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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-10-30
(54)【発明の名称】電池モジュールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/271 20210101AFI20251023BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20251023BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20251023BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20251023BHJP
【FI】
H01M50/271 S
H01M50/211
H01M50/507
H01M50/204 401H
H01M50/271 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025526566
(86)(22)【出願日】2023-12-14
(85)【翻訳文提出日】2025-05-08
(86)【国際出願番号】 KR2023020602
(87)【国際公開番号】W WO2024136292
(87)【国際公開日】2024-06-27
(31)【優先権主張番号】10-2022-0178455
(32)【優先日】2022-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ケ・ヨン・リュ
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AA28
5H040AT04
5H040AT06
5H040AY04
5H040CC05
5H040CC12
5H040LL06
5H040NN01
5H040NN03
5H043AA19
5H043BA11
5H043CA08
5H043FA04
(57)【要約】
本発明の一実施例による電池モジュールは、複数の電池セルが、並んで互いに隣接して積層された電池セル積層体と、前記電池セル積層体の上面を覆うトップフレームと、前記トップフレームに結合されて前記電池セル積層体の側面を覆うバスバーフレームと、前記電池セル積層体、前記トップフレーム、および前記バスバーフレームが結合して形成された電池セル組立体を収納し、四角の管状を有するモジュールフレームとを含み、前記トップフレームは、前記トップフレームの一端部において、前記モジュールフレームの上部面に向かって突出した第1突出部を含み、前記モジュールフレームは、前記上部面の内側において前記トップフレームの一端部と反対側に位置する他端部に対応する位置に、前記トップフレームに向かって突出した第2突出部を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池セルが、並んで互いに隣接して積層された電池セル積層体と、
前記電池セル積層体の上面を覆うトップフレームと、
前記トップフレームに結合されて前記電池セル積層体の側面を覆うバスバーフレームと、
前記電池セル積層体、前記トップフレーム、および前記バスバーフレームが結合して形成された電池セル組立体を収納し、四角の管状を有するモジュールフレームと、
を含み、
前記トップフレームは、前記トップフレームの一端部において、前記モジュールフレームの上部面に向かって突出した第1突出部を含み、
前記モジュールフレームは、前記上部面の内側において前記トップフレームの一端部と反対側に位置する他端部に対応する位置に、前記トップフレームに向かって突出した第2突出部を含む電池モジュール。
【請求項2】
前記第1突出部及び前記第2突出部の突出高さは、同一である、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記第1突出部及び前記第2突出部のそれぞれは、前記モジュールフレームの内部を向く方向に突起の高さが低くなるように傾斜した形態を有する、請求項1又は2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記モジュールフレームの下部面と、前記電池セル組立体との間に配置される熱伝導性樹脂層をさらに含む、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記バスバーフレームは、前記電池セル積層体の下面に沿って延びて突出した延長部を含み、
前記熱伝導性樹脂層は、前記延長部の内側に位置する、請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記一端部と前記他端部とは、前記トップフレームの長手方向の両側端部であり、
前記第1突出部と前記第2突出部とは、前記長手方向に垂直な幅方向に沿ってそれぞれ2個以上配置される、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項7】
複数の電池セルが並んで互いに隣接して積層された電池セル積層体と、前記電池セル積層体の上面を覆うトップフレームと、前記トップフレームに結合されて前記電池セル積層体の側面を覆うバスバーフレームとを結合して電池セル組立体を形成する段階と、
前記電池セル組立体を四角の管状を有するモジュールフレームの内部に挿入する段階と、
を含み、
前記トップフレームは、前記トップフレームの一端部において、前記モジュールフレームの上部面に向かって突出した第1突出部を含み、
前記モジュールフレームは、前記上部面の内側において前記トップフレームの一端部と反対側に位置する他端部に対応する位置に、前記モジュールフレームの内側に向かって突出した第2突出部を含み、
前記電池セル組立体を挿入する段階は、前記トップフレームと前記モジュールフレームの上部面が重力方向の下部を向くように配置された状態で行われ、前記トップフレームの他端部を前記第2突出部に向かって挿入する段階を含む電池モジュールの製造方法。
【請求項8】
前記第1突出部及び前記第2突出部の突出高さは、同一である、請求項7に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項9】
前記電池セル組立体を挿入する段階の後に、前記電池セル組立体と前記モジュールフレームの下部面との間に熱伝導性樹脂を注入して硬化させる段階をさらに含み、
前記熱伝導性樹脂を注入して硬化させる段階で、前記電池セル組立体は、前記第1突出部と前記第2突出部とによって支持される、請求項7又は8に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項10】
前記第1突出部及び前記第2突出部のそれぞれは、前記モジュールフレームの内部を向く方向に突起の高さが低くなるように傾斜した形態を有し、
前記電池セル組立体を挿入する段階で、前記トップフレームの他端部は、前記第2突出部の傾斜した形態に沿って挿入される、請求項7に記載の電池モジュールの製造方法。
【請求項11】
請求項1に記載の少なくとも1つの電池モジュールを含む電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2022年12月19日付の韓国特許出願第10-2022-0178455号に基づく優先権の利益を主張し、当該特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池モジュールおよびその製造方法に関し、より詳しくは、電池モジュール内で部品の位置および寸法を安定化し、電池モジュール内の過剰な樹脂注入を防止できる電池モジュールおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要の増加に伴い、エネルギー源として二次電池の需要が急激に増加している。これによって、多様な要求に応えられる二次電池に関する研究が多く行われている。
【0004】
二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコンなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置に対するエネルギー源としても多くの関心を集めている。
【0005】
携帯電話、カメラなどの小型デバイスには1つの電池セルがパッキングされている小型電池パックが用いられるが、ノートパソコン、電気自動車などの中大型デバイスには2つまたはそれ以上の電池セルを並列および/または直列に連結した電池パックがパッキングされている中型または大型電池パックが用いられている。したがって、前記電池パックに含まれる電池セルの個数は、要求される出力電圧または充放電容量により多様に設定可能である。
【0006】
一方、複数の電池セルを直列/並列に連結して電池パックを構成する場合、少なくとも1つの電池セルからなる電池モジュールを先に構成し、このような少なくとも1つの電池モジュールを用いてその他の構成要素を追加して電池パックを構成する方法が一般的である。
【0007】
このような電池モジュールの場合、要求される電池容量の増加により電池セルで発生する熱を効率的に冷却させることができる技術の重要性が次第に大きくなっている。このために、電池モジュールにおいて放熱のための樹脂をケースの内部に塗布して熱伝導性を向上させることができる構造が導入された。
【0008】
図1は、従来の電池モジュールを示す図である。図2は、図1のA-A’に沿った断面を180度ひっくり返して示す図で、エンドプレートを除いた構成を示す図である。
【0009】
従来の電池モジュール10では、モジュールフレーム20の内部に、電池セル積層体11と、電池セル積層体11の上面および側面とそれぞれ結合するトップフレーム50およびバスバーフレーム30の結合体とを収容した状態で、下部面が上部を向くように配置して放熱のための熱伝導性樹脂を注入した。つまり、図2に示しているように、モジュールフレーム20の上部面21が下部を向き、下部面22が上部を向いた状態で、下部面22に形成された少なくとも1つの注液ホールHを通して熱伝導性樹脂を注入し、これを硬化させて熱伝導性樹脂層80を形成する。
【0010】
しかし、この過程で、モジュールフレーム20の内部に熱伝導性樹脂を注入するために注入空間を確保するための一定量のギャップが必要となるが、このため、電池セル積層体11をモジュールフレーム20の内部に挿入した後、熱伝導性樹脂層を形成するまでの時間の間内部流動によって電池セル積層体11の位置が不安定になり、また、電池セル積層体11と結合された部品の位置不安定が発生しうるという問題がある。さらに、内部空間の偏差の発生により、注入される熱伝導性樹脂の注入量が不安定になり、必要以上に過剰注入されて費用が上昇し、電池モジュールの重量が増加するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような問題点を解決するためのものであって、本発明の課題は、電池モジュールの製造過程でモジュールフレーム内部の電池セル積層体の位置安定性を向上させ、また、熱伝導性樹脂をモジュール内に適正量だけ注入して製造工程の費用を節減し、不要な重量増加を防止できる電池モジュールおよびその製造方法を提供することである。
【0012】
しかし、本発明の実施例が解決しようとする課題は上述した課題に限定されず、本発明に含まれている技術的思想の範囲で多様に拡張可能である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施例による電池モジュールは、複数の電池セルが、並んで互いに隣接して積層された電池セル積層体と、前記電池セル積層体の上面を覆うトップフレームと、前記トップフレームに結合されて前記電池セル積層体の側面を覆うバスバーフレームと、前記電池セル積層体、前記トップフレーム、および前記バスバーフレームが結合して形成された電池セル組立体を収納し、四角の管状を有するモジュールフレームとを含み、前記トップフレームは、前記トップフレームの一端部において、前記モジュールフレームの上部面に向かって突出した第1突出部を含み、前記モジュールフレームは、前記上部面の内側において前記トップフレームの一端部と反対側に位置する他端部に対応する位置に、前記トップフレームに向かって突出した第2突出部を含む。
【0014】
前記第1突出部及び前記第2突出部の突出高さは、同一であってもよい。
【0015】
前記第1突出部及び前記第2突出部のそれぞれは、前記モジュールフレームの内部を向く方向に突起の高さが低くなるように傾斜した形態を有することができる。
【0016】
前記モジュールフレームの下部面と、前記電池セル組立体との間に配置される熱伝導性樹脂層をさらに含むことができる。
【0017】
前記バスバーフレームは、前記電池セル積層体の下面に沿って延びて突出した延長部を含み、前記熱伝導性樹脂層は、前記延長部の内側に位置することができる。
【0018】
前記一端部と前記他端部は、前記トップフレームの長手方向の両側端部であり、前記第1突出部と前記第2突出部は、前記長手方向に垂直な幅方向に沿ってそれぞれ2個以上配置されてもよい。
【0019】
本発明の他の実施例による電池モジュールの製造方法は、複数の電池セルが並んで互いに隣接して積層された電池セル積層体と、前記電池セル積層体の上面を覆うトップフレームと、前記トップフレームに結合されて前記電池セル積層体の側面を覆うバスバーフレームとを結合して電池セル組立体を形成する段階と、前記電池セル組立体を四角の管状を有するモジュールフレームの内部に挿入する段階とを含み、前記トップフレームは、前記トップフレームの一端部において、前記モジュールフレームの上部面に向かって突出した第1突出部を含み、前記モジュールフレームは、前記上部面の内側において前記トップフレームの一端部と反対側に位置する他端部に対応する位置に、前記モジュールフレームの内側に向かって突出した第2突出部を含み、前記電池セル組立体を挿入する段階は、前記トップフレームと前記モジュールフレームの上部面が重力方向の下部を向くように配置された状態で行われ、前記トップフレームの他端部を前記第2突出部に向かって挿入する段階を含む。
【0020】
前記第1突出部及び前記第2突出部の突出高さは、同一であってもよい。
【0021】
前記電池セル組立体を挿入する段階の後に、前記電池セル組立体と前記モジュールフレームの下部面との間に熱伝導性樹脂を注入して硬化させる段階をさらに含み、前記熱伝導性樹脂を注入して硬化させる段階で、前記電池セル組立体は、前記第1突出部と前記第2突出部とによって支持されてもよい。
【0022】
前記第1突出部及び前記第2突出部のそれぞれは、前記モジュールフレームの内部を向く方向に突起の高さが低くなるように傾斜した形態を有し、前記電池セル組立体を挿入する段階で、前記トップフレームの他端部は、前記第2突出部の傾斜した形態に沿って挿入されてもよい。
【0023】
本発明のさらに他の実施例による電池パックは、前記少なくとも1つの電池モジュールを含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
実施例によれば、電池モジュールの製造過程でモジュールフレーム内部の電池セル積層体の位置安定性を向上させ、また、熱伝導性樹脂をモジュール内に適正量だけ注入して製造工程の費用を節減し、不要な重量増加を防止できる電池モジュールおよびその製造方法を提供することができる。
【0025】
本発明の効果は以上に言及した効果に制限されず、言及されていない他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】従来の電池モジュールを示す図である。
図2図1のA-A’に沿った断面を180度ひっくり返して示す図で、エンドプレートを除いた構成を示す図である。
図3】本発明の一実施例による電池モジュールを示す図である。
図4図3の電池モジュールが分解された状態を示す図である。
図5図3のB-B’に沿った断面を180度ひっくり返して示す図で、エンドプレートを除いた構成を示す図である。
図6】本発明の他の実施例による電池モジュールの製造方法のうち電池セル組立体をモジュールフレーム内に挿入する過程を模式的に示す図である。
図7図6に続いて、電池モジュール内に熱伝導性樹脂層を注入して電池モジュールを完成する過程を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付した図面を参照して、本発明の様々な実施例について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0028】
本発明を明確に説明するために説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0029】
また、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも図示のものに限定されない。図面において様々な層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜のために、一部の層および領域の厚さを誇張して示した。
【0030】
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるとする時、これは他の部分の「直上」にある場合のみならず、その中間に他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上」にあるとする時には、中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるというのは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力の反対方向に向かって「上」に位置することを意味するのではない。
【0031】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0032】
さらに、明細書全体において、「平面上」とする時、これは対象部分を上から見た時を意味し、「断面上」とする時、これは対象部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0033】
以下、図3図5を参照して、本発明の一実施例による電池モジュールについて説明する。
【0034】
図3は、本発明の一実施例による電池モジュールを示す図であり、図4は、図3の電池モジュールが分解された状態を示す図であり、図5は、図3のB-B’に沿った断面を180度ひっくり返して示す図で、エンドプレートを除いた構成を示す図である。
【0035】
図3図5を参照すれば、本発明の一実施例による電池モジュール100は、電池セルが積層された電池セル積層体110と、電池セル積層体110の上面を覆うトップフレーム500と、トップフレーム500に結合されて電池セル積層体110の側面を覆うバスバーフレーム300とを含み、このような電池セル積層体110、トップフレーム500とバスバーフレーム300とが結合して形成された電池セル組立体400が収納されるモジュールフレーム200を含んで構成される。
【0036】
前記電池セル積層体110は、複数の電池セルを含む二次電池の集合体である。電池セル積層体110は、複数の電池セルを含むことができ、それぞれの電池セルは、電極リード(図示せず)を含む。電池セルは、板状形態を有するパウチ型電池セルであってもよいが、これに限定されるものではない。前記電極リードは、正極リードまたは負極リードであり、各電池セルの電極リードは、端部が一方向に曲がることができ、これによって隣接した他の電池セルが有する電極リードの端部と当接することができる。互いに当接した2個の電極リードは、互いに溶接などにより固定可能であり、これによって電池セル積層体110内部の電池セル間の電気的連結が行われる。
【0037】
複数の電池セルは、電極リードが一側方向(図面の+Xおよび-X方向)に整列されるように垂直積層されて電池セル積層体110をなす。一側方向に整列された電極リードは、電池セル積層体110をカバーするように配置されるバスバーフレーム300に固定されたバスバーと電気的に連結可能である。つまり、バスバーフレーム300は、絶縁体からなり、電池セル積層体110から引出される電極リードが通過できるリードスロットを含み、バスバーは、電池セル積層体110の電極リード112を電気的に連結することができる。
【0038】
バスバーフレーム300には、その他に各種電装部品が付着できる。一例として、ICB(Internal Circuit Board)およびBMS(Battery Management System)などが備えられてもよいし、前記ICBおよびBMSボードなどの電装部品は、前記複数の電池セルと電気的に連結可能である。
【0039】
トップフレーム500は、電池セル積層体110の上部に位置し、その両側側面においてバスバーフレーム300が回動可能に結合される。この時、バスバーは、バスバーフレーム300に装着され、フレキシブル印刷回路基板(Flexible Printed Circuit Boardd、FPCB)は、トップフレーム500の長手方向に沿って上端に配置される。フレキシブル印刷回路基板は、バスバーと電気的に連結されるので、これによって電池セルの過電圧および過電流などのセンシングが可能であり、その一端にコネクタが連結されて、電圧センシングおよび温度センシングに関連する信号を電池モジュール100の外部に設けられた制御器に送受信することができる。
【0040】
バスバーフレーム300は、下端部から電池セル積層体110の下面に沿って延びて突出した延長部310を含む。これによって、図4のバスバーフレーム300の側面形状がL字状をなすことができる。延長部310を含むことによって、剛性が脆弱な電池セル積層体110の角部分を保護して、電池セル積層体110の角部分が損傷するのを防止することができる。
【0041】
電池セル積層体110の上面にトップフレーム500を配置し、トップフレーム500に回動可能に結合されたバスバーフレーム300を回動して、電極リードが形成された電池セル積層体110の側面に結合して電池セル組立体400を形成する。このような電池セル組立体400は、電池セル積層体110の長手方向に開放された少なくとも1つの開口を有し、電池セル積層体110の少なくとも4個の面を囲む4個のプレートを含んで四角の管状を有するモジュールフレーム200内に収容される。つまり、モジュールフレーム200は、下部面202と、下部面202に対向する上部面201と、上部面201と下部面202とを連結する2個の側面203とを含んで構成されてもよい。一方、電池セル組立体400がモジュールフレーム200内に収容された状態で、バスバーフレーム300は、モジュールフレーム200の開口を通して露出し、開口はエンドプレート600によって覆われてもよい。
【0042】
電池セル積層体110の下面とモジュールフレーム200の下面との間には、熱伝導性樹脂層800が位置する。熱伝導性樹脂層800は、電池セル積層体110から発生する熱を外部に放出できるように熱伝導物質からなり、例えば、サーマルレジンで構成されてもよい。このようなサーマルレジンの例には、シリコーン、ウレタン、エポキシなどが挙げられる。また、熱伝導性樹脂層800は、このように発生した熱を電池モジュール100の底に伝達する役割と共に、電池セル積層体110を電池モジュール100内で固定する役割を果たすことができる。熱伝導性樹脂層800は、モジュールフレーム200の下面に形成されたホールHを通して液体状態で注入された熱伝導性樹脂を硬化させることによって形成できる。このように得られた熱伝導性樹脂層800は、図5に示しているように、バスバーフレーム300の延長部310の内側において、電池セル組立体400とモジュールフレーム200の下部面202との間に配置されてもよい。
【0043】
電池セル積層体110の側面とモジュールフレーム200との間には膨張制御パッド700が備えられてもよい。膨張制御パッド700は、電池セルが膨張する場合に圧縮されて緩衝作用をすることによってセルスウェリングを制御することができ、よって、電池セルの膨張による電池セルおよびモジュールフレーム200の損傷を防止することができる。このために、膨張制御パッド700は、ポリウレタン(PU)またはEPDM(Ethlene Propylene Diene Monomer)などのようなソフトな弾性材質を含む素材を含むことができる。このような素材は振動に対する吸収性および圧縮による反発力に優れているため、複数の電池セルにセルスウェリング現象が発生しても優れた寸法安定性を有する電池モジュール100を提供可能にガイドすることができる。
【0044】
一方、トップフレーム500は、トップフレーム500の一端部からモジュールフレーム200に向かって突出した第1突出部510を含む。この時、一端部は、トップフレーム500の長手方向、つまり、図中のX軸に並ぶ方向においていずれか一方の端部、例えば、図中の+X側端部を意味する。第1突出部510は、モジュールフレーム200の上部面201に向かって突出して形成される。つまり、図中のZ軸方向の上部に向かって突出している。また、第1突出部510は、2個以上備えられてもよく、この場合、トップフレーム500の長手方向に垂直な幅方向、つまり、図中のY軸に並ぶ方向に互いに離隔して配置されてもよい。第1突出部510は、モジュールフレーム200の内側を向く端部に、内側を向くほど高さが低くなる傾斜した形状を有することができる。これによって、後述するように、電池セル組立体400の挿入時、部品の損傷を防止することができる。
【0045】
モジュールフレーム200は、上部面201の内側に、第2突出部210を含む。第2突出部210は、第1突出部510が形成された一端部と反対側に位置する他端部に対応する位置に形成される。つまり、第2突出部210は、図中の-X側端部に対応する位置に配置され、上部面201の内側からモジュールフレーム200の内部に向かって突出している。このような第2突出部210は、第1突出部510と同一の高さを有するように形成される。また、第2突出部210は、モジュールフレーム200の内側を向く端部に、内側を向くほど高さが低くなる傾斜した形状を有することができる。
【0046】
この時、第1突出部510と第2突出部210とは、電池セル組立体400に備えられる部品の収容空間を確保しながらも、電池モジュール100の製造時、モジュールフレーム200の内部で熱伝導性樹脂層800を形成するための空間を確保できる範囲内で設定可能である。つまり、電池モジュール100の内部で電池セル組立体400は大部分の空間を占めているが、他の部品と熱伝導性樹脂層800の具備のために定められた位置、特にZ軸方向で定められた位置に安定感あるように配置される必要があるが、従来は、製造過程で上下反転することが発生すれば、電池セル組立体の位置が流動する問題があった。しかし、本実施例によれば、第1および第2突出部によって電池セル組立体400の位置を規制可能なため、電池セル組立体400の位置不安定を防止することができる。また、後述するように、熱伝導性樹脂層800形成のために注入される熱伝導性樹脂の注入量を均一にしながら適正量だけ注入されるようにして過剰注入による重量および費用増加を防止することができる。
【0047】
次に、図6および図7を参照して、本発明の他の実施例による電池モジュールの製造方法について説明する。
【0048】
図6は、本発明の他の実施例による電池モジュールの製造方法のうち電池セル組立体をモジュールフレーム内に挿入する過程を模式的に示す図であり、図7は、図6に続いて、電池モジュール内に熱伝導性樹脂層を注入して電池モジュールを完成する過程を模式的に示す図である。
【0049】
図6の(a)に示しているように、電池セル積層体110と、電池セル積層体110の上面を覆うトップフレーム500と、トップフレーム500に結合されて電池セル積層体110の側面を覆うバスバーフレーム300とを結合して電池セル組立体400を形成する。電池セル組立体400は、トップフレーム500が下部に配置された状態で、同様に、上部面201が下部に配置されたモジュールフレーム200の内部に挿入される。
【0050】
電池セル組立体400は、トップフレーム500の他端部、つまり、第1突出部510が形成されていない端部からモジュールフレーム200内部に挿入され、この時、モジュールフレーム200の第2突出部210が形成された端部へ向かう方向に挿入されてもよい。挿入過程で、上部面201と電池セル組立体400との間には、第1および第2突出部510、210の高さだけの間隔dが維持できる。また、電池セル組立体400は、第2突出部210の傾斜した形状に沿って挿入されて第2突出部210に載置されてもよい。この過程で、電池セル組立体400は、傾斜した形状に沿って挿入されるため、挿入過程で部品間の干渉によって損傷するのを防止することができる。また、電池セル組立体400の一端部に形成された第1突出部510も内側を向くほど高さが低くなる傾斜した形態を有するため、挿入時、モジュールフレーム200の端部が当該傾斜した形態に沿って結合することができ、これによってモジュールフレーム200とトップフレーム500とが挿入過程で損傷するのを防止することができる。
【0051】
このように電池セル組立体400を挿入して、図6の(c)のように、第1および第2突出部510、210だけの間隔を維持した状態で、電池セル組立体400がモジュールフレーム200の内部に載置した構成を得ることができる。
【0052】
次に、図7に示しているように、モジュールの内部に熱伝導性樹脂を注液する工程を進行させる。
【0053】
熱伝導性樹脂の注液は、モジュールフレーム200の下部面202が上部を向く反転状態で、下部面202に形成された注液ホールHを通して行われる。この時、モジュールが反転した状態であるが、電池セル組立体400は、第1および第2突出部510、210によって支持されるため、電池セル組立体400と上部面201との間に所望するだけの間隔を有する状態に維持することができる。また、熱伝導性樹脂が注液されるべき空間も変動なく適切な間隔に維持することができる。つまり、モジュールを反転させた状態で注液工程を行う場合、従来は、内部の電池セル組立体400が重力によって上部面と間隔なしに配置されるしかなく、この場合、必要な量よりも多くの注液空間が生成されて、熱伝導性樹脂の注液量が不要に増加するしかなかった。また、熱伝導性樹脂が硬化する前には、電池セル組立体400の位置が固定されないため、上下方向への変動が発生することがあった。しかし、本実施例によれば、注液過程で発生しうる電池セル組立体400の位置変動を防止することができ、また、上下方向で電池セル組立体400の位置が固定されることにより、モジュールフレーム200の上部面および下部面それぞれとの間で所望の通りに空間の寸法を維持することができる。したがって、電池モジュールの部品寸法の品質を安定化することができ、熱伝導性樹脂の過剰注入による重量および費用増加を防止することができる。
【0054】
熱伝導性樹脂を注液し、硬化した後、図7の(b)に示しているように、再び電池モジュール100を反転して上部の部品が上部を向くようにする。
【0055】
以上のように、電池セル組立体400をモジュールフレーム200に挿入する時に、トップフレーム500に第1突出部510を形成し、第1突出部510と同一の高さを有する第2突出部210をモジュールフレーム200の上部面201の内側に形成することによって、意図した通りに電池セル組立体400とモジュールフレーム200との間の間隔を維持することができ、よって、部品の寸法安定性を確保すると同時に、熱伝導性樹脂の過注入を防止可能な電池モジュール100の製造方法を提供することができる。
【0056】
一方、本発明の実施例による電池モジュールは、1つまたはそれ以上がパックケース内にパッケージングされて電池パックを形成することができる。
【0057】
上述した電池モジュールおよびこれを含む電池パックは、多様なデバイスに適用可能である。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用できるが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールおよびこれを含む電池パックを使用できる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0059】
100:電池モジュール
110:電池セル積層体
200:モジュールフレーム
300:バスバーフレーム
400:電池セル組立体
500:トップフレーム
510:第1突出部
210:第2突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】