(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-10-09
(54)【発明の名称】移動ロボットの制御方法、装置、移動ロボット及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
B25J 13/00 20060101AFI20251002BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20251002BHJP
【FI】
B25J13/00 Z
B25J5/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025523808
(86)(22)【出願日】2023-11-14
(85)【翻訳文提出日】2025-04-24
(86)【国際出願番号】 CN2023131479
(87)【国際公開番号】W WO2024221847
(87)【国際公開日】2024-10-31
(31)【優先権主張番号】202310472257.6
(32)【優先日】2023-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517392436
【氏名又は名称】▲騰▼▲訊▼科技(深▲セン▼)有限公司
【氏名又は名称原語表記】TENCENT TECHNOLOGY (SHENZHEN) COMPANY LIMITED
【住所又は居所原語表記】35/F,Tencent Building,Kejizhongyi Road,Midwest District of Hi-tech Park,Nanshan District, Shenzhen,Guangdong 518057,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】李景辰
(72)【発明者】
【氏名】王帥
(72)【発明者】
【氏名】黎雄
(72)【発明者】
【氏名】周欽欽
(72)【発明者】
【氏名】王海涛
(72)【発明者】
【氏名】張東勝
(72)【発明者】
【氏名】向霊竹
(72)【発明者】
【氏名】張正友
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707BS26
3C707BS27
3C707CS08
3C707CU02
3C707HS26
3C707HS27
3C707HT20
3C707LU07
3C707LW07
3C707LW11
3C707LW12
3C707WA16
(57)【要約】
本願は、移動ロボットの制御方法、装置、移動ロボット及び記憶媒体を開示し、ロボットという分野に関する。前記移動ロボットは、第1揺動脚群と、第2揺動脚群とを含み、第1揺動脚群及び第2揺動脚群のうちの少なくとも1つの揺動脚群は、複数の揺動脚を含み、第1揺動脚群と第2揺動脚群とは並列配置され、且つ、第1揺動脚群の回転軸と第2揺動脚群の回転軸とは、同一の垂直平面に位置する。前記方法は、第1段差または第1支持面に位置するように第1揺動脚群を制御し、第2段差に位置するように第2揺動脚群を制御するステップ(320)と、第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように第1揺動脚群を制御するステップ(340)と、第1揺動脚群を支持脚として、第4段差まで揺動するように第2揺動脚群を制御するステップ(360)と、を含む。上記は、移動ロボットの階段の上り下り解決策を提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動ロボットの制御方法であって、前記移動ロボットは、第1揺動脚群と、第2揺動脚群とを含み、前記第1揺動脚群及び前記第2揺動脚群のうちの少なくとも1つの揺動脚群は、複数の揺動脚を含み、前記第1揺動脚群と前記第2揺動脚群とは並列配置され、且つ、前記第1揺動脚群の回転軸と前記第2揺動脚群の回転軸とは、同一の垂直平面に位置し、前記方法は、前記移動ロボットのコントローラーによって実行され、前記方法は、
第1段差または第1支持面に位置するように前記第1揺動脚群を制御し、第2段差に位置するように前記第2揺動脚群を制御するステップと、
前記第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御するステップと、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御するステップと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する前記ステップは、
前記第2揺動脚群を支持脚として、前記第3段差まで伸縮し揺動するように前記第1揺動脚群を制御するステップを含み、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する前記ステップは、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、前記第4段差まで伸縮し揺動するように前記第2揺動脚群を制御するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2揺動脚群を支持脚として、前記第3段差まで伸縮し揺動するように前記第1揺動脚群を制御する前記ステップは、
前記第2揺動脚群を支持脚として、前記第1揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、短縮し揺動するように前記第1揺動脚群を制御し、前記第1揺動脚群が前記第3段差に位置するまで、伸長し揺動するように前記第1揺動脚群を制御するステップを含み、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、前記第4段差まで伸縮し揺動するように前記第2揺動脚群を制御する前記ステップは、
前記第1揺動脚群を支持脚として、前記第2揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、短縮し揺動するように前記第2揺動脚群を制御し、前記第2揺動脚群が前記第4段差に位置するまで、伸長し揺動するように前記第2揺動脚群を制御するステップを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1揺動脚群が前記第1段差に位置する場合、前記第2段差は前記第1段差よりも高く、
前記第1揺動脚群が前記第1支持面に位置する場合、前記第2段差は前記第1支持面よりも高く、
前記第2段差と前記第3段差は隣接する段差であり、かつ前記第3段差は前記第2段差よりも高く、前記第2揺動脚群は、前記第2段差に位置するときに前記第3段差の側壁と接触せず、
前記第3段差と前記第4段差は隣接する段差であり、かつ前記第4段差は前記第3段差よりも高く、前記第1揺動脚群は、前記第3段差に位置するときに前記第4段差の側壁と接触しない、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する前記ステップの前に、
前記移動ロボットの重心投影が前記第2揺動脚群と前記第2段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御するステップをさらに含み、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する前記ステップの前に、
前記移動ロボットの重心投影が前記第1揺動脚群と前記第3段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1揺動脚群における第1揺動脚の端部は第1ホイールを含み、前記第2揺動脚群における第2揺動脚の端部は第2ホイールを含み、前記移動ロボットの重心投影が前記第2揺動脚群と前記第2段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御する前記ステップは、
前記移動ロボットの重心投影が前記第2揺動脚群と前記第2段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイール及び前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、前記移動ロボットの水平位置及び垂直高さが変化しないように制御するステップを含み、
前記移動ロボットの重心投影が前記第1揺動脚群と前記第3段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御する前記ステップは、
前記移動ロボットの重心投影が前記第1揺動脚群と前記第3段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイール及び前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、前記移動ロボットの水平位置及び垂直高さが変化しないように制御するステップを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記移動ロボットの重心投影が前記第2揺動脚群と前記第2段差との接触領域に位置するまで、前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイール及び前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、前記移動ロボットの水平位置及び垂直高さが変化しないように制御する前記ステップは、
前記第1揺動脚群の段差接触力が前記第2揺動脚群の段差接触力よりも小さいまで、前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、前記第1揺動脚群が水平移動せず前記第2揺動脚群が垂直移動しないように制御するステップと、
前記移動ロボットの重心投影が前記第2揺動脚群と前記第2段差との接触領域に位置するまで、前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、前記第2揺動脚群が水平移動せず前記第1揺動脚群が垂直移動しないように制御するステップと、を含み、
前記移動ロボットの重心投影が前記第1揺動脚群と前記第3段差との接触領域に位置するまで、前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイール及び前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、前記移動ロボットの水平位置及び垂直高さが変化しないように制御する前記ステップは、
前記第2揺動脚群の段差接触力が前記第1揺動脚群の段差接触力よりも小さいまで、前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、前記第2揺動脚群が水平移動せず前記第1揺動脚群が垂直移動しないように制御するステップと、
前記移動ロボットの重心投影が前記第1揺動脚群と前記第3段差との接触領域に位置するまで、前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、前記第1揺動脚群が水平移動せず前記第2揺動脚群が垂直移動しないように制御するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、
前記第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する過程において、前記第1揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第1揺動脚群が前記第3段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御するステップと、
前記第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する過程において、前記第2揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第2揺動脚群が前記第4段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記第1揺動脚群における第1揺動脚の端部は第1ホイールを含み、前記第2揺動脚群における第2揺動脚の端部は第2ホイールを含み、前記第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する過程において、前記第1揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第1揺動脚群が前記第3段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御する前記ステップは、
前記第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する過程において、前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動することにより、前記第1揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第1揺動脚群が前記第3段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御するステップを含み、
前記第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する過程において、前記第2揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第2揺動脚群が前記第4段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御する前記ステップは、
前記第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する過程において、前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動することにより、前記第2揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第2揺動脚群が前記第4段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御するステップを含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1揺動脚群が前記第1段差に位置する場合、前記第2段差は前記第1段差よりも高く、
前記第1揺動脚群が前記第1支持面に位置する場合、前記第2段差は前記第1支持面よりも高く、
前記第2段差と前記第3段差は隣接する段差であり、かつ前記第3段差は前記第2段差よりも高く、前記第2揺動脚群は、前記第2段差に位置するときに前記第3段差の側壁と接触し、
前記第3段差と前記第4段差は隣接する段差であり、かつ前記第4段差は前記第3段差よりも高く、前記第1揺動脚群は、前記第3段差に位置するときに前記第4段差の側壁と接触する、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する前記ステップの前に、
前記移動ロボットの重心投影が前記第2段差上の前記第2揺動脚群の落下点と前記第3段差の側壁投影とで囲まれた安定領域に入るまで、前記移動ロボットを前傾するように制御するステップをさらに含み、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する前記ステップの前に、
前記移動ロボットの重心投影が前記第3段差上の前記第1揺動脚群の落下点と前記第4段差の側壁投影とで囲まれた安定領域に入るまで、前記移動ロボットを前傾するように制御するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、
前記第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する過程において、前記移動ロボットの受ける力が第1安定条件を満たすことを目標として、前記第2揺動脚群が常に前記第3段差に支持されるように制御するステップと、
前記第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する過程において、前記移動ロボットの受ける力が第2安定条件を満たすことを目標として、前記第1揺動脚群が常に前記第4段差に支持されるように制御するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第2揺動脚群における第2揺動脚の端部は第2ホイールを含み、前記第2ホイールは第2半径を有し、前記第2揺動脚群は、少なくとも1つの第2ホイールを介して前記第3段差に支持され、前記第1安定条件は、
第2支持力と第1摩擦力との和はゼロであり、前記第2支持力は、前記第3段差の側壁からの支持力であり、前記第1摩擦力は、前記第2段差の段差面からの摩擦力であり、前記第2支持力と前記第1摩擦力は逆方向であることと、
第1支持力、第2摩擦力、前記移動ロボットの重力の和はゼロであり、前記第1支持力は、前記第2段差の段差面からの支持力であり、前記第2摩擦力は、前記第3段差の側壁からの摩擦力であり、前記第1支持力と前記第2摩擦力は方向が同じであり、前記第2摩擦力と前記第2支持力との比の値は摩擦係数以下であり、前記第1摩擦力と前記第1支持力との比の値は摩擦係数以下であることと、
前記第2支持力と前記第2半径との積は、前記第2摩擦力と前記第2半径との積と、前記移動ロボットの重力と前傾距離との積と、の和の値に等しく、前記前傾距離は、前記移動ロボットの重心と前記第2ホイールの円心との水平距離であることと、
前記第1支持力と前記第2半径との積は、前記第1摩擦力と前記第2半径との積と、前記移動ロボットの重力と残り距離との積と、の和の値に等しく、前記残り距離と前記前傾距離との和の値は前記第2半径であることと、を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1揺動脚群における第1揺動脚の端部は第1ホイールを含み、前記第1ホイールは第1半径を有し、前記第1揺動脚群は、少なくとも1つの第1ホイールを介して前記第4段差に支持され、前記第2安定条件は、
第4支持力と第3摩擦力との和はゼロであり、前記第4支持力は、前記第4段差の側壁からの支持力であり、前記第3摩擦力は、前記第3段差の段差面からの摩擦力であり、前記第4支持力と前記第3摩擦力は逆方向であることと、
第3支持力、第4摩擦力、前記移動ロボットの重力の和はゼロであり、前記第3支持力は、前記第3段差の段差面からの支持力であり、前記第4摩擦力は、前記第4段差の側壁からの摩擦力であり、前記第3支持力と前記第4摩擦力は方向が同じであり、前記第4摩擦力と前記第4支持力との比の値は摩擦係数以下であり、前記第3摩擦力と前記第3支持力との比の値は摩擦係数以下であることと、
前記第4支持力と前記第1半径との積は、前記第4摩擦力と前記第1半径との積と、前記移動ロボットの重力と前傾距離との積と、の和の値に等しく、前記前傾距離は、前記移動ロボットの重心と前記第1ホイールの円心との水平距離であることと、
前記第3支持力と前記第1半径との積は、前記第3摩擦力と前記第1半径との積と、前記移動ロボットの重力と残り距離との積と、の和の値に等しく、前記残り距離と前記前傾距離との和の値は前記第1半径であることと、を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
移動ロボットの制御装置であって、前記移動ロボットは、第1揺動脚群と、第2揺動脚群とを含み、前記第1揺動脚群及び前記第2揺動脚群のうちの少なくとも1つの揺動脚群は、複数の揺動脚を含み、前記第1揺動脚群と前記第2揺動脚群とは並列配置され、且つ、前記第1揺動脚群の回転軸と前記第2揺動脚群の回転軸とは、同一の垂直平面に位置し、前記装置は、
第1段差または第1支持面に位置するように前記第1揺動脚群を制御し、第2段差に位置するように前記第2揺動脚群を制御するための制御モジュールを含み、
前記制御モジュールはさらに、前記第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御するために用いられ、
前記制御モジュールはさらに、前記第1揺動脚群を支持脚として、第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御するために用いられる、
ことを特徴とする装置。
【請求項16】
前記制御モジュールはさらに、
前記第2揺動脚群を支持脚として、前記第3段差まで伸縮し揺動するように前記第1揺動脚群を制御し、
前記第1揺動脚群を支持脚として、前記第4段差まで伸縮し揺動するように前記第2揺動脚群を制御するために用いられる、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記制御モジュールはさらに、
前記第2揺動脚群を支持脚として、前記第1揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、短縮し揺動するように前記第1揺動脚群を制御し、前記第1揺動脚群が前記第3段差に位置するまで、伸長し揺動するように前記第1揺動脚群を制御し、
前記第1揺動脚群を支持脚として、前記第2揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、短縮し揺動するように前記第2揺動脚群を制御し、前記第2揺動脚群が前記第4段差に位置するまで、伸長し揺動するように前記第2揺動脚群を制御するために用いられる、
ことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
移動ロボットであって、前記移動ロボットは、メモリとプロセッサとを含み、
前記メモリには、少なくとも1つのプログラムコードが記憶されており、前記プログラムコードは、前記プロセッサによってロードされて実行されることにより、請求項1~14のいずれか1項に記載の移動ロボットの制御方法を実現する、
ことを特徴とする移動ロボット。
【請求項19】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、請求項1~14のいずれか1項に記載の移動ロボットの制御方法を実現する、
ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項20】
チップであって、前記チップは、プログラマブル論理回路とプログラム命令とのうちの少なくとも1つを含み、前記チップが搭載される電子機器は実行される場合、請求項1~14のいずれか1項に記載の移動ロボットの制御方法を実現する、
ことを特徴とするチップ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の互いに参照】
【0001】
本願は、2023年04月25日に提出された、出願番号が202310472257.6であり、発明の名称が「移動ロボットの制御方法、装置、機器及び記憶媒体」である中国特許出願に基づく優先権を主張するものであり、その全内容を本願に参照により援用する。
【技術分野】
【0002】
本願は、ロボットという分野に関し、特に移動ロボットの制御方法、装置、移動ロボット及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術は、以下のようないくつかのロボットの階段上り方法を提供する。(1)人間型二足ロボットについて、ロボットは2つの足裏を有し、2つの足裏が交互に地面を支えることで、階段上りを実現する。(2)四足ロボットについて、ロボットは、独立して運動する4本の脚により階段上りを実現する。(3)クローラー、ラチェットロボットについて、クローラー、ラチェットを転がすことで階段上りを実現する。(4)遊星歯車を有するロボットについて、複数の遊星歯車の公転により階段上りを実現する。
【0004】
上記4種類のロボットの階段上り方法は、対応する構造のロボットにのみ適用され、ロボットの構造が変更される場合、上記4種類の方法は適用されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、移動ロボットの制御方法、装置、移動ロボット及び記憶媒体を提供し、移動ロボットの階段の上り下り解決策を提供し、前記技術案は少なくとも以下のような解決策を含む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の1つの態様によれば、移動ロボットの制御方法を提供し、移動ロボットは、第1揺動脚群と、第2揺動脚群とを含み、前記第1揺動脚群及び前記第2揺動脚群のうちの少なくとも1つの揺動脚群は、複数の揺動脚を含み、前記第1揺動脚群と前記第2揺動脚群とは並列配置され、且つ、前記第1揺動脚群の回転軸と前記第2揺動脚群の回転軸とは、同一の垂直平面に位置し、前記方法は、
第1段差または第1支持面に位置するように前記第1揺動脚群を制御し、第2段差に位置するように前記第2揺動脚群を制御するステップと、
前記第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御するステップと、
前記第1揺動脚群を支持脚として、第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御するステップと、を含む。
【0007】
本願の1つの態様によれば、移動ロボットの制御装置を提供し、前記移動ロボットは、第1揺動脚群と、第2揺動脚群とを含み、前記第1揺動脚群及び前記第2揺動脚群のうちの少なくとも1つの揺動脚群は、複数の揺動脚を含み、前記第1揺動脚群と前記第2揺動脚群とは並列配置され、且つ、前記第1揺動脚群の回転軸と前記第2揺動脚群の回転軸とは、同一の垂直平面に位置し、前記装置は、
第1段差または第1支持面に位置するように前記第1揺動脚群を制御し、第2段差に位置するように前記第2揺動脚群を制御するための制御モジュールを含み、
前記制御モジュールはさらに、前記第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御するために用いられ、
前記制御モジュールはさらに、前記第1揺動脚群を支持脚として、第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御するために用いられる。
【0008】
本願の1つの態様によれば、コンピュータ機器を提供し、当該コンピュータ機器は、メモリとプロセッサとを含み、メモリには、少なくとも1つのプログラムコードが記憶されており、プログラムコードは、プロセッサによってロードされて実行されることにより、以上のような移動ロボットの制御方法を実現する。
【0009】
本願の1つの態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、以上のような移動ロボットの制御方法を実現する。
【0010】
本願の1つの態様によれば、チップを提供し、チップは、プログラマブル論理回路及び/またはプログラム命令を含み、チップが搭載される電子機器は実行される場合、以上のような移動ロボットの制御方法を実現する。
【0011】
本願の1つの態様によれば、コンピュータプログラム製品を提供し、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されるコンピュータ命令を含み、プロセッサは、コンピュータ可読記憶媒体からコンピュータ命令を読み取って実行することにより、以上のような移動ロボットの制御方法を実現する。
【0012】
本願の実施例が提供する技術案からもたらされる有益な効果は、少なくとも以下のことを含む。
2つの揺動脚群(2つの揺動脚群には、複数の揺動脚を含む揺動脚群が少なくとも1つ存在する)が交互に階段を上り下りすることにより、移動ロボットの階段の上り下り解決策を提供する。当該解決策では、段差と複数の接触領域を構成する揺動脚群(複数の揺動脚を含む揺動脚群)が少なくとも1つ存在し、さらにロボットの階段の上り下りの難易度を軽減し、ロボットは大きな安定余裕を持ち、実機の実現リスクを低減し、ロボットの安全性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本願の1つの例示的な実施例が提供する移動ロボットの側面図である。
【
図2】本願の1つの例示的な実施例が提供する移動ロボットの側面図である。
【
図3】本願の1つの例示的な実施例が提供する移動ロボットの制御方法のフローチャートである。
【
図4】本願の1つの例示的な実施例が提供する準静的階段上りの動作シーケンスの概略図である。
【
図5】本願の1つの例示的な実施例が提供する静的階段上りの動作シーケンスの概略図である。
【
図6】本願の1つの例示的な実施例が提供する移動ロボットの制御方法のフローチャートである。
【
図7】本願の1つの例示的な実施例が提供する2つの揺動脚群がいずれも段差と接触するときの移動ロボットの制御方法の概略図である。
【
図8】本願の1つの例示的な実施例が提供する2つの揺動脚群がいずれも段差と接触するときの移動ロボットの制御方法の概略図である。
【
図9】本願の1つの例示的な実施例が提供する1つのみの揺動脚群が段差と接触するときの移動ロボットの制御方法の概略図である。
【
図10】本願の1つの例示的な実施例が提供する移動ロボットの制御方法のフローチャートである。
【
図11】本願の1つの例示的な実施例が提供する移動ロボットの力の解析の概略図である。
【
図12】本願の1つの例示的な実施例が提供する移動ロボットの制御装置の概略図である。
【
図13】本願の1つの例示的な実施例が提供する移動ロボットのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1、
図2を結合して参照して分かるように、本願が提供する移動ロボットは、少なくとも3つの揺動脚を含み、少なくとも3つの揺動脚は並列配置され、それに、少なくとも3つの揺動脚の回転軸は、同一の垂直平面に位置する。並列配置されることとは、移動ロボットの少なくとも3つの揺動脚の第1方向に沿った投影が重ならないという状態を意味する。回転軸が同一の垂直平面に位置することとは、移動ロボットの少なくとも3つの揺動脚の第2方向に沿った投影が重ならないという状態を意味する。第1方向とは、移動ロボットの正面または背面の向きを意味する。第2方向とは、移動ロボットの側面の向きを意味する。選択可能に、少なくとも3つの揺動脚のうち、回転軸が同軸である揺動脚は少なくとも2つ存在する。選択可能に、少なくとも3つの揺動脚の回転軸は同軸ではない。
【0015】
1つの実施例では、少なくとも3つの揺動脚は、第1揺動脚群と第2揺動脚群とに分けられる。選択可能に、第1揺動脚群は、複数の第1揺動脚を含み、第2揺動脚群は、1つの第2揺動脚を含み、複数の第1揺動脚のうち、移動ロボットの中心軸両側に位置する2つの第1揺動脚が少なくとも存在し、第2揺動脚は、移動ロボットの中心軸に位置する。選択可能に、第2揺動脚群は、複数の第2揺動脚を含み、第1揺動脚群は、1つの第1揺動脚を含み、複数の第2揺動脚のうち、移動ロボットの中心軸両側に位置する2つの第2揺動脚が少なくとも存在し、第1揺動脚は、移動ロボットの中心軸に位置する。
【0016】
1つの実施例では、少なくとも3つの揺動脚は、第1揺動脚群と第2揺動脚群とに分けられる。選択可能に、第1揺動脚群は、複数の第1揺動脚を含み、第2揺動脚群は、複数の第2揺動脚を含み、複数とは、2つ以上の状況を意味する。
【0017】
図1、
図2を結合して参照し、
図1、
図2は、本願が提供する移動ロボットの側面図を示す。移動ロボットは、第1揺動脚群10と、第2揺動脚群20と、を含む。第1揺動脚群10は、複数の第1揺動脚11を含み、第2揺動脚群20は、複数の第2揺動脚21を含み、複数の第1揺動脚11のうち、それぞれ移動ロボットの中心軸両側に位置する第1揺動脚11が少なくとも2つ存在し、複数の第2揺動脚21のうち、それぞれ移動ロボットの中心軸両側に位置する第2揺動脚21が少なくとも2つ存在し、複数の第1揺動脚11と複数の第2揺動脚21とは並列配置される。上記配置条件を満たす状況では、さらに選択可能に、複数の第1揺動脚11と複数の第2揺動脚21とは、1つずつ交互に配置される。選択可能に、複数の第1揺動脚11は、複数の第2揺動脚21の両側に配置される。
【0018】
例示的には、第1揺動脚群10をA群脚、第2揺動脚群20をB群脚とすることを例にして、複数の第1揺動脚11と複数の第2揺動脚21とが並列配置される状況は、A1、B1、B2、A2(配置状況1)、A1、B1、A2、B2(配置状況2)、A1、A2、B1、A3、B2、B3(配置状況3)、A1、A2、B1、B2、B3、A3(配置状況4)等である可能性がある。同じ理由により、より多くまたは少ない数の揺動脚が存在する場合、並列配置という同様の方式を採用して設置することができる。
【0019】
図1、
図2を結合して参照し、
図1、
図2は、第1揺動脚群10が2つの第1揺動脚(外側脚)11を含み、第2揺動脚群20が2つの第2揺動脚(内側脚)21を含むことを示す。2つの第1揺動脚11は、移動ロボットの中心軸に沿って対称的に配置され、2つの第2揺動脚21は、移動ロボットの中心軸に沿って対称的に配置され、第1揺動脚11と中心軸との距離は、第2揺動脚21と中心軸との距離よりも大きい。
【0020】
移動ロボットの走行過程において、第1揺動脚群10、第2揺動脚群20は、交差歩行で走行することをサポートし、即ち、第1揺動脚群10、第2揺動脚群20はそれぞれ、前後脚群として交互に走行する。1つの例示的な走行過程において、第1揺動脚群10を支持脚として、第2揺動脚群20を第1着地点まで揺動し、次に、第2揺動脚群20を支持脚として、第1揺動脚群10を第2着地点まで揺動する。
【0021】
具体的には、初期姿勢では、複数の第1揺動脚11は前脚として地面と接触し、複数の第2揺動脚21は後脚として地面と接触し、この場合、ロボットの重心投影は、前後脚と地面との接触点で囲まれた幾何学的図形の間に位置する。複数の第1揺動脚11を支持脚として、複数の第2揺動脚21を第1着地点まで揺動し、同時にロボットの重心を前方に移動するように制御し、複数の第2揺動脚21が第1着地点まで揺動する場合、ロボットの重心を再度、前後脚と地面との接触点で囲まれた幾何学的図形の間に位置するように制御する。複数の第2揺動脚21を支持脚として、複数の第1揺動脚11を第2着地点まで揺動し、同時にロボットの重心を前方に移動するように制御し、複数の第2揺動脚21が第2着地点まで揺動する場合、ロボットの重心を再度、前後脚と地面との接触点で囲まれた幾何学的図形の間に位置するように制御する。
【0022】
上記ロボットの揺動脚が揺動する場合、揺動脚を伸縮するように制御する。例示的には、揺動脚の重心が移動ロボットの重心の後に位置する状況では、揺動脚を短縮するように制御し、揺動脚の重心が移動ロボットの重心の前に位置する状況では、揺動脚を伸長するように制御する。
【0023】
上記移動ロボットは、第1揺動脚群及び第2揺動脚群を設置し、第1揺動脚群が、複数の第1揺動脚を含み、第2揺動脚群が、複数の第2揺動脚を含み、複数の第1揺動脚のうち、それぞれ移動ロボットの中心軸両側に位置する第1揺動脚が少なくとも2つ存在し、複数の第2揺動脚のうち、それぞれ移動ロボットの中心軸両側に位置する第2揺動脚が少なくとも2つ存在し、複数の第1揺動脚と複数の第2揺動脚とが並列配置されることにより、移動ロボットの重心位置を動的に調整する必要がなく、移動ロボットの立位姿勢における静的安定を実現できる。それに、上記移動ロボットは、交差歩行で走行することをサポートし、走行過程において、移動ロボットは、転がり方向のバランス問題を考慮する必要がなく、転がり方向は、走行方向と垂直な方向である。
【0024】
1つの実施例では、複数の第1揺動脚11は、移動ロボットの走行方向と垂直な第1揺動回転軸に回動接続される。選択可能に、第1揺動回転軸は、移動ロボットの股関節部、腰部、頭頂等の位置に位置する。1つの実施例では、複数の第2揺動脚21は、移動ロボットの走行方向と垂直な第2揺動回転軸に回動接続される。選択可能に、第2揺動回転軸は、移動ロボットの股関節部、腰部、頭頂等の位置に位置する。
【0025】
1つの実施例では、第1揺動回転軸は、移動ロボットの股関節部に位置し、
図1を結合して参照し、この場合、第1揺動回転軸は、第1股関節部回転軸1であり、移動ロボットが水平基準面に立つ場合、第1股関節部回転軸1は水平に延在する。複数の第1揺動脚11は、第1股関節部回転軸1に回動接続され、複数の第1揺動脚11のうちの任意の2つの第1揺動脚は平行である。
【0026】
1つの実施例では、第2揺動回転軸は、移動ロボットの股関節部に位置し、
図1を結合して参照し、この場合、第2揺動回転軸は、第2股関節部回転軸2であり、移動ロボットが水平基準面に立つ場合、第2股関節部回転軸2は水平に延在する。複数の第2揺動脚21は、第2股関節部回転軸2に回動接続され、複数の第2揺動脚21のうちの任意の2つの第2揺動脚は平行である。
【0027】
選択可能に、第1股関節部回転軸1、第2股関節部回転軸2は同軸であり、及び/または、第1股関節部回転軸1、第2股関節部回転軸2は同一の垂直平面に位置する。
図1、
図2は、第1股関節部回転軸1、第2股関節部回転軸2が同軸でありかつ同一の垂直平面に位置するという状況を示す。
【0028】
1つの実施例では、移動ロボットは、第1回転モータと、第2回転モータとをさらに含み、第1回転モータは、第1股関節部回転軸1回りに連動して回転するように第1揺動脚群10における複数の第1揺動脚11を駆動するために用いられ、第2回転モータは、第2股関節部回転軸2回りに連動して回転するように第2揺動脚群20における複数の第2揺動脚21を駆動するために用いられる。
【0029】
1つの実施例では、移動ロボットは、第1揺動脚11に対応する第3回転モータと、第2揺動脚21に対応する第4回転モータとをさらに含み、第3回転モータは、第1股関節部回転軸1回りに回転するように第1揺動脚11を駆動するために用いられ、第4回転モータは、第2股関節部回転軸2回りに回転するように第2揺動脚21を駆動するために用いられる。選択可能に、複数の第1揺動脚11のそれぞれに対応する複数の第3回転モータは、連動して回転するかまたは独立して回転するように複数の第1揺動脚11を制御することをサポートする。選択可能に、複数の第2揺動脚21のそれぞれに対応する複数の第4回転モータは、連動して回転するかまたは独立して回転するように複数の第2揺動脚21を制御することをサポートする。
【0030】
図1、
図2を結合して参照し、第1揺動脚11は、第1メカニカル大腿部111と、第1メカニカル下腿部112とを含み、第1メカニカル大腿部111と第1メカニカル下腿部112とは、スリーブ接続方式で接続される。選択可能に、スリーブ接続状態にある場合、第1メカニカル大腿部111は、第1メカニカル下腿部112の内部にネスティングされ、伸縮過程において、第1メカニカル大腿部111をスリーブ接続方向に沿って伸縮する。選択可能に、スリーブ接続状態にある場合、第1メカニカル下腿部112は、第1メカニカル大腿部111の内部にネスティングされ、伸縮過程において、第1メカニカル下腿部112をスリーブ接続方向に沿って伸縮する(
図1、
図2に示す状況)。選択可能に、スリーブ接続状態にある場合、第1メカニカル大腿部111、第1メカニカル下腿部112は、中間部材の内部にネスティングされ、伸縮過程において、第1メカニカル大腿部111、第1メカニカル下腿部112をスリーブ接続方向に沿って伸縮する。
【0031】
第2揺動脚21は、第2メカニカル大腿部211と、第2メカニカル下腿部212とを含み、第2メカニカル大腿部211と第2メカニカル下腿部212とは、スリーブ接続方式で接続される。選択可能に、スリーブ接続状態にある場合、第2メカニカル大腿部211は、第2メカニカル下腿部212の内部にネスティングされ、伸縮過程において、第2メカニカル大腿部211をスリーブ接続方向に沿って伸縮する。選択可能に、スリーブ接続状態にある場合、第2メカニカル下腿部212は、第2メカニカル大腿部211の内部にネスティングされ、伸縮過程において、第2メカニカル下腿部212をスリーブ接続方向に沿って伸縮する(
図1、
図2に示す状況)。選択可能に、スリーブ接続状態にある場合、第2メカニカル大腿部211、第2メカニカル下腿部212は、中間部材の内部にネスティングされ、伸縮過程において、第2メカニカル大腿部211、第2メカニカル下腿部212をスリーブ接続方向に沿って伸縮する。
【0032】
1つの実施例では、移動ロボットは、第1揺動脚11に対応する第1伸縮モータと、第2揺動脚21に対応する第2伸縮モータとをさらに含み、第1伸縮モータは、スリーブ接続方向に沿って伸縮するように第1揺動脚11を駆動するために用いられ、第2伸縮モータは、スリーブ接続方向に沿って伸縮するように第2揺動脚21を駆動するために用いられる。選択可能に、第1伸縮モータは、第1リニアモータであり、選択可能に、第1伸縮モータは、リードスクリューナットにより直線伝動設計を実現するモータである。選択可能に、第2伸縮モータは、第2リニアモータであり、選択可能に、第2伸縮モータは、リードスクリューナットにより直線伝動設計を実現するモータである。
【0033】
1つの実施例では、複数の第1揺動脚11のそれぞれに対応する複数の第1伸縮モータは、連動して伸縮するかまたは独立して伸縮するように複数の第1揺動脚11を制御することをサポートする。選択可能に、複数の第2揺動脚21のそれぞれに対応する複数の第2伸縮モータは、連動して伸縮するかまたは独立して伸縮するように複数の第2揺動脚21を制御することをサポートする。
【0034】
1つの実施例では、第1揺動脚11は、第1メカニカル大腿部111と、第1メカニカル下腿部112とを含み、第1メカニカル大腿部111と第1メカニカル下腿部112とは、第1膝関節回転軸を介して回動接続される。第1膝関節回転軸は、第1メカニカル大腿部111と第1メカニカル下腿部112との間の夾角の増加または減少をサポートする。第2揺動脚21は、第2メカニカル大腿部211と、第2メカニカル下腿部212とを含み、第2メカニカル大腿部211と第2メカニカル下腿部212とは、第2膝関節回転軸を介して回動接続される。第2膝関節回転軸は、第2メカニカル大腿部211と第2メカニカル下腿部212との間の夾角の増加または減少をサポートする。
【0035】
1つの実施例では、第1揺動脚群10は、複数の第1揺動脚11を含み、第1揺動脚11は、第1脚部アセンブリと、第1脚部アセンブリの端部に位置する第1ホイール113とを含み、第2揺動脚群20は、複数の第2揺動脚21を含み、第2揺動脚21は、第2脚部アセンブリと、第2脚部アセンブリの端部に位置する第2ホイール213とを含む。選択可能に、第1ホイール113は、多方向の自由度を有するホイールであり、第1ホイール113は、任意の方向への回転をサポートする。選択可能に、第2ホイール213は、多方向の自由度を有するホイールであり、第2ホイール213は、任意の方向への回転をサポートする。
図1、
図2を結合して参照し、上記第1脚部アセンブリは、第1メカニカル大腿部111と、第1メカニカル下腿部112とを含み、上記第2脚部アセンブリは、第2メカニカル大腿部211と、第2メカニカル下腿部212とを含む。
【0036】
1つの実施例では、移動ロボットは、第1ホイール113に対応する第1駆動モータと、第2ホイール213に対応する第2駆動モータとをさらに含み、第1駆動モータは、第1ホイール113を回転するように駆動するために用いられ、第2駆動モータは、第2ホイール213を回転するように駆動するために用いられる。
【0037】
1つの実施例では、複数の第1揺動脚11のそれぞれに対応する複数の第1駆動モータは、連動して回転するかまたは独立して回転するように複数の第1ホイール113を制御することをサポートする。選択可能に、複数の第2揺動脚21のそれぞれに対応する複数の第2駆動モータは、連動して回転するかまたは独立して回転するように複数の第2ホイール213を制御することをサポートする。
【0038】
1つの実施例では、移動ロボットは、腰部構造30と、胴体構造40とをさらに含み、腰部構造30は、脚部構造と胴体構造40とを接続するために用いられ、脚部構造は、第1揺動脚群10と、第2揺動脚群20と、を含む。
【0039】
1つの実施例では、腰部構造30は、第1揺動脚群10の回転軸と平行であり、及び/または、第2揺動脚群20の回転軸と平行であるピッチ回転軸3を含む。例示的には、
図1、
図2を結合して参照し、ピッチ回転軸3は、第1股関節部回転軸1と(第2股関節部回転軸2と)平行である。ピッチ回転軸3は、胴体構造40に回動接続され、ピッチ回転軸3は、ピッチ操作を実行するように胴体構造40をサポートするために用いられる。
【0040】
1つの実施例では、腰部構造30は、第1揺動脚群10の回転軸と垂直であり、及び/または、第2揺動脚群20の回転軸と垂直である側方揺動回転軸4を含む。
図1、
図2を結合して参照し、側方揺動回転軸4は、第1股関節部回転軸1と(第2股関節部回転軸2と)垂直である。側方揺動回転軸4は、胴体構造40に回動接続され、側方揺動回転軸4は、側方揺動操作を実行するように胴体構造40をサポートするために用いられる。
【0041】
1つの実施例では、腰部構造30は、ピッチ回転軸3と、側方揺動回転軸4とを含む。ピッチ回転軸3は、第1揺動脚群10の回転軸と平行であり、及び/または、ピッチ回転軸3は、第2揺動脚群20の回転軸と平行である。
図1、
図2を結合して参照し、ピッチ回転軸3は、第1股関節部回転軸1と(第2股関節部回転軸2と)平行である。ピッチ回転軸3は、ピッチ操作を実行するように胴体構造40をサポートするために用いられる。側方揺動回転軸4は、ピッチ回転軸3と垂直であり、側方揺動回転軸4の第1端41は、ピッチ回転軸3の中心に接続され、側方揺動回転軸4の第2端42は、胴体構造40に接続され、側方揺動回転軸4は、側方揺動操作を実行するように胴体構造40をサポートするために用いられる。
【0042】
1つの実施例では、移動ロボットはさらに、少なくとも1つの操作アーム50を有し、
図1、
図2を結合して参照し、
図1、
図2は、移動ロボットが2つの操作アーム50を有し、2つの操作アーム50がロボットの中心軸に沿って対称的に配置されることを示す。
【0043】
選択可能に、操作アーム50は、移動ロボットの肩部回転軸5に接続され、肩部回転軸5は、操作アーム50が多方向の回転自由度を有するようにサポートするために用いられ、選択可能に、肩部回転軸5は、ロボット構造が許容する回動角度範囲内で操作アーム50の回動をサポートする。1つの実施例では、移動ロボットは、肩部回転軸5に対応する肩部駆動モータをさらに含み、肩部駆動モータは、操作アーム50を回転するように駆動するために用いられる。1つの実施例では、複数の肩部回転軸5のそれぞれに対応する複数の肩部駆動モータは、連動して回転するかまたは独立して回転するように複数の操作アーム50を制御することをサポートする。
【0044】
選択可能に、操作アーム50は、機械ブーム51と、機械アーム52とを含み、機械ブーム51と機械アーム52とは、肘関節回転軸6を介して接続され、肘関節回転軸6は、機械アーム52が多方向の回転自由度を有するようにサポートするために用いられ、選択可能に、肘関節回転軸6は、ロボット構造が許容する回動角度範囲内で機械アーム52の回動をサポートする。1つの実施例では、移動ロボットは、肘関節回転軸6に対応する肘関節駆動モータをさらに含み、肘関節駆動モータは、機械アーム52を回転するように駆動するために用いられる。1つの実施例では、複数の肘関節回転軸6のそれぞれに対応する複数の肘関節駆動モータは、連動して回転するかまたは独立して回転するように複数の機械アーム52を制御することをサポートする。
【0045】
1つの実施例では、機械アーム52の端部には、グリッパが接続されている。1つの実施例では、移動ロボットは、胴体構造40の上方に位置する頭部60をさらに有する。
【0046】
図3は、本願の1つの例示的な実施例が提供する移動ロボットの制御方法のフローチャートを示す。当該方法が
図1または
図2に示す移動ロボットのコントローラーによって実行されることを例にして説明し、移動ロボットのコントローラーは、移動ロボットの本体または外部に位置し、当該方法は、ステップ320~360を含む。
ステップ320、第1段差または第1支持面に位置するように第1揺動脚群を制御し、第2段差に位置するように第2揺動脚群を制御する。
【0047】
図3は、移動ロボットの階段の上り下り方法のフローチャートを示す。1つの実施例では、移動ロボットは、第1揺動脚群と、第2揺動脚群とを含み、第1揺動脚群は、複数の第1揺動脚を含み、及び/または、第2揺動脚群は、複数の第2揺動脚を含み、第1揺動脚群と第2揺動脚群とは並列配置され、それに、第1揺動脚群の回転軸と第2揺動脚群の回転軸とは、同一の垂直平面に位置する。第1揺動脚群及び第2揺動脚群のうちの少なくとも1つの揺動脚群は、複数の揺動脚を含み、選択可能に、第1揺動脚群は、複数の第1揺動脚を含み、第2揺動脚群は、1つの第2揺動脚を含み、または、第1揺動脚群は、1つの第1揺動脚を含み、第2揺動脚群は、複数の第2揺動脚を含み、または、第1揺動脚群は、複数の第1揺動脚を含み、第2揺動脚群は、複数の第2揺動脚を含む。
【0048】
1つの実施例では、第1揺動脚群は、複数の第1揺動脚を含み、第2揺動脚群は、複数の第2揺動脚を含み、複数の第1揺動脚は、それぞれ移動ロボットの中心軸両側に位置する少なくとも2つの第1揺動脚を含み、複数の第2揺動脚は、それぞれ移動ロボットの中心軸両側に位置する少なくとも2つの第2揺動脚を含み、これにより、移動ロボットの2つの揺動脚群が交互に階段を上り下りするときに転がり方向での安定を保持し、転がり方向のバランス問題を考慮する必要がなく、転がり方向は、走行方向と垂直な方向である。
【0049】
1つの実施例では、
図3は、階段上り時のロボットの制御方法を示し、
図3の方法は、移動ロボットの1つの完全な階段上りサイクルを示す。階段上りサイクルの初期状態では、第1揺動脚群は、第1段差または第1支持面に位置し、第2揺動脚群は、第2段差に位置し、第2段差は、第1段差及び第1支持面よりも高い。第1支持面は、ロボットが階段上りを開始する前に所在する基準面を指示する。
【0050】
なお、
図3に示す階段上りサイクルでは、第1揺動脚群の所在する初期段差(または初期支持面)は、第2揺動脚群の所在する初期段差よりも低く、同じ理由により、第2揺動脚群の所在する初期段差が第1揺動脚群の所在する初期段差よりも低いという同様の階段上りサイクルが得られる。
【0051】
1つの実施例では、
図3は、階段下り時のロボットの制御方法を示し、
図3の方法は、移動ロボットの1つの完全な階段下りサイクルを示す。階段下りサイクルの初期状態では、第1揺動脚群は、第1段差または第1支持面に位置し、第2揺動脚群は、第2段差に位置し、第2段差は、第1段差よりも低く、第2段差は、第1支持面よりも低い。第1支持面は、ロボットが階段下りを開始する前に所在する基準面である。
【0052】
なお、
図3に示す階段下りサイクルでは、第1揺動脚群の所在する初期段差(または初期支持面)は、第2揺動脚群の所在する初期段差よりも高く、同じ理由により、第2揺動脚群の所在する初期段差が第1揺動脚群の所在する初期段差よりも高いという同様の階段下りサイクルが得られる。
【0053】
ステップ340、第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように第1揺動脚群を制御する。
【0054】
1つの実施例では、
図3は、階段上り時のロボットの制御方法を示し、第2揺動脚群は、第2段差と接触し、第2揺動脚群は、第2段差に支持され、第1揺動脚群を揺動するように移動ロボットを制御し、第1揺動脚群を第1段差から第3段差まで揺動し、第3段差は、第2段差よりも高い段差である。
【0055】
1つの実施例では、
図3は、階段下り時のロボットの制御方法を示し、第2揺動脚群は、第2段差と接触し、第2揺動脚群は、第2段差に支持され、第1揺動脚群を揺動するように移動ロボットを制御し、第1揺動脚群を第1段差から第3段差まで揺動し、第3段差は、第2段差よりも低い段差である。
【0056】
いくつかの実施例では、第1揺動脚群を揺動する過程において、揺動動作を実行するように第1揺動脚群を制御するだけでなく、伸縮動作を実行するように第1揺動脚群を制御することも必要である。即ち、ステップ340は、第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで伸縮し揺動するように第1揺動脚群を制御するステップを含む。
【0057】
例示的には、第2揺動脚群を支持脚として、第1揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、第1揺動脚群を短縮し揺動するように制御し、その後、第1揺動脚群が第3段差に位置するまで、第1揺動脚群を伸長し揺動するように制御する。
【0058】
1つの実施例では、第1揺動脚群の第1揺動脚は、第1メカニカル大腿部と、第1メカニカル下腿部とを含み、第1メカニカル大腿部と第1メカニカル下腿部とは、スリーブ接続方式で接続され、スリーブ接続方式は、第1メカニカル大腿部をスリーブ接続方向に沿って伸縮すること、または第1メカニカル下腿部をスリーブ接続方向に沿って伸縮すること、または第1メカニカル大腿部、第1メカニカル下腿部をスリーブ接続方向に沿って伸縮することをサポートする。第1揺動脚群を揺動する過程において、第2揺動脚群を支持脚として、第1揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、第1揺動脚群を短縮し揺動するように制御する。その後、第1揺動脚群が第3段差に位置するまで、第1揺動脚群を伸長し揺動するように制御する。
【0059】
図4を結合して参照し、
図4は、階段上りの動作シーケンスを示し、
図4に示す階段上り方式は、準静的階段上りである。
図4の(A)部分は、第1揺動脚群10が第1段差F1に位置し、第2揺動脚群20が第2段差F2に位置することを示す。
図4の(A)部分と
図4の(C)部分とを結合して示すように、第1揺動脚群10は短縮した。
図4の(E)部分は、第1揺動脚群10が第3段差F3に位置し、第2揺動脚群20が第2段差F2に位置することを示す。
図4の(C)部分と
図4の(E)部分とを結合して示すように、第1揺動脚群10は伸長した。
【0060】
図5を結合して参照し、
図5は、別の階段上りの動作シーケンスを示す。
図5に示す階段上り方式は、静的階段上りである。
図5の(A)部分は、第1揺動脚群10が第1段差F1に位置し、第2揺動脚群20が第2段差F2に位置することを示す。
図5の(A)部分と
図5の(D)部分とを結合して示すように、第1揺動脚群10は短縮した。
図5の(E)部分は、第1揺動脚群10が第3段差F3に位置し、第2揺動脚群20が第2段差F2に位置することを示す。
図5の(D)部分と
図5の(E)部分とを結合して示すように、第1揺動脚群10は伸長した。
【0061】
別の実施例では、第1揺動脚群の第1揺動脚は、第1メカニカル大腿部と、第1メカニカル下腿部とを含み、第1メカニカル大腿部と第1メカニカル下腿部とは、第1膝関節回転軸を介して接続され、膝関節回転軸は、第1メカニカル大腿部と第1メカニカル下腿部との間の夾角の増加または減少をサポートする。第1揺動脚群を揺動する過程において、第2揺動脚群を支持脚として、第1揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、第1揺動脚群を湾曲し揺動するように制御する。その後、第1揺動脚群が第3段差に位置するまで、第1揺動脚群を伸びきって揺動するように制御する。
【0062】
ステップ360、第1揺動脚群を支持脚として、第4段差まで揺動するように第2揺動脚群を制御する。
【0063】
1つの実施例では、
図3は、階段上り時のロボットの制御方法を示す。上記ステップ340は、階段上りの動作過程において、第2揺動脚群を支持脚として、第1揺動脚群を揺動する過程を紹介した。ステップ360は、階段上りの動作過程において、第1揺動脚群を支持脚として、第2揺動脚群を揺動する過程として類似して実現する。ステップ360の揺動過程において、第1揺動脚群は、第3段差と接触し、第1揺動脚群は、第3段差に支持され、第2揺動脚群を揺動するように移動ロボットを制御し、第2揺動脚群を第2段差から第4段差まで揺動し、第4段差は第3段差よりも高い。
【0064】
1つの実施例では、
図3は、階段下り時のロボットの制御方法を示し。上記ステップ340は、階段下りの動作過程において、第2揺動脚群を支持脚として、第1揺動脚群を揺動する過程を紹介した。ステップ360は、階段下りの動作過程において、第1揺動脚群を支持脚として、第2揺動脚群を揺動する過程として類似して実現する。ステップ360の揺動過程において、第1揺動脚群は、第3段差と接触し、第1揺動脚群は、第3段差に支持され、第2揺動脚群を揺動するように移動ロボットを制御し、第2揺動脚群を第2段差から第4段差まで揺動し、第4段差は第3段差よりも低い。
【0065】
いくつかの実施例では、第2揺動脚群を揺動する過程において、揺動動作を実行するように第2揺動脚群を制御するだけでなく、伸縮動作を実行するように第2揺動脚群を制御することも必要である。即ち、ステップ360は、第1揺動脚群を支持脚として、第2揺動脚群を第3段差まで伸縮し揺動するように制御するステップを含む。
【0066】
例示的には、第1揺動脚群を支持脚として、第2揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、第2揺動脚群を短縮し揺動するように制御し、第2揺動脚群が第4段差に位置するまで、第2揺動脚群を伸長し揺動するように制御する。
【0067】
1つの実施例では、第2揺動脚群の第2揺動脚は、第2メカニカル大腿部と、第2メカニカル下腿部とを含み、第2メカニカル大腿部と第2メカニカル下腿部とは、スリーブ接続方式で接続され、スリーブ接続方式は、第2メカニカル大腿部をスリーブ接続方向に沿って伸縮すること、または、第2メカニカル下腿部をスリーブ接続方向に沿って伸縮すること、または第2メカニカル大腿部、第2メカニカル下腿部をスリーブ接続方向に沿って伸縮することをサポートする。第2揺動脚群を揺動する過程において、第1揺動脚群を支持脚として、第2揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、第2揺動脚群を短縮し揺動するように制御する。その後、第2揺動脚群が第4段差に位置するまで、第2揺動脚群を伸長し揺動するように制御する。
【0068】
別の実施例では、第2揺動脚群の第2揺動脚は、第2メカニカル大腿部と、第2メカニカル下腿部とを含み、第2メカニカル大腿部と第2メカニカル下腿部とは、第2膝関節回転軸を介して接続され、膝関節回転軸は、第2メカニカル大腿部と第2メカニカル下腿部との間の夾角の増加または減少をサポートする。第2揺動脚群を揺動する過程において、第1揺動脚群を支持脚として、第2揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、第2揺動脚群を湾曲し揺動するように制御する。その後、第2揺動脚群が第4段差に位置するまで、第2揺動脚群を伸びきって揺動するように制御する。
【0069】
上述のように、2つの揺動脚群(2つの揺動脚群には、複数の揺動脚を含む揺動脚群が少なくとも1つ存在する)が交互に階段を上り下りすることにより、移動ロボットの階段の上り下り解決策を提供する。当該解決策では、移動ロボットの安全性が高く、階段の上り下りの実現の難易度が低く、ロボットは大きな安定余裕を持ち、実機の実現のリスクを低減できる。
【0070】
それに、第1揺動脚群の複数の第1揺動脚が、それぞれ移動ロボットの中心軸両側に位置する少なくとも2つの第1揺動脚を含み、第2揺動脚群の複数の第2揺動脚が、それぞれ移動ロボットの中心軸両側に位置する少なくとも2つの第2揺動脚を含む場合、移動ロボットの階段を上り下りする時の転がり方向に沿ったバランスを保証し、転がり方向のバランスは、追加のアルゴリズムによって制御する必要がなく、転がり方向は、移動ロボットの走行方向と垂直な方向である。
【0071】
それに、2つの揺動脚群が交互に階段を上り下りする過程において、脚部の伸縮がさらに発生し、脚部伸縮機能を有するロボットの階段の上り下り解決策を提供する。
【0072】
図3に基づいて示す選択可能な実施例では、移動ロボットの階段上り方式のみを考慮する場合である。移動ロボットの階段上り方式は、さらに準静的階段上りと静的階段上りとの方式に分けることができる。
図4に示す階段上りの動作シーケンスは、準静的階段上りの動作シーケンスであり、
図5に示す階段上りの動作シーケンスは、静的階段上りの動作シーケンスである。
【0073】
準静的階段上りとは、階段上りの過程中の各時点において、移動ロボット全体の重心が地面支持領域内にあるか、または移動ロボット全体の重心が支持領域から十分に小さく外れることを意味し、この場合、各時点におけるロボットの全体姿勢はいずれも、バランス状態を保持できるか、または一定の方法によっていつでもバランス状態に回復できる。
【0074】
静的階段上りとは、階段上りの過程中の各時点において、移動ロボット全体の重心が地面支持領域内にあることを意味し、各時点におけるロボットの全体姿勢は、静止状態では、任意の他の条件が必要なく、バランス状態を保持できる。
【0075】
準静的階段上り:
図3に基づいて示す選択可能な実施例では、
図6は、移動ロボットの準静的階段上りの方法のフローチャートを示す。当該方法が
図1または
図2に示す移動ロボットのコントローラーによって実行されることを例にして説明し、移動ロボットのコントローラーは、移動ロボットの本体または外部に位置する。
図6に示す方法は、ステップ610~650を含む。
ステップ610、第1段差に位置するように第1揺動脚群を制御し、第2段差に位置するように第2揺動脚群を制御し、第2段差は第1段差よりも高く、または、第1支持面に位置するように第1揺動脚群を制御し、第2段差に位置するように第2揺動脚群を制御し、第2段差は第1支持面よりも高い。
【0076】
図6に示す準静的階段上りの過程において、第1段差と第2段差は隣接する段差であり、第2揺動脚群は、第2段差に位置するときに第3段差の側壁と接触しない。即ち、準静的階段上りの過程において、第2揺動脚は、第3段差に支持されず、第2揺動脚群は、第3段差からの支持力を受けず、第2揺動脚群は、第2段差からの支持力のみを受ける。
【0077】
図4を結合して参照し、
図4の(A)部分は、第1揺動脚群10が第1段差F1に位置し、第2揺動脚群20が第2段差F2に位置し、第2段差F2が第1段差F1よりも高いことを示す。この場合、第2揺動脚群20は第3段差F3と接触していない。
【0078】
ステップ620、移動ロボットの重心投影が第2揺動脚群と第2段差との接触領域に位置するまで、移動ロボットを前傾するように制御する。
【0079】
図4を結合して参照し、移動ロボットが前傾した後、
図4の(B)部分は、第1揺動脚群10が第1段差F1に位置し、第2揺動脚群20が第2段差F2に位置し、移動ロボットの重心投影が第2揺動脚群20と第2段差F2との接触領域に位置することを示す。
【0080】
図4において、塗りつぶされていない円形で移動ロボットの各々の部位の重心を示し、黒色で塗りつぶされた円形で移動ロボットの全体重心を示す。
図4は、移動ロボットの上半身、大腿部、下腿部の重心をそれぞれ塗りつぶされていない円形で示す。移動ロボットの全体重心は、以下の式で表すことができる。
【0081】
なお、cは移動ロボットの総重心であり、m
iは移動ロボットの各部分の質量であり、c
iは移動ロボットの各部分の重心であり、iは正の整数である。観察して得られるように、
図4の(B)部分は、このとき移動ロボットの重心投影が第2揺動脚群20と第2段差F2との接触領域に位置することを示す。
【0082】
1つの実施例では、第2揺動脚群は、複数の第2揺動脚を含み、第2揺動脚は、第2脚部アセンブリと、第2ホイールとを含み、各第2ホイールは、第2段差との間が点接触であり、複数の第2ホイールは、第2段差と線接触を構成する。従って、第2揺動脚群と第2段差との接触領域は接触線である。
【0083】
1つの実施例では、移動ロボットを前傾するように制御する過程において、移動ロボットの重心投影が常に第2揺動脚群と第2段差との接触点と、第1揺動脚群と第1段差との接触点と、で囲まれた幾何学的図形内に収まるように保持する必要がある。幾何学的図形の範囲が大きいため、移動ロボットの前傾速度が遅く保証される限り、追加の制御を行う必要がない。しかしながら、移動ロボットの重心投影が変化する場合、即ち、移動ロボットが前傾を開始する際に加速度を有することになり、この場合、移動ロボットが不安定になる可能性があるため、依然として移動ロボットの安定を保証する制御方法を設置する必要がある。詳しくは、以下の第1制御方法の関連紹介を参照する。
【0084】
ステップ630、第2揺動脚群を支持脚として、第1揺動脚群を第3段差まで揺動するように制御し、第3段差は第2段差よりも高い。
【0085】
図6に示す準静的階段上りの過程において、第2段差と第3段差は隣接する段差である。
図4を結合して参照し、
図4の(C)(D)(E)部分は、第2揺動脚群20を支持脚として、第1揺動脚群10を第3段差F3まで揺動するように制御する過程を示す。
【0086】
第1揺動脚群が第1段差から離間した後、移動ロボットの重心が常に第2揺動脚群と第2段差との接触領域に保持されるように制御する必要があり、第2揺動脚群は、複数の第2揺動脚を含み、第2揺動脚は、第2脚部アセンブリと、第2ホイールとを含み、各第2ホイールは、第2段差との間が点接触であり、複数の第2ホイールは、第2段差と線接触を構成する。従って、第2揺動脚群と第2段差との接触領域は接触線である。
【0087】
1つの実施例では、第1揺動脚群を第3段差まで揺動するように制御する過程において、第1揺動脚群が重力方向と平行になるまで移動ロボットを前傾するように制御し、その後、第1揺動脚群が第3段差まで揺動するまで移動ロボットを後傾するように制御する。
図4を結合して参照し、
図4の(C)部分は、移動ロボットが前傾状態にあることを示す。
図4の(E)部分は、移動ロボットが後傾状態にあることを示す。詳しくは、以下の第2制御方法の関連紹介を参照する。
【0088】
ステップ640、移動ロボットの重心投影が第1揺動脚群と第3段差との接触領域に位置するまで、移動ロボットを前傾するように制御する。
【0089】
上記ステップ620及びステップ630は、階段上りの動作過程において、第2揺動脚群を支持脚として、第1揺動脚群を揺動する関連ステップを紹介した。ステップ640及びステップ650は、階段上りの動作過程において、第1揺動脚群を支持脚として、第2揺動脚群を揺動する関連ステップとして類似して実現する。
【0090】
図4は、階段上り動作の半分のサイクルのみを示し、同じ理由により、類似する後半のサイクルが得られ、後半のサイクルでは、第2揺動脚群を揺動し、ステップ640について、上記ステップ620の紹介を参照可能である。
【0091】
1つの実施例では、第1揺動脚群は、複数の第1揺動脚を含み、第1揺動脚は、第1脚部アセンブリと、第1ホイールとを含み、各第1ホイールは、第3段差との間が点接触であり、複数の第1ホイールは、第3段差と線接触を構成する。従って、第1揺動脚群と第3段差との接触領域は接触線である。
【0092】
1つの実施例では、移動ロボットを前傾するように制御する過程において、移動ロボットの重心投影が常に第2揺動脚群と第2段差との接触点と、第1揺動脚群と第3段差との接触点と、で囲まれた幾何学的図形内に収まるように保持する必要がある。幾何学的図形の範囲が大きいため、移動ロボットの前傾速度が遅く保証される限り、追加の制御を行う必要がない。しかしながら、移動ロボットの重心投影が変化する場合、即ち、移動ロボットが前傾を開始する際に加速度を有することになり、この場合、移動ロボットが不安定になる可能性があるため、依然として移動ロボットの安定を保証する制御方法を設置する必要がある。詳しくは、以下の第1制御方法の関連紹介を参照する。
【0093】
ステップ650、第1揺動脚群を支持脚として、第2揺動脚群を第4段差まで揺動するように制御し、第4段差は第3段差よりも高い。
【0094】
図6に示す準静的階段上りの過程において、第3段差と第4段差は隣接する段差である。
【0095】
第2揺動脚群が第2段差から離間した後、移動ロボットの重心が常に第1揺動脚群と第3段差との接触領域に保持されるように制御する必要があり、第1揺動脚群は、複数の第1揺動脚を含み、第1揺動脚は、第1脚部アセンブリと、第1ホイールとを含み、各第1ホイールは、第3段差との間が点接触であり、複数の第1ホイールは、第3段差と線接触を構成する。従って、第2揺動脚群と第2段差との接触領域は接触線である。
【0096】
1つの実施例では、第2揺動脚群を第4段差まで揺動するように制御する過程において、第2揺動脚群が重力方向と平行になるまで移動ロボットを前傾するように制御し、その後、第2揺動脚群が第4段差まで揺動するまで移動ロボットを後傾するように制御する。詳しくは、以下の第2制御方法の関連紹介を参照する。
【0097】
同じ理由により、ステップ650は類似して、上記ステップ630の紹介を参照可能である。
【0098】
上述のように、上記解決策は、準静的階段上りの解決策を提供し、脚を揺動して階段を上る前に、先にロボットの重心投影を支持脚と段差との接触領域に移動し、ロボットの重心の移転解決策を提供し、これにより、ロボットは、安定して階段を上り続けることができる。
【0099】
図6に基づいて示す選択可能な実施例では、準静的階段上りの過程は、以下の2種の制御方法のうちの少なくとも1種をさらに含む。第1種の制御方法は、移動ロボットの第1揺動脚群及び第2揺動脚群がいずれも段差と接触するときに、ロボットの重心移動過程における安定性を保証する。第2種の制御方法は、移動ロボットの1つのみの揺動脚群が段差と接触するときに、移動ロボットを前傾するように制御する。
【0100】
第1種の制御方法について、第1揺動脚群の第1揺動脚の端部は第1ホイールを含み、第2揺動脚群の第2揺動脚の端部は第2ホイールを含む。
図6に基づいて示す選択可能な実施例では、ステップ620は、移動ロボットの重心投影が第2揺動脚群と第2段差との接触領域に位置するまで、移動ロボットを前傾するように制御し、第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイール及び第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、移動ロボットの水平位置及び垂直高さが変化しないように制御するステップに置き換えられてもよい。
【0101】
具体的には、第1揺動脚群の段差接触力が第2揺動脚群の段差接触力よりも小さいまで、第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、第1揺動脚群が水平移動せず第2揺動脚群が垂直移動しないように制御する。移動ロボットの重心投影が第2揺動脚群と第2段差との接触領域に位置するまで、第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、第2揺動脚群が水平移動せず第1揺動脚群が垂直移動しないように制御する。段差接触力とは、段差から受ける支持力を意味する。
【0102】
例示的には、
図7を結合して参照し、
図7の(A)部分は、第1揺動脚群の段差接触力が第2揺動脚群の段差接触力よりも大きいという状況、即ち、少なくとも1つの第1ホイールの段差接触力が少なくとも1つの第2ホイールの段差接触力よりも大きいという状況を示し、この場合、第1ホイールは後輪(back)であり、第2ホイールは前輪(front)であり、即ち、
図7の(A)部分は、後輪の段差接触力が前輪の段差接触力よりも大きいという状況を示し、
として示される。
【0103】
図8を結合して参照し、
図8は、第1制御分岐81を示し、第1制御分岐81は、後輪の段差接触力が前輪の段差接触力よりも大きいという状況である。第1制御分岐81では、
各々の制御量の実際の値と所望の値との偏差を算出し、この偏差をPDコントローラー801に送信し、PDコントローラー801によって後輪トルクを算出し、後輪トルクをダイナミックシミュレータ802に送信し、ダイナミックシミュレータ802によって移動ロボットの後輪を駆動する。
【0104】
例示的には、
図7を結合して参照し、
図7の(B)部分は、第1揺動脚群の段差接触力が第2揺動脚群の段差接触力よりも小さいという状況、即ち、少なくとも1つの第1ホイールの段差接触力が少なくとも1つの第2ホイールの段差接触力よりも小さいという状況を示し、この場合、第1ホイールは後輪(back)であり、第2ホイールは前輪(front)であり、即ち、
図7の(B)部分は、後輪の段差接触力が前輪の段差接触力よりも小さいという状況を示し、
として示される。
【0105】
図8を結合して参照し、
図8は、第2制御分岐82を示し、第2制御分岐82は、後輪の段差接触力が前輪の段差接触力よりも小さいという状況である。第2制御分岐82では、
各々の制御量の実際の値と所望の値との偏差を算出し、この偏差をPDコントローラー801に送信し、PDコントローラー801によって前輪トルクを算出し、前輪トルクをダイナミックシミュレータ802に送信し、ダイナミックシミュレータ802によって移動ロボットの前輪を駆動する。
【0106】
図6に基づいて示す選択可能な実施例では、ステップ640は、移動ロボットの重心投影が第1揺動脚群と第3段差との接触範囲に位置するまで、移動ロボットを前傾するように制御し、第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイール及び第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、移動ロボットの水平位置及び垂直高さが変化しないように制御するステップに置き換えられてもよい。
【0107】
具体的には、第2揺動脚群の段差接触力が第1揺動脚群の段差接触力よりも小さいまで、第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、第2揺動脚群が水平移動せず第1揺動脚群が垂直移動しないように制御し、移動ロボットの重心投影が第1揺動脚群と第3段差との接触領域に位置するまで、第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、第1揺動脚群が水平移動せず第2揺動脚群が垂直移動しないように制御する。段差接触力とは、段差から受ける支持力を意味する。
【0108】
例示的には、
図7を結合して参照し、
図7の(A)部分は、第2揺動脚群の段差接触力が第1揺動脚群の段差接触力よりも大きいという状況、即ち、少なくとも1つの第2ホイールの段差接触力が少なくとも1つの第1ホイールの段差接触力よりも大きいという状況を示し、この場合、第2ホイールは後輪(back)であり、第1ホイールは前輪(front)であり、即ち、
図7の(A)部分は、後輪の段差接触力が前輪の段差接触力よりも大きいという状況を示し、
として示される。
【0109】
図8を結合して参照し、
図8は、第1制御分岐81を示し、第1制御分岐81は、後輪の段差接触力が前輪の段差接触力よりも大きいという状況である。第1制御分岐81では、
各々の制御量の実際の値と所望の値との偏差を算出し、この偏差をPDコントローラー801に送信し、PDコントローラー801によって後輪トルクを算出し、後輪トルクをダイナミックシミュレータ802に送信し、ダイナミックシミュレータ802によって移動ロボットの後輪を駆動する。
【0110】
例示的には、
図7を結合して参照し、
図7の(B)部分は、第2揺動脚群の段差接触力が第1揺動脚群の段差接触力よりも大きいという状況(即ち、少なくとも1つの第2ホイールの段差接触力が少なくとも1つの第1ホイールの段差接触力よりも小さいという状況)を示し、この場合、第2ホイールは後輪(back)であり、第1ホイールは前輪(front)であり、即ち、
図7の(B)部分は、後輪の段差接触力が前輪の段差接触力よりも小さいという状況を示し、
として示される。
【0111】
図8を結合して参照し、
図8は、第2制御分岐82を示し、第2制御分岐82は、後輪の段差接触力が前輪の段差接触力よりも小さいという状況である。第2制御分岐82では、
各々の制御量の実際の値と所望の値との偏差を算出し、この偏差をPDコントローラー801に送信し、PDコントローラー801によって前輪トルクを算出し、前輪トルクをダイナミックシミュレータ802に送信し、ダイナミックシミュレータ802によって移動ロボットの前輪を駆動する。
【0112】
上述のように、脚を揺動して階段を上る前に、まずロボットの重心投影を支持脚と段差との接触領域に移動する必要があり、上記解決策は制御方法を提供し、これにより、重心の移転過程において、ロボットは安定に保つことができる。それに、上記方法は、脚部の端部がホイールであるロボットに適用され、ホイールは段差面と点接触であり、複数のホイールは段差面と線接触を構成し、上記は、段差と線接触を構成するロボットが重心の移転過程において安定に保つことができるという解決策を提供する。
【0113】
第2種の制御方法について、
図6に基づいて示す選択可能な実施例では、ステップ630は、第1揺動脚群を第3段差まで揺動するように制御する過程において、第1揺動脚群が重力方向と平行になるまで移動ロボットを前傾するように制御し、第1揺動脚群が第3段差まで揺動するまで移動ロボットを後傾するように制御するステップをさらに含む。
【0114】
1つの実施例では、第1揺動脚群の第1揺動脚の端部は第1ホイールを含み、第2揺動脚群の第2揺動脚の端部は第2ホイールを含む。ステップ630は、第2揺動脚群を支持脚として、第1揺動脚群を第3段差まで揺動するように制御するステップである。第1揺動脚群を第3段差まで揺動するように制御する過程において、第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動することにより、第1揺動脚群が重力方向と平行になるまで移動ロボットを前傾するように制御し、第1揺動脚群が第3段差まで揺動するまで移動ロボットを後傾するように制御する。
【0115】
図9を結合して参照し、
図9の(A)部分は、第1揺動脚群を揺動する過程における第2ホイールの制御量、即ち、夾角θ(移動ロボットの傾斜角度)、夾角θの1階微分(図示せず)、ロボット位置(図示せず)、及びロボット速度(図示せず)を示す。第1揺動脚群を揺動する過程において、夾角θを検出し、夾角θを制御量として、第2ホイールを駆動するように制御する。
【0116】
図9の(B)部分は、夾角θの制御方法を示す。
この2つの制御量の実際の値と所望の値との偏差を算出し、偏差をPIコントローラー901に送信し、PIコントローラー901は、
偏差をPDコントローラー902に送信し、PDコントローラー902は、第2ホイールのトルクτを算出し、トルクτをダイナミックシミュレータ903に送信し、ダイナミックシミュレータ903は、移動ロボットの第2ホイールを駆動する。
【0117】
図6に基づいて示す選択可能な実施例では、ステップ650は、第4段差まで揺動するように第2揺動脚群を制御する過程において、第2揺動脚群が重力方向と平行になるまで移動ロボットを前傾するように制御し、第2揺動脚群が第4段差まで揺動するまで移動ロボットを後傾するように制御するステップをさらに含む。
【0118】
1つの実施例では、第1揺動脚の端部は第1ホイールを含み、第2揺動脚の端部は第2ホイールを含む。ステップ650は、第1揺動脚群を支持脚として、第2揺動脚群を第4段差まで揺動するように制御するステップである。第2揺動脚群を第4段差まで揺動するように制御する過程において、第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動することにより、第2揺動脚群が重力方向と平行になるまで移動ロボットを前傾するように制御し、第2揺動脚群が第4段差まで揺動するまで移動ロボットを後傾するように制御する。
【0119】
図9を結合して参照し、
図9の(A)部分は、第2揺動脚群を揺動する過程における第1ホイールの制御量、即ち、夾角θ(移動ロボットの傾斜角度)、夾角θの1階微分(図示せず)、ロボット位置(図示せず)、及びロボット速度(図示せず)を示す。第2揺動脚群を揺動する過程において、夾角θを検出し、夾角θを制御量として、第1ホイールを駆動するように制御する。
【0120】
図9の(B)部分は、夾角θの制御方法を示す。
この2つの制御量の実際の値と所望の値との偏差を算出し、偏差をPIコントローラー901に送信し、PIコントローラー901は、
偏差をPDコントローラー902に送信し、PDコントローラーは、第1ホイールのトルクτを算出し、トルクτをダイナミックシミュレータ903に送信し、ダイナミックシミュレータ903は、移動ロボットの第1ホイールを駆動する。
【0121】
上述のように、上記方法は、ロボットの制御方法を提供し、脚を揺動して階段を上るようにロボットを制御する過程において、移動ロボットの傾斜角度を検出し制御することにより、階段上りの過程においてロボットは安定に保つことができる。上記方法は、脚部の端部がホイールであるロボットに適用され、ホイールは段差面と点接触であり、複数のホイールは段差面と線接触を構成し、上記は、段差と線接触を構成するロボットの準静的階段上りの制御方法を提供する。
【0122】
静的階段上りについて、
図10は、移動ロボットの静的階段上りの方法のフローチャートを示す。当該方法が
図1または
図2に示す移動ロボットのコントローラーによって実行されることを例にして説明し、移動ロボットのコントローラーは、移動ロボットの本体または外部に位置する。
図10に示す方法は、ステップ1001~1005を含む。
ステップ1001、第1段差に位置するように第1揺動脚群を制御し、第2段差に位置するように第2揺動脚群を制御し、第2段差は第1段差よりも高く、または、第1支持面に位置するように第1揺動脚群を制御し、第2段差に位置するように第2揺動脚群を制御し、第2段差は第1支持面よりも高い。
【0123】
図10に示す静的階段上りの過程において、第1段差と前記第2段差は隣接する段差であり、第2段差と第3段差は隣接する段差であり、第3段差と第4段差は隣接する段差である。第2揺動脚群は、第2段差に位置するときに第3段差の側壁と接触する。即ち、静的階段上りの過程において、第2揺動脚は、第2段差と第3段差に同時に支持される。第2揺動脚群は、第2段差、第3段差からの支持力を同時に受ける。
【0124】
図5を結合して参照し、
図5の(A)部分は、第1揺動脚群10が第1段差F1に位置し、第2揺動脚群20が第2段差F2に位置し、第2段差F2が第1段差F1よりも高いことを示す。この場合、第2揺動脚群20は第3段差F3の側壁と接触する。
【0125】
ステップ1002、移動ロボットの重心投影が第2段差上の第2揺動脚群の落下点と第3段差の側壁投影とで囲まれた安定領域に入るまで、移動ロボットを前傾するように制御する。
【0126】
図5を結合して参照し、移動ロボットが前傾した後、
図5の(B)部分は、第1揺動脚群10が第1段差F1に位置し、第2揺動脚群20が第2段差F2に位置し、移動ロボットの重心投影が第2揺動脚群20と第2段差F2との接触領域のやや前方に位置することを示す。移動ロボットの重心投影は、第2揺動脚群20と第3段差F3の側壁とで構成された安定領域に入る。安定領域とは、第2揺動脚群の落下点と第3段差の側壁投影とで囲まれた領域を意味する。第2揺動脚は、第2脚部アセンブリと、第2ホイールとを含み、安定領域は、複数の第2ホイールの円心投影と第3段差の側壁とで囲まれた領域を含む。
【0127】
図5において、塗りつぶされていない円形で移動ロボットの各々の部位の重心を示し、黒色で塗りつぶされた円形で移動ロボットの全体重心を示す。
図5は、移動ロボットの上半身、大腿部、下腿部の重心をそれぞれ塗りつぶされていない円形で示す。移動ロボットの全体重心は、以下の式で表すことができる。
【0128】
なお、cは移動ロボットの総重心であり、m
iは移動ロボットの各部分の質量であり、c
iは移動ロボットの各部分の重心であり、iは正の整数である。観察して得られるように、
図5の(B)部分は、このとき移動ロボットの重心投影が第2揺動脚群20と第2段差F2との接触領域のやや前方に位置することを示す。
【0129】
1つの実施例では、第2揺動脚群は、複数の第2揺動脚を含み、第2揺動脚は、第2脚部アセンブリと、第2ホイールとを含み、各第2ホイールは、第2段差との間が点接触であり、複数の第2ホイールは、第2段差と線接触を構成する。従って、第2揺動脚群と第2段差との接触領域は接触線である。
【0130】
ステップ1003、第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように第1揺動脚群を制御し、第3段差は第2段差よりも高い。
【0131】
図5を結合して参照し、
図4の(C)(D)(E)部分は、第2揺動脚群20を支持脚として、第1揺動脚群10を第3段差F3まで揺動するように制御する過程を示す。
【0132】
移動ロボットの重心が安定領域内に保持されていれば、転倒することはないため、追加の制御アルゴリズムを必要としない。ここが、静的階段上りと前述の準静的階段上りとの最大の違いである。
【0133】
ステップ1004、移動ロボットの重心投影が第3段差上の第1揺動脚群の落下点と第4段差の側壁投影とで囲まれた安定領域に入るまで、移動ロボットを前傾するように制御する。
【0134】
上記ステップ1002及びステップ1003は、階段上りの動作過程において、第2揺動脚群を支持脚として、第1揺動脚群を揺動する関連ステップを紹介した。ステップ1004及びステップ1005は、階段上りの動作過程において、第1揺動脚群を支持脚として、第2揺動脚群を揺動する関連ステップとして類似して実現する。
【0135】
図5は、階段上り動作の半分のサイクルのみを示し、同じ理由により、類似する後半のサイクルが得られ、後半のサイクルでは、第2揺動脚群を揺動し、ステップ1004について、上記ステップ1002の紹介を参照可能である。
【0136】
移動ロボットの重心投影は、第1揺動脚群と第4段差の側壁とで構成された安定領域に入る。安定領域とは、第1揺動脚群の落下点と第4段差の側壁投影とで囲まれた領域を意味する。第1揺動脚は、第1脚部アセンブリと、第1ホイールとを含み、安定領域は、複数の第1ホイールの円心投影と第4段差の側壁とで囲まれた領域を含む。
【0137】
1つの実施例では、第1揺動脚群は、複数の第1揺動脚を含み、第1揺動脚は、第1脚部アセンブリと、第1ホイールとを含み、各第1ホイールは、第3段差との間が点接触であり、複数の第1ホイールは、第3段差と線接触を構成する。従って、第1揺動脚群と第3段差との接触領域は接触線である。
【0138】
ステップ1005、第1揺動脚群を支持脚として、第4段差まで揺動するように第2揺動脚群を制御し、第4段差は第3段差よりも高い。
【0139】
第1揺動脚群を支持脚として、第4段差まで揺動するように第2揺動脚群を制御する。移動ロボットの重心が安定範囲内に保持されていれば、転倒することはないため、追加の制御アルゴリズムを必要としない。ここが、静的階段上りと前述の準静的階段上りとの最大の違いである。
【0140】
上述のように、上記解決策は、静的階段上りの解決策を提供し、脚を揺動して階段を上る前に、まずロボットの重心投影を支持脚と高段段差の側壁とで構成された安定領域に移動し、ロボットの重心の移転解決策を提供し、これにより、ロボットは、安定して階段を上り続けることができる。
【0141】
それに、上記方法は、脚部の端部がホイールであるロボットに適用され、ホイールは段差面と点接触であり、複数のホイールは段差面と線接触を構成し、上記は、段差と線接触を構成するロボットの静的階段上りの制御方法を提供する。静的階段上りの過程においてロボットの傾斜角を検出する必要がなく、ホイールモータに逆トルクを与える必要もなく、重心投影をホイールと段差の側壁とで構成された安定領域に収まるだけでよい。
【0142】
図10に基づいて示す選択可能な実施例では、ステップ1003は、第3段差まで揺動するように第1揺動脚群を制御する過程において、移動ロボットの受ける力が第1安定条件を満たすことを目標として、第2揺動脚群が常に第3段差に支持されるように制御するステップをさらに含む。
【0143】
1つの実施例では、第2揺動脚群の第2揺動脚の端部は第2ホイールを含み、第2ホイールは第2半径を有し、第2揺動脚群は、少なくとも1つの第2ホイールを介して第3段差に支持される。第1安定条件は、
(1)第2支持力と第1摩擦力との和はゼロであり、第2支持力は、第3段差の側壁からの支持力であり、第1摩擦力は、第2段差の段差面からの摩擦力であり、第2支持力と第1摩擦力は逆方向であることと、(2)第1支持力、第2摩擦力、移動ロボットの重力の和はゼロであり、第1支持力は、第2段差の段差面からの支持力であり、第2摩擦力は、第3段差の側壁からの摩擦力であり、第1支持力と第2摩擦力は方向が同じであり、第2摩擦力と第2支持力との比の値は摩擦係数以下であり、第1摩擦力と第1支持力との比の値は摩擦係数以下であることと、(3)第2支持力と第2半径との積は、第2摩擦力と第2半径との積と、移動ロボットの重力と前傾距離との積と、の和の値に等しく、前傾距離は、移動ロボットの重心と第2ホイールの円心との水平距離であることと、(4)第1支持力と第2半径との積は、第1摩擦力と第2半径との積と、移動ロボットの重力と残り距離との積と、の和の値に等しく、残り距離と前傾距離との和の値は第2半径であることと、を含む。
【0144】
第1安定条件は、移動ロボットが第2揺動脚群を揺動するときに満たす必要がある安定条件である。
図11を結合して参照し、
図11は、移動ロボットの力の解析の概略図を示す。
図11において、T
wは第2ホイールのトルクであり、
Gは移動ロボットの重力であり、Rは第2ホイールの半径であり、bは移動ロボットの前傾距離であり、bは移動ロボットの重心と第2ホイールの円心との水平距離である。μは段差の摩擦係数である。上記第1安定条件は、次の式に示される。
【0145】
例示的には、第2ホイール半径R=82.5mm、摩擦係数μ=0.5の場合、バランス条件は、b=0mm~49.5mmである。第2ホイール半径R=82.5mm、μ=0.8の場合、b=0mm~72.5mmである。従って、移動ロボットの重心の有効安定範囲は、ホイール半径Rよりも小さく、かつ摩擦係数の影響を受ける。
【0146】
図10に基づいて示す選択可能な実施例では、ステップ1005は、第4段差まで揺動するように第2揺動脚群を制御する過程において、移動ロボットの受ける力が第2安定条件を満たすことを目標として、第1揺動脚群が常に第4段差に支持されるように制御するステップをさらに含む。
【0147】
1つの実施例では、第1揺動脚群の第1揺動脚の端部は第1ホイールを含み、第1ホイールは第1半径を有し、第1揺動脚群は、少なくとも1つの第1ホイールを介して第3段差に支持される。第2安定条件は、
(1)第4支持力と第3摩擦力との和はゼロであり、第4支持力は、第4段差の側壁からの支持力であり、第3摩擦力は、第3段差の段差面からの摩擦力であり、第4支持力と第3摩擦力は逆方向であることと、(2)第3支持力、第4摩擦力、移動ロボットの重力の和はゼロであり、第3支持力は、第3段差の段差面からの支持力であり、第4摩擦力は、第4段差の側壁からの摩擦力であり、第3支持力と第4摩擦力は方向が同じであり、第4摩擦力と第4支持力との比の値は摩擦係数以下であり、第3摩擦力と第3支持力との比の値は摩擦係数以下であることと、(3)第4支持力と第1半径との積は、第4摩擦力と第1半径との積と、移動ロボットの重力と前傾距離との積と、の和の値に等しく、前傾距離は、移動ロボットの重心と第1ホイールの円心との水平距離であることと、(4)第3支持力と第1半径との積は、第3摩擦力と第1半径との積と、移動ロボットの重力と残り距離との積と、の和の値に等しく、残り距離と前傾距離との和の値は第1半径であることと、を含む。
【0148】
第2安定条件は、移動ロボットが第1揺動脚群を揺動するときに満たす必要がある安定条件である。
図11を結合して参照し、
図11は、移動ロボットの力の解析の概略図を示す。
図11において、T
wは第1ホイールのトルクであり、
Gは移動ロボットの重力であり、Rは第1ホイールの半径であり、bは移動ロボットの前傾距離であり、bは移動ロボットの重心と第1ホイールの円心との水平距離である。μは段差の摩擦係数である。上記第2安定条件は、次の式に示される。
【0149】
例示的には、第1ホイール半径R=82.5mm、摩擦係数μ=0.5の場合、バランス条件は、b=0mm~49.5mmである。第1ホイール半径R=82.5mm、μ=0.8の場合、b=0mm~72.5mmである。従って、移動ロボットの重心の有効安定範囲は、ホイール半径Rよりも小さく、かつ摩擦係数の影響を受ける。
【0150】
上述のように、上記方法は、移動ロボットの静的階段上りの過程における安定条件を提供し、この場合、準静的階段上りと比較すると、ロボットの傾斜角を検出する必要がなく、ホイールモータに逆トルクを与える必要もなく、安定したフィードバック制御を行う必要がない。
【0151】
図12は、本願の1つの例示的な実施例が提供する移動ロボットの制御装置を示し、移動ロボットは、第1揺動脚群と、第2揺動脚群とを含み、第1揺動脚群及び第2揺動脚群のうちの少なくとも1つの揺動脚群は、複数の揺動脚を含み、第1揺動脚群と第2揺動脚群とは並列配置され、それに、第1揺動脚群の回転軸と第2揺動脚群の回転軸とは、同一の垂直平面に位置する。当該装置は、
第1段差または第1支持面に位置するように第1揺動脚群を制御し、第2段差に位置するように第2揺動脚群を制御するための制御モジュール1201を含み、
制御モジュール1201はさらに、第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように第1揺動脚群を制御するために用いられ、
制御モジュール1201はさらに、第1揺動脚群を支持脚として、第4段差まで揺動するように第2揺動脚群を制御するために用いられる。
【0152】
1つの選択可能な実施例では、制御モジュール1201はさらに、第2揺動脚群を支持脚として、第1揺動脚群を第3段差まで伸縮し揺動するように制御し、第1揺動脚群を支持脚として、第2揺動脚群を第4段差まで伸縮し揺動するように制御するために用いられる。
【0153】
1つの選択可能な実施例では、制御モジュール1201はさらに、第2揺動脚群を支持脚として、第1揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、第1揺動脚群を短縮し揺動するように制御し、第1揺動脚群が第3段差に位置するまで、第1揺動脚群を伸長し揺動するように制御するために用いられる。
制御モジュール1201はさらに、第1揺動脚群を支持脚として、第2揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、第2揺動脚群を短縮し揺動するように制御し、第2揺動脚群が第4段差に位置するまで、第2揺動脚群を伸長し揺動するように制御するために用いられる。
【0154】
1つの選択可能な実施例では、第1揺動脚群が第1段差に位置する場合、第2段差は第1段差よりも高く、第1揺動脚群が第1支持面に位置する場合、第2段差は第1支持面よりも高く、第2段差と第3段差は隣接する段差であり、かつ第3段差は第2段差よりも高く、第2揺動脚群は、第2段差に位置するときに第3段差の側壁と接触せず、第3段差と第4段差は隣接する段差であり、かつ第4段差は第3段差よりも高く、第1揺動脚群は、第3段差に位置するときに第4段差の側壁と接触しない。
【0155】
1つの選択可能な実施例では、制御モジュール1201はさらに、移動ロボットの重心投影が第2揺動脚群と第2段差との接触領域に位置するまで、移動ロボットを前傾するように制御するために用いられる。
制御モジュール1201はさらに、移動ロボットの重心投影が第1揺動脚群と第3段差との接触領域に位置するまで、移動ロボットを前傾するように制御するために用いられる。
【0156】
1つの選択可能な実施例では、第1揺動脚群の第1揺動脚の端部は第1ホイールを含み、第2揺動脚群の第2揺動脚の端部は第2ホイールを含む。制御モジュール1201はさらに、移動ロボットの重心投影が第2揺動脚群と第2段差との接触領域に位置するまで、移動ロボットを前傾するように制御し、第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイール及び第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、移動ロボットの水平位置及び垂直高さが変化しないように制御するために用いられる。
制御モジュール1201はさらに、移動ロボットの重心投影が第1揺動脚群と第3段差との接触範囲に位置するまで、移動ロボットを前傾するように制御し、第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイール及び第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、移動ロボットの水平位置及び垂直高さが変化しないように制御するために用いられる。
【0157】
1つの選択可能な実施例では、制御モジュール1201はさらに、第1揺動脚群の段差接触力が第2揺動脚群の段差接触力よりも小さいまで、第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、第1揺動脚群が水平移動せず第2揺動脚群が垂直移動しないように制御するために用いられる。移動ロボットの重心投影が第2揺動脚群と第2段差との接触領域に位置するまで、第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、第2揺動脚群が水平移動せず第1揺動脚群が垂直移動しないように制御する。
制御モジュール1201はさらに、第2揺動脚群の段差接触力が第1揺動脚群の段差接触力よりも小さいまで、第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、第2揺動脚群が水平移動せず第1揺動脚群が垂直移動しないように制御し、移動ロボットの重心投影が第1揺動脚群と第3段差との接触領域に位置するまで、第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、第1揺動脚群が水平移動せず第2揺動脚群が垂直移動しないように制御するために用いられる。
【0158】
1つの選択可能な実施例では、制御モジュール1201はさらに、第3段差まで揺動するように第1揺動脚群を制御する過程において、第1揺動脚群が重力方向と平行になるまで移動ロボットを前傾するように制御し、第1揺動脚群が第3段差まで揺動するまで移動ロボットを後傾するように制御するために用いられる。
制御モジュール1201はさらに、第4段差まで揺動するように第2揺動脚群を制御する過程において、第2揺動脚群が重力方向と平行になるまで移動ロボットを前傾するように制御し、第2揺動脚群が第4段差まで揺動するまで移動ロボットを後傾するように制御するために用いられる。
【0159】
1つの選択可能な実施例では、第1揺動脚群の第1揺動脚の端部は第1ホイールを含み、第2揺動脚群の第2揺動脚の端部は第2ホイールを含む。制御モジュール1201はさらに、第3段差まで揺動するように第1揺動脚群を制御する過程において、第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動することにより、第1揺動脚群が重力方向と平行になるまで移動ロボットを前傾するように制御し、第1揺動脚群が第3段差まで揺動するまで移動ロボットを後傾するように制御するために用いられる。
制御モジュール1201はさらに、第4段差まで揺動するように第2揺動脚群を制御する過程において、第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動することにより、第2揺動脚群が重力方向と平行になるまで移動ロボットを前傾するように制御し、第2揺動脚群が第4段差まで揺動するまで移動ロボットを後傾するように制御するために用いられる。
【0160】
1つの選択可能な実施例では、第1揺動脚群が第1段差に位置する場合、第2段差は第1段差よりも高く、第1揺動脚群が第1支持面に位置する場合、第2段差は第1支持面よりも高く、第2段差と第3段差は隣接する段差であり、かつ第3段差は第2段差よりも高く、第2揺動脚群は、第2段差に位置するときに第3段差の側壁と接触し、第3段差と第4段差は隣接する段差であり、かつ第4段差は第3段差よりも高く、第1揺動脚群は、第3段差に位置するときに第4段差の側壁と接触する。
【0161】
1つの選択可能な実施例では、制御モジュール1201はさらに、移動ロボットの重心投影が第2段差上の第2揺動脚群の落下点と第3段差の側壁投影とで囲まれた安定領域に入るまで、移動ロボットを前傾するように制御するために用いられる。制御モジュール1201はさらに、移動ロボットの重心投影が第3段差上の第1揺動脚群の落下点と第4段差の側壁投影とで囲まれた安定領域に入るまで、移動ロボットを前傾するように制御するために用いられる。
【0162】
1つの選択可能な実施例では、制御モジュール1201はさらに、第3段差まで揺動するように第1揺動脚群を制御する過程において、移動ロボットの受ける力が第1安定条件を満たすことを目標として、第2揺動脚群が常に第3段差に支持されるように制御するために用いられる。
制御モジュール1201はさらに、第4段差まで揺動するように第2揺動脚群を制御する過程において、移動ロボットの受ける力が第2安定条件を満たすことを目標として、第1揺動脚群が常に第4段差に支持されるように制御するために用いられる。
【0163】
1つの選択可能な実施例では、第2揺動脚群の第2揺動脚の端部は第2ホイールを含み、第2ホイールは第2半径を有し、第2揺動脚群は、少なくとも1つの第2ホイールを介して第3段差に支持され、第1安定条件は、第2支持力と第1摩擦力との和はゼロであり、第2支持力は、第3段差の側壁からの支持力であり、第1摩擦力は、第2段差の段差面からの摩擦力であり、第2支持力と第1摩擦力は逆方向であることと、第1支持力、第2摩擦力、移動ロボットの重力の和はゼロであり、第1支持力は、第2段差の段差面からの支持力であり、第2摩擦力は、第3段差の側壁からの摩擦力であり、第1支持力と第2摩擦力は方向が同じであり、第2摩擦力と第2支持力との比の値は摩擦係数以下であり、第1摩擦力と第1支持力との比の値は摩擦係数以下であることと、第2支持力と第2半径との積は、第2摩擦力と第2半径との積と、移動ロボットの重力と前傾距離との積と、の和の値に等しく、前傾距離は、移動ロボットの重心と第2ホイールの円心との水平距離であることと、第1支持力と第2半径との積は、第1摩擦力と第2半径との積と、移動ロボットの重力と残り距離との積と、の和の値に等しく、残り距離と前傾距離との和の値は第2半径であることと、を含む。
【0164】
1つの選択可能な実施例では、第1揺動脚群の第1揺動脚の端部は第1ホイールを含み、第1ホイールは第1半径を有し、第1揺動脚群は、少なくとも1つの第1ホイールを介して第4段差に支持され、第2安定条件は、第4支持力と第3摩擦力との和はゼロであり、第4支持力は、第4段差の側壁からの支持力であり、第3摩擦力は、第3段差の段差面からの摩擦力であり、第4支持力と第3摩擦力は逆方向であることと、第3支持力、第4摩擦力、移動ロボットの重力の和はゼロであり、第3支持力は、第3段差の段差面からの支持力であり、第4摩擦力は、第4段差の側壁からの摩擦力であり、第3支持力と第4摩擦力は方向が同じであり、第4摩擦力と第4支持力との比の値は摩擦係数以下であり、第3摩擦力と第3支持力との比の値は摩擦係数以下であることと、第4支持力と第1半径との積は、第4摩擦力と第1半径との積と、移動ロボットの重力と前傾距離との積と、の和の値に等しく、前傾距離は、移動ロボットの重心と第1ホイールの円心との水平距離であることと、第3支持力と第1半径との積は、第3摩擦力と第1半径との積と、移動ロボットの重力と残り距離との積と、の和の値に等しく、残り距離と前傾距離との和の値は第1半径であることと、を含む。
【0165】
上述のように、2つの揺動脚群(2つの揺動脚群には、複数の揺動脚を含む揺動脚群が少なくとも1つ存在する)が交互に階段を上り下りすることにより、移動ロボットの階段の上り下り解決策を提供する。当該解決策では、移動ロボットの安全性が高く、階段の上り下りの実現の難易度が低く、ロボットは大きな安定余裕を持ち、実機の実現のリスクを低減できる。
【0166】
図13は、本願の1つの例示的な実施例が提供する移動ロボットの構造ブロック図を示す。移動ロボットは、コントローラー1301と、メモリ1302とを含む。
【0167】
コントローラー1301は1つまたは複数の処理コアを含んでもよく、例えば、4コアプロセッサ、8コアプロセッサ等である。コントローラー1301は、DSP(Digital Signal Processing、デジタル信号処理)と、FPGA(Field-Programmable Gate Array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)と、PLA(Programmable Logic Array、プログラマブルロジックアレイ)とのうちの少なくとも1種のハードウェア形式を採用して実現できる。コントローラー1301は、メインプロセッサ及びコプロセッサを含んでもよく、メインプロセッサは、ウェイク状態でのデータを処理するためのプロセッサであり、CPU(Central Processing Unit、中央処理ユニット)とも呼ばれ、コプロセッサは、待機状態でのデータを処理するための低電力プロセッサである。いくつかの実施例では、コントローラー1301はGPU(Graphics Processing Unit、グラフィックス処理ユニット)を集積してもよく、GPUは、ディスプレイスクリーンに表示される必要がある内容のレンダリング及び描画を担うためのものである。いくつかの実施例では、コントローラー1301はさらに、AI(Artificial Intelligence、人工知能)プロセッサを含んでもよく、当該AIプロセッサは、機械学習に関連する計算操作を処理するためのものである。
【0168】
メモリ1302は、1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよく、当該コンピュータ可読記憶媒体は非一時的であってもよい。メモリ1302はさらに、高速ランダムアクセスメモリ、及び不揮発性メモリを含んでもよく、例えば、1つまたは複数の磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュ記憶デバイスである。いくつかの実施例では、メモリ1302における非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つの命令を記憶するためのものであり、当該少なくとも1つの命令は、コントローラー1301によって実行されて、本願における方法実施例が提供する移動ロボットの制御方法を実現する。
【0169】
いくつかの実施例では、移動ロボット1300はさらに、選択可能に、少なくとも1つのモータ1303と、少なくとも1つのセンサ1304と、を含む。少なくとも1つのモータ1303は、コントローラー1301から送信された制御命令を受信し、動作を実行するように移動ロボットを駆動するために用いられる。少なくとも1つのモータ1303は、回転/伸縮/固定等の動作を実行するように移動ロボットの各々の関節を駆動する。少なくとも1つのセンサ1304は、移動ロボットの状態情報を取得するために用いられ、状態情報は、移動ロボットの内部状態及び/または移動ロボットの外部状態(環境情報)を含む。少なくとも1つのセンサ1304は、移動ロボットの状態情報をコントローラー1301に送信して、関連動作を実行するように移動ロボットを制御する。
【0170】
当業者が理解できるように、
図13に示す構造は、移動ロボット1300を限定するものではなく、図示よりも多いまたは少ないアセンブリを含み、またはいくつかのアセンブリを組み合わせ、または異なるアセンブリを採用して配置するようにしてもよい。
【0171】
本願の実施例はさらに、コンピュータ機器を提供し、コンピュータ機器は、メモリとプロセッサとを含み、メモリには、少なくとも1つのプログラムコードが記憶されており、プログラムコードは、プロセッサによってロードされて実行されることにより、以上のような移動ロボットの制御方法を実現する。
【0172】
本願の実施例はさらに、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶されており、コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されることにより、以上のような移動ロボットの制御方法を実現するために用いられる。
【0173】
本願の実施例はさらに、チップを提供し、チップは、プログラマブル論理回路及び/またはプログラム命令を含み、チップが実行される場合、以上のような移動ロボットの制御方法を実現するために用いられる。
【0174】
本願の実施例はさらに、コンピュータプログラム製品またはコンピュータプログラムを提供し、コンピュータプログラム製品またはコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されるコンピュータ命令を含み、プロセッサは、コンピュータ可読記憶媒体からコンピュータ命令を読み取って実行することにより、以上のような移動ロボットの制御方法を実現する。
【手続補正書】
【提出日】2025-04-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動ロボットの制御方法であって、前記移動ロボットは、第1揺動脚群と、第2揺動脚群とを含み、前記第1揺動脚群及び前記第2揺動脚群のうちの少なくとも1つの揺動脚群は、複数の揺動脚を含み、前記第1揺動脚群と前記第2揺動脚群とは並列配置され、且つ、前記第1揺動脚群の回転軸と前記第2揺動脚群の回転軸とは、同一の垂直平面に位置し、前記方法は、前記移動ロボットのコントローラーによって実行され、前記方法は、
第1段差または第1支持面に位置するように前記第1揺動脚群を制御し、第2段差に位置するように前記第2揺動脚群を制御するステップと、
前記第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御するステップと、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御するステップと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する前記ステップは、
前記第2揺動脚群を支持脚として、前記第3段差まで伸縮し揺動するように前記第1揺動脚群を制御するステップを含み、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する前記ステップは、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、前記第4段差まで伸縮し揺動するように前記第2揺動脚群を制御するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2揺動脚群を支持脚として、前記第3段差まで伸縮し揺動するように前記第1揺動脚群を制御する前記ステップは、
前記第2揺動脚群を支持脚として、前記第1揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、短縮し揺動するように前記第1揺動脚群を制御し、前記第1揺動脚群が前記第3段差に位置するまで、伸長し揺動するように前記第1揺動脚群を制御するステップを含み、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、前記第4段差まで伸縮し揺動するように前記第2揺動脚群を制御する前記ステップは、
前記第1揺動脚群を支持脚として、前記第2揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、短縮し揺動するように前記第2揺動脚群を制御し、前記第2揺動脚群が前記第4段差に位置するまで、伸長し揺動するように前記第2揺動脚群を制御するステップを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1揺動脚群が前記第1段差に位置する場合、前記第2段差は前記第1段差よりも高く、
前記第1揺動脚群が前記第1支持面に位置する場合、前記第2段差は前記第1支持面よりも高く、
前記第2段差と前記第3段差は隣接する段差であり、かつ前記第3段差は前記第2段差よりも高く、前記第2揺動脚群は、前記第2段差に位置するときに前記第3段差の側壁と接触せず、
前記第3段差と前記第4段差は隣接する段差であり、かつ前記第4段差は前記第3段差よりも高く、前記第1揺動脚群は、前記第3段差に位置するときに前記第4段差の側壁と接触しない、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する前記ステップの前に、
前記移動ロボットの重心投影が前記第2揺動脚群と前記第2段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御するステップをさらに含み、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する前記ステップの前に、
前記移動ロボットの重心投影が前記第1揺動脚群と前記第3段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1揺動脚群における第1揺動脚の端部は第1ホイールを含み、前記第2揺動脚群における第2揺動脚の端部は第2ホイールを含み、前記移動ロボットの重心投影が前記第2揺動脚群と前記第2段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御する前記ステップは、
前記移動ロボットの重心投影が前記第2揺動脚群と前記第2段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイール及び前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、前記移動ロボットの水平位置及び垂直高さが変化しないように制御するステップを含み、
前記移動ロボットの重心投影が前記第1揺動脚群と前記第3段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御する前記ステップは、
前記移動ロボットの重心投影が前記第1揺動脚群と前記第3段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイール及び前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、前記移動ロボットの水平位置及び垂直高さが変化しないように制御するステップを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記移動ロボットの重心投影が前記第2揺動脚群と前記第2段差との接触領域に位置するまで、前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイール及び前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、前記移動ロボットの水平位置及び垂直高さが変化しないように制御する前記ステップは、
前記第1揺動脚群の段差接触力が前記第2揺動脚群の段差接触力よりも小さいまで、前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、前記第1揺動脚群が水平移動せず前記第2揺動脚群が垂直移動しないように制御するステップと、
前記移動ロボットの重心投影が前記第2揺動脚群と前記第2段差との接触領域に位置するまで、前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、前記第2揺動脚群が水平移動せず前記第1揺動脚群が垂直移動しないように制御するステップと、を含み、
前記移動ロボットの重心投影が前記第1揺動脚群と前記第3段差との接触領域に位置するまで、前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイール及び前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、前記移動ロボットの水平位置及び垂直高さが変化しないように制御する前記ステップは、
前記第2揺動脚群の段差接触力が前記第1揺動脚群の段差接触力よりも小さいまで、前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、前記第2揺動脚群が水平移動せず前記第1揺動脚群が垂直移動しないように制御するステップと、
前記移動ロボットの重心投影が前記第1揺動脚群と前記第3段差との接触領域に位置するまで、前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、前記第1揺動脚群が水平移動せず前記第2揺動脚群が垂直移動しないように制御するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、
前記第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する過程において、前記第1揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第1揺動脚群が前記第3段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御するステップと、
前記第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する過程において、前記第2揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第2揺動脚群が前記第4段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記第1揺動脚群における第1揺動脚の端部は第1ホイールを含み、前記第2揺動脚群における第2揺動脚の端部は第2ホイールを含み、前記第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する過程において、前記第1揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第1揺動脚群が前記第3段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御する前記ステップは、
前記第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する過程において、前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動することにより、前記第1揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第1揺動脚群が前記第3段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御するステップを含み、
前記第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する過程において、前記第2揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第2揺動脚群が前記第4段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御する前記ステップは、
前記第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する過程において、前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動することにより、前記第2揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第2揺動脚群が前記第4段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御するステップを含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1揺動脚群が前記第1段差に位置する場合、前記第2段差は前記第1段差よりも高く、
前記第1揺動脚群が前記第1支持面に位置する場合、前記第2段差は前記第1支持面よりも高く、
前記第2段差と前記第3段差は隣接する段差であり、かつ前記第3段差は前記第2段差よりも高く、前記第2揺動脚群は、前記第2段差に位置するときに前記第3段差の側壁と接触し、
前記第3段差と前記第4段差は隣接する段差であり、かつ前記第4段差は前記第3段差よりも高く、前記第1揺動脚群は、前記第3段差に位置するときに前記第4段差の側壁と接触する、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する前記ステップの前に、
前記移動ロボットの重心投影が前記第2段差上の前記第2揺動脚群の落下点と前記第3段差の側壁投影とで囲まれた安定領域に入るまで、前記移動ロボットを前傾するように制御するステップをさらに含み、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する前記ステップの前に、
前記移動ロボットの重心投影が前記第3段差上の前記第1揺動脚群の落下点と前記第4段差の側壁投影とで囲まれた安定領域に入るまで、前記移動ロボットを前傾するように制御するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、
前記第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する過程において、前記移動ロボットの受ける力が第1安定条件を満たすことを目標として、前記第2揺動脚群が常に前記第3段差に支持されるように制御するステップと、
前記第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する過程において、前記移動ロボットの受ける力が第2安定条件を満たすことを目標として、前記第1揺動脚群が常に前記第4段差に支持されるように制御するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第2揺動脚群における第2揺動脚の端部は第2ホイールを含み、前記第2ホイールは第2半径を有し、前記第2揺動脚群は、少なくとも1つの第2ホイールを介して前記第3段差に支持され、前記第1安定条件は、
第2支持力と第1摩擦力との和はゼロであり、前記第2支持力は、前記第3段差の側壁からの支持力であり、前記第1摩擦力は、前記第2段差の段差面からの摩擦力であり、前記第2支持力と前記第1摩擦力は逆方向であることと、
第1支持力、第2摩擦力、前記移動ロボットの重力の和はゼロであり、前記第1支持力は、前記第2段差の段差面からの支持力であり、前記第2摩擦力は、前記第3段差の側壁からの摩擦力であり、前記第1支持力と前記第2摩擦力は方向が同じであり、前記第2摩擦力と前記第2支持力との比の値は摩擦係数以下であり、前記第1摩擦力と前記第1支持力との比の値は摩擦係数以下であることと、
前記第2支持力と前記第2半径との積は、前記第2摩擦力と前記第2半径との積と、前記移動ロボットの重力と前傾距離との積と、の和の値に等しく、前記前傾距離は、前記移動ロボットの重心と前記第2ホイールの円心との水平距離であることと、
前記第1支持力と前記第2半径との積は、前記第1摩擦力と前記第2半径との積と、前記移動ロボットの重力と残り距離との積と、の和の値に等しく、前記残り距離と前記前傾距離との和の値は前記第2半径であることと、を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1揺動脚群における第1揺動脚の端部は第1ホイールを含み、前記第1ホイールは第1半径を有し、前記第1揺動脚群は、少なくとも1つの第1ホイールを介して前記第4段差に支持され、前記第2安定条件は、
第4支持力と第3摩擦力との和はゼロであり、前記第4支持力は、前記第4段差の側壁からの支持力であり、前記第3摩擦力は、前記第3段差の段差面からの摩擦力であり、前記第4支持力と前記第3摩擦力は逆方向であることと、
第3支持力、第4摩擦力、前記移動ロボットの重力の和はゼロであり、前記第3支持力は、前記第3段差の段差面からの支持力であり、前記第4摩擦力は、前記第4段差の側壁からの摩擦力であり、前記第3支持力と前記第4摩擦力は方向が同じであり、前記第4摩擦力と前記第4支持力との比の値は摩擦係数以下であり、前記第3摩擦力と前記第3支持力との比の値は摩擦係数以下であることと、
前記第4支持力と前記第1半径との積は、前記第4摩擦力と前記第1半径との積と、前記移動ロボットの重力と前傾距離との積と、の和の値に等しく、前記前傾距離は、前記移動ロボットの重心と前記第1ホイールの円心との水平距離であることと、
前記第3支持力と前記第1半径との積は、前記第3摩擦力と前記第1半径との積と、前記移動ロボットの重力と残り距離との積と、の和の値に等しく、前記残り距離と前記前傾距離との和の値は前記第1半径であることと、を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
移動ロボットの制御装置であって、前記移動ロボットは、第1揺動脚群と、第2揺動脚群とを含み、前記第1揺動脚群及び前記第2揺動脚群のうちの少なくとも1つの揺動脚群は、複数の揺動脚を含み、前記第1揺動脚群と前記第2揺動脚群とは並列配置され、且つ、前記第1揺動脚群の回転軸と前記第2揺動脚群の回転軸とは、同一の垂直平面に位置し、前記装置は、
第1段差または第1支持面に位置するように前記第1揺動脚群を制御し、第2段差に位置するように前記第2揺動脚群を制御するための制御モジュールを含み、
前記制御モジュールはさらに、前記第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御するために用いられ、
前記制御モジュールはさらに、前記第1揺動脚群を支持脚として、第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御するために用いられる、
ことを特徴とする装置。
【請求項16】
前記制御モジュールはさらに、
前記第2揺動脚群を支持脚として、前記第3段差まで伸縮し揺動するように前記第1揺動脚群を制御し、
前記第1揺動脚群を支持脚として、前記第4段差まで伸縮し揺動するように前記第2揺動脚群を制御するために用いられる、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記制御モジュールはさらに、
前記第2揺動脚群を支持脚として、前記第1揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、短縮し揺動するように前記第1揺動脚群を制御し、前記第1揺動脚群が前記第3段差に位置するまで、伸長し揺動するように前記第1揺動脚群を制御し、
前記第1揺動脚群を支持脚として、前記第2揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、短縮し揺動するように前記第2揺動脚群を制御し、前記第2揺動脚群が前記第4段差に位置するまで、伸長し揺動するように前記第2揺動脚群を制御するために用いられる、
ことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
移動ロボットであって、前記移動ロボットは、メモリとプロセッサとを含み、
前記メモリには、少なくとも1つのプログラムコードが記憶されており、前記プログラムコードは、前記プロセッサによってロードされて実行されることにより、請求項1~
3、5~9、及び11~14のいずれか1項に記載の移動ロボットの制御方法を実現する、
ことを特徴とする移動ロボット。
【請求項19】
コンピュータプログラムであって、
コンピュータに、請求項1~
3、5~9、及び11~14のいずれか1項に記載の移動ロボットの制御方法を
実行させる、
ことを特徴とする
コンピュータプログラム。
【請求項20】
チップであって、前記チップは、プログラマブル論理回路とプログラム命令とのうちの少なくとも1つを含み、前記チップが搭載される電子機器は実行される場合、請求項1~
3、5~9、及び11~14のいずれか1項に記載の移動ロボットの制御方法を実現する、
ことを特徴とするチップ。
【手続補正書】
【提出日】2025-04-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動ロボットの制御方法であって、前記移動ロボットは、第1揺動脚群と、第2揺動脚群とを含み、前記第1揺動脚群及び前記第2揺動脚群のうちの少なくとも1つの揺動脚群は、複数の揺動脚を含み、前記第1揺動脚群と前記第2揺動脚群とは並列配置され、且つ、前記第1揺動脚群の回転軸と前記第2揺動脚群の回転軸とは、同一の垂直平面に位置し、前記方法は、前記移動ロボットのコントローラーによって実行され、前記方法は、
第1段差または第1支持面に位置するように前記第1揺動脚群を制御し、第2段差に位置するように前記第2揺動脚群を制御するステップと、
前記第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御するステップと、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御するステップと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する前記ステップは、
前記第2揺動脚群を支持脚として、前記第3段差まで伸縮し揺動するように前記第1揺動脚群を制御するステップを含み、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する前記ステップは、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、前記第4段差まで伸縮し揺動するように前記第2揺動脚群を制御するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2揺動脚群を支持脚として、前記第3段差まで伸縮し揺動するように前記第1揺動脚群を制御する前記ステップは、
前記第2揺動脚群を支持脚として、前記第1揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、短縮し揺動するように前記第1揺動脚群を制御し、前記第1揺動脚群が前記第3段差に位置するまで、伸長し揺動するように前記第1揺動脚群を制御するステップを含み、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、前記第4段差まで伸縮し揺動するように前記第2揺動脚群を制御する前記ステップは、
前記第1揺動脚群を支持脚として、前記第2揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、短縮し揺動するように前記第2揺動脚群を制御し、前記第2揺動脚群が前記第4段差に位置するまで、伸長し揺動するように前記第2揺動脚群を制御するステップを含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1揺動脚群が前記第1段差に位置する場合、前記第2段差は前記第1段差よりも高く、
前記第1揺動脚群が前記第1支持面に位置する場合、前記第2段差は前記第1支持面よりも高く、
前記第2段差と前記第3段差は隣接する段差であり、かつ前記第3段差は前記第2段差よりも高く、前記第2揺動脚群は、前記第2段差に位置するときに前記第3段差の側壁と接触せず、
前記第3段差と前記第4段差は隣接する段差であり、かつ前記第4段差は前記第3段差よりも高く、前記第1揺動脚群は、前記第3段差に位置するときに前記第4段差の側壁と接触しない、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する前記ステップの前に、
前記移動ロボットの重心投影が前記第2揺動脚群と前記第2段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御するステップをさらに含み、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する前記ステップの前に、
前記移動ロボットの重心投影が前記第1揺動脚群と前記第3段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1揺動脚群における第1揺動脚の端部は第1ホイールを含み、前記第2揺動脚群における第2揺動脚の端部は第2ホイールを含み、前記移動ロボットの重心投影が前記第2揺動脚群と前記第2段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御する前記ステップは、
前記移動ロボットの重心投影が前記第2揺動脚群と前記第2段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイール及び前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、前記移動ロボットの水平位置及び垂直高さが変化しないように制御するステップを含み、
前記移動ロボットの重心投影が前記第1揺動脚群と前記第3段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御する前記ステップは、
前記移動ロボットの重心投影が前記第1揺動脚群と前記第3段差との接触領域に位置するまで、前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイール及び前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、前記移動ロボットの水平位置及び垂直高さが変化しないように制御するステップを含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記移動ロボットの重心投影が前記第2揺動脚群と前記第2段差との接触領域に位置するまで、前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイール及び前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、前記移動ロボットの水平位置及び垂直高さが変化しないように制御する前記ステップは、
前記第1揺動脚群の段差接触力が前記第2揺動脚群の段差接触力よりも小さいまで、前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、前記第1揺動脚群が水平移動せず前記第2揺動脚群が垂直移動しないように制御するステップと、
前記移動ロボットの重心投影が前記第2揺動脚群と前記第2段差との接触領域に位置するまで、前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、前記第2揺動脚群が水平移動せず前記第1揺動脚群が垂直移動しないように制御するステップと、を含み、
前記移動ロボットの重心投影が前記第1揺動脚群と前記第3段差との接触領域に位置するまで、前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイール及び前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、前記移動ロボットの水平位置及び垂直高さが変化しないように制御する前記ステップは、
前記第2揺動脚群の段差接触力が前記第1揺動脚群の段差接触力よりも小さいまで、前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動して、前記第2揺動脚群が水平移動せず前記第1揺動脚群が垂直移動しないように制御するステップと、
前記移動ロボットの重心投影が前記第1揺動脚群と前記第3段差との接触領域に位置するまで、前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動して、前記第1揺動脚群が水平移動せず前記第2揺動脚群が垂直移動しないように制御するステップと、を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、
前記第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する過程において、前記第1揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第1揺動脚群が前記第3段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御するステップと、
前記第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する過程において、前記第2揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第2揺動脚群が前記第4段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記第1揺動脚群における第1揺動脚の端部は第1ホイールを含み、前記第2揺動脚群における第2揺動脚の端部は第2ホイールを含み、前記第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する過程において、前記第1揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第1揺動脚群が前記第3段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御する前記ステップは、
前記第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する過程において、前記第2揺動脚群の少なくとも1つの第2ホイールを駆動することにより、前記第1揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第1揺動脚群が前記第3段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御するステップを含み、
前記第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する過程において、前記第2揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第2揺動脚群が前記第4段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御する前記ステップは、
前記第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する過程において、前記第1揺動脚群の少なくとも1つの第1ホイールを駆動することにより、前記第2揺動脚群が重力方向と平行になるまで前記移動ロボットを前傾するように制御し、前記第2揺動脚群が前記第4段差まで揺動するまで前記移動ロボットを後傾するように制御するステップを含む、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1揺動脚群が前記第1段差に位置する場合、前記第2段差は前記第1段差よりも高く、
前記第1揺動脚群が前記第1支持面に位置する場合、前記第2段差は前記第1支持面よりも高く、
前記第2段差と前記第3段差は隣接する段差であり、かつ前記第3段差は前記第2段差よりも高く、前記第2揺動脚群は、前記第2段差に位置するときに前記第3段差の側壁と接触し、
前記第3段差と前記第4段差は隣接する段差であり、かつ前記第4段差は前記第3段差よりも高く、前記第1揺動脚群は、前記第3段差に位置するときに前記第4段差の側壁と接触する、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する前記ステップの前に、
前記移動ロボットの重心投影が前記第2段差上の前記第2揺動脚群の落下点と前記第3段差の側壁投影とで囲まれた安定領域に入るまで、前記移動ロボットを前傾するように制御するステップをさらに含み、
前記第1揺動脚群を前記支持脚として、第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する前記ステップの前に、
前記移動ロボットの重心投影が前記第3段差上の前記第1揺動脚群の落下点と前記第4段差の側壁投影とで囲まれた安定領域に入るまで、前記移動ロボットを前傾するように制御するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、
前記第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御する過程において、前記移動ロボットの受ける力が第1安定条件を満たすことを目標として、前記第2揺動脚群が常に前記第3段差に支持されるように制御するステップと、
前記第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御する過程において、前記移動ロボットの受ける力が第2安定条件を満たすことを目標として、前記第1揺動脚群が常に前記第4段差に支持されるように制御するステップと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第2揺動脚群における第2揺動脚の端部は第2ホイールを含み、前記第2ホイールは第2半径を有し、前記第2揺動脚群は、少なくとも1つの第2ホイールを介して前記第3段差に支持され、前記第1安定条件は、
第2支持力と第1摩擦力との和はゼロであり、前記第2支持力は、前記第3段差の側壁からの支持力であり、前記第1摩擦力は、前記第2段差の段差面からの摩擦力であり、前記第2支持力と前記第1摩擦力は逆方向であることと、
第1支持力、第2摩擦力、前記移動ロボットの重力の和はゼロであり、前記第1支持力は、前記第2段差の段差面からの支持力であり、前記第2摩擦力は、前記第3段差の側壁からの摩擦力であり、前記第1支持力と前記第2摩擦力は方向が同じであり、前記第2摩擦力と前記第2支持力との比の値は摩擦係数以下であり、前記第1摩擦力と前記第1支持力との比の値は摩擦係数以下であることと、
前記第2支持力と前記第2半径との積は、前記第2摩擦力と前記第2半径との積と、前記移動ロボットの重力と前傾距離との積と、の和の値に等しく、前記前傾距離は、前記移動ロボットの重心と前記第2ホイールの円心との水平距離であることと、
前記第1支持力と前記第2半径との積は、前記第1摩擦力と前記第2半径との積と、前記移動ロボットの重力と残り距離との積と、の和の値に等しく、前記残り距離と前記前傾距離との和の値は前記第2半径であることと、を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1揺動脚群における第1揺動脚の端部は第1ホイールを含み、前記第1ホイールは第1半径を有し、前記第1揺動脚群は、少なくとも1つの第1ホイールを介して前記第4段差に支持され、前記第2安定条件は、
第4支持力と第3摩擦力との和はゼロであり、前記第4支持力は、前記第4段差の側壁からの支持力であり、前記第3摩擦力は、前記第3段差の段差面からの摩擦力であり、前記第4支持力と前記第3摩擦力は逆方向であることと、
第3支持力、第4摩擦力、前記移動ロボットの重力の和はゼロであり、前記第3支持力は、前記第3段差の段差面からの支持力であり、前記第4摩擦力は、前記第4段差の側壁からの摩擦力であり、前記第3支持力と前記第4摩擦力は方向が同じであり、前記第4摩擦力と前記第4支持力との比の値は摩擦係数以下であり、前記第3摩擦力と前記第3支持力との比の値は摩擦係数以下であることと、
前記第4支持力と前記第1半径との積は、前記第4摩擦力と前記第1半径との積と、前記移動ロボットの重力と前傾距離との積と、の和の値に等しく、前記前傾距離は、前記移動ロボットの重心と前記第1ホイールの円心との水平距離であることと、
前記第3支持力と前記第1半径との積は、前記第3摩擦力と前記第1半径との積と、前記移動ロボットの重力と残り距離との積と、の和の値に等しく、前記残り距離と前記前傾距離との和の値は前記第1半径であることと、を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
移動ロボットの制御装置であって、前記移動ロボットは、第1揺動脚群と、第2揺動脚群とを含み、前記第1揺動脚群及び前記第2揺動脚群のうちの少なくとも1つの揺動脚群は、複数の揺動脚を含み、前記第1揺動脚群と前記第2揺動脚群とは並列配置され、且つ、前記第1揺動脚群の回転軸と前記第2揺動脚群の回転軸とは、同一の垂直平面に位置し、前記装置は、
第1段差または第1支持面に位置するように前記第1揺動脚群を制御し、第2段差に位置するように前記第2揺動脚群を制御するための制御モジュールを含み、
前記制御モジュールはさらに、前記第2揺動脚群を支持脚として、第3段差まで揺動するように前記第1揺動脚群を制御するために用いられ、
前記制御モジュールはさらに、前記第1揺動脚群を支持脚として、第4段差まで揺動するように前記第2揺動脚群を制御するために用いられる、
ことを特徴とする装置。
【請求項16】
前記制御モジュールはさらに、
前記第2揺動脚群を支持脚として、前記第3段差まで伸縮し揺動するように前記第1揺動脚群を制御し、
前記第1揺動脚群を支持脚として、前記第4段差まで伸縮し揺動するように前記第2揺動脚群を制御するために用いられる、
ことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記制御モジュールはさらに、
前記第2揺動脚群を支持脚として、前記第1揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、短縮し揺動するように前記第1揺動脚群を制御し、前記第1揺動脚群が前記第3段差に位置するまで、伸長し揺動するように前記第1揺動脚群を制御し、
前記第1揺動脚群を支持脚として、前記第2揺動脚群の延在方向が重力方向と平行になるまで、短縮し揺動するように前記第2揺動脚群を制御し、前記第2揺動脚群が前記第4段差に位置するまで、伸長し揺動するように前記第2揺動脚群を制御するために用いられる、
ことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
移動ロボットであって、前記移動ロボットは、メモリとプロセッサとを含み、
前記メモリには、少なくとも1つのプログラムコードが記憶されており、前記プログラムコードは、前記プロセッサによってロードされて実行されることにより、請求項1~
3のいずれか1項に記載の移動ロボットの制御方法を実現する、
ことを特徴とする移動ロボット。
【請求項19】
コンピュータプログラムであって、コンピュータに、請求項1~
3のいずれか1項に記載の移動ロボットの制御方法を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項20】
チップであって、前記チップは、プログラマブル論理回路とプログラム命令とのうちの少なくとも1つを含み、前記チップが搭載される電子機器は実行される場合、請求項1~
3のいずれか1項に記載の移動ロボットの制御方法を実現する、
ことを特徴とするチップ。
【国際調査報告】