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特表2025-532371エアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-09-29
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/04 20060101AFI20250919BHJP
   A24D 3/02 20060101ALI20250919BHJP
   A24F 40/20 20200101ALN20250919BHJP
【FI】
A24D3/04
A24D3/02
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025519745
(86)(22)【出願日】2023-10-06
(85)【翻訳文提出日】2025-05-14
(86)【国際出願番号】 GB2023052595
(87)【国際公開番号】W WO2024074840
(87)【国際公開日】2024-04-11
(31)【優先権主張番号】2214783.9
(32)【優先日】2022-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524173969
【氏名又は名称】フィルトローナ プライベート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】FILTRONA PTE.LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【弁理士】
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】ウィドド、スリスティオ
(72)【発明者】
【氏名】ギヤント
(72)【発明者】
【氏名】ラマダン、イルハム ファディラ
(72)【発明者】
【氏名】コルビ、ロシ アナ
(72)【発明者】
【氏名】ファフロニ、アグス
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045BA02
4B045BC07
4B045BC16
4B045BC23
4B045BC36
4B045BD02
4B045BD09
4B045BD13
4B045BD21
4B162AA03
4B162AB12
4B162AC08
(57)【要約】
長手方向に延在する中空管(101)と、充填材料を含む層(102)であって、層(102)が中空管(101)の周りに係合されている、層と、層(102)の周りに係合されたラッパー(103)と、を備え、中空管(101)は、螺旋状に巻かれた材料のシート(304)を備え、螺旋状に巻かれた材料のシート(304)は、部分的に重なる螺旋巻きを有する、エアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素(100)が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延在する中空管を備えるエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素であって、
充填材料を含む層であって、前記中空管の周りに係合される、層と、
前記層の周りに係合されたラッパーと、を含み、前記中空管は、螺旋状に巻かれた材料のシートを含み、前記螺旋状に巻かれた材料のシートは、部分的に重なる螺旋巻きを有する、要素。
【請求項2】
前記層が、前記中空管の周りに巻き付けられた充填材料のシートを含む、請求項1に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項3】
充填材料の前記シートが、前記中空管の前記長手方向軸に対して90度の角度で巻き付けられる、請求項2に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項4】
充填材料の前記シートが、前記中空管の周りに1回巻き付けられる、請求項3に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項5】
前記層が、前記中空管の周りに螺旋状に巻かれた充填材料のシートを含む、請求項1に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項6】
前記層が、1~10枚の充填材料のシートを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項7】
充填材料の前記シートが、16~200グラム毎平方メートル(g/m)の坪量である、請求項2~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項8】
充填材料を含む前記層が、0.2~3.0mmの平均厚さのものである、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項9】
前記充填材料が濾過材料である、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項10】
前記充填材料が紙又は不織材料である、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項11】
前記紙又は不織材料が植物系繊維を含む、請求項10に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項12】
前記紙又は不織材料が、エアレイド材料、濾紙、又はセルロース/リヨセル/ビスコースベースの紙である、請求項10又は11に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項13】
前記充填材料がエンボス加工されている、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項14】
前記中空管の前記平均壁厚が0.2~3.0mmである、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項15】
前記中空管の内径が1.5~10mmである、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項16】
前記中空管の材料の前記シートが紙である、請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項17】
前記中空管の材料の前記シートが、0.02~1.5mmの厚さを有する、請求項1~16のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項18】
前記中空管の材料の前記シートは、24~200グラム毎平方メートル(g/m)の坪量を有する、請求項1~17のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項19】
前記中空管の材料の前記シートがプラグラップである、請求項1~18のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項20】
前記中空管の材料の前記シートが、材料の前記シートの表面上に配置された接着剤の層を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項21】
前記ラッパーが、24~200グラム毎平方メートル(g/m)の坪量のプラグラップである、請求項1~20のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項22】
前記要素の長さが5~150mmである、請求項1~21のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項23】
前記要素の円周が14~30mmである、請求項1~22のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項24】
エアロゾル発生物品又は喫煙物品のためのマルチセグメント製品であって、請求項1~23のいずれか一項に記載の要素と、1つ以上の別個の更なるセグメントとを備えるマルチセグメント製品。
【請求項25】
請求項1~24のいずれか一項に記載の要素を含む、又は請求項24に記載のマルチセグメント製品を含む、エアロゾル発生物品又は喫煙物品。
【請求項26】
エアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素を作製する方法であって、
材料のシートを長手方向に前進させる工程と、
材料の前記シートを成形ロッドの周りに螺旋状に巻いて、そのため材料の前記シートが連続する螺旋巻き上でそれ自体に部分的に重なり、それによって長手方向に延在する中空管を形成する工程と、
充填材料を長手方向に前進させる工程と、
前記中空管の周りに前記充填材料を集めて、前記中空管の周りに係合された充填材料を含む層を形成する工程と、
充填材料を含む前記層の周りにラッパーを集めて固定し、連続ロッドを形成する工程と、
前記連続ロッドを切断して、個々のマウスピース又はフィルタ要素を形成する工程と、を含む、方法。
【請求項27】
前記前進する材料のシートに接着剤を塗布する工程を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
材料の前記シートの重なる部分は、接着剤によって互いに固定される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記充填材料が充填材料のシートである、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
充填材料の前記シートを長手方向に切断し、それによって長手方向に延在する充填材料の2つ以上のシートを形成する工程を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
充填材料の前記シートが前記中空管の周りに巻き付けられる、請求項29又は30に記載の方法。
【請求項32】
充填材料の前記シートが、前記中空管の前記長手方向軸に対して90度の角度で巻き付けられる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
充填材料の前記シートが、前記中空管の前記外面の周りに螺旋状に巻かれる、請求項26~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
充填材料の前記螺旋状に巻かれたシートは、連続する螺旋巻きにおいてそれ自体と部分的に重なる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
充填材料の前記螺旋状に巻かれたシートは、隣接する重ならない螺旋巻きを有する、請求項34に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱式タバコ製品などのエアロゾル発生物品のための、又はタバコなどの喫煙物品のための要素に関する。
【0002】
エアロゾル発生物品及び喫煙物品における管要素の使用は、当該技術分野において周知である。典型的には、管要素は、円筒形コアの端から長手方向に延在するチャネルを含む濾過材料の円筒形コアを含む。このような物品において、管要素は、通常、改変タバコのプラグ及び他の要素(例えば、濾過材料の巻き付けられたプラグ)とともに含まれる。
【0003】
管要素は、特徴的な端外観を提供し、エアロゾルをユーザの舌に向けられた流れに濃縮するために、エアロゾル発生物品の口端に配置されてもよい。あるいは、管要素は、中間セグメントとして、又はエアロゾル発生物品のタバコ端で使用されて、タバコセグメントから他の要素へのエアロゾルの通過を容易にし、かつ/又はエアロゾルがマウスピースに到達する前にエアロゾルを冷却することができる。喫煙物品では、管要素は、特徴的な端外観を提供し、染みの出現を低減するために口端に配置されてもよい。あるいは、管要素は、タバコセグメントから他の要素へのタバコ煙の通過を容易にし、タバコ煙を集中させ、ユーザへのニコチン送達を向上させるためのリザーバとして作用し得る、喫煙物品の中間セグメントとして、又はタバコ端で使用することができる。
【0004】
過去において、酢酸セルロースフィラメント状トウは、所望の硬度、構造的一体性及びチャネルの輪郭を示す管に製造することができるので、管要素の濾過材料として使用されてきた。このような管要素の製造は、単一の連続プロセスで行うことができる。しかしながら、酢酸セルロースフィラメント状トウは容易には生分解せず、その結果、酢酸セルロースフィラメント状トウを含むエアロゾル発生物品要素及び喫煙物品要素は、環境中に長年にわたって存続し得る。
【0005】
エアロゾル発生物品及び喫煙物品のための要素は、容易に生分解する材料、例えば紙から製造されてきた。しかしながら、酢酸セルロースフィラメント状トウから作製されるエアロゾル発生物品要素及び喫煙物品要素に関連する硬度及び構造的完全性を保持しながら、容易に生分解する紙又は他の材料から管要素を製造することは、以前は困難であった。
【0006】
酢酸セルロースフィラメント状トウを含む管要素と比較して改善された生分解性を有し、望ましい硬度及び構造的完全性、例えば、酢酸セルロースフィラメント状トウから形成されるエアロゾル発生物品及び喫煙物品のための既存の要素と同様の硬度及び構造的完全性を有するエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための管要素が必要とされている。また、そのような管要素を製造する方法も必要とされている。
【0007】
本発明の一態様では、長手方向に延在する中空管と、充填材料を含む層であって、層が中空管の周りに係合される、層と、層の周りに係合されたラッパーと、を備えるエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素が提供され、中空管は、螺旋状に巻かれた材料のシートを含み、螺旋状に巻かれた材料のシートは、部分的に重なる螺旋巻きを有する。
【0008】
エアロゾル発生物品は、非燃焼加熱装置、タバコ加熱装置などの加熱式タバコ製品、又は電子タバコであってもよい。
【0009】
喫煙物品は、タバコ、葉巻、シガリロ、手巻きタバコなどであってもよい。
【0010】
要素は、マウスピース、例えばエアロゾル発生物品又は喫煙物品のためのマウスピースであってもよい。
【0011】
要素は、冷却要素、例えば、エアロゾル(例えば、蒸気)又はタバコの煙に冷却効果を提供するエアロゾル発生物品のための要素であってもよい。
【0012】
要素は、フィルタ要素、例えば、エアロゾル(例えば、蒸気)又はタバコ煙に対して濾過効果を提供するエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素であってもよい。代替として、要素は、エアロゾル(例えば、蒸気)又はタバコ煙に対する濾過効果を提供しなくてもよく、例えば、要素は、0又は実質的に0のエアロゾル(例えば、蒸気)又はタバコ煙濾過効果を有してもよい。
【0013】
要素は、エアロゾル発生物品のための冷却要素及びフィルタ要素の両方として機能し得る。
【0014】
要素は、タバコセグメントからエアロゾル発生物品又は喫煙物品の他の要素へのエアロゾル又はタバコ煙の通過を容易にすることができる(すなわち、エアロゾル又はタバコ煙は、中空管のチャネルを通過して他の要素に入ることができる)。要素がタバコセグメントからエアロゾル発生物品又は喫煙物品の他の要素へのエアロゾル又はタバコ煙の通過を容易にしている場合、中空管のチャネルは、エアロゾル又はタバコ煙を実質的に制限し得る、例えばエアロゾル又はタバコ煙を制限し得る任意の物体を含まなくてもよいことが理解されよう。言い換えれば、中空管のチャネルは空であってもよい。したがって、要素によるエアロゾル又はタバコ煙の保持が実質的になくてもよく、例えば、要素によるエアロゾル又はタバコ煙の保持がなくてもよい。更なる要素と共にマルチセグメント製品に組み立てられるとき、要素は、要素によるエアロゾル又はタバコ煙の保持の欠如又は最小限の保持に起因して、マルチセグメント製品の圧力降下に実質的に0、例えば0に寄与し得ることが更に理解されるであろう。
【0015】
要素は、タバコセグメントからのタバコ煙が濃縮されるリザーバとして機能してもよく、例えば、タバコ煙は中空管のチャネル内で濃縮される。本出願人は、タバコの煙を要素内に集中させることによって、ユーザが高度に濃縮された煙を受け入れることができ、したがってニコチン送達が向上することを見出した。
【0016】
要素は、実質的に円筒形、例えば円筒形であってもよい。
【0017】
要素の横断面は、実質的に環状、例えば環状であってもよい。
【0018】
中空管は、螺旋巻き管であってもよい。
【0019】
中空管は、外面及び内面を含む。中空管の内面は、中空管の長さに沿って長手方向に延在するチャネルを画定し、例えば、チャネルは、中空管の全長に沿って長手方向に延在してもよい。
【0020】
本明細書において、「中空管の周りに係合される」という語句は、中空管の外面の周りに係合されることを意味する。
【0021】
螺旋状に巻かれた材料のシートは、螺旋状に巻かれた材料のシートが要素の長手方向長さに沿った連続する点でそれ自体と部分的に重なるように、要素の長手方向軸の周りに螺旋状に延在する材料のシートであってもよい。
【0022】
螺旋状に巻かれた材料のシートは、要素の長手方向軸の周りに巻かれてもよく、例えば、要素の長手方向軸に対して斜角で螺旋状に要素の長手方向軸の周りに巻かれてもよい。
【0023】
螺旋状に巻かれた材料のシートの一部は、巻きの間に間隙がないように、各連続する螺旋巻き上でそれ自体と重なる。連続する螺旋巻きの間に間隙がない場合、螺旋状に巻かれた材料のシートは、実質的に管状(例えば管状)の形状である(すなわち、螺旋状に巻かれた材料のシートは中空管を形成する)ことが理解されるであろう。したがって、螺旋状に巻かれた材料のシートは、中空管の長手方向長さに沿って連続する点でそれ自体と重なる。
【0024】
本出願人は、部分的に重なる螺旋巻きを有する材料の螺旋状に巻かれたシートを含む中空管が、充填材料を含む層及び層の周りに係合されたラッパーの重量の下で座屈又は変形しないことを見出した。本出願人はまた、中空管が、偽造を防止するのに役立ち得る一貫した壁厚及び均一な端外観を有することを見出した。
【0025】
中空管の平均壁厚は、0.2~3.0mm、例えば0.5~2.5mm、例えば1.0~2.0mm、例えば1.3~1.5mmであってよい。壁厚は、本明細書において、中空管の外面と内面との間の距離として定義される。
【0026】
中空管の内径は、1.5~10mm、例えば2.0~9.0mm、例えば3.0~8.0mm、例えば4.0~7.0mm、例えば5.0mm、又は6.0mmであってよい。内径は、本明細書において、その最も広い点におけるチャネルの内面上の直径方向に対向する点間の距離として定義される。
【0027】
中空管は、1~10枚の材料のシート、例えば、1枚、2枚、3枚、4枚、5枚、6枚、7枚、9枚、又は10枚の材料のシートを含んでもよい。中空管は、少なくとも2枚の材料のシート、例えば少なくとも3枚の材料のシート、例えば少なくとも4枚の材料のシートを含むことができる。
【0028】
好ましくは、中空管の材料シートは紙である。紙は、植物系繊維、例えば、亜麻、麻、ジュート、サイザル麻、マニラ麻、綿、ココナッツ、竹、デンプン又は木材パルプのうちの1つ以上を含んでもよい。紙は、植物系繊維、例えば、亜麻、麻、ジュート、サイザル麻、マニラ麻、綿、ココナッツ、竹、デンプン又は木材パルプのうちの1つ以上から形成されてもよい。紙は、濾紙又はセルロース/リヨセル/ビスコースベースの紙であってもよい。
【0029】
好ましくは、中空管の材料のシートはプラグラップである。
【0030】
中空管の材料のシートは、0.02~1.5mm、例えば0.1~1.2mm、例えば0.2~1.0mm、例えば0.3~0.8mm、例えば0.5mm又は0.6mmの厚さを有してもよい。
【0031】
中空管の材料のシートは、24~200グラム毎平方メートル(g/m)、例えば45~180g/m、例えば、60~160g/m、例えば、100~120g/mの坪量を有してもよい。
【0032】
中空管は着色されていてもよい。中空管の材料のシートは着色されていてもよい。
【0033】
好ましくは、中空管の材料シートは、材料ストリップである。中空管の材料のシート(例えば材料のストリップ)は、10~20mm、例えば12~18mm、例えば14~16mm、例えば15mmの幅を有してもよい。
【0034】
本出願人は、プラグラップ24~200グラム/平方メートル(g/m)の坪量のプラグラップは、螺旋状に巻かれ、充填材料を含む層及び層の周りに係合されたラッパーの重量の下で座屈又は変形しない中空管に製造され得ることを見出した。
【0035】
中空管の材料のシートは、空気透過性であってもよい。紙の中空管(又はラッパー)の材料のシートの空気透過性は、CORESTA空気透過性ユニット(CU)で測定される。CORESTA単位は、1kPaの印加圧力差における基材の1cmサンプルを通過する空気の体積流量(cm-1)として定義される。中空管の材料のシートの空気透過性は、20~6000CORESTA、例えば1000~5000CORESTA、例えば2000~4000CORESTAであってもよい。
【0036】
中空管の材料のシートは、材料のシートの表面上に配置された接着剤の層を含んでもよい。接着剤の層は、螺旋状に巻かれたときに、連続する各螺旋巻き上でそれ自体と重なる材料のシートの部分上に配置されてもよい。接着剤の層は、螺旋状に巻かれた材料のシートの第1の部分を、連続する螺旋巻きの螺旋状に巻かれた材料のシートの第2の部分に固定するために使用されてもよい。接着剤の層は、中空管を一緒に固定するために使用されてもよい。接着剤の層は、材料のシートの縁部に配置された接着剤のストリップ、例えば接着剤の連続ストリップを含むことができる。接着剤の層は、材料のシートの縁部に配置された接着剤のドットを含むことができる。接着剤は、当技術分野で知られているように、ホットメルト又は水性接着剤(例えば、エチルビニルアセテート)であってもよい。
【0037】
中空管は、中空管の外面上に配置された接着剤の層を備えてもよい。接着剤の層は、充填材料を含む層を中空管に固定するために使用されてもよい。接着剤の層は、接着剤のストリップ、例えば、中空管の長手方向長さに沿って配置された接着剤の連続ストリップを含んでもよい。あるいは、接着剤は、中空管の長手方向の長さに沿って配置された接着剤のドットを含んでもよい。接着剤は、当技術分野で知られているように、ホットメルト又は水性接着剤(例えば、エチルビニルアセテート)であってもよい。
【0038】
充填材料を含む層は、中空管の長手方向長さに沿って、例えば、中空管の長手方向全長に沿って、中空管の周りに係合されてもよい。充填材料を含む層は、中空管の周りに同心円状に係合されてもよい。充填材料を含む層は、中空管と同じ長さであってもよい。
【0039】
充填材料は、中空管の周りに集められてもよい(例えば、巻き付けられる、例えば、螺旋状に巻かれる)。
【0040】
充填材料を含む層は、充填材料の1~10枚のシート、例えば、1、2、3、4、5、6、7、9、又は10枚のシートを含んでもよい。充填材料を含む層は、少なくとも2枚の充填材料のシート、例えば少なくとも3枚の充填材料のシート、例えば少なくとも4枚の充填材料のシートを含むことができる。
【0041】
充填材料のシートは、中空管の周りに集められてもよい(例えば、巻き付けられてもよく、例えば、螺旋状に巻かれてもよい)。
【0042】
実施形態では、充填材料を含む層は、中空管の周りに同心円状に係合された充填材料のシートを含むことができる。充填材料のシートは、中空管の長手方向軸の周りで中空管の周りに巻き付けられてもよい。充填材料のシートは、中空管の長手方向軸に対して90度の角度で巻き付けられてもよい。充填材料のシートは、充填材料のシートが中空管を1回囲み、中空管の周りに充填材料の単一の連続層を形成するように、中空管の長手方向軸の周りで中空管の周りに1回巻き付けられてもよい。そのような例では、充填材料のシートの幅は、中空管の円周とほぼ同じであり、したがって、充填材料のシートは、中空管の周りに巻き付けられたときにそれ自体と重ならないか、又は実質的に重ならないことが理解されよう。
【0043】
充填材料を含む層が充填材料の2つ以上のシートを含む実施形態では、充填材料の各シートは、充填材料の各シートが中空管を1回囲み、中空管の周りに充填材料の複数の層を形成するように、中空管の長手方向軸の周りで中空管の周りに1回連続して巻き付けられてもよい。充填材料の各シートは、中空管の長手方向軸に対して90度の角度で巻き付けられてもよい。充填材料の複数の層は、中空管の周りに同心円状に係合されてもよい。
【0044】
あるいは、充填材料のシートは、充填材料のシートが中空管を1回以上囲み(すなわち、それ自体と重なり)、中空管の周りに充填材料の複数の層を形成するように、中空管の周りに1回以上巻き付けられてもよい。
【0045】
更なる実施形態では、充填材料のシートは、中空管の周りに螺旋状に巻かれてもよく、例えば、中空管の長手方向軸の周りに、中空管の長手方向軸に対して斜角で螺旋状に巻かれてもよい。
【0046】
充填材料の螺旋状に巻かれたシートは、部分的に重なる螺旋巻きを有してもよく、それによって、充填材料の螺旋状に巻かれたシートの一部分は、巻き間に間隙がないように、各連続する螺旋状巻き上でそれ自体と重なる。連続する螺旋巻きの間に間隙がない状態で、充填材料の螺旋状に巻かれたシートは、中空管の周りに充填材料の連続層を形成することが理解されよう。
【0047】
充填材料の螺旋状に巻かれたシートは、隣接する重ならない螺旋巻きを有してもよく、それによって、充填材料の螺旋状に巻かれたシートの対向する縁部が、連続する螺旋巻きの長さに沿って隣接し、その結果、連続する螺旋巻きは隣接し、巻き間に間隙がない。
【0048】
充填材料のシートは、16~200グラム毎平方メートル(g/m)、例えば20~160g/m、例えば40~120g/m、例えば、60~100g/m、例えば、80~90g/mの坪量を有してもよい。
【0049】
充填材料のシートはそれぞれ、例えば10~90mm、例えば20~80mm、例えば50~60mm、例えば20~30mm、例えば25mmの幅を有してもよい。
【0050】
充填材料のシートは、その表面上に配置された接着剤の層を含んでもよい。接着剤の層は、中空管の周りに充填材料のシートを固定するために使用されてもよい。接着剤の層は、充填材料のシートの縁部に配置された接着剤のストリップ、例えば接着剤の連続ストリップを含むことができる。あるいは、接着剤の層は、充填材料のシートの縁部に配置された接着剤のドットを含んでもよい。接着剤は、当技術分野で知られているように、ホットメルト又は水性接着剤(例えば、エチルビニルアセテート)であってもよい。
【0051】
充填材料を含む層は、0.2~3.0mm、例えば0.3~2.5mm、例えば0.4~2.0mm、例えば0.5~1.5mm、例えば0.8~1.4mm、例えば0.9mm、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mmの平均厚さであってもよい。厚さは、本明細書では、中空管の外面上の点と、充填材料を含む層の周りに係合されたラッパー上の点との間の最短距離として定義される。充填材料を含む層の厚さは、中空管の周りに集められた(例えば、巻き付けられた、例えば、螺旋状に巻かれた)ときの充填材料の重なりのために一定でない場合があり、したがって、充填材料を含む層の厚さは平均であることが理解されるであろう。
【0052】
充填材料は、エアロゾル(例えば、蒸気)又はタバコ煙が要素を通して引き込まれるときに、エアロゾル(例えば、蒸気)又はタバコ煙に対して濾過効果を示してもよい。充填材料は、濾過材料を含んでもよい。充填材料は、濾過材料であってもよい。本明細書における「濾過材料」という語句は、エアロゾル(例えば、蒸気)又はタバコの煙が要素を通して吸引される際に、エアロゾル又はタバコの煙に対する濾過効果を有する任意の材料を意味する。いくつかの例では、本発明の要素は、0又は実質的に0のエアロゾル(例えば、蒸気)又はタバコの煙の濾過効果を有する。このような場合、本発明の要素は、要素によってエアロゾル又はタバコ煙を実質的に保持することなく、タバコセグメントからエアロゾル発生物品又は喫煙物品の他の要素へのエアロゾル又はタバコ煙の通過を容易にすることができる。他の例において、本発明の要素は、エアロゾル(例えば、蒸気)又はタバコ煙濾過効果を有してもよい。
【0053】
充填材料は、紙又は不織布材料を含んでもよい。紙又は不織布材料は、植物系繊維、例えば、亜麻、麻、ジュート、サイザル麻、マニラ麻、綿、ココナッツ、竹、デンプン又は木材パルプのうちの1つ以上を含んでもよい。紙又は不織布材料は、植物系繊維、例えば、亜麻、麻、ジュート、サイザル麻、マニラ麻、綿、ココナッツ、竹、デンプン又は木材パルプのうちの1つ以上から形成されてもよい。紙又は不織材料は、エアレイド材料、濾紙、又はセルロース/リヨセル/ビスコースベースの紙であってもよい。
【0054】
好ましくは、充填材料を含む層は酢酸セルロースを含まない。好ましくは、充填材料は酢酸セルロースではない。
【0055】
本出願人は、エアレイド材料が、中空管の周りに係合された層に組み立てるのが簡単であり、エアロゾル(例えば、蒸気)又はタバコ煙に対する望ましい濾過及び/又は冷却特性を有することを見出した。本出願人はまた、エアレイド材料が、偽造防止に役立ち得る、一貫した厚さ及び均一な端外観を有する層を提供し得ることを見出した。
【0056】
充填材料はエンボス加工されてもよい。あるいは、充填材料はエンボス加工されなくてもよい。
【0057】
ラッパーは、充填材料を含む層の長手方向長さに沿って、例えば充填材料を含む層の長手方向全長に沿って、充填材料を含む層の周りに係合されてもよい。ラッパーは、充填材料を含む層の周りに同心円状に係合され得る。ラッパーは、充填材を含む層と同じ長さであってもよく、次いで、充填材料を含む層は中空管と同じ長さであってもよい。したがって、中空管、充填材料を含む層、及びラッパーはすべて同じ長さであってもよい。
【0058】
ラッパーは、24~200グラム毎平方メートル(g/m)、例えば45~180g/m、例えば、60~160g/m、例えば、100~120g/mの坪量を有してもよい。
【0059】
ラッパーの空気透過性は、20~6000CORESTA、例えば1000~5000CORESTA、例えば2000~4000CORESTAであってもよい。
【0060】
ラッパーは紙、例えば、空気透過性紙であってもよい。ラッパーはプラグラップであることが好ましい。ラッパーは、コーティングされてもよく、例えば、デンプン、グアーガム及び/又は疎水性コーティングでコーティングされてもよい。ラッパーは、中空管の周りの適所に充填材料の層を保持するように機能することができる。
【0061】
ラッパーは、充填材料を含む層の周りに接着剤で、例えば当技術分野で知られているような重ね合わせ接着シームによって固定されてもよい。
【0062】
本出願人は、100~160g/mの坪量のプラグラップが、フィルタ要素などのエアロゾル発生物品又は喫煙物品用の他の要素と組み合わされたとき、又は加熱式タバコ製品若しくは電子タバコなどのエアロゾル発生物品若しくはタバコなどの喫煙物品に更に加工されたときに、充填材料を含む層の周りに組み立てることができ、座屈又は変形しないことを見出した。
【0063】
要素の長さは、5~150mm、例えば10~100mm、例えば50~90mm、例えば12~23mm、例えば18mm~22mmである。
【0064】
要素は、14~30mm、例えば16~25mm、例えば17~24mm、例えば18mm~22mm、例えば19.8mm、例えば24.25mmの円周を有してもよい。
【0065】
要素は、90%~97%、例えば91%~97%、例えば92%~97%、例えば94%、95%又は96%の硬度を有してもよい。
【0066】
本明細書において、硬度は、所与の時間にわたる所与の圧力の印加に続いて要素が変形する程度の測定値である。硬度は、CeruleanQTMモジュール7装置を用いて測定される。予荷重が要素に印加され、接触点直径(DP)が測定される。次いで、より高い荷重が印加され、所与の時間の後に、又は勾配閾値に達したら、押し下げられた直径(DL)が測定される。硬度は、%H=(DL/DP)×100として計算される。QTMモジュール7装置と共に使用されるロードセルは290グラムである。
【0067】
本出願人は、本発明の要素が、エアロゾル発生物品又は喫煙物品のための他の要素(フィルタ要素など)と組み合わされたとき、又はエアロゾル発生物品(加熱式タバコ製品又は電子タバコなど)又は喫煙物品(タバコなど)に更に加工されたときに、座屈又は変形しないことを見出した。本出願人はまた、要素の構造的完全性が、例えば酢酸セルロースフィラメント状トウから形成されるエアロゾル発生物品又は喫煙物品の他の要素の構造的完全性に匹敵し得ることを見出した。したがって、本発明の要素は、更なる要素とともに、マルチセグメント製品、例えばマルチセグメントフィルタに容易に組み立てることができる。
【0068】
要素は生分解性材料を含んでもよい。好ましくは、要素は生分解性材料のみを含む。要素は生分解性であってもよい。好ましくは、要素は酢酸セルロースを含有しない。
【0069】
本明細書において、生分解性とは、細菌及び真菌などの生物によって分解され得ることを意味する。
【0070】
要素又は要素の材料は、ISO14855 制御された堆肥化条件下でのプラスチック材料の最終的な好気性生分解性の決定-発生した二酸化炭素の分析による方法、に従って決定される制御された堆肥化条件下で6ヶ月後に少なくとも90%の生分解性を有し得る。
【0071】
要素又は要素の材料は、容易に生分解可能であってもよい。本明細書において、容易に生分解性という語句は、要素が、OECD試験No.301B:Ready Biodegradability(Co進化(修正シュトルム試験))に従って測定されるような「Ready Biodegradability」レベルの生分解性を有することを意味する。
【0072】
本出願人は、容易に生分解する紙又は他の材料から要素を製造することによって、要素がエアロゾル(例えば、蒸気)又はタバコ煙に対して所望の冷却及び/又は濾過特性を提供することができ、同時に容易に生分解可能であることを見出した。
【0073】
本発明の更なる態様では、エアロゾル発生物品又は喫煙物品のためのマルチセグメント製品、例えばマルチセグメントフィルタが提供され、このマルチセグメント製品は、前述のいずれかに記載の要素と、1つ以上の別個の更なる要素とを備える。
【0074】
本発明の更なる態様では、上述の要素を含むか、又は上述の要素を含むマルチセグメント製品を含むエアロゾル発生物品又は喫煙物品が提供される。
【0075】
本明細書では、エアロゾル発生物品は、非燃焼加熱式装置、タバコ加熱装置などの加熱式タバコ製品、及び電子タバコを含んでもよい。本明細書では、喫煙物品は、タバコ、葉巻、シガリロ、巻タバコなどを含んでもよい。
【0076】
エアロゾル発生物品又は喫煙物品は、タバコ喫煙材料などの喫煙材料の巻き付けられたロッドに接合された、上記のマルチセグメント製品又は要素を含んでもよい。エアロゾル発生物品又は喫煙物品は、チップラッパー、例えば、チップ紙を更に備えてもよい。チップラッパーは、マルチセグメント製品又は要素の隣接する端及び巻き付けられた喫煙材料のロッドの周りに係合することによって、巻き付けられた喫煙材料のロッドをマルチセグメント製品又は要素に接合する。チップラッパーは、マルチセグメント製品又は要素の外面の一部を露出させたままにするように構成されてもよい。マルチセグメント製品又は要素は、マルチセグメント製品又は要素の全長及び喫煙材料のロッドの隣接する端の周りに係合する完全チップラッパーによって、喫煙材料の巻き付けられたロッドに接合されてもよい。
【0077】
本出願人は、本発明による要素を含むエアロゾル発生物品又は喫煙物品が、従来の(例えば、非環状の)要素又はマウスピースと比較して、吸い口端(すなわち、ユーザの吸い口端)における染みの出現の低減を示し得ることを見出した。本発明による要素は、蒸気などのエアロゾル又はタバコの煙をユーザの舌に向けられた流れに濃縮することもできる。本出願人はまた、本発明による要素がエアロゾル(例えば、蒸気)又はタバコの煙の冷却を提供し得ることを見出した。本出願人はまた、本発明による要素が、要素によってエアロゾル(例えば、蒸気)又はタバコ煙を実質的に保持することなく、タバコセグメントからエアロゾル発生物品の他の要素へのエアロゾル(例えば、蒸気)又はタバコ煙の通過を容易にし得ることを見出した。本出願人はまた、本発明による要素が、タバコセグメントからのエアロゾル又はタバコ煙が濃縮される、例えば中空管のチャネル内で濃縮されるリザーバとして機能し得ることを見出した。本出願人はまた、本発明による要素がユーザへのニコチン送達を向上させ得ることも見出した。本出願人はまた、本発明による要素がエアロゾル(例えば、蒸気)又はタバコ煙に対する濾過効果を提供し得ることを見出した。
【0078】
本発明によるマルチセグメント製品、要素、エアロゾル発生物品又は喫煙物品は、換気されなくてもよく、又は当技術分野で周知の方法によって、例えば、予め穿孔された若しくは通気性のラッパー又はチップラッパー(チップ紙)、及び/又はラッパー及び/又はチップラッパーのレーザー穿孔の使用によって換気されてもよい。通気性フルチップラッパー(チップ紙)は、同様に、本質的に空気透過性であってもよく、又は通気孔を備えていてもよく、ラッパー及びチップラッパー(チップ紙)の両方が存在する通気性製品の場合、チップラッパー(チップ紙)を通る通気は、通常、ラッパーを通る通気と一致する。ラッパーを通る、又はチップラッパー(チップ紙)を通る、あるいは両方を同時に通る通気孔は、要素製造中にレーザー穿孔によって作製されてもよい。
【0079】
本発明の更なる態様では、例えば鏡像関係でエンドツーエンドで配置された、本発明による複数の冷却要素を備えるマルチプルロッドが提供される。
【0080】
本発明の更なる態様では、エアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素を作製する方法であって、材料のシートを長手方向に前進させる工程と、材料のシートを成形ロッドの周りに螺旋状に巻いて、そのため材料のシートが連続する螺旋巻き上でそれ自体に部分的に重なり、それによって長手方向に延在する中空管を形成する工程と、充填材料を長手方向に前進させる工程と、中空管の周りに充填材料を集めて(例えば、巻き付ける、例えば、螺旋状に巻く)、中空管の周りに係合された充填材料を含む層を形成する工程と、充填材料を含む層の周りにラッパーを集めて(例えば、巻き付けて)固定して連続ロッドを形成する工程と、連続ロッドを切断して個々の要素を形成する工程と、を含む、方法が提供される。
【0081】
材料のシートは連続的に前進してもよい。
【0082】
材料のシートは、成形ロッドに向かって前進させられる前に、供給源(例えば、材料のロール)から引き出されてもよい。
【0083】
本方法は、1~10枚の材料のシート、例えば1、2、3、4、5、6、7、9、又は10枚の材料のシートを前進させることを含んでもよい。本方法は、少なくとも2枚の材料のシート、例えば少なくとも3枚の材料のシート、少なくとも4枚の材料のシートを前進させることを含んでもよい。充填材料の2つ以上のシートが存在する場合、これは、材料の2つのロールなどの2つ以上の供給源から引き出されてもよい。
【0084】
方法は、前進する材料のシートに接着剤を塗布することを含んでもよい。接着剤は、前進する材料のシートの表面に塗布されてもよい。接着剤は、前進する材料のシートが成形ロッドの周りに螺旋状に巻かれる前に、前進する材料のシートに塗布されてもよい。例えば、接着剤は、前進する材料のシートが成形ロッドの周りに螺旋状に巻かれる前に、接着ステーションにおいて材料のシートに塗布されてもよい。接着剤は、材料のシート上に噴霧されてもよく、例えば、材料のシートの表面に、例えば材料のシートの長手方向縁部に沿って噴霧されてもよい。接着剤は、当技術分野で知られているように、ホットメルト又は水性接着剤(例えば、エチルビニルアセテート)であってもよい。
【0085】
接着剤は、材料のシートが成形ロッドの周りに螺旋状に巻かれるときに(例えば、連続する螺旋巻きにおいて)それ自体と重なる材料のシートの部分に塗布されてもよい。
【0086】
成形ロッドは、マンドレルと呼ばれることもある。
【0087】
成形ロッドは、実質的に円筒形、例えば円筒形であってもよい。
【0088】
成形ロッドは、中空管の内径を画定する外面を備えてもよい。
【0089】
成形ロッドは、1.5~10mm、例えば2.0~9.0mm、例えば3.0~8.0mm、例えば4.0~7.0mm、例えば5.0mm又は6.0mmの直径を有し得る。
【0090】
中空管の内径は、1.5~10mm、例えば2.0~9.0mm、例えば3.0~8.0mm、例えば4.0~7.0mm、例えば5.0mm又は6.0mmであってよい。
【0091】
材料のシートは、10~20mm、例えば12~18mm、例えば14~16mm、例えば15mmの幅を有してもよい。
【0092】
材料のシートは、成形ロッドの外面の周りに螺旋状に巻かれ、例えば、成形ロッドの長手方向軸の周りに、成形ロッドの長手方向軸に対して斜角で螺旋状に巻かれる。成形ロッドの周りのそれぞれの連続する螺旋巻きにおいて、材料のシートの第1の部分は、材料のシートの第2の部分と部分的に重なり、材料のシートの連続する巻きの間に間隙が存在しないようにする。材料のシートの重なる部分は、接着剤によって互いに固定されてもよい。
【0093】
好ましくは、材料シートは紙である。紙は、植物系繊維、例えば、亜麻、麻、ジュート、サイザル麻、マニラ麻、綿、ココナッツ、竹、デンプン又は木材パルプのうちの1つ以上を含んでもよい。紙は、植物系繊維、例えば、亜麻、麻、ジュート、サイザル麻、マニラ麻、綿、ココナッツ、竹、デンプン又は木材パルプのうちの1つ以上から形成されてもよい。紙は、濾紙又はセルロース/リヨセル/ビスコースベースの紙であってもよい。
【0094】
好ましくは、材料のシートはプラグラップである。
【0095】
充填材料は連続的に前進してもよい。
【0096】
充填材料は、長手方向に延在する中空管に向かって前進させられる前に、供給源から引き出されてもよい。
【0097】
充填材料は、中空管の長手方向長さに沿って、例えば、中空管の長手方向全長に沿って、中空管の周りに集められる(例えば、巻き付けられる、例えば、螺旋状に巻かれる)。
【0098】
充填材料は、充填材料のシートであってもよい。
【0099】
本方法は、充填材料の1~10枚のシート、例えば充填材料の1枚、2枚、3枚、4枚、5枚、6枚、7枚、9枚、又は10枚のシートを前進させることを含み得る。本方法は、少なくとも2枚の充填材料のシート、例えば少なくとも3枚の充填材料のシート、少なくとも4枚の充填材料のシートを前進させることを含んでもよい。充填材料の2つ以上のシートが存在する場合、これは、充填材料の2つのロールなどの2つ以上の供給源から引き出されてもよい。
【0100】
充填材料のシートは、10~90mm、例えば20~80mm、例えば50~60mm、例えば20~30mm、例えば25mmの幅を有してもよい。充填材料のシートは、60~90mmの幅に切断されてもよい。
【0101】
本方法は、充填材料のシートを長手方向に切断し、それによって長手方向に延在する充填材料の2つ以上のシートを形成する工程を含んでもよい。例えば、切断は、充填材料のシートが長手方向に前進させられ、次いで、中空管の周りに集められる前に、切断ステーションで行われてもよい。長手方向に延在する充填材料の2つ以上のシートは、切断に続いて互いの上に積み重ねられてもよい。長手方向に延在する充填材料の2つ以上のシートは、切断後に長手方向に前進し続けることができる。充填材料のシートは、長手方向に延在する充填材料の2、3、4又はそれ以上のシートを形成するために切断されてもよい。あるいは、充填材料は、別個のプロセスによって切断され、本発明の方法において使用するためにリールに巻かれてもよい。
【0102】
実施形態では、充填材料のシートは、中空管の長手方向軸の周りで中空管の周りに巻き付けられてもよい。充填材料のシートは、中空管の長手方向軸に対して90度の角度で巻き付けられてもよい。充填材料のシートは、充填材料のシートが中空管を1回囲み、中空管の周りに充填材料の単一の連続層を形成するように、中空管の長手方向軸の周りで中空管の周りに1回巻き付けられてもよい。代替的に、充填材料のシートは、中空管の長手方向軸の周りで中空管の周りに1回以上巻き付けられてもよく、それにより、充填材料のシートは、中空管を1回以上囲み(すなわち、それ自体と重なり)、中空管の周りに複数の層を形成する。
【0103】
充填材料のシートは、中空管の周りに充填材料のシートを収集する(又は収集するように構成される)ための収集チャンバ内で中空管の周りに巻き付けられてもよい。充填材料のシートは、充填材料のシート及び中空管を受け入れるための入口と、中空管(及び中空管の周りに係合された充填材料の層)が収集チャンバから出る出口とを有する収集チャンバ内に引き込まれてもよい。収集チャンバは、入口の直径が出口の直径よりも大きいテーパ付きチャンバであってもよい。
【0104】
方法が充填材料の2つ以上のシートを前進させることを含む実施形態では、充填材料のシートは、互いの上に積み重ねられて、充填材料の2つ以上のシートのスタックを形成してもよい。充填材料の2つ以上のシートのスタックは、充填材料の各シートが中空管を1回取り囲み、中空管の周りに充填材料の複数の層を形成するように、中空管の長手方向軸の周りで中空管の周りに1回連続して巻き付けられてもよい。充填材料の各シートは、中空管の長手方向軸に対して90度の角度で巻き付けられてもよい。充填材料の複数の層は、中空管の周りに同心円状に係合されてもよい。充填材料のシートは、中空管の周りに充填材料のシートを集めるための(又は集めるように構成された)収集チャンバ内で中空管の周りに巻き付けられてもよい。
【0105】
更なる実施形態では、充填材料のシートは、中空管の周りに螺旋状に巻かれてもよく、例えば、中空管の長手方向軸の周りに、中空管の長手方向軸に対して斜角で螺旋状に巻かれてもよい。
【0106】
ここで、「中空管に巻かれる」とは、中空管の外面に巻かれることを意味する。
【0107】
充填材料のシートは、成形チャンバ内で中空管の周りに螺旋状に巻かれてもよく、成形チャンバは、充填材料のシートを中空管の周りに螺旋状に巻くための(又はそのように構成された)ものである。いくつかの例では、成形チャンバは、成形ロッドを備えてもよく、充填材料のシートが中空管の周りに螺旋状に巻かれる前に、成形ロッドの周りに中空管の材料のシートが螺旋状に巻かれ、それによって、長手方向に延在する中空管を形成してもよい。充填材料のシート(及び中空管の材料のシート)は、充填材料のシート(及び中空管の材料のシート)を受け入れるための入口と、中空管(及び中空管の周りに係合された充填材料の層)が成形チャンバから出る出口とを有する成形チャンバ内に引き込まれてもよい。
【0108】
充填材料のシートは、充填材料のシートが部分的に重なる螺旋巻きを有するように螺旋状に巻かれてもよく、それによって、螺旋状に巻かれた充填材料のシートの一部は、巻きの間に間隙がないように、各連続する螺旋巻き上でそれ自体と重なり、それによって中空管の周りに充填材料の連続層を形成する。代替的に、充填材料のシートは、充填材料のシートが隣接する重ならない螺旋巻きを有するように螺旋状に巻かれてもよく、それによって、充填材料の螺旋状に巻かれたシートの対向する縁部が連続する螺旋巻きの長さに沿って隣接し、そのため連続する螺旋巻きが隣接し、巻きの間に間隙がなく、それによって中空管の周りに充填材料の連続層を形成する。
【0109】
本出願人は、中空管の周りに充填材料を螺旋状に巻くことにより、実質的に一貫した壁厚を有する充填材料を含む均一な層が提供されることを見出した。
【0110】
本方法は、充填材料の前進シートが長手方向に延在する中空管の周りに螺旋状に巻かれる前に、充填材料の前進シートに接着剤を塗布する工程を更に含んでもよい。接着剤は、前進する充填材料のシートが中空管の周りに螺旋状に巻かれる前に、接着ステーションにおいて充填材料のシートに塗布されてもよい。接着剤は、充填材料のシート上に噴霧されてもよく、例えば、充填材料のシートの表面上に、例えば、充填材料のシートの縁部に噴霧されてもよい。接着剤は、中空管の周りに充填材料のシートを固定するために使用されてもよい。接着剤は、当技術分野で知られているように、ホットメルト又は水性接着剤(例えば、エチルビニルアセテート)であってもよい。
【0111】
充填材料は、紙又は不織布材料を含んでもよい。紙又は不織布材料は、植物系繊維、例えば、亜麻、麻、ジュート、サイザル麻、マニラ麻、綿、ココナッツ、竹、デンプン又は木材パルプのうちの1つ以上を含んでもよい。紙又は不織布材料は、植物系繊維、例えば、亜麻、麻、ジュート、サイザル麻、マニラ麻、綿、ココナッツ、竹、デンプン又は木材パルプのうちの1つ以上から形成されてもよい。紙又は不織材料は、エアレイド材料、濾紙、又はセルロース/リヨセル/ビスコースベースの紙であってもよい。
【0112】
ラッパーが、充填材料を含む層の周りに巻き付けられる。ラッパーは、ガーニチャーユニットなどの当技術分野で公知の標準的な方法を使用して巻き付けられてもよい。ラッパーは、充填材料を含む層の周りに接着剤で、例えば当技術分野で知られているような重ね合わせ接着シームによって固定されてもよい。
【0113】
連続ロッドは、個々の要素を形成するために、横断面を通して切断され得る。連続的に延在するロッドは、回転ドラムカッター等の当該技術分野において既知の標準的な切断方法を使用して切断されてもよい。連続ロッドは、更なる切断ステーションで切断されてもよい。
【0114】
本発明の更なる態様では、上記のいずれかの記載による方法によって形成されたエアロゾル発生物品用の要素が提供される。
【0115】
本発明の更なる態様では、上記のいずれかの記述による方法によって形成された喫煙物品の要素が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0116】
以下、添付図面を参照して、例としてのみ、本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1】本発明によるエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素の斜視図である。
図2図1に示す要素の断面図である。
図3】本発明によるエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素の斜視図である。
図4】本発明の方法の概略図である。
図5】本発明によるエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素の斜視図である。
図6】本発明の方法の概略図である。
【0117】
図1は、本発明の実施形態による、加熱式タバコ製品若しくは電子タバコなどのエアロゾル発生物品用の、又はタバコなどの喫煙物品用の要素100の斜視図を示す。
【0118】
要素100は、長手方向に延在する中空管101と、中空管101の周りに係合された充填材料102を含む層と、層102の周りに係合されたラッパー103とを備える。中空管101は、幅15mm及び坪量120g/mのプラグラップのストリップであってもよいシート材料の螺旋状に巻かれたストリップを含むが、他の材料も好適であることが理解されるであろう。螺旋状に巻かれた材料のシートは、部分的に重なる螺旋巻き(図示せず)を有し、中空管101を形成する。螺旋状に巻かれた材料のシートは、材料のシートが中空管101の長手方向長さに沿って連続する点でそれ自体と部分的に重なるように、要素100の長手方向軸の周りに螺旋状に延在する。螺旋状に巻かれた材料のシートの連続する巻きは、螺旋状に巻かれた材料のシート(図示せず)の表面上に配置された接着剤の層によって互いに固定されてもよく、それによって中空管101を一緒に固定する。充填材料を含む層は、幅15mmのエアレイド不織布材料のシートを含んでもよいが、他の充填材料も好適であることが理解されるであろう。充填材料のシートは、中空管101の周りに1回巻き付けられ、中空管101及びラッパー103上の接着剤の線(図示せず)によって中空管101及びラッパー103に固定される。充填材料はエンボス加工されてもよい。ラッパー103は、坪量100g/mのプラグラップであり、空気透過性20~6000CORESTAを有する。要素100は、長さ108mm、円周24.5mmである。
【0119】
図2は、図1に示すように、線A-Aに沿った要素100の断面プロファイルの断面図を示す。要素100の横断面は環状である。中空管101の内径はdで示され、充填材料102を含む層の平均厚さはtで示される。充填材料102の層は、1.3mmの平均厚さである。中空管101の内径は6mmであり、中空管101の平均壁厚は0.6mmである。
【0120】
図3は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素300の斜視図を示す。要素300は、長手方向に延在する中空管301と、中空管301の周りに係合された充填材料を含む層302と、層302の周りに係合されたラッパー303とを備える。中空管301は、幅15mm及び坪量100g/mのプラグラップのストリップであってもよい材料304の螺旋状に巻かれたシートを含むが、他の材料も好適であることが理解されるであろう。螺旋状に巻かれた材料のシート304の一部は、巻きの間に間隙がないように、連続する各巻きでそれ自体と重なる。螺旋状に巻かれた材料シート304は、中空管301を形成する。螺旋状に巻かれた材料のシート304の連続する巻きは、材料のシート304の表面上に配置された接着剤の層(図示せず)を使用して互いに固定されてもよい。接着剤は、(例えば、連続する螺旋巻きにおいて)それ自体と重なる材料のシート304の部分に塗布され、それによって、中空管301を一緒に固定する。充填材料302を含む層は、幅15mmのエアレイド不織布材料305のシートを含んでもよいが、他の充填材料も好適であることが理解されるであろう。充填材料305のシートは、隣接する重ならない螺旋巻きで中空管301の周りに螺旋状に巻かれ、それによって、充填材料305の螺旋状に巻かれたシートの対向する縁部は、巻きの間に間隙がないように、連続する巻きの長さに沿って隣接する。したがって、充填材料305の螺旋状に巻かれたシートは、中空管301の周りに充填材料302の連続層を形成する。充填材料305の螺旋状に巻かれたシートは、中空管301上の接着剤の線(図示せず)及びラッパー303上の接着剤の線(図示せず)によって中空管301及びラッパー303に固定される。ラッパー303は、坪量100g/mのプラグラップであり、接着剤の線(図示せず)で充填材料302を含む層の周りに固定される。
【0121】
図4は、本発明のプロセスの概略図を示す。要素300は、図4に示されるプロセスによって作製され得る。
【0122】
幅15mm及び坪量100g/mのプラグラップ306のシートは、ロール307から引き出され、長手方向Lに連続的に前進される。接着ステーション308において、接着剤が、前進するプラグラップ306の表面に長手方向縁部に沿って噴霧される。プラグラップ306は、直径5.0mmの円筒形成形ロッド(マンドレル)(図示せず)を備える成形チャンバ309に向かって前進し続ける。プラグラップ306のシートは、入口を通して成形チャンバ309内に引き込まれ、成形ロッドの周りに螺旋状に巻かれ、それにより、プラグラップ306のシートは、連続する螺旋巻き上でそれ自体と部分的に重なり、プラグラップのシートの重なり部分は、接着剤によって互いに固定され、それによって、約5.0mmの内径を有する長手方向に延在する中空管を形成する。幅15mmのエアレイド不織布充填材料310のシートが、ロール311から引き出され、長手方向Lに連続的に前進させられる。充填材料310のシートは、入口を通して成形チャンバ309内に引き込まれ、隣接する重ならない螺旋巻きで中空管の周りに螺旋状に巻かれ、それによって、螺旋状に巻かれた充填材料のシートの対向する縁部が、連続する巻きの長さに沿って隣接して、中空管の周りに連続層を形成する。中空管(及び中空管の周りに係合された充填材料の層)312は、出口を通って成形チャンバ309を出る。ガーニチャーユニット313において、坪量100g/mのプラグラップ315は、ロール311から引き出され、充填材料を含む層(及び中空管)312の周りに巻き付けられ、接着剤を使用して固定されて連続ロッド316を形成する。連続ロッド316は、切断ステーション317で切断されて、個々の要素300を形成する。
【0123】
図5は、本発明の実施形態によるエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素400の斜視図を示す。要素400は、長手方向に延在する中空管401と、中空管401の周りに係合された充填材料を含む層402と、層402の周りに係合されたラッパー403とを備える。中空管401は、幅15mm及び坪量100g/mのプラグラップのストリップであってもよい材料404の螺旋状に巻かれたシートを含むが、他の材料も好適であることが理解されるであろう。螺旋状に巻かれた材料のシート404の一部は、巻きの間に間隙がないように、連続する各巻きでそれ自体と重なる。螺旋状に巻かれた材料シート404は、中空管401を形成する。螺旋状に巻かれた材料のシート404の連続する巻きは、材料のシート404の表面上に配置された接着剤の層(図示せず)を使用して互いに固定されてもよい。接着剤は、(例えば、連続する螺旋巻きにおいて)それ自体と重なる材料のシート404の部分に塗布され、それによって、中空管401を一緒に固定する。充填材料402を含む層は、エアレイド不織布材料の4枚のシートを含むが、他の充填材料も好適であることが理解されるであろう。充填材料の各シートは、中空管の長手方向軸に対して90度の角度で中空管401の周りに1回巻き付けられ、それによって、中空管401の周りに同心円状に係合された充填材料の複数の層を形成する。充填材料402を含む層は、中空管401及びラッパー403上の接着剤の線(図示せず)によって中空管401及びラッパー403に固定される。ラッパー403は、坪量100g/mのプラグラップであり、接着剤の線(図示せず)で充填材料402を含む層の周りに固定される。
【0124】
図6は、本発明のプロセスの概略図を示す。図5による要素400は、図6に示されるプロセスによって作られてもよい。
【0125】
幅15mm及び坪量100g/mのプラグラップ406のシートは、ロール405から引き出され、長手方向Lに前進される。接着ステーション407において、接着剤が、前進するプラグラップ406の表面上に長手方向縁部に沿って噴霧される。プラグラップ406のシートは、直径5.0mmの円筒形成形ロッド(マンドレル)408に向かって前進し続ける。プラグラップ406のシートは、成形ロッド408の周りに螺旋状に巻かれ、プラグラップ406のシートは、連続する螺旋巻き上でそれ自体と部分的に重なり、プラグラップ406のシートの重なり部分は、接着剤によって互いに固定され、それによって、約5.0mmの内径を有する長手方向に延在する中空管409を形成する。中空管409は、収集チャンバ410に向かって前進させられ、入口を通して収集チャンバ410内に引き込まれる。幅60mmのエアレイド不織布充填材料411のシートがロール412から引き出される。切断ステーション413において、エアレイド不織布充填材料411のシートは、長手方向に切断されて、幅15mmの長手方向に延在する充填材料の4つのシート415を形成する。充填材料415の4枚のシートは、互いの上に積み重ねられ、収集チャンバ410に向かって長手方向Lに進められる。充填材料415の4つのシートのスタックは、入口を通して収集チャンバ410内に引き込まれ、中空管の長手方向軸に対して90度の角度で中空管409の周りに1回巻き付けられ、それにより、充填材料の各シートは、中空管409を1回囲み、中空管409の周りに同心円状に係合された充填材料の複数の層を形成する。中空管(及び中空管の周りに係合された充填材料の層)416は、出口を通って収集チャンバ410を出る。収集チャンバ410は、入口の直径が出口の直径よりも大きいテーパ付きチャンバである。テーパ付きチャンバは、中空管の周りに充填材料を凝縮させるのを助ける。ガーニチャーユニット419において、坪量100g/mのプラグラップ418は、ロール417から引き出され、充填材料を含む層(及び中空管)416の周りに巻き付けられ、接着剤を使用して固定されて連続ロッド420を形成する。連続ロッド420は、切断ステーション421で切断されて、個々の要素400を形成する。
【0126】
図1図3及び図5に示す要素のいずれかは、加熱式タバコ製品若しくは電子タバコなどのエアロゾル発生物品、又はタバコなどの喫煙物品に含まれるマルチセグメント製品の一部を形成してもよい。図1図3及び図5による要素は、当技術分野で公知の方法に従って、マルチセグメント製品、エアロゾル発生物品又は喫煙物品に組み立てられてもよい。
【0127】
加熱式タバコ製品などのエアロゾル発生物品は、タバコ材料のロッドと、加熱要素と、電源と、1つ以上の更なるフィルタセグメントと、上記の図1図3及び図5に示される任意の要素とを含む。要素は、エアロゾル発生物品の口端に配置されてもよく(すなわち、マウスピースとして機能する)、1つ以上の更なるフィルタセグメントは、加熱要素及びタバコロッドから下流に配置されてもよい。
【0128】
使用中、加熱されたタバコ製品の加熱要素は、タバコのロッドを加熱してエアロゾルを形成する。次いで、エアロゾルは、エアロゾルを冷却するか又はエアロゾルを濾過する機能を有し得る1つ以上の要素を通過した後、上記の図1図3及び図5に示される要素のいずれかを通過してユーザの口に入る。エアロゾルはまた、エアロゾル中の特定の化合物のレベルが低減されるように、要素によって濾過されてもよい。エアロゾルはまた、要素によって冷却されてもよく、すなわち、エアロゾルの温度は、要素の長さに沿って通過するにつれて低下する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2025-06-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延在する中空管を備えるエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素であって、
充填材料を含む層であって、前記中空管の周りに係合される、層と、
前記層の周りに係合されたラッパーと、を含み、前記中空管は、螺旋状に巻かれた材料のシートを含み、前記螺旋状に巻かれた材料のシートは、部分的に重なる螺旋巻きを有する、要素。
【請求項2】
前記層が、前記中空管の周りに巻き付けられた充填材料のシートを含み、例えば、充填材料の前記シートが、前記中空管の前記長手方向軸に対して90度の角度で巻き付けられ、例えば、充填材料の前記シートが、前記中空管の周りに1回巻き付けられる、請求項1に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項3】
前記層が、前記中空管の周りに螺旋状に巻かれた充填材料のシートを含み、及び/又は前記層が1~10枚の充填材料のシートを含む、請求項1に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項4】
充填材料の前記シートが、16~200グラム毎平方メートル(g/m)の坪量である、請求項2又は3に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項5】
充填材料を含む前記層が、0.2~3.0mmの平均厚さのものであり、かつ/又は前記充填材料が濾過材料であり、かつ/又は前記充填材料が紙又は不織材料である、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項6】
前記紙又は不織材料が植物系繊維を含み、前記紙又は不織材料が、エアレイド材料、濾紙、又はセルロース/リヨセル/ビスコースベースの紙である、請求項5に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項7】
前記充填材料がエンボス加工されていて、かつ/又は前記中空管の前記平均壁厚が0.2~3.0mmであり、かつ/又は
前記中空管の内径が1.5~10mmである、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項8】
前記中空管の材料の前記シートが紙であり、かつ/又は前記中空管の材料の前記シートが、0.02~1.5mmの厚さを有し、かつ/又は前記中空管の材料の前記シートは、24~200グラム毎平方メートル(g/m)の坪量を有し、かつ/又は前記中空管の材料の前記シートがプラグラップであり、かつ/又は中空管の材料の前記シートが、材料の前記シートの表面上に配置された接着剤の層を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項9】
前記ラッパーが、24~200グラム毎平方メートル(g/m)の坪量のプラグラップであり、かつ/又は前記要素の長さが5~150mmであり、及び/又は前記要素の円周が14~30mmである、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素。
【請求項10】
エアロゾル発生物品又は喫煙物品のためのマルチセグメント製品であって、請求項1~9のいずれか一項に記載の要素と、1つ以上の別個の更なるセグメントとを備えるマルチセグメント製品。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の要素を含む、又は請求項10に記載のマルチセグメント製品を含む、エアロゾル発生物品又は喫煙物品。
【請求項12】
エアロゾル発生物品又は喫煙物品のための要素を作製する方法であって、
材料のシートを長手方向に前進させる工程と、
材料の前記シートを成形ロッドの周りに螺旋状に巻いて、そのため材料の前記シートが連続する螺旋巻き上でそれ自体に部分的に重なり、それによって長手方向に延在する中空管を形成する工程と、
充填材料を長手方向に前進させる工程と、
前記中空管の周りに前記充填材料を集めて、前記中空管の周りに係合された充填材料を含む層を形成する工程と、
充填材料を含む前記層の周りにラッパーを集めて固定し、連続ロッドを形成する工程と、
前記連続ロッドを切断して、個々のマウスピース又はフィルタ要素を形成する工程と、を含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記前進する材料のシートに接着剤を塗布する工程を含み、例えば、材料の前記シートの前記重なる部分は、接着剤によって互いに固定され、及び/又は前記充填材料が充填材料のシートであり、例えば、前記方法は、充填材料の前記シートを長手方向に切断し、それによって長手方向に延在する充填材料の2つ以上のシートを形成する工程を含む、方法。
【請求項14】
充填材料の前記シートが前記中空管の周りに巻き付けられ、例えば、充填材料の前記シートが、前記中空管の前記長手方向軸に対して90度の角度で巻き付けられる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
充填材料の前記シートが、前記中空管の前記外面の周りに螺旋状に巻かれ、例えば
充填材料の前記螺旋状に巻かれたシートは、連続する螺旋巻きにおいてそれ自体と部分的に重なり、例えば、充填材料の前記螺旋状に巻かれたシートは、隣接する重ならない螺旋巻きを有する、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】