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特表2025-528053表示装置、画像ソース装置、交通デバイス及び表示方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-08-26
(54)【発明の名称】表示装置、画像ソース装置、交通デバイス及び表示方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20250819BHJP
   G02B 30/30 20200101ALI20250819BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20250819BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20250819BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20250819BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20250819BHJP
   B60K 35/23 20240101ALI20250819BHJP
   B60K 35/40 20240101ALI20250819BHJP
【FI】
G02B27/01
G02B30/30
G09F9/30 308A
G09F9/00 361
G09F9/00 313
G09F9/00 357
G09G5/00 510A
G09G5/00 510B
G09G5/37 320
B60K35/23
B60K35/40
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025504774
(86)(22)【出願日】2023-07-25
(85)【翻訳文提出日】2025-03-26
(86)【国際出願番号】 CN2023109064
(87)【国際公開番号】W WO2024022322
(87)【国際公開日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】202210901853.7
(32)【優先日】2022-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202221975965.9
(32)【優先日】2022-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519206335
【氏名又は名称】フューチュラス テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】ウ,フゥイジュン
(72)【発明者】
【氏名】シュ,ジュンフォン
【テーマコード(参考)】
2H199
3D344
5C094
5C182
5G435
【Fターム(参考)】
2H199BA09
2H199BB02
2H199BB06
2H199BB07
2H199DA03
2H199DA12
2H199DA15
2H199DA18
2H199DA22
2H199DA25
2H199DA26
2H199DA36
3D344AA21
3D344AA27
3D344AB01
3D344AC25
5C094AA01
5C094BA23
5C094BA29
5C094BA43
5C094CA21
5C094DA05
5C094FA01
5C094HA05
5C094JA08
5C094JA09
5C182AA02
5C182AA03
5C182AA04
5C182AA05
5C182AB15
5C182AB25
5C182AB31
5C182CB44
5C182CC21
5G435AA01
5G435BB04
5G435BB05
5G435BB12
5G435BB19
5G435CC11
5G435DD11
5G435GG02
5G435LL17
(57)【要約】
表示装置、画像ソース装置、交通デバイス及び表示方法を提供し、表示装置は、ユーザが表示装置のアイボックス領域により虚像を観察するように構成され、虚像は、少なくとも左側虚像部及び/又は右側虚像部を含む。表示装置は、虚像と環境オブジェクトとの融合効果を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置であって、前記表示装置は、ユーザが前記表示装置のアイボックス領域により虚像を観察するように構成され、
前記虚像は少なくとも左側虚像部及び/又は右側虚像部を含む表示装置。
【請求項2】
表示装置であって、前記表示装置は、ユーザが前記表示装置のアイボックス領域により虚像を観察するように構成され、前記虚像は像面の延伸方向が交差する第1虚像部と、第2虚像部とを少なくとも含み、前記第1虚像部は前記第2虚像部に接続される表示装置。
【請求項3】
表示装置であって、前記表示装置は、ユーザが前記表示装置のアイボックス領域により虚像を観察するように構成され、前記虚像は像面の延伸方向が交差する第1虚像部と、第2虚像部とを少なくとも含み、前記第1虚像部及び前記第2虚像部を形成するための光線は、前記表示装置に含まれる同一の画像ソースディスプレイからのものである表示装置。
【請求項4】
前記虚像は連続した虚像であり、又は前記虚像は像面の延伸方向が交差する複数の虚像部を含み、且つ隣接する虚像部のうちの少なくとも一部が接続され、及び/又は、
前記表示装置は画像ソースディスプレイを有する画像ソースアセンブリを含み、前記画像ソースディスプレイは第1表示領域と、第2表示領域とを含み、前記第1表示領域から出射された画像光線は前記左側虚像部及び/又は前記右側虚像部に対応し、前記第2表示領域から出射された画像光線は前記虚像の他の部分に対応する請求項1~3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示装置は画像ソースディスプレイを有する画像ソースアセンブリを含み、
前記画像ソースディスプレイは湾曲画像ソースディスプレイであり、及び/又は、
前記画像ソースアセンブリは屈折部材をさらに含み、前記屈折部材は、前記画像ソースディスプレイから出射された後に前記屈折部材に入射した前記画像光線に対して屈折処理を行うように構成される請求項1~4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記画像ソースディスプレイが前記湾曲画像ソースディスプレイである場合に、前記湾曲画像ソースディスプレイの面形状は前記虚像の少なくとも一部の像面形状と適合し、
前記画像ソースアセンブリが前記屈折部材を含む場合に、前記屈折部材の少なくとも一部の出光面の面形状は前記虚像の少なくとも一部の像面形状と適合する請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記屈折部材に入射した同一の等高線にある画像光線の虚像における対応する位置は、極座標系の同一の円周にあり、前記極座標系は設定された参照点を原点とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
前記表示装置は拡大アセンブリをさらに含み、前記拡大アセンブリは曲面反射鏡、凸レンズ、回折導波部材、幾何学的導波部材及びHOEフロントガラスのうちの1つ又は複数を含む請求項1~7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記拡大アセンブリはズーム曲面鏡を含み、前記ズーム曲面鏡の面形状は前記虚像の少なくとも一部の像面形状と適合する請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記左側虚像部に表示される画面は、走行経路の左側に位置する左側外部の興味のあるポイントに関連する情報を含み、及び/又は、
前記右側虚像部に表示される画面は、走行経路の右側に位置する右側外部の興味のあるポイントに関連する情報を含む請求項1~9のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記虚像の異なる位置のうち、極座標の角度が大きい位置ほど、対応する虚像の部分が前記アイボックス領域に近く、及び/又は、
前記虚像の異なる位置のうち、俯角又は仰角が大きい位置ほど、対応する虚像の部分が前記アイボックス領域に近い請求項1~10のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記虚像のうちの少なくとも一部の虚像部の接続部分は直角又はフィレットである請求項1~11のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記左側虚像部及び/又は前記右側虚像部の像面形状は湾曲したものである請求項1~12のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項14】
前記虚像は断面がU字型のU字型虚像部を少なくとも含み、前記U字型虚像部は前記左側虚像部と、前記右側虚像部とを含み、且つ前記U字型虚像部は前下方サブ虚像部、前方サブ虚像部及び前上方サブ虚像部の1つをさらに含み、及び/又は、
前記虚像は断面がL字型のL字型虚像部を少なくとも含み、前記L字型虚像部は前記左側虚像部又は前記右側虚像部を含み、且つ前記L字型虚像部は前下方サブ虚像部、前方サブ虚像部及び前上方サブ虚像部の1つをさらに含む請求項1~13のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項15】
前記左側虚像部及び/又は前記右側虚像部は地面と垂直である、又は地面に対して傾斜し、又は、
前記虚像は前方サブ虚像部をさらに含み、前記前方サブ虚像部は前下方サブ虚像部、前方サブ虚像部及び前上方サブ虚像部のうちの1つ又は複数を含み、前記左側虚像部、前記右側虚像部、前記前下方サブ虚像部、前記前方サブ虚像部及び前記前上方サブ虚像部のうちの1つ又は複数は地面と垂直である、又は地面に対して傾斜し、又は前記前下方サブ虚像部は地面に平らに敷けられる、又は平行する請求項1~14のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項16】
前記虚像は前方サブ虚像部をさらに含み、前記前方サブ虚像部は前下方サブ虚像部、前方サブ虚像部及び前上方サブ虚像部のうちの1つ又は複数を含み、
前記前方サブ虚像部のうち隣接するサブ虚像部は接続されず、又は、前記前方サブ虚像部のうち任意の隣接するサブ虚像部は接続され、又は前記前方サブ虚像部のうち隣接する一部のサブ虚像部は接続され、及び/又は、前記左側虚像部はその隣接する少なくとも一部のサブ虚像部に接続され、及び/又は前記右側虚像部はその隣接する少なくとも一部のサブ虚像部に接続される請求項1~15のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項17】
前記表示装置は、異なる時点又は同一の時点で少なくとも2つの虚像を生成するように構成され、前記少なくとも2つの虚像は第1虚像と、第2虚像とを含み、前記第1虚像は前記左側虚像部及び/又は前記右側虚像部を含む請求項1、4~7、9のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項18】
前記第1虚像の近位端から前記表示装置のアイボックス領域までの距離は、前記第2虚像の近位端から前記アイボックス領域までの距離より短く、
前記第1虚像と水平方向との間の夾角は90度より大きく、90度に等しく又は90度より小さく、且つ前記第2虚像と水平方向との間の夾角は90度より大きく、90度に等しく又は90度より小さい請求項17に記載の表示装置。
【請求項19】
前記表示装置は少なくとも1つの虚像を生成するように構成され、前記少なくとも1つの虚像は裸眼3D虚像を含み、前記表示装置は、ユーザが少なくとも1つの虚像により少なくとも1つの裸眼3D虚像を見るように構成される請求項1~18のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項20】
前記表示装置の画像ソースアセンブリは複数の光源を有する光源部と、光透過コリメート部とを含み、前記複数の光源から発せられた光は前記光透過コリメート部を透過し、
少なくとも一部の前記複数の光源のうちのそれぞれに、前記光源から発せられた光を反射するための反射カップが設置されておらず、及び/又は、前記複数の光源が位置する光源層と前記光透過コリメート部が位置するコリメート層との間は少なくとも連続したガス媒体層を含む請求項4~7のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項21】
前記光源から発せられた光は前記光透過コリメート部に直接入射し、又は
前記画像ソースアセンブリは方向制御モジュールを含み、前記方向制御モジュールは前記光透過コリメート部と、複数の透明集光部とを含み、前記複数の透明集光部に対応する光源から発せられた光は、前記複数の透明集光部を透過した後に前記光透過コリメート部を透過し、前記光透過コリメート部と前記複数の透明集光部との間の領域は少なくとも連続したガス媒体層である請求項20に記載の表示装置。
【請求項22】
前記複数の透明集光部から出射された光は前記光透過コリメート部に直接入射し、及び/又は、
前記複数の透明集光部は対応する光源を収容する溝を有し、及び/又は、
前記複数の透明集光部は対応する光源に密着し、及び/又は、
前記複数の透明集光部の出光面は対応する光源から離れる方向に突出した凸面であり、及び/又は、
前記複数の透明集光部のうちの少なくとも1つは平凸レンズである請求項21に記載の表示装置。
【請求項23】
前記複数の透明集光部の出光面は突出した放物面であり、前記光源は前記複数の透明集光部の内部に嵌設され且つ前記放物面の焦点に位置し、又は、
前記複数の透明集光部の出光面は突出した円弧面であり、前記光源は前記複数の透明集光部の内部に嵌設され且つ前記円弧面の焦点に位置し、又は、
前記複数の透明集光部の出光面は第1出光曲面と、第2出光側面とを含み、前記第1出光曲面は突出した放物面であり、前記光源は前記複数の透明集光部の内部に嵌設され且つ前記放物面の焦点に位置し、又は、
前記複数の透明集光部の出光面は第1出光曲面と、第2出光側面とを含み、前記第1出光曲面は突出した円弧面であり、前記光源は前記複数の透明集光部の内部に嵌設され且つ前記円弧面の焦点に位置する請求項21又は22に記載の表示装置。
【請求項24】
画像光線を発するように構成される画像ソースアセンブリと、
屈折光線を得るために、入射した画像光線に対して屈折処理を行うように構成される屈折部材と、
少なくとも一部の前記虚像を形成するための拡大光線を得るために、入射した屈折光線に対して拡大処理を行うように構成される拡大アセンブリと、をさらに含む請求項1~4のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項25】
前記屈折部材は1つ又は複数のサブ屈折部材を含み、及び/又は前記屈折部材の少なくとも一部の出光面は曲面及び/又は平面を含む請求項24に記載の表示装置。
【請求項26】
前記屈折部材の少なくとも一部の出光面から出射された屈折光線に対応する光線の前記屈折部材における光路は徐々に変化する請求項24又は25に記載の表示装置。
【請求項27】
前記屈折部材の入光面と垂直な方向に沿って、前記屈折部材の厚さ及び/又は屈折率は徐々に変化する請求項24又は25に記載の表示装置。
【請求項28】
前記屈折部材の入射面は前記画像ソースに密着して設置される、又は間隔をあけて設置され、前記屈折部材の入射面が前記画像ソースと間隔をあけて設置されるときの距離は10mm以上である請求項24又は25に記載の表示装置。
【請求項29】
湾曲した画像ソースディスプレイを含み、前記画像ソースディスプレイが画像光線を発するように構成される画像ソースアセンブリと、
少なくとも一部の前記虚像を形成するための拡大光線を得るために、入射した画像光線に対して拡大処理を行うように構成される拡大アセンブリと、をさらに含む請求項1~3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項30】
前記湾曲画像ソースの少なくとも一部の出光面は曲面である請求項29に記載の表示装置。
【請求項31】
前記湾曲画像ソースの出光面は円弧状面であり、前記湾曲画像ソースの被写界深度は0.5~1.5cmである請求項29に記載の表示装置。
【請求項32】
前記湾曲画像ソースはミクロンオーダーLED表示装置、ミリオーダーLED表示装置、シリコン系液晶表示装置、デジタル光プロセッサ及び微小電気機械システムディスプレイのうちの少なくとも1つを含む請求項29に記載の表示装置。
【請求項33】
前記虚像と観察領域との間の距離範囲は2~20mである請求項1~3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項34】
画像ソース装置であって、前記画像ソース装置は請求項24~28のいずれか一項に記載の表示装置に用いられる画像ソース装置であり、且つ前記画像ソース装置は前記画像ソースアセンブリと、前記屈折部材とを含み、
又は、前記画像ソース装置は請求項29~33のいずれか一項に記載の表示装置に用いられる画像ソース装置であり、且つ前記画像ソース装置は前記湾曲画像ソースディスプレイを含む画像ソース装置。
【請求項35】
前記表示装置はヘッドアップディスプレイ装置であり、前記表示装置は結像窓を含み、前記結像窓は入射した光線を前記アイボックス領域に反射するように構成される請求項1~33のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項36】
交通デバイスであって、請求項1~33のいずれか一項に記載の表示装置を含む交通デバイス。
【請求項37】
表示方法であって、
表示装置の結像窓に結像光線を投射することで、ユーザが前記表示装置のアイボックス領域により視野に虚像を観察するステップを含み、
前記虚像は少なくとも左側虚像部及び/又は右側虚像部を含み、及び/又は、前記虚像は像面の延伸方向が交差する第1虚像部と、第2虚像部とを少なくとも含み、前記第1虚像部は前記第2虚像部に接続される表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2022年07月28日に提出された中国特許出願第202210901853.7号、第202221975965.9号の優先権を主張し、上記中国特許出願に開示されている全内容は本願の一部として援用されている。
【0002】
(技術分野)
本開示の実施例は、表示装置、画像ソース装置、交通デバイス及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ヘッドアップディスプレイ装置(head up display、HUD)は、ハッドとも呼ばれる。HUDの画像ソースから発せられた光線を結像窓(後付きの結像板又は車両のフロントガラス等)に最終的に投射することにより、ユーザは見下ろすことなく、ヘッドアップディスプレイ装置の虚像を直接見ることができ、それによりユーザ体験を向上させることができる。例えば、ある場合において、ヘッドアップディスプレイ装置は、ユーザが運転中にダッシュボードを見下ろすことによる注意散漫を避けることができ、それにより運転の安全係数を向上させるとともに、よりよい運転体験を提供することもできる。
【0004】
前記背景技術の部分において、開示されている上記情報は、本願の背景に対する理解を深めるためのものに過ぎず、従って、当業者に知られている従来技術を構成しない情報を含んでもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、少なくとも表示装置、画像ソース装置、交通デバイス及び表示方法を提供する。
【0006】
第1態様によれば、本開示の少なくとも1つの実施例は、表示装置を提供し、当該表示装置は、ユーザが表示装置のアイボックス領域により虚像を観察するように構成され、虚像は少なくとも左側虚像部及び/又は右側虚像部を含む。
【0007】
例えば、左側虚像部及び/又は右側虚像部の像面は、平面又は曲面であってもよい。
【0008】
第2態様によれば、本開示の少なくとも1つの実施例は、表示装置を提供し、当該表示装置は、ユーザが表示装置のアイボックス領域により虚像を観察するように構成され、虚像は、像面の延伸方向が交差する第1虚像部と、第2虚像部とを少なくとも含み、第1虚像部は、第2虚像部に接続される。
【0009】
第3態様によれば、本開示の少なくとも1つの実施例は、表示装置を提供し、当該表示装置は、ユーザが表示装置のアイボックス領域により虚像を観察するように構成され、虚像は、像面の延伸方向が交差する第1虚像部と、第2虚像部とを少なくとも含み、第1虚像部及び第2虚像部を形成するための光線は、表示装置に含まれる同一の画像ソースディスプレイからのものである。
【0010】
第4態様によれば、本開示の少なくとも1つの実施例は、画像ソース装置を提供し、当該画像ソース装置は、本開示の第1~第3態様のいずれかの態様に記載の表示装置に用いられる画像ソース装置であり、且つ当該画像ソース装置は、画像ソースアセンブリと、屈折部材とを含み、又は、当該画像ソース装置は、本開示の第1~第3態様のいずれかの態様に記載の表示装置に用いられる画像ソース装置であり、且つ当該画像ソース装置は、湾曲画像ソースディスプレイを含む。
【0011】
第5態様によれば、本開示の少なくとも1つの実施例は、交通デバイスを提供し、第1態様、第2態様及び第3態様のうちのいずれかの実施例に記載の表示装置又は第4態様に記載の画像ソース装置を含む。
【0012】
第6態様によれば、本開示の少なくとも1つの実施例は、表示方法を提供し、表示装置の結像窓に結像光線を投射することで、ユーザが表示装置のアイボックス領域により視野に虚像を観察するステップを含む。虚像は、少なくとも左側虚像部及び/又は右側虚像部を含み、及び/又は、虚像は、像面の延伸方向が交差する第1虚像部と、第2虚像部とを少なくとも含み、第1虚像部は、前記第2虚像部に接続される。
【0013】
例えば、該表示方法は、本願の第1~第3態様のうちのいずれかの態様に記載の表示装置に用いることができ、それに対応して、本開示の第1~第3態様による表示装置における関連説明も本開示による表示方法に適用する。
【0014】
なお、以上の一般的な説明及び後述の詳細の説明は例示的なものに過ぎず、本願を限定するものではない。
【0015】
本願の実施例又は従来技術の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術を説明するのに必要な図面を簡単に説明する。明らかなように、以下で説明される図面は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な労力を必要とせずに、さらにこれらの図面に基づいて他の図面を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】列方向に沿って連続的にズームする虚像及び参照虚像の位置の模式図を示す。
図2】連続した虚像の異なる組み合わせの模式図を示す。
図3(a)】本願の例示的な実施例による表示装置の結像の面形状の構造模式図を示す。
図3(b)】本願の例示的な実施例による表示装置の結像の面形状の構造模式図を示す。
図3(c)】本願の例示的な実施例による表示装置の結像の面形状の構造模式図を示す。
図3(d)】本願の例示的な実施例による表示装置の結像の面形状の構造模式図を示す。
図3(e)】本願の例示的な実施例による表示装置の結像の面形状の構造模式図を示す。
図3(f)】本願の例示的な実施例による表示装置の結像の面形状の構造模式図を示す。
図3(g)】本願の例示的な実施例による表示装置の結像の面形状の構造模式図を示す。
図3(h)】本願の例示的な実施例による表示装置の結像の面形状の構造模式図を示す。
図3(i)】本願の例示的な実施例による表示装置の結像の面形状の構造模式図を示す。
図3(j)】本願の例示的な実施例による表示装置の結像の面形状の構造模式図を示す。
図4】本願のいくつかの実施例による表示装置の構造模式図を示す。
図5】本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
図6(a)】本願の実施例による後向きに凹んだU字型虚像の構造模式図を示す。
図6(b)】本願の実施例による左側虚像のみの構造模式図を示す。
図6(c)】本願の実施例による後向きに凹んだU字型虚像と平面虚像とを比較する構造模式図を示す。
図6(d)】本願の実施例による前向きに突出したU字型虚像の構造模式図を示す。
図7(a)】本願のいくつかの実施例によるU字型ガラスブロックの構造模式図を示す。
図7(b)】本願の他の実施例によるU字型ガラスブロックの構造模式図を示す。
図8】本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
図9】本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
図10(a)】本願のいくつかの実施例による湾曲画像ソースの構造模式図を示す。
図10(b)】本願の他の実施例による湾曲画像ソースの構造模式図を示す。
図11】本願の第3態様の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
図12】本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
図13】本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
図14】本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
図15】本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
図16】本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
図17】本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
図18】本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
図19】本願のいくつかの実施例による透明集光部の構造模式図を示す。
図20】本願の他の実施例による透明集光部の構造模式図を示す。
図21】本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して例示的な実施例をより全面的に説明する。しかし、例示的な実施例は様々な形態で実施可能であり、且つここで説明される実施例に制限されるものであると理解されるべきではなく、逆に、これらの実施例を提供することで、本願は全面的且つ完全になり、例示的な実施例の発想を当業者に全面的に伝える。図面における同一の符号は同じ又は類似の部分を示し、従って、それらを繰り返して説明しない。
【0018】
説明される特徴、構造又は特性は任意の適切な方式で1つ又はより多くの実施例に組み合わせることができる。以下の説明において、より多くの具体的な詳細を提供し、それにより本開示の実施例に対する十分な理解を与える。しかし、当業者であれば理解できるように、これらの特定の詳細のうちの1つ以上のものなしに、本開示の技術的解決手段を実現することができ、又は、他の方式、構成要素、材料及び装置等を用いることができる。これらの場合に、公知の構造、方法、装置、実現、材料又は操作を詳細に示したり、説明したりしない。
【0019】
図面に示すフローチャートは例示的に説明するものに過ぎず、必ずしもすべての内容や操作/ステップを含むわけではなく、必ずしも説明される順序で実行するわけでもない。例えば、ある操作/ステップはさらに分解することができるが、ある操作/ステップは組み合わせ、又は部分的に組み合わせることができ、従って、実際に実行される順序は実際の状況に基づいて変更される可能性がある。
【0020】
本願の明細書、特許請求の範囲、及び上記図面における「第1」、「第2」等の用語は、異なる対象を区別するためのものであるが、特定の順序を説明するためのものではない。また、用語「含む」、「有する」、及びそれらの任意の変形は、非排他的包含をカバーすることを意図する。例えば、一連のステップ又はユニットを含む過程、方法、システム、製品又は機器は、挙げられたステップ又はユニットに限定されないが、選択的に、挙げられていないステップ又はユニットをさらに含み、又は選択的に、これらの過程、方法、製品又はデバイスに固有の他のステップ又はユニットをさらに含む。
【0021】
以下の開示には、本願の異なる構造を実現するために、多くの異なる実施形態又は例が提供されている。本願の開示を簡略化するために、以下、特定の例の部材及び設置を説明する。もちろん、それらは例示的なものに過ぎず、且つ本願を限定するためのものではない。また、本願は異なる例において参照数字及び/又は参照文字を繰り返してもよく、このような繰り返しは、簡略化及び明確にすることを目的とするものであり、検討される様々な実施形態及び/又は設置の間の関係を指示しない。また、本願は様々な特定のプロセス及び材料の例を提供しているが、当業者は、他のプロセスの応用及び/又は他の材料の使用を想到できる。
【0022】
ヘッドアップディスプレイ装置(head up display、HUD)は反射式の光学設計により、画像ソースから出射された光線を結像窓(結像板又はフロントガラス等)に最終的に投射し、結像窓により画像の光線をアイボックス領域に投射し、ユーザは見下ろすことなく、アイボックス領域により虚像を直接見ることができる。例えば、HUDはユーザが運転中にダッシュボードを見下ろすことによる注意散漫を避けることができ、運転の安全係数を向上させるとともに、よりよい運転体験を提供することもできる。
【0023】
例えば、平面反射鏡及び曲面反射鏡の反射結像に基づくHUDを例とし、HUDの画像ソースから出射された光線は順に平面反射鏡、曲面鏡反射を経て出射され、出射された光線は透明結像窓で反射し、コックピットの一方側に保持してユーザの目に入ることができる。例えば、ユーザの目に入った光線により、ユーザは、HUDの画像ソースに表示されている虚像が透明結像窓の他方側に提示される虚像を見ることができる。それとともに、結像窓そのものが透明なものであるため、結像窓の他方側の環境光線は依然としてそれを通過してユーザの目に伝送することができ、それによりユーザはHUDの結像を見ると同時に、ユーザが運転中に車外の道路状況を観察することに影響を与えない。
【0024】
本願の発明者は研究において以下のことに気付いた。ユーザが正常に運転する場合に、ユーザが透明結像窓により観察した実際の道路状況は3次元の立体的なものであるが、従来のHUDは一般的に一層の垂直又は略垂直の虚像を形成し、ユーザが観察する過程で視覚誤差(左右両眼)及び/又は視覚輻輳(前後の脳眼距離のコンフリクト)等の問題が発生し、それによりユーザは疲労、吐き気等の不良な体調が発生しやすい。例えば、視覚輻輳の発生の原因としては、拡張現実(Augmented Reality、AR)内容と環境オブジェクトとが揃えていない場合に、目がAR内容を見たときの実際の物理的距離と脳が感知したAR内容の感知距離との間にずれが存在し、このずれが大きいと、ユーザは不快感が発生する恐れがある。また、虚像画面は一般的に外部の実物とのフィット効果がよくないため、進行の過程において、ユーザに安定した確実な指示効果を継続的に提供しにくいという現象が存在している。
【0025】
上記技術的課題の少なくとも1つを解決するために、本願は表示装置、画像ソース装置、交通デバイス及び表示方法を提供することで、虚像と環境オブジェクトとの融合効果を向上させ、例えば、視覚輻輳の問題を改善することができる。例えば、本開示の実施例はAR内容と環境オブジェクトとの間の位置適合をより容易にすることができる(該適合とはAR内容と環境オブジェクトとを揃えることを指し、両者の位置が重なることを指してもよく、又は距離が比較的近いことを指してもよく、距離の近接度は使用ニーズを満たすことができることを基準とする)。例えば、いくつかの実施例において、HUDは少なくとも1つの虚像を提供し、該少なくとも1つの虚像のうちの少なくとも1つの一部又は全部の虚像は連続的にズームするものである。例えば、左側虚像部及び右側虚像部の少なくとも一方は連続的にズームする画面である。例えば、該連続的にズームする虚像の一部又は全部の虚像の結像距離は徐々に変化し、それにより視差及び視覚輻輳の問題を減少することができ、例えば、異なる距離の環境オブジェクトと適合して対応するAR内容を表示することができる。いくつかの実施例において、標準光路においてスクリーンの少なくとも一部の領域から出射された光線の光路を変更することにより、虚像の左側及び/又は右側の少なくとも一部の領域に変化に対応する虚像距離を発生させ、それにより、連続的に遷移する異形画面を形成し、視覚誤差及び/又は視覚輻輳等の問題を改善する。例えば、虚像は連続的に分布する3D虚像(以下、連続した虚像と略称する)であってもよく、形成された連続した虚像のうち、左側及び/又は右側のうちの少なくとも一方側の連続的にズームする虚像を有する。
【0026】
なお、連続的にズームする虚像を形成することにより、視差及び視覚輻輳を解決する原理について、視差の問題が発生する原因は、AR内容と対応する環境オブジェクトとの間に位置ずれが存在するため、ユーザの左眼及び右眼の一方が見るAR内容の虚像位置と環境オブジェクトとが揃うことができず、AR内容の表示がリアルではないように見えることである。
【0027】
本開示のいくつかの実施例に係る表示装置は、ヘッドアップディスプレイに用いられる表示装置であってもよく、又は非ヘッドアップディスプレイ類に用いられる表示装置であってもよい。
【0028】
例えば、組み立て過程において、U字型ガラス又は円弧状のスクリーン等の方式でU字型虚像を形成することができ、U字型虚像と外部の実物とがフィットすることを実現し、ヘッドアップディスプレイ装置によるユーザに対する指示効果を向上させる。
【0029】
以下、図面を参照して本願の好ましい実施例を説明し、理解すべきであるように、ここで説明される好ましい実施例は、本願を説明して解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するためのものではない。
【0030】
例えば、図1に示すように、標準光路を選択し、ここで理解できるように、標準光路は仮想の光路であってもよく、すなわち、地面と垂直な虚像(参照虚像)である1つの虚像を見つける、又は仮想し、対応するスクリーンの位置に用いられる。連続的にズームする虚像は、すなわち虚像の少なくとも1列(又は1行)の少なくとも一部の画素から、参照虚像の対応する画素までの距離が連続的に変化することを指す。例えば、連続的にズームすることは、虚像の列方向及び行方向のうちの1つの方向に連続的にズームしてもよく、2つの方向に組み合わせて連続的にズームしてもよい。図1は列方向に沿って連続的にズームする虚像及び参照虚像の模式図を示す。
【0031】
結像による連続した虚像には複数の場合がある。
【0032】
図2に示すように、虚像の観点からは、連続した虚像結像は左側虚像部(L)、右側虚像部(R)、前下方サブ虚像部(地面虚像部)(G)、前方サブ虚像部(F)及び前上方サブ虚像部(空の虚像部)(T)に分けることができる。
【0033】
連続した虚像による虚像の組み合わせは、以下の様々な場合がある。
1、L-左側のみ、R-右側のみ、LR-左右両側。
2、LG-左側及び地面、RG-右側及び地面。
3、LGR-左右両側及び地面。
4、LGR+F-左右両側及び地面、前面。
5、LGR+F+T-左右+地面+前面+空。
【0034】
また、結像アセンブリの使用ニーズに応じて、さらにLGF、RGF、LGT、RGT等の設定にしてもよい。
【0035】
異なる国のコックピットの設置位置が異なる可能性があるため、片側の虚像は異なる国(左右ハンドル)に適用でき、片側の虚像において、形成された虚像は連続的に遷移するものである。
【0036】
例えば、いくつかの例において、表示装置は、ユーザが表示装置により形成された虚像をアイボックス領域で観察するように構成することができ、虚像は像面の延伸方向が交差する第1虚像部と第2虚像部とを少なくとも含み、第1虚像部は第2虚像部に接続される。
【0037】
ここで理解できるように、実際のニーズに応じて、観察者が結像を見る必要がある領域、すなわちアイボックス領域(eyebox)を予め設定することができ、該アイボックス領域とは、観察者の両眼が位置し、表示装置に表示される画像を見ることができる領域を指し、例えば、平面領域又は立体領域であってもよい。
【0038】
例えば、第1虚像部及び第2虚像部は、対応する左側虚像部(L)、右側虚像部(R)、前下方サブ虚像部(G)、前方サブ虚像部(F)及び前上方サブ虚像部(T)のうちの任意の2セットの虚像であってもよい。
【0039】
図3(a)~3(j)はそれぞれ本願の例示的な実施例による表示装置の結像の面形状の構造模式図を示す。
【0040】
図3(a)~3(j)はそれぞれ、表示装置の結像状態がL(左側虚像部のみ)、R(右側虚像部のみ)、L+G(左側及び前下方サブ虚像部)、L+T(左側及び前上方サブ虚像部)、L+R+G(左右両側及び前下方サブ虚像部)、L+R+F(左右両側及び前方サブ虚像部)、L+R+T(左右両側及び前上方サブ虚像部)、L+R+T+G(左右両側及び前下方サブ虚像部、前上方サブ虚像部)、L+R+T+G+F(左右+前下方サブ虚像部+前面+空)且つ虚像の接続部分が円弧であり、L+R+T+G+F(左右+地面+前方サブ虚像部+前上方サブ虚像部)且つ虚像の接続部分が直角である結像の模式図に対応する。
【0041】
図3(a)~3(j)を参照し、例示的な実施例の表示装置は、ユーザが表示装置のアイボックス領域により虚像を観察するように構成される。虚像は少なくとも左側虚像部(L)及び/又は右側虚像部(R)を含む。すなわち図2における左側虚像部(L)及び右側虚像部(R)に対応する。
【0042】
例えば、本願の表示装置はヘッドアップディスプレイ装置であり、ヘッドアップディスプレイ装置は結像窓300をさらに含み、結像窓300は入射した光線をアイボックス領域に反射するように構成される。
【0043】
例えば、本願のヘッドアップディスプレイシステムは多階層の結像システムを有し、少なくとも1層に広範囲結像層が設置され、すなわち広範囲に結像するHUDが設置され、広範囲に結像するHUDの配置方式はフロントガラスの可視領域と適合し、それにより広範囲に結像するHUDから発せられた光線により提示された画像はフロントガラスの可視領域をカバーすることができ、例えば、広範囲に結像するHUDから発せられた光線により提示された画像はフロントガラスの40%以上の領域をカバーすることができ、さらに必要に応じてフロントガラスの50%以上、60%以上、70%以上、80%以上又は90%以上の領域をカバーすることができる。関連技術における自由曲面反射鏡に基づく、視野角(FOV、Field of View)が小さい従来のHUDに比べて、広範囲に結像するHUDにおける複数の光源の配置方式がフロントガラスの可視領域と適合するため、広範囲に結像するHUDから発せられた光線はフロントガラスの可視領域をカバーする画像を提示することができ、フロントガラスの可視領域内の任意の位置で画像を表示することができるという目的を達成し、それにより広範囲に結像するHUDによって、より豊かな内容を表示することができ、HUDの使用体験を向上させる。
【0044】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例は画像ソース装置をさらに提供し、画像ソース装置は表示装置に用いられる画像ソース装置であり、且つ画像ソース装置は画像ソースアセンブリ100と、屈折部材121とを含み、又は、画像ソース装置は表示装置に用いられる画像ソース装置であり、且つ画像ソース装置は湾曲画像ソースディスプレイ110を含む。
【0045】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例は交通デバイスを提供し、いずれかの実施例における表示装置を含む。
【0046】
例えば、本開示の少なくとも1つの実施例は表示方法を提供し、表示装置の結像窓に結像光線を投射することで、ユーザが表示装置のアイボックス領域により視野に虚像を観察するステップを含み、虚像は少なくとも左側虚像部及び/又は右側虚像部を含み、及び/又は、前記虚像は像面の延伸方向が交差する第1虚像部と、第2虚像部とを少なくとも含み、前記第1虚像部は前記第2虚像部に接続される。
【0047】
ここで理解できるように、例えば、いくつかの実施例において、ユーザの視認効果における走行経路に対する虚像部の位置に基づいて虚像部のタイプを分けることができ、例えば、虚像部は、走行経路の左側に位置する左側虚像部、走行経路の右側に位置する右側虚像部又は左側虚像部と右側虚像部との間に位置する前方虚像部であってもよい。
【0048】
例えば、いくつかの実施例において、前記虚像は1つの虚像部を含んでもよく、又は、前記虚像は2つの虚像部を含んでもよく、且つこの2つの虚像部がある像面の延伸方向が交差する、又は略平行であり、又は、前記虚像は少なくとも3つの虚像部を含み、且つ少なくとも一部の隣接する虚像部がある像面の延伸方向が交差する。
【0049】
例えば、虚像が左側虚像部(L)のみを含む場合、虚像は連続した虚像である。すなわち、この状態において、左側虚像部(L)の画面内容は連続したもの又は連続しないものであってもよいが、左側虚像部(L)の全体的な結像は、非タイリングの虚像及び/又は連続的にズームする虚像であり、それによりユーザが左側虚像部(L)を観察する過程において、連続的にズームする虚像を形成することによりユーザの視差及び/又は視覚輻輳等の問題を解決する。
【0050】
同様に、例えば、虚像は右側虚像部(R)のみを含むように構成されてもよく、このときも、虚像は連続した虚像である。すなわち、この状態において、右側虚像部(R)の画面内容は連続したもの又は連続しないものであってもよいが、右側虚像部(R)の全体的な結像は非タイリングの、連続的にズームする虚像であり、それによりユーザが右側虚像部(R)を観察する過程において、連続的にズームする虚像を形成することによりユーザの視差及び/又は視覚輻輳等の問題を解決する。
【0051】
例えば、虚像は左側虚像部(L)及び右側虚像部(R)を同時に含むように構成されてもよく、この構成状態において、虚像も連続した虚像である。すなわち、左側虚像部(L)又は右側虚像部(R)の画面内容は連続したもの又は連続しないものであってもよいが、左側虚像部(L)及び右側虚像部(R)の全体的な結像はいずれも非タイリングの、連続的にズームする虚像である。それだけではなく、左側虚像部(L)と右側虚像部(R)が接続されていれば、両者の接続箇所も非タイリングの、連続的にズームする虚像である。
【0052】
さらに、表示装置が形成する虚像は中間虚像部をさらに含んでもよく、中間虚像部は前下方サブ虚像部(G)、前方サブ虚像部(F)及び前上方サブ虚像部(T)のうちの1つ又は複数を含む。例えば、前下方サブ虚像部(G)、前方サブ虚像部(F)及び前上方サブ虚像部(T)は地面上の画面、前方の画面及び空の画面を順に対応して表示する。
【0053】
例えば、左側虚像部(L)、右側虚像部(R)、前下方サブ虚像部(G)、前方サブ虚像部(F)及び前上方サブ虚像部(T)のうちの1つ又は複数は、地面と垂直である、又は地面に対して傾斜するように構成されてもよい。
【0054】
例えば、虚像は任意の隣接する虚像部が接続するように構成され、且つ隣接する虚像部の接続箇所は非タイリングの、連続的にズームする虚像である。例えば、最終的に形成される連続した虚像はちりとり型虚像(LGR+F)として構成されてもよく、すなわち左右両側の虚像、前下方サブ虚像及び前方サブ虚像を含み、このとき、左側虚像と前下方サブ虚像、左側虚像と前方サブ虚像、右側虚像と前下方サブ虚像、右側虚像と前方虚像の間はいずれも接続した状態に構成され、非タイリングの、連続的にズームする虚像を形成することにより、ユーザの視差及び/又は視覚輻輳等の問題を効果的に解決することができる。ちりとり型虚像(LGR+F)はU字型虚像(LGR左側+地面+右側又はLFR左側+前面+右側)に比べて、ちりとり型虚像は地面にフィットし、両側にフィットすることを実現し、且つ前方の遠方に影響を与えない画面表示を形成することができる。
【0055】
理解できるように、構成過程において、ニーズに応じて、最終的に形成される虚像において前下方サブ虚像部(G)、前方サブ虚像部(F)及び前上方サブ虚像部(T)を柔軟的に選択して設定することができる。最終的に構成された虚像において、中間虚像部が前下方サブ虚像部(G)、前方サブ虚像部(F)及び前上方サブ虚像部(T)のうちの多くのものを含む場合、中間虚像部のうち隣接する虚像部の間は少なくとも一部が接続される。例えば、中間虚像部が前下方サブ虚像部(G)と前方サブ虚像部(F)とを含む場合、前下方サブ虚像部(G)と前方サブ虚像部(F)との接続箇所で、少なくとも一部の結像はいずれも非タイリングの、連続的にズームする虚像である。選択可能に、中間虚像部のうち隣接するサブ虚像部は完全に接続され、それによって、より良好な視差及び視覚輻輳の防止効果を取得する。
【0056】
いくつかの実施例において、表示装置は画像ソースディスプレイを有する画像ソースアセンブリを含むように構成することができ、画像ソースディスプレイは第1表示領域と、第2表示領域とを含み、第1表示領域から出射された画像光線は左側虚像部(L)及び/又は右側虚像部(R)に対応し、第2表示領域から出射された画像光線は虚像の他の部分に対応する。例えば、第1表示領域及び第2表示領域は同一の画像ソースディスプレイに設置される。すなわち、第1虚像部及び第2虚像部を形成するための光線は表示装置の同一の画像ソースディスプレイからのものである。
【0057】
表示装置の具体的な構成過程において、ユーザは以下の様々な方式により、表示装置により形成された虚像をアイボックス領域で観察することができ、虚像は少なくとも左側虚像部(L)及び/又は右側虚像部(R)を含む。
【0058】
1、画像ソースディスプレイの結像経路に屈折部材を設置し、屈折部材は、画像ソースディスプレイから出射された後に屈折部材に入射した画像光線に対して屈折処理を行うように構成され、それにより結像窓に最終的に結像される結像虚像は連続的に遷移するものである。
【0059】
2、画像ソースディスプレイを湾曲画像ソースディスプレイとして構成し、それによって、画像ソースディスプレイによる画像光線は、最初から、連続的に遷移する異形画像を形成できる画像光線である。例えば、画像ソースディスプレイは異形のスクリーン、異形の投影スクリーン、異形のLEDスクリーン、異形の有機発光ダイオード(OLED、Organic Light-Emitting Diode)スクリーン、異形のLCDスクリーン等であってもよい。
【0060】
本開示の少なくとも1つの実施例に係る表示装置は、左右の少なくとも一方側を有する異形画面を設置することにより、リアルの世界の道路の両側と適合する仮想画像を両側に提示することができる。従って、ユーザの使用体験を向上させ、ライトフィールド画面と外部の実物とのフィット性を向上させ、指示効果を向上させることができる。
【0061】
本開示の実施例において、異形とは不規則な図形を指す。例えば、規則な図形は矩形と、円形と、三角形と、平行四辺形と、正多角形と、を含む。例えば、異形はU字型と、L字型と、ちりとり型と、を含むが、それらに限定されない。
【0062】
図4は本願のいくつかの実施例による表示装置の構造模式図を示す。
【0063】
図4に示すように、いくつかの実施例の表示装置は画像ソースアセンブリ100と、拡大アセンブリ200とを含む。
【0064】
図4に示すように、画像ソースアセンブリ100は画像ソースディスプレイ110と、調光部120とを含み、調光部120は屈折部材121を含み、画像ソースアセンブリ100は第1画像光線を発する。
【0065】
図4に示すように、拡大アセンブリ200は画像ソースアセンブリ100の結像経路に設置され、画像ソースアセンブリ100が発した第1画像光線は、拡大アセンブリ200を経由した後に第2画像光線として形成される。つまり、拡大アセンブリ200は入射した画像光線に対して拡大処理を行って、少なくとも一部の虚像を形成するための拡大光線を得るように構成される。
【0066】
図4に示すように、第2画像光線は結像窓300を経由して反射された後に、アイボックス領域で連続した虚像として形成され、連続した虚像は左側虚像部(L)及び右側虚像部(R)のうちの少なくとも1つを含む。
【0067】
第2態様の実施例における表示装置については、第1態様の実施例における表示装置と同様に、最終的に形成される連続した虚像は、左側虚像部(L)及び/又は右側虚像部(R)を含むように構成されてもよく、さらに、形成される連続した虚像には、前下方サブ虚像部(G)、前方サブ虚像部(F)及び前上方サブ虚像部(T)のうちの1つ又は複数がさらに含まれてもよい。連続した虚像において、隣接する虚像の接続箇所は非タイリングの、連続的にズームする虚像である。
【0068】
最終的に結像される異形虚像全体がU字型虚像であることを例とし(結像はちりとり型虚像又は他の形状の虚像であってもよい)、画像ソースアセンブリ100の結像経路にU字型屈折部材(例えばU字型ガラスブロック)を設置し、U字型屈折部材はそれを通過する光線に光路を付加することができる。このとき、この部分の光線にとって、等価物体距離が変更し、結像距離もそれに対応して変更し、最終的に、U字型虚像を実現する。
【0069】
すなわち、結像過程において、実際の物体距離は変更されない。しかし、画像ソースアセンブリ100の結像経路にU字型屈折部材を設置することにより、光学的に等価的な物体から光学デバイスまでの距離は変更され、従って、画像ソースアセンブリ100による第1画像光線の等価物体距離も変更される。
【0070】
例えば、U字型ガラスブロックを設置した後に、画像ソースディスプレイ110から出射された光線は、U字型ガラスブロックで屈折した後に出射される。U字型ガラスブロックを設置することにより、画像ソースアセンブリ100による虚像の位置が変化し、すなわちU字型ガラスブロックを追加した後に、画像ソースアセンブリ100の物体距離は変更し、それに対応して、最終的に、結像窓300を経由して結像される結像虚像もU字型になる。屈折率が同一である場合に、ガラスブロックが厚い場所ほど、形成される虚像から人の目までの距離が近い。
【0071】
同様に、異形ガラスブロックはちりとり型画面の提示を実現することができる。
【0072】
例えば、屈折部材121は最終的に形成される虚像の像面形状と関連し、屈折部材121のタイプを変更することにより、結像窓300に結像された結像虚像を人の目に反射させる全体的な連続した虚像が最終的にU字型虚像、ちりとり型虚像又は他の任意の表現したい外形を有する虚像であるようにすることができ、本願はこれについて具体的に限定しない。例えば、屈折部材121の少なくとも一部の出光面の面形状は最終的に形成される虚像の少なくとも一部の像面形状と適合する。例えば、適合とは面形状が同じである、又は類似することを指す。
【0073】
選択可能に、拡大アセンブリ200は曲面鏡、凸レンズ、回折導波部材及び幾何学的導波部材、ホログラフィック光学素子(Holographic Optical Element、HOE)フロントガラス等であってもよい。
【0074】
選択可能に、拡大アセンブリ200は凹面反射鏡であり、この場合に、凹面反射鏡の表示領域に近い表面は凹曲面である。曲面反射鏡を設置することによって、画像画面の結像サイズを拡大することができ、表示装置により遠い結像距離及びより大きな結像サイズを有させ、且つ曲面反射鏡はさらに結像窓300(例えばフロントガラス)と協働して、結像窓300に起因する虚像歪みを除去することができる。
【0075】
図5は本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
【0076】
図5に示すように、他の表示装置は画像ソースアセンブリ100と、拡大アセンブリ200とを含む。
【0077】
図5に示すように、画像ソースアセンブリ100は湾曲画像ソースディスプレイ110を含み、画像ソースアセンブリ100は第1画像光線を発する。
【0078】
図5に示すように、拡大アセンブリ200は画像ソースアセンブリ100の結像経路に設置され、画像ソースアセンブリ100が発した第1画像光線は拡大アセンブリ200を経由した後に第2画像光線として形成される。
【0079】
例えば、第2画像光線は結像窓300を経由して反射された後に、アイボックス領域で連続した虚像として形成され、連続した虚像は少なくとも左側虚像部(L)及び右側虚像部(R)のうちの1つを含む。
【0080】
第3態様の実施例における表示装置については、第1態様の実施例における表示装置と同様に、最終的に形成される連続した虚像は、左側虚像部(L)及び/又は右側虚像部(R)を含むように構成されてもよく、さらに、形成される連続した虚像には、前下方サブ虚像部(G)、前方サブ虚像部(F)及び前上方サブ虚像部(T)のうちの1つ又は複数がさらに含まれてもよい。連続した虚像において、隣接する虚像の接続箇所は非タイリングの、連続的にズームする虚像である。
【0081】
最終的に結像される異形虚像全体がU字型虚像であることを例とし(結像はちりとり型虚像又は他の形状の虚像であってもよい)、湾曲画像ソースディスプレイ110はOLEDスクリーンであり、該OLEDスクリーンの出光面はU字型円弧面であり、U字型の虚像を最終的に形成する。湾曲画像ソースディスプレイ110は表示領域を含み、表示領域はOLEDスクリーンの出光面に設置され、湾曲画像ソースディスプレイ110の表示領域から発せられた第1画像光線は、拡大アセンブリ200により反射された後に第2画像光線として形成され、第2画像光線は結像窓300を経由して反射された後に、アイボックス領域でU字型虚像を形成する。
【0082】
例えば、湾曲画像ソースディスプレイ110の面形状は最終的に形成される虚像の少なくとも一部の像面形状と関連する、又は適合し、湾曲画像ソースディスプレイ110のタイプを変更することにより、結像窓300に結像された結像虚像を人の目に反射させる全体的な連続した虚像の形状を変更することができる。それによって、その最終的な連続した虚像はU字型虚像、ちりとり型虚像又は他の任意の表現したい外形を有する虚像になる。例えば、適合とは面形状が同じである、又は類似することを指す。
【0083】
選択可能に、拡大アセンブリ200は曲面鏡、凸レンズ、回折導波部材及び幾何学的導波部材、ホログラフィック光学素子(Holographic Optical Elements、HOE)フロントガラス等であってもよい。
【0084】
選択可能に、拡大アセンブリ200は凹面反射鏡であり、この場合に、凹面反射鏡の表示領域に近い表面は凹曲面である。曲面反射鏡を設置することによって、画像画面の結像サイズを拡大することができ、表示装置により遠い結像距離及びより大きな結像サイズを有させ、且つ曲面反射鏡はさらに結像窓300(例えばフロントガラス)と協働して、結像窓300に起因する虚像歪みを除去することができる。
【0085】
図6(a)は本願の実施例による後向きに凹んだU字型虚像の構造模式図を示す。図6(b)は本願の実施例による左側虚像のみの構造模式図を示す。図6(c)は本願の実施例による後向きに凹んだU字型虚像及び平面虚像の構造模式図を示す。図6(d)は本願の実施例による前向きに突出したU字型虚像の構造模式図を示す。
【0086】
図6(a)~図6(d)を参照し、本願の第1態様、第2態様及び第3態様のいずれかの実施例の表示装置により形成された連続した虚像において、屈折部材121に入射した同一の等高線にある画像光線の虚像における対応する位置は、極座標系の同一の円周にあり、極座標系は設定された参照点を原点とする。連続した虚像における左側虚像部(L)及び/又は右側虚像部(R)に対して、虚像の異なる位置のうち極座標の角度が大きい位置ほど、対応する虚像の部分がアイボックス領域に近い。
【0087】
本実施例の虚像の結像距離が極座標系内に徐々に変化できるため、AR内容を適切なサイズで、環境オブジェクトと適合する距離に提示することができ、それによりAR内容と環境オブジェクトとを揃える、又は重ねることができ、それにより視差及び視覚輻輳の問題を解決し、且つ興味のあるポイント(point of interest、POI)が遠い位置から順に徐々に変化することを実現する。
【0088】
本開示のいくつかの実施例に係る表示装置は、自動車の外部空間において連続的に分布する1つの3D画面(以下、異形画面と略称する)をできるだけ作成し、該画面は少なくとも左画面及び右画面のうちの一方を含む。理解されるように、外部の連続的な3次元空間における物体にフィットしようとすると、画面は連続的な3次元のものでなければならず、特に道の両側の建物等のPOIにフィットしようとする場合、従来のHUDの垂直画面はこの機能を実現しにくい。ARの原理により、空間において、真の意味でのARを実現するために、現実の3次元世界と適合する3次元仮想画面を必要とする。本開示のいくつかの実施例に係る表示装置は、傾斜画面又はタイル画面を改善して、道の左右両側のPOIの融合効果の問題を解決する。本開示のいくつかの実施例に係る表示装置は、FOVが大きな製品を対象とする場合に、明らかなメリットを有する。
【0089】
本願の第1態様、第2態様及び第3態様のいずれかの実施例の表示装置により形成される連続した虚像に中間虚像部が存在し、且つ中間虚像部が前下方サブ虚像部(G)及び/又は前上方サブ虚像部(T)を含む場合、虚像の異なる位置のうち俯角又は仰角が大きい位置ほど、対応する虚像の部分がアイボックス領域に近い。
【0090】
このような設置状態において、ユーザの車両が走行する過程において、例えば、ユーザが本願の第1態様、第2態様及び第3態様のいずれかの実施例の表示装置を利用して補助運転を行う過程において、道の両側の中間が遠く、両側が近く、近くのものが大きくて遠くのものが小さく見えることができ、さらに外部環境における物体によりよくフィットし、ユーザの視差及び視覚輻輳等の問題を効果的に解決し、ユーザの運転疲労を緩和することができる。
【0091】
例えば、第1態様、第2態様及び第3態様のいずれかの実施例の表示装置により形成される連続した虚像において、左側虚像部及び/又は右側虚像部の像面形状は湾曲したものであり、湾曲虚像を結像することにより、道の両側の興味のあるポイントの特徴によりフィットすることができ、ユーザの視差及び/又は視覚輻輳等の問題を効果的に解決する。
【0092】
ここで理解できるように、地理情報システムにおいて、1つの興味のあるポイントは1つの家、1つの店舗、1つの郵便ポスト又は1つのバスステーション等であってもよい。
【0093】
例えば、第1態様、第2態様及び第3態様のいずれかの実施例の表示装置により形成される連続した虚像に前下方サブ虚像部(地面虚像部)(G)があり、例えば、地面に対して平らに敷けられる(地面に平行する、又は略平行する)又は傾斜する(遠いところが高くて近いところが低い)虚像として形成され、且つ少なくとも左右両側の1つの虚像部を有し、角度が大きいほど虚像距離が近い。地面の虚像部と組み合わせて、地面の表示画面の問題を解決することができる。例えば、虚像の接続部分は直角又は円弧状/フィレット接続であってもよい。
【0094】
例えば、第1態様、第2態様及び第3態様のいずれかの実施例の表示装置により形成される連続した虚像において、虚像の1つ以上のエッジの虚像距離が比較的近く、虚像中央の距離が比較的遠いという要件を満たす1つの仮想虚像を少なくとも含み、例えば、U字型虚像である。例えば、U字型虚像は左から右へ前向きに突起した、又は後向きに凹んだU字型のものであってもよく、すなわち左側、前面、右側の3つの部分を有する虚像であり、具体的に図6(a)に示す通りであり、又は、U字型虚像は左側、地面、右側の3つの部分を有する虚像であってもよく、具体的に図6(d)に示す通りであり、又は、U字型虚像は左側、上方、右側の3つの部分を有する虚像であってもよい。
【0095】
さらに、選択可能に、連続した虚像はちりとり型虚像であってもよく、すなわちU字型虚像の形状に基づいて、1つの虚像部分を追加し、例えば、左側、前面、右側、地面の4つの部分を有する虚像である。さらに、連続した虚像はちりとり型虚像に基づいて、1つの虚像部分を追加し、例えば、左側、前面、右側、地面、上方の4つの部分を有する虚像である。例えば、上記各虚像は傾斜して設置されてもよい。もちろん、U字型虚像は前向き又は後向きに傾斜して設置されてもよい。
【0096】
さらに、例えば、U字型虚像はちりとりと同様に、中間が前向きに突出し、両側が後向きに延び、上下方向に一定の高さを有し、上端及び/又は下端が後向きに延びる虚像を形成することができる。つまり、ちりとり型虚像の前方、左方、右方、下方及び/又は上方に、いずれも虚像が存在するように構成されてもよい。
【0097】
例えば、U字型虚像部は左側虚像部と、右側虚像部とを含み、且つU字型虚像部は前下方サブ虚像部、前方サブ虚像部及び前上方サブ虚像部のうちの1つをさらに含む。
【0098】
理解できるように、第1態様、第2態様及び第3態様のいずれかの実施例の表示装置により形成される連続した虚像において、L字型虚像部を有するように構成されてもよく、すなわちL字型虚像を形成する。L字型虚像部は左側虚像部又は右側虚像部を含み、且つL字型虚像部は前下方サブ虚像部、前方サブ虚像部及び前上方サブ虚像部のうちの1つをさらに含む。
【0099】
例えば、左側虚像部、右側虚像部、前下方サブ虚像部、前方サブ虚像部及び前上方サブ虚像部のうちの1つ又は複数は地面と垂直である又は地面に対して傾斜し、又は前下方サブ虚像部は地面に平らに敷けられる、又は平行する。
【0100】
第1態様、第2態様及び第3態様のいずれかの実施例の表示装置のいくつかのシーン応用の例において、左側虚像部で表示される虚像は、走行経路の左側に位置する左側外部の興味のあるポイントに関連する情報を含み、及び/又は右側虚像部で表示される虚像は、走行経路の右側に位置する右側外部の興味のあるポイントに関連する情報を含む。同様に、前下方サブ虚像部(G)、前方サブ虚像部(F)及び前上方サブ虚像部(T)は、表示される虚像が対応する興味のあるポイントに関連する情報を含むように構成されてもよい。
【0101】
例えば、表示装置により形成される虚像を配置して調節することにより、両側の連続した虚像に興味のあるポイント(Point of Interest、POI)を表示させ、現実の道の両側の特徴物と融合し、該特徴物は、建物、駐車場、バスステーション、交通標識板等を含み、又は両側の連続した虚像にナビゲーションガイドユーザインタフェース(UI、User Interface)を表示させ、現実の道の交差点と融合し、該交差点は、十字路、出入り主側道/ランプ等を含み、又は両側の連続した虚像に死角提示UIを表示させ、現実の道において、車体の両側の死角から来た障害物(自動車、自転車、歩行者等)と融合し、又は地面の連続した虚像にナビゲーションガイドUIを表示させ、表示される道の路面と融合し、車線変更及び追い越しガイドを行う。
【0102】
例えば、通常の多層画面は距離が不連続であるため、現実の道路の両側の物体と正確に適合することができず、道路の両側、FOVの両側に樹木、交通標識板、街灯等の障害物、又は壁面(トンネル)がある場合、POI又は他の関連UIを提示する虚像画面の距離が実物より大きい(画面が実物に入り込む)と、視覚輻輳を引き起こし、めまいを感じさせ、体験に影響を与え、左及び/又は右の両側の連続画面は上記問題を解決し、表示と適合する虚像距離に対応するUIを提示することができる。
【0103】
図7(a)は本願のいくつかの実施例によるU字型ガラスブロックの構造模式図を示す。図7(b)は本願の他の実施例によるU字型ガラスブロックの構造模式図を示す。図8は本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。図9は本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
【0104】
画像ソースディスプレイの結像経路に屈折部材を設置することにより、結像される連続した虚像が左側虚像部(L)及び右側虚像部(R)のうちの少なくとも1つを含む場合、屈折部材121のタイプを変更することにより、結像窓300に結像される結像虚像を人の目に反射させる全体的な連続した虚像が最終的にU字型虚像、ちりとり型虚像又は他の任意の表現したい外形を有する虚像であるようにすることができる。
【0105】
いくつかの実施例において、屈折部材の少なくとも一部の出光面から出射された屈折光線に対応する光線の屈折部材における光路は徐々に変化する。
【0106】
例えば、図7(a)、図7(b)及び図8図9に示すように、U字型ガラスブロックの構造は下へ凹んだ円弧面又は半分が下へ凹んだ円弧面を有するものであってもよい。U字型ガラスブロックの下面は画像ソースに近い屈折部材121の面(画像光線の入光面であると考えることができる)であり、U字型ガラスブロックの上面は画像ソースから離れる屈折部材121の面(画像光線の出光面であると考えることができる)である。左右方向に沿って、少なくとも一部の領域から出射された画像光線は、下面から屈折部材121に入射することから、上面から出射されることまでの過程における光学距離が徐々に変化し、それにより形成される虚像における異なる位置から目までの虚像距離(VID)は徐々に変化する。例えば、光学距離は大きくなってから小さくなる。ここで理解できるように、上記上下方向について説明した内容は、図面を容易に説明するためのものに過ぎず、表示装置の実際の構造を限定しない。
【0107】
図9に示すように、U字型屈折素子(例えばU字型ガラスブロック)は画像ソースの一部の出光光路に設置され、該屈折部材は一部の光線の光路を増加し、カバーされていない画像ソースの光路は変わらず、従って、屈折部材を通過した光線は最終的にU字型画面を形成し、屈折部材を通過しない光線は垂直画面を形成する。
【0108】
例えば、屈折部材121は積層された複数のサブ屈折部材を含む。例えば、複数のサブ屈折部材の材料は異なってもよく、それにより異なる屈折率を有する。
【0109】
理解できるように、屈折部材121が画像ソースディスプレイ110から発せられた画像光線を拡大アセンブリ200に伝播する光学距離は、対応する画像ソースディスプレイ110から発せられた画像光線が拡大アセンブリ200に出射された幾何学的経路と伝播媒体の屈折率との積を指す。屈折部材が設置される場合に、画像ソースディスプレイ110から拡大アセンブリ200に出射された画像光線の幾何学的経路は、屈折部材121を通過する部分と空気を通過する部分とを含み、画像光線の幾何学的経路の屈折部材を通過する部分と、通過する屈折部材の屈折率との積は、すなわち上記「付加光学的距離」である。
【0110】
又は、上記「付加光学的距離」は、画像ソースから発せられた画像光線が拡大アセンブリ200に伝播される過程における幾何学的経路の屈折部材121を通過する部分と、通過する屈折部材121の屈折率から空気の屈折率を引いて得た屈折率の差との積として定義されてもよい。
【0111】
上記実施例において、例えば、図7(a)及び図7(b)のように、構造上の変化(出光面はU字型面である)によりガラスブロックの屈折率を変更する。他のいくつかの実施例において、さらに、ガラスブロック自身の屈折率を変更する方式によりガラスブロック全体の屈折率を変更することができる。すなわち、ガラスブロックの厚さ及び/又は屈折率を変更することにより、最終的なU字型虚像の形成を実現する。例えば、屈折部材121の入光面と垂直な方向に沿って、屈折部材121の厚さ及び/又は屈折率は徐々に変化する。
【0112】
例えば、屈折部材121の出光側は円柱面又は双曲面を有する。屈折部材121を設置するときに、屈折部材121は画像ソースディスプレイ110に密着してもよく、又は画像ソースディスプレイ110との間に限定された間隔があってもよく、使用ニーズに応じて画像ソースディスプレイ110の位置選択を行うことができる。例えば、間隔をあけて設置する方式を用いると、一定の光線損失があり、すなわち、一部の光線は屈折部材121の入光面で反射され、それにより無駄になってしまう。
【0113】
選択可能に、屈折部材121の入射面と画像ソースディスプレイ110とが間隔をあけて設置されるときの距離は10mm以上である。他のいくつかの実施例において、異形屈折部材121の入射面と画像ソースアセンブリ110とが間隔をあけて設置されるときの距離は10mm未満である。
【0114】
例えば、屈折部材121の辺側に固定装置、例えばスナップ又は係止溝が設置されてもよく、ガラスブロックを固定し、その移動を避ける。例えば、屈折部材121の数は1つに限定されず、例えば、独立した複数の連続した虚像、又は、連続した複数の連続した虚像等を形成することができる。
【0115】
画像ソースディスプレイ110及び屈折部材121の設置位置は互いに独立性を有し、例えば、屈折部材121がU字型ガラスブロックとして構成されるときに、画像ソースディスプレイ110の位置の柔軟的な設置を実現することができる。例えば、図7(a)において、画像ソースディスプレイ110は水平に設置され、屈折部材121と協働して全部/一部のU字型虚像を実現することができ、画像ソースディスプレイ110の位置の調節を必要とせずに、画像ソースの取り付け角度に対する要件を低減させることができる。他のいくつかの実施例において、画像ソースディスプレイ110はさらに他の角度(理論上で任意の角度であってもよい)であってもよく、対応するU字型ガラスブロックを追加することにより、必要な虚像要件を実現し、この方式は画像ソースディスプレイ110の取り付け角度に対する要件を低減させることができる。ここで理解すべきであるように、屈折部材121を構成するU字型ガラスブロックは完全な構造であってもよく、複数のガラスブロックのタイリング構造であってもよい。
【0116】
例えば、屈折部材121は光透過可能であり、屈折部材121の屈折率は、空気の屈折率とは異なり、例えば、屈折部材121の屈折率は空気の屈折率より大きく(すなわち1より大きい)、それによって、画像ソースアセンブリ110の画像光線から拡大アセンブリ200までの光路は異なり、それにより虚像の少なくとも一部の領域が徐々にズームすることを実現する。
【0117】
例えば、屈折部材121の材料は無機材料、有機材料及び複合材のうちの少なくとも1つであってもよい。例えば、該無機材料はガラス、石英等を含んでもよく、該有機材料は、例えば、樹脂材料等の高分子材料を含んでもよく、該複合材は金属酸化物ドーピング-ポリメタクリル酸メチル等を含んでもよい。屈折部材121の材料は上記挙げられた材料に限定されず、光透過可能で且つ空気の屈折率と異なるものであればよい。
【0118】
例えば、屈折部材121の光線に対する光透過率は60%~100%である。例えば、屈折部材121の光線に対する光透過率は80%~99%である。例えば、屈折部材121の光線に対する光透過率は90%~99%である。
【0119】
例えば、画像ソースディスプレイ110から出射された画像光線が拡大アセンブリ200に伝播される光路に屈折部材121が設置されており、言い換えれば、屈折部材121は拡大アセンブリ200(曲面鏡)と画像ソース(画像ソースディスプレイ110)との間の光路に位置してもよい。例えば、屈折部材121は、画像ソースディスプレイ110から出射された画像光線が拡大アセンブリ200に伝播される光路に位置し、これに限定されず、屈折部材121は、拡大アセンブリ200が画像光線を結像窓300に反射する光路に位置してもよい。
【0120】
例えば、屈折部材121の入射面は、光学的に透明な接着剤で画像ソースディスプレイ110の表示面に貼り合わせることができる。例えば、屈折部材121の入射面と画像ソースディスプレイ110の表示面とは間隔をあけて設置されてもよい。例えば、屈折部材121の入射面と画像ソースディスプレイ110の表示面とは平行し且つ間隔をあけて設置されてもよい。
【0121】
いくつかの実施例において、屈折部材が設置された上記表示装置に基づいて、虚像の結像位置を変更することにより、虚像の結像位置とユーザの視線の集束位置との間の間隔を減少して、視覚輻輳のコンフリクトを改善し、ユーザ体験を向上させる。例えば、ユーザの疲労や吐き気等の不良な体調の発生を防止する又は減少することができ、運転の安全性を向上させる。
【0122】
図10(a)は本願のいくつかの実施例による湾曲画像ソースの構造模式図を示す。図10(b)は本願の他の実施例による湾曲画像ソースの構造模式図を示す。図11は本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
【0123】
第3態様の実施例の表示装置において、画像ソースディスプレイ110を湾曲画像ソースディスプレイ110として構成することにより、画像ソースディスプレイ110による画像光線は、最初から、連続的に遷移する異形画像を形成できる画像光線である。湾曲画像ソースディスプレイ110のタイプを変更することにより、結像窓300に結像される結像虚像を人の目に反射させる全体的な連続した虚像の形状を変更することができる。少なくとも一部の虚像から目までの距離は異なり且つ徐々に変化し、それにより虚像が徐々にズームすることを実現し、さらにその最終的な連続した虚像はU字型虚像、ちりとり型虚像又は他の任意の表現したい外形を有する虚像になる。
【0124】
徐々にズームすることは、虚像の地面と垂直な方向及び地面に平行する方向のうちの1つの方向に徐々にズームすることであってもよく、2つの方向に組み合わせて徐々にズームすることであってもよい。
【0125】
図10(a)、図10(b)及び図11を参照し、湾曲画像ソースディスプレイ110は下へ凹んだ円弧面を有する又は半分が下へ凹んだ円弧面を有するように構成されてもよく、他の実施例において、湾曲画像ソースディスプレイ110は、ニーズに応じて上へ突出した円弧面又は他の形状を有するように構成されてもよい。
【0126】
例えば、湾曲画像ソースディスプレイ110は、一部が平面スクリーンであり且つ他の一部が円弧状のスクリーンであるように構成されてもよく、拡大アセンブリ200を介した平面スクリーンの画像光線は最終的に垂直虚像を形成し、拡大アセンブリ200を介した円弧状のスクリーンの画像光線は最終的にU字型虚像を形成する。ここで理解できるように、垂直画面は垂直又は略垂直であると考えることができ、一定の角度範囲の誤差を有してもよく、例えば、画面と地面との間の夾角が80~100度の範囲にあれば、垂直画面を形成すると考えることができる。
【0127】
例えば、湾曲画像ソースディスプレイ110の辺側に固定装置、例えばスナップ又は係止溝が設置されてもよく、湾曲画像ソースディスプレイ110を固定し、その移動を避ける。
【0128】
例えば、湾曲画像ソースディスプレイ110の数は1つに限定されない。
【0129】
例えば、湾曲画像ソースディスプレイ110は複数の独立したU字型虚像、又は、複数の連続したU字型虚像等を形成することができる。
【0130】
例えば、湾曲画像ソースディスプレイ110の被写界深度は0.5~1.5cmであってもよい。選択可能に、被写界深度は1cmである。ここで理解できるように、被写界深度は、湾曲画像ソースディスプレイ110により形成される虚像が人の目から最も遠い点と、人の目から最も近い点との差である。
【0131】
例えば、湾曲画像ソースディスプレイ110はミクロンオーダーLED表示装置と、ミリオーダーLED表示装置と、シリコン系液晶表示装置と、デジタル光プロセッサと、微小電気機械システムディスプレイと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0132】
図12は本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
【0133】
図12を参照し、表示装置は画像ソースアセンブリ(画像送信部)100と、拡大素子200とを含む。拡大素子200は第1反射部材210と、第2反射部材220とを含む。
【0134】
図12に示すように、画像ソースアセンブリ100が発した第1画像光線は第1反射部材210及び第2反射部材220を経由した後に、第2画像光線として形成される。例えば、第2画像光線は結像窓300を経由して反射された後にアイボックス領域で連続した虚像として形成され、連続した虚像は少なくとも左側虚像部(L)及び右側虚像部(R)のうちの1つを含む。
【0135】
例えば、結像ニーズに応じて、拡大素子200は第3反射部材、第4反射部材等をさらに含んでもよく、本願は拡大素子200における反射部材の数及び設置形式について具体的に限定しない。
【0136】
例えば、第1反射部材210は平面鏡、曲面鏡、非球面鏡及び球面鏡のうちの少なくとも1つを含み、第2反射部材220は曲面鏡であり、曲面鏡は凹面反射鏡であってもよい。この状況において、凹面反射鏡の表示領域に近い表面は凹曲面である。曲面反射鏡の設置によって、ヘッドアップディスプレイはより遠い結像距離及びより大きな結像サイズを有し、且つ曲面反射鏡はさらに曲面の結像窓(後述する)、例えばフロントガラスと協働して、結像窓に起因する虚像歪みを除去することができる。
【0137】
例えば、曲面鏡はズーム曲面鏡として構成されてもよく、いくつかの例において、ズーム曲面鏡は出荷する前に設定を完了し、使用過程において曲率が変化せず、他のいくつかの例において、ズーム曲面鏡は電場により曲率を調節することができ、それによって、使用過程において曲面鏡の焦点距離をリアルタイムかつ迅速に変更する。
【0138】
例えば、第1態様、第2態様及び第3態様のいずれかの実施例の表示装置において、画像ソースディスプレイ110又は湾曲画像ソースディスプレイ110は単色の画像ソースであってもよく、カラー画像ソース(例えば、RGB混合光線を発することができる画像ソース)であってもよく、例えば、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、又は液晶ディスプレイ(LCD)等である。
【0139】
例えば、画像ソースディスプレイ110又は湾曲画像ソースディスプレイ110は単一画像ソース、ダブル画像ソース又はマルチ画像ソースであってもよく、例えば、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、又は液晶ディスプレイ(LCD)等であり、本願は画像ソースディスプレイ110又は湾曲画像ソースディスプレイ110のタイプを限定しない。
【0140】
例えば、画像ソースディスプレイ110又は湾曲画像ソースディスプレイ110は、虚像又は実像を発する液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、投影デバイス等の現像デバイスとして構成されてもよく、これらの現像デバイスによって形成される虚像又は実像として構成されてもよい。
【0141】
図13は本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。図14は本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。図15は本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。図16は本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
【0142】
いくつかの実施例において、表示装置は異なる時点又は同一の時点で少なくとも2つの虚像を生成するように構成され、少なくとも2つの虚像は第1虚像と、第2虚像とを含み、第1虚像は左側虚像部及び/又は右側虚像部を含む。
【0143】
例えば、第1虚像の近位端から表示装置のアイボックス領域までの距離は、第2虚像の近位端からアイボックス領域までの距離未満であり、第1虚像と水平方向との間の夾角は90度より大きく、90度に等しく又は90度より小さく、且つ第2虚像と水平方向との間の夾角は90度より大きく、90度に等しく又は90度より小さい。
【0144】
例えば、図13図16を参照し、第4態様の実施例の表示装置は、ユーザとの距離が等しくない少なくとも2層の虚像を生成するように構成され、少なくとも2層の虚像は第1虚像を含み、第1虚像は左側虚像部及び/又は右側虚像部を含む。第1虚像と水平方向との間の夾角は90度より大きく、90度に等しく又は90度より小さい。
【0145】
例えば、少なくとも2層の虚像は第2虚像をさらに含み、第1虚像の近位端から表示装置のアイボックス領域までの距離は第2虚像の近位端からアイボックス領域までの距離未満であり、第2虚像と水平方向との間の夾角は90度より大きく、90度に等しく又は90度より小さい。
【0146】
例えば、表示装置は少なくとも1つの虚像を生成するように構成され、少なくとも1つの虚像は裸眼3D虚像を含み、表示装置は、ユーザが少なくとも1つの虚像により少なくとも1つの裸眼3D虚像を見るように構成される。
【0147】
例えば、少なくとも2つの虚像は第3虚像をさらに含み、第3虚像は裸眼3D虚像であり、表示装置は、ユーザが少なくとも1つの虚像により少なくとも1つの裸眼3D虚像を見るように構成される。例えば、第3虚像は左眼虚像と、右眼虚像とを含み、表示装置に含まれる画像ソースアセンブリは、同一のユーザの左眼が受けるための左眼虚像に対応する左眼光線、及び同一のユーザの右眼が受けるための右眼虚像に対応する右眼光線を発するように構成され、左眼光線はユーザに左眼虚像を見せ、右眼光線はユーザに右眼虚像を見せる。
【0148】
該左眼虚像領域及び右眼虚像領域は同一の結像面に位置し(すなわち結像距離は基本的に等しい)、左眼光線及び右眼光線は同一の画像ソースから発せられ、それによりユーザの左眼に左眼虚像領域のパターンを見せ、右眼に右眼虚像領域のパターンを見せ、人の目の構造及び脳の視覚処理原理により、ユーザは3D効果を見ることができ、この効果は裸眼3Dと呼ばれてもよい。
【0149】
例えば、図13に示すように、最終的に形成される2層の虚像はU字型虚像及び垂直虚像であり、表示装置には2つの画像ソースディスプレイ110が含まれ、2つの画像ソースディスプレイ110はそれぞれ円弧状の画像ソース111及び平面画像ソース112である。円弧状の画像ソース111及び平面画像ソース112から出射された光線は、それぞれU字型虚像及び垂直虚像を形成する。
【0150】
例えば、図13に示す2つの虚像の結像距離は異なり、U字型虚像は垂直虚像よりも結像窓300に近い。示されていない他の実施例において、U字型虚像は垂直虚像よりもフロントガラスから離れるように構成されてもよく、このようにして虚像は周囲環境における物体と融合しやすく、結像のフィット度を向上させる。もちろん、他の実施例において、U字型虚像及び垂直虚像の結像距離は同じであってもよく、又は一部が同じであってもよい。
【0151】
例えば、図14に示すように、表示装置は3つの画像ソースディスプレイ110を含み、3つの画像ソースディスプレイ110はそれぞれ円弧状の画像ソース111、平面画像ソース112及び平面画像ソース113であり、円弧状の画像ソース111、平面画像ソース112及び平面画像ソース113はそれぞれU字型虚像及び2つの垂直虚像を形成する。例えば、図面に示す3つの虚像の結像距離は異なり、U字型虚像は2つの垂直虚像の間に設けられる。他のいくつかの例において、U字型虚像は最遠端又は最近端に設けられてもよい。他のいくつかの例において、3つの虚像の結像距離は同じであってもよく、又は一部が同じであってもよい。また、3つの画像ソースディスプレイ110における画像ソースのタイプはニーズに応じて柔軟に設定されてもよく、3つの画像ソースディスプレイ110が円弧状の画像ソース111を含む設定状態に限定されない。
【0152】
例えば、平面画像ソース112及び平面画像ソース113は、並んで設置するように構成されてもよく、設置位置が異なる独立した画像ソース構造として構成されてもよい。
【0153】
さらに、画像ソースディスプレイ110に含まれる画像ソースの数はより多くてもよく、例えば5つ、6つ等であり、本願はこれについて具体的に限定しない。
【0154】
また、他のいくつかの実施例において、円弧状の画像ソース111に複数のU字型構造を有する曲面が設けられてもよい。他のいくつかの実施例において、画像ソースディスプレイ110は特定個数の画像ソースが円弧状のスクリーンであることに限定されず、つまり、複数の画像ソースの場合に、複数の円弧状の虚像を形成するために、少なくとも2つの画像ソースは円弧状のスクリーンであってもよい。もちろん、他のいくつかの実施例において、少なくとも2つのU字型ガラスブロックにより複数の円弧状の虚像を実現することができる。
【0155】
例えば、いくつかの実施例において、画像ソースディスプレイ110は2つの円弧状の画像ソースを含み、それぞれ第1円弧状の画像ソース、及び第2円弧状の画像ソースであり、第1円弧状の画像ソース及び第2円弧状の画像ソースから出射された光線は、それぞれ2つのU字型虚像を形成する。この2つのU字型虚像は、一方が遠い位置に、他方が近い位置に間隔をあけて設定されてもよく、少なくとも一部が遷移して繋がってもよい。さらに、円弧状の画像ソースはより多くてもよく、各円弧状の画像ソースはそれぞれ複数のU字型虚像を形成する。
【0156】
例えば、図15に示すように、画像ソースディスプレイ110は円弧状の画像ソース111と、平面画像ソース112と、円弧状の画像ソース111及び平面画像ソース112の光路に設置された半透過素子60と、を含み、円弧状の画像ソース111から出射された光線Aは半透過素子60を透過し、平面画像ソース112から出射された光線Bは半透過素子60に照射して反射し、それにより光線ABを形成し、光線Aは最終的にU字型虚像A’を形成し、光線Bは垂直虚像B’を形成し、傾斜虚像A’と垂直虚像B’とは同軸に設定される。
【0157】
同軸について、U字型虚像A’及び垂直虚像B’の中心線は重なる、又は近似重なる(両者の中心線の間の夾角は設定された範囲内にあり、例えば、夾角は10度の範囲内にある)と、該2つの虚像が同軸であると示され、さらに、小さな虚像の大きな虚像の方向における投影は、すべて大きな虚像の範囲内にある場合、同軸虚像とも呼ばれる。
【0158】
例えば、図16に示すように、画像ソースディスプレイ110は円弧状の画像ソース111と、平面画像ソース112と、平面画像ソース113と、を含む。図16に示すように、円弧状の画像ソース111及び平面画像ソース112の光路に半透過素子60が設置され、円弧状の画像ソース111から出射された光線Aは半透過素子60を透過し、平面画像ソース112から出射された光線Bは半透過素子60に照射して反射し、それにより光線ABを形成し、光線Aは最終的にU字型虚像A’を形成し、光線Bは垂直虚像B’を形成し、U字型虚像A’と垂直虚像B’とは同軸に設定される。平面画像ソース113により形成される垂直虚像C’とU字型虚像A’又は垂直虚像B’との結像距離は同じである、又は異なる。同軸表示の方式によって、平面反射鏡の使用を減少することができ、空間構造を最適化することができる。
【0159】
例えば、画像ソースディスプレイ110の光路にU字型屈折部材(例えばU字型ガラスブロック)が設置され、U字型屈折部材はそれを通過した光線に光路を付加することができ、このとき、この部分の光線にとって、等価物体距離が変更し、結像距離も対応して変更し、最終的にU字型虚像を実現する。円弧状のスクリーンがU字型虚像を実現することができるため、ガラスブロックはU字型虚像を実現することができる。いくつかの実施例において、両者は組み合わせることができる。
【0160】
例えば、円弧状のスクリーンとU字型ガラスブロックを利用して協働することで、U字型虚像を形成し、又は、タイリングの虚像を形成することができる。例えば、円弧状のスクリーン及びU字型ガラスブロックを利用して結像距離が異なるU字型虚像をそれぞれ形成する。
【0161】
例えば、複数の虚像の位置、大きさ、傾斜の程度及び画面内容のうちの少なくとも1つは異なってもよい。
【0162】
図17は本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
【0163】
図17を参照し、裸眼3Dの結像について説明し、表示装置の画像ソースディスプレイ110は8列の画像ソースユニットと、2つの第1遮光ユニットと、2つの第2遮光ユニットと、を含むことを例として説明する。光バリアと画像ソースディスプレイ110との間に間隔d2があり、第1遮光ユニット410及び第2遮光ユニット420はいずれも光線を遮断することができ、従って、一部の画像ソースユニット(図3に示すR1、R2、R3、R4)から発せられた第2光線は左眼領域に到達できず、左眼領域で画像ソースユニットL1、L2、L3、L4から発せられた第1光線のみを見ることができ、同様に、右眼領域で画像ソースユニットR1、R2、R3、R4から発せられた第2光線のみを見ることができる。第1遮光ユニット410は、画像ソースユニットL1、L2、L3、L4から発せられた第1光線を第1指定領域(図3に示す左眼領域)に照射することを可能にし、第2遮光ユニット420は、画像ソースユニットR1、R2、R3、R4から発せられた第2光線を第2指定領域(図3に示す右眼領域)に照射することを可能にし、左眼及び右眼の可視虚像を分けることにより、さらに立体結像を実現する。例えば、第1遮光ユニット410及び第2遮光ユニット420の大きさ、並びに第1遮光ユニット410と第2遮光ユニット420との位置は精密な計算によって得られ、それにより特定の位置で結像することを確保することができる。
【0164】
図18は本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
【0165】
例えば、表示装置は光源から発せられた光線に対して方向制御を行うときに、通常、光源の周りに設置された光不透過ケース、例えば中空の反射カップを用いて光源から発せられた光線の方向を制御する。しかし、光不透過ケースにより光線の方向を制御すると、虚像の均一性が悪くなり、画質を確保できず、光不透過ケースはさらに光源の放熱に影響を与える。
【0166】
本願の表示装置の画像ソースディスプレイ110は複数の光源114を有する光源部と、光透過コリメート部115とを含み、複数の光源114から発せられた光は光透過コリメート部115を透過し、少なくとも一部の複数の光源114のうちのそれぞれに、光源114から発せられた光を反射するための反射カップが設置されていない。及び/又は、複数の光源114が位置する光源層と光透過コリメート部115が位置するコリメート層との間は少なくとも連続したガス媒体層を含む。ここで理解できるように、画像ソースディスプレイ110は光源部と、光透過コリメート部115とを含み、光源部は複数の光源114を有する。
【0167】
例えば、複数の光源114から発せられた光は光透過コリメート部115に直接入射する。
【0168】
例えば、図18図20に示すように、画像ソースディスプレイ110は方向制御モジュール116を含み、方向制御モジュール116は光透過コリメート部115と、複数の透明集光部117とを含み、複数の透明集光部117に対応する光源114から発せられた光は、複数の透明集光部117を透過した後に光透過コリメート部115を透過し、光透過コリメート部115と複数の透明集光部117との間の領域は少なくとも連続したガス媒体層である。従って、少なくとも一部の光源114に反射カップが設置されなくてもよく、それにより光源114の放熱に有利である。
【0169】
例えば、ガス媒体層はコリメート層及び光源層に隣接し、従って、光源114から発せられた光はガス媒体層を透過した後にコリメート部材に直接入射し、又は、ガス媒体層は複数の透明集光部117を含む集光層及びコリメート層に隣接し、従って、光源114から発せられた光は透明集光部117及びガス媒体層を透過した後にコリメート部材に直接入射する。
【0170】
例えば、ガス媒体層は空気又は他のガスであってもよい。
【0171】
例えば、コリメート部材の中心と対応する光源114の中心とは一直線上にある。
【0172】
例えば、コリメート部材は凸レンズ又はフレネルレンズであり、コリメート部材は通過した光線の発散角を小さくすることができる。
【0173】
例えば、前記複数の透明集光部117から出射された光は光透過コリメート部115に直接入射する。
【0174】
例えば、複数の透明集光部117は対応する光源114を収容する溝を有する。
【0175】
例えば、複数の透明集光部117は対応する光源114に密着する。
【0176】
例えば、複数の透明集光部117の出光面は対応する光源114から離れる方向に突出した凸面である。
【0177】
例えば、複数の透明集光部117のうちの少なくとも1つは平凸レンズである。
【0178】
例えば、図19及び図20に示すように、透明集光部117の出光面は少なくとも第1出光曲面を含み、光源114を透明集光部117の第1出光曲面の焦点に設置してもよい。光源114は透明集光部117の内部に設置されてもよい。
【0179】
例えば、光源114は透明集光部117の内部に埋め込まれ、且つ透明集光部117の下面の中間位置にある。透明集光部117は1つの平面と、1つの凸面とを有する平凸レンズであってもよい。
【0180】
いくつかの実施例において、上記第1~第4態様における任意の実施例に基づいて、透明集光部117の出光面は突起した放物面であり、光源114は透明集光部117の内部に嵌設され且つ放物面の焦点に位置し、又は、透明集光部117の出光面は突出した円弧面であり、光源114は透明集光部117の内部に嵌設され且つ円弧面の焦点に位置し、又は、透明集光部117の出光面は第1出光曲面と第2出光側面とを含み、第1出光曲面は突出した放物面であり、光源114は透明集光部の内部に嵌設され且つ放物面の焦点に位置し、又は、透明集光部117の出光面は第1出光曲面と第2出光側面とを含み、第1出光曲面は突出した円弧面であり、光源114は透明集光部の内部に嵌設され且つ円弧面の焦点に位置する。
【0181】
例えば、透明集光部117の下面は基板に密着する平面であり、上面は光源114の出光方向に沿う凸面である。透明集光部117は光源114の出光方向に位置する。透明集光部117は、光源114から発せられた光線を収束して第1収束光線を得て、第1収束光線を光透過コリメート部115に出射するように構成され、光透過コリメート部115は、入射した第1収束光線をさらに収束して第2収束光線を得て、第2収束光線を光線収束部118に入射するように構成される。透明集光部117及び光透過コリメート部115により光源114から発せられた光線を収束することで、光源から発せられた光線の利用率をさらに向上させることができる。
【0182】
図21は本願の他の実施例による表示装置の構造模式図を示す。
【0183】
例えば、画像ソースアセンブリ100は一般的にターゲット波長帯の光線を利用して結像し、該ターゲット波長帯は少なくとも1つのスペクトルバンドを含み、例えば、画像ソースアセンブリ100はRGB(赤、緑、青)の3つの波長帯色の光線を利用して結像を実現することができる。画像ソースアセンブリ100が液晶パネルを含む場合に、画像ソースアセンブリ100は特定の偏光特性の光線、例えば第2偏光特性の光線を出射することができ、また、半透過膜31はターゲット波長帯内に第2偏光特性を有する光線を反射することができ、該半透過膜31は、少なくとも1つのスペクトルバンドの第2偏光特性の光線に対して高い反射率を有し、他の光線に対して高い透過率を有し、例えば、ターゲット波長帯内に第1偏光特性を有する光線、及びターゲット波長帯以外の他の光線(第1偏光特性を有する光線と、第2偏光特性を有する光線とを含む)に対して高い透過率を有する。該半透過膜31は、画像ソースアセンブリ100から出射された光線の大部分を観察領域に反射することができ、また、外部環境光の大部分も観察領域に入射することができ、例えば、大部分の波長帯の第1偏光特性の光線はいずれも該半透過膜31を透過して観察領域に到達することができ、それによってユーザは外部のものを正常に見ることができる。
【0184】
例えば、ターゲット波長帯は少なくとも1つのスペクトルバンドを含み、例えば、少なくとも1つのスペクトルバンドの半値全幅は60nm以下であってもよい。
【0185】
例えば、図21に示すように、第1偏光特性の光線をP偏光状態の光線(以下、P偏光と略称する)とし、第2偏光特性の光線をS偏光状態の光線(以下、S偏光と略称する)とすると、導光装置は画像ソースアセンブリ100に光線410を出射することができ、該光線410はP偏光であり、画像ソースアセンブリ100から発せられた光線がRGB光線である場合に、該光線410はRGBのP偏光である。画像ソースアセンブリ100は光線410を光線420に変換することができ、該光線420は結像光線であり、且つ該結像光線はRGBのS偏光であり、半透過膜31はRGBのS偏光を反射し、且つ他の光線を透過することができる。例えば、半透過膜31はS偏光状態の赤色光、緑色光及び青色光に対して高い反射率(例えば、透過率は約70%~90%である)を有するが、他の波長帯の光線及びP偏光状態の赤色光、緑色光及び青色光に対して高い透過率(例えば、透過率は約70%~90%である)を有する。
【0186】
図21に示すように、画像ソースアセンブリ100がS偏光状態のRGB光線420を出射する場合、半透過膜31は該光線420に対して高い反射率を有し、従って、画像ソースアセンブリ100から出射された光線420の大部分を半透過膜31によって光線430として反射することができ、且つ該光線430は観察領域に反射され、結像の輝度を高め、また、外部環境光310のほとんどの光線はいずれも正常に透過でき、外部環境の観察に影響を与えず、例えば、外部環境にもターゲット波長帯の光線を主に出射するもの、例えば赤色光、緑色光を発する交通信号灯等が存在し、信号灯等の類似装置に生じた光線の波長帯はRGB等のターゲット波長帯に近接する、又は重なり、信号灯から発せられた光線のうちの第2偏光特性(例えばS偏光状態)を有する一部の光線311は反射膜31により反射されるが、信号灯から発せられた光線のうちの第1偏光特性(例えばP偏光状態)を有する一部の光線312は、依然として高透過率で反射膜31を透過することができ、観察領域のユーザは依然として信号灯等から発せられた光線を正常に見ることができる。例えば、該光線312はRGB波長帯以外の他の波長帯の光線をさらに含んでもよい。
【0187】
上記第1偏光特性はS偏光状態であってもよく、円偏光、楕円偏光等の他の偏光状態であってもよく、本実施例はこれを限定せず、上記RGBはそれぞれ赤色光、緑色光及び青色光の略称であり、例えば、波長帯内に連続的に分布する赤色光、緑色光及び青色光であってもよく、非連続的に分布する赤色光、緑色光及び青色光であってもよく、例えば上記光線の波長の半値全幅は60nm以下であり、青色光の波長のピーク位置は410nm~480nmの区間範囲内であってもよく、緑色光の波長のピーク位置は500nm~565nmの区間範囲内であってもよく、赤色光の波長のピーク位置は590nm~690nmの区間範囲内であってもよい。
【0188】
例えば、虚像と観察領域との間の距離範囲は2~20mである。ここで理解できるように、虚像の表示内容のカバー範囲は観察領域から2~20mの範囲内であってもよい。例えば、虚像の表示内容のカバー範囲は観察領域から2メートル以上且つ6メートル以下の範囲内であってもよく、例えば、虚像の表示内容のカバー範囲は2メートル以上且つ5メートル以下の範囲内であってもよく、例えば、虚像の表示内容のカバー範囲は2メートル以上且つ4メートル以下の範囲内であってもよく、及び/又は、虚像の表示内容のカバー範囲は観察領域から10メートル以上且つ20メートル以下の範囲内であってもよく、例えば、虚像の表示内容のカバー範囲は12メートル以上且つ20メートル以下の範囲内であってもよく、例えば、虚像の表示内容のカバー範囲は14メートル以上且つ20メートル以下の範囲内であってもよい。例えば、観察領域はユーザの目が位置する一定の領域範囲、例えばユーザの両眼が位置し、表示装置により表示される画像を見ることができる領域であってもよく、例えば、平面領域又は立体領域であってもよい。
【0189】
以上は本願の実施例を詳細に説明して解釈した。明確に理解すべきであるように、本願はどのように特定の例を形成して使用するかを説明したが、本願はこれらの例のいずれかの詳細に限定されない。逆に、本願に開示されている内容からの教示に基づいて、これらの原理は他の多くの実施例に適用できる。
【0190】
なお、上記は本開示の例示的な実施例に過ぎず、本開示を限定するためのものではなく、上記実施例を参照して本開示を詳細に説明したが、当業者にとって、依然として上記各実施例に記載の技術的解決手段を修正し、又はその一部の技術的特徴に対して同等置換を行うことができる。本開示の精神及び原則内に行われたいずれかの修正、同等置換、改良等は、いずれも本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図3(c)】
図3(d)】
図3(e)】
図3(f)】
図3(g)】
図3(h)】
図3(i)】
図3(j)】
図4
図5
図6(a)】
図6(b)】
図6(c)】
図6(d)】
図7(a)】
図7(b)】
図8
図9
図10(a)】
図10(b)】
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2025-03-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置であって、
ーザが当該表示装置のアイボックス領域により虚像を観察するように構成され、
前記虚像は少なくとも左側虚像部及び/又は右側虚像部を含む
表示装置。
【請求項2】
記虚像は像面の延伸方向が交差する第1虚像部と、第2虚像部とを少なくとも含み、前記第1虚像部は前記第2虚像部に接続される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
記虚像は像面の延伸方向が交差する第1虚像部と、第2虚像部とを少なくとも含み、前記第1虚像部及び前記第2虚像部を形成するための光線は、当該表示装置に含まれる同一の画像ソースディスプレイからのものである、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記虚像は連続した虚像であり、又は前記虚像は像面の延伸方向が交差する複数の虚像部を含み、且つ隣接する虚像部のうちの少なくとも一部が接続され、及び/又は、
当該表示装置は画像ソースディスプレイを有する画像ソースアセンブリを含み、前記画像ソースディスプレイは第1表示領域と、第2表示領域とを含み、前記第1表示領域から出射された画像光線は前記左側虚像部及び/又は前記右側虚像部に対応し、前記第2表示領域から出射された画像光線は前記虚像の他の部分に対応する
請求項1~3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項5】
当該表示装置は画像ソースディスプレイを有する画像ソースアセンブリを含み、
前記画像ソースディスプレイは湾曲画像ソースディスプレイであり、及び/又は、
前記画像ソースアセンブリは屈折部材をさらに含み、前記屈折部材は、前記画像ソースディスプレイから出射された後に前記屈折部材に入射した画像光線に対して屈折処理を行うように構成され
前記画像ソースディスプレイが前記湾曲画像ソースディスプレイである場合に、前記湾曲画像ソースディスプレイの面形状は、前記虚像の少なくとも一部の像面形状と適合し、
前記画像ソースアセンブリが前記屈折部材を含む場合に、前記屈折部材の少なくとも一部の出光面の面形状は、前記虚像の少なくとも一部の像面形状と適合する、
請求項1~のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記屈折部材に入射した同一の等高線にある画像光線の虚像における対応する位置は、極座標系の同一の円周にあり、前記極座標系は設定された参照点を原点とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記左側虚像部に表示される画面は、走行経路の左側に位置する左側外部の興味のあるポイントに関連する情報を含み、及び/又は、
前記右側虚像部に表示される画面は、走行経路の右側に位置する右側外部の興味のあるポイントに関連する情報を含み、
当該表示装置は、少なくとも1つの虚像を生成するように構成され、前記少なくとも1つの虚像は、裸眼3D虚像を含み、当該表示装置は、ユーザが少なくとも1つの虚像により少なくとも1つの裸眼3D虚像を見るように構成される、
請求項1~のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記虚像の異なる位置のうち、極座標の角度が大きい位置ほど、対応する虚像の部分が前記アイボックス領域に近く、及び/又は、
前記虚像の異なる位置のうち、俯角又は仰角が大きい位置ほど、対応する虚像の部分が前記アイボックス領域に近く、
前記左側虚像部及び/又は前記右側虚像部の像面形状は、湾曲したものである、
請求項1~のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記虚像は断面がU字型のU字型虚像部を少なくとも含み、前記U字型虚像部は前記左側虚像部と、前記右側虚像部とを含み、且つ前記U字型虚像部は前下方サブ虚像部、前方サブ虚像部及び前上方サブ虚像部の1つをさらに含み、及び/又は、
前記虚像は断面がL字型のL字型虚像部を少なくとも含み、前記L字型虚像部は前記左側虚像部又は前記右側虚像部を含み、且つ前記L字型虚像部は前下方サブ虚像部、前方サブ虚像部及び前上方サブ虚像部の1つをさらに含む
請求項1~のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記左側虚像部及び/又は前記右側虚像部は地面と垂直であ、又は地面に対して傾斜し、又は、
前記虚像は前方サブ虚像部をさらに含み、前記前方サブ虚像部は前下方サブ虚像部、前方サブ虚像部及び前上方サブ虚像部のうちの1つ又は複数を含み、前記左側虚像部、前記右側虚像部、前記前下方サブ虚像部、前記前方サブ虚像部及び前記前上方サブ虚像部のうちの1つ又は複数は地面と垂直であ、又は地面に対して傾斜し、又は前記前下方サブ虚像部は地面に平らに敷又は平行である、
請求項1~のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項11】
当該表示装置は、異なる時点又は同一の時点で少なくとも2つの虚像を生成するように構成され、前記少なくとも2つの虚像は第1虚像と、第2虚像とを含み、前記第1虚像は前記左側虚像部及び/又は前記右側虚像部を含み、
前記第1虚像の近位端から当該表示装置のアイボックス領域までの距離は、前記第2虚像の近位端から前記アイボックス領域までの距離より短く、
前記第1虚像と水平方向との間の夾角は、90度より大きく、90度に等しく又は90度より小さく、且つ前記第2虚像と水平方向との間の夾角は、90度より大きく、90度に等しく又は90度より小さい、
請求項1~3のいずれか一項に記載の表示装置。
【請求項12】
当該表示装置の画像ソースアセンブリは複数の光源を有する光源部と、光透過コリメート部とを含み、前記複数の光源から発せられた光は前記光透過コリメート部を透過し、
少なくとも一部の前記複数の光源のうちのそれぞれに、前記光源から発せられた光を反射するための反射カップが設置されておらず、及び/又は、前記複数の光源が位置する光源層と前記光透過コリメート部が位置するコリメート層との間は少なくとも連続したガス媒体層を含む
請求項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記光源から発せられた光は前記光透過コリメート部に直接入射し、又は
前記画像ソースアセンブリは方向制御モジュールを含み、前記方向制御モジュールは前記光透過コリメート部と、複数の透明集光部とを含み、前記複数の透明集光部に対応する光源から発せられた光は、前記複数の透明集光部を透過した後に前記光透過コリメート部を透過し、前記光透過コリメート部と前記複数の透明集光部との間の領域は少なくとも連続したガス媒体層である
請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
画像光線を発するように構成される画像ソースアセンブリと、
屈折光線を得るために、入射した画像光線に対して屈折処理を行うように構成される屈折部材と、
少なくとも一部の前記虚像を形成するための拡大光線を得るために、入射した屈折光線に対して拡大処理を行うように構成される拡大アセンブリと、をさらに含む
請求項に記載の表示装置。
【請求項15】
前記屈折部材は1つ又は複数のサブ屈折部材を含み、及び/又は前記屈折部材の少なくとも一部の出光面は曲面及び/又は平面を含み、
前記屈折部材の少なくとも一部の出光面から出射された屈折光線に対応する光線の前記屈折部材における光路は、徐々に変化し、
前記屈折部材の入光面と垂直な方向に沿って、前記屈折部材の厚さ及び/又は屈折率は徐々に変化する、
請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
曲画像ソースディスプレイを含み、像光線を発するように構成される画像ソースアセンブリと、
少なくとも一部の前記虚像を形成するための拡大光線を得るために、入射した画像光線に対して拡大処理を行うように構成される拡大アセンブリと、をさらに含む
請求項に記載の表示装置。
【請求項17】
曲画像ソースの少なくとも一部の出光面は曲面であり、
前記湾曲画像ソースの出光面は、円弧状面であり、前記湾曲画像ソースの被写界深度は、0.5~1.5cmであり、
前記虚像と観察領域との間の距離範囲は、2~20mである、
請求項16に記載の表示装置。
【請求項18】
画像ソース装置であって、
当該画像ソース装置は請求項14に記載の表示装置に用いられる画像ソース装置であり、且つ前記画像ソース装置は前記画像ソースアセンブリと、折部材とを含み、
又は、前記画像ソース装置は請求項16に記載の表示装置に用いられる画像ソース装置であり、且つ前記画像ソース装置は、湾曲画像ソースディスプレイを含む
画像ソース装置。
【請求項19】
交通デバイスであって、請求項1~のいずれか一項に記載の表示装置を含む交通デバイス。
【請求項20】
表示方法であって、
表示装置の結像窓に結像光線を投射することで、ユーザが前記表示装置のアイボックス領域により視野に虚像を観察するステップを含み、
前記虚像は少なくとも左側虚像部及び/又は右側虚像部を含み、及び/又は、前記虚像は像面の延伸方向が交差する第1虚像部と、第2虚像部とを少なくとも含み、前記第1虚像部は前記第2虚像部に接続される
表示方法。
【国際調査報告】