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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-08-26
(54)【発明の名称】表示装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H10D 30/67 20250101AFI20250819BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20250819BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20250819BHJP
   H10K 59/123 20230101ALI20250819BHJP
   H10K 59/124 20230101ALI20250819BHJP
   H10K 50/818 20230101ALI20250819BHJP
   H10K 71/20 20230101ALI20250819BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20250819BHJP
   H10D 86/01 20250101ALI20250819BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20250819BHJP
   H10D 64/27 20250101ALI20250819BHJP
   H10D 64/66 20250101ALI20250819BHJP
【FI】
H10D30/67 206C
G09F9/30 348A
G09F9/30 365
G09F9/30 338
G09F9/00 338
H10K59/123
H10K59/124
H10K50/818
H10K71/20
H05B33/14 Z
H10D86/01 101
H10D30/67 103B
H01L21/90 B
H10D64/27 G
H10D64/66 R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025504304
(86)(22)【出願日】2023-07-12
(85)【翻訳文提出日】2025-01-24
(86)【国際出願番号】 KR2023009935
(87)【国際公開番号】W WO2024034883
(87)【国際公開日】2024-02-15
(31)【優先権主張番号】10-2022-0099953
(32)【優先日】2022-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】シン,ヒョン オク
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジュン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ベ,ジュン ウ
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ド クン
(72)【発明者】
【氏名】チョン,ヨン ビン
【テーマコード(参考)】
3K107
4M104
5C094
5F033
5F110
5G435
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107AA05
3K107BB01
3K107BB06
3K107BB07
3K107BB08
3K107CC33
3K107DD14
3K107DD23
3K107DD44X
3K107DD90
3K107DD94
3K107EE03
3K107FF15
3K107GG12
4M104AA03
4M104BB02
4M104BB04
4M104BB05
4M104BB09
4M104BB14
4M104BB36
4M104CC05
4M104DD37
4M104DD65
4M104EE06
4M104EE16
4M104FF06
4M104GG09
5C094BA03
5C094BA23
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA15
5C094DB04
5C094FA02
5C094FA04
5C094FB01
5C094FB02
5C094FB15
5C094HA01
5C094HA03
5C094HA05
5C094HA07
5C094HA08
5F033HH07
5F033HH08
5F033HH11
5F033HH20
5F033PP15
5F033RR04
5F110AA14
5F110AA18
5F110BB01
5F110CC01
5F110DD01
5F110DD02
5F110DD12
5F110DD17
5F110GG01
5F110NN03
5F110NN42
5F110NN44
5F110NN46
5F110NN54
5F110NN71
5F110QQ03
5F110QQ19
5G435BB04
5G435BB05
5G435CC09
5G435HH20
5G435KK05
5G435KK10
5G435LL04
5G435LL07
5G435LL08
5G435LL10
5G435LL14
5G435LL17
5G435LL19
(57)【要約】
表示装置が提供される。一実施形態による表示装置は、少なくとも、平坦領域および前記平坦領域から陥没したトレンチ領域を含む基板と、前記基板上に配置され、前記基板の前記トレンチ領域のプロファイルに沿って屈曲した陥没部を含む電極パターンと、前記陥没部に挿入された平坦化層と、前記基板、前記電極パターンおよび前記平坦化層を覆う第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に配置される発光素子を含み、前記平坦化層は有機/無機複合物質を含み得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦領域および前記平坦領域から陥没したトレンチ領域を含む基板と、
前記基板上に配置され、前記基板の前記トレンチ領域のプロファイルに沿って屈曲した陥没部を含む電極パターンと、
前記陥没部に挿入された平坦化層と、
前記基板、前記電極パターンおよび前記平坦化層を覆う第1絶縁層と、
前記第1絶縁層上に配置される発光素子を含み、
前記平坦化層は有機/無機複合物質を含む、表示装置。
【請求項2】
前記有機/無機複合物質は有機物質および無機物質を含み、
前記無機物質の比率は前記有機物質の比率より大きい、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記有機物質はシロキサン(siloxane)を含み、
前記無機物質は酸化ケイ素(SiO)を含む、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記電極パターンは前記基板の前記平坦領域および前記平坦化層により露出される露出面を含み、
前記平坦領域の上面、前記露出面および前記平坦化層の上面は同一平面上に配置される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1絶縁層および前記発光素子の間に配置される薄膜トランジスタをさらに含み、
前記薄膜トランジスタの半導体層は前記電極パターンと重なる、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記発光素子は、
第1電極と、
前記第1電極上に配置される発光層と、
前記発光層上に配置される第2電極を含み、
前記第1絶縁層と前記発光素子の間に配置される薄膜トランジスタをさらに含み、
前記発光素子の第1電極と前記薄膜トランジスタは互いに電気的に接続される、請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1電極は、前記第1絶縁層を貫通するコンタクトホールを介して前記電極パターンの露出面と直接接触する、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1電極は、前記第1絶縁層および前記平坦化層を貫通するコンタクトホールを介して前記電極パターンと直接接触する、請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
前記電極パターンは前記基板の前記平坦領域および前記平坦化層により露出される露出面を含み、
前記露出面は屈曲した形状を有する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記電極パターンは銅(Cu)を含む、請求項9に記載の表示装置。
【請求項11】
基板上に配置され、平坦領域および前記平坦領域から陥没したトレンチ領域を含む第1絶縁層と、
前記基板上に配置され、前記トレンチ領域のプロファイルに沿って屈曲した陥没部を含む電極パターンと、
前記陥没部に挿入された平坦化層と、
前記第1絶縁層、前記電極パターンおよび前記平坦化層を覆う第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に配置される発光素子を含み、
前記平坦化層は有機/無機複合物質を含む、表示装置。
【請求項12】
前記有機/無機複合物質は有機物質および無機物質を含み、
前記無機物質の比率は前記有機物質の比率より大きい、請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記有機物質はシロキサン(siloxane)を含み、前記無機物質は酸化ケイ素(SiO)を含む、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記電極パターンは前記第1絶縁層の前記平坦領域および前記平坦化層により露出される露出面を含み、
前記平坦領域の上面、前記露出面および前記平坦化層の上面は同一平面上に配置される、請求項11に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1絶縁層および前記発光素子の間に配置される薄膜トランジスタをさらに含み、
前記薄膜トランジスタの半導体層は前記電極パターンと重なる、請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記発光素子は、
第1電極と、
前記第1電極上に配置される発光層と、
前記発光層上に配置される第2電極を含み、
前記第1絶縁層と前記発光素子の間に配置される薄膜トランジスタをさらに含み、
前記発光素子の第1電極と前記薄膜トランジスタは互いに電気的に接続される、請求項14に記載の表示装置。
【請求項17】
前記基板と前記発光素子の間に配置される薄膜トランジスタをさらに含み、前記電極パターンは前記薄膜トランジスタのゲート電極である、請求項14に記載の表示装置。
【請求項18】
基板を準備する段階と、
前記基板に平坦領域および前記平坦領域から陥没したトレンチ領域を形成する段階と、
前記基板上に前記トレンチ領域のプロファイルに沿って部分的に屈曲した電極物質層を形成する段階と、
前記電極物質層上に有機/無機複合物質層を形成する段階と、
前記有機/無機複合物質層をエッチングして前記電極物質層の一部分上に有機/無機複合層を形成する段階と、
前記有機/無機複合層により覆われていない前記電極物質層の一部分を選択的にエッチングして電極層を形成する段階と、
前記基板の前記平坦領域、前記有機/無機複合層および前記電極層上に第1絶縁層を形成する段階を含む、表示装置の製造方法。
【請求項19】
前記有機/無機複合物質層および前記有機/無機複合層のそれぞれは有機物質および無機物質を含み、
前記無機物質の比率は前記有機物質の比率より大きい、請求項18に記載の表示装置の製造方法。
【請求項20】
前記有機物質はシロキサン(siloxane)を含み、前記無機物質は酸化ケイ素(SiO)を含む、請求項19に記載の表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、マルチメディアの発展に伴いその重要性が増大している。それに応じて、有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display,OLED)、液晶表示装置(Liquid Crystal Display,LCD)など多様な種類の表示装置が使用されている。
【0003】
表示装置は、画像を表示する装置として、発光表示パネルや液晶表示パネルのような表示パネルを含む。その中で、発光表示パネルは、発光素子を含むことができる。発光素子の一例としては、発光ダイオード(Light Emitting Diode,LED)が挙げられる。発光ダイオードには、有機物を蛍光物質として用いる有機発光ダイオード(OLED)、無機物を蛍光物質として用いる無機発光ダイオードなどが含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、配線または電極の厚さによる装置信頼性の低下を防止する表示装置を提供することにある。
【0005】
本発明が解決しようとする他の課題は、配線または電極の厚さによる装置信頼性の低下を防止する表示装置の製造方法を提供することにある。
【0006】
本発明の課題は以上に述べた課題に限定されず、言及されていないまた他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための一実施形態による表示装置は、少なくとも、平坦領域および前記平坦領域から陥没したトレンチ領域を含む基板と、前記基板上に配置され、前記基板の前記トレンチ領域のプロファイルに沿って屈曲した陥没部を含む電極パターンと、前記陥没部に挿入された平坦化層と、前記基板、前記電極パターンおよび前記平坦化層を覆う第1絶縁層と、前記第1絶縁層上に配置される発光素子を含み、前記平坦化層は有機/無機複合物質を含み得る。
【0008】
前記課題を解決するための他の実施形態による表示装置は、少なくとも、基板上に配置され、平坦領域および前記平坦領域から陥没したトレンチ領域を含む第1絶縁層と、前記基板上に配置され、前記トレンチ領域のプロファイルに沿って屈曲した陥没部を含む電極パターンと、前記陥没部に挿入された平坦化層と、前記第1絶縁層、前記電極パターンおよび前記平坦化層を覆う第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に配置される発光素子を含み、前記平坦化層は有機/無機複合物質を含み得る。
【0009】
前記課題を解決するための一実施形態による表示装置の製造方法は、少なくとも、基板を準備する段階と、前記基板に平坦領域および前記平坦領域から陥没したトレンチ領域を形成する段階と、前記基板上に前記トレンチ領域のプロファイルに沿って部分的に屈曲した電極物質層を形成する段階と、前記電極物質層上に有機/無機複合物質層を形成する段階と、前記有機/無機複合物質層をエッチングして前記電極物質層の一部分上に平坦化層を形成する段階と、前記平坦化層により覆われていない前記電極物質層の一部分を選択的にエッチングする段階と、前記基板の前記平坦領域、前記平坦化層および前記電極物質層上に第1絶縁層を形成する段階を含み得る。
【発明の効果】
【0010】
一実施形態による表示装置では、装置信頼性を向上させることができる。
【0011】
一実施形態による表示装置の製造方法は、装置信頼性が向上した表示装置を提供することができる。
【0012】
実施形態による効果は以上で例示した内容によって制限されず、より多様な効果が本明細書内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態による電子機器の概略的な斜視図である。
図2】一実施形態による電子機器に含まれる表示装置を示す斜視図である。
図3】一実施形態による表示装置の表示パネルを示す平面図である。
図4】一実施形態による表示装置の一画素の概略的な構造を示す断面図である。
図5図4のA1領域を拡大した拡大図である。
図6】一実施形態による表示装置を製造する工程を説明するための図である。
図7】一実施形態による表示装置を製造する工程を説明するための図である。
図8】一実施形態による表示装置を製造する工程を説明するための図である。
図9】一実施形態による表示装置を製造する工程を説明するための図である。
図10】一実施形態による表示装置を製造する工程を説明するための図である。
図11】一実施形態による表示装置を製造する工程を説明するための図である。
図12】一実施形態による表示装置を製造する工程を説明するための図である。
図13】一実施形態による表示装置を製造する工程を説明するための図である。
図14】他の実施形態による表示装置の一画素の概略的な構造を示す断面図である。
図15】また他の実施形態による表示装置の一画素の概略的な構造を示す断面図である。
図16】また他の実施形態による表示装置の一画素の概略的な構造を示す断面図である。
図17図16のA2領域を拡大した拡大図である。
図18図16の実施形態による表示装置を製造する工程を説明するための図である。
図19図16の実施形態による表示装置を製造する工程を説明するための図である。
図20図16の実施形態による表示装置を製造する工程を説明するための図である。
図21】また他の実施形態による表示装置の一画素の概略的な構造を示す断面図である。
図22】また他の実施形態による表示装置の一画素の概略的な構造を示す断面図である。
図23】また他の実施形態による表示装置の一画素の概略的な構造を示す断面図である。
図24】また他の実施形態による表示装置の一画素の概略的な構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の利点および特徴、並びにこれらを達成する方法は、添付する図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すると明確になる。しかし、本発明は、以下に開示する実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で実現することができ、本実施形態は、単に本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供するものであり、本発明は請求項の範疇によってのみ定義される。
【0015】
素子または層が他の素子または層の「上」と称される場合は、他の素子のすぐ上または中間に他の層や他の素子が介在する場合をすべて含む。これと同様に、「下」、「左」および「右」と称される場合は、他の素子と直接隣接して介在する場合または中間に他の層や他の素材が介在する場合をすべて含む。明細書全体にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を指すものとする。
【0016】
第1、第2などが多様な構成要素を記述するために使用されるが、これらの構成要素は、これらの用語によって制限されないのはもちろんである。これらの用語は、単に一つの構成要素を他の構成要素と区別するために使用する。したがって、以下に言及する第1構成要素は、本発明の技術的思想内で第2構成要素であり得ることはもちろんである。
【0017】
本発明の様々な実施形態のそれぞれの特徴は、部分的にまたは全体的に互いに結合または組み合わせが可能であり、技術的に多様な連動および駆動が可能であり、各実施形態は互いに対して独立して実施することもでき、互いに連携して実施することもできる。
【0018】
以下、添付する図面を参照して具体的な実施形態について説明する。
【0019】
図1は一実施形態による電子機器の概略的な斜視図である。
【0020】
図1を参照すると、電子機器1は、動画や静止映像を表示する。電子機器1は、表示画面を提供するかまたは表示画面を含むすべての電子機器を指す。例えば、表示画面を提供するテレビ、ノートパソコン、モニタ、広告板、モノのインターネット、モバイルフォン、スマートフォン、タブレットPC(Personal Computer)、電子時計、スマートウォッチ、ウォッチフォン、ヘッドマウントディスプレイ、移動通信端末機、電子手帳、電子ブック、PMP(Portable Multimedia Player)、ナビゲーション、ゲーム機、デジタルカメラ、カムコーダなどが電子機器1に含まれる。
【0021】
図1には第1方向DR1、第2方向DR2および第3方向DR3が定義されている。第1方向DR1および第2方向DR2は互いに垂直であり、第1方向DR1および第3方向DR3は互いに垂直であり、第2方向DR2および第3方向DR3は互いに垂直であり得る。第1方向DR1は図面上の横方向を意味し、第2方向DR2は図面上の縦方向を意味し、第3方向DR3は図面上の上部および下部方向、すなわち、厚さ方向を意味するものと理解される。以下の明細書において、特に言及がない限り、「方向」は、その方向に沿って延びる両側に向かう方向の両方を指す。また、両側に延びるに両「方向」を区別する必要がある場合、一側を「方向一側」、他側を「方向他側」としてそれぞれ区分して呼ぶものとする。図1を参照して方向を指す矢印が向く方向を一側、その反対方向を他側と呼ぶ。
【0022】
以下では、説明の便宜上、電子機器1または電子機器1を構成する各部材の面を指す際に、画像が表示される方向、すなわち第3方向DR3の一側に面する一面を上面と呼び、前記一面の反対面を底面と呼ぶ。ただし、これに制限されず、前記部材の前記一面および前記他面は、それぞれ前面および背面と呼ばれ、第1面または第2面とも呼ばれる。また、電子機器1の各部材の相対的位置を説明するにあたり、第3方向DR3の一側を上部と呼び、第3方向DR3の他側を下部と呼ぶ。
【0023】
電子機器1は、表示画面を提供する表示装置(図2の‘10’)を含み得る。表示装置の例としては、無機発光ダイオード表示装置、有機発光表示装置、量子ドット発光表示装置、プラズマ表示装置、電界放出表示装置などが挙げられる。以下では、表示装置の一例として、有機発光表示装置が適用された場合を例示するが、それに制限されるものではなく、同じ技術的思想が適用可能であれば他の表示装置にも適用することができる。
【0024】
電子機器1の形状は多様に変形することができる。例えば、電子機器1は、横長の長方形、縦長の長方形、正方形、コーナー部(頂点)が丸い四角形、その他多角形、円形などの形状を有することができる。電子機器1の表示領域DAの形状も、電子機器1の全体的な形状と同様の形状を有する。図1では第2方向DR2の長さが長い長方形形状の電子機器1を例示している。
【0025】
電子機器1は表示領域DAと非表示領域NDAを含み得る。表示領域DAは、画面が表示される領域であり、非表示領域NDAは画面が表示されない領域である。表示領域DAは活性領域、非表示領域NDAは非活性領域とも呼ばれる。表示領域DAは概して電子機器1の中央を占める。
【0026】
図2は一実施形態による電子機器に含まれる表示装置を示す斜視図である。
【0027】
図1および図2を参照すると、一実施形態による電子機器1は、表示装置10を含み得る。表示装置10は、電子機器1の表示画面を提供する。表示装置10は、電子機器1と同様の平面形状を有することができる。例えば、表示装置10は、第1方向DR1の短辺と第2方向DR2の長辺を有する長方形と類似した形状を有することができる。第1方向DR1の短辺と第2方向DR2の長辺が交わる角は、曲率を有するように丸く形成されるが、これに制限されるものではなく、直角に形成されることもできる。表示装置10の平面形状は、四角形に限定されず、他の多角形、円形または楕円形など多様な形状に形成されることができる。
【0028】
表示装置10は、表示パネル100、表示駆動部200および回路ボード300を含み得る。一実施形態では、表示装置10はタッチ駆動部をさらに含み得る。
【0029】
表示パネル100は、メイン領域MAおよびサブ領域SBAを含み得る。
【0030】
メイン領域MAは、映像を表示する画素を含む表示領域DAおよび表示領域DAの周辺に配置された非表示領域NDAを含み得る。表示領域DAは、後述する複数の発光領域または複数の開口領域から光を放出する。例えば、表示パネル100は、スイッチング素子を含む画素回路、発光領域または開口領域を定義する画素定義膜および自発光素子(Self-Light Emitting Element)を含むことができる。
【0031】
例えば、自発光素子は、有機発光層を含む有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode)、量子ドット発光層を含む量子ドット発光ダイオード(Quantum dot LED)、無機半導体を含む無機発光ダイオード(Inorganic LED)、およびマイクロ発光ダイオード(Micro LED)のうち少なくとも一つを含み得るが、これに限られない。以下の実施形態では、自発光素子が有機発光ダイオードであることを例示した。
【0032】
非表示領域NDAは表示領域DAの外側領域であり得る。非表示領域NDAは、表示パネル100のメイン領域MAの縁領域と定義する。非表示領域NDAは、ゲート線にゲート信号を供給するゲート駆動部(図示せず)および表示駆動部200と表示領域DAを接続するファンアウト線(図示せず)を含み得る。
【0033】
なお、本明細書における「接続」の意味は、ある部材が他の部材と相互に物理的な接触を介して接続されることだけでなく、他の部材を介して接続されることを意味する。また、これは一体化した一つの部材として、ある部分と他の部分は一体化した部材により相互接続されたものと理解することができる。さらに、ある部材と他の部材の接続は、直接接触した接続に加えて、他の部材を介した電気的な接続まで含む意味で解釈することができる。
【0034】
サブ領域SBAはメイン領域MAの一側から延びた領域であり得る。サブ領域SBAは、ベンディング(Bending)、フォールディング(folding)(Folding)、ローリング(Rolling)などが可能なフレキシブル(Flexible)物質を含み得る。例えば、サブ領域SBAがベンディングされる場合、サブ領域SBAはメイン領域MAと厚さ方向(第3方向DR3)に重なる。サブ領域SBAは、表示駆動部200および回路ボード300と接続されるパッド部を含み得る。他の実施形態では、サブ領域SBAは省略することができ、表示駆動部200およびパッド部は非表示領域NDAに配置されることができる。
【0035】
表示駆動部200は、表示パネル100を駆動するための信号と電圧を出力する。表示駆動部200は、データ線にデータ電圧を供給する。表示駆動部200は、電源線に電源電圧を供給し、ゲート駆動部にゲート制御信号を供給する。表示駆動部200は、集積回路(Integrated Circuit,IC)で形成されてCOG(Chip on Glass)方式、COP(Chip on Plastic)方式、または超音波接合方式で表示パネル100上に実装されることができる。例えば、表示駆動部200は、サブ領域SBAに配置され、サブ領域SBAのベンディングによりメイン領域MAと厚さ方向に重なり得る。他の例としては、表示駆動部200は回路ボード300上に実装されることができる。
【0036】
回路ボード300は、異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film,ACF)を用いて表示パネル100のパッド部上に取り付ける。回路ボード300のリード線は表示パネル100のパッド部に電気的に接続され得る。回路ボード300は、フレキシブルプリント回路ボード(Flexible Printed Circuit Board)、プリント回路ボード(Printed Circuit Board)、またはチップオンフィルム(Chip on Film)などのようなフレキシブルフィルム(Flexible Film)であり得る。
【0037】
図3は一実施形態による表示装置の表示パネルを示す平面図である。
【0038】
図3を参照すると、表示パネル100は表示領域DAおよび非表示領域NDAを含み得る。
【0039】
表示領域DAは、表示パネル100の中央に配置される。表示領域DAには複数の画素PX、複数のゲート線GL、複数のデータ線DL、および複数の電源線VLが配置される。複数の画素PXのそれぞれは、光を放出する最小単位または基本単位として定義することができる。
【0040】
複数のゲート線GLは、ゲート駆動部210から受信されたゲート信号を複数の画素PXに供給する。複数のゲート線GLは、第1方向DR1に延び、第1方向DR1と交差する第2方向DR2に互いに離隔している。
【0041】
複数のデータ線DLは、表示駆動部200から受信されたデータ電圧を複数の画素PXに供給する。複数のデータ線DLは、第2方向DR2に延び、第1方向DR1に互いに離隔している。
【0042】
複数の電源線VLは、表示駆動部200から受信された電源電圧を複数の画素PXに供給する。ここで、電源電圧は駆動電圧、初期化電圧、基準電圧、および低電位電圧のうち少なくとも一つであり得る。複数の電源線VLは、第2方向DR2に延び、第1方向DR1に互いに離隔している。
【0043】
非表示領域NDAは表示領域DAを囲み得る。非表示領域NDAには、ゲート駆動部210、ファンアウト線FOL、およびゲート制御線GCLが配置される。ゲート駆動部210は、ゲート制御信号に基づいて複数のゲート信号を生成し、複数のゲート信号を設定された順序に従って複数のゲート線GLに順次供給することができる。
【0044】
ファンアウト線FOLは、表示駆動部200から表示領域DAまで延び得る。ファンアウト線FOLは、表示駆動部200から受信されたデータ電圧を複数のデータ線DLに供給する。
【0045】
ゲート制御線GCLは、表示駆動部200からゲート駆動部210まで延び得る。ゲート制御線GCLは、表示駆動部200から受信されたゲート制御信号をゲート駆動部210に供給する。
【0046】
サブ領域SBAは、表示駆動部200およびパッド領域PAを含み得る。
【0047】
表示駆動部200は、ファンアウト線FOLに表示パネル100を駆動するための信号と電圧を出力する。例えば、表示駆動部200は、ファンアウト線FOLを介してデータ電圧をデータ線DLに供給する。データ電圧は、複数の画素PXに供給され得、複数の画素PXの輝度を制御することができる。表示駆動部200は、ゲート制御線GCLを介してゲート制御信号をゲート駆動部210に供給する。
【0048】
パッド領域PAはサブ領域SBAの縁に配置される。パッド領域PAは、異方性導電フィルムまたはSAP(Self Assembly Anisotropic Conductive Paste)などのような素材を用いて回路ボード300に電気的に接続され得る。
【0049】
パッド領域PAは複数の表示パッド部DPを含み得る。複数の表示パッド部DPは、回路ボード300を介して外部システム(一例として、グラフィックシステム)に接続され得る。複数の表示パッド部DPは、回路ボード300と接続されてデジタルビデオデータを受信し、デジタルビデオデータを表示駆動部200に供給する。
【0050】
前述したように、表示パネル100には、複数の配線(または電極)が配置される。複数の配線に作用する抵抗が大きいほど表示装置10の効率が低下するため、複数の配線に作用する抵抗を減らすために、複数の配線の厚さ(すなわち、第3方向DR3の幅)を増加させることができる。
【0051】
しかし、複数の配線(または電極)の厚さを増加させる場合、その上部に配置される他の配線を形成する際に複数の配線の厚さによる段差が発生するため、装置信頼性が低下する恐れがある。そのため、一実施形態では、基板または絶縁層にトレンチ(またはトレンチ領域)を形成し、前記トレンチ内に配線(または電極)を配置することによって、複数の配線(または電極)の厚さによる段差を減らすことができる。
【0052】
図4は一実施形態による表示装置の一画素の概略的な構造を示す断面図である。図5図4のA1領域を拡大した拡大図である。
【0053】
図4および図5を参照して一実施形態による表示装置10の断面構造について説明する。
【0054】
基板SUBはベース基板またはベース部材であり得る。基板SUBは、ベンディング(Bending)、フォールディング(Folding)、ローリング(Rolling)などが可能なフレキシブル(Flexible)基板であり得る。例えば、基板SUBは、ポリイミド(PI)のような高分子樹脂を含み得るが、これに限られない。他の例としては、基板SUBはガラス材質または金属材質を含むことができる。
【0055】
基板SUBは、平坦領域SUBaおよびトレンチ領域SUBbを含み得る。基板SUBのトレンチ領域SUBbは、基板SUBの平坦領域SUBaから基板SUBの内部、すなわち第3方向DR3の他側に陥没した形状を有することができる。基板のトレンチ領域SUBb上には電極パターンが配置され、前記電極パターンが基板SUBの平坦領域SUBaから突出しないようにすることができる。これに係る詳しい説明は後述する。
【0056】
基板SUBのトレンチ領域SUBb上には電極パターンとして下部金属層BMLが配置される。下部金属層BMLは、後述する薄膜トランジスタTFTの半導体層ACTを保護するか、外部からの光を遮光する役割をすることができる。
【0057】
下部金属層BMLは、基板SUBのトレンチ領域SUBb上に配置され、トレンチ領域SUBbのプロファイルに沿って実質的に同じ厚さを有して屈曲して、U字などの形状を有することができる。例えば、下部金属層BMLは、基板SUBのトレンチ領域SUBb上に屈曲して後述する有機/無機複合層CPXLを収容できる陥没部(DN,dent portion、図9を参照)(または溝部)を形成することができる。これは後述する表示装置製造工程において、下部金属層BMLがスパッタリング(Sputtering)などの工程により形成されることによるものである。
【0058】
いくつかの実施形態では、下部金属層BMLは、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはそれらの合金からなる単層または多層で形成されるが、これに制限されるものではない。以下では、説明の便宜上、下部金属層BMLがモリブデン(Mo)を含むことを中心に説明する。
【0059】
下部金属層BMLは、基板SUBの平坦領域SUBaと後述する有機/無機複合層CPXLの上面CPXLaの間で露出される露出面BMLaを含み得る。露出面BMLaは、基板SUBの平坦領域SUBaでの第3方向DR3の一側面と実質的に同一平面に配置されることができる。例えば、下部金属層BMLは、基板SUBのトレンチ領域SUBb上にのみ配置され、平坦領域SUBa上には配置されなくてもよい。一例として、下部金属層BMLは、基板SUBから第3方向DR3の一側に突出しなくてもよい。
【0060】
有機/無機複合層CPXLは、下部金属層BMLが屈曲して形成する陥没部DN上に介在する。有機/無機複合層CPXLは、下部金属層BMLが形成する陥没部DNを埋めて平坦化させる平坦化層の役割をすることができる。例えば、有機/無機複合層CPXLの上面CPXLaは、基板SUBの平坦領域SUBaおよび下部金属層BMLの露出面BMLaと実質的に同一平面上に配置されることができる。
【0061】
有機/無機複合層CPXL(「平坦化層」ともいう)は、有機物質および無機物質を両方含むことができる。例えば、有機/無機複合層CPXLは、有機物質と無機物質が混合されたものである。いくつかの実施形態では、有機/無機複合層CPXLが含む有機物質はシロキサン(Siloxane)系有機物質であり、無機物質は酸化ケイ素(SiO)であり得るが、これに制限されるものではない。
【0062】
有機/無機複合層CPXLに含まれる有機物質は、下部金属層BMLが形成する陥没部DNを有機/無機複合層CPXLにより埋めて平坦化させる役割をすることができる。また、有機/無機複合層CPXLに含まれる無機物質は、後述する表示装置の製造工程で求められる工程条件として、350℃~400℃の範囲の高温条件下で有機/無機複合層CPXLの耐熱性を向上させる役割をすることができる。
【0063】
もし、有機/無機複合層CPXLが有機物質のみを含む場合は、下部金属層BMLが形成する陥没部DNを容易に埋めて平坦化させることができるが、耐熱性が低下して後続の工程で求められる350℃~400℃の範囲の高温条件下で、アウトガス(out-gas)が相対的に多く排出されて亀裂が発生してしまう場合がある。一方、有機/無機複合層CPXLが無機物質のみを含む場合には、耐熱性が向上して後続の工程で求められる350℃~400℃の範囲の高温条件下でアウトガス(out-gas)が相対的に少なく排出されるが、下部金属層BMLが形成する陥没部DNを容易に埋められない可能性もある。したがって、一実施形態では、有機/無機複合層CPXLは、有機物質と無機物質の両方を一定の程度で含むことができる。
【0064】
いくつかの実施形態では、有機/無機複合層CPXLは、無機物質の含有量が有機物質の含有量よりも多くてもよい。例えば、有機/無機複合層CPXLの無機物質の含有量は60%であり、有機物質の含有量は40%であり得るが、これに制限されるものではない。これは有機物質の含有量が相対的に少なくても下部金属層BMLが形成する陥没部DNを容易に埋めることができるため、無機物質の含有量を高めて有機/無機複合層CPXL自体の耐熱性を向上させるためのものである。
【0065】
上述の実施形態の構成により、基板SUBに下部金属層BMLが形成されても基板SUB上に配置される他の素子は実質的に平坦な面上で形成されるので、段差が発生せず、後続の工程で求められる高温工程にも耐えられる耐熱性が向上して、表示装置10の信頼性を向上させることができる。また、上述の実施形態によれば、下部金属層BML上に配置される有機/無機複合層CPXLにより様々な素子と第3方向DR3にさらに離隔して配置されるため、パネルの厚さを増加させることなく下部金属層BMLと有機/無機複合層CPXLとの間で寄生容量が発生することを防止することができる。
【0066】
バッファ層BFは、基板SUBの平坦領域SUBa、下部金属層BMLの露出面BMLaおよび有機/無機複合層CPXLの上面CPXLa上に配置される。前述したように、実施形態では、基板SUBの平坦領域SUBa、下部金属層BMLの露出面BMLaおよび有機/無機複合層CPXLの上面CPXLaは、実質的に同一平面上に配置され、そのためバッファ層BFは段差なく平坦に配置されることができる。
【0067】
バッファ層BFは空気または水分の浸透を防止できる無機膜を含み得る。例えば、バッファ層BFは交互に積層された複数の無機膜を含み得る。
【0068】
薄膜トランジスタTFTは、バッファ層BF上に配置され、複数の画素それぞれの画素回路を構成する。例えば、薄膜トランジスタTFTは、画素回路の駆動トランジスタまたはスイッチングトランジスタであり得る。薄膜トランジスタTFTは、半導体層ACT、ソース電極SE、ドレイン電極DE、およびゲート電極GEを含み得る。
【0069】
半導体層ACTはバッファ層BF上に配置される。半導体層ACTは、下部金属層BMLおよびゲート電極GEと厚さ方向(または第3方向DR3)に重なり、ゲート絶縁層GIによりゲート電極GEとは絶縁され得る。
【0070】
ゲート電極GEはゲート絶縁層GI上に配置される。平面視において、ゲート電極GEは、ゲート絶縁層GIを間に置いて半導体層ACTと重なり得る。
【0071】
ゲート絶縁層GIは半導体層ACT上に配置される。例えば、ゲート絶縁層GIは、半導体層ACTおよびバッファ層BFを覆い、半導体層ACTとゲート電極GEを絶縁させる。ゲート絶縁層GIは、ソース電極SEおよびドレイン電極DEが貫通するコンタクトホールを含み得る。
【0072】
層間絶縁層ILDは、ゲート電極GEおよびゲート絶縁層GIを覆う。層間絶縁層ILDは、ソース電極SEおよびドレイン電極DEが貫通するコンタクトホールを含み得る。層間絶縁層ILDのコンタクトホールは、ゲート絶縁層GIのコンタクトホールおよび第1ビア絶縁層VIA1のコンタクトホールと接続され得る。
【0073】
層間絶縁層ILD上にはキャパシタ電極(図示せず)が配置される。前記キャパシタ電極は、第3方向DR3でゲート電極GEと重なり得る。前記キャパシタ電極およびゲート電極GEは静電容量を形成することができる。
【0074】
第1ビア絶縁層VIA1は層間絶縁層ILDを覆う。第1ビア絶縁層VIA1は、ソース電極SEおよびドレイン電極DEが貫通するコンタクトホールを含み得る。第1ビア絶縁層VIA1のコンタクトホールは、層間絶縁層ILDのコンタクトホールおよびゲート絶縁層GIのコンタクトホールと接続され得る。
【0075】
ソース電極SEおよびドレイン電極DEは、第1ビア絶縁層VIA1上に配置される。ソース電極SEおよびドレイン電極DEは、薄膜トランジスタTFTの半導体層ACTと電気的に接続され得る。例えば、ソース電極SEおよびドレイン電極DEは、第1ビア絶縁層VIA1、層間絶縁層ILDおよびゲート絶縁層GIに形成されたコンタクトホールに挿入され、それぞれ薄膜トランジスタTFTの半導体層ACTとコンタクトされ得る。
【0076】
第2ビア絶縁層VIA2は、ソース電極SE、ドレイン電極DEおよび第1ビア絶縁層VIA1を覆う。第2ビア絶縁層VIA2は、薄膜トランジスタTFTを保護することができる。第2ビア絶縁層VIA2は、接続電極CNEが貫通するコンタクトホールを含み得る。
【0077】
接続電極CNEは第2ビア絶縁層VIA2上に配置される。接続電極CNEは、後述する発光素子EDの画素電極AEと薄膜トランジスタTFTのドレイン電極DEを電気的に接続し得る。接続電極CNEは、第2ビア絶縁層VIA2に形成されたコンタクトホールに挿入され、ドレイン電極DEにコンタクトされ得る。
【0078】
第3ビア絶縁層VIA3は、接続電極CNEおよび第2ビア絶縁層VIA2を覆う。第3ビア絶縁層VIA3は、発光素子EDの画素電極AEが貫通するコンタクトホールを含み得る。
【0079】
発光素子EDは、画素電極AE、発光層ELおよび共通電極CEを含み得る。
【0080】
画素電極AEは第3ビア絶縁層VIA3上に配置される。画素電極AEは、画素定義膜PDLの開口部と重なるように配置される。画素電極AEは、接続電極CNEを介して薄膜トランジスタTFTのドレイン電極DEに電気的に接続され得る。
【0081】
画素定義膜PDLは開口部を含み、第3ビア絶縁層VIA3および画素電極AEの一部上に配置される。画素定義膜PDLの開口部は、画素電極AEの一部を露出し得る。
【0082】
画素定義膜PDLは、複数の発光素子EDそれぞれの画素電極AEを離隔および絶縁させる。画素定義膜PDLは、光吸収物質を含んで光反射を防止することができる。例えば、画素定義膜PDLは、ポリイミド(PI)系バインダ、および赤色、緑色と青色が混合されたピグメントを含むことができる。または、画素定義膜PDLは、カルド(cardo)系バインダ樹脂およびラクタム系ブラックピグメント(lactam black pigment)とブルーピグメントの混合物を含むことができる。または、画素定義膜PDLはカーボンブラックを含むことができる。
【0083】
発光層ELは、画素電極AEおよび画素定義膜PDLの一部上に配置される。例えば、発光層ELは、画素定義膜PDLが形成する開口部により露出される画素電極AEの一面および画素定義膜PDLの一部分上に配置され得る。
【0084】
発光層ELは、有機物質からなる有機発光層であり得る。発光層ELが有機発光層である場合、薄膜トランジスタTFTが発光素子EDの画素電極AEに所定の電圧を印加し、発光素子EDの共通電極CEが共通電圧またはカソード電圧を受信すると、正孔と電子のそれぞれが正孔輸送層と電子輸送層を介して発光層ELに移動し得、正孔と電子が発光層ELで互いに結合して光を放出することができる。
【0085】
共通電極CEは、発光層ELおよび画素定義膜PDL上に配置される。例えば、共通電極CEは、発光層ELおよび発光層ELが配置されていない画素定義膜PDLの一部分上に配置され得る。また、共通電極CEは、複数の画素PXごとに区別されず、全画素に共通する電極の形態として、表示領域DAの全面に実装されることができる。
【0086】
共通電極CEは共通電圧または低電位電圧を受信する。画素電極AEがデータ電圧に対応する電圧を受信し、共通電極CEが低電位電圧を受信すると、電位差が画素電極AEと共通電極CEの間に形成されることによって、発光層ELが光を放出することができる。
【0087】
封止層TFELは、共通電極CE上に配置され、複数の発光素子EDを覆う。いくつかの実施形態では、封止層TFELは、少なくとも一つの無機膜および少なくとも一つの有機膜を含み、発光素子EMに酸素、水分または埃のような異物が浸透することを防止することができる。
【0088】
例示的な実施形態では、封止層TFELは第3方向DR3に順次積層される第1封止層TFE1、第2封止層TFE2および第3封止層TFE3を含み得る。第1封止層TFE1と第3封止層TFE3は無機封止層であり、これらの間に配置された第2封止層TFE2は有機封止層であり得る。
【0089】
第1封止層TFE1と第3封止層TFE3は、それぞれ一つ以上の無機絶縁物を含み得る。無機絶縁物は、アルミニウムオキシド、チタンオキシド、タンタルオキシド、ハフニウムオキシド、ジンクオキシド、シリコンオキシド、シリコンナイトライドおよび/またはシリコンオキシナイトライドを含むことができる。
【0090】
第2封止層TFE2は、ポリマー(polymer)系の物質を含み得る。ポリマー系の素材としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミドおよびポリエチレンなどを含むことができる。例えば、第2封止層TFE2は、アクリル系樹脂、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリル酸などを含むことができる。第2封止層TFE2はモノマーを硬化したり、ポリマーを塗布して形成することができる。
【0091】
以下では、基板SUB上に下部金属層BMLおよび有機/無機複合層CPXLを形成する過程の一実施形態を説明する。
【0092】
図6ないし図13は一実施形態による表示装置を製造する工程を説明するための図である。
【0093】
図6を参照すると、一実施形態による表示装置の製造方法は、基板SUB上に平坦領域SUBaおよびトレンチ領域SUBb(またはトレンチ)を形成する段階(S100)、基板SUB上に下部金属物質層BML’を形成する段階(S200)、下部金属物質層BML’上に有機/無機複合物質層CPXL’を形成する段階(S300)、有機/無機複合物質層CPXL’をエッチングしてトレンチ領域SUBb上に残存する有機/無機複合層CPXLを形成する段階(S400)、下部金属物質層BML’をエッチングして下部金属層BMLを形成する段階(S500)、および下部金属層BML、有機/無機複合層CPXLおよび基板SUB上に第1絶縁層、一例として、バッファ層BFを形成する段階(S600)を含み得る。
【0094】
先ず、図7および図8を参照すると、基板SUBに平坦領域SUBaおよびトレンチ領域SUBbを形成する(S100)。平坦領域SUBaおよびトレンチ領域SUBbを形成する工程は、例えばマスクを用いて行うことができる。
【0095】
トレンチ領域SUBbは、前述したように平坦領域SUBaから陥没した領域であり得る。トレンチ領域SUBbは、基板SUBを第3方向DR3に貫通しない。
【0096】
次に、図9を参照すると、基板SUB上に下部金属物質層BML’を形成する(S200)。下部金属物質層BML’を形成する工程は、例えばスパッタリング方式で行われるが、これに制限されるものではない。
【0097】
下部金属物質層BML’は、基板SUBのトレンチ領域SUBbにおいてトレンチ領域SUBbのプロファイルに沿って屈曲して陥没部DNを形成する。例えば、下部金属物質層BML’は、実質的に一定の厚さを有しながら基板SUBのトレンチ領域SUBbにおいて前記トレンチ領域SUBbのプロファイルに沿って屈曲し得、そのため、下部金属物質層BML’は陥没部DNを含み得る。
【0098】
下部金属物質層BML’は、後続のエッチング工程により下部金属層BMLになる層であり、下部金属層BMLと同じ物質を含む。いくつかの実施形態では、下部金属物質層BML’は、モリブデン(Mo)を含み得るが、これに制限されるものではない。
【0099】
次に、図10を参照すると、下部金属物質層BML’上に有機/無機複合物質層CPXL’を形成し(S300)、有機/無機複合物質層CPXL’をエッチングしてトレンチ領域SUBb上に残存する有機/無機複合層CPXLを形成する(S400)。有機/無機複合物質層CPXL’をエッチングする工程は、乾式エッチング(Dry etching)方式で行われるが、これに制限されるものではない。
【0100】
有機/無機複合物質層CPXL’は、エッチング工程を経て有機/無機複合層CPXLになる層であり、有機/無機複合層CPXLと同じ物質を含む。すなわち、有機/無機複合物質層CPXL’は、有機物質と無機物質が混合されていてもよい。いくつかの実施形態では、有機/無機複合物質層CPXL’が含む有機物質はシロキサン(Siloxane)系有機物質であり、無機物質は酸化ケイ素(SiO)であり得るが、これに制限されるものではない。
【0101】
前述したように、有機/無機複合物質層CPXL’は、有機物質と無機物質を両方含むため、下部金属物質層BML’が形成する陥没部DNを埋めて下部金属物質層BML’により形成される段差を緩和または平坦化することができる。
【0102】
有機/無機複合物質層CPXL’をエッチングする工程は、第1エッチングガスを用いる乾式エッチングで行われる。前記第1エッチングガスは、塩素(Cl)ガスとして下部金属物質層BML’と反応しない。そのため、有機/無機複合物質層CPXL’のみエッチングされ、図11に示すように、下部金属物質層BML’が形成する陥没部DNに介在する有機/無機複合層CPXLを形成することができる。
【0103】
すなわち、有機/無機複合物質層CPXL’を完全にエッチングしないので、工程をさらに簡素化することができる。
【0104】
次に、図11および図12を参照すると、下部金属物質層BML’をエッチングして下部金属層BMLを形成する(S500)。下部金属物質層BML’をエッチングする工程は、乾式エッチング(Dry etching)方式で行われるが、これに制限されるものではない。
【0105】
下部金属物質層BML’をエッチングする工程は、第2エッチングガスを用いる乾式エッチングで行われる。前記第2エッチングガスは、アルゴン(Ar)ガスとして有機/無機複合層CPXLと反応しない。そのため、下部金属物質層BML’のうち、有機/無機複合層CPXLにより覆われていない領域は第2エッチングガスによりエッチングされ、有機/無機複合層CPXLにより覆われる領域は有機/無機複合層CPXLがエッチング防止膜の役割をしてエッチングされない。
【0106】
なお、図10ないし図12の実施形態では、互いに異なるエッチングガスを用いて有機/無機複合物質層CPXL’および下部金属物質層BML’をそれぞれエッチングすることを例示したが、有機/無機複合物質層CPXL’および下部金属物質層BML’をエッチングする方法は、これに制限されるものではない。例えば、有機/無機複合物質層CPXL’および下部金属物質層BML’は、同じ第3エッチングガスにより同時にエッチングされることができる。この場合、有機/無機複合物質層CPXL’および下部金属物質層BML’の前記第3エッチングガスに対するエッチング比は同一であり得る。
【0107】
次に、図13を参照すると、下部金属層BML、有機/無機複合層CPXLおよび基板SUB上に第1絶縁膜、一例として、バッファ層BFを形成する(S600)。前述したように、基板SUBの平坦領域SUBa、下部金属層BMLの露出面BMLaおよび有機/無機複合層CPXLの上面CPXLaは、実質的に同一平面上に配置されるため、バッファ層BFは実質的に段差なく平坦に形成されることができる。
【0108】
その後、半導体層ACT、ゲート絶縁層GIなどを形成する後続工程により表示装置10を製造することができる。
【0109】
以下では表示装置10の他の実施形態について説明する。以下の実施形態において、上記の実施形態と同一の構成については同じ参照符号を付し、重複または繰り返しの説明は省略または簡略化して相違点を中心に説明する。
【0110】
図14は他の実施形態による表示装置の一画素の概略的な構造を示す断面図である。
【0111】
図14を参照すると、本実施形態による表示装置10_1の下部金属層BMLは、基板SUB_1上に配置される絶縁層として第1バッファ層BF1_1に形成されたトレンチ領域に配置される。
【0112】
一実施形態による基板SUB_1は、全体的に平坦な面を有することができる。例えば、基板SUB_1には別途陥没した部分が形成されなくてもい。
【0113】
基板SUB_1上には、第1バッファ層BF1_1および第2バッファ層BF2_1が順次配置される。
【0114】
第1バッファ層BF1_1は、基板SUB_1上に配置されて平坦領域およびトレンチ領域を形成する。前記トレンチ領域は、前記平坦領域から陥没する領域であり得る。いくつかの実施形態では、第1バッファ層BF1_1の前記トレンチ領域は、第1バッファ層BF1_1を貫通する。例えば、第1バッファ層BF1_1の前記トレンチ領域は、第1バッファ層BF1_1に形成された開口部により形成または定義されることができる。ただし、実施形態はこれに制限されるものではない。例えば、第1バッファ層BF1_1の前記トレンチ領域は、第1バッファ層BF1_1を貫通しなくてもよい。図14では、第1バッファ層BF1_1の前記トレンチ領域は、第1バッファ層BF1_1を貫通したことを例示した。例えば、第1バッファ層BF1_1の前記トレンチ領域は、第1バッファ層BF1_1の除去された部分により形成または定義されることができる。第1バッファ層BF1_1上にトレンチ領域を形成するため、製造工程がより容易になる。
【0115】
下部金属層BMLは、第1バッファ層BF1_1の前記トレンチ領域のプロファイルに沿って屈曲して有機/無機複合層CPXLを収容する陥没部を形成する。下部金属層BML、第1バッファ層BF1_1および有機/無機複合層CPXLは、平坦な面を提供する。
【0116】
第2バッファ層BF2_1は、第1バッファ層BF1_1上に配置されて平坦なプロファイルを有して配置される。第2バッファ層BF2_1は、下部金属層BMLと薄膜トランジスタTFTを電気的に絶縁させる役割をすることができる。
【0117】
第1バッファ層BF1_1および第2バッファ層BF2_1は、空気または水分の浸透を防止できる無機膜を含み得る。例えば、第1バッファ層BF1_1および第2バッファ層BF2_1は、交互に積層された複数の無機膜を含み得る。
【0118】
図15はまた他の実施形態による表示装置の一画素の概略的な構造を示す断面図である。
【0119】
図15を参照すると、一実施形態による表示装置10_2は、薄膜トランジスタTFT_2のゲート電極GE_2が屈曲して形成された陥没部と、前記陥没部を埋める(一例として、陥没部に挿入された)有機/無機複合層CPXL_2を含み得る。
【0120】
一実施形態では、層間絶縁層ILD_2は、半導体層ACTと重なる領域でトレンチ領域を形成し、薄膜トランジスタTFT_2のゲート電極GE_2は、層間絶縁層ILD_2の前記トレンチ領域のプロファイルに沿って屈曲して有機/無機複合層CPXL_2を形成する陥没部を形成することができる。この実施形態では、上述のキャパシタ電極は、有機/無機複合層CPXL_2上に配置されることもできる。
【0121】
有機/無機複合層CPXL_2は、上述の一実施形態による表示装置10の有機/無機複合層CPXLと実質的に同一であるため、これに関する繰り返しの説明は省略する。
【0122】
いくつかの実施形態では、基板SUB_1は、概して平坦なプロファイルを有することができるが、これに制限されるものではない。例えば、基板SUB_1は、一実施形態による表示装置10の基板と同一にトレンチ領域を形成し、その上に下部金属層がさらに配置されることもできる。
【0123】
図16はまた他の実施形態による表示装置の一画素の概略的な構造を示す断面図である。図17図16のA2領域を拡大した拡大図である。
【0124】
図16および図17を参照すると、一実施形態による表示装置10_3において、基板SUBのトレンチ領域に配置される電極パターンである下部金属層BML_3は、画素電極AE_3と電気的に接続されることができる。
【0125】
薄膜トランジスタTFT_3はバッファ層BF上に配置され、複数の画素それぞれの画素回路を構成する。例えば、薄膜トランジスタTFT_3は、画素回路の駆動トランジスタまたはスイッチングトランジスタであり得る。薄膜トランジスタTFT_3は、半導体層ACT、ソース電極SE_3、ドレイン電極DE_3およびゲート電極GEを含み得る。
【0126】
半導体層ACTはバッファ層BF上に配置される。半導体層ACTは、ゲート電極GEと厚さ方向に重なり、ゲート絶縁層GIによりゲート電極GEとは絶縁することができる。半導体層ACTの一部は、半導体層ACTの物質が導体化されてソース電極SE_3およびドレイン電極DE_3を形成することができる。この実施形態では、半導体層ACTは、酸化物半導体としてITO、IGZOなどを含み得る。
【0127】
発光素子ED_3は第2ビア絶縁層VIA2上に配置される。本実施形態では一実施形態による表示装置10の第3ビア絶縁層VIA3を省略できるが、これに制限されるものではない。図16では一実施形態による表示装置10の第3ビア絶縁層VIA3を省略した場合を例示した。
【0128】
発光素子ED_3の画素電極AE_3は、ゲート絶縁層GI、層間絶縁層ILD、第1ビア絶縁層VIA1および第2ビア絶縁層VIA2を貫通するコンタクトホールを介して薄膜トランジスタTFT_3のドレイン電極DE_3と電気的に接続され得る。
【0129】
また、画素電極AE_3は、第2ビア絶縁層VIA2、第1ビア絶縁層VIA1、層間絶縁層ILD、ゲート絶縁層GIおよびバッファ層BFを貫通するコンタクトホールを介して基板SUBのトレンチ領域に配置される下部金属層BML_3と電気的に接続され得る。例えば、画素電極AE_3は、第2ビア絶縁層VIA2、第1ビア絶縁層VIA1、層間絶縁層ILD、ゲート絶縁層GIおよびバッファ層BFを貫通するコンタクトホールを介して基板SUBと有機/無機複合層CPXLにより露出される下部金属層BML_3の露出面RAと電気的に接続され得る。
【0130】
いくつかの実施形態では、下部金属層BML_3は、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、金(Au)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)および銅(Cu)のいずれか一つまたはそれらの合金からなる単層または多層で形成されるが、これに制限されるものではない。以下では説明の便宜上、下部金属層BML_3が銅(Cu)を含むことを中心に説明する。
【0131】
下部金属層BML_3の露出面RAは屈曲している。例えば、露出面RAは、第3方向DR3の他側に凹んだ形状を有することができる。これは下部金属層BML_3を形成する製造工程によるものである。
【0132】
以下では図16の実施形態による表示装置10_3の下部金属層BML_3を形成する工程について説明する。
【0133】
図18ないし図20図16の実施形態による表示装置を製造する工程を説明するための図である。
【0134】
図18ないし図20を参照すると、トレンチ領域が形成された基板SUB上に下部金属物質層BML_3’および有機/無機複合物質層CPXL’を順次形成し、有機/無機複合物質層CPXL’をエッチングして有機/無機複合層CPXLを形成し、下部金属物質層BML_3’をエッチングして下部金属層BML_3を形成する。
【0135】
下部金属層BML_3が銅(Cu)を含む実施形態では、下部金属層BML_3を形成する工程は乾式エッチングで行うことが難しいため、エッチング液を用いる湿式エッチング(Wet etching)で行う。この実施形態では、下部金属層BML_3は湿式エッチングによりエッチングされるので、露出面RAが屈曲している。例えば、露出面RAは第3方向DR3の他側に凹んだ形状を有することができる。有機/無機複合層CPXLはエッチング防止膜として、有機/無機複合層CPXLが覆う下部金属層BML_3の一部分がエッチングされることを防止することができる。
【0136】
図21はまた他の実施形態による表示装置の一画素の概略的な構造を示す断面図である。
【0137】
図21を参照すると、本実施形態による表示装置10_4は、図16の実施形態による表示装置10_3と比較すると、画素電極AE_3が有機/無機複合層CPXL_4を貫通して下部金属層BML_3と電気的に接続される点で相違し、その他の構成は実質的に同一または類似している。
【0138】
例えば、画素電極AE_3は、第2ビア絶縁層VIA2、第1ビア絶縁層VIA1、層間絶縁層ILD、ゲート絶縁層GI、バッファ層BFおよび有機/無機複合層CPXL_4を貫通するコンタクトホールを介して下部金属層BML_3と電気的に接続され得る。
【0139】
この実施形態では、画素電極AE_3は、下部金属層BML_3の露出面の代わりに、下部金属層BML_3の有機/無機複合層CPXL_4と重なってエッチングされていない部分と電気的に接続されるので、下部金属層BML_3と画素電極AE_3がより広い面積で電気的に接続されることができる。
【0140】
図22はまた他の実施形態による表示装置の一画素の概略的な構造を示す断面図である。
【0141】
図22を参照すると、本実施形態による表示装置10_5は、図16の実施形態による表示装置10_3と比較すると、下部金属層BML_3が第1バッファ層BF1_1が形成するトレンチ領域上に配置される点で相違し、その他の構成は実質的に同一または類似している。
【0142】
本実施形態による基板SUB_1は、全体的に平坦な面を有することができる。例えば、基板SUB_1には別途陥没した部分が形成されなくてもよい。
【0143】
基板SUB_1上には第1バッファ層BF1_1および第2バッファ層BF2_1が順次配置される。第1バッファ層BF1_1および第2バッファ層BF2_1に係る説明は、上述したとおりであるため、以下ではこれに係る詳しい説明は省略する。
【0144】
図23はまた他の実施形態による表示装置の一画素の概略的な構造を示す断面図である。
【0145】
図23を参照すると、本実施形態による表示装置10_6は、図4の実施形態による表示装置10と比較すると、薄膜トランジスタTFT_6のドレイン電極DE_6が半導体層ACTおよび下部金属層BMLを電気的に接続する点で相違し、その他の構成は実質的に同一または類似している。
【0146】
図23ではドレイン電極DE_6が半導体層ACTおよび下部金属層BMLを電気的に接続することを例示したが、これに制限されるものではない。例えば、ソース電極SE_6が半導体層ACTおよび下部金属層BMLを電気的に接続することもできる。
【0147】
また、図23ではゲート絶縁層GIが半導体層ACTおよびバッファ層BFを覆うことを例示したが、これに制限されるものではない。例えばゲート絶縁層GIは、その上部に配置されるゲート電極GEと実質的に同じプロファイルを有するようにすることができる。換言すれば、ゲート絶縁層GIは、ゲート電極GEを形成する過程でともにエッチングされ、ゲート電極GEと実質的に同じプロファイルを有し、半導体層ACTの一部分を露出することもできる。
【0148】
図24はまた他の実施形態による表示装置の一画素の概略的な構造を示す断面図である。
【0149】
図24を参照すると、本実施形態による表示装置10_7は、図23の実施形態による表示装置10_6と比較すると、下部金属層BMLが第1バッファ層BF1_1が形成するトレンチ領域上に配置される点で相違し、その他の構成は実質的に同一または類似している。
【0150】
以上、添付する図面を参照して本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明のその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施できることを理解することができる。したがって、上記の実施形態はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
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【国際調査報告】