:別段の記載がない限り、全ての反応を、磁気撹拌付きフラスコ又はバイアル中の窒素雰囲気下で無水グレードの溶媒を使用して行った。無水溶媒をSigma-Aldrichから購入し、受容したまま使用した。フラッシュカラムクロマトグラフィーを、プレパック型シリカゲルカートリッジを備えたBiotage Selekt又はTeledyne-Isco Combiflash Nextgen300+を使用して実施した。薄層クロマトグラフィーをMerckシリカゲル60プレートを使用して実施し、化合物をヨウ素を使用して可視化した。核磁気共鳴(NMR)分光法を、Varian INOVA 500MHz又はBruker AVANCE 400MHz分光計のいずれかを使用して実施し、化学シフトは、CDCl3試料についてはδ=0.00ppm、DMSO試料については残留溶媒ピーク(δ=2.50ppm)におけるテトラメチルシランを基準として、δ百万分率(ppm)で報告されている。超高速液体クロマトグラフィー質量分析法(UPLC-MS)を、QDa検出器(ESI+)を備えたWaters Acquity UPLC H-class Plusを使用して、以下の一般的な方法のうちの1つを使用して実施した。
【0269】
方法A(5分間の実行):カラム-XTERRA RP 18(4.6×50mm)、5μm、移動相:最初に50%[0.1%HCOOHの水溶液]及び50%[0.1%HCOOHの(70:30)ACN:THF溶液]、次いで、2.65分間で2%[0.1%HCOOHの水溶液]及び98%[0.1%HCOOHの(70:30)ACN:THF溶液]、この移動相組成物を最大3.75分間保持し、最後に4.90分間で初期条件、すなわち、50%[0.1%HCOOHの水溶液]及び50%[0.1%HCOOH(70:30)ACN:THF溶液]に戻し、この移動相組成物を最大5.10分間保持した。流量=1.2mL/分。
【0270】
方法B1(12分間の実行):カラム-XTERRA RP 18(4.6×50mm)、5μm、(移動相:最初に80%[0.1%HCOOH水溶液]、及び20%[0.1%HCOOH(70:30)ACN:THF溶液]、この初期条件を0.75分間保持し、次いで、3.0分間で65%[0.1%HCOOH水溶液]及び35%[0.1%HCOOH(70:30)ACN:THF溶液]、次いで、6.0分間で2%[0.1%HCOOH水溶液]及び98%[0.1%HCOOH(70:30)ACN:THF溶液]、この移動相組成物を最大9.0分間保持し、最後に11.00分間で初期条件、すなわち、80%[0.1%HCOOH水溶液]及び20%[0.1%HCOOH(70:30)ACN:THF溶液]に戻し、この移動相組成物を最大12.10分間保持した。流量=1.2mL/分。
【0271】
方法B2(5分間の実行):カラム-XTERRA RP 18(4.6×50mm)、5μm、(移動相:最初に80%[0.1%HCOOH水溶液]、及び20%[0.1%HCOOH(70:30)ACN:THF溶液]、この初期条件を0.75分間保持し、次いで、3.0分間で65%[0.1%HCOOH水溶液]及び35%[0.1%HCOOH(70:30)ACN:THF溶液]、次いで、6.0分間で2%[0.1%HCOOH水溶液]及び98%[0.1%HCOOH(70:30)ACN:THF溶液]、この移動相組成物を最大9.0分間保持し、最後に4.90分間で初期条件、すなわち、80%[0.1%HCOOH水溶液]及び20%[0.1%HCOOH(70:30)ACN:THF溶液]に戻し、この移動相組成物を最大5.10分間保持した。流量=1.2mL/分。
【0272】
方法C(12分間の実行):カラム-XTERRA RP 18(4.6×50mm)、5μm、(移動相:最初に80%[0.1%HCOOH水溶液]、及び20%[0.1%HCOOH(70:30)ACN:THF溶液]、この初期条件を0.75分間保持し、次いで、3.0分間で65%[0.1%HCOOH水溶液]及び35%[0.1%HCOOH(70:30)ACN:THF溶液]、次いで、6.0分間で2%[0.1%HCOOH水溶液]及び98%[0.1%HCOOH(70:30)ACN:THF溶液]、この移動相組成物を最大9.0分間保持し、最後に11.00分間で初期条件、すなわち、80%[0.1%HCOOH水溶液]及び20%[0.1%HCOOH(70:30)ACN:THF溶液]に戻し、この移動相組成物を最大12.10分間保持した。流量=1.2mL/分。
略語のリスト
Ac:アセチル
ACN:アセトニトリル
d:ダブレット
DCC:N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM:ジクロロメタン
DIPEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP:4-(ジメチルアミノ)ピリジン
DMSO:ジメチルスルホキシド
EDC:N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩
Eq:当量
Et:エチル
i-Pr:イソプロピル
m:マルチプレット
Me:メチル
p:ペンテット
PPTS:p-トルエンスルホン酸ピリジニウム
q:カルテット
Rt:保持時間
s:シングレット
t:トリプレット
TBAF:テトラブチルアンモニウムフルオリド
TBS:tert-ブチルジメチルシリル
TEA:トリエチルアミン
THF:テトラヒドロフラン
【0273】
一般的合成
例示的な脂質を、例示のために実施例7-1を使用する以下の一般的合成スキームに従って調製した。
【化54】
【0274】
実施例7-1:3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩
【化55】
ステップ1:4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタンニトリル
一般的手順A:
p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(0.12g、0.48mmol、0.05当量)を含有するバイアルに、4,4-ジエチオキシブタンニトリル(1.5g、9.5mmol、1当量)及び1-オクタノール(3.7g、29mmol、3当量)を添加した。バイアルに緊密に蓋をし、得られた混合物を105℃で72時間加熱した。その後、混合物を室温まで冷却させた。粗物質を、ヘキサン中0~100%ジクロロメタンの勾配を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、無色の油として4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタンニトリル(1.08g、35%)を得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.87(t,J=6.7Hz,6H),1.17-1.41(m,20H),1.54-1.62(m,4H),1.88-1.98(m,2H),2.41(t,J=7.4Hz,2H),3.37-3.47(m,2H),3.54-3.64(m,2H),4.54(t,J=5.3Hz,1H).
【0275】
【化56】
ステップ2:4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタン酸
一般的手順B:
4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタンニトリル(2.3g、7.1mmol、1当量)を含有するバイアルに、水酸化カリウム(1.2g、21mmol、3当量)、続いて、エタノール(3.5mL)及び水(3.5mL)を添加した。バイアルに緊密に蓋をし、得られた混合物を110℃まで18時間加熱した。その後、混合物を室温まで冷却させた。混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、1M HClの添加によってpHを約5に調整した。得られた二相混合物を分離し、水相を酢酸エチル(2×20mL)で更に2回抽出した。有機抽出物を組み合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタン酸(1.1g、収率45%)を淡黄色の油として得た。
1HNMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 0.85(t,J=6.5Hz,6H),1.15-1.36(m,21H),1.46(q,J=6.7Hz,4H),1.72(q,J=7.0Hz,2H),2.21(t,J=7.5Hz,2H),3.32-3.39(m,1H),3.43-3.52(m,2H),4.45(t,J=5.5Hz,1H),12.05(s,1H).
【0276】
【化57】
ステップ3:3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩
一般的手順C:
DCM(50mL)中の(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸(5.5g、19.62mmol)の撹拌溶液に、EDC(5.64g、29.43mmol)、DMAP(48mg、3.92mmol)、及びDIPEA(10.27mL、58.87mmol)を添加した。得られた混合物を、25℃で30分間撹拌した。次いで、それに2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール(2.1g、19.62mmol)を添加し、25℃で16時間更に撹拌した。水(20mL)を添加し、混合物をDCM(2×100mL)で抽出した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。このようにして得られた粗化合物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、70%EtOAc-ヘキサンで溶出させて、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩(3.2g、44%)を無色の液体として得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.88(t,J=6.8Hz,3H),1.16-1.43(m,15H),1.51-1.76(m,2H),1.92-2.11(m,5H),2.32(t,J=7.6Hz,2H),2.39(s,1H),2.76(t,J=6.4Hz,2H),3.68-3.82(m,4H),4.24(d,J=6.3Hz,2H),5.26-5.43(m,4H).
【0277】
【化58】
ステップ4:3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩
一般的手順D:
DCM(30mL)中の4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタン酸(0.4g、1.16mmol)の撹拌溶液に、EDC(334mg、1.74mmol)、DMAP(28mg、0.233mmol)、及びDIPEA(0.5mL、2.90mmol)を添加した。得られた混合物を、25℃で30分間撹拌した。次いで、それに3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩(0.4g、1.16mmol)を添加し、25℃で16時間更に撹拌した。水(10mL)を添加し、混合物をDCM(2×50mL)で抽出した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。このようにして得られた粗化合物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、30%EtOAc-ヘキサンで溶出させて、3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩(231mg、30%)を無色の液体として得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.83-0.92(m,9H),1.15-1.43(m,38H),1.55-1.69(m,2H),1.93(q,J=7.0Hz,2H),2.04(q,J=7.0Hz,4H),2.19(t,J=6.8Hz,2H),2.31(t,J=7.6Hz,2H),2.40(t,J=7.4Hz,2H),2.76(t,J=6.3Hz,2H),3.34-3.44(m,2H),3.50-3.65(m,4H),4.17(t,J=5.7Hz,4H),4.48(t,J=5.5Hz,1H),5.14-5.54(m,4H).
【0278】
【化59】
ステップ5:デカン-1,4,-ジオール
一般的手順E:
0℃のTHF(15mL)中の5-ヘキシルジヒドロフラン-2(3H)-オン(2.0g、11.75mmol、1当量)の溶液に、水素化リチウムアルミニウム(35mL、THF中1M、35mmol、3当量)を滴加した。添加後、反応混合物を25℃まで加温させ、12時間撹拌した。次いで、水及び15%のNaOH(水溶液)を、0℃で反応混合物に添加した。15分間更に撹拌した後、混合物をセライトパッドに通して濾過した。セライトパッドをエーテル(100mL)で洗浄し、組み合わせられた濾液を濃縮した。粗物質を、ヘキサン中の0~50%酢酸エチルの勾配を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、デカン-1,4,-ジオール(1.6g、78%)を無色の液体として得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.90(t,J=6.3Hz,3H),1.23-1.39(m,6H),1.42-1.53(m,4H),1.67-1.75(m,4H),3.65-3.74(m,3H).
【0279】
【化60】
ステップ6:1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-オール
一般的手順F:
0℃のDCM(10mL)中のデカン-1,4,-ジオール(500mg、2.87mmol)の溶液に、イミダゾール(293mg、4.30mmol)及びtert-ブチルジメチルシリルクロリド(520mg、3.45mmol)を添加した。添加後、反応混合物を25℃まで加温し、2時間撹拌した。次いで、反応混合物を水(3mL)で希釈し、酢酸エチル(2×40mL)で抽出した。組み合わせられた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製物を、ヘキサン中の0~10%酢酸エチルの勾配を使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-オール(660mg、80%)を淡黄色の液体として得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.06(s,6H),0.85-0.90(m,11H),1.27(bs,8H),1.41-1.45(m,4H),1.59-1.67(m,4H),3.59(d,J=5.1Hz,1H),3.65(t,J=5.3Hz,2H).
【0280】
【化61】
ステップ7:1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩
一般的手順G:
DCM(3mL)中の1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-オール(100mg、0.35mmol)の溶液に、ピリジン(0.06mL、0.69mmol)、DMAP(13mg、0.10mmol)、及び4-ニトロフェニルカルボノクロリド酸塩(175mg、0.86mmol)を添加し、25℃で1時間撹拌した。次いで、2-(ピロリジン-1-イル)エタン-1-アミン(99mg、0.86mmol)及びDIPEA(0.18mL、1.04mmol)を添加し、25℃で12時間撹拌した。その後、反応混合物をジクロロメタン(40mL)で希釈し、1M炭酸ナトリウム(2×5mL)、水(5mL)、ブラインで洗浄し、最終的に無水Na
2SO
4で乾燥させた。得られたジクロロメタン層を濃縮し、DCM中の0~2%メタノールの勾配を使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩(123mg、73%)を得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.03(s,6H),0.84-0.87(m,12H),1.22-1.26(m,10H),1.49-1.58(m,6H),1.94-2.03(m,2H),2.66(bs,6H),3.33-3.35(m,2H),3.59-3.60(m,2H),4.73(s,1H),5.30(s,1H).
【0281】
【化62】
ステップ8:1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩
一般的手順H:
THF(10mL)中の1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩(1.5g、3.5mmol)の溶液に、THF(8.7mL、8.75mmol)中のTBAF 1(M)を窒素雰囲気下、0℃で添加した。反応物を25℃で8時間撹拌した。反応物を水(10mL)でクエンチし、10%MeOH-DCM(2×30mL)で抽出した。有機層をブライン(10mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。このようにして得られた粗物質を、コンビフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、10%MeOH-DCMで溶出させて、1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩(800mg、80%)を薄黄色の粘着性の液体として得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.86(t,J=6.6Hz,3H),1.17-1.39(m,8H),1.46-1.64(m,4H),1.65-1.82(m,4H),2.51(s,3H),2.47-2.62(m,3H),3.19-3.36(m,2H),3.47(s,3H),3.60-3.68(m,2H),4.75(s,1H),5.22(s,1H).
【0282】
【化63】
ステップ9:4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸
一般的手順J:
アセトン(30mL)中の1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩(1.01g、3.21mmol)の撹拌溶液に、Jones試薬(H
2SO
4中の2M CrO
3、1.93mL、3.85mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。完了時に、イソプロパノール(2mL)を添加し、混合物をセライトを通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。粗塊を水で希釈し、水層のpHを6に調整し、混合物を5%MeOH-DCM(3×40mL)で抽出した。組み合わせられた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸(872mg、82%)を薄緑色がかった粘着性の液体として得て、これを更に精製することなく使用した。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.86(s,3H),1.11-1.36(m,15H),1.38-1.75(m,3H),1.74-2.12(m,4H),2.13-2.19(m,1H),2.26-2.44(m,1H),2.65-2.88(m,1H),3.59-3.72(m,1H),3.86-4.38(m,1H),4.76(s,1H),5.29(s,1H).
【0283】
ステップ10:3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩(実施例7-1)
一般的手順K:
DCM(10mL)中の4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸(200mg、0.609mmol)の撹拌溶液に、DMAP(15mg、0.122mmol)及びDCC(188mg、00.91mmol)を添加した。得られた混合物を、25℃で30分間撹拌した。次いで、それに3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩(423mg、0.60mmol)を添加し、次いで、混合物を25℃で16時間更に撹拌した。水(20mL)を添加し、反応混合物をDCM(2×50mL)で抽出した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。このようにして得られた粗化合物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製して、2%MeOH-DCMで溶出させて、3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩(120mg、24%)を無色の液体として得た。UPLC-MS(方法B1):Rt5.72分、m/z計算値[M+H]:1005.8、実測値:1006.2。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.79-0.92(m,9H),1.17-1.41(m,49H),1.45-1.64(m,9H),1.64-1.85(m,3H),1.91(q,J=7.7Hz,6H),2.04(q,J=6.9Hz,4H),2.29(t,J=7.6Hz,2H),2.31-2.44(m,4H),2.76(t,J=6.6Hz,3H),2.81-2.99(m,3H),3.34-3.47(m,4H),3.50-3.60(m,2H),3.99-4.24(m,4H),4.47(t,J=5.5Hz,1H),4.74(s,1H),5.26-5.42(m,4H).
【化64】
【0284】
実施例7-2:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩
【化65】
ステップ1:4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタンニトリル
p-トルエンスルホン酸ピリジニウム(0.12g、0.48mmol、0.05当量)を含有するバイアルに、4,4-ジエチオキシブタンニトリル(1.5g、9.5mmol、1当量)及びシス-5-オクテン-1-オール(3.7g、29mmol、3当量)を添加した。バイアルに緊密に蓋をし、得られた混合物を105℃で72時間加熱した。その後、混合物を室温まで冷却させた。粗物質を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~100%ジクロロメタン)によって精製した。4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタンニトリル(1.14g、37%)を無色の油として得た。
1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ 5.43-5.27(m,4H),4.56(t,J=5.3Hz,1H),3.61(dt,J=9.3,6.6Hz,2H),3.44(dt,J=9.3,6.6Hz,2H),2.42(t,J=7.4Hz,2H),2.12-1.91(m,9H),1.66-1.54(m,5H),1.49-1.36(m,4H),0.96(t,J=7.6Hz,6H).
【0285】
【化66】
ステップ2:4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタン酸
4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタンニトリル(1.14g、3.54mmol、1当量)を含有するバイアルに、水酸化カリウム(0.60g、10.6mmol、3当量)、続いて、エタノール(3.5mL)及び水(3.5mL)を添加した。バイアルに緊密に蓋をし、得られた混合物を110℃まで18時間加熱した。その後、混合物を室温まで冷却させた。混合物を酢酸エチル(20mL)で希釈し、1M HClの添加によってpHを約5に調整した。得られた二相混合物を分離し、水相を酢酸エチル(2×20mL)で更に2回抽出した。有機抽出物を組み合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタン酸(1.16g、収率96%)を粘着性の白色固体として得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 5.41-5.24(m,4H),4.45(t,J=5.6Hz,1H),3.51(dt,J=9.0,6.7Hz,2H),3.39(dt,J=9.0,6.7Hz,2H),2.17(t,J=7.6Hz,2H),2.08-1.98(m,8H),1.81(q,J=7.3Hz,2H),1.59-1.52(m,4H),1.44-1.32(m,4H),0.94(t,J=7.5Hz,6H).
【0286】
【化67】
ステップ3:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩
ジクロロメタン(10mL)中の4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタン酸(591mg、1当量、1.74mmol)の混合物に、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩(640mg、1当量、1.74mmol)、DIPEA(673mg、904μL、3当量、5.21mmol)、及びDMAP(42.4mg、0.2当量、347μmol)を添加した。EDC(666mg、2当量、3.47mmol)を最後に添加し、23℃で18時間撹拌した。その後、反応混合物を濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中0~40%酢酸エチル)によって精製した。3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩(450mg、38%)を無色の油として得た。
1H NMR(500MHz、クロロホルム-d)δ 5.43-5.27(m,8H),4.49(t,J=5.5Hz,1H),4.23-4.12(m,4H),3.65-3.60(m,2H),3.58(dt,J=9.3,6.6Hz,2H),3.41(dt,J=9.3,6.6Hz,2H),2.81-2.73(m,2H),2.41(t,J=7.5Hz,2H),2.32(dd,J=7.9,7.2Hz,2H),2.25-2.15(m,2H),2.12-1.97(m,12H),1.94(ddd,J=8.0,7.2,5.5Hz,2H),1.67-1.53(m,8H),1.45-1.26(m,17H),0.96(t,J=7.6Hz,5H),0.92-0.87(m,3H).
【0287】
ステップ4:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩(実施例7-2)
一般的手順L:
DCM(2mL)中の4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸(50mg、0.15mmol)の撹拌溶液に、EDC(37.95mg、0.20mmol)、DMAP(3.93mg、0.03mmol)、3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩(115.71mg、0.16mmol)、及びDIPEA(0.10mL、0.60mmol)を添加した。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。完了時に、反応混合物を濃縮し、DCM(50mL)で希釈し、NaHCO
3の飽和溶液(2×25mL)、水(2×25mL)、及びブライン(2×15mL)で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗物質を、コンビフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、DCM中の0~5%メタノールで溶出させて、3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩(46mg、30%)を無色の液体として得た。UPLC-MS(方法A):Rt2.39分、m/z計算値[M+H]:1001.8、実測値:1001.8。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ0.87(q,J=6.7Hz,6H),0.94(t,J=7.5Hz,6H),1.19-1.46(m,28H),1.46-1.69(m,14H),1.82-1.96(m,7H),1.96-2.09(m,12H),2.29(t,J=7.6Hz,2H),2.33-2.44(m,5H),2.76(t,J=6.4Hz,2H),3.32-3.46(m,4H),3.51-3.61(m,2H),4.05-4.20(m,6H),4.47(t,J=5.4Hz,1H),4.67-4.81(m,1H),5.26-5.42(m,8H)
【化68】
【0288】
実施例7-3:15-(((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)メチル)-9-ヘキシル-2-メチル-7,12-ジオキソ-6,8,13-トリオキサ-2-アザヘキサデカン-16-イル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩
【化69】
ステップ1:1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(3-(ジメチルアミノ)プロピル)炭酸塩
DCM(20mL)中の1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-オール(1g、3.46mmol)の撹拌溶液に、ピリジン(0.56mL、6.93mmol)、DMAP(212mg、1.73mmol)、及び4-ニトロフェニルカルボノクロリド酸塩(1.75g、8.66mmol)を添加した。反応混合物を25℃で2時間撹拌した。次いで、3-(ジメチルアミノ)プロパン-1-オール(894mg、8.66mmol)及びDIPEA(1.85mL、10.39mmol)を添加し、更に25℃で12時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(200mL)で希釈し、1M炭酸ナトリウム(2×75mL)、水(75mL)、ブライン(50mL)で洗浄し、最終的に無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。このようにして得られた粗物質を、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、3~4%MeOH-DCMを溶出させて、1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(3-(ジメチルアミノ)プロピル)炭酸塩(480mg、33%)を無色の液体として得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ -0.11-0.20(m,6H),0.78-0.97(m,11H),1.14-1.41(m,14H),1.58-1.74(m,2H),1.79-1.87(m,2H),2.16-2.28(m,5H),2.35(t,J=7.3Hz,2H),3.49-3.74(m,2H),4.16(t,J=6.3Hz,2H),4.59-4.83(m,1H).
【0289】
【化70】
ステップ2:3-(ジメチルアミノ)プロピル(1-ヒドロキシデカン-4-イル)炭酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(3-(ジメチルアミノ)プロピル)炭酸塩に置き換えて、一般的手順Hに従って調製した。単離110mg、54%。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 0.85(t,J=7.0Hz,3H),1.16-1.32(m,9H),1.86-2.05(m,2H),2.64(s,6H),2.87-3.04(m,2H),3.16(d,J=5.2Hz,3H),3.28-3.42(m,2H),4.03-4.21(m,3H),4.44(t,J=4.7Hz,1H),4.57-4.68(m,1H),9.96(s,1H).
【0290】
【化71】
ステップ3:4-(((3-(ジメチルアミノ)プロポキシ)カルボニル)オキシ)デカン酸
1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を3-(ジメチルアミノ)プロピル(1-ヒドロキシデカン-4-イル)炭酸塩に置き換えて、一般的手順Jに従って調製した。UPLC-MS(方法A):Rt0.35分、m/z計算値[M+H]:318.2、実測値:318.3。
【0291】
ステップ4:15-(((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)メチル)-9-ヘキシル-2-メチル-7,12-ジオキソ-6,8,13-トリオキサ-2-アザヘキサデカン-16-イル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩(実施例7-3)
4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((3-(ジメチルアミノ)プロポキシ)カルボニル)オキシ)デカン酸に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離32mg、12%。UPLC-MS(方法A):Rt2.23分、m/z計算値[M+H]:990.8、実測値:990.7。
【化72】
【0292】
実施例7-4:12-(((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)メチル)-6-ヘキシル-4,9-ジオキソ-1-(ピロリジン-1-イル)-5,8,10-トリオキサ-3-アザトリデカン-13-イル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩
【化73】
ステップ1:1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)オクタン-2-オール
DCM(10mL)中のオクタン-1,2-ジオール(500mg、2.87mmol)の撹拌溶液に、イミダゾール(293mg、4.30mmol)及びtert-ブチルジメチルシリルクロリド(520mg、3.45mmol)を0℃で添加した。反応混合物を25℃で2時間撹拌した。完了時に、反応混合物を水(3mL)で希釈し、酢酸エチル(2×40mL)で抽出した。組み合わせられた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。このようにして得られた粗物質を、コンビフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、10%EtOAc-ヘキサンで溶出させて、1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)オクタン-2-オール(660mg、80%)を淡黄色の液体として得た。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.06(s,6H),0.78-1.00(m,12H),1.14-1.52(m,10H),2.41(d,J=3.3Hz,1H),3.37(dd,J=8.3,10.5Hz,1H),3.57-3.64(m,2H).
【0293】
【化74】
ステップ2:1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)オクタン-2-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-オールを1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)オクタン-2-オールに置き換えて、一般的手順Gに従って調製した。単離522mg、48%。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.04(s,6H),0.87(s,11H),1.25(m,6H),1.57-1.62(m,4H),1.75(s,4H),2.56(t,J=6.3Hz,2H),3.27(s,2H),3.62(d,J=5.0Hz,2H),4.72(s,1H),5.14(s,1H).
【0294】
【化75】
ステップ3:1-ヒドロキシオクタン-2-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)オクタン-2-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Hに従って調製した。単離130mg、65%。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ0.86(t,J=6.6Hz,3H),1.00(t,J=7.4Hz,1H),1.16-1.41(m,8H),1.41-1.61(m,3H),1.61-1.73(m,1H),1.83(s,4H),2.41-2.84(m,4H),3.23-3.34(m,1H),3.38(t,J=8.5Hz,1H),3.47(s,1H),3.58(dd,J=6.8,12.1Hz,1H),3.66-3.74(m,1H),4.77(s,1H),5.58(s,1H).
【0295】
ステップ4:12-(((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)メチル)-6-ヘキシル-4,9-ジオキソ-1-(ピロリジン-1-イル)-5,8,10-トリオキサ-3-アザトリデカン-13-イル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩(実施例7-4)
一般的手順M:
DCM(5mL)中の1-ヒドロキシオクタン-2-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩(50mg、0.17mmol)の撹拌溶液に、ピリジン(0.03mL、0.34mmol)、DMAP(4.2mg、0.03mmol)、及び4-ニトロフェニルカルボノクロリド酸塩(70.41mg、0.34mmol)を添加した。反応混合物を25℃で2時間撹拌した。次いで、3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩(145.7mg、0.21mmol)及びDIPEA(0.09mL、0.52mmol)を添加した。反応混合物を25℃で12時間更に撹拌した。完了時に、反応混合物を水(15mL)で希釈し、DCM(2×25mL)で抽出し、1M Na
2CO
3溶液(10mL)及びブライン(5mL)で洗浄した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。このようにして得られた粗化合物をコンビフラッシュカラムクロマトグラフィーに供して、5%MeOH-DCMで溶出させて、12-(((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)メチル)-6-ヘキシル-4,9-ジオキソ-1-(ピロリジン-1-イル)-5,8,10-トリオキサ-3-アザトリデカン-13-イル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩(50.32mg、29%)を淡黄色の液体として得た。UPLC-MS(方法B1):Rt5.53分、m/z計算値[M+H]:1007.8、実測値:1008.2。
【化76】
【0296】
実施例7-5:12-(((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)メチル)-6-ヘキシル-4,9-ジオキソ-1-(ピロリジン-1-イル)-5,8,10-トリオキサ-3-アザトリデカン-13-イル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩
3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-ヘプタデカ-9,12-ジエン酸塩に置き換えて、一般的手順Mに従って調製した。単離123mg、50%。UPLC-MS(方法A):Rt2.20分、m/z計算値[M+H]:1003.8、実測値:1004.0。
【化77】
【0297】
実施例7-6:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((8-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)オクタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸塩
【化78】
ステップ1:8-ヒドロキシオクチル 2-ブチルオクタン酸塩
一般的手順N:
DCM(5mL/0.5mmol)中の2-ブチルオクタン酸(1当量)の撹拌溶液に、DIPEA(3当量)、EDC(1.5当量)、及びDMAP(0.5当量)を25℃で添加した。反応混合物を15分間撹拌し、次いで、1,8-オクタンジオール(3.0当量)を添加し、更に25℃で16時間撹拌した。完了時に、反応混合物をDCM(2×50mL)で希釈し、飽和NaHCO
3溶液(2×25mL)、続いて、水及びブライン(25mL)で洗浄した。有機層を分離し、無水Na
2SO
4に通し、ロータリーエバポレーター下で乾燥させた。このようにして得られた粗物質を、コンビフラッシュクロマトグラフィーによって精製して、15~20%EtOAc-ヘキサンで溶出させて、8-ヒドロキシオクチル 2-ブチルオクタン酸塩(1.6g、49%)を無色の油として得た。.
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 0.82-0.91(m,6H),1.13-1.47(m,25H),1.49-1.69(m,4H),2.24-2.36(m,1H),3.63(q,J=5.8Hz,2H),4.05(t,J=6.6Hz,2H).
【0298】
【化79】
ステップ2:8-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)オクタン酸
1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を8-ヒドロキシオクチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換えて、一般的手順Jに従って調製した。単離1.4g(粗製)。
1H NMR(400MHz、DMSO-d
6)δ0.80~0.88(m、6H)、1.03~1.64(m、31H)、2.09~2.37(m、2H)、4.01(t、J=6.5Hz、2H)、11.95(s、1H)。
【0299】
【化80】
ステップ3:3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル 4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタン酸塩
(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸を4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタン酸に置き換えて、一般的手順Cに従って調製した。単離2.5g、47%。
1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 0.97(t,J=7.6Hz,6H),1.36-1.47(m,4H),1.50-1.67(m,6H),1.89-2.13(m,10H),2.15-2.33(m,1H),2.43(t,J=7.2Hz,2H),3.43(q,J=6.2Hz,2H),3.54-3.64(m,2H),3.69-3.92(m,4H),4.28(d,J=6.2Hz,2H),4.50(t,J=5.6Hz,1H),5.24-5.51(m,4H).
【0300】
【化81】
ステップ4:8-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-8-オキソオクチル 2-ブチルオクタン酸塩
3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル 4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタン酸塩に置き換え、4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタン酸を8-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)オクタン酸に置き換えて、一般的手順Dに従って調製した。単離150mg、46%。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ 0.85-0.96(m,14H),1.24-1.62(m,32H),1.91-2.41(m,16H),3.38-3.62(m,6H),4.03-4.17(m,6H),4.40-4.50(m,1H),5.31-5.35(m,4H)
【0301】
ステップ5:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((8-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)オクタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸塩(実施例7-6)
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を8-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-8-オキソオクチル 2-ブチルオクタノエートに置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離72mg、35%。UPLC-MS(方法A):Rt2.19分、m/z計算値[M+H]:1063.8、実測値:1064.0。
【化82】
【0302】
実施例7-7:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸塩
【化83】
ステップ1:7-ヒドロキシヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩
1,8-オクタンジオールを1,7-ヘプタンジオールに置き換えて、一般的手順Nに従って調製した。単離1.5g、49%。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.82-0.91(m,6H),1.18-1.33(m,12H),1.36-1.74(m,15H),2.24-2.36(m,1H),3.64(t,J=6.4Hz,2H),4.08(t,J=6.5Hz,2H).
【0303】
【化84】
ステップ2:7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタン酸
1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を7-ヒドロキシヘプチル2-ブチルオクタン酸塩に置き換えて、一般的手順Jに従って調製した。単離1.5g(粗製)。
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 0.79-0.88(m,6H),1.10-1.36(m,12H),1.32-1.61(m,8H),2.18(t,J=7.3Hz,2H),2.20-2.35(m,1H),4.00(t,J=6.3Hz,2H),11.97(s,1H).
【0304】
【化85】
ステップ3:7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩
3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル 4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタン酸塩に置き換え、4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタン酸を7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタン酸に置き換えて、一般的手順Dに従って調製した。単離120mg、45%。
1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.87(t,J=7.1Hz,6H),0.94(t,J=7.5Hz,6H),1.15-1.49(m,23H),1.56-1.72(m,9H),1.89-1.98(m,2H),1.97-2.09(m,8H),2.13-2.26(m,2H),2.27-2.45(m,5H),3.40(t,J=8.8Hz,2H),3.53-3.66(m,4H),4.05(t,J=6.8Hz,2H),4.17(d,J=5.2Hz,4H),4.48(t,J=6.0Hz,1H),5.12-5.67(m,4H).
【0305】
ステップ4:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸塩(実施例7-7)
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離105mg、47%。UPLC-MS(方法A):Rt2.04分、m/z計算値[M+H]:1049.8、実測値:1049.8。
【化86】
【0306】
実施例7-8:12-(((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)メチル)-6-ヘキシル-4,9,15-トリオキソ-1-(ピロリジン-1-イル)-5,8,10,14-テトラオキサ-3-アザドコサン-22-イル 2-ブチルオクタン酸塩
3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を8-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-8-オキソオクチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換えて、一般的手順Mに従って調製した。単離92mg、33%。UPLC-MS(方法A):Rt2.17分、m/z計算値[M+H]:1065.8、実測値:1066.2。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.82-0.91(m,12H),0.94(t,J=7.5Hz,4H),1.13-1.49(m,31H),1.49-1.67(m,10H),1.72-1.87(m,4H),1.86-1.96(m,3H),1.96-2.10(m,9H),2.23-2.47(m,8H),2.48-2.79(m,5H),3.23-3.45(m,4H),3.52-3.59(m,2H),4.04(t,J=6.6Hz,2H),4.07-4.18(m,5H),4.19(t,J=5.5Hz,2H),4.27(dd,J=3.2,11.6Hz,1H),4.47(t,J=5.5Hz,1H),4.84-5.08(m,1H),5.24-5.42(m,4H).
【化87】
【0307】
実施例7-9:12-(((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)メチル)-6-ヘキシル-4,9,15-トリオキソ-1-(ピロリジン-1-イル)-5,8,10,14-テトラオキサ-3-アザヘニコサン-21-イル 2-ブチルオクタン酸塩
3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換えて、一般的手順Mに従って調製した。単離92mg、33%。UPLC-MS(方法A):Rt2.18分、m/z計算値[M+H]:1051.8、実測値:1052.1。
【0308】
実施例7-10:16-(((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)メチル)-3-エチル-10-ヘキシル-8,13-ジオキソ-7,9,14-トリオキサ-3-アザヘプタデカン-17-イル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩
ステップ1:1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(3-(ジエチルアミノ)プロピル)炭酸塩
2-(ピロリジン-1-イル)エタン-1-アミンを3-(ジエチルアミノ)プロパン-1-オールに置き換えて、一般的手順Gに従って調製した。単離質量3.5g、収率56%。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.02(s,6H),0.87(s,9H),1.04(t,6H),1.20-1.37(m,6H),1.45-1.74(m,2H),1.85(t,2H),2.35-2.80(m,12H),3.51-3.69(m,2H),4.13-4.18(m,2H),4.60-4.82(m,1H),6.79(d,2H),8.13(d,1H).
【0309】
ステップ2:3-(ジエチルアミノ)プロピル(1-ヒドロキシデカン-4-イル)炭酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(3-(ジエチルアミノ)プロピル)炭酸塩に置き換えて、一般的手順Hに従って調製した。単離質量1.6g、収率49%。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ0.86(t、3H)、1.00(t、6H)、1.15~1.42(m、9H)、1.56~1.73(m、6H)、1.76~1.88(m、2H)、2.46~2.57(m、6H)、3.64(t、2H)、4.16(t、2H)、4.59~4.88(m、1H)。
【0310】
ステップ3:4-(((3-(ジエチルアミノ)プロポキシ)カルボニル)オキシ)デカン酸
1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を3-(ジエチルアミノ)プロピル(1-ヒドロキシデカン-4-イル)炭酸塩に置き換えて、一般的手順Jに従って調製した。単離質量400mg、粗製。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.86(t,3H),1.07-1.35(m,17H),1.44-1.62(m,2H),1.63-2.06(m,4H),2.15-2.30(m,1H),2.92-3.19(m,5H),4.09-4.18(m,2H),4.65(s,1H).
【0311】
ステップ4:16-(((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)メチル)-3-エチル-10-ヘキシル-8,13-ジオキソ-7,9,14-トリオキサ-3-アザヘプタデカン-17-イル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩(実施例7-10)
4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((3-(ジエチルアミノ)プロポキシ)カルボニル)オキシ)デカン酸に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量56.94mg、収率36%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt5.36分、MS計算値:1018.79[M+H]、MS実測値1019.01[M+H]。
【0312】
実施例7-11:3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸塩
ステップ1:7-ヒドロキシヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩
DCM(20mL)中の2-ブチルオクタン酸(2g、9.98mmol)の撹拌溶液に、EDC・HCl(2.67g、12.97mmol)、DMAP(244mg、1.99mmol)、DIPEA(5.2mL、29.95mmol)を添加した。反応混合物を25℃で30分間撹拌した。次いで、ヘプタン-1,7-ジオール(1.9g、14.97mmol)を反応混合物に添加し、16時間撹拌した。完了時に、反応混合物を水(150mL)で希釈し、DCM(2×100mL)で抽出した。組み合わせられた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、粗物質を得た。粗化合物を、コンビフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、ヘキサン中10%酢酸エチルで溶出させて、17(1.8g、57%)を無色の液体として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.84-0.86(m,6H),1.23(m,13H),1.42-1.46(m,4H),1.55-1.61(m,6H),2.26-2.29(m,1H),3.62(t,2H),4.05(t,2H).
【0313】
ステップ2:7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタン酸
アセトン(20mL)中の7-ヒドロキシヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩(1g、3.18mmol)の撹拌溶液に、Jones試薬(2.4mL、4.77mmol)を氷冷条件下で滴加した。冷却浴を除去し、2時間撹拌し続けた。完了時に、iPrOH(20mL)を添加し、混合物をCelite(登録商標)床を通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、粗塊を水(30mL)で希釈し、水層のpHを6~7に調整し、混合物を10%MeOH-DCM(3×60mL)で抽出した。組み合わせられた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮して、7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタン酸(900mg、粗製)を淡緑色の液体として得て、これを更なる精製なしで次のステップで使用した。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.82-0.84(m,6H),1.20-1.28(m,16H),1.40-1.54(m,8H),2.18(t,2H),2.26-2.27(m,1H),4.00(t,2H),11.96(s,1H).
【0314】
ステップ3:7-(3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩
3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換えて、一般的手順Dに従って調製した。単離質量580mg、42.73%。1H NMR(400MHz,クロロホルム-d)δ 0.84-0.87(m,12H),1.25-1.34(m,38H),1.52-1.61(m,5H),1.83-1.94(m,2H),2.16-2.19(m,1H),2.29 -2.41(m,5H),3.35-3.41(m,2H),3.52-3.64(m,4H),4.04(t,2H),4.11-4.17(m,4H),4.47(t,1H).
【0315】
ステップ4:3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸塩(実施例7-11)
7-(3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量93mg、30%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.30分、MS計算値:1053.82[M+H]、MS実測値1054.22[M+H]
【0316】
実施例7-12:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(3-ブチルヘプチル)ヘプタン二酸塩
3-((4,4-ビス((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)7-(3-ブチルヘプチル)ヘプタン二酸塩(WO2022/159472(A1)に説明される)に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量90mg、収率28%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.19分、MS計算値:1035.77[M+H]、MS実測値1036.20[M+H]。
【0317】
実施例7-13:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩
7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩を1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩(WO2022/159472(A1)に説明される)に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量85.88mg、収率27%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.20分、MS計算値:1063.81[M+H]、MS実測値1065.29[M+H]。
【0318】
実施例7-14:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(3-ヘキシルノニル)ヘプタン二酸塩
7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩を1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)7-(3-ヘキシルノニル)ヘプタン二酸塩(WO2022/159472(A1)に説明される)に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量78mg、収率23%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.26分、MS計算値:1091.84[M+H]、MS実測値1092.34[M+H]。
【0319】
実施例7-15:1-(3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩
ステップ1:3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル 4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタン酸塩
ヘプタン二酸塩
(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸を4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタン酸に置き換えて、一般的手順Cに従って調製した。単離質量1.8g、収率43%。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.85-0.88(m,6H),1.25(m,20H),1.52-1.54(m,4H),1.65(m,4H),1.90-1.95(m,2H),2.00-2.03(m,1H),2.40(t,2H),3.36-3.41(m,2H),3.52-3.64(m,3H),3.71-3.80(m,4H),4.24-4.29(m,2H),4.46-4.47(m,1H).
【0320】
ステップ2:1-(3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩
4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタン酸を7-オキソ-7-((3-ペンチルオクチル)オキシ)ヘプタン酸(WO2022/159472(A1)に説明される)に置き換え、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル 4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタン酸塩に置き換えて、一般的手順Dに従って調製した。単離質量327mg、収率37%。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.85-0.88(m,12H),1.24-1.26(m,40H),1.52-1.63(m,13H),1.89-1.94(m,2H),2.16-2.19(m,1H),2.26-2.33(m,4H),2.39(t,2H),3.36-3.41(m,2H),3.52-3.61(m,4H),4.04-4.08(m,2H),4.11-4.20(m,4H),4.46-4.48(m,1H).
【0321】
ステップ3:1-(3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩(実施例7-15)
7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩を1-(3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。淡黄色の液体として単離質量76mg、収率22%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.32分、MS計算値:1067.84[M+H]、MS実測値1068.34[M+H]。
【0322】
実施例7-16:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル(3-ヘキシルノニル)アジピン酸塩
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(3-ヘキシルノニル)アジピン酸塩(WO2022/159472(A1)に説明される)に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。濃い黄色の液体として単離質量82mg、収率25%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.24分、MS計算値:1077.82[M+H]、MS実測値1078.36[M+H]。
【0323】
実施例7-17:3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル(3-ヘキシルノニル)アジピン酸塩
ステップ1:3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(3-ヘキシルノニル)アジピン酸塩
4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタン酸を6-((3-ヘキシルノニル)オキシ)-6-オキソヘキサン酸(WO2022/159472(A1)に説明される)に置き換え、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル 4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタン酸塩に置き換えて、一般的手順Dに従って調製した。黄色の液体として単離質量580mg、収率42.73%。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.84-0.87(m,12H),1.25-1.34(m,38H),1.52-1.61(m,5H),1.83-1.94(m,2H),2.16-2.19(m,1H),2.29 -2.41(m,5H),3.35-3.41(m,2H),3.52-3.64(m,4H),4.04(t,2H),4.11-4.17(m,4H),4.47(t,1H).
【0324】
ステップ2:3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル(3-ヘキシルノニル)アジピン酸塩(実施例7-17)
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を3-((4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(3-ヘキシルノニル)アジピン酸塩に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。無色ガムとして単離質量78mg、収率24%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.30分、MS計算値:1081.85[M+H]、MS実測値1082.42[M+H]。
【0325】
実施例7-18:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル)8-(3-ブチルヘプチル)オクタン二酸塩
3-((4,4-ビス((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)8-(3-ブチルヘプチル)オクタン二酸塩(WO2022/159472(A1)に説明される)に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量76mg、収率25%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.18分、MS計算値:1049.79[M+H]、MS実測値1050.30[M+H]。
【0326】
実施例7-19:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル)8-(3-ペンチルオクチル)オクタン二酸塩
3-((4,4-ビス((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)8-(3-ペンチルオクチル)オクタン二酸塩(WO2022/159472(A1)に説明される)に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量92mg、収率29%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.21分、MS計算値:1077.82[M+H]、MS実測値1078.36[M+H]。
【0327】
実施例7-20:12-(((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)メチル)-6-エチル-4,9,15-トリオキソ-1-(ピロリジン-1-イル)-5,10,14-トリオキサ-3-アザヘニコサン-21-イル 2-ブチルオクタン酸塩
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ヘキサン酸に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。黄色ゲルとして単離質量117mg、44%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.06分、MS計算値:993.72、MS実測値:994.03[M+H]。
【0328】
実施例7-21:12-(((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)メチル)-4,9,15-トリオキソ-6-プロピル-1-(ピロリジン-1-イル)-5,10,14-トリオキサ-3-アザヘニコサン-21-イル 2-ブチルオクタン酸塩
化合物は、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ヘプタン酸に置き換え、3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換えて、一般的手順Lに従って調製され得る。収量:119mg、44%、黄色の濃厚な液体。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.08分、MS計算値:1007.75、MS実測値:1008.24[M+H]。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.83-0.91(m,9H),0.91-0.97(m,6H),1.25-1.45(m,21H),1.46-1.65(m,15H),1.84-1.96(m,7H),1.95-2.09(m,9H),2.24-2.32(m,3H),2.33-2.45(m,5H),2.47-3.07(m,7H),3.34-3.44(m,4H),3.51-3.61(m,2H),4.01-4.14(m,8H),4.47(t,1H),4.71-4.80(m,1H),5.24-5.41(m,4H).
【0329】
実施例7-22:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)オクタン酸塩
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)オクタン酸(WO2022/159463(A1)に説明される)に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量87mg、33%、薄茶色のガム。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.11分、MS計算値:1021.77、MS実測値:1022.27[M+H]。
【0330】
実施例7-23:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ノナン酸塩
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ノナン酸(WO2022/159463(A1)に説明される)に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量81mg、29%、薄茶色のガム。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.15分、MS計算値:1035.78、MS実測値:1036.34[M+H]。
【0331】
実施例7-24:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ヘキサノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩
ステップ1:6-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘキサン-3-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-オールを6-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘキサン-3-オールに置き換えて、一般的手順Gに従って調製した。単離質量1.6g、収率45%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.03(s,6H),0.86-0.93(m,13H),1.53-1.62(m,8H),2.62-2.93(m,7H),3.27-3.43(m,2H),3.57-3.62(m,2H),4.67-4.73(m,1H),5.38-5.62(m,1H).
【0332】
ステップ2:6-ヒドロキシヘキサン-3-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を6-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘキサン-3-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Hに従って調製した。単離質量900mg、収率93%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.90(t,3H),1.54-1.62(m,5H),1.73-1.81(m,4H),1.88-1.99(m,2H),2.42-2.57(m,4H),2.60(s,2H),3.19-3.37(m,2H),3.62-3.67(m,2H),4.64-4.74(m,1H),5.21-5.28(m,1H).
【0333】
ステップ3:4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ヘキサン酸
1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を6-ヒドロキシヘキサン-3-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Jに従って調製した。単離質量700mg、粗製。UPLC-MS:カラム-XTERRA RP 18(4.6×50mm)、5μ、(移動相:最初に50%[0.1%HCOOHの水溶液]及び50%[0.1%HCOOHの(70:30)ACN:THF溶液]、次いで、1.2分間で2.0%[0.1%HCOOHの水溶液]及び98%[0.1%HCOOHの(70:30)ACN:THF溶液]、この移動相組成物を最大2.50分間保持し、次いで、0.47分間で、初期組成物、すなわち、50%[0.1%HCOOHの水溶液]及び50%[0.1%HCOOHの(70:30)ACN:THF]に戻し、この移動相組成物を最大12.10分間保持した。流量=1.2mL/分。Rt0.47分、MS計算値:273.18、MS実測値:273.54[M+H]。
【0334】
ステップ4:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ヘキサノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩(実施例7-24)。
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を1-3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩(WO2022/159472(A1)に説明される)に置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ヘキサン酸に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量110mg、収率41%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.11分、MS計算値:1007.75、MS実測値:1008.13[M+H]。
【0335】
実施例7-25:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩
ステップ1:1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-オールを1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタン-4-オールに置き換えて、一般的手順Gに従って調製した。単離質量4g、収率64%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.03(s,6H),0.85-0.93(m,12H),1.24-1.32(m,2H),1.46-1.62(m,6H),1.98-2.05(m,4H),3.04(s,4H),3.48(s,2H),3.52-3.62(m,4H),4.65-4.79(m,1H),5.66-5.99(m,1H).
【0336】
ステップ2:1-ヒドロキシヘプタン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ヘプタン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Hに従って調製した。単離質量1.8g、収率85%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.88(t,3H),1.23-1.51(m,4H),1.56-1.64(m,4H),1.86-2.04(m,4H),2.67-3.05(m,6H),3.36-3.53(m,2H),3.59-3.64(m,2H),4.73-4.78(m,1H),5.93-5.97(m,1H).
【0337】
ステップ3:4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ヘプタン酸
1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-ヒドロキシヘプタン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Jに従って調製した。単離質量1.3g、収率73%。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.87(t,3H),1.24-1.31(m,2H),1.41-1.50(m,2H),1.64-1.70(m,1H),1.73-1.89(m,3H),1.93-2.05(m,2H),2.19-2.29(m,2H),2.87-3.01(m,2H),3.17(s,2H),3.48-3.61(m,2H),4.57-4.75(m,1H),10.32-10.60(m,1H),12.08(s,1H).
【0338】
ステップ4:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩(実施例7-25)。
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を1-3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩(WO2022/159472(A1)に説明される)に置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ヘプタン酸に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量150mg、収率55%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.13分、MS計算値:1021.77、MS実測値:1022.15[M+H]
【0339】
実施例7-26:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)オクタノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩
ステップ1:1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)オクタン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-オールを1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)オクタン-4-オールに置き換えて、一般的手順Gに従って調製した。単離質量1.3g、収率47%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.04(s,6H),0.85-0.91(m,12H),1.22-1.30(m,4H),1.48-1.60(m,6H),1.77-1.81(m,4H),2.49-2.66(m,6H),3.28-3.34(m,2H),3.57-3.61(m,2H),4.60-4.80(m,1H),5.12-5.30(m,1H).
【0340】
ステップ2:1-ヒドロキシオクタン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)オクタン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Hに従って調製した。単離質量750mg、収率94%。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.85(t,3H),1.18-1.30(m,5H),1.33-1.52(m,6H),1.64-1.76(m,4H),2.53-2.65(m,4H),3.06-3.20(m,3H),3.32-3.35(m,2H),4.27-4.48(m,1H),4.56-4.81(m,1H),6.94(s,1H)
【0341】
ステップ3:4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)オクタン酸
1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-ヒドロキシオクタン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Jに従って調製した。単離質量620mg、粗製。UPLC-MS:カラム-XTERRA RP 18(4.6×50mm)、5μ、(移動相:最初に50%[0.1%HCOOHの水溶液]及び50%[0.1%HCOOHの(70:30)ACN:THF溶液]、次いで、1.2分間で2.0%[0.1%HCOOHの水溶液]及び98%[0.1%HCOOHの(70:30)ACN:THF溶液]、この移動相組成物を最大2.50分間保持し、次いで、2.85分間で、初期組成物、すなわち、50%[0.1%HCOOHの水溶液]及び50%[0.1%HCOOHの(70:30)ACN:THF]に戻し、この移動相組成物を最大3.00分間保持した。流量=1.5mL/分。Rt0.34分、MS計算値:301.21、MS実測値:301.48[M+H]。
【0342】
ステップ4:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)オクタノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩(実施例7-26)。
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を1-3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩(WO2022/159472(A1)に説明される)に置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)オクタン酸に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量118mg、収率43%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.18分、MS計算値:1035.78、MS実測値:1036.18[M+H]。
【0343】
実施例7-27:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ノナノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩
ステップ1:1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ノナン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-オールを1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ノナン-4-オールに置き換えて、一般的手順Gに従って調製した。単離質量4g、収率75%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.05(s,6H),0.85-0.92(m,12H),1.25-1.35(m,6H),1.45-1.63(m,6H),1.78-1.87(m,4H),2.51-2.68(m,6H),3.25-3.37(m,2H),3.59-3.64(m,2H),4.73-4.78(m,1H),5.15-5.27(m,1H).
【0344】
ステップ2:1-ヒドロキシノナン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ノナン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Hに従って調製した。単離質量1.7g、収率78%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.84(t,3H),0.98(t,2H),1.22-1.29(m,5H),1.35-1.50(m,3H),1.61-1.69(m,2H),1.79-1.86(m,4H),2.68-2.73(m,3H),2.94-3.13(m,2H),3.22-3.37(m,4H),3.57-3.61(m,2H),4.69-4.73(m,1H),5.62-5.66(m,1H).
【0345】
ステップ3:4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ノナン酸
1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-ヒドロキシノナン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Jに従って調製した。単離質量1.4g、粗収率。UPLC-MS:カラム-XTERRA RP 18(4.6×50mm)、5μ、(移動相:最初に50%[0.1%HCOOHの水溶液]及び50%[0.1%HCOOHの(70:30)ACN:THF溶液]、次いで、1.2分間で2.0%[0.1%HCOOHの水溶液]及び98%[0.1%HCOOHの(70:30)ACN:THF溶液]、この移動相組成物を最大2.50分間保持し、次いで、2.85分間で、初期組成物、すなわち、50%[0.1%HCOOHの水溶液]及び50%[0.1%HCOOHの(70:30)ACN:THF]に戻し、この移動相組成物を最大3.10分間保持した。流量=1.5mL/分。Rt0.34分、MS計算値:315.23、MS実測値:315.51[M+H]。
【0346】
ステップ4:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ノナノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩(実施例7-27)。
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を1-3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩(WO2022/159472(A1)に説明される)に置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ノナン酸に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量139mg、収率49%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.19分、MS計算値:1049.80、MS実測値:1050.24[M+H]。
【0347】
実施例7-28:12-(((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)メチル)-6-メチル-4,9,15-トリオキソ-1-(ピロリジン-1-イル)-5,10,14-トリオキサ-3-アザヘニコサン-21-イル 2-ブチルオクタン酸塩
ステップ1:5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ペンタン-2-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-オールを5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ペンタン-2-オールに置き換えて、一般的手順Gに従って調製した。黄色の液体として単離質量1.6g、収率32%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.03(s,6H),0.85-0.93(m,9H),1.21(d,3H),1.53-1.59(m,4H),1.72-1.83(m,4H),2.45-2.71(m,6H),3.23-3.36(m,2H),3.57-3.62(m,2H),4.69-4.84(m,1H),5.14-5.37(m,1H).
【0348】
ステップ2:5-ヒドロキシペンタン-2-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を5-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)ペンタン-2-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Hに従って調製した。淡黄色の液体として単離質量900mg、収率83%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 1.22(d,3H),1.53-1.67(m,4H),1.70-1.87(m,4H),2.24-2.36(m,1H),2.49-2.71(m,6H),3.20-3.39(m,2H),3.65(d,2H),4.81-4.85(m,1H),5.30-5.39(m,1H).
【0349】
ステップ3:4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ペンタン酸
1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を5-ヒドロキシペンタン-2-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Jに従って調製した。単離質量120mg、これを更なる精製なしで次のステップに使用した。UPLC-MS:UPLCについて方法Cを実施した。Rt0.32分、MS計算値:259.16[M+H]、MS実測値:259.47[M+H]。
【0350】
ステップ4:12-(((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)メチル)-6-メチル-4,9,15-トリオキソ-1-(ピロリジン-1-イル)-5,10,14-トリオキサ-3-アザヘニコサン-21-イル 2-ブチルオクタノエート(実施例7-28)。
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ペンタン酸に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量102.41mg、31%、黄色のゲル。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.02分、MS計算値:979.7[M+H]、MS実測値:980.24[M+H]。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.85-0.93(m,6H),0.97(t,6H),1.22-1.29(m,15H),1.37-1.45(m,9H),1.60-1.65(m,18H),1.93-2.07(m,12H),2.29-2.34(m,3H),2.37-2.43(m,5H),2.79-3.00(m,4H),3.38-3.48(m,4H),3.55-3.59(m,2H),4.08(t,2H),4.14(d,6H),4.50(t,1H),4.79-4.85(m,1H),5.27-5.41(m,4H).
【0351】
実施例7-30:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ペンタノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を1-3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)7-(3-ペンチルオクチル)ヘプタン二酸塩(WO2022/159472(A1)に説明される)に置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ペンタン酸に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量78.36mg、収率30%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.09分、MS計算値:993.7[M+H]、MS実測値:994.13[M+H]。
【0352】
実施例7-32:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(2-ブチルオクチル)ヘプタン二酸塩
3-((4,4-ビス((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)7-(2-ブチルオクチル)ヘプタン二酸塩(WO2022/159472(A1)に説明される)に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量167mg、収率59%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt2.19分、MS計算値:1049.80、MS実測値:1050.28[M+H]。
【0353】
実施例7-33:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ノナノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(ペンタデカ-1,14-ジエン-8-イル)ヘプタン二酸塩
ステップ1:7-オキソ-7-(ペンタデカ-1,14-ジエン-8-イルオキシ)ヘプタン酸
化合物は、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸をヘプタン二酸に置き換え、2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオールをペンタデカ-1,14-ジエン-8-オールに置き換えて、一般的手順Cに従って調製され得る。
【0354】
ステップ2:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)7-(ペンタデカ-1,14-ジエン-8-イル)ヘプタン二酸塩
4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタン酸を7-オキソ-7-(ペンタデカ-1,14-ジエン-8-イルオキシ)ヘプタン酸に置き換え、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル 4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタン酸塩に置き換えて、一般的手順Dに従って調製した。無色液体として単離質量750mg、収率59%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.94(t,6H),1.27(s,6H),1.35(d,6H),1.45-1.68(m,16H),1.87-1.95(m,2H),1.97-2.09(m,12H),2.16-2.22(m,1H),2.26-2.34(m,4H),2.40(t,1H),2.63(t,1H),2.81(t,1H),3.32-3.44(m,2H),3.51-3.68(m,5H),4.09-4.18(m,4H),4.41-4.52(m,1H),4.81-5.02(m,5H),5.24-5.40(m,4H),5.70-5.87(m,2H).
【0355】
ステップ3:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ノナノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(ペンタデカ-1,14-ジエン-8-イル)ヘプタン二酸塩(実施例7-33)。
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)7-(ペンタデカ-1,14-ジエン-8-イル)ヘプタンジオエートに置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ノナン酸(WO2022/159463(A1)に説明される)に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。薄茶色の粘着性ガムとして単離質量108mg、収率31.25%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt1.10分、MS計算値:1073.79[M+H]、MS実測値1074.37[M+H]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.83-0.95(m,9H),1.10-1.36(m,28H),1.42-1.58(m,14H),1.66-1.81(m,8H),1.95-2.02(m,10H),2.25-2.34(m,8H),3.03-3.17(m,4H),3.34-3.37(m,2H),3.45-3.50(m,2H),4.01-4.10(m,6H),4.40-4.48(m,2H),4.57-4.65(m,2H),4.72-4.81(m,2H),4.91-5.00(m,4H),5.27-5.37(m,4H),5.74-5.81(m,2H).
【0356】
実施例7-34:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(ペンタデカ-1,14-ジエン-8-イル)ヘプタン二酸塩
3-((4,4-ビス((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)7-(ペンタデカ-1,14-ジエン-8-イル)ヘプタン二酸塩に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。淡黄色のガムとして単離質量155mg、43.35%収率。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt6.90分、MS計算値:1087.81[M+H]、MS実測値1088.36[M+H]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.78-0.86(m,3H),0.90(t,6H),1.09-1.27(m,32H),1.30-1.40(m,8H),1.44-1.56(m,14H),1.68-1.81(m,6H),1.96-2.02(m,9H),2.23-2.32(m,7H),3.11-3.19(m,2H),3.34-3.38(m,2H),3.44-3.52(m,2H),4.05(d,5H),4.44(t,1H),4.58-4.65(m,1H),4.70-4.80(m,1H),4.89-5.02(m,4H),5.24-5.39(m,4H),5.69-5.85(m,2H),7.02(bs,1H).
【0357】
実施例7-35:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ノナノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(ペンタデカン-8-イル)ヘプタン二酸塩
ステップ1:7-オキソ-7-(ペンタデカン-8-イルオキシ)ヘプタン酸
(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸をヘプタン二酸に置き換え、2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオールをペンタデカン-8-オールに置き換えて、一般的手順Cに従って調製した。無色の液体として単離質量1.9g、収率58%。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.85(t,6H),1.16-1.29(m,22H),1.37-1.53(m,8H),2.17(t,2H),2.25(t,2H),4.72-4.90(m,1H),11.99(s,1H).
【0358】
ステップ2:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)7-(ペンタデカン-8-イル)ヘプタン二酸塩
4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタン酸を7-オキソ-7-(ペンタデカン-8-イルオキシ)ヘプタン酸に置き換え、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル 4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタン酸塩に置き換えて、一般的手順Dに従って調製した。無色の液体として単離質量1.3g、収率41%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.86(t,6H),0.94(t,6H),1.16-1.28(m,20H),1.35-1.43(m,6H),1.45-1.52(m,4H),1.53-1.58(m,6H),1.60-1.65(m,4H),1.92(q,2H),2.00-2.05(m,6H),2.15-2.21(m,1H),2.26-2.33(m,4H),2.40(t,2H),3.34-3.42(m,2H),3.51-3.64(m,4H),4.13-4.19(m,4H),4.48(t,1H),4.78-4.88(m,1H),5.25-5.42(m,4H).
【0359】
ステップ3:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ノナノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(ペンタデカン-8-イル)ヘプタン二酸塩(実施例7-35)
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)7-(ペンタデカン-8-イル)ヘプタンジオエートに置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ノナン酸(WO2022/159463(A1)に説明される)に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。淡黄色の液体として単離質量110mg、収率32%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt1.16分、MS計算値:1077.82[M+H]、MS実測値1078.38[M+H]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.84(t,9H),0.90(t,6H),1.19-1.26(m,32H),1.31-1.38(m,4H),1.40-1.54(m,14H),1.66-1.81(m,8H),1.89-2.06(m,9H),2.20-2.35(m,10H),3.07-3.15(m,2H),3.34-3.37(m,2H),3.46-3.51(m,2H),4.05(d,6H),4.44(t,1H),4.59-4.65(m,1H),4.74-4.80(m,1H),5.26-5.37(m,4H),6.97(bs,1H).
【0360】
実施例7-36:1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル)7-(ペンタデカン-8-イル)ヘプタン二酸塩
3-((4,4-ビス((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を1-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル)7-(ペンタデカン-8-イル)ヘプタン二酸塩に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。淡黄色の液体として単離質量142mg、41%)。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt7.12分、MS計算値:1091.84[M+H]、MS実測値1092.32[M+H]。HPLC:1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.84(t,9H),0.90(t,6H),1.12-1.28(m,33H),1.31-1.37(m,4H),1.45-1.53(m,10H),1.60-1.66(m,5H),1.73-1.79(m,3H),1.95-2.03(m,8H),2.22-2.34(m,10H),2.37-2.44(m,8H),3.05(d,2H),3.45-3.52(m,2H),4.05(d,6H),4.44(t,1H),4.59-4.66(m,1H),4.75-4.80(m,1H),5.26-5.35(m,4H),6.89(s,1H).
【0361】
実施例7-37:2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ノナノイル)オキシ)メチル)プロパン-1,3-ジイル ビス(4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタン酸塩)
ステップ1:2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジイル ビス(4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタン酸塩)
4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタン酸を4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタン酸に置き換え、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル 4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタン酸塩に置き換えて、一般的手順Dに従って調製した。無色ガムとして単離質量2.05g、収率58%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.94(t,12H),1.36-1.45(m,9H),1.54-1.59(m,9H),1.88-1.96(m,4H),2.01-2.06(m,12H),2.40(t,3H),2.63(t,1H),2.81(t,1H),3.34-3.44(m,3H),3.51-3.68(m,8H),4.02-4.22(m,5H),4.47(t,2H),5.26-5.43(m,8H).
【0362】
ステップ2:2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ノナノイル)オキシ)メチル)プロパン-1,3-ジイル ビス(4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタン酸塩)(実施例7-37)
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジイル ビス(4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタン酸塩)に置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ノナン酸(WO2022/159463(A1)に説明される)に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量128mg、収率25.47%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt5.46分、MS計算値:1047.77[M+H]、MS実測値1049.29[M+H].1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.81-0.85(m,3H),0.90(t,12H),1.18-1.26(m,12H),1.29-1.39(m,10H),1.41-1.51(m,11H),1.69-1.79(m,8H),1.95-2.03(m,16H),2.31(t,9H),3.35-3.39(m,3H),3.47-3.51(m,4H),4.06(d,6H),4.44(t,2H),4.59-4.64(m,1H),5.26-5.37(m,8H).
【0363】
実施例7-38:2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロパン-1,3-ジイル ビス(4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタン酸塩)
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジイルビス(4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタン酸塩)に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量157mg、収率44.4%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt2.28分、MS計算値:1061.79[M+H]、MS実測値1062.29[M+H]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.82-0.86(m,3H),0.90(t,12H),1.18-1.26(m,14H),1.29-1.38(m,12H),1.41-1.52(m,12H),1.72-1.79(m,7H),1.93-2.04(m,18H),2.31(t,7H),3.44-3.54(m,5H),4.05(d,6H),4.44(t,2H),4.58-4.66(m,1H),5.25-5.35(m,8H),7.00(bs,1H).
【0364】
実施例7-39:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル(2-(ヘプタ-6-エン-1-イル)ノン-8-エン-1-イル)アジピン酸塩
ステップ1.2,2-ジ(ヘプタ-6-エン-1-イル)マロン酸ジメチル
THF(90mL)中のマロン酸ジメチル(3g、22.72mmol)の撹拌溶液に、NaH(1.64g、68.16mmol)を、氷冷条件において窒素雰囲気下で添加した。30分後、7-ブロモヘプタ-1-エン(12g、68.16mmol)を添加し、混合物を16時間還流させた。反応混合物を25℃まで冷却し、1N HClでクエンチし、Et2O(2×250mL)で抽出した。組み合わせられた有機層を水(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、次いで、CombiFlash(ヘキサン中2~10%EtOAc)によって精製して、生成物2,2-ジ(ヘプタ-6-エン-1-イル)マロン酸ジメチル(5.5g、収率75%)を無色の液体として証明した。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 1.08-1.18(m,4H),1.25-1.40(m,8H),1.81-1.89(m,4H),2.01(q,4H),3.69(s,6H),4.88-5.01(m,4H),5.70-5.90(m,2H).
【0365】
ステップ2.2,2-ジ(ヘプタ-6-エン-1-イル)マロン酸
EtOH:H2O(50mL)中の2,2-ジ(ヘプタ-6-エン-1-イル)マロン酸ジメチル(5.3g、16.35mmol)の撹拌溶液に、氷冷条件において窒素雰囲気下でKOH(8.63g、49.04mmol)を添加した。次いで、反応混合物を16時間還流させた。反応混合物を25℃まで冷却し、1N HClでクエンチし、生成物をEtOAc(2×250mL)で抽出し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して、2,2-ジ(ヘプタ-6-エン-1-イル)マロン酸(4.2g、収率87%)を淡黄色の油として得て、これを次のステップで直接使用した。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 1.23-1.41(m,12H),1.90-2.06(m,8H),4.89-5.02(m,4H),5.69-5.84(m,2H).
【0366】
ステップ3.2-(ヘプタ-6-エン-1-イル)ノン-8-エン酸
2,2-ジ(ヘプタ-6-エン-1-イル)マロン酸(4g、13.5mmol)を190℃まで2時間加熱した。反応質量を25℃まで冷却し、次いで、CombiFlash(ヘキサン中20~40%EtOAc)によって精製して、2-(ヘプタ-6-エン-1-イル)ノン-8-エン酸(3.2g、収率94%)を提供した。).1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 1.24-1.38(m,12H),1.41-1.50(m,2H),1.57-1.65(m,2H),2.00-2.04(m,4H),2.31-2.38(m,1H),4.89-5.02(m,4H),5.71-5.86(m,2H).
【0367】
ステップ4.2-(ヘプタ-6-エン-1-イル)ノン-8-エン-1-オール
THF(50mL)中の2-(ヘプタ-6-エン-1-イル)ノン-8-エン酸(3、11.89mmol)の氷冷溶液に、LAH(THF中の2.4M溶液)(17.33mL、41.6mmol)を添加した。反応混合物を70℃で3時間撹拌し、次いで、0℃まで冷却し、Na2SO4-5H2Oの添加によってクエンチした。反応混合物をEtOAc(200mL)で濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、次いで、CombiFlash(ヘキサン中20~40%EtOAc)によって精製して、2-(ヘプタ-6-エン-1-イル)ノン-8-エン-1-オール(2.4g、収率84.7%)を無色の液体として提供した。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 1.23-1.49(m,17H),2.01-2.07(m,4H),3.54(d,2H),4.94(d,2H),4.99(d,2H),5.73-5.87(m,2H).
【0368】
ステップ5.6-((2-(ヘプタ-6-エン-1-イル)ノン-8-エン-1-イル)オキシ)-6-オキソヘキサン酸
DCM(30mL)中のアジピン酸(2.94g、20.15mmol)の撹拌溶液に、25℃でDIPEA(2.6g、20.15mmol)、EDC・HCl(1.93g、10.01mmol)、DMAP(0.25g、2.015mmol)を順次添加した。反応混合物を10分間撹拌し、次いで、それに2-(ヘプタ-6-エン-1-イル)ノン-8-エン-1-オール(1.6、6.72mmol)を添加した。反応混合物を、TLC(ヘキサン中30%EtOAc)によって監視しながら、25℃で16時間撹拌した。完了後、反応混合物を水(30mL)で希釈し、生成物をDCM(2×50mL)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮し、次いで、CombiFlash(ヘキサン中30~50%EtOAc)によって精製して、無色の液体として(1.6g、収率65%)得た。.1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 1.15-1.40(m,17H),1.40-1.71(m,4H),2.00(q,4H),2.20(t,2H),2.29(t,2H),3.91(d,2H),4.89-5.04(m,4H),5.71-5.86(m,2H),12.01(s,1H).
【0369】
ステップ6.3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(2-(ヘプタ-6-エン-1-イル)ノン-8-エン-1-イル)アジピン酸塩
4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタン酸を6-((2-(ヘプタ-6-エン-1-イル)ノン-8-エン-1-イル)オキシ)-6-オキソヘキサン酸に置き換え、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩に置き換えて、一般的手順Dに従って調製した。単離質量1.1g、収率55%。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d)δ 0.94(t,12H),1.33-1.46(m,6H),1.55-1.71(m,8H),1.85-2.11(m,8H),2.13-2.26(m,2H),2.26-2.47(m,12H),3.34-3.45(m,4H),3.63(d,4H),3.96(d,4H),4.07-4.25(m,6H),4.48(t,2H),4.86-5.05(m,4H),5.21-5.49(m,4H),5.72-5.87(m,4H).
【0370】
ステップ7.3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカノイル)オキシ)メチル)プロピル(2-(ヘプタ-6-エン-1-イル)ノン-8-エン-1-イル)アジピン酸塩(実施例7-39)
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(2-(ヘプタ-6-エン-1-イル)ノン-8-エン-1-イル)アジピン酸塩に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。淡茶色の液体として単離質量160mg、収率46%。UPLC-MS:UPLCについて方法Aを実施した。Rt6.83分、MS計算値:1087.81[M+H]、MS実測値1088.45[M+H]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.82-0.94(m,3H),0.95-1.29(m,52H),1.43-1.51(m,6H),1.67-1.80(m,5H),1.96-2.02(m,8H),2.21-2.39(m,11H),3.92(d,4H),4.06(d,6H),4.42-4.47(m,1H),4.59-4.64(m,1H),4.91-5.07(m,8H),5.24-5.37(m,4H),5.78-5.83(m,1H).
【0371】
実施例7-40:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸塩
ステップ1.1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバミン酸塩
2-(ピロリジン-1-イル)エタン-1-アミンをN1,N1-ジメチルエタン-1,2-ジアミンに置き換えて、一般的手順Gに従って調製した。単離質量750mg、収率84%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.03(s,6H),0.86(d,12H),1.18-1.32(m,8H),1.45-1.60(m,6H),2.24(s,6H),2.38-2.44(m,2H),3.25(d,2H),3.57-3.61(m,2H),4.67-4.77(m,1H),5.12-5.19(m,1H).
【0372】
ステップ2.1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバミン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Hに従って調製した。単離質量420mg、収率78%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.86(t,3H),1.20-1.31(m,7H),1.62-1.68(m,8H),2.86(s,6H),3.16-3.27(m,2H),3.51-3.77(m,4H),4.72-4.82(m,1H),6.38(s,1H).
【0373】
ステップ3.4-(((2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸
1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Jに従って調製した。単離質量410mg、収率93%。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.86(t,3H),1.19-1.30(m,8H),1.47(s,2H),1.64-1.82(m,2H),2.15-2.28(m,2H),2.78(s,6H),3.05-3.14(m,2H),3.73-3.83(m,1H),4.30-4.40(m,1H),4.60-4.66(m,1H),7.31(s,1H),11.87-12.17(m,1H).
【0374】
ステップ4.3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸塩(実施例7-40)
4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ジメチルアミノ)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸に置き換え、3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量122mg、収率30%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt6.88分、MS計算値:1023.77[M+H]、MS実測値1024.32[M+H]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.80-0.87(m,9H),0.90(t,6H),1.17-1.29(m,24H),1.32-1.37(m,5H),1.41-1.57(m,14H),1.64-1.68(m,1H),1.72-1.80(m,3H),1.95-2.03(m,8H),2.13(s,6H),2.25-2.34(m,10H),2.98-3.08(m,2H),3.35-3.51(m,3H),4.00(t,2H),4.06(d,6H),4.44(t,1H),4.58-4.65(m,1H),5.23-5.39(m,4H),6.86(s,1H).
【0375】
実施例7-41:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(ジエチルアミノ)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸塩
ステップ1.1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ジエチルアミノ)エチル)カルバミン酸塩
2-(ピロリジン-1-イル)エタン-1-アミンをN1,N1-ジエチルエタン-1,2-ジアミンに置き換えて、一般的手順Gに従って調製した。単離質量2.1g、収率70%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt0.58分、MS計算値:431.36[M+H]、MS実測値431.56[M+H]。
【0376】
ステップ2.1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ジエチルアミノ)エチル)カルバミン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ジエチルアミノ)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Hに従って調製した。単離質量950mg、収率66%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt0.34分、MS計算値:317.27[M+H]、MS実測値317.33[M+H]。
【0377】
ステップ3.4-(((2-(ジエチルアミノ)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸
1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ジエチルアミノ)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Jに従って調製した。単離質量700mg、収率83%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt0.36分、MS計算値:331.25[M+H]、MS実測値331.47[M+H]。
【0378】
ステップ4.3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(ジエチルアミノ)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸塩(実施例7-41)
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ジエチルアミノ)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量178mg、収率56%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt6.86分、MS計算値:1051.81[M+H]、MS実測値1052.32[M+H]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.80-0.87(m,6H),0.91(t,6H),0.97-1.28(m,28H),1.32-1.64(m,18H),1.72-1.81(m,2H),1.83-2.10(m,11H),2.14-2.35(m,12H),2.88-3.05(m,4H),3.27-3.39(m,8H),3.44-3.54(m,2H),4.00(t,2H),4.06(d,4H),4.44(t,1H),4.57-4.66(m,1H),5.09-5.53(m,4H),8.98-9.37(m,1H).
【0379】
実施例7-42:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((3-(ジエチルアミノ)プロピル)カルバモイル)オキシ)デカン酸塩
ステップ1.1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(3-(ジエチルアミノ)プロピル)カルバミン酸塩
2-(ピロリジン-1-イル)エタン-1-アミンをN1,N1-ジエチルプロパン-1,3-ジアミンに置き換えて、一般的手順Gに従って調製した。単離質量850mg、収率87%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.03(s,6H),0.86(d,12H),1.18-1.32(m,8H),1.45-1.60(m,6H),2.24(s,6H),2.38-2.44(m,2H),3.25(d,2H),3.57-3.61(m,2H),4.67-4.77(m,1H),5.12-5.19(m,1H).
【0380】
ステップ2.1-ヒドロキシデカン-4-イル(3-(ジエチルアミノ)プロピル)カルバミン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(3-(ジエチルアミノ)プロピル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Hに従って調製した。単離質量520mg、収率82%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt0.35分、MS計算値:331.29[M+H]、MS実測値331.42[M+H]。
【0381】
ステップ3.4-(((3-(ジエチルアミノ)プロピル)カルバモイル)オキシ)デカン酸
1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-ヒドロキシデカン-4-イル(3-(ジエチルアミノ)プロピル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Jに従って調製した。単離質量489mg、収率90%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt0.34分、MS計算値:345.27[M+H]、MS実測値345.56[M+H]。
【0382】
ステップ4.3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((3-(ジエチルアミノ)プロピル)カルバモイル)オキシ)デカン酸塩(実施例7-42)
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((3-(ジエチルアミノ)プロピル)カルバモイル)オキシ)デカン酸に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量125mg、収率34%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt6.88分、MS計算値:1065.82[M+H]、MS実測値1066.31[M+H]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.73-1.03(m,21H),1.11-1.29(m,23H),1.31-1.59(m,21H),1.63-1.68(m,1H),1.75-1.81(m,3H),1.93-2.04(m,8H),2.24-2.35(m,10H),2.37-2.43(m,4H),2.93-3.00(m,2H),3.33-3.52(m,4H),4.00(t,2H),4.05(d,6H),4.44(t,1H),4.56-4.65(m,1H),5.23-5.39(m,4H),6.99(s,1H).
【0383】
実施例7-43:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(エチル(メチル)アミノ)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸塩
ステップ1.1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(エチル(メチル)アミノ)エチル)カルバミン酸塩
2-(ピロリジン-1-イル)エタン-1-アミンをN1-エチル-N1-メチルエタン-1,2-ジアミンに置き換えて、一般的手順Gに従って調製した。単離質量580mg、収率63%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt0.6分、MS計算値:417.34[M+H]、MS実測値417.58[M+H]。
【0384】
ステップ2.1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(エチル(メチル)アミノ)エチル)カルバミン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(エチル(メチル)アミノ)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Hに従って調製した。単離質量320mg、収率76%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.84-0.89(m,3H),1.22-1.29(m,8H),1.49-1.65(m,13H),2.77-2.85(m,2H),3.48(s,3H),3.65-3.72(m,2H),4.73-4.79(m,1H).
【0385】
ステップ3.4-(((2-(エチル(メチル)アミノ)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸
1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(エチル(メチル)アミノ)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Jに従って調製した。単離質量290mg、収率87%。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.83-0.88(m,3H),1.02-1.06(m,1H),1.16-1.29(m,13H),1.46-1.50(m,2H),1.62-1.68(m,1H),1.75-1.81(m,1H),2.21-2.25(m,2H),2.74-2.76(m,2H),3.05-3.11(m,2H),3.14-3.18(m,2H),4.60-4.66(m,1H),7.30(s,1H),11.95-12.11(m,1H).
【0386】
ステップ4.3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(エチル(メチル)アミノ)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸塩(実施例7-43)
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(エチル(メチル)アミノ)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量160mg、収率41%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt6.92分、MS計算値:1037.79[M+H]、MS実測値1038.28[M+H]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.79-0.85(m,9H),0.88-0.96(m,9H),1.11-1.29(m,27H),1.32-1.52(m,18H),1.73-1.79(m,3H),1.95-2.02(m,8H),2.12(s,3H),2.27-2.33(m,10H),2.99-3.03(m,2H),3.44-3.54(m,3H),4.00(t,2H),4.06(d,6H),4.44(t,1H),4.56-4.66(m,2H),5.20-5.34(m,4H),6.83(s,1H).
【0387】
実施例7-44:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(ピペリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸塩
ステップ1.1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩
2-(ピロリジン-1-イル)エタン-1-アミンを2-(ピペリジン-1-イル)エタン-1-アミンに置き換えて、一般的手順Gに従って調製した。単離質量620mg、収率62%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.03(s,6H),0.88(s,12H),1.19-1.34(m,10H),1.43-1.57(m,10H),2.35-2.52(m,6H),3.21-3.33(m,2H),3.57-3.62(m,2H),4.70-4.81(m,1H),5.20-5.34(m,1H).
【0388】
ステップ2.1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Hに従って調製した。単離質量330mg、収率71%。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.83-0.88(m,3H),1.22-1.28(m,8H),1.38-1.52(m,7H),1.66-1.78(m,4H),2.08(s,3H),2.82-2.92(m,2H),3.03-3.12(m,2H),3.35-3.46(m,5H),4.34-4.42(m,1H),4.57-4.64(m,1H).
【0389】
ステップ3.4-(((2-(ピペリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸
1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピペリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩に置き換えて、一般的手順Jに従って調製した。単離質量290mg、88%。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.83-0.88(m,3H),1.03(d,4H),1.24-1.26(m,4H),1.44-1.53(m,2H),1.67-1.79(m,6H),2.19-2.26(m,2H),2.83-2.92(m,2H),3.02-3.10(m,2H),3.32-3.41(m,4H),3.77(t,1H),4.29-4.40(m,1H),4.58-4.67(m,1H),7.34(s,1H),12.08(s,1H).
【0390】
ステップ4.3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(ピペリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸塩(実施例7-44)
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ピペリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量165mg、収率44%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt6.89分、MS計算値:1063.81[M+H]、MS実測値1064.32[M+H]。1H NMR(400MHz、DMSO-d6)δ0.79~0.94(m、15H)、1.04~1.29(m、26H)、1.31~1.38(m、7H)、1.40~1.58(m、18H)、1.73~1.79(m、3H)、1.95~2.04(m、8H)、2.23~2.38(m、14H)、2.97~3.08(m、2H)、3.42~3.53(m、2H)、4.00(t、2H)、4.05(d、6H)、4.44(t、1H)、4.57~4.64(m、1H)、5.23~5.39(m、4H)、6.82(s、1H)。
【0391】
実施例7-45:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((3-(ジエチルアミノ)プロポキシ)カルボニル)オキシ)デカン酸塩
ステップ1.1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(3-(ジエチルアミノ)プロピル)炭酸塩
THF(20mL)中の3-(ジエチルアミノ)プロパン-1-オール(2当量)の溶液に、NaH(2当量)を0℃で添加し、次いで、30分間撹拌した。この懸濁液に、1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(4-ニトロフェニル)炭酸塩(1当量)を加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物をDCM(250mL)及び水(50mL)及びブライン(50mL)で希釈した。得られた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗残渣を、2~5%MeOH-DCMを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製して、1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(3-(ジエチルアミノ)プロピル)炭酸塩(820mg、収率83%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.03(s,6H),0.87(s,12H),1.00(t,6H),1.22-1.30(m,8H),1.57-1.65(m,6H),1.80(t,2H),2.50(d,6H),3.57-3.61(m,2H),4.16(t,2H),4.63-4.75(m,1H).
【0392】
ステップ2.3-(ジエチルアミノ)プロピル(1-ヒドロキシデカン-4-イル)炭酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(3-(ジエチルアミノ)プロピル)炭酸塩に置き換えて、一般的手順Hに従って調製した。単離質量510mg、収率84%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt0.4分、MS計算値:332.27[M+H]、MS実測値332.55[M+H]。
【0393】
ステップ3.4-(((3-(ジエチルアミノ)プロポキシ)カルボニル)オキシ)デカン酸
1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を3-(ジエチルアミノ)プロピル(1-ヒドロキシデカン-4-イル)炭酸塩に置き換えて、一般的手順Jに従って調製した。単離質量480mg。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt0.42分、MS計算値:346.25[M+H]、MS実測値346.52[M+H]。
【0394】
ステップ4.3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((3-(ジエチルアミノ)プロポキシ)カルボニル)オキシ)デカン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(4-ニトロフェニル)炭酸塩(実施例7-45)
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((3-(ジエチルアミノ)プロポキシ)カルボニル)オキシ)デカン酸に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量125mg、収率40%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt6.85分、MS計算値:1066.81[M+H]、MS実測値1067.25[M+H]。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.84-0.89(m,6H),0.94(t,6H),1.12-1.29(m,15H),1.31-1.45(m,12H),1.44-1.76(m,32H),1.84-1.95(m,4H),1.94-2.09(m,8H),2.23-2.34(m,4H),2.33-2.44(m,4H),3.34-3.43(m,2H),3.52-3.59(m,2H),4.02-4.07(m,2H),4.11(d,6H),4.18-4.22(m,2H),4.45-4.50(m,1H),4.68-4.74(m,1H),5.22-5.39(m,4H).
【0395】
実施例7-46:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-((((1-エチルピペリジン-3-イル)メトキシ)カルボニル)オキシ)デカン酸塩
ステップ1.1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル((1-エチルピペリジン-3-イル)メチル)炭酸塩
THF(20mL)中の(1-エチルピペリジン-3-イル)メタノール(2当量)の溶液に、NaH(2当量)を0℃で加え、次いで、30分間撹拌した。この懸濁液に、1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(4-ニトロフェニル)炭酸塩(1当量)を加えた。反応混合物を25℃で16時間撹拌した。反応混合物をDCM(250mL)及び水(50mL)及びブライン(50mL)で希釈した。得られた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗残渣を、2~5%MeOH-DCMを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。単離質量880mg、収率87%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt0.64分、MS計算値:458.36[M+H]、MS実測値458.36[M+H]。
【0396】
ステップ2.(1-エチルピペリジン-3-イル)メチル(1-ヒドロキシデカン-4-イル)炭酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル((1-エチルピペリジン-3-イル)メチル)炭酸塩に置き換えて、一般的手順Hに従って調製した。単離質量450mg、収率68%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt0.36分、MS計算値:344.27[M+H]、MS実測値344.51[M+H]。
【0397】
ステップ3.4-((((1-エチルピペリジン-3-イル)メトキシ)カルボニル)オキシ)デカン酸
1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を(1-エチルピペリジン-3-イル)メチル(1-ヒドロキシデカン-4-イル)炭酸塩に置き換えて、一般的手順Jに従って調製した。単離質量410mg、粗製物を、次の反応で直接使用した。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt0.33分、MS計算値:358.25[M+H]、MS実測値358.44[M+H]。
【0398】
ステップ4.3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-((((1-エチルピペリジン-3-イル)メトキシ)カルボニル)オキシ)デカン酸塩(実施例7-46)
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-((((1-エチルピペリジン-3-イル)メトキシ)カルボニル)オキシ)デカン酸に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量150mg、収率33%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt6.88分、MS計算値:1078.81[M+H]、MS実測値1079.43s[M+H]。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.84-0.88(m,6H),0.94(t,6H),1.02-1.31(m,36H),1.33-1.43(m,9H),1.51-1.63(m,18H),1.84-1.94(m,4H),1.99-2.07(m,7H),2.26-2.34(m,3H),2.34-2.41(m,4H),3.39(d,2H),3.50-3.60(m,2H),4.05(t,3H),4.11(d,5H),4.47(t,1H),4.66-4.73(m,1H),5.24-5.40(m,4H).
【0399】
実施例7-49:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-((4-(ピロリジン-1-イル)ブタノイル)オキシ)デカン酸塩
ステップ1.1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル 4-(ピロリジン-1-イル)ブタン酸塩
4,4-ビス(オクチルオキシ)ブタン酸を4-(ピロリジン-1-イル)ブタン酸に置き換え、3-ヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸を1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-オールに置き換えて、一般的手順Dに従って調製した。単離質量520mg、収率64%。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 0.03(s,6H),0.87(s,12H),1.18-1.30(m,10H),1.46-1.54(m,6H),1.76-1.87(m,6H),2.34(t,2H),2.53-2.62(m,4H),3.56-3.60(m,2H),4.82-4.93(m,1H).
【0400】
ステップ2.1-ヒドロキシデカン-4-イル 4-(ピロリジン-1-イル)ブタン酸塩
1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)デカン-4-イル 4-(ピロリジン-1-イル)ブタン酸塩に置き換えて、一般的手順Hに従って調製した。単離質量270mg、収率72%。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.85(t,3H),1.01-1.31(m,9H),1.29-1.41(m,3H),1.42-1.59(m,4H),1.65-1.75(m,6H),2.30(t,2H),2.37-2.47(m,5H),3.36(t,2H),4.73-4.84(m,1H).
【0401】
ステップ3.4-((4-(ピロリジン-1-イル)ブタノイル)オキシ)デカン酸
1-ヒドロキシデカン-4-イル(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバミン酸塩を1-ヒドロキシデカン-4-イル 4-(ピロリジン-1-イル)ブタン酸塩に置き換えて、一般的手順Jに従って調製した。単離質量260mg、収率92%。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.85(t,3H),1.16-1.31(m,13H),1.38-1.53(m,2H),1.58-1.73(m,1H),1.74-1.98(m,5H),2.15-2.26(m,1H),2.41(t,2H),2.94-3.02(m,1H),3.04-3.16(m,2H),3.32-3.36(m,1H),4.76-4.84(m,1H),11.83-12.35(m,1H)
【0402】
ステップ4.3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-((4-(ピロリジン-1-イル)ブタノイル)オキシ)デカン酸塩(実施例7-49)
3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換え、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-((4-(ピロリジン-1-イル)ブタノイル)オキシ)デカン酸に置き換えて、一般的手順Lに従って調製した。単離質量115mg、収率30%。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt6.84分、MS計算値:1048.79[M+H]、MS実測値1049.37[M+H]。1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 0.81-0.95(m,12H),0.97-1.30(m,41H),1.31-1.39(m,5H),1.40-1.54(m,11H),1.61-1.85(m,9H),1.97-2.03(m,6H),2.21-2.40(m,11H),3.45-3.50(m,2H),3.98-4.02(m,2H),4.03-4.07(m,4H),4.40-4.48(m,1H),4.73-4.83(m,1H),5.25-5.40(m,4H).
【0403】
実施例7-50:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ウンデカン酸塩
化合物は、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ウンデカン酸に置き換え、3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換えて、一般的手順Lに従って調製され得る。収量:184mg、64%、淡黄色の液体。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt6.99分、MS計算値:1063.81[M+H]。MS実測値:1065.41[M+H]。HPLC-MS:HPLCについて方法Aを実施した。
【0404】
実施例7-51:3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(((7-((2-ブチルオクタノイル)オキシ)ヘプタノイル)オキシ)メチル)プロピル 4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ドデカン酸塩
化合物は、4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)デカン酸を4-(((2-(ピロリジン-1-イル)エチル)カルバモイル)オキシ)ドデカン酸に置き換え、3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロピル(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸塩を7-(3-((4,4-ビス(((Z)-オクタ-5-エン-1-イル)オキシ)ブタノイル)オキシ)-2-(ヒドロキシメチル)プロポキシ)-7-オキソヘプチル 2-ブチルオクタン酸塩に置き換えて、一般的手順Lに従って調製され得る。収量:113mg、50%、淡黄色の液体。UPLC-MS:UPLCについて方法B2を実施した。Rt7.08分、MS計算値:1777.82[M+H]。MS実測値:1078.31[M+H]。HPLC-MS:HPLCについて方法Aを実施した。
【0405】
実施例8:様々な細胞型にわたるLNP調製物のmRNA送達
本実施例は、機能mRNAを様々な細胞型に送達する例示的なLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。本明細書に説明されるスクリーニングプラットフォームは、様々な細胞型にわたる機能mRNAの送達のためのLNP調製物を特定し得る。本実施例は、提供される脂質がマウスにおいて機能mRNAを送達することができること、及び/又は特定の細胞型へのレポーターをコードするmRNAの改善された送達(例えば、1.5~2倍の改善)を実証するために使用され得る。
【0406】
LNP調製物は、様々な細胞型にわたってマウスにおいて機能mRNAを送達する各調製物の能力を決定するように選択される。LNP調製物は、各々、本明細書に説明される1.0mg/kgのレポーターmRNAを含有する。本明細書に説明されるフローアッセイが、LNP調製物の注射の24時間後にレポーター表面発現を測定するために使用される。
【0407】
例示的なLNP調製物は、様々なHSC細胞型(Lin-、Sca-1+、LSK細胞、LT-HSC(CD34-Flk2-)、及びLT-HSC(CD150+CD48-))、骨髄(BM)細胞型(生、T細胞、B細胞、CD11b、マクロファージ、NK細胞、CD11c)、脾臓細胞型(T細胞、B細胞、CD11b、マクロファージ、NK細胞、CD11c)、及び肝臓細胞型(CD31、肝細胞、CD45、CD11b、クッパー細胞、NK細胞、T細胞、B細胞)にわたってマウスにレポーターをコードするmRNAの機能送達を提供し得、各LNP調製物は、生理食塩水対照(媒体)と比較して、1.0mg/kgのレポーターmRNAを含有している。
【0408】
本実施例は、提供される脂質がマウスにおいて機能mRNAを送達することができること、及び/又は特定の細胞型へのレポーターをコードするmRNAの改善された送達(例えば、1.5~2倍の改善)を実証するために使用され得る。
【0409】
実施例9:脾臓、肝臓、及び骨髄細胞へのLNP調製物のmRNA送達
本実施例は、本明細書に説明される様々な細胞型への送達を伴う例示的なLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。本明細書に説明されるスクリーニングプラットフォームは、LNP調製物を識別して、特定の細胞型に対してどのタイプのLNP調製物が最も強力であるかを決定し得る。
【0410】
本実施例は、イオン化可能な脂質がマウスにおいて様々な細胞型にわたってmRNAを効果的に送達することを実証するために使用され得る。本実施例はまた、提供される脂質が、骨髄樹状細胞、骨髄T細胞、脾臓B細胞、脾臓樹状細胞、及びLSK(Lin-Sca-1+c-Kit+)細胞、HSPC、及びマウスLT-HSCを含む、様々な細胞型にわたる送達を示すことを実証するために使用され得る。
【0411】
LNP調製物は、本明細書に説明されるレポーター系及びC57BL6マウスモデルを使用して有効性の結果を確認するために選択される。各実験では、群当たり3匹のC57BL6マウスが使用される。データは、注射の24時間後に収集される。
【0412】
ヒートマップは、様々な細胞型(骨髄樹状細胞、脾臓B細胞、及び脾臓樹状細胞)にわたる例示的な脂質を含有するLNP調製物の平均中央蛍光強度に対して正規化された異なるイオン化可能な脂質を含有する様々なLNP調製物の平均中央蛍光強度を示すために使用され得る。各LNP調製物は、1.0mg/kgのレポーターmRNAを含有する。
【0413】
ヒートマップは、異なるイオン化可能な脂質を含有する様々なLNP調製物の正規化平均%レポーター発現又は平均正規化中央蛍光強度を示すために使用され得る。平均%レポーター及び平均中央蛍光強度値は、T細胞(骨髄細胞)又はLSK(Lin-Sca-1+c-Kit+)細胞に送達された例示的な脂質を含有するLNP調製物の%レポーター発現又は平均中央蛍光強度値に対してそれぞれ正規化される。
【0414】
実施例10:Balb/C、C57BL6Jマウス系統及びヒト化(NSG-CD34+)免疫マウスへのLNP調製物のmRNA送達
本実施例は、本明細書に説明される様々な細胞型へのmRNA送達を伴う例示的なLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。本明細書に説明されるスクリーニングプラットフォームは、LNP調製物を識別して、特定の細胞型に対してどのタイプのLNP調製物が最良であるかを決定するために使用され得る。本実施例は、提供される脂質が、骨髄生細胞、骨髄CD34+細胞、骨髄(LSK細胞)、ヒトLT-HSC、血液細胞(huCD45+)、及び血液細胞(muCD45+)を含む、様々な細胞型にわたる送達を示すことを実証するために使用され得る。
【0415】
LNP調製物は、本明細書に説明されるレポーター系及びヒト化(NSG-CD34+)マウスモデル、又は2つのマウス系統(Balb/C、C57BL6J)のマウスを使用して有効性の結果を確認するために選択される。各LNP調製物は、1.0mg/kgのレポーターmRNAを含有する。
【0416】
本明細書に説明される例示的なLNP調製物は、2つのマウス系統(Balb/C、C57BL6Jマウス)における血液細胞、骨髄(生細胞)、及び骨髄(LSK細胞)への送達について試験され得る。
【0417】
群当たり3匹のBalb/Cマウス及び/又はC57BL6Jマウス及び/又はNSG-CD34+マウスが、各実験で使用される。データは、注射の24時間後に収集される。
【0418】
実施例11:排出リンパ節への筋肉内mRNA送達のためのLNP調製物
本実施例は、mRNAを排出リンパ節に送達する例示的なLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する(例えば、mRNAワクチンとして使用するための)。本明細書に説明されるスクリーニングプラットフォームは、LNP調製物を特定して、排出リンパ節へのmRNA送達(例えば、mRNAワクチンとして使用するための)に対してどのタイプのLNP調製物が最も強力であるかを決定するために使用され得る。したがって、本実施例は、提供される脂質が排出リンパ節への送達を実証するために使用され得る。
【0419】
LNP調製物は、Balb/Cマウスにおいて機能mRNAを筋肉内送達する各調製物の能力を決定するように選択される。各LNP調製物は、10μgのTrilink Fluc mRNAを含有する。注射の6時間後、皮膚排出リンパ節(dLN)を単離し、発光を本明細書に説明される標準発光アッセイを使用して測定する。
【0420】
実施例12:脾臓、肝臓、及び骨髄における塩基編集のためのLNP調製物の利用
本実施例は、様々な細胞型において遺伝子編集(例えば、塩基エディターを使用して)を付与する例示的なLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。本明細書に説明されるスクリーニングプラットフォームは、LNP調製物を特定して、インビボにおける様々な細胞型の塩基編集(例えば、マウスにおいて細胞の塩基編集を実施し得る)に対してどのタイプのLNP調製物が最も強力であるかを決定するために使用され得る。本実施例は、提供される脂質が、骨髄、脾臓、及び肝臓を含む様々な細胞型において塩基編集を実施し、及び/又は特定の細胞型へのLNP調製物の送達を改善するために使用され得ることを実証するために使用され得る。本実施例はまた、例示的な化合物を含有するLNP調製物を含有するmRNAが、送達中にLNP内でより安定化されることを実証するために使用され得る。
【0421】
方法
例示的なLNP調製物は、本明細書に説明されるBalb/Cマウスモデルにおいて塩基編集を実施する各調製物の能力を決定するように選択される。
【0422】
脂質ナノ粒子構成成分は、特定の脂質構成成分のモル比で100%エタノール中に溶解される。アデニン塩基エディター及び化学修飾sgRNAをコードするmRNAは、10mMのクエン酸塩、100mMのNaCl、pH4.0において1:1の質量比で溶解され、およそ0.22mg/mLのNAカーゴの濃度をもたらす。LNP調製物は、50%のイオン化可能な脂質:38.5%のコレステロール:1.5%のPEG2000-DMG:10%のDSPC総脂質のモル比で、11.7~33のNA質量比に製剤化される。LNP調製物は、製造業者のプロトコルに従って、Precision Nanosystems NanoAssemblr Spark又はBenchtopシリーズInstrumentsを使用して、脂質及びNA溶液のマイクロ流体混合によって形成される。異なる流量を使用して、混合中に3:1の水性溶媒対有機溶媒の比を維持する。混合後、LNP調製物を収集し、PBS(およそ2:1v/v)中で希釈し、更なる緩衝液交換を、PBS中、4℃で8~24時間、20kDaフィルタに対する透析を使用して行う。この初期透析後、各個々のLNP調製物を動的光散乱(DLS)を介して特性評価して、サイズ及び多分散性を測定する。LNP調製物の亜集団のpKaを、TNSアッセイを介して測定する。透析後、LNP調製物を、0.22ミクロンの滅菌フィルタを使用して滅菌濾過し、更なる使用のために4℃で保存する。いくつかの実施形態では、LNP調製物は、製造業者のプロトコルに従って、100kDaのAmiconフィルタを使用して濃縮され得る。
【0423】
LNP特性評価
DLS-LNP調製物の流体力学的直径及び多分散性指数(PDI)を、高スループット動的光散乱(DLS)(DynaProプレートリーダーII、Wyatt)を使用して測定する。LNP調製物を1×PBSで適切な濃度に希釈し、分析する。
【0424】
濃縮及びカプセル化効率
NAの濃度は、製造業者の指示に従って、Qubit microRNAキット(siRNA用)又はHS RNAキット(mRNA用)によって決定される。カプセル化効率は、未溶解及び溶解LNPを測定することによって決定される。
【0425】
LNP投与
およそ8~12週齢のオスのBalb/Cマウスを、本明細書に説明される実験で使用する。各マウスは、一時的に拘束され、LNP調製物は、尾静脈注射を介してIV投与される。同年齢のマウスはまた、対照として尾静脈注射を介して媒体(1×PBS)を投与するために使用される。投与の4~6日後に、肝臓、脾臓、及び骨髄を含む組織を収集する。ゲノムDNAは、製造業者の指示に従って、96ウェルプレートNexteraインデキシングプライマー(Illumina)を使用して、Nextera DNA Flex Library Prep Kit(Illumina)を使用して単離及び断片化され、アダプターライゲーションされる。ライブラリのサイズ及び濃度は、Fragment Analyzer(Agilent)によって確認され、Illumina HiSeqを使用して全ゲノム配列決定のためにNovogeneに送信される。
【0426】
塩基編集
塩基編集については、1:1(質量比)のALAS1を標的とするアデニン塩基エディター(ABE)及びガイドRNA(sgRNA)をコードするmRNAが、本明細書に説明されるLNP調製物内にともにカプセル化される。LNP調製物を、3.0mg/kgの総RNAで尾静脈注射を介してBalb/cマウスに投与する。投与の4日後に、マウスを安楽死させ、肝臓、脾臓、及び骨髄を採取する。塩基編集は、抽出されたゲノムDNAを使用して、ALAS1標的部位で標的深層配列決定分析を実施することによって決定される。
【0427】
実施例13:例示的なLNP調製物をマウスHSPCに送達する
本実施例は、本明細書に説明される様々な細胞型への送達を伴う例示的なLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。本実施例は、提供される脂質が、トランスフェクトHSPCなどの特定の細胞型において用量依存的な増加を呈することを実証するために使用され得る。
【0428】
LNP調製物は、本明細書に説明されるCreレポーター系及びAi14マウスモデルを使用して、3つの異なる用量(0.1mg/kg、0.3mg/kg、1.0mg/kg)における有効性の結果を確認するために選択される。
【0429】
実施例14:例示的なLNP調製物をマウスHSPCに送達する
本実施例は、本明細書に説明される様々な細胞型への送達を伴う例示的なLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。
【0430】
LNP調製物は、複数の時点(例えば、0.3mg/kgのCre mRNAの用量におけるLNP送達の2、8、及び16週間後、又は1.0mg/kgのCre mRNAの用量におけるLNP送達の2、8、及び16週間後)におけるHSPC中の%tdTomato+の耐久性を監視することによって、本明細書に説明されるCreレポーター系及びAi14マウスモデルを使用して有効性の結果を確認するために選択される。
【0431】
トランスフェクトHSPCの耐久性を観察する場合、トランスフェクトHSPCは、0.3mg/kg及び1.0mg/kgのCre mRNAを投与されたマウスコホート内の単球、B細胞、T細胞、及び赤血球の16週時点における末梢血中の%tdTomato+存在量を測定することによって、様々な免疫系統及び造血系統を再構成する能力を決定するために分析される。
【0432】
本実施例は、提供される脂質がHSPCへの持続的なLNP送達をもたらすことを実証するために使用され得る。更に、本実施例は、トランスフェクトHSPCが造血区画を再構成し得ることを実証するために使用され得る。
【0433】
実施例15:例示的なLNP調製物がインビトロでヒトCD34+HSPCに送達される
本実施例は、本明細書に説明される様々な細胞型への送達を伴う例示的なLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。したがって、本実施例は、提供される脂質が、ApoEの存在下で特定の細胞型に送達されたときに、レポーター発現の増加をもたらすことを実証するために使用され得る。
【0434】
LNP調製物は、インビトロのヒトCD34+HSPCにおける有効性の結果を確認するために選択される。
【0435】
簡潔に述べると、ヒトCD34+細胞を解凍し、次いで、細胞培養プレートにおいて40,000細胞/ウェルで、48ウェル組織培養プレートに播種する。細胞を48時間インキュベートして、10%Penicillin-Streptomycin及びStemSpan CD34+ Expansion Supplement(Stem Cell Technologies)を補充したStemSpan細胞培養培地(Stem Cell Technologies)中で恒常性に達する。LNPにカプセル化された1000ngのレポーターmRNAを投与する前に、細胞を300×Gで遠心分離し、上記に説明されたように、補充培地中に再懸濁する。LNP取り込みにApoEが必要かどうかを試験するために、2μLの組換えヒトアポタンパク質E3(ApoE3、R&D Systems)を関心対象の各ウェルに添加される。24時間後、細胞Fc受容体をヒトTruStain FcX(Biolegend)でブロッキングし、PBSで洗浄し、表現型マーカー及び生存率色素とともにレポーター発現のために蛍光染色する。
【0436】
実施例16:肝臓及び脾臓へのmRNA送達のためのLNP調製物
本実施例は、mRNAを肝臓及び脾臓に送達する例示的なLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。
【0437】
LNP調製物(化合物7-1、化合物7-2)を選択して、C57BL6/jマウスにおいて機能mRNAを静脈内送達する各調製物の能力を決定した。各LNP調製物は、Trilink Fluc mRNAを含有し、0.3mg/kgの用量で投与された。注射の6時間後、肝臓及び脾臓を含むいくつかの組織を単離し、発光を、本明細書に説明される標準発光アッセイを使用して測定した(
図1~
図2を参照されたい)。
【0438】
したがって、いくつかの実施形態では、本実施例は、アルキルトリオール特徴を有することによって特徴付けられる脂質が、肝臓細胞及び脾臓細胞を含む様々な細胞型にわたる送達を示すことを実証する。
【0439】
実施例17:肝臓における塩基編集のためのLNP調製物の利用
本実施例は、様々な細胞型において遺伝子編集(例えば、塩基エディターを使用して)を付与する例示的なLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。
方法
【0440】
LNP調製物(化合物7-7)が、本明細書に説明されるBalb/Cマウスモデルにおいて塩基編集を実施する各調製物の能力を決定するように選択された。
【0441】
脂質ナノ粒子構成成分を、特定の脂質構成成分のモル比で100%エタノール中に溶解させた。アデニン塩基エディター及び化学修飾sgRNAをコードするmRNAを、10mMのクエン酸塩、100mMのNaCl、pH4.0において1:1の質量比で溶解させ、およそ0.22mg/mLのNAカーゴの濃度をもたらした。LNP調製物を、47.5%のイオン化可能な脂質:40%のコレステロール:2.5%のPEG2000-DMG:10%のDSPC総脂質のモル比で、11.7~40のNA質量比に製剤化した。LNP調製物を、製造業者のプロトコルに従って、Precision Nanosystems NanoAssemblr Spark又はBenchtopシリーズInstrumentsを使用して、脂質及びNA溶液のマイクロ流体混合によって形成した。異なる流量を使用して、混合中に3:1の水性溶媒対有機溶媒の比を維持した。混合後、LNP調製物を収集し、PBS(およそ2:1v/v)中で希釈し、更なる緩衝液交換を、PBS中、4℃で8~24時間、20kDaフィルタに対する透析を使用して行った。この初期透析後、各個々のLNP調製物を動的光散乱(DLS)を介して特性評価して、サイズ及び多分散性を測定した。LNP調製物の亜集団のpKaを、TNSアッセイを介して測定した。透析後、LNP調製物を、0.22ミクロンの滅菌フィルタを使用して滅菌濾過し、更なる使用のために4℃で保存した。いくつかの実施形態では、LNP調製物は、製造業者のプロトコルに従って、100kDaのAmiconフィルタを使用して濃縮され得る。
LNP特性評価
【0442】
DLS-LNP調製物の流体力学的直径及び多分散性指数(PDI)を、高スループット動的光散乱(DLS)(DynaProプレートリーダーII、Wyatt)を使用して測定した。LNP調製物を1×PBSで適切な濃度に希釈し、分析した。
【0443】
濃縮及びカプセル化効率
NAの濃度は、製造業者の指示に従って、Qubit microRNAキット(siRNA用)又はHS RNAキット(mRNA用)によって決定した。カプセル化効率を、未溶解及び溶解LNPを測定することによって決定した。
【0444】
LNP投与
およそ8~12週齢のオスのBalb/Cマウスを、本明細書に説明される実験で使用した。各マウスは、一時的に拘束され、LNP調製物は、尾静脈注射を介してIV投与される。同年齢のマウスはまた、対照として尾静脈注射を介して媒体(1×PBS)を投与するために使用される。投与の4~6日後に、肝臓、脾臓、及び骨髄を含む組織を収集した。ゲノムDNAを、製造業者の指示に従って、96ウェルプレートNexteraインデキシングプライマー(Illumina)を使用して、Nextera DNA Flex Library Prep Kit(Illumina)を使用して単離及び断片化し、アダプターライゲーションした。ライブラリのサイズ及び濃度を、Fragment Analyzer(Agilent)によって確認し、Illumina HiSeqを使用して全ゲノム配列決定のためにNovogeneに送信した。
【0445】
塩基編集
塩基編集については、1:1(質量比)のALAS1を標的とするアデニン塩基エディター(ABE)及びガイドRNA(sgRNA)をコードするmRNAを、本明細書に説明されるLNP調製物内にともにカプセル化した。LNP調製物を、0.1mg/kgの総RNAで尾静脈注射を介してBalb/cマウスに投与した。投与の4日後に、マウスを安楽死させ、肝臓、脾臓、及び骨髄を採取した。塩基編集を、抽出されたゲノムDNAを使用して、ALAS1標的部位で標的深層配列決定分析を実施することによって決定した。
【0446】
結果
図3は、本明細書に説明される化合物7-7を含有する例示的なLNP調製物を使用した肝臓細胞における塩基編集を図示する棒グラフを示す。結果は表2にも示される。
【表2】
【0447】
したがって、いくつかの実施形態では、本実施例は、アルキルトリオール特徴及び生分解性尾部特徴を有することによって特徴付けられる脂質が、肝臓細胞を含む様々な細胞型にわたる送達を示し、塩基編集に使用され得ることを実証する。
【0448】
実施例18:肝臓における塩基編集のためのLNP調製物の利用
本実施例は、様々な細胞型において遺伝子編集(例えば、塩基エディターを使用して)を付与する例示的なLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。
方法
【0449】
LNP調製物(化合物7-7)が、本明細書に説明されるBalb/Cマウスモデルにおいて塩基編集を実施する各調製物の能力を決定するように選択された。
【0450】
脂質ナノ粒子構成成分を、特定の脂質構成成分のモル比で100%エタノール中に溶解させた。アデニン塩基エディター及び化学修飾sgRNAをコードするmRNAを、10mMのクエン酸塩、100mMのNaCl、pH4.0において1:1の質量比で溶解させ、およそ0.22mg/mLのNAカーゴの濃度をもたらした。LNP調製物を、50%のイオン化可能な脂質:38.5%のコレステロール:1.5%のPEG2000-DMG:10%のDSPC総脂質のモル比で、11.7~40のNA質量比に製剤化した。LNP調製物を、製造業者のプロトコルに従って、Precision Nanosystems NanoAssemblr Spark又はBenchtopシリーズInstrumentsを使用して、脂質及びNA溶液のマイクロ流体混合によって形成した。異なる流量を使用して、混合中に3:1の水性溶媒対有機溶媒の比を維持した。混合後、LNP調製物を収集し、PBS(およそ2:1v/v)中で希釈し、更なる緩衝液交換を、PBS中、4℃で8~24時間、20kDaフィルタに対する透析を使用して行った。この初期透析後、各個々のLNP調製物を動的光散乱(DLS)を介して特性評価して、サイズ及び多分散性を測定した。LNP調製物の亜集団のpKaを、TNSアッセイを介して測定した。透析後、LNP調製物を、0.22ミクロンの滅菌フィルタを使用して滅菌濾過し、更なる使用のために4℃で保存した。いくつかの実施形態では、LNP調製物は、製造業者のプロトコルに従って、100kDaのAmiconフィルタを使用して濃縮され得る。
【0451】
LNP特性評価
DLS-LNP調製物の流体力学的直径及び多分散性指数(PDI)を、高スループット動的光散乱(DLS)(DynaProプレートリーダーII、Wyatt)を使用して測定した。LNP調製物を1×PBSで適切な濃度に希釈し、分析した。
【0452】
濃縮及びカプセル化効率
NAの濃度は、製造業者の指示に従って、Qubit microRNAキット(siRNA用)又はHS RNAキット(mRNA用)によって決定した。カプセル化効率を、未溶解及び溶解LNPを測定することによって決定した。
【0453】
LNP投与
およそ8~12週齢のオスのBalb/Cマウスを、本明細書に説明される実験で使用した。各マウスは、一時的に拘束され、LNP調製物は、尾静脈注射を介してIV投与される。同年齢のマウスはまた、対照として尾静脈注射を介して媒体(1×PBS)を投与するために使用される。投与の4~6日後に、肝臓、脾臓、及び骨髄を含む組織を収集した。ゲノムDNAを、製造業者の指示に従って、96ウェルプレートNexteraインデキシングプライマー(Illumina)を使用して、Nextera DNA Flex Library Prep Kit(Illumina)を使用して単離及び断片化し、アダプターライゲーションした。ライブラリのサイズ及び濃度を、Fragment Analyzer(Agilent)によって確認し、Illumina HiSeqを使用して全ゲノム配列決定のためにNovogeneに送信した。
【0454】
塩基編集
塩基編集については、1:1(質量比)のALAS1を標的とするアデニン塩基エディター(ABE)及びガイドRNA(sgRNA)をコードするmRNAを、本明細書に説明されるLNP調製物内にともにカプセル化した。LNP調製物を、0.1mg/kgの総RNAで尾静脈注射を介してBalb/cマウスに投与した。投与の4日後に、マウスを安楽死させ、肝臓、脾臓、及び骨髄を採取した。塩基編集を、抽出されたゲノムDNAを使用して、ALAS1標的部位で標的深層配列決定分析を実施することによって決定した。
【0455】
結果
図4は、本明細書に説明される化合物7-7を含有するLNP調製物を使用した肝臓細胞における塩基編集を図示する棒グラフを示す。結果は表3にも示される。
【表3】
【0456】
したがって、いくつかの実施形態では、本実施例は、アルキルトリオール特徴及び生分解性尾部特徴を有することによって特徴付けられる脂質が、肝臓細胞を含む様々な細胞型にわたる送達を示し、塩基編集に使用され得ることを実証する。
【0457】
実施例19:肝臓におけるsiRNA送達のためのLNP調製物の利用
本実施例は、様々な細胞型において遺伝子サイレンシング(例えば、siRNAを使用して)を付与する例示的なLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。
方法
【0458】
LNP調製物(化合物7-2)を、本明細書に説明されるC57BL6マウスモデルにおいてsiRNA遺伝子ノックアウトの媒介を実施する各調製物の能力を決定するように選択した。
【0459】
脂質ナノ粒子構成成分を、特定の脂質構成成分のモル比で100%エタノール中に溶解させた。siRNA標的化Ahsa1を、10mMのクエン酸塩、100mMのNaCl、pH4.0において溶解させ、およそ0.22mg/mLのNAカーゴの濃度をもたらした。LNP調製物を、47.5%のイオン化可能な脂質:40%のコレステロール:2.5%のPEG2000-DMG:10%のDSPC総脂質のモル比で、11.7~40のNA質量比に製剤化した。LNP調製物を、製造業者のプロトコルに従って、Precision Nanosystems NanoAssemblr Spark又はBenchtopシリーズInstrumentsを使用して、脂質及びNA溶液のマイクロ流体混合によって形成した。異なる流量を使用して、混合中に3:1の水性溶媒対有機溶媒の比を維持した。混合後、LNP調製物を収集し、PBS(およそ2:1v/v)中で希釈し、更なる緩衝液交換を、PBS中、4℃で8~24時間、20kDaフィルタに対する透析を使用して行った。この初期透析後、各個々のLNP調製物を動的光散乱(DLS)を介して特性評価して、サイズ及び多分散性を測定した。LNP調製物の亜集団のpKaを、TNSアッセイを介して測定した。透析後、LNP調製物を、0.22ミクロンの滅菌フィルタを使用して滅菌濾過し、更なる使用のために4℃で保存した。いくつかの実施形態では、LNP調製物は、製造業者のプロトコルに従って、100kDaのAmiconフィルタを使用して濃縮され得る。
【0460】
LNP特性評価
DLS-LNP調製物の流体力学的直径及び多分散性指数(PDI)を、高スループット動的光散乱(DLS)(DynaProプレートリーダーII、Wyatt)を使用して測定した。LNP調製物を1×PBSで適切な濃度に希釈し、分析した。
【0461】
濃縮及びカプセル化効率
NAの濃度は、製造業者の指示に従って、Qubit microRNAキット(siRNA用)によって決定した。カプセル化効率を、未溶解及び溶解LNPを測定することによって決定した。
【0462】
LNP投与
およそ8~12週齢のオスのC57BL/6jマウスを、本明細書に説明される実験で使用した。各マウスを一時的に拘束し、LNP調製物を、尾静脈注射を介してIV投与した。同年齢のマウスもまた、対照として尾静脈注射を介して媒体(1×PBS)を投与するために使用した。
siRNAノックダウン
投与の3日後、マウスを安楽死させ、肝臓を単離し、ドライアイス上で凍結させ、更なる使用のために-80℃で保存した。RNAを、製造業者の推奨に従ってPromega MeliaPrep RNA Miniprepキットを使用して抽出した。RT-qPCRについては、ThermoFisherから市販されているTaqMan Primer/Probeセット、特にsiRNA標的遺伝子Ahsa1についてはMm01296842_m1、ハウスキーピング遺伝子ActBについてはMm02619580_g1を使用してアッセイを実行した。Ahsa1レベルを各組織内のActBレベルに正規化し、生理食塩水を注射したマウスからの正規化レベルに正規化した。
【0463】
結果
図5は、本明細書に説明される化合物7-2を含有するLNP調製物を使用した肝臓組織におけるsiRNA媒介サイレンシングを図示する棒グラフを示す。結果は表4にも示される。
【表4】
【0464】
したがって、いくつかの実施形態では、本実施例は、アルキルトリオール特徴を有することによって特徴付けられる脂質が、肝臓細胞を含む様々な細胞型にわたる送達を示し、siRNA媒介サイレンシングに使用され得ることを実証する。
【0465】
実施例20:LNP調製物、特性評価、及び生体内分布
LNP調製物及び特性評価
とりわけ、本実施例は、本明細書に説明される例示的なLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。
【0466】
脂質ナノ粒子構成成分を、特定の脂質構成成分のモル比で100%エタノール中に溶解させた。核酸(NA)カーゴを、10mMのクエン酸塩、100mMのNaCl、pH4.0において溶解させ、およそ0.22mg/mLのNAカーゴの濃度を得た。いくつかの実施形態では、NAカーゴは、1:10~10:1の機能NA対バーコードの質量比で混合された機能NA及びレポーターバーコードの両方を含んだ。本明細書に説明されるように、NAは、siRNA、アンチセンス、発現DNA、又はmRNAであり得る。
【0467】
LNP調製物を、47.5%のイオン化可能な脂質(例えば、本明細書に提供される化合物):40%のコレステロール:2.5%のPEG-2000 DMG:10%のDPSCを用いて、4.5~6のN/P比の範囲で調製した。LNP調製物を、製造業者のプロトコルに従って、Precision Nanosystems NanoAssemblr Spark又はBenchtopシリーズInstrumentsを使用して、脂質及びNA溶液のマイクロ流体混合によって形成した。
【0468】
異なる流量を使用して、混合中におよそ2:1又は3:1の水性溶媒対有機溶媒の比を維持した。混合後、LNP調製物を収集し、リン酸緩衝液生理食塩水(PBS)又はトリス緩衝生理食塩水(TBS)(およそ1:1v/v)中で希釈した。更なる緩衝液交換を、PBS又はTBS中、4℃で4~24時間、20kDaフィルタに対する透析を使用して行った。この初期透析の後、各個々のLNP調製物は、サイズ(例えば、直径)及び多分散性を測定するために、動的光散乱(DLS)を介して特性評価され得る。特定の直径及び多分散性範囲内に収まるLNP調製物をプールし、PBS又はTBSに対して4℃で1~4時間、100kDa透析カセットに対して更に透析した。2回目の透析後、LNP調製物を、0.22μmフィルタを使用して滅菌濾過し、更なる使用のために4℃で保存した。
【0469】
生体内分布
およそ8~12週齢のオス及びメスのマウスを、本実施例によって説明される研究に使用した。各マウスを一時的に拘束し、プールしたLNPを、実験当たり最大で5匹の動物に尾静脈注射を介してIV投与した。同年齢のマウスもまた、実験当たり最大で3匹の動物に尾静脈注射を介して媒体(1×TBS)を投与するために使用した。投与の16~24時間後に、肝臓、脾臓、骨髄、精巣、腓腹筋、四頭筋、肺、心臓、腎臓、及び膵臓を含む組織が、分析のために収集され得る。
【0470】
肝臓、腎臓、肺、及び筋肉(例えば、骨格及び心臓)組織は、機械的に消化され、次いで、プロテイナーゼの混合物を使用して酵素的に消化され、次いで、70μmのフィルタを通過して、単一細胞懸濁液を生成し得る。脾臓組織を機械的に消化して、単一細胞懸濁液を生成した。
【0471】
組織からのRNAをReliaprep RNA抽出キットを使用して抽出し、RNAseqキットを使用してライブラリを調製し、MiSeq又はNextSeq500のいずれかで配列決定した。
【0472】
標的組織への優先的なLNP送達をスクリーニングするために、1つ以上の標的組織における各バーコードの相対存在量を測定して、各バーコードの相対存在量を、その対応する相対入力存在量と比較して、各バーコードに対する入力(FAI)を上回る倍率を決定した。標的組織内のバーコードのFAIが、閾値を上回るか、又は同じ組織内の異なるLNPのFAIを上回る場合、LNP調製物は、標的組織に優先的に送達されるものとして特定され得る。
【0473】
FAIは、入力におけるその頻度と比較した、選択された試料中のバーコードの正規化された相対存在量である。バーコードのFAIは、LNP調製物の残りのプールと比較して、LNP調製物の存在量がどのように変化するかを示す。バーコードのFAI値を、単離試料中のバーコード配列カウントの相対存在量を、投与入力中のその相対存在量に正規化することによって計算した。例えば、1のFAI値は、投与プールと同じ頻度で単離試料中に出現するLNP調製物を表し、同じ投与プール内の他のLNP集団と比較して測定された細胞型に対して中性指向性を示すことを表す。次いで、FAIは、入力LNP調製物に対するLNPの性能を示す。
【0474】
本明細書に提供されるイオン化可能な脂質の一部を使用して調製されたLNP調製物の肝臓における生体内分布データを、表5に要約する。
【表5】
【0475】
実施例21:塩基編集のためのLNP調製物、特性評価、及び利用
とりわけ、本実施例は、本明細書に説明される、塩基編集のための例示的なLNP組成物、調製物、ナノ粒子、及び/又はナノ材料を提供する。
LNP調製物及び特性評価
【0476】
脂質ナノ粒子構成成分を、特定の脂質構成成分のモル比で100%エタノール中に溶解させた。アデニン塩基エディター及び化学修飾sgRNAをコードするmRNAを、50mMのクエン酸塩、pH4.0において1:1の質量比で溶解させ、およそ0.1mg/mLのNAカーゴの濃度をもたらした。
【0477】
LNP調製物を、47.5%のイオン化可能な脂質:40%のコレステロール:2.5%のPEG2000-DMG:10%のDSPC総脂質のモル比で、6~12のNA質量比に製剤化した。
【0478】
LNP調製物を、製造業者のプロトコルに従って、Precision Nanosystems NanoAssemblr IgniteシリーズInstrumentsを使用して、脂質及びNA溶液のマイクロ流体混合によって形成した。
【0479】
異なる流量を使用して、混合中に3:1の水性溶媒対有機溶媒の比を維持した。混合後、LNP調製物を収集し、TBS(およそ7:1v/v)中で希釈し、更なる緩衝液交換を、TBS中、4℃で8~24時間、20kDaフィルタに対する透析を使用して行った。この初期透析後、各個々のLNP調製物を動的光散乱(DLS)を介して特性評価して、サイズ及び多分散性を測定した。LNP調製物の亜集団のpKaを、TNSアッセイを介して測定した。
【0480】
透析後、LNP調製物を、0.22ミクロンの滅菌フィルタを使用して滅菌濾過し、更なる使用のために4℃で保存した。いくつかの実施形態では、LNP調製物は、製造業者のプロトコルに従って、100kDaのAmiconフィルタを使用して濃縮され得る。
【0481】
LNP特性評価
DLS-LNP調製物の流体力学的直径及び多分散性指数(PDI)を、高スループット動的光散乱(DLS)(DynaProプレートリーダーII、Wyatt)を使用して測定した。LNP調製物を1×PBSで適切な濃度に希釈し、分析した。
【0482】
濃縮及びカプセル化効率
イオン化可能な脂質7-1、7-2、7-6、及び7-10を含むLNPを除いて、RNA濃度及び封入効率を、Ribogreenアッセイ(BioTek Synergy LXプレートリーダー)によって決定した。イオン化可能な脂質7-1、7-2、7-6、及び7-10を含むLNPについては、製造業者の指示に従ってQubit microRNAキット(siRNA用)又はHS RNAキット(mRNA用)によってRNA濃度を決定し、未溶解及び溶解LNPを測定することによって封入効率を決定した。
結果
提供されるイオン化可能な脂質を使用して調製されたLNP調製物の特性評価データを表6に要約する。
【表6】
【0483】
塩基編集
およそ8~12週齢のオスのBalb/Cマウスを、本明細書に説明される実験で使用した。各マウスを一時的に拘束し、LNP調製物を、0.15mg/kgの総RNAで尾静脈注射を介してBalb/cマウスに投与した。
【0484】
同年齢のマウスもまた、対照として尾静脈注射を介して媒体(1×TBS)を投与するために使用した。投与の4~6日後に、肝臓、脾臓、及び骨髄を含む組織を収集した。塩基編集を、抽出されたゲノムDNAを使用して、ALAS1標的部位で標的深層配列決定分析を実施することによって決定した。ゲノムDNAを、製造業者の指示に従って、96ウェルプレートNexteraインデキシングプライマー(Illumina)を使用して、Nextera DNA Flex Library Prep Kit(Illumina)を使用して単離及び断片化し、アダプターライゲーションした。ライブラリのサイズ及び濃度を、Fragment Analyzer(Agilent)によって確認し、Illumina HiSeqを使用して全ゲノム配列決定のために分析した。
【0485】
結果
様々なイオン化可能な脂質を使用して本実施例に従って製剤化されたLNPについての0.05mg/kgにおける肝臓内の塩基編集率が表7に提供される。
【表7】
【0486】
均等物
当業者は、通例的な実験のみを使用して、本明細書に説明される本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するか、又は確認することができるであろう。本発明の範囲は、上記の説明に限定されることを意図するものではなく、むしろ以下の特許請求の範囲に記載されるとおりである。
【国際調査報告】