(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-09-29
(54)【発明の名称】石炭・コークスの工業分析を迅速に行う方法
(51)【国際特許分類】
G01N 25/20 20060101AFI20250919BHJP
G01N 5/04 20060101ALI20250919BHJP
【FI】
G01N25/20 G
G01N5/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025520041
(86)(22)【出願日】2024-06-13
(85)【翻訳文提出日】2025-04-07
(86)【国際出願番号】 CN2024098994
(87)【国際公開番号】W WO2025020743
(87)【国際公開日】2025-01-30
(31)【優先権主張番号】202310933224.7
(32)【優先日】2023-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】524021338
【氏名又は名称】鞍鋼集団北京研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】ANSTEEL BEIJING RESEARCH INSTITUTE CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100125184
【氏名又は名称】二口 治
(74)【代理人】
【識別番号】100188488
【氏名又は名称】原谷 英之
(72)【発明者】
【氏名】▲ぱん▼ 克亮
(72)【発明者】
【氏名】孫 敏敏
(72)【発明者】
【氏名】孟 ▲しん▼陽
(72)【発明者】
【氏名】谷 致遠
(72)【発明者】
【氏名】劉 福軍
【テーマコード(参考)】
2G040
【Fターム(参考)】
2G040AB11
2G040BA05
2G040BA29
2G040BB02
2G040BB04
2G040CA02
2G040CA16
2G040CA22
2G040DA02
2G040EA02
2G040EC09
2G040GA04
2G040GC06
2G040HA16
2G040ZA02
(57)【要約】
本発明は、1)熱重量分析装置による工業分析プロセスにおける温度制御制度と雰囲気制御制度を設定するステップ;2)空の坩堝を熱重量分析装置に入れてブランク対照実験を行うステップ;3)実験試料を秤量して坩堝に装入するステップ;4)試料を装入した坩堝を熱重量分析装置に入れて実験群の実験を行うステップ;5)実験結果をデータ処理し、ブランク対照実験の結果を自動的に差し引いて試料そのものの熱重量分析結果を得るステップ;および6)水分、灰分、揮発分、固定炭素の含有率を計算分析して工業分析の結果を得るステップを含む石炭・コークスの工業分析を迅速に行う方法に関し、石炭、コークス、バイオマス等の有機炭素材料の工業分析を迅速に行うことができ、短時間で繰り返して実験することができ、熱重量分析装置による質量の測定がより正確であり、天秤の感度がより高く、温度制御がより正確であり、誤差がより小さいため、結果の信頼性が向上するという効果を奏する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記のステップを含むことを特徴とする石炭・コークスの工業分析を迅速に行う方法。
1)熱重量分析装置による工業分析プロセスにおける温度制御制度と雰囲気制御制度を設定するステップ;
温度制御制度:10~20℃/minの速度で105±5℃に昇温してこの温度で10~15min保温し、続いて10~20℃/minで900±5℃に昇温してこの温度で30~60min保温し、続いて10~20℃/minで815±5℃に降温してこの温度で30~60min保温し、続いて10~20℃/minで25±5℃に降温する;
雰囲気制御制度:実験開始時に予め窒素を流して気体流速を60~100ml/minとし、温度が815±10℃に下がると、気体を空気に切り替えて気体流速を同流量の60~100ml/minとし、815±10℃での保温が終わると、気体を窒素に切り替える;
2)空の坩堝を熱重量分析装置に入れてブランク対照実験を行うステップ;
3)実験試料を秤量して坩堝に装入するステップ;
4)試料を装入した坩堝を熱重量分析装置に入れて実験群の実験を行うステップ;
5)実験結果をデータ処理し、ブランク対照実験の結果を自動的に差し引いて試料そのものの熱重量分析結果を得るステップ;および
6)水分、灰分、揮発分、固定炭素の含有率を計算分析して工業分析の結果を得るステップ。
【請求項2】
前記坩堝は、材質がAl
2O
3の坩堝であることを特徴とする請求項1に記載の石炭・コークスの工業分析を迅速に行う方法。
【請求項3】
前記実験試料は、有機炭素質であり、実験試料の粒子径が100~400μmであることを特徴とする請求項1に記載の石炭・コークスの工業分析を迅速に行う方法。
【請求項4】
前記有機炭素質は、石炭および/またはコークスであることを特徴とする請求項3に記載の石炭・コークスの工業分析を迅速に行う方法。
【請求項5】
ステップ4)について、実験を行う前に試料の正味質量を記録し、ステップ1)で設定する温度制御制度と雰囲気制御制度に従って実験を行うことを特徴とする請求項1に記載の石炭・コークスの工業分析を迅速に行う方法。
【請求項6】
ステップ4)で採用される温度制御制度と雰囲気制御制度は、ステップ1)と同じであることを特徴とする請求項1に記載の石炭・コークスの工業分析を迅速に行う方法。
【請求項7】
ステップ5)では、ブランク対照群の結果を基準にして実験群のデータをベースライン補正して実験試料の熱重量減少曲線を得ることを特徴とする請求項1に記載の石炭・コークスの工業分析を迅速に行う方法。
【請求項8】
ステップ6)における計算は、下記の通りであることを特徴とする請求項1に記載の石炭・コークスの工業分析を迅速に行う方法。
実験開始後、105±5℃に昇温してこの温度で10~15min保温する脱水段階である第1段階では、重量減少が安定になると、水分の相対割合Mを算出し;
【数1】
[式(1)中、m
1(単位:g)は実験開始前に記録した実験試料の質量であり、m
2(単位:g)は第1段階で重量減少が安定になる時に記録した実験試料の質量である。]
900±5℃に昇温して30~60min保温する揮発分の熱分解段階である第2段階では、重量減少が安定になると、揮発分の相対割合Vを算出し;
【数2】
[式(2)中、m
3(単位:g)は第2段階で重量減少が安定になる時に記録した実験試料の質量である。]
815±5℃に降温して30~60min保温する空気雰囲気下での固定炭素の燃焼段階である第3段階では、重量減少が安定になると、固定炭素の相対割合Cを算出し;
【数3】
[式(3)中、m
4(単位:g)は第3段階で重量減少が安定になる時に記録した実験試料の質量である。]
実験終了後、灰分の相対割合Aを算出する。
【数4】
[式(4)中、m
5(単位:g)は実験終了後に記録した残留固体の質量である。]
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石炭・コークス分析の分野に関し、特に石炭・コークスの工業分析を迅速に行う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコークス工業分析測定方法に用いられる中国国家標準GB/T2001-2013の具体的な手順は、下記のものである。従来の測定方法において、所定量の空気乾燥試料を秤量し、105~110℃の乾燥器に置き、空気流中で質量が一定になるまで乾燥させた後、石炭試料の質量減少から水分の含有率(%)を算出する。揮発分の試験方法は、所定量の空気乾燥試料を秤量し、蓋付きのセラミックス製坩堝に入れ、空気を遮断した状態で900±10℃で7min加熱し、石炭試料の質量に対する減少した質量の割合(%)から、当該石炭試料から算出した水分の含有率を差し引いた値を石炭試料の揮発分とする。灰分の試験方法(迅速な灰化方法)は、試料を入れた灰皿を徐々に炉外から815±10℃に予熱されたマッフル炉に送り込んで1h焼成し、石炭試料の質量に対する残留物の質量の割合(%)を灰分とする。灰分と揮発分の試験条件は大きく異なるため、通常、灰分と揮発分の試験は独立して個別に順次行われ、試験全体は、時間が長く、作業効率が低く、工業現場での迅速なオンライン分析要求に対応できない。
【0003】
従来技術のうち、特許公開番号CN1514226Aには、石炭系材料の工業分析の非連続測定方法および分析装置が開示されている。試験炉体は円柱形炉と井形炉に分けられており、分析装置では、円柱形炉に昇降可能な試料供給ロッドが内蔵され、井形炉に試料坩堝を載置する昇降・回転可能な試料載置台と電子天秤が内蔵され、コンピュータが制御回路を介して試料供給ロッド、試料載置台の昇降・回転機構および電子天秤と接続されてそれらの動作を制御するとともに、両炉内の発熱抵抗体および熱電対と接続されて炉温を制御する。測定方法では、石炭試料坩堝を試料載置台に置き、井形炉に窒素ガスを流しながら、質量が一定になるまで105~110℃で加熱し、自動的に水分の含有率(%)を算出し、さらに酸素ガスに切り替え、質量が一定になるまで815℃+10℃で加熱し、灰分の含有率を算出し;次に、揮発分測定用坩堝と石炭試料に切り替えて装入し、900℃±10℃の円柱形炉に搬入して7min加熱し、発揮分の含有率を測定する。係る技術的手段により、石炭、コークス等の有機物の水分、灰分、発揮分、固定炭素の4つの工業分析指標の測定を自動的に行うことができる。測定プロセスは、見張りが必要とされず、測定速度が速く、效率が高い。しかしながら、この方法では、炉体間が繋がって雰囲気の制御が確保できず、灰分と発揮分の測定領域が入れ替わってかえって煩雑になる。
【0004】
特許公開番号CN101377483Aには、同一の高温炉中で空気乾燥石炭試料の灰分と揮発分を同時に測定して灰分値と揮発分値を得る石炭の工業分析方法が開示されている。具体的なステップは、下記のものである。試験前に高温炉の温度を400~500℃に昇温して保温し、灰分測定用の空気乾燥石炭試料を高温炉に装入し、所定の速度20~30℃/minで920±10℃に昇温して保温し;揮発分測定用の空気乾燥石炭試料を灰分試験が行われている高温炉に装入し、試料の装入により下げた高温炉の温度を3分間以内に900±10℃に戻して保温し;揮発分測定用の空気乾燥石炭試料の試験を終了させ、高温炉から取り出した後、この時の炉温を保持するか、高温炉の温度を所定の速度10~15℃/minで815±10℃に降温し、灰分試験が終了するまで保温する。実験には自動分析装置が用いられており、試験の合計時間が従来法に比べて大幅に短縮している。しかしながら、試料の秤量、装入、加熱、取り出しから試験後の秤量までの全工程において、依然として人手と時間を要するため、より迅速で正確な工業分析測定方法が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、石炭・コークスの工業分析を迅速に行う方法を提供することを目的とし、熱重量分析装置(TGA)を用いることで石炭やコークス等の有機炭素試料の工業分析をより感度良く正確に行い、プロセスにおける温度変化と反応雰囲気を制御することで試料の水分、灰分、揮発分、固定炭素の含有率を分析し、実験全体の時間を短縮し、作業効率を向上し、人為的操作による様々な誤差を低減し、しかも実験機器が高度に正確であり、工業現場での迅速な分析要求に対応することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。
下記のステップを含む石炭・コークスの工業分析を迅速に行う方法。
1)熱重量分析装置による工業分析プロセスにおける温度制御制度と雰囲気制御制度を設定するステップ;
温度制御制度:10~20℃/minの速度で105±5℃に昇温してこの温度で10~15min保温し、続いて10~20℃/minで900±5℃に昇温してこの温度で30~60min保温し、続いて10~20℃/minで815±5℃に降温してこの温度で30~60min保温し、続いて10~20℃/minで25±5℃に降温する;
雰囲気制御制度:実験開始時に予め窒素を流して気体流速を60~100ml/minとし、温度が815±10℃に下がると、気体を空気に切り替えて気体流速を同流量の60~100ml/minとし、815±10℃での保温が終わると、気体を窒素に切り替える;
2)空の坩堝を熱重量分析装置に入れてブランク対照実験を行うステップ;
3)実験試料を秤量して坩堝に装入するステップ;
4)試料を装入した坩堝を熱重量分析装置に入れて実験群の実験を行うステップ;
5)実験結果をデータ処理し、ブランク対照実験の結果を自動的に差し引いて試料そのものの熱重量分析結果を得るステップ;および
6)水分、灰分、揮発分、固定炭素の含有率を計算分析して工業分析の結果を得るステップ。
【0007】
前記坩堝は、材質がAl2O3の坩堝である。
前記実験試料は、有機炭素質であり、実験試料の粒子径が100~400μmである。
前記有機炭素質は、石炭および/またはコークスである。
ステップ4)について、実験を行う前に試料の正味質量を記録し、ステップ1)で設定する温度制御制度と雰囲気制御制度に従って実験を行う。
ステップ4)で採用される温度制御制度と雰囲気制御制度は、ステップ1)と同じである。
ステップ5)では、ブランク対照群の結果を基準にして実験群のデータをベースライン補正して実験試料の熱重量減少曲線を得る。
【0008】
ステップ6)における計算は、下記の通りである。
実験開始後、105±5℃に昇温してこの温度で10~15min保温する脱水段階である第1段階では、重量減少が安定になると、水分の相対割合Mを算出し;
【数1】
[式(1)中、m
1(単位:g)は実験開始前に記録した実験試料の質量であり、m
2(単位:g)は第1段階で重量減少が安定になる時に記録した実験試料の質量である。]
【0009】
900±5℃に昇温して30~60min保温する揮発分の熱分解段階である第2段階では、重量減少が安定になると、揮発分の相対割合Vを算出し;
【数2】
[式(2)中、m
3(単位:g)は第2段階で重量減少が安定になる時に記録した実験試料の質量である。]
【0010】
815±5℃に降温して30~60min保温する空気雰囲気下での固定炭素の燃焼段階である第3段階では、重量減少が安定になると、固定炭素の相対割合Cを算出し;
【数3】
[式(3)中、m
4(単位:g)は第3段階で重量減少が安定になる時に記録した実験試料の質量である。]
【0011】
実験終了後、灰分の相対割合Aを算出する。
【数4】
[式(4)中、m
5(単位:g)は実験終了後に記録した残留固体の質量である。]
【発明の効果】
【0012】
本発明は、従来技術に比べて、下記の有益な効果を奏する。
本発明の方法は、石炭、コークス、バイオマス等の有機炭素材料の工業分析を迅速に行うことができ、短時間で繰り返して実験することができ、熱重量分析装置による質量の測定がより正確であり、天秤の感度がより高く、温度制御がより正確であり、誤差がより小さいため、結果の信頼性が向上する。また、人的・物的資源を大きく節約するため、工業分析の測定コスト(坩堝、高温マッフル炉のエネルギー消費等)を大幅に削減する。特に、数多くの試料を同時に測定して比較する場合に好適である。
【0013】
本発明の方法は、実験全体の時間を短縮することができるため作業効率を大幅に向上し、人為的操作による様々な誤差を低減し、しかも実験機器が高度に正確であり、工業現場での迅速な分析要求に対応することができ、計算パラメータがすべて機器によって取得されるため、人為的操作による誤差を低減し、コークスの評価に基盤を確立する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】温度制度設定と雰囲気制度設定の模式図である。
【
図2】実施例1における冶金用粉コークスの工業分析を迅速に行う図である。
【
図3】実施例2における石炭粉の工業分析を迅速に行う図である。
【
図4】実施例3におけるバイオマスの工業分析を迅速に行う図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明を詳細に説明するが、本発明の実施が下記の実施態様に限定されないことを指摘すべきである。
図1に示すように、石炭・コークスの工業分析を迅速に行う方法は、具体的に下記の手順で行われる。
1、プロセスにおける温度制御制度:プログラム開始後、10~20℃/minの速度で105±5℃に昇温してこの温度で10~15min保温し、続いて10~20℃/minで900±5℃に昇温してこの温度で30~60min保温し、続いて10~20℃/minで815±3℃に降温してこの温度で30~60min保温し、続いて10~20℃/minで25±5℃に降温する。
2、プロセスにおける雰囲気設定:実験開始時に予め窒素を流して気体流速を60~100ml/minとし、温度が815℃に下がると、気体を空気に切り替えて気体流速を同流量の60~100ml/minとし、815℃での保温が終わると、気体を窒素に切り替える。
3、ブランク対照群:空のAl
2O
3坩堝を用いてブランク対照実験を行う。
4、実験群:実験試料(有機炭素質)を空気中で乾燥させ、100~400μmに破砕した後、5~15mgの試料粉末を秤量し、試料量が坩堝容積の2/3を超えず、試料が坩堝の底部に展開する(試料が坩堝の底部に展開することを確保しながら、できるだけ試料量を減らす)ようにブランク対照群に用いたAl
2O
3坩堝に装入し、試料を装入した坩堝を熱重量分析装置に置く。
5、ブランク対照群と同様の温度制度と雰囲気制度を用いて、規定した操作に従って実験群の実験を行う。
6、実験終了後、ブランク対照群の結果を基準にして実験群のデータをベースライン補正する。
7、計算プロセス:実験開始後、第1段階は脱水段階であり、重量減少が安定になると水分の相対割合を算出し;第2段階は揮発分の熱分解段階であり、重量減少が安定になると揮発分の相対割合を算出し;第3段階は空気雰囲気下での固定炭素の燃焼段階であり、重量減少が安定になると固定炭素の相対割合を算出し;実験終了後に残留した固体の量から灰分の相対割合を算出する。
【実施例】
【0016】
実施例1
熱重量分析装置を用いてコークス製造工場からの冶金用粉コークスの工業分析を行い、具体的な手順は下記の通りであった。
1、熱重量分析装置の温度制御制度と雰囲気制御制度の設定
プロセスにおける温度制度:プログラム開始後、15℃/minの速度で105℃に昇温してこの温度で10min保温し、続いて15℃/minで900℃に昇温してこの温度で30min保温し、続いて15℃/minで815℃に降温してこの温度で30min保温し、続いて15℃/minで25℃に降温した。
プロセスにおける雰囲気設定:実験開始時に予め窒素を流して気体流速を60ml/minとし、温度が815℃に下がると、気体を空気に切り替えて気体流速を同流量の60ml/minとし、815℃での保温が終わると、気体を窒素に切り替えた。
2、ブランク対照群:所定容積の空のAl
2O
3坩堝を用いてブランク対照実験を行った。
3、実験群:コークスを空気中で乾燥させ、200μmに破砕した後、10mgの試料粉末を秤量し、試料量が坩堝容積の2/3を超えず、試料が坩堝の底部に展開するようにブランク対照群に用いたAl
2O
3坩堝に装入し、試料を装入した坩堝を熱重量分析装置に置いた。
4、ブランク対照群と同様の温度制御制度と雰囲気制御制度を用いて、実験開始前に試料の正味質量10.85mgを記録し、規定した操作に従って実験を行った。
5、実験終了後、ブランク対照群の結果を基準にして実験群のデータをベースライン補正して、
図2に示す結果を得た。
6、計算プロセス:段階別のデータを抽出・計算したところ、質量百分率で、水分1.84%、灰分13.18%、揮発分5.6%、固定炭素79.35%であった。
【0017】
実施例2
熱重量分析装置を用いて石炭粉の工業分析測定を行い、具体的な手順は下記の通りであった。
1、熱重量分析装置の温度制御制度と雰囲気制御制度の設定
プロセスにおける温度制度:プログラム開始後、15℃/minの速度で105℃に昇温してこの温度で10min保温し、続いて15℃/minで900℃に昇温してこの温度で30min保温し、続いて15℃/minで815℃に降温してこの温度で30min保温し、続いて15℃/minで25℃に降温した。
プロセスにおける雰囲気設定:実験開始時に予め窒素を流して気体流速を60ml/minとし、温度が815℃に下がると、気体を空気に切り替えて気体流速を同流量の60ml/minとし、815℃での保温が終わると、気体を窒素に切り替えた。
2、ブランク対照群:所定容積の空のAl
2O
3坩堝を用いてブランク対照実験を行った。
3、実験群:コークスを空気中で乾燥させ、200μmに破砕した後、約5mgの試料粉末を秤量し、試料量が坩堝容積の2/3を超えず、試料が坩堝の底部に展開するようにブランク対照群に用いたAl
2O
3坩堝に装入し、試料を装入した坩堝を熱重量分析装置に置いた。
4、ブランク対照群と同様の温度制御制度と雰囲気制御制度を用いて、実験開始前に試料の正味質量6.16mgを記録し、規定した操作に従って実験を行った。
5、実験終了後、ブランク対照群の結果を基準にして実験群のデータをベースライン補正して、
図3に示す結果を得た。
6、計算プロセス:段階別のデータを抽出・計算したところ、質量百分率で、水分1.14%、灰分8.45%、揮発分19.67%、固定炭素70.73%であった。
【0018】
実施例3
熱重量分析装置を用いて、水熱法により処理したバイオマス炭の工業分析測定を行い、具体的な手順は下記の通りであった。
1、熱重量分析装置の温度制御制度と雰囲気制御制度の設定
プロセスにおける温度制度:プログラム開始後、15℃/minの速度で105℃に昇温してこの温度で10min保温し、続いて15℃/minで900℃に昇温してこの温度で30min保温し、続いて15℃/minで815℃に降温してこの温度で30min保温し、続いて15℃/minで25℃に降温した。
プロセスにおける雰囲気設定:実験開始時に予め窒素を流して気体流速を60ml/minとし、温度が815℃に下がると、気体を空気に切り替えて気体流速を同流量の60ml/minとし、815℃での保温が終わると、気体を窒素に切り替えた。
2、ブランク対照群:所定容積の空のAl
2O
3坩堝を用いてブランク対照実験を行った。
3、実験群:バイオマス炭を空気中で乾燥させ、200μmに破砕した後、約6mgの試料粉末を秤量し、試料量が坩堝容積の2/3を超えず、試料が坩堝の底部に展開するようにブランク対照群に用いたAl
2O
3坩堝に装入し、試料を装入した坩堝を熱重量分析装置に置いた。
4、ブランク対照群と同様の温度制御制度と雰囲気制御制度を用いて、実験開始前に試料の正味質量6.35mgを記録し、規定した操作に従って実験を行った。
5、実験終了後、ブランク対照群の結果を基準にして実験群のデータをベースライン補正して、
図4に示す結果を得た。
6、計算プロセス:段階別のデータを抽出・計算したところ、質量百分率で、水分1.11%、灰分2.68%、揮発分43.00%、固定炭素52.22%であった。
【国際調査報告】