(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-10-03
(54)【発明の名称】組成物およびその使用
(51)【国際特許分類】
C07D 491/22 20060101AFI20250926BHJP
A61K 47/54 20170101ALI20250926BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20250926BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20250926BHJP
A61K 31/4745 20060101ALI20250926BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20250926BHJP
A61K 47/60 20170101ALI20250926BHJP
【FI】
C07D491/22 CSP
A61K47/54
A61K47/68
A61K39/395 Y
A61K31/4745
A61P35/00
A61K47/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025518474
(86)(22)【出願日】2023-09-28
(85)【翻訳文提出日】2025-05-28
(86)【国際出願番号】 US2023075435
(87)【国際公開番号】W WO2024073610
(87)【国際公開日】2024-04-04
(32)【優先日】2022-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】525110071
【氏名又は名称】ソルブ セラピューティクス,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラヌッティ,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ワトキンス,ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】ジェッセン,カティ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA95
4C076CC27
4C076CC41
4C076DD52
4C076DD66
4C076EE23
4C076EE41
4C076EE59
4C076FF70
4C085AA26
4C085BB11
4C085EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB22
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA13
4C086ZB26
(57)【要約】
本明細書には、式(I):
【化1】
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が提供され、式(I)の変数は、本出願において定義されるとおりである。このような化合物は、抗癌剤として有用であり得る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
R
1は、-O-CH
2-CH
2-O-および-NH-C(O)-CH
2-O-から選択され、
Lは、L
2-(L
2B)
z-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2は、C
1-6アルキレンから選択され、
L
2Bは、NR
4C(O)O-C
1-6アルキレン-フェニレンから選択され、フェニレンは、1つまたは複数のR
5で任意選択的に置換され、
L
3は、1~7個のアミノ酸を含む残基から選択され、
L
4は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、前記C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
5は、(O-CH
2-CH
2-)
q-(NR
3)
sから選択され、
L
6は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、前記C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
7は、C
5-6カルボシクレンから選択され、
R
2は、任意選択的に置換された5~6員の複素環から選択され、前記5~6員の複素環は、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
R
3は、水素およびC
1-6アルキルから選択され、
R
4は、水素、および1つまたは複数のSO
2C
1-6アルキルで任意選択的に置換されたC
1-6アルキルから選択され、
各R
5は、独立して糖から選択され、
mは、0および1から選択され、
nは、0および1から選択され、
pは、0および1から選択され、
qは、0~8から選択され、
sは、0および1から選択され、
zは、0および1から選択される、化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
式(I)が、
【化2】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
式(I)が、
【化3】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
LがL
2-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2である、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
LがL
2-L
3-L
4-R
2である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
LがL
2-L
3-L
4-L
7-R
2である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
LがL
2-L
3-L
4-L
5-L
6-L
7-R
2である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
LがL
2-L
2B-L
3-L
4-R
2である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項9】
L
2がC
1アルキレンである、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
L
3が、1~5個のアミノ酸を含む残基から選択される、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項11】
前記アミノ酸が天然アミノ酸である、請求項1~10のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項12】
前記アミノ酸が、αアミノ酸およびβアミノ酸から選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項13】
前記アミノ酸が、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、シトルリン、サルコシン、およびβ-アラニンからなる群から選択される、請求項12に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項14】
L
3の前記アミノ酸が、グリシンおよびフェニルアラニンからなる群から選択される、請求項1~13のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項15】
L
3の前記残基が4個のアミノ酸を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項16】
L
3の前記残基が、少なくとも2個の異なるアミノ酸を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩
【請求項17】
L
3が、
【化4】
である、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項18】
L
3の前記アミノ酸が、サルコシンからなる群から選択される、請求項13に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項19】
L
3の前記残基が1個のアミノ酸を含む、請求項18に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項20】
L
3が、
【化5】
である、請求項19に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項21】
L
2Bが、NR
4C(O)O-C
1アルキレン-フェニルから選択され、フェニルが、1つのR
5により置換される、請求項1もしくは8に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項22】
R
5が、
【化6】
である、請求項21に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項23】
L
4が、
【化7】
から選択される、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項24】
L
4が、-C(O)-(CH
2)
2-および-C(O)-(CH
2)
5-から選択される、請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項25】
L
5が-(O-CH
2-CH
2-)
4-NH-である、請求項1、4、もしくは7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項26】
L
6が、
【化8】
から選択される、請求項1、4、7、もしくは25のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項27】
L
6が、-C(O)-(CH
2)
2-および-C(O)-(CH
2)
5-から選択される、請求項1、4、7、もしくは26のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項28】
L
6が、-C(O)-(CH
2)
2-から選択される、請求項27に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項29】
L
7がフェニレンである、請求項1、4、6、もしくは7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項30】
R
2が、任意選択的に置換された5員複素環から選択される、請求項1~29のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項31】
R
2が、
【化9】
である、請求項30に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項32】
前記化合物が、
【化10】
またはそのいずれか1つの薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項33】
前記化合物が、
【化11】
またはそのいずれか1つの薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項34】
前記化合物が、
【化12】
またはそのいずれか1つの薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項35】
R
1が、-O-CH
2-CH
2-O-から選択され、
Lが、L
2-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2が、C
1-6アルキレンから選択され、
L
3が、3~5個のアミノ酸を含む残基から選択され、
L
4が、
【化13】
から選択され、
L
5が、(O-CH
2-CH
2-)
q-(NR3)
sから選択され、
L
6が、
【化14】
から選択され、
L
7が、フェニレンであり、
R
2が、マレイミドから選択され、
R
3が、水素およびC
1-6アルキルから選択され、
mが、0および1から選択され、
nが、0および1から選択され、
pが、0および1から選択され、
qが、2~6から選択され、
sが、0および1から選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項36】
R
1が、-O-CH
2-CH
2-O-から選択され、
Lが、L
2-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2が、
【化15】
であり、
L
3が、
【化16】
であり、
L
4が、
【化17】
から選択され、
L
5が、
【化18】
であり、mが0および1から選択され、
L
6が、
【化19】
であり、nが0および1から選択され
L
7が、
【化20】
であり、pが、0および1から選択され、
R
2が、
【化21】
である、請求項1もしくは35に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項37】
R
1が、-O-CH
2-CH
2-O-から選択され、
Lが、L
2-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2が、
【化22】
であり、
L
3が、
【化23】
であり、
L
4が、
【化24】
から選択され、
L
5が、
【化25】
であり、mが0および1から選択され、
L
6が、
【化26】
であり、nが0および1から選択され、
L
7が、
【化27】
であり、pが0および1から選択され、
R
2が、
【化28】
である、請求項1、もしくは35~36のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項38】
リガンド(Lg)をさらに含む、請求項1~37のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項39】
前記化合物またはその薬学的に許容可能な塩が、リガンドによってさらに修飾される、請求項1~37のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項40】
前記化合物またはその薬学的に許容可能な塩が、リガンドに共有結合的に結合する、請求項38~39のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項41】
前記化合物またはその薬学的に許容可能な塩が、前記リガンドと反応して共有結合的な結合を形成する、請求項38~40のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項42】
前記リガンドが、抗体またはその抗原結合断片から選択される、請求項38~41のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項43】
式(I)が、
【化29】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表され、式中、
Lgは、リガンドである、請求項38~42のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項44】
式(III):
【化30】
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
Lgはリガンドであり、
R
1は、-O-CH
2-CH
2-O-および-NH-C(O)-CH
2-O-から選択され、
LはL
2-(L
2B)
z-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2は、C
1-6アルキレンから選択され、
L
2Bは、NR
4C(O)O-C
1-6アルキレン-フェニレンから選択され、フェニレンは、1つまたは複数のR
5で任意選択的に置換され、
L
3は、1~7個のアミノ酸を含む残基から選択され、
L
4は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、前記C
1-6アルキレンはハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
5は、-(O-CH
2-CH
2-)
q-(NR
3)
s-から選択され、
L
6は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、前記C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
7は、C
5-6炭素環から選択され、
R
2は、任意選択的に置換された5~6員のヘテロシクレンから選択され、前記5~6員のヘテロシクレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
R
3は、水素およびC
1-6アルキルから選択され、
R
4は、1つまたは複数のSO
2C
1-6アルキルで任意選択的に置換されたC
1-6アルキルから選択され、
各R
5は、独立して、糖から選択され、
mは、0および1から選択され、
nは、0および1から選択され、
pは、0および1から選択され、
qは、0~8から選択され、
sは、0および1から選択され、
zは、0および1から選択される、化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項45】
R
1が-O-CH
2-CH
2-O-である、請求項44に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項46】
R
1が-NH-C(O)-CH
2-O-である、請求項44に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項47】
式(III)が、
【化31】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表される、請求項44~46のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項48】
LがL
2-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2である、請求項44~46のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項49】
LがL
2-L
3-L
4-R
2である、請求項44~46のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項50】
LがL
2-L
3-L
4-L
7-R
2である、請求項44~46のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項51】
LがL
2-L
3-L
4-L
5-L
6-L
7-R
2である、請求項44~46のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項52】
LがL
2-L
2B-L
3-L
4-R
2である、請求項44~46のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項53】
L
2がC
1アルキレンである、請求項44~52のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項54】
L
3が、1~5個のアミノ酸を含む残基から選択される、請求項44~53のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項55】
L
3が、3~5個のアミノ酸を含む残基から選択される、請求項44~54のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項56】
前記アミノ酸が天然アミノ酸である、請求項44~55のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項57】
前記アミノ酸が、αアミノ酸およびβアミノ酸から選択される、請求項44~56のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項58】
前記アミノ酸が、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、シトルリン、サルコシン、およびβ-アラニンからなる群から選択される、請求項44~57のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項59】
L
3の前記アミノ酸が、グリシンおよびフェニルアラニンからなる群から選択される、請求項44~58のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項60】
L
3の前記残基が4個のアミノ酸を有する、請求項44~59のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項61】
L
3の前記残基が、少なくとも2個の異なるアミノ酸を含む、請求項44~60のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項62】
L
3が、
【化32】
である、請求項44~61のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項63】
L
3の前記アミノ酸が、サルコシンからなる群から選択される、請求項58に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項64】
L
3の前記残基が1個のアミノ酸を含む、請求項63に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項65】
L
3が、
【化33】
である、請求項64に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項66】
L
2Bが、NR
4C(O)O-C
1アルキレン-フェニレンから選択され、フェニレンが1つのR
5により置換される、請求項1もしくは52に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項67】
R
5が
【化34】
である、請求項66に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項68】
L
4が、
【化35】
から選択される、請求項44~67のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項69】
L
4が、-C(O)-(CH
2)
2-および-C(O)-(CH
2)
5-から選択される、請求項44~68のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項70】
L
5が-(O-CH
2-CH
2-)
4-NH-である、請求項44もしくは51に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項71】
L
6が、
【化36】
から選択される、請求項44、51、もしくは70のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項72】
L
6が、-C(O)-(CH
2)
2-および-C(O)-(CH
2)
5-から選択される、請求項44もしくは71に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項73】
L
6が、-C(O)-(CH
2)
2-から選択される、請求項44、51、もしくは70~72のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項74】
L
7がフェニレンである、請求項1、50、もしくは51のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項75】
R
1が、-O-CH
2-CH
2-O-から選択され、
Lが、L
2-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2が、C
1-6アルキレンから選択され、
L
3が、3~5個のアミノ酸を含む残基から選択され、
L
4が、
【化37】
から選択され、
L
5が、(O-CH
2-CH
2-)
q-(NR
3)
sから選択され、
L
6が、
【化38】
から選択され、
L
7が、フェニレンであり、
R
2が、マレイミドから選択され、
R
3が、水素およびC
1-6アルキルから選択され、
mが、0および1から選択され、
nが、0および1から選択され、
pが、0および1から選択され、
qが、2~6から選択され、
sが、0および1から選択される、請求項1~2のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項76】
R
1が、-O-CH
2-CH
2-O-から選択され、
Lが、L
2-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2が、
【化39】
であり、
L
3が、
【化40】
であり、
L
4が、
【化41】
から選択され、
L
5が、
【化42】
であり、mが0および1から選択され、
L
6が、
【化43】
であり、nが0および1から選択され、
L
7が、
【化44】
であり、pが0および1から選択され、
R
2が、
【化45】
である、請求項1~2、もしくは75のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項77】
R
1が、-O-CH
2-CH
2-O-から選択され、
Lが、L
2-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2が、
【化46】
であり、
L
3が、
【化47】
であり、
L
4が、
【化48】
から選択され、
L
5が、
【化49】
であり、mが0および1から選択され、
L
6が、
【化50】
であり、nが0および1から選択され、
L
7が、
【化51】
であり、pが0および1から選択され、
R
2が、
【化52】
である、請求項1~2もしくは75~76のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項78】
前記化合物が、式(V-A)
【化53】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表され、DARが約1~8から選択される、請求項44に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項79】
前記化合物が、式(V-B)
【化54】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表され、DARが約1~8から選択される、請求項44に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項80】
前記化合物が、式(V-C)
【化55】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表され、DARが約1~8から選択される、請求項44に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項81】
前記化合物が、式(V-D)
【化56】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表され、DARが約1~8から選択される、請求項44に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項82】
前記化合物が、
【化57】
またはその薬学的に許容可能な塩から選択され、DARが約1~8から選択される、請求項44もしくは78に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項83】
前記化合物が、
【化58】
またはその薬学的に許容可能な塩から選択され、DARが約1~8から選択される、請求項44もしくは79に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項84】
前記化合物が、
【化59】
またはその薬学的に許容可能な塩から選択され、DARが約1~8から選択される、請求項44もしくは80に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項85】
前記リガンドが、抗体またはその抗原結合断片から選択される、請求項44~81のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項86】
前記リガンドが、キメラ抗体、ヒト化抗体、および完全ヒト抗体からなる群から選択される、請求項85に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項87】
前記抗体またはその抗原結合断片が、CD19、CD20、CD22、CD30、CD37、CD79b、HER2、およびPSMAを含むか、またはそれらからなる群から選択される抗原に結合する、請求項85に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項88】
前記抗体またはその抗原結合断片がHER2に結合する、請求項85に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項89】
前記抗体またはその抗原結合断片が、UC-961、PTK-7、トラスツズマブ、ブレンツキシマブ、ロンカスツキシマブ、ロソパタマブ、リツキシマブ、ピナツズマブ、ポラツズマブ、およびナラツキシマブから選択される、請求項85に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項90】
前記抗体がトラスツズマブである、請求項85に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項91】
式(IV):
【化60】
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項92】
請求項1~91のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項93】
疾患または障害の処置における、請求項1~91のいずれか一項に記載の化合物もしくは塩、または請求項92に記載の医薬組成物の使用。
【請求項94】
腫瘍の処置における、請求項1~91のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、または請求項92に記載の医薬組成物の使用。
【請求項95】
癌の処置における、請求項1~91のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、または請求項92に記載の医薬組成物の使用。
【請求項96】
疾患または障害を有する対象を処置する方法であって、処置を必要とする前記対象に、請求項1~91のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、または請求項92に記載の医薬組成物を投与する工程を含む、方法。
【請求項97】
腫瘍を有する対象を処置する方法であって、処置を必要とする前記対象に、請求項1~91のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、または請求項92に記載の医薬組成物を投与する工程を含む、方法。
【請求項98】
癌を有する対象を処置する方法であって、処置を必要とする前記対象に、請求項1~91のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、または請求項92に記載の医薬組成物を投与する工程を含む、方法。
【請求項99】
前記癌が、肺癌、腎臓癌、尿道癌、結腸・直腸癌、前立腺癌、多形性膠芽腫、卵巣癌、膵臓癌、乳癌、黒色腫、肝臓癌、膀胱癌、胃癌、および食道癌からなる群から選択される、請求項95または98に記載の方法。
【請求項100】
式(I)*:
【化61】
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
LはL
2-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2は、C
1-6アルキレンから選択され、
L
3は、1~7個のアミノ酸を含む残基から選択され、
L
4は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、前記C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
5は、(O-CH
2-CH
2-)
q-(NR
3)
sから選択され、
L
6は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、前記C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
7は、C
5-6カルボシクレンから選択され、
R
2は、任意選択的に置換された5~6員の複素環から選択され、前記5~6員の複素環は、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
R
3は、水素およびC
1-6アルキルから選択され、
mは、0および1から選択され、
nは、0および1から選択され、
pは、0および1から選択され、
qは、0~8から選択され、
sは、0および1から選択される、化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項101】
式(I)*が、
【化62】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表される、請求項100に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項102】
LがL
2-L
3-L
4-R
2である、請求項100~101のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項103】
LがL
2-L
3-L
4-L
7-R
2である、請求項100~101のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項104】
LがL
2-L
3-L
4-L
5-L
6-L
7-R
2である、請求項100~101のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項105】
L
2がC
1アルキレンである、請求項100~104のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項106】
L
3が、1~5個のアミノ酸を含む残基から選択される、請求項100~105のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項107】
前記アミノ酸が天然アミノ酸である、請求項100~106のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項108】
前記アミノ酸が、αアミノ酸およびβアミノ酸から選択される、請求項100~107のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項109】
前記アミノ酸が、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、シトルリン、サルコシン、およびβ-アラニンからなる群から選択される、請求項108に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項110】
L
3の前記アミノ酸が、グリシンおよびフェニルアラニンからなる群から選択される、請求項100~109のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項111】
L
3の前記残基が4個のアミノ酸を含む、請求項100~110のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項112】
L
3の前記残基が、少なくとも2個の異なるアミノ酸を含む、請求項100~111のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項113】
L
3が、
【化63】
である、請求項100~112のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項114】
L
4が、-C(O)-(CH
2)
2-および-C(O)-(CH
2)
5-から選択される、請求項100~113のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項115】
L
5が-(O-CH
2-CH
2-)
4-NH-である、請求項100もしくは104に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項116】
L
6が-C(O)-(CH
2)
2-および-C(O)-(CH
2)
5-から選択される、請求項100もしくは104に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項117】
L
6が、-C(O)-(CH
2)
2-から選択される、請求項116に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項118】
L
7がフェニレンである、請求項100もしくは117のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項119】
R
2が、任意選択的に置換された5員複素環から選択される、請求項100~118のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項120】
R
2が、
【化64】
である、請求項119に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項121】
Lが、
【化65】
またはそのいずれか1つの薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項100~120のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項122】
前記化合物が、
【化66】
またはそのいずれか1つの薬学的に許容可能な塩から選択される、請求項100もしくは121に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項123】
リガンドをさらに含む、請求項100~122のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項124】
前記化合物またはその薬学的に許容可能な塩が、リガンドによってさらに修飾される、請求項100~123のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項125】
前記化合物またはその薬学的に許容可能な塩が、リガンドに共有結合的に結合する、請求項100~124のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項126】
前記化合物またはその薬学的に許容可能な塩が、リガンドと反応して共有結合的な結合を形成する、請求項100~125のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項127】
式(I)*が、
【化67】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表され、式中、
Lgがリガンドである、請求項100~126のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項128】
式(IV)*:
【化68】
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であって、式中、
Lgはリガンドであり、
LはL
2-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2は、C
1-6アルキレンから選択され、
L
3は、1~7個のアミノ酸を含む残基から選択され、
L
4は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、前記C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
5は、(O-CH
2-CH
2-)
q-(NR
3)
sから選択され、
L
6は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、前記C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
7は、C
5-6カルボシクレンから選択され、
R
2は、任意選択的に置換された5~6員の複素環から選択され、前記5~6員の複素環は、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
R
3は、水素およびC
1-6アルキルから選択され、
mは、0および1から選択され、
nは、0および1から選択され、
pは、0および1から選択され、
qは、0~8から選択され、
sは、0および1から選択される、化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項129】
前記リガンドが、抗体またはその抗原結合断片から選択される、請求項127~128のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項130】
前記リガンドが、キメラ抗体、ヒト化抗体、および完全ヒト抗体からなる群から選択される、請求項129に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項131】
前記抗体またはその抗原結合断片が、CD19、CD20、CD22、CD30、CD37、CD79b、HER2、およびPSMAを含むか、またはそれらからなる群から選択される抗原に結合する、請求項129に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項132】
前記抗体またはその抗原結合断片がHER2に結合する、請求項131に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項133】
前記抗体またはその抗原結合断片が、トラスツズマブ、ブレンツキシマブ、ロンカスツキシマブ、ロソパタマブ、リツキシマブ、ピナツズマブ、ポラツズマブ、およびナラツキシマブから選択される、請求項129に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項134】
前記抗体がトラスツズマブである、請求項133に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項135】
前記リガンドがUC-961である、請求項133に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。
【請求項136】
請求項100~135のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項137】
疾患または障害の処置における、請求項100~135のいずれか一項に記載の化合物もしくは塩、または請求項136に記載の医薬組成物の使用。
【請求項138】
腫瘍の処置における、請求項100~135のいずれか一項に記載の化合物もしくは塩、または請求項136に記載の医薬組成物の使用。
【請求項139】
癌の処置における、請求項100~135のいずれか一項に記載の化合物もしくは塩、または請求項136に記載の医薬組成物の使用。
【請求項140】
疾患または障害を有する対象を処置する方法であって、処置を必要とする前記対象に、請求項100~135のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、または請求項136に記載の医薬組成物を投与する工程を含む、方法。
【請求項141】
腫瘍を有する対象を処置する方法であって、処置を必要とする前記対象に、請求項100~135のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、または請求項136に記載の医薬組成物を投与する工程を含む、方法。
【請求項142】
癌を有する対象を処置する方法であって、処置を必要とする前記対象に、請求項100~135のいずれか一項に記載の化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、または請求項136に記載の医薬組成物を投与する工程を含む、方法。
【請求項143】
前記癌が、肺癌、腎臓癌、尿道癌、結腸・直腸癌、前立腺癌、多形性膠芽腫、卵巣癌、膵臓癌、乳癌、黒色腫、肝臓癌、膀胱癌、胃癌、および食道癌からなる群から選択される、請求項139または142に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本出願は、2022年9月28日に出願された米国仮特許出願第63/377,480号、および2022年9月29日に出願された米国仮特許出願第63/377,612号の利益を主張するものであり、当該出願のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
現在、抗体薬物コンジュゲートのための小細胞毒性分子は、トポイソメラーゼIを阻害することによる抗腫瘍効果を有するカンプトテシン誘導体を含み得る。カンプトテシン誘導体は、抗体薬物コンジュゲート(ADC)中で使用され得る。しかし、より良好な有効性および/または安全性を有するカンプトテシン誘導体およびADC薬物のさらなる開発が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
ある態様では、
本開示は、式(I)
【0004】
【化1】
によって表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
R
1は、-O-CH
2-CH
2-O-および-NH-C(O)-CH
2-O-から選択され、
Lは、L
2-(L
2B)
z-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2は、C
1-6アルキレンから選択され、
L
2Bは、NR
4C(O)O-C
1-6アルキレン-フェニレンから選択され、フェニレンは、1つまたは複数のR
5で任意選択的に置換され、
L
3は、1~7個のアミノ酸を含む残基から選択され、
L
4は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
5は、(O-CH
2-CH
2-)
q-(NR
3)
sから選択され、
L
6は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
7は、C
5-6カルボシクレンから選択され、
R
2は、任意選択的に置換された5~6員の複素環から選択され、5~6員の複素環は、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
R
3は、水素およびC
1-6アルキルから選択され、
R
4は、水素、および1つまたは複数のSO
2C
1-6アルキルで任意選択的に置換されたC
1-6アルキルから選択され、
各R
5は、独立して糖から選択され、
mは、0および1から選択され、
nは、0および1から選択され、
pは、0および1から選択され、
qは、0~8から選択され、
sは、0および1から選択され、
zは、0および1から選択される。
【0005】
本開示は、式(I)*
【0006】
【化2】
によって表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
Lは、L
2-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2は、C
1-6アルキレンから選択され、
L
3は、1~7個のアミノ酸を含む残基から選択され、
L
4は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
5は、(O-CH
2-CH
2-)
q-(NR
3)
sから選択され、
L
6は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
7は、C
5-6カルボシクレンから選択され、
R
2は、任意選択的に置換された5~6員の複素環から選択され、5~6員の複素環は、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
R
3は、水素およびC
1-6アルキルから選択され、
mは、0および1から選択され、
nは、0および1から選択され、
pは、0および1から選択され、
qは、0~8から選択され、
sは、0および1から選択される。
【0007】
一部の実施形態では、式(I)は、
【0008】
【化3】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表わされる。
【0009】
一部の実施形態では、式(I)は、
【0010】
【化4】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表わされる。
【0011】
一部の実施形態では、式(I)は、
【0012】
【化5】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表わされ、式中、
Lgはリガンドである。
【0013】
一部の実施形態では、本開示は、式(III):
【0014】
【化6】
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
Lgはリガンドであり、
R
1は、-O-CH
2-CH
2-O-および-NH-C(O)-CH
2-O-から選択され、
Lは、L
2-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2は、C
1-6アルキレンから選択され、
L
3は、1~7個のアミノ酸を含む残基から選択され、
L
4は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
5は、-(O-CH
2-CH
2-)
q-(NR
3)
s-から選択され、
L
6は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、C
1-6アルキレンは、独立して、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
7は、C
5-6カルボシクレンから選択され、
R
2は、任意選択的に置換された5~6員の複素環から選択され、5~6員の複素環は、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
R
3は、水素およびC
1-6アルキルから選択され、
mは、0および1から選択され、
nは、0および1から選択され、
pは、0および1から選択され、
qは、0~8から選択され、
sは、0および1から選択される。
【0015】
一部の実施形態では、式(I)*は、
【0016】
【化7】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表わされ、式中、
Lgはリガンドである。
【0017】
一部の実施形態では、本開示は、式(IV)*:
【0018】
【化8】
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
Lgはリガンドであり、
Lは、L
2-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2は、C
1-6アルキレンから選択され、
L
3は、1~7個のアミノ酸を含む残基から選択され、
L
4は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
5は、(O-CH
2-CH
2-)
q-(NR
3)
sから選択され、
L
6は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
7は、C
5-6カルボシクレンから選択され、
R
2は、任意選択的に置換された5~6員の複素環から選択され、5~6員の複素環は、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
R
3は、水素およびC
1-6アルキルから選択され、
mは、0および1から選択され、
nは、0および1から選択され、
pは、0および1から選択され、
qは、0~8から選択され、
sは、0および1から選択される。
【0019】
一部の実施形態では、リガンドは、抗体、またはその結合断片から選択される。場合によっては、リガンドは、キメラ抗体、ヒト化抗体、および完全ヒト抗体からなる群から選択される。
【0020】
一部の実施形態では、式(I)、式(I)*、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(II)*、式(III)、式(III)*、式(IV)、式(IV)*、式(IV-A)*、式(V-A)、式(V-B)、式(V-C)、または式(V-D)の化合物またはその塩と、それらのいずれか1つの薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物である。
【0021】
一部の実施形態では、本開示は、腫瘍を有する対象を処置する方法であって、処置を必要とする対象に、式(I)、式(I)*、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(II)*、式(III)、式(III)*、式(IV)、式(IV)*、式(IV-A)*、式(V-A)、式(V-B)、式(V-C)、もしくは式(V-D)の化合物または塩、あるいはそれらのいずれか1つの医薬組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0022】
一部の実施形態では、本開示は、疾患または障害を有する対象を処置する方法であって、処置を必要とする対象に、式(I)、式(I)*、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(II)*、式(III)、式(III)*、式(IV)、式(IV)*、式(IV-A)*、式(V-A)、式(V-B)、式(V-C)、もしくは式(V-D)の化合物または塩、あるいはそれらのいずれか1つの医薬組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0023】
一部の実施形態では、本開示は、癌を有する対象を処置する方法であって、処置を必要とする対象に、式(I)、式(I)*、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(II)*、式(III)、式(III)*、式(IV)、式(IV)*、式(IV-A)*、式(V-A)、式(V-B)、式(V-C)、もしくは式(V-D)の化合物または塩、あるいはそれらのいずれか1つの医薬組成物を投与する工程を含む、方法を提供する。
【0024】
参照による援用
本明細書で言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、あたかも個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により援用されることが具体的かつ個々に指示される程度に、参照により本明細書に援用される。参照により援用される刊行物および特許または特許出願が、本明細書に含まれる開示と矛盾する程度まで、本明細書は、任意のそのような矛盾する題材に取って代わり、かつ/またはこれに優先することが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲において具体的に説明される。本発明の特徴および利点は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明、および以下の添付の図面(本明細書では「図(”Figure”および”FIG.”)」とも表される)を参照することによって、よりよく理解されるであろう。
【0026】
【
図1】マウス血漿中のADCの安定性を例示する図である。
【
図2】ヒト血漿中のADCの安定性を例示する図である。
【
図3】Jeko-1異種移植モデルにおけるADCのin vivoでの抗腫瘍活性を例示する図である。
【
図4】SK-OV3異種移植モデルにおけるADC-3のin vivoでの抗腫瘍活性を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の説明は、多数の例示的な構成、方法、パラメータなどを明らかにする。しかし、そのような説明は、本開示の範囲に対する限定として意図されず、むしろ、例示的実施形態の説明として提供されることを認識されたい。
【0028】
以下の説明では、本開示の様々な実施形態の完全な理解を提供するために、特定の具体的な詳細が記載される。しかし、当業者は、本開示がこれらの詳細を伴わずとも実施され得ることを理解するであろう。
【0029】
定義
別様に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する当該技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に引用される特許および出版物はすべて、参照により援用される。
【0030】
「アルキル」は、炭素原子および水素原子のみからなる直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカルを指し、不飽和を含まず、好適には、1~15個の炭素原子を有する(すなわち、C1-C15アルキル)。ある特定の実施形態では、アルキルは1~13個の炭素原子を含む(すなわち、C1-C13アルキル)。ある特定の実施形態では、アルキルは1~8個の炭素原子を含む(すなわち、C1-C8アルキル)。他の実施形態では、アルキルは1~5個の炭素原子を含む(すなわち、C1-C5アルキル)。他の実施形態では、アルキルは1~4個の炭素原子を含む(すなわち、C1-C4アルキル)。他の実施形態では、アルキルは1~3個の炭素原子を含む(すなわち、C1-C3アルキル)。他の実施形態では、アルキルは1~2個の炭素原子を含む(すなわち、C1-C2アルキル)。他の実施形態では、アルキルは1個の炭素原子を含む(すなわち、C1アルキル)。他の実施形態では、アルキルは5~15個の炭素原子を含む(すなわち、C5-C15アルキル)。他の実施形態では、アルキルは5~8個の炭素原子を含む(すなわち、C5-C8アルキル)。他の実施形態では、アルキルは2~5つの炭素原子を含む(すなわち、C2-C5アルキル)。他の実施形態では、アルキルは3~5個の炭素原子を含む(すなわち、C3-C5アルキル)。ある特定の実施形態では、アルキル基は、メチル、エチル、1-プロピル(n-プロピル)、1-メチルエチル(イソ-プロピル)、1-ブチル(n-ブチル)、1-メチルプロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソ-ブチル)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)、1-ペンチル(n-ペンチル)から選択される。アルキルは、単結合によって分子の残部に結合する。
【0031】
用語「Cx-y」は、アルキル、アルケニル、またはアルキニルなどの化学部分と組み合わせて使用されるとき、鎖内にx~y個の炭素を含む基を含むことを意味する。例えば、用語「C1-6アルキル」は、1~6個の炭素を含む直鎖アルキルおよび分岐鎖アルキル基を含む、置換または非置換の飽和炭化水素基を指す。用語-Cx-yアルキレン-は、x~y個の炭素をアルキレン鎖内に有する、置換または非置換のアルキレン鎖を指す。例えば、-C1-6アルキレン-は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、およびヘキシレンから選択されてよく、そのうちのいずれか1つが任意選択的に置換される。
【0032】
「アルコキシ」は、式-O-アルキルの酸素原子を介して結合されるラジカルを指し、ここでアルキルは上記に定義されるようなアルキル鎖である。
【0033】
「アルケニル」は、炭素原子および水素原子のみからなる直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカル基を指し、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含み、好適には、2~12個の炭素原子を有する(すなわち、C2-C12アルケニル)。ある特定の実施形態では、アルケニルは2~8個の炭素原子を含む(すなわち、C2-C8アルケニル)。ある特定の実施形態では、アルケニルは2~6個の炭素原子を含む(すなわち、C2-C6アルケニル)。他の実施形態では、アルケニルは2~4個の炭素原子を含む(すなわち、C2-C4アルケニル)。アルケニルは、単結合、例えば、エテニル(すなわち、ビニル)、プロプ-1-エニル(すなわち、アリル)、but-1-エニル、ペント-1-エニル、ペンタ-1,4-ジエニルなどにより、分子の残部に結合される。
【0034】
「アルキニル」は、炭素原子および水素原子のみからなる直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖ラジカル基を指し、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含み、好適には、2~12個の炭素原子を有する(すなわち、C2-C12アルキニル)。ある特定の実施形態では、アルキニルは2~8個の炭素原子を含む(すなわち、C2-C8アルキニル)。他の実施形態では、アルキニルは2~6個の炭素原子を含む(すなわち、C2-C6アルキニル)。他の実施形態では、アルキニルは2~4個の炭素原子を含む(すなわち、C2-C4アルキニル)。アルキニルは、単結合、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどによって分子の残部に結合される。
【0035】
用語「Cx-yアルケニル」、および「Cx-yアルキニル」は、上に説明されたアルキルに対して長さおよび可能な置換においてアナログであるが、それぞれ少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む、置換または非置換の不飽和脂肪族基を指す。用語-Cx-yアルケニレン-は、x~y個の炭素をアルケニレン鎖内に有する、置換または非置換のアルケニレン鎖を指す。例えば、-C2-6アルケニレン-は、エテニレン、プロペニレン、ブテニレン(butenylene)、ペンテニレン(pentenylene)、およびヘキセニレン(hexenylene)から選択されてよく、そのうちのいずれか1つが任意選択的に置換される。アルケニレン鎖は、アルケニレン鎖内に1つの二重結合または複数の二重結合を有し得る。用語-Cx-yアルキニレン-は、x~y個の炭素をアルケニレン鎖内に有する、置換または非置換のアルキニレン鎖を指す。例えば、-C2-6アルケニレン-は、エチニレン、プロピニレン(propynylene)、ブチニレン(butynylene)、ペンチニレン(pentynylene)、およびヘキシニレン(hexynylene)から選択されてよく、そのうちのいずれか1つが任意選択的に置換される。アルキニレン鎖は、アルキニレン鎖内に1つの三重結合または複数の三重結合を有し得る。
【0036】
「アルキレン」または「アルキレン鎖」は、分子の残部をラジカル基に連結させる直鎖または分岐鎖の二価の炭化水素鎖を指し、炭素と水素のみからなり、不飽和を含まず、および好適には1~12個の炭素原子を有し、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n-ブチレンなどである。アルキレン鎖は、単結合を介して分子の残部に、および単結合を介してラジカル基に結合する。分子の残部およびラジカル基に対するアルキレン鎖の結合点は、鎖内の任意の2個の炭素を介し得る。ある特定の実施形態では、アルキレンは1~10個の炭素原子(すなわち、C1-C8アルキレン)を含む。ある特定の実施形態では、アルキレンは1~8個の炭素原子(すなわち、C1-C8アルキレン)を含む。他の実施形態では、アルキレンは1~5個の炭素原子(すなわち、C1-C5アルキレン)を含む。他の実施形態では、アルキレンは1~4個の炭素原子(すなわち、C1-C4アルキレン)を含む。他の実施形態では、アルキレンは1~3個の炭素原子(すなわち、C1-C3アルキレン)を含む。他の実施形態では、アルキレンは1~2個の炭素原子(すなわち、C1-C2アルキレン)を含む。他の実施形態では、アルキレンは1個の炭素原子を含む(すなわち、C1アルキレン)。他の実施形態では、アルキレンは5~8個の炭素原子を含む(すなわち、C5-C8アルキレン)。他の実施形態では、アルキレンは2~5個の炭素原子を含む(すなわち、C2-C5アルキレン)。他の実施形態では、アルキレンは3~5個の炭素原子を含む(すなわち、C3-C5アルキレン)。
【0037】
「アルケニレン」または「アルケニレン鎖」は、分子の残部をラジカル基に連結させる直鎖または分岐鎖の二価の炭化水素鎖を指し、炭素および水素のみからなり、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含み、好適には、2~12個の炭素原子を有する。アルケニレン鎖は、単結合により分子の残部に結合し、単結合によりラジカル基に結合する。分子の残部およびラジカル基に対するアルケニレン鎖の結合点は、鎖内の任意の2個の炭素を介し得る。ある特定の実施形態では、アルケニレンは2~10個の炭素原子を含む(すなわち、C2-C10アルケニレン)。ある特定の実施形態では、アルケニレンは2~8個の炭素原子を含む(すなわち、C2-C8アルケニレン)。他の実施形態では、アルケニレンは2~5個の炭素原子を含む(すなわち、C2-C5アルケニレン)。他の実施形態では、アルケニレンは2~4個の炭素原子を含む(すなわち、C2-C4アルケニレン)。他の実施形態では、アルケニレンは2~3個の炭素原子を含む(すなわち、C2-C3アルケニレン)。他の実施形態では、アルケニレンは2個の炭素原子を含む(すなわち、C2アルケニレン)。他の実施形態では、アルケニレンは5~8個の炭素原子を含む(すなわち、C5-C8アルケニレン)。他の実施形態では、アルケニレンは3~5個の炭素原子を含む(すなわち、C3-C5アルケニレン)。
【0038】
「アルキニレン」または「アルキニレン鎖」は、分子の残部をラジカル基に連結させる直鎖または分岐鎖の二価炭化水素鎖を指し、炭素および水素のみからなり、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含み、好適には2~12個の炭素原子を有する。アルキニレン鎖は、単結合により分子の残部に結合し、単結合によりラジカル基に結合する。分子の残部およびラジカル基に対するアルキニレン鎖の結合点は、鎖内の任意の2個の炭素を介し得る。ある特定の実施形態では、アルキニレンは2~10個の炭素原子を含む(すなわち、C2-C10アルキニレン)。ある特定の実施形態では、アルキニレンは2~8個の炭素原子を含む(すなわち、C2-C8アルキニレン)。他の実施形態では、アルキニレンは2~5個の炭素原子を含む(すなわち、C2-C5アルキニレン)。他の実施形態では、アルキニレンは2~4個の炭素原子を含む(すなわち、C2-C4アルキニレン)。他の実施形態では、アルキニレンは2~3個の炭素原子を含む(すなわち、C2-C3アルキニレン)。他の実施形態では、アルキニレンは2個の炭素原子を含む(すなわち、C2アルキニレン)。他の実施形態では、アルキニレンは5~8個の炭素原子を含む(すなわち、C5-C8アルキニレン)。他の実施形態では、アルキニレンは3~5個の炭素原子を含む(すなわち、C3-C5アルキニレン)。
【0039】
「アリール」は、環炭素原子から水素原子を取り除くことにより、芳香族単環式または芳香族多環式の炭化水素環系から誘導されるラジカルを指す。芳香族単環式または芳香族多環式の炭化水素環系は、水素と炭素のみを含み、炭素原子は5~18個であり、環系における環の少なくとも1つは芳香族、すなわち、ヒュッケルの理論による環式の、非局在化(4n+2)π-電子系を含む。アリール基が誘導される環系として、限定されないが、ベンゼン、フルオレン、インダン、インデン、テトラリン、およびナフタレンなどの基が挙げられる。
【0040】
「アラルキル」は、式-Rc-アリールのラジカルを指し、式中Rcは、例えばメチレン、エチレンなど、上記に定義されるようなアルキレン鎖である。
【0041】
「アラルケニル」は、式-Rd-アリールのラジカルを指し、式中Rdは上記に定義されるようなアルケニレン鎖である。「アラルキニル」は式-Re-アリールのラジカルを指し、式中、Reは上記に定義されるようなアルキニレン鎖である。
【0042】
「炭素環」は、環の各原子が炭素である、飽和、不飽和、または芳香族の環を指す。炭素環は3~10員の単環式環、6~12員の二環式環、および6~12員の架橋環を含み得る。二環式炭素環の環はそれぞれ、飽和環、不飽和環、および芳香環から選択され得る。芳香環、例えば、フェニルは、飽和環または不飽和環、例えば、シクロヘキサン、シクロペンタン、またはシクロヘキセンに縮合され得る。飽和二環式環、不飽和二環式環、および芳香族二環式環の任意の組み合わせが、原子価が許容する限り、炭素環式の定義に含まれる。例示的な炭素環として、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、アダマンチル、フェニル、インダニル、およびナフチルが挙げられる。二環式炭素環は、縮合環系、架橋環系、またはスピロ環系であり得る。場合により、スピロ環式炭素環は、ただ一つの共有原子を有する少なくとも2つの分子環を有する。
【0043】
「カルボシクレン(Carbocyclene)」は、分子の残部をラジカル基に連結させている二価炭素環を指す。
【0044】
用語「不飽和炭素環」は、少なくとも1不飽和度である、芳香族炭素環以外の炭素環を指す。不飽和炭素環の例として、シクロヘキサジエン、シクロヘキセン、およびシクロペンテンが挙げられる。
【0045】
「シクロアルキル」は、炭素原子と水素原子のみからなる完全に飽和した単環式または多環式の炭化水素ラジカルを指し、縮合または架橋した環系を含み、好適には、3~12個の炭素原子を有する。ある特定の実施形態では、シクロアルキルは3~10個の炭素原子を含む。他の実施形態では、シクロアルキルは5~7個の炭素原子を含む。シクロアルキルは単結合によって分子の残部に結合し得る。単環式シクロアルキルの例として、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。多環式のシクロアルキルラジカルとして、例えば、アダマンチル、ノルボルニル(つまり、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)、ノルボルネニル(norbornenyl)、デカリニル(decalinyl)、7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどが挙げられる。
【0046】
「シクロアルケニル」は、炭素原子と水素原子のみからなる不飽和の非芳香族の単環式または多環式の炭化水素ラジカルを指し、縮合または架橋した環系を含み、好適には、3~12個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1つの二重結合を含む。ある特定の実施形態では、シクロアルケニルは3~10個の炭素原子を含む。他の実施形態では、シクロアルケニルは5~7個の炭素原子を含む。シクロアルケニルは、単結合によって分子の残部に結合し得る。単環式のシクロアルケニルの例として、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、およびシクロオクテニルが挙げられる。
【0047】
「シクロアルキルアルキル」は、式-Rc-シクロアルキルのラジカルを指し、式中、Rcは、上に記載されるようなアルキレン鎖である。
【0048】
「シクロアルキルアルコキシ」は、式-O-Rc-シクロアルキルの酸素原子を介して結合されたラジカルを指し、式中、Rcは、上に記載されるようなアルキレン鎖である。
【0049】
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロ、およびヨードなどの置換基を指す。
【0050】
本明細書で使用される場合、用語「ハロアルキル」または「ハロアルカン」は、1つまたは複数のハロゲンラジカルによって置換された、上記に定義されるようなアルキルラジカルを指し、例えば、トリフルオロメチル、ジクロロメチル、ブロモメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、l-フルオロメチル-2-フルオロエチルなどである。一部の実施形態では、フルオロアルキルラジカルのアルキル部分は、任意選択でさらに置換される。ハロゲン置換アルカン(「ハロアルカン」)の例としては、ハロメタン(例えば、クロロメタン、ブロモメタン、フルオロメタン、ヨードメタン)、ジハロメタンおよびトリハロメタン(例えば、トリクロロメタン、トリブロモメタン、トリフルオロメタン、トリヨードメタン)、1-ハロエタン、2-ハロエタン、1,2-ジハロエタン、1-ハロプロパン、2-ハロプロパン、3-ハロプロパン、1,2-ジハロプロパン、1,3-ジハロプロパン、2,3-ジハロプロパン、1,2,3-トリハロプロパン、ならびにアルカン(または置換アルカン)とハロゲン(例えば、Cl、Br、F、Iなどである)との任意の他の適切な組合せが挙げられる。アルキル基が複数のハロゲンラジカルで置換される場合、各ハロゲンは独立して選択されてもよく、例えば、1-クロロ,2-フルオロエタンである。
【0051】
「フルオロアルキル」は、1つまたは複数のフルオロラジカルによって置換された、上記に定義されるようなアルキルラジカルを指し、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1-フルオロメチル-2-フルオロエチルなどである。
【0052】
「アミノアルキル」は、1つまたは複数のアミンラジカルによって置換された、上記に定義されるような、アルキルラジカルを指し、例えば、プロパン-2-アミン、ブタン-1,2,ジアミン、ペンタン-1,2,4-トリアミンなどである。
【0053】
「ヒドロキシアルキル」は、1つまたは複数のヒドロキシラジカルによって置換された、上記に定義されるようなアルキルラジカルを指し、例えば、プロパン-1-オール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,2,4-トリオールなどである。
【0054】
「アルコキシアルキル」は、1つまたは複数のアルコキシラジカルによって置換された、上記に定義されるようなアルキルラジカルを指し、例えば、メトキシメタン、1,3-ジメトキシブタン、1-メトキシプロパン、2-エトキシペンタンなどである。
【0055】
「シアノアルキル」は、1つまたは複数のシアノラジカルによって置換された、上記に定義されるようなアルキルラジカルを指し、例えば、アセトニトリル、2-エチル-3-メチルスクシノニトリル(2-ethyl-3-methylsuccinonitrile)、ブチロニトリルなどである。
【0056】
「複素環」は、1つまたは複数のヘテロ原子を含む、飽和環、不飽和環、または芳香環を指す。典型的なヘテロ原子はN、O、Si、P、B、およびSの原子を含む。複素環は、3-10員単環式環、6-12員二環式環、および6-12員架橋環を含み得る。二環式複素環の環はそれぞれ、飽和環、不飽和環、および芳香環から選択され得る。二環式複素環は、縮合環系、架橋環系、またはスピロ環系であり得る。場合により、スピロ環式複素環は、ただ一つの共有原子を有する少なくとも2つの分子環を有する。スピロ環式複素環は、少なくとも1つのヘテロ原子を含む。
【0057】
「ヘテロシクレン(Heterocyclene)」は、分子の残部をラジカル基に連結させている二価複素環を指す。
【0058】
「ヘテロアリール」または「芳香族複素環」は、1~11個の炭素原子と、N、O、およびSから選択され得る少なくとも1個のヘテロ原子とを含む、複素芳香環ラジカルから誘導されるラジカルを指す。本明細書に使用されるように、ヘテロアリール環は、単環式または二環式、および融合または架橋された環系から選択されてもよく、ここで、環系における環の少なくとも1つは芳香族であり、すなわち、ヒュッケル理論による環式の非局在化(4n+2)π-電子系を含む。ヘテロアリールラジカル中のヘテロ原子は、任意選択で酸化されてもよい。1つまたは複数の窒素原子は、存在する場合、随意に四級化される。ヘテロアリールは、ヘテロアリールの炭素原子または窒素原子などの、原子価が許容する、ヘテロアリールの任意の原子を介して分子の残部に結合され得る。ヘテロアリールの例として、限定されないが、ピリジン、ピリミジン、オキサゾール、フラン、ピラン、チオフェン、イソオキサゾール、ベンゾイミダゾール、ベンズチアゾール、およびイミダゾピリジンが挙げられる。
【0059】
「X員ヘテロアリール」は、環における環内原子(endocylic atom)の数、すなわちXを指す。例えば、5員ヘテロアリール環または5員芳香族複素環は、5個の環内原子を有し、例えば、トリアゾール、オキサゾール、チオフェンなどである。
【0060】
用語「不飽和の複素環」は、少なくとも1度の不飽和度である複素環を指し、かつ芳香族複素環を除外する。不飽和の複素環の例として、ジヒドロピロール、ジヒドロフラン、オキサゾリン、ピラゾリン、およびジヒドロピリジンが挙げられる。複素環は、本明細書に記載される置換基などの1つまたは複数の置換基によって任意選択的に置換され得る。
【0061】
用語「置換された」は、構造の1つまたは複数の炭素または置換可能なヘテロ原子、例えば、NH上の水素を置換する置換基を有する部分を指す。「置換」または「~で置換される」は、そのような置換が置換される原子および置換基の許容される原子価に従うものであり、かつ、置換の結果、例えば、再配置、環化、除去などによる変換を自発的に受けない、安定した化合物がもたらされるという、暗黙の条件を含んでいる。ある特定の実施形態では、置換とは、単一の炭素上の2つの水素原子をオキソ、イミノまたはチオキソ基で置換するなど、同じ炭素原子上の2つの水素原子を置換する置換基を有する部分を指す。
【0062】
本明細書で使用されるように、「置換される」という用語は、有機化合物の許容可能な置換基をすべて含むものと企図される。広範囲の態様では、許容可能な置換基は、有機化合物の非環式および環式の、分岐および未分岐の、炭環式および複素環式の、芳香族および非芳香族の置換基を含む。許容可能な置換基は、適切な有機化合物に対して1つ以上であり、かつ、同じものまたは異なるものであり得る。本開示の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、および/または、ヘテロ原子の原子価を満たす本明細書に記載される有機化合物の任意の許容可能な置換基を有し得る。一部の実施形態では、置換基は、本明細書に記載される任意の置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシ、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、シアノ(-CN)、ニトロ(-NO2)、イミノ(=N-H)、オキシモ(=N-OH)、ヒドラジノ(=N-NH2)、-Rb-ORa、-Rb-OC(O)-Ra、-Rb-OC(O)-ORa、-Rb-OC(O)-N(Ra)2、-Rb-N(Ra)2、-Rb-C(O)Ra、-Rb-C(O)ORa、-Rb-C(O)N(Ra)2、-Rb-O-Rc-C(O)N(Ra)2、-Rb-N(Ra)C(O)ORa、-Rb-N(Ra)C(O)Ra、-Rb-N(Ra)S(O)tRa(tが1または2の場合)、-Rb-S(O)tRa(tが1または2の場合)、-Rb-S(O)tORa(tが1または2の場合)、および-Rb-S(O)tN(Ra)2(tが1または2の場合);およびアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、複素間を含み、そのいずれもがアルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、シアノ(-CN)、ニトロ(-NO2)、イミノ(=N-H)、オキシモ(=N-OH)、ヒドラジン(=N-NH2)、-Rb-ORa、-Rb-OC(O)-Ra、-Rb-OC(O)-ORa、-Rb-OC(O)-N(Ra)2、-Rb-N(Ra)2、-Rb-C(O)Ra、-Rb-C(O)ORa、-Rb-C(O)N(Ra)2、-Rb-O-Rc-C(O)N(Ra)2、-Rb-N(Ra)C(O)ORa、-Rb-N(Ra)C(O)Ra、-Rb-N(Ra)S(O)tRa(tが1または2の場合)、-Rb-S(O)tRa(tが1または2の場合)、-Rb-S(O)tORa(tが1または2の場合)および-Rb-S(O)tN(Ra)2(tが1または2の場合)によって任意選択的に置換されてもよく、ここで各Raは、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルから選択され、ここで各Raは、原子価が許容される場合、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、オキソ(=O)、チオキソ(=S)、シアノ(-CN)、ニトロ(-NO2)、イミノ(=N-H)、オキシモ(=N-OH)、ヒドラジン(=N-NH2)、-Rb-ORa、-Rb-OC(O)-Ra、-Rb-OC(O)-ORa、-Rb-OC(O)-N(Ra)2、-Rb-N(Ra)2、-Rb-C(O)Ra、-Rb-C(O)ORa、-Rb-C(O)N(Ra)2、-Rb-O-Rc-C(O)N(Ra)2、-Rb-N(Ra)C(O)ORa、-Rb-N(Ra)C(O)Ra、-Rb-N(Ra)S(O)tRa(tが1または2の場合)、-Rb-S(O)tRa(tが1または2の場合)、-Rb-S(O)tORa(tが1または2の場合)および-Rb-S(O)tN(Ra)2(tが1または2の場合)によって任意選択的に置換されてもよく、各Rbは、独立して、直接結合、または直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン鎖、アルケニレン鎖、またはアルキニレン鎖から選択され、各Rcは、直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン鎖、アルケニレン鎖、またはアルキニレン鎖である。
【0063】
本明細書および特許請求の範囲で使用するとき、単数形「a(ひとつの)」、「an(ひとつの)」、および「the(その・)」は、前後関係から明らかでない限り複数形を含む。
【0064】
用語「塩」または「薬学的に許容可能な塩」は、当該技術分野で周知の様々な有機および無機の対イオンに由来する塩を指す。薬学的に許容可能な酸付加塩は無機酸と有機酸で形成可能である。塩が由来し得る無機酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含んでいる。塩が由来し得る有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含む。薬学的に許容可能な塩付加塩は無機塩基と有機塩基で形成可能である。塩が由来し得る無機塩基は、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどを含んでいる。塩が由来し得る有機塩基は、例えば、一級アミン、二級アミン、および三級アミン、自然発生の置換されたアミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂などを含む置換されたアミン、具体的には、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンを含んでいる。一部の実施形態では、薬学的に許容可能な塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウム塩から選択される。
【0065】
本明細書で使用されるとき、語句「非経口投与」および「非経口的に投与される」とは、通常注入による、腸内投与と局所投与以外の投与方式を意味し、限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、および胸骨下の注射と注入を含む。
【0066】
語句「薬学的に許容可能な」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、あるいは他の問題または合併症なく、人間および動物の組織との接触使用に適しており、合理的なベネフィット・リスク比と釣り合っている、こうした化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すように本明細書では用いられる。
【0067】
本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容可能な賦形剤」または「薬学的に許容可能な担体」という語句は、液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、またはカプセル化材料などの、薬学的に許容可能な材料、組成物またはビヒクルを意味する。各担体は、製剤の他の成分に適合可能であり、かつ患者に有害ではないという意味で、「許容可能」でなければならない。薬学的に許容可能な担体として役立つことができる材料のいくつかの例として、(1)ラクトース、グルコースおよび精製白糖などの糖類、(2)トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプンなどのデンプン、(3)カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、およびセルロースアセテートなどのセルロースおよびその誘導体、(4)トラガント末、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)カカオバターおよび坐薬用ワックスなどの賦形剤、(9)落花生油、綿実油、サフラワー油、胡麻油、オリーブオイル、トウモロコシ油および大豆油などの油、(10)プロピレングリコールなどのグリコール、(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール、(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル、(13)寒天、(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤、(15)アルギン酸、(16)パイロジェンフリー水、(17)等張の食塩水、(18)リンゲル液、(19)エチルアルコール、(20)リン酸緩衝液、そして(21)医薬製剤において採用される他の無毒な互換性物質が挙げられる。
【0068】
ある特定の実施形態では、疾患または障害に関連する「予防する」または「予防する」という用語は、化合物が、統計学的試料において、未処置の対照試料と比較して処置試料における障害または疾病の発症を低減するか、または未処置の対照試料と比較して障害または疾病の1つ以上の症状の発症を遅延させるか、またはその重症度を低減することを指し得る。
【0069】
用語「処置する(treat)」、「処置している(treating)」、および「処置(treatment)」は、本明細書に用いられる場合、予防的に、および/または治療的に、のいずれかで、疾患または疾病の症状を軽減、減少、または改善すること、さらなる症状を予防すること、症状の根底にある原因を改善または予防すること、疾患または疾病を抑制すること、例えば、疾患または疾病の進行を阻止すること、疾患または疾病を緩和すること、疾患または疾病を退行させること、疾患または疾病により生じる状態を緩和すること、あるいは疾患または疾病の症状を停止させることを含む。
【0070】
用語「リガンド」は、概して、標的細胞に関連する抗原または受容体を認識し、それに結合することができる高分子化合物を指す。リガンドは、限定されないが、タンパク質ホルモン、レクチン、成長因子、抗体、または細胞、受容体、および/または抗原分子に結合することができる他の物質を含む薬剤を、リガンドに結合する標的細胞群に輸送するために使用することができる。リガンドは抗体であり得る。リガンドは、抗原結合断片であり得る。リガンドは、標的化部分であり得る。
【0071】
用語「標的化部分」は、他の非標的分子と比較して標的分子に対して選択的親和性を有する構造を指す。標的化部分は、標的分子に結合する。標的化部分は、例えば、抗体、ペプチド、リガンド、受容体、またはそれらの結合部分を含み得る。標的生物学的分子は、生物学的受容体または腫瘍抗原などの細胞の他の構造であり得る。
【0072】
用語「リンカー」は、2つの異なる化学部分を互いに組み合わせることができる化学部分を指す。リンカーは、スペーサーおよびアミノ酸を含むことができる。リンカーは、本明細書に記載される化合物の放出を促進する切断可能なリンカーであり得る。リンカーは、リガンド(例えば、抗体)と共有結合的な結合を形成するために使用することができる。
【0073】
用語「抗体」は、全抗体(whole antibody)、抗体の抗原結合性断片(すなわち、「抗原結合部分」)、またはそれらの単鎖変異体を意味する。全抗体は、ジスルフィド結合により相互に接続される、少なくとも2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含むタンパク質である。各重鎖は、重鎖可変領域(VH)および3つのドメイン、CH1、CH2およびCH3を含む重鎖定常領域を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VLまたはVk)および1つの単一ドメインCLを含む軽鎖定常領域を含む。VHおよびVL領域は、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変領域と、散在するより保存されたフレームワーク領域(FR)とにさらに細分することができる。各VHおよびVLは、アミノ末端からカルボキシ末端に配置される3つのCDRおよび4つのFRを以下の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、およびFR4で、含む。可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含有する。定常領域は、免疫系の種々の細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的補体系の第1の成分(Clq)を含む、宿主組織または因子への抗体の結合を媒介し得る。
【0074】
抗体が5×10-8M以下、より好適には、1×10-8M以下、より好ましくは6×10-9M以下、より好ましくは3×10-9M以下、さらにより好ましくは2×10-9M以下のKDで抗原Xに結合するとき、抗体は抗原Xに「特異的に結合する」と言われる。抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体、または好ましくはヒト抗体であり得る。重鎖定常領域は、グリコシル化の種類もしくは程度に影響を及ぼすように、抗体半減期を延長するように、エフェクター細胞もしくは補体系との相互作用を増強もしくは低減するように、またはいくつかの他の特性を調節するように操作することができる。操作は、1つまたは複数のアミノ酸の置換、付加、もしくは欠失によって、またはドメインを別の免疫グロブリン型由来のドメインで置換することによって、または前述のものの組み合わせによって、達成することができる。
【0075】
抗体の「抗原結合フラグメント」および「抗原結合部分」(または単に「抗体部分」または「抗体断片」である)という用語は、抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体の1つまたは複数の断片を意味する。抗体の抗原結合機能は、(i)FAb断片(VL、VH、CL、およびCH1ドメインからなる一価の断片である)、(ii)F(ab’)2断片(ヒンジ領域でのジスルフィド架橋により結合される2つのFab断片を含む二価断片である)、(iii)Fab’断片(本質的にヒンジ領域の一部を伴うFab)(例えば、Abbas et al.,Cellular and Molecular Immunology,6th Ed.,Saunders Elsevier 2007を参照)、(iv)Fd断片(VHとCH1のドメインからなる)、(v)Fv断片(抗体の単一のアームのVLおよびVHのドメインからなる)、(vi)dAd断片(VHドメインからなる)(Ward et al.,(1989)Nature 341:544-546)、(vii)単離された相補性決定領域(CDR)、および(viii)ナノボディ(単一の可変ドメインと2つの定常ドメインを含む重鎖可変領域)などの、全長抗体の断片によって果たすことができることが示されている。好ましい抗原結合断片は、Fab、F(ab’)2、Fab’、Fv、およびFd断片である。さらに、Fv断片の2つのドメイン、VLとVHは、別個の遺伝子によりコードされるが、これらは、組換え法を使用して、一価分子を形成するようにVLとVHの領域が対になる単一タンパク質鎖としてそれらを作ることを可能にする合成リンカーにより、結合され得る(単鎖FvまたはscFvとして知られる。例えば、Bird et al.(1988)Science 242:423-426;およびHuston et al.1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879-5883)を参照。そのような単一鎖抗体はまた、抗体の用語「抗原結合部分」中に包含される。
【0076】
用語「単離された抗体」は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まないが抗体を意味する。(例えば、抗原Xを特異的に結合する単離された抗体は、抗原X以外の抗原を特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかし、抗原Xに特異的に結合する単離された抗体は、他の種由来の抗原X分子などの他の抗原に対して交差反応性を有し得る。ある特定の実施形態では、単離された抗体は、ヒト抗原Xに特異的に結合し、他の(非ヒト)抗原X抗原と交差反応しない。さらに、単離された抗体は、他の細胞物質および/または化学物質を実質的に含まない場合がある。
【0077】
用語「モノクローナル抗体」または「モノクローナル抗体組成物」は、単一の分子組成を有する抗体分子からなる製剤であり、特定のエピトープに対して単一の結合特異性および親和性を示すものを意味する。
【0078】
用語「ヒト抗体」は、フレームワーク領域およびCDR領域(ならびに、存在する場合、定常領域)の両方がヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する抗体を意味する。ヒト抗体は、天然または合成の修飾を含む後からの修飾を含み得る。ヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロのランダム突然変異または部位突然変異、或いは、インビボの体細胞突然変異により導入された突然変異)を含み得る。しかし、「ヒト抗体」は、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列に移植された抗体を含まない。
【0079】
用語「ヒトモノクローナル抗体」は、フレームワークとCDR領域の両方がヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する単一の結合特異性を示す抗体を意味する。一実施形態では、ヒトモノクローナル抗体は、不死化細胞に縮合されたヒト重鎖導入遺伝子と軽鎖導入遺伝子とを含むゲノムを有するトランスジェニック非ヒト動物、例えばトランスジェニックマウスから得られたB細胞を含む、ハイブリドーマによって産生される。
【0080】
本開示の化合物
以下は、本開示の方法において使用され得る化合物およびその塩の考察である。
【0081】
ある態様では、本開示は、式(I)
【0082】
【化9】
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
R
1は、-O-CH
2-CH
2-O-および-NH-C(O)-CH
2-O-から選択され、
Lは、L
2-(L
2B)
z-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2は、C
1-6アルキレンから選択され、
L
2Bは、NR
4C(O)O-C
1-6アルキレン-フェニレンから選択され、フェニレンは、1つまたは複数のR
5で任意選択的に置換され、
L
3は、1~7個のアミノ酸を含む残基から選択され、
L
4は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
5は、(O-CH
2-CH
2-)
q-(NR
3)
sから選択され、
L
6は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
7は、C
5-6カルボシクレンから選択され、
R
2は、任意選択的に置換された5~6員の複素環から選択され、5~6員の複素環は、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
R
3は、水素およびC
1-6アルキルから選択され、
R
4は、水素、および1つまたは複数のSO
2C
1-6アルキルで任意選択的に置換されたC
1-6アルキルから選択され、
各R
5は、独立して糖から選択され、
mは、0および1から選択され、
nは、0および1から選択され、
pは、0および1から選択され、
qは、0~8から選択され、
sは、0および1から選択され、
zは、0および1から選択される。
【0083】
一部の実施形態では、式(I)は、
【0084】
【化10】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表される。
【0085】
一部の実施形態では、式(I)は、
【0086】
【0087】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、もしくは式(III)の化合物または塩について、Lは、L2-L3-L4-L5-L6-L7-R2である。場合によっては、Lは、L2-L3-L4-L5-L6-R2である。場合によっては、Lは、L2-L3-L4-L5-L6-R2である。場合によっては、Lは、L2-L3-L4-L7-R2である。場合によっては、リンカーは、L2-L3-L4-R2である。場合によっては、Lは、L2-L2B-L3-L4-L5-R2である。
【0088】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、もしくは式(III)の化合物または塩について、L2は、C1-6アルキレンから選択される。場合によっては、L2は、C5アルキレンである。場合によっては、L2は、C4アルキレンである。場合によっては、L2は、C3アルキレンである。場合によっては、L2は、C2アルキレンである。場合によっては、L2は、C1アルキレンである。
【0089】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(III)、もしくは式(III-A)の化合物または塩について、zは、1である。場合によっては、L2Bは、NR4C(O)O-C1-6アルキレン-フェニルから選択され、フェニルは、1つのR5で任意選択的に置換される。場合によっては、L2Bは、NR4C(O)O-C1-2アルキレン-フェニルから選択され、フェニルは、1つのR5で任意選択的に置換される。場合によっては、L2Bは、NR4C(O)O-C1アルキレン-フェニルから選択され、フェニルは、1つのR5で任意選択的に置換される。場合によっては、L2Bは、
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【化15】
である。場合によっては、各R
5は、独立して、糖から選択される。場合によっては、糖は、単糖類および二糖類から選択される。場合によっては、糖は、単糖類から選択される。場合によっては、糖は、フルクトース、ガラクトース、グルコース、グルクロン酸、マルトース、スクロース、およびスクロースから選択される。場合によっては、糖は、グルクロン酸である。場合によっては、R
5は、
【0094】
【0095】
【化17】
である。場合によっては、zは、0である。場合によっては、R
4は、水素から選択される。場合によっては、R
4は、1つのSO
2C
1-
6アルキルで任意選択的に置換されたC
1-
6アルキルから選択される。場合によっては、R
4は、1つのSO
2C
1-
6アルキルで置換されたC
1-
6アルキルから選択される。場合によっては、R
4は、1つのSO
2メチルで置換されたC
1-
6アルキルから選択される。場合によっては、R
4は、
【0096】
【0097】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(III)、もしくは式(III-A)の化合物または塩について、L3は、1~7個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、1~5個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、1~4個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、1~3個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、1~2個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、2~4個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、1個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、2個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、3個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、4個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、5個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、6個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、7個のアミノ酸を含む残基から選択される。
【0098】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(III)、もしくは式(III-A)の化合物または塩について、L3は、天然アミノ酸および非天然アミノ酸を含む残基から選択される。
【0099】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(III)、もしくは式(III-A)の化合物または塩について、L3は、天然アミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、αアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、βアミノ酸を含む残基から選択される。
【0100】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(III)、もしくは式(III-A)の化合物または塩について、アミノ酸は、非天然アミノ酸である。
【0101】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(III)、もしくは式(III-A)の化合物または塩について、L3は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、シトルリン、およびβ-アラニンからなる群から選択される。場合によっては、L3は、アラニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、リジン、フェニルアラニン、セリン、バリン、シトルリン、サルコシン、およびβ-アラニンからなる群から選択される。場合によっては、L3は、アラニン、グリシン、リジン、フェニルアラニン、セリン、バリン、シトルリン、サルコシン、およびβ-アラニンからなる群から選択される。場合によっては、L3は、アラニン、グリシン、フェニルアラニン、バリン、シトルリン、およびβ-アラニンからなる群から選択される。場合によっては、L3は、アラニン、バリン、およびシトルリンからなる群から選択される。場合によっては、L3は、グリシンおよびフェニルアラニンからなる群から選択される。場合によっては、L3は、グリシン、フェニルアラニン、およびサルコシンからなる群から選択される。場合によっては、L3は、サルコシンからなる群から選択される。
【0102】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(III)、もしくは式(III-A)の化合物または塩について、L3は、4個のアミノ酸を含む。場合によっては、L3は、2個のアミノ酸を含む。場合によっては、L3は、1個のアミノ酸を含む。場合によっては、L3は、少なくとも2個の異なるアミノ酸を含む。場合によっては、L3は、
【0103】
【0104】
【0105】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(III)、もしくは式(III-A)の化合物または塩について、L4は、任意選択的に置換されたC1-6アルキレンから選択され、C1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、-NH2、オキソ、-C1-10ハロアルキル、-O-C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、L4は、任意選択的に置換されたC1-6アルキレンから選択され、C1-6アルキレンは、-OH、-NH2、およびオキソから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、L4は、任意選択的に置換されたC1-6アルキレンから選択され、C1-6アルキレンは、オキソで任意選択的に置換される。場合によっては、L4は、-C(O)-(CH2)2-および-C(O)-(CH2)5-から選択される。場合によっては、L4は、-C(O)-(CH2)2-である。場合によっては、L4は、-C(O)-(CH2)3-である。場合によっては、L4は、-C(O)-(CH2)4-である。場合によっては、L4は、-C(O)-(CH2)5-である。場合によっては、L4は、
【0106】
【0107】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(III)、もしくは式(III-A)の化合物または塩について、L5は、-(O-CH2-CH2-)q-(NR3)s-から選択され、qは、0~8から選択され、sは、0および1から選択される。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)q-(NR3)s-から選択され、qは、0~8から選択され、sは、0である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)q-(NR3)s-から選択され、qは、0~8から選択され、sは、1である。場合によっては、qは、1である。場合によっては、qは、2である。場合によっては、qは、3である。場合によっては、qは、4である。場合によっては、qは、5である。場合によっては、qは、6である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)2-NH-である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)3-NH-である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)4-NH-である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)5-NH-である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)6-NH-である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)7-NH-である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)8-NH-である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)1-8から選択される。場合によっては、sは、0である。場合によっては、sは、1である。
【0108】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(III)、もしくは式(III-A)の化合物または塩について、L6は、任意選択的に置換されたC1-6アルキレンから選択され、C1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、-NH2、オキソ、-C1-10ハロアルキル、-O-C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、L6は、任意選択的に置換されたC1-6アルキレンから選択され、C1-6アルキレンは、-OH、-NH2、およびオキソから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、L6は、任意選択的に置換されたC1-6アルキレンから選択され、C1-6アルキレンは、オキソで任意選択的に置換される。場合によっては、L6は、-C(O)-(CH2)2-および-C(O)-(CH2)5-から選択される。場合によっては、L6は、-C(O)-(CH2)2-である。場合によっては、L6は、-C(O)-(CH2)3-である。場合によっては、L6は、-C(O)-(CH2)4-である。場合によっては、L6は、-C(O)-(CH2)5-である。場合によっては、L6は、
【0109】
【0110】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(III)、もしくは式(III-A)の化合物または塩について、L7は、C5-6炭素環から選択される。場合によっては、L7は、C5-6カルボシクレンから選択される。場合によっては、L7は、C6炭素環から選択される。場合によっては、L7は、C6カルボシクレンから選択される。場合によっては、L7は、フェニレンである。場合によっては、L7は、シクロヘキシレンである。場合によっては、L7は、
【0111】
【0112】
【0113】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、もしくは式(III)の化合物または塩について、R2は、任意選択的に置換された5~6員の複素環から選択され、5~6員の複素環は、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、-NH2、オキソ、C1-10アルキル、-C1-10ハロアルキル、-O-C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、R2は、任意選択的に置換された5~6員のヘテロシクレンから選択され、5~6員のヘテロシクレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、-NH2、オキソ、C1-10アルキル、-C1-10ハロアルキル、-O-C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、R2は、任意選択的に置換された5~6員の複素環から選択され、5~6員の複素環は、オキソおよびハロゲンから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、R2は、任意選択的に置換された5~6員のヘテロシクレンから選択され、5~6員のヘテロシクレンは、オキソおよびハロゲンから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、R2は、任意選択的に置換された5員の複素環から選択され、5員の複素環は、オキソから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、R2は、任意選択的に置換された5員のヘテロシクレンから選択され、5員のヘテロシクレンは、オキソから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、5員の複素環は、少なくとも1つの二重結合を有する。場合によっては、5員の複素環は、1つの二重結合を有する。場合によっては、R2は、マレイミドである。場合によっては、R2は、
【0114】
【0115】
【化26】
であり、式中、Lgはリガンドである。場合によっては、R
2は、新たな結合を形成することができる反応性部分である。場合によっては、R
2は、既存の二重結合から新たな結合を形成することができる反応性部分である。
【0116】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(III)、もしくは式(III-A)の化合物または塩について、L2-L3-L4-R2は、
【0117】
【化27】
から選択される。場合によっては、L
2-L
3-L
4は、
【0118】
【0119】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(III)、もしくは式(III-A)の化合物または塩について、L2-L3-L4は、
【0120】
【化29】
である。場合によっては、L
2-L
3は、
【0121】
【0122】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、もしくは式(III)の化合物または塩について、L2-L3-L4-L5-L6-L7-R2は、
【0123】
【化31】
である。場合によっては、L
2-L
3-L
4-L
5-L
6-L
7は、
【0124】
【化32】
である。場合によっては、L
2-L
3-L
4-L
5-L
6は、
【0125】
【化33】
である。場合によっては、L
2-L
3-L
4-L
5は、
【0126】
【化34】
である。場合によっては、L
2-L
3-L
4-L
5は、
【0127】
【0128】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、もしくは式(III)の化合物または塩について、L2-L2B-L3-L4-R2は、
【0129】
【化36】
である。場合によっては、L
2-L
2B-L
3-L
4は、
【0130】
【化37】
である。場合によっては、L
2-L
2B-L
3は、
【0131】
【化38】
である。場合によっては、L
2-L
2Bは、
【0132】
【0133】
【0134】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、もしくは式(III)の化合物または塩について、Lは、
【0135】
【0136】
一部の実施形態では、式(I)は、
【0137】
【化42】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表され、式中、Lgはリガンドである。
【0138】
一態様では、本開示は、式(III):
【0139】
【化43】
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
Lgはリガンドであり、
R
1は、-O-CH
2-CH
2-O-および-NH-C(O)-CH
2-O-から選択され、
Lは、L
2-(L
2B)
z-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2は、C
1-6アルキレンから選択され、
L
3は、1~7個のアミノ酸を含む残基から選択され、
L
4は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
5は、-(O-CH
2-CH
2-)
q-(NR
3)
s-から選択され、
L
6は、任意選択的に置換されたC
1-6アルキレンから選択され、C
1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
7は、C
5-6炭素環から選択され、
R
2は、任意選択的に置換された5~6員の複素環から選択され、5~6員の複素環は、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され
R
3は、水素およびC
1-6アルキルから選択され、
R
4は、1つまたは複数のSO
2C
1-6アルキルで任意選択的に置換されたC
1-6アルキルから選択され、
各R
5は、独立して、糖から選択され、
mは、0および1から選択され、
nは、0および1から選択され、
pは、0および1から選択され、
qは、0~8から選択され、
sは、0および1から選択され、
zは、0および1から選択される。
【0140】
一部の実施形態では、式(III)は、
【0141】
【化44】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表される。
【0142】
一態様では、本開示は、式(IV)
【0143】
【化45】
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
【0144】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、もしくは式(I-B)の化合物または塩について、R1は、-O-CH2-CH2-O-から選択され、
Lは、L2-L3-L4-(L5)m-(L6)n-(L7)p-R2であり、
L2は、C1-6アルキレンから選択され、
L3は、3~5個のアミノ酸を含む残基から選択され、
L4は、
【0145】
【化46】
から選択され、
L
5は、(O-CH
2-CH
2-)
q-(NR
3)
sから選択され、
L
6は、
【0146】
【化47】
から選択され、
L
7は、フェニレンであり、
R
2は、マレイミドから選択され、
R
3は、水素およびC
1-6アルキルから選択され、
mは、0および1から選択され、
nは、0および1から選択され、
pは、0および1から選択され、
qは、2~6から選択され、
sは、0および1から選択される。
【0147】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、もしくは式(I-B)の化合物または塩について、R1は、-O-CH2-CH2-O-から選択され、
Lは、L2-L3-L4-(L5)m-(L6)n-(L7)p-R2であり、
L2は、
【0148】
【0149】
【0150】
【0151】
【化51】
であり、mは、0および1から選択され、
L
6は、
【0152】
【化52】
であり、nは、0および1から選択され、
L
7は、
【0153】
【化53】
から選択され、pは、0および1から選択され、
R
2は、
【0154】
【0155】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、もしくは式(I-B)の化合物または塩について、R1は、-O-CH2-CH2-O-から選択され、
Lは、L2-L3-L4-(L5)m-(L6)n-(L7)p-R2であり、
L2は、
【0156】
【0157】
【0158】
【0159】
【化58】
であり、mは、0および1から選択され、
L
6は、
【0160】
【化59】
であり、nは、0および1から選択され、
L
7は、
【0161】
【化60】
であり、pは、0および1から選択され、
R
2は、
【0162】
【0163】
一部の実施形態では、式(III)は、式(V-A)
【0164】
【化62】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表され、DARは、約1~8から選択される。場合によっては、DARは、約8である。
【0165】
一部の実施形態では、式(III)は、式(V-B)
【0166】
【化63】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表され、DARは、約1~8から選択される。場合によっては、DARは、約8である。
【0167】
一部の実施形態では、式(III)は、式(V-C):
【0168】
【化64】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表され、DARは、約1~8から選択される。場合によっては、DARは、約8である。
【0169】
一部の実施形態では、式(III)は、式(V-D)
【0170】
【化65】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表され、DARは、約1~8から選択される。場合によっては、DARは、約8である。
【0171】
一部の実施形態では、式(III)の化合物は、
【0172】
【化66】
またはその薬学的に許容可能な塩から選択され、DARは、約1~8から選択される。場合によっては、DARは、約8である。
【0173】
一部の実施形態では、式(III)の化合物は、
【0174】
【化67】
またはその薬学的に許容可能な塩から選択され、DARは、約1~8から選択される。場合によっては、DARは、約8である。
【0175】
一部の実施形態では、式(III)の化合物は、
【0176】
【化68】
またはその薬学的に許容可能な塩から選択され、DARは、約1~8から選択される。
【0177】
一部の実施形態では、式(III)もしくは式(IV)*は、DAR値を含む。場合によっては、DARは、薬物対抗体比である。場合によっては、DARは、リガンド(Lg)にコンジュゲートされた薬物の平均数である。場合によっては、DARは、RP-HPLCを使用して決定される。場合によっては、DARは、実施例17のように、RP-HPLCを使用して決定される。場合によっては、DARは、最大約16である。場合によっては、DARは、約8である。場合によっては、DARは、最大約10である。場合によっては、DARは、少なくとも約1である。場合によっては、DARは、少なくとも約2である。場合によっては、DARは、少なくとも約4である。場合によっては、DARは、少なくとも約8である。場合によっては、DARは、最大約8である。場合によっては、DARは、約1~約16である。場合によっては、DARは、約4~約12である。場合によっては、DARは、約6~約10である。場合によっては、DARは、約7~約9である。場合によっては、DARは、約8~約10である。場合によっては、DARは、約6~約8である。場合によっては、DARは、約8である。
【0178】
一部の実施形態では、式(III)、式(V-A)、式(V-B)、式(V-C)、もしくは式(V-D)の化合物または塩について、DARは、薬物対抗体比である。場合によっては、DARは、リガンド(Lg)にコンジュゲートされた薬物の平均数である。場合によっては、DARは、RP-HPLCを使用して決定される。場合によっては、DARは、実施例17のように、RP-HPLCを使用して決定される。場合によっては、DARは、最大約16である。場合によっては、DARは、約8である。場合によっては、DARは、最大約10である。場合によっては、DARは、少なくとも約1である。場合によっては、DARは、少なくとも約2である。場合によっては、DARは、少なくとも約4である。場合によっては、DARは、少なくとも約8である。場合によっては、DARは、最大約8である。場合によっては、DARは、約1~約16である。場合によっては、DARは、約4~約12である。場合によっては、DARは、約6~約10である。場合によっては、DARは、約7~約9である。場合によっては、DARは、約8~約10である。場合によっては、DARは、約6~約8である。場合によっては、DARは、約8である。
【0179】
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、もしくは式(I-B)、式(III)、式(V-A)、式(V-B)、式(V-C)、式(V-D)、もしくは式(IV)*の化合物または塩について、UC-961、PTK-7、トラスツズマブ、ブレンツキシマブ、ロンカスツキシマブ、ロソパタマブ、リツキシマブ、ピナツズマブ、ポラツズマブ、およびナラツキシマブである。場合によっては、リガンドは、トラスツズマブ、ブレンツキシマブ、ロンカスツキシマブ、ロソパタマブ、リツキシマブ、ピナツズマブ、ポラツズマブ、およびナラツキシマブから選択される。場合によっては、リガンドは、トラスツズマブである。
【0180】
一態様では、本開示は、式(I)*、
【0181】
【化69】
によって表される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
Lは、L
2-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2は、C
1-
6アルキレンから選択され、
L
3は、1~7個のアミノ酸を含む残基から選択され、
L
4は、任意選択的に置換されたC
1-
6アルキレンから選択され、C
1-
6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
5は、(O-CH
2-CH
2-)
q-(NR
3)
sから選択され、
L
6は、任意選択的に置換されたC
1-
6アルキレンから選択され、C
1-
6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
7は、C
5-
6カルボシクレンから選択され、
R
2は、任意選択的に置換された5~6員の複素環から選択され、5~6員の複素環は、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
R
3は、水素およびC
1-
6アルキルから選択され、
mは、0および1から選択され、
nは、0および1から選択され、
pは、0および1から選択され、
qは、0~8から選択され、
sは、0および1から選択される。
【0182】
一部の実施形態では、式(I)*は、
【0183】
【化70】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表される。
【0184】
一部の実施形態では、式(I)*は、
【0185】
【化71】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表され、式中、
Lgはリガンドである。
【0186】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、もしくは式(IV)*の化合物または塩について、Lは、L2-L3-L4-L5-L6-L7-R2である。場合によっては、Lは、L2-L3-L4-L5-L6-R2である。場合によっては、Lは、L2-L3-L4-L6-R2である。場合によっては、Lは、L2-L3-L6-L7-R2である。場合によっては、リンカーは、L2-L3-L4-R2である。場合によっては、Lは、L2-L4-R2である。
【0187】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、式(IV)*、もしくは式(IV-A)*の化合物または塩について、L2は、C1-6アルキレンから選択される。場合によっては、L2は、C5アルキレンである。場合によっては、L2は、C4アルキレンである。場合によっては、L2は、C3アルキレンである。場合によっては、L2は、C2アルキレンである。場合によっては、L2は、C1アルキレンである。
【0188】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、式(IV)*、もしくは式(IV-A)*の化合物または塩について、L3は、1~7個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、1~5個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、1~4個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、1~3個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、1~2個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、2~4個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、1個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、2個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、3個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、4個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、5個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、6個のアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、7個のアミノ酸を含む残基から選択される。
【0189】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、式(IV)*、もしくは式(IV-A)*の化合物または塩について、L3は、天然アミノ酸および非天然アミノ酸を含む残基から選択される。
【0190】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、式(IV)*、もしくは式(IV-A)*の化合物または塩について、L3は、天然アミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、αアミノ酸を含む残基から選択される。場合によっては、L3は、βアミノ酸を含む残基から選択される。
【0191】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、式(IV)*、もしくは式(IV-A)*の化合物または塩について、アミノ酸は、非天然アミノ酸である。
【0192】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、式(IV)*、もしくは式(IV-A)*の化合物または塩について、L3は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、シトルリン、およびβ-アラニンからなる群から選択される。場合によっては、L3は、アラニン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、リジン、フェニルアラニン、セリン、バリン、シトルリン、サルコシン、およびβ-アラニンからなる群から選択される。場合によっては、L3は、アラニン、グリシン、リジン、フェニルアラニン、セリン、バリン、シトルリン、サルコシン、およびβ-アラニンからなる群から選択される。場合によっては、L3は、アラニン、グリシン、フェニルアラニン、バリン、シトルリン、およびβ-アラニンからなる群から選択される。場合によっては、L3は、アラニン、バリン、およびシトルリンからなる群から選択される。場合によっては、L3は、グリシンおよびフェニルアラニンからなる群から選択される。場合によっては、L3は、グリシン、フェニルアラニン、およびサルコシンからなる群から選択される。場合によっては、L3は、サルコシンからなる群から選択される。
【0193】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、式(IV)*、もしくは式(IV-A)*の化合物または塩について、L3は、4個のアミノ酸を含む。場合によっては、L3は、2個のアミノ酸を含む。場合によっては、L3は、1個のアミノ酸を含む。場合によっては、L3は、少なくとも2個の異なるアミノ酸を含む。場合によっては、L3は、
【0194】
【0195】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、式(IV)*、もしくは式(IV-A)*の化合物または塩について、L4は、任意選択的に置換されたC1-6アルキレンから選択され、C1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、-NH2、オキソ、-C1-10ハロアルキル、-O-C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、L4は、任意選択的に置換されたC1-6アルキレンから選択され、C1-6アルキレンは、-OH、-NH2、およびオキソから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、L4は、任意選択的に置換されたC1-6アルキレンから選択され、C1-6アルキレンは、オキソで任意選択的に置換される。場合によっては、L4は、-C(O)-(CH2)2-および-C(O)-(CH2)5-から選択される。場合によっては、L4は、-C(O)-(CH2)2-である。場合によっては、L4は、-C(O)-(CH2)3-である。場合によっては、L4は、-C(O)-(CH2)4-である。場合によっては、L4は、-C(O)-(CH2)5-である。場合によっては、L4は、
【0196】
【0197】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、式(IV)*、もしくは式(IV-A)*の化合物または塩について、L5は、-(O-CH2-CH2-)q-(NR3)s-から選択され、qは、0~8から選択され、sは、0および1から選択される。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)q-(NR3)s-から選択され、qは、0~8から選択され、sは、0である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)q-(NR3)s-から選択され、qは、0~8から選択され、sは、1である。場合によっては、qは、1である。場合によっては、qは、2である。場合によっては、qは、3である。場合によっては、qは、4である。場合によっては、qは、5である。場合によっては、qは、6である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)2-NH-である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)3-NH-である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)4-NH-である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)5-NH-である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)6-NH-である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)7-NH-である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)8-NH-である。場合によっては、L5は、-(O-CH2-CH2-)1-8から選択される。場合によっては、sは、0である。場合によっては、sは、1である。
【0198】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、式(IV)*、もしくは式(IV-A)*の化合物または塩について、L6は、任意選択的に置換されたC1-6アルキレンから選択され、C1-6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、-NH2、オキソ、-C1-10ハロアルキル、-O-C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、L6は、任意選択的に置換されたC1-6アルキレンから選択され、C1-6アルキレンは、-OH、-NH2、およびオキソから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、L6は、任意選択的に置換されたC1-6アルキレンから選択され、C1-6アルキレンは、オキソで任意選択的に置換される。場合によっては、L6は、-C(O)-(CH2)2-および-C(O)-(CH2)5-から選択される。場合によっては、L6は、-C(O)-(CH2)2-である。場合によっては、L6は、-C(O)-(CH2)3-である。場合によっては、L6は、-C(O)-(CH2)4-である。場合によっては、L6は、-C(O)-(CH2)5-である。場合によっては、L6は、
【0199】
【0200】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、式(IV)*、もしくは式(IV-A)*の化合物または塩について、L7は、C5-6炭素環から選択される。場合によっては、場合によっては、L7は、C6炭素環から選択される。場合によっては、L7は、C6カルボシクレンから選択される。場合によっては、L7は、フェニレンである。場合によっては、L7は、シクロヘキシレンである。場合によっては、L7は、
【0201】
【0202】
【化76】
である。場合によっては、pは、0である。場合によっては、pは、1である。
【0203】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、もしくは式(IV)*の化合物または塩について、R2は、任意選択的に置換された5~6員の複素環から選択され、5~6員の複素環は、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、-NH2、オキソ、C1-10アルキル、-C1-10ハロアルキル、-O-C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、R2は、任意選択的に置換された5~6員のヘテロシクレンから選択され、5~6員のヘテロシクレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO2、-NH2、オキソ、C1-10アルキル、-C1-10ハロアルキル、-O-C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、R2は、任意選択的に置換された5~6員の複素環から選択され、5~6員の複素環は、オキソおよびハロゲンから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、R2は、任意選択的に置換された5~6員のヘテロシクレンから選択され、5~6員のヘテロシクレンは、オキソから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、R2は、任意選択的に置換された5員の複素環から選択され、5員の複素環は、オキソから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換される。場合によっては、5員の複素環は、少なくとも1つの二重結合を有する。場合によっては、5員の複素環は、1つの二重結合を有する。場合によっては、R2は、マレイミドである。場合によっては、R2は、
【0204】
【0205】
【化78】
である。場合によっては、R
2は、新たな結合を形成することができる反応性部分である。場合によっては、R
2は、既存の二重結合から新たな結合を形成することができる反応性部分である。
【0206】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、もしくは式(IV)*の化合物または塩について、L2-L3-L4-R2は、
【0207】
【0208】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、式(IV)*、もしくは式(IV-A)*の化合物または塩について、場合によっては、L2-L3-L4は、
【0209】
【0210】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、式(IV)*、もしくは式(IV-A)*の化合物または塩について、L2-L3-L4は、
【0211】
【化81】
である。場合によっては、L
2-L
3は、
【0212】
【0213】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、もしくは式(IV)*の化合物または塩について、L2-L3-L4-L5-L6-L7-R2は、
【0214】
【化83】
である。場合によっては、L
2-L
3-L
4-L
5-L
6-L
7は、
【0215】
【0216】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、式(IV)*、もしくは式(IV-A)*の化合物または塩について、L2-L3-L4-L5-L6は、
【0217】
【化85】
である。場合によっては、L
2-L
3-L
4-L
5は、
【0218】
【化86】
である。場合によっては、L
2-L
3-L
4-L
5は、
【0219】
【0220】
一部の実施形態では、式(I)*、式(II)*、式(III)*、もしくは式(IV)*の化合物または塩について、Lは、
【0221】
【0222】
一態様では、本開示は、式(IV)*:
【0223】
【化89】
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供し、式中、
Lgはリガンドであり、
Lは、L
2-L
3-L
4-(L
5)
m-(L
6)
n-(L
7)
p-R
2であり、
L
2は、C
1-
6アルキレンから選択され、
L
3は、1~7個のアミノ酸を含む残基から選択され、
L
4は、任意選択的に置換されたC
1-
6アルキレンから選択され、C
1-
6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
5は、(O-CH
2-CH
2-)
q-(NR
3)
sから選択され、
L
6は、任意選択的に置換されたC
1-
6アルキレンから選択され、C
1-
6アルキレンは、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
L
7は、C
5-
6炭素環から選択され、
R
2は、任意選択的に置換された5~6員の複素環から選択され、5~6員の複素環は、ハロゲン、-OH、-CN、-NO
2、-NH
2、オキソ、C
1-10アルキル、-C
1-10ハロアルキル、-O-C
1-10アルキル、C
2-10アルケニル、C
2-10アルキニルから独立して選択された1つまたは複数の置換基で任意選択的に置換され、
R
3は、水素およびC
1-
6アルキルから選択され、
mは、0および1から選択され、
nは、0および1から選択され、
pは、0および1から選択され、
qは、0~8から選択され、
sは、0および1から選択される。
【0224】
一部の実施形態では、式(IV)*は、
【0225】
【化90】
またはその薬学的に許容可能な塩によって表される。
【0226】
本開示には、本明細書に記載される化合物の塩、特に薬学的に許容可能な塩が含まれる。十分に酸性、十分に塩基性、または両方の官能基を有する、本発明の化合物は、いくつかの無機塩基、ならびに無機酸および有機酸のいずれかと反応して塩を形成し得る。あるいは、例えば第四級窒素を有するものなどの、本来荷電している化合物は、適切な対イオン、例えば、臭化物、塩化物、またはフッ化物、特に臭化物などのハロゲン化物と塩を形成し得る。
【0227】
炭素-炭素二重結合または炭素-窒素二重結合を有する化学実体は、Z-形態またはE-形態(あるいは、シス-形態またはトランス-形態)で存在し得る。さらに、一部の化学実体は、様々な互変異性形態で存在し得る。別段の定めがない限り、本明細書に記載の化合物は、同様にZ-、E-、および互変異性形態を含むことが意図される。
【0228】
「互変異性体」とは、ある分子の1つの原子から同じ分子の別の原子までのプロトン移動が可能な分子を指す。本明細書で提示される化合物は、ある特定の実施形態では、互変異性体として存在する。互変異性化が可能な状況では、互変異性体の化学平衡が存在するであろう。互変異性体の正確な比は、物理的状態、温度、溶媒、およびpHを含むいくつかの因子に応じて異なる。互変異性平衡の一部の例は、
【0229】
【0230】
本明細書に開示される化合物は、一部の実施形態では、異なる濃縮同位体形態で、例えば、2H、3H、11C、13C、および/または14Cの含有量で濃縮されて使用される。1つの特定の実施形態では、化合物は少なくとも1つの位置で重水素化される。そのような重水素化形態は、米国特許第5,846,514号および米国特許第6,334,997号に記載される手順によって作製され得る。米国特許第5,846,514号および米国特許第6,334,997号に記載されるように、重水素化は代謝安定性およびまたは有効性を向上させることができ、ゆえに薬物の作用持続期間を延長させることができる。
【0231】
別段の記載のない限り、本明細書に記載の化合物は、1つまたは複数の同位体濃縮原子の存在下でのみ異なる化合物を含むことが意図される。例えば、重水素もしくはトリチウムによる水素の置換、または13C-もしくは14C-濃縮炭素による炭素の置換を除いて、本構造を有する化合物は、本開示の範囲内である。
【0232】
本開示の化合物は、任意選択的に、そのような化合物を構成する1つまたは複数の原子に不自然な割合の原子同位体を含有する。例えば、化合物は、例えば重水素(2H)、トリチウム(3H)、ヨウ素125(125I)、または炭素14(14C)などの同位体で標識され得る。2H、11C、13C、14C、15C、12N、13N、15N、16N、16O、17O、14F、15F、16F、17F、18F、33S、34S、35S、36S、35Cl、37Cl、79Br、81Br、および125Iでの同位体置換が、全て企図される。本発明の化合物の同位体のバリエーションは全て、放射性であっても放射性でなくても、本発明の範囲内に包含される。
【0233】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される化合物は、1H原子の一部または全てが2H原子で置換されている。重水素含有化合物の合成方法は、当技術分野で既知であり、非限定的な単なる例として、次の合成方法を含む。
【0234】
水素置換化合物は、Dean,Dennis C.、Editor.Recent Advances in the Synthesis and Applications of Radiolabeled Compounds for Drug Discovery and Development.[In:Curr.,Pharm.Des.,2000、6(10)]2000,110 pp、George W.、Varma,Rajender S.The Synthesis of Radiolabeled Compounds via Organometallic Intermediates,Tetrahedron,1989,45(21),6601-21、およびEvans,E.Anthony.Synthesis of radiolabeled compounds,J.Radioanal.Chem.,1981,64(1-2),9-32に記載されるような種々の方法を使用して合成される。
【0235】
重水素化された出発物質は、容易に入手可能であり、重水素含有化合物の合成を提供するために本明細書に記載の合成方法にかけられる。多数の、重水素含有試薬およびビルディングブロック(building block)が、Aldrich Chemical Co.などの化学の供給業者から市販されている。
【0236】
本発明の化合物はまた、例えば化合物の多形体、偽多形体、溶媒和物、水和物、(無水物を含む)非溶媒和多形体、立体配座多形体、および非晶質形態、ならびにそれらの混合物を含む、同じ種類の活性を有する、それらの化合物の結晶形態および非晶質形態、薬学的に許容可能な塩、ならびにこれらの化合物の活性代謝産物を含む。
【0237】
本明細書に記載の化合物は、場合によっては、ジアステレオマー、エナンチオマー、または他の立体異性形態で存在する場合がある。絶対立体化学が特定されていない場合、本明細書に提示される化合物は、全てのジアステレオマー、エナンチオマー、およびエピマー形態、ならびにそれらの適切な混合物を含む。立体異性体の分離は、クロマトグラフィーによって、またはジアステレオマーを形成し、かつ再結晶によって分離することによって、またはクロマトグラフィーによって、あるいはそれらの任意の組合せによって行われ得る。(本開示のため、参照により本明細書に援用されるJean Jacques,Andre Collet,Samuel H.Wilen,「Enantiomers,Racemates and Resolutions」,John Wiley And Sons,Inc.,1981)。立体異性体は、立体選択的な合成によっても得られ得る。
【0238】
本明細書に記載の方法および組成物は、非晶質形態と同様に、(多形体としても知られる)結晶形態の使用を含む。本明細書に記載の化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態であってもよい。同様に、一部の実施形態では、同じ種類の活性を有するこれらの化合物の活性代謝産物が、本開示の範囲内に含まれる。さらに、本明細書に記載の化合物は、非溶媒和形態だけでなく、水、エタノールなどの薬学的に許容可能な溶媒を含む溶媒和形態で存在することができる。本明細書に提示される化合物の溶媒和形態も本明細書で開示されるものとみなされる。
【0239】
ある特定の実施形態では、化合物または化合物の塩は、プロドラッグであってもよく、このとき、親化合物中のヒドロキシルがエステルまたはカーボネートとして提示されるか、または親化合物中のカルボン酸がエステルとして提示される。「プロドラッグ」という用語は、生理的条件下で本開示の医薬品へと変換される化合物を包含するように意図される。プロドラッグを作製するため方法の1つは、所望の分子を明らかにする生理的条件下で加水分解される1つまたは複数の選択部分を含めることである。他の実施形態では、プロドラッグは、宿主動物中の特異的な標的細胞などの宿主動物の酵素活性によって変換される。例えば、エステルまたはカーボネート(例えば、アルコールもしくはカルボン酸のエステルまたはカーボネート、およびホスホン酸のエステル)が、本開示の好ましいプロドラッグである。
【0240】
プロドラッグがin vivoで代謝されることで本明細書に記載される化合物を産生する、本明細書に記載の化合物のプロドラッグ形態が、特許請求の範囲内に含まれる。場合によっては、本明細書に記載される化合物の一部は、別の誘導体または活性化合物のプロドラッグであり得る。
【0241】
プロドラッグは、状況によっては、親薬物よりも投与が容易であり得るため、有用であることが多い。プロドラッグは、例えば、経口投与によって生体利用可能であり得るが、親薬物はそうではない。プロドラッグは、親薬物と比較して化合物に対する細胞透過性を向上させるのに役立ち得る。プロドラッグは、医薬組成物中での可溶性が親薬物よりも改善されている場合もある。プロドラッグは、部位特異的な組織への薬物輸送を向上させるか、細胞の内部での薬物滞留を増加させるための修飾剤としての使用のために、可逆的な薬物誘導体として設計されてもよい。
【0242】
一部の実施形態では、プロドラッグの設計は、医薬品の親油性を向上させる。一部の実施形態では、プロドラッグの設計は、有効な水溶性を向上させる。例えば、Fedorak et al.,Am.J.Physiol.,269:G210-218(1995)、McLoed et al.,Gastroenterol,106:405-413(1994)、Hochhaus et al.,Biomed.Chrom.,6:283-286(1992)、J.Larsen and H.Bundgaard,Int.J.Pharmaceutics,37,87(1987)、J.Larsen et al.,Int.J.Pharmaceutics,47,103(1988)、Sinkula et al.,J.Pharm.Sci.,64:181-210(1975)、T.Higuchi and V.Stella,Pro-drugs as Novel Delivery Systems,Vol.14 of the A.C.S.Symposium Series、およびEdward B.Roche,Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987を参照。これらはすべて、このような開示のために本明細書に援用される。別の実施形態によれば、本開示は、上記で定義された化合物を産生する方法を提供する。化合物は、従来技術を使用して合成されてもよい。有利には、これらの化合物は、容易に利用可能な出発物質から都合よく合成される。
【0243】
本明細書に記載の化合物を合成するのに有用な合成化学形質転換および方法は、当該技術分野で公知であり、例えば以下に記載のものが挙げられる。R.Larock,Comprehensive Organic Transformations(1989)、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,2d.Ed.(1991)、L.Fieser and M.Fieser,Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis(1994)、およびL.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis(1995)。
【0244】
リガンド/抗体
一部の実施形態では、式(I)、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(III)、式(III-A)、式(V-A)、式(V-B)、式(V-C)、式(V-D)、式(III)*、式(III-A)、式(IV)*、もしくは式(IV-A)*の化合物または塩について、リガンドは、抗体またはその抗原結合断片から選択される。場合によっては、リガンドは、キメラ抗体、ヒト化抗体、およびヒト抗体からなる群から選択される。
【0245】
一部の実施形態では、リガンド(例えば、抗体)は、標的化機能を行う。その抗原もしくは受容体が位置する標的組織または細胞に結合することにより、リガンドは、そこでのコンジュゲートを誘導する。場合によっては、リガンドが抗体である場合、化合物は、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)または免疫コンジュゲートと称されることもある。好適には、標的組織もしくは細胞は、組織または細胞であり、抗原または受容体は、腫瘍関連抗原、すなわち、非癌性細胞と比較して、癌性細胞によって一意的に発現されるか、または癌細胞によって過剰発現される抗原である。一部の例では、コンジュゲートは、エンドサイトーシスによって標的細胞に内部移行され、標的細胞内で切断が生じる。
【0246】
一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、CD19、CD20、CD22、CD30、CD37、CD79b、HER2、およびPSMAを含むか、またはそれらからなる群から選択される抗原に結合する。一部の実施形態では、抗体またはその抗原結合断片は、HER2に結合する。場合によっては、抗体またはその抗原結合断片は、トラスツズマブ、ブレンツキシマブ、ロンカスツキシマブ、ロソパタマブ、リツキシマブ、ピナツズマブ、ポラツズマブ、およびナラツキシマブから選択される。場合によっては、抗体はトラスツズマブである。
【0247】
一部の実施形態では、リガンドは、腫瘍関連抗原に対する抗体であり、癌細胞の選択的標的化を可能にする。そのような抗原の例としては、メソテリン、前立腺特異的膜抗原(PSMA)、CD19、CD22、CD30、CD70、B7H3、(O8Eとしても知られる)B7H4、タンパク質チロシンキナーゼ7(PTK7)、グリピカン-3、RG1、フコシル-GM1、CTLA-4、およびCD44が挙げられる。抗体は、動物(例えば、マウス)、キメラ、ヒト化、または、好ましくはヒトであり得る。抗体は、好ましくはモノクローナル、特にモノクローナルヒト抗体である。前述の抗原の一部に対するヒトモノクローナル抗体の調製物は、Korman et al.,米国特許第8,609,816号B2(2013、B7H4、O8Eとしても知られる、特に、抗体2A7、1G11、および2F9)、Rao-Naik et al.,米国特許第8,097,703号B2(2012、CD19、特に、抗体5G7、13F1、46E8、21D4、21D4a、47G4、27F3、および3C10)、King et al.,米国特許第8,481,683号B2(2013、CD22、特に、抗体12C5、19A3、16F7、および23C6)、Keler et al.,米国特許第7,387,776号B2(2008、CD30、特に、抗体5F11、2H9、および17G1)、Terrett et al.,米国特許第8,124,738号B2(2012、CD70、特に、抗体2H5、10B4、8B5、18E7、および69A7)、Korman et al.,米国特許第6,984,720号B1(2006、CTLA-4、特に、抗体10D1、4B6、および1E2)、Vistica et al.,米国特許第8,383,118号B2(2013、フコシル-GM1、特に、抗体5B1、5B1a、7D4、7E4、13B8、および18D5)Korman et al.,米国特許第8,008,449号B2(2011、PD-1、特に、抗体17D8、2D3、4H1、5C4、4A11、7D3、および5F4)、Huang et al.,US 2009/0297438 A1(2009、PSMA.特に、抗体1C3、2A10、2F5、2C6)、Cardarelli et al.,米国特許第7,875,278号B2(2011、PSMA、特に、抗体4A3、7F12、8C12、8A11、16F9、2A10、2C6、2F5、および1C3)、Terrett et al.,米国特許第8,222,375号B2(2012、PTK7、特に、抗体3G8、4D5、12C6、12C6a、および7C8)、Terrett et al.,米国特許第8,680,247号B2(2014、glypican-3、特に、抗体4A6、11E7、および16D10)、Harkins et al.,米国特許第7,335,748号B2(2008、RG1、特に、抗体A、B、C、およびD)、Terrett et al.,米国特許第8,268,970号B2(2012、メソテリン、特に、抗体3C10、6A4、および7B1)、Xu et al.,US 2010/0092484号A1(2010、CD44、特に、抗体14G9.B8.B4、2D1.A3.D12、および1A9.A6.B9)、Deshpande et al.,米国特許第8,258,266号B2(2012、IP10、特に、抗体1D4、1E1、2G1、3C4、6A5、6A8、7C10、8F6、10A12、10A2S、および13C4)、Kuhne et al.,米国特許第8,450,464号B2(2013、CXCR4、特に、抗体F7、F9、D1、およびE2)、およびKorman et al.,米国特許第7,943,743号B2(2011、PD-L1、特に、抗体3G10、12A4、10A5、5F8、10H10、1B12、7H1、11E6、12B7、および13G4)、に開示されており、これらの開示は、参照により本明細書に援用される。
【0248】
一部の実施形態では、リガンドはまた、アフィボディ、ドメイン抗体(dAb)、ナノボディ、ユニボディ、DARPin、アンチカリン、バーサボディ、デュオカリン、リポカリン、もしくはアビマーなどの、抗体断片または抗体模倣物であり得る。
【0249】
一部の実施形態では、リガンド上のいくつかの異なる反応基のうちのいずれか1つは、リジン残基中のε-アミノ基、ペンダント炭水化物部分、カルボン酸基、ジスルフィド基、およびチオール基を含む、コンジュゲーション部位であり得る。反応基の各種類は、トレードオフを表し、いくつかの利点およびいくつかの欠点を有する。コンジュゲーションに適した抗体反応基に関する概説については、例えば、その開示が参照により本明細書に援用されるGarnett,Adv.Drug Delivery Rev.53(2001),171-216およびDubowchik and Walker,Pharmacology & Therapeutics 83(1999),67-123を参照。
【0250】
一部の実施形態では、リガンドは、リジンε-アミノ基を介してコンジュゲートされる。ほとんどの抗体は複数のリジンε-アミノ基を有し、これは、当技術分野で既知の技術を使用して、アミド、尿素、チオ尿素、またはカルバメート結合を介してコンジュゲートされ得る。しかし、どのε-アミノ基、およびいくつのε-アミノ基が反応するかを制御することは困難であり、それにより、コンジュゲート調製物におけるバッチ間変動の可能性が生じる。また、コンジュゲーションは、抗体の自然の立体配座を維持するのに重要なプロトン化ε-アミノ基の中和を引き起こし得るか、または抗原結合部位の付近もしくは抗原結合部位のリジンで起こり得るが、いずれも望ましくない。
【0251】
一部の実施形態では、多くの抗体がグリコシル化されるので、リガンドは、炭水化物側鎖を介してコンジュゲートされ得る。炭水化物側鎖を、過ヨウ素酸塩で酸化してアルデヒド基を生成することができ、次にこれをアミンと反応させて、セミカルバゾン、オキシム、またはヒドラゾンなどのイミン基を形成することができる。必要に応じて、イミン基は、ナトリウムシアノボロヒドリドによる還元によって、より安定なアミン基に変換され得る。炭水化物側鎖を介したコンジュゲーションに関するさらなる開示については、例えば、その開示が参照により本明細書に援用されるRodwell et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 83,2632-2636(1986)を参照。リジンε-アミノ基と同様に、コンジュゲーション部位の位置の再現性および化学量論に関する懸念がある。
【0252】
一部の実施形態では、リガンドは、カルボン酸基を介してコンジュゲートされ得る。場合によっては、末端カルボン酸基を官能化してカルボヒドラジドを生成し、次いでこれをアルデヒド含有コンジュゲーション部分と反応させる。Fisch et al.,Bioconjugate Chemistry 1992,3,147-153を参照。
【0253】
一部の実施形態では、抗体は、抗体上のシステイン残基とコンジュゲートまたは化合物の他の部分上の硫黄とを架橋するジスルフィド基を介してコンジュゲートされ得る。一部の抗体は、遊離チオール(スルフヒドリル)基を有さないが、例えばヒンジ領域にジスルフィド基を有する。そのような場合、遊離チオール基は、自然のジスルフィド基の還元によって生成され得る。次いで、そのように生成されたチオール基をコンジュゲーションに使用することができる。例えば、その開示が参照により本明細書に援用されるPackard et al.,Biochemistry 1986,25,3548-3552、King et al.,Cancer Res.54,6176-6185(1994)、およびDoronina et al.,Nature Biotechnol.21(7),778-784(2003)を参照。自然のジスルフィド結合を破壊することなく、抗体に遊離チオール基を導入するための多くの方法が知られており、その方法は本発明のリガンドを用いて実施され得る。利用される方法に応じて、予測可能な数の遊離スルフヒドリルを所定の位置に導入することが可能であり得る。1つの手法では、システインが別のアミノ酸に置換される変異抗体が調製される。例えば、Eigenbrot et al.,米国特許第7,521,541号B2(2009)、Chilkoti et al.,Bioconjugate Chem.1994,5,504-507、Urnovitz et al.,米国特許第4,698,420号(1987)、Stimmel et al.,J.Biol.Chem.,275(39),30445-30450号(2000)、Bam et al.,米国特許第7,311,902号B2(2007)、Kuan et al.,J.Biol.Chem.,269(10),7610-7618(1994)、Poon et al.,J.Biol.Chem.,270(15),8571-8577(1995)を参照。別の手法では、余分なシステインは、C末端に付加される。例えば、Cumber et al.,J.Immunol.,149,120-126(1992)、King et al,Cancer Res.,54,6176-6185(1994)、Li et al.,Bioconjugate Chem.,13,985-995(2002)、Yang et al.,Protein Engineering,16,761-770(2003)、およびOlafson et al.,Protein Engineering Design & Selection,17,21-27(2004)を参照。遊離システインを導入するための好ましい方法は、Liu et al.,国際公開第2009/026274 A1によって教示されるものであり、システイン保有アミノ酸配列が抗体の重鎖のC末端に付加される。この方法は、抗原結合部位から離れた既知の位置に既知の数のシステイン残基(重鎖当たり1つ)を導入する。この段落で引用される文献の開示は全て、参照により本明細書に援用される。
【0254】
一部の実施形態では、リジンε-アミノ基は、2-イミノチオランまたはN-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)などの試薬で修飾して、ε-アミノ基をチオールまたはジスルフィド基に変換し、システイン代用物をそのまま生成することができる。
【0255】
リンカー
式(I)、式(I)*、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(II)*、式(III)、式(III)*、式(IV)*、もしくは式(IV-A)*の化合物および塩は、リンカー(例えば、L)を含有してもよい。リンカーは、本明細書の他の箇所に記載されるとおりであり得る。場合によっては、Lはペプチドリンカーである。一部の実施形態では、リンカーはまた、リガンド(例えば、抗体)に結合され、抗体薬物コンジュゲートまたはコンジュゲートと称される。本明細書に記載のコンジュゲートのリンカーは、コンジュゲートの活性部分、例えば、抗原結合ドメイン、Fcドメイン、標的結合ドメイン、抗体、アゴニストなどの標的への結合に影響を及ぼさない場合があり、上記部分は、抗原などの同族結合パートナーであり得る。コンジュゲートは、それぞれ1つまたは複数の化合物が結合された複数のリンカーを含み得る。これらのリンカーは、同一のリンカーまたは異なるリンカーであり得る。
【0256】
一部の実施形態では、リンカーは、短いか、可撓性であるか、剛性であるか、切断可能性であるか、切断不可能性であるか、親水性であるか、または疎水性である場合がある。リンカーは、可撓性のセグメントまたは剛性のセグメントなどの、異なる特性を有するセグメントを含有し得る。リンカーは、細胞外環境に対して化学的に安定であり得、例えば、血流中で化学的に安定であるか、または安定でないもしくは選択的に安定である結合を含んでもよい。リンカーは、細胞内部で特異的または非特異的に切断し、/もしくは犠牲にする(immolate)か、または別様に分解するように設計された結合を含み得る。切断可能なリンカーは、酵素に対して感受性であり得る。切断可能なリンカーは、プロテアーゼなどの酵素によって切断され得る。切断可能なリンカーは、バリン-シトルリンリンカーまたはバリン-アラニンペプチドを含んでもよい。バリン-シトルリン含有リンカーもしくはバリン-アラニン含有リンカーは、マレイミドまたはスクシンイミド基を含有し得る。
【0257】
一部の実施形態では、切断不可能なリンカーは、プロテアーゼ非感受性であり得る。切断不可能なリンカーは、マレイミドカプロイルリンカーであり得る。マレイミドカプロイルリンカーは、N-マレイミドメチルシクロヘキサン-1-カルボキシレートを含み得る。マレイミドカプロイルリンカーは、スクシンイミド基を含有し得る。マレイミドカプロイルリンカーは、ペンタフルオロフェニル基を含有し得る。リンカーは、マレイミドカプロイル基と1つまたは複数のポリエチレングリコール分子との組合せであり得る。リンカーは、マレイミド-PEG4リンカーであり得る。リンカーは、スクシンイミド基を含有するマレイミドカプロイルリンカーと、1つまたは複数のポリエチレングリコール分子との組合せであり得る。リンカーは、ペンタフルオロフェニル基を含有するマレイミドカプロイルリンカーと1つまたは複数のポリエチレングリコール分子との組合せであり得る。リンカーは、ポリエチレングリコール分子に結合されたマレイミドを含有し得、ポリエチレングリコールは、リンカーの可撓性の向上を可能にし得るか、またはリンカーを伸長させるために使用され得る。リンカーは、(マレイミドカプロイル)-(バリン-シトルリン)-(パラ-アミノベンジルオキシカルボニル)リンカーであり得る。リンカーは、操作されたシステイン(THIOMAB)への結合に適したリンカーであり得る。THIOMABリンカーは、(マレイミドカプロイル)-(バリン-シトルリン)-(パラ-アミノベンジルオキシカルボニル)-リンカーであり得る。
【0258】
一部の実施形態では、リンカーはまた、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド基、および/また、ポリアミノ酸、ポリペプチド、切断可能なペプチド、またはアミノベンジルカルバメートを含み得る。リンカーは、一端にマレイミドを含有し、他端にN-ヒドロキシスクシンイミジルエステルを含有し得る。リンカーは、N末端アミンがアセチル化されたリジン、およびバリン-シトルリン切断部位を含有し得る。リンカーは、微生物トランスグルタミナーゼによって作製される結合であり得、ここで、この結合は、アミン含有部分と、グルタミン側鎖のアシル基とリジン鎖の第一級アミンとの間の結合形成を触媒する酵素の結果としてグルタミンを含有するように操作された部分との間で作製され得る。リンカーは、反応性第一級アミンを含有し得る。リンカーは、ソルターゼAリンカーであり得る。ソルターゼAリンカーは、LXPTG認識モチーフをN末端GGGモチーフに融合させて、自然のアミド結合を再生成するソルターゼA酵素によって作製され得る。したがって、作製されたリンカーは、LXPTG認識モチーフに結合した部分を、N末端GGGモチーフに結合した部分に結合し得る。
【0259】
一部の実施形態では、本明細書に記載される式のいずれか1つの化合物もしくは塩は、本明細書ではLまたはリンカーとも称されるリンカーによって抗体構築物に結合される。本明細書で使用される場合、Lは、本明細書で論じられるリンカー部分のいずれかから選択されてもよい。化合物もしくは塩をコンジュゲートの抗体構築物に結合するリンカーは、短いか、長いか、疎水性であるか、親水性であるか、可撓性であるか、または剛性である場合があり、あるいは、リンカーが異なる特徴を有するセグメントを含み得るように、それぞれ独立して、上述の特性の1つまたは複数を有するセグメントで構成される場合がある。リンカーは、複数の化合物もしくは塩を抗体構築物上の単一部位に共有結合的に結合するように多価であってもよく、または単一の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を抗体構築物上の単一の部位に共有結合するように1価であってもよい。
【0260】
一部の実施形態では、リンカーは、リンカー中に約10個~約500個の原子、例えば、リンカー中に、約10個~約400個の原子、例えば、約10個~約300個の原子を有してもよい。一部の実施形態では、リンカーは、リンカー中に、約30個~約400個の原子、例えば約30個~約300個の原子を有してもよい。
【0261】
一部の実施形態では、本明細書に記載のリンカーは、リンカーと抗体構築物および化合物との間の共有結合的な結合によって、本明細書に記載される式のいずれか1つの化合物または塩をリガンド(例えば、抗体)に結合してもよい。リンカーは、リガンド(例えば、抗体)に共有結合的に結合することができる官能基を含んでもよい。
【0262】
一部の実施形態では、限定ではなく例として、本明細書に記載されるコンジュゲートに含まれ得る、一部の切断可能なリンカーおよび切断不可能リンカーが以下に記載される。
【0263】
一部の実施形態では、切断可能なリンカーは、in vitroおよびin vivoで切断可能であり得る。切断可能なリンカーは、化学的もしくは酵素的に不安定な結合または分解可能な結合を含み得る。切断可能なリンカーは、細胞質における還元、リソソームにおける酸性条件への曝露、もしくは細胞内の特異的プロテアーゼまたは他の酵素による切断などの、ベンザゼピン化合物を遊離させるための、細胞内部のプロセスに依存し得る。切断可能なリンカーは、化学的もしくは酵素的に切断可能である一方で、リンカーの残りの部分は切断不可能であり得る、1つまたは複数の化学結合を組み込むことができる。
【0264】
一部の実施形態では、リンカーは、ヒドラゾンおよび/またはジスルフィド基などの、化学的に不安定な基を含有してもよい。化学的に不安定な基を含むリンカーは、血漿と、一部の細胞質コンパートメントとの間の差次的特性を利用することができる。切断可能なリンカーはまた、ジスルフィド基を含み得る。
【0265】
一部の実施形態では、ヒドラゾンなどの酸不安定基は、血液の中性pH環境(pH7.3~7.5)における全身循環の間に無傷のままであり得、加水分解を受け得、抗体構築物ベンザゼピン化合物コンジュゲートが、細胞の中程度の酸性エンドソーム(pH5.0~6.5)およびリソソーム(pH4.5~5.0)コンパートメントに内部移行されると、ベンゾアゼピン化合物を放出し得る。このpH依存性放出機構は、薬物の非特異的放出と関連し得る。リンカーのヒドラゾン基の安定性を増加させるために、化学的修飾、例えば、置換によってリンカーを変化させることができ、これにより循環中の損失を最小限に抑えて、リソソームにおける、より効率的な放出を達成する。ヒドラゾン含有リンカーは、さらなる切断部位、例えば、さらなる酸不安定切断部位および/または酵素不安定切断部位を含有し得る。リンカーに含まれ得る他の酸不安定基としては、シス-アコニチル含有リンカーが挙げられる。シス-アコニチル化学作用には、酸性条件下でアミド加水分解を加速させるためにアミド結合に並置されたカルボン酸を使用され得る。
【0266】
一部の実施形態では、リンカーは、酵素によって特異的に切断されてもよい。例えば、リンカーは、リソソーム酵素によって切断され得る。そのようなリンカーは、ペプチドベースであり得るか、または、酵素の基質として作用し得るペプチド領域を含み得る。ペプチドベースのリンカーは、化学的に不安定なリンカーよりも血漿および細胞外環境において、より安定であり得る。リソソームタンパク質分解酵素は、内因性阻害剤およびリソソームと比較して血液の好ましくない高pH値にのため、血液中での活性非常に低い場合があるので、ペプチド結合は、良好な血清安定性を有し得る。本明細書に記載される化合物の抗体薬物コンジュゲートからの放出は、リソソームプロテアーゼ、例えば、カテプシンおよびプラスミンの作用により生じ得る。これらのプロテアーゼは、ある特定の腫瘍組織において高いレベルで存在し得る。リンカーは、リソソーム酵素によって切断可能であり得る。リソソーム酵素は、例えば、カテプシンB、カテプシンS、β-グルクロニダーゼ、またはβ-ガラクトシダーゼであり得る。切断可能なペプチドは、Gly-Phe-Leu-Gly、Ala-Leu-Ala-Leuなどのテトラペプチド、またはVal-Cit、Val-Ala、およびPhe-L ysなどのジペプチドから選択され得る。ジペプチドは、より長いペプチドと比較して、疎水性が低い場合がある。様々なジペプチドベースの切断可能なリンカーが、本明細書に記載の抗体薬物コンジュゲートにおいて使用され得る。酵素的に切断可能なリンカーは、β-グルクロン酸ベースのリンカーであり得る。
【0267】
一部の実施形態では、切断可能なリンカーは、切断不可能な部分もしくはセグメントを含み得、かつ/または切断可能なセグメントもしくは部分は、切断可能にするために、通常であれば切断不可能なリンカーに含まれ得る。
【0268】
一部の実施形態では、リンカーは、酵素的に切断可能なペプチド部分を含有し得る。ペプチドは、天然アミノ酸、非天然アミノ酸、またはそれらの組合せから選択され得る。ある特定の実施形態では、ペプチドは、トリペプチドまたはジペプチドから選択され得る。特定の実施形態では、ジペプチドは、L-アミノ酸を含み得、以下から選択することができる。Val-Cit、Cit-Val、Ala-Ala、Ala-Cit、Cit-Ala、Asn-Cit、Cit-Asn、Cit-Cit、ValGlu、Glu-Val、Ser-Cit、Cit-Ser、Lys-Cit、Cit-Lys、Asp-Cit、Cit-Asp、Ala-Val、Val-Ala、Phe-Lys、Lys-Phe、Val-Lys、Lys-Val、Ala-Lys、Lys-Ala、Phe-Cit、Cit-Phe、Leu-Cit、Cit-Leu、Ile-Cit、Cit-Ile、Phe-Arg、Arg-Phe、Cit-Trp、およびTrp-Ci、またはその塩。
【0269】
医薬製剤
ある特定の実施形態では、(本明細書において「医薬品」とも称される)、式(I)、式(I)*、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(II)*、式(III)、式(III)*、式(IV)、式(IV)*、式(IV-A)*、式(V-A)、式(V-B)、式(V-C)、または式(V-D)のいずれか1つの化合物、またはその塩のいずれかを治療有効量で含む組成物が、本明細書に提供される。
【0270】
医薬組成物は、薬学的に使用される調製物への医薬品の加工を容易にする賦形剤および助剤を含む、1つまたは複数の生理学的に許容可能な担体を使用して製剤化されてもよい。適切な製剤は、選択される投与経路に応じて異なる。る医薬組成物の概要は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed (ペンシルベニア州イーストン,Mack Publishing Company,1995)、Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,ペンシルベニア州イーストン 1975、Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker ニューヨーク州ニューヨーク市,1980、および、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins,1999)に見出される。
【0271】
本開示の組成物および方法は、処置を必要とする個体を処置するために利用され得る。特定の実施形態では、個体は、ヒト、またはヒト以外の哺乳動物などの、哺乳動物である。ヒトなどの動物に投与される場合、組成物または医薬品は、好適には、例えば、医薬品および薬学的に許容可能な担体または賦形剤を含む医薬組成物として投与される。薬学的に許容可能な担体は、当技術分野において周知であり、例えば、水もしくは生理学的に緩衝化された生理食塩水などの水溶液、または他の溶媒もしくはビヒクル、例えば、グリコール、グリセロール、オリーブ油、または注射用有機エステルを含む。好ましい実施形態では、そのような医薬組成物が、ヒトへの投与のため、特に侵襲性の投与経路、例えば、上皮性関門を通る輸送もしくは拡散を回避する、注射または移植などの経路のためである場合、水溶液は発熱物質を含まないか、または実質的に発熱物質を含まない。賦形剤は、例えば、薬剤の遅延放出をもたらすように、あるいは1つもしくは複数の細胞、組織、、または器官を選択的に標的とするように選択され得る。医薬組成物は、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、再構成用の凍結乾燥剤、粉末剤、溶液、シロップ剤、坐剤、注射剤などの投与単位形態であり得る。組成物はまた、経皮送達系、例えば皮膚パッチ中に存在し得る。組成物はまた、点眼剤などの局所投与に適した溶液中に存在し得る。
【0272】
薬学的に許容可能な賦形剤は、例えば、医薬品などの、化合物の安定化、溶解度の向上、または吸収性の向上に作用する、生理学的に許容可能な薬剤を含有し得る。そのような生理学的に許容可能な薬剤としては、例えば、グルコース、スクロース、もしくはデキストランなどの炭水化物、アスコルビン酸もしくはグルタチオンなどの抗酸化剤、キレート剤、低分子量タンパク質、または他の安定剤もしくは賦形剤が挙げられる。生理学的に許容可能な薬剤を含む、薬学的に許容可能な賦形剤の選択は、例えば、組成物の投与経路に応じて異なる。調製物もしくは医薬組成物は、自己乳化薬物送達系または自己マイクロ乳化薬物送達系であり得る。医薬組成物(調製物)はまた、例えば、本発明の化合物を中に組み込むことができる、リポソームまたは他のポリマーマトリックスであり得る。例えば、リン脂質または他の脂質を含むリポソームは、作製および投与が比較的単純である、非毒性で、生理学的に許容可能で、かつ代謝可能な担体である。
【0273】
医薬組成物(調製物)は、例えば、経口(例えば、水性もしくは非水性の溶液または懸濁液中のドレンチ、錠剤、スプリンクルカプセルおよびゼラチンカプセルを含むカプセル剤、ボーラス、粉末剤、顆粒剤、舌への適用のためのペースト、口腔粘膜を通じた吸収(例えば舌下吸収))、肛門、直腸、もしくは膣(例えば、ペッサリー、クリーム、または泡として)、筋肉内、静脈内、皮下、もしくは髄腔内を含む非経口(例えば、滅菌溶液もしくは懸濁液として)、経鼻、腹腔内、皮下、経皮(例えば、皮膚に適用されるパッチとして)、ならびに局所(例えば、皮膚に適用されるクリーム、軟膏、もしくはスプレーとして、または点眼薬として)を含む、多数の投与経路のいずれかによって対象に投与され得る。化合物はまた、吸入用に製剤化されてもよい。ある特定の実施形態では、化合物は、滅菌水に単に溶解または懸濁されてもよい。
【0274】
医薬組成物は、滅菌の水溶液もしくは非水溶液、懸濁液、またはエマルジョン、例えばマイクロエマルジョンであってもよい。本明細書に記載の賦形剤は、例であり、決して限定するものではない。有効量または処置有効量とは、所望の治療効果をもたらすのに有効である、単回用量または一連の用量の一部のいずれかとして対象に投与される1つまたは複数の医薬品の量を指す。
【0275】
対象は、概して、処置されている疾病に適したアッセイおよび方法を使用して、処置有効性についてモニタリングされ得、このアッセイは、当業者によく知られており、本明細書に記載される。対象に投与される医薬品、またはその1つもしくは複数の代謝産物の薬物動態は、生体液、例えば、血液、血液画分、例えば、血清、および/または尿、および/または対象からの他の生体試料もしくは生体組織中の医薬品あるいは代謝産物のレベルを決定することによってモニタリングされ得る。薬剤を検出するための、当技術分野において実施され、かつ本明細書に記載される任意の方法を使用して、処置経過中の医薬品または代謝産物のレベルが測定され得る。
【0276】
疾患または障害を処置するための本明細書に記載される医薬品の用量は、対象の疾病、すなわち、疾患の段階、疾患によって引き起こされる症状の重症度、全身の健康状態、ならびに年齢、性別、および体重、ならびに医学分野の当業者に明らかな他の因子に応じて異なり得る。医薬組成物は、医学分野の当業者によって決定されるように、処置されることになる疾患に適切な様式で投与され得る。疾患もしくは障害を処置するための医薬品の使用に関する、本明細書および上記に記載される因子に加えて、医薬品の投与の適切な持続時間および頻度はまた、患者の疾病、患者の疾患の種類および重症度、有効成分の特定の形態、ならびに投与方法などの因子によって、決定または調整され得る。薬剤の最適な用量は、概して、実験モデルおよび/または臨床試験を使用して決定され得る。最適用量は、対象の肥満度(body mass)、体重、または血液量に応じて異なり得る。通常有効な治療を提供するのに十分な最小用量を使用することが好ましい。本明細書に記載される、予防的利益のために投与される場合を含む、医薬品についての前臨床および臨床試験の設計ならびに実行は、関連分野の当業者の技能の範囲内である。2つ以上の医薬品が疾患または障害を処置するために投与される場合、各医薬品の最適用な量は異なる場合があり、例えば、いずれかの薬剤が単剤療法として単独で投与される場合よりも少なくなる場合がある。ある特定の実施形態では、組み合わせた2つの医薬品は、相乗的にまたは相加的に作用し得、いずれかの薬剤は、単独で投与される場合よりも少ない量で使用され得る。1日に投与され得る医薬品の量は、例えば、体重の約0.01mg/kg~100mg/kgの間、例えば、約0.1mg/kg~1mg/kgの間、約1mg/kg~10mg/kgの間、約10mg/kg~50mg/kgの間、約50mg/kg~100mg/kgの間であり得る。他の実施形態では、1日あたりの投与され得る医薬品の量は、約0.01mg/kg~1000mg/kg、約100~500mg/kg、または約500~1000mg/kg体重である。1日あたりまたは処置経過あたりの最適な用量は、処置されることになる疾患または障害によって異なり得、投与経路および処置レジメンによっても変化し得る。
【0277】
医薬品を含む医薬組成物は、当技術分野において日常的に実施される技術を使用することによって、送達方法に適切な様式で製剤化され得る。組成物は、固体、例えば錠剤、カプセル剤、半固体、例えばゲル、液体、または気体、例えばエアロゾルの形態であってもよい。他の実施形態では、医薬組成物は、ボーラス注入として投与される。
【0278】
薬学的に許容可能な賦形剤は、医薬分野において周知であり、例えば、Rowe et al.,Handbook of Pharmaceutical Excipients:A Comprehensive Guide to Uses,Properties、およびSafety,5th Ed.,2006、およびin Remington:The Science and Practice of Pharmacy(Gennaro,21st Ed.Mack Pub.Co.,ペンシルベニア州イーストン(2005))に記載されている。例示的な、薬学的に許容可能な賦形剤としては、生理的pHでの滅菌生理食塩水およびリン酸緩衝生理食塩水が挙げられる。保存剤、安定剤、染料、緩衝剤などが、医薬組成物中に提供されてもよい。さらに、抗酸化剤および懸濁化剤も使用され得る。概して、賦形剤の種類は、投与形式、ならびに、活性成分の化学組成に基づいて選択される。あるいは、本明細書に記載される組成物は、凍結乾燥物として製剤化されてもよい。本明細書に記載の組成物は、投与時に組成物の医薬品を可溶化および/もしくは希釈するための、1つまたは複数の適切な賦形剤溶液を使用して凍結乾燥されてもよく、または凍結乾燥産物として製剤化されてもよい。他の実施形態では、医薬品は、当技術分野において既知であり、かつ実施されている技術を使用して、リポソーム内に封入されてもよい。ある特定の実施形態では、医薬品は、完全にではないが高度に閉塞した動脈を処置するために使用されるステントへの適用のために、リポソーム内に製剤化されない。医薬組成物は、本明細書記載される、および当技術分野における任意の適切な投与様式のために製剤化され得る。
【0279】
例えば、経口投与、もしくは注射、注入、皮下送達、筋肉内送達、腹腔内送達、または他の方法のための医薬組成物は、液体の形態であり得る。液体の医薬組成物は、例えば、次の、滅菌希釈剤、例えば、水、生理食塩水、好ましくは生理的食塩水(physiological salin)、リンゲル液、等張塩化ナトリウム、溶媒もしくは懸濁媒体として機能し得る固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の溶媒、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤、塩化ナトリウムもしくはデキストロースなどの、張性の調整のための緩衝剤および薬剤のうちの1つまたは複数を含んでもよい。非経口組成物は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨てシリンジ、または複数回用量のバイアルに封入され得る。生理的食塩水の使用が好ましく、注射用医薬組成物は、好ましくは滅菌されている。別の実施形態では、眼科的疾病または疾患の処置のために、液体の医薬組成物が点眼薬の形態で眼に適用され得る。液体の医薬組成物は経口送達され得る。
【0280】
経口製剤の場合、本明細書に記載の医薬品の少なくとも1つは、単独で、または錠剤、粉末剤、顆粒剤、もしくはカプセル剤を作製するための適切な添加剤と組み合わせて、および必要に応じて、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、防腐剤、着色剤、および香味剤と組み合わせて使用され得る。医薬品は、胃環境の低いpHおよび/または腸溶コーティングから化合物を保護するために緩衝剤とともに製剤化されてもよい。医薬組成物に含まれる医薬品は、例えば、液体、固体、もしくは半固体製剤中の香味剤とともに、および/または腸溶コーティングとともに経口送達用に製剤化され得る。
【0281】
本明細書に記載される医薬品のいずれか1つを含む医薬組成物は、持続放出もしくは制御放出とも呼ばれる徐放性または緩効性放出用に製剤化され得る。そのような組成物は、一般に、周知の技術を使用して調製されてもよく、例えば、経口、直腸、皮内、もしくは皮下移植によって、または所望の標的部位での移植によって投与されてもよい。徐放性製剤は、担体マトリックス中で分散され、かつ/または速度制御膜に囲まれたリザーバ内に含まれる化合物を含有してもよい。そのような製剤内で使用するための賦形剤は、生体適合性であり、生分解性であってもよく、好適には、製剤は、比較的に一定のレベルの有効成分を放出する。徐放性製剤内に含有される医薬品の量は、移植部位、放出の速度および予想持続時間、ならびに処置または予防されることになる疾病、疾患、または障害の性質に応じて異なる。
【0282】
ある特定の実施形態では、医薬品を含む医薬組成物は、経皮、皮内、または局所投与用に製剤化される。組成物は、粉末/タルク、もしくは他の固体、液体、スプレー、エアロゾル、軟膏、泡、クリーム、ゲル、ペーストとして、シリンジ、包帯、経皮パッチ、インサート、またはシリンジ様アプリケータを使用して投与され得る。これは、好適には、局所投与されるか、または処置されることになる領域に隣接するかもしくはその領域内の皮膚に、例えば、皮内もしくは皮下に直接注射される制御放出製剤または徐放性製剤の形態である。活性組成物はまた、イオン導入を介して送達され得る。防腐剤は、真菌および他の微生物の増殖を防止するために使用され得る。適切な防腐剤としては、安息香酸、ブチルパラベン、エチルパラベン、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド、ベンジルアルコール、セチルピリジニウムクロリド、クロロブタノール、フェノール、フェニルエチルアルコール、チメロサール、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。
【0283】
医薬品を含む医薬組成物は、局所適用のためのエマルジョンとして製剤化され得る。エマルジョンは、第2の液体の本体中に分散された1つの液体を含有する。エマルジョンは、水中油型エマルジョンまたは油中水型エマルジョンであってもよい。油相および水相のいずれかまたは両方は、1つまたは複数の界面活性剤、乳化剤、エマルジョン安定剤、緩衝剤、および他の賦形剤を含有し得る。油相は、他の油性の薬学的に認可された賦形剤を含有してもよい。適切な界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、および両性界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。局所適用のための組成物はまた、少なくとも1つの適切な懸濁化剤、抗酸化剤、キレート剤、皮膚軟化剤、または湿潤剤を含み得る。
【0284】
軟膏およびクリームは、例えば、適切な増粘剤および/もしくはゲル化剤を添加した水性または油性基剤を用いて製剤化されてもよい。ローションは、水性もしくは油性基剤を用いて製剤され得、一般には、1つまたは複数の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、または着色剤も含有するであろう。液体スプレーは、例えば、特別な形状のクロージャを介して、加圧パックから送達されてもよい。水中油型エマルジョンはまた、組成物、パッチ、包帯、および物品において使用され得る。これらの系は、半固体エマルジョン、マイクロエマルジョン、または泡エマルジョン系である。
【0285】
一部の実施形態では、本明細書に記載の医薬品は、吸入剤として製剤化され得る。吸入方法は、薬を気道に直接送達し得る。医薬品は、エアロゾル、ミクロスフェア、リポソーム、またはナノ粒子として製剤化され得る。医薬品は、溶媒、気体、硝酸塩、またはそれらの任意の組合せとともに製剤化され得る。本明細書に記載される組成物は、任意選択的に、液体エアロゾルまたは吸入可能な乾燥粉末剤としての送達用に製剤化される。液体エアロゾル製剤は、任意選択的に、主に末端および呼吸細気管支に送達され得る粒径に噴霧される。液体エアロゾル製剤および吸入可能な乾燥粉末剤は、好適には、末端細気管支まで、および最終的には実質組織まで、気管支内の全体にわたって送達される。
【0286】
本明細書に記載されるエアロゾル化製剤は、主に1μ~5μの間の質量中央平均粒径(mass medium average diameter)を有するエアロゾル粒子の形成を可能にするために好ましくは選択される、ジェット式、振動多孔板噴霧器、または超音波噴霧器などのエアロゾル形成デバイスを使用して任意選択的に送達される。さらに、製剤は、好適には、バランスのとれた浸透圧イオン強度および塩化物濃度、ならびに有効用量の医薬品を送達することができる最小エアロゾル化可能体積を有する。さらに、エアロゾル化された製剤は、好適には、気道の機能性を有害に損なわず、望ましくない副作用を引き起こさない。
【0287】
本明細書に記載されるエアロゾル製剤の投与に好適なエアロゾル化デバイスとしては、例えば、ジェット式、振動多孔板、超音波噴霧器、およびエネルギーを印加した乾燥粉末吸入器が挙げられ、これらは、製剤を、主に1~5μmに及ぶサイズのエアロゾル粒径に噴霧することができる。主に、この適用は、全ての生成されたエアロゾル粒子の少なくとも70%、しかし好ましくは90%超が、1~5μの範囲内にあることを意味する。ジェット式噴霧器は、液体溶液をエアロゾル液滴へと砕くために気圧によって機能する。振動多孔板噴霧器は、溶媒液滴を多孔板を通して押し出すために、急速に振動する多孔板によって産生された音波真空(sonic vacuum)を使用することによって機能する。超音波噴霧器は、液体を小さなエアロゾル液滴へと剪断するピエゾ電気結晶によって機能する。例えば、AeroNeb(商標)およびAeroDose(商標)振動多孔板噴霧器(AeroGen,Inc.,カリフォルニア州サニーベール)、Sidestream(登録商標)噴霧器(Medic-Aid Ltd.,英国ウェスト・サセックス州)、Pari LC(登録商標)およびPari LC Star(登録商標)ジェット式噴霧器(Pari Respiratory Equipment,Inc.,バージニア州リッチモンド)、およびAerosonic(商標)(DeVilbiss Medizinische Produkte(ドイツ)GmbH,ドイツ,ハイデン)および UltraAire(登録商標)(Omron Healthcare,Inc.,イリノイ州バーノンヒルズ)超音波噴霧器を含む、様々な適切なデバイスが利用可能である。
【0288】
一部の実施形態では、医薬品は、油性基剤または軟膏とともに製剤化して、所望の形状を有する半固体組成物を形成し得る。医薬品に加えて、これらの半固体組成物は、溶解および/もしくは懸濁された殺菌剤、防腐剤、ならびに/または緩衝系を含有し得る。含まれ得るワセリン成分は、イソブチレン、コロイド状シリカ、またはステアリン酸塩を組み込む鉱油からパラフィンワックに及ぶ、粘度の幅広い任意のパラフィンであってもよい。吸収基剤は、油性系とともに使用され得る。添加剤は、コレステロール、ラノリン(ラノリン誘導体)、蜜蝋、脂肪アルコール、羊毛蝋アルコール、低HLB(疎水性疎油性バランス)乳化剤、ならびに分類されたイオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤を、単独または組合せで含む。
【0289】
制御放出または徐放性の経皮製剤または局所製剤は、当技術分野で利用可能なポリマー構造、マトリックスなどの持続放出添加剤の添加によって達成され得る。例えば、組成物は、生体接着性ホットメルト押出しフィルムなどの、ホットメルト押出物の使用により投与されてもよい。製剤は、架橋ポリカルボン酸ポリマー製剤を含み得る。架橋剤は、化合物の所望の放出を可能にするのに十分な時間、系が標的上皮または内皮細胞表面に付着したままであることを可能にするための十分な接着を提供する量で存在し得る。
【0290】
インサート、経皮パッチ、包帯、または物品は、長期間にわたって一定の速度で医薬品を放出する、ポリマーの混合物またはコーティングを含み得る。一部の実施形態では、物品、経皮パッチ、またはインサートは、水不溶性ポリマーと混合されてインサートの耐久性を向上させ、有効成分の放出を延長し得る、ポリエチレングリコール(PEG)などの水溶性孔形成剤を含む。
【0291】
経皮デバイス(インサート、パッチ、包帯)はまた、水不溶性ポリマーを含んでもよい。速度制御ポリマーは、pH変化を使用して放出をもたらし得る部位への投与に有用であり得る。これらの速度制御ポリマーは、活性化合物を用いたスプレーおよび乾燥のプロセス中に連続コーティングフィルムを使用して適用され得る。一実施形態では、コーティング製剤が、圧縮されて固体の生分解性インサートを形成する有効成分を含むペレットをコーティングするために使用される。
【0292】
ポリマー製剤はまた、制御放出または徐放を提供するために利用され得る。当技術分野において記載される生体接着性ポリマーが使用されてもよい。例として、徐放性のゲルおよび化合物は、疎水性ポリマーマトリックスなどのポリマーマトリックスに組み込まれてもよい。ポリマーマトリックスの例としては、微粒子が挙げられる。微粒子はミクロスフェアであり得、コアはポリマーシェルとは異なる材料であってもよい。あるいは、ポリマーは、薄いスラブもしくはフィルム、粉砕技術もしくは他の標準的な技術によって産生された粉末、またはヒドロゲルなどのゲルとして鋳造されてもよい。ポリマーはまた、医薬品の送達を容易にするための、コーティングまたは包帯、ステント、カテーテル、血管グラフト、もしくは他のデバイスの一部の形態であり得る。マトリックスは、溶媒蒸発、噴霧乾燥、溶媒抽出、および当業者に既知の他の方法によって形成され得る。
【0293】
通常は経口用量または注射用量での、本明細書に記載される1つまたは複数の薬剤の単位用量を有するキットが提供される。そのようなキットは、単位用量を含有する容器、疾患の処置における薬物の使用および付随する利益を記載する情報パッケージ挿入物、ならびに、任意選択的に組成物の送達のための器具またはデバイスを含んでもよい。
【0294】
処置方法 ある態様では、本開示は、腫瘍を有する対象を処置する方法を提供する。場合によっては、腫瘍を有する対象の処置は、処置を必要とする対象に、式(I)、式(I)*、式(I-A)、式(I-B)、式(II)、式(II)*、式(III)、式(III)*、式(IV)、式(IV)*、or 式(IV-A)*、式(V-A)、式(V-B)、式(V-C)、式(V-D)のいずれか1つの化合物もしくはその塩、またはそれらのうちいずれか1つの医薬組成物を投与することを含む。場合によっては、腫瘍は癌に関連する。場合によっては、癌は、肺癌、腎臓癌、尿道癌、結腸・直腸癌、前立腺癌、多形性膠芽腫、卵巣癌、膵臓癌、乳癌、黒色腫、肝臓癌、膀胱癌、胃癌、および食道癌からなる群から選択される。
【0295】
一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、頭部、頸部、鼻腔、副鼻腔、鼻咽頭、口腔、中咽頭、喉頭、下咽頭、唾液腺の腫瘍、および傍神経節腫を含む頭頸部の癌、肝臓および胆道系の癌、特に肝細胞癌腫、腸癌、特に結腸・直腸癌、卵巣癌、小細胞および非小細胞肺癌(SCLCおよびNSCLC)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、胎児型横紋筋肉腫、平滑筋肉腫、神経線維肉腫、骨肉腫、滑膜肉腫、脂肪肉腫、および胞状軟部肉腫などの乳癌肉腫、急性前骨髄球性白血病(APL)、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、および慢性骨髄性白血病(CML)などの白血病、中枢神経系の新生物、特に脳癌、多発性骨髄腫(MM)、リンパ腫、例えばホジキンリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、B系統大細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、およびT細胞未分化大細胞リンパ腫を含むが過剰増殖性疾患などであるが、これに限定されない疾患または障害を処置するために使用され得る。臨床的に、本明細書に記載される方法の実施および組成物の使用は、(適用可能である場合)癌性増殖のサイズもしくは数の低減、および/または関連する症状の低減をもたらすであろう。病理学的に、本明細書に記載される方法の実施および組成物の使用は、癌細胞増殖の阻害、癌または腫瘍のサイズの減少、さらなる転移の予防、および腫瘍血管新生の阻害などの、病理学的に関連する応答をもたらすであろう。そのような疾患を処置する方法は、本発明の組合せを対象に治療有効量投与する工程を含む。この方法は、必要に応じて繰り返されてもよい。癌は、腎臓癌、肺癌、胃癌、または卵巣癌であり得る。場合によっては、癌は、皮膚、肺、乳房、甲状腺、リンパ系、胃腸、および尿生殖路に影響を及ぼすものなどの、様々な器官系の悪性腫瘍、ならびにほとんどの結腸癌、腎細胞癌腫、前立腺癌および/または精巣腫瘍、肺の非小細胞癌腫、小腸の癌、および食道の癌などの悪性腫瘍を含んだ腺癌を含む。
【0296】
一部の実施形態では、腫瘍を有する対象の処置は、未処置の対象と比較して、腫瘍増殖を少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約40%、さらにより好ましくは少なくとも約60%、よりいっそう好ましくは少なくとも約80%阻害する。治療化合物の治療有効量は、対象にける腫瘍のサイズを減少させるか、または別様に症状を軽減し得、対象は、典型的にはヒトであるが、別の哺乳動物であり得る。
【0297】
一部の実施形態では、本明細書に記載の化合物は、抗体、アルキル化剤、血管新生阻害剤、代謝拮抗剤、DNA切断剤、DNA架橋剤、DNA挿入剤、DNA副溝結合剤、エンジイン、熱ショックタンパク質90阻害剤、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、免疫調節剤、微小管安定剤、ヌクレオシド(プリンまたはピリミジン)アナログ、核搬出阻害剤、プロテアソーム阻害剤、トポイソメラーゼ(IまたはII)阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、およびセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤を含む、他の治療剤と組み合わせて投与され得る。具体的な治療剤としては、アダリムマブ、アンサマイトシンP3、アウリスタチン、ベンダムスチン、ベバシズマブ、ビカルタミド、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、ブスルファン、カリスタチンA、カンプトテシン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、セツキシマブ、シスプラチン、クラドリビン、シタラビン、クリプトフィシン、ダカルバジン、ダサチニブ、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキソルビシン、デュオカルマイシン、ダイネマイシンA、エポチロン、エトポシド、フロクスウリジン、フルダラビン、5-フルオロウラシル、ゲフィチニブ、ゲムシタビン、イピリムマブ、ヒドロキシウレア、イマチニブ、インフリキシマブ、インターフェロン、インターロイキン、β-ラパコン、レナリドマイド、イリノテカン、メイタンシン、メクロレタミン、メルファラン、6-メルカプトプリン、メトトレキサート、マイトマイシンC、ニロチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、プロカルバジン、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)、6-チオグアニジン、チオテパ、テニポシド、トポテカン、トラスツズマブ、トリコスタチンA、ビンブラスチン、ビンクリスチン、およびビンデシンが挙げられる。
【0298】
本明細書に記載の化合物は、疾患もしくは疾病の予防または処置のための薬の調製に使用され得る。さらに、そのような処置を必要とする対象における、本明細書に記載の疾患または疾病のいずれかを処置するための方法は、上記対象への、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、薬学的に許容可能なプロドラッグ、または、薬学的に許容可能な溶媒和物を含有する医薬組成物の治療有効量での投与を含む。
【0299】
本明細書に記載の化合物を含有する組成物は、予防的処置および/または治療的処置のために投与され得る。治療用途では、組成物は、疾患または疾病を既に患っている患者に、疾患もしくは疾病の症状を取り除くか、または少なくとも部分的に阻止するのに十分な量で投与される。この使用に有効な量は、疾患もしくは疾病の重症度および経過、過去の治療、患者の健康状態、体重、および薬物に対する応答、ならびに処置を行う医師の判断に応じて異なるであろう。
【0300】
予防用途では、本明細書に記載の化合物を含有する組成物は、特定の疾患、障害、もしくは疾病に感染しやすいか、またはそのリスクがある患者に投与される。そのような量は、「予防有効量または用量」であると定義される。この使用では、正確な量はまた、患者の健康状態、体重などに応じて異なる。患者に使用される場合、この使用のための有効量は、疾患、障害、もしくは疾病の重症度および経過、過去の治療、患者の健康状態、および薬物に対する応答、ならびに処置を行う医師の判断に応じて異なるであろう。
【0301】
患者の疾病が改善しない場合、医師の裁量に基づいて、化合物の投与は、患者の疾患もしくは疾病の症状を軽減するか、または別様に制御もしくは限定するために、慢性的に、すなわち患者の生涯を通じた期間を含む長期間行われてもよい。
【0302】
患者の状態が改善すると、必要に応じて維持用量が投与される。その後、投与量もしくは投与頻度、またはその両方は、症状に応じて、改善された疾患、障害、または疾病が保持されるレベルにまで低減され得る。しかし、症状の任意の再発に際し、患者は長期間にわたる断続的な処置を必要とする場合がある。
【0303】
このような量に相当し得る所与の薬剤の量は、特定の化合物、疾患または疾病およびその重症度、処置を必要とする対象または宿主のアイデンティティ(例えば、体重)などの因子に応じて変化するであろうが、それにもかかわらず、例えば、投与される特定の薬剤、投与経路、処置される疾病、および処置されている対象または宿主を含む、その症例を取り巻く特定の状況に従って、当技術分野において認識されている様式で決定され得る。しかし、一般に、成人のヒトの処置に利用される用量は、典型的に、1日あたり約0.02mg~約5000mg、一部の実施形態では、1日あたり約1mg~1500mgの範囲である。所望の用量は、都合よく単回用量で提示されるか、あるいは同時に(または短期間にわたり)、または、適切な間隔で、例えば、1日あたり2回、3回、もしくは4回以上の部分用量で投与される分割用量として提示されてもよい。
【0304】
本明細書に記載される医薬組成物は、正確な投与量の単回投与に適した単位剤形であってもよい。単位剤形では、製剤は1つまたは複数の化合物の適切な量を含有する単位用量に分割される。単位投与量は、製剤の個々の量を含有する包装物の形態であってもよい。非限定的な例は、包装された錠剤またはカプセル剤、およびバイアルまたはアンプル中の粉末剤である。水性懸濁組成物は、単回用量用の再閉不可能な容器に包装され得る。あるいは、複数回用量用の再閉可能な容器が使用され得、この場合、組成物中に防腐剤を含むことが典型的である。ほんの一例として、非経口注射用の製剤は、防腐剤を添加した、アンプルを含むがこれに限定されない単位剤形で、または複数回用量用の容器中で提示され得る。
【0305】
このような治療レジメンの毒性および治療有効性は、LD50(集団の50%が死に至る用量)およびED50(集団の50%に治療上有効な用量)の決定を含むがこれらに限定されない、細胞培養または実験動物における標準の薬学的手順によって決定され得る。毒性効果と治療効果との用量比は治療指数であり、これはLD50とED50との比として表され得る。高い治療指数を示す化合物が好ましい。細胞培養アッセイおよび動物試験から得られたデータは、ヒトに使用される様々な投与量を製剤化するのに使用され得る。そのような化合物の投与量は、好適には、毒性が最小限のED50を含む循環濃度の範囲内にある。投与量は、利用される剤形および利用される投与経路に応じてこの範囲内で変化する場合がある。
【0306】
ある特定の実施形態では、本発明は、処置を必要とする患者における疾患、状態、もしくは疾病を処置または予防する方法であって、本発明の実施形態のいずれか1つの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を、患者に有効量投与する工程を含む方法を提供する。疾患、状態、または疾病は、本明細書の他の箇所に記載される群から選択され得る。
【0307】
化合物の調製
本開示の化合物は、概して、有機合成分野の当業者に周知のいくつかの方法で調製され得る。例として、本開示の化合物は、合成有機化学の分野において既知の合成方法、または当業者によって理解されるようなその変形とともに、本明細書に記載される方法を使用して合成され得る。本開示の化合物は、本明細書の他の箇所に記載されるスキームおよび実施例に記載されるように調製され得る。
【0308】
以下の実施例は本発明をさらに例示するが、当然ながら、決して本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0309】
以下の合成スキームは、限定ではなく例示を目的として提供される。以下の実施例は、本明細書に記載される化合物を作製する様々な方法を例示する。当業者は、同様の方法によって、または当業者に既知の他の方法を組み合わせることによって、これらの化合物を作製し得ることが理解される。当業者が、適切な出発物質を使用し、必要に応じて合成経路を改変することによって、以下に記載されるのと同様の様式で作製し得ることも理解される。概して、出発物質および試薬は、商業的供給業者から入手され得るか、もしくは当業者に既知の供給源に従って合成され得るか、または本明細書に記載されるように調製され得る。以下で使用される場合、および、本発明の記載の全体を通して、次の略語は、別段の指示のない限り、次の意味を有することが理解されるものとする。
【0310】
【0311】
【0312】
薬物リンカーの調製
実施例1:化合物11の合成
【0313】
【0314】
化合物3:DMF(20mL)中のSN-38(化合物1、1.57g、4ミリモル)の溶液に、化合物2(1.4g、8ミリモル)およびDBU(0.6g、4ミリモル)を添加した。反応混合物を50℃で2時間撹拌し、次いでRP-HPLCにより直接精製することで、凍結乾燥後、化合物3を黄色固体(0.42g)として得た。
【0315】
化合物4:化合物3(0.4g)をDCM(6mL)に懸濁させ、TFA(4mL)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。次いで、反応物を減圧下で濃縮乾固させた。残渣をRP-HPLCにより精製することで、凍結乾燥後、化合物4を黄色固体(238mg)として得た。
【0316】
化合物6:DCM(4mL)とTFA(1mL)との混合物中の化合物4(204mg、0.47ミリモル)の溶液に、化合物5(860mg、2.34ミリモル)を添加した。混合物を室温で1時間の期間撹拌した。次いで、溶媒を真空下で除去し、混合物をRP-HPLCにより精製した。画分を凍結乾燥することで、化合物6(271mg)を淡黄色固体として得た。
【0317】
化合物7:DMF(2mL)中の化合物6(271mg、0.36ミリモル)の溶液に、ピペリジン(0.2mL)を添加した。混合物を室温で10分間撹拌し、次いでRP-HPLCにより精製した。画分を凍結乾燥することで、化合物7(191mg)を淡黄色固体として得た。
【0318】
化合物9:DMF(2mL)中の化合物7(TFA塩、114mg、0.18ミリモル)の溶液に、化合物8(92mg、0.18ミリモル)、DIEA(128μL、0.74ミリモル)、およびPyAOP(96mg、0.18ミリモル)を添加した。混合物を室温で10分間撹拌し、次いでピペリジン(0.2mL)を添加した。撹拌をさらに10分間継続し、次いで混合物をRP-HPLCにより精製した。画分を凍結乾燥することで、化合物9(84mg)を淡黄色固体として得た。
【0319】
化合物11:DMF(1mL)中の化合物10(4.1mg、16.7μモル)の溶液に、HATU(6.4mg、16.7μモル)およびDIEA(8.6μL、50μモル)を添加した。混合物を室温で1分間撹拌し、次いで化合物9(TFA塩、15mg、16.7μモル)を添加した。撹拌をさらに10分間継続し、次いで混合物をRP-HPLCにより精製した。画分を凍結乾燥することで、化合物11(12mg)を淡黄色固体として得た。MS:1011.8[M+H]+。
【0320】
実施例2:化合物13の合成
【0321】
【化93】
DMF(1mL)中の化合物12(4.1mg、16.7μモル)の溶液に、HATU(6.4mg、16.7μモル)およびDIEA(8.6μL、50μモル)を添加した。混合物を室温で1分間撹拌し、次いで化合物9(TFA塩、15mg、16.7μモル)を添加した。撹拌をさらに10分間継続し、次いで混合物をRP-HPLCにより精製した。画分を凍結乾燥することで、化合物13(12mg)を淡黄色固体として得た。MS:1011.4[M+H]
+。
【0322】
実施例3:化合物15の合成
【0323】
【化94】
DMF(1mL)中の化合物9(TFA塩、15mg、16.7μモル)の溶液に、化合物14(6.3mg、16.7μモル)およびDIEA(8.6μL、50μモル)を添加した。混合物を室温で10分間撹拌し、次いで、混合物をRP-HPLCにより精製した。画分を凍結乾燥することで、化合物15(13mg)を淡黄色固体として得た。MS:977.4[M+H]
+。
【0324】
実施例4:化合物18の合成
【0325】
【化95】
化合物17:DMF(1mL)中の化合物16(10.3mg、21.2μモル)の溶液に、HATU(8.1mg、21.2μモル)およびDIEA(15μL、86μモル)を添加した。混合物を室温で1分間撹拌し、次いで化合物9(TFA塩、19mg、21.2μモル)を添加した。混合物を室温で10分間撹拌し、次いでピペリジン(0.2mL)を添加した。撹拌をさらに10分間継続し、次いで混合物をRP-HPLCにより精製した。画分を凍結乾燥することで、化合物17(21mg)を淡黄色固体として得た。
【0326】
化合物18:DMF(1mL)中の化合物10(4.1mg、16.7μモル)の溶液に、HATU(6.4mg、16.7μモル)およびDIEA(8.6μL、50μモル)を添加した。混合物を室温で1分間撹拌し、次いで化合物17(TFA塩、19.1mg、16.7μモル)を添加した。撹拌をさらに10分間継続し、次いで混合物をRP-HPLCにより精製した。画分を凍結乾燥することで、化合物18(13mg)を淡黄色固体として得た。MS:1258.6[M+H]+。
【0327】
実施例5:化合物6の合成
【0328】
【0329】
化合物3:
【0330】
化合物1(TFA塩、150mg、0.38ミリモル)、p-トルエンスルホン酸(36mg、0.21ミリモル)、および化合物2(100mg、0.38ミリモル)の混合物を、20mLのトルエン中で24時間還流させた。溶媒を真空下で除去し、残りの残渣をRP-HPLCにより精製することで、化合物3(16mg)を褐色固体として得た。
【0331】
化合物5:
【0332】
無水DMF(2mL)中の化合物3(TFA塩、7mg、13.9uモル)の溶液に、酸4(2.3mg、13.9uモル)、PyAOP(7.2mg、13.9uモル)およびDIEA(10uL、55.4uモル)を添加した。混合物を室温で1時間の期間撹拌した。次いで、混合物をRP-HPLCにより直接精製することで、化合物5を褐色固体(4mg)として得た。
【0333】
化合物6:
【0334】
化合物5(4.0g、7.4uモル)を酢酸エチル(2mL)に溶解させ、次いで、Pd/C(5mg)を添加し、容器に水素ガスを充填した。混合物を1時間の期間撹拌し、次いで、濾過により触媒を除去し、溶媒を真空下で蒸発させた。得られた残渣をRP-HPLCにより精製することで、化合物6を淡黄色固体(0.7mg)として得た。MS:450.1[M+H]+。
【0335】
実施例6:抗体-薬物-コンジュゲートの調製
適切な薬物-リンカーおよび抗体を使用して、次の条件でコンジュゲートを調製した。
【0336】
製剤緩衝液中の55mgの抗体を、5%(v/v)、0.5Mのトリス、0.025MのEDTA、pH8.5の製剤にpH調整または緩衝液交換し、還元した。製剤緩衝液への0.025MのEDTAの添加は、金属が触媒するジスルフィドの再酸化を防ぐためである。10mMのTCEP(抗体あたり7当量)を添加し、20℃で2時間インキュベートして標的数の鎖間ジスルフィド結合を還元し、抗体あたり所望の平均数の遊離チオールを生成した。遊離チオールを、薬物リンカー(12当量)の20mMのDMA溶液を添加することによりコンジュゲートし、20℃で1時間撹拌した。追加のDMA溶媒を添加した後に添加して、添加時の薬物リンカーの可溶性を維持し、撹拌フラスコを使用して混合を行った。過剰量のNAC(10mM)を添加することによりコンジュゲーションを終了させ、さらに30分間撹拌して、未反応のマレイミドをクエンチした。過剰な、クエンチされた薬物リンカーを、活性炭とともに、室温、15rpmで1時間インキュベートするか、かつ/または透析濾過することにより除去した。ADC(収率、91%~94%)を、Sephadex G-25樹脂カラムを使用して、最終製剤緩衝液(0.1MのArg/PBS)に交換し、0.2μmのPESに通して濾過した後アリコートし、-60℃以下で保存した。
【0337】
実施例7:薬物-リンカー11およびUC-961を使用した、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)-1の調製
ADC-1を、実施例6および薬物-リンカー11およびUC-961抗体を使用して調製した。
【0338】
【化97】
ここで、RP-HPLCによって決定されたDAR値は7.8であった。
【0339】
実施例8:薬物-リンカー13およびUC-961を使用した、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)-2の調製
ADC-2を、実施例6および薬物-リンカー13およびUC-961抗体を使用して調製した。
【0340】
【化98】
ここで、RP-HPLCによって決定されたDAR値は7.7であった。
【0341】
実施例9:薬物-リンカー15およびUC-961を使用した、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)-3の調製
ADC-3を、実施例6および薬物-リンカー15およびUC-961抗体を使用して調製した。
【0342】
【化99】
ここで、RP-HPLCによって決定されたDAR値は7.8であった。
【0343】
実施例10:薬物-リンカー18およびUC-961を使用した、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)-4の調製
ADC-4を、実施例6および薬物-リンカー18およびUC-961抗体を使用して調製した。
【0344】
【化100】
ここで、RP-HPLCによって決定されたDAR値は7.8であった。
【0345】
実施例11:抗体-薬物コンジュゲート(ADC)-5の調製
ADC-5を、実施例6およびUC-961抗体を使用して調製した。
【0346】
【化101】
ここで、RP-HPLCによって決定されたDAR値は7.8であった。
【0347】
実施例12:薬物-リンカー15およびPTK-7抗体を使用した、抗体-薬物コンジュゲート(ADC)-6の調製
ADC-6を、実施例6および薬物-リンカー15およびPTK7抗体を使用して調製した。
【0348】
【化102】
ここで、RP-HPLCによって決定されたDAR値は7.9であった。
【0349】
コンジュゲートの特性評価
実施例13:血漿安定性
血漿安定性試験は、マウスおよびヒト血漿中の様々なADCの安定性を例示している。ADCを、マウスとヒトとの両方の血漿で試験した。
【0350】
ADCを、IgG除去血漿中、300μLの体積中50μg/mLの濃度でインキュベートした。IgGの除去は、HiTrap Protein G Column(Cytiva)を使用して行っている。試料を、エッペンドルフチューブ中、37℃で0、1、3、7、および15日間インキュベートした。適切な時間培養した後、試料を-80℃の冷凍庫に移し、処理され得るまで保存した。試料を、各時点で二重にインキュベートした。
【0351】
ADCを血漿から分離するために、各試料100μLを、100μLのプロテインA磁気ビーズスラリー(Thermo Pierce)および900μLのリン酸ナトリウム(50mM、pH7)と、室温で2時間振盪しながら混合した。次いでADCをビーズに結合させる必要があり、これにより過剰な血漿を廃棄することができる。次いで、ビーズを1mLの0.1%トリトン、0.1%IPAで洗浄し非特異的結合を除去し、次いで、1mLのPBS中で2回、それぞれ30分間、振盪しながら除去した。次いで、ADCを、100μLの低pH、高有機物ミックス(40mMのグリシン、2%ギ酸50%アセトニトリル)中で60分間ビーズから溶出させた。次いで、ビーズスラリーを遠心分離し、50μLの上清をLC-MSに注入した。
【0352】
LCは、50mm×2.1 bioZen XB-C8カラムを使用して、それぞれ0.1%ギ酸を含むH2Oとアセトニトリルとの7分間にわたるグラジエントを行った。MSを、無傷タンパク質モードで、500℃のソース温度、200Vのデラスター電位、および900~4500m/zの質量範囲で操作した。
【0353】
処理はSciex OSで行い、安定性の結果を、マウス血漿については
図1に、ヒト血漿については
図2に示した。
【0354】
実施例14:細胞結合
ADCのJeko-1細胞への結合能を、in vitro細胞結合アッセイを使用して測定した。
【0355】
各Jeko-1細胞株について、50万個の細胞を96ウェルディープウェルプレート(Thermo Scientific #249946)の各ウェルに50μLずつプレーティングする。一次抗体の1:3希釈系列を、1~μg/mL出発ストックから開始して作製する。その後、50μLの異なる濃度の一次抗体(17pg/mL~最終濃度1000ng/mL)を、細胞を含有する50μLの上に配置する。細胞と抗体とを混合し、氷上で20分間インキュベートする。最初の洗浄では、300μLのFACS緩衝液を添加し、細胞を500×g、4℃で5分間遠心分離する。上清を廃棄し、細胞を400μLのFACS緩衝液に再懸濁させ、さらに洗浄する。2回目の洗浄後、細胞を100μLの、最終濃度1μg/mLのヤギ抗ヒトIgG二次フィコエリトリン(PE)抗体(ThermoFisher Scientific #12-4998-82)に再懸濁させ、氷上(暗所)で20分間インキュベートする。細胞を前述のように2回洗浄し、BD FACSVerseと、Flowjoソフトウェア、バージョン10で分析する。最高濃度に対する最大結合のパーセンテージをグラフ化し、半最大有効濃度(EC50)値を、GraphPad Prism Version 7を使用して決定した。
【0356】
実施例15:細胞毒性の測定
化合物4および化合物6の細胞増殖阻害能を、in vitro細胞毒性アッセイを使用して測定した。
【0357】
細胞を、対数期増殖(log phase growth)で培養し、96ウェルプレートに分割した。各細胞株を、わずかに異なる濃度であるが、5x103~50x104細胞/ウェルの範囲に及ぶ濃度でプレーティングした。細胞を二重に、3000または1000ナノモル(3000、1000、333、111、37、12.3、4.1、1.37、0.46、0.15ナノモル)で開始して、特定の免疫コンジュゲートの3倍連続希釈液とともに、37℃、5% CO2で72時間インキュベートした。処理後、細胞を等量のCellTiter-Glo(登録商標)試薬(Promega Inc.)とともに室温で15分間インキュベートし、照度計により生存率を決定した。乳癌細胞株SKBR3のEC50値を、表1に示す。
【0358】
【0359】
実施例16:内部移行
MDA-MB-468細胞を回収し、冷PBSで洗浄し、PBSおよび2%FBSを含む冷FACS緩衝液に1×107細胞/mLの濃度で再懸濁させる。1×106細胞のアリコートをマイクロ遠心分離チューブまたはウェルに添加する。一次抗体を希釈して300μg/mLまたは1mg/mLの10×ストック溶液を生成し、各溶液10μlを適切なチューブに添加できるようにする。
【0360】
対照群は、未染色および二次抗体(ヤギ抗ヒトIgG-PE、Fc-γ特異的)(ThermoFisher Scientific #12-4998-82)のみで構成されていた。細胞を含む試験群を、実験に応じて、一次抗体を30μg/mL(203nM)または100μg/mL(676nM)で評価し、以下の条件にかける。細胞を、対照に添加して氷上で20分間保持し、300×gで4分間遠心分離し、200μlのFACS緩衝液で2回洗浄し、100μlのFACS緩衝液に再懸濁させ、37℃で30分間、60分間、120分間、または240分間インキュベートする。インキュベーション後、細胞を250×gで遠心分離し、FACS緩衝液で2回洗浄し、100μlのFACS緩衝液に再懸濁させる。二次抗体の10×ストックをFACS緩衝液で1:2000に希釈し、1チューブあたり10μlを適切なチューブに添加した。細胞を氷上で20分間インキュベートし、FACS緩衝液で2回洗浄し、100μlの固定緩衝液(PBS中4%パラホルムアルデヒド)に再懸濁させる。次いでFACS分析を行い、蛍光強度中央値(MFI)を評価する。一次抗体内部移行の相対的な程度を、各時点のMFI値を時間0の一次抗体対照のMFI値と比較することにより決定する。
【0361】
実施例17:RP-HPLCによるDAR
ADCのRP-HPLCを使用して、各ADCの薬物対抗体比(DAR)を決定した。以下の表2に示すように、逆相HPLCを使用してADCのDARおよびモノマー含有量を得た。
【0362】
RP-HPLC条件:カラム-Phenomenex Kinetex 100Å、50x4.6mm、2.6μm、品番:PL1912-1502。MPA-0.1%TFA/H20、MPB-0.1%TFA/CAN
【0363】
方法:流速-1mL/分、グラジエント-表3を参照。カラム温度-50C。
【0364】
試料温度-室温。DAD 214nm、BW 16nm、参照440nm、BW 80nm、ピーク幅>0.4分(8秒間の応答時間(0.62Hz)、スペクトル:200~600nm、ステップ1.2nm、スリット8nm。
【0365】
試料-適切な(neat)注射、約5ug。
【0366】
【0367】
【0368】
実施例18:in vivoでの有効性
Jeko-1マントル細胞リンパ腫およびSK-OV3卵巣腫瘍の異種移植モデルにおいて、ADCの抗腫瘍活性を評価した。腫瘍担持マウスを個々の腫瘍に基づいて無作為化し、静脈注射を施した。
図3に示すように、10mg/Kgで、週1回の静脈注射を3週間(1日目、8日目、15日目)行った場合、ADCは、Jeko-1モデルにおいて抗腫瘍活性を有することが示された。一方、
図4では、20mg/Kgで、週1回の静脈注射量を4週間(1日目、8日目、15日目、22日目)行った場合、ADC-3は、SK-OV3モデルにおいて抗腫瘍活性を有することが示された。
【国際調査報告】