(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-10-15
(54)【発明の名称】通気弁アセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16K 24/06 20060101AFI20251007BHJP
E03C 1/122 20060101ALI20251007BHJP
【FI】
F16K24/06 C
E03C1/122 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025520184
(86)(22)【出願日】2023-10-05
(85)【翻訳文提出日】2025-05-27
(86)【国際出願番号】 US2023076090
(87)【国際公開番号】W WO2024077144
(87)【国際公開日】2024-04-11
(32)【優先日】2022-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】525129497
【氏名又は名称】オーティー・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100224443
【氏名又は名称】加藤 弘行
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ツァン・カイ
(72)【発明者】
【氏名】キャバン・エンジェル・オー
(72)【発明者】
【氏名】ドッド・クリストファー・ダグラス
【テーマコード(参考)】
2D061
3H055
【Fターム(参考)】
2D061AA04
2D061AA05
2D061AC08
3H055AA01
3H055AA11
3H055BB14
3H055CC06
3H055CC12
(57)【要約】
本明細書で提供されるのは、キャップと、尾片、および吸気開口部を備えたフランジを含む本体部分と、流体の流れに対するシールとして機能し得る可撓性ワッシャと、排水・廃棄物・ベント(DWV)システムのパイプまたは継手に挿入されるプッシュシールと、を含むことができる、通気弁(AAV)アセンブリである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通気弁アセンブリであって、
キャップ(2)であって、
(i)上面(4)と、
(ii)裏面(6)と、
(iii)キャップ壁(8)であって、前記上面の外周から延びる上端部と、前記キャップ壁の末端部を画定する底縁部(10)と、半径方向内側面(12)と、半径方向外側面(14)と、を有する、キャップ壁と、
(iv)格子支柱(18)と、前記格子支柱間の空隙を表す格子開口部(19)と、前記キャップの前記裏面(6)から延びる上縁部(20)と、前記上縁部から離間された底縁部(22)と、前記上縁部(20)と前記底縁部(22)との間に延びる格子壁(24)と、を含む格子(16)であって、前記格子(16)は、前記キャップ壁と同心に前記キャップの前記裏面の周りに延びる、格子と、
を含む、キャップと、
本体部分(24)であって、
(i)底端部(26)と、上端部(28)と、前記底端部と前記上端部との間に延びる中間部分と、を含む尾片(25)であって、前記尾片は、排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手に挿入されるようにサイズ決めされた直径を有する、尾片と、
(ii)前記尾片の前記上端部から半径方向に延びるフランジ(30)であって、前記フランジは、上部表面と、底部表面と、前記上部表面と前記底部表面との間に延びる縁部(31)と、前記キャップ壁(8)の前記底縁部(10)にシール方式で係合するために前記縁部に隣接して前記上部表面の外周に位置付けられたキャップシート(32)と、吸気口リブ(34)を含む吸気口と、を含み、吸気開口部(36)が、前記底部表面から前記上部表面まで前記フランジを通って延び、吸気口リブ間の空隙として画定されており、前記吸気口リブ(34)のうちの少なくともいくつかは、前記フランジの前記上部表面における弁座部材(38)を含む、フランジと、
を含む、本体部分と、
底面と、頂面と、前記頂面と前記底面との間に延びる外側同心縁部と、中央空隙を画定し、前記頂面と前記底面との間に延びる内側同心縁部と、を有する可撓性ワッシャ(40)と、
を含み、
前記尾片の内側の圧力が前記通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満でない場合、前記可撓性ワッシャは、前記フランジの前記上部表面上に着座し、前記可撓性ワッシャの前記底面は、前記弁座部材に接触し、それにより、前記フランジの前記吸気開口部を介した、前記尾片の前記内側と前記通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を防止し、
前記尾片の内側の圧力が前記通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満である場合、前記可撓性ワッシャは、前記外側同心縁部と前記キャップ壁の前記半径方向内側面との接触により案内されるか、前記内側同心縁部と格子壁との接触により案内されるか、またはその両方である、方向に上昇し、それによって、前記フランジの前記吸気開口部を介した、前記尾片の前記内側と前記通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を可能にする、通気弁アセンブリ。
【請求項2】
前記尾片の前記内側と前記周囲環境との間の流体連通は、前記格子の前記格子開口部も介する、請求項1に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項3】
前記格子開口部の総面積は、前記尾片の断面積以上である、請求項1または2に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項4】
前記フランジの前記吸気開口部の総面積は、前記尾片の断面積以上である、請求項1に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項5】
前記吸気口リブは、前記フランジの周りにそれぞれ同心に配置される内側吸気口リブ、中間吸気口リブ、および外側吸気口リブを含む、請求項1に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項6】
前記吸気口リブの前記弁座部材のうちの少なくともいくつかが、前記吸気口リブと前記可撓性ワッシャとの間の接触面積を制限するためのテーパ点を含む、請求項1に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項7】
前記格子の前記上縁部は、前記キャップの前記裏面と一体である、請求項1に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項8】
プッシュシール(42)をさらに含み、前記プッシュシールは、前記尾片(25)の前記底端部(26)上に装着され、
(i)前記プッシュシール(42)の遠位部分に位置付けられた第1組のシールリブ(44a、44b、44c)であって、前記第1組のシールリブの各々は、前記尾片から半径方向に突出して第1のシール直径を定め、前記第1のシール直径は、前記尾片が中に挿入されたときに第1の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手の内側表面と前記第1組のシールリブとの間の流体シールを確実にする、第1組のシールリブと、
(ii)前記プッシュシールの近位部分に位置付けられた第2組のシールリブ(46)であって、前記第2組のシールリブの各々は、前記尾片から半径方向に突出して第2のシール直径を定め、前記第2のシール直径は、前記第1のシール直径よりも大きく、前記尾片が中に挿入されたときに前記第1の内径より大きい第2の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手の内側表面と前記第2組のシールリブとの間の流体シールを確実にする、第2組のシールリブと、
を含む、請求項1に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項9】
前記尾片から半径方向に延びて第3のシール直径を定めるパイプシールリブ(48)をさらに含み、前記第3のシール直径は、前記第2のシール直径よりも大きく、第2の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムの前記パイプまたは継手の上縁部での流体シールを確実にする、請求項8に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項10】
前記第2組のシールリブのうちの1つのリブ(44c)は、第1の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムの前記パイプまたは継手の上縁部における流体シールを確実にする、請求項8に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項11】
前記可撓性ワッシャ(40)は、前記可撓性ワッシャの前記内周縁部に取り外し可能に取り付けられるキャリアリング(41)をさらに含む、請求項1に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項12】
前記可撓性ワッシャ(40)は、前記可撓性ワッシャの前記頂面上に1つ以上の実質的に剛性の支持リング(47)をさらに含む、請求項1に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項13】
通気弁アセンブリであって、
キャップであって、
(i)上面と、
(ii)裏面と、
(iii)キャップ壁であって、前記上面の外周から延びる上端部と、前記キャップ壁の末端部を画定する底縁部と、半径方向内側面と、半径方向外側面と、を有する、キャップ壁と、
を含む、キャップと、
本体部分であって、
(i)底端部と、上端部と、前記底端部と前記上端部との間に延びる中間部分と、を含む尾片であって、前記尾片は、排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手に挿入されるようにサイズ決めされた直径を有する、尾片と、
(ii)前記尾片の前記上端部から半径方向に延びるフランジであって、前記フランジは、上部表面と、底部表面と、前記上部表面と前記底部表面との間に延びる縁部と、前記キャップ壁の前記底縁部にシール方式で係合するために前記縁部に隣接して前記上部表面の外周に位置付けられたキャップシートと、吸気口リブを含む吸気口と、を含み、吸気開口部が、前記底部表面から前記上部表面まで前記フランジを通って延び、吸気口リブ間の空隙として画定されており、前記吸気口リブのうちの少なくともいくつかは、前記フランジの前記上部表面における弁座部材を含む、フランジと、
を含む、本体部分と、
底面と、頂面と、前記頂面と前記底面との間に延びる外側同心縁部と、中央空隙を画定し、前記頂面と前記底面との間に延びる内側同心縁部と、を有する可撓性ワッシャと、
前記尾片の前記底端部上に装着されたプッシュシールであって、
(i)前記プッシュシールの遠位部分に位置付けられた第1組のシールリブであって、前記第1組のシールリブの各々は、前記尾片から半径方向に突出して第1のシール直径を定め、前記第1のシール直径は、前記尾片が中に挿入されたときに第1の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手の内側表面と前記第1組のシールリブとの間の流体シールを確実にする、第1組のシールリブと、
(ii)前記プッシュシールの近位部分に位置付けられた第2組のシールリブであって、前記第2組のシールリブの各々は、前記尾片から半径方向に突出して第2のシール直径を定め、前記第2のシール直径は、前記第1のシール直径より大きく、前記尾片が中に挿入されたときに前記第1の内径より大きい第2の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手の内側表面と前記第2組のシールリブとの間の流体シールを確実にする、第2組のシールリブと、
を含む、プッシュシールと、
を含み、
前記尾片の内側の圧力が前記通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満でない場合、前記可撓性ワッシャは、前記フランジの前記上部表面上に着座し、前記可撓性ワッシャの前記底面は、前記弁座部材に接触し、それにより、前記フランジの前記吸気開口部を介した、前記尾片の前記内側と前記通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を防止し、
前記尾片の内側の圧力が前記通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満である場合、前記可撓性ワッシャは、前記外側同心縁部と前記キャップ壁の前記半径方向内側面との接触により案内されるか、前記内側同心縁部と格子壁との接触により案内されるか、またはその両方である、方向に上昇し、それによって、前記フランジの前記吸気開口部を介した、前記尾片の前記内側と前記通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を可能にする、通気弁アセンブリ。
【請求項14】
前記フランジの前記吸気開口部の総面積は、前記尾片の断面積以上である、請求項13に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項15】
前記吸気口リブは、前記フランジの周りにそれぞれ同心に配置される内側吸気口リブ、中間吸気口リブ、および外側吸気口リブを含む、請求項13または14に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項16】
前記吸気口リブの前記弁座部材のうちの少なくともいくつかが、前記吸気口リブと前記可撓性ワッシャとの間の接触面積を制限するためのテーパ点を含む、請求項13に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項17】
前記尾片から半径方向に延びて第3のシール直径を定めるパイプシールリブをさらに含み、前記第3のシール直径は、前記第2のシール直径よりも大きく、第2の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムの前記パイプまたは継手の上縁部における流体シールを確実にする、請求項13に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項18】
前記第2組のシールリブのうちの1つのリブが、第1の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムパイプの前記パイプまたは継手の上縁部における流体シールを確実にする、請求項13に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項19】
前記可撓性ワッシャ(40)は、前記可撓性ワッシャの前記内周縁部に取り外し可能に取り付けられるキャリアリング(41)をさらに含む、請求項13に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項20】
前記可撓性ワッシャ(40)は、前記可撓性ワッシャの前記頂面上に1つ以上の実質的に剛性の支持リング(47)をさらに含む、請求項13に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項21】
通気弁アセンブリであって、
キャップであって、
(i)上面と、
(ii)裏面と、
(iii)キャップ壁であって、前記上面の外周から延びる上端部と、前記キャップ壁の末端部を画定する底縁部と、半径方向内側面と、半径方向外側面と、を有する、キャップ壁と、
を含む、キャップと、
本体部分であって、
(i)底端部と、上端部と、前記底端部と前記上端部との間に延びる中間部分と、を含む尾片であって、前記尾片は、排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手に挿入されるようにサイズ決めされた直径を有する、尾片と、
(ii)前記尾片の前記上端部から半径方向に延びるフランジであって、前記フランジは、上部表面と、底部表面と、前記上部表面と前記底部表面との間に延びる縁部と、前記キャップ壁の前記底縁部にシール方式で係合するために前記縁部に隣接して前記上部表面の外周に位置付けられたキャップシートと、吸気口リブを含む吸気口と、を含み、吸気開口部が、前記底部表面から前記上部表面まで前記フランジを通って延び、吸気口リブ間の空隙として画定されており、前記吸気口リブのうちの少なくともいくつかは、前記フランジの前記上部表面における弁座部材を含む、フランジと、
を含む、本体部分と、
底面と、頂面と、前記頂面と前記底面との間に延びる外側同心縁部と、中央空隙を画定し、前記頂面と前記底面との間に延びる内側同心縁部と、を有する可撓性ワッシャと、
を含み、
前記尾片の内側の圧力が前記通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満でない場合、前記可撓性ワッシャは、前記フランジの前記上部表面上に着座し、前記可撓性ワッシャの前記底面は、前記弁座部材に接触し、それにより、前記フランジの前記吸気開口部を介した、前記尾片の前記内側と前記通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を防止し、
前記尾片の内側の圧力が前記通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満である場合、前記可撓性ワッシャは、前記外側同心縁部と前記キャップ壁の前記半径方向内側面との接触により案内されるか、前記内側同心縁部と格子壁との接触により案内されるか、またはその両方である、方向に上昇し、それにより、前記フランジの前記吸気開口部を介した、前記尾片の前記内側と前記通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を可能にし、
前記フランジの前記吸気開口部の総面積は、前記尾片の断面積以上である、通気弁アセンブリ。
【請求項22】
前記キャップは、
格子支柱と、前記格子支柱間の空隙を表す格子開口部と、前記キャップの前記裏面から延びる上縁部と、前記上縁部から離間された底縁部と、を含む格子と、
前記上縁部と前記底縁部との間に延びる格子壁であって、前記格子は、前記キャップ壁と同心に前記キャップの前記裏面の周りに延びる、格子壁と、
をさらに含む、請求項21に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項23】
前記尾片の前記内側と前記周囲環境との間の流体連通は、前記格子の前記格子開口部も介する、請求項22に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項24】
前記格子開口部の総面積は、前記尾片の断面積以上である、請求項22または23に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項25】
前記可撓性ワッシャ(40)は、前記可撓性ワッシャの前記内周縁部に取り外し可能に取り付けられるキャリアリング(41)をさらに含む、請求項21に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項26】
前記可撓性ワッシャ(40)は、前記可撓性ワッシャの前記頂面上に1つ以上の実質的に剛性の支持リング(47)をさらに含む、請求項21に記載の通気弁アセンブリ。
【請求項27】
配管システムに選択的に空気を入れる方法であって、
請求項1に記載の通気弁アセンブリの一部を前記配管システムのパイプの開放端部に挿入することを含み、前記挿入により、前記通気弁アセンブリと前記パイプの前記端部との間にシールを形成する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、2022年10月7日に出願された米国仮出願第63/414,237号の優先権の利益を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔技術分野〕
本開示は、排水・廃棄物・ベントシステムの通気に使用する換気システムに関する。
【背景技術】
【0003】
典型的な配管システムは、水を供給し、廃棄物を運び去る。水は圧力下で配管設備に供給され、排水管は、廃水を設備から主排水管に運び、廃水は下水設備、浄化槽などに流れ込む。環境大気圧が排水システム内で通常維持され、ガスは、建造物の屋根を通って延びる通気管によってシステムから排出され得る。排水システムは、水を排水し、固形廃棄物を運び去り、ガスをシステム外に排出するという点で、排水-廃棄物-ベントシステム(drain-waste-vent system)(またはDWV)と呼ばれ得る。各配管設備は、通常トラップを有し、このトラップは水を収容して、ガスが設備、例えば流し台または浴槽を通して建物内に入るのを防ぐ。典型的な設備のトラップは、例えば3.81cm(1.5インチ)または5.08cm(2インチ)の直径を有し得る排水管に接続されている。トイレからの排泄物は通常、主排水管に接続された7.62cm(3インチ)または10.16cm(4インチ)の直径の汚水管を通して排出される。
【0004】
設備の各トラップにおいて、ベントが、大気圧を維持するために排水システムから延びている。他の設備は、典型的には、二次ベントもしくはリベント(revent)、すなわち主要ベントに接続された直径3.81cm(1.5インチ)のパイプによって通気されるか、または屋根を通って延びる主要ベントによって通気され得る。
【0005】
配管システムを通気することで、トラップから排水管に水を引き込む真空が形成されるのを防ぐために、補給空気がシステムに入ることができる。よって、配管システムは、典型的には、少なくとも1つの主要ベントを有し、好ましくは各設備にベントを有する。配管規則は、通常、配管装置の通気に関する要件を規定している。
【0006】
流し台の排水時またはトイレの洗浄時など、排水・排泄物配管システムに負圧が発生した場合に、補給空気を提供するための屋根通気管を利用することは、現在、建築および配管業界では一般的な作業である。通気管、特に二次ベントの設置は、建物建築プロセスにおいて時間のかかる高額な作業である。特に、例えばホームリモデリングプロジェクトでは、通気管は通常、壁構造物の内部に設置され、主要ベントまで、または屋根を通って延びる。さらに、プレハブ住宅(pre-manufactured homes)、移動住宅、配管排水・廃棄物システムを有する他の自動車など、壁スペースに制限がある場合、通気管は設置および利用するのが面倒で困難である。
【0007】
米国以外のいくつかの国の建築基準法では、排水・廃棄物システムを通気するための通気弁アセンブリの使用が許可されている。さらに、米国の地理的地域のいくつかの州でも、排水・廃棄物システムを通気するための通気弁アセンブリの使用が許可されている。ただし、このような弁アセンブリを使用するには、さまざまな規約および要件を満たす必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
低圧の配管排水・廃棄物システム内に確実に通気する弁アセンブリが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書で提供されるのは、通気弁アセンブリであって:
キャップ(2)であって、
(i)上面(4)と、
(ii)裏面(6)と、
(iii)キャップ壁(8)であって、上面の外周から延びる上端部と、キャップ壁の末端部を画定する底縁部(10)と、半径方向内側面(12)と、半径方向外側面(14)と、を有する、キャップ壁と、
(iv)格子支柱(18)と、格子支柱間の空隙を表す格子開口部(19)と、キャップの裏面(6)から延びる上縁部(20)と、上縁部から離間された底縁部(22)と、上縁部(20)と底縁部(22)との間に延びる格子壁(24)と、を含む格子(16)であって、格子(16)は、キャップ壁と同心にキャップの裏面の周りに延びる、格子と、
を含む、キャップと、
本体部分(24)であって、
(i)底端部(26)と、上端部(28)と、底端部と上端部との間に延びる中間部分と、を含む尾片(25)であって、尾片は、排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手に挿入されるようにサイズ決めされた直径を有する、尾片と、
(ii)尾片の上端部から半径方向に延びるフランジ(30)であって、フランジは、上部表面と、底部表面と、上部表面と底部表面との間に延びる縁部(31)と、キャップ壁(8)の底縁部(10)にシール方式で係合するために縁部に隣接して上部表面の外周に位置付けられたキャップシート(32)と、吸気口リブ(34)を含む吸気口と、を含み、吸気開口部(36)が、底部表面から上部表面までフランジを通って延び、吸気口リブ間の空隙として画定されており、吸気口リブ(34)のうちの少なくともいくつかは、フランジの上部表面における弁座部材(38)を含む、フランジと、
を含む、本体部分と、
底面と、頂面と、頂面と底面との間に延びる外側同心縁部と、中央空隙を画定し、頂面と底面との間に延びる内側同心縁部と、を有する可撓性ワッシャ(40)と、
を含み、
尾片の内側の圧力が通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満でない場合、可撓性ワッシャは、フランジの上部表面上に着座し、可撓性ワッシャの底面は、弁座部材に接触し、それにより、フランジの吸気開口部を介した、尾片の内側と通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を防止し、
尾片の内側の圧力が通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満である場合、可撓性ワッシャは、外側同心縁部とキャップ壁の半径方向内側面との接触により案内されるか、内側同心縁部と格子壁との接触により案内されるか、またはその両方である、方向に上昇し、それによって、フランジの吸気開口部を介した、尾片の内側と通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を可能にする、通気弁アセンブリである。
【0010】
また、本明細書で開示されるのは、通気弁アセンブリであって:
キャップであって、
(i)上面と、
(ii)裏面と、
(iii)キャップ壁であって、上面の外周から延びる上端部と、キャップ壁の末端部を画定する底縁部と、半径方向内側面と、半径方向外側面と、を有する、キャップ壁と、
を含む、キャップと、
本体部分であって、
(i)底端部と、上端部と、底端部と上端部との間に延びる中間部分と、を含む尾片であって、尾片は、排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手に挿入されるようにサイズ決めされた直径を有する、尾片と、
(ii)尾片の上端部から半径方向に延びるフランジであって、フランジは、上部表面と、底部表面と、上部表面と底部表面との間に延びる縁部と、キャップ壁の底縁部にシール方式で係合するために縁部に隣接して上部表面の外周に位置付けられたキャップシートと、吸気口リブを含む吸気口と、を含み、吸気開口部が、底部表面から上部表面までフランジを通って延び、吸気口リブ間の空隙として画定されており、吸気口リブのうちの少なくともいくつかは、フランジの上部表面における弁座部材を含む、フランジと、
を含む、本体部分と、
底面と、頂面と、頂面と底面との間に延びる外側同心縁部と、中央空隙を画定し、頂面と底面との間に延びる内側同心縁部と、を有する可撓性ワッシャと、
尾片の底端部上に装着されたプッシュシールであって、
(i)プッシュシールの遠位部分に位置付けられた第1組のシールリブであって、前記第1組のシールリブの各々は、尾片から半径方向に延びて第1のシール直径を定め、第1のシール直径は、尾片が中に挿入されたときに第1の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手の内側表面と第1組のシールリブとの間の流体シールを確実にする、第1組のシールリブと、
(ii)プッシュシールの近位部分に位置付けられた第2組のシールリブであって、前記第2組のシールリブの各々は、尾片から半径方向に延びて第2のシール直径を定め、第2のシール直径は、第1のシール直径より大きく、尾片が中に挿入されたときに第1の内径より大きい第2の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手の内側表面と第2組のシールリブとの間の流体シールを確実にする、第2組のシールリブと、
を含む、プッシュシールと、
を含み、
尾片の内側の圧力が通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満でない場合、可撓性ワッシャは、フランジの上部表面上に着座し、可撓性ワッシャの底面は、弁座部材に接触し、それにより、フランジの吸気開口部を介した、尾片の内側と通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を防止し、
尾片の内側の圧力が通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満である場合、可撓性ワッシャは、外側同心縁部とキャップ壁の半径方向内側面との接触により案内されるか、内側同心縁部と格子壁との接触により案内されるか、またはその両方である、方向に上昇し、それによって、フランジの吸気開口部を介した、尾片の内側と通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を可能にする、通気弁アセンブリである。
【0011】
また、本明細書で開示されるのは、通気弁アセンブリであって、
キャップであって、
(i)上面と、
(ii)裏面と、
(iii)キャップ壁であって、上面の外周から延びる上端部と、キャップ壁の末端部を画定する底縁部と、半径方向内側面と、半径方向外側面と、を有する、キャップ壁と、
を含む、キャップと、
本体部分であって、
(i)底端部と、上端部と、底端部と上端部との間に延びる中間部分と、を含む尾片であって、尾片は、排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手に挿入されるようにサイズ決めされた直径を有する、尾片と、
(ii)尾片の上端部から半径方向に延びるフランジであって、フランジは、上部表面と、底部表面と、上部表面と底部表面との間に延びる縁部と、キャップ壁の底縁部にシール方式で係合するために縁部に隣接して上部表面の外周に位置付けられたキャップシートと、吸気口リブを含む吸気口と、を含み、吸気開口部が、底部表面から上部表面までフランジを通って延び、吸気口リブ間の空隙として画定されており、吸気口リブのうちの少なくともいくつかは、フランジの上部表面における弁座部材を含む、フランジと、
を含む、本体部分と、
底面と、頂面と、頂面と底面との間に延びる外側同心縁部と、中央空隙を画定し、頂面と底面との間に延びる内側同心縁部と、を有する可撓性ワッシャと、
を含み、
尾片の内側の圧力が通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満でない場合、可撓性ワッシャは、フランジの上部表面上に着座し、可撓性ワッシャの底面は、弁座部材に接触し、それにより、フランジの吸気開口部を介した、尾片の内側と通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を防止し、
尾片の内側の圧力が通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満である場合、可撓性ワッシャは、外側同心縁部とキャップ壁の半径方向内側面との接触により案内されるか、内側同心縁部と格子壁との接触により案内されるか、またはその両方である、方向に上昇し、それによって、フランジの吸気開口部を介した、尾片の内側と通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を可能にし、
フランジの吸気開口部の総面積は、尾片の断面積以上である、通気弁アセンブリである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】本開示による完全に組み立てられた通気弁(AAV)アセンブリの一実施形態の側面図を提供する。
【
図1B】本開示による完全に組み立てられた通気弁(AAV)アセンブリの一実施形態の断面図を提供する。
【
図2】アセンブリの一実施形態の分解組立図を提供しており、アセンブリの別々のコンポーネントが個別に示されている。
【
図3A】本発明のAAVアセンブリのさらなる実施形態の側面図を提供する。
【
図3B】本発明のAAVアセンブリのキャップ部分の側面図を提供する。
【
図4A】尾片上の停止タブを含む、本発明のAAVアセンブリまたはそのコンポーネントのさらなる実施形態の図を提供する。
【
図4B】尾片上の停止タブを含む、本発明のAAVアセンブリまたはそのコンポーネントのさらなる実施形態の図を提供する。
【
図4C】尾片上の停止タブを含む、本発明のAAVアセンブリまたはそのコンポーネントのさらなる実施形態の図を提供する。
【
図4D】尾片上の停止タブを含む、本発明のAAVアセンブリまたはそのコンポーネントのさらなる実施形態の図を提供する。
【
図4E】プッシュシールの代わりに使用され得る機械的連結器を描く。
【
図5A】本開示による例示的なプッシュシールコンポーネントの断面図を提供する。
【
図5B】本開示による異なる例示的なプッシュシールコンポーネントの断面図を提供する。
【
図5C】本開示による異なる例示的なプッシュシールコンポーネントの断面図を提供する。
【
図5D】本開示による異なる例示的なプッシュシールコンポーネントの断面図を提供する。
【
図5E】本開示による異なる例示的なプッシュシールコンポーネントの断面図を提供する。
【
図5F】本開示による異なる例示的なプッシュシールコンポーネントの断面図を提供する。
【
図5G】本開示による異なる例示的なプッシュシールコンポーネントの断面図を提供する。
【
図6】例示的なAAVアセンブリを描いており、キャップおよびプッシュシールを顕著に見ることができる。
【
図7】例示的な内径および外径を含む、本体部分の断面図を提供する。
【
図8】例示的な内径および外径を含む、本体部分の断面図を提供する。
【
図9A】閉鎖位置にあり弁座上に載っている可撓性ワッシャの断面図を示す。
【
図9B】閉鎖位置にあり弁座上に載っている可撓性ワッシャの断面図を示す。
【
図10】本開示による完全なAAVアセンブリの断面図を提供する。
【
図11】完全に組み立てられたAAVの側面図を提供する。
【
図12】本開示による完全なAAVアセンブリの断面図を提供する。
【
図13】完全に組み立てられたAAVの側面図を提供する。
【
図14】本開示による完全なAAVアセンブリの断面図を提供する。
【
図15】完全に組み立てられたAAVの側面図を提供する。
【
図16】本開示による完全なAAVアセンブリの断面図を提供する。
【
図17】完全に組み立てられたAAVの側面図を提供する。
【
図18】2組のシールリブを含むプッシュシールを含む、本開示による完全なAAVアセンブリの断面図を提供する。
【
図19】本発明による本体部分の断面図を提供する。
【
図20】吸気口リブおよび吸気開口部が見えるように、下方から見た本発明による例示的な本体部分を示す。
【
図21】上方から見た本発明による例示的な本体部分を示しており、吸気口リブおよび吸気開口部も見ることができる。
【
図23】格子を備えた例示的なキャップの断面図を提供する。
【
図24】例示的な本体部分と組み立てられた格子を備えたキャップの断面図を提供する。
【
図25】可撓性ワッシャが弁座上に載った、例示的な本体部分の断面図を提供する。
【
図26】キャップ、および部分上昇位置にある可撓性ワッシャと組み立てられた例示的な本体部分の断面図を提供する。
【
図28A】例示的な本発明のAAVアセンブリのキャップ、格子、可撓性ワッシャ、本体部分、およびプッシュシールコンポーネントの分解組立図を提供する。
【
図28B】例示的な本発明のAAVアセンブリのキャップ、格子、可撓性ワッシャ、本体部分、およびプッシュシールコンポーネントの分解組立図を提供する。
【
図28C】例示的な本発明のAAVアセンブリのキャップ、格子、可撓性ワッシャ、本体部分、およびプッシュシールコンポーネントの分解組立図を提供する。
【
図29】例示的な本発明のAAVアセンブリのキャップ、格子、可撓性ワッシャ、本体部分、およびプッシュシールコンポーネントの分解組立図を提供する。
【
図30】2組のシールリブと尾片の下方端部を受け入れるための環状溝とを特徴とする例示的なプッシュシールの断面図を提供する。
【
図31】2組のシールリブとパイプシールリブとを特徴とする例示的なプッシュシールを示す。
【
図32】2組のシールリブとパイプシールリブとを特徴とする例示的なプッシュシールを示す。
【
図33】例示的な本発明のAAVアセンブリのキャップおよび格子、可撓性ワッシャ、本体部分、ならびにプッシュシールコンポーネントの分解組立下面図を提供する。
【
図34】シールを形成するためにAAVアセンブリの第1組のシールリブが嵌め込まれる内径を有するパイプの上方端部上に設置された例示的な本発明のAAVアセンブリの断面図を提供する。
【
図35】シールを形成するためにAAVアセンブリの第1組のシールリブが嵌め込まれる直径100mmのAUパイプの上方端部上に設置された例示的なAAVアセンブリの側面図を提供する。
【
図36】シールを形成するためにAAVアセンブリの第1組のシールリブが嵌め込まれる内径を有するパイプの上方端部上に設置された例示的な本発明のAAVアセンブリの断面図を提供する。
【
図37】シールを形成するためにAAVアセンブリの第1組のシールリブが嵌め込まれる直径100mmのTWパイプの上方端部上に設置された例示的なAAVアセンブリの側面図を提供する。
【
図38】シールを形成するためにAAVアセンブリの第2組のシールリブが嵌め込まれる内径を有するパイプの上方端部上に設置された例示的な本発明のAAVアセンブリの断面図を提供し、パイプの上縁部の上をパイプシールリブが延びている。
【
図39】シールを形成するためにAAVアセンブリの第2組のシールリブが嵌め込まれるTW120mmパイプの上方端部上に設置された例示的な本発明のAAVアセンブリの側面図を提供し、パイプの上縁部の上をパイプシールリブが延びている。
【
図40】パイプの上方端部上に設置された例示的な本発明のAAVアセンブリの断面図を提供する。
【
図41】TW80mmパイプの上方端部上に設置された例示的な本発明のAAVアセンブリの側面図を提供する。
【
図42】パイプの上方端部に設置された例示的な本発明のAAVアセンブリの断面図を提供する。
【
図43】AU80mmパイプの上方端部に設置された例示的な本発明のAAVアセンブリの側面図を提供する。
【
図44】プッシュシールが2組のシールリブとパイプシールリブとを含む、例示的な本発明のAAVアセンブリの側面図を提供する。
【
図45】本発明のAAVアセンブリの例示的な本体部分の断面図を示す。
【
図46】吸気口リブおよび吸気開口部が見えるように、下方から見た本発明による例示的な本体部分を示す。
【
図47A】格子座(lattice seat)を含む、本開示による例示的な本体部分の図を提供する。
【
図47B】格子座を含む、本開示による例示的な本体部分の図を提供する。
【
図47C】格子座を含む、本開示による例示的な本体部分の図を提供する。
【
図48】格子と、静止(下降)位置にある可撓性ワッシャと、を備えた本発明のキャップの断面図である。
【
図49】格子と、静止(下降)位置にある可撓性ワッシャと、を備えた本発明のキャップの切り取り斜視図を提供する。
【
図50】格子、本体部分、および弁座部材上すなわち静止位置に位置付けられた可撓性ワッシャを備えた例示的なキャップの断面図を提供する。
【
図51】本体部分の弁座部材上に位置付けられた可撓性ワッシャを備えた本発明の本体部分の断面図を描く。
【
図52】格子、本体部分、および部分上昇位置にある可撓性ワッシャを備えた例示的なキャップの断面図を提供する。
【
図53】本発明による例示的な本体部分の斜視図を提供する。
【
図54】2組のシールリブと、パイプシールリブと、本体部分の尾片の底端部を収容するための環状溝と、を含む、例示的なプッシュシールの断面図である。
【
図55】2組のシールリブ、パイプシールリブを含む例示的なプッシュシールの斜視図である。
【
図56A】下方端部にリップを含む、格子の斜視図を提供する。
【
図56B】下方端部にリップを含む、格子の断面図を提供する。
【
図57A】可撓性ワッシャと剛性キャリアリングとの組み立てを描いたものである。
【
図57B】可撓性ワッシャおよびキャリアリングが設置された、本発明のAAVアセンブリの切り取り斜視図を提供する。
【
図58A】可撓性ワッシャと、可撓性ワッシャの内周縁部および外周縁部に隣接する支持リングとの組み立ての切り取り斜視図を描いたものである。
【
図58B】可撓性ワッシャおよび支持リングが設置された、本発明のAAVアセンブリの切り取り斜視図を提供する。
【
図59A】差し込みコネクタに、またはDWVシステムのパイプもしくは継手に取り付けられ得る溶媒溶接アダプタに、尾片の下方端部を取り付けるのに使用され得る雄ねじを含む、例示的な尾片の実施形態を描いたものである。
【
図59B】差し込みコネクタに、またはDWVシステムのパイプもしくは継手に取り付けられ得る溶媒溶接アダプタに、尾片の下方端部を取り付けるのに使用され得る雄ねじを含む、例示的な尾片の実施形態を描いたものである。
【
図59C】差し込みコネクタに、またはDWVシステムのパイプもしくは継手に取り付けられ得る溶媒溶接アダプタに、尾片の下方端部を取り付けるのに使用され得る雄ねじを含む、例示的な尾片の実施形態を描いたものである。
【
図59D】差し込みコネクタに、またはDWVシステムのパイプもしくは継手に取り付けられ得る溶媒溶接アダプタに、尾片の下方端部を取り付けるのに使用され得る雄ねじを含む、例示的な尾片の実施形態を描いたものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付の図面を参照して本発明をさらに十分に説明する。図面には本発明の実施形態がいくつか示されているが、すべてが示されているわけではない。実際、本発明は、多くの異なる形態で具体化され得、本明細書に記載された実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。
【0014】
値が先行詞「約」を使用することにより近似値として表される場合、特定の値が別の実施形態を形成することが理解される。本明細書で使用される場合、「約X」(Xは数値である)は、好ましくは、記載された値の±10%を指し、両端を含める(inclusive)。例えば、「約8」という語句は、好ましくは、両端を含め7.2~8.8の値を指し、別の例として、「約8%」という語句は、好ましくは、両端を含め7.2%~8.8%の値を指す。存在する場合、すべての範囲は、両端を含み、組み合わせ可能である。例えば、「1~5」の範囲が記載されている場合、記載されている範囲は、「1~4」、「1~3」、「1~2」、「1~2および4~5」、「1~3および5」などの範囲を任意選択的に含むと解釈されるべきである。さらに、選択肢のリストが明確に提供される場合、このようなリストは、選択肢のいずれかが除外され得る実施形態を含むこともできる。例えば、「1~5」の範囲が記載される場合、そのような記載は、1、2、3、4、または5のいずれかが除外される状況を支持することができ、よって、「1~5」の記載は、「1および3~5であり、2ではない」、または単に「2が含まれない」ことを支持することができる。「少なくとも約x」という語句は、「約x」および「少なくともx」の両方を包含することを意図している。また、パラメータ範囲が提供される場合、その範囲内のすべての整数、およびその10分の1も、本発明によって提供されることが理解される。例えば、「2~5時間」は、2時間、2.1時間、2.2時間、2.3時間などを、5時間まで含む。
【0015】
図1Aは、本開示による通気弁(AAV)アセンブリ1の側面外観図を示し、
図1Bは側面断面図を描き、
図1Cは分解組立図を示す。図示のように、通気弁アセンブリ1は、キャップ2と、本体部分24と、弁として機能する可撓性ワッシャ40と、プッシュシール42と、を含む。本体部分24は、尾片25と、尾片の頂部から半径方向に延びるフランジ30と、を含む。AAVアセンブリ1のこれらの基本コンポーネントは、以下のように配置される。可撓性ワッシャ40はフランジ30の上部表面に位置付けられ、キャップ2はフランジ30の上部表面に適合する。プッシュシール42は、尾片25が中を通って挿入される環状中央開口部を含む。
図1Cは、キャップ2、可撓性ワッシャ40、本体部分24、およびプッシュシール42のプリアセンブリを描いており、
図1Aおよび
図1Bは、それらの組み立て時の構成にあるこれらのコンポーネントを描いている。
【0016】
キャップ2は、上面4と、裏面6と、を含む。キャップ2はキャップ壁8をさらに含み、キャップ壁8は、上面の外周から延びる上端部と、キャップ壁の末端部を画定する底縁部10と、半径方向内側面12と、半径方向外側面14と、を有する。キャップは、好ましくは、本体部分24のフランジ30の外径と実質的に同じ外径を有するようにサイズ決めされる。キャップ2の水平方向断面形状は、好ましくは円形であり、いずれにしてもフランジ30の形状に適合するように構成される。フランジ30に対して嵌合されると、キャップ2の底縁部10は流体シールを形成し、空気が底縁部10とフランジ30の上部表面との間に入ること、またはそこから出ることが実質的に防止される。本明細書でさらに十分に説明するように、本体部分24の内部への、または本体部分24の内部からの空気の流れは、AAVアセンブリ1の構成によって、一般に、装置の特定部分に制限される。
【0017】
キャップ2またはその任意のサブコンポーネント(格子16など)は、例えばポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル(PVA)、またはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)を含む熱可塑性ポリマーなどの任意の剛性材料から形成され得る。
【0018】
キャップ2は格子16を含み、これは、AAVアセンブリ1の組み立て形態では、キャップの裏面6からフランジ30のキャップシート32に接触する点まで延びる。格子16は、支柱18と、開口部19と、を含み、開口部は支柱18間の空隙を表す。格子16は、排水・廃棄物・ベント(DWV)システムからの、またAAVアセンブリ1外への昆虫の侵入に対するバリアとして機能することができ、したがって、個々の開口部19は、DWVシステムから出ようとする可能性が最も高い昆虫種の通過を許容するには小さすぎるようなサイズにするのが好ましい。
【0019】
いくつかの実施形態では、格子16はキャップ2の裏面6と一体である。これは、格子16がキャップ2の裏面6と一体的に形成されているか、または格子16がキャップ2の裏面6の凹部内もしくは隆起上にしっかりと嵌め込まれることを意味し得る。他の実施形態では、格子16は、単にキャップ2の裏面6に当接している。
図28A~
図28Cは、格子16がキャップ2と一体でない実施形態を描いている。本開示全体を通して、キャップが格子を含むまたは備えると述べる場合、これは、格子およびキャップが別個のコンポーネントとして提供される(例えば、別々のコンポーネントとして製造される)が、AAVアセンブリが組み立て状態にあるとき互いに物理的に隣接することができる、実施形態を包含することを意図している。
図3Aに示すように、キャップ2の裏面6は、リング状隆起52を含むことができ、これは、格子16の上縁部20と同心であり、格子16が隆起52の周りにぴったりと嵌まるようにサイズ決めされている。このようにして、隆起52は、格子16がキャップ2の裏面6で適切に中央に配置されることを保証する。
図3Bは、隆起52を特徴とするキャップ2のさらなる図を提供する。
【0020】
いくつかの実施形態では、格子16は、支柱18および開口部19を含む格子16の部分から延びるリップ17を含み、リップ17は、AAVアセンブリ1が組み立て状態にあるときにフランジ30の上部表面に接して着座する格子16の部分を画定する。
図56Aおよび
図56Bは、リップ17を特徴とする格子16の斜視図および断面図を提供する。これらの実施形態では、リップ17は、格子16の基部の周りを円周方向に延び、格子16より小さい直径を有し、それにより、支柱18および開口部19を含む格子16の部分にリップ17が接する点において円周方向レッジ23を画定する。レッジ23は、本体部分24のフランジ30の上部表面の一部上に着座するように構成される。後述のように、また
図3に描かれているように、本体部分24は、格子座54を含むことができ、キャップ2および格子30が本体部分24との組み立て構成にあるときに、格子の底縁部22が格子座に載ることができる。格子座54はまた、レッジ23が格子座54に載るように構成され得る。
図47A~
図47Cは、AAVアセンブリ1が組み立て状態にあるときにレッジ23が載ることができる格子座54を含む、本体部分24の実施形態を描いている。
図57Bはまた、レッジ23が格子座54にどのように載るかを示している。
【0021】
特定の実施形態では、1つ以上の垂直に向けられた格子リブ21が、格子16の外側面の周りで円周方向に位置付けられ得る。格子リブ21は、AAVアセンブリ1が組み立て状態にあるときに、格子16の外側面と可撓性ワッシャ40の内側同心縁部との間に間隔を提供することができる。格子16の外側面と可撓性ワッシャ40の内側同心縁部との間の間隔は、可撓性ワッシャ40がフランジ30の頂面上の着座位置から上昇位置に移動するとき、または可撓性ワッシャ40が上昇位置からフランジ30の頂面上の着座位置に戻るときに、可撓性ワッシャ40が格子16の外側面上で動かなくなるかまたは格子16の外側面に対して不適切な向きになるのを防止するのに有用となり得る。
図56Aは、格子16が格子リブ21を含む実施形態を描いている。本開示全体を通して、可撓性ワッシャ40が可撓性ワッシャ40の内側同心縁部と格子壁との接触によって案内される方向に上昇または下降されると記載される場合、「格子壁」という語句は、リブのない、格子壁の外側面を指すことができるか、または格子リブ21を構成する格子壁の部分を指すことができる。換言すれば、格子リブ21が格子16上に設けられている場合、可撓性ワッシャ40の上昇または下降を案内することができる「格子壁」は、格子リブ自体のうちの1つ以上とすることができる。
【0022】
本体部分24は、尾片25と、フランジ30と、を含む。上述したように、キャップ2の底縁部10は、フランジ30の上部表面の外周にあるキャップシート32に対して嵌合し、キャップシート32とシールを形成する。フランジ30のキャップシート32は、
図2に提供されるAAVアセンブリ1の分解組立図から見ることができる。
【0023】
フランジ30上のキャップシート32の半径方向内側には、吸気開口部36を画定する吸気口リブ34を含む吸気口がある。吸気開口部36は、フランジを通ってその上部表面から底部表面まで延びている。吸気開口部36および吸気口リブ34の構成、すなわち形状およびサイズは、尾片25の内側の圧力がAAVアセンブリ1の外側の周囲圧力未満である場合に(この場合、可撓性ワッシャは吸気口リブ34に接触しないように上昇している)開口部がそこを通る十分な空気流を許容する限り、重要ではない。空気流の十分性は、以下でさらに十分に定義されるが、いくつかの実施形態では、吸気開口部36の総面積は尾片の断面積以上である。
【0024】
フランジ30の上部表面において、吸気口リブ34は、弁座部材38を含むことができ、尾片25の内側の圧力がAAVアセンブリ1の外側の周囲圧力未満ではない場合に可撓性ワッシャ40が弁座部材38に載る。
図1Bおよび
図3に描かれているように、例えば、弁座部材38は、吸気口リブ34と可撓性ワッシャ40との間の接触面積を制限するためのテーパ点を含んでいてもよい。それにもかかわらず、吸気口リブ34と可撓性ワッシャ40との接触が弁座部材38の構成によって制限されることがあっても、この接触は、吸気開口部36を通る空気流を防止するために静止位置にあるときに可撓性ワッシャ40が流体シールを提供するのに十分である。
【0025】
図3に示されるように、(尾片25の上端部28を表す)尾片25とフランジ30との間の接合部において、本体部分24は、格子座54を含むことができ、キャップ2および格子30が本体部分24との組み立て構成にあるときに、格子の底縁部22が格子座54に載ることができる。格子座54は、上端部28の上部面全体の周りに延び、それにより格子16を本体部分24に接して位置付けるのに役立つ。
【0026】
図2に分離して示されている可撓性ワッシャ40は、キャップ2の内径(すなわち、キャップ2の半径方向内側面12とキャップ2の一直線に対向する(directly opposing)半径方向内側面との間の距離)と実質的に同じ外径を有し、格子16の外径と実質的に同じ中央空隙を画定する。したがって、使用時のAAVアセンブリ1内での可撓性ワッシャ40の動きは、可撓性ワッシャ40の外側同心縁部とキャップ壁の半径方向内側面との接触によって、可撓性ワッシャ40の内側同心縁部と格子壁24の外側面との接触によって、またはその両方によって案内される。
【0027】
いくつかの実施形態では、キャップ2の裏面6は、可撓性ワッシャ40の上部表面とキャップ2の裏面6との間の接触表面積を減少させるために、ボス56を含むことができる。ボスの存在により、可撓性ワッシャが開放位置にあるとき(すなわち、尾片の内側の圧力がAAVアセンブリ1の外側の周囲圧力未満であるため、可撓性ワッシャが上昇し、もはや吸気口リブ34に接触しないとき)に、可撓性ワッシャ40がキャップ2の裏面6にくっつくのを防止することができる。ボス56は、可撓性ワッシャ40の上部表面とキャップ2の裏面6との間の接触表面積を減少させるのに有効な任意の構成を採用することができる。
図3に断面で示す一実施形態では、ボス56は、キャップ壁8と同心のリング状隆起の形態である。
【0028】
可撓性ワッシャ40は、可撓性ワッシャ40が静止位置にあるときに吸気口リブ34とシールを形成することができる任意の可撓性または半剛性材料から形成され得る。適切な材料としては、例えば、天然ゴムもしくは合成ゴム、シリコーン、ネオプレン、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。可撓性ワッシャに使用され得る例示的な合成ゴムは、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)である。
【0029】
いくつかの実施形態では、可撓性ワッシャ40は、可撓性ワッシャ40の内周縁部に取り外し可能にまたは永続的に取り付けられ得るキャリアリング41を含むことができる。例えば、
図57Aおよび
図58Bに描かれているように、キャリアリング41は、キャリアリング41のチャネル43内に内周縁部を収容することによって、可撓性ワッシャ40に取り付けられ得る。キャリアリング41は、好ましくは、剛性を付与する実質的に剛性の材料(例えば、プラスチック)から形成され、可撓性ワッシャ40の剛性要素を表す。キャリアリング41を形成するための適切な材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル(PVA)、またはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。キャリアリング41は、可撓性ワッシャ40が単一の空間平面からの逸脱を回避する能力に寄与することができ、システム内の圧力変化の結果としての上昇および下降中に一貫した形状を維持し、これにより、可撓性ワッシャ40がシールとして適切に機能することを確実にすることができる。
【0030】
可撓性ワッシャ40の頂面は、上方に延び円周方向に配置された1つ以上のリブ45を任意選択的に含むことができる。
図58Bは、上方に延び円周方向に配置された2つのリブ45を特徴とする可撓性ワッシャ40を描いている。リブ45は、可撓性ワッシャ40と一体的に形成されてもよいし、可撓性ワッシャ40とは別個に形成されて、組み立て中に可撓性ワッシャ40に固定的に取り付けられてもよい。リブ45は、可撓性ワッシャ40の頂面とキャップ2の裏面6との間に間隔を作ることによって、可撓性ワッシャ40が上昇位置にあるときに、可撓性ワッシャ40がキャップ2の裏面6にくっつくのを防止することができる。
【0031】
特定の他の実施形態では、可撓性ワッシャ40は、1つ以上の実質的に剛性の支持リング47を含むことができ、これは、剛性を付与するために可撓性ワッシャ40の頂面に取り付けられ、可撓性ワッシャ40の剛性要素を表す。支持リング47は、可撓性ワッシャ40が単一の空間平面からの逸脱を回避する能力に寄与することができ、システム内の圧力変化の結果としての上昇および下降中に一貫した形状を維持し、これにより、可撓性ワッシャ40がシールとして適切に機能することを確実にすることができる。支持リングはまた、可撓性ワッシャ40の頂面とキャップ2の裏面6との間に間隔を作ることによって、可撓性ワッシャ40が上昇位置にあるときに、可撓性ワッシャ40がキャップ2の裏面6にくっつくのを防止することができる。支持リング47は、可撓性ワッシャ40および支持リング47の断面図を描く
図58A、および本発明のAAVシステム1の実施形態におけるキャップ2および本体部分24によって画定される空間内に位置付けられた可撓性ワッシャ40および支持リング47の断面図を描く
図58Bに示すように、実質的に平坦な垂直プロファイルを有し得る。支持リング47を形成するための適切な材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ酢酸ビニル(PVA)、またはアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0032】
尾片25は、その上端部28から底端部26まで、フランジ30から下方に延びている。上端部28と底端部26との間の距離は、約30~約60mm、例えば、約35~55mm、もしくは約40~50mm(例えば、約35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは約50mmを含む)、または、より一般的には、DWVシステムのパイプまたは継手への尾片の一部の挿入を可能にするのに十分な長さであってよい。尾片25の外径は、尾片が挿入されるDWVシステムのパイプまたは継手のサイズに応じて変化し得る。例えば、尾片の外径は、約30~150mm、例えば、約30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、または150mmとすることができる。尾片の内径も様々であってよく、約25~140mm、例えば、約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、または140mmとすることができる。以下の表1は、特定の実施形態の例示的な内径および対応する外径を提供する。
【表1】
【0033】
尾片25は、尾片25の外側表面から半径方向に位置付けられ突出する、1つ以上の停止タブ58をさらに含むことができる。
図4A~
図4Dは、尾片25の長さの一部に沿ってフランジ30の底部表面から延びる停止タブ58を特徴とする実施形態を描いている。
図4Cおよび
図4Dに示されるように、停止タブ58は、プッシュシール42が尾片25の底端部26に装着されたときに、プッシュシールの上面がフランジ30の底部表面を妨害すること、すなわち、フランジ30の底部表面における吸気開口部36を塞ぐことを防止するように機能することができる。言い換えれば、停止タブ58は、プッシュシール42が越えて移動することができない、尾片25の長さに沿った停止部を提供する。尾片25の外側表面上に設けられ得る停止タブ58の数は、1個、2個、3個、4個、5個、またはそれ以上であってよい。2つ以上の停止タブがある場合、個々の停止タブは、好ましくは互いに規則的に離間しているが、代替的に不規則に離間していてもよい。例えば、3つの停止タブがある場合、それらは、好ましくは尾片25の外側表面の周りに互いから120°間隔で離間される。プッシュシール42によって提供されるタイプの押し込みシールを採用しないことを好むユーザーのために、
図4Eに描かれているタイプのような機械的連結器が、尾片24をDWVシステムのパイプまたは継手に連結するために使用され得、停止タブ58は、機械的連結器の上端部がフランジ30の底部表面を妨害すること、すなわち、フランジ30の底部表面における吸気開口部36を塞ぐことを防止するために、機械的連結器が越えて移動することができない、尾片25の長さに沿った停止部を提供し得る。
【0034】
図59A~
図59Dに示すように、尾片25は、雄ねじ64を含み得る。
図59Aは、雄ねじ64を備えた尾片25を有する本体部分24を示す。
図59Bは、キャップ2と組み立てられた本体部分24を示し、本体部分24の尾片25は雄ねじ64を有する。ねじ山64は、
図59Cに示すような、スピゴットコネクタ66に、または、
図59Dに示すような、DWVシステムのパイプ70もしくは継手に取り付けられ得る溶媒溶接アダプタ68に、尾片25の下方端部を取り付けるのに使用され得る。一般的に言えば、雄ねじ64を含む尾片25の実施形態は、プッシュシール42によって提供されるタイプの押し込みシールを採用しないことを好むユーザー向けのものである。しかしながら、ねじ山付き尾片も、プッシュシール42などの押し込みシールの使用に適合し得る。
【0035】
プッシュシール42は、AAVアセンブリ1が組み立てられたときに尾片25が挿入される円形断面を有する内側チャネルを画定する。内側チャネルの内向き表面は、尾片25が内側チャネルに挿入されると、尾片25の外側表面に接してシールを形成する。
図5A~
図5Dに描かれているプッシュシール42の実施形態に示されているように、内側チャネルは、尾片25の外側表面に接するシールを確実にすることができる1つ以上の隆起60を含むことができる。
【0036】
少なくとも1組のシールリブが、プッシュシール42の外側表面から(事実上は尾片25から)半径方向に突出している。
図5Aおよび
図5Bに示す実施形態では、1組のシールリブ44a、44b、44cのみが存在する。
図5Cおよび
図5Dに示す実施形態では、第1組のシールリブ44a、44b、44cが存在し、さらに第2組のシールリブ46a、46b、46cが含まれる。1組当たりのシールリブの数は最大10個であってよいが、2~5個が好ましい。
図5A~
図5Cの実施形態は、1組当たり3つのシールリブを含む。2組以上のシールリブが存在する場合、それぞれの組は異なる数のシールリブを有し得る。例えば、
図1Bの実施形態では、第1組のシールリブ44a、44b、44cは3つの部材を含み、第2組のシールリブ46は2つの部材を含む。
【0037】
2組以上のシールリブが存在する場合、各組のシールリブは、プッシュシール42の外側表面から、別の組のシールリブが突出する距離とは異なる距離まで半径方向に突出する。特に、2組以上のシールリブが存在する場合、プッシュシール42の底端部に近接する組のシールリブは、第1の距離まで半径方向外側に突出し、プッシュシール42の底端部に対して、より遠位にある組のシールリブは、第1の距離より大きい第2の距離まで半径方向外側に突出する。プッシュシールにそれぞれの組のシールリブを装備する目的は、DWVシステムの少なくとも2つの異なるサイズのパイプまたは継手と共にプッシュシールを使用するのを可能にすること、すなわち、プッシュシールが第1組のシールリブを介して第1の内径を有するDWVシステムのパイプまたは継手と流体シールを形成することを可能にし、プッシュシールが第2組のシールリブを介してその他のパイプまたは継手の内径よりも大きい第2の内径を有するDWVシステムの異なるパイプまたは継手と流体シールを形成することを可能にすることである。
【0038】
例えば、
図5Aに示す実施形態では、プッシュシールは、プッシュシール42から半径方向に突出して、40mmの内径を有するパイプの内側表面との流体シールを確実にする第1のシール直径を定める、シールリブ44a、44b、44cを含む。
図5Bに示す実施形態では、プッシュシールは、プッシュシール42から半径方向に突出して、50mmの内径を有するパイプの内側表面との流体シールを確実にする第1のシール直径を定める、シールリブ44a、44b、44cを含む。
【0039】
図5Cおよび
図5Dに示す実施形態では、プッシュシールは、プッシュシール42から半径方向に突出して、40mmの内径を有するパイプの内側表面との流体シールを確実にする第1のシール直径を定める、シールリブ44a、44b、44cを含み、プッシュシール42はまた、50mmの内径を有するパイプの内側表面との流体シールを確実にするシールリブ46a、46b、46cを含む。
【0040】
特定の組の中の個々のシールリブは、プッシュシール42から正確に同じ距離まで突出している必要はない。実際には、特定の組の中の個々のシールリブが、漸増的に、すなわち、それらの全長に対して少量だけ、例えば約1~4mmだけ、例えば約1、2、3、または4mmだけ、長さが変化することが有利な場合がある。例えば、特定の組の底部の部材から上部の部材へのシールリブの直径の漸増は、それぞれのシールリブとDWVパイプ/継手の内側表面との間の干渉が増大するため、より良好な密封を作り出し、より広範囲のDWVパイプ/継手に対応し(所与の公称サイズであってもパイプ製造業者によって内径がわずかに異なる場合があるため)、また、よりきつくフィットする感覚を提供することによって、AAVユニットを押し下げている間のユーザーエクスペリエンスを向上させることができる。したがって、いくつかの実施形態では、特定の組のシールリブのうちの個々の部材の少なくともいくつかは、互いに対して約0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5または5%だけ長さが異なり得る。特定の実施形態では、個々の部材は、組の中の位置に応じて長さが異なっていてよく、例えば、組の最も底部の部材(すなわち、尾片の下方端部に最も近接し、本体部分のフランジから最も遠位にある部材)が最も短い長さを有し、組の最も上部の部材(組のその他の部材と比較して尾片の下方端部から最も遠位にある)が最も長い長さを有する。いくつかの実施形態では、特定の組の部材のすべてが、互いに対して長さが異なるわけではない。例えば、いくつかの部材は、同じ長さを有してよく、そのような部材は、組の1つ以上の他の部材と長さが異なってもよい。一実施例では、3つの個々の部材リブを有する1組のシールリブは、同じ長さである2つの最も下方のリブと、最初の2つのリブよりも2%長いという点で、最初の2つのリブと比較して長さが異なる第3の上部のリブと、を含む。別の実施例では、3つの個々の部材リブを有する1組のシールリブは、第1の長さを有する第1の最も下方のリブと、第1の長さよりも約2%長い第2の長さを有する中間リブと、第2の長さよりも約2%長い第3の長さを有する第3の上部リブと、を含む。
【0041】
以下の表2は、特定の実施形態のそれぞれの組のシールリブによって定められる例示的なシール直径を提供する。表に示すように、各組のシールリブは、互いに対してサイズが異なる3つの別々の部材を含む。最初に記載された部材は、組の最も底部の部材(すなわち、尾片の下方端部に最も近接し、本体部分のフランジから最も遠位にある部材)である。
【表2】
【0042】
プッシュシール42のシールリブは、任意の所望の断面形状を有することができる。
図5A~
図5Dは、1つのタイプの断面形状を有するシールリブ44を示している。
図5E~
図5Fは、
図5A~
図5Dのシールリブよりも幅が広く、より矩形である、異なるタイプの断面形状を有するシールリブ44を示す。
【0043】
プッシュシール42はまた、プッシュシールから(事実上は尾片から)、プッシュシール42の下方部分が挿入されるパイプまたは継手の内径よりも大きい半径方向距離まで半径方向に突出する、パイプシールリブ48を含むことができる。DWVシステムのパイプに挿入された例示的なAAVアセンブリ1を示す、
図1Bに描かれているように、パイプシールリブ48は、パイプ33bの上縁部に流体シールを形成する。
【0044】
2組以上のシールリブが存在する場合、1組のシールリブのうち、第1組のシールリブよりもキャップ2に近接している1つのリブは、第1組のシールリブがパイプまたは継手の内側表面で流体シールを形成することを意図しているパイプまたは継手の上縁部で流体シールを確実にするのに役立ち得る。説明の目的で、
図1Bは、プッシュシール42が挿入されたときに第1組のシールリブ44a、44b、44cが流体シールを形成する第1の内径を有する第1のパイプ33aを示し、
図1Bはまた、プッシュシール42が挿入されたときに第2組のシールリブ46が流体シールを形成する(第1のパイプ33aの内径より大きい)第2の内径を有する第2のパイプ33bを示す。2つのシールリブ46のうち下方のものは、シールリブ46がプッシュシール42からパイプ33aの内径よりも大きい半径方向距離まで半径方向に突出しているという事実により、パイプ33aの上縁部に流体シールを形成する。
【0045】
図5A、
図5B、
図5D、および
図5Gに描かれたものなど、いくつかの実施形態では、プッシュシール42は、円筒形内側チャネルを含み、尾片25は、このチャネルの上部開口部からチャネルの反対側の底部開口部まで、このチャネルを通って挿入され得る。やはり
図5A、
図5B、
図5D、および
図5Gに示すように、内側チャネルを画定するプッシュシール42の内壁は、プッシュシール42と尾片の外側表面(図示せず)との間の密封を向上させる、1つ以上のチャネルリブ63を含み得る。
【0046】
図3および
図5Cに描かれているものなどの他の実施形態では、プッシュシール42の内側チャネルは、尾片25の遠位端部または下方端部が挿入される環状溝62を含み得る。そのような実施形態は、任意選択的に、チャネルリブ63を含むことができる。
【0047】
プッシュシール42は、DWVシステムのパイプまたは継手に挿入されたときにその内側面とシールを形成することができる、任意の可撓性または半剛性材料から形成され得る。適切な材料には、天然ゴムもしくは合成ゴム、シリコーン、ネオプレン、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。プッシュシール42が形成され得る例示的な材料は、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴムである。
【0048】
本開示によるAAVアセンブリ1は、可撓性ワッシャがフランジ30の吸気口リブ34に載っていないような開放位置に動かされるとき、すなわち、尾片25の内側の空気圧がAAVアセンブリ1の外側の周囲圧力未満であるときに、フランジ30の吸気開口部36を介して、および格子16の開口部19を通じて、尾片25の外側の周囲環境からAAVアセンブリ内への有益に高い空気流量を許容するように構成される。現在開示されている構成によって可能になる空気流の量は、現在市販されている通気弁アセンブリよりも多い。所望の空気流量を確保するために、いくつかの実施形態では、AAVアセンブリ1は、格子開口部19の総面積が尾片の断面積以上となるように構成される。いくつかの実施形態では、AAVアセンブリ1は、フランジ30の吸気開口部36の総面積が尾片の断面積以上となるように構成されている。
【0049】
いくつかの実施形態では、本開示によるAAVアセンブリ1への空気流は、可撓性ワッシャが開放位置に移動されるとき、約8L/sより多い。例えば、空気流は、可撓性ワッシャが開放位置に移動されるとき、約8~40L/s、例えば、可撓性ワッシャが開放位置に移動されるとき、約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40L/s、であってよい。空気流は、使用されている尾片のサイズに応じて変化してもよい。例えば、一実施形態では、尾片が50mmのDWVパイプまたは継手と共に使用されるように適合される場合、空気流は約8L/sに近くてよい。他の実施形態では、尾片が80mmのDWVパイプまたは継手との使用に適合される場合、空気流は約35L/sに近くてよい。
【0050】
〔実施の態様〕
(1) 通気弁アセンブリであって、
キャップ(2)であって、
(i)上面(4)と、
(ii)裏面(6)と、
(iii)キャップ壁(8)であって、前記上面の外周から延びる上端部と、前記キャップ壁の末端部を画定する底縁部(10)と、半径方向内側面(12)と、半径方向外側面(14)と、を有する、キャップ壁と、
(iv)格子支柱(18)と、前記格子支柱間の空隙を表す格子開口部(19)と、前記キャップの前記裏面(6)から延びる上縁部(20)と、前記上縁部から離間された底縁部(22)と、前記上縁部(20)と前記底縁部(22)との間に延びる格子壁(24)と、を含む格子(16)であって、前記格子(16)は、前記キャップ壁と同心に前記キャップの前記裏面の周りに延びる、格子と、
を含む、キャップと、
本体部分(24)であって、
(i)底端部(26)と、上端部(28)と、前記底端部と前記上端部との間に延びる中間部分と、を含む尾片(25)であって、前記尾片は、排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手に挿入されるようにサイズ決めされた直径を有する、尾片と、
(ii)前記尾片の前記上端部から半径方向に延びるフランジ(30)であって、前記フランジは、上部表面と、底部表面と、前記上部表面と前記底部表面との間に延びる縁部(31)と、前記キャップ壁(8)の前記底縁部(10)にシール方式で係合するために前記縁部に隣接して前記上部表面の外周に位置付けられたキャップシート(32)と、吸気口リブ(34)を含む吸気口と、を含み、吸気開口部(36)が、前記底部表面から前記上部表面まで前記フランジを通って延び、吸気口リブ間の空隙として画定されており、前記吸気口リブ(34)のうちの少なくともいくつかは、前記フランジの前記上部表面における弁座部材(38)を含む、フランジと、
を含む、本体部分と、
底面と、頂面と、前記頂面と前記底面との間に延びる外側同心縁部と、中央空隙を画定し、前記頂面と前記底面との間に延びる内側同心縁部と、を有する可撓性ワッシャ(40)と、
を含み、
前記尾片の内側の圧力が前記通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満でない場合、前記可撓性ワッシャは、前記フランジの前記上部表面上に着座し、前記可撓性ワッシャの前記底面は、前記弁座部材に接触し、それにより、前記フランジの前記吸気開口部を介した、前記尾片の前記内側と前記通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を防止し、
前記尾片の内側の圧力が前記通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満である場合、前記可撓性ワッシャは、前記外側同心縁部と前記キャップ壁の前記半径方向内側面との接触により案内されるか、前記内側同心縁部と格子壁との接触により案内されるか、またはその両方である、方向に上昇し、それによって、前記フランジの前記吸気開口部を介した、前記尾片の前記内側と前記通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を可能にする、通気弁アセンブリ。
(2) 前記尾片の前記内側と前記周囲環境との間の流体連通は、前記格子の前記格子開口部も介する、実施態様1に記載の通気弁アセンブリ。
(3) 前記格子開口部の総面積は、前記尾片の断面積以上である、実施態様1または2に記載の通気弁アセンブリ。
(4) 前記フランジの前記吸気開口部の総面積は、前記尾片の断面積以上である、実施態様1から3のいずれかに記載の通気弁アセンブリ。
(5) 前記吸気口リブは、前記フランジの周りにそれぞれ同心に配置される内側吸気口リブ、中間吸気口リブ、および外側吸気口リブを含む、実施態様1から4のいずれかに記載の通気弁アセンブリ。
【0051】
(6) 前記吸気口リブの前記弁座部材のうちの少なくともいくつかが、前記吸気口リブと前記可撓性ワッシャとの間の接触面積を制限するためのテーパ点を含む、実施態様1から5のいずれかに記載の通気弁アセンブリ。
(7) 前記格子の前記上縁部は、前記キャップの前記裏面と一体である、実施態様1から6のいずれかに記載の通気弁アセンブリ。
(8) プッシュシール(42)をさらに含み、前記プッシュシールは、前記尾片(25)の前記底端部(26)上に装着され、
(i)前記プッシュシール(42)の遠位部分に位置付けられた第1組のシールリブ(44a、44b、44c)であって、前記第1組のシールリブの各々は、前記尾片から半径方向に突出して第1のシール直径を定め、前記第1のシール直径は、前記尾片が中に挿入されたときに第1の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手の内側表面と前記第1組のシールリブとの間の流体シールを確実にする、第1組のシールリブと、
(ii)前記プッシュシールの近位部分に位置付けられた第2組のシールリブ(46)であって、前記第2組のシールリブの各々は、前記尾片から半径方向に突出して第2のシール直径を定め、前記第2のシール直径は、前記第1のシール直径よりも大きく、前記尾片が中に挿入されたときに前記第1の内径より大きい第2の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手の内側表面と前記第2組のシールリブとの間の流体シールを確実にする、第2組のシールリブと、
を含む、実施態様1から7のいずれかに記載の通気弁アセンブリ。
(9) 前記尾片から半径方向に延びて第3のシール直径を定めるパイプシールリブ(48)をさらに含み、前記第3のシール直径は、前記第2のシール直径よりも大きく、第2の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムの前記パイプまたは継手の上縁部での流体シールを確実にする、実施態様8に記載の通気弁アセンブリ。
(10) 前記第2組のシールリブのうちの1つのリブ(44c)は、第1の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムの前記パイプまたは継手の上縁部における流体シールを確実にする、実施態様8に記載の通気弁アセンブリ。
【0052】
(11) 前記可撓性ワッシャ(40)は、前記可撓性ワッシャの前記内周縁部に取り外し可能に取り付けられるキャリアリング(41)をさらに含む、実施態様1から10のいずれかに記載の通気弁アセンブリ。
(12) 前記可撓性ワッシャ(40)は、前記可撓性ワッシャの前記頂面上に1つ以上の実質的に剛性の支持リング(47)をさらに含む、実施態様1から10のいずれかに記載の通気弁アセンブリ。
(13) 通気弁アセンブリであって、
キャップであって、
(i)上面と、
(ii)裏面と、
(iii)キャップ壁であって、前記上面の外周から延びる上端部と、前記キャップ壁の末端部を画定する底縁部と、半径方向内側面と、半径方向外側面と、を有する、キャップ壁と、
を含む、キャップと、
本体部分であって、
(i)底端部と、上端部と、前記底端部と前記上端部との間に延びる中間部分と、を含む尾片であって、前記尾片は、排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手に挿入されるようにサイズ決めされた直径を有する、尾片と、
(ii)前記尾片の前記上端部から半径方向に延びるフランジであって、前記フランジは、上部表面と、底部表面と、前記上部表面と前記底部表面との間に延びる縁部と、前記キャップ壁の前記底縁部にシール方式で係合するために前記縁部に隣接して前記上部表面の外周に位置付けられたキャップシートと、吸気口リブを含む吸気口と、を含み、吸気開口部が、前記底部表面から前記上部表面まで前記フランジを通って延び、吸気口リブ間の空隙として画定されており、前記吸気口リブのうちの少なくともいくつかは、前記フランジの前記上部表面における弁座部材を含む、フランジと、
を含む、本体部分と、
底面と、頂面と、前記頂面と前記底面との間に延びる外側同心縁部と、中央空隙を画定し、前記頂面と前記底面との間に延びる内側同心縁部と、を有する可撓性ワッシャと、
前記尾片の前記底端部上に装着されたプッシュシールであって、
(i)前記プッシュシールの遠位部分に位置付けられた第1組のシールリブであって、前記第1組のシールリブの各々は、前記尾片から半径方向に突出して第1のシール直径を定め、前記第1のシール直径は、前記尾片が中に挿入されたときに第1の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手の内側表面と前記第1組のシールリブとの間の流体シールを確実にする、第1組のシールリブと、
(ii)前記プッシュシールの近位部分に位置付けられた第2組のシールリブであって、前記第2組のシールリブの各々は、前記尾片から半径方向に突出して第2のシール直径を定め、前記第2のシール直径は、前記第1のシール直径より大きく、前記尾片が中に挿入されたときに前記第1の内径より大きい第2の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手の内側表面と前記第2組のシールリブとの間の流体シールを確実にする、第2組のシールリブと、
を含む、プッシュシールと、
を含み、
前記尾片の内側の圧力が前記通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満でない場合、前記可撓性ワッシャは、前記フランジの前記上部表面上に着座し、前記可撓性ワッシャの前記底面は、前記弁座部材に接触し、それにより、前記フランジの前記吸気開口部を介した、前記尾片の前記内側と前記通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を防止し、
前記尾片の内側の圧力が前記通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満である場合、前記可撓性ワッシャは、前記外側同心縁部と前記キャップ壁の前記半径方向内側面との接触により案内されるか、前記内側同心縁部と格子壁との接触により案内されるか、またはその両方である、方向に上昇し、それによって、前記フランジの前記吸気開口部を介した、前記尾片の前記内側と前記通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を可能にする、通気弁アセンブリ。
(14) 前記フランジの前記吸気開口部の総面積は、前記尾片の断面積以上である、実施態様13に記載の通気弁アセンブリ。
(15) 前記吸気口リブは、前記フランジの周りにそれぞれ同心に配置される内側吸気口リブ、中間吸気口リブ、および外側吸気口リブを含む、実施態様13または14に記載の通気弁アセンブリ。
【0053】
(16) 前記吸気口リブの前記弁座部材のうちの少なくともいくつかが、前記吸気口リブと前記可撓性ワッシャとの間の接触面積を制限するためのテーパ点を含む、実施態様13から15のいずれかに記載の通気弁アセンブリ。
(17) 前記尾片から半径方向に延びて第3のシール直径を定めるパイプシールリブをさらに含み、前記第3のシール直径は、前記第2のシール直径よりも大きく、第2の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムの前記パイプまたは継手の上縁部における流体シールを確実にする、実施態様13に記載の通気弁アセンブリ。
(18) 前記第2組のシールリブのうちの1つのリブが、第1の内径を有する排水・廃棄物・ベントシステムパイプの前記パイプまたは継手の上縁部における流体シールを確実にする、実施態様13に記載の通気弁アセンブリ。
(19) 前記可撓性ワッシャ(40)は、前記可撓性ワッシャの前記内周縁部に取り外し可能に取り付けられるキャリアリング(41)をさらに含む、実施態様13から18のいずれかに記載の通気弁アセンブリ。
(20) 前記可撓性ワッシャ(40)は、前記可撓性ワッシャの前記頂面上に1つ以上の実質的に剛性の支持リング(47)をさらに含む、実施態様13から18のいずれかに記載の通気弁アセンブリ。
【0054】
(21) 通気弁アセンブリであって、
キャップであって、
(i)上面と、
(ii)裏面と、
(iii)キャップ壁であって、前記上面の外周から延びる上端部と、前記キャップ壁の末端部を画定する底縁部と、半径方向内側面と、半径方向外側面と、を有する、キャップ壁と、
を含む、キャップと、
本体部分であって、
(i)底端部と、上端部と、前記底端部と前記上端部との間に延びる中間部分と、を含む尾片であって、前記尾片は、排水・廃棄物・ベントシステムのパイプまたは継手に挿入されるようにサイズ決めされた直径を有する、尾片と、
(ii)前記尾片の前記上端部から半径方向に延びるフランジであって、前記フランジは、上部表面と、底部表面と、前記上部表面と前記底部表面との間に延びる縁部と、前記キャップ壁の前記底縁部にシール方式で係合するために前記縁部に隣接して前記上部表面の外周に位置付けられたキャップシートと、吸気口リブを含む吸気口と、を含み、吸気開口部が、前記底部表面から前記上部表面まで前記フランジを通って延び、吸気口リブ間の空隙として画定されており、前記吸気口リブのうちの少なくともいくつかは、前記フランジの前記上部表面における弁座部材を含む、フランジと、
を含む、本体部分と、
底面と、頂面と、前記頂面と前記底面との間に延びる外側同心縁部と、中央空隙を画定し、前記頂面と前記底面との間に延びる内側同心縁部と、を有する可撓性ワッシャと、
を含み、
前記尾片の内側の圧力が前記通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満でない場合、前記可撓性ワッシャは、前記フランジの前記上部表面上に着座し、前記可撓性ワッシャの前記底面は、前記弁座部材に接触し、それにより、前記フランジの前記吸気開口部を介した、前記尾片の前記内側と前記通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を防止し、
前記尾片の内側の圧力が前記通気弁アセンブリの外側の周囲圧力未満である場合、前記可撓性ワッシャは、前記外側同心縁部と前記キャップ壁の前記半径方向内側面との接触により案内されるか、前記内側同心縁部と格子壁との接触により案内されるか、またはその両方である、方向に上昇し、それにより、前記フランジの前記吸気開口部を介した、前記尾片の前記内側と前記通気弁アセンブリの外側の周囲環境との間の流体連通を可能にし、
前記フランジの前記吸気開口部の総面積は、前記尾片の断面積以上である、通気弁アセンブリ。
(22) 前記キャップは、
格子支柱と、前記格子支柱間の空隙を表す格子開口部と、前記キャップの前記裏面から延びる上縁部と、前記上縁部から離間された底縁部と、を含む格子と、
前記上縁部と前記底縁部との間に延びる格子壁であって、前記格子は、前記キャップ壁と同心に前記キャップの前記裏面の周りに延びる、格子壁と、
をさらに含む、実施態様21に記載の通気弁アセンブリ。
(23) 前記尾片の前記内側と前記周囲環境との間の流体連通は、前記格子の前記格子開口部も介する、実施態様22に記載の通気弁アセンブリ。
(24) 前記格子開口部の総面積は、前記尾片の断面積以上である、実施態様22または23に記載の通気弁アセンブリ。
(25) 前記可撓性ワッシャ(40)は、前記可撓性ワッシャの前記内周縁部に取り外し可能に取り付けられるキャリアリング(41)をさらに含む、実施態様21から24のいずれかに記載の通気弁アセンブリ。
【0055】
(26) 前記可撓性ワッシャ(40)は、前記可撓性ワッシャの前記頂面上に1つ以上の実質的に剛性の支持リング(47)をさらに含む、実施態様21から24のいずれかに記載の通気弁アセンブリ。
(27) 配管システムに選択的に空気を入れる方法であって、
実施態様1から26のいずれかに記載の通気弁アセンブリの一部を前記配管システムのパイプの開放端部に挿入することを含み、前記挿入により、前記通気弁アセンブリと前記パイプの前記端部との間にシールを形成する、方法。
【国際調査報告】