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特表2025-532356連続ストリーム内でアミノアルケン若しくはアルキンをフッ素化及び/又は環化する方法並びに方法を実施するための設備
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  • 特表-連続ストリーム内でアミノアルケン若しくはアルキンをフッ素化及び/又は環化する方法並びに方法を実施するための設備 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-09-29
(54)【発明の名称】連続ストリーム内でアミノアルケン若しくはアルキンをフッ素化及び/又は環化する方法並びに方法を実施するための設備
(51)【国際特許分類】
   C07C 303/40 20060101AFI20250919BHJP
   C07C 311/16 20060101ALI20250919BHJP
   C07C 209/74 20060101ALI20250919BHJP
   C07C 211/48 20060101ALI20250919BHJP
   C07D 295/185 20060101ALI20250919BHJP
   C07D 279/02 20060101ALI20250919BHJP
   C07D 211/14 20060101ALI20250919BHJP
   C07D 209/08 20060101ALI20250919BHJP
   C07D 215/06 20060101ALI20250919BHJP
   C07D 211/38 20060101ALI20250919BHJP
   C07D 519/04 20060101ALI20250919BHJP
   C07D 231/12 20060101ALI20250919BHJP
   C07D 401/12 20060101ALI20250919BHJP
【FI】
C07C303/40
C07C311/16
C07C209/74
C07C211/48
C07D295/185
C07D279/02
C07D211/14
C07D209/08
C07D215/06
C07D211/38
C07D519/04
C07D231/12 C
C07D401/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025519613
(86)(22)【出願日】2023-10-03
(85)【翻訳文提出日】2025-05-29
(86)【国際出願番号】 EP2023077346
(87)【国際公開番号】W WO2024074501
(87)【国際公開日】2024-04-11
(31)【優先権主張番号】2210129
(32)【優先日】2022-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506155266
【氏名又は名称】ユニヴェルシテ・ドゥ・ポワティエ
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE DE POITIERS
(71)【出願人】
【識別番号】506316557
【氏名又は名称】サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィック
(71)【出願人】
【識別番号】518059934
【氏名又は名称】ソルボンヌ・ユニヴェルシテ
【氏名又は名称原語表記】SORBONNE UNIVERSITE
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ザラ・アバダ
(72)【発明者】
【氏名】アニエス・マルタン-ミンゴ
(72)【発明者】
【氏名】イヴ・ブレリオ
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン・ティボードー
(72)【発明者】
【氏名】アリ・アブ-アサン
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AA04
4H006AC30
4H006BB12
4H006BC18
4H006BC19
4H006BD80
4H006BE90
(57)【要約】
本発明は、連続ストリームマイクロリアクター内でアミノアルケン若しくはアルキンをフッ素化及び/又は環化する方法に関する。本発明は、そのような方法を実施するための設備にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)アミノアルケン若しくはアルキンを含む第1相及び超酸試薬を含む第2相を準備する工程と、
b)連続フローマイクロリアクター内で前記第1相と前記第2相とを接触させる工程と、
c)前記アミノアルケン若しくはアルキンのフッ素化生成物及び/若しくは環化生成物を回収する工程と、
を含む、アミノアルケン若しくはアルキンをフッ素化並びに/又は環化する方法。
【請求項2】
- 工程(b)における前記連続フローマイクロリアクター内の前記第1相及び前記第2相の滞留時間は、2秒から400秒の間である、並びに/又は
- 工程(b)における前記第1相の流速及び前記第2相の流速は独立して0.1mL/分から3.5mL/分の間、例えば0.25mL/分から3.0mL/分の間である
ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記連続フローマイクロリアクターがマイクロミキサー及び管状パイプを含み、前記管状パイプは好ましくは
- 20cmから800cmの間の長さ、及び
- 0.5mmから2.5mmの間、好ましくは0.5mmから1.5mmの間、そしてより更には0.7mmから1.2mmの間の内径
を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
- アミノアルケン若しくはアルキンを含む第1相のための保管ユニット(1)、
- 超酸試薬を含む第2相のための保管ユニット(1')、
- 前記第1相の保管ユニット(1)と、第1相の平衡化管状パイプ(4)とに接続されている第1相の連続供給手段(3)、
- 前記第2相の保管ユニット(1')と、第2相の平衡化管状パイプ(4')とに接続されている第2相の連続供給手段(3')、
- 2つの入口及び1つの出口を備えるマイクロミキサー(21)、並びに1つの入口及び1つの出口を備える管状パイプ(22)を含む連続フローマイクロリアクター(2)であって、前記管状パイプ(22)の前記入口が前記マイクロミキサー(21)の前記出口に接続されており、
前記第1相の平衡化管状パイプ(4)が前記マイクロミキサー(21)の前記第1の入口に接続されており、前記第2相の平衡化管状パイプ(4')が前記マイクロミキサー(21)の前記第2の入口に接続されている、連続フローマイクロリアクター(2)、並びに
- 前記マイクロリアクター(2)の前記管状パイプ(22)の前記出口に接続されている回収ユニット(5)
を備える設備内で実施されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記超酸試薬がHF/MF5及びHSO3F/MF5(式中、MはSb、As、P、Ta、又はNbである)から選択され、好ましくは前記超酸試薬がHF/SbF5であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記アミノアルケン又は前記アルキンがアリル又はプロパルギルアミンであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記アミノアルケン又は前記アルキンが式(Ia)のアミノアルケンであって:
【化1】
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は独立して水素、ハロゲン、C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、C1~C12ヘテロアルキル、C3~C12シクロアルキル、C2~C12ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、基-S(O)2-R8及び基-C(O)-R9(式中、R8及びR9は独立してC1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、C1~C12ヘテロアルキル、C3~C12シクロアルキル、C2~C12ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される)から選択され、
前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール基は任意選択で置換され、
又は、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7から選択される2つの基のそれぞれは、それらが結合している原子と一緒に、任意選択で置換された3員環から12員環を別に形成していてもよい、
アミノアルケンであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
- R1及びR2は独立して水素、C2~C12アルケニル、[任意選択でC1~C6アルキル、ニトロ、又は-CF3、-OCF3、-SCF3、-OCF2R'、-OCF(R')2、-SCF2R'及び-SCF(R')2(式中、R'のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル又はC3~C6シクロアルキルを表す)から選択されるフルオロ基で置換される]アリール、-S(O)2-R8及び-C(O)-R9(式中、R8及びR9は独立して、任意選択で、C1~C6アルキル、ニトロ又は-CF3、-OCF3、-SCF3、-OCF2R'、-OCF(R')2、-SCF2R'及び-SCF(R')2(式中、R'のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル又はC3~C6シクロアルキルを表す)から選択されるフルオロ基で置換されたアリールである)から選択され、
或いは、R1及びR2は、それらが結合している原子と一緒に、任意選択でアリール又はアセチルで置換されたピペリジン又はピペラジンを形成し、
- R3及びR4は水素であり、
- R5、R6及びR7は独立して水素及びハロゲンから選択され、好ましくはR5、R6及びR7のうちの少なくとも2つは水素である
ことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記アミノアルケン又は前記アルキンは、式(Ib)のアミノアルキンであって:
【化2】
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は独立して水素、ハロゲン、C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、C1~C12ヘテロアルキル、C3~C12シクロアルキル、C2~C12ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、基-S(O)2-R8及び基-C(O)-R9(式中、R8及びR9は独立してC1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、C1~C12ヘテロアルキル、C3~C12シクロアルキル、C2~C12ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される)から選択され、
前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール基は任意選択で置換され、
又は、R1、R2、R3、R4及びR5から選択される2つの基のそれぞれは、それらが結合している原子と一緒に、任意選択で置換された3員環から12員環を別に形成していてもよい、
アミノアルキンであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
- R1及びR2は独立して水素、C2~C12アルケニル、[任意選択でC1~C6アルキル、ニトロ、又は-CF3、-OCF3、-SCF3、-OCF2R'、-OCF(R')2、-SCF2R'及び-SCF(R')2(式中、R'のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル又はC3~C6シクロアルキルを表す)から選択されるフルオロ基で置換される]アリール、-S(O)2-R8及び-C(O)-R9(式中、R8及びR9は独立して、任意選択で、C1~C6アルキル、ニトロ又は-CF3、-OCF3、-SCF3、-OCF2R'、-OCF(R')2、-SCF2R'及び-SCF(R')2(式中、R'のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル又はC3~C6シクロアルキルを表す)から選択されるフルオロ基で置換されるアリールである)から選択され、
又は或いは、R1及びR2は、それらが結合している原子と一緒に、任意選択でアリール又はアセチルで置換されたピペリジン又はピペラジンを形成し、
- R3、R4及びR5は水素である
ことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記アミノアルケン又は前記アルキンが、
【化3】
から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
- アミノアルケン若しくはアルキンを含む第1相のための保管ユニット(1)、
- 超酸試薬を含む第2相のための保管ユニット(1')、
- 前記第1相の保管ユニット(1)と、第1相の平衡化管状パイプ(4)とに接続されている第1相の連続供給手段(3)、
- 前記第2相の保管ユニット(1')と、第2相の平衡化管状パイプ(4')とに接続されている第2相の連続供給手段(3')、
- 2つの入口及び1つの出口を備えるマイクロミキサー(21)、及び1つの入口及び1つの出口を備える管状パイプ(22)を含む連続フローマイクロリアクター(2)であり、前記管状パイプ(22)の前記入口が前記マイクロミキサー(21)の前記出口に接続されており、
前記第1相の平衡化管状パイプ(4)が前記マイクロミキサー(21)の前記第1の入口に接続されており、前記第2相の平衡化管状パイプ(4')が前記マイクロミキサー(21)の前記第2の入口に接続されている、連続フローマイクロリアクター(2)、並びに
- 前記マイクロリアクター(2)の前記管状パイプ(22)の前記出口に接続されている回収ユニット(5)を備え、
前記連続フローマイクロリアクター(2)の前記管状パイプ(22)は、好ましくは
- 20cmから800cmの間の長さ、
- 0.5mmから2.5mmの間であり、好ましくは0.7mmから1.2mmの間の内径
を有することを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法を実施するための設備。
【請求項13】
- 前記第1相の連続供給手段(3)と、前記第1相の保管ユニット(1)と、前記第1相の平衡化管状パイプ(4)との間の接続を供する三方バルブ(6)、及び/又は
- 前記第2相の連続供給手段(3')と、前記第2相の保管ユニット(1')と、前記第2相の平衡化管状パイプ(4')との間の接続を供する三方バルブ(6')
をも含むことを特徴とする、請求項12に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続ストリームマイクロリアクター内のアミノアルケン若しくはアルキンをフッ素化及び/又は環化する方法に関する。本発明はまた、そのような方法を実施するための設備に関する。
【背景技術】
【0002】
超酸溶媒では、H0酸価値は-12よりも低いため、すべての分子、更には単なるアルカンですらも塩基として反応する。そのため、多プロトン化分子を含む特定の種類の反応性へのアクセスを供することから、超酸システムは非常に興味深い。近年では超酸溶媒中における多くの方法が開発され、ラボスケール及び工業スケールの合成のいずれも想定されうる。
【0003】
例えば、Micheletらは、超酸HF/SbF5を使用してアミノアルケン若しくはアルキンをフッ素化する方法を記載している(J. Fluorine Chem. 2018, 214, 68-79)。この変換は、医薬品化学に非常に需要のあるフルオロアミン単位へのアクセスを可能とするため、最も特に興味深い。更に、国際公開第95/03312号明細書には、ビノレルビンが超酸HF/SbF5の存在下でgem-ジフルオロ化反応を経由して抗がん剤Javlor(登録商標)に転化しうることが示されている。
【0004】
しかし、これらのシステムは、それらの使用を制限する多くの欠点を有する。特に、HF等の超酸溶媒を生成する試薬は、毒性、腐食性を有し、取り扱いが危険である。加えて、多くの溶媒及び求核剤はこれらの媒体との相溶性がない。最終的に、これらの系の高い反応性は反応の産物の制御を可能とせず、カスケード反応及び多フッ素化が観測されうる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第95/03312号明細書
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】J. Fluorine Chem. 2018, 214, 68-79
【非特許文献2】Hammett L.P., Deyrup A. J., J. Am. Chem. Soc., 1932, 54 (7), 2721-2739; Superacid chemistry, Second Edition, Olah G.A., Prakash G.K.S., Molnar A., Sommer J., published by John Wiley & Sons, Inc., Hoboken, New Jersey, 2009, 1-10)
【非特許文献3】Hwang, J.P.; Surya Prakash, G.K.; Olah, G.A. Tetrahedron 2000, 56 (37), 7199-7203; Culmann, J.-C.; Fauconet, M.; Jost, R.; Sommer, J. New J. Chem. 1999, 23 (8), 863-867; Esteves, P.M.; Ramirez-Solis, A.; Mota, C.J.A. J. Am. Chem. Soc. 2002, 124 (11), 2672-2677; Superacid Chemistry, Second Edition, Olah G.A., Prakash G.K.S., Molnar A., Sommer J., published by John Wiley & Sons, Inc., Hoboken, New Jersey, 2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、超酸の取り扱いを容易にし、それらの反応性をより良く制御できる方法、最も具体的には、それらをアミノアルキン又はアルケンと接触させた際のそれらの反応性をより制御できる方法の開発の実際の需要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これに関連して、出願人は、マイクロ流体力学の利用、及びより具体的には連続フローマイクロリアクターの利用は、これらの制限を克服することを可能とすることを示した。より具体的には、驚くべきことに、連続フローマイクロリアクターの利用は、静的(又は「バッチ」)条件下での同等の反応を経由する場合にアクセスが困難、又は更にはアクセスできない、フッ素化された化合物若しくは環化された化合物の調製を可能とすることが示された。また、フロー条件下でのこれらの反応の生産性は静的条件下で得られるものよりもずっと高かったことも示された。
【0009】
したがって、本発明は、
a)アミノアルケン若しくはアルキンを含む第1相及び超酸試薬を含む第2相を準備する工程と、
b)連続フローマイクロリアクター内で第1相と第2相とを接触させる工程と、
c)アミノアルケン若しくはアルキンのフッ素化生成物及び/若しくは環化生成物を回収する工程と、
を含む、アミノアルケン若しくはアルキンをフッ素化並びに/又は環化する方法に関する。
【0010】
具体的な実施形態では、工程(b)における連続フローマイクロリアクター中の第1相及び第2相の滞留時間は、2秒から400秒の間である。
【0011】
具体的な実施形態では、工程(b)における第1相の流速及び第2相の流速は独立して0.1mL/分から3.5mL/分の間、例えば0.25mL/分から3.0mL/分の間である。
【0012】
具体的な実施形態では、連続フローマイクロリアクターは、マイクロミキサー及び管状パイプを含み、管状パイプは好ましくは
- 20cmから800cmの間の長さ、
- 0.5mmから2.5mmの間、好ましくは0.5mmから1.5mmの間、そしてより更には0.7mmから1.2mmの間の内径を有する。
【0013】
具体的な実施形態では、連続フローマイクロリアクターとの接触は、-70℃から25℃の間の温度で実施される。
【0014】
具体的な実施形態では、本発明による方法は、
- アミノアルケン若しくはアルキンを含む第1相のための保管ユニット(1)、
- 超酸試薬を含む第2相のための保管ユニット(1')、
- 第1相の保管ユニット(1)と、第1相の平衡化管状パイプ(4)とに接続されている第1相の連続供給手段(3)、
- 第2相の保管ユニット(1')と、第2相の平衡化管状パイプ(4')とに接続されている第2相の連続供給手段(3')、
- 2つの入口及び1つの出口を備えるマイクロミキサー(21)、及び1つの入口及び1つの出口を備える管状パイプ(22)を含む連続フローマイクロリアクター(2)であり、管状パイプ(22)の入口がマイクロミキサー(21)の出口に接続されており、
第1相の平衡化管状パイプ(4)がマイクロミキサー(21)の第1の入口に接続されており、第2相の平衡化管状パイプ(4')がマイクロミキサー(21)の第2の入口に接続されている、連続フローマイクロリアクター(2)、及び
- マイクロリアクター(2)の管状パイプ(22)の出口に接続されている回収ユニット(5)
を備える設備内で実施される。
【0015】
具体的な実施形態では、超酸試薬はHF/MF5及びHSO3F/MF5(式中、MはSb、As、P、Ta、又はNbである)から選択され、好ましくは超酸試薬はHF/SbF5である。
【0016】
具体的な実施形態では、第1相は、アミノアルケン若しくはアルキンのHF溶液であり、好ましくは濃度が0.5から1.0mol/Lの間である。
【0017】
アミノアルケン若しくはアルキンは、具体的にはアリル又はプロパルギルアミンであってもよい。具体的な実施形態では、アミノアルケン若しくはアルキンは、式(Ia)のアミノアルケンであって:
【0018】
【化1】
【0019】
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は独立して水素、ハロゲン、C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、C1~C12ヘテロアルキル、C3~C12シクロアルキル、C2~C12ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、基-S(O)2-R8及び基-C(O)-R9(式中、R8及びR9は独立してC1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、C1~C12ヘテロアルキル、C3~C12シクロアルキル、C2~C12ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される)から選択され、
アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール基は、任意選択で置換され、
又は、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7から選択される2つの基のそれぞれは、それらが結合している原子と一緒に、任意選択で置換された3員環から12員環を別に形成していてもよいアミノアルケンである。
【0020】
具体的には、式(Ia)のアミノアルケンは、
- R1及びR2は独立して水素、C2~C12アルケニル、[任意選択でC1~C6アルキル、ニトロ、又は-CF3、-OCF3、-SCF3、-OCF2R’、-OCF(R’)2、-SCF2R’及び-SCF(R’)2(式中、R’のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル又はC3~C6シクロアルキルを表す)から選択されるフルオロ基で置換される]アリール、-S(O)2-R8及び-C(O)-R9(式中、R8及びR9は独立して、任意選択で、C1~C6アルキル、ニトロ又は-CF3、-OCF3、-SCF3、-OCF2R'、-OCF(R')2、-SCF2R'及び-SCF(R')2(式中、R'のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル又はC3~C6シクロアルキルを表す)から選択されるフルオロ基で置換される、アリールである)から選択され、
或いは、R1及びR2は、それらが結合している原子と一緒に、任意選択でアリール又はアセチルで置換されるピペリジン又はピペラジンを形成し、
- R3及びR4は水素であり、
- R5、R6及びR7は独立して水素及びハロゲンから選択される(好ましくはR5、R6及びR7のうちの少なくとも2つは水素である)
ものであってよい。
【0021】
別の具体的な実施形態では、アミノアルケン若しくはアルキンは式(Ib)のアミノアルキンであって:
【0022】
【化2】
【0023】
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は独立して水素、ハロゲン、C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、C1~C12ヘテロアルキル、C3~C12シクロアルキル、C2~C12ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、基-S(O)2-R8及び基-C(O)-R9(式中、R8及びR9は独立してC1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、C1~C12ヘテロアルキル、C3~C12シクロアルキル、C2~C12ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される)から選択され、
アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール基は任意選択で置換され、
又は、R1、R2、R3、R4及びR5から選択される2つの基のそれぞれは、それらが結合している原子と一緒に、任意選択で置換された3員環から12員環を別に形成していてもよい、アミノアルキンである。
【0024】
具体的には、式(Ib)のアミノアルケンは、
- R1及びR2は独立して水素、C2~C12アルケニル、[任意選択でC1~C6アルキル、ニトロ、又は-CF3、-OCF3、-SCF3、-OCF2R’、-OCF(R’)2、-SCF2R’及び-SCF(R’)2(式中、R’のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル又はC3~C6シクロアルキルを表す)から選択されるフルオロ基で置換される]アリール、-S(O)2-R8及び-C(O)-R9(式中、R8及びR9は独立して、任意選択で、C1~C6アルキル、ニトロ又は-CF3、-OCF3、-SCF3、-OCF2R'、-OCF(R')2、-SCF2R'及び-SCF(R')2(式中、R'のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル又はC3~C6シクロアルキルを表す)から選択されるフルオロ基で置換されるアリールである)から選択され、
或いは、R1及びR2は、それらが結合している原子と一緒に、任意選択でアリール又はアセチルで置換されたピペリジン又はピペラジンを形成し、
- R3、R4及びR5は水素である
ものであってもよい。
【0025】
好ましい態様では、アミノアルケン若しくはアルキンは、
【0026】
【化3】
【0027】
から選択される。
【0028】
1つの実施形態では、アミノアルケン若しくはアルキンは、
【0029】
【化4】
【0030】
から選択される。
【0031】
本発明は、
- アミノアルケン若しくはアルキンを含む第1相のための保管ユニット(1)、
- 超酸試薬を含む第2相のための保管ユニット(1')、
- 第1相の保管ユニット(1)と、第1相の平衡化管状パイプ(4)とに接続されている第1相の連続供給手段(3)、
- 第2相の保管ユニット(1')と、第2相の平衡化管状パイプ(4')とに接続されている第2相の連続供給手段(3')、
- 2つの入口及び1つの出口を備えるマイクロミキサー(21)、及び1つの入口及び1つの出口を備える管状パイプ(22)を含む連続フローマイクロリアクター(2)であり、
管状パイプ(22)の入口がマイクロミキサー(21)の出口に接続されており、
第1相の平衡化管状パイプ(4)がマイクロミキサー(21)の第1の入口に接続されており、第2相の平衡化管状パイプ(4')がマイクロミキサー(21)の第2の入口に接続されている、連続フローマイクロリアクター(2)、並びに
- マイクロリアクター(2)の管状パイプ(22)の出口に接続されている回収ユニット(5)
を備えることを特徴とする、本特許出願に規定の方法を実施するための設備にも関する。
【0032】
連続フローマイクロリアクター(2)の管状パイプ(22)は、好ましくは、
- 20cmから800cmの間の長さ、
- 0.5mmから2.5mmの間、好ましくは0.7mmから1.2mmの間の内径
を有する。
【0033】
好ましくは、設備は、
- 第1相の連続供給手段(3)と、第1相の保管ユニット(1)と、第1相の平衡化管状パイプ(4)との間の接続を供する三方バルブ(6)、及び/又は
- 第2相の連続供給手段(3')と、第2相の保管ユニット(1')と、第2相の平衡化管状パイプ(4')との間の接続を供する三方バルブ(6')
も含む。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の1つの実施形態による方法、及びそのような方法を実施するための具体的な概略設備を示す図である。
図2】本発明の1つの実施形態による方法、及び洗浄ユニットも含む、そのような方法を実施するための具体的な概略設備を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
定義
特に断りがない限り、ある範囲が表現「~から~の間(between)」を使用して表現される場合、限定値は記載された範囲内に含まれる。
【0036】
用語「アルキル」は、飽和した、直鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素ベースの基を意味する。「C1~C12アルキル」は1個から12個の炭素原子を含有するアルキルである。アルキル(又はC1~C12アルキル)の例は具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル又はドデシルである。好ましくは、C1~C12アルキルは、C1~C6アルキル(例えば:メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル又はヘキシル)である。
【0037】
用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖状又は分岐状の、不飽和の脂肪族炭化水素ベースの基を意味する。「C2~C12アルケニル」は、2個から12個の炭素原子を含有するアルケニルである。アルケニル(又はC2~C12アルケニル)の例は具体的には、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル又はドデセニルである。好ましくは、C2~C12アルケニルはC2~C6アルケニル(例えば:エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、又はヘキセニル)である。
【0038】
用語「アルキニル」は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む直鎖状又は分岐状の、不飽和の脂肪族炭化水素ベースの基を意味する。「C2~C12アルキニル」は、2個から12個の炭素原子を含有するアルキニルである。アルキニル(又はC2~C12アルキニル)の例は具体的には、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル又はドデシニルである。好ましくは、C2~C12アルキニルは、C2~C6アルキニル(例えば:エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、又はヘキシニル)である。
【0039】
用語「ヘテロアルキル」は、炭素鎖が、少なくとも1種のヘテロ原子、例えばO、N、P、Se又はSを炭素鎖の端の一方及び/若しくは他方(具体的には、分子の残り部分に結合した端)に含む、並びに/又はそれらで中断されている、で定義されたアルキルを意味する。ヘテロアルキルの例は、具体的には、アルコキシ(-O-アルキル)、アルキルチオ(-S-アルキル)、アルキルアミノ(-NH(アルキル)又は-N(アルキル)2)、オルガノリン(-P(O)(アルキル)2)及びオルガノセレン(-Se(アルキル)2又は-Se(O)(アルキル)NR又は-Se(O)(アルキル)2)である。「C1~C12ヘテロアルキル」は1個から12個の炭素原子を含有するヘテロアルキルである。好ましくは、C1~C12ヘテロアルキルはC1~C6ヘテロアルキルである。
【0040】
ヘテロアルキルの例(又はC1~C12又はC1~C6ヘテロアルキル)は具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、ブチルオキシ、イソブチルオキシ、tert-ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、メチルホスホ、エチルホスホ、プロピルホスホ、イソプロピルホスホ、ブチルホスホ、イソブチルホスホ、tert-ブチルホスホ、ペンチルホスホ、ヘキシルホスホ、メチルセレノ、エチルセレノ、プロピルセレノ、イソプロピルセレノ、ブチルセレノ、イソブチルセレノ、tert-ブチルセレノ、ペンチルセレノ、又はヘキシルセレノである。
【0041】
用語「シクロアルキル」は、縮合、架橋及び/若しくはスピロ連結されたものであってもよい、任意選択で不飽和である(好ましくは飽和した)脂肪族単環式又は多環式炭化水素ベースの基を意味する。「C3~C12シクロアルキル」は、3個から12個の炭素原子を含有するシクロアルキルである。C3~C12又はC3~C6シクロアルキルの例は具体的には、シクロプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
【0042】
用語「ヘテロシクロアルキル」は、N、S、P、Se又はO等の少なくとも1種のヘテロ原子も含む、上記で定義されたシクロアルキルを意味する。「C2~C12ヘテロシクロアルキル」は、2個から12個の炭素原子及び少なくとも1種のヘテロ原子を含有するシクロアルキルである。好ましくは、C2~C12ヘテロシクロアルキルは好ましくはC2~C6ヘテロシクロアルキルである。ヘテロシクロアルキルの例は具体的には、3-ジオキソラン、ベンゾ-[1,3]-ジオキソリル、アゼチジニル、オキセタニル、ピラゾリニル、ピラニル、チオモルホリニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、1,4-ジオキサニル、イミダゾリニル、ピロリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、1,4-ジチアニル、オキソゾリニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、7-オキサビシクロ[2,2,1]ヘプタニル、シクロアルキルホスフィン及びテトラヒドロチオフェニルである。
【0043】
用語「アリール」は、単環式又は多環式芳香族炭素環式基、好ましくは6個から20個の環員を含有する単環式又は多環式芳香族炭素環式基を意味する。アリール基の例はフェニル、ビフェニル及びナフチル、好ましくはフェニルである。アリール基、特にフェニルは、任意選択で、例えば、C1~C6アルキル(例えばメチル)、-NO2、-CF3、及び-OCF3、-SCF3、-OCF2R'、-OCF(R')2、-SCF2R'又は-SCF(R')2(式中、R'のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル又はC3~C6シクロアルキルを表す)等のその他のフルオロ置換基から選択される1つ又は複数の(好ましくは1つのみ)基で置換される。好ましくは、アリール基は非置換、又はC1~C6アルキル(例えばメチル)、-NO2及び-CF3から選択される1つ又は複数の(好ましくは1つのみ)基で置換される。
【0044】
用語「ヘテロアリール」は、好ましくは5個から20個の炭素原子を含有し、N、O、P、Se又はS等の少なくとも1種のヘテロ原子も含む芳香族基、単環式基又は多環式基を意味する。ヘテロアリールの例は具体的には、ピリジニル、チアゾリル、チオフェニル、フラニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドリニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、トリアジニル、チアントレニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサンチニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インダゾリル、プリンニル、キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、インドリニル、イソインドリニル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、オキシンドリル、ベンゾオキサゾリニル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、イサチニル、ジヒドロピリジル、ピリミジニル、s-トリアジニル、オキサゾリル、アリールホスフィン、インドール、インドリン、ホスフィンドリン又はチオフラニルである。
【0045】
用語「ハロゲン」は、塩素、フッ素、臭素又はヨウ素を意味する。好ましくは、ハロゲンは塩素又はフッ素、より更には塩素である。
【0046】
本特許出願において定義されているアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール基は、陰い選択で置換される。用語「任意選択で置換される(optionally substituted)」は、非置換又は1つ若しくは複数の(例えば、1つ、2つ、3つ又は4つ、好ましくは1つ又は2つ、より更には1つのみ)置換基で置換されたものを意味する。
【0047】
置換基の例は具体的には、トリフルオロメチル(-CF3)及び-OCF3、-SCF3、-OCF2R'、-OCF(R')2、-SCF2R'又は-SCF(R')2(式中、R'のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル又はC3~C6シクロアルキルを表す)等のその他のフルオロ置換基、ニトロ(-NO2)、シアノ(-CN)、-SO3H、-OH、-SH、-NH2、-COOH、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C1~C6ヘテロアルキル、C3~C6シクロアルキル、C2~C6ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、-S(O)2-R及び-C(O)-R(式中、Rは独立してC1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル、C1~C6ヘテロアルキル、C3~C6シクロアルキル、C2~C6ヘテロシクロアルキル、アリール、並びにヘテロアリールから選択される。
【0048】
本特許出願では、略称「Ac」は「アセチル」(すなわち-C(O)-CH3)を意味する。
【0049】
本発明による方法は、アミノアルケン若しくはアルキンである基質をフッ素化及び/又は環化する方法である。基質を超酸試薬と接触させる工程は、基質上に1つ若しくは複数のフッ素原子(通常は1つ又は2つ、より具体的には1つのみ)を導入すること、及び/又は基質の分子内環化による環の形成を可能とする。一般に、本発明による方法は、アミノアルケン若しくはアルキンのフッ素化及び環化のうちの一方又は他方を可能とする。具体的な態様では、フッ素化反応は、1つ又は複数のフッ素原子及び1つ又は複数の水素原子を組み込むことが含まれるヒドロフッ素化である。
【0050】
本発明による方法は、アミノアルケン若しくはアルキンを含む第1相を準備する工程、及び超酸試薬を含む第2相を準備する工程を含む工程(a)を含む。
【0051】
具体的な実施形態では、アミノアルケン若しくはアルキンはアミノアルケンである。
【0052】
用語「アミノアルケン」は、少なくとも1種のアルケン官能基及び少なくとも1種のアミン官能基を含有する有機化合物を意味する。用語「アルケン」は少なくとも1種のアルケン官能基、すなわち少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する有機化合物を意味する。用語「アミン官能基」は、官能基:
【0053】
【化5】
【0054】
であって、式中、
【0055】
【化6】
【0056】
は、分子の残り部分との結合を表す、官能基を意味する。アルケン官能基及びアミン官能基のそれぞれは独立して環状(すなわち環内アルケン若しくはピペリジン等の環に含まれる、又は環外アルケン若しくはシクロアルキルアミン等の環に直接結合している)或いは非環状であってよい。アミノアルケンは、芳香族又は脂肪族であってよい。好ましくは、アミノアルケンは、2個から60個の炭素原子を含有する、及び/又は分子量が50から1000g/モルの間である。言うまでもないが、アミノアルケンは、基又はアルケン官能基及びアミン官能基以外の官能基、例えば、これらのリストに限定されないが、ハロゲン、C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、C1~C12ヘテロアルキル、C3~C12シクロアルキル、C2~C12ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、-CF3及び(-OCF3、-SCF3、-OCF2R'、-OCF(R')2、-SCF2R'又は-SCF(R')2(式中、R'のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル又はC3~C6シクロアルキルを表す)等の)その他のフルオロ置換基、-NO2、-CN、-SO3H、-OH、-SH、-COOHも含んでもよい。特に、アミン官能基は、その他の化学的な基又は官能基、例えば-C(O)-又は-S(O)2-基に、それぞれアミド又はスルホンアミドを全体で構成するように隣接してよい。
【0057】
具体的な実施形態では、アミノアルケンはアリルアミンである。用語「アリルアミン」は、アミン官能基が炭素原子によりアルケン官能基と分け隔てられている化合物を意味する。
【0058】
より具体的な実施形態では、アミノアルケンは、式(Ia)の化合物であって:
【0059】
【化7】
【0060】
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7は独立して水素、ハロゲン、C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、C1~C12ヘテロアルキル、C3~C12シクロアルキル、C2~C12ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、基-S(O)2-R8及び基-C(O)-R9(式中、R8及びR9は独立してC1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、C1~C12ヘテロアルキル、C3~C12シクロアルキル、C2~C12ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される)から選択され、
アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール基は任意選択で置換され、
又は、R1、R2、R3、R4、R5、R6及びR7(例えばR1及びR2)から選択される2つの基のそれぞれは、それらが結合している原子と一緒に、任意選択で置換された3員環から12員環を別に形成していてもよい、化合物である。
【0061】
式(Ia)の化合物は、好ましくは、
- R3及びR4は水素であり、
- R5、R6及びR7は独立して水素及びハロゲンから選択される(好ましくはR5、R6及びR7のうちの少なくとも2つは水素である)
ものである。好ましいハロゲンは塩素である。
【0062】
具体的な態様では、式(Ia)の化合物は、R1及びR2が、それらと結合している原子と、任意選択で置換されたピペリジン又はピペラジン等の任意選択で置換された3員環から12員環、好ましくは5員環から7員環、を形成するものである。このような態様では、環は例えば、任意選択で置換されたアリール又はアセチルで置換されてよい。
【0063】
別の具体的な実施形態では、式(Ia)の化合物は、
- R1が水素であり、
- R2が任意選択で置換されたアリールである
ものである。
【0064】
別の具体的な実施形態では、式(Ia)の化合物は、
- R1が水素であり、
- R2が-S(O)2-R8(式中、R8は任意選択で置換されたアリールである)である
ものである。
【0065】
別の具体的な実施形態では、式(Ia)の化合物は、
- R1が-CH2-CH=CH2基であり、
- R2が-C(O)-R9(式中、R9は任意選択で置換されたアリールである)である
ものである。
【0066】
上記の実施形態では、任意選択で置換されたアリール基は例えば、C1~C6アルキル(例えばメチル)、-NO2、-CF3、及びその他のフルオロ置換基、例えば-OCF3、-SCF3、-OCF2R'、-OCF(R')2、-SCF2R'又は-SCF(R')2(式中、R'のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル又はC3~C6シクロアルキルを表す)から選択される1つ又は複数の(好ましくは1つのみ)基で置換されてよい。好ましくは、アリール基は非置換、又はC1~C6アルキル(例えばメチル)、-NO2及び-CF3から選択される1つ又は複数の基(好ましくは1つのみ)で置換されたものである。
【0067】
別の具体的な実施形態では、式(Ia)の化合物は、
- R1及びR2は独立して水素、C2~C12アルケニル、[C1~C6アルキル、ニトロ、又は-CF3、-OCF3、-SCF3、-OCF2R’、-OCF(R’)2、-SCF2R’及び-SCF(R’)2(式中、R’のそれぞれは独立して、任意選択で、水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル又はC3~C6シクロアルキルを表す)から選択されるフルオロ基で置換された]アリール、-S(O)2-R8及び-C(O)-R9(式中、R8及びR9は独立して、任意選択でC1~C6アルキル、ニトロ又は-CF3、-OCF3、-SCF3、-OCF2R'、-OCF(R')2、-SCF2R'及び-SCF(R')2(式中、R'のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル又はC3~C6シクロアルキルを表す)から選択されるフルオロ基で置換されたアリールである)から選択され、
又は或いは、R1及びR2は、それらが結合している原子と一緒に、任意選択でアリール又はアセチルで置換されたピペリジン又はピペラジンを形成し、
- R3及びR4は水素であり、
- R5、R6及びR7は独立して水素及びハロゲンから選択される(好ましくはR5、R6及びR7のうちの少なくとも2つは水素である)
ものである。
【0068】
別の具体的な実施形態では、式(Ia)の化合物は、
- R1及びR2は独立して水素、C2~C12アルケニル;C1~C6アルキル、ニトロ又は任意選択で-CF3で置換されたアリール、-S(O)2-R8及び-C(O)-R9(式中、R8及びR9は独立して、任意選択で、C1~C6アルキル、ニトロ又はトリフルオロメチルで置換されたアリールである)から選択され、
又は或いはR1及びR2は、それらが結合している原子と一緒に、任意選択でアリール又はアセチルで置換されたピペリジン又はピペラジンを形成し、
- R3及びR4は水素であり、
- R5、R6及びR7は独立して水素及びハロゲンから選択される(好ましくはR5、R6及びR7のうちの少なくとも2つは水素である)
ものである。
【0069】
好ましい実施形態では、アミノアルケンは、以下の化合物:
【0070】
【化8】
【0071】
から選択される。
【0072】
別の好ましい実施形態では、アミノアルケンはビノレルビンであり、以下のとおりに表されうる。
【0073】
【化9】
【0074】
別の具体的な実施形態では、アミノアルケン若しくはアルキンはアミノアルキンである。
【0075】
用語「アミノアルキン」は、少なくとも1種のアルキン官能基及び少なくとも1種のアミン官能基を含有する有機化合物を意味する。用語「アルキン」は、少なくとも1種のアルキン官能基、すなわち少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含有する有機化合物を意味する。アルキン及びアミン官能基のそれぞれは独立して環状(すなわち環内アルキン又はピペリジン等の環に含まれるか、又はシクロアルキルアミン等の環に直接結合している)又は非環状であってもよい。アミノアルキンは芳香族又は脂肪族であってもよい。好ましくは、アミノアルキンは、2個から60個の炭素原子を含有する、及び/又は分子量が50から1000g/モルの間である。言うまでもないが、アミノアルキンは、基又はアルキン官能基及びアミン官能基以外の官能基、例えば、これらのリストに限定されないが、ハロゲン、C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、C1~C12ヘテロアルキル、C3~C12シクロアルキル、C2~C12ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、-CF3及びその他のフルオロ基(-OCF3、-SCF3、-OCF2R'、-OCF(R')2、-SCF2R'又は-SCF(R')2(式中、R'のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル又はC3~C6シクロアルキルを表す)から選択される)、-NO2、-CN、-SO3H、-OH、-SH、-COOHも含むものであってもよい。特に、アミン官能基は、その他の基、例えば-C(O)-又は-S(O)2-基に、それぞれアミド又はスルホンアミドを全体で構成するように隣接していてもよい。
【0076】
具体的な実施形態では、アミノアルキンはプロパルギルアミンである。用語「プロパルギルアミン」は、アミン官能基が炭素原子によりアルキン官能基と分け隔てられている化合物を意味する。
【0077】
別のより具体的な実施形態では、アミノアルキンは、式(Ib)の化合物であって:
【0078】
【化10】
【0079】
式中、R1、R2、R3、R4及びR5は独立して水素、ハロゲン、C1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、C1~C12ヘテロアルキル、C3~C12シクロアルキル、C2~C12ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、基-S(O)2-R8及び基-C(O)-R9(式中、R8及びR9は独立してC1~C12アルキル、C2~C12アルケニル、C2~C12アルキニル、C1~C12ヘテロアルキル、C3~C12シクロアルキル、C2~C12ヘテロシクロアルキル、アリール、及びヘテロアリールから選択される)から選択され、
アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリール基は任意選択で置換され、
又は或いは、R1、R2、R3、R4及びR5(例えばR1及びR2)から選択される2つの基のそれぞれは、それらが結合している原子と一緒に、任意選択で置換された3員環から12員環を形成していてもよい、化合物である。
【0080】
式(Ib)の化合物は、R3、R4及びR5が水素であるものが好ましい。
【0081】
具体的な態様では、R1及びR2は、それらが結合している原子と一緒に、任意選択で置換された3員環から12員環、好ましくは5員環から7員環、例えば任意選択で置換されたピペリジン又はピペラジンを形成する。このような態様では、環は、任意選択で、例えば、任意選択で置換されたアリール又はアセチルで置換された。
【0082】
別の具体的な実施形態によれば、式(Ib)の化合物は、
- R1及びR2は独立して水素、C2~C12アルケニル、[任意選択で、C1~C6アルキル、ニトロ、又は-CF3、-OCF3、-SCF3、-OCF2R’、-OCF(R’)2、-SCF2R’及び-SCF(R’)2(式中、R’のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル又はC3~C6シクロアルキルを表す)から選択されるフルオロ基で置換された]アリール、-S(O)2-R8及び-C(O)-R9(式中、R8及びR9は独立して、任意選択で、C1~C6アルキル、ニトロ又は-CF3、-OCF3、-SCF3、-OCF2R'、-OCF(R')2、-SCF2R'及び-SCF(R')2(式中、R'のそれぞれは独立して水素、ハロゲン、C1~C6アルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6アルキニル又はC3~C6シクロアルキルを表す)から選択されるフルオロ基で置換されたアリールである)から選択され、
又は或いは、R1及びR2は、それらが結合している原子と一緒に、任意選択でアリール又はアセチルで置換されたピペリジン又はピペラジンを形成し、
- R3、R4及びR5は水素である
ものである。
【0083】
別の具体的な実施形態では、式(Ib)の化合物は、
- R1及びR2は独立して水素、C2~C12アルケニル、[任意選択でC1~C6アルキル、ニトロ又は-CF3で置換された]アリール、-S(O)2-R8及び-C(O)-R9(式中、R8及びR9は独立して、任意選択で、C1~C6アルキル、ニトロ又はトリフルオロメチルで置換されたアリールである)から選択され、
又は或いは、R1及びR2は、それらが結合している原子と一緒に、任意選択でアリール又はアセチルで置換されたピペリジン又はピペラジンを形成し、
- R3、R4及びR5は水素である
ものである。
【0084】
好ましい実施形態では、アミノアルキンは、以下の化合物:
【0085】
【化11】
【0086】
から選択される。
【0087】
別の実施形態では、アミノアルキンは、以下の化合物:
【0088】
【化12】
【0089】
から選択される。
【0090】
用語「超酸試薬」は、Hammett酸度値又は酸度関数H0が-12未満、好ましくは-14以下である試薬を意味する。いくつかの方法は、具体的には、分光学的に(NMR)、動的に、熱力学的に、又は分子モデリング法と共に、弱塩基を使用してHammett定数H0を測定することを可能とする(Hammett L.P., Deyrup A. J., J. Am. Chem. Soc., 1932, 54 (7), 2721-2739; Superacid chemistry, Second Edition, Olah G.A., Prakash G.K.S., Molnar A., Sommer J., published by John Wiley & Sons, Inc., Hoboken, New Jersey, 2009, 1-10)。
【0091】
超酸試薬は、酸であって有利にはフッ素化されたもの、又は複数の酸の混合物であってそのうちの少なくとも1種は有利にはフッ素化されたものからなるものであってもよい。超酸は具体的には、以下の文献に記載されている: Hwang, J.P.; Surya Prakash, G.K.; Olah, G.A. Tetrahedron 2000, 56 (37), 7199-7203; Culmann, J.-C.; Fauconet, M.; Jost, R.; Sommer, J. New J. Chem. 1999, 23 (8), 863-867; Esteves, P.M.; Ramirez-Solis, A.; Mota, C.J.A. J. Am. Chem. Soc. 2002, 124 (11), 2672-2677; Superacid Chemistry, Second Edition, Olah G.A., Prakash G.K.S., Molnar A., Sommer J., published by John Wiley & Sons, Inc., Hoboken, New Jersey, 2009)。
【0092】
超酸試薬は具体的には、ルイス超酸(例えばSbF5、AsF5、PF5、TaF5)、プロトン超酸若しくはブレンステッド超酸(例えばHF、CF3SO3H、(CF3SO2)2NH、HSO3F)又はそれらの組み合わせ(例えばHF/SbF5、HSO3F/AsF5、H2SO4/SO3、HCl/AlCl3)であってもよい。
【0093】
超酸及びそれらの酸度定数の例は以下に与えられる。
- フルオロ硫酸HSO3F、H0=-15.1;
- トリフルオロメタンスルホン酸CF3SO3H、H0=-14.1;
- フッ化水素酸HF、H0=-15.2;
- HF/SbF5混合物、H0=-23/-24。
【0094】
具体的な実施形態によれば、超酸試薬は、
- HF、CF3SO3H及びHSO3Fから選択されるプロトン超酸、
- 式MF5(式中、MはSb、As、P、Ta又はNbである)のルイス超酸、及び
- 1種のプロトン超酸と1種のルイス超酸との組み合わせ
から選択される。
【0095】
具体的な態様では、超酸試薬はHF又はHSO3Fである。
【0096】
別の具体的な態様では、超酸試薬は、
- HF/MF5(式中、MはSb、As、P、Ta、又はNbである)、及び
- HSO3F/MF5(式中、MはSb、As、P、Ta又はNbである)
から選択される。
【0097】
好ましくは、超酸試薬はHSO3F/SbF5又はHF/SbF5である。より好ましくは、超酸試薬はHF/SbF5である。
【0098】
超酸試薬がHF/SbF5又はHSO3F/SbF5である場合、SbF5のモルパーセンテージは有利には、HF+SbF5又はHSO3F+SbF5混合物のモル量に対して、それぞれ50%以下、好ましくは2%から22%の間である。言うまでもないが、「50%以下」の範囲内の値である0%は除外される。
【0099】
工程(a)における第1相は、好ましくは液体である。第1相は、具体的にはアミノアルケン若しくはアルキンは、希釈されていないか、又は溶媒中の溶液からなるものであってもよい。好ましくは、第1相は、溶媒、例えばHF、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、又はイソプロパノール)、フルオロアルコール系溶媒(例えばヘキサフルオロプロパン-2-オール(HFIP)及びその誘導体)、又は多フッ素化された、若しくはパーフルオロ化された芳香族系溶媒(例えばペンタフルオロベンゼン又は1,2,3,4-テトラフルオロベンゼン)中のアミノアルケン若しくはアルキンの溶液である。
【0100】
好ましくは、溶媒はHFである。溶媒中のアミノアルケン又はアルキルの濃度は、有利には、0.02mol/Lから2.0mol/Lの間、好ましくは0.5mol/Lから1.0mol/Lの間である。
【0101】
第1相は、タンク等の保管ユニット内に保管してもよい。
【0102】
具体的な態様では、第1相は、保管ユニット内で、-70℃から25℃の間、好ましくは-50℃から5℃の間、より更には-50℃から-20℃の間の温度に維持される。
【0103】
工程(a)における第2相は好ましくは液体である。第2相は有利には、希釈されていない超酸試薬からなる。第2相は、保管ユニット内、例えばタンク内に保管してもよい。
【0104】
具体的な実施形態では、第2相は、保管ユニット内で-70℃から25℃の間、好ましくは-50℃から5℃の間、より更には-50℃から-20℃の間の温度に維持される。
【0105】
本発明による方法の工程(b)は、連続フローマイクロリアクター内で第1相と第2相とを接触させる工程を含む。
【0106】
用語「連続フローマイクロリアクター」は、マイクロメートル単位又はミリメートル単位の大きさのリアクターを意味し、1つ又は複数の流体相、好ましくは液体の連続フローを可能とする。連続フローマイクロリアクターは通常、入口及び出口を備える管状パイプを含み、その内径はマイクロメートル単位又はミリメートル単位の大きさである。マイクロ流体力学の当業者にとって、用語「マイクロリアクター」は、大きさ(より具体的には、その内径の大きさ)がマイクロメートル単位であるが、更に、ミリメートル単位の大きさのこのマイクロリアクターの、特にそれを流通する流体の挙動に関与する流体特性に影響を与えない限りにおいて、ミリメートル単位であってもよいリアクターを表すことは明らかである。
【0107】
管状パイプの長さは、数センチメートル単位から数メートル単位のオーダーであってもよい。
【0108】
用語「マイクロメートル単位の大きさ」は、1μmから1000μmの間、好ましくは100μmから1000μmの間、より更には300μmから1000μmの間(値1000μmは除く)の大きさを意味する。
【0109】
用語「ミリメートル単位の大きさ」は、1mmから10mmの間、好ましくは1mmから5mmの間の大きさを意味する。
【0110】
具体的な実施形態では、連続フローマイクロリアクターの管状パイプは、以下の寸法:
- 20cmから800cmの間、例えば30cmから150cmの間又は200cmから600cmの間の長さ、及び/又は
- 0.5mmから2.5mmの間、好ましくは0.5mmから1.5mmの間、そしてより更には0.7mmから1.2mmの間の内径
を有する。
【0111】
管状パイプの外径は例えば、0.8mmから3.2mmの間、例えば0.8mmから1.0mmの間、1.0mmから2.0mmの間、又は1.6mmから3.2mmの間であってもよい。
【0112】
具体的な実施形態では、連続フローマイクロリアクターの管状パイプは、
- 0.5mmから1.5mmの間の内径、
- 好ましくは1.0から2.0mmの間の外径
を有する。
【0113】
管状パイプは通常、その長さのすべて又はその一部をヘビ状又はコイル状に配置される。但し、その他の配置も想定されうる。
【0114】
有利には、連続フローマイクロリアクターは、マイクロミキサーも含む。用語「マイクロミキサー」は、マイクロメートル単位又はミリメートル単位のミキサーを意味する。マイクロミキサーは有利には、2つの入口及び1つの出口を含み、通常、T型又はY型とする。マイクロミキサーの内径は、マイクロメートル単位又はミリメートル単位の大きさであり、有利には、0.5mmから2.5mmの間、好ましくは0.5mmから1.5mmの間であり、より更には0.7mmから1.2mmの間である。具体的な実施形態では、連続フローマイクロリアクターは、
- 2つの入口及び1つの出口を備えるマイクロミキサー、及び
- 1つの入口及び1つの出口を備える管状パイプを含み、
管状パイプの入口はマイクロミキサーの出口に接続されている。このような態様では、第1相に連続的に供給する手段は、マイクロミキサーの第1の入口に接続されており、第2相に連続的に供給する手段は、マイクロミキサーの第2の入口に接続されている。
【0115】
連続供給手段は、第1相及び第2相を連続フローマイクロリアクターに連続的に移すことを可能とするあらゆる構成要素又は構成要素のセット、例えばポンプ又はシリンジポンプを備えうるシリンジを表す。
【0116】
構成要素は、それらが直接又は場合によっては管状パイプ又はその他の同等の構成要素により互いに連結している場合に「接続されている」とされ、その特徴(例えば材料、長さ及び径等の寸法)は当業者により賢明な方法で選択されうる。例えば、マイクロミキサーと連続フローマイクロリアクターの管状パイプは、直接接続されていることが好ましい。
【0117】
接触させる工程(b)は、第1相を連続的に供給する手段を経由して、第1相の保管ユニットに含有される第1相を連続フローマイクロリアクターに、具体的には連続フローマイクロリアクターのマイクロミキサーに(更により具体的には、マイクロミキサーの第1の入口に)移す工程と、第2相を連続的に供給する手段により、第2相の保管ユニットに含有される第2相を連続フローマイクロリアクターに、より具体的には連続フローマイクロリアクターのマイクロミキサーに(更により具体的には、マイクロミキサーの第2の入口に)移す工程とを含んでいてもよい。
【0118】
第1相及び第2相の連続供給手段は例えば、それぞれ第1のシリンジ及び第2のシリンジ(シリンジポンプを備えるものであってもよい)又はそれぞれ第1のポンプ及び第2のポンプであってもよい。
【0119】
より具体的な実施形態では、第1相の保管ユニットに含有される第1相(例えばタンク)は通常、第1のシリンジ又はポンプにより吸い上げられ、第2相の保管ユニットに含有される第2相(例えばタンク)は通常、第2のシリンジ又はポンプにより吸い上げられ、第1相及び第2相のそれぞれは連続フローマイクロリアクター内に、より具体的には連続フローマイクロリアクターのマイクロミキサーに(更により具体的には、第1相はマイクロミキサーの第1の入口に、そして第2相は第2のマイクロミキサーの入口に)注入される。第1相の保管ユニットに、第1のシリンジ又はポンプに、及び連続フローマイクロリアクターに(具体的には、マイクロリアクターのマイクロミキサーの第1の入口に)接続された第1の三方バルブ、及び/又は、第2相の保管ユニットに、第2のシリンジ又はポンプに、及び連続フローマイクロリアクターに(具体的には、マイクロリアクターの第2のマイクロミキサーの第2の入口に)接続された第2の三方バルブは、第1相及び第2相の吸い上げ及び注入を容易にするために使用することができる。三方バルブの内径は、マイクロメートル単位又はミリメートル単位の大きさであり、例えば、0.8mmから1.6mmの間であってもよい。第1相及び第2相は、シリンジポンプ又はコンピューター制御式のポンプを使用して吸い上げて注入してもよい。シリンジ又はポンプの温度は、通常は-70℃から25℃の間、好ましくは-50℃から5℃の間、より更には-50℃から-20℃の間の温度に維持される。保管ユニットの温度は、通常は-70℃から25℃の間、好ましくは-50℃から5℃の間、より更には-50℃から-20℃の間の温度に維持される。
【0120】
工程(b)における第1相の流速及び第2相の流速は、独立して、0.1mL/分から3.5mL/分の間、例えば0.25mL/分から3.0mL/分の間である。流速の合計は0.5mL/分から4.5mL/分の間、例えば1.0mL/分から3.0mL/分の間であってもよい。
【0121】
マイクロリアクターの寸法、具体的には管状パイプの直径及び長さ、及び第1相及び第2相のマイクロリアクターへの流速の調節は、マイクロリアクター内における第1相及び第2相の滞留時間を制御し、固定することを可能とする。工程(b)において、マイクロリアクター内で接触させた第1相及び第2相の滞留時間は、好ましくは2秒から400秒の間である。例えば、この滞留時間は2から30秒の間、30から60秒の間、又は60秒から400秒の間であってもよい。
【0122】
連続フローマイクロリアクター内で第1相と第2相とを接触させる工程は、一般に-70℃から25℃の間、好ましくは-50℃から5℃の間、より更には-50℃から-20℃の間の温度(「接触温度」ともいう)で実施される。工程(a)における第1相及び/又は第2相の温度が工程(b)におけるマイクロリアクター内の接触温度と異なる場合、接触させる工程の前に平衡化工程を実施してもよい。この平衡化の目的は、接触させる工程の前に第1相及び/又は第2相を接触温度に導いて安定化させることである。接触温度に維持された第1の平衡化管状パイプ及び/又は第2の平衡化管状パイプは、こうしてこの平衡化に使用することができる。好ましくは、第1の平衡化管状パイプ及び/又は第2の平衡化管状パイプはそれぞれ
- 第1相の連続供給手段と連続フローマイクロリアクター(より具体的には連続フローマイクロリアクターのマイクロミキサー、更により具体的には、マイクロミキサーの第1の入口)との間、及び/又は
- 第2相の連続供給手段と連続フローマイクロリアクター(より具体的には連続フローマイクロリアクターのマイクロミキサー、更により具体的には、マイクロミキサーの第2の入口)との間
に接続される。
【0123】
平衡化管状パイプの内径はマイクロメートル単位又はミリメートル単位であり、独立して0.5mmから2.5mmの間、好ましくは0.5mmから1.5mmの間、より更には0.7mmから1.2mmの間であってもよい。平衡化管状パイプの長さは独立して25cmから100cmの間であってもよい。値は具体的には、所与の流速で効率的に冷却されうるように選択してもよい。平衡化管状パイプは通常、その長さのすべて又はその一部をヘビ状又はコイル状に配置される。但し、その他の配置も想定されうる。
【0124】
マイクロリアクター内で接触させた第1相及び第2相は一緒に1つ又は複数の相、好ましくは単一の、通常には液相を形成しうる。
【0125】
本発明による方法の工程(c)は、アミノアルケン若しくはアルキンのフッ素化生成物及び/又は環化生成物の回収(recovery)(又はすなわち「収集(collection)」)を含む。生成物は連続フローマイクロリアクターの出口で(具体的には、その管状パイプの出口で)回収され、それは通常、フラスコ等の回収ユニットに接続されている。回収された生成物は、一般的には、反応副生成物及び/又は超酸試薬残渣と混合されたものが回収される。超酸試薬残渣を中和するために、中和剤を回収ユニット内に回収された混合物と接触させてもよい。この中和剤は例えば、水、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又はその他の樹脂形態の塩基、例えばAmberlyst A26水酸化物型等の塩基、及び任意でアセトン、メタノール、又はアンモニアメタノール溶液等の1つ又は複数の有機溶媒の混合物であってもよい。使用される中和剤の量は、残留した超酸試薬の量に従って調節される。
【0126】
超酸の腐食性のため、本発明の工程を実施するために使用される構成要素、例えば連続フローマイクロリアクター(具体的にはそれが備える管状パイプ及びマイクロミキサー)、平衡化管状パイプ、保管ユニット、回収ユニット、シリンジ及び/又は三方バルブは、有利には、この腐食性に対する耐性を有する材料で作られている。言及されうる材料の例としては、フルオロポリマー、例えばポリテトラフルオロエチレン及びポリ(エチレン-co-テトラフルオロエチレン)及び特定の金属合金、例えばHastelloy(登録商標)ニッケル合金が挙げられる。どの場合においても、当業者は集合体の各構成要素について、好適な材料を賢明な方法で選択することができる。
【0127】
本発明の別の主題は、本発明の方法を実施するために使用される設備である。図1は、本発明の1つの実施形態による方法、及び更に本方法を実施するために使用できる設備を図示する図である。
【0128】
本発明による設備は、以下の構成要素:
- アミノアルケン若しくはアルキンを含む第1相のための保管ユニット(1)、
- 超酸試薬を含む第2相のための保管ユニット(1')、
- 連続フローマイクロリアクター(2)、好ましくはマイクロミキサー(21)及び管状パイプ(22)を含むもの、
- 第1相を連続的に供給するための手段(3)、
- 第2相を連続的に供給するための手段(3')、
- 第1相のための平衡化管状パイプ(4)、
- 第2相のための平衡化管状パイプ(4')、及び
- 回収ユニット(5)
を備える。
【0129】
より具体的には、本発明による設備は、
- アミノアルケン若しくはアルキンを含む第1相のための保管ユニット(1)、
- 超酸試薬を含む第2相のための保管ユニット(1')、
- 第1相の保管ユニット(1)と、第1相の平衡化管状パイプ(4)とに接続されている第1相の連続供給手段(3)、
- 第2相の保管ユニット(1')と、第2相の平衡化管状パイプ(4')とに接続されている第2相の連続供給手段(3')、
- 2つの入口及び1つの出口を備えるマイクロミキサー(21)、及び1つの入口及び1つの出口を備える管状パイプ(22)を含む連続フローマイクロリアクター(2)であり、
管状パイプ(22)の入口がマイクロミキサー(21)の出口に接続されており、
第1相の平衡化管状パイプ(4)がマイクロミキサー(21)の第1の入口に接続されており、第2相の平衡化管状パイプ(4')がマイクロミキサー(21)の第2の入口に接続されている、連続フローマイクロリアクター(2)、及び
- マイクロリアクター(2)の管状パイプ(22)の出口に接続されている回収ユニット(5)
を備える。
【0130】
第1相の連続供給手段(3)と、第1相の保管ユニット(1)と、第1相の平衡化管状パイプ(4)との間の接続は、三方バルブ(6)により供されうる。第2相の連続供給手段(3')と、第2相の保管ユニット(1')と、第2相の平衡化管状パイプ(4')との間の接続は、三方バルブ(6')により供されうる。バルブ(6)及びバルブ(6')はコンピューター制御式であってもよい。
【0131】
具体的な実施形態では、本発明による設備は更に、洗浄溶媒を含む1つ又は複数の洗浄ユニットを含む。図2は、更に洗浄ユニットを含む、本発明の1つの実施形態による方法、及び更に本方法を実施するために使用できる設備を図示する図である。第1の洗浄ユニット(7)及び第2の洗浄ユニット(7')は、洗浄溶媒が連続フローマイクロリアクター内を循環できるために、それぞれ第1相の連続供給手段(3)及び第2相の連続供給手段(3')に接続することができる。三方バルブ(8、8')は、第1相及び第2相の注入、及び洗浄溶媒の注入を交互に行うように使用することができる。三方バルブは、
- 一方では、第1相の保管ユニット(1)と、第1の洗浄ユニット(7)と、第1相の連続供給手段(3)と(又は三方バルブ(6))を、及び、
- 他方では、第2相の保管ユニット(1')と、第2の洗浄ユニット(7')と、第2相の連続供給手段(3')と(又は三方バルブ(6'))
を接続するように取り付けることができる。
【0132】
廃棄物回収ユニット(9)は、設備内を通る循環後の洗浄溶媒を回収するために使用してもよい。三方バルブ(10)は、管状パイプ(22)の出口を回収ユニット(5)及び廃棄物回収ユニット(9)と接続するために使用することができる。
【0133】
洗浄溶媒は具体的には、任意選択で塩基(例えば炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウム)を含む水及び/又は1つ又は複数の好適な有機溶媒、例えばアセトンであってもよい。具体的な実施形態では、いくつかの連続した洗浄溶媒、例えば水、続いて塩基性水溶液、その後にアセトンが使用される。
【0134】
本特許出願に記載された三方バルブ(例えばバルブ(6)、(6')、(8)、及び(8'))は例えば、手動スイッチングバルブ又は自動スイッチングバルブであってもよい。自動スイッチング三方バルブはコンピューター制御式であってもよい。
【0135】
具体的な実施形態では、連続フローマイクロリアクター(2)の管状パイプ(22)の寸法は以下:
- 20cmから800cmの間、例えば30cmから150cmの間又は200cmから600cmの間の長さ、及び/又は
- 0.5mmから2.5mmの間、好ましくは0.5mmから1.5mmの間、そしてより更には0.7mmから1.2mmの間の内径
を有する。
【0136】
管状パイプ(22)の外径は例えば、0.8mmから3.2mmの間、例えば0.8mmから1.0mmの間、1.0mmから2.0mmの間、又は1.6mmから3.2mmの間であってもよい。
【0137】
具体的な実施形態では、連続フローマイクロリアクター(2)の管状パイプ(22)は、
- 0.5mmから1.5mmの間の内径、及び
- 好ましくは1.0から2.0mmの間の外径
を有する。
【0138】
管状パイプ(22)は通常、その長さのすべて又はその一部をヘビ状又はコイル状に配置することができる。但し、その他の配置も想定することができる。
【0139】
マイクロミキサー(21)は通常、T型又はY型である。マイクロミキサー(21)の内径は、マイクロメートル単位又はミリメートル単位の大きさであり、有利には、0.5mmから2.5mmの間、好ましくは0.5mmから1.5mmの間であり、より更には0.7mmから1.2mmの間である。
【0140】
連続供給手段(3、3')は、第1相及び/又は第2相を連続フローマイクロリアクター(2)に連続的に移すことを可能とするあらゆる構成要素又は構成要素のセット、好ましくはポンプ又はシリンジポンプを備えうるシリンジを表す。
【0141】
平衡化管状パイプの内径(4、4')は、マイクロメートル単位又はミリメートル単位の大きさであり、独立して0.5mmから2.5mmの間、好ましくは0.5mmから1.5mmの間、より更には0.7mmから1.2mmの間であってもよい。平衡化管状パイプの長さ(4、4')は独立して25cmから100cmの間であってもよい。平衡化管状パイプ(4、4')は通常、それらの長さのすべて又はその一部をヘビ状又はコイル状に配置される。但し、その他の配置も想定されうる。
【0142】
本発明は、以下の実施例に照らして理解することができ、それは単に説明により与えられるが、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【実施例
【0143】
(実施例1:本発明の方法によるアミノアルケン若しくはアルキンのフッ素化及び/又は環化)
【0144】
以下に記載された通常の手順によりアミノアルケン若しくはアルキンをフッ素化及び/又は環化する方法を実施した。
【0145】
設備は、自動バルブにそれぞれ接続された2つの高圧金属シリンジを備える2つのポンプ又はシリンジポンプから構成されている。これらのシリンジは、金属管を通じて流体タンクに接続されている。シリンジは、ドライアイスを含有するチャンバーにより冷却されたものであり、熱伝導によりシリンジ内の液体を冷却する。超酸混合物と接触している部品は、この種類の溶媒(すなわちシリンジ内、三方バルブ、流体を輸送するための金属コネクター管(内径1mm、外径1.6mm)内)と適合する材料を選択することにより設計して腐食性溶媒に適応させた。
【0146】
流体1(HF/SbF5超酸)及び流体2(溶解した基質)は冷浴(アセトン/水、T=-35℃)中に浸したタンク内にそれぞれ配置され、チューブ(内径=0.8mm、外径=1.6mm)によりシステムに接続された。
【0147】
三方バルブモジュールは電動式ボールバルブであり、流路を開ける、閉じる、又は切り替えることを可能とする。このように、一旦シリンジが流体1及び流体2で満たされると、流体同士を接触させる工程を、所与の流量比率F1及びF2で各流体の小さい体積Vでの分配を制御するソフトウェアを通じて自動的に開始することができる。したがって、ポンプ及びバルブの制御は、反応中に操作者が超酸と接触することを制限する。その後、流体は、所望の反応温度に到達するように決定された長さ(ここでは、L=50cmの場合V=0.25mL)を有する平衡化ループであって、それ自体が可変長さL(内径0.8mm、外径1.6mm)を有する管に接続されている平衡化ループを通じてT型ミキサー(内径1mm)に送られ、各反応の滞留時間(tR)を調節することを可能とする。回収は、残留した酸を中和するための溶液を含有するフラスコ内の目視で確認され、生成物はジクロロメタン又は好適な溶媒で抽出され、水で洗浄され、MgSO4で乾燥される。粗残渣はシリカクロマトグラフィーにより精製された後、1H、13C及び19FNMRにより分析され、研究室で過去に得られた結果と比較される。化合物は、これらの1つ又は複数の方法:1H、13C及び19FNMR、HSQC、HMBC、HRMSにより同定される。
【0148】
手動バルブにも接続された洗浄タンク(塩基/水、次にアセトン/水、次にアセトン)は、実験の終わりに洗浄を実施することを可能とする。
【0149】
【化13】
【0150】
1-(4-(2-フルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)エタノン1aは、-20℃に維持された浴に浸した長さL=47cm(tR=8.2秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。1:1のHF/SbF5超酸混合物(F1=1mL/分)の1-(4-アリルピペラジン-1-イル)エタン-1-オン基質1(F2=1mL/分、c=0.5mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が8.3モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を1分間回収した(0.43mmolを用いた、73mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(98/2 CH2Cl2/MeOH)61.2mgの生成物1a(75%)が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 1.42 (dd, CH3, J = 23.8 Hz, J = 6.3 Hz), 3.28 (m, CH2), 3.98 (bs, NH).4.89 (dm, CH, J = 49.4 Hz), 6.64 (dd, 2CH, J = 8.5 Hz, J = 0.9 Hz), 6.74 (t, CH, J = 7.3 Hz), 7.19 (dd, 2CH, J = 8.4 Hz, J = 7.4 Hz).13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm) δ: 18.8 (d, CH3, = 22 Hz), 49.6 (d, CH2, J = 21 Hz), 89.6 (d, CH, J = 167 Hz), 113.1 (2CH), 118.1 (1CH), 129.4 (2CH), 147.9. 19F{1H} NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ: - 180.0.
【0151】
【化14】
【0152】
4,6-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[e][1,2]チアジン1,1-ジオキシド2aは、-20℃に維持された浴に浸した長さL=130cm(tR=52.3秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。HF/SbF5超酸混合物(F1=0.25mL/分)のN-アリル-4-メチルベンゼンスルホンアミド基質2のHF液(c=0.5mol/L)F2=0.5mLに対する流量比率を調節し、最終的な酸度が5.1モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を2分間回収した(0.887mmolを用いた、187.8mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(98/2 CH2Cl2/MeOH)171.2mgの生成物2a(76%)が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 1.34 (d, J = 7.2 Hz, 3H), 2.37 (s, 3H), 2.98 (m, 1H), 3.41 (m, 1H), 3.82 (m, 1H), 4.89 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.09 (s, 1H), 7.14 (d, J = 8.1Hz, 1H), 7.62 (d, J = 8.1Hz, 1H).13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm) δ: 19.5 (CH3), 21.6 (CH3), 31.5 (CH), 48.2 (CH2), 124.0 (CH), 128.2 (CH), 129.0, 134.2, 140.2, 142.7.
【0153】
【化15】
【0154】
N-(2-フルオロプロピル)-4-メチルベンゼンスルホンアミド2bは、-20℃に維持された浴に浸した長さL=78.2cm(tR=9.2秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。1:1 v/vのHF/SbF5超酸混合物(F1=1mL/分)のN-アリル-4-メチルベンゼンスルホンアミド基質2(F2=2mL/分、c=1mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が1.9モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を30秒間回収した(0.852mmolを用いた、180mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(98/2 CH2Cl2/MeOH)147.7mgの生成物2b(75%)が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 1.32 (dd, J = 23.8, 6.3 Hz, 3H, CH3), 2.46 (s, 3H, CH3), 3.03 (dddd, J = 18.4, 13.8, 7.6, 4.8 Hz, 1H), 3.23 (dddd, J = 28.4, 13.7, 8.1, 2.9 Hz, 1H), 4.84 - 4.62 (dm, JH-F = 45 Hz, 1H), 4.84 (s, 1H), 7.35 (d, J = 8 Hz, 2H), 7.77 (d, J = 8.3 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm) δ: 143.8 (Cq), 136.94 (Cq), 129.9 (2CH), 127.16 (2CH), 89.3 (d, J = 167.6 Hz), 48.3 (CH2, d, J = 21.0 Hz), 21.7 (CH3), 18.2 (CH3, d, J = 21.8 Hz).19F{1H} NMR CDCl3, 376 MHz, ppm) δ: - 180.2. HRMS (ESI): C10H14FNO2Sの計算値: 231.0729; 実測値: 232.080241 [M+H]+及び254.062169 [M+Na]+.
【0155】
【化16】
【0156】
N-(2-フルオロプロピル)-4-ニトロベンゼンスルホンアミド3bは、-20℃に維持された浴に浸した長さL=78.2cm(tR=13.6秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。1:1 v/vのHF/SbF5超酸混合物(F1=1mL/分)のN-アリル-4-ニトロベンゼンスルホンアミド基質3(F2=1mL/分、c=1mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が8.4モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を1分間回収した(0.867mmolを用いた、120mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(98/2 CH2Cl2/MeOH)190mgの生成物3b(84%)が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 1.32 (dd, J = 23.8 Hz, J = 6.3 Hz, 3H), 3.10 (m, 1H), 3.26 (dm, J = 28.1 Hz, 1H), 4.73 (dm, J= 48.9 Hz, 1H), 5.38 (1H, m, NH), 8.07 (d, J = 9.1 Hz, 2H), 8.38 (d, J =9.1 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm) δ: 18.0 (d, J = 22 Hz, CH3), 48.2 (d, J = 21 Hz, CH2), 89.1 (d, J = 168 Hz, CH), 124.5 (s, 2CH), 128.3 (s, 2CH), 145.8 (s), 150.1 (s). 19F{1H} NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ: - 180.2
【0157】
【化17】
【0158】
N-(2-フルオロプロピル)-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホンアミド4bは、-20℃に維持された浴に浸した長さL=78.2cm(tR=35.7秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。1:1 v/vのHF/SbF5超酸混合物(F1=0.25mL/分)のN-アリル-4-トリフルオロベンゼンスルホンアミド基質4(F2=0.5mL/分、c=0.49mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が5.2モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を2分間回収した(0.398mmolを用いた、105.6mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(98/2 CH2Cl2/MeOH)90.8mgの生成物4b(80%)が得られた。
【0159】
環化生成物4aのトレースは検討された条件下では観測されなかった。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 1.29 (dt, J = 23.8, 6.3 Hz, 3H), 3.34 - 2.97 (m, 2H), 4.71 (dm, J = 49 Hz, 1H), 5.24 (brs, NH), 7.78 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 8.00 (d, J = 8.2 Hz, 2H). 19F{1H} NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ: - 179.8.
【0160】
【化18】
【0161】
1-(4-(2-クロロ-2-フルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン5aは、-20℃に維持された浴に浸した長さL=200cm(tR=60.3秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。1:1 v/vのHF/SbF5超酸混合物(F1=0.5mL/分)の1-(4-(2-クロロアリル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン基質5(F2=0.5mL/分、c=0.5mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が6.4モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を2分間回収した(0.499mmolを用いた、111.1mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(99/1 CH2Cl2/MeOH)77mgの生成物5a(70%)が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 1.93 (d, J= 19.4 Hz, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.57 (m, 4H), 2.78 (dd, J= 24.2 Hz, J= 14.3 Hz, 1H), 2.94 (dd, J= 14.3 Hz, J= 14.3 Hz, 1H), 3.42及び3.57 (2m, 4H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm) δ: 21.7 (s, CH3), 28.4 (d, J= 25 Hz, CH3), 41.9及び46.8 (2s, 2CH2), 54.4及び54.6 (s, CH2), 67.8 (d, J= 22 Hz, CH2), 114.3 (d, J = 243 Hz, 1C), 169.3 (s). 19F{1H} NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ: - 98.9.
【0162】
【化19】
【0163】
ルートA(化合物5から出発):1-(4-(2,2-ジフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン5bは、0℃に維持された浴に浸した長さL=600cm(tR=274秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。1:1 v/vのHF/SbF5超酸混合物(F1=0.5mL/分)の1-(4-(2-クロロアリル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン基質5(F2=0.25mL/分、c=0.499mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が12.1モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を2分間回収した(0.215mmolを用いた、44.3mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(100% CH2Cl2から98/2 CH2Cl2/MeOHまで)38mgの生成物5b(74%)が得られた。
【0164】
ルートB(化合物9から出発):1-(4-(2,2-ジフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン5bは、-40℃に維持された浴に浸した長さL=400cm(tR=136秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより別途得られた。3:1 v/vのHF/SbF5超酸混合物(F1=0.5mL/分)の1-(4-(プロパ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン基質9(F2=0.5mL/分、c=0.5mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が2.65モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を30秒間回収した(0.50mmolを用いた、85.8mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(100% CH2Cl2から98/2 CH2Cl2/MeOHまで)73mgの生成物5b(71%)が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 3.66 - 3.59 (m, 2H), 3.47 (dd, J = 12.4, 7.3 Hz, 2H), 2.70 (t, J = 13.5 Hz, 2H), 2.58 (ddd, J = 21.2, 13.1, 8.0 Hz, 4H), 2.09 (d, J = 2.6 Hz, 3H), 1.66 (t, J = 18.7 Hz, 3H). 19F{1H} NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ: - 92.2.
【0165】
【化20】
【0166】
1-(2,2-ジフルオロプロピル)-4-フェニルピペリジン6aは、-40℃に維持された浴に浸した長さL=200cm(tR=2.7秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。3:1 v/vのHF/SbF5超酸混合物(F1=0.5mL/分)の4-フェニル-1-(プロパ-2-イン-1-イル)ピペリジン基質6(F2=1mL/分、c=0.5mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が2.41モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を30秒間回収した(0.232mmolを用いた、46.25mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(100% CH2Cl2から98/2 CH2Cl2/MeOHまで)40.7mgの生成物6a(88%)が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 7.33-7.17 (m, 5H), 3.05 (d, J = 10.8 Hz, 2H), 2.70 (t, J = 13.8 Hz, 2H), 2.45 (m, 1H), 2.30 (dd, J = 11.1 Hz, J = 3.6 Hz, 2H), 1.79 (m, 4H), 1.66 (t, J = 18.7 Hz, 3H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ: 146.3, 128.4, 126.8, 126.1, 124.4 (t, J= 239 Hz), 63.0 (t, J= 28 Hz), 55.5, 42.2, 33.6, 22.0 (t, J= 27 Hz). 19F{1H} NMR (376 MHz, CDCl3, ppm) δ ppm: - 92.3.
【0167】
【化21】
【0168】
1-(2-フルオロアリル)-4-フェニルピペリジン6bは、-40℃に維持された浴に浸した長さL=30cm(tR=2.3秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。3:1 v/vのHF/SbF5超酸混合物(F1=1mL/分)の4-フェニル-1-(プロパ-2-イン-1-イル)ピペリジン基質6(F2=2mL/分、c=0.48mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が2.4モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を30秒間回収した(0.494mmolを用いた、90.2mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(100% CH2Cl2から98/2 DCM/MeOHまで)27.3mgの生成物6a(25%)が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 1.93-1.80 (m, 4H, 2CH2), 2.24-2.09 (m, 2H), 2.58-2.42 (m, 1H, CH), 3.12 - 3.04 (m, 2H), 3.15 (d, J = 16.9 Hz, 2H), 4.48 (dd, J = 49.0, 2.7 Hz, 1H), 4.73 (dd, J = 16.8, 2.7 Hz, 1H), 7.37 - 7.16 (m, 5H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm) δ: 162.8 (Cq, d, J = 260.7 Hz), 146.3 (Cq), 128.44 (CH), 126.9 (CH), 126.2 (CH), 93.3 (d, J = 18.7 Hz, C-F), 59.1 (d, J = 27.6 Hz), 54.1 (CH2), 42.5 (CH), 33.4 (CH2). 19F{1H} NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ: - 98.2. HRMS (ESI): C14H18NFの計算値: 219.1423; 実測値: 220.1496 [M+H]+.
【0169】
【化22】
【0170】
1-(4-(3-クロロ-3-フルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン7aは、-20℃に維持された浴に浸した長さL=400cm(tR=120.7秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。1:1 v/vのHF/SbF5超酸混合物(F1=0.5mL/分)の(Z/E)-1-(4-(3-クロロアリル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン基質7(F2=0.5mL/分、c=0.5mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が8.4モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を1分間回収した(0.271mmolを用いた、40.4mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(100% CH2Cl2から98/2 CH2Cl2/MeOHグラジエント)32.5mgの生成物7a(57%)が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 2.07 (s, 3H, CH3), 2.24 (m, 2H, CH2), 2.39 (m, 4H, 2CH2), 3.65 - 3.55 (m, 2H), 3.50 - 3.39 (m, 2H), 2.54 (t, J= 6.9 Hz, 2H), 6.29 (dt, J= 50.9, 5.5 Hz, 1H, CHFCl). 19F{1H} NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ: - 117.08.
【0171】
【化23】
【0172】
1-(4-(3,3-ジフルオロプロピル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン7bは、0℃に維持された浴に浸した長さL=600cm(tR=241秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。1:1 v/vのHF/SbF5超酸混合物(F1=0.5mL/分)の(Z/E)-1-(4-(3-クロロアリル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン基質7(F2=0.25mL/分、c=0.5mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が12.1モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を2分間回収した(0.218mmolを用いた、44.8mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(100% CH2Cl2から98/2 CH2Cl2/MeOHグラジエント)45mgの生成物7b(85%)が単離された。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 2.05 - 1.92 (m, 2H, CH2), 2.06 (s, 3H, CH3), 2.41 (dt, J = 14.7, 5.0 Hz, 4H), 2.51 (t, J= 7.2 Hz, 2H), 3.44 (t, J = 5.0 Hz, 2H, CH2), 3.59 (t, J = 5.1 Hz, 2H, CH2), 5.91 (tt, J= 56.7, J = 4.6 Hz, 1H, CHF2). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm) δ: 168.8 (C=O), 116.2 (t, J = 238.6 Hz, CH), 53.1 (CH2), 52.5 (CH2), 51.1 (t, J = 6.3 Hz, CH2), 46.1 (CH2), 41.2 (CH2), 31.5 (t, J= 21.1 Hz, CH2), 21.1 (CH3). 19F{1H} NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ: - 117.1.
【0173】
【化24】
【0174】
N-(2-フルオロプロピル)アニリン8aは、-50℃に維持された浴に浸した長さL=50cm(tR=5.0秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。3:1 v/vのHF/SbF5超酸混合物(F1=1.5mL/分)のN-アリルアニリン基質8(F2=1.5mL/分、c=0.57mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が3.74モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を30秒間回収した(0.429mmolを用いた、53.6mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(100% CH2Cl2から98/2 CH2Cl2/MeOHグラジエント)43mgの生成物8a(66%)が単離された。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 1.43 (dd, J = 23.8, 6.3 Hz, 3H, CH3), 3.44 - 3.17 (m, 2H), 5.01 - 4.77 (dm, J = 49.56 Hz, 1H, CH-F), 6.64 (m, 2H, CHar), 6.75 (tt, J = 7.4, 1.0 Hz, 1H), 7.24 - 7.12 (m, 2H, CH). 19F{1H} NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ: - 179.9.
【0175】
【化25】
【0176】
3-メチルインドリン8b及び1,2,3,4-テトラヒドロキノリン8cは、0℃に維持された浴に浸した長さL=200cm(tR=40秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。1:1 v/vのHF/SbF5超酸混合物(F1=0.5mL/分)のN-アリルアニリン基質8(F2=1.0mL/分、c=0.74mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が5.2モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を30秒間回収した(0.429mmolを用いた、53.6mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(CH2Cl2/MeOHグラジエント)31.3mgの生成物8b(37%)及び35.9mgの生成物8c(42%)が単離された。
【0177】
3-メチルインドリン8b 1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 1.33 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 3.12 (t, J = 8.6 Hz, 1H), 3.45 - 3.27 (m, 1H), 3.71 (t, J = 8.6 Hz, 1H), 6.66 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 6.75 (td, J = 7.4, 0.9 Hz, 1H), 7.04 (ddd, J = 8.7, 2.0, 1.0 Hz, 1H), 7.12 - 7.08 (m, 1H),
1,2,3,4-テトラヒドロキノリン8c 1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 1.95 (dtd, J = 8.8, 6.4, 4.2 Hz, 1H), 2.77 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 3.33 - 3.28 (m, 1H), 6.48 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 3.78 (s, 1H), 6.61 (td, J = 7.4, 1.1 Hz, 1H), 7.00 - 6.89 (m, 1H).
【0178】
【化26】
【0179】
N-(2-フルオロプロピル)-4-ニトロアニリン12bは、0℃に維持された浴に浸した長さL=200cm(tR=40秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。1:1 v/vのHF/SbF5超酸混合物(F1=0.5mL/分)のN-アリル-4-ニトロアニリン基質(F2=1mL/分、c=0.3mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が5.1モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を1分21秒間回収した(0.448mmolを用いた、79.8mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(CH2Cl2/MeOHグラジエント)65mgの生成物12b(73%)が単離された。
【0180】
管状リアクターL=600cm(tR=241秒)、F1=0.25mL/分からF2=0.5mL/分を用いて、生成物12bが92%の収率で得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 1.44 (dd, J = 23.8, 6.3 Hz, 3H, CH3), 3.40 (m, 2H, CH2), 4.79 (bs, 1H, NH), 4.87 (dm, J = 49.1, 3JH-H = 6.3 Hz, CFH), 6.57 (d, J = 9.3 Hz, 2-H, CH), 8.09 (d, J = 9.3 Hz, 2H, CH). 19F{1H} NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ: - 179.9
【0181】
【化27】
【0182】
1-(4-(2-フルオロアリル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン9bは、-40℃に維持された浴に浸した長さL=30cm(tR=2秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。5:1 v/vのHF/SbF5超酸混合物(F1=1.5mL/分)の1-(4-(プロパ-2-イン-1-イル)ピペラジン-1-イル)エタン-1-オン基質9(F2=3mL/分、c=0.5mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が1.57モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を30秒間回収した(0.748mmolを用いた、154.3mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(100% CH2Cl2から98/2 CH2Cl2/MeOHまで)97.9mgの生成物9b(70%)が単離された。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 2.09 (s, 3H, CH3), 2.50 (m, 4H, 2CH2), 3.11 (dd, J= 16.5 Hz, J = 2.7 Hz, CH2), 3.51 (m, 2H, CH2), 3.65 (m, 2H, CH2), 4.47 (dt, J = 48.8 Hz, J = 2.8 Hz, CH), 4.74 (dt, J = 16.6 Hz, J = 2.8 Hz, CH). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm) δ: 41.2 (CH2), 46.1 (CH2), 58.4 (d, J = Hz, CH2), 93.8 (CH2), 19F{1H} NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ: - 98.7. HRMS (ESI): C9H15FN2Oの計算値: 186.1168; 実測値: 187.1241 [M+H]+.
【0183】
【化28】
【0184】
(4-フルオロ-4-メチルピペリジン-1-イル)(4-ニトロフェニル)メタノン10aは、0℃に維持された浴に浸した長さL=600cm(tR=104秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。1:1 v/vのHF/SbF5超酸混合物(F1=1mL/分)のN,N-ジアリル-4-ニトロベンズアミド基質10(F2=1mL/分、c=0.23mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が8.4モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を1分53秒間回収した(0.353mmolを用いた、75.7mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(70/30石油エーテル/EtOAc)43.1mgの生成物10a(46%)が単離された。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 1.41 (d, J = 21.4 Hz, 3H, CH3), 1.71 (m, 4H, 2CH2), 3.17 (m, 1H), 4.53 (m, 1H), 3.41 (m, 2H, CH2), 7.56 (d, J= 8.8 Hz, 2H, 2CH), 8.27 (d, J= 8.8 Hz, 2H, 2CH). 19F{1H} NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ: - 151.7.
【0185】
【化29】
【0186】
4-フルオロ-4-メチル-1-(4-ニトロベンジル)ピペリジン16aは、0℃に維持された浴に浸した長さL=600cm(tR=104秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。1:1 v/vのHF/SbF5超酸混合物(F1=1mL/分)のN-アリル-N-(4-ニトロベンジル)プロパ-2-エン-1-アミン基質16(F2=1mL/分、c=0.34mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が8.4モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を1分間回収した(0.341mmolを用いた、88.4mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(99/1CH2Cl2/MeOH)37mgの生成物16a(47%)が単離された。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 1.35 (d, J = 21.6 Hz, CH3), 1.66及び1.85 (m, 2CH), 2.26 (m, 2CH), 2.60 (m, 2CH), 3.62 (s, CH2), 7.52 (d, J = 8.8 Hz, 2CHar), 8.17 (d, J = 8.8, 2CHar). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm) δ: 26.9 (d, J = 24 Hz, CH3), 36.6 (d, J = 22 Hz, 2CH2), 49.5 (d, J = 1.1 Hz, 2CH2), 62.1 (CH2), 91.9 (d, J = 167 Hz, C-F), 123.5 (2CH), 129.4 (2CH), 146.8 (Cq), 147.1 (Cq). 19F{1H} NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ: - 151.55. HRMS (ESI): C13H18FN2O2の計算値: 252.1274; 実測値: 253.1346 [M+H]+.
【0187】
【化30】
【0188】
3-フルオロ-3-メチル-1-(4-ニトロベンジル)ピペリジン16bは、-40℃に維持された浴に浸した長さL=600cm(tR=104秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。1:1 v/vのHF/SbF5超酸混合物(F1=1mL/分)のN-アリル-N-(4-ニトロベンジル)プロパ-2-エン-1-アミン基質16(F2=1mL/分、c=0.34mol/L)のHF液に対する流量比率を調節し、最終的な酸度が8.4モル%であるSbF5を生成させた。反応混合物を1分間回収した(0.341mmolを用いた、88.4mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(99/1CH2Cl2/MeOH)12mgの3-フルオロ-3-メチル-1-(4-ニトロベンジル)ピペリジン16b(35%)が単離された。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 1.34 (d, J = 21.6 Hz, CH3), 1.53 (m, 2CH), 1.83 (m, 2CH), 2.22 (m, 2CH), 2.55 (m, 2CH), 3.61 (s, CH2), 7.51 (d, J = 8.8 Hz, 2CHar), 8.16 (d, J = 8.7 Hz, 2CHar). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm) δ: 22.0 (d, J = 4 Hz, CH2), 25.0 (d, J = 24 Hz, CH3), 35.0 (d, J = 22.1 Hz, CH2), 53.1 (CH2), 61.8 (CH2), 62.1 (d, J = 23 Hz, CH2), 92.2 (d, J = 170 Hz, Cq), 123.5 (2CH), 129.3 (CH), 146.4 (Cq), 147.1 (Cq). 19F{1H} NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ: - 146.8. HRMS (ESI): C13H18FN2O2の計算値: 252.1274; 実測値: 253.1346 [M+H]+.
【0189】
【化31】
【0190】
ビンフルニン18aは、-40℃に維持された浴に浸した長さL=600cm(tR=603秒)を有する管状リアクターを使用して、通常の手順に従うことにより得られた。流量比率はF1=0.2又は0.3mL/分の2:1 v/vのHF/SbF5混合物及びF2=0.2又は0.3mL/分の酒石酸ビノレルビン18の無水クロロホルム溶液(c=0.03mol/L)を適用した。反応混合物を10分間回収し、23mgの粗残渣を回収した。粗混合物のNMR及びHPLC分析により、ビンフルニンが標準参照に対して約3から15%(NMR収率)の収率の優勢な量で同定された。C18逆相(ACN/0.2%TFA水溶液の対象勾配ピークを30%ACNで単離)を使用した粗混合物の精製により、含有量の多い画分(HPLC)を単離した。
【0191】
【化32】
【0192】
N-(2-フルオロプロピル)-4-(5-(p-トリル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル)ベンゼンスルホンアミド19aは、ドライアイス浴に浸した長さL=78cm(tR=7.8秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。HF/SbF5超酸混合物のN-アリル-4-(5-(p-トリル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル)ベンゼンスルホンアミド19(c=0.16mol/L)に対する流量比率を調節した。反応混合物を30秒間回収した(0.156mmolを用いた、65.6mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(PE/EtOAcグラジエント5%から30%のEtOAcまで)50.2mgの生成物19a(72%)が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 1.29 (dd, J = 23.8, 6.3 Hz, 3H), 2.38 (s, 3H), 3.02 (m, 1H), 3.21 (m, 1H), 4.69 (dm, J = 49.2 Hz, 1H), 5.07 (bm, 1H), 6.75 (s, 1H), 7.10 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.54 - 7.43 (m, 1H), 7.91 - 7.79 (m, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm) δ: 145.4, 144.2 (q, J = 38.5 Hz, CF3), 142.7, 139.9, 139.4, 129.87 (s), 128.8 (s), 128.1 (s), 125.7, 121.1 (q, J = 269.2 Hz, CF), 106.4, 89.8 (s), 88.5, 48.2 (d, J = 21.1 Hz, CF), 21.4, 18.2, 18.1.19F NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ:- 62.42 (CF3), - 179.9 (CF). HRMS (ESI): C20H19F4N3O2Sの計算値441.1134; 実測値 C20H19F4N3O2S 442.1206 [M+H]+.
【0193】
【化33】
【0194】
4-フルオロ-4-メチル-1-((4-(5-(p-トリル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル)フェニル)スルホニル)ピペリジン20aは、アセトン/ドライアイス浴に浸した長さL=400cm(tR=4.1秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。HF/SbF5超酸混合物のN-ジアリル-4-(5-(p-トリル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル)ベンゼンスルホンアミド20(c=0.11mol/L)に対する流量比率を調節した。反応混合物を2分間回収した(0.076mmolを用いた、37mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(PE/EtOAcグラジエント5%から30%のEtOAcまで)7.2mgの生成物20a(20%)が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 7.77 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.48 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 6.75 (s, 1H), 3.58 - 3.28 (m, 1H), 2.88 - 2.54 (m, 1H), 2.76 - 2.64 (m, 1H), 2.38 (s, 1H), 1.89 - 1.77 (m, 1H), 1.65 - 1.54 (m, 1H), 1.36 (d, J = 21.0 Hz, 1H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm) δ: 145.4, 144.2 (q, J = 38.5 Hz), 142.6, 139.9, 136.7, 129.8, 128.8, 128.7, 125.71, 122.2, 120.1, 106.3, 90.5 (d, J = 175.4 Hz), 53.9 (d, J = 25.7 Hz), 45.5, 34.5 (d, J = 22.6 Hz), 24.5 (d, J = 23.4 Hz), 21.4, 21.11 (d, J = 3.6 Hz). 19F{1H} NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ: - 62.44, - 150.01. HRMS (ESI): C23H24F4N3O2S [M+H]の計算値482.151987; 実測値 482.154140.
【0195】
【化34】
【0196】
N-(2-フルオロアリル)-4-(5-(p-トリル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル)ベンゼンスルホンアミド21aは、アセトン/ドライアイス浴に浸した長さL=25cm(tR=4.2秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。HF/SbF5超酸混合物のN-(プロパ-2-イン-1-イル)-4-(5-(p-トリル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル)ベンゼンスルホンアミド21(c=0.11mol/L)に対する流量比率を調節した。反応混合物を30秒間回収した(0.07mmolを用いた、31mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(PE/EtOAc0%から10%のEtOAcまで)フルオロビニル化合物21aが29%の収率で得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, ppm) δ: 7.85 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 6.74 (s, 1H), 4.77 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 4.61 (dd, J = 16.2, 3.5 Hz, 1H), 4.44 (dd, J = 47.9, 3.5 Hz, 1H), 3.76 (dd, J = 13.1, 6.3 Hz, 1H), 2.38 (s, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3, ppm) δ: 161.12, 159.07, 145.26, 144.13 (q, J = 39.0 Hz), 142.69, 139.83, 139.36, 129.77, 128.73, 128.14, 125.67, 125.64, 125.55, 106.38, 93.36 (d, J = 17.4 Hz), 43.45 (d, J = 32.6 Hz), 29.73, 21.37. 19F{1H} NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ: - 62.44 (s), - 104.12 - - 104.45 (m). HRMS (ESI): C20H18F4N3O2S [M+H]の計算値: 440.105037; 実測値: 440.106449.
【0197】
【化35】
【0198】
N-(2,2-ジフルオロプロピル)-4-(5-(p-トリル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル)ベンゼンスルホンアミド21bは、低温で、長さL=39cm(tR=2秒)を有する管状リアクターを使用して、通常のフロースルー手順に従うことにより得られた。HF/SbF5超酸混合物のN-(プロパ-2-イン-1-イル)-4-(5-(p-トリル)-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル)ベンゼンスルホンアミド21に対する流量比率を調節した。反応混合物を15秒間回収した(0.118mmolを用いた、49.5mg)。シリカクロマトグラフィーによる精製により(PE/EtOAcグラジエント)47.2mgの生成物21b(86%)が得られた。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, ppm) δ: 1.65 (t, J = 18.6, 3H), 2.40 (s, 3H), 3.35 (td, J = 13.0, 6.8 Hz, 2H), 5.08 (bs, 1H), 6.77 (s, 1H), 7.12 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.20 (d, J = 7.9 Hz, 2H), 7.51 (m, 2H), 7.86 (m, 2H). 13C NMR (126 MHz, CDCl3, ppm) δ: 145.3, 144.1 (q, J = 38.6 Hz, CF3), 142.7, 139.8, 139.2, 129.7, 128.7, 127.9, 125.6, 125.6, 123.3, 121.4, 121.0 (q, J = 269.2 Hz, CF2), 119.5, 106.4, 106.34 (s, J = 1.4 Hz), 48.15 (t, J = 30.9 Hz), 29.7, 21.4, 21.3, 21.2, 21.0. 19F NMR (CDCl3, 376 MHz, ppm) δ:- 62.4 (s), - 96.6 (m). HRMS (ESI): C20H18F5N3O2Sの計算値459.1040; 実測値 C20H19F5N3O2S 460.1112 [M+H]+.
【0199】
(実施例2:比較の検討)
1)生産性
所与の時間で形成された生成物の量へのアクセスをもたらすため、各反応の生産性を算出した。大きさ又は構造の異なるリアクター同士で比較することができるように、生産性はリアクターの容積に対して与えられる。同様に、生産性は、静的反応の体積について算出して、フローケミストリーにおいて所与の時間にかけてリアクター容積と比較することができる。これはkg.m-3.h-1を単位とする空時収率(STY)として知られる。
【0200】
【数1】
【0201】
【化36】
【0202】
例えば、化合物1の場合、特筆すべき点は、静的方法からフロープロセスである本発明に記載の方法に移行するとフッ素化反応の量産性が34倍に増えることである。
【0203】
【表1】
【0204】
以下の表(Table 2(表2))にまとめられたデータから各反応生成物の静的プロセス及び本発明の方法の生産性を算出した。一般に、本発明による方法は、特に滞留時間が非常に短い(tR<1分)反応でははるかに効率的であり、量産性を静的プロセスに対して最大34倍に倍増させる。
【0205】
溶媒の酸度は、既述のとおり、重要なパラメーターである。酸度の変化の利用は、フロープロセスにおいても検討され、いくつかの合成では、SbF5の量は大きく減少したが、同時に反応の効率は向上し、静的プロセスよりも高い生産性が得られた。
【0206】
【表2A】
【0207】
【表2B】
【0208】
2)選択率
超酸試薬の化合物2への静的態様での適用は、化合物2aのみを体系的に生成するが、本発明の方法は、滞留時間及び超酸試薬の濃度を調節することにより化合物2a又は化合物2bを選択的に得ることを可能とする。
【0209】
【化37】
【0210】
更に、超酸試薬の化合物9への静的態様での適用は、ジフルオロ化合物5bのみを体系的に生成するが、本発明の方法は、条件を調節することにより化合物9b又は化合物5bを選択的に得ることを可能とする。
【0211】
【化38】
【0212】
この実施例では、プロパルギル化セレコキシブ21のフルオロビニル生成物21aの製造は、本発明の条件下でのみ可能であり、9bの場合のようにバッチ条件下ではアクセスができないこの反応中間体の捕捉をここで可能とする。
【0213】
【化39】
【0214】
超酸試薬の化合物5への静的態様での適用は、ジフルオロ化合物5b及び大きな困難を伴って化合物5aを生成するが、本発明の方法の使用は、条件を調節することにより化合物5a又は化合物5bを選択的に得ることを可能とする。
【0215】
【化40】
【0216】
最終的に、本発明に記載された設備は、セレコキシブジアリル誘導体20の超求電子性活性を可能とし、それは酸度をアッセイすることが必要な本発明の方法により、製薬対象の単位である化合物20aを選択的に生成するタンデム環化/フッ素化反応を可能とする(それは静的条件下では達成できない)。生成物20aは、バッチ条件下では同様の反応で得ることができない。
【0217】
【化41】
【符号の説明】
【0218】
1 第1相の保管ユニット
1' 第2相の保管ユニット
2 連続フローマイクロリアクター
3 第1相の連続供給手段
3' 第2相の連続供給手段
4 第1相の平衡化管状パイプ
4' 第2相の平衡化管状パイプ
5 回収ユニット
6 三方バルブ
6' 三方バルブ
7 第1の洗浄ユニット
7' 第2の洗浄ユニット
8 三方バルブ
8' 三方バルブ
9 廃棄物回収ユニット
10 三方バルブ
21 マイクロミキサー
22 管状パイプ
図1
図2
【国際調査報告】