IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッドの特許一覧

特表2025-531729WBMSにおける省電力モードからのネットワーク再起動
<>
  • 特表-WBMSにおける省電力モードからのネットワーク再起動 図1
  • 特表-WBMSにおける省電力モードからのネットワーク再起動 図2
  • 特表-WBMSにおける省電力モードからのネットワーク再起動 図3A
  • 特表-WBMSにおける省電力モードからのネットワーク再起動 図3B
  • 特表-WBMSにおける省電力モードからのネットワーク再起動 図4A
  • 特表-WBMSにおける省電力モードからのネットワーク再起動 図4B
  • 特表-WBMSにおける省電力モードからのネットワーク再起動 図5A
  • 特表-WBMSにおける省電力モードからのネットワーク再起動 図5B
  • 特表-WBMSにおける省電力モードからのネットワーク再起動 図6
  • 特表-WBMSにおける省電力モードからのネットワーク再起動 図7
  • 特表-WBMSにおける省電力モードからのネットワーク再起動 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-09-25
(54)【発明の名称】WBMSにおける省電力モードからのネットワーク再起動
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/371 20190101AFI20250917BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20250917BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20250917BHJP
   G01R 31/396 20190101ALI20250917BHJP
   B60L 3/00 20190101ALN20250917BHJP
   B60L 58/10 20190101ALN20250917BHJP
【FI】
G01R31/371
H04W72/0446
H02J7/00 P
H02J7/00 Y
G01R31/396
B60L3/00 S
B60L58/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025512872
(86)(22)【出願日】2023-08-28
(85)【翻訳文提出日】2025-04-21
(86)【国際出願番号】 US2023031237
(87)【国際公開番号】W WO2024049735
(87)【国際公開日】2024-03-07
(31)【優先権主張番号】17/900,670
(32)【優先日】2022-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】アリトン イー シャファ
(72)【発明者】
【氏名】タリク イハブ ムハンナ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ジャラミタ
(72)【発明者】
【氏名】ナヴィーン クマール カラ
【テーマコード(参考)】
2G216
5G503
5H125
5K067
【Fターム(参考)】
2G216AB01
2G216BA21
2G216CC04
2G216CC06
5G503BA02
5G503BB01
5G503EA08
5G503FA06
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD05
5H125AA01
5H125AC12
5H125FF30
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE71
(57)【要約】
或る例において、ワイヤレスバッテリー管理システム(200)がバッテリーセル(208)の一つ又は複数のセットを含む。ワイヤレスバッテリー管理システムは第1のスーパーフレームにおいてダウンリンクパケットをブロードキャストするように構成される一次ノード(102)と、バッテリーセルの第1のセットに結合される第1の二次ノード(206)とを含む。第1の二次ノードは、第1のスーパーフレームの間に、ダウンリンクパケットを受信し、一次ノードに第1のアップリンクパケットを送信するよう構成される。ワイヤレスバッテリー管理システムは、バッテリーセルの第2のセット(212)に結合される第2の二次ノード(210)を含む。第2の二次ノードは、第1のスーパーフレームにおいて第1の二次ノードから第1のアップリンクパケットを受信し、第2のスーパーフレームの間に一次ノードに第2のアップリンクパケットを送信するよう構成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスバッテリー管理システム(WBMS)であって、
バッテリーセルの一つ又は複数のセットと、
第1のスーパーフレームにおいてダウンリンクパケットをブロードキャストするように構成される一次ノードと、
バッテリーセルの第1のセットに結合される第1の二次ノードであって、前記第1の二次ノードが、
前記ダウンリンクパケットを受信し、
前記第1のスーパーフレームの間に前記一次ノードに第1のアップリンクパケットを送信する、
ように構成される、前記第1の二次ノードと、
バッテリーセルの第2のセットに結合される第2の二次ノードであって、前記第2の二次ノードが、
前記第1のスーパーフレームにおいて前記第1の二次ノードから前記第1のアップリンクパケットを受信し、
第2のスーパーフレームの間に前記一次ノードに第2のアップリンクパケットを送信する、
ように構成される、前記第2の二次ノードと、
を含む、WBMS。
【請求項2】
請求項1に記載のWBMSであって、前記第1のスーパーフレームと前記第2のスーパーフレームとが連続するスーパーフレームである、WBMS。
【請求項3】
請求項1に記載のWBMSであって、前記第2の二次ノードが前記ダウンリンクパケットを受信することに失敗する、WBMS。
【請求項4】
請求項3に記載のWBMSであって、前記第2の二次ノードが受信機を含み、前記ダウンリンクパケットを受信することに失敗することに応答して、前記第2の二次ノードが前記受信機をオンにする、WBMS。
【請求項5】
請求項1に記載のWBMSであって、前記第1の二次ノードが、前記第1のスーパーフレームの第1のスロットにおいて前記ダウンリンクパケットを受信し、前記第1のスーパーフレームの第2のスロットにおいて前記第1のアップリンクパケットを送信する、WBMS。
【請求項6】
請求項5に記載のWBMSであって、前記第2の二次ノードが、前記第2のスロットにおいて前記第1のアップリンクパケットを受信する、WBMS。
【請求項7】
方法であって、
ワイヤレスバッテリー管理システム(WBMS)における第1のスーパーフレームにおいて、一次ノードから一つ又は複数の二次ノードにダウンリンクパケットを送信することと、
第1の二次ノードにおいて前記ダウンリンクパケットを受信することと、
前記第1のスーパーフレームにおいて、前記第1の二次ノードから前記一次ノードに第1のアップリンクパケットを送信することと、
前記第1のスーパーフレームにおいて、第2の二次ノードにおいて前記第1のアップリンクパケットを受信することと、
第2のスーパーフレームの間に前記第2の二次ノードから前記一次ノードに第2のアップリンクパケットを送信することと、
を含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、前記第1の二次ノードがバッテリーセルの第1のセットに結合され、前記第2の二次ノードがバッテリーセルの第2のセットに結合される、方法。
【請求項9】
請求項7に記載の方法であって、前記一次ノードが、前記第1のスーパーフレームの第1のスロットにおいて前記ダウンリンクパケットを送信し、前記第1の二次ノードが、前記第1のスロットにおいて前記ダウンリンクパケットを受信する、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記第1の二次ノードが、前記第1のスーパーフレームの第2のスロットにおいて前記第1のアップリンクパケットを送信する、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記第2の二次ノードが前記ダウンリンクパケットを受信することに失敗する、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、前記第2の二次ノードが受信機を含み、前記ダウンリンクパケットを受信することに失敗することに応答して、前記第2の二次ノードが前記受信機をオンにする、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記第2の二次ノードが、前記第2のスロットにおいて前記第1のアップリンクパケットを受信する、方法。
【請求項14】
請求項7に記載の方法であって、前記第1のスーパーフレームと前記第2のスーパーフレームとが連続するスーパーフレームである、方法。
【請求項15】
方法であって、
第1のスーパーフレームにおいて、一次ノードから一つ又は複数の二次ノードに第1のダウンリンクパケットを送信することと、
前記第1のスーパーフレームにおいて、第1の二次ノードにおいて前記第1のダウンリンクパケットを受信することと、
前記第1のスーパーフレームにおいて、第2の二次ノードにおいて前記第1のダウンリンクパケットを受信することに失敗することと、
前記第1のスーパーフレームにおいて、前記第1の二次ノードから前記一次ノードに第1のアップリンクパケットを送信することと、
第2のスーパーフレームにおいて、前記一次ノードから前記一つ又は複数の二次ノードに第2のダウンリンクパケットを送信することと、
前記第2のスーパーフレームにおいて、前記第2の二次ノードにおいて前記第2のダウンリンクパケットを受信することと、
前記第2のスーパーフレームにおいて、前記第2の二次ノードから前記一次ノードに第2のアップリンクパケットを送信することと、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、前記第1のスーパーフレームと前記第2のスーパーフレームとが連続するスーパーフレームである、方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、前記第1の二次ノードがバッテリーセルの第1のセットに結合され、前記第2の二次ノードがバッテリーセルの第2のセットに結合される、方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、前記一次ノードが、前記第1のスーパーフレームの第1のスロットにおいて前記第1のダウンリンクパケットを送信し、前記第1の二次ノードが、前記第1のスロットにおいて前記第1のダウンリンクパケットを受信する、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、前記一次ノードが、前記第2のスーパーフレームの第2のスロットにおいて前記第2のダウンリンクパケットを送信し、前記第2の二次ノードが、前記第2のスーパーフレームの前記第2のスロットにおいて前記第2のダウンリンクパケットを受信する、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、前記第2の二次ノードが、前記第2のスーパーフレームの第3のスロットにおいて前記第2のアップリンクパケットを送信する、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
現代の車両には複数のバッテリーセルが搭載されることがある。センサが、温度、電圧、及び、車両の安全性のため及び適切な動作を確保するために、セルの状態や健全性を示す他の指標など、バッテリーセルに関連する情報を監視し得る。
【発明の概要】
【0002】
本記載の少なくとも一つの例によれば、ワイヤレスバッテリー管理システムが、一つ又は複数のセットのバッテリーセルを含む。ワイヤレスバッテリー管理システムは、第1のスーパーフレームにおいてダウンリンクパケットをブロードキャストするように構成される一次ノードを含む。ワイヤレスバッテリー管理システムはまた、バッテリーセルの第1のセットに結合される第1の二次ノードを含む。第1の二次ノードは、第1のスーパーフレームの間、ダウンリンクパケットを受信し、第1のアップリンクパケットを一次ノードに送信するように構成される。ワイヤレスバッテリー管理システムは、バッテリーセルの第2のセットに結合される第2の二次ノードを含む。第2の二次ノードは、第1のスーパーフレームにおいて第1の二次ノードから第1のアップリンクパケットを受信するように構成される。第2の二次ノードはまた、第2のスーパーフレームの間に第2のアップリンクパケットを一次ノードに送信するように構成される。
【0003】
本記載の少なくとも一つの例によれば、或る方法が、ワイヤレスバッテリー管理システムにおける第1のスーパーフレームにおいて、一次ノードから一つ又は複数の二次ノードにダウンリンクパケットを送信することを含む。この方法は、第1の二次ノードにおいてダウンリンクパケットを受信することを含む。この方法はまた、第1のスーパーフレームにおいて、第1の二次ノードから一次ノードに第1のアップリンクパケットを送信することを含む。この方法はまた、第1のスーパーフレームにおいて、第2の二次ノードにおいて第1のアップリンクパケットを受信することを含む。この方法は、第2のスーパーフレームの間、第2の二次ノードから一次ノードに第2のアップリンクパケットを送信することを含む。
【0004】
本記載の少なくとも一つの例によれば、或る方法が、第1のスーパーフレームにおいて、一次ノードから一つ又は複数の二次ノードに第1のダウンリンクパケットを送信することを含む。この方法はまた、第1のスーパーフレームにおいて、第1の二次ノードにおいて第1のダウンリンクパケットを受信することを含む。この方法は、第1のスーパーフレームにおいて、第2の二次ノードにおいて第1のダウンリンクパケットを受信することに失敗することを含む。この方法はまた、第1のスーパーフレームにおいて、第1の二次ノードから一次ノードに第1のアップリンクパケットを送信することを含む。この方法は、第2のスーパーフレームにおいて、一次ノードから一つ又は複数の二次ノードに第2のダウンリンクパケットを送信することを含む。この方法は、第2のスーパーフレームにおいて、第2の二次ノードにおいて第2のダウンリンクパケットを受信することを含む。この方法はまた、第2のスーパーフレームにおいて第2の二次ノードから一次ノードに第2のアップリンクパケットを送信することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】様々な例に従ったワイヤレスバッテリー管理システムのブロック図である。
【0006】
図2】様々な例に従ったワイヤレスバッテリー管理システムのブロック図である。
【0007】
図3A】様々な例に従ったワイヤレスバッテリー管理システムによって用いられ得るスーパーフレーム間隔である。
【0008】
図3B】様々な例に従ったワイヤレスバッテリー管理システムによって用いられ得るスーパーフレーム間隔である。
【0009】
図4A】様々な例に従ったワイヤレスバッテリー管理システムによって用いられ得る連続スーパーフレーム間隔を示す。
図4B】様々な例に従ったワイヤレスバッテリー管理システムによって用いられ得る連続スーパーフレーム間隔を示す。
【0010】
図5A】様々な例に従った、二次ネットワークノードについての縮尺された電力消費のグラフである。
【0011】
図5B】様々な例に従った、一次ノードについての縮尺された電力消費のグラフである。
【0012】
図6】様々な例に従った、一次ノード及び二次ノードにおけるおおよその電力消費の表である。
【0013】
図7】様々な例に従った、省電力モードからネットワークを再起動するための方法のフローチャートである。
【0014】
図8】本明細書の様々な例に従った、省電力モードからネットワークを再起動するための方法のフローチャートである。
【0015】
図面において、(機能上及び/又は構造上)同じ又は類似の特徴を示すために同じ参照番号又は他の参照指示子を用いている。
【発明を実施するための形態】
【0016】
電子デバイスにはバッテリーを用いて動作するものがある。例えば、電気車両は、車両に電力を提供する複数のバッテリーセルを含む。電子デバイスにおけるバッテリーセルは大量の電力を提供することができ、また、バッテリーセルによって提供される電力は電子デバイスの動作に不可欠であり得るので、電子デバイスはバッテリーセルを管理するシステムを含むことがある。
【0017】
バッテリー管理システム(BMS)は、様々なやり方で電子デバイスのバッテリーセルを管理し得る。例えば、BMSは、電子デバイスにおけるバッテリーセルの健全性(例えば、電圧、電流、温度)を監視し得る。また、BMSは様々なバッテリーセルを制御して、バッテリーセルによって提供される電力量を管理し、その電力を電子デバイス内に導き得る。概して、BMSは、複数のバッテリーモジュールや、バッテリーモジュールを管理するためのコントローラなど、複数の構成要素を含む。各バッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルに接続され得、それらのバッテリーセルを監視するためのバッテリーモニタを含み得る。それゆえ、バッテリーモジュールに結合されるバッテリーセルは、電子デバイスに電力を提供し、バッテリーモジュールにおけるバッテリーモニタは、そのバッテリーモジュールにおけるバッテリーセルの健全性及び動作を監視し、コントローラは、バッテリーモニタと通信して、バッテリーモジュール及びそのセルが適切に動作することを保証する。コントローラはまた、バッテリーモニタと通信して、バッテリーセルの動作、例えば、これらのバッテリーセルによって提供される電力のオン、オフ、電力の向きの変更、又はその他の方式で電力のバランスを取るなどの制御を行い得る。
【0018】
BMSは、ワイヤレスバッテリー管理システム(WBMS)をつくるためにワイヤレス技術を組み込み得る。例えば、一次ネットワークノードは、コントローラを含むか又はコントローラと結合され、二次ネットワークノードは、複数のバッテリーセルを制御するバッテリーモジュールを含む。一次ネットワークノード及び二次ネットワークノードは、例えば無線周波数を用いて、相互にワイヤレス通信し得る。幾つかのプロトコルにおいて、一次ネットワークノードと二次ネットワークノードとの間のワイヤレス通信を容易にするため、スーパーフレームが有用である。スーパーフレームにおいて、一次ネットワークノードは、まず、ダウンリンク(DL)通信(又はパケット)を複数の二次ネットワークノードにブロードキャストする。二次ネットワークノードは、シリアル方式でアップリンク(UL)通信(又はパケット)を用いて一次ネットワークノードに個別に応答する。スーパーフレームは下記でさらに説明する。
【0019】
WBMSが、或るスループットレベル、データ速度、パケットエラー率、(一次ノードを含む)各デバイスにおける電力消費、センサ又はモニタがバッテリーセルから収集されるデータをどのくらい迅速に送出するかの保証など、信頼性の高い動作のための或る要件を有し得る。幾つかの例示の要件には、600キロビット/秒(kbps)の帯域幅、100ミリ秒(ms)未満のデータ待ち時間、10-5未満のパケットエラー率、及び、一次ノードにおいて1ミリアンペア(mA)未満であり、二次ノードにおいて300マイクロアンペア(μA)未満である電力消費が含まれ得る。
【0020】
電力消費は、車両がオンのときと車両がオフのときとの二つの状態の間において考慮され得る。車両がオンである場合、車両のバッテリー又は他の高電圧バッテリーは、ワイヤレスノードに給電し得る。車両がオフである場合、ワイヤレスノードは、消費電力が少ないシャットダウンモードに入る。しかし、一例において、車両が再びオンになった後、ワイヤレスノードは、始動し、WBMSネットワークを300ミリ秒未満で、好ましくは可能な限り素早く、動作させるべきである。
【0021】
WBMSネットワークにおけるワイヤレスノードは、スーパーフレームとして知られる時間間隔を用いて互いに通信し得る。スーパーフレームがスロットに分割され、スロットは、ダウンリンクスロット及びアップリンクスロットとしてさらに割り振られ得る。ダウンリンクスロットは、一次ノードから二次ノードにパケットを送信する。アップリンクスロットは、二次ノードから一次ノードにパケットを送信する。幾つかの例において、一次ノードは、ダウンリンクスロットにおいてブロードキャストパケットを送信し、ブロードキャストパケットは、すべての二次ノードによって受信される。
【0022】
車両がオフでありWBMSがアクティブでない場合、幾つかの例において、キープアライブアプローチが有用であり得る。幾つかのスーパーフレーム間隔の間、アクティビティが生じない。次いで、ダウンリンク及び複数のアップリンクを有し得るアクティブなキープアライブスーパーフレームが生じる。アクティブなキープアライブスーパーフレームに続いて、一つ又は複数のクワイエットスーパーフレームが生じる。クワイエットスーパーフレームの後、別のアクティブなキープアライブスーパーフレームが生じ、必要に応じてこのプロセスが繰り返される。このアプローチにより、車両がオフのときに電力が節約される。
【0023】
車両がオフになり次いでオンになると、一次ノードに割り込みが送られる。割り込みは、アイドルスーパーフレーム又はアクティブスーパーフレームにおいて到達し得る。一次ノードが、アクティブであり、ダウンリンクパケットに割り込み情報を組み込み得る場合、一次ノードはそのように動作し、その情報を各二次ノードに送る(例えば、ウェイクアップ信号)。次いで、二次ノードが応答し得る。ただし、アイドルスーパーフレームの間に割り込みが生じると、二次ノードはアクティブでなくなり得、リッスン(listen)し得ない。代わりに、二次ノードはアイドルになり得、次のアクティブなキープアライブスーパーフレームを待機し得る。このシナリオにおいて、一次ノードは次のアクティブなスーパーフレームがウェイクアップ信号を送信するのを待機する。しかし、ワイヤレス信号との干渉などの様々な理由から、二次ノードが、次のアクティブなスーパーフレームの間にダウンリンクパケットを受信しないことがある。この場合、WBMSは、すべての二次ノードが始動し応答するまで、さらに別のアクティブなスーパーフレームを待機する必要がある。このシナリオは、ネットワークの再起動にかかる時間を長くする。
【0024】
本明細書の例において、アクティブなスーパーフレームの間、予期されるダウンリンクパケットを一次ノードから受信することに失敗する第1の二次ノードが、その受信機をオンにして、アクティブなスーパーフレームの間に他の二次ノードから一次ノードに送信されている他のフレームを都合よくリッスンするように構成され得る。第1の二次ノードが別の二次ノードからの送信を受信すると、第1の二次ノードが始動し、アクティブ状態に入る。本明細書における他の例において、一次ノードからのダウンリンクパケットを捕らえそこなう第1の二次ノードは、現在のスーパーフレームの間にリッスンするのではなく、その受信機を用いて次のスーパーフレームの間にリッスンするように構成され得る。次のスーパーフレームに何らかのアクティビティがあれば、WBMSはアクティブになり、第1の二次ノードは通常動作を継続することができる。
【0025】
図1は、WBMS101を含む自動車などの例示のシステム100の斜視図である。幾つかの例において、システム100は、システム100の一つ又は複数の構成要素に電力を供給するためのワイヤレスバッテリー管理システムを含み得る任意のシステムである。図に示すように、WBMS101は、一次ネットワークノード102(本明細書においてメインノードとも称する)と、バッテリーコントローラ104と、複数の二次ネットワークノード106と、複数のバッテリーセル108とを含む。或る例において、WBMS101は複数の一次ネットワークノードを含み得る。本開示は、主としてワイヤレスシステムの文脈において通信技術を説明するが、これらの技術は有線システム(例えば、ノード102と106との間が有線接続である場合)にも有用であり得る。一次ネットワークノードは本明細書において一次ノードとも称し、二次ネットワークノードは本明細書において二次ノードとも称する。
【0026】
或る例において、一次ネットワークノード102は、第1の有線接続110を用いてバッテリーコントローラ104に結合される。或る例において、一次ネットワークノード102とバッテリーコントローラ104との間の第1の有線接続110は、ユニバーサル非同期送受信機(UART)、集積回路間回路(I2C)などである。二次ネットワークノード106は、一次ネットワークノード102にワイヤレス結合し、第2の有線接続112を用いてバッテリーセル108に結合する。
【0027】
或る例において、WBMS101は、一次ネットワークノード102と二次ネットワークノード106との間のワイヤレス無線周波数(RF)通信を提供する。或る例において、ワイヤレスRF通信は、BLUETOOTH Special Interest Group(STG)に準拠する2.4GHz~2.483GHzのライセンスフリー2.4ギガヘルツ(GHz)の産業、科学、医療(ISM)帯域を用いる。幾つかの例において、WBMS101は、物理層(PHY)にわたって2メガビット/秒(Mbps)のBLE(BLUETOOTH Low Energy)を用いる。オープンシステムインターコネクション(OSI)モデルは、物理媒体を介して未処理ビットを通信するために用いられる層としてPHYを含む。この場合、PHYは空きスペースであり、WBMS101は、これを用いて一次ネットワークノード102と二次ネットワークノード106との間でワイヤレス通信を行う。或る例において、WBMS101の送信電力は10デシベルミリワット(dBm)以下である。WBMSにおいて通信チャネルを確立することの付加的な例示の詳細は、本願と同一譲渡人に譲渡された、2021年4月16日に出願された米国特許出願番号17/233,106、発明の名称「バッテリー管理のためのワイヤレスプロトコル」、及び2021年8月11日に出願された米国特許出願番号17/399,793、発明の名称「ワイヤレスバッテリー管理システムのセットアップ」に記載されており、これらは各々、全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【特許文献1】米国特許出願番号 17/233,106
【特許文献2】米国特許出願番号 17/399,793
【0028】
或る例において、一次ネットワークノード102と二次ネットワークノード106との間のワイヤレスRF通信は、周波数ホッピング及びタイムスロット割り当てを利用して、スーパーフレーム(SF)にわたってデータを送受信する。スーパーフレームは、スーパーフレーム間隔とも称し、一次ネットワークノード102と二次ネットワークノード106との間のデータ交換のための時間及び周波数の割り当て、並びに、これらの割り当ての間のフレーム間隔を含む、時間間隔である。周波数ホッピングは、スペクトル帯域を占める多数の別個の周波数間で送信周波数を素早く変更することによってRF信号を送信することを含む。タイムスロット割り当ては、一次ネットワークノード102、或いは一つ又は複数の二次ネットワークノード106のいずれかに割り振られるタイムスロットであり、一つ又は複数の二次ネットワークノード106、又は一次ネットワークノード102に送信するためのものである。タイムスロット割り当ては半二重モードで行われ、一次ネットワークノード102及び二次ネットワークノード106の両方が、ダウンリンク/アップリンク持続時間に交換されるデータのスキャン/ペアリングフレームにおいて特定される時間的瞬間に従って、送信モードと受信モードとの間で切り替わる。ペアリングの付加的な例の詳細は、本願と同一譲渡人に譲渡された、2022年1月14日に出願された、米国特許出願番号17/576,001、発明の名称「モニタ回路をテストするための動作モード」に記載されており、これはその全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【特許文献3】米国特許出願番号 17/576,001
【0029】
WBMS101は、一次ネットワークノード102、バッテリーコントローラ104、及び二次ネットワークノード106を用いて、バッテリーセル108を管理する。一次ネットワークノード102及び二次ネットワークノード106は、バッテリーセル108の状態について互いに通信する。
【0030】
上述のように、車両がオフである場合、キープアライブプロセスが有用である。所与のキープアライブ間隔Nに対して、キープアライブプロセスは、(N-1)個のスーパーフレームをスキップしてN番目のスーパーフレームにおいて始動して、アクティビティがあればそれを処理してから、再び休止に移行する。キープアライブプロセスには様々な手法が有用であり得る。第1の例は、完全にアクティブなプロセスである。このプロセスでは、一次ネットワークノードは、N番目のスーパーフレームのアップリンク部分の間その受信機をオンにし、二次ネットワークノードは、それらの応答を一次ネットワークノードに送信する。第2の例は、部分的にアクティブなプロセスである。このプロセスでは、一次ネットワークノードは、N番目のスーパーフレームのアップリンク部分の間その受信機をオフにし、二次ネットワークノードは、応答を送信することを求められない。部分的にアクティブなスーパーフレームは、完全にアクティブなスーパーフレームよりも消費電力が少ない。キープアライブプロセスは、アイドルスーパーフレーム、部分的にアクティブなスーパーフレーム、及び完全にアクティブなスーパーフレームの任意の組み合わせを有していてもよい。
【0031】
図2は、例示のWBMS200を図示する。WBMS200は、上述のWBMS101の一例である。図示するように、WBMS200は、一次ネットワークノード102、バッテリーコントローラ104、メモリ202、プロセッサ204、第1の二次ネットワークノード206、第1の複数の又はセットのバッテリーセル208、第2の二次ネットワークノード210、及び第2の複数の又はセットのバッテリーセル212を含む。明示的に示されていないが、付加的な二次ネットワークノード206、210が含まれてもよい。一次ネットワークノード102は、メモリ202と、メモリ202に格納されるコード218を実行して、本明細書において一次ネットワークノード102に帰属する一つ又は複数の動作を行うように構成されるプロセッサ204とを含む。一例において、メモリ202の一部を非一時的とし得、メモリ202の一部を一時的とし得る。二次ネットワークノード206、210も、プロセッサ及びメモリを含み得る。例えば、図示するように、第1の二次ネットワークノード206は、コード224を格納するメモリ222に結合されるプロセッサ220を含み、コード224は、本明細書において第1の二次ネットワークノード206に帰属する一つ又は複数の動作を実施するためにプロセッサ220によって実行可能である。
【0032】
一次ネットワークノード102は、第1の有線接続110を用いてバッテリーコントローラ104に結合され、二次ネットワークノード206、210の各々にワイヤレス結合される。第1の二次ネットワークノード206は、第3の有線接続214を用いて第1の複数の又はセットのバッテリーセル208に結合され、一次ネットワークノード102にワイヤレス結合される。第2の二次ネットワークノード210は、第4の有線接続216を用いて第2の複数の又はセットのバッテリーセル212に結合され、一次ネットワークノード102にワイヤレス結合される。図2は、WBMS200における二次ネットワークノードの数を制限するものではない。そうではなく、命名規則は、二次ネットワークノードの各々が複数のバッテリーセルに結合されることを示している。
【0033】
或る例において、一次ネットワークノード102は、少なくとも8個の二次ネットワークノード206、210にワイヤレス結合される。或る例において、二次ネットワークノード206、210の各々が、有線接続を用いて少なくとも16個のバッテリーセルに結合され得る。幾つかの例において、WBMS200は一つの一次ネットワークノード102を含む。他の例において、WBMS200は複数の一次ネットワークノード102を含む。
【0034】
WBMS200は、一次ネットワークノード102、バッテリーコントローラ104、メモリ202、プロセッサ204、第1の二次ネットワークノード206、及び第2の二次ネットワークノード210を用いて、第1の複数のバッテリーセル208と第2の複数のバッテリーセル212とを管理する。メモリ202内の命令により、プロセッサ204は、一次ネットワークノード102に、第1の複数のバッテリーセル208及び第2の複数のバッテリーセル212の状態について、第1の二次ネットワークノード206及び第2の二次ネットワークノード210とワイヤレス通信するように指令する。一次ネットワークノード102及び二次ネットワークノード206、210は、任意の適切なプロトコルフォーマットを用いて通信し得る。
【0035】
プロセッサ204及び220いずれか又は両方が、一つ又は複数のプロセッサなどの処理回路要素を含み得る。プロセッサ204及び220は、一つ又は複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、中央処理装置、グラフィックス処理装置、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び/又は任意の他の処理リソースなど、集積回路要素、個別論理回路要素、アナログ回路要素の任意の組み合わせを含み得る。幾つかの例において、プロセッサ204及び220は、上記で列挙した処理リソースの任意の組み合わせ、及び他の離散又は集積論理回路要素、及び/又はアナログ回路要素など。複数の構成要素を含み得る。
【0036】
図3Aは、例えばWBMS 101などのワイヤレスバッテリー管理システムによって用いられ得る、例示のスーパーフレーム間隔300である。図3Aにおいて、二次ネットワークノード106の各々は、一次ネットワークノード102からダウンリンクを受信し、適切な応答を提供する。下記に説明する図3Bは、二次ネットワークノード(例えば、206、210など)が一次ネットワークノード102からダウンリンクを捕らえそこなう状況を示す。図3Aを再度参照すると、用語TsMaxRxは、パケット(Rx)を受信するために割り当てられる最大(Max)時間(Ts)を示し、用語TsMaxTxは、パケット(Tx)を送信するために割り当てられる最大(Max)時間(Ts)を示す。一次ネットワークノード102は、例えばスーパーフレーム間隔300を用いて、第1の二次ネットワークノード206、第2の二次ネットワークノード210、及びN番目の二次ネットワークノード301と通信する。図に示すように、スーパーフレーム間隔300は、DL送信フレーム302、第1のUL受信フレーム304、第2のUL受信フレーム306、第3のUL受信フレーム308、DLガードフレーム310、DL送信時間フレーム312、第1の送信-受信フレーム314、第1のUL受信時間フレーム316、第2の送信-受信フレーム318、第2のUL受信時間フレーム320、第3の送信-受信フレーム322、第3のUL受信時間フレーム324、第1のDL受信フレーム326、第1のUL送信フレーム328、第1の受信待機時間330、第1の受信-送信フレーム332、第1のUL送信時間フレーム334、第2のDL受信フレーム336、第2のUL送信フレーム338、第2の受信待機時間340、第2の受信-送信フレーム342、第2のUL送信時間フレーム344、第3のDL受信フレーム346、第3のUL送信フレーム348、第3の受信待機時間350、第3の受信-送信フレーム352、第3のUL送信時間フレーム354、第1のフレーム356、第2のフレーム358、第3のフレーム360、及び第4のフレーム362を含む。フレーム356、358、360、及び362は、本明細書において、それぞれ、スロット356、358、360、及び362と称し得る。
【0037】
スーパーフレーム間隔300は、ワイヤレスバッテリー管理のため、一次ネットワークノード102と二次ネットワークノード106との間の通信を組織化する。或る例において、スーパーフレーム間隔300は、一次ネットワークノード102と第1の二次ネットワークノード206、第2の二次ネットワークノード210、及びN番目の二次ネットワークノード301との間のデータ交換のための媒体アクセス制御(MAC)である。スーパーフレーム間隔300における二次ネットワークノード206、210、301の各々は、図3を参照して論じたように、タイムスロットの間に一次ネットワークノード102と通信する。
【0038】
或る例において、スーパーフレーム間隔300はDLガードフレーム310で開始する。DLガードフレーム310は、後続のSF間の干渉がないことを保証する時間期間である。DLガードフレーム310の時点において、第1の二次ネットワークノード206は第1の受信待機時間330に入り、第2の二次ネットワークノード210は第2の受信待機時間340に入り、N番目の二次ネットワークノード301は第3の受信待機時間350に入る。
【0039】
スーパーフレーム間隔300の第1のフレーム356において、DLガードフレーム310の後、一次ネットワークノード102は、DL送信時間フレーム312の間にDL送信フレーム302用いて二次ネットワークノード206、210、301のすべてにDLをブロードキャストする。第1の二次ネットワークノード206は、第1のDL受信フレーム326を用いてDLを受信し、第2の二次ネットワークノード210は、第2のDL受信フレーム336を用いてDLを受信し、N番目の二次ネットワークノード301は、第3のDL受信フレーム346を用いてDLを受信する。DL送信フレーム302の後、一次ネットワークノード102は、二次ネットワークノード206、210、301の各々からULを受信するのに備えて、第1の送信-受信フレーム314に入る。一次ネットワークノード102が第1の送信-受信フレーム314に入ると同時に、第1の二次ネットワークノード206は、一次ネットワークノード102に第1のULを送信するのに備えて、第1の受信-送信フレーム332に入る。
【0040】
スーパーフレーム間隔300の第2のフレーム358において、第1の二次ネットワークノード206は、第1のUL送信フレーム328を用いて第1のUL送信時間フレーム334の間に、第1のULを送信する。一次ネットワークノード102は、第1のUL受信フレーム304を用いて第1のUL受信時間フレーム316の間に、第1のULを受信する。第2のフレーム358において、一次ネットワークノード102は、第2の二次ネットワークノード210から第2のULを受信するのに備えて、第2の送信-受信フレーム318に入る。第2の二次ネットワークノード210は、一次ネットワークノード102に第2のULを送信するのに備えて、第2の受信-送信フレーム342に入る。
【0041】
スーパーフレーム間隔300の第3のフレーム360において、第2の二次ネットワークノード210は、第2のUL送信フレーム338を用いて第2のUL送信時間フレーム344の間に、第2のULを送信する。一次ネットワークノード102は、第2のUL受信フレーム306を用いて第2のUL受信時間フレーム320の間に、第2のULを受信する。第3のフレーム360において、一次ネットワークノード102は、N番目の二次ネットワークノード301から第3のULを受信するのに備えて、第3の送信-受信フレーム322に入る。N番目の二次ネットワークノード301は、一次ネットワークノード102に第3のULを送信するのに備えて、第3の受信-送信フレーム352に入る。
【0042】
スーパーフレーム間隔300の第4のフレーム362において、N番目の二次ネットワークノード301(例えば、一例において第3の二次ネットワークノード)は、第3のUL送信フレーム348を用いて第3のUL送信時間フレーム354の間に、第3のULを送信する。図3Aに示されるように、第4のフレーム362は必ずしも第3フレーム360と連続していない。一次ネットワークノード102は、第3のUL受信フレーム308を用いて第3のUL受信時間フレーム324の間に、第3のULを受信する。図3Aに示されるフレーム328、338、及び348のスケジュールは、本明細書においてデフォルトのアップリンクパケット送信スケジュールと称することがある。
【0043】
図3Aは、各二次ノード(206、210、301など)が、一次ネットワークノード102からDLを適切に受信し、ULを用いて応答する、例示のプロセスを示す。下記に説明する図3Bは、二次ノード(206、210、301など)の少なくとも一つが、それぞれのフレームの間に一次ネットワークノード102からのDLを捕らえそこなう場合にWBMSが従い得る、例示のプロセスを示す。
【0044】
図3Bは、例えばWBMS101などのワイヤレスバッテリー管理システムによって用いられ得る、別の例示のスーパーフレーム間隔300である。図3Bにおいて、二次ネットワークノード(例えば、206、210、301など)が、一次ネットワークノード102からのダウンリンクを捕らえそこなう。図3Bは、一次ネットワークノード102からのダウンリンクを捕らえそこなうことに対する、例示の二次ネットワークノードの応答の一例を示す。下記に説明する図4A及び図4Bは、一次ネットワークノード102からのダウンリンクを捕らえそこなうことに対する、例示の二次ネットワークノードの応答の別の例を示す。
【0045】
図3Bの構成要素の多くは、図3Aに関して上述しており、同様の番号が同様の構成要素を示している。図3Bはまた、第4の送信-受信フレーム368、第4のUL受信時間フレーム370、第4のUL受信フレーム372、第5の送信-受信フレーム374、第5のUL受信時間フレーム376、及び第5のUL受信フレーム378を含む。
【0046】
一例において、第1の二次ネットワークノード206が、一次ネットワークノード102からのDL送信フレーム302を捕らえそこなう。図3Bは、第1の受信待機時間330の間に、この捕らえそこなったDL送信フレームを「X」を用いて示す。この例において、第2の二次ネットワークノード210やN番目の二次ネットワークノードNなどの他の二次ネットワークノードは、一次ネットワークノード102からDL送信フレームを受信することに成功する。ただし、他の例において、任意の数の二次ネットワークノードがDL送信フレームを捕らえそこない、次いで、DL送信フレームを捕らえそこなったことに応答して、この例において説明した動作を実施し得る。
【0047】
二次ネットワークノード106は、ワイヤレス干渉(例えば、ノイズ)などの様々な理由により、一次ネットワークノード102からのDL送信フレームを捕らえそこなうことがある。或る例において、スーパーフレーム間隔300は、アイドルスーパーフレームの一スーパーフレーム後に生じるスーパーフレームである。つまり、スーパーフレーム間隔300の前のスーパーフレームは、電力を節約するために一次ネットワークノード102及び二次ネットワークノード106がアイドルであるスーパーフレームである。スーパーフレーム間隔300において、又はスーパーフレーム間隔300に先立つスーパーフレームにおいて、一次ネットワークノード102は、車両がオンになったという割り込みを受信し得る。車両がオンになることに応答して、WBMS101は、一次ネットワークノード102及びすべての二次ネットワークノード106をアクティブにすることによって起動するように試みる。上述のように、WBMS101は、或る性能要件を満たすために、この起動プロセスを300ミリ秒以内に完了しようと試みることがある。起動プロセスを完了するために、一次ネットワークノード102は、各二次ネットワークノード106にDLを送り、各二次ネットワークノード106から戻ってくるULを受信することによって、すべての二次ネットワークノード106がアクティブであり応答可能であることを確認する。しかし、本明細書において説明したように二次ネットワークノード106の一つがDLを捕らえそこなうと、幾つかのシステムにおいて、その二次ネットワークノード106は、一次ネットワークノード102によって二番目に送信されるDLからDLを受信するために次のスーパーフレーム間隔を待機する必要があり得る。すべての二次ネットワークノード106が一次ネットワークノード102からDLを受信し、一次ネットワークノード102に応答するまで、WBMS101は適切に起動することができない。
【0048】
図3Bにおいて説明する例において、第1の二次ネットワークノード206が、オンになり、第1のフレーム356の間に一次ネットワークノード102からDLを受信することを予期する。しかし、第1の二次ネットワークノード206は、第1の受信待機時間330の間に、一次ネットワークノード102からのDL送信フレーム302を捕らえそこなう。DLを予期しているがDLを受信していないことに応答して、第1の二次ネットワークノード206は、その受信機をオンにし、他の二次ネットワークノード106から送信されている他のフレームをリッスンする。第1の二次ネットワークノード206が別の二次ネットワークノード106からの送信を受信すると、第1の二次ネットワークノード206は、WBMS101がアクティブであることを認識し、動作の準備をするために始動動作を完了する。
【0049】
この例では、第1の二次ネットワークノード206は、第1の受信待機時間330の間に、一次ネットワークノード102からのDL送信フレーム302を捕らえそこなう。従って、第1の二次ネットワークノード206は、第1のUL送信時間フレーム334(図3Bにおいて「X」として示される)の間に一次ネットワークノード102にULを送信することに失敗する。DLを捕らえそこなったことに応答して、第1の二次ネットワークノード206は、別の二次ネットワークノード106からULを受信するのに備えて、第4の送信-受信フレーム368に入る。ここで、第3のフレーム360において、第1の二次ネットワークノード206は、第4のUL受信時間フレーム370の間に第4のUL受信フレーム372(円で囲んで示す)を受信する。この例では、第2の二次ネットワークノード210は第4のUL受信フレームを送信するが、UL受信フレームは、任意の二次ネットワークノード106からのものであり得る。
【0050】
第1の二次ネットワークノード206は、その受信機をオンのままにして、スーパーフレーム間隔300の間にULフレームをリッスンし続け得る。図に示すように、第1の二次ネットワークノード206は、第5の送信-受信フレーム374に入り、第5のUL受信時間フレーム376の間に第5のUL受信フレーム378(円で囲んで示す)を受信する。第1の二次ネットワークノード206は、他の二次ネットワークノード106から任意の数のULフレームを受信し得る。他の例において、第1の二次ネットワークノード206は、別の二次ネットワークノード106からULフレームを受信した後、ULフレームをリッスンすることを停止し得る。
【0051】
第1の二次ネットワークノード206が他の二次ネットワークノード106からの送信をリッスンするために始動する場合、スーパーフレーム全体に対して始動する必要はない。そうではなく、第1の二次ネットワークノード206は、別の二次ネットワークノード106からの送信を受信するのに十分な時間だけ始動すればよい。別の二次ネットワークノード106から送信を受信しない場合、第1の二次ネットワークノード206はスリープモード又はアイドルモードに戻り得る。また、第1の二次ネットワークノード206が別の二次ネットワークノード106から送信を検出する場合、一次ネットワークノード102にULを送信するために次のスーパーフレーム間隔を待機し得、そのため、適切なフレームの間にそのULを送信することができる。
【0052】
この例では、第1の二次ネットワークノード206は、一次ネットワークノード102からのDLを捕らえそこなうが、依然としてスーパーフレーム間隔300の間オンになる。この例により、特にWBMS101が省電力モードから抜けるときに、或る性能要件を満たすのに十分迅速にWBMS101が始動してアクティブになり得る。
【0053】
図4A及び図4Bは、例えばWBMS101などのワイヤレスバッテリー管理システムによって用いられ得る、例示の連続スーパーフレーム間隔400及び401を示す。図4Aはスーパーフレーム400を示し、図4Bはスーパーフレーム401を示す。図4A及び図4Bにおいて、二次ネットワークノード(例えば、206、210、301など)が、一次ネットワークノード102からのダウンリンクを捕らえそこなう。図4A及び図4Bは、一次ネットワークノード102からのダウンリンクを捕らえそこなうことに対する、例示の二次ネットワークノード106の応答の一例を示す。図4A及び図4Bにおいて、同様の構成要素が、図3A及び図3Bを参照して上述した同様の構成要素と同様に動作する。例えば、受信時間フレーム、DL受信フレーム、UL送信フレーム、受信-送信フレームなどは各々、図4A及び図4Bにおいて、図3A及び図3Bにおける同様に命名された対応するフレームと同様に動作する。
【0054】
一次ネットワークノード102は、例えば、スーパーフレーム間隔400(図4Aに示す)及び401(図4Bに示す)を用いて、第1の二次ネットワークノード206、第2の二次ネットワークノード210、及びN番目の二次ネットワークノード301と通信する。図に示すように、スーパーフレーム間隔400及び401は、第1のDLガードフレーム402、第1のDL送信フレーム403、第1のUL受信フレーム404、第2のUL受信フレーム405、第2のDL送信フレーム406、第3のUL受信フレーム407、第4のUL受信フレーム408、及び第5のUL受信フレーム409を含む。スーパーフレーム間隔400及び401はまた、第1のDL送信時間フレーム410、第1の送信-受信フレーム411、第1のUL受信時間フレーム412、第2の送信-受信フレーム413、第2のUL受信時間フレーム414、第3の送信-受信フレーム415、第3のUL受信時間フレーム416、第2のDLガードフレーム417、第2のDL送信時間フレーム418、第4の送信-受信フレーム419、第4のUL受信時間フレーム420、第5の送信-受信フレーム421、第5のUL受信時間フレーム422、第6の送信-受信フレーム423、及び第6のUL受信時間フレーム424を含む。
【0055】
スーパーフレーム間隔400及び401はまた、第1の受信待機時間425、第1の受信-送信フレーム426、第1のUL送信時間フレーム427、第2の受信待機時間428、第2の受信-送信フレーム429、及び第2のUL送信時間フレーム430を含む。スーパーフレーム間隔400及び401は、第1のDL受信フレーム431及び第1のUL送信フレーム432を含む。
【0056】
スーパーフレーム間隔400及び401はまた、第3の受信待機時間433、第3の受信-送信フレーム434、第3のUL送信時間フレーム435、第4の受信待機時間436、第4の受信-送信フレーム437、及び第4のUL送信時間フレーム438を含む。スーパーフレーム間隔400及び401はまた、第2のDL受信フレーム439、第2のUL送信フレーム440、第3のDL受信フレーム441、及び第3のUL送信フレーム442を含む。
【0057】
スーパーフレーム間隔400及び401は、第5の受信待機時間443、第5の受信-送信フレーム444、第5のUL送信時間フレーム445、第6の受信待機時間446、第6の受信-送信フレーム447、及び第6のUL送信時間フレーム448を含む。スーパーフレーム間隔400及び401はまた、第4のDL受信フレーム449、第4のUL送信フレーム450、第5のDL受信フレーム451、及び第6のUL送信フレーム452を含む。スーパーフレーム間隔400及び401はまた、第1のフレーム453、第2のフレーム454、第3のフレーム455、第4のフレーム456、第5のフレーム457、第6のフレーム458、第7のフレーム459、及び第8のフレーム460を含む。フレーム453~460は、それぞれ、本明細書においてスロット453~460と称し得る。
【0058】
図4A及び図4Bの動作の詳述は、簡潔にするためにここでは省略する。ただし、図4A及び図4Bは、図3A及び図3Bと同様に動作する。図4A及び4Bにおいて、一次ネットワークノード102が、第1フレーム453の間に第1のDL送信フレーム403を送信する。この例では、第1の二次ネットワークノード206はDL送信を捕らえそこなう。図4Aの第1の受信待機時間425の間の「X」は、捕らえそこなったDL送信を示す。この例における他の二次ネットワークノード106(210、301など)がDL送信を受信する。第1の二次ネットワークノード206がDL送信を捕らえそこなったので、第1の二次ネットワークノード206は、第1のUL送信時間フレーム427の間にUL送信フレームを送信しない。この例では、第1の二次ネットワークノード206は、(図3Bを参照して上述したように)スーパーフレーム間隔400の間に他の二次ネットワークノード106からのUL送信をリッスンするのではなく、次のスーパーフレーム間隔401の間に一次ネットワークノード102からのDL送信をリッスンする。スーパーフレーム間隔401の間に送信が生じる場合、WBMS101が動作している可能性が高く、第1の二次ネットワークノード206は通常動作を継続することができる。図4Aに示すように、第1の二次ネットワークノード206は、スーパーフレーム間隔400の間に他の二次ネットワークノード106からのUL送信をリッスンしない。そうではなく、第1の二次ネットワークノード206は、スーパーフレーム間隔401の間に送信をリッスンし、この例では、第1のDL受信フレーム431においてDL送信を受信する。次いで、第1の二次ネットワークノード206は、第1のUL送信フレーム432を用いて一次ネットワークノード102に応答する。従って、この例のシナリオにおける最大遅延は1スーパーフレームである。
【0059】
図5A及び図5Bは、本明細書のさまざまな例に従ったノード電力消費の例示のグラフである。図5Aは、本明細書の様々な例に従った二次ネットワークノードについての縮尺された電力消費のグラフ500である。グラフ500のY軸は縮尺された電力消費を示し、X軸は4つの異なるシナリオについてのネットワークノードの数を示す。8ノード、16ノード、24ノード、及び32ノードについて、例が示されている。各ノードカウントについて示される4つのシナリオは、オリジナルのシナリオ、キープアライブ周波数増大のシナリオ、ULフレームにおける受信(RX)のシナリオ、及び次のスーパーフレームにおける受信(RX)のシナリオである。一例において、一次ノードはこのシナリオにおいて300ミリ秒未満の間隔でキープアライブフレームを送信し得る。オリジナルのシナリオにおいて、DLを捕らえそこなうノードが次のアクティブフレームを待機する。キープアライブ周波数増大のシナリオにおいて、キープアライブ周波数が増大され、そのため、比較的多くのスーパーフレームがキープアライブ信号を有する一方、比較的少ないスーパーフレームがアイドルのままである。ULフレームにおける受信(RX)のシナリオは、第1の二次ネットワークノードが第1のスーパーフレームにおいてDLを捕らえそこなう場合に、第1の二次ネットワークノードが第1のスーパーフレームにおいて他の二次ネットワークノードからのULをリッスンすることを含む。このシナリオについては図3Bを参照して上述されている。次のスーパーフレームにおける受信(RX)のシナリオは、第1の二次ネットワークノードが第1のスーパーフレームにおいてDLを捕らえそこなう場合に、第1の二次ネットワークノードが第2のスーパーフレームにおいて他の二次ネットワークノードからのULをリッスンすることを含む。このシナリオについては図4A及び図4Bを参照して上述されている。
【0060】
グラフ500におけるオリジナルのシナリオにおいて、縮尺された電力消費は、各ノードカウント(8、16、24、及び32)についてノードあたり約4.0である。キープアライブ周波数増大のシナリオにおいて、縮尺された電力消費は、各ノードカウントについてノードあたり約7.0である。ULフレームにおける受信(RX)のシナリオにおいて、ノードあたりの縮尺された電力消費量は、様々なノードカウントについて約4.1~4.3の範囲である。次のスーパーフレームにおける受信(RX)のシナリオにおいて、様々なノードカウントについてノードあたりの縮尺された電力消費は約5.0である。従って、グラフ500は、ULフレームにおける受信(RX)のシナリオ又は次のスーパーフレームにおける受信(RX)のシナリオは、キープアライブ周波数増大シナリオよりも二次ノードにおける電力消費が少ないことを示す。
【0061】
図5Bは、本明細書の様々な例に従ったメインノード(例えば、一次ネットワークノード102)についての縮尺された電力消費のグラフ550である。グラフ550のY軸は縮尺された電力消費を示し、X軸は4つの異なるシナリオについてのネットワークノードの数を示す。8ノード、16ノード、24ノード、及び32ノードについて例を示す。各ノードカウントについて示される4つのシナリオは、オリジナルのシナリオ、キープアライブ周波数増大のシナリオ、ULフレームにおける受信(RX)のシナリオ、及び次のスーパーフレームにおける受信(RX)のシナリオであり、これらは上述されている。
【0062】
グラフ550におけるオリジナルのシナリオにおいて、メインノードにおける縮尺された電力消費は、8個の二次ノードについて約11、16個の二次ノードについて約19、24個の二次ノードについて約27、32個の二次ノードについて約35である。キープアライブ周波数増大のシナリオにおいて、メインノードにおける縮尺された電力消費は、8個の二次ノードについて約14、16個の二次ノードについて約22、24個の二次ノードについて約30、32個の二次ノードについて約39である。ULフレームにおける受信(RX)のシナリオにおいて、メインノードにおける縮尺された電力消費は、8個の二次ノードについて約11、16個の二次ノードについて約19、24個の二次ノードについて約27、32個の二次ノードについて約35である。次のスーパーフレームにおける受信(RX)のシナリオにおいて、メインノードにおける縮尺された電力消費は、8個の二次ノードについて約11、16個の二次ノードについて約19、24個の二次ノードについて約27、32個の二次ノードについて約35である。従って、グラフ500は、ULフレームにおける受信(RX)のシナリオ又は次のスーパーフレームにおける受信(RX)のシナリオは、キープアライブ周波数増大のシナリオよりも二次ノードにおける電力消費が少ないことを示す。従って、グラフ550は、ULフレームにおける受信(RX)のシナリオ又は次のスーパーフレームにおける受信(RX)のシナリオは、キープアライブ周波数増大のシナリオよりもメインノードにおける電力消費が少ないことを示す。
【0063】
図6は、本明細書の様々な例に従ったN個のノードのネットワークについてのメインノード及び二次ネットワークノードにおけるおおよその電力消費を示す表600である。この例において、二次ードは、3T毎に送信し、T毎に受信し、ここで、Tは時間間隔である。メインノードは、T毎に送信し、3T毎に受信する。列602は様々なシナリオを示す。列604は、送信電力が受信電力とほぼ等しいと仮定した場合の、二次ノードにおけるおおよその電力消費を示す。列606は、送信電力が受信電力とほぼ等しいと仮定した場合の、メインノードにおけるおおよその電力消費を示す。行608はヘッダー行であり、行610、612、614、及び616は、それぞれ、上述の4つの異なるシナリオ(オリジナル、キープアライブ周波数増大、ULフレームにおけるRX、及び次のスーパーフレームにけるおけるRX)を示す。表600における数値は概算値である。
【0064】
一例において、オリジナルのシナリオ(行610)は、二次ノードの電力消費が4であり、メインノードの電力消費が3+Nである。キープアライブ周波数増大のシナリオ(行612)は、二次ノードの電力消費が7であり、メインノードの電力消費が6+Nである。従って、このシナリオは、図5A及び図5Bにも示したオリジナルのシナリオよりも多くの電力を消費する。
【0065】
図6を再度参照すると、ULフレームにおける受信(RX)のシナリオは、二次ノードの電力消費が4+(N-1)×pであり、ここで、pはエラーの確率である。ULフレームにおける受信(RX)のシナリオは、メインノードの電力消費が3+Nである。或る例として、二次ノードが8個であり、エラーの確率が10%のシステムにおいて、このシナリオにおける二次ノードの電力消費は4+(8-1)(0.10)、すなわち約4.7になる。エラーの確率が0.1%になるとすれば、二次ノードの電力消費は4+(8-1)(0.001)、すなわち約4.007になる。従って、エラーの確率が減ると消費電力が減少する。また、このシナリオにおいて、Nが増加すると二次ノードの電力消費が増加する。
【0066】
次のスーパーフレームにおける受信(RX)のシナリオは、二次ノードの電力消費が4+1/(1-p)であり、ここで、pはエラーの確率である。次のスーパーフレームにおける受信(RX)のシナリオは、メインノードの電力消費が3+Nである。或る例として、二次ノードが8個であり、エラーの確率が10%のシステムにおいて、このシナリオにおける二次ノードの電力消費は4+1/(0.9)、すなわち約5.1である。エラーの確率が0.1%になるとすれば、二次ノードの電力消費は4+1(0.999)、すなわち約5.001である。従って、このシナリオにおいてもエラーの確率が減ると消費電力が減少する。
【0067】
図7は、本明細書の様々な例に従った、省電力モードからネットワークを再起動するための方法のフローチャートである。方法700の工程は、任意の適切な順序で成され得る。図1図2を参照して上述したハードウェア構成要素は、幾つかの例において方法700を実施し得る。
【0068】
方法700は710から始まり、ここで、一次ネットワークノード102は、WBMSの第1のスーパーフレームにおいて一つ又は複数の二次ノードにダウンリンクパケットを送信する。一例において、第1のスーパーフレームはスーパーフレーム300であり、二次ノードは、二次ノード206、210、及び/又は301であり得る。
【0069】
方法700は720において継続し、ここで、第1の二次ノードはダウンリンクパケットを受信する。一例において、二次ノード206はダウンリンクパケットを受信することに失敗し、二次ノード210がダウンリンクパケットを受信する。従って、この例では二次ノード210が第1の二次ノードである。予期されるダウンリンクパケットを受信することに失敗することに応答して、二次ノード206は、その受信機をオンにして、他の二次ノード(210、301など)からアップリンクパケットをリッスンし得る。
【0070】
方法700は730において継続し、ここで、第1の二次ノード(例えば、ノード210)は、第1のスーパーフレーム(例えば、スーパーフレーム300)において第1の二次ノードから一次ネットワークノード102に第1のアップリンクパケットを送信する。一例において、第1のアップリンクパケットは、第2のUL送信フレーム338を用いて送信される。
【0071】
方法700は740において継続し、ここで、第2の二次ノード(例えば、ノード206)が、第1のスーパーフレームにおいて第1のアップリンクパケットを受信する。或る例において、第1のアップリンクパケットは、第4のUL受信フレーム372において受信される。上述のように、第2の二次ノード206が、ノード210などの他の二次ノードからアップリンクパケットをリッスンする。第2の二次ノード206がアップリンクパケットを受信すると、第2の二次ノード206は、WBMS101がアクティブであることを認識し、次いで、動作のため備えることができる。
【0072】
方法700は750において継続し、ここで、第2の二次ノードは、第2のスーパーフレームの間に一次ネットワークノード102に第2のアップリンクパケットを送信する。第2の二次ノード(例えば、ノード206)は、第1のスーパーフレーム後の次のスーパーフレームを待機し、そのため、第2の二次ノード206は、適切なスロットの間に第2のアップリンクパケットを送信することができる。
【0073】
図8は、本明細書の様々な例に従った、省電力モードからネットワークを再起動するための方法のフローチャートである。方法800の工程は、任意の適切な順序で成され得る。図1図2を参照して上述したハードウェア構成要素は、幾つかの例において方法800を実施し得る。方法800は、WBMSがスリープ状態又はアイドル状態などの低電力状態から抜け、WBMSにおけるすべてのノードを再びアクティブにするときに実施され得る。
【0074】
方法800は810から始まり、ここで、一次ネットワークノード102が、WBMSの第1のスーパーフレームにおいて一つ又は複数の二次ノードに第1のダウンリンクパケットを送信する。一例において、第1のスーパーフレームはスーパーフレーム400であり得、二次ノードは、二次ノード206、210、及び/又は301であり得る。第1のダウンリンクパケットは、スーパーフレーム400の第1のスロットにおいて送信され得る。
【0075】
方法800は820において継続し、ここで、第1の二次ノードが、第1のスーパーフレーム(例えば、スーパーフレーム400)において第1のダウンリンクパケットを受信する。第1のダウンリンクパケットは、スーパーフレーム400の第1のスロットにおいて受信され得る。一例において、二次ノード206がダウンリンクパケットを受信することに失敗し、二次ノード210がダウンリンクパケットを受信する。従って、この例では二次ノード210が第1の二次ノードである。予期されるダウンリンクパケットを受信することに失敗することに応答して、二次ノード206は、その受信機をオンにして、他の二次ノード(210、301など)からアップリンクパケットをリッスンするように構成され得る。
【0076】
方法800は830において継続し、ここで、第2の二次ノード(例えば、ノード206)は、第1のスーパーフレームにおいて第1のダウンリンクパケットを受信することに失敗する。一例において、図4Aの第1の受信待機時間425の間の「X」は、ノード206における捕らえそこなったDL送信を示す。二次ノード206は、干渉のため、又は一次ノードが第1のダウンリンクパケットを送るときに二次ノード206が第1のダウンリンクパケットをリッスンしていないために、第1のダウンリンクパケットを捕らえそこなうことがある。
【0077】
方法800は840において継続し、ここで、第1の二次ノード(例えば、ノード210)は、第1のスーパーフレーム400において一次ネットワークノード102に第1のアップリンクパケットを送信する。一例として、第1のアップリンクパケットは、第2のUL送信フレーム440を用いて送信される。ノード210は、第1のダウンリンクパケットを受信することに応答して、第1のアップリンクパケットを送る。各二次ノードは、そのそれぞれのスロットをスーパーフレーム400内で決定することが可能であり得、これは、本願と同一譲渡人に譲渡された、2022年5月31日に出願された、米国特許出願番号17/828,895、発明の名称「効率的なユニキャストスーパーフレーム通信」において説明されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【特許文献4】米国特許出願番号 17/828,895
【0078】
方法800は850において継続し、ここで、一次ネットワークノード102は、第2のスーパーフレームにおいて第2のダウンリンクパケットを一つ又は複数の二次ノードに送信する。一例において、第2のスーパーフレームはスーパーフレーム401であり得、第1及び第2のスーパーフレームは連続するスーパーフレームであり得る。一例において、第2のダウンリンクパケットは、第2のDL送信フレーム406を用いて送信され得る。第2のダウンリンクパケットは、スーパーフレーム401の第2のスロットにおいて送信され得る。
【0079】
方法800は860において継続し、ここで、第2の二次ノード(例えば、ノード206)は、第2のダウンリンクパケットを第2のスーパーフレーム401において受信する。或る例において、第2のダウンリンクパケットは、第1のDL受信フレーム431において受信される。第2のダウンリンクパケットは、第2のスーパーフレーム401の第2のスロットにおいて受信され得る。
【0080】
方法800は870において継続し、ここで、第2の二次ノード(例えば、ノード206)は、第2のスーパーフレーム401において第2のアップリンクパケットを一次ネットワークノード102に送信する。或る例として、第2のアップリンクパケットは、第1のUL送信フレーム432において送信される。第2のアップリンクパケットは、第2のスーパーフレーム401の第3のスロットにおいて送信され得る。
【0081】
本明細書の例において、予期されるダウンリンクパケットをアクティブなスーパーフレームの間に一次ノードから受信することに失敗する第1の二次ノードが、その受信機をオンにして、このアクティブなスーパーフレームの間に他の二次ノードから一次ノードに送信されている他のフレームを都合よくリッスンし得る。第1の二次ノードが別の二次ノードから送信を受信すると、第1の二次ノードが始動し、アクティブ状態に入る。本明細書の他の例において、一次ノードからのダウンリンクパケットを捕らえそこなう第1の二次ノードは、その受信機を用いて、現在のスーパーフレームではなく次のスーパーフレームの間にリッスンし得る。次のスーパーフレームに何らかのアクティビティがあれば、WBMSはアクティブになり、第1の二次ノードは通常動作を継続することができる。本明細書の例において、ノードはオフ状態(例えば、キープアライブ省電力状態)の間に最小限の電力を消費し、依然として迅速に起動し得、WBMSを300ミリ秒未満で動作させることができる。
【0082】
「結合」という用語は、本明細書全体にわたって用いられている。この用語は、本記載と矛盾しない機能的関係を可能にする、接続、通信、又は信号経路を包含し得る。例えば、デバイスAが、或る動作を実施するためにデバイスBを制御するための信号を生成する場合、第1の例において、デバイスAはデバイスBに結合され、或いは、第2の例において、介在する構成要素CがデバイスAとデバイスBとの間の機能的関係を実質的に変更しない場合に、デバイスAは介在する構成要素Cを介してデバイスBに結合されて、デバイスAによって生成された制御信号を介してデバイスBがデバイスAによって制御されるようにする。
【0083】
或るタスク又は機能を実施するように「構成される」デバイスは、製造時に製造業者によってその機能を実施するように構成(例えば、プログラム及び/又は配線)され得、及び/又は製造後にユーザによってその機能及び/又は他の付加的な又は代替の機能を実施するように構成可能(又は再構成可能)とされ得る。このように構成することは、デバイスのファームウェア及び/又はソフトウェアプログラミングにより、ハードウェア構成要素の構築及び/又はレイアウト並びにデバイスの相互接続により、或いはこれらの組み合わせによりなされ得る。
【0084】
別途記載されない限り、或る値の前の「約」、「およそ」、又は「実質的に」は、記載されている値の±10パーセントを意味する。特許請求の範囲内で、説明した例における改変が可能であり、他の例が可能である。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
【国際調査報告】