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特表2025-532771オプティカルフローを用いたトレーラの存在検出を含むカメラ監視システム
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  • 特表-オプティカルフローを用いたトレーラの存在検出を含むカメラ監視システム 図1A
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  • 特表-オプティカルフローを用いたトレーラの存在検出を含むカメラ監視システム 図7
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-10-03
(54)【発明の名称】オプティカルフローを用いたトレーラの存在検出を含むカメラ監視システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20250926BHJP
   G06V 20/56 20220101ALI20250926BHJP
   G06T 7/246 20170101ALI20250926BHJP
【FI】
H04N7/18 J
H04N7/18 K
G06V20/56
G06T7/246
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025514164
(86)(22)【出願日】2023-09-08
(85)【翻訳文提出日】2025-04-14
(86)【国際出願番号】 US2023032241
(87)【国際公開番号】W WO2024054597
(87)【国際公開日】2024-03-14
(31)【優先権主張番号】63/405,152
(32)【優先日】2022-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506139288
【氏名又は名称】ストーンリッジ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ、 ウェンペン
(72)【発明者】
【氏名】マ、 リャン
(72)【発明者】
【氏名】クープライダー、 トロイ オティス
【テーマコード(参考)】
5C054
5L096
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054FC12
5C054FC13
5C054HA30
5L096CA02
5L096FA03
5L096FA69
5L096HA04
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
トレーラの存在を検出する方法は、車両に固定された1つ以上のカメラからのビデオフィード内の関心領域を識別するステップを含む。ビデオフィードは、第1のピクセル領域を有するシーンを描写しており、関心領域は、第1のピクセル領域よりも小さい第2のピクセル領域を有するシーンの一部に対応する。この方法は、関心領域内のオプティカルフローを決定するステップと、関心領域内のオプティカルフローが連結されたトレーラに対応する所定のパターンに一致することに応答して、トレーラが車両に連結されていることを決定するステップも含む。車両のためのカメラ監視システムも開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレーラの存在を検出する方法であって、
車両に固定された1つ以上のカメラからのビデオフィード内の関心領域を識別するステップであって、前記ビデオフィードは、第1のピクセル領域を有するシーンを描写しており、前記関心領域は、前記第1のピクセル領域よりも小さい第2のピクセル領域を有する前記シーンの一部に対応するステップと、
前記関心領域内のオプティカルフローを決定するステップと、
前記関心領域内のオプティカルフローが連結されたトレーラに対応する所定のパターンに一致することに応答して、前記トレーラが前記車両に連結されていることを決定するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記1つ以上のカメラは、第1のカメラ及び第2のカメラを含み、
前記方法は、前記第1のカメラからの第1のビデオフィード及び前記第2のカメラからの第2のビデオフィードをステッチングインターフェースにおいて互いにステッチすることによって前記ビデオフィードを生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のビデオフィード及び前記第2のビデオフィードは、ミラー置換ビデオフィードである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のビデオフィードは、運転者側バックミラー置換ビデオフィードであり、
前記第2のビデオフィードは、助手席側バックミラー置換ビデオフィードである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記関心領域の水平幅は、前記ビデオフィードの全水平幅よりも小さく、
前記関心領域は、前記ステッチングインターフェースの一部を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記関心領域の垂直高さは、前記ビデオフィードの全垂直高さよりも小さい、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記車両の1つ以上の動作条件のセットを決定するステップを含み、
前記ビデオフィード内の前記関心領域を識別するステップは、前記車両の前記1つ以上の動作条件のセットに基づいて実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記関心領域は、前記ビデオフィード内の前記トレーラの予測位置に中心が置かれ、前記予測位置は、決定された前記1つ以上の動作条件に基づく、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上の動作条件は、前記車両の操舵角を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記1つ以上の動作条件は、前記車両の速度を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記車両の速度が所定の閾値速度を超えており、かつ前記車両の操舵角が所定の閾値操舵角以下である間、前記関心領域は、前記ステッチングインターフェースに中心が置かれる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記閾値速度は、時速9~11マイルであり、前記閾値操舵角は、4~6度である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記関心領域は、前記一次ビデオフィードの全垂直高さよりも小さい、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、前記関心領域の外側のオプティカルフローを決定しない、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記トレーラが前記車両に連結されていることを決定することに応答して、トレーラ連結通知を出力するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
車両用のカメラ監視システムであって、
後向き視野を規定する少なくとも1つのカメラと、
前記カメラによって生成されたビデオフィードがコントローラに提供されるように、前記少なくとも1つのカメラに接続されたコントローラと
を備えており、
前記コントローラは、プロセッサ及びメモリを含んでおり、前記メモリは、前記コントローラによって、
前記ビデオフィード内の関心領域を識別すること、
前記ビデオフィードは、第1のピクセル領域を有するシーンを描写しており、前記関心領域は、前記第1のピクセル領域よりも小さい第2のピクセル領域を有する前記シーンの一部に対応すること、
前記関心領域内のオプティカルフローを決定すること、
前記関心領域内の前記オプティカルフローが連結されたトレーラに対応する所定のパターンに一致することに応答して、トレーラが車両に連結されていることを決定すること
を行わせるように構成される命令を記憶している、カメラ監視システム。
【請求項16】
前記後向き視野を規定する前記少なくとも1つのカメラは、第1のミラー置換カメラ及び第2のミラー置換カメラを含む、請求項15に記載のカメラ監視システム。
【請求項17】
前記1つ以上のカメラは、第1のカメラ及び第2のカメラを含み、
前記第1のビデオフィードは、運転席側バックミラー置換ビデオフィードであり、
前記第2のビデオフィードは、助手席側バックミラー置換ビデオフィードであり、
前記コントローラは、前記第1のカメラからの第1のビデオフィード及び前記第2のカメラからの第2のビデオフィードをステッチングインターフェースにおいて互いにステッチすることによって前記ビデオフィードを生成するように構成される、請求項15に記載のカメラ監視システム。
【請求項18】
前記関心領域の水平幅は、前記ビデオフィードの全水平幅よりも小さく、
前記関心領域は、前記ステッチングインターフェースの一部を含む、請求項17に記載のカメラ監視システム。
【請求項19】
前記関心領域の垂直高さは、前記ビデオフィードの全垂直高さよりも小さい、請求項15に記載のカメラ監視システム。
【請求項20】
前記コントローラは、
前記車両の1つ以上の動作条件のセットを決定すること、及び
前記車両の前記1つ以上の動作条件のセットに基づいて、前記ビデオフィード内の前記関心領域の識別を実行すること
を行うように構成される、請求項15に記載のカメラ監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両のためのカメラ監視システム(CMS)に関し、特に、CMSを使用してトレーラの存在を決定するためのプロセスに関する。
【0002】
(関連出願)
本出願は、2022年9月9日に出願された米国仮出願第63/405,152号の利益を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
ミラー置換型システム、及びミラーのビューを補完するカメラシステムは、車両の操作者が周囲の環境を見る能力を高めるために商用車両に利用されている。カメラ監視システム(CMS)は、1つ以上のカメラを利用して、車両操作者に強化された視野を提供する。いくつかの例では、カメラシステムは、従来のミラーよりも広い視野をカバーし、又は従来のミラーを介して完全には得られないビューを含む。
【0004】
ミラー置換に加えて、CMS内のカメラを介して提供される画像は、画像処理に基づく検出プロセスにおいて、環境の側面及び車両の側面を検出するために利用され得る。検出可能な車両の側面の中には、トレーラの特性がある。次に、トレーラの特性は、注意深い運転検出、自動運転機能、半自動運転支援機能、ジャックナイフ警告、及び任意の同様の要素を含む任意の数のシステムに利用され得る。
【0005】
画像処理に基づく認識を使用したトレーラの特性の正確な検出は、上記のトラクタ-トレーラシステムの重要な特徴の1つである。しかしながら、画像処理に基づく認識は計算負荷が高い。トレーラが取り付けられていないときにトレーラの特性を検出するために画像に基づく認識を動作させると、カメラ監視システム内の他の目的に利用できる無駄な処理能力が生じる可能性がある。
【0006】
本発明のこれら及びその他の特徴は、以下の明細書及び図面から最もよく理解することができる。
【発明の概要】
【0007】
本開示の例示的な実施形態によるトレーラの存在を検出する方法は、車両に固定された1つ以上のカメラからのビデオフィード内の関心領域を識別するステップを含む。前記ビデオフィードは、第1のピクセル領域を有するシーンを描写しており、前記関心領域は、前記第1のピクセル領域よりも小さい第2のピクセル領域を有する前記シーンの一部に対応する。前記方法は、前記関心領域内のオプティカルフローを決定するステップと、前記関心領域内のオプティカルフローが連結されたトレーラに対応する所定のパターンに一致することに応答して、前記トレーラが前記車両に連結されていることを決定するステップとを含む。
【0008】
上記の実施形態のさらなる実施形態において、前記1つ以上のカメラは、第1のカメラ及び第2のカメラを含み、前記方法は、前記第1のカメラからの第1のビデオフィード及び前記第2のカメラからの第2のビデオフィードをステッチングインターフェースで互いにステッチすることによって前記ビデオフィードを生成するステップを含む。
【0009】
上記のいずれかの実施形態のさらなる実施形態において、前記第1のビデオフィード及び前記第2のビデオフィードは、ミラー置換ビデオフィードである。
【0010】
上記のいずれかの実施形態のさらなる実施形態において、前記第1のビデオフィードは、運転席側バックミラー置換ビデオフィードである。前記第2のビデオフィードは、助手席側バックミラー置換ビデオフィードである。
【0011】
上記のいずれかの実施形態のさらなる実施形態において、前記関心領域の水平幅は、前記ビデオフィードの全水平幅よりも小さく、前記関心領域は、前記ステッチングインターフェースの一部を含む。
【0012】
上記のいずれかの実施形態のさらなる実施形態において、前記関心領域の垂直高さは、前記ビデオフィードの全垂直高さよりも小さい。
【0013】
上記のいずれかの実施形態のさらなる実施形態において、前記方法は、前記車両の1つ以上の動作条件のセットを決定するステップを含み、前記ビデオフィード内の前記関心領域を識別するステップは、前記車両の前記1つ以上の動作条件のセットに基づいて実行される。
【0014】
上記のいずれかの実施形態のさらなる実施形態において、前記関心領域は、前記ビデオフィード内の前記トレーラの予測位置に中心が置かれ、前記予測位置は、決定された前記1つ以上の動作条件に基づく。
【0015】
上記のいずれかの実施形態のさらなる実施形態において、前記1つ以上の動作条件は、前記車両の操舵角を含む。
【0016】
上記のいずれかの実施形態のさらなる実施形態において、前記1つ以上の動作条件は、前記車両の速度を含む。
【0017】
上記のいずれかの実施形態のさらなる実施形態において、前記車両の速度が所定の閾値速度を超えており、かつ前記車両の操舵角が所定の閾値操舵角以下である間、前記関心領域は、前記ステッチングインターフェースに中心が置かれる。
【0018】
上記のいずれかの実施形態のさらなる実施形態において、前記閾値速度は、時速9~11マイルであり、前記閾値操舵角は、4~6度である。
【0019】
上記のいずれかの実施形態のさらなる実施形態において、前記方法は、前記関心領域の外側のオプティカルフローを決定しない。
【0020】
上記のいずれかの実施形態のさらなる実施形態において、前記方法は、前記トレーラが前記車両に連結されていることを決定することに応答して、トレーラ連結通知を出力するステップを含む。
【0021】
本開示の例示的な実施形態による車両用のカメラ監視システムは、後向き視野を規定する少なくとも1つのカメラと、前記カメラによって生成されたビデオフィードが前記コントローラに提供されるように、前記少なくとも1つのカメラに接続されたコントローラとを含む。前記コントローラは、プロセッサ及びメモリを含む。前記メモリは、前記コントローラに前記ビデオフィード内の関心領域を識別させるように構成される命令を記憶し、前記ビデオフィードは、第1のピクセル領域を有するシーンを描写しており、前記関心領域は、前記第1のピクセル領域よりも小さい第2のピクセル領域を有する前記シーンの一部に対応する。また、メモリは、コントローラに、前記関心領域内のオプティカルフローを決定すること、及び前記関心領域内のオプティカルフローが連結されたトレーラに対応する所定のパターンに一致することに応答して、前記トレーラが車両に連結されていることを決定することを行わせるように構成される命令も記憶する。
【0022】
上記の実施形態のさらなる実施形態において、前記後向き視野を規定する前記少なくとも1つのカメラは、第1のミラー置換カメラ及び第2のミラー置換カメラを含む。
【0023】
上記のいずれかの実施形態のさらなる実施形態において、前記1つ以上のカメラは、第1のカメラ及び第2のカメラを含み、前記第1のビデオフィードは、運転席側バックミラー置換ビデオフィードであり、前記第2のビデオフィードは、助手席側バックミラー置換ビデオフィードであり、前記コントローラは、前記第1のカメラからの第1のビデオフィード及び前記第2のカメラからの第2のビデオフィードをステッチングインターフェースで互いにステッチすることによって前記ビデオフィードを生成するように構成される。
【0024】
上記のいずれかの実施形態のさらなる実施形態において、前記関心領域の水平幅は、前記ビデオフィードの全水平幅よりも小さく、前記関心領域は、前記ステッチングインターフェースの一部を含む。
【0025】
上記のいずれかの実施形態のさらなる実施形態において、前記関心領域の垂直高さは、前記ビデオフィードの全垂直高さよりも小さい。
【0026】
上記のいずれかの実施形態のさらなる実施形態において、前記コントローラは、前記車両の1つ以上の動作条件のセットを決定すること、及び前記車両の前記1つ以上の動作条件のセットに基づいて、前記ビデオフィード内の関心領域の識別を実行することを行うように構成される。
【0027】
上述の段落の実施形態、例示及び代替物、請求項、又は以下の記載及び図面は、それらの様々な態様又はそれぞれの個別の特徴のいずれかを含めて、独立して、又は任意の組み合わせで採用されてもよい。1つの実施形態に関連して記述された特徴は、そのような特徴に互換性がない場合を除き、全ての実施形態に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本開示は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって、さらに理解することができる。
【0029】
図1A】少なくともクラスII及びクラスIVのビューを提供するために使用されるカメラ監視システム(CMS)を備えた商用トラックの概略正面図である。
【0030】
図1B】クラスII、クラスIV、クラスV及びクラスVIのビューを提供するカメラ監視システムを備えた商用トラックの概略上面図である。
【0031】
図2】ディスプレイ及び車内カメラを含む車両運転室の概略上部斜視図である。
【0032】
図3】CMSカメラから受信した画像を示す。
【0033】
図4図3の画像から得られたステッチ画像を示す。
【0034】
図5図4のステッチ画像に関心領域が含まれていることを示す。
【0035】
図6図5の関心領域のオプティカルフロー分析を示す。
【0036】
図7】関心領域内のオプティカルフローを使用してトレーラの存在を識別するためのプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
商用車両10の概略図を図1A及び図1Bに示す。車両10は、トレーラ14を牽引するための車両運転室又はトラクタ12を含む。本開示では商用トラックが企図されているが、本発明は他の種類の車両にも適用することができる。車両10にはカメラ監視システム(CMS)15(図2)が組み込まれており、これには運転席及び助手席側カメラアーム16a、16bが車両運転室12の外側に取り付けられている。必要に応じて、カメラアーム16a、16bには、それらと一体化した従来のミラーも含まれ得るが、CMS15を使用して従来のミラーを完全に置換することもできる。追加の例では、各側に複数のカメラアームが含まれてもよく、各アームは1つ以上のカメラ及び/又はミラーを収容する。
【0038】
各カメラアーム16a、16bは、例えば運転室12に固定されたベースを含む。旋回アームはベースによって支持されており、それに対して関節接続されてもよい。少なくとも1つの後ろ向きカメラ20a、20bがカメラアーム16a、16b上に又はその中にそれぞれ配置されている。カメラ20a、20bは、カメラアーム16a、16bを介して商用車両10に固定される。しかしながら、カメラ20a、20bは、他のやり方で商用車両に固定され得ることが理解される。車外カメラ20a、20bはそれぞれ、商用トラック業界で法的に規定されたビューであるクラスIIビュー及びクラスIVビュー(図1b)の少なくとも1つをそれぞれ含む車外視野FOVEX1、FOVEX2を提供する。必要に応じて、これらのビューを提供するために、各カメラアーム16a、16bに複数のカメラが使用されてもよい。各アーム16a、16bは、CMS15の様々な特徴を提供するように構成される電子機器を囲むハウジングも提供してもよい。
【0039】
第1及び第2の映像ディスプレイ18a,18bは、Aピラー19a,19b上の又はその近くの車両運転室12内の運転席側及び助手席側のそれぞれに配置され、車両10のそれぞれの側にクラスII及びクラスIVのビューを表示し、これは車外カメラ20a,20bによってキャプチャされた車両10に沿った後ろ向き側のビューを提供する。
【0040】
クラスVビュー及びクラスVIビューの映像も必要な場合、これらのビューを提供するために、車両10の前面又はその近くにカメラハウジング16c及びカメラ20cが配置されてもよい(図1B)。フロントガラスの上部中心付近の運転室12内に配置される第3のディスプレイ18cを使用して、車両10の前方へのクラスV及びクラスVIのビューを運転席26にいる運転者に表示してもよい。
【0041】
クラスVIIIのビューの映像が必要な場合、カメラハウジングを車両10の側部及び後部に配置して、車両10のクラスVIIIゾーンの一部又は全てを含む視野を提供することができる。このような例では、第3のディスプレイ18cは、クラスVIIIのビューを表示する1つ以上のフレームを含み得る。代替的に、第1、第2及び第3のディスプレイ18a、18b、18cの近くに追加のディスプレイを追加して、クラスVIIIのビューを提供する専用のディスプレイを提供することもできる。ディスプレイ18a、18b、18cは、運転席26に運転者が着席する運転室22内の運転者領域24に向いている。
【0042】
CMSは、プロセッサと、コントローラを構成するための命令を記憶するメモリとを含むコントローラ23を含む。プロセッサは、例えば、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)等を含んでもよい。メモリは、揮発性メモリ素子(例えば、ランダムアクセスメモリ(DRAM、SRAM、SDRAM、VRAM等のRAM))及び/又は不揮発性メモリ素子(例えば、ROM、ハードドライブ、テープ、CD-ROM等)の任意の1つ又は組み合わせを含み得る。さらに、メモリは、電子、磁気、光学、及び/又は他のタイプの記憶媒体を組み込んでもよい。メモリは、様々な構成要素が互いに遠隔に配置されるが、プロセッサからアクセスすることができる分散アーキテクチャを有してもよい。
【0043】
図3図6は、ウイングに取り付けられたカメラ20a、20bから受信された一対の画像210,220を示す。トレーラ14が運転室12に連結されると、カメラ20a、20bのうちの少なくとも1つによって規定される視野は、トレーラ14の画像を含む。車両10が閾値を超える速度で前方方向に走行しているとき、トレーラ14は両方のカメラ20a、20bの視野内にあり、図示の例のように両方の画像210,220に現れる。実際の例では、画像210,220は、CMS15のバックミラー置換部分を使用して生成されるが、代替例は同じ趣旨で使用されてもよい。
【0044】
CMS15は、ステッチングアルゴリズムを使用して、画像210,220を図4に示す単一画像230に融合する。単一画像230は、ステッチングインターフェース232で結合される。ステッチングインターフェース232は、任意のステッチ方法に従ってアルゴリズム的に決定される。いくつかの例では、ステッチングインターフェース232は、画像210,220の直線の垂直エッジである。代替例では、ステッチングインターフェース232は、画像210,220の一方又は両方を切り抜いてもよい。さらに代替例では、ステッチングインターフェース232は、ニューラルネットワークに基づくアルゴリズムを使用して決定されてもよく、直線インターフェースではなくてもよい。
【0045】
画像210,220が単一画像230にステッチされると、関心領域240が単一画像230内に画定される。関心領域240は、トレーラ14が存在する場合、現在の車両動作特徴に基づいて、トレーラ14が画像230内に現れると予測される単一画像230内の領域に限定される。単一画像230は、(垂直高さH1及び水平幅W1を有する)第1のピクセル領域を有するシーンを示す。図5に示される関心領域240は、第1のピクセル領域よりも小さい第2のピクセル領域(垂直高さH2及び水平幅W2を有する)を有するシーン/単一画像230の一部に対応する長方形である。図5の例では、関心領域240は、単一画像230の全水平幅W1よりも小さく、全垂直高さH1よりも小さい(すなわち、H2<H1かつW2<W1)。例示的な関心領域240は、操舵角が所定の閾値操舵角未満の状態で、所定の閾値速度(例えば10mph)を超えて前方方向に走行する車両10に対応する。一例では、所定の閾値速度は9-11mph(すなわち、9mph以上11mph以下)である。代替例では、所定の閾値速度は10mphである。一例では、所定の閾値操舵角は4-6度である(すなわち、4度以上6度以下である。代替例では、所定の閾値操舵角は5度である。動作条件が異なる場合、関心領域240は別の位置に画定されてもよい(例えば、操舵角が所定の閾値操舵角を超える場合には、対象領域をステアリングの方向にシフトさせ、及び/又は水平方向に拡大してもよい)。
【0046】
代替例では、前方直線走行条件が満たされない場合、処理リソースを節約するためにトレーラ存在機能を完全に無効にしてもよい。
【0047】
関心領域240が確立されると、CMS15は関心領域240内でオプティカルフロー分析を実行する。処理能力を節約し、無駄な計算を防止するために、オプティカルフロー分析は関心領域240のみに限定される。
【0048】
オプティカルフローは、観察者とシーンとの間の相対的な動きによって引き起こされる視覚シーン内の物体、表面、及びエッジの見かけの動きのパターンを参照する概念である。オプティカルフローは、画像内の輝度パターンの移動の見かけの速度の分布として記述することもできる。CMS15は、関心領域240内のピクセル速度234を測定し(図6を参照)、ピクセル速度のパターンをトレーラ14の存在に対応する既知のパターンと比較する。例えば、トレーラ14が存在する場合、トレーラ14はトラクタに対してほとんど静止しているため、トレーラ14を含む画像の部分は最小のオプティカルフローを有し、トレーラ14を含まない画像の部分は、車両の移動速度に対応する標準オプティカルフローを有する。関心領域240をトレーラ14の予測サイズよりもわずかに大きく画定し、関心領域240をトレーラ14の中心に置くことによって、CMS15は、画像230全体のオプティカルフローを分析する必要なく、この区別を捉えることができる。代替例では、道路及びエンジンの振動は、トレーラ14の垂直後部エッジを振動させ得るため、トレーラのエッジにおいて波形の形状を有するオプティカルフローが生じる。
【0049】
オプティカルフローの特定の移動及び/又は関心領域内のオプティカルフローの形状が変化する領域は、ピクセル速度のパターンと呼ばれ、これらの部分が、トレーラ14の存在に対応することが知られているパターンと比較されるものである。
【0050】
関心領域240内のピクセル速度のパターンが、トレーラ14の存在に対応するピクセル速度のパターンと一致する場合、システムは、トレーラが存在し、かつ運転室12に連結されていると判断する。関心領域240内のピクセル速度のパターンが、トレーラ14の存在に対応するピクセル速度のパターンと一致しない場合、CMS15は、トレーラ14が運転室12に連結されていないと判断する。
【0051】
図1から図6を引き続き参照すると、図7は、上記の動作を実行するためにCMS15を動作させる方法700を示す。最初に、CMS15は、「CMS画像を受信する」ステップ710において、カメラ20a、20bから画像を受信する。受信された画像は、「画像をステッチする」ステップ720において、確立された任意のステッチアルゴリズムを使用して一緒にステッチされる。複数のカメラではなく、単一のカメラ20a又は20bからの画像を使用して方法が実行される場合、画像をステッチするステップ720を省略することができる。同様に、画像がウイングに取り付けられた後方カメラ20a、20bに加えて追加のカメラから提供される場合、画像をステッチするステップ720は、ステッチアルゴリズムを使用して、すべての画像を単一のステッチ画像に結合することができる。
【0052】
単一の画像が作成されると、CMS15は、「関心領域を制限する」ステップ730において、画像内の関心領域を定義する。関心領域は、画像のすべてよりも小さく(すなわち、画像全体の画素領域よりも小さい画素領域を有する画像全体の一部に対応する)、トレーラ14が画像内にあると予測される領域に対応する。この識別を容易にするために、CMS15は、いくつかの例において、画像内のトレーラ14の予測される位置を示すことができる車両10の動作特性を受信し得る。一例として、動作特性は、(限定されないが)車両10の操舵角及び車両10の速度を含んでもよい。
【0053】
関心領域は、画像の水平部分のすべて未満、画像の垂直部分のすべて未満、画像の水平部分及び垂直部分の両方のすべて未満、及び/又は制限領域を画定する特定のボックスに制限され得る。いくつかの例では、この領域は、画像を単一の画像に結合するステッチングインターフェースを中心に配置されてもよい。他の例では、領域は中心からずれてシフトされてもよいが、複数の画像を単一の画像に結合するステッチングインターフェース232を依然として含んでもよい。
【0054】
関心領域が定義された後で、CMS15は、「関心領域内のオプティカルフローを分析する」ステップ740で関心領域内のオプティカルフローを分析する。計算リソースを節約し、より迅速な決定を提供するために、オプティカルフローは関心領域内でのみ分析される。この分析によって、関心領域内に存在するオプティカルフローの任意のパターンが識別される。オプティカルフローのパターンは、「オプティカルフローをパターンと比較する」ステップ750で既知のパターンと比較される。識別されたオプティカルフローのパターンが、トレーラが存在することに対応することが知られているパターンと一致する場合、方法700は、「一致に応答してトレーラの存在を出力する」ステップ760でCMS15に「トレーラ存在」信号を出力する。逆に、パターンが、トレーラ14が存在することに対応することが知られているパターンと一致しない場合、「トレーラ不存在」信号が出力される。
【0055】
トレーラ14の存在又は不存在について通知された後で、CMS15は、トレーラ14の連結状態に対応する従来のやり方で動作する。さらに、CMS15は、この情報を利用し得る任意の数の追加の車両システムにトレーラ検出状態を提供することができる。例として、追加のシステムは、運転者補助システム、物体検出システム等を含み得る。
【0056】
CMS15内のプロセスとして上述したが、オプティカルフローを使用するトレーラ検出のためのプロセスは、CMS15とは独立して実行することができ、CMS15に提供することができ、一般的な車両コントローラで実行することができ、又は車両内の任意の適切な処理ユニットで実行することができることが理解される。
【0057】
例示的な実施形態が開示されてきたが、当業者であれば、所定の修正が請求項の範囲内に入ることを認識するであろう。そのため、以下の請求項については、その真の範囲及び内容を判断するように検討されるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】