(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-09-19
(54)【発明の名称】バケツ用の袋構成
(51)【国際特許分類】
B65D 30/10 20060101AFI20250911BHJP
【FI】
B65D30/10 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025518831
(86)(22)【出願日】2023-09-29
(85)【翻訳文提出日】2025-05-30
(86)【国際出願番号】 CA2023051294
(87)【国際公開番号】W WO2024065060
(87)【国際公開日】2024-04-04
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520412970
【氏名又は名称】エンジェルケア カナダ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ANGELCARE CANADA INC.
【住所又は居所原語表記】250-2000 McGill College, Montreal,QC H3A 3H3, Canada
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100176061
【氏名又は名称】熱海 淳
(72)【発明者】
【氏名】モラン ミシェル
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA01
3E064AE03
3E064BA26
3E064BA60
3E064BB03
3E064BC20
3E064FA01
3E064GA06
(57)【要約】
廃棄物処理ユニットでの使用に適合している袋であって、廃棄物処理ユニットは、袋を開いた状態で吊るして断面積CAを有する中央開口部を画定するための袋支持部を有し、袋支持部は、中央開口部に沿って掛止周縁部HPを規定し、HPの周縁輪郭はCAの周縁輪郭よりも大きく、袋は管状体を有し、開かれた袋の管状体は、対象物を詰め込むための内部容積を規定し、管状体は、上部開放端を含む第1の区画と、下部閉鎖端を含む少なくとも第2の区画とを有し、第1の区画は未延伸状態から延伸状態まで延伸可能であり、袋が開かれた場合、第1の区画は、未延伸状態では断面積CAよりも小さい開口断面積を有し、延伸状態では開口断面積が少なくとも断面積CAに等しい。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物処理ユニットでの使用に適している袋であって、前記廃棄物処理ユニットは、前記袋を開いた状態で吊るすための袋支持部を有し、前記袋支持部は、前記袋を受け入れるための中央開口部を画定し、前記中央開口部は断面積CAを有し、前記断面積CAは、第1の最大寸法WDと、前記第1の最大寸法WDに垂直な第2の最大寸法DDとを有し、DDがWDの少なくとも70%であり、前記袋支持部は、前記中央開口部に沿って掛止周縁部HPを規定し、HPの周縁輪郭はCAの周縁輪郭よりも大きく、廃棄物受容容積は、前記袋支持部から前記処理ユニットの底まで延びる高さ寸法UHを有し、前記袋は、
上部開放端と下部閉鎖端とを有する管状体
を備え、
前記開いた状態の袋の前記管状体は、対象物を詰め込むための内部容積を規定し、
前記管状体は、前記上部開放端を含む第1の区画と、前記下部閉鎖端を含む少なくとも第2の区画とを有し、前記第1の区画は未延伸状態から延伸状態まで延伸可能であり、前記袋が開かれた場合、
前記未延伸状態では、前記第1の区画は前記断面積CAよりも小さい開口断面積を有し、
前記延伸状態では、前記開口断面積が少なくとも前記断面積CAに等しい、袋。
【請求項2】
前記第2の区画は、最大で0.95CAの開口断面積を有する、請求項1に記載の袋。
【請求項3】
前記管状体は、前記上部開放端から前記下部閉鎖端まで延びる長さLを有し、前記長さLは、前記高さ寸法UHよりも大きい、請求項1又は2に記載の袋。
【請求項4】
前記長さLは、1.05UH≦L≦1.25UHに従う、請求項3に記載の袋。
【請求項5】
平らな2つ折り状態にある前記管状体は、上縁から下縁の方向に延びる1対の側縁を有し、前記上縁は、前記上部開放端を画定し、前記下縁は、前記下部閉鎖端を画定し、前記上部開放端は、0.9POL/2≦WA<POL/2に従う平らな2つ折り幅WAを有し、POLは前記掛止周縁部HPの輪郭として規定される、請求項1から4のいずれか記載の袋。
【請求項6】
前記側縁は、前記上部開放端から前記下部閉鎖端まで平行である、請求項5に記載の袋。
【請求項7】
平らな2つ折り状態にある前記管状体は、上縁から下縁の方向に延びる1対の側縁を有し、前記上縁は、前記上部開放端を画定し、溶着継ぎ目が前記側縁の少なくとも1つから前記下部閉鎖端まで延びて前記第2の区画に先細部を形成し、前記先細部は、前記第2の区画における前記袋の開口断面積の減少をもたらす、請求項1から4のいずれかに記載の袋。
【請求項8】
前記溶着継ぎ目に隣接するフラップをさらに備え、前記フラップは、前記溶着継ぎ目と前記側縁の1つとの間を延びる、請求項7に記載の袋。
【請求項9】
前記管状体は、少なくとも2層のフィルムから作製される、請求項1から6のいずれかに記載の袋。
【請求項10】
前記第1の区画及び前記第2の区画は、堆肥化可能材料のフィルムから作製される、請求項1から7のいずれかに記載の袋。
【請求項11】
廃棄物処理ユニットでの使用に適している袋であって、前記廃棄物処理ユニットは、前記袋を開いた状態で吊るすための袋支持部を有し、前記袋支持部は、前記廃棄物処理ユニットの中央開口部を画定して断面積CAを有し、前記断面積CAは、第1の最大寸法WDと、前記第1の最大寸法WDに垂直な第2の最大寸法DDとを有して、DDがWDの少なくとも70%であり、前記袋支持部は、前記中央開口部に沿って掛止周縁部HPを規定し、HPの周縁輪郭>CAの周縁輪郭であり、廃棄物受容容積は、前記袋支持部から前記処理ユニットの底まで延びる高さ寸法UHを有し、前記袋は、
上部開放端と下部閉鎖端とを有する管状体
を備え、
前記袋の前記管状体は、前記上部開放端から出入り可能な内部容積を規定するために開くことができ、
前記管状体は、前記上部開放端を含む第1の区画と、前記下部閉鎖端を含む少なくとも第2の区画とを有し、前記第1の区画は未延伸状態から延伸状態まで延伸可能であり、
未延伸状態の前記第1の区画は、最大で0.95CAの開口断面積を有し、
延伸状態の前記第1の区画は、破れることなく、HPの開口断面積に少なくとも等しい開口断面積を有する、袋。
【請求項12】
前記第2の区画は、最大で0.95CAの開口断面積を有する、請求項11に記載の袋。
【請求項13】
前記管状体は、前記上部開放端から前記下部閉鎖端まで延びる長さLを有し、前記長さLは、1.05UH≦L≦1.25UHに従う、請求項11又は12に記載の袋。
【請求項14】
平らな2つ折り状態にある前記管状体は、上縁から下縁の方向に延びる1対の側縁を有し、前記上縁は、前記上部開放端を画定し、前記下縁は、前記下部閉鎖端を画定し、前記上部開放端は、0.9POL/2≦WA<POL/2に従う平らな2つ折り幅WAを有し、POLは前記掛止周縁部HPの輪郭として規定される、請求項11から13のいずれかに記載の袋。
【請求項15】
平らな2つ折り状態にある前記管状体は、上縁から下縁の方向に延びる1対の側縁を有し、前記上縁は、前記上部開放端を画定し、溶着継ぎ目が前記側縁の少なくとも1つから前記下部閉鎖端まで延びて前記第2の区画に先細部を形成し、前記先細部は、前記第2の区画における前記袋の開口断面積の減少をもたらす、請求項11から14のいずれかに記載の袋。
【請求項16】
前記溶着継ぎ目に隣接するフラップをさらに備え、前記フラップは、前記溶着継ぎ目と前記側縁の1つとの間を延びる、請求項15に記載の袋。
【請求項17】
破れることなく、前記掛止周縁部HPによって画定される断面積に少なくとも等しい前記上部開放端の前記断面積を得るために、前記第1の区画は、塑性変形範囲内で前記未延伸状態から前記延伸状態まで延伸可能である、請求項11から16のいずれかに記載の袋。
【請求項18】
前記延伸状態において、1.01CA≦HPA≦1.2CAに従って前記掛止周縁部HPによって画定される断面積HPAを得るために、前記第1の区画は、前記塑性変形範囲内で延伸可能である、請求項17に記載の袋。
【請求項19】
廃棄物処理ユニットでの使用に適している袋であって、前記廃棄物処理ユニットは、前記袋を開いた状態で吊るすための袋支持部を有し、前記袋支持部は、前記袋を受け入れるための中央開口部と、前記中央開口部に沿って延びる掛止周縁部HPとを画定し、前記中央開口部は、第1の最大寸法WDと、前記第1の最大寸法WDに垂直な第2の最大寸法DDとを有する断面積CAを有して、DDはWDの少なくとも70%であり、前記袋は、
上部開放端と下部閉鎖端とを有する管状体
を備え、
前記開いた状態の袋の前記管状体は、対象物を詰め込むための内部容積を規定し、前記内部容積は、長手方向に前記上部開放端と前記下部閉鎖端との間で減少し、
前記管状体は、前記上部開放端を広げるために横方向に延伸可能であり、前記管状体は、前記上部開放端を含む第1の区画と、前記下部閉鎖端を含む第2の区画とを有し、前記第1の区画は、未延伸状態で前記断面積CAの90%と100%の間の開口断面積を有するように選択された、平らな2つ折り状態での幅と周方向の破断伸びとを有する、袋。
【請求項20】
前記廃棄物処理ユニットは、前記袋支持部から前記処理ユニットの底まで延びる高さ寸法UHを有する廃棄物受容容積を有し、前記袋は、前記上部開放端から前記下部閉鎖端まで延びる長さLを有し、前記長さLは、1.05UH≦L≦1.25UHに従う、請求項19に記載の袋。
【請求項21】
前記第1の区画は、前記未延伸状態から、破れることなく、前記上部開放端の前記開口断面積が前記掛止周縁部HPによって画定される断面積に少なくとも等しい延伸状態まで、塑性変形範囲内で延伸可能である、請求項19又は20に記載の袋。
【請求項22】
請求項1から21のいずれかに記載の複数の袋を備える袋ロールであって、前記袋は、前記袋ロール内で1番目の前記袋の下縁から、前記袋ロール内で2番目の前記袋の上縁まで、端と端が接続されている、袋ロール。
【請求項23】
請求項1から22のいずれかに規定された複数の袋を規定する管状フィルムと、前記複数の袋の少なくとも一部を囲む受け器とを備える袋分配カセットであって、前記複数の袋は1番目の前記袋の前記下縁から2番目の前記袋の前記上縁まで、端と端が接続され、前記管状フィルムは、扇折り又は多重折りの構成で積み重ねられる、袋分配カセット。
【請求項24】
バケツに袋を設置する方法であって、
前記バケツの中央開口部を通して前記袋の閉鎖端を前記バケツ内に位置決めすることと、
前記袋の上端を未延伸状態から変形させて、前記バケツの上端にある袋支持部に前記袋を引掛け、前記袋の前記上端が開くようにすることと、
前記上部開放端から前記袋に廃棄物を投入することであって、前記バケツの底に前記袋の前記閉鎖端が着座することによって前記廃棄物の重量が前記バケツで支えられる、投入することと、
を含む方法。
【請求項25】
前記袋の前記上端を前記未延伸状態から変形させることは、前記袋の前記上端を塑性変形範囲内で変形させることを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記袋の前記上端を前記未延伸状態から変形させることは、前記バケツの別々の掛止部材に対応する別々の位置で前記袋を変形させることを含む、請求項24又は25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年9月29日出願の米国特許出願第63/411362号の優先権を主張するものであり、その開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本出願は、ごみ箱、バケツ(pail:ペイル)、コンポストなどの廃棄物処理ユニットで使用される袋及び袋ロールに関する。
【背景技術】
【0003】
ゴミ箱、バケツ、コンポスト、リサイクル容器などの処理ユニットは、従来から袋に対応するように構成されている。利便性とコスト効率の良い梱包のため、袋は一般に、袋ロールの一部であり、袋は相互に接続されている。特定の構成では、袋ロールはバケツ又はワイヤラックの底に収納され、袋ロールの自由端を持ち上げて、バケツ又はワイヤラックの上端で開いた状態で支持するようにする。従って、袋が廃棄物又は他の物品でいっぱいになると、いっぱいになった袋を取り外し、ロール内の次の袋を展開して廃棄物を受け入れるようにすることができる。しかしながら、袋は廃棄物でいっぱいになると、その体積が増大し、特にいっぱいになった袋をバケツから上向きに引き出す場合には、バケツ又はワイヤラックから取り出すのが難しくなる可能性がある。さらに、従来の袋は、特定の処理ユニットに対して均等に嵌まらない場合、開いた状態でしっかりと保持されない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的は、廃棄物袋を分配するための新規の袋、袋ロール、及び/又はカセットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様によれば、廃棄物処理ユニットでの使用に適している袋が提供され、廃棄物処理ユニットは、袋を開いた状態で吊るすための袋支持部を有し、袋支持部は、袋を受け入れるための中央開口部を画定し、中央開口部は断面積CAを有し、断面積CAは、第1の最大寸法WDと、第1の最大寸法WDに垂直な第2の最大寸法DDとを有して、DDはWDの少なくとも70%であり、袋支持部は、中央開口部に沿って掛止周縁部HPを規定し、HPの周縁輪郭はCAの周縁輪郭よりも大きく、廃棄物受容容積は、袋支持部から処理ユニットの底まで延びる高さ寸法UHを有し、袋は、上部開放端と下部閉鎖端とを有する管状体を備え、開かれた袋の管状体は、対象物を詰め込むための内部容積を規定し、管状体は、上部開放端を含む第1の区画と、下部閉鎖端を含む少なくとも第2の区画とを有し、第1の区画は、未延伸状態から延伸状態まで延伸可能であり、袋が開かれた場合、未延伸状態では、第1の区画は、断面積CAよりも小さい開口断面積を有し、延伸状態では、開口断面積は、少なくとも断面積CAに等しい。
【0006】
さらに上記の態様によれば、例えば、第2の区画は、最大で0.95CAの開口断面積を有する。
【0007】
さらに上記の態様によれば、例えば、管状体は、上部開放端から下部閉鎖端まで延びる長さLを有し、長さLは高さ寸法UHよりも大きい。
【0008】
さらに上記の態様によれば、例えば、長さLは1.05UH≦L≦1.25UHに従う。
【0009】
さらに上記の態様によれば、例えば、平らな2つ折り状態にある管状体は、上縁から下縁の方向に延びる1対の側縁を有し、上縁は、上部開放端を画定し、下縁は、下部閉鎖端を画定し、上部開放端は、0.9POL/2≦WA<POL/2に従う平らな2つ折り幅WAを有し、POLは掛止周縁部HPの輪郭として定義される。
【0010】
さらに上記の態様によれば、例えば、側縁は、上部開放端から下部閉鎖端まで平行である。
【0011】
さらに上記の態様によれば、例えば、平らな2つ折り状態にある管状体は、上縁から下縁の方向に延びる1対の側縁を有し、上縁は、上部開放端を画定し、溶着継ぎ目が側縁の少なくとも1つから下部閉鎖端まで延びて第2の区画に先細部を形成し、先細部は、第2の区画における袋の開口断面積の減少をもたらす。
【0012】
さらに上記の態様によれば、例えば、袋はさらに、溶着継ぎ目に隣接するフラップを備え、フラップは溶着継ぎ目と側縁の1つとの間を延びる。
【0013】
さらに上記の態様によれば、例えば、管状体は、少なくとも2層のフィルムから作製される。
【0014】
さらに上記の態様によれば、例えば、第1の区画及び第2の区画は、堆肥化可能材料のフィルムから作製される。
【0015】
別の態様によれば、廃棄物処理ユニットでの使用に適している袋が提供され、廃棄物処理ユニットは、袋を開いた状態で吊るすための袋支持部を有し、袋支持部は、廃棄物処理ユニットの中央開口部を画定して断面積CAを有し、断面積CAは、第1の最大寸法WDと、第1の最大寸法WDに垂直な第2の最大寸法DDとを有して、DDがWDの少なくとも70%であり、袋支持部は、中央開口部に沿って掛止周縁部HPを規定し、HPの周縁輪郭はCAの周縁輪郭よりも大きく、廃棄物受容容積は、袋支持部から処理ユニットの底まで延びる高さ寸法UHを有し、袋は、上部開放端と下部閉鎖端とを有する管状体を備え、袋の管状体は、上部開放端から出入り可能な内部容積を規定するために開くことができ、管状体は、上部開放端を含む第1の区画と、下部閉鎖端を含む少なくとも第2の区画とを有し、第1の区画は未延伸状態から延伸状態まで延伸可能であり、未延伸状態の第1の区画は、最大で0.95CAの開口断面積を有し、延伸状態の第1の区画は、破れることなく、HPの開口断面積に少なくとも等しい開口断面積を有する。
【0016】
さらに上記の態様によれば、例えば、第2の区画は、最大で0.95CAの開口断面積を有する。
【0017】
さらに上記の態様によれば、例えば、管状体は、上部開放端から下部閉鎖端まで延びる長さLを有し、長さLは1.05UH≦L≦1.25UHに従う。
【0018】
さらに上記の態様によれば、例えば、平らな2つ折り状態にある管状体は、上縁から下縁の方向に延びる1対の側縁を有し、上縁は、上部開放端を画定し、下縁は、下部閉鎖端を画定し、上部開放端は、0.9POL/2≦WA<POL/2に従う平らな2つ折り幅WAを有し、POLは掛止周縁部HPの輪郭として定義される。
【0019】
さらに上記の態様によれば、例えば、平らな2つ折り状態にある管状体は、上縁から下縁の方向に延びる1対の側縁を有し、上縁は、上部開放端を画定し、溶着継ぎ目が側縁の少なくとも1つから下部閉鎖端まで延びて第2の区画に先細部を形成し、先細部は、第2の区画における袋の開口断面積の減少をもたらす。
【0020】
さらに上記の態様によれば、例えば、袋は、溶着継ぎ目に隣接するフラップをさらに備え、フラップは、溶着継ぎ目と側縁の1つとの間を延びる。
【0021】
さらに上記の態様によれば、例えば、破れることなく、掛止周縁部HPが画定する断面積に少なくとも等しい上部開放端の断面積を得るために、第1の区画は、塑性変形範囲内で未延伸状態から延伸状態まで延伸可能である。
【0022】
さらに上記の態様によれば、例えば、延伸状態において、1.01CA≦HPA≦1.2CAに従って掛止周縁部HPで画定される断面積HPAを得るために、第1の区画は、塑性変形範囲内で延伸可能である。
【0023】
別の態様によれば、廃棄物処理ユニットでの使用に適している袋が提供され、廃棄物処理ユニットは、袋を開いた状態で吊るすための袋支持部を有し、袋支持部は、袋を受け入れるための中央開口部を画定し、掛止周縁部HPが中央開口部に沿って延び、中央開口部は、第1の最大寸法WDと、第1の最大寸法WDに垂直な第2の最大寸法DDとを有する断面積CAを有して、DDはWDの少なくとも70%であり、袋は、上部開放端と下部閉鎖端とを有する管状体を備え、開いた状態の袋の管状体は、対象物を詰め込むための内部容積を規定し、内部容積は、長手方向に上部開放端と下部閉鎖端との間で減少し、管状体は、上部開放端を広げるために横方向に延伸可能であり、管状体は、上部開放端を含む第1の区画と、下部閉鎖端を含む第2の区画とを有し、第1の区画は、未延伸状態で断面積CAの90%と100%の間の開口断面積を有するように選択された、平らな2つ折り状態での幅と周方向の破断伸びとを有する。
【0024】
さらに上記の態様によれば、例えば、廃棄物処理ユニットは、袋支持部から処理ユニットの底まで延びる高さ寸法UHを有する廃棄物受容容積を有し、袋は、上部開放端から下部閉鎖端まで延びる長さLを有し、長さLは1.05UH≦L≦1.25UHに従う。
【0025】
さらに上記の態様によれば、例えば、第1の区画は、未延伸状態から、破れることなく、上部開放端の断面積が掛止周縁部HPで画定される断面積に少なくとも等しい延伸状態まで、塑性変形範囲内で延伸可能である。
【0026】
別の態様によれば、先行する態様のいずれかによる複数の袋を備える袋ロールが提供され、袋は、袋ロール内で1番目の袋の下縁から、袋ロール内で2番目の袋の上縁まで端と端が接続されている。
【0027】
別の態様によれば、先行する態様のいずれかに規定された複数の袋を規定する管状フィルムと、複数の袋の少なくとも一部を囲む受け器(RECEPTACLE:レセプタクル)とを備える袋分配カセットが提供され、複数の袋は、1番目の袋の下縁から2番目の袋の上縁まで端と端が接続され、管状フィルムは、折畳み又は多重折りの構成で積み重ねられる。
【0028】
別の態様によれば、バケツに袋を設置する方法が提供され、方法は、バケツの中央開口部を通して袋の閉鎖端をバケツ内に位置決めすることと、袋の上端を未延伸状態から変形させて、バケツの上端にある袋支持部に袋を引掛け、袋の上端が開くようにすることと、上部開放端から袋に廃棄物を投入することであって、バケツの底に袋の閉鎖端が着座することによって廃棄物の重量がバケツで支えられる、投入することと、を含む。
【0029】
さらに上記の態様によれば、例えば、袋の上端を未延伸状態から変形させることは、袋の上端を塑性変形範囲内で変形させることを含む。
【0030】
さらに上記の態様によれば、例えば、袋の上端を未延伸状態から変形させることは、バケツの別々の掛止部材に対応する別々の位置で袋を変形させることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本開示の一実施形態による袋ロールの斜視図である。
【
図2】例えば
図1の袋ロールを含む、本開示による袋分配カセットの斜視図である。
【
図3】分断された廃棄物処理ユニットに配置された、
図2の袋分配カセットの斜視図である。
【
図4】
図3の袋分配カセット及び廃棄物処理ユニットの断面図である。
【
図4A】一変形形態による、
図3の廃棄物処理ユニットの袋支持部の斜視図である。
【
図5A】
図1の袋ロールの袋に関する上縁輪郭の平面図である。
【
図5B】
図1の袋ロールの袋に関する上縁輪郭の平面図である。
【
図5C】
図1の袋ロールの袋に関する上縁輪郭の平面図である。
【
図6】本開示の別の実施形態による、
図1に示すような袋ロールの斜視図である。
【
図7】
図1及び
図6の袋ロールに示すような袋を備えた分配カセットを別の積重ね構成で示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面、特に
図1及び2を参照すると、袋分配カセットが全体として10で示されている(
図2)。袋分配カセット10は、袋ロール20を有することができ、袋ロール20は、管体30上に巻かれて(
図1に示すように)、又はそれ自体丸められて(つまり、管体なしで)、カセット本体40に挿入される。また、本開示による袋ロール20は、管体30及び/又はカセット本体40を備える場合又は備えない場合がある。図は袋ロール20を示すが、いずれかの図の袋は、個別に、つまりロールの一部ではなく提供すること、又は折畳み状態で配置された連続する袋詰めフィルムなどのジグザグパターン(折畳み)で提供することもできる(
図7)。本明細書では簡単にするために用語「袋ロール」を使用するが、袋ロールの形状の袋に関係する何らかの記述は、ロール状ではない折畳み状態の袋詰めフィルムに同様に当てはまる場合がある。
【0033】
袋ロール20は、
図1に詳細に示されている。少なくとも一部の実施形態では、袋ロール20は、澱粉系又は植物系の材料などの、生分解性材料及び/又は堆肥化可能材料のフィルム(複数可)で作ることができる。例えば、想定される用途及び/又は処理される廃棄物(例えば、台所廃棄物、残飯、完熟食品)に応じて、フィルム材料は、セルロース繊維、リグノセルロース繊維、ヘミセルロース、リグニン、ペクチン、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、及びポリ(β-カプロラクトン)(PCL)のうちの少なくとも一部の組み合わせを含む、バイオ複合材料を含むことができる。生分解性のない材料及び/又は堆肥化できない材料などの他のフィルム材料を想定することもできる。例えば、一部の実施形態では、フィルム材料は、数多くの可能な材料のうちのいくつかを挙げると、ポリエチレン(LDPE、LLDPE又はHDPE)、バイオプラスチック、ポリ乳酸などのプラスチックを含むことができる。また、フィルムに臭気バリアを形成するエチレンビニルアルコール(EVOH)などの機能層、袋を補強するナイロン層、又は湿気/液体バリアを形成する天然繊維層を追加することも想定することができる。一部の実施形態では、袋ロール20の一部分は、異なる生分解性材料及び/又は堆肥化可能材料又はプラスチック材料などの異なる材料で作ることができ、それによって、異なる機械的特性(例えば、異なるレベルの延伸性、弾性率、引張強度、破断伸びなど)、化学的特性(例えば、気体不透過性又は液体不透過性などの流体不透過性/透過性)、及び/又は上述した他の特性を、袋ロール20に沿って、長さ方向及び/又は幅方向の選択された位置/区画で得ることができる。しかしながら、少なくとも一部の実施形態では、これらの特性は、袋ロール20及び/又は袋ロール20の各袋20’を規定する区画に沿って均一(又は実質的に均一、すなわち10%以内の誤差)にすることができ、これについては以下で説明する。
【0034】
袋ロール20は、20’、20”などに示すような、端と端が相互接続された複数の袋を区切る溶着線及び切り取りミシン目を備えた、所定の長さの管状フィルムの形状とすることができる。管状フィルムは、ロール状に又はジグザグパターン状などに積み重ねることができる。結果として、フィルムの薄さに起因して、袋ロール20は、
図1に示すように連続シートのように見える場合があるが、袋ロール20は、互いに重ね合わされた1対のパネル21を有し、側縁22で接合されている。一実施形態では、これは袋の平らな2つ折り状態と呼ばれ、袋は2つの折り目、すなわち各側縁22に1つずつの折り目があり、ガセットはない。従って、側縁22は、溶着継ぎ目ではなく折り目とすることができる。本開示に従って袋ロール20の袋はガセットを有することができるが、その袋の横寸法は、本明細書では平らな2つ折り状態にあるものとして説明することができる。これは、袋ロール20がガセットを有する場合でも、その寸法は、袋が平らな2つ折り状態にあるかのような袋の横寸法に対するものであることを意味すると解釈できる。本明細書に記載する袋は、平らな2つ折り状態で梱包又は販売されないとしても(これは例えば折り畳まれると、さらに多くの折り目を有する場合がある)、平らな2つ折り状態は、袋を表面に平らに置いて、上縁と下縁との間に2つの側方折り目(2つの側縁)を持つようにした状態である。さらに、袋は、延伸されていない又は延伸されていない状態にあると参照される。これは、使用者が袋を扱って処理ユニットに設置するのに先立って、袋が袋ロール20の初期状態にあることを意味すると解釈することができ、この設置には、或る程度の弾性変形及び/又は塑性変形が伴う場合がある。袋ロール20の初期状態にある袋は、製造時に可塑的に予め延伸されている場合があるが、このような予延伸にも拘わらず、袋ロール20の袋の状態は未延伸と言われる。
【0035】
各袋の側縁22は、袋20’などの各袋の上縁23から下縁24まで延びる。袋ロール20の端と端の接続では、隣接する袋の下縁又は上縁が相互接続される袋ロールとは対照的に、袋は、袋ロール20の先頭の袋の下縁24が後続の袋の上縁23に接続されるように相互接続されている。平らに置いた場合、すなわち平らな2つ折り状態では、袋ロール20の袋20’、20”などは、一定の幅を有する。例えば、図示のように、側縁22は、袋ロール20からの袋の全長に関して互いに平行である。しかしながら、上縁23から下縁24まで、袋に先細り部を設けることも考えられる。
【0036】
変形形態では、袋は2、3、又は4以上の異なった区画を有することができる。また、袋は、このような異なった区画を持たない場合もある。図示のように、袋20’などの各袋は、掛止区画とも呼ばれる上部区画20Aと、処理区画とも呼ばれる中間区画20Bと、閉鎖端区画とも呼ばれる下部区画20Cとを有する。図示のように、上部区画20A、中間区画20B及び下部区画20Cは、ここでは分離線なしで、上縁23から下縁24まで順番に延びている。中間区画20B及び下部区画20Cは、例えば、これら区画の寸法及び/又は特性が上部区画20Aから袋20’の下端まで同じである場合、袋20’の下端を含む1つの連続区画と見なすことができる。換言すれば、中間区画20B及び下部区画20Cは、延伸性及び/又は寸法(例えば、幅)、又は他の特性に関して言えば、互いに同一の特徴を有することができ、従って、袋20’の単一区画と見なすことができる。
【0037】
図1に示す実施形態では、袋20’、20”は上端23から下端24まで先細りになっていない。上部区画20Aは、幅を狭めることなく、中間区画20Bに直接移行する。一部の変形形態では、上部区画20Aと中間区画20Bとの間に狭窄(ボトルネック)区画が存在する場合がある。
【0038】
図示の実施形態では、袋ロール20の袋は、一定の幅で、上端23から下端24まで真っ直ぐである。明確にするために、本明細書で説明する幅は、
図1に示すような平坦な幅である、すなわち、ロールの袋が平らな2つ折り状態にあって、パネル21が同一平面上にある場合の幅である。この文脈では「真っ直ぐ」という呼称を使用するが、側縁は先細りになってもよい。本明細書では、「真っ直ぐ」という表現を区別化の目的で非限定的に使用する。例えば、上部区画20Aの側縁22は、
図1及び2の実施形態では真っ直ぐで平行であるように示してあるが、他の実施形態では下縁24に向かって先細りになるが、依然として「真っ直ぐ」であると見なすことができる。同様に、中間区画20Bの側縁22は、
図1及び2の実施形態では真っ直ぐで平行であるように示してあるが、下縁24に向かって先細りになるが、依然として「真っ直ぐ」であると見なすことができる。さらに他の実施形態では、側縁22は、上縁23から下縁24まで連続して、連続的な角度で先細りになる、又は2(又は3以上)の異なる角度、すなわち、区画20Aについて1つの角度、区画20Bについて別の角度、及び区画20Cについてさらに別の角度を伴って、先細りになることができる。別の実施形態では、袋20’(ロール20の一部であるか否かに関わらず)は、側縁22が上部区画20Aで互いに平行又は準平行であり、次に上部区画20Aを越えると先細りになるが、この先細りは任意である。
【0039】
上部区画20Aの幅はWA、中間区画20Bの幅はWBであり、袋の設置前の平らな2つ折り状態では、幅WA及びWBはそれぞれ、区画20A及び20Bの大部分又は全部に亘って実質的に一定である。上部区画20A及び中間区画20Bの側縁22は、
図1に示すように平行である。一部の変形形態でのように、区画20A及び20Bが下縁24に向かって先細りになっている場合、上部区画20Aの最小幅WAは、中間区画20Bに沿った平均幅WBよりも大きくなる場合がある。例えば、幅の比率は、0.60WA≦WB(平均)≦0.99WAである。別の実施形態では、幅の比率は、0.65WA≦WB(平均)≦0.85WAである。しかしながら、
図1に示す未延伸構成では、WA及びWBは、等しい場合がある。
【0040】
袋20’などの袋は、異なる区画20A、20B、20Cが存在する場合、区画20A、20B、20Cの高さをそれぞれ表すために、LA、LB、LCとして分割することができる長さ(L)を有する(本明細書に記載する何らかの実施形態ではそうでない場合がある)。廃棄物処理ユニットと共に使用する場合、上部区画20Aは袋支持部56より下まで延びず、袋20’内の廃棄物又は他の対象物は、中間区画20Bと下部区画20Cのいずれか一方又は両方によって画定される袋の容積内に本質的に収まる。一実施形態によれば、LBはLAの長さの少なくとも3倍、すなわちLB>3LAである。換言すれば、長さLAは長さLBの3分の1よりも短い場合がある。一実施形態では、LAとLBのこのような相対的寸法は、長さLAが長さLB(又はLB+LC)の長さの5%と20%の間を有することに相当する場合がある。特定の実施形態では、長さLAは長さLB(又はLB+LC)の長さの5%~と10%の間である。下部区画20Cを含む別の実施形態では、LB+LCが長さLAの少なくとも3倍、すなわちLB+LC>3LAである。長さLAは、LB及び/又はLB+LCに対して比較的小さい場合がある。袋20’の区画20A、20B及び20Cのこれらの相対的寸法は、例えば、本明細書に記載する袋20’の一部の変形形態のように、1つの区画が他の区画よりも大きく又は小さく延伸するように設計されている場合に、特に適切となる場合がある。しかしながら、延伸特性が袋20’の長さに沿って均一であり、且つ袋20’の寸法又は内部容積ZZ(後述)が一定である実施形態では、このような長さ区分(segment)LA、LB及びLCは、実質的に存在するだけでよい。
【0041】
上縁23が以下に詳述するように凹部又は凸部を画定する場合、LAはLA1とLA2に分けることができる。LA2は、区画20Aのそのような凹部又は凸部より下の部分である(
図5B及び5C)。
【0042】
図1及び
図5A~5Cを参照すると、上縁23は異なる輪郭を有することができる。
図1では、上縁23の輪郭は真っ直ぐな輪郭である。
図5Aから5Cは、(A)真っ直ぐな輪郭、(B)凸状正弦波の輪郭、(C)凹状円弧の輪郭などの例示的な輪郭を示す。ロール20の袋は、任意の平らな2つ折り状態にある時に
図1のように1対の重ね合わされたパネル21であるため、パネル21を互いに分離して上縁23で袋を開いた時に、各々が1対のフラップを形成する
図5B及び5Cの真っ直ぐでない輪郭を用いて、袋を閉じるための結び目を形成することができる。袋ロール20では袋の端と端が相互接続され、上述のように隣接する袋の下縁と上縁が接続されるので、下縁24は上縁23と補完的な形状を有する。換言すれば、上縁23の輪郭が凹状の正弦波形の場合、下縁24は凸状の正弦波形などである。
【0043】
図1に示すように、溶着継ぎ目(又は単に「継ぎ目」)25が一方の側縁22から他方の側縁22まで延びてパネル21を接続する。溶着継ぎ目25は、熱溶着などのいずれかの適切な溶着又は接着方法で形成することができ、そのため本明細書では溶着継ぎ目として言及するが、糊付けなどの他の種類の接合も想定される。図示のように、溶着継ぎ目25は、袋20’、20”などの下部閉鎖端を規定する部分を含む。
【0044】
図1の実施形態では、上部区画20A及び中間区画20Bの側縁22は、平らな2つ折り状態に関して上述したように管状フィルムの2つの折り目であり、この折り目がパネル21間の境界を規定する。
図1において、下部区画20Cは、下縁24に沿って延びる溶着継ぎ目25から側縁22まで、所定の角度で延びる溶着継ぎ目25を含む。簡潔にするために、「溶着継ぎ目25」という表現を複数形で使用することがあるが、複数の接続部を含む単一の連続した溶着継ぎ目25が存在する場合もある。
図1のように溶着継ぎ目25が先細部を規定する場合、このような先細部を備えた区画20Cの長さLCは、例えば袋の内部容積を過度に低減しないように、長さLBの数分の1、例えば5LC<LBである。
【0045】
図示の実施形態では、平らに置いた場合、すなわち平らな2つ折り状態では、袋ロール20の袋20’、20”などは一定の幅を有する。例えば、側縁22は、袋ロール20からの袋の全長に亘って、互いに平行である。しかしながら、下部区画20Cにはその縁区分から内方にずれた1つ又は2つの溶着継ぎ目25が存在するため、溶着継ぎ目25が任意である一実施形態では、WCにおける袋内部の寸法は、(例えば、内径/内容積に関して)下部区画20Cで減少する。図示のように、下部区画20Cでは、溶着継ぎ目25が先細り区画を規定する、すなわち、下縁24に向かう袋の内径/内容積の減少を規定する。このような内径/内容積の減少は、袋20’に示すように、下部区画20Cにおける、袋の下縁24に沿って延びる溶着継ぎ目25に向かう溶着継ぎ目25の収束を規定する。下部区画20Cでの袋の内径/内容積を先細りにすることは、下部区画20Cに先細部がない場合に袋内部の廃棄物が袋の底角部に蓄積するという傾向を排除する(少なくとも制限する)ことができる。少なくとも一部の事例では、このような底角部の廃棄物の蓄積は、廃棄物が詰まった袋を処理ユニットの上部から取り出すのを妨げる場合がある(詳細は後述)。しかしながら、下部区画20Cの溶着継ぎ目25を用いたこのような先細りは任意である。このような先細りは上縁23から下縁24まで延びることも可能であり、それによって、袋20’の内部容積は、袋20’の上縁23から袋20’の閉鎖端まで長手方向に減少する場合がある。
【0046】
溶着継ぎ目25が存在する実施形態では、
図1でのように、下部区画20Cにおいて溶着継ぎ目25の外側にフラップが形成される。図示のように、溶着継ぎ目25(又は連続した溶着継ぎ目25の一部分)は、下部区画20Cの側縁22に対して角度を成して延び、内側開口径の先細りを形成し、それによってフラップが画定される。見て分かるように、三角形形状のフラップ21Aは、袋20’の下部区画20Cにおける溶着継ぎ目25と側縁22との間に広がる。フラップは、湾曲したシェブロンなどの他の形状を有することもできる。図に示す2つの側部とは異なり、溶着継ぎ目25に関して側部は1つだけでもよく(つまり、下部区画20Cの一側縁22に沿って1つだけが延びる)、それでもなお、本明細書で説明する狭小化が達成される。
図1(又は全図)の袋20’は、個別のユニットとして(つまり、袋ロールの一部としてではなく)提供される場合もある。
【0047】
従って、一実施形態によれば、溶着継ぎ目25は、平らな2つ折り状態で、真っ直ぐな連続管体(連続した管状体)に周期的に作製される。図示のような少なくとも一部の実施形態では、溶着継ぎ目25は、袋の下部閉鎖端と、袋の下部区画20Cの先細り内寸とを規定する。一部の実施形態では、溶着継ぎ目(複数可)25は、一方の中間縁区分22Bに沿って延びることができるが、他方の中間縁区分22Bは、平らな2つ折り状態について上述したように、部分的に又は完全に折り目で規定される。これは、上部区画20Aの側縁区分22にも同様に当てはまる場合がある。他の一部の実施形態では、溶着継ぎ目(複数可)25は両側縁22(すなわち、上部区画20A及び/又は中間区画20B)に沿って延びることができる。溶着継ぎ目(複数可)25は、様々な可能性として、上縁23まで、又は上部区画20Aまで延びる場合がある。
【0048】
最初の袋、つまり20’などの先頭袋の下縁24と、袋ロール20の次の袋、つまり20”などの後続袋の上縁23との接合部には、切り取りミシン目線26が穿孔されている。切り取りミシン目線26は、下縁24及び上縁23の輪郭を模倣した輪郭に沿う、ひと続きの離間した孔で規定することができる。切り取りミシン目線26は溶着継ぎ目25に隣接して、袋ロール20の弱化部を形成し、引裂き行為の結果として、
図1及び2の20’など、1つの袋の分離をもたらす。図示のように、袋20’と袋20”など、先頭の袋と後続の袋との接合部にある切り取りミシン目線26は、下縁24に沿って延びる溶着継ぎ目25からオフセットしている。下縁24と切り取りミシン目線26との間を延びる帯状の材料は、上述のようにフラップと呼ばれる場合がある。一部の実施形態では、下縁24と切り取りミシン目線26との間のこのようなフラップは存在しないか又は最小限度とすることができる。これは、例えば、26などの切り取りミシン目線が、袋の下部閉鎖端を形成する溶着継ぎ目25と一直線に並んでいるか、又はほぼ一直線に並んでいる場合に当てはまる。一実施形態では、切り取りミシン目線26及び溶着継ぎ目25の側部の切欠きは、型抜きによって行われる。
図1において、区画20Aと20Bとの間、及び区画20Bと20Cとの間にある点線はミシン目線ではなく、区画20A、20B及び20Cを区別する(袋20にそのような区画がある場合)仮想線として図に存在しているに過ぎない。
【0049】
図2を参照すると、袋ロール20は、随意的に、例えば袋ロール20からの受け器である、カセット本体40に挿入することができる。カセット本体40は、袋ロール20の自由端が貫通する、上部開口部などのスリット41又は同様の開口部を有することができる。カセット本体40は直方体の幾何形状を有するものとして示してあるが、四角柱、円柱など、他の形状も考えられる。
【0050】
図3及び4を参照すると、袋ロール20は、カセット10の一部として(
図2)、単独で袋ロール20として(
図1)、すなわちカセット本体40なしで、或いは個別の袋20’として、処理ユニット50に収容される。本明細書では、「処理ユニット」という表現は、ゴミ箱、おむつ用バケツ、コンポスト、リサイクル容器、屑入れなどを含むものとして使用している。処理ユニット50は基部51を有することができ、その上に直立壁(複数可)52が突出する。直立壁52は管体の形態(すなわち、環状)であり、
図3では円形であるが、例えば正方形断面、オーバル形断面などの他の形状を有することができる。図示しないが、処理ユニット50の内部への通路を提供するために、ヒンジ付きドアが直立壁52の一部になっている場合がある。別の可能性として、直立壁52は、基部51との係合から外して持ち上げることもできる。迅速接続機構、締結具など、様々な接続構成が存在する場合がある。カバー53は、直立壁52の最上部に取り付けられている。カバー53は、下方に突出するリム53Aで中央開口部を画定することができ、このリム53Aは、
図4に示すように、袋と極めて近接して又は接触して、袋が処理ユニット50に吊るされたままであることを保証することができる。さらに、
図3に示すカバー53の中央開口部は、カバー53の残りの部分にヒンジ連結されたトラップドア54(蓋としても知られる)で閉じることができる。トラップドア54は、処理ユニット50の内部空洞55への上部入口を開閉する。トラップドアは、バネで付勢されたり、ペダル機構などで操作されたりすることができる。また、図示しないが、袋を絞って閉じるために、内部空洞55又は処理ユニット50の他の場所に、何らかの適切な形態(並進、回転)の閉鎖機構を設けることもできる。
【0051】
処理ユニット50は、カバー53に隣接した袋支持部56を有する。一実施形態では、袋支持部56は、何らかの適切な形状を有することができ、円形断面を備えた円筒形として示されている。他の可能な断面形状としては、網羅的ではないが、正方形、矩形、長円形、スクワークル形、五角形、六角形、八角形などを挙げることができる。従って、袋支持部を管状袋支持部と呼ぶ場合、「管状」という表現は、これらの複数の形状を含む。
【0052】
袋支持部56は、袋20’を受け入れるための中央開口部XXを画定する。袋支持部56で規定される中央開口部XXは、断面積CAを有する。断面積CAは、その可能な輪郭のいくつかの例を挙げると、円形、スクワークル形、長円形など、何らかの適切な輪郭を有することができる。袋支持部56は、中央開口部XXに沿って延び、袋20’の上部区画20Aを処理ユニット50に固定する掛止周縁部HPを規定する。袋20’は、袋支持部56上にぴんと張った時に、掛止周縁部HPに沿って開いた状態で吊るすことができる。図示のように、断面積CAは、袋支持部56の壁厚Tを考慮して、掛止周縁部HPよりも小さい周縁輪郭を有する。これは、袋支持部56で規定される掛止周縁部HPが断面積CAの周縁輪郭よりも半径方向外側にあるからである。袋20’に関する処理ユニット及び袋支持部56との適合性、並びにそれらへの設置については、以下でさらに詳しく説明する。
図4は、滑らかな外観を備えた掛止周縁部HPを示すが、袋支持部56は、フック、突出部、又は袋20’用の引掛けデバイス又はフックとして機能する同様の突出部材を有することができ、それにより、袋支持部56の周囲に滑らかでない又は連続でない掛止周縁部HPが規定される。例えば、
図4Aは、袋支持部56の変形形態を示す。図示のように、袋支持部56は、中央開口部XXの周囲に、互いに離間して配置された複数の(ここでは4つ)突出部材56Hを含むことができる。図示のように、中央開口部XXは、丸い角部を有する略矩形形状を有する。突出部材56Hは、丸い角部のそれぞれから上向き及び外向きに突出する。突出部材56Hは、フック、舌状部、又は同様の突出部とすることができる。図示の実施形態では、突出部材56Hは、袋支持部56の基部から外向きに延びるフックである。フックは、湾曲した輪郭、例えばフックが突出する丸い角部と似通った湾曲を有することができるが、これは任意である。フックは、図示のように外向きに湾曲することができるが、これは可能性のある単なる選択肢である。他の事例では、フックは湾曲することなく、真っ直ぐに外向きに広がることができる。掛止周縁部HPは、形状が長円形(つまり、丸い角部の矩形)として示されているが、他の形状も考えられる。例えば、掛止周縁部HPの側縁は真っ直ぐであるとして示されているが、突出部材56Hに吊るされる袋20が四隅だけで延伸する場合があることを考慮して、掛止周縁部HPの側縁は、凹形とすることもできる。
【0053】
少なくとも一部の実施形態では、
図4Aに示すように、袋支持部56の中央開口部XXの開口断面積CAは、最大幅寸法WDと、最大幅寸法WDに垂直な最大奥行き寸法DDとを有し、中央開口部XXは、その断面積CAが、その最大幅寸法WDの少なくとも70%である、すなわち70%から100%までの範囲(端点含む)にある、最大奥行き寸法DDを有する(又はその逆となる)ように、形成及びサイズ決めされる。これらの寸法は、2つの垂直方向における中央開口部XXの最大寸法であり、中央開口部XXの中心軸がそれらに垂直である平面(例えば、処理ユニット50が立っている地面に概ね平行な平面)に広がることができる。この関係に従う断面積CAの例示的な形状としては、矩形、長円形、スクワークル形、楕円形、正方形、又は円形が考えられる。一部の実施形態では、断面積CAは、その奥行き寸法DDが幅寸法WDに等しくなる(±5%)ようにサイズ決め及び形成することができる。
【0054】
少なくとも一部の実施形態では、掛止周縁部HPは、中央開口部XXの断面積CAに平行な掛止面に断面積(又は「設置面積」)を画定する。掛止周縁部HPが画定する断面積は、1.01CA≦HP≦1.2CAに従う。
【0055】
図4の参照に戻ると、袋支持部56は、高さH
S、内周長又は内断面寸法C
S、掛止周縁部HPの輪郭とも呼ばれる外周長又は外断面寸法C
O、及び壁厚Tを有することができる。
図3の実施形態では、袋支持部56は内径D
Sの円形であり、内周長C
SはπD
Sに等しい。外周長C
Oはπ(D
S+2T)と表すことができる。他の実施形態では、処理ユニット50は、
図4Aに示すように、袋支持部56として機能する2又は3以上のフックを有する。また、
図4は、2つの細長い真っ直ぐな又は湾曲したフック56Hを断面図に示したものと解釈することもできる。このようなフックは、米国特許出願第11/323263号に記載される例示的な処理デバイスにも存在しており、この特許の開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。このようなフック56Hが存在する実施形態では、高さHsは、フックの基部からフックの突出端又は突出縁までを測ったフックの高さHsとすることができる。上述の寸法Ds、Cs、Co(又はPOL)及びTは、それぞれ、対向するフック間の最大距離(Ds)、内面(袋支持部56の中央開口部に向かって内側を向く)に沿って延び、対向するフックの端部を相互接続する輪郭(Cs)、フックの周囲に閉ループを形成する弦長として測定される輪郭(Co、POL)、及び各フックの最大厚さ(T)に対応することができる。
【0056】
ファンネル部57は、随意的に、処理ユニット50の直立方向において袋支持部56より下に配置することができるが、存在しない場合もある。ファンネル部57は、袋支持部56と同じ形状を備えることのできる中央開口部を有する。従って、
図3において、ファンネル部57は、周囲長C
F及び内径D
Fを有する中央円形開口部を備える円錐台形状を有する。ファンネル部57の高さはH
Fとして示してある。一実施形態では、ファンネル部57は袋支持部56の直下にあり、袋支持部56の上縁からファンネル部57の中央開口部の縁までの高さH
Tは、H
T=H
F+H
Sである。一実施形態では、ファンネル部57は、袋支持部56から離間して配置され、H
Tには処理ユニット50の鉛直軸に沿った間隔値を含めることができる。ファンネル部57は、展開された袋に入れられた廃棄物又は同様の物品を中央に集めて、袋がいっぱいになった時に概ねぎっしり詰まった状態に保つようにする。従って、一部の実施形態では、ファンネル部57は、処理ユニット50の上部からいっぱいになった袋を取り出す、つまり、使用者が上向きに出すことで、取り出すことが容易にすることができる。例えば、処理ユニット50が米国特許出願第17/277361号に記載されるような実施形態では、対向するフック間の最大距離は、袋が処理ユニット50の内部容積内で広がる、袋支持部56が画定する中央開口部の距離よりも大きくすることができる。
【0057】
図3をさらに参照すると、処理ユニット50の内部空洞55は、袋支持部56から処理ユニット50の底まで延びる。処理ユニット50は、いっぱいになった状態で袋20’を収容できる廃棄物受容容積を有する。このような廃棄物受容容積は、内部空洞55内の袋支持部56から延びる。廃棄物受容容積は、袋支持部56の上部(例えば、最上部位置(複数可)が存在する平面など、袋支持部56の最上部位置)から処理ユニット50の底まで延びる高さ寸法UHを有する。処理ユニット50の底は、廃棄物でいっぱいになった時に袋20’が着座する表面で規定することができる。このような高さ寸法UHは、使用中、袋20’が処理ユニット50内に支持されている時に、袋20’に蓄積された廃棄物が占めることのできる処理ユニット50内部の容積の最大高さ寸法であるという意味で、処理ユニット50の「有効高さ」と呼ばれる場合がある。一実施形態では、高さ寸法UHは、16インチと20インチの間である。特定の実施形態では、高さ寸法UHは18インチ±1インチである。台所廃棄物用途などの一部の用途では、高さ寸法UHは、処理ユニット50の容積容量を最大化し、処理ユニット50の全高を標準的なカウンタ上部高さ又は台所キャビネット(例えば、30インチ±5インチ)より低く維持するように選択されるので、使用時に袋支持部56とキャビネット上部又はカウンタ上部との間に適切な高さ間隔が維持される。これは、例えば台所キャビネット内又は台所カウンタの下に処理ユニット50を収納する場合のある、少なくとも一部の典型的な使用事例で有利な場合がある。これらと同じ理由から、高さ寸法UHは、処理ユニット50全高のかなりの割合(例えば、処理ユニット50の全高の80%以上)に相当する。変形形態では、袋20’の長さ(上から下まで、高さとも呼ばれる)は、1.05UHと1.25UH(包含的に)との間に等しく、袋20’を袋支持部56に引掛けて、処理ユニット50の底に着座させ、廃棄物の重量を処理ユニット50で支えることを保証するようになっている。
【0058】
図3から分かるように、袋分配カセット10又は袋ロール20は、処理ユニット50の底に配置されている。一実施形態では、接続構成は、袋分配カセット10又は袋ロール20が基部51によって保持されるように設けられるが、袋分配カセット10又は袋ロール20は、単に基部51上に置いて、重力で処理ユニット50の底に留めることもできる。袋ロール20の自由端は、上向きに延びており、袋20’の上部区画20Aは、袋支持部56を覆って部分的に折り曲げられている。そうすることで、袋20’の上部開放端が開いた状態に保たれ、廃棄される対象物は、上部開放端を介して袋20’の内部容積ZZに出入りできる。中間区画20B及び下部区画20Cを含むバッグ20’の残りの部分は、袋支持部56の中央開口部XXを通って処理ユニット50の内部空洞55内に広がる。袋20’は袋支持部56に取り付けられるが、袋20’が袋ロール20の一部である実施形態では、
図3に示すように、袋ロール20に接続されたままである。このような袋分配カセット10が存在する実施形態では、袋20’が処理ユニット50内に支持された時に、袋20’内に蓄積された廃棄物が占めることのできる処理ユニット50内部の容積の高さ寸法UHは、袋支持部の最上部位置から、廃棄物を受け入れるために妨げられておらず袋分配カセット10より上又は側部にある内部空洞55内の最下部位置までで、測定することができる。
【0059】
袋20’は、処理ユニット50の袋支持部56に開いた状態で吊るされるように構成されている。未延伸状態での袋20’の寸法とこのような袋20’の機械的特性は、袋20’が本明細書に開示する処理ユニット50の袋支持部56に吊るされ、適切な量の廃棄物で満たされた時に袋支持部56に吊るされた状態に保たれ、廃棄物が詰め込まれた時に処理ユニット50から簡単に取り外されることを保証するように選択されている。
【0060】
袋20、20’、20”(以下、袋20)の弾性変形及び/又は塑性変形は、袋支持部56上に上部区画20Aを設置してぴんと張る(例えば、袋支持部56を覆って部分的に折り曲げる)際に、上部区画20Aの開口断面積を広げるために生じ、それは、袋20の寸法が、ロール状の時、又は袋支持部56に吊るされる前に掛止周縁部HPの寸法よりも小さいからである。弾性変形及び/又は塑性変形は、付加的な構成要素(例えば、引き紐、バンド、クリップ、クランプなど)なしで、袋20’、20”の上部区画20Aを袋支持部56に固定するのを助けることができる。例えば、本明細書に開示する処理ユニット50で使用する場合、使用者による手間の少ない(又は手間の掛からない)手動延伸、すなわち過度の力及び/又は機械からの補助なしでの延伸を想定することができる。例えば、弾性的及び/又は塑性的に延伸されて袋支持部56の掛止周縁部HPの周縁輪郭と同じ周縁寸法を獲得する上部区画20Aは、袋20’、20”が廃棄物(例えば、最大7kgの廃棄物)を詰め込まれて廃棄物の重量で下方に引っ張られた時に、破れることなく袋支持部56での袋20’、20”の保持を可能にすることができる。
【0061】
袋20’を最大の未延伸開口断面積YYで開いた場合、少なくとも一部の実施形態では、上部区画20Aにおける、及び袋20’の長さに沿ったどこでも開口断面積YYは最大で0.95CAである。上部区画20Aは、袋20’の長さを横切る方向に所与の引張荷重で、破れることなく、弾性的及び/又は塑性的に延伸することができ、延伸状態を獲得し、破れることなく、上部区画20Aにおける袋20’の開口断面積YYを広げて掛止周縁部HPで画定された面積に少なくとも等しくなることができる(
図4に示すとおり)。さらに後述するように、袋20の最大未延伸開口断面積YY及び袋20の機械的特性は、処理ユニット50の袋支持部56の寸法及び/又は形状に基づいて選択することができ、上部区画20Aの袋支持部56への適切な掛止を可能にする一方で、袋20に廃棄物を入れた時に処理ユニット50の内部空洞55内の袋20の容積拡大を制御/制限することができる。袋支持部56及び袋20は、統一された配置を形成するために相互にパラメータ化する/適合させることができる。さらに、少なくとも一部の実施形態では、袋20’は、その上部開放端が袋支持部56で支持されるとしても、その下部閉鎖端で支持される(すなわち、袋20’が底面に着座する)ことが望ましい。従って、袋20’の初期寸法及び袋20のフィルムの機械的特性は、使用者が袋20を引掛けるために手動で加える荷重によって、袋20の上部区画20Aでフィルムを横方向に弾性的及び/又は塑性的に延伸させることを必要とするが、袋20の残りの部分は、そこに収納された廃棄物の重量及び体積の結果として、弾性的及び/又は塑性的に横方向拡大をごく僅かに示す又は全く示さないように、袋支持部56(並びに、存在する場合はファンネル部57)及び処理ユニット50の寸法及び形状に基づいて選択することができる。換言すれば、袋20’は、袋支持部56に引掛けられた時にその上部が(例えば、塑性的に、又は弾性的に)変形して破れないが、廃棄物を受け入れた時にその下部の変形に対して十分な耐性を提供するように選択されている。廃棄物の重量で生じる可能性のある、中間区画20B及び/又は下部区画20Cにおける袋20の容積拡大を制御/制限することにより、所与の閾値内の廃棄物を詰め込まれた時の、これら区画20B、20Cでの袋20’の最大開口断面積YYは、最大で中央開口部XXの開口断面積CA、又はファンネル部57(存在する場合)の開口断面積に等しく保たれ、結果として、詰め込まれた袋20’を処理ユニット50から上向きに取り出しやすくすることができる。未延伸状態では、袋20’の断面積は0.85CAと0.99CAの間と言えるが、この範囲外の場合もある。さらに、袋20’は、袋支持部56(例えば、袋支持部56の最上部位置)から廃棄物処理ユニット50の底まで長手方向に(つまり、処理ユニット50の高さ方向に)、高さ寸法UH(上述)よりも長い距離に亘って延びるように選択されており、その上部開放端は、袋支持部56で(例えば、袋20’の上部区画20Aの少なくとも一部を、袋支持部56を覆って折り曲げることによって)支持され、廃棄物を詰め込まれた時には下からも支持された状態に保たれるようになっている。少なくとも一部の実施形態では、袋20’の長さLは、1.05UH≦L≦1.25UHに従うが、この範囲外の場合もある。この範囲内の袋20’の長さLは、袋20’の上部開放端を袋支持部56に引掛けて、袋20’の下部閉鎖端が内部空洞55内で下から支持されるのに十分な袋長さを保証することができる。
【0062】
一実施形態では、少なくとも上部区画20Aは、未延伸状態でその開口断面積YYが袋支持部56の中央開口部XXの開口断面積の90%と100%の間になるように選択された平らな2つ折り状態で、幅WAを有する。一実施形態では、袋20’が袋支持部56に吊るされたままとなるように、袋20’は、上部区画20Aにおいて、0.9C
O/2≦WA≦(C
O/2)で表される、所与の未延伸で横方向の平らな2つ折り幅WAを有することができる。展開時に袋が円形でない場合、例えば袋支持部56が円形でない場合には、袋は、0.9POL/2≦WA<POL/2の関係に従うとすることができ、ここで、POLは、袋20’の上部区画20Aが袋支持部56に固定される位置で取った袋支持部56の掛止周縁部HPの輪郭であり、WAは、未延伸で横方向の平らな2つ折り幅WAである。袋支持部56が円形の場合、袋20’は、
図3に示すように、袋支持部56に引掛けられた時に円形形状を取ることになる。
図3の袋20’の開口部における未延伸状態の直径Dは、0.9(C
O/π)≦D<(C
O/π)として表すことができる。少なくとも一部の実施形態では、このような輪郭評価位置は、
図4に関して上述したように、袋支持部56が画定する2又は3以上のフックの位置であり、その場合、このような輪郭は、2又は3以上のフックの周りに閉ループを形成する弦長として評価することができる。次に、上部区画20Aは、破ることなく弾性的に(すなわち、弾性変形範囲内で)及び/又は塑性的に(すなわち、塑性変形範囲内で)延伸させて、上部区画20Aの開口断面積及び/又はその上部開放端を広げることができ、上部区画20Aは、袋支持部56を覆って部分的に折り曲げて、機械的な保持によって、上部区画20Aを袋支持部56上に固定することができる。一変形形態では、袋30の上部は、塑性変形範囲内で延伸させて、袋支持部56の上に引掛ける必要がある。
【0063】
袋20の降伏強度、破断伸び及び/又は引張強度は、袋20が袋支持部56の周縁寸法に対して横方向に延伸され、廃棄物(例えば、最大7kgの廃棄物)が詰め込まれた時に、その延伸によって袋支持部56で袋20の塑性変形が生じる可能性がある場合でも、袋20が破れないように選択することができる。例えば、少なくとも一部の実施形態では、袋20などの袋は、袋20’の上部区画20Aを袋支持部56に固定するために袋支持部56の周縁寸法に対して横方向に延伸され、その後、袋20’は、上部区画20A又は袋20’の他の区画で破れることなく、最大4kgの廃棄物を詰める(又は袋20’を固定する前にそのような重量を詰める)ことができる。
【0064】
袋20’、20”の少なくとも上部区画20Aにおける低い周方向降伏強度は、袋支持部56に袋を設置する及び/又は取り外す際に、手間を掛けずに袋20’、20”を手動で延伸させることを可能にすることができる。袋20’の高い引張強度は、袋20’の上部区画20Aを未延伸状態から延伸状態に広げるために、使用者によって処理ユニットの袋支持部56上にぴんと張られた時及び/又は袋20’が手動で設置される間に、袋20’が破れるのを制限することができる。上記と同様の理由から、袋20’の長さを横切る方向の破断伸び、すなわちフィルムが破断するまでの許容伸びは、袋支持部56に取り付けるために所望の寸法に延伸される場合に、上部区画20Aで袋が破れる点まではフィルムの完全性に影響を与えないようなものにすることができる。
【0065】
少なくとも一部の実施形態では、袋20’の降伏強度、破断伸び及び/又は引張強度は、その長さLに沿って周方向だけは均一(又は実質的に均一、すなわち10%以内の誤差)にすることができる。降伏強度、破断伸び及び/又は引張強度の均一性は、少なくとも一部の他の実施形態では複数の方向性を持つことができ、例えば周方向及び長手方向に均一である。管状フィルムの様々な区画におけるこれらの特性の測定は、該当する場合、例えばASTM規格に明記される標準化された試験方法(複数可)を用いて行うことができる。
【0066】
袋20’、20”の変形形態を以下に提示する。
【0067】
一変形例では、上部区画20Aの管状フィルムは、中間区画20Bの破断伸びよりも大きい破断伸びを有する。例えば、一実施形態では、上部区画20Aの管状フィルムの破断伸びは、中間区画20Bの管状フィルムの破断伸びの105%と200%の間である。追加的に又は代替的に、上部区画20Aの管状フィルムは、中間区画20Bの降伏強度よりも小さい降伏強度を有することができる。つまり、上部区画20Aの管状フィルムに所与の引張荷重、例えば10ポンドの引張荷重を加えた場合、上部区画20Aは破れることなく弾性的又は塑性的に延伸することができるのに対し、中間区画20Bはそうではない。例えば、一部の事例では、上部区画20Aの管状フィルムの降伏強度は、中間区画20Bの降伏強度の50%と95%の間である。上部区画20Aと中間区画20Bとの降伏強度の差は、上部区画20Aを延伸させている時に中間区画20Bを不必要に延伸させてしまう傾向を抑制するように選択することができる。追加的に又は代替的に、上部区画20Aの管状フィルムは、中間区画20Bの弾性率よりも小さい弾性率を有することができる。例えば、一部の事例では、管状フィルムの弾性率について上部区画20Aと中間区画20Bとの比は、3:10と9:10の間であり、場合により4:10と8:10の間であり、また場合によっては5:10と7:10の間である。管状フィルムの弾性率について上部区画20Aと中間区画20Bとの比は、別の実施形態では3:10より低くなる場合がある。管状フィルムの一区画又は全体が、異なる材料の層を含む実施形態では、その弾性率又は降伏強度は、複合材料層を含む管状フィルムの「複合的な」弾性率又は降伏強度である。上述した破断伸び及び他の特性は、管状フィルムの長さを横切る円周方向又は周方向で取ることができる。管状フィルムの様々な区画におけるこれらの特性の測定は、該当する場合、例えばASTM規格に明記される標準化された試験方法(複数可)を用いて行うことができる。
【0068】
上記では特定の変形形態の上部区画20A及び中間区画20Bについて特性の相違を比較するが、他の変形形態では上部区画20Aを下部区画20Cと比較することができる。一部の変形形態では、上部区画20A及び中間区画20Bに関して上述した比較特性及び比較値は、上部区画20A及び下部区画20Cを考慮した場合に同じとすることができる。例えば、中間区画20Bと下部区画20Cが同じ組成及び/又は機械的特性を有する実施形態では、そうなる可能性がある。
【0069】
一変形形態では、上部区画0A及び中間区画20Bの管状フィルムは、フィルムが臭気バリアを形成するためのEVOH層を含む。実際、EVOH層は下部区画20C内に延びて、臭気バリアを最大限にすることができる。一部の事例では、EVOH層は上部区画20Aで省略されるが、中間区画20B及び下部区画20Cに存在することができる。廃棄物でいっぱいになった時、袋20’などの袋は、上部区画20Aが結び目より上に残っている(つまり、上部区画20Aは廃棄物と接触しない)状態で、袋20’の上部開口部を結んで閉じることができ、想定される用途によっては、上部区画20Aの臭気制御は任意となる場合がある。一変形形態では、上部区画20Aの管状フィルムは、LLDPEを含み、中間区画20B及び下部区画20Cの管状フィルムは、1又は2以上のLLDPE層の有無に関わらず、HDPEを含む。
【0070】
一変形形態では、廃棄物を袋に詰め込む間に、中間区画20B及び下部区画20Cを含めて袋20’全体が延伸する又は別の形で変形する(弾性的又は塑性的に)必要があるのとは対照的に、上部区画20Aだけを延伸するように適合させること、又は上部区画20Aが中間区画20B(及び/又は下部区画20C)よりも実質的に延伸性が高いことが望ましい場合がある。上述のように、このような延伸性の違いは、袋の1又は2以上の区画における異なる厚さ、異なる材料、異なる材料層数、及び/又は管状フィルムの選択された区画に施された表面処理(例えば、上部区画20Aだけに施し、中間区画20B及び/又は下部区画20Cには施さない)によって得ることができる。
【0071】
変形形態では、廃棄物で満たされた時の中間区画20B及び/又は下部区画20Cの弾力性及び/又は延伸性の欠如は(又は制限は)、袋20’に廃棄される時に廃棄物が通過することのできるファンネル部57及び閉鎖機構(図示せず)及び/又は袋支持部56の開口部の存在にも拘わらず、満たされた袋を上向きに引き出して取り外すことを容易にする場合がある。ファンネル部57に起因して、ロール20の袋は、WB≦C
F/2で表される、所与の未延伸で横方向の平らな2つ折り幅WBを有することができる。上述のように、中間区画20Bは延伸性がない、又は上部区画20Aよりも延伸性が大幅に低い場合がある。従って、ロール20の袋は、対象物で満たされた時でも、上部から、つまりファンネル部57と袋支持部56を通して処理ユニット50から引き出すことができる。そうすることで、袋ロール20内の次の袋が上向きに引き出され、満たされた袋が上部から処理ユニット50を出て行く時に、その上端が袋支持部56と概ね一致する。満たされた袋は、処理ユニット50から出るとすぐに袋ロール20から切り離され、ロール20内の次の袋は、
図4に示す態様で袋支持部56に吊るされる。ファンネル部57のない処理ユニット50の実施形態では、ロール20の袋は、所与の未延伸で横方向の平らな2つ折り幅WBが、WB≦C
S/2で表される中間区画20Bを有することができると理解されたい。従って、例えばファンネル部57のない所与の処理ユニット50の場合、管状フィルムの長さ当たりの廃棄物容積を最大限にすることができる。
【0072】
図6を参照すると、袋分配カセット10用の袋ロール120上の袋に関する別の変形形態が概略的に示されている。延伸性、破断伸び、降伏強度などの様々な特性を含めて、上述した管状フィルムに関する特徴は、
図6の例示的な袋ロールにも同様に適用することができる。図示のように、袋ロール120は、管体130に巻かれ、(
図2の)カセット本体40などのカセット本体に挿入することができる。また、袋ロール120は、管体130及び/又はカセット本体40を備える場合又は備えない場合もある。袋ロール120は、プラスチック材料の管状フィルムから作ることができる。例えば、想定される用途に応じて、フィルム材料は、数多くの可能な材料のいくつかを挙げると、ポリエチレン(LDPE、LLDPE又はHDPE)、バイオプラスチック、ポリ乳酸などのプラスチックとすることができる。プラスチックフィルムには、フィルムが臭気バリアを形成するためのエチレンビニルアルコール、袋を補強するためのナイロン層などの機能層を付加することも想定されている。また、フィルムは、澱粉系又は植物系の材料などの、生分解性材料及び/又は堆肥化可能材料とすることもできる。
【0073】
図示のように、及び他の実施形態に関して同様に説明したように、袋ロール120は、120’、120”などと示すような、端と端が相互接続された複数の袋を区切る溶着ライン及び切り取りミシン目を備えた、所定長さの管状フィルムの形状とすることができる。袋120’のいずれも単独で利用することができ、相互接続された一連の又はロール状の袋の一部ではない場合がある。管状フィルムは、ロール状、ジグザグパターン(折畳み)状(
図7)、多重折りなどに積み重ねることができる。本明細書に記載する袋の実施形態はいずれも、ロール状、折畳み状、又は多重折りとすることができる。結果として、フィルムの薄さに起因して、袋ロール120は、
図6に示すように連続シートのように見える場合があるが、袋ロール120は、互いに重ね合わされた1対のパネル121を有し、側縁122で接合されている。一実施形態では、これは袋の平らな2つ折り状態と呼ばれ、袋に2つの折り目、すなわち各側縁122に1つずつの折り目があり、ガセットはない。側縁122は、袋が管状フィルムで作られているので、折り目とすることができる。換言すれば、袋ロール120は、平らにされて結果として側縁122を規定する、連続した管状のフィルム長さとすることができる。従って、1対のパネル121が説明されているにも関わらず、パネル121の間の境界は、側縁122を形成する折り目線とすることができる。本開示に従って袋ロール120の袋はガセットを有することができるが、その袋の横寸法は、本明細書では平らな2つ折り状態にあるものとして説明することができる。これは、袋ロール20がガセットを有する場合でも、その寸法は、袋が平らな2つ折り状態にあるかのような袋の横寸法に対するものであることを意味すると解釈できる。本明細書に記載する袋は、平らな2つ折り状態で梱包又は販売されないとしても、平らな2つ折り状態は、袋を表面に平らに置いて、上縁と底縁との間に2つの側方折り目(2つの側縁)を持つようにした状態である。
【0074】
さらに、袋は、延伸されていないものとして参照される。これは、使用者が袋を扱って処理ユニットに設置するのに先立って、袋が袋ロール120の初期状態にあることを意味すると解釈することができ、この設置には、或る程度の弾性変形及び/又は塑性変形が伴う場合がある。袋ロール120の初期状態にある袋は、製造時に可塑的に予め延伸されている可能性があるが、このような予延伸にも拘わらず、袋ロール120の袋の状態は未延伸と言われる。
【0075】
各袋の側縁122は、袋120’などの各袋の上縁123から下縁124まで、溶着継ぎ目と共に延びる。一実施形態では、側縁122は折り目線(つまり、パネルが折り畳まれた結果生じる)であるが、溶着継ぎ目となる場合がある。袋ロール120の端と端の接続では、隣接する袋の下縁又は上縁が相互接続される袋ロールとは対照的に、袋は、袋ロール120の先頭の袋120’の下縁124が後続の袋120”の上縁123に接続されるように相互接続されている。側縁122に上述の形状を与えるために、溶着継ぎ目125は、側縁122の一方から他方まで延びてパネル121を横方向に接続する連続継ぎ目とすること、又は区分(segment)を有することができる。この溶着継ぎ目125は、袋120’、120”などの下部閉鎖端を規定する部分を含む。
図6の例では、袋120’、120”などの下部閉鎖端は、二重継ぎ目部125’又は区分を含む。図示のように、二重継ぎ目部125’は、管状フィルムの長さに対して横方向に延びる2つの平行継ぎ目を有する。一部の実施形態では、3以上の継ぎ目が存在する場合があるので、下部閉鎖端において3以上の継ぎ目を有する多重継ぎ目部を想定することができる。
【0076】
代わりに、袋は別々の溶着継ぎ目125を有する、つまり、側縁122用の溶着継ぎ目(複数可)と下部閉鎖端用の溶着継ぎ目を有することができる。簡潔にするために、「溶着継ぎ目125」という表現は、複数形で使用されるが、単一の連続した継ぎ目125は、例えばU字形で存在する場合もある。溶着継ぎ目125は、1つの連続した溶着継ぎ目125の溶着継ぎ目区分として解釈することができる。継ぎ目125は、熱溶着などの何らかの適切な溶着又は付着方法で形成することができ、そのため本明細書では溶着継ぎ目として言及するが、接着などの他の種類の接合も想定されている。また、溶着継ぎ目125は、パネル121を接続して下縁124、つまり、袋ロール120の袋の下部閉鎖端を規定することもできる。また、溶着継ぎ目125は上縁123まで延びることができるが、
図6では、溶着継ぎ目125はより大きな上部区画120Aで終わる。
図6の実施形態では、より大きな上部区画120Aの真っ直ぐな区分122Aは、平らな2つ折り状態に関して上述した管状フィルムの2つの折り目であり、この折り目がパネル121間の境界を規定する。従って、一実施形態によれば、溶着継ぎ目125は、平らな2つ折り状態で、真っ直ぐな連続管体(連続した管状体)に周期的に作製され、溶着継ぎ目125の横方向外側のフィルム部分は、切り取ることができるが、これらはフラップ121Aを形成するように示されている。
【0077】
図6のように平らに置いた時、袋ロール120の袋は一定の幅を有する。例えば、側縁122は、袋ロール120からの袋の全長に関して互いに平行である。しかしながら、溶着継ぎ目125が存在するため、袋の内寸は、後述するように上縁123から下縁124へ減少する。継ぎ目125の外側では、袋120は、袋の内側部分を形成しないフラップ121Aを画定し、袋に入るより大きな物体は、フラップ121Aに収まることができない。側縁122は、各々が、上縁123に隣接する真っ直ぐな区分122Aを含むことのできる輪郭を有するものとして示されている。次に、溶着継ぎ目125は、存在しない場合もある先細り区分122B、別の真っ直ぐな区分122C、及び/又は別の先細り区分122Dを規定する。先細り区分122Dは、真っ直ぐな区分122Cから袋の下縁124まで延びる。区分122Dは、上から下へ先細りになる(つまり、断面寸法が減少する)、直線又は曲線とすることができる。区分122Cに対して「真っ直ぐな」という呼称を使用するが、側縁は、WCの最大寸法から下縁124に至るまで先細りになることができる。本明細書では、「真っ直ぐな区分122C」という表現は、区別化の目的で非限定的に使用する。従って、袋は4つの異なる別個の区画、つまり、袋120’などの袋の上から下へ、より大きな上部区画120A、先細り区画120B、主収納区画120C、及びより狭い処理区画120Dが存在する場合があるが、別個の区画のより少数の組み合わせが存在する場合もある。一実施形態では、袋は先細り区画120B及び/又は真っ直ぐな区分122Cを持たず、従って、より大きな上部区画120Aからより狭い処理区画120Dへと直接移行する。真っ直ぐな区分122Aは互いに平行であるとして示されているが、下縁124に向かって先細りになる場合がある。同様に真っ直ぐな区分122Cは互いに平行であるとして示されているが、下縁124に向かって先細りになる場合がある。さらに他の実施形態では、側縁122を規定する継ぎ目125は、上縁123から下縁124まで連続して、連続的な角度で先細りになるか、又は、2つの異なる角度、すなわち、区画120Aに関しては第1の角度で及び区画120Dに関しては別の角度で、区画120B又は120Cは角度なしで、先細りになることができる。別の実施形態では、袋120’(ロール120の一部であるか否かに関わらず)は、互いに平行又は準平行な真っ直ぐな区分122Aを有し、次により大きな上部区画120Aを越えると先細りになる。明確にするために、本明細書で説明する幅は、上述のような平坦な幅である、すなわち、ロールの袋が平らな2つ折り状態にあって、パネル121が同一平面上にある場合の幅である。より大きな上部区画120Aは、主収納区画120Cの幅WCよりも大きい幅WAを有する、すなわち、WA>WCである。
図6のように、区分122Aと122Cが平行である場合、幅WA及びWCは、それぞれ区画120A及び区画120Cの大部分又は全部に亘って一定とすることができる。区分122A及び122Cが下縁124に向かって先細りになる場合、より大きな上部区画120Aの最小幅WAは、主収納区画120Cの最大幅WCよりも大きい。例えば、幅の比率は、0.60WA≦WC≦0.95WAである。別の実施形態では、幅の比率は、0.65WA≦WC≦0.85WAである。一実施形態では、区分122Aは互いに平行であるのに対し、区分122Cは下縁124に向かって先細りになる(また、湾曲の有無を問わず(すなわち、円弧状であるか否かを問わず)、互いの鏡像となる場合がある)。より狭い処理区画120Dの最小幅WDは、0.50WC≦WD≦0.98WCのように主収納部120Cの幅WCよりも小さい。一実施形態では、WAは30.0cm±6.0cmに等しく、長さLは77.0cm+20.0cm/-20.0cmである。
【0078】
袋120などの袋は長さLを有し、この長さLは、LA、LB、LC及びLDとして区分化され、それぞれ区画120A、120B、120C及び120Dの高さを表すことができる。一実施形態によれば、LCはLAの長さの少なくとも2倍、すなわちLC>2LAである。先細り区画120Bを含む別の実施形態によれば、LCは、LAとLBを合わせた長さの少なくとも2倍、すなわちLC>2(LA+LB)である。上縁123が
図5B-5Cに関して上述したような凹部又は凸部を画定する場合、LAはLA1とLA2に分けることができる。LA2は、区画120Aのそのような凹部又は凸部より下の部分である。一実施形態では、LCは、LDの長さと少なくとも等しい、すなわちLC=LDであるが、少なくとも10%長い、すなわちLC>1.1LDとすること、又はさらに長い、例えば関係式LC>3LDに従うことができる。一実施形態によれば、0.30L>LD>0.15Lは、開口径の減少を最小限に抑える。先の図に示したように、袋120は、廃棄物処理装置10の開口部から外に出てくる際に満たされているため、袋120が下縁124に向かって先細りになることは、装置10から袋を取り外すのを容易にする。
【0079】
上縁123は異なる輪郭を有することができる。
図6では、上縁123の輪郭は真っ直ぐな区分である。他の輪郭が想定される。袋ロール120では袋の端と端が相互接続され、上述のように隣接する袋の下縁と上縁が接続されるので、下縁124は上縁123と補完的な形状を有する。換言すれば、上縁123の輪郭が凹状の正弦波形であれば、下縁124は凸状の正弦波形であるなどである。
【0080】
最初の袋、つまり120’などの先頭袋の下縁124と、袋ロール120の次の袋、つまり120”などの後続袋の上縁123との接合部には、切り取りミシン目線126が穿孔されている。切り取りミシン目線126は、下縁123及び上縁124の輪郭を模倣した輪郭に沿う、ひと続きの離間した孔で規定することができる。切り取りミシン目線126は溶着継ぎ目125に隣接して、袋ロール120の弱化部を形成し、引裂き行為の結果として、1つの袋の分離をもたらす。一実施形態では、切り取りミシン目線126と溶着継ぎ目125の側部の切欠きは、型抜きによって行われる。
【0081】
袋分配カセット10及び/又は袋ロール20、120は、
図3及び4の処理ユニット50と同じ構成要素の有無を問わず、あらゆる他の処理ユニットで使用できることが指摘される。処理ユニット50は、袋分配カセット及び/又は袋ロール20、120と共に使用するように適合された例示的な容器構成として提供されるが、処理ユニット50のさらなる変形形態は、同様に袋分配カセット10及び/又は袋ロール20、120と共に使用することができる。
【0082】
廃棄物処理ユニットに袋を設置する及び/又は使用する方法の様々な態様は、廃棄物処理ユニット、袋分配カセット、袋ロール及び袋に関する上記説明から得ることができる。例えば、上述の廃棄物処理ユニット50などの廃棄物処理ユニットを有する使用者には、単一の袋の形態で、又は袋ロールなどの一部として、袋(20,20’,20”)を提供することができる。使用者は袋ロールを広げて、袋ロールの1つの袋を解放することができる。袋の閉端は、袋の或る長さを廃棄物処理ユニット50の中央開口部(XX)に通すことによって、廃棄物処理ユニット50内に位置決めすることができる。袋の上端を未延伸状態から変形させて、廃棄物処理ユニット50の上端にある、袋支持部56の様々な実施形態などの袋支持部に袋を引掛けることができるので、袋の上端は開いており、その中に廃棄物を受け入れることができる。次に、使用者は、袋の上部開放端から廃棄物(又は他の対象物)を袋に入れることができる(その直後に又は時間的に後で)。袋の廃棄物は、袋の閉鎖端が廃棄物処理ユニット50の底に着座することにより、廃棄物処理ユニット50で支持することができる。少なくとも一部の事例では、袋を未延伸状態から延伸させるための上端での袋の変形は、塑性変形の範囲にある。袋の上部開放端は、袋支持部56で規定された掛止周縁部HPに少なくとも等しい上部開放端の開口断面積が得られるように延伸させることができる。少なくとも一部の事例では、使用者は、袋を横方向に引っ張って袋を広げ、又は少なくとも部分的に開き、同時に1つのフック(56H)に袋を引掛けることができるが、これは随意的である。使用者は、部分的に開くこと及び/又は延伸させることによって、1又は2以上のフック(56H)上で袋の上部開放端を折り曲げ、次に、袋の上部開放端をさらに広げて及び/又は延伸させて、袋を袋支持部56のフック又は掛止区画の全てに引掛けたままにすることができる延伸状態を得ることができる。換言すれば、袋の上端を未延伸状態から変形させることは、バケツの別々の掛止部材に対応する別々の位置で袋を変形させることを含むことができる。廃棄物処理ユニットにおける袋の使用方法及び/又は設置方法に関する他の態様は、上記説明から明らかとなろう。
【符号の説明】
【0083】
20 袋ロール
20’ 袋
40 カセット本体
50 処理ユニット
51 基部
52 直立壁
53 カバー
53A リム
54 トラップドア
55 内部空洞
56 袋支持部
57 ファンネル部
D 袋の開口部における未延伸状態の直径
HP 掛止周縁部
UH 廃棄物受容容積の高さ寸法
【国際調査報告】